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  1. 東京都議会 1998-03-17
    1998-03-17 平成10年公営企業委員会 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時九分開議 ◯五十嵐委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。  本日は、交通局関係の平成十年度予算の調査を行います。  予算の調査について申し上げます。  平成十年度予算につきましては、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。  公文の写しはお手元に配布してあります。  朗読は省略いたします。      ───────────── 平成十年三月十六日 東京都議会議長 田中 晃三 公営企業委員長 五十嵐 正殿    予算特別委員会付託議案の調査について    (依頼)  このことについて、予算特別委員長から別添のとおり調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。      記 一 調査範囲 別紙1のとおり 二 報告様式 別紙2のとおり 三 提出期限 三月二十日(金)午後五時      ………………………………… (別紙1)
    公営企業委員会 第二十六号議案 平成十年度東京都交通事業会計予算 第二十七号議案 平成十年度東京都高速電車事業会計予算 第二十八号議案 平成十年度東京都電気事業会計予算 第二十九号議案 平成十年度東京都水道事業会計予算 第三十号議案 平成十年度東京都工業用水道事業会計予算 第三十一号議案 平成十年度東京都下水道事業会計予算      ………………………………… (別紙2省略)      ………………………………… 平成十年三月十六日 予算特別委員長 矢部  一 東京都議会議長 田中 晃三殿    予算特別委員会付託議案の調査について    (依頼)  本委員会は、付託された議案の審査に当たって各常任委員会の意見を参考とすることに決定したので、左記のとおり調査の依頼をお願いします。      記 一 調査範囲 別紙1のとおり 二 報告様式 別紙2のとおり 三 提出期限 三月二十日(金)午後五時      ………………………………… (別紙12省略)      ━━━━━━━━━━ ◯五十嵐委員長 これより交通局関係に入ります。  初めに、予算の調査を行います。  第二十六号議案、平成十年度東京都交通事業会計予算、第二十七号議案、平成十年度東京都高速電車事業会計予算、第二十八号議案、平成十年度東京都電気事業会計予算を一括して議題といたします。  本案については既に説明を聴取しております。その際、要求のありました資料は、お手元に配布してあります。  資料について理事者の説明を求めます。 ◯寺内総務部長 過日の委員会で要求のございました資料につきまして、お手元にございますように、公営企業委員会要求資料として取りまとめさせていただきました。  その概要につきましてご説明申し上げます。  目次をごらんいただきたいと存じます。乗り合いバス事業における低公害車導入状況など八項目でございます。  初めに、一ページをお開きいただきたいと存じます。  交通局乗り合いバス事業における低公害車導入状況を、年度別、種類別にまとめてございます。  また、二ページに、政令指定都市における低公害車導入状況を、三ページに、外国の都市における低公害車導入状況をそれぞれまとめてございますので、あわせてごらんいただきたいと存じます。  次に、恐れ入りますが、四ページをお開きいただきたいと存じます。  都バス都営地下鉄乗り継ぎ割引試験実施状況についてでございます。  平成九年十二月十九日から平成十年十二月三十一日までの間、都営地下鉄十二号線新江古田駅におきまして、都バス新江62系統と都営地下鉄線とを乗り継ぐ場合に運賃割引を行うことといたしておりますが、その目的、実施内容利用実績等を記載してございます。  五ページに移らせていただきます。  都営地下鉄十二号線環状部における主な工事変更につきまして、項目別にまとめてございますので、ごらんいただきたいと存じます。  六ページに移らせていただきます。  都営地下鉄十二号線環状部計画建設費と平成八年度末の累計執行額を記載してございます。なお、計画建設費六千八百二十六億円は、鉄道事業免許取得時のものでございまして、現在見直し中でございます。  七ページに移らせていただきます。  廃食油を燃料としたバスの試験状況についてでございます。  京都市交通局におきましては、平成九年四月から同年十月まで、中型バス一両により、また、平成九年十一月から本年三月まで、大型バス二両によりまして試験運行を行っているところでございます。  恐れ入ります、八ページに移らせていただきます。  都営地下鉄十二号線環状部と並行及び交差する都バス路線を一表にまとめてございます。  都営地下鉄十二号線環状部と並行する路線は、十四系統ございまして、これらの路線の平成八年度の一日当たり乗客数は、十三万五千八百五十四人でございます。  また、都営地下鉄十二号線環状部と交差する路線は、三十八系統ございまして、これらの路線の平成八年度の一日当たり乗客数は、二十七万六百六十六人でございます。  九ページに移らせていただきます。  都営地下鉄十二号線放射部乗車人員乗車料収入についてでございます。  平成九年十二月十九日の新宿-練馬間開業日から同年十二月三十一日までの期間の一日平均の乗車人員は七万七千七百五十三人で、乗車料収入は千二百九十八万二千円でございました。また、平成十年一月一日から同年一月三十一日までの期間の一日平均の乗車人員は八万八千七百六十四人で、乗車料収入は千四百八十二万円となっております。  最後に、一〇ページをお開き願います。  過去に検討された地下鉄一元化の概要を、国、東京都、都議会別に表にまとめてございますので、ごらんいただきたいと存じます。  以上をもちまして、資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ◯五十嵐委員長 説明は終わりました。  ただいまの資料を含めて、本案に対する質疑を行います。  発言を願います。 ◯くぼた委員 私は、資料をいただきました四ページの、都バス都営地下鉄乗り継ぎ割引試験実施に関連して、まず質問をさせていただきたいと思います。  試験実施ということですが、ここには目的と内容が書いてありますけれども、実際の乗り継ぎやり方を簡単に説明していただきたいと思います。 ◯松尾経営企画室長 バスと地下鉄乗り継ぎ制度につきましてご説明申し上げます。  まず、バスから地下鉄にお乗りいただく場合でございますが、バスの車内でまず二百円をお支払いいただき、地下鉄への乗り継ぎを申し出ていただきまして、そのお客様には地下鉄乗り継ぎ乗車券をお渡ししてございます。  お客様はその地下鉄乗り継ぎ乗車券をお持ちいただきまして、地下鉄有人窓口でその乗車券と引きかえに百円割り引いたところの運賃七十円をお支払いいただきまして、地下鉄乗車券の一区間分を購入して地下鉄に乗車していただきます。  おおりいただくときは、地下鉄一区間の場合は、そのまま自動改札をお通りいただいて外へ出ていただけます。二区間以上お乗りいただいた場合は、精算機で精算した上で外へ出ていただいております。  それから、地下鉄からバスにお乗りいただく場合でございますが、バスに乗り継ぎされる方は、地下鉄有人窓口でバスの運賃百円を支払って、バスの乗り継ぎ乗車券を購入していただきます。その乗り継ぎ乗車券をお持ちいただきまして、バスにお乗りいただきますときにバスの料金箱に投入して乗車していただく。このような形で試行に入っております。 ◯くぼた委員 説明はなかなか口でいうのは難しいと思うんですけれども、そういうふうに面倒くさいのだと思うんですね。  この表を見させていただきますと、実際には、定期以外の方は有人窓口乗り継ぎ券を引きかえるということになって面倒なわけですけれども、この調査しかデータはないのですが、それでも、半分以上の方はそれを利用されているということだと思うんですね。  こういった試験の実施というのは、十二号線の開通にとって非常に意義のあることだと思うのですけれども、今回、これは試験実施ということで余りお金をかけられないのかもしれませんが、その乗り継ぎやり方をもっと簡便にしていく必要があるのじゃないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。 ◯松尾経営企画室長 ご指摘のとおり、このたびは試験実施ということでございまして、ハード的にはできる限り既存の施設の有効利用を図っていく中で、こういった乗り継ぎ制度をシステム化いたしまして試行する、ということでやっております。  