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  1. 愛知県議会 2020-02-01
    令和2年2月定例会(第4号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 令和2年2月定例会(第4号) 本文 2020-03-03 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 67 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 2 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 3 :  ◯四十五番(野中泰志君) 選択 4 :  ◯防災部長内田康史君) 選択 5 :  ◯福祉局長平田雅也君) 選択 6 :  ◯四十五番(野中泰志君) 選択 7 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 8 :  ◯九番(村瀬正臣君) 選択 9 :  ◯保健医療局長吉田宏君) 選択 10 :  ◯建設局長林全宏君) 選択 11 :  ◯九番(村瀬正臣君) 選択 12 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 13 :  ◯三十七番(永井雅彦君) 選択 14 :  ◯県民文化局長齋木博行君) 選択 15 :  ◯労働局長井上貴弘君) 選択 16 :  ◯経済産業局長伊藤浩行君) 選択 17 :  ◯都市整備局長鎌田裕司君) 選択 18 :  ◯政策企画局長野村知宏君) 選択 19 :  ◯知事大村秀章君) 選択 20 :  ◯四十一番(田中泰彦君) 選択 21 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 22 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 23 :  ◯議長(神野博史君) 選択 24 :  ◯八番(杉江繁樹君) 選択 25 :  ◯観光コンベンション局長(藤田昇義君) 選択 26 :  ◯農林基盤局長(水野康弘君) 選択 27 :  ◯知事大村秀章君) 選択 28 :  ◯八番(杉江繁樹君) 選択 29 :  ◯議長(神野博史君) 選択 30 :  ◯二十九番(山田たかお君) 選択 31 :  ◯建設局長林全宏君) 選択 32 :  ◯保健医療局長吉田宏君) 選択 33 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 34 :  ◯議長(神野博史君) 選択 35 :  ◯三番(桜井秀樹君) 選択 36 :  ◯労働局長井上貴弘君) 選択 37 :  ◯県民文化局長齋木博行君) 選択 38 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 39 :  ◯三番(桜井秀樹君) 選択 40 :  ◯四十番(寺西むつみ君) 選択 41 :  ◯議長(神野博史君) 選択 42 :  ◯議長(神野博史君) 選択 43 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 44 :  ◯四十六番(神戸健太郎君) 選択 45 :  ◯県民文化局長齋木博行君) 選択 46 :  ◯労働局長井上貴弘君) 選択 47 :  ◯建築局長(砂原和幸君) 選択 48 :  ◯知事大村秀章君) 選択 49 :  ◯四十六番(神戸健太郎君) 選択 50 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 51 :  ◯百一番(水野富夫君) 選択 52 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 53 :  ◯百一番(水野富夫君) 選択 54 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 55 :  ◯事務局長(高須浩君) 選択 56 :  ◯百一番(水野富夫君) 選択 57 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 58 :  ◯百一番(水野富夫君) 選択 59 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 60 :  ◯八十八番(中野治美君) 選択 61 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 62 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 63 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 64 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 65 :  ◯四十一番(田中泰彦君) 選択 66 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 67 :  ◯副議長(堀嵜純一君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時開議 ◯副議長(堀嵜純一君) 皆さん、おはようございます。  ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問 2: ◯副議長(堀嵜純一君) これより一般質問を行います。  通告により質問を許可いたします。  野中泰志議員。     〔四十五番野中泰志君登壇〕(拍手) 3: ◯四十五番(野中泰志君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従って質問をさせていただきます。  近年、全国各地において台風や集中豪雨などの大規模な風水害が相次いで発生し、雨の降り方は、局地化、集中化、激甚化しており、今後もその傾向は続くと予測されています。  一昨年に発生した平成三十年七月豪雨、いわゆる西日本豪雨では、西日本から東海地方にかけて広範囲で記録的な大雨となり、河川氾濫や土砂災害も多数発生し、二百名を超える貴い命が失われ、平成最悪の水害と言われる、近年まれに見る大惨事となりました。  国では、西日本豪雨の教訓を今後に生かすべく、各分野の専門的な知見を有する学識経験者等により、被災地の現地調査やヒアリングを行い、関係省庁とも連携して避難対策の強化について議論が行われました。  その議論の結果が平成三十年十二月に報告書として取りまとめられ、これまでの行政主導の取組を改善することにより防災対策を強化するという方向性を根本的に見直し、住民が自らの命は自らが守る意識を持って自らの判断で避難行動を取り、行政はそれを全力で支援するという住民主体の取組強化による防災意識の高い社会の構築を目指す方針が示されました。  行政の取組としては、住民の避難行動を支援する気象情報や避難情報等の防災情報について、受け手側である住民が情報の意味を直感的に理解できるよう分かりやすく発信すべきとされ、本県でも、昨年七月以降、全ての市町村で防災情報を五段階の警戒レベルを付して提供する新たな取組が始まりました。  私は、これから各地域の勉強会や防災リーダーの研修などで、五段階の警戒レベルを生かして、自らの命は自らが守るための取組が進んでいくものと期待をしたところですが、その矢先に、昨年再び大規模災害が、今度は東日本を中心とした各地を襲いました。  昨年九月には、令和元年房総半島台風と命名された台風十五号により、七万棟を超える住家被害や、停電は最大で約九十三万五千戸、断水も約十六万戸発生しました。  さらに、追い打ちをかけるように、十月には令和元年東日本台風の第十九号により、死者、行方不明者が百名を超えたほか、約九万棟を超える住家被害や、停電は最大で約五十二万戸、断水も合計で約十七万三千戸の被害が発生しました。  このときの災害でも、国の報告書において、避難所へ避難せずに自宅で被害に遭われた高齢者や自動車での移動中に被災された方が多く、避難の実効性の確保や分かりやすい防災情報の提供などがさらに課題として指摘されています。
     現在、西日本豪雨と同様に、国のワーキンググループにおいて、これらの災害の教訓を生かすため、避難対策の強化について検討が進められております。  しかし、被災者の中には、足が不自由なため、雨が降る中の避難をためらった方や、寝たきりのため、混雑が予想される避難所に避難できなかった方もいらっしゃったと聞いております。  私は、住民一人一人が自らの置かれた状況に応じて命を守る最善の行動を取ることの重要性と、その一方で、それぞれの住民によって住まいや健康状態が異なり、安全に避難するために適切な判断をすることの難しさを痛感いたしました。  激甚化、頻発化する豪雨災害に対しては、公助としてのハード、ソフトの対策を推進することはもちろんではありますが、貴重な県民の命を守っていくためには、地域住民の自助、共助の取組も併せて推進しなくてはならないと考えます。  この取組を中心となって推進していくのは、地域の自発的な防災組織である自主防災組織です。多くの自主防災組織が地域の自治会や小学校等の学区を単位として組織されていますが、消防庁の調査では、本県の自主防災組織が活動する地域のカバー率は九五・三%で、全国七位と非常に高い数値となっております。  しかしながら、その一方で、住民の自主防災活動への参加経験は三四・一%にとどまっており、町内会、自治会の加入率が年々低下している中、自主防災組織の活性化において、住民の地域活動への参加が大きな課題となっております。  私の住む豊川市では、この四月一日、待望の豊川市防災センターが供用開始を迎えることとなりました。災害対策本部機能の強化、災害対応体制の強化、地域防災力の強化の三つを基本方針に上げ、鉄筋コンクリート二階建て、延べ床面積千二百平方メートルの免震構造を備えております。災害対応に特化した二階部分には、災害対策本部室、災害活動センター、システムサーバー室などを配置し、有事の際には、各機関とスムーズな情報連携や災害対応方針の迅速な決定ができる配置をしたと伺っております。  また、一階部分には、エントランスホール、災害啓発室、市民研究室、防災装備倉庫などを設け、エントランスホールから防災啓発室にかけては啓発展示のエリアとなっており、啓発展示全般に関しては、名古屋大学減災連携研究センター長である福和伸夫教授の監修の下、名古屋大学との共同研究事業という形で民間企業とも連携し、様々なノウハウを取り入れ、独自性のある効果的な整備を行ったと聞いております。  このように、市町村においても、行政だけでなく、大学や民間企業とも連携した自助、公助、共助を含む拠点が新たに設けられ、この施設を生かして住民の防災意識を高める取組が進められております。  地元として待望の施設ですので、ぜひ愛知県と連携していただき、この施設を活用して、地域の取組をしっかりと進めていってほしいと考えております。  また、自主防災組織が活性化するためには、推進役となる防災人材の育成が重要となります。  愛知県が平成十四年度から十九年度までに開催したあいち防災カレッジや、防災リーダー養成講座を受講した約千三百人を超える防災リーダーが、現在、県内各地で地域防災の一翼を担っております。  また、平成二十四年度から毎年実施している防災・減災カレッジでは、これらの防災リーダーとも連携して実施され、延べ約一万四千人を超える方々に受講していただいていると聞いております。  私は、これらの愛知県の取組が、地域で活動する防災ボランティアの育成に多大の成果を上げたものと評価いたします。  また、豊川市におきましては、平成二十二年度から市独自の防災リーダー養成講座を実施しており、本年度までの十年間で五百六十名の防災リーダーを養成しております。平成二十九年度からは、女性目線での防災・減災対策に向け、女性防災リーダー養成講座を実施し、本年度までの三年間で百六名の受講がありました。こうした講座につきましても、令和二年度からは、新装になった防災センターで開催することとし、自助、共助、互助の意識を醸成するため、有効活用を図ってもらいたいと考えているところであります。  私も平成十六年に県の防災リーダー養成講座に参加し、防災士の資格を取得いたしましたが、当時の仲間は、高齢化などの理由で、後継者の育成など、苦労しながら地域防災会の維持を図っているのが現状です。  地域には高齢者や障害者等の要配慮者と呼ばれる支援を必要としている方々がいます。一方で、消防団や自主防災組織といった防災関係団体や民生委員、子供の防犯や交通安全の見守りボランティア等、地域で積極的に活動され、活躍されている方々もいらっしゃいます。これらの方々を含め、全ての地域住民が協力して貴重な命を守ることができるよう取り組んでいく必要があると考えます。  二十五年前の阪神大震災のときには、私の実家は被災し、たんすの下敷きになった母親が圧迫骨折により動けなくなりましたが、停電により電話が不通となり、救急車を呼ぶこともできず、近所の青年が車を出してくれ、寸断された道路を迂回しながら病院に連れていっていただきました。  当時は、地域での防災体制をはじめ、住民の防災意識も現在のようではなく、常備消防に頼りきりという状態で、住民は一体何をどうすればよいのか分からない状態であったことが被害を拡大させたと考えます。  阪神大震災、東日本大震災や西日本豪雨、東日本豪雨等の災害での貴い犠牲を無にしないためにも、私たちは、これらの災害の教訓を生かし、防災に対する認識を日々新たにしていく必要があると思います。  また、広範囲にわたる大災害では、行政が担う公助には限界があることも認識する必要があります。自分の命は自分で守る自助と、地域で助け合う互助、共助を主体とした防災対策の構築が急務ではないでしょうか。  そこでお伺いをいたします。  住民がいざというときに適切に判断して避難するため、県としてどのような取組を行うのかお伺いをいたします。  次に、地域包括ケアの推進、その中でも特に地域における互助活動の推進についてお伺いをいたします。  一つ目の質問では、住民の自主的な避難への取組という点について取り上げさせていただきましたが、高齢化が進む中で、避難する住民がより早く安全に行動するためには、避難に当たっての意識だけではなく、年を取っても心身の機能を維持し、自立した生活を送っていくことを日頃から意識していくことが望まれます。  こうした中、昨年五月に厚生労働省から健康寿命延伸プランが示されました。このプランは、いわゆる団塊ジュニア世代が高齢者となる二〇四〇年までに健康寿命を男女共に三年以上延伸し、七十五歳以上とすることを目指すものであり、健康寿命延伸に向けた具体的な取組の一つにフレイル対策を挙げています。  フレイルとは、端的に言いますと、虚弱の状態、すなわち加齢による運動機能や認知機能等の心身の活力が低下し、生活機能が障害され、心身の虚弱性が現われた状態であります。適切なタイミングで介入、支援することにより、生活機能の維持向上が可能であると言われており、フレイルの原因の一つとして、高齢者の閉じ籠もりといった地域社会との交流の減少が指摘されています。地域社会との交流の減少が運動量の低下を引き起こし、さらに、運動量の低下が食事摂取量の低下につながり、低栄養状態に陥るという負の連鎖であります。  特に男性では、退職後に地域社会の交流になじめなかったり、現役時代に比べ活動範囲や活動内容が縮小するといったことがあります。また、目標がなくなり、スケジュールが立たないため、次第に無気力になって、運動量の減少や食事摂取量の低下につながることもあり得ると思います。こういった閉じ籠もりがちな高齢者に対して、多様な地域社会との交流機会を創出することは、この負の連鎖を断つこととつながり、フレイル予防に役立つと考えます。  私は、このような交流機会を創出する主体として、地域の自主防災会や町内会等の地縁組織がふさわしいと思います。地縁組織は、同じ地域に住んでいるという理由だけの穏やかなつながりの組織であり、その特性を生かして、閉じ籠もりがちな高齢者がいつでも好きなときに多様な交流機会を提供できると考えるからです。  現在、各市町村においては、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年を見据え、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、医療、介護、予防、生活支援、住まいを一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築が進められているところであります。  本県では、市町村における地域包括ケアシステムの構築を促すため、平成二十五年度から在宅医療連携拠点推進事業を、平成二十六年度から地域包括ケアモデル事業を実施しました。  豊川市では、地域包括ケアシステムの構築に当たり、平成二十六年一月から平成二十七年三月までの間、県の在宅医療連携拠点推進事業の採択を受け、まず、医療、介護の連携推進から取り組みました。  医療、介護の関係者を加えた検討により、各関係団体が、医療・介護連携を推進するために必要な取組について、在宅医療・介護の連携推進に関する提言としてまとめました。  続いて、平成二十六年七月から平成二十九年三月までの間、同じく県のモデル事業である地域包括ケアモデル事業にも採択され、地域包括ケアの五つの柱である、医療、介護、介護予防、生活支援、住まいの全ての分野に取り組みました。これらの取組を通じて顔の見える関係づくり、情報共有の仕組みづくり、住民啓発のための情報発信など、地域包括ケアシステムの基本的な体制の構築を推進してきました。  現在は、今日までのこのような取組を継続、発展させ、顔の見える関係から、一緒に仕事のできる関係へ、在宅医療・介護連携から多職種連携へとステップアップを進めるとともに、取組の遅れていた分野についても拡充させていくことで、地域包括ケアシステムの構築に取り組んでおります。  他の市町村においても、県のモデル事業を参考に、医療と介護の連携を中心に地域包括ケアシステムの構築が進められていると思いますが、今後、単身高齢者や高齢夫婦のみの世帯の増加が見込まれる中、専門職の連携にとどまらず、自治会やボランティア、NPO法人など、地域の様々な主体がシステム構築に参画し、つながり、支え合う互助による取組を進めていくことが求められております。  こうした中、二〇一五年施行の改正介護保険法においては、地域の支え合い活動等の創出を目指す生活支援体制整備事業について、市町村に二〇一八年度からの事業の実施が義務づけられました。  この事業において、市町村は、地域サロンの開催や見守り、安否確認、買物や通院などの外出支援、調理や掃除などの家事支援といった高齢者のニーズに合った多様なサービスを地域住民やNPO法人などの多様な主体の参画により提供できるような仕組みづくりを進めることが求められております。  市町村がこの地域包括ケアシステム構築を進めていく中で、地域の自主防災会や町内会等の地縁組織とも連携し、フレイル予防などを互助活動として推進すれば、地域社会の活性化が図られるとともに、災害時の要配慮者の被災を減らすこともでき、大変効果的で効率的な取組になると考えます。  そこでお尋ねいたします。  県は、地域包括ケアシステム構築に当たり、地縁組織等による互助活動をどのように連携していかれるか伺います。  以上、壇上からの質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) 4: ◯防災部長内田康史君) 住民の自主的な避難を支援する取組についてであります。  災害から命を守るためには、住民が自らの命は自らが守るという意識を持ち、適切に避難することが重要であり、本県としても、住民の避難行動を全力で支援する必要があると考えております。  また、一昨年の西日本豪雨や昨年の令和元年東日本台風などの教訓から、個人の避難行動や高齢者等の避難支援、住民一人一人の避難を地域全体で支え合う体制づくりが重要であることを改めて認識したところです。  このため、本県では、市町村や社会福祉協議会などと連携して西日本豪雨の被災地である倉敷市真備町において現地調査を行い、被災者の体験談を災害エスノグラフィーとして取りまとめ、これを活用した実践的な研修を実施してまいります。  この研修は、災害の怖さや避難のタイミングを一人で判断することの難しさを追体験し、自分自身や高齢者などの避難について参加者同士が話し合うことにより、地域全体で安全に避難するための取組が進むことを目指すものです。  今後は、この災害エスノグラフィーを活用した研修を県内各地域の自主防災組織などにおいて実施できるよう、講師の育成や地域の研修会への県職員派遣を行い、自らの命は自らが守る意識の醸成や、地域全体でお互いが支え合う体制づくりを推進してまいります。 5: ◯福祉局長平田雅也君) 地域における互助活動の推進についてお答えいたします。  超高齢社会を迎える中、医療や介護の提供体制の充実を図ることはもちろん、家事や買物などの生活支援やフレイル対策などの介護予防を地域住民の互助により推進していくことは大変重要であると考えております。  市町村では、二〇一五年度から地域資源の把握やネットワークづくりを担う生活支援コーディネーターを配置し、地縁組織、民生委員、NPO法人など、地域の多様な主体と連携しながら、高齢者の居場所づくりや支え合い活動といった互助活動の創出に取り組んでおります。  県におきましては、市町村の取組を推進するため、二〇一五年度からコーディネーターの養成研修を、二〇一六年度からは、資質向上のためのフォローアップ研修を実施してまいりました。  さらに、昨年度からは、コーディネーターの活動を支援するため、地域のネットワークづくりなどにノウハウを持つ有識者や先駆的に取り組んでいる市町村の職員等を助言者として市町村へ派遣しております。  また、介護予防の場として期待される通いの場については、男性の参加が少ないことや参加者の固定といった課題が上げられております。