茨城県議会 1996-03-11
平成8年農林水産常任委員会 本文 開催日: 1996-03-11
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◯鬼沢委員長 ただいまから,
農林水産委員会を開会いたします。
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◯鬼沢委員長 本日の
委員会記録署名委員を指名いたします。
杉田委員と
桜井委員にお願いいたします。
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◯鬼沢委員長 これより議事に入り,
農林水産部関係の審査を行います。
農林水産部関係議案18件を一括して議題といたし,直ちに質疑に入ります。
質疑のある方はお願いいたします。
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◯鬼沢委員長 松浦委員。
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◯松浦委員 トップバッターなので,柔らかくいきたいと思っております。
予算の執行状況についてお尋ねをしたいと思います。
その前に,本県の粗生産額が,全国で第2位であったのが第3位に下がった。特に,千葉県から比べると,やはり,漁業にしても同じでありますし,農業の立地にしては,むしろ本県の方が有利ではなかろうかと,そんなような現況の中で,何で本州第1位が第2位に転落したのか,そういうことを考え合わせますと,これは行政に欠陥があるのではないか,こんなようにも受けとれるわけであります。
そこで,二,三お尋ねしたいのですが,予算の執行を考えてみますと,前年度の予算は,大幅というか,各所に,
減額補正をしているという箇所が目立つのです。特に,上からいっても,
園芸流通課もそうでありますし,特産園芸の
振興対策費なども減額しておりますし,また,果樹の振興に対しても減額だ。
農業技術課はどうだ。これも,やはり減額であります。では,畜産の方はどうかというと,畜産の方は,後でもう少し詳しくお尋ねしたいのですが,大幅な
減額補正をしている。では,今度は,林政の方はどうだ。林政も減額であるし,林業も減額です。では,
水産関係はどうかといいますと,これもまた減額をしている。漁政もそうであります。
こういうことを見ますと,全般的に
減額補正をしているという,この予算に対する扱い方自体が,農政の,いわゆる本県の取り組む姿勢が甘かったのではないかと,そういうことで,粗生産額も落ち込んで,そして,第3位になっているのではなかろうかと,こういうふうに考えておるわけでございますが,その中で,まず,第1番にお聞きしたいのは,
繰り越しした予算の合計は幾ら
繰り越しているか,お尋ねしたい。
繰越明許。
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◯川俣農林水産部長 今回,平成7年度から平成8年度に明許で
繰り越しをお願いしている額につきましては……。
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◯松浦委員 事故繰越はないようだから。
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◯川俣農林水産部長 明許ですと,54億 6,400万円余になっています。
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◯松浦委員 現計予算は幾らですか。
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◯川俣農林水産部長 失礼しました。平成7年度の
一般会計予算で,
農林水産部,7年度補正後,今回補正をお願いしておりますけれども,補正後で 574億 7,400万円余になっております。
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◯松浦委員 10%も
繰り越しているという姿勢が,やはり,
農林水産部の現在の県政に対する取り組みだということは,いささか私は疑問にも思いますし,甘いのではないか。この経済不況の中で,財政課初め県民一般は,本県の伸び率を非常に気にしているわけです。ことしの
一般会計予算などは伸び率が3.35%,国が 3.5%ですから,幾らか国家予算より本県は落ち込んでいるわけですが,そうした事態に対しても非常に危惧をしている。そして,手持ちの繰越金も使い果たす現況で,どうしても,やはり,県民の現在のニーズにこたえた姿勢をしていきたいと,こういうようなことでありますが,10%も
繰り越しているという現況では,私は,果たしていいのだろうかというふうに思いますが,主な理由と今後についての取り組み方をお尋ねしたい。
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◯川俣農林水産部長 御指摘は非常にごもっともな御意見でございまして,我々も,せっかく予算化していただいたものにつきましては,完全執行を一応旨として,鋭意努力しているわけでございますけれども,いろいろな事情,これから,若干,事例を各担当の課長から申し上げますけれども,そういう事由がありまして,今回やむを得ず,おっしゃるとおり,予算額の1割にも及ぶような50数億円という金を繰り越さざるを得なかったと,その中には,
ウルグァイ・ラウンド関係で,国の方の補正ということで組み込みましたのが約18億円ございますが,それを差し引いても36億円程度,実質繰り越さざるを得なかったと,これは明許でございますけれども,大変,我々としても非常に残念なことで,申しわけないと思っておりますが,いろいろと理由があるかと思いますけれども,一つには,
ウルグァイ・ラウンド関係につきましては,国との関連がございまして,県の方で予算化する時期的な問題がございますので,なかなか年度内に全部執行するのは難しいと,これは何とか御理解いただけるかもしれませんけれども,その他につきましては,我々執行する方の問題,それにもかなり原因があるものということで,今後気をつけたいと思います。
ただ,実際には,例えば,今回
繰り越しております中には,
畜産関係,それから,
構造改善関係で,どうしても
ウルグァイ・ラウンド関係あるいは地元の地主さんとの調整等で,鋭意努力したにもかかわらず,どうしても同意を得られなかったというのもございまして,そういうものも中にはございます。
ただし,御指摘は十分,事実そのとおりでございますので,今後は,執行について十分,最初に言いましたが,せっかく予算化していただいたものを繰り越さない,当然,不用にはしない,なおかつ繰り越さないで年度内に事業を完成して,事業の効果が早く発揮できるように努力をしてまいりたい思います。
それでは,お話がありましたので,幾つか事例で,こちらからでよろしければ,幾つか……。
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◯松浦委員 一つずつ私の方でお尋ねしましょう。そちらから答えていただくと,全課に及びますので,時間の都合もあるでしょうから,二,三私の方でお尋ねします。
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◯川俣農林水産部長 全体的な数字は,大変我々も不本意でありますので,今後十分気をつけて執行に留意してまいります。
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◯松浦委員 いずれにいたしましても,やはり,政治に取り組む姿勢というのは,
増額補正でいかなければいけないのです。もともとの現計予算というものは,いわゆる税収面が落ち込んでいますから,圧縮しているわけですから,それを50億円も
繰り越していたのでは,私は,努力が足りないのではないかと,今後の一層の奮起をお願いをしたいと思います。
あと,二,三,細かく聞きたいと思いますが,林業課の方で4億 1,600万円ぐらい減額しておりますが,これは,主な理由は何ですか。
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◯平原林業課長 一つには,人件費の確定に伴いまして,
国補事業の中で人件費を見たという経緯がございまして,
林業総務費で約1億円程度落ちてございます。
それから,災害関連で,あらかじめ緊急に対応できるように予算措置しておくものが1億数千万円ございますが,これが,やはり,災害が幸いにしてなかったことによりまして減額となったものがございます。
そのほか,造林事業につきましても,国の方の枠の関係もございまして,私どもの
要望どおりに予算がいただけなかったというようなことで,そういうのもございます。
それから,
繰り越しは1億2千数百万円ございますが,これは,
用地事情でございまして,一つには,
国補事業の中で,日立と高萩で
繰り越しておりますが,これは,
用地事情ということで,具体的に申し上げますと,実際に設計をいたしまして,測量をする段階,実際に幅ぐいを落とす段階におきまして,地権者の方から,こんなはずではなかったと,ちょっとこんなにつぶれ地が多くなっては困るというような,細かい話ですが,そういう例もございまして,設計変更を余儀なくされたというのもございます。
それから,岩瀬町の方でも1件ほど
繰り越しございますが,これにつきましては,代替地が欲しいというような話がございまして,今までの
林道事業等で代替地が欲しいという例は余りないのですけれども,今回,町の方としてはやむを得ないということで,代替地の確保に鋭意努力したわけですが,いずれにいたしましても,代替地の確保に時間を要したと,そういうようなことで,押しなべて申し上げますと,
用地事情によりまして,できなくて
繰り越しをしたという経緯でございます。
