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  1. 東京都議会 1998-03-17
    1998-03-17 平成10年経済・港湾委員会 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時十分開議 ◯川島委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。  初めに、意見書、決議について申し上げます。  委員から、お手元配布のとおり、意見書四件、決議一件を提出したい旨、申し出がございました。  本件の取り扱いにつきましては理事会にご一任願いたいと思いますが、これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯川島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。      ━━━━━━━━━━ ◯川島委員長 本日は、お手元配布の会議日程に従い、中央卸売市場、港湾局の順で予算調査及び付託議案の審査を行っていただくほか、港湾局関係の報告事項に対する質疑を行っていただきます。  この際、予算調査について申し上げます。  平成十年度予算につきましては予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分につきましては、議長より調査依頼がありました。  公文の写しはお手元に配布してあります。  朗読は省略いたします。      ───────────── 平成十年三月十六日 東京都議会議長 田中 晃三 経済・港湾委員長 川島 忠一殿    予算特別委員会付託議案の調査について (依頼)  このことについて、予算特別委員長から別添のとおり調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
         記 一 調査範囲 別紙1のとおり 二 報告様式 別紙2のとおり 三 提出期限 三月二十日(金)午後五時      ………………………………… (別紙1) 経済・港湾委員会  第一号議案 平成十年度東京都一般会計予算中  歳    出  繰越明許費 }経済・港湾委員 会所管分  債務負担行為  第七号議案 平成十年度東京都中小企業近代化資金助成会計予算  第八号議案 平成十年度東京都農業改良資金助成会計予算  第九号議案 平成十年度東京都林業改善資金助成会計予算  第十号議案 平成十年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算  第十一号議案 平成十年度東京都と場会計予算  第二十号議案 平成十年度東京都港湾事業会計予算  第二十二号議案 平成十年度東京都中央卸売市場会計予算  第二十三号議案 平成十年度東京都埋立事業会計予算  第二十四号議案 平成十年度東京都臨海副都心開発事業会計予算  第二十五号議案 平成十年度東京都羽田沖埋立事業会計予算      ………………………………… (別紙2省略)      ………………………………… 平成十年三月十六日 予算特別委員長 矢部  一 東京都議会議長 田中 晃三殿    予算特別委員会付託議案の調査について (依頼)  本委員会は、付託された議案の審査に当たって各常任委員会の意見を参考とすることに決定したので、左記のとおり調査の依頼をお願いします。      記 一 調査範囲 別紙1のとおり 二 報告様式 別紙2のとおり 三 提出期限 三月二十日(金)午後五時      ………………………………… (別紙1・2省略)      ━━━━━━━━━━ ◯川島委員長 これより中央卸売市場関係に入ります。  これより予算調査及び付託議案の審査を行います。  第十一号議案、平成十年度東京都と場会計予算、第二十二号議案、平成十年度東京都中央卸売市場会計予算及び第百二十二号議案、第百二十三号議案を一括して議題といたします。  本案につきましては、既に説明を聴取しております。  その際要求のありました資料は、お手元に配布してございます。  資料につきまして理事者の説明を求めます。 ◯山田業務企画担当部長 それでは、資料のご説明を申し上げます。  お手元の資料の一ページをお開きいただきたいと存じます。1、卸売業者・仲卸業者の数及び経営状況の推移についてでございます。  表は、水産、青果の部類別に平成四年から平成八年までの五カ年につきまして、卸売業者、仲卸業者の数及び赤字業者数を記載したものでございます。  まず、水産物部についてでございますが、(1)の表では各年度末の卸売業者の数と経常赤字業者数についてお示しをしてございます。  (2)の表では、仲卸業者の各年十二月末現在の数と経常赤字の業者数及びその割合について、括弧内に記載してございます。  次の青果部につきましても、水産物部と同様に、それぞれ卸売業者、仲卸業者につきまして記載したものでございます。  次に、二ページをお開きいただきたいと存じます。2、販売方法別の取引状況についてでございます。  表は、昭和六十二年度から平成八年度までの十年間につきまして作成したものでございます。  水産物、青果、食肉、花きの各部類につきまして、競り売り、入札及び相対売りなどの販売方法別に取扱金額の割合をパーセントで記載したものでございます。なお、相対売りには特定物品の販売、競り売り及び入札売りの残品販売、予約相対売り、販売時刻以前の卸売、第三者販売等が含まれております。  以上、甚だ簡単でございますが、ご要求のございました資料につきましてのご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ◯川島委員長 説明は終わりました。  ただいまの資料を含めて、本案に対します質疑を行います。  発言を願います。 ◯三宅委員 昨年の第四回定例会におきまして、私は、先取り取引に関しまして質問をいたしました。市場長より、この違反先取りというべき取引に対して厳しく指導監督するとの答弁をいただいております。その後の先取りについては、どのような状況にあるのかをまずお伺いいたします。 ◯山田業務企画担当部長 事前の調査により、違反が出やすい、需要の多い出回り時期の品目に対しまして、産地、等階級別にきめ細かく区分いたしまして、深夜から早朝にかけて抜き打ち的な査察を行いました。そこで要綱違反の先取りが九十八件ございましたので、是正をするよう指導したところでございます。今後とも、要綱違反の先取りが行われることがないように厳しく指導監督してまいります。 ◯三宅委員 今のお話でございますと、昨年の十二月期から厳しく指導監督すると、市場長のお言葉にもかかわらず、相も変わらず、この要綱違反の先取りが市場において常態化しているといわざるを得ない状況かと思います。  そこで、この先取り取引といいますか、これが、いわゆる大型の量販店の仕入れのために行われているんだという声が、ちまたの零細規模の生鮮三品を扱う小売業者の方から、残念ながらいまだ私の耳に入ってくる実態でございます。そこで、こういった量販店の仕入れのために大活躍をしているというといい過ぎかもしれませんが、こういった取引の実態に対して市場長はどうおとらえになっているか、見解をお聞きしたいと思います。 ◯宮城中央卸売市場長 徐々には改善してきているとは思いますけれども、市場はすべての買い出し人に平等に開かれております。量販店が一般小売店を圧迫しているとしますと、それは大問題でございます。一般小売店が不利にならないよう、市場取引改善指導委員会を通じて要綱の遵守を徹底するとともに、より一層査察を強化し、公平な取引に努めてまいりたいと考えております。 ◯三宅委員 今のご答弁、さらに徹底をしていただきたいと思いますが、こんな話も私は耳にしております。市場に出入りといいますか、市場で商いを行っております仲卸の業者が、市場業者であるという立場を宣伝しながら一般小売をしているんだ、こういった話がございますが、このようなことが許されているのでしょうか、お答えいただきたいと思います。 ◯山田業務企画担当部長 仲卸業者につきましては、条例第七十四条というのがございまして、この中で、開設区域内においては市場外でも一般小売は禁止をされているという状況でございます。 ◯三宅委員 それでは、さきに申し上げましたこの違反先取りや、今私が質問いたしました仲卸業者の市場外一般小売のようなことがあった場合に、処罰というものは一体どうなっているんでしょうか。 ◯山田業務企画担当部長 先取り違反につきましての処罰についてでございますが、都の条例第百三条に基づきまして監督処分をすることになっております。しかしながら、即効性を図る観点から、各市場、取引改善指導委員会の取り決めによりまして、買い受け人に対しては一定期間の先取り取引への参加を停止したり、競り人に対しましては一定期間競り人業務を停止する等の措置をとることとなってございます。また、仲卸業者の市場外一般小売に対する処罰についてでございますが、都条例第百二条に基づきまして改善措置を命じます。そこで改善されない場合につきましては、やはり条例第百三条に基づきまして一定期間の業務の停止でございますとか、許可の取り消しを行うことができることとなっております。 ◯三宅委員 そのような処罰規定があるというお話でございますが、実際にこういった処罰が実施されているだろうと信じておりますけれども、それにつきましても、今回予算に計上といいますか、条例が出ております議案の中で、使用料の改定というものが出されております。大変に今、現下のこの不況の中におきまして、特に私どもが憂慮いたしますのは、この生鮮食料品の価格に今回の使用料の改定がどのような影響を与えるかということについて見解を伺います。 ◯歩田経営管理部長 市場の卸売価格は、競り取引など基本的には需給関係により決定されております。市場使用料の改正が卸売価格に直接影響を及ぼすという仕組みにはなっておりません。また、仲卸業者について見ますと、青果の一社当たりの負担増額が年間で約二十三万円程度ございます。これに対しまして、年間の売上額が一社当たり平均十一億七千万円である。こういう事情から考えますと、仮に影響があった場合でも非常に微小であると考えております。 ◯三宅委員 今、大変に私どもが留意しなきゃいけないというか、大変な発言があったかに思います。都内の生鮮食料品を扱う零細規模の小売業者は、そのわずかな仕入れ価格の上昇であっても、廃業に追い込まれるほど厳しい現在の東京の景気であるということをぜひご認識をいただかなければなりません。  二十一世紀になりましてから、東京から、子どもたちが、魚屋さん、肉屋さん、八百屋さん、こういった日本古来の文化といいますか、伝統といいますか、こういった町並みを見ることができなくなってしまう。また、今申し上げた、そういった魚屋さん、肉屋さん、八百屋さんというのが死語になってしまう、そういったおそれを心から抱くものでございます。  そして、この仕入れという商業を構成する重大な要素の面から、東京都が運営する市場が、ある意味で大量の量販店の仕入れ機能に利するような施設になってはいけない。そしてまた、今そういった現況が確認されたわけですけれども、それにもかかわらず、抜本的なというか、目に見える改革が行われていない。こういった状況の中で、使用料の改定など、本当に考え直さなければいけないことだというふうに強く主張するものでございます。  そして結びに、市場長を初めとする市場関係者の職員の皆さん、どうかいまだかつてない未曾有のいわゆる経済危機、大不況であるということを再認識する意識改革を強く要望して、質問を終わります。 ◯小竹委員 私は、市場の使用料の値上げの問題並びにそのほか市場の問題で何点かお伺いをしたいと思います。  長引く不況のもとで、消費税の五%引き上げや医療改悪、そしてそれによって九兆円もの国民負担が押しつけられて、国民の消費が大変冷え込んでいます。都民も、そして市場関係者も大変苦しんでいるときに、今なぜ公共料金である市場の使用料の値上げが行われるのか、私は全く理解ができないというのが正直なところです。  特に長引く不況のもとで深刻な状況の上に、今、市場でも銀行による貸し渋りなどでの影響も出ているし、町場では倒産、転廃業が相次いで起きていますし、自殺も、本当に悲しい状況が町の中にはあるというこの実態の中での値上げですので、やはりこの問題については私も慎重に考えていかなければならない、見直していかなければならない問題だというふうに思います。  先ほど中央卸売市場における卸、仲卸業者の経営状況についての資料をいただきましたけれども、この五年間、仲卸業者についての転廃業についてどういう状況にあると考えておられるのか、その点、具体的にお示しください。 ◯山田業務企画担当部長 仲卸業者の五年間の推移でございますけれども、まず水産の方の仲卸業者から申し上げますと、平成四年には千二百十一件ございました。平成八年には千百四十件になりまして、七十一件減少してございます。その内訳でございますが、廃業、取り消しで四件、合併で一件、譲渡で六十九件という状況になってございます。そのほかに、分割によります増が三件ございまして、差っ引きいたしますと七十一件という数字が出てまいります。減少の主な原因についてでございますが、これは譲渡によるものが多うございます。その背景でございますが、譲り渡す側の後継者不足とか、あるいは経営不振、それから譲り受ける側の経営の大型化によるものというふうに考えてございます。  それから、青果についてでございますが、平成四年には五百件ございましたが、平成八年には四百八十六件という数字になってございます。これは十四件減少してございまして、その内訳につきましては、廃業、取り消しで四件、合併で三件、譲渡で八件、ほかに許可による増が一件あったものでございます。 ◯小竹委員 廃業の実態というのは、統合や譲渡もありますけれども、本当に深刻な状況だなというふうに思うわけです。特に水産の仲卸で転廃業が七十一件に上るという点で見ますと、この五年間で七十一件、前回の料金改定のときに当委員会での質疑が行われたわけですけれども、それは一九九四年に改定が行われて、当委員会で丸茂議員が質問をした中で、小田島業務部長が、一九八四年、昭和五十九年から九三年、平成五年までの十年間で七十五社減少しているというふうに答えておられます。本当に前回のときの十年分に匹敵するものがこの五年間で転廃業になったという点では、相当経営状態に深刻な状況があらわれているというふうに考えられます。  そういう意味では、既に転廃業をされた方が、水産でいえば七十一件ですし、さらに赤字業者ということで、卸にも、これは青果、水産ともあらわれていますし、特に仲卸業者でいえば、水産では五八・四%が赤字経営になっているという状況を考えますと、本当に深刻な事態だというふうに思います。これは特に経常損益ということですから、営業損益で見たら、もっと深刻な実態があらわれてくるんじゃないかというふうに思うわけです。この赤字の原因が、先ほどの議論にもありましたけれども、今、大型店、量販店の取引の中で買いたたきが行われたり、それから先取りなどでの取引形態、そして大型店の方からの要請で、パック詰めなどを含めて人件費の経費増や、それから支払い期間の長期化という問題でやはり大きな影響が出ているんじゃないかというふうに思うんですが、市場の方として現状をどのように、この中小の、特に仲卸業者の実態を把握しておられるのか、その点お答えください。 ◯山田業務企画担当部長 仲卸業者の赤字の状況について見てみますと、水産物部、青果部ともに、売上高十億円未満で赤字業者の割合が多いというような状況が見られます。特に水産物につきましては、この一年で、今まで高かった五億円未満層に加えまして、五億円から十億円の層で増加しているという状況がございます。  この要因でございますけれども、長期的には主な取引先である専門小売店の減少によります売上高の減がございます。それから、短期的には長引く景気低迷によります業務需要や一般消費者の消費不振による売上高の減少がございます。  それから、仲卸業者の業務の拡大というのがございます。これは近年になりまして、カット、パッキングでありますとか、あるいは加工でありますとか、配送でありますとか、あるいは支払いの期間が非常に長くなっているということで、資金繰りの問題等も出てございます。それから、深夜労働でございますとか、多頻度配送などによります多くの人手を必要とするというような状況がございまして、今日のような状況になっているというふうに認識してございます。 ◯小竹委員 その後半でおっしゃられた部分については、かなり量販店との取引がそういう実態を招いているということで理解していいわけですよね。その点はいかがですか。 ◯山田業務企画担当部長 先ほど申し上げました支払い期間が長くなる、いわゆる支払いサイトの問題でございますけれども、これが長期化しているということ、それから業務量の増大がございます。これにつきましては、量販店対応を主流とする仲卸業者さんの問題というような形が出てきているということがございます。ただ、量販店につきましては、期間は長いんですけれども、支払いが確実であるというような利点もあろうかと思います。 ◯小竹委員 卸にしろ、仲卸業者の方たちにしろ、やはりそういう意味では、量販店のしわ寄せを相当受けて、資金繰りの問題を含めて影響を受けているというのはもう否めない事実だというふうに思うんです。それで、この間、再三にわたって市場の取引の問題で、競り売りの問題、やっぱり本来的な競り売りの業務がいかに実態として──先ほどご提示いただいた資料でも明らかなように、相対売りが六割から七割を占め、市場によってはもっと高い比率を占める実態があるわけです。  そういう点では、やはり市場としての本来の業務にきちんと戻していく努力をする必要があるんじゃないか。しかも前回、十月のときにも問題にしましたけれども、深夜等に競りの前の段階で先取りという形で、先ほども問題になりましたけれども、実態が市場としても前回のときにつかみ切れないというふうな状況で、先ほど抜き打ち的な査察で九十八件といいましたが、これはごくごく一部分だと思うんです。  そういう意味で、本当に市場のあり方そのものが今問われるときに来ているんじゃないかというふうに思います。町でいえば、大型店の進出で、八百屋さんや魚屋さんがなくなっていく、廃業に追い込まれていくという状況ですから、そういう意味でも、本当に市場のあり方を本来的なものに戻していくことなくしては、流通の機構そのものが悪循環になってしまうというふうに私も考えます。  そういう点では、やはりきちんと市場の関係者にも聞いて見直しをしていただきたいというふうに思うわけですが、私、今度のこの料金改定の問題で市場の関係者にいろいろお話を伺ってきました。率直にいって、卸でも仲卸でも小売の買参人の方でも、いずれも厳しい経営実態の中でこの値上げがいかに不当というか、大変なものかというのを、もう本当に悲鳴ともいえるような訴えで私は聞いてきたわけです。  仲卸でいえば、水産も青果も本当に零細なところが多い。半数以上が赤字経営を強いられている中で、自分たちで何とか企業努力をしようと思って頑張ってきている。しかし、もうこれ以上どこを削れというのだというのが正直な訴えでした。  そういう意味では、今、特に青果にしろ、魚にしろ、輸入農産物で価格が低迷している、ないしは価格割れが起きているという状況の中で本当に売り上げも落ちているわけで、経営努力も現実にはもう限界に来ているというのが実態ではないでしょうか。  そういう点では、使用料は、売り場だけじゃなくて、そのほか冷蔵庫、保管場所、それから駐車場、すべての分野にわたって上げられるわけですから、これは、先ほどほんのわずかの影響だというふうにおっしゃられているものではない実態が、業者の方々にとっては死活問題になってきているというふうに、私は実態を伺う中で感じました。  そういう点では、本当に見直しをしていかなければならないと思うわけですが、さらに卸売業者の方にとっては、やっぱり価格破壊が本当に大変だというふうなことで訴えられているんです。卸の場合には、取扱手数料で、野菜の場合には八・五%、青果の場合は七%ですか、そういうところで、その収益でやりくりをして、人を減らしたり賃金を減らしたり、それからサービス残業をやるというのがリストラで当たり前になってきている状況で、何とかしなきゃならないと思っているけれども、もうこれ以上できないというのが卸売業者の声ですよね。  あと、買参人でいえば、八百屋がなくなってもいいのかというふうなことまで、八百屋さんが今度のこの値上げでおっしゃっているんです。事務所は業界で借りているわけでしょう。その事務所も、みんなから集めた会費で払っていけない、もう返上しようかと、じゃ、何に使うんだというふうなことまで業界では出ているという状況です。だから、そういう点では本当に深刻だと思います。  そういう点では、市場の方にも当然業界からたくさん要望が寄せられているというふうに思うわけですが、どういう団体からどのような要望が寄せられているのか、そしてまた、市場当局としてこれにどうこたえていこうとされているのか、その点についてお答えください。 ◯歩田経営管理部長 今回の使用料の改定に当たりまして、各業界からどのような要望が出されているかというお尋ねでございますが、青果協会あるいは水産の卸会社など、関係業界からそれぞれ要望がございます。表現はいろいろ異なっておりますが、特段の配慮、あるいは再検討、据え置き、撤回等、種々の要望がございます。私どもは、当初の説明会以降、各業界のご意見を聞き、さらなる私どもの内部努力も加えまして一定の率で引き下げ、これについて現在お願いをしているところでございます。 ◯小竹委員 内部努力で検討して、ここに出してこられたということですけれども、その一四%の値上げ、二年に繰り延べをしてやるということで、七%と一四%ということになるわけですけれども、それ自身が大変だというのが、今の業界の皆さん、それから仲卸の皆さんたちの声です。  先ほど、ほんのわずかの影響だというふうにいわれたわけですけれども、これだけの経営実態、赤字経営の実態の中で出されているわけですから、それこそこの値上げで廃業に追い込まれる人たちがかなりいるという中身を本当に考えなきゃならないというふうに思うんですが、確かに使用料についての幅は、市場の、局の方がおっしゃるように、わずかな部分もあるでしょう。しかし、青果でいえば年間で二十六万円ですから、月二万円ですよね、二万円以上の負担になります。  そのほかに──これじゃ済まないんですよ。さっきいった駐車場や何か市場の関係の値上げに、さらに下水は上がるわけでしょう。それから、事業系のごみの手数料も上がるわけです。それを総合的に考えなければ商売をやっていけないわけだから、それは本当に大変なものだというふうに思います。  私、この話を伺いに行ったときに、ごみの手数料が本当に重い負担になっているということを仲卸の組合の方からいわれました。負担が十億円に上るといわれて、本当に何とかそこのところを支援してほしいというふうにいわれたわけですけれども、組合がごみを処理していくのを維持することが非常に大変な状況になってきているというふうにいわれているわけです。市場内から出るごみについては、今までも申し上げましたけれども、やはり再利用する方向で都が支援していく必要があると思うわけですけれども、そういうものとあわせて、生ごみのコンポスト化などについても既に提起をしてきていますが、そういう面からの支援策を都としてどういうふうにやっておられるのか、お伺いをいたします。 ◯歩田経営管理部長 市場から排出される生ごみのコンポスト化についてのお尋ねでございますけれども、東京都では、昨年八月に都における生ごみコンポスト化検討会議を設置いたしまして、都の施設から生じます生ごみのコンポスト化について検討してまいりました。この中で市場にかかわりましては、市場の中の事業者やその団体が主体となって市場から出る野菜くずを分別し、有機農産物の生産地に還元するシステムを検討する、こういうふうに記載してございます。
