7:
◯要望(
平本委員) 2つの部局にまたがってこれを進められるということですが、横の風通しがいかがなものか、現時点でははかりかねますが、連携を密にしてやっていただきたいということを要望しておきます。これは平成28年度の資料ですが、広島県の健康寿命は、男性が71.97歳で全国27位、女性が73.62歳で全国最下位となっており、全国の平均寿命との差は男性が8.63年、女性は倍近い13.71年という開きがあります。これを一刻も早く改善していかないと医療費の増大にもつながります。健康でなくなると誰かの世話にならなければならず、気兼ねしながら生きていかなければいけない。人間として生きるのに遠慮するようなことにもなりかねませんので、そういう人が1人でも少なくなるよう、平均寿命との差が少しでも縮まるよう取り組んでいただきたいと思います。計画では項目としては2番目にありますが、私は国と一緒で1番目にあってもいいと思っていますので、それをお伝えして質問を終わります。
8:
◯質疑(瀧本
委員) 2点お伺いしたいと思うのですけれども、現行の計画と次期の計画の関係についてまず確認させていただきます。次期計画の今後の取り組みの方向性として第1期計画で取り組んできたスポーツ振興に引き続き取り組む云々とか、先ほど
平本委員からありました健康寿命についての記述があるのですけれども、例えば現行計画の中には4つの施策があると思います。1つ目としては地域スポーツの推進、そして2つ目として競技スポーツの推進、3つ目として人材の循環、さらに4つ目として環境整備とあるのですけれども、これら4つをひっくるめてスポーツ振興と捉えていいのか、お伺いします。
9:
◯答弁(
スポーツ推進課長) 現行のスポーツ推進計画につきましても国のスポーツ基本計画を参酌してつくっております。今言われたように4つの柱でできておりまして、現行の計画では重点をどこに置いたのかという視点になると思います。結果的には、地域スポーツと競技スポーツに重きを置いた計画になっていると思います。
10:
◯質疑(瀧本
委員) 今、地域スポーツと競技スポーツに重きを置いたということですけれども、それでは、次期計画の中に地域スポーツ、競技スポーツに関して、現行計画にある記載がなくとも現行計画を踏襲していくと理解していいのですか。
11:
◯答弁(
スポーツ推進課長) そのとおりでございまして、4つの政策目標を前回お話ししたと思います。まず、わかりやすいのが政策目標IIIの競技力の向上という項目です。
政策目標IIについては、スポーツを通じた健康寿命の達成とスポーツ参画人口の拡大ということで、地域スポーツとは少し言葉は変わったのですが、健康寿命などをプラスアルファした形でこの政策目標IIのほうへ記載させていただいております。
12:
◯質疑(瀧本
委員) 踏襲しているということですので、それを踏まえて1点確認させていただきますけれども、現行計画の中に先ほど申し上げました人材の循環というものがあります。これは簡単に言うと地域スポーツで育った方がそれぞれ研さんを重ねてアスリートになっていく。そして、最終的に伸びた方はトップアスリートになるわけですが、その方々がある意味競技人生を終えて引退された後に後進の指導に回っていくというすごくいい図が現行計画には記載されています。人の循環のところに補足として地域スポーツと競技スポーツの人材の好循環の創出と書かれているのですけれども、この部分についてのこれまでの取り組み、さらにはそこから生まれた課題といったものをお伺いしたいと思います。
13:
◯答弁(
スポーツ推進課長) 現行計画の実施状況、成果と課題ということでお話しさせていただきたいと思います。今、
委員から御指摘がありましたように、指導者の確保というのは非常に重要な視点でございまして、実際のところ指導者が足りていないのが現状でございます。人材の循環システムの確立ということで、現計画の中に記載しております。
この中で取り組みとして、例えばトップアスリートを教員として採用することを検討するなど、そういう仕組みをつくっていきたいという項目があります。これにつきましては平成28年度から教員の免許を持っていなくても特別免許を授与して採用するという制度を教育