そういった形で、ご指摘のとおり、有人ラッチを通るということで乗り継ぎ抵抗があろうかと思いますが、まずはこの試験結果を十分見ながら、本格導入する場合におきましては、なるべくそういった乗り継ぎ抵抗がない形で導入を図っていきたい、このように考えております。 ◯くぼた委員 これから亀有の方でも同じようなことをやられるということで、そこではぜひ改善を考えていただきたいと思うんです。  それで、ことしの二月に政策報道室が交通に関する世論調査をまとめました。この中で、都営交通への要望として二番目に多いのが、このバスと地下鉄で共通して使える切符やカードの導入ということになっているんです。これまでの経緯でその共通化ができなかったようですけれども、この方向での検討を実際にされているのでしょうか。また、その共通化のめどはあるのでしょうか。 ◯松尾経営企画室長 都営交通三事業間におきます共通カード化についてのお尋ねと思いますが、私ども、地下鉄Tカードにつきましては、営団と共通化を図ってきております。また、都電・都バスTカードにつきましては、それぞれ民営バス事業者との共通化を図ってきております。  そうした中で、今後、プラン'97にも記載してございますけれども、三事業共通カードの導入に向けての検討をするという形になっております。 ◯くぼた委員 検討されて、ぜひ早いうちに実現へ向けての努力をしていただきたいと思います。  ただし、切符とかカード共通化に当たって、やっぱりそれなりの設備投資が必要になってくると思うのですけれども、現在の設備更新のときにそれを導入するというような、投資の負担が極力少なくなるような工夫をして、ぜひやっていただきたいというふうに思うんです。  それから、乗客の利便性からいうと、この中にもあるんですけれども、やはり都バス都営地下鉄だけじゃなくて、全体の共通化を進めてほしいという要望は結構多くあるわけで、そういう共通化を進めることが大切だと思うのです。その点で、交通局が積極的に他の会社にも働きかけて、この共通化を呼びかけていくということが必要だと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◯松尾経営企画室長 カード共通化を図っていくことにつきましては、お客様利便向上のため重要なことと考えております。交通局では、平成八年三月に、先ほど申し上げましたが、営団地下鉄との間で地下鉄用カード共通化を実施してきております。今後も、鉄道各社とも共通化できますよう、機会を通じまして働きかけていきたい、このように考えております。 ◯くぼた委員 私は、交通局公共交通全体を考えるという立場で、これまでも低床バスとか低公害バスを先駆けて試験的に導入して、それが民間にも広がっていく、日本じゅうに広がっていく、そういうイニシアチブを発揮されてきたわけですから、この共通化に向けてもぜひそういう形でのイニシアチブを発揮していただきたいというふうに思っております。  ところで、今年度の予算の中では、都営交通ネットワーク及び運賃制度検討委員会、これは仮称ということでの設置が計上されていますけれども、これに至るまでの経過や、そこで検討された内容、それから今後検討しようとしている内容を、簡単にで結構ですから教えていただきたい。 ◯松尾経営企画室長 都営交通運賃制度ネットワーク検討委員会についてでございますが、平成八年の八月に設置いたしまして、これまで検討を進めてきております。  この設置いたしました目的でございますが、都営十二号線の環状部が開業いたしますと、都営地下鉄ネットワークが飛躍的に拡大いたします。そういった視点を踏まえまして、利用者サービスの向上と需要の確保を図るということから検討に入ったものでございまして、具体的には、都営十二号線の全線開業に合わせました、わかりやすく利用しやすい運賃制度、それから、鉄道網の整備に対応した地下鉄、バス、路面電車乗り継ぎ運賃制度、及び需要喚起が期待できるネットワークの構築、こういった項目につきまして検討を進めております。  現在これらの検討を進めておりますが、乗り継ぎ運賃制度につきましては、先ほど申し上げましたように、都バス都営地下鉄に全面的に導入する可能性を検討するために、現在、割引制度導入試験を実施したということになっております。  来年度につきましては、ただいま申しました特に都営交通ネットワーク、あるいは新しいバスサービスあり方、こういったものをさらに検討する上で、新たに、今現在ある委員会をさらに模様がえいたしまして、仮称でございますが都営交通ネットワーク運賃制度検討委員会という形に改組いたしまして、さらに検討を進めたい、このように考えております。 ◯くぼた委員 今お話があったように二つの点から、運賃の面から、あとネットワークの面からは来年度からということで検討されていくということです。  今のお話の中にありましたように、乗り継ぎ割引試験実施というのは、運賃制度検討委員会の中で検討されてきた一つの結果だということだと思うのですけれども、この例でいいますと、大泉学園と新宿間で宿62というのが十二号線開通前は走っていたわけで、それを使っていた人から見れば、今回のこの乗り継ぎ割引を利用したとしても、今まで大泉学園から新宿まで二百円で行けたものが、割引運賃制度を使っても三百十円ということで、実際には、その人にとってみれば五割の値上げに今なっているわけなんです。こういうことについて検討委員会の中で検討をされてきたのかどうか、お伺いしたいと思うんです。 ◯松尾経営企画室長 ご指摘のとおり、十二号線の放射部が開業するまでは、新宿までお越しいただく方は、バス一系統のみで二百円でお越しになることができたわけでございますけれども、今回、百円割引いたしましても三百十円という形になることは事実でございます。  これまでの委員会におきましては、個々の具体的なものにつきましては検討しておりませんが、今後、この検討委員会の中で一つの研究テーマという形でやっていきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、総論的といいますか、そういった形での検討が中心になろうかというふうに思っております。 ◯くぼた委員 資料の八ページにもあるんですけれども、クロスしているところではなくて並行している路線では、そういうことがこれから起こっていく可能性があると思うんですね。そういう意味では、利用者の立場からして負担感は非常に大きいわけで、今お話がありましたけれども、新しくできる運賃制度検討部会というか、こういう中では、そういう負担増が起こらないようにぜひ考えていっていただきたい。これから十二号線開業に伴って、個別の路線ということじゃないと思うんですね。そういう意味でぜひ考えていただきたいと思うんです。  それから、もう一点問題は、運賃の負担がふえるということだけじゃなくて、生活の足であるバスがなくなるということにも、これはつながっていく問題だと思います。この問題については、恐らく来年度からのネットワーク部会の中で検討するということになると思うのですけれども、とりわけ私などが住むような都心部においては、地下鉄十二号線の開通に伴って単純にバス路線が廃止されていくということになると、交通過疎地域が生まれてくるということを、非常に危惧しているわけなんです。今までも、営団なんかが通るとバスがなくなって、例えば今、浜松町に行くのに非常に不便だとか、そういう状況になっているわけなんですけれども、そういう過疎地域が生まれてしまうという面ですね。  それから私、一般質問でも、域内交通ということでちょっとやらせていただいたのですが、そのときにもいいましたけれども、やはり地下鉄は縦に動かなきゃいけない、一方でバスは平面交通で、お年寄りにとっては非常に使いやすいという、利用形態の違いというものもあると思うんです。そういうふうな点から考えると、十二号線と競合するからということで、単純にバス路線を廃止するということはすべきじゃないというふうに思うのですけれども、そこいら辺のことはどうお考えでしょうか。 ◯佐々野自動車部長 地下鉄十二号線の環状部等地下鉄整備によりまして、都営バス路線は大きな影響を受けると考えております。  このため交通局では、環状部開業によります乗客潮流の変化に適切に対応する路線設定やダイヤの適正化などを実施しまして、効率的なバス運行に努めていく考えでございます。 ◯くぼた委員 今までこれは、この前の前の委員会でも港区の例をとって質問させていただいたのですが、本当に利用者の立場に立ってそういうことについては検討していただきたいというふうに思うんです。  私、先日、京都にちょっと調査に行ってきまして、京都では今、二本目の地下鉄の建設が完了したわけですけれども、その建設に予想以上の費用がかかって、財政難を理由に、一部の地下鉄開通地域では、バスの営業所を含めてもう路線を廃止にしてしまう、そういうことが行われている。