     コンポスト化にはまださまざまな課題がございますが、今後関連局と連携し、また、生ごみの処理責任を有する事業者の協力を得て取り組んでいく考えでございます。 ◯小竹委員 生ごみをコンポスト化するということですから、それはぜひ一日も早く進めていただいて、やはり費用負担が本当に重いものにならないようなものとして、支援策を強める必要があるというふうに思うんです。ぜひそういう点では一日も早くやっていただくようにお願いをしたいと思うんですが、今こういう厳しい状況の中で、業者の皆さんは本当に生き残りをかけて頑張っておられるわけで、そういう点からも、この市場の値上げ、公共料金の引き上げはやっぱり再検討して、私は今の段階での、こんな景気が冷え込んで、経営も困難になっているときにはやめるべきだというふうに思うんです。  市場の会計も大変になっているということなんですけれども、そういう市場会計で一番負担になっている部分というのは、バブル時代に過大な投資をやってきた、そういうものも含めて、施設整備による減価償却費だとか、企業債の利息、元金の返済、そういうものが相当重くのしかかってきている。利息と減価償却を合わせると百億を超えるわけですよね。それが市場の料金改定の計算の中にも入っているわけでしょう。だから、そこのところをもっと検討する必要があるんじゃないかということで、ぜひご検討いただきたいと思うんですが、今年度予算の当初の局予算でいいますと、一般会計からの出資金が十四億八千万ぐらいありましたよね。それが当初予算になったら、査定で多分削られたと思うんですけれども、これはたしか平成五年からというふうに予算のときに説明をいただいたかと思うんですが、累積では幾らになっていますか。 ◯歩田経営管理部長 一般会計に対しまして、出資金を要求して、それが認められないために、どれだけかというお尋ねですが、平成五年から今年度、十年度までの繰り入れカットによる累積額は約百五十一億でございます。 ◯小竹委員 この一般会計からの出資金で百五十一億ですから、そうすると、いつも相対的に計算をする市場の値上げの根拠になる会計の赤字分は、これが入れば解消するんじゃないですか。  それと、この出資金というのは、企業債の元金の二分の一を出資するということですよね、元金償還額の二分の一ということで。もう一つ、これは自治省の通達で、地方交付税の算定の問題で自治省が出しているわけですけれども、元金償還額の二分の一と同時に、平成四年度以降発行した市場施設の建設改良に係る企業債の利子支払い額の三分の一、これも一応繰り出しという形で自治省の通達には書かれているんですが、市場の会計の局予算にもそれはないわけです。平成四年からというとかなりの額になるんじゃないかというふうに思うんですが、その辺は財務局の方に予算要求はされていないのかどうか、その点はいかがですか。 ◯歩田経営管理部長 ただいまのご質問は、平成四年度以降発行した起債、これは平成九年四月からの適用でございますが、この金額については認められておりません。 ◯小竹委員 この利子の支払いの三分の一の方についてはやっておられないということですけれども、今、仲卸業者や卸の市場関係者の経営状況を考えたときに、こういうものについてきちんと請求もするし、財務局に、市場の会計が大変で、こういう点で業者の皆さんに大きな負担をかけることを避けるためにも、こういう部分についてきちんと要求することと、さらには昨年五月に神田市場の売却積立金の中から四百億、一般会計に貸し付けもしていますよね、これについては、一年据え置きで六年返済ということで、二・六%の利息で貸し付けているわけですけれども、その一方で、企業債の利息はかなり高い金利を払っているという状態というのは、やっぱり考え直す必要があるんじゃないか。  十年たったら借りかえもやっておられるようですけれども、やはり借りかえも含め、それから一括返済も含めて、今のこういう時期だからこそ考えていくべきなのではないかというふうに思うんですが、ご見解を伺います。 ◯歩田経営管理部長 市場会計の起債についてのお尋ねですが、私どもは資金運用部資金あるいは銀行縁故債、これで資金を調達しているわけでございますが、ただいまのご質問に対しまして、一例で銀行の縁故債の繰り上げ償還でお答えいたしますと、現在は確かに低い金利水準でございますが、私どもが発行したときは非常に高い金利であった。こういうことから、銀行縁故債の繰り上げの償還を求めるということは、銀行縁故債に対します信頼性を著しく損なうし、また、今後民間出資金の安定的な確保にも支障を来す。そういうことから、非常に大きな影響がございますので、私どもとしては繰り上げ償還の考え方についてはまだ今後検討していく問題だと考えております。 ◯小竹委員 繰り上げ償還については難しいというお答えですけれども、今こういう状況だからこそ、本当に値上げをしないでやっていけるような方途を見つけなきゃいけないわけで、そういう点では──難しい問題はあると思うんですよ。だけれども、先ほどの出資金の問題、それから繰り上げ償還の問題を含めてやはり検討していただいて、使用料の値上げはやめるという決断をぜひしていただきたいというふうに思います。  そのことを要望いたしまして、次の質問に移りたいと思いますが、先ほども申し上げましたけれども、野菜の価格破壊が非常に深刻な状況になってきています。ある一面では、消費者に安く入るのだからいいんじゃないかというふうにいわれる側面もあるわけですけれども、決してそうじゃない。やっぱりそのツケが大変な問題としてあらわれないという保証はないんじゃないかという危惧を私は抱いています。  さっき写真を持ってこようと思って忘れてしまったんですけれども、先日、淀橋市場に伺ったときに、北海道産、北海道の各地のジャガイモとタマネギが山積みになって滞留しているのを見てびっくりしたんですけれども、卸業者の方から、今ジャガイモが売れなくて価格割れが起きて、十キロの箱が五百円を割って大変なんだというふうなお話を伺いました。  その背景には、やはり輸入農産物の大量入荷が商社によって行われて、市場を通さないで外食産業や何かに直に行っている。それで、かなり安い値段で行っているというのが大きな社会問題にもなっているわけですけれども、そういうものが影響しているんじゃないかと思います。市場にも輸入農産物がかなり入ってきているという状況だと思うんですけれども、市場の取引における取扱高や扱い量について、この十年間どういう状況にあるのか、この点についてお答えください。 ◯山田業務企画担当部長 今野菜のお話が出ておりますので、野菜について申し上げますと、昭和六十三年に三万一千三百五十六トン、輸入野菜を市場として扱ってございます。これは平成九年でございますが、六万九千六百十二トンに増加をしてございます。市場取り扱いの数量に占める割合について見てみますと、昭和六十三年が一・六%、平成九年が三・九%というふうにふえてございます。 ◯小竹委員 輸入農産物は、日本の農薬企業だとか肥料会社が日本の種を持っていって、東南アジアだとか諸外国で生産をして、安く逆輸入をするというふうにいわれているわけですけれども、収穫後のポストハーベストだとか安全性が大変大きな問題になっているわけですが、輸入農産物の市場内でのシェアというのかな、国内でのシェアになるのかな、その辺はどういう状況にあるのか。市場内でも結構です。 ◯山田業務企画担当部長 市場内のシェアでございますけれども、先ほど申し上げました野菜につきましては、昭和六十三年が一・六%、それから平成九年が三・九%ということでございます。 ◯小竹委員 私は主なもので伺おうと思ったんですけれども、いいです。輸入農産物については、消費者運動によって原産国表示の要望があって、長い間かかってやっと義務づけられたわけですけれども、まだ五品目ですよね。そういう点では、輸入量の多いものが市場でも、私、この間淀橋に行ったら、それこそ箱は、生産地を小さくニュージーランドと書いた──箱だから比較的その中でも大きいんだけれども、カボチャは大きく日本語でばあっと書いてあるから、本当によく気をつけて見ないとわからないぐらい、そういう状態なんですよね。  里芋だとかゴボウだとか、そういうのはそれこそ農業をやっているところへ持っていって、泥をつけて国産で売っているというふうなこともよくいわれるわけですけれども、やはりそういう点では安全性の問題が非常に大きいというふうに思って、この原産国表示をもっと拡大していくということや、さらに今、遺伝子組みかえの農産物が相当大量に入ってきていますよね。これはもう全くノーチェックだし、何の表示もないから、消費者としては選びようがないし、加工に使われているのが圧倒的という状況でいえば大問題になるわけです。厚生省は安全性に問題がないような立場をとっていますが、今、遺伝子組みかえで除草剤に耐えられるような農産物をつくるということで、逆に物すごい農薬漬けになっているというのが大きな問題になっています。  そういう点では、こういう輸入農産物が国内の市場に出回って価格割れが起きるような状況というのはゆゆしき問題だと思うんです。このまま価格破壊が進んでいけば、日本の農業が成り立たなくなる事態に陥らざるを得ないというふうに思うんです。  そういう点でいうと、やはり中央卸売市場は都民の台所を預かっているわけですから、安全な農産物をいかに供給するかということと、それから特に有機野菜も、アメリカの有機野菜の基準で農水省はやって、東京都もそのあれに従っているわけですけれども、日本の気候風土を考えたときには、土づくりを含めた、そういうことで努力をしている農家からの野菜、それから地場の野菜などをもっと積極的に取り扱えるような拡大をしていただくように、この点については強くお願いをしておきたいと思います。  最後に、市場整備の問題で若干お伺いをしたいんです。先ほど淀橋市場のことをいいましたけれども、淀橋市場については、第六次計画で卸売市場の耐震補強工事と練馬分場の整備の問題が挙げられているわけですが、今度の予算で、施設の整備、実施設計の予算が組まれております。これは耐震補強の計画なのかどうか、そこもやることで実施計画が検討されているのかどうか。その点と、それから築地市場の再整備について、この間、予算委員会でのご答弁をいただいたわけですけれども、市場として方針を決めたのかどうか、その点もあわせてお聞かせください。 ◯町田施設部長 私から、淀橋の耐震の問題についてお答え申し上げます。  平成十年度についております淀橋関係の予算は、耐震設計にかかわる予算でございます。 ◯長尾参事 築地再整備につきまして、市場として方針を決めたのかということでございますが、先日、予算特別委員会で市場長が申し上げましたとおり、業界の方から総意として移転検討の要望があれば、市場としても調査検討を行いますということで、これは市場の従前からの方針でございます。 ◯小竹委員 淀橋市場の方では、何とかしてほしいという、市場整備をやっていただきたいということでの相当強い要望もありますし、見ると非常に何か怖い、本当に柱が空洞になっているんじゃないかというふうに思うようなところもあったものですから、ぜひその辺はきちんと点検をして、耐震補強で安全なものにしていただきたいというふうに思います。  それから、築地市場の再整備については、やはり市場関係者の声を真摯に聞いていただいて、市場関係者の意向を反映した、市場関係者が中心の、本当に町の商店の皆さんの、買参人だとか、そういう関係者の声を入れたものになるように、そういう立場で再検討をしていただくようにお願いをして、質問を終わります。 ◯大木田委員 私も何点か伺いたいと思いますけれども、まず最初に、流通革命と開かれた市場というような観点について伺いたいと思っております。  市場ができたときには、大体、搬入が海路から九五%、陸路から五%というような状況で、海のところにつくったわけでありますけれども、その後、貨物あるいはモータリゼーションの進歩の中において、今、陸路から入るものが九五%、海路から五%というようなことを聞いておりますが、さらに今度は、空路から相当なものが入ってきているというような──ですから、船、車、航空というような形になっているわけですけれども、築地市場は世界の築地でございますので、築地の価格が決まりますと、例えばマグロの価格が決まると、翌日、成田に、飛行機に乗ってマグロが来るというような状況になっているわけですよね。  これが、今度は情報通信がさらに進んでいきますと、物がそこに来て対応するというよりも、市場そのものがセンター的な要素になって、物が現地へ直行するというような流通革命もこれからは進んでいくんだろうというふうに思っているわけです。こういう大きな流通革命というか、変化の中に今あるわけですが、例えば今、市場に入ってくる量というのは、全体の何%ぐらいが空路で入ってくるのか。掌握ができなければ、例えばマグロの何%は空路で入ってくるのか、その辺はいかがですか。 ◯山田業務企画担当部長 市場への輸入品の入荷でございますが、卸売業者が直接外国と取引することよりも、一たん輸入商社を通しての入荷が主流となっております。空路や海路等、輸送方法別に入荷量を把握するということが、そういったことで大変困難な状況になってございます。しかしながら、空路によるものがふえているということにつきましては、私ども認識しているところでございます。例えばマツタケとか生マグロ等の輸入品につきましては、そのほとんどが空路によるものというふうに考えております。 ◯大木田委員 これから空路がさらにふえてくるというような要素もあります。いずれにしましても、市場を取り巻く環境の変化は大きく進んでいくわけです。それで、特に場内と場外で分けた場合、今、場内の数字は、ここのところ見るとやや横ばいから低下ということでありますけれども、場外というのは把握できないから、いろんなデータのとり方にもよるんでしょうけれども、例えば場外でも相当輸入品の荷さばき等大きなところを借りてやって、それが入ってきているという部分があるわけですよね。  したがって、卸、仲卸等があって、それぞれ組合もつくって結束してやっておりますけれども、要するに、これだけの激変の時代の中におきましては、開かれた一つの発想を持っていろいろ対応していかないと、東京の都市でもインナーシティー現象、都市の空洞化というのが始まっておりますし、産業の空洞化もいろいろと進んでいるわけですよね。市場の中心の空洞化ということも懸念されてくるのではないかと。したがって、開かれた一つの、変化に対応した、そういうものを取り寄せて、市場の中におけるさまざまな変革も行っていかないといけないというふうに思っているんですけれども、市場審議会等でもこういうことはいろいろと議論されていると思いますが、この辺についてはどうなんでしょうか。 ◯山田業務企画担当部長 先生おっしゃいましたように、卸売市場を取り巻く激変する流通環境に的確に対応するために、東京都といたしましては、まずソフト面の対策として、輸入生鮮食料品の市場経由率を高める、そういうことで卸売業者や仲卸業者の輸入品取り扱いのノウハウの習得への支援、こういったものをやってまいりたいというふうに考えております。  それから、取引情報化への対応でございますが、市場の内外の各システムを連携させた情報ネットワークを構築するなど、条件整備を図るための検討を進めてまいりたいと思っています。  それから、施設整備についてでございますけれども、流通環境の変化に対応した施設整備とするように、一つは大型車等の大量輸送に適用できる施設、それから鮮度保持のための低温倉庫等の施設、そういったことなどについて市場ごとに適切に整備に取り組んでいくつもりでございます。 ◯大木田委員 私は、これから二十一世紀へ向けて、さまざまな情報通信を含めて、また、世界がこれだけグローバル化しまして大競争の時代に入っておりますので、そういうことを先取りしながら、二十一世紀の新しい市場のあり方みたいなものを先取りをして進めていくことが大事だろうと思っているわけでございます。  それから、神田市場がああいう形で大田市場に移転をして、あそこの跡地をいろいろと一般会計で購入をしていただいたわけですけれども、市場の財源が大変豊かである、財源があってあっちこっち目をつけられて今日まで来ましたけれども、あの財源は今どういう状況になっているのか、概括的に説明いただきたいと思います。 ◯歩田経営管理部長 神田市場の売却代金でございますけれども、現在残額が三千百億円ございますが、そのうち一般会計に対しまして、平成八年度に貸し付けを四百億円、利率二・六%で行っております。それからその他の残金でございますが、二千七百億、これにつきましては、出納長室を通じまして大口定期預金、譲渡性預金、あるいは通知預金等で運用しております。 ◯大木田委員 今、日本の年金の財源が二百兆あるんですよ。年金の財源は二百兆を五%で運用して、十兆円で回ってきたんです。ところが、これだけの低金利の中で三%が回らないということで、今、一般会計で二・六%ということがありましたけれども、例えば二・五ですると、年金の財源でいくと五%で十兆円が今度五兆円になっちゃうわけですよね。ですから、年金が回らないものですから、年金の支給年齢を引き上げる、それから年金の額を下げるというようなことが今大きな課題になってきているわけです。  これだけの低金利の中における一つの財源の運用についてもいろいろと知恵を絞っていかなきゃいけないわけですけれども、あるものについての効果的な運用を図ることは当然ですが、今、市場関係の起債としては何百億あって、これについては先ほど借りかえの話もちょっと出ておりましたけれども──今、短期プライムで一・六二五であります。要するに、確かに起債を出したときのいろんな条件がありますので、借りかえや償還の時期を早めたりなんかすること、いろいろ困難な面もあるんですけれども、ただ、それだからだめだというんじゃなくて、この起債が今幾らあって、どういう努力をされてきているのか、ちょっと伺いたいと思います。 ◯歩田経営管理部長 八年度末の起債残高でございますが、九百九十八億円ございます。どのような努力をしてきているかということでございますけれども、今回の使用料の改正に当たりましても、大きな赤字を使用料で負担するのは非常に難しい。こういう状況から、先ほど来お話のございました償還期限の繰り延べ等の検討を現在行っているところでございます。 ◯大木田委員 きょうの昼のニュースでも、十七行への公的資金の投入の話が政府決定したということが出ております。十三兆円を公的資金投入ということで銀行にこれから入れようということでありますから、厚生省の予算が、福祉を全部含めて十五兆ですよ、その十三兆を銀行に入れるわけですから、したがって、そういうことを考えたときには、この起債の問題も、実は発行の時期とかいろんなこともありますけれども、あるいは借りかえもありますけれども、やはり経営という視点に立ちまして、お人よしだけではなくして、これだけの都民の台所を預かっている責任の立場から、主張すべきことは銀行に対してもきちっという。議会でも非常に厳しい意見が出ていると。また公的資金も導入しているじゃないかというようなことを踏まえて、その辺の対応をこれからしていかないと、要するに金利負担だけでいろんなものが食われて、それで膨大な赤字が膨らんでいくというような悪循環が出てくる。先ほどの、まだ二千七百億の神田市場の跡がありますけれども、しかし、それも築地再整備計画等その他市場整備の方で使っていけば、どんどんなくなっていくわけであります。  したがって、この低金利、今後金利が多少上がるかもしれませんけれども、四月からのビッグバンを一つの節目にいたしまして、そういう財政の経営基盤の安定のために、今までも随分いろいろと経営安定のために努力をしてきたと思いますけれども、さらにそういう視点から見直しを図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◯歩田経営管理部長 先生ご指摘のように、財源の有効活用というのは非常に大事なことでございますので、今後とも資金の運用をより効率的な運用ができるように、いろいろ工夫をしてまいりたいと考えております。 ◯大木田委員 それから、長年の焦点になっております築地の再整備計画ですけれども、私もこの十年間、ずっと再整備計画を見てきておりまして、今まで再整備のために三百億の予算が使われているわけです。三百億というと、一つの市場ができる予算が使われているわけですけれども、しかし、その後まだ見直し、見直しをしておりまして、具体的にどういうような形で進んでいくのかというようなものがなかなか見えない。そういう中において、社会の構造がどんどん激変して、それでインターネットや情報通信の革命がどんどん起きて、いろんな動きがある。じゃ、それに即して見直しをやって、なかなか進まない間に、毎年お金が食われていくわけでありますので、あれを決めるときも、三年間汐留に移転して、三年間で再整備をやるかと、あれはぎりぎりの判断で、いろいろと揺れたけれども、現状のまま十年かけて──当時はもっと低かったんですけれども、だんだん予算が膨れ上がって、こうなってきております。  ですから、この問題については、私の家の前にも高速王子線というのがあるわけですけれども、あれは平成十年三月、ことしの三月完成するというので、東京都で五百八十億を無利子融資をして投入したんですよ。ところが、いまだ完成しないで、平成十四年三月ぐらいまでかかるということで、東京都が五百八十億投入したのに、一体何だったんだというようなことになっている状況があるわけですよね。  したがって、それとは直接関係ありませんけれども、築地の再整備計画についても、いろいろと審議会で、もう審議に審議を積み重ねても──それは委員がかわればいろんな意見が出てくるのは当然ですけれども、一つの方向を決めたらば、きちっと腹を据えて取り組んでいただいて、やはり本当に世界の築地という、それにふさわしい、衛生面から、機能面からも、あるいはいろんな用途の面から、すべての面を含めて、あれだけのお金を使ってやろうということですから、この再整備計画の計画と今日まで、状況がどうなっているか簡単にちょっと触れていただけますか。 ◯長尾参事 築地市場再整備事業のこれまでの経緯等、簡単にご説明させていただきます。  築地市場の再整備につきましては、昭和六十一年に現在地において再整備をすることが決定されております。これを踏まえまして昭和六十三年十一月に基本計画を策定し、平成三年一月から工事に入っております。これまでの工事費は、先ほど先生ご指摘のとおり、約三百五十億でございます。 ◯大木田委員 当初計画が一千七百億かけてやろうと。それで、その後見直して二千億かかると。さらに見直しして、もう少し安くして縮小してやろうとか、いろいろと今出ておりますけれども、要するに大変な額のお金を使ってやりますので、したがって、こういう大きなところについてきちっと対応すれば、そこの一%と、小さいところの一%では、これは全然違うんですよ。  例えば、端的な例を話すと、オリンピックが非常に感動を呼びましたよ。〇・一秒争ったあのドラマですよ。ところが、銀行の債権、調べたら二十四兆円。銀行に申告させたのが七十六兆円。だから、国民はオリンピックと今の金融問題でこんな乖離があることに大変な感情の憤りを感じているわけです。〇・一秒争ってあの金メダル、あれはまさに感動ですよ。  そういう意味では、この金額の推移も、非常に我々は大きな数字になれちゃって、いろいろと、そういう多少のことがありますけれども、だから、そういう意味では、そのことをきちっとやっていかないと──やはり庶民感情というのは非常に大事ですから、そういう視点に立って取り組んでいただきたいということで、最後に市場長に。いずれにしても、二十一世紀へ向けて、市場の使命は非常に大きいと思うんです。場外のいろんな展開も、こういう激変の中ではありますけれども、しかし、市場がしっかりして一つの価格を設定していることが非常に大きな要素になりますので、市場の使命は非常に大きいというふうに思っております。二十一世紀へ向けて激変する諸情勢も取り入れながら、市場の流通革命に即した市場の改革も進めて、取り組んでいただきたい、こう思いますが、市場長の決意を聞いて、終わりにします。 ◯宮城中央卸売市場長 今、卸売市場は、場外市場などが盛んで、だんだん低下しているのではないかというような意見もございますけれども、現在でも水産で七〇%、青果で八〇%の流通を担っているわけです。ちょっとずつ落ちていますけれども、これは工業製品化した加工品がふえていますので、やむを得ない部分がありますけれども、生鮮品のものはほとんどが中央市場を通っているという認識のもとに、都民に欠かさず生鮮品を提供するのは卸売市場は大事だという認識を持っております。  先生のご指摘のとおり、流通は随分変化しておりまして、例えば出荷者の方は、すごく大型の出荷者が出ておりますし、また運んでくるトラックはすごい大型化していますね。製品も規格化したものが多くなっております。そして買う方も、量販店やコンビニなど大変大きなものがふえてきまして、それに対応しなければいけません。また情報化も進んで、情報取引なんていうのもあります。  そういう意味で、これからの市場は、それらに対応すべく、場内にはそういう大型の自動車が入るような動線を確保するとともに、また、買う方の人のためには小型の駐車場も十分確保しなくちゃいかぬ。それから、情報のネットワークのためにも、それに対する設備をしなければいけない、こういうような考えでおります。私の目には、そういうようなものを設置した明るい建物が並んで、そこで業者の人と職員が一生懸命活発に働いている、そういうような市場を頭に描いておりまして、みんなで一緒にやりたいなと思っております。 ◯中山委員 まず、うちの会派の立場を申し上げておきますが、受益者が負担をするのは当たり前なんですけれども、一部の方たちが、例えば温水プールをレーンで仕切って、あんな大きなプールに何人しか入れないというような状況の中で、使用料、手数料またはそういうものを払う分に関しては、ある程度受益者負担としてしようがないかなとも思うんですが、このように市場の場合には、口に入るもの、いわゆる食品はすべての方たちに入るわけですから、当然これが物価にはね返ってくるということはもう間違いない。こういうものについては反対という立場で一応皆さんにいろいろ質問をして、それから考えたい、このように思っているわけで、答弁次第では私らは反対するし、皆さんの答弁次第では若干変わった方向へ行くかもしれませんので、誠意ある答弁をしてもらわないと困るわけです。  私ども、この間ちょっと行ってびっくりしたんですが、ミカン一箱、あれは三キロぐらいあるんですか、あれで百円しかもうからないというんですよ。あんな重いものを幾つも運んだりなんかして百円しかもうからないのに、そうやって十何億か何か平気でもうけている。しかし、さっき二十三万円ぐらい上がるんだから大したことはないということをいいましたけれども、あんなでかいミカン箱で百円しかもうからないといえば、本当に我々は見て気の毒ですよ。そういう面から見ると、この値上がりというのはもっと大きな目で見なければいけないんじゃないか、このように思うんです。  それからもう一つは、都庁のトップマネジメントがどういう判断をしていくか知りませんけれども、昨年の九月ごろ、景気は上向いているといっているんですよ、さっきから不況だ不況だといっているけれども、都庁の中枢は上向いている。だから、もっと三年ぐらい前から、本当はこの景気というのを予測しながら内部努力をしていく必要があったんじゃないかと思うんです。  しかし、現在はこのような状況になっちゃって、もう値上げせざるを得ないような状況まで自分たちが追い込んじゃって、だから値上げするんだという勝手な判断をしているような気がするので、皆さんの方でも、市場業者の経営基盤強化に関する研究会とか、いろいろやっているでしょう、こういう中でも、結果的にはこの状況の中で上げるという判断が出たんですか。何のためにこの研究会をやっているんだかわからないけれども、そういう中で、結局はこれは上げるという結論がこういう研究会の中で出たんですか。 ◯歩田経営管理部長 経営基盤研究会の目的は、経営基盤の体質強化ということで、直接使用料の値上げ等については触れておりません。 ◯中山委員 経営基盤強化に対する研究会というのは、経営基盤が強化するかしないか、物を仕入れて売る、その間が差益ですよ。この中にいろんな経費や何かが入るわけですが、その経費が高くなれば経営基盤は弱くなるわけです。経営基盤を研究しているのに経費を上げるよなんて、そんな変な研究会だったらやめた方がいいなと思うんですけれども、今回こういうような景気の状況というのは、あとどのくらい続くと思っているんですか。大体景気の状況をしっかり把握しなくちゃ困ると思うんです。  私らは何回も、うちの幹事長も質問しているときに、そのときは上向きだということをいっていたんですよ、昨年の九月。おたくの方のトップマネジメントがそういう判断をしているんですよ。じゃ、これから景気は、この一年間どう見ているんですか、予測をある程度しなかったら、こんな値上げなんかできないでしょう。 ◯歩田経営管理部長 非常に難しい問題でございますが、私どもは施設使用料と同時に売上高割使用料というのをカウントするわけでございますが、その中においては今後とも売上高の伸びは見込めない、こういう状況の判断をしております。 ◯中山委員 今、行政に問われていることは、国民のニーズであるとか、世の中がどういう状況であるか、こういうことを把握しながらやっていく必要があると思うんです。そういう面で、恐らく今回の問題として、そういう研究会なんかやったりして、その中で把握をしていると思うんですよ。  業者の方と皆さんはどういう話をしているのかわからないんですが、今までは私どものあれでは、使用料とか手数料の値上げで付帯決議だとかそんなのをつけてやったことも一回もないんですね。今回はこのような反対が起きたというのは、若干、裏に政治的な背景が、私はないと思うんですね。そうじゃなくて、本当に都民が困っているから、私たちはこういうふうな反対の姿勢で今論議をしているわけですけれども、今まで原案どおり大体可決されてきたというのは、恐らく業者との話し合いがうまくいっていたと思うんですよ。今回は業者との話の中でどういう──よくいうあうんの呼吸なんていうのがありますけれども、全くそういう話し合い、意思の疎通、そういうものがないんですか、相当陳情が来ているんですけれども。 ◯歩田経営管理部長 昨年の十月に私どもは使用料の改定案を業界に提示させていただきました。