このため、子や孫と一緒に参加できるプログラムや、夫婦で参加できるよう喫茶と運動や映画鑑賞等を組み合わせた企画を設けるなど、通いの場の参加者を広げる方策について試行するモデル事業をNPO法人に委託し、今年度から三か年で実施しております。事業終了後は県内市町村にノウハウを還元し、魅力ある通いの場づくりを後押ししてまいります。  県といたしましては、引き続き地域における互助活動が推進されるよう、人材育成など必要な支援を行い、地域の支え合い、助け合い活動の充実を図ってまいります。 6: ◯四十五番(野中泰志君) 御答弁ありがとうございます。一点、要望をさせていただきます。  豊川市では、電子連絡帳というシステムを使って、医師会、歯科医師会、薬剤師会の三師会をはじめ、介護事業者がタブレットやパソコンから要支援者の情報を共有できるシステムを既に構築しております。その活用率は全国トップクラスと言われております。  このような既存のシステムを、防災を意識した観点からも運用することを視野に入れ、防災分野、福祉分野といった行政の垣根を越えた取組を要望して、質問を終わります。 7: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  村瀬正臣議員。     〔九番村瀬正臣君登壇〕(拍手) 8: ◯九番(村瀬正臣君) それでは、議長さんのお許しをいただきましたので、大きく三項目について質問をしていきたいというふうに思います。  最初に、三歳児健診における視力検査についてでございます。  人が得る情報の八割は目から入ると言われております。人生百年時代と言われている昨今ですが、将来を担う子供たちが長い生涯を健やかに送るためには、幼少期より目の健康に十分注意することが大切です。言うまでもなく、乳幼児期は視覚の発達に大変重要な時期であります。  近年、子供の近視が増加しており、文部科学省の学校保健統計調査令和元年度速報値の結果では、目の視力が〇・三未満の小学生の割合が過去最高の九・三八%、これは、裸眼視力一・〇未満の調査が始まった昭和五十四年度の三・五倍です。遠視、乱視も含む数字でございますが、多くは近視と見られております。  私の知人のお子さんもこの四月から小学校に入学されますが、就学時の健康診断で視力検査を実施したところ、視力が〇・一しかなく、これからの子供の成長を考えると不安を感じているというふうにおっしゃってみえました。  さて、視力は生まれた後に鮮明な映像を見ることによって脳の中で映像を認識する機能が発達いたします。その期間を視覚の感受性期間と呼んでおります。この視覚の感受性期間のピークは生後三か月から十八か月で、三歳まで視力は急速に発達します。そして、六歳までに視力は成熟すると言われております。そのため、自覚的視力検査が可能になるのが三歳頃です。  国は、低年齢ほど弱視の治療効果が大きいことを考慮して、視力検査の適正な年齢を三歳児とし、平成二年から三歳児健診に視力検査を導入いたしました。三歳頃に目の異常や疾病を発見し、治療を開始すれば、小学校入学までには良好な視力の改善が期待できます。つまり、発見、治療が遅れて六歳から八歳になると脳の視覚領域が発達せず、一生弱視となるおそれがあります。  人の視機能は出生直後に完成されるものでないことから、乳幼児期の対象物が網膜にくっきりと映し出され、脳を刺激することが必要であります。乳幼児期の視覚管理が、その後の人生にとって重要であることが理解できます。  弱視とは、視力の発達期に何らかの理由で視力の発達が妨げられると、片目もしくは両目に視力の低下があり、眼鏡をかけても十分な視力が得られない目になることを言い、五十人に一人と言われております。  しかし、外見からはよく分からないため、親が子供の弱視を発見することは難しく、三歳児健診での見逃しが多いとされ、厚生労働省は、平成二十九年四月七日付事務連絡にて対策を求める通知を地方自治体に出しております。  では、なぜ見逃しが多いのか。三歳児健診視力検査については、まず、一次検査を各家庭において視力検査とアンケート形式による問診がされます。一次検査を通らなかった子供に対し、市町村の健診会場で保健師らが二次検査をするのが一般的です。  現在の検査方法は、視力検査でなじみのあるローマ字のCに似たランドルト環と呼ぶ輪の一か所が切れた視標や動物などの絵を使い、見えるかどうか、片目ずつ試します。しかし、三歳ぐらいの子供は嫌がるなどして異常を見逃す可能性があるほか、子供が親や保健師の言うことを理解できなかったり、うまく答えられなかったりする場合もあります。  その検査方法は各自治体に任されていますが、地元江南市の場合であれば、愛知県母子健康診査マニュアルを参考に健診を実施しています。  例えば、群馬県では、平成三十年三月に群馬県医師会と協力して三歳児健康診査における眼科検査の手引を作成し、県下市町村へ配布をされており、その中で弱視の早期発見に有効とされる屈折検査の必要性を強調しております。  屈折検査とは、特殊な機器を使って目のピントが合う度数、屈折を調べる検査です。では、この屈折検査機器はどういうものかと申しますと、自動判定機能つき携帯型フォトスクリーナー、以下、フォトスクリーナーと言います、近視や乱視をスクリーニングまたは検知するための機器で、一眼レフカメラを一回り大きくしたくらいのものです。中央に赤と青のライトが点滅し、電子音が鳴ることで子供の興味を引きやすい演出をしており、約一メートルほど離れ、機器と目線を水平にし、中央の赤と青の点滅を三秒から五秒ほど見ると、検査が終了します。今までのランドルト環の検査では、一人の子供を検査しようとすると、慣れた保健師であっても、三十分程度かかる場合もあると言います。また、スクリーニングの概要として測定結果も印刷でき、近視、遠視、乱視、斜視、瞳孔不同、不同視、非対称な眼位の測定を範囲内と範囲外で検査できます。私もこのスクリーニングを体験してみました。結果は、目の精密検査を推奨しますということでした。右目の近視と両目の乱視が範囲外でした。そして、範囲内ではありましたが、左右の瞳孔の大きさが〇・五ミリメートルほど違うということも分かりました。まれに子供の瞳孔不同が一ミリメートルを超えると脳疾患の場合もあるというお話もお伺いすることができました。  そして、岐阜県では、フォトスクリーナーをモデル事業として県下十一市町村へ貸出しを行い、三歳児健康診査の眼科検診体制の充実に関する研究をされてみえます。視覚異常の検出精度を向上させるため、フォトスクリーナーを用いた有効性について検討、分析を行い、その分析結果に基づき、検診の有効性の確認と検診体制について検討を行っておみえになります。期間は、令和元年十一月より令和二年三月までの間で、その効果を三歳児眼科検診体制促進事業検討会により検証を行い、令和二年度に岐阜県版の三歳児健康診査における眼科検診の手引を作成される予定だそうです。  また、私の調べたところ、愛知県内でも独自で機器を導入し、検診に活用しておみえになる市が四市ありました。  そこで、以前から屈折検査機器を使用し、検査を行っている市の担当者にお話をお伺いしましたところ、ランドルト環とアンケートによる統一基準では異常なしの子供であっても、検査機器を用いることで視覚異常の発見につながるとのことでございました。  そして、県が発行するあいちの母子保健ニュース、平成三十年三月九日第四十四号に、三歳児健康診査における屈折検査機器と眼科医診察による眼科検診についてというテーマの記事を掲載されておみえです。  最後の考察で、小中学校の視力検査では、視力〇・七未満の割合が全国や愛知県の平均値より低い結果が出ており、三歳児健康診査で眼科検診を併用することは、早期発見、早期治療の一助になっている可能性があることが示唆されたと記述をされておみえになります。  また、私の同級生の息子さんのお話であります。その息子さんは現在二十八歳で、左目が弱視であります。人影と明かりが分かるくらいだそうです。三歳児健診、就学時の健康診断でも見つけることができずに、たまたま小学一年生のときに祖母と行かれた眼鏡屋さんの視力検査で発見できたそうです。その後、小学校六年生まで治療は続けましたが、残念ながら左目の視力の回復はなく、治らなかったそうです。  当時は自転車に乗ることやバスケットボールや野球のなどの球技をすることにも御苦労され、そして、運動会ではトラックを走ることができなかったそうです。また、夢見た職業にも就くことができずに、諦められたそうです。  弱視は、早い段階での発見が必要であり、治療ができるべき期間を逃すことのない検査を行うべきであります。これからの子供たちの健やかな成長のためにも、弱視の早期発見、早期治療は重要であります。  そこでお伺いいたします。  三歳児健診における視力検査へのフォトスクリーナーの導入について、県の御所見をお伺いいたします。  続きまして、あいち健康マイレージ事業についてお伺いをいたします。  平成二十六年度から県と市町村が協働であいち健康マイレージを実施され、県民の主体的な健康づくりを応援するための新しい仕組みができました。発足時は、県下八市一町の市町村の参加でしたが、令和元年度には三十六市十四町二村の五十二市町村が参加しております。  その内容は、実施市町村が配布するチャレンジシートに記載されている健康づくりの項目、例えば生活習慣の改善につながる取組の実践として、毎日八千歩以上歩く、ラジオ体操をした、血圧測定や禁煙、各種健診の受診をするなどに取り組むとマイレージ、ポイントを獲得することができ、一定以上のマイレージ獲得者には、県内の協力店で様々な特典が受けられるあいち健康づくり応援カード、まいかの優待カードが交付されるというものでございます。  さて、健康をめぐる状況と認識は、平均寿命のみに着目するのではなく、健康寿命を今延伸させるような意識の変化になりつつあるのではないでしょうか。  朝、夕には健康維持に関心を持つ人がウオーキングやランニングをされている姿をよく見かけます。また、二十四時間営業をするフィットネスクラブなどの店舗も増えています。フィットネスクラブの利用者数は年を追うごとに増えつつあり、また、特定保健用食品の品目、市場規模も増加いたしました。喫煙率は年々減少するなど、健康に対する意識は年々高まっていると考えられます。  あいち健康マイレージは県民全体の健康づくりを応援するための新たな仕組みでありますが、参加者数は伸び悩んでいると聞いております。  地元江南市においても、平成三十年度にマイレージ事業に参加し、優待カードまいかを取得した方は三百四十二人と、人口が約十万五百人ですので、単純計算ですが、〇・三四%にとどまっている状況です。  愛知県全体でも、平成三十年度の優待カード取得者が二万七千百三十五人であり、〇・三六%であります。そのうち、二十代から五十代が八千四百九人と、働き盛りの参加者数は少なく、取組に関して言えば、まだまだ認知されていない、県民に浸透されていない状況と言えます。  さて、一月二十七日から二十九日まで、自民党一期生の平令会で鹿児島県と宮崎県に視察に行ってまいりました。  宮崎県の取組でSALKOという宮崎県ウオーキングスマートフォンアプリについて勉強してまいりました。このSALKOとは、宮崎の方言で歩くという意味だそうです。宮崎県が公式に運用するスマートフォンを使ったウオーキングアプリで、県民総参加型のスポーツとして県民にウオーキングを広く普及し、日常生活の一部に定着させようと開発されたそうです。  この目的は、特に運動実施率の低い傾向にある働き盛り、子育て世代の二十代から四十代を中心に、スマートフォンアプリを活用しながらウオーキングの普及や啓発を行うことにより、県民全体の運動実施率を向上させ、健康長寿日本一の宮崎県づくりを目指すものだそうです。  SALKOの機能といたしましては、歩行距離やカロリー、体重の管理、履歴、歩いた結果をランキングにし順位づけするなど、そして、県内スポーツイベントなどの情報も調べることができます。  また、大型ショッピングモール内を歩くことでスタンプを集めて景品が当たる民間企業とのタイアップをした活用で、休日に家族で買物と健康増進のためのウオーキングが楽しみながらできる企画もございます。また、企業や団体のランキング活用、企業対抗のウオーキングイベントなども開催するなどして、健康増進と地域の活性化を合わせた取組をされています。  それらの効果なのかもしれませんが、宮崎県では、平成二十八年度の登録者一万三百七十二人が、令和元年十二月末現在では二万四千六百七十人と大きく伸びています。宮崎県の人口が約百七万人に対して、愛知県人口は約七百五十五万人でありますので、あいち健康マイレージカードの優待カードの取得者二万七千百三十五人はかなり少ないということになります。
     また、SALKO登録者の三年間の合計歩数が約百億歩ということで、三年間の医療費抑制額が約六億円となる説明も受けました。この約六億円の積算根拠でございますが、筑波大学の研究チームが、地域での高齢者の健康づくり事業との関わりで求めた結果で、一歩当たり〇・〇六一円の医療費削減ということですので、百億を乗じることで算出された医療費抑制額ということです。  そこでお伺いいたします。  あいち健康マイレージ事業の活性化を図り、生活習慣病予防の効果を上げるためには、働き盛りの世代の参加を促進することが重要であります。令和二年度からは、あいち健康マイレージアプリを企業向けの健康づくりのツールとして提供されるとのことですが、市町村のマイレージ事業においても、アプリを活用していくことも有効な手段と考えます。今後どのようにあいち健康マイレージ事業を推進していくのか、県の御所見をお伺いいたします。  続きまして、子供の安全な通行を確保するための交通安全対策についてお伺いをいたします。  二〇一九年の愛知県の交通事故死者数が都道府県別で全国第二位になりました。一方、人身事故件数はどうかといいますと、これも同じ、大阪府に次いで全国第二位でありました。  愛知県の交通事故発生状況の資料で、対前年の死者数と人身事故件数の増減を比較しますと、死者数は、二〇一八年が百八十九人であり、二〇一九年が百五十六人であることから、死者数で三十三人減少し、率にするとマイナス一七・五%でありました。  人身事故件数は、二〇一八年が三万五千二百五十八件で、二〇一九年が三万八百三十六件でありましたので、四千四百二十二件の減で、マイナス一二・五%でありました。  十年前と比較しても、死者数、人身事故ともに約四割の減となっております。これもひとえに関係各位と県民挙げての交通事故を根絶しようとする取組のたまものであると敬意を表します。今後もこの取組を続けていただくことにより、さらに住みやすい愛知県の実現につながると信じております。  さて、子供が日常的に集団で移動する通学路については、二〇一二年に京都府亀岡市で、登下校中の児童などの列に自動車が突入し、児童などが死傷する事故が発生しました。  この事故を受け、二〇一五年度から市町村ごとに通学路交通安全プログラムが策定され、このプログラムに基づき通学路の点検を行い、危険箇所についてガードレールの設置や歩道設置などの対策が行われております。  これまでの対策により、通学路の交通安全対策は格段に進みました。今後も、これから入学する子供のために、この通学路対策を継続して取り組む必要があると考えます。  また、昨年五月に滋賀県大津市で、集団で歩行中の園児の列に乗用車が衝突し、園児二人が亡くなるという痛ましい事故が発生いたしました。  この事故を受け、今年度、未就学児等の日常的な園外活動時における移動経路について緊急点検を実施し、危険箇所が選定されたと認識をしております。今後は、選定した危険箇所の早期解消に向け、選定箇所の対策を着実に進める必要があると考えます。  一方、子供の日常的な移動経路は、通学路と園外活動時の移動経路だけではありません。子供は、学校などからの帰宅後には公園などで遊ぶためや塾に通うために自宅周辺の身近なエリア内の生活道路を日常的に移動しています。  子供の身近なエリア内については、生活道路を猛スピードで走る車や、幹線道路から抜け道として生活道路を通過する車により、子供が移動する生活道路が危険になることが危惧されます。  江南市では、赤童子町、古知野町地区で生活道路の速度抑制を促す道路標示を行い、ゾーン30の規制を実施しています。身近なエリア内の生活道路においては、車のスピードを低下させる対策に加え、生活道路を抜け道として利用する車の対策も併せて行うことが効果的だと考えます。  そこでお伺いいたします。  県として、通学路と未就学児等の日常的な園外活動時の移動経路における交通安全対策についてどのように取り組むのかお伺いいたします。  また、子供が日常的に移動する身近なエリア内の生活道路における交通安全対策についてどのように取り組むのか、県の御所見をお伺いいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 9: ◯保健医療局長吉田宏君) 初めに、三歳児健診における視力検査への携帯型屈折検査機器、いわゆるフォトスクリーナーの導入についてお答えいたします。  三歳児健診は母子保健法に基づき市町村において実施されており、その健診項目には目の異常の有無に加え、視力検査もございます。遠視や近視、斜視などがあると視力の発達が遅れるため、成長の節目である三歳児健診で目の異常を早期に発見し、適切な治療につなげることが大変重要でございます。  現行の検査方法でございますが、愛知県が乳幼児健診の質の向上を図るために作成している愛知県母子健康診査マニュアルに沿って、斜視など目の異常に関する問診と、大小の輪を用いた視力検査を組み合わせて実施しておりまして、検査を受けられるお子さんとその保護者にとって若干の負担にはなるものの、必要不可欠な検査であると認識しております。  一方、フォトスクリーナーにつきましては、お子様の負担が少なく、遠視や乱視などの屈折異常の判定が短時間でできることから、現行の検査方法と併せて利用している市町村もございます。  しかしながら、精密検査を必要とする判定基準が統一されていない等の課題もございまして、現在、国において継続的に研究が実施されております。  このため、本県といたしましては、三歳児健康診査における視力検査へのフォトスクリーナーの導入に関しまして、今後、市町村を対象とした母子保健指導者研修会などの機会に情報提供に努めるとともに、国における研究成果を踏まえた新たな方針等について注視し、子供の目の健康の確保にしっかりと取り組んでまいります。  次に、あいち健康マイレージ事業の推進についてお答えいたします。  あいち健康マイレージ事業の実施市町村は年々増加し、今年度は県内五十四市町村のうち五十二市町村で実施されており、優待カードまいかの提示により様々な特典等を提供していただく協力店も、本年一月末現在で千二百九十二店舗となっております。  一方、優待カードの発行状況を年代別に見ますと、六十代、七十代の方が多く、議員御指摘のとおり、二十代から五十代までのいわゆる働き盛りの世代の参加が少ないことが課題となっております。  こうした課題を解決するため、今年度、スマートフォン上でまいかの取得ができる健康づくりアプリを開発し、現在、県内の企業、団体や、既にマイレージ事業を実施していただいております市町村に対して積極的にこのアプリを採用していただくよう働きかけを行っているところでございます。  さらに、優待カードの魅力を高めるため、協力店の拡大に積極的に取り組み、マイレージ事業の活性化を図ってまいりたいと考えております。  今後とも、こうした取組を通じ、個人や企業等の健康づくりを促進し、生涯を通じて健康で生き生きと過ごすことができる健康長寿あいちの実現を目指してまいります。 10: ◯建設局長林全宏君) 子供の安全な通行を確保するための交通安全対策についてのお尋ねのうち、まず、通学路と未就学児等の日常的な園外活動時の移動経路における交通安全対策についてであります。  通学路の交通安全対策については、道路管理者、警察、学校などの関係者が連携し策定した通学路交通安全プログラムに基づき、通学路の安全確保に向けて点検と対策の検討、実施、効果の検証、改善を繰り返すPDCAに取り組んでおり、県においても、路肩のカラー化などを実施しております。  未就学児等の子供が日常的に集団で移動する経路における交通安全対策については、昨年五月に大津市で発生した園児の交通死亡事故を受け、県内全市町村で合同緊急安全点検を実施し、県管理道路については、百七十八か所の対策箇所を選定しました。  対策箇所については、国の交付金事業を活用し、早期に効果が得られるよう防護柵の設置などから着手し、用地買収を伴う歩道設置などについても計画的に進めてまいります。また、市町村道についても計画的に対策を進めるよう働きかけ、対策箇所の早期解消に取り組んでまいります。今後も対策が必要な箇所の解消に向けた持続的な取組を進めてまいります。  次に、子供が日常的に移動する身近なエリア内の生活道路における交通安全対策についてであります。  生活道路の交通安全対策については、幹線道路に囲まれたエリアにおいて、歩行者が安心して通行できる歩行空間の確保のため、通行車両の走行速度を抑制する対策と、生活道路を抜け道として利用する通過交通の進入を抑制する対策を進めております。  走行速度を抑制する対策としては、道路幅を物理的に狭くする狭窄や、路面の一部を盛り上げたハンプの設置などを警察のゾーン30の規制と連携して実施しております。通過交通の進入を抑制する対策としては、幹線道路に転換を促すための交差点改良などを進めております。  県としましては、警察などの関係者と連携し、これらの対策を一層推進し、子供の安全な通行の確保に向けて全力で取り組んでまいります。 11: ◯九番(村瀬正臣君) それぞれ御丁寧な答弁をいただきましてありがとうございました。二項目について御要望をいたしたいと思っております。  初めに、三歳児健診における視力検査への要望です。  三歳児健診は、弱視を発見、治療する上で重要な時期であり、現在の保護者による視力検査は見落としも避けられないと思います。子供たちの弱視を一人でも多く発見し、治療が手遅れにならないよう、早期に県主導で屈折検査に取り組んでいただきますよう御要望をいたします。  次に、子供の安全な通行を確保するための交通安全対策についてです。  