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◯松浦委員 水産振興課にお尋ねしたいのですが,やはり,減額が2億 6,800万円か,しているようですが,これは,主な理由は何ですか。
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◯深沢水産振興課長 水産振興課関係については,
漁港関係事業について,当初,我々の方としても,所要な事業費の確保並びに計画的な事業の推進ということで,当初予算でお認めいただいたところでございます。それに基づいて,所要の事業の確保を図るべく,国の方とも折衝し,要望しながら,第1次
補正並びに第2次補正等で予算の確保に努力したわけですけれども,全体として,
漁港関係については,当初予算に比して1億 8,000万円ほど
減額補正せざるを得ないというような,これが主な理由でございます。
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◯松浦委員 繰り越しもしていますね。
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◯深沢水産振興課長 繰越関係につきましては,
水産振興課,当初予算68億円のうち13億円というふうな形で,かなりの割合で
繰り越しせざるを得なかったわけです。この主な理由といたしましては,先ほど部長の方からお話がございましたように,
経済対策で,この第2次の
経済対策関係では,12月に国の内示を受け,その後,設計積算をしながら12月に補助金の交付申請をして交付決定をもらい,基本的には1月ごろ入札して着工と,1月の末ごろ着工という形になります。工事期間につきましては,大体3ヵ月から6ヵ月ぐらいかかるわけでして,それらにつきますと5月か6月ごろというふうな形になって,そういった2次補正分についてが多くが
繰り越しせざるを得なかったというのが実情でございます。
そのほか,
平潟漁港等についても,福島県の区域にまたがって防波堤の建設等もあって,福島県との調整に手間取ったということがございます。
また,平潟漁協で,現在,市の方で
漁業集落環境整備事業をやっているわけですけれども,これが道路の整備等で,地元のいわゆる集落の人たちの調整の問題,あるいは,
汚水処理施設関係で,埋立地にやったものですから,その辺の地盤の強さというものが,当初見込んだよりも若干弱かったということで
設計変更等をせざるを得なかった,そういうふうな形で,いろいろあったわけですけれども,こういうふうな形で,かなり今年度については
繰り越しせざるを得なかったということで,これからは,こういうことのないようには頑張ってまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
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◯松浦委員 取り組み方では,熱心の課は,ゼロ債でも自信を持って後でつけていって予算化して事業に持っていく。12月についているのだから,課長,もう少し,これは,
繰り越しとか補正をしないで一生懸命やってもらわないと,私は困ると思います。
それと,もう一つ,これは,事情は私はよくわかっておりますから,畜産課にしても,今度の
減額補正の22億円の半分は畜産課にあるみたいなことですね。しかし,事情はあるにしても──答弁は要らないです,あんたの顔を見ていると努力の跡が幾らか見えるから。一層,やっていってもらいたいと,こういうふうに思います。
あと,いろいろ細かくはあるとは思いますが,部長によく統括していただいて,せっかくの予算ですから,増額に持っていって,そして,県民の要望にぜひこたえていただきたい。こういうふうに思います。
終わります。
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◯鬼沢委員長 ほかに。──
中田委員。
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◯中田委員 二,三,予算のことについてお伺いします。
まず,第1に,この前,部長の説明の中で,第47号議案,第48号議案の説明の中で,ここにも書いてあるのですが,物価の上昇に見合った値上げをするんだというふうな文面が書いてあります。しかし,部長にお尋ねしたいのですが,今,
農業関係で,畜産にしろ,米にしろ,園芸にしろ,物価が上がっているというようなものは見受けられない。特に生産物は,かえって
デフレ傾向にあるのではないか,そういうふうに私は認識しておるわけでございます。そういう中で値上げをする,平成4年以来の値上げをするんだということでございますが,そういう説明ですと,行政は一体何をやっているんだと,生産者は一生懸命,自分の額に汗を流してコストダウンを図っておる,そういう中でこういう説明をされた場合,果たして,私は,こういう問題を認めるわけにはいかないのではないか。もっと,やはり,技術改新とか,いろいろ
機材関係が最新鋭のものがあるので値上げをしたいんだというふうな説明をいただければ私もわかるわけでございますが,農業を取り巻く環境は大変厳しい環境の中で,ただ軽々に平成4年以来上げていないので上げたいのだということについては,ちょっと承服できないものですから,この辺のところを,もう一度説明をいただきたいと思います。
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◯川俣農林水産部長 使用料,
手数料関係の考え方でございますけれども,いろいろな県の行政を行う場合に,それに伴って相手にある権限を与える場合に,当然,使用料,手数料というものをいただくということでございますけれども,それにつきましては,何年かに一遍ずつ見直しを図るということを従来からやっておりまして,それはなぜかというと,
必要経費的な判断から,
必要経費が,年々物価が少しずつ上がってきますとその分だけ割高になるということで,
農産物関係の価格が例えば下がったとしても,それに伴う,例えば,県で何かの施設を使わせている場合に,それに係る人件費とか光熱水費とか,そういう
必要経費が年々少しずつ上がっていくと,それはいわゆる物価等ということであらわしておりますけれども,そういうものが微増していって,何年かたつとある程度のパーセントに,例えば,3,4%になるということで,これまで大体3年から4年で,法律に基づいているのはその都度改正等をやるのが普通でございますけれども,県単独で決めているものについては,大体従来から,全庁的に,私の記憶ですと3年から4年ぐらいの期間で,物価等を横眺めしながら,当然上がっていなければやりませんけれども,そういうことでやってきているということで,ちょっと今回,私,説明しておきながら,手元に数値をちょっと持ち合わせておりませんけれども,物価がそれだけ上がっているので改正させていただきたいということでお願いしているわけでございます。
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◯中田委員 その辺,部長が言わんとするところは十二分に私も理解をしておるつもりでございますが,私も,県民を代表して質問をしているわけでございまして,少なくても,物価が上っているということだけではなくて,
農林水産関係につきましては,こういうものがこういう
必要経費としてあるんだよというような説明を事前にしていただければ,我々も理解できる。ただ軽々に, 100円上げるんだ,200 円上げるんだという形の中で承認してくれといっても,なかなかこれは承認できない。行政について,我々は干渉する義務もございます。そういう面で,その資料の提出を求めたいわけでございます。その辺のところはいかがでございましょうか。
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◯川俣農林水産部長 先ほどちょっと数字が見つからなかったのですが,平成3年から6年の3ヵ年ですけれども,
消費者物価の上昇率で,その3ヵ年で 4.1%上がっているということが1つの根拠でございますし,それから,国の手数料,先ほど
法律関係と言いましたが,それに基づくものは当然ながらやらざるを得ない,やらざるを得ないというか,準じて上げなさいとなっていますので,それを上げさせてもらうということ,それから,当然,他県の状況とか近傍類似のものとか,そういうことも比較しながら上げさせてもらっているということですが,先ほど言いましたとおり,この手数料,
使用料関係につきましては,一つの行政をやる場合に,端的に言いますと,それに基づいてある特定の人にメリットを与える,そういうことで設定されているものですので,取るのは当然と理解しております。
ただ,
必要経費との関係からいきますと,決して十分に
必要経費を満足しているものではないというふうに理解しておりますし,我々行政としましては,
先ほど執行についてのお叱りをいただきましたが,そういうものを一生懸命予算を組んで,それで事業の執行に取り組んでいるということから言いますと,それの面と,それから,行政の公平さというのでしょうか,そういうものを考えますと,気持ちとしては,なるべく我が関連したところの使用料,手数料は抑えたいという気持ちは当然ありますけれども,公平さの観点からそれはできない。しかし,収入を上げたものからは,予算の中で,できるだけ我々が,我々の担当する行政分野のレベルアップを図るために予算を組んでもらって,その執行に万全を期したいというのを基本的に感じております。
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◯中田委員 よくわかりました。ひとつ,今後,こういう問題につきまして,あらかじめ理由を添付した形の中で,ただこの中で物価が上がったから上げるんだよということだけで済まさないでいただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。
続きまして,今,新聞紙上で大分賑やかになっておりますし,国会でも住専問題が盛んに取り上げられております。
