3:
◯要望(
伊藤委員) 市町のハザードマップの作成には時間を要しますが、その作成を待つのではなく、下流の住民への周知など、避難行動につながる方策に万全を期していただきますよう要望させていただきます。
4:
◯質疑(
砂原委員)
ため池について伺います。要らなくなった
ため池の廃止について、先日の委員会でも出ていましたが、廃止というのは、どこまで処理することを指すのでしょうか。
5:
◯答弁(
ため池・
農地防災担当課長) 廃止の方法といたしまして、堤体の開削と、貯水池の部分を土で埋め立てる方法があります。県が主体となり昨年の発災以降、事業を進めておりますが、基本的に開削の方法で施工させていただいております。堤体を開削するとともに、上流から流れてくる雨水等を下流に安全に流すための水路を設置することで、強制的に水をためなくする工事を実施しております。
6:
◯質疑(
砂原委員)
ため池の水を抜いて終わりではなく、その後の有効利用の話が出てくる可能性があると思いますが、どのように対応されていますか。
7:
◯答弁(
ため池・
農地防災担当課長) 水位を下げたことで生み出される跡地利用かと思いますが、池の中にヘドロがたまっていることから、土を処理する必要があります。この土の処理につきましては、ヘドロの撤去か、セメント等をまぜた改良になるかと思います。そういった処理を経て、その後の利用形態に応じて、
ため池の廃止としてできるところをやっていくことになると思います。
8:
◯質疑(
砂原委員) 愛知県は
ため池が非常に多く、埋め立てた後に小学校などの公共施設ができており、大規模な地震の際には液状化していくおそれがあります。
このため、複数部局にまたがる案件かと思いますが、どうやって
ため池があったことをしっかりと後世に伝えていくかまで考えた上で廃止を進めるべきかと思いますが、そのことについて協議していますか。
9:
◯答弁(
ため池・
農地防災担当課長) 跡地利用につきましては、今のところ具体的に話は出てきておりません。委員がおっしゃるように、
ため池があったことを後世に伝えていくことに関しましては、
ため池の台帳がございますので、他用途に転用したことを記録していく方法もあります。また、先日御指摘がございましたように、
ため池は昔からその地域で使われているものであり、地域の遺構として、例えば
ため池で使われていた取水施設をモニュメントにして残すといった方法で
ため池があったことを記していくことも必要かと考えております。
10:
◯要望(
砂原委員) どうするのがいいのか、やはりいろいろな部局と県土強靱化という視点から協議し、今後の
ため池の廃止について注意深く進めていただくことを要望します。
11:
◯質疑(
小林委員) 過年度発生災害農林水産施設復旧費という災害復旧工事の中で、治山ダムの堆積土を除去する費用として5億1,500万円を充てておられますが、これは緊急的な対応なのか、災害と一般事業の区分はどうされているのか、また、この5億1,500万円について、国費が幾ら、何%入っているのか、お聞かせ願いたいと思います。
12:
◯答弁(
森林保全課長) 先ほどの治山の補正につきましては、土砂撤去の用途としましては、昨年度の災害が発生したときに既存の治山施設の現地調査を行っておりますが、その既存の治山施設の上流部にも災害が発生したところがあります。被害の程度からいいますと、現在行っている緊急事業や激甚災害の特別対策までの被害ではなく、ダムの上流での土砂が、通常こちらが計画している堆積の勾配よりも堆積しているところの土砂を撤去していくものになり、やはり今回の災害に起因した土砂撤去になりますので、災害の区分としております。
基本的には、この事業につきましては国費の充当はしておらず、単県事業ですが起債を充当する形で考えています。
13:
◯要望(
小林委員) 単県事業ということですが、災害復旧工事と位置づけているのであれば、やはり国と話し合って、災害復旧に当たるものは国庫負担が望ましいと思います。同様の事例は全国各地に発生してまいりますので、国と話し合い、災害が起きたとき、治山ダムの役割、維持管理など、いろいろなことを想定しながら、新しい制度に向けてかじを切っていただければと思います。
14:
◯質疑(
安井委員) 広島県卸売市場条例の廃止について質問いたします。