事故が起きてからの対策を取るのではなく、今回は、危険箇所に防護柵などを事前に安全対策として設置していただけるということですので、県の対応には感謝申し上げます。  今後も地域の危険な箇所の改善を警察はじめ市町村、そして自治会など関係機関と地域内での連携をしていただき、子供、高齢者の方にも安心して通行ができる安全対策に取り組んでいただきますよう要望して、終わります。 12: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  永井雅彦議員。     〔三十七番永井雅彦君登壇〕(拍手) 13: ◯三十七番(永井雅彦君) 通告に従いまして、一つ目のテーマであります外国人技能実習生の支援について、順次質問をしてまいります。  初めに、日本に在籍する外国人技能実習生は、二〇一九年十月時点で三十八万三千九百七十八人であります。そのうち、愛知県を訪れている外国人技能実習生は四万三千二百十人で、全国一位となっています。  国別に見てみますと、ベトナムの方が二万二百二十四人で、四六・八%を占めています。言い換えれば、ベトナムからの技能実習生が圧倒的に多いということであります。  このように、今後も継続して技能実習生が確保できるかという視点に立ちますと、台湾などの近隣諸国も技能実習生の確保に動き出していること、また、日本国内では、劣悪な労働条件下で実習を行っているとの報道も多く、技能実習生のイメージも好ましくないと考える風潮もあります。  その一方で、本県の自動車部品を製造する中小企業では、技能実習生からの帰国後もこの会社で働き続けたいという願いを聞き入れ、ベトナムの現地に拠点を開設した企業や、家族と離れて暮らす技能実習生がホームシックにならないように地元の盆踊りや運動会に参加させ、楽しさを共有したり、定期的な食事会を開催する企業など、技能実習生を日本人の従業員と同じく大切に考えている企業が多数あります。これは、技能実習生の確保が止まれば、生産も止まるという危機感からであります。  そこで、昨年の八月にベトナムを訪問し、二つの視点で調査を行ってまいりました。  一つ目は、現地の送り出し機関が日本や愛知県をどのように見ているのか、また、愛知県を訪れる技能実習生が、どんな教育や訓練を受けてきているのか、その詳細を調査するものでありました。  二つ目は、日本の近隣諸国も技能実習生の確保に動き出している中、ベトナム政府関係者が日本の技能実習制度をどのように見ているのか把握するための調査でありました。  まず、ハノイ中心部から一時間ほどに位置する、送り出し機関でありますホアンロン教育訓練校を訪問し、調査してまいりました。  ホアンロン教育訓練校の特徴は、仲介事業者を経由せず、オンラインによりベトナム全土から技能実習生を募集する仕組みになっています。そして、面接によって合格した人は、全寮制の教育訓練センターで四か月から六か月の間に日本の文化、習慣をはじめとする社会ルールと実習に備えた職場ルール、労働安全などに関する教育を受けることになります。  これまでの実績では、日本へ四千人に上る技能実習生を送り出し、現在も千六百人が在籍し、日本への渡航準備をしています。  ここでの意見交換で分かったこととして、愛知県企業も含めた日本企業は、技能実習生の確保に向けて、あらかじめ必要な職種と人員を事前にオーダーします。その後、教育訓練校が、人員を確保した段階で各企業が現地に赴き、面接による人選を行い、行き先の企業が決まると、教育訓練が始まる仕組みでありました。  技能実習生は、一定期間の教育訓練に合格するというプレッシャーもある一方で、行き先が決まっているという安心感も抱きながら、日本、そして、愛知県を目指しています。  卒業には、スムーズに現場に溶け込めること、日本の生活になじめることが最大の合格要件となっています。具体的には、日本語能力試験のN四合格を目標に置き、職場では、整理整頓をはじめ、報告、相談、連絡を欠かすことがないよう、報連相などの仕事のルールを徹底的に教え込んでいます。  また、生活面では、日本の自治会制度を基に役割と当番を決め、寮生活の中でごみの分別や起床、消灯を決め、規則正しい生活訓練を取り入れています。  そして、これらの職場、生活といった視点で、全ての評価を教室の壁に貼り出し、見える化した上で競争意識も根づかせています。  こうして技能実習生としての本来の使命である母国への技術・技能の移転、そして、日本語能力の向上を目標に日本への渡航を準備する詳細について、現地で確認することができました。  訪問いたしましたホアンロン教育訓練校では、訓練の様子を説明いただくときのやり取りや、校長先生との意見交換において、受入れ側の改善点も聞き取ることができました。  帰国した技能実習生の声として、社会生活という点で、まだまだ外国人が生活する環境が整っているとは言い難い状況と聞いている、さらに、労働環境という点でも、長時間労働など環境整備を望む声が出ているとのことでありました。  そこで質問いたします。  本年度、本県では、外国人がスムーズに生活できるよう、愛知モデルとして早期適用研修の仕組み及び受入れ企業への普及に取り組んでいますが、その進捗と企業からの評価についてお尋ねをします。  また、昨年二月に立ち上げましたあいち外国人材適正受入れ・共生推進協議会の中に労働環境ワーキンググループを設置し、外国人材の労働環境の整備について情報共有や検討を行っていると聞いていますが、これまでの取組と今後の取組についてお尋ねをします。  次に、当初の調査目的でありました、日本の近隣諸国が技能実習生の確保に動き出している中、ベトナム政府関係者が日本との技能実習制度をどのように見ているのか把握するため、計画投資省を訪問いたしました。  幸いにも、計画投資省の外国投資を所管する外国投資庁のホアン長官とお話しできる機会をいただき、ホアン長官から、日本からの投資に備えた環境整備の現状や日本に期待することなどを聞くことができました。  中でも、技能実習制度については、日本の仕事のルールを学ぶことや社会におけるマナーが習得できることは大変すばらしいことだと発言をされていました。また、技能を身につけた実習生が帰国後に活躍することがベトナムの発展につながっていくと考えられていました。さらに、帰国実習生がほかのアジア諸国からの進出企業にも就職をしているが、労働問題が数多く発生しており、日本企業への就職が好ましいと発言をされていました。  この発言からも、本県として、技能指導や技能検定試験の合格に向けた支援はもちろんのこと、技能を学ぶ地域としての優位性をさらにアピールしていくことが必要だと思います。そのためには、帰国した技能実習生が愛知県から進出した企業に就職し、その活躍ぶりが愛知の人材育成力の高さであるとの評価につなげ、新たな人材を呼び込む好循環とする取組が重要ではないかと考えております。  こうした日系企業への就職は、さきに訪れたホアンロン教育訓練校の校長先生からも期待する声があり、就職が実現していけば、今後も継続して技能実習生を確保することにつながり、本県の魅力になると考えています。  こうした中、本県では、昨年七月に初めての取組として、ベトナムに帰国した技能実習生と現地に進出した愛知県企業との交流会を開催し、技能実習生と企業との意見交換を実施したと聞いております。  そこで質問いたします。  この交流会において、どのような意見が出され、その結果を踏まえて、どのように取り組んできたのか、さらに、今後、どのように取り組んでいくのか、県のお考えをお尋ねします。  次に、ホアン長官からの、技能を身につけた実習生が帰国後に活躍することがベトナムの発展につながっていくとの発言や、ホアンロン教育訓練校の校長先生からの、日本の資格があれば日系企業への就職へ有利になるとの発言を踏まえますと、日本で努力し、研さんしたあかしが技能検定の合格であると改めて感じました。  ここで、愛知県における技能検定随時三級の合格に関する状況を申し上げますと、平成三十年度は千五百四十三人と全国トップであり、優位性が高いと言えます。また、令和元年度も、十二月末時点の結果でありますが、合格者は千三百人を超え、全国トップを走っています。  日本の国が認める技能士の資格取得は、実習生の帰国後の処遇改善にとどまらず、個々の企業の研修体制の評価にもつながる重要な取組であると考えています。  そこで質問いたします。  本県として、技能実習生の技能検定合格に向けた支援として新たな支援を検討し、実行していると聞いていますが、具体的な支援内容についてお尋ねをいたします。  次に、二つ目のテーマであります、MaaSによるスマートシティの実現について、順次質問してまいります。  昨今、百年に一度の大変革と言われる自動車産業でありますが、その際に話題に上るキーワードの一つがMaaSです。  MaaSは、自動車産業のみならず、公共交通なども含めた移動、都市の在り方を捉え直す大きな変化の一つであります。  MaaSの本来の定義は、人、物に係る移動データを軸として、あらゆる情報と組み合わせることにより、移動や都市の在り方を効率化、最適化することにあります。しかし、このような本来の意味でのMaaSを完全に実現した国、地域は、現状において存在しないと言われています。  世界に目を移しますと、フィンランドのヘルシンキにおいては、電車、バス、タクシーなど複数の経路、交通手段、決済サービスの一元的な提供はもとより、タクシーを含めた複数の移動手段を定額で利用できるサービスの提供が始まるなど、一歩進んだMaaSの実現に向けた取組が行われています。  また、シンガポールや中国では、政府主導で大規模な都市インフラ開発、自動運転等の次世代交通網の構築を一体で進めるスマートシティの計画も進んでいます。  一方、日本でも複数地域におきまして、一定エリア内の鉄道やバス、タクシーなどの交通手段を一元的に検索、予約、決済ができるものとして歩みを始めています。  愛知県内はどうかといいますと、充実した電車やバスの路線、高速道路等の交通網、さらに、自動車をはじめとする世界屈指のモビリティー産業の集積が非常に厚いことから、先進的なMaaSに基づく社会システムを他に先駆けて実現できる多くの条件がそろっていると考えています。  そこで、愛知県がMaaSを通じたスマートシティの実現に向けて取るべき行動は三つあるというように考えております。  一つ目が、各事業者間で移動データ等を共有するためのMaaSプラットフォームの構築を交通事業者等に働きかけること、二つ目が、MaaSを先導的に導入するエリアを定め、スマートシティのショーケースとしていくこと、三つ目が、MaaS、スマートシティの実現に向け、イノベーションを加速するスタートアップの力を生かすことだと考えています。  まずは、複数の交通事業者のサービス、データをMaaSの考えの下に統合し、今までばらばらであった人、物の移動に関するデータ等を一元的に蓄積、利用できるプラットフォームを整備する必要があります。  MaaSがもたらすメリットは、統合可能なデータの範囲、組み合わせるデータによっても変わってまいりますが、それぞれのデータを相互利用するような議論をモビリティーの種別の壁を超えて開始することが必要であると考えております。  日本、愛知においては、交通事業者ごとのビジネスモデルが既にありますので、統一的な動きを模索するには調整の困難も想定されます。  しかし、当地域のさらなる付加価値の創造、成長のためには、交通事業者、自動車メーカー、大学、地方自治体など、移動サービスや都市計画に関わる者が幅広い分野において垣根を越えて連携しなければ、世界の動きから取り残されてしまいます。  こうした企業を超えた取組を前に進め、関係者を取りまとめるためには、中立的な立場である広域自治体としての本県は、そのポテンシャルがあるのではないかと考えます。愛知県こそが、真の意味でのMaaSを世界に先駆けて実現し、新たなモビリティーの在り方、スマートシティを牽引していくリーダーにふさわしいのではないかと考えています。  そこで質問いたします。
     県としてのMaaSに対するお考え、さらには、MaaSの社会実装を実現するため、県としてどのように取り組んでいかれるのかお尋ねをします。  次に、本県では、二〇一九年十月三十一日、内閣府のスーパーシティ構想の自治体アイデア公募に愛知県案を提出されました。スーパーシティとは、AIやビッグデータなど最先端技術を活用し、未来の暮らしを先行実現するもので、スマートシティと同様に複数分野にわたるIT化、スマート化の取組を同時に実装していくものと承知をしております。  提案内容を見ますと、愛知県国際展示場を核として付加価値の高い観光産業を育成するとともに、中部国際空港島及び周辺地域に最先端の技術、サービスを積極的に導入し、イノベーションの創出を図るための拠点化を進めるものとなっております。  その内容として、交通渋滞や混雑の緩和、空港利用者や地域住民の利便性向上、さらに、災害に強い安全・安心な都市づくりが掲げられています。これらは、まさしく本来のMaaSの意義である人、物に係る移動データを軸として、あらゆる情報と組み合わせることにより、移動や都市の在り方を効率化、最適化するという概念、方向性と一致するものであります。  中部国際空港島及び周辺地域は、エアラインを中心に一定エリア内に鉄道、バス、タクシーといったモビリティーデータ、入国管理、税関等の行政データ、愛知県国際展示場の来場者や商業施設における消費者の行動データなど、幅広いビッグデータが集まっています。この地域はMaaSをはじめとした先進的な社会システムの先行導入に適したエリアだと言えます。  そこで、中部国際空港島及び周辺地域を中心としたスーパーシティの実現に向け、MaaSの導入やビッグデータの活用を先導的に行い、県内全域の取組にも広げていくことが良策ではないかと考えています。  例えば、当該エリア全体における自動車の移動データは、愛知県国際展示場でのイベント開催状況や駐車場の稼働率等の情報と連携し、特定の場所、時間への利用者の集中を避けるような情報提供を行うことで、周辺道路、駐車場の混雑緩和にもつなげていくことができます。  また、何としてもなくしていきたい交通事故対策としては、自動車の走行情報と事故発生データを組み合わせることにより、潜在的な事故発生エリアの分析やインフラ整備にも生かすことができます。  そして、モビリティーデータは、気象データあるいは環境データと組み合わせることにより、災害対策、環境対策などにも発展させることができ、様々な社会課題の解決につながると期待をされています。  このような前例がない、総合的なMaaSをはじめとした社会の構築を実現していくためには、データを蓄積するためのIT基盤の整備、路側センサー等の設備、あるいは国の規制緩和等の関連施策との連携も必要であると考えます。  そこで質問いたします。  中部国際空港島及び周辺地域のMaaSを含めたスーパーシティの推進について、県のお考えをお尋ねします。  最後の質問になりますが、MaaSやスマートシティ分野のように膨大なデータを基にしてITを活用し、革新的なビジネスモデルをスピーディーかつ数多く生み出すことが求められる分野は、柔軟な発想と機動力に優れたスタートアップが牽引するのにふさわしいフィールドであります。  そこで、国内外から革新的なサービスや技術を持った先端的なスタートアップを引き寄せる、あるいは当地に生み出そうとする本県の関連施策を総動員し、本県のMaaS、スマートシティの早期実現に国内外のスタートアップの力を生かしてはどうかと考えます。  そこで質問いたします。  MaaS、スマートシティの実現に向け、イノベーションを加速するようなスタートアップの力をどう生かしていくのか、県の考えをお尋ねします。  以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 14: ◯県民文化局長齋木博行君) 外国人技能実習生の支援に関する御質問のうち、早期適応研修に関する取組についてお答えします。  昨年四月に施行されました改正出入国管理法では、新たな在留資格である特定技能により来日した外国人の日常生活などの支援については、受入れ機関である企業や登録支援機関が行うこととされています。  このため、本県では、特定技能外国人の受入れ機関や、技能実習生の監理団体等が新たに来日した外国人に対して生活支援等を実施する際に役立てていただくため、日本の生活ルールやマナー、医療機関の利用方法等について教える早期適応研修のカリキュラムや、研修で使用する教材及び指導書を愛知モデルとして本年一月に全国に先駆けて作成いたしました。  また、このカリキュラム等を普及するため、一月末から二月の上旬にかけまして、受入れ企業、監理団体、商工会議所、商工会などの担当者を対象に、名古屋地区、西三河地区及び東三河地区の県内三か所でカリキュラムを活用するメリットや教材及び指導マニュアルの利用方法等について説明会を開催し、延べ百九十七人の皆様に御参加をいただきました。  参加者へのアンケート結果によれば、約八六%の方から、ぜひ活用したい、または活用してみたいとの回答をいただくとともに、これまで経験したトラブルが教材に見事に集約されている、各分野の知識が豊富で使いやすそうであるなどの評価をいただいております。  さらに、来年度はこのカリキュラム等の活用を促進し、広く普及するため、新たにポータルサイトを立ち上げ、その内容を広く紹介、発信してまいります。  また、新たに来日した外国人を雇用する企業などにおいて、早期適応研修をモデル的に実施していただき、取組事例として発信するとともに、今後のカリキュラムや教材の見直しに向けて利用者の声を聴取してまいります。  こうした取組をしっかり進めることにより、新たに来日される外国人材が安心して暮らし、活躍できる環境を整備してまいります。 15: ◯労働局長井上貴弘君) 外国人技能実習生の支援についてのお尋ねのうち、あいち外国人材適正受入れ・共生推進協議会の労働環境ワーキンググループの取組内容についてお答えいたします。  労働環境ワーキンググループは、これまで三回開催し、各構成団体における取組や課題について情報を共有し、意見交換を行ってまいりました。  この中で、労働時間や賃金、在留資格など、相談内容ごとに窓口が異なり、相談先が分かりにくいとの意見がありました。このため、相談窓口を対象者や相談内容ごとに区分した一覧表を作成し、県のホームページで公開することにより、相談者の利便性の向上を図りました。  また、技能実習生を受け入れる企業側の法令遵守が不十分であるとの意見もありました。そこで、県内にある監理団体のほとんどが加盟する愛知県中小企業団体中央会主催の外国人技能実習制度コンプライアンスセミナーを活用し、ワーキンググループ構成員と連携して、報酬、待遇など技能実習生を雇用する場合の留意点や技能検定の受検など、技能実習制度本来の趣旨に沿った運用について説明をし、監理団体と受入れ企業に法令の遵守を強く要請いたしました。  来年度はこうした取組を県や他の構成団体が行うセミナー等にも広げ、専門分野の異なる各構成団体から互いに講師を出し合い、具体的な違反事例や相談事例等を分かりやすく解説するなど、これまで以上に内容を充実させ、効果的なものとしてまいります。  さらに、県が現在作成を進めている外国人雇用マニュアルや、来年度作成する労働関係法令の基礎知識等をまとめた外国語版パンフレットなども積極的に活用し、受入れ企業のコンプライアンス意識を高める取組をしっかりと進めてまいります。  次に、技能実習生の技能検定合格に向けた取組についてお答えをいたします。  技能実習生が技能検定に合格することは、帰国後の処遇のみならず、送り出し国の受入れ企業に対する評価にもつながることから、技能実習生の合格者数をさらに増やしていくことが重要であると認識しております。  このため、県では、今年度から新たにあいち技能伝承バンクに登録している熟練技能者を技能実習生の受入れ企業等に講師として派遣をし、技能実習生が直接指導を受け、技能を高めることができるよう支援をしております。  一方で、技能検定に合格するためには、実技試験と学科試験の両方に合格する必要がありますが、技能実習制度上、技能実習生が受検することとなる随時二級と随時三級については、学科試験の受検が義務ではないことから、技能実習生の半数以上が実技試験のみを受検しているという現状があります。  そこで、県では、県内全ての監理団体に対して技能検定合格の必要性を示しつつ、技能実習生が実技試験と学科試験の両方を受検するよう、文書による要請を行いました。  もとより、愛知県は技能実習生の技能検定合格者数が全国最多で、技能を学ぶ外国人にとって優位性が高い地域でありますので、そうした点を県ホームページ等で送り出し国に情報発信することが優秀な外国人材を呼び込む好循環につながるものと考えております。  こうした点にも対応しながら、引き続き受入れ企業をしっかりと支援するとともに、監理団体に対し粘り強く働きかけることにより、一人でも多くの技能実習生が技能検定に合格し、帰国後も活躍できるよう努めてまいります。 16: ◯経済産業局長伊藤浩行君) 外国人技能実習生の支援についてのお尋ねのうち、帰国技能実習生と本県進出企業との交流についてお答えいたします。  県では、昨年七月、ベトナムに設置しているサポートデスクの活動の一環として、ベトナムに帰国した技能実習生と本県進出企業との交流会をハノイ市内で開催いたしました。  この交流会において、帰国技能実習生からは、日本のビジネスマナーや仕事の進め方が理解できた、日本語能力を生かしてベトナムと日本のかけ橋になりたいといった声や、本県進出企業からは、転職が盛んなベトナムにおいて、生産現場のリーダーを確保することが課題となっており、帰国技能実習生への期待は大きいという意見もありました。その一方、製造業よりもツアーガイドなど、サービス業への就職を希望する人も多いといった課題も聞かれました。  こうした意見を踏まえ、さらに県内のベトナム進出企業など九社を訪問し、ヒアリングを実施したところ、技能実習生を受け入れるに当たって、帰国後の活躍を見据えた技能実習に取り組んでいる企業もあり、今後こうした先進事例について、セミナー等を通じた情報共有に努めてまいります。  県といたしましては、帰国技能実習生と本県進出企業との交流は、企業の即戦力となる有能な人材の確保に有益であるとともに、将来の経済発展に貢献する人材の育成に資するものであることから、引き続きベトナム南部のホーチミン市に加え、東南アジアの本県進出企業が多い地域においても実施してまいりたいと考えております。  