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  1. 東京都議会 1998-03-17
    1998-03-17 平成10年警察・消防委員会 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時七分開議 ◯井口委員長 ただいまから警察・消防委員会を開会いたします。  初めに、予算の調査について申し上げます。  平成十年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。  公文の写しはお手元に配布してあります。  朗読は省略いたします。      ───────────── 平成十年三月十六日 東京都議会議長 田中 晃三 警察・消防委員長 井口 秀男殿    予算特別委員会付託議案の調査について (依頼)  このことについて、予算特別委員長から別添のとおり調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。      記 一 調査範囲 別紙1のとおり 二 報告様式 別紙2のとおり 三 提出期限 三月二十日(金)午後五時      ………………………………… (別紙1) 警察・消防委員会
     第一号議案 平成十年度東京都一般会計予算中 歳出 債務負担行為 警察・消防委員 会所管分      ………………………………… (別紙2省略)      ………………………………… 平成十年三月十六日 予算特別委員長 矢部  一 東京都議会議長 田中 晃三殿    予算特別委員会付託議案の調査について (依頼)  本委員会は、付託された議案の審査に当たって各常任委員会の意見を参考とすることに決定したので、左記のとおり調査の依頼をお願いします。      記 一 調査範囲 別紙1のとおり 二 報告様式 別紙2のとおり 三 提出期限 三月二十日(金)午後五時      ………………………………… (別紙12省略)      ━━━━━━━━━━ ◯井口委員長 本日は、お手元配布会議日程に従いまして、警視庁消防庁の順で予算の調査並びに付託議案の審査を行います。  これより警視庁関係に入ります。  初めに、先般の人事異動に伴い幹部職員に交代がありましたので、警視総監から紹介があります。 ◯前田警視総監 当委員会の諸先生方には、大変お世話になっております。ありがとうございます。  さて、先般の人事異動によりまして幹部の交代がございましたので、紹介をさせていただきます。  交通部長の近本厚生、会計課長から企画課長に転じました富山幹夫会計課長大場忠男でございます。よろしくお願いを申し上げます。    〔理事者あいさつ◯井口委員長 紹介は終わりました。      ───────────── ◯井口委員長 次に、予算の調査並びに付託議案の審査を行います。  第一号議案、平成十年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為警視庁所管分並びに第百四十二号議案及び第百四十三号議案を一括して議題といたします。  本案につきましては、既に説明を聴取しております。資料の要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。  発言を願います。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯井口委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これに異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯井口委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。  以上で警視庁関係を終わります。      ━━━━━━━━━━ ◯井口委員長 これより消防庁関係に入ります。  予算の調査並びに付託議案の審査を行います。  第一号議案、平成十年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為消防庁所管分並びに第百四十四号議案、第百四十五号議案、第百四十六号議案及び第百四十七号議案を一括して議題といたします。  本案につきましては、既に説明を聴取しております。  その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。  資料について理事者の説明を求めます。 ◯池田次長 去る二月二十日、本委員会で要求のございました資料は、お手元にお届けしてあります、平成八年修正東京地域防災計画のうち東京消防庁所管分の主な計画事業に対する実施状況を表でお示ししたものであります。この計画内容は、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、予想される地震災害に適切に対応するため、消防機動力の強化や震災対策用資機材等充実強化を図ったものであります。  それでは、本資料についてご説明申し上げます。  資料一ページの1、消防救助機動部隊の整備をごらんいただきたいと存じます。  当庁では、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、通常の消防力では対応が困難な救助事象市街地大火に対処できる特殊な車両を配備した消防救助機動部隊、いわゆるハイパーレスキューを、平成八年度に特別区及び三多摩地区にそれぞれ一部隊を整備したところであります。  なお、この部隊に配置している主な車両は、整備車両内訳欄にお示しのとおりでございます。  次に、2、航空消防活動体制の強化のうち、消火ヘリコプターの整備をごらんいただきたいと存じます。  これは、市街地火災に対するヘリコプター空中消火の有効性について、調査研究試作機の製作、実験を重ねてまいりましたが、平成九年度末までに本格運用を開始することにしております。また、航空消防活動体制を充実するため、東京消防庁本部庁舎の屋上に夜間照明設備の整備を図るとともに、航空消防活動拠点の調査も行うことにしております。  次に、3、消防機動力の増強をごらんいただきたいと存じます。  新たな震災対策用消防車両として、救助資機材を積載した大型の救助工作車を初め、初期における情報収集消防活動を行うオフロードタイプの消防活動二輪車の整備、さらに水利不足地域での消防活動を支援するため、十トン水槽車の整備、海、河川等巨大水利から災害現場へ大量送水する遠距離大量送水装備の整備を図ったところであります。  次に、二ページの4、震災対策用資機材の増強をごらんいただきたいと存じます。  新たな震災対策用資機材といたしまして、空気圧を利用して、少ない水量で効果的な消火を行うことができる新消火装置の整備を進めるとともに、特別救助隊を配置していない消防署には、ポンプ車に積載することができる救助用ユニットの整備を進めているところであります。また、倒壊家屋等から救助者を救出するためのハンマーやバールなどの消防隊用救助資器材セット及び消防団用救助器具の整備、さらに、瓦れきや土砂に埋もれた人を検索するための生存者探索装置画像探索装置の整備を図ったところであります。  次に、5、消防水利の整備をごらんいただきたいと存じます。  消防水利の整備につきましては、従来から百立方メートル防火水槽や四十立方メートル防火水槽地中ばり防火水槽を整備しているほか、巨大水利の確保といたしまして、環状七号線地下調節池の活用も図ったところであります。  三ページの6、消防広域応援体制をごらんいただきたいと存じます。  広域応援体制として、地震等規模災害時における迅速な人命救助活動を目的として、平成七年六月、全国の消防機関相互による緊急消防援助隊制度が発足いたしました。このため、応援消防部隊が使用する資器材共通性を確保するため、ホース媒介金具スピンドルドライバーを整備したところであります。  次に、7、消防通信情報処理体制の強化をごらんいただきたいと存じます。  震災時における特別区と多摩地区災害救急情報センター間の相互補完機能を充実するため、衛星通信システムを整備するとともに、広域消防応援に備え、全国共通波の増波に伴う基地局の整備も図ったところであります。また、消防署などに地震計を整備し、地震計ネットワークを構築するとともに、震災対策総合支援システムの整備を図ることにしております。  次に、8、ボランティア育成指導をごらんいただきたいと存じます。  これは、震災時に消防職員と連携し、応急救護活動消火活動消防用設備等機能確保などについて支援する東京消防庁災害支援ボランティアの募集、育成を推進しております。  以上をもちまして、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。 ◯井口委員長 説明は終わりました。  ただいまの資料を含めて、これより本案に対する質疑を行います。  発言を願います。 ◯西田委員 それでは、ただいまご説明いただきました資料については、最後に関連して発言させていただきたいと思いますが、まずその前に、幾つかちょっとお聞きしておきたいと思います。  日常の消防の訓練に関する問題について伺いたいのですが、東京消防庁の最大のイベントということになりますと、やっぱり年初めの出初め式だというふうに思うんですね。