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  1. 愛知県議会 2020-02-01
    令和2年2月定例会(第6号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 令和2年2月定例会(第6号) 本文 2020-03-06 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 132 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長神野博史君) 選択 2 :  ◯議長神野博史君) 選択 3 :  ◯三十二番(岡明彦君) 選択 4 :  ◯教育長長谷川洋君) 選択 5 :  ◯議長神野博史君) 選択 6 :  ◯四十一番(田中泰彦君) 選択 7 :  ◯議長神野博史君) 選択 8 :  ◯議長神野博史君) 選択 9 :  ◯議長神野博史君) 選択 10 :  ◯四番(中村竜彦君) 選択 11 :  ◯保健医療局長(吉田宏君) 選択 12 :  ◯議長神野博史君) 選択 13 :  ◯一番(小木曽史人君) 選択 14 :  ◯福祉局長平田雅也君) 選択 15 :  ◯一番(小木曽史人君) 選択 16 :  ◯議長神野博史君) 選択 17 :  ◯五番(杉浦正和君) 選択 18 :  ◯環境局長森田利洋君) 選択 19 :  ◯議長神野博史君) 選択 20 :  ◯十一番(加藤貴志君) 選択 21 :  ◯政策企画局長野村知宏君) 選択 22 :  ◯福祉局長平田雅也君) 選択 23 :  ◯議長神野博史君) 選択 24 :  ◯三番(桜井秀樹君) 選択 25 :  ◯県民文化局長(齋木博行君) 選択 26 :  ◯福祉局長平田雅也君) 選択 27 :  ◯議長神野博史君) 選択 28 :  ◯九番(村瀬正臣君) 選択 29 :  ◯福祉局長平田雅也君) 選択 30 :  ◯議長神野博史君) 選択 31 :  ◯十六番(おおたけりえ君) 選択 32 :  ◯総務局長(横井篤史君) 選択 33 :  ◯議長神野博史君) 選択 34 :  ◯十番(神谷和利君) 選択 35 :  ◯政策企画局長野村知宏君) 選択 36 :  ◯議長神野博史君) 選択 37 :  ◯二十八番(ますだ裕二君) 選択 38 :  ◯教育長長谷川洋君) 選択 39 :  ◯議長神野博史君) 選択 40 :  ◯十九番(朝倉浩一君) 選択 41 :  ◯総務局長(横井篤史君) 選択 42 :  ◯人事局長(兼松啓子君) 選択 43 :  ◯議長神野博史君) 選択 44 :  ◯二十九番(山田たかお君) 選択 45 :  ◯防災部長(内田康史君) 選択 46 :  ◯議長神野博史君) 選択 47 :  ◯三十一番(石井拓君) 選択 48 :  ◯防災部長(内田康史君) 選択 49 :  ◯議長神野博史君) 選択 50 :  ◯二十番(安井伸治君) 選択 51 :  ◯防災部長(内田康史君) 選択 52 :  ◯四十番(寺西むつみ君) 選択 53 :  ◯議長神野博史君) 選択 54 :  ◯議長神野博史君) 選択 55 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 56 :  ◯四十四番(成田修君) 選択 57 :  ◯政策企画局長野村知宏君) 選択 58 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 59 :  ◯四十六番(神戸健太郎君) 選択 60 :  ◯政策企画局長野村知宏君) 選択 61 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 62 :  ◯二十三番(福田喜夫君) 選択 63 :  ◯防災部長(内田康史君) 選択 64 :  ◯二十三番(福田喜夫君) 選択 65 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 66 :  ◯五十番(山下智也君) 選択 67 :  ◯福祉局長平田雅也君) 選択 68 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 69 :  ◯六十二番(近藤裕人君) 選択 70 :  ◯政策企画局長野村知宏君) 選択 71 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 72 :  ◯三十五番(鈴木まさと君) 選択 73 :  ◯福祉局長平田雅也君) 選択 74 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 75 :  ◯五十一番(犬飼明佳君) 選択 76 :  ◯環境局長森田利洋君) 選択 77 :  ◯福祉局長平田雅也君) 選択 78 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 79 :  ◯六十五番(飛田常年君) 選択 80 :  ◯政策企画局長野村知宏君) 選択 81 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 82 :  ◯六十六番(佐藤一志君) 選択 83 :  ◯環境局長森田利洋君) 選択 84 :  ◯農林基盤局長(水野康弘君) 選択 85 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 86 :  ◯九十二番(高木ひろし君) 選択 87 :  ◯政策企画局長野村知宏君) 選択 88 :  ◯福祉局長平田雅也君) 選択 89 :  ◯九十二番(高木ひろし君) 選択 90 :  ◯政策企画局長野村知宏君) 選択 91 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 92 :  ◯十四番(しまぶくろ朝太郎君) 選択 93 :  ◯県民文化局長(齋木博行君) 選択 94 :  ◯福祉局長平田雅也君) 選択 95 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 96 :  ◯百三番(筒井タカヤ君) 選択 97 :  ◯政策企画局長野村知宏君) 選択 98 :  ◯百三番(筒井タカヤ君) 選択 99 :  ◯政策企画局長野村知宏君) 選択 100 :  ◯四十一番(田中泰彦君) 選択 101 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 102 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 103 :  ◯議長神野博史君) 選択 104 :  ◯六番(日高章君) 選択 105 :  ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 選択 106 :  ◯議長神野博史君) 選択 107 :  ◯二番(松本まもる君) 選択 108 :  ◯観光コンベンション局長(藤田昇義君) 選択 109 :  ◯議長神野博史君) 選択 110 :  ◯八番(杉江繁樹君) 選択 111 :  ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 選択 112 :  ◯議長神野博史君) 選択 113 :  ◯十二番(荻原宏悦君) 選択 114 :  ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 選択 115 :  ◯観光コンベンション局長(藤田昇義君) 選択 116 :  ◯議長神野博史君) 選択 117 :  ◯十六番(おおたけりえ君) 選択 118 :  ◯農業水産局長(中根俊樹君) 選択 119 :  ◯議長神野博史君) 選択 120 :  ◯二十五番(鈴木雅博君) 選択 121 :  ◯農業水産局長(中根俊樹君) 選択 122 :  ◯都市整備局長(鎌田裕司君) 選択 123 :  ◯議長神野博史君) 選択 124 :  ◯十八番(黒田太郎君) 選択 125 :  ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 選択 126 :  ◯十八番(黒田太郎君) 選択 127 :  ◯議長神野博史君) 選択 128 :  ◯二十六番(今井隆喜君) 選択 129 :  ◯農林基盤局長(水野康弘君) 選択 130 :  ◯四十番(寺西むつみ君) 選択 131 :  ◯議長神野博史君) 選択 132 :  ◯議長神野博史君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時十分開議 ◯議長神野博史君) 皆さん、おはようございます。  ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 第六十三号議案令和元年度愛知県一般会計補       正予算から第八十三号議案損害賠償の額の決定       及び和解についてまで 2: ◯議長神野博史君) 第六十三号議案令和元年度愛知県一般会計補正予算から第八十三号議案損害賠償の額の決定及び和解についてまでを一括議題として、これに対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  岡明彦議員。 3: ◯三十二番(岡明彦君) 皆さん、おはようございます。  私からは、第六十三号議案令和元年度愛知県一般会計補正予算(第六号)学校整備費のうち、情報化推進整備費について伺います。  昨年十月、公明党愛知県議団で、ICT機器を活用した先進的な授業に挑む南山高校女子部を視察しました。タブレット端末をグループ単位で活用して学習成果を発表する生徒たち、教員生徒間の双方向でアクティブに情報がやり取りされるさまに、学生時代に受けた授業、また、教員時代、黒板に板書していた授業との違いに改めて愕然としました。  九月には、学校の通信ネットワーク構築の先進県である埼玉県を訪問、県立川口高校で現代文のモデル授業を見てきました。教材理解につまずいても、タブレット端末を利用すれば、生徒はその場で解説レクチャーが見られるようになっていました。一斉授業であっても、個々の教材理解に合わせた授業を展開する質の高い学びを保証する取組に感心しました。  本定例県議会の代表質問、一般質問では、GIGAスクール構想を実現するため、県立学校の情報通信ネットワークの整備を進める、一年間で高速大容量のネットワークを構築するとの答弁がありましたが、ここでは具体的に質問したく思います。  では伺います。  本県の県立学校では、どういうレベルのネットワークが構築できるのか、例えば、何台程度の情報端末が同時にストレスフリーで動画を閲覧できるかなど、具体的に教えてください。  高速大容量のネットワーク、同時アクセスに耐え得るネットワーク環境によって有意な授業ができるようになるわけですが、プロジェクターが配備されていなければ、見える化された授業にはならず、ネットワーク整備は絵に描いた餅になってしまいます。事実、県立学校のプロジェクター配備は道半ばです。  議会答弁では、県立学校に十校のモデル校をつくるとありました。教育のICT化の後発のモデルづくりですから、全国の先進事例を精査し、本県の教育現場に最も有益なモデルをつくるべきだと思います。
     そこで伺います。  県立学校では、どういったモデル校、どういったモデル授業を考えているのか、お尋ねします。  翻って、ネットワークの整備は、あくまでもハード整備であり、操作する側の教員のスキルアップや授業を支援するソフトを充実させないと有意な活用は難しいことになります。  大手通信事業会社の中には、NTTドコモのように、教育ICT推進を担当する部門を設置し、専門性に暗い学校が情報教育を円滑に推進できるよう、教員の授業支援も含めてサポートを始めたところもあります。紹介した埼玉県教育委員会では、NTTドコモとグーグルと共同で先進モデルを構築していました。  本年度、本県では、県立学校の全教員にタブレットが配備されましたが、いまだ操作がままならない教員もいるなど、最前線ではその活用に苦労していると聞いています。また、情報化を推進する校内担当者も若干名で、不慣れな教員をきめ細やかにフォローすることは難しいともお聞きしました。  調査したところ、県立学校の教員数一万八百九十一名に対して、専門性が高いと考えられる教科、情報の教員免許を取得しているのは四百三十八名で、情報で採用された人もいるものの、全員が数学、理科などとのダブル免許です。また、情報化を推進する中核教員として、各校ごとに情報化推進者、ネットワーク担当者が配置されていますが、兼務している教員もいます。その方たちは、担当授業時間が軽減されている教頭や生徒指導部長などとは違い、一般教員と同時間の授業を行いながら、学校のICT化を進めなければなりません。若干名の教員で、一気に校内の情報通信システムの最適化を進め、不慣れな教員をサポートするには無理があります。  このような校内のマンパワー不足を鑑み、これまで県教委はICT支援員によるバックアップをしてきましたが、業務が拡大する来年度は、支援員の派遣が五十回程度しか計画されていません。  そこでお伺いします。  学校教育の情報化の発展が全国最下位グループと言われる本県にあっては、国の補正予算の活用で、ICT教育のレベルを一気に高めるチャンスが到来したわけです。では、整備されるICT環境を学校ごとに最適化し、授業等で活用できるよう、県教委は今後、個別の県立学校や教員に対して、外部人材の拡充などの人的支援、そして、授業支援をどう進めていくのか、お尋ねします。 4: ◯教育長長谷川洋君) 最初に、県立学校における校内ネットワークのレベルについてであります。  国のGIGAスクール構想では、全学年の児童生徒一人一人が端末を持ち、グループ学習や遠隔授業、クラウド上の教育コンテンツの利用ができるICT環境を実現していくとされております。  こうした方向性を踏まえまして、県立学校におきましては、高速大容量の通信に対応できるケーブルや無線アクセスポイントなどの機器類を設置し、全教室で児童生徒がそれぞれの端末で一斉に動画を視聴したり、クラウドを活用したりしても通信が途絶えることのない、そうしたネットワークを構築していく予定であります。  次に、県立高校のICT教育研究実践モデル校についてでありますが、来年度、教育委員会が指定する十校は、今年度、主体的、対話的で深い学びを推進するための研究に取り組んでいる学校六校と、第二期県立高等学校教育推進実施計画においてキャリア教育や国際理解教育を推進しようとする学校四校であります。  モデル校におきましては、各学校がテーマを設定し、情報端末を活用した調べ学習や仲間との協働学習、さらには課題解決学習や教科横断型の学習の在り方について、情報端末を効果的に活用しながら実践研究に取り組んでまいります。  また、情報端末の活用につきましては、生徒が所有するスマートフォンを活用するBYODの手法についても研究に取り組んでいくこととしております。  最後に、外部人材の拡充など、県立学校へのサポートについてでありますが、今年度はICT支援員を企業へ委託して、全県立学校の教員に配備したタブレット端末の設定や情報機器のトラブル対応などについて支援し、情報化担当教員の負担を軽減いたしました。  来年度は、授業へのICTの活用方法などを研究するモデル校十校に支援員を派遣し、授業におけるICT活用の支援を行う予定であります。その成果を踏まえ、今後、支援員の拡充に努めてまいりたいと考えております。  なお、情報化担当教員の専任化、授業時間の軽減につきましては、支援員など外部人材の活用効果を検証した上で検討してまいりたいと考えております。 5: ◯議長神野博史君) 以上で、ただいま議題となっております議案に対する質問を終結いたします。        ───────────── 6: ◯四十一番(田中泰彦君) ただいま議題となっております議案は、さらに審査のため、それぞれ所管の常任委員会に付託されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 7: ◯議長神野博史君) 田中泰彦議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 8: ◯議長神野博史君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております議案は、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。  なお、議案付託表は議席に配付いたしました。        ─────────────      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第二 第一号議案令和二年度愛知県一般会計予算 9: ◯議長神野博史君) 次に、第一号議案令和二年度愛知県一般会計予算を議題といたします。  この際、第一号議案令和二年度愛知県一般会計予算のうち、第一条中歳出第一款議会費から第四款福祉医療費までの質問を許します。  質問に際しましては、款項を明らかにして発言されますよう、よろしくお願いをいたします。  通告により質問を許可いたします。  中村竜彦議員。 10: ◯四番(中村竜彦君) 第四款福祉医療費第九項医薬費のうち、医療ツーリズム推進事業費についてお伺いします。  医療ツーリズムは、受入国にとって経済効果が高く、特にタイやシンガポールにおいて国家戦略の一つとして位置づけ、積極的に取り組んでおります。  一方、我が国における医療ツーリズム市場は、日本政策投資銀行による五年前から見た二〇二〇年の推計目標値、これはあくまで潜在需要ということですけれども、四十三万人、経済効果も五千五百億円規模とされておりますけれども、実際には二〇一八年の我が国の医療ビザ発給件数は千六百五十件、医療ビザ以外のビザで医療を受けるケースがあったとしても、二〇一五年の時点で二百八十万人の外国人患者を受け入れている世界トップのタイに比べますと、日本はまだまだ未開拓、裏返せば、本県は他の都道府県に先駆け、我が国の潜在市場で優位性を発揮できる可能性があるということであります。  本県には四つの大学病院をはじめ、高度な医療を提供する病院が多数あり、特に救命救急センターは二十四か所、これは東京に次ぐ全国二番目の多さでありまして、さらに、小児救命救急センター一か所、がん診療連携拠点病院等も二十六か所あります。また、セントレアもありますから、医療ツーリズムの推進を図るには好条件が整っているわけです。  その本県での外国人患者受入数が伸び悩む原因を考えますと、海外での愛知の医療に対する認知度の低さと、医療機関における受入体制の脆弱さが挙げられます。  認知度の低さでは、昨年十一月に中国の北京で開催された医療ツーリズム展覧会で行われたアンケート結果から、また、受入体制の脆弱さについては、二〇一六年五月に愛知県内の全ての病院を対象に実施した外国人患者の受入状況に関するアンケートからも、それぞれデータとして表れております。内容については省略しますけれども、特に後者のアンケート結果は、実際に受入れを行う医療従事者たちの生の声ですから、それらを一つ一つ吟味して、本県当局としてできることから解決していくことが大切だと思います。  そして、令和二年度、新年度の医療ツーリズムの推進に当たっては、外国人、特に中国人富裕層の取込みがポイントとなるわけですから、言うまでもなく、新型コロナウイルスの影響は避けて通れません。  海外から患者を招く医療ツーリズムという言葉自体に、感情的な方からは非難をされることがあるかもしれません。もちろん、事態が完全に終息、鎮静化するまでは、実際の中国人を含む外国人患者の受入れはできないですし、すべきでもありませんが、かといって、今後一切の医療ツーリズムが否定されることがあってはならないと考えます。鎮静化するまでは、しっかり将来に向けて受入体制の強化など課題解決に専念をし、終息した後は、新型コロナウイルスによってこの国が被った経済損失を取り返してやるぐらいの気概でやっていただけたらと思います。  そこでお尋ねいたしますが、県内の医療ツーリズムを実施する医療機関及び外国人患者を増加させるための今年度の取組状況について、また、その今年度の取組を踏まえて、今後、県としてどのように医療ツーリズムの推進に取り組んでいくのかお伺いします。 11: ◯保健医療局長(吉田宏君) 医療ツーリズム推進事業費に関する御質問のうち、まず、今年度の取組状況についてお答えいたします。  海外において愛知の優れた医療を紹介するため、中国の北京で開催される国際医療展覧会へ県内医療機関と合同で二〇一八年度から出展しております。  今年度は、出展に先立ち、中国国内向けに愛知県ブースに関するインターネット広告などを行ったこともあり、来場者数は昨年度の約二千人から三千人へと大きく増加いたしました。  また、外国人患者の受入調整を行う国際医療コーディネーターを養成する研修会を二〇一七年度から開催しており、今年度は、看護師や病院事務職員など二十九名が受講され、これまでに延べ七十七名を育成しました。  さらに今年度、新たに医療機関での外国人患者の受入れが円滑に進むよう、医療ツーリズムに関する知識、経験が豊富なアドバイザーを医療機関へ派遣し、実践的な助言等を行いました。  こうした取組により、医療ツーリズムを実践する医療機関数と受入患者数は、二〇一五年度の十四施設二百二十四人から二〇一八年度には三十施設五百八十九人に順調に増加しております。  次に、医療ツーリズム推進に関する今後の県の取組についてお答えいたします。  まず、海外でのPR活動として、近年目覚ましい経済発展をし、北京と同程度の来場者数が見込める深センの展覧会に来年度は出展する予定でございまして、愛知の医療認知度をさらに高めたいと考えております。  また、国際医療コーディネーターの育成や、医療機関へのアドバイザー派遣に引き続き取り組むことで、医療機関における受入体制の充実、強化を図ってまいります。  さらに、早期に治療が必要な外国人の方に医療を迅速に提供するため、国家戦略特区を活用して、医療滞在ビザの早期発給などの実現に向け取り組んでまいります。  今後も官民一体となりまして、地域医療に影響を及ぼさない範囲で、外国人患者への高度で先進的な医療の提供や、最先端の医療機器を使った検診の実施など、医療ツーリズムを着実に推進してまいります。 12: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  小木曽史人議員。 13: ◯一番(小木曽史人君) 私からは、歳出第四款福祉医療費第一項福祉総務費のうち、生活困窮者対策事業費の自立支援事業費についてお伺いをいたします。  そもそも生活困窮者対策は、平成二十四年に制定された社会保障制度改革推進法に基づき、生活保護制度の見直しとパッケージで平成二十七年に施行された生活困窮者自立支援法によって、生活保護の状態に陥る前の生活困窮者を救済することを目的としております。  愛知県も、法制定を受け、平成二十七年度より今年度に至るまで、生活困窮者自立支援事業として、自立相談支援、住宅確保給付金の支給、一時生活支援等を実施する中で、その取組を推進していると承知しております。  このたび、来年度予算の中で、アウトリーチ支援員の配置と就労準備支援事業及び家計改善支援事業を新たに追加し、ひきこもり対策や、就職氷河期世代の支援も含みながら、いわゆる生活困窮者支援を拡充するとのことで、大いに期待するところではありますが、改めて、本事業が生活困窮者を救済し自立へ導くという制度趣旨に鑑みて、実効性あるものとして真に機能しているのか、適宜適切に評価、分析、検証しながら取組を進めるべきと考えます。  これまで実施されている自立相談支援事業は、ワンストップ窓口として、支援を必要とする対象者を捕捉し、個々の直面する困難な事情を具体的解決に結びつけられるよう個別プランを作成し、様々な支援メニューを有する関係機関と連携しながら自立へと導く、まさに入口から出口までを包括的、継続的にサポートする事業であると理解をしております。  まず、その入口部分ですが、支援を必要とする人の声がきちんと自立相談支援事業に届いているのでしょうか。  厚生労働省によると、法施行後、支援の効果は着実に現れている一方で、適切な支援を受けることができていない生活困窮者が依然として数多く存在していると指摘がされております。  支援が必要と思われる人、例えば、自尊感情の低下や社会からの孤立感を抱えるひきこもりや、メンタルケアが必要な方、日々の生活に追われているひとり親など、自らの力で自立相談支援窓口に相談することが困難な方がいることは容易に想像ができます。また、支援が必要と思われる人は様々な要因を抱えており、ほかの生活支援窓口や支援スキームがその発見端緒となることもあるわけで、事象を把握した場合には、自立相談支援事業に確実につながるようになっていなければならないわけです。  県福祉相談センターでの自立相談支援は、福祉事務所を設置していない町村の住民を対象とする包括的窓口ではあるものの、物理的にも心理的にも、直接の町村窓口に比べて遠い存在です。ゆえに、生活困窮者を確実に支援につなげるためには、町村の福祉、就労、子育て、教育等に係る主管窓口各課、民間各機関との緊密な情報共有と連携がさらに重要になると考えます。  実際、連携の仕組みが取れている関係機関が多いことで、自立相談支援事業への期待と信頼を醸成し、ひいては新規相談件数の増加につながる好循環を生むという厚生労働省の調査結果も出ております。  あくまで一つの参考統計としてですが、国は、自立相談支援事業における新規相談受付件数等について全国の集計値を公表しており、KPIとして、人口十万人当たり月十六件という目安値を設定しております。  その中で、例えば平成三十年度の統計によると、政令都市である名古屋市は十八・四件、中核市である豊橋市二十二・六件、岡崎市十九・六件、豊田市九・一件、それ以外の愛知県下市町村全体では十・七件と、地域によってばらつきは見られるものの、県全体で言えば、全国的に見ても決して多い数字ではありません。  町村の受皿として、県が福祉相談センターごとに実施している相談に至っては、尾張管内三・九件、海部管内三・一件、知多管内五・四件、西三河管内十一・二件、新城設楽管内八・三件と軒並み低水準で、相談事業自体が実際に支援を必要としている生活困窮者に届いているのか疑わしい現状があります。  特に、海部福祉センター管内は、生活保護世帯がほかセンター管内よりも多く、生活保護に陥るその手前の段階のいわゆる生活困窮者の数も多いと推測できるわけであり、仕組みがうまく機能していれば相談件数は多くなるはずだと思います。  もちろん入口だけ充実していればよいというわけではなく、具体的支援につなげる入口から出口までのプロセスの中身を充実させなければならないのは当然です。生活困窮者と一口に言っても、その抱える背景や要因は、失業など就労に関する課題のほか、障害、疾病やDV、虐待を受けた経験、ひとり親、家族の保育や介護などで様々であり、本制度に基づき、生活困窮者に対する包括的かつ早期的な支援を行うためには、障害保健福祉施策も含む他制度、他事業との連携が極めて重要です。  救いの手を差し伸べられていない助けを必要としている人たちが多く潜在しているという現実をしっかりと捉え、生活困窮者の悲痛な声に真摯に耳を傾け、具体的支援につなげる仕組みを実効化するために、例えば、ある程度生活困窮者を類型化しつつ、関係機関との連携の下、具体的相談事例を蓄積、分析の上、対応を標準化し、PDCAサイクルを回しながら粘り強く取組を重ねていくことが重要であり、それこそが結果的に誰一人取り残さないSDGsの理念にもかなうものと考えます。  そこでお尋ねをします。  県として、平成二十七年度から実施してきた自立相談支援事業について、町村との連携をどのように実施してきたのか、お伺いをいたします。  その上で、今回の新規事業として予算計上している、特にアウトリーチ支援員の配置と就労準備支援事業の目的及びその具体的支援内容についてお伺いをいたします。 14: ◯福祉局長平田雅也君) 生活困窮者対策事業費のうち、初めに、自立相談支援事業における町村との連携についてであります。  本県では、県内五か所の福祉相談センターにおいて、町村域の生活困窮者自立支援事業を実施し、突然の解雇で住居や当面の生活費を失うなど、生活に困窮している方からの相談を受け、当面の住居の確保や職業紹介のマッチングなど、就労に向けた支援などを行ってきたところであります。  町村の福祉の窓口には地域住民から様々な相談がありますが、町村の施策だけでは対応できない生活困窮などの相談については、県の福祉相談センターが引き継いで、自立に向けた支援を実施しております。相談者一人一人の状況を十分に把握し、町村など関係機関に参画していただく支援調整会議において、そのニーズに合った支援プランを作成した上で継続的な支援を行うなど、町村と連携を図っているところであります。  しかしながら、議員お示しのとおり、県福祉相談センターの新規相談件数は、市域と比べて低い状況にあり、町村域において制度の周知が十分に行き届いていないことも考えられますことから、生活困窮者自立支援事業を、町村を通じて地域住民への周知に努め、支援が必要な方を福祉相談センターにつないでいただけるよう連携を強化してまいります。  次に、アウトリーチ支援員の配置と、就労準備支援事業の目的と、その具体的支援内容についてであります。  県の福祉相談センターでは相談支援員を配置し、生活困窮者の計画的かつ継続的な支援を実施してまいりましたが、ひきこもり状態などの方は、自ら相談窓口を利用することが困難なため、こうした支援対象者の掘り起こしを目的として、新たにアウトリーチ支援員を配置することとしております。  アウトリーチ支援員は、町村社会福祉協議会や民生委員、ひきこもり家族会などの関係者と連携して、地域における支援対象者を把握し、関係者の協力を得ながら同行訪問などのアプローチを行い、支援対象者の状況に応じて適切な関係機関につなぎ、自立に向けて必要な支援が受けられるよう取り組んでまいります。  また、生活習慣の乱れやコミュニケーション能力の欠如により、直ちに一般就労が困難な生活困窮者に対しては、一般就労に向けた基礎能力の形成を目的として、新たに就労準備支援事業に取り組むこととしており、具体的には、規則正しい生活習慣の形成、ボランティアや就労体験の機会の提供、ビジネスマナーの講習などの支援を行うこととしております。 15: ◯一番(小木曽史人君) 御回答いただきありがとうございます。  二点要望をさせていただきます。  町村との連携についてですが、一口で連携というのは簡単でございます。  一月十七日に発生した置き去りの事案についても、先日の富田議員の一般質問に対して、対応マニュアルの整備や連携体制を構築し、再発防止に努める旨、県当局の答弁がございましたが、ケースは違えど、町村との連携が必須という意味では、この自立支援事業についても同じだと考えております。  連携とは、県と町村の双方向のコミュニケーションが風通しよくうまく取れていることが大前提でございます。ぜひ事案の教訓も踏まえ、セーフティーネットから漏れる人たちが一人でも少なくなるような実効的な連携をお願いしたいと思います。  また、生活困窮者自立支援事業は、県民の生命と健康、生活を守る極めて重要な取組です。目標設定のないところに目的達成はございません。生活保護に陥る前に生活困窮者を救い上げることを本事業が目的にしている以上、生活保護受給件数の推移も分析しつつ、ぜひ事業全体の実効性評価の一つの指標として、例えば、先ほど言った新規相談件数をはじめ、支援プラン作成数等をできる限り数値化、見える化して事業に取り組んでいただくことを強く要望し、質問を終わります。 16: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  杉浦正和議員。 17: ◯五番(杉浦正和君) 私からは、歳出第三款県民環境費のうち、第五項環境対策費第一目環境対策費の浄化槽対策費について伺います。  国においては、生活雑排水を処理しない単独処理浄化槽が約四百万基残存し、法定検査の受検率も四〇%にとどまっていることから、合併浄化槽への転換の促進や、法定検査の受検率の向上などの浄化槽管理の強化を図るため、昨年六月に浄化槽法の一部改正がなされました。  本県の浄化槽設置基数は、二〇一七年度末現在で、全国二番目に多い約五十四万五千基でありますが、そのうち生活雑排水を処理しない単独処理浄化槽が約三十三万八千基も残存しており、公共用水域の水質へ影響を与えております。  また、本県の法定検査のうち、法第十一条に基づく検査の受検率の二〇一七年度実績は二一%と全国平均四一・八%の約半分であるなど、適正な維持管理の促進が課題となっているところであります。  本県では、今年度から浄化槽設置費補助金について、単独処理浄化槽やくみ取便槽から合併処理浄化槽への転換に特化し、また、国の制度に合わせて、単独処理浄化槽からの転換に係る配管工事費についても補助を行うなど、転換を強力に促進する制度に改正されました。  さらに、昨年十月に浄化槽保守点検業者の資質向上を図り、浄化槽の適正な維持管理を促進する目的で、浄化槽保守点検業者の登録に関する条例を改正されたところであります。  改正条例では、全国で初めて優良浄化槽保守点検業者の認定制度を創設するとともに、これも全国初となる、登録を受けないで浄化槽保守点検業を営む者を報告徴収及び立入検査の対象に追加することなどが規定され、さらに、本年二月十二日には、同条例施行規則の一部を改正する規則が公布され、優良浄化槽保守点検業者の認定基準が定められました。  その認定基準の一つに、浄化槽保守点検業者が契約している浄化槽の管理者のうち、一定の割合が法定検査の受検等を実施していることとありますが、法定検査を受検するのは浄化槽の管理者であり、保守点検業者の努力だけでは限界があろうかと思います。
