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  1. 札幌市議会 2015-12-08
    平成27年(常任)建設委員会−12月08日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成27年(常任)建設委員会−12月08日-記録平成27年(常任)建設委員会  札幌市議会建設委員会記録            平成27年12月8日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時1分     ―――――――――――――― ○伴良隆 委員長  ただいまから、建設委員会を開会いたします。  報告事項ですが、本郷委員からは、欠席する旨、連絡がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、議案第1号 平成27年度札幌市一般会計補正予算(第4号)中関係分及び議案第2号 平成27年度札幌市土地区画整理会計補正予算(第1号)を一括議題とし、理事者から補足説明を受けます。 ◎手島 総務部長  議案第1号 平成27年度札幌市一般会計補正予算(第4号)のうち、建設局関係分につきまして、議案に基づき、ご説明いたします。  初めに、繰越明許費からご説明させていただきます。  議案の23ページ、第7款 土木費 第2項 道路橋りょう費をごらんください。  これは、篠路駅周辺まちづくり推進事業につきまして、関係機関との協議等に時間を要したことにより、駅舎などの概略設計を年度内に完了することが困難になると予想されますことから、この事業費の一部を翌年度に繰り越すものでございます。  続きまして、議案の24ページ、債務負担行為に関する調書をごらんください。  下から5段目の舗装等整備5億円と、その下の道路新設改良の4億5,000万円につきましては、早期に工事を発注することによりまして、事業者に十分な準備期間を確保するとともに、施工時期の平準化を図るため、それぞれ追加設定するものでございます。これは、いわゆるゼロ市債と呼んでいるものでございます。  次に、下から3段目の道路新設改良の6億4,800万円については、道道西野真駒内清田線盤渓北ノ沢トンネルの整備におきまして、機械整備工事等の工期が当初想定より長期間を要することが判明し、平成28年度末の開通に向けて早期発注する必要が生じたことから追加設定するものでございます。 ◎鈴木 市街地整備部長  私からは、都市局関連分についてご説明いたします。  27ページをお開きください。  このたびの補正予算は、給与条例の改正に基づき、土地区画整理会計の歳出につきまして、従事する職員分の職員費200万円を増額補正するものでございます。
     これに伴いまして、28ページ、29ページでございますが、歳入につきまして、一般会計からの繰入金を増額し、あわせて、一般会計の他会計繰出金を増額補正するものでございます。 ○伴良隆 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  まず、繰越明許費にかかわる篠路の連続立体交差事業の関係について詳しく説明を求めたいと思います。 ◎小林 土木部長  繰り越しの詳しい理由というご質問かと思います。  篠路の繰り越しにつきましては、当初は肉づけ予算の成立後に駅舎の概略設計をJR北海道に委託する予定でございました。  しかしながら、6月に国土交通省に状況報告をした際に、国土交通省からコスト縮減の取り組みについても検討したほうがよいという助言をいただきました。そこで、コスト縮減に向けた施策について、JR北海道と協議をいたしまして、コスト縮減に関することにつきましても今年度のJR北海道への委託調査の中に盛り込むということで協議が調いました。しかしながら、そのための工期がかかることによりまして、3月までに委託業務が完了しないということで、今回繰り越しをさせていただきたいという内容になっております。 ◆松浦忠 委員  最初に、篠路の立体交差で例えばこういう工法というのが示されていましたよね。それが、途中で、国土交通省から予算を縮減するために内容の変更をということは、ことしの6月突然にあったのですか。そのことについてお尋ねします。 ◎小林 土木部長  コスト縮減の内容等々につきましては、平成25年度に国土交通省が主催で勉強会が開催されております。これは、コスト縮減だけでなく、事業効果ほかにつきまして、連続立体交差事業を計画している自治体を対象に行われたものでございます。この勉強会の中では、駅舎のハイブリッド構造についても示されていたものでございます。それに対しまして、ことしの6月の国土交通省への状況説明では、コスト縮減についても検討したほうがよいという助言をいただいたという内容になっております。 ◆松浦忠 委員  平成25年に国土交通省が勉強会をやったというのは、従来の工法ではなくて、こういう方法もあるよ、そうすれば経費も少なくて済むよと。私が国土交通省に確認したら、その当時、担当した担当者がまだいらして、そういうことで勉強会をやりましたよと言っていました。  だとしたら、どっちをとってもいいのだったらそんなことやらないわけです。変えないでいいのだからね。経費を少なくしたいから、こういう方法でやるともっと経費は少なくなりますよということで出したわけですから、そうすると、平成25年にそれを受けて、篠路の立体交差の場合はということできちっと検討していれば、経費縮減の工法がもう定まっていなきゃならぬですよ。したがって、そういう手順できちっとやっていれば、今回、繰越明許だなんて言って予算を先送りするようなことをしなくても済んだわけですよ。そう思うのだけれども、どうですか。 ◎小林 土木部長  駅舎の詳細な構造設計につきましては、都市計画決定を受けてからの詳細設計の中で、具体的には平成30年度にそういった検討をする予定でおりました。今年度、JR北海道に委託する内容といたしましては、都市計画決定に必要な鉄道の高架区間や面積等を検討するための駅舎の概略設計を委託したいと考えていたものでございまして、平成30年度に予定していたものを前倒して実施したいというものでございます。 ◆松浦忠 委員  私は、この案が出てきて、不信に思い、担当課長に来てもらって話を聞いて、国土交通省の担当課に電話して、ちょうどその担当者がおられたから、さっき言ったように話をしたら、そのためにした会議ですよと、こう言っているんですよ。そうしたら、そこからずっとやってくれば、何も先送りしないで仕事は進んでいったわけですよ。  私がなぜこういうことを言うかといったら、仕事というのは、市長が予算を提案して、我々議員は、その予算が適正に執行されるべき予算かどうかということについて審査して決定するわけです。したがって、これは平成25年にも出ているわけですから、ことしの3月段階でこういうことについてやっていなかったわけですよ。もっと言えば、ことしの2月に予算が出された段階では、市長は、わかっていながら、我々に事実と異なる内容の予算を出したと言わざるを得ないのですよ。今の議会制度からいったら、議会に対して事実と異なる予算を出したことになる。これはどういうことかといったら、議会制度そのものを全く無視した、もっと言えば、議会なんか飾りにあるだけだと、こう言われても仕方のないような予算の出し方と今回の繰越明許の仕方なのですよ。市長は、ここのところをきちっと考えなければいけない。  憲法下における、法体系における議会と市長の関係が成り立たなくなってしまう。土木部長がどういうふうに釈明しようと、私は、事実、平成25年の説明会で説明した国土交通省の担当者から聞いているんですから。  したがって、そういうふうな仕事はきちっとやるということでなければだめなんですよ。局長、こんなことをやっていると、何ぼ秋元市長が35年間の職員としての経験を生かして即戦力だなんて言ったって、即戦力そのものが危なくなってくる。信用していいのかどうかという話になってくるんですよ。以降はこういうことのないように、局長、今、私が指摘したことについて、あなたは、全く的外れだとおっしゃるのか、それとも、お説の通りですと言うのか、これを聞きたい。 ◎若松 建設局長  経過については、先ほど小林部長から説明がありましたように、もともとは都市計画決定を行った後に事業の認可を申請するまでの間に行う予定だったものが、ことしの6月に国土交通省からコスト縮減の検討もしたほうがいいというご助言をいただいて始めたと、事実はそういう経過でございます。  平成25年にそういう勉強会があったということで、そのときに始めていたらよかったのではないかというのは、そういう考え方もあると思いますけれども、結果的に今言ったような経過で進んでまいりました。 ◆松浦忠 委員  きょうは市長がいないからまた別な機会にしますけれども、私は非常によくないなと思うのは、こうやって事実関係を指摘されて、自分たちがうかつだったという言葉が出るかと思ったら、全く出ない。何だかんだ、自分たちのやっていることは正しいのだと、こういうことを延々と繰り返していく。これは極めて問題がある。何が問題かといったら、地方公務員法に、公務員は全体の奉仕者です、公僕ですと。今の局長と土木部長の答弁をあわせて聞くと、公僕ではなくて、公が抜けて、僕のために仕事をしている、こうとしかとれないですよ。  したがって、きょうは市長がいないから別な機会に指摘しますけれども、こういうことのないようにやっていただきたい。これはもう間に合わぬから繰越明許を認める以外にありませんけれども、本来なら、繰越明許を認めないで予算の修正をしなさいと。本来なら、予算修正を出さなければだめですよ。執行できないから予算減額でと。繰越明許というのは、皆さんもご承知のように、少なくとも、予定していたものが天災などがあって物理的に不可能な状況になったということのみが繰越明許なんですよ。今回なんかは繰越明許に当たらないのです。繰越明許は何かといったら、地方自治法並びに解説文にちゃんと書いていますね。それからいったら、そういうことなんですよ。そのことをよく肝に銘じていただきたいということを申し上げて、終わります。 ○伴良隆 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第1号中関係分及び議案第2号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  異議なしと認め、議案2件は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第19号 財産の処分の件議決変更の件(住宅団地用地)を議題とし、理事者から補足説明を受けます。 ◎鈴木 市街地整備部長  私から、補足説明させていただきます。  94ページをお開きください。  現在、篠路地区住宅団地において、782区画中の774区画については既に分譲を終えまして、残り8区画について、事業用定期借地権に基づく20年間の賃貸借契約を締結しているところでございます。  このうち、1区画につきましては、契約を結んでいる相手方の企業から土地を購入したいという申し出がございまして、財産処分議決に当該区画にかかわる処分地の面積及び予定価格を追加しようという変更を行うものでございます。 ○伴良隆 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  これは、相手が買いたいと言ってきたからですか。 ◎鈴木 市街地整備部長  そうでございます。 ◆松浦忠 委員  相手が買えないと言ったらどうなるんですか。 ◎鈴木 市街地整備部長  20年間の定期借地を結んでおりますので、その20年間につきましては継続して貸す状態を続けます。買えない場合は、20年たった時点で建物を取り壊して更地にして返還していただく、そういう契約内容になっております。 ○伴良隆 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第19号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  異議なしと認め、議案第19号は、可決すべきものと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時18分       再 開 午後1時20分     ―――――――――――――― ○伴良隆 委員長  委員会を再開いたします。  次に、議案第18号 財産の取得の件(街路用地)を議題とし、理事者から補足説明を受けます。 ◎常野 用地担当部長  議案第18号 財産の取得の件について、補足説明申し上げます。  このたびの議案は、札幌圏都市計画道路3・1・47号札幌新道街路用地を取得するものでございます。  次ページの位置図をごらんください。  図面中央部の道央自動車道の両側に並行している札幌圏都市計画道路3・1・47号札幌新道街路用地、大曲通から厚別東通の一部を取得するものであり、札幌市清田区平岡公園22番4ほか90筆のうち、面積約2万6,500平米、予定価格約6億800万円となっております。 ○伴良隆 委員長  それでは、質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第18号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  異議なしと認め、議案第18号は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第22号 市道の認定及び変更の件を議題とし、理事者から補足説明を受けます。 ◎手島 総務部長  議案第22号 市道の認定及び変更の件につきまして、私から補足説明させていただきます。  本件は、新たに認定する18路線と既に認定された路線を変更する6路線の合わせて24路線をご審議いただくものでございます。  新たに認定する18路線及び既に認定された路線を変更する6路線は、全て開発行為によるものでございます。  変更の内訳としましては、起点を延長する路線が1路線、終点を延長する路線が5路線でございます。 ○伴良隆 委員長  それでは、質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第22号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  異議なしと認め、議案第22号は、可決すべきものと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時22分       再 開 午後1時24分     ―――――――――――――― ○伴良隆 委員長  委員会を再開いたします。  最後に、札幌市下水道事業中期経営プラン2020(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者より説明を受けます。 ◎坂田 下水道河川担当局長  今回、報告させていただく案件は、現在策定中であります下水道事業中期経営プラン2020についてでございます。  下水道事業では、これまで、10年間の事業の方向性を示す下水道ビジョン2020を平成22年に策定するとともに、その前半5年間の行動計画に位置づけた中期経営プラン2015をほぼ計画どおり執行しており、今年度が最終年度となっております。
     しかし、施設全般の老朽化が進行しておりますし、また、今後、人口減少や節水志向による使用料収入の減少が見込まれるなど、下水道事業を取り巻く環境は大きく変化しております。このような状況を踏まえまして、今回はビジョンの後半に当たります平成28年度から32年度までの5年間の行動計画として策定するものであります。  それでは、プランの概要につきましては、下水道河川部長から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。 ◎高川 下水道河川部長  私から、札幌市下水道事業中期経営プラン2020の計画案について説明させていただきます。  配付しております資料1の冊子となっているものが計画案の本書、資料2のA3判の表裏1枚物が計画案の概要版となっております。  計画案は、第1章 策定の背景から第6章 進行管理までの六つの章に参考資料として現プランの実施状況などを加えた構成となっておりますが、本日は、主に資料2の概要版に沿って説明させていただきます。  まず、第1章 策定の背景として、策定の目的、現状と課題をまとめております。  策定の目的といたしましては、社会経済状況など下水道事業を取り巻く環境が変化する中、下水道を次世代へつなぐため、長期的な視点に立ち、今後5年間の下水道事業を計画的、安定的に実施することを目的としています。  次に、特に重要と考える五つの現状と課題を掲げています。  一つ目は、施設の整備状況と老朽化対策です。下水道事業では膨大な施設を管理しておりますが、例えば、下水道本管につきましては、約8,200キロメートルの管路延長のうち、今後20年間で69%が標準耐用年数である50年を経過するため、その老朽化対策が課題です。  二つ目は、雨水対策です。近年、増加している局所的な集中豪雨への対応として、減災の視点を持ちながら、ハード・ソフトの両面での対策が必要となっています。  三つ目は水質改善です。札幌市の河川は、河川水量に占める下水処理水の割合が多いために、安定した下水処理を行うとともに、合流式下水道の水質改善も進めていかなければなりません。  四つ目が、循環型社会への貢献です。札幌市の市有施設の使用電力量のうち、約20%を下水道施設で使用していることに加えまして、下水道は多くの資源エネルギーのポテンシャルを有していることから、省エネルギーと、いわゆる創エネルギーの両方から対策を進める必要があります。  最後の五つ目は、経営環境の変化です。より一層の財務体質の強化、人材育成、技術継承を行う必要があります。  次に、左下の第2章 プランの位置づけと取り組み方針です。  このプランは、下水道ビジョンの後半の計画であることに加え、昨年度策定した下水道改築基本方針の考え方を反映するとともに、まちづくり戦略ビジョンにも寄与する計画として位置づけております。  次に、基本方針と基本目標ですが、これらは、下水道ビジョンで掲げた方針と目標であり、このプランでも継承しております。  資料の右上に移りまして、5カ年の取り組み方針につきましては、基本方針と基本目標に基づき、下水道を取り巻く課題に対応するため、維持管理、改築の計画的かつ効率的な実施、災害に強いまちづくりを目指したハード・ソフト両面での強靱化、清らかな水環境の保全やエネルギー資源の有効利用、経営の効率化、経営基盤の強化、将来の担い手の育成の四つを方針として計画的に取り組んでまいります。  次に、その下の第3章は、主要施策の展開として、具体的な施策と事業費などを掲げております。  初めに、基本目標1を実現するための下水道機能の維持向上と災害に強い下水道の実現に向けた取り組みの内容です。  下水道機能の維持向上では、下水道施設の維持管理として、老朽化した管路の調査、修繕による延命化や処理場などの老朽化した設備の点検、修繕による延命化をやはり強化いたしまして、5年間で973億円の事業費を計上しています。また、下水道施設の再構築では、改築基本方針の考え方を反映し、老朽化した管路や設備の改築などを強化することとし、5年間で692億円の事業費を計上しています。  災害に強い下水道の実現に向けては、ハード対策ソフト対策を総合的に組み合わせた対策を行うこととし、5年間で165億円の事業費を計上しています。ハード対策としては、東雁来雨水ポンプ場雨水拡充管の整備、施設の耐震化など、ソフト対策といたしましては、大雨に備えた情報提供などを計画しています。  次に、基本目標2を実現するための清らかな水環境の保全と創出と循環型社会への貢献に向けた取り組みの内容です。  清らかな水環境の保全と創出に向けては、下水道整備と水質改善として、5年間で49億円の事業費を計上、合流式下水道の改善や処理の高度化などを進めます。また、循環型社会への貢献に向けては、下水道エネルギー資源の有効利用として5年間で5億円の事業費を計上しておりまして、下水の有する熱エネルギーの活用や西部スラッジセンター焼却炉の改築に合わせた蒸気発電設備の導入などを行います。  