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  1. 愛知県議会 2020-02-01
    令和2年2月定例会(第7号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 令和2年2月定例会(第7号) 本文 2020-03-09 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 117 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 2 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 3 :  ◯四十三番(政木りか君) 選択 4 :  ◯建設局長林全宏君) 選択 5 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 6 :  ◯二十二番(渡辺靖君) 選択 7 :  ◯農業水産局長中根俊樹君) 選択 8 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 9 :  ◯四十五番(野中泰志君) 選択 10 :  ◯農業水産局長中根俊樹君) 選択 11 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 12 :  ◯四十七番(南部文宏君) 選択 13 :  ◯労働局長井上貴弘君) 選択 14 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 15 :  ◯二十三番(福田喜夫君) 選択 16 :  ◯経済産業局長伊藤浩行君) 選択 17 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 18 :  ◯四十八番(新海正春君) 選択 19 :  ◯農林基盤局長水野康弘君) 選択 20 :  ◯四十八番(新海正春君) 選択 21 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 22 :  ◯四十九番(藤原宏樹君) 選択 23 :  ◯都市整備局長(鎌田裕司君) 選択 24 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 25 :  ◯七十四番(鈴木純君) 選択 26 :  ◯建設局長林全宏君) 選択 27 :  ◯都市整備局長(鎌田裕司君) 選択 28 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 29 :  ◯六十一番(中根義高君) 選択 30 :  ◯建設局長林全宏君) 選択 31 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 32 :  ◯六十四番(いなもと和仁君) 選択 33 :  ◯経済産業局長伊藤浩行君) 選択 34 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 35 :  ◯九十二番(高木ひろし君) 選択 36 :  ◯建築局長(砂原和幸君) 選択 37 :  ◯九十二番(高木ひろし君) 選択 38 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 39 :  ◯六十七番(青山省三君) 選択 40 :  ◯建設局長林全宏君) 選択 41 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 42 :  ◯十五番(神谷まさひろ君) 選択 43 :  ◯経済産業局長伊藤浩行君) 選択 44 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 45 :  ◯五十三番(園山康男君) 選択 46 :  ◯農業水産局長中根俊樹君) 選択 47 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 48 :  ◯百三番(筒井タカヤ君) 選択 49 :  ◯都市整備局長(鎌田裕司君) 選択 50 :  ◯百三番(筒井タカヤ君) 選択 51 :  ◯四十一番(田中泰彦君) 選択 52 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 53 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 54 :  ◯議長(神野博史君) 選択 55 :  ◯七番(平松利英君) 選択 56 :  ◯病院事業庁長(木下平君) 選択 57 :  ◯議長(神野博史君) 選択 58 :  ◯二十番(安井伸治君) 選択 59 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 60 :  ◯議長(神野博史君) 選択 61 :  ◯二十四番(佐藤英俊君) 選択 62 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 63 :  ◯議長(神野博史君) 選択 64 :  ◯三十二番(岡明彦君) 選択 65 :  ◯県民文化局長(齋木博行君) 選択 66 :  ◯議長(神野博史君) 選択 67 :  ◯三十三番(河合洋介君) 選択 68 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 69 :  ◯議長(神野博史君) 選択 70 :  ◯二十五番(鈴木雅博君) 選択 71 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 72 :  ◯議長(神野博史君) 選択 73 :  ◯三十四番(日比たけまさ君) 選択 74 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 75 :  ◯議長(神野博史君) 選択 76 :  ◯二十七番(辻秀樹君) 選択 77 :  ◯スポーツ局長(飯田靖君) 選択 78 :  ◯議長(神野博史君) 選択 79 :  ◯三十番(丹羽洋章君) 選択 80 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 81 :  ◯議長(神野博史君) 選択 82 :  ◯五十七番(谷口知美君) 選択 83 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 84 :  ◯議長(神野博史君) 選択 85 :  ◯六十三番(高桑敏直君) 選択 86 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 87 :  ◯議長(神野博史君) 選択 88 :  ◯七十二番(浅井よしたか君) 選択 89 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 90 :  ◯スポーツ局長(飯田靖君) 選択 91 :  ◯四十番(寺西むつみ君) 選択 92 :  ◯議長(神野博史君) 選択 93 :  ◯議長(神野博史君) 選択 94 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 95 :  ◯五十二番(市川英男君) 選択 96 :  ◯警察本部長(後藤和宏君) 選択 97 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 98 :  ◯十五番(神谷まさひろ君) 選択 99 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 100 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 101 :  ◯七十一番(柴田高伸君) 選択 102 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 103 :  ◯七十一番(柴田高伸君) 選択 104 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 105 :  ◯百三番(筒井タカヤ君) 選択 106 :  ◯警察本部長(後藤和宏君) 選択 107 :  ◯総務局長(横井篤史君) 選択 108 :  ◯病院事業庁長(木下平君) 選択 109 :  ◯百三番(筒井タカヤ君) 選択 110 :  ◯病院事業庁長(木下平君) 選択 111 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 112 :  ◯四十番(寺西むつみ君) 選択 113 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 114 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 115 :  ◯四十一番(田中泰彦君) 選択 116 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 117 :  ◯副議長(堀嵜純一君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時開議 ◯副議長(堀嵜純一君) 皆さん、おはようございます。  ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 第一号議案令和二年度愛知県一般会計予算か       ら第六十二号議案包括外部監査契約の締結につ       いてまで 2: ◯副議長(堀嵜純一君) 第一号議案令和二年度愛知県一般会計予算から第六十二号議案包括外部監査契約の締結についてまでを一括議題といたします。  なお、第十八号議案知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例の制定については、地方自治法等の一部を改正する法律附則第二条第七項の規定により、第十九号議案愛知県公立大学法人に係る地方独立行政法人法第十九条の二第四項の額を定める条例の制定については、地方自治法等の一部を改正する法律附則第四条第六項の規定により、監査委員の意見を徴しましたところ、いずれも妥当なものであると認める旨の回答を受けましたので、御報告いたします。  第十八号議案知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例の制定についてのうち職員に関する事項、第二十号議案愛知県行政機関設置条例の一部を改正する条例中附則第二項職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正について、第二十六号議案職員の給与に関する条例の一部改正について、以上三件の議案について、地方公務員法第五条第二項の規定により、人事委員会の意見を徴しましたところ、いずれも妥当なものであると認める旨の回答を受けましたので、御報告いたします。  第二十一号議案地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十三条第一項の規定に基づく職務権限の特例に関する条例及び愛知県局設置条例の一部を改正する条例中第一条地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十三条第一項の規定に基づく職務権限の特例に関する条例の一部改正については、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十三条第二項の規定により、附則第八項愛知県教育委員会事務処理特例条例の一部改正については、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第五十五条第四項の規定により、教育委員会の意見を徴しましたところ、いずれも妥当なものであると認める旨の回答を受けましたので、御報告いたします。  この際、第一号議案令和二年度愛知県一般会計予算のうち、第一条中歳出第五款経済労働費から第七款建設費までの質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  政木りか議員。 3: ◯四十三番(政木りか君) おはようございます。  本日最初に質問をさせていただく前に、本日は知事のお誕生日ということで、まず一言、お祝い申し上げます。  今は新型コロナウイルスの対応に少しでも時間をお取りいただくために、できるだけコンパクトに質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは、歳出第七款建設費第二項道路橋りょう費第一目道路橋りょう管理費の道路事業費、道路整備交付金事業費に関連して、自転車通行空間の整備について伺います。  二〇一七年五月に、自転車の活用による環境負荷の低減、災害時における交通機能の維持、国民の健康増進等を図ることなど新たな課題に対応するため、交通の安全の確保を図りつつ、自転車の利用を増進し、交通における自動車への依存の程度を低減することによって、公共の利益の増進に資すること等を基本理念とする自転車活用推進法が施行されました。
     これを踏まえ、国は二〇一八年六月に、自転車の活用の推進に関して基本となる計画として、二〇二〇年度を目標年次とした自転車活用推進計画を策定しました。  本県においても、このような国の動きを踏まえ、愛知県の実情に応じた自転車活用推進に関する施策を定めることを目的とした愛知県自転車活用推進計画を本年、二〇二〇年二月に公表し、今後は、本計画に基づき、自転車通行空間の整備を進めるものと認識しています。  自転車通行空間の整備に当たっては、道路空間の再配分などの工夫を行い、自転車通行帯などを設置していく必要があります。また、切れ目のない自転車の良好な利用環境を創出するためには、特に市境など、自転車通行空間の連続性やネットワークが重要であり、県だけでなく関連する市町村と連携して、市町村同士をつなぐ整備を進める必要があります。  自転車通行帯の利用状況については、先日の一般質問でも申し述べましたが、自転車は身近な交通手段であると同時に、現代社会が直面する多様な課題に対する解決策となるものであります。  地球温暖化対策や渋滞対策、高齢者の交通手段の確保、コンパクトシティーの形成など、都市が抱える課題の対応にも役立つ場合があります。  さらには、自転車を活用した観光地域づくりなどの観光面の拡大や、災害時における移動手段としても活用できます。  自転車の活用を推進することは、多くの課題を解決する手段となることから、極めて重要であります。  一方で、自転車が安全で快適に通行できるよう、段差なく切れ目のない道路空間の整備や、交通の安全の確保が課題となっています。幅員の広い道路だけでなく、生活道路に接道する部分など、安全につなげるように工夫していくことが必要です。  そこでお伺いいたします。  県として、愛知県自転車活用推進計画に基づき、今後、自転車通行空間の整備をどのように進めていくのかについてお伺いいたします。 4: ◯建設局長林全宏君) 二〇〇七年の道路交通法改正以前は、自転車は歩道が設置されている道路では歩道を通行することができることとされていたため、自転車が自動車及び歩行者と適切に分離された自転車通行空間の整備は進んでいなかったのが実情です。  こうした中、二〇一七年五月に自転車活用推進法が施行され、本県では本年二月に愛知県自転車活用推進計画を策定し、自転車通行空間の整備を計画的に推進していくこととしたところであります。  この計画の推進に当たっては、身近な生活道路を管理する市町村に対しても、自転車活用推進計画の策定を促しております。  あわせて、地域の自転車利用の実情や交通事故発生状況などを踏まえ、駅、学校、公共施設などを結ぶ路線を選定し、自転車通行空間のネットワークを市町村とともに検討することとしております。  また、今議会に自転車を安全かつ円滑に通行させるために設置する自転車通行帯を新たに規定する、道路構造の技術的基準を定める条例の一部改正を提出しているところであります。  今後は、新たな自転車通行帯も活用しながら、市町村とも共同して、自転車通行空間の整備を進めてまいります。 5: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  渡辺靖議員。 6: ◯二十二番(渡辺靖君) 私からは、歳出第六款農林水産費第三項水産業費のうち、貝類漁業生産緊急対策事業費及び水産業技術改良普及費に関して質問をいたします。  昨年末に農林水産省が公表いたしました二〇一八年の漁業・養殖業生産統計によりますと、本県の漁業で漁獲される、あるいは養殖業で収穫される水産物は、アサリやクルマエビ、養殖アユが全国第一位、シラスやクロダイ、養殖ウナギが第二位、ガザミとスズキが第三位など、全国上位にある魚種が多くございました。伊勢湾、三河湾、そして渥美外海という豊かな海を擁する本県は、全国に誇れる水産物の宝庫であると感じました。  しかしながら、昨今、魚の種類によっては、豊漁、不漁の差が顕著となってきております。漁獲量が急に増える魚種も多くあり、例えば、これからの時期に旬を迎えるトリガイですが、一昨年は大豊漁で、平年の五倍近く漁獲量があり、浜は大いに沸き立ったものでありました。昨年はタコやガザミが豊漁だったと聞いております。  その反面、不漁となる魚種もあり、その筆頭は、愛知県を代表する水産物でありますアサリと言えるでしょう。かつては漁獲量が二万トンを超え、全国の三分の二は愛知県産という時代がありました。二〇一八年の漁獲量は約三千トンとなり、全国一位は維持したものの、最盛期の一割程度まで落ち込んでおります。  また、春の風物詩と言われますイカナゴは、水産試験場の調査結果を基に、愛知、三重両県の漁業者が一体となり、解禁日の設定や親魚の保護など、全国的にも有名な厳しい資源管理に取り組んできたにもかかわらず、二〇一六年以降、漁獲することができません。イカナゴ資源量が激減して以降、禁漁の措置を取っていますが、思うように資源が回復せず、今年も厳しい状況と聞いております。  こうした状況において、漁業者の皆様からは、海が大きく変わってきたという声を多く頂いております。これまで捕れたものが急に捕れなくなってきた、漁獲物の種類や捕れる季節が変わってきた、そうした様々な異変を知らせる声が現場で働く多くの漁業者から上がっています。  また、不安定な漁獲の状況は、漁業者の経営に直結しており、特に、アサリに依存した漁業者が多い西三河地区においては、漁業者数の減少につながり、大変心を痛めているところでもあります。  昨年八月に農林水産省が発表した漁業センサスによりますと、二〇一八年の愛知県の漁業経営体数は千九百二十四で、五年前に比べて一八%減少しております。このうち、アサリなどを漁獲する採貝、採藻を主に行っている経営体は五百三十六で、五年前から三三%の減少となっております。アサリ資源の減少がもたらした残念な結果と考えております。  県には引き続き、干潟、浅場の造成など、アサリ資源の回復にしっかり取り組んでいただきたいと思いますが、多くの漁業者が言われるように、海の環境が大きく変わってきた昨今、不安定な資源だけに頼って生計を立てていくことはリスクが大きいと考えられます。  アサリ資源の回復はもとより、その他の収入が得られる兼業などの道も探る、その両面の施策を進めることで、漁業経営の安定化が図られ、漁業者の減少を食い止めることにつながると思います。  そこでお伺いをいたします。  今年度からアサリ資源に向けた新たな対策として、貝類漁業生産緊急対策事業費において、貝類増殖場の造成が行われていますが、今後はどのように取組を進めていくのか、お尋ねをいたします。  また、漁業者への技術や経営指導などを行う水産業技術改良普及費では、これまで本県で行われていなかった養殖技術の導入を目指した実証試験を行っていくとされていますが、具体的にはどのような内容で取り組んでいくか、お尋ねを申し上げます。  以上です。 7: ◯農業水産局長中根俊樹君) 初めに、貝類増殖場の造成であります。  近年の調査により、アサリは、冬の強い波浪により海底の砂が移動し、稚貝が繰り返し掘り出されることにより、衰弱死してしまうということが明らかとなったため、十五から二十センチの砕石を漁場に設置し、地盤を安定させることで、稚貝の生き残り率を高める増殖場を今年度から造成し、資源の回復を図っております。  今年度は当初予算で西尾市の一色町に一・二ヘクタール、九月補正で西尾市の吉良町及び鳥羽町に合わせて二・四ヘクタールを造成いたしました。  増殖場ではアサリ稚貝が多く確認されており、隣接するアサリ漁場に比べると、生き残り率が明らかに高くなっております。来年度は西尾市吉良町に一ヘクタールを造成する予定としております。  今後も、冬にアサリ稚貝の減少が認められる漁場を対象として引き続き増殖場を造成し、アサリ資源の回復に取り組んでまいります。  次に、新たな養殖技術の導入についてのお尋ねであります。  本県の海面漁業は春から秋にかけてが盛んであり、漁獲量は季節による差が大きいことから、漁業経営は不安定になっております。  そこで、漁業者が年間を通じて安定した収入を得られるように、多くの漁業で水揚げが減少する冬に収穫できるカキなど、貝類養殖業の導入に取り組んでまいります。  具体的には、カキ養殖について、従来のいかだ式とは異なり、円筒形の養殖籠を海面に水平に設置し、その中に一粒ずつ分かれた種苗を入れる、シングルシード式養殖の実証試験を進めてまいります。  漁業と養殖業の複合経営を推進することで、漁業者が一年を通じて安定的に収入が得られるよう、しっかり取り組んでまいります。 8: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  野中泰志議員。 9: ◯四十五番(野中泰志君) 私からは、歳出第六款農林水産費第一項農業総務費のうち、農福連携推進事業費に関連して質問をいたします。  我が国の農業においては、農業の担い手の減少、高齢化が進み、労働力不足が深刻な問題となっております。こうした中、農業と福祉が連携し、農業で障害者の就労機会をつくる農福連携が注目されているところであります。  取組のメリットを農業側から見ると、障害者を労働力として期待できること、障害者への就労の提供が社会貢献にもつながること、地域での取組によって農地の有効活用にも効果があることが挙げられます。  また、福祉側から見ても、農業は障害程度や身体能力に応じた作業を用意できること、自然との触れ合いにより、情緒が安定したり体力が向上すること、地域との交流機会が創出することなどが挙げられ、障害者の就労や社会参加に対する意欲は高まっている状況にあります。  私も、農福連携は地域に恩恵をもたらし、将来につながる有意義な取組であると考えております。  私には長年障害者福祉に取り組んでいる友人がおりますが、障害者の地位向上のために様々な事業を手がけており、メロンパン工房から始めて、現在では有名パティシエを起用した付加価値の高いチョコレート工房を全国的に展開して活躍しています。そして、新たに農福連携にも取り組んでみたいと言っており、ぜひ応援したいと考えておるところであります。  さらに、去る一月には、私の地元の豊川市で地元のJAひまわりが仲立をして、福祉事業所とスプレーギク農家の間で農作業委託が行われ、就労継続支援事業所の利用者六人がスプレーギクの芽挿し作業に従事したというニュースがありました。  この芽挿しとは、キクの芽から余分な葉を取り除き、養培土に押し込む作業で、キクの苗作りとなるものであります。この取組は、聞くところによりますと、県の農福連携相談窓口の旗振りで行われたとも聞いております。  このように、周りを見渡してみると、障害者の就労に取り組む様々な動きがあることに気づきます。  そこでお伺いをいたします。  まず、本県における農福連携の現状はどうなっているのか、お尋ねをいたします。また、農福連携の推進に当たってどのような課題があるのか、また、そのために次年度は何に取り組むのか、お尋ねをいたします。  以上です。 10: ◯農業水産局長中根俊樹君) まず、本県における農福連携の現状についてお答えいたします。  農福連携は、現在、県内で七十を超える事例があり、農家が障害者を直接雇用したり、福祉事業所が農作業を請け負ったり、福祉事業所自ら農業経営に取り組むなど、様々な形で取り組まれております。  県では、昨年七月にJAと協力して農福連携窓口を設置し、農業と福祉に精通したコーディネーターをそれぞれ配置して、農福連携に関する相談に対応するとともに、農家に対するアンケートの実施や、農家と福祉事業所の間での農作業請負のマッチングを進めてまいりました。  その結果、現在までに豊川市のスプレーギク農家のほか、ミカン、ホウレンソウ、チンゲンサイ、カーネーション農家とマッチングでき、この五事例により、延べ百名を超える障害者の方々が新たに収穫作業や出荷作業などに従事しております。  次に、農福連携の課題と次年度の取組についてでございます。  農福連携窓口がマッチングを進める中、実際に農作業を委託した農家からは、労働者として十分戦力になることが分かり、継続してお願いしていきたいという声がありました。  また、福祉事業所からは、職員がいろいろな障害に適した農作業を理解できれば、もっと農福連携に踏み込めるんじゃないかという声も聞かれました。  そこで、来年度は、新たな試みとして、福祉事業所の職員を対象に実際の農作業を体験していただく研修を農業大学校で実施してまいります。  この研修で、一人一人の障害に応じた農作業のイメージを福祉事業所の職員に把握してもらうことで、農業者と福祉事業所のマッチングを一層進め、農福連携を着実に推進してまいります。 11: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  南部文宏議員。 12: ◯四十七番(南部文宏君) 私からは、歳出第五款経済労働費第三項労政費仕事と生活の両立支援促進事業費についてお伺いします。  国は、新型コロナウイルス感染症対策の基本方針において、企業に対して発熱等の風邪症状が見られる職員等への休暇取得の勧奨、テレワークや時差出勤の推進等を強力に呼びかけるとしています。  テレワークは企業にとって労働力確保や労働生産性向上といった面だけでなく、災害危機時の事業継続計画に盛り込むことによって、強力なツールとすることができます。昨年の台風テレワークが注目されたように、パンデミックや地震、洪水などにおいて、テレワークは事業継続に有効と考えられています。  いつもの職場のオフィスしか職務遂行ができないとなれば、そのオフィスが災害等で利用できない場合や、従業員が出勤できない場合、業務はその時点で停止してしまいます。それを回避するためには、主たるオフィス以外にも職務を遂行できる方法を確保しなければなりません。  一方、労働者にとっても、テレワークによる働き方改革により、ワーク・ライフ・バランスを実現することができます。  今後、生産年齢人口の減少、少子・高齢化の進行が想定される中、本県経済を活性化させるためには、育児や介護などによる制約がある方が仕事と生活を両立させながら働くことができる環境をつくっていくことが重要です。  テレワークには、これらのこと以外にも、通勤時間の短縮や病気、けがでも仕事を継続できることや、多様な働き方が選択可能であることなど、様々な労働者にとってのメリットがあります。  