     そこで、この基準を含め、本制度の運用の考え方についてお伺いいたします。  また、さきに申し上げました昨年六月の浄化槽法の改正では、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換と、浄化槽管理の強化を図るための施策の一つとして、新たに市町村が浄化槽処理促進区域を指定した上で、その区域内に合併処理浄化槽を設置する公共浄化槽制度が創設されました。  公共浄化槽は、市町村が合併処理浄化槽の設置、維持、管理の主体となって、受益者となる住民からの分担金や使用料により事業費を賄う公営事業として実施するものであります。  生活排水を処理する汚水処理施設の整備については、人口密度の高い区域は、下水道や集落排水処理施設などの集合処理施設が効率的でありますが、一方、人口密度の低い区域は、個別処理施設である合併処理浄化槽が効率的とされております。私の住んでいる豊橋市では、下水道計画区域に指定されていても、人口密度が中程度の地域にあっては、なかなか下水道の整備が進んでいない状況にあります。  こうした状況を踏まえると、早期に汚水処理施設の整備を進めるためには、下水道の整備に代えて、公共浄化槽を整備することを検討すべきだと思います。  本県では、二〇二五年頃をピークに人口減少が始まるとされていますが、人口が減少していきますと生活排水の汚水量も減少していくため、個別処理できる合併処理浄化槽であれば、人口や家屋の増減にも柔軟に対応することが可能です。  こうしたことから、私は、それぞれの地域の状況によっては、公共浄化槽が今後、下水道に代わる重要なインフラになっていくと思いますけれども、県では、公共浄化槽の整備について今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いさせていただきます。 18: ◯環境局長森田利洋君) まず、優良浄化槽保守点検業者認定制度の運用の考え方についてであります。  県では、浄化槽の機能を十分発揮するために必要な法定検査の実施率の向上に注力しており、浄化槽管理者に対し、二〇一八年度は三千九百八十五件の指導、助言を行うとともに、二〇一八年六月からは、新たに指定検査機関の検査員を浄化槽相談員として委嘱し、昨年十二月末までに二千九百十二件の助言等を行っていただくなど、取組を強化しております。  この取組によりまして、県所管分の合併処理浄化槽の法定検査受検率は、二〇一三年度の四四・四%から二〇一八年度の四九・八%へと着実に向上しておりますが、さらに関係業界と一体となって適正な維持管理の促進を図るべく、昨年十月、浄化槽保守点検業者の登録に関する条例を改正し、優良浄化槽保守点検業者認定制度を創設いたしました。  一般社団法人愛知県浄化槽協会などの業界団体との意見交換や協議を踏まえまして、認定基準のうち、契約浄化槽管理者における法定検査等の実施割合につきましては、合併処理浄化槽の現状の受検率と同等の五〇%を基準とし、あわせて、その向上目標を設定いただくことといたしました。  これを含めた認定基準でございますが、比較的規模の小さな事業者が認定を受けられるよう十分配慮したものとしておりますが、今後も本制度が有効に機能するよう、柔軟な運用に努め、関係業界との連携による浄化槽の適正な維持管理の促進を図ってまいります。  次に、公共浄化槽の整備の取組についてであります。  合併処理浄化槽は、下水道などと比較して長大な管渠を持たず、短期間で安価に整備可能であり、また、東日本大震災では、浄化槽の全損率が三・八%と低かったことから、災害にも強いとされています。  公共浄化槽は、市町村が設置し、確実に維持管理が行われることから、住民の負担が軽減されるとともに、良好な放流水質を確保できるという特徴がございます。  昨年六月、市町村の下水道担当部局に、この公共浄化槽制度の概要やメリットなどについて説明したところ、下水道に代わる施設として大きな関心が示されたところであります。  公共浄化槽を整備するためには、事業可能性調査などを行い、その結果を受けて、下水道の計画区域であれば見直しを行い、浄化槽処理促進区域に指定することが必要となります。  今後、関係局と連携いたしまして、国の支援制度などに係る情報提供を行うとともに、事業可能性調査をはじめとした具体的な手続などについての助言を行うなど、市町村における取組をしっかりと支援してまいります。 19: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  加藤貴志議員。 20: ◯十一番(加藤貴志君) 私からは、第二款総務企画費第一項政策企画費と、第四款福祉医療費第三項児童家庭費に関してお伺いさせていただきます。  まず、一つ目ですけど、歳出第二款総務企画費第一項政策企画費についてお伺いいたします。  日本にある三つの国連機関の一つである国連地域開発センターは、名古屋国際センタービル内にあり、一九七一年、国連と日本政府の協定により設定されました。設立当初から名古屋市、名古屋商工会議所、地元の経済界が一体となった国連地域開発センター協力会を通し、本県も負担金拠出の形で財政的支援を行っています。  当センターは現在、ニューヨーク国連本部でSDGsを担当している持続可能な開発部に所属、近年、SDGsの啓発に積極的に取り組んでいると聞き、昨年十二月、公明党愛知県議団で調査、訪問をしてまいりました。  遠藤所長は、SDGsを担当する国連組織として、今後、SDGsの取組を進める自治体等に一層の貢献ができるように頑張りたいと意欲を語ってくれました。また、センターは、SDGs啓発活動の一環でSDGs講座を開催しているとのこと。本年一月に行われたワークショップを取材した際、SDGsで地方創生がテーマのカードゲームをメインにした講座には、平日の夜にも関わらず、行政職員や教員、地元企業関係者、学生ら六十名を超える方が集まり、参加者からは、SDGsへの理解が一気に進む奥行きのある内容で大変面白くためになったとコメントがありました。また、教育現場でも、このカードゲームは地球環境や経済の課題を考えるきっかけになり、キャリア教育にもつながると注目されています。  なお、昨年十二月、センターの浦上奈々研究員が名古屋北高校の国際理解コースで行った授業の模様が中日新聞でも報道されています。  さて、SDGs未来都市に選ばれた本県の今日の課題の一つは、SDGsの内容を県民に広く啓発することで、そのため、来年度は中学生向けのSDGs冊子の作成、アイチ・スカイ・エキスポでのセミナー開催も予定されていると聞いています。国連でSDGsを担当する同センターのこれらの国際理解協力支援事業は、本県の課題解決に貢献できるのではないでしょうか。  また、センターは、スマートシティーやプラスチックごみ問題など、本県も注視する環境活動にも大変力を入れており、SDGsの取組につながる本県の重要施策との親和性にも注目すべきだと考えます。  一方、センターはSDGsの先駆けとなる経済開発や国際開発、環境問題等を扱う専門的人材の輩出にも大きな役割を果たしており、例えば、名城大学教授アーナンダ・クマーラ氏をはじめ、東京理科大学、日本福祉大学など、本県のみならず、我が国の高等教育や最先端の研究に資する方々なのであります。  センターへの財政支援は、外務省、環境省、国交省がおのおの行っていますが、その規模はピークであった八十年代と比べ、現在その支援額は半減、また、本県の負担金も最大六百万円規模だったものが、近年では二百四十万円へと減額されています。  財政的に厳しい状況下にあるセンターですか、これまでのセンターのSDGs推進への貢献度を考えた場合、SDGs未来都市あいちに積極的に取り組む我が県にとり、センターの役割は今後さらに大きくなってくると考えます。  そこで、二点お伺いいたします。  県は、国連地域開発センター協力会負担金を通じ、これまでどのような支援を行ってきたのか、そしてまた、今後同センターをどのように県として活用していくのか、県の御所見をお伺いいたします。  続きまして、歳出第四款福祉医療費第三項児童家庭費の少子化対策推進事業費、家庭訪問型子育て家庭寄り添い支援モデル事業についてお伺いいたします。  本事業は、子育て家庭の孤立を防ぐための大きな目的の一つとして、アウトリーチ型、寄り添い型支援を強化していくための新規事業だとお聞きしています。子育てに不安を抱え、周りに相談できず、外出もままならない子育て家庭に対し、相談窓口へ来てくださいということではなく、相談員が家庭訪問し、情報提供、相談対応を行うという観点では、新たな取組として評価できると思います。  昨年九月の定例議会一般質問において、多胎児家庭に対する支援を要望させていただきましたが、その要因となっている外出困難、睡眠不足、孤立など個々が抱える課題に対し、行政としてどのようなアプローチをしていくのかを考えた際、本新規事業が課題解決に向け大きな一歩前進となったのではと思います。  ただし、二〇二〇年度より厚生労働省が新規事業として開始する多胎児家庭へ特化した支援策、その内容は、多胎児の育児経験がある親や助産師ら育児サポーターを各家庭に派遣、家事やおむつ替え等を手伝ったり、外出に付き添ったりするというものです。  国の事業は多胎家庭に特化した支援ですが、県の事業は多胎児家庭を含む子育てに不安を抱えた家庭を訪問支援するもので、県独自に少子化対策の一環として、福祉局が旗振りを行う、届ける支援を開始すると伺っています。よって、本来、国と同様のスタンスで事業開始を検討する場合、母子保健事業として保健医療局が本来担当となるのでしょうが、そのことに関しては、また別の機会に触れたいと思います。  今回の新規事業においては、県は、実施主体となるNPO団体等を選定し、市町村と協力をし、その団体が家庭訪問を行うボランティアを育成、派遣できる、いわゆるホームスタート事業のモデルづくりを目指していると伺っています。ホームスタートの理念は傾聴と協働であり、かつ、それを家庭訪問により実施することはすばらしい取組だと思います。  一方、ボランティアは育児に不安を抱える家庭を訪問し、傾聴や家事、育児を共に行うとしていますが、多胎児家庭を訪問する際は、多胎児家庭特有の課題を理解した上での対応でないと、多胎児家庭への対応は今までのものと全く変わらないのではないかという懸念もあります。  そこでお伺いいたします。  多胎児家庭特有の課題を理解した上での対応が必要と考えるが、どのような取組を考えているのか、お聞かせください。  また、本事業はモデルづくりに要する期間ということで、二か年計画として取り組むものですが、中長期的視野で考えた場合の目指すべき姿、その際、推進役として県の役割はどのようなものと考えるのか、お示しください。  子育てに不安を抱える家庭の事情、要因はそれぞれ異なっており、寄り添うためにはケース・バイ・ケースの柔軟な対応、また、求められるものも違ってきます。  しかし、あらかじめの傾向や経験者の意見がある場合、それを存分に反映していくことも必要だと感じます。例えば、多胎児家庭に関し寄り添う支援をするのであれば、多くが管理入院となり、母子手帳交付時から出産後までの行政との関わりが希薄な時期となる中で、早期妊娠期間中に産後の育児イメージを持ちやすくなるような支援、または、産後であれば外出同行支援などが求められており、かつ、効果的ではないかという意見もあります。  また、支援を一番必要とされる時期は、出産後早期であり、多胎育児の場合、極度の寝不足、体力消耗状態であるため、そこに求められるのは傾聴、協働ではなく、育児からの切離し時間の確保ということもあります。  いずれにしろ、子育てしやすい環境をつくるのは行政の責務でもあり、特に不安解消にはソフト面での充実が欠かせません。今回の新規事業が子育て支援充実の一助となることはもちろんですが、根本問題の解決には社会全体の雰囲気が子育てしやすいように変わらないといけないと思います。愛知県だからこそできること、しなくてはならないこと、その一つがこの事業開始だと思います。  中でも、特に注目を集める原因となった多胎児家庭の事件は愛知県で起きています。その点からは、特有な環境にある多胎児家庭支援に特化したシステムづくりも必要かと思います。今後も、各市町村と県が連携することで、不幸な事件を一つでも減らすことができるような仕組みづくりに全力で取り組んでいただけるよう要望し、質問を終わらせていただきます。 21: ◯政策企画局長野村知宏君) 国連地域開発センターに対するこれまでの支援と今後の予定についてでございますが、センターは、当地域における唯一の国連の組織であり、開発途上国の中堅行政官向けの地域開発研修や、この地域の国際理解教育支援などを行い、本県の国際化の進展に御貢献いただいております。  本県は、名古屋市、地元経済界とともに負担金を拠出して、協力会を組織しております。協力会は、センター実施事業の広報協力等を行うほか、県民、企業等を対象に、国連を理解していただくための講座や、国連職員を目指す若者たち向けのセミナーを開催しております。  また、近年では、センターは、SDGsへの理解を深める普及啓発活動に積極的に取り組み、本県が主催するセミナーにも御協力いただいておりますが、来年度はさらに連携を深め、県民向け啓発を強化していく予定でございます。  SDGs未来都市づくりに取り組んでいく本県にとって、センターは、その思いを共有する大変心強いパートナーでございます。引き続き、協力会を通じて支援を行うとともに、今後とも、センターの事業との連携、協力に努めてまいります。 22: ◯福祉局長平田雅也君) 家庭訪問型子育て家庭寄り添い支援モデル事業のうち、まず、多胎児家庭への対応についてであります。  本県では、来年度から、子育てに不安を抱えている家庭に対し、子育て経験の豊富なボランティアを派遣し、子育てに関する悩みや不安について傾聴したり、子供を連れて一緒に外出するなど、御家庭に寄り添った育児支援に、地域のNPO団体や市町村等と連携し、協力して取り組んでいくこととしております。  議員お示しのとおり、多胎児家庭では、二人以上の子供を同時に育てるため、育児にかかる負担が大きく、特に身近に相談できる多胎児の育児経験者が少ないことや、子供を連れての外出が容易でなく、地域における子育て支援拠点などの相談窓口も使用しづらいことなど孤立化しやすく、一人で不安や悩みを抱えている方が多いことから、多胎児家庭に寄り添ったアウトリーチ型の訪問支援が大変心強いものになると考えております。  事業の実施に当たりましては、多胎児家庭への支援をより実効性のあるものとするため、ボランティアの養成研修を充実させ、傾聴スキルや訪問実務の理解などのほか、多胎児の発達、発育に関する知識や、多胎育児経験者の体験談などを盛り込むことにより、多胎児家庭への的確な支援が行えるように取り組んでまいります。  次に、目指すべき姿と県の役割でありますが、地域で孤立する子育て家庭をなくしていくためには、地域の方々も含めた地域社会全体で支援していくことが重要であります。  そこで、地域の子育て経験のあるボランティアが子育て不安を抱える家庭を訪問し支援を行う、この取組を県内に広げることで、地域における子育て支援力の向上を目指してまいります。  このため、県としましては、来年度からのモデル事業を二年間しっかりと取り組み、その活動結果の評価、検証を行い、その成果や課題について事例報告会等を通じて啓発し、ノウハウや経験のない市町村やNPO団体等が取組を始めるための後押しとなるよう進めてまいりたいと考えております。 23: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  桜井秀樹議員。 24: ◯三番(桜井秀樹君) 私からは、歳出第三款第三項第一目の二の男女共同参画推進事業費と、第四款第五項第一目の障害福祉総務費の二つの項目で伺います。  まず、歳出第三款第三項第一目の二の男女共同参画推進事業費であります。  令和二年度における予算の概要参考資料におきまして、女性が元気で働き続けられる愛知を目指し、女性の活躍推進について取り組む項目に、新規事業として、女性の活躍推進のための行動計画策定支援や女性のキャリア形成のための環境整備において、女性管理職比率の向上推進など積極的に取り組んでいます。  そこで伺います。  男女共同参画社会の実現に向け、女性が元気に働き続けられる愛知に対するこれまでの取組と課題についてどう捉えているのか。あわせて、昨年七月に国からSDGs未来都市に選定され、このSDGsで掲げられている二〇三〇年のあるべき姿、二〇三〇アジェンダも踏まえ、今後愛知県として、男女共同参画社会の実現に向け、目指す姿についてどう考え、取り組んでいくのか伺います。  次に、第四款第五項第一目の障害福祉総務費から伺います。  まずは、障害者が働く授産施設での工賃アップの取組であります。  授産製品等の販売によって障害者の収入が確保されていますが、今後の工賃アップに向けた取組について、施設との連携、また、販路拡大など、愛知県としての取組について伺います。  次に、障害者の居場所について伺います。  十八歳までは特別支援学校に通い、在籍する期間中については一定の居場所が確保されていますが、卒業後の障害者の居場所についてどう認識されているのか、所見を伺います。  特に近年、障害者の高齢化が進む中、障害者の居場所づくり等も含め、どのように取り組んでいくのか、あわせて、昨年七月に国からSDGs未来都市に選定され、このSDGsに掲げられている障害者施策について、SDGsで掲げられている二〇三〇年のあるべき姿、二〇三〇アジェンダも踏まえ、今後愛知県として目指す姿についてどう考え、取り組んでいくのか伺います。 25: ◯県民文化局長(齋木博行君) 女性の活躍促進についてでございますが、本県では、二〇一三年九月に部局横断のプロジェクトチームを設置し、女性の活躍に向けた様々な事業を展開してまいりました。その結果、女性の活躍促進宣言企業数は一千四百七十七社、あいち女性輝きカンパニー認証企業数は六百二十社と、あいち男女共同参画プラン二〇二〇の策定時に掲げた目標の約一・五倍に達し、女性の有業率も上昇するなど、企業経営者の意識改革や働きやすい環境整備は着実に進んでまいりました。  一方で、製造業が盛んな本県では、管理職に占める女性の割合が全国平均を下回り、とりわけ中小企業では、社内にロールモデルとなる女性管理職が少ないなどの課題が残されております。  そこで、来年度から、新たに女性管理職の魅力を伝える冊子の作成や座談会の開催などにより、中小企業における女性管理職比率の向上に重点的に取り組んでまいります。  また、来年度は、あいち男女共同参画プラン二〇二〇の最終年度を迎えるため、これまでの効果を検証するとともに、社会情勢の変化や、有識者、県民、企業などの意見も踏まえ、新たなプランの策定に取り組んでまいります。そして、これらの施策の内容を着実に実行していくことで、SDGsに掲げる目標の一つであるジェンダー平等や、それも踏まえた女性が元気に働き続けられる愛知の実現を目指してまいります。 26: ◯福祉局長平田雅也君) 障害福祉事業費のうち、まず、工賃向上に向けた取組でございます。  県では二〇一二年度以降、これまで三期にわたり愛知県工賃向上計画を策定し、福祉的就労の場である就労継続支援B型事業所等における工賃向上に向けて、事業所の管理者などを対象としたセミナーを開催するほか、個別の事業所における課題を解決するための相談会を開催し、工賃向上の取組を進めております。  また、二〇一八年度からは、共同受注窓口に本県独自の取組としてコーディネーター四名を配置しており、企業や官公庁を訪問して、新規受託開拓や販路拡大に取り組んでおります。  こうした取組の結果、就労継続支援B型事業所における工賃の月額実績は、二〇一四年度の一万五千九百十七円から二〇一八年度には一万六千六百五十円と上昇しているところであり、今後ともこうした取組を通して、さらなる工賃向上を図ってまいります。  加えて、本県では、障害福祉サービス事業所等における農福連携の取組を進めております。無農薬、無肥料の付加価値をつけた農産物の栽培から加工販売までを一貫して行うことにより、収益を増やし、工賃の向上につながるよう、事業所に対する農業技術指導を行っているところであります。今後とも農業分野との連携を一層深め、工賃のさらなる向上を進めてまいります。  次に、障害のある方の居場所についてでありますが、障害のある方の特別支援学校卒業後の日中の居場所につきましては、一般企業へ就職される方を除きますと、地域の就労継続支援B型事業所や、より重度の方が利用する生活介護事業所が主な居場所となります。  二〇一四年四月からの五年間で、就労継続支援B型事業所は三百三十か所から五百四十五か所、生活介護事業所は三百九十四か所から五百三十二か所と、どちらも大きく増加しており、障害のある方の居場所の拡充を図ることができたものと認識しております。  次に、障害のある方の高齢化に対する取組ですが、地域において引き続き安心して生活していただけるよう、自宅以外での主な住まいの場となるグループホームの拡充に努めており、二〇一四年四月からの五年間で二百八十六か所から四百三十二か所と増加しております。  さらに、緊急時における短期入所の受入れや二十四時間の相談支援などの機能を併せ持った地域生活支援拠点は、高齢者の障害のある方が安心して生活するために重要な役割を担っております。昨年三月末現在、十九市町村で整備されており、県としてはさらに整備が進むよう、引き続き市町村へ働きかけてまいります。  最後に、愛知県SDGs未来都市計画を踏まえた障害者施策の取組についてでありますが、SDGs未来都市計画における二〇三〇年のあるべき姿として、社会面におきましては、人が輝き、女性や高齢者、障害のある人など、全ての人が活躍する愛知を目指すとしております。  この趣旨を踏まえ、障害者施策においては、障害のある方が希望を持ち、安心して暮らし続けられる社会づくりを進めていく必要があります。  県では、二〇二〇年度に、障害者施策の進むべき方向を示す次期障害者計画を策定することとしておりますので、SDGs未来都市計画を踏まえ、必要となる施策を次期障害者計画に盛り込みまして、障害の有無に関わらず、多様性を認め合いながら誰もが活躍し、全員参加で支え合う社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。 27: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  村瀬正臣議員。 28: ◯九番(村瀬正臣君) 私からは、歳出第四款福祉医療費第三項児童家庭費のうち、保育士修学資金貸付事業費に関連して、潜在保育士の就職支援についてお伺いいたします。  近年、子育て世代の女性の就業率の上昇に伴い、保育需要が高まり、愛知県においても保育所等の整備が進められていますが、施設整備に伴って必要となる保育人材が不足、深刻化しております。  保育所は、十一時間という長い開所時間が原則になっているため、早番や遅番などのシフト制を組みながら子供の保育を行っていると聞いております。必要となる保育士が確保できなければ十分な休憩時間が取れない、代替職員がいないため休みが取れない、業務の負担が増えるなど、労働環境の悪化を招き、これが保育士の離職につながり、さらに保育士が不足するという悪循環に陥っています。  厚生労働省の統計調査によりますと、保育士の有効求人倍率は年々上昇しており、年間を通じた平均値で見ますと、二〇一四年度において一・〇六倍であったものが、二〇一八年には二・六四倍と、約一・六ポイント高くなっており、保育士不足の深刻化が増しております。  一方で、保育士を養成する大学や短大などの指定保育士養成施設は県内に三十七施設ありますが、少子化が進む中、指定保育士養成施設の全体の入学者数は、二〇一六年度で三千六百九十五人であったものが、二〇一八年度には三千二百六十五人となり、二年間で四百三十人減少しています。  また、卒業者の就職状況を見ますと、二〇一七年度に保育士資格を取得して指定保育士養成施設を卒業した方は三千百五十七人ですが、保育所等へ就職した方は約六割の千九百十七人にとどまっております。  こうした中、保育士を確実に確保するためには、指定保育士養成施設を卒業する方に確実に保育所等へ就職してもらうこと、あわせて、保育士の資格を取得しながら保育士として現在勤務していない潜在保育士を活用していくことが必要ではないでしょうか。  現在、県内では約三万一千人の保育士が勤務されておりますが、本県の保育士登録者数は約九万人となっており、かなりの数の潜在保育士がいると考えられます。  潜在保育士の活用支援については、愛知県では二〇一三年六月から、保育士・保育所支援センターを設置し、求人、求職のマッチングや潜在保育士向けの研修会、就職支援フェアの開催など、様々な取組を行っていると伺っております。  特に、今年度からは、コーディネーターの増員によりセンターの体制の強化を図るとともに、新たに潜在保育士に対し、現在の就労状況を確認するための調査を行ったと聞いておりますが、深刻化する保育人材不足に対応するため、さらにこうした取組を強化していく必要があります。