次に、MaaS、スマートシティの実現に向け、スタートアップの力をどう生かしていくかについてお答えいたします。  県では、二〇一八年十月に策定したAichi─Startup戦略に基づき、スタートアップ支援に取り組んでおりますが、この戦略を策定した背景は、本県主力の自動車産業がMaaS、CASEの広がりの中で百年に一度の大変革期を迎え、愛知県経済の持続的な成長、発展に向け、新たなイノベーションの創出が不可欠と考えたところにあります。  その施策の柱として、スタートアップを起爆剤としてイノベーションの創出を図るステーションAiプロジェクトを推進しているところであります。  本プロジェクトの中核となるステーションAiは、PFI手法により、整備、運営していくこととしておりますが、提案事業者に対し、5G等の各種最先端技術を導入した施設整備や、各種実証実験の場の提供など、スマートシティ構想の中核となり得る拠点施設を整備、運営することを求め、MaaSを含むスマートシティの具体化を推進する役割を期待しております。  また、現在進めるサテライト支援拠点の調査においても、MaaSやスマートシティをテーマとした拠点の設置について検討しているところであります。  これらの取組を通じて、スタートアップが保有する革新的技術やビジネスアイデアを最大限に生かし、MaaS、スマートシティの実現化に取り組んでまいります。 17: ◯都市整備局長鎌田裕司君) MaaSによるスマートシティの実現についてのお尋ねのうち、MaaSに対する県の考えについてであります。  MaaSには、交通手段の選択肢拡大やワンストップでシームレスなサービス提供による利用者の利便性の向上、混雑緩和や環境負荷の低減など、様々な効果が期待されております。  本県では、二〇一七年三月にあいち公共交通ビジョンを策定しており、MaaSは、このビジョンが目指す、鉄道、バス、タクシー等が相互に連携し、効率的で利便性の高い総合的な公共交通ネットワークの構築を実現するための非常に有効な手段となるものであります。  また、車と公共交通、自転車、徒歩などを賢く使い分けるエコモビリティライフの実現にも、MaaSは大きく貢献するものであります。  さらに、本県では、二〇二二年秋のジブリパーク開業により、世界中から多くの来訪者が見込まれることから、来訪者の移動の利便性向上と効率化を実現するためにも、速やかにMaaSの普及を促進していく必要があると考えております。  次に、MaaSの社会実装を実現するための県の取組についてであります。  MaaSは、複数の交通手段を組み合わせて提供されるサービスであるため、事業者間の連携なくして成立しません。  そこで、本県では、この春にも産学行政によるMaaS推進会議を立ち上げるべく、現在、関係者との調整を進めているところであります。  このMaaS推進会議では、時刻表や運行情報などの事業者間のデータ連携や、複数の運賃をパッケージ化する定額制サービスの導入をはじめとした課題の整理、実証実験に向けた関係者間の協議などを行ってまいります。  また、MaaS推進会議には、交通事業者、情報通信事業者はもとより、本県において高い集積を誇る自動車関連事業者にも積極的な参加を求め、自動運転や超小型電気自動車などを用いた新型輸送サービスの導入を含め、本県の産業特性に応じたMaaSの実装を目指すとともに、本県が取り組む様々なプロジェクトの推進にも貢献してまいりたいと考えております。  こうした取組の中で、県は事業者間の橋渡し役となって調整を行い、あるいは後ろ楯となって事業者を支援してまいります。 18: ◯政策企画局長野村知宏君) 私からは、MaaSを含めたスーパーシティの推進についてお答えいたします。  スーパーシティは、AIやビッグデータなどの最先端技術を様々な生活分野に活用して社会的課題の解決を図り、未来の暮らしを先行的に実現するものでございます。  内閣府の有識者懇談会による最終報告では、スーパーシティの具体的なサービス事例として、自動走行やドローン配達、遠隔教育などとともに、MaaSについても記載されております。  一方、中部国際空港島及び周辺地域では、セントレアを中心に自動運転やサービスロボットの実証実験が進められ、また、空港直結型の大型展示場であるアイチ・スカイ・エキスポに次世代通信インフラ5Gが整備されるなど、スーパーシティの実現に向けた様々なポテンシャルが高まっております。  そうした中で、本県は、内閣府によるスーパーシティ構想の自治体アイデア募集に対して、この地域を対象に自動運転による移動サービス、顔認証技術による手続や支払いのスマート化、AIを活用した経路案内など、最先端技術を用いた様々なサービスの導入を提案したところでございます。これらサービスに関連するデータを連携、活用することにより、議員御指摘のMaaSの展開にもつなげてまいりたいと考えております。  本県といたしましては、今後とも、常滑市や中部国際空港株式会社、交通事業者、さらには、最先端技術を有する企業等と連携を図りながら、MaaSを含めたスーパーシティの具体化に向けて検討を進めてまいります。 19: ◯知事大村秀章君) 永井雅彦議員の質問のうち、MaaSによるスマートシティの実現にスタートアップの力をどう生かしていくかにつきまして、私からもお答えをいたします。  MaaSの社会的広がりの中で、安心・安全で、かつ利便性、快適性の高い移動社会が到来をし、スマートシティの実現が期待をされております。  例えば、複数の交通手段を最適に組み合わせた移動ルートを提示し、決済までを可能とするサービスの提供や、交通サービスに教育、医療、娯楽、ショッピングなど異なるサービスを統合することで、新たな付加価値を伴った新サービスの提供が可能となります。  また、5GやITS(高度道路交通システム)など、インフラとの連動やAI、ビッグデータ等の活用で、より付加価値の高いサービスの提供とともに、レベルの高いスマートシティの実現も期待されます。  こうしたMaaSに関わる新たなビジネスモデルの構築や新市場の創造、さらにはスマートシティの実現を加速する主体としてスタートアップが大きな役割を果たすものと考えております。これは議員御指摘のとおりであります。  現在、本県が進めるステーションFをはじめとする、世界で最有力のスタートアップ支援機関、大学との連携を通じて、MaaS、スマートシティ分野で重要な役割を果たす世界の有力スタートアップ等のオープンイノベーションを促進し、革新的なサービスの構築を支援してまいります。  さらに、現在整備を進めているステーションAi周辺エリアなどを社会実装の場として提供するなど、スタートアップの力を生かしたMaaS、スマートシティの実現を強力に進めてまいります。  自動車産業を主要産業とする愛知県であるからこそ、日本におけるMaaSによるスマートシティの実現をしっかりとリードしていけると思いますし、していかなければならないというふうに思っております。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 20: ◯四十一番(田中泰彦君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 21: ◯副議長(堀嵜純一君) 田中泰彦議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 22: ◯副議長(堀嵜純一君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時三十五分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 23: ◯議長(神野博史君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  杉江繁樹議員。     〔八番杉江繁樹君登壇〕(拍手) 24: ◯八番(杉江繁樹君) 議長の許可をいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきます。  一つ目の質問は、愛知県国際展示場、アイチ・スカイ・エキスポの利用促進についてでございます。  質問の本文に入る前に一言申し上げますが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、現在様々な施設が閉鎖され、イベントが中止される中、この質問をすることに時期の悪さを感じますが、いずれこの状態が収束したときに、この地域の元気を牽引してほしいとの思いを込めて質問をさせていただきます。  それでは、本文に入ります。  愛知県は、二〇一六年三月に愛知県大規模展示場基本構想を策定し、建設候補地を愛知県常滑市沖の中部国際空港島南側の一部としました。  そのコンセプトは、産業首都愛知の新たな交流・イノベーション拠点の創造とし、一つ、MICEの開催による新たなビジネスマッチングの機会を創出、自動車、輸送機器や航空宇宙産業、ロボット産業をはじめとする愛知県、中部圏のモノづくり産業をテーマとする大規模な展示会、見本市等の開催によって新たなビジネスマッチングの機会を創出し、産業の高度化・活性化を推進する、二つ、企業や研究機関の誘致や新たな交流によるイノベーションの創造、大規模展示場周辺において、モノづくり等に関わる企業や研究機関等の誘致を進めるとともに、大規模展示場で開催される催事、見本市、展示会、ビジネスミーティング等において、内外の多様な企業との交流機会を創出することを通じてモノづくりや新たなビジネスに関するイノベーションの創造を図る、三つ、セントレア周辺との相乗効果による国内外から人を呼び込む集客拠点、空港島内や周辺エリアに立地する宿泊施設、商業施設、エンターテインメント施設等と連携することによって国内外から多くの人を呼び込み、にぎわいのあるまちづくりを展開する、の三つとされています。  このアイチ・スカイ・エキスポが立地する空港島の埋立て面積は五・八平方キロメートルで、そのうち、四・七三平方キロメートルは中部国際空港部分となっております。  その中部国際空港は、二〇〇〇年から工事が着工され、二〇〇五年二月十七日に開港し、先日、無事に十五年を迎えることができました。  ここで、中部国際空港について、少しだけ紹介させていただきます。  中部国際空港は、二十一世紀の中部圏などの航空需要に対応するために、第七次空港整備五箇年計画で、成田国際空港、関西国際空港に続く国際拠点空港として位置づけられ、建設されました。  愛知万博、愛・地球博が開催された二〇〇五年に開港し、その記念式典には、当時、皇太子殿下であらせられました、現在の天皇陛下も御臨席をいただきました。  しかし、開港からの歩みは平たんなものではなく、リーマンショックや東日本大震災など、社会的影響を受けながらも、二〇一八年度には、一千二百三十六万人の旅客を記録するまでになりました。中部の海外への玄関口としてしっかりとその機能を果たし、利用客に対する満足度も高く、ここ近年は、英国のスカイトラックス社による格付でファイブスターの評価を三年連続でいただいております。まさに二本目の滑走路が求められるところであります。  現在はセントレアも新型コロナウイルスの影響により、中国便を中心に非常に苦戦しておりますが、事態が収束すれば、必ずそのにぎわいが戻ってくることと思います。
     アイチ・スカイ・エキスポは、そのような中部国際空港と直結型の国内唯一の常設の保税展示場として整備されました。このアイチ・スカイ・エキスポは、展示面積六万平方メートル、多目的利用地を加えれば十万平方メートルもの大きさで、東京ビッグサイト、幕張メッセ、インテックス大阪に次ぐ国内第四位の規模になっております。  フロアの構成は、一万平方メートルの大空間で、多様なニーズに対応できる展示ホールA、展示ホールBからFは、それぞれ個々にも使えますが、全てを一体的に使用すれば、五万平方メートルの広大なスペースになります。  また、L、M、Sと、それぞれの大きさに分けられた会議室を十八室備え、様々な展示会や国際会議に対応することができます。  開業前からの期待が高く、このアイチ・スカイ・エキスポで開催された国際的な展示会や国際会議等でこの地を訪れた海外のビジネスマンたちが常滑の街を行き来する姿を想像し、仕事の合間を見て観光に出かけ、知多半島のいろいろな観光地を巡ることが期待されました。  地元の施設であるとの思いも熱く、常滑商工会議所青年部は、歓迎の気持ちと今後の期待も込めてタイルアートを作成させていただきましたし、早く内部を見学したいとの声も多くの方々から聞くことができました。  そのような期待の中、昨年八月三十日に開業を迎えました。オープニングのeスポーツとKポップイベントをはじめとして、開業後、観光をテーマにしたイベントや、音楽、スポーツ、アウトドア関係のイベントなど、実に様々なイベントが開催されており、アイチ・スカイ・エキスポは空港島に新たなにぎわいをもたらしています。  開業一年目となる今年度において、このように開業当初から多くのイベントが開催されるに至ったのは、県と運営事業者である愛知国際会議展示場株式会社により、開業前から行われてきた誘致・営業活動の大きな成果だと受け止めております。  現在では、こうした誘致・営業活動の主体は運営事業者に移り、本格的に進められているものと思いますが、アイチ・スカイ・エキスポをより多くの展示会等のイベント主催者に知ってもらい、使ってもらうためには、運営事業者と県がしっかりと連携を図って、誘致、営業や新しい展示会の需要を生み出していくことが必要であると強く思っているところであります。  特に、複数日にわたって開催される展示会等が誘致されれば、展示場の稼働率が上がるのはもとより、参加者の宿泊の増加が、飲食、交通機関の利用など、地域での消費拡大にもつながるものと思います。  そうした中で、今年度のイベントを見ますと、昨年十一月に開催された第五十七回技能五輪全国大会、第三十九回全国アビリンピックでは、空港島内のホテルのみならず、対岸部の常滑駅周辺のホテルにも県外の選手団が宿泊され、そろいのウエアを着た選手の皆さんが連れ立って夕食に出かける姿を見かけました。このような姿は一番期待していたことであり、空港島と地域がつながる方法であると思います。  地元の一人といたしまして、アイチ・スカイ・エキスポでのイベントに参加された皆さんに、常滑市をはじめとした知多半島、さらには、愛知県全域に足を延ばしていただき、本県の歴史、文化、グルメなどの魅力を知っていただくことは、地域の活性化にもつながるものと、心から望むところであります。  現在、愛知県が整備を進めているジブリパークも、世界的なイベント誘致の力強いコンテンツの一つだと思います。  現在、空港島と対岸部のりんくう町や常滑市内にあるホテル客室数は四千室以上ありますが、国際的な展示会や見本市、国際会議の開催には、その参加者たちのニーズを満たすようなハイクラスなホテルの誘致も必要だと考えます。  そして、将来には、今年の一月にアメリカのラスベガスで開催され、トヨタ自動車が世界に向けて実証都市コネクティッド・シティのプロジェクトを発表したCES二〇二〇のような展示会、見本市が開催されることを願っています。  来年度には、二年連続で開催されます技能五輪全国大会・全国アビリンピックに加え、ワールドロボットサミット二〇二〇や、ロボカップアジアパシフィック二〇二〇あいちなど、国内のみならず、世界からも競技者や展示会出展者が集まるイベントが開催されると伺っております。このような国内外から参加者が集うイベントにおいて、一人でも多くの方に、本県の魅力に触れていただく機会の提供などの取組をしっかりと進めていくことが必要だと思っております。  そこでお伺いいたします。  まず、アイチ・スカイ・エキスポにおいて様々なイベントが開催されてきていますが、本年度の稼働状況と来年度の誘致の取組についてお伺いいたします。  次に、アイチ・スカイ・エキスポで開催のイベントに訪れた方々が、愛知県内の観光地等にも赴いてもらえるよう、どのような取組をしていくのかお伺いいたします。  続いて、二つ目の質問、窯業支援のための資源確保についてでございます。  愛知県は、モノづくり県であり、多くの地場産業があります。そして、その地場産業の中には、窯業、いわゆる焼き物産業も含まれます。  日本人と焼き物との関わりは縄文時代に遡り、食糧の保存や調理などの生活用品や祭祀用具など、人間の営みに必要不可欠なものとして文明を築き、分野を超えて様々な文化を深めてまいりました。  そして、一九四八年頃、古陶磁研究家、小山冨士夫氏によって、古来の陶磁窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な六つの産地、越前、瀬戸、常滑、信楽、丹波、備前の総称として六古窯と命名されました。その六古窯は、二〇一七年春に日本遺産に認定されております。  愛知県は、中世から続く六古窯の瀬戸と常滑という二つの産地が存在することを見ても、この地域は古来よりモノづくりの地であったと言えるのではないでしょうか。  瀬戸焼は、陶磁器一般を瀬戸物と指すことからうかがえるように、古くから続く日本の陶都、瀬戸であったとされています。  瀬戸焼の起源としては、五世紀の後半に現在の名古屋市東山丘陵周辺で須恵器の生産を行っていた猿投窯とされ、その丘陵地帯には瀬戸層群と呼ばれる地層があり、焼き物の原料となる良質の木節粘土、蛙目粘土や、ガラスの原料となる珪砂を採取することができ、山間地域の恵まれた自然とともに、窯業発展の支えとなってきたとされています。  十二世紀終わりには、六古窯で唯一、施釉陶器である古瀬戸の生産がされていました。江戸時代後半からは磁器の生産も始まり、時代の変化も柔軟に取り入れ、現在では食器やノベルティー、自動車部品など、様々な製品が作られています。  そして、もう一つの産地、私の地元常滑市を中心として、古くから作られている常滑焼があります。  その歴史は、瀬戸と同様に、縄文時代や弥生時代から日本各地で作られていた土器が、中国から朝鮮を経て窯の技術が伝えられ、これにより穴窯が築かれ、須恵器が焼かれるようになったことが焼き物の始まりとされております。  常滑焼も猿投窯からの流れをくんで、知多半島の丘陵地に作られた知多半島古窯跡群がその母体とされており、この中世の常滑窯は最も大きい生産地であり、この時代に作られた焼き物は、一般的に古常滑と呼ばれています。  作られていた焼き物は、皿、茶わん、片口鉢、三筋壷などがありましたが、特に大型の壷や甕が特徴とされていました。その壷や甕は、海運により、東北地方をはじめ、関東、関西、中国、九州にまで運ばれました。壷や甕は貯蔵具として使われ、いろいろなものが入れられたとされております。  経塚という遺跡では、紙に写したお経を経筒に入れ、それを壷に入れて地下に安置されているものもあるということです。  江戸時代になると、その後半には連房式登窯という新しい窯が導入されてまいりました。この登窯では全ての製品を高温で焼き上げることができました。  江戸時代の常滑焼には、真焼物という硬く焼き締まったものと、赤物と呼ばれる柔らかな素焼きの製品があります。真焼物は甕や壷が中心で、徳利や急須、置き物のような製品がありました。赤物は、甕のほかに火消し壷、蛸壺などが作られておりました。  江戸時代後半になると、多くの名工と言われる人が現れ、その頃から流行し始めた煎茶は、江戸後期には一層盛んになり、様々な急須が作られるようになりました。白泥土に乾燥した海藻を乗せて焼く火色焼、いわゆる藻掛けが開発されましたし、現在でも常滑を代表する朱泥急須が創出されました。  この朱泥急須について少し触れますと、朱泥は中国・江蘇省の宜興という窯業地で焼かれている紫砂という無釉の焼き物を手本にしたものであります。この紫砂で作ったティーポットは、お茶の香りが最もよく出るとされ、中国では高く評価されていたものです。このティーポットは長崎を通して日本にも輸入されており、それを基に常滑の朱泥急須は作られてきました。  そして、明治十一年に中国・宜興のティーポット製法を知る文人の金士恒氏を招き、その技法を伝授してもらい、常滑の急須は確立されていきました。  また、明治の時代には土管の生産も盛んになり、日本の近代化とともに生産量は増えてまいりました。  当時の常滑のまちは多くのレンガ煙突が並び、石炭を燃やす黒煙が立ち込める風景で、当時を知る地元の人から聞きましたが、常滑のスズメは黒いとまで言われるほどであったとのことです。  大正から昭和にかけて、建築資材としてのタイル、衛生陶器などが産業の重要な柱となり、常滑の焼き物、窯業を牽引してまいりました。  しかし、時代の変化とともに少しずつ業界の状況も変わり、日本の成長期に多く下水などに使用されてきた陶製土管は、昭和五十年代頃から徐々に塩化ビニール管や強化プラスチック管、ポリエチレン管に変わっていき、現在、常滑市では、土管を生産するところはなくなってしまいました。  また、生活様式の変化により、国内では急須の需要も減少してまいりました。お茶はペットボトルで売られるようになり、手軽に飲めるものになって、とても便利で身近な飲料としての地位を確立していると思います。私もペットボトルでお茶を飲みますが、今後は、自宅での急須の使用も含め、微力ながら普及に協力したいと思っております。  焼き物から少し離れますが、本年一月、自民党の一期生平令会で、知覧茶で有名な南九州市に調査に行ってまいりました。茶葉の生産においても、生活習慣の変化により、ペットボトルのお茶用の廉価な茶葉の生産割合が増えてきているため、茶葉単価が年々下落している現状があるとのことでした。茶器と茶葉の生産品の違いはありますが、同じような問題を抱えていることが分かりました。  このように、社会の変遷とともに様々な苦難を乗り越えてきた常滑焼の業界ですが、現在は、海外へも目を向けて、その販路を広げようとしています。  明治十一年、急須の製法を伝授していただいた中国・江蘇省の宜興の文人、金士恒氏との御縁で、宜興市と常滑焼の業界は民間交流を続けてきたところでございますが、昨年、常滑市は行政として初めて宜興市と友好都市提携を結びました。これにより、焼き物だけのつながりではなくなりましたが、より常滑焼を中国に売り込むチャンスだと考えています。  