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  1. 東京都議会 1998-03-17
    1998-03-17 平成10年文教委員会 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時七分開議 ◯池田委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。  本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、教育庁関係の平成十年度予算の調査並びに付託議案の審査を行うとともに、予算、付託議案に関連する請願陳情の審査を行います。  初めに、予算の調査について申し上げます。  平成十年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長より調査依頼がありました。  公文の写しは、お手元に配布してあります。  朗読は省略いたします。      ───────────── 平成十年三月十六日 東京都議会議長 田中晃三 文教委員長 池田 梅夫殿    予算特別委員会付託議案の調査について (依頼)  このことについて、予算特別委員長から別添のとおり調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。      記 一 調査範囲 別紙1のとおり 二 報告様式 別紙2のとおり 三 提出期限 三月二十日(金)午後五時      ………………………………… (別紙1)
    文教委員会  第一号議案 平成十年度東京都一般会計予算中 歳出 債務負担行為 文教委員会所管 分      ………………………………… (別紙2省略)      ………………………………… 平成十年三月十六日 予算特別委員長 矢部  一 東京都議会議長 田中 晃三殿    予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)  本委員会は、付託された議案の審査に当たって各常任委員会の意見を参考とすることに決定したので、左記のとおり調査の依頼をお願いします。      記 一 調査範囲 別紙1のとおり 二 報告様式 別紙2のとおり 三 提出期限 三月二十日(金)午後五時      ………………………………… (別紙12省略)      ───────────── ◯池田委員長 なお、予算案、付託議案及び請願陳情につきましては、本日は質疑終了まで行っていただき、予算案に対する意見開陳及び付託議案並びに請願陳情の決定は、三月二十日の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。      ━━━━━━━━━━ ◯池田委員長 これより教育庁関係に入ります。  予算の調査、付託議案及び請願陳情の審査を行います。  第一号議案、平成十年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為教育庁所管分並びに第五十二号議案、第五十三号議案及び第五十五号議案から第六十一号議案まで、並びに請願九第一二八号の一、請願九第一九三号から九第一九六号まで、及び陳情九第一四七号を一括して議題といたします。  予算案及び付託議案については、既に説明を聴取しております。  その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。  なお、本日審査する請願陳情に対する理事者の説明は、お手元配布の請願・陳情審査説明表をもってかえたいと思います。  つきましては、請願陳情の上程の際の朗読はいずれも省略いたしますので、ご了承願います。      …………………………………    〔請願陳情審査説明表は末尾に掲載〕      ………………………………… ◯池田委員長 それでは、予算案及び付託議案の要求資料について理事者の説明を求めます。 ◯大久保総務部長 過日の委員会でご要求のございました事前説明にかかわる資料につきまして、ご説明申し上げます。  お手元の文教委員会資料の目次をお開き願います。  今回ご要求のございました資料は、1、公立小・中学校(普通学級)の児童・生徒数、学級数及び教員数についてから、7、トレーニングルームの利用実績(過去五年間)までの七件でございます。  それでは、一ページをお開き願います。  1、公立小・中学校(普通学級)の児童・生徒数、学級数及び教員数についてでございます。  (1)は、昭和五十四年度の公立小中学校の全都及び目黒区、大田区、豊島区、調布市の児童生徒数、学級数、教員数をお示ししてございます。  同様に、(2)は平成三年度、二ページに参りまして、(3)は昭和六十年度、(4)は平成六年度、三ページに参りまして、(5)は平成九年度につきまして、それぞれ児童生徒数、学級数、教員数を小学校、中学校別にお示ししてございます。  三ページ中段の(6)、平成九年度を三十人学級とした場合の学級数についてでございます。平成九年度の学校基本調査をもとに、平成九年度に公立小中学校で三十人学級を編制した場合に想定される学級数を算出し、お示ししたものでございます。  四ページをごらん願います。  2、都内公立中学校卒業者の推計(学区別)でございます。各学区ごとに、卒業見込み者数を平成十八年度までお示しするとともに、平成八年度の卒業者数を一〇〇とした場合の各年度の指数を下段にお示ししてございます。  なお、表の下の注意書きの1に記載してございますように、平成八年度の卒業見込み者数につきましては、平成九年三月に都内公立中学校を卒業した生徒数でございまして、実数でございます。  六ページをごらん願います。  3、平成九年度学区別都立高等学校規模(全日制課程)及び実施計画対象校でございます。六ページから一一ページにかけまして、学区別に各高等学校の規模をお示ししてございます。  なお、全都募集校の欄に丸印がついております学校または学科が、全都募集を行っている高等学校でございます。  また、実施計画対象校の欄に丸印がついております高等学校が、都立高校改革推進計画における実施計画の中で対象校となっております。  一二ページをごらん願います。  4、都立高等学校、盲・ろう・養護学校の改築実績(過去十年間)でございます。昭和六十三年度から平成九年度までの改築実績を、都立高校と盲・聾・養護学校別にお示ししてございます。  一三ページをごらん願います。  5、文化・スポーツ施設使用料値上げに係る要請についてでございます。一三ページは文化施設、一四ページはスポーツ施設につきまして、使用料値上げにかかわる要請についてお示ししてございます。  なお、本表の作成時点は平成十年三月六日でございます。  一五ページをごらん願います。  6、東京文化会館東京芸術劇場の利用実績(過去五年間)でございます。東京文化会館及び東京芸術劇場につきまして、各ホールごとに利用回数を、平成五年度からお示ししてございます。  なお、平成九年度の実績は、平成十年一月三十一日までの利用回数でございます。  一六ページをごらん願います。  トレーニングルームの利用実績(過去五年間)でございます。東京体育館外五施設につきまして、平成四年度から平成八年度までの利用人数をお示ししてございます。  以上簡単でございますが、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ◯池田委員長 説明は終わりました。  これより予算案、付託議案及び請願陳情について質疑を行います。  発言を願います。 ◯黒須委員 二点についてお伺いいたします。  まず一点は、つい先日、新聞に出ておりましたが、栃木県の鹿沼市の中学校で中間、期末テストを全廃するというようなことが報道されて、大変センセーショナルな話題になったわけであります。中学生の子どもを持つ親のほとんどは、驚きと同時に、当然のことながら戸惑いも感じているわけでありますけれども、私は、中間、期末テストというのは、生徒の日々の学習の成果というものを評価するために、すべての中学校で従来から実施されてきたというふうに認識をしているんですね。多くの保護者は、いろいろ話を伺ってみても、自分自身の体験からも、もし中間、期末テストがなくなったら、どうやって成績がつけられるのか、テストがなくなったら学習意欲がなくなって、学力が低下するんではないか、そういうような疑問を持っているんじゃないかというふうに思うんです。  そこで、お尋ねをいたします。東京都の中学校の中で、これまでに中間、期末テストを廃止した学校はあるのか、また、廃止を検討している学校があるのか、お伺いいたします。 ◯蛭田指導部長 現在、東京都におきましては、中間、期末テストの廃止を検討ないしはしているというところにつきましては、聞いておりません。 ◯黒須委員 もし中間、期末テストがなくなったとしたときに、どんな問題点が予想されるんですか。 ◯蛭田指導部長 いわゆる中間、期末テストは、一定の学習期間を経た後に総括的に評価し、それがこの後に、調査書等に連動していくわけでございます。したがいまして、中学生が計画的に学んだ成果を評価される機会がなくなるということは、学習計画などに戸惑いを生ずるというような問題があろうかと思います。 ◯黒須委員 私は、東京都の中学校において中間、期末テストが廃止されるようなことがあってはならないというふうに考える立場なんですけれども、中間、期末テストを廃止することについては、都教委はどのように考えているんでしょうか。 ◯蛭田指導部長 中間、期末の廃止等にかかわる権限は学校長に属しますが、しかし評価のあり方は、先ほど申し上げましたように多くの影響を与えますので、当然教育委員会あるいは保護者とも十分話し合わなきゃならないものと、こういうふうに思っております。 ◯黒須委員 学校が判断をすることではあるけれども、都教委としては好ましいと思ってないと、こういうことですね。わかりました。  もう一点なんですけど、実は青年の家の問題、これは私は重要な問題だというふうに思っているんですけれども、青年の家は二十三区に一カ所、多摩地区に六カ所、今あるわけですね。お聞きをするところによりますと、現在の葛飾の水元のものは壊して夢の島へ移す、そして規模を拡充すると、こういうことだそうです。実は問題なのは多摩地区なんですよね。多摩地区に現在六カ所あるわけですけれども、これも全部壊してしまって──それはいろいろ事情があることは承知をしてます。ただ、全部壊してしまって、どこか一カ所に統合するというようなことでありますけれども、これは基本的にどういう考え方からそういうことになったんでしょうか。 ◯井出生涯学習部長 青年の家でございますが、東京都社会教育委員の会議の助言に基づきまして、現在ある七カ所の青年の家を再編いたしまして、区部と多摩地域に一カ所ずつ、それぞれ特色のあるユースプラザを建設するというものでございます。  あわせまして青年の家につきましては、今後、青少年の施策の充実であるとか施策の効率的な運営やサービスの向上を図りまして、幅広い都民の利用ができるように努めていきたいと思いますが、ユースプラザにつきましては、宿泊しながら体験活動や交流活動ができるという施設でございまして、区部と多摩それぞれの特色を生かして、都内全域から青少年を中心とする多くの都民に利用していただこうという考え方に基づいております。 ◯黒須委員 ユースプラザというのは、今後は青年の家の運営をユースプラザという名前にするということですね。そういうことなんですよね。違うんですか。 ◯井出生涯学習部長 現在、計画段階の名称でございまして、ユースプラザという正式な名称にするかどうかはまだ決まっておりません。要するに、構想としてユースプラザという構想を打ち上げたということです。 ◯黒須委員 実は率直に感じますのは、多摩地区というのは、東京都の施設というのが非常に少ないんですよね。どちらかというと、例えばバブルのときにいろいろ計画をされましたけれども、つくられたのはまず二十三区。そして多摩地区に計画をされたものというのは、ことごとくバブルの崩壊以降になってしまって、これが実はとんざしてるわけですね。  そういう点で、平素から多摩地区への都の施設というのは少ないなというふうに感じていたところへもってきて、現在あるものすら、今六カ所あるわけですよね、それを壊してしまって一カ所で、二十三区一カ所で多摩地区一カ所でいいじゃないか、そういう考え方なんでしょうけど、二十三区の場合は交通網が十分に発達をしていて、地下鉄なんかも網の目のように整っている、こういうことですよね。どこへつくっても、そう不自由なく行きやすいわけですよ。多摩地区の場合には、そうじゃないわけですよね。よく議会でも論議されるように、特に南北間の交通網というのは十分じゃないわけです。ですから、中央へ出ていくのはそれぞれ放射状に出ていけるけれども、南北へ移動するというのは非常に困難なんですよ、実態は。それはご承知だと思うんです。  そういう中で、簡単に二十三区一カ所で、多摩地区も一カ所にしますよというのは、僕は乱暴過ぎると思うんです。大体都の施設を、数少ない都の施設であるにもかかわらず、これを廃棄をしてしまう。こういうことについても私は非常に不快感を持っているし、井出部長は、今まで生文でユース・ホステルの担当をしてましたよね。実は私、八王子なんですけど、ユース・ホステルも昨年、これは廃棄をしたわけですよ。ユース・ホステルも、東京都には二つしかなかったわけでしょう。飯田橋の国際と、それから八王子の高尾ユース・ホステルと。  その高尾ユース・ホステルを廃止をするときに、私も、これは廃止されては困るということで、だって一年間に一万人から使ってるんですから。毎日、三百六十五日ならしたって、一日三十人以上使ってたんですから。それを稼働率が悪いというようなことで、昨年壊しましたよね。それは稼働率が悪いといっても、私、その発言というのは非常に問題を感じてたんですけれども、この前飯田橋へ行って、初めてそれがわかったんです。飯田橋は、これは駅の上にあるんですから、非常に立地もいいわけですよ。八〇%の稼働率というふうに聞きましたね。実際、ホテルなんかでも話を聞いてみると、七〇%といったら、もういつも満室なんだそうですね。八〇%といったら、もうこれは驚異的だそうです。それは場所がいいわけですから、当然そういうことになるわけです。  あちらは稼働率がいいんだけれども、高尾の方は稼働率が悪いからというふうにいわれましたけど、やはりああいうのを見てみると、比較をすること自体が私は適切じゃないというふうに思いますし、実数として年間一万人以上使ってたというようなことを考えると、これは私、納得いかなかったんですよ。建物そのものも、あれはもう四十年ぐらい前につくったものですよね。窓には鉄格子がずっと入ってて、牢屋みたいな建物でしたよ。当時と今と社会環境が違うから、今はみんな学生さんだって、一人で入ってるようなとこでしょう。個室を使うというか、ワンルームマンションみたいなところをよく使いますよね。下宿なんていうのは、今、余りはやりませんよね。当時はあれでよかったんでしょうけれども、あの当時の定数ですからね。二段ベッド、三段ベッドなんかを使って、そして定数もかなりの数字になってましたけど、あれをあのまま定数とうのみにするのは、私は非常に無理があったというふうに思うんですね。にもかかわらず、そういう理由で昨年廃棄をしてしまった。これは地域に対しても、年間一万人以上の人たちが来て、泊まっていたのにもかかわらず、廃棄をしたというのは、やはり地域への経済波及効果というのも大きなマイナスだったんだと、私はそう思ってます。その上に、今度は八王子の青年の家も壊してしまう、こういうことですよ。自分の田に、別に私は水を引くつもりはありませんけれども、今度六カ所壊して、一カ所どこへつくるのかまだ決定をしてないようですけれども、ただ私は、多分、壊してつくろうというんですから、どこかやはり前提にしているところがあると思うんですよ。今の状況では発表できないかもわからないけれども、ただ、その場合、まず工事ありきで、それに理由をつけていくというようなやり方は、私は好ましいやり方じゃないと思うんです。そういう点で、私はこの問題というのは非常に重要だと思っているんです。一つは、先ほど申し上げましたように、二十三区に都の施設が十分に整っているというか、それに比較をして、多摩地区は非常に薄いと。それにもかかわらず、またそれを壊してしまう。これには納得いかない。  それからもう一つは、立地性というようなものも当然考えてやってもらいたい。先ほど申し上げましたように、多摩地区というのは非常に広いわけです。ですから、そういう点も私は十分に考慮をしていただきたいというふうに思うんですけれども、その点いかがですか。 ◯井出生涯学習部長 多摩地域の建設候補地でございますが、多摩地域につきましては、野外活動型施設にふさわしい広さの敷地、あるいは周辺の豊かな自然環境、さらには交通機関によるアクセス等の要件が求められておるところでございまして、先生ご指摘の点も十分に踏まえまして、慎重に検討し、建設候補地を決定していきたいというふうに考えております。 ◯黒須委員 候補地が全然なくて進められるんですか。候補地がなくて──だって、もう十年度には壊し始めるんでしょう。それでまだ候補地も決まらないというのは、ちょっとおかしいんじゃないですか。 ◯井出生涯学習部長 現在、幾つかの候補地といいますか、野外活動型施設として用地を確保するために、かなりの広さの敷地が必要でございます。今日の財政状況の中では、なかなかそれを購入して建てるというわけにはいきませんし、そういう関係で、現在都が持っている土地でかなりの広さのもの、条件を満たすものということで検討しているところでございます。先生ご指摘のように、なるべく早く候補地については決定したいというふうに考えております。 ◯黒須委員 私は、一つは、先ほどユースの例を話しましたけど、やはりリストラ策の一つだと思うんですね。私は、財政が苦しいからリストラしなきゃいけないって、基本的にはわかるんですけれども、やはり事と次第だと思うんですね。何でも同じように考えるべきじゃないと思うんですよ。青少年の健全育成というのは、私は東京都の政策の柱の一つでもあると思うんです。そういう観点から、例えばユース・ホステルであるとか、あるいは青年の家なんかですね、青年の家をこのまま存続させればいいということじゃないですけど、考え方として、私はもっと大事に扱っていただきたいと思うんです。  例えば八王子なんかの場合では、どのくらい使ってるかというと、年間九千人ぐらいの人が使ってますよね、昨年でも。八王子は今、二十一大学あります。そこに来てる学生さんが十万六千人います。八王子が、町の政策の一つとして学園都市づくりというのをしているのを、部長ご存じですか。 ◯井出生涯学習部長 八王子市が八王子21プランという中で、大学によるまちづくりを都市機能の重要な柱と位置づけて計画していることは、承知してございます。 ◯黒須委員 別に誘致をして大学が来られたわけじゃないですけれども、いろんな大学が、今二十一もあるんですよ。一つの町にそれだけ大学がそろっている、集中しているというのは、世界でも例を見ないんだそうです。そういう中で、八王子の町も、まちづくりの政策の一つとして学園都市づくりというのをやってるわけですよ。ですから、駅前の再開発ビルに学園都市センターなんかもつくって、学生と、あるいは大学と町との交流といいますか、まちづくりのために寄与していただこうと、そんなことからやっているわけですけど、この青年の家もやはりそういう意味で、私も呼ばれて何回か行ったことがあるんですけれども、いい施設だなと思ってました。  ただ、四十年近く前につくった木造ですから、雨漏りはするし、床はきしむしというようなことで、それから場所的にも、つくりといいますか、林の中につくってありますから、湿気も多かったし、そういう点でいろいろ問題があって、もうこれは限界だなというふうに思って、ぜひいいものをつくっていただきたいなというふうに思ってたわけです。そういう地域の特性というものを生かしたり、あるいはまた、例えば八王子がそういうまちづくりをしているならば、それを東京都というのは応援をし、育成をするということも必要なことじゃないかというふうに思うんですね。そういう観点からも、この候補地選びというのは、十分慎重に私はやっていただきたいというふうに思うんです。  どこかに用地ありきというところでこの計画がもし進んでいるとしたら、私は、それは間違いだというふうに思います。十分に慎重にやっていただかないと、私はこの問題については賛成できませんよ。到底賛成できるものじゃない。このことだけは申し上げておきたいと思います。 ◯かち委員 都立学校の入学金の新設などについてお聞きします。  今度の条例改正で、都立高校の入学金の導入と高等専門学校の授業料の値上げが出されておりますが、まず、入学金の新設が必要だとする理由を述べてください。また、算定の根拠についても述べてください。 ◯加島学務部長 都立高校の入学料でございますが、ご承知のとおり国の地方交付税におきまして、授業料や入学考査料と同様に、受益者負担の見地から地方公共団体が徴収するものとして算定されているところでございます。都におきましては、これまで、父母負担の軽減を考えて導入を見送ってまいりました。しかし、生徒が入学するに当たっては、入学手続事務等一定の経費がかかっているところでございまして、これは都税で負担しているところでございます。  また、都内の私立学校あるいは東京都の他の学校が入学料を徴収していること、また、他の自治体を見ましても、入学料を徴収していない県が非常に少ないということ、このような中で、入学料の徴収につきまして都民のご理解をお願いしたいということでご提案したところでございます。  また、額の設定でございますが、全日制、定時制、通信制について額の設定をしておりますが、これは地方交付税の算定基準を参考にしているところでございます。 ◯かち委員 地方交付税を算定基準にしているということと、それから受益者負担を基本とするということなんですけれども、憲法や教育基本法や、そして今の世界の流れからいって、今、東京都が導入しようとする、受益者負担を新たにかけようとすることは、私は全体の流れに逆行するものではないかと思うんです。  今、世界ではどうなっているかということですけれども、一九六六年に国連で採択された国際人権規約によりますと、あらゆる教育の無償化が国際合意として定められていますね。八九年には、国連で採択された子どもの権利条約でも、中等教育の無償性やすべての者に対して高等教育を利用する機会が与えられる、こういうことが決められているんです。ですから、世界の流れとしては、教育を無償化で、もっとすべての子どもたちに保障していく方向に向かっていると思うんですね。  最近のイギリスやフランスなどでも、とにかく教育は重要課題として位置づけるといっております。イギリスのブレア首相などは、イギリスでは三つの優先課題があるといっておりますが、その三つとも、教育、教育、教育ということで位置づけています。アメリカのクリントン大統領も、昨年の二月の一般教書の演説で、すべての米国人に世界で最良の教育を受けられるように保障することである、こういうふうに述べてます。ことしの一月には、これは直接的にはこれと関係ありませんけれども、小学校の一年生から三年生までの人数を十八人──十万人の教員採用増を提案しているというふうな動き、流れがあるわけですね。そういう中で今東京都がやろうとしているのは、今、全国的に見ても非常に不況で厳しい、こういう生活難の中での新たな導入というのは、とても認められる状況ではないと思うんです。  公立高校の入学金について改めてお聞きしますが、今現在、取っていないところはどことどこですか。 ◯加島学務部長 全日制では、東京都と山梨県でございます。 ◯かち委員 東京だけではなくて山梨県も、今なお取らないで頑張っているという事実があるわけです。ほかが取っているからということで、何も横並びにすることはないと思うんですね。東京都が今日まで入学金を無料で頑張ってきたということは、憲法の精神からしても非常に誇るべき施策だと思うんです。これはぜひ続けていくべきだと思います。