県では今年度、テレワークを広く社会に普及し、導入を促進することにより、仕事と育児、介護の両立等、個人、家庭の事情を鑑みて、働き続けることができる職場環境の整備を図るため、テレワーク導入事例集の作成や、テレワークを体験する研修を実施したと聞いております。  しかし、大企業と異なり中小企業は、必要な機器の導入、セキュリティ対策、就業規則の改定など、費用も手間もかかると感じ、まだまだハードルが高いと諦めているのではないでしょうか。  そこでお尋ねします。  中小企業へのテレワークの導入促進に向けて、来年度はどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。 13: ◯労働局長井上貴弘君) 本県の調査では、中小企業のテレワーク導入率は三・〇%にとどまっており、導入のための労力や経費が障害となっております。  そこで、本年度は、導入のプロセスをまとめたマニュアルを作成するとともに、無料ソフトウエアの操作体験を行うセミナーを開催するなど、広くテレワークへの理解促進に努めてまいりました。  来年度は、中小企業の経営者や実務担当者に向けた実践的なテレワーク・スクールを開催し、その中で業務体験や個別相談も行い、中小企業の立場に立って導入支援を行ってまいります。  こうした取組を通じて中小企業のテレワーク導入を促進し、全ての人が生き生きと働き続けられる環境づくりを進めてまいります。 14: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  福田喜夫議員。 15: ◯二十三番(福田喜夫君) 私からは、第五款経済労働費第二項商工業費商工業振興費のうち、あいちスタートアップ推進事業費及びスタートアップ支援拠点整備事業費についてお伺いいたします。  愛知県は、自動車産業をはじめとするモノづくりの伝統や、優れた技術、技能を有する企業が多くあります。  そこに新たな革新的なビジネスモデルや、最先端技術を持つ企業、新しいビジネスアイデアを持つ人材などとの融合による新たな技術開発、いわゆるイノベーションを誘発して海外展開を促すことにより、世界からも有力なスタートアップや優秀な人材が集まり、本県産業のさらなる成長が期待できるとお聞きしています。  そこで、スタートアップを拡大させ、好循環を形成するため、名古屋市内にスタートアップ支援拠点、ステーションAiを建設して、スタートアップの創出と育成を目指すと伺っています。  そのステーションAiは、令和二年のPFI事業選定に始まり、設計、建設工事を行い、令和四年に竣工予定ですが、ステーションAiが竣工するまでの間、スタートアップに切れ目のない支援を行う拠点、ステーションAi早期支援拠点を名古屋市内に開設して、スタートアップ支援を早急に取り組んでいるとお聞きしています。  そこでお尋ねします。  ステーションAi早期支援拠点では、誰に、何を、どのように支援していくのか、さらに、スタートアップと既存企業、スタートアップ同士のマッチングやネットワーク形成が重要だと考えますが、その具体的な取組についてお伺いします。  また、ステーションAi竣工、開設後の運営体制はどのようになるのか、併せてお伺いいたします。  以上です。 16: ◯経済産業局長伊藤浩行君) ステーションAi早期支援拠点は、本年一月に名古屋駅近くのWeWorkグローバルゲート名古屋内に開設しておりますが、WeWorkは海外との幅広いネットワークを有するほか、入居者同士のマッチング、国内外への情報発信も行うなど、ステーションAiが整備されるまでの間の支援拠点として最適な環境を備えております。  ここには県が選定した九つのスタートアップが入居しており、現在、これらの企業に対して、ビジネスモデルのさらなるブラッシュアップなどの支援を行っております。  来年度は、本拠点に創業支援のワンストップ窓口を開設いたします。ここに二名の統括マネジャーを配置し、ビジネスモデルの立案や事業展開へのアドバイス等を行うほか、スタートアップと既存企業や投資家とのマッチング、企業経験者との交流も図ってまいります。  こうした取組の充実で、ステーションAiが整備されるまでの間、本拠点が愛知のスタートアップ・エコシステム形成に向けた中核的機関としての役割を果たしていくよう努めてまいります。  次に、ステーションAiの運営については、コンセッション方式によりPFI事業者が保有するレベルの高い経営ノウハウを最大限発揮し、自由度の高い運営体制の中での事業展開を行っていただくこととしております。  具体的には、PFI事業者にはビジネスマッチングや各種育成プログラム等の提供、グローバルな情報発信などのソフト事業を実施していただくとともに、5Gなど最先端技術を導入したスマートシティ構想の具体化につながる拠点運営を期待しております。  また、県とPFI事業者の連携及び適切な役割分担の下、スタートアップ支援に関する各種事業の企画、立案、実施等を推進するための官民連携組織を設置し、県も運営に携わってまいります。
     県が現在展開している海外連携事業で培われる海外ネットワークやサテライト支援拠点で形成される県内ネットワーク、また、早期支援拠点での支援手法をはじめ、県の各種スタートアップ支援事業で得られる知見、ノウハウをしっかりとPFI事業者と共有し、ステーションAiの運営に生かしてまいります。  民間の力を最大限に活用するとともに、県としてもしっかりと運営を支援することで、官民連携による国内最高レベルのスタートアップ支援拠点を目指してまいります。 17: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  新海正春議員。 18: ◯四十八番(新海正春君) 私からは、歳出第六款農林水産費第六項林業費のうち、あいちのスマート林業推進事業費についてお伺いいたします。  この事業については、平成三十年二月定例県議会において、新規事業として上程された際にも議案質疑を質問いたしましたが、今回は取組状況や令和二年度の内容について伺うこととします。  本県の森林の特徴として、森林面積に占める杉、ヒノキ等の人工林の割合が六四%で、全国で三位と高いこと、また、杉、ヒノキの人工林については、一般的に住宅建築等に利用可能とされる四十六年生以上の割合が約八割を占めており、本格的な利用期を迎えていることがあります。  三河山間部を元気にしていくためには、このように充実した森林資源をしっかり生かしていくことが必要です。そして、生かすに当たっては、木材の生産コストを抑えるとともに、低価格で取引するのではなく、きちんと評価して買ってくれるところを見極めて売り先とし、森林所有者に最大の利益を還元できるようにしていくことが必要でありますし、それによって、後継者の育成にもつながると思います。  平成二十九年版の森林・林業白書において、我が国の林業は生産性は向上しつつあるものの、小規模、零細な森林所有構造の下、事業地の集約化や路網整備、効率的な作業システムの導入が立ち後れていることなどにより依然として生産性が低い状況にある、林業の成長産業化を実現していくため、新たな技術の開発や実践を通じた林業の生産性向上を図っていく必要があると指摘されています。  そして、林業の成長産業化と森林の適切な管理のため、未来投資戦略二〇一七において、ICTやリモートセンシング技術を活用して、資源状況や境界の把握、木材のジャストインタイムでの供給に向けた取組を進めることが位置づけられました。  これを受けて林野庁は、スマート林業構築推進事業により、ICT等の先端技術を活用した森林施業の効率化や、需給マッチングによる流通コストの削減など、スマート林業の構築に向けた取組を支援することとしました。  その後も、国では、未来投資戦略二〇一八や経済財政運営と改革の基本方針二〇一九にICTによる木材の生産管理など、スマート林業の推進を位置づけ、林業の成長産業化に向けて取り組むこととされています。  本県でも国の事業を活用し、平成三十年度から三年計画であいちのスマート林業推進事業に取り組むこととされましたので、冒頭に申し上げたとおり、平成三十年二月議会に質問をいたしました。  農林基盤局長からの答弁では、この事業の核となる航空レーザー計測について説明がありました。それによりますと、航空機により上空から森林に向けてレーザーを照射する航空レーザー計測を実施し、そのデータを解析することで、杉、ヒノキ一本一本の立っている位置や、それぞれの樹木の高さ、幹の太さといった詳細な森林情報を把握することができる、そして、そこで得た詳細な森林情報を活用し、県産木材を計画的、安定的に供給できるように取り組んでいく旨の答弁をいただきました。  現在の技術でこんなことができるのかと驚く一方で、夢のある技術であると感じ、大きな期待を抱きました。それから二年が経過し、令和二年度は、いよいよ節目となる最終年、三年目となります。  昨年十二月に、私自身も山村離島振興議員連盟の有志とともに林野庁を訪れ、担当者から直接、国の政策について情報収集しましたし、ICTを活用したスマート林業の実践的取組の推進、森林環境譲与税を利用した取組の推進、都市部における木材利用の推進について議員連盟からの要望を行ったところ、林野庁の担当者からは、全国に先駆けて実施している本県のスマート林業の取組に対して好評価をいただき、心強く思ったところであります。  また、先月二十五日には、林野庁主催で東京都の主婦会館プラザエフを会場に開催された令和元年度スマート林業構築普及展開事業報告会において、スマート林業実践対策地域協議会による事例として、一年目の事例二件、二年目の事例五件が紹介され、愛知県も二年目の事例の一つとして、成果の発表がなされたとお聞きしております。  そこでお伺いします。  あいちのスマート林業推進事業費のこれまでの取組状況と、事業最終年度に当たる令和二年の取組内容についてお伺いいたします。 19: ◯農林基盤局長水野康弘君) あいちのスマート林業推進事業費についてでありますが、本県は二〇一八年度からスマート林業に取り組んでおり、これまでにスマート林業を推進していく指針となるあいちのICT林業活性化構想を作成し、航空レーザー計測を県内全域で実施するとともに、そのデータ解析を順次進め、詳細な森林資源情報や地形情報の整備に取り組んでおります。  また、木材の搬出に最適な林道の路線を描くことができる路網設計支援ソフトを今年度開発いたしました。  来年度の取組といたしましては、この路網設計支援ソフトと詳細な森林資源や地形の情報を活用して木材生産を行うモデル地区を東三河地域で設定し、走行性能が高い高性能林業機械を試験的に導入することで、木材生産性を高める取組を推進してまいります。  また、北設楽郡の三町村と愛知県森林組合連合会及び県が設立した協議会において、製材工場と森林組合の木材需給情報をインターネットで共有するソフトウエアを開発し、愛知県森林組合連合会が需給調整を行うことで、木材の流通の効率化を進めてまいります。  こうしたICTを活用した取組を木材の生産や流通の各段階において推進していくことで、本県林業の振興を図ってまいります。 20: ◯四十八番(新海正春君) 要望させていただきます。  航空レーザー計測は県内全ての森林で実施済みで、データ解析は順次進めているとの答弁でありましたが、データ解析で得られる詳細な森林資源情報や地形情報というのはスマート林業を進めていくベースとなるものでありますので、できるだけ早くデータ解析を進めていただくようお願いいたします。  また、スマート林業の取組については、今は地区を絞ってモデル的に実施しているところだと思います。得られた成果を県内全域に早く普及させていただくとともに、現状に満足することなく、将来開発される新たな技術も取り込みながらスマート林業を進化させ、林業を元気に、三河山間部も元気にしていただくことを要望し、質問を終わります。 21: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  藤原宏樹議員。 22: ◯四十九番(藤原宏樹君) 私からは、歳出第七款建設費第七項都市整備費のうち、都市計画道路姫街道線の踏切部のアンダーパス化についてお伺いいたします。  東三河地域は自動車の輸入台数、金額とも二十六年連続日本一を記録する三河港があり、背後地に我が国を代表する自動車産業を中心とした産業の集積地を有しており、日本のモノづくり産業の競争力や生産性を支える地域であります。  こうした中、豊川市を東西に貫く県道国府馬場線、都市計画道路名で言いますと姫街道線は、古くから東海道の脇街道として利用されている歴史ある街道であります。  そして、現在では、国道一号と国道百五十一号を結び、豊川市の工業や商業等の産業を支えるとともに、通過交通を処理するバイパス機能や緊急輸送路としての防災機能を持っており、まさに豊川市の都市軸を形成する重要な幹線道路として位置づけられております。  さらに、この姫街道線の沿線では、スズキ、日立製作所撤退後の工業団地において、戦略的にぎわい交流エリアとして大型商業施設や文化施設など、周辺地区と一体的な交流による、新たなにぎわいづくりの計画が進められております。  昨年九月には計画に合わせて用途地域が変更されており、商業施設については、早ければ令和四年度下半期に開業が予定されております。将来的には、この地区の開発により、今まで以上に人や車の流れも生まれてくることが予測されます。  このように、周辺道路の整備や市内開発が進む中において、豊川市の中心を通る重要幹線道路として、ますます需要は高くなることが理解いただけると思います。  そこで、姫街道線の現在の整備状況を見てみると、姫街道西部側の八幡地区では、県により四車線化事業が進められておりますが、姫街道東部側に位置し、地元で開かずの踏切と呼ばれているJR飯田線及び名鉄豊川線と交差する姫街道踏切の区間については、いまだ事業化がされておりません。  こちらの姫街道踏切部のアンダーパス化の必要性について、昨年九月の本会議一般質問でも強く要望させていただいたところでありますが、この踏切はJR豊川駅及び名鉄豊川稲荷駅に近いこともあり、踏切遮断時には渋滞が発生し、平成二十九年に踏切改良促進法により、自動車ボトルネック踏切として改善すべき踏切道にも法指定されております。  この指定を受け、鉄道事業者と自治体は、二〇二〇年度までに安全対策の計画策定が義務づけられている中、この踏切の渋滞解消が必要となっております。  以上、述べたような状況を踏まえると、姫街道線の踏切部をアンダーパス化して、四車線に拡幅する整備の必要性が非常に高まっており、渋滞緩和に向けた対策は急務であると考えます。  しかし、アンダーパス化の事業に着手するためには、現在の道路設計基準に合わせて都市計画を変更する必要があると聞いているものの、いまだ県から都市計画の案が示されていない状況であります。  そこで、姫街道線の踏切部のアンダーパス化について、事業化に向けた都市計画変更の検討状況と今後の予定についてお伺いいたします。 23: ◯都市整備局長(鎌田裕司君) 都市計画道路姫街道線の踏切部のアンダーパス化についてであります。  本路線は、国道一号から国道百五十一号までの区間が四車線の道路として都市計画決定されております。  この区間のうち、JR飯田線及び名鉄豊川線と交差する踏切は現在二車線となっており、朝夕を中心に渋滞が激しく、自動車ボトルネック踏切にも指定されていることから、四車線でのアンダーパス化の必要性を十分認識しているところであります。  このため、昨年度から今年度にかけ、鉄道事業者に委託して、鉄道をくぐる構造物の形状や工法、工事中の切り回し道路の位置などについて調整を進めてきております。  また、アンダーパス化に伴う側道などの配置について、地元豊川市と協議を進めるとともに、現道の地下に埋設された豊川市の下水道管の移設方法についても調整を進めてまいりました。  これら協議、調整の結果、計画素案がおおむねまとまってまいりましたので、速やかに公安委員会協議を開始し、来年度には地元説明会の開催など、都市計画変更の手続に入り、早期に事業着手できるよう、しっかりと取り組んでまいります。 24: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  鈴木純議員。 25: ◯七十四番(鈴木純君) 私からは、歳出第七款建設費第三項河川海岸費及び第七項都市整備費の中から、水害リスク及びその情報提供についてお伺いをいたします。  近年、全国各地で集中的な豪雨が増加し、水害が頻発・激甚化することによって、甚大な人的、経済的被害をもたらしております。これらの現象は気候変動の影響によるものとされ、降雨量の増加や海面水位の上昇により、今後さらに増加することが懸念されております。  国の最近の取組を見てみますと、平成二十七年七月に施行された水防法の改正では、命と財産を守るための施設整備から、命を守ることを最重要課題として取り組むとし、計画規模降雨から想定し得る最大規模降雨への対応へ変更したほか、想定最大規模の降雨に対応した洪水浸水想定区域及び洪水ハザードマップの有効性から、その作成を義務化いたしました。  また、同年九月の関東・東北豪雨による被害を受け、国土交通省では、施設では防ぎきれない大洪水は発生するものとの考えに立ち、水防災意識社会再構築ビジョンの取組を国管理河川を中心に進めておりましたが、翌年の平成二十八年八月の台風十号等による県管理河川等の中小河川での甚大な人的、経済的被害が発生した状況を踏まえ、平成二十九年六月に施行された水防法の改正では、さきのビジョンの取組を中小河川も含めた全国河川でさらに加速させ、洪水等からの逃げ遅れゼロと社会経済被害の最小化を実現し、関東・東北豪雨や台風十号のような被害を二度と繰り返さないための抜本的な対策を講ずることといたしました。  さて、洪水ハザードマップの有効性は、一九九八年に東北地方を流れる阿武隈川で発生した洪水に対し、郡山市の住民の多くが洪水ハザードマップに示される避難場所を的確に確認して避難しており、洪水ハザードマップを見て避難した人は、見なかった人に比べて約一・五倍に上ったこと、また、洪水ハザードマップを見た人は、避難の開始時間が約一時間早かったことなどから、ハザードマップの活用が命を守ることにつながると、その有効性が証明されております。  また、平成三十年七月豪雨での倉敷市真備町、私も防災ボランティア稲沢を通して、社会福祉協議会のボランティア活動に参加いたしましたが、その真備町でも浸水範囲がハザードマップとおおむね一致していることが確認されており、令和元年台風第十九号では、想定最大規模による洪水浸水想定区域図において想定浸水深が三メートルから五メートルとなっていた埼玉県川越市の要配慮者利用施設では、避難計画の作成や避難訓練を実施しており、職員、利用者全員が無事に避難できたという成果も上がっております。  そこでお尋ねをいたします。  洪水ハザードマップは、洪水予報等の伝達方法や避難場所などを記載して作成するよう市町村に義務づけられていますが、その基となる県による洪水浸水想定区域の指定、公表の進捗状況と、市町村による洪水ハザードマップの策定状況についてお伺いします。  次に、ハザードマップの住民への周知は、前述のように大変重要でありますが、ここでは、平成三十年十二月の社会資本整備審議会小委員会の大規模広域豪雨を踏まえた水災害対策のあり方についてと題する答申から、住宅等の購入者に対する水害リスク情報に関する取組についてお伺いします。  既に昨年四月から、答申を踏まえ、緊急行動計画の取組の一環として、不動産業界と連携して、不動産関連団体の研修会の場において、県や国の河川部局の担当者が水害リスクに関する情報の解説を実施することとされております。  さらに、七月には、国土交通省から全国宅地建物取引業協会連合会などの不動産関連業界五団体に、不動産取得時のハザードマップを活用した水害リスクの情報提供についてを依頼しております。  具体的には、取引の相手方に対し、契約が成立するまでの間に相手方などが水害リスクを把握できるよう、当該取引の対象となる宅地や建物が存する市町村が作成、公表する水害ハザードマップを提示し、当該取引の対象の宅地や建物の位置などを情報提供するように求めております。  これらを受けて、愛知県におきましては今年一月から、宅地建物取引業者が適切にハザードマップを活用した水害リスクの情報提供ができるよう、研修会において解説していると伺っております。  また、本年一月の衆議院予算委員会で、国土交通大臣は、豪雨による浸水被害が相次いでいることを踏まえて、不動産取引の際に水害リスクに関する説明をするよう業者に義務づけるために、宅地建物取引業法に基づき契約前に説明を行う重要事項として位置づける方向で、関係する省令の改正を検討すると述べられました。  そこでお伺いいたします。  宅地建物取引業者による水害リスクの説明が義務化されていく中で、県は今後どのように取り組んでいくのか、お答えください。  水防法は強化、改正されていますが、残念ながら、昨年も台風十九号等により、東北、関東甲信越を中心に広域かつ甚大な被害が発生しており、国は、気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会をはじめ、各種検討会を立ち上げ、検討を加速しております。  新たな想定に基づいた新たな洪水ハザードマップが作成され、不動産関連業界に理解と協力をいただき、水害リスクの説明が義務化されるこの機を捉えて、防災・減災意識の向上がより一層図られるよう、新年度に向けて明快な御答弁をお願いして、発言を終わります。 26: ◯建設局長林全宏君) 洪水浸水想定区域の指定、公表の進捗状況につきまして、本県では、三十年から百年に一度発生する、河川整備の目標としている降雨による浸水想定区域やその水深等について、県管理河川二百八十四のうち水防法に基づき指定している二十八の洪水予報河川等に、県独自の取組である浸水被害が想定される河川を加えた百四十七河川について、二〇〇九年度までに公表しております。  現在は、二〇一五年の水防法改正を受け、おおむね千年に一度発生する、想定し得る最大規模の降雨に対応した浸水想定区域等への見直しを行うとともに、その対象をこれまでの百四十七河川から、市町村が洪水ハザードマップの策定を予定している二百四十四河川に拡大したところです。  これまでに五十四河川の浸水想定区域等の公表を終え、残る河川についても順次見直しを進めており、来年度末までには二百四十四河川全てについて公表し、市町村に提供してまいります。  次に、市町村による洪水ハザードマップの策定状況につきましては、水防法により策定が必要となる三十二の市町村全てにおいて、河川整備の目標としている降雨に対応したもので完了しております。  また、法改正に伴う想定し得る最大規模の降雨に対応したハザードマップについては、三十四の市町村が対象となり、今年度は五市町村、来年度には十七の市町村で策定される予定と聞いており、未策定の市町村においてもハザードマップの策定が促進されるよう、引き続き支援してまいります。 27: ◯都市整備局長(鎌田裕司君) 水害リスクの説明に関する取組についてであります。  洪水等の水害リスクについては、住宅等の購入者に対し、宅地建物取引業者からの説明が義務化されていない中、二〇一八年七月の西日本豪雨等を受け、昨年四月に国から、不動産関連団体の研修等の場における水害リスクに関する情報の解説等についての依頼がありました。  これを受け、本県では本年一月から二月にかけ、宅地建物取引業協会と共催する研修会において、洪水浸水想定区域の確認方法等について説明するとともに、水害リスク情報の提供に協力を求めました。  また、二月に行われた宅地建物取引業者との懇談会では、市町村が作成する各種ハザードマップについて、インターネット上での公開を求める要望が出されるなど、高い関心が示されています。  県といたしましては、住宅等の購入者に水害リスクが適切に周知されるよう、地域ごとにリスク情報を詳しく説明するなど、さらなる研修の充実を図るほか、義務化された説明事項を表記したチラシを作成し、取引現場での徹底を促すなど、適正な情報の提供に努めてまいります。 28: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  中根義高議員。 29: ◯六十一番(中根義高君) 私からは、歳出第七款建設費第二項道路橋りょう費のうち、名古屋高速道路公社出資金、貸付金に関連してお伺いをいたします。  本県は来年度、名古屋高速道路公社に対し、出資金一億五百万円、貸付金二億四千五百万円、合わせて三億五千万円の予算を計上しております。  その内容は、名古屋西ジャンクションにおける名古屋第二環状自動車道、いわゆる名二環の西南部との連絡道路整備並びにリニア中央新幹線開業を見据え、新洲崎、黄金において出入口の追加、改良等を実施する都心アクセス関連事業であり、名古屋高速道路公社が令和二年度に実施あるいは着手する経費に対するものであります。これらが完成することにより、高速道路の利便性がさらに向上するものと考えられます。  来年度、この名二環の全線開通に合わせて改められるものとして、名古屋高速道路、いわゆる名高速を含んだ中京圏の高速道路料金があります。  高速道路料金は、これまでに首都圏と近畿圏において、利用度合いに応じた公平な料金体系、管理主体を超えたシンプルでシームレスな料金体系、交通流動の最適化のための戦略的な料金体系を柱とする料金の賢い三原則の実現に向けて見直され、首都高速や阪神高速が対距離料金制に移行するなど、新たな料金での運用が開始をされました。  名高速を含んだ中京圏の高速道路料金の見直しについては、二〇一八年七月に議論が開始。本年二〇一九年十二月十一日には、中京圏小委員会により、中京圏の高速道路を賢く使うための料金体系基本方針がまとめられ、公表されました。  この基本方針では、先ほどの料金の賢い三原則を基本として、特に中京圏においては、高速道路を賢く使う上で必要なネットワークの充実と、賢く使うための合理的な料金体系の整理の両立を図ることが重要であるとされ、この考え方が今年に入り、二月五日の国土交通省から公表されました新たな料金の具体方針案に反映されております。  この具体方針案には、料金体系の整理、統一とネットワークの整備、起終点を基本とした継ぎ目のない料金体系の実現が示され、実施時期を名二環の全線開通に合わせて導入するとされました。  その具体方針案を受け、名高速とNEXCO中日本からは、新たな料金の具体案が二月十三日に公表され、二月の二十六日までパブリックコメントも実施されたところであります。  そこで、今回の見直し案の内容についてであります。  現行、名高速の名古屋線は七百八十円の均一料金でありますが、対距離料金制の導入につきましては、名古屋駅に最も近い錦橋出口までを例にその料金を見てみますと、名古屋線の西側、千音寺入口からは五百十円、小牧方面、楠入口からは五百八十円、名古屋線の東側、高針入口からは六百九十円、名古屋線の南側、東海新宝入口からは六百九十円、大高入口からは七百六十円となります。  名二環の内側の入り口からは、いずれの場合も現行料金より安くなります。一方で、楠入口から大高出口までの料金は九百六十円となるなど、端から端までを利用する場合は現行料金よりも高くなります。  次に、二つ目の見直し点として、経路によらない同一料金が導入され、発着地が同一ならば、経路の違いによらず、料金が同一となります。  西三河から名古屋都心までの移動として、伊勢湾岸道豊田南インターチェンジから名高速の錦橋出口までを取り上げてみますと、名高速の三号大高線を利用するルート、四号東海線を利用するルート、少し迂回する形となりますが、名古屋南ジャンクションから名二環と二号東山線を利用してアクセスするルートの三つがあります。  現行の料金を比較してみますと、三号大高線ルートは千二百九十円、四号東海線のルートでは千四百三十円、名二環と二号東山線を利用するルートでは千八百円とそれぞれでありますが、今回の見直しにより、全て同一料金の千三百十円になります。  現在、伊勢湾岸道の名古屋南ジャンクション手前部分には、道路情報を表示する電光掲示板が幾つも整備されているところでありますが、均一料金となることで、ドライバーがルートを選択する機会も増えてくると思います。  安全で余裕を持ったルート選択ができるよう、分かりやすい情報提供の方法について、NEXCOさんとも連携し、検討、整備をお願いしたいと思います。  このような見直しで、名高速では長距離の利用者は料金の負担が増すものの、全体の三分の二に当たる利用者には、料金負担が減りお値打ちになるとの報道もありました。  しかしながら、この料金はETC車のみを対象としており、名高速では料金所で料金の前払いとなる場合、各入り口から利用可能な最大距離に相当する料金を適用するとのことであります。大高入口から錦橋出口までを利用する場合でも、料金所では一宮東出口までに相当する料金を支払うことになります。  ETC車以外の方にとっては、かなりの負担となる懸念もあります。現在、名高速通行車両の九二%から九三%がETC利用とのことですが、さらなるETCの利用促進策などに取り組んでいただければと思います。