現在、経済力を持つ中国では、日本製の急須は非常に人気を誇っており、手作りの高価な製品ほどよく流通するとのことです。文化としてお茶を楽しむ中国人の心の余裕は見習うべきところがあると思いました。  このような販路拡大などの努力をしてきている焼き物業界ですが、ずっと常滑の焼き物を続けていくためにも、その資源の確保は重要な問題であると言えます。  古くは、とてもよい地層に恵まれた地域だったのですが、その資源は減少し、開発などで陶土の確保が困難になってまいりました。  しかし、愛知県には直営の鉱山があります。業界は民間の鉱山からも陶土の確保を努力していますが、最初に述べましたように、県内に瀬戸、常滑という歴史ある焼き物の産地を持つ、モノづくり愛知県として直営の鉱山を維持することは、その責任だと考えます。  そこでお伺いいたします。  窯業資源としては様々な種類がありますが、その中でも常滑焼などの原料となる粘土について、県直営の印所鉱山の今後の供給見通しについてお伺いいたします。  以上、理事者側からの答弁を求め、壇上での質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 25: ◯観光コンベンション局長(藤田昇義君) 愛知県国際展示場、アイチ・スカイ・エキスポの利用促進についての御質問のうち、初めに、今年度の稼働状況と来年度の誘致の取組についてお答えをいたします。  アイチ・スカイ・エキスポにつきましては、初年度の稼働率を一五%と想定する中で、開業前から県と運営事業者が連携し、一つでも多くのイベントに御利用いただけるよう、営業、誘致活動に取り組んでまいりました。  この結果、昨年八月末の開業から今年二月末までの六か月間で、展示ホールを利用するイベントは五十件を超えたところであります。  来年度の取組につきましては、営業体制を順次強化してきた運営事業者と連携して、引き続き誘致活動に取り組むとともに、今年度から実施している運営権対価を活用したアイチ・スカイ・エキスポ利用促進補助金により、環境、林業、産学協働、観光など様々なテーマのイベントを支援してまいります。  あわせて、運営事業者の構成企業であるGLイベンツと連携し、新たな国際産業展の開催を検討するなど、アイチ・スカイ・エキスポの一層の利用促進に取り組んでまいります。  次に、アイチ・スカイ・エキスポにお越しいただいた方々に、県内の観光地等へ赴いていただくための取組についてお答えをいたします。  海外、全国からの出展者や来場者が多く集まるイベントは、本県の魅力を広く発信する場であるとともに、地域に足を運んでいただく絶好の機会と認識をしております。  現在、館内の大型ディスプレイを使って観光情報の発信を行っておりますが、来年度は館内通路において臨時的に観光物産情報コーナーを設置し、地場産品の販売や観光コースの紹介ができるような取組を行っていきたいと考えております。  さらには、空港島対岸部の商業施設や周辺地域の飲食店等と連携したクーポンの配布、知多半島の有料道路乗り放題チケットの活用など、周辺地域の参画を得て、来場者を周遊観光や消費拡大に結びつける取組についても進めてまいります。  こうした展示場館内でのPRと周辺地域を巻き込んだ受入れの取組を併せて進めていくことで、アイチ・スカイ・エキスポの来場者を県内の観光地へと誘導してまいります。 26: ◯農林基盤局長(水野康弘君) 県直営の印所鉱山における常滑焼などの原料となる粘土の供給見通しについてお答えします。  瀬戸の市街地の北に広がる印所鉱山は、一九五七年に県が鉱業権を取得して以降、六十三年にわたり県の直営で陶磁器の原料となる粘土やガラスの原料となる珪砂の採掘を行ってまいりました。  この鉱山は、約十九ヘクタールの事業区域となっており、埋蔵される粘土の総量は、一九八九年時点の調査によりますと、約五百万トンと推定されております。  こうした中、県内窯業の振興に寄与するため、これまでに約三百万トンの粘土をとこなめ焼協同組合や愛知県陶磁器工業協同組合に供給してまいりました。その結果、今年度当初時点の残存量は、三十年以上の採掘量に相当する約二百万トンと見込まれております。  しかしながら、事業区域内には事業所や倉庫などの施設により採掘できない区域がありますので、建物の移転や、それに合わせた搬出路の再配置を行い、採掘を可能とすることで、限られた資源を最大限に活用し、今後とも、常滑焼の原料となる粘土を安定供給してまいります。 27: ◯知事大村秀章君) 杉江繁樹議員の質問のうち、アイチ・スカイ・エキスポについて、私からもお答えをいたします。  二〇一六年二月の大規模展示場の構想発表以降、私自らも、東京、名古屋においてトップセールスを行うなど、精力的に営業・誘致活動を行ってきたところであります。  開業後、これまでに多くのイベントが開催され、初年度の稼働率は、今後の新型コロナウイルス感染症の影響を見定める必要がありますが、現在のところ、当初の想定を大きく上回る二四%程度になると見込んでおります。  このアイチ・スカイ・エキスポの事業計画上、想定稼働率として初年度が一五%、一五、一九、二一、そして、四年目から二五%ということで軌道に乗ると、こういう事業計画の想定をしておりましたが、当初は、初年度から二五%を超える、予約だけでいきますと、という状況でありましたが、ここに来て、この二月後半からのキャンセル等々で、最終的には二四%ぐらいになるのではないかというふうに見込まれております。一日も早い収束が望まれるということでございます。  そして、今後も国内の様々なイベント誘致に加えまして、GLイベンツの世界的なネットワークを活用して、海外で開催されている展示会等のイベントの誘致にも力を注ぎ、展示会需要の創造に努めてまいります。  また、アイチ・スカイ・エキスポを活用した観光振興の取組として、今年度は愛知・知多半島マーケット二〇二〇を一月後半に開催し、二日間で一万五千人を超える方々に来場していただきました。来年度は東三河地域を中心に本県の観光、魅力をアピールするイベントを開催してまいります。  さらに、アイチ・スカイ・エキスポ全体としては、一月末までに六十万人を超える来場者がありまして、こうした方々に本県の歴史、文化、グルメなど、地域の魅力を発信することで、地域経済の大きな波及効果をもたらすことが期待できます。  来年度も食育推進全国大会inあいちや日本乳癌学会学術総会など、宿泊を伴う来場者が期待できるイベントが予定されておりますので、こうした機会を生かしまして、観光物産情報コーナーを展開していくことにより、県内の魅力発信と観光地等への来訪につなげてまいります。  アイチ・スカイ・エキスポが新たな展示会産業のスタイルを創造、発信するとともに、本県の産業力強化、観光振興など地域経済の活性化にもつながるよう、しっかりと取り組んでまいります。 28: ◯八番(杉江繁樹君) 御丁寧な答弁、ありがとうございました。私からは、それぞれの質問について、少しだけ要望をさせていただきます。  まず、アイチ・スカイ・エキスポの利用促進についてでございますが、このアイチ・スカイ・エキスポを、私の地元常滑市に立地していただいたことは、本当に市民一丸となって喜んでおります。  ただ、今、答弁にもありましたように、新型コロナウイルスの影響で、このアイチ・スカイ・エキスポだけではなく、空港も、その周辺のホテルも大きな打撃を受けております。必ずや収束のときは来ますので、そのときに通常に催事が開催されるように、周辺の施設に対してもそれを視野に入れた支援と対応をしっかりとしていただきたいことを要望させていただきます。  窯業支援の資源確保については、この窯業資源におきましては、これに代わるものは何もありませんので、最近、行政の事業は民間活力の活用ということもよく言われますが、これに関しましては、県の責任として直営の鉱山を経営していただくことを重ねて要望申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。 29: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  山田たかお議員。     〔二十九番山田たかお君登壇〕(拍手) 30: ◯二十九番(山田たかお君) 西尾市選出、山田たかおです。  それでは、通告しました三項目につきましてお伺いをいたします。  まず初めに、河川の維持管理、特に樹木伐採についてお伺いをいたします。  同趣旨での質問を平成三十年九月の一般質問でも伺いましたが、今回は改めて国の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を活用し、河川の樹木伐採が行われたことを受け、きれいになった今の現状を維持するためには、今すぐ手を打つ必要があるとの思いから、改めて質問をさせていただきます。  河川の治水対策については、今さら説明する必要はないと思いますが、近年頻発するゲリラ豪雨、大型台風による、想定を超える雨水を確実に排水するために、河川の機能維持は欠かせません。  国は、防災対策として平成三十年七月豪雨を踏まえ、樹木繁茂、土砂堆積及び橋梁などによる洪水氾濫の危険箇所を緊急点検し、流下阻害や局所洗掘等によって洪水氾濫による著しい被害が生ずる等の河川、二千三百四十河川について、樹木伐採、掘削及び橋梁、河川等の緊急対策を実施しています。  私の地元にある矢作古川もその対象となりました。私は、以前より、河川の中に繁茂する樹木が年々生い茂っていくのを見て、一度に大量の雨が降れば、河川の中にある木がなぎ倒され、橋梁に引っかかり、豪雨排水の阻害となって堤防が破堤し、洪水にならないかと心配し、撤去の要望をしてきました。  しかし、その撤去費用は通常の河川維持費から捻出できる金額ではなく、また、作業も簡単なものではないので、進めるのが難しいという説明を受けてきました。  そうしているうちに木々はみるみる大きくなっていきました。今回の工事で分かったことですが、幹の直径が一メートルに迫る樹木もあったようです。  先月、工事が終わり、橋の上から河川を見渡すと、こんなに広い河川だったのかと目を疑うほど広く見え、治水機能は相当復元し、防災対策として大変有効と感じます。加えて、見た目の安心感もあり、地域の方々には安心できると喜ばれています。  今回、対策工事をしていただいたところは、特に大きな木が繁茂していたところでしたが、まだまだ全体から見れば、ごく一部の部分にすぎません。引き続き残された場所も工事を進めていく必要があります。  また、私はこの工事現場に何度も足を運びました。そこで、現場の担当者に工事の難しさや今後進めていくに当たってのヒントをいただきました。その幾つかを御紹介します。  まず、工事があちらこちらで契約不調になっている件です。正直なところ、やってみないと分からない要素がたくさんあるとのことでした。根の大きさやごみの発生量、重機がどこまで入っていけるか、河川の深さなど不確定要素が多く、契約のリスクが多いことで、入札金額の決定が難しいそうです。  基本的な部分と、工事に着手してから分かる、不確定で、かかった費用に応じて変更する部分を分ける必要があると感じました。  次に、どの程度まで整備をするかということです。当然大きな樹木を抜根して片づけるのですが、竹やその他の樹木が生い茂っています。それらをどこまで処分するかという問題です。実際に現場ではできるだけきれいに片づけて、再度それらの樹木が繁茂しないようにすることを目標とし、現場で何度か担当者と話し合われ、最終的な仕上げが決定したようですが、後に樹木に詳しい人に聞いたところ、徹底的に片づけたほうがよい樹木と、一度削ってしまえばそれで再生しない樹木や片づけなくても枯れてしまう植物があり、そういう判断をしながら作業を進めれば、発生するごみも減り、工事金額の圧縮ができるのではないかという御意見を伺いました。今後、同様の工事を進めるには、これらのことを検討の上、進める必要があると考えます。  そして、何より工事が完了した現在の状況を維持していくことが最も重要なことと考えます。河川の中には養分や水分が豊富にあることから、植物にとっても大変よい環境です。毎年草を刈っているところでも、一年で三メートル近い雑草が茂ります。せっかく伐木してきれいになった場所も、一年で雑草が生い茂ることは確実です。  また、今回工事された場所は、毎年の管理では除草されていない場所がほとんどで、このまま放置すれば、数年で元の状態に戻ってしまいます。  今回整備されたところを毎年除草管理するのが最適ですが、河川の維持費は、住民の生活に支障がある部分のみを除草するのが精いっぱいの状況です。
     今回伐木したところを維持するためには、予算を増額するか、費用をかけずに多くの場所を管理する工夫が必要となります。その一つが、地域に密着した草刈り作業を県と地元市町村や地域住民が一体となって推進する愛知コミュニティーリバー推進事業です。この事業は、平成十七年度より、県の管理河川の草刈り作業を地域住民と共に試行しています。私の地元西尾市でも、二つの団体がこの事業に取り組んでいます。  取組の特徴を紹介しますと、汐川さくらを育てる会は、北浜川に咲く桜の管理と、年に十回を超える堤防の除草作業を行っています。私も手伝いに行ったことがありますが、頻繁に草を刈るので、刈った草の体積が少なく、ほとんど集める必要がありません。また、蜂の巣ができることもなく、安全に作業ができます。何より、常にきれいであります。地域住民の皆様の連帯感も生まれ、年に何回かは桜の下で懇親会をしています。  もう一件は、安藤川を管理しているふれあいの道を育てる会です。地域の団体がふれあいの道と命名し、その管理をしています。こちらは、入学前のお子さんからお年寄りまで多くの方々が参加され、草刈りのみでなく、河川に親しむ活動もされています。こちらの団体が別の事業で行っている焼き芋は大変盛況で、並んで買わなければならないほどの盛況ぶりです。  どちらの団体も愛知コミュニティーリバー推進事業の趣旨を御理解いただき、経費を削減しつつ景観を保ち、地域の連帯感を生み出している好事例ではありますが、これら二つの団体以外に新たな参加団体は登録されていません。  その一方で、今回の工事の後に、河川の伐木をした地域の住民から、今まで樹木が鬱蒼と生えていて、散歩をするにも明るい時間しか近づけなかったが、きれいになった状況を見て、今の状態を自らの手で維持していきたいとの声もあります。  愛知コミュニティーリバー推進事業のことを伝えると、資格要件や対象面積、書類上の手続の大変さなどを感じられ、もっと小規模に始められる仕組みはないのかと問われました。  確かに前出の二つの団体は、スタート段階から地域の団体を核としていること、そして、何より書類を作っている担当者が共に公務員のOBであり、そういう経験のない方が取り組むにはハードルが高いと感じました。自分の周りは自分たちの手できれいにしたいという思いをもう少し簡単にかなえられる仕組みが必要と考えます。  そして、工夫の二点目がロボット化による頻繁な管理であります。河川の除草作業をロボットが自動でできる仕組みを作り、常にきれいな状態を保つことです。分かりやすく言えば、家庭用ロボット掃除機、具体的商品名で言えば、ルンバの大型版によって河川管理ができるのではないかと考えます。  河川の除草の様子を数年にわたって調査し、ロボットによる除草について考察してきましたが、機械の進歩は目覚ましく、自動で除草できる機械ができるのではないかと可能性を感じます。  県の河川の除草は、雑草が生い茂った後に大型の草刈り機に作業員が乗って、年に一回のペースで作業しています。  国も年一回ではありますが、一部の河川でラジコン草刈り機によって作業しています。ラジコン草刈り機のメリットは、作業員が機械から離れて作業しているため、機械が転倒したときの作業員の安全確保、作業員を害虫から守ることなど、作業員に対する配慮が実現できます。しかし、この方法では、コストに対するメリットは少ないと考えられます。  では、このラジコン草刈り機にGPSを搭載し、位置情報を基に作業することができればどうでしょうか。草刈り機はプログラムに従い堤防の除草を自動で進めます。人が乗らない仕様であれば重心を低くすることができるので、今まで手作業に頼っていたような四十五度を超える斜面にも対応が可能です。場合によっては、一人の管理者が同時に複数台を管理することも可能と思われます。  また、除草作業のコストは、刈った草の集草、処分による費用及び急斜面の作業員による手作業の費用が大きなウエートを占めます。草を刈るという作業自体が、草刈りロボットを使い、低コストで行えれば、今までのように年一回の草刈りではなく、複数回刈ることができます。雑草の成長する前に刈り取れば、処分する雑草の量を減らすことができることから、年間を通しても、これまでの費用以下で管理することができると考えます。  そして、年間を通してきれいな状態で管理できます。これは、前段で述べたコミュニティーリバー推進事業で、複数回刈取りをしている汐川さくらを育てる会などの実績を見ても明らかです。  ただし、現状では、契約の方法が刈った草の処分量に応じて精算する制度があること、工期が短く、年間の管理には向かないこと、そして、何より現在ではロボット草刈り機がありません。  先日、スマート農業の視察先でこの話をしたところ、トラクターでは同様の機能が実用段階に入っており、可能性があること、そして、堤防の地形をドローンによって計測し、地形とGPSデータを基に作業をすれば、精度が上がり、事故も減るとのアドバイスをいただきました。  私の調べたところ、この手法による河川管理をする草刈りロボットはなく、ロボット産業を推進する愛知でこそ、県が先導して進めていく事業だと思います。  そこで伺います。  県は、今後、河川の樹木伐採をどのように進めていくのか、また、伐採後はどのように維持管理していくのか伺います。  次に、佐久島のインフラ整備について伺います。  佐久島の人口は年々減少しており、最盛期には千六百三十四人がいました。平成三十一年は二百二十五人となっています。  しかし、島を訪れる観光客は年々増加し、渡船の利用者は年間十二万人を超えています。観光客の増加に伴い、島外からカフェなどの営業をする人たちが移住し、観光産業を盛り上げています。  このたび、高速のインターネット回線や島内のWi─Fi環境が整備され、空き家やクラインガルテンを生かして島の環境に魅力を感じる企業のサテライトオフィスの誘致を進めようとしています。  また、遊休農地を活用してサツマイモを育て、JA西三河と協力して、咲くしま、これ、花が咲くの咲くですが、咲くしまという芋焼酎を発売したほか、サクのいもを利用したメニューを開発し、島内のカフェで提供しています。地道ではありますが、島民の皆さんが島の魅力を発信し、年々盛り上がってきています。  過疎化以外にもう一つの心配事があります。それは、島のインフラです。島は一周が海岸線に囲まれています。侵食が激しく、約五十年前に整備された海岸は老朽化が進み、あちらこちらで不具合が出ています。島民の皆さんは危険なところを知っているので、事故には至っていませんが、初めてお越しになった観光客の皆様にとっては、危険な場所があります。  島での工事は、全てのものを船で運ばなければならないこと、普通のコンクリートを使えば、工事が完了する前に硬化してしまうため、特殊な材料を使わなければならないなど、島特有のコストがかかります。そのため、大きく壊れる前に修理や補強を進めていくことが必要と考えます。  そこで伺います。  県は、佐久島の海岸堤防の修理、補強などについてどのように進めていくのか伺います。  続いて、佐久島への水道について伺います。  愛知県の離島三島への水道は、日間賀島、篠島へは南知多町師崎から海底送水管により、佐久島へは送水船によって給水が行われていました。その後、生活水準の向上や観光客の増加に伴う水需要の増加に対応するため、南知多町と一色町は、一九七二年に愛知三島水道企業団を設立し、企業団が佐久島への海底送水管を整備し、三島への給水を行っていました。  愛知三島水道企業団による水道事業は、二〇〇一年に南知多町水道事業へ統合され、現在は南知多町が給水を行っています。愛知三島への海底送水管のうち、一九七三年に整備した日間賀島から佐久島区間は法定耐用年数の四十年を超え、老朽化により、最近では送水管からの漏水事故が多発し、そのたびに多額の費用をかけて修理しています。  本土から島への距離を考えると、引き続き日間賀島からの給水に頼るのが有効で、南知多町と西尾市が共同で進めていくことになると考えられます。送水管の更新には多額の費用が必要で、市町のみで更新するのは大変難しい課題となります。  そこで伺います。  老朽化した佐久島への海底送水管の現状と更新について、県はどのように考えているのか伺います。  最後に、西三河南部地区新設特別支援学校について伺います。  二〇二二年四月には、本県初となる知的障害と肢体不自由の両方の障害種を併置する西三河南部地区新設特別支援学校が西尾市内に開校予定となっております。今まで長時間通学を余儀なくされていた方々からは感謝の声をいただいています。  開校に向けて、これまで特別支援学校が新設整備された際の開校一年前には、開設準備に携わる職員が配置されてきました。西三河地区新設特別支援学校を開校するに当たり、開校一年前の二〇二一年度には、同様の開設準備に携わる職員が配置され、開校に向けた様々な準備を行うと伺っております。  開校に先駆け、先般、知的障害、肢体不自由、病弱など複数の障害種を併置し、二〇一六年度に新設開校された岐阜県立羽島特別支援学校を視察することができました。併置校設置に向けた準備の説明を受けたところ、開校前後の数年が学校の方向性を決める大切な時期であり、その中でも、開設準備がされる一年間は最も重要であると伺ってきました。  本県においても、開設準備に人員を配置し、しっかりと取り組んでいかれることと思いますが、現在、ほかの学校に通学している子供たちや保護者への転学に関わるニーズを満たす準備のみならず、本県初となる知的障害と肢体不自由を併置する学校となることから、今後、併置校を進める際の手本となる重要な学校になると思います。  