     そこでお伺いいたします。  深刻化する保育士不足への対応として、潜在保育士に対する就職支援対策を強化していく必要があると考えますが、県として、来年度にどのような取組を予定しているのか、お伺いいたします。 29: ◯福祉局長平田雅也君) 潜在保育士に対する就職支援の強化であります。  保育士確保を図る上で、潜在保育士の活用は極めて重要であり、今年度から、県保育士・保育所支援センターにおいて、保育士登録者の中から毎年一万五千人を抽出し、現在の就職就労状況や、保育士として就労する意向についての調査を開始したところです。  その結果、回答のあった五千百八十人について、約半数の二千四百七十九人が保育士として働いており、残りの二千七百一人のうち九百九十二人から、現在保育士として働いていないが、今後、保育士として働く希望があるとの回答を得ました。こうした方に保育所へ就職していただくため、就職フェアや研修会の情報を提供するなど、就職支援に取り組んでまいります。  また、来年度から、潜在保育士の方の保育所等への就職をより円滑にするため、引っ越し費用や、通勤用の車の購入費など、就職する際に必要となる費用に対し、四十万円を上限として貸付けを行ってまいります。この貸付金は、県内の保育所等に二年間引き続き勤務された場合は返還を免除することとしており、就職促進と併せて、職場への定着を図ってまいります。  さらに、大学や短大などの保育士養成施設が保育士として働いていない卒業生を対象に、保育技術に係るセミナーや就職相談会などを実施する取組に対し、経費の一部を補助するなどして、潜在保育士の方の就職を促す取組を強化してまいります。こうした取組を積極的に進め、保育士確保に努めてまいります。 30: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  おおたけりえ議員。 31: ◯十六番(おおたけりえ君) それでは、第二款総務企画費第二項総務管理費、県有施設長寿命化推進事業費について伺います。  現在、個別の施設の状況を調査しているところだと思いますけれども、今後どのように進めていかれるのか伺います。  本県では、平成二十七年三月に策定した愛知県公共施設等総合管理計画において、事業用資産の建物の今後三十年間の維持更新費用を一兆六千五百億円、単年度平均負担額五百五十億円と試算をしております。長寿命化対策として大規模改修を実施した上で、予防保全型の維持管理を導入することで、三十年間の維持更新費は約一兆千五百億円となるものの、年平均三百八十三億円の費用が必要となり、本県の試算当時の予算規模二百六十億円を上回ることから、毎年百二十三億円の費用負担が増えることになります。  この額を県財政として負担していくことが可能であるかどうか、財政中期試算を出して検証することが必要であるとともに、持続的に負担できそうにないのであれば、建物の廃止、複合化、機能の民間移譲など、さらなるコスト縮減策を講じていく必要があると考えます。  今後、個別の施設の状況把握がされた後、ファシリティーマネジメントの観点から、全体の維持更新コストをより具体的に見込む必要性をどう認識してみえるのか、また、その上で、県有施設の長寿命化や統廃合をどのように推進しているのか、県の考えを伺います。 32: ◯総務局長(横井篤史君) 県有施設に係る維持管理、更新等の経費につきましては、愛知県公共施設等総合管理計画におきまして、中長期的な経費を一定のルールの下、試算し、お示しをしているところでございます。  今後も、県有施設を適正かつ効率的に維持していくためには、個々の施設の正確な状態、健全度を反映したより具体的な経費を把握することが必要であると認識しております。  このため、県では、二〇二〇年度までに、学校、県営住宅をはじめ、十六の施設類型ごとの長寿命化計画、いわゆる個別施設計画を策定し、これを踏まえて、中長期的な維持管理・更新等の経費を見込むとともに、二〇二一年度を目途に、公共施設等総合管理計画の見直し、充実を図ってまいります。  このうち、行政庁舎や公共施設などの庁舎等の施設類型については、施設ごとに躯体の状況や今後の保全に要する経費等を把握する基本調査を順次実施してまいりました。二〇二〇年度は残る二十五施設について基本調査を実施し、この結果を踏まえ、庁舎等の個別施設計画の策定につなげてまいります。  次に、県有施設の長寿命化の推進についてですが、県では、県有施設を経営資源の一つとして捉えるファシリティーマネジメントの観点を取り入れつつ、三次にわたり策定した県有施設利活用・保守管理プログラムによる施設の集約、移転など、県有施設の総量の縮小や、効果的、効率的な利活用、保守管理の推進に取り組んでまいりました。  庁舎等の老朽化対策に当たっては、これらの取組実績も踏まえて、施設が使用できる間はしっかり使用することを念頭に長寿命化を行うことを基本としつつ、施設や機能の集約、移転、未利用、低利用の施設の転用、国、市町村、民間施設の活用なども検討しながら、施設総量の適正化はもとより、総事業費の軽減、平準化に取り組み、引き続き施設の老朽化に起因する重大事故ゼロを継続できるよう、施設の健全性の確保に取り組んでまいります。 33: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  神谷和利議員。 34: ◯十番(神谷和利君) 私からは、歳出第二款総務企画費第一項政策企画費のうち、ジブリパーク推進事業費について質問します。  一般質問でもございましたが、本県では平成十五年度より、あいち木づかいプランを毎年策定し、県産木材の利用促進に取り組んでいます。同プランでは、率先して県発注の工事や施設整備において県産木材利用を促進することにより、木造、木質化の推進を行うとともに、木材利用の普及啓発を行うこととしています。  また、昨年六月二日に開催されました全国植樹祭あいち二〇一九の開催理念は、木材の利用を山と町をつなぐかけ橋とし、健全で活力のある森づくりとまちづくりを進めていくであります。  さらに、本県は、昨年七月一日に内閣府からSDGs未来都市に選定され、環境面では、あいち地球温暖化防止戦略二〇三〇の推進を取組事業に挙げており、木材利用を推進することは、SDGs未来都市実現のために不可欠となっております。  ジブリパークの整備については、本年二月四日に知事会見の下、整備の概要が発表されました。それによりますと、長久手市の愛・地球博記念公園内に開業予定のジブリパークは五つのエリアに分けられ、それぞれ作品の世界観を楽しめる構想となっており、概算事業費は約三百四十億円、来場予定者は約百八十万人を想定、経済波及効果は、整備による建設投資に関する波及効果が約八百四十億円、さらに、開業により新たに創出される消費増に関する波及効果は年間約四百八十億円見込んでいるということでございました。  二〇二二年秋に開業予定の三エリアにおいては、青春の丘エリアの地球屋、どんどこ森エリアの管理棟や、社、社務所など新たな建造物、建築物の整備が予定されております。また、ジブリパーク整備と連携し、園内の既供用区域においても、公園北口にある(仮称)総合案内センターや、新たな案内所、既存の休憩所、案内所の建て替えなど、建築物の整備が予定されております。  ジブリパークの整備が完成すれば、世界に類を見ない唯一無二の都市公園となることから、建築物を木造で整備し、既存の公園内施設も木質化を図り、ふんだんに県産木材を利用することは、国内外に向け広く認知を高め、普及効果や利用促進などの面においても高い波及効果が期待されます。これは、愛・地球博、全国植樹祭あいちの開催理念、SDGs未来都市の推進理念にも合致しており、何よりジブリの世界観を表すには、木造以外には考えられません。  そこで、ジブリパーク三エリア及び関連公園施設の整備において、新たに建築物は木造で行うのか、また、その場合、県産木材の利用の検討状況についてお伺いをいたします。 35: ◯政策企画局長野村知宏君) ジブリパーク三エリア及び関連公園施設の整備における県産木材利用の検討状況についてであります。  スタジオジブリの多くの作品の中に木造の建物が登場します。ジブリパークにおいても、木造で整備する部分については、できる限り県産木材を使用することで、良質な愛知の木材を国内外に広くPRしたいと考えております。  まず、三エリアのうち、青春の丘エリアでは、映画耳をすませばの地球屋と、映画猫の恩返しの猫の事務所に県産木材を利用することを検討しております。  次に、どんどこ森エリアでは、映画となりのトトロの世界をモチーフに、劇中に登場する小さな社に加えて社務所を整備することとしており、いずれにも県産木材を利用する予定です。そのほか、建物以外の外構やモニュメントなど、ジブリ作品の世界観を構成する風景の中で木材の活用が必要とされる部分については、可能な限り県産木材を利用してまいります。  また、ジブリパーク整備と連携して、北口の総合案内センターの整備や、西口休憩所の建て替えなどを予定しており、それらにつきましても、今後、設計を進める中で、内装材や意匠材などに県産木材を利用することについて検討を行う予定でございます。  さらに、来年度から実施設計に着手する二エリアでは、先行する三エリア以上に多くの木造建物が登場しますので、積極的に県産木材の利用を検討してまいります。 36: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  ますだ裕二議員。 37: ◯二十八番(ますだ裕二君) 私からは、歳出第三款県民環境費第二項文化学事振興費第二目文化財費の中から、史跡断夫山古墳保存活用計画調査費についてお伺いをいたします。  断夫山古墳は、現在の県営熱田神宮公園内にある古墳時代を代表する前方後円墳であります。その断夫山古墳も含め、全国にはおよそ十六万基の古墳があると言われ、そのうち、愛知県内には約三千百基、名古屋市内には約二百基の古墳があるとされています。  私の地元でもある名古屋市中区にも、現在の大須スケートリンクにあったとされている大須二子山古墳、大須商店街の中に点在する那古野山古墳、浅間神社古墳、日出神社古墳と大須古墳群が形成されています。そして、大須古墳群から断夫山古墳に向かう約三・二キロの通り沿いには、正木町遺跡、金山北遺跡、そして、私の母校でもあります伊勢山中学校遺跡など、古墳のみならずたくさんの集落跡も、熱田台地に沿って帯状に確認されています。  私たちの地域にある古墳や古墳時代の集落跡も、断夫山古墳と同じ熱田台地に位置し、同時期である五世紀から六世紀のものであることから、いまだ解明はされていませんが、断夫山古墳とは深いつながりがあったものと思料され、地元からも、今回の調査により古墳時代の歴史が解明され、新たな遺跡散策コースなど、観光ルートとして整備されることに期待の声が寄せられています。  断夫山古墳は全長百五十メートル、高さ十六メートルの東海地方最大級の前方後円墳で、一九八七年に国の史跡にも指定されています。断夫山古墳の歴史には諸説あり、ヤマトタケルの妻、ミヤズヒメの墓と言い伝えがあるほか、豪族のオワリムラジクサカ、その娘のメノコヒメ、そして、その子孫いずれかのお墓であるという説もあります。断夫山古墳については、今現在も管理がなされているだけで、愛知県が管理する国指定の記念物の中で唯一調査、整備が行われていないものになります。  他県に目を向けますと、東海三県で断夫山古墳と同規模とされる大垣市にある昼飯大塚古墳は、昭和五十四年に第一次発掘調査、その後、平成六年から平成十一年に第二次から第七次調査が行われ、平成十二年には国の史跡の指定を受けています。そして、平成十六年から平成十八年に第十次調査まで行われ、平成二十六年三月十八日には、既存指定地に加えて、古墳に荷物を運んだと思われる渡り土手が国の史跡の追加指定を受けています。このような背景もあり、断夫山古墳の発掘調査は、愛知県内における歴史の解明や、国の史跡への追加指定など、様々な可能性を秘めているということは言うまでもありません。  そして、今回の調査に先立ち、名古屋市では、平成二十九年度には現地測量図を作成し、平成三十年度より行っている地中レーダー探査では、断夫山古墳の周りを巡る濠と堤の位置や深さを示すと考えられる反射が確認できているということでありました。  今後は、愛知県教育委員会と名古屋市教育委員会が一緒になって、史跡断夫山古墳調査検討委員会の設置を行い、共同発掘調査を進めるとのことでありますが、名古屋市と緊密に連携し取り組んでいくことで、国の史跡への追加指定のみならず、古墳時代の歴史を後世へと引き継いでいくことができるような取組につなげていただきたいと思います。  そこでお聞きいたします。  今後の適切な保存、活用を図るために、名古屋市と共同で発掘調査を行うということでありますが、具体的にはどのような調査を行っていくのか、また、名古屋市と共同調査を行うということで、どのような成果が期待されているのか、お聞かせください。  次に、本県最大の前方後円墳である断夫山古墳の保存活用にどのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。  最後に、史跡断夫山古墳調査検討委員会についてお聞きします。  古墳などの遺跡は、一度発掘されると二度と回復できない宿命を持っており、発掘調査の成果を確実に県民の皆様に還元するためにも、慎重かつ適切に調査を行うべきであると考えますが、調査に関する指導、助言を行う調査検討委員会の構成メンバーはどのようになっているのか、お聞かせください。 38: ◯教育長長谷川洋君) 初めに、名古屋市との共同発掘調査の内容であります。  断夫山古墳につきましては、これまで測量調査が行われたことはありますが、発掘調査は行われておらず、古墳の構造や正確な範囲など詳細は解明されておりません。  このため、来年度に実施する調査では、これまで名古屋市が実施した地中レーダー探査の結果を参考にしながら、古墳の周囲の堤、護岸、濠など約九十平方メートルの範囲で掘削して、地中の状況を詳細に調査し、古墳の歴史的価値を明らかにするための第一歩としたいと考えております。  続いて、名古屋市との共同調査により期待できる成果についてでありますが、名古屋市では、これまで守山区及び瀬戸市内に所在する国指定史跡志段味古墳群について三十年以上にわたり調査研究を行うとともに、歴史の里しだみ古墳群として、その保存、活用に取り組んでおられます。長年、古墳の調査、研究、保存、活用に取り組んでいる名古屋市と共同調査を行うことで、より学術的な視点から、その歴史的な意義や価値を明らかにできるとともに、県と市が連携し、学びとにぎわいの両面から地域の貴重な文化財をまちづくりに活用するよい事例になるものと期待をしております。  次に、保存、活用の取組についてであります。  まずは、貴重な文化財である断夫山古墳を将来にわたってしっかり保存した上で、県民の皆様にその歴史的な価値を知っていただくための活用を考えていくことが重要であります。そのため、保存、整備、活用の基本的な方針を定める保存活用計画の策定に取り組んでまいります。  この計画の策定に当たりましては、三か年ほどの発掘調査を行った後、考古学の専門家や地域の関係者等による保存活用計画策定委員会を設置いたしまして、広く御意見や御助言を受けながら、発掘調査や研究による新たな知見を加えまして、おおむね二年間で策定したいと考えております。  最後に、発掘調査に関する調査検討委員会についてであります。  この構成メンバーにつきましては、慎重かつ適切な発掘調査となるよう、考古学、歴史学の分野から幅広い知見や高い見識を持つ専門家六人程度に委員を委嘱したいと考えております。  委員の候補といたしましては、愛知県内の大学をはじめ、これまで多くの古墳の調査研究の実績を有しておられる大阪、京都など近畿地方の大学、さらには、考古学、歴史学の権威である国立歴史民俗学博物館などから御就任いただけるよう、現在、準備を進めております。 39: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  朝倉浩一議員。 40: ◯十九番(朝倉浩一君) 私からは、歳出第二款総務企画費第二項総務管理費、テレワーク試行環境整備費についてお伺いをいたします。  少子・高齢化と人口減少に起因する労働力人口の先細りが懸念される中、介護や子育てなど、様々な家庭環境にある働き手に対して、多様で柔軟な働き方を提供していく、いわゆる働き方改革が、我が国の官民双方にとって大きな課題となっていることは議論の余地がないところであります。  本事業は、職員の多様で柔軟な働き方を実現するとともに、業務の効率化、生産性の向上を推進し、行政サービスの一層の向上を図るため、モバイルワークや在宅勤務といったテレワークの試行を進めるものであり、その成否について大いに注目しております。  改めて申し上げるまでもなく、テレワークのうち、モバイルワークとは、出張先や移動の際などにモバイル端末を使って業務を行うことで、現地、現場での迅速な対応や、出張時の空き時間の有効活用、出張先での効果的なプレゼン、PR等を行うことができるものであります。  また、在宅勤務とは、自宅でモバイル端末を使って、職場と連絡を取りながら働くことであり、通勤の行き帰りや出勤の準備に要していた時間を、育児、介護や家事の時間に充てることができるものであります。  こうした様々な利点があることから、モバイルワークや在宅勤務は、柔軟な働き方を進めるに当たっての有効なツールであると期待をされております。  既に、今年度予算、一千七百万円によりシステム構築を進め、今年一月からはモバイルワークと在宅勤務の試行が始められているところであります。来年度予算においても、約四千三百万円を計上し、引き続き試行を進めていくと聞いております。  私も、このモバイルワークや在宅勤務が今後ますます進展していくことは、働き方改革の推進に向けた重要な手段の一つであり、その推進は社会的要請であると考えますが、一方で、地方公共団体である本県が実施するに当たっては、公務の性質上、秘匿すべき個人情報を数多く取り扱うことから、民間企業以上に一層留意していく必要があると思われます。  そこで質問をいたします。  本県では、モバイルワークや在宅勤務を実施するに当たって、情報セキュリティー対策をどのように講じているのか、お聞きをいたします。  次に、今年一月からモバイル端末を用いたテレワークの試行を開始したところでありますが、時を同じくして、国内では新型コロナウイルスの感染が拡大しつつあります。民間の大手企業の中には、新型コロナウイルスの感染の拡大防止に向けた対策が進められておりますが、そうした対策の一つとして、テレワークの活用による在宅勤務を始めた企業が出てきております。  例えば、電通では、東京の本社ビルに勤務する五十代の男性従業員がコロナウイルスに感染したことを契機として、当面の間とはされておりますが、本社ビルに勤務する全ての従業員約五千人を対象に、在宅勤務に切り替えたと報道されております。  また、資生堂においても、社内で感染者は確認されていないものの、国内従業員の三割に当たる約八千人を対象に、在宅勤務を基本とする方針を明らかにしたとの報道がありました。  一方、国においては、先月末の二月二十七日に、コロナウイルス拡大防止の対策として、安倍首相から全国の学校に臨時休校が要請をされました。このため、特に共働きの夫婦が、子供の面倒を見ながら自宅で仕事をしたいという事例も数多く発生していると思われます。  こうした動きがある中、県の業務においては、公務の性質上、窓口業務など、出勤しなければ業務として成り立たない場合も数多くあるかと思いますが、そこで質問いたします。  今回の試行を通じて、特に在宅勤務をどのように進めていくのか、お尋ねいたします。 41: ◯総務局長(横井篤史君) テレワークの情報セキュリティー対策についてですが、今回のモバイルワークや在宅勤務を試行導入するに当たり、庁舎外においても、庁舎内と同様に県庁内のデータやシステムを利用して業務ができる環境を構築いたしました。  テレワークでは情報端末を庁舎外へ持ち出すことから、端末自体にはデータを保存できない仕組みとし、さらに、複合的な認証による制御により職員以外の者の不正操作を防止しております。  また、県庁内のシステム等を遠隔で操作するため、インターネットから独立した専用回線を利用した上で、通信内容を暗号化しており、通信過程での情報が外部に漏れることを防止しております。  今後、このたびの試行導入について検証を進め、情報セキュリティーの確保はもとより、新たな情報技術の動向を注視しながら、テレワーク用の情報基盤整備にしっかりと取り組んでまいります。 42: ◯人事局長(兼松啓子君) 本県における在宅勤務の推進につきましては、公務の性質上、窓口業務や関係機関との調整等の対面でコミュニケーションを必要とする業務など、現段階においては在宅勤務に適さないものがございますが、多くの業務において、モバイル端末を使っての在宅勤務が可能であると考えております。  本県では、今年一月からモバイル端末を百台導入して、モバイルワーク及び在宅勤務の試行を実施しており、多くの職員に経験してもらい、本格的に実施するための課題等を洗い出していきたいと考えております。  また、併せて一層のペーパーレス化や、各職員の事務分担の明確化、グループ内での情報共有の在り方など、時間と場所にとらわれない業務の進め方も検討していく必要があります。  在宅勤務は、子育てや介護など様々な状況に置かれた職員が勤務を継続できる環境を整えていく上で有効な手段であります。試行を進める中で、効果や具体的な問題点をしっかり検証し、本格実施に向けて進めていきたいと考えております。 43: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  山田たかお議員。 44: ◯二十九番(山田たかお君) 私からは、歳出第二款総務企画費第六項防災安全費のうち、ゼロメートル地帯広域防災安全拠点整備費について伺います。  来る三月十一日は、東日本大震災の発生から九年に当たります。しかし、昨年は九月の台風十五号で、暴風等による甚大な被害の発生や、十月の台風十九号では、広範囲における記録的な大雨により多数の河川氾濫等による甚大な被害が生じ、地震防災よりも水害の対策に目が移りがちになっています。  地震対策につきましては、本県でも、南海トラフ地震の発生が危惧されており、県が二〇一四年五月に公表した地震被害予想調査では、南海トラフ地震の発生により、ゼロメートル地帯において、既存の防災活動拠点が津波などにより浸水し、救出・救助活動に支障を来すおそれがあることが明らかとなりました。  このため、浸水した地域においても、自衛隊や消防などにおける救出・救助活動が円滑に行うことができるゼロメートル地帯における広域的な防災拠点の整備が必要となってきます。  この拠点につきまして、県では、木曽三川下流域で二か所、西三河南部及び東三河南部の地域で各一か所、合計で四か所を確保することとし、これまでに、木曽三川下流の一か所目として愛西市において、また、西三河南部地域における拠点として西尾市において、それぞれ整備が進められております。  そこで伺います。  現在、県において進めているゼロメートル地帯の広域防災活動拠点に関し、四か所の進捗状況についてお伺いいたします。  次に、拠点を整備するに当たっての軟弱地盤対策についてお伺いいたします。  ゼロメートル地帯は、先ほどの県の被害予測調査において、液状化の危険度が高い地域とされております。また、西尾市の拠点整備予定地周辺は地盤が悪く、実際に私も地盤沈下により建物の周りに段差が生じた事例など、幾つも目の当たりにしております。  せっかく拠点を整備しても、十年、二十年とたった際に沈下して、莫大な修理費が必要となったり、あるいは、地震が発生した際に、液状化して拠点としての機能が発揮できないようなことが起きてしまったら大変であります。  そこで伺います。
     拠点の整備に当たって、軟弱地盤対策はどのようにされるか、お伺いいたします。  次に、市町村の津波避難施設との連携についてお伺いいたします。  県内の市町村においては、津波による被害を軽減するため、いわゆる命山や津波避難タワーの整備や、民間の建物を津波避難ビルとして指定することにより、安全な一時退避所として、できるだけ多くの津波避難施設を確保し、津波から住民の命を守るような取組を進めております。  そこで伺います。  現在、整備を進めている拠点において、市町村が確保した津波避難施設との連携について、県としてどのように考えているのか、お伺いいたします。  最後に、拠点の平時の利用についてお伺いします。  県が新たに拠点を整備したとしても、それが地域の住民に浸透していなければ、地震などの有事の際に有効に使われないのではないかと思います。こうした施設は、日常利用が非常に大切で、スポーツやイベントでできるだけ地域の方々に使っていただけるようにすべきであると思います。  そこで伺います。  整備した拠点の平時の利用について、県としてどのように考えているのか伺います。 45: ◯防災部長(内田康史君) ゼロメートル地帯の広域防災活動拠点のうち、まず、進捗状況についてであります。  木曽三川下流域で一か所目となる愛西市で整備中の拠点につきましては、今年度中に地盤改良工事と敷地造成工事を完了させ、来年度は、一年間盛土安定のための養生期間を設けるとともに、ヘリポート、防災倉庫などの実施設計を行います。  次に、西三河南部地域については、今年度九月補正により基本設計を行い、来年度は、敷地造成、地盤改良工事の実施設計を行うこととしております。  また、木曽三川下流域の二か所目及び東三河南部の拠点については、地元市町村と協議を進めているところであり、有識者などの御意見をいただきながら、早期に決定できるよう取り組んでまいります。  次に、軟弱地盤対策についてであります。  ゼロメートル地帯における整備には、液状化対策などの軟弱地盤対策が必要となります。  現在、愛西市で整備中の拠点につきましては、地質調査の結果を基に地盤改良工事及び沈下対策を実施しております。具体的には、地震発生時の液状化対策として、直下の軟弱地盤層に、よく締め固めた砂のくいを注入し、地盤の強度を増す工法を採用しております。加えて、将来沈下が生じた際にも維持、補修しやすいものとなるよう、来年度の実施設計において検討をしてまいります。  今後整備する西尾市や、その他の二か所の整備につきましても地質調査を行った上で、各整備地における最適な方法を、それぞれ設計段階において検討してまいります。  次に、市町村の津波避難施設との連携についてであります。  現在、県内で整備を進めている拠点は、ゼロメートル地帯における救出・救助活動において大きな役割を担うものであり、他の防災拠点や市町村が確保した津波避難施設と連携することにより、より円滑な救出・救助活動の効果が発揮されるものと考えております。  このため、来年度は、他の防災拠点や津波避難施設との連携方策などを定めた拠点の運用方法を、自衛隊や消防などの防災関係機関とともに検討を行っていくこととしております。  最後に、拠点の平時の利用についてであります。  これらの拠点は、南海トラフ地震や津波によって広範囲にわたり浸水した状況において、ヘリコプターやボートによる救出・救助活動の最前線の拠点となるものであります。  このため、災害時の活動に支障とならない範囲において、防災に関する訓練やイベント、社会見学などの防災教育にも活用していただくことができるよう、平時の活用方法につきまして、地元の市町村と協議しながら幅広に検討してまいります。 46: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  石井拓議員。 47: ◯三十一番(石井拓君) それでは、私のほうからは、同じく歳出の第二款総務企画費第六項防災安全費の中で、南海トラフ地震等対策事業費補助金、予算額二億円についてお伺いいたします。  南海トラフ地震等対策事業費補助金には、従来、県内市町村が行う建物被害の軽減対策、地域防災力の強化、災害時の要配慮者対策などの事業に対し、補助金額を一市町当たり二千万、補助率三分の一で補助を行ってきたものであります。東日本大震災以前より、市町村が行う地震対策事業に対して本県が補助を行ってきた、言わば基幹的な補助事業であります。南海トラフ地震が冠についたのは平成二十六年以降のようですが、予算執行率も、毎年ほぼ満額に近い値を示していると聞いております。  さらに、昨年七月三十日に、津波防災地域づくりに関する法律を受けて、本県は、名古屋市をはじめとする二十六市町村において、津波災害警戒区域を指定しました。それに基づき、この補助制度は来年度予算で拡充されます。  津波災害警戒区域には、私の住む碧南市も指定されております。この区域指定では、津波が建物に衝突してせき上がる高さを考慮した浸水深である基準水位が示され、津波から避難に有効な高さがより明確となりました。市町村が今後実施する避難施設の効率的な確保と、津波から命を守る取組がさらに強化されることが期待されております。  また、市町村においては、基準水位が示されたことにより、それを反映したハザードマップの作成や、住民への周知が義務化とされ、津波避難計画の見直しを行うとともに、住民が避難を行うための津波避難施設の整備や、津波避難ビルの指定が必要になります。  そもそも津波ハザードマップの仕組みは、津波浸水域に住んでいる人や仕事をしている人、訪れる通行人まで、つまり、そのときそこにいる人は、津波到達時まで津波水域外に避難してくださいというものです。  私が住んでいる碧南市では、南海トラフ地震の場合、津波予想到達時間は最短で五十五分とされております。その間に津波が来ないだろうと予測されている、想定されている地域まで逃げなさい、これがハザードマップであります。  避難行動に移るのに手間取れば、時間はすぐ過ぎてしまいます。実際、東日本大震災における避難開始時間は平均二十分とされております。しかも、避難は、車ではなく徒歩で逃げることを想定しています。安全かつ迅速に通行できる避難経路も確保されているかどうかも問題です。  このような考え方で逃げられないと予測されている地域は、避難困難地域ということになります。一時的に退避することができる既存の高い建物、津波避難ビルなどの確保や、命山や津波避難タワーなどの施設を造る必要があります。どうしても津波から避難が困難と予測される人数、避難困難者が収容できるスペースの確保された一時退避施設が必要になります。  例えば、私の住む碧南市の場合、昨年三月に施行された碧南市津波避難計画によれば、このような一時退避所として、高台や、市内の非木造で三階建て以上の建物を民間施設も含めて八十四か所指定しております。それでも、この同計画では、特定の地域を避難困難区域と想定し、避難困難者は三百人余としております。  さて、間もなく東日本大震災から丸九年が過ぎようとしております。私も、あの年の四月の終わりから五月の初めにかけて、東松島市や石巻市などに入り、周辺の現地を見ながら、ボランティアとして家屋、床下の泥のかき出し作業をしましたが、あの凄惨たる光景は忘れることはできません。常に我が町に置き換えて考えております。  このように、市町村が実施する地震・津波防災対策事業は、県民の命を守るため重要な取組であり、また、待ったなしで早急に進めることが必要であると考えますが、本県の行うこの南海トラフ地震等対策事業費補助金について、来年度からの拡充内容など、どのような支援を行っていくのでしょうか、お伺いいたします。 