6:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 先ほど申し上げたとおり、私もこの4月以来、県内企業をいろいろとヒアリングさせていただいております。その中で、技術はあってもなかなか次の展開ができない、例えて言えば、商品ができて、今1塁に立っているけれども、ぐるっと回ってホームに帰れないといった伸びる企業と言えるようなところから、もう少し、資金や仕組み、経営面の支援があればというふうな御相談を伺っています。
例えば、県東部でいえば、前回の委員会にいらっしゃったアドテックプラズマテクノロジーは、県東部の中でアドテックプラズマテクノロジーがあっただけではなくて、それに先行する石井表記や、いろいろな会社があり、IPOを続けてきたわけですが、ここ数年は、県内での新しい企業の成長について、個別ではなく、集団、群、あるいは雁行型という流れが、停滞感の中でなかなか見えないと個人的には思っております。
その中で、そういう機運を打破する一つの仕組みとして、広島版「産業革新機構」というものに対する期待が大きい企業もいらっしゃると思います。それはすべての企業を救う施策ではないけれども、伸びる企業を伸ばすという意味では重要な施策だと考えたわけです。
7:
◯質疑(
浅野委員) もう一つ深掘りして聞いておきたい。やはりこれはトップの理解がないとなかなかできないことで、もちろん議会の理解、県民の理解がなければ事業として前に進まないのだけれども、トップである湯崎知事の考えることとか、あるいは今までの経験の中で、それなりに発想、あるいは経験もあったと思います。
御承知のように、湯崎知事は、広島県の知事であり、なおかつ、官僚としては通産官僚であった、また、民間企業を立ち上げ、一定の責任ある立場で取り組んだというふうに経歴を伺っているが、御自身の素養や経験、あるいは願望という部分で、どういう思いがあるのか、これが一番重要な部分だと思いますから、わかる範囲で結構ですので聞いておきたいと思います。
8:
◯答弁(
商工労働局長) 湯崎知事は就任1年ということで、このたびのチャレンジプランの中でも、知事の思いが書いてあるのですが、やはり、本県のこれからの経済発展を担っていくためには、まず、土台となる強い経済基盤をつくりたいという思いが強くあります。そのためには、個々の企業において、やはりこれまで以上に一歩出る取り組みをぜひとも進めていきたい。それから、イノベーションという形で言われているわけですが、県としては10年後のイノベーション立県を目指していきたいというテーマを掲げられ、そのためには何をすべきだということを、これまでも県の中で議論してまいりました。
そういう中で、産業振興について、知事の思いの中には、これまでの経験、あるいはスタンフォード大学とかいろいろなところで学ばれた経験等を踏まえますと、やはり、産学官連携の仕組みが一つ、それから今回のようないろいろな企業の取り組みに対する資金供給
ツールが非常に乏しいといったようなところに非常に重大な課題意識を持っておられ、こういうところを強化することによって県のいろいろなイノベーションに向けた取り組みが進むのではないかという思いを持っておられます。その中で、資金供給
ツールの一つとして日本、あるいは中国地方にほとんどない投資というスキームを、何とか県主導で取り入れていきたいという強い思いがあるというふうに我々としても理解しています。
9:
◯質疑(
浅野委員) それはそれで、私は了とするもので、必要なことだと思います。ただ、常任委員会等の議論を拝聴していると、いわゆる、ファンドの持っているマイナスイメージはぬぐい去れない。同時に投資するリスクにも、当然公共として耐えるものでなければいけない。さらに、本県の成長力がどうなっているのか、あるいは今からどういう方向で産業政策を展開しなければいけないのか、それは当然関係してくるわけです。それから、先ほどもあったように、国には産業革新機構というものがあるけれども、地方自治体がそういうものをつくるというのは、極めて珍しく、恐らく日本で初めてだろうと思います。
それからもう一つ、私はかねてから水のビジネスのことを言っています。公共が持っている企業のそれを、アジアであるとかいろいろな諸外国にシステムとして売り出していく、そういう新しいビジネスも、今、世界的に起こっているということです。中国、ヨーロッパ諸国、あるいは韓国というような新興国とのグローバルな競争が今起こっている中において、こういう県の新しい取り組みはどういう意味を今から持ってくるのか、少なくともそういうふうな説得力のある話がなければいけないだろうと思うのですが、そこら辺はどうなのですか。
10:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 今、御指摘にありました水ビジネスにつきましては、国の産業革新機構も支援をしておりまして、大手ということで、三菱商事と日揮、産業革新機構が組んで、オーストラリアの水ビジネスを……。
11:
◯委員長 水の話は長くなるから、それは短目にやってください。
12:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 県としては、そういうものも参考にしながら、地域の水ビジネスについても支援ができると考えています。
13:
◯委員長 今、
