4:
◯答弁(
地域力創造課長) まず地方版の
総合戦略に対する県のかかわりを概括的に申し上げますと、
地方創生の
取り組みは地域、特に
市町が主体になると思いますけれども、そこが主体となってみずからの資源を活用しながら、まずは仕事を起こしていく、その仕事を起こすことによって人を呼び込み、さらに人と仕事で相乗関係をつくりながらまちづくり全体を行っていく、これが
総合戦略の基本的な考え方でございます。これは基本的には
市町が主体となりながら、民間の方等も巻き込みながら事業が展開されていくことになります。そういったものに対する県のかかわりは、まずは国の情報をしっかり提示していく。
市町の関心が一番高いのは国の交付金の状況等だと思いますけれども、そういった国の状況でありますとか、あるいはRESASといった経済分析システムが国で用意されておりますので、そういったものをきちんと情報提供して、
市町の事務的なところをサポートいたします。あわせて、その他、例えばPDCAサイクルといったところで
市町がノウハウが欲しいとおっしゃるときには、我々のほうからお教えするといったことが
総合戦略についての県としての基本的なかかわり方になってくると思います。今の
委員からの御指摘のように、
市町の
総合戦略の中に掲げられている個々の事業を実施するときに、例えばコンパクトシティーというようなものが出てくるかと思います。そういったものにつきましては今、御指摘のありましたような別の推進の枠組み等がございまして、コンパクトシティー化でございますと、恐らく
都市局あたりが県としてはかかわっているのではないかと思いますけれども、そういった個々の事業のレベルで具体化を推進するためにかかわりを持つという形になってまいります。
5:
◯質疑(
辻委員)
備後圏域連携中枢都市圏の最大の願いは経済成長です。理念的には経済を発展させていくために
選択と集中を図って中核市である
福山市に重点投資して、周辺はネットワークでそれぞれの役割を果たすという形です。
福山市そのものの
都市機能をぐっと高めていくということで、
圏域全体で一つにまとまるような
都市形成を図って、それで生活圏も経済も発展させていく。中心はやはり
福山市だと思っていたから、県の果たす役割はそんなにないという話が出た中で、先ほど
都市局の話がありましたが、少し中に踏み込んだ形での県の関与というのはあるのですか。
6:
◯答弁(
地域振興部長)
連携中枢拠点の関係でございますけれども、県内には広島市を中心とした200万人構想の
連携中枢拠点があります。備後は御案内のとおり
福山市を中心に岡山県の井原、笠岡地域も含めて80万人の
都市圏を形成し、
広域的な
取り組みの中で経済成長、あるいは行政の効率化とか、行政サービスの質的向上といった部分を行っていく。これは国の制度でございまして、基本的には備後については
福山市が中心になって周辺の
市町を取り込んで進めていく。その中のさまざまな事業に対して、県は
広域的な観点から調整ないしは協力していくという関係を持っています。ですから、例えば
広域で取り組んでおられる定住構想というのがあり、備後
都市圏の中で
福山市が中心となって首都圏からの移住・定住促進を行われておりますけれども、県が現在行っております定住促進策と連携をとりながらやっているところでございます。基本的にはその
圏域の中で主体的に行っており、その具体的な
取り組みに対して県が
広域的な観点から連携できる部分は連携していくという形をとっております。
7:
◯質疑(
辻委員)
連携中枢都市圏構想は隠れた合併だと言われる方もいることを私は危惧しています。表立った平成の合併ではなくて、
連携中枢都市といったローカルアベノミクスの中で、まち・ひと・しごと創生
総合戦略で連携させてやっていこうということで、結局、中枢
都市に
都市機能の集積を図り、住民サービスもそちらのほうにどんどん集めていく。逆に言えば、周辺は
都市機能的には、個別の一自治体というような形ではなくて、連携している全体の
圏域の、ある地域という形になってしまうので、逆に寂れていくという状況にもなりはしないかということを懸念しているのです。そういった点はどうなのですか。この前、
福山市に行政視察に行ったときに、バラ色の
