7:
◯要望(
的場委員) 説明していただいたので、概略はわかりましたので、自分も少し勉強してまいりたいと思います。国が持っている権限を市町におろして、有効的に農地などの土地を活用できるように、地方分権が進められたと受けとめておけばいいのですか。はい、わかりました。
先ほどありましたように、希望を出している市町もあると聞きましたので、指定を受けた後も、農地法等に基づく事務手続や農林水産省との事前調整などを実施する必要が生まれてくると思います。
こうした業務が、市町はなかなかわからないことがたくさんあると思いますので、ぜひ県から円滑に進むように、市町に対して十分な支援等を行っていただくことを要望しまして、質問を終わります。
(6) 表決
県第51号議案 … 原案可決 … 全会一致
(7) 当局説明(一般所管に係る報告事項の説明)
1) 農林水産総務課長が報告事項(1)について、別紙資料1により説明した。
2)
農業経営発展課長が報告事項(2)、(3)について、別紙資料2、3により説明した。
3)
農業技術課長が報告事項(4)について、別紙資料4により説明した。
4) 畜産課長が報告事項(5)について、別紙資料5により説明した。
5) 農業基盤課長が報告事項(6)について、別紙資料6により説明した。
(8)
質疑・応答
8:
◯質疑(
的場委員) 先ほど説明のありました資料番号3、農林水産物の生産等概況について、地球温暖化における農業対策について何点かお聞かせいただければと思います。
世界の年平均気温の状況は、この100年間に約0.6度、日本では約1度が上昇したと言われています。先日の委員会で、ひろしまの森づくり事業に関して、CO2、環境問題、いわゆる環境リサイクルの構築について質問させていただきました。大気中のCO2、フロン、メタンなどが現在のまま増加し続けると、21世紀半ばには約1.5度から3.5度の昇温が予想されています。
ことしの天気予報は長期の猛暑が予測されていると聞いておりまして、本県の農業への影響を懸念しているところです。
実家が稲作をしておりまして、先日、田植えをしました。まだ、恋の予感という品種を使っていませんで、昔ながらのヒノヒカリという品種を植えております。このヒノヒカリは、夏の暑さの耐性に弱いと言われておりまして、植えたのは植えましたけれども、私自身も非常に危惧しております。
そこで、この猛暑における影響が農作物にどのような被害としてあらわれるのか、今の時点で何が考えられるのか、県としての見解をお聞かせいただければと思います。
9:
◯答弁(
農業技術課長) 現在のところ、広島地方気象台が5月24日に発表いたしました中国地方の3カ月予報では、7月は平均気温、降水量とも平年並み、8月は平均気温は高く、降水量は平年並みと予報されております。
続きまして、高温による影響でございますが、水稲につきましては、出穂後20日間の平均気温が27度を上回ると、稲のでんぷん生産能力が登熟に追いつかず、登熟ぐあいが低下し、未熟な粒、つまり白くなる、白い未熟粒が発生いたします。日中の温度よりもむしろ夜温、夜の温度が品質に影響を及ぼします。
温州ミカン等果樹につきましては、直射日光が果実に当たり、果実の表面温度が40度以上になりますと、果実表面が部分的に茶色に変色し、硬化陥没する日焼け果が発生します。
10:
◯質疑(
的場委員) 農業は、天候とか雨量にも左右されますので、そうした予測をされているからこそ、猛暑の影響を最小限に軽減するために、一般的な対策として何をすればいいのかが早目に周知できれば、状況も少し変わると思いますので、そうした対策について県は何か考えているのか、伺いたいと思います。
11:
◯答弁(
農業技術課長) 高温の影響を抑える全ての作物に共通する技術的対策としましては、まずは土づくりや適正な施肥によりまして、作物の勢いを保つことが重要でございます。水稲におきましては、先ほど申し上げたとおり、夜の温度が大切になりますので、かけ流しや夜間の冠水などの水管理、果樹におきましては、日焼け防止剤の散布などがございます。
12:
◯質疑(