委員会で創設しております。特別選考に当たっては、全国の大会で3位以内が一つの条件でございます。平成28年度から3年間やっていますけれども、5~6人程度が毎年採用されている状況でございます。これは成果であると考えております。
14:
◯要望・
質疑(瀧本
委員) 教員の特別選考ということで毎年5~6人を採用しているとのことですので、これまで20人弱ぐらいが採用されていると思います。この取り組みは、非常にいい取り組みだと思います。県内で育った人たちがしっかりと競技に打ち込んで、そこで得た経験、知識を後進に引き継いでいくという非常にいい取り組みだと思うのです。今、成果でおっしゃったのは、教員の特別選考の部分しかないのですけれども、現行計画では民間も含めてということだったと思うので、ぜひ民間のほうにもお願いしていただきたいと思います。アスリートを雇用するということになりますので、企業にとってメリットのあるような施策、要は受け皿をつくるというのが一番のポイントだと思うのです。競技人生を終えるとあとは知りませんではなかなか広島県に帰ってくることもないと思います。例えば、私は少年野球に携わっていますが、子供たちは一生懸命やっていて、ある一定のところに来ると将来どうなるのか考えます。プロになって御飯を食べられれば一番いいのですが、そういう人は一握りでありますので、そこまで行かなくとも収入が得られるとか、御飯が食べていけるといった仕組みを本県独自でもつくっていかないと、優秀な人材、選手もですが指導者も待遇のいいところに逃げていくのは、世の常だと思います。現行計画を策定したときは教育
委員会でしたが、今回は知事部局に所管が移っており、スポーツを活用して地域を活性化、まちづくりをしていこうということのようですが、受け皿づくりについてもお願いしたいと思います。
もう一つは、かねてからお話をさせていただいております環境、ハードについてお伺いしたいと思います。
先ほど課長から県の施設に関する記述を今回追加しましたという説明をいただきました。前回御説明いただいたときにはなかったわけで、今回入れていただいたこと、それから特に県総合グランドなどですが、それぞれの施設の機能維持とか充実に取り組んでいただいていることには敬意を表したいと思います。しかし、これはあえて一緒にしたのかどうかわからないのですが、現行計画と次期計画の記述の表現がほぼ一緒なのです。例えば、総合グランドを一例に挙げると、あそこはいろいろな規制があって、不備な部分については改善していくという方向性を当時の教育
委員会は示していたのですけれども、では、今後どうしていきたいのかといったところに今回もう少し踏み込めなかったのか。もし、表現はそうなっているけれども、今後こういうしていきたいということを今語っていただけるのであればぜひともお伺いしたいと思います。
15:
◯答弁(
スポーツ推進課長) まず、先ほどの指導者のところの続きでございますけれども、指導者のUIJターンについて、関係団体と連携して企業にしっかりお願いしていくという取り組みを4月からやっていくことになっております。
次に、今の施設のお話につきましては、36ページに県立の既存施設についての改修といった部分を記載させていただきました。
また、新たなにぎわいづくりのために施設等を検討するに当たってはどうするべきかという点につきましては、22ページに地域のにぎわいづくりの視点を取り入れた複合型施設等の視点も取り入れていくといった形で記載させていただきました。
16:
◯要望・
質疑(瀧本
委員) 人の関係で言うと今おっしゃっていたように4月からまた新たな取り組みを行っていただけるということなので、ぜひともその部分はお願いしておきたいと思います。また、施設に関しては新たに検討していくということですので、5年後にまた同じような表現にならないように、少なくともそこから先はこういう展望があるというようなものにしていただきたいと思います。これはスポーツ施設をよくしてくださいと言っているだけではなくて、広島の魅力、まちの魅力づくりにつながっていくと思います。スポーツというカテゴリーですが、今回から所管が地域政策局に移っているわけですので、ぜひともお願いしたいと思います。