これまで晴海の方でやられていたのが、ことし初めて臨海部の有明の丘で行われたということでございます。この出初め式に、私自身はどうしても出席できなかったんですけれども、出席した人がいろいろ会話を耳にした中で、この臨海副都心というのは、ヘリコプターを飛ばすのは通常ではなかなか困難で、この出初め式を行うに当たっても、消防庁の皆さんの大変なご苦労があったんだということを耳にしたということをお聞きしたわけであります。  そこでお伺いをしたいんですけれども、晴海から臨海部に会場を移されて、この出初め式を実施するに当たりまして、どのようなご苦労があったのか、この辺をちょっとお話しいただければと思います。 ◯小林装備部長 消防出初め式は、都民に親しまれ、密着している行事であります。  粘り強く運輸省と折衝してきた結果、航空機に支障を来さない範囲で許可されたものであります。    〔「明快にして意味がわからない」と呼ぶ者あり〕 ◯西田委員 今、明快にして意味がわからないという発言もありましたけれども、とにかく出初め式はやらなければいけないわけですよね。しかし、その中で粘り強く航空機の運航に支障のない範囲でやれるように頑張ったということなんですが、なぜそういうふうに粘り強く運輸省と交渉しないとできないのかという問題なんですよね。  これは、羽田空港航空管制下の中に入っているということで、そういうことになっているのではないかと思いますけれども、その概要と、それから、こういう平常時での消防演習が許可される要件というのはどういうふうになっているのか、明らかにしていただきたいと思います。 ◯小林装備部長 羽田空港管制圏内防災訓練等を行う場合は、事前に運輸大臣の許可を受ける必要があります。その許可条件といたしまして、羽田空港に離着陸する航空機の運航に支障のない範囲で、視程距離が五キロメートル以上の有視界の気象状況が必要であります。そのように定められております。 ◯西田委員 そうしますと、まあ冬ですから、ほぼ大丈夫なんだと思いますが、もし濃い霧が立ち込めているような場合に、なかなか許可されないということもあり得るのかなと思うんですね。今、お話がありましたように、その可能性があるということですから、許可されないということも十分あるわけで、したがって粘り強い交渉が必要だったということになるわけですね。  それでは、これは平時の演習ですからいいですけれども、緊急時の場合はどのような要件があるのでしょうか。 ◯小林装備部長 羽田空港管制圏内で火災、救助等災害活動を行う場合は、当該空港に離着陸する航空機に支障を来さない範囲で当該管制圏への進入が許可されます。  なお、管制圏内を飛行する航空機安全確保のもとに、ヘリコプターの活動は可能であるとされております。 ◯西田委員 要するに、羽田空港航空機の離発着に支障のない限りということの条件がつくわけですけれども、当然のことながら、そこで災害が発生していて人命が危ういということになれば、一々許可をとってというわけにはいかないということで、飛ばさざるを得ないというふうに思うんです。しかし、そういう場合でも、やっぱり運輸大臣に文書で許可を求めることが必要だということをお聞きしているわけですが、大変な条件がついているんだと思います。  そういう場合に、この航空管制下に入っている地域というのは、他のところと比べまして、大変条件が違うと。ヘリコプターを飛ばすという点で極めて条件が違う、大変なところになっているというふうに思いますけれども、どうでしょうか。 ◯小林装備部長 管制圏内消防演習訓練等を行う場合は、航空法により、事前に運輸大臣に対して許可申請を行います。また、火災、救急活動等の災害時には、その都度、空港事務所長進入許可を受けます。 ◯西田委員 今のご答弁は、さっきいったことと同じことなわけですけれども、そういたしますと、いずれにしても、通常のこういう新宿等の地域とはやっぱり違うということがはっきりしていると思うんですね。  あそこの臨海部全体が航空管制圏の中に入るか、あるいはそれに準ずるような地域の中に入っていることは明らかなわけなんですけれども、あそこには四千人ぐらいいるんですか、今もうお住まいになっている住宅もありますし、それから、人がたくさん出入りするオフィスビルもあるわけですし、そういう点では、いざ事があったときにスムーズにいくのかなという心配もあります。同時に、出初め式をやりました有明の丘、ここの地域自身がそういう管制圏下に入っているわけですから、そういう点でも、あそこを防災拠点として活用した場合に、いろいろとその他の地域とは違う制限がかかっているところで、果たしてそういう用途に供することが適切であるかどうかという疑問があるのではないかと思います。  