卸売市場法の改正により、地方卸売市場の開設及び取引に関する規制等に係わる条例への委任規定が廃止されることに伴い、条例が廃止されるということでございます。これまで中央卸売市場は国が、地方卸売市場は県が市場の開設を許可してきましたが、法改正により開設は認定となります。そこで、県が許可してきた11の地方卸売市場について、法改正により県の関与はどのようになるか、お伺いします。
15:
◯答弁(
販売・
連携推進課長) このたびの法改正の狙いは、加工食品、外食産業の拡大など、食品流通が多様化する中で、生産者の所得向上、あるいは消費者ニーズへの的確な対応といったものを図り、各市場を活性化していく。そうした観点から、創意工夫を生かした取り組みが市場において期待されるところであります。
委員から御質問のあった、改正前の卸売市場法と、改正後における県の関与でございますが、改正前の卸売市場法におきましては、地方卸売市場の開設あるいは業務に関して必要な事項は、都道府県の卸売市場に係る条例で定めることが明記されておりました。改正法におきましては、該当する内容が法及び省令に盛り込まれたことから、都道府県の条例で規定すべきものがなくなります。
一方、引き続き法の中では県の関与の規定がございまして、法改正による県の関与の部分につきましては、これまで許可であったものが認定に、卸売業務につきましては、知事の許可が不要となります。指導監督につきましては、開設者に対しては引き続き県が行い、卸売業務に係わる業者への指導監督については、今後は開設者に委ねられます。
16:
◯質疑(
安井委員) 条例が廃止されることで、メリット、デメリットはどうなるのか。また、今まで許可していた11の地方市場について、施設が老朽化し、取引量も少なくなったと聞いておりますが、現状どのように認識されているのか、お伺いします。
17:
◯答弁(
販売・
連携推進課長) 改正後の卸売市場法に規定される認定市場に位置づくことのメリットにつきましては、引き続き地方卸売市場に認定された場合、一定の手続が必要ですが、先ほど委員からの御質問の中にも老朽化がございましたが、施設整備に係る国庫の支援対象とすることが可能となります。また、引き続き地方卸売市場という名称も名乗れることもございます。また、デメリットでございますが、影響として、認定を受けることにより、県の指導監督の対象になる、県に対しての報告義務などが生じることがございます。
御質問のありました、施設の老朽化、取扱量の部分につきましては、卸売市場法が昭和46年に制定されており、昭和40~50年代にかけて整備された市場が多くございます。必要な改修をされている市場もございますが、多くは経年劣化しているものと承知しております。また、取扱量につきましては、県内の卸売市場を経由して取り扱われる野菜を例にして申し上げますと、昭和63年ごろには30万トンを超える量が流通しておりました。平成24年には26万トン少々、そして令和2年に向けた見通しとしては25万トン少々という見通しを持っております。一方で、県内の総需要量に占める卸売市場流通量の割合は80%を超える水準を見込んでおります。
18:
◯要望(
安井委員) 地方卸売市場は、水産業または農家にとっては公正な取引場として非常に重要な役割を果たしており、今後ともその機能が引き続き発揮され、将来にわたって農林水産業の発展につながるようお願いして、質問を終わります。
19:
◯要望(
犬童委員) 災害復旧について、皆さんの努力は評価していますが、安浦地区を中心に呉市が大きな被害を受けており、この前も災害現場に足を運んだところ、夏草で覆われていました。復旧が思うように進んでおらず、被災した田んぼや畑が農業できる状況になるのは当分先ではないかと感じております。人手が不足していることもあるでしょうが、地元の呉市とも連携し、やはりスピードアップして、農業あるいは林業の再生を含めて、ぜひ努力していただきたいと思います。
また、水産関係でも、河口付近で堆積土が生じており、ウナギの稚魚の採取やカキの養殖等に影響が出ているといった要望があります。皆さんにも見に来ていただいておりますが、これまで以上に仕事ができるように、漁業者の要望に従って取り組んでいただくことを要望しておきます。
(6) 表決
県第77号議案外3件(一括採決) … 原案可決 … 全会一致
(7) 当局説明(一般所管に係る報告事項の説明)
1) 水産課長が報告事項(1)について、別紙資料1により説明した。
2) 林業課長が報告事項(2)について、別紙資料2により説明した。
3) 農林水産総務課長が報告事項(3)について、別紙資料3により説明した。