浅野委員が総論的な話をされました。総論のことについては、政治の問題が非常に強くなってくるのだろうと、また知事がそう言われているからそちらの方向に行くのですが、きょうの午前中の警察・商工労働委員会においては、各論の問題になっていまして、この各論の問題について、先ほど下原委員からありましたけれども、きょうこういう質問があった中で、重要なところが幾つかあると思います。その中で、答弁をされた内容を、大体のことは覚えておられると思いますので、このことについて、答えていただけないかと思います。
14:
◯意見(
浅野委員) 委員長あなた、そんな越権行為をしたらいけないだろう。現にもう質問は始まっているではないか。これは、一般的な、非常に幅広い所管をされている常任委員会の議論なのであって、議事録はまだできていない。
15:
◯委員長 それなら、水の問題はなしに。
16:
◯意見(
浅野委員) 水の専門的な議論を今やっているわけであって、ファンドの効果というのは、水ビジネスにまで及ぶわけである。要するにこれは専門的な質問です。一般論でも何でもない。
それで、私がなぜ議事進行について言うかというと、委員には委員の質問権があるのであって、常任委員会と特別委員会は違うのである。それをよくわきまえて議事に当たってほしいというのを何回も言っているでしょう。そういうことなのです。質問権は私にあるのだから。
委員長、よろしいですか。そこら辺をわきまえて進行に当たってください。
17:
◯委員長 それでは、今の
浅野委員の質問については、局長が答えないといけないのではないですか。
18:
◯答弁(
商工労働局長) 今回の広島版「産業革新機構」の設立というものを知事が大きな政策課題として掲げられて、積極的に取り組むスタンスといたしましては、先ほど申し上げましたような県内企業のこれからの成長に向けまして、いろいろな資金提供スキームがないと、グローバルな競争力をつけるとか、企業が一歩前に出にくいということもあり、これを考えられている。ただ、公的な資金を投入するということでありますので、今御指摘がございましたファンドに対する警戒感の問題についてもやはり考えていかないといけませんし、リスクテイクの問題もあろうかと思います。この点については、例えば民間のファンドであれば、短期的な利益を求め、それも高配当、ハイリスク・ハイリターンという形で求めるといった現状もありますし、それから、リスクテイクについても、非常に難しいものはありますが、例えば、今回でいえば、ファンドの期間について、通常5年とか3年という形でリターンを求めるものもありますが、県の場合には12年程度ということで、長期のリスク管理をしていこうということです。それからもう一つは、ファンドの規模について、リスクテイクをするためには、例えば、企業からニーズがあったからこれに対して投資をするとなると、数社とか1社、2社ということになり、非常にリスク管理が難しい。その中で、ある程度分散投資をすることによってリスクテイクを考えていこうということで、この設計ですと、1件当たりは、国の産業革新機構の対象とならない少し下ぐらいの数億円から十数億円の規模になる。それを、リスクテイクするためにはやはり10件から10数件要るだろう。そうなると、100億円規模といった、リスクテイクの観点から見ても、ファンドの規模というのは、これぐらい必要ではないかという発想でいろいろと知事とも議論をしながら、これまでスキームを考えてきたところです。
19:
◯意見(
浅野委員) 100億円オーダーの話もありますが、今までのファンドとこれからかなり規模を大きくしながらやろうというファンドではそれぞれ根拠が違うと思います。それで、ここに根拠法として、投資事業有限職員組合契約に関する法律というのがあります。いずれにしても構造的な国の制度、法律があるのですが、広島県でそれを運用するのは初めての例であり、それまでの県の考え方というのはいろいろとあるけれども、どういう根拠条例や根拠的な制度を議会に諮って確立されていくのか。幾つかの問題を指摘しましたが、そういうものをしっかりとクリアできるような制度設計をやっていただきたい。
具体的に国の根拠法のように、県条例ではどういう形のものを想定しているのか。
20:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 今お話のあった、国の場合は、特別法で会社をつくるということがあり、法人というのは法律に基づいてできますので、今回できた国の産業革新機構は、産業革新機構をつくるという法律で法人をつくるということになっておりますし、従前あった産業再生機構は、産業再生機構法というふうに、国だから法律で法人をつくることができるということになります。
我々、地方自治体は条例で法人をつくることはできませんので、法人をつくる、例えば、ファンド運営会社をつくるということでいえば、いわゆる出資法人という形でできます。ただし、その出資法人については、自治法であるとかさまざまな規律も及びますし、今回は特に、出資法人の規律が及ぶ以外に、いわゆるファンドということについては、従前は議会に対して公的な書類提出義務がなかったということについて、今回の報告にあるように、そのプロセスをしっかり公表していくということを書かせていただいております。
そこは法で規定するということよりは、県の執行部として責任を持って執行していく、管理責任を示す、あるいは議会等へ報告しながら進めていくということで、今回書かせていただいております。
ですから、条例が規律するというよりは、そういう仕組みとして、今後もやっていきたいというふうに考えています。
21:
◯要望(
浅野委員) しっかりやってください。
22:
◯質疑(小林委員) ばらばらな質問になってしまうと思います。専門的なこともあれば一般的なこともあるのですが、要するに、資金面なり、経営体系なりが大変脆弱な会社があって、ファンドを形成して芽があるものを育てていく。そうなると、やはりお金という一つの問題の中で、それでは解決していこうと知事が思われたのだと思います。
それであれば、まずは金融の制度を、もう少しオープンな形で融資ができるような状態をつくり出してくれと国に申し立てるという考え方はなかったのだろうか。そして、経営体として云々であるのであれば、いろいろなところでジョイントベンチャーなり大企業なり、同じような職種の中でやっていく法律というものを国に対して提言してみようというお考えはなかったのですか。そこをまずお伺いします。
23:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 御指摘の融資という制度もそれなりに重要な制度だと思っており、融資の枠、制度融資も含めて、いろいろな制度が用意されております。それで対応できるものも当然あると思うのですが、ただ、やはり融資ということになりますと、貸したお金を返してもらうというのは大原則ですので、やはり担保、あるいは保証人ということが原則という考え方があろうと思います。
一方、投資というものは、その裏返しというか、要は、いつまでに幾ら返してくれということではなく、一緒にお金を出して一緒に成長していこうというもので、資金の性格が融資と投資では違うということもありますので、投資の担当ということで、ぜひ進めていきたいと思っておりますが、融資、投資、補助金、いろいろな制度のバランスというものは、県として全体を考えるべきだと思います。
24:
◯答弁(産業振興部長) 担当課長から説明したところですが、融資であれ補助金であれ、さまざまな制度をもって運用しており、繰り返しにはなりますが、今回、知事がこの革新機構ということで、選挙公約から始まったわけですが、そこをきっかけに、この仕組みを改めて原点から考え、検討し、私もまだまだ素人ではありますが、先ほど
浅野委員からもあったように、グローバル競争をせざるを得ないという環境の中で、やはり資金面、あるいは経営面での支援が非常に重要であるという気持ちで現在おります。
25:
◯質疑(小林委員) 企業家にとってリスキーな部分というのは、この前の勉強会の中であった。それはやはり制度設計も見直さないと、国全体としても、どのようになっていくのか。広島県だけがそうあっていいのかどうかというのは、また別な問題でありますが、制度設計を変えるという方向で、やはり国に対しては提言するというのも一つの手ではないかということを私は申し上げておきたいと思います。
お金というものを扱うということになれば、大変なことになる。ですから、知事自身が今回のファンド形成に対しての倫理観、お金に対する倫理観、要するに経済に対する倫理観をどうお持ちなのか。局長、お答え願いたい。
26:
◯答弁(
商工労働局長) 今回、広島県版の産業革新機構というものを政策として掲げた背景には、国の産業革新機構は昨年できたわけですが、現在の日本の産業経済を取り巻く状況の中で、それを打破するための一つの政策として、国もこれまでそんなに取り組んできたわけではない分野ではありますが、こういう投資というものに、国全体としても取り組もうという話がまず出てきたことが前提にあったと思います。
そういう中で、国のスキームは、1件あたり30億円以上とか、最低でも10億円以上といったような大きな投資を念頭に置いており、県内の中堅中小企業ではなかなか国のスキームに乗るのは難しいという発想があり、県版のその部分を対象としたスキームを持てば、県内企業において──もちろん国のスキームの中に入るような大きな企業の大きな取り組みはやっていただければいいと思いますが、そこに入らないような部分をやることによって、県全体の産業をカバーする支援スキームが完成するという思いがあったことは事実です。
それともう一つ、県のそういうスキームに対して、国からの資金面でのいろいろな制度、例えば中小企業金融公庫といったようなものについては、実は水面下で要請はしておりますが、県の取り組みで最初ということもありますので、今のところまだそれに対して国として制度的なバックアップをするというところまで至っておりません。
27:
◯意見・質疑(小林委員) 今、局長が答えられたのは、我が広島県なり、日本の経済体系をどういうふうにしていくかという部分において知事がこう思われている、日本よりは広島県のほうが小さいから、このような状態であると。それは倫理観ではないと思う。やはり金というものに対する考え方、いつも思っている倫理というものは何なのか、今回のファンド形成について、ここが一番大切だと私は思っている。
ですから、知事がここについてぶれない、要するに、金において絶対にもうけていくのだという倫理観なのか、産業を発展させていく基をつくっていくのだという倫理観なのか、その辺を問うたわけであり、それ以上答えを望んでも無理だと思いますので、そこはもういいですけれども、徹底して2つの面を持っていただきたい。逆に言えば、知事に対してお金というものに対するどん欲さ、それによって広島県の経済の基をつくっていくのだという強い倫理観を持っていただきたい。