それはその程度にしておきまして、もう一つお聞きをしたいんですけれども、東京にはたくさんのビルが立ち並びまして、超高層の住宅も林立するようになってきているわけですね。そこにはたくさんの人が住み、働いているわけですけれども、こういう場所での日常の訓練というのは大変重要になっているんだろうと思うんです。消防法では防火管理者というのが置かれることになっているわけですけれども、この防火管理者という方の責任というのも、また極めて大きいのではないかと思うんですね。この防火管理者の責務というのはどういうふうになっているのか、お示しいただきたいと思います。 ◯鎌倉指導広報部長 防火管理者は、消防法第八条の規定によりまして、管理について権限を有する者の指示、命令を受けまして消防計画を作成しまして、その消防計画に基づき、消火、通報及び避難の訓練の実施、消火器屋内消火栓などの消防用設備等の点検及び整備、火気の使用または取り扱いの監督、収容人員の管理、また従業員の防火教育の実施など、業務を誠実に行わなければならないことになっております。 ◯西田委員 防火管理者の責務は、大変重要であるということが今わかりました。そういう中で、通常、この防火管理者というのはどういう人がなるのでしょうか。  例えばこの議会棟のフロアでいえば、だれだれとかというふうに、何かこう名札が下がっておりますけれども、テナントビルなんかの場合は、幾つかの会社が同じビルの中に入居しているというのがあるわけですね。そういうビルの中に幾つも会社が入居しているときに、その建物全体を統括する防火管理者というのは、どういう人がなるのかなというふうに私は思っているわけなんですけれども、お伺いをしたいと思います。 ◯鎌倉指導広報部長 防火管理者は、事業所において管理部門を担当する総務部長など管理的な、または監督的な地位にある者がなっております。 ◯西田委員 そういう総務部長さんというのは、例えば会社でいえば、一つの会社で総務部長さんというのがいるわけですよね。幾つも会社が入っておりますと、何人もの総務部長さんがいらっしゃるわけですね。そういう中で、一つの建物全体の防火管理者という方はいらっしゃるのか、いらっしゃらないのか、これをちょっとお聞きしたいんです。 ◯鎌倉指導広報部長 今のお尋ねでございますけれども、こういうような複合用途対象物には、それぞれ共同防火管理協議事項というのがございまして、そこでそれを統括する管理者、先ほどいいましたそれぞれの総務部長なり管理監督する方が当たるようになっております。 ◯西田委員 それでは、防火管理者消防計画を立ててそれを実行するという義務づけになっているわけなんですが、その建物によって違うと思うんです。テナントビルなんかもそうだと思うんですが、不特定多数の人々が利用する建物の避難訓練の回数とかそういうのは何か義務づけがあるのでしょうか。 ◯鎌倉指導広報部長 消防法の第八条に基づきまして、一定規模以上の防火対象物におきましては、消防計画に基づき、定期的に自衛消防訓練を実施するよう義務づけられております。  なお、旅館、ホテル、物品販売店等の不特定多数の者が出入りする防火対象物では、年二回以上の消火及び避難訓練が義務づけられております。 ◯西田委員 年二回以上の訓練が義務づけられているということなんですが、実は臨海部の台場のフロンティアビル、ここには霞が関からわざわざ移転して入居した企業があるんですね。その労働組合の幹部の方から別件でいろいろお話を聞く機会があったんですが、その際に、引っ越してきて二年たつけれども、一度も避難訓練というものをやったことがないというんですね。非常にやはり心配をしておられるわけで、一体これはどういうことだと。防火管理者の話が先ほどありましたけれども、例えば、あれは三井不動産が持っているビルなんだそうですが、霞が関のビルのときには必ずきちんと避難訓練が行われていて、年に二回ぐらいやられていたということなんですが、こっちに来たら一回もそれがないと。  臨海副都心建設株式会社オーナーになっているわけですけれども、そういう共同テナントビルの場合には、そのオーナーの方でちゃんと訓練をするように調整をする共同管理者協議会というのがあるそうですが、そういうところをやっぱりリーダーシップをとってやらないと、進まないんじゃないかと。そういうオーナーの人にも聞きましたら、それはそうだ、そうしないとなかなかできないんだというふうにいっておりました。  それは一例ですけれども、例えばそういう巨大なビルで、たくさんの企業が入っているような場合に、避難訓練が一度も行われないという事態があった場合には、当然これは、先ほどの防火管理者の責務の中に義務づけられているということですから、消防庁としても問題だというふうにいわざるを得ないんじゃないかと思うんですね。