48: ◯防災部長(内田康史君) 南海トラフ地震等対策事業費補助金についてであります。  昨年七月、津波防災地域づくりに関する法律に基づき、県内二十六市町村において津波災害警戒区域を指定したことから、これらの市町村ではハザードマップの作成や津波避難計画の見直しなどを早急に行う必要が生じております。  このため、来年度から三年間、津波からの避難を誘導、支援する事業に対して、補助内容を拡充してまいります。具体的には、津波避難施設の整備に三千万円、避難路、避難誘導標識等の整備に一千万円、ハザードマップや津波避難計画の策定にそれぞれ三百万円の補助基準額を別枠とし、さらに、これらの補助事業の拡充部分については補助率を三分の一から二分の一に引き上げます。こうした財政的支援に加え、市町村と連携した実践的な訓練や防災人材の育成などにより、引き続き市町村による地震・津波防災対策を支援してまいります。 49: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  安井伸治議員。 50: ◯二十番(安井伸治君) 私からは、歳出第二款総務企画費第六項防災安全費のうち、消防団活性化対策事業費についてお伺いいたします。  気象庁は、災害の教訓を後世に伝えるため、甚大な被害をもたらした台風には特別に名前をつけております。有名なところでは、一九五九年の伊勢湾台風や一九六一年の第二室戸台風などでありますが、昨年九月に千葉県などで大規模停電を招いた台風十五号を一九七七年の沖永良部台風以来、四十二年ぶりに令和元年房総半島台風と命名いたしました。続く十月には、記録的な大雨により、千曲川や阿武隈川など、多数の河川の氾濫による被害をもたらした台風十九号を令和元年東日本台風と命名いたしました。まさに昨年は記録的な台風被害の一年でありました。  そうした中、地域防災の要として活動していただいたのが消防団員です。消防団員は昼夜を問わず出動し、様々な場面で活躍をし、重要な役割を果たしてくれました。  このように、消防団員は、住民の安全・安心を守るためになくてはならない存在ですが、近年、高齢化社会の進展やサラリーマンの増加などを背景に、全国的に減少する傾向にあり、地域防災力の低下が懸念されております。  さらに、今後発生が危惧される南海トラフ地震など大規模災害に備えることも必要であり、市町村などと連携して、地域を挙げて消防団活動の活性化、消防団員の確保に取り組むことが重要であると考えます。  本県では、消防団員の確保のために、消防団員やその家族の方々が飲食や買物をした際に料金割引などのサービスが受けられるあいち消防団応援の店の制度を運用しておりますが、私の地元である名古屋市港区の消防団員からは、応援の店のリストにあるのは民間の店舗、施設ばかりなので、カードを発行する愛知県の県有施設がないのはおかしいのではないかという声が聞かれました。  自らの地域は自ら守るという精神に基づき活動している消防団や消防団員を支えている家族へのサービス提供は、地域で応援されているということを実感するだけでなく、消防団の活動がより多くの方々に認められているという証として、大きな誇りを感じるのではないでしょうか。  そこで質問です。  消防団員カードや消防団員家族カードを発行する愛知県として、消防団員への県有施設における利用料の割引などについて、どのように考えているのかをお伺いいたします。 51: ◯防災部長(内田康史君) 県有施設におけるあいち消防団応援の店によるサービスについてであります。  二〇一七年一月から実施しておりますあいち消防団応援の店は、店舗や事業所に応援の店として登録していただき、地域の安全・安心のために活動している消防団員を地域で応援する制度です。運用開始から三年間、着実に増加し、一千を超える店舗などに登録していただいております。  県有施設における応援の店のサービスにつきましては、西尾市の愛知こどもの国において粗品のサービスが実施されており、また、愛知県美術館及び陶磁美術館においては、災害から文化財を守る消防団員の支援を目的として、本年四月から、企画展の観覧料の割引を実施してまいります。  さらに関係局と連携して、県有施設の登録に努め、引き続きあいち消防団応援の店の充実を図ってまいります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 52: ◯四十番(寺西むつみ君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 53: ◯議長神野博史君) 寺西むつみ議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 54: ◯議長神野博史君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時五十四分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 55: ◯副議長(堀嵜純一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  成田修議員。 56: ◯四十四番(成田修君) 私からは、第二款総務企画費第一項政策企画費のうち、大学連携推進費についてお伺いいたします。  私は、本県がグローバル化やデジタル化といった時代の波を乗りこなし、我が国の成長を牽引する産業首都として、経済力、産業力をさらに強化していくためには、多くの本県の若者が海外で学び、グローバル人材として成長することが必要不可欠と考えます。  海外留学では、外国語はもちろん、日本より進んだ理論、技術などの習得が可能となります。また、異文化の理解の促進やアイデンティティーの確立といった国際的素養を培うとともに、慣れ親しんだ地を離れ、文化や歴史の異なる国において、自分で考え、勇気を持って行動することとつながっております。  海外留学は、こうした経験の中で様々な研さんを積み、多くの人々と交流することによって強さとしなやかさを身につけ、グローバルな視点から物事を考える絶好の機会となります。  また、海外から優秀な学生や研究者などの高度人材を呼び込むことも大きな課題であると私は考えております。  愛知県には、二〇一九年五月一日現在で七千三十六人の留学生がおり、その内訳は、大学生が二千九百四十二人、大学院生が二千五百九人などとなっております。毎年その数は増加しておりますが、今後は、本県の特徴でもあるモノづくり産業に貢献していただくために、特に理系の大学生、大学院生を中心とした優秀な留学生の一層の受入れ拡大を図るとともに、本県企業への就職を促すことにより、高度人材をさらに確保していくことが必要と考えております。  そうした中で、日本への外国人留学生の数と海外への日本人留学生数の動向を見ますと、文部科学省が二〇一九年一月に公表いたしました外国人留学生在籍状況調査及び日本人の海外留学者数等についてでは、二〇一七年五月一日現在の日本への外国人留学生二十六万七千四十二名に対し、二〇一七年中の海外への日本人留学生は十万五千三百一人となっており、海外からの留学生が日本から海外へ留学する人を大きく上回っておる状況であります。  特に、日本への留学生数が、国別で最も多い中国に関しましては、前年に比べ七千六百九十人増の十一万四千九百五十名となっており、また、中国への日本人留学生は、前年度に比べて千三百七十五人増の七千百四十四人と、それぞれ大きく増加しております。  経済成長が著しく、世界での存在感を増し続ける中国からの留学生を受け入れ、また、県内大学の学生が中国に留学し、中国の経済成長の現状やパワーを肌で感じ、悠久の歴史を持つ中国特有の文化や考え方などを理解することは、大きな意義があると考えます。  こうしたこともあり、知事は、中国の主要大学との連携を図り、留学生や研究者と県内大学との交流などを促進するために、昨年五月に中国へ渡航した際、清華大学、上海交通大学、浙江大学を訪問し、覚書の締結を提案され、昨年九月には清華大学と、十一月には上海交通大学と包括交流に関する覚書を締結されるものであります。  現在、アジアを中心として世界に拡大する新型コロナウイルス感染症の影響を注視する必要はありますが、同感染症が終息した際には、アジアトップレベルであるこれらの大学との交流を速やかに実施していくことが肝要と考えます。  これらを踏まえてお伺いいたします。  本県と中国の学生交流を推進するために、清華大学、上海交通大学、浙江大学との連携をどのように進めていくかをお伺いいたします。 57: ◯政策企画局長野村知宏君) 中国の三大学との連携についてであります。  愛知県が日本一の産業の革新・創造拠点として、また、世界から選ばれる魅力ある地域として発展していくためには、グローバル化とデジタル化に対応できる人材の確保、育成が必要不可欠であります。そのためには、海外から高度人材を呼び込むとともに、彼らとの交流により、県内大学の学生や研究者が刺激を受けてさらに成長するという流れを作ることが重要と考えております。  本県といたしましては、近年、教育・研究面における中国の大学の評価が高まっていることから、昨年五月に知事が清華大学、上海交通大学、浙江大学を訪問し、昨年中に清華大学、上海交通大学とそれぞれ包括交流に関する覚書を締結したところであり、現在、県内大学の状況や意向も踏まえながら、具体的な交流事業の内容について、それぞれ協議を進めております。また、浙江大学とも同様の内容の覚書をできる限り早く締結できるよう調整しているところでございます。  今後とも、学生や研究者の交流、インターンシップの受入れ、スタートアップ支援をはじめとした産業分野での協力などを促進することにより、これからの愛知を担う人材の確保、育成につなげてまいりたいと考えております。 58: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  神戸健太郎議員。 59: ◯四十六番(神戸健太郎君) 私からは、第二款総務企画費第一項政策企画費のうち、愛知の住みやすさ発信事業費についてお伺いいたします。  本県の人口は、二〇二〇年一月一日時点で七百五十五万三千三百九十五人、我が国全体が人口減少をしている中でも、本県は人口増加が続いています。このうち出生数から死亡数を差し引いた自然増減は、二〇一七年に減少に転じて以来減少幅を拡大し、二〇一九年にはマイナス一万二十五人となっています。  一方で、転入者数から転出者数を差し引いた社会増減は、良好な経済環境の中で二万人程度の増加を続けており、自然減を社会増が補う形で人口増加を維持している状況にあります。  ただし、東京圏に対しては、十代後半から二十代の若者を中心に、二〇一九年の数字で申し上げますと約一万人の転出超過であり、大学進学や就職を契機に多くの若者が東京圏に流出している状況となっています。本県が持続的に発展していくためには、この流れを変えていかなければなりません。  愛知には、人を引きつける魅力としてモノづくり日本一の産業力に加え、他の大都市圏と比べてバランスのとれた住みやすさがあります。具体的には、安定した雇用環境、東京圏などと比べて安価で良質な住宅を取得できる住環境、大都市圏にありながら身近に自然や歴史、伝統文化に触れられる環境などが備わっています。  本県では、二〇一七年度から愛知の強みであるこの住みやすさという切り口から愛知の魅力をPRし、愛知への人口の流入、定着を促進しています。  そこでお尋ねをいたします。  愛知の強みである住みやすさの発信について、本県ではパンフレット、愛知に住みたくなるBOOKや、一番住みたい愛知と書かれたロゴのデザインが好評であるウェブサイト、愛知の住みやすさ発信サイトを通じてPR活動を行ってきたと思いますが、これら以外には、これまでどのような取組を行ってきたのか、そして来年度はどのような取組を行っていくのか、お尋ねいたします。  愛知の住みやすさの発信事業を推進していく上で、このパンフレット愛知に住みたくなるBOOKをいかに多くの人に届けていくか、このことは、基本的なことではありますが、大変重要なことではないかと思っています。  このパンフレットは、これから居住地を選ぼうとする若者を主なターゲットとして、愛知の住みやすさがデータ等を含めて分かりやすく紹介されており、愛知の住みやすさがよく伝わる内容であると思うからであります。  このパンフレットの配布先ですが、東京圏の大学や就職説明会等で配るだけではなく、さらに配布するルートを増やしていく工夫も必要ではないかと思います。  例えば、愛知県内に本社がある企業に、採用活動において活用していただけるよう提案できないものでしょうか。東京圏等から、愛知県にUターン、Iターン、Jターンをして、就職をしてほしいと思う企業側とパンフレットに記載された本県の思いが同じ方向であり、企業からも賛同が得られるような気がいたします。  同様に、それらの企業のホームページに、このウェブサイト、愛知の住みやすさ発信サイトへのリンクを貼っていただくように働きかけることも有効ではないでしょうか。  そこでお尋ねいたします。
     愛知の住みやすさに関するパンフレットやウェブサイトをどのように活用していくのか、お伺いいたします。 60: ◯政策企画局長野村知宏君) 愛知の住みやすさ発信事業についての御質問のうち、まず、愛知の住みやすさの発信に関するこれまでの取組と来年度の取組についてであります。  愛知の住みやすさ発信事業は、二〇一七年度から取組を始め、これまでにパンフレットやウェブサイトの作成に加えて、一番住みたい愛知というキャッチコピーの作成やPR動画の公募、配信、東京圏在住の若年女性、ファミリー層を対象としたPRイベントの開催、若年女性、ファミリー層、大学生がよく利用する民間情報サイトへの広告記事の掲載、SNSを活用したフォトコンテストなど、様々な手法を用いて、愛知の住みやすさを広く発信してまいりました。  このような情報発信事業は継続して取り組むことが重要であることから、来年度は、これまでの取組を中心に、若年層が情報を入手する主な手段であるSNSをさらに積極的に活用してまいりたいと考えております。  具体的には、SNSで影響力を持つ方から愛知の魅力を発信していただく事業を新たに実施するなど、若年女性等のニーズに合わせて、愛知の住みやすさを発信してまいります。  次に、愛知の住みやすさに関するパンフレットやウェブサイトの活用方法についてであります。  今年度改訂したパンフレット、愛知に住みたくなるBOOKは、三万部作成し、県外へは、本県が就職支援協定を締結している東京圏と関西圏の大学や、UIJターン関連の機関に送付するほか、本県が東京圏で開催する就職・移住支援のイベントなどで配布しております。  県内におきましても、大学、短大や高校に送付するほか、市町村が主催する成人式など若者が集まるイベントでも配布していただいているところであります。さらに、採用活動などで活用したいとの要望があった県内企業に対しては、適宜提供しております。  また、愛知の住みやすさ発信サイトは、本県をPRする写真、動画、UIJターンした人へのインタビュー、県内市町村の紹介などをまとめたものでございます。県内企業の中には、自社のウェブサイトにリンクを貼っていただいているところもございます。  パンフレットやウェブサイトは、多くの方々から好評をいただいており、これらを企業の採用活動や大学の学生募集などに活用していただくよう、積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  今後とも、県内の市町村や企業、大学や関係団体と連携、協力しながら、愛知の住みやすさの発信に取り組み、働くなら愛知、住むなら愛知という流れを促進してまいります。 61: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  福田喜夫議員。 62: ◯二十三番(福田喜夫君) 私からは、第二款総務企画費第六項防災安全費、防災計画推進事業費のうち、第三次あいち地震対策アクションプランの進捗管理についてお伺いいたします。  近年、全国各地で地震、台風、集中豪雨などによる大規模な自然災害が発生しており、改めて災害への備えや人命救助体制の充実、強化とともに、災害からの迅速な復旧・復興の重要性を強く認識しています。  愛知県においても、南海トラフ地震などの大規模地震の発生が危惧されており、地震防災対策に係る行動計画である第三次あいち地震対策アクションプランを二〇一四年十二月に策定され、二〇一八年八月に改訂されたところであります。  このアクションプランでは、地震から県民の生命、財産を守る強靱な県土づくりを目標として掲げ、命を守る、生活を守る、社会機能を守る、迅速な復旧・復興を目指す、防災力を高める、五つを対策の柱と位置づけ、大村知事のリーダーシップとオール県庁で地震に強い安全な愛知を目指して積極的に取り組んでみえます。  私は、今後三十年以内に七〇%から八〇%と高い発生確率で予測される南海トラフ地震では、県内のゼロメートル地帯の津波対策はもとより、内陸部の被害想定を考えると、迅速な復旧・復興の一つの手段である地籍調査を推進する必要性を選挙の公約にも掲げ、強く訴えているところであり、大規模地震の発生後、市街地、集落や住居環境、産業、暮らしの迅速な復旧・復興を果たすことが特に重要と考えています。  アクションプランにおいても、対策の柱として、迅速な復旧・復興を目指すを掲げ、対策ターゲットとして、事前復興、復興方針、体制づくりなどを進めることが盛り込まれております。  アクションプランによる取組がこの四月で五年を経過し、二〇二三年までの九年間の計画期間としており、アクション項目の中には、地籍整備の推進など市町村が主体となって行う取組もあることから、各種の目標に向けてオール愛知での進捗管理が重要と考えます。  そこでお尋ねします。  アクション項目の推進に向けての市町村主体の事業項目も含め進捗管理はどのようになっているのか、お伺いします。 63: ◯防災部長(内田康史君) 第三次あいち地震対策アクションプランの進捗管理についてであります。  アクションプランは、アクション項目ごとに具体的な目標を設定し、毎年度、その進捗をグラフなどで見える化して進捗管理し、PDCAサイクルにより対策の質を維持、向上させ、常に進化する計画であることを目指しております。  このため、九年間の計画期間で三年を見直しのサイクルとしておりますが、二年目である二〇一七年三月に熊本地震の課題検証を踏まえた改訂を行い、二〇一八年八月には、三年間の進捗の検証や大阪北部地震等を踏まえ、ブロック塀などの耐震対策の推進や被災者生活再建支援金の支給制度の充実などを追加し、対策の強化を図ったところであります。  市町村が主体の取組につきましても、南海トラフ地震等対策事業費補助金などによる財政的支援や、ハザードマップ作成などに係る技術的支援により、県がバックアップし、目標達成に向けた進捗管理をしております。  今後も、しっかりと進捗管理を行い、アクションプランの目標である地震から県民の生命、財産を守る強靱な県土づくりに努めてまいります。 64: ◯二十三番(福田喜夫君) 迅速な復旧・復興を目指す地籍事業について要望させていただきます。  北海道、東北、西日本地方の県では、八〇%以上の地籍調査が進捗しているところもありますが、愛知県は二〇%程度と防災上重要な地籍整備が遅れています。今後は、防災上重要な県道建設に当たり、市町村が地籍調査を実施したところから、都市計画道路の建設やバイパス工事の工事に着工するように周知することで、地籍調査の推進と長年未着工となっている県道事業も推進できるものと思います。  どうか、県民の安心・安全のためオール愛知で地震防災アクションプランを強力に推進していただきますよう要望し、質疑を終わります。 65: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  山下智也議員。 66: ◯五十番(山下智也君) 私からは、歳出第四款福祉医療費第四項高齢福祉費のうち、あいちオレンジタウン構想推進費についてお尋ねをいたします。  我が国では高齢化の急速な進展により、今後、認知症高齢者の大幅な増加が見込まれており、全国の認知症高齢者の数は、二〇一二年で約四百六十二万人であったものが、二〇二五年には約七百三十万人と推計されております。  これを本県に当てはめてみますと、二〇一二年に約二十三万七千人であったものが、二〇二五年には約四十万人に達すると推計され、認知症施策の推進は喫緊の課題となっております。  そのため、本県においては、認知症施策をより一層推進していくため、二〇一七年にあいちオレンジタウン構想を策定し、地域で暮らし、学び、働く人々が認知症に理解の深いまちづくりに自分事として取り組む社会の実現を基本構想に掲げ、地域づくりと研究開発の両面から、既存の社会資源の機能強化、新たな社会資源、企業、大学の巻き込み、社会資源の有機的連携など、四つのアクションプランに基づき、各種取組を進めてきました。  さらに、二〇一八年には愛知県認知症施策推進条例を制定し、オレンジタウン構想の理念を踏まえ、総合的に認知症施策を推進していくこととしております。  こうした中、国においては、二〇一五年に策定し取組を進めてきた認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランの後継として、新たに認知症施策推進大綱を昨年の六月に決定いたしました。  この大綱では、認知症は誰もがなりうるものであり、家族や身近な人を含め多くの人にとって身近なものであるとしております。  さらに、基本的な考え方として、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、共生と予防を車の両輪として施策を推進していくこととし、KPI(重要業績評価指標)や目標が設定されました。  オレンジタウン構想に掲げる取組は、来年度が最終年度となりますが、引き続き認知症施策の推進を図っていくため、本県の来年度予算案では、新たなアクションプランを策定することとし、調査、検討に係る予算が計上されております。  次期プランの策定に当たっては、まずは、現在進めている認知症カフェを中心とした地域づくりなどの市町村モデル事業をはじめとするオレンジタウン構想の取組の成果や課題の検証を行い、国が決定した認知症施策推進大綱を踏まえた取組について、充実、強化を図るとともに、認知症施策の推進について、全県への波及を加速させるため、どのような取組を行うべきか、検討を十分に行う必要があります。  そこで、二点についてお尋ねをいたします。  一点目として、現アクションプランの最終年度となる来年度において、主にどういった取組をしていくのか。二点目として、二〇二一年度からスタートする次期アクションプランの策定に向けて、どのように調査、検討していくのか。以上の二点についてお尋ねをいたします。 67: ◯福祉局長平田雅也君) あいちオレンジタウン構想のうち、初めに、来年度の主な取組についてであります。  認知症の診断や診断後の患者と家族に対する相談支援等を行う認知症疾患医療センターにつきましては、現在県において九か所指定をしておりますが、未指定の東三河北部及び旧尾張中部圏域において、専門医の配置など指定に必要な医療体制の確保が見込まれますことから、新たに指定を行ってまいりたいと考えております。  これにより、県内全ての二次医療圏において、認知症の診断及び相談支援の体制が整備されることとなり、より身近な地域における医療体制のさらなる強化が図られることとなります。  また、認知症の人と接する機会の多い小売業、金融機関、公共交通機関等で働く人たちを対象に、職域の特性を踏まえた認知症の人への対応について理解を深めていただくため、県独自の研修プログラムの開発を進めておりますが、現在、実証を踏まえた改良を行っており、来年度は全県展開を図るため、県内の企業へ周知するとともに、プログラムを実践する講師養成を行うなど、企業を巻き込む取組も進めてまいります。  さらに、オレンジタウン構想の中核的役割を担っている国立長寿医療研究センターの新棟整備につきましては、今年の夏頃から本格的な工事が始まってまいりますので、着実に整備が進むよう必要な支援を行うなど、現アクションプラン最終年度の取組をしっかり進めてまいります。  次に、次期アクションプランの策定に係る調査、検討についてでありますが、検討の前提となる調査につきましては、現アクションプランにおいてモデル事業を実施している市町に対し、事業実施による効果や全県波及に向けた課題についてヒアリングを行ってまいります。  また、国の認知症施策推進大綱において、KPIとして設定された認知症相談窓口の周知や認知症予防への取組などについて、県内市町村に対し現状調査を行います。さらに、認知症当事者や御家族の方の生活状況や希望する支援内容について調査するほか、認知症に係る産学官連携の取組事例の収集などを行ってまいります。  また、検討に当たりましては、あいちオレンジタウン構想推進会議の下に、有識者や医療、介護関係者等で構成するワーキンググループを新たに立ち上げ、認知症当事者の方からの御意見もお聞きし、調査結果に基づき、先進的、重点的に取り組むべき施策の検討を行ってまいります。  団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向けて、認知症施策の推進は待ったなしであり、次期アクションプランに盛り込む施策をしっかり進めることで、認知症の人とその御家族が安心して暮らすことのできる地域社会の実現を図ってまいります。 68: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  近藤裕人議員。 69: ◯六十二番(近藤裕人君) 第二款総務企画費第一項政策企画費のうち、まち・ひと・しごと創生総合戦略費について質疑をいたします。  日本の人口が二〇〇八年の一億二千八百八万人をピークに減少局面に入ったことを受け、二〇一四年に、まち・ひと・しごと創生法が公布、施行され、同年、国は二〇六〇年に一億人程度の人口を確保するとした長期ビジョンと総合計画を閣議決定、それを受けて愛知県でも、人口ビジョンとその実現に向けた二〇一五年から二〇一九年の五か年の総合戦略を策定され、計画期間が本年度で終了することから、このたび、第二期の人口ビジョン、総合戦略を策定されました。  本県の人口については、今年、二〇二〇年の七百五十万人をピークに減少するとしていましたが、第二期人口ビジョン素案では、人口のピークは二〇二〇年の約七百五十万人から、二〇二五年頃、約七百五十六万人と、後ずれをし、二〇六〇年の人口も七百万人が七百二十万人程度と、上振れするとされています。  第一期総合戦略の進行管理による数値目標及び重要業績評価指数(KPI)における達成状況から見て、その成果が表れたと考えられますが、二〇一七年には出生数から死亡数を差し引いた自然増減数はマイナスになっており、若者、特に女性の東京圏への転出が依然続いているところで、国立社会保障・人口問題研究所の日本の地域別将来推計人口──これは平成三十年度版ということになりますけれども──によれば、愛知県は二〇四五年に六百八十九万九千人と記されており、素案と大きな違いがあります。  二〇一八年十二月末現在、愛知県の外国人県民数は、全国で東京に次いで第二位、二十六万九百五十二人と過去最高を記録しております。  二〇一九年の総合人口推移データによりますと、愛知県の日本人は八千二百四十三人の減少に対して、外国人が二万一千九百三十一人の増加となっていることを考えましても、先日の外国人児童生徒の学習、就学支援の一般質問の中で、知事の答弁が、外国人を生活者として受け入れるとの言葉もありましたけれども、外国人を積極的に受け入れる、少し語弊があるかもしれませんが、いわゆる移民政策に近い方向性だとすると、多文化共生社会づくりに向けた取組を一層進めなければなりませんし、日本人県民にも、外国人が増えているその状況をしっかりと理解していただく必要があると思います。  そこで、第二期人口ビジョンで示された、従前より上振れするとした、その根拠についてお伺いをします。  第一期総合戦略の基本的な考え方は、人口の自然増、社会増両方を維持する愛知の強みを生かすであり、愛知の強みとは、日本屈指の産業集積を背景とした優れた雇用環境、大都市にありながらゆとりある住環境、三世代の同居、近居などが多い、子育てにおいて親世帯から支援が受けやすい環境等の三つであります。この基本的考えから、詳細は割愛しますけれども、四つの重視すべき視点、さらには六つの基本目標に向けた具体的な施策、事業を進めてこられました。  総合戦略の進行管理検証に用いられる数値目標やKPI──先ほど述べました重要業績評価指標でありますけれども──の達成状況を見ても、かなりの施策、事業において目標数値をクリアしているとされている一方で、先ほども述べました若い女性の流出が多く、人口の男女比では、全国で三番目に女性の割合が低い男女比率八九・二%となっており、また、ゆとりある住環境や子育て高齢者介護など、社会福祉の問題解決にもつながる、三世代同居、近居などに向けた具体的施策事業が見受けられないと感じるところですが、第二期の総合戦略では、どこに重点を置き、第一期の総合戦略に比べてどのような違いがあるか、お伺いをいたします。  第一期より時代の流れが加速すると考えられる中、愛知県の第二期人口ビジョン、総合戦略に関しては、外国人増加を日本人県民が認識すること、また、出生率を高める必要性を、次代を担う若者、特に、東京圏へ流出が懸念される若い女性に愛知県の人口をめぐる課題認識を共有していただくためにも、しっかりと情報を発信しなければならないと思います。  そこで、第二期人口ビジョン、総合戦略についてどのように発信していかれるのか、当局のお考えをお伺いします。 70: ◯政策企画局長野村知宏君) 最初に、第二期人口ビジョンにおける人口展望の根拠についてでありますが、今回の人口展望の作成に当たっては、二〇一五年の国勢調査結果や国から提供された最新のデータなどを基に、昨年十二月に公表された国の長期ビジョンと同様の推計方法でシミュレーションを行いました。  