的場委員) そうした対策を考えておられるということなのですけども、それが農業者に対して使われなくてはいけないと思います。注意喚起や農業指導等を具体的にすることによって、そういう被害が防げると思いますので、それに向けてどう取り組もうとしているのか、お答えいただければと思います。
13:
◯答弁(
農業技術課長) 気象情報、農作物の状況を見ながら、農作物の被害が予想される場合は、被害軽減対策の情報を作成し、市町へ提供し、注意喚起しますとともに、県のホームページでも情報提供をいたしております。
また、県の農業技術指導所では、この情報をもとに、農業者への対策、対応策の指導を行っているところでございます。
14:
◯要望・
質疑(
的場委員) 最初に言いましたように、実家の事情でことしは本気で稲作をせざるを得なくなりまして、非常にそうしたところが気になっております。昔はJAも各地域にありましたけれども、大分集約されまして、相談する場所が少なくなっています。県はそういう各地域の状況も踏まえて、JAとかネットワークを張りながら農家に伝わるようにしていただければと思います。
この問題は、国際的な観点からしても、温暖化が見込まれていることが将来的に言われておりますので、県はこういう温暖化に対して長期的な視点に立って、国とかJA等関係機関と連携して、品目の転換であるとか温暖化対策等を検討するなど、広域行政の役割として主体的に取り組んでいただけるように、再度、要望をさせていただきます。
続いて、資料番号4の鳥獣による農作物被害状況等について、私の思いもちりばめながら質問させていただければと思います。
この資料の説明の中で、イノシシとシカの有害捕獲頭数が非常にふえて、右肩上がりで捕獲されてきていると報告されています。その結果、被害額が、平成22年度から比してみますと2分の1程度になっていまして、取り組みや対策の成果があらわれている資料になっていると思います。
それで私が考えますのは、平成27年の頭数をもとに言いますけれども、イノシシは1万7,240頭、シカは7,168頭が捕獲されていると報告されています。このうち、野生鳥獣の肉、いわゆるジビエとして処理された割合はどれくらいあるかをお答えいただきたいと思います。
15:
◯答弁(
農業技術課長) イノシシ、シカ等の有害鳥獣を捕獲して、肉を自家消費する場合は、特に許可は必要なく、自家消費が可能でございます。この数字につきましては把握しておりませんが、流通・販売させる場合は、食品衛生法に基づく保健所の許可を得て、その実績を報告することになります。その実績に基づきまして、ジビエとして処理された頭数を申し上げますと、平成27年度は、県内17施設におきまして、イノシシで560頭、シカにおきまして349頭がジビエとして処理されております。
16:
◯質疑(
的場委員) 多分、自分の家で処理して食べたり配ったりするのは非常に少ないと思うのです。それを除いて流通している割合で見ても、物すごく少ない頭数しか流通していないと思います。
鳥獣害ですから、農作物を荒らさないようにとるというのはわかります。せっかくといいますか、生きものをとるわけですから、流通させて、販路を拡大して有効に使っていくことが必要ではないかと考えているのです。
先日、福山のフランス料理店で、フランスやドイツでは定番のジビエを使ったコースが非常に評判だったと聞きました。テレビでも報道されたということで、フランス料理では、ジビエを使って食べることが一つの風物詩みたいになっていると聞きました。
先ほど言いましたように、捕獲をして謝礼をもらうだけではなくて、捕獲した肉を処理する施設をきちんとして、それを流通させて販路を拡大させていくようなことを少し考えたら、より捕獲するほうもやりがいも出てきますし、もっとうまいぐあいに回っていくのではないかと思うのですけれども、その辺について県は何かお考えがあればお答えください。
17:
◯答弁(
農業技術課長) イノシシやシカの肉を、食用やペットフード等で有効活用することは検討する余地があると考えています。
委員御指摘のとおり、捕獲頭数に比べて処理頭数が少ないのは、捕獲した鳥獣食肉として利用するためには、捕獲後にすぐ短時間でのとめ刺し、血抜き、内臓摘出、さらに屠体冷却までを行う必要があるため、どうしても捕獲から処理場までの距離や時間が問われるなど、処理する頭数に制約があるためでございます。