指導監督の権限が消防庁にあるんじゃないかと思うのですけれども、そういうことがわかった時点で、消防庁はどういうふうになさるのですか。 ◯鎌倉指導広報部長 防火管理者の選任届を怠った場合や、訓練などの防火管理業務を適正に行わなかった場合については、消防法により罰則がございます。 ◯西田委員 罰則があるということになりますと、それはかなり厳しい義務づけだということになるんだろうと思いますけれども、いずれにしても、東京にはたくさんのそういうビルがあるわけですから、そこで働いている人が安心して働ける、そういう条件をつくっていくことが大変大事なことだというふうに思うんですね。そういう点では、罰則までつくような義務づけがあって、管理監督、指導をするという責務が消防庁にあるわけですから、それが適正に行われるように要望しておきたいと思います。
     もう一つ、防災弱者の問題ですけれども、国勢調査の結果によれば、今、ひとり暮らしのお年寄りが、東京都内では二十六万人を超えているわけです。もちろん、その中には元気な方もいらっしゃいますし、虚弱な方もいらっしゃるわけです。あるいはお年寄り夫婦もいらっしゃるわけですね。  先日いただきました、消防庁を退職された方がお書きになった本を読みましても、本当に深刻な老老夫婦の実態というのが描かれておりまして胸をつかれたわけですけれども、そういういわゆる災害弱者といわれる人たちの状況を消防庁として把握をして、火災が起きたときに、いち早く救助ができるとかいうことが大変大事なことなんじゃないかと思います。消防庁として、こういう把握をどのようにして行っておられるのか、伺いたいと思います。 ◯鎌倉指導広報部長 今のお尋ねの件でございますけれども、寝たきり、またはひとり暮らし高齢者等災害弱者に対する実態把握につきましては、主に一般住宅を対象とした防火診断を行いながらの情報収集、または町会、自治会等を通じての情報収集災害弱者本人から、または家族からの情報提供等によるものでございます。 ◯西田委員 そのようにして消防庁が絶えずつかむ努力をしておられるというのは大変大事なことだというふうに思いますが、そういう方々に対して、消防庁としてはどのような対策をとっておられるのか、伺いたいと思います。 ◯鎌倉指導広報部長 火災等の災害への対応の弱い方、いわゆる災害弱者の方の火災による安全対策でございますけれども、東京消防庁では、最重要施策の一つとして推進しております。  家庭を訪問しての防火診断による居住環境の安全及び防火意識の高揚、または災害弱者及び地域の防災行動力を向上させるための防火防災訓練、または応急救護訓練、町会、自治会社会福祉施設等が一体となった地域の協力体制づくり──消防のふれあいネットワークづくりといっておりますけれども、こういうものにも努めながらやっていきたい、こう考えております。 ◯西田委員 そういう大変大事なことが取り組まれているということだと思います。そういう取り組みがなされているとすれば、より一層、地域におられるひとり暮らしのお年寄りや、あるいはお年寄り夫婦という方々の実態をできるだけたくさん正確につかむということが大事なことだというふうに思うんです。  ところが、実はこれは私ども本会議の一般質問でも取り上げましたけれども、現実には、福祉局に聞いても、ひとり暮らしのお年寄りの数というのは推計でしか出していないということなんですね。国勢調査で二十六万何がしなんですけれども、福祉局の推計だと二十三万幾らだというような状況でして、行政の側、本当は福祉をつかさどるところがちゃんとつかんでおかなければいけないんじゃないかと私は思うんですが、なかなかそうなっていないというのが現状なんですね。区市町村が実態をつかむというのが、もちろん一番把握しやすいわけですから、今幾つかの市や区で悉皆調査が行われたり取り組みも進められておりますけれども、そういう努力も、まだまだこれからなんだというふうに思うんです。  せっかく消防庁の方でそういう取り組みがなされているわけですから、ぜひとも東京都の福祉局や関連の局、あるいは区市町村と寄り寄り協議を重ねられまして、こういうところに中心を置いた実態の把握、調査、そういうものについて、もっとこうしたらいいんじゃないかという協議を進めていただきたいというふうに思います。これは横のつながりの問題がいろいろあるでしょうから、すぐにできるかどうかというのもありますけれども、ぜひ要望しておきたいと思いますので、取り組んでいただきたいと思います。