     加えて申し上げると、交通ビッグデータにも寄与するETC二・〇については、その利用率は二〇一九年十二月実績で全国二一・六%、名高速では一七・七%と、まだまだ低い状況にあります。  この際、ETC二・〇の普及が同時に進みますよう、国土交通省さんやNEXCOさんとも協力しての取組となりますことを期待いたします。  これまでの意見や報道等で取り上げられました意見等も踏まえて勘案すると、総じて、今回の見直しは妥当なものであると考えております。  そこで、二点質問をいたします。  まず、今回の高速道路料金の見直しにより、名高速では全体の三分の二に当たる利用者の料金負担が減り、お値打ちになるということでありますが、名古屋高速道路公社全体の収入が減るという心配がないのか、お伺いをいたします。  次に、今回の見直しにより、一般道から高速道路への交通転換や、高速道路ネットワーク内での流れに変化が生じてくるのだと思います。このことにより、利用者の利便性や本県産業に対し、どのような効果が具体的に期待されるのか、お伺いをいたします。 30: ◯建設局長林全宏君) 中京圏の高速道路料金の見直しについて、まず、名古屋高速道路公社の収入が減るのではないかとのお尋ねであります。  公社は高速道路の利用者に御負担いただく料金等から、建設債務の償還に充てる財源を捻出しています。債務の償還は公社経営にとっての骨幹であり、これまで償還計画に基づき着実に償還が進められております。  今回の見直しに当たり、対距離制に現状の利用状況を当てはめると、収入の減少が見込まれるものの、これまで主に一般道を利用していた方が高速道へ転換する需要増や、日曜、祝日利用に対する割引の見直しなどにより収入を確保し、確実に償還が進められる計画としております。  次に、今回の料金見直しによる効果についてであります。  名古屋高速道路公社が先月十三日に示した中京圏の新たな高速道路料金の具体案によれば、名高速の料金は、現在の均一料金制から利用距離に応じた対距離制へと見直されます。  これにより、短距離を利用される方の御負担は現在よりも少なくなることから、慢性的に渋滞する名古屋市東部の広小路線などの一般道から名高速への利用促進が図られると考えております。  また、名古屋都心部の通過交通を迂回、分散させるため、名二環などを利用して迂回する場合でも、起終点の最短距離を基本とする料金施策も行われます。  こうした今回の高速道路料金の見直しにより、利用者にとって使い勝手のよい料金が実現するとともに、当地域の一般道を含めた交通の円滑化が見込まれます。  また、日本のモノづくりを支える当地域の物流交通の定時性確保に寄与し、渋滞緩和によるドライバーの負担軽減や労働環境の改善など、プラスの効果が期待でき、本県のみならず、中京圏の生産性向上にも寄与するものと考えております。 31: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  いなもと和仁議員。 32: ◯六十四番(いなもと和仁君) 歳出第五款経済労働費第二項商工業費のうち、自動運転社会実装推進事業についてお尋ねをいたします。  私はちょうど三年前にも自動運転についてお尋ねをいたしましたが、そのときと比較して、自動運転を取り巻く状況は大きく加速しております。  昨今では、いわゆる自動車産業の大きな変革の潮流を示すCASEやMaaSといった言葉を見聞きしない日は珍しく、世界中の自動車メーカーや部品メーカーのみならず、IT企業や電機メーカーなどが競って、CASEを体現するコンセプトカーや実験車両等を発表しております。  二〇一八年九月には、世界を代表するトヨタ自動車が企業風土の異なるソフトバンクと組んで、新しいモビリティサービスの実現を目指すモネ・テクノロジーズを設立したときには大変驚きましたが、これも今後の激しい競争を見据えてのことだと思います。  こうした中、国においては、車内無人による自動運転を可能とする遠隔型自動運転の公道実証実験ガイドラインの制定や、道路交通法や道路運送車両法など、自動運転の実現を見据えた法改正、制度づくりを着実に進めるとともに、国自らが道の駅を拠点とした実証実験や、ラストワンマイルを担う自動運転、交通インフラからの信号情報や、合流支援情報等の提供など、産学官協同で取り組むべき基盤技術の技術検証等を目的とした実証実験も進めております。  さらに、今年度からはスマートモビリティチャレンジと題しまして、自動運転やMaaSを活用した地域づくりを目指す市町村等を広く募り、その取組を支援する事業を始めるなど、国においては、東京オリンピック・パラリンピックなどを契機として、地域限定型の自動運転による移動サービス実現などを目指し、法制度整備や技術実証などの各種取組を着実に推進しております。  本県におきましても、自動車産業の立地県として、全国に先駆けて自治体主導による自動運転の実証実験を開始し、二〇一八年度には全国で初めて、幸田町の一般公道において、車内運転席が無人となる遠隔型自動運転の実証実験を、また、二〇一九年度には、これらも全国初となる、超高速、低遅延といった特性を有する、次世代通信技術5Gの実験無線局を活用した遠隔型自動運転の実証実験を成功させております。  県主導での実証実験だけでなく、自動運転ワンストップセンターや、あいち自動運転推進コンソーシアムを設置することで、全国に先駆けて民間企業や大学が開発を進めやすい環境を整備するなど、愛知県は、知事のリーダーシップのもと、自動運転の社会実装に向け、これまでフロントランナーとして取組を精力的に進めてこられました。  自動車産業の一大集積地である愛知県がこれからも自動運転の社会実装に向けた先導的な取組を行うことで、自動運転の実現をリードすべきであると考えます。  そこでお尋ねをいたします。  愛知県として、これまで先導的に取り組まれてきた自動運転の社会実装の実現に向け、来年度、どのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。 33: ◯経済産業局長伊藤浩行君) 自動運転の社会実装の実現は、自動車産業の振興のみならず、高齢者の移動支援をはじめとする各種の地域課題の解決に資することから、県としても、これまで先導的な取組を推進してきたところでございます。  実施に当たっては、「公園などの集客施設内」、「住宅団地、郊外」、そして「ショーケースとなる中部国際空港島」の三つのモデル地域を想定しております。  具体的な内容は公募事業者による提案にもよるところでございますが、一か月程度継続して行うことによる各種課題の洗い出しや、今年から運用が開始される5G基地局の積極的活用、さらには、交通事業者の参画の下で移動サービスを担うことなどにより、社会実装に当たって必要となる課題の解決を念頭に置きながら、取組を進めてまいります。 34: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  高木ひろし議員。 35: ◯九十二番(高木ひろし君) 私からは、歳出第七款建設費第九項住宅費人にやさしい街づくり推進指導費についてお伺いいたします。  本県では、一九九四年に大阪府、兵庫県に続き全国で三番目となる先駆的な条例である人にやさしい街づくりの推進に関する条例を制定し、障害者や高齢者を含めた全ての人があらゆる施設を円滑に利用できるまちづくりの推進を目指して取り組んでまいりました。  この条例では、病院や集会場、ショッピングセンターなど、不特定多数の方が利用する施設の新築などを行う場合に遵守すべき基準として、施設の用途や規模に応じて、敷地内の段差や施設の出入口の幅、階段の構造、スロープの設置、トイレの設備、構造、エレベーターの設置などについて全国でも最高水準の整備基準を定めたもので、その後に法制化されましたバリアフリー法の先駆けと呼ぶにふさわしいものでありました。  この条例では、仕組みとして、工事に着手する前に施設のバリアフリー措置に関する整備計画を県に届け出るという仕組みを設けておりまして、届け出された整備計画は整備基準に適合しているかどうかを審査し、さらに、適合していないものについては、指導、助言が行われることになっております。  実際の作業についてお伺いしたところ、整備基準に適合していない施設の建築主等に対しましては指導、助言が行われまして、それによって後日、建築主等の理解が得られ、整備基準に適合するように計画が変更されたという事例もあるようでございます。  人にやさしい街づくりの条例の上では、条例で定めた整備水準に適合した施設をいかに増やしていくか。その第一歩として、まずは対象となる施設の建築主に整備計画をきちんと届けていただくことが大変重要となります。  そこでお尋ねいたしますが、整備計画の届出について、これまでどのように県として取り組んできたのか、そしてまた、その適合率はどうなっているのか、お伺いいたします。  第二問。  先ほど触れましたように、条例では、不特定多数の方が利用する施設の新築を行う場合に、条例で定めた整備基準に適合させることを求めております。  一方で、街には多くの既存施設がありまして、これらが愛知県の整備基準には達していない、いわゆる既存不適格と呼ばれる建物ももちろんたくさんございます。これらをどうしていくかという課題があります。  既存施設をバリアフリー改修するには、今使っているスペースを減らして、スロープを設置したり、通路に変えたりする必要があったり、部屋の使い方を変えて使い勝手が悪くなるなど、新築の場合とは違う、異なる困難さが伴っております。  そんな中で、民間の既存施設のバリアフリー改修を進めていただくためには、まずは公共施設や学校などの県有施設において、率先垂範したバリアフリー改修が進められるべきだと考えております。  そこでお尋ねいたします。  県有施設の大規模な改修時のバリアフリー化について、どのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。  三番目、最後に、もう一問お伺いいたします。  人にやさしい街づくりの推進に関する条例から既に二十五年が経過いたしております。この間に、国において二〇〇六年、平成十八年には高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法が制定され、駅などの交通施設などのエレベーター設置が急速に整備されました。  高齢化の進展、障害者の権利関係の法整備が大きく進み、社会生活に関わるハード、ソフト両面においてノーマライゼーションという考え方が普及し、条例制定の当時と比べて、社会情勢が大きく変化しております。  加えて、本県にとりましては、二〇二六年のアジア競技大会の開催と併せて、障害者スポーツの祭典としてのアジア・パラリンピック競技大会の開催を目指しております。二〇二七年のリニア中央新幹線の開業を控えて、名古屋駅を中心とした大規模な街の改造も既に始まりつつあります。  この機を捉えて、愛知・名古屋をバリアフリー先進地域としていくために、人にやさしい街づくりの推進に関する条例のバージョンアップを含めた取組の強化が必要なのではないかと考えるものであります。  そこでお尋ねいたします。  こうした社会情勢の変化に対応していくために、さらなる人にやさしい街づくりの推進に、県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。 36: ◯建築局長(砂原和幸君) 初めに、人にやさしい街づくりの推進に関する条例に基づく整備計画の届出に関するこれまでの取組と適合率についてであります。  本県では、条例に基づく整備計画の届出を行っていただくため、パンフレットの配布や県のホームページへの掲載に加え、セミナーの開催等により、制度の周知に取り組んでおります。  さらに、公開されている建築計画概要書の情報を基に整備計画の届出状況を確認し、届出を行っていない建築主に対しては文書で届出を促しており、条例制定から昨年度までに約四万五千件の整備計画の届出がございました。  なお、届出のあった整備計画のうち、約八割が整備基準に適合しておりました。  引き続き、整備計画の届出をしっかりと行っていただくよう取り組んでまいります。  次に、県有施設の大規模な改修時におけるバリアフリー化の取組についてでありますが、施設を管理する関係局や施設管理者の意見等を聴きながら、スロープや手すりの設置、玄関の自動扉化、車椅子使用者用トイレの設置など、柱や壁を撤去できない等の制約がある中で、対応可能なバリアフリー化に取り組んでおります。  現在、改修工事を行っている愛知県清洲貝殻山貝塚資料館においては、スロープや手すりの設置、車椅子使用者用トイレの新設をしており、豊川保健所では、これらに加え、玄関の自動扉化を行うこととしております。  県有施設は多くの方が利用される施設であることを踏まえ、今後もより円滑に施設を利用していただけるよう、関係局と連携してバリアフリー化にしっかりと取り組んでまいります。  最後に、さらなる人にやさしい街づくりの推進の取組についてであります。  本県では、施設の利用者や設置者等のそれぞれの立場からの意見を県の取組に反映するため、有識者や高齢者、障害者の団体及び事業者の団体を構成員とする、人にやさしい街づくり推進委員会を設置しております。  この推進委員会からは、より円滑に施設を利用していただくための整備の手引である人にやさしい街づくり望ましい整備指針の策定において御助言をいただくなど、本県の取組をサポートしていただいております。  引き続き、推進委員会からの御意見を頂きながら、全ての方があらゆる施設を円滑に利用することのできる人にやさしい街づくりについて、幅広く研究してまいります。 37: ◯九十二番(高木ひろし君) 一点、御要望をさせていただきたいと思います。  今の御答弁でも明らかなとおり、人にやさしい街づくりの推進に関する本県の条例では、いわゆる行政指導という形で、新築工事の着工前に出される整備計画、そして、それに基づいて適合すべく行政指導をやるという形で成果を八割上げてきておるわけでありますが、実は、この適合率の経過を見てみますと、二十五年間の間に大きく変化してきております。  当時は一〇〇%近い適合率をもって、建築確認の際に行政指導が効果を発揮しておったわけでありますが、十年前、建築確認の審査の業務が民間に開放され、委任されるという大きな変化がありまして、建築確認の審査を県自らが行うのではなく、民間にこれを委ねるという形になったことによりまして、実は、この適合率が大きく下がってきたという現実があります。このことに対しては、やっぱり行政指導の限界ということも考えなければなりません。  そこで注目すべきは、バリアフリー法十四条三項に付加条項という規定があることであります。  そこでは、地方公共団体は、地域の自然的、社会的条件の特性などを踏まえ、対象とする建築物の用途を追加したり、対象とする建築物の規模を二千平米から引き下げることのできる、いわゆる上乗せや横出しができる条例の制定が規定されております。  この規定を愛知県の条例に当てはめて改正をするならば、建築確認申請と連動して、バリアフリー化措置を義務化することができるわけであります。  本県においても、このバリアフリー法に基づく付加条例の制定や、あるいは、人にやさしい街づくりの推進に関する既存施設の整備をどう促進するかなどの点につきまして幅広く研究、検討していただき、アジア競技大会と併せてパラ大会が開催される数年間の間に、この愛知をさらにバリアフリー先進地域と呼ぶにふさわしい地域へと取組を強化していただくよう要望して終わります。 38: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  青山省三議員。 39: ◯六十七番(青山省三君) 私からは、歳出第七款建設費第一項建設管理費第一目建設総務費と、これに関連し、二〇一九年六月十四日に公布、施行された公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律への対応について伺います。  建設業は、社会資本整備を担う基幹産業であるとともに、自然災害時における応急対応など、県民の安全・安心の確保を担う地域の守り手でもあります。  一方で、少子・高齢化が急速に進行し、生産年齢人口が減少している中で、建設業の担い手の高齢化、若手技術者の不足が問題となっております。  また、近年、建設業を取り巻く環境は大きく変化しており、特に、頻発、激甚化する災害への対応強化、長時間労働の是正などによる働き方改革の推進、情報通信技術の活用による生産性の向上が急務となっております。  こうした環境の変化や課題に対応していくため、インフラの品質確保と、その担い手の中長期的な育成、確保を目的として、昨年六月十四日に公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律が公布、施行されました。  改正法では、災害時の緊急対応の充実強化や働き方改革への対応、生産性向上への取組、調査・設計の品質確保を大きな柱としているが、この中でも建設産業の健全な発展のためには、特に働き方改革への対応にしっかりと取り組んでいただきたいと考えています。  そこで、二点伺います。  まず、一点目として、建設現場の労働環境改善に向けて、県はどのように取り組んでいるのかお伺いします。  二つ目の質問ですが、改正品確法では、発注者の責務として、施工時期の平準化に向けた、債務負担行為、繰越明許費の活用による翌年度にわたる工期設定とともに、休日、準備期間、天候などを考慮した適正な工期の設定が義務づけられていましたが、これらについて、県としてどのように対応していくのかをお伺いいたします。 40: ◯建設局長林全宏君) 建設現場の労働環境改善に向けた取組であります。  まず、建設現場において、二〇一六年度から、原則、土曜日、日曜日を休工とする完全週休二日制工事を導入しており、この取組を推進するため、今年度からは総合評価落札方式において実施企業を加点評価しております。  次に、現場環境を改善する取組として、現場事務所を設置する一億五千万円以上の工事を対象に、二〇一六年度から男女別快適トイレの設置と現場事務所の快適化などを合わせて実施する、誰もが働きやすい現場環境整備工事を導入しております。  また、現場の作業効率や安全性を高めるため、二〇一六年度から土木関係工事において、ICT活用工事を導入しております。来年度からは、受注者の導入意識の向上を促すため、これまで実施してきた工事成績評定での加点評価に加え、総合評価落札方式の評価項目に追加することといたしました。  具体的には、本県が発注する土木工事におけるICT建設機械による河川や道路の掘削、舗装工事などの実績を有する企業を加点評価するものでございます。  次に、改正品確法を受けまして、年間を通じて工事等の計画的な発注や適正な工期の設定が行えるよう、来年度から、当初予算における繰越明許費の計上額の見直しを図ることとしております。  具体的には、従来、公共事業について歳出予算額の二%から一〇%を計上しておりましたが、来年度からは原則として公共事業については二五%を、さらに、単県事業についても一〇%を計上することとし、これにより、来年度当初予算案では、今年度当初予算の四倍強となる約二百七十億円の繰越明許費を確保することとしております。  年間に必要となる繰越明許費に基づいた発注見通しを立てることにより工事等の前倒しを図り、さらなる施工時期の平準化につなげてまいります。  また、繰越明許費を拡大することにより、工事の規模や難易度などを考慮した工期設定が契約段階において可能となることから、適正な工期を確保し、計画的な発注を行ってまいります。  こうした取組により、年間を通じた工事量の安定化を図ることで、公共工事に従事する方々の労働環境の改善を進めるなど、地域の守り手である建設業の働き方改革や公共工事の品質確保を推進してまいります。 41: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  神谷まさひろ議員。 42: ◯十五番(神谷まさひろ君) それでは、歳出第五款経済労働費第二項商工業費第一目商工業振興費の中から、スタートアップ関係についてお伺いをいたします。  今議会の冒頭、知事の提案説明の中で、フランスへの訪問及びステーションAiの整備、運営に関する発言がありました。  お聞きをしましたところ、このフランスへの訪問、一泊四日という大変ハードなスケジュールだったということでありまして、いつものことでありますけれども、知事の行動力とか、バイタリティーには、心から敬意を表したいというふうに思います。  その知事の発言の中にありましたステーションAiの整備、運営とも密接に関係をしておりますサテライト支援拠点に関することと、フランス訪問とも密接に関係しております海外スタートアップ支援機関との連携といった、二つの切り口でお伺いをいたします。
     本県がスタートアップを起爆剤としたイノベーションを創出するためには、スタートアップ支援の中核的な拠点が必要であることはもちろんのことでありますけれども、私の地元の刈谷市をはじめとした県内各地に、地域の特性や強みを生かしたサテライト拠点が設置されることは、県全域にわたってスタートアップを支援する機運を醸成することとなり、大いに期待できることであります。  そうした中、昨年の十二月議会一般質問におきまして、サテライト支援拠点の検討、調査といったことについて、次のような答弁がありました。   現在、既にスタートアップ支援に係る取組を行っている、またはサテライト支援拠点に関心のある市町村や企業、大学等を中心に面談等による調査を行うとともに、専門機関への委託により、サテライト拠点のあり方、進め方などについて検討しているところでございます。   こうした調査、検討を進める中で、県が単独で取り組むのではなく、地域の市町村、企業、大学等が自主的に関与しながら全県的な広がりを図っていくことが重要と感じているところでございます。   まずはスタートアップ支援やスタートアップとの連携に関心の高い市町村や関係機関等を中心に調整を行い、サテライト支援拠点の具体化に向け、スピード感を持って進めていきたいと考えております。 との答弁であります。  そこで質問でありますが、これまで検討を進めてこられたサテライト支援拠点の在り方とか、進め方として、サテライト支援拠点の募集の締切りや設置の時期、想定される形態、テーマや分野、さらには、ステーションAiとの役割分担についてお尋ねをします。  次に、海外スタートアップ支援機関との連携についてお尋ねします。  スタートアップ・エコシステムを形成していくためには、どのようなソフト事業を実施していくのかということが重要であり、そのソフト事業の代表格としては、海外の先進地が持つスタートアップ・エコシステム形成のノウハウ吸収を狙いとする、海外スタートアップ支援機関連携事業が挙げられます。  今年度は、テキサス大学オースティン校と連携事業を実施する一方で、八月には、フランスの工学系高等専門大学校であるIMTアトランティックやパリ市経済開発公社であるパリ・アンド・コーと、九月には、シンガポール国立大学や中国の清華大学とMOUを締結するなど、海外の先進的なスタートアップ支援機関、大学とのさらなる連携を進めようとしておられます。  そこでお伺いをします。  それらの海外スタートアップ支援機関、大学と、具体的にどのような連携を図っていくのか、お伺いをいたします。  以上です。 43: ◯経済産業局長伊藤浩行君) 初めに、サテライト支援拠点についてでございます。  サテライト支援拠点を活用し、県内でスタートアップ・エコシステムを形成するためには、各地域の市町村、企業、大学、研究機関などによる主体的な支援の体制の構築が不可欠と考えております。地域の実情がそれぞれ異なることから拠点設置の締切りは設けず、常時、この地域の取組を促していきたいと考えております。  現在想定される拠点の形態は、施設を新たに整備するケース、既存施設を強化し活用するケース、ステーションAiとのネットワーク等によるソフト支援策の充実が主となるケースがあり、事業の具体化に向けた調整を進めているところでございます。  また、テーマ、分野は、医療、高度モノづくり、MaaS、デジタルコンテンツ、食品、農業などを想定し、役割分担は、ステーションAiがスタートアップ支援に必要な全ての施設機能を保有する一方で、サテライト支援拠点は、各地域の特性を生かしたテーマや分野を設定した上で、地域に求められる機能の強化等を図っていくことを考えております。  ステーションAiとサテライト支援拠点が相互に関連し合い、相乗効果を発揮する形で、愛知に新しいエコシステムの形成を目指してまいります。  次に、海外スタートアップ支援機関、大学との連携によるイノベーション創出都市の実現に向けて、本県では、二〇一八年度からのアメリカ・テキサス大学オースティン校のスタートアップ育成プログラムでは、来年度は最先端技術の見本市、サウス・バイ・サウスウエストへの出展等を加えるなど、事業内容を充実してまいります。  さらに、来年度は、フランスのパリ市経済開発公社、パリ・アンド・コーと連携したエコシステム形成ノウハウの共有プログラムの実施、ビジネススクールインシアードと提携した起業家教育講座の開催、グランゼコールIMTアトランティックとの支援機関向けセミナー等を行います。  また、シンガポール国立大学と地域課題解決型のスタートアップ養成プログラム等を実施し、中国・清華大学と連携した本県スタートアップのビジネス進出や、中国スタートアップと県内企業とのマッチングなども行ってまいります。  これらの海外の先進的なスタートアップ支援機関、大学のノウハウを学び、連携を図ることで、世界最高品質のスタートアップ支援プログラムを、ここ、愛知で展開してまいります。 44: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  園山康男議員。 45: ◯五十三番(園山康男君) 私からは、歳出第六款農林水産費第一項農業総務費のうち、農福連携推進事業費に関連をして質問いたします。  農福連携は、農業における課題と障害者福祉における課題の双方を解決しながら、お互いに利益がある、ウィン・ウィンの取組と言われております。  労働力不足に悩む農業者にとって、障害者を新たな労働力として活用でき、障害者にとっても、仕事をする生きがいや、自然と触れ合うことで情緒が安定し、体力がつくなど、メリットが多いと感じています。  私の地元、岡崎市には県立農業大学校があり、それに隣接して、みあい特別支援学校があります。先般、特別支援学校の校長先生と話をする機会があり、農福連携に関心を寄せていると伺ったところでもあります。  