さらに、収支が合わないということで、バスの路線を、これも一部ですけれども、運営の委託を今度検討している、というようなことだったのですね。公営企業として、住民の利便性とか移動手段としての確保を投げ捨てても撤退しているという印象を、この京都では非常に強く受けたわけです。  ですから、そういう意味で、採算性重視ということだけにならないようにすべきだと思うんです。そういう観点で、都民の生活の足をどうやって確保していくのかを真剣に考えていっていただいて、その中で、どうすれば潜在需要を引き出せるのか、これをぜひ前向きに考えていただきたいと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょう。 ◯佐々野自動車部長 ただいまのご質問でございますが、私ども都営交通としまして、公共交通機関として、十分地元の住民の方にご利用いただけるようなバス路線を運行していきたいということで考えておりますので、今後も地下鉄の開業に伴なうバス路線の再検討につきましても、十分地元の意を酌んで対応したいというふうに考えております。 ◯くぼた委員 そういうことで、ぜひ住民の合意を得ながら考えていっていただきたいと思うんです。  そういう最編というか、十二号線開通に伴ってネットワークをどうするかということで、これから検討されるということですけれども、その中で、私、一つの例として、こういう観点はどうかなと思うのがあるんです。例えば武蔵野市では、ミニバス、いわゆるムーバスというのを走らせています。それは交通弱者の移動をどう保障をしていくのか、交通困難地域をどう解消するかという課題に、福祉分野からのアプローチじゃなくて、交通分野から回答を与えた一つの形だと思うんですね。  それを導入する経過も、いろいろ調査をしましたら、実際には、お年寄りに対するグループインタビューを行うとか、ビデオによってお年寄りの行動などを観察して、市民の感覚を非常に生かしたバスをどうしたらできるかということで検討をされてきた。それが一つの形としてあのムーバスになったということだったのですね。ですから、そういうもので新たな需要が呼び起こされて、今非常に利用も高まっているそうです。この例は、そういった生活に密着した交通網の整備というものが今後求められているということではないかと思うんですね。  そういうことで、先日の一般質問でも域内交通網の確立ということを東京都に対して求めたわけですけれども、お年寄りなどの交通弱者を初め住民の移動の権利を保障する移動手段に、これから域内交通としてのミニバスなどの運行が必要であると思うのですね。採算性を考えると、当然支援も必要になる場合もあると思うのですけれども、こういうことに対して、公営交通として、域内交通という観点も含めて、このネットワーク部会では検討していくべきではないかと思うのですが、そういうお考えがあるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
     それから、もう一つ別の観点から、区市町村から域内交通をやりたいという要請があった場合に、局として、事業者として前向きに検討するべきではないかと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。その二点、お伺いします。 ◯松尾経営企画室長 いわゆる地域バスにつきまして、来年度設置されます検討委員会で検討すべきではないかというお話でございますが、先ほど申し上げましたように、来年度検討委員会を設置いたしまして検討を進めてまいりますが、特に都営交通ネットワークの構築のあり方、あるいは新たなバスサービスあり方、こういったことを総合的に検討してもらいたいというふうに考えております。  その中で、ご指摘のありました都営バス地域バスとの関係についても、検討の対象としていきたいというふうに考えております。 ◯佐々野自動車部長 地域住民に密着しましたバスの運行でございますが、既設都営バスネットワークとの関係や、それから黒字路線赤字路線をカバーする、いわゆる内部補助制度などを整備しまして、できる限り地域住民の足を守っていきたいというふうに考えております。 ◯くぼた委員 要するに、私が伺いたかったのは、区市町村がそういう形で地域バスを運行する場合に、事業者として都営交通も参加するというか、事業を運営するということを考えられているかどうか、ちょっと伺いたいと思うんです。 ◯松尾経営企画室長 先ほどから申し上げておりますように、バスと地下鉄との有機的結合を図りまして、都営交通ネットワークの確立をまず図っていきたいというふうに考えております。そしてお客様のニーズに適合いたしましたバス路線を整備いたしまして、地域の住民の方の足を守ってまいりたいというふうに考えております。  そうした中で、それでも地域住民の方からバス路線についての要望がございます場合には、運行受託につきまして地元自治体と、事業採算性やあるいは既設路線との整合性など、こういった点を勘案しながら、個別具体的に対応していきたいというふうに考えております。 ◯くぼた委員 これから運賃制度とかネットワークについて検討されていくということで、専門的な分析とかそういうことでは一定程度専門家によるものが必要だと思うのですけれども、十二号線開業に当たって、そういう検討の内容が具体化されることになっていくと思うんですね。その場合に、この検討委員会の中でつくられてきた結論を都民に押しつけるということだけにならないようにすべきだと私は思うんです。  したがって、この検討委員会に、利用者でもある都民を含めて、さまざまな年齢層、階層の都民の意見が反映するようにするべきだというふうに考えます。この調査の中でも、詳しく見ていくと、年齢や職業や地域によって要望のところが違っているんですね。そういう意味で、可能な限り多くの人の意見がこういう中で反映されて、納得いくような委員会としての結論になるように、ぜひ努力をしていただきたいと思うのですが、そういう仕組みにこれは実際なっているのでしょうか。 ◯松尾経営企画室長 先ほど申し上げましたように、都営交通ネットワークの構築を図る上では、かなり十二号線の環状部がいわゆる環状方向に整備されるということで、これまでにないテーマを軸にいたしまして取り組んでまいります。それから、新しいバスサービスにつきましても、いろいろと専門的な検討も必要でございます。  そういったことから、まずはネットワーク部会運賃制度部会、二つの部会を立ち上げまして、そこで学識経験者の方等も交えながら、専門的な形で、ある意味ではコアになる部分を検討していきたいというふうに思っております。  そのコアになる部分が一応できましたら、その後、先ほどから申し上げておりますネットワーク運賃制度検討委員会を設置いたしまして、その中では、利用者の方々、行政機関等関係する方々、あるいは学識経験者の方々、そういった方たちで構成される委員会を考えておりまして、その中で多面的に検討いただいた中で、結論づけていきたいというふうに考えております。 ◯くぼた委員 済みませんが、都民の代表という形でちゃんとこの中に入るということになっているんですか。 ◯松尾経営企画室長 ただいま利用者の代表と申し上げましたけれども、そういった意味では、都民のお立場も代表されているというふうにお考えいただければと思います。 ◯くぼた委員 そういう中で、具体的にはその検討を踏まえて実施案がつくられると思うんですね。それでそれが実施をされていくことになるということだと思うのですが、交通局として具体的な実施案についても──つまり単刀直入ないい方をすると、どこのバス路線がどうなるかということが示されると思うのですが、そういうことについて、松尾さん、さっきもご答弁ありましたけれども、十分な論議ができるような時期にこれをきちんと都民に示すべきだというふうに、その具体的な案について思うのですが、その点はいかがでしょうか。 ◯松尾経営企画室長 ただいま申し上げましたのは、今現在におきます交通局における考え方でございまして、来年度に入りましたら、その辺も含めまして、最終的な検討委員会のメンバーあるいは運営方法、そういったことも含めて決定づけていきたいというふうに思っております。 ◯くぼた委員 私は、ぜひ、いろいろ検討した結果が、都民の吟味にかけられるような時期にきちんと示されるようにしていただきたいと要望しておきます。  最後、要望なんですけれども、運賃制度にしてもネットワークにしても、その実施は都営交通にとっては非常に大きなエポックになると思うんです。それだけに、都営交通が東京における公共交通網の一つのかなめとして、将来に向けてしっかりそこに位置づいていく、それから交通弱者を初めとする都民の交通権をしっかり守る姿勢を、こういう中で示していかなきゃならないと思うんですね。交通局自身の存在意義が本当にここで問われることだというふうに思うんです。  