これらを合わせた5年間の事業費といたしましては、建設事業費が前プランと比較いたしまして25.3%増の911億円、維持管理費が同じく19.4%増の973億円を予定しています。建設事業費につきましては、既存の下水道機能を維持するための再構築事業を最優先とし、災害対策、エネルギーの有効利用など優先度の高い事業を厳選しています。また、維持管理費については、施設の適切な維持管理のため、調査・修繕費用を増額し、可能な限り施設の延命化を図ることでトータルのコストの縮減に努めます。  続いて、裏面をごらんいただきたいと思いますが、第4章 健全で安定した経営への取組です。  ここでは、基本目標3の健全で持続可能な経営を目指して、経営基盤の強化のため、財務体質の強化と組織力の向上の二つの施策を実施します。財務体質の強化では、施設の延命化や新しい技術の導入などによりましてトータルコストの縮減など5項目、組織力の向上では、BCP、業務継続計画に基づく対応や災害対策本部訓練などによる危機管理対応能力の強化など3項目を進めます。  次に、その下の中期財政見通しですが、主な収入項目として、中段のグラフが二つありますけれども、下水道使用料一般会計繰入金の見通しを掲げています。  下水道使用料の見通しですが、左側の棒グラフのとおり、節水意識の高まりなどにより徐々に減少する見通しとしております。  また、一般会計繰入金の見通しは、これまで企業債の発行額を抑えてきたことに加え、借り入れ利率が低下したことにより元利償還金が減少するため、右側の棒グラフのとおり、繰入金も減少する見込みとなっています。  続いて、その下にもあります企業債償還金と資金残高の見通しについてです。まず、過去に発行した企業債の元利償還金と未償還残高の見込みは、左側のグラフですが、元利償還金については、これまでの企業債発行額の抑制と借り入れ利率の低下によって徐々に減少する見込みとなっています。また、未償還残高は再構築事業の増加に伴い、企業債の新規発行額は増加いたしますが、それよりも償還額のほうが上回るために、平成27年度末で2,640億円であった未償還残高は、5年後の平成32年度末で2,421億円まで減少する見込みとなっています。  次に、その右側のグラフは、累積資金残高の見込みです。事業の選択と集中、維持管理の効率化などに取り組むものの、使用料収入の減少や調査修繕費用の増加が見込まれていることから、累積資金残高は、ごらんのように減少し、平成32年度末では13億円になる見込みとなっております。  それから、右上に移りまして、第5章 下水道サービスの向上です。  情報提供による市民理解の促進につきましては、次世代の担い手となる子どもたちへの環境教育の充実のため、小学校への出前授業や見学会などを実施します。また、下水道科学館による取り組みとしては、展示物のリニューアルなどを予定しています。また、市民参加によるニーズの把握としては、下水道モニター制度の充実や出前講座制度の活用などを考えています。  最後に、第6章 進行管理です。  現行のプランと同様に、施策ごとに達成目標を設定し、年度ごとの進行管理を行い、その結果についてはホームページなどで公表し、市民の皆様の意見を踏まえ、評価、見直しを行いたいと思います。具体的な達成目標につきましては、右下に施策ごとの主な達成目標を記載しておりますが、例えば、下水道本管詳細調査延長や管路改築延長などの目標数値を示し、進行管理を行ってまいります。  なお、この表の一番下になりますが、参考といたしまして、現行のプラン2015の実施状況を記載しています。 ○伴良隆 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆こじまゆみ 委員  私から、札幌市下水道事業中期経営プラン2020概要版を含め、ただいまの説明を踏まえ、建設にかかわる事業計画について具体的に伺ってまいりたいと思います。  下水道は、私たちの日常生活に欠かすことのできない施設であり、浸水対策などで安全で安心な市民生活の確保にも重要な事業であると考えます。下水道の機能が将来にわたって維持され、期待される役割を果たしていくためには、必要な事業はしっかりと進めていっていただきたいと思います。そうした視点から、次期中期経営プランの事業計画について、幾つか質問をさせていただきます。  まず、次期プランでは、先ほどの説明にもありましたが、建設事業費は25.3%増の911億円を計上され、現プランと比較して大幅な事業費の増加というご説明でした。老朽化が進む下水道施設の機能を維持するため、再構築事業を最優先するということですが、ほかに主要な施策がありますので、現行のプランと比較した建設事業の全体的な傾向を確認させていただきたいと思います、  そこで、最初に質問しますが、次期プランの建設事業について、現行のプランと比較した主な増減の内容や特徴について伺わせていただきたいと思います。 ◎紅露 計画担当部長  現行プランの建設事業費約730億円に対しまして、次期プランは911億円、約180億円の増となっておりますが、施策ごとの増減としましては、下水道施設の再構築事業で約240億円の増、浸水対策などの災害対策では約20億円の増、一方で、下水管の新設などの下水道整備事業と水質改善事業は約80億円の減となっております。  具体的な増減の主な要因としましては、再構築事業におきまして、管路の改築延長を現プランの46キロメートルから119キロメートルと増加を見込んでおり、また、汚泥の集中処理施設である西部スラッジセンターの焼却炉の改築を新たに計上しております。災害対策事業におきましては、浸水対策である東雁来雨水ポンプ場の新設工事継続による増を見込んでおります。一方で、下水道整備事業と水質改善事業につきましては、東雁来の区画整理事業に伴う下水道整備がおおむね完了したことや、豊平川雨水貯留管が完成したことなどによって減となっております。  建設事業全体としましては、特に改築事業に重点的に取り組むこととしまして、優先度の高い必要な事業を積み上げたところでございます。 ◆こじまゆみ 委員  建設事業の全体的な傾向としては、再構築で240億円の増、浸水対策で20億円の増だったけれども、下水道整備等が済んだところで約80億円の減ということで、大体の傾向はわかりました。  次に、次期プランの重点取り組みとなっている改築事業についてでありますが、本年3月に策定した改築基本方針では、将来的な下水道本管の改築事業量は年間60キロと、今後10年間の下水道本管の改築事業量の見込みを250キロメートルとしています。次期プランはこの基本方針を受けた5年間の事業計画でありますが、基本方針がきちんと反映されているのか、また、想定されている事業が着実に実施できるのか、確認させていただきたいと思います。  まず、管路の改築事業量について、先ほどの答弁にもございましたが、5年間の改築延長が119キロメートルというふうになっています。基本方針で示した10年間で250キロメートルというところであれば、ほぼ半分であり、方針に沿った事業量であるとは思いますが、これは妥当なのかどうかは、算出根拠をお聞きしてから判断させていただきたいと考えます。  また、管路の改築工事では、周辺への影響を考慮して、開削によらず、内面から樹脂製の管を形成する更生工法が主流になってきていると伺っています。この更生工法は特殊な技術が必要であり、担い手である事業者側の対応にも影響してきますので、この工法の割合についてもお伺いしたいと考えています。  そこで、伺いますが、管路改築について、5年間で119キロメートルということでありますが、その根拠や考え方を教えていただきたいと思います。  また、改築の方法としましては、開削工法と更生工法の割合はどの程度を想定していらっしゃるのか、あわせて伺わせていただきます。 ◎紅露 計画担当部長  改築事業量の算出根拠についてですが、管路の改築は、テレビカメラなどによる詳細調査で損傷などのふぐあいの程度を確認して、改築の必要性や時期を判断しながら進めております。次期プランでは、5年間で約1,000キロメートルの管路調査を実施いたしますが、近年の調査におけるふぐあいの発生割合などから、改築が必要な延長を推計したところ119キロメートルとなっております。  なお、この延長は想定でありまして、実際の改築に当たっては、毎年の管路調査の結果に基づき、必要な延長を決定していくこととなります。  次に、改築の工法についてですが、工法の選択は実際の工事箇所の周辺環境により判断していくことになり、今後は、初期に布設された管が多い市の中心部での改築事業が多く見込まれますことから、全体の7割から8割は更生工法になるものと予想しております。 ◆こじまゆみ 委員  管路の改築事業については、毎年の調査によって改築対象を判断し、その見込みとして事業量を出したというお答えでした。  もちろん、無駄な事業をやる必要はないとは思いますが、将来的には年間60キロの改築が必要と見込まれており、将来の子どもたちの世代になるべくツケを残さないためにも、前倒し的にもう少し事業を進めてもよいのではないかと思っています。毎年の調査によっては見込みが変わってくることも考えられますので、改築が必要と判断された管路については、しっかりと着実に、それこそ前倒しをしてでも改築を行っていただきたいというふうに思います。  改築の工法については、更生工法による改築が7〜8割と予測されるというお答えでした。さきの3定の決算特別委員会において、我が会派の伴委員の質問に対する答弁では、次期中期経営プラン策定に伴い、具体的な管更生の事業量を明示するとともに、新規参入しやすい入札手法の検討を行うなど、必要な担い手の確保に向けた取り組みを進めるという答弁をいただいたところでもあります。プランの中で改築事業量が5年間で119キロと明示され、また、更正工法の割合も高いということですので、関係する業界に向けて具体的に対応を進めていくべきだというふうに考えます。  そこで、質問させていただきますが、次期経営プランの策定に合わせて必要な担い手の確保のために具体的にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。 ◎山際 管路担当部長  改築事業の担い手の確保についてお答えします。  改築事業を円滑に進めるためには、担い手である建設事業者におきまして、専門技術者の確保に加えて設備投資などが必要になってまいります。中期経営プラン策定に伴い、市民を対象としたパブリックコメントを行いますが、これとは別に、12月中旬、来週の15日に、建設事業者354社を対象に説明会の開催を予定しております。この説明会では、プランで掲げた事業の説明を行い、円滑な事業実施に向け、人材や設備の確保など、協力をお願いする予定であります。  これを促進する本市の施策としまして、入札方法では、施工実績を問わない成績重視型の採用などで新規参入業者をふやしていくことを考えております。さらに、総合評価落札方式においては、管更生の資機材を保有していれば加点するなど、設備投資をした建設業者が受注しやすくなるような検討を進めているところであります。  今後とも、さまざまな機会を通じて事業者から意見を聞きながら、担い手確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆こじまゆみ 委員  本市の下水道事業というのは、建設から維持管理、そして改築、再構築の時代に入ってきているというふうに思われます。今、入札の方法についても、成績重視もしくは総合評価といったようにさまざまな形を取り入れていただけるということであります。設備投資をするにしても、仕事がなければ設備投資に向かうことはできませんので、このことにつきましては、354社を対象に説明会が行われるということですから、具体的にしっかりと皆様にご理解いただけるように周知していただきたいと考えます。  次期中期経営プランは、その変わり目のタイミングに策定される非常に重要な計画になると私自身も考えています。建設事業については、先ほども申し上げましたが、子どもたちの世代にもかかわってくるものですので、ツケを残さないように、前倒しできるものは人材や設備投資がかなうような形でしっかりと取り組んでいただきたいと思います。特に改築事業については、今後の事業量の見込みについて、実績も見ながら、また、管路の調査による結果もきちんと反映しながら適正に進めていただきたいと考えます。民間事業者との連携につきましても今月15日に説明会が行われるということでありますから、要望や意見をお伺いしながら、スピート感を持って取り組んでいただくことを求めて、私の質問を終わらせていただきます。 ◆かんの太一 委員  私からは、第4章 健全で安定した経営への取組について、何点か質問いたします。  国においては、社会資本や経済、行財政に対する視点、社会情勢等が大きく変化する中、下水道の使命と長期ビジョン、そして、今後10年程度の目標及び具体的な施策を示した中期計画で構成される新下水道ビジョン〜「循環のみち」の持続と進化〜を2014年7月に発表しています。その究極の使命は、持続的発展が可能な社会の構築に貢献であり、循環型社会の構築に貢献すること、強靱な社会の構築に貢献すること、新たな価値の創造に貢献すること、国際社会に貢献することとしています。また、地方公共団体ごとの使命及び機能やサービスの目標水準を適切なマネジメントにより持続させることを目指すとしており、札幌市においても、政令指定都市、道都としての役割を見詰め直し、下水道事業の健全な経営を確保していくことは非常に重要であると考えます。  札幌市まちづくり戦略ビジョンには、都市基盤の維持・保全と防災力の強化が基本的な考え方として示されており、この考えを実現するためにも、しっかりと安全で安心な市民生活の維持に向けた事業を進めていただきたいと考えているところであります。  さて、今回のプランでは、今後5年間の建設事業費を約25%、維持管理費を約20%ふやし、効率的かつ計画的な事業展開をするとのことですが、一方、今後、ベテラン職員の退職による技術力の低下が課題になることから、これから技術力をどう維持していくのかなど、下水道事業が置かれる環境は非常に厳しいと思います。  そこで、質問ですが、こうした状況の中で、事業量の増加に対してどういった対応を進めていくのか、お伺いいたします。 ◎高川 下水道河川部長  今後予定される事業量の増加に対してですが、これまでも、管路や施設の点検、調査から、修繕、そして改築へ迅速な対応ができるよう組織の一元化を図り、整備更新と維持管理を効率的に進めてきたところでございます。さらに、人材育成と技術力の継承を図り、職員が一体となってチームワークを発揮できる体制の構築に努めてまいりたいと考えています。具体的には、新規採用職員や異動職員に対して早い段階で基礎的な研修を実施し、各職場の取り組み事例の共有など、技術、知識を高める機会を充実させてまいりたいと思います。こうして培った職員一人一人の能力を組織力として結集し、ご指摘のような事業量の増加にも対応していきたいと思います。  しかしながら、次期プランで予定しております今後の事業量の増加に対しましては、これまでの対応のみでは限界があるので、民間の力を活用し、対応していく必要があるものと考えております。 ◆かんの太一 委員  ただいまの答弁では、人材育成や技術交流により組織力の向上を図り、民間委託の推進などにより事業量増へ対応していきたいということでしたけれども、民間委託や民間の活力の導入ということであれば、PFIやPPPなどさまざまな事業手法があり、また、ICTの急速な進展などによってイノベーションが進行し、下水道におけるビジネスチャンスも今後広がっていくことも予想されます。一方、事業推進の主体としての地方公共団体の責任は重く、民間委託をしたとしても、委託を発注して業務が終了するのではなく、発注する地方公共団体の管理が重要であり、発注側に十分な技術力、指導力が必要であると考えます。  そこで、質問ですが、民間委託を過度に進めると、かえって技術力の低下を招くおそれがあるのではないかと心配していますが、今後の民間委託についてどう考えるのか、お伺いいたします。 ◎高川 下水道河川部長  これまでも、民間委託につきましては、工事の設計や工事管理、水再生プラザの運転管理などを実施してきたところでございます。ご指摘のとおり、民間委託を行う場合でも、これを監督・指導していくためには、発注者側が技術的な指導力を維持していかなければならないと考えております。  下水道施設は市民生活に不可欠な施設であり、ゲリラ豪雨など自然災害に備える施設でもありますので、こうした危機管理や災害対策などは行政の判断が必要と考えています。加えて、委託した業務においても、例えば、受託者の撤退などにより、万一、業務が履行されなくなる場合をも想定し、非常時のバックアップ体制の確保も必要でございます。  これらのことを踏まえて、今後の民間委託については、危機管理や災害対策など、行政が担わなければならない部分は行政の責任において人材を育成し、発注者として監督・指導に必要な技術力をしっかり確保しつつ、民間活力を利用しながら業務を進めてまいりたいと考えています。 ◆かんの太一 委員  民間委託ということで丸投げするのではなくて、地方公共団体の役割をしっかりと認識しながら進めていただきたいというふうに考えます。  続きまして、プランにおける主な取り組みの一つに技術交流の推進がありますが、他の自治体などとの技術交流の機会をつくり、技術や知識の習得及び向上に努めますと述べられています。こうした技術交流による相互連携を図ることは、札幌市はもちろん、道内の自治体にとっても技術向上、人材育成の機会となると考えます。  札幌市は、まだベテラン職員もいるのでしっかりと対応できると思いますが、道内の他の自治体では、専門的な知識を持っている職員を確保するのも難しく、これからの技術力の確保が大きな課題になっていると思います。国は、新下水道ビジョンにおいて、都道府県がリーダーシップをとり、地域間連携、広域化などを進めるように促していますが、北海道においては、人材や技術の蓄積がある本市が道内連携を積極的に推進していく必要があり、それが技術交流、人材育成にもつながっていくものと考えます。  そこで、質問ですが、道内自治体の下水道事業における技術交流、人材育成という観点からも、札幌市の役割をどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎高川 下水道河川部長  下水道事業における担い手の不足については、全国的にも深刻な問題となりつつあります。国の新下水道ビジョンでも、事業主体である地方公共団体を初め、公的機関、民間企業、大学研究機関、国、そして国民などの全ての関係者が役割を分担し、相互連携を図ることを必要としています。  札幌市では、これまで、北海道地方下水道協会が主催しております各種の講習会や研修会へ講師を派遣し、道内自治体と共同した調査研究を実施するなど、幅広く自治体連携に取り組んでおります。さらに、今年度から新たに、札幌市主催により、下水道協会と連携し、道内自治体の職員を対象とした工事や設備管理の実務的な技術研修を試行的に実施したところですが、定員を超える申し込みがあり、道内自治体にこうしたニーズがあることを改めて認識したところでございます。したがいまして、今後も、こうした技術交流の機会をふやすなど、自治体間の連携のために札幌市としてどのような役割を担えるか、検討を進めていきたいと考えております ◆かんの太一 委員  最後に、要望ですが、2015年5月に成立した改正下水道法により、下水道の機能を持続的に確保するために、下水道管理の広域化、共同化を促進するための協議会制度が創設されております。下水道事業は、道路や河川と異なり、国や都道府県だけではなく、ほとんどは市町村が管理運営するものです。道内自治体との連携を図り、札幌市が、道内自治体の下水道事業を支えるとともに、持続可能な下水道機能を確保できるよう、今後もしっかりと取り組んでいただくことをお願いいたしまして、私の質問を終了いたします。 ◆小口智久 委員  我が会派では、防災、減災を進める強靱化の取り組みと、元気な経済を目指し、防災・減災ニューディールという政策を提唱しております。