また、商業ベースに乗せるためには、安定的に捕獲鳥獣の搬入、出荷する仕組み、例えば、ロースは大変需要があるのですが、腿肉はそんなに要らないということもございまして、そういった部位の流通網の整備、これは全国的な対応も必要と考えております。また、コストと売上高、処理施設が付加価値をつけたり、販売先を確保するなりして、営業努力のもとに採算をとっていくのが現状でございます。
県といたしましては、食肉としての活用を模索している市町、地域への補助事業による支援を中心に、その実現に向けた方策などにつきまして、一緒になって協議、検討に取り組んでまいりたいと考えております。
18:
◯要望(
的場委員) 県として取り組んでいくという思いを持っているということでありましたので、きょうはこれぐらいで終わりたいと思いますが、先ほど少し触れましたが、この鳥獣害という捉まえ方だけではなくて、野生鳥獣の肉という恵みとしてぜひ捉まえていただいて、捕獲した先にそういうところが見えてくれば、やりがいも生まれて、とる人も、自分がとってよかったという思いになれると思うのです。
先ほど言いましたように、福山の件を出しましたが、フランスやドイツの料理をつくるレストランへのつなぎや、ジビエにするときにはいろいろな処理の仕方をしていかないといけないと思います。特にレシピ等を研究して、新たな商品開発をすることもできると思いますので、今までみたいにブロックの肉で冷凍して置いてあるだけではなくて、そういうことも考えていただくことによって、より販路が広まっていくと思います。営業努力をしていただいて、流通を本格化させるとか、売り上げを伸ばしていくということはその先だと思いますので、その行く前までのところを少し検討していただければと思います。
それと、私の思いとして、先ほど、共進会の話もありました広島和牛とあわせまして、広島の地酒とセットで広島のジビエとして、ジビエの本場であるヨーロッパへ輸出をしていくことも考えられると思いますので、そういう方針もぜひ検討、研究していただいて、取り組みを進めていただければと思います。
最後、要望として終わります。
19:
◯質疑(
金口委員) それでは、先ほど説明いただきました資料番号2の、担い手育成支援事業の取り組み状況についてお尋ねいたします。
平成28年度の事業実施状況を、先ほど個別に言っていただきましたが、これは去年からスタートしたようでございますが、1件だけの取り組みだったというぐあいにこの文章ではうかがえます。
昨年、基金の予算はたしか1億8,000万円でしたが、この数字を見ますと、6,900万円のこの半分3,470万円が県からの出費ということになりますので、それを単純に割りますと、執行率というのは20%にしか上がっていないのではないかと思いますが、私の計算が間違っていたら訂正していただければと思います。やはり、1件しか取り組みができなかったというのは、スタートが遅かったというのが一つあるかもしれませんが、何か課題があったのではないか、それをやるには何か隘路があって、それで大きくならなかったのではないかと思っておりますが、その辺どのように受けとめているか、お尋ねいたします。
20:
◯答弁(
農業経営発展課長) 平成28年度に1例のみの事業実施にとどまったということでございますが、予算の件に関しましては、創生事業の平成28年度の当初予算額が1億6,000万円余りなのですけれども、これには3つの事業がありまして、このリース事業につきましては、8,000万円の予算措置に対しまして、実績が三千数百万円ということになっております。
1事例のみの事業実施にとどまった主な要因といたしましては、JAがリスクを負うことに対しての経営判断が、なかなか1年目にできなかったことによりまして事業の活用が進まなかったということでございます。
結果的に、計画しておりました4.7ヘクタールのうち、このリース事業の活用が2.4ヘクタールとなっておりまして、このリース事業を使わず、市町の補助制度を活用してハウスを建てるのが、1.9ヘクタールとなっております。計画していたうちのかなりの部分はハウス整備に結びついておりますが、一部には断念した方もおられますので、そういったことが課題と認識しております。