局長、何か意気込み等はありますでしょうか。
17:
◯答弁(
地域政策局長) 今回の計画においては、いろいろな視点から御意見をいただく中で定めていくわけですけれども、具体的な取り組みということで記載させていただいています。
これからもこの計画に沿って実施していくのは当然ですけれども、ここに書いていないからといってやらないわけではございません。そういった意味では所管が知事部局になりましたので、先ほどおっしゃったまちづくり、にぎわいづくりの観点からそういった施設についてはしっかりと見直しなり、また新たなものは考えていきたいと思っています。
18:
◯質疑(
宮崎委員) それでは、スポーツを通じた地域・経済の活性化についてお伺いしたいと思います。
このたびスポーツを通じた地域・経済の活性化を政策の柱として、例えば北海道北見市のカーリングのように特定のスポーツ資源を活用して地域づくりに取り組むことだと伺っております。特定のスポーツが地域の人々に愛され、地域に根づくには、気軽にそのスポーツができる環境が必要であり、また相当の年月を要するものだと思っております。
そこで、成功に導いていくためには、市町に対してスポーツビジネスなどの専門的なアドバイスに加え中長期的にさまざまな支援を行っていく必要があると思いますが、この点はどのようにお考えでしょうか。
19:
◯答弁(
スポーツ推進課長) このたびの計画素案では、地域資源と呼べるスポーツを活用した地域づくりについて、先ほど変更点で申しましたけれども、17ページ、18ページに記載しております「わがまちハートスポーツ」といたしまして地域の取り組みを支援していくこととしております。
今後の「わがまちハートスポーツ」の推進に当たりましては、まずは県内における取り組み状況等を把握しまして、市町との情報共有を図りながら来年度中には県の推進組織としてスポーツコミッションを設立し、コミッションの事業として市町をしっかり支援してまいりたいと考えております。
この支援につきましては地域のスポーツ資源の発掘や地域の取り組みに対する専門家による助言などを考えておりますけれども、具体的な内容につきましては、このコミッションの中で整理したいと考えております。
20:
◯要望・
質疑(
宮崎委員) 「わがまちハートスポーツ」ということで、広島県では世羅町の駅伝、北広島町のソフトテニスといったものがあるわけですけれども、そのコミッションの中で市町をしっかりと支えていく推進体制を構築してもらいたいと思います。
それから、ボルダリングや自転車BMXなどのアーバンスポーツについては、トップアスリートの育成や、競技人口の裾野拡大を図り経済の活性化につなげる狙いがあるようですけれども、大きな経済効果を生み出していくためには、スポーツを見に来るだけではなくて、関連スポーツ用品の製造あるいは販売、そして練習施設や教室などの経済的な視点に立った産業の拡大を図る必要があると思いますが、この辺はどのようにお考えでしょうか。
21:
◯答弁(
スポーツ推進課政策監(
東京オリンピック・
パラリンピック担当)) アーバンスポーツでございますけれども、欧米の若者を中心に高い人気を獲得している新興スポーツでございます。2020年の
東京オリンピックでは、新たに4競技、4種目が追加されるなど今後、世界的なスポーツの裾野拡大に貢献することが期待されていると思います。
一方で、日本国内ではアーバンスポーツの認知度はまだ低いという現状がございます。全国に先駆けてこのような新しい取り組みに初期の段階から携われるということは、本県にとって大きなチャンスと考えております。日本アーバンスポーツ支援協議会と連携して、FISEの継続的な開催とアーバンスポーツ・アカデミーの誘致に取り組むこととしております。これらの取り組みを通じましてアーバンスポーツの認知度の向上と競技人口の拡大を進めることで、まず広島がアーバンスポーツの聖地として国内外で認められて、多くの若者にアーバンスポーツに興味を持っていただくことが重要だと思っております。