本県では、二〇一九年度から本格的に農福連携に取り組み始めたと認識をしております。その一環として、農業水産局が中心となって、あいち農福連携推進協議会を設立して、県の関係局や国の組織である愛知労働局、さらには外部の農業団体、障害者就労支援団体も加わり、農福連携の取組を推進していると聞いております。  また、県の発表の資料によりますと、次年度は、福祉事業所職員に対し農福連携推進人材育成事業を実施するとのことですが、特別支援学校の生徒においても、在学中に農業に触れ、農業を卒業後の就労先の一つとして考える機会をつくり出すことが重要であると思っております。そして、農福連携の取組が進んだ将来、障害者を含む地域に生きる一人一人が尊重され、障害のあるなしにかかわらず受け入れられ、農福連携が当たり前のものとして定着するようにしていくことが重要と考えております。  そこでお伺いをいたします。  あいち農福連携推進協議会の関係者の連携状況はどのようなものか、また、特別支援学校との連携にどのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。 46: ◯農業水産局長中根俊樹君) まず、あいち農福連携推進協議会の関係者の連携状況についてお答えいたします。  本県では従前、県関係部局だけで構成していた連絡会議を発展させ、昨年五月にあいち農福連携推進協議会を設置いたしました。  この協議会では、県の関係部局として農業水産局、福祉局、労働局、教育委員会ほか愛知労働局と、またJA愛知中央会、愛知県セルプセンター、さらには名古屋市、豊橋市、岡崎市、豊田市にも御参加いただき、農福連携の推進を図っているところでございます。  今年度はこれまでに三回協議会を開催し、取組の状況や課題などについて意見交換を行い、協力体制を整えることができました。また、県以外でも、豊橋市が新たに農家と福祉事業所の農作業請負のマッチング事業を開始するなど、連携の効果が現れております。  次に、特別支援学校との連携についてでございます。  本県では、これまで農業大学校において特別支援学校小学部の生徒を対象に、施設見学や牛への餌やりなど、農業との触れ合い体験を実施して、農業の面白さや大切さを知ってもらう取組を実施してきました。  今年度は美合の特別支援学校と豊川の特別支援学校から二十六名の生徒が参加し、好評でしたので、来年度も実施したいと考えております。  また、来年度は、新たに特別支援学校の高等部の生徒を対象としまして、農業大学校から講師を派遣し、農業の授業と、花の苗作りや鉢花の寄せ植え作業などの実習を実施する予定です。  この取組で農業への理解を深め、やりがいを実感し、卒業後の就労先として農業を選択肢に加えていただければと考えております。  今後とも、特別支援学校を含め、幅広い関係者と連携してまいります。 47: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  筒井タカヤ議員。 48: ◯百三番(筒井タカヤ君) 歳出第七款建設費第七項都市整備費のうち、愛・地球博記念公園の整備について伺います。  まずは、公園へ向かう県道や駐車場内での案内について伺います。  愛・地球博記念公園外の北側に、このたび、千五百台規模の駐車場を整備する計画となっています。  駐車場を利用される方の中には、ジブリパークの入場を目的にする方と、それ以外の従来からある愛・地球博記念公園の施設利用を目的とする方がおられます。この地域を知る者として、次の提案をさせていただきます。  来園される人が迷わず駐車場へ着くためには、公園へ向かう県道に駐車場の空き状況を知らせる電光板の設置が必要と考えられます。  さらに、千五百台の駐車場は広大な施設です。広大な駐車場のどこに車をとめられる空車スペースがあるのかをお知らせし、スムーズに駐車できるようにすることが重要と考えます。  そこでお尋ねいたします。  来園者に対して、公園へ向かう県道や駐車場内での案内方法はどのように考えていますか。また、来園者の自家用車が押し寄せることが予想され、道路上の渋滞防止のために、愛・地球博記念公園前の交差点信号機の手前から直接に千五百台、駐車場へ入れる進入路の計画も必要かと考えます。答弁を求めます。  続いて、ジブリパーク開業後の園内交通等について伺います。  ジブリパークが開業すると、多くの来園者が公園を訪れます。例えば、新設駐車場に園内バスの発着場を設け、方面別に専用の入り口やルートを設けることが最善と考えます。ジブリパーク方面に園内を移動する手段に専用バス、例えばジブリネコバスの発着場を設けることによって、行き先に迷う混乱や、入り口付近の混乱をなくすことができると思うからであります。  そこでお尋ねいたします。  ジブリパーク開業後の園内交通等の移動手段についてどのように考えているか、お尋ねをいたします。  最後に、ジブリパークの開業に向けた園路改修等について伺います。  来園者の安全の確保が一番重要なこととなります。来園者が園路を歩く場合、夏の三十度から三十五度の炎天下に歩行する、冬の厳しい寒さの中を歩行するには、園路の途中に休憩できる場所が数か所必要になると考えます。  さらに、園路の幅員は十二メートルの場所もあれば、その半分の六メートルしかないところもありますが、園内バスの本数が増えれば、これらの園路の拡幅、または拡幅する余地がない場合には、トンネルのバイパス路を造る必要があるのではないかと私なりに予想します。  そこでお尋ねいたします。  ジブリパーク開業に合わせ、どのような園路改修を行っていくのか、また、現在提示されているジブリパークの概算事業費に、園路改修に必要となる事業費は入っているかについてであります。  以上、答弁を求めます。  以上です。 49: ◯都市整備局長(鎌田裕司君) 初めに、駐車場の案内方法についてであります。  愛・地球博記念公園への自動車による来園者に対しては、新設する北側の駐車場や、既存の北駐車場、西駐車場などへの誘導を長久手インターチェンジ付近など、公園へアクセスする比較的遠方の道路上から運転者にお知らせする案内方法を構築する必要があると考えており、現在、検討を進めているところであります。  また、駐車場内での案内方法については、運転者に分かりやすい誘導ができるよう、大規模集客施設の駐車場案内の事例などを参考に、最新の情報通信技術の活用も視野に入れ、研究してまいります。  次に、ジブリパーク開業後の移動手段についてであります。  愛・地球博記念公園では、公園内を歩いて楽しんでいただくことを基本として、ユニバーサルデザインにも配慮し、人に優しい公園となるよう整備を進めてまいりました。  しかしながら、広大な敷地内に公園施設が点在していることから、園内移動を支援するものとして、園内バスの運行も行っております。  ジブリパークが開業しますと、リニモでの来場者や公園北側に新設する駐車場の利用者などにより、公園北口周辺においては今まで以上に多くのお客様をお迎えすることになります。そのため、公園北口エントランスを人中心の広場空間に再整備するとともに、休憩所の機能を備えた総合案内センターを設置するなど、ホスピタリティーの充実を図りながら、来園者をジブリの大倉庫エリア方面へ誘導する、分かりやすい歩行者空間として整備してまいります。  また、園内バスは移動を補完するツールとして継続してまいりますが、ジブリパークの各エリア間を回遊するお客様の移動の傾向などを考慮しながら、利用者の利便性、快適性の向上やわくわく感が高まるような移動サービスの在り方を検討してまいります。  最後に、園路改修についてであります。  既存の公園施設やジブリパークをつなぐ園路については、園内バスのルートや運行頻度、園内を回遊する来園者の動線を考慮し、園内に整備する案内所や休憩所の配置などと併せて、安全性や経済性に配慮した改修計画を取りまとめてまいります。  なお、既存園路の拡幅が必要となる箇所については、自然環境や経済性を考慮し、できる限り樹木やのり面など、自然の地形の改変が少なくなるよう検討してまいります。  また、園路は公園施設間を連絡する施設として必要不可欠なものですので、ジブリパークの事業費には含まれておらず、愛・地球博記念公園整備事業費により改修工事を実施してまいります。 50: ◯百三番(筒井タカヤ君) 要望をさせていただきます。  答弁は難しいようですから、要望といたします。  新型コロナウイルスにより、日本の国内の全産業が混乱し、また、世界中の経済も大きく混乱をしております。大変厳しいものがあり、今年も、来年も、いずれもまだまだ見通しが立っておりません。それは即、日本の国、我が愛知県においても、経済の低下、財政の減少にもつながるものかと存じます。  県民の中には、こうした状況下にあって、ジブリパーク推進に賛否の声があることも事実であります。楽しい施設、公園造りは今必要だという声もあります。  反面、また、何だか、国民の生活が困っているのにスキー場や遊園地などを建設している朝鮮半島の北の国のようだ、これに似ていないかというような声もあることも知るべきであります。  計画は計画として、慎重な完成時期の検討の必要性もあるかとも想定いたしますが、当局におかれては慎重に、こういったことも検討いただきますよう要望し、質問を終えます。  以上です。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 51: ◯四十一番(田中泰彦君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 52: ◯副議長(堀嵜純一君) 田中泰彦議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 53: ◯副議長(堀嵜純一君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時五十二分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 54: ◯議長(神野博史君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、第一号議案令和二年度愛知県一般会計予算のうち、第一条中歳出第八款警察費から第十三款予備費まで及び第二条繰越明許費から第六条歳出予算の流用まで並びに第二号議案令和二年度愛知県公債管理特別会計予算から第六十二号議案包括外部監査契約の締結についてまでに対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  平松利英議員。 55: ◯七番(平松利英君) 私からは、第十三号議案令和二年度愛知県県立病院事業会計予算のうち、愛知県がんセンターにおけるがんゲノム医療の推進について質問します。  平成三十年三月に愛知県が策定した第三期愛知県がん対策推進計画によれば、国内のがんによる死亡者数は増加傾向にあり、近年は年間で三十七万人を超えている現状であります。  愛知県においても、年間一万九千人を超える県民ががんで亡くなられており、全国と同様、三人に一人ががんで亡くなられています。  がんは長年、我々県民の命を脅かす脅威であり続けておりますが、一方で、医療の進展に伴い、がんの診断・治療技術も年々進歩してきており、がんの五年生存率は六六・四%と、生存率は改善傾向が続いています。  現在、日本人の死因の第一位となっているがんの治療成績の向上は誰もが望んでいるところでありますが、がんの治療法として、手術療法、放射線療法、化学療法に続く治療法として免疫療法が脚光を浴びておりますが、がんゲノム医療は、治療方針決定の羅針盤とも言えるものであります。
     これまでのがん医療では、胃がんや乳がんといったがんの種類別に治療法や薬が選ばれていましたが、がんゲノム医療は、主にがんの組織を用いて、多数の遺伝子を同時に調べ、遺伝子変異を明らかにすることにより、一人一人のがん罹患リスクの評価から予防につなげたり、がん種にかかわらず有効な可能性のある治療薬を選択したりする医療であり、がんの新しい治療方法として注目され、個別的な予防や効果的な治療が期待されております。  平成三十年二月には、名古屋大学医学部附属病院ががんゲノム医療中核拠点病院と指定され、さらに、昨年九月には、愛知県がんセンターが愛知県内で唯一のがんゲノム医療拠点病院の指定を受けたところであります。この指定を受け、がんセンターでは十月から、がんゲノム外来を開催されております。  今後、県民の皆様に高度で良質ながん医療を提供していくためには、がんゲノム外来のさらなる充実、診療体制の強化が必要ではないかと考えます。  そこでお尋ねいたします。  がんセンターにおいて現在行われているがんゲノム外来の内容と、これまでの診療実績について、さらには、来年度以降の診療体制の充実について、どのようにお考えかお伺いします。  次に、がんゲノム医療に係る研究についてお尋ねします。  がんゲノム医療の推進には、まだ多くの課題があります。具体的には、遺伝子検査を受けて、がんに関わる遺伝子変異が見つかったケースでも、具体的な治療法の提案に結びつく割合は、国立がん研究センターの調査によると、約一〇%程度にとどまるとされており、治療方法が見つからない患者が多いとのことです。  ゲノム解析の進展により、遺伝子レベルでの解析が進んでも、治療薬の開発が追いついていない現状があるのです。この問題を解決するためには、医療分野に加えて、研究分野の充実が欠かせないものと考えます。  こうした中、愛知県がんセンターにおきましては、難治がんや罹患者数の多いがんを対象に、病院と研究所の協働による四つの重点プロジェクトが実施されております。  本県がんセンターは、病院と研究所を併せ持つ施設であり、その強みを生かし、がんゲノム医療の推進に力を発揮されることを大いに期待するものであります。  そこでお尋ねいたします。  現在、がんセンターが推進している重点プロジェクトの取組内容についてお伺いします。  以上です。 56: ◯病院事業庁長(木下平君) まず、がんゲノム外来の内容についてでありますが、希少がんや標準的な治療がおおむね終了したがん等の患者さんを対象に、昨年十月から週二日診療しております。  ここでは、がん遺伝子の変異を明らかにするための遺伝子パネル検査を実施した上で、医師や遺伝子カウンセラー等の専門家会議であるエキスパートパネルで治療方針を検討することになります。  また、本年二月末までの実績は、七十四名の患者さんが受診され、そのうち五十三名についてエキスパートパネルを行っております。その結果、十六名は治療薬候補を提示することができ、現在、このうち三名の患者さんが治療薬投与に結びついております。  次に、来年度以降の診療体制については、がんゲノム外来の受付を拡充するため、看護師を二名、遺伝カウンセラーを一名増員することにより、診療体制の強化を図ってまいります。  次に、重点プロジェクトの取組内容についてでありますが、本年度からの三年間で、ゲノム解析を基盤とした次世代のがん予防と医療の創出を目指して、四つのプロジェクトを進めております。  まず一つは、がんゲノム予防医療プロジェクトです。これは、ゲノムの個人差や遺伝子異常に対して網羅的な解析を行い、がん発症のリスク低減法を開発するものであります。  二つ目は、がん超精密医療プロジェクトです。これは、研究開発の基礎となる腫瘍モデルを作成し、ゲノム解析をすることにより、新たな分子標的薬の開発などを行うものであります。  三つ目は、がん免疫ゲノムプロジェクトです。これは、がん細胞を排除する免疫細胞を活性化するワクチンを開発するなど、革新的な免疫治療法の開発を行うものであります。  最後は、がん情報革命プロジェクトです。これは、スーパーコンピューターにより県のがん患者の将来動向や予防効果の予測などを行うもので、新たながん対策に役立てることを目指しております。  今後とも、プロジェクトを着実に進め、具体的な成果につなげるよう取り組んでまいります。 57: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  安井伸治議員。 58: ◯二十番(安井伸治君) 私からは、歳出第九款教育・スポーツ費第一項教育総務費学校教育指導費道徳教育推進事業費についてお伺いをいたします。  第二期県立高等学校教育推進実施計画を見てみますと、グローバルな視点を持ってコミュニティーを支えるグローカルリーダー育成のための研究の指定校に、地元の惟信高校が記載をされております。  惟信高校は、国の新たなる事業であります地域との協働による高等学校教育改革推進事業のグローカル型に愛知県からただ一校応募をいたしましたので、その流れからの県の指定かと思われます。  この国の事業は、グローカル型、地域魅力型、プロフェッショナル型があり、グローカル型とは、国際的な視点を持ち、その視点を生かして地域経済や社会に貢献する人材を育てるものであります。  このグローカル人材を育てるための協議会には、グローバルな機関として、JICAや名古屋国際センターなど、またローカルな機関として、名古屋港管理組合や海運会社などが入り、日本一の貿易港を持つ港区ならではの地域、企業、団体と連携することができ、学校の将来像や、生徒に自らの在り方、生き方について考えさせることができ、学校関係者もよい機会となったと感じているところでもあります。  一方、本県でも、平成二十六年度から県立学校を対象として、道徳教育推進事業を実施しております。  この事業においても、NPOや自治体、地域と連携しながら、人間としての在り方、生き方を考えさせるものであり、グローバルな視点を持って地域で活躍する、つまりグローカル人材の育成にもつながる事業であると考えます。  そこで質問です。  道徳教育推進事業におけるこれまでの学校の取組や、今後の事業の方向性についてお伺いをいたします。 59: ◯教育長(長谷川洋君) 県教育委員会では、二〇一四年に道徳教育推進事業を立ち上げ、毎年、県立学校十校を指定し、地域に根差した活動を通して、人間関係を構築する力やコミュニケーション能力を伸ばすなど、生徒の道徳性を養い、成長を促す教育活動を実施してまいりました。  これまでの学校の取組の例といたしましては、地域の外国籍の方を講師に招いての異文化体験交流や、地域社会の未来について自治会の方と語り合う取組、また、地域住民の方と協力して行う環境保護活動など、様々な実践事例が報告されております。  今後は、地域社会の未来を支える人材育成により重点を置いた事業内容とし、各学校に地域の活性化や地域の未来に貢献する活動を企画するよう促してまいります。  その中では、例えば、グローバルな視点を持ってコミュニティーを支える地域のリーダー、いわゆるグローカル人材育成を柱として、地域連携を行う取組も考えられます。  こうした取組を通じて、よりよく生きるための基盤となる道徳性を養ってまいります。 60: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  佐藤英俊議員。 61: ◯二十四番(佐藤英俊君) 私からは、歳出第九款教育・スポーツ費第四項高等学校費のうち、県立学校施設長寿命化推進事業費について、二つの質問をいたします。  平成二十五年十一月に国が策定したインフラ長寿命化基本計画において、各地方公共団体はインフラの維持管理、更新等を着実に推進するための中期的な取組の方向性を明らかにし、整備の基本的な方針として、公共施設等総合管理計画を策定いたしました。さらに、各地方公共団体は、この総合管理計画に基づき、個別施設ごとの長寿命化計画を策定いたしました。  文部科学省も、各地方公共団体において、学校施設を対象とした長寿命化計画が早期に策定されるよう、平成二十七年四月に、学校施設の長寿命化計画策定に係る手引を作りました。  愛知県教育委員会は、平成三十一年三月に県立学校施設長寿命化計画を策定し、これまで建築後六十年経過を目安に建て替える予定の県立学校施設の維持、保全の方針を見直し、建物の長寿命化を図り、八〇年とすることで、財政面において建物の更新費用を含めたライフサイクルコストの削減や事業費の平準化を図りつつ、教育環境の維持、向上を図るとされております。  愛知県の県立学校施設は、昭和四十年代から五十年代の生徒急増期に建設された建物の割合が高くなっております。また、平成十五年度以降、校舎等の建物の耐震対策を最優先としてきたことで、老朽化対策が実施されていない建物が多くあるということです。  ここで、一つ目の質問です。  建築後六十年経過した建物は、かなり老朽化しております。六十年前と現在では、生活環境も違います。また、県立高等学校教育推進実施計画等の新たな課題への対応に取り組むべきであると思いますが、今回の県立学校施設長寿命化推進事業がどのような改修工事となるのかお聞きいたします。また、十一年の計画期間における改修対象の建物の優先順位はどのようになるものなのか、お聞きいたします。  また、この事業は、将来を見据えて進められるべきではないかと思われます。少子化で生徒数も減り、学校施設のキャパシティーも変化していきます。そして、社会情勢、経済情勢、生活状況などの急速な変化により、学校という形、学校の存在意味から変わっていくことも考えられ、例えば学校施設とほかの機能との複合化とか、先進的な取組が求められてくるのではないかと思われます。この事業は、学校教育の中だけの事業でなく、学校が置かれた地域自治体にも大きく関係した事業となると考えていかなければならないと思われます。  今回、県立学校施設長寿命化推進事業として、令和元年度二月補正予算、令和二年度当初予算、合わせて百十五億八千三百九十八万三千円と、それ以外に債務負担行為で三十億九百六十五万九千円となっております。そして、計画によりますと、二〇二九年度までの十一年間で、総工費一千百七十二億円が投じられる予定となっております。  ここで二つ目の質問です。  総工費一千百七十二億円と多額な事業費であることから、少しでも経費を節減するための工夫、努力が必要であると思われますが、教育委員会としてどのように取り組んでいかれるのか、お尋ねいたします。  以上でございます。 62: ◯教育長(長谷川洋君) 県立学校施設の長寿命化計画についてお尋ねをいただきました。  最初に、改修工事の内容についてでありますが、経年劣化に対応するための屋上防水工事や外壁の全面塗装、床、天井などの内装の改修、給排水設備の更新のほか、生活様式の変化に対応するためのトイレの便器の洋式化、床の乾式化を進めてまいります。  また、こうした校舎本体の施設設備の改修に加えまして、受水槽や受変電設備の更新も実施をいたします。  続きまして、改修建物の優先順位であります。  まずは、三十年以上経過した建物で、これまで耐震補強工事や大規模改修工事が行われていない建物を最優先に改修してまいります。  次に、建築後六十年経過の建物で、躯体の健全性を確認し、建物ごとの築年数や改修履歴等を踏まえまして、順次改修工事を進めてまいります。  なお、多くの生徒が日常的に使用する校舎のトイレにつきましては、長寿命化計画の一部を前倒しして、二〇二三年度までに、短期集中的に環境改善を図ってまいります。  次に、事業費節減の取組についてであります。  長寿命化計画の対象となる床面積二百平方メートル以上の建物の総量は七百三十九棟、八十七万七千八百七十二平方メートルに及んでおりまして、改修工事は膨大な規模となります。こうした多額の改修工事を着実に進めるためには、トータルコストの縮減や、事業費の平準化が必要であります。  このため、必要に応じて、機能の集約化や改修面積の見直し、建物の一部減築を検討するなど、施設総量の適正化に努めてまいります。 63: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  岡明彦議員。 64: ◯三十二番(岡明彦君) 私からは、歳出第九款教育・スポーツ費第八項大学費のうち、芸術大学美術学部メディア映像専攻校舎整備費について質問します。  愛知県立芸術大学、以下県芸大といいます、その関係者の活躍については、二〇一七年十二月定例会で、藤田医大との医療連携事業について紹介しましたが、その後の県芸大の活躍も目をみはります。  昨年九月、福祉局主催のあいちアール・ブリュット展では、木管五重奏メンバーが心温まるステージを行っていました。  先月は、愛知県図書館で、美術学部の学生らが新しい県図書を考える公開講座を行っていました。  また、世界的に知られるロシアのサンクトペテルブルク音楽院との学術交流も、本県の国際的な文化・芸術交流として特筆すべきものです。  全国に五つしかない国公立の芸術系大学として、今後も期待するところ、大であります。  次いで、県芸大が専攻を開設するメディア映像に関わる本県のクオリティーの高さ、ジブリパーク以外を例にして、その高さを申し上げておきたいと思います。  愛知芸術文化センター開館当時、全国的にも先進的な人事だったのが映像担当学芸員でした。彼は現在、県立美術館の配属になっていますが、その取組により、同センターは長年、先進的な映像作品を紹介したり制作したりしており、その伝統はあいちトリエンナーレにおいて、現代芸術舞台公演にとどまらない、多様な映像プログラムの展開につながっています。  また、毎年、ウィルあいちで開催されるあいち国際女性映画祭は、世界各国の女性監督による作品、女性に注目した作品を集めた、国内唯一の国際女性映画祭として評価されています。  一方、在名古屋のテレビ局のドキュメンタリー作品群も高い評価を受けています。特に、東海テレビ制作の作品は全国的な賞を受け、テレビ放映後に再構成されたものが各地の映画館で上映されています。  例えば、さよならテレビは昨年のあいちトリエンナーレでも注目されたドキュメンタリー映画ですが、一般紙で幾度も紹介され、一月、名古屋市のシネマテークから全国上映がスタートしました。また、高蔵寺ニュータウン計画を手がけた建築家夫妻の日常を題材にした人生フルーツは、二十五万人を動員する注目作となりました。  メディア映像系の会社では、映画、三丁目の夕日シリーズや、ゲーム、バイオハザードシリーズなど、数々の有名作品の映像、CGを手がけたことで有名な株式会社白組のプロデューサー、岩木勇一郎さんが瀬戸市で起業したスピードが注目されます。  また、アイチ・スカイ・エキスポには5Gによる最先端の通信環境があり、オープニング行事の一つがeスポーツでした。大勢の親子連れや若者でにぎわっていましたが、eスポーツに使用される対戦ゲームの制作も、メディア映像表現によるところが大きいと言われています。  このようなメディア映像と関わる本県の整った環境も、県芸大の新たな取組へのインセンティブになると考えます。  次に、メディア映像関係を学ぶ各地の教育機関の活躍について触れます。人の活躍を含めた様子こそ、県芸大メディア映像専攻による未来の地域貢献、社会貢献の姿を指し示していると思いますから、述べたいと思います。  倉敷芸術科学大学メディア映像学科の教授と学生は、幕末の地元英雄を主人公にしたアニメを制作し、まちおこしに一役買っています。  宇都宮メディア・アーツ専門学校は、宇都宮市とまちづくりなどに連携して取り組む協定を結び、御当地では、名古屋学芸大学映像メディア学科の学生が尾張旭市の子育て支援策をPRする動画を作成し、話題になっています。  二〇〇五年に大学院映像研究科映画専攻を設置した東京藝大からは、日本映画の新芽と言える人材が輩出されています。映画、君の膵臓をたべたいで約三十五億円の興行収入を上げた月川翔監督、二〇一八年のカンヌ国際映画祭初参加でコンペに選ばれた濱口竜介監督、ほかにも、真利子哲也、五十嵐耕平氏ら新鋭監督を次々と生み出しています。  以上、三つの観点、一、県芸大のビビッドな活躍、一、愛知県のメディア映像に関わる整った環境、一、メディア映像での学びが生み出す社会への好影響を考えれば、県芸大のメディア映像専攻の設置は、本県が進める人材創造に関して有為な取組になると思います。しっかりと進めていただきたく存じます。  そこで、四点質問します。  一つ。県芸大メディア映像専攻では、どんな校舎整備を行うのか。  二つ。その上で、メディア映像専攻では何を学び、どんな人材を育てるのか。具体的にどんなところに就職し、どんな活躍が期待できる芸術家を育てるつもりか、お聞きします。  三つ。既にメディア映像専攻の学科、専攻を持つ大学があまたある中、後発としてどんな特色を打ち出すのか。本県にも五大学にメディア映像関連の学科、専攻がありますが、県芸大の立ち位置や役割を含めてお答えください。  最後に、東京藝大は専攻の開設に際して北野武監督や黒沢清監督らを招き、名実ともに力のある教授体制をしき、今に至っています。人の確保等、専攻開設までの課題は何かお尋ねします。  以上です。 65: ◯県民文化局長(齋木博行君) 初めに、県芸大でどのような校舎整備を行うのかについてでございますが、メディア映像専攻の校舎整備といたしましては、新校舎、映像スタジオ棟、延べ面積二百五十二平米の建設工事と、既存校舎のうち、整備面積七百五十平米の改修工事を行うこととしております。  新設する映像スタジオ棟には、実写映像や合成映像の収録を行う映像スタジオを設置するとともに、映像に音声を吹き込んだり音楽を合わせたりするためのマルチオーディオ室、アナウンス室を配置することとしております。  また、改修する既存校舎には、コンピューターグラフィックス(CG)によるアニメーション動画を制作するためのCG・アニメーションスタジオ、映像作品の編集を行うための映像編集室など、新専攻の専門教育に必要な教室を整備してまいります。  次に、メディア映像専攻では、様々なメディア映像表現を新たなイメージで創造、発信できる人材を育成してまいります。  想定される卒業生像といたしましては、芸術性の高いアニメーションを創作するアートアニメーションクリエーター、国際映画祭などへの発表活動を行うコンテンツクリエーター、テレビコマーシャルや映画、テレビ番組のオープニング映像を企画、制作するディレクターなど、様々なフィールドにおいて新たな映像表現を創造し、活躍する人材を育成してまいります。  次に、県芸大では、他の選考も含め、基礎的な造形力の確保と、その能力に裏づけされた専門的芸術表現力の高さが特徴になっておることから、入試の段階から基礎的造形力の高い学生を確保し、一学年十人という少人数教育により、卒業時には表現性の高いコンテンツや制作物を創造できる学生を輩出してまいりたいと考えております。  県内の五大学にそれぞれ特色はございますが、ここでは商業的な映画やコミックに偏らない芸術性の高いアニメーションやメディアアートに力を入れるとともに、新たな映像表現を創造していくことを特色と考えております。  最後に、専攻開設までの課題でありますが、メディア映像専攻で学ぶ学生にとって魅力的な教育環境をつくるため、来年度から映像スタジオ棟をはじめとする教育施設の整備を進めてまいりますが、高度で専門的な教育、研究を行うためには、十分な教授陣を確保することが必要であり、著名な教員の採用にも全力を挙げて取り組んでまいります。  その上で、芸術性の高い映像表現を少人数で学ぶことのできる新専攻の魅力を全国に向けてしっかりとPRし、意欲にあふれた優秀な学生を集めることが必要であると考えております。  メディア映像専攻が開設当初からレベルの高い教育を展開できるよう、これらの準備を着実に進めてまいります。