21:
◯質疑(
金口委員) 私は、これは有利な制度だと思っています。ですから、JAとタッグを組みながら、まだまだ広めていく必要があろうかと思いますけれども、その辺の具体的な取り組みについて、平成29年度以降どういう思いを持っておられるか、お尋ねいたします。
22:
◯答弁(
農業経営発展課長) 先ほど、このリース事業を使わずに、市町の補助制度で活用したものがあると申し上げましたが、市町の予算にも限度があることや、そういう補助制度を使いましても、ハウスの規模によっては自己負担額が大きいケースもありますので、このリース事業によって支払いの据置きであるとか、その間に発生する利子補給が受けられるという担い手の初期投資のリスクが軽減されるメリットをJAに働きかける必要があると考えております。昨年度も中央会と連携して、各JAに働きかけを行った結果、今年度、5つのJAが取り組む意向となったものでございます。
また、今年度も、来年度以降にハウスの導入を計画している担い手をリスト化しまして、こうした候補者がいるJAを中心に、例えば研修制度による経営力の養成とセットでこのリース事業に取り組むことによって担い手が撤退するというリスクを最小限に抑えるということを再提案しまして、事業の活用拡大を図っていきたいと考えております。
23:
◯要望・
質疑(
金口委員) 担い手育成リース事業の基金は、本県の人材育成に資する担い手の経営リスクを軽減するための経営資本を提供し、本県農業の持続的な発展に貢献することを目的としていますので、農業従事者の高齢化の進展や、30年以降から食用米の生産調整が行われることから、JAと連携して積極的に取り組んでいただきたいと思います。
続きまして、カワウの被害についてお尋ねしたいと思います。
昨年の7月に、この委員会の県内視察で、可愛川漁協に行かせていただきまして、アユがカワウに食べられてどうしようもないという組合からの要望を受け、またその写真を見せていただきまして、大変悲惨だと、ずっと心を痛めていたわけでございます。最近になって、新聞にもこのカワウの食害のことが載りまして、被害は、内水面だけでなく海面にも及んできて、これは大変なことだといろいろ思っているわけでありますけれども、特に私が目を引いたのは、6月6日の中国新聞ですが、カワウの食害が尾道で1,100万円と出ていました。先ほど、鳥獣害被害の話がありましたけれども、多分尾道で1,100万円ということは、県内で、内水面、海面、養殖も合わせますと、相当の額に上っているのではないかと思っています。カワウの被害額の算定は、内水面、海面も合わせまして、どのようになっているか、お尋ねしてみたいと思います。
24:
◯答弁(水産課長) カワウの被害につきましては、この4月にカワウの管理計画を策定しております。それを策定するに当たりまして、内水面、海面含めて、カワウの被害といったものを3年間調査いたしまして、推定させていただいております。基本的に、カワウが何を食べているかを調査いたしまして、商業ベースで流通しているアユがどれぐらい含まれているか、それぞれ地域にカワウがどれぐらい飛来するかという調査をかけ合わせまして出した数字を、一応被害額ということで現在推定しております。
それに基づきまして、内水面におきましては、県内全体で6,900万円、海面漁業につきましては9,200万円、ニシキゴイの養殖場につきましては、具体的な被害額でございますけれども、1,100万円で、合計いたしますと1億7,300万円と推定されます。
ただ、これについては、引き続きモニタリングを行いながら、被害額の算定に使っていきたいと考えております。
25:
◯質疑(
金口委員) 内水面漁業、養殖も含めて1億7,300万円といいますと、先ほどの鳥獣農作物の被害、イノシシだけが2億8,900万円でありますから、私は、これは相当な額だろうと思っております。
