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  1. 東京都議会 1998-03-17
    1998-03-17 平成10年都市・環境委員会 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時七分開議 ◯島田委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。  初めに、予算の調査について申し上げます。  平成十年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。  公文の写しはお手元に配布してあります。  朗読は省略いたします。      ───────────── 平成十年三月十六日 東京都議会議長 田中 晃三 都市・環境委員長 島田  久殿    予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)  このことについて、予算特別委員長から別添のとおり調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。      記 一 調査範囲 別紙1のとおり 二 報告様式 別紙2のとおり 三 提出期限 三月二十日(金)午後五時      ………………………………… (別紙1) 都市・環境委員会  第一号議案 平成十年度東京都一般会計予算
     歳    出  繰越明許費 }都市・環境委員 会所管分  債務負担行為  第十三号議案 平成十年度東京都都市開発資金会計予算      ………………………………… (別紙2省略)      ………………………………… 平成十年三月十六日 予算特別委員長 矢部  一 東京都議会議長 田中 晃三殿    予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)  本委員会は、付託された議案の審査に当たって各常任委員会の意見を参考とすることに決定したので、左記のとおり調査の依頼をお願いします。      記 一 調査範囲 別紙1のとおり 二 報告様式 別紙2のとおり 三 提出期限 三月二十日(金)午後五時      ………………………………… (別紙12省略)      ━━━━━━━━━━ ◯島田委員長 次に、意見書について申し上げます。  委員から、お手元配布のとおり意見書四件を提出したい旨の申し出がありました。  お諮りいたします。  本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯島田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。      ━━━━━━━━━━ ◯島田委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境保全局関係の平成十年度予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。  これより環境保全局関係に入ります。  初めに、理事者の欠席について申し上げます。  長谷川環境影響評価担当部長は、病気療養のため本日の委員会に出席できない旨の申し出がございました。ご了承願います。  これより、予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。  第一号議案、平成十年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為環境保全局所管分及び過日の委員会で報告のありました地球環境保全に向けた東京アクションプランについてほか報告事項二件を一括して議題といたします。  本案及び報告事項につきましては、既に説明を聴取しております。  その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。  資料について理事者の説明を求めます。 ◯長沼環境管理部長 去る二月二十日の当委員会におきましてご要求のございました、お手元配布の資料2につきましてご説明申し上げます。  お開きいただきまして、目次の次になりますが、一ページをごらんいただきたいと存じます。1、欧米におけるダイオキシン類の排出基準及び実態についてでございます。  上の欄、(1)になりますが、都市ごみ焼却施設ダイオキシン排出基準等を国別に掲載いたしてございます。下の欄の(2)には、大気環境中のダイオキシン類の濃度を各国の地域別に示してございます。  二ページをお願いいたします。2、ダイオキシン類対策に取り組んでいる府県・市の状況についてでございます。  (1)は、十三の府県の取り組み内容を、(2)には、三市の取り組み内容を記載してございます。  次に、3、小規模焼却炉の数についてでございます。同じページの一番下の方の欄になりますが、区部、多摩・島しょ地域別に記載してございます。  三ページをごらんいただきたいと存じます。4、保存樹林地等公有化資金貸付に係る予算額及び貸付実績についてでございます。  平成元年度から平成九年度までの予算額、貸付実績額及び自治体数を、平成十年度につきましては当初予算案の額をそれぞれ記載してございます。  次に、四ページから五ページをごらんいただきたいと存じます。5の二酸化窒素環境基準達成状況についてでございます。  (1)は、住宅地域等に設置している一般環境大気測定局環境基準の達成状況を、右の方の(2)には、道路沿道に設置しております自動車排出ガス測定局環境基準の達成状況を、平成四年度から平成八年度までに、年度ごとにそれぞれマル・バツで示してございます。  以上で説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願いいたします。 ◯島田委員長 説明は終わりました。  ただいまの資料を含めて、本案及び報告事項に対する質疑を行います。  発言を願います。 ◯山本委員 それでは、予算の問題と同時に、前回報告をいただいたこの公害防止計画にも触れまして、何点か伺わせていただきたいというふうに思います。  この計画の前に、平成五年三月付ということでつくられている第五次の計画があるというふうに思いますけれども、この九六年の末で終了した前期の公害防止計画の達成状況がどうなっているか、まず教えてください。 ◯高橋大気保全部長 第五次の達成状況につきまして、浮遊粒子状物質あるいは光化学オキシダントとか二酸化窒素、あるいは騒音等につきまして、その状況を見てみますと、これは平成八年度でございますけれども、都の測定によりますと、浮遊粒子状物質につきましては、一般環境大気測定局で、一七%が達成しております。自動車排出ガス測定局におきましては、全局で未達成となっております。また、光化学オキシダントにつきましては、一般環境大気測定局のすべてで未達成となっております。二酸化窒素につきましては、一般環境大気測定局で六一・四%、それから自動車排出ガス測定局では一二・一%の達成となっております。また、道路交通騒音で見ますと、平成八年度の調査地点における環境基準達成率は五%となっている状況でございます。 ◯山本委員 今お話を伺いますと、本当に深刻な事態だということがこの八年度の末までの段階だっただろうというふうに思うんです。しかも、これは全国的に見て、本当に驚くのですが、四十七都道府県の中でも極めて異常な事態になっています。一般大気測定局二酸化窒素環境基準がどうなっているかというふうに考えてみますと、八都府県が達成をしていない。しかも、その割合が九割以下という達成状況にあるのは、大阪府の八九・〇、神奈川県の七七・八、そして東京が六一・四という数字になっています。この事態というのは、五年間にわたってこの前期の計画で努力をしてきた結果、まだここまでいってないということだと思うんですけれども、今回のこの計画を立てるに当たって、前期の成果を検討する、そしてその上に立って新しい計画を立てるのだというふうに書いてありますけれども、前期の成果というのは一体どういうものなのでしょうか。 ◯上條参事 前期計画での主な成果といたしましては、大気環境では、二酸化硫黄一酸化炭素につきまして、全測定局で環境基準を達成し、維持しております。また、水質汚濁について見ますと、健康項目につきまして、平成五年度に新たに追加されましたジクロロメタン等新規項目も含めまして、すべての項目について環境基準を達成したことなどが挙げられます。 ◯山本委員 今お伺いをしたら、成果を検討すると確かに書いてあって、できたものは何だというお答えなんですね。ところが、考えてみると、新しい計画をつくる場合に、なぜ一番最初にお伺いをした二酸化窒素などの目標が達成できなかったのか、そこのところを分析をして、その上に立って、何が必要なのかということを考えないと、この公害防止計画そのものの実効性が非常に薄いのではないかというふうに思うんですが、局長、いかがでしょうか。 ◯田中環境保全局長 前期計画で達成できなかった環境基準等いろいろあるわけでございますが、それらについては、今回の計画を策定するに当たりまして、なぜ達成できなかったかということは分析をしてございます。その上に立ちまして、例えば二酸化窒素につきましては、低公害車の普及でありますとか排出ガス規制の強化でありますとか、そういったことを盛り込んで計画を立てたものでございます。 ◯山本委員 具体的な仕事をその上に立って考えたんだというふうにおっしゃるんですけれども、ちょっと具体的な話に移りたいと思うんです。  これは低公害車の普及促進の問題なんですが、渋谷の駅にターミナルが東横口と南口とあるんですが、ここには現在、都営バス、京王バス、東急バス、小田急バスの四社のバスが入ってきています。そして一日延べ三千四百十八本のバスが発着をしています。このうち、メタノール車天然ガス車ハイブリッド車、この低公害車について見ますと、都営バスでは確かに一定の割合がありますけれども、民間の場合には、東急のところで一台あるだけで、ほかは営業所ごとに見ても全く配置をされてないという事態にあります。ですから、本当に大型の、特にディーゼルなんかを使っているような車両、その規制と同時に、低公害車への切りかえということが今求められているわけですけれども、実際にバスターミナルに入ってきているバスをとってみても、こういう事態です。  そこで伺うんですが、今度のこの公害防止計画の中で、民間バス会社への支援がどう位置づけられているか、教えてください。 ◯高橋大気保全部長 窒素酸化物を削減していくためには、今お話ありましたように、やはり民間路線バスの低公害化というのは重要だろうというふうに考えておるわけでございます。私ども、平成十年度から三カ年計画で、低公害バスだとかアイドリングストップ装置つきのバスの導入を図ることを計画しております。国、都、バス事業者等から成ります協議会を設置しまして、導入のための検討を行っていきたい、このように考えている次第でございます。 ◯山本委員 今、この計画の中ではそういうふうに進めるというふうにおっしゃったんですが、今度の九八年度の予算ではどういうふうに具体化をされたんでしょうか。 ◯高橋大気保全部長 民間路線バスの低公害化に向けました支援策でございますけれども、当面、アイドリングストップ装置つきのバスの導入に対しまして補助を行うこととしております。十年度の予算といたしましては、平成十年度の当初予算事業別概要の七ページでございますが、そこに示されております。低公害車の民間車への導入の項目のところに、アイドリングストップ装置九十台というふうに記載されておりますが、このうち七十台は民間路線バスへの導入補助の台数として予定をしております。 ◯山本委員 今お伺いをして、確かに十年度の当初予算の中に、アイドリングストップについてはまず始められているわけですけれども、天然ガスの問題だとか、それからハイブリッドであるとか、そうしたところにまでまだ踏み込めていないということだと思うんです。これは本当に今、地球温暖化防止の京都会議が行われて、ただ単に二酸化窒素だけにとどまらない、自動車から発生をする二酸化炭素にどういう対応をしていくのかということが問われている中での取り組みでなければならないというふうに思うんです。特に地球温暖化の京都会議の中でも、温暖化ガスの削減目標を盛り込んで、法的拘束力を持つ議定書をつくりました。ですから、ここにどれほど真剣に頑張るかということが問われているというふうに思うんですね。  あわせてお伺いをするんですが、温暖化ガスの中でも大きな部分を占めている二酸化炭素の排出量について、東京の排出量、東京がかかわっての排出量というのは全国的に見てどのくらいの割合を占めていますか。 ◯上條参事 地球環境保全のためのアクションプラン検討委員会の検討過程で、東京都の活動によって排出される二酸化炭素の量を試算しておりますけれども、それによりますと、一九九五年度の都民、事業者の活動に起因する二酸化炭素の排出量、これは、都内での活動によって排出される量と都外の排出量、これは例えば電気などは都外の発電所によってつくられて、都内で使われるわけですし、また、都外の工場等で製造された製品等も都内で使われておりますけれども、そういう都内の排出量と都外で排出されたものとを合わせまして、四千百二十七万トンというふうに推定してございます。これは全国の排出量に占める割合は一二・四%でございます。 ◯山本委員 それでは続いて、東京での二酸化炭素の排出量の中で一番割合が多いのは、産業部門とか運輸部門とか生活とかいろいろありますけれども、どの部分でどのぐらいの割合でしょうか。 ◯上條参事 これも同じ検討委員会での検討の中での試算でございますけれども、都内の二酸化炭素の排出量を部門別で見ますと、運輸部門が最も多く、全体の三五・六%を占めております。運輸部門というのは、民間の企業等で使う車あるいは各家庭で使う自動車を含めてでございますけれども、三五・六%。それから次いで多いのが民生業務部門で、三三・二%、それから家庭部門一九・九%、産業部門が一〇・二%というふうになっております。 ◯山本委員 今お伺いをすると、やはり二酸化炭素の排出量の問題で見ても、運輸部門を通じての自動車から排出をされる部分が非常に大きいということが明らかだろうというふうに思います。そうなると、本気になって自動車公害に対する対策をどうするのかということが大きな重点にならなければならないというふうに思うんです。かつてこの環境防止計画がつくられ始めた時期に比べると、公害の様相が随分変わってきているというふうに思います。固定した工場一つ一つをチェックをして、その工場から出されてくるさまざまな煙を初めとする排出ガスを抑制をする、こういうことが今までやられてきたわけですけれども、現在の状況を見ると、二酸化炭素の問題でもそうだし、また、ほかの物質の問題でも、二酸化窒素などの問題でもそうですけれども、都民が日常的に使っている自動車から出てくる排気ガスによって大きな大気汚染が引き起こされているということになるんだろうと思います。具体的にこの排気ガスをどれだけ小さくしていくのかという上で、東京都がとらなければいけないイニシアチブというのは非常に大事だと思います。  そこで伺うんですけれども、東京都の庁有車の低公害車への転換、これが今度の公害防止計画でどう位置づけられていますか。 ◯高橋大気保全部長 今回策定いたしました計画におきましては、低公害車の庁有車への導入につきましては、庁有車に可能な限り指定低公害車を導入し、平成十二年度までに約千九百台、十七年度までに約三千五百台とする、このようにしてございます。 ◯山本委員 今、二〇〇〇年までに千九百台、二〇〇五年までに三千五百台という目標を掲げられました。しかし、前回の成果を検討したということがさきにいわれて、成果がざっと述べられたんですけれども、前回の計画の中では、庁有車は二〇〇〇年度までに一〇〇%低公害車に転換するというふうにされていたんじゃないんでしょうか。大変な状況になってきて、しかも、事態が変わっていない、そして新たな地球温暖化という問題も提起をされてきているという時期に、前の計画よりも庁有車の低公害化ということが後ろに下がってしまうということはどういうことなんでしょうか。 ◯高橋大気保全部長 前回の計画におきましては、いわゆる低公害車の技術開発の動向等を踏まえまして、庁有車に電気自動車などのいわゆる低公害車の導入目標を定めたわけでございます。その目標の達成に向けまして、電気自動車などを用いましてモニター調査を行ったり、各種の取り組みを行ってきたわけでございます。しかし、一充電走行距離が短く、あるいは登坂力が劣るなど、低公害車の性能において多くの課題が明らかになったわけでございまして、それらの解決に時間を要することや、あるいは他の低公害車の技術開発の動向など、こういうものを踏まえまして見直しを行ったものでございます。 ◯山本委員 今のお話を聞いていてよくわからないんですけれども、前回のときは電気自動車でいこうと思って考えた、ところが、いろいろ調査をしてみたら、なかなか能力がないということでうまくいかなかったということで、それで新しいのがいろいろ出てきたから、それを今度考えたんだというんですけれども、それだったら、せっかく二〇〇〇年までに一〇〇%低公害車にしようと前回いっていたわけだから、できなかったやつを下方修正するんじゃなくて、そのために新しい技術も含めて全力を挙げるのが普通じゃないんでしょうか、いかがですか。 ◯高橋大気保全部長 低公害車の開発状況あるいは低公害車のこれまでの開発の歴史の状況等を見てまいりますと、技術がどういうふうに進歩していくかということが一つの大きな前提となるわけでございまして、当初いろいろ技術の進歩等を考えておったわけでございますが、現実問題として、電気自動車におきましても、一部やはり問題があるというような状況の中で、私ども計画を見直したものでございます。 ◯山本委員 要するに、やろうと思ったけれども、難しかったので、それで計画を下げているということのように聞こえるんですね。では、その計画を下げたという中で、来年度の予算では、庁有車の低公害車への転換、一体何台にしようとしているんですか。 ◯高橋大気保全部長 庁有車への低公害車の導入につきましては、天然ガス自動車、あるいはガソリン車などで窒素酸化物の排出量が国の排出基準よりも大幅に少ないという、より低公害な車の導入を図ることとしております。十年度におきましては、それらの低公害車の導入を進めまして、目標の達成に向けて努めていきたい、このように考えておる次第でございます。 ◯山本委員 頑張る話はいいんですけれども、この台数を勘定してみますと、予算概要の六ページですか、電気貨物自動車が十一台、電気自動車用の電源を十台確保して、ハイブリッドバスを十台でしょう。そうすると、車としては二十一台、天然ガスのバスが二十台で、四十一台。ノンステップの天然ガスバスが二台で、四十三台。改造天然ガスバスというのが入って、これで六十台ぐらいになりますか。それと、あとはアイドリングストップのバスが六十八台と、約百三十台ぐらいの低公害車の導入ということになると思うんですね。  伺うんですけれども、これで、先ほどいわれた、二〇〇〇年までに千九百台の低公害車に持っていくという目標は達成できますか。 ◯高橋大気保全部長 庁有車には、先ほどご答弁申し上げましたが、十二年度までに千九百台を導入することといたしております。今のこの平成九年度末の導入状況を見てみますと、電気自動車天然ガス自動車などが三百九十五台でございます。その他の低公害な車が六百三十七台でございまして、合計千三十二台となる予定でございます。これは、目標と比べますと、約五五%ぐらいに達する見込みでございます。