そういった意味でも、この実施に当たって、都民の議論を十分に踏まえること、それから都民の都営交通としての使命を果たすために、必要であれば補てんの財源をきちんと適切に求めていくということを、再度述べたいと思うんです。  それから、都営交通だけで運賃ネットワークをつくり上げても、これはやはり限界があると思うんです。今後を考えると、都市交通において公共交通中心の体系にしていかなきゃならないというふうに思います。それはエネルギーとか環境とか、あるいは人の交通権を守っていく上でも必要ですし、今、世界の諸都市の趨勢も、公共交通中心ということになっていると思うんですね。その点で考えますと、総合的な公共交通の政策をつくるということがどうしても必要であると思いますし、これは都市計画の分野にもなるわけですけれども、そういった総合的な位置づけがされることによって、運賃制度ネットワーク交通局でやられている検討も一層生きることになると思うんです。そういった意味で、ぜひこの中でも、そういう総合的な交通の中でどうするかというあり方を、そういう視点でも検討をしていっていただきたいと思うんです。  それから同時に、交通局としても関係部局に総合的な交通政策をつくるような積極的な働きかけを、これは重点計画の中でもいわれていますけれども、ぜひしていただいて、公共交通を中心とした総合的な交通政策が早い時期につくられていくように述べまして、私の質問を終わります。 ◯中嶋委員 全く今のくぼた委員の質問とダブってしまうので、本来なら質問しなくてもいいんでしょうが、ちょっと聞きたいのです。今の武蔵野のムーバス、実は私も武蔵野の土屋市長と別件でお会いしたときに、たまたま話題になりまして、いたく感銘を受けて見てきたのですけれども、大変効果的な、コミュニティバス路線というのだそうですね。  今もいろいろやりとりありましたけれども、都の交通局としては、この武蔵野のムーバス──武蔵野だけでなくて、私は世田谷ですけれども、世田谷区でも実は地域巡回型のミニバス路線の展開を考えているんですね。こうした地域バス路線、コミュニティバス路線というものを、都の交通局の立場としたらどう評価されているのか、お聞きしたいと思います。 ◯松尾経営企画室長 ただいまお話のございました武蔵野市におきますムーバスでございますが、ただいまお話ありましたとおり、コミュニティバスとして、路線バスではカバーし切れない交通需要に対応するシステムということで、地域住民の方あるいは市町村の意思決定により運行されているというふうに承知しております。  このように、路線バスの経営が成り立たないあるいは成り立ちづらい地域におきまして、こうした地域密着型のバス路線地元自治体等におきまして実施されておりますことは、新しい地域交通の一方策として意義あることと評価しております。 ◯中嶋委員 既存のバス路線が成り立たない地域においては意味がある、こういういい方ですが、もうちょっと積極的な評価をしてもいいだろうという気がするんですね。例えば地下鉄十二号線ができたと。先ほど、バスとの乗り継ぎ利便性についての質問がございました。まさにその都営地下鉄の駅の周辺にこうしたコミュニティバス路線ができれば、駅へのアクセスにもつながるわけでして、それは放置自転車対策にもつながるわけですね。極めて多義的な意味を持ってくる、こう思うわけです。  したがって都も、東京都内の交通網の渋滞でバスの評判が年々落ちてきている、これは客観的な事実なわけですから、既存バス路線を補完するものではなくて、むしろ並行させて考えていくべき新しいバス事業のテーマではないかと、こんな気がしますけれども、見解はいかがですか。 ◯松尾経営企画室長 ただいま先生からご指摘がございましたように、コミュニティバスという点での評価はいたしておりますが、一方、私どもはバス事業者でございまして、私ども交通局といたしましては、バスと地下鉄の有機的な結合を図る中で都営交通ネットワークを確立する、そうした中で、お客様のニーズに適合したバス路線を設けまして対応していきたいということを基本に置いております。そうした中で限りなく住民の足を確保していきたいというふうに考えておりますが、それでも地域の住民の方々の交通需要といいますか、ご要望に沿えない場合は、こういった形でコミュニティバスという形態はあろうかという意味で、先ほどご答弁させていただいた次第でございます。 ◯中嶋委員 前に、つい最近ですけれども、こうした自治体で行っている事業に交通局として支援はできないのかという質問を非公式にですがしましたら、営業エリア外で、できないという話でしたね。じゃあ、営業エリア内ならできるわけですね、これは確認ですけれども。 ◯佐々野自動車部長 都営バスの営業エリア内での要請でございますが、これにつきましては、都営交通につきましては、バスと地下鉄等の有機的な結合を図りながら、そして都営交通ネットワークの確立に努めて、お客様のニーズに適合したバス路線を、先ほど申しましたように、黒字路線赤字路線をカバーする内部補助制度などを整備しながら、あわせまして地域住民の足を守っていく、こういうふうに考えてございます。 ◯中嶋委員 もうちょっと一般にわかる言葉でしゃべってほしいんですけれども、要するに、できるのか、できないのかということです。 ◯佐々野自動車部長 今のムーバスのような問題につきましては、基本的に採算性の問題が非常にネックになってございます。そういったことで、先ほど申しましたように、赤字路線黒字路線との関係がございます。ただ、営業の問題としては、基本的には、エリア内でございますので対応できるということでございます。 ◯中嶋委員 エリア内ならば運行受託でできるということですか。 ◯佐々野自動車部長 都営バス自身がそういったこともできますし、それから地域住民から、特別に採算性の問題がありまして、どうしても要望が強いということであれば、先ほどもお話ししました運行受託といいますか、委託の問題が可能かというふうに考えてございます。 ◯中嶋委員 わかりました。先ほども答弁ありましたから重ねていうことはないんでしょうけれども、ぜひ検討をしていただきたいと思います。  既存のバス路線、確かにそれが交通局の基幹事業なんでしょうけれども、しかし、それだけで新しいニーズには対応できないことはもはや明らかだと僕は個人的には思っています。とりわけ、ムーバスの話を聞いてみたり、現地に行ってみたり、あるいは利用しているお年寄りの声を聞いたり、さらには小さな子どもまでが使っているんですね。市長に聞いたら、大変利用客もふえてきていると。もちろん市から二千万円程度の補助金を出しているそうですけれども、ほかの部分でその二千万円はカバーできるというのが、市長さんの判断でした。  そう考えますと、単なる経営の採算性だけでこの種の事業というのをとらえては、いささか狭い見方になるだろうという気がいたします。バス事業の今後の広がりを考えて、ぜひとも積極的な検討と、あるいは検討の結論をなるたけ早期に出していただきたいと要望して、質問を終わります。 ◯菅原委員 一点だけ、今のムーバスについて、関連してお尋ねをしておきたいのです。  武蔵野市のムーバスは、ご案内のように、本来的な立ち上がりの経緯というのが、私の記憶では、吉祥寺なり三鷹周辺の駅前の自転車対策にあったと思うんです。今いろいろとご論議のあった中では、都バスを中心とした都市交通の大型バス、それによるもろもろの渋滞の解消等、そういったことへの対処としてお話があったかと思うのですが、そういう意味で、将来的な東京都政の中でTDMを考える場合、自転車というのが非常に大きな存在であると思いますし、自転車対策ということをもっての、いわゆるミニシャトルバス、こういったものを走らせる、その辺の論議というものが今なかったものですから……。当然、自転車対策については直接的には交通局ではないと思うのですが、生活文化局になるのか、ちょっとその辺、勉強不足で恐縮なんですけれども、そういった広範な横の連携をとりながらのムーバスというか──武蔵野市ではムーバスなんですが、いわゆるミニシャトルバス、こういったことを今後検討していただきたいと思うのです。その辺について何かご見解があればと思いまして……。 ◯松尾経営企画室長 いわゆる自転車対策につきましては、地元自治体が中心となりまして、私どもバス事業者あるいは鉄道事業者として、できる限りの協力をしてきているような形で、対策に協力しております。ご指摘のございましたように、TDM等、これから公共交通のいろんな優先策が今後都でも検討されていきますが、そうした中で、都営交通といたしましても、公共交通のいわば中心を担う立場から、積極的に協力していきたいというふうに思っております。  そうした中で、新しいバスのあり方につきましても来年度設置予定の検討委員会の中でも検討していきたいと思っておりますが、その中で、ご指摘のございましたミニシャトルバスあるいは循環バス、こういったことにつきましても一つの検討項目として検討を進めていきたいというふうに思っております。 ◯菅原委員 最後、これで終わりますから。  