このシミュレーションに必要となる前提条件として、出生率と転入者数から転出者数を差し引いた転入超過数の人口割合である純移動率を設定しております。  まず、出生率については、国及び第一期の人口ビジョンと同様に、二〇三〇年時点で一・八、二〇四〇年時点で二・〇七という条件設定をしております。  一方で、社会増減を示す純移動率については、近年の良好な経済状況を背景に、第一期人口ビジョンの想定一万二千人を上回る二万人程度の転入超過が続いたことにより、前回に比べ高い数値となりました。その結果、将来人口が上振れしたということでございます。  続いて、第一期と第二期の総合戦略の違いについてであります。  第二期総合戦略では、時代の流れを力にした産業革新、集積をはじめとする五つの視点を重視し、第一期の総合戦略の枠組みを維持しつつ、しごとづくりなど六つの基本方針の実現に向けた、様々な施策を追加、充実してまいりたいと考えております。  その中でも、しごとづくりは、第一期にも増して重点を置くべき目標と考えており、日本一の産業県としての本県の強みをさらに伸ばしていくため、自動車をはじめ、モノづくり産業におけるAI、IoT等の先進技術を活用した競争力向上や、スタートアップ支援等の新たな産業の創出などに力を入れてまいります。  また、魅力づくりにつきましては、ジブリパークをはじめとした新たな魅力の創造、発信や、愛知県国際展示場、アイチ・スカイ・エキスポを核としたさらなる国際交流の推進など、これまで以上に国内外から人を引きつける地域づくりに取り組んでまいります。  こうした取組に加え、県内大学の活性化等による人の流れづくりや、出生率の向上につながる、結婚、出産、子育て環境づくり、年齢、障害の有無、国籍にかかわらず、生涯にわたって活躍できる社会づくり、SDGsの理念を踏まえた持続可能な社会づくりに取り組んでまいります。  最後に、第二期人口ビジョン、総合戦略の県民の皆様への普及啓発についてでありますが、来年度は、第二期人口ビジョン、総合戦略のポイントを分かりやすくまとめたパンフレットを作成し、県民事務所等の広報コーナーに配置するなど、県民の皆様に御覧いただくとともに、県内市町村や経済団体、大学や高校等に広く配布してまいります。  また、今年の夏には、県民向けシンポジウムを開催し、第二期人口ビジョン、総合戦略を周知するとともに、若い世代や女性を中心に、本県の地方創生に関する具体的な施策、事業について、幅広く意見を伺ってまいりたいと考えております。  さらに、今後、第二期総合戦略の推進に当たっては、学識経験者や産業界、国の関係機関、市町村、金融機関、報道機関など様々な分野の方々の御意見をお聞きし、政策効果の検証などを行っていく予定であり、こうした進行管理の状況につきましても、県のウェブサイトを通じて、県民の皆様に情報を発信してまいります。  今後とも、県民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、日本一元気で全ての人が輝く、住みやすい愛知を目指して、地方創生にしっかり取り組んでまいります。 71: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  鈴木まさと議員。 72: ◯三十五番(鈴木まさと君) 私からは、歳出第四款福祉医療費第五項障害福祉費から質問をさせていただきます。  東京都にあります全日本ろうあ連盟によりますと、手話は長らく言語として認められず、聾学校でも禁止されてきたそうであります。話す人の口の動きと補聴器、人工内耳の音を頼りに発音を覚え、会話ができるように指導する口話法が優先され、手話を覚えると言語の力が身につかないと考える時代もあったと聞くところであります。  それが二〇〇六年に国連採択の障害者権利条約で、手話は独立した体系を持つ言語として位置づけられ、日本も二〇一一年に改正障害者基本法を施行し、初めて言語として明文化しました。  こうした国の動きを受けまして、各地で可決されております同条例も手話を言語と捉え、自治体の責務として、手話を使いやすい環境整備などを掲げておるところであります。  京都の福知山市の条例では、市の責務といたしまして市内や学校で手話を学ぶ機会を提供する、障害者の災害時避難支援、コミュニケーション支援者の確保などを推進するとあります。  市民には施策への協力、事業者には障害者が利用しやすいサービス提供や働きやすい環境整備に努めてもらう、手話だけでなく要約筆記や、点字、音声、絵図など多様なコミュニケーション手段の促進を目指しているのが特徴であります。  京都府聴覚障害者協会は、大切なのは条例をしっかりと生きたものにする取組であります。乳幼児期から手話を獲得できる環境づくり、聞こえない子供を持つ親への手話学習支援などを進め、誰もが暮らしやすいコミュニティーを構築してほしいと言っているそうでありますが、これは、京都府のみならず全国にも共通する思いだと思っております。  そこで、愛知県では、手話言語・障害者コミュニケーション条例を制定いたしましたが、その後の動きについてお伺いしたいと思っております。  そこで、全国事例を二つだけ紹介いたします。  二〇一三年に全国で初めて手話言語条例を制定いたしました鳥取県では、私立を含む県内の全小中学校、高校、特別支援学校に手話を学べるハンドブックを配布いたしました。二〇一四年からは、全国高校生手話パフォーマンス甲子園を開催いたしまして、高校生が手話でコントや落語、演劇などを披露する機会を設けたそうであります。  大阪市中央区の府立施設の一室では、約四十人の子供たちが絵本を手にしたスタッフを熱心に見つめていました。通常の読み聞かせと異なる点は、聴覚障害のあるスタッフが絵本の内容を全て手話で伝えていることであります。子供たちも、大半が聴覚障害を持ち、絵とスタッフの手の動きを交互に見て、驚いたり笑顔を浮かべたり、目まぐるしく表情を変えた姿もあったと聞いております。  府が、手話言語条例に基づき、未就学児を対象に開いておるこめっこ、この光景を紹介いたしました。事業名は、交流するの英単語の頭文字を取って名づけたそうであります。毎回二時間半、三十組前後の親子が参加する盛況ぶりだったそうであります。手話に早い年齢から親しみ、習得してもらおうと、大阪聴力障害者協会と協力して企画したそうであります。  このこめっこが先進的と注目される理由は、手話の歴史が関係しているそうであります。手話は、日本の教育現場で戦前は手まねなどと言われて使用を禁じられ、戦後も口語教育優先で、聴覚障害者は健常者の口の動きで内容を読み取り、同様に発言できるよう教育されたと。こういう歴史は、冒頭で述べたとおりであります。  ここで質問いたします。  愛知県における、手話言語・障害者コミュニケーション条例制定後のその後の広がりについてお伺いしたいと思っております。よろしくお願いします。 73: ◯福祉局長平田雅也君) 手話言語・障害者コミュニケーション条例制定後の取組についてでありますが、本県では、二〇一六年十月の条例施行後、毎年度テーマを定め、普及啓発の取組を進めております。  二〇一六年度以降、広く県民の方への周知、主に小学生とその保護者への周知、民間企業における障害者雇用の促進をそれぞれテーマとして、リーフレットを作成するなど啓発に努めております。  今年度は、災害時における支援をテーマに、市町村の福祉と防災の担当職員を対象としたセミナーを開催し、避難所において情報格差を解消する取組への理解を深めていただきました。  また、コミュニケーション手段の利用促進を図るため、手話通訳者などの意思疎通支援者を養成する講習会を開催するとともに派遣も行っております。昨年度からは、失語症者向け意思疎通支援者の養成講習会を開始し、来年度からは新たに派遣も行います。
     意思疎通支援者の派遣については、市町村域を越える広域的なもの、専門性の高いものを対象としておりますが、きめ細やかな対応を行っており、昨年は東京で開催された戦没者追悼式に出席される聴覚障害のある方からの相談を受け、手話通訳者を派遣しております。  引き続き、こうした取組により、県民の皆様に条例の趣旨を一層周知するとともに、障害特性に応じたコミュニケーション手段の利用促進が図られるよう、しっかりと取り組んでまいります。 74: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  犬飼明佳議員。 75: ◯五十一番(犬飼明佳君) 私からはまず、歳出第三款県民環境費第五項環境対策費のうち、環境学習等行動計画推進費についてお伺いをいたします。  名古屋市北区の環境調査センターは、PFI手法を活用した建て替え工事も終盤を迎え、今月下旬には工事も完了し、いよいよ新しい環境学習の場も含め、来る四月一日にいよいよリニューアルオープンをする予定となっております。  環境首都あいちにふさわしい、また、SDGs未来都市あいちの象徴ともなる新施設になることを喜ばしく思っております。  私は、この環境調査センターにおける環境学習の場については、県民に親しみを持ってもらえる施設になるよう、およそこの八年、幾度となくこの本会議などで取り上げてまいりました。  特に、平成三十年二月議会の一般質問において、私は、より具体的に、体験型の展示やタブレット型端末の導入、また実験施設の整備等を提案し、実際に本物を見て、触れて、楽しみながら学ぶことができる施設整備の要望をさせていただきました。  その際には、大村知事からは、公共施設では全国トップクラスのゼロ・エネルギー・ビルディング、いわゆるZEBを目指すとともに、展示内容についても検討をしっかり行うこと、そして小中学生をはじめ、多くの県民の皆様が世界の環境問題と人とのつながりを学んでいただく場として活用していく旨の力強い答弁をいただきました。  展示内容とともに、新施設開所後は、いかに運営していくかが課題ともなります。より多くの小中学生が来館できるように、教育委員会との連携もより深めていく必要があります。  また、講師側の体制づくりも重要です。県は、環境学習の担い手として、昨年度、中高年、シニア世代の方を対象に、環境学習講師、あいちecoティーチャーを養成し、今年度から小学校や環境学習施設などで活動されています。新施設におきましても、あいちecoティーチャーに活躍していただきたいと思います。  この環境調査センター、そして新しい環境学習施設が、環境首都あいちを支える持続可能な愛知の未来を担う人づくりの拠点となるよう、私は大いに期待をしております。  そこでお伺いをいたします。  環境調査センターで実施する環境学習について、多くの県民の皆様に環境について楽しく学ぶことができる施設とするための展示や環境学習講座の具体的な内容を、モデル的な見学ルートも含め、お聞かせください。  また、より多くの県民の皆様の来館を期待しておりますが、来館者数の目標と、これに向けた現在の取組状況をお尋ねします。  さらに、あいちecoティーチャーを新しい環境調査センターにおける環境学習の場において具体的にどのように活用していくのか、お尋ねをいたします。  続いて、歳出第四款福祉医療費第五項障害福祉費、障害者コミュニケーション手段利用促進費についてお伺いいたします。  愛知県では二〇一六年十月に手話言語・障害者コミュニケーション条例が制定され、手話が独自の体系を有する言語であり、手話の普及を行うことが規定をされました。  一方で、耳が聞こえない方の全てが手話を使えるわけではありません。難聴者や中途失聴者は補聴器をつければ何とか意思疎通を図ることができるため、根気がいる手話習得を諦めてしまうこともあるようであります。  こうした状況もあり、条例では、聴覚障害者に話している内容をその場で書いて伝える筆談や要約筆記など、障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用促進を図ることも定められています。  ここで、二〇一五年に行われました全国ろうあ者大会に参加した聴覚障害者百人に行われたアンケート結果を紹介させていただきます。  そのアンケート調査では、日常生活でどんなことに困っているか聞いています。それを見ると、鉄道の車内アナウンスが一番多く、二番目にエレベーターの非常通話ボタン、三番目に一一〇番、一一九番の緊急ダイヤル、四番目に災害時の避難所や町内アナウンスとなっています。傾向として、情報が入ってこないという悩みに加え、電話ができない、声で伝えられないという悩みが見えてきます。  中でも、私が特に注視しているのが、災害時の対応であります。  昨年六月、仙台市で開かれた全国ろうあ者大会では、東日本大震災や熊本地震などで被災した聴覚障害者により、求められる防災についての意見が交わされました。  熊本県の聴覚障害者の方は、避難所に避難しても、行政のアナウンスは聞こえない人には情報が届きません。宮城県の聴覚障害者の方は、役場の職員と話をしようと思っても通じない、筆談を求めても応じてもらえなかった等々、自らの体験が語られました。  障害があるゆえに陥る情報やコミュニケーションの不足にどう対応したらいいのか、重要な課題であります。  こうした避難時に必要な情報やコミュニケーション手段に対し、西日本豪雨を経験した岡山県では、独自の対策に乗り出しています。  例えば誰が見ても一目で分かる災害対応ピクトグラムを岡山市消防局が倉敷市の川崎医療福祉大学と共同開発し、避難誘導などにイラストを活用しています。また、岡山県障害福祉課では、障害者個人の災害時の避難行動等をあらかじめ書き込むセルフプランと呼ばれる表の作成を試行しています。この表には、聴覚や視覚、知的障害など、自分の障害の種類や程度に応じて必要な支援について記すこともできます。避難先に持参すれば、障害特性を説明しなくても、プランを見ていただくことで、スピーディーかつ、よりマッチした支援につながることが期待できます。  本県においては、今回の予算案で、コミュニケーション支援アプリの開発費が計上されておりますが、絵やイラストを活用した情報伝達や、きめ細かいコミュニケーションにつなげるこうしたセルフプランの機能、さらには、素早く情報が習得できるプッシュ通知等、不安を少しでも解消するアプリの機能を充実していただくよう検討をお願いいたします。  聴覚障害者の災害時の対応の話をさせていただきましたが、文字やイラストによる情報提供や環境整備を進めていくことは、障害の有無にかかわらず、日常生活の中で、子供や高齢者、外国人等全ての人に優しい、暮らしやすい環境につながっていくと私は考えます。  そこでお伺いいたします。  県では、手話言語・障害者コミュニケーション条例制定後、様々な取組を進められており、来年度予算案においては、コミュニケーション支援アプリを開発するための所要額を計上しておりますが、その内容についてお尋ねいたします。 76: ◯環境局長森田利洋君) 環境調査センターで実施する環境学習について、まず、展示等の具体的な内容であります。  環境調査センターの建て替え完了に合わせて、現在、東大手庁舎にあるあいち環境学習プラザを移転し、この四月から小中学校の社会見学にも対応した新たな環境学習の拠点としてスタートいたします。  誰でも自由に見学、体感いただける学習展示は、県産材の利用など環境に配慮したものとするとともに、特に、子供たちを対象に、主体的に学び、自らのエコアクションにつなげていただくための様々な工夫をいたしております。  子供たちが、様々な環境問題を知り、地球を守る、地球ドクターへと成長していくというストーリー構成の下、学びに当たって、動画や写真、イラスト、グラフなどにより理解度を高めるとともに、議員からも御提案をいただきましたが、実際に手で操作し主体的に学べるハンズオン展示、ゲーム感覚で知識を深められるタブレット学習などにより、SDGsについても分かりやすく学べる内容となっております。  また、今年度作成いたしました環境学習講座は、工作や実験など体験型講座として小学校の授業としても活用できる内容となっており、海洋プラスチック問題への対応など、各学年に応じた計十種の講座を用意しております。なお、地球温暖化対策など既存の学習講座を活用し、これまで同様、中学校の校外学習にも対応をしてまいります。  これらの学習展示や講座とともに、エネルギーの八五%削減を実現し、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)の認証を受けている先進の省エネ・創エネ設備や、環境調査センターが行っております環境分析の現場も、見学・学習ルートとして設定することで、本物の環境技術にも触れることができる特徴ある環境学習施設としてまいります。  次に、来館者数の目標と現在の取組状況についてであります。  来館者数の目標は、小中学校の社会見学など団体受入れを中心に、夏休みの環境学習講座等を含め年間一万人としております。  このため、小中学校については、県内各市町村の校長会で説明するとともに、施設近隣の小学校には個別訪問をしており、その中で、ぜひ利用したいといった声を多くいただいております。また、県内の環境関係のNPOや、地元の子供会、自治会等にも、広くPR活動を行っております。  あわせて、市町村の環境学習担当の職員をはじめ、多くの関係の方々にまずは施設を見て、知っていただくことが、広く周知を図るために必要でございます。当面、研修会や会議の開催場所としての活用も含め、PRに努めてまいりたいと考えております。  こうした取組によりまして、現在、来年度の四月から六月までの三か月間の来館予定者は、小学校七校の児童をはじめ、公開イベントの来場者、研修会等を含め約二千人を見込んでいるところであります。  最後に、あいちecoティーチャーの活用についてであります。  中高年、シニア世代ならではの知恵や経験を若い世代に伝えていただくことにより、世代間の連携、協働を促進するため、昨年度、環境学習講師、あいちecoティーチャーとして熱意あふれる二十八名の方を養成いたしました。  今年度から、チームごとに各地の小学校等において、自ら作成した環境学習プログラムの講師として活躍いただいております。  来年度は、これに加えまして、新しい環境学習拠点において、小中学生の社会見学等の講師やスタッフとして、さらに活躍の場を広げていただくことを予定しており、併せてスキルアップを図るための研修会や様々な世代との交流会も実施してまいります。この拠点を核としてあいちecoティーチャーの方々を中心に、小学生を含めた様々な世代間の学び合いの機会づくりをより一層促進することにより、県民各層において、持続可能な社会を支える行動する人づくりを進めてまいりたいと考えております。 77: ◯福祉局長平田雅也君) コミュニケーション支援アプリの開発についてであります。  近年、避難所などで音声によるコミュニケーションが困難な方に対して、ボード上の絵を指し示すことで情報を伝えやすくするコミュニケーション支援ボードについて徐々に活用が始まっており、県でも本年二月に開催した市町村職員対象のセミナーにおいて取り上げたところです。  こうした取組をさらに広めるため、来年度はスマートフォン等で利用できるアプリの開発を行ってまいります。  自分自身の思いや状態を伝えるのに必要な絵や情報を取り込む機能により、聴覚に障害のある方はもとより、知的障害や発達障害の方がより円滑に意思疎通を図ることができます。  さらに、避難所だけでなく、飲食店など日々の生活の様々な場面での利用が可能となり、お子さんや外国人の方などにも利用していただけるものと考えております。  なお、開発に当たりましては、障害当事者の方をはじめ、議員からの御提案も含め、幅広く御意見をお聞きしてアプリの内容を検討し、秋頃をめどに、試作品を作成の上、実際に障害当事者の方に御利用いただき開発を進め、年度末にはアプリを完成し公開してまいります。  県といたしましては、アプリの開発を着実に進め、その利用の促進を図ることで障害のある方のコミュニケーション支援にしっかりと取り組んでまいります。 78: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  飛田常年議員。 79: ◯六十五番(飛田常年君) 私からは、第二款総務企画費第一項政策企画費のうち、SDGs未来都市計画推進費についてお伺いをいたします。  SDGsは、二〇一五年の国連サミットにおいて、全会一致で採択された持続可能な開発目標であり、全ての国連加盟国に、二〇三〇年の世界のあるべき姿の実現に向けて、貧困をなくそうをはじめ、十七の目標の達成と経済面、社会面、環境面の統合的な取組が求められています。  SDGsが採択された国連サミットにおいて、安倍総理がSDGsの実施に最大限取り組むことと表明したことを受けて、我が国では二〇一六年五月に総理大臣を本部長とするSDGs推進本部を設置し、同年十二月には、国の目指すべきビジョンと注力すべき八つの優先課題を位置づけたSDGs実施指針を策定するとともに、二〇一七年十二月から国の取組を具体化したSDGsアクションプランを毎年策定するなど、SDGsの達成に向けた取組を進めているところであります。  国のSDGsアクションプランでは、日本のSDGsモデルの三つの柱の一つとして、SDGsを原動力とした地方創生、強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくりを掲げており、自治体の取組を積極的に支援することとしております。  そうした中で、国は、SDGsの理念に沿った基本的・統合的取組を推進しようとする都市、地域の中から、特に、経済、社会、環境の三側面における新しい価値創出を通して、持続可能な開発を実現するポテンシャルが高い都市、地域をSDGs未来都市として選定しており、本県は、昨年七月に、このSDGs未来都市に選定されました。  これを受け、本県では、知事を本部長とする庁内組織、愛知県SDGs推進本部を立ち上げるとともに、二〇三〇年の愛知のあるべき姿に向け、今後三年間に先導的に取り組む事業をまとめた愛知県SDGs未来都市計画を昨年八月三十日に策定し、現在、計画に沿って、全庁一丸となった取組を進めていると伺っております。  また、県内ではSDGs未来都市に選定された名古屋市、豊橋市、豊田市においても、地域の特性を踏まえた取組が進められており、私は、今後、本県やこれら三市における取組が県内のさらに多くの市町村に広がっていくことを期待しております。  このように国や各自治体がそれぞれ取組を進めていくことは当然必要でありますが、SDGsの十七の目標を達成するためには、行政だけでなく、企業、団体、そして県民一人一人がSDGsの重要性について十分認識していただき、様々な課題に対して主体的に行動していくことが大変重要であると考えています。  しかしながら、昨年七月に本県が実施した県政世論調査の結果によると、SDGsという言葉を聞いたことがあるという回答は、全体の二五%にとどまり、このうち、聞いたことがあり、内容もよく知っているという回答は、僅か二・五%となっております。  SDGsが採択されてから約四年経過した現在でも、県民のSDGsの認知度はまだまだ低いというのが現状であります。  私もSDGsのPRのため、SDGsの十七の目標を色で表現したカラーホイールのバッジをふだんからつけて地元を回っておりますが、多くの方からこのバッジは何ですかとか、SDGsって何ですかとよく質問を受けており、県民への普及啓発の必要性を強く感じているところであります。  そこでお尋ねをいたします。  SDGsの県民の普及啓発のため、政策企画局としてこれまでにどういった事業を行ってきたのか、また、来年度どのような事業を進めていくのか、お伺いをいたします。 80: ◯政策企画局長野村知宏君) SDGsの普及啓発についてでありますが、政策企画局においては、今年度、SDGsに関するセミナーやワークショップの開催、県民向けガイドブックの作成などを行っております。  セミナーでは、この地域のSDGs推進の第一線で活躍されている方々から、SDGsの内容や活動について具体的に御説明いただき、ワークショップでは、SDGsを楽しみながら学ぶことができる体験型のカードゲームを実施して、それぞれ参加者から好評をいただいたところであります。  さらに、県民向けガイドブックについては、SDGsの十七のゴールを身近なキーワードや自分たちとの関わりなどで整理するなど、分かりやすい内容で作成し、三月中に県内に広く配布する予定でございます。  来年度につきましては、次代を担う中学生向けのパンフレットを作成し、県内の中学一年生全員に配布することとしております。  また、SDGsの解説と本県や県内企業等の取組などの各種情報を分かりやすくまとめたウェブページを作成するなど、県民の皆様のSDGsへの理解と具体的な行動を促してまいります。 81: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  佐藤一志議員。 82: ◯六十六番(佐藤一志君) 私からは、歳出第三款県民環境費第五項環境対策費のうち、あいち森と緑づくり環境活動・学習推進事業についてお伺いします。  あいち森と緑づくり事業は、山からまちまで緑豊かな愛知を目指して、林業活動では整備が困難な森林の間伐や放置された里山林の整備、都市の貴重な緑地の保全、創出、県民参加による森や緑の保全活動や環境学習の推進などに取り組んでいる事業であり、今年度から新たな十か年計画がスタートしたところであります。  この事業は、本県の森と緑を県民共有の財産として健全な状態で次世代に引き継いでいくため、広く県民の皆様や法人に御負担いただいています県民税の超過課税であるあいち森と緑づくり税により実施していることは皆様御存じのとおりであります。  あいち森と緑づくり税での事業は、環境局、農林基盤局、建設局、都市整備局で事業が行われていますが、今回の質問は、里山関連に絞って、環境局と農林基盤局にお伺いをいたします。  私の地元である知多市は、古くは綿織物で栄え、現在は、伊勢湾沿いに工業地帯が南北に延び、そこから東に新興住宅や農地が広がっております。農産物ではフキやタマネギなどが有名で、農業も盛んな地域です。また、梅の名所でも知られる佐布里池の周辺をはじめ、まだまだ里山林が残っております。  この残された里山林は生物多様性の保全の観点からも重要な緑となっております。しかしながら、里山林は利用されなくなり、竹が繁茂するなど放置されて荒廃が進んできています。  こうした中、二〇〇五年の自然の叡智をメインテーマとした愛・地球博や、二〇一〇年のCOP10を契機とし、里山林が身近に自然と触れ合うことのできる場所として見直されてきました。  その中、知多市では、平成二十四年より南粕谷地区、平成二十六年より北粕谷地区、平成三十年より佐布里地区、そして、本年度より大興寺地区があいち森と緑づくり環境活動・学習推進事業に採択され、各地で里山を守る会を結成して活動しています。  ほとんどの地区が、神社やお寺の背後地で、昔はこの裏山でよく遊んでいた人々が中心となり、竹や雑木を伐採し、階段や道を造り、花や木を植えてきています。今では地域の皆様の憩いの場所となってきています。しかし、まだまだ道半ばの地域もあり、月一回程度の作業により事業を進めています。  そこでお伺いをします。  あいち森と緑づくり環境活動・学習推進事業として、これまでどのような事業を進めてこられたのか、また、今後どのように進めていかれるのか、お伺いします。  引き続き、農林基盤局にもお伺いいたします。  私の地元知多市の岡田地区では、竹が侵入し繁茂し荒廃していた里山林を平成二十三年度にあいち森と緑づくり事業の里山林整備事業によりよみがえらせた実績があります。この事業により、竹や倒木を取り除き、歩道を整備するとともに、休憩できる場所としてベンチを置いて見違えるようにきれいになりました。  事業の実施後は、地元関係者の方々から定期的に草や竹を刈り払うなど手入れを行い、地元の皆様の憩いや散策の場として大いに活用をされております。  あいち森と緑づくり事業で放置された里山林が整備されることで、里山林が身近になってきたように感じております。このことは非常に喜ばしいことであり、私はこのような里山林をよみがえらせる取組を県内各地にどんどん広めていただく必要があると考えております。  そこでお伺いします。  あいち森と緑づくり事業のうち、地域の里山林保全活用を支援する里山林整備事業にどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。 83: ◯環境局長森田利洋君) あいち森と緑づくり事業のうち、環境活動・学習推進事業についてであります。  NPO、自治会、市町村等が行う森と緑の保全活動や、森と緑を社会全体で支える機運を醸成する環境学習に対しまして、あいち森と緑づくり税を活用し、事業開始の二〇〇九年度から昨年度までの十年間で九百二十八件、総参加者数延べ六十四万人に及ぶ取組を支援してきております。  二〇一八年度に作成しました新たな十年間の事業計画におきまして、地球温暖化防止や循環型社会づくりにも寄与する未利用間伐材など木質バイオマスを活用する取組を促進するなど、見直し、充実を図り、今年度は百七件の取組を支援しているところでございます。  里山における、竹林伐採、散策路づくりと蛍のすめる環境整備、都市近郊の湧き水を活用したビオトープ公園づくりとトンボ観察会、いわゆる鎮守の森においてヤブツバキやイロハモミジなど在来種の樹木を育成、保全する取組など、身近な里山の再生に向けた活動もより広がり、そして深まりつつあります。  今後も、こうした活動の進展を踏まえまして、引き続き県内各地における積極的な取組を支援してまいります。 84: ◯農林基盤局長(水野康弘君) あいち森と緑づくり事業の里山林整備事業の取組についてであります。