災害に強い下水道を実現するため、雨水対策や地震対策に関して種々の説明がありましたが、まさに強靱化に資する取り組みであります。南海トラフ巨大地震や首都直下地震など、大規模な地震の発生が予想されており、また、広島市の土砂災害や鬼怒川の洪水、札幌を含む各地でゲリラ豪雨などによる被害も発生しております。災害はいつ、どこで発生するかわからないことから、事前の防災・減災対策については、危機感を持って取り組んでいただきたいと思っております。  そこで、質問ですが、全市的な雨水対策については現在どの程度まで進捗したのか、また、次期プランの中ではどのように進めていくのか、伺います。 ◎紅露 計画担当部長  雨水対策について、本市では10年確率降雨である1時間当たり35ミリを基準に、昭和53年から下水道施設の増強を進めまして、平成26年度末までに、雨水拡充管については、約300キロメートルの計画に対して約200キロメートルを、ポンプ施設は、7カ所の計画に対して6カ所を整備したところであります。今後も、浸水の状況や被害が地域に及ばす影響などから優先度を定め、計画的に整備を進めることとしており、次期プランでは、雨水拡充管6.6キロメートルと東雁来雨水ポンプ場の整備を行う予定であります。また、ゲリラ豪雨などの大雨への対応としましては、浸水シミュレーションによります浸水危険箇所の想定や、地下街がある区域に対しては下水管の水位情報の提供を行うなど、迅速な避難につながるソフト対策も進めていくこととしております。 ◆小口智久 委員  ただいまの答弁にありましたように、雨水拡充管については、300キロメートルの計画に対して200キロメートルですから、あと100キロメートルというところで、また、ポンプ施設は7カ所の計画に対して6カ所を整備して、次期プランでは、雨水拡充管は6.6キロメートル、そして東雁来の雨水ポンプ場ということでした。雨水拡充管については、100キロメートル残っているところにまず6.6キロメートルと、全市的な取り組みというのは費用と期間がかかることは一定の理解をいたしますけれども、市民の安全・安心にかかわることですので、積極的に進めてもらいたいと思います。また、ただいまの答弁で、浸水のシミュレーションをして危険箇所の想定や迅速な避難につながるソフト対策も行っていくということでございますが、くぼ地など地形的に浸水被害が起きやすいところがございますので、こちらも市民の不安、また少しでも災害を緩和できるように着実な取り組みをお願いいたします。  次に、地震対策について質問させていただきます。  札幌市の下水道施設については、下水管の延長が約8,200キロメートル、下水の処理施設が10カ所、ポンプ場が17カ所等の施設がございます。そして、これらの施設は昭和40年代から50年代に集中的に整備したとのことから、急速に老朽化が進むことも聞いております。このような状況から、これらの施設を全て一様に耐震化するのは多大な費用と時間がかかりますので、地震対策については計画的に確実に対策を行う必要があると考えます。  そこで、質問ですが、このように膨大な施設を有していることから、特にハード対策に関する考え方と次期プランでの取り組み内容についてお伺いいたします。 ◎紅露 計画担当部長  地震対策についてでございますが、地震対策は、震度5強程度の地震に対して施設の構造、機能を維持し、震度7程度に対しましては施設の破損、倒壊を防止することを目標とし、施設の重要度や特性を踏まえ、優先順位を決めて対策を実施してきております。管路施設につきましては、破損による道路陥没により車両の通行の支障とならないよう、下水道の整備が早くから行われた都心部などにおいて、耐震性が低下した老朽管の改築を行うとともに、幹線管路にあるマンホールの耐震化等を引き続き実施いたします。処理施設につきましては、まず、運転操作機能が集積する管理棟の耐震化を進めて平成23年度までに完了しましたことから、次に揚水機能の確保に必要なポンプ棟の耐震化に取り組んでおり、引き続き次期プランでも実施することとしております。 ◆小口智久 委員  ただいまの答弁にございましたように、まず、地震対策は、震度5強程度については機能維持、震度7程度については破損防止ということでございます。また、管路施設については、早く整備が行われた都心部の老朽管改築、また、幹線管路にあるマンホールの耐震化等を引き続き実施する、処理施設については、運転操作機能が集積する管理棟等は完了したということでございますので、今後はポンプ棟の耐震化に取り組んでいくということでございました。このように膨大な資産があることから、全体を一様に対策することは物理的にも経済的にも困難と思いますけれども、下水道施設は市民生活に欠くことができないライフラインであります。改築事業に合わせて、耐震化を進める等の工夫も行いながら、効果的にハード対策を進めてもらいたいと思います。  ところで、平成23年3月の東日本大震災を教訓として、行政の地震対策の対応について見直しをする動きがあり、その一つとして、業務継続計画、いわゆるBCPの策定が挙げられます。BCPは、大規模な災害時において、行政機関自体も被災し、職員が十分に確保できなかったり、電気や燃料などの供給が停止したりして、人、物、ライフライン等の資源に制約がある状況の中でも行政が適切に業務を執行できるようにするための計画でございます。下水道施設の運転には多くの人員が必要であり、また、電気や重油など多くの資源も必要であると聞いておりますので、下水道においてもBCPというのは非常に重要なものだと思います。  札幌市でも、先日、地震に関する全市的な業務継続計画が策定されたところです。  そこで、質問ですが、次期プランの中にもBCPについて触れられておりますけれども、どのような考えで、どのような内容の計画をつくられているのか、伺います。 ◎坂倉 下水道施設部長  下水道の強靱化についてですが、下水道のBCPにつきましては、下水道の果たすべき重要な機能の維持及び早期復旧を図るため、札幌市業務継続計画(地震災害対策編)に基づきまして、下水道事業にかかわる詳細計画を作成するものであります。  この計画では、地震時の対応を中心として、受託業者の経営破綻など、社会的リスクが発生した際の対応も視野に入れながら、今年度中の策定に向けて作業を進めているところであります。主な内容といたしましては、関係機関への支援要請や下水道施設の被害調査、応急復旧など、下水道機能を確保するために必要な業務を選定し、誰がいつまでに何をするかなどを定めるものであります。また、BCPの策定後におきましては、職員の意識向上や定着化を目的とした訓練を定期的に実施するとともに、そこで得られた課題を踏まえて、対応手順の手直しや事前に必要な対策を行うなど、レベルアップを図りながら、リスクに対応できる体制を構築してまいりたいと考えております。 ◆小口智久 委員  ハード対策とBCPのようなソフト対策は車の両輪であり、どちらが欠けてもうまくいきませんので、つくっただけで安心せず、今のご答弁にございましたように、絶えず点検や見直しを図ってレベルアップをしていただきたいと思います。  最後になりますが、発災時にはどのような事態になっているかわかりませんけれども、そのようなときでも、市民の生命や生活を守るため、ライフラインである下水道の機能を保持し、適正に運転管理を行わなければならない使命が行政にあります。ぜひ、ハード対策についても、ソフト対策についても、常に点検を行い、必要な見直しを行うとともに、日ごろの訓練により、どのような事態に遭遇しても、平常心で適切に対応できるような準備をしていただき、札幌市の強靱化を目指してほしいということを要望して、私からの質問を終了いたします。 ◆村上ひとし 委員  私からは、循環型社会に向けた取り組みと、もう一つは、下水道使用料における受益者負担のあり方と、大きく2点について質問させていただきます。  まず最初に、循環型社会に向けた取り組みでありますが、下水道の処理過程でたくさんのエネルギーを使うということが言われていて、市有施設全体で使用する電気エネルギーの約20%を使っているということです。一方で、下水道には多くの資源エネルギーのポテンシャルも存在しますから、原発に依存しない社会をどう構築していくのかという点でも、いわゆる省エネ、そして創エネの両方を進める立場から非常に重要な問題があるというふうに思います。
     そこで、プランの中では、市有施設における下水道エネルギー資源の有効活用に向けて具体的にどのように取り組んでいくのかという点について最初にお伺いいたします。 ◎紅露 計画担当部長  市有施設での下水道エネルギーの利用ということについてでございますが、おっしゃったとおり、下水は大気に比べて冬は暖かく夏は冷たいというような特性を有しておりますから、これを冷暖房熱源として空調に利用することにより、エネルギーの削減効果が期待できると考えております。  次期中期経営プランでは、水再生プラザ等において、熱源の位置とか利用可能熱量などについて比較検討を行い、空調設備の改築に合わせて3カ所でこのシステムを導入する予定でございます。 ◆村上ひとし 委員  下水道のエネルギーを積極的に活用して環境の負荷を下げていくということは非常に重要な取り組みになります。市有施設でこれがどの程度やっていけるのかということを検証して、その内容を市だけのものにしないで、民間にどう普及していくのかということでも重要な役割を担っていると思いますけれども、民間に対する普及についてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。 ◎紅露 計画担当部長  民間の活用についてですが、下水道管は市内全域に布設されておりますことから、下水熱の民間施設への活用が進めば、全市的に大きなエネルギー削減効果が得られる可能性があるというふうに考えております。  しかし、下水熱の民間活用につきましては、その導入に当たって費用面の課題も大きいことから、委員のご指摘のとおり、まず市有施設に導入してその効果を検証してまいりたいと考えております。 ◆村上ひとし 委員  ぜひ、積極的に、まず市有施設で先行して大いに取り組んでいただくことと、いろいろ課題はあるかもしれませんけれども、原発に頼らない社会を実現していくという上でも、下水道でできることを可能な限り進めていただきたいというふうに思うわけです。  そこで、目標値の考え方についてはどうでしょうか。今後、そういう目標を持つようなことは検討されるのでしょうか。 ◎紅露 計画担当部長  目標値と言いますと、どこまでエネルギーを利活用するかという目標をどこまで持つかということだと思います。  下水熱の利用に関しては、先ほども言いましたように、導入に当たって費用がかかることのほかに、ちょうどいい下水道の管があるか、あるいは、そこにはちょうどいい下水の流量があり、それだけの熱量があるかどうかなど、マッチするかどうかというのは非常にいろいろな条件があって、どこまで広げていけるかというのは今のところ不透明なところが多くあります。ですから、やはり、下水道の施設で本当にどのぐらい効果があるかということを見きわめてから、どこまで広げていけるのかという検討を進めていきたいと考えております。 ◆村上ひとし 委員  まず、三つの施設で導入して検証していくということですが、実施する施設の件数がふえていくとコストを下げられる可能性も今後は十分にあると思いますので、そういう点からも、ぜひ、目標についてもこれから積極的に検討していただきたいとに思います。  2点目ですが、適正な受益者負担のあり方についてもうたわれておりますけれども、具体的にどんなことを検討しているのか、お伺いいたします。 ◎高川 下水道河川部長  下水道の使用料は下水道事業の収入の主たるものですが、かつては下水道の普及率と人口の増加に比例して堅調に伸びておりました。しかし、近年、節水意識の高まりや人口増加の鈍化などにより、平成10年度以降は、横ばいから減少傾向となっています。一方で費用ですが、老朽化した施設の改築が本格化することもあり、改築に係る事業費や施設の延命化のための維持管理費が今後は増加することが見込まれています。このような厳しい財政状況でありますけれども、今ご報告しておりますプランの期間となる5年間については、使用料を見直さず、現状を維持する計画としております。  それ以降の将来については、下水道事業を健全で安定した事業として運営していくために適正な受益者負担のあり方を検討してまいりますが、検討する中では、使用料の体系に関してもまずは調査研究を進めてまいりたいと考えております ◆村上ひとし 委員  使用料の体系についても、これから調査あるいは研究していくということであります。  しかし、今の私たちの社会における今後の高齢化の問題を考えると、使用料金について検討していかなければならない課題の一つとして、お年寄りが要介護4あるいは5となりますと、施設に入るお年寄りもいたり、あるいは、在宅でデイサービスを受けて、自宅ではほとんど入浴しない、あるいはできないお年寄りがふえてきて、デイサービスで週2回、あるいは3回入浴されるような方が急速にふえてくると思われます。そういう点では、家でほとんど上下水道を使わない方が急激にふえると思うのですよ。その一方で、施設側から考えると、なかなか厳しい経営の中でお年寄りに入浴させるわけですから、そういう料金の負担の問題も出てくると思うのです。高齢化社会に向かうことははっきりしておりますから、そうした高齢者に対して、特に年齢で何歳から上は全てという考え方ではなくて、少なくても介護度の高い高齢者については減免措置を検討していくとか、そんなことも含めて、何らかの形でこれから考えていくことが必要ではないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。 ◎高川 下水道河川部長  ただいま委員からご指摘があったような例でありますが、要介護認定者に限らずですが、単身者世帯なども含めて、使用水量の少ない消費者がいることは承知をしております。こういった世帯につきましては、先ほども答弁申し上げましたが、適正な受益者負担のあり方を検討する中で、例えば、現在、1カ月10立方メートルという基本水量の設定について使用料体系の問題として調査研究を進めるということは考えてまいりたいと思います。 ◆村上ひとし 委員  ほかの都市で、一定の介護度以上に対する減免、あるいは、特養ホームだとか、いわゆる社会福祉施設を減免しているところはあるのですか。その点についてお伺いをします。 ◎高川 下水道河川部長  現在把握している範囲では、政令指定都市、大規模な都市の状況として、横浜市では要介護認定者という特定の世帯に対する減免制度を持っているということは聞いております。 ◆村上ひとし 委員  私はこのプランの中でやってくれというようなことは求めておりませんが、この5年間で受益者負担のあり方を検討していく上で、やっぱり高齢化社会ですから、とりわけ要介護度の高い高齢者に対してどんな対応をすべきなのか、あるいは、福祉施設に対してはどうなのかということは、ぜひ、真剣に検討を進めていただきたいと思います。また、こういう時代ですから、一般会計から繰り入れをすることも含めて今後検討すべきだということを申し上げて、質問を終えさせていただきます。 ◆松浦忠 委員  まず最初に、平成25年度から27年度の3年間で、入札のための設計書をつくって、告示をして、設計書の設計し直しという件数が何件あったか、お尋ねします。 ◎山際 管路担当部長  明確な数字はございませんが、そういう事態が発生したことは事実でございます。 ◆松浦忠 委員  これは、建築にはほとんどないのだけれども、土木の仕事に多いのですね。やっぱり、このごろは、ほとんどの調査設計が外注になっている関係で、職員は、現場監督もなくなり、どんなふうにして仕事が進められているかということがほとんどわからない。そういう人たちが設計書をつくるわけですから、委託した業者の人が見落としをしているとその点検ができない。こういう実態ですね。したがって、これをどうするのかということをまず第一にやらなきゃならぬ。これについて何か考えているかどうか、質問の一つはそれであります。  それから、二つ目は、先ほど下水道の小水力発電について話がありました。事前の説明では2カ所でやっているということですが、その2カ所について、幾らのお金をかけて工事をして、毎年、幾らの発電収入があって、何年間で投資した元が取れるのか、そうした採算性についての説明を求めます。  それから、三つ目は、今、管路の取りかえは50年という話があるのですが、札幌市内で、管路が老朽化して破損をし、そのことによって下水が流れなくなったという事例があったのか、なかったのか、さらにまた、国内でそういう事例があったか、ないか、まず、以上についてお尋ねいたします。 ◎山際 管路担当部長  まず、最初の設計書のミスについての対策、対応のご質問です。  設計して入札の手続に入った中でミスが見つかったり、告示した中で業者たちからの質問が来て問題があったということでやり直したという事例がございました。これは、コンサルのミスというのもありますが、我々の設計者の入力のミスとか記載のミスがたまにあって入札がやり直しになったという事実がありましたので、内部で二重チェック、三重チェックをかけて職員相互のチェック機能をもっと強化するという対策をとっておりますし、それから、問題が起こった事案を例題にして内部での研修を頻繁に行い、そういうミスを起こさないように対策をとっているところでございます。 ◎紅露 計画担当部長  2点目の小水力発電のほか2カ所の採算性等についてということでお答えいたします。  平成26年度に西部スラッジセンター5号炉において、排熱を利用した蒸気発電設備を設置しております。設置費は1億5,500万円、発電量が年間92万キロワットアワーで電気料金の削減分が年間約1,500万円ですので、割り返すと10.3年となります。  もう一カ所は、今年度工事をしている小水力発電設備ですが、設置費が1億4,300万円、発電量が年間約20万キロワットアワーで電気料金削減分が年間約350万円ですので、割り返すと40.6年、これを足して平均しますと全体では16.1年となります。 ◎山際 管路担当部長  3点目のご質問は、下水道本管の破損、閉塞というご質問だと思いますが、我々が把握している中では、管の老朽が原因で管が潰れたという事例は把握しておりません。  ただ、他工事の関連で管を傷められて穴があき、そこから土砂が入って閉塞したとか、場合によっては、よくありますが、ラーメン屋の近くの下水管がラードで固着してかなり流れが悪くなったとか、維持管理上のそういう事例は何件か把握しております。 ◆松浦忠 委員  まず、職員の技術の問題ですけれども、私は、以前から、新規採用があったら、どんな小さな工事でもいいから直営でやらせて、仕事の進め方を覚えさせることが大事だと言っているけれども、なかなかやりません。  そこで、現実的なものとして、新規採用になったら、まず工事監督につける。そして、その後、その新規採用の人は、まず、自分で、どの工種はどの程度のことでどういうふうにしたらどのぐらいの期間でできるかということなど、その工程を設計させる。設計したら、それを業者側と打ち合わせて、業者側から、これはこうだからもっと要るとか、これはこんなに要らぬから、こういう段取りをやったらこのぐらい縮まるとか、やっぱり、そういう研修をやる必要があるのでないかと。一度そういうことをやれば、この仕事の進め方はこういう手順で行われるということで一定程度は理解できます。そうすると、今度は、設計会社から上がってきた書類を見るときでも、きちっと見方がわかります。私は、やっぱり、そういう研修の仕方をすべきだと思うのですが、これについてどう考えるか。  それから、小水力発電についてです。最初のものは1億5,500万円で1,500万円だから10年で単純に元が取れると、これはいいんです。あとのものは、1億4,300万円かけて350万円ですから40年かかって元が取れると言いますが、40年の間、水力発電の中のプロペラだとか可動部分はもつのかどうか、これについてお尋ねします。 ◎山際 管路担当部長  1点目の職員の研修についてでございます。  下水道の管路工事に限っての回答になりますが、我々のところでは年間80本ぐらいの工事を発注しておりますけれども、その全てをコンサルの委託設計でお願いしているわけではなく、大体2割から3割しか委託はしていません。