総括的なもろもろを含んだご答弁だったのですが、やっぱりヨーロッパなどのTDMは、ヨーロッパの交通事情は東京や日本の各地域と似ているところがあると思うのです。いわゆる自転車というものを都市の交通機能の一つとして非常に大きくとらえた中でのTDMなんです。そういうことを含めて、他局とさらに密接な連携をとりながら、必ずしも都市交通網のいろいろな問題の解消という一面的な問題だけではなくて、二十一世紀に向けて広範な検討、研究を重ねていただきたいと思います。 ◯藤田委員 提出をいただきました資料もございますし、予算案の絡みで、地下鉄事業とバス事業について幾つか伺います。  まず、資料の提出がございましたが、十二号線放射部の乗客数と収入の実績を見ると、計画との間でかなり乖離がある。これはどういうわけですか。 ◯橋本電車部長 ご指摘のとおり、十二号線放射部開業後の乗車人員及び収入の実績でございますが、計画と比べて乖離がございます。  この理由でございますが、これは開業したばかりでございまして、新路線の周知には時間がかかること。また、定期券利用者が新しい経路へ移行する場合には、数カ月程度かかります。さらには、十二月、一月という年末年始の休日が多い期間に当たっていること。こういう理由によるというふうに考えておりまして、今後、利用者につきましては順次伸びていくものと考えております。 ◯藤田委員 今答弁にありましたように、確かに、まあ最初ですからね、一遍には決められないと思うんです。十二月は十九日から三十一日までだし、一月は正月休みがあったわけだから。それでも、乗車料収入で六割、乗車人員で五割というのは、今あなたが説明したような要素を割り引いても、ちょっとその差が気になるんです。  まあしかし、今の説明を前提に置きながら、そういう不透明要素、不安材料を抱えながら、平成十年度の予算で十二号線の計画を見ますと、一日二十万人、年間にして七千三百万人。乗車料収入、一日──まあいいや、これは、こっちがこんがらかっちゃうから。という計画を立てているんですよ。そうすると、今の状況を、今橋本さんがおっしゃったような要素で多少膨らむのかなというふうに考えましても、十二号線の一日の乗車人員、それから年間の乗客数、一日の売り上げ、年間売り上げが、平成十年度予算のようにいきますか。それは自信あるんですか。 ◯橋本電車部長 ただいまご質問ございましたように、平成十年度予算におきましては、乗車人員では二十万人、また乗車料収入では、これは一日当たりでございますけれども、二千六百五十四万円というものを予定しているわけでございます。  この資料でご説明申し上げましたとおり、まだ現状では乖離がございますけれども、この計画と比べますと──計画では、これは九年度予算でございますが、十六万でございます。そして、十年度予算では二五%増しの二十万人。また、乗車料収入につきましては、九年度予算では二千三百万が、十年度予算では一四%増の二千六百万強ということでございまして、私ども、努力目標ということが全くないかといわれれば、全く否定するわけではございませんけれども、実現できるというふうに私は考えております。 ◯藤田委員 なぜこのことを問題にするかといいますと、恐らく十二号線の環状部合わせて建設費が六千八百億ぐらいではもうおさまらぬと思いますから、こういう問題の立て方自身に無理があるんだろうと思いますけれども、しかし、かつて局長が責任を持って答弁したことですから。キロ当たり二百億円の建設費、キロ当たり三万人の乗客が確保できれば、かなり早い時期に収支をあがなうことができると、こういっているんですよ。それから、都営交通の財政上どうにもならないということではないと、こういっているんですね。  したがって、この前提に立つ限り、放射部ですし、始まったばかりですから、それとの対比で地下鉄十二号線の環状部も含めた収支計画を占うということは少し早計でしょうけれども、しかし、交通局の計画の見込みが甘かったということになった場合は財政問題に大きな危惧を生ずるから、だから今から確かめているんです。  そこで、建設費が六千八百二十六億円から大きく膨らんでしまうことは、もはや必至ですね。一兆円ぐらいいくんじゃないかって十月に聞いたら、加藤局長にとぼけられちゃったから、きょうはそのことは聞きませんけれども、今私が申し上げたような前提を念頭に置きながら、十二号線の建設費の検討状況、これを聞かせてください。 ◯寺内総務部長 十二号線の環状部につきましては、都心部の繁華街を通過するということで、大変大規模な都市施設との交差が多いというようなこと、そしてまた当初の予想以上に埋設物の処理工事が多いということから、建設費の増加が避けられないという状況となってございます。  現在、東京都地下鉄建設株式会社におきまして、工事変更等に伴う建設費の総額につきまして、精力的に見直し、精査をいたしておるところでございますが、極力、建設費を安くするよう、またできるだけ早く結論を出せるよう、地下鉄建設株式会社を指導いたしておりますものですから、建設費につきましては、もうしばらくお待ちをいただきたいと思っております。 ◯藤田委員 待てというものを待てないというのもやぼなやりとりになりますから、待てというなら待ちますよ。待ちますが、きょうの論議でも、十二号線が全部通ってしまったときバスとの関係はどうなるんだという心配を含めた、かなり多面的な提案がなされているわけでしょう。議会側は、あなた方のように専門家じゃなくても、そういう問題意識なんですよ。しかし、そういう問題意識の中心にある十二号線の建設問題について、建設費のその後の検討状況というのは、今みたいな状況なんですか。随分のんびりした話じゃないですか。そう思わないですか。今みたいな状況で、いつまでたっても地下鉄建設株式会社に何とか精査して出せと、せっついているけれども、まだ出ないから、ちょっと待ってくれというんじゃ、これはちょっとのんびりし過ぎだと思うんですね。しかし、待てというものを、待てないから何とかいつまで出せるか返事せいといったって、始まりませんから、質問を先に進めます。  質問の前提になりますので、この際企業債の状況を、平成十年度予算でちょっと確かめておきたい、これは確認でいいです。平成十年度予算では、地下鉄乗車料収入九千九百五十六億、収益的収支に見る利子及び取扱料、これは三百二十九億、資本的収支で見る企業債は四百九十六億、企業債返還が五百六十億ということで出ていますね。そうすると、乗車料収入に対して収益的収支における借金払いと、資本的収支における借金払いを引くと、六億ぐらいの差しかない。それから、資本的収支の企業債と企業債償還を見ますと、企業債で起こすのが四百九十六億で、返すのが五百六十億ということですね。こういう状況はもうずっとこれから続くというふうに、まず押さえていいですか。確認の意味です。 ◯寺内総務部長 今の企業債の状況でございますけれども、十二号線の環状部前までは今のような状況が十年ぐらい続くような形になろうかと思います。ただ、環状部の方が入ってきますと、環状部の買い取り方策等々はまた検討しなければいけない部分がございますけれども、状況としては今のような形が数年間続くという状況になろうかと思います。 ◯藤田委員 十二号線を交通局は引き取るのかという私の質問に対して、加藤局長は、関門トンネルのことまで引き合いに出して、引き取るって、こういったんですね。そうすると、改めて、前回もやって今回も確かめたから、同じようなことを繰り返しませんけれども、要するに、地下鉄財政というのはサラ金財政でしょう。だって、起こした企業債よりは、同じ資本的収支の勘定の中で返していくお金の方が上回っているんじゃないですか。そういう状況の中で、恐らく一兆円を超すであろう建設費を抱えたまま、交通局が、関門トンネルの例を引き合いに出して断固たる決意を表明した加藤局長の決意のごとく、これを引き取るということになったら、これは財政問題も含めて大変な事態になることは必至ですね。今の構造が十年間続くだろうといっているところへかぶさるわけだから。そうすると、企業債の償還問題、建設費の増大、これは地下鉄建設株式会社に精査させているから、きょうはもう間に合わない、返事できない、こういうことだから詰めませんが、今後の不安材料というのは増すばかりなんですよ。  そこで、今後の財政運営上何か好材料というのはあるんですか。 ◯寺内総務部長 今後の財政運営上で好材料というようなご質問だったかと思いますけれども、既設の三線に十二号線の環状部を加えた経営を考えていきますと、今後の財政運営というのは大変厳しい状況が想定されます。私どもといたしましては、今後の財政運営にとりまして、建設費の増加分に対する補助の適用あるいは補助制度の拡充、そしてまた十二号線の環状部ではございますけれども、割賦代金の一部に充当いたします企業債の発行等がぜひとも必要になってまいります。