昨年、本県では府中町において生徒指導上の情報管理の不適切さによって起きた事案がございました。今回の生徒指導上の諸問題の現状についての概要を見ますと、ほとんどの項目で改善しているようになっております。しかしながら、情報がきちんと整理されて、正しい情報として提出された上での報告であれば、非常に喜ばしいと思えるのですが、県教育委員会として情報の確かさをどのように担保されているのか、お尋ねします。
2:
◯答弁(豊かな
心育成課長) この調査は文部科学省からの依頼を踏まえて、県教育委員会が市町教育委員会に対して通知して実施するものでございます。
この数字は、各学校において年間を通じて、月ごとに問題行動の指導状況等を整理し把握している数字でございます。
3:
◯要望(
岩下委員) 各学校の一義的には校長先生の責任において情報がしっかりと管理され、その情報は確実に各市町教育委員会で把握され、その結果が最終的には県の教育委員会で出てくるものであると思います。県教育委員会への報告の必要はないと思いますが、確実に情報管理をやっておられることを確認いただくよう要望して終わります。
4:
◯質疑(
緒方委員) 今、
岩下委員からも質問がありました資料番号7の生徒指導上の諸問題の現状についてお尋ねします。この調査の形式については,私も理解はしているのですが、例えば、概要版でいじめの認知件数が前年度と比較すると67件減少したという説明がありましたけれども、資料17ページのいじめの態様の表を見ますと、いじめに重い軽いはないので、本当はそういう判断をすべきではないのですが、例えば嫌なことを言われるといったものが964件から924件に減っている一方で、金品をたかられるというお金が絡んだものについては、1件ではありますけれども、ふえています。やはり細分化して見ていかなくてはいけないということを感じています。ただ単純にいじめの総数は確かに減っており、評価すべきことだと思いますが、金品をたかられるという非常に大変な重たい態様もあるということは、やはり認識しておかないといけないと思います。
例えば、悪口を言う、仲間外れにする、ぶつかる、ひどくぶつかる、金品をたかる、隠される、嫌なことや恥ずかしいことをさせられる、パソコンや携帯電話等で誹謗中傷があるといったふうに、結構細分化されているのですが、その他という項目もあります。これが45件ほどあるのですが、その他の態様とはどういったものなのでしょうか。
5:
◯答弁(豊かな
心育成課長) 詳細につきまして、今、手元に持っておりませんので、改めて説明にまいります。
6:
◯要望・
質疑(
緒方委員) 急に質問して大変申しわけないのですが、いじめについてはその他という区分で整理するのではなく、県独自の取り組みとしてもっと細かく見ていく必要があると思います。今は1件、2件であっても、これからふえていくものもあるかもしれないし、重大なものもあるかもしれません。例えば、10~20年前に、パソコンや携帯電話での誹謗中傷という態様はなかったと思うのですが、今はふえてきているかもしれません。そういったものは細かく見ていただいて、早目に対応していただきたいと思っております。
もう一点、資料番号9、高校総体に関する説明がありました。すばらしい成果が出ており、これは多くの関係者の御協力があってこそだと思っており、感謝を申し上げます。高校総体が金輪際広島で行われないかというと、決してそういうわけではなく、いずれそういった機会が来るのだろうと思いますが、先ほどの説明でおもてなしの心が伝わったとか、いろいろなことについての説明があり確かにすばらしいものであったことがうかがえるのですが、一方で特段の課題はなかったのでしょうか。
7:
◯答弁(
スポーツ振興課長) スポーツの大会ですので、まずは大きなけががないことのほか、食中毒の発生を一番懸念していたところでございます。骨折や熱中症の案件が数件ございましたが、大きな骨折ではなかったこと、熱中症対策を行っている中での数件ですので、競技会としてはやむを得ない、大きな課題ではないと捉えております。
ただ、近年、猛暑が続いている真夏にインターハイを開催すること自体が本当に適切かどうかというのは広島県のみならず、全国高体連も大きな課題だと認識しております。
