8:
◯質疑(
東委員) 私からは、健康を支える社会基盤の整備費約1億7,200万円についてお聞きいたします。
健康を支える社会基盤の整備、具体的には医療・介護サービス提供体制を充実させるために、広島県地域医療構想を踏まえ、医療機関の病床機能の転換に係る施設・設備の整備を支援する予算として、約1億7,200万円が今回予算計上されております。事業内容を見ますと、回復期以外の病床から回復期病床へ転換されたら必要となる施設・設備の整備とあります。広島県地域医療構想が具体的に動き始めたとも思うわけですが、今回の提案事業の具体的な目的と1億7,166万円の算定根拠について、まずお聞きいたします。
9:
◯答弁(
医療介護計画課長) まず目的につきましては、一昨年度末に策定いたしました地域医療構想では、団塊の世代が全て後期高齢者となり、高齢化率が3割を超える2025年において必要となる病床数を機能別に試算させていただいたところでございます。その結果、高度な急性期医療を受けた方が日常生活に復帰するための支援を行う回復期リハビリテーション病床、あるいは在宅で療養生活を送られている方がいざというときに活用できる地域包括ケア病床といった回復期病床の不足が不安なところでございます。そうした病床の不足解消に向け、各医療機関には自主的な取り組みをお願いしているところでございまして、その取り組みを県として支援していくことが目的でございます。
次に、算定の根拠でございます。支援の額につきましては、病床整備に伴う国庫補助金のスキームを参考に、病床1床当たりの補助単価を定めたものでございます。具体的に申し上げますと、増改築の場合には1床当たり464万円、改築の場合には340万6,000円、施設整備として1施設当たり1,080万円を補助基準額として算出し、その2分の1を補助することにいたしております。
10:
◯質疑(
東委員) 4病院94床を対象に転換を行うに当たって整備費を支援するということですが、4病院の指定理由と94床の根拠についてお聞きします。
11:
◯答弁(
医療介護計画課長) まず、補助制度案を全医療機関にお示しいたしまして、補助制度を活用した転換意向調査を実施いたしました。その結果、急性期からの転換として2病院66床、慢性期からの転換として2病院28床、合わせて4病院94床から要望をいただいたところでございます。この要望内容が地域医療構想の実現に資するものであるかどうかにつきましては、各圏域の医療・介護保険者などによって構成され、地域医療構想の実現に向けて協議を行う地域医療構想調整会議に確認を依頼したところでございます。その結果、いずれの医療機関の転換意向も、各圏域の地域医療構想の実現に資するものであるという確認をいただいて、このたび計上させていただいたところでございます。
12:
◯意見・
質疑(
東委員) 対象となる圏域全ての病院事業所にきちんと調査をして、その意向を聴取しながら進めたということで、了解いたしました。
次に、1億7,166万円を94病床で単純に割りますと、182万円余となります。広島県地域医療構想の病床機能の現状値を見ますと、2014年の回復期病床は3,768床、目標とする2025年の回復期病床数は9,747床、9年間で6,000床ふやさなければなりません。ざっと見積もっても100億円以上の経費がかかると思うのですけれども、回復期の病床転換は、今後も超高齢化社会が進行していき、2025年問題という大変大きな課題を我々は抱えている中で、サービスを受ける人たちが日常生活を継続できるように支援を行うためにも重要な役割だろうと思います。それと同時に、高度急性期から慢性期までの医療機能のバランスも重要であるとも思うのですが、今回提案の回復期病床を初め、バランスのとれた医療提供体制の実現への道筋をどのように描いているのか、お聞きします。
13:
◯答弁(
医療介護計画課長) 御指摘いただいたとおり、地域医療構想が2025年において必要と見込まれる機能別の病床数を推計し、地域の医療介護関係者が地域の課題を共有するとともに、各医療機関においては構想の実現に向けた自主的な取り組みを行うことにしているところでございます。したがいまして、不足する回復期病床の確保とともに、高度急性期、急性期、回復期、慢性期といった各医療機能につきましても、圏域で必要となる病床数を維持することは大変重要なことであると考えているところでございます。そうした中、全ての病院から現在担っている機能や将来担おうとしている機能の報告を毎年受ける、国の病床機能報告制度がございます。そうした報告と各地域医療構想における必要病床率を各圏域で比較することによって、バランスのとれた医療提供体制の構築をしていくことにしてございます。