     この事業は、地域の住民やNPOの皆様が里山林の保全活用を進めていく上で、自らでは困難な大きく育った木の伐採やバックホーを使った管理道の整備等を市町村が代わって整備する費用に対し助成するものでございます。  あいち森と緑づくり事業の計画期間である十年間で、四十か所の里山林整備を予定しており、来年度は、西尾市はじめ、四市町の四か所で実施してまいります。  主な事業内容といたしましては、小中学校の児童生徒等が自然環境を学ぶ場所としての里山林において、竹などの伐採や木製ベンチ等の整備に対して助成してまいります。  今後とも、地域の住民の皆様による里山林の保全活動が一層進むよう、里山林整備事業でしっかりと支援してまいります。 85: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  高木ひろし議員。 86: ◯九十二番(高木ひろし君) 私からは、二点質問をさせていただきます。  最初は、歳出第二款総務企画費第一項政策企画費、国際観光都市機能整備調査費九千五百三十八万四千円についてであります。  昨年十二月末の県議会閉会間際に、知事から、突然、中部国際空港エリアにおけるIR(統合型リゾート)整備に関わる民間事業者からの提案意見を募集するという趣旨が発表されました。  これは、これまで二年にわたりまして県が有識者などを集めて進めてまいりましたMICEを核とした国際観光都市の実現を目指す調査、研究とは質的に異なる段階に入ったということを意味します。  二〇一八年七月に国会で成立いたしました特定複合観光施設区域整備法、いわゆるカジノを核とした日本型IR(統合型リゾート)整備法に基づき、中部国際空港エリアへのIR誘致を目指した具体的作業に着手することを、初めて公的に発表したものにほかなりません。  しかるに、この発表後初めての議会となるこの本議会においても、新年度予算の議案説明資料の中にも、知事の提案理由説明の中にも、IR(統合型リゾート)、カジノといった言葉は一切なく、MICEを核とした国際観光都市の実現を目指した具体的検討云々の語句が並ぶのみであります。  既に、このIR法をめぐっては、我が国の刑法上初めて民間事業者に賭博を解禁し、海外のカジノ事業者に日本上陸の道を開くものとして、世論の強い抵抗と批判がありました。ギャンブル依存症や犯罪など、社会的腐敗への懸念も決して払拭されてはおりません。  そして、その懸念の一部が、年末、安倍内閣においてIR担当副大臣でありました秋元代議士のカジノ事業者からの収賄容疑での逮捕、起訴、これによりまして、早くも現実化したのであります。  こうした状況の中で、愛知県がIR誘致に向けて、事業者提案を募集して、その業者との接触を始めようとするならば、まずは、現在のIR整備法に基づくカジノを核とする統合型リゾートというスキーム自体に対する県民意識の把握に努めて、その是非について議会や県民の多角的な議論を促すことが前提とならなければならないと思います。  県民の強い反対意見があるこうした重大な事業について、検討を進める順序とそのタイミングについて、私は強い疑念を禁じえません。  さらに、秋元事件の教訓を生かすならば、他の自治体で既に検討が進んでいるように、カジノ事業者と県関係者との不適切な接触を規制する厳格なルールを整備し、絶対に汚職事件を発生させないというトップによる強い決意の表明も欠かせない条件だと思います。  これらの点に対する県当局の基本的な認識をお伺いいたします。  二番目に、歳出第四款福祉医療費第五項障害福祉費、愛知県障害者差別解消条例についてお伺いいたします。  二〇一五年十二月十八日にこの条例が成立をいたしまして、翌二〇一六年四月一日に施行されてから、もう丸四年が経過しようとしております。  この条例は、愛知県議会史上でも例のない経過で提出されたことを御記憶の方も多いと思います。  それは一旦、九月議会に知事提案によって提案すると発表された条例案が、障害者団体からの抗議によって提案が見送られ、障害者団体を交えた三か月に及ぶ協議で重要な変更が加えられた新たな条例案が十二月議会に提案されたのであります。  その変更点とは、第一に、前文に厳しい障害者差別の現実について明記したこと、第二に、市町村との連携や相談窓口の設置を明確にしたこと、第三に、障害当事者を含む差別解消調整委員会を設置し、助言やあっせん、指導や勧告などができることとしたこと、そして、第四に、三年経過後の見直し規定を加えたことであります。  これらの変更によりまして、本条例は、障害者権利条約の基本精神である、Nothing about us、without us(私たち抜きに私たちのことを決めないで)という精神を体現する条例となったのであります。  障害や障害のある人への偏見や誤解による差別は、この三年間で解消に向かうことができているのでありましょうか。私たちはいま一度、この条例に基づく取組を振り返り、障害当事者の皆さんの声に真摯に耳を澄ませてみる必要があります。  様々な障害種別等による県内二十九の団体で構成いたします愛知障害フォーラムが、去る三月三日に愛知県知事と愛知県議会に対しまして、同条例の見直しを要望いたしました。  その要点は、第一に、関連差別、間接差別というようなものも含めて、差別の定義をまず明確にすること、第二に、深刻な差別の実態について調査をし、重点項目を条例の中に明記すること、第三に、現在は努力義務となっている民間事業者の合理的配慮を他の多くの県条例と同様に義務規定とすること、第四に、解決すべき対象に合理的配慮の不提供を追加することなどであります。  これらの申入れの背後には、不当な差別的取扱いの事例が後を絶たないのに、この条例による相談や解決のための仕組みが効果的に機能しているとはいえないという障害当事者の切実な思いがあります。  車椅子使用者が路線バスに乗車しようとして拒否されたなどの交通に関わる例、昨年の選挙では、盲ろう者の通訳介助員による代理投票が認められずに、結局投票ができなかったなどの例、そして、この愛知県議会議事堂に関しても、先日、重度障害者の団体から、ドアやインターホンの位置などが、車椅子での入館の妨げになっているというふうに具体的な改善の申入れがなされたばかりであります。  そこで質問します。  愛知県障害者差別解消推進条例についてこの三年間、県としてどのように取り組み、その実績をどのように評価しているのか。また、条例に明記された三年経過後の見直し作業を今後どのように進めようとしているのか、県当局の考えを伺います。 87: ◯政策企画局長野村知宏君) 統合型リゾートに関する基本的な認識についてであります。  本県においては、二〇一六年十二月に常滑商工会議所から、また、二〇一七年七月に常滑市議会から、それぞれ統合型リゾートに関する要望書が提出されました。  本県及び常滑市では、中部国際空港やその周辺エリアにおいて、MICEを核とした国際観光都市の実現を目指し、二〇一七年八月に地元学識者による研究会を設置し、調査研究を行い、二〇一八年三月に統合型リゾートの活用について検討を進めていくべきとの報告をいただいております。  空港島は、交通インフラなどが整備されており、昨年八月には、愛知県国際展示場、アイチ・スカイ・エキスポが開業するなど、国際交流拠点としての機能が充実しつつあり、中部国際空港の二本目滑走路の具体的な検討も進めているところでございます。  また、空港島におけるスーパーシティ、スマートシティの実現を目指し、昨年十月末には国のアイデア募集に応募したところでございます。  こうした状況を総合的に勘案して、昨年十二月に、国の法律に基づき、事業としての可能性について見極めるために、IRに関連する様々な事業者の皆さんから幅広く意見を募集する実務作業を行うこととしました。  今回の意見募集に当たっては、事業者への対応を適切に行うため、面談は複数職員で対応し、速やかに記録を作成し上司へ報告することや公平性、公正性の確保の観点から、面談の時間設定や頻度等について留意することなど、事業者対応に関する指針を既に定めているところであります。  また、統合型リゾートを進める場合の議会や県民の合意についてお尋ねいただきましたが、特定複合観光施設区域整備法では、公聴会の開催、その他の住民の意見を反映させるために必要な措置、立地市町村の同意、県議会の議決など、地域において合意形成を図るための必要な手続が規定されていると承知しております。  引き続き、MICEを核とした国際観光都市について調査研究を進めてまいります。 88: ◯福祉局長平田雅也君) 障害者差別解消推進条例のうち、まず、県のこれまでの取組実績と評価についてであります。  二〇一五年十二月の条例施行後、障害のある方の相談に的確に対応するため、障害福祉課に専任職員を配置するとともに、県内七か所の福祉相談センター等に市町村の相談を専門的、技術的に支援する広域相談窓口を設置し、相談体制を整備しております。  相談実績を見ますと、本年一月末までに合計百六十三件の相談が寄せられたところであり、商品、サービスの提供に関する相談や労働、雇用に関する相談が多くなっております。  また、条例に基づき、障害者差別解消推進の取組を、市町村とも連携して進めてまいりましたが、全ての市町村が相談窓口を設置するとともに、地域の関係機関との情報交換や相談事例を踏まえた差別解消の取組を協議する障害者差別解消支援地域協議会についても四十六市町村が設置しており、県全体で障害者差別解消に向けた体制整備が着実に進んでいるものと考えております。  引き続き、県民の皆様が、障害の有無によって分け隔てることのなく、相互に尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、市町村と共にしっかりと取り組んでまいります。  次に、障害者差別解消推進条例の見直しについてでありますが、条例の附則におきまして、条例の施行後三年を経過した場合において、この条例の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うものと規定しております。  そのため、県におきましては、現在、条例に基づく取組状況の把握に努めるとともに、先進的な取組を進めている自治体の状況を調査するなど、検討に当たっての事前調査を行っているところです。  こうした中、現在、内閣府が設置する障害者政策委員会におきまして、差別の定義や事業者による合理的配慮の義務化など、障害者差別解消法の見直しに向けた議論が進められているところであり、引き続き国の動向についても注視していく必要がございます。  今後、条例見直しの検討に当たりましては、これまでの実績を踏まえて、障害当事者及び障害者団体の皆様の御意見も十分お聞きしながら、進めてまいりたいと考えております。 89: ◯九十二番(高木ひろし君) IRに関する調査費について再質問をさせていただきます。  御説明は、IRを愛知県でやりたいというふうに考えている方、恐らくいらっしゃると思います。そして、IRという愛知県での事業に参入したいと思っている事業者、これも多分いるんだろうと思います。そういう立場からの、これは研究や調査は進めてこられました。  しかし、様々な調査が明らかにしているように、このIRの誘致に関しては世論の非常に強い反対があるんです。  私の手元にも実は独自の調査の結果があります。  一昨年の調査ですが、我々が独自に行った調査で、県内の有権者四千百八十件の有効回答が得られた中の分析では、愛知県に対するカジノ誘致について七五%が反対、もしくはどちらかというと反対、こう回答しております。六十代では七九・九%、七十代以上では七八・四%が反対、また女性では八〇%が反対と、こうなっております。  しかも、重要なことは、愛知県がIR誘致をもし行う場合には、事前にその賛否や懸念事項などについての県民の意識調査をしっかりやるべきかどうかという問いには、八九・七%の方がこれをぜひ行うべきだと、こういうふうに答えているわけであります。  こうした推進をしようとしている人の立場ではなくて、これに対して懸念や反対を思っている方々の意見については、一体県当局は今どのような把握をしていらっしゃるのか、こういった反対意見に対してはどのように対応しようとしていらっしゃるのか、再度お答えをいただきたいと思います。 90: ◯政策企画局長野村知宏君) IRの今後の県の考え方について御質問をいただきました。  この件につきましては、まず、現在、意見募集を行っているということでございまして、この意見募集において、事業者へのヒアリングを行っていくということをしておりますので、この事業者からの意見、提案がどうなるかということをまずは見て、判断をしていきたいというふうに考えてございます。 91: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  しまぶくろ朝太郎議員。 92: ◯十四番(しまぶくろ朝太郎君) 私からは、歳出第三款県民環境費第二項文化学事振興費のうち、あいちトリエンナーレ事業費について及び第四款福祉医療費第三項児童家庭費の中で児童虐待防止対策についてお伺いいたします。  まず初めに、文化芸術愛知百年の軸をつくるというコンセプトに基づき、本県の文化芸術施策の主要プロジェクトとして位置づけられた事業である、あいちトリエンナーレ二〇一九は、私の地元、名古屋市西区四間道円頓寺をメイン会場の一つとして、昨年八月一日から十月十四日まで開催されました。  昨今、元気のある商店街としてメディアに取り上げられることも多く、地域の皆様も商店街のさらなる活性化に向けて各種イベントの開催等を通じて、多くの人に来場していただくことを目的として活動されております。  その元気のある商店街として注目度の高い円頓寺商店街ですが、平日の集客に課題を抱え、その課題解決の一つの手段として、平日に多くの集客が見込めるあいちトリエンナーレの開催に、私自身も当初、大いに期待を寄せていました。  しかしながら、あいちトリエンナーレの一企画展である表現の不自由展・その後における混乱を機とした、何とも言えない重苦しい空気感と地域の皆様がまちなかの安全を危惧する中でのイベント開催を忘れることができません。  行政の政治的中立性の観点から、一部、公共施設における展示物としては不適切、公金を支出しての展示物としては著しく問題がある等の指摘を受ける展示が行われたことにより、混乱が生じ、その混乱を受けて、県は第三者委員会を立ち上げ、検証委員会、検討委員会からの提言という形で、来年度以降、組織体制を見直した上で、あいちトリエンナーレ二〇二二を開催すべく、その準備段階として来年度予算案を提示されたと認識しております。  そこでお尋ねいたします。  一点目は、事業費として千二百三十三万七千円計上されておりますが、その内訳と事業内容についてお伺いいたします。  次に、二点目は、あいちトリエンナーレの開催目的は、愛知、名古屋から、新たな文化芸術を発信し、地域の文化芸術の活用と地域の魅力向上を図るため、三年ごとに現代美術を中心とした国際的な芸術祭を開催すると認識しておりますが、あいちトリエンナーレ二〇二二を開催する意義と今後の方向性についてお伺いいたします。  最後に、名古屋市さんは現在、あいちトリエンナーレ二〇一九の負担金の拠出について検証が行われていることと承知しております。  河村たかし名古屋市長に直接お尋ねしたところ、現状では、負担金を払わないのではなく、支払えないとの回答でした。  また、名古屋市さんは、来年度の当初予算案にあいちトリエンナーレ負担金の計上を行っておりません。  県としては、名古屋市さんとの共催に向けて取り組んでいかれるのか、県単独開催を目指すのか、その方向性についてお考えをお伺いいたします。  次に、第四款福祉医療費第三項児童家庭費の中で、児童虐待防止対策についてお伺いいたします。  御承知のとおり、児童相談所における児童虐待相談対応件数は、全国的にも年々増加の一途をたどっているところであります。国、都道府県、市町村において、それぞれ対策を強化してきたにもかかわらず、深刻な児童虐待事案も後を絶たないなど、依然として深刻な社会問題となっております。  昨年度の愛知県の児童相談所における全体の相談対応件数は一万七千六百九十一件となり、前年度の一万六千九百八十七件に比べ七百四件増加し、過去最多となったところですが、その増加の大きな要因となりました児童虐待相談対応件数については、全国的な傾向と同様に、年々増加の一途をたどっており、昨年度の相談対応件数四千七百三十一件は、全体件数と同じく過去最多を更新したところであります。  ただ、こうした児童虐待相談対応件数の増加は、別の視点から見ますと、児童相談所の体制強化を進めてきた中で、児童虐待の早期発見、早期対応に努めてきた成果でもあると認めることができると考えますが、児童虐待防止対策の視点から考えますと、取組が十分であるとまでは言えない状況で、まだまだ推進させていく必要もあるのではないかと認識しております。  こうした児童虐待防止対策の推進のためには、例えばなんですけれども、専門的知識を有した児童の目線に立てる専門職員による適切な児童相談対応の充実なども求められるのではないかと考えております。  そこでお尋ねいたします。  愛知県の児童相談所管内での児童虐待相談の現状と、児童虐待対応の課題を県はどのように捉えているか、まずはお伺いいたします。  次に、来年度予算案はそうした課題の解決に向けた予算案と捉えておりますが、具体的にはどのような取組を行うのか、お伺いいたします。  最後に、県では、国の児童虐待対策体制総合強化プランを踏まえて、児童相談所において虐待対応の要となる専門職員の大幅な増員を計画的に進めるとしていますが、どのように人材を確保していくのか、お伺いいたします。 93: ◯県民文化局長(齋木博行君) あいちトリエンナーレ事業費のうち、初めに、内訳と事業内容についてであります。  あいちトリエンナーレに係る新年度予算につきましては、現行の実行委員会に代わる新たな組織体制を検討するため、新年度早々に立ち上げます準備協議会の開催に要する経費百二十万円と、新しい組織体制が立ち上がるまでの間、現在のトリエンナーレ実行委員会の運営に必要なウェブサイトの運営委託費や、愛知県庁大津橋分室で地元芸術大学との連携事業や情報発信を行っておりますアートラボあいちの運営費など、最小限の事務費一千百十三万七千円の合計、一千二百三十三万七千円を計上しております。  次に、あいちトリエンナーレの開催意義と今後の方向性についてでありますが、あいちトリエンナーレの開催の基となりました二〇〇八年三月に本県が策定、公表をしましたあいち国際芸術祭基本構想では、その開催意義として二〇〇五年の愛知万博開催などにより、愛知がこれまでに培った国際文化交流の基盤やノウハウ、世界にも誇り得る複合的文化芸術施設である愛知芸術文化センターにおける活動の蓄積、さらには、様々な文化芸術資源などを十分に生かしながら、経済面だけではなく文化芸術面でも日本、世界に貢献することが掲げられております。  また、開催目的として、新たな芸術の創造、発信により、世界の文化芸術の発展に貢献、現代芸術などの普及、教育により、文化芸術の日常生活への浸透、文化芸術活動の活発化により、地域の魅力の向上という三つを掲げてまいりました。  その達成のため、あいちトリエンナーレは二〇一〇年の第一回以降、これまで三年ごとに四回開催してまいりましたが、海外からの参加作家の積極的な招聘、愛知芸術文化センターの複合性を生かした美術と舞台芸術のジャンル横断的な展開、まちなか展開による地域の文化資源の活用などに取り組んでまいりました。  組織体制は見直してまいりますが、この開催意義、方向性につきましては、今後も変わらないものと考えております。  最後に、名古屋市との関係でありますが、あいちトリエンナーレは、毎回、名古屋市美術館を展示会場とするほか、第一回から第三回までは中区の長者町などを、昨年の第四回には西区の四間道円頓寺をまちなか会場とするなど、これまで、愛知県と名古屋市の協力のもとに開催しており、名古屋市にとっても多くのお客様が訪れ、町全体が活性化するなど効果はあったのではないかと考えております。  今後の取組につきましては、まずは、準備協議会において現行の実行委員会に代わる新たな組織体制を構築すべく、しっかりと検討を進めてまいりたいと考えており、共催をどうするかなどについても、その中で検討がなされるものと考えております。 94: ◯福祉局長平田雅也君) 児童虐待防止対策についての御質問のうち、初めに、児童相談所における児童虐待相談の現状と課題についてであります。  本県の児童相談所における昨年度の児童虐待相談対応件数は四千七百三十一件であり、九年連続で過去最多を更新し、二〇〇九年度の六百三十七件の七・四倍となっております。  中でも、子供に対する暴言やDVを子供に見せることなどによる心理的虐待が最も増加しており、二〇一六年度以降は対応件数の過半数を占めております。  また、児童や家庭の抱える問題も複雑化し、よりきめ細やかなアセスメントやケースワークが求められるとともに、高圧的な保護者への毅然とした対応が求められるなど、専門的知識、技能等を要するケースが増加しております。  こうした現状の中、児童虐待の早期発見、早期対応を迅速かつ的確に行っていくためには、児童虐待対応の専門機関であります児童相談所の体制強化と、住民に身近な市町村における相談支援体制の強化を図っていくことが、児童虐待対応の課題であると考えております。  次に、課題解決に向けた取組でありますが、児童相談所の体制強化につきましては、国のプランに基づき専門職員の増員を計画的に進めてまいります。機械的に算出いたしますと二〇二二年度までに約九十名の増員が必要となりますが、来年度は半数以上の四十八名の増員を行うこととしております。  また、増員に伴い経験年数の短い職員が増加しておりますので、若手職員の実践力強化や、スーパーバイザーの育成技術向上を図る本県独自の研修を実施し、職員の専門性の強化を図ってまいります。  そして、複雑化、困難化する事案に適切に対応していくため、施設入所等児童の処遇を決定する援助方針会議における法的助言など、弁護士による相談体制の充実を図るとともに、児童相談所に配置する警察官OBを五名から九名へ増員してまいります。  次に、市町村の相談支援体制の強化につきましては、児童相談の要となる子供家庭総合支援拠点の設置促進を図るための講演会を開催するとともに、市町村職員研修の受講対象者に支援拠点職員を追加するなど、人材育成を推進してまいります。  そのほか、来年度から新たに市町村支援を専任で行う児童福祉司を中央児童相談所に二名配置し、要保護児童対策地域協議会の運営等に関する助言を行うなど、市町村を積極的に支援してまいります。
     最後に、専門職員の人材確保でありますが、本県では、大幅な増員に伴う人材の確保のため、今年度から、社会福祉職、心理職の職員採用試験において、これまでの年齢区分に加え、新たに三十歳から五十九歳までを対象とした特別募集を行い、より経験豊富で専門性の高い人材を採用することといたしました。  また、県内の福祉系学部を有する七大学や、県の社会福祉士会及び臨床心理士会に対して、受験者募集への協力を依頼するとともに、大学が開催する就職説明会等に出向き、児童相談所職員として働くことの魅力を伝えるなどの採用活動に取り組んでいるところでございます。  今後とも、こうした取組を継続的に実施し、児童相談所の専門職員の確保にしっかりと取り組んでまいります。 95: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  筒井タカヤ議員。 96: ◯百三番(筒井タカヤ君) 第二款総務企画費第一項政策企画費、ジブリパーク推進事業費についてお尋ねしてまいります。  昨年の統一地方選挙、愛知県議会選挙において、大村知事はそれぞれのお立場から候補者から応援依頼があり、支援をされておられました。  特に、名古屋市名東区の県議会選挙においては、選挙期間の九日間の間、ある支援候補のために朝、昼、夜も含めて、何と、数え方はいろいろありますが、十二回も名東区で早朝の地下鉄駅前の街頭、夜の演説会に来られ、大村秀章事務所の事務所員まで常駐、さらに街宣車からは候補者の声に代わって大村知事さんが録音された声で街宣活動をするなどなさっておられました。こうしたことは、これまでにないだけに注目されました。  ただ、街頭での大村知事が毎回演説されたジブリパークの推進の内容には、ある意味で間違ったものがありますので、今後は同じ誤りがなきよう求めます。  名東区の議員の中に、ジブリ計画に反対している人がいる、また、愛知県と名古屋市の連携に賛成しない議員がいるとお話されています。全て、大村知事の街頭や演説会の発言は、録画、録音されておりますから間違っておりません。  問題は、名東区から選出されている県会議員二名がいますが、ジブリパークに反対する議員はいません。県と市の連携にも反対している議員はいません。ましてや、ある議員は、何でも反対していると発言もありましたが、議会で質問して、県の対応をもっと真剣に考えてくださいということであって、あえて、県と市の連携ができないような対立をされている人がいるとすれば、河村市長と対立する大村知事、あなた以外にありません。  これは私の見解ではなく、名東区民、県民の声であることを率直にお伝えします。  本論に入ります。  今、名東区民、名古屋市民、県民から、ジブリパークの推進についていま一度愛知県としての見解、大村知事への質問が寄せられていますので、順次お尋ねいたします。  第一、最初にジブリパークの整備の在り方についてお伺いします。  テーマパークとしては、千葉にディズニーランド、大阪にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンがあります。さらに、近年では、としまえんの遊園地を段階的に廃止して、世界で最も小説本として売れ、さらに映画化され超有名となったハリー・ポッターの施設とすると注目されています。  これらは、敷地の約四割を大阪市から借りているユニバーサル・スタジオ・ジャパンを除いては、民間企業が民有地に施設を建設しています。  また、スタジオジブリが関わる同様の事例として、東京都の都営井の頭恩賜公園の森の木々に埋もれた地上二階、地下一階の三鷹の森ジブリ美術館があります。  この美術館は、三鷹市の文化施設建設構想としてスタジオジブリの美術館構想が一致したことにより、実現されたものです。三鷹市が、東京都から都市公園法による設置管理許可を得て、同公園の西園拡張区域、約二万平方メートルに、徳間書店、日本テレビ、スタジオジブリが出資して設立した株式会社ムゼオ・ダルテ・ジブリが四十四億円をかけて建設し、その後、三鷹市に条件つきで寄附され、指定管理者である公益財団法人徳間記念アニメーション文化財団により運営されております。  二〇〇一年の開館後は、現在に至るまで、日本各地、世界中からの来館者で連日、予約で満員のようです。  この美術館が民間資金により整備されたのに対して、ジブリパークは三百四十億円もの税金を投入して、県が整備を行うものです。ジブリパークは、県営都市公園だから県が整備する考えだと思いますが、県営都市公園の中にも、小規模ですが、小幡緑地や大高緑地のような県有地に民間企業がそれぞれ遊戯施設などを作り、また作ろうとしているではないですか。  ジブリパークも民間が整備すればよいのではないか、なぜ三百四十億円もかけて、県有地に県が整備するのかと、県民からの質問が寄せられています。  また、これからの日本を取り巻く経済状況は心配な方向に向かっており、愛知県だって今年、来年、その次の年でも、財政が厳しい方向にあると考えられる時期であります。ましてや、アジア競技大会に要する費用を考えると大変ではないか、大村知事及び県議会は何を考えているのかとの声もあります。  そこで質問です。  ジブリパークについて、なぜ県の費用で整備するのか、県当局の所見を伺います。  質問の二、次にジブリパークへの入場者数について伺います。  先月、二月四日に大村知事からジブリパークの来場見込数は年間百八十万人と発表されました。東京の三鷹市、都営井の頭恩賜公園内にある三鷹の森ジブリ美術館では、入場者が事前予約制となっており、予約した人以外は入場できませんので、来場者数の想定が容易だと考えられますが、ジブリパークは公園施設の中にあり、来場者の数え方は容易ではないと思われます。  そこで質問です。  愛知県のジブリパークは、ジブリパークと指定する場所への立入りは誰でも自由に入れるのか、またジブリパーク内のそれぞれの建物への入場は予約制とするのか、さらには想定来場者数百八十万人は建物の中への入場者数なのか、お伺いをいたします。  以上です。 97: ◯政策企画局長野村知宏君) 初めに、万博会場であった愛・地球博記念公園において、ジブリパークを県の費用で整備する理由についてであります。  二〇〇五年に開催された愛知万博は、その愛称が愛・地球博であったように、自然の叡智をメインテーマに、人、生き物、地球に対する愛を私どもに示しました。  一方、ジブリ作品に一貫して脈々と流れているのも、まさしく人、生き物、地球に対する愛であり、愛知万博の理念と合致しております。  万博の理念と成果の継承を基盤として、当公園をさらに発展、進化させることは、愛知のみがなし得るミッションです。このため、万博のレガシーとして、サツキとメイの家を公園内に残したところ、現在でも、来場者は年間十万人を超え、また、万博十周年の二〇一五年に、全国都市緑化フェアに合わせ、全国に先駆けて、ジブリの大博覧会を当公園で開催したところ、二か月の会期中、約二十万人もの来場がありました。  このように、ジブリ作品と親和性が高い当公園において、ジブリの世界を広げていくことは、万博の理念継承へつながるものと考えました。  そこで、スタジオジブリの全面的な協力を仰ぎ、本県の責任において、ジブリパークを公園施設として整備し、本県の財産として次世代へ永続的に残していくこととしたものでございます。  ジブリパークの実現に当たっては、本県が事業主体として整備を、スタジオジブリがコンテンツ提供と事業全体の企画監修を、中日新聞とスタジオジブリが共同で運営会社を設立し運営に当たることとし、この役割分担について、昨年五月に三者で合意したところでございます。  なお、ジブリパークは、民間が建設、運営するテーマパークとは一線を画し、本県が公園事業として整備することで、入場料金をできるだけ抑えることができると考えております。  本県といたしましては、我が国のオリジナルコンテンツの代表であるジブリ作品に最もふさわしい当公園を舞台にジブリパークを展開し、多くの人を魅了する世界で唯一の公園を目指してまいります。  次に、ジブリパークへの入場者数についてであります。  