今まで、ことごとく失敗してきた事例というのは、例えば、諮問機関を設けるとここに書いてありますが、そんなものは必要ないと思います。局長以下執行部の皆さんで腹をくくってやってみようではないかという気持ちがないから全部失敗してしまうのです。諮問機関へ投げかけて、それではこれはどうすればいいですかというような、そんな手ぬるい状態であればやめてしまったほうがいいと思います。逆に言えば、知事が社長になるぐらいのつもりでやられるのであれば結構だと私は思うし、そういう状態でやっていかないと、恐らくこれは成就できない大きな問題であると思う。ただ、マネーゲームをやって終わってしまったというような状態になってくる。やはり、退路を断ってやっていく。その中には気持ちが入ってこなくてはいけませんし、当然一つのチームとして結束力もなかったら、これは到底やっていけるはずはないのです。ただ、諮問機関で、有識者やいろいろな経歴を持っておられる方が集まって、これはいい、これはだめだと言いながら、導入すると書いてありますが、条例で縛りがあるのであればそれをなくし、皆さんが責任を持ってやるぐらいの状態でなければだめだと思います。それについて局長に御意見をいただきたい。
28:
◯答弁(
商工労働局長) こういった県が出資する運営会社ということで、第三セクターということになり、第三セクターについてはこれまでいろいろな議論がありましたが、とりわけこういうファンドというものについては相当専門性が高いと私どもも思います。
それともう一つは、投資先の企業について、県の政策という面からではなく、やはり成長性という形で、純粋に見ていく必要がある。こういったものも含めますと、これにつきましては、県としては、側面的な評価とか、関与はいたしますが、直接的な運営は、専門人材をきちんと置いて、その方にゆだねてやるということが必要だろうと思います。したがって、先ほど諮問機関と言われましたが、それについても、これまでやっているような県内のいろいろな団体の有識者を集めてやるとかということを考えているわけではなく、まさに、専門的な人材によるチェック機能というものを考えていきたいと思っております。
29:
◯意見(小林委員) 専門性ということで、よくわかりました。要するに、そういう方が集まっていろいろな状態の中でやっておられれば、成功事例は各地であるはずです。ないからみんな困っているのです。私が言いたいのはそこなのです。
今、まさに、日本がどうなっていくのか、広島県はどうなるのか。広島県の中でも我々が住んでいる中山間地はどうなるのか。あしたの命さえわからないわけです。TPPの問題がどちらに振れるかによって、農村部はもう破壊されるかもしれない。そのような状況の中にあって、知事がやりたいということについては、私は個人的には大賛成です。やってくれ、もう後がないのだ。それでは、中山間地域において、農業で飯が食えるような状態にファンド形成してやってもらえるかどうか。そこまで来ていると私は思うのです。
ですから、成功事例がないのだから専門家など要らないのです。今も世界的な不況が蔓延し、もとのさやに戻らないというのは当たり前のことです。新しい価値観を見出していく。皆さんで見出していかなくてはいけないですし、専門家がいても過去の栄光に浸っているだけである、というようなことを私は思っています。
やはり、気概を持ってやってほしいということが私の願いであり、そこがなければやるべきではない。専門家に頼り、逃げの方向で、そこへ持っていって諮ったら行けと言われました、やめろと言われましたというような状態であるならばやるべきではないというふうに思っています。
30:
◯質疑(下原委員) 長くは言いませんが、ぱらぱらと聞きます。
ファンドの金額について、報道では100億円ということですけれども、この100億円についての認識というのはどのようにお持ちなのか、お答え願いたい。
31:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 私は、あくまでこのファンドをつくっていく、構想する立場で申し上げますけれども、今回、地域で一定の規模感を持って、ファンドとして考えるのであれば、100億円というものは妥当ではないかと思っております。ただ、必要かどうか、どういう形でつくっていくかにはなりますけれども、規模感としては妥当だと思っております。
32:
◯意見・要望・質疑(下原委員) なぜ100億円について聞いたかといいますと、広島県の単独公共事業費が年間190億円、それから昨年の11月に、皆さん方のために知事が撤廃した給料の削除の部分が1年間でおよそ80億円、それくらい大きな金額だということを、まずもって申し上げておきたかったわけです。
ちょっと、この印が見えますか。(資料を示す)これは全部横文字なのです。もう少し易しくわかりやすい表示方法というのはないのでしょうか。この前も、決算特別委員会でイノベーションの話が出ましたが、何かいい言葉がないか、ぜひもう少しいい方法はないかということを考えていただきたいと要望しておきます。
それで、今回のファンドに関して、何が何でもやろうとしているのではないのですか。何が何でも、どんな状況でもという考えではないでしょうか。
33:
◯答弁(
商工労働局長) 県のこれからの発展計画、チャレンジプランにおいても、やはり経済成長というものを一丁目一番地に掲げていこうという中で、中小企業に対する支援スキームとして、これまでいろいろとプロジェクトや融資といったものがありましたが、新しくこういうものを設けることによっていろいろな企業の可能性を拾っていこうということであり、そういう意味では、我々としては政策としてぜひ実現したいという思いでございます。
34:
◯意見・質疑(下原委員) いいとは思うのです。悪いと言っているわけではないのです。