その上で大きな経済効果を生み出していくためには、例えば民間の練習施設が県内各所に開設されるでありますとか、用具メーカーが県内に進出してくる、アーバンスポーツ用品がどこでも手に入るというような環境を整えてまいりたいと思っております。
委員が言われた産業といった観点につきましてもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
22:
◯要望(
宮崎委員) アーバンスポーツは今からまだまだ認知度が高まってくると思っておりますし、先ほどおっしゃった関連スポーツ用具の製造とか販売、あるいは練習施設の開設などの産業拡大、経済活性化についても推し進めてもらいたいと思うわけです。
また、少子高齢化が進行する中、地域の閉塞感を打開する上でもスポーツを通じた地域・経済の活性化には大変期待しておりますので、頑張っていただきたいと思います。
しかしながら、この地域活性化、経済の活性化は多分野に広くかかわるため、成功への道のりは容易でないことは承知しております。まずは県庁内の推進体制を構築して、市町やスポーツ団体、経済界などとも最終的なゴールイメージを共有してロードマップを描きながら取り組んでいただくようお願いして終わりたいと思います。
23:
◯質疑(佐藤
委員) 前回の5年間の推進計画と今回の第2期の計画を見比べて、あらと思ったのが、瀧本
委員も言われたかもしれないですけれども、前の計画は、地域スポーツの振興、ジュニアスポーツの振興、競技スポーツの振興の3つの視点から始まっているのです。
一方、今回を見ると、初めに出てくるのはFISEワールドシリーズ広島、オリンピックにおけるメキシコの事前合宿の受け入れといった国際的なスポーツ大会の開催決定とかといった話ばかりが出てきているのです。教育
委員会から知事部局に所管が移るとこうも変わるのかと思ったわけです。
教育
委員会のときには、先ほど言われたような競技スポーツの話だったり、子供たちの体力とか運動能力の向上ということを最初に取り上げたりしているわけです。これまでのスポーツ計画を見ると、そのことがまず根本にあったと思うのです。それが知事部局になると何か目立つような話がまず出てきて、子供たちの育成はどうなっているのかと思うのです。
もちろん先ほど答弁されたように、大幅に変えるわけにはいかないから、書いているのは書いているのです。前の5年と同じような形では書いています。でも最初の文言を見たら、違うということがここに出ているのではないかと思うのです。競技スポーツ、子供の育成という部分は書いているといってもこれでは不安なのですが、そのあたりについてどう思われますか。
24:
◯答弁(
スポーツ推進課長) 前回の
委員会でもお話をいたしましたけれども、計画の理念として、従来のスポーツ振興に引き続き取り組むとともに、地域振興、健康等の分野との連携云々という形で出させていただいております。
この計画につきましては、現行の計画が平成26年度から5年間ということでございまして、今年度で終わります。来年度から5年間というスパンがございます。平成23年度にスポーツ基本法が成立、地方においてスポーツの推進にかかわって国の基本計画をもとに参酌して地方で計画を作成するよう努めなさいという法律ができました。それに基づいてやっているわけでございますけれども、この上期の5年間が終わった後、当然環境も変わりました。環境が変わったと申しましても今、
委員から御指摘があったように、アスリートの活躍というのは応援する県民に一体感や地域への誇りを生む力を備えているということですから、競技力の向上というのは最も重要であると考えております。そういう意味で、この政策目標の4つの中に位置づけてやっております。
加えて競技力の向上というのは、専ら政策目標のIIIに位置づけられているものだけではなくて、先ほど言いました「わがまちハートスポーツ」の取り組みについても地域がスポーツに力を入れることによって、そこから競技スポーツへつながるという相乗効果があります。この4つの政策がおのおの相乗効果をもたらして、競技力向上にもつながるし、健康長寿にもつながるという思いを持っております。
25: ◯意見・
質疑(佐藤