直営で、現地に測量機械を持っていき、測量して、自分たちで図面を引いて数量を拾う作業に全職員が当たっておりまして、新採用で来た職員もその仕事をさせております。現実には委員がおっしゃったとおりのことをやっておりまして、全てコンサルのデータをそのまま設計書に写すという工事は本当に一部でございますので、昔のままとは言いませんが、徒弟制度的にベテラン職員について現地で一緒に確認しながら設計もしますし、現場の監督もやっているのが実態です。  ただ、最近、非常に職員が若返っているものですから、回転が早過ぎてなかなか力が追いついてこない面は確かにございますが、そういう場数を踏んで、今、徐々に力をつけて中核になっている最中だとご理解いただきたいと思います。 ◎紅露 計画担当部長  小水力発電設備の耐用年数についてですが、小水力発電設備については構造がポンプ設備と酷似しているということで、標準的には20年というふうに言われております。しかし、札幌市の場合、実績から、設備の使用可能な期間を標準耐用年数の2倍程度使っておりますので、40年持つかどうかわかりませんが、かなり長くもつものと考えております。  また、小水力発電については、単独での費用回収はかなり難しい面もありますが、今言った二つの施設を合わせてトータルで考えることで費用回収ができるものというふうに見込んでおります。 ◆松浦忠 委員  まず、設計もそうだし、監督もやらせているのですか。(「はい」と呼ぶ者あり)  それでは、監督については、特に、施工工程表をつくった者と業者がつくるものをそれぞれが持ち寄ってやらせる、そういうことをやることでより中身を理解していくということになると思うのです。今のやり方を見ていると、大体は業者が入札したら施工表をつくってくるのですね。それを見て、まあ、いいかと、これでやっているんです。そこで、入札が終わった段階で、職員の側で施工表をつくる、業者もつくって持ってくる、そこでどこがどう違ってこうなるかと。特に新しい人はこれをやることによってよく理解が深まっていくと思うので、ぜひ、これをやっていただきたいというふうに思います。  これについていかがか、やる意思があるか、ないか、後ほどお答えをいただきたいと思います。  それから、小水力発電ですが、皆さんの会計は企業会計ですよ。企業会計なのですから、もうかるものはやっていいのです。しかし、もうかるか、もうからないか――メーカーがつくっている耐用年数からいったら20年しかないものを、実際に使ってみたら倍ぐらい使えるから何とかなるかなということではなくて、もうからないものはやらないことです。どうしてもやらなきゃならぬというのは、例えば、電力会社も含めて道内の発電量が足りなくて、自前で何とかしなきゃならぬ、電気がなければ全く動かないというなら、場合によっては高くてもやらなければいかぬ。しかし、今はそうではないです。発電量には余裕があるのです。原発を動かさなくても、実質上、この冬も電力会社は余裕があります。したがって、もうからないことはやらないこと、これは企業会計なのですから。赤字が出たときに誰が責任とるかといったら、市民が下水道料金で納めるなり、あるいはまた、税金で納めて下水道会計に補填して、いずれにしても、全部、市民の負担になります。したがって、そこの考え方をきちっとしなければだめですよ。  これについて、私は、赤字になるものについてはやめるべきだと思います。つけたものをとれなんて言わぬから、耐用年数が来たらそれでやめる、そうすべきだと。今後は、赤字なるものについてはやらない、プラスになるものだけやる。これは当たり前のことだと思うのですが、これについていかがか。  それから、管路についてお尋ねしたら、壊れたものはない、全国的にも掌握してないということです。  土の中に円形の管が入っていまして、最も圧力に強くて、土からの圧力が均等にかかる状況ですから、わかりやすく言うと、腐食をして、ぽろぽろと欠けていってどこかに穴があく以外、潰れることはないと思います。例えば、セメントの粘着力が弱まったとしても、均等に圧力がかかっているから、自重で落ちる以外、穴はあかぬと思うんです、原理的に言うと。  したがって、聞いていると、どうも、50年だからかえなきゃいかんとか、60年だからかえなきゃいかんというのは、日本の下水道を布設しているところでの話としてはまだないのですね。誰かが、50年ぐらいになったらもうコンクリートもと、こういう話かと思うのです。国の財産規定を見ると、国の建物あるいは構造物で言うと鉄筋コンクリートの耐用年数は一応60年ということになっています。つまり、下水道管がどこまでもつかということについて、日本の国内では本当の意味でその検証はまだされていないのです。したがって、50年だから、もう60年になったからということではなくて、そこのところは、もう一回、頭の中をしっかりと整理していただきたい。  なぜ私がこれを言うかといったら、根本は何かというと、先ほど、村上委員も言っておられましたけれども、これから高齢化社会になってきて、みんなの年金所得もだんだん減ってくるだろう、支給額も減ってくるだろうと。それから、今、日本の国内の勤労者の4割は派遣なりパートタイマーですから、いわゆる家計を構成するだけの収入を得てない人たちが4割いるということが政府発表として統計上で出されております。そうすると、これから公共料金などを含めた負担能力はますます下がっていきます。そういうことを考えたら、いかにして、収入に合わせるように、どうやって施設を延命させ、なおかつ、その維持管理の経費はどうやったら節減できるか、こういうことを考えなければいけないと思います。  例えば、先ほど山際部長から7割、8割は直営で設計しているという話がありました。これは、もうちょっと外注してもいいのでないか、職員を減らすことができるのではないかと思う。その限界をどの辺に置くかということはいろいろ議論がありますよ。しかし、少なくとも7割、8割だったら、まだいいだろうと私は思います。  そういうことなどを含めて、中期プランの中で、いわゆる組織運営の経費の削減というものがきちっと出てこなくて、使う方だけはどんどん出てきていたら、これでは市民が非常に不安になります。私も不安になります。その辺をどういうふうに考えていくのか、これについて考えがあったら聞かせていただきたいと思います。  それから、もう一つは、先ほどから建設機材などの話も出ておりました。今、札幌市には、除雪用としてタイヤショベル、グレーダーなど夏冬の工事に使える機材が保有されておりますが、建設業者に対して、1台当たり多額の値段のする機械を購入しろと言うのはなかなか大変であります。あるいはまた、リースで借りるといっても、リース業者も使用頻度が高くなければ保有していくのも大変です。そこで、私は、せっかく持っている札幌市の建設機械ですから、夏の時期はこれを貸与するということもあわせて考えていくことが必要ではないかと思うのですが、これらについてどのように考えておられるか、お尋ねをします。 ◎高川 下水道河川部長  次期プランでは、収入が限られている中でどのような事業を選択し、どのように運営するかという趣旨だったと思いますが、その質問にお答えいたします。  施設の老朽化を踏まえまして、延命化のために維持管理を適切に行いながら、必要な建設改良と維持管理を行っていくことによって、委員がご指摘のように、トータルとしてのコストを下げるような事業展開をしていくつもりでございます。また、収入につきましては、先ほど申しましたが、向こう5年間につきましては、現状の下水道使用料金を維持したまま、このような事業運営に当たっていけるものと見通しているところでございます。 ◎紅露 計画担当部長  小水力発電など、もうからないものはやらないほうがいい、それをどう考えるかということについてです。  まさに、委員のご指摘のとおり、私たち企業会計は、経営への影響も十分考慮する必要があるというふうに考えております。また一方、再生可能エネルギー自体は、エネルギー削減とか地球温暖化対策の観点からも非常に重要な事業であるというふうに考えております。  若干、先ほどの繰り返しになりますが、そういった中で、今年度の小水力発電につきましては、単独での費用回収は確かに難しい面もあるかもしれませんけれども、昨年度設置した西部スラッジセンターの蒸気発電設備とあわせて、再生可能エネルギー事業全体として考えた場合は16年という費用回収の年数が出ますので、その中では全体的に費用を回収できると見込んでおります。そういうことで、企業会計の経営の観点、さらに、エネルギー削減、地球温暖化対策といった両面から考えて事業を進めていきたいと考えております。 ◎山際 管路担当部長  まず、1点目の職員の研修、工程の突き合わせ等のやり方についてでございます。  管路工事の場合、設計者は必ず現場の監督をします。それで、請負業者と必ず工程の打ち合わせをして、不可抗力によって設計どおり工程が進まないような場合は、工程の変更をして工期の延長にも柔軟に対応し、相談を受けながら無理のないように変更して進めております。そういう経験をもとに、無理な工程があった場合は、必ずそれをフィードバックして、次の年にはまた工程をちゃんと考えるようにということを毎年やっております。ただ、現場の特殊条件もいろいろありますので、それがなかなかうまくいかない場合もありますが、基本的に、職員は設計をやり、現場について業者と工程の調整や施工の打ち合わせをしながら進めている実情でございます。 ○伴良隆 委員長  機材リースはどうですか。 ◎山際 管路担当部長  それから、建設機材を工事の業者に貸与したらいかがかというご質問です。  私が把握した中では、除雪の機械は、主にグレーダーとかロータリー関係の機械を札幌市は所有していると思うのですが、タイヤショベルは、基本的に工事にも除雪にも使えるので意外と請負業者たちも持っている方が多いと認識しております。結局、業者が手に負えないのは、グレーダーとかロータリーのように冬の除雪にしか使えないものが手に負えないということで札幌市が貸与していると認識しております。