消防団運営協議会なんかが、それぞれの区にあるわけですけれども、消防団の運営についてはいろいろやっても、こういう問題での協議というのがなかなかできていないんじゃないかというふうに思うので、これから高齢化社会に向かって大事なことだと思いますので、ぜひ消防庁の方からも積極的に取り組みを進めていただきたい。要望しておきたいと思います。  最後に、先ほどご説明をいただきました資料に関連いたしまして、要望させていただきたいと思います。  先ほどのご説明がございましたように、今日、阪神・淡路大震災以来、もう三年が過ぎて四年目に入っているわけです。改めて、あの阪神・淡路大震災から何を学ぶのかということが必要なんだろうと思うんですね。そういう点で学んでつくられた計画、そして、それを具体化していく施策が今日まで進められてきたということだと思うんです。  東京都の震災予防条例は、地震は防げないけれども、震災は人間の知恵と努力によって未然に防止することができるという、多分そういう趣旨で書かれているわけですね。そういう点では、非常にすばらしい震災予防条例の精神があって、それを生かしていくことが、今、都民の安全を確保するという点でも非常に重要なことではないかというふうに思います。そういう立場から、私たちの党は、あの震災以来いろんなことを要望もさせていただきました。とりわけ消防力の増強が大事だということで強調してきたわけであります。  革新都政の十二年間でポンプ車が百五十六台ふやされたけれども、鈴木都政になったらマイナス七台になっちゃったという問題も、実は指摘をさせていただいたんですね。今も定数の削減というのが大分大問題になっているわけですけれども、ポンプ車を一台ふやせば、人を四人か五人か、あるいはそれが三交代なら十五人とかふやさなければいけないというので、なかなかポンプ車一台もふやせないということの中で、この七年から九年まで見ても、たった一台しかポンプ車がふやされていないというのもあるわけですね。それから、先ほども真っ先に説明がありましたけれども、ハイパーレスキューの部隊で、ショベルカーやブルドーザーや、そういう重機を整備することが大事だということも強調させていただいたわけですが、ハイパーレスキュー隊は地域防災計画では十部隊必要だというふうにありながら、今日まで二部隊しかつくられなくて、ショベルカーもブルドーザーも二台ずつしかない、こういうことになっているわけですね。  私は、そういう状況の中で、もちろんそれぞれ計画に従って整備が進んだものもありますけれども、やはり東京消防庁が、人命を救助する、あるいは災害を防ぐという点では、それを第一義的に掲げた唯一の機関だというふうに思うんですね。例えば江戸川の葛西の消防署は今年度着工できるのに、予算が切られて、やっと来年度芽が出たというような財政の状況だということもあるかと思いますけれども、しかし、消防庁自身がそういう立場に立って、備えを万全にしていくために大いに努力をしていくという、このところにしっかり立たないと物事が進んでいかないのではないかというふうに思います。今後とも、震災から都民の生命、財産を守るという第一義的な任務を持っている消防庁なんだということで、ぜひ声を大にして必要なことは要求をしていただきたいということを申し上げて質問を終わりたいと思います。 ◯坂口委員 せっかくの機会でございますから、簡単でございますけれども、質問させていただきます。  今の質疑でもございましたように、首都東京、わけても日本の都市においては、いつ来るかわからない直下型の震災等にどう備えるかということ、もう一つは、少子高齢化の中で、これからの福祉基盤等をどう整備していくか、これが二大命題であると私は常々考えております。  今、テレビで「徳川慶喜」が放映されておりますけれども、安政年間に大地震がありました。一八五〇年代でございます。そして、関東大震災が七十四年前にありました。一九二〇年代のことでございます。それらから推してきましても、いつ何どき直下型の地震が起こってもおかしくない。また、最近の地震科学の知見でもそのようにいわれているところでございます。したがって、消防庁の責務は大変重い、また期待されるものも大きい、そのように申し上げても過言ではないと思います。  そんな中で、若干消防庁の美談も含めて、ちょうどことしは消防五十周年の年でありますので、消防総監等からお聞かせいただきたいと思うわけでございますが、美談というのは何かといいますと、こういうものもみんなで確認し合っておいた方がいいのではないかと思いまして、取り上げさせていただきます。  長野の冬季オリンピックが行われまして、大変なドラマと感動を私どもに伝えてくれました。清水選手なんか、体が小さいという中で、まさにすばらしいスケーティングを示してくれました。