14:
◯要望・
質疑(
東委員) 各圏域と言いながらも、よく指摘される医療人材の偏在も実態としてあるわけですから、どの圏域においても遅滞なく進めてもらいたいと思います。
この事業を進めるに当たって気になるのは、持病を抱え介護サービスを利用しながら生活しておられる高齢者でございます。私も含めて、皆さんの周りでそういう実態や状況を痛感しておられる方もあろうかと思います。医療的管理が必要であるために、介護では受け入れてもらえない、さりとて、病院からも医療と診療報酬との兼ね合いで入院患者として受け入れてもらえず、福祉施設と病院を行ったり来たりしている、言いかえれば、あるときは医療介護者、あるときは入院患者という状況に置かれている人も多数おられると思います。そうした中で、慢性期の病床を減らすということは実態に即していないと私は感じているわけです。慢性期の病床難民が心配されるところですが、この点についてどのような予測を持っているのか、お聞きいたします。
15:
◯答弁(
医療介護計画課長) 御指摘のとおり、高齢化の進展に伴いまして、医療的管理下において介護を必要とする高齢者が今後ますます増加していくものと見込んでございます。こうした高齢者を医療と介護の両面から支える療養病床は、極めて重要な資源であると認識しているところでもございます。今般の介護保険法改正におきましても、日常的な医学的な管理やみとり・ターミナルといった機能と、日常生活上の世話を一体的に提供する介護医療院という新しい介護施設が創設され、療養病棟からこうした施設への転換も重要であると考えているところでございます。介護医療の制度の詳細につきましては、まだ明らかではございませんけれども、こうした新たな制度を活用するとともに、もう一方で、疾病予防、重症化予防、介護予防といった健康づくり、健康寿命の前進といったことを、次期保険医療計画あるいは高齢者プランにおいて、より強力に推進していくことにしているところでございます。
16:
◯質疑(
東委員) 予防という観点では、本県でもヘルスケアポイント、また、市町においてもボランティア講座等、いろいろな取り組みが行われていると思います。そうした中で、先般、介護離職について問いただしたときにも病床転換に伴う人材の確保についてお聞きしたわけですが、やはりこれは大きな課題であろうと思います。高度急性期・急性期、慢性期からの移行に伴い、どのような人材が求められているのか、人材の確保・育成の見通しについてお聞きします。
17:
◯答弁(
医療介護人材課長) 高度急性期あるいは急性期からの移行、さらに慢性期からの移行に伴いまして、看護職員はもとより一定の条件下で医療的ケアを行える介護職員など、先ほどから話が出ております医療的管理下の介護に対応できる人材の移譲が深まるものと予想されております。看護職、介護職につきましては、労働力人口が減少し、売り手市場が続く中で、依然として非常に厳しい状況で推移すると見込まれますけれども、福祉・介護業界が選ばれる職場となりますよう、引き続き、職場改善やイメージアップを図りまして、その確保につなげてまいりたいと考えております。また、介護職員におきます喀痰吸引等の研修体制整備を促進するなど、医療的ケアに携わる介護職員の育成を支援してまいりたいと考えております。
18:
◯要望(
東委員) この問題は決して人ごとでもなく、あと8年の2025年、まさに我々の問題でもあるわけで、今からスタートしても決して早いわけでも何でもない。人材確保については、答弁のとおり、しっかりと見通しを持って取り組んでもらいたいと思っております。
2025年を見越した医療提供体制整備に向けた絵柄あるいは道筋について、課長から答弁いただいたわけですが、今までどおりに進めていくためには、やはり人材の確保が必要ということは言うまでもございません。また、医療構想の整備というのは、先ほど各医療機関の自主的連携という言葉がございましたけれども、事業者等の協力もなければ、これもまた絵に描いた餅になると思います。そうした意味で、医療人材を有効に配分することが求められるわけで、まさにその絵柄がこの中にあるのだということも理解はしております。そうした中で、人材確保に向けて、さまざまな理由で離職した医療・介護人材を生かすことが必要であることは言うまでもありません。在宅医療を考え合わせますと、潜在的な医療人材の確保に向けた施策も必要となるでしょう。達成すべき目標を実態に合わせて具体的に目標設定しながら取り組んでもらいたいと思っております。