問題は、先ほどネタを伸ばしてやろうというような答弁がありましたが、いいネタであれば、だれでも投資するのです。やはりその辺についてもよく考えていただきたいし、それから、こういうファンドをつくるには、先ほど世界の話とかいろいろな話がございましたが、やはり時期というものがあるのだろうと思うのです。今はデフレの時代なのです。果たしてこれが時期なのかどうか、よく考えてやっていただきたいという思いがあります。
それから、もう一つは、常々申し上げるのですが、産学官ということで、産学に官が絡むと時間がかかったり、いい知恵があってもいろいろな規制等でなかなかうまく回らないということがありますので、すべてが悪いと申し上げているつもりはございませんが、そこのところもよく考えて、いいも悪いもよく精査をされて取り組んでいただきたいということです。
同時に、先ほど小林委員からも話がありましたが、一生懸命やったがだめだった、よくやったのだけれどもだめだったということは絶対ないでしょうね。答えられたら答えてください。
35:
◯答弁(
商工労働局長) 我々としては、専門人材をいかに広島に招聘・確保するかということについて、非常に大変なことだと思っており、そういうことを含めて、今回のスキームについては、幾つかの投資分散をした形での考え方であるとか、また長期的な考え方などいろいろな形で、最終的にこのファンドが成果を上げる、このことが県内産業の成長につながるということでもありますので、これはセットで考え、ぜひとも成功させたいと考えております。
36:
◯質疑(下原委員) もう少しいろいろと聞きたいのですが、これはまた今度、お聞きしたいと思います。
これは、お答えしていただけるかどうかわかりませんが、先般、隣のホテルで中国と何とかというセミナー、設立集会のようなものがあったのは御存じですか。それと前後して、知事の考え方の中で、先般いただいた対中国とのいろいろな戦略的なもの、その2つの間には何かあるのですか。こういうことをお聞き及びではございませんか。
37:
◯答弁(産業振興部長) 昨日、今御案内の企業の設立総会があり、知事が参加させていただき、これに私も参加しました。また、対中国の県の戦略として、12月1日からチームを組織していただいて、私が総括責任者ということでやっておりますけれども、特に、それとつながってどうこうということは全くございません。
38:
◯質疑(下原委員) それはそういうことにしておきましょう。
もう1点は、2020年の農業のチャレンジプランについて説明いただきましたが、多分平穏無事な世界でのプランだと思うのです。先般から常に話題になりますTPPの問題等々についての部分を踏まえてのプランなのでしょうか。
39:
◯答弁(農林水産企画総括監) 策定においては、TPPの問題を初めとし、昨今の国際情勢についても十分に吟味した上で作業は進めてまいりました。もちろん非常に不確定な部分がありましたので、それをすべて見越し、それを踏まえての計画というものを完全につくることは難しいことでありますが、それを十分に踏まえた上での計画とするとともに、TPPを初めとして、そういったいかなる状況にあっても、広島県の農業、あるいは農林水産業として、根本にあるのは、やはり産業として経営力の強いものに変えていく、体制を変えていくということが、やはりとるべき道としては最善の方法ではないかという考え方のもとに策定しております。
40:
◯質疑(
浅野委員) 農業の問題を少し質問させてほしいのですが、実は先般、三次で平田観光農園とライスファーム藤原というところを現地視察したわけですが、農業の問題というのは、非常に重要な問題だと思います。例えば、平田観光農園では、観光農園としてオールシーズンでたくさんの種類の果樹を栽培されており、いつお客様が観光に来ても、常にそういう体験や果物をしっかりと食べていただけるようになっている。さらにそれを加工して、しっかりと付加価値をつけるという農業をされている。
ライスファーム藤原では、いろいろと農地を集約され、さらにいろいろなところから委託を受け、持っている農業機械や人材、あるいは労力をしっかりと地域に提供することによって非常に収益力の高い農業をされている。
それぞれ努力しながら農業の構造改善に取り組んでいるわけですが、今回の農林水産業チャレンジプランは相当大胆な農業の構造改善につながる内容が随所に見られます。例えば、今までは、つくってそれを市場に出すという考え方であり、今度は逆に消費者のニーズに合ったものをつくっていくという考え方、これは農業だけではなく、林業も水産業も一緒です。
そういう、かなり大きな考え方の変革があると思うのですが、そういう構造の変化を伴うような計画であり、財源的な問題や体制的な問題もあるでしょうから実際にこれができるのか非常に不安ではあります。それを実際に実行できるかどうかという部分でどういう覚悟を持っているのかも聞いてみたい。
41:
◯答弁(農林水産局長) 今年度当初より次期活性化行動計画の策定作業に取り組んでまいりました。今回、12月6日の経営戦略会議で決定いたしました2020広島県農林水産業チャレンジプランについて、この間、各関係方面と議論を重ねてまいりました。農林水産業の活性化のためには、県だけで取り組むことは大変大きな課題を伴っており、やはり全県民の支持のもとに取り組まなければならないという思いが強くありまして、それぞれの農業、林業、水産業の各団体とも議論を重ね、そして、市町とも議論を重ねる中で、今回チャレンジプランを策定したところでございます。