その後、業界からの要望が──その際、業界からいろいろ要望があれば、積極的に私どもはその要望にこたえて出向きまして、関係者の前で詳しく説明をさせていただく、こういうお約束をさせていただきました。その結果、これを受けまして、昨年の十一月から十二月にかけまして、業界の理事会、あるいは業界でつくっております使用料の検討委員会、こういうところに出向きまして直接いろいろなお話をさせていただき、ぜひ合意をいただきたい、ご理解をいただきたいというお願いをしてまいりました。現段階でございますが、私どもは大方の合意に至ったと考えておりましたが、市場業界の一部には経過措置に不満があるような話を聞いております。 ◯中山委員 そうすると、経過措置を変えればすべて解決するということだという判断をしていいのかなと一つ思うんですが、もう一つは、幾つかある市場、すべてが同じ条件の設備でやっているのかどうか、こういうことも非常にいろんな問題点があると思うんです。私どものところに反対に来ているとか反対の意見をいわれている方は、全部の市場からということではないんですが、ある市場からどうも使い勝手が悪いとか──これは全部、各同じような設備では決してないと思うんです。市場によっては、場所によっては大分格差があるというふうに思うんですけれども、その辺から問題点が指摘されたりもしているんです。  もう一度確認なんですが、業者さんとの話の中では、今いった経過措置が一つは問題だと、もう一つは、各市場の設備とか立地とか、そういう面から、ちょっと使用料がうちの場合は高過ぎるんじゃないかとか何だとか、そういうことはないんですか。その辺、どうでしょうか。 ◯歩田経営管理部長 ただいまお答えしました業界の要望でございますが、これは業界の要望書に記載されているものをご説明させていただいたものでございまして、その中には、市場ごとの経営環境の相違で一律の料金を適用することに問題があるというような記載はございません。 ◯中山委員 ということは、全部同じ条件だと業界の方は思っているというふうに判断していいわけですね。 ◯歩田経営管理部長 今回の使用料の値上げに対します要望書の中にはそのような要望はないということでありまして、市場の使用料の制度の検討という中では、当然、八年にも有識者、学識経験者を集めまして使用料検討委員会を設定いたしました。その中では、市場ごとの使用料についても検討する必要がある、ただし、現段階は今まで市場の一律の使用料という実態がある、それを直ちに変えるのは難しいし、また市場使用料を個別の市場ごとにつくるということに対しても、いろいろ技術的にも難しい面がある、こういう指摘をされております。 ◯中山委員 現実にうちの会派で見たときにも、かなり差があるような、これは内容までは私どもは専門家じゃなくてわかりませんが、外部的な面から見ると随分差があるような気もしますので、個別にある市場を特に利用している人たちが、これは高いと感じたのかなとも、そういうふうにこちらの想像みたいなものもちょっとあったので、これは個別に、あそこの市場と同じ市場、さっきいった相当大型なものが入って、大型が出ていけば、これは流通業としては少しでも値段が下げられるというような部分があるかもしれないし、今、淀橋──名前を挙げてあれなんですけれども、いろんな面でちょっと厳しいなというような感じもするんですね。ちょっと差があるんじゃないかなというような気もするので、そういう面での問題がなければ、それはそれでいいんですが。  今までも上げる基準として、さっきいった業者と話し合いを持っていて、割かし今までは、端的にいうと付帯決議なんか一回もつけなくて、すんなり通っているんですよ。それは、業者の方から、我々の方にそんな文句は出ていないんです。来ていなかったそうですよ。だからなんですけれども、私ども視察して、だんだん厳しくなってきて、さっきいったように、大型店がどういうルートか何かで持っていっちゃうので、だんだんミカン一箱で百円玉一つしか利益が上がらないんですと、現実に聞いてみてびっくりしたと、そういうような、景気がここまで追い込まれたから、業者から出てきたのか、それとも今回は余り業者の立場に立たなかったのか、その辺はどうなんでしょうか。 ◯歩田経営管理部長 ただいまのご質問ですけれども、それぞれが全く独立した要件でなく、やはり現在の市場を取り巻く経営環境が非常に厳しいということもございます。  それから、業界との話し合いでございますが、これにつきましては、結果的に、先ほど申し上げましたように一部ご理解いただけない点はございますが、我々といたしましては、以前以上に慎重に各業界とお話をさせ、あるいはお話をし、あるいは説明会を催してきたと考えております。 ◯中山委員 それはわかりました。  じゃ、今度は内部努力のことでちょっとお聞きしたいんですけれども、依命通達で、管理費であるとか維持費であるとか、そういうものは一〇%抑えろというふうに、恐らく主計の方から来ているはずなんですね。そういうことに関しては、そのとおり圧縮をしたんですか。 ◯歩田経営管理部長 先生ご指摘のように、平成十年度の予算編成に当たっては、管理事務費等について、九年度予算額の一〇%減、こういう指示がございます。私ども市場といたしましては、十年度の予算編成に当たりましては、この指針に基づく四つの基準に基づきまして、市場の全事業につきまして、昨年七月から九月まで総点検を実施させていただきました。  この結果、点検項目の見直しによりまして、具体的には設備の保守委託で一億四千万円、広報事業の見直しにより三千二百万円、ごみの減量化を目標にいたしまして二千七百万円の削減で、大体依命通達に沿って約二億円の経常経費を削減いたしました。これは人件費を除く一般会計補助対象の約八・七%に相当しております。 ◯中山委員 そうすると、初め業者の方に二五%ぐらい提示した、だけれども、そういう努力によって一四%ぐらいになった、こういうことですか。相当内部努力をしたという判断でいいわけですか。 ◯歩田経営管理部長 二五%を提示するときも、当然これらの努力を前提に提示させていただいております。それから、二五%から一四%の引き下げに当たりましては、先ほど来問題になっておりました、いろいろ一般会計からの繰り入れ、そういうものについて今後財務当局にあらゆる方法でお願いをする、こういう努力をさせていただくことを前提に、一四%まで削減をさせていただいております。 ◯中山委員 内部努力で本当にそういうふうにいろいろ削減していったということはわかりました。  さっき、ちょっと気になったことがあるんですが、企業債の償還金のことで、銀行に返すときどうのこうのといっていましたけれども、大蔵省の資金運用部とか、そういうところからは全然あれしていないんですか、全部銀行なんですか。ちょっとその辺……。 ◯歩田経営管理部長 先ほど縁故債の方を説明させていただきましたけれども、資金運用部資金からも約五割程度調達しております。 ◯中山委員 そっちの方はあれじゃないですか、銀行に信頼がどうのこうのとさっきいっていましたけれども、資金運用部の方は拝み倒しても繰り上げ償還というか、そういうものはできないんですか。込みで、何かもう金利が本当にすごいあれなんですが、その辺はどうですか。 ◯歩田経営管理部長 先ほど例示を挙げまして、銀行縁故債だけご説明いたしましたけれども、資金運用部資金の繰り上げ償還につきましても、大蔵省は負担軽減のための借りかえについて受け入れる余地がない、こういう立場をとっております。また、都が借りかえを行いますと、他の地方公共団体へも波及し、資金運用部資金の原資である郵便貯金への、金利水準への影響をもたらすなど、預金者である国民全体に広くかかわる問題になる、このように考えております。 ◯中山委員 区市町村には借りかえを認めているような記事が新聞に出ていましたね。東京都だけが、上と下で両方でぐっと押さえつけられて、東京都の財政はますます厳しくなるというふうになると思うんですね。それは了承はしませんけれども、そういう意味はよくわかりました。  あと、ここへ来て、皆さんの答弁によっては賛成も反対もあり得るというのは、一つは、そういう業者の立場に立って激変を緩和していくということですね。一四%値上げに至るまでの経過措置というのについてもっと工夫ができませんか。業者の方たちのいっているのは、三年で、四%、七%、一四%とかね。初めから七%、一四%じゃなくて、何かほかにそういうのがないのかなというか、要望とか、恐らく話し合いがあったのではないか、そういうふうに思うんですが、その辺はどうでしょうか。 ◯歩田経営管理部長 ご指摘の経過措置の延長についてでございますが、要望書等には具体的にこういう形で経過措置を設けてほしいという要望がございます。仮にそれで試算いたしますと、現在の二十五億円が、十九億円の増収のみ。三年間で十九億円、すなわち六億円の減少になるわけでございます。現在の二十五億円も、先ほど来ご説明させていただいておりますように、五十三億円を、いろいろな努力を重ねて二十五億円までやっとの思いで我々としては持ってきた。こういうことからいきますと、さらにこれを減額することになりますと、市場財政の健全化には非常に大きな影響を与えることになると思います。施設整備、あるいは着実な市場運営に支障を来すということがございますので、ぜひ現在の提案でご理解いただければと考えております。 ◯中山委員 今、説明は一応聞きおくということでお聞きしましたけれども、景気をよくするためには、一つのいい方法というのは減税というのがありますね。今度の場合は、これは国が東京都の減税を許すということは、なかなか自治省の方でないと思うので、であれば、やっぱりこういうところが減税的な効果があるのではないかと。  経済というのは、税金を集めるときに、税金を、課税のパーセントを上げるという方法が一つあるでしょう。だけれども、もう一つは、やっぱり景気をよくして、そこから税収を上げていくという方法があるわけですよ。そういう面で、あえて赤字国債を発行して減税をするというようなことがあるので、こういう観点からいったら、三年据え置くと六億円の違いがある。この六億円というのはどこかで吸収できる要素、例えば内部努力でほかにこれをやれば、このくらいは何とかなるという余力があるのか。もう絶対これ以上はびた一文も出せないというのか。その辺、ちょっとご答弁いただきたいと思うんですが、とにかくさっきいったように、一箱で百円しかもうからないという、これを考えてくださいよ。 ◯宮城中央卸売市場長 現在の財政事情では、今、経営管理部長がいったように、ちょっと余力はないかなと思っております。ここでもってちょっと時間をいただいて、使用料に対して少し説明させてもらってよろしいでしょうか。  済みません。きょうは市場長であるとともに、都政を担う一人として、率直に意見を述べさせていただきたいと思います。  市場の使用料ですけれども、卸売市場が一カ月一平米四百五十七円、仲卸売り場は千八百円となっております。この金額で土地や建物を貸してくれるところがあるのかなと思います。不況下で大幅に賃貸料が下落しているとはいえ、この水準では二、三倍するのではないでしょうか。しかも市場財政が黒字であった昭和六十一年から八年間、使用料は値上げしませんでした。賃貸料がぐんぐん上がっていったときです。市場の業者は割安な使用料を享受できたと思います。  市場周辺の都民も、好景気のもとで施設使用料の安さなどは余り問題にしませんでした。しかし、現在は違います。市場周辺の商店主は、あからさまにその安さを口にします。市場内の業者自身も施設使用料が民間に比べて相当に安いと、前回値上げした後の七年三月ですけれども、アンケート調査にも答えております。  また、市場業者は市場法に縛られ、自由な営業ができないため、公的援助があっても当たり前ではないかというような意見もあります。この意見は確かに一理あると思います。そのため都民の税金を使って土地を取得し、建物を建設し、業界に提供をしているわけです。しかし、使用料が安くていいということにはならないと思います。  多摩の生鮮食料品を担っているのは、民間の地方卸売市場によって賄われております。市場法の大きな枠の中で営業しているにもかかわらず、自分の土地を自分で確保し、建物をつくって営業をいたしております。しかも民間の卸会社の一つであります多摩の青果株式会社の例をとりますと、自分で固定資産税を毎年一億一千万円以上支払っております。また、そこで営業する仲卸業者は、一平米当たり四千五百三十八円、東久留米市場では七千二百円の使用料を払っております。市場としては、このような都民感情や地方市場とのバランスにも配慮しなければならないと考えております。  そして、今回の値上げ案では、初年度四億八千万円、平年度九億五千万円の増収になりますけれども、この増収分はすべて業界のため、流通の円滑化のために支出し、人件費などには使わないということを加えさせていただきたいと思います。  業界からもらう使用料は、売上高使用料も含めて全部で百億円ちょっとです。それに引きかえ、市場整備のため東京都が支出する額は、平成八年度までの十年間、平均二百三十九億円、毎年支出しているわけでございます。今後とも築地や食肉の再整備、世田谷の花き市場、多摩地域の市場建設など、まだまだ多額の資金を要するわけでございます。市場として、業界として、都民の税金に頼らず、自分で少しでもその額を負担したい、こういうことで値上げを提案させていただいたわけでございます。よろしくお願いいたします。
    ◯中山委員 いや、もう切々と述べられましたので、よくわかりました。本当に理解していますよ、理解しています。だけれども、これはちょっと相談があるんですが、そちらが理解したらば──一四%、二年間で上げるということですよ。私らはもともと反対の立場でやっているの、反対。だから、三方一両損で、これはどうですか、三年の経過措置をとる、これでやってくれれば私らは文句はない。お互いに反対か賛成かじゃなくて、一つつけて、そういう案もあるのではないかということをいっている。それならば、持って帰って、しっかりまたうちの方で論議しようと。だけれども、今のままで、だからもう一四%上げるんだといわれたんじゃ、こっちは反対せざるを得ないと思うんですね。決意だけいってください。今、三方一両損でいきましょうよ。 ◯宮城中央卸売市場長 業界の方も大変お困りのようですし、私の方も困っているわけです。そういう意向をぜひ都政全体、上司に伝えまして、これからどうするかを検討させていただきたいと思います。(「最後のところが聞こえないよ。ちょっと市場長、最後のところが聞こえない」と呼ぶ者あり)  はい。先ほども申し上げたとおり、市場の使用料は少しでも減額するということは非常に苦しいわけでございます。ですから、今の意見があったということは上司に伝えたいと思います。 ◯松本委員 ちょっと今、市場長の答弁で混乱をいたしておりますが、今の答弁は、今回上程をされております議案を差しかえるということで受け取っていいんですか。念押しをしておきたいと思います。 ◯宮城中央卸売市場長 先ほどご説明しましたとおり、あくまでもこれは現状でやっていただきたいということで、そういうことがあったということを伝えるというだけでございますから、あくまでも今の条例を差しかえるつもりはございません。 ◯松本委員 歩田部長、改めて伺うわけでありますけれども……。(「伝えるんだから、検討して、じゃ、今度改めて委員会に……」と呼ぶ者あり)ちょっと静粛に。僕が久しぶりにやっております。要するに、市場を運営するのに、平成九年度ベースでいきますと二百四十三億円かかった、そして入ってくるお金は百九十七億しかない。そこで四十八億赤字が出た、こういうことですね。  そこで、いわゆる必要な費用、財政需要というのは、わずかずつでも毎年ふえていますよね。このふえている大きな理由は何ですか。 ◯歩田経営管理部長 増加額の大きなものは、施設を新しく整備することに伴いまして生じる減価償却費がかなりの部分を占めていると考えております。 ◯松本委員 そこで、必要な費用というやつですね。運営をするのに必要な費用というのは、将来にわたってすべて使用料によって賄うということの原則に立って使用料というのは決められているんでしょうか。 ◯歩田経営管理部長 使用料の考え方でございますが、市場が発足した昭和十年当時は、建設費から市場の運営費まですべて含めて料金に反映させてきた、こういう歴史がございます。その後もこの基本的な考え方は変わっておりませんで、営業収益だけを見ますと、過去、黒字になったことはございません。しかし、その間、経常収益で見ますと、土地の売却代金、あるいはそれに伴います利息が入ることによって一時的には黒字になったときがございますが、基本的には、今の市場の考え方といたしましては、経常的な経費につきましてはぜひ使用料で賄いたい、このように考えております。 ◯松本委員 そこで、市場長に伺うんですけれども、さっきいわれた随分長い歴史の中で、経常的な費用についてだけは使用料で見ていただきたい、そして、市場整備については別枠で考えるんだということが定着している。こういうことなんですが、それはいつごろからかというか、いつから東京都の方針がこういうふうに変わったんだ、そしてこの方針で将来ともにやっていくんだということを、どこかできちっと明言をしていただく必要があると思うんです。それは過去に一度そういう宣言をしたよということであれば、過去の宣言をした日付だけおっしゃっていただければ結構なんですが、今後は、将来にわたってその方針でやっていくんだということで、はっきりと経常経費については使用料でやっていくんだ、将来、十年か二十年か三十年間はこの方針に変わりない、こう考えていいんでしょうか。 ◯宮城中央卸売市場長 収益収支と資本収支との差なんですけれども、これは神田市場、荏原市場を売却したときにお金が相当入りました。そのときのお金を一般会計にするか市場に残すかということは大問題でした。そのとき、ちょうど一般会計の方は財源に余裕があったものですから、それでは、これは市場に預けるということで基金にいただきました。それでもって、設備投資はそれでやりなさいということを一応我々はいわれたわけです。  少なくとも、普通ですと、業界全体では資本収支と収益収支と一緒にしてそれをとるわけですけれども──(「収益収支とかなんとかいわれたって、うちの女房にはわからないから」と呼ぶ者あり)設備に投ずるお金ですね。そのほかの経費を収益的収支と考えてもらえば結構ですけれども。そういう本当は一緒にした収支でやるんですけれども、一応市場は設備投資にお金がいっぱいかかるから、その神田や荏原を売ったお金でやりなさいと。そのかわり一般的な管理費だとか業務費だとか、そういうのは料金だとか、または起債の──起債ではありませんね、こっちの方には起債の利子が入っているんですけれども。そういう一般的な東京都の補助金だとか使用料でやりなさい、こういうふうに一応財務からはきつくいわれておりまして、それでもってずっと運営してきた。これは何月何日、それで宣言したとか、そういうことではございません。 ◯松本委員 市場長、念を押しますけれども、要するに、これからの市場整備等々は、これは別会計だ、料金には全く頼らないんだ、維持管理費、運営費以外は料金収入の部分は使わないんだ、こういうふうに理解をしてよろしいですか。イエスかノーで。 ◯宮城中央卸売市場長 これは都の全体の公式な見解ではありませんで、市場の思いですけれども、今はそういうように神田市場の売却代金がありますから、それに基づいて資本的収支の方はそっちへ行っていますけれども、一応収益的収支の方は、そこの起債を発行した利子だとか減価償却費で七割以上が占めちゃうんですね。ですから、収益収支で、使用料だけでやるということになりますと、大変膨大な使用料をいただかなければいけないということで、いずれの時期かは、これは一般会計でもお願いしなくちゃいけないかなということは思っております。 ◯松本委員 市場長の答弁でどうも気になるんですけれども、じゃ、一体そこら辺の方針は、青島知事に伺うしかない、こういうことでしょうか。 ◯宮城中央卸売市場長 これは財務からいわれております、ちゃんと収益的収支の中は独立採算でやりなさいということを、今のところは堅持せざるを得ないと思っております。 ◯松本委員 中央卸売市場の上司というのが青島さんなのか、財務局長なのか、市場の運営方針について青島知事が決めるのか、財務局長が決めるのか、はっきりご答弁をいただきたいと思います。 ◯宮城中央卸売市場長 いろいろ財務の指令が来ることが多いんですけれども、それは、我々事業局としましては、知事、副知事の意向を持った依命通達その他で我々に命令してくると考えておりまして、一応財務の意向は知事、副知事の考え方と考えております。 ◯松本委員 市場についての責任ある答弁が副知事並びに知事、財務局長からでないと伺えないということであれば、これ以上の質問は不可能だと思いますから、副知事、知事、財務局長を当委員会にご招致を願いたい。それまで質問をストップします。 ◯川島委員長 暫時休憩をいたします。    午後二時五十七分休憩      ━━━━━━━━━━    午後四時五十四分開議 ◯川島委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。 ◯宮城中央卸売市場長 先ほどの答弁の中で上司に伝えるなどと答弁しましたが、それは間違いで、撤回をさせていただきたいと思います。  また、二千七百億円は基金でなく積立金であり、私の責任で預金をいたしております。  市場の管理運営の責任は一切私にあります。知事、副知事、財務局長の指示により運営するわけではなく、私の責任で実行をさせていただきます。伝えるとかの言葉を使いましたが、通常の報告及び相談であり、それ以上でもそれ以下でもございません。  今回の議案につきましては、原案のとおり審議、決定されることをよろしくお願い申し上げます。  委員会の進行に多大にご迷惑をかけたことを申しわけなく思います。済みませんでした。 ◯松本委員 そこで、市場長、改めてお答えをいただきたいのでありますけれども、使用料において、市場運営を使用料だけで行うということであって、市場の再整備については別途考えるんだ、財政的な部分については考えるんだ、こういうふうに考えてよろしいのかどうか、その点をお願いいたします。 ◯宮城中央卸売市場長 市場は準公営企業で運営されております。そういう意味では独立採算制でありますが、途中で神田市場などを売ったお金があって、少し余裕ができております。今後それを中心に施設整備はとりあえずといいますか、優先的に充てていきたいと考えております。 ◯松本委員 そこで伺いたいのでありますけれども、これから市場が整備をされていく。そうすると、管理運営費というんでしょうか、必要な経費がどんどん膨らむおそれがあるんですね。その膨らんでいく部分を全部使用料によって賄うということになりますと、将来的にといいましょうか、一体どういうことになってくるのかということが、払う方にしてみれば、一体どこまで値段が上がっていくのかというのが全く見通しがない状態にありますね。そこら辺のことについてはどういうお考えなのか、ちょっと部長からお願いします。 ◯歩田経営管理部長 確かに過去の歴史を見ても、市場運営を行っていく中で、営業で生じる利益というのはほとんどなく、常に赤字で来ております。そういう意味で、今先生ご指摘のように、今後仮に運営経費だけで見ても、かなりな赤字が予想されますので、私どもは最大限の内部努力等を行い、その赤字額を少しでも減らしながら、また、その赤字額をどのような方法で埋めるかにつきましては、機会あるごとに関係者とも相談しながら進めていきたい、このように考えております。 ◯松本委員 先ほど市場長が準公営企業会計、こういうふうにおっしゃっていただきました。公営企業会計と準公営企業会計の違いをご説明ください。 ◯歩田経営管理部長 準公営企業は、地方公営企業法の全規定を適用するのでなく、その一部を適用する場合に準公営企業会計の適用といっております。当局では、この準公営企業の考えとして財務規定のみ適用される、こういうふうにお考えいただければ結構かと思います。 ◯松本委員 この市場の管理運営というのが、将来にわたって準公営企業会計で行うことが正しいというご認識でいらっしゃるか、いつかの時点で見直すべきだとお考えか、そこら辺のことについてご所見を伺いたい。 ◯歩田経営管理部長 現在の市場に対しまして地方公営企業法が適用されましたのは昭和三十九年でございます。その前は一般会計あるいは特別会計の時代があって、現在の公営企業会計。それも当初は強制適用、その後、任意適用ということになっておりますが、私どもといたしましては、現在の公営企業法というのは非常に自主的な面もある。そういう意味でメリットもございますので、現段階ではこの方法でよろしいのではないか、このように考えております。 ◯松本委員 そこで、市場の再整備について、具体的に市場別に、一体いつまで検討、計画をして、そしてきちっと整備ができ上がる、事業開始年度がいつで、事業の終了年度がいつか、お示しをいただきたいと思います。 ◯町田施設部長 東京都の中央卸売市場におきましては、卸売市場整備計画というものをつくりまして、計画的に施設の整備を行っております。現在の計画は第六次整備計画でございまして、平成八年度から平成十七年度までを計画の期間としまして、それぞれの市場の整備を計画的に進めるということをしております。 ◯松本委員 その何次計画かということでありますが、平成十七年には整備計画はすべて完了する、市場の整備はすべて完了する、こう受け取ってよろしゅうございますか。 ◯町田施設部長 平成十七年度までにある程度は完成いたしますが、平成十八年度以降、引き続き整備を続けるものもございます。 ◯松本委員 平成十七年度に一定限の整備が完了した時点で、運営に必要な費用、逆にいえば料金がどの程度になっていなくちゃいけないのか、ここら辺の試算についてご説明願います。 ◯歩田経営管理部長 現段階におきまして、平成十七年度におきますと累積の赤字が約四百七十二億に達する見込みでございます。このような赤字が生じないように今後努力はいたすつもりでございますが、現段階におきまして、その時点での料金がどれくらいになるかということは、まだ推計しておりません。 ◯松本委員 経営管理部長、赤字が四百七十二億になるだろうということなんですが、考え方からいくと、これを料金でチャラパアにするという考え方でしょう。料金でいただいて、赤字なしでやっていく、こういう考え方でしょう。違いますか。 ◯歩田経営管理部長 私どもが料金改定の基本原則としておりますのは、先ほど答弁いたしましたように、市場の建設費からすべてでございますので、その考え方でいきますと四百七十二億というものはすべて料金改定の対象になりますが、今回の改定でもお願いいたしましたように、実際二百数十億のうち五十三億、それが二十五億ということで、ある程度引き下げており、実際の提案に至るまでにおいて、あらゆる努力をいたしまして、その数値をできるだけ少ないものにしていくつもりでございます。 ◯松本委員 経営管理部長、答弁の中で、私はちょっと矛盾をしているなと思うわけでございますが、公営企業、準公営企業という観点に立って、その原則論をいえば、整備も、あるいは管理運営もすべて料金で賄う。独立自治でやっていくというのが準公営企業、公営企業会計ということになるんですよね。