    66: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  河合洋介議員。 67: ◯三十三番(河合洋介君) 私からは、第九款教育・スポーツ費第五項特別支援学校費のうち、学校整備費特別支援学校整備事業費についてお伺いをしたいと思います。  特別支援教育の充実につきましては、大村知事は就任以来、非常に力を入れていただき、スピード感を持って取り組んでおられ、大変力強く、また、心強く思っております。  長年の懸案でありました知的障害特別支援学校の教室不足解消に向けてや、長時間通学の解消に向け、学校の新設、分校や分教室の設置、スクールバスの増車などなど、取り組まれてこられました。  そんな中、昨年の自民党さんの代表質問におきまして、知多地区に聾学校の分校、分教室をという大村知事さんの御答弁があり、期待を込めて、様々な水面下での御調整もうっすらとお聞きをしながら過ごしておりました。  そういう中、新年度の予算にこの知多地域に聾学校をという編成を見ましたので、地元の議員として、そして、知多地域の子供たち、保護者の皆様の期待に沿ういい学校を開設、そしてまた、運営をしていただきたいという期待を込め、順次伺ってまいりたいと思います。  現在、県立の聾学校は、愛知県内に五校、名古屋市内に二校、そして岡崎市、豊橋市、一宮市に各一校ということで、知多半島の子供たちは、一部例外がございますけれども、現在、一宮市まで通っております。  知多半島から一宮市は、知多半島の中でも南北、もちろんありますけれども、結構遠くて、幼稚部、小学部の幼児、児童は、自力通学というのはなかなか難しいものですので、自家用車か公共交通機関、それによって保護者の皆さんと一緒に通学をしていらっしゃいますけれども、名鉄の尾西線苅安賀駅から徒歩で五分というところに一宮聾学校がございます。車だと一宮西インターチェンジまで行って云々と、こういうことでございますけれども、かなり遠くて、大変な負担になっており、九十分、あるいはそれ以上かけて通っていらっしゃる方もいらっしゃるというふうにお聞きをしております。  そこで、県立東浦高校の敷地内に、新たに県立千種聾学校の分校を設置するということでございます。県立の普通学校の中に、敷地内にこうした特別支援学校を新設するということは、極めて珍しいケースであるともお聞きをしております。ぜひ新しい形、モデルとして、子供たち、保護者の皆様、そしてまた地域に愛される、喜ばれる学校にしてほしいと願うものでございます。  そこでまずお伺いをいたします。  規模感、スケジュール感についてちょっとお伺いをしたいと思いますが、今回、新年度予算として、知多地区聾学校分校の基本設計費として三千四百万円余が計上され、そのほか債務負担行為が四千九百万円余設定をされてございます。その内訳についてお聞きをいたします。  予定されている施設、そして設備、想定をしている生徒数、職員数をお示しいただきたいと思います。また、開設に向けてのスケジュールも併せてお示しください。  続けて、伺います。  今回のようなケース、県立の普通高校の敷地内に特別支援学校を開設するというケースは極めて珍しく、県内初の取組であるのはもちろんのこと、他県に目を向けましても、あまり類を見ないのではないかと思います。  先日、開校から二年を迎えました大府もちのき特別支援学校は、もともと大府特別支援学校の敷地内に開設をされました。また、現在、西尾市では、肢体不自由と知的障害と、その両方に対応する新たな特別支援学校を開設する構想があるということもお聞きしております。  特別支援学校の敷地を有効的に効率的に活用して、特別支援教育の充実をも目指されるというケース、これはこういったケースがございますが、これは限られたストックの中、多様化するニーズに応え、充実をさせていくということは、丁寧な議論はもちろん必要だとは思いますけれども、将来にわたり非常に有効なことではないかというふうに思っております。  そこで、今回のような、聾学校を県立の普通学校の敷地内に開設するということに対する県としての狙い、期待をすることなど、お聞かせをいただきたいと思います。  続けて、最後にお伺いをいたします。  今回、その敷地内に聾学校を新設しようとしている既存の県立東浦高等学校との連携、そして、地元東浦町との連携についてお聞きをしたいと思います。  まず、既存の学校との連携であります。  全校生徒五百七十六名の東浦高校。生徒の皆さんや先生方、保護者の皆様の理解を得る必要があると思います。通学時や共有スペースを使用するということもあると思います。  東浦高校の学生たちは、自転車か、またはJR武豊線の東浦駅から徒歩で通学をしている子が大半であります。幼稚部や小学部の低学年くらいの子供たちは、保護者の皆さんと一緒に通学するケースが多いでしょう。その送迎スペースをどう確保していくのかという課題もあると思います。小学生でも、高学年になってきますと自力通学の子たちも出てくると思いますし、新たな聾学校の児童生徒たちの通学、そしてまた、送迎との兼ね合いをどうしていくのか、これからの検討が必要です。  また、東浦高校は近年、野球部の活躍も目立ちますけれども、部活動も大変活発であり、様々な場面で障害のある子供たちと同じ敷地で学び、生活するということを理解し合うことが大変重要であります。特別教室や体育館、グラウンドなど、授業や部活動との兼ね合いをどうしていくのかという心配もあると思います。  加えて、地元東浦町との連携も重要であります。  例えば、幼稚部、小学部の子供たちの通う学校ですので、給食をどうしていくのかですとか、通学、送迎時の動線、道路誘導や、もしかしたらコミュニティバスの利用だってあるかもしれません。地元自治体との連携は極めて重要であると考えます。  近隣の小中学校との交流で、障害に対する理解を深めてもらうなど、インクルーシブ教育の観点からも、地域との交流にも大いに期待をしたいとも思います。  そうした地元との連携につきまして、新たに設置する聾学校と県立東浦高校、そして地元自治体である東浦町との連携については、どのようにお考えかお示しをいただきたいと思います。  ぜひとも地元の皆さんとの丁寧な情報の共有と、そして連携を心からお願い申し上げて、答弁、お願いしたいと思います。  以上です。 68: ◯教育長(長谷川洋君) 東浦高等学校の敷地内に新設する知多地区聾学校分校についてであります。  来年度の当初予算約三千四百万円は、土壌や電波障害の調査費と校舎の基本設計費でありまして、債務負担行為の約四千九百万円は、実施設計費となっております。  次に、新設する校舎は三階建てで、延べ床面積が約二千平方メートル、普通教室十三室、特別教室六室、管理諸室八室を整備する予定でありまして、最大収容人数は幼児、児童で六十人程度としております。  また、開校時の幼児・児童数は、幼稚部と小学部で十一学級四十二人、教職員数は二十三人と見込んでおりまして、二〇二三年四月の開校を目指してまいります。  次に、分校設置への期待でありますが、県立学校の資産を有効活用して、東浦高等学校の敷地内に分校を設置することによりまして、現在、知多半島から一宮聾学校まで通っている幼児、児童、保護者の長時間にわたる通学の負担軽減が図られます。  また、高等学校の生徒と聴覚障害のある幼児、児童が日常的に触れ合う中で、コミュニケーションの大切さや共に生きることを考え、双方にとって成長できる貴重な機会となることが期待されております。  さらに、近隣の小中学校や高齢者の方との交流を進めることによりまして、地域の住民の方全体の障害への理解が深まり、東浦町と一体となった共生社会の実現に向けた取組が進むと考えております。  県教育委員会といたしましては、今後、東浦高校や東浦町と連携、協力して、具体的な話合いを行うことで、地域の方々の期待に応え、地域に愛される分校となるよう、しっかりと取り組んでまいります。 69: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  鈴木雅博議員。 70: ◯二十五番(鈴木雅博君) 私からは、歳出第九款教育・スポーツ費第六項生涯学習費のうち、若者・外国人未来応援事業費についてお伺いいたします。  本県は二〇一七年度から、中学校卒業後の進路が未定の方や高等学校を中退された方などの社会的自立を支援するため、若者・外国人未来応援事業の実施を開始し、義務教育終了後の社会的困難を抱える若者や外国人に対して、学校教育から切れ目のない支援を行っております。  そして、二〇一九年度は、県内五か所、名古屋、豊橋、豊田、春日井、半田において、年齢や学歴、学習の習熟度などに制限なく、主に高卒認定試験合格に向けた無料の学習支援及び相談・助言事業を行う若者・外国人未来塾を開催しております。  私は過日、豊田市内で開催されている若者・外国人未来塾の現場を視察させていただきました。  豊田市においては、運営を担う公益財団法人豊田市文化振興財団が週に二日、無料の学習支援を行っており、伺ったところによりますと、二〇一九年度は、豊田市内外から二十五人の学ぼう、挑戦しようという意志がある方々が参加し、このうち十四人の方は外国籍の方々で、ボリビア四人、ブラジル八人、ペルー一人、中国一人の方が日本人と一緒に学んでいます。  参加いただいている方々は、中学卒業時に進路について学校と話し合ったが、結果が出ないまま卒業してしまい、引き籠もってしまったという方、高卒の資格を取得し、就労条件をよくしたいという方、高卒認定試験合格を社会復帰のきっかけにしたいという方など、様々な理由によりこの若者・外国人未来塾で学ばれ、これらの方々に対して支援スタッフの方々は、認定試験の合格を目指すだけでなく、学習すること、物事を知ることの楽しさや喜びを味わってもらうことを意識しながら、個別指導をしていただいております。  その結果、参加者に学習の習慣が身についたり、ひきこもり状態が少しずつ解消されただけでなく、自分に対する自信を取り戻し、高卒認定試験を受験する方も着実に増えており、二〇一九年度は、豊田地域で五人の方が高卒認定試験を受験し、二人の方が全科目に合格されたとのことです。  合格された方々からは、仕事、子育てをしながらの挑戦で、勉強の時間も取れなかったが、相談できる場があったから、高卒認定試験の受験に踏み切れたとか、日本語の問題の意味が分からなくても、いろいろな例えで分かるまで何度も教えてもらえるからいいなどの声が寄せられているとのことです。  ここで、この学習支援に参加された方の事例を紹介したいと思います。  中学卒業後、通信制の高校に進学するものの中退した若者は、二年前から未来塾を利用していましたが最初の一年は高卒認定試験の受験ができませんでした。二年目になり八月の試験で五科目に合格、十一月の試験で残りの科目にも合格し、見事高卒認定の合格を果たしました。現在も進学に向けて着実に努力を重ねています。  また、高校を卒業してアルバイトをしていた外国籍の若者も学びに来て、大学に合格できたケースもあります。指導を受けた先生から、AO入試を勧められ、オープンキャンパスのことや願書の出し方などを教えてもらったり、大学生ボランティアからはエントリーシートの書き方や面談についてもアドバイスをもらったりしたそうです。面談には不安を抱えていたようですが、先生方から「自分に自信を持って練習通り臨めば大丈夫」と背中を押されたので、自信を持って受験できたと話してくれました。彼女は春から大学で夢に向かう次のステップを踏み出します。  今紹介した事例に加え、学習支援に参加する中で、自分には無理だという思い込みから次第に抜け出し、自信を回復して、社会的な自立に向けて歩みを進める方など、数字には現れない成果も数多く得られているとのことです。  このように、この若者・外国人未来塾に参加された方々がそれぞれの未来を見つけ、新たな一歩を踏み出している一方で、本県には、中学卒業後の進路未定者、高校中退者、ひきこもり状態の方及び外国人など、多くの若者が社会的困難を抱えております。  二〇一八年度のデータによると、本県の中学不登校生徒数は八千二百七十七人で全国三位、中学卒業後、進路未定者数は六百二十四人で全国一位、高等学校など中退者数は二千三百七人で全国五位、日本語指導が必要な外国籍の児童生徒数は九千百人で全国一位となっており、本県における若者・外国人未来塾に対する社会的要請は年々高くなっている一方で、社会的困難を抱えた多くの若者や外国人の方々に対し、若者・外国人未来塾の周知が課題となっております。  私が参加者の方とお話しさせていただいた際も、高校を辞めるときに学校の先生から、若者・外国人未来塾の存在を教えてほしかったとの声があり、高校での情報提供も必要であると思います。  また、豊田地域の若者・外国人未来塾に参加する二十五人の半数以上の十四人が外国人であるように、外国籍の参加者が増加していることから、名古屋地域で行われている、日本語習得の不十分な外国人のための日本語学習支援の拡大は、本県において喫緊の課題となっております。  さらに、本事業の開始時期が七月からとなっているため、八月に行われる第一回の高卒認定試験に対応できていないだけでなく、前年度から継続して学習を希望する参加者にとっては、四月から六月までの間が空白期間となってしまい、参加者の学習の場と学習意欲を奪ってしまっている現状を鑑みると、事業の早期開始が求められております。  元気な愛知の基礎は人づくりであり、すべての人が輝き、活躍する愛知をつくっていくためには、社会的困難を抱えた若者や外国人の方々など、社会的自立を支援するための若者・外国人未来塾の拡充、改善は、人が輝く愛知の実現に資するものであると考えます。  そこで、三点お尋ねいたします。  一点目、二〇一七年度から直近までの県全体の学習支援参加者数の推移及び高卒認定試験の合格状況をお伺いいたします。また、教育委員会としては、その状況をどのように考えるかについてもお伺いいたします。  二点目、現状を鑑みると、学習支援を一層充実していくこと及び本事業の開始時期を早めることが重要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。  三点目、できるだけ多くの方に事業を知ってもらうためにどのような工夫をしているのか、お伺いいたします。  以上です。 71: ◯教育長(長谷川洋君) 若者・外国人未来応援事業についてお尋ねをいただきました。  まず、学習支援参加者数の推移についてでありますが、事業を開始した二〇一七年度が三地域で四十五名、二〇一八年度が五十二名、今年度は、本年一月末までで五地域で七十四名、三か年合わせて百七十一名となっております。  次に、高等学校卒業程度認定試験の合格者数の推移につきましては、二〇一七年度が四名、二〇一八年度が八名、今年度は十一名、合計二十三名でございます。  県教育委員会といたしましては、高等学校卒業程度認定試験の合格者数が着実に増加しているのは、本事業の成果であると考えております。  続いて、学習支援の一層の充実についてでありますが、できるだけ身近なところで学習支援を受けたいという参加者からの要望に応えるため、今年度実施した名古屋、豊橋、豊田、春日井、半田の五地域に、来年度は一宮、蒲郡の二地域を加えた七地域で実施することとしております。  さらに、外国籍の参加者が増加している現状を踏まえまして、これまで名古屋のみで実施してきた日本語の学習支援を、豊橋、豊田の二地域を加えた三地域で実施してまいります。  また、事業の開始時期につきましては、本事業が国の委託事業であることから、実施前に審査を受ける必要があったために七月の開始としていたものでありますが、来年度は国庫補助による制度に変更をされましたので、内示を受けて、年度当初から事業を開始することが可能となります。  開始時期の前倒しにより、対象者に切れ目のない支援をしてまいりたいと考えております。  最後に、若者・外国人未来塾の周知の工夫についてであります。  これまでも多言語によるリーフレットの作成、コンビニエンスストアでのチラシの配布、県教育委員会ウェブページへの掲載などを通じて、周知に努めてきたところであります。  また、今年度は、新たに西三河地区の県立高校四校において、中途退学者に対して情報提供を行うとともに、中途退学から五年間程度、本事業の情報を継続して提供してまいります。  さらに、来年度からは、情報提供を全ての県立学校の中途退学者に広げる予定であります。  また、中学校卒業時の進路未定者に対しましては、中学校から事業のお知らせを配布することとしております。  今後も、できるだけ多くの方に事業を知っていただけるよう、さらに工夫をしてまいりたいと考えております。 72: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  日比たけまさ議員。 73: ◯三十四番(日比たけまさ君) 歳出第九款教育・スポーツ費第一項教育総務費及び第四項高等学校費について伺います。  私は現在、三名の女子学生をインターンシップ生として受け入れています。彼女たちは、NPO法人ドットジェイピーが主催する、三十年後の日本一住みたいまちを決める政策提言コンテスト、未来自治体全国大会二〇二〇に挑戦しており、その内容が興味深いものとなっておりますので、ここで少し紹介します。  テーマは、グローバル社会に通用する人を育てる町。  背景として、中学生時代、アメリカから来た生徒がクラスに入ってきた際に、外国人とのコミュニケーションの取り方が分からず、壁を感じてしまった苦い経験から、国内におけるグローバル化が加速する中、通用する人材を育てたいとの思いがあったそうです。  現状の問題として、三点、一、自国や異文化の理解が欠如している、二、コミュニケーション能力が低い、三、行動力や興味、関心が薄いを挙げ、それぞれの対策として三点、一、留学しやすい環境整備としての国際バカロレア教育──以下、IBと呼びます──の学校設立、二、コミュニケーション能力向上を目指した幼児と高齢者の触れ合い、三、自分の将来に向け、興味や関心を持つきっかけとしてのAI適性検査の実施を二〇三〇年に実施する政策を立案しました。  そこで、彼女たちの着眼点を意識しながら、これらの現状について確認したいと思います。  初めに、IB教育の学校設立について伺います。  IB教育については、昨年十二月定例会にて、浅井よしたか議員が一般質問され、その際に触れられた大阪市立水都国際中学校・高等学校の授業を私も一緒に見学しましたので一言だけ述べますと、同校の目指す英語によるコミュニケーション能力の習得、自国の伝統や文化に根差した国際理解教育、グローバルな視野に立って行動するための態度、能力を育てる教育が本当に高いレベルで実践されているということでした。  教育委員会は先月、県立高等学校教育推進実施計画(第二期)を公表し、グローバル人材育成・国際理解教育の新たなモデルづくりとして、一、グローバル人材育成の全県的な拠点校として、刈谷北高校に国際探究科を新設し、IBディプロマ・プログラムの趣旨を踏まえ、探究的な学習を推進するための先進的な教育課程の研究に取り組む、二、スーパーグローバルハイスクールの成果を踏まえ、旭丘高校と時習館高校を本県独自のあいちグローバルハイスクールに指定し、将来、国際的に活躍できるグローバルリーダーや、地域と国際社会のかけ橋となる人材を育成すると記載しています。  そこで、刈谷北高校に新設する国際探究科の具体的な内容及びどのような成果を期待しているのか、伺います。  次に、本年度から旭丘高校で実施されているあいちグローバルハイスクールで、生徒にどのような成長が見られたのか、伺います。  加えて、海外の大学に進学しやすい環境の整備をどのように実現するのか、伺います。  次に、コミュニケーション教育について伺います。  間もなく社会に巣立つ彼女たちが気にしているのがコミュニケーション能力です。  日本経済団体連合会が公表した二〇一八年度新卒採用に関するアンケート調査の結果によると、選考で重視した点として、コミュニケーション能力が十六年連続一位となっています。つまり、企業は過去からずっと、コミュニケーション能力の高い学生を求めているのです。  加えて、今後を見据えると、コミュニケーション能力がさらに求められると考えられます。  二〇一五年十二月、野村総合研究所は、十から二十年後に日本の労働人口の約四九%が就いている職業において、AIやロボット等で代替が可能との分析を発表しました。  この報告には、芸術、哲学など抽象的な概念を整理、創出するための知識が要求される職業、他者との協調や他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業は、AI等での代替が難しい傾向にあると記載されています。すなわち、大多数の人間の生き延びる道は、コミュニケーション能力にあると言えるのです。  その一方で、核家族化やITの進行といった環境の変化もあり、若者のコミュニケーション能力低下も懸念されています。  こうした現状の下、最近、幼児期からのコミュニケーション能力向上と高齢者の健康増進を兼ねた多世代交流が各種施設や団体にて実施されており、それを教育プログラムとして確立するというのが彼女たちの政策提言です。  実際、コミュニケーション教育についての必要性がうたわれていますし、アクティブ・ラーニングなどもこうした対策の一つなのかもしれません。その中で注目され始めた取組の一つがイエナプラン教育です。