いずれにしても、前回、魅力のある職場づくりの答弁があったと思いますが、先ほどの保育士の問題もそうであろうと思います。魅力のある職場づくりの取り組みとあわせて、社会保障と税の一体改革もまた必要なのだろうとも思います。ぜひ、その点も進むことを期待しながら、質問を終わります。
19:
◯質疑(
砂原委員) 広島県立広島がん高精度放射線治療センターについて質問します。
前々から、委員会で私が、こういう事業は利用料金制にすべきであると申し上げておりました。今回きちんと利用料金制にしますということで出てきたのですが、中身を見ると消費税対策であるとしか見えないのです。今後、利用料金制にしても、赤字になった場合は県が負担するのでしょうか。
20:
◯答弁(
がん対策課長) 当初、病院連携によってこの事業を運営する上で、患者を集めるのは連携の仕組みが一番重要であることと、利用料は国が定める診療報酬であって、指定管理者の工夫の余地がないことから、利用料金制をとっていないところでございます。今回につきましても、そういった状況は変わっておらず、診療報酬を一旦、県が収入することで消費税がかかってしまうことに対応するためでございますから、赤字になれば県が負担する、黒字になれば県がいただくといった仕組みは維持したいと考えております。
21:
◯質疑(
砂原委員) そもそも指定管理者制度は何のために導入されたかというところを振り返ってみて、それでいいのかどうか、もう一回お聞きします。
22:
◯答弁(
がん対策課長) 民間の創意工夫や柔軟性によって、例えば開館時間を柔軟に変更するといったことが可能であることから、指定管理者制度をとっているところでございます。
23:
◯質疑(
砂原委員) そうではないでしょう。そもそも指定管理者制度というのは、競争原理を働かせて利便性を上げていくことが本来の姿です。ところが、水道事業もこのがん高精度放射線治療センターも、指定管理者は1者しかいない。ここにどうやって競争性を発生できるかというときに、ある意味言いなりなわけです。当初から我々は、そこら辺について、どうやってクリアしていくのかと聞いていました。絶対にきちんとできますと言っていたにもかかわらず、初年度から赤字になっています。なるに決まっているのです。利用料金制というのは、指定管理者が頑張って赤字にならないように努力してもらうためにある制度ですから、利用料金制にしたら、本来は県が負担しなくてもいいはずです。ただし、もうかった場合にそれをどう折半するかということについては、協定を結んでやっていかなければいけないことだと思うけれども、今後も利用料金制にしたからといって、がんセンターが黒字にならない限り、県による一般財源の補填がずっと続くということですか。
24:
◯答弁(
がん対策課長) 今のスキームを維持するということでありますので、もし仮に運営費が赤字になれば、県が補填することになります。
25:
◯質疑(
砂原委員) 全国の指定管理の利用料金制で、赤字になった事業はあるのでしょうか。僕は、このように赤字補填することは、通常はないと思うけれども、その辺についてはどうですか。
26:
◯答弁(
がん対策課長) 全国では代行制から利用料金制へ変更した医療施設が15施設ございます。それを調査したところ、いわゆる赤字補填で交付金を交付している団体が、15団体中13団体です。
27:
◯意見・
質疑(
砂原委員) こういう医療機関については、そういうことになるでしょう。がんセンターを設置することになった当初から、当事者は誰になるのかということを何回も聞いたのだけれども、県はそれに対して返事をせずに、結果として、県が全部負担している。6団体で最初に、こういうものを負担することになったときには、ほかの団体もある程度は覚悟してくださいというような話をしていないのです。そのときにそういう話をしたら、やらないことになったからかもしれません。