先ほど申し上げましたが、私どもこの十年度におきましても導入を進めまして、目標の達成に向けて努めていきたい、こういうふうに考えております。 ◯山本委員 今までで五五%まで来ました、それでそのプラスというのは、私が今数字をいいました百三十台前後ということでいいわけですよね、アイドリングストップも含めまして。そういうふうにしていくと、これで達成できるんですかということを伺っているんですけれども、いかがなんでしょうか。 ◯高橋大気保全部長 いわゆる天然ガス自動車あるいはハイブリッド自動車のほかに、私ども指定低公害車制度というのを設けております。排出量のより少ない車を指定いたしまして、その普及の促進を図っているところでございます。したがいまして、そういう車の導入普及等によりまして目標達成に努めていきたいというふうに考えております。 ◯山本委員 そうすると、いわゆる指定低公害車、普通よりも少し二酸化窒素などの排出が少ない車という意味だと思いますけれども、これをどのぐらいことしは導入するつもりなんですか。 ◯高橋大気保全部長 この指定低公害車につきましては、現在ある車との代替等の問題もありまして、現在のところ、明確に何台という台数は出ておらない状況にございます。 ◯山本委員 私、非常に今のご答弁を伺っていて心配になってきたんですね。というのは、最初は、少なくとも庁有車は、前の計画では、二〇〇〇年までに低公害車に全部かえましょうといっていた。それで新しい計画が出てきたら、それが私の目から見ると、大幅にダウンをしたように見えるんです。それで、今度予算の方でその裏づけがどうなっているのかというふうに見ていくと、これがまた下がっていくという状況じゃないかと思うんです。これで本当に重大な問題になってきている自動車からの排気ガスの規制の問題が前へ進むんだろうか、そして環境を守ることができるんだろうかということを大変に私は心配をいたします。これでは発生源対策にまともに取り組んでいるというふうにいえないんじゃないかと、ちょっと厳しいようですけれども、そのことを申し上げたいというふうに思うんです。  同時に、この発生源対策というところでなかなか進んでいない中で、今回の計画には、前回の計画になかった、例えば環状八号線、環状七号線、南北線、こうしたものを交通流対策として幹線道路を整備するんだ、こういう位置づけがされている。それから、アセスなんかをめぐっても本当に意見書がたくさん出て、大問題になっていますけれども、中央環状新宿線などの高速道路の整備までこの中に入っているんです。本当にこれで自動車公害の防止をすることができるとお考えなんでしょうか。 ◯松葉参事 道路整備計画の計画についてのことでございますが、自動車の保有台数の増加などがございまして、都内では渋滞が非常に起きているわけでございます。渋滞によりまして、エネルギーのむだな消費であるとか自動車からの排出ガスの増加をもたらしておるということは事実でございます。渋滞をなくしまして交通流の円滑化を図る、こういうことにつきましては、大気汚染の防止を図るという観点からも必要であると考えております。  また、交通流の円滑化の対策といたしましては、道路の整備を図るとか、それから交差点の改良あるいは自動車の効率的な利用など、ハード、ソフトの面からの推進対策が必要であるというふうに考えております。また、道路整備によりまして、都心に流入する交通の分散化であるとか、あるいは交通渋滞の緩和を図ることは、自動車による大気汚染の防止に効果があるというふうに考えてございます。  しかしながら、道路の整備に当たっては、環境の保全に十分な配慮をして進める必要があるというふうに考えております。 ◯山本委員 今、いろいろと、渋滞だとか、そういうものを回避することが環境を守っていく上で必要なんだというふうにおっしゃったんですけれども、この計画のときには、例えばボトルネックの対策だとか立体交通だとか、それから踏切との連続立交だとか、そういうふうなことを通じて渋滞解消をするんだというふうなことが出ていました。わざわざ今回の計画で環状八号線とかこういう具体名が挙げられて、幹線道路をつくる、こういう話に今度変わっていると思うんですね。  少し伺いたいんですけれども、この前の計画というのは、これは九二年からの計画だったと思いますが、これまでの間に増加をした高速道路、それから幹線道路の延長というのはどれだけになりますか。 ◯松葉参事 道路の整備状況についてでございますが、首都高速道路につきましては、平成四年度から八年度までの五年間で、新たに完成した道路が十四キロでございます。それで、平成八年度における延長距離は百七十八キロメートルとなってございます。また、都市計画道路の整備についてでございますが、同じく五年間で新たに百九キロほどが完成いたしました。平成八年度における延長距離は千五百七十キロメートルとなっています。 ◯山本委員 今お伺いをすると、どんどん道路は延びているということのようですが、これはちょっと時期がずれますけれども、東京都自動車公害防止計画の中に、都内の自動車走行量を平成二年と平成六年で比較をした図が出ています。これで見ると、平成二年を一〇〇とした場合に、平成六年はどうなったか。幹線道路では、一〇〇だったものが一〇二になった。その他でもやはり一〇〇だったものが一〇二になった。トータルでもそうなんですね。乗用車の場合には、一〇七というところまで数字が上がっております。実際に道路をつくると、その分、車の走る台数がふえていくというのが実態じゃないかと思うんです。  そういうふうにしている中で、発生源対策の方はなかなか進まない。その見本となるべき東京都自身の庁有車の低公害化ということもなかなか進まないということで、本当にこれで大丈夫なんだろうかと思うんです。  この間、五カ年計画がずっと進められてくる中で、幹線道路ですとか高速道路のために使われた税金というのは二兆四千億円にも上っています。これだけの税金を、交通の流れをよくするための対策だということで投入をしているんですけれども、一番最初にお伺いしたとおり、二酸化窒素の濃度は改善をしたとはいえないというふうに思うんです。道路をつくると車がふえる、そして、またその車がふえてきたことによって渋滞が起きる、環境を悪化させていくという、これはもう悪い循環が起きているんじゃないかというふうに思うんです。  ちょっと調べて計算したんですけれども、都内の自動車保有台数がちょうど四百六十万台、これを自動車が通行可能な道路に並べるとどのぐらいになるかといいますと、一台当たりわずか五メートルというんですね。公害発生源としての個々の車の対策を強化をしたとしても、台数がどんどんふえていけば事態は変わらないということになるんじゃないでしょうか。そういう意味で考えますと、自動車の利用の仕方を考え直さなければいけないときに来ているんじゃないかというふうに思うんです。  そこでお伺いをするんですけれども、東京都として、交通需要管理、いわゆるTDMというふうに呼ばれているんでしょうか、これにどういうふうに取り組もうとしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。 ◯松葉参事 いわゆる交通需要マネジメントの取り組みについてのお尋ねでございますが、東京都では現在、都市交通の円滑化とか安全の確保、それから大気汚染の改善などを目的といたしまして、交通需要マネジメントのあり方について検討を行っているところでございます。平成九年度は、その交通需要マネジメントに関するいわゆるパーク・アンド・ライドとか、それから時差出勤、あるいはその他の施策について実施した場合の効果についての検討を進めているところでございます。  また、マイカーで通勤する場合の車や、それから営業などで使われております車、あるいは物流のために使う車などについて、こういう車をいかに抑制していくことが可能であるか、こんなことも考えまして、こういうようなケースを地域で決めて、実験を試みる、いわゆるモデル試行といってございますが、現在、こういうことの検討をしております。モデル試行につきましては、十年度に予定をしているところでございます。 ◯山本委員 今、交通管理ということが必要だということで東京都自身が検討をしているということをお伺いをしましたけれども、実際に、例えばセブンイレブンだとかいろいろなコンビニができることによって、それは確かに便利は便利ですけれども、今までならば、商店街に朝大体十一時ぐらいに荷物を持った車がやってくる。大体その前後だと思うんですね。そして荷物の上げおろしが行われて、その後は基本的に大型車はやってこないというのがかつての流れだったと思うんです。ところが、コンビニエンスストアがどんどんふえてくる中で、一日に大体一トン車、二トン車というような車だと思いますけれども、これが二回とか三回とか四回とか、来るわけですね。お弁当の新しいのが来るだとか、パンの焼きたてのが届くだとか、そのたびに大型車がぐるぐると動く。しかも、その場合には、それぞれのコンビニエンスストアは全部別々の車を使っていますから、セブンイレブンがすぐ隣のローソンならローソンというコンビニのものまで混載はしてくれない。それはうちの企業秘密だということでやっているわけですから、どんどんどんどん今車がふえてきている事態ではないかというふうに思うんですね。そうした流通のあり方が変わってくる中で、ますます自動車の使われ方がふえてきているという事態にあると思うんですが、こうした問題について東京都はどう考えていますか。 ◯松葉参事 いわゆる渋滞などを解消するために、いろいろな車の使用抑制を図っていくということも一つ必要だというふうに考えております。しかしながら、また、利用する場合のいろいろな利便性であるとか、それから、いろいろな用途で使われているわけでございます。そういう中でいかに車を減らすか、こういうことが今大きな課題になっているところでございます。こういうことで、できるだけ公共交通機関の利用を促進するとか、あるいは不要不急な車の利用を控えるなど、こういう自動車の使用方法の見直しについて今現在必要になっているというふうに考えてございます。
    ◯山本委員 自動車の使用抑制をしていくという方向をお考えだということはわかりましたけれども、既に金沢市などの場合には、これはスーパーマーケットの協力といっても、ちょっと協力の仕方は違いますが、周辺部のスーパーマーケットの駐車場を借りて、通勤車両をその駐車場までにしてもらう。そこから中心部にはバスを運行することによって、中心部への車の流入を抑える。それからバス専用レーンについても、一人乗りの車はだめだけれども、何人か乗ってくる乗用車については、そこも使わせてあげるというようなやり方をとって、具体的に今パーク・アンド・ライドというシステムを行っています。私、これを見てまいりましたけれども、町の規模は小さいと思うんですけれども、地方自治体が本腰を上げて──東京都でもいろいろ警察など等も含めて知恵を絞っていらっしゃると思いますけれども、努力をする姿の一つじゃないかというふうに思うんですね。こういう形の取り組み、もっと真剣に頑張っていただきたいというふうに思います。  ところで、予算全体にもかかわる問題なんですけれども、前回の公害防止計画がつくられた、ここには平成五年三月というふうに書いてありますけれども、このときの環境保全費と歳出に占める割合を教えてください。 ◯長沼環境管理部長 平成五年度の環境保全費の当初予算額は三百八十五億六千八百万円であり、都の一般会計の歳出総額に占める割合は〇・五五%でございます。 ◯山本委員 それでは、この新しい計画が出された十年度、今年度の予算では幾らで、構成比はどうなりますか。 ◯長沼環境管理部長 平成十年度の環境保全費のご提案申し上げています予算案では、二百十億一千八百万円でございまして、都の一般会計の歳出総額に占める割合は〇・三一%でございます。 ◯山本委員 今、聞いてびっくりしたんですけれども、事態はなかなか変わらない。京都会議なども行われて、新しい問題も環境ホルモンなどいろいろ出てきて、本当に環境行政頑張らなくちゃいけないということがいわれ、しかも、東京都自身が循環型の社会を目指すんだということを大目標に掲げて動こうとしているときに、これが五年間の対比で見ると、予算自身が五四%までなっている。これは本当に驚くべき事態じゃないかと思うんです。歳出合計そのもので比べてみると、差というのは、五年対比だと九五%になると思うんですね。そうすると、全体は九五%に下がっただけなのに、環境保全費は五四%近くも切り縮められているということになると思うんです。今こういう状況の中で、本当に都民が環境を守ってほしい、こう願っている願いに、こういう予算でこたえられると思いますか。 ◯長沼環境管理部長 東京地域公害防止計画が一九九三年度に作成されてからこれまで、自動車公害対策におきましては、地域交通量抑制対策、ただいま申し上げたTDMへの事業を積極的に進めておりますし、指定低公害車への買いかえ資金の融資条件を改善して、借りやすく努めております。加えまして、自動車排出窒素酸化物総量抑制指導の対象事業所を拡大することとしております。また、水環境におきましては、水環境保全計画の策定あるいは水循環再生事業に取り組んでおります。また、地球環境につきましては、東京アクションプランの策定であるとか、あるいは新エネルギーの導入事業などの新たな対策や事業を開始しているところでございまして、ダイオキシン類対策なども早期に着手、推進していくこととしております。全体金額では減少しておりますが、その中で重点課題や新たな問題に効率的に予算を配分して、都民の願いにこたえられる内容であるというふうに考えておりますし、こたえていかなければならない、かように考えております。 ◯山本委員 今、予算は少ないけれども一生懸命頑張るんだという趣旨のことをいわれたんですけれども、やはり予算が少ないということの中で、予算がどんどん削られていくという中ではなかなか目標も達成できないし、そういう中で目標そのものが下げられていくという、今非常に悲しい事態にあるんじゃないかというふうに私は思います。  同じように、なかなか環境基準を達成できないというふうになっている神奈川県の場合なんですが、昨年、公害防止条例を全面的に改正、拡充をして、各事業所に対して、環境配慮書を提出するとか、自動車管理計画を提出をさせる、こういうことを義務づけたり、アイドリングの具体的な抑制、フロンの回収、中には全国初とか二番目、三番目というふうにわざわざ誇っているようなものまでありますが、そういう生活環境の保全等に関する条例という条例を制定をして取り組みを強めています。  かつて東京の公害行政というのは、全国から見ても、そんなことができるのか、こんなことをしたのかといわれるような先駆的な役割を果たしてきたというふうに思うんですね。ところが、公害の規制から、とにかく監視しましょうというところにいき、とうとう調査というところにまで来ちゃったんじゃないか、こういうふうに思うんです。実際に予算が今少なくなってきているという中で、本当に環境を守るという役割、環境保全局の役割はますます大きくなっていると思います。そうした意味で、この公害防止計画を本当に文字どおり防止するために役に立つ計画とするためにも、ぜひ全力を挙げて進めていただきたい。特に規制の強化ということについては、環境を守っていくという社会的な合意形成をしていく上で非常に大事な部分だというふうに思います。そうした意味で積極的な姿勢での取り組みを要望して、質問を終わります。 ◯今井委員 私の方からは、十年度予算に若干関連しますけれども、地球環境保全に向けた東京アクションプラン、これを重点的にご質問申し上げたいと思っております。  既に今も話がありました京都会議をやりまして、今、世界的な環境問題、また、国内では環境ホルモン、あるいはダイオキシン問題、こういったものが話題になっているわけでございまして、東京におけるこれらの施策というのは非常に重要になってくる、また、かつグローバル的な問題になってくるわけでございます。  そこで、この東京アクションプランでございますけれども、検討委員会で最終報告で出されました。そしてその後、行政計画を年度内につくるということで伺っておりますけれども、年度内ということは三月いっぱいということでございますが、取り組みはまずそのような状況でよろしいんですか。 ◯上條参事 アクションプランの行政計画への取り組みの状況でございますが、この検討委員会の報告は本年二月にいただきまして、現在、行政計画の策定に向けて準備を進めているところでございます。特に都の取り組みにつきましては、アクションプラン検討委員会の報告では抽象的な文言が多かったわけですけれども、それを踏まえまして、具体的な事業をその中に盛り込むべく現在準備を進めておりまして、今年度中に策定する方向で、おおむねできるという方向で今準備を進めております。 ◯今井委員 まず、東京都の二酸化炭素のいわゆるCO2の目標値ですね。この第三回の京都会議でも、大体最終的には国は六%ということで合意したとなっているわけですね。この中には、もちろんCO2、メタン、フロン、いろいろな温室ガスが含まれての意味でございますけれども、この六%の数値に到達した、東京都も同じく国に合わせて六%と、こういうふうにいっておりますけれども、この辺の根拠は東京都はどのようにとらえておりますか。 ◯上條参事 アクションプラン検討委員会の報告では、二酸化炭素の排出量の削減目標といたしまして、一九九〇年比で六%削減が望ましいという答申をいただいております。この考え方は、京都会議で我が国に示された六%と同じ結果でございますけれども、この京都会議の結果、あるいは都民、事業者などからもできるだけ高い目標を設定すべきだというような意見もございました。また、アクションプラン検討委員会での検討の過程で、都民、事業者の活動によってどれだけ、どの程度二酸化炭素の削減が可能なのかというような試算も行っております。そうしたものを踏まえまして、今回六%という数値をいただいたわけでございます。  たまたま日本の削減率六%と同じでございますけれども、我が国削減率は、森林等による吸収分だとか、他国との間での共同実施あるいは排出権取引などを含んで六%という数字になっておりますけれども、都の削減目標はこれらを含まずに、CO2だけ、二酸化炭素だけの目標とするという考え方でございます。これは森林等の吸収分だとか他国との共同実施、排出権取引等、具体的に見込めなかったということと、二酸化炭素だけでできるだけ高い目標を掲げようということで、結果の六%というのは同じですけれども、国の目標よりも高い目標設定というふうに考えております。 ◯今井委員 大変に東京都の考え方はシビアだというふうに私たちは思うんですね。まず、都はこのカウントの仕方の中で、都民の問題、事業者の問題、行政の問題、こういうものをやはり並行してやらなきゃならないと思うんですね。特に、私たちはむしろ逆に、吸収源対策──森林等、これは入れるべきじゃないか、それから排出権の取引の問題、これも入れるべきではないか、こういうふうに思うんです。それから低公害だとか交通需要マネジメント、こんなものも全部入れて、むしろそうしてこの値を六%というならばわかるんですが、あえて東京都がそれを除いた理由。  また、各国の首都ではほとんどそういうふうになったわけですね。このアクションプランの場合は、実際問題、東京都もスポット的に、大都市で、箱の中にあるわけじゃありませんから、これはとてもクリアできない。例えば今の時期ですと、中国の上海あたりの煙がぼんぼんぼんぼんこっちへ流れているんですね。天気のいい日は本当にわかります。スモッグみたいに見えますね。だから、当然こういった取引を入れなければこの数値が出てこない、逆に。それをあえて除いたというのはどういうことなんですか。 ◯上條参事 現在、国の方も森林等の吸収分を含めるという形にはなっているんですけれども、具体的に森林等がどの程度二酸化炭素を吸収するのか、また、排出権取引だとか共同実施、具体的にどういう考え方でどういう仕組みでそういう制度を導入するかなどにつきまして、現在まだ考え方が定まっておらず、検討中だというふうに聞いております。そういう状況を踏まえまして、東京都ではそういうものを含めずに、先ほど申し上げましたように、できるだけ高い目標を掲げて、都民、事業者あるいは行政が努力していこうということでこの数値が出されたものでございます。 ◯今井委員 そうしますと、我々がいっている、植林とか、いわゆる我々の健康に対するそういう問題で植林をどんどんどんどん進めていっても余り意味がない、そういうふうに感じるわけですよ。私たちが公園をつくるということは、二酸化炭素を吸収して酸素を出す、こういう作用を期待して、やはり地球環境をグローバル的につくり上げていこう、人類の。そういうことを全く無視して、植林とは関係ございませんよ、したがって、こういうものはいわゆる吸収目的にはしないという考え方自体がほかの首都とは全く違うんだけれども、この辺はどんなふうに中でまとまったということなんですか。 ◯上條参事 説明不足で申しわけございませんけれども、CO2の目標値といたしましては、都民、事業者の活動によって実質的に削減される分を目標値として設定いたしましたけれども、先ほど先生がおっしゃられましたように、森林等の吸収効果というのは非常に大きいし、重要であるというふうに考えておりまして、アクションプランの中でも、植林だとか、あるいは家の周りにできるだけ木を植えようだとか、そういう緑化の推進については積極的にうたっておりまして、こういうものについてはぜひ取り組んでいただきたい、そういうふうに私ども考えておりますし、これからそういう取り組みも進めていきたいというふうに思っております。 ◯今井委員 だから、本来は吸収源に植林等は入れるべきだ、こういうことを申し上げているわけですね。むしろ、逆にこれは主眼にしていかなきゃいけない、こういうふうに思うんですね。  まず、東京都の削減目標、九〇年代が一千五百二十七万トン、そして九五年が千六百二十七万トン、そして二〇一〇年が数値が出ておりませんけれども、ともかく二〇一〇年までにCO2はこれから二四%ふえ続けていくんですよ、ずっと。そういったものの削減に当たっては、単なる低公害車とかそういう問題だけでこれはクリアできると、東京都では。それからまた、今いった上海の問題だとか、そういったいろいろな大気のいわゆるグローバル的なんといっておりますが、こういった大気影響は全く考えておらないという考え方。というのは、東京都はスポット的には東京都だけれども、地球という一つのリズムの中でこういう大気汚染もやはりあると思うんですね。そういうことも考えて、どうも矛盾があって仕方がないんですが、今の数値目的、それから、例えば二〇一〇年までに二四%ふえ続ける、これをどのくらい削減できるのか、九〇年を原点として。 ◯上條参事 先ほど先生がご指摘のように、東京都の試算では、二〇一〇年には、九〇年を一〇〇といたしまして一二四、つまり二四%ふえるであろうという予測をしております。この予測というのは、現在の生活レベルあるいは社会経済の状況がそのまま何ら手を加えられずに推移した、このまま伸び続けたという想定のもとに算出したものでございまして、二四%ふえていく。それをこの計画では九〇年比六%削減しようという考え方でございまして、その差は三〇ポイントということになろうかと思います。その三〇ポイントを、都民、事業者、行政がそれぞれとり得る行動を積極的にとって削減に努力するとともに、また、社会基盤の整備だとか技術革新等、あわせてそういう取り組みをしていこうという考え方でございます。  ちなみに、その三〇ポイントの内訳で申しますと、試算によりますと、三〇ポイントのうち、約一三ポイントくらいは技術革新、東京都の社会基盤の整備でカバーできるであろう、そして残りの一七ポイントを都民、事業者、あるいは都の率先行動事業によって削減していこうというような考え方になっております。  それで、非常にこれも厳しい数字でございまして、こういう厳しい数字を果たして実現できるのか、そのためには国際交流等によって共同実施、あるいは森林吸収を含めるべきではないかというご指摘をいただきましたけれども、先ほど森林吸収については申し上げましたけれども、共同実施につきましても、現時点では手法等定まっていないということもございますし、基本的には国家間レベルでの取引だというふうに理解しております。しかし、温暖化の問題についてはグローバルな対応が必要でございまして、友好都市交流等で環境技術交流を積極的に行って、外国の都市同士での交流も進めていかなければいけないというふうに考えておりますので、具体的な数値の中には算出しませんけれども、そういうものも含めて取り組んでいきたいというふうに思います。 ◯今井委員 公害防止計画も、後に出ていた東京都の水環境保全計画も、すべてこれは東京アクションプランに集約されるんですね。ですから、私はこういうふうに具体的にちょっと聞いているんです。  それで、今ありましたけれども、削減目標を例えば六%でいいですわ、二〇一〇年に。では、都民に対して東京都はどういうふうにやって、その数値をどのくらい確保しようとしているのか、事業者に対してどういうことをやって、どのくらいのパーセントを確保しようとしているのか、行政の取り組みでは例えばどういうふうにするのか。しかも、この行政計画はたしか、私、最初にいったとおり、三月いっぱいでしょう。今つくっているわけですよ、皆さん、最終。それには財政の問題とか実行範囲をどういうふうにして、スケジュールとかローリングとか、いろいろありますね。そういうものが目前に来ていて、全くアバウトな答弁ということになりますと、局長、これはどういうふうに考えているんですか、この問題、基本的には。その後にちょっとまた聞きますが、ちょっと局長、この問題。 ◯田中環境保全局長 このアクションプランにつきましては、今、担当参事からご説明申し上げましたように、都民、事業者──行政はちょっと立場が違いますけれども、都民、事業者にどういう行動をとっていただきたいかということからつくったものでございまして、それぞれやりやすい行動、あるいは多少お金がかかるけれども実行可能な行動、それから相当程度経費をかけないと実行ができないという、都民の環境への負荷の削減行動を全部洗い出しまして、その中から実行可能なものという、先ほど申し上げました三種類に分けてございます。それらが何%ぐらい、あるいは何十%ぐらいの都民、事業者が実行していただければこれだけの二酸化炭素が減る、こういうことからつくってございます。行政の側は、社会基盤整備ですとか、そういったことについて努力をしていく、こういうことでつくったものでございます。 ◯今井委員 では、お伺いしますが、一つは、都民に対してどういうふうなことをやる予定の行政計画が今盛り込まれているのか、業者に対してはどうやってアタックするのか、行政として。それはあくまで都民は都民でどうぞ、業者は業者でどうぞ、法律に基づいて、行政は行政で、東京都は環境保全局を中心につくっていきますというレベルのものなのか。当然、これは清掃局にも総務局にも、各局に全部関連した問題です。そういう中でアクションプランが出てこなきゃなりませんし、そういう位置づけをしなければ意味がない。これは単なる環境保全局だけの自己満足のためのプランなのかどうなのか。その辺の横のつながり、また、都民、業者、こういうものに対してはどう考えていますか。 ◯上條参事 この計画は環境保全局が事務局とはなっておりますけれども、検討を進めるに当たりましては、関係局が幹事という形で事務局に加わっておりますし、また、これから行政計画を策定するに当たりましては、都の環境会議で最終的に決定いたしますけれども、その下部組織等で十分検討をした上で、都の計画として最終的に決定する予定でございます。 ◯今井委員 答弁漏れ。まず一つ、このわずか──きょうは何日ですか、十七日。横断的に局をまとめて、三十日にはつくるんですか。大変なこれはスピード、そういうことできるんですか、まず技術的に。そんなに東京都の事務は早いんですかね。それが第一点と、今さっきいった、都民はどうするのか。それから事業者はどうするのか。行政はどうするのか。こういうアクションプランだけ、計画だけ出して、はい、やりますよというのではなくて、二十一世紀に向かって、わかりやすくいえば、予算づけを後で聞きますけれども、どういうふうにするんですか。この四つ、ちょっと答弁漏れです。 ◯上條参事 都民に対しましては、まず、現在、エネルギーダイエットノートというのを東京都でつくっておりますけれども、環境学習リーダー等を中心に普及を図っているわけですけれども、これを「広報東京都」を使いまして全戸に配布して普及を図るとともに、環境パートナーシップ東京会議あるいは環境保全活動団体等を通じまして普及を図ることによりまして、省エネの意識を高め、具体的に各家庭で省エネ等の取り組みを推進していただきたいというふうに考えております。  また、事業者に対しましては、これも同じように環境経理簿というものを今つくる準備を進めておりまして、来年度から試行に入りたいと思っているんですが、この環境経理簿を使いまして、各事業者が製品等の購入、製造、販売、廃棄という各過程を通じて、環境への負荷が低減できるような帳簿と申しますか、帳票をつけていただきまして、それをもとに自主的に事業者が環境への配慮に取り組んでいただくというふうに考えております。  行政といたしましては、先ほど少し申し上げましたけれども、エコ・アップ計画というのを今つくっておりますけれども、東京都も大事業者、消費者の立場でございますので、エコ・アップ計画で、具体的に水あるいは電気、紙等の削減に取り組む率先行動を行うとともに、都民、事業者に対しましては、先ほどいいましたエネルギーダイエットノートだとか環境経理簿、あるいは一般的な広報等を通じまして、率先して都民、事業者が活動を推進するように支援していくというふうに考えております。  この計画、二月にいただきまして、二月以降、三月中に行政計画にまとめるべく今作業をし、なおかつ環境会議の幹事会等のメンバーに意見等を聞きながら集約の作業をしている段階でございまして、三月中にはまとまるというふうに考えております。 ◯今井委員 今大事なのは、都民にあってはエネルギーダイエットでございますけれども、そう私は浸透しているように思いませんね。東京都の方もいろいろこれからどういうふうにするか知りませんけれどもね。  それから、念のために、東京都庁舎あるいは支所というのか、地方に出ている出張所、今、大体どんなようなエネルギーダイエットをやっていらっしゃいますか、東京都庁舎自体が、中で。 ◯上條参事 都庁舎におきましては、先ほど申し上げましたように、昨年六月にエコ・アップ計画というものを策定いたしまして、百五十項目の具体的な目標を掲げ、なおかつ、特に重要な項目につきましては、具体的な削減目標、例えば電気ですと現状よりも一〇%削減する、水ですと一〇%同じく削減する、あるいは用紙の使用量を削減するというような具体的な計画をつくりまして、現在、それを事業所も含めて全庁挙げて取り組んでいるところでございます。六カ月ごとにその進捗状況を点検し、また、その反省のもとに新たな見直しを行って、さらに取り組んでいこうということで取り組みを進めているところでございまして、六月から九月までの結果を見まして、かなり実績が上がったというふうに考えております。 ◯今井委員 それから、業者に対しての環境に優しい商品リスト、これをどんなふうにやっていらっしゃるのか。清掃局ではリサイクル問題で業者とかなり接触していますが、環境保全局はどういうふうにしているのか。それから、TDM関係の問題もどのように扱っているのか、この辺を、実情で結構ですから、教えてください。 ◯上條参事 環境に優しい商品の問題でございますけれども、現在、グリーン購入のネットワークだとか、民間も含めていろいろな取り組みがなされておりますけれども、東京都といたしましては、環境パートナーシップ東京会議という、都民、事業者、行政、消費者団体等で構成される会議を昨年立ち上げまして、その会議を通じまして、環境に優しい商品の使用、普及、促進を図るよう東京都として努力しているところでございます。 ◯今井委員 今度はデータの問題ですけれども、私はこの東京アクションプラン、三十分か四十分でざあっと見ただけだから、正確かわかりませんけれども、数値が全部東京電力のグラフ、あれを使っているんですね。東京都の独自の数値ではないんですよ。皆さん、この問題については東京電力のデータ以外に──例えば大気汚染も含めて、そういう問題、熱も含めて、かなり依存していますが、これは東京電力の資料による削減に何か意味があるんですか。ほとんどデータは東京電力のデータですね、これ。 ◯上條参事 東京電力等のデータを使っているのではないかというお話でございますけれども、電力消費につきましては東電からお知恵をおかりしたという経緯はあると思いますけれども、その他のエネルギーにつきましては、必要なところからデータをとっておりますし、必ずしも東京電力からすべてのデータをとったというふうには私ども考えておりません。 ◯今井委員 ちょっと横にずれますけれども、東京都が、やはり予特でもだれかあったんじゃないかと思いますが、ISO一四〇〇一のライセンスの取得について、例えば大阪府なんか大変積極的で、上越市は百三十九項目、大変なものを自主的にやっておりましたね。プラン三年間ぐらい練ってきていますか。十年かけてこれはプランニングして、でき上がって、行政計画でいよいよことしからスタートしましたね。例えば庁舎に車が二百台来る。相乗りで来た場合は、一番前の方にとまらせてあげる。単独で一台で来た場合、ちょっと遠くの方。それから駐車場は、二百円のところを、相乗りの場合百円にするとか、非常にきめ細かいですね、上越市。大阪府も大体これに基づいてやって、白井町も大体こういうことですが、大変な効果を上げていまして、大体二七%の削減を現実にしている。  むしろ東京都はそういうものを率先して、東京都が名乗って──青島知事は何かリサイクル知事だといっているんでしょう、いろいろ、知らないけれども。そういうことですから、むしろそういう問題を積極的に取り組まなければいけないんですが、何でこのところを避けているのか。東京は非常に人口が多い、複雑、立体化している経済状況のこの中で、立地的に非常に難しいから、これはあえて避けているのか。むしろ私は、アクションプランではなくて、完全にISOを取得するためのいわゆるプランと行政計画をこの辺で出してもらいたかった。こういう問題は知事を含めて各局長とやっているでしょうから、局長、どんな論議をしてきたんですか、今まで。 ◯田中環境保全局長 先日の予算特別委員会でご質問を受けまして、私がお答え申し上げましたが、ちょっと言葉足らず、説明足らずのところがございましたので、それを補強といいますか、若干ご説明をさせていただきますが、都庁といたしましても当然取るべきだというふうに私どもも考えております。ただ、その取るに際しまして、一番効率の高いスケールというのがあろうかと思います。都庁全体を含めて取るのがいいのか、あるいは事業所ごとに取っていくのがいいのか、同じ新宿の都庁舎の中でも、例えば第一庁舎と第二庁舎を分けて取るのか、それぞれやはり規模によって、ISOの、実施をした場合に、エネルギー削減等に関する効果というのがあるんだろうと思います。したがいまして、どういう規模で取るのが一番効率的であるかということも含めまして、今後検討していきたいと思っております。 ◯今井委員 局長、そんなのはもう十年前に各道府県では研究なさっているんですよ。十年前の話。いわゆる先進都市東京が今ごろそんなことをお考えになっているとすれば、大変に私はおくれていると思いますよ。  例えば大阪府では、参事に聞きますけれども、このISO一四〇〇一についてはどんな取り方をしているんですか。スポット的な取り方はしてないと思いますね、そんなことはできるわけはないんですから。全体トータルでどのくらい削減するか。ですから、そういう考え方の起点が私は東京都はちょっとおかしいなと思うんだけれども、例えば大阪府の場合は、皆さんの研究でどなたが詳しいのか、どういうふうにやっているんですか。 ◯上條参事 ISO一四〇〇一の大阪における取得の状況でございますけれども、大阪府では一四〇〇一の認証取得をするというお話は伺っておりますけれども、どの範囲で、どういう形で、いつ取得するのかという具体的なお話は存じておりません。 ◯今井委員 具体的にはもう十年ぐらい前から──一九四七年にスイスのジュネーブにこのISOが設立されているんです。五十年も前の話です。大阪はずっと二十年間研究して、十年前にこのマスタープランをつくって、取り組んでいて、今最終段階に入っています。そういうところもあるわけですよ、ほかのところいっぱいありまして。  しかも、国際交流をしながら、どういう位置づけをするか。例えば今東京では、私も随分、都議会になって都市の友好交流でずっとこの二十年間行かせていただいて、今十何カ所ですか、十六カ所ですか、やっていますね。例えばこの問題も、上海、北京もそうですね、ニューヨークもそうです、パリもそうですね、また、ニューサウスウェールズ地方。だから、あらゆる首都圏でこういう問題で会議を開いて、青島知事が中心にそういうことをやっておれば、リサイクル知事としての値は上がると思うんですけれども、全くそういうことは関心がなさそうでございますので、どうか大阪を勉強していただきたい。申しわけないんですけれども、事務局の方々は調べていただきたいと思います。これはそのくらいにしておきます。  これは都市計画局でまた質問しますが、景観条例の中にライトアップが載ってないんですね、いまだに。私は環境保全局で二つどうしてもやってもらいたいことは、ライトアップをどういうふうにするか。この熱量、大変な膨大な熱ですよ。それから、逆に、太陽光線のクリーン発電を何で奨励しないのか。このアクションプランの中に、わずか一行ですよ、入っているのは、両方とも。  いわゆる太陽光線の発電については、国は補助金は出しています。それから、本来は東京都が独自に補助金制度をつくって、都民、事業者に誘導策をやらなきゃいけないんですね。アクションプランの中の目玉にしなければいけないんです、二十一世紀のクリーン燃料ですから、無限だし、非常にクリーンだし。そういうものが全く研究がされてないし、やろうともしない。この辺が一つ問題。  それから、ちまたでライトアップ、この辺では東京タワー、毎日ばあっと、石井幹子さんがデザインしたあの光を見ますけれども、大変なお金。あれが環境に熱として放散する影響というのははかり知れないんです。今、各樹木に、夜になりますとライトアップしてありますね、かわいい玉がついて。京王プラザなんかやっていますね。ですから、虫が春と間違えて出てきちゃう。その温熱被害というのは大変なものなんです。だから、例えば土日とか何かの催しとか、こういうものは環境のクリーンの意味で規制して、条例を東京ではつくるべきだ。何でもかんでもばんばかばんばか電気を使ってやる。それはライトアップをやることはいけないとはいいませんよ。そういう問題が全然このアクションプランに入っていない。  雨水もそうですよ。雨水も三行だけ入っていた。やはり冬になりますと暖房つけますね。この発熱がCO2の大きな原因ですよ。夏になるとクーラーつける。外は大変暑い。これが温暖化の原因なんですよ。まず六割がそうですね、都会では。これを水でクリーンエネルギーで使うとか、太陽エネルギー使うとか、そういうことをむしろアクションプランの中で、東京都もきめ細かく目玉として打ち出さなければならない。何でこういうことをお考えにならないのか、気がつかないのか。