私も長野でございますから、鈴木恵一選手ですとか、黒岩選手ですとか、いろいろ見てきました。しかし、なかなか金メダルがとれない。しかし、見事にスケーティングをしてくれました。さらに背景を聞きますと感動的でございまして、父親がいない、そういうハンディキャップを克服しての堂々たる金メダルでございました。そして、あの謙虚な姿勢に、また私どもは感動いたしました。親またはお姉さんたちに対するお礼の言葉、そしてまた、気持ちの中には監督やコーチ、またはNAOCの皆さん、JOCの皆さん、IOCの皆さんといういろんな気持ちがあったんでしょうけれども、このような舞台をつくってくれた皆様に感謝をしたい、これがまた私どもにすばらしい感動を伝えたと思うんですね。  このようなオリンピックで、そのほかにもメダリストは里谷多英選手ですとか、船木選手ですとか、もろもろいるわけでございます。原田選手、西谷選手もそうであるわけでございますが、その後に続くパラリンピックで、これまた私どもは、大変な人生のドラマと感動に遭遇させていただきました。その中からいろんな勇気を感じ取らせていただいたところでございます。このパラリンピックと消防庁は無関係ではございませんで、私は新聞を見て、さすが東京消防庁、すばらしい、我々の誇りだと、きょうは褒めさせていただきますけれども、そういう感動を受けました。  それはどういう記事かといいますと、多くの方が見ておられると思うんですが、アイススレッジで優勝しました松江美季選手、二十四歳の方でございますけれども、学芸大学に在籍をしておりまして、今春卒業、アメリカに留学をして障害者のスポーツの後進の指導に当たりたいということであるわけでございますが、この方が一九九三年、今からちょうど六年ほど前でございますけれども、私のすぐ近くでございますが、青梅街道で事故に遭遇したということでございます。しかし、その後の荻窪署の救急隊の処置が大変すばらしかった、よってこの娘は一命を取りとめて、今日のオリンピックに出られるような状態になったという記事を見せていただいているわけでございますが、このときの事故というものはどんなものであったのか、それに対してどのような措置を東京消防庁がとられたのか、ぜひこの機会にお聞かせいただきたいと思います。 ◯中村救急部長 この事故は、平成五年十月二十二日、六時二十六分ごろ、杉並区善福寺三丁目一番地先の青梅街道上で自転車に乗っていた、当時大学一年生の松江美季さんがダンプカーとの交通事故により受傷したものであります。一一九番通報により荻窪消防署の西荻救急隊が出場し、受傷の程度等から重症と判断し、酸素吸入、頸部固定等を行いました。救急処置の後、三鷹市内の救命救急センターに搬送したものであります。  なお、本年三月三日、荻窪消防署あてに母親から感謝の手紙が寄せられました。その内容は、十三カ月の入院生活を経て、復学と同時に車いすのスポーツを始め、今回のパラリンピックに出場できるまでになったこと、及びそれはひとえに当時の救急隊の適切な処置があったからとのことでした。 ◯坂口委員 プライバシーの問題も若干あろうかと思いますけれども、手元にあります毎日新聞を見てみますと、消防庁の救急隊の人たちへの感謝ということで、「あの時皆様方の適切な処置があったからこそ、いまの娘が存在します」というような内容であった。消防庁の鈴木さん、現在府中の救急隊長をしておられるということでございますが、その方のお名前も入っております。さらに、鈴木さんの言葉として、「あれほどの大けがを負いながら、パラリンピックに出場するほど回復したことがうれしかった。金メダルのニュースは我々にとっても何よりの励みになります」、こういう言葉が出ているんですね。私は、まさに東京消防庁も金メダルだと、そのように申し上げたいのでございます。  このようなことは氷山の一角だと思うんですね。実は、先ほどもちょっと出てまいりましたが、奥山先生から、このような本をいただきました。これをひもときますと、日ごろ我々の縁の下の力持ちとして、我々の生命や財産を守ってくださっております──本のタイトルは、中澤昭さんの「生きててくれ!」というものでございますが、これも氷山の一角だと思うんですけれども、すばらしいドキュメンタリーがぎっしり凝縮されている。ただ、みんなすばらしい状態で終わったかというと、本当に涙をのむような苦しい状況もあったのではないか、また、悔いの残ることも多々あったのではないか、そんなふうに推察されるところであるわけでございます。それらを含めまして、日ごろのご苦労に感謝を申し上げたいと思いますし、松江選手のこういう記事が出てくるというのは、我々といいますか、特に私などは警察・消防委員会に所属をさせていただいておりまして、本当に誇りに思うところでございます。  