     教育委員会としても、生活文化局としても、いろいろ教育費の父母負担がどうなっているかという調査をされていますよね。私の手元にある資料によりますと、平成八年の三月に発表した生活文化局の資料によりますと、教育に要した費用が一世帯当たりの消費支出全体の中ではどのくらいかというと、二三・八%になっています。これが、子どもが一人、二人、三人、四人とふえていけばいくほど、多く、重くのしかかってくるわけですが、ちなみに四人ならば二八%、三〇%近い生活費の中に占める教育費、こういうふうな重い負担になっている現実があるわけです。教育費といっても学校に払うお金ではなくて、補助修学費といって、塾だとか教育の補習にかかる費用も一時は非常に多くなっていたんですが、最近では、補助教育費よりも学校に直接払う費用の方が非常にふえているというデータになっています。  そういうことを見ても、いかに今の一般世帯の中で子どもの教育費が重い負担になっているかというのはご存じだと思うんですけれども、こういう調査をされて、改めてここで入学金を徴収するという、新しく導入するということを決断される根拠は、データと根拠性が一致しないと思うんですよ。それは計算上はそうなるかもしれませんけれども、都民生活実態から見てどう検討されたのか、もう一度お聞きします。 ◯加島学務部長 入学料を全日制で五千五百円を設定するということでございますが、これは入学のときに一回限り支払うものであると、そうした性格を持っているものでございますが、受益者負担の適正化という観点で、受益を生ずるところからは一定の負担をしていただこうということが一つございます。  そして、先ほども申し上げましたように、他のいろいろなところを見ても、その受益はそれぞれされているということがございますから、そうした意味では公平性という観点もございます。そしてまた、入学料がどうしても支払えない、そういうような状況にある生徒が、あるいは家庭がある場合については、一定の減免措置を講ずる考えでおります。 ◯かち委員 受益者負担受益者負担といわれますけれども、私たちが納めている税金は、福祉や教育、安心して生活でき、そして子どもたちの教育を保障していきたいという思いで税金を納めているんですよね。それでまた、受益をするところからお金を取るということは、税金の二重取りともいえると思うんですよね。ですから、それはほんとに当たらないと思うんです。今おっしゃいました、今の厳しい中で、授業料の減免とか減額の措置をとられているということですけれども、では、この五年間の推移はどうなっていますか。 ◯加島学務部長 授業料の減免の人数でよろしゅうございますか。 ◯かち委員 パーセントですね。 ◯加島学務部長 生徒数に対して、減免率といいますか、免除率は、平成四年度が一・八%、平成五年度が一・八九%、六年度が二・〇三%、平成七年度が二・三二%、平成八年度が二・四〇%でございます。  減額の方は、平成四年度は〇・二九%、五年度は〇・三三%、六年度は〇・三六%、七年度は〇・四五%、八年度は〇・五二%でございます。 ◯かち委員 今おっしゃられたように、この五年間だけを見ても、着実に毎年毎年、減免や減額を必要とする生徒がふえているということですよね。それだけ家計は、教育費が厳しくなっているということをあらわしていると思うんですよ。今おっしゃられた数字を平成四年と八年で比較しますと、減免者は一・三倍、減額者は一・八倍というふえ方をしてるわけですよね。  そういうことからしても、一回きりといっても、その入学金の重みというのは非常に家庭には大きく響くということなんです。今回の値上げが、都民の立場から、まともな検討がされたとはとても思えません。消費税のアップなど政府の誤った政策で、今、本当に都民の生活は苦しくなってます。こういうときに、授業料の値上げを含め、今回のような値上げは、全く認められません。都立学校がこれまで入学金を取ってこなかったことは一つの見識であり、誇りなのです。私たちはそういうふうに思ってます。それを投げ捨てるようなことはすべきでないということで、私はこの計画の撤回を求めて、質問を終わります。 ◯藤井委員 私は、大きく三点についてお伺いしたいと思います。  まず、第一点目は、今も質問にありましたが、都立高校の入学金の問題であります。  東京都には今、公立高校と私立高校、二種類があるわけですが、都民のお子さんは、都立、私立、それぞれ自分の希望に従って進学をされております。公立高校であります都立高校と比較しまして、私立高校の方が保護者の負担する費用というのは多いというふうに思いますけれども、では、具体的に平成十年度入学生の費用負担を比べてみて、私立と都立高校とはどう違うのか、まず、その点についてお伺いいたします。 ◯加島学務部長 私立高校と都立高校の学費の比較は、ちょっと難しいところもございます。各私立高校、それぞれ学校の特色を生かした学校徴収金を取っておりますが、ここでは、一般的な学費について比較をするということでお許しいただきたいというふうに思いますが、総務局が平成十年度の費用を調べております。平成十年度の平均でございますが、入学生から徴収を予定している金額でございますが、入学料が約二十三万九千円、授業料が約三十七万四千円、それから施設費等でございますが、約十八万四千円、合計で七十九万七千円というふうになっております。  都立高校の場合は、授業料だけの徴収でございますので十万四千四百円ということで、私立高校の方が約六十九万三千円多いと、このようなことでございます。 ◯藤井委員 そういう私立と都立の差があるということですけれども、それでは、今回、教育庁が都立高校からも入学金を徴収したいという案が出ておりますが、東京に隣接します千葉、埼玉、神奈川、それぞれ県立高校があると思いますけれども、その入学料、平成十年度は幾らになっているのか、お伺いいたします。 ◯加島学務部長 平成十年度の三県の全日制の入学料につきましては、千葉県は、現在、平成十年度から五千五百円に改定する条例提案を行ったというふうに聞いております。埼玉県は五千五百円、神奈川県につきましても五千五百円でございます。 ◯藤井委員 先ほども、東京と山梨県だけが入学料を徴収してないということでございましたけれども、これまで、東京都は入学料を徴収してこなかったわけですけれども、その理由は何なのか、お伺いします。それから、踏み切った理由もですね。 ◯加島学務部長 東京都において、これまで入学料を徴収しなかった理由でございますが、父母負担の軽減ということで導入を見送ってきたわけでございます。しかし、生徒が入学するに当たっては、入学手続事務等で一定の経費がかかっておりますが、これは現在、税金で負担しているということでございます。  都内の学校を見てみますと、私立高校ももちろんでございますが、都立の高等専門学校を初めとした東京都の他の学校も入学料を徴収しております。また、国の地方交付税におきまして、授業料や入学考査料と同様に、受益者負担の見地から地方団体が徴収するものと算定されておりまして、他の自治体もほとんどが入学料を徴収しているという状況もあります。このようなことから、受益者負担の適正化を図る観点から、入学料の徴収についてご提案をしているものでございます。 ◯藤井委員 新たな都民負担をするということでございますが、それとまた違う立場から、都立高校の一層の充実というものが必要だというふうに考えております。現在、多くの都民の方が高校教育に望んでいることの一つは、進路志望、進路希望のことだと思います。都立高校においては進路指導が不十分であるというように私は感じておりますが、大学への進学あるいは企業への就職、そういうものを問わず、生徒の希望に沿ってそれが実現できるよう努力すること、あるいは意欲を引き出す教育を行っていくことが大事だと思います。  そこで、平成十年度、教育庁としては進路希望に応ずる対策についてどういうふうに取り組まれるのか、お伺いしたいと思います。 ◯加島学務部長 都立高校における進路指導の充実のために、来年度から進学情報や求人情報を速やかに収集するために、全都立高校二百十四校にインターネットを導入いたしまして、積極的に進路指導に活用してまいります。  また、夏休みに合宿を行い、生徒に進学指導や就職のための指導を行う進路選択セミナーや、生徒の進路意識を啓発するために行う講演会も予定しているところでございます。 ◯藤井委員 第二番目の質問といたしまして、今回、文化会館及び芸術劇場の使用料の改定の案が出されておりますが、この点についてお伺いをいたします。  まず、東京文化会館についてでございますが、当初の計画でございますと、平成十年度、東京文化会館は工事を行って休館になるというふうに伺っております。それなのに、なぜ今回改定するのか、その点について伺います。 ◯井出生涯学習部長 文化会館は、ご承知のとおり、来年度、工事をさせていただくことになっております。ただし、ホールの申し込みにつきましては、大ホールで十八カ月、小ホールで十五カ月前から受け付けておりまして、休館中も受け付けの業務を行っております。  また、今回提案させていただくのは、芸術劇場と同一の条例で規定されておりまして、同一時期に改定する方が利用者に理解を得られやすいということでお願いしているところでございます。 ◯藤井委員 そうしますと、今回もし料金が改定になった場合、改定後の料金が適用されるのはいつになるというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。 ◯井出生涯学習部長 改定後の料金につきましては、平成十年四月以降に申し込まれた分から適用されることになりまして、現在、先ほど申しましたように十八カ月とか十五カ月ということで、既に使用の承認を受けたものにつきましては、現行料金が適用されるということになります。 ◯藤井委員 今まで東京文化会館並びに東京芸術劇場については、いただいた資料を読みますと、利用料金については、例えば東京文化会館を全日か何かで借りると七十五万とか、東京芸術劇場では百七万とか、そういうふうな、ある程度単一的な料金だったわけですが、今回の改正案を見ますと、使用料金を利用者別とか、あるいは入場料金別とか、平日と休日で分けて料金が異なっておりますが、こういう区分した理由は何なんでしょうか。 ◯井出生涯学習部長 ご指摘の、まず利用者別の区分につきましては、今回新たに芸術文化団体以外という区分を設けたわけでございまして、主としてこれはアマチュア芸術文化団体を対象としたものでございまして、芸術文化の普及啓発、あるいは幅広い創造活動を支援し、より多くの方々に芸術文化に親しんでいただけるよう配慮したものでございます。  また、入場料金でございますが、入場料金が低い公演、安い公演といいますか、これは総経費に占める使用料の割合が値上げによる影響も相対的に大きいということで、入場料金別の使用料金を設定して、上げ幅を抑えることによって利用者の負担の軽減を図ろうとしたものでございます。  また、休日料金につきましては、類似の施設がほとんど導入していることでございまして、今回、類似の施設と同様に休日料金の導入を図ったものでございます。 ◯藤井委員 それでは、具体的に東京文化会館、それから東京芸術劇場、それぞれの収支状況ですね、どれだけ収入があって、どういうふうに支出が行われたのか、あるいはどういうふうに利用がされているのか、実績についてお伺いいたします。 ◯井出生涯学習部長 平成八年度の実績でございますが、東京文化会館につきましては、使用料収入が約二億九千万円でございます。人件費を含む所要経費が十一億三千万。それから芸術劇場につきましては、収入が六億五千万で、所要経費が十七億四千万円となってございます。  また、利用状況でございますが、ホールの利用率につきましては、文化会館の大ホールで九四・二%、芸術劇場の大ホールで七九・八%でございまして、両館の年間入場者数は、文化会館で四十六万四千人、芸術劇場で六十九万三千人でございます。 ◯藤井委員 大変多くの利用がされているということでございますけれども、それでは、それぞれの施設で料金の減免制度が行われているというふうに聞いていますが、この制度、どういうふうな状況になっているか、お伺いいたします。 ◯井出生涯学習部長 ホール使用の場合、減免規定がございまして、区市町村教育委員会及び学校利用の場合は五〇%、官公署の利用の場合が二五%、それと定期使用団体が利用する場合は一五%の減免措置を講じているところでございます。  また、芸術劇場におきましては、大ホールを除く中小ホール等を都内のアマチュア団体が利用する場合は、二五%の減免措置を講じてございます。 ◯藤井委員 今回のこの改定額は、先ほどご説明がありましたように非常に細かくて、いろいろとご苦労されたと思うんですけれども、まずこの決定額、改定額はどのように決めたのか、それからこれまでの改定率の平均はどのぐらいなのか、お伺いします。 ◯井出生涯学習部長 今回の改定に当たりましては、事業運営に直接必要な経費は利用者負担とするという原則を踏まえながらも、芸術文化の振興という観点に十分配慮いたしまして、多様な芸術活動にこたえるような料金体系ということにしたところでございます。また、民間類似施設との均衡にも配慮したところでございます。  これまでの経緯でございますが、文化会館については、過去三回の改定率を見ますと、平均で一七%。それから芸術劇場は平成六年四月に改定をしておりまして、これが約一一%となってございます。 ◯藤井委員 それでは、ほかの文化会館、芸術劇場と似た施設の使用料金はどういうふうになっているのか、お伺いします。 ◯井出生涯学習部長 平日の全日使用ということでお答えさせていただきたいと存じますが、類似施設としてのオーチャードホール、これは民間でございますが、百四十五万円でございます。それから、オペラシティが百五十万円、国立劇場が百七十一万一千円でございます。 ◯藤井委員 今、民間の施設をお答えいただいたんですが、確かに民間だと、百万以上超える高い料金になっておりますが、私の方でいろいろ担当の方に、ほかの県の、いわゆる公立のホールの料金はどうなんですかということでちょっと資料をいただいたんですが、これを見ますと、隣の神奈川県民ホールですね、大きいホールがあって、これが一日利用料金が約七十万でございますね。大体東京文化会館と似たような金額。あるいは、埼玉県では彩の国さいたま芸術劇場、これも大きいホールでありますが、これが、一日利用料金が約二十六万円になっております。さらに、大阪に大阪府立青少年会館文化ホールというのがありますが、これが一日借りて約二十万。愛知県でも愛知県芸術劇場、これが一日借りて六十四万ということですので、やはりほかの県はこういうふうに、東京の立地とかそういういろいろ要件はありますけれども、公立のこういう文化ホールでは、非常に安い料金で貸しているという現状があると思います。  そういったことで、次にお伺いしたいのは内部努力についてでございます。こういった会館を運営するのにいろいろご苦労はあると思いますが、まず経費削減について、今まで教育庁として、これらの文化会館、芸術劇場に対してどういう努力をされてきたか、お伺いいたします。 ◯井出生涯学習部長 経費削減でございますが、平成十年度の歳出予算では、光熱水費や管理運営費等の見直しによりまして、東京芸術劇場で一億二千六百万の経費削減を図っております。文化会館におきましても経費の削減を図るわけなんですが、改修工事のために、前年比較等で正確な数字が出ておりませんので、平年度ベースということでお答えできないわけでございます。 ◯藤井委員 同じく、これらの会館等に従事されます職員の定数についてはどうでしょうか。 ◯井出生涯学習部長 職員の定数でございますが、業務委託や嘱託員等の活用によりまして職員定数の削減に努めまして、過去この五年間で、文化会館、芸術劇場それぞれ二名の削減をしているところでございます。 ◯藤井委員 三番目に、都民へのサービスを向上するためにどのようなご努力をされたか、お伺いします。 ◯井出生涯学習部長 サービスの向上策についてでございますが、東京文化会館におきましては、冒頭、先生の方からお話がありましたように、平成十年度には改修工事を実施いたしまして、利用者にとって使い勝手のよい施設を提供していくとともに、夜十時までの開館時間の延長や、日曜日の夜間開館を実施していく予定でございます。  また、芸術劇場は平成十年度から、東京文化会館は改修後の平成十一年度から、元旦を除く年末年始も開館するなど、一層のサービス向上に努めていくところでございます。 ◯藤井委員 それでは、三番目の大きな柱としまして、今回、スポーツ施設の各種料金値上げの案が出されておりますので、これについてお伺いをいたします。  今回、平成十年度予算におきましては、夢の島総合体育館、それから東京辰巳国際水泳場のトレーニングルームを廃止する方向というふうになっております。また、同じく十年度から、駒沢オリンピック公園総合運動場、それと夢の島総合体育館、それから東京武道館の健康体力相談室、これも廃止をする案が出ておりますけれども、これについてお伺いしたいと思います。  それぞれトレーニングルームと健康体力相談室を廃止するのはなぜなのか、まずこの点についてお伺いいたします。 ◯阿部体育部長 まず、トレーニングルームについてでございますが、都内では、既に住民にとってより身近な区市町村の体育施設の中にトレーニングルームが整備され、また、さまざまな機能を兼ね備えた民間のフィットネスクラブも多く設置されております。その中でトレーニングルームを維持していくには、機器の借り上げやトレーナーの配置などで多くの経費がかかるため、体育施設四館につきましては使用料の改定をお願いするとともに、六館の中では比較的利用者が少ない東京辰巳国際水泳場と夢の島総合体育館のトレーニングルームを廃止することにいたしました。  健康体力相談室についてでございますが、この事業を実施している五館合計で約一億六千万円の経費がかかる一方で、利用者は五館で約二千四百人でございます。経営努力の推進を行っても、なお利用者に過大な負担を与えることなしには事業の実施が困難な状況となってございます。そのため、事業の目的や性格を考慮しつつ、体育施設五館の役割分担を見直し、東京体育館と東京辰巳国際水泳場以外の三館の健康体力相談室を廃止して、経費節減を図ったものでございます。  なお、健康体力相談室を廃止する施設につきましては、トレーニングルームに相談員を新たに配置して体力スポーツ相談を行うこととし、相談指導の中で医療測定が必要な利用者に対しましては、健康体力相談室のある東京体育館ですとか、医療機関へ紹介するように努めてまいりたいと考えております。 ◯藤井委員 それでは、各館六館ありますけれども、それぞれの館の収支はどうなっているのか、八年度決算でお願いしたいと思います。 ◯阿部体育部長 各館の収支の状況ということでございますが、まず東京体育館では、歳出が十三億四千三百万円、歳入が三億五千三百万円、差し引き九億九千万円歳出が多くなっております。それから、今お話ししましたトレーニングルーム廃止にかかわる東京辰巳国際水泳場では、歳出が十一億四千六百万円、歳入が九千五百万円、差し引き十億五千百万円、夢の島総合体育館では、歳出が六億九百万円、歳入が六千八百万円、差し引き五億四千百万円、こういう状況になっております。  その他、ほかの館がございますけど、六館全体では、歳出入の差は四十五億九千八百万円の税負担ということになってございます。 ◯藤井委員 大変な税負担が行われているということでございますが、今回トレーニングルームを廃止する二館の経費は幾らになるのか、また、その使用料収入というのは幾らぐらいになるのか、まずお示しいただきたいと思います。  同じように、健康体力相談室を廃止する駒沢オリンピック総合運動場と夢の島総合体育館、東京武道館についてもお伺いしたいと思います。 ◯阿部体育部長 トレーニングルームの経費は、平成九年度予算で、夢の島総合体育館が二千六百万円、東京辰巳国際水泳場が七千四百万円、合計で一億円でございます。これに対しましてトレーニングルームの使用料収入は、二館合わせても一千八百万円という実績になっております。  健康体力相談室を廃止する三館の経費は、平成九年度予算で六千八百万円であるのに対しまして、使用料収入は、三館合わせても八十三万円という実績でございます。 ◯藤井委員 大変厳しい状況と思いますけれども、それでは、同じく内部努力ですね。今、大変内部努力が求められていると思いますけれども、今回の予算を出すに当たって、教育庁として経費削減についてどういう努力をされたのか、お伺いしたいと思います。 ◯阿部体育部長 平成十年度の歳出予算では、一部事業を廃止したトレーニングルーム、健康体力相談室を除きましても、光熱水費や管理運営費等の見直しにより、三億百万円の経費削減を行っております。 ◯藤井委員 今回、トレーニングルームと健康相談室廃止ということについて、それぞれ文教委員の先生方の方にもいろいろと署名あるいは要望が来ていると思いますが、私も昨日、直接受けた話の中で、今回これを廃止をするに当たって、教育庁は二月の二十五日に各施設に告知をしたということでございますが、事前に利用者の声、あるいはまた関係者の方のいろんな意見、ご要望、これはやはりしっかりと聞いた上で、私は今回のこういう廃止についても出すべきではなかったのかなというふうに思います。現場の方たちは、いきなりのこういう廃止計画について大変怒っていらっしゃいます。  いろんな問題点はあると思いますが、確かに利用者も少ない、また、そんな中で持ち出しが多いということで廃止という案を出されたと思いますが、いろいろやり方はあると思います。そういった意味で、いきなり廃止ではなくて、どういうふうにすればこれらを──利用者あるいは関係者のいろいろと要望、意見を聞いた上での、また検討も必要ではないかというふうに思うわけでございます。  なお、このトレーニングルームあるいは健康相談室については、後ほどもちょっとお話しいたしますが、例えばトレーニングルームの指導員、夢の島トレーニングルームでは、六年ほど前までは非常勤の職員を雇っていた。今は、いわゆる委託に出していると。委託業者がトレーニングルームの指導員を配置をしているということだそうですので、単純に考えますと、直接施設が非常勤職員を雇って指導しているのと、一たん業者に委託をして、その委託業者がまた指導員を配置するというのと、どちらが経費がかかるのかなと思うわけですが、この点についていかがでしょうか。 ◯阿部体育部長 直接、雇用を施設の方でした場合と、委託した場合の経費の比較ということでございます。ここに具体的なものは持ち合わせておりませんけれども、非常勤で直営で雇用したとしても、その中にはいろいろ福利厚生の関係ですとか、あるいは施設の中だけで人を雇用するということもございまして、代替要因の確保の問題ですとか、さまざまな複雑な問題があろうかと思います。  一方、委託ということになりますと、会社の中でいろいろな施設に派遣される人材を擁しておるわけでございまして、その辺も弾力的に対応することが可能なのではないかというふうに考えております。そうした点から、一概にどちらがということは申し上げられないんではないか。ただ、委託の会社においては、それぞれ専門的にノウハウも持っておりますし、それから研修等も委託会社の職員に積んでおりますし、そういった意味でのメリットが多いというふうに思います。 ◯藤井委員 それでは、経費のうち、それぞれの施設で人件費の割合、これはどのぐらいなのか、お伺いします。 ◯阿部体育部長 先ほどお答えしました東京体育館、辰巳国際水泳場、夢の島総合体育館についてお答え申し上げますけれども、東京体育館では一七・一%、東京辰巳国際水泳場では一二・一%、夢の島総合体育館では三二・三%でございます。六館全体では二二・七%でございます。 ◯藤井委員 それでは、多摩スポーツ会館というのがありますけれども、この体育施設運営経費の内訳を見ますと、多摩では人件費の割合が四三・一%になっております。それから夢の島総合体育館、これも同じく三二・三と、大変人件費の割合が高いわけでございますが、この理由は何でしょうか。 ◯阿部体育部長 多摩スポーツ会館及び夢の島総合体育館は、都の体育施設の中では利用者層も施設周辺の地域住民が多い、あるいは地元密着型の比較的小規模な施設ということになっております。そのため、光熱水費やトレーナー等の委託料、機器の賃借料等の人件費を除いた維持経費が、他の四施設よりも少なくなっております。  一方、人件費につきましては、施設規模が小さくても、管理部門や使用料の徴収を含めた利用者サービス部門等については民間への委託が困難でございまして、他の四施設と同程度の職員が必要となってまいります。このようなことから、歳出経費に占める人件費の割合は、他の四施設よりも高い値というふうになっております。 ◯藤井委員 これらも改善の余地があるというふうに私には考えられるわけです。  では、それにつきまして、同じく職員定数についてはどのように努力されたのか、お伺いいたします。 ◯阿部体育部長 昭和六十年度以降、業務委託や嘱託員の活用によりまして定数の削減を図りながら、東京武道館、これは平成二年開館でございます、それから東京辰巳国際水泳場、これは平成五年開館、この二館の増設にも対応してまいりました。また、六館体制となった平成五年度以降も、技術業務の委託化や管理職の削減により、職員定数の削減に努めております。 ◯藤井委員 それでは、いろいろと六館で問題はそれぞれ違うと思いますけれども、今後の経営改善努力についてどのようにやっていくのか、具体的な方策についてお伺いいたします。 ◯阿部体育部長 使用料の増収を図るため、各種大会の誘致活動や個人利用者の増加策など、さまざまな工夫を凝らしながら努力しております。具体的には、従来休館としておりました年末年始の一月四日を開館とし、また、一月一日を除いては、全都的大会以上の規模で観客席を使用する大会について、積極的に認めることにいたしました。  さらに、各施設の利用状況等が逐次わかるようにインターネットのホームページを開設し、都民に対するサービス改善に努めております。 ◯藤井委員 最後に、いろいろと文化会館、芸術劇場あるいは体育、スポーツ施設等について、また都立高校の入学金の値上げ等、お伺いしてまいりましたが、今回の本当に次から次のメジロ押しの値上げに対して、教育庁としてどのようなご感想か、そしてまた、今後、どのように経費削減等の努力をされていくのか、教育長にお伺いしたいと思います。 ◯市川教育長 今回の値上げについてでございますが、大変社会経済情勢が厳しい中でお願いをするので、我々といたしましても、ただいま部長が答弁申し上げましたとおり、事務経費の削減でございますとか、それから委託業務契約の中身の問題、これを見直しをしたりして、歳出を削減するということに努力をしますとともに、利用者のためにPRをする、あるいはサービスを向上させるというようなことで、経営の改善に努めてまいりたいというふうに思います。 ◯藤井委員 ご承知のとおり、今、都民の生活はどうかというふうに考えますと、昨年の消費税の料率のアップ、これによって、これは都民というより、国民全体で負担するのが年間五兆円といわれております。また、特別減税が打ち切られたことによりまして、国民が負担する費用は二兆円でございます。そして、昨年の医療費の値上げによって、これも国民に負担を課せられているのが二兆円。合計九兆円もの負担が国民にのしかかってきております。  さらに、低金利政策によって、もう二年半以上も公定歩合が〇・五%に抑えられている。本来、国民のところに入ってくる利子が銀行に納められている、これは約四兆円といわれております。合計十三兆円もの負担が国民、また都民に押しつけられているわけでございますので、これを家族に直しますと、赤ちゃんからお年寄りまで、年間一人当たり約十万円の負担です。両親と子ども二人、合計四人家族であれば、年間四十万円もの負担が私たち都民に押しつけられている。  こういう状況の中で、まさに景気が悪い、そしてまた失業率も高まっている。さらにはサラリーマンの家庭にとってみると、給料が上がらない、ボーナスがカット。こういう中で東京都が、こういう施設料金であるとか、あるいは入学料金であるとか、額はわずかであるかもしれませんけれども、さらにこういう負担をかけるということは、我が党としては、これは反対であります。代表質問なり、また予算委員会等でも述べましたように、東京都自身がまず内部努力を図っていきながら、そして、今後どういうふうにするのかということをご検討していただけるよう要望して、私の質問を終わります。 ◯寺山委員 三点について質問をさせていただきたいと思います。  先ほど、藤井理事の方から体育施設の関係、トレーニングルームの廃止、あるいは健康体力相談室の廃止というふうなお話がありました。ご承知のとおり、ことしの上半期の方は長野でオリンピックが開催をされ、それからパラリンピックも開催をされるということで、あれはウインタースポーツですけれども、ごらんになっていらっしゃった方々が、選手の汗や涙、あるいはその競技する姿に非常に感動して、スポーツに対する関心あるいは競技に対する関心が非常に高まったというふうにいわれておりますが、まず、パラリンピックあるいはオリンピックをごらんになり、あるいはニュースや新聞等でごらんになり、どういうふうなご感想をお持ちになられましたでしょうか。 ◯阿部体育部長 今回の冬季オリンピック、それに引き続くパラリンピックでは、我が国の選手がさまざまな活躍をされまして、私を初め皆さんも、このいろいろ問題の多い世の中で、元気と活力が満ち満ちてきたんではないかと、こういうふうに思っております。 ◯寺山委員 メダルをとった選手だけではなくて、大会の関係者の方々がおっしゃるのは、今回を一過性のイベントにしてはいけないということをおっしゃるんですね。さまざまな種目のスポーツを、今度は参加された方、関係された方、あるいはテレビなどでごらんになっていた方々が、実際に地域社会の中でスポーツの振興を広げていってほしいと。パラリンピックの方でいえば、もっと障害スポーツというものを振興してほしいと。もっともっと地域にこの成果を還元していってほしいというふうな声がよく聞かれるわけです。  今回、先ほど藤井理事もお話しになりましたけれども、トレーニングルームあるいは健康体力相談室、そういう意味でいうと、都民の非常に身近なところで、そういったスポーツ振興にいわば逆行するような形でのリストラが行われているというふうに思っていらっしゃる都民の方々が多くいらっしゃるんです。その中で、区市町村で行っていますスポーツ・レクリエーションフェスティバルというのがありますが、区市町村で行われているこのスポーツ・レクリエーションフェスティバルの概要について、それから昨年度の予算措置についてお伺いします。 ◯阿部体育部長 まず、スポーツ・レクリエーションフェスティバルの趣旨でございますけれども、広く都民の間にスポーツ・レクリエーション活動を全都的な規模で実施する場を設けるために、まず最初に、地域でそういうレクリエーション活動の参加意欲を喚起する、そういったことに資するために実施しているものでございます。その内容としましては、各地区でさまざまな催しがございますけれども、例えば納涼相撲大会ですとか、あるいは区民スポーツ・レクリエーション大会、水泳ですとか、変わったところでは市民綱引き大会、こういったようなことが行われております。  それの支援のお金のことでございますけれども、東京都体育協会の方へ東京都から補助をいたしまして、その体育協会の中から各区市の体育協会の方へ、団体の方へ、九年度は二十万円ずつ交付されております。 ◯寺山委員 基本的に各地域で、区市町村で、先ほどおっしゃったように、綱引きをやったり相撲大会をやったり、あるいはフェスティバルをやったりということですから、その区市町村の中で、独自に地域の中で考えながらやられるということで、昨年度が二十万円なんですが、その前には四十万円ぐらいからスタートしたということですか、それが段階的に下げられてきて、そして今回、査定がゼロで、結局は予算がつかなかったということで、随分と地域の方々あるいは体育協会の方々からご不満が上がっているというふうに聞き及んでいます。都財政も大変なんですが、区市町村の財政だって当然大変なわけです。  そういったことから考えて、地域の中で、今回の予算を何とか復活させてほしいというような要望が上がっていると聞き及びますが、体育部長の方には、そういう声がどういう形で上がっているんでしょうか。 ◯阿部体育部長 各地区の団体から、直接には私の方へは参っておりません。
    ◯寺山委員 先ほど前置きのところで、今回、パラリンピックあるいはオリンピックがあって、そういうスポーツ振興に対する機運というのが非常に国民の中で盛り上がってきているというふうなお話をしました。スポーツ振興あるいは体育振興というのは、ただレクリエーションとして体力づくりという側面ではなくて、今後の高齢化というふうなことを考える上でも、より健康であり続ける、元気であり続ける、そのためにスポーツを通して、寝たきりになったり痴呆になったり、あるいは高齢化を防ぐ一助になるということはわかっているわけですね。そういった中で今回、これは区市町村がやる事業とはいえ、二十万円あった予算というのをいきなりゼロにするというのは、余りにも情け容赦がないということで、ぜひともこの問題については、何らかの措置を講じていただきたいというふうに思います。  今回、手数料、使用料、それから今私がお話をしたような、わずか二十万円のそういったお金も削っていかなければいけないという、大変な都民負担を求めているわけです。その中で、東京都教育委員会で残念な問題が二つ発生をしました。その一つが、もうご承知のとおり、習熟度別授業について虚偽の報告がある、あるいは実際に行われなかったというような問題。  そしてもう一つは、営繕課の課長補佐による事件がございました。この営繕課の課長補佐に収賄の容疑というのがかかっているわけですが、この問題について、今、教育庁の中ではどのように事実関係等を把握していらっしゃいますか。 ◯大久保総務部長 今回の事実関係についてのお尋ねですが、平成十年二月十七日、教育庁施設部営繕課の課長補佐が収賄容疑で逮捕されました。逮捕の容疑は、都立学校の改修工事に際し、起工金額を教えることなどの見返りとして、エスイー技研株式会社から百万円を収受したというものです。この容疑内容により、同課長補佐は三月十日に起訴されており、当教育委員会としては、この点については現在までに事実を確認しております。  さらに報道によれば、ほかにも余罪がある模様ですが、現在、捜査当局の取り調べが継続している段階でもあり、事実の確認ができない状況にあります。引き続き捜査当局の動向を踏まえながら、事実関係の解明に努めてまいります。 ◯寺山委員 ここは事情聴取する検察の場ではありませんので、また、一方では捜査も行われ、容疑者になっている課長補佐も、今さまざまな形で取り調べを受けていらっしゃると思いますので、余り深くはいいませんが、事実関係をきちんともう一回確認をしていきたいと思います。汚職という面にはさまざまな部分があって、一つは組織制度上の問題あるいは職務遂行上の問題、あとは職員の質の問題というふうに、大きくいえば分けられると思います。  今回逮捕された職員、課長補佐なんですが、この方に対する人物の評価というか、この方はどういう方だったんでしょうか。 ◯大久保総務部長 この職員は、昭和三十九年六月五日に東京都に採用されまして、住宅局に配属されました。その後、財務局、文京区を経まして、昭和六十年五月一日に都教育委員会に異動となりまして、昭和六十二年四月一日から教育庁施設部営繕課勤務となり、現在に至っております。  日ごろの執務状況は、課長補佐として技術的な能力は高く、まじめに職務に従事していると見ておりましたが、その裏でこのような不祥事を働いていたのを把握できなかったことにつきまして、まことに申しわけなく思っております。 ◯寺山委員 今回、課長補佐なんですが、この方がお持ちになっている職務権限というのはどういうものですか。 ◯大久保総務部長 係長兼課長補佐の職務権限ですが、東京都教育庁処務規則によりますと、課長補佐は、課長の命を受け、係間の調整等を行うことにより課長を補佐し、課長不在の際等には、その代理をする。係長は、係の長として分掌事務を処理し、当該事務の処理に関し、当該係の所属職員を指揮監督し、係の事務の進行管理を行う等と定められています。  また、技術調整係長の職務権限としましては、都立学校等が工事を執行する場合の技術援助、東京都教育委員会が執行する改修工事等の事業計画を立案する際の技術調査及び技術指導、それから教育庁工事単価の設定や工事内容説明書の作成等がございます。 ◯寺山委員 教育庁の工事単価の設定とか工事内容説明書の作成等があるという、やはり非常に大きな、いわば職務権限を持っていらっしゃる方だったわけですよね。今回、個人の問題、それから職務遂行上の問題ですね、いわば管理運営的側面で問題があったとすれば、どういうふうに教育庁としては認識をしていらっしゃいますか。 ◯大久保総務部長 組織上の問題の主要なものとしましては、第一に、職員の長期間在職の問題があり、このことが業者との癒着を招く一つの原因になったとも考えております。  第二は、職務に関するチェック体制の問題です。複数の職員で仕事をチェックする体制が不十分であったことが今回の事件につながったことは、否定できないと考えております。  第三に、情報管理の問題です。入札にかかわる内部の情報が漏えいしたことから、情報管理のあり方について抜本的に見直す必要があると考えております。 ◯寺山委員 直接汚職とはいえなくても、一昨年、東京都においては、不正支出の問題というのが大変都民の皆さん方から厳しい目を向けられて、青島知事含めて都政への信頼を失墜したというふうに、青島知事さえも怒られるような事件がありました。その事件があって、今日また新たなこういう汚職の問題が発生したわけですけれども、その間、教育庁としては、再びこのような不正な事件だとか汚職が起こらないために、どのような取り組みをなさったでしょうか。 ◯大久保総務部長 慣例・慣行点検委員会というのがございまして、その中で、従前の仕事のやり方等、いろいろな問題について見直しを図ってきたところでございます。 ◯寺山委員 慣例・慣行点検委員会というのは、それは教育庁の中にある組織ですか。 ◯大久保総務部長 教育庁の中にございます。 ◯寺山委員 そうしましたら、慣例・慣行点検委員会というのを設置をされたということはわかるんですが、その方々のことを含めて、見解も含めて、総務部長は恐らく責任者ですからお聞きをしますけれども、東京都の総務局の行政監察室が「汚職防止の手引」というのを平成五年に発行しています。ほかにも新しいものがないのかなと思ったんですが、今、東京都の中では、これにかわる新しい手引というものが作成をされていません。  ですから、これに基づいてちょっとお聞きをしたいんですけれども、これもちょっと古い話になるんですが、平成三年度、今からもう七年前になってしまいますが、「地方公共団体における汚職事件に関する調」というのが自治省の公務員課から出されています。その中で、発覚事件数及び関係職員とか、事件の種類別内訳あるいは事件の発生部門別内訳というところがありますが、それをごらんになって、汚職の特色というのが出ていると思うんですが、それについてご見解をお伺いしたいと思います。 ◯大久保総務部長 事件の発生部門別内訳という中身を見ますと、やはり土木建築部門が二十二件、全体の二五・九%ということで、最も多い部門になっているというふうに考えております。 ◯寺山委員 もうちょっと教育庁に関連したことをおっしゃっていただきたいんですが、例えば平成三年度で事件の種類別の内訳でいうと、収賄というのが最も多くて、全体の中で四四・七%を占めているわけです。事件の発生部門別内訳というところを見ますと、先ほど土木建築部門が多いとおっしゃいましたが、その次に来るのが教育関係なんですね。土木建築部門が二五・九%で、次にある教育部門というのが一二・九%になります。その後、事件の態様別内訳というんですから、どういうふうなものかというと、一番目が公金の取り扱いなんですが、二番目に、土木建築工事の施行にかかわる部門でのそういった事件が多発をしているというような統計が出てくるわけです。  そして考えてみますと、今回の問題は、まさしく典型的な汚職事件なんです。収賄、教育関連、そして土木建築工事の施行に絡んだ問題ですね。土木建築工事に絡んだものだということで、典型的なこのような汚職の問題がなぜまた再発したのか。しかも教育庁の中には、そういった問題に対する慣例・慣行点検委員会というものを設置されて、その中でこの二年近くの間議論されているはずなのに、またなぜこういった典型的な汚職が起こったのかということに関してはいかがでしょうか。 ◯大久保総務部長 慣例・慣行点検委員会等の報告等、いろいろと各部課等に伝達はしているわけですけれども、その趣旨等が十分徹底していなかったということは挙げられるかと思います。  いずれにしましても、現在、対策委員会をつくって検討しておりますので、さらにその中で周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。 ◯寺山委員 聞き及びますと、この相手側の会社というのは、設立されたのも、あるいは東京都の指名業者の中に参加してきたのも、非常に最近の業者です。今の不況の中で、仕事がない、そのために人を解雇しなきゃいけない、あるいは倒産をしなきゃいけないという会社がある中で、今回このような形で、一説には百万円だけではなくて、年に四期に分けて何百万円というような報道もされてきているわけですね。そういった中で、恐らく業界の方あるいは業者の方も、今回の東京都の仕事のやり方に対して、非常に不満や不信をお持ちの方もいらっしゃるでしょうし、あるいは都民の方々だって、これだけ値上げが行われる、さまざまな負担が増加する中で、東京都の教育庁は一体何をしているのかという、そういった都政に対する信頼をますますゆがめる結果になってきているというふうに思います。  管理監督者責任の問題も含めて、教育庁の今後の再発防止に向けての取り組みについてお伺いします。 ◯大久保総務部長 管理責任についてのお尋ねですが、職員がこのような汚職事故を起こしたことにつきましては、管理監督の立場にある者の責任の重さを、都教育委員会として十分に認識しているところであります。捜査当局の取り調べの目途が立った段階で、都教育委員会としても事実関係の全体を解明し、その上で、管理監督者についても厳正に対処してまいります。 ◯寺山委員 そうしましたら、今後の再発防止に向けての具体的な取り組みの中で、例えばこういった「汚職防止の手引」というのは、これはもう都庁の職員の方々全体向けのものなんですね。いわば一般用なわけです。今回、教育庁内でこういったことが発生をしたということで、職員の方々に対するきちんとした意識の啓発、二度とこういうふうな汚職というのはやっちゃいけないんだというふうなことをやるために、教育庁独自でこういった冊子をつくるとか、あるいは、今、慣例・慣行点検委員会が庁内にあるというふうにおっしゃいました、そこで恐らく議論していただけると思いますが、まさしく管理運営面、チェックの問題、それから職務権限が過度に集中していないか、こういう人事の面からも、総合的にこの問題についてはきちんと時期を区切って対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◯市川教育長 東京都教育委員会では、今回の事件が発生しました直後に、直ちに東京都教育委員会汚職等防止委員会というのを設置しまして、問題点の早期点検と具体的な改善策の策定に取り組んでいるところでございます。  ただいまもお話を承りましたような、そういったパンフレットももちろんでございますが、主な検討内容としましては、関係局と連携しまして、長期在職を解消するための異動ルールづくりを行うこと、さらに職務遂行に当たってのチェック体制を整備すること、さらに情報管理を含めました契約事務の改善を図ること、そして汚職防止研修を充実するということ等でございます。今月末までには、これらにつきまして具体的な改善策を取りまとめまして、その推進を図ることによりまして、二度とこうした不祥事を起こさない体制を整備し、都民の信頼の回復に全力を挙げてまいりたいというふうに思っております。 ◯寺山委員 本当に二度とこういった問題が起きないように、都教委の幹部の方々を含めて、それから今の教育庁の仕事に携わっていらっしゃる職員の方々一人一人を含めて、再発防止のための努力と決意を固めて、まさしく東京都の教育行政のために頑張っていただきたいというふうに思います。  最後に、学校教育の中での健全化というふうな問題について質問させていただきたいと思います。  先ほど、黒須先生の方からも恐らくお話があったんだろうと思いますが、ナイフを使っての殺傷事件だとかということが多発をする中で、持ち物検査を実施をされるということがあったり、あるいは中教審の中では、警察との連携を行ってこれからやっていきなさいと、学校の安全面、管理運営面を考えた中での警察との連携も視野に入れてこれからやっていきなさいというふうなことが出ましたが、これは答弁が重複するかもしれませんが、そういうことで、持ち物検査あるいは警察との連携の中で、今の子どもたちの問題が解決するというふうに思っていらっしゃいますでしょうか。 ◯蛭田指導部長 持ち物検査につきましては、安全確保のための緊急的な対応でございまして、持ち物検査だけですべて解決するというふうには考えておりません。当面、今後緊急的な対応ということでお話を申し上げてきたわけですが、しかし、子どもたちがなぜ刃物を持つのかというその背景、動機、そういったものを十分に分析をし、そして、この子どもたちの問題について、保護者はもとよりですが、関係者の方のご協力を得ながら、中長期的にこの問題について対応していく必要がある、このように思っているわけでございます。 ◯寺山委員 まさしくそのとおりだというふうに思うんですが、都教委だけではなくて文部省を含めて、今の学校の対応というのが、すべてほんとにモグラたたきに終わってしまうんではないかというふうな気がしてしようがありません。今回のナイフを使っての問題だけではなくて、これまでの文教委員会や各委員の先生方のお話にも出てますが、子どもたちを取り巻く問題というのは、ほんとにさまざまな部分で出てきています。それがいじめであったり、不登校の問題であったり、薬物使用の問題であったり、あるいは援助交際の問題であったり、それが実は一つ一つの現象としてあらわれているのであって、ほんとはその根本的な原因を解決するために、教師を含めて、皆さん方も含めて学校関係者、本人も含めてですけれども、根本的な原因は何なのかということを考えていかないと、恐らくまた別の形で問題が発生をしてくるというふうに考えます。  その中で、やはり家庭の役割というのが、今までだって大事なんですけれども、もっともっと学校と密接な連携をとって、自分自身のことなんですから、親自体が責任を持ってやらなければいけないだろうと思います。私は、学校の先生が持ち物検査をする前に、やはり家庭で親が持ち物検査をするべきだろうというふうに考えています。