結局、なかなか利益が出ないのは、広島県内だけで患者を集めるだけでは足りないのではないか、日本全国から来ていただけるような、がん治療のすばらしい施設になっていれば、多分収支はもっとよくなっていくのだろうと思うのです。そこら辺も当初、そういったものにすべきではないかと言ったら、リニアックで十分対応できると言われました。当初の制度設計が全て間違っているために、毎年一般財源を繰り出すことになることについて、本気で反省しているのでしょうか。前回も一般財源を投入するときに、赤字を削るための明確な計画を示さない限り賛成できないと言ったけれども、そういったものがいまだにきちんと示されていない。そういった状況で、利用料金制にしましたと言われ、いいことだと思って中を見たら、全然変わっていない。今後どうやったら収益性を高めることができるかということを、これと同時に出すべきだと思うけれども、そこら辺をどう考えて、今後出していく予定があるのですか。
28:
◯答弁(
がん対策課長) 収益性を高める努力は、常にしていかないといけないということでございます。平成28年度決算だけで見ますと、いわゆる赤字部分が消費税額を下回る額になっておりますので、消費税の経費節減によって、より安定した経営に近づくと考えております。
29:
◯意見・
質疑(
砂原委員) ここのところ広島県が、事業スキームを精査することなく事業着手して、歩きながら考えて必ず石につまずいている。ファンドもそうで、全ての事業にこういう問題点があるのです。こういったものの担当としては辛いと思うけれども、本当の意味での高精度で日本全国から患者が来られるような仕組みづくりを本気で考えることが大事で、つくった以上はやっていくしかないのだろうと思うわけです。そこら辺を、これからきちんと議会に提示していってほしいと思います。
もう一つは、約2年半分の資金を貸し付けるわけですが、2年半が本当に正しいのですか。例えば、1年半分だけ先に出して、残りは次の年に出すなどという考え方もあるのではないかと思うのですが、全額渡さないと運営できないのですか。
30:
◯答弁(
がん対策課長) 指定管理期間中ということでございまして、今回の運転資金の貸し付けは2カ月半診療報酬がおくれることに伴う貸し付けでございます。必要な2カ月半分の運転資金が約1億円でございまして、そのほかCTあるいはMRIで管球等が故障した場合、緊急で約5,000万円の修理費が必要になることも見込みまして、1億5,000万円を算出しております。この1億5,000万円は、ずっと事業が続く限り不足していくことになります。
31:
◯質疑(
砂原委員) ということは、完全なる利用料金制に移行した後は、全部きちんと賄えるということでしょうか。
32:
◯答弁(
がん対策課長) 今の収支計画で行けば、運営費が賄えるようにはしております。
33:
◯質疑(
砂原委員) なるわけないです。絶対に一般財源を入れるようになるのです。ただそこら辺で、資金ショートはしないということですね。
34:
◯答弁(
がん対策課長) 資金ショートして患者に迷惑をかけることがないような金額でございます。
35:
◯要望・
質疑(
砂原委員) これ以上言いようがないのですけれども、利用料金制のそのものの意義をもう一回深くかみしめて、今後、運営をしっかりやっていっていただきたいと思います。それから、一緒にやろうと言ってスタートした広島市も全く知らん顔しているけれども、本来は広島市が一般財源を少し拠出してもいいぐらいの気持ちが僕にはあるので、そういったことも考えてほしい。また、こういう事業をやるときに、消費税を忘れていたことで1億円の血税を使うことになるのです。だから、事業スキームを、もっと広島県が精査していくことが必要だと思います。全て歩き出してから後で理由づけしているところに今の広島県の最大の問題点があるのです。
健康福祉局にはもうこういうものはないと思うけれども、事業スキームをきちんと精査した上で事業スタートするということについて、健康福祉局長、どうお考えですか。
36:
◯答弁(健康福祉局長) このHIPRACにつきましては、本来、県民の皆様に体に優しい高精度な最先端の医療を提供するという目的でつくっております。もとより収益を目的としていないということで、指定管理制度の本来の目的に適した典型的なものではないと思っております。
そうした中で、我々がつくってきた事業スキームと、運営を始めてみてからの間で、いろいろとそごができてまいりました。我々の事業スキーム自体が甘かったという点は十分反省しないといけないと思っておりますけれども、本来これをつくった目的である多くの方に高度な放射線治療を提供することの実現に向けて、今は患者数が想定を下回っていても、県内にはHIPRACで治療したほうがいい患者がまだたくさんいらっしゃると我々も思っておりますので、そうした患者にきちんとHIPRACで治療していただくことが、赤字で一般財源を補填していただくことがないような運営につながると思っております。それを目がけて、今後努力していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