私が小さいころ、カワウを本当に見たことがなかったのですけれども、ここ最近になって、多分20年、30年ぐらいでしょうか、物すごい数が飛来してくるようになったようでありますけれども、これが県内で大体どれぐらいいるのか。時期によっても、倍半ぐらいの大きな差があると新聞に書いてありましたけれども、一番多いときは4,200羽ぐらい、少ないときで2,200羽ぐらいということでありますけれども、その辺はどのように調査されているのか。生体数や分布域などについて、その辺の状況をお聞かせいただきたいと思います。
26:
◯答弁(水産課長) 先ほどの計画をつくるに当たりまして、平成26年~28年の3年間に、野鳥の会の皆様方、業者の協力を得まして、カワウのコロニーとか飛来数を把握しております。
春から夏にかけましては若干少のうございまして、大体2,300羽程度です。夏から冬にかけましては、恐らく北のほうから飛んでくるのではないかと言われていますけれども、飛来数がふえまして、冬には約4,400羽程度のカワウが確認されておりまして、冬に飛来する数は増加傾向にあるという結果が出ております。また、分布域で見ますと、内陸部でたくさんいるコロニーといいますか、営巣地は少ないのですけれども、沿岸部の離島の無人島みたいなところに大規模な営巣地があるという結果になっております。
27:
◯質疑(
金口委員) 広島県を東西南北に分けて、それぞれ対策をしていこうということであろうかと思うのですが、きのう担当の方と雑談する中で、カワウというのはすごくて、海に20mぐらい潜るという話を聞きました。1日に500グラムも魚を食べることになりますと、それを考えるだけでも、20m潜るということになると一発必中ですよね。人間でも、まず見えないはずですから、そういったものは早目に、言葉は正確ではないかもしれませんが、駆除していく必要があろうかと思っています。
海面の対策というのは、なかなか難しいのだろうと思います。広い海面をコントロールしていくのは難しいと思いますけれども、内水面については、広島県はそんなに極端に大きな川があるわけではありませんから、そこの管理は私はもう少しできるのではないかと思っております。
内水面に対して、カワウの被害防止対策というのは、どのように考えておられるかお尋ねします。
28:
◯答弁(水産課長) 内水面につきましては、非常に影響というか、被害が多くございますので、水産課がいろいろな対策を講じております。
一つは、カワウというのは飛んで逃げますので、むやみに銃器等で追い払いをし過ぎると、今度は、営巣地がどんどんふえてしまって管理がしにくくなるということがございます。広島県のカワウ協議会で、事業者の皆様方にも集まっていただきながら、どういった管理の方法がいいのか、東京のほうから専門家を招いて3年間ほど勉強しました。
コロニーという、カワウが住んでいるところを、小さいものをどんどん潰して、大きいところに集めて、そこで個体数管理をするのが、少し時間がかかりますけれども、一番効果的なやり方ではないかという結論に今至っております。4地区、4つのグループに分けて、それぞれの地域のコロニー、その小さいものを潰してどこに集めるか、それをどのように管理するかを個体数管理の方法でやっていきたいと思っております。
もう一方で、漁業被害がございますので、例えばアユを放流したときの一番とられやすいところをいかに被害をなくすかという、被害防止対策ということで、従来からやっていますテグスを張るとか、花火による追い払いと、昨年度からドローンを使いまして、営巣地の除去、例えば、近いところに営巣地があるとすぐ捉えますので、そういったところはもう集中的に追い払うということをやっております。
そういった、被害防止対策と個体数管理をうまく組み合わせながら、被害が減少するような対策を講じてまいりたいと考えております。
29:
◯要望(
金口委員) 先ほどお尋ねしましたこの被害額というのは、本当に深刻だろうと思います。今言われた、内水面だけで約6,900万円、ほとんどアユでしょうけれども、量で20トンのアユです。海面でも9,200万円で、これは被害量で行くと、小魚が多いのでしょうが、96トン、これが人間のほうに回っていればどれだけいいかという気もしますけれども、こういった被害は、経済的にも大変深刻でありまして、看過できない状況だと思っております。