それを、市場長がおっしゃるには、そうはいうけれども、なかなかそうもいかないから、整備を進めていく費用は別途考える、そして管理運営の部分についてだけ、その料金で賄っていただくんだ、こういう考え方で市場運営を進めていきます、こういう答弁でしたね。ところが、今四百七十二億という数字は、これは市場整備の費用もひっくるめて、こういう話でしたね。その点、どうなっているんでしょうか。 ◯歩田経営管理部長 ただいまの四百七十二億の中には、整備関係の費用は入っておりません。管理運営の費用を対象にしております。 ◯松本委員 そこで、現在、累積赤字が二百二十四億という数字、これは管理運営にかかわって出てくる単年度赤字を足し算していったら二百二十四億、こういう数字になっていますね。これは一体どういう金融機関にどういう借金という形で残っているのか、都民にわかりやすくご説明をいただきたい。 ◯歩田経営管理部長 実際の累積赤字は、企業会計といたしましては累積赤字として残りますが、現金の管理といたしましては、予算の中に減価償却費等、実際の支出を伴わない経費がございますので、それらを損益勘定留保資金という勘定に入れまして、その中の現金で実際の現金の処理をしております。 ◯松本委員 どうもよくわからないんですが、そうすると、具体的には給料が支払われなかったり、あるいは市場で何か設備を調達したり、それが払えなかったりということではない。現金としては何の問題もない、赤字はないんですよ、こういうふうに受け取っていいんでしょうか。 ◯歩田経営管理部長 何も問題はないということではございませんが、減価償却費なり、あるいは資産減耗ということで評価をして、そのお金を、本来積立金等で積み立てる部分を、実際は損益勘定留保資金というところで組み込んでございますので、そこにある現金をその範囲内では使えるということでございます。ただ、会計上は赤字として処理されるわけでございます。 ◯松本委員 どうも一般の都民が聞いていて、わかりやすいような答弁になっていないんですけれどもね。普通商売をしていますと、仕入れをしたけれども、売れ残っちゃったとか、運転資金がうまく回らない、だから信用保証協会にお願いをして、東京都の制度融資でも使って銀行から借金をしようか、こういう話になるんですが、そういう一般のわかりやすい部分の計算によると、とりあえず赤字はない、こういうことで承知しておいていいんでしょうか。 ◯歩田経営管理部長 資金の調達上は他から借金をしないで済む、そういうことでございます。 ◯松本委員 次に、市場の収入の方、収益が平成九年度ベースで百九十七億と書かれているんですが、百九十七億の内容、大体どこからどの程度入ってきているのか。全部が全部この利用料金ではないだろうと思うんですが、そこら辺のことについて大まかで結構です。 ◯歩田経営管理部長 今先生おっしゃいました百九十七億の内容でございますが、まず市場が施設を貸すことによって得られます、いわゆる営業収益が百四十三億でございまして、その中身は業者さんの売上高によりまして一定の率を徴収する使用料が四十億、それから今回改定をお願いしております施設使用料が七十一億、その他、光熱水費等の建てかえ金がございますので、それに伴う収入がございまして、営業収益が百四十三億、そのほかに営業外収益が五十四億ございます。この中身は、先ほどの積立金の運用によります受取利息が十四億と、一般の行政的な経費として一般会計から補助を受けております補助金が三十五億、合計で百九十七億になっております。 ◯松本委員 一般会計から三十五億補助を受けているというお話でありますけれども、一般会計からの補助金が、赤字だというんだったら、極端にいうと二十億でも百億でもということなんでしょうけれども、一般会計からどの程度──どういう基準によってこの三十五億という数字になっているのか、そこら辺をちょっとご説明をいただきたい。 ◯歩田経営管理部長 自治省の指導等によりまして、市場の運営におきまして営業費用の三〇%までは一般会計で出資することができる、こういう通達が来てございます。現在、それに対しまして、この三十五億というのは二十数%の内容でございます。 ◯松本委員 その通達というのはどこから来ている通達ですか、財務局から来ている通達……。 ◯歩田経営管理部長 自治省から来ている通達でございます。 ◯松本委員 この三〇%目いっぱい一般会計から支出をするということになりますと、市場の方へ一般会計からの補助金は大体幾らぐらいが限度になりますか。 ◯歩田経営管理部長 三〇%満額をいただきますと、約五十六億になります。 ◯松本委員 五十六億ということになりますと、あと二十一億もらえるという勘定になりますね。今回の値上げで、どれほどの収益を見込んでいらっしゃいますか。 ◯歩田経営管理部長 十年度から十二年度までの三カ年で二十五億、具体的には十年度が四億八千万、それから十一年度、十二年度が九億五千万ずつでございます。 ◯松本委員 一般会計から補助金をしっかり三〇%──自治省の通達というのはどうも気に入りませんけれども、しかし、それでもいただけるということであれば、別に値上げをしなくて済む、こういう勘定に勘定としてはなりますね、数字合わせとしては。ここら辺についてのお考え、所見をちょっとお聞かせをいただきたい。 ◯歩田経営管理部長 私どもも市場財政の苦しさ、それから料金改定の重みというのを十分承知しておりますので、この三〇%枠に達するまでの一般会計への予算要求は毎年度要求しているところでございます。 ◯松本委員 これから十七年度までに整備をされる計画、その整備のトータル予算、トータル見積もりというのは幾らになっていますか。 ◯町田施設部長 平成八年から十七年度にかけまして、総額約二千五百億円を見込んでおります。 ◯松本委員 現在積立金で十分足りるという話、数字としてはそういうことになるんだろうと思うんですが、そのとおりこの積立金をすべてそっちに回すことによって全部クリアをする。それでもなお二百億ぐらい余して、余裕を持って対応する、こういう計画であると認識していいですか。 ◯歩田経営管理部長 現在の資金積立金の数値からいいますと、今先生おっしゃったようなことも可能でございますが、やはり建物は長期的に数十年にわたって使うものでございます。そういうことから考えますと、すべて現在の積立金で処理するのでなく、一部は企業債等を発行し、積立金については今後とも長い年月で使えるようにしておくことが適当かと思っております。 ◯松本委員 その企業債がたしか九百九十八億、既にあるというお話ですね。それで、市場の年間予算規模が二百四十三億、これがどんどんふえていくという中で、起債の限度といいましょうか、企業経営をするにおいて、起債というのは、大体ここら辺でとめておけば優良企業であるというような評価をいただくためには、その起債というのは大体どこら辺が妥当だとお考えですか。 ◯歩田経営管理部長 一般的な企業でも、いわゆる資本の額を超えるような債務があると非常に問題になるかと思います。そういうことから考えますと、現在手持ちにしております積立金と大体同額ぐらいが適当なのではないかと思っております。 ◯松本委員 そうすると、二千七百億ぐらいまでの起債だったらオーケーだ、九百九十八億というのは、企業として市場会計は何の問題もない、市場は大変順調に経営をされている、そして数字の上では二百二十四億累積赤字が出ている、こういうことであるけれども、現金としてどこからか借金をしているという状態ではない、市場は大変優良な企業である、こう考えていいわけですか。 ◯歩田経営管理部長 私どもはそのような認識でなく、今ある資金というのは土地の売却代金で入った資金でございます。こういうことから考えると、今後そういうような収入の当てはございませんので、現在ある資金をいろいろな方法を通じて、有益的に、あるいは効率的に運用することが必要であり、現在の市場の財政状況は全く優良なものである、そういう認識はございません。 ◯松本委員 よくわからないんですけれども、二百二十四億、現金でどこかに借用書を書いて金を借りている、どこからか早く借金を返せと穴をひっぱたかれているというような状況でもない、そういう種類の累積赤字だ、こういう説明が片方でございます。そして、十七年度まで近代的な市場整備を行っていくのに二千五百億予定をしている。現金で二千七百億積み立てている。何の問題もないように聞こえますよね。一体どこに問題があるのか、わかりやすくご説明を願いたい。 ◯歩田経営管理部長 ただいまのお話の中にございましたように、現在の資金残高は二千七百億、今後二千五百億の資金需要がございますが、それはあくまでも平成十七年度まで、さらに現在約一千億円の企業債残高がございます。これを差し引きますと約千七百億の実質的な預金になります。そういうことから考えますと、都民に安定的な生鮮三品を提供するためには、今後とも施設整備を順調に進めなければいけないということは、私どもの考えでございます。こういうことから考えますと、施設整備は何としても重要でございます。  そこで、今回お願いしましたように、使用料につきましては、一般の日常の管理運営につきましてはぜひ使用料で賄えるようにしていきたい、このように考えている次第でございます。 ◯松本委員 東京都の一般会計が、都民税、税収の倍も借金を抱えてもう大変だという内容はよくわかるんですが、どうもそこら辺がよくわからない。平成十八年度にスタートする新しい市場というものの整備基準というのは、施設部長、一体どの程度な規模なんでしょうか。十八年度からなお本格的に市場整備を考えなくちゃいけない、その程度の整備なのか、それとも二十一世紀半ばごろまで、しっかりと都民の台所として対応できますよ、こういう整備基準というか、規模なのか、そこら辺をもうちょっとご説明いただけますでしょうか。 ◯町田施設部長 十八年度以降、引き続き整備する市場につきましては、築地市場あるいは食肉市場等でございまして、その他の市場についてはおおむね十七年度までには終わるものというふうに考えております。 ◯松本委員 そうすると、本格的な市場整備、築地市場等々は十八年度以降と考えてよろしいですか。 ◯町田施設部長 十八年度以降も残るということでございます。 ◯松本委員 そこがちょっとよくわからないんですけれども、残るというのは、三分の一程度が残りますよとか、半分程度やったというところでしょうねとか、そこら辺の割合からいくと、どの程度まで完成をして、どの程度残っているのか。例えば二千七百億あるお金で、まあまあ市場整備の九九%、二十一世紀の市場をにらんで、二十一世紀の後半まで、あるいは半ばまできちっともつ市場をつくるために整備をする。その整備の完成率というのは一体何%ぐらい完成をするんでしょうか。 ◯町田施設部長 例えば築地市場につきまして申し上げますれば、まだ細かな年次計画ができておりませんが、おおよそ十七年度までには相当部分ができておる。ただし、完全にはでき上がらないという状態ということでご理解いただきたいと思います。 ◯松本委員 大方の部分ができ上がっているということであれば、二千五百億使って整備をする、あとの二百億まだ残っている。こういうことですから、それで一応決着がつく。そういう数字に聞こえるんですが、そういう状況であれば、市場会計としては今のところさしたる問題はない、こういうふうに一般都民としては思わざるを得ないんですけれども、その辺、どうしても値上げをさせてほしいということの根拠がちょっと希薄な気がするんです。そこら辺をもうちょっとわかりやすく訴えていただきたいと思います。 ◯歩田経営管理部長 ただいまの施設整備計画でございますが、これは第一次から第六次で、現在第六次で平成八年から十七年の十年のスパンでつくったものでございます。五年ごとに見直しを図っておりますので、またその見直しの時期には、十八年以降の市場、現在の市場で老朽化が来ているところ、あるいは交通条件等でいろいろな道路整備がなされた等で、市場の位置等を検討する必要があれば、そういうものについて対応するということで、常にローリングをしながら事業を行っている計画でございます。 ◯松本委員 こういう優良企業において、今市場の使用料値上げが提案をされている。どうも時期的にまずいな、そんなことを強く思うわけであります。これほど景気が悪い、赤字で困っているという方々に、何としてもというお願いをするには、ちょっと企業として、優良企業過ぎて説得力がないな、こう思うわけでありますが、使用料を納めている側というのは、一体何社ぐらいから、あるいは個人からもいただいているのかもしれません。事業規模別で、大まかなところでこういう方々から納めていただいていますというのをお示しいただければありがたいと思うんですが。 ◯歩田経営管理部長 水産物部で申しますと、卸の業者数が現在九社、青果部の方で卸の業者が十六社、それからそれぞれの仲卸業者数は、水産で千百四十、青果で四百八十六、ただいま数字はこういう状態でございますが、このほかに関連事業者等相当多くの数がございますが、正確な数字はいましばらくお待ちいただきたいと思います。 ◯松本委員 大変にたくさんの方々がお納めをいただいているということでありまして、その中には大変に零細な業者の方もたくさんいらっしゃいますね。それで、民間でいいますと、家賃だとか地代だとかいうのは、一つは固定資産税、都市計画税等々への負担、あるいは需要と供給のバランス等々で決まってくるわけですね。ところが、この市場というのは固定資産税も何も関係なくて、運営費にどれだけかかるか、かかった分を平米数で割って、おたくは何平米使っているんだから掛ける幾つ、基本的にはそういう計算で決まってくる。こういう決め方ですね。この決め方が将来ともに基本的な考え方としてずっとやっていかれるということであれば、さっきいわれた四百七十二億、この数字を四分の一、百億削っていただいても三百七十二億というのがそれぞれにおっかぶさってくるという計算になりますね。この計算は、どんどんふえることはあっても減ることはないですね。それで、それぞれの零細業者、市場の扱い量が減っているという中で、負担を求めることが将来ともに可能だ、部長、こういうふうにお考えですか。 ◯歩田経営管理部長 確かに先生おっしゃいますように、今後とも赤字が続くということで、さらにそれを使用料で賄うということになれば、際限なく使用料の値上げが続くわけでございますが、平成八年の使用料検討委員会の中で触れておりますように、現在使用料についてはもう少し見直す必要がある。その際には周辺の地価等、周辺環境の価値というんですか、使用料等も考慮に入れるべきだという答申もございますので、それについて今後検討が必要かと思っております。 ◯松本委員 市場長、この市場というのが公営企業会計の中で将来ともにやっていけるとは私は思えない。都民全般の台所を担うという大変重要な役割を市場が将来担っていくためには、やっぱりそこで働く人たちが、安心をしてそこで働けるというシステムをつくらなくちゃいけない、私はそう思うんです。整備は整備として進めていかなくちゃいけない、管理運営費は管理運営費としてどこからか負担をしなくちゃいけない。そこに参加をして、商売をしている人たちの状況をきちっと見きわめながら、それに適した一般会計からの支出も必要だろう、こういうふうに思うんです。  料金を納める方は、料金体系がこういうふうになっています、だから将来ここまでは持ってくださいよ、そこまで上がっていくんだったら、じゃ、それ以上のことはないんですねという規格、基準が、しっかりした物差しがあれば、値上げをされる方だってそれは耐えることができる。  ところが、毎年毎年、ことしの管理費は一体どうなっているんだ、運営費はどうなっているんだ。運営費が上がっていく。一体どこまで上がっていくんだ、見当がつかない。そして三年ごとに確実に上がっていく。これじゃ、やっぱり納める方としては計画性も持てないし、不安がずっと募りますよね。したがって、市場経営、市場会計のあり方を全面的に見直し、検討する時期に来ている、私はこう思うんですが、市場長、お考えはどうですか。 ◯宮城中央卸売市場長 今ご指摘のように、収益的収支は数年前まではずっと黒字でした。その黒字は利子なんですね。その積立金の利子でもって黒字になってきたので、事実上は赤字基調が続いてきたわけです。そういう意味では、収益的収支に係る費用を全部使用料というわけではなく、都の支出金やそのほかの、今の利子なんかで補ってきたわけですけれども、もうバブルの再来はないとすれば、これを全部使用料を主体としたもので賄うのは難しいのではないかというのが我々の中でも議論されておりまして、これからは都の支出金の一層の増大だとか、また公営企業でやっていけるのかどうかということも研究をしていかなければいけないと考えております。 ◯松本委員 ぜひ、三年に一回、毎回毎回根拠が釈然としないといいましょうか、赤字がこれだけだから値上げをこれだけお願いします、しかし、業者の皆さんの営業状態がこうだから、本当はここまで欲しいんだけれども、どこら辺までお願いできるでしょうかといったような、非常にわけのわからぬ、基準がはっきりしないような、こういう値上げを繰り返さなくちゃいけないような制度はもう早急に見直して、全体計画がきちっとできた時点で、今回のような料金値上げ等々について提案をしていただきたい、こう強く要望をいたしておきます。  それと、あと一つ伺いたいんですけれども、この内部努力の中で、先ほど市場長が多摩の市場について触れられました。多摩の市場で働く人たちの人件費と、そしてこの東京都の市場で働いている方々との、給料というんでしょうか、人件費は同じレベルですか、この点についてちょっとお答えをいただきたい。 ◯歩田経営管理部長 大変申しわけありませんが、多摩の民設市場の人件費の実態は、現在私の手元にございませんので……。 ◯松本委員 市場で働いている方々も東京都の職員ということでありますから、特別勤務手当というのがあると思うんですね。原則として公務員の給料というのは、人事院がきちっと民間と比べて、そして民間とそんなに差異のないところで勧告をして決まっている、これが日本の制度だと私は思うんですが、人事院勧告、人事院の計算のらち外に特別勤務手当というのはあるんだろうと思うんです。もし市場の中で、市場で働く方々に特別勤務手当がついているとしたら、それは一体どういう種類のものが金額としてどれくらいついているのか、わかりやすくご説明をいただきたいんです。 ◯歩田経営管理部長 現在の市場には各種の勤務がございますので、例えば交代制勤務あるいは不規則勤務手当、そのような手当がついておりまして、それぞれ勤務形態によりまして金額が異なっております。 ◯松本委員 どうもよくわからないんですが、特殊勤務手当の項目、ちょっと民間とはこういう点は違うかもしれませんというようなやつを何点か挙げてみてもらえませんか。全くないんならないで結構です。 ◯歩田経営管理部長 特殊勤務手当の考え方といたしましては、本来であれば本給に組み入れてもいいもの、あるいはそれに類似するものを、全職員、給料表をある程度同じものを使う、そういうところから、勤務態様に何らかの差がある場合は、そこを特殊勤務手当で補う、こういうシステムだと理解しております。しかし、一般に民間企業の場合は、比較的、人数等の関係できめ細かに給料表が作成されているということで、特殊勤務手当というようなものはない場合もあるのではないかと考えております。
    ◯松本委員 経営管理部長、ここのところはちょっと聞いておきたいんですが、人事院勧告の中には、例えば民間の人たちの平均給与というのがありますよね。それで、それに合わせようということですね。それにプラスアルファになるような部分はありませんよと。民間がここまでいっているんだけれども、人事院勧告はもうこの下の方でしかないから、その差額を特殊勤務手当で埋めているんですよ、こういう理解でいいですか。 ◯歩田経営管理部長 詳細な考え方につきましては私も明確には申し上げられませんが、官民比較をする場合、民間の給与につきましても、すべてきめ細かな給与体系ということではなく、ある一定の職務の代表値をとりまして、民間の給与が幾らであると決めている。それに対応する東京都につきましても、それに類似する給料をもってどれくらいの格差が出ているかということを決めておりますので、その勤務内容を比較した、あるいは比較された勤務に、基本的には勤務態様は同じだけれども、例えば日曜日、月一回出なければいけない、あるいは夜間に月何回か勤めなければいけない、そういうことがあった場合、そこまでを加味して同等になっていない。その分が特殊勤務手当として加算されているのではないか、このように理解しております。 ◯松本委員 どうも部長、認識がちょっとそこら辺は違うと思うんです。人事院勧告は人事院勧告のまま、ぴしっとやればいい。それ以上でもないし、それ以下でもない、私はそう思うんです。そうでなければ、人事院勧告というのは何なのかという話になってくる。ですから、今都民の中で、行政改革をやれ、そして職員数を減らしたらどうか、こんな意見が大変強い。そのときに、新聞紙上で退職金の問題やら、いろんな問題が話題になっている、そういうことにきちっと答えられる人事管理をする市場でなければ、内部努力しました、何人減らしました、こういっても、減らすときの退職金がどんと民間から離れて何倍もある。こういう状況では、とても内部努力とは認められないと僕は思うんです。ですから、民間の一般の都民が、この程度ならしようがないなというレベルの中でぜひ人事管理をやっていただきますように、特にこの点は要望をいたしておきます。  そこで、今回の使用料の値上げというやつなんですが、改めて伺いますが、もし財務局に市場の方から予算要求をした額が認められているとすれば、値上げは必要なかった、こう理解していいですか。 ◯歩田経営管理部長 一般会計から繰り入れていただける金額には限度がございますので、仮に限度額まで補助金を、あるいは出資金をいただいたとしても、市場会計の方に幾分かの赤字が発生する見込みになるかと思うんです。ただ、その金額は、改定率につきましては、現行の改定率との関係は少し検討をする必要があるかと思っております。 ◯松本委員 ぜひ、私が述べたように、市場の将来展望を明らかにして、そしてその市場を運営していく上で、だれがどういうふうにそのコストを担うか、こういったことについてのきちっとした計画、説明の上で、料金改定等々についての提案が議会になされるよう、強く要望をいたしておきたいと思います。  市場長を初め市場各位の皆さんのご健闘を祈念して、質問を終わります。 ◯川島委員長 ほかにございますか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯川島委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯川島委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。  以上で予算調査及び付託議案の審査を終わります。  これをもって中央卸売市場関係を終わります。      ━━━━━━━━━━ ◯川島委員長 これより港湾局関係に入ります。  予算調査及び付託議案の審査並びに報告事項に対する質疑を行います。  第一号議案、平成十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費債務負担行為、港湾局所管分及び第二十号議案、第二十三号議案から第二十五号議案まで、第百二十四号議案から第百二十七号議案までを一括議題とし、報告事項に対する質疑をあわせて行います。  本案につきましては、既に説明を聴取しております。  その際要求のありました資料は、お手元に配布してございます。  資料につきまして理事者の説明を求めます。 ◯三河総務部長 去る二月二十日開催の当委員会におきましてご要求のございました資料についてご説明申し上げます。  お手元配布の資料1、経済・港湾委員会要求資料をごらん願います。ご要求のございました資料は、表紙の次のページの目次にございますように、全部で五項目、五ページにまとめてございます。  資料の一ページをお開き願います。1の臨海関係第三セクターの経営安定化策についてでございます。  竹芝地域開発株式会社、東京臨海副都心建設株式会社及び株式会社東京テレポートセンターの三団体の経営安定化策について、再編の手法、会社側の内部努力、都の支援、金融機関の協力など、事項ごとに取りまとめたものでございます。  次に、二ページをお開き願います。2の東京都(港湾局)所有の船舶についてでございます。  1は当局が所有する船舶六十三隻について、製造年次別、種類別にまとめたもので、左側から順に、船舶の種類、製造年次別隻数を記載してございます。2は過去五年間の船舶の修繕実績でございまして、定期修繕と臨時修繕に分けて、それぞれの延べ隻数を記載しております。3は過去五年間の船舶の製造実績でございまして、種類と隻数を記載してございます。詳細につきましてはごらんいただきたいと存じます。  次に、三ページをお開き願います。3の東京港及び国内主要港における大型コンテナバースの整備状況及び計画についてでございます。  国内主要港における岸壁水深十五メートル級の大型コンテナバースの平成九年度末現在の施設数と平成十二年度末における供用施設の見込み数について、一表に取りまとめたものでございます。  四ページをお開き願います。4の主要港の入港船舶隻数及び取扱貨物量の推移についてでございます。  国内の主要五大港の入港船舶隻数及び取扱貨物量について、平成五年から平成九年までの五年間の推移を表にしたものでございます。なお、平成九年の数字につきましては、速報値でございます。詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。  五ページをお開き願います。5の世界主要コンテナ港の荷役サービスについてでございます。  日本の主要七港及び東アジア、欧州、米国の三地域における主要港の荷役作業状況について、荷役サービスを二十四時間フルタイムで実施しているところは丸で、また、時間を制限しているところは三角と四角で表示してございますので、ごらんいただきたいと存じます。  以上をもちまして、甚だ簡単でございますが、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。 ◯川島委員長 説明は終わりました。  ただいまの資料とあわせて、本案に対する質疑を行います。  発言を願います。 ◯山崎委員 今、東京都は非常に厳しい財政状況の中で予算案の審議をしているわけです。初めは話が港湾局からちょっとずれますけれども、聞いておいてもらいたい。  今、都区制度改革が国会で審議の段階に入っている。この都区制度改革というのは一体どういうものか。私は、町会とか、あるいは老人会とか、あるいは子どもたちに都区制度改革を説明するときに、こういうことをいうんです。東京都というおやじの大きな敷地の中に二十三人のせがれたちがいる。せがれたちは、もう五十年もたっているにもかかわらず、おやじからあてがいぶちで生活をしてきた。そろそろおれたちも一丁前の仕事を、あるいは生活をしたいから、だから、おやじ、おれたちは独立したいよ、こういって長い間騒いできた。  