37:
◯要望(
砂原委員) 最後の最後でだめ押しするけれども、消費税を忘れていたことについては、きちんと反省して、今後こういうことのないようにしていただきたいと申し添えておきます。
(6) 表決
県第44号議案外2件(一括採決) … 原案可決 … 全会一致
(7) 当局説明
1) 環境県民総務課長が報告事項(1)について、別紙資料1により説明した。
2) 健康福祉総務課長が報告事項(2)について、別紙資料2により説明した。
3) こども家庭課長が報告事項(3)、(4)について、別紙資料3、4により説明した。
(8) 一般所管事項に関する
質疑・応答
38:
◯質疑(
東委員) ただいま説明のありました子供の生活に関する実態調査について、何点かお聞きいたします。
本年3月3日の新年度施策の一つとして、子供の生活に関する実態調査について本委員会で私が聞いた記憶がございます。今回、調査内容について資料提供が行われたわけですけれども、説明があったとおり、ひとり親家庭の大学進学を初め、親の働き方や生育歴、子育て経験と子供への生活のかかわりなどから、かなり生活そのものに困っている子供が多いと感じました。ぜひ、課題が明らかになることを期待します。2月定例会で、知事はひとり親家庭の経済的状況が学力や大学進学に大きく影響し、子供の貧困は周囲から見えにくいということを答弁しておられます。そこで、今回の調査によって、見えにくい子供の貧困が明らかになっていくのかどうか、まずお聞きします。
39:
◯答弁(こども家庭課長) 子供の実態が本当に見えるかどうかでございますけれども、結構踏み込んださまざまな設問も用意しております。それらに、子供たちに正直にありのままに書いていただくことが重要だと思い、調査票を配布するときには、子供用の調査票は子供用の封筒に入れて封をして、保護者用は保護者用の封筒があって封をしていただきます。委員から御指摘がありましたように、ひとり親世帯の子供につきましては、親に迷惑をかけてはいけないので自分が我慢しようと、なかなかものが言えない子供もたくさんいると思います。そういった子供たちには、いろいろな持ち物を持っていますかという問いもあるのですが、あるないだけではなくて、欲しいか欲しくないかという問いを設けるなど、子供たちの本心を聞き出したいと考えております。また、広報も丁寧に対応していきたいと思っております。
40:
◯質疑(
東委員) 今言われたとおりだと思いますけれども、踏み込んだ設問が多々あります。それらをクロス分析することで、これまで気づかなかった、見えなかった部分が出ることに期待したいと思います。アンケート内容の設問を見てみますと、私たちでも答えにくいものもあり、例えば小中学生がふだん考えていることについての設問38番を見ますと、頑張れば報われると思うかについては、なかなか厳しい問題です。また、自分は価値のある人間だと問うておられ、皆さんはもちろんだと思われるかもしれませんが、これも私はなかなか回答するのは難しいと思います。いずれにしても、自尊感情であり、肯定感を聞こうとしていることはわかるわけですが、少し聞いてみたいのは、頑張れば報われると思っているという回答が多いと期待したいわけですけれども、果たしてどうなのか。どうせ頑張っても仕方がないと子供たちがもし思っていたとしたら、また大きな問題だと思うわけです。そこで、今回は東京都をベースにしているということでしたけれども、この設問に係る東京都の結果はどのようなものか、教えてください。
41:
◯答弁(こども家庭課長) 東京都の現在公表されております資料を拝見しますと、自己肯定感のところで、頑張れば報われると思うという設問について、とても思うと、思うという回答を合わせますと、小学校5年生で83.7%が回答しております。また、自分は価値のある人間だと思うかという設問について、とても思うと思うという回答を合わせますと、66.7%の子供たちが答えております。御参考までに、大田区の調査結果につきましても、頑張れば報われると思うについて、とても思うと思うが89.2%、自分は価値のある人間だと思うについて、とても思うと思うが58.2%ございます。なお、生活困難層の子供たちのほうが割合が低い状況になっております。
42:
◯意見・
質疑(