     イエナプランは、オランダで普及している教育スタイルで、異なる学年の子供が混在するクラスが設けられ、教員が一方的に教えるのではなく、生徒児童が集まって議論し、考えるというスタイルで実施されます。  いつ、何を学ぶかは自分で計画し、教員がアドバイスするという形を取ることで、それぞれのペースで学習し、全体の進度についていけない落ちこぼれが存在しません。そして、教えられる側だった子は、高学年に進むと教える側になり、双方の立場を順に経験することで、お互いを認めて多様性を尊重するようになるほか、社会で協同して積極的に活躍できる人材を育成することが教育のベースとなっているため、皆が楽しく一つの教室で学べると言われております。  日本では、昨年四月、長野県佐久穂町に初のイエナプランを導入した私立大日向小学校が開校しました。現時点で公立学校に導入した例はありませんが、名古屋市では、現行制度内でどのような要素を持ち込めるか、研究が始まっています。  そこで伺います。  イエナプランを含め、コミュニケーション教育について本県ではどのように取り組まれ、今後、どのように取り組んでいくつもりか、伺います。  最後に、将来に向け、興味や関心を持つための適性検査を含めた進路指導について伺います。  こちらも、彼女たちが今悩んでいる問題です。私はこれまで三十名以上のインターン生を受け入れましたが、ほとんどの学生が将来の方向性が見えていない状況でした。今回の彼女たちも同様です。  ベネッセ研究所による高校生活と進路に関する調査では、自分の適性(向き・不向き)が分からない、自分の就きたい職業が分からないと回答した学生がいずれも六割前後います。  本県においては、ここ数年、キャリア教育を意識した様々な取組が展開されていますが、その中で、進路指導も大変重要な役割があると考えます。  私は先日、ウインクあいち十七階にあるあいち労働総合支援フロアにて、県の事業で公益財団法人愛知県労働協会が行っている一般職業適性心理検査を受けてきました。目的別に数種類の検査が用意されており、その中から職業レディネス・テストを受けてみました。  これは中学校、高等学校等の生徒の進路指導において、生徒の基礎的志向性及び職業志向性を知り、生徒の職業理解を深めることを目的としたもので、二、三十分をかけて百五十問程度の簡単な設問に答えると、様々な視点から将来職業を選ぶときのヒントが示され、助言が得られます。ちなみに私の場合は、今の仕事が合っているとのことでした。  言うまでもありませんが、この結果に縛られる必要は全くありませんし、そんな指導もされていません。この検査は、学生が何となくしか持ち合わせていない将来への関心が可視化される、自身が知らない様々な職業を知る機会となるなど、将来への興味や関心を持つ動機づけとしてのツールであり、私自身、その有効性は大変高いと感じました。  ちなみに、検査プラス解説、助言で、手数料は三百三十円。ただし、今議会に提出されている愛知県手数料条例の一部改正により、三百七十円に改定される予定です。  なお、学生は、現在二百七十円で、改定後は三百十円。さらに、学校に検査用紙があるなど、検査の判定だけを依頼する場合には、七十円となっています。  授業時数に決して余裕がないことは分かりますが、できることならば、学校においてこうした機会を積極的に設けていただきたいと思います。  そこで、自分の適性が分からないという生徒に対し、職業適性心理検査の活用状況を含め、どのような指導をしているのか、伺います。 74: ◯教育長(長谷川洋君) 刈谷北高校の国際探究科では、刈谷市とその周辺地域にグローバル企業が数多く立地するメリットを生かし、海外勤務の経験のある企業の方や日本で勤務する外国人による講演会、特色あるインターンシップなどを実施することを検討してまいります。  また、海外帰国生徒に係る入学者選抜の実施校であり、海外での生活を経験した生徒を受け入れている実績を生かして、グローバルなコミュニケーション能力やチャレンジ精神等を育み、グローバル社会で活躍できる人材の育成を図ってまいります。  次に、あいちグローバルハイスクールにおける生徒の成長の様子についてであります。  旭丘高校では今年度、ケンブリッジ大学訪問研修や韓国課題研究ゼミを実施しております。  生徒たちは、ケンブリッジ大学では、学術研究についてのインタビュー調査を行うとともに、英語論文に関して直接指導を受けるなど、世界最高水準の大学における学問研究に触れることができました。  また、韓国課題研究ゼミでは、日本と韓国の共通の課題の解決と関係発展の方策をテーマに学習に取り組み、十二月に実施した韓国でのフィールドワークでは、オールイングリッシュで意見交換を行い、英語による実践的なコミュニケーション能力を高めることができました。  高校からは、生徒たちが多様な価値観に接する経験を通して、他者の意見に耳を傾けながら、自分の考えをオールイングリッシュで発表できる、高度な発信力を身につけたとの成果が報告されております。  次に、海外の大学に進学しやすい環境整備についてであります。  教育委員会では、これまで文部科学省の留学促進事業を活用したり、あいちグローバル人材育成事業の一環として、生徒の短期留学等への助成を行ったりするなど、生徒の留学支援を実施してまいりました。  また、海外の大学への進学を目指す生徒の増加を見据え、昨年度から英語科教員を対象に、海外大学への進学に係る説明会を実施しております。  今後は、こうした取組を進めるとともに、留学や海外進学を志す生徒の資質、能力を育成することによりまして、海外の大学へ進学しやすい環境の整備に努めてまいります。  次に、コミュニケーション教育についてであります。  新学習指導要領では、児童生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うよう求めております。これは、教師が一方的に教えるのではなく、児童生徒がお互いに議論し、考え、認め合うという授業スタイルであり、イエナプランと共通する部分がございます。  また、県内の小中学校では、学年間交流を活発に行い、異なる学年の教え合いや学び合いが実践されている学校もあります。こうした考え方もイエナプランと重なるところがございます。  こうした様々な取組を踏まえながら、県教育委員会では、学ぶ内容と社会とのつながりを考え、課題探求に取り組む、社会に開かれた教育課程推進事業を実施し、社会参画型学習の研究を進めております。  これらの取組を広く発信し、県内小中学校全体で、社会とのつながりの中で、より深い学びの実現を目指し、児童生徒のコミュニケーション能力を高めてまいります。  最後に、適性検査を含めた進路指導についてであります。  職業適性心理検査については、特に職業学科や就職者の多い普通科を設置する学校を中心に、県立高校では昨年度、四十二校で約一万人が受験をしております。  生徒はこの診断結果を通して、自分の持ち味を生かせる仕事や職業についての知識や情報を得ることができます。また、教師は、生徒一人一人の個性や適性を客観的に捉えることができております。  今後もこうした適性検査を生徒のインターンシップや進路相談などに活用するなどいたしまして、キャリア教育の充実を図ってまいりたいと考えております。 75: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  辻秀樹議員。 76: ◯二十七番(辻秀樹君) 私からは、歳出第九款教育・スポーツ費第十項スポーツ費のうち、第七十六回国民体育大会冬季大会開催費についてお尋ねをいたします。  来年一月二十七日から三十一日までの五日間、第七十六回国民体育大会冬季大会が開催されます。そのスケート競技会、アイスホッケー競技会が本県での開催となり、二〇一二年の第六十七回冬季国体(ゆめリンク愛知国体)の開催以来、九年ぶり、二回目となります。  フィギュアスケートとショートトラックは名古屋市南区の日本ガイシアリーナで、アイスホッケーは豊橋市のアクアリーナ豊橋と長久手市のモリコロパークで開かれ、スピードスケートは岐阜県恵那市で、スキー競技は秋田県鹿角市で開催されるとお聞きいたしております。  県は昨年、大会テーマを夢!きらリンク愛知国体に決め、スローガンは、「氷上で 繋がる心 輝く未来」、シンボルマークは、愛知の頭文字Aをモチーフに、黄、赤、青の三色で競技のスピード感などを表現したデザインを全国公募作品の中から決め、いよいよ大会機運を高める取組や、大会開催への準備が着々と進められているものと承知いたしております。  こうした県の取組が進められる中、先月下旬、愛知県スケート連盟の小川理事長並びに愛知県アイスホッケー連盟の服部理事長、伊藤副理事長をはじめ連盟役員の皆様と面談し、大会にかける思いや今後の課題等についてお聞きしてまいりました。  その主な御意見としては、今後の課題として、まず、オフィシャルスタッフの人員確保があり、スケート競技では、これまでの大会スタッフや運営ノウハウの蓄積から課題は少ないものの、アイスホッケー競技では、アクアリーナ豊橋とモリコロパークの二会場それぞれにおけるオフィシャルスタッフの確保と育成が課題であり、これに対する支援を求められました。  また、大会会場の環境整備として、スケート競技のショートトラックにおける衝突緩衝材となるフェンスマットが不足することへの対応、アイスホッケー競技におけるモリコロパークでの選手控室の十分な確保とゴールジャッジを実施するなどのオフィシャルボックスが新たに必要になることなどが挙げられました。  さらに、モリコロパークの駐車場から会場リンクまでが長距離であり、アイスホッケー選手の装具重量から、移動負担が極めて大きいため、選手関係者の会場リンク付近までのバス輸送の配慮をお願いしたいなどの、県の役割についての要望がありました。  加えて、このたびの新型コロナウイルス感染対策により、二月二十九日から三月一日開催予定であった第六十八回三笠宮賜杯中部日本アイスホッケー競技大会が中止になるなどの影響から、今後の本県選手強化に向けての取組は重要であり、ホームリンクでの計画的な練習を確保したいとの希望もお聞きしてまいりました。  そして何より、スケート競技、アイスホッケー競技ともに共通する願いとして、夢!きらリンク愛知国体に多くの皆様に観戦いただきたい、選手たちを応援してほしい、冬季スポーツの力をじかに感じていただきたい、そして、大会を契機にして、県内各地での冬季スポーツのさらなる振興と次世代選手育成の発展につなげていきたいとの強い要望をお受けいたしました。  これを達成できてこそ、大会の成功と言えるのではないでしょうか。そのためには、大会の盛り上げにつながるPRを県内で積極的に働きかけることが県の重要な取組になると考えます。  二〇一二年ゆめリンク愛知国体では、地元出身アスリートによる冬季競技の魅力を語るトークショーの開催や、ゆめリンクキャラバン隊が結成され、ヒップホップグループ、ノーバディーノウズ提供の応援ソングとともにPRパフォーマンスが行われました。  また、PRキャラバンは、長久手や名古屋の小中学校へ派遣され、地域の子供たちへの冬季競技の魅力発信を行い、さらに、モリコロパークでは、五輪出場選手らが指導するスケート教室の開催や、実演を交えた競技説明があるゆめリンクスクールが開催されるなど、様々な大会機運の醸成に取り組まれたとお聞きしております。  来年の大会PRとして、こうした前回の取組はもちろんのこと、本年のラリージャパンのメイン会場、ジブリパーク開業予定のモリコロパークが大会会場となることから、その公園内やリニモ沿線などにおいて、ラリージャパンやジブリパーク開業のPRと、夢!きらリンク愛知国体のPRとの相乗効果を発揮できる県の取組などを創出することができれば、そのPR効果は大きいのではないかと夢が膨らみます。  現在、愛知・名古屋がフィギュア王国と呼ばれるように、かつては、冬季五輪に四度出場した寺尾悟選手を輩出するなど、豊田市足助地域がショートトラックの聖地であったと言われております。夢!きらリンク愛知国体の大会レガシーとして、県内地域がスケート競技やアイスホッケー競技のメッカとなり、それがスポーツによる地域振興につながることに期待したいと思います。  本年一月二十九日から二月二日まで青森県で開催された第七十五回冬季国体では、フィギュアスケート競技において少年女子が優勝し、成年女子も三位となりました。ショートトラックでも、成年男女三種目で二位、三位入賞の成績を上げ、さらに、アイスホッケーでは、成年男子が準々決勝まで勝ち上がり、七位入賞という健闘を見せるなど、愛知県勢は大いに活躍しました。  県は来年度予算案において、第七十六回国民体育大会冬季大会関連予算として、式典運営、大会広報活動、来場者のおもてなしや、会場市への競技会運営経費の助成、本県代表候補選手の競技力向上支援等に取り組むとお聞きをいたしております。  来年の冬季国体、夢!きらリンク愛知国体の開催では、県民のスポーツへの関心をさらに高め、大会選手の活躍を支援し、冬季スポーツの普及、発展を図るとともに、全国から来県する選手、監督をはじめとする皆様を温かくもてなし、多くの県民の皆様の観戦により大会を盛り上げ、これを地域の活性化につなげていくべきではないでしょうか。  そこでお尋ねいたします。  夢!きらリンク愛知国体の成功に向けて、大会機運の醸成や大会を盛り上げていくため、県はどのような取組を行っていくのか。また、大会後の冬季スポーツの普及、発展について、県はどのようにお考えか、お伺いいたします。  以上です。 77: ◯スポーツ局長(飯田靖君) 第七十六回国民体育大会冬季大会開催費のうち、まず、大会機運の醸成と盛り上げについてであります。  昨年七月に知事を会長とし、名古屋市、豊橋市、長久手市の開催三市などで設立をした愛知県実行委員会において、大会シンボルマークなどを決定するとともに、広報グッズを作成し、昨年の日本ガイシアリーナでのショートトラック・ワールドカップや、今年の青森県、富山県での冬季国体などで広報、PRを行いました。  この一月には、公式ウェブサイトを立ち上げ、ツイッターなども活用して、情報発信を展開しているところでございます。  来年度は、夢!きらリンク愛知国体の見どころや、本県及び開催三市の魅力を紹介する動画も制作して、県外からも多くの皆様にお越しいただけるよう、広報、PRに一層力を入れてまいります。  また、県内でも、有名選手によるスケート教室やアイスホッケー体験などを実施するなど、多くの県民の皆様が競技会場に足を運び、応援していただけるよう、大会の盛り上げを図ってまいります。  そして、来年一月の大会期間中は、開催三市と連携、協力をし、御当地グルメの提供、記念撮影スポットの設置、観光情報の提供など、御来場いただく方々が大会を心から楽しんでいただけるようなおもてなしでお迎えしてまいりたいと考えております。  次に、大会後の冬季スポーツの普及、発展についてであります。  まずは、夢!きらリンク愛知国体が盛り上がり、県民の皆様に冬季スポーツの楽しさやすばらしさを知っていただき、競技のファンになっていただくことが大切と認識をしております。  また、大会を契機に冬季スポーツに取り組もうとする若者が増え、さらに、本県ゆかりの選手が冬季スポーツで活躍していただくことが大変重要になってくるものと考えております。  本県では、国際競技大会で活躍できる地元選手を育成するあいちトップアスリートアカデミーを今年度開設いたし、小中学生などを対象にトップアスリートの発掘、育成に取り組んでおり、その体験種目にスケートだとか、アイスホッケーも取り入れているところでございます。  また、日本代表を目指す本県ゆかりの選手を支援する二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックあいち選手強化事業を来年度からは二〇二六年アジア競技大会等選手強化事業として再編し、冬季競技も対象に追加することとしております。選手強化の取組が冬季スポーツの一層の普及、発展につながることを期待しているところでございます。  こうした取組を進めながら、大会後も冬季スポーツが普及、発展していくよう努めてまいります。 78: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  丹羽洋章議員。 79: ◯三十番(丹羽洋章君) 私は第九款教育・スポーツ費第一項教育総務費のうち、学校教育指導費、個に応じた教育推進事業費についてお伺いいたします。  医療技術の進歩とノーマライゼーションの考え方などによって小児在宅医療が進む中、特別支援学校に通う子供たちの中で、医療的ケアを必要とする児童生徒が急速に増えてまいりました。  本県においても、今日まで特別支援学校への看護師配置を進めながら、医療的ケアの実施体制を強化してきたことだと思います。  医療的ケアは、経管栄養、たんの吸引、導尿など、日常生活に必要な医療的な生活援助行為を指し、学校における医療的ケアとは、自宅で本人、家族が行っている在宅での医療的ケアの一部を学校で行うことをいいます。  特別支援学校での医療的ケアは、医療機関としてのケアではなく、教育機関の支援として実施されています。そして、医療的ケアが必要な児童生徒の自立の促進、健康の維持増進及び学習環境の整備を図ることを目的に、学校に配置された看護師が医療的ケアを実施しております。  そこで、以下の諸点についてお伺いいたします。  年々、医療的ケアを必要とする児童生徒が増大していますが、愛知県の状況はどうなっていますでしょうか。また、県内の県立特別支援学校三十校のうち、看護師が配置されている学校は十一校と聞いておりますが、看護師の配置状況はニーズに対応できているか、お伺いしたいと思います。  次に、医療的ケアが必要な子供たちは、その状態も一人一人違うので、看護師にとってその子の状態を把握し、適切なケアが行えるようになるには、どうしても一定の時間がかかるのは致し方ありません。そこで、一定期間、保護者が付き添うことになるのも致し方ありません。  がしかし、それが数か月ともなると、仕事に行くこともできず、結果として離職してしまっただとか、子供を学校に通わせることを断念したケースもあると伺っております。また、付添いが必要なくなっても、何かあるとすぐに電話が鳴る、学校に呼び出されるということが頻繁にあるとも伺っております。  昨年三月、文部科学省は、保護者の付添いは、児童生徒の自立を促す観点からも、真に必要と考えられる場合に限るように努めるべきとの通知も出されました。現状をどのように認識し、改善されようとされているのか、お伺いしたいと思います。  担任の先生をはじめとする教員、養護教諭、看護師等、チームで教育や医療ケアに取り組む必要がありますが、それぞれの責任や役割、職務等が明確に意識され、連携がしっかり取られて、子供たち一人一人に適切かつ細やかに対応できているとは、残念ながら、今、言えないように思います。教員、養護教諭、看護師等の連携、協働について現状をどう認識されて、今後、どのように改善していこうと考えられているか、お伺いしたいと思います。  また、いわゆる指示書に書かれている医療的ケアしかできないとなっておりますけれども、子供たちの状況を鑑みず、そのときの状況に即さない硬直的なケアになってしまっていないかという声も頂いております。  人間である以上、天候や気温によっても体調が変わります。子供たちの状態に応じて、臨機応変に対応する必要もあろうかというふうに考えますが、現状をどのように認識され、改善されようと考えられているか、お伺いしたいと思います。  最後に、看護師以外医療職がいない学校という場所に勤務する看護師にとって、研修等を行う機会があまりないという状況は、自身の技術、知識等のスキルアップにもつながらず、特別支援学校にとっても、優れた看護師を確保することが難しいと考えます。やはり、スキルアップのための研修なども必要だと考えます。御認識と、今後どのように対応されるのか、お伺いします。  あわせて、人材の確保、地域の医療機関、指導医との連携強化などを考えたとき、例えば、指導医のいる地域の医療機関から看護師を派遣してもらうなどといったことも考えられると思いますが、どのようにお考えになられて、今後どう対応されるのか、お伺いしたいと思います。  以上です。 80: ◯教育長(長谷川洋君) 初めに、本県の医療的ケアの状況でございます。  県立特別支援学校におきましては、医療的ケアが必要な幼児、児童生徒は、肢体不自由の特別支援学校を中心に、一昨年度、十一校百六十三名、昨年度、十二校百六十九名、今年度、十一校百九十名在籍しており、増加をしております。  次に、看護師の配置につきましては、たんの吸引や経管栄養、人工呼吸器管理など医療的ケアを行うため、学校から医療的ケアが必要な幼児・児童生徒数や内容など、各校のニーズを受けて、常勤・非常勤看護師七十二名を配置することにより対応しております。  来年度は、医療的ケアを必要とする幼児・児童生徒数が今年度より二十三名増加する見込みから、さらに七名の非常勤看護師を配置してまいります。  次に、保護者の付添いについてでありますが、入学当初や転学、新たに学校看護師を配置した場合など、医療的ケアを安全に実施するため、校内の体制が整うまでは、保護者の付添いによるケアをお願いしている現状にあります。  保護者の方には、付添いを必要とする理由や期間について各校が丁寧に説明し、お願いをしておりますが、保護者の負担となっていることも認識をしております。  県としましては、保護者の負担がさらに軽減できるよう、引き続き看護師の増員や実施体制の在り方について検討をしてまいります。  次に、教員、養護教諭、看護師等の連携、協働についてでありますが、現在、看護師による医療的ケアを実施している県立特別支援学校に管理職、学校医、看護師、教員、養護教諭等で構成する校内医療的ケア検討委員会を設置し、医療関係者と教員、保護者が情報を共有し、安全な医療的ケアの実施に向けて、協力して取り組んでいるという認識をしております。  高度化する医療的ケアを円滑に実施するためには、これまで以上に関係者の情報交換や共通理解を進めることが必要であります。引き続き、校内医療的ケア検討委員会を中心に、連携体制を充実させてまいりたいと考えております。  次に、学校看護師による医療的ケアについてでありますが、看護師は主治医からの具体的なケア内容が書かれた指示書に沿ってケアを実施することとしておりまして、指示書の範囲を超えてケアを実施することは困難であると認識しております。  こうした状況を改善していくためには、保護者の協力を得て、あらかじめ予測される様々な事態を想定して、事前に学校、主治医、保護者が相談した上で指示書を作成し、指示書に沿った個別のマニュアルを作成することが必要となります。
     今後も保護者、主治医、学校がしっかりと連携し、チームとして医療的ケアを必要とする児童生徒に対応してまいりたいと考えております。  最後に、看護師のスキルアップのための研修につきましては、医療的ケア指導医を各校一名委嘱し、看護師や教員に指導、助言を行っております。  来年度は、指導医の学校への派遣回数を二回から三回に増やしてまいります。  また、指導医や関係機関と連携して、学校看護師研修会を新たに開催いたします。  さらに、文部科学省が実施する看護師研修会に学校看護師の代表者を派遣し、最新の知見を各特別支援学校に還元してまいります。  地域の医療機関からの看護師の派遣につきましては、看護師不足の状況や医療機関との連携体制整備等の課題への対応も含めまして、研究をしてまいります。 81: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  谷口知美議員。 82: ◯五十七番(谷口知美君) 歳出第九款教育・スポーツ費のうち、第一項教育総務費のうちの教員免許事務費、第二項小学校費のうちの小学校教職員費及び第三項中学校費のうちの中学校教職員費に関して伺います。  まず、小中学校の常勤講師不足についてです。  六月議会でも質問いたしましたが、それ以降も年度途中の育児休業の取得などにより、常勤講師不足は厳しさが増しています。教員の多忙化解消のための取組が本県でも進められていますが、常勤講師が見つからないままでは、多忙さは逆に増すばかりです。  私は今年度、欧州海外調査団の一員として、フィンランドの小学校の調査をさせていただき、教員の勤務の様子を質問したところ、副校長から、ゆとりある教職員の配置や教員の勤務時間等についての説明とともに、先生方のウエルビーイングを大切にしているという言葉をいただきました。  フィンランドでは、子供たちのウエルビーイング、心身ともに健康であることが大切にされていますが、先生たちのウエルビーイングも大切にされているというのは、フィンランドの先生方が自主的な研修をし、世界に先んじた教育をしている背景として、大きな意味を持つのではないかと感じました。  良い教育をするためには、先生方にとっても良い環境をつくることが必要です。  しかし、常勤講師の不足が続いています。  新年度に向けて、懸命に常勤講師を探していた学校では、退職後、再任用教員として半日の勤務を希望してみえる方に、一日の勤務にしてほしいとお願いをしたとの話を聞いています。  昨年度は、始業式時点で四十五人の常勤講師不足、今年度は、百二名が不足していました。県教委は、こうした状況に対し、来年度の採用人数を増やすなどの対応をしてくださっており、改善が期待されます。  特に来年度は、新型コロナウイルスの影響で、新学期がどのように始まるのか不透明な状況ですが、子供たちが登校できるようになった際には、前の学校の学年の未履修の部分を新しい学年でどう調整するのか。また、小学校で本格的に始まる新学習指導要領などへの対応も必要です。  さらに、生活リズムが狂ってしまったり、ゲームやネット漬けになってしまっていたりなど、子供たちに関して様々懸念されることがあり、かなりのサポートが必要なのではないかと考えます。  今もそれぞれの学校で懸命な対応をしてくださっていますが、とにかく、大変な忙しさの新年度になると思います。今回の休校に関して、各学校や子供たちへのサポートをお願いするとともに、担任や校務分掌の受持ちなど、学校全体の運営に大きな役割を持つ常勤講師が必要な学校全てに配置されることも重要です。  ここで質問です。  まず、今年度の常勤講師不足について、最大何人不足していたのか、また、その時期をお示しください。  そして、その常勤講師不足に対し、県教委としてはどのような対応をしているのか、伺います。  また、来年度の年度初めの常勤講師の確保については、現在、どのような状況か、お伺いいたします。  次に、講師不足に関連して、教員免許更新制について伺います。  常勤講師不足は、特に三河地域が厳しい状況と聞いていますが、名古屋でも講師探しに苦労をしています。教員免許を取得した方に講師のお願いをしても、その方の教員免許が更新されていなければ、すぐには教壇に立っていただけません。  先日、東三河の中山間地域に行く機会があり、新しい道も造られていて、中山間の地域振興への注力を感じました。  しかし、その中山間地域の未来を担う子供たちの教育に関しては、講師の引受け手がいないのが一つの大きな課題となっています。  島や半島地域も含めて、僻地指定されている学校では、もともと地域に教員免許を持っている方が少ない上に、免許更新をしてみえない方もいて、勤務条件的に非常勤講師を探すことも困難です。  そして、この教員免許更新制は、教員として勤務経験がなく、これから教員となることが具体的に見込まれていない方は、更新講習を受講することすらできません。運転免許更新とは全く違うものです。  私も数年前、免許状更新講習を受けましたが、教壇を離れていると、講習を受けるための証明書の取得などが必要であり、受講までに結構な時間や手間がかかりました。もちろん、費用もかかります。  さらに今、公務員の定年延長の話が聞かれ、教員の定年延長では、六十歳以上の教員免許更新がまた一つ、大きな課題になっていくと考えます。現在でも、免許を更新せず、免許が切れていることを理由に、講師を受けない方もいらっしゃいます。教員免許更新制が教育人材確保の面でハードルの一つになっていると、新聞などでも散見されるようになっています。  県としては、教員を希望する学生を増やそうと、平成三十年度から半田東高校と豊橋南高校に教育コースを設置しました。  しかし、教員免許を取得しても、その有効期限は十年。特に、教育学部以外で教員免許を取ろうとすると、その学部に必要な単位と合わせると約一・五倍の単位取得が必要になる中で、その効力が十年というのは、学生たちが教員免許を取得しようとする気持ちを阻害しているのではないかと考えます。  もちろん、教員の資質の向上は非常に重要でありますので、フィンランドの例にあるように、教員の働く環境を整え、学校や教育委員会が現場に合った研修を充実させることが必要です。  ここで質問です。  県教委が懸命に進めようとしている教育人材の確保の観点で、教員免許更新制についてどのような課題を認識しているのか、また、全国的にどのような意見が交わされ、どのような方向に進もうとしているのか、お示しください。  以上です。 83: ◯教育長(長谷川洋君) 本年度の常勤講師の不足の状況でございますが、始業式時点では百二人でありましたが、その後、出産休暇や育児休業に入る教員が増えたことなどによりまして、十二月一日現在で百七十八人となっております。  常勤講師の不足への対応につきましては、愛知県教育・スポーツ振興財団が運営する教員人材銀行や教育事務所への講師登録を様々な場面で働きかけているところであります。  また、常勤講師として任用は希望しないものの、非常勤講師ならよいという方も多くいらっしゃいますので、非常勤講師の配置による対応も行っております。  さらに、来年度からは、これまで六十歳までとしていた常勤講師の年齢制限を撤廃いたします。  加えて、出産休暇や育児休業の代替となる講師についても、退職手当を支給できるようにいたします。  こうした改善を図ることで、講師不足の解消に努めてまいります。  来年度の年度初めの常勤講師につきましては、現段階で不足が見込まれますが、県教育委員会といたしましては、今年度末の定年退職者のうち、再任用を希望しない教員や、教員免許の所持者で教職に就いていない方に常勤講師として勤務していただけるよう依頼するなど、さらなる講師確保に努めてまいります。  次に、教員免許更新制度についてであります。  教員免許状を所持しているが教職に就いていない方が教壇に立つには、教員免許更新講習を受講する必要がありますが、受講申込みの手続が煩雑であることや、三十時間の講義を受講しなければならないことなど、負担が大きいとの指摘が多く寄せられておりまして、この負担をどのように軽減していくのかが課題であると認識しております。  また、現職教員についても、法定研修の中堅教諭等資質向上研修との重複感も指摘されるなど、負担が大きいことから、全国都道府県教育長協議会から国に対して、教員免許更新制度の見直しを要請し、現在、中央教育審議会において議論がされているところであります。 