この前,部長の方の説明の中で,
農協関係の方の処理案の説明が出ました。茨城県の中で何とかこんなに処理して,
余り生産者には迷惑をかけないような状況だというふうなお話が出ておりますが,これらについて,この住専問題というものは,氷山の一角しかまだ出ていない。まだ,二次処理が,問題が出ておりませんし,またその住専問題が終わった後には,今度は
ノンバンク関係の貸付金が大分,農協系統で,新聞でも聞きつけておりますけれども,全体で,
ノンバンク関係で50兆円の不良債権があるのだと。その中で,少なくても,
農協関係では7兆 7,000億円ぐらい全国であるんだよというような新聞が書いてありますが,茨城県の実態はどうなのか,ちょっと説明が,聞かせていただければ聞かせていただく,もし,まだそういう公表は,この12月に江田副委員長から出ましたけれども,国の方から控えてくれというようなことで,我々も聞かなかったわけでございますが,今はどういう形になっているのか,知る範囲で結構でございますのでお聞かせをいただきたいと思います。
28 ◯吉冨農業経済課長 住専問題につきましては今,
中田委員御指摘のように,国会の中でいろいろ議論されております。
県段階の県信連も,先週の金曜日にお答えしましたように,信連が 907億円,共済連が 200億円の貸付が── 200億円というのは3月31日想定でございますけれども──あるということでございます。そのほかのノンバンクにつきまして,また,そのほかのいろいろな不良債権という問題につきましても,ないということは申し上げられません。確かにございます。ただ,現時点でノンバンクの数字が幾らというのは,この前の議会でもお答えしましたように,個別の数字につきましては,信連につきましては,御理解をいただきたいというふうに思います。
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◯中田委員 その辺は,吉冨課長の苦しい立場,十分わかるわけでございますが,少なくとも茨城県では,数年前にトキワ園芸の問題があったわけでございまして,農協というものは無限責任でございまして,最終的に役員の皆さん方,徹底して自分で責任を負わなくてはならないという構造になっておると私は認識しておりますが,そういう形の中で行政指導をしていかなくてはならない。その辺のところは,いかがなものでしょうか。
30 ◯吉冨農業経済課長 委員御指摘のように,農協問題,非常に今,問題があるというふうに,マスコミ,また,国会の議論の中でも出ております。したがいまして,今,国会のそういう問題を踏まえまして,国の段階に農政審議会というものを設けまして,その中にまた農協部会という形の中で,今,審議をされているというふうに理解をいたしております。その議論の中身,まだ始まったばかりでございますから,これからの問題だというふうに思っておりますが,その考え方といたしましては,やはり,一つとしては,今までの系統を3段階で進めたものを,やはり,より効率的と言いますか,そういう形の中で,2段階制と,こういう問題,これにつきましては,既に2000年を目途に,今まで系統段階でいろいろ詰めてきておるわけでございまして,それをより加速させるということが一つあろうかと思います。
と同時に,今まで,ややもすれば信用事業を中心とした形の中で,また,共済も含めてでございますが,農協というものが運営されていたのではないかと,こういう指摘があると理解をいたしております。したがいまして,その議論の中でも,当然そういう問題,これからの農協はどうあるべきなのか,また,系統といいますか,今までの3段階を2段階にする,そういう連合組織はどうすればいいのか,組織,事業,そういうあり方を議論されていくのだろうというふうに思います。
私どもとしましても,やはり,農協というのは,本来的には,農家がつくったものをより高く売っていく,また,より生産資材を安く農協が供給していく,これが基本だろうというふうに思います。したがいまして,そういう基本に立った形の中で,農協というものを,これからいろいろ議論しながら,よりよい方向に進めていきたい,指導してまいりたいと,そういうふうに考えております。
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◯中田委員 今,農協を指導していきたいという課長のお話がございましたけれども,実際問題,一般の農家の皆さん方も,そういう住専問題,ノンバンクへの貸付問題に対して大変不安を持っている。しかしながら,どちらかというと,農協の役員の皆さん方,よく新聞紙上で聞かれるのは,最終的には我々農協はつぶれっこないので,行政が面倒を見てくれるんだよというような発言もたまに聞こえてくるような感じがいたします。その辺で,茨城県では,先ほども言ったように,トキワ園芸のときにいろいろ問題が出たわけでございます。そういうことを未然に防ぐ行政指導というものはどのように行われているのかをお聞かせいただきたいと思います。
32 ◯吉冨農業経済課長 先ほどは,国の段階のお話をいたしましたが,県の段階でも,合併後の問題につきましては,前の議会でもお答えしたと思いますし,今回の一般質問でも,また,代表質問でもお答えしていると思いますが,やはり,本年度から合併後の農協につきまして,やはり,今までの系統の中だけのものの考え方ではなくて,外部からの経営コンサルタントを入れながら,農協のあるべき姿,やり方というものを,2農協でございますが,本年度やっているわけでございます。今後とも,来年度の予算の中でもそれを計上させていただいているわけでございまして,そういうことを踏まえていろいやってまいりたいというふうに考えております。
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◯中田委員 一番私が心配しておるので,ぜひ,ここを聞かせていただきたいのですが,先ほどから私,トキワ園芸の問題を言っておりますが,このときに,理事の皆さん方,あるいは理事長の責任というものはどういうふうにとられて解決したのか,わかる範囲で結構ですが,お聞かせいただきたい。
34 ◯吉冨農業経済課長 トキワ園芸の問題につきましては,平成6年の第1回の定例会のときにいろいろ議論をいただいておるというふうに理解をいたしておりますが,そのときお話ししたスキームは,一応,15年間で毎年3億円を支援をしていく,国レベルが1,県レベルが1,こういう形でやっていくということでございます。
農協の責任の問題でございますけれども,その問題につきましては,組合長は自殺をされたわけでございまして,保険に入っておりましたから,その保険が相当の金額がございまして,それで埋めたというのが一つごございます。
もう一つは,役員の責任ということで,資産を担保にいたしまして,再建へ向けての担保を提供しもらう,そこで金を借りて,それで今,再建途上にあるというふうに理解をいたしております。
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◯中田委員 一つ,農業経済課長,この辺,やはり,農協の理事の皆さん方,割とそういうことを余り意識しないで組合の運営というものがなされているのではないかというふうに思うのです。常に行政は助けてくれるんだよというような形の中で判断をしておられる農協が大変多いのではないだろうかというふうに,私,思っております。そういう面で,行政の中で,今言ったようなことを常に組合の皆さん方にお話をしていただいて,軽々しくいろいろなものを対応しないような指導をしていっているのでありましょうか。
36 ◯吉冨農業経済課長 委員の御質問,ちょっと私,理解できない部分があるのですけれども。
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◯中田委員 では,もう一度。農協を運営するという場合に,理事の責任というものは大変重いものがある。今回の住専問題,あるいはノンバンク問題でも,最終的にいろいろ議論の中で,国が,あるいは県が,行政が,我々の面倒を見てくれるんだよというような考えが農協の理事の皆さん方におありになるのではないだろうか。しかし,実際は,先ほど言ったトキワ園芸の問題でも,理事長が自殺をしてしまったというような事件が起きておるわけでございます。そういう面で,農協運営について,そういうきちんとした行政指導の中でやってくださいよというふうな指導をなされておるのでしょうかということでお尋ねをしております。
38 ◯吉冨農業経済課長 それは,委員御指摘のように,農協という組織は行政がつくった組織ではございませんし,農協の自主的な組織でございます。したがいまして,私どもが申すまでもなく,農協はみずからの責任においてということが原則だろうと思います。
ただ,その指導の推進母体といいますか,その中には中央会という組織が,昭和29年だというように記憶しておりますけれども,中央会という指導機関,あれは連合会ではございません,指導機関でございます。そういう中央会を通じながら,今,言われたようなことは,いろいろな形の中で指導してきているというふうに私は思っております。
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◯中田委員 そういうことであるならば,ひとつ,いろいろな予算は県を通じて農協に流れていって,それが生産者が使うというような構図になっておるわけでございますので,その辺のところはひとつ,この住専問題,ノンバンクで不良債権が生じた場合にでも,今後,よく行政の目で監視をして動いていただきたいというふうにお願いをさせていただきます。