皆さん方、学者みたいな方がずらっといるわけですから。わずか二行、三行、三十分ぐらいしかぱぱっと見ただけでわかりませんけれども、私の印象ではそういうのしか残らなかった。こういう点は一体どう考えているんですか。 ◯上條参事 ただいま先生からいろいろご指摘いただきましたように、都民、事業者、行政がそれぞれ工夫できるありとあらゆる対応をとって、やっと初めて温暖化のCO2の削減というのは進むのではないかというふうに思っております。ライトアップの問題もそうですし、雨水の問題もそうですし、冷暖房の問題もそうだと思います。  先生、アクションプランには全く記載されていないというふうにおっしゃいましたけれども、それぞれ考え方は全部、都民の行動、事業者の行動、行政の行動という中にうたわれておりまして、現在、これらの考え方を具体化するために、エネルギーダイエットノートをつくり、それから環境経理簿をつくり、先ほど申し上げました民間の方々を交えた環境パートナーシップ東京会議において、具体的、積極的に推進していくという考え方でございます。 ◯今井委員 予特じゃありませんから、ここに副知事いないから、知事いないから、局長にお伺いしますけれども、局長、今環境保全局の予算減額補正が大分出てまいりました。何でやらないのかと見受ける点も多々ありました。その中で市町村の植林の補助がありましたね、前回も論議になりましたけれども。そういうお金を東京都の中で、仮に、いわゆるソーラーシステムで私のうちをつくりますから、東京都で補助してもらえませんか。私のうちの天井につけますよ、ばあっと。そうしたら、CO2はぐんと減りますよ。そうすることによって、民間の経済活力も大きいし、また、誘導策を東京都がとれば、保全局のお金はわずかであっても、使ったら大変な効果が出ます、これは。そういうことを、知事じゃなくて申しわけないんですが、局長は、やる、やらないはともかく、そういうお考えはちょっとでもあるんですか、ないんですか。やるともやらないともいわなくてもいいですが。 ◯田中環境保全局長 太陽光発電につきましては、私もこの前、住宅展示場でよく調べてまいりました。かなり住宅の規模が大きくないと、ペイをしないようでございますけれども、その住宅の場合は、むしろ東京電力に電気をわずかではあるけれども売電できる程度のものだそうでございます。ただ、非常にまだコストが高いということもございまして、そこのお話によりますと、かなり大きな規模の住宅でないと、なかなか設置ができないというようなお話もございまして、今後、より機器が小型化して普通の住宅でも使えるようなものになれば、そういう場合には、現在通産省が補助をしておると聞いておりますけれども、東京都についても、全般的に普及できるような体制が整えば可能性はあると考えております。 ◯今井委員 だから、オールソーラーシステムの住宅じゃありません。ふろとか、あるいは──発電までしようなんて、そんなことは思いませんから、減額補正なさっているんだから、そういうものをどんどん充てていくことによって、このパーセンテージが減ってくる。そういうものを具体的にこのアクションプランの中に盛り込んでもらいたい、逆に。そういうつもりでこのでき上がっているのを見ましたら、そういうことが大分ありましたので、ひとつこれは頭に入れておいて、近い将来実現すればと思っています。  四十分間の質問です。あと三分ですから、もうちょっとたくさんあるのでございますが、申し上げないので……。  環境科学研究所、これは何をやっているんですか。三回ぐらい見えていたけれども、何をやっていますか。 ◯齊藤環境科学研究所次長 東京都の設立いたしました環境科学研究所でございますので、行政に対する環境関係の科学的知見を得るための研究を行っているわけでございまして、大気とか水とか自動車ですとか地球環境ですとか、そういったものの研究を主に行っているところでございます。 ◯今井委員 今この環境問題で一番進んでいるのはドイツの国です。私も七回ぐらい見てまいりました。特に排ガスについては大変力を入れていますね。ドイツは、ミュンヘンを含めて、都市ではほとんど、試験所が非常に多い。東京で二十三区でいえば、各区に一カ所ぐらいあります、公的な試験所が。東京でいっている環境科学研究所。何を皆さん持ってくるかというと、メタノール車、天然ガス、ハイブリッド、LPG、電気自動車、こういうものは民間が開発して、みんなテストに持ってくるんですね。その門戸を広げて、研究所が全部協力してあげる、行政が。民間で売れるものは特許まで取ってあげている、この研究所で。そうやって民間の力をどんどんどんどん活用していますから、電気自動車はドイツでは二〇〇五年にはまず六割、ベンツとか含めてですね、つくる体制が既にできているといわれておりますね。  日本の産業はまたこれでおくれますけれども、何で環境科学研究所は民間のこういうものを受け入れないんですかね。私はいろいろな方から相談されて、随分相談持っていきました。みんな断ります。筑波大学の研究所に持っていくと三年待ちます。わざわざ民間の方が、こういう零細中小が一生懸命研究して、パテントも取って──私も特許やっている関係があるからよくわかりますけれども、苦労して、何としても低公害車をつくろう。検査する場所がない。せめて東京都でやっていただきたいなと思っています。いつでも行ってみると、ただ車をぷうぷうぷうぷう動かして何かやっていますけれどもね。局長、これは何とか門戸を開いてもらいたい。できれば二十三区に一カ所ぐらい欲しい。今はそういう時代なんですよ。どうか局長、この点の今のところのお考えを。 ◯田中環境保全局長 研究所におきまして民間車の検査といいますか、排ガス性能の試験をするということにつきましては、前々からいろいろご要望をいただいているわけでございますが、当初といいますか、設立したときに、やはり排ガスの性能を東京都独自で研究するということからつくったものでございまして、研究のスケジュール等が込んでいたということもあったかと思います。しかし、最近になりまして、いろいろご要望ございますので、現在、庁内の例えば手数料条例の改正でございますとか、それから実際の民間車を受け入れた場合の検査体制の問題でありますとか、具体的に検討しております。結論が出次第実施をしたいと考えております。 ◯今井委員 委員長、最後に要望だけ一つ。  質問の半分ぐらいしかできませんし、あと一方あれがあるので、これでやめますけれども、この東京アクションプランは、公害防止、水保全、このすべての問題を網羅したものが実はアクションプランである。そういうふうに私は、この東京、日本の国、大きくいえばグローバル的ないわゆる環境の、大変東京は大都市としてかぎを握っておりますので、実のあるこういうものを実現してもらいたい意味で、幾つか細かく申し上げました。どうか場合によっては、行政計画を年度内、三月いっぱいにつくるなんていわないで、これから一年ぐらいかけてもいいから、きちっとしたものをつくってもらって、この目標をきちっと実現していただきたい、そういうことを最後にお願いしておきます。 ◯小礒委員 それでは、予算の関係で何点かお聞きをさせていただきたいと思います。  まずもって、平成十年度予算編成に当たりまして、多摩二十七市の市長会の方から、実質、環境保全局関係につきましては九項目の要望書が提出されているわけでありますが、これに基づいて、どのように今回の環境保全局の予算に反映されているのか、そこらあたりお伺いいたします。 ◯長沼環境管理部長 要望項目はご指摘のようにさまざまございます。地域環境計画策定事業に対する支援だとか、都の情報管理システムの情報の拡大であるとか、地下水の水域、大気汚染、騒音航空調査、さまざまありますが、例えばこういった中で、水循環の対策でございますとか、それから大気汚染対策として自動車対策のTDM等の対策等を、その要望直接じゃないものもございますが、そういった大きな項目での対策を推進していくつもりでございます。 ◯小礒委員 私がお尋ねいたしましたのは、二十七市の市長会から取りまとめられた、九項目にわたって要望が出されていた。これを具体的にどのように反映をされたのかということなんですね。まあ、いいです。では、個々にこれを聞いていきましょう。  それでは、特に二十七市関係で常日ごろ非常に密接な連係プレーをとっているということで、さまざまな公害関係について取り組んでおられる多摩環境保全事務所ですね。私が今申し上げましたような九項目につきましても、当然多摩事務所の方にも上がっていると思うんですね。これらのことを踏んまえながら、多摩環境保全事務所の所管と執行している事務について、いま一度教えていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◯長沼環境管理部長 まず、事務の内容からお答えさせていただきます。  大きく分けまして、三つございます。多摩環境保全事務所は、多摩地域におきます公害防止行政で、大気汚染防止法であるとか水質汚濁防止法であるとか、そういった規制事務、監視事務、あるいは東京都公害防止条例に基づく事務を行っているということ。それから第二点は、自然の保護と回復に関する条例に基づきます開発規制や保全地域の管理などを行っている。第三は、産業保安行政で、高圧ガスであるとか、それから火薬類及び電気製品等に関する取り締まり事務等をやっております。大きく分けて三つでございます。  それで、多摩環境保全事務所は二級廨でございまして、本庁の総合的な所管は環境管理部になっておりまして、それぞれ業務的には、大気は大気保全部、水は水質保全部、緑は自然保護部と、それぞれ連携のもとに行われている組織でございます。 ◯小礒委員 特に冒頭申し上げました、多摩の切実な環境保全行政に対しての要望事項でありますが、当然にしてこれらのことは環境保全事務所の方でも受けとめて、それなりの予算要望、また、反映させるためのご努力をいただいていると思うわけであります。  その中で、特に今お話をいただきましたような事務所の事務でございますけれども、特に市町村、特に市と限定させていただきますが、これらとのいわゆる日常の連絡調整といいましょうか、実質上、公害関係事務については市の方にほとんど委任をされている状況、それとまた、発生するところの公害に対する対応を、各市においてそれぞれ対応されているという状況があるわけでありますけれども、これらの中で、この事務所と各市との関係といいますか、連絡調整、これはどのように現実行われているのか、この点を教えていただきたい。 ◯長沼環境管理部長 多摩環境保全事務所、それから市との、あるいは本庁も入りまして、東京都市公害事務連絡協議会、課長級でございますが、こういう協議会を開催いたしまして、日常業務も含めまして積極的に連携しているつもりでございます。 ◯小礒委員 揚げ足を取るわけではありませんが、今部長の答弁で、やっているつもりだというようなお話をされましたね。もう少し聞かせていただきたいと思うんですが、確かに東京都の公害防止条例、事務委任について一定の役割をそれぞれ持たれているわけですね、各市が。これらの中で特に、それならば、事務所と地元市とのいわゆる連絡協議会、こういうのがあるわけでありますけれども、これがどの程度実施をされているのかということと、それとともに、実質的に、公害防止条例交付金、これらのいわゆる基礎的な算定の基礎、それと総額的ないわゆる基礎算定基準ですね、まず交付金の、これについてお願いいたします。 ◯長沼環境管理部長 市との連絡調整につきましては、先ほども申し上げました連絡協議会、あるいは突発的な対応もございます。あるいは本庁も入って、できる限りの協議を行っているところでございます。  それから、お尋ねの公害防止条例の事務委任にかかわる市の交付金のことでございますが、その算定基礎でございますが、前年の事務処理実績を基礎にいたしまして、例えばどのくらいその一件の処理に時間がかかったかとか、あるいはそれに対応した職員が延べ何人であったとか、そういったものを一定の単価等により積算いたしております。 ◯小礒委員 私も市議会から都議会の方に出させてもらったわけでありますが、特に多摩においてのいわゆる環境、水質の汚染だとか大気、さまざまこれらのものはやはり開発後において顕著に出てきているんではないかな、広がってきているんではないかなという部分はあるわけですね。そういう中で、特にこの交付金がそれぞれ七億六千万でしょうか、総体的な金額としては。これが二十七市で七億六千万でありますから、実績の算定の基準でそれぞれ配分されるんでありましょうけれども、実質的な各市の公害のいわゆる行政対応はなかなか厳しいのではないのかなというのが、私どもが話を聞き、見た感じなんですね。  というのは、例えば工場認可申請が出されますね。この場合、実質的に担当者がこの申請事務を受け付けなきゃいけない。これには当然にして必要な法律等々専門知識が必要である。事前の準備も必要だ。これに対応することは当然でありますけれども、これに費やす時間ですね。  それとともに、本来的には東京都がやるべき、いわゆる所管部門というんですか、例えば都が管理している河川、ここに水質の異状が見られるという場合、これはやはり地元市の方が対応していかなければいけない。野焼きもそう、産廃のいわゆる黒煙等々もそう、それからカラオケ騒音対策もそう、これは限られた予算の中、限られた人員で対応しているわけですね。こういう中で、特にある市においては、平成九年において、前年の算定で出た数字でありましょうが、実質的には二・三五人分が──これは予算上ですね、いわゆる交付金として支出されたということなんですね。ということは、すなわち二・三五人なんという数はとてもとても割り切れるわけがないです、人間ですからね。  それとともに、今申し上げましたように、実質的な業務内容というものが少ない職員の中で大変負わされているということ。  それとともに、今連絡協議会もありましたが、実質年六回開催されているのでありましょうけれども、これは二十七市全体の会ですね。部会もあるけれども、大体全体の会だ、年六回やっているのは。その中でどういう話がされているかというと、ほとんどが一方的な話に終始しているんじゃないですか。日常業務についても、実際対応は地元市だ。これに対して、例えば直近の環境保全事務所はどのように各市との連絡調整、そして物事に対する対応をされているのか、このあたり、はっきりいって、私ども聞き取りしましたけれども、見えてこないんですね。このあたりはどうなんでしょうか。 ◯長沼環境管理部長 環境保全事務所におきましても、委任してない事務、あるいは市に委任をお願いしてやっている事務、さまざまな内容がございます。公害苦情等、いずれにしても適切に対応する。日常の生活に関するものが多いわけで、迅速な対応にこれまでもできるだけ努めてきたつもりでございますが、身近な市が対応している技術的な問題等にも今後とも適切に対応していきたい、相談に親身になって乗ってあげていきたい、かように考えております。 ◯小礒委員 実際、専門的な知識を求められる部分、これはもうやはりかなり高度な、公害発生に対してさまざまな知識が必要ですよ。これを勉強というか、研修する部分もほとんどないんですね。各市みんな少ない人数でやっているわけです。それも、一つの仕事にそれぞれ専門職員を配置できないんです、今の財政状況では。ですから、こういう中で、私はやはり多摩環境保全事務所の存在があるんではないかと思うんです。特に組織的、これを見せていただきましたけれども、八十何名ですか、九十名ですか、職員がおられる。各課はある。しかし、さりとて市町村との連絡調整事項なんというのはもうわずか数行です、こんなの。そういう中で、現実担当者の意見とすれば、ほとんど各市それぞれ、直近だから対応するということはあるけれども、苦情がばんばんばんばん来るわけだから、やはりやむを得ず対応せざるを得ないわけですね。そういう中で、連絡調整がされているんじゃないかと今部長はいわれたけれども、されてないんですよ、これははっきりいって。だろうなんということは、こういう責任ある場でよく私はいえるなと思いますよ。もっと実態をよく把握していただいて、こんな二十七市で七億六千万のそれぞれの交付金で全部やってくれやと、さらに環境保全事務所、相当な人数が張りつけられているわけでしょう、組織的にも。これは一体どういうあれになっているわけですか、現状として。まさに連絡調整だ。フォローですよね。知識をそれぞれの、聞いてくれば答えてやるよということじゃなくて、そのあたりどうなんでしょうかね。 ◯長沼環境管理部長 環境保全事務所は、お話のような連絡調整業務のほかに、みずからのやる、例えば委任していても、技術的に規模が大きいとか、そういった留保工場というのも数多くございます。そういった規制指導もやっておりますし、最近では自然保護の業務なんかも、緑の触れ合いなんかのボランティア活動の指導とか、そういったものもやっております。  それで、多摩環境保全事務所におきましては、八十四名の職員がおりますが、職種もいろいろおります。それで、小礒委員ご指摘のとおり、分権化の時代の中で、例えば本年の四月から町田市には水質汚濁法の事務が移管されることになりまして、受けていただくことになりまして、多摩環境保全事務所の定数を削減したというようなこともございます。また、そういったもののためにも、委員がご指摘のとおり、特に技術的なお互いの研修の場というんでしょうか、そういう機会の増大ということはますます今後求められてくることでありますので、そういったことに十分留意して当たりたい、かように考えております。 ◯小礒委員 いずれにいたしましても、十年度に向けての予算、先ほど申し上げましたような九点にわたる、九項目ですね、二十七市市長会、この要望というものは私は余り強く反映されてないと思うんですね。もう一度戻りますと、特に、今実際的にやっている部分、人件費、事務費、備品等々、工場取り締まり指導、作業場の取り締まり指導、深夜営業の騒音、一般騒音、アスベスト飛散対策だとか光化学スモッグだとかさまざまある。実際問題として、一部今町田市の方にという話があったけれども、各市の行財政はすごく厳しいんですよ、はっきりいって。東京都みたいにこんな大きなところだったら、内部で努力すれば幾らか浮いてくる分があるかもしれない。詰めて詰めて詰めまくってやっているのが、市町村の実態なんですよ。これをまださらに、都のいわゆる今の一方的な分権的な思想の中で、やってくれよ、やるべきじゃないかと、条件も何もなくてですよ。市町村に対して上級意識があるんですよ、東京都は。その中で、何でもかんでもやれ、聞きに来るなら聞いてこい、こうはいわないまでも、実態はそれに近いんですよ。であるならば、その間をとるのが環境保全事務所なんですよ。日常の市民が、都民が、このさまざまな項目からも出ているように、苦情相談は地元市だ。だけれども、環境事務所の方にだって行くことはあるわけでしょう。あの水質が汚れているよ、どうなんですか、対応してくださいよと。いや、パトロールやっていますよ、こんな話だ。ところが、よく聞いてみれば、パトロールをやっちゃいない。  だから、実際、きょうの話としては私はこう思うんですね。先ほどからるるいっておりますので、やはり事務処理、都民の声や地元市との関係をもっと図っていただきたい。もっときめ細かい対応をしていただきたい。そうしなければ、要は、私どもは見えないんです、はっきりいって、環境保全事務所がやっている仕事は。それは今長沼部長がいうように、これとこれやっていますよと。やっていなかったら大変な問題なんだ、これは、はっきりいってまた。だけれども、実際問題として、各市担当者を含め、私たちも含め、もう少し東京都の環境行政が目に見えるように、頼りになるように、ぜひこれをやっていただきたいんですけれども、局長、どうでしょうか、ここらあたりちょっとお願いします。 ◯田中環境保全局長 先ほど市との連絡調整というお話がございました。実際には連絡調整といいますのは二つございまして、一つは、先ほど部長がお答えしましたように課長会という組織がございます。これは、例えば条例の改正でありますとか法令の改正でありますとかといったことについて招集をして説明をする、あるいは予算が決定したときに説明をする、いってみれば、そういう形の連絡でございます。あとは、今先生からお話ございました、端的には苦情なんかを例としまして、特別といいますか、固有の市とのいろいろな連絡調整というのがあろうかと思います。  特に、ご指摘の点はその後段の点だと思いますが、市と環境保全事務所、個別の案件につきましては十分連絡調整をとって処理をしていくというのが、やはり公害を防止するという原点でございますので、今までもそう努めてきたつもりでございますが、もしそういうご指摘があれば承りまして、今後ともより一層注意を喚起してまいりたいと思います。 ◯小礒委員 きょうは、時間も制約があります、この程度にさせていただきたいと思うわけでありますけれども、公害行政に対して、また地元各市含めてですけれども、私どもが日ごろ考えていること、感じていること、この中で、特に事務所がやはりもう少し都民に見える形、しっかりした連携を各市とも結んでいただくということ、これらをぜひお願いしたいと思うんですね。そうしませんと、大変申しわけないが、組織もかなり大きくなっていると思うんですよね、この規模を、実際の日常業務、さっきからいっている話なわけですよね。あんなものはちょっと縮小しても、その浮いた財源を、各市が実際日常やっているんだから、分けてくださいよという話だって出てこないとも限らないと私は思うんですね。  最後に、トリクロロエチレン、これは、八十件の汚染調査が出たんですね、直近で。全都で八十カ所検出されていますね。特に、そのうち多摩では六十六件汚染があるんですよ、現実に。これは直近の調査です。さらには、テトラクロロエチレンですか、これも七十二のうち五十五も検出されているんですよ。これは十年や二十年前の話じゃない。現実に今の話なんだ。ですから、そういう意味を含めて、多摩事務所の機能をもう少ししっかりと見える形で、一段と、ぜひお願いしたいと思います。  この関係はそれで結構であります、局長からご答弁いただきましたから。  それともう一点、今のまさに国際交流、情報交換、また我が国の世界貢献ということの中で、それと技術交流を担っていく、我が国の方が。その首都である東京都がこの一端を担っているということは、大変評価したいと思うんですよ。しかし、特にこの予算で出ているところ、国際協力の中の、特に友好都市との交流の状況ですね、これは私は肯定している立場でありますけれども、やり方でもう一つ工夫できないのかと思うんですよ。