説明を受けたのだけれども、そういう危惧は全然当たらないのですか、どうですか。
8:
◯答弁(
地域振興部長) 中心市に権限やサービスが集積するといったことではございません。あくまでも
圏域を構成する各
市町が対等の立場でそれぞれの役割、特徴といった部分を補いながら、共存共栄というのではないのですが、そういう関係性の中に成り立っていると認識しています。
9:
◯要望(
辻委員) 非常に楽観的な言い方をされていると思って、少し先行きが怖いという思いもするのです。例えば、いろいろな行政サービスが全体として完結する形になるのだから、高度急性期の病院は
連携中枢都市圏の中でも中核市の
福山市に重点
整備していって、周辺
都市については急性期病棟でいいというように、周辺が寂れていくといったこれまでの合併の二の舞になりはしないかという思いを私は非常に強くしているところです。特に、もう既に
福山市内では
連携中枢都市の中での立地適正化という名で、小中学校の統廃合や保育所の統合、休園、民間法人への移管などを進めて、公民館やコミュニティセンター、ふれあいプラザなども小学校区に集約するということをずっとやって、縮小をかけて全体のパイの中で行政サービスをやっていくということです。だから、全体から見ても、また中枢
都市においても、住民サービスが十分な対応をされていない。まだ中枢
都市のほうがいい状況になってくることは間違いないと思うのです。
行政指導もまさに住民が置き去りにされているという点を指摘しておいて、県もしっかり
広域的に対応していくということですから、そういったことにならないように本当にやっていただきたいと思いますので、この点を要望しておきます。
10:
◯質疑(
大島委員) 平成27年10月にひろしま未来チャレンジビジョンの見直しをされました。それを受けて、チャレンジビジョンのうち人口推計などいろいろなことを考えて、その中でまち・ひと・しごとに関する部分については
総合戦略において行っていくという流れで進んでいると考えていいわけですね。そうすると、この中でしごとの創生だとかまちの創生というのは前提条件が常に変わっていくわけです。人数も思ったより伸びなかった、あるいは技術開発がおくれて投資案件が減った、そういう場合にはまた見直しを行っていくのか、その辺についてはどう対応されるのか、お聞きしたい。
もう1点は、コンパクトシティー構想は従来別の話だと思うのです。あらゆる機能を持った
都市が、国中でお互いに同じようなことを金を出してやっていてもいいぐあいにいかないのではないか、それならお互いが補完関係をつくって、新しい事業に予算を持っていきながら、まち全体は支え合う関係をつくっていくというのがコンパクトシティーだと思うのです。今、
福山市の話が出ていましたけれども、岡山県の井原市と県境をまたいで補完関係をつくって何か一緒にすれば、もっと統一的にできるという議論も一方ではある。コンパクトシティーは道州制をにらんだいろいろな議論から生まれてきたと思うのです。そこで機能分担を
都市間でやっていき、
都市圏における課題をお互いに支え合ってやっていくという形がこれからだんだん備わっていくとしたらどういう対応をしていくのかということ、この2点についてお聞きしたいと思います。
11:
◯答弁(
地域振興部長) 一般論でありますけれども、コンパクトシティーを
国土交通省なども推奨されておりますが、人口が減少する中で、都心部にサービス機能を集約することが非常に機能的になるという考え方でございます。それは各基礎自治体がまちづくりの観点から判断、決定されるべき話でございまして、それぞれどこに集約するかということに対しては利害関係がありますし、反対される方もいらっしゃるわけで、基礎自治体の中でまちづくりとしてどのように考えてやられるのかというところをまずはきちんと固めていただいた上で、地域づくりの観点から、県としてはまちづくりという考え方のもとに応援できることは応援するということだと基本的には思っております。
それと、自治体間の機能分担のお話でございました。人口が減少してくる中で、強みとか弱みとかを、それぞれが支え合って相互に依存しながら全体として発展していくという姿が望ましいと思います。例えば、先ほど
福山市を中心とした
備後圏域の話がございましたけれども、
圏域の中には御案内のとおり
福山市という48万