この制度の変更等につきましては、関係機関の深い理解が不可欠の条件でございますので、このために私どもといたしましては、今後最善の努力を尽くしてまいりたいというふうに考えてございます。 ◯藤田委員 平成十年度予算を今審議しているんですから、平成十年度予算というのは、十二号線は、放射部の見通しを組み込んでいるということ以外に、十二号線の環状部も全部開業したという前提で予算を組み立てているわけじゃないから、そこまで今取り組んで、ああでもないこうでもないということはあえていいませんけれども、しかし、平成十年度予算というのは、そこをも展望し、そこのつなぎ目もきちっと見据えながら編成されなければならないという私の希望は不当ではないと思うんです。  そういう観点から、将来に向かって明確な見通しを立てて、今後の経営状況をきちんと把握しなければ企業経営は成り立たないでしょう。財政フレームも机の上の計算ではめ込むための計画じゃ、僕は意味がないと思うんですよ。  そこで、実態に合わせて収支を明らかにして、問題があれば、どこをどうすればよいかを明確にして論議をすることは、今直ちに求められているんじゃないでしょうか。待ってくれなんてのんびりしていられる状況じゃないと僕は思うんです。  そこで、昨年の委員会でも指摘しましたが、大変恐縮ですけれども、一日も早く十二号線の建設費の状況に合わせて、財政収支見通しを再検討すべきだ、急いで、急いで、急いでというふうに申し上げたいと思うんです。さっきの部長答弁で満足すればいいんですけれども、あえて局長の答弁を聞いておきます。 ◯加藤交通局長 今藤田委員から、十二号線環状部、これをどう経営するか、そのための経営スキームを含めてどう考えるかということでいろいろとご示唆いただきました。非常に厳しい、サラ金じゃないかというご指摘を賜ったんですが、これだけはご理解賜りたいと思います。都営交通都営地下鉄は、とても民間ではできない厳しい地下鉄建設という大事業をこれまでやってきております。例えば、起債残高で申しますと、この十年間、大体四千五百億前後のところがずっと続いております。これは、おまえたち、借金全然減ってないじゃないかというご指摘があれば、そのとおりなんですが、逆にいえば、その間に十二号線放射部が新宿から光が丘までつながっているわけで、資産がどんどんふえているわけです。いいかえれば、新しい起債を発行して建設をどんどん進めて、片方で在来線の収入から起債を一生懸命返しているということで、結局起債残高そのものがふえていないという現状で来ているわけです。  これは、経常収支としては赤字になっておりますが、資料をごらんいただければわかりますとおり、償却前損益はかなり黒字を出していますから、これからお金を返していくという苦労をやりながら、財政的にはぎりぎりのところで頑張って建設しているという状態なわけです。プラン'97におきましては、この四年間、全職員挙げて頑張り、地下鉄の経常収支は在来線の浅草、三田線、新宿線の三線につきましては、経常収支を均衡させるということを最大の目標の一つにとらえているわけですが、それで何とか、十二号線の資金収支を返していくことにそれを充て込みたいということができるわけです。しかし、これは放射部までは何とか射程内に入ってまいりましても、環状部が、先生ご指摘のとおり、大変だといわれるのはそのとおりです。  今地下鉄建設費がなぜ出ないかというご指摘も賜ったんですが、私どもも今会社の方に非常に厳しくやっておりますが、安易な数字は出さないでほしい、ぎりぎり一円でも安くしてほしい、後の都民の負担を考えると、何としても安くしよう、もちろん安全とかそういうものは第一ですけれども、ぎりぎりの詰めをやってもらっております。そういうことでもうしばらく時間をいただきたいんです。そんなに長い時間でなくて答えが出るかと思っています。今ぎりぎり詰めているところです。  いずれにしましても、私どもとしては、その建設のコストを見た上で、それをどうやって財政的に均衡させながら引き取って、しかも費用を払っていくかということを、何としても答えを出さなきゃいけないわけです。それにつきましては、先般もお答えしましたが、起債の償還方法も一つの考え方として見直さなきゃいけない。現在のシステムは三十年で建設費を、融資分を二十年分割、その後十年分を無利子で地下鉄で入っているお金を返していくというシステムになっておりますけれども、これを、例えば、財源として一部起債を適用できるということになれば、資金の返済のプレッシャーは下がってくる。当然のことながら、十二号線環状部ができることによって収入が相当入るわけですから、それから金利を払う。金利はもちろん払わなきゃだめだ。それから、起債の償還の足を伸ばす中で、元金償還の負担を軽くする、そういうことを組み合わせながら、何としても引き取れるシステムをつくりたいというふうに思っていますので、もうしばらくお時間を賜りたいと思います。 ◯藤田委員 加藤さんね、その論議は計画が出たときにゆっくりやりましょうや。あんまり太平楽なことを、あんた、いわぬ方がいい。下手したら、詰むよ。だから、そんなふうに器用に財政上事もなげに返していけるのかどうなのかというのは、建設費がきちっと決まって、起債の償還金額がどれぐらいになって、その計画はどうなる、それから環状部が運転して、当時の局長がいっていたように、キロ三万人も入れば財政上どうってことないなんてことでいけるのかどうなのか。それはそのとき論議しましょうよ。きょうは今の答弁で承っておきます。  そこで、さっきくぼた委員からお尋ねがありましたので、多少ダブりますけれども、違う観点から同じ課題についてお尋ねしたいと思います。  それは、申し上げるまでなく、十二号線全面開業に伴って、そう遠くない将来で起こるであろう路線バスへの影響、これはどうしても確かめておきたい。そこで、その質問の前提として、まず十年間の乗り合いバスの一日平均の乗客人員数の動向。これを参考までに教えてください。 ◯佐々野自動車部長 最近十年間の乗り合いバスの乗客数でございますが、昭和四十八年度から年々減少しておりまして、平成元年度より増加に転じ、平成三年度には、近年のピークでございます一日当たり九十一万五千人の乗客数を記録しました。しかしながら、その後は景気の低迷や地下鉄の開通等により、再び減少に転じまして、平成八年度には一日当たり八十万四千人となっております。 ◯藤田委員 僕が議会に出たころは、バス百万人乗客確保体制と盛んにおっしゃったんですよ。ひところは百万人としていた一日当たりの乗客見込みは、近年は八十五万台。平成十年度の予算では、さらに前年比一万七千人減らして八十四万と見込んでいるんですね。趨勢としては落ち込んでいる。自治体も巻き込んで、交通局だけじゃなくて、営業のやり方とエリアを少し膨らましていろいろ工夫したらどうだというふうに聞こえる提案があったけれども、わかったようなわからないような答弁をしておった。つまり、これを、もう都営という、少なくとも経営的に主体性を持った交通局の責任でやっちゃうんだということで、両立させるとしたら、十二号線の全面開業の折には、バス事業の乗客計画それ自身を下方修正するというふうにいかざるを得ないんじゃないんですか。その道はもう避けることはできないんじゃないですか。そんなことはありませんか。 ◯佐々野自動車部長 現在大変厳しい乗客数の減少になってございますが、プラン'97でも示しましたように、新しいバスサービス等含めて積極的な増収、増客対策を実施しまして、何とか予定の乗客数を確保したいというふうに考えております。 ◯藤田委員 繰り返し例に出して悪いですけれども、キロ当たり三万人の乗客を地下鉄十二号で確保しなかったら収支は合わない、こういうことを一貫して交通局はいってきたんですよ。そうしたら、地下で頑張る。路面のバスも、よそさんの力をかりないで、何とか都営で頑張る。こういうことで上と下と取りっくらしたら、地下が頑張れば、地上の方は影響を受ける、こういう循環になることは間違いないじゃないですか。現に、そういう轍を踏んできているじゃないですか。だから、下方修正は避けられないんじゃないですかと聞いたのは根拠があってのことなんです。例えば、これは都営じゃないですが、地下鉄南北線の開業によって、赤羽駅東口と豊島五丁目団地を結ぶ王57系統、これは一日当たりの乗客数でどれぐらい減って、その結果、バスをどの程度減らしましたか。 ◯佐々野自動車部長 南北線の開業によりまして、ご指摘ございました王の57系統は一日約二千六百人の減少でございました。そして運行回数でございますが、従前百十八回運行していたものが、開業後七十回ということで、四十八回の減少になってございます。 ◯藤田委員 南北線の開業で交通局北営業所が受け持っている赤羽駅東口から豊島五丁目団地、これはターミナル交差じゃなくて、南北線そのものと並走しているんです。そこはまさにバスを四十八回も間引きをする。ただ、王57折り返し系統、王子駅前から豊島五丁目団地、これは並走していない、王子駅というターナミルでぶつかるだけの話だから、ここを逆に六十二回ふやしているということはあるんですよ。