それを聞いていた本家のじじさん、ジジショウさんという──内藤尚じゃないですが、自治省さんというのが、おまえ、もしもそうやって独立したいのなら、ほかの市並みに何でもかんでも自分でできるのか。それはなかなかできない。そこで、鉄道は、交通は無理だろう。水道もできないだろう。下水もできない。では、せめてごみぐらい自分の敷地内をやったらどうかということで、二十三人のせがれどもが、では、ごみはおれたちがやるよということで独立をしようとしてきた。こういうと割とわかりやすいんですね。  では、今度は港湾局の問題になりますが、港湾局が臨海部を含めて港湾行政の中でいろいろ事業をやってきました。ところが、港湾局というおやじには、埋立君という子がいます。それから羽田君、あるいは臨海君という子がいて、この三人も一生懸命やっていたんだけれども、バブルがはじけてからなかなか運営が難しい、苦しいというところが出てきた。そこで、埋立君、羽田君、臨海君が力を合わせて、兄弟力を合わせて頑張ろうというのが、現在の港湾局が推し進めているさまざまな事業だ、私はこう説明をしているんです。  いろんな意見を聞いていますと、ほかのところから、ほかのせがれから借りてきてはいけないとか、何か現物出資でえらい持ち出しをしているとか、それが周りに大分迷惑をかけているような論調もありますけれども、私は、三人のせがれたちが力を合わせてこれから一生懸命やろう、それが必ず東京全体のプラスになるんだという信念で、三人の子どもたちと港湾局のお父さんが今一生懸命努力しているのが現状だ、こういう認識でおります。  そうした前置きをまずお話をさせていただいて、質問に入りますが、臨海関連の三セクの経営の安定化策が示され、十年度予算において八十億円、今後十年間で二百七十億円の支援を行おうとしているわけですが、今回のこの支援については、予特でもありましたから、重複を避けながらやりますが、まず、その安定化策の基本的な考えをお聞かせいただきたい。 ◯関谷参事 今回の経営安定化策は、三社の事業を集約化した上で、会社みずからの徹底した内部努力を実施することを前提に、金融機関等関係者の協力を得まして、都としても応分の負担を行い、関係者が一致協力して再建に臨み、経営の安定化を図っていこうとするものでございます。 ◯山崎委員 今回のこの対策について、一般都民が聞いたときに、果たして納得してもらえるかどうかというのがやはり大きな問題だと思うんです。三セクは都市基盤整備事業やビル事業をやって、今日まであの臨海副都心の開発においては重要な役割を果たしてきたわけですが、先ほども申したように、バブルの崩壊によってさまざまな影響をもろに受けてしまった。そしてビル需要の低迷が今回の三社の経営にもろにかぶさってきたわけです。三セクは、東京に限らず、大阪のコスモポリスですか、あそこもかなり打撃を受けたわけですが、やはり三社、これは企業体としての見通しに一つは甘さがあったのではないかということと、そのためには、経営努力をよほど目に見えるようにやらない限りは都民も納得ができないのではないかと思うんですが、そうした意味で、今回、内部努力でどのくらいの役職員を削減していくのか、お答えをいただきたい。 ◯関谷参事 今回の安定化策における内部努力の内容でございますが、役職員の大幅削減、諸経費の圧縮、増収対策などによりまして、単年度で約二十四億円の効果を見込んでございます。お尋ねの役職員につきましては、役員十七名を五九%減の七名に、職員百五十七人を、新規事業分を除きまして、平成十年度には三七%減の九十九人に、平成十一年度には四三%減の九十人に削減する予定でございます。 ◯山崎委員 三社の事業収入の大半を占めるのは、当然ビル事業でありますから、今後の賃料収入の想定とその根拠について、要はビル事業は賃料ですから、賃料がちゃんと入らなければ当然大変なことになる。ですから、その点では、今後どういうふうにその辺の賃料収入を想定しているのか。そして、その根拠は一体どうなっているのかをお伺いいたします。 ◯関谷参事 賃料収入でございますが、年間賃料収入を平成十六年度までに平成九年度対比で約五〇%増を見込んでございます。その内訳といたしましては、テナント誘致等による入居率の向上で約二〇%増、また、臨海高速鉄道の延伸等の効果による賃料上昇で約三〇%増と見込んでおります。 ◯山崎委員 臨海副都心については、さまざまな民間事業者も大変な注目をしておりますし、臨海高速鉄道が大崎まで延伸になれば、当然あの土地の評価も高まると思います。なおかつ、広域幹線道路が順次仕上がってくれば、あの土地は東京における最高の土地になるだろう、当然こういう見通しは立てられるわけでありますが、副都心の発展に対応して、今後の賃料というものも当然上昇していくわけであります。ただ、それを漫然と待っているということでは、私は事業としてはこれでは成り立っていかないと思います。そこで、第三セクターも、より一層の民間の感覚というか、経営感覚、そうしたものを持って臨んでいかなければいけない、こう思っております。  ところで、三セク支援というのは、三セクの会社みずからの徹底した内部努力──今数字も伺いました。それから金融機関による支援、そして都による支援、この三つが一体とならなければならない。都の支援とともに、今申したように、今度は金融機関の支援が安定化策の中でも非常に大きな部分を占めると思うんです。そこで、金融機関からの支援の規模や方法はどうなっていますか。 ◯関谷参事 金融機関からは都と同程度の支援を融資残高に応じて支援することになってございます。具体的な支援の方法といたしましては、現在適用されている金利の引き下げ、変動金利から固定金利への変更、基準レートの変更などによりまして金利負担の軽減を図るとともに、これとあわせまして資金繰りの支援を行うことになっております。 ◯山崎委員 もう少し詳細に、例えば金融機関別、業態別の規模や方法はどうなんでしょう。 ◯関谷参事 金融機関の支援内容を明らかにすることは金利を明らかにすることにつながりますが、金利を明らかにすることは、金融機関の他の顧客に対する評価が相対的に明らかになりまして、金融機関の取引に支障を来す可能性がございます。結果として、第三セクターの資金繰りへの協力にも支障を生じるおそれがございます。また、金利は一方で借り手側の事業運営に対しても大きな影響を与えるものであるため、金融機関側には守秘義務が課せられており、一般的な取引慣行上も、これまで金利を明らかにした例はございません。こうしたことから、金融機関別に具体的な支援の内容を明らかにすることは差し控えさせていただきます。なお、業態別につきましても、一般的に同一業態内では同一の融資条件となる場合が多いことから、同様の理由により、支援の内容を明らかにすることは差し控えさせていただきます。 ◯山崎委員 それでは、金融機関からの支援の方法である金利負担の軽減について、その内容をもう少し詳しくご説明いただけませんか。 ◯関谷参事 金利負担の軽減につきましては、十年間で平均〇・七五%相当の支援を金融機関に求めることとしております。  具体的な手法といたしましては、第一に、現在適用されている金利そのものの引き下げでございます。第二に、変動金利から低利の固定金利へ変更することです。通常より低利に金利を固定いたしまして、その金利差を金融機関が負担することにより、会社としては、低利で、かつ今後の金利上昇リスクを回避できる安定した資金を調達することになります。第三に、長期貸出金利に適用される金利を短期貸出金利に適用される金利に変更することでございます。長期貸出金利に適用される金利に比べまして、短期貸出金利に適用される金利は低い水準にありますので、金利負担が軽減することになります。金融機関からは、以上の三つの支援内容のいずれか、ないしはその組み合わせで支援を受けることとなります。 ◯山崎委員 今回の安定化策で、先ほど申したように、まず三セクの血のにじみ出るような内部努力、そして都の支援、金融機関の支援、この三つが一体となっていかなければ、これから先はまた真っ暗になってしまう。ですから、そうした意味では、何としても金融機関の支援、そして事業の主導者というか、筆頭株主としての東京都の支援、これがなされなければならない。何としてもこれはやってもらわなければならぬというふうに私は考えています。そこで、安定化策の実施が確実に三社の経営を安定化していくんだという、そのしっかりとした見通しがなければいけないと思うんですが、今後、三社の経営の見通しはどうですか。 ◯関谷参事 三社の収支見通しにつきましては、平成十年度には減価償却前の黒字が達成されまして、単年度黒字達成は平成二十三年度、累積の黒字達成は平成四十八年度と見込んでおります。今回の安定化策の実施によりまして、借入金の増加を今後招かず、徐々にではありますが、借入金の元本返済を進めていくことができるようになるとともに、円滑な資金繰りが可能になりますので、事業継続に確かな見通しをつけることができると考えております。 ◯山崎委員 この三社の経営の安定化については、これは本当にできるんでしょうかね。港湾局長、いかがですか。 ◯今沢港湾局長 今回の経営安定化策につきましては、臨海関係第三セクター三社の事業を集約化いたしまして、徹底した内部努力を実施することを前提に、金融機関等関係者の協力を得て、また、都としても応分の支援を行い、関係者が一致協力して再建に臨み、経営の安定化を図っていくというものでございます。臨海部の開発を今後とも着実に進める上で、この三社に期待される役割は重要でございます。そういう意味から、三社の経営安定化が急務となっておりますが、安定化策を実施することで経営の改善が図れるものと考えております。 ◯山崎委員 そこで、現在進んでいる臨海副都心開発の中で、暫定利用について伺いたいと思いますが、予特でも少々触れましたけれども、青海地区のS街区、T街区で実施する暫定利用については五月に着工する。そのS街区、T街区の具体的な事業内容についてご説明いただきたいと思います。 ◯前川開発部長 S、T両街区の事業予定者が、このたび相互に連携して共同で事業を実施することに合意をした次第でございますが、S、T両街区約七・四ヘクタールにわたり、一体で施設を建設する計画でございます。施設内容は、ヨーロッパの町並みをイメージしたテーマパーク型のショッピングモール、それから、車のさまざまな楽しさを体感できるアミューズメント施設、世界最大級のライブハウスなどから成る大規模な複合商業施設が予定されております。 ◯山崎委員 暫定利用のそもそもの発想はどういうものだったかといいますと、臨海副都心は段階的に開発をしていく。そうした中で、当然のことながら、一度に開発ができないので、広大な空き地が生じてしまう。その空き地をそのまま放置しておくのはもったいない。そこで、地元商業者や市民が、その地域で、ある一定期間、五年とか、あるいは十年とかそこを利用して、臨海副都心のにぎわいを起こし、なおかつ、みずからも商業者として事業に参画したいということで、地元の市民グループというか、企業グループ、中小企業が集まって暫定利用をやりたいということになりました。そしてS、T街区を暫定利用の候補地にしたわけですが、一グループにすぐ貸すというわけにはいかないので、公募という形になり、そこにトヨタグループが手を挙げてきた。  いろいろなグループが手を挙げてきたわけですが、今申した地元の商業者、こうしたグループは、名称は臨海商業開発というグループなんですが、そのグループに森ビルグループが参画をして、トヨタグループと森ビルグループがしのぎを削った。そのうち、これは地元もいることだし、審査の結果、ともによい計画だったんでしょう、トヨタグループの案もよし、森ビルグループには地元の商業者あるいは市民グループがあり、そこで、SとT街区にそれぞれ両者をはめ込んだ。こうした流れで、両者が協議して、お互いに一体となっていいものをやろうよということになってきたわけです。ですから、片方の森ビルグループには地元市民グループがいたことが私は選定で大きな要素になったと思いますが、大体そのような経過でよろしいんでしょうか。 ◯前川開発部長 今回の暫定利用の実施を予定している土地につきましては、今お話がありましたグループも含めまして、地元の江東区を含め、多数の事業者の方々が大型の商業施設等を展開したいというふうに希望があったのは事実でございます。さらにまた、現実の公募においても、こうした事業者の方々にもご応募をいただいております。  私どもといたしましては、具体的な事業予定者の選定に当たりましては、客観的な審査基準、例えば事業内容とか財務計画とか、そういった項目から成る審査基準を設けて評価をしたわけですが、その評価の項目の一つとして地域振興への貢献を取り上げて、地元産業、商業へ与える影響を考慮したのは事実でございます。今お話がありましたように、結果として事業予定者として選ばれたS街区のグループには、地元事業者が組織した事業体も参加をしております。 ◯山崎委員 S、T街区で約七・四ヘクタールといえば、銀座三丁目から銀座六丁目ぐらいの広さだそうであります。そこに大規模な複合商業施設ができる、あるいは世界一のライブハウスができるということになれば、これは臨海副都心のにぎわいは今よりもはるかに膨らんでくるだろう、こう想像できるわけですが、S、T街区の暫定利用の事業実施に当たって、今申した地元業者はどのように事業にかかわるのか、お答えいただきたいと思います。 ◯前川開発部長 S、T街区の暫定利用の事業実施の具体的な内容は、現在、両グループの間で調整中でございますが、事業予定者の一員である地元事業者のグループの方々も積極的に事業を展開する予定と聞いております。具体的な内容につきましてはまだ調整中でございますが、商業施設としての出店などを予定しているとのことでございます。 ◯山崎委員 臨海副都心は、日本あるいは東京の経済の活性化という点でも非常に重要でありますけれども、一方、地元の事業者とも連携していくことが大切だと私は思うんですが、いかがでしょうか。 ◯前川開発部長 臨海副都心は、東京の経済の先導役、経済活力の拠点として発展させる必要がございますが、同時に、今ご指摘のように、臨海副都心の開発によって江東区を初めとする周辺地域の産業、経済活動の発展が促進されることも重要と考えております。具体的には、地元事業者の方々が臨海副都心に進出し、また、臨海副都心の発展が地元の経済を牽引する、こうした形で互いに連携した活動を展開することが望ましいと考えております。 ◯山崎委員 このS街区、T街区については、暫定利用、十年間でありますけれども、何としてもこれを成功させていきたいと思いますし、ぜひとも港湾局にも強力なバックアップでこれを成功させるように導いていただきたい、こう思っております。かつて都市博が青島知事によって中止になってしまった。二千万人もの人を集められない、そんな発言もあったようでありますけれども、現実には臨海副都心は現在、せんだっての委員会の報告でも、年間二千万以上の人があそこを訪れているということだけ見ても、あの臨海副都心という地域に対する都民あるいは国民の思いというのは、いまだかつてそうしたことがあったろうかといわれるほど、あの地域には目に見えない未来に対する、あるいはこれからの東京に対する、あるいは世界に対する発信基地としての何らかの魅力、かなりの魅力が存在しているんだ、私はこういうふうに思っておりますので、開発は当然のことながら、暫定利用についても、ぜひともこれは成功をさせていただきたいと思います。  次に、開発の点に触れますが、未着工企業の着工状況はどうなっているのか。そしてまた、台場I街区の住宅の建設状況はどうなっておりますか。 ◯前川開発部長 未着工企業のうち、大規模な複合商業施設の建設が予定されている地域につきましては、本年六月に着工する予定でございます。また、本社ビルの建設が幾つか予定されておりますが、そのうちの一社が平成十年度の早い時期に着工の予定でございます。また、台場I街区の住宅については、既に昨年三月、住宅供給公社が着工しており、住宅局と住宅・都市整備公団についても今月中にも着工の予定でございます。 ◯山崎委員 今回、第二次公募が行われて、しかも暫定利用のS、T街区が五月ごろから工事が始まる、あるいは都民提案による提案も二千件を超したというような状況にあって、私は臨海副都心の発展はこれからますます確実になってくるだろうと思います。あのまちが近い将来、一体どういうイメージになるんだろう。一つには、観光スポットという見方も一面あるようでありますけれども、事業者が進出してあそこで企業活動を行う。その反面、娯楽施設も入る。そして台場には住宅ができる。こうなってくると、あの臨海副都心のイメージというのを港湾局としては一体どういうふうに見ていらっしゃるんですか。 ◯前川開発部長 今後のまちのイメージでございますが、仮に今後三年から四年先を想定いたしますと、まず台場地区につきましては、住宅と業務・商業施設を含めてまちが概成をしており、居住人口は約五千人程度になっていると思われます。次に、青海、有明南地区につきましては、今回の第二次公募の対象区画において進出事業者の着工が一部開始し、また、暫定利用もにぎわいを見せているものと思われます。有明北地区におきましては、埋立工事が始まり、また、広域交通基盤の整備も具体的に進展しているものと思われます。 ◯山崎委員 そうなると、これからあの地域は──一面ではもう既にでき上がったビルや商業施設その他が、住宅も当然ですが、そこにたくさんの住民が住んでいらっしゃる。若い人も含め、お年寄りから子どもたちまで、週末になるとたくさんの人があそこに集まってこられる。そうした中で、第二次、あるいはこれからのビル事業が工事も始まるというようなことで、成熟するまでの期間ですから当然なのかもしれないけれども、相当工事ラッシュというか、そういったものが進んでくる。臨海副都心のあの一定地域に限って見るというのもおかしいんですが、東京全体から見ても、民間事業者がそれだけ多くの事業、あるいはビル工事を行うということは、これは東京における経済の活性化にとっては大変なパワーになるのではないか、こういうふうに思われます。  そこで、副都心で昨年から新たな事業者が着工し、新規の工事が進む中で、今後の開発の推進に向けて港湾局長の決意のほどを伺いたいと思うんです。 ◯今沢港湾局長 臨海副都心は、ご案内のように、多数の来訪者でにぎわいを見せておりますが、ご指摘のとおり、昨年に引き続きまして新たな事業者の着工の準備が進んでおります。また、臨海副都心の開発がこれによって新しい段階を迎えているというふうに感じているところでございます。臨海副都心の開発は、あすの東京の活力を担い、都民生活を支える新しいまちを創造していく重要な事業であるというふうに認識しております。今後とも、第二次公募の事業者の決定を初め、広域交通基盤の整備や新たな用地の処分など、全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。 ◯山崎委員 臨海副都心の隣に新木場という駅があって、そこには、ご存じのように材木団地、昭和四十八年に江戸時代から営々と続いた木場の材木屋さんが、防災というような東京都の大きな考えにより、埋立地に移転をしました。当時六百七十社が移転をしたわけですが、木材業は六百七十社のうち半分近くはもう既に倒産ないしは廃業、あるいは転業というような状況に陥っております。特に木材需要の低迷という点では、本当に木材業界は、新木場に限らず、どこの木材業者もそうなんですが、大変な苦労をいたしております。  ついせんだっても、新木場のリーダーといわれるような方の会社が倒産、あるいは整理というようなことに陥りました。昨年の暮れにかけては、材木屋さんが、ある大手銀行から融資を断られて、ついにその老社長はビルの屋上から飛びおり自殺をされてしまいました。もう一社の木材関連業者は生まれ故郷の静岡に行って自殺をされました。私はそういった方々の会社も、あるいはお顔もみんな拝見したことがありますので、現在置かれている新木場の木材業者は本当に大変な状況に陥っている。彼らはみんな、東京都の大きな計画のもとに、長年住みなれた木場を離れて新木場で事業を展開してきた。しかし、時代の趨勢により、このような状況に陥っているわけです。  ところが、ご存じのように、あそこには十数年前に新木場という駅ができました。京葉線、そして有楽町線、やがては臨海高速鉄道も入り込んでくる。そういった大変発展可能性のある地域であるにもかかわらず、残念ながら、臨港地区という網がかぶさっているおかげで、現在、土地を担保にしても土地は当然のことながら値が上がらない。担保価値が下がる。そうしたところで事業運営がますます苦しくなっていっている状況であります。そういった新木場における木材業者の現状を港湾局はどのように認識されていますか。 ◯永井港営部長 東南アジアを中心とします原木産出国の輸出規制などを背景といたしまして、東京港におきます原木輸入量の減少傾向が続いております。新木場地区の木材業におきましては、製材業から木材の流通業、加工業への事業転換や物流業などの木材関連以外の土地利用が見られ、大変厳しい状況であると認識いたしております。 ◯山崎委員 今、新木場に行きますと、材木の町というんじゃなくて、いわゆる運送屋の町、ほとんどが宅急便の車庫になったり、あるいは運送屋さんの車庫になったり、惨たんたるものです。六百七十社の移転した材木屋さんが、もう本当に半分しかいない。なおかつ、製材工場は当初何社あったでしょう、千坪、二千坪というかなり大きな土地を取得をして、製材工場として動いておりましたが、今、私の知る範囲では、そうですね、三社ぐらいしか機械は動いていないんじゃないでしょうか。そんなありさまであります。  それはなぜなのかというと、それは経済状況の変化にもよりますけれども、やはりあの地が臨港地区という規制があること。私は前々から予算委員会だとかその他、この委員会でも再三申し述べてきましたけれども、規制緩和の時代に、駅がありながら、駅前でありながら、臨港地区がかぶさっていて、思うような開発がままならないという状況が続いていることが、本当にこの現状を見たときに残念でなりません。あの方々が東京都に協力をして移転されたのだから、そうしたことを考えれば、東京都がもう少し理解を示して、この臨港地区という問題については、さまざまな制約、当然私もわかっておりますけれども、ぜひひとつこの規制については新たな観点から考えていただけないものか。私は臨港地区を外すということがいかに難しいかということは十分承知しておりますけれども、ぜひこの点、港湾局の考え方、あるいは姿勢を変えてもらいたい、こう思うんですが、いかがでしょうか。 ◯永井港営部長 新木場地区の木材関連業を取り巻く経済環境の厳しいことは十分承知いたしております。江東区は昨年七月に新木場地区まちづくり基本構想調査をまとめました。現在、これを受けまして、具体的な地区計画等の策定に向けまして地元関係者と協議していると聞いております。  新木場地区の臨港地区の問題につきまして、東京都といたしましては、新木場地区を将来どのようなまちにしていくかにつきまして、地元地権者や地元区の意向を尊重する必要があると考えております。したがいまして、今後策定される地区計画等の内容を踏まえまして、臨港地区の見直しにつきまして適切に対処してまいりたいと考えております。 ◯山崎委員 いずれにしましても、もう時間があれですからこれでやめますが、本当に新木場の地域に対して港湾局として積極的に、なおかつ、親身になって取り組んでいただきたい。恐らくこれからあと数年たつと、本当に新木場に材木屋さんがいなくなってしまうというような状況になりかねませんので、その点、ぜひひとつしっかりと港湾局が取り組んでもらうことを要望して、きょうはやめておきます。 ◯小竹委員 私は、港湾局の本来の業務である船舶の整備についてお伺いをしたいと思います。  三回定例会で曽根議員が港湾局所有の老朽船の計画的な改修について質問をしてきたところですけれども、私は、ぜひご検討いただきたいということで、男女雇用機会均等法が施行されて、東京都の海技職員にも女性が入られているということを聞いているわけです。今後、当然こういうところでは女性がふえていく可能性も相当強いというふうに思いますので、そのことと、もう一つは、東京港の周辺が高層ビル化されてきているということで、そういう点では、監視──ビルの方から見られているというふうな点で厳しくなっていると伺っているわけですけれども、港湾局所有の船にトイレがついているのと、ついていない船があるというふうに伺っているわけですけれども、設置の状況がどうなっているかということと、今後の計画等についてもあわせてお答えいただければと思います。 ◯高見港湾整備部長 局が所有する台船及び土運船を除く船舶は三十五隻でございますが、そのうちトイレを設置している船舶は十二隻でございます。工事の指導監督、水面の監視等に使用する小型船舶は、乗船している時間が短いこと、船内にトイレを設置するための空間が確保できないといったことから、トイレを設置しておりません。  また、計画でございますが、なかなか、船が狭いわけでございまして、従来から限られた条件の中で、生活に使いやすいようなものにするために、いろいろ基準等について検討をしているところでございます。 ◯小竹委員 特に清掃船にトイレを設置してほしいというのが、乗っておられる方からの強い要望で出されているようで、もう既に新造して停留しているわけですけれども、「第一清海丸」を私はせんだって見学をさせていただきました。今までの清掃船にはトイレがなかったので、非常に不自由をしておられたようですが、今回設置されたということで、そういう点では非常に前進だというふうに思うんですけれども、私、見学をしてびっくりしたんですけれども、設置されている場所が船底ということと、清掃船ですから非常に低いということもあって、設置場所の問題、トイレの大きさの問題、それから使い勝手が非常に大変なんですね。それと、船底ということもありまして、上が鉄板の甲板の下にあるということでは、夏、物すごく暑くなるんだそうです。換気扇もないというふうな状態で、そうなると、夏はちょっと使えないんじゃないかというふうに思うんですね。そういう点では、設置場所を含めて、もっと使い勝手のいいものを今後の教訓としても考えていただかなければいけないというふうに思うので、その点についてのご見解を伺っておきたいと思います。 ◯高見港湾整備部長 清掃船のトイレは、船の構造上、船底部に設置せざるを得ません。また、船内の限られた空間の中に広いトイレを設置することはなかなか困難でございます。トイレの設計に当たりましては、これは従来から、限られた条件の中で、清潔で使いやすいものとするように努めてきているところでございます。 ◯小竹委員 確かに設置の場所が限られているという点では、非常に狭いところですからあれなんですが、「第一清海丸」は今までの「清海丸」と違って多少ゆとりもあるので、そういう意味でいうと、船の甲板の部分に囲ってやるというふうなことも可能なのではないかと思うので、その辺については、実際に乗っている方々の意見も聞いて、清掃船は古いのも多いようですから、そういう点で改善方、「第一清海丸」はやむを得ないというふうに思うんですけれども、今後の問題として、ぜひ職員の方の声も聞いて設置をしていただきたいと思います。  それと、現在ある「第二清海丸」から「第五清海丸」までなんですが、やはり簡易のトイレをつけてほしいというご要望が大分強いようなんですね。それは、前に局とお話をしたときに、港湾施設がたくさんあるから、そこへ停泊をしてやればいいんだというお話があったんですけれども、私、現実に見させていただいて、海面すれすれに走っていきますので、潮の干満の差があるわけで、本当に干潮のときなんかはもう二メートルぐらい、私が行ったときには一メートル五十ぐらいの差があって、到底上り下りできないわけですね。私が行ったときは、停留してある場所で階段があるところでおりましたから、おりられたんですが、日常的にどこへでも寄って上がれるというふうな状況じゃないですから、大変狭くて厳しいというふうには思うんですけれども、何とか工夫によっては簡易のトイレをつけられなくはないというふうにお話を伺ってきましたので、ぜひご協議をいただいて、改善方をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◯高見港湾整備部長 古い船についてもトイレを設置するようにということでございますが、今までも目的とか大きさによって可能な限りトイレを設置してきているわけでございます。船舶を更新する際には、船舶の用途、規模、船員の数などに応じて、トイレの設置について局内で基準を作成中でございます。 ◯小竹委員 新しく新造するときには当然つけていただかないと、これから女性も入るわけですからあれなんですが、ぜひ古い船も工夫をしてつけていただきたいというふうに思いますので、その点について、ぜひよろしくお願いします。  それともう一つは、この「第一清海丸」に、オイルの流出事故の際に流出した石油を回収する装置をつけるというふうに伺っているわけです。東京湾での流出事故もありましたから、そういう装置は非常に必要だと思うんですが、具体的にどこにどういう形でつくられるのか。それと、それの操作について職員の方々への徹底等についてはどういうふうにされようとしておられるのか、その点、明らかにしてください。 ◯永井港営部長 昨年の東京湾におきます大型タンカーの油流出事故を踏まえまして、東京都といたしましては、オイルフェンスや油の吸着マットなどの油防除資機材の充実に努めているところでございますけれども、さらに、油流出の回収作業を効率よく行うために、この新造の清掃船に着脱式の油回収装置を本年四月に配備することといたしております。清掃船は、通常は東京港内の海面を清掃していますが、油流出事故に際しましては、この油回収装置を搭載することによりまして、油回収船となって事故処理に当たります。具体的には、今の清掃船は双胴式になっておりまして、吸いますと、ごみを吸収して上げるんですが、そこにこの装置をつけますので、同じような形になりまして、油を吸収して回収する、こういうことになろうかと思います。