次に,石川漁政課長にお聞きしたいのですが,私,前に,食物連鎖の形の中で,魚付き林というものがあるんだ,そういう形の中で魚たちがふえていくのだというようなお話を課長からお聞きしたわけでございますが,今回,その予算が50万円ついたということで,大変ありがたいと思っているのですが,果たして,この50万円で調査費がついたのですが,これくらいで何ができるのかと,こういうすばらしい予算をもっと,500 万円でも 1,000万円ぐらいつけてでも,漁業を考えた場合には,やはり,いろいろ調査をして,我々が子孫にすばらしい環境をつくっていく,漁獲量も,この前,朝日新聞に,茨城県は第8位に落ちてしまったと,その中で,特にマイワシとかサバの漁獲量が極端に減っておるというような御指摘がございます。これもやはり,食物プランクトンがかなり減って,その中で魚たちがいなくなったのか,あるいは,気候の変化があっていなくなったのか,その辺は私もわかりませんけれども,やはり,そういう漁獲量が減ってきておるという中で,前向きの水産業を営むのには,やはり,20年,30年, 100年のスパンで物事を考えていったらいいのではないか。そういう中で,この50万円の調査費で何かできるのか,ちょっとお聞かせをいただきたい。
40 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 昨年の委員会で,
中田委員,それから,江田副委員長からも御質問がございまして,それなりに答えをして,平成8年度の予算につきましては,漁政課,
水産振興課,一生懸命やろうということで,予算要求をしていったわけでございますが,最終的には50万円というような数字になったわけでございます。
そこで,一応,これは,水産だけではできませんので,林業の方と,それから,林業試験場の方の力も借りたり,いろいろ調査を仕組んだわけでございますが,結果的には,まず,私どももそうですけれども,この場所が,この林があるから,この森林があるからこう受けているんだよというのを,林業の方も漁業の方も実態としてわからない。各県がいろいろな事例を持っていますので,まず,講師の先生等を呼んで,林業者の皆さん,こうやったら漁業者がこういうふうになるんだよというような話とか,あるいは,アワビの減少傾向,これが栄養塩類の変化によってこうなるんだと,それは針葉樹林から広葉樹林の差がこうあるんですよと,そういうような啓蒙といいますか,それをまずやりたいというふうに考えています。
それを踏まえまして,また,財政当局に要求する資料もふえてきまして,また,各都道府県でやっておりますし,8日の日に御説明いたしましたが,11月に宮崎県で全国豊かな海づくり大会,これは,天皇陛下が出てくる,各県でそういう仕事をやりだしたということを高く評価したというようなこともございますので,ぜひこれをきっかけに,これを土台として広げていきたいというふうに考えております。
それから,先ほど,マイワシの減少についてでございますが,マイワシは沿岸沖合域にございまして,これは,河川とは直接関係はないというふうに言い切れませんけれども,この動向につきましては,海洋の大きな変化というふうに考えております。
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◯中田委員 ひとつ,茨城の農林水産が,ここ,大変力が落ちてきているいうことを,去年からことしにかけて大分私もショックを受けているものですから,ひとつ県土百年の計の中で,こういう予算をつけていろいろとこれから勉強していただいて,いいものをどんどんやっていっていただきたいというふうに思います。
続きまして,林業課長にお聞きしたいのですが,林道の話が,先ほどもちょっと予算で,いろいろ遅れているよというようなお話を聞いたのですが,実は,私,林道をつくる場合に,今,大変環境問題が騒がれておりますが,特に,山を切り開いて道をつくるときに,谷側の方に道ができますとごみ捨て場になるというような傾向がございます。谷をきれいな水が流れているのですが,そこに産業廃棄物,あるいは家電製品,あるいは生活物資が方々に投棄されているという現状がございます。これは,やはり,いろいろ農業をやる場合に,山をきれいにして,水が田んぼを潤し,最終的には海に流れていくのだというような形の中で,やはり,環境を考えた場合に,林道をつくるときに,どうも不心得な人がいて,そこへ投棄していく場合に,車でごみを持ってきて,車で捨てるのです。そのときに,できれば谷側の方に 1.5メートルぐらいのネットをつけておいてもらうとそういう不心得者がいなくなるのではないだろうかというふうに思うのですが,そういうものは,林道をつくるときには,お考えになれないものでありましょうか。
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◯平原林業課長 確かに,私ども,林道をつくりまして,できた結果として,そういう予期しないようなことが最近ふえているということで頭を痛めているところでございますが,林道工事をやる場合の工事の内容,どういうものが工事費でみられるかということから言いますと,結論から言いますと,そういう目的のための工作物をつくるということは,ちょっとできないというふうになってございます。
ただ,谷側とかそういうところにつきましては,沢までの間にかなりの落差があって交通安全上危険を伴うというところもございますので,そういうところにつきましては,基準に従いまして,ガードレールとかそういったものをつけることによって,若干の防止にはなるのかなとは思っていますけれども,基本的に工事費でごみを捨てられないようなための工作物を設置するというのは,ちょっと今の制度の中では無理でございます。
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◯中田委員 やはり,農業の中で,そういう事業で無理でございますというふうに冷たく言われてしまうと立場がないのですが,ひとつ,その辺のところ,やはり,上流の水をきれいにして河川に流していくというのも,やはり,一つの大きな農業振興の要因でございますので,その辺ひとつ,考え置きをいただきたいと思います。
最後に,1点だけ,あと1点,
農業技術課長にお聞きしたいのですが,実は,私の住む岩瀬町では,今,微生物栽培を取り入れた米づくりをやっております。やはり,今からの米づくり,園芸でも何でも,やはり,土づくりというものが一番大切な要因ではないだろうかというふうに思うのですが,県の方では,この有用微生物についていろいろと研究をなされておるのでありましょうか。
44 ◯木沢
農業技術課長 今,御質問ございましたように,岩瀬では,太陽ひかり米ということで,あれは光合成細菌を利用した米づくりということをなさっております。
県内各地,事例を見ますと,EM菌とかいろいろな形での微生物を利用した農法といいますか,技術が入ってきているということで,県の試験場におきましても,すべてをやるというわけにはなかなかいかないのですが,いろいろな形での微生物を利用した,環境にやさしい農業技術の開発ということには努めております。
また,実態的に,各現地で行われているものにつきましては,普及センターの方でそういう情報収集をしまして,今後,県の農業技術として生かせるものは生かしていこうというふうな形で取り組んでおります。
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◯中田委員 といいますと,私はこの米を今食べておるのですが,大変おいしいと思って聞いておるのですが,そういう問題では,
農業技術課の方では,この微生物栽培というような形の中でつくられたお米がおいしいんだよという認識はまだされておらないのですか。
46 ◯木沢
農業技術課長 非常に難しい質問なのですが,微生物を使った農法の場合,評価というのがかなりばらつきが大きいのです,専門家の間,あるいは学会の間でも。ですから,一概に有効だと言い切れない部分がまだまだございます。基本的には,そういう農法であっても,基本は土づくりだと思うのです。いずれも土づくりに関した微生物利用ですので,やはり,適正な堆肥をきちんと供給をして土づくりを行って農作物をつくれば,かなり有効だというのは言えるかと思います。
一例を御紹介しますと,茨城大学農学部との共同研究を県の試験場でやっているわけですが,その場合にも,蛋白質の含有量が米の食味の一つの問題だということで,それをどういう形で見るかということになると,やはり,良質の堆肥を供給してやった場合には蛋白質の含有量を落とすことができると,そうすると食味がおいしくなるというふうな研究結果は,まだ研究途中ですけれども,出ておりますので,基本的には,微生物農法にしろ,土づくりを基本に進めていくことが大事だというふうに理解しています。
47
◯中田委員 そういう面で,今,課長の方から説明があったように,やはり,有機肥料,堆肥,そういうものは,やはり,土づくりをやるのには,微生物が作用して分解していい土壌になっていくというようなことがあるわけでございます。
特に,私がこれを質問をするのは,昨年の11月に新食糧法が施行されて,大変激しい販売合戦がこれから行われていくときに,やはり,少なくても,茨城県のお米がおいしいんだよというようなことを日本国中に知らしめる必要があるのではないか。それにはやはり,こういう有効な土づくりをするのには,微生物の活用をもっともっと研究して,いい土づくりをしていただきたい,それをもっともっと積極的に予算の中でも具現化できるような体制を取っていただきたい。
何事も,去年からことしにかけて,茨城の農業は全部地盤沈下をしている。かけ声は日本一を目指すんだといいながらも,一つ一つ聞いてみるとみんな地盤沈下している。こういうことでは,大変,茨城の農業というものが心細い。そういう面で,土づくりというものを,国家百年の計にもかかわるものですから,ひとつその辺,積極的に実施をしていっていただきたい,そういうことをお願いして,私の質問を終わらせていただきます。
48
◯鬼沢委員長 ほかに。──細谷委員。
49 ◯細谷委員 私の方からは,2点にわたりましてお聞きをいたしたいと思います。
先ほど来,
中田委員から農協にかかわる諸問題,いろいろお話が出ておりますが,現在,この農協運営につきましては,昨日の経済新聞等にも出ておるようでございますけれども,今のときこそ,農協運営に対する農民の信頼といいましょうか,大変な危惧を抱いておる時期はないのではないかなと,このように思います。