目標として、北部については3年間で被害額の半減、あとの3カ所は5年間で半減という管理計画を立てられておりますけれども、銃器の使用とか、ドライアイスによる繁殖抑制などを積極的に行うということも書かれておりますので、新しい技術を使って、国とも十分連携して、少しでも早くこのカワウの被害が、またカワウの数が減少するよう対策を打っていただくことを要望して、終わります。
30:
◯質疑(田川委員) 私のほうは、農業、それから林業の担い手不足についての質問をさせていただきたいと思います。
本会議で、局長から、集落法人が、非常に高齢化しているという報告もございました。そういう中で、いろいろな対策が必要ではないかと思うのですけれども、私のところに、ときどき若い人から、農業をやってみたいという相談もございます。若い人がいろいろな仕事を探すときに、最近では、直接何か相談するよりも、インターネットとかウエブ上で仕事を探す。特に学生などは、就職先は全部ウエブ上で探すということをよくお伺いするのですけれども、例えば、この集落法人等の就農を支援するということで考えると、このウエブサイトを使うということは非常にいいことではないかと思うのです。調べてみますと、広島県にも農業会議がありますけれども、岐阜県が県の農業会議のホームページを使って集落法人等の情報サイトを開設したということでございまして、県の補助金を活用してこのサイトは運用しているということです。岐阜県には、集落法人が、600ぐらいあるらしいのですけれども、この法人の情報、求人情報を、地域別、作物別に検索できるので、こんなものを育てたいという方がこの求人情報を見て、自分で行ってみようと思うのだと思いますけれども、非常にいい方法だと思います。広島県農業会議のホームページを見ましたけれども、そういうようにはありませんし、広島県のホームページも、今直接こういうことはやっていないのではないかと思います。どのサイトでも構いませんけれども、若い人が就農していくことを助けるという意味でも、その集落法人そのものの求人を助けていくという意味でも、これは非常にいい方法ではないかと思うのですが、これについて御意見をいただければと思います。
31:
◯答弁(
就農支援課長) ウエブでやるということは、今の若い人たちにとっては非常に効果的であると考えておりまして、広島県といたしましても、JA広島中央会と連携して、新規就農情報であるとか、ポータルサイトである広島農業応援ガイドを作成して、PRをしているところでございます。
岐阜県の農業法人会議はことしからできているということでございまして、我々といたしましても、就農支援課にハローワークから法人の求人情報などがあるのですけれども、他県の事例も参考にしながら、就農希望者、特に若い人のニーズに合ったものとなるよう、JA広島中央会と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
32:
◯質疑(田川委員) ぜひ進めていただければと思います。
もう一つ、森林組合の人手不足ということで、ことしの1月に日本経済新聞が実施をした林業調査がございまして、それによると、全国の森林組合の93%で人手が足りていないということがわかったと書いてございました。
それによると、昭和55年には14万人を超えていた林業従事者が、平成27年時点で5万人に届かない状況ということで、人材がいないということで非常に困っているのですけれども、その理由の一つはその所得の低さにあると言われております。林業従事者の1人当たりの平均所得は305万円、全産業の平均が414万円で、26%下回るという状況ですから、なかなか林業をやってみたいということにはならないのかもしれません。ウッドジョブという映画もありましたけれども、もっとふえてほしいと思います。
この調査で非常に興味深いのは、人手不足の解消に必要なこととして、当然賃金の改善が望まれるのですけれども、その賃金の改善をするためには、林業そのものを活性化しないといけない、木材価格が上がらないといけないということです。木材価格を上げると言っても、人口が減少していますから、住宅需要に頼るのは難しいので、国産木材の需要を伸ばすのに必要な取り組みを複数回答で聞いたところ、非住宅分野の拡大という答えが57%あったということです。住宅を建てるというよりも、その住宅の中での木材利用を促進することが望ましいという回答が返ってきたということです。