都市の中核市がございますが、そこが人口的にも機能的にも権能的にも中心になっておりますが、周辺には広島県側ですと尾道市、三原市、世羅町、神石高原町、府中市があり、尾道市は商業ですし、三原市、府中市などはやはり製造業の中心になっています。それぞれの強みがあって、一方で、世羅町は農業のメッカということで、農業を中心に置いたまちづくりを行っておられる。そういう強みをそれぞれ
圏域の中で発揮されて、支え合うことによって、全体として発展していくと思っております。県もそのような形での
広域的な連携といった部分を支援したいということでございます。
12:
◯質疑(
大島委員) 今おっしゃったことはよくわかるのです。まち・ひと・しごとという中に中長期の問題もあれば今言った行政のかかわりなど短期的な問題もあるかもしれないけれども、関東周辺の都道府県では、たまたま行政区域は千葉県だ、群馬県だとなっていますけれども、経済の流れや人の流れは例えば栃木県とか群馬県と共有していくなど隣のまちとの共同となっている。共有できるものとできないものをきちんと仕分けして、まちの発展や仕事をつくっていかないと、中核市の範囲だけで成り立つはずがないのです。柏市などそういう事例はある。その点を考えた場合に、やはりまち・ひと・しごと創生
総合戦略というのは単年度ではなく、ほかのいろいろな面を取り入れながら中長期で検証していくという作業がないと、例えばひとのところでも教育
委員会と連携するというような視点が足りないのではないかという感じが非常にしているのですけれども、その点はいかがでしょうか。
13:
◯答弁(
地域政策局長) 御質問が同じ団体の中での各分野の連携か、複数団体の連携かということが少し理解できていないところもございますが、まず複数団体の連携という観点で改めて私からお答えさせていただければと思います。
今、お話がございましたように、人、物の移動というのは以前にも増して非常に大きくなってきている。また社会の変化も大きく、人口も大きく変化しているという中で、以前にも増して各団体間の連携のもとに行政を進めていくということが重要になっていると考えております。議論が幾つか絡んでいるようなところはあると思いますが、あくまでも
総合戦略は
総合戦略として各
市町でつくられているものでございまして、
連携中枢都市や
連携中枢都市圏でも別で議論が行われている。ただ、
福山市の場合には
総合戦略の中に
連携中枢都市圏として議論されているものも盛り込んでおられる。
連携中枢都市圏構想について申し上げますと、複数の基礎自治体が連携して経済の発展を目指していくことが基本的な目標でございまして、その点においては恐らく必要性は余り議論がなく、皆さん認められるところではないかと思います。その中で、例えば
辻委員が御懸念されたような行革という話もありましたが、必ずしも行革を目的としたものではございません。もちろん、その議論の中では効率的な行財政運営というものが一つのテーマになることもあると思います。ただポイントとしては、これは義務ではなく、あくまでも各団体が自主的に話し合い、その合意のもとに進められるものでございまして、これをやると周辺の自治体が割を食うというようなものではないと考えております。
県としましては、
広域的な自治体として、先ほど部長からも答弁いたしましたが、この連携がしっかりと進むよう相談を受けつつ、それをサポートして連携が進み、先ほど
大島委員からもお話がありましたように、複数団体の連携を含め経済が盛り上がっていくようなことの実現に努めてまいりたいと考えております。
14:
◯質疑(
大島委員) 少しピントがずれている。
総合戦略をつくるということは、具体的なデータとか具体的施策、政策、哲学があって進めるわけです。その基本的な部分について、チャレンジビジョンからこの分野を引き抜いた場合にどういう形で検証していくのかというものがないと戦略にならないのではないですか。そのことを聞いていたわけであって、その例として今、中核
都市の問題もあるけれども、県境をまたいで仕事とかあるいは人とかが通っているわけです。岡山県から
福山市の学校に通っているわけで、その全体の中で人づくりや将来のビジョンに合致した教育行政を行っていく、あるいは新しい仕事をつくっていく視点が必要になるのではないか。そのことも視点に入れて、