調査先の校長先生に肢体不自由と知的障害をどのように分けてリスクを管理していますかと質問したところ、そもそも特別支援学校では、障害者の方を地域に帰すことを目標に教育をしています、地域に帰すということは、もっといろいろな方々と一緒に暮らすことができるようにしなければなりません、そもそも分けるという概念はなく、事故が起きないように気をつけるだけですとお答えをいただきました。  私は、これまで保護者の方々から併置のリスクについての要望を受けていたので、目からうろこが落ちる思いでしたが、知的障害と肢体不自由を併置するに当たり、大変重要な考え方だと感じました。  また、その延長として、地域の方々との交流も教育に効果があると伺いました。  調査先の学校では、校内でパンを焼き、曜日を決めて、学校の施設を使ってカフェの営業をされているとのことでした。本格的な設備を使って地域の方々をおもてなしすることで、学校の勉強では得られない効果があると伺いました。地域との交流も大変効果的と考えます。  そこでお伺いします。  本県初となる知的障害と肢体不自由を併置する特別支援学校の開校に当たり、それぞれの障害種に対応した学校運営を行う必要があると考えますが、どのような考えの下、開設準備を進めていかれるのかお伺いします。  次に、肢体不自由と知的障害を併置する学校として、施設や設備についても工夫が必要と考えます。併置の効果については前述のとおりですが、一方で、保護者の心配事の中に、障害種類の違いによるリスクを心配されている方もみえます。  調査先では、障害種類によって教室のエリア分けがなされていましたが、交流の効果を生み出すために、二階へのスロープ施設のスペースをうまく取り込んだランチルームやテラスが設置されていました。車椅子でも活動しやすい運動場や、職員室からガラス越しに見える医ケア室の設置、大型の屋根つき駐車場など、どれも魅力的な施設でした。これらの施設の工夫は、生徒や教員の皆さんからの評判もよく、有効に活用されているとのことなので、ぜひ採用すべきと考えます。  また、岐阜県立希望が丘特別支援学校での調査では、特別支援学校の体育館を二階建てにして、二階部分を岐阜県福祉友愛アリーナとして、障害者の社会参加の促進、障害者スポーツの推進及び競技水準の向上を目的とした施設として運営しています。一般社団法人岐阜県障害者スポーツ協会が指定管理しているとのことでした。  このアリーナは、障害者優先とはなっていますが、ほぼ障害者スポーツ専用のアリーナとして利用されており、バスケットやシューティングバレーボール、ゴールボール、ボッチャなどで利用されています。車椅子バスケットの大会や、JFAの主催する障がい者サッカーフェスティバルなどのイベントも行われています。  施設の特徴は、段差など移動に障害がなく、トイレや更衣室が障害者の方が利用しやすいようになっていること、空調も完備されていました。これは、同施設の一階にある特別支援学校の体育館と同様の設備で、一階の特別支援学校の体育館を開放することで、同様の効果を得られると感じました。  来年度の予算では、新規事業で障害者スポーツの推進、障害者スポーツが実施可能な施設の調査が計画されています。特別支援学校の体育館は、障害者スポーツを進める上では最適な屋内施設と感じます。本来の目的以外での使用ではあるものの、空いているときにスポーツ施設として開放することができれば、障害者スポーツの推進ができるとともに、通学する生徒にとっても、スポーツをより身近に感じられるよい機会になると考えます。  そこで伺います。  知的障害と肢体不自由を併置する本県初の学校となりますが、今までの単独障害の特別支援学校と違い、新しいタイプの学校として、学習活動の場としての機能面ではどのような工夫をしていくのか、また、地域住民や障害者へ開放する場としての工夫はあるのかお伺いをいたします。  以上で壇上での質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 31: ◯建設局長林全宏君) 河川の樹木伐採について、二点お尋ねをいただきました。  初めに、今後の樹木伐採の進め方についてであります。  繁茂する樹木により氾濫の危険性が特に高い区間を対象として、国の三か年緊急対策を活用し、昨年度から矢作古川をはじめ、十七河川で集中的な伐採に着手しております。  さらに、今年度は、国の補正予算により、新たに十四河川を加えた二十一河川で伐採を実施し、河積阻害が著しく、緊急性が高い区間の対策をほぼ完了する見込みであります。  今後は、山間部を除く県内全域において、航空レーザー測量のデータなどを用い、樹木の成長により阻害の危険性が高まるおそれのある区間などをより高い精度で把握し、周辺の状況が市街地や堤防区間であるかなどを踏まえ、優先度をつけた効率的な対策を進めてまいります。  次に、伐採後の維持管理についてであります。  伐採を実施する際には、樹木が再繁茂しないよう除根を行ったり、切り口への薬剤塗布を実施しておりますが、これらの対策を講じても、なお樹木が再生した場合は、除草作業と併せ、幼木のうちに伐採することとしております。  また、適切な管理を行うためにはコストの縮減が重要でありますので、その一つの工夫として、伐採した木を木材として地域の方々へ無償で提供し、有効に活用していただくことで、これまで計上していた処分費を削減するなどの検討も進めてまいります。  これらに加え、愛知コミュニティーリバー推進事業において、地域の皆様からより多くの御協力をいただけるよう、対象面積など要件の緩和や申請時の書類の簡素化などを検討してまいります。今後も引き続き河川の適切な維持管理に努めてまいります。  次に、佐久島の海岸堤防の補修についてであります。  佐久島の海岸につきましては、全長約十一・四キロメートルのうち、島の北側の西港の灯台から入ヶ浦付近までの約三キロメートルを県が管理しており、残る南側約八・四キロメートルは、佐久島漁港として西尾市が管理しております。  県管理区間の海岸堤防は、一九六七年から一九九二年にかけて整備しており、白浜地区など砂浜が形成されている約〇・四キロメートルの区間は親水性に配慮した緩傾斜護岸、残る約二・六キロメートルの区間は直立護岸となっております。  一部の護岸は築造後五十年以上経過していることから、二〇〇〇年度、二〇一二年度と護岸などの損傷を把握する老朽化調査を実施し、損傷の激しい部分については局所的な修繕工事を行っており、加えて、二〇一六年度には、予防保全の考え方に基づき、効率的な維持管理を行うための長寿命化計画を策定しております。  長寿命化計画では、白浜地区の緩傾斜護岸など、空洞化を確認した約〇・七キロメートルについて補強、補修が必要な区間として位置づけ、本年度は資材搬入量の低減が図られるよう、現地発生材を活用する設計などを進めており、早期の工事着手に努めてまいります。今後も引き続き海岸堤防の適切な維持管理に取り組んでまいります。 32: ◯保健医療局長吉田宏君) 佐久島への海底送水管の現状と更新に対する県の考え方についてお答えをいたします。  日間賀島から佐久島までの海底送水管におきまして、度々漏水が発生していることは、南知多町から報告を受けております。  また、町では、海底送水管の早期更新の必要性を強く感じており、更新計画の作成準備を進めていると伺っております。  県といたしましても、水道の安定供給を図るため、海底送水管の更新が必要であると認識しておりますので、現在、国庫補助の対象となっていない海底送水管更新事業を対象に追加されるよう、国へ強く要望しているところでございます。  今後とも、安全・安心な水を島民の皆様に安定して届けられるよう、地元自治体と連携を図りながら、引き続きしっかりと取り組んでまいります。 33: ◯教育長(長谷川洋君) 西尾市内に設置する西三河南部地区新設特別支援学校について、二点のお尋ねをいただきました。  新設特別支援学校の開校準備を進めるに当たりましては、開校の前年度に開設準備要員を配置いたしております。  開設準備要員の業務は、教育課程の編成や学校教育に必要な備品の調達、児童生徒や保護者の教育相談など、多岐にわたっております。  西三河南部地区新設特別支援学校の開校につきましても、二〇二一年度に開設準備要員を配置し、安城特別支援学校、岡崎特別支援学校、ひいらぎ特別支援学校から転校してみえる児童生徒さん、保護者の方の相談に丁寧に対応をしてまいります。  さらに、知的障害、肢体不自由、それぞれの教育課程の特色を生かしながら、障害種を超えた合同事業や共同学習など、これまでに例のない教育活動ができるよう準備を進めてまいります。  また、それぞれの障害種の教育に対する専門性のある教員を配置いたしますとともに、相互に研修する機会を設けまして、異なる障害への理解や知識を兼ね備えた人材の育成を図ってまいります。  さらに、地域の小中学校や高等学校との連携を進め、西三河南部地域における特別支援教育のセンター的機能を果たしてまいります。  知的障害、肢体不自由、それぞれの障害のある子供たちが共に学校生活を送る中で、成長でき、地域に愛される特別支援学校となるよう、しっかりと準備を進めてまいります。  次に、知的障害と肢体不自由を併設する新しいタイプの学校として、学習活動の場としての機能面の工夫についてであります。  今回、新たに整備する特別支援学校は、本県で初めての複数障害種に対応した学校となりますので、他県の例なども参考にしながら、機能面での工夫を行っております。  具体的には、知的障害と肢体不自由の障害の特性に応じた教育環境となるよう、普通教室は障害種ごとにエリアを分けて配置いたしますが、児童生徒がお互いに交流できるよう、中庭や多目的室は中央に配置するなど、実際の学習活動を見据えた整備を進めてまいります。  なお、今回新しく整備するに当たりましては、例えば肢体不自由の児童生徒が使用する教室の近くにベッドやシャワーを備えたトイレを整備するほか、車椅子の児童生徒が雨にぬれずに乗降できるよう、バスを横づけで停車できる、ひさしのついたバスステーションを整備するなど、児童生徒が利用しやすい環境整備にも努めております。  次に、地域住民や障害者の方々へ学校開放する場としての工夫でございます。  学校休業日に障害者をはじめとする地域の方々が体育館を利用できるよう、段差のない地域医療専用の入り口を別に設けますとともに、体育館用の多目的トイレを設置するなど、地域住民の方や障害のある方にも利用しやすい施設となるよう工夫をしてまいります。 34: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  桜井秀樹議員。     〔三番桜井秀樹君登壇〕(拍手) 35: ◯三番(桜井秀樹君) 豊田市選出の新政あいちの桜井秀樹です。  通告に従い、順次質問させていただきます。  今回は、二つのテーマで伺います。  まず、一点目のテーマとして、これからの産業政策に求められるものであります。  名実ともに国内トップのモノづくり王国・愛知であります。先日の二月二十八日に公表されました、二〇一八年の製造品出荷額等は約四十九兆円と、四十二年連続で四十七都道府県のトップに立ち、二位の神奈川県の三倍近くに、一つの県で全国の三百三十一兆三千五百四十八億円の約一四・七%を占め、日本経済の牽引役を担っていることは言うまでもありません。  そんな愛知県ですが、振り返ってみますと、二〇〇八年のアメリカ合衆国の大手証券会社、投資銀行リーマンブラザーズの経営破綻及びそれに続いた国際金融危機により、愛知県のみならず、多くのモノづくり産業に大きなダメージがあり、さらには、三・一一の東日本大震災やタイの洪水に加え、異常とも言える円高により明るい兆しがなかなか見えない状況が続いていました。  そのとき就任された大村知事は、当初、減税するはずの予算を減税基金として産業政策や子育て支援に切り替えるなどの大英断と、その後に策定したあいち産業労働ビジョンの中で取り組まれた施策や企業努力もあり、今日の回復に至っていると理解しています。  加えて、産業首都あいちのさらなる強化に向け、国際イノベーション都市への飛躍として、Aichi─Startup戦略や、遠隔型自動運転システムや、次世代自動車、ロボット産業など、現状に甘んずるのではなく、攻めの姿勢を取っていることは大いに評価をするところであります。  このような企業に対して直接的に行う政策も大変重要ではありますが、現在、日本が抱える最大の課題と言っても過言ではない人口減少問題があり、労働力の確保を含めた人材確保への取組も求められてくると感じます。  その一つが、従業員が安心して働ける環境づくりへの取組であります。
     私自身、これまで議員になる前に労働界に関わる仕事をさせていただく中で、そもそも企業は、そこに働く従業員や支える家族が元気でいてこそ安心して働くことができ、生産性が向上し、企業として利益が出て成り立つと考えるからであります。  もし従業員の家族が学校でいじめに遭っていたり、また、保育園において待機児童になっていた場合、なかなか仕事に集中できません。  待機児童に関しては、私の地元豊田市では、六年連続、四月一日現在、待機児童ゼロを達成していますが、年間を通じては最大二百人弱の待機児童が発生しています。つまり、二百人の方が働きたくても働けない状況にあり、貴重な労働力が失われていると同時に、御主人も妻と一緒に保育園探しをしなければならなく、仕事に打ち込むことができない状況となります。  また、親の介護の問題もあります。現在、国のほうでは、介護施設や介護士不足等の状況の下、在宅介護にシフトしてきています。今後、団塊の世代の多くが八十代となる中で、働き盛りの五十代が直面する親への介護の問題があります。  ある企業では、親の介護への対応で、当初、妻に任せていましたが、介護度が上がってくるにつれて限界が生じ、昼夜勤の交代勤務から全て昼勤務に変更しましたが、それでも対応ができなく、結果的に会社を辞めなければならない状況が生じました。  このような働き盛りの貴重な戦力が今後失われていく可能性がある中、これからの産業政策の新たな視点として、先ほど申し上げました従業員が安心して働ける環境づくり、いわゆる人への投資も産業政策に加えるべきであると感じます。  一般的には、人への投資として、働く人にとっての教育など、人材育成としてのスキルを上げる取組もありますが、もう少し大きな枠組みでの取組が必要であると考えます。  また、連合愛知が進める、働くことを軸とする安心社会に実現に向け、二〇一九年度の活動方針の一つに、雇用・労働環境の改善に向けたセーフティネットの拡充とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現につなげる必要があるからであります。  今回の質問に当たり、愛知県の取組を調べてみましたが、ワーク・ライフ・バランスの推進など、多くの取組をされていることは承知をしていますが、これからの産業政策の柱の一つに、先ほど私が申し上げました観点も踏まえ、従業員が安心して働ける環境づくりについて、労働者目線に立った上で、特に子育て支援や介護問題について、これまでどう取り組まれ、その課題を踏まえ、今後どう取り組んでいくのか伺います。あわせて、事業を直接行っている市町村に対してどのような支援、連携を行っていくのか伺います。  また、当面の人材確保策として、外国人材の受入れ・共生があります。先ほど少し触れましたが、人口減少社会に入っている中、人口増加をするには、合計特殊出生率二・〇七を目指さなければならないと言われています。さらに、その目標が達成されてから人口増加に転ずるには数十年かかるとも言われています。  しかし、国のほうでは、一億総活躍社会の実現に向けた取組において、特に少子化対策との関係が深い取組は、希望出生率一・八に向けた取組とされています。  希望出生率一・八とは、若い世代における結婚、子供の数に関する希望がかなうとした場合に想定される出生率であります。希望出生率一・八の実現に向けては、希望どおりに結婚できない状況や、希望どおりの人数の子供を持てない状況を改善していく取組をされていることは承知をしていますが、最近の報道発表では、一・八に向かうどころか微減している状況であります。  一方、愛知県では、これまで人口減少の直接的な影響を受けてきませんでした。それは、毎年四月に地方からこの愛知県に多くの若者を中心に移住する人が多いおかげであり、いわゆる自然増ではなく、社会増であります。  しかし、今後、社会増にも限界が生じ、愛知県も人口減少社会の影響を受けてくる中、国会では、外国人材の受入れ拡大に向けた出入国管理法の改正により、外国人材の活用が拡大をされました。  今後、短中期的に見た場合に、外国人材の受入れについてさらなる検討が求められています。  過去、一九九〇年代には、多くの外国人労働者が入国をされ、豊田市では、保見団地に代表される多くのブラジル人が製造業を中心にモノづくり産業を支えていただきました。このことは、豊田市のみならず、日本全体で製造業が盛んな自治体で起き、初めて多文化共生という言葉が生まれ、二〇〇一年五月七日には、浜松市の呼びかけで、第一回外国人集住都市会議が開催され、愛知県では、豊田市、豊橋市、小牧市が現在でも加盟し、過去においては、岡崎市、知立市、西尾市が参加をし、これまで地域で顕在化しつつある様々な問題解決に積極的に取り組んできました。  また、今回の法改正の議論の過程におきまして、外国人集住都市会議では、平成三十年十一月二十八日に新たな外国人材の受入れに係る多文化共生推進について、一として、多文化共生社会の実現に向けた意見聴取、啓発活動、二、生活者としての外国人に対する支援、三、外国人材の円滑な受入れ促進に向けた取組、四、新たな残留管理体制の構築の四項目にわたる意見書を取りまとめ、要望いたしました。  そして、今回の法改正では、従来のモノづくり産業に加え、農業、サービス業といった様々な業種への外国人材の受入れが拡大されるものと理解をしています。  また、当時はブラジル人など南米を中心とした外国人が主流を占めていましたが、近年、アジアをはじめ、多くの国の方が入国されてきています。  このような背景の中、令和二年度の予算では、四十億余円の予算を組み立て、多文化共生社会の形成による豊かで活力ある地域づくりに取り組んでいくものと理解をしています。  そこで、質問として、外国人材の受入れ・共生について、一九九〇年代と比べ国籍も多様化となり、日本語教育のさらなる取組が求められ、高齢化などの新たな課題も出ています。また、昨年四月より創設された新たな残留資格、特定技能が導入され、さらなる取組が求められてくると感じますが、これまでの取組の評価と課題はどうであったのか伺います。  また、外国人の方が地域と共生していく仕組みや高齢化への対応が求められてくる中、外国人に最も身近な市町村に対してどのような支援、連携を今後行っていくのか伺います。  次に、二つ目のテーマとして、教員の多忙化解消に向けた取組について伺います。  質問の前に、教育委員会におかれましては、このたびの新型コロナウイルスにおける緊急対応として、先日、学校の一斉休業に関する総理要請に伴う対応について、迅速かつ適切に取り組んでいただいていることに敬意と感謝を申し上げたいと思います。  さて、昨年十二月の第二百回国会において成立した公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律、以下、給特法と呼ばせていただきますが、今回のこの法改正では、一つ目として、昨年一月に策定した公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインを法的根拠のある指針に格上げをすること、二つ目として、休日のまとめ取りのため、一年単位の変形労働時間制を条例で選択的に活用できることであります。  今回の質問は、先ほど申し上げました改正点の一つ目である勤務時間の上限に関するガイドラインであります。この背景にあるのは、教員の長時間労働であることは言うまでもありません。  二〇一八年九月に文部科学省が公表した教員勤務実態調査では、公立学校の小学校教諭の三割、中学校の教諭の六割が過労死ラインに当たる月八十時間を超える時間外労働を行っていることが分かりました。  また、国際的に見ても、経済協力開発機構(OECD)が六月に発表した国際調査では、日本の小中学校の教員の一週間の勤務時間は、小学校で五十四時間、中学校では五十六時間に上り、加盟国等四十八か国中、最も長いことが示されました。  また、教員の確保においても、教育実習で仕事の多さに圧倒され、教師の夢を諦める学生が後を絶たないとも言われ、そのことが教員採用試験の倍率低下に現れてきています。  また、今回の法改正の中で、ガイドラインが法的根拠のある指針に格上げとなりましたが、このガイドラインには、一切の制裁機能が備えられていなく、あくまで目安であることであります。つまり、制裁機能を持たない仕組みとは、例えると、底の抜けたたるとも言われています。  また、教育現場でも、ベテラン教師と若手教師を含めた教師間の間でも温度差があり、教師が教育者か、それとも労働者かという議論まで拡大をしてきています。  このような実態も踏まえ、愛知県におきましては、この指摘を受ける前の二〇一七年三月に教員の多忙化解消プランを策定して、教員の時間外の月当たりの在校時間八十時間超えを今年度末の三か年でゼロ、来年度となる四年目からはゼロを継続しつつ、国の働き方改革の動向を注視し、新たな目標を設定することで取り組んでいます。  しかしながら、十二月議会で、新政あいち県議団、嶋口政策調査会長からの代表質問の中で、勤務時間外の在校時間八十時間を超える教員全てをゼロにする目標達成は厳しい状況にあると考えている旨の答弁がありました。私自身、あの答弁を聞いて大変残念であったことは、十二月議会の時点でギブアップをするではなく、最後の最後までぎりぎりの取組、例えばこの二月議会の発言でもよかったと思うからであります。  二〇一七年三月に愛知県が策定した多忙化解消プランにのっとって、同時に県が策定したプランを基に取り組んでいる自治体にとっては、ぎりぎりまで頑張る姿勢を見せてほしかった思いがあるからであります。  そこで伺います。  これまでの取組についてどう総括するのか。そもそも計画策定時の現状把握とその対応・対策等の取組についてきちんと分析されたのか。例えばこの施策をすると、どのくらいの負荷が軽減できるかなど、定量的に抑えて立案されたのか。あわせて、これまでの取組期間中に教育現場である自治体の学校現場、教育委員会の声をどれだけ把握して取り組まれたのか伺います。  