期待する建築分野は、森林組合と住宅メーカーの方々の答えでは、84%の方が公共施設に期待をするということです。その公共施設の中の木材利用を促す法律が平成22年にできておりますけれども、公共建築物の木造率というのは、平成26年時点でまだ1割に届いていない、とどまっているということですので、まだまだ今後木材利用を促す余地は大きいのではないかと思います。公共工事でできるだけ木造率を上げていく取り組みが大事だというのがこの調査の結論だろうと思います。
県としてこの木造率を上げるための取り組みについて、どのようなことを考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
33:
◯答弁(林業課長) 広島県におきましては、非住宅分野の中でも、特に行政が直接かかわることが比較的可能である公共建築物への木材利用を推進するために、広島県公共建築物等の木材利用促進方針を平成22年に策定しております。それに基づいて、木材利用推進会議を設置しまして、今まで全庁的な取り組みを進めているところであります。
広島県が発注する事業につきましては、設計段階から木造、木質化に取り組んでおりますので、全ての施設で木造木質化がなされているところであります。ただし、その一方で、広島県が補助する事業、市町が整備する建築物につきましては、年度によってばらつきはあるのですけれども、まだまだ不十分だということでございます。
今後、県が補助するものにつきましては、いわゆる発注者であります民間事業者が集まるいろいろな会議等に参加しまして、昨年度作成しました木造木質化をPRするリーフレットを活用して、その木造木質化についての意識啓発という取り組みをしたいと考えております。
昨年度、木造建築塾の塾生の建築士を中心として策定しました広島木造建築協議会がございますが、そこと連携を図りながら、発注者に対しまして、木造、木質化を積極的に提案していくということで、木造に対する先入観とか抵抗感が払拭するような取り組みを進めてまいりたいと感じております。
市町が整備するものにつきましては、市町のほうで設計発注を担う部署と意見交換会を開きまして、今までのコスト削減の事例等の紹介や木材調達に関する情報提供等を行っていきたいと考えております。
広島木造建築協議会が開催する研修会への参加等も促しながら、木造、木質化に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
34:
◯質疑(小林委員) 全共の資料について、ぜひとも畜産課長、長崎のリベンジを宮城全共で期待をしています。
質問は、耕作放棄でありますが、一般質問の中で答えが余りきちんと返ってこなかったのですが、平成30年度からは国は生産調整はしない、国がきちんとやらないといけないことを放棄してしまうというような表現をしたのですが、それについての答えは、当分の間は影響は余りないだろうという回答だったのです。私は、そうではないと思います。いつそういうところから崩れていって、例えば、米価がどんどん下がっていくとか、集落にやる気がなくなって、もう担い手もいないとか、その辺の対策を要望しました。例えば、農林事務所単位に関係市町、関係の農業団体等と生産者も含めて協議会をつくって、心配される耕作放棄が集団的に起こってくるところについては、きちんとサポートできるような体制を応援隊ではなくて、そこをサポートすることを、やりましょうと要望しました。こういう手を使うとか、そういうことを質問、要望したのですが、全然よくわからない答えでしたので、もう一回質問しますけれども、耕作放棄対策について具体にどういうスキームでやられるか、質問いたします。
35:
◯答弁(
就農支援課長) 耕作放棄地対策については、非常に重要な問題と考えておりまして、耕作放棄地を含めて、まず地域の農業をどうしていくかという話し合いは非常に重要だと考えております。