各会場の関係者の皆様に御協力をいただいており、今後、また本県で開催ということになれば、関係者の皆様に多大な御負担をいただくことになるかと思っており、課題意識は持っております。
8:
◯要望(
緒方委員) 確かに、開催時期等については、開催した県だからこそ言えることもあると思いますので、こうした情報もフィードバックしていただければと思います。
また、暑い中でプレーした選手が熱中症になってしまった、一生懸命頑張った結果骨折してしまったということは、当然起こり得ることだと思いますが、それを少しでも防いでいくためには、例えばフィールドを整備していくであるとか、そういったことが必要ではないかと思っております。また、芝の養生がなかなか大変だった関係で、ラグビー場の芝を一部切り取って移設したというようなこともお聞きしております。こういったことも含め、次に引き継いでいただければと思います。
9:
◯質疑(
中原委員) 資料番号7の不登校の児童生徒数について、先ほど減っていると説明されましたが、経年の数字を見るとでこぼこがあって、たまたまことしは、去年が多かったから少なくなったように思えるのです。不登校の状況は改善しているとの認識を持たれているのでしょうか。
10:
◯答弁(豊かな
心育成課長)
中原委員からの御指摘のように、数字を見ますと、おおむね改善の傾向にあるものの、横ばいの数字が続いているということ、また、3,257人が不登校という状況であるということについて、非常に重たく受けとめております。
11:
◯質疑(
中原委員) 何で解決できないのかということを、もっと真剣に議論しないといけないのではないかと思います。
先ほど、不登校になる子を食いとめるということと、不登校になった子を学校に取り戻すという2つの方法があると説明されましたが、不登校を食いとめるために、学校現場では具体的に何をされているのでしょうか。
12:
◯答弁(豊かな
心育成課長) 不登校の取り組みとしましては、大きく未然防止の取り組みと学校復帰の取り組みの2つに分けられますが、各学校におきましては、生徒指導主事を中心に不登校対策に係るコーディネーター役の教員として位置づけ、役割を与えるということをしており、不登校への対応のマニュアルの作成、状況把握、適切な指導のあり方について検討することとしております。
また、中学校1年生において急増するという傾向がございますので、小中連携も行っていく必要がございます。
さらに、学習のつまずきが不登校に至るという傾向もございますので、学習のつまずきがあった場合の適切な対応のほか、学力の定着を図る授業づくり、さらにはこども家庭センター、福祉事務所、民生児童委員、スクールカウンセラー等と定期的にケース会議を行うなど、関係機関との適切な連携を行うことについて、各学校に指導しているところでございます。
13:
◯質疑(
中原委員) 不登校を食いとめる取り組みについて順調であると言われましたが、功を奏して、効果を上げていると実際言えるのでしょうか。
14:
◯答弁(豊かな
心育成課長) 新しく不登校になる生徒は減少しておりますけれども、前年度から継続して不登校になっている児童生徒数が増加しているという状況がございます。したがって、一定の成果は出ていると思うのですけれども、継続不登校の児童生徒に対する指導のあり方については、さらに取り組みを深めていく必要があると考えております。
15:
◯質疑(
中原委員) 不登校の児童生徒を学校に復帰させる取り組みについて、実際不登校から学校へ通えるようになったケースはどれぐらいあるのでしょうか。
16:
◯答弁(豊かな
心育成課長) 学校での指導や、関係機関と連携した結果、登校するもしくはできるようになった児童生徒は、小学校で157人、中学校で407人でございます。
17:
◯質疑(
中原委員) 新たに不登校になる児童生徒がいて、一方で登校できるようになる児童生徒がいる中で、昨年度の不登校の児童生徒数は全体で3,000人ぐらいということですが、私は不登校の問題はひきこもりの問題と連動してくると思うのです。ちょうど2~3週間前に、全国のひきこもりの方の数が56万1,000人であるという報道がありました。具体的に一人一人数えるわけにはいかないので、出現率といった算定方式でありますが厚生労働省が発表しました。これに関して、本県の健康福祉局に県内の状況を聞いたところ、県内におよそ1万人のひきこもりの方がいらっしゃるという見解でした。