それはあえて答弁を求めなかった。それで、営業所自体のバス事業のパイはかろうじて維持しているが、しかし、地下鉄と競り合う、並行するところでは、北区のような下町でも実に一日二千六百十六人、したがって、バスの運行回数は四十八回も減らさざるを得ない。現実の問題としてこういうことになっているじゃないですか。  そこで伺いますけれども、参考までに、提出された資料では、地下鉄十二号線環状部が全面的に開業されたときに、並行する路線というのは十四系統、その路線の乗客数は一日当たり十三万人以上、こうありますけれども、二区間以上、一区間、これで分けて、系統名、起点、終点、一日当たりの乗客数、ざっとでいいです、早口でいいですから、いってみてください。 ◯佐々野自動車部長 十二号線の環状部と並行する路線でございますが、七系統ございます。一番多い系統でいきますと、都の02という系統がございまして、約二万七千人余、その次が都の06、二万二千人余、その次が門の33という系統で一万八千余、それから、秋の76という系統が一万二千、その他田の70、五千人、宿の74という系統が九千人、上の69が八千人ということで、二区間以上につきましては以上でございます。 ◯藤田委員 僕は、交差するところ、今あなたがいったところの路線を調べてみました。実際にどういうところを走るのかも乗ってみた。都06の甲というのは二万二千三百六人と今話があった。これは渋谷駅前から新橋駅前を走っているんです。それから、一万二千と返事があった秋の76というのは新宿車庫前から秋葉原駅東口を走っているんです。都の02というのは大塚駅から錦糸町行き、二万七千。門の33というのは亀戸駅から豊海の水産埠頭前、一万八千、十万人。こういう状況なんですよ。  これを考えると、都心並びに商業密集地、繁華街のある路線が多いんです。しかも、今説明のあった都の06甲とか、秋の76とか、都の02とか、門の33というのはまさに交通局のドル箱じゃないですか。そのドル箱路線と十二号線が並走するんです。しかも、二駅またぐところもある、それが七つ。一駅並走するところが七つ。これは五千人程度の乗客のようだ。そうだとしたら、一万二千人あった豊島五丁目団地から赤羽駅東口ですら、さっきお聞きしてお答えになったような影響が出るんだから、地下鉄環状部が全面的に開業したら影響が出るのは当たり前じゃないですか。そうでしょう。影響出なくはないんですよ。必ず影響が出るんです。  そのときに、営業そのものを、さっきから論議があるように、いろいろ自治体の力もかりて多少工夫しましょうというふうなことはなかなかやりにくい。やっぱり都営ということで縄張りをちゃんと守ってやらなきゃだめなんだということで、ずっとやっていくとすれば、繰り返しになりますけれども、一方では、キロ当たり三万人の乗客を地下鉄十二号で取らないと収支はなかなかペイできないんだという財政計画が根っこにあるとすれば、行き着くところは、年次途中の乗客数の下方修正並びにバス路線の再編成、統廃合、こういう道をたどるしかないじゃないですか。というふうにならなきゃいいがなという願望も込めて、僕はそういう心配をしているんです。  きょうはそのことの答弁は求めませんけれども、とにかく影響は大きい。そうした影響について、検討しているのか、どう対処するのか、聞こうと思ったんですが、ターミナル何とか委員会というのをつくって来年からやるということだから、これは聞かないです。同じ返事だろうと思いますからね。ただ、影響は大きいですよ。そんなにのんびりしていられるような状況じゃないんです。環状線が本気になって客を取り出しちゃったら、並走している交通局のドル箱のバス路線なんていうのはめためたになっちゃうんです。間違いないんです。これは今から何とか委員会というのをつくってやるというんだから、その経過を注視してまいります。そう簡単に考えるとは思いませんが、十分検討して対処されるように、心配ですから、お願いしたいと思います。  最後に局長に伺います。私は、激変というふうにいっていいかどうかわかりませんけれども、交通行政を取り巻く環境の変化を十二号線を見据えた財政問題と、必然的に起こるであろうバス事業の再編という課題に絞って幾つか指摘しました。交通局はプラン '97で、今後の都の公共交通の理念を明らかにされているという努力はわかっています。大変努力されている。また、地下鉄十二号線などの新規事業に要する、恐らく千人を超すであろう人員増は、八千二百八十六名という定数条例の枠内で措置するという内部努力のご苦労も続けていることも承知しています。しかも、東京交通労組など、職員団体も前向きに受けとめて努力をされていることも仄聞をしております。  しかし、時間が余りないですから多くのことをいいませんでしたけれども、私の認識では、もはや事態は事業局である交通局だけがばたばたすればいいという状況を超えていると思うんです。資料で出された地下鉄一元化問題も含めて都の公共交通を維持し発展させるために、公共交通全体の理念を明らかにすることを都政の重要課題に据えて、全庁的に取り組め、交通局だけがじたばたしても始まる話じゃない、全庁的に取り組むべきだという声を議会の側からも大きくしていきますけれども、交通局の側からも声を出して主張していくというふうにしなければいかぬと思うんです。それが一つ。  もう一つは、さきの一般質問でも、私は、財政健全化計画推進の手法に関連して、総務局が人事で締め上げて、財務局が金縛りにするというやり方をいさめました。あわせて第一線で働く職員の理解と協力を得るために最大限の努力をすべきだと主張した。東交との間をどうするこうするということは、交通局の局長の責任だから、交通局内労使間の円満な話し合いを進めるということは当然のこととして、総務局や財務局に対して、全庁的な課題だということも含めて事業局としての交通局は、物をいうときは、大きな声を出してはきはきときちんというということが今一番求められているんじゃないですか。僕はそう思うんだが、局長、どうですか。 ◯加藤交通局長 これからの都営交通を考えますと、規制緩和の問題あるいは十二号線の環状部を引き取ってこれを健全に経営していくという大きな課題を持っておりまして、第一義的には私どもが全力を挙げてこれを解決するように努力をしなきゃいけないわけですけれども、外部環境の非常に大きな問題で、自分たちの努力の枠を超えているというものも多々あることは先生のご指摘のとおりだというふうに理解しております。  私どもとしましては、まず内なるものとしましては、全職員が、都営交通が都民の足をこれからも永久に守っていくということで、全力を挙げて内部努力もし、あるいはお客様サービス等に全力を挙げるということで、都民の理解と支持をいただくということを確立しようということをもちろんやっているわけでございます。あわせまして、この大きな課題につきましては、全庁的に対応していただかなければ、私たちの力ではこなし切れないという問題があることも重々承知しております。  私どもとしましても、今先生からご指摘のありましたとおり、東京都の官房系あるいは首脳部に対して、都営交通あるいは都民の足を守るためのシステムとバックアップ、これにつきましては、一交通局のことというよりも、東京都の交通をどうするか、その中での円滑な都営交通の運営のあり方につきましては、十分意思を反映できるように今後とも頑張っていきたいというふうに思っています。 ◯森田委員 乗客が減っているという今議論がありましたけれども、都営交通、特にバスについては、高齢者の皆さんが大変に活用されている。こういう面から、何回か私も、バスの停留所のサービス向上、それは何かというと、屋根をつける、ベンチをつける、この点を取り上げてまいりました。その後この進捗状況はどうなっているか、まず伺います。 ◯佐々野自動車部長 上屋の設置状況でございますが、建てかえ設置を除きまして、平成八年度に七十五カ所、平成九年度には、今日まで四十一カ所を新設しまして、取りつける箇所につきましては、合計で千二百五十カ所でございますので、あと四十五カ所が残っている、こんな状況になってございます。  それから、ベンチにつきましても、本年度関係機関の協力を得まして百カ所設置いたしまして、年度末には百六十カ所の設置になる見込みとなってございます。 ◯森田委員 ご努力は認めます。平成十年度ではどの程度まで進むのか。今伺ったのでは、ベンチの方が大分おくれているんではないか。現時点で百六十カ所、私など素人考えで考えると、屋根をつけられるところは大体ベンチが置けるような感じがするんですけれども、そういう意味では高齢者が利用するケースの多いバス、ベンチというのは非常に重要なものではないか。平成十年度でどの程度進むのか教えてください。 ◯佐々野自動車部長 ベンチの設置許可でございますが、従前ですと、道路構造令で大変厳しい縛りがございましたが、平成五年度から改正されまして、道路附属物として設置ができるようになりました。そういったことで、近年設置が進捗しているという状況でございます。そこで、本年度、平成九年度は先ほど申しましたように約百カ所、関係機関の協力を得て設置しておりますので、来年度も関係機関の協力を得まして百基程度設置するというふうに考えてございます。 ◯森田委員 この高齢社会の中で、バスを利用される方の利便を考えてぜひ進めていただきたいと思います。  次に、私が資料要求した廃食油を燃料としたバスの運行、京都の状況を調べてデータを出していただきました。この京都の状況を見て、交通局の方はどのような感想をお持ちでしょうか。 ◯佐々野自動車部長 廃食油を燃料としたバスということで、京都市交通局が、そういった意味ではリサイクルということで先駆的なことでやっているなという評価で、同業者としてはそういった見方をしております。 ◯森田委員 東京都は、青島知事が、循環型社会、リサイクルというのを進めていく、これは都政の重要課題の一つということで取り組んでいるわけです。そういう中では、天ぷら油の残ったものをリサイクルをして活用するこの廃食油というのは、その循環型社会にもぴったり合っていることじゃないかなと思うんですね。東京都がこのバスに活用するために、利用するのに何か課題がありますか。
