7:
◯答弁(
林業課長) 木造住宅の支援でございますけれども、県産材消費拡大支援事業の対象が一つ決まっております。平成26年度に、施主からハウスメーカーへの補助に変更したことで、平成29年3月に中四国地方で初めて本事業に取り組む住宅メーカーが、全戸県産材を使った住宅展示場を整備するなど、住宅分野につきましてはハウスメーカーによる着実な県産材の使用が進んできていると伺っています。
8:
◯要望・
質疑(
的場委員) 頑張っている分の効果が余りあらわれていないのではないかと思いますけれども、やはりそれは受け手側のこともあると思いますし、先ほど少し
林業課長の
説明もありましたけれども、やはり木材を使った建築にしていくという方向づけが必要ではないかと思います。建築士などが、広島県材を使った住宅のプレゼンをするということになれば、そこに結びついていくと思います。学校の机、椅子についても、今どちらかというと、新規を買うより、修繕というところに少し何か方向づけができればいいのではないかと思います。これは感想ですから、ぜひ拡大が図られるようにしていただきたいと思います。それを踏まえて、先ほどヒノキの話も出ましたけれども、例えば県産材をブランド化し、古民家であるとか文化財に広島県産ブランドとして県産材を使うようなことを考えているのかどうかということと、昨年の4月に国土交通省がCLTパネル工法を告示し、規制を緩和しましたけれども、新たに県産材を使って広島県版CLTを開発していくような思いがあるのか、お伺いします。
9:
◯答弁(
林業課長) まず、1つ目のブランド化について、広島県は地縁的にヒノキがございます。また、広島県には国内有数の製材加工工場がございますので、そういったところと連携しながら、ヒノキの利活用に向けた取り組みを進めたいと考えております。
それから、もう一点目のCLTでございますけれども、今、全国に稼働中のものも含めて、着工するものが9工場ございます。その中で、今、全国供給量が製品ベースで6万m3と言われています。その中で、昨年度の消費量が約10分の1の5,000m3と伺っております。CLTにつきましては、いわゆるm3当たりの単価が約15万円ということで、通常のRCに比べて倍ほどするため、まだ積極的に消費しなければいけないという状況でございますので、広島県にそういった製材工場をつくるということではなく、より消費できるような環境を整備していければと考えています。
10:
◯要望(
的場委員) CLTですけれども、恐らくこれから消費がふえていくと思いますが、ヨーロッパでは、捉え方が、材木の消費という以前に、環境問題として考えられているところもあります。最初に言いましたけれども、やはり森林を守るということとあわせて、製品にしていくことが、最終的には消費が伸びることにつながると思いますので、ぜひアイデアを出しながら進めていただければと思います。やはり森林事業、森林経営というものは、保全するために行政が根本的な仕組みづくりをすることが必要だと思っています。各事業を対症療法的に実施するだけでは解決しないのではないかと思っており、県産材を使うための事業について、先ほど、回答があったのですけれども、広島県産材として発信し、ブランド化するとか、CLTでも新たに研究機関、製材業者、建築士や接着剤をつくっているようなゴム会社などとプロジェクトを立ち上げ、広島県ではこういうCLTをつくりましたと、その先の出口のところを一緒になって考えていくような、何かそういったつながりをつくっていく仕組みづくりが、最終的には出口といいますか、販路をつくっていくことになるのではないかと思っています。
また、小規模林業者に手を打っていくということも言われておりましたので、そういったところの経営を安定させ、収益が入るようにするためにも、あわせて先ほどから申し上げているところを含めて検討していただければということを要望として言わせていただき、質問を終わります。
11:
◯質疑(
田川委員) 有害鳥獣対策について質問させていただきます。
先日、神石高原町に行ってまいりました。新年度から取り組んでいる有害鳥獣対策についてお伺いしてきたのですけれども、神石高原町では予算化もして有害鳥獣対策に取り組んでいます。それが非常にユニークな内容でして、里森犬というのを使っているのです。山里の里、それに森、それから犬と書いて、里森犬と言うそうです。予算の内容は、この犬、それから人の研修、犬の柵、その費用を負担するという内容なのですけれども、御存じのように、保護犬も神石高原町に集まってきており、この保護犬も活用するということです。保護犬がセラピードッグや災害救助犬として活躍しているのは有名ですけれども、この里森犬にも適性があるようで、適性のある犬は有害鳥獣対策に活用することを考えているようです。集落を全部囲って、イノシシやシカ対策を行っても入ってくるため、非常に苦慮されている地域も多いかと思いますけれども、この里森犬のよいところは、何度かイノシシ等を追い払うと、その後は来ないというところです。非常に効果があるということですので、これは非常にいい取り組みだと思ってお伺いをしてまいりました。
最近では、新世代熊という人を恐れない熊があらわれております。家にも入ったりするということです。廿日市市の阿品台で熊が出現したということが問題になっていますけれども、里森犬の活躍により、この新世代熊も追い払い、寄ってこなくなると期待されています。ほかの地方の取り組みも、神石高原町は把握しておられまして、お伺いしてみますと、山口市では、サルの対策としてモンキードッグを導入しておられるとのことです。それから、長野県では、シカとかイノシシが非常に多いそうなのですけれども、甲斐犬をつかってこれを追い払うという取り組みがなされていると伺っております。この里森犬を使った有害鳥獣対策は、非常に有効だと思っており、こういうものをもう少し広げていったらどうかと思うのですけれども、それについての評価をお伺いできればと思います。