     例えばモスクワも、友好都市ですか姉妹都市ですか、ということで、モスクワに行きました、四、五人で。そのときは、ほぼ五日間ぐらいの短い時間だったということ、モスクワからも東京都に来られたでしょうけれども、であるなら、やはり実効効果が、ないとはいいませんよ、やはり行かないよりか、ないことはないでしょう。しかし、一定の準備をして、一定の効果というんですか、技術職員がそこにどのくらい派遣の要員として入っているのか、また相手の都市の方も、やはりそれなりの実の上げられる部分はあるんじゃないかと思うんですよね。その意味で、ことしも行われるそうでありますけれども、場所はちょっと違いますけれども、これらについてどうでしょうか。 ◯長沼環境管理部長 ただいま小礒委員から、友好都市への環境保護技術の交流、保護交流の件でございますけれども、日程の問題、あるいは最近では技術職員が主として積極的に来たり、あるいは受け入れたりすべきだというご指摘を踏まえまして、JICA等関係機関とも協力し合いながら、改善すべき点を含めまして、今後検討していきたいと存じます。 ◯小礒委員 先ほども、低公害車につきまして、その普及は当然していくべきだというところからやりとりがありましたけれども、特に、この中で出ておりますところの天然ガス自動車について、実際上ディーゼル車と比べて、排出ガスについてもどのような対比ができるのかなと思うわけであります。それと、今後、十年度予算で天然ガス自動車をどういうふうに普及していくのかということなんですね。これにつきまして……。 ◯高橋大気保全部長 天然ガス自動車につきましては、黒煙だとか粒子状物質の排出がありませんし、また、窒素酸化物の排出量を見てみますと、ディーゼル車の約三分の一以下であります。二酸化炭素の排出量を見ましても、大体二から三割ぐらいは少ないというふうな状況にございます。  私ども、この予算事業別概要にも載せてございますが、十年度におきましては、都営バスの低公害化を推進するために、ノンステップ天然ガスバス二台を含めまして、二十二台を導入していきたい。それから、一定の地域で、民間事業者が天然ガストラックを導入する際に差額について補助する制度を設けまして、民間への普及も拡大していきたい、このように考えております。 ◯小礒委員 その中で、やはり燃料供給施設の整備は当然必要だと思うんですね。これから都バス、民間の方にもこの低公害車、天然ガス車といいますか、これを普及させていくという中で、特にこれもさまざまなところから要望が出されているかと思うんですが、普及のための一つとしてのスタンドの設置等々、これは現状何カ所で、今年度補助をする中でどの程度整備をしていくか、ここを聞かせてください。 ◯高橋大気保全部長 天然ガスの充てんスタンドにつきましては、都バスにも実際今天然ガス車がございますので、これは三カ所ございます。その三カ所を含めまして、都内には現在十カ所ございます。十年度には一基を助成できるように予算を計上しているところでございます。 ◯小礒委員 いずれにいたしましても、天然ガス車の導入、低公害車、そういうのを普及させていくということの中で、やはり今申し上げましたような施設整備は必要ではないのかなと思うわけでありますけれども、そのあたりも、今後これを普及させていくという中で、箇所をふやすようにひとつお願いしたいと思います。  それと、地域における低公害車の導入事業が載っておるわけでありますが、これについて、具体的にどのあたり、どのように配置をしていく予定、計画なのか。 ◯高橋大気保全部長 地域における低公害車の導入事業でございますけれども、これは、一定の地域に低公害車の普及を図るモデル地区というのを設定したいと考えております。  低公害車の普及に当たりましては、都民と事業者、それから、東京都あるいは区市がパートナーシップを組みまして低公害車の導入を図っていくことが必要じゃないかというふうに考えておりまして、そのような考え方のもとに進めていく事業でございます。  平成十年度におきましては、地域内のレンタカーの事業者が導入するハイブリッドの乗用車だとか、そういう低公害車に対しまして、都と区市とが協調して、一般に売られている車との差額について補助をしていきたいというふうに考えております。  また、レンタカー事業者のほかにも、一般の事業者が導入する天然ガストラックなりにつきましても、都と区市と協調して差額補助をして普及を図っていきたい、こういうようなことを予定いたしておりまして、十年度におきましては、板橋区などの三区の区域を考えているところでございます。 ◯小礒委員 まず、低公害車の普及という中で、特に今年度、板橋を初めとする三区が補助制度を新設ということですよね。実際、これを普及させていく中で、先ほど幾つかの課題的なものがあるわけでありますが、ほとんどの区及び市の中で、低公害車、特に電気自動車とか低公害車の導入を図っていると思うんですね。ですから、このあたりから見ても、やはりもっと積極的に東京都が、三区に限らず、働きかけをしていくのであるならば、供給施設の問題はあるかもしれないけれども、これはかなり全都的に普及していくのではないかな、こういうふうに思うわけなんですね。ですから、ぜひそのあたりを各区各市に、働きかけをしていくというのかどうかわかりませんが、趣旨をぜひ強く伝えるようにされた方が、さらに普及していくのではないかと思いますので、お願いしたいと思います。  それでは、ちょっと飛び飛びになりましたけれども、低公害車の導入についてお聞きしましたが、これらの現状を踏んまえる中で、今後、低公害車の大量普及は、もうまさに必要な施策だと認識をするわけでありますけれども、都は、環境保全局だけではなくて、全都的にこれらの普及のための施策展開をぜひ図っていただきたいという観点からも、最後に、このあたりの施策につきましてお聞きしたいと思います。 ◯高橋大気保全部長 私どもは、やはり大気汚染の改善に向けましては低公害車の普及拡大が非常に重要であるというふうに認識をいたしております。いろいろな補助制度などを活用しまして、普及拡大に努めていきたいと考えております。また、貨物自動車なんかを使用する事業者の方にも、やはり窒素酸化物の抑制指導を通じまして、そういう中で、低公害車の一層の普及を指導していきたいというふうに考えている次第でございます。  いずれにしても、低公害車の普及につきましては、都だけでできる問題でもございませんし、国に対しまして、助成措置の拡大だとか、あるいは税制上の優遇措置の充実について、従前から強く要望をしておりまして、これからも強く働きかけていきたいというふうに考えている次第でございます。そのようないろいろな取り組みを進める中で、都としまして、国の動きなども踏まえながら普及に一層努めていきたい、このように考えている次第でございます。 ◯島田委員長 この際、議事の都合により、おおむね五分間休憩いたします。    午後三時十四分休憩      ━━━━━━━━━━    午後三時二十五分開議 ◯島田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  発言を願います。 ◯清水委員 まず初めに、保存樹林地等公有化資金に関する問題について、先日の補正予算の質疑に続きまして、改めて何点か伺わせていただきたいと思います。  先ほど委員会の資料が示されましたが、これを見ましても、改めて、平成元年度から各区市町村に貸し付けを行って、貴重な残された緑地が確保されているという実態が出されていると思います。しかし、金利の変動などで区市町村の貸し付けが減ってきたという状況の中で、金利の変更なども行われないまま推移してきたために、今日のこのような貸し付け実績になっているということは、先日も指摘したとおりでございます。  そこで、お伺いいたしますけれども、区市町村の今後の借り入れ希望はどの程度あるのか、お示しいただきたいと思います。 ◯鎌倉自然保護部長 お尋ねの保存樹林地等公有化資金の借り入れ希望につきましては、すべての区市に確認いたしましたところ、計画的に公有化を進めておりまして、なおかつ平成十年度に借り入れ予定がある自治体は、現時点では一市でございます。 ◯清水委員 その予定金額はどの程度でしょうか。 ◯鎌倉自然保護部長 今申し上げました一市につきましては、平成十年度に約十二億円の借り入れ計画がありまして、現在、当該市におきまして予算計上を進めているところでございます。 ◯清水委員 それ以外には借り入れ希望がないということで、そのまま推移していけば、借り入れ意欲も当然のことながら起こり得ないということで、引き続きの実績の減少は目に見えている。利率の変更なしにこの制度が進められれば、市町村の借り入れ希望は全く予想できなくなるという状況が今もご報告されたと思うんですけれども、それでは、今後この制度をどのようにするのか、予定をお聞かせください。 ◯鎌倉自然保護部長 ただいまご答弁いたしましたように、これまでこの資金により計画的に公有化を進めております区市に対しましては、平成十一年度まで経過措置を行いまして、資金の手当てをしてまいりたい、このように考えております。 ◯清水委員 この制度の今後の予定です。 ◯鎌倉自然保護部長 現下の財政状況では、平成十二年度にはこの制度を廃止せざるを得ない、このように考えております。 ◯清水委員 それでは、この制度を廃止した場合に、区市町村の緑地保全に対する都の支援策というのは、現在のところ、ほかにあるんでしょうか。 ◯鎌倉自然保護部長 当局といたしましては、当面、区市町村が行います緑地保全に対しての財政支援の道はなくなるというように考えておりますが、これまでの緑地保全に関する経験の蓄積を生かしまして、情報の提供あるいは必要な助言等、技術上の支援を中心に行っていきたい、このように考えております。 ◯清水委員 東京における自然の保護と回復に関する条例では、その五十三条で、区市町村の事業への援助が明記されております。「都は、区市町村が次の各号に掲げる事業を実施するときは、その区市町村に対して、必要な財政上又は技術上の援助を行なうものとする。」樹木または樹林の保存等六項目にわたって、その事業を掲載しているわけですけれども、財政上の支援も含めて、ぜひとも今必要だというふうに考えているわけですけれども、この制度が廃止された後の区市町村の緑地保全に対する支援策に対して、改めて設けるべきだと思いますが、そのお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ◯鎌倉自然保護部長 お話しの条例第五十三条には、ただいま先生ご紹介いただきましたように、財政上または技術上の必要な援助を行うということについて規定をしております。都の財政状況も、たびたび申し上げておりますように、厳しい中でございます。良好な緑地等をどのように保全していくか、その支援策につきましては、現下の状況の推移を見ながら、区市町村とも協議をいたしまして、いろいろな角度から、すなわち財政上も技術上も含めまして、今後検討を続けさせていただきたい、このように考えております。 ◯清水委員 先日の補正の減額の予算のときも、この委員会で質問をし、討論でも入れて討論を行い、財政委員会では、少数意見の留保ということでこの問題を掲載し、そして本日もこのように質問し、要求してきたわけです。  今部長が述べられた内容が、ぜひ区市町村にとって現実に緑地が保全できるような形で、今後新しい制度の創設も含めて検討を続けていただきたいと思います。  次に、ダイオキシン対策について伺います。  先日皆さんのところにも送られてきたと思うんですけれども、減らそうダイオキシンということで、環境保全局がまとめられたパンフレットをいただきました。この中で、国内発生源別ダイオキシン類発生量が、環境庁の中央環境審議会大気部会専門委員会の資料より作成ということで、焼却工程でどのぐらい、漂白工程でどのぐらい、農薬製造で──合計では、国内では約五キロ百四十グラムから五・三キログラム、年に排出をしているのではという、そういう資料が掲載をされております。これは国内の全体の総排出量を予想したものだと思うんです。  それではお伺いいたしますけれども、東京都における総排出量は把握をされているのでしょうか。 ◯高橋大気保全部長 ダイオキシン類につきましては、知見が必ずしも十分ではない状況にございます。また、排出量の推計方法だとか排出実態などが不明な点が多くございます。東京都におきましても、この排出量につきましては、十分な把握ができていない状況にあるわけでございます。  全国のごみ焼却炉の年間排出量について、国とNHKが試算を行っておりまして、国の方では四千三百グラム、NHKの方では二千七百五十一グラムというふうになっております。結果が、今申し上げましたとおり大きく乖離をしておるわけでございまして、これを見ますと、この場合は、前提条件の設定の仕方が異なることによるものではないのかなというふうに考えているところでございます。 ◯清水委員 そうすると、当然の予想なのですが、削減の年次目標とか削減の目標も定めてはいないということになりますか。 ◯高橋大気保全部長 ただいまご質問いただきました排出量の把握でございますが、私どももやはりそれは把握することが必要であるというふうに考えておりまして、現在いろいろ検討を進めているところでございます。  その排出量の把握については、各種の調査を実施しまして、知見の集積を図っていきたい、で、その把握に努めていきたいと考えておりますが、やはり今ダイオキシン問題というのは大きな社会問題になっております。私ども、排出量の把握の問題は問題といたしまして、いかに排出量を具体的に減らしていくのかということが必要である、こういう認識に立ちまして、昨年十一月に取り組み方針を定めたところでございまして、その方針に基づきまして着実に削減を図るよう対策を進めているところでございます。 ◯清水委員 総量も把握していなくて、削減目標もなくて、この次のページ、その次のページには、都民の役割として、買い物をするときはこうしなさい、ごみを出すときはこう注意しなさい、再生品の利用をしましょう、家庭でのごみの焼却はということで、都民には事細かに役割を示しているのに、それで一体どれだけ減るのか、一体どれだけあるからどれだけ減らすのか、そういう目安もなしに、努力だけ都民に──もちろんこれはやらなければいけないことでありますから、これを否定するものではありませんけれども、やはり都民が、どれくらいあるから私たちはどういう努力をする、そういう目安というものがなくて、そうした努力を強いているというふうにも一面では見えるわけです。ですから、先ほどご答弁にありましたように、把握の必要を感じられているというのであれば、早急に把握をする必要があると考えますし、その総量を把握したら、削減目標を直ちにつくって、それぞれの対応を行っていくということが大事だと思うんです。  この資料の中で、各県の、また各市の取り組み状況を調べていただきましたけれども、私は、この中で、埼玉県の取り組みについて、直接県の担当者にも伺ってきたところなんです。埼玉県は、総量を、それはまだ十分な、技術的には達成してないといわれるかもしれませんけれども、一応埼玉県としては公表をし、そして三年、五年後には緊急にはこのぐらい減らしていこう、十年後にはこのぐらい減らしていこう、そして二十年後には九九・六%減らしていこうということで、そして緊急対策では、国は三五%の削減、三年、五年後には、国は八六%、そして埼玉県は六九%となっていますけれども、二十年後にはほとんどの量を減らしていくということで努力をしていることをこの対策の中できちんと掲げているということから見ても、東京都は、直ちに排出総量の把握と目標の設定を行うべきだというふうに思います。  次ですが、先ほどの資料の下に、小型焼却炉の数について、これは条例の対象施設だというふうにされています。それでは、条例対象外の小型焼却炉の実態はどのように把握をされているでしょうか。 ◯高橋大気保全部長 条例対象未満の小型焼却炉でございますが、これは都内に約一万基あるだろうというふうに考えられるところでございますが、実は、正確な数の把握というのは非常に困難な状況にあるわけでございます。したがいまして、それらの施設からどの程度のダイオキシン類が排出されているかということにつきましても、知見がない状況にあります。 ◯清水委員 確かにどの程度排出されているか明確ではないと思うんですけれども、条例外の小型焼却炉が、どの程度って数値を聞くわけではないのですけれども、濃度でダイオキシンを発生しているというふうに予想をされるでしょうか。 ◯高橋大気保全部長 大変難しいご質問をちょうだいしたわけなんですが、ダイオキシンがどのくらいの濃度で発生するかという問題は、どのようなものをどう燃すのかとか、あるいは燃焼する炉でございますが、それがどのように管理され、あるいはどのような構造になっているのか、いろいろ多くのかかわりがあるわけでございます。したがいまして、国の方でも、大きな炉については構造基準だとか設備基準を設けて、それに適合するような形で法律が整備されているわけでございまして、小型の方は、そういうものが現在ない状況にあります。 ◯清水委員 例えば愛媛大学農学部の脇本忠明教授という方々が、事業所の小型焼却炉残灰中の濃度だとか商店の焼却炉だとか観光地の焼却炉だとか個人住宅の焼却炉だとか、測定をして、発表したものもあるのですが、ここでは、例えば商店で燃やしたときには一二〇〇ピコグラムとか、観光地では生活廃棄物を燃やして五九〇〇ピコグラムだとか、大変高い数値が出ているという民間の方の調査もあります。それから、日本消費者連盟関西グループの方が、昨年、家庭用の簡易焼却炉の灰のダイオキシン汚染の調査をしたところ、最高で四二八七ピコグラムが検出されたというふうに、もう既に、私たち予想として、小型焼却炉が、しかも設備もされていないということでは、大変高い濃度でダイオキシンが発生しているのではないかなと、これは予想ですけれども、心配するわけです。  ですから、お寺の落ち葉を集めて燃やして煙が立っても苦情がいくとか、家庭のちょっとしたごみを燃やして煙が立っても苦情がいくとか、それはもう私自身の生活の周りにも、苦情を受けた人もいれば、苦情を伝えた人の話も聞きます。それは、正確な情報が把握されずに、私たちの中に不安だけが大きく広がっているというふうに予想されるからだと思うんです。  それは東京都自身もそういうふうに感じておられると思うんですよ。ですから、条例対象未満の小型焼却炉からのダイオキシン類の排出濃度は高いというふうに予想されるわけですけれども、緊急に実態を把握して、その対策をとるべきだと考えますが、どのようにお考えでしょうか。 ◯高橋大気保全部長 現在、法対象未満の小型焼却炉につきまして、排出抑制のための指導要綱を作成中でございます。お尋ねいただいております条例対象未満の小型焼却炉につきましては、ただいまお話ありましたように、排出抑制にかかわる技術的な対応の問題も実はあるわけでございます。まず、やはり廃棄物の分別、リサイクルを徹底することによりまして、焼却をできるだけ抑制することが必要ではないかなというふうに考えております。ご指摘いただきました調査等につきましては、今後検討を考えていきたいと思っております。 ◯清水委員 先ほど紹介いたしました埼玉県の取り組みの中には、法対象外の小型焼却炉からは、かなりの高濃度のダイオキシンが排出されるおそれがあるので、早急に排出実態調査を行い、家庭、事業所などの小型焼却炉に関する取り扱い方針を定めるべきであるというふうに、既に行っているわけですね。ですから、今部長からお答えありましたけれども、ぜひそれは早急に行っていただきたいと思うんです。  先日の新聞の報道の中では、立川市の市民グループが、自分たちで歩いて、どこにそれがあるかというものを全部地図に落として行政に対応を迫っている、そういう写真、報道の掲載も見ました。やはり自分たちの身の回りのことですから、皆さん本当に心配しているわけですから、それを早急に行っていただきたいと思います。  次に、東京都が出しました対策取り組み方針について、これを策定した体制というのは、どういう体制だったんでしょうか。 ◯上條参事 ダイオキシン類対策取り組み方針は、環境の保全に関する施策について総合的に調整し、推進する全庁的な組織でございます東京都環境会議で決定をしております。なお、具体的検討につきましては、環境会議の下部組織でございます企画調整部会、あるいは課長級で構成されます幹事会等で検討いたしております。 ◯清水委員 庁内での検討体制だということなんですが、先日の代表質問の中でも、都民の代表を入れての検討委員会をつくって、改めて抜本的な対策をとる必要があるのではというふうに質問したのですけれども、同じく埼玉県は、所沢での大変高濃度の産廃や、また一般廃棄物処理施設からのダイオキシンの発生があったということもありますけれども、まとめられたこの対策委員会の検討委員には、学識経験者、技術者、そして事業者、市町村代表、それから県民代表ということで、「ゴミは宝会」の会長さんとか、「狭山ダイオキシンをなくす会」の会員とか、「止めよう!ダイオキシン汚染」さいたま実行委員会事務局代表とか、三人の県民の方が、団体の方が入られて、そして今何項目か挙げましたような対策の方針をまとめたわけです。埼玉県の県庁の職員の方に聞きますと、こういう方も入っていらっしゃるからということで、取りまとめには大変苦労されたということですが、事業者の中には、三菱重工業の部長さんとか日立金属の環境部長さんとか、そういう方も入りながら最大公約数でまとめられたのが、埼玉県の、もう目の前に大変な汚染があるからということもありますけれども、そうした取り組み方針なんですね。  ですから、東京都も、とりあえず庁内でのまとめられたことは、それは意義あることではありますが、やはり今指摘したように、抜本的に今都民が求めている点では十分ではありません。ですから、代表質問でも要求しましたように、住民代表も加えた検討会、そして抜本的な対策を検討する必要があるのではないかと考えますが、そのことについてお伺いいたします。 ◯上條参事 昨年十一月に、当面する三カ年程度の期間に都が取り組むべき総合的な対策といたしまして、東京都ダイオキシン類対策取り組み方針をまとめたところでございます。現在この方針に基づきまして、全庁挙げて総合的なダイオキシン類対策の取り組みを進めているところでございまして、今後各種施策の実施結果等を検証した上で、平成十二年度には取り組み方針の見直し、改定を行う予定でございます。その際、必要に応じまして、専門家等の意見を求めていきたいというふうに考えております。 ◯清水委員 次に、この間の本会議でも特別委員会でも繰り返し話題になってきている環境ホルモンについてお伺いいたします。  環境庁の調査では、日本全国に環境ホルモンの汚染が広がっていることが初めて明らかになりました。環境ホルモン──内分泌攪乱化学物質というのは、ホルモンに似た働きをする化学物質だそうです。慢性毒性や発がん物質と比べ、ごく微量でも健康と生殖への影響が大きく、とりわけ胎児と子どもには危険であります。  既に野生動物については、アメリカのフロリダ州のアポプカ湖で化学物質流出事故の影響で雄のワニの大半に生殖異常が見られたり、イギリスで、工場で使われる界面活性剤が流れ出た川の魚に重大な生殖異常が見られたり、日本では、巻き貝の雄に生殖異常が起きたことが報告をされていることは、ご承知だと思います。人間への影響ではまだまだ未解明な部分が多いとはいっても、幾つかの研究結果が出されて、心配も広がっています。  今のところホルモン作用のある物質として挙げられているのは、殺虫剤、除草剤、界面活性剤、プラスチックの原料などに使われる七十数種類だといわれております。もちろんダイオキシンやDDTやPCBなども含まれていると思います。しかし、現在世界で流通する約十万種ともいわれる合成化学物質すべての内分泌攪乱毒性については、まだわかっていません。たまたまわかっているのが、その七十数種類だということです。  国際的には、欧米の科学者たちが数年前から会議を開催し、環境ホルモンが人間の生殖機能にも影響を与えている可能性を指摘しています。昨年五月にアメリカで開かれた主要八カ国環境相会合では、環境ホルモンによる子どもの健康への差し迫った脅威が宣言に盛り込まれました。一月にも、アメリカなど国際的な医学・環境専門家が、環境ホルモンが胎児の発達を損なっていて、研究のために政府がもっと資金援助することや、人々に知らせる努力をする必要があるとの声明を出しました。日本でも、研究者グループが多摩川や隅田川などで環境ホルモン物質の濃度測定を行い、採取したコイから生殖異常が認められています。こうした取り組みが民間に任されています。  環境ホルモンはほとんど未解明といっても過言ではありません。化学物質の影響を見きわめるには、分析化学、生理学、生態系などの学問的研究が欠かせないといわれています。今急がれているのは、どういう化学物質が環境ホルモンなのか、生物への影響、人への危険度の調査、作用のメカニズムなどの共同研究を、国の責任、またそれぞれの地方自治体の持っている力の中で、専門家の協力も得て進めることが重大だというふうに考えるわけです。  そこで、この間、本会議での答弁や予算委員会の答弁などから、私が疑問に思ったことなどについてお伺いしたいと思うのです。  まず、有害化学物質対策基本方針を踏まえてというご答弁があったというふうにも思いますが、それでは、この基本方針というのは、この間どのような取り組みが行われてきたのでしょうか。 ◯上條参事 東京都有害化学物質対策基本方針を踏まえまして、平成九年二月に、事業者を対象といたします有害化学物質管理指導指針というものを策定いたしました。この管理指導指針は、基本方針で定めました百三十一の有害化学物質を使用する事業所に対しまして、有害化学物質の管理方法等を定めた安全管理マニュアルの作成及び概要の報告、それから排出の抑制、事故による環境汚染の未然防止などの自主管理の推進を指導するものでございます。  この指導指針に基づきまして、平成八年度から指導を開始しておりまして、平成十二年度までには、従業員五十人以上の事業所、約九百事業所ございますけれども、その事業所に対する指導を行う予定でございます。  また、事業者が自主管理を行うに当たりまして基準とすべき技術的な目標を示した自主管理の手引を、平成十年度に作成する予定で現在準備を進めております。  このほか、この基本方針に基づきまして、環境モニタリング、都民向け普及啓発用のパンフレットの作成など、総合的な取り組みを進めているところです。 ◯清水委員 今のご答弁にもありましたように、また、この基本方針の中にも書かれているのですけれども、直接人体に被害をもたらすおそれのある物質ということで、百三十一物質がここでは挙げられていると思うんですね。  今、私が環境ホルモンの問題について前段で申し上げましたように、かつての発がん性のような問題ではなくて、ホルモン作用による次の世代への影響の問題です。ですから、それは長い年月の間に起こる可能性のある問題でもあります。そうした観点から見たとき、現在の有害化学物質対策基本方針の中で、この環境ホルモンの対策というのが十分に対応できるというふうに、思われてはないと思いますが、この中だけで行うというふうには考えていないでしょうね。確認したいと思います。 ◯上條参事 有害化学物質対策基本方針は、平成七年の三月に、有害化学物質による環境汚染の未然防止を図るために、都や事業者、都民等の関係者の役割、それから施策の方向、推進体制の整備などの基本方針を定めたものでございます。  しかし、ご指摘のように、有害化学物質というのは種類も多く、また環境中の挙動、あるいは健康や生態系への影響など十分解明されていない部分も多いというふうに認識しております。  したがいまして、この基本方針につきましては、都内の有害化学物質の使用実態、あるいは最新の法規制の動向、あるいは最新の知見などを踏まえまして、必要に応じて見直しを図っていく予定でございます。  なお、基本方針で百三十一の要管理物質を定めておりますけれども、これにつきましては、使用状況や調査研究の結果を踏まえまして、定期的に見直すというふうに基本方針でもうたってございます。 ◯清水委員 改めて要求しますけれども、発がん性、はるかにそれ以前の微量の物質も影響があるということも含まれるので、この方針、大気汚染防止法とかそうした中だけでは対応できないんだということの認識はお持ちいただきたいというふうに思うんです。  それでは次に、環境科学研究所の活用について代表質問で要求を行いました。で、ご答弁もいただいているところですが、環境科学研究所では、環境ホルモンに関して、これまで研究は行われているのでしょうか。そして、もし行われているとすれば、それはどのような内容でしょうか。 ◯齊藤環境科学研究所次長 現在、環境ホルモンにつきましては情報の収集を行っているところでございまして、環境ホルモンという目に見える形の研究は行ってはおりません。ただ、以前、川の泡などで話題になりました洗剤、いわゆる界面活性剤でございますが、その中の非イオン界面活性剤、これも数種類ございますけれども、その非イオン界面活性剤の中のAPE──ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルという物質がございますが、これにつきまして、この分解生成物の中にホルモン様作用が知られている物質がございます。このことから、これらの物質を個別に分析するのではなくて、もっと効率的に分析をしたいということで、このAPE並びにその分解生成物の一括分析の方法を研究しているところでございます。 ◯清水委員 それでは、先ほど、国際的な分野でさまざまな研究だとか、それから会議が開催されたりということで、前段に述べたのですけれども、環境科学研究所は国際的なレベルの専門情報を得る機会があるのでしょうか。 ◯齊藤環境科学研究所次長 さまざまな会議を通じまして、国内外の研究員との相互の連絡がございますし、また、インターネットも大変に普及をしているところでございます。あるいは国際会議などもございまして、さまざまな情報収集の機会がございます。 ◯清水委員 今いわれました国際会議というのは、例えばどのような会議でしょうか。そして、その国際会議などでは、環境ホルモンに関する情報を得ることができるのでしょうか。 ◯齊藤環境科学研究所次長 国際会議でございますけれども、これは海洋汚染に関する専門家グループの会議でございます。その会議に研究所の研究部長が参加をしてございます。  その会議の中におきまして、先ほど理事の方も取り上げられました、巻き貝の雌が雄化をするというようなことで問題になりました海洋汚染としての有機すずが取り上げられております。また研究者間の情報として、その他の環境ホルモンの情報も得てございます。 ◯清水委員 局長さんは今の答弁を聞かれたと思うんですけれども、研究所には、環境ホルモンに関する国際的な情報が、私は早い時期に入ってきているのではないかというふうに、今のご答弁を聞いて感じたんですよね。で、それを質問しますけれども、そうした情報をまとめておられるようなものというのはあるのでしょうか。 ◯齊藤環境科学研究所次長 環境ホルモンにつきましては、先ほど理事も、これもおっしゃってございましたけれども、急性毒性ということとは異なりまして、その影響が世代間にまたがったり、また非常に長期的なものであるということで、また、物質の濃度も極めて微量でございます。そうしたことから、研究も長期にわたらざるを得ないということでございますので、情報を早くというよりも、研究所といたしましては、非常に情報が入手しやすいという意味では、おっしゃるとおりでございます。  また、取りまとめた情報につきましてでございますけれども、これを早い時期に紹介をいたしたいということもございまして、一九九六年の専門誌の中で、野生生物で生じているホルモンの大攪乱という題名で紹介をしてございます。 ◯清水委員 今の、専門誌の中での研究所の部長さんがまとめられた情報について、局長さんはお読みになりましたか。事前にあれしていませんでしたが、事実だけ。 ◯田中環境保全局長 詳細には読んでおりませんが、一部読んでおります。 ◯清水委員 申しわけありませんが、それはいつごろ目を通されましたか。 ◯田中環境保全局長 約一カ月ほど前でございます。 ◯清水委員 一九九六年に研究所の基盤研究部長さんがまとめられた、今ご紹介がありました、野生生物で生じているホルモンの大攪乱という、専門誌に載せられた情報について、私も見させていただきました。これは質問の準備の中でいただいたものですから、私は最近これを見させていただいたのですけれども、今都民の中で大変心配しているというのは、昨年七月の環境庁の調査の発表、それから九月にこの本が出されたんですよね。これはご存じだと思うんですけれども、「OUR STOLEN FUTURE」ということで、翻訳をされたのは去年の九月です。初版は九月三十日なんですね。これが広がって、それから、NHKテレビだとか新聞の社説だとか繰り返し取り上げられることによって都民の中に大きな不安が広がったのですけれども、「奪われし未来」というこの本を見ましたら、この本と、この研究部長さんがまとめられた情報と、ほとんどここに書かれているものの情報がこちらに情報として入っているんですよね。これは九六年にもうまとめられたものです。そしてこれは九七年に出されたものです。環境庁が示したのは九七年七月です。ですから、はるか前に、こちらの研究所の方で環境ホルモンの情報がまとめられていたということなんですよね。  ですから、私はこれを見て、東京都の環境科学研究所というのは、世界的なレベルのそうした情報を入手することができる機関なんだなということを改めて実感したわけなんです。そうした意味では、東京都が、この間の答弁の繰り返しの中で何といわれているか。環境庁の動向を見て、国の動向を見て、そして庁内整備とか、ある物質については衛生研究所でやりますとか、そういうことをいわれて、前向きな姿勢も出されていますけれども、私は、国の動向を見て東京都が動くのではなくて、国と同じそうした情報入手を持ち、そして国と同じ力を研究所というのは持たれているというふうに──私は専門家ではありませんから、大変失礼ないい方かもしれませんけれども、持っておられるというふうに思うんですね。