委員) 書いてあるので、やらないわけではないのでしょうけれども、競技力の向上ということで言えば、目標値は国体の順位ということでやられていますけれども、この5年間で順位がどんどん落ちているわけです。本来であれば落ちているのだから、もっと競技力の向上や、子供たちの育成を充実させるのかと思っていたら、この計画を見るとその反対に行っているような気がするわけです。だから不満なのです。
例えば、競技力向上、小・中・高校と育成した結果、オリンピックに出場した本県ゆかりの選手ということで何名か名前を書かれていますけれども、これを見ているとリオのオリンピックに出場したサッカーの2名はサンフレッチェに所属しているから本県ゆかりの選手にしているわけで、あとホッケーの女子選手5名はコカ・コーラに入っているから本県ゆかりの選手に入れているのでしょうけれども、中高は広島県で育ったわけではないのです。本当に順位を上げるような強化と言うのであれば中高と広島県で育って開花した選手というのが本当の指標になると思うのです。年々こういった選手が少なくなってきているのではないかと思います。
それから、施設の話もありましたけれども、この間、
委員会で岐阜県のスポーツ科学センターに行かせてもらって、いい施設があると思ったのです。岐阜県はスポーツ王国というのを掲げています。広島県ではスポーツ王国は広島県だと思っている方が多いと思います。実際にトップス広島というのがあって、33ページを見ると、トップリーグに参加しているチーム数は全国で1番なのです。こんなにも多くの競技のトップチームがあるというのは、広島県の一番の特徴なのです。関東や関西、福岡県などよりも実は多いのです。そう考えるとスポーツ科学センターみたいなものがあってもいいと思うのですけれども、今まで県立で何か考えられたことがあるのかどうか、お伺いします。
26:
◯答弁(
スポーツ推進課長) 今の岐阜県のスポーツ科学センターについては、高地の環境を活用した国の施策の一つということであります。
本県でも、規模のことはございますけれども、県立総合体育館の中に科学的な視点でアスリートを支援する機能はございます。
27: ◯意見・
質疑(佐藤
委員) 瀧本
委員が言われたように、このトップチームの選手がやめると地元に帰ってしまう、すごくもったいないです。先ほど県の教員採用試験の話があったけれども、5人では少ないです。教員というよりは、外部講師とかでも活躍できる方がたくさんいるわけです。そういった方の、ある意味セカンドキャリアの育成も必要だと思うのです。広島県がこれだけのスポーツチームを抱えているのであれば、それをしないといけない。そういう中で行政が支援できるのは何かということを考えていかないといけないと思うのです。
ちなみにこのスポーツチームの中で自転車のヴィクトワールが載っていないのですけれども、これは何か理由があって入っていないのか、お聞きします。
28:
◯答弁(
スポーツ推進課長) ここに書いてあるのは、資料等をもとにして作成したもので、100%入っているかどうかというのがございまして、今言われた自転車のヴィクトワールは入っていません。
29:
◯質疑(佐藤
委員) プロチームでやっているわけだから、ここに書いてあげればいいのにと思ったのですが、いかがですか。
30:
◯答弁(
地域政策局長) そこはもう1回確認して、間違っていれば訂正します。
31:
◯要望・
質疑(佐藤
委員) もし、間違っているなら、入れておいてください。
あと、障害者スポーツのトップアスリートの戦略的な発掘・育成・強化という部分で、先ほどオリンピックに出場した本県ゆかりの選手というのがありましたけれども、パラリンピックで、ここ数大会で本県ゆかりの選手がいたのかどうか、お伺いします。
32:
◯答弁(
スポーツ推進課長) 今、把握しているところでは、おりません。
33:
◯質疑(佐藤