(8) 一般所管事項に関する質疑・応答
20:
◯質疑(
伊藤委員) ジャンボタニシについての一般質問に対して、近年では分布拡大の兆候は見られず、大きな農作物の被害も発生はしていないという国内の例を出されました。また、技術指導を行ってまいりたいという話もあり、対応していただけるものと思っておりましたら、最後に、今後県内でジャンボタニシの生息エリアが拡大し、大きく影響を及ぼすおそれが生じた場合には、植物防疫法に基づき、県としてほかの病害虫と同様に適切な対応を講じるということで、どう受け取っていいのかわからない返答がございました。好意的に解釈して、指導を行っていただけるものと思っておりますが、来年被害が起きないように、どのタイミングで行うのか、あるいは、いつまでにどういった指導をする予定なのか返答いただければ、地元の方に説明しやすいので、お考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
21:
◯答弁(
農業技術課長) 2段階の考え方がございまして、今の段階は、発生はしているけれども被害が生じていない。被害が生じるおそれがあるというのが、来年度の田植えのタイミングだと考えております。ジャンボタニシの生態上、田植え時期の数週間が、被害が生じるか生じないかの分岐点だと思います。このため、田植え前の農家の方に対する啓発など、情報提供するタイミングでジャンボタニシに対する対応の仕方について、市町やJAを通じてお話しさせていただきたいと考えております。
それから、大きな影響を及ぼすおそれというのは、農作物の被害をどれだけ抑えていくか、植物防疫法に基づいた対応になっており、例えば県域で大きく発生していますトビイロウンカや、稲のいもち病といったものについては、発生防除のタイミングを見て県内の調査地点を調べ、発生のピークや防除のタイミングについて情報提供させていただいております。ジャンボタニシが大量発生している九州は、県の病害虫防止部局が調査し、防除のタイミングや発生量について情報提供しております。九州の例のように対応が必要であれば、県の病害虫防止として法に基づいて対応してまいりたいと回答させていただいたところでございます。
被害程度がどのくらいかまだわからない状況であり、まず第1段階で被害回避の情報提供、次に被害が具体的に発生したときは、被害の程度によって対応してまいりたいと考えております。
22:
◯要望(
伊藤委員) うまく伝わっていない部分もあるかもしれませんが、発生事例があった時点で、皆さんも気をつけてくださいという緊急的な広報活動が必要ではないかと思っています。実際に被害が出るか出ないかは、来年でなければ確かにわからないことであり、農家の方もそれに備えて動くことは考えておられると思いますが、まずは三原市で発生した事例とあわせて、危険性を早い段階で周知していただくことを要望しておきます。
23:
◯質疑(
小林委員) 3点お尋ねします。農林水産省が豚コレラへの対応としてワクチン接種の方向性を示しましたが、そのことに本県はどのような所見を持っているのか、また、悪影響としてはどういったものが考えられるか、お示しいただきたい。
24:
◯答弁(畜産課長) 国においては都道府県知事が予防的ワクチン接種を養豚農家に命ずることが可能となるよう、9月20日に特定家畜伝染病防疫指針の改定を決定したところでございます。
本日の新聞情報ですが、国においては、現在のところ地域を限定したワクチン接種として、飼養豚に感染が確認された6県と、野生イノシシに感染が確認された3県において、ワクチン接種していくことを考えているようでございます。これを受けまして、本県といたしましては、中国地方5県との連携も踏まえ、どのように対応していくのがよいか、検討を進めているところでございます。
ワクチン接種による悪影響でございますが、地域限定によるワクチン接種をした場合、国が申しておりましたのは、ワクチン接種した生きた豚の移動や、それに由来する豚肉の流通については、ワクチン接種地域内に制限すると言われておりました。しかしながら、本日の新聞報道を見ますと、生きた豚はこれまでどおり移動制限するとなっておりますが、豚肉など加工品については、ワクチン接種地域外への流通も認める判断をしたと報道されております。