    ◯小竹委員 その活用が──事故がないことが一番いいわけですけれども、ぜひそういうときに使えるような装置として、きちんと配備をしておいていただきたいと思います。  それと、「第一清海丸」なんですけれども、私、操舵室に入らせていただいたら、死角になるところがあるんですね。清掃船は、私もお話を伺ったら、岸壁がこうあって、斜めに走りながらごみを入れていくという、二つの……。ですから、ここをするような形で運航する、そのするところが新しい船は死角になっているということなんですね。確かにそうなんです。操舵の先っぽしか見えないものですから。そういう点では、ぜひそれは今後、「第二清海丸」や何か、これも三十年以上たっているようですから、教訓にしていただくということだけの問題じゃなくて、運航する際に危険を伴うので、ぜひそういう点では、実際に乗られる方のご意見も聞いて、調査もしていただいて、改善をしていただきたいと思うんですが、その点はいかがでしょうか。 ◯高見港湾整備部長 今回、船の船型も大きくなりまして、視界の確保や操舵室の居住性の改善も図ってきたものでございます。設計に当たりましては、船舶の使用目的に照らして、その機能が十分確保できるように努め、建造に当たっては、実際に使う船員さんの意見も聞いてつくったものでございます。新しい船でございますので、なれれば十分に安全に運航できるというふうに考えております。 ◯小竹委員 確かになれればということですけれども、そのするところが見えないということですから、やはりそういう点では調査をしていただいて、改善もよろしくお願いします。三十年以上たっている老朽船で、計画的に更新をされるということですから、ぜひそれは計画的に進めていただくようにお願いするとともに、新造する場合には、やはり現場の方々の声と、そして、やっぱりわからない場合もあり得るというふうに思いますので、ぜひそういう点での改善方もあわせてお願いして、質問を終わります。 ◯木内委員 このたびの平成十年度予算案、厳しい財政環境の中で、財政健全化の達成を課題としつつ、一般会計で対前年度比〇・三%増の六兆六千七百五十億円、わずかにプラスに転じてはおりますけれども、内容的には、公債費の増や、あるいは地方消費税の平年度化に伴う区市町村の交付金の増加などによるもので、依然として緊縮予算であることに変わりはないわけでありまして、極めて厳しい財政状況にあるわけであります。こういう状況の中で、東京都の各局においては、それぞれ厳しい財政状況であるがゆえに、より一層都民の負託にこたえ、また、信頼にこたえられる事業の推進というものが必要である。こういう視点から、私は何点かお尋ねをしたいと思います。  先ほどの質疑にもありましたけれども、まず、臨海副都心開発についてであります。まず、私の臨海副都心に対する考え方を申し上げるならば、いわば東京都民にとっての二十一世紀に継承すべき、誇るべき財産であるというふうなとらえ方をしているのであります。したがいまして、都民がこの臨海にどうした期待を持ち、また、将来的ビジョンとして何を望んでいるかということを、ひとつ的確に脳裏に刻みながら、港湾局にはこれまで以上のご努力を願いたい、こういうふうに思っているわけであります。  先ほども質疑の中で触れられておりましたけれども、昨年一年間で延べ二千二百五十万人の人々がこの臨海副都心を訪れているという、この数字を聞きまして、私は大変刮目をしますと同時に、都民の皆さんの意識の中に、この臨海副都心への認識というものが非常に定着をし、また親近感を持たれてきているんだ、こんなことを痛感をしていたようなわけでございます。一方、また開発の方も、第二次公募を進めていく段階となってきておりますし、第一次公募のうちの未着工企業も既にその作動を始めている。このように臨海がますますにぎわい、発展をしていくということは、産業構造の面から見ても、あるいはまた東京都のまちづくりということから見ても、さまざまな視点から大きな意味合いというものを感じるわけであります。  さて、こうした臨海副都心のまちづくりに当たって、私が港湾局とともに常に念頭に置かなければいけないことは、まず、都民本位のまちづくりというものを常に心がけていかなくてはならないし、また、この臨海副都心が、東京都はもとより、いわば我が国の国情全体に対する大きな位置づけを持っているんだという、こうした点ではなかろうかと思います。さらに申し上げれば、今大変懸念されております東海地震、あるいは関東直下地震ということもいわれているわけであります。こうした非常の事態に対する防災上の大きな意味を持った臨海副都心だということも、やはり念頭に置かなくてはいけない、このように思うわけであります。  今、港湾局は臨海副都心防災基本計画の改定作業というものを行っているわけでありますけれども、申し上げたような点を留意しながら、主要な改定というものがどのような課題に置かれるようになるのか、この点についてまずお尋ねをするものであります。 ◯前川開発部長 今回の臨海副都心防災基本計画の改定は、昨年三月の臨海副都心まちづくり推進計画、これを受けて行うものでございますが、同計画の中の東京の安全とまちづくりに貢献するまちの内容を盛り込むことにいたしております。具体的には、始動期開発を終え、臨海副都心が災害に強いまちとして整備されつつあることを明らかにし、また、防災体制の整備と災害応急対策とを区分をして詳細に明らかにするとともに、臨海副都心の中の有明の丘防災拠点の整備内容について明らかにしてまいる予定でございます。 ◯木内委員 有明の丘防災拠点の整備内容についても、この改定作業によって明らかにされるという答弁でありました。昨年の第三回定例会において、私は本会議でこのことを都にただしたのでありますけれども、臨海副都心における総合病院の必要性ということを提案の形で質問をいたしました。こうした主張に対して、有明の丘への総合病院の誘致、立地を進めるということになっているわけであります。今いわれた改定される防災基本計画において、臨海副都心の病院についてはどのように位置づけが行われるのか、確認をいたします。 ◯前川開発部長 今回の臨海副都心防災基本計画の改定に当たりましては、臨海副都心が広域的な防災支援のまちであり、ここに立地する病院が災害時の後方医療施設の役割を担う必要があるという点を踏まえて行うものでございます。具体的には、広域的な災害対策活動の支援基地として整備する有明の丘防災拠点に立地させる方向で検討いたしております。 ◯木内委員 今、いわゆる防災上の位置づけというものが強調された答弁であったと思いますが、同時にまた、若干触れられておりました広域的な地域に対する医療面での貢献を行うという意味も、これは断じて外せない点であろう、こういうふうにも思うわけであります。したがいまして、昨年の都議会での質疑を通じて、地元江東区はもとより、墨田、あるいは江戸川、葛飾、こういったいわゆる医療行政上の区分となっております医療保健圏、いわゆる医療保健ゾーンの地域の皆さんのこの病院に対する期待は極めて大きなもの、こういうふうになってきているわけでありまして、一刻も早いこの誘致、立地が望まれるところでありまして、万全の体制でこの誘致に臨んでいただきたい。こういうふうに思うわけでありますけれども、特に周辺地域など、広域的な地域に対する医療面での貢献ということを考えますと、やはりこれに見合った病院の規模、あるいは形態というものが必要になるであろう。改めての確認でありますけれども、この点について答弁を願います。 ◯前川開発部長 臨海副都心の病院は、災害時の後方医療施設であるとともに、平常時には臨海副都心全域を対象に、さまざまな診療科を有する、いわゆる総合病院である必要があると考えております。こうした総合病院であるため、この病院は周辺地域も含めた広域的な医療施設としての性格をも有するものであり、今後、その誘致に積極的に取り組んでまいります。 ◯木内委員 先ほども同僚委員の質問にありましたけれども、この臨海副都心における、いわば首都東京での位置づけというもの、あるいは経済の活性化に果たす役割の大きさ等については、これはもう十二分に今都民の皆様に知悉されつつあるところである、こういうふうに思うわけであります。  私は先般、羽田空港から首都高を通りまして、臨海副都心の木場を通行をして北砂の自宅に戻ったのでありますけれども、実はそのとき妙なことに気づいたのであります。すなわち、どうも臨海副都心のまち、あるいはお台場周辺のにぎわいというものが都心部の方に向いて、いわゆる玄関の様相を呈しているような感じを受けたのであります。そして、東側あるいは北東部に広がる、極端ないい方をすれば暗やみのような漆黒の色彩を感じたのでありまして、いわばあくまでも都心に向けたいわゆる開口部であってはならない、これは東西あるいは北部地域に対するさまざまな活動拠点であり、また、にぎわいでなくてはならない、このことを感じました。  そこで、お尋ねをするわけでありますけれども、運輸省の審議会でも答申が出ておりますが、江東区の東部地域における南北交通の問題を初めとして、臨海副都心に対する交通アクセスというものが実は極めて重要になってくるのではないだろうか、このように考えております。確かに西側、あるいは北西部分からの交通アクセスは非常に利便性が高くなってきておりますけれども、申し上げた逆方向からのアクセスというものが未熟で、不備で、不徹底であるならば、これは東京全域における、いわゆる新しいコアの部分としての臨海副都心であることは非常に難しいことになるのではないか、こういうふうに思っております。直接の所管ではないと思いますけれども、港湾局が今、いわば輝ける都庁部局内での仕事の一つをしておられるわけでありますから、この交通アクセスについては、ぜひより大きな認識と視野の中でお考えをいただきたいのであります。  実は私は寡聞にして今まで読んだことがなかったんですが、先ほど紹介をされて読んだところ、ある著書が非常に私の耳目を引いたのであります。内容は、非常に高い見識と、また先見性に満ちた本でありまして、実は都政の各部面にわたって専門的な造詣の深さというものを感じる本でありますが、この中で、超進化した路面電車LRTがヨーロッパ並みに東京を縦横無尽、省エネ、無公害、小回りの便利さでどこを走るかという見出しのもとに、いろいろ、るると記事があるのでありますけれども、この中にこういう五行があるんですね。  具体的には、江東区を南北に走る路線や、調布と保谷を南北に結ぶ路線、それに都電荒川線の三ノ輪橋から南千住の再開発地区への延伸などがあるといわれておりますといって、都内三カ所について実は具体的な地名を挙げて出ている。これは関係者の間では、江東区東部地域における南北の交通アクセスというのは今や実は大きな議論の的になっている、こういうところであります。それをどうか港湾局の立場で、ぜひ江東区東部地域、あるいは江戸川、葛飾とのアクセス、いわゆる東京全体の江東地域、江東区でなく江東地域とのアクセスという観点から、他部局への働きかけはもとより、今後そうした点への認識もぜひお持ちをいただきたいと思うわけでありますけれども、所見を簡単にお伺いをいたします。 ◯高見港湾整備部長 八号線のルートにつきましては、国、それから地元区に対して働きかけを行っているところでございます。また、八号線以東の地域についても、その地域の開発の動向等、いろいろ課題はございますけれども、今後とも長期的課題として取り組んでまいりたいと思います。 ◯木内委員 先ほど尊敬する川島委員長から審議への協力を要請されておりますので、予定しておりました質問を若干短縮をさせてもらうつもりでいます。  次に、財団法人東京港湾福利厚生協会は、江東区辰巳に八棟、五百四十四戸の港湾労働者用住宅を建設しておりますけれども、この住宅は既に築二十五年から三十年経過しておりまして、今の感覚でいきますと間取りが非常に狭小化しておりましたり、老朽化が進んできております。この港湾住宅の改善、建てかえに対する支援策というものを港湾局としても講ずるべきである、このように思うわけでありますけれども、どうでしょうか。 ◯永井港営部長 この住宅につきましては、ご指摘のように老朽化が進み、面積も狭小でありますので、事業主体である財団法人東京港湾福利厚生協会が毎年必要な維持補修を実施するとともに、家族数の多い世帯には住宅の二戸貸しなど、港湾労働者のニーズに合った利用方法を検討しているところであります。抜本的な改修、建てかえ計画につきましては、協会が現在検討しているところですので、それにあわせ、可能な援助を含め、今後の課題として検討してまいりたいと思っております。 ◯木内委員 今答弁のありました、可能な援助を含めて今後の課題として検討されるということは極めて前向きで、評価をさせていただきたいと思います。いわばそのご発言の遠因となるものが、港湾労働法制定の指針となっております港湾労働等対策審議会の答申の中身ではないか、こういうふうに思いまして確認をしたいのでありますけれども、この中における事業者と行政の役割、申し上げております港湾労働者住宅について伺いますが、どういうことになっておりますか。 ◯永井港営部長 ただいまご指摘の答申は、通称三・三答申といわれているものですが、その中で、事業者と行政の役割につきましては、港湾運送事業者は、その雇用労働者のための住居、その他福祉施設の充実を積極的に進めること、国または地方公共団体は港湾労働者住宅の用地のあっせん、その他所要の援助を行うこととされております。 ◯木内委員 ポイントだけ申し上げます。今の答弁にありました国または地方公共団体は、港湾労働者住宅の用地のあっせん、その他所要の援助を行う、こういうふうになっておりますことを今確認をさせていただきましたので、ぜひ対応をお願いをしたいと思います。  次に、我が党の五十嵐正議員がさきの予算特別委員会でも触れておりますけれども、都が設置している港湾労働者用宿泊施設のうち、港区芝浦の第二宿泊施設は大正末期から昭和の初期に建てられた木造家屋で、その建てかえ計画が数年前から進められておりますが、この際、改めてこの建てかえ計画の内容についてご説明を願いたいと思います。 ◯永井港営部長 この建てかえ計画につきましては、第二宿泊所の敷地を核といたしまして、周辺の民間地権者三名及び住宅供給公社と共同で、都市再開発法に基づく市街地再開発事業として建てかえ計画を進めるというものでございます。 ◯木内委員 この計画を当初の予定どおり実現されることが今厳しい状況になって、その理由については、申し上げた予特の答弁で港湾局長から、経済状況の激変の中で関係者間の調整が難航していることである、このようにいわれているのであります。この市街地再開発事業の中心的役割を担って進めてきたのは都住宅供給公社ということになっています。宿泊施設として利用の限界を超えているようなこの木造家屋をいつまでもこのままにしておくことは、これはだれが見ても大きな問題があります。住宅供給公社は責任を持ってこの開発計画を実現させるべきと考えるものであります。経済状況が変わったからといって、簡単に計画撤退することは許されることではないと思います。もとより、この事業の所管が住宅局の方にまたがることはよく知悉しております。しかし、港湾局として、広域的にこの問題を抱えながらどのような建てかえ計画を進めようとしているのか、この点についてお伺いをいたします。 ◯永井港営部長 当局は、住宅供給公社に対しまして、この再開発事業におきます住宅保留床取得者として、また、再開発のコーディネーターとしての役割を期待いたしております。近年の社会経済情勢の変化によりまして、従来どおりの計画の推進が非常に厳しい現状にあるのは事実ですし、関係者間との調整など、いろいろ問題も抱えているところであります。しかしながら、従来からの経緯を踏まえ、住宅局や公社と十分協議の上、この建てかえ計画を推進してまいりたいと考えております。 ◯木内委員 この計画は、港湾局所有の宿泊施設だけではなく、隣接の民間地権者も含めての開発であります。この民間の方々も、みずからの住宅としての生活設計を立てておられますし、その実現を待っている状態でもあります。早急に事業の着手を図るべきだと思います。答弁は必要ありません。このことを申し上げて、私の質問を終わります。 ◯嶋田委員 私は、臨海開発の関連地域であります豊洲、晴海、有明北、この三島の開発のうち、豊洲地区を中心に何点か、まず質問をしていきたいと思っております。  この三島の開発は、都心と臨海副都心を結ぶ広域幹線道路等の整備を軸にまちづくりが展開されていくわけでありますけれども、その開発の進捗は臨海副都心開発にとっても大きな意義を持つものであると私は考えます。昨年の十一月には、この三島開発の先頭を切って、豊洲地区において大街区方式土地区画整理事業に着手したと聞いているわけであります。また、先日の当委員会において具体的に報告がありましたように、臨海副都心及び豊洲・晴海開発整備にかかわる計画の見直しに対応して、港湾計画の一部変更、臨港地区の解除並びに変更についての具体的な計画手続が進められているという現実を聞きました。事業が着実に進捗しているなという実感を持っているわけであります。  そこで、まず、豊洲地区の民間地権者とはこれまでどのような協議を進めてきたか、伺いたいと思います。 ◯塩野臨海部開発調整担当部長 東京都と民間地権者はこれまで、土地利用のあり方、開発者負担、広域交通基盤の整備水準などについての協議を進め、昨年六月には民間地権者から広域交通基盤及び防潮護岸等の開発者負担についての基本的な了解をいただき、引き続き、本年一月には基本的事項について合意したところでございます。 ◯嶋田委員 昨今の地価の下落等によって、開発利益が思うように期待できない、そういう厳しい経済情勢の中で、大街区方式の土地区画整理事業を進めるための基本的な合意ができたということは、大変好ましいことであるというふうに考えます。この基本合意は具体的にどういう内容なのか。また、今後この合意を踏まえてどのような協議が行われていくのか、答えていただきたいと思います。 ◯塩野臨海部開発調整担当部長 今回の合意の内容でございますが、大街区土地区画整理事業の基本的な事項でございます幹線の上下水道、あるいは広域幹線道路等の整備水準、さらには当面の工事スケジュール、そして開発者負担の確認などを主な内容とするものでございます。今後は、この合意を踏まえまして、区画道路や、あるいは供給処理施設の整備などを中心といたします二次の土地区画整理事業の整備水準や、あるいはまちづくりの基本となりますガイドライン、さらには、再開発地区計画についての協議を継続していくところでございます。 ◯嶋田委員 地権者との具体的なまちづくりについての協議はまだ今後続いていくということであると思うんですけれども、一方では、今回の合意を踏まえて既に工事に入っていると思います。現在どんな工事が行われているのか、教えてほしいと思います。 ◯塩野臨海部開発調整担当部長 豊洲地区では、現在、放射三四号線の本格整備に先立ちまして、資機材等を搬入するために必要な工事用の仮道路の設置工事、それと地下の支障物の撤去工事を行っているところでございます。 ◯嶋田委員 具体的には広域幹線道路の工事に着手したということでありますけれども、今後どのようなスケジュールで根幹的な基盤整備事業が進められていくのか、具体的に説明をいただきたいと思います。 ◯塩野臨海部開発調整担当部長 既に着工いたしました放射三四号線を初めといたしまして、環状二号線、補助三一五号線などの広域幹線道路につきましては、平成十七年度完成を目途に順次整備を進めてまいります。また、新交通「ゆりかもめ」でございますが、有明-豊洲間につきましては、現在、環境影響評価の手続中でございますが、平成十一年度には工事に着手をいたしまして、平成十七年度開業を目途に整備を進めることといたしてございます。さらに、豊洲地区の水際線に整備をいたします防潮護岸につきましては、広域幹線道路等の整備を着実に進めるためにも、平成十年度早々には埋立免許を申請の上、平成十一年度には工事に着手し、平成十七年度完成目途に整備を進めることといたしてございます。 ◯嶋田委員 しかし、広域幹線道路や今おっしゃった防潮護岸のスケジュールをきちんと進めていくには、ふ頭利用者の移転を円滑に進めていかなければならないと思いますし、そこが重要なポイントというふうに私も考えます。そこで、ふ頭利用者との調整は現在どのようになっているのか、説明いただきたいと思います。 ◯永井港営部長 豊洲・晴海地区の港湾関連事業者は、長年にわたりまして同地域を営業拠点として東京の都市活動を支えてきたものでありまして、今後とも東京港におきまして活動していただくことが大切と考えております。したがいまして、ふ頭機能の移転に当たりましては、区画整理事業の進捗状況に並行して港湾物流機能を損なうことなく円滑に移転できるよう、利用店社と十分協議し、計画的に進めてまいります。なお、東京鉄鋼埠頭株式会社、東洋埠頭株式会社など、利用店社の移転先の整備も既に進められておりまして、営業活動に支障がないよう対処してまいります。 ◯嶋田委員 地権者との協議と並行して、ふ頭利用者との間でも協議が今後着実に進められていくということだと思いますけれども、私の認識では、中央防波堤のところに行くわけですよね。あそこでしょう。今いろいろバースを整備したところへ行くわけだと思うんですけれども、今後ともスケジュールどおりに開発が進むように努力をしていただきたいというふうに一つは考えます。  ところで、広域幹線道路等の整備を進めていくには、隣接する有明北、晴海地区の開発も着実に同時にやっていかなければならないと考えるわけであります。そのことも非常に重要なことだと思います。豊洲地区の事業の進捗は、隣接する有明北とか、あるいは晴海地区の地権者との開発に向けた協議を進めていく上で、ある意味ではやりやすいところだと思ったんですけれども、他の島に影響を及ぼすという意味では、大変いい結果をもたらしたのではないかというふうに考えるわけであります。そこで、有明北、晴海地区の地権者との現在の協議状況と事業着手の見通しについて、現在わかることがあったら教えてほしいと思います。 ◯塩野臨海部開発調整担当部長 まず、有明北地区におきましては、昨年の二月に開発者負担についての基本的な了解を得た後、地区内の都市基盤施設の整備水準、さらには、その内容などを中心にいたしまして地元地権者の皆様方と協議を行ってきておりますが、平成十年度中には基本的な事項につきまして合意をいたしまして、平成十一年度には大街区方式の土地区画整理事業に着手したい、このように考えているところでございます。また、晴海地区でございますが、昨年の六月に開発者負担についての基本了解を得た後、これは丁目ごとに地区内の都市基盤施設の整備手法、あるいは内容などにつきまして協議を行ってございますが、平成十二年度までには基本的事項について合意をし、平成十三年度には大街区方式の土地区画整理事業に着手したい、このように考えているところでございます。 ◯嶋田委員 次に、海上公園について数点伺っておきたいと思います。  海上公園は、東京港という海の景観を生かした公園であることはご承知のとおりであります。既存の地域内にある、都心とか丘陵地にある公園とは異なった、海辺で憩って安らぎを受けながら、お台場公園のように、にぎわいのある貴重な空間を都民に提供している公園だというふうに私は認識しているわけであります。今回の定例会の中で、この海上公園の運営について、若洲海浜公園管理財団と東京港埠頭公社の統合を初めとして、幾つか提案がなされているわけであります。その中の一つとして、若洲海浜公園の運営について、今回新たに利用料金制を導入するということであります。この利用料金制というものは、公の施設の運営手法としては新しい考え方ではないかというふうに考えます。そこで、質問をさせていただきますけれども、まず、利用料金制についてはどういうものなのか教えてほしいと思います。 ◯前川開発部長 利用料金制は平成三年の地方自治法の改正により導入された制度であり、公の施設の管理を委託するに当たり、当該施設の利用料金を管理受託者の収入とし、その収入をもって施設の管理運営経費を賄わせようとするものでございます。 ◯嶋田委員 平成三年に制度の改正があったということでありますけれども、その新しくできた利用料金制を導入して公の施設を運営している地方自治体は現在どの程度数があるのか。また、私たちの東京都内でその実績があれば、どのような施設に導入されているのか伺いたいと思います。 ◯前川開発部長 利用料金制を導入している事例でありますが、平成八年三月の自治省の調査によりますと、都道府県で二十三団体六十一施設、市町村で五百四十七団体、千七百九十六施設に導入されております。