委員) スポーツの分野で言えば、この障害者スポーツというのがすごく苦しい状況なのです。実はパラリンピックに出た友人がいるのですけれども、その選手は自分で資金をためないといけないということですごく苦労されているのです。一時広島で活動しようとしていたのですけれども、支援が足りなくて違う県に行ったのです。もし活動していれば広島県の初めてのゆかり選手みたいな話になったかもしれません。障害者スポーツは文部科学省ではなくて厚生労働省だというので、一時期それが問題になっていたのです。オリンピックには文部科学省から補助金が入ってくるけれども、障害者スポーツには入っていなかったのです。数年前からこれは変わり始めたのですけれども、県内の障害者スポーツ団体と話をしても本当に苦しい状況なのは確かなのです。
そういった意味で、ここに発掘・育成という形で書いていますけれども、障害者スポーツとなると、大人の方のスポーツが多いので、そういった方々が働きながら競技するのがすごく難しいのです。このあたりをどう把握しているのか、お伺いします。
34:
◯答弁(
スポーツ推進課長) 障害者スポーツの振興につきましては、昨年3月、一般社団法人広島県障害者スポーツ協会が設立されて、県からの支援のもと障害者スポーツの振興、普及・啓発に尽力いただいているところでございます。
35:
◯要望・
質疑(佐藤
委員) この障害者スポーツに関して支援が必要な方々は本当にたくさんおられます。それは練習場とかも含めてお金なのです。例えば、企業がスポーツチームをいっぱい持っているけれども、その中に障害者スポーツも取り入れてもらうといった支援もしていっていいのではないかと思うので、ここは県の施策として、後押ししていただきたいと思います。
最後に、スポーツを通じた環境に配慮した社会づくりの中で自転車の話も出ていますけれども、国では自転車活用推進計画の話が進んでおり、実は私も少し携わっています。国のほうの超党派の自転車活用推進議員連盟というのがあるのですけれども、その会に行ったりしています。広島県ではしまなみ海道でサイクリング大会などをしているので自転車が盛んなように思われていますけれども、向こうに行くとそれは愛媛県がやっているみたいなことを言われて、少しショックだったのですが、しまなみも大事ですけれども、それ以上に広島県では自転車で通勤・通学している人の割合がすごく多くて、まちの中の自転車の環境を変えていこうというのがこの自転車活用推進計画だと思うのです。
それがどうスポーツに関係してくるのかはここに書いてあるだけでは少しわからないので自転車とスポーツがどういうつながりでここに書かれているのか、お伺いします。
36:
◯答弁(
スポーツ推進課長) スポーツの概念につきましては、いろいろな取り組み方があります。その中の一つとして、自転車も健康の増進につながるということで記載しております。
37:
◯要望(佐藤
委員) 私もそうであると思いますし、逆にそうであれば通学・通勤のしやすい環境整備もしないといけないと思います。今後、土木建築局で自転車活用推進計画を策定すると思いますが、それがこのスポーツ推進計画にもうまく取り入れられたらいいと思います。そのあたりを連携してやっていただきたいと思います。
38:
◯質疑(沖井
委員) 初めに、第2期広島県スポーツ推進計画におけるスポーツの定義についてお伺いします。
39:
◯答弁(
スポーツ推進課長) スポーツの定義につきましては、平成23年に施行されましたスポーツ基本法で、個人の心身の健全な発達、健康、体力の保持等を目的とする活動であり、国際的な競技力の向上を通じて国民に誇り、夢と感動を与え、さらには地域・経済の活性化、共生社会や健康長寿社会の実現、国際理解の促進など幅広く社会に貢献する営みという趣旨の広い概念について提示されております。
本県でも現行の計画において、それに沿った形で定義づけを行っているところでございます。
次期計画でもスポーツの概念を幅広く捉え、激しい運動や勝敗を競うものだけではなく、ウオーキングなど過大な負荷をかけなくても誰でも楽しみながら体を動かすことのできる活動も含めてスポーツと定義しております。
40:
◯質疑(沖井
委員) それでは、その定義に基づき具体的にどのような第1期計画の見直しを図っておられるのか伺います。
41:
◯答弁(