そんなことでございまして、くしくも金メダルを取得されたのが三月七日だということもございまして、これがちょうど消防組織法等ができましてから五十年目だということで、これまた二重の喜びであったのではないかと、そんなふうに考えております。  先ほどの繰り返しになりますけれども、首都東京は、いつ直下型の地震が来てもおかしくない、そのような周期に入っております。その中で実は世界最長寿国という、ある意味ではK点越えですね。女性八十三、男性七十七、これは世界最長寿国ですね。女性は、記憶に間違いがなければ十三年間、世界最長寿国である。男性は十一年間ですね。K点をまさに越えようとしている。これからの地震や災害に強いまちづくりの課題も、少子高齢化に備えるための福祉基盤の整備も、未知なる領域への、ある意味ではチャレンジだと思うんです。特に地震災害国ということでは、世界の諸都市を回らせていただきまして、例えば我々が公的介護保険のモデル国としておりますドイツには、ほとんど地震がないはずでございます。北欧の国にも地震がないですね。イギリスにもほとんど地震はないと思います。アイスランドですとかその辺まで行きますと、あります。イタリーはありますね。アメリカの東海岸はほとんど地震はないですね。西海岸が主でございます。そんなことを考えますと、やはり我々の英知をもって、人類未踏のまちづくり、または少子高齢化の時代に向かっていかなければならないのではないか。  オリンピックに例えるならば、金メダルをとった後は、今度は自分自身でオリンピックの意義ですとか、またはその感動ですとか、技術ですとか、そういったものを次に継承していく義務があるのと同じように、人類未踏の領域に向けて、地震や災害から私どもの命や暮らしが守られるようなまちづくりや防災体制──これは消防庁の責務も大変重要でございますけれども、消防団、新門辰五郎の世界には、定火消しと町火消しが出てまいります。今、NGO、NPOが注目されていますが、私は、世界で最古にして最強のNGO、NPOは日本の消防団ではないか、そのように思っているぐらいでございます。二十四時間、三百六十五日、ある意味では命をかけて私どもの生命や財産を守る、これにかかっているわけでございますから、そのような気がいたします。  そんなことも含めまして、今まで消防組織法ができましてから五十年の歴史があるわけでございますが、新しい時代に向けてのまちづくり、または防災体制、福祉基盤の整備に取り組んでいかなければならない、そんなように考えるわけでございますが、古きをたずねて新しきを知るということもいわれますので、五十年を迎えた今日における消防総監のお考えと、二十一世紀に向けての展望、決意等をこの際お伺いできればと思います。  それで私の質問は終わりでございます。以上でございます。 ◯大井消防総監 ただいまは激励のお言葉等を賜りまして、大変ありがとうございました。  さて、東京消防庁は、昭和二十三年、消防組織法の施行と同時に自治体消防といたしまして発足をいたしたところでございます。時代、地域に最も密着した第一線の防災機関として、さまざまな災害から都民の皆様の生命、身体、財産を守り続け、信頼と負託にこたえてここに五十年を迎えることができたわけでございます。この半世紀の間、東京都議会の諸先生方を初め関係機関、そして都民の皆様から深いご理解とご支援をいただきまして、組織、施設、機能の充実強化が図られまして、今日の東京消防庁に発展いたしたわけでございます。ここに改めて深く感謝を申し上げる次第でございます。  二十一世紀を目前に、都市形態の多様化、社会活動の国際化並びに高齢化、少子化、社会の進展など消防を取り巻きます諸情勢の変化が大変著しい中、地震国でありますことを踏まえまして、震災対策を初めとした消防行政の一層の向上が求められているところでございます。東京消防庁は、この五十年を振り返るとともに、後世への重要な責務として、「安全な生活都市東京をめざして」を行政目標に掲げまして、消防体制の一層の充実強化を図るため、全消防職員、全消防団員等が一丸となりまして消防の使命達成に努力する覚悟でございます。 ◯井口委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これに異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯井口委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。  以上で消防庁関係を終わります。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後二時散会...