12:
◯答弁(
農業技術課長) 里森犬につきましては、モンキードッグとは少し異なりまして、モンキードッグは追い払い専用であるのに対して、里森犬につきましては、それぞれの家で飼い犬として飼い、それを追い払いに役立てるというものでございます。モンキードッグの課題は、サルがなれることや、犬が好きな人についてはよく言うことをきくのですけれども、その他の人については言うことをきかないので、追い払いする人に負担がかかってしまうということです。その点、里森犬につきましては、それぞれの家で飼っているということで、犬も追い払いする人を選ぶことがなく追い払いができるというメリットがあると感じております。一方、犬につきましては、当然、放し飼いは禁止されております。したがいまして、追い払いに当たりましては、犬任せにせず、人も犬と一緒になって追い払いをしていくことが必要になります。したがいまして、人間だけでも、サルにつきましては、ロケット花火等で追い払いを行うわけですが、犬と一緒になってやるということで追い払いの効果が増幅するのではないかと思っております。
ただ、今、農林水産局では、先般から申し上げておりますように、侵入防止と捕獲、環境改善の総合的な取り組みを全県的に行っており、まずはその初歩的な対策を全県に進めてまいりたいと思います。それと、まだ神石高原町も取り組みの緒に就いたばかりでございますので、効果を検証してまいりたいと考えております。
13:
◯質疑(
田川委員) 実際に、飼っておられる方のお話もお伺いしたのですけれども、連れていこうとしたらしいです。そうすると寄ってこなくなるという、そういう効果があり、やはり人の研修も重要だと思います。熊にも出くわした際には、命がけで犬が飼い主を守ってくれたという話も聞いて、すばらしい犬だと思いました。この取り組みそのものが始まったばかりですので、今おっしゃったように、ぜひこの経過を見ていただき、いいものであれば県でも導入についても検討していただければと思います。
14:
◯質疑(
小林委員) アメリカ合衆国が、トランプ政権になり、TPPから離脱すると明言し、11カ国でやっていくという状態で話し合いをされておりますけれども、現段階で11カ国のTPPに対する方向性がどうなっているかをお示し願いたいと思います。
15:
◯答弁(
販売連携推進課長) ただいま御質問いただきましたTPPでございますけれども、アメリカ合衆国以外の11カ国による協定発効を模索する方向で、5月にベトナムのハノイで閣僚会合が開催されました。しかし、アメリカ合衆国抜きでの協定を発効するということが明示できずにおり、7月に日本で事務レベルでの会合が持たれるという報道がなされているところでございます。引き続き、県としましても、TPP協定発効の動向を注視しまして、国など関係機関と情報を共有しながら農林水産関係者への情報提供に努めてまいりたいと考えております。
16:
◯質疑(
小林委員) ぜひ、情報が入ればよろしくお願いします。
それと、それ以上に怖いのは、アメリカ合衆国との経済交渉の中で、農業分野については狙い撃ちしてくるとトランプ政権は言っておりますが、その辺の日本とアメリカ合衆国との交渉は、どの辺まで来ているのか、情報があれば提供をお願いします。
17:
◯答弁(
販売連携推進課長) 大変申しわけありませんが、今、日本とアメリカ合衆国のそういう情報について入手できておりません。ただ、新聞報道等によりますと、TPP交渉で締結しようとした内容以上のことは、アメリカ合衆国とは締結しない方向で協議していくと報道されております。その辺の情報もしっかりと入手しながら、情報提供に努めてまいりたいと考えています。
18:
◯質疑(
小林委員) その点については、よろしくお願いしておきたいと思います。
それと、5年に一度、和牛のオリンピックといわれる全国和牛能力共進会という大会があり、あと3カ月に迫っておりますが、6月13日には一部出品牛も決定されたという報道も聞いておりますけれども、あと3カ月を切った中で、どのようなスケジュールで、宮城県での全国和牛能力共進会へ向けてなされるかということを、やはり議員にもきちんと情報開示していただかなければ、我々は生産者や出品者と話もできませんし、どのような状態で接していったらいいかということもわかりません。そのため、きちんとした情報や資料を要求することを、ぜひともお願いしたいと思います。委員長、お諮りいただきたいと思います。
19:
◯答弁(
畜産課長) ただいま御指摘がございましたように、5年に1度開かれる全国規模の和牛のオリンピックに関する出品の状況については、委員御指摘のとおり、きちんと提示するように考えております。
(委員会に諮り、資料要求することに決定した。)
20:
◯要望(
小林委員) 長崎県での全国和牛能力共進会のリベンジということで、我々も大変気にしているところであります。やはり、
農林水産委員会の委員は、どういう状況であるかを把握しておかなければいけないと思いますので、ぜひともよろしくお願いします。
(5) 閉会 午前11時34分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑
本文の先頭へ...