次に、先ほど触れました給特法が改正され、月当たりの勤務時間外の在校時間が四十五時間を上限とすることになることに対しての受け止めについて伺います。  あわせて、現行プランの見直しを検討していくとのことですが、国の法改正を受け、どのような観点で反映させるのか。現状のプランの目標を達成できなかった反省に立った上、どう取り組んでいるのか伺います。  今回の質問を組み立てるに当たりまして、県立学校と市町村立学校における制度上も含めた温度差を感じました。特に市町村立学校への対応であります。市町村立学校の先生も、県立学校の先生も同じ愛知県採用であります。しかし、服務監督権はそれぞれの市町村立教育委員会であることから、具体的な取組について、それぞれの自治体が主体的に取り組むとされています。  私は、教員の方も皆さんと同じ愛知県の採用であることから、県教育委員会として、もう少しイニシアチブを執っていただけることを前提とした具体的な施策、取組に期待して、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 36: ◯労働局長井上貴弘君) 従業員が安心して働ける環境づくりについてのお尋ねのうち、まず、子育て支援や介護問題についての取組についてお答えいたします。  少子・高齢化により人手不足が深刻化する中、従業員が子育てや介護など様々な問題を抱えながらも働き続けられる環境を整備することは、重要な課題であると認識しております。  これまで本県では、仕事と子育てや介護との両立に積極的に取り組む企業を応援するため、ファミリー・フレンドリー企業の登録を行っております。登録数は毎年着実に増加しており、本年一月末現在で千四百三十九社に上り、企業における両立への理解は進んできております。  しかしながら、従業員が安心して働き続けられる環境づくりには、このような企業における理解を促進するとともに、個々の従業員に寄り添った支援を充実させていく必要があると考えております。  そのため、子育てとの両立に向けては、今年度から子育てをしながら働く女性を講師に招き、体験談を聞くセミナーを開催しております。参加者からは、理想の働き方のヒントが見つけられた、参加して前向きになれたなど好評であったため、来年度は回数を増やし、さらに内容の充実に努めてまいります。  また、介護との両立に向けては、中小企業における介護離職の防止をテーマにした啓発動画をウエブサイトで公開し、社内研修を通じた従業員への啓発を中小企業に促すとともに、県内全てのケーブルテレビでも放映することとしております。  来年度は、中小企業の経営者を対象としたワークショップを開催して両立支援モデルをまとめ、フォーラムの開催などにより普及に努め、従業員の介護離職の防止につなげてまいります。  今後とも、従業員に寄り添った取組を通じて、子育てや介護を続けながら安心して働ける環境づくりにしっかりと取り組んでまいります。  次に、市町村に対する支援や市町村との連携についてお答えいたします。  従業員が子育てや介護を続けながら安心して働くことのできる環境を整備するためには、地域において様々な事業を展開し、子育てや介護の現状をよく知る市町村との連携を図り、きめ細やかな取組を行うことが重要であると考えております。  そこで、子育て女性の就労について市町村を支援するため、名古屋市内に設置しているあいち子育て女性再就職サポートセンターのキャリアカウンセラーを市町村に派遣し、センターまで相談に来ることができない子育て女性が地元で相談できるようにしております。  今年度、二十六の市町から派遣の希望があり、派遣した市町村や利用者からは、事業を評価する声や派遣回数の増加を望む声が出ております。  そこで、来年度は、これまで派遣した実績がない市町村にも事業の効果を詳しく説明して利用を働きかけ、子育て女性に寄り添った支援がより多くの市町村に広がるよう努めてまいります。  次に、仕事と介護の両立支援に向けては、来年度から市町村と連携して地元の企業を訪問し、県が作成したマニュアルや事例集を使って仕事と介護を両立しやすい職場風土づくりや、他社の支援制度の事例を紹介することにより、それぞれの企業に合った取組を促す事業を開始いたします。  今後も市町村との緊密な連携を図り、全ての人が安心して生き生きと働くことができる環境づくりを県内全域に広げてまいります。 37: ◯県民文化局長齋木博行君) 外国人材の受入れ・共生に関する御質問のうち、初めに、これまでの取組の評価と課題についてお答えをいたします。  二〇一八年三月に多文化共生社会づくりに関する基本指針である、あいち多文化共生推進プラン二〇二二を策定し、全庁挙げて、福祉、医療、教育、防災など、外国人県民のライフサイクルに応じた継続的な支援を行うこととしており、これまでも多文化子育てサロンの設置や、地域における初期日本語教育の実施、あいち医療通訳システムや愛知県災害多言語支援センターの運営など、プランに掲げた施策を着実に推進してまいりました。  また、新たな在留資格、特定技能の創設に先立ち、昨年二月、本県が呼びかけて、この地域の国の関係機関や経済団体、労働者団体などとあいち外国人材適正受入れ・共生推進協議会を立ち上げ、地域が一丸となって外国人材の労働環境、生活環境の整備、日本語学習、日本語教育の充実に取り組むことといたしました。  その結果、昨年十一月から、本県の外国人相談窓口であるあいち多文化共生センターにおいて、名古屋出入国在留管理局や愛知労働局と連携した専門相談を開始したところであり、これまで以上に共生に向けた取組が進展するなどの成果を上げております。  一方で、議員御指摘のとおり、外国人県民の永住化や多国籍化に伴い、地域との共生の仕組みや高齢化への対応といった新たな課題も顕在化しており、外国人県民が労働者としてだけでなく、生活者として地域に定着していくため、本県としてさらなる取組を推進していく必要があると認識しております。  次に、外国人県民が地域と共生していく仕組みや高齢化への対応に関する市町村への支援、連携についてであります。  外国人県民の皆様が地域に円滑に受け入れられ、安心して暮らしていくためには、とりわけ日本語教育の充実が重要であると認識しております。  そこで、来年度、市町村等が実施する地域日本語教育に関する事業を補助対象とした愛知県地域日本語教育推進補助金を創設し、プレスクール、多文化子育てサロン、初期日本語教育などの事業について支援するとともに、市町村や国際交流協会の職員が参加する地域日本語教育ネットワーク会議を新たに開催し、日本語教育に関する情報交換や意見交換を行うなど、市町村等との連携を強化してまいります。  また、外国人の高齢化への対応につきましては、永住化の進展により、今後さらにその割合が増えていくことが予想されることから、新たに介護や社会保障制度といった高齢化に伴う諸課題について、県内外国人高齢者の実態を調査するとともに、その支援を行う際に活用できる啓発資材を作成し、介護支援者の多文化共生への理解促進を図っていくこととしております。  具体的には、介護認定調査員やケアマネジャーなどが外国人高齢者に接する際の参考となるよう、文化や習慣の違いなどを分かりやすくまとめたリーフレットを作成するとともに、外国人高齢者が介護に関する専門用語や認定の流れについてスムーズに理解できるよう、六言語でリーフレットを作成し、市町村や地域における介護等の現場に普及をしてまいります。  こうした県の取組により、外国人に最も身近な市町村をしっかり支援し、連携を強化していくことで、外国人県民の皆様が安心して働き、暮らすことができる多文化共生社会を実現してまいります。 38: ◯教育長(長谷川洋君) 教員の多忙化解消についてのお尋ねのうち、まず、これまでの取組の総括についてお答えをいたします。  多忙化解消プランの策定に当たりましては、二〇一五年に既にタイムカードによる勤務時間管理を行っていた中学校の教員の在校時間記録に基づきまして、どのような要因で勤務時間外の在校時間が八十時間を超えているかについて分析を行いました。  その結果、長時間労働の要因としては、部活動指導が四四%、学習指導と校務分掌が三五%、学級・学年事務が一六%という状況になっておりまして、部活動指導が中学校教員の時間外労働に大きく占めている実態や、業務改善に向けた学校マネジメントを進めていくことの必要性などの課題が明らかになりました。  このような現状分析を踏まえ、二〇一六年五月に有識者によるプロジェクトチームを設置し、半年にわたる検討の後、その提言に基づきまして、二〇一七年三月に教育委員会として多忙化解消プランを策定し、在校時間管理の適正化、業務改善に向けた学校マネジメントの推進、部活動指導に関わる負担の軽減、そして、業務改善と環境整備の四つの柱によりまして取組を進めることとしたものでございます。  また、市町村教育委員会や学校関係者の声の把握ということにつきましては、二〇一四年に二十名を超える県内の市町村教育長や校長さんなどを訪問しまして、多忙化の要因とその対策についてヒアリングを行いました。  さらに、プラン策定後は、毎年度末にフォローアップ会議を開催しまして、市町村教育長や教職員と意見交換、取組の検証を行っているところでございます。  こうした取組の結果、今年度の勤務時間外の在校時間が八十時間を超える教員の割合は、プラン策定時に比べ、三割から四割程度減少しておりまして、また、市町村や学校によってはゼロ%となったところもございまして、多忙化解消に向けた取組は着実に進んでいるものと考えておりますが、ゼロ%とする目標は達成できませんでした。今後、一層の取組の強化が必要であると考えております。  次に、法改正により勤務時間外の在校時間の上限が月四十五時間となることへの受け止めと今後の取組についてお答えをいたします。  今回、法的に位置づけられた国の指針では、教員の服務監督権を持つ教育委員会は、ICTの活用やタイムカード等により教員の在校時間を客観的に計測するとともに、この上限時間を実現していくため、各教員の業務量の適切な管理を行っていくこととされております。  具体的には、教育委員会は上限時間を踏まえた各学校の取組状況を把握するとともに、在校時間等の長時間化を防ぐために、各教員の業務分担の見直しや適正化、必要な環境整備等の取組を実施し、上限時間を超えた場合には、事後的な検証を行うことなどが求められております。  これまで本県では、多忙化解消プランに基づき、教員の健康を確保するため、勤務時間外の在校時間が月八十時間を超える割合をゼロにするということを目標に取り組んでまいりましたが、今後は教員一人一人の業務量や勤務時間について、より厳格な労務管理が必要になるものと受け止めております。  来年度はこうした国の指針の趣旨を十分に踏まえ、現行の多忙化解消プランの取組の成果と課題を整理した上で、全ての学校で在校時間を客観的に把握できる体制の整備や校務分掌の見直し、外部人材の配置の拡充など、上限時間を守るための実効性のある具体的な取組について検討いたしまして、市町村教育委員会とも連携、協力しながらあらゆる手だてを尽くして、学校における働き方改革に取り組んでまいりたいと考えております。 39: ◯三番(桜井秀樹君) それぞれ丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  それでは、一点、要望させていただきます。  教員の多忙化解消であります。この問題は昨年の決算特別委員会でも取り上げさせていただきました。三か年かけて時間外労働時間八十時間超えをゼロ、解消できなかった事実、それに加えて、給特法の改正により、時間外労働時間を四十五時間以内になることに対して、業務改廃のみに頼ることに対して、私は限界が来ていると思います。  やはり教員の数が不足していると感じます。すなわち、教員の定数拡大の議論をする時期に来ていると思っております。  定数に関しては国の方針があり、それを県条例で定めていることは承知をしていますが、県独自で定めることは不可能ではないと理解しています。  今回、私が質問したのは、あくまでも多忙化解消プランへの取組であり、多忙化軽減プランではなく、また、多忙化低減プランでもありません。全ての教員の方が皆さんと同じ時間外労働時間四十五時間以内になることを要望し、終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 40: ◯四十番(寺西むつみ君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 41: ◯議長(神野博史君) 寺西むつみ議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 42: ◯議長(神野博史君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後二時三十五分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時四十分開議 43: ◯副議長(堀嵜純一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  神戸健太郎議員。     〔四十六番神戸健太郎君登壇〕(拍手) 44: ◯四十六番(神戸健太郎君) それでは、通告に従いまして、質問を進めさせていただきます。  まず初めに、消費生活における安心・安全の確保についてお尋ねをいたします。  県民が安心して安全で豊かな消費生活を送ることができるように、本県では、消費者行政推進計画を策定し、様々な施策を推進しています。そのような中、最近の消費者を取り巻く状況について見てまいりたいと思います。
     高度情報化、国際化、そして、高齢化が進展し、消費者を取り巻く環境が大きく変化する中で、消費者問題はますます複雑化、多様化してきております。  消費生活の安心・安全を揺るがすような被害や事故は、残念ながら後を絶たない状況が続いています。  県によれば、昨今のスマートフォンの急速な普及を背景として、インターネット経由の通信販売、いわゆるネット通販が拡大をする中で、それに伴うトラブルも多くなっており、ネット通販に関する相談は、相談件数全体の五分の一を占めているとのことであります。  例えばこれは、昨年十二月十三日の中日新聞の記事でありますが、お試しのはずが定期購入にという見出しで、健康食品や化粧品の定期購入に関するトラブルが取り上げられていました。  これは、県が取りまとめた発表資料を基に書かれたものでありますが、紹介されている事例では、二十代の女性がネット通販でモニター価格五百円というダイエットサプリを一回限りのお試しのつもりで注文したら、間もなく二回目の商品が送られてきたということであります。女性が販売元に確認をすると、定期購入になっているため、返品はできないというものでありました。  こうした定期購入に関するトラブルは若者を中心に急増しているとのことであります。その原因については、国民生活センターによれば、契約内容や返品特約の表示が離れた場所やリンク先にあったり、文字が小さかったりする、最終確認画面でも契約総額は表示されず、初回金額しか表示されないといった手口が指摘されており、利用に当たっては、購入が必要な回数、支払いの総額、解約の条件などをしっかり確認するように注意を呼びかけております。  また、最近は、SNSをきっかけにした消費者トラブルも多発しているようであります。SNSで知り合った友人から、絶対にもうかると誘われて、投資のノウハウを借金をして購入をしたが、話が違うのでやめたいとして、深刻な消費者トラブルに発展したケースも報告をされています。  県によれば、こうしたSNSをきっかけとした消費者トラブルの相談件数は、この五年間で三倍に増加しているとのことであります。  一方、高齢者の消費者被害も深刻でありまして、例えば法務省などの公的機関を語り、未払い料金の最終告知と称したはがきを送りつけ、裁判の取下げ費用などの名目で金銭をだまし取る、いわゆる架空請求、高配当が得られるなどと言葉巧みに信用させ、事業への出資を誘うなど、高齢者を狙う悪質商法が横行しています。  県内の消費生活相談窓口に寄せられた相談のうち、七十歳以上からの相談件数が最も多くなっているとのことであり、高齢者の消費者被害防止の一層の取組が望まれるところであります。  こうした状況以外にも大きな動きがあります。  一つ目は、民法改正に伴う成年年齢の引下げであります。  現在、未成年の若者が親権者の同意を得ないで行った契約は、未成年者取消権により取り消すことができますが、二〇二二年四月以降は、十八歳、十九歳は新成人となり、取消権が行使できなくなります。このため、新たに成人となる十八歳、十九歳の消費者被害が増加することが懸念されます。若年者に対する消費者教育の必要性も高まっていると思います。  二つ目は、エシカル消費であります。今日の地球環境の悪化や発展途上国の貧困問題など、世界が多くの深刻な課題に直面する中で、国連が採択した行動指針、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取組が各方面において始まっています。  SDGsの十七の目標のうち、十二番目の作る責任、使う責任においては、消費者に対して持続可能な社会に向けた消費活動が求められています。  この目標の達成に寄与する取組として、エシカル消費に今大きな期待が寄せられています。エシカル消費とは、人や社会、環境に配慮した消費行動であり、具体例としては、発展途上国の労働者に適正な賃金や安全な労働環境を保証する仕組みを持つフェアトレード商品、環境負荷を減らすことができるエコ商品、障害者支援、被災地支援につながる商品の購入、地元で生産されたものを地元で消費する地産地消などが上げられます。  今後、こうした持続可能な社会づくりに向けた消費行動を行政としてもさらに後押ししていくことが求められていると考えます。  そこでお尋ねします。  本県では、現在、来年度から五年間の新しい計画となる第三次愛知県消費者行政推進計画、あいち消費者安心プラン二〇二四の策定を進めており、今年度内に公表する予定とのことであります。  新しい計画では、これまで申し述べてきた消費者を取り巻く状況の変化を踏まえてどのような取組を進めていくのか、特に現行計画にはない新しい内容としては、どのようなものを盛り込んでいこうとしているのか、お伺いいたします。  続きまして、二番目の質問、就職氷河期世代への就業支援についてお尋ねいたします。  この就職氷河期世代とは、平成五年から平成十六年までの間に就職活動を行い、バブル崩壊後の景気悪化に伴う新卒採用の急激な抑制と高校や大学の卒業時期が重なった世代を指し、年齢で言いますと、現在三十歳代の半ばから四十歳代の半ばに至る世代であります。  当時の雇用情勢は、平成四年の有効求人倍率が一・八六倍であったものが、平成六年には〇・七二倍と一倍を下回った後、平成十一年には〇・五六倍まで落ち込み、平成十六年に一・四〇倍に回復するまでの間、十年間連続して一倍を下回る状況が続きました。  また、県が平成六年度から調査している大学等の新規学卒者の就職内定率についても、平成十五年度卒業者は、過去最低の八九・〇%となるなど、厳しい状況に置かれていました。  一方で、経済情勢だけではなく、雇用規制の緩和もあったと思います。この世代が就職する時期、従来は専門職に限られていた派遣労働者の対象が事務職を含めて一気に拡大され、働き方の選択肢が増えるというような宣伝もあって、正社員の道を選ばない方が増えたという側面もあったと思います。  しかしながら、就職氷河期世代には、総じて本人ではいかんともし難い経済情勢、雇用情勢の悪化により、正社員としての就職ができずに非正規雇用を余儀なくされた方々が多数みえて、本人に能力があっても生かすことが難しい状況にあったことは、広く知られているところであります。  現在の雇用情勢は、景気の回復基調に伴い改善しており、昨年十二月の有効求人倍率は一・八二倍と、依然高い水準であり、中小企業を中心に深刻な人手不足が続いています。  また、大学生等の就職内定率についても、平成三十一年三月卒業者は九七・六%と、調査開始以来の最高水準となっています。  このように、雇用情勢は大幅に改善されているにもかかわらず、就職氷河期世代で今でも不安定就労が続いている方々は、国の統計によりますと、県内に約三万二千人に上っているとのことであります。  能力が高い方も多数みえるのに、この世代の正規雇用が進まない要因としては、求職者が不採用の経験を繰り返し、非正規雇用の状態が長くなる中で、就職活動を行う意欲自体が失せてしまった方が多くなったこと、また、非正規雇用において単純な職務に従事していた方も多く、正規雇用と比べて、職業能力を身につける機会に恵まれなかった方が多いことなどが挙げられています。  このような状況の方々を支援するためには、必要に応じてメンタル面からのサポートも行いながら、就労意欲を呼び起こすとともに、安定就労に結びつきやすい資格取得や、実践的な職業訓練などの就職支援を行っていくことが必要であると思います。  一方で、雇い入れる企業側では、新卒者を中心とした若い年齢層を雇用する傾向が続いており、長年非正規雇用となっていた方の職業能力を必ずしも適正に評価しているとは言えない状況かと思います。  このような企業側の認識も変えていかなければ、求職者だけを支援しても、結果として正規雇用にはつながらないことが懸念されます。  就職氷河期世代の就業支援は、遅きに失した感さえありますが、喫緊の課題であり、国は、安定的に予算を確保して、今後三年間で集中的に取り組むとしており、本県でも、全国に先駆けて行政や経済団体、労働団体などが参画するあいち就職氷河期世代活躍支援プラットフォームを昨年十月に立ち上げ、官民が一体となって取り組んでいくと聞いております。  正社員就職に向けた支援では、就職活動の最中から就職した後までを支援することが重要であり、このためには、これまでに本県が行ってきた取組、ヤング・ジョブ・あいちにおける職業紹介や個別相談などの取組に加えて、さらに求職者に寄り添った実践的な取組を新たに進めていくことが必要であると思います。  また、求職者への取組をより実効性のあるものとするためには、雇い入れる企業に対しても、就職氷河期世代の雇用を推進するように働きかけをしていかなければならないと思います。  