84: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  高桑敏直議員。 85: ◯六十三番(高桑敏直君) 款九教育・スポーツ費、項一教育総務費、目四学校教育指導費、スクールソーシャルワーカー設置事業費についてお伺いします。  近年、子供たちを取り巻く環境は大きく変化し、子供たちが抱える問題も多様化、複雑化しています。  こうした中、学校の教員だけでは対応が難しいケースが増えており、平成二十七年十二月、中央教育審議会答申、チームとしての学校の在り方と今後の改善方策についてで取りまとめられた、専門的な知識やスキルを持つ専門家を活用したチーム学校の取組が推進されております。  県立学校には二十年以上前から、児童生徒の悩みを聞き、心理的な問題を解決する心理学の専門家として、臨床心理士の資格を持つスクールカウンセラーが配置され、現在では学校にはなくてはならない存在となっています。  一方、虐待や経済的な問題など、児童生徒への対話式カウンセリングのみでは解決が困難なケースもあります。そういったケースには、社会福祉士の資格などを持つ、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーが家庭環境など、児童生徒を取り巻く環境に直接働きかけて、問題に対応していくことが重要であります。  平成二十六年八月に内閣府が策定した子供の貧困対策に関する大綱では、学校を窓口として、貧困家庭の子供たちなどを早期の段階で生活支援や福祉制度につなげていくことができるよう、スクールソーシャルワーカーの配置を推進するとともに、学校において有効に活用できる体制を構築することが重点施策として示されており、スクールソーシャルワーカーの重要性は高まっていると言えます。  実際に、全国のスクールソーシャルワーカー配置人数は、平成二十五年度の一千八人から、平成三十年度には二千四十一人と倍増しています。  内閣府による平成三十年度子供の貧困の状況と子供の貧困対策の実施状況調査によると、この間、生活保護世帯に属する子供の高等学校中退率は低下し、高等学校進学率及び大学進学率は向上しております。  この要因は様々に考えられますが、スクールソーシャルワーカーが生徒を取り巻く環境改善に果たしてきた役割も大変大きいと考えて間違いないと思います。  本県の県立高等学校においても、スクールソーシャルワーカーの人材確保に努め、環境に問題を抱える生徒の就学をきめ細かに支援することができるよう、配置の拡充を進めるべきと考えます。  次年度では、高等学校に一名増員するとのことですが、県立高等学校におけるスクールソーシャルワーカー設置事業の実績と、今後、どのように進めていかれるのか、教育長にお伺いいたします。よろしくお願いいたします。 86: ◯教育長(長谷川洋君) 県立高校におけるスクールソーシャルワーカー設置事業の実績についてでありますが、これまで、二〇一五年度は二名、二〇一六年度は六名、二〇一八年度には七名と順次拡充してきておりまして、現在、拠点校に配置したスクールソーシャルワーカーを各学校の要請に応じて全県立高校に派遣する体制といたしまして、生徒が抱える家庭環境を中心とする問題の解決に向けた支援を行っております。  また、支援件数につきましては、二〇一六年度には三百十九件でございましたが、二〇一七年度四百五件、本年度十二月末現在、五百二十九件と、徐々に増加する相談に対応してまいりました。  支援した生徒の中には、スクールソーシャルワーカーが市の福祉部局と連絡を取り、保護者に市の支援制度を利用するよう促すことによって家庭の経済面が安定し、生徒が将来に希望を持って学校生活を送ることができた事例もございました。  来年度もスクールソーシャルワーカーをさらに一名増員することとしておりまして、今後とも各学校からの支援要請にきめ細かく対応できるようにしてまいります。 87: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  浅井よしたか議員。 88: ◯七十二番(浅井よしたか君) 私からは、歳出第九款教育・スポーツ費のうち、第七項保健体育費及び第十項スポーツ費に関連して、アスリートの育成や生涯にわたってスポーツを楽しめる環境づくりについて質問いたします。  さて、いよいよ東京オリンピック開催までおよそ四か月半ほどとなり、各出場選手もけがや故障のないように、コンディションの調整に余念のないものと思われます。これまでのトレーニングの成果を生かし、ベストな状態で大会に臨み、実力を十二分に発揮していただきたいと願っています。  こうした優秀なアスリート、スポーツ選手の育成については、小さい頃からのジュニア育成に力を入れていくことが重要とされておりますが、その才能を開花させ、活躍できる選手は、実際はほんの一握りで、けがやストレスなど、体や心の健康面に支障が出て、選手生命を絶たれてしまう例も数多く伺います。  二〇〇〇年シドニーオリンピック、マラソン金メダリストの高橋尚子さん、続いて、二〇〇四年のアテネオリンピック金メダリストの野口みずきさんのように大きな成果を収めた選手がいる一方で、女子マラソンの世界大会で優勝するなど活躍した選手が厳しい体重管理などのストレスから摂食障害になり、体調を崩して引退を余儀なくされたばかりか、精神的ストレスの影響からか、何度も万引きを犯し、逮捕されてしまったという話もあります。  その選手が雑誌のインタビューで、マラソンにおいて極端な体重管理重視の指導が摂食障害を生むことが問題になっていることについて、以下のように語っています。  マラソンをやめてからの人生のほうが長いので、自分の体を大切にしてほしいなと思います。ダイエットを頑張れば、その分、体へのリスクは大きくなるし、けがもしやすくなる。精神的にもおかしくなってしまうので。無理をせず、走るのが好きだという気持ちをいつまでも持ち続けてほしい。あとは指導者にも、もっと正しい知識を持って選手に接してほしいなと思います。親もそうです。やっぱり親も子供も記録を伸ばしたいから、どんどん強くしてほしいと指導者に頼むし、指導者も結果を残さないと自分がやっていけないから、すぐに結果を求めるんですけど、その選手の先を見て接してほしいですね、と。  また、スポーツとけがにまつわる話といえば、昨年夏の高校野球最大の注目選手で、現在はプロ野球選手となった佐々木朗希投手を擁する大船渡高校が岩手県大会の決勝で敗れ、甲子園出場がかなわなかったという出来事がありました。  佐々木投手の右肘の状態を考慮し、監督が悩みに悩んで決断し、決勝戦に佐々木投手を登板させなかったことが様々な議論を呼んだことは記憶に新しいところです。  甲子園への夢を潰してよいのかとの批判の声が上がった一方で、けがをしてまで甲子園に行っても意味がない、目先の甲子園出場よりも、今後、メジャーリーグでも活躍の可能性のある有望選手の将来を考えて、選手の体の成長期に過剰な負荷をかけるのは危険で、けがの可能性が大きいと判断し、登板させなかったことは英断であったとも言われています。  こうした判断の裏には、監督のふだんからの全員野球のチームづくりや、野球医学の専門のスポーツドクターに学び、選手の健康管理に努める姿勢があったそうです。  スポーツ界では、徐々にこうしたスポーツ医科学に基づく判断や指導の意識が高まってきてはいるものの、才能ある有能なスポーツ選手が勝利至上主義の下、潰されてしまうような環境は、今後も徹底して改善していかなければならないと思います。  様々なスポーツ障害に対する理解も進んできてはおりますが、まだまだ、昔ながらのスポーツ根性論の指導者も少なくないのではないかと思います。これからはさらに科学的なエビデンスに基づいたスポーツ指導が強く求められます。  ここで私の地元の話になりますが、豊橋に産婦人科医でスポーツドクターの宮本由記さんという方がいらっしゃいます。宮本医師は、中高生など成長期の女性スポーツ選手を科学的な視点からサポートする、思春期スポーツ外来を担当するスポーツドクターです。  産婦人科医の臨床の傍ら、臨床スポーツ医学会や国立スポーツ科学センターでの女性アスリート支援に対する取組にも参画されているほか、専門的な立場から知識の普及のための講演も行うなど、科学的な見地からジュニアアスリート育成に取り組んでおられます。  世界で活躍するトップアスリートと地域でスポーツをする選手のいずれのサポートもしている宮本医師は、トップアスリートでも地域にいるジュニアアスリートでも必要なことは変わらないと言います。  豊橋市内にあるNPO法人の陸上クラブ、TTランナーズとともに東三河ジュニアスポーツ勉強会という参加者が数百人規模の勉強会を過去に三回開催しており、勉強会には趣旨に賛同した前国立スポーツ科学センターのセンター長である川原貴先生、東京マラソン財団理事長、伊藤静夫先生、早稲田大学、鳥居俊先生、女子バレーボール日本代表キャプテン、荒木絵里香さん、マラソンの増田明美さんや金哲彦さんなど、スポーツ分野の最先端にいる方々がわざわざ豊橋まで来て、講演をしてくれています。その理由は、そういった一流講師の皆さんも、やはりジュニア期の大切さを強く感じているからであります。  宮本医師は、そうした機会に若者たちに向かって、若い頃から将来を見据えて体をつくってほしい、大切なのは主体性、自分のためにスポーツをしてくださいと呼びかけられています。  しかし、これらは選手だけで解決できることではなく、周りにいる保護者や指導者など、選手を支えていく私たち大人が変わっていかなければならないことが多くあるように思います。地域のジュニアアスリートを対象としたスポーツクラブの指導者や、学校の運動部活動を指導する先生も含めて、こうした意識改革が必要だと考えます。  そこで伺います。  東京オリンピック・パラリンピックを経て、二〇二六年に愛知で開催されるアジア競技大会に向けた取組などの中で、スポーツ医科学に基づいた健康で強いジュニアスポーツ選手の育成に加え、次世代の若者たちが生涯にわたってスポーツに親しめる環境づくりに貢献していただける指導者の育成にも力を入れていくべきと考えますが、県スポーツ局並びに教育委員会として、今後、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。 89: ◯教育長(長谷川洋君) 私からは、学校の運動部活動における指導者の育成についてお答えをいたします。  成長期の過度な活動により引き起こされるスポーツ障害を防ぐためには、特に運動部の活動時間が長くなる中学、高校において、予防医学的な観点を積極的に取り入れていくことが重要であります。  県教育委員会では、毎年一回、二日間の日程で、中学校と高等学校の教員百五十名程度が参加する運動部活動指導者研修会を開催しており、今年度は、競技者の健康管理や障害予防に当たるアスレチックトレーナーを講師に招き、ウォーミングアップの実技指導や、運動部活動における休養の必要性に関する講義を行いました。  しかしながら、女性特有のスポーツ障害など、これまで研修で取り上げていない分野もありますので、今後は、アスレチックトレーナーに加え、スポーツドクターとも連携を図りつつ、研修内容の改善と充実に努めてまいりたいと考えております。 90: ◯スポーツ局長(飯田靖君) スポーツ医科学に基づいたジュニアスポーツ選手、指導者の育成についてであります。  今年度から愛知県では、あいちトップアスリートアカデミーを開設し、トップアスリートを目指す小中学生などの発掘、育成に取り組んでおります。  実施に当たっては、実技指導だけではなく、スポーツ医科学を専門とする大学教員などを講師とするスポーツ栄養学やコンディショニングトレーニングなどの指導にも力を入れて取り組んでおります。  この授業はアカデミー生の多くの保護者にも関心を持って聴講していただいておりまして、スポーツ医科学の重要性を家族で理解し合う有益な機会となっております。  今後も、けがの予防をはじめ、幅広くスポーツ医科学を取り入れたプログラムを充実してまいりたいと考えております。  また、指導者の育成につきましては、スポーツドクターやオリンピアンなどを講師として招き、最先端のスポーツ医科学の講演やアスリート自身の体験などを題材とした年二回の研修会を日本スポーツ協会公認で県内の第一線で活動している指導者を対象に実施しており、今年度は延べ九百二十六名に受講をしていただいたところでございます。  引き続きスポーツ指導者のスポーツ医科学に関する知識の向上などにしっかりと取り組んでまいります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 91: ◯四十番(寺西むつみ君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。
        〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 92: ◯議長(神野博史君) 寺西むつみ議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 93: ◯議長(神野博史君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後二時五十一分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時三十分開議 94: ◯副議長(堀嵜純一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  市川英男議員。 95: ◯五十二番(市川英男君) それでは、私からは、歳出第八款警察費第二項警察活動費の交通事故分析システムについてお伺いいたします。  本県において昨年、十六年間続いていた交通事故死者数の全国ワースト一位をようやく返上することができましたが、その背景としては、今議会においても既に取り上げられておりますように、交通安全に関係する機関や団体、企業、そして我々県議会も含めた、県民総ぐるみの取組が功を奏したものであると考えております。  その中でも、様々な取組を行うに当たり、その方針や対策内容を策定するための原点となるのが交通事故の発生実態の分析であります。交通事故の発生実態を正しく捉えていなければ、その対策も誤った方向へかじを切ることとなり、分度器の角度の広がりのようにどんどん実態とかけ離れ、的外れな対策となってしまいます。  こうした意味においては、昨年の交通事故死者数の大幅な減少は、交通事故分析に基づく各種対策がしっかりと的に当たっていたと言えるのではないでしょうか。  私ども公明党愛知県議員団は、本年一月に警察本部を訪問し、交通事故分析システムを拝見させていただきました。  このシステムは、県内で二〇〇四年以降に発生した人身交通事故のデータを地域別や事故類型別、当事者の年齢層別、道路形状別、当事者の法令違反別など、様々な視点から分析することができます。また、GIS、地理情報システムを活用して、実際に発生した交通事故の地点や事故の類型を地図上で表示することもできます。  警察本部の担当者の説明では、交通事故の発生状況だけでなく、交通指導取締りを行っている場所も地図上で重ねて表示することができますので、交通事故の発生実態に整合した取締り等の活動がきちんと行われるかどうかについて検証を行うことも可能とのことでした。  さらに、分析した結果を資料化して、広報資料を作成することもできるそうです。  このたびの視察を通じて、交通事故分析システムが有する主な機能を知ることができ、非常に有用性の高いシステムであることが分かりましたが、裏を返せば、今後も交通死亡事故を減少させていくためには、このシステムの機能を最大限に引き出し、いかに効果的に活用していくかが極めて重要であるということも同時に感じたところであります。私はシステムの活用の仕方いかんが交通死亡事故の抑止効果に影響を及ぼすと言っても過言ではないと思います。  そこでお尋ねをいたします。  交通事故分析システムの効果を最大限に高める活用の在り方について、実情を踏まえつつ、警察本部長の所感をお伺いいたします。 96: ◯警察本部長(後藤和宏君) 交通事故分析システムについての御質問にお答えをいたします。  交通事故分析システムは、二〇一五年の導入以降、交通事故発生状況に加え、交通指導取締りなどの交通街頭活動の実施状況や国勢調査の年齢別人口のデータを取り込むなどの改良を順次行い、高度化を図ってまいりました。  これにより、交通事故の発生実態に即した交通街頭活動や、高齢者が多くお住まいの地域における各種交通安全対策をより効果的に推進することが可能となったところでございます。  現在の活用事例を申し上げますと、警察本部におきましては、月ごとに県内における過去五年間の交通死亡事故の発生実態を分析し、必要な対策を各警察署に先行的に示すとともに、交通事故に遭わないためのポイントを分かりやすくまとめたチラシを作成し、県警ホームページへの掲載や報道機関への提供により、注意喚起を図っているところでございます。  また、警察署におきましては、交番が所管する区域ごとに交通事故の発生実態を分析し、これを踏まえた各種活動を行うとともに、地域の住民の方々にも地域における交通事故の危険を認識していただくため、多発する時間帯や場所等についての情報提供を行っております。  県警察では、本システムのデータにとどまらず、他のオープンデータと併せて分析を行うことなどにより、交通事故分析システムの効果をより高めてまいりたいと考えております。 97: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  神谷まさひろ議員。 98: ◯十五番(神谷まさひろ君) それでは、歳出第九款教育・スポーツ費第一項教育総務費の学校教育指導費のうち、部活動指導員配置事業費補助金についてお尋ねをいたします。  私は平成三十年六月の地元の刈谷市議会一般質問において、刈谷市でもこの部活動指導員を導入してはどうかを質問いたしました。  ちょうど教員の負担軽減といったことが話題になり、学校における働き方改革の一環として、その年の二学期から部活動の朝練を縮小するとの方針が示されたタイミングでの質問であります。  子供が熱心に部活動をされている親御さんからは、先生方の負担軽減には理解を示してくださる一方で、その解決策を部活動時間の短縮といった方法に求めることは、教師側の視点だけに立った解決策であり、子供側の視点に立っていないのではないか、先生方の負担も軽減される一方で、これまでどおり部活動を続けられるような別の方策はないかといった声を頂きました。  そこで、当時、文科省も推奨していると伺った部活動指導員の活用を提案したのです。  ところが、当局の答弁は、   多岐にわたり役割を果たす部活動指導員を雇用することは、現状難しい状況にあります。仮に部活動指導員に練習の指導や大会への引率と監督だけを依頼した場合においても、他県で発生している事故発生時の責任問題を踏まえますと、部活動指導員を雇用するには課題が多いと考えております。 ということで、刈谷市での導入は見送られてしまったのです。  ところが、今回、県の来年度予算の中に、部活動に関わる負担の軽減の一環として、部活動指導員の配置を拡充するとの予算措置があることを知りました。つまり、県内の市町村では、これまでにも部活動指導員を配置して、さらに増員をしようとしているのです。  部活動指導員とは、部活動顧問の教員の下で、主に技術的な指導を行う外部指導者とは異なり、顧問の教員の立会い等を必要とせず、単独で生徒への実技指導や大会等への引率が可能な職とされています。  市町村が配置をする場合には、その費用を国が三分の一、県が三分の一、市町村が三分の一を負担することになっており、この補助制度は平成三十年度からスタートしたものであります。  そこで質問であります。  これまでの実績と来年度の拡充の内容はどのようなものか。  市町村の場合、指導員には教員としての資格が必要なのかどうか。  既に設置した学校からは、どういった声が寄せられており、問題や課題といったことはあるかどうか。  そして、先ほど述べたように、私はこの部活動指導員という制度が学校における働き方改革、つまり先生の負担軽減だけにとどまるのではなく、削減されていた部活動が復活することによって教師の負担軽減にもつながり、かつ、部活動もこれまでどおりしっかりやることができるといった形が理想だと思っていますが、これまでに部活動指導員を活用したことによって、削減されていた部活動の練習時間が復活したといったような事例はありますでしょうか、お聞かせをください。  以上です。 99: ◯教育長(長谷川洋君) 部活動指導員配置事業費補助金のお尋ねのうち、まず、これまでの実績と来年度の拡充の内容についてお答えいたします。  この補助金は、創設した昨年度、二〇一八年度は、七市に対して三十三人分の四百十九万四千円、今年度は、十二市に対して百二十一人分の二千九百八十二万二千円を補助しております。  来年度は、十四市百八十二人分の三千八百五十五万八千円を予算計上しておりまして、本年度と比較いたしまして六十一人分、金額にして八百七十三万六千円の増額となっております。  次に、部活動指導員には、教員としての資格が必要かであります。  県立高校に配置している部活動総合指導員は、教員免許状の所有が任用要件となっておりますが、中学校に配置される部活動指導員は、それぞれの市町村の任用要件によりますので、必ずしも教員の資格は必要ございません。  次に、この補助事業の課題であります。  部活動指導員は、部活動が平日の授業後の時間帯や土日に行われているため、一般の会社員の方にとっては自己の職業との勤務時間の調整が難しいことや、生徒の事故やけがが発生した際には一定の責任を負う一方で、補助対象となる時給の上限があることなどから、人材の確保が大きな課題だと考えております。  最後に、削減されていた部活動の練習時間が元に戻った事例についてであります。  全市町村への調査は実施しておりませんが、部活動指導員を活用したことによって、削減されていた部活動の練習時間が元に戻ったという事例は聞いておりません。  県の部活動指導ガイドラインでは、適切な練習時間や休養日の設定など、部活動の活動時間についても適正化を求めておりまして、公立中学校では全体として、活動時間が減少する傾向にあると捉えております。 100: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  柴田高伸議員。 101: ◯七十一番(柴田高伸君) それでは、歳出第九款教育・スポーツ費第一項教育総務費のうち、外国人児童生徒日本語教育支援事業費補助金並びに第二項小学校費のうち、小学校教職員及び第三項中学校費のうち、中学校教職員に関して、日本語指導が必要な児童生徒に対する支援についてお伺いをいたします。  いわゆる日本語指導が必要な児童生徒とは、日本語で日常会話が十分にできない児童生徒や、日常会話ができても、学年相当の学習言語が不足し、学習活動への参加に支障が生じている児童生徒のことを意味いたします。  文部科学省が平成三十年五月一日現在で行った日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査によれば、本県の日本語指導が必要な児童生徒数は一万一千二百七十六人であり、前回の平成二十八年調査より二千一人増加、これは二一・六%増となっています。その数は全国の二二・一%を占めて、突出して一番多く、次ぐ神奈川県を大きく上回っており、毎年堅調に増え続けています。  その内訳は、まず、外国籍の児童生徒数が九千百人、母語別で多い順に、ポルトガル語、フィリピノ語、中国語、スペイン語などであり、前回調査より千八百二十三人増加、二五・一%増、続いて、日本国籍の児童生徒数が二千百七十六人、言語別で多い順に、フィリピノ語、中国語、英語、日本語などであり、前回調査より百七十八人増加、八・九%増となっています。  本県の日本語指導が必要な児童生徒に対する、義務教育課程における学習支援の取組については、まず、市町村が独自で日本語初期指導教室を設置し、いわゆる取り出し指導を行っています。  これは、日本語で日常会話ができない児童生徒や、来日して間もない、外国にルーツを持つ児童生徒を対象として、市町村が独自で配置する日本語指導員や語学相談員が日本語を指導するものであり、基礎的な日本語、つまりは平仮名読み書きや日常会話などの学習をはじめとして、日常生活や学校の決まりに関する指導が中心で、対象児童生徒が多数在籍する学校、いわゆる拠点校の余剰教室を利用して、期間にして二、三か月、およそ二百時間から二百八十時間を一サイクルとした初期指導を月曜日から金曜日までの隔日、一限から四限までの半日の授業時間内で実施しています。なお、午後は所属校に戻ります。  次に、通常授業の学習時間内において、在籍学級以外の教室での取り出し学習支援、いわゆる特別の教育課程による日本語指導を行っています。  これは、初期指導教室を終え、日常会話はできるが、学年相当の学習言語が不足する児童生徒を対象として、県が配置する日本語教育適応学級担当教員、いわゆる日本語指導担当教員によって行われる学習支援であり、日本語指導や教科学習の補充、これは予習などが中心で、日本語指導教室や国際教室といった別に設けた教室において、通常授業の学習時間内、週に二、三時間で実施しています。  日本語指導担当教員は、個々の児童生徒の日本語能力や特性を的確に把握し、それに応じた指導を行うことが不可欠であり、日本語指導においては、児童生徒の発達段階に応じた教育を行う専門的な知識と指導力が求められ、その配置について国は、日本語指導を行う児童生徒十八人に対し一人の割合で教員定数を確実に措置できるよう、平成二十九年度から十年間で段階的に基礎定数化を図ることとしていますが、本県では従来より小中学校における日本語教育適応学級担当教員の配置を県独自の基準により行っており、国による加配を活用するなどして、令和元年度は四百九十三人の教員が配置をされています。  その配置基準は累次の見直しが行われ、都度、増員がされてきており、現在、小中学校一校につき、日本語指導が必要な児童生徒が十人以上在籍する場合、一人配置し、小学校では児童が二十人増えるごとに教員を一人追加して上限を九人までとし、中学校では生徒が十人増えるごとに教員を一人追加して上限を八人までとしています。  続いて、県は、市町村からの要請に応じて、語学相談員を小中学校へ派遣しています。  この語学相談員は、令和元年五月一日現在で三十八市町村が独自で二百八十四人を配置しており、日本語教育適応学級担当教員の補助や、学校生活についてのアドバイス、保護者との面談時の通訳など、児童生徒個々の実情に合わせた支援を行っています。  県は、財政面と人材面で配置が難しい市町村からの要請によって各教育事務所に配置している十一人、これの内訳はポルトガル語、スペイン語、フィリピノ語になりますけれども、派遣しています。  そのほか、県は外国人児童生徒教育連絡協議会を開催して、関係市町村教育委員会担当指導主事を集め、外国人児童生徒の教育や就学に関する情報交換を行ったり、外国人児童生徒教育講座を開催し、外国人児童生徒の指導に携わっている教員に対して、県語学相談員による教材紹介を行うなどしております。  さて、私の地元知立市にある知立団地には日系ブラジル人など約二千六百人の外国人が集住しており、その知立団地を学内に持つ知立東小学校には、令和元年五月一日現在で、日本語指導が必要な児童が二百九人在籍しており、その数は県下一位、また、知立南中学校には、日本語指導が必要な生徒が九十七人在籍しており、その数は県下二位となっております。  市内にはほかに八ツ田小学校に四十七人、それ以外の全ての小中学校にも日本語指導が必要な児童生徒が多数在籍しており、学校現場における国際化が進んでいます。  