ジブリパークは、国内外から老若男女を問わず、多くのお客様にお越しいただき、来場された皆様に心から満足して帰っていただきたいと考えており、本県が行うハード整備はもちろんのこと、運営面での取組がとりわけ重要となります。  そこで、スタジオジブリと中日新聞社が共同で設立した株式会社ジブリパークに、ジブリパークの管理運営を担ってもらい、民間企業の発想、ノウハウを生かすこととしました。  ジブリパークの運営に必要な経費は、入場料金として、来場者の皆様からいただきたいと考えており、入場料を徴収するジブリパークのエリアや建物の設定、料金水準、ジブリパークの各エリアへの入場方法や事前予約制の導入など、現在株式会社ジブリパークにおいて詳細を検討しているところでございます。  なお、先日本県が発表いたしました想定来場者数百八十万人は、あくまでジブリパーク五エリア内への入場者数であり、実際にはジブリパークへ入場せず、写真を撮影し、グッズを購入してお帰りになるだけのお客様もかなり多くおられることと存じます。  そうしたお客様も含め、ジブリパークの来場者お一人お一人が快適かつ安全にお過ごしいただけるよう、ジブリパークに最もふさわしい運営の在り方について、今後株式会社ジブリパークと詰めてまいります。 98: ◯百三番(筒井タカヤ君) 再質問させていただきます。  大村知事からの所見はありませんが、もし、あなたが今回の私どもが指摘する名東区選出の議員がきちんとした立場であることを、お間違いだけは、録画に撮ってありますので認めていただきたい。そして、今後そういうことのなきようにお願いしたい。  共々一緒になって、県が行うジブリパークについて、私どもも精いっぱい応援してまいります。協力をしてまいります。賛成であります。それから、県、市の協調についても、一緒になってやってまいります。  お答えはありませんから、できませんでしょうから、これで終わりますけれども、そのことだけは御自身の胸に留めていただき、今後のこういった活動については、御自身の発言をきちんと間違いなきようお願いをしたいと思います。  ジブリパークの入場者数というものは、建物に入ったカウントではないというふうに理解をいたしました。  問題は、ジブリパークを見に来た人と、何でもいいから、たまたま、愛・地球博公園にも来た、またイベントもあった、だから来ようという人も重なると思うんですね。となれば、百八十万人の想定以上の混乱も予想されますので、そういったこともよく考えて、周辺整備、園内整備も含めてきちんと対応していただきたい。この点について心配いたしておりますので答弁を求めます。  以上です。 99: ◯政策企画局長野村知宏君) 想定入場者数について御質問まずございまして、百八十万人というのは、あくまでも、今回ジブリパーク五エリアへの入場者数ということで、実際には、ジブリパークに入場せずに写真を撮影してお帰りになるお客さんもまた別におられますし、また別に、ジブリパークではなく愛・地球博記念公園の現状のほかの機能に来られる方というのも多くおられるかというふうに思っております。  ですので、今の愛・地球博記念公園よりも、たくさんの方がこの愛・地球博記念公園全体に来られるということを考えておりまして、そのために、周辺設備、また交通渋滞も含めて、全体としてしっかりスムーズにいくよう、しっかりと考えていきたいというふうに考えております。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 100: ◯四十一番(田中泰彦君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 101: ◯副議長(堀嵜純一君) 田中泰彦議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 102: ◯副議長(堀嵜純一君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後二時五十六分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時四十分開議 103: ◯議長神野博史君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、第一号議案令和二年度愛知県一般会計予算のうち、第一条中歳出第五款経済労働費から第七款建設費までの質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  日高章議員。 104: ◯六番(日高章君) 私からは、歳出第五款経済労働費第二項商工業費のうち、IoT・産業用ロボット活用促進事業費について伺います。  AI、IoT、ロボティクスなど、近年急速に進展しているイノベーションの社会実装により、これまでデータ化されることがなかった情報がビッグデータとして集積され、産業界においても自動化率の引上げなどが可能となりました。これが、いわゆる第四次産業革命であります。  このような社会構造の変化に取り残されないようにと意欲ある多くの企業が、AI、IoT技術を取り入れるべく努力を続けています。  しかしながら、二〇一九年版中小企業白書によると、IoTの導入に前向きな企業は依然として四〇%程度にとどまっていて、そうでない企業の導入しない最大の理由として、導入後のビジネスモデルが不明確とあります。IoTの定義や概念について、イメージが浮かばないという方も多いようです。  一方、海外に目を向ければ、情報技術化が著しい国も多く、IoTという概念が生み出された当該先進国ドイツでは、企業経営者の八五%以上がIoTの導入に前向きで、そのうちの高い割合で、既に何らかのIoTの導入を果たしているとの報告があります。  このような差が、今後の産業力の差につながることが大いに懸念されます。とりわけ日本の成長エンジンを自負するモノづくり王国愛知としては看過できない現況であります。  国内では、既にIoTを導入したという中小企業経営者に、その背景などの事情を伺うと、きっかけは国や自治体が主導する産業振興事業であったことが多いようです。  特に、設備導入などの補助事業で、IoT導入を要件としていたものについて、補助獲得目的でIoTを取り入れた企業も多く、導入後にその効果を知った方も少なくないようです。ゆえに、本県としても、いかにして県内の産業界を刺激していくかが肝要であります。  中小企業経営者がIoT導入をためらう理由として、大きく三つ挙げられます。  一つ目は、自社の現場とIoTの関わり方がイメージできないために導入形態やメリットが分からない。二つ目は、導入の意欲があってもそれを可能とする人材がいない。そして三つ目は、導入する資金が足らないというものであります。すなわち、これらの三段階に層別をして対応策を考える必要があります。  そこで伺います。  IoT導入をちゅうちょしている県内企業に対して、その重要性や有効性などを分かりやすく伝えるためにどのように取り組んでいくか、あるいは導入に意欲的でありながら、それを担う人材不足に悩む企業に対して、どのように働きかけるかについてお答えください。  また、導入の意欲やアイデアがあっても資金が足らないという企業に対して、どのような対応を考えているかについてお答えください。 105: ◯経済産業局長(伊藤浩行君) IoT導入の重要性や有効性を分かりやすく伝えるためには、まずは、IoT技術をどのように活用してよいか分からない企業などに対し、例えば工場内における部品の生産状況をスマートフォンなどでリアルタイムに確認できるシステムなど、具体的な活用事例を紹介するセミナーを開催するとともに、相談窓口を設置し、IoT等の活用方法について相談に対応いたします。  また、来年度は新たに、希望する企業の現場に専門家を派遣し、具体的な導入に向けたアドバイスをすることで、さらなる促進を図ることとしております。  次に、IoT技術を担う人材への対応については、現場で実際に携わる社員に具体的な導入メリットを理解してもらうとともに、活用方法について学んでいただくことが重要です。  そのため、IoT等の技術の導入を検討している県内中小企業の社員を対象に、基礎知識習得のための座学と実機を用いた体験実習のカリキュラムを取り入れた十日間の講座を開催いたします。  この講座では、先進事例企業の見学会や導入をサポートするIT企業等とのマッチングの場も設けて、講座終了後の具体的な導入に向けた支援を行ってまいります。  最後に、IoT導入に対する資金面での支援については、国において、ソフトウエア等の導入や運用に係る費用を支援するサービス等生産性向上IT導入支援事業、通称IT導入補助金や、生産性向上のための設備投資等を支援する、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、通称ものづくり補助金などがあります。  また、本県におきましては、IoT利活用を含む研究開発や実証実験を支援する、新あいち創造研究開発補助金があります。こうした支援メニューについて、相談窓口やセミナー等を通じ、情報の提供を行ってまいります。  本県といたしましては、これらの取組を着実に実施することで、中小企業における業務の効率化や生産性向上を実現するIoTの導入について、しっかりと支援してまいります。 106: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  松本まもる議員。 107: ◯二番(松本まもる君) 私からは、歳出第五款経済労働費第五項観光費のうち、外国人旅行者誘致強化事業費及び外国人旅行者受入環境整備促進事業費についてお伺いいたします。  まず初めに、外国人旅行者誘致強化事業費についてお尋ねいたします。  本県の外国人旅行者の動向を見ますと、県が試算した二〇一八年の外国人来県者数データでは、約二百四十三万人の来訪があり、このうち中国、韓国、台湾、香港の東アジアからビジネスを含めた旅行者が約八割を占めている状況で、これは町なかを観光している外国人、特に繁華街のショッピングモールやドラッグストアを見れば一目瞭然で、いっときの爆買いと言われる一定の商品を求めて観光バス等で店舗の前にバスを乗りつけるという光景は、もちろん新型コロナウイルス感染症の影響で今は特になくなりましたが、そういった光景が数年続いていたのは御存じのとおりです。  県では、これまでアジア諸国を中心に、現地での旅行博への出展や現地旅行会社の戸別訪問などプロモーションを実施するとともに、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、昨年度はイギリスで、今年度はアメリカで旅行博に出展するなど、欧米からの誘客に取り組んでいるとのことで、これは現地を訪れ、直接関係者にプロモーションを行える重要な機会の一つであり、大切な取組だと考えています。  実際、さきのイギリス現地でのプロモーションでは、豊田スタジアムでラグビーの試合があったウェールズも訪問し、旅行代金が一人約百万円を超える富裕層向けの三週間程度のラグビー観戦ツアーを現地旅行会社が企画し、イギリスから八十五人もの大勢の方々が名古屋でも三泊をし、観光も楽しまれたと聞いており、地域経済の活性化に大きくつながったのは、このプロモーションの大きな成果だと考えています。  実際、日本においては、今後人口減少が加速し、二〇五二年には一億人程度になる見通しも予測され、国内消費も比例して減少し、経済の衰退化に拍車がかかってくる可能性もあり、海外からの旅行者の八人分の消費額が定住人口一人当たりの一年分に当たり、これは国内旅行者に当てはめると二十三泊分、日帰りの旅行費になると七十三人分と、いかに外国からの旅行者がたった八人でほぼ同額を消費することを考えると、効率よく消費されるかが分かります。  したがって、訪日外国人の増加によって、人口減による経済のマイナスを効率よく補える可能性も十分にあるため、将来を見据えた訪日外国人への環境整備に今から投資しておく必要も考えられます。  また本県においては、二〇二二年秋、本県にとってもビッグプロジェクトであるジブリパークの開業が予定されており、さきの成功したイギリスでの誘客プロモーションなどの取組が早い段階から重要だと考えます。  県では、来年度事業として、東南アジアのタイ、ベトナム、インドネシア、また欧米、オセアニア地区においては、アメリカ、フランス、オーストラリアの計六か国において、現地旅行会社やメディアとのつながりのある事業者を観光レップとして設置し、さらなるセールス活動を行うと聞いていますが、そこでお尋ねをしたいと思います。  この観光レップの設置国六か国はどのような考えで選定されているのか、また、観光レップはどのような活動を行うのかお聞かせください。
     次に、外国人旅行者受入環境整備促進事業費について伺いたいと思います。  本県が実施している二〇一八年度の愛知県訪日外客動向調査、ちなみにこれは、本県を訪れた外国人観光客の旅行消費に関わる実態を把握するほか、今後のインバウンド施策を戦略的に展開するのに必要な国、地域別マーケットの分析を行うために実施するもので、観光客の属性、宿泊状況、旅行費用、来訪先、県内での飲食物、購入物、県内観光の満足度、不満点などを調査する中身であります。  これによりますと、外国人の旅行者からは、ここ愛知においては、コミュニケーションが取りづらい、フリーWi─Fiスポットが少ない、フリーWi─Fiの通信環境が悪いなどといった不満が上位に挙げられており、これらの課題を解決する取組は大変有意義なことだと考えておりますし、情報難民である一部の訪日外国人にとって、これらの環境整備はまさしく生命線であり、情報の発信の強化は、彼らにとって心強い有意義な取組となりますので、予算はかかりますがしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。  こうした状況を踏まえ、県においては受入れ環境整備促進に向け、昨年六月から愛知県多言語コールセンターの運用が開始され、宿泊事業者をはじめとする中小規模の県内観光事業関係者と外国人の旅行者の間のコミュニケーションや、事業者の施設内の外国語表記に関する支援を行っていると聞いています。  加えて本コールセンターは、今回の新型コロナウイルス感染症に関わる緊急対応時においても、情報が不足しがちな訪日外国人に向けて、迅速にタイムリーな情報を提供し、重要なツールとして活用されているとのことで、今の日本において訪日外国人が一番必要としている情報が早期に取得できるのは非常に安心できるシステムで、これはぜひこの先も予算を惜しまず、さらなる便利ツールとして運用を続けてほしいと思っています。  また、フリーWi─Fiについても、昨年九月のラグビーワールドカップの開催に合わせ、外国人旅行者がフリーWi─Fiに簡単に接続ができるアプリの多言語による配信が開始されたとのことで、多言語で配信されることによって多国籍の外国人旅行者が利用でき、このアプリにより、インターネットから得られる日本においての情報の取得が高まり、観光情報はもちろん、移動に関する交通情報、そして今までなかなか対応が遅れていたムスリム旅行者などに対する必要な礼拝施設の案内や、ハラール対応の飲食店の情報なども手に入れやすく、宗教上、様々な理由で訪日しにくかった国々の方々にも、間違いなく便利ツールとして重宝していると思います。  今後もしっかりと予算をかけて、さらに利便性の高いツールを発信していただきたいと思っております。  本年七月から開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会や二〇二六年に愛知で開催されるアジア競技大会を控え、訪日外国人の様々な受入れ環境の整備は、特に今回の新型コロナウイルス感染症の件を含め、充実を図っていただきたいと思っております。  そこでお尋ねしたいと思います。  外国人旅行者の受入れ環境整備について、来年度、ずばりどのように取り組んでいくのかを、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  以上です。 108: ◯観光コンベンション局長(藤田昇義君) 外国人旅行者誘致強化事業で実施を予定する観光レップは、対象となる国ごとに、現地のメディア等に強いつながりを持つ事業者を愛知の観光プロモーションの代理人として委託し、PR活動等を実施していただくものでございます。  近年、外国人旅行者の旅行形態、嗜好がますます多様化してきており、観光誘客においては国別の傾向をしっかりと把握した上、戦略的なプロモーションを実施することが必要となっております。  また、本県を訪れる外国人旅行者の八割が東アジアからであることを踏まえますと、東南アジアやオセアニア、さらには欧米のうち、今後、本県への誘客を見込める地域からのインバウンド需要を取り込んでいくことが重要であると考えております。  そこで、来年度は、海外六か国において観光レップの設置を考えておりますが、東南アジアにおいては、訪日客一位のタイ、二位のベトナム、そして、今後直行便の再開を期待するインドネシアの三か国に設置する計画としております。  また、オセアニアについては、岐阜、長野等のスキー客の取り込みが期待できるオーストラリア、そして欧米においては、北米で来県者が多いアメリカ、欧州では、歴史やアニメ等日本独自の文化に関心の高いフランスに設置したいと考えております。  観光レップの活動内容につきましては、六か国共通の取組として、市場動向やニーズ等の収集、分析、現地目線でのプロモーションを予定しております。  具体的には、訪日旅行に関心がある現地の旅行会社やメディアに対して、戸別訪問をはじめ、電話やメールでのセールス活動や本県の最新の観光ニュースの配信を実施いたします。  また、一般消費者に対してSNSの活用など現地事情に合わせた情報発信を行い、年間を通じた効果的なプロモーションを実施してまいります。  一方で、知名度の底上げが必要なアメリカ、フランス、オーストラリアの観光レップでは、これらの活動に加えて、旅行博への出展やメディア、旅行会社向けのセミナーの開催も計画しております。  観光レップの設置により、現地の事情や外国人旅行者の多様なニーズに対応しながら、さらなるインバウンド観光の振興を図ってまいります。  次に、外国人旅行者受入環境整備促進事業につきましては、これまで県内観光事業者向けに受入れ環境づくりを支援するため、キャッシュレス導入やムスリム旅行者への対応方法を学ぶセミナーなどを実施してまいりました。  こうした取組に加え、今年度は、外国人旅行者に対する直接的なサービスとして、無料公衆無線LANに簡単に接続できるアプリの開発や、九言語に対応する多言語コールセンターの設置を行ったところでございます。  来年度は、新たに、外国人旅行者の閲覧数が多いウェブサイトなどでのデジタル広告などにより、これらのアプリ、コールセンターの広報を行い、利用の拡大を図ってまいります。  また、事業者向けのセミナーにつきましては、新たに外国人旅行者向けに分かりやすく説明するための表現方法を学ぶセミナーを追加して実施してまいります。  こうした事業により、外国人旅行者に快適に安心して滞在していただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。 109: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  杉江繁樹議員。 110: ◯八番(杉江繁樹君) 私からは、歳出第五款経済労働費第二項商工業費のうち、水素エネルギー産業社会形成パイロット事業費について質問をさせていただきます。  水素社会の実現に向けて国が策定した水素・燃料電池戦略ロードマップでは、二〇二〇年代までを水素の利用の飛躍的拡大期としており、燃料電池自動車(FCV)や水素ステーションの普及のほか、燃料電池フォークリフトや燃料電池バスなどのモビリティー分野での利用拡大を掲げています。  私の地元である常滑市では、昨年度、セントレアにFCバスにも充填可能な水素ステーションが開所しましたし、また貨物地区には、FCフォークリフト七台とその燃料を供給する水素充填所が整備されました。  今年度はさらに四台が導入され、合計十一台のFCフォークリフトが稼働しており、水素需要の拡大が着実に進んでいます。  FCフォークリフトは、水素利用を工場などの産業部門に広げる有効なツールであり、産業振興の点からも積極的に導入を促進していくことは極めて重要だと考えます。  また、環境の観点からも使用時にCO2を排出しないFCフォークリフトを多く事業所へ導入していくことも必要です。そのためには、FCフォークリフトのよさを多くの事業所の方に感じていただくことが大切だと思います。  一方、FCフォークリフトの普及には課題もあります。FCフォークリフトの導入には水素充填所が不可欠ですが、その整備には数億円かかると言われています。特に、数台しかフォークリフトを所有していない中小企業にとっては、自社で水素充填所を整備することは負担が重過ぎると考えます。  そこでお伺いいたします。  中小企業への燃料電池フォークリフトの導入促進にどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。 111: ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 燃料電池フォークリフト導入促進として、二〇一六年度から燃料電池フォークリフトの導入に対する支援を実施しております。具体的には、中小企業に対し、燃料電池車両とエンジン式車両の差額について、国、県合わせて差額の全額を補助しております。  一方、燃料電池フォークリフトの使用に不可欠な水素充填所の設置には、多額の初期投資と定期的なメンテナンス費用が必要なため、特に中小企業にとっては大きな負担となっております。  このため、来年度から、水素を燃料電池フォークリフトユーザーに直接届ける仕組みづくりが必要と考え、水素と小型の充填装置をトラックに乗せ、配達する実証事業を、工業団地などPR効果や波及効果が見込める場所において行います。  この事業により、中小企業が燃料電池フォークリフトを導入しやすい環境を整えてまいります。 112: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  荻原宏悦議員。 113: ◯十二番(荻原宏悦君) 私からは、二点質問をさせていただきます。  まず初めに、歳出第五款経済労働費第二項商工業費のうち、水素ステーション整備促進事業費についてお伺いします。  地球温暖化による激甚災害が頻発する中、CO2削減が世界的にも喫緊の課題となっています。そうした中、将来的に枯渇する可能性やCO2排出の課題が大きな化石燃料に代わって、理想的なエネルギーとして注目されているのが水素エネルギーです。  水素エネルギーは利用時にCO2を排出しませんが、水素を再生可能エネルギーから製造することにより、製造段階でもCO2を排出しないクリーンな水素ができます。エネルギー源としての水素は、無尽蔵に存在する水をはじめ、様々な資源から製造することができます。  製造方法も、水を電気分解する方法、天然ガスなど化石燃料から造り出す方法、森林資源や廃材などのバイオマスから造り出す方法、製鉄所の副産物として造り出す方法などの製造が可能です。  国内に資源が乏しく、エネルギーとしての大部分を海外の化石燃料に依存している日本にとって、水素エネルギーへの期待は大きなものがあります。  このように、エネルギーの将来を考えたときに、FCVの普及はこうした水素エネルギー社会の形成を先導するとともに、水素産業の飛躍的な発展につながり、その影響は自動車産業にとどまりません。  そして、自動車産業の盛んな本県が率先をして、水素電池自動車の普及に不可欠な水素ステーションを整備促進していくことにより、水素利用拡大の重要な役割を果たすものと考えます。さらに水素を普及させていくには、県民に対する普及啓発も重要と考えます。  そこでお尋ねをします。  本事業のこれまでの実績と来年度の取組内容について伺います。  続きまして、歳出第五款経済労働費第五項観光費のうち、愛知県のお城観光推進事業費及び街道観光推進事業費についてお伺いします。  二〇一九年四月の改正文化財保護法の施行により、地方自治体では、地元の文化財をまちづくりや観光等に柔軟に活用する流れをつくることが課題になっています。  本県でも、今議会でその趣旨に沿って、文化財保護条例が改正されることが議論をされております。また、来年度、本県の庁内組織改編で、教育委員会文化財保護室が知事部局の県民文化局に移管されることになっております。  そういったトレンドに沿った新たな観光振興策が、歴史的な価値の高い愛知らしい文化財を柱に据えたお城観光、街道観光であると思います。私の地元豊橋も、吉田城と東海道の吉田、二川の二つの宿があり、両観光施策に期待するところが大です。  さて、御案内のとおり、愛知県では、国宝犬山城の令和の大修復が終了し、新たな観光客を迎え入れる体制が出来上がっていますし、名古屋市緑区の東海道有松宿は、本年度、日本遺産に認定をされました。  名古屋市は今春、国の予算を活用するなどして、名古屋市の観光振興に資する大胆な有松PR等を約四千六百万円の予算規模で実施するとお聞きしました。観光振興へ追い風が到来しています。  また本県では、お城観光、街道観光と密接に関係する武将観光、忍者観光の取組が広く定着するところになっています。例えば県営大高緑地で毎秋に行われておりますサムライ・ニンジャフェスティバルは、本年度三万七千人の来場者を数えたそうです。  このフェスティバルは、過去三年間全て三万五千人を超え、全国各地の武将隊や忍者隊が集結するさまは壮観で、甲冑体験や忍者体験などは親子連れが大喜びで参加しているとお聞きしています。  また、外国人に強く支持されているのが武将観光、忍者観光ですが、サムライ・ニンジャフェスティバルの特徴の一つとして、外国人来場者が散見されることも挙げられるとのことです。  こういったことから、本県の観光振興のキラーコンテンツであった武将、忍者に続く、戦国武将ゆかりの歴史的価値の高い城郭、城址や東海道、美濃路、飯田街道などの歴史街道を観光資源として活用するこの取組は、本県の観光振興の次なるステップとなると思います。  そこでお伺いします。  お城観光及び街道観光については、来年度以降、どのように取り組んでいくのか、また、本県の観光振興においてどのような効果を期待しているのか、お尋ねします。  二〇一八年三月、振興環境委員会で、我が党の岡議員の質問に際して、当局は、平成三十年度から横浜のお城エキスポに出展すると答弁されましたが、お城観光は街道観光より先行して取り組んできたと承知しています。  来年度は、お城観光関連で大きなイベントを考えているとお聞きしましたので、具体の内容について教えていただきたく存じます。  以上です。 114: ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 水素ステーション整備促進事業費の実績についてでございますが、水素ステーションは二〇一五年度に補助制度を創設し、これまでに十七か所の整備と、現在運営している二十か所に補助しております。現在、県内の水素ステーションは、整備中も含め、全国最多の二十八か所となっております。  また、燃料電池フォークリフトについては、二〇一六年度の補助制度創設以降、十六台の導入に補助したほか、水素充填所二か所の整備に補助いたしました。  次に、来年度でございますが、本事業に十一億八千万余円の予算を計上しており、水素ステーションは、今年度からの継続整備二か所に加え、新規四か所に補助するとともに、二十六か所の運営費を補助いたします。燃料電池フォークリフトは、新たに整備される物流センターへの導入などに六十二台を見込んでおります。  これらの取組に加え、水素社会の実現に向けて、広く県民の皆様への情報発信や普及啓発にも取り組んでまいります。 115: ◯観光コンベンション局長(藤田昇義君) お城観光及び街道観光につきましては、それぞれ今年度、県、関係市町や観光協会等を構成員とする協議会を設立し、市町の枠を超えた相互交流と連携を深めてまいりました。  来年度、お城観光については、五月に名古屋市内で、秋に首都圏においてPRイベントを開催するほか、十二月には横浜で開催されるお城EXPOで、県と関係市町がまとまってブース出展するなど、全国へ向けて愛知のお城をPRしてまいります。  また、街道観光につきましては、東海道、美濃路、飯田街道の史跡をめぐる広域ガイドブックを作成し、街道付近の観光施設や歴史ストーリー等も紹介するとともに、地域情報を放送するテレビ番組を活用して、街道歩きの楽しさを広く発信してまいります。  本県は、三英傑ゆかりの小牧山城、名古屋城、岡崎城や、国宝の犬山城をはじめとする様々な城郭城址、また街道では、日本遺産に認定された有松宿や二川宿本陣跡など、優れた歴史資源を有しております。  お城観光、街道観光を前面に打ち出した取組を進めることで、協議会はじめ、関係者の皆様の連携した取組を引き出すとともに、県内外に効果的に本県の魅力をアピールすることができます。  お城観光の推進により武将観光にさらに磨きをかけ、街道観光の推進で歴史観光の幅を一段と広げ、本県の観光振興を大きく前進させていきたいと考えております。  次に、来年度のお城観光関連の大きなイベントの内容については、今年の五月二日から四日までの三日間、にっぽん城まつりとして、横浜で開催されているお城EXPOの協力も得た、本県初めてとなる城郭イベントを吹上ホールにおいて開催をいたします。  このイベントでは、名古屋城、小牧山城をはじめ、協議会の関係者はもとより、県外の愛知ゆかりのお城についてのブース出展をはじめ、日本百名城のパネルや日本の主要なお城の模型展示を行うほか、地酒の試飲販売も計画しております。  さらに、記念シンポジウムでは、NHK大河ドラマ麒麟がくるの時代考証を行っている小和田哲男氏や著名な城郭考古学者である千田嘉博氏、俳優の高橋英樹氏が出演するなど、全国のお城ファンに注目される魅力的な内容となっております。  来年度のお城協議会のスタートとなる事業として、広域からの来県につながるよう、関係者と連携してしっかりと取り組んでまいります。 116: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  おおたけりえ議員。 117: ◯十六番(おおたけりえ君) 第六款農林水産費第二項畜産業費の中で、家畜の防疫対策について伺います。  まず初めに、豚熱(CSF)の今後の対策について伺います。  畜産農家の方々、農水局の方々、県職員、自衛隊など多くの方々の必死の御努力とワクチンの効果により、県内のCSFはひとまず落ち着いています。しかし、全国を見渡しますと、本年二月に沖縄県でCSFが発生しております。  このことからも、まだまだ予断を許さない状況であり、県内の養豚業を守るためには、飼育豚のワクチン接種とともに、鳥やイノシシなどから感染を防ぐ防疫対策をしっかり行っていかなければなりません。  来年度予算では、CSF対策として七億三千二百五十六万九千円が計上されておりますが、どのように防疫対策を進めていかれるお考えか伺います。  次に、このCSFのほか、アフリカ豚熱、つまり、ASFが一昨年の八月以降、アジア地域の韓国、中国、香港、北朝鮮、モンゴル、フィリピン、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、ラオス、東ティモール等で発生しておりますが、いまだワクチンが開発されておらず、現在、人の間で蔓延を食い止めようとしている新型コロナウイルスと同様に、何とか日本に持ち込ませないよう水際対策とともに、もし入ってきた場合の危機管理体制が重要だと考えます。  国会でも、本年一月末にASF対策として、家畜伝染病予防法が議員立法により成立し、飼育豚やイノシシでASFの感染が確認された場合に、未感染の豚を含めた予防的殺処分をできるようになりました。  CSFでつらい思いをされた養豚農家さん方を二度と苦しめることがないように、できることは万全を期しておきたいものです。空港等での検疫自体は国の仕事であり、農林水産省は、水際でウイルスを食い止める施策を行ってみえます。  また、東京都や神奈川県、埼玉県は畜産農家向けのチラシを作って、畜産関係者にASFが発生している地域への渡航自粛や畜舎に入る前の消毒体制、早期発見、早期通報の徹底を促しておりますし、口蹄疫で大変苦労された宮崎県では、市民へ動画などを使って食肉等をお土産で買ってきたり、送ってもらったりすることのないように周知を図ってみえます。  県として、畜産農家、海外渡航者、外国人等の県民に対するASFについての周知など、このASFの防疫対策についてどのように取り組まれていかれるお考えか伺います。 118: ◯農業水産局長(中根俊樹君) 豚熱(CSF)の防疫対策についてのお尋ねであります。  CSFは、本県における発生状況を受け、新たな発生を防ぐための防疫対策の徹底が今後も重要であると認識しております。  このため、農場ごとの飼養衛生管理基準の遵守について、必要があればその都度改善を指導するとともに、親豚や新たに生まれてくる子豚へのワクチン接種を確実に行い、発生予防に取り組んでまいります。  さらに、野生動物を介してのウイルス侵入を防止するため、農場における防鳥ネット等の整備に対する助成を行い、農場の防疫体制強化を進めてまいります。  また、野生イノシシの感染拡大を防止するため、イノシシの捕獲強化、捕獲のための移動防止柵の設置、経口ワクチンの散布に引き続き取り組んでまいります。  次に、アフリカ豚熱(ASF)の防疫対策についてであります。