総合戦略を立ち上げていかないと絵に描いた餅になるのではないかというのが私の質問です。
15:
◯答弁(
経営企画チーム政策監(
地方創生担当)) まず、この広島県の
総合戦略につきましては、チャレンジビジョンから抜き出したものということで御
説明させていただいております。この内容でございますけれども、もともとひろしま未来チャレンジビジョンにつきましては、国で
地方創生が議論される前から人づくりなり経済分野なりをしっかり好循環させていくことによって地域、安心・安全という4分野をずっと進めてきたところでございまして、逆に言いますと国のほうがおくれてというのもおかしいのでございますけれども、我々といたしましては今、県として取り組んでおりますひろしま未来チャレンジビジョンが国の
地方創生に相当すると思っております。抜き出したという表現に誤解があったかもしれないですが、あくまで基本はひろしま未来チャレンジビジョンを進めるということでございまして、別の計画として
総合戦略があるというものではございません。中に含まれているという現状でございます。
また、最初に御質問のありました、毎年度、達成できていないもの、達成できたものという目標ということでございますが、基本的には目標というのは平成31年の目標を
総合戦略では立てております。また、これに達しない場合につきましては、先ほどから議論がございますように、平成27年度、今回提出しております実績を踏まえまして平成28年度予算、さらには今回、具体の確定値として出てきた内容について未達成のものがありましたら、その改善策は本県におきましては施策マネジメントシステムというのを平成24年度から本格的に運用しておりますし、下半期でさまざまなモニタリング等もやっておりますので、その事業の実施状況にあわせて対応しております。
また、これらを踏まえまして、当然平成29年度予算等でビジョンに掲げますそれぞれ目標等の達成に向けまして事業の
取り組みを進めてまいります。
16:
◯意見(
大島委員) 去年の10月に見直しをして、またことしになったら新しく見直さないといけないというような基本的なビジョン、あるいは戦略が正しいのかどうかということを多角的なところから再検討する必要があるでしょう。そのためにはひともまちも仕事も別次元の視点が必要な場合もあるわけですから、そこら辺をよく詰めていただいて、成功したとか何パーセントふえたとか数少ない事例の中で幾ら言っても、広島県をよくしているのは、いろいろ頑張っている人がよくしているわけであって、広島県へ帰って定住できるようなことをするにはいろいろな施策があると思うのです。だから、そういうところをぜひ頑張ってほしいと思う。私は歴史的なことをよく言うのですけれども、前にもお話を申し上げたけれども、栃木県と群馬県の卒業生が私学で一番たくさん行くのは同志社大学です。何で同志社大学に行くのですかと聞いたら、あそこをつくったのは新島襄だからということです。普通、栃木県の人は東京都内に行くと思う。結構たくさん行っているのです。その人たちがマツダに入り、あるいはいろいろなところであそこに誰がいると
紹介するけれども、そういう歴史的な流れのことというのは極めて大事なことであって、その検証の中から広島県の未来ビジョンをつくるといっても基本的なコアなところはそんなに変わらないと思うのです。そのことを非常に感じるので、先ほどのようなお話をしたのです。ぜひまた年度末も来年も見直ししますということにならないように、出した限りはそれが一つのビジョンとして走るわけですから、その辺をぜひ頑張っていただくよう、よろしくお願いを申し上げます。
(7) 現地調査についての
協議
現地調査を11月28日(月)~29日(火)の1泊2日で実施することとし、詳細な日程の決定等については、
委員長に一任された。
(8) 次回の
委員会は広島県まち・ひと・しごと創生
総合戦略(平成28年度版)の集中審議とし、日程は10月4日(火)午後1時30分を予定することとされた。
(9) 閉会 午後2時51分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑
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