ワクチン接種による豚肉あるいは生きた豚の移動制限につきましては、本県の実態を見た上でも、大変大きな課題があります。本県で生産されている豚、それに由来した豚肉につきましては、全てが広島県内で屠畜、消費されているわけではございませんので、他県にも多くが出荷流通しております。そういったことから考えますと、ワクチン接種による流通制限は非常に大きな課題であり、当然ワクチン接種の費用が発生することもございます。
さらには、地域限定でワクチン接種しますと、ワクチン接種した地域で生産された豚肉と、ワクチン接種をしていない地域で生産された豚肉が混在して流通することがあります。ワクチン接種した豚肉を食べても、人に対して何ら影響しませんが、消費者において誤解が生じ、風評被害の発生が懸念されます。県としましては、正しい情報を提供しながら、また、本県でワクチン接種しなければならないときに備えて、事前に流通上の課題やその対応、本県がワクチン接種するタイミングについて、今後とも検討を重ね、準備してまいりたいと考えています。
25:
◯要望・質疑(
小林委員) 最終的な段階まで来たと判断しておりますが、政府の豚コレラの発病に対する対応が余りにも弱かったと率直に思っております。だんだん蔓延していく中で、やむなくワクチンを接種する、さらには、外国から安い豚がどんどん入ってくる状況も生じてくるのかと思っております。国に対してワクチン接種は慎重に行ってほしいとぜひとも要望していただきたい。
また、ゲノム表示について、ゲノム表示をしなくてはいけないもの、しなくてもいいものについて、国が方針を決めましたが、それについてお示しいただきたい。ゲノム表示は、その農作物において遺伝子組みかえをする分にはいいが、外から遺伝子を入れる場合はきちんと表示するわけですが、本当にそれで安全が保てるかが一番大きな問題であり、消費者がきちんとした認識を持って、個人の判断で買い物ができる状態にするのであれば、全てのものに表示すべきと考えております。賛否両論あるでしょうが、本県としてこのゲノムに対する考え方をひとつお聞かせ願いたい。
26:
◯答弁(
農業技術課長) ゲノム表示につきましては、国の委員会で決定し、今回から遺伝子組みかえとは全く異なる形で、食品流通としてゲノム表示義務は課せないものとなっております。消費者の立場からすれば、ゲノム表示に対する理解、普及啓発が進んでおりませんので、関係部局とも連携して対応が必要かと思います。
また、ゲノム編集食品については、研究段階のものがほとんどでございます。食卓にすぐに並ぶものはほとんどないと思いますが、バイオテクノロジーの観点から、大学等ともゲノム表示、編集について、どのように取り扱っていくか、商工労働局等と連携し、研究、協議することとしておりますので、そこについて認識を共有するところから始めていきたいと考えております。
27:
◯質疑(
小林委員) 食の安全・安心の観点からいうと、非常に危惧しております。アメリカとの貿易交渉では、農産物について、TPP並み、あるいはそれ以下になる状態の中で決定しましたが、要はアメリカからそういうものが入ってくることは確かであり、そのために国が唐突、性急に決めたものと感じております。全てがアメリカありきで日本の農業が変わっていってしまう危機感を持っておりますので、その点につきまして当局の所見をお聞かせ願いたい。
28:
◯答弁(農林水産局長) アメリカとの貿易交渉も急展開であり、現時点でまだ十分な情報を得ていない状況です。
小林委員から御指摘のありました、アメリカとの交渉を踏まえた上でのゲノム編集につきましては、遺伝子を切るのか、外から新たなものを入れるのかによって、ゲノム編集、または遺伝子組みかえになるものと認識しておりますけれども、そうしたものが含まれるかもしれないとは思います。ただ、現時点であくまで臆測の域を出ない、交渉内容もまだ十分把握できていないところであり、農林水産局として意見を言う段階にはございませんが、しっかりと情報収集しながら、県民の皆様方の食の安全・安心を確保していくことは農林水産局の大きな責務だと考えておりますので、そうした点を踏まえながら、しっかりと対応してまいりたいと考えております。
29:
◯要望(
小林委員) 国が方針を決定し、農業に対する考え方の大きな指針を持ってしまったことは、本当に遺憾なことでございます。そうした中で県民に食の安全・安心をきちんと届けていくことについて、ぜひ本県の考え方をしっかりとお持ちいただくよう要望します。
(9) 陳情については、別紙「陳情送付表」を配付した。
(10)閉会 午前11時25分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...