スポーツ推進課長) 近年、スポーツの力がさまざまな社会の課題解決に貢献できるという認識が広がっておりまして、平成29年3月に策定されました国の第2期スポーツ基本計画では、中長期的なスポーツ政策の基本方針の一つに「スポーツで社会を変える」を掲げ、スポーツを通じた活力ある、つながりの強い社会の実現に向けて共生社会の実現や経済・地域の活性化等に取り組んでいるところでございます。
本県におきましてもこうした動向を踏まえ、スポーツ振興に重点を置いた内容であった現行計画を次期計画ではスポーツ振興に引き続き取り組みつつ、地域振興、健康等の分野と連携・協働を積極的に図りながら、スポーツを通じた社会の課題解決に取り組むことに重点を置いて取り組むこととしております。スポーツの振興を図るだけではなくて、地域振興や健康増進、多様性が尊重される平和な国際社会の実現にスポーツの力を積極的に活用していきたいと考えております。
42:
◯質疑(沖井
委員) それに伴いまして教育
委員会はもとより他の部局や市町、各種団体との連携・協力が必要となると思われますが、どのように取り組むのかについて伺います。
43:
◯答弁(
スポーツ推進課長) スポーツ推進計画の見直しを行ったことに伴いまして、次期計画で新たに設定した先ほど申しました4つの政策目標のうち、地域・経済の活性化、健康長寿の達成、多様性が尊重される平和で持続可能な社会の実現といった社会が直面する課題に直結する部局横断的な内容となっております。これらの目標は、我々スポーツ推進担当部署のみで実現するものではございません。教育
委員会を初め健康福祉や観光といった庁内の他の部局、市町や各種団体との連携が不可欠であると考えております。今後これらの関係機関と協議を重ねながら、今後求められる取り組みや役割分担などを明確にしながら計画の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
44:
◯要望(沖井
委員) 計画の対象とするスポーツは、競技にとどまらず、散歩や自転車なども含まれており、日常用語としてはスポーツよりむしろ運動に近いものではないかと思われます。
そこで、成果をはかる上でアンケートをとる際など、県民が計画におけるスポーツという言葉の概念を誤解しないよう注意することを要望し、質問を終わります。
45: ◯意見(日下
委員) 私は、今の沖井
委員の
発言に大賛成で、やはりスポーツといいますと一部の方が激しい運動をするというイメージがあります。オリンピックを間近に控えてスポーツの力で平和をつくろうという機運も盛り上がっていますので、今回所管が知事部局に移行して、計画を策定することは非常にタイムリーであると思っております。
その上で、この計画を読ませていただいて、トップアスリートを育成するとともに、やはりスポーツの裾野を広げる、運動人口の拡大というのが非常に大切だと思いました。日常の中に自然に運動が入っていって、それが結果として健康寿命の延伸につながり、だんだんエコ社会の構築につながっていくといった循環ができていけばいいと思っております。
私は、ことしジャイアントの自転車を買いまして、今、自転車で町なかを走っていて、とても気持ちがいいですし、体のために何かいいことをしているという自己満足もあります。計画をつくるに当たっては、県民の皆さんにスポーツの広島、運動する人がふえる広島というイメージをしっかり広げていただきたいと思います。
その上で、多くの方が身近で運動を楽しめる場の拡大、それから運動するモチベーションの上がる工夫が何かできたらいいと思います。私の母は78歳なのですが、毎日平和公園にラジオ体操をしに行っています。毎日ラジオ体操に行くモチベーションは、もちろん自分の健康管理という思いがあるようですが、実は広島市が今年度作成しました高齢者いきいき活動ポイントというのがございまして、70歳以上の方がみずから何かをすることによってポイントを付与して、それが最終的に換金されて、全部いっぱいになると7,000円がもらえます。最後はお金になってしまうのですが、ポイントがもらえるので、地域の皆さんが高齢者いきいきポイントのシートを持って朝早くからたくさんラジオ体操に行かれています。そのうちの1人が私の母でございますが、その姿を見ていましたら雨が降っても何があっても行こうとするのです。気持ちがいいというのと、ポイントをもらって、最後に少しお金が入るというのが非常にモチベーションになっているのだと思いました。広島県の女性の健康寿命が全国最下位という非常に不名誉な順位でございますので、こうやってポイント制度を活用したりすることによってモチベーションを上げるといったような工夫も健康福祉局と連携して県としても考えられないかと思います。