それは,農協,全国では70兆円の貯金があるんだと,こういうふうに伺っておりますけれども,今回の住専の問題は,余り詳しくお話はできないようでありますけれども,農協の指導に当たっている農業経済課としては,そういう農民のための農協であるはずの農協が,余りにも金融事業に力点を置いて運営をされてきておったという結果が,そのような事態を招いたのではないかなと,このように思います。特に,年末になりますと,職員が,あるいは役員が,それぞれの農家を回り,また,事業所を回って,預金集めをしております。いわば,預金獲得の競争のようなことをやっておったと,これは現実であろうと思います。
そうした中で,今回も,今年度の予算で,ページは 171ページでありますが,農協指導費,約 3,000万円程度の予算が計上されているように思われますけれども,これから農協に対しての指導,先ほどもお話が出ておりますが,若干関連はいたしますけれども,どういう農協の運営に力点を置いていくのか。それは,県の指導としては,大型合併農協にして合併を推進をするのだと,しかも,合併農協が赤字で,合併をしない農協が黒字であるというのは,これは実際の話であります。ですから,特に,大型合併を推進した行政側として,今後,こういう諸問題の解決に,どのような態度で臨んでいくのか,まず,それを一番最初にお聞きいたしたいと思います。
50 ◯吉冨農業経済課長 委員御指摘のように,確かに今までの農協の運営というものが,信用事業,共済事業に依存してきたのではないかと,こういう御指摘,確かにあるというふうに理解をいたしております。
ただ,これは,総合農協といたしましては,経済事業だけではなくて,信用事業,共済事業,また,そのほかの事業もやれる仕組みになっているわけでございまして,一概にそれがだめだと,こういうことではないわけでありますけれども,ただ,今まで議論されています,また,マスコミ,国会の場でも議論されていますように,やはり,信用事業をやっていれば農協は運営といいますか,継続をしていけるという,神話ではございませんけれども,そういう考え方がややもすると強過ぎたのではないかというふうに私自身も思っております。
したがいまして,先ほど来申し上げておりますように,国の段階では農政審議会でやっております。私どもといたしましても,やはり,これからは,そういう信用,共済だけでやっていける農協というのはあり得ないだろうというふうに思っておりますので,やはり,営農指導を中心とした形で,購買,販売という経済事業をきちっと位置づけをした形の中で取り組んでいくべきだろうというふうに思っております。
51 ◯細谷委員 購買事業一つについて申し上げてみましても,農協よりも農業資材を売っている一般の商店の方が値段的にも安いというような話も出ているわけであります。そういう点も,実は私も,二,三日前にJAの幹部と会う機会がありまして,いろいろことしの決算内容等について若干お聞きをしたことがあるのですが,現在,9戸の農家に1人の職員がいるというような割合になっているというような記事も新聞にもありました。そういう問題についても,農協としても,まず,人件費の節減ということが今一番大きな問題なのだと,こういう話もございます。
ですから,私は,これからの指導についても,そういう
必要経費と申しましょうか,そういうものについても,十分指導を続けていくことが健全な農協の運営につながっていくのであろうと,このように考えておりますので,一層,ひとつ,農協の指導に当たっては,本来の目的である営農指導等にも相当力を入れていくように指導していただきたいと,このように思います。
実際,すべての農協が悪いというわけではありませんけれども,せっかく県の指導で合併して,体質改善をして力をつける農協であるはずが,実際はそうではなかったというのは,十分,課長も御承知のことと思いますので,ひとつ,そういう点に留意されて,今後の御指導をいただきたいと,このように思います。
その次に,当然指導があり,また,検査をやっているわけでありますが,年間 1,000万円程度の予算を計上して,農政企画課の方の担当でやっているようでございますが,実際,農協の検査をするのには,1年間でどのぐらいの農協の検査をして,どういう内容を重点に検査をしているのか,それをお聞きいたしたいと思います。
52 ◯島村農政企画課長 農協検査におきましては,2分の1ですか,2年に1回,常例検査ということで対応しておりまして,現在,総合農協が48農協ございます。それから,専門農協の信用事業をやっているところが8農協ございまして,56組合を対象に28以上ということで実施しております。
それから,今,いろいろと委員から御指摘のありますとおり,従来,検査等は,指摘といいますか,事実の指摘等が中心でございましたが,最近は,経営内容,経営分析まではいかないのですが,経営内容等に重点を置きまして指導をしておりますし,それから,理事等の責任問題,認識問題,こういうところにも入って指摘等をしておるところでございます。
53 ◯細谷委員 2年に1回というような検査,そして,指摘する内容については,理事の責任とか経営内容とか,私は,その経営内容が大事だと思うのです。経営内容について,例えば,組合には組合の定款がございますから,おそらく定款は守るでしょうけれども,同家族で1組合員当たりの限度額を目いっぱい,限度の上限,その融資を受けると。例えば,主人が限度額いっぱいの融資,奥さんが限度額いっぱいの融資を受ける。そうすると,これは,同家族でありながら2組合員分の融資を受ける,そういうようなこともないとも限らないと思います。そういう農協はあるのですか。
54 ◯島村農政企画課長 ただいまの委員御指摘のように,限度額が法的に決められた額以上貸しているという事例があったということでございます。これは,その後,パトロール検査の中でやりまして,そういう限度額等は理事会にかけまして,理事会の全員の協議のもとで決定するという方向で是正させておるという例がございます。
55 ◯細谷委員 理事会にかけて限度額を決定するというのはわかりますけれども,しかも,同家族である場合に,普通,金の貸し付けというのは,もちろん担保は必要でもあるし,また,支払いの能力があるのかどうか,そういうことをも十分考慮した上で,お金というのはお貸しするのが建前だろうと思います。それが,同家族で,主人が限度いっぱい,また,同居人である奥さんも限度いっぱい,そういうようなことになりますと,担保能力にも問題もないとも言えないだろうし,さらにまた,返済能力というものについても,大きな問題も出てくるであろう。そういうのは,当然,検査の段階で指摘をしてきているんだというふうに,今,答弁されておりますけれども,そういう検査というのは,結果での検査ですから,今後そういうことをしないように指摘すれば,指摘に対して,答弁書ではありませんけれども,農協の方から上がってきておると思いますけれども,そういうのは,是正勧告というのですか,そういうのは上がってきているのですか。
56 ◯島村農政企画課長 通常ですと,検査をやりまして,検査書を出しまして,理事会の議決を経て検査回答書をもらう。そういう一つの例でございますが,これは,パトロール検査をやりまして,すぐ是正しまして,次にその是正の結果を報告させて,検査の回答書の前に是正させて報告をとったという例がございます。
57 ◯細谷委員 わかりました。
それでは,畜産課にちょっとお聞きします。
今回の畜産課の予算の中で,ページは 210ページでありますが,畜産環境保全対策費,環境保全型畜産確立対策事業費ということで予算が計上されておりますけれども,まず,この地域と内容についてお聞きをいたします。
58 ◯荒木畜産課長 環境保全型畜産確立対策事業費でございますが,特に環境保全対策,非常に厳しいというようなことで,国の方でも大分採択要件等を緩和してくれたし,また,補助率等もアップしてくれたというようなことがございまして,非常に農家も厳しい中でやりやすくなったというようなこともございます。
本年度の予定としまして,岩間町,北茨城市,新利根村,竜ヶ崎市,下館市,下妻市,猿島町の7市町村で計画しております。
59 ◯細谷委員 7市町村で今年度は実施すると,こういうことでございますが,確かに,畜産をやっておられる方,酪農家,養豚農家は年々減少しているわけです。それは何と言っても,肉の価格の低迷もさることながら,非常に環境問題で周辺からの苦情が多過ぎると,こういうようなことでございますから,こういう事業は引き続いて,7ヵ町村にとどまらず,ひとつ,これからも計画的に箇所をふやしていってほしいと,このように思います。
また,もう一点でありますが,霞ヶ浦流域畜産環境整備緊急対策事業費でございますが,これは, 7,500万円ほどついておるのですが,これはどこをやるのですか。
60 ◯荒木畜産課長 この事業は,県の単独事業でございまして,県が3分の1の助成をし,市町村が6分の1,義務負担するというような事業でございまして,霞ヶ浦流域41市町村について,希望する事業主体について実施するというような予算でございます。
61 ◯細谷委員 霞ヶ浦流域41市町村が希望するところへやるということですか。
62 ◯荒木畜産課長 はい,41市町村内の畜産農家が実施したいというような方についてこの事業を仕組んでいくというような形でございます。
63 ◯細谷委員 先ほど,大分,畜産課長は努力をされているというような
松浦委員からのお話がありましたけれども,これは,7,500 万円で41市町村に配分するということになると,ほんのちょっぴりということですが,どういうことをやるのですか。
64 ◯荒木畜産課長 事業の中身としては,家畜排泄物の処理施設の整備関係でございます。41市町村,こればかりでなくて,先ほど申しました国補の事業なり,それから,もう一本の国補の事業もございますので,困っている農家等についてはどんどん,特に
国補事業等で地域全体の環境保全対策を取り組んでいきたいというようなことを考えております。