そういった家庭と学校教育の役割というものが、昨今の中央教育審議会の中で議論されていますけれども、それはどういうふうな内容なんでしょうか。 ◯井出生涯学習部長 中央教育審議会では、昨年八月、文部大臣からの諮問を受けまして、幼児期からの心の教育のあり方についてという審議が行われております。本年二月、小委員会の座長骨子案が発表されまして、しつけやマナーなど、家庭や地域において取り組むべき課題が具体的に提案されまして、その中間報告が三月にまとめられるというふうに聞いております。 ◯寺山委員 これは非常に画期的なことなのだそうで、これまで家庭と学校というのは、ある意味では別だと。あるいは、行政とか政治がこういった教育、特に学校教育などの問題で家庭にまで踏み込んでいくというふうなことは非常に異例で、物の深刻さを物語っているというふうに表現する方もいらっしゃいますが、ただ、教育基本法の第七条は、これは社会教育という項目なんですが、その中で、これは皆さん方もご承知のとおりですが、こう書いてあります。「家庭教育及び勤労の場所その他社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によって奨励されなければならない。」、というふうにここに書かれているわけですね。  ならば、これまで東京都の中で行われてきた学校教育と、PTAを含めて保護者の方々との連携というのはどのように図られてきていたでしょうか。 ◯井出生涯学習部長 東京都教育委員会は、これまで家庭教育に関する普及啓発をやってきたわけですが、そのほか、PTAとの連携のもとに家庭教育振興全都大会、いわゆるそれぞれのPTAが実践を通じて学んだことを全都大会で発表し合うというような事業をやってきておりまして、今後とも、親がしつけに自信を持てるような専門相談員を派遣するなど、家庭教育の支援を推進していきたいというふうに考えております。 ◯寺山委員 地域に開かれた学校というふうなこと、あるいは社会に開かれた学校というのは、もうこれからの学校のあるべき姿として、どんどんと推進をされているわけです。これはぜひPTAという活動だけではなくて、家庭、保護者にもほんとに開かれたような形で、今、学校の教育の現場は、子どもたちが一体どういう状況になっているのかというようなことを、そういう場を設けて、これから家庭との連携を積極的に図っていくような施策の展開が必要になってきているだろうというふうに思います。  ただ、これは教育の現場が、そういった今の子どもたちの中で起こっている問題に対して責任を放棄するということではなくて、それについては教師の方々の質の問題をどういうふうにするのかとか、あるいは学習指導要領を含めた今の学校のシステム、あるいは授業のシステム、学習のシステムの問題をどういうふうに変えていったらいいのか、だんだんと話が大きくなっていきますので、この問題については時間がかかるかもしれませんけれども、そういった問題をやはり総合的に、現場にいらっしゃる方々、それから教育庁の皆さん方にぜひ真剣に考えていただきたい。  その中で、この間、本会議の中でも、健全というふうな言葉で青島知事は答弁をされませんでした。子どもたちが健全であるというのはどういう状態なのか。これは、よく生活文化局の中で議論がありました。健全という言葉の中にはいろんな要素があるというふうに青島知事もお答えになっていらっしゃいましたが、しかし私は、これだけは押さえておかなければいけない健全というふうなことがあるんだろうと思います。教育庁は、この健全という言葉、健全な児童生徒を育成するという場合の、その健全というのは一体どういう形だというふうにお考えになっていらっしゃいますか。 ◯蛭田指導部長 健全ということにつきましては、個人として、また社会の一員として、心身ともに健やかな成長を目指していくという、そういう方向性にあるのではないかと受けとめております。 ◯寺山委員 何か、わかったようなわからないような答弁なんですが、難しいとは思いますけれども、今一番あれなのは、自分と他人の命のとうとさというのをきちんと認識してもらう。その中には健康というのも入ってくると思うんですが、援助交際の問題にしても薬物使用の問題にしても、結局は自分の健康だとか命に対して悪い影響を及ぼすんだよというふうなこと。当然、人をナイフで傷つけるということもそうですね。いじめということについても、最終的には悲しい、いじめられて、その結果、自殺に追い込まれていくような、そういった子どもたちも現にいるわけです。  そういった部分をきちんとわきまえた上で──よく、キレるという言葉は一体どういうことなんだなんていう議論が最近ありますが、私が小学生や中学生のころでも、キレるという言葉を使ってました。キレるという言葉はどうなんだというふうな、そういうふうな不毛な議論をするのではなくて、ほんとに今、学校の中で、あるいは家庭の中で、社会の中で育っていく子どもたちに、現場の教師は一体どうしたらいいのか。健全なというふうなことを伝えるためにどういうふうな努力をしたらいいのか、どういうふうな施策をこれから展開していったらいいのかということを、真摯に早急に考えていく必要があると思いますが、最後に教育長の見解をお伺いして、質問を終わります。 ◯市川教育長 健全という言葉をどういうふうに理解するかというお話がございましたが、いろいろな解釈があろうかと思いますが、私は、子どもがその持てる可能性を十分に発揮できるようにすると。ですから、自分の可能性を発揮すると同時に、人の可能性も決して侵してはならない、そういうようなところにあるんだろうというふうに思います。  中央教育審議会のお話も出ましたが、それを待ってということではなくて、教育庁の中で、子どもたちが健全な成長を遂げるにはどうしたらいいかということについて真剣に、これまでと同様といいますか、これまでにも増して考えてまいりたいというふうに思います。 ◯藤川委員 私は、三点について質問させていただきます。  三点について一つの共通項があるとすれば、それは何かといいますと、直前に寺山委員が話されましたが、日本の異常性というんですかね、アブノーマリティー、異常というものについて、それが三つの質問に関して共通項であると。そのことについて、それを基調に据えながら質問させていただきます。  まず第一に、その異常性の第一点は、開かれていない学校であります。最近の子どもたちのいろいろな異常ともいえる行動に対して、寺山委員は、家庭も学校も開かれる必要があるだろうというふうにいうわけですが、これからの三点の質問に関しては、すべて私の経験、体験に基づいているわけです。  ここでもって「都立高校改革推進計画」というこの冊子が出てきて、これの二六、二七、二八ページを私が読んだときに、よくぞこのことについて東京教育庁も、重いか軽いかわかりませんけど、いずれにしても、大変なことについて取り組んでくれるという、そういううれしい気持ちになりました。そのときに、次に考えたことは、実際に自分の経験に照らして、ほんとに地域社会に開かれた学校づくりを推進することができるのかという大きな疑問が起きたわけです。ということは、学校そのものが開かれていないわけですから、それを門戸をこじあけようとするわけですから、さぞかし東京都教育庁の皆さんは大変なご苦労をなさるであろうと。そのうちに、非常にかたくなに閉ざされた学校という門を開くことができないで、いつの日にか、このすばらしい冊子はどこかに置き忘れられて、ほこりがたかっているような状態になってしまうんじゃないかと思いまして、担当の職員の方といろいろとかんかんがくがくやったわけです。  大変失礼なことをいいましたけど、それはこの場をかりておわび申し上げたいと思うんですが、それはどういうことかといいますと、学校は開かれていない、開かれていない学校を私は経験したわけですが、それは、私が非常に誇りに思ってます私の母校の高等学校の同窓会の理事として、私自身が学校といろいろと話し合ったわけです。そうすると、学校はどういうふうに対応してきたかといいますと、あれもだめ、これもだめ、全部否定です。ですから、善意のもとに同窓会が学校と組んで、こういうこともしたい、ああいうこともしたいと思っても、先生方が胸襟を開いてくれない。だから、あの企画も没、この企画も没という形なわけです。  ですから、今、高齢社会とかなんとかといって、六十歳になるかならないかの人たちがどんどん社会にほうり出されて、ひとり、ひざ小僧を抱えているという状況があるわけですけど、そういう人たちの持っているすばらしい経験だとか知識だとか、そういうものを社会の中に生かすことができない状況が学校にあるわけです。だから、先ほど寺山委員がいろいろと申されましたが、そこに、学校にノーマルな状態というものをつくり出す必要があるんだというのが私の一つの基本的な考え方です。  例えば、その学校の卒業生が社会のあらゆる分野で非常に活発に仕事をしておられて、それに基づいて多くの知識経験を持たれている方がいるわけですが、その人たちともし学校の先生方がコンタクトする機会を持つならば、そのすばらしさというものは、授業において、学校の教室においてそれがまた還元されると思うわけですが、そういうものはないと。要するに、先生方は、もちろんすばらしい、そういうフレキシビリティーに富んだ先生方もいらっしゃいますけど、これは一般的なこととしてお考えいただきたい、ご理解いただきたいと思うわけですけれども、接触しようとしない。自分の殻に閉じこもってしまう。だから、その先生がクラスでもって展開される授業というものは、その先生の非常に偏向した授業である。これは何も思想という面ではなくて、自然科学の分野においても社会科学の分野においても、ありとあらゆる分野においてもそうであると。だから、地域の人たちがその高等学校の門をくぐろうとしても、門のところで遮断されてしまって、入ることを許されない。同窓会すら、その学校の中でもって、愛する母校のためにいろいろと活動しようとしても、それができないわけですから、地域社会の人たちがそんなところに入ることを学校が許すはずがないわけです。  ですから、ここで、都立高校の改革推進計画で学校を開こうと皆さんはされているわけですが、地域の人々が学校の施設を借りようとしても、貸してくれないわけです、現実として。そういうすごい状況がある中で、どのように教育庁としては対応していくのかなというのが私の経験に基づく質問ですが、この点についていかがですか。 ◯井出生涯学習部長 開かれた学校についてのお尋ねでございますが、学校施設は児童生徒の教育活動の場であると同時に、地域社会の貴重な財産でございます。学校の教育活動に支障がない範囲で有効活用を図るために、現在、東京都教育委員会では、都立学校におきまして公開講座や学習文化施設あるいは体育施設の開放授業を進めているところでございます。  今後、これらの事業を積極的に進める中で、施設の整備や学校の意識を高めまして、開かれた学校の実現を目指してまいりたいと考えております。 ◯藤川委員 私は、この世の中が少しおかしいなと、日本がおかしくなってきてるなということを感じたのは三十五年ぐらい前。初めて社会へ飛び込んだときに、二年目にして、私が身を置いたある企業において、これはおかしいということを思ったわけです。それはどういうことかと申しますと、その企業には、社会一般に通用しない何か奇妙な常識があるわけです。先ほど申しました学校なら学校の中にも、社会一般に普遍性を持たない常識、その学校だけの常識があるわけです。個人にしても、それからグループにしても、ありとあらゆる組織。東京都庁の中にそういうものがないということを私は願うわけですけど、多分、私が見た限りにおいてはすべてそうだったと自分では結論づけているんですが、やはりあるのかなと思うわけです。  そうすると、個人個人が、グループが、組織が、もうみんな自分勝手に都合のいいことを考えてやっているわけですから、これをまとめることは物すごく大変なわけです。先ほどの同窓会のいきさつでもって、これは学校というのは大変なことを考えるところだというふうに私が思ったことは、ある施設を貸してくれと。だめだ、なぜだと。それは、最初は東京都のものであるからといってたわけですけど、よく話をしてみると、それは、その学校に奉職している先生方のご都合と、先生方のものであるということがわかったわけです。  そこでもってどういう議論が展開されたかというと、この都立高校の所有権はどこにあるのかということから話が始まったわけです。僕は、だれもが、今のシステム、社会のシステムということをまじめにお考えになる人である限り、要するに都立高校の所有権は東京都にあると。その先生方にあるわけではないわけです。とすれば、我々の物すごく大切な税金を用いてそれだけの施設をつくったわけですから、その施設を地域に開放するということ、これはもう都立高校に課せられた大切な一つの使命であると私は考えるわけですね。だから、教育庁の皆さんはいかにしてそういうことを、異常ともいえる学校の考え方というものを是正していって、東京都民のために、都立高校というすばらしい組織が持っているいろいろな知識だとか施設なんかの、蓄積したものを開放していくかということは、物すごく大切なことだと思うわけです。  ですから、そういう基本的な物の考え方が崩れてしまっているこの世の中が今の日本だと私は思うわけですけど、そういうところに果敢に皆さんはこれから取り組もうとしているわけですが、このような学校の姿勢というものを正していくとすれば、教育庁の役割ということとあわせて、お考えを承りたいと思うわけです。 ◯加島学務部長 ご指摘のございました、都立学校がその閉鎖的な体質を改めることによりまして、保護者や地域社会から理解され、信頼される学校となっていくことが大切であるというふうに考えております。  都教育委員会は、各学校が公開講座や施設の開放に加えて、授業を公開したり保護者や地域社会の意見を学校運営に取り入れるなどして、教職員の意識改革を図りまして開かれた都立学校となるよう、今後とも一層指導してまいりたいというふうに考えております。 ◯藤川委員 次に、日本の異常性についての二問目に入らせていただきます。  藤井さんがもうイントロの部分をやってくださいましたので、その部分は省きますが、私は、日本国民は、それから東京都民は、また区市町村の皆さん方は、非常に大きな誤解のもとに生きているし、だまされ続けていると思うわけです。価格という面に関して、その異常性ということについて、我々ほとんどの日本人は、日本の価格というのはおかしいんだということに気づいていないわけです。これはもう非常な異常性なわけです。めちゃくちゃに高いわけです。前にもちょっと話したことがありますけど、息子がアメリカで自動車を運転したら、パパ、ガソリン代は三分の一だよとか、それから、これは日本経済に出ていたんですが、ボストンからロサンゼルスまで、高速やらフリーウエーやらを乗り継いで車を走らせたら、高速料金で払ったのが二千円ちょっとであったとか、お米の値段が八分の一だとか、何もかにも──年末でもって労使交渉で三%なんていう交渉のさたではないわけですね。もうめちゃくちゃに安いわけです。三〇〇%安いとか八〇〇%安いとかという、そういう状態なわけです。これから東京都がいろいろな体育施設や芸術文化施設についてチャージを変更しようという場合にも、要するにそれは、おかしい上に、また屋上屋を架すようなところがあるんじゃないかと思うわけです。  私自身の経験で、ほんとに世界の一流のオーケストラが、その日の仕事が終わって──ニューヨークでサラリーマンをやっていたことがあるんですが、行ったら、すごいのが来ている。そのころ、二千ドルぐらいもらっていたわけですけど、僕が座った位置ですと、それはちょっとボックスみたいな変なところだったんですけど、教育長が座っておられるぐらいで、指揮者がタクトを振っているようなところで聞けるわけです。五ドルです。たった五ドル。そうすると、二千分の五ということは四百分の一なわけですよ。要するに、文化芸術に触れる係数があるとすれば、四百分の一でもってコンタクトできるわけです。ゴルフをやるといったって、すばらしい、日本だったらプライベートコースのようなパブリックコースがやはり五ドルで、四百分の一という、ゴルフ係数、文化係数、もういろいろな係数がめちゃくちゃに安いわけです。  ところが、そういう状態の中でゴルフをやるとしたら、そのころを振り返ってみると、その係数は二十五分の一だとかね。ある程度世界的なオーケストラのあれを買うと一万円ぐらい取られるとすれば、やはり二十五分の一だとか、すべてそういう状態に我々は置かれているわけですよ。だから、ほんとに東京というまちを、生活都市東京というような形ですばらしいまちにしようとすれば、そこに住まう人たちが、そういう状況の中で住まえるような価格体制というのをつくらなくちゃいけないわけですけど、そういうのをつくろうとしないわけです。つくれないのか、つくろうとしないのか、知らないのか、何だかわからないけど、要するにそういう状態にあるということは間違いないわけです。そういう中でもって、すべてどうしてそういうことになっているのかとなると、民間が眠り過ぎちゃってるのか、官の主導が行き過ぎちゃってるのかわからないんですが、まず質問させていただきます。  民間企業が芸術文化活動に対して支援を行うよう、都としてもっと積極的に働きかけるべきじゃないかというのが私の考え方なんです。そうすることによって、都のランニングコストなり何なりが物すごく軽減されることによって、一般の一生懸命働いているサラリーマンが、すばらしい芸術的な活動に触れる機会がふえるんじゃないかと思うんですが、この点についていかがでございましょうか。 ◯井出生涯学習部長 民間からの支援を受け入れてはというお話でございますが、民間からの支援の受け入れ制度としましては、現在、社団法人企業メセナ協議会が平成六年に文化庁から特定公益増進法人の認定を受けまして、企業等からこの協議会経由でもらった寄附は税制上優遇されるということになるなど、新たな取り組みが行われているというふうに聞いております。  東京都教育委員会といたしましても、芸術文化活動に対する支援は国や地方公共団体といった公の立場、あるいは企業や個人など民間の立場、双方から推し進めていくことが望ましいと考えておりまして、民間企業が芸術文化に対する支援を行いやすくするよう、そうした機運の醸成に努めてまいりたいと思います。 ◯藤川委員 先ほど、文化係数四百分の一という話をいたしましたが、それが私の偏見かどうかということをここでもって客観的に検証させていただきたいと思うんですが、日本のチケット料金は諸外国に比べて高いといわれているが、実態はどうかということについて、教育庁の方でどういうふうな認識を持っておられるか、質問させていただきます。 ◯井出生涯学習部長 経済社会の状況が違うというようなこともございますし、また、ジャンルというような、あるいは出演者というようなことも違うという前提で、平成三年発行の日本音楽社の資料によりますと、オペラの例をとって載せてございますが、例えばフランスのパリオペラ座の場合は、平成三年当時の日本円換算で、一万三千二百円から、安いところに向かいまして九百六十円。それからドイツ・ベルリンオペラですと、一万一千二百円から千三百五十円。イタリア・ミラノスカラ座になりますと、一万四千円から千円ということでございます。  ちなみに、最近、文化会館で公演しましたオペラ「椿姫」は、二万円から、安いところは二千円。それからドイツ・ベルリンオペラ日本公演では、四万円から一万円ということでございます。 ◯藤川委員 東京都の将来ということを考えた場合に、東京は本当に生活しやすいところなのか。それから、東京において文化というものをほんとにエンジョイすることができるのだろうかどうか。要するに、東京を魅力あるまちにするためにはどうしたらいいのかということを考える癖があるんですが、今の部長さんのお答えですと、やはりこの価格というのは相当高いものだろうと私は思うわけです。先ほど四百分の一という係数をいったわけですから、そういうことがいろんなところでもって──アメリカの人たちはそういう文化に触れることができるわけです。  そして、三大テノールか何かやったときにも、僕はびっくりした、異常だと思ったわけですけど、何か三万円とか五万円とかというべらぼうな値段、チケットを買って入るわけですね。非常な異常さ、そのものだと思うわけです。そして、聞いてる人たちがそのことを理解しているかというと、参加することに意義があって、その内容なんかどうでもいいんだっていう人が物すごく多かったという専門家の話を聞いて、また愕然としたわけですが、いずれにしても、そういう異常な状態にあるわけです。  だから、高いチケット代を負担できるほんの一部の人だけではなくて、ほんとに平凡な一生懸命働いてるサラリーマンでも、小中学校の子どもさんのポケットマネーでもって見れるような、聞けるような、そういうような場所をつくり出す必要があると思うんです。私自身としては、日本の文化度というのはやはりまだ官主導でもって、民間のレベルまで浸透してないと、そういうふうな考えを持っているんですが、今の日本のメセナ活動についてはどういうような状況にあるか、ちょっと質問させていただきます。 ◯井出生涯学習部長 社団法人企業メセナ協議会の調査によりますと、平成七年度のメセナ活動の実施件数は、延べ千三百九十七件、それから資金援助額の総計が百六十八億円余でございまして、一社平均にしますと九千六百六十五万円ということになります。 ◯藤川委員 アメリカでは、民間人及び民間のいろんな機関が活発に文化活動を支援していると聞いておりますが、日本とアメリカにおける民間の文化活動、文化関係支出額についてどのような差異があるか、重ねて質問させていただきます。 ◯井出生涯学習部長 これは、文化庁が行いました欧米主要五カ国の文化支出に関する研究調査でございますが、平成六年度のアメリカにおける企業、財団、個人等の民間の文化関係支出は約百億ドル、当時の為替レートで一兆四百五十六億円という調査結果がございます。この調査によりますと、アメリカの総文化支出に占める民間部門の割合は九二%ということで、日本は三%ということでございます。 ◯藤川委員 この質問についての私の結論というのは、今の部長さんからいただいたご答弁そのものなんですが、要するに、アメリカの総文化支出に占める民間部門の割合が九二%だ、日本はたった三%だと。これはどういうことかというと、土地を買って建物を建てることは大変コストがかかるわけです。だから、民間ではそこまで突っ込むことはできないとしても、東京都が東京芸術劇場とか文化会館をつくり上げた後は、管理とか運営とかに関しては、積極的に民間に呼びかけて参入してもらう、要するに、東京都の側がセールスマンシップを発揮することによって、東京都の負担を軽減していく努力をすべきじゃないかというのが私の考え方なんです。  だから、東京都民の皆さんに、日本国民の皆さんに、できるだけ負担をかけないにはどうしたらいいかということ、お金が足りなくなったらもう値上げすればいいんだというのは、それは僕の考え方でもできるわけですが、皆さんは優秀な頭脳を持っていらっしゃるわけですから、そういう面では、どうしても手元が不如意になって、お金がもう少し要るというときに、都のお金を使わないで、どういう方法で上手に管理運営することができるかということをよく考えていただきたいと思います。それが九二%対三%の大きな差であろうと思います。ちなみに、日本の中央政府がかかわる割合は九〇%だと書いてありますが、それはまさしく、余りにも日本の文化度がまだ低いがために、国や地方公共団体の皆さんが一生懸命力を入れ過ぎているんだろうと思うわけです。そうであれば、どうか皆さんのお力で、どんどん眠り続けている日本の民間人に対しての頂門の一針を、よろしく目を覚まさせるようなご努力をお願いしたいと思います。  日本の異常性の三つ目です。  