そこで、不登校の児童生徒に対してきちんと学校がしっかりフォローしないと、今後ひきこもりになっていく可能性は非常に高いと思うのですが、不登校とひきこもりの関係についてどう分析されているのか、お尋ねします。
18:
◯答弁(豊かな
心育成課長) 先ほど説明しました資料にもございますけれども、出席日数がゼロ、年間を通じて全く登校していない児童生徒が小学校において24人、中学校において106人、高等学校において42人おります。こういった児童生徒が将来ひきこもりになってしまうという可能性はあると思います。
19:
◯質疑(
中原委員) 中学生と高校生の不登校の状況を見ますと、中学生が1,829人で高校生が755人ということです。多分中学生に比べて高校生の不登校が少ないのは、高校に入学できず、非常に厳しい環境に置かれているのではないかと思うのです。そうすると中学生で不登校になった子をどうフォローしていくのかは非常に大事なことだろうと思うのですが、中学校卒業後、フォローはされているのでしょうか。
20:
◯答弁(
義務教育指導課長) 中学校卒業後の進路未決定者の事情は多様でありますが、元担任であるとか養護の先生など人間関係のつながりのある先生が引き続きかかわったりする中で、個々の状況を把握しており、例えば4月に高校入学はできなかったけれども、途中で入学したという話は聞いておりますが、個々に数字をチェックしているわけではございません。
21:
◯意見・
質疑(
中原委員) 中学校卒業後、どういう社会環境でどう生活しているのか把握することはすごく大事なことで、きちんとフォローすべきであると思います。意見として申し上げておきます。
ひきこもりについては、広島県は先進的に取り組んでいて、平成24年度に相談支援センターを県内3カ所、広島と東部、中部に設置しています。ひきこもりに関する相談の年間件数を見ますと設置された年は3,700件でしたが、一昨年は4,257件、昨年が5,329件とすごい勢いでふえています。5,000件というと、1日に10件以上の相談が寄せられているということです。この相談支援センターは県職員が相談に応じているのではなくて、委託でやっていて、ほとんどボランティアの方が毎日電話相談に応じているのです。そういう実態がある一方で、資料25ページの小学生の不登校児童の相談・指導を受けた機関等のデータを見ると、昨年度、養護教諭が171件、スクールカウンセラーが346件ということで、すごく少ないと思います。実際、現場がどういう状態なのかよくわからないところでありますが、児童一人一人あるいは家族に対して、本当にフォローができているのか心配しております。相談支援センターの相談件数との違いについて、どう捉えられているのでしょうか。
22:
◯答弁(豊かな
心育成課長) 不登校のみならず、さまざまないじめの問題等につきましても、相談しやすい学校の体制づくりを指導しております。特に年度当初には、相談担当者の氏名や相談機関の電話番号等を教室に掲示するなどして、相談しやすい環境づくりを行ってきているところでございますけれども、
中原委員御指摘のように相談件数については、少ない状況にあります。相談したいけれども、相談できていない児童生徒、保護者が相当数いるものと考えており、保護者への啓発も含めて、相談しやすい環境づくりは重要であると考えております。
23:
◯質疑(
中原委員) ひきこもりになっている方の全体の数は減っているのですが、ずっとひきこもり状態が続いている方がいて高齢化が進んでいると言われています。中学校の段階で解決できなければ、結局、ひきこもりになってしまうということになりかねないので、相談体制がどういう状況なのか、専門的な指導の取り組みの実態はどうなのか、どれぐらいの頻度でかかわっているのか、保護者とどういう接触をして、どういう指導をしているのかがこのアンケートの結果だけでよく見えてこない。不登校の児童生徒に対して学校がどう取り組んでいくのか、もう一遍明らかにしていかないといけないと思うのですが、いかがでしょうか。