65 ◯細谷委員 これは,余り,ばらまきのような気もいたしますので,今,それぞれの畜産農家でも,集落を単位に,そういうふん尿処理施設をやろうという機運も盛り上がっているところもあります。そういう施設をつくる場合には相当の費用もかかるわけでございますので,そういうものを重点的にやっていった方が,問題解決が早いと思うのです。41市町村に 7,500万円では幾らでもなくて,何も仕事ができないのではないでしょうか。ふん尿処理にただ溝だけつくっただけでは,ふん尿処理の目的は達成できませんので,例えば,堆肥組合とか,そういうものを地域に,現在でもありますけれども,なかなか運営については赤字経営が多いものですから,そうふえておるような状況ではありませんけれども,せっかく続けてきた単県事業でございますので,41市町村と言わずに,予算をふやすなり,あるいは,箇所数を絞って計画的に実施していった方が効果が上がるのではないのかなと,そうでないと,先ほどもお話が出ておりますように,全国3番目が今度は5番目になるかもわからないし,そういう施設整備について,もう一度,新たな考え方があれば出していただきたい。
66 ◯荒木畜産課長 先ほど申し上げましたように,委員おっしゃっるように,生産者個々の施設の整備というよりは,例えば,国の
国補事業,地域全体とか市町村全体とか,そういうハード事業もございまして,ことしの,例えば,畜産経営環境整備事業,鉾田地区を今実施しておりますが,これは,4,5年かけて鉾田町全体の環境を整備していこうと,それは,処理施設と利用組合,子牛の堆肥の貯蔵施設とか,それから,還元するためのトレンチャーとか,そういう子牛農家の機械等の導入までやっていこうというような,地域全体では大きな事業がございます。
ただ,県単については,なかなか地域全体の方に乗れない,比較的規模の小さい方を対象にしたような施設整備になっているわけでございます。
67 ◯細谷委員 確かに,この環境保全型畜産確立対策事業,鉾田町全体の中で実施する,これもいいことです。しかし,霞ヶ浦については,昨年,湖沼会議も実施されたし,霞ヶ浦の水をみんなできれいにしようというような機運が盛り上がりつつあるときに,1市町村に計算するとわずかですから,41市町村ですから。そういうものでは整備ができないと思うのです。これは,やはり単県ですので,町村とも連携を取りながら,あるいはまた,酪農組合とも連携を取りながら,こういう予算はもう少しふやしてやってやるべきだと,このように思うのです。最後に,部長にお聞きしましょう。
68
◯川俣農林水産部長 霞ヶ浦流域の畜産問題でございますけれども,当然我々,生産者サイドの畜産の振興ということが大きな課題でございます。農業粗生産額の2割を占めるというウエートを持っていますので,我々も非常に重要視しておりますので,その畜産振興面からの施策を積極的にやるということは当然でございますし,反面,農業問題,畜産もそうですけれども,環境保全型,環境に資するやさしい農業,畜産も含んで,最近は漁業までそういう意味で言われております。そういう面で,そういうことを意識した施策というのは非常に重要だろうということで,これも,県単ながらも,その両面を意識した畜産の振興,それから,環境の保全,霞ヶ浦の水質浄化,そういうものを含んだ施策で,おっしゃっるとおり,非常に重要なものだと思います。
それですが,金額的な問題,確かにトータルで40くらいの市町村単位,その中にそれぞれ整備するのは末端的な畜産農家,そういうものが集まった集団かもしれませんけれども,そうしますと対象がかなりあるだろうと,これもおっしゃっるとおりでございます。これは,継続事業でして,いつからやってきたのか,ちょっと私もわかりませんけれども,地域のレベルの問題として,こういうもので対応できるものと,それから,もうちょっと規模の大きなもの,県単でも,例えば,箇所を絞って,少し金額を張ってやらなくてはならないだろうというもの,それから,もっと大規模な,先ほど課長が言いましたように,市町村単位で,国補レベルでやるもの,きっとそういうものが,私,実情を知らないでそういう考え方,大変恐縮でございますけれども,そういうものをうまく組み合わせて,畜産の振興と,ここで言いますれば霞ヶ浦の水質浄化,その面を積極的に押し進めるべきだろうという委員の御指摘,もっともでございますので,そういうことをトータル的に考えながら,県単でもなるべく予算化を図って,事業の推進に努めてまいりたいと思います。
69 ◯細谷委員 わかりました。
───────────────────────────────
70
◯鬼沢委員長 暫時休憩いたします。
再開は,午後1時を予定いたします。
午前11時50分休憩
───────────────────────────────
午後1時2分開議
71
◯鬼沢委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開いたします。
引き続き,
農林水産部関係議案の質疑を行います。
質疑のある方はお願いいたします。
杉田委員。
72 ◯
杉田委員 まず,今,報道機関を賑わしているように,国会の方が大事な予算審議がストップしてしまっていて,いわゆる住専絡みで,もうここに来ては,年度内の予算編成は難しいというふうに言われておりますが,特に,この
農林水産部の方は,この予算書を見てもわかるように,いわゆる国政に頼るものが非常に多いわけなのですが,暫定予算ということになっても,県の方では,
農林水産部の方では,予算執行に影響がないのかどうか,まず,部長にお伺いします。
73
◯川俣農林水産部長 国の方の動きでして,我々もなかなか,どうなることかと見守っているような状況でございますけれども,予算の執行面で,お話のとおり,住専問題が絡んで予算特別委員会も開けない。そうしますと,御承知のとおり,衆議院で可決されれば参議院に送付されて,参議院が可決しなくても30日以内に自然成立すると,法律ではそうなっておりますので,そういうことを前提にしながら,我々も非常に気をもんでおる状況ですけれども,暫定予算といいますのは,大体,どの程度の暫定予算として国の方で考えるのか,これは今後の問題でしょうけれども,例えば,2ヵ月なら2ヵ月の経常的な事務費と人件費というものを組み込んで,事業費というものはその後の,本議決の方の,国会の方の審議の方でやっていくということでございますが,暫定予算の期間にもよりますが,当面ですと,いろいろな事務手続き上は,予算が国会を通らなくても,事務的な話としての詰めというのは,例年どおり各省と,例えば,国会で予算通ったらばどんなふうに執行していくとか,そういう事務的な打ち合わせというのは当然やっていけるものと,要するに事務費と人件費の予算を国の方で組むということになりますれば,それも可能になるということですので,短い期間の暫定予算でありますと,我々は,
国補事業,そういう事務的な打ち合わせ,それから,県単事業,あるいは繰越事業等の執行,そういう面に鋭意努力し,片方は事務的な詰めを急いでおけば,明らかなこととして私からは明言はできませんけれども,それほどの心配は要らないのではないかと考えております。
74 ◯
杉田委員 暫定がどういう形かというのは,今のところは明確でないのは私もよく認識しているのですが,いずれにしても,特にこの農政問題,大事な時期でございますので,ひとつ,いかなる事態になっても,本県の場合には支障のないように努力をしていただきたいというふうにお願いをいたします。
それから,先ほど来,
中田委員,細谷委員の方からも触れられておりましたけれども,今回,冒頭に部長の方からも説明があったように,問題の住専に対しては,本県の農協の方でも多額の融資を住専にしたわけでありますが,これらについては,茨城県の農協の場合には,住専に融資をし始まったのはいつごろからいつごろまでやっていたのか,ピーク時はいつごろだったのか,わかっておればお聞かせいただきたいと思います。
75 ◯吉冨農業経済課長 住専への貸し付けにつきましては,一つは,単位農協は住専へは貸し付けをいたしておりません。連合会,つまり,信用農業協同組合連合会と共済農業協同組合連合会,この2つが貸し付けをいたしております。
手元にすぐ出てこないのですけれども,55年度に国の方で金融機関貸付というとらえ方で信連も貸してもよろしいと,こういう話になりましたので,その明くる年からだろうと思いますが,56年,57年,58年ですか,58年の3月に若干あります。それからずっと現在まであるわけでございますが,一番のピークの貸し付けは,平成3年の3月末が一番残高が多くなってございます。
76 ◯
杉田委員 最後は。
77 ◯吉冨農業経済課長 平成3年度の3月が一番ピークになっております。
78 ◯
杉田委員 今も貸し付けているわけでしょう。
79 ◯吉冨農業経済課長 今も貸し付けております。今は 907億円でございます。
80 ◯
杉田委員 平成3年ごろピークになったということは,大蔵省が金融機関に対して総量規制を課した時期と合致するのかな。
81 ◯吉冨農業経済課長 そのように認識しております。
82 ◯
杉田委員 平成3年ごろがピークだということは,これは,先ほど,
中田委員の方からも,本県で生じたトキワ園芸の問題,トキワ園芸はその後だったわけですが,あのときにも,議会でも,トキワ園芸の倒産に対しては大変な議論をされたところでございますが,いわゆる行政側のチェック機能が完全に果たしていたのかいないのかというようなことがメーンに論議されたわけですが,あの当時,いわゆるトキワ園芸の事件の当時には,行政としては,いわゆる信連や共済連が多額の貸し出しをして,これは,経済が既に落ち込み始まった時期ですから,そこらのところは,行政としては把握はしていなかったのか,把握しておっても対応は,指導はしなかったのか,そこらのところはいかがでしょう。
83 ◯吉冨農業経済課長 信連なり共済連の把握の問題につきましては,信連は,残高につきまして,県を経由して農林省の方へ報告,または大蔵省の方へ報告するということでございますから,県といたしましても,その数字的なものにつきましては把握をしていたというふうに考えております。
84 ◯
杉田委員 そうすると,把握していたということは,指導はしていたのかいないのか。