    ◯佐々野自動車部長 導入に際しての課題でございますが、まず廃食油の、精製燃料のバス燃料としての適性がございます。第一に、発生する排ガスの低公害性、第二に、エンジン等装置に及ぼす影響の有無、さらに三番目といたしまして、燃料費が軽油と同等で、経営に負担がかからないということ、四番目には均質な燃料が安定的に供給できる、こういったことが課題かと考えております。 ◯森田委員 幾つかの課題があることは私も知っているわけですけれども、こういうリサイクル社会、循環型社会をつくる上において、交通局としてもこの廃食油の利用を、実験的にでもいいですから、やってみたらいかがかと思うんですが、その辺はどうでしょう。 ◯佐々野自動車部長 先生ご指摘のように、廃食油の活用は、循環型社会を形成する観点から有効な手段と考えております。交通局では、さきに述べました諸課題を踏まえまして、京都市で既に行っている試験運行の結果を参考にさらに検討してまいりたいというふうに思っております。 ◯森田委員 バスの保有台数はよくわかりませんけれども、自治体が持っている交通局としては多分東京都が最大ではないか。京都とは比較にならない規模を持っている。そういう東京都が率先してこういう循環型社会をつくるための実験をやるということは大事ではないか。そういう取り組みをして初めて、青島さんがいっている循環型社会に東京都も取り組んでいるんだということはいえるんじゃないかと思うんです。京都の実験を待つとかいうんではなくて、東京都がみずからこういうものに取り組んでいくことが必要ではないかと思うんですが、いかがですか。 ◯佐々野自動車部長 確かに、東京都の場合千八百両の車両を保有し、そして京都と比べれば七百八十ということで倍に近い車両数を保有しておりますが、東京都で進めていこうという考え方につきましては、先駆的にやっております京都の例がございます。特に一番問題となります車両に与える影響、そういったものも近々結果として出てくるのではないかというふうに思っておりますので、リサイクルの活用につきましては、そんなに時間がかからない形で京都の結果が出てくるだろうと思いますので、そういったものをぜひ参考にさせていただけたらというふうに思っております。 ◯森田委員 京都の結果を見てというんですが、京都からそういう具体的なデータ等、全部入るようになっているのかどうかが一つと、もう一つは、京都で仮にいい結果が出たとしても、また東京都独自で実験をし直す、これが東京都の取り組み姿勢じゃないかと思うんです。そうであれば、もう今から取り組んだ方がいいんではないかと思いますが、どうですか。 ◯佐々野自動車部長 京都市交通局では、同じ公営交通事業協会を通じまして、また独自に京都市からデータを入手しております。先生おっしゃるように、東京でやればまた新たな実験方法ということでございますが、燃料の安定供給、そういったことを含めて京都と東京との違いもあるやに聞いてございますので、そういったバックグラウンドも含めて検討していく必要があるのではないかというふうに考えてございます。 ◯森田委員 京都の実験結果は大体いつごろわかりますか。 ◯佐々野自動車部長 先ほど総務部長が資料で説明しましたように、本年三月まで試験運行ということでございますので、四月、来年度に入りましたら、試験結果のデータをいただきたいというふうに考えてございます。 ◯森田委員 その結果、いい結果が出れば東京都も実験を開始すると見ていいですね。 ◯佐々野自動車部長 試験結果のデータを十分精査して、導入について検討していきたいというふうに考えております。 ◯森田委員 東京都も、リサイクル社会という観点から見ても、この廃食油活用のバスの運行実験をぜひ開始していただきたいというふうに思うんです。低公害車にこれだけ力を入れているわけですから、その一環として、こういうものに取り組んでいくことは重要なことではないかと思うんです。  もう一つは、私、予算委員会でも取り上げましたけれども、環境ISO一四〇〇一、これはご存じだと思いますけれども、国際的な環境基準、これを取得することは、企業でもあるいは行政でも、環境に大変真剣に取り組んでいるという評価をされるわけです。そういう意味で、環境ISOを取るためにも、廃食油のようなものにも取り組んでいますということが、大きく評価をされる。東京都自身がこの環境ISOは取得するようにすべきではないかと私は思っています。  予特で聞いた範囲では、現時点では清掃局と下水道局が取得を目指しているということなんですが、交通局はどうですか。 ◯松尾経営企画室長 交通局におきましては、低公害バス車両の導入や回収いたしました地下鉄乗車券のリサイクルなど、従来から循環型社会づくりに資する施策を進めてきたところでございます。  ご質問のございましたISO一四〇〇一番につきましては、循環型社会づくりを進める上から効果的な環境マネジメントシステムであるといわれておりますので、交通局といたしましては、今後ISO一四〇〇一番への取り組みにつきまして、その効果、課題等十分に調査いたしまして、当局の所管する事業への適用のあり方等検討を進めていく考えでございます。 ◯森田委員 予特では青島知事も、このISO一四〇〇一、大変高く評価しておりました。環境の先進都市として東京都はぜひ取り組んでいきたい、その東京都の中でまず最初に下水と清掃局で取っていきたい、やがては東京都全体に広げていきたいというような思いもあるようです。これからの社会というのは環境というものが重要な課題ですし、特に交通局の場合は、多くのバスを抱え、そういうことから考えると、環境に一層取り組んでいく必要があるのではないか。そういう意味で、廃食油の利用、環境ISO一四〇〇一、これを取ることによって、東京都交通局が環境に前向きに取り組んでいるということが評価されるのではないか。そういうことが大変重要な時代になってきましたし、二十一世紀へ向けてはますますそういうことが重要な課題になってくるというふうに私は思います。  最後に、局長の環境に対する決意を聞かせてください。 ◯加藤交通局長 地球環境あるいは大都市環境における交通局の役割について、今いろいろとご示唆賜りました。私どもはこれまでも、いかに低公害のバスを出すかということで、メーカーともいろいろ検討し合ったり、あるいは私どもで持っています工場、車庫等における、例えば排水の基準とか、いろんなことに神経を使ってまいったわけですが、今回ISOの審議の中で勉強させていただきまして、私どもとしても、もっと広い意味での地球環境そのものにおける交通局あり方について再検討しなければいけないということをつくづく感じたところでございます。  予算委員会が終わった後すぐ担当の方に、ISO一四〇〇一の問題については、検討しようということもいったんですが、今後におきまして、私どもとしては全力を挙げて都営交通の環境に対する取り組みをやると同時に、それをてことして、交通事業管理等を通じた都市交通環境の改善ということにも全力を挙げてまいりたいと思っていますので、いろいろとまたご指導、ご鞭撻を賜ればと思っています。 ◯五十嵐委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。  本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯五十嵐委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。  以上で交通局関係を終わります。  これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。    午後二時四十九分散会...