     ですから、我が党が提案したように、環境科学研究所として、環境庁だとか大学の研究グループなどと共同して──十万種の中から七十種類ぐらいしかわかってないんだから、で、それがどうなるかわかってないんだから、研究が本当に今必要で、国の研究所の方なんかは、この間のテレビの報道の中で、私たちが知ったときには本当に遅くて、これは一刻も早くやらなければいけないということをいわれているんですね。だから、そういうことを多くの都民、国民が見ていれば、一体環境ホルモンというのは何だろうかとか、環境ホルモンで私たちの子どもにどういう影響があるんだろう、その後にどういう影響があるんだろうという不安を、とりわけ女性というのは持つわけなんです、男性の方ももちろん質問されていましたけれども。  だから、私は、環境科学研究所として、こうした機関などと共同して調査を行うということと同時に、研究所の技能、調査力とか情報力とかを活用して、東京都自身がこの調査に積極的に乗り出して、東京都が環境ホルモンの研究に取りかかったというふうに、全国にそうした報道がされたら、どれだけ東京都が信頼を得ることかなというふうに考えるわけなんですが、その点について伺いたいと思います。 ◯齊藤環境科学研究所次長 環境ホルモンにつきましては、非常に多様性があるわけでございますし、また複雑性がございます。それと、先ほど来話題になっております、非常に微量性がございます。また影響も長期に及ぶということなどから、研究対象としては非常に困難性が高い物質でございます。研究所といたしましては、現在情報収集に努めておりますけれども、それに加えまして、先ほど、研究は特に環境ホルモンとしては行っておらないということでございますけれども、その研究を行うための予備的研究として、ヒメダカを使って行っております。その結果を今後見る必要がございますし、また、今後庁内の横断的な検討会が設置されることになっておりますので、その検討状況を見たり、また他の研究所との情報交換等も行ってございますので、それらを通じまして、研究テーマや研究方法について検討をしていくというふうに思っております。  なお、ただいまお示しの「OUR STOLEN FUTURE」でございますけれども、これは一九九六年の三月にアメリカで出版された本でございまして、その中の序文を副大統領のゴアさんが書いておられますので、非常に話題になったと聞いてございます。 ◯清水委員 東京都のこれまでの歴史というのは、公害の専門局をどこよりも早く設置してきたことや、それから全国に先駆けての公害対策などを、独自の研究や調査で、そしてまた対策でやられてきたという歴史があると思うんですね。そうした東京都の歴史があるわけですから、環境科学研究所の研究のように高いレベルでの研究や施策を、今都民は求めていると思うんです。議会で繰り返しこういう要求を行う前に、ぜひ、そうした体制ができてほしかったなというふうに感想を持つわけですけれども、しかし、こうして議会の中でも大きな話題になったわけですから、その能力を発揮して、ぜひ都民の期待にこたえていただきたいと思いますが、最後に、局長さんの決意を伺いたいと思います。 ◯田中環境保全局長 先ほどの環境科学研究所のレポートでございますが、シリーズでたしか出ておりまして、そのときは環境ホルモンという言葉はまだなかった時代かと思います。ただ、ホルモンに相当影響が及ぶというようなことで出されたものと思っております。  研究所でいろいろ研究をしておりますが、研究所の個別の研究テーマとしてやることと、それから、庁内で横断的に、例えば清掃研究所でありますとか衛生研究所でありますとかとプロジェクトを組んでやる研究とは、おのずから性格が違うわけでございますので、今後、両、三研究所の能力等も活用いたしまして、横断的な組織の研究を進めるとともに、その中から、また研究所の中でも、個別の研究を各研究所によって進めるようにいたしたいと思っております。 ◯藤田委員 初めに、地球環境保全アクションプランの関係について伺わせていただきます。  これにつきましては、先ほどもいろいろな点でご指摘がございました。私も、例えばアクションプラン、今後計画として策定されるわけですけれども、進行管理の必要性があるのではないかとか、あるいは総合的な取り組みが必要であって、三つ星マークがいっぱいついているわけですけれども、どうやって実現していこうとしているのかとか──これは主に都民というふうに考えたいと思いますけれども、それから、いわゆる環境負荷という意味で、消費者の川下での取り組みというのがあるわけですけれども、事業者、製造者という川上での取り組みが必要であるということで、これはどういうふうにするのかというようなことをお尋ねするつもりでありましたけれども、エネルギーダイエットノート、それから環境経理簿ということのお答えがございました。  けさのニュースで、世田谷の代田でしたか代沢だったか、どっちだったかちょっと(「代沢」と呼ぶ者あり)代沢ですかね、で、いわゆる環境家計簿をやりまして、そしてどのくらいのエネルギーを減らすことができるかという話がニュースとして出ておりましたけれども、実際に私たちが生活をしている今の状況を見たときに、例えば若者は朝シャンをやりまして、そして大体昔の──昔のようにといいますか、我々が小さいころは、まだ二日に一度とかそのくらいの入浴しかしなかったのを、朝昼晩とするというようなことでの水の使い方ですとか、それから、OA機器がすべて常に電源が入っているというようなことを考えたときに、果たして、このつくられたアクションプランについてというところで、実際にどうやったらできるのか、どうやろうとしているのか、どういう意思を持ってしようとしているのかなというのがなかなか見えてこないというか、そんなふうにも、これを見て思ったところなんです。  例えばマイバッグキャンペーンをしましょうとか、天気がよい日は乾燥機を使わないでおきましょうとか、普通は、経済効率考えたら家庭の主婦でもそうは思いますけれども、勤めている人は、今の状況でいえば、やはり乾燥機を入れてもうそのままで、あるいは布団の乾燥機も使って表には干さないとか、あるいはひどいところになれば、マンションの景観からいえば、まず洗濯物は干せない、それから布団もだあっと並べるなんというのはまずやらないというような、そういうこともありますし、ここの中で書かれているのは、物を大切にしましょう、物を過剰に使用しないとか、何かほとんど道徳的といいますか、そういうことでしかなくて、実際にこれをどうやって実現をしていくのかなというのが非常に大きな問題になるのだというふうに思うんです。  そうしたときに、私はやはり、例えばこれをやったら余分にお金がかかるとか、そういうことをやっていかない限りは、そこは誘導措置にはならないわけですよね。  例えばごみなんかでも、私たちがちょっと提案をしていることに、いわゆるバージン税というのがあるのですけれども、トイレットペーパーはリサイクル品を使いましょうといっても、現在はバージンの方が安いわけですよ。そういうふうに考えれば、幾ら古紙を集めましょうと──古紙を集めましょうという人は、古紙を集めることばっかり考えていて、その先のものを使おうという発想に全然立っていないわけですよね。私が聞いた一番ひどいのは、古紙のロールぺーパーは何となく不潔で、あれではちょっとふけないんですよというようなお話もあるんですよ。そういうようなことからすると、今も相も変わらずバージンのものが使われている。ここのところをどういうふうにしていこうかということなんだと思うんですね。先ほども、例えば住宅の太陽熱、太陽エネルギーをどうするかと。普及するようになれば、これは皆さんにというような考え方ですと、なかなかこれが実行に移っていかない。ここをどうやって誘導していくのか、このことが今一番大きな問題だというふうに私は思うんです。  それで、一つ、持続可能な発展をするために、やはり人口、経済、エネルギーの消費の上限があるのではないかというふうに思うわけです。経済と環境のバランスという点で、もう大分前からずっと私たちはいい続けていることなんですけれども、いわゆるGDPで物事を判断しますけれども、ここに環境という部分、グリーンGDPというのが、いわゆる環境経済統合勘定というようなことで国ではいっておりますけれども、例えば生産をする、ところが、その廃棄まで考えたときには──今までは考えていなかったわけですよ。生産をする、そこだけで物事を考えていましたけれども、結局廃棄をするまでのお金をきちっと合わせることによって、この物がどれだけの価値を生むのかということを考えて、廃棄の部分まで表にきちっと出すというような考え方、そして出たものを勘定すれば、これはつくらない方がいいというようなことも実際には考えることができるわけですよね。先ほどありました、例えば森林、緑をたくさんつくっていこう、緑をつくった方が、こちらに経済活動で都市、いろいろなものを開発をしていくよりも、そして、こちらでかけたもので、いろいろな環境の問題をここの開発の中で考えるよりも、緑を植えた方が効果が上がるんなら、こっちにかけないで緑にかけようというような、そんな考え方もできるんじゃないかと思うんですね。  それで、このグリーンGDPの東京版をつくるように提案をしてきたわけですけれども、これについて研究をするというようなことになっていましたけれども、現在どんなふうになっているか、伺いたいと思います。 ◯上條参事 環境経済統合勘定、いわゆるグリーンGDPのお話でございますが、先生ご指摘のように、経済活動に伴う環境の悪化を防止するために、実際には支出されていないけれども、本来必要だったとみなされるコストを推計いたしまして、国内純生産から差し引いたものが、いわゆるグリーンGDPであるというふうにいわれております。  都では、この理論的な問題点について現在整理をするとともに、その実用化に向けまして調査研究を行うということで、平成九年度から十一年度までの三カ年の計画で、東京都職員研修所との間で共同研究を進めております。平成九年度は、経済企画庁がつくっております環境経済統合勘定に関する報告書を参考にいたしまして、勘定表の試算及びデータ収集の可能性等の検討を行ってまいりました。  今後、平成九年度の成果をもとにいたしまして、十年度に基本的なフレームの試算、それからその問題点の検討などを行いまして、十一年度には、東京都版の環境経済統合勘定の試算を行いたいというふうに考えております。 ◯藤田委員 そうすると、このアクションプランにいろいろなものが統合していくというふうにいわれておりますけれども、これは十一年度に試算が出てきて実際にどういうことに使えるかということを提案していこうということなので、例えばこれを、実施計画といいますか、これに当てはめるときに、このグリーンGDPの東京版はどんなふうに活用されるというか、今後年度をどうやって考えていけばいいか、ちょっとお尋ねをしておきます。 ◯上條参事 このグリーンGDPの活用と申しますか、今後の都の行政の中にどういう形で生かしていけるのか、かなりいろいろ学者も交えて、今、検討会で検討をしているのですけれども、活用の仕方というのが今一番のネックというか、問題になっておりまして、その辺の活用の仕方を含めて、これからその内容を詰めていきたいというふうに考えております。 ◯藤田委員 実際には、いわゆる環境家計簿で都民に対してのお願いだけでなくて、やはり事業者に対して、例えば廃棄物ですと、今度は、大変わずかなものですけれども、家電のリサイクル法も施行されるようになります。そういうことで考えれば、やはり経済活動を行うに当たって環境というものをどういうふうに考えるかというのが一番大きなテーマになってくると私は思いますので、グリーンGDPについては、積極的にこういうものに生かしていただきたいというふうに思うわけですね。なかなかこれが、例えば二〇一〇年に六%というのが、私なんかは東京ではかなり厳しい状況にあると思いますから、これをリードしていくためにも、やはり、こういうものをつくっていったならば、これは環境にどうなのかということを常に考えて、そして、環境に負荷をするのを、自分たちが物をつくって廃棄までをきちっと考えられるような、そんなことで役立ててほしいと思っていますので、この点についてはぜひよろしくお願いをしたいと思います。  それからもう一点、ここのこのものについて、いわゆる東京というのは、水に代表されるわけですけれども、東京は消費地、使うところ、そして他地域へ結局依存をしているわけですよね。例えば群馬県だの何だのというところから水は持ってくるわけですから、こういう意味で、非常に、ここの部分といいますか、東京だけでは解決ができないことがたくさんあるかと思うんです。この認識をぜひ持ってもらいたいわけですけれども、これについてはどんなふうに考えていらっしゃるんでしょうか。 ◯上條参事 ただいまご指摘をいただきましたように、東京における地球環境問題というのを考えるときには、東京への諸機能の集中、資源・エネルギーの大量消費、資源の他地域への依存といったような東京の特殊性、特殊事情を考慮する必要があるんだろうというふうに考えております。  東京は、ご案内のように、非常にたくさんの資源・エネルギーを消費しておりまして、そうした資源等の輸出国である開発途上国の環境問題などとも深くかかわっております。このために、これからも国際技術協力等を行いまして、先進国としての役割を果たしていくことも重要であろうかというふうに思っております。  また、電力や水資源等の大部分を他地域に、他県に依存しております関係で、関係する自治体との情報交流なども必要になってくると思いますし、森林の保全等を通じましてパートナーシップを形成したり、共通の課題の解決に向けて協調した取り組みなども必要であろうと思っております。  さらに、温暖化の問題だとか酸性雨の問題、交通対策など、広域的な視点に立った対応が必要な問題につきましては、近隣県との連携を一層緊密に図っていく必要があると思っております。アクションプランでも、そうした視点に立って、必要な対策が答申されているというふうに考えております。 ◯藤田委員 東京は、例えば昼間都民といわれるように多くの近隣の方々もいらっしゃいますし、そういうことにおいても、ぜひ連携を考えていただきたいと思います。  それからもう一点、総合アセスの関連をちょっと質問をさせていただきます。  計画段階のアセスメントについては都が先行してやっているわけですけれども、国でも検討しているというふうに聞いております。この違いについてお知らせください。 ◯長沼環境管理部長 東京都の計画段階アセスメントにつきましては、基本的には開発事業などの基本計画段階においてアセスメントを実施するものでございますが、必要に応じては、マスタープランや基本構想も対象となることもあろうかと考えております。  環境庁においては、中央環境審議会が昨年の二月に答申いたしました「今後の環境影響評価制度の在り方について」の中で、個別の事業の計画、実施に枠組みを与えることになる上位計画、政策における環境配慮について今後検討していく、このように伺っております。 ◯藤田委員 マスタープランや基本構想も対象となることがあるということで、大変すばらしい考え方だと思っております。私なんかは、再編ということで、単純にですけれども、環境局と人権局があって、その下に全部局が並ぶといいなと、大まかなんですけれども、そういうふうに考えているぐらいでございますので、こういうことはすばらしいことだと思っています。  来年度アセスメントの試行を行うというふうに聞いておりますけれども、どのような形で行うのでしょうか。 ◯長沼環境管理部長 試行につきましては、広域的な開発計画における複合的、累積的な環境影響評価に対応することを目的に、秋留台地域の総合整備事業を当面予定しております。 ◯藤田委員 これの中間報告で、評価項目に社会経済の影響という項目がありましたけれども、最終版ではこの項目が落ちています。これについてはどうしてでしょうか。 ◯長沼環境管理部長 環境アセスメント制度は、事業の実施が環境に及ぼす影響を事前に評価いたしまして、環境への評価を未然に防止するための手続でございます。このため、最終報告では、本制度の運用において、計画等の立案のできるだけ早い段階から代替案を検討して、環境面から見てより望ましい計画となるように努めるべきであるとしております。  なお、環境配慮書において、社会的、経済的側面からの必要性などにつきまして、対象行為である計画等の説明の中で明らかにすることといたしております。 ◯藤田委員 先ほどもお話しいたしましたグリーンGDPも含めまして、ぜひ、社会経済の影響ということを考えていただければというふうに思っています。  それから、アセスの試行後ですが、アセスの項目の再検討がされるのかどうかをお伺いいたしたいと思います。また、成果をぜひ都民に公表して意見を聞くべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◯長沼環境管理部長 この制度は、全国的にもその例はほとんどございません。また、社会的な影響力の大きな制度でありますので、二年間の試行を実施しながら、その成果を蓄積するとともに、問題点があれば、その見直しを行っていくこととしております。  また、試行の過程につきましては、アセスメント手続が公開を前提としている制度であるため、都民に明らかにしていくことは大切なことである、このように考えております。 ◯藤田委員 先ほど、試行は秋留台地域の総合整備事業で当面予定しているということでありましたけれども、そのほかにはありますか。 ◯長沼環境管理部長 そのほかに、現在計画段階における案件について検討を進めているところでございます。 ◯藤田委員 今道路は必要なものだというような意見から予特の中でも随分発言が行われましたけれども、いろいろなところでこういうことが行われていけば、何を優先すべきなのかという施策評価にもつながっていくと思います。  それから一点だけ、私、報道だとかなんとかで見たときに非常にいいなと思うのは、小笠原の空港問題なんですね。あれについては、かなりの部分で環境に対する評価はどうなのか、それから、それに含めますけれども、山を削るのはどうかというようなことで、多くが都民に示されていると思うんです。ああいうことがなされた上で、実際にその計画はどうやっていくんだということが提示されるとなると、みんなの合意が得られるのではないか。やはりこういうことが重要なことだと思います。  最後に、このアセスメントについて経験を豊富にして、そして制度としても徐々に成熟させていく必要があるわけですけれども、こうした場合には条例化を視野に入れた検討が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◯長沼環境管理部長 先ほども申し上げましたように、この制度は全国的にもその例がほとんどございません。また、社会的な影響も大きいものがございます。このようなことから、段階的に行っていく必要があると考えております。  報告書によれば、対象行為は当面都が策定する計画等といたしまして、制度の本格導入前に試行実施を行いまして、必要なフィードバックを行うとともに、制度の導入後は、相当の種類の計画等について一定の実績を積み重ねた後に現行の制度に一本化するなど、条例による運用が必要になるであろう、このように考えております。 ◯藤田委員 温暖化の防止で、六%というのは世界に対しての約束ということだろうと思います。ですから、先ほどISOの話もありましたが、やはり東京都が率先してこうやって環境を深く考えている、そして、考えなければ持続可能な成長は得られないんだということを、ぜひ内外にもアピールできるような、そんな取り組みにしていただきたいというふうに要望いたしまして、質問を終わります。 ◯たぞえ委員 先ほどからいろいろな環境問題の議論が行われましたけれども、深刻な大気汚染、また緑の減少、環境ホルモン、航空機騒音、ダイオキシン等、環境問題は各地で大変大きな問題になっておりますが、このような事態が起きているのはなぜだとお思いですか。 ◯長沼環境管理部長 都市活動が活発になりまして、私たちの生活水準や利便性がさらに高まる中で、新たな製品開発などの技術革新などとも相まちまして、たぞえ理事ご指摘のような都市生活型公害や地球規模の環境問題が生じてきている、かように考えております。 ◯たぞえ委員 我が党は、今部長がお答えになったような、そういう都市での新たな問題を解決するためにも、昨年、東京都知事に、環境保全局の水質保全や自然保護などについての予算要望を行ってまいりました。もちろん各党からも、私どもと同じような気持ちで知事への予算要望が行われると思いますが、来年度の歳出予算額は、環境保全局、ことしに比べてどういう推移なんでしょうか。 ◯長沼環境管理部長 平成十年度の予算案におきます環境保全費の歳出は二百十億一千八百万円でございまして、前年度の当初予算に比べますと、三十五億六千六百万円、一四・五%の減となっております。 ◯たぞえ委員 都知事は、今度の予算議会の本会議の冒頭、施政方針表明でこういうふうにいっているわけです。環境への配慮を欠く行いにより、都市と人間の未来が奪われてはならない、そう述べまして、循環型社会づくりのための行動計画素案を組んだ、雨水の利用と浸透を一層促進する、こういう都としての意気込みを高らかに述べたわけです。  ところが、実際にどうか。水質、土壌汚染対策に向けての局の予算といえば、九年度十四億一千三百万円でしたが、これを局自身が努力して八千八百万円切り込んで、そして知事査定でも三千八百万円切り込む。まるで値引き合戦、こういう状況なんですよ。とりわけ地下水の保全対策費で見てみますと、ことし一億二千六百万円が来年一億一千六百万円と、これも一千万円の減。ですから、知事の施政方針はかけ声だけだと、こういわれたって当然じゃないでしょうか。地球温暖化、先ほど議論がありましたが、その一歩となった京都会議の後にしては、政策的に極めて貧しい予算だということを申し上げておきたいと思います。  そこで、先ほど質問がありましたが、多摩の市長会や町村長会、多摩地域の自治体の長の皆さんからは、来年度予算についてどういう具体的な要望が出されているでしょうか。 ◯長沼環境管理部長 来年度の予算編成にかかわる市長会からの環境保全施策に係る要望につきましては、水環境関係といたしまして地下水の広域汚染調査及び対策の促進、大気関係といたしまして大気汚染対策の充実、自然保護関係として緑地の保全など、計十三項目でございます。  また、町村会、町村議会議長会からの要望といたしましては、水環境、自然保護関係として森林、水質保全対策等の推進、大気関係として横田基地周辺の生活環境整備対策の推進など、計四項目ございました。 ◯たぞえ委員 緑地保全、樹林地保全の充実については、貸付幅の増額や貸付利子の無利子化、償還期間二十年への延長、貸付対象地の要件緩和など、大変切実な要求がこの市長会から出されています。  自然保護部長、伺いますが、この樹林地公有化貸付資金、いつ廃止するんですか。 ◯鎌倉自然保護部長 平成十二年度に廃止を予定しております。 ◯たぞえ委員 企画担当参事に伺いますが、公害防止計画では、樹林地貸付資金について、これを一層拡充することを平成十三年度まで行うということを決めています。違うんじゃないですか、意見が。不一致だと思いますが、どういうことでしょうか。 ◯上條参事 ちょっと細かく中身をチェックしていないのですけれども、考え方は同じでございます。 ◯たぞえ委員 都市・環境委員会に、環境保全局が、今後五年間の公害防止計画を責任を持って提案しているんでしょう。この中には、第五章にきちんと、平成九年から十三年の五カ年間で保全緑地の指定や公有化を進めていく、こういうふうに書いてあるんです。そのために、ページまで申し上げませんが、この実施のために、関係区市に対しては、本計画の趣旨内容について周知し、環境の現状と課題に対する共通の認識のもとに連携の強化を積極的に図っていく、こういうふうに計画で述べているのに、一方では、一年前に、十二年度に廃止をする、これはどういうことなんですか。私たち議会に対して、しかも緑の倍増計画推進会議に、この樹林地については廃止ということを決定する手続をとっているんですか、もう一度お答えください。 ◯鎌倉自然保護部長 ただいまのお尋ねの件でございますが、平成十二年度廃止というのは、今年度、平成十年度の東京都予算概要、これは一月に公表されたものでございますが、代表的な見直しの状況ということで触れられたものでございまして、私どもとしては、この方向に沿って経過措置等を講じ、準備をしていかなければならない、このように受けとめた次第でございます。 ◯たぞえ委員 他人事だと思うんですよね。東京都財務局が決めているから、それに沿ってやっていきますと。で、何を具体的にやるかといえば、十二年に廃止をしますと。ところが、東京都が発表している計画は、十三年度もあります。緑の倍増推進計画に参加しているのは、多摩の市長さんや二十三区の区長さんですよ。先ほどいいましたように、多摩の市長会からは、樹林地について一層拡充をしてもらいたい、こういっている一方で、この推進会議にも諮らずに、局だけが独走して、この計画を三年後に廃止をしてしまう。局長、こういうことでいいんでしょうか。不一致しているんじゃないですか、私たち議会に対しての方針提起が。お答えください。 ◯田中環境保全局長 区市町村に対する樹林地の保全のための貸付資金につきましては、現下の厳しい財政状況あるいは区市町村からの借り入れ申し込み等の現況等を見まして、予算査定の中で減額をされた、あるいは、したということでございます。先ほども部長から答弁申し上げましたけれども、今後十二年度以降、区市町村等とも十分相談しながら、新たな施策について検討してまいりたいと思っております。 ◯たぞえ委員 樹林地についてこれからこうするんだと、そして東京の公害防止はこうするんだと、この中身が不一致しているんですから、それだったら、もう一回この計画を再検討して提案してくださいよ、そこの樹林地について削除して。ちゃんと責任持って、あなた方はここで、今後の展開をしていく、そのために強力に市町村と連携をしていく、こういうふうにおっしゃっているならば、そういう事前の調整をやった上で議会に提案することが当然だということを申し上げておきたいと思います。  それで、私の本論に入りますが、そこで、来年度の予算案で、とりわけ地下水や湧水の保全について幾つか伺いたいと思うんです。  初めに伺いますが、東京の雨ですけれども、年間一四〇〇ミリ降るという調査です。地上に降った雨、降水の行方はどういうことになっているんでしょうか。 ◯市川水質保全部長 ご質問にございますように、東京では、この三十年間の平均降水量は、年間約一四〇〇ミリでございます。  最近行った調査によりますと、この降水量のうち約半分は地表を流れ、直接あるいは下水道管を経まして川や海に流出しております。また、その三割は蒸発散しまして、残りが地面から地下に浸透する地下水となっております。 ◯たぞえ委員 雨の一部はそのまま表面を流れて河川に流出をするという仕組みがあります。また一部は蒸発して大気に戻ったり、また、その残り、つまり、表面流出量と蒸発散する分を除いた降水量が地中に浸透する、こういう三本立てになっているわけです。  そこで、東京における地表面の被覆率、地面をコンクリですとかそういったもので覆っている面積ですけれども、区部と多摩では、どういう割合になっていますでしょうか。 ◯市川水質保全部長 被覆率のご質問でございますが、都が平成三年に実施いたしました調査結果によりますと、区部が約八二%でございまして、多摩地域が五三%となってございます。 ◯たぞえ委員 今お答えいただいた数字は、被覆率が高くなれば表面流出量がふえて、地中への浸透率が下がるということなんですね。  これまで、かつて九二年の生産緑地法の改正で農地の宅地転用が強引に行われまして、東京の郊外では、一昔、あちこちにわき水がありましたが、この姿も大きく変わりました。とりわけ武蔵野市の吉祥寺の井の頭公園ですが、かつて江戸時代に徳川三代将軍の家光が、タカ狩りに訪れて、そして湧水をくんでお茶を点じたといわれる御茶ノ水という場所が、今でも公園の西側にあります。しかし、実際今は、聞いてみますと、わき水のように見せかけていますが、実はそういうわき水じゃなくて、日量千五百立方メートルの水は地下水のポンプでくみ上げて、何とかあの吉祥寺の池の水面を保っているというのが実態です。  世田谷の神明の森みつ池も、数十年前までは豊富な水量がありましたが、今では毎秒二リットルという状況なんです。隣接する野川の水量も、五年前までは毎秒二百七十リットルが流れていましたが、七年度には百九十リットルまで水量が落ちてしまいました。こうした事態をつくった湧水の渇水の原因、これは何でしょうか。 ◯市川水質保全部長 湧水は、ご案内のように、地表面に降った雨の一部が地下に浸透するものでございます。その結果、地下水の涵養が図られ、その一部がわき水となって地表面に流出するということでございます。したがって、雨の降る量が少ない年、いわゆる渇水の年には、地下水への供給が減少するということでございまして、湧水の水量が減るという関係にございます。また、市街地の進展とともに、建物や舗装された道路がふえるというようなことで、雨水が地下に浸透する地表の面積が減少することによっても、湧水、地下水が減少するということでございます。 ◯たぞえ委員 つまり、湧水の変化は、自然の雨量の変化もありますけれども、まちづくりや開発や産業活動と深いかかわりがあるということですか。 ◯市川水質保全部長 東京は、都市化の進展などに伴いまして、緑地が失われてきております。地表は各種の建物やコンクリート舗装などで覆われるようになっておりまして、雨水が地下に浸透しにくくなってきております。このため、地下水の涵養が図られにくくなっているという状況にございます。 ◯たぞえ委員 先ほどいいましたように、東京の地表はコンクリートやアスファルトが張りめぐらされて、目に見える土が姿をなくしていく、そんな開発行為が今あちこちで起こっているわけです。  そのために、残された地表の上で行われるさまざまな産業活動で、地下水汚染の拡大が危惧されていますけれども、国は平成元年の一月に水質汚濁防止法を制定して、その後の改正の中でも、トリクロロエチレンとかテトラクロロエチレン、この二つの物質を有害物質として追加認定をしました。私は素人ですからよくわかりませんので、教えてほしいのですが、この二つの物質は、人体にどういう影響を与えるものなんでしょうか。 ◯市川水質保全部長 トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンは、無色の液体で、有機塩素系化合物の一種でございます。トリクロロエチレンは金属等の脱脂洗浄剤として、また、テトラクロロエチレンはドライクリーニング溶剤等として広く用いられている状況にございます。  文献によりますれば、両物質とも、人体影響につきましては麻酔作用を持っているということでございます。また、肝臓への障害等が指摘されてございます。テトラクロロエチレンにつきましては、発がん性もあるという指摘もされてございます。 ◯たぞえ委員 これを吸ったりしますと、皮膚に接触するだけで、また口から生体内に入り込む、こういうことを通して、中枢神経ですとか肺や腎臓、肝臓障害が起きて、動物実験でも発がん性が指摘されているわけです。大変恐ろしい毒性だと思うんですけれども、都は毎年、これについて地下水のモニタリング調査を行っていますが、六、七、八年、この調査ですね、多摩や区部で何カ所ぐらい行われているんでしょうか。 ◯市川水質保全部長 定期モニタリング調査の実施箇所のご質問でございますけれども、六年度におきましては、区部二十五カ所、多摩地域八十五カ所、合計百十カ所で実施してございます。また、七、八年度につきましては、両年度とも、区部三十三カ所、多摩地域九十三カ所、全体百二十六カ所と、同じ箇所、同じ数字でございます。 ◯たぞえ委員 その調査地点で、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンは検出されなかったんですね。 ◯市川水質保全部長 調査結果によりまして検出をされてございます。数字を申し上げますと、トリクロロエチレンでございますが、六年度十五地点、七年度二十六地点、八年度十八地点で評価基準を超過してございます。  また、テトラクロロエチレンにつきましては、六年度二十五地点、七年度三十六地点、八年度三十六地点でそれぞれ検出されてございます。 ◯たぞえ委員 大変驚くべき結果です。ダイオキシンも危惧されていますし、先ほど質疑があった環境ホルモンの問題もそうですし、また、こういった有害物質が調査で東京の私たちの地面の下から検出される、これは本当に私たち都民としても心配な出来事だというふうに思うんです。  とりわけ、板橋区の前野町での調査によりますと、トリクロロ、これは評価基準値の三倍、テトラクロロでは二十一倍の数値が検出されたと。ですから、こういうところに働いている方は、脳神経の障害が起こるわけですよ。いわば土が汚染されるだけじゃなくて、そこに働く人たちもその汚染によって命が脅かされる、まさに重大問題だと思います。地下水を取り巻く都市化、そして宅地化の進展によって、こういった有害物質が都民にいろいろな影響を与えることでは、都民の暮らしを守ることはできません。  そこで、これまで環境保全局はいろいろ調査をやってきているわけですが、私はもっともっとこういった調査を本格的に、広域的な視点で行うべきだと思いますが、これまでどういう対策をとり、行ってきたのか、また今後どう進めていくのか、伺いたいと思います。 ◯市川水質保全部長 これらのテトラクロロエチレン、トリクロロエチレンの調査につきましては、お話のございました定期モニタリング調査のほかに、概要調査という調査を実施してございまして、都内約三百五十カ所ぐらいのブロックに区分けいたしまして、これを四年間で調査して、都内全域の汚染状況を調査するということをしてございます。  それから定期モニタリング調査につきましては、それぞれ追跡調査等、あるいは汚染源究明調査等を実施しているということでございます。  それから、もう一点、どんな対策をとっているかということでございますが、水質汚濁防止法に基づきまして、有害物質を使用する事業場に対して立ち入り指導を行いまして、地下水汚染の未然防止に努めているということでございます。また、特に汚染が認められた周辺地域の事業場に対しましては、重点的に立ち入り指導を行っているということでございます。 ◯たぞえ委員 今おっしゃられましたように、もっと強力な対策を講じることが大変必要だというふうに思います。そのためにも、地下水の流動を阻害する原因を根から取り除くという対策が必要なんですが、今日の環境影響評価条例では、環境に及ぼす影響について調査を行うことを定めています。そして、規則で決めた時期までに、知事にその結果を提出するということになっています。  しかし、先日送られてまいりました東京都公報の環境影響評価条例の技術指針の全面改正の中には、この地下水を調査項目とするという言葉が入っていません。入っているのは水文環境という用語で、よくわからない表現で入っているわけです。伺いましたら、これが地下水の調査をする項目だと。技術指針でこういうふうにのみ込まれているわけです。  しかし、これは、事業者が地下水調査をやるかどうかは、その事業者の判断に任されているということで、アセスにかかるのは大きな開発ですけれども、小さな開発でアセスにかからないものは、結局、地下水がどう手を加えられたか、だれもわからない。行政もつかめない。これでは、一層、地下水の汚染も場合によって発生する可能性も出てくるし、水脈に手を入れる、そういう事態にもなりかねないと思うんです。少なくとも地下に手を入れる場合には、それに見合った指針、ガイドラインという方法が、今、都では設けられているんでしょうか。 ◯市川水質保全部長 地下水に関する流動阻害防止のためのガイドラインにつきましては、現在策定されてございません。
    ◯たぞえ委員 やはりこうした指針を厳格に設定してない限りは、開発などの行為から安全な地下水は保たれないと思います。私があえて開発と申し上げていますのは、我が党は開発に反対をしているわけではありません。大いにまちづくりはやるべきだと考えています。しかし、住民の合意がない大規模な開発については、その合意形成をまず第一にというのが私たちのスタンスです。しかし、その開発を行う場合に、どうしても最低ラインの規則、約束事がないと、そういう地下水が東京に存在し得ない、こういうふうに思うわけです。  そこで、こうしたガイドラインを検討すべきだと思うんですが、どのようにお考えでしょうか。 ◯市川水質保全部長 ご指摘のとおり、地下に構築物を設置することにより、地下水の流れが妨げられる地下水の流動阻害が生ずるおそれがございます。この結果、地下の湧水の枯渇や井戸水がかれる場合がございます。このため、地下構築物の設置等による地下水の流動阻害を未然に防ぐことは、地下水の保全にとって極めて重要であると考えております。今後、中小の開発につきましては、湧水の涵養域や地下水流動に関するさまざまな事例や知見を収集、整理するとともに、その実態の把握に努めまして、流動阻害の防止を図るため、いわゆるガイドラインといわれている指導指針の策定について検討してまいりたいと思います。 ◯たぞえ委員 ぜひ、そうした、いわゆるガイドラインといわれる指導指針、技術指針、こうしたものを大いに検討していただきたいと思うんです。  東京都は、都市計画局が総合治水対策事業で雨水浸透ますを設置しています。環境保全局は、湧水保全事業で雨水浸透ますの設置を促進しておりますが、その結果、全都的には十七万五千八百四十カ所の浸透ますが設置されるようになりました。これは大変大きな前進だと思います。  しかし、浸透ますの設置事業の中身なんですけれども、これはどういう制度になってつくられているんでしょうか。 ◯市川水質保全部長 環境保全局といたしまして、平成二年度から七年度にかけまして、三鷹市及び調布市において、住宅の屋根雨水を地下に浸透させる湧水保全モデル事業を実施いたしまして、その結果を踏まえて、平成八年度から九年度にかけまして、湧水保全事業を実施してきたところでございます。湧水保全事業の内容につきましては、湧水の涵養域において、個別住宅及び集合住宅に雨水浸透ますを設置いたしまして、湧水の保全及び回復を図る事業を行う区市町村に対しまして補助を行うものでございます。 ◯たぞえ委員 湧水保全モデル事業、平成二年度から始まりましたが、それは世田谷、板橋、三鷹、調布、国分寺の五つの行政区だけであります。  先日、水質保全部からご説明をいただきまして、東京の湧水マップ──東京にはたくさんの湧水がわいて、六百五十カ所あるわけですが、その中で、ピンクで、涵養域という、わき水が出る地域を東京都が網を設定して、ここに浸透ますを設置する、こういう仕組みになっているわけです。しかし、この網にかかってない、湧水が出てくる地域がそれ以外にもたくさんある。河川にも当然湧水がわいています。私は、こういった世田谷、そして板橋、三鷹、調布、国分寺の五市区だけでは、やはり湧水の確保、地下水を保全することはできないというふうに思うんです。  現に湧水は、八王子など多摩では二十三市町、それから、区部でも港区初め十四区にわいているわけですから、これを確保するためにも、涵養域という一つの枠だけに雨水浸透ますを設置するというのではなくて、もっと幅広く設置の努力をしていくべきだと思うんです。  そこで、現在行っている湧水保全事業を、水循環の視点から新しく事業の展開をするべきだと思いますが、どのようなご見解でしょうか。 ◯田中環境保全局長 ただいまご指摘いただきました点は、非常に大事なことかと思っております。当局におきましても、来年度から水循環再生事業を実施いたします。その内容につきましては、ただいま湧水涵養域を拡大するというお話がございましたが、それを河川流域まで拡大をいたしまして、雨水浸透ますを設置しまして、湧水の保全や河川流量を確保するということが一つでございます。  さらに、現在消滅しております湧水の復活を図りまして、自然の水循環を回復し、潤いのある水辺環境を再生する、こういった事業でございまして、これに対する補助事業を実施しようとするものでございます。 ◯たぞえ委員 湧水がわくところだけじゃなくて、湧水が集まってくる河川にもそういう補助事業の対象を広げて、ぜひ、都民が気楽に浸透ますを設置して、そして地下にしっかり水を浸透できるように、行政としても頑張ってもらいたいと思っています。  特に私は、前期の都議会で、武蔵野線のトンネル工事によって国分寺の地下水脈が寸断され、当時、一日当たり百十二万三千二百リットルの水が、今でも下水管に捨てられているわけです。貴重な水を野川に回せば、先日もこの委員会でも質疑をさせてもらいましたが、世田谷区では毎年のようにサケの稚魚を放流していますけれども、こういう川に水が潤えば、それは私たち都民の水源確保という点でも大変大きな力になると思います。そしてあわせて、姿見の池がかれまして、これもやはり地下湧水の渇水というのが原因です。ぜひ、こうした残されていたわずかな池が姿をなくしてしまうことがないように、環境保全局としても一層努力をしていただきたいということを申し上げて、終わります。 ◯島田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。  本案及び報告事項に対する質疑は、これをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯島田委員長 異議なしと認め、本案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。  以上で環境保全局関係を終わります。  これをもちまして本日の委員会を閉会といたします。    午後五時十五分散会...