85 ◯吉冨農業経済課長 指導の問題でございますけれども,県信連なり県共済連,連合会につきましては,監督権限が国にあるわけでございます。県はあくまで経由する形でございます。ただ,信連なり共済連に県が関わるというのは,単協が会員になっておりますから,県としていろいろな単協を指導するという形の中で信連と一緒になってやっていくという意味あいでのかかわり方はありますけれども,直接な検査権限なり定款変更する認可権限なりというのは国が持っていると,こういうふうに認識をいたしております。
86 ◯
杉田委員 この問題をやっていると,きょう一日やっていても終わらないようなことなのでここらにとどめておきますが,今後も,やはり,これだけ論議を呼んでおる問題で,さらにこの後,2次損失だとかいった,ノンバンクの問題だとか,数多く出てくるような懸念もされておりますので,いわゆる日本の農業を左右するような事態になってはこれは大変ですから,この予算書の中を見てもわかるように,いわゆる農協を中心に行政の方でもかなりの助成金をしているわけですから,これはひとつ,管理指導というものはさらに徹底してやっていただきたいなというふうにお願いをいたしておきます。
それと,この件に関して,先ほど来から細谷委員の方からも質問が出ておりましたけれども,こういう事態になったのは,いわゆる農協の経営が,営農指導中心の経営ではなくて,いわゆる,こういう信用事業に農協の中身がウエートをだんだん置いてきたというあたりに,こういう問題が生じた一つの大きな要因だろうというふうに指摘をされておるとおりでございますが,これからの農協は,まさに,先ほど細谷委員の方からも話がありましたように,8日付けの日本経済新聞の社説にもありますが,農協とは何かを問い直せというようなことで,やはり,基本の営農指導や購買力を強化させていくと,本来の農協の姿にしていくべきだというような指摘もあって,さっき農政企画課長もそのような答弁をされていたように思うのですが,これは,ただ,今まであった農協の歩みを振り返ってみますと,これは,日本経済新聞の社説では,いわゆる米を中心とした農産物の集荷・販売を農協が一手に引き受けておって,しかも,自治体が変わるとそこの農協にはやれないというような,そういう問題点があったというように指摘をされているのですが,これは,私はそうではなくて,昭和34年に,集荷業を農協ばかりではなくて一般の民間にもやらせるということで,昭和34年のころを振り返ると,農協がこれに大変な反対運動をしたのですが,現にそういう姿になって,農協も米を集めるのも,いわゆる販売するのも,やっぱり民間業者との非常な争いになってきたわけです。そこで,その当時は農協も,むしろ活力を増してきたというふうに私は考えているのですが,その後,40年代に入って,その米が,後でも質問しますが,減反政策に入ったころから,いわゆる営農指導や購買だけでは農協が経営できなくなってきたというようなことで,今度はおのずからこういう信用事業に農協がウエートを置くようにだんだんなってきたと思うのです。ここでこういう事態になって,また,本来の姿に農協を戻すんだよということで急激にやられますと,農協自体の経営がまさに危機状態になると思うので,その辺を勘案して,農政企画課長,どういうふうにそこらの対応をとりますか。
87 ◯島村農政企画課長 非常に難しい問題でございまして,過去の経緯等につきまして,今言われたと思うのですが,いずれにしましても,農協は,やはり,その地域の唯一の経済団体でございまして,その地域の農業振興を図っていくのには農協を中心としたいろいろの事業,取り組み等が重要でございますので,やはり,私の方は検査というサイドから農協等の検査をやりまして,経営内容なり,最近はいろいろ調べまして,総体的な経営内容等の──分析まではやりませんが,そういう経営内容等まで入って,検査において指導していく,また,その理事の執行体制の問題なり,もろもろしているという状況で指導しておるわけでございまして,ちょっとお答えになるかどうかわかりませんが,ちょっと難しい問題です。
88 ◯
杉田委員 そこらの答弁しかできないのかと思いますが,いわゆる農協も経済団体には間違いありませんけれども,ただ,いわゆる農家地帯,あるいは周りも,これは,公的な機関に準じるくらいの機能を果たしてきたというふうには私どもも思っているので,これから,そういうところも念頭に置きながら,やはり,行政の方では指導を,将来誤りそうもないような指導を,ひとつしていただきたいなというふうにお願いをしておきます。
次に,農家にとっては住専問題よりも深刻な,まさに,それぞれの農家個々にかかってくる,今,新食糧法のもとでのいわゆる減反政策ですが,この減反で大変な問題を提起されたわけです。私も,ゆうべ,地元の減反の会合に出席してきたわけですが,水海道市全体の様子を聞いてみると,地域によって格差はあるようですが,特に水田の多い地域,いわゆる鬼怒川,小貝川に挟まれた非常に良質米のできる地域が,今度の新食糧法のもとでの減反政策には協力しかねるというようなことで,非常に生産団体や行政の方で,今,苦慮しているところなのですが,まだ,各市町村の様子というのはこちらで把握しているかどうか,私わかりませんが,県全体のことしの減反は,今,どのような見通しでおられるのですか。
89 ◯本田農産課長 新生産調整対策の見通しでございますが,12月6日に市町村に配分いたしまして,12月の末から,それぞれ市町村の段階で協議会等を開いてございます。協議会が大体2月の下旬までで,ほぼ県内の全市町村終了してございまして,現在,ちょうど集落単位での集落座談会等を実施しているというような状況でございます。
そういった中で,それぞれ市町村で,これだよという数字は,これから,そういった集落座談会が終わった後に,それぞれの配分面積等の集約等をしてまいりますので,正確な数字というのはまだ来ておりませんけれども,全体の雰囲気としては,やはり,ただいまおっしゃったように,これまでの経過の中で,つくる自由なり売る自由とか,転作は新食糧法のもとではいいんだというようなことがありまして,なかなか難しい状況にあるというふうには聞いております。
90 ◯
杉田委員 まさに,今課長が認識しているように,来年度のいわゆる生産調整は,100 %達成するのは非常に難しいのではないかなというふうに私自身も認識をするわけです。特に,これは,いろいろな考え方が農家にもありますけれども,一つには,今までまじめにやってきた農家と,いわゆる減反をして来なかった農家,これは,減反をしなければ,今までは,旧食糧法のもとではペナルティーをかけてきたわけです。今度はそれをみんな御破算にしてしまって新たな制度でやる。今までやった人が,いわゆるごね得になってしまったわけだ。そういう中で,今回は,これはあくまでも強制ではないということで,農家の自主性に任せるのだということだから,自主性に任せるのでは,そういう今までの経緯もあるのだからつくりますよというような一つの考え方が農家でも強く持っているわけです。
そういう中で,これは,今までは,今申しあげたように,やらなければペナルティーをかけてきたわけだけれども,今度は強制ではないからペナルティーはかけませんよということですよね。しかし,その優先順位はつけますよというような話もあるわけですが,その辺のところをもう一遍確認しておきたいのです。
91 ◯本田農産課長 いわゆるペナルティー措置の話でございますが,これは,正式には公平確保措置というふうに言っております。今回,いわゆるペナルティがなくなったという分につきましては,未達成面積,これを,従来ですと,例えば茨城県ですと,2万 9,960ヘクタールの中で 2,000ヘクタールだめだったということになれば,次年度上乗せされるというペナルティーがあったわけです。これは,今回の中でそういったことはしないということに,上乗せ措置はなくなったということでございます。
それから,もう一つは,補助事業の不採択ということで,即未達成のときには不採択になったわけですが,これもやはり,強制感を伴う恐れがあるというようなことで,いわゆる水田営農にかかわる事業については優先採択というようなことで行うというふうになってございます。
92 ◯
杉田委員 実質的には,ペナルティーも,今度とられる優先順位も,そんなに変わらないということですね,これは。
93 ◯本田農産課長 水田営農に関する補助事業につきましては,やはり,努力して達成した市町村,それと,努力しないということではありませんけれども,未達成だったという市町村で差をつけるというようなことですので,これは,そういった形で行われるのはやむを得ないのかなというふうに考えております。
94 ◯
杉田委員 そうすると,そこらの対応は非常に難しいと思うのですが,そういう優先順位の上位になったがために,今度は,農家個々が価格の方で締めつけられるというような事態も生じかねませんので,これは,私どもも一生懸命,いわゆる需要と供給のバランスを考えてこういう事態になっているのだからということで,昨晩も説得はしてきたのですが,今回は,今までの状況と違って,行政が一歩退くような形で,そういうこともふなれな生産団体にお任せするというような傾向にもあるようですが,やはり,各集落での,そういうきちっとした説明をして協力を仰いでいくのには,やはり,ここで姿を一変してしまうと,それは,さらに難しさに拍車をかけるような事態になると思うので,そこらをまず行政の方でも,この大変な時期ですから,積極的にその対応をしていただきたいというように思います。
それと,今度は,いわゆる減反の具体的なものについて若干聞きますが,いわゆる田んぼがあれば額縁,ぐるっと周りだけ休む場合,これは,今までの政策の中では,法足から1メートルを超えれば減反としてその面積を認めるというようなことですが,やはり,そのあたりは今度も変わっていないのですか,変わってきたのですか。
95 ◯本田農産課長 従来,額縁転作と言われた調整水田のことだったと思うのですが,前の水田営農活性化までは,それについては認めないという形だったのですが,今度の新しい対策の中では,やはり,大変厳しい状況の中で進めなければならないということで,そういったケースも当然あり得るだろうというふうに考えられておりますので,そういったことについても,調整水田なり何なりの形で認めたいというような形でございます。