これは何かといいますと、先ほど藤井委員が質問されましたが、夢の島体育館のトレーニングルームについて私の方にファクスが入りました。それを見ていて、いろいろなことについてはもう藤井委員が質問されましたので、私が聞かせていただくものと同じなので質問はしませんが、一つだけ、ここが気がついていないんじゃないかなという点に私自身気づいたわけです。それはどういうことかというと、これは委託しているんですよね。そうすると、委託している会社がその今働いていらっしゃる方を雇用しているわけですから、東京都と直接雇用関係は結んではいないわけですよね。そうですよね。  これは私の経験なんですが、学生のときに、あるアメリカの会社の門をたたきまして、夏休み暇だから何か仕事をくれといったわけです。さあ、その人事担当の人が何といったか。今でもそれが僕の基本的な物の考え方になっているんですが、あなたは私の会社に対して何をすることができますかというのが質問だったわけです。これはどういうことかというと、あなたとこれから契約を結ぼうとしている会社はどこの会社であるかということを、はっきり向こうはこちらにいっているわけです。私どもがあなたと契約を結ぶんですよと。仕事をくれというあなたは、我々に対して何ができるんだということのわけですね。そうすると、この点に関して非常に冷たいいい方になるかもしれませんけれども、委託にしろ直営にしろ、東京都の施設をいろいろと管理運営をされるときに、どういう状態でそれをするかということは、そこで立ち働く人たちに対してはっきりとそのことをいうべきだと思うんですね。  情報の公開というのがありますけれども、それも一つの情報の公開──情報の公開というよりも、その人の物の考え方を整理してあげるといった方がいいかもしれないんですが、Aという委託会社を通じて東京都にいろいろと貢献している、そういう認識を持つことはできるかもしれませんが、要するに、間接的に東京都の仕事をすることになるけれども、実際にその人が働くのはAという会社であるということですね。それをこれからもいろいろと皆さんが大切な税金をお使いになるときに、使うターゲットについて整理されておく必要があると私は思います。  そういう面で、我々が労働を提供する、労力を提供する面において、日本の異常さというのか、あいまいさというものがあるのかなと感じました。ですから、ファクスを私の方に送ってくださいました方は、いきなりというようないい方をしておられるわけですが、その辺のところを十分に話し合いながらご理解いただくようなご努力をいただきたい、そういうふうに思います。  以上で終わります。 ◯池田委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。    午後三時二十九分休憩      ━━━━━━━━━━    午後三時四十三分開議 ◯池田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。 ◯田代委員 一点、教育長の考えを教えていただきたいと思いまして、質問させていただきます。  実は、昨日、五大紙の一つであります新聞の夕刊に、東京都平和祈念館のことが出ておりました。これは、生文の方の東京都平和祈念館の問題と全くそのまま同じというわけではないんですが、その中で、都教組などが、日米安保反対の展示をやってほしいというビラを教諭にまいたということが書いてあります。  大ざっぱにいいますと、東京都平和祈念館の偏向展示計画が問題になっている中、都教職員組合などが展示計画に日米安保条約に反対する内容をつけ加えるべきだとするビラを小中学校の教諭らに配布していたことが十六日わかった、計画見直し運動の高まりに対抗する動きと見られるが、偏向した展示計画にさらに特定の政治的立場を持ち込もうとする動きは批判を浴びそうだということなんですが、いろいろ立場立場で政治的なスタンスをあらわしていくことは、これは日本国民としては自由なわけですけれども、このように学校の先生方が一つの方向性を持ってビラをまくことの是非、その都教組のあり方、それから、当然そういうものに対しまして影響を受けるとすれば、学校の先生方はそういう方向でお子さん方の教育をするであろうと。
     また、こういう偏向展示をしている祈念館ができ上がったときに、当然、課外授業としてどんどん使われていくべきであるし、またいかれるであろうと思います。十万人から四十万人ぐらいの見学者がいるという予定でいるわけですから、そうなると、こういう一方的なものが展示されないとしても、もしも内容にこういうものが足りないなんという話が出てきますと、まだはっきりとした答えが出ていない、右も左も、きちっとした話し合いができて──中立公正なものができていない段階で、こういうものが刷り込みとして使われるとなると、少し問題があるのではないだろうかという感じがいたしますので、その点を教育長から、こういうビラをまくことが遺憾であるかどうかということを、ちょっとお考えを教えていただきたいと思います。 ◯市川教育長 一般論として申し上げれば、教育公務員は、教育を通じて国民全体に奉仕するという職務と責任において、法令上も政治的中立性が強く要請されているわけでございます。したがいまして、政治的中立性が仮に疑われるようなことがあるとすれば、これは遺憾であるといわざるを得ないと思います。  お話しの件につきましては、まだ東京都教育委員会としては詳細に事実等を把握しているわけではございませんので、申しかねるわけでございますけれども、仮に勤務時間中にビラを配布するなどというようなことがあれば、それは服務規律に違反するというふうに考えます。 ◯田代委員 私、以上なんですが、今、教育長からもお答えいただきましたように、政治的中立というものはきちっと守って、公明正大な教育というものの理念を掲げていただきたい、そしてまた事実調査が行われない限りは、一方的に最初からいけないというのも確かにいい過ぎかもしれません。どうなっているかということをきちっと調査をしていただいて、必要な処分、処理をしていただきたいと思います。  以上で終わります。 ◯野村委員 それでは、大まかにいって、三つの問題を伺わせていただきたいと思います。  一番初めは、スポーツ施設使用料値上げ、それからトレーニングルームなどの廃止の問題についてです。  今度提案されておりますスポーツ施設使用料の値上げについては、皆さんのところにもそうだし、きょうかかっております請願陳情についても、都民からの意見が来ているわけですけれども、その使用料の値上げ案が提出をされておりますが、まず、その概要をご紹介いただきたいと思います。 ◯阿部体育部長 今回、値上げの概要ということでございますけれども、まず、考え方につきましては、体育施設の使用料につきましては、都財政健全化計画実施案に基づきまして、住民間の負担の公平を図る見地から見直しを行ったものでございます。その使用料の値上げに当たりましては、スポーツ振興法の趣旨に配慮するとともに、体育施設六館の立地条件あるいは利用状況等を考慮し、各体育施設の特徴を生かした運営ができるように努めております。  具体的には、興行等に利用される施設につきましては、興行等に利用される場合と、それ以外の場合との間に料金格差を設けておりますけれども、負担の公平性の観点から、現行料金が大きく適正を欠く施設につきましては、使用料を改定することといたしました。  また、興行等に利用されることのない施設については、入場料徴収の有無等により区別し、入場料徴収のないものについては、極力、使用料の値上げを抑制するようにしたところでございます。 ◯野村委員 私どものところに話に見えられた、ある団体が行っております東京体育館での卓球大会について試算をしてみました。この場合に、メーンアリーナ使用で三二・五%の値上げ、それから、五〇%の減額措置はありますが、附帯施設使用など実際の利用形態で試算をしてみますと、現行の九万五千四百円から十万七千九百円、一万二千五百円の値上げでございます。この団体は年に九回大会をやっておられるということですから、全体では十一万二千五百円の負担増ということになります。もちろん、みんなアマチュアの団体ですから、これは相当な値上げだと思います。全体としてまとめておっしゃったんですが、今度の値上げの中では、東京武道館では、道場の専用使用料四七%という値上げもありますし、個人でトレーニングルームを利用する場合は三百五十円から五百円と、四三%の値上げになるわけです。そういうことがございますね。  それからまた、子どもたちの水泳教室をやっていらっしゃるところでは、水泳教室だけれども、団体で借りてはいないで、結局子どもたち個人でチケットを買って入る、そういう教室の話なんですけれども、毎回チケットを買って入る利用料も上がりますよね。使用料は幾らですか。 ◯阿部体育部長 子どもの使用料は大人の半分ということで、今度、プールの使用料が上がると、五百円の半分、二百五十円ということになります。(野村委員「前は幾らですか」と呼ぶ)前のプールの個人使用料は四百五十円で、それが五十円上がるものですから、四百五十円の半分、二百二十五円ということになります。 ◯野村委員 一人一人の子どもですから、二百二十五円が二百五十円、小さい数で、二十五円だけ上がるよというふうにとられるかもしれないけれども、一週間に一回とか二回とか、それから一月にすれば、それだけ回数があるわけです。やっぱり公共の施設は安いから、安心して水泳教室に参加できるという子どもたちというか親たちというか、いっぱいいるわけですから、先ほどもお話がありましたように、今不況の中で、子どもたちの教育にかかる費用、子どもたちを育てるのにかかる費用がいろいろ高くなっている中で、本当に健康な体を鍛える、子どもたちを育てるというためにも、スポーツ施設がそういう形で値上げになるということは、重大な問題だと受けとめているところです。  いろいろと団体から請願陳情が出されておりますけれども、どのような団体から幾つ来ておりますか。資料を出していただいたけれども、傍聴の方もいらっしゃるので、ご紹介ください。 ◯阿部体育部長 資料でお出ししてございますけれども、三月六日までの段階では、新日本スポーツ連盟東京都連盟あるいは国民生活要求大行動東京実行委員会、そのほか武道関係の団体等四十九団体ということで、合計五十一団体からございます。  それから、大変申しわけございません。先ほどの児童の現行の料金で二百二十五円と申しましたけれども、端数処理をして二百円で現在実施しております。間違えましたので、訂正しておわびいたします。 ◯野村委員 このようにたくさんの団体、都民、利用者から疑問の声が寄せられているわけで、ここには出されておりませんが、日本バレーボール協会、車いすバスケットボール協会、それから先ほどの子どもの水泳教室の主催者など多くの団体が反対の声を上げまして、この問題でこの間も連絡会が結成されました。そういうこともございました。  利用者の皆さんが大変怒っていらっしゃるということで、先ほどからいろいろとご紹介がありましたけれども、私のところにファクスも、切々としたお手紙も、それから、この間、辰巳と夢の島のトレーニングルームなどを見に行ってきたものですから、そこで話を聞いた方に途中で声をかけられて、見てくださったそうですねという声が上がったり、頑張ってくださいという激励を受けたりしております。  こういう値上げとあわせて、今度出されておりますトレーニングルームや健康体力相談室の廃止の問題がありまして、それを含めてのお手紙なんですが、一つご紹介させていただきます。三月に入ってトレーニングルームに行ったら、突然の張り紙だった。廃止になるので、回数券は二十五日までに使えだってと。こんなとんでもない話でも、都で決まったといわれると、どうせそういう施設を使ったこともない人たちが賛成ってやって終わっちゃうわけだと、怒る相手も見えない政治にうんざりしていましたという政治に対する不信が述べられて、十七日、きょう文教委員会があって十四人の委員がいらっしゃると聞いたので、いわせてもらいますと。廃止理由は赤字経営と区内に区立、民間施設があるからとか、よくいえますよね。ごみ処理場の余熱で夢の島にプールをつくって、大会のできる施設も欲しくて、今度は辰巳にプールをつくって、隣接しているって、当たり前でしょう。有明の方の同様の施設は、わさわざこれをいうために──というのは、さっきいったこの方のいい方では、近くにあるよという、そのために区に上げたわけでしょう。でも、箱をくれても区は運営し切れなくて、大きなマシンの入った人のいない箱なんですと。ところが辰巳のトレーニングルームは、トレーナーの皆さんの努力のおかげで、不思議なくらいすばらしい本当の施設なのです。体力に応じたトレーニングメニューの組み立て、マシンの利用法、目的別ダンベルトレーニング法、リズム体操、アクアビクス、なまじの民間施設にもまさる内容があるところを、またもやただの箱にしてしまうなんてと、大変怒りの声でございます。  もう一つは、特に廃止の通告の問題もあると書かれておりますけれども、私たち利用者に何の相談もなく、一片の紙切れで──張り紙があったそうですね、重大な問題を済まそうという都の態度には憤りを感じます。しかも、わずか四年前に、夢の島と競合することはわかっていながら辰巳に施設をつくっておいて、今度は両方とも廃止するのでは余りにも身勝手ではないでしょうか。提案では──条例の提案ですが、使用料の削除と書いてあり、他の施設の値上げ案とは質的に異なる重大な内容を含んでいることが非常にわかりにくくなっています。こういうことで、頑張ってくださいというお手紙なんですね。  特に、利用者が一方的な通告に驚いていると。どうしてこういうことになったのか。利用者は大体決まっているわけですから、なじみになっている方たちがいっぱいいるわけですから、意見の交換ぐらいはするべきではないんでしょうか。どうでしょうか。 ◯阿部体育部長 利用者の立場からのいろいろなご意見もあるということは、十分考えておったわけでございますけれども、この件に関しましては、まず、二月二十日の文教委員会の事前説明、この後でお話をするのが適切と考えまして、二月二十日の文教委員会の事前説明の直後に、使用料の改定等トレーニングルーム、健康体力相談室の廃止を都議会に提案したこと、それから、この案が可決された場合、十年の四月一日から実施されることについて、当該体育施設に掲示することにより、ご利用の方々にお知らせした、こういうことでございます。 ◯野村委員 お知らせを持ってきていただいたので──こういうのです。利用者の皆様へ、体育施設の使用料等の改定案が平成十年第一回東京都議会定例会等に提案されています。この提案が可決された場合、平成十年四月一日からトレーニングルームが廃止になります。お手持ちの回数券は三十一日までに使用してくださいということが書いてあるんですが、事は、これが本会議で決定するのは三月二十七日ですよね。そして四月一日から廃止って、余りにも都民無視も甚だしいといえるんじゃないでしょうか。だから予告すると。予告するにも、条例案が発表されなければ、ほかの人にはいえないから、二月に条例案を発表すると同時に、こういうことになりますよというのを通告したのだという、それはそのとおりですよ。しかし、三月二十七日に決定されて、直ちに四月一日から閉鎖。これは夢の島の方なんですけれども、特に辰巳の方は、三月の二十六日から貸し切って何か大会が行われるから、さっきのお手紙にもありましたように、二十五日までしか一般の方は使えない、だから回数券を二十五日までに使ってください、なお払い戻しもしますよというのは書いてはあるようですけれども、とにかく、そんなに早急にばたばたっと決めるのは、余りにもひど過ぎませんか。 ◯阿部体育部長 先ほどもお話し申し上げましたけれども、都議会に提案した後に、ご利用者の方々にお話しするのが筋かということで、その直後に掲示を出したわけでございます。三月二十七日のお話でございますけれども、短いというお話ではございますけれども、二月二十日以降は、ご利用者に周知する、あるいは委託の会社の方々ともいろいろお話をするということで準備を進め、ご提案の趣旨をご理解いただいている、作業を進めているところでございます。 ◯野村委員 余りにも怒りの声が強いので先に取り上げてしまいましたが、ちょっともとに戻しますが、これらの施設の廃止についての概要、それから廃止の理由、そしてこれらの施設の利用人員、先ほどから少ない少ないという声がありますが、利用実績をお願いいたします。 ◯阿部体育部長 施設の廃止の概要につきましては、トレーニングルームにつきましては、先ほどもお答えいたしましたけれども、身近なところにいろいろ体育施設ができて、トレーニングルームが整備されている、民間のフィットネスクラブも多く設置されている、その中でトレーニングルームを維持していくには、機器の借り上げやトレーナーの配置などで多くの経費がかかるために、体育施設四館については使用料の改定をお願いするとともに、六館の中で比較的利用者が少ない東京辰巳国際水泳場と夢の島総合体育館のトレーニングルーム、この二つについては廃止するということでございます。  利用実績でございますけれども、これにつきましては、資料でご提出してございますけれども、資料の一六ページにございますが、過去五年のうち、平成八年度の夢の島総合体育館の年間の利用実績は二万一千二百九十一人、東京辰巳国際水泳場の年間利用実績は三万七十七人、こういう状況でございます。ちなみに、東京体育館が一番多くて十三万一千三百一人、駒沢オリンピック公園総合運動場のトレーニングルームが十一万六千六百八人ということでございまして、ただいま申し上げました二館が、六館の中では一番少ない方から一、二番目ということでございます。 ◯野村委員 東京体育館というのは、駅前で一番便利なところにありますよね。中央線の新宿の次の次ですか、本当に便利なところにありますから、当然多いでしょう。しかし、二万一千二百九十一人とか、辰巳の三万七十七人とか、こういう利用者を少ないっていえますか。常識的に少ない数ではないですよね。こういう方々が利用していらっしゃる。特に、車で行くと割に便利なところなので、夢の島も大勢の方が──私、あえて大勢の方と申し上げるけれども、行かれますし、江東区民、地域の方だけではなくて、お勤め帰りや、通りがかりでそこでおりて、ちょっと歩くけれども、そこを利用される方とか、わざわざそこへ出かけていって利用される方、そういう方々がいっぱいいらっしゃるわけですよ。もちろん、延べの人数にしても二万とか三万、こういう方々の声を聞かずに一方的に廃止をしよう、こういうのは絶対おかしいですよね。都民無視も甚だしい。そういうふうに思いませんか。 ◯阿部体育部長 トレーニングルーム、健康体力相談室の廃止につきましては、利用者の立場からのご意見もあることとは思いますけれども、利用者の立場も念頭に置きつつ、施設機能の特色を維持する、あるいは経営面、こういった観点から全体的な視点からの議論を重ね、これにつきましては行政が責任を持って判断し、この場にご提案することが肝要であるというふうに考えたものでございます。 ◯野村委員 利用者の立場もありますけれどもという、そこのところがひっかかりますね。利用者無視というか、何のための施設なのか。教育庁がこういうものをつくって、皆さんにどうぞやってくださいといって、やってあげている施設じゃないでしょう。公共の施設ってどういう位置づけなんですか。今までやっているし、またほかのところでもやっていますね。こういう施設のありよう、どういうふうに考えていらっしゃるのか、もう一遍ご答弁ください。 ◯阿部体育部長 都民の方々がスポーツに親しんでいくという観点から、できるだけ使いやすい施設であるべきだというふうに考えております。先ほども申し上げたようなことで、全体的な視点から考えてまいったわけでございまして、その結果として、できるだけアマチュアスポーツ等については利用料を値上げしないというような方向で、その利用者の立場等を十分勘案しながら、かつ現在の施設の歳入歳出の状況等を見ながら、総合的に考えたものでございます。 ◯野村委員 東京都にスポーツ振興条例がないので、国のスポーツ振興法第三条、国と自治体の責務についてどう述べていますか。 ◯阿部体育部長 スポーツ振興法の第三条ですが、二項から成っておりまして、その一項では、ちょっと長くなりますが、「国民及び地方公共団体は、スポーツの振興に関する施策の実施に当たっては、国民の間において行われるスポーツに関する自発的な活動に協力しつつ、ひろく国民があらゆる機会とあらゆる場所において自主的にその適性及び健康状態に応じてスポーツをすることができるような諸条件の整備に努めなければならない。」、二項は、「この法律に規定するスポーツの振興に関する施策は、営利のためのスポーツを振興するためのものではない。」  以上でございます。 ◯野村委員 そういう責任が国にもあるし、それを引き伸ばせば、東京都の行政自身もそういう責任があるわけですよね。どうですか。 ◯阿部体育部長 さまざまな条件の中で一番適切なものを考えていくべきだ、こういうふうに考えておりますけれども、そのような趣旨の中で進めていくべきだというふうに考えております。 ◯野村委員 そこにお金、経済効率、それをいいたいけれども、口に出せないということで部長さんがいってらっしゃるんだと思うんですけれども、さまざまなことを考えて、閉鎖か値上げかどっちをとろうかといって、ここは閉鎖して、こっちの利用料金は値上げの方向で、減らされた財源の中でやりくりをしようとしたんだ、そういうことがわかりますよね、その答弁の中で。とんでもないと思うんですよ。  辰巳の方は、まだできて五年ですよね。国際的な競技もできるというすばらしい水泳場ができて、この間、私たちも行ってきましたけれども、そこに大変すばらしいトレーニングルームがある。若い方たちが一生懸命トレーニングに励んでいらした。こういうふうに愛されて、本当に自分たちの体力増強のために──また、私、お電話いただいた方は、五キロやせさせてもらいましたと。健康のために医者から減らしなさいっていわれて、辰巳に通って五キロ減らさせてもらいました、ここを閉鎖したら、我々の健康を守るために大事なものを──閉鎖は許されない、許さないでください、頑張ってくださいということだったわけです。都民の健康への関心も高まって、スポーツへの要求も増しているときに、値上げはするし、施設は廃止する、それも関係者の意見も十分聞かない、利用者の意見も聞かないで強行しようという姿勢は、絶対に許されないと思います。  もう一つ、健康体力相談室の方について、どのように運営され、どういう機能があるのか、そしてどうしようとしているのか、そちらの方をお願いします。 ◯阿部体育部長 健康体力相談室につきましては、施設の中にいろいろな医療機器を置いて、施設によって若干違いますけれども、一番綿密にやっているところは、お医者さん、看護婦さん、それから相談員といったような形で配置をいたしまして、そこで、例えば心拍あるいは心電図をはかり、その人に適した運動処方と申しましょうか、そういったことを指導して、その人に一番ふさわしいスポーツあるいは運動ができるようなことを実施しております。 ◯野村委員 だんだん部長さんの声が小さくなってきましたけれども、この健康体力相談室というのは、見ると利用者は大変少ないですけれども、それも当然で、お医者さんもいて、あるところでは診療所という名前をつけていて、そういうところは保険の適用もあるという話なんですけれども、その方の健康に合わせた相談室ですから、こういうメニューでやったらいいよという処方などもきちっと指導している。それが民間ではなしに公的な施設としてある、そこが非常に貴重だと思うんですよね。  先ほどの閉鎖するところという話がありましたけれども、閉鎖はしないけれども、辰巳などは縮小するという話がありますね。そうじゃないですか。 ◯阿部体育部長 辰巳のプールの健康体力相談室については、従来実施していた回数を少し減らす形で実施していこう、こういうふうに考えております。 ◯野村委員 それもお金ですね。委託契約のお金をカットするため、減らすためにこういう方法を考えた。私どもが受けました教育庁からのご報告のときには、廃止ということは出ましたけれども、縮小という話は出なかったので、私たちも行って、本当に寝耳に水でびっくりしたんですよね。そういう形でどんどん狭めている、これは本当に許されないと思います。  それから、辰巳の問題ですけれども、今の契約額を縮小させるために、水泳場にとって大変大事なライフガード、そういう問題も出てきていると思いますが、わかりますよね。減らすという話、よろしくお願いします。 ◯阿部体育部長 例えば、辰巳の場合でございますけれども、委託契約の中で仕様を十分見直し、従来と比べて安全の確保がきちんとできるという中身を精査いたしまして、減らすという形で考えております。  大体の目安の話ですけれども、例えば、今まで辰巳のプールで一番繁忙な大会、この場合には二十六カ所に人を配置しておりました。そうでなくて比較的緩やかな大会のときは、二十一の場所に配置しておりましたけれども、今回はそういったようなことを見ながら、かつ安全が確保できるということで、二十カ所に配置して対応していこう、こういうふうに考えております。 ◯野村委員 人を減らすということは、それで本当に命が守れるのかという問題ですよ。どういうふうに対応なさるんですかと聞きましたらば、大きな大会などでライフガードが必要なときには、サブプールの方を団体だけにして個人利用は断る、それでこちらの大きなプールの方を厚くする、そういうふうに考えますという話なんですが、サブプールの水深は、小学生でも安心して泳げる一・二から一・四メートルなんですよね。ところが、メーンプールの五十メートルプールの方は、下から底が上げられますけれども、五十メートルの縦のところで上げるわけですから、コース貸しなんてするときには、メーンプールの方で泳いでいたら、コース貸し使っていただきますといわれたけれども、深いところから浅いところまで、泳いで行けば途中で深くなっちゃうわけでしょう。そうすると、子どもたちの練習にはとても対応できない。そういう意味でも、これは本当に利用者の実態に合わないやり方だと。命にかかわるライフガードを減らすという、ここにもスポーツに対して教育庁が何を考えているのかと疑わざるを得ないような中身があらわれているんではないでしょうか。まさに東京都のスポーツ行政が問われていると思いますけれども、いかがでしょうか。 ◯阿部体育部長 辰巳のプールのサブプールでございますけれども、ここについては、コース貸しについては実施していこうということで現在考えているところでございます。なおかつ、夏の一番ご利用者の多いときには、サブプールについても個人利用していく、こういう方向で、できるだけ利用者にご不便をおかけしないように、利用者のニーズに合った形で対応していこうということで考えております。 ◯野村委員 サブプールの問題は問題ですよというふうに申し上げただけで、今質問しましたのは、今までのこと全部合わせて、東京都のスポーツ行政が問われているんじゃないか、それについてお答え願いたい。 ◯阿部体育部長 先ほど来申し上げておりますけれども、東京都の体育施設六館での歳入歳出の状況は、先ほどご説明申し上げましたとおりで、一年間で四十六億円の収入が不足する、こういう状況でございます。そういう中で体育施設を都民を初めとした利用者の皆さんにご活用いただくためには、入るをはかって出るを制すという形で対応していく必要があるんではないか、こういうことで対応しておるわけです。  体育行政そのものとしては、先ほど野村先生おっしゃいましたように、スポーツ振興法の趣旨を生かしながら、非常に難しい中で対応していこう、こういう考え方で今臨んでいるところでございます。 ◯野村委員 こういう提案をしてくるということ自体、もう四月からそうしようとしていること自体が、スポーツ振興法の精神に外れているということだと思うんですよ。こういう財政危機の中で、けれども法に照らして進めていきたいんだというのは、これはちょっと話が違うんじゃないかというふうにいわざるを得ません。  また、国の保健体育審議会が昨年九月に出しました、生涯にわたる心身の健康の保持、増進のための今後の健康に関する教育及びスポーツの振興のあり方についてというのがあるわけですけれども、その中で、活力ある健康的な社会を実現するために、国民が身近な地域においてスポーツに気軽に親しむことができる環境を整備していくことが重要である、これが答申されているんですね。これがまさに国と自治体の責務で、特に、都としての拠点となるスポーツ施設でのスポーツ相談部門の創設、ふやしなさい、始めなさいということも提案しているんですよ。まさに逆行ですよね。東京都のスポーツ政策は、この答申に照らして逆行といわなければなりません。そうじゃありませんか。  お答えを求めても同じことをおっしゃるでしょうから、答弁は求めませんけれども、先ほどご紹介いただきましたスポーツ振興法の中には、地方自治体でスポーツ審議会を設置するとともに、スポーツ振興計画の策定も求めております。東京都にはそれもありませんね。生活都市重点計画でも、スポーツ・レクリエーションの振興では、武蔵野の森競技場の整備と駒沢オリンピック公園総合運動場の陸上競技場の改修、これが挙げられているだけです。今回のこの一連の値上げ、それからトレーニングルームや健康体力相談室の廃止も、都の貧困なスポーツ行政から来るといわざるを得ないと思います。  この際いうと、何かちょっとおかしいみたいですが、そういう精神からきちっとスポーツ振興法の精神に立ち返る意味を持って、都としてスポーツ振興計画ぐらいつくったらどうでしょうか。 ◯阿部体育部長 東京都としましては、これまでスポーツ振興審議会等の答申に基づきまして、スポーツ振興法等の趣旨を踏まえながら、いろいろ体育行政を進めてきたところでございます。これからもそういうふうにしていくつもりです。  スポーツ振興計画のお話でございますけれども、スポーツ振興計画につきましては、先ほどのスポーツ振興法の後の方に、国のスポーツ振興計画といったものを参酌しながらつくっていく必要があるんだ、こういうことも規定されております。したがって、私どもとしては、現在は、都の実態に合ったスポーツ振興審議会の答申等を踏まえて対応していくということで、なおかつ趣旨としては、スポーツ振興計画があることは大いに結構というふうに思っておりますので、そういう国の動きなどを見ながら研究してまいりたいというふうに思っております。 ◯野村委員 都がスポーツ行政についての姿勢を根本的に改めるということが求められていると思います。今回の値上げの計画などは、撤回を要求したいと思います。  特に、トレーニングルームについて、四月一日からということで先ほど私も批判しましたけれども、リースで使っている機具と都が自前で持っている機具もあると聞いております。そういうものがあるのだから、これは百歩も二百歩も千歩も譲っての話ですけれども、時期をずらして、しばらく存続はさせて、リースでもうやめだ、お金がないよというものは、もうしようがない、切れたとしても、自前で持っている機器は活用させて、これから都民の期待にこたえて、閉鎖でなく、細々と続けるというか、そういう考えをちょっと感ずるんですけれども、少なくともやったらいいんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。 ◯阿部体育部長 確かに、施設にはリースの機器と購入した機器とがございますけれども、購入した機器につきましては少のうございます。今後、都財政に負担をかけないということに心がけながら、今ご提案のことも含めて、トレーニングルームの後の活用方法等について検討してまいりたいと思っております。 ◯野村委員 それはぜひ考えていただきたいと思います。  それから、ちょっと話が違いますけれども、先ほどお話がありましたパラリンピックの金メダリストの土田和歌子さんは、教育庁の職員でいらっしゃるんですよね。多摩の教育事務所の西多摩支所の職員の方だそうでございますが、テレビでも盛んに都の職員だといっておりましたが、せっかくすばらしい成果を上げられたわけですから、知事さんが表彰というか、そういうことでもお考えになりませんか。いかがでしょうか。 ◯阿部体育部長 土田和歌子さんは、パラリンピックでアイススレッジLW11クラスで銀メダル二個、金メダル二個という大変な活躍をいたしました。先ほどお話のあったように、我々に元気と意欲を沸かせてくれた一つのケースだと思っております。この件につきましては、関係局と相談しながら検討してまいります。 ◯野村委員 次に、文化会館関係──文化、美術、そういう関係でお願いをしたいと思います。  この文化会館の使用料などの値上げが出されまして、文化にかかわる方々が立ち上がって反対の運動に取り組まれている中で、都民にとって文化って何なのかということが改めて問われてきたと思います。そういう立場で少し考えてみたいと思います。  まず初めに、文化振興条例、これは都の方に条例がございますが、簡潔にご紹介ください。 ◯井出生涯学習部長 お話しの条例は、都民が個性豊かな文化を創造し、その生活を向上させるために必要な都の文化振興施策の基本を定めたものでありまして、芸術文化の振興や自主的文化活動の促進、文化施設の整備等について規定してございます。 ◯野村委員 値上げの対応というか、それも簡潔に、要所要所でよろしくお願いします。 ◯井出生涯学習部長 今回の文化施設の改定でございますが、事業運営に直接必要な経費は利用者負担にすることを原則としながらも、芸術文化振興の観点から、多様な芸術活動にこたえられるよう、利用者別、入場料別、平日、休日別に区分をするなど工夫を凝らしたものでございまして、また、民間類似施設との均衡にも配慮してございます。 ◯野村委員 今回の使用料の改定について、値上げとあえていわせていただきますが、ちょっと参考までに、初め原価主義というふうにいわれて、後ではいわれなくなりましたが、もともと財政健全化計画の中で出された原価として算定された項目、教えてください。 ◯井出生涯学習部長 今申しました事業運営に直接必要な経費ということでございまして、すなわち人件費、光熱水費、維持管理費及び設備にかかわる減価償却費より積算されてございます。 ◯野村委員 先ほどもご紹介いただきました値上げの状況なんですが、私も芸文議連の役員をさせていただいて、いろいろな芸術団体の皆さんが集まられたところで、今度の値上げ、こういうふうにおさめました──一番初め、中村紘子さんを実行委員長にして、本当に値上げ計画に驚いた都民の皆さんが、怒りのコンサートを初め反対運動を展開したわけですよね。署名運動も中村紘子さん自身が有楽町の駅前で署名に立たれたりして、最終的に集めた署名は四十五万を超えたというふうに聞いております。こうした怒りの声があるわけなんですけれども、この芸文議連で説明をされたときに、二二%でございますというご報告があったら、芸術団体の皆さんはほっと胸をなでおろされて、そのくらいでおさまったならよかったわ、頑張って皆さんにお願いをしてよかったという声が聞かれたんですが、実際に、私どもが詳しく値上げの状況を見てみますと、もっといろんな複雑な値上げ方というんですか、表ができて、随分高いところもありますね。その高いところ、どういうところがどういうふうに高いか、仕組みを変更したというんですか、値上げの考え方が変わったところ、芸術劇場について特に変えたところがあると思いますが、それもあわせてお願いします。 ◯井出生涯学習部長 今、先生がおっしゃられました増収見込み率ということで二二・一%、芸術劇場で九・三%ということでございます。その値上げの幅の一番大きいところといいますと、例えば文化会館の大ホールでいきますと、最大は一・四五倍、芸術劇場の大リハーサル室、夜間使用の区分になりますと、一・五八倍となります。  従前と変えたことといいますと、従前は、芸術劇場につきましては、午前、午後、夜間の料金比率はございましたけれども、文化会館とは違った比率をとっておりました。従前は、午前中が二八%、午後が三六%、夜間が四六%ということであったものを、文化会館と同じように、二〇%、四〇%、五〇%という案分比率を適用したわけでございます。 ◯野村委員 そこのところが皆さんにきちっと説明がなかったと思うんですよね。ですから、全日使用で、文化会館が午前二〇、午後四〇、夜間五〇という比率になっていて、芸術劇場がそれよりも少し低かった。それに合わせて高くした。そういうことが組み合わされて、芸術劇場の場合は、午前中は引き下げられたところもある、だから高くしてないんだとおっしゃるみたいなんですが、午後と夜間で見ると、相当な高い引き上げ幅が出てくる。何だかだまされたみたいで、よく見たらとんでもないですよというふうに、後から私のところにいってこられた方もございました。やっぱり初めからこういうことである、こういうふうにしたんだという報告はきちっと公正に行うべきですよ。隠すような──知らず知らずのうちに隠したのかもしれないけれども、悪意があったとは私も思いませんけれども、こういうことでお願いしたいんだという話は、提案はもっとはっきりなさるべきだと思うんです。  それに加えて、説明をいただいたときに、私も、えっと思ったんですが、例えば、文化会館で二二%という値上げをしたときに、収入だとおっしゃいましたけれども、二二%のアップという、ホール全体を考えたのを、楽屋とかリハーサル室とか会議室とか、その他の会場に適用をした。二二%先にありき。それをリハーサル室や楽屋や会議室に適用したということになりまして、文化会館の方でもすごいですよね。夜ですけれども、個室の楽屋六四%、大化粧室六二%、会議室も高いところは二五%、数字を見るとびっくりするような額が出てきます。大リハーサル室、夜六一%、中リハーサル室五六%、もう一つは六〇・九%、小リハーサル室六四%、五八%、こういうのが出てくる。  私は、そういう考え方、とってもおかしいと思うんですよ。平均で二二%にしました、ホールの値上げがこうなった、ホールの値上げの中には、三万以上、それから三万円以下一万一円以上、一万円以下という三ランクにしましたと。その大変数少ない三万円以上の額も全体で丸めて平均だということにして、二二%をほかの楽屋にもかけたわけでしょう。だからこういうことになっちゃったと思うんですよ。どうなんですか。 ◯井出生涯学習部長 今のお話でございますけれども、この額の決定に当たっては、今先生がおっしゃったように、値上がり率ということではなくて、八年度実績に基づく増収率で計算しましたというふうに申し上げておりまして、したがって、八年度実績、例えば、芸術劇場について三万円以上というところはないわけでございまして、ここは増収率に換算しますとカウントされないということになりまして、先生おっしゃるような値上がり率ではないわけで、増収率で計算させていただきましたということは再三申し上げているところでございます。 ◯野村委員 三万円以上はありませんでしたよといわれても、三万円以下一万一円以上というような、会議だとかは、そういうところの価値というか、そういうのとレベルが違うでしょう。この値上げ率をほかに適用したというところが問題なんだということ、これはもうはっきり申し上げられると思います。  この値上げが交響楽団とかバレエとかオペラとか、そういう方々の団体にとってはなかなか大変だということで、中村絋子さんが実行委員長になるというような運動に発展をしてきたのだと思いますけれども、今度の値上げそのものについて、中村絋子さんが大変厳しい声を出していらっしゃいます。  読み上げると時間がないので、私が要約をして申し上げれば、東京の文化、今まで箱物行政といわれて箱物をいっぱいつくってきた、それで文化費は上がったかもしれない。しかし、文化と称してつくられた箱物行政の結果として、その管理維持費がかかるわけですから、そういう費用が結局、直接文化、芸術にかかわる行政の方にしわ寄せが来ているじゃないか、そういうことは絶対困るんだ、そういう政治は変えてほしい、やめてほしいという思いを訴えていらっしゃるんですよね。  ちなみに、国際フォーラムというのが中村絋子さんの言葉に出てきますから、調べたんですが、国際フォーラムの管理維持費は、ことしの予特の資料に出ておりますが、四十九億円なんです。管理運営だけで四十九億も使って、本物の芸術──ホールを値上げするとかという形で、そういうところにしわ寄せが来ている。これはもう否定できないですよね、今のこの行政を見ると。そこに都民の怒りが、一つの署名で四十五万人も集まったという、その大きな原因になったのだと思います。  先ほども海外のお話がございましたので、詳しくは申し上げる気はありませんが、東京都の同じ行政だから、生活文化局の消費者の担当の方で「東京くらしねっと」という広報誌を出していらっしゃいます。その中の十一月号なんですけれども、今月の話題ということで、文化関係予算の対GDP比による国際比較というのが出ております。それを見ましても、これは国の予算ですけれども、日本の対GDP比が〇・〇一三に対してイギリスが〇・一四六と、一けた違う。フランスも〇・一八三、これまたかなり大きい額です。ドイツがその中では低い方なんですが、〇・〇三九だから、三倍ですよね。アメリカは、先ほどもお話がありましたように、国からの予算というのは大変少ない。〇・〇〇三で、これはもう皆さんもよくご存じの企業の参入──メセナですか、日本もこれから進められるという方向になっているので違うけれども、日本はまだまだ民間の資金が加わるという方向になっていない中で、国が、ということは都も、それも含めて公共の投資ということでいえると思うんですが、こういう中で、今日本の芸術文化活動が進んでいるんだと思うんですね。  交響楽団の方も、今度値上げの問題で何回もおいでいただいて訴えていかれたんですけれども、その皆さんからいただいた資料なんですが、東京には都響というのがあって、これは都が出していらっしゃいますよね。文化会館にも練習所というか事務所が置かれていて、全面的に支援が行われている。そういう中で、例えば、一般的な中堅の交響楽団には、公的な助成の比率はわずか五・三%だという資料がございます。これは、東京フィルにしても新日本フィルにしても、六・八とか四・二とかというようなレベルです。特別に自治体が支援をしている山響とか神奈川フィルとかセンターフィルとか、そういうのが大体三分の一以上公的な助成を受けているのに対して、五・三%、これも国から来ているんですが、本当に少しの助成しか受けてない。  片や、これは文化振興会が電通総研に委託して、五年ぐらい前に出されました海外における芸術文化についての調査、こんな分厚いのがありますが、それの中を見ましても、芸術に対する──今でいえばオーケストラに対して、国よりも地方自治体の方が莫大な支援をしているという実績がございました。実際に日本ではそういうことがないわけで、五%程度の公的助成の中で自前でみんな頑張っているわけですよ。ですから、今度の値上げというのが、たとえ先ほどの二二%であっても大変な負担で、どうしようかと顔が青くなるぐらいの心配をなさって、今、もう二二%におさまってよかったと思いながら、いや、やっぱりこれも大変だぞといって考えていらっしゃるというのが実態です。  ですから、東京都の文化行政というのは、今後も含めて大変責任があるんだと思うんですよ。先ほど、一番初めに文化振興条例のご紹介もいただきましたけれども、そういう意味で、先ほどのスポーツとも同じ、根は一つでありますけれども、東京の文化を守るという姿勢を強めることが今求められていると思うんです。会場費の値上げをするなんというレベルじゃないというふうに思いますが、どうですか。 ◯井出生涯学習部長 私どもといたしましては、都民が生涯を通じて芸術文化を楽しむことができるよう、活動の機会や場の充実など、いわゆる芸術文化振興に積極的に今後とも取り組んでまいりたいというふうに思います。 ◯野村委員 よく聞こえなかったんですが、一生懸命頑張ってくださるということを期待したいと思います。  美術館の使用について抜けましたので、それも申し上げたいと思いますが、美術館の使用料も値上げになりますよね。この間も私もご案内いただいたので、上野に行って見てまいりました。これは、みんなで美術展をやりましょうという仲間の美術展ですから、本当に壁面いっぱい、二段、三段といっぱいに、こんなにいろんな種類の絵が飾られていていいのかなと思うぐらいに、たくさん展示をされておりました。  先ほどのホールとかいうのは、一つの大きな興行というのか、自主公演にしても、入場料をいただいてという形でこういうふうにしているんですが、美術館の使用料というのは、直接出品者の負担になるんですよね。ですから、文化ホールとは違うんですよ、何とかしてくださいという声を私どもたくさん受けましたけれども、そういう意味では、値上げ即美術活動に非常に影響を受ける。これからもうそんなに展覧会に出せないよということにもつながりかねない、創作活動の制約もあり得るような問題につながると思いますが、その点どう把握していらっしゃいますか。 ◯井出生涯学習部長 ご指摘の絵画、書画の公募展等の利用団体等でございますけれども、出品とか規模、内容、運営方法は千差万別でございまして、場合によっては入場料を取ってやっているところもございます。それから、先生ご指摘のように、出品料で取るというようなところもございます。したがいまして、今回の使用料の値上げが必ずしもそのまま出品料に反映されるというふうには考えにくいと思っております。 ◯野村委員 ご紹介しているのは、訴えにこられた美術館の方々の声ですから、値上げ幅が決まった後でも、本当に困る、大変な問題だということを訴えていかれましたので、申し上げておきたいと思います。  先ほど申しましたように、すべて財政効率を問題にして、文化ホールだとか美術館だとかの値上げをする、こういうことから抜け出して、もっと積極的に芸術文化を援助するという立場で、見識のある文化政策を行う方向にいくことが今の東京都に求められておりますけれども、その点を要求したいと思います。そして、この値上げについては撤回をせよということを申し上げておきたいと思います。見識ある文化政策を持てということについて、どうでしょうか。 ◯井出生涯学習部長 教育委員会では、文化施設を提供すると同時に、文化会館を中心とする自主事業など、さまざまな文化活動も行っております。そういう中でさまざまな工夫をしながら、都民の期待にこたえられるよう、これからも一層の努力をしていきたいというふうに考えております。 ◯野村委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。  それでは三つ目で、長くて申しわけありませんが、教員の問題を取り上げさせていただきたいと思います。  まず、都立学校の教員の定数についてなんですけれども、現在、第五次教員定数法の中で定数が決められているわけですが、一学年八クラス、二十四学級、こういう規模ですと基本定数は何人になりますか。