     ASF対策といたしましては、まずは国内にウイルスを持ち込ませないことが重要であり、国においては、今国会において家畜伝染病予防法を改正し、罰則の強化を図るなど、海外からの肉製品の持込みに対する水際対策を一層強化する予定であります。  県といたしましては、畜産農家に対する農場周囲の柵の設置など、農場へのウイルス侵入防止の指導はもとより、国と連携し、手荷物や国際郵便物で輸入禁止畜産物を持ち込まないよう様々な機会を捉えて広く呼びかけるなど、広報活動の強化に取り組んでおります。  また、全国で外国人県民が二番目に多いため、庁内関係各局と連携し、在留外国人向けのSNS及び訪日外国人向けの観光情報サイトを活用し、様々な言語で周知するとともに、県内の外国人留学生、技能実習生に向けたリーフレットの配布等も行い、引き続き全庁的な取組としてASFの発生防止対策をしっかりと進めてまいります。 119: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  鈴木雅博議員。 120: ◯二十五番(鈴木雅博君) 歳出第六款農林水産費第一項農業総務費のうち、愛知産ジビエ販路拡大事業についてお伺いいたします。  約一年前の二〇一九年二月、県内初となるCSF(豚熱)が発生し、以後、県内で十八例が発生しました。  CSFの発生要因となるウイルスは豚とイノシシにしか感染せず、県内では二〇一八年十二月に、野生イノシシからCSFウイルスに感染した個体が確認されて以来、現在までに百二十三頭から感染が確認されています。  野生イノシシは、CSFウイルスの拡散だけでなく、農作物への被害ももたらしており、本県の二〇一八年度の野生鳥獣による農作物被害額は約四億三千五百万円で全国八位となっており、鳥獣別では、イノシシ約一億五百三十二万円、鹿約二千七百万円となっております。  さらに、野生鳥獣による農作物への被害は、直接的な被害だけでなく、営農意欲の減退や耕作放棄地の増加などにもつながっており、現場の負担感は年々増しております。  いまだに野生鳥獣の被害に苦しむ地域が多い状況を鑑みると、本県中山間地の農業を守り、こうした被害に苦労されている農家の皆様方のためにも、より多くの野生イノシシの捕獲が望まれています。  このような中県は、野生イノシシ対策室を新たに設置し、経口ワクチンの散布と併せ、捕獲目標を一万頭から一万五千頭に増やし、CSFの蔓延防止の徹底を図るだけでなく、農作物被害の防止にも努めております。  一方で、野生イノシシは貴重な地域資源としての一面もあり、本県では、捕獲された野生イノシシの約一割がジビエとして食肉利用されております。  しかしながら、CSFウイルスに感染している野生イノシシが確認されますと、国の通知では、確認された地点から半径十キロメートル圏内の区域を感染確認区域とし、その区域内で捕獲された野生イノシシについては、CSFウイルス蔓延防止の観点から、自家消費を除き食肉として利用できないこととなっております。  そのため、広い範囲が感染確認区域となっている本県では、ジビエとして食肉利用できる野生イノシシが限られているのが現状です。  私の地元豊田市では、毎年三千頭を超える野生イノシシが捕獲されており、その一部を貴重な地域資源であるジビエとして利用し、いなぶジビエグルメ街道の認定や、県立足助高校と地元企業が連携し、とよた里山猪肉カレーを開発するなど、ジビエを活用した地域活性化を図ってまいりました。  しかし、今は市内全域が感染確認区域となっているため、野生イノシシの食肉利用ができなくなっており、ジビエ関連事業者が苦境に立たされております。  このことは豊田市に限ったことではなく、現在本県内には、通年で営業しているジビエ処理加工施設は六か所あり、二〇一八年度の処理頭数の合計が、イノシシ千四十一頭、鹿四百二十頭となっていることからも分かるように、これまでイノシシが経営の主力であったことから、CSFによってジビエ処理加工施設は大きな打撃を受けております。  今後、感染確認区域が拡大すれば、県内で捕獲された野生イノシシが一切ジビエとして利用できなくなり、事業者が倒産や休業に追い込まれてしまうことも懸念されております。  また、CSFの発生から一年以上が経過し、運営資金に苦労されている事業者もおられるかと思われますので、事業者からの相談があれば積極的な支援が必要であると考えます。  こうしたことから、我が党がさきに提出した令和二年度の当初予算要望書においては、CSF発生により厳しい状況に置かれているジビエ関連事業者の経営支援に取り組むことを要望したところであります。  ジビエ事業はこれまで県、国、市町村と事業者が手を携えながらジビエ活用の取組を進めてきましたが、正念場となっている今、継続を支援しなければ、これまでの苦労が水泡に帰すことになってしまいます。  野生イノシシの活用は、出口をしっかりすれば捕獲も進み、農作物の被害防止にもつながることから、CSFが発生している本県においてジビエ関連事業者への支援は喫緊の課題となっております。  そこでお尋ねいたします。  来年度において、県はジビエ関連事業者をどのように支援していかれるのか、お伺いいたします。  続いて、歳出第七款建設費第七項都市整備費のうち、地籍調査費についてお伺いいたします。  国土調査法に基づく地籍調査は、一筆ごとの土地について、その所有者、地番及び地目を調査するとともに、境界の位置及び面積に関する測量を行い、その結果を地籍図及び地籍簿に取りまとめるものです。その成果が登記所に送付されることで、地籍簿が登記簿に反映され、地籍図が地図として備え付けられます。  近年、人口減少、高齢化の進展に伴う土地利用ニーズの低下などを背景として、所有者不明土地が増加しており、国土交通省の資料によると、二〇一六年度地籍調査における所有者不明土地の割合は約二〇%とされ、その面積は九州本島を上回る約四百十万ヘクタールに上り、二〇四〇年には、北海道の面積と同程度の約七百二十万ヘクタールまで増加すると推計されています。  また、民間の調査によると、経済的損失は年間千八百億円に上り、二〇四〇年までの累計では約六兆円に上ると推計されています。  本県においても、今後本格化する人口減少社会が進行することにより、土地所有者などによる人的証拠が失われ、現地での立会いや境界に関する知見、情報を基にした現在の調査手法によることが非常に困難となるおそれがあります。  また、近年の自然災害の頻発化、激甚化に備える観点から、地籍調査の速やかな実施により、円滑な防災・減災事業の推進や迅速な復旧・復興につなげることが求められています。  こうした重要な事業であるものの、国土交通省の資料によれば、全国の地籍調査の実施状況は、二〇一八年度末時点で、調査対象面積二十八万六千二百平方キロメートルに対して、調査実施済み面積は十四万九千四百七十七平方キロメートルであり、進捗率は五二%にとどまっております。  全国の都道府県の状況を見ますと、大都市圏の進捗率が低い傾向にあり、首都圏では東京都が二三%、千葉県が一七%、神奈川県が一四%であり、関西圏では大阪府が一二%、京都府が九%、兵庫県が二八%、中京圏では岐阜県が一七%、三重県が一〇%、本県においては一四%の進捗率となっております。  私の地元豊田市では、調査対象面積が広大であることもあり、毎年少しずつ調査が実施されているものの、九%の進捗率であります。  また、土地利用形態別に見ますと、全国的に地籍調査が遅れているのは都市部と山村部であり、都市部が二五%、山村部が四五%の進捗となっております。  都市部においては土地が細分化されており、権利関係が複雑で、所有権等の移動が多く、なかなか地権者の特定や土地所有者などによる境界確認が困難であることなどが、地籍調査の進捗がはかどらない大きな要因であるとされております。  一方、山村部においては、登記所に備え付けられている図面が昔の図面を基にしている場合が多く調査を実施する場合の基礎資料として使用することが難しいことや、急傾斜地や山奥で容易にはたどり着けない箇所があり、測量や調査を実施することが困難なこと、土地所有者の高齢化や不在化が進行しており、土地の境界に必要な証拠が失われつつあることが、地籍調査の実施を困難にしている要因であるとされております。  こうした問題を解決するため現在開会中の第二百一回通常国会では、土地基本法などの一部を改正する法律案が提出されており、その中には、国土調査法及び国土調査促進特別措置法を改正することにより、地籍調査の円滑化、迅速化に向けた措置が新設されております。  具体的には、昨年六月末に公表された国土審議会土地政策分科会企画部会、国土調査のあり方に関する検討小委員会の報告を踏まえ、一部の所有者が不明な場合でも調査を進められるような調査手段の見直し、都市部においては道路などと民地との、いわゆる官民境界の先行調査や、山村部においてはリモートセンシングデータを活用した調査といった、それぞれの地域特性に応じた効率的な調査手法の導入などにより、地籍調査の円滑化、迅速化を図る措置が国土調査法などの改正案に盛り込まれております。  一方、行政だけで所有者不明土地の発生抑制、解消を図るには限界があり、地籍調査を進め、土地に関する基本的な情報基盤を早急に整備していくためには、民間の専門家との連携がより重要となります。  中でも、土地の筆界などについて、専門的な知識を有する土地家屋調査士の活用を含め、民間委託制度は、地籍調査を円滑に進める上で非常に大きな役割を果たすものであると考えます。  そこで、二点お尋ねいたします。  最初に、県ではこれまで地籍調査の進捗を図るため、どのような取組をされてきたのかお伺いいたします。  次に、今後どのように地籍調査の進捗を図っていかれるのかお伺いいたします。  以上です。 121: ◯農業水産局長(中根俊樹君) ジビエ関連事業者に対する支援についてお答えいたします。  来年度は、三つの取組で支援してまいりたいと考えております。  一つ目は、感染確認区域で捕獲されたイノシシであっても、CSFに感染していないイノシシであれば販売ができるよう、国の事業を活用し、検査方法や利用方法の構築に向けて実証を行う取組でございます。  二つ目は、鹿が多く捕獲できても、施設の保管できる頭数に限りがあり、受入れ制限しているため、イノシシの販売ができなくなった施設へ鹿を輸送し、そこでも肉の加工と販売をすることで鹿の利用拡大を図るものです。  三つ目は、食肉以外で今まで未利用であった革、角などの新たな需要拡大への取組でございます。  これらの取組により、ジビエ関連事業者をしっかりと支援してまいります。 122: ◯都市整備局長(鎌田裕司君) 初めに、地籍調査のこれまでの取組についてであります。  地籍調査は、国土調査法等に基づく国土調査事業十箇年計画及びこれに即する愛知県地籍調査計画により行うこととされております。  市町村が実施する地籍調査に係る経費については、国の補助制度に基づき、実施市町村の要望を踏まえ、必要な額を補助しておりますが、今年度は十二市町の実施にとどまっております。  地籍調査の進捗を図るためには、調査主体である市町村の理解を得ることが重要であり、毎年地籍調査を実施していない市町村を訪問し、調査の実施を積極的に働きかけるほか、国の担当者等を講師に迎え、地籍調査の最新の調査技術などを紹介する研修会を実施しており、特に今年度は、民間への包括委託制度などについて改めて情報提供を行いました。  こうした取組により、来年度は三市が新たに着手するなど、調査を実施する市町村が着実に増えてきております。  次に、今後の地籍調査の進捗についてであります。  現在審議されている国土調査法改正案などによれば、土地所有者の探索がしやすくなるように固定資産課税台帳等の情報利用を可能とすることや、都市部における官民境界の先行調査結果を国土調査法上の認証を得て公表する特例措置、また、山間部における新手法の導入により、現地での立会いや測量作業を効率化するなどの措置が講じられるものとされております。  今後、これら新設される手法等が、本県の地籍調査でどのように活用できるかなどを見定めて、これまで以上に丁寧に市町村への情報提供や普及啓発を行い、また、調査の実施について積極的に助言を行うなど、地籍調査の着実な進捗に努めてまいります。 123: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  黒田太郎議員。 124: ◯十八番(黒田太郎君) 歳出第五款経済労働費第二項商工業費第二目中小企業金融対策費のうち、中小企業金融対策貸付金についてお伺いいたします。  二月十七日に日本銀行名古屋支店が公表した東海三県の金融経済動向では、東海三県の景気は緩やかに拡大しているとの判断がなされています。  また、二月二十日に内閣府が公表した月例経済報告では、景気は輸出が弱含む中で、製造業を中心に弱さが一段と増した状態が続いているものの、緩やかに回復しているとの判断がなされています。  このように、東海三県や日本全体では、景気は緩やかに拡大ないしは回復という評価がなされていますが、一月三十日に東海財務局が公表した愛知県内経済情勢報告では、拡大の動きに一服感が見られると国全体や東海三県と比較して、やや抑制的な判断がなされている点が少し気になります。  また、さらに気になる情報を一月中旬の東京出張の際に耳にしました。私は、一月中旬に開催された日本銀行支店長会議において、各支店長がどのような景況感を示すのかを確認すべく、東京に出張しました。  そこでは、報道にもありましたように、各地域で拡大または回復という判断をしており、後退という判断をしている地域はありませんでした。しかし、四月以降の景気を心配している支店長がいたのです。  各支店長は、一月中旬の支店長会議で地元の経済情勢を発表するに当たり、アンケートの回収や分析、統計数値の分析を行うだけではなく、支店長と支店職員が手分けをして地元企業を訪問し、面談によって足元の景気情勢と先行きの見方について直接確認をします。  経営者の生の声や直感は景気判断において大切な要素となりますが、四月以降の情勢が全く見通せないという経営者の声が少なくなかったようです。  こうした情報は、公式には発表しにくい情報であり、マスコミも書きにくい情報かと思いますが、政策を企画立案する側としては、しっかりと胸に受け止めておくべき情報なのではないかと思っております。  私も地元の中小企業経営者から話を聞くと、利益なき繁忙という声が多く、仕事がないわけではないが、人手が足りず、忙しく働くが利益につながらない状況のようです。  こうした状況で景気が下向き、売上げが落ちると、中小企業の経営は急速に行き詰まり、特に資金繰りに窮する企業が増えるのではないかと私は危惧しています。  こうした中で、中小企業金融対策貸付金の融資金利を引き下げ、また短期の融資を設けたことは、まさに時宜を得た対応であり、大いに評価をいたしますが、気になる点もありますので、三点質問をさせていただきます。  まず、借りる側からすれば金利は高いより低いほうが楽ではありますが、そもそもかなりの低金利が続いている現状では、金利が下がると融資が伸びるかというと、そうでもないのではないかと感じます。  このため、これまで金利を引き下げた際、それがどのような効果をもたらしたと分析しているか、お聞かせください。また、短期の融資を設けた狙いもお聞かせください。  さらに、今後、資金繰りに窮する企業が増えてきた場合、困っている企業に当座の資金が回るようにするためには、金利引下げや短期融資の創設のみではあまり効果がなく、金融機関や信用保証協会が取り組みやすい制度設計が必要ではないかと感じますが、この点についてお考えをお聞かせください。  以上、よろしくお願いいたします。 125: ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 初めに、県制度融資の金利引下げの効果についてであります。  県制度融資の金利については、二〇一七年度に、全資金において原則〇・三%引き下げ、二〇一八年度も事業拡大向けの融資であるパワーアップ資金について〇・三%、創業等支援資金について〇・四%の引下げを行ったところであります。  金利引下げの後の融資実績は、二〇一七年度が二千三百三十億円、前年度比で一〇九・一%の増加が見られたものの、二〇一八年度は千七百七十九億円、前年度比で七六・四%と大幅に減少し、二〇一九年度は一月末現在で千四百五十三億円、前年度同月比で一〇〇・二%と実績が伸びていない状況でございます。  本県が実施している金融機関訪問ヒアリングにおいては、金融機関相互の金利競争により、信用保証つき融資から保証なしの金融機関プロパー融資にシフトしていることや、海外の通商問題や消費税率引上げによる影響など、経済の不透明感から借り控えしている中小企業も多いといった意見も聞かれております。  こうしたことから、金利の引下げが必ずしも融資実績に結びついていないということも認識しているところでございます。  次に、サポート資金(短期)の狙いについてでありますが、本県では、県内中小企業の景況感を把握するため、二千社を対象に、四半期ごとに中小企業景況調査を実施しております。  直近の昨年十二月時点での調査では、前年同期と比べて好転とする企業の割合から悪化とする企業の割合を差し引いた値であるDIが、業況判断、売上げ及び採算とも四期連続で低下しております。  また、帝国データバンクが公表した倒産件数では、全国の倒産件数が横ばいと推移する中、本県の倒産件数が二〇一七年、二〇一八年と二年連続で増加しており、本県の金融機関には、受注があっても手形の現金化まで時間がかかるため、短期資金の調達が課題といった事業者の声が寄せられております。  こうした状況を踏まえ、サポート資金(短期)を新設することで、経営改善が見込まれる中小企業の円滑な資金繰りを支援してまいります。  最後に、金融機関や信用保証協会が取り組みやすい制度設計についてであります。  県制度融資においては、ほとんどの資金メニューを信用保証つきとしており、融資に際しては、金融機関の融資審査と信用保証協会の保証承諾を必要としております。  当座の資金繰りに窮している企業は手持ち資金が少なく、金融機関及び信用保証協会としても、貸付け後の資金回収リスクがあることから、いずれにおいても慎重な審査が行われることとなります。  このため、来年度から新設する予定のサポート資金(短期)では、金融機関が金利を設定する所定金利とすることで、企業のリスクに応じた融資を可能とするとともに、貸倒れが発生した場合は、信用保証協会がかぶる損失の二分の一を県が補償するなど、金融機関や信用保証協会が取り組みやすい制度とすることで、中小企業への円滑な資金調達を支援してまいります。 126: ◯十八番(黒田太郎君) 御答弁ありがとうございました。簡潔に二点要望させていただきます。  申し上げました微妙な景気情勢にある中で、新型コロナウイルスの問題が生じました。県は中小企業向けに緊急つなぎ資金を創設しましたが、既に何件か私のところに、資金繰りに関する不安を訴える声が届いている状況を考えますと、緊急つなぎ資金を担当する窓口に問合せが集中する可能性も視野に入れるべきではないでしょうか。施策を十分に機能させるためにも、万全の対応をぜひともお願いいたします。  さらに、経済情勢は刻一刻と変化していくものと考えられます。国ともしっかり連携した上で、今後とも的確に対応されることを要望し、発言を終わります。 127: ◯議長神野博史君) 進行いたします。  今井隆喜議員。 128: ◯二十六番(今井隆喜君) 私からは、歳出第六款農林水産費第四項土地改良費の農地防災事業費のうち、排水施設保全対策事業費についてお伺いをいたします。  愛知県のほぼ中央を流れる矢作川を水源とする明治用水の開削によりまして、私の地元安城市では、米、麦、大豆を中心にイチジク、梨、園芸など多方面にわたり、早くから多角形農業が営まれてまいりました。  この明治用水は明治十三年に本流と中井筋、東井筋、そして、十四年に西井筋が開削をされ、その他の支線用水路も含めると、総延長約四百キロメートルにわたる農業用水路として開通をされました。  明治用水開通後の碧海台地一帯は日本デンマークと呼ばれ、全国的にも有名な農業先進地として発展することができました。  しかし一方で、その後の発展とともに、当地域は名古屋から三十キロ圏内という立地条件のよさや鉄道網や道路網による利便性のよさから企業進出や宅地造成などの開発が行われ、結果、農地は年々減少し続け、大雨の際には開発された区域から農業用の排水路へ大量の雨水が流入するようになりました。
     中でも、矢作川右岸に広がる鹿乗川沿いの地域一帯は、従来から排水条件が悪い地域でしたが、開発により、より多くの雨水が流入するようになり、周辺の農地はしばしば湛水被害を受けるようになりました。  このため、県による県営湛水防除事業により、昭和四十三年に鹿乗川流域から矢作川へ排水する旧鹿乗川排水機場が建設をされましたが、その後も地区内開発は進み、雨水流出量の増加が続いたため、さらなる機能強化を図るため平成十四年に、口径千六百五十ミリのポンプが三台、総排出量は秒速二十立米の、分かりやすく言えば二十五メートルプールを僅か十五秒で空にする能力を持つ現在の鹿乗川排水機場が完成をしたところです。  この排水機場の機能は、安城市を中心に岡崎市、豊田市にわたる約四千三百ヘクタールの大きな排水流域を担う農業用排水機場で、言うまでもなく、流域にある農地ばかりでなく宅地や公共施設、さらにはJR東海道新幹線、東海道本線、名鉄本線や国道一号をはじめとする主要な交通網の洪水被害をも防止し、流域内に住む住民の食と生命と財産を守る重要な防災施設となっております。  こうした中、近年、全国各地では、数十年に一度と言われる雨による甚大な被害が相次いで発生をしております。  また、昨年の台風十九号では、長野、福島両県では百年に一度の雨量を超す雨が観測をされており、その都度、被害状況を見聞きするたび、改めて我が地域の豪雨災害への備えの必要性を強く認識したところでございます。  そこで、先日、私の地元にあります鹿乗川排水機場の現状を視察してきましたので、それらの状況、そして関係者の声などを踏まえ、質問させていただきたいと思います。  まず、この鹿乗川排水機場でありますけれども、稼働後の平成二十年八月末豪雨時には三台のポンプがフル活動をし、周辺の湛水被害を大幅に軽減できたことをはじめ、豪雨時における自動通報装置や自動による除じん機などにより、運転を担う営農組合の方々からは安心で安全な機能だと高い評価をいただいた一方で、平成二十七年に突如一台のポンプに不具合が発生したことや、除じん機に大量の砂が入り込み自動装置が止まるなどのトラブルが発生したことから、不安の声も聞こえてまいりました。  不具合の起きた排水機については、管理者であります安城市が、翌年二十八年にポンプの分解整備を行ったところ、軸に異常があるとのことで修理をしたところでありまして、砂の除去については、臨時対策で除じん機前のプールのしゅんせつを行ったとのことでございました。  これを受けて、県では、平成二十九年に改めて排水機場全体の点検と診断を行った結果、ポンプにおける排水能力が残りの二台についても低下していることが判明をいたしました。  そこで、今回の当初予算には、その機能回復を図る対策工事に関わる予算を計上していただきましたが、本年度より工事着手することとされております。  そこでお伺いをいたします。  鹿乗川排水機場では対策工事をどのように進めていくのか、お伺いをいたします。  そして次に、農業用排水機場は、農地ばかりでなく地域全体の排水を担っていることから、頻発をする集中豪雨や台風に備え、常に良好な状態を維持していくことが極めて重要であることは言うまでもありません。  本排水機場においても、二十七年度に突如起きたポンプの不具合等が、万が一、梅雨のシーズン以降に起きれば大きな被害につながることも想像できることから、改めて日頃の維持管理が重要だと感じております。  そこで伺いますが、本排水機場を含めて、県内には鹿乗川排水機場と同じような基幹的な農業用排水機場が数多くあると伺っております。それらの農業用排水機場の機能を維持していくために、県としてどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。 129: ◯農林基盤局長(水野康弘君) まず、鹿乗川排水機場で行う対策工事についてであります。  この排水機場は、国の補助事業の対象となる基幹的な排水機場であることから、二〇一七年度に県営事業として施設の機能診断を実施した結果、三台あるポンプのうち二台について排水能力が低下していることが判明しました。  このため、今年度、排水施設保全対策事業に着手し、一台目のポンプを工場で分解、検査した上で、劣化した部品の交換や修理などを行い、機能回復を図っております。  来年度は、二台目のポンプについて同様の機能回復を行い、その後、排水機場全体の電気設備の更新や建屋のひび割れ補修を実施し、二〇二二年度に全ての対策工事を完了する予定でございます。  次に、農業用排水機場の機能を維持するための取組についてであります。  農業用排水機場の標準耐用年数は、農林水産省が施設区分ごとに示しており、建物が四十五年、ポンプ等の機械類が二十年とされております。  このため、本県では、設置後二十年を目途に機能診断を実施し、ポンプやエンジンの分解整備の必要性や電気設備の更新時期を判定した上で対策工事を行い、長寿命化を図っていくこととしております。  なお、機能診断の実施時期については、ポンプを運転した時間や回数などにより、部品の劣化状況や機能低下に至る期間が異なることから、施設の状態を日頃から把握している管理者に聞き取りを行い、決定しております。  県といたしましては、今後とも適切な時期に機能診断を実施し、施設ごとに必要な対策工事を行うことで、地域にとって重要な農業用排水機場の機能の維持に取り組んでまいります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 130: ◯四十番(寺西むつみ君) 本日はこれをもって散会し、三月九日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 131: ◯議長神野博史君) 寺西むつみ議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 132: ◯議長神野博史君) 御異議なしと認めます。  三月九日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時四十九分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...