また、もとより、県で策定しましたプランでありますので、このプランの実現に向けては、県が主体性を持って積極的に取り組まなければならないと思っておりますし、このチャレンジプランに掲げました内容を実現しなければ、次の農林水産業はないといった覚悟を持って取り組んでまいりたいと思っております。
42:
◯質疑(
浅野委員) これは、どちらかといえば消費者をしっかり取り込む、住民ニーズをしっかり把握した上で、付加価値の高い生産をやりながらという方向性が非常に強くにじみ出ています。そのためにマーケティングであるとか、あるいは、言葉でいえばブランディング、それから、産地と実需者、産地と産地が連携する仕組みであるとか、考え方としては非常にドラスティックだし、また、非常に意欲的なものであると思うのですけれども、例えば、産地と実需者の連携、その具体的な言葉の中にある農業や流通や加工の実態というのは、具体的にはどういうふうなことをイメージされているのか、お聞かせ願いたい。
43:
◯答弁(農業活性化推進課長) 今まではプロダクトアウトということで、生産したものを売るという考え方が農林水産業に多かったと思いますが、委員御指摘のように、現在、川上、川中、川下という形で、生産者から実需者に渡るルートのバリューチェーンという考え方で農業を進めていきたいと考えております。昨年の7月に広島県農産物販路開拓協議会ということで、市場関係者、スーパーマーケットの方、コンビニエンスストアの方をメンバーに、この間、いろいろ農産物の販売についての御意見をお伺いしてきました。その中で、やはり広島県は米に偏重した生産体制であるということで、野菜生産なり、果樹なり、広島牛を伸ばしていくということがいずれ重要になってくると思います。ですから、出口の部分で、実需者の皆さん方は広島県産品を非常に望まれておりますので、やはり我々は実需者の皆さんのリクエストにこたえるような形の生産体制をしっかりとつくって、生産と流通、販売が密接に結びついた体制を、これから構築していくことが大切なのではないかと考えております。
44:
◯質疑(
浅野委員) それは確かに言葉で言うのは簡単であると思いますが、それを実際にやるとなるとこれは大変な努力を必要とする内容だと思います。だから、それを具体論でどう担保し、10年後の目標を達成するかということになると、年度年度、非常に予算とエネルギーを必要とすると思うのです。これは、具体的に来年度の施策もしっかり見ていかなければいけないと思います。
例えば、消費者の中でも、一般の最末端であるとか、いろいろな小売の段階で今伸びてきているのは、スーパーマーケットの中でも非常に安い値段で野菜や米、芋を販売したりしているスーパーマーケットであったり、コンビニがあったりしてきておりますし、加工についても、いろいろな加工業者が出てきております。ですから、もう少し具体的にどういうイメージを考えておられるのか、わかりやすく話をしてほしい。
45:
◯答弁(農業活性化推進課長) 我々は現在、担い手対策ということで、集落法人と企業の農業参入、それから認定農業者という方々を農業の担い手という形で考えております。
集落法人というのは、現在平均25ヘクタール程度の農地面積を集積しており、米であれば、10アール10万円の売り上げになりますが、その中で、やはり米がつくれるのは6割、あとの4割は転作ということでございます。
我々とすれば、集落法人なり、農業参入された企業に、ヘクタール単位での野菜の品目を栽培していただきたいと考えております。また、実需者の方々も、最近は生鮮食品というより、むしろ業務・加工用のニーズが高まっておりますので、そういう実需者のニーズに対応した形で定時、定量、定価格、定品質の「4定」ということをしっかり約束できるような形での生産体制をつくり、生産者と実需者の橋渡しをしていく仕組みをつくっていきたいと考えております。
46:
◯要望(
浅野委員) 実際に現地を見なければわかりませんけれども、大変なことになろうかという実感はしますから、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
47:
◯質疑(石橋委員) 私は正直言って、ファンドのことは余りよくわからないのです。こういう話を聞きますと、単純に投資をするということですか。投資ということはもうけなければいけないものです。これは100億円投資して10年後に幾らもうけるのですか。
48:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) いわゆる利益、IRRという指標は、今のところ具体的に考えていませんが、1件1件については設定しながら、トータルで見たときには、資金ということでは少なくとも元本が割れないし、例えば、最低でも国債の利回りを上回るようなものは確保したいというふうに考えたいと思っています。
49:
◯質疑(石橋委員) そんなことは考えられないことです。産業革新機構という会社をつくって、そこで利益を出していくわけですから、当然、その設定目標がなければいけない。どうですか。国債の利回りぐらいですか。これは銀行にでも投げておけばできるようなものです。香港に持っていったらもっと利益が高くなる。
50:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 目標ということと現実感ということがあろうと思いますが、目標ということでいえば、一般にIRRという指標でいえば、ファンドということでありますので、15%程度は確保したいと考えます。
51:
◯質疑(石橋委員) 県が出資した100億円で産業育成するということはわからないでもないが、利益を出し、県がもうけるなどということはいかがなものかと思います。産業というけれども、それが本当にマツダのような産業に成長していくのか、これからの産業というのは、県内産業といっても、国際社会で通用する産業でなければ産業と言わないわけです。今、経済産業省がNEDOでやっているのも、全部そういう産業に対して、新技術革新を援助しているわけです。県独自の10億円ぐらいの金で10社ぐらいがたらたらやって、それが本当に県内の産業になり得るのか。それぐらいの投資であれば普通の銀行でもするし、またそれができないような企業であれば伸びるはずがない。そのようなことを県民の税金で、しかも、第三者に委託して任せてしまうなどということが本当にできるのかということです。当然、物すごいリスクがあるわけですから、だれが責任をとるのか。
私の友人にもファンドがおりますが、投資して成功するのは千に3つ、それぐらいのリスクです。さっき小林委員が言ったように、いいことしか言わない。それは自分のもうけにならないから、投資の失敗例は言いません。何ならその人を呼んできましょうか。3社を上場させたファンドがいるのです。でも、150社ぐらいはできなかったと言うのです。県の産業になるということは上場するぐらいまでやらなければいけないということでしょう。そうしなければ産業とは言えないのです。さらには、それが海外へ出て、グローバルな中で認められる、そういう産業を育てるということがここで言う県内の産業ということでしょう。国内産業を見ているのではないのです。将来的にはどの程度の産業にしようと思っているのか、ちょっと言ってみてください。例えば、売り上げが100億円の会社を1,000億円にしたいのか。ただ、少しもうけてリターンをもらえばいいのか。どういう発想なのですか。
52:
◯答弁(
産業革新プロジェクト担当課長) 例えば、現状の売り上げはいろいろあろうと思いますけれども、今、10億円ぐらいの会社が5年、10年で、今おっしゃる100億円とか、あるいは100億円のお金がある会社が300億円とか、そういうふうな成長をしていきたいとは思っています。ただ、100億円の会社を1,000億円にするようなファンドということではないと思います。
53:
◯意見(石橋委員) 例えて言ったのだけれども、規模が余りにも小さ過ぎて、それを県内有数の産業に成長させ得ることができるのかというとき、何をもって県内産業と言っているのか、産業の育成とここへ書いてありますけれども、そうではないでしょう。知事が海の道構想をつくられて、観光産業をやろうではないかと、そういうことを産業と言うのではないのですか。
この前、決算特別委員会で高山委員が、アジア局をつくれと言われました。アジアに対してもっと広島県の企業を出して、あるいは出口をつくって、あるいはインバウンドするとか、そういうダイナミックな発想の中でやってきたのではないのですか。わずか10社のちまちました会社を、当初10億円ぐらいで産業育成とよく言うね。
私は、そのようなことではないと思います。今の農業政策もそうではないですか。海の道に100億円ぶつけたらいいではないですか。そうしたら、県内がどれだけ潤うか。そういうことを産業というのではないのですか。行政がやらなければいけない産業の育成というのはそういうことではないのですか。
あるいは、中山間の農家は農業で疲弊しており、出口をどこへつくってやるのか、そのための投資をしてやろうではないかと。農業産業ではないですか。あなた方のは、産業ではなく、たった1個の企業ではないか。それを産業と呼ぶのか。
産業の育成という意味はわかるけれども、もとの発想が違うのではないか。あなた方のは企業の育成ではないか。その企業が産業になれる企業なのか。もうけ主義ではないですか。やる以上はもうけなければいけないわけだが、成長産業、成長企業でしょう。個々のばらばらの企業に投資するだけでしょう。それが本当に産業になり得る投資になるのか、この産業振興という趣旨に合うのかどうか、もう一度、根本的な発想を変えていただきたい。100億円を使う、200億円を使うということは、私はいいと思います。産業育成ということは、企業の育成ではない。企業は民間がやればいいことです。民民ですから。知恵があって生き残った企業はいっぱいあるわけだから。
私の広島の友人も、亜臨界技術というのですけれども、本当に小さいものが経済産業省で認められ、今、10億円の資金をもらって努力してやっています。農政が金を出して、広島の小さい企業ですが、筑波大学の研究所と一緒になって、新しい研究をやっています。国がその産業を、いわゆる亜臨界を一つの大きな産業にしようとやっているわけです。今のお話を聞いていると、企業の育成ではないですか。それを産業と言うのですか。根本的な物の見方が私とは違うと思っておりますので、お金についてはいいですけれども、あり方については再検討いただきたい。農業産業でしょう。林業でしょう。1次産業でしょう。1企業ではないではないですか。あなた方は、産業というよりも1企業のことを言っている。そんなものはほうっておけばいいではないですか。伸びる企業は勝手に自分で大きくなる。民間はみんなそうやって生きてきているのだから。それだけやるのであれば、今、環境産業をやるべきではないですか。本気で100億円をぶち込んで、そのときの広島県全体の経済波及効果はどうですか。15%もうかったからといって、笑わせないでほしい。県がそんなことをしてどうするのですか。もっと広島県全体の経済波及効果を考えてやらないと、そんなことをちまちましていたら、少なくとも中国地区のトップになろうかという県が笑われます。
54:
◯質疑(城戸委員) 警察・商工労働委員会の中で、県がファンドを行うべきではないという意見があったと書いてあるのですが、これに対してはどういう答弁をされたのか、ここをまず聞かせてほしい。
55:
◯答弁(
商工労働局長) 先ほど、産業と言うのかという話がありましたが、県としては、今後の県の産業、いろいろな政策
ツールを考える中で、こういう投資という支援
ツールを今回新たに設け、補助、融資、それから投資といった形での資金面でのいろいろな支援
ツールがあることによって、いろいろな企業の取り組みのあり方が出てくるのではないかということで取り組もうというものですが、その中で、公的資金でファンドというのはおかしいのではないかという御意見もございました。これについては、政策
ツールとしては、これまでもベンチャーファンドという形で設けておりますし、あり得ないことはないといった答弁をさせていただきました。
56:
◯意見(城戸委員) 私は、確かにベンチャーファンドというものがあることもわかるし、なければいけないというのもわかります。ですが、先ほど、石橋委員が言われたように、ファンドという、いわゆる投資という格好からすると、本当に県民の血税をそこに投資して利益を生む業をやっていいのかどうか。やはりそこはベンチャーファンドとは全く考え方が違います。
このファンドで利益が出るのは株式公開をしたときと、企業合併、買収で金が入ったとき、それから、経営陣が買い戻しをしたとき、これ以外には絶対に利益は出ない。魅力があるところで、経営者が買い戻しをすることができるのであれば、別にファンドに頼らずやるわけです。また、10億円で本当に株式公開ができるのですか。それから、企業合併、買収についても、この規模のものを本当に買いに来るのかということを考えた場合には、この金は返ってこない可能性が高いではないですか。そのあたりについてあなた方は、要望ニーズがあると言われるが、あった場合どうですかと聞かれたら、あったほうがいいと言うに決まっています。投資をしてくれる人がいたほうがいいに決まっています。
それを現実に利益で返さなければいけないとなったら、いわゆる融資とどこが違うのか、融資よりまだリスクは高くなるわけです。融資であれば何%と決まっているわけです。これが投資であれば、幾ら持っていかれるかわからない。あなた方はそんな企業が経営をやると思いますか。投資というものに対して、経営者を経験している人間からすると、全然違う感覚をお持ちになっているように思うのだけれども、先ほどから
商工労働局長が言われるのは、一見、融資者みたいな感覚なのです。それでいて言っていることは投資者なのです。これをやっているのが、国でも船舶整備公団です。もとの船舶整備公団で、今の鉄道運輸施設整備機構が融資でありながら投資のようなわけがわからない団体をつくっているわけです。現実にファンドというのは、株式公開、企業合併、そういうことでしか金は入ってこないわけですから、先ほど言われたように100億円を突っ込むのならまだわかるが、10億円ずつ突っ込まれたぐらいで、公開もできない、何もできないという状況で本当に企業のニーズがあったと判断しているのがよくわからない。
それと、先ほど、小林委員が、知事のこの投資に関する理念を聞きましたが、今、答えられているのは理念ではないわけです。理念ではなく、ただやりたいということを言われているだけです。経営理念というものはそんなものではないわけで、やりたいというのと、やらなければいけないということとは全く違うわけです。私たちが不安なのは、その理念がよく見えないからなのです。なぜやらなければいけないのか、ファンド経営をやったら、先ほどから言う企業が育つのか、産業が育つのか、どちらにしても、何かが育つというものがなければ絶対に通らないわけです。その育つというものが見えないわけです。何を育てたいのかを説明してくれと何回も言っているのだが、何ら説明がない。利益を生むのか会社を育てるのか、どちらが目的なのか、その目的がわからないわけです。企業規模が幾らかということについても、やっときょうに至って初めて100億円ということである。今まで「規模はわかりません、想定しているのはありますが、いや、財政に聞かなければわかりません」ということであった。ファンドで15%の利益を生むということであるが、15%とられたら、はっきり言って融資のほうがよほど安いではないですか。
10億円ぐらいの金を扱う企業が15%もとられるのですが、それは10年間請求がないわけですから、乗りたい人もいるでしょう。でも、最終的には持っていかれるのです。持っていかれるから、企業も売買しなければこれは採算に乗らないわけで、どちらかで処分しなければいけなくなるわけです。私は、県がそんなことができるとは思えないし、また、仮に県が出資している会社が企業買収をしたり、企業の清算をして売りに出すなど本当にやれるのですか。私は、そのほうがよほど大きな問題を引き起こすような気がしてならない。企業を売ったことがあるかどうかわからないけれども、売りに出す企業は大変なのです。ですから、そういう意味で、これはよくよく慎重にみんなに説明してもらわないと、ただやりたいから、ニーズがあるからといって、どちらが得かということを考えたら、果たして本当にのってくるかどうかというのはわからないのです。
いずれにしても、このファンドの問題は、もう少し詳しく、きちんと説明をするべきです。ただやりたい、いや、こういう要望があるからという問題で解決がつく問題ではないと思う。ぜひとも、そこは意見として言っておきますので、よろしくお願いします。
(4) 閉会 午後3時19分