96 ◯
杉田委員 そこのところ,課長,肝心なので,よくきちっと説明してもらいたいのだけれども,そうすると,1メートル以内でも減反面積として認めるということですか,ことしは。
97 ◯本田農産課長 はい,そういったメートルの幅というのは特に規定されておりませんので,認められるという形になると思います。
98 ◯
杉田委員 これは,先ほど,私,地元の農政課の方へ電話して確認したのです。そしたら,ことしもそれは同じだというふうに水海道の農政課の方ではとらえているのですが,今,課長の話だと,全く市町村の考え方とこっちの考え方,裏腹になってしまう。どうなんですか,これは。
99 ◯本田農産課長 私どもの方ではそういうふうに受けとめておりましたが,そこにつきましては,詳細な点,大至急確認させていただきたいと思います。
100 ◯
杉田委員 これは,課長,今,毎晩,農家が必死になって取り組んでいる問題なんだよ。それで既に,これは,全体がまとまるならば何とか我慢してやろうと,それで推進しているメンバーは,どうしてもつくるのなら,その分も何とかとも補償でやろうというような時期なんだ。農家はもう既に準備に取りかかっているわけですから。今の段階で,地元のとらえ方と課長の言う話では,これは,大変なことになってしまうと思うのです。これは,早速,きちっと,今の点は県はきょうにでも各自治体に,市町村にそれはきちっと流さないと,これは,まるっきりとらえ方が違いますよ。
ゆうべは,うちの方の区長を初め推進委員も,私がそういうことを言ったらば,それはことしも1メートルですよというようなことを明確に説明しているんだよ,各集落への説明で。だから,それはきちっと,85市町村統一してやらなければ困るわけですから,というのは,今,これは
農林水産部の方ではなくて農地局の方ですが,農地局が積極的に基盤整備を進めてきていますよね。特に,最近の土地改良というのは,これは,大型化すれば助成もさらにアップしますよと,75から80にしますよというようなことで,今,でっかい面積にしていますね。1ヘクタール以上の面積を,その事業の中で,4分の1以上そろえば,この補助率を5%上げますよということで,今,農水省の意向に従って,県も積極的にそういう指導をしているわけだね。現に,これは,私どものところでも,そういう行政の指導にのっとって,うちの場合,特に説明しますが,これは,大正年間にやって,すばらしい土地改良ができておったわけです。そのために,なかなか新たな土地改良に取り組めなかったのだけれども,20年近くも一生懸命やってきて,推進してきて,やっとそういう制度の中で,そういう制度があるということで,この土地改良を今度完成して,ことしから全部つくるようになったわけです。だから,1町歩未満でも,かつてのような2反歩や3反歩というのはほとんどわずかな面積になってしまった。大きなほ場になりますから,当然,大型の機械も導入してやっているわけです,農家は苦労しながら。そうすると,いわゆる効率化,能率化をするのには,畦畔の方なんか植えていても,そんなとこかまっていたのでは大規模なのはできないから,現に今,植えていないです,畦畔のわきは。だから,あと,畝を1本でも2本でも休めば,1ヘクタールもあるところぐるっと周りだとかなりの面積になるんです。だから,私は,もし,課長が,さっき,今度は1メートル以内でもいいですよというような話ならいいんだけれども,そういう状況下の中だから,これは,1メートル以内でなければだめだというならば,茨城県独自でも,農業県を誇る茨城県なのだから,そこらの対応はできないのかというようなお願いをしようと思ったのですが,それは,では,可能なのですね。
101 ◯本田農産課長 大変失礼しました。従来,額縁関係,周りが抜いた場合に認められなかったというようなことであれだったのですが,今度の新しい調整水田,要するに水稲がつくれる状況で田んぼ状態を保持するというような状況については,一応,現在のところ,1メートル以上ということです,調整水田につきましては。
102 ◯
杉田委員 課長,これは,今農家が,先ほど私が言ったように,住専どころではないですよ,農家にとっては。ことしの収入に響いてくるわけですから,それほど真剣に取り組んでいる問題を,その当事者の課長がそういう肝心なところを全く食い違ったようなとらえ方をしていること自体に問題があると思うな,これは。
時間ばかり過ぎてしまうから肝心なことを聞きますが,今言ったように,そういうほ場整備を県では進めてきて,現にやっているわけですから,そこを,周りなんか稲を植えられないわけだから,現に植えていないわけだから,面積目いっぱいは使えていないわけです。その行政の指導にのっとってやってきたほ場なんだから,周りを今,既に,減反の基本が99%,畦畔を1%引いて99%に減反を課しているということでございますが,実際には,30センチも50センチもあいているわけだ。それをもう1本やって1メートル近くになるわけだから,その程度のやつは認めるようなことはできないのか,これは,部長,どうなんだろう。
103
◯川俣農林水産部長 まず,実際にものがとれる,とれないはその地理的条件ですから,1メートル以上つくらないときにカウントされるという場合には,全国的にそういうことで減反というものをやっていこうということですから,それについては,県としても,その基準というものを守らざるを得ないと思います。ただ,県単なり,市町村が独自に減反に対する,それを奨励するような意味での手当はどうかという話になりますれば,また,それぞれの地方公共団体の減反に対する取り組み方で違っていくのではないかと思います。
それから,1つ釈明させていただきたいのですが,今,課長,基準のことで食い違って申しわけありませんでした。それは私からも重々おわび申し上げますが,県としましては,これは,ちょっと蛇足になりますけれども,平成8年というのは非常につらい年であると,従来に増しまして減反の面積が過去最大であるということから,取り組み方としてですけれども,農協サイド,市町村サイドと一緒になって,例年以上に早く組織体制を固め,これは,末端まで,私は口をすっぱくして言っているのですが,末端まで,だれに聞いても同じ答えが減反についての考え方が返ってくるように,それが県サイド,市町村サイド,農協サイドひっくるめて,同じ認識で事に当たってほしいということで,パンフレット等も早くつくって配布してやっておりましたけれども,一つ,今,手違いが出ましたが,早急にもう一度再チェックして,基準については厳しく,これは,全国ルールですから,どこどこが,おれのところだけが違っていいとできませんので,周知徹底を早期にもう一度チェックしてみたいと思います。
104 ◯
杉田委員 ひとつ,今,課長が言うようなことでは,そうでなくても不可能に近いのかと言っている今度の減反が,到底達成させることは難しくなってしまう。それによって,これは,100 %達成しても,価格がきちっと守られるという保証は一つもないわけですから,これは,価格などはどうなるかわからないです,やっても。もし,いわゆるばらばらになったときには,これは,まさに稲作農家の崩壊にもつながるような事態だと思うので,ことしの転作面積については,畦畔を除いて,畦畔を1%きり見ていないわけですから,畦畔の1%などというのは,畦畔ブロックでもやれば1%ぐらいで済むかもしれないけれども,先ほど申し上げた土地改良では,畦畔ブロックはやれないのです。畦畔を土でつくるから,しかも,ほ場が大きいから,風のときは波や何かも来るので大きくしてしまうわけです。そうでなくてはもたない,これは。その畦畔だけでも,計算してみないからわからないけれども,かなりの面積になるわけだ。1%どころではない。今,畦畔の法足から1メートルということだから,そうすると,いわゆる境界からは1メートル50センチメートルぐらいになってしまうわけです。ないと認めないということでしょう。だから,そこらは,いわゆる畦畔は1%きり見ないのだから,少なくともぎりぎりそのあたりまでは,やはり,法足ではなくて,認めるくらいの柔軟な対応をしていただきたいというふうにお願いします。これは,早急にそういう対応を,茨城県だけで部長はできないとおっしゃったけれども,確かにそうかもしれませんけれども,やはり,全国有数の農業県だということで自負をしているし,しかも,良質米の多くできる茨城県でもございますので,ひとつ,そこらの対応は,この前の一般質問にもありましたように,中央のことを何でもやっていれば無難だと,あるいはまた,横並び主義的な行政をやっていれば無難だというような考え方ではなくて,ひとつそういう,茨城の農業というものをよく念頭に置きながら早急に対応していただくように,特にお願いを申し上げまして,後もあるようですから,以上で私の質問を閉じます。
ありがとうございました。
105
◯鬼沢委員長 ほかに。──武藤委員。
106 ◯武藤委員 実は,いろいろ執行部のお話を聞いておりまして,ひとつ,部長に承りたいのですが,現在,農業は,農政とか政という字が冒頭につくわけですが,私に言わせると,各産業団体において,技術と技能の研さん,こういう言葉が重要になってきておる時代でございます。
ところが,農業に関しては,さようなことに対する対策がどこにあるのだろうかと,
農業技術課というのがあるようですが,予算面はどうなのだろうと,こう考えますと,全然ノータッチではないだろうかと,かようにも考えられるわけですが,しかしながら,御承知のように,農業はただ力さえあればよろしいと,年寄れば役に立たないといって,長い経験者の立派な農業人を,もう引退せざるを得ないムードがある。これに対応して,長い経験者には,他の業界でやっておるように,1級技能士とか2級技能士とか,かような階級をつけて,そして,10年以上の経験者には1級技能士を与えるとか,そういう方をつくっていくことによって農業の後継者が勉強をして,そして,作物の研究も技術的に進展していくのではないか。こう考えると,国においてはそういう制度はまだできておらないのですが,茨城県の,内地一番の農業県においては,まず,冒頭,茨城からそういうのを