東委員) アメリカや中国等の若い人たちのアンケート結果で、日本の若い人たちは自己肯定感が低いという調査結果がよく出たりします。今の課長の答弁を見ましても、自己肯定感として、とても思うと思うで83%であり、安心いたしました。私も、ふだんから子供たちのサッカーにかかわっておりまして、練習はうそをつかない、努力は裏切らないと、いつも子供たちに言っています。ぜひこれから子供たちが納得のいく、得心のいくような社会であればと思います。
次に、施策を展開する場合に、まず調査によって実態や課題、ニーズを把握し、その施策を展開していくわけですけれども、その繰り返しが一定期間を経て効果的な対策につながり、成果につながることが期待されるわけです。どのような成果が上がり、また残った課題を検証して、次の施策に生かしていくか、いわゆるPDCAを回すというのは、現在は、KPI──キー・パフォーマンス・インジケーターと言って、目標までの道筋を明らかにするという手法だそうです。そうしたことから考えると、今回の調査は当然に継続して行われるべきであろうと思うのですが、今後の見通しをお聞きいたします。
43:
◯答弁(こども家庭課長) 今回は初めての調査でございますけれども、調査結果を踏まえまして、何らかの施策を実施していくことになろうと思います。施策を実施する以上は、その施策の効果の検証が必要になってまいりますので、改めてこのような調査は必要になってくると考えております。
44:
◯質疑(
東委員) 何らかの施策を打っていくことになろうと課長が言われるとおりだと思うのですが、資料を見ますと、最終報告は来年、2018年の3月となっております。調査が7月に行われて、その後のさまざまな分析には相当時間がかかることはわかるのですが、できればその分析した結果や見えてきた課題に対して、次年度の施策に反映させることが必要なのではないかと思うわけです。今風で言えば、お尻を切って取り組むべきだろうと思うのですが、例えば年内の取りまとめは視野にはないでしょうか。
45:
◯答弁(こども家庭課長) 最終的な報告書の取りまとめが3月でございます。詳細は、来月配りまして、7月末から実際のデータの集計、分析をすることになります。まずは単純集計を行って、それからクロス集計、クロス分析という流れになると思いますけれども、そのプロセスで見えてくる課題もあると思います。来年度への反映が可能なもの、必要なものについては、打ち出しをしていく必要があると考えております。
46:
◯要望・
質疑(
東委員) これからのことなので、はっきりとすぐに、年内にやりますとは言えないでしょうけれども、大きな問題だということで、早急な対策が打てるようにしてもらいたいと、取り組みをお願いしたいと思います。
最後に、今回の調査が果たすべき役割が大きいことは言うまでもありません。とりわけ、子供の支援という福祉的課題を解決するに当たって、部長のコメントをお願いいたします。
47:
◯答弁(子育て支援部長) 次世代を担う全ての子供たちが、生まれ育った環境にかかわらず、健やかに育って、夢や希望を持って自立した大人になっていくことが、本当に全ての願いだと思っております。見えにくいと言われております子供の貧困の実態を今回の調査で明らかにすることによりまして、速やかに実効性のある施策を打っていくことが必要と考えております。担当部長といたしましては、スピード感を持って全力で取り組んでまいります。
48:
◯要望(犬童委員) 子供の生活に関する実態調査ですが、調査というのは非常にプライバシーにかかわります。学校もデータについては意外とルーズなところもありますから、データが流出しないように、保管する方法を事前に教育委員会も含めてきちんとしてもらいたい。こういうものは、人にわかったら答えにくいことが多いわけです。したがって、データの保管方法とか、集計したものが流出しないとか、各家庭、各子供のプライバシーを守ることは徹底してほしい。例えば、これがもとになって、子供同士で差別を生むなどあってはならないと思います。いつもデータが漏れる問題が出てきますから、そこら辺に取り組んで粗相がないようにお願いします。
それから、虐待問題がふえてきているわけです。表面化してきて、非常にわかりやすくなったことに原因があると思いますけれども、いずれにしても実態はいい方向に行っていない。児童虐待については知事を初め、私たちやあなた方も含めて、もう一度1年を通して組織的に、腰を入れて取り組み、関係機関ともいま一度連携し合うことを強化してほしいと要望しておきます。