そこで、本県における取組について、二点お尋ねいたします。  まず初めに、就職氷河期世代の雇用の促進を図るため、求職者への就業支援を今後どのように充実させていくのか、新しい取組を中心にお尋ねいたします。  次に、企業に対しては、就職氷河期世代の雇用を促すため、今後どのような取組を行っていくのかお尋ねいたします。  三番目の質問、県営住宅の整備についてお尋ねをいたします。  本県では、現在、約五万八千戸の県営住宅を管理していますが、そのうち、昭和五十年代以前に建設された住宅が約三万三千戸あり、全体の六割弱を占めています。これらの住宅の中で、住戸が狭く、エレベーターが設置できない老朽化した住宅については、順次建て替えを進めておりますが、エレベーターが設置されている住宅については、設備や配管の更新、バリアフリー化などの改修工事を行い、機能の維持や向上を図りながら活用を続けている状況であると認識をしております。  改めて言うまでもなく、県営住宅には住宅に困窮する方々へのセーフティネットとしての役割があり、県民から大きな期待を受けています。今後の整備に際しては、入居者の多様化するニーズも踏まえながら、将来にわたって良好な住環境を提供するための見通しを持った上で、様々な工夫をすることが必要であると思います。  一方で、県営住宅といえども公共施設であるため、その在り方を総量として把握していく必要もあります。将来的な社会動向として示される本県の人口や世帯数は、基礎数値として参考にしていかなければならないと思います。  現在、パブリックコメントが行われております第二期愛知県人口ビジョン・まち・ひと・しごと創生総合戦略において、本県人口は、出生率が現状程度で推移する場合には二〇二〇年頃に、出生率が上昇する場合でも二〇二五年頃にピークを迎え、その後は減少に転じると推計されています。  また、本県の世帯数につきましては、国立社会保障・人口問題研究所が公表した日本の世帯数の将来統計によりますと、二〇三〇年頃にピークを迎え、その数は減少に転じると推計されています。  そこでお尋ねいたします。  県営住宅を計画的に建て替えや改修をしていく際に、長期的な視点を踏まえた対応についてどのように考えているのかお伺いいたします。  続きまして、県営住宅の建て替えと改修を進めてきている中で、具体的な課題を上げさせていただき、当局の所見をお尋ねしたいと思います。  まずは、建て替え時の課題であります。  高齢化の進展に伴い、県営住宅において、七十歳以上の独り暮らし世帯の割合は、この十年で七・八%から一五・八%に増えており、また、入居者全体に占める七十歳以上の方の割合も二三・五%と、本県全体の割合一六・九%よりも随分高くなっていると聞いております。  こうした方々が、エレベーターが設置されていない住宅の上層階に住んだ場合、階段の上り下りは、日常生活において大変な負担になっていることは想像に難くありません。実際にエレベーターが設置されていない住宅では、上層階ほど空き家が多く、四階では約三割、五階では半分近くが空き家になっているようであります。  エレベーターが設置されていない住宅を中心にして、順次建て替えが進められているわけでありますが、入居者に対しては、特に高齢の入居者に対しては、丁寧なきめ細かい対応が必要であると思います。  国からの予算措置の影響を受けるため、なかなか計画どおりには進まないことは理解できますが、入居者にとっては、住む場所や住まい方に大きく影響する問題であるため、できるだけ早めに情報を提供して、準備のための期間を確保していただきたいと思います。  そこでお尋ねいたします。  建て替え事業を進める際の入居者への情報提供をどのように行っていくのか、当局のお考えをお尋ねいたします。  次に、改修の内容についてであります。  入居者から実際にお聞きした要望などについて御紹介したいと思います。  まず、バリアフリー化についてでありますが、高齢の方が手押し車を押して移動するとき、団地内のちょっとした段差でも通行の支障になるので極力なくしてほしい、あるいは、階段はもちろん、一、二段の段差であっても手すりが必要といった要望をお聞きしております。  このほか、小さな電灯スイッチを指先で押すのが大変なので、大型化して手のひらで押せるようにしてほしいといった声もあるようです。  また、近年では、浴槽や風呂釜などの風呂設備を県で設置してほしいとの声をお聞きしております。この風呂設備は、昭和六十一年度管理開始分から県が設置するようになりましたが、それ以前は、入居者の自前設置でありまして、昨今の賃貸住宅事情から考えると、やや時代遅れの感がするわけであります。  本県では、昨年度から風呂設備の設置に本格的に取り組み始め、居住環境の向上を目指して対応を始めたことは評価できることでありますが、引き続きこうした取組を進めていただきたいと思います。  県営住宅の整備は、量的な充足から、バリアフリー化、住戸面積の拡大、品質の確保など、質の向上に軸足を移してきていると思いますが、こうした入居者の意見には今後もしっかりと耳を傾けながら、居住環境の向上や入居者の安全・安心の確保に努めていただきたいと思います。  そこでお尋ねいたします。  県営住宅の改修についてどのような取組を行っていくのか、当局の御所見をお伺いいたします。  以上、明快な答弁を期待いたしまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 45: ◯県民文化局長齋木博行君) 消費生活における安心・安全の確保についてお答えをいたします。  消費者トラブルが複雑化、多様化し、新たな手口による被害が次々と生じる中で、被害に遭われる方を一人でも減らしていくことが県の責務であると考えております。  このため、本県では、二〇一〇年度から消費者行政推進計画を策定し、この計画に基づき、消費者被害の救済、未然防止など、県民の消費生活に関する施策を総合的、計画的に推進してまいりました。  現在策定中の新たな計画では、高度情報化や国際化の進展など新たな課題にも的確に対応できるよう、愛知県消費生活総合センターに専門分野チームを設置して調査研究機能を強化するとともに、あいち多文化共生センターと連携し、多言語による相談体制を構築してまいります。  あわせて、巡回指導や相談員研修など、市町村への支援を充実・強化し、県と市町村が一体となって消費者問題解決力の高い地域づくりを進めてまいります。  また、とりわけ被害が深刻な高齢者を守るためには、周りの人たちが高齢者の異変に気づいた場合に相談機関につなぐなど、地域で見守るネットワークの構築が必要であります。  市町村のネットワークは、本年二月末現在、十二市で設置され、人口カバー率は約六割となっておりますが、次期計画では、この取組が県内全域に広がるよう、会議や研修などを通じ、市町村に働きかけてまいります。  さらに、現行計画にはない新たな取組として、まず、成年年齢の引下げへの対応につきましては、若者自らが消費者トラブルに遭うことなく合理的な判断が行えるよう、消費者教育に係る実践的な授業を全ての県立高校、特別支援学校において実施するとともに、私立学校などに対しても、その実施を働きかけてまいります。  次に、エシカル消費への対応につきましては、新たにポータルサイトを開設し、人や社会、環境に配慮した消費行動を応援する団体の取組を紹介するとともに、出前講座などにおいても、その理念を広く普及啓発してまいります。  今後とも、新しい計画の下で、国や市町村、関係機関としっかり連携を図りながら、県民の皆様が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができるよう取り組んでまいります。 46: ◯労働局長井上貴弘君) 就職氷河期世代の求職者への就業支援の充実についてお答えいたします。  就職氷河期世代で大学等を卒業後、正規雇用を希望しながら非正規雇用や派遣などの不安定就労を余儀なくされている方や、就職活動がうまくいかず、就職への意欲が低下した方の就職活動を支援するためには、精神面のサポートを含めたきめ細やかな対応が不可欠であると認識しております。  こうした方々に対しては、これまでもヤング・ジョブ・あいち内のあいち若者職業支援センターにおいて、臨床心理士やキャリアコンサルタントの資格を持つ相談員による個別相談を実施しておりますが、来年度からは、相談員を増員して精神面のサポートを充実させてまいります。  また、就職活動に関する悩みや不安の解消、コミュニケーション能力等の向上を図るための講座を来年度から新たに開催し、安心して就職活動に取り組んでいただけるよう後押ししてまいります。  さらに、座学訓練と職場実習を組み合わせた実践的な訓練や、介護福祉士や自動車整備士など正規雇用に結びつきやすい資格の取得を目指した訓練を高等技術専門校で実施し、職業能力の向上を支援してまいります。  こうした取組を通じて、就職氷河期世代の方々が勤労意欲を高め、安定就労につながる資格や技能を身につけることにより希望する仕事に就くことができるよう、きめ細やかに支援してまいります。  次に、企業に対して就職氷河期世代の方の雇用を促すための取組についてお答えいたします。  就職氷河期世代の正規雇用を促進するためには、雇い入れる企業側において、年齢や長い間、非正規雇用であることなどを理由に採用をちゅうちょすることがないよう企業側の意識を変え、雇用に取り組んでいただくことが必要であると考えております。  このため、来年度は就職氷河期世代の方々の持つ経験や能力を正しく評価し、採用していただくことを目的とする企業向けのセミナーを開催いたします。  また、多くの企業に就職氷河期世代の雇用に取り組んでいただくため、あいち就職氷河期世代活躍支援プラットフォームに参加している経済団体や業界団体を通じて、それぞれの会員企業に就職氷河期世代の求人募集を強く働きかけてまいります。  さらに、こうした働きかけにより掘り起こされた求人と求職者とのマッチング機会を提供するため、就職氷河期世代に限定した就職面接会を開催いたします。  こうした取組により、就職氷河期世代の方に多くの正規雇用の場が確保されるよう企業側の意識改革を促すとともに、就職氷河期世代の雇用をしっかりと働きかけてまいります。 47: ◯建築局長(砂原和幸君) 県営住宅の整備についての御質問をいただきました。  初めに、県営住宅を計画的に建て替えや改善をしていく際の長期的な視点を踏まえた対応についてでございます。  県営住宅の整備につきましては、二〇一〇年三月に策定しました愛知県営住宅長寿命化計画に基づき実施しておりますが、計画期間が今年度末で満了となることから、現在、次期計画の策定に取り組んでいるところでございます。  計画の策定に当たり、施設総量につきましては、県営住宅の現状や、人口、世帯数の将来的な動向を踏まえた上で、将来にわたって県営住宅を効率的に管理・運営できるよう定めていくことが重要と考えております。  まず、本県の県営住宅の現状についてでございます。  県営住宅の空き家は、建て替え事業の実施のために必要となるものなどを除くと約五千五百戸あり、管理戸数約五万八千戸の一割弱となっております。また、本県の人口、世帯数につきましては、議員御指摘のとおり、近い将来にピークを迎え、減少に転じると予測されております。こうしたことから、県営住宅の管理戸数は、将来的には現状から一割を超える削減となると考えられます。  一方で、長寿命化計画の策定に当たり、国から示された推計プログラムを用いると、本県の公営住宅の対象となる世帯数は、今後三十年間で約二割減少することとなっております。  以上のことを考え合わせると、将来的に必要とされる施設総量につきましては、管理戸数を三十年後の二〇四九年度までに一割から二割程度削減することを目標としてまいります。  なお、管理戸数を削減する一方で、老朽化住宅の建て替えを計画的に進め、良質な住宅に更新するとともに、入居者のニーズに応じた既存ストックの改善を実施することにより、居住環境の向上に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、建て替え事業を進める際の入居者への情報提供をどのように行っていくのかについてでございます。  建て替え事業を行う場合の一般的な流れとしましては、建て替えの進め方や移転の時期などの計画を策定した後、入居者の方々に移転をお願いするおよそ一年半前に事前説明会、一年前に正式説明会を行い、移転準備を進めていただきます。その後、古い住棟の取壊し、新しい住棟の建設を経て、新居にお住まいいただくことになります。  本県では、現在、次期愛知県営住宅長寿命化計画の策定を進めており、その中で、今後五年間で新たに建て替え事業に着手する住宅を検討しております。  計画査定策定後には、自治会に対して早期に情報を提供し、入居者の方々が準備期間を十分に確保して、より円滑に移転ができるよう配慮してまいりたいと考えております。
     続いて、県営住宅の改修についてどのような取組を行っていくのかについてでございます。  高齢化が進展する中、県営住宅においても、高齢の入居者の方々が安全・安心で快適に暮らすことができるよう、居住環境の整備を行うことが必要となっております。  そこで、本県では、これまでに一万三千戸余りにおいて、住戸内外の段差解消や手すりの設置、電灯スイッチの大型化などのバリアフリー化を進めてまいりました。  また、昨年度からは、建設年度が古く、新築時に風呂設備が設置されていない既存住戸に対しまして風呂設備を設置する取組も本格的に開始しており、昨年度は百六戸、今年度も百戸で設置を進めているところでございます。  今後も県営住宅の入居者からの御要望に応じた改善を続けつつ、入居を希望される方の御要望等も取り入れながら、改善内容の見直しを図ってまいります。  こうした既存ストックの活用もしっかりと進めながら、県営住宅が引き続き住宅セーフティネットの中核としての役割を果たしていけるよう、安全・安心で快適に暮らすことができる整備を行ってまいりたいと考えております。 48: ◯知事大村秀章君) 神戸健太郎議員の質問のうち、就職氷河期世代への就業支援について、私からもお答えをいたします。  本県は、厚い産業集積に支えられた安定した雇用環境を有しておりまして、就職氷河期世代への就業支援において大きな役割を果たしていかなければならないと認識しております。  一人でも多くの就職氷河期世代の方が希望する職を得て活躍していただくためには、一人一人の状況に応じたきめ細やかな支援を行うとともに、できるだけ多くの企業が就職氷河期世代の雇用に取り組んでいただくことが不可欠でありまして、先月、プラットフォームにおきまして、官民一体となって支援に取り組むための事業実施計画を全国に先駆けて策定したところであります。  この計画に基づきまして、求職者に対しましては、精神面のサポートを含めた相談体制の充実に加え、就職活動や職業能力の向上への支援に取り組んでまいります。  また、企業に対しては、就職氷河期世代に対する意識改革を促し、積極的な雇用を働きかけるとともに、就職後の職場定着についても、職場への定着を支援する人材の養成や魅力ある職場づくりを支援してまいります。  これらの取組の実効性を高めるためには、社会全体の理解や協力が不可欠であるため、プラットフォームで採択をいたしましたあいち就職氷河期世代応援宣言を広く周知し、機運の醸成に取り組んでまいりたいと考えております。  こうした取組を通じまして、就職氷河期世代を力強く支援することにより、全ての人が輝く愛知の実現につなげてまいりたいと思っております。 49: ◯四十六番(神戸健太郎君) それぞれ御答弁をいただきました。また、知事からも答弁をいただきまして、ありがとうございました。  特に就職氷河期の就業支援につきまして、少し申し述べさせていただきます。  先ほどの質問の中で、県内で三万二千人の方が不安定な就労状態にあると申し上げましたが、これは、三十五歳から四十四歳までで、正規就労を望んではいるが、現在非正規雇用である方の数でありまして、その就業支援は、御答弁のあった労働局が担っています。  この方々とは別に、就業に就いていない方が二万三千人ほどみえて、本日の質問には含まれていませんが、福祉局や保健医療局において、社会参加に向けた様々な支援を行っています。  合計しますと、本県では、三十五歳から四十四歳までで、五万五千人もの方が不安定な就労状態、もしくは無就労状態であったりするわけであります。  少子・高齢化、人口減少社会を迎える中で、本県が活力を維持、拡大していくためには、これらの方々が活躍できる社会を作っていくこと、このことが本当に求められていると思います。  今後も、各部局が連携をして施策の推進に当たっていただきますよう要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。     〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕 50: ◯副議長(堀嵜純一君) 議事進行いたします。  水野富夫議員。 51: ◯百一番(水野富夫君) 議長にお伺いしますけど、まだ一般質問の通告者はおります。なぜこれで打ち切ったんですか。新しいものに入らんのは何時ですか。一度これ、説明していただきたいと思います。  それと、打ち切ったのは、議運で開かれて決められたことですか。ルールを全く無視したやり方がいいんですか。この辺の取り計りを議長にお伺いします。 52: ◯副議長(堀嵜純一君) 議長においては、打ち切ったわけではなく、議事進行役の動議により議事進行をしようという思いで、今、同時に水野議員と議事進行役との挙手において、議事進行するために水野議員に御発言をいただきました。  動議において、議長においては、議事進行を現在いたしております。 53: ◯百一番(水野富夫君) 議事進行が優先でしょう、優先。それで、今発言したことをどういうふうに取られているんですか。新しいものには何時何分から入らない、これ、一遍説明してください。そうしたら、納得しますけど。     〔「休憩」と呼ぶ者あり〕 54: ◯副議長(堀嵜純一君) 事務局長をして説明させます。 55: ◯事務局長(高須浩君) 失礼いたします。  本県議会の先例では、四時五十分を過ぎて次の質問者に入らないという申合わせはなされております。  以上であります。 56: ◯百一番(水野富夫君) 今、局長から説明があったように、四時五十分、新しいものには入らない。それで、一般質問はまだ残っている、この説明をお願いします、打ち切った。 57: ◯副議長(堀嵜純一君) ただいまの水野議員の質問に対して、議長席からお答えをするのがよいのかどうか分かりませんが、御質問でございますので、議長席からお答えをさせていただこうと思っておりますけれども、一般質問においては、三日間の日程を取っております。議会においては、一般質問以外の日程もこの事後、行われようといたしておりますので、進行役の動議に従って、議長は、本日は散会をし、次の議会日程に移り、一般質問においては、明日、これを時間内で行えるという判断をいたしましたので、議事進行役の動議に従って、本日は散会をしようという思いでございました。 58: ◯百一番(水野富夫君) 進行係はまだ動議を出していないですよ。発言もないですよ。私の議事進行のほうが優先していますよ。今の説明、ちょっと違うんじゃないですか。  だから、一番考えてもらわなあかんのは、まだ一般質問の通告者がおりますよ。それで、局長が、取決め上は、四時五十分を過ぎたら新しいものには入らない、それを全く無視して、四時二十分前から、一人まだやれるでしょう、三十分の持ち時間をやっても。それを何で打ち切ったのか。それと同時に、これが議運で議論されて決められたことですか。  議会というものは、取決めが一番重要ですよ。軽はずみな進行はやめてください。     〔「議長」と呼ぶ者あり〕 59: ◯副議長(堀嵜純一君) 議事進行のため、中野治美議員。 60: ◯八十八番(中野治美君) 暫時休憩を求めます。その間に議運を開いてください。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 61: ◯副議長(堀嵜純一君) 暫時休憩の動議がかかりましたので、この動議に賛成の方の挙手をお願いいたします。挙手を求めます。  訂正。起立だそうでございますので、暫時休憩の動議に対して賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 62: ◯副議長(堀嵜純一君) 起立多数と認めます。  暫時休憩をする前に、この際お諮りをいたします。  会議中に時間経過のおそれがございますので、時間を延長することに決しまして、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 63: ◯副議長(堀嵜純一君) 御異議なしと認めます。  よって、時間は延長することに決定をいたしました。  暫時休憩いたします。     午後四時二十四分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後五時二十分開議 64: ◯副議長(堀嵜純一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  先ほど、水野富夫議員から御指摘のありました件につきましては、議長において、十分留意をいたしますので、御了承お願いいたします。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 65: ◯四十一番(田中泰彦君) 本日はこれをもって散会し、明三月四日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 66: ◯副議長(堀嵜純一君) 田中泰彦議員の動議のとおり決しまして、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 67: ◯副議長(堀嵜純一君) 御異議なしと認めます。  明三月四日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後五時二十一分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...