特に知立東小は、日本語指導が必要な児童の比率も県下一位で全校児童の約七割を占め、国籍は多いときで十二か国にわたり、小学校の内なる国際化が進んでいることから、その授業風景はさながら外国人学校であります。  ちなみに、来年度の新入生は四十四人で、うち二十六人が外国籍であります。  知立東小では、日本語初期指導教室を市が独自で設置し、来日して間もない日本語の読み書きなどが困難な児童生徒を対象に、通常学級に入る前のおおむね三か月間、初期の日本語教育や小中学校への適応指導を行う早期適応教室、杜若教室を運営しています。ここには市内全域の小中学校から児童生徒が通っており、教員OB一人、日本語指導員二人、通訳一人が指導しています。  日本語初期指導教室は、市内に知立東小に一教室のみの設置であるため、学外からの通学には保護者の送り迎えが必要であり、また、児童生徒が転編入する時期がばらばらであるため、小学一年生から中学三年生までが一つの教室で学んでいます。市による指導員の増員が財政面と人選面の両面において難しいため、他校での教室の増設は困難な状況であります。  また、知立東小では、県費による日本語教育適応学級担当教員が配置基準上限の九人配置され、加えて、市費による日本語指導助手が一人、業務はポルトガル語で授業補助や教育相談を行うことであります。  さらに、通訳二人、また、特別な支援を必要とする児童のサポートのための子どもサポート教員複数人が配置されており、学年相当の学習言語が不足する児童の学習支援を行っています。  知立東小では、国語と算数において、指導形態別、習熟度別に少人数グループを編成して授業を行っています。  どの学年も一組、二組の二クラスにそれぞれ、通常担任がいますが、例えば国語の授業を行うには、一学年を一まとめにして、日本語の理解度に応じて四グループに分け、理解度が比較的高い二グループは教室に残り、担任が授業を行います。こちらはほとんどが日本国籍児童です。  一方、日本語の理解度が低い二グループは、日本語教室という教室を設けて、かなり日本語の理解度が低いグループと、やや低いグループとに分けて、担任以外の日本語教育適応学級担当教員が授業を行います。こちらはほとんどが外国籍児童であります。  これまで日本国籍児童と外国籍児童とが半々であり、県の配置する日本語教育適応学級担当教員を活用して、この授業システムがうまく機能していましたが、最近では、外国籍児童の比率が七割に近いため、日本語教育適応学級担当教員の増員など、取り出し指導体制の拡充なくして、このシステムの維持が困難な状況であります。  本県の来年度予算においては、日本語初期指導教室と日本語教育適応学級担当教員に関して、その重要性に鑑み、指導教室を支援し、担当教員を拡充する内容となっており、知立東小のような困難な状況下の教育現場の要望に沿うものとなっています。  そこでお伺いいたします。  市町村が設置する日本語初期指導教室への支援について、どのように対応していくのか伺います。  加えて、日本語教育適応学級担当教員の拡充について、どのように対応していくのかお伺いをいたします。 102: ◯教育長(長谷川洋君) 議員御指摘のとおり、知立東小学校は外国人児童生徒の在籍率が七割近くありまして、校内に設置されました日本語初期指導教室に通う小学生や中学生が、時期によっては五十人を超えることもございます。また、母語や年齢、日本語習熟度の異なる児童生徒が一つの教室で指導を受けている現状がございます。  県教育委員会では、知立市と同様にこうした課題に直面している市町村の要望を受けまして、来年度、文部科学省の支援事業を活用して、外国人児童生徒日本語教育支援事業費補助金を創設いたします。  この事業におきましては、日本語初期指導教室の運営に関わる人件費と、多言語翻訳機等のICT活用に関わる費用の一部を補助することによりまして、指導者の確保や母語の多様化といった課題に対応できるよう、支援を拡充してまいります。  次に、小中学校における日本語教育適応学級担当教員の拡充についてでありますが、現行の配置基準では、一校当たり、小学校では九人、中学校では八人の上限を設けておりますが、来年度はこの上限を撤廃いたします。  この拡充により小学校では、知立東小学校はじめ二校において二人、中学校では、豊田市立保見中学校はじめ三校において四人、計六人の増員をいたします。来年度はこの上限撤廃による増員を含めまして、日本語教育適応学級担当教員を三十人増員することとしております。  県教育委員会といたしましては、引き続き外国人児童生徒の在籍状況に応じた、日本語教育適応学級担当教員の配置拡充に努めてまいります。 103: ◯七十一番(柴田高伸君) 要望したいと思います。  県はこれまでも外国人を生活者として受け入れるための幅広い施策を進める中で、外国籍の子供たちに対して、例えば、乳幼児を持つ外国人県民を対象とした多文化子育てサロンの設置や、小学校入学直前の外国人幼児を対象とした早期適応教室、いわゆるプレスクールの普及をはじめとして、義務教育課程や高等学校教育課程における外国人児童生徒の学習支援など、累次の事業新設や支援拡充を行ってきました。  加えて、来年度は顕著に増え続ける外国籍の子供たちを受け入れる教育現場の実態に合わせた支援拡充を行うということで、率直に評価をしたいというふうに思います。  今回取り上げた知立東小では、外国籍児童が過半数を超えてから八年が経過する中で、実際に経験して蓄積した独自のノウハウや工夫して生み出したシステムによって授業が行われており、日本国籍、外国籍児童双方の学習効果を上げてきたという実績があります。もちろん、それには県の支援もあってのことであります。  そうした中で、日本語指導が必要な児童、いわゆる取り出して学習支援が必要な外国籍児童の比率が七割を超えていく知立東小に対して、不安を抱く日本人保護者がいるのも実態であります。その内容は、外国人に配慮した学校運営や、異なる文化への適応、あるいは子供の学力への影響など様々であります。  例えば先日行われた新入生向けの入学説明会など、保護者が参加する行事は日本語で行いますが、続けて通訳がポルトガル語で訳すことで、その分、時間が二倍以上かかるのが通常であります。
     また、外国籍児童の三割を超える世帯が就学援助の対象であることや、外国籍児童は転出入が激しく、多いときには毎週一人から二人程度の入れ替わりがあることも特徴的な実情であります。  そして、知立東小学校区に在住しながら、学区外の小学校に就学校指定の変更をして通学する日本人児童がいる実態もある中で、今後、このまま外国籍児童が増え続け、日本国籍児童が減り続ければ、将来、知立東小に日本人児童がいなくなる可能性があるという問題意識を知立市は持っています。そこで、知立市は、知立東小の今後の在り方を議論しようとしています。  そこで、県にはぜひ知立東小の実態と特性を詳細に把握して、現場が必要とする当面の支援を拡充するだけでなく、知立東小の今後の在り方に関する議論に参画をし、将来のあるべき姿を定義して、それに向けた対応をリードしていただくよう要望したいというふうに思います。  以上、お願いいたします。 104: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  筒井タカヤ議員。 105: ◯百三番(筒井タカヤ君) 歳出第八款警察費第二項警察活動費から質問いたしてまいります。  県政において、最重要な課題は、県民の命と暮らしを守ることにあります。  日本はかつて、交通戦争とまで表現される深刻な時代もありました。これを改善するため、道路の構造を改良し、歩行者の安全を守る歩道の設置、ガードレールの設置や、信号機、道路標識等の増設にも取り組んでおります。  私は昨年、愛知県が連続交通事故死者数日本一の汚名を返上したことに思いを重ね、今後も交通事故の減少への取組を続ける意味において、警察本部の交通安全施設整備費についてお尋ねをいたします。  私は平成二十九年の二月議会でも同じ質問をいたした記憶があります。  今、道路標識について調査いたしますと、愛知県内には約五十四万本もの道路標識があります。その実態を分析すると、幾多の問題があります。  約五十四万本もの道路標識のうち、約七三・三%、すなわち、数にして約三十九万本もの道路標識が、定められている更新基準年数を超えた、経年劣化した道路標識であるということであります。  私たちの街を見回してみても、明らかに進入禁止、駐車禁止、速度規制の道路標識が多いことに気づきます。特に進入禁止の標識は、全体が鮮明な赤色の中に横一本線の白い標示であるはずが、経年劣化により薄茶色の中にグレーの横線一本という状態まで退色しているものも見られます。ふだんあまり車で走らない街に出向いたときに、進入禁止の道路標識がないことにも気づきます。  そこで質問です。  私が平成二十九年二月に質問した当時と、今議会に示されている道路標識の予算をじっくり分析すると、予算の伸び率を比較し、更新基準年数を超えた道路標識の割合を確認すると七三%であり、当時から全く改善されていないことに気づきます。  このような状況を踏まえ、警察本部長には、道路標識の更新基準年数を超えた古い道路標識がいつになればなくなるのか、お伺いをいたします。  また、財政当局には、道路標識の重要性及び予算措置について、どのように認識しているのか伺います。  次に、車両用信号、歩行者用信号灯器のLED化の促進についてお尋ねいたします。  平成三十一年三月三十一日の時点における統計では、LED信号機の全信号に対する整備率は、東京都は一〇〇%達成しております。大阪府は約六八%、愛知県は約五六・一%で、全国平均は五八%ですから、愛知県のLED信号機の整備率は全国平均よりも以下であります。  大村知事が日本一の交通死亡事故数の返上、交通安全の呼びかけをされておられますが、実態は信号灯器のLED化を見れば、全国平均よりも一・九%低く、普及が遅れていること、これをどう思われるか。さらなる改善に取り組んでいただきたい。  東京都は、当時の石原知事が東京オリンピック開催の前までには信号灯器のLED化を一〇〇%達成することを示され、取り組んできた成果であります。  そこで質問です。  愛知県のLED信号灯器の予算を分析してみると、現状のままでは、LED信号灯器は、二〇三二年度末でやっと一〇〇%になる見通しです。せめて二〇二六年のアジア競技大会前までにはLED信号灯器の整備率一〇〇%を達成させるなどとした具体的な目標を定めることについて、県財政当局に答弁を求めます。  次に、令和二年度愛知県立病院事業会計予算のうち、第一款病院事業費について質問いたします。  まず、県がんセンターの院内感染についてお尋ねいたします。  最近、新型コロナウイルス感染症に関わるニュースが連日報道されています。特に、和歌山県の済生会有田病院における院内感染事例を聞きますと、本来、病気治療のために訪れる病院で、逆に病気になってしまうという、何とも痛ましい事例でありまして、医療機関における院内感染対策の重要性を再認識しているところであります。  そうした中、本県の県立病院においては、しっかりとした感染対策が行われているのでしょうか。特に私の地元付近にあります愛知県がんセンターには、免疫機能の落ちている患者も多く入院しておられますので、通常の病院よりもしっかりした対策が必要と考えております。  ここで質問に入りますが、質問の一つ目は、がんセンターの病室の清掃であります。  現在では、この清掃は二年ごとの入札でもって、最も入札額が低い清掃業者が決定しております。入札制度といえば、これは妥当なことであります。  これまでの入札実績を調べたとき、異常なほど低い額を示した清掃業者の中に、しっかりした内容が伴っていないこともあり、倒産したような企業もありました。  こうした例もあって、県がんセンターとして従来のような大ざっぱな内容をさらに詳細な清掃の区分をされ、衛生、安全な作業とされ、近年において入札価格の見直しをも実行されたことを評価いたします。  それでも室内清掃を見ていると、どうしても気になる点があります。  がんセンター病院の患者は、特に感染に気遣いしなければならない患者が多くおられます。さらに、免疫力が低い患者が多いようです。このような患者に対応するため、どのように清掃されているのか、答弁を求めます。  院内感染対策には常日頃対策と、今回の新型ウイルス感染症発生時のような特別な対策があるかと思います。まずは基本的な院内感染防止対策が取られていることが大前提でありますが、臨時的、突発的な事例が発生した場合には、迅速かつ臨機応変な対策も求められると思います。  そこでお伺いいたします。  愛知県がんセンターにおいて、新型コロナウイルス感染症をはじめ、院内感染対策はどのように実施されているのでしょうか。答弁を求めます。  開かれたがんセンター病院ですが、これまで病院に来訪される見舞客も含めた人のために、病院入り口でマスク等の自動販売機も設置されています。また、院内の販売店でもマスクを販売していたが、現在、在庫がゼロのままであります。  免疫力の少ない患者を考えれば、見舞客、付添人の対応を再考すべきです。答弁を求めます。  次に、がんセンターの院内保育についてお尋ねいたします。  院内保育所については、私は以前から、看護師確保対策のために必要な施設であるとして、その設置を訴え続けてまいりました。その後、平成二十六年度からがんセンター内に院内保育所が設置され、業務委託により運営されております。  対象者はがんセンターに勤務する医師及び看護師で、現状で十五名程度の方が利用されていると伺っておりまして、医師及び看護師確保・定着対策に早速効果が現れているものと考えております。  しかしながら、設置場所においては、研究所北館の一階の一室に設置している状況でありまして、以前お聞きしたときには、早期に設置することを第一に考え、当面の措置として研究所の一階に開設したものであるとのことでありました。  一方、がんセンターの研究所については、私は以前からその重要性、必要性を訴えてまいりました。病院と研究所は車の両輪であり、両方が充実をしてこそ、がんセンターはその機能が果たせるものと考えております。  平成十二年度頃、県において県がんセンター研究所の在り方が議論され、廃止という声も聞かれたのですが、私はその必要性を強く訴え続けてまいりました。  最近では、がんゲノム医療の推進のため、病院と研究所の協働による重点プロジェクトを実施されるなど、研究所の存在意義が認識されているということで、うれしい限りと思っております。  研究所は以前は西館と東館の二棟でありましたが、昭和六十三年に生物工学総合実験棟を整備しており、その後、平成十四年に西館と東館を研究所本館一棟に整備し、あわせて、従来の診療管理棟を改修して研究所北館とし、現在、三棟で運営されております。  さらに、生物工学総合実験棟については、平成二十八年度以降は順次、バイオバンクやがんゲノム医療に関わる研究など、新しい研究需要に対応するため棟内を改修し、研究所機能の充実を図っておられます。  こうした研究所の充実は非常に重要なことであり、県の取組を評価するものでありますが、そうであるならば、研究所の一階に院内保育所をそのまんま残しておくのではなく、研究所機能のさらなる充実のために使用すべきであります。  そこでお伺いします。  現在、がんセンターでは、がんゲノム研究に重点的に取り組んでいるところと聞いておりますが、今後、さらにがん研究を進めていくためにも、現在の院内保育のスペースを研究所に戻し、院内保育所は別に設けるべきと考えますが、病院事業庁としてどのように考えておられますか。答弁を求めます。  県議会の議案説明会において、木下病院事業庁長が胸を張って、がんゲノムへ病院とがん研究所が連携して取り組むと言っておられるのに、実態は研究所に保育室では悲し過ぎます。  最後に、がんセンターの未来図についてお尋ねいたします。  先ほど研究所の機能充実については触れましたが、その時々の必要性に応じた施設の改修も、もちろん必要であります。  しかし、愛知県がんセンターが今後も最先端の医療と研究を提供し、県民の期待に応え続けていくためには、県がんセンター全体の未来図が必要ではないかと考えます。  今、がんセンター敷地内に役割を終えた旧看護宿舎が無人のまま放置されたままの状況を見るとき、速やかに建物を取り壊すとともに、跡地利用を考えるべきだと存じます。病院事業庁としてどのように考えておられるのか、答弁を求めます。  以上です。 106: ◯警察本部長(後藤和宏君) 道路標識の更新についての御質問にお答えをいたします。  個々の道路標識の老朽化の状況は道路環境によって異なりますことから、更新基準年数を経過したからといって、必ずしも一律に更新が必要になるものではございませんので、議員お尋ねの時期につきましては、一概には申し上げられないところであります。  県警察におきましては、大型標識は二年に一回以上、路側標識につきましても、二〇一七年度以降、従前の五年に一回から三年に一回へと頻度を高め、点検を実施しており、更新する緊急性、必要性が高いものを把握して、より速やかな対応に努めているところでございます。  引き続き道路標識の適切な更新を進めてまいります。 107: ◯総務局長(横井篤史君) 初めに、道路標識の重要性及び予算措置の認識についてであります。  道路標識は、交通事故の防止と交通の円滑化を確保する上で重要な交通安全施設であると認識をいたしております。  したがいまして、二〇二〇年度当初予算におきましても、法人二税収入で一割を超える大幅な減収が見込まれ、県税全体でも三年ぶりに、前年度と比べ減となるなど、大変厳しい財政状況の中ではございますが、道路標識を含む交通安全施設整備費につきましては、七十三億六百万余円と、東京都に次いで全国第二位でありました二〇一九年度の七十二億七千六百万余円をさらに上回る予算額を確保しているところでございます。  次に、LED信号灯器の整備の目標についてでございますが、県民の皆様の安全・安心の確保の観点から、交通安全施設の整備に当たっては、信号灯器のLED化に限らず、道路標識や道路標示の新設、更新、交通管制機器の整備などが総合的に進められているものと認識をいたしております。  予算額につきましても、大村知事就任時の二〇一一年度、五十四億五千九百万余円から、二〇二〇年度の七十三億六百万余円へと、九年間で約三四%、約十八億五千万円を増額いたしまして、充実を図っているところでございます。  その中で、信号灯器のLED化率につきましても、二〇一一年度末の約三〇%から、二〇一九年度末には約六〇%になる見込みであるなど、着実に向上させているところであり、引き続き、総合的に交通安全施設の整備を進める中で、その向上が図られていくものと考えております。 108: ◯病院事業庁長(木下平君) 初めに、がんセンターにおける病室の清掃についてでありますが、厚生労働省令で定める基準に適合した事業者に委託して実施しております。  まず、病室の床については、真空掃除機等によりほこりや汚れを取り除いた後、モップを使用しますが、オフロケーション方式といって、一病室ごとにスペアのモップに交換し、使用後に一括して洗濯機で洗いますので、常にきれいなモップで拭くことになります。また、病室の手すり等の拭き掃除につきましても、同じく、オフロケーション方式で実施しております。  次に、がんセンターにおける新型コロナウイルス感染症をはじめとする院内感染対策についてであります。  がんセンターでは、感染対策マニュアルを定めて、針刺し事故への対応や、機材の滅菌、洗浄、手洗い、せきエチケットといった日常の感染予防対策を職員に周知徹底するとともに、院内感染対策チームが毎週、院内巡視を実施するなど、平時から感染防止に努めております。  新型コロナウイルス感染症については、これらの対策に加え、厚生労働省からの通知に基づき、職員は出勤前の体温測定を徹底し、面会者は感染経路遮断の観点から一定程度、面会を制限し、また、取引業者等には、体調の悪い方は施設に入らないなど、対策を徹底しているところであります。  続いて、見舞客等への対応についてであります。  がんセンターでは、免疫力が低くなっているがん患者さんの感染防止を図るため、院内掲示やホームページを通して、面会時にはマスクの着用や手指消毒をお願いしてきたところであります。  こうした中、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、厚生労働省の通知に基づき、当面の対応として面会の方法を見直しました。  一般の面会者には極力遠慮していただき、家族等を中心とした面会のみとし、その場合においてもお一人ずつで、できるだけ短時間での面会をお願いしております。  今後ともがんセンターの入院患者の感染防止にしっかりと取り組んでまいります。  次に、がんセンター研究所内の院内保育所についてであります。  院内保育所については、当時、新築も検討しましたが、多大な資金と時間が必要なため、以前は事務室として使用していた研究所一階の空き部屋に整備したものです。  一方、研究所については、二〇一六年以降、生物工学総合実験棟の改修工事を進め、バイオバンクや共同実験室の整備など、必要な研究スペースの拡充等を図ってきたところであり、保育所が研究開発の推進の支障とはなっていないものと考えております。  また、保育所の利用職員からも設置場所についての苦情や要望は出ていないことから、院内保育所については、当面、現在の場所で運営してまいりたいと考えております。  最後に、がんセンター全体の未来図についてであります。  これからのがん医療は、遺伝子レベルで患者さんの体質や病状に合わせた個別化医療を推進し、治療に加え、予防や診断も含めた新しいがん医療の創出に取り組む必要があります。  こうした中、病院と研究所を併せ持つがんセンターをさらに発展させ、日本をリードし、世界に向けてがん医療を発信していかなければなりません。  また、がんセンターの病棟等の建物については、来年度末までに老朽化対策などを盛り込んだ長寿命化計画を策定することとしておりますので、当面はこの計画により、施設、設備の維持、向上に取り組んでまいります。  なお、看護宿舎の取壊し等については、必要に応じて検討してまいります。 109: ◯百三番(筒井タカヤ君) 要望と、再度の質問を求めます。  道路標識及びLED信号灯、これらについては七三・三%もの経年劣化、基準で過ぎていることだけは変わりありません。ずっと同じなんです。  財政当局は、今お答えいただきました。厳しい県財政の中にあって、これこれこれだけ毎年の対応をして、増額をしている。事実です。でも、その経年劣化率は横ばいのままなんです。これが問題なんです。  そこで問題なのは、本部長がおっしゃった、経年劣化については事実だけれども、すぐ問題となる点が起きていないような答弁がありました。  現場の各警察署の交通課、どういうことか。やっぱり標識がない。そして、県民の中の区民及び各町内会において、警察が一生懸命頑張っているかどうかの指針はやっぱりどう見ても、あの標識の経年劣化を見ておれば、薄らトンカチのような消えかかった標識を見ておれば、頑張っていないんじゃないかな、こんな思いしか抱いておりません。  私はもっともっと総力を挙げて県警本部が財政当局としっかりと取り組んでいただき、改善に向けて取り組んでもらいたいと思います。  同時に、LED信号灯についても目標を定めて、県当局と財政をしっかりと打合せしていただきたい。こういった熱意がやっぱりなければ改善していかない。こう思います。  これは要望であります。ぜひ取り組んでください。  質問ですが、最後になりました。  県がんセンター、庁長さん、そして勤務されておる研究所でも二人で、一生懸命、お話も聞いてまいりました。  今、非常にがんセンターとしては、愛知県に誇る研究と医療の融合が行われて、研究は進んでおる。本当に自信を持って語ってくださいました。私はそういう思いを大切にしたい。  でも、やっぱりそこの中に見えてくるのは、どう見てもゲノムだ、そしてiPS細胞だ、がんのいわゆる撲滅についてやっていく上において、何でみんなが全体となってもっと取り組む必要があるんじゃないかと。  それは、看護宿舎が建ったまんまなんです。誰もいないんですね。あれを早期に撤去すれば、今、患者さんが多く、見舞客も多く、駐車場が朝になったら満杯でどうしようもないという対策にでもなるじゃないですか。  そして、それを解消した上で、やはりじっくりと研究所も、そして病院事業庁としても、県のがんセンターの先生方にしても、全部、いろんな協議をして、あそこの土地、最後に残した土地なんだけれども、有効的に何をしたらいいかということを描いてもらいたいものだというふうに思うんですね。それがやっぱりがんセンターの未来を語る、そういった原点にもなると思うんです。
     これからあの老朽化した、建ったまんまの看護宿舎を取り除くとおっしゃっておられます。これにも予算が要ります。早急に財政当局とも打合せをして、取り除いてください。  以上、病院事業庁長からの答弁を求めて終わります。  以上です。 110: ◯病院事業庁長(木下平君) 老朽化した看護宿舎の取壊しということに関してでありますが、先ほど私、答弁いたしましたように、がんセンターの病棟も含め、研究所も含め、建物につきましては、来年度末までに老朽化対策などを盛り込んだ長寿命化計画を策定することとしております。  ですから、勝手に取り壊したりできないということでありますので、その計画により、施設、設備の更新、維持に関して、計画をしながらやっていくという方向でございます。  看護宿舎の取壊しに関しても必要に応じて検討してまいりますが、さらに、将来、がんセンターの病棟などの建て替え、整備が必要になった際にも、検討することになると考えております。  今後とも、高度で先進的な医療を提供し、県民の皆様に信頼されるがんセンターの整備を目指してまいります。 111: ◯副議長(堀嵜純一君) 以上で、ただいま議題となっております議案に対する質問を終結いたします。        ───────────── 112: ◯四十番(寺西むつみ君) ただいま議題となっております議案は、さらに審査のため、それぞれ所管の常任委員会に付託されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 113: ◯副議長(堀嵜純一君) 寺西むつみ議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 114: ◯副議長(堀嵜純一君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております議案はそれぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。  なお、議案付託表は議席に配付いたしました。        ─────────────      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 115: ◯四十一番(田中泰彦君) 本日はこれをもって散会し、明三月十日は休会とし、三月十一日午後一時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 116: ◯副議長(堀嵜純一君) 田中泰彦議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 117: ◯副議長(堀嵜純一君) 御異議なしと認めます。  明三月十日は休会とし、三月十一日午後一時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時二十八分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...