24:
◯答弁(豊かな
心育成課長) 生徒指導の体制につきまして、現在、実践指定校を指定して取り組みを進めており、指定校におきましては、特に不登校、暴力、いじめ等さまざまな問題について、学校体制を整えるということを中心に進めているところでございます。
中原委員御指摘のように、例えば、不登校の児童生徒の置かれている状況がどうかなど詳細を把握しているわけではございませんが、現状をしっかりと分析していくことは非常に重要だと考えております。引き続き、指定校を中心に、現状等の把握をしていきたいと思います。
25:
◯要望・
質疑(
中原委員) ぜひお願いしたいと思います。
平成16年から23年にかけて不登校予防対策実践指定校を指定して、不登校に対する特別な取り組みをされていて、一定の成果を上げられたと思うところですが、それから4~5年たって、せっかくの取り組みの成果が薄れてきているのではないかと思うのです。不登校対策実践指定校の取り組みについて,まずは総括して、どう次に生かしていくのかを考えて、再度取り組んでいく必要があると思いますが、成果をどのように分析されているのでしょうか。
26:
◯答弁(豊かな
心育成課長) 平成16年~23年まで取り組みました、不登校対策実践指定校についてでございますけれども、不登校児童生徒数、またその出現率であります不登校の割合ともに減少し、一定の成果があったと考えております。この成果につきましては、生徒指導資料として作成するとともに、取り組みの方向性について、全ての市町教育委員会に通知したところでございます。
この分析でございますけれども、学校が育てたい生徒像を明確に示して、各学校の現状を踏まえて、組織的に動くということが大事だと思っております。特別な取り組みというよりは、むしろ地道な教育活動の積み重ねが成果につながったものと考えており、これまで積み上げてきた取り組みの方向性については、改めて各学校に周知していく必要があると思っております。
27:
◯要望(
中原委員) 最後にしますが、不登校は大変な問題であるので、きょうの資料でただ数が減ったという事実だけでなくて、今まで取り組んできた成果もあるわけですから、こういうアンケートをされる限りは、着実に成果を出してほしいと思います。今まで本当に真剣に取り組んでおられることはよくわかりましたが、成果を出さないと意味がありませんので、具体的にこういう成果が出ましたということなど、折々に資料で示していただきたいと思います。本当に大事な問題だと思いますので、しっかり取り組んでください。よろしくお願いします。
28:
◯質疑(平本副委員長) 私からも不登校のことについてですが、不登校の数字の中にいわゆる保健室登校、指導室登校はカウントされているのでしょうか。
29:
◯答弁(豊かな
心育成課長) 登校している児童生徒につきましては、欠席としてカウントされませんので、不登校児童生徒の数には含まれておりません。
30:
◯質疑(平本副委員長) 通常の授業を受けるのが困難な児童生徒は、保健室、指導室で勉強していますが、その学習の方法は、プリントが配られて自習しているということのようです。不登校児童生徒の数が減少してきていることは大変喜ばしい状況でありますが、次のステップとして、保健室、指導室に通っている児童生徒を一般学級へ戻す取り組みはされているのでしょうか。
31:
◯答弁(豊かな
心育成課長) 不登校児童生徒に対しましては、家から外へ出られない児童生徒を学校まで通うようにする、学校へ来れたら保健室などに登校して適応していく、さらには教室へ戻していくという段階的な取り組みが必要であると思っております。現在、保健室登校の児童生徒に関する詳細な情報は持っておりませんが、段階的な指導を進めていく必要について、各学校に指導しているところでございます。
32:
◯要望(平本副委員長) 実際の数字は把握されていないということでしたが、調べられればすぐにわかることだと思いますので、指導室あるいは保健室に登校している児童生徒の数を把握されるよう要望しておきます。
(5) 閉会 午前11時52分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...