例えば、農地を今後どうしていくかとか、担い手をどうするかといった話し合いを、人・農地プランというのがありますので、人・農地プランでしっかり話をしていく。その話し合いにつきましては、その機構のコーディネーターであるとか、農業委員会法が改正になりまして、農地利用最適化推進委員が配置されるようになってまいります。JAの職員もいらっしゃると思います。要は、耕作放棄地を含めた農地利用につきまして、市町、農地中間管理機構、農業委員会、JA等と連携して話を進めていきながら取り組んでまいりたいと考えております。
36:
◯要望・
質疑(小林委員) 組織をつくったから未然に防止できるというものではない。ずっとその組織があっても、市町の担当者がいても、県の皆さんがおられても、どんどん国の考え方で農業が変わってきて、最後は放って投げられている。だから、腹を立てるような状態の中で、「やりんさいや」と私が言っているわけです。今までたくさん国の言うとおりやってきて、最後には投げるのかと。皆さんも腹を立てて、「それなら、広島県の農地については、全部我々で責任を持ってやる」というぐらいの気持ちを持って臨んでほしい。そこを、強く要望しておきます。
それと、農地中間管理機構について今おっしゃいましたが、全然機能していない。最初のスタートから、現時点で、内容にしても要件にしても全部変わってきているではないですか。1点だけ聞きます。農地を持っている人間が、農地中間管理機構に貸して、農地中間管理機構が借りたいと言う者へ貸すというルートが、「中間管理機構を通さないで、こっちでしなさい」と、今やっています。それはどういうことなのかわからないので、教えてください。
37:
◯答弁(
就農支援課長) 農地中間管理機構を通す場合、結構時間がかかるということもございまして、やはり農地中間管理機構をなかなか活用しにくいという実態も実はございます。
国におきまして、その機構事業の見直しを、5年を目途に行っていこうとしておりますけれども、そういった手続論も含めて、機構が活用できるように、国も考えている状況でございますので、そういった状況も踏まえて、県としても機構等と連携して取り組んでまいりたいと考えています。
38:
◯要望(小林委員) 農地中間管理機構は機能不全に陥っているということですが、要件は毎年変わる。協力金にしてもどれだけ下がったか。こんなばかな話はない。「勝手に取り引きしなさい」、「締結していて値段を買い手が下げるから、直接話をしなさい」と、こんなばかな話はない。農地中間管理機構へ貸すので担保してきちんとしますが、法人へ持っていって担保できるのですか。機能不全に陥っている農地中間管理機構を答弁として使ってそんなことを本当に言ってほしくない。そういうことを要望しておきます。
39:
◯答弁(農林水産局長) うちの県というよりも、全国的な農地中間管理事業の課題だろうと思います。我々も国に対して要望させていただいていますし、その年その年によって、特に農地中間管理事業については年度末ごろになって変わるということについては、もう少しきちんと我々も県の予算を立てる段階で、国の方針について示してほしいと申し上げているところです。
そういったことを踏まえて、そうはいっても、農地中間管理機構が現状で、10年以上利用要件を設定しているということから言えば、機構という組織を県としてどう活用していくかが非常に重要な問題だと思いますし、先ほどの生産調整等のことも含めて言えば、今の耕作放棄地は、不在地主の方が6割近いところですけれども、今後、この間、宮本議員の御質問を含めて言えば、地域におられる方の中での耕作放棄の問題も出てくる。そういったところを総合的に考えていく中で、生産という部分と人という問題をしっかりと立体的に捉え、県とJAグループ、農業会議を含めて、農業にかかわる関係機関が情報共有しながら、各地域においては市町、JAと、それぞれの地域の実態に応じた対応策をきちんととれるような仕組みを県としてもリードして考えていきたいと思っています。
特にゾーニングも必要ですけれども、先ほどの田川委員からもお話があったように、新たな農業につきたい人たちにもきちんと優良な農地を回せる、貸してあげられるような形で、広島県農地のアクションプログラムを推進していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。