49:
◯質疑(
砂原委員) 環境県民局からたくさん指定管理制度導入施設に関する資料も出ていましたけれども、指定管理者の質によって管理内容がどんどん変わってしまって、いいぐあいに機能している部分もあれば、機能していない部分が結構あったりするのです。県民文化センターについて、私がこの間調査しましたところ、もらった資料が平成27年のものか平成28年のものか忘れたけれども、4月と5月の稼働率が25%でありました。ところが、これを見たら七十数%になっているわけで、どちらが本当かと思いました。それから、県の評価がすごくいいことを書いてありますが、僕は2回借りようとして、2回とも断られました。県民文化センターの使用目的に合致していないという言い方で全て断られたのです。聞きましたら、大学の関係のことについて使用するのであれば貸すけれども、そうでない場合はほとんど貸さないと言われました。僕がお願いした1件は、結構文化的なイベントだったけれども、結局は断られて、袋町の市の施設を借りました。この件は誰に聞けばいいのかと聞いたら、結局、県立大学に聞いてくださいという話でした。本当に指定管理者のチェックを県がきちんとできているのか、非常に疑問に感じました。前も担当には言っているけれども、この間の農林水産局の監査と一緒で、我々のチェック機能が機能していないような気がしてならない。県も、指定管理者に対するチェックは、きちんとしてほしいと思います。今後きちんとできますか。
50:
◯答弁(文化芸術課長) 委員から御質問がございました県民文化センターに関しまして、まず4月、5月の利用率について、非常に低いという確認をなされている中で、なぜ結局は七十数%になっているのかということでございます。県民文化センターからの数字をいただいておりますが、平成28年度におきますホールの利用率につきまして、4月は76.7%、5月は71%ということで、非常に高くなっております。まことに申しわけございませんが、県民文化センターについては非常に複雑な権利形態がございまして、一つの建物の中に、我が文化芸術課が所管しております県民文化センター部分と、県立大学が管理しておりますサテライトキャンパスと、地方職員共済組合が管理しております宿泊部門があり、委員がお話しになった会議室等の利用に関しまして、確かに大学等の御利用であれば、一般利用等についての制限がかかるという話がございます。しかし、実質この建物自体は県民の方におかれましては、県民文化センターとしても、サテライトキャンパスとしても、一つの大きな県の建物として認識しておられます。したがいまして、さまざまな方が御利用なさる一つの建物について、階によって対応等が違ってくることになったら非常に誤解を招くこともございますので、文化芸術課といたしましても、大学や共済組合等とも連携して、管理水準等の維持に努めてまいりたいと考えております。
それと、しっかり指導していくのかにつきましても、単に月報等を求めるだけではなくて、実際に行ってみて、立ち入り検査といいますか、現場に訪れて使用の状況を見ることが重要であると考えております。今後においても、きちんと管理等がされるよう努めてまいりたいと考えております。
51:
◯要望(
砂原委員) 長々と説明ありがとうございました。この県民文化センターは一等地にあり、本来であれば稼働率100%でないといけないのです。県民のための施設であるにもかかわらず、実際には使用目的をチェックして断られているのが現実です。それと、例えば中にジュースも持ち込んではいけないなど、物すごく厳しいことを言っている。稼働率を100%にしなければならないのに、県民文化センターをこういう施設に切りかえたのは県みずからではないですか。税金を使ってやっているのに、それを県民が使えないということについては、やはりもう少し考えてもらいたい。利用目的は大事で、何もかも使わせるわけにいかないのはよくわかるのだけれども、やはりそのためにつくった施設なのだから、利用率を高めないといけないという感覚を指定管理者は持ってほしいです。ホールの稼働率が高いのは前から聞いていますが、なかなか稼働していない各部屋について、もっと門戸を広げる。それから誰のところへ問い合わせたらいいのかを整理しておいてほしい。もっと稼働率を高めることを希望して、終わります。
(9) 陳情については、別紙「陳情送付表」を配付した。
(10)閉会 午後0時5分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...