それから、28ページに女性というところでショッピングモール等を活用して運動の場を提供していくとありましたが、そういったヨガとかピラティスは若い女性に非常に人気があります。私もピラティスをしていまして、非常に体にいいと思っています。ピラティス、ヨガをやっている会場では、運動やスポーツという言葉以前に猫背にならないとか、転倒しないといったキーワードを用いて、たくさんの方がちょっとしたストレッチをしておられる場面をよく見かけます。そういったちょっとした言葉の言い方だと思いますが、そういったことも利用しながらこのスポーツというものが広がればいいと思います。
最後にもう一言、ゆるスポーツという言葉を御存じでしょうか。このゆるスポーツは、ルールを緩くして、ハンディキャップを持った人もともに楽しめるスポーツのことを言います。これは本当にスポーツ人口の拡大につながりますし、障害を持った方もそうでない方も一緒のステージで対等にスポーツをしていけるというのが地域の特産品とマッチして非常に全国で話題になっております。
こういったことも活用しながら、先ほど
宮崎委員が言われた産業の活性化については、ニューヨーク・タイムズが出した世界で行くべきところとして日本では唯一、瀬戸内の島々が選ばれたということもあって、観光や産業にもつながるのではないかと思いますので、いろいろな場面でスポーツをキーワードにしながら広島県として大いに広げていっていただきたいと思っております。所感と意見になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
46:
◯答弁(
地域政策局長) 直接のお答えにはならないのですけれども、この4月からスポーツ振興、スポーツ事務を我々地域政策局のほうで担っております。私自身は、今回の計画策定に当たりまして、いろいろ協議する中で、改めてこのスポーツの持つ多様な力、魅力とか可能性というものを非常に感じたところでございます。
また、仕事にかかわっていろいろなスポーツ団体の方々とお話をする中で、行政に対する取り組みについての期待も非常に感じているところでございます。
きょうも含めていろいろと御意見や御指摘をいただきました。その内容につきましては、今回の計画の中では、現状とか、課題とか、具体的な取り組みの方向性などを示させていただいておりますけれども、今後、
委員の皆様方、そして県民の方々、そして関係団体の方々の御意見をしっかりと受けとめながら確かな取り組みとなるよう努めてまいります。御期待に応えるように精いっぱいやってまいりますので、引き続きどうぞ御支援のほどよろしくお願いします。
47:
◯要望(林
委員) 日下
委員が先ほど意見を言われまして、理路整然と全てを言われ感心いたしました。ぜひしっかりと受けとめて、それを反映していただきたいというのが一つです。
それから、これは一つ要望ですけれども、スポーツにはいろいろな種目があるわけですが、その中で施設がなく、やろうと思ってもできない競技が広島県にはまだたくさんあると思うので、予算の関係もあるから一遍にはできないけれども、そういうものを1回洗い出してみて、順番をつけて、少しずつつくっていくということを要望としてお願いしておきます。やろうと思ってもよその県に行って練習をしないといけないスポーツもあるし、国体の種目であっても施設がないということもあります。アーバンスポーツもオリンピック種目になったのだから、やりたい若者もたくさんいると思いますけれども、施設がなかったらできないということがあります。一遍にしなさいとは言えないけれども、その辺を順次計画的に考えてみてください。
(5) 閉会 午後2時40分
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...