    ◯押切人事部長 高校における全日制課程の二十四学級規模の基本定数でございますけれども、第三次の国の改善前で国と都を比較しますと、国は四十八人、都は四十六人となっております。 ◯野村委員 既に差をいわれましたけれども、国は四十八人、しかし東京都の配当基準、決められているのは四十六人、二人違いがある、こういうお話です。都の配当基準が決められたのは七〇年ですよね。決められてから、もう二十八年になろうとしています。二十七年もずうっとそのままで定数が来ているというのは、どう考えてもちょっとおかしいですよね。そして二名の差がある。国の方はもう二名ふえて四十八人になっている、なのに都の基準表は四十六人だと。どうしてこの二名の差が出たのかということを伺いたい。 ◯押切人事部長 都立高校におきましては、多様な選択科目を置くなど、教育課程の弾力的な編成を可能にするために、国基準よりも教員二人分を減らしまして、多くの非常勤講師に振りかえているためでございます。 ◯野村委員 よくいいますよね。基本的に国が決めている定数をきちっと保障しないで、多様な教育ができるようにというのは、どう考えても、だれが考えても、それはちょっとおかしいんじゃないですかね。何で国のとおりにしないんだというのは、これは常識的に考えて当たり前ではないでしょうか。ずうっとこういうふうに講師で充ててきたわけですか。そして、この講師じゃまずいなと思ったことはなかったのか、伺いたいと思います。 ◯押切人事部長 かつて、定数につきまして、講師に振りかえた分を基準定数化しようという時期がございましたけれども、非常勤講師による授業の弾力的運営の有効性などを考えまして、現在に至っているものでございます。  例えば、教員二人ですと、二教科しか担当できません。これを非常勤講師に充てますと、一人六時間の授業持ち時間と仮定しますと、六教科の異なった講師を雇用することができます。したがいまして、多様な選択科目を置くことができる、こういった点につきまして有効性が認められるので、かつて検討した時期がございますけれども、現状のままに至っております。 ◯野村委員 それをもって有効というのかという疑問が出てきますが、国との差二人、これが講師じゃまずいんじゃないかというふうに考えたことがかつて二回あったと、私、調べましたら出てきました。七三年に非常勤講師を減らして教諭を八百四十八人ふやす三カ年計画があったんですね。七三年に決めて、七四、七五、七六と三年かかってふやそう──それは没になりましたね。それから八八年、人事刷新委員会がつくられましたが、その中で、法律の定数確保を図る必要があろうというふうに書かれておりますね。だから、法律のとおりに定数を確保すべきなんじゃないかということは、東京都の教育委員会としても考えられたことがあった。  実際に私も考えますけれども、教員は週四十時間勤務、講師は一人当たり十八時間分というふうに来ると、その十八時間しか学校にいないわけですよ。先生たちは十八時間教えて、そのほかに教材研究もやるし、生徒指導もあるし、校務分掌で学校の事務を分担してやる、そういう仕事をその中でしているわけでしょう。ですから、定数二人のところに正規の職員がいるのと、十八時間分で二人あればいいんでしょうといって、その時間数だけ講師が来るのとは、学校にとって全然違うんですよね。生徒指導の負担についても、校務分掌の負担ということからいえば、みんなほかの先生たちにかぶってくる。この実態を認めたからこそ、人事刷新委員会でははっきりと法律の定数の確保を図る必要があろうと書かれて、そういう話をしたんだと思います。そうじゃないでしょうか。 ◯押切人事部長 都立高校における校務分掌あるいは生活指導のために講師を活用して、正規職員の持ち時数を減らすなどの努力をしています。  また、この基準定数以外にも、さまざまな目的で正規教員を加配しております。さらに加えまして、嘱託員も配置していることから、校務分掌だとか生徒指導については、各学校で創意工夫することによりまして十分可能であるというふうに考えております。 ◯野村委員 正規の教員がいるのと講師で配置するのとでは、違いがないんですか。今のいい方だとそういうことでしょう。 ◯押切人事部長 もちろん、講師は授業を中心としております。正規教員の場合は、授業のほかに校務分掌等行いますので、違いはございますけれども、嘱託員等も配置しまして、校務分掌等に支障のないように対応しております。 ◯野村委員 確かにまずいということを認めたからこそ、人事刷新委員会ではそういうことを書いている。これはだれが読んでもそうなのだと思います。とにかく、講師に今かえている二名分を、一日も早く正規教員に戻すべきだと思いますが、どうでしょうか。 ◯押切人事部長 都におきましては、基準定数とは別に、習熟度別授業のため、あるいは中退等のために、定数改善を順次行ってきております。結果として、定数的には国を上回っている状況でございます。私ども、定数二人を講師に振りかえることについても有効性を認めますので、この方式については維持しつつ、今後とも、可能な定数改善措置を図ってまいりたいと考えております。 ◯野村委員 今おっしゃったことをこれから申し上げることで整理をしていきますけれども、今二名都が減らしている分は、必ず正規分に直すように強く要求をしておきます。  次に、今二名足りないということが出ました。それに対してもう一つ、定数法、今度の九三年の第五次改善というところで、いわゆる学校規模による加配といっているみたいなんですが、二十四学級では三人ですよね。これは何クラスだと何人というようなことを、ちょっと紹介してください。 ◯押切人事部長 お話しの二十四学級につきましては、先ほど国の標準定数が四十八と申しましたが、三名加わりまして五十一となっております。 ◯野村委員 またまた差が広がったんですよ。五十一人、東京の実態は四十六人、そこで五人の違いが出てまいりました。いわゆる学校規模による加配は大分前から出てきたようです。先ほどの二十四学級校では、六七年には二人、七四には二人、八〇年改善で三人、そして九三年の改善で三人ということになっているわけで、首都東京の都立高校の教員の数が、ここで五人も違うということをどういうふうに考えていらっしゃるんですか。本当に大変なことだと思うんですよ。三十一年も前から二、三人も不足してきたということなんですから、重大な問題だといわなければならないと思います。  非常に混沌としておりますが、先ほど加配というのが出たわけですから、後から三人の、いわゆる学校規模による加配は、どういう形で学校に出していますか。それは都全体としては何人になっていますか。 ◯押切人事部長 先ほど、国におきましては、四十八名に対しまして三名が基準定数化されたというふうに申し上げました。三名は、例えば二十四学級の場合ですと、二人は習熟度学級、一人は生徒指導担当ということで、三人が加わりまして、それが基準体制になっているという状況でございます。  都におきましては、基準定数は変えていないものの、例えば習熟度でいいますと、九年度で、基準定数とは別に、三百七十八名の加配をしているということになっております。 ◯野村委員 その三百七十八名を各学校にどのように張りつけていらっしゃるんですか。 ◯押切人事部長 習熟度別授業を実施したいという考えの学校から実施計画を上げまして、それに基づきまして実情を勘案して加配をしております。 ◯野村委員 さっきの規模の学校でいうと、国の標準法によれば三人来るべき先生を学校に配当しないで、習熟度別をやるという学校に──ひどい言葉でいえばさじかげんで、上げましょうというような形で出しているのが今の実態だということになりますね。とんでもない話だと思うんですよ。二人は講師で配置しております。あとの三人は、その学校から習熟度別をやりたいので教師を配当してくださいといわれて、配当よしということになれば配当するということですね。  それでは、三人いるはずなのに配当されない学校が出ますね。どうですか。 ◯押切人事部長 習熟度別授業の実施計画や少人数指導の実施計画のない学校につきましては、配当されないことになります。 ◯野村委員 それは本当におかしいんじゃないでしょうか。標準法で決められてきているのにもかかわらず、基本の定数も不足、プラス三もあんばいで配当ということが生まれてくるわけは、きちっと東京都の基準表に書き込んでないから、そういうことが生まれてくるんじゃないでしょうか。国の法律できちっと規定をされているものは、それは最低をいっているわけだから、ここまではやりなさいよというところをいっているわけですから、東京都もこれはきちっと張りつける。子どもたちの教育のために必要なお金を東京が節約をするなんということはあり得ないわけですから、きちっと基準表として決めるべきだ。法律を守るということを教育の場で教えているわけですからね。元締めである教育庁のなすべきことは、国の法律どおりの数を基準表にきちっと書き込むことだと思いますが、どうですか。 ◯押切人事部長 標準法で定める教職員定数の標準というものは、個々の学校に配置する教職員定数を定めたものではなくて、都道府県に置くべき教員数の総定数を示したものでございます。これは、国が総定数の標準を示したことで、各設置者が個々の学校に対し、実情に即した弾力的な教職員配置ができるように配慮されたものでございます。  都におきましては、この標準法の趣旨にのっとりまして、習熟度加配定数など、定数基準とは別枠で確保し、個々の学校の実情に配慮して弾力的に配置しているものでございます。 ◯野村委員 こういうふうにやっていますということを聞いているんじゃないんですよ。こういうふうにきちっと書くべきでしょうということを申し上げているわけです。  今のお話の中に出てきました標準法の中のただし書きに、全体をまとめてやっていいというふうに書いてあるようですけれども、それが諸悪の根源というか問題だと思うんですよね。そこのところを国に対しても、標準法なんだからちゃんと張りつけて、一つ一つの学校でいい教育ができるようにすべきだ、標準法をそういうものにきちっと変えてほしいということを、それこそ都が国に要求をしたっていいんじゃないでしょうか。  この間の十月の質疑のときに私も申し上げたけれども、国の決めた標準というのはあくまで標準であって、それ以上やっても別に罰則のようなものはないんだということを、文部省から広島の教育長になられた──もう文部省に戻っておられますけれども、寺脇さんという方の発言を紹介して申し上げましたから、その趣旨を適用すれば、そこにそういうことができると書いてあっても、学校に張りつけることは何ら問題がないわけですから、東京都として、国の数字に合わせた配当をした基準表にきちっと改定をすることが求められているということを要求をしたいと思います。  こういう中で、先日、習熟度別授業ということがいろいろ出てまいりました。今度の問題は、虚偽報告というところに、教育の場として重大な問題があるということを私も思います。申告と実施の食い違いということはあってはならないことだと思います。後からあれはまずかったというような反省をするんではなくて、保護者や生徒に対しても、学校はこういうやり方をしますということを事前に公表して、力を合わせて開かれた学校づくりをすることが重要なんだと思っておりますが、そうした方向で学校も今後努力をするように、教育庁としてもその方向で援助をされるように期待をしたいと思います。  いろいろな経過の中で、ただ、学校の虚偽の報告というところは問題だったけれども、ずうっとそれ以前から、今明らかにしたように、張りつけられるべき定数が張りつけられていない、ブラックボックスということをいわれた方があったけれども、ブラックボックスの中にあって、うちの方では習熟度別をいたしますので教員を配置してください、英語と数学をこういうふうにやりますといわれて各学校から出されて、学校側と折衝をして、じゃ出しましょうという形で出す、そういうことが行われてきた。  私も、前々期のときに、当時、いわゆる教育困難校といっておりましたが、子どもたちの学力を進めるために習熟度別がいかに有効かと、テストの成績が向上した様子などを明らかにして委員会でも報告したことがあるんです。ぜひこれを進めてくださいといった者として大変残念なのは、今部長さんがおっしゃったように、習熟度別という名前で申し出があったところに出すということになれば、例えば進学校──習熟度別でやらなくたって、子どもはどんどん勉強に食いついてくる、いい成績をおさめられる、そういう学校では習熟度別を特にやらないでもいいんだけれども、その前にいったように、基本定数がまず二人足りないわけですから、のどから手が出るほど先生はふやしてほしいと、当然の要求ですよ。先生をふやしてほしいというのに、それをそのままにしてあるわけだから、習熟度別ということで名乗りを上げて教員をふやしてもらおうじゃないかという話が出てきて──私、その場にいたわけじゃありませんから、想像というか、推測ですけれども、ぜひ数学と英語が欲しいとお願いをすると、じゃ出しましょうって。  ひどい例は、英語の習熟度別ってお願いしたのに、教育庁の側から違う教科を持ってきて、この先生、この教科でやってくれといわれたという学校だって何年か前にはあったそうじゃありませんか。そこのところはそれほど明らかにするあれはないけれども、あったわけでしょう。そういうことが何年かにわたって、一度先生が来たら、簡単に次の年にはよその学校に行ってくださいということはあり得ないわけですから、その教科の先生がずうっといらっしゃる。先生が来た中で、学校として全体でどういう教育課程を組もうかと論議をして、ことしはこれでいこうと校長も含めた職員会議で決定をして、その年の教育活動が始まる、これが学校のありようだと思うんですね。  だから、その大もとをただせば、ほかの教科を持ってきたということは、まさに悪さを典型的にあらわした事例だと思うんですけれども、そういうことが実際にあったわけですから──うなずいていらしたから実証されたと思いますが、そういうことなんだから、今度のこういうのを校長さんの責任とか──虚偽報告については、これは逃れられない、もちろん、私もこれはとんでもない話だと思いますけれども、本当にそのような公表、処分をするほどのことだったのか。それよりも、私は、今まで教育庁全体がこういうことを進めてきたというのは重大問題だった、これからちゃんとしますという決意をおっしゃるべきだったと。ですから、こういうマスコミ発表をしますと私のところに報告に見えたときに、私は、それはとんでもない話ですよ、教育長さんにお伝えくださいと意見を申し上げたんですけれども、そういうものだと思うんですよ。  ですから、その根源に、これだけの先生をこの学校には配置するんだ、そういう明朗な基準がなくて、教育庁の人事部の采配でというか、配当がされるという余地を残していたというところに大きな問題があると私は思いますが、どうですか。 ◯押切人事部長 都教委としましては、習熟度別授業や少人数指導を計画どおり実施するには、定数基準を変えて一律に加配するよりも、各学校の計画に基づいて加配する方がその目的に沿うものだというふうに考えております。 ◯野村委員 今のはすれ違いも甚だしいと思いますが、さっきの規模別加配については、講師じゃないでしょう、正規の教員を配置するわけですよね。そういうことなわけですから、これはきちんと明朗なものにすることがどうしたって不可欠だといわざるを得ません。  そこで問題になりますのは、先ほどちょっと紹介した、例えば進学校で、習熟度別でやる必要はないという学校の場合に、でもやはりその学校は、今のいろいろな中で選択をふやすとか、少人数指導にするとか、習熟度別という定義は狭いから、子どもたちの学力を高めるために、いい学習ができるために、いろんな方法で工夫をしていますよね。そういうことにも二プラス一というんですか、二が習熟度別で、一が生徒指導といわれるようですけれども、そういうような暗いやり方ではなくて、プラス三の部分を習熟度別以外の工夫したやり方に対しても出すことがどうしたって必要だと思いますが、今までそれを認めていないんですよね。どうですか。 ◯押切人事部長 いわゆる習熟度別授業という厳密な意味でなくとも、それに準じたもの、あるいは少人数展開とか、そういったものについては認めております。 ◯野村委員 ちゃんと正規の職員をそうやって配置したことがありますか。ないからこそ、例えば、もう新宿高校ってあれだけ明らかになってしまいましたが、新宿高校などの場合は、習熟度別はやらないけれども、違うやり方でそれだけの工夫した授業をやっているでしょう。習熟度別だったら教師をちゃんと張りつけられるからという思いが、私のところにも全体として聞こえてきているんですよ。ほかに認めた例がありますか。それははっきりさせていただきたいと思います。 ◯押切人事部長 厳密な意味の習熟度別授業ということでなくとも、少人数展開あるいは選択授業展開などについても、習熟度の範囲に入れて認めております。 ◯野村委員 そうですか。本当に今のとおりだとすれば、この間の新宿高校みたいなことは起こるはずがなかったでしょう。ある先生の言葉で、習熟度別って出せば一番教師をふやしてくれるんですよ、だから習熟度別っていうんです、習熟度別にしないとほかに来ないから、暗にこれで出すんだと。しかし、中では習熟度別──ある学校では、うちの学校はそういうやり方じゃなくて、数学では選択の科目をふやして何単位余分に勉強できるように、英語でも何単位余分に勉強できるようにして、生徒たちにも大変喜ばれ大きな成果を上げておりますと、胸を張っていっている校長先生がいるわけですよ。だから、そういうことが認められるんだったらば、先生たちだって、校長先生方だって、習熟度別ですっていわないでも認められて、今度のような事件は起きなかったはずですよ。  逆に、だからいけないというんじゃなくて、私がいいたいのは、習熟度別じゃなくても、小人数指導でも、選択をふやすというのでも、大いに三人の先生たちを張りつけることをやるべきだということは申し上げたいんです。いいですね。 ◯押切人事部長 都教委としましては、例えば習熟度という名称でなくても、一クラスを二グループに分ける、あるいは二クラスを三展開に分けるということで、加配した教員が子どものサービスに使われている部分は認める、そういう意味でございます。 ◯野村委員 ぜひそういう形で、運用としては、習熟度別に限らず明るい形で先生を配当する、こういうふうに進めていただきたいと思います。  しかし、私は、根本的には、先ほども申し上げたけれども、こうやったら配置しますよなんというやり方じゃなくて、明るい公正なやり方というのは、基準表をきちっと書きかえて、それだけの先生を配置することが最高ですよ、そういうような書きかえを再度重ねて要求をしておきたいと思います。それこそ虚偽報告などが起こる余地がない、そういうことではないでしょうか。教育長どうですか。 ◯市川教育長 習熟度別という名前で、それを子どもたちに還元をしなかったということについては、どんなにいいわけをしてもいいわけは成り立たない、私はそう思っております。 ◯野村委員 今、私は教育長にそういうことをいっていただくつもりじゃなくて、明朗に公正にできるように、基準表の書きかえをぜひしていただくようにということで申し上げたんですが、今教育長からご答弁ありましたから、それに対して申し上げるわけですけれども、習熟度別ではないけれども小人数学級──さっきのある学校で、英語、数学を八単位とか六単位とかということで、選択教科をうんと充実したと校長先生が胸を張っていってらっしゃる、そういう学校については、子どもに還元されたわけですから、そういうのはお認めになるわけですね。それは不正だとはいえないわけですね。 ◯市川教育長 既に調査結果を発表しておりますように、習熟度別の授業をやるといってやっている学校が半数ぐらいあるわけでございますので、そのことが事実として物語っているというふうに私は思っております。 ◯野村委員 そこになるとちょっと違うんですよ。よそがやっているから、半数の人がやっているからそのとおりじゃなくて、学校はそれぞれの特殊性があるわけですよね。先ほど申し上げたように、進学を重視して現実的には大変優秀な子たちが集まる、そういう学校は、習熟度別をわざわざすることはないという学校の選択で──選択でということは混乱しちゃいますね、そういう方法を選んで選択教科をふやす。それこそ学校それぞれのやり方を考えて実施する、そういうことができるわけでしょう。だから、あるところで習熟度別をやっているんだから、ほかのところだってできるはずだとはならないということは、お言葉を返して申しわけないけれども、いわせていただきます。  教育の世界にそういう暗さというか、アングラがあってはいけないというふうに私は思う。これは皆さんがお思いになることだと思うんですよ。子どもたちに正義を教える教育の場で、不正が行われる余地を残すようなことは絶対にあってはならない、そういう意味で定数の問題を取り上げさせていただきまして、これを改善されるように、一日も早くきちっとした基準表をつくられるように、重ねて要望をしておきたいと思います。  もう一つ、今、ナイフ事件など大変不幸な事件がございまして、社会的にもみんな本当にどういうことになっちゃったんだろうという不安もあるし、何とか子どもたちをちゃんと育てるような教育を取り戻さなければとか、あちこちで論議もされ、話し合いの広がりもあるときなわけですけれども、そういう場合に、特に中学生ですが、管理的な教育、子どもたちを縛るような教育は、本当に伸び伸びと生き生きと育てることにはならないということ、これは暴力問題でもいわれますけれども、そういうことは皆さんもはっきりと思っていらっしゃると思うんです。例えば、文化祭なんかも生き生きしている学校は、生徒の自主的な活動を保障して、先生たちが子どもたちを見守りながら、子どもたちに自由に活発に論議させて行事も行う、それから学習活動にも取り組む、そういうような方向にいっているわけです。  生徒たちをゆったりと見守って豊かに育てる、こういう学校の現場に、校長さんと先生たちとの間に対立をもたらすような、今度、校長先生に強い権限を持たせて先生たちを管理する、そういうのが持ち込まれるということがあれば、教育の世界が崩壊する問題だと思うんですよ。教育というのは、先ほどもどなたかの質疑に出てきましたけれども、国民に直接負託されて教師をやっているんだ、これが教師の任務ですから、そういう意味でも、一人一人の先生たちが伸び伸びと生き生きと、自分はこういうふうに考えるけれども、どうなんだろうかと。学校というところは、教室に一人ずつ入って授業はしますけれども、全体としてそういう論議がされて、みんな共通の土台に立ってしなければ仕事が進まないところですよ。  ですから、今回の習熟度別授業の問題にしても、校長さんはこれをやれっていったのに、先生たちがこういうふうにやれっていって、それで対立させてこういうふうになった──不正をやったとかいう問題ではないし、校長さんも教頭さんも含めて、みんなの職員会議の中で、どういう方向でこの学校の授業を進めていこうかということを論議して、その共通の土台に立って教育課程が編成されて進んでいるということは、お認めになりますよね。そういう意味で、自由な論議が保障される学校をつくる、これがまさに東京都の教育庁にゆだねられた責務だと思うんですね。そこのところをしっかりと押さえて、これからも子どもたちのために頑張っていただきたいということを申し上げたいと思います。  一つあるんですが、もう間もなく学年末を迎えようとしておりますけれども、ことし、新一年生に一年間担任の先生がいなかったということが起きておりますが、それを報告してください。 ◯押切人事部長 福生第二小学校におきまして、年度初めに担任教師が病気になりまして、三カ月の病気休暇になりました。地元の教育委員会としましては、復職までの間、暫定的に嘱託員を担任として配置しました。その後、病気の状況によりまして、長期にわたる休暇が必要だということもございまして、途中で非常勤講師を補充し、教頭、嘱託、講師、三者で授業や学級経営が行われたという学校がございます。 ◯野村委員 なぜきちっと担任が配置されなかったのですか。 ◯押切人事部長 一般的には長期欠員という場合につきましては、正規教員をもって補充します。その正規教員は新規採用で充てる場合もありますし、管内のほかの学校で過員があれば、過員を異動させて充てるといった方法がございます。  福生の場合におきましては、地元の他の学校に過員が一名おりましたので、私どもとしては、その過員をもって充てるように指導してまいりました。しかし、それが不調に終わりまして、地元としては、結果としまして講師対応で、嘱託員とあわせて対応することになりました。 ◯野村委員 隣の学校というか、同じ市内の学校に過員があったから、その学校からそちらに先生を移しなさいというのが指導だったそうですが、小学校の教師の場合、あなたが過員ですよ、そういうあれはないんですよね。二十四人の先生がいれば、だれかが過員なんだけれども、一人多いよというだけであって、だれさんはもう初めから過員ですよといって、そこで任務についているわけじゃないですよね。だから、市教委がその学校に行って、だれか一名過員を出してくださいといったときに、今学校の体制はこうなっております、全部がこういうふうに分担して学校体制を組んでいますから、一人出せといわれてもとても出ないんですといっていることに対して、市教委も、これは無理もないなということで戻っていらしたと聞いております。それで都教委に対して、正規教職員を一名配置してくださいという要望があったと思いますが、そういう場合、それはどこの責任ということになるんですか。 ◯押切人事部長 まず、地域の他の学校に過員がいれば、それをもって充てるというのが基本的な考え方だろうと思っています。私どもとしましては、地教委とも十分協議した結果、講師、教頭、嘱託をもって対応するということで、こういう結果になったところでございます。 ◯野村委員 新一年生なんですよね。とても大変な病気だということがわからなかったから、初めから休職にしなかった、そういうような状況もあったと思いますよ。いろんな手違いがあったと思うけれども、教育庁は、子どもにとって先生の大事さということはご存じなはずなんだから、一年間子どもたちにどんな迷惑をかけたのかということから見ても、これは絶対に教育庁がちゃんとした配置を──二学期からでもいいですよ、三学期も待っていたけれども来なかった。一年生というのは、私も何回も持ったんですが、本当に学校に来たら担任の先生だけが頼りなんですよね。その先生が嘱託の先生だったり、教頭先生だったり、そういうふうに先生がかわるのでは本当に不安定になりますよ。学校教育に適応できないということだってそういうときに起こりやすいわけで、子どもたちにも、また親たちにも不安を与えた責任は、都の教育庁にあったというふうに思います。  絶対にこういうことが二度と繰り返されてはならない、ほかにも何か似たような事情があったようなんですけれども、子どもにしわ寄せをさせない措置を必ず講じていただきたいということを要望いたしまして、終わりたいと思います。 ◯土持委員 ただいま論議になっておりました習熟度別の授業の件ですけれども、きのう予算特別委員会でも大変な論議になったわけですが、今回のこの虚偽の報告に対する教育長の考え方を、改めてお伺いしたいと思います。 ◯市川教育長 先ほども答弁いたしましたように、教員の給与あるいは時間講師の賃金といったものは税金から払っているわけですから、それがきちんと子どもたちに還元されないということは、いかなる事情があっても許されるものではないというのが基本的な考え方でございます。 ◯土持委員 その中で、先ほど質問にもありましたけれども、例えば配置の問題で、さじかげんであるとか、あるいは教師をふやしてもらうためのいろんな考え方の中から、そういう配置がもしされたとしたら、これは大変重大な問題だと思うんですけれども、この辺の見解を伺いたい。 ◯押切人事部長 教員の加配につきましては、習熟度別授業実施を計画したものについて、きちんと把握してなすべきものと考えています。今回の虚偽報告にありましたように、その点が、表向きの計画でありながら実際に行わなかったということでございますので、今後につきましては、計画をきちんと把握した上で、精査して加配をしてまいりたいと考えています。 ◯土持委員 余りよくわからなかったんですけれども、先ほど、教員の配置で成果が上がることが見込まれるならばというような質疑が行われたかと思いますけれども、そういう状況が見られたときには、習熟度別授業と同じ考え方で教員の配置をするのかどうか、お答えください。 ◯押切人事部長 習熟度別授業というのは、先ほど申しましたように、一クラスを二つに分けて実施する、あるいは二クラスを三グループに分けて実施する、ここに教員が一人余計に必要です。習熟度とはいわないまでも、同じように、少人数の指導できめ細かく授業を実施するために、一クラスを二つに分けるという場合もございます。そういう場合については、習熟度に準じた形で認めておりますし、今後とも認めたいと思っています。つまり、一名ふえた教員が教員の授業時間の軽減に使われないで、子どもの教育サービスの向上に使われるのであれば、習熟度とそれに準じたものについては認めていきたい、こういうことでございます。 ◯土持委員 マスコミにいろんな報道がされましても、なかなか内容がわからない面がたくさんあります。今おっしゃられたように、お子さんの苦手な科目がぜひ得意になるようにという思い、これはどなたも変わりがないと思うんですけれども、一つの制度をつくった場合に、それぞれ学校の担当者の方に、その制度がしっかりとよく熟知できるような形で徹底していかないといけないんじゃないかと思うんですね。  私、大変にこの授業に期待をしていたわけです。どうしてもおくれてしまうお子さんもいるし、進んでいく生徒さんもいますし、いろんな形のお子さんがいるわけですね。そういう意味では、これだけ社会問題になって、これから先改めてこの制度を遂行していくためには、はっきりとした認識のもとに対応していきませんと、教員が欲しいという学校はたくさんあるわけですから、まず、人事部長が力強いリーダーシップをとって、ぜひ頑張っていただきたいことを要望しておきたいと思います。 ◯土屋委員 今、藤井理事と野村理事が随分質問をしてしまいましたので、質問する項目がなくなったんで、その前に、これは答弁を求めませんけれども、今の習熟度別なんですが、肝心なことなので一言だけいわせていただくと、いわゆる虚偽報告と習熟度別の授業をこれから発展させようというのは、全然問題が違いますから、差しかえを許しちゃだめですよ。  それから、野村理事にはちょっと失礼かもしれないんだけれども、例えば教職員会議が、校長さんを含めて何かそこでいろんなことを決めるような位置づけになっている──そうじゃないですよ。学校の管理者というのは校長先生だし、教職員会議というのは意思決定機関じゃないというのを、さっきみたいな発言があったら、ぴちっと答えておかないとだめですよ。いいですか。よく考えてください。伝習館とか学テだとか勤評とか、近いところでは主任手当のときに、教職員会議を使って特定の組合が何をやったかということを教育長もしっかり認識しないと、習熟度別を理由にいろんなことをやられても、何も反論ができないということになりますので、あいまいなところは残さない。いい先生ばかりなら別ですけれども、現場の声を聞くということと、いいかげんなことをやる──さっき田代先生がお話しになっていましたけれども、授業中にいろんなものを職場で配るということさえしようとしている先生もいるんですから、そこら辺は、管理というものは全然悪いことじゃないと思いますから、それは教育長しっかりやってください。質問です。答弁お願いします。 ◯市川教育長 先ほどは、野村委員がご意見を述べられたので私は答弁をいたしませんでした。しかし、今、土屋委員がご質問だというので、はっきり答えさせていただきますが、私は本会議でも答弁いたしましたが、職員会議は補助機関であります。したがいまして、校長に権限があるということは間違いございません。ただし、職員会議でいろいろと相談することはございましょう、校長もそういうことに耳を傾けて進めるべきこともございましょう、そのことを否定するものではございません。 ◯土屋委員 ありがとうございました。  夢の島の総合体育館と辰巳の国際水泳場のトレーニングルームの件なんですけれども、先ほど野村理事が手紙を読まれたんですけれども、実は私のところにも来ておりまして──みんなに来ているんですよね。非常に利用者の気持ちをよくあらわしているんです。重複する質問になってしまうんで、一問だけお聞きしたいんですけれども、例えば年間利用者の件なんですが、さっきのご答弁のとおり、夢の島は二万一千人、辰巳の国際水泳場の場合は三万人なんですよ。野村理事も、これで少ないって思いますかと質問をされていたと思うんですけれども、この二つを足すと五万一千人なんですね。そうすると、多摩スポーツ会館は三万八千、東京武道館が五万三千なんですよね。ですから、これを二つ足すと少ないといえないんですよね。  いろんな費用がかかるのはよくわかるんです。さっき野村理事が、レンタルもあるでしょう、ただ、買い取りの部分も随分あるんじゃないですかという質問をされていたと思うんですけれども、東京辰巳国際水泳場要覧というこの本の中に、トレーニング機器の内容というのがあるんですね。十一の分野に分かれているんですが、前にこれを担当者の方に聞きましたら、かなり購入したものがあるんですよね。ダンベル・バーベル等のいわゆるフリーウエートとか、直接購入したものでいろんな機械がまだ残っているわけなんですね。  話を聞きますと、これを廃止してしまった後の場所も、まだ利用する予定はないということですから、例えば江東区内の二つの施設を一遍に廃止をしてしまうというのは、利用者にとってどうかなと私は思うんですね。これは、野村理事がさっき質問していましたけれども、二月二十五日なんですよ。これも私、見せようと思ったら、野村さんに見せられてしまったんですけれども、こういうのがあるんです。この後ろに、「お知らせ」ということで小さいやつで書いてあるんですけれども、二月二十五日なんですよね。三月いっぱいとなりますと、寝耳に水みたいなことがありますから、こういう問題について事前に告知することは必要だと思うんですね。要は時間がないわけですよね。時間がないと議論ができない。議論ができないと知恵が集まらない。だから行政で決まったとおり──短絡だという議論になるんですよ。今、東京の行政は密室だといわれているわけですから、手続論としては確かにそうなんでしょうけれども、利用者は五万人以上いるわけですから、こういう問題の処理に当たっては利用者の視点で考えないと、いろいろ批判が出てくると思うんです。  それで、二施設を同時に廃止するんではなくて、直接購入した機材が随分あるわけですから、当面、それを利用して、片方の施設にそれを統合する。野村理事も同じような話をしていましたけれども、それらは次善の策かもしれないんですけれども、そういうことはお考えでしょうか、それを一つだけ聞きたいんです。 ◯阿部体育部長 廃止後のスペースをどのように使うかということは、具体的には決まっておりませんけれども、現在、例えば、大会用の予備室とか、あるいは施設利用者の談話やくつろぎの場とするなど、利用者サービスにつながる方法について、今さまざまな角度から検討をしております。今後、そういう検討をする中で、都財政に負担をかけないことを心がけながら、今先生がおっしゃられたようなことも含めまして、検討する必要があるというふうに考えております。 ◯桜井委員 ようやく時間が回ってきたので、(笑声)一つ二つ質問させていただきます。  一つは、都立高校の入学金を今度取るということですね。いよいよ東京都も詰まってきたなという感じがするんですが、山梨県と東京都だけだとさっき承りましたけれども、都立高校の入学金をもし取るとするならば、これ初めてですよね。初めてやるということですから、有史以来ということですかね。都立高校の設立以来でしょう。ということは、これは相当に重大な事項と受けとめるべきだと思うんですね。  先ほど答弁を聞いておりましたらば、受益者負担の公平ということでありますけれども、ただ単に受益者負担の公平というだけで、連綿と続いてまいりました都立高校の授業料に──なかったやつに入れるということ、余りにも理由づけとしては浅過ぎるんじゃないかなという感じがするんですが、それを一点、まず質問します。 ◯加島学務部長 都立高校を運営するに当たって、どの部分を税金で持つか、どの部分を受益者負担で持つかということが一つ問われるだろうというふうに思っております。入学料の設定を今回するということでございますが、もともと国の方針は、入学料を取るということが基本的な考えでございました。  東京都の現実を見てみますと、都立大学でも入学料がある、都立高専もある、そしてまた高等保母学院でも取っている、看護学校でもそうだ、さらに区立の幼稚園や市立の幼稚園でも入学料は徴収しているというようなことがございまして、都立高校だけ父母の負担軽減ということで、ここだけ入学料を設定しないという理由がもうないんではないか、そういうふうに私どもは考えまして、この部分は受益者負担の部分である、ただ受益者負担といっても、国の地方交付税の算定基準で、全日制は五千五百円ということになっておりますので、それを限度に新たに徴収しよう、こういうことで提案したものでございます。 ◯桜井委員 おっしゃられることはよくわかるんですが、先ほど土屋先生も違う項目でちょっと意見を述べておられましたけれども、議論する時間というんですか、きょう初めてでしょう、これ。きょう一日しかなく、質疑やって、これで決めちゃうというんですか。ずうっと連綿と続いてきた入学金がなかったのを、たった一回の質疑で決めちゃうというのは、幾ら何でも──前から何回も質疑があったら別ですけれども、十分なる審議を尽くした上でなったものというふうにはとれないんじゃないかという感じがするんですがね。ちょっとしつこいようで悪いんですけれども、もう一回、そのあたりを含めて……。 ◯加島学務部長 この入学料の設定については、大きな問題だろうというふうに認識しておりますが、経緯をお話し申し上げますと、平成七年の十一月に、二十一世紀を展望する新たな都の行財政のあり方を考える懇談会答申というのがございました。この平成七年に、都立高校において入学料を徴収していないが、他府県の状況及び私立高校との均衡などを考慮し、今後徴収する方向で検討することが求められる、こういう答申がございまして、それ以降、東京都行政改革大綱あるいは東京都財政健全化計画、あるいは実施案というようなことで、その中において、都立高校の入学料の設定について検討するということが入っておりまして、それを受けまして、教育庁の中で検討して、今回ご提案を申し上げたわけでございます。 ◯桜井委員 表面に出てきて、こういうレギュラーの席で質疑する。事前に庁内でどうということを伺いましたけれども、一般の都民、そういった方たちにとると、見えない部分でやってきたこと──私らにはわかるんですけれども、都民から見ると、そういったところはわからないですよね。突発的に出てきたような感じも与えるんじゃないかという感じがしますので、一応意見だけ述べておきます。  次に、使用料の値上げの問題なんですけれども、先ほど来、答弁を伺っておりまして、理由はよくわかるんでございますけれども、たまたまか偶然かどうか知りませんが、東京都全体で今──教育庁だけじゃないですけれども、はっきりいって値上げラッシュに近いですね。しかも、世の中は非常に厳しい時代でございますので、その中でも公共料金の値上げというのは、できる限り差し控えるべきだというふうに思われるんですよ。何もここばっかりじゃないですよ。  そういう観点からも考えますと、この際、使用料を値上げすることにつきましては、今の社会状況、経済状況等々勘案した上で、もう一度ご一考願いたいなという感じもするわけでございますので、一応意見だけは申し述べさせていただきますが、内部努力もなさっていらっしゃるということでございますけれども、単に、一つの箱物の小さい範囲内だけで内部努力した、その結果でやるっていったって、これはもう到底無理ですね。だって、十何億維持費がかかるのに、二億ぐらいしか入ってこないとか、さっきいっていましたね。収入と維持費の関係、そもそも差があるわけでしょう。もちろん、内部努力をしてもらわないと困るんですけれども、幾らそこだけでやったってとてもかなわない。初めからその中で収支とんとんとかいくわけないんですからね。幾ら値上げしたっていかないわけですから、将来的には違う方法を考えていかなければならないんじゃないかと思うんです。文化施設なら文化施設の中だけで、狭いところで幾ら内部努力したって、これはもう限界がありますよ。  しかも、一館について──その施設にもよるんでしょうけれども、先ほどばっとだれかが説明したから、頭に記憶しているだけですけれども、収入と維持管理費の間に十億前後の差があるというんでしょう。これを毎年毎年続けていくんですから、この部分については、値上げだけじゃとても済まないと思うんですね。違う考え方をこれからは導入していかないと、健全なる運営というのは成り立っていかないんじゃないかな、こういったことも付言させていただきます。答弁はいいです。  最後は、先ほど野村先生のご質問がございました。拝聴しておりまして──自分がなぜ拝聴したかというと、この間の本会議のときにこの一般質問をさせていただきまして、その答弁をいただいたものでございますので、本会議場の答弁というのは、当然ながら非常に重みがあるんですね。それの中身というとおかしいんでございますけれども、野村委員さんのような発言のされ方──ちょっと一点だけ確認させていただきたいんです。本来来るべき人数が来ていないから、違う名目で来た先生を使っちゃうんだ、それもやむを得ないんじゃないか、こういういい方ですよね。ぼくの今の受けとめ方、間違っておったかしらね。どなたか答弁していただけませんか。 ◯市川教育長 加配という意味は、必要があって、欲しいからとか人数が足りないから、これこれこういう教科を教えるために、これだけの一人の先生あるいは二人の先生が必要だということに基づいて教員を配置することでございますから、あらかじめ当然、何に必要ということは、新年度が始まる前に確定をしているわけですね。それに基づいて配置をする。ですから、教科ばかりじゃなくて──教科ばかりじゃなくてというよりも、困難校では一年生が六クラスであるんだけれども、困難校であるということを考えまして、六クラス二百四十人を七クラスに分ける、そうしますと、一人教員が必要になるわけですね。その場合に一人余計に教員を配置する、それを加配というふうに申しております。 ◯桜井委員 先ほど野村先生の、野村先生の名前ばかりで申しわけないんですが、教育の現場でブラックホールがあったりしちゃいけない、暗い職員室はいけないというのかな、そういう表現を盛んに使われたわけですよ。質問したのに対して、黙って聞いておりましたよね。それを容認したことになっちゃいますから、あえて質問させていただくんですけれども、その点あたりについてはどういうことなんですかね。  国基準があって、都基準があって、都の基準の方が国基準よりも少ない、そういうふうにいっているんでしょう。だから、本来ならばそこのところを持ってこい、本来ならばあてがうべきところをあてがってくれないからおかしいんじゃないか、このままの状態を続けていけば、こういったことがこれからも起こってきますよといういい方になっていますよね。そこらあたりどうなんですか。 ◯押切人事部長 形の上では、国と都を比べますと、都が少ないように見えますけれども、二名少ない分は講師で埋めているのが一つあります。それから加配教員も、国の場合は基準定数の中に入れているんですね。東京都は枠外に置いてあるわけです。トータルの定数というのは、国から大幅に下回っていることはございません。  それから、今後について申し上げますと、習熟度別実施計画というのをきちんととりまして、それに基づいて精査をして出していく、なおかつ、実施しているかどうかについても調査をするということですから、習熟度別実施計画がされた学校が実際行われないということはなくなるはずでございます。
    ◯桜井委員 まだ質問を始めてから十五分ぐらいですからね。(笑声)  これも先ほどの質問にあるんですけれども、福生の学校で新一年生に対して、一年間担任教師をつけなかった。これはけしからぬことです、はっきりいいまして。これはよくないことです。一番悪いことだと思うんですね。それの理由が、先ほどのやりとりを聞いておりますと、過員のある学校があったから、そこからこっちに回しなさい、こういうふうにもいったというんですね。その学校は、だれが過員だかわからないから──全体で過員であることはわかるけれども、具体的にAさんが過員か、Bさんが過員か決まっていないからできないんだ、そういう理由でこっちへ移せなかったから、万やむを得ず時期を逸しちゃって、一年間、非常勤講師か何かで賄ってきている、こういうふうにいっているんですけれども、そこのあたりはどうなんですかね。 ◯押切人事部長 まず、担任がいないということではなく、正規の教員が一人で担任するというのが普通ですが、今回は教頭なり嘱託が担任したということでございます。  それから、過員につきましては、年度途中の過員につきましては、年度途中で動かす場合がありますよということにしてございますので、どなたが過員かということを学校長の方で指定するように指導しているところでございます。したがいまして、過員があった場合につきましては、年度途中の異動を前提に、年度初めに校長が教員の分担を決めるべきものだというふうに考えています。 ◯桜井委員 もう一遍念を押しますけれども、だれが過員であったかということはわかっているわけですか。 ◯押切人事部長 福生の第二小学校においても、過員を指定していたはずでございます。 ◯桜井委員 最後にしますけれども、さっき土屋さんもいっておりましたけれども、廃止しますよということを、まだ正式に決まっていない前に、二月にやっちゃったというのはおかしいかもしれませんけれども、掲示したというのは、その辺については、いささか時間がなかったからやむを得ないのかなと思うんですけれども、説明をしていただきたい。 ◯阿部体育部長 今の桜井先生の話は、利用者になるべく早くそういうことを知らせていくべきだということと、私、先ほど申し上げましたように、これは議会でお決めいただくことなわけですね。その辺が我々としても非常に難しいところでございまして、「利用者の皆様へ」とお出ししましたのは、二月二十日の事前説明の後、体育施設の使用料等の改定案が平成十年東京都議会定例会等に提案されます、この改定案が可決された場合、平成十年四月一日から下記のとおりとなります、いわゆる停止条件と申しましょうか、前提条件をおつけして、だけれども、なるべく早くそういう動きをお知らせしておかなくちゃいけないということでございます。条件つきで掲示したということでございます。 ◯桜井委員 何か条件つきというと、その条件になんなきゃ、議会が──あたかも決まっちゃったみたいな感じで、決めなきゃならなくなっちゃうみたいな話になって、(笑声)我々がですよ。素朴な感じでそういうような感じもするものでございますので、しかし時間の都合とかあるようですから、必ずしもミスとかそういうことではないんでございますけれども、一般的にごく素朴に感じますと、こんなに早くやらなくてもよかったんじゃないんですかと、我々はそういう感じを持ちますよということだけはお伝えしたいなと思っておりますので、別にそのことがよかった、悪かったということは申し上げられませんが、そういう感じはどうしても持たざるを得ないんじゃないかなと思いますので、一応指摘しておきます。  以上です。 ◯池田委員長 ほかにございませんか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。  本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯池田委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び請願陳情についての質疑は終了いたしました。  以上で教育庁関係を終わります。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後六時十五分散会...