東京都におきましては、都営駐車場を東京都駐車場公社に管理委託するに当たりまして、この制度を導入しております。また、都内の自治体では、練馬区外二区と立川市外二市で駐車場の管理などに導入されております。 ◯嶋田委員 東京都内では、駐車場や駐輪場の管理に利用料金制を導入している例が多いようであるというふうに伺います。この若洲海浜公園で利用料金制の対象とする施設はどんな施設を考えているのか。また、その施設に導入することによる具体的なメリットはどんなものがあるのか、説明をしてほしいと思います。 ◯前川開発部長 今回の利用料金制の対象施設ですが、若洲海浜公園にはゴルフ場やキャンプ場、貸し自転車といった有料施設のほか、広場やサイクリング道路、防波堤を利用した釣り場など無料施設がありますが、今回はヨット訓練所を除くこうしたすべての施設を対象としております。  次に、利用料金制度を導入するメリットでございますが、三点ほどあるかと思いますが、一つは、管理受託者の経営上の自主性、自律性の確立及び経営責任の一層の明確化を図ることができ、営業努力の発揮、経費節減に向けたインセンティブが働くということ。それから、管理経費の使途別の配分を柔軟に行えるなど、機動的な経営が可能となること。さらにまた、利用者本位の経営に向けた意欲が働き、都民サービスの向上につながる、こういったことを挙げることができると思います。 ◯嶋田委員 利用料金制のメリットというのはいろいろあることがわかりました。具体的にこの四月から、都民に直接関係する部分でどのような部分に東京都がかかわるのか、考えていることがあったら伺いたいと思います。 ◯前川開発部長 この制度の導入によって効率的な経営あるいは利用者サービスの向上が期待できるわけですが、とりあえずこの四月からの具体的サービスの改善点としては二点を考えております。一つは、毎月第三火曜日を新たに利用可能とすること、これはこれまで休業日でしたが、これを新たに利用可能としていくということ。それから二つ目は、従来六月から八月に実施していた繰り上げスタートを十月まで期間延長することとし、都民利用の機会増大を図ることでございます。今後、さらにこの利用料金制の運営状況を見ながら、都民サービスの向上を図ってまいります。 ◯嶋田委員 料金収入をもって運営管理費を賄うということは、簡単にいえば独立採算制をとるということだと私は考えるわけであります。若洲海浜公園の運営を独立採算で維持するためには、安定した収入を確保することが必要だということも前提だと思うわけであります。弾力的な料金体系をとることができるということで、逆に、受託者が収入をふやすために、今いったゴルフ場とかキャンプ場の利用料金を安易に値上げしてしまうというような心配もあるわけでありますけれども、そんなことはないでしょうか、ありますか。 ◯前川開発部長 今回導入する利用料金制におきましては、条例で料金の上限を規定し、その範囲内で管理受託者が知事の承認を受けて具体的料金を設定できる、こういう制度となっております。したがって、管理受託者が条例で定める金額を超えて利用料金を決めることは、制度上、あり得ないわけでございます。 ◯嶋田委員 勝手に利用料金を上げることはない、自由に上げることはないということで安心したわけでありますけれども、若洲海浜公園は、ゴルフ場、そしてキャンプ場、サイクリング施設、さらには防波堤を利用した海釣り施設など、特色のある施設がまとまって配置された、めったにない、東京都でもユニークな公園であると私は思います。特に若洲ゴルフリンクスは東京都唯一の公営ゴルフ場でありますし、都民の人気もますます高くなっているということも事実であります。今回の利用料金制を導入することによって、利用機会が増大するなど、都民サービスが大いに向上するということは大変よいことだと私も思います。この若洲海浜公園管理財団と、それから東京港埠頭公社の統合、さらには利用料金制の新たな導入、こういうものは今後の東京都がかかわる海上公園の効率的運営に大きく貢献するのではないかというふうに考えるわけであります。  したがって、今後とも海上公園の整備を積極的に進めることはもちろんのこと、その全体の管理について、効率的な運営に当局は心がけていただいて、都民サービスの向上、さらによくなっていくように、ひとつ港湾局全体で努力をしていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。 ◯曽根委員 できるだけ協力したいと思っているんですが、どうしても四十分近くはかかるかもしれないので、よろしくお願いいたします。  最初に、去る一月二十日午後に起こりました、「ゆりかもめ」の職員の死亡事故について何点か、また、これに関連して何点かお聞きします。  接触事故で亡くなったのは、交通局から派遣された二十九歳の電気技術者の方で、都の職員であります。まだ前途ある都の職員ですから、本当に残念なことで、初めに、亡くなった職員のご冥福をお祈りしたいと思います。また、私はこの起きてはならない初めての「ゆりかもめ」の死亡事故を教訓として、二度とこうした悲劇を繰り返さないために最大限の手だてを打つことが必要だと思いますが、最初に、この基本的な認識についてお聞きしたいと思います。 ◯永井港営部長 今回の事故で若い職員のとうとい命が奪われたことは大変残念なことでありまして、このような事故は二度とあってはならないと思っております。また、利用者の皆様にはご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます。今回の事故を教訓として、一層の安全の確保に向けてまして、会社と協力して全力で取り組んでいく所存でございます。 ◯曽根委員 そこで、我々も事故の後、現場にも行きましたし、会社の方、管理者の方にも会って事故の状況を調べましたが、どうも今回の事故については不可解なことが多いんです。一つは、一月八日、十五日の二回にわたる大雪がありましたが、この事故はこの大雪から数日たった快晴の午後、日中に起きています。しかも五百メートル以上、この曲がりくねった「ゆりかもめ」の中で唯一直線コースの部分で、なぜ列車の接近に気がつかなかったのか。それから、四人で定期点検中だったということですが、なぜ電車に背を向けた方向で点検を行っていたのか。また、四人ともなぜ軌道内に入ってしまい、またすぐ点検路に上らずにしばらく軌道内にとどまっていたのか。しかも亡くなった電気主査の方は交通局の電気の専門家で、非常に技術レベルも高く、しかも堅実、慎重な性格で、ふだんは安全の上でいいかげんな仕事は絶対やらない人だったという定評のある方だそうです。そういう人がなぜ事故に遭ったのか。こういう事故の原因調査は大変難しいと思うんですけれども、こういう事故の中にこそ重大ないろんな問題が含まれていて、私は複合の原因があると思うんです。私なりに幾つかの視点から考えてみたい。  一つの背景として、八日と十五日の二週連続の大雪がありました。この二回の大雪の際、除雪などで「ゆりかもめ」をとめないために職員の方の大変な苦労があったと思うんですが、職員は延べ何人が動員され、延べ何時間ぐらいこの雪対策のために残業や超過勤務に当たったんでしょうか。 ◯永井港営部長 除雪作業のために残業した職員数と残業時間でございますが、一月八日から九日につきましては、職員数は九十三人、総残業時間は九百時間です。また、一月十五から十六日にかけましては、職員数は八十五人、総残業時間は九百六十六時間です。合計しますと、延べ職員数は百七十八人、延べ残業時間は千八百六十六時間となります。 ◯曽根委員 延べ職員数百七十八名が動員され、一人平均にしても十一時間ぐらい残業をしているわけです。もちろん休日出勤で出てきた方、夜勤明けの方がそのまま仕事に入った方もいると思うんです。しかも二週連続木曜日の大雪。これで、ニュースで一回目に、とまったじゃないかとたたかれまして、二回目は何としてもとめるなというので必死になって作業をした。そのご苦労は本当に大変だったと思いますが、はっきりいって、へとへとだったんじゃないか。その後始末がようやく済んだ二十日の快晴のもとでの点検作業。私、人間ですから、ほっと一息という雰囲気が職場にあったとしても不思議じゃないと思います。  それからもう一つの背景として、軌道点検のマニュアルが厳格に設定されていなかったのではないかという疑問があります。電気点検は通常、点検路から目視で行い、軌道内には原則として入らないことになっているそうです。また、列車に背を向けず、列車に向かって点検を進めるという原則もあるそうです。しかし、実際は軌道内に空き缶などが風で飛んで入っていれば、人手も少ないので、おりて拾うことも日常化していた。また、四人一組で上り、下りを点検するとすれば、四人一緒に進めば、必ずどちらかが電車に背を向ける格好になる。この事故の場合には、下り方向を担当していた二人の職員のうちお一人が、電車に背を向けて点検を進めていたことが原因だったのかもしれませんが、亡くなっているわけです。こういう四人一組の点検のやり方、マニュアルが厳格に設定されておらず、実際には現場任せになっていた。原則として入っていけない軌道にも、要するにだれかが物を拾わなければならないんだということで入っていったという問題があったようです。こうした一つ一つの問題点を明らかにして、私は、解決のために必要な費用も手間もかけるべきだと。何しろ安全輸送、人命優先が第一だというふうに考えるわけです。  その上で参考にすべきと思うのは、この事故を目撃した台場のフロンティアビルに入居しておりますシェル石油の従業員、この労働組合から「ゆりかもめ」の会社に対して質問書が出ていると思うんですが、この内容と、それから、それに対する「ゆりかもめ」側からの回答の内容について、簡潔にお願いします。 ◯永井港営部長 お尋ねのシェル石油からの「ゆりかもめ」の安全性についての質問が東京臨海新交通株式会社に出ております。そして、その会社側の回答の内容につきましては次のとおりでございます。  まず一点目は、前方の障害物を感知するセンサーの有無についての質問でありますが、その回答といたしましては、そのようなセンサーはありませんが、異物に接触した際には非常停止する接触探知機は装備しているというふうに答えております。  また、二点目につきましては、障害物が軌道にあった場合の安全対策についての質問でありまして、これに対して、新交通システムは専用高架軌道を走るため、鉄道線路や道路と比べまして衝突事故や障害物が軌道に生ずる可能性は非常に少ないというふうに答えております。  また、三点目につきましては、事故の再発防止策につきまして有人運転の検討をしているかというような質問に対しましては、今回の事故は自動無人運転システムに原因があったというふうには考えておらず、むしろ点検作業の安全性をより高める方向の検討を行っているというふうに答えております。 ◯曽根委員 無人運転、自動運転でありながら、第一衝撃、つまり、物にぶつからないと非常停止しない。手前で感知するセンサーはついていないということについて、非常に驚いてこの質問書を出されたというふうに労働組合の役員の方はいっていました。その日、三時ごろにそのビルから見えた、人が集まっていて、担架が出てきた、どうやら事故があったらしいと。家に帰って、夜テレビのニュースを見たら、ぶつからなければとまらない仕組みだったというのを知ったと。それで、驚いて質問書が出たわけです。ですから、新聞の記事でも、無人運転をやめてくれと。私はこれは根拠があると思うんです。乗客の側からの強い要望の一つとして受けとめるべきだと思うんです。亡くなった職員も、この衝撃検知装置にぶつかったから非常停止がかかったんですが、それでも、とまるまでに九十メートルかかっているわけですね。九十メートル引きずられているわけです。そういう点で、やはり無人運転、これが原因ではないというふうにいい切ってはならない問題ではないかということを申し上げておきたい。  それからもう一つ、安全の問題で重大な欠陥があると思います。「ゆりかもめ」の人身事故は今回が初めてではないと思いますが、以前起きた大きな事故について、経過とその後の対策についてお伺いします。 ◯永井港営部長 お尋ねの内容でございますけれども、この事故は、平成九年四月二日午前十一時二十分ごろ、新橋駅ホームで乗客が落とした切符をとろうといたしまして、ホームと車両とのすき間に手を入れたところ、右手の指先がパンタグラフに接触、感電し、手などに電撃傷を負ったものであります。  その後の対策といたしましては、ホームドア位置のホーム先端及びホームスクリーンに注意の表示をするとともに、パンタグラフ及びホーム下の電車線の上面に絶縁塗料を塗って対応いたしてございます。 ◯曽根委員 私もこれを知って、今度の事故の調査に行ってわかったんですけれども、全く新聞にも出なかったし、ご本人とは示談で話が解決したというふうなことだったんですが、びっくりしました。とにかく始発駅、終着駅の新橋、有明、この駅だけ、ふだんはホームと反対側、向こう側についている架線がホームの下に入っている。これは構造上の必要があってそうなったというふうになるんでしょうけれども、しかも始発駅と終着駅というのは電車がとまっている時間があるわけですね。その間、数分間、ホームドアも電車のドアもあいている。ほかの通過駅ではそういうことはないです。乗客が乗りおりする時間だけあけ閉めして、その間に時間はないわけですが、始発駅と終着駅だけホームのあいている時間があって、しかも電車とホームのすき間、その下には、六百ボルトですけれども、架線がある。しかも運の悪いことに、その方は、切符を落とされたら、そのすき間におっこって、パンタグラフの上に切符が乗っちゃった。拾おうとしたら、そのときはむき出しのパンタグラフだったので、それで感電したということですね、指先に穴があいたといっていましたけれども。普通の人は、パンタグラフ、架線というものは、上にあるか、地下鉄でいえば向こう側にあるものだと。それが自分の足元にあって、手の届くところにあるなんてだれも考えていません。こういう点は私は構造欠陥だなというふうに思ったわけなんです。  今後も、想定していなかったような事故が起きないという保証は私はないと思うんですね。機械というものは必ずそういうふうに当初気がつかなかった問題を含んでいます。最大の防止の方法は、やっぱり人の目だと思うんですね。今のところ、こうした交通機関において、人の目による監視、目視以上に安全対策としてすぐれた方法は私はないと思うんです。そういう点で、特に混雑時、ホーム要員もやっぱり必要じゃないかという点も指摘しなければなりません。  その上、乗客数が多くなったということで、間もなく「ゆりかもめ」は四分間隔になるそうですが、当初設定されたのは六分の間隔で、これを四分まで詰めるわけですね。実際上、このシステム上、四分よりもさらにもっと短くできるのか、これがぎりぎりなのか、その点はいかがでしょうか。 ◯永井港営部長 四分がぎりぎりかというようなご質問でございますが、現在の線路の構造上、新橋駅付近でカーブしたところがございまして、その関係上、現在のところがぎりぎりだと考えております。 ◯曽根委員 ぎりぎりまでダイヤを詰めないと、お客さんを運び切れないという状況が現実ですから、やむを得ない措置かもしれません。聞いたところでは、とにかくこれ以上ダイヤを詰めると、新橋駅の──今仮設駅ですね──そばにあるポイントの切りかえができなくなって、例えば三分なんかに詰めればポイント事故にもつながりかねないということもあり得るそうで、したがって、これ以上は時間は詰められないと。ぎりぎりのところまで今度持ってくるわけですね。三月二十日からこのダイヤ改正があるわけですが、私は本当に率直にいって心配なんです。自動運転、ホームに人はいない、大丈夫かいなと。  職員の方にお聞きしますと、普通の軌道は自動運転ですが、車両基地については操作は有人運転でやっていると。その場合、ダイヤ改正で車両がふえて、車両の間を職員が走り回らなければならない事態も起きるのではないかということで、そこでの事故も心配されているそうです。私は率直にいって、こういう点の見直しは一つ一つ必要ではないかと思います。特に先ほどのシェル石油の職員の方からの訴えにあるように、今でも点検のために一定時間、有人運転で運転している車両もあるように聞いていますので、特にラッシュ時、ダイヤ改正の直後は特に必要な有人運転も取り入れて、全部とはいいませんけれども、やっぱり安全に万全を期すという点での検討をやってもいいのではないかというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。 ◯永井港営部長 もともとこの新交通システムにつきましては無人運転を前提にしておりますので、これを前提としまして、安全対策に一層の力を入れてまいりたいというふうに思っております。 ◯曽根委員 本当はここでもう二、三回やりたいところなんですけれども、本当に残念だな。とにかく先日、二月四日の行財政改革の特別委員会のときにも、私、総務局が第三セクターは経営の効率性が悪いという指摘をしたので、経営効率だけで、こうした安全輸送が一番大切な交通機関を見ちゃいかぬということをいったんですけれども、やっぱり経費節減とか経営効率とかいうことを名目にした、いわばもうけ第一主義というのは、こういう交通機関には似合わないんだというふうに思うんです。  ところで、現在はもう車両を買い足さなければならない事態になっているわけですが、私の記憶するところでは、三年前に世界都市博覧会を中止したときには、博覧会の乗客数を見込んで購入した電車が過剰投資になったということで、たしか東京都から「ゆりかもめ」の会社に対して営業補償的なものがあったと思うんですが、それは幾らですか。 ◯永井港営部長 都市博中止によって新交通株式会社が補償を受けたかというようなご質問ですが、会社は車両編成分の過剰投資に対しまして、その減価償却費、固定資産税等相当分といたしまして、約三億円の補償を受けております。 ◯曽根委員 見込み違いがあったんだということで三億円の補償を受けたんですけれども、その見込み違いがまた見込み違いで、乗客がわっとふえて、現在では車両がまた足りなくなったと。その問題については後でやりますけれども、しかし、この三億円は東京都の都民の税金の方から出されているお金ですから、私はこれは今となっては返還するのが筋合いじゃないかなというふうに思うんですが、ご見解はいかがでしょうか。 ◯永井港営部長 新交通株式会社は、世界都市博覧会開催時における五分間運転に備え、通常の六分間運転に必要な車両より三編成過剰に配備した次第でございます。そのため、都市博終了後までの期間に限りまして、減価償却費、固定資産税等の相当分が補償されているところでございます。 ◯曽根委員 固定資産税とか減価償却費といっても、そのすぐ後にはもう五分間隔になっているわけなので、私は、これは「ゆりかもめ」の会社自身の経営の問題でありますけれども、金が入ればそれでよいということでは済まないだろうと。その陰では死亡事故も起きているし、現場の職員は大雪の中で、例えばもう電気が通っていて電車が走っている、とにかくとめるなということで走らせながら、軌道やその近くで、感電の危険にさらされながら大雪の除雪に当たらなければならなかったという状況になっているわけで、こういう現場の職員の犠牲の上に、とにかくもうかっていればいいというものではないということを申し上げておきたいと思うんです。  それで、最近、この臨海新交通の会社が間もなく十周年を迎えるということで、記念のパーティーを予定しているという話ですが、これは、いつ、どういう形でやるんでしょうか。 ◯永井港営部長 その点につきましては、まだ私ども、詳細に伺っておりません。 ◯曽根委員 臨海新交通の会社は昭和六十三年四月に設立されておりまして、ことしの四月で満十周年になるんだそうです。私たちは開業したときが始まりだと思っていますけれども、実際はそうなんだそうで、十周年の四月二十七日にホテル日航東京ですか、三百人ぐらい集めてパーティーをやる。しかし、死亡事故からまだ二カ月たっていないんですから、浮かれている場合かというのが、これは私がいっているんじゃなくて、(「だれがいっているんだ」と呼ぶ者あり)現場の職員の方々がやっぱりそういう声を出している。(「組合員がいっているのか」と呼ぶ者あり)幹部の方でも、率直にいって、こんなことをやっている状態かという意見も出されているというふうに聞いていますので、私は、はっきりいって、こんなものは考え直すべきだということを申し上げておきたいと思います。  さて、先ほど「ゆりかもめ」が大混雑という話をいたしましたが、「ゆりかもめ」が大混雑をしても、破綻状況に解決の道が見えてこないというのが臨海副都心開発、なかんずく第三セクターのビル経営の問題であります。今回、開発全体でも、二次公募の問題とか、まちづくりガイドラインなどがいろいろ出されておりまして、質疑をしたいところですが、後日に譲りまして、今回は第三セクターのビルの経営の問題に絞って何点か質問をしたいと思います。  この三セクビルの経営問題では、昨年十二月の末に都の支援策が発表されまして、今回の予特の資料の中で金融機関の財政支援策というのが出されました。私は率直にいって、先ほどもちょっと意見がありましたけれども、検討の素材が余りにも足りなさ過ぎるということで、決算書の本書とか議事録、取締役会の議事録とか、金融機関の預金残高、金利、あと年商などについて資料要求したんですが、先日、我が党の西田議員が質問したところ、港湾局長は、このうち、議事録については法律上許されないとか、金融機関の金利については守秘義務があるとかいうふうにおっしゃって、これは私たちは大変不満です。裁判所の判断があれば出せるじゃないかというふうに申し上げました。しかし、残りの問題については検討をしたいというお答えでした。検討された結果はどうなったでしょうか。 ◯今沢港湾局長 議会中でございますので、まだまだこれから、少し時間をかけて検討いたします。 ◯曽根委員 検討していて、議会が終わりました、予算が通過しましたでは、これは事実上、最初から拒否しているのと同じで、拒否しているよりもなお悪質ですよ、我々は待っているんだから。ですから、きょうは間に合わないとしても、少なくとも二十四日の締めくくりの総括質疑、予算特別委員会で要求したんですから、締めくくり総括質疑までに出すべきじゃないですか、いかがですか。 ◯今沢港湾局長 二十四日といいますと、一週間もないわけでございますので、とてもそれまでには結論は出ないと思っております。 ◯曽根委員 何でそれまでに間に合わないんですか。皆さんがお持ちの資料を出してくれといっているだけなんですよ。一つは金融機関の、金利はだめだというんだったら、預金残高のリスト。だって、これはなければ、そんなのスキームをつくれないんですから。
     それからもう一つは、これまでにあなた方が協力依頼書といっている、我々は念書じゃないかといっている中身を正確に出せと。出せば、念書か単なる協力依頼書かわかるわけですから、それぐらいのものを出さないと……。これは大阪で出ているということは、この間、西田議員もいいました。大阪の泉佐野コスモポリスについて、大阪府が出せるのに、何で東京都が検討して、しかも間に合わないぐらいの日にちがかかるんですか。どうしてなんですか。答えてください。 ◯関谷参事 会社の財務内容につきましては、これまでも経営状況等説明等におきまして、情報公開可能なものについてはやってまいったわけでございますので、今回新たに検討せよということで求められて、現在、これから検討をしてまいるわけですが、今後どこまで公開が可能かについては、やはり慎重に検討する必要がございますので、(笑声)その点、よろしくお願いいたします。 ◯曽根委員 私、漫才をやっているんじゃないんですよ。だって、今回新たにじゃないですよ。予特の資料として前にもう要求しているんですよ。予特の資料というのは最優先でつくるわけでしょう。しかも、これはあなた方が持っている資料なんですよ。金利がだめだというのなら、せめて、まずは金利のところだけホワイトで消して出せばいいじゃないですか。これでは相手もわからないですよ。金融機関の支援というのは、一体どの銀行が支援するのかもわからない。もちろん金利もわからない。これでは何の確かめようもないですよ。これでどうやって検討できるんですか。これで、議会で、予算ですから、予算に含まれているものですから、我々は検討しなければならないんです、審議するんですから。では、どうやって今の材料で金融機関の金利、支援、財政支援というものを我々が吟味することができるんですか。ちょっと方法を教えてください。 ◯関谷参事 ただいま予算特別委員会の資料ということでお尋ねでございますけれども、今回のご要求いただいた資料の中でも、業態別の借入金の残高については資料として提出させていただいてございます。 ◯曽根委員 業態別じゃね。個別の銀行の名前が出てこなければやっぱりわからないんですよ。皆さんの数字は〇・七五%相当だといったって、全部丸められちゃっているんだから。これじゃ、我々は本当にその銀行に行って、本当に支援するつもりがあるんですかと聞きたいですよ。名前がわからない──(「聞いてくればいいんだよ」「富士銀行へ行ってみな」と呼ぶ者あり)富士銀行は間違いなく入っているだろうけれども。全体としてどれだけ、本当に二百七十億円、東京都と同額相当なんだという中身をどうやってつかめるのか。例えば、これがもし予算が通過して、実施されていったとしますね、実施されて、東京都の方の出すお金は明確に予算から落ちるんだから、だれが見たってわかるわけですよ、お金が行っているなと。  それでは、逆にこれが実施されて何年かたっていって、銀行側の支援が東京都と同額やられているなということを、今皆さんが出されている経営報告書とか、議会に出されている資料の範囲の中で我々はどうやってつかむことができますか。銀行側、金融機関側の支援が二百七十億円相当だということが、実際にいろんな援助が出てきているなというのをどこで確認できますか。 ◯今沢港湾局長 大体都と同額の支援の根拠といたしましては、三千六百億円に上る借り入れにつきまして、十年間平均して〇・七五%ということは、これはご説明をしてございます。それからあと、支援の方法といたしましては、先ほどのご質問にもお答え申し上げましたけれども、いろんなものを組み合わせながら支援をするわけでございます。  お尋ねの中身は、多分それぞれの業態、あるいは金融機関別に何%ぐらい支援するのかという、金利の面ですけれども、それも含まれていると思いますけれども、これにつきましては、平均では申し上げられますけれども、それぞれの借りた時期によっても金利は違います。固定か変動かによっても違います。これを小まめにいうということは、私どもといたしましては、これはなかなかつかみ切れないとともに、金利そのものは、金融機関側にとりましても、先ほどもお話しいたしましたけれども、守秘義務が課されているわけでございます。その守秘義務が課されたものを、我々、借りている側が──これは会社でございます。借りている側がその額を、金利をいうということは、今後の円滑な融資を受ける上につきまして最大の障害になるということから、先ほどの質問にもお答えいたしましたとおり、具体的な内容は申し上げられないという説明をしたわけでございます。 ◯曽根委員 それは結局は銀行側の都合に立っているんですよ。私たちは二百七十億円相当の銀行側の支援という額についてももちろん納得していませんよ。こんなものじゃ足りないと。東京都は前からもうお金をいろいろ出しているんですから、それは前にも述べてきたので省略しますよ。しかし、二百七十億円銀行側が出すと。それ相当の支援をするんだということが我々にわかるようにする方法は幾らでもあるんですよ。例えば単純に金利を下げればいいんですよ。金利を下げれば、利払いの返済額がその分落ちるんですから。単純にいえば、十年間で二百七十億円下げるのだったら、一年間に二十七億円利払い分が下がるんですから、利払いが二十七億円下がれば、それは経営報告書に出ますよ。それで、ああ、銀行側は利息を下げて、二十七億円分下げたんだなと、そこへはっきりあらわれるわけですよ。  ところが、利息を下げるのは一部であって、何か大部分は、これから上がるはずの利息を上げないで固定する、こういうわけのわからない──専門家にはわけがわかるんでしょうけれども、我々から見れば先のことはわからないわけですから、そういうものが金利の支援としてどこにあらわれるのか。あらわれないですよ。はっきりわかりやすい方法をとったらいいじゃないですか。そうしたら、経営報告書に銀行名は出なくても、金利がこれだけ下がって、それでその分の利払いが減ったと。一年間に二十七億、十年間で二百七十億、こんなわかりやすい話はない。こういう方法をどうしてとらないんですか。 ◯関谷参事 今回、金融機関から協力を取りつけるに当たりまして、直接金利を引き下げる以外に、いわば変動金利から固定金利への変更ですとか、長期金利に適用される金利を短期金利に適用される金利に変更する等、幾つかの手法を組み合わせておりますのは、やはり金融機関にはさまざまの業態がございますので、そのさまざまな業態の特性等、また金融機関も資金を調達しているわけでございますので、その辺の調達構造等も含めて、より協力の取りつけやすい手法を組み合わせていったという側面がございます。  また、今お尋ねの、金利を直接下げればわかるじゃないかというご質問なんですが、現実には金利というのは固定金利の場合と変動金利がございますので、変動金利の中で金利自体が動いている中では、例えば何%下げたということであっても、金利そのものを申し上げない限りは、その辺は、財務諸表の利払いの額が云々だけでは的確に表現できない。結局、お求めの内容を明らかにしていこうとすると、どうしても金利そのものを明らかにしないと、その辺はなかなかご納得いただけない。そういう側面がございますので、こういう答弁になっているわけでございます。 ◯曽根委員 そういうんだったら、金利を全部明らかにするしかないですよ。我々はそこしか見えないんだから。私は百歩譲って、こんな方法を出すのも問題なんだろうけれども、我々にわかる方法は、金利を幾ら、どういうふうに、変動金利だろうが固定金利だろうが下げたのは、結果として利払い額にあらわれるんだから、経営状況報告書に利払い額として二十七億円下がれば見えるじゃないか、単純に来年、再来年とそれが下がっていけば、ああ、支援があったんだなというのがわかるじゃないかと。この方法ぐらいとれなくて、それで、今、協力してもらいやすい方法を選んだと。結局は銀行側の都合でいろいろと皆さんが配慮して回っているんじゃないですか。こういうやり方だと、結局は足元を見られる。繰り返しになりますからやめますけれども、結局、やみの中に東京都だけが明らかな金額を明確に投げ込む、あとはどうなるかわからない、こういうことだと思うんですね。  これは、我々はビル経営を立て直そうという立場ではありませんけれども、ビル経営を立て直そうという立場にいる人だって、こんなことで大丈夫かという不安は先ほど出たとおりだと思うんですよ。我々とは立場を異にするけれどもね。銀行側がまじめに支援をしなければならなくなるところにどうやって追い詰めるのか、ここをもっと真剣に考えなければだめですよ。  結局、本体のビル経営が、もし銀行の支援があったとしても、ビル経営が見通しが立たなければ、これも全部パアになるわけです。これだけは、東京都がどんなに支援をしようと思っても、ビル経営は民間企業でやっているビル経営ですから、都心のテナントビルなんかと競争しなければなりません。したがって、テナント料とか管理サービスの水準で、どうやってテナントをお互いに獲得するかという競争なんですから、これは我々、東京都としても助けようがないわけですね。その分野で本当に立ち行くのかということについて、特に台場のフロンティアビルについて、時間もありませんから絞ってお聞きしたいと思います。  台場のフロンティアビル、これは三社の五つのビル平均で、六年間でテナント料を、収入を一・五倍に上げるというふうにしているわけですね。そうすると、だれが考えても、台場のフロンティアビルは一番場所がいいところにありますし、大崎に地下鉄が延伸するメリットを一番受ける場所ですから、テナント料を二倍ぐらい上げなければならないということになりますから、六年間で二倍程度に上げる見通しだということでいいんですか。 ◯関谷参事 三社の合計で、賃料収入は大体五〇%増を十六年度までに見込んでおりますけれども、賃料自体の見込みといたしましては、フロンティアビルにつきましては、おおむね賃料として五〇%程度の上昇を見込んでおります。 ◯曽根委員 今フロンティアビルとおっしゃったので、有明、台場、青海と三棟あるわけですね。台場について個別にテナント料を増収どれぐらいという見込みはいえないんですか。 ◯関谷参事 フロンティアビルの関係につきましては、三棟全体で推計をしてございます関係から、個々のビルごとには算出をいたしておりません。 ◯曽根委員 なぜいえないのかと聞きたいところなんだけれども、だれが考えたって、一・五倍平均ですから、台場は一番高いですよね。一・五倍から二倍の間でしょう。それを六年間に上げるということが、これはもう少し細かい数字を恐らくお持ちだと思うんだけれども、それが表に出ると、台場ビルというのは入居企業が少ないですから、もろに、あっ、うちに来るなとわかるわけですよね。それが入居している企業にとって、私はお話にならない金額になるだろうと、とても応じられるものじゃないというふうな状況だろうというふうに思うんです。  なぜかを申し上げます。シェル石油が、さっきは労働組合の話をしましたけれども、シェル石油が台場ビルに入居するときに記者会見をしまして、三つのメリットがあるんだと。だから、都心の霞が関ビルからわざわざ臨海部の台場ビルを選んだと三つの理由を挙げたんですが、三つの理由をご存じですか。    〔「曽根さんがいってやった方がいいよ」と呼ぶ者あり〕 ◯関谷参事 聞いてございません。 ◯曽根委員 だんだんせかせかしてきましたが……。一つは、災害に強い、特に震災対策、液状化対策がしっかりしている、そういうビルである。それからもう一つは、ロケーションのよさだと。海辺の緑の多い環境、こういうのを評価した。三つ目は、テナント料が都心よりも四割安い。これは新聞記事にも当時紹介されまして、私も読んだんですけれども、この三つのメリットをいわば堂々と明らかにして霞が関から移ってきた。その三つのメリットがどうなったかということなんですね。台場フロンティアビルだけ、どういうわけかビルがオープンしてから今日まで一回も防災訓練をやっていないというふうに聞いているんです。それで、シェル石油からは、早く防災訓練をやってくれということで異例の督促があったというふうにも聞いているんですが、それについてお聞きになっていますか。 ◯前川開発部長 防災訓練につきましては、これは消防計画に基づいて実施するわけでありますが、お尋ねのビルにつきましては、現在入居しているテナントの一部が消防計画を作成中である。このために、ビル全体としての防災訓練については、所轄消防署の承認を経た上で順延したわけですけれども、この秋には実施をする予定にいたしております。 ◯曽根委員 シェル石油の方の話では、とにかく一緒に入っている企業との折り合いがつかないから待ってくれ、待ってくれという話で、もう業を煮やして自主的にやりますということにしたというような話も聞いています。  防災はもちろんですけれども、ビル管理というのは、一つはセキュリティー、警備、防災、それから設備ですね。空調関係の機械がちゃんと動くか、それからエレベーター、そういったサービスがきちんとできないとだめなんですね。そのサービスのレベルでテナント料というのは決まるんですよ。あとは場所の問題もありますけれども。そういう点で、新しいということもあるんでしょうけれども、ここのビル管理は率直にいってだめだという評価が、どういうわけか、前にいた霞が関ビルを管理していた三井不動産──三井不動産はまたこの臨海進出の問題で今は微妙な立場にありますけれども、三井不動産の方にも聞こえている、何とかしてくれと。三井不動産の方は、我々は逃げられた立場だから、我々にいわれても困るのでというふうにおっしゃっていましたけれども、それぐらい評判なんです。  ですから、この台場ビルが本当にテナント料を六年間で二倍近くまで上げられるのか。三井不動産の、いわば長いことビル管理のプロとしてやってきた人の話では、向こうは相当年期がありますから、三井不動産が自信を持って管理しているビルでさえ、ここ数年は、とにかくビル入居の企業の経営者がテナント料増額に応じられない、決断できないというんですよ、先が見えないから。それでも頑張って三%とか五%程度、二年に一遍の更新で上げてもらっていますと。二年に一遍の更新でも、三井でも三から五%ですよ。ところが、六年で二倍近くに上げるとなれば、二回か三回しか更新がないわけですから、一回に一〇%以上上げていかなければならない。これは、私ははっきりいって不可能だと思うんです。(「三井不動産だとかシェル石油だとか、共産党も随分大手の味方をするんだね」と呼ぶ者あり)そう、もういろいろと私もこの点は調べたんです。皆さん、率直に話してくれました。その上、今回、内部努力ということで、合併して四割職員を減らすそうですね。これで私は管理水準がまた下がるんじゃないかと思うんですが、これでもテナント料の二倍近い引き上げは六年間にできるという見通しを持っていらっしゃるんでしょうか。 ◯今沢港湾局長 何か誤解をされているようですので、ちょっと申し上げますけれども、今回、ビルは三つの会社のビルを全部集約して賃料収入を五〇%上げようということでございます。それで、その中身としては、テナント料のアップそのものが三割、それから、まだまだ全面入居されておりませんから、入居率のアップを二〇%、含めまして五〇%上げようということになっております。だから、さっきから二倍、二倍といっていますけれども、それは何かの勘違いじゃないんでしょうか。 ◯曽根委員 いや、よくいってくださいました。勘違いだというのなら数字を出してくださいよ。台場のフロンティアビルは一体何倍に上げるんですか。私は勘違いだといわれるのは心外だから、じゃ、数字を正確にいってくださいよ。持っているんでしょう。 ◯関谷参事 先ほど申し上げましたように、フロンティアビルについては三棟全体で推計をいたしておりますけれども、基本的にはこのフロンティアビルにつきましては、先ほど二倍とおっしゃられたのは、全体の賃料収入としては二倍程度を見込んでございます。ただ、その内訳を申し上げますと、賃料水準自体が上がる部分と、入居率の上昇によって収入が上がる部分がございまして、賃料水準自体は、先ほどご答弁申し上げたとおり、十六年度までに五〇%程度の増を見込んでいるということでございます。 ◯曽根委員 もう細かい問題はやりませんけれども、三棟で平均で賃料を五〇%上げるんだということは間違いないんですから、台場ビルの位置からして、一・五倍以上であることは間違いない。あと、二倍までどこまでなんだか、あとはいわないんだから私らはわからないですよ。それで勘違いなんていわれたら心外ですよ。  それで、上がるという根拠を──相手は、シェル石油というのは外資企業です。メリットがなければ出ていきますよ。三つのメリットを私はさっきいいましたが、全部だめで、賃料が都心から四割安いというのが最後に残ったメリットなんです。これがなくなるわけです。出ていく先があるのかといわれれば、あるんです。二〇〇一年には丸の内と汐留、同時にビル開発が完成するわけですよ。バブルの当時は、臨海地域とか、大崎とか、品川とか、天王洲とか、超一等地ではない、ちょっと外れたところが開発されたわけですよ。しかし、今度は都心ですよ。超一等地、丸の内ですよ。そこに森ビルが開発するわけですね。ここのテナント料が二〇〇一年の段階で幾らに設定されるか。これによって臨海の三セクビルは、もしこれが安目に設定されたら、全部持っていかれますよ、本当に。どうなるかわからない。今はもう全く先が見えないですから。高くなるかもしれないけれども、低くなるかもわからない。いずれにしても、ビル需要というのはダブついているんですから、要するに買い手市場になっているという点で、私は臨海の第三セクターは、六年間の先のことを見越して今助ければ何とかなるという状況ではないだろうというふうに申し上げておきたいと思います。  こういう状況だからこそ、本体であるビル経営ではもうだめだというか、間に合わないと見たのか、今、第三セクターを統合したところにいろいろと仕事をやらせようということで動きがあるという問題、ちょっと時間が延びましたけれども、二問か三問ぐらいだけやらせてもらいたい。  一つは、マリーナ条例が廃止されます。今回出ています。このマリーナは、東京テレポートセンターに経営を無償貸付で移すわけですね。いろいろ聞きたいことがあったんですが、一点だけ、このマリーナは、毎年の収入と支出の関係で見ると、要するに、施設を維持していく経費及び運営経費に対して収入の方がはるかに多いんじゃないですか。毎年三億か四億のいわばお金が残っているというふうに聞いていますが、いかがですか。 ◯永井港営部長 現在の都立夢の島マリーナの平成七年、八年二カ年の決算の平均を見てみますと、使用料収入が約六億四千万、管理経費が約二億八千万、改修経費が約三億五千万円となっております。 ◯曽根委員 最後におっしゃった改修経費というのは、大規模改修でふ頭をつくったりグレードアップする部分ですから、維持経費としては二億数千万。間をとりますと四億ぐらいの事実上の収益がある。これが今度、公共の施設から完全に民間の経営するものになるわけです。  実はけさ、私のところに利用者から電話がかかってきたんですよ。経済・港湾委員会だからということだと思うんですが、とにかくかんかんなんですよ。きのうかおととい、きっと説明会があったんですね。それで、とにかく今度経営を移譲するというので、規則はもう大幅に変わって厳しくなる。料金も基本料金は上げないといっているんだけれども、駐車場料金とか、それから修理を頼んだときの施設の中に出入りする料金とか、いろいろ取られる。こんなのはやめさせてくれというふうに、私、電話で陳情を受けちゃったんですね。  私は、利用者に納得を得られないままで強行する、しかもこれでお金は──結局は東京テレポートセンターの事実上の救済じゃないかと。ほかにも海上公園の管理委託で、臨海内の海上公園は全部もう東京テレポートセンターにやらせようと。それで委託経費を都費でつぎ込む。とにかくいろんな形で東京都のお金を次から次と第三セクターにつぎ込んでいく。本体のビル経営が危なければこっちの方でという、そういうところは、私は本当に都民に対して無責任だと思うし、都民の財政をむだ遣いしている最たるものだということを申し上げておきたい。したがって、マリーナ条例は──私は絶対反対なんです。  それから、海上公園その他も、今度公共料金の値上げが出ていますけれども、このことについても反対だと。  もういろいろいう時間がないので、終わりにします。 ◯大木田委員 大分時間が経過しましたので、簡潔に質問をしたいと思いますけれども、最近、新聞報道等で、臨海開発春近くというような報道もされておりますけれども、いずれにしましても、臨海開発の問題については、昭和六十年のテレポート構想以来、この十三年、本当にさまざまな節目節目ということを通ってきました。二十一世紀を目前にしながら、今、大きくターニングポイントの節目に立って、これから臨海開発を、本当に魅力あるまちということで徐々に膨らみが募ってきておりますので、暫定利用の内容等のソフトバンク、あるいはトヨタの車の構想等も、これからは若者のメッカとしてさらに臨海が進んでいくのではないかというようなことで、この魅力ある臨海のまちづくりの膨らみとともに考えられる要素は、一つは交通の問題があると思うんです。臨海高速鉄道については、平成十二年、あれが開通をしませんと、ここはいろんなビルにもどんどん人が移ってきますし、そういう交通の問題、これについては平成十二年の見通しはどうですか。 ◯塩野臨海部開発調整担当部長 臨海高速鉄道につきましては、現在、大崎までの延伸区間の中で、駅舎の部分、あるいは一部路線の部分について既に着工をしております。ことしの四月以降につきましては、全線にわたって全面的に着工をするというふうに聞いてございまして、平成十二年の開業を目指して精力的に努力をしていきたい、こういうふうに聞いております。 ◯大木田委員 ぜひこれは努力をしていただきたい。  それから、羽田の国際化、これが臨海に対してこれから大きな、あるいは国際化が進みますと、もう二十四時間空港にまでなりましたから、羽田の国際化を強力に運輸省に働きかけて、今、最大のネックは運輸省だけですから、これをぜひ実現をすると、臨海と羽田の国際化ということで非常にこれがリンクして、大きくまた状況はさらに変わってくるというふうに思うんですね。ですから、その点についてもこれから努力をしていただきたい。  それから、今回の予算の八十億、あるいは十年間の二百七十億、先ほど今沢局長は業態別の銀行を足すと三千六百億といいましたけれども、あれは間違いで、三千九百億ちょっとなんですね。それで〇・七五で平均すると約二百七十億を超えるということなんですけれども、今、短期プライムの数字でいくと一・六二五なんですよ。それで〇・五プラスして二・一二五で大体借りているわけですよ。普通の都市銀行の部分でいくと約一千八百億ですか。ですから、業態別でもう少しその辺をあれしますと、例えば日本開発銀行についての分はどういうような形になりますか。それから長期信用銀行、それから都市銀行は都市銀行、業態別で信託は信託、それから生保と損保はグループが業態別にありますから、この業態別の各行との話し合いが今どうなっているのか。  要するに、この十年間で二百七十億を銀行にも協力を得るということになっておりますけれども、それでは、銀行との協力を得るということは、今日の時点では確定をしているんですか。あるいはこれは、四月までこの経過が延びるんですかというようなことと、それから、要するにそれが確定した場合はどういうような形で書類的には残るんですかというようなことは、これだけのお金を都もつぎ込むわけですから、それだけの──公的資金の導入も、それぞれここに出資をしている銀行はほとんど公的資金の導入をきょう正式に政府も決定していますから。したがって、あれだけの、二兆円近い公的資金が各銀行等にも入るわけですよ。減税が二兆円なのに、公的資金だけで二兆円ですから、全部で十三兆ですけれども、ですから、そういう意味では、その辺の各業態別の今の対応の部分と、それから、それが担保できる保証になるものは、我々が納得できるようなものとして何があるんですか。こういうことをちょっと聞きましょう。 ◯関谷参事 各業態別との対応につきましては、全金融機関と基本的には合意に達しております。それから、今後の確認でございますけれども、この支援策を開始するに当たりましては、当然第三セクターと各金融機関との間で約定変更を行うことになるわけですが、東京都といたしましても、この約定変更を確認の上、支援をしていくというふうに考えております。 ◯大木田委員 銀行と話し合いがついているということですけれども、それは何をもってついているんですか。 ◯関谷参事 基本的には、東京都の支援二百七十億と同等の支援を、融資残高の割合に応じて協力をしていただくということで合意を得ているところでございます。 ◯大木田委員 私が聞いているのは、例えば都市銀行で一千八百億余りありますけれども、この状況に全部の都市銀行が一律で応じられない。都市銀行の中でもAランクのところはオーケーですよ、金利で五百二十億も今までいただいているんですから、必要な分は出しましょうと。ところが、今銀行も非常に格差がありまして、一律には応じられませんという状況もあるわけですね。それで、まだ最終決着はついていないと聞いていますけれども、それはどうでしょうか。 ◯関谷参事 先ほど申し上げましたように、各金融機関につきましては、融資残高の割合に応じて協力をしていただくということになっておりますので、手法はさまざまでございますが、基本的な支援としては、一律の支援をお願いしているということでございます。 ◯大木田委員 そうすると、先ほど短プラで一・六二五で、〇・五プラスされて二・一二五というような形が大体一つのケースとしては標準的なケースでありますけれども、これが、短期ですから、十年の中において五年間はこれでいく、残りの五年間はこれでいく、その間に金利が上がった分については、変動相場制については──今のこれを固定制にして、低目に固定をして、今後金利がこれ以上、下がることはないわけですから、最低ですから、この上がる分を固定にすれば上がらないというようなものが、残りの五年間はこれがあって、今、変動相場制を固定制にするといいますけれども、最初から固定制で、高目の固定制で設定されているところがあるわけですよ。それは変動相場制に下げて低目に誘導する、そういうところもあるわけでしょう。 ◯関谷参事 何度も申し上げておりますように、金融機関別、業態別の詳細については、なかなかお答えしづらい状況なのでございますけれども、いずれにしても、今先生がおっしゃられたような手法も含めて、幾つかの手法を組み合わせてございますので、全部が全部、変動から固定ということではございません。 ◯大木田委員 全部が全部なんていっていないよ。いろんなことを組み合わせるというのは百も承知なんですよ。ただ、要するに、今の変動相場制から固定ということをいっているから、いや、逆に固定から変動も、高い固定をやっているところは変動に変えるということもあるんですが、それで、先ほどの第三セクターとの約定をそれぞれ変えるわけですけれども、これは何月に変えるんですか。 ◯関谷参事 基本的には、東京都の予算案が通過した以降、また、今後の第三セクターの資金繰りのタイミングもございますので、現時点で何月何日ということは申し上げられませんけれども、いずれにしても、予算通過後、早急に実施したいというふうに考えております。 ◯大木田委員 予算通過後といっても、要するに、日にちは平成十年の四月一日以降でしょう。 ◯関谷参事 四月一日以降でございます。 ◯大木田委員 私は、臨海開発を成功させて、二十一世紀の魅力ある──非常に膨らんできていますから、今までいろんなこともありましたけれども、暫定利用を含めて、今後の魅力は、あそこを知っている人は、非常に評価がこれから高まってくるということでありますので。これは、なぜ今そこまで詰めたかというと、都もこれだけ出して、最後の二十一世紀への飛しょうを図ろうとしているということでありますので、金融機関も公的資金まで受けているわけですから、それなりの応分を明確にやっていただくということで、そういう中で、今二十一世紀へ向けてこの臨海開発を飛しょうさせていく。  世界都市博覧会が中止になって、私は、あれは歴史的な検証もすべきだという意見を持っております。それから、青島さんがリサイクルの青島と呼ばれたいといっておりますけれども、臨海開発こそ未来型都市のリサイクルのまちづくりをしたんですよ。それを否定しておいて、今もう一年たったら、何をいっているのか、リサイクルの青島と呼ばれたいということをいっているんですね。だから、それほど、臨海等について熟知しないであの判断があったということも、これはもう明確なんですけれども。  そういうようなことを含めてですけれども、しかし、いろんなことがあったけれども、毒を変じて薬となすということもありますから、この臨海開発を成功させていくためには、港湾局の皆さんがここまで非常に努力をしてきた。それで、ここまでこぎつけたことは私は非常に高く評価しています。したがって、この英知を結集して、ここまで本当に寝ずの努力をしながらいろいろと努力してきたことが水泡に帰さないように、さらにこれから二十一世紀へ向けてこれを飛しょうさせて成功させていくために、今いろいろといえない部分については、私、もう少し突っ込めばいろんな資料もあるんですけれども、時間の関係がありますからこれ以上いいません。しかし、銀行にもきちっとした応分の、これも明確に約定も変えて、協力を得るべきところは協力を得て、この臨海開発を、二十一世紀への日本経済の、さらに発展する日本の象徴的な一つの部分と……。  私は今、景気の回復と、羽田空港の国際化と、それから交通、これから相当人が行きますから、今でも「ゆりかもめ」であんな騒ぎをやっているぐらいですから、とにかく臨海に人が集まります。若者のメッカと殿堂として、もうディズニーランドをはるかに超えて、今、臨海の魅力が高まっているわけですから、それだけに今が最大のチャンスということで、臨海開発春近しという、いい得て妙な報道があったものですから、それを冒頭に出したわけですけれども、そういうような形で二十一世紀の新しい一つのまちづくりの場として頑張っていただきたい、こう思って、局長の決意を聞いて……。 ◯今沢港湾局長 お話にございましたように、二十一世紀の臨海副都心、二十一世紀の東京のための臨海副都心を形成していくために私たちは努力しているわけでございますが、その過程において、このたびの第三セクターの支援等々につきましては、非常に厳しい中におきましてもお願いせざるを得ないということで提案しているわけでございますが、私たちといたしましては、臨海副都心が、間もなく来る二十一世紀におきまして、あれを整備しておいてよかったという都市になるように、職員一同、一生懸命対応しているところでございます。よろしくご支援のほどお願い申し上げます。 ◯川島委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  本案に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯川島委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。  以上で予算調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を終わります。  各先生方におかれましては、質疑に対して大変ご協力をいただいたことを心から感謝をいたします。また、理事者の皆さんにおかれましては、夜遅くまで本当にご苦労さまでございます。大変お疲れになったことと思いますので、ごゆっくりお休みになっていただきたいと思います。  以上で港湾局関係を終わります。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後八時二十八分散会...