ですから、今のところ、下水道工事でのショベル関係は夏冬兼用で使えますので、業者たちもそれなりに用意できていると認識しております。 ◆松浦忠 委員  やっぱり、経営に対する考え方が全然できていない。少なくとも、金を使うことばかりで、使うものも、これであるがゆえに、ここでやらなきゃいかぬというきちっとした確証もない。皆さん方のやっている今までの仕事を見ていたら、例えば、電線ケーブルを取りかえるのに、何で取りかえるかと聞いたら、国のほうで何年という標準を出しているからと。国が出しているのではなくて、国の外郭団体がそういう標準を出している、それを踏襲している、こう言うのです。私は、今までずっとこれを指摘してきた、三十数年。何十年使ったって、何万時間、それこそ何億時間、電気を流したって銅線は減らないんですよ。だめなのは絶縁が悪くなるかどうかです。絶縁は、測定して、置く場所によって変わるんです。使えるものは使えばいいんです。それを画一的にずっとやってきている。一例を挙げればそういうことです。  したがって、私が言うのは、これから、みんな、収入、取得が少なくなっていくのだから、そういうことについてよくよく考えて、その上で、管路の取りかえはどういう箇所をやるかということについて、もう少しきちっと検討した上で全体を進めていくようでないと、金があるからやるかというだけではだめです。これが一つ。  それから、発電機については、全く話にならぬ。あなた、地球温暖化なんて言うけれども、今、COP21をフランスのパリでやっている。全くまとまらぬ。なぜかといったら、みんな、それぞれの国の経済状況が違うからですよ。村上委員も指摘しているように、札幌市だってみんなの所得はだんだん下がってきているんですよ。そうしたら、負担が上がっていくなんていう状況にならないんですよ。したがって、もうかるものはいいけれども、トータルでなんて、もうからぬものはやる必要がないんだ。そんなことをやれなんて市民は求めていない。  紅露部長はその程度のことしか考えられないとすれば、局長、こういうものはあなたが中心になってきちっと判断しなきゃだめだ。商売をやって、お客さんに、お客さん寄せるのにサービスで安く売るよ、赤字出しても売るよ、スーパーがやっている卵みたいに赤字出しても売るよ、しかし、ほかのものを買っていってくれるから、これでまあまあというものとは違うんだっていうの。局長、ここのところをちゃんと考えなければだめですよ。どう考えるか、後で局長に答弁を求めます。  それから、職員の合理化です。  7割、8割は直営でやっているというものは、この中期計画の中で、民間に委託するものは委託するなどして、もう少し合理化を進めなければだめです。それがどれだけの効果があるのか、これにはそれが全く出てきていない。金を使うだけの中身ですから、それをちゃんと出さなければだめです。  それから、建物についてです。  今の下水道部局の建物は、札幌市が進めたあの地域の再開発事業の中で、最終的に土地を買ってくれるという人があらわれなかった。そこで、当時、札幌市は、やむなく下水道局をあそこに持っていくことにしてあの庁舎をつくったのです。水道局も独立の庁舎が欲しいということでつくりました。そういう中で、パーソナルコンピューターなどが入ったり、業務のやり方をいろいろ変えて、あちこちの庁舎がかなりあいてきています。ですから、下水道も水道も含めて、こうした庁舎の有効的な利用と廃止についてきちっと検討して、どう管理経費を浮かすのかということもやらなきゃだめですね。  こういったことなどを含めて、やっぱり、この計画がなるほどなということになっていかなければいけない。何か、三百数十社の業者を集めて、これだけの金を5年間で投資しますと言ったら、みんな、仕事をもらう人はよかったなということになりますけれども、終わった後に、今度、市民の皆さんは塗炭の苦しみということになってくるわけです。そのころは、僕たちはいませんという人もこの中には結構いるでしょう。しかし、いなくなる人はよしとして、市民はずっとここにいるんです。したがって、私は、公務員、公僕として全体に奉仕するという皆さんの職責に基づいてそういうことをきちっとやるべきだというふうに思うのですが、担当局長、いかがですか。 ◎坂田 下水道河川担当局長  ただいま、支出という部分での削減に対する考え方など、いろいろなご提案をいただいたと思っております。  おっしゃるとおり、今回の計画自体、建設事業費、それから維持管理費も現プランに比べて大幅にふえている状況です。一方では、今後は人口が減るだろう、また、使用量自体が減ってくるだろうという見込みの中での計画ですので、経営という観点から、今まで以上によりさまざまな努力をしていかなければならないと思っております。例えば、管路の改築ということでございますが、先ほど委員がおっしゃいましたように、50年、60年でかえるのはいかがなものかということで、我々も、実は、できるだけ延命化をして、100年使えるような維持管理をしっかりやりながら、そして、毎年、必要な箇所を調査しながら必要な事業をやっていくという意味でのコストの縮減ということにも今後取り組んでまいりたいと考えております。  いずれにしましても、今いただいたご意見については、今後、我々としても検討を進めていきたいというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  最後になりますが、特に職員の合理化、削減計画、それから経費の削減計画、これは、この決定までにきちっと出してください。そうでないと、これは、ただ金だけをどんどん使って、事業だけをやっていきますということで、到底、容認できません。したがって、決定までに、いわゆる経費の削減と職員の削減計画を具体に提示いただきたいと思うのですが、局長、いかがですか。 ◎坂田 下水道河川担当局長  今後、今のプランに比べて事業量がふえるという中で事業を推進していかなければならないということになりますので、逆に、減るのではなくて、今の体制を今後も維持していかなくてはならないと考えております。ですから、私どもは、人員的な削減について今回の5カ年の中での見込みは持っておりません。 ◆松浦忠 委員  ならば、少なくとも、今と比べてこれだけの業務量がふえて、これだけの人ではここの部分が足りません、増員しなきゃならぬというものが出てこなきゃおかしいじゃないですか。私に言わせたら、経営というものに対する認識が基本的にないのですよ。人がふえるならふえるのでいいのですよ。私は、何も倍働けなんて言いませんから、適正に働いてもらえばいいのです。  それでは、現行の人員と業務量と比べて、どの部分で仕事がふえて、何人が必要になるのか、これを具体に出してください。これが一つ。  それから、いわゆる庁舎使用の見直しなどを含めた全体的な管理経費の削減、これもこの決定までに出してください。いかがですか、この二つは。 ◎高川 下水道河川部長  人員の関係につきましては、先ほどかんの委員のご質問にもお答えしたとおりですが、そもそもこの計画自体が事業量の増を伴うものでございまして、現有の職員の人材育成や組織力をもって事業量の増分に対応するとともに、民間の活力もあわせて利用することによりまして対応したいということでございます。 ◆松浦忠 委員  いいですか、委員長、私がなぜこれを言うかといったら、先般、終わった3定で、下水道事業団に東雁来のポンプ場を――皆さんは、今までずっと、昭和30年代ぐらいから、いろんなポンプ場からいろんな下水設備をつくってきたけれども、全部直営でやってきたんですよ。それを、下水道事業団の札幌の事務所を維持するために委託した。皆さんから出してもらった資料、私が、これはどうなっているのかと求めた資料によると、直営でやるよりも2億円の金が余計にかかる。あなた方がこういうことをやっているから、私は、今、このことを聞いているんですよ。再びこういうことをさせちゃいかぬ。  先ほどの答弁の中で何て言いましたか。札幌市は、北海道の中心都市であり、いろんな意味で地方の中小都市の下水道の中心にならなければいかぬ、連携をとって、中心となってと言っています。そういう言葉で答えが返ってきて、その結果があの2億円の金が余計にかかる東雁来のポンプ場の委託になっているんですよ。例えば、札幌以外の事業について、そういう人的なものとかいろいろなものが必要だとしたら、少なくとも北海道が中心になって、札幌市は何人貸してくれないかとか、どこからは何人を集めてとか、そして一つの事業をする、そのときに、道なら道が中心になってできたどこかの機関で人は出してもらうけれども、人件費は札幌市が払いますよと、これが普通のことなんです。  したがって、今、そこまで高川部長が答弁するならば、あなた方はどうもこれ以上のことを持ち合わせていないから後日で結構ですが、今のこのプランをやるに当たって、現在の業務量と人、それに対して、どこにどれだけの人が必要で、そして、今の人のやりくりでここまでできて、外部に出すことによってどこまでできるか、対応するのか、これをきちっと出してください。そうでないと、3定で私が見つけたような、東雁来のポンプ場を事業団に委託して2億円も経費をかけるようなことになるのです。ですから、それは早急に出してください。  委員長、私はこれを求めたいと思うのですが、局長、どうですか、出してもらえませんか。そうでないと、このプランがどんなふうにして行われるのかということがわかりません。全体の経費を考えなければいけないのですから、どうですか。 ◎坂田 下水道河川担当局長  出せるかどうかはっきりお約束できませんが、検討はしてみます。 ◆松浦忠 委員  出せるか、出せないかでなくて、今、高川部長の答弁からいったら、これで間に合う、出すものは出すと言っているんですよ。ここまで計画をつくったら、当然、こんなことは――昭和47年にやったオリンピックみたいに、もう50年も前にやったオリンピックをまたやるからというものとは違うのですよ。ずっと継続しているのですよ。これを出せなければおかしいことになる。したがって、ぜひ、出してください。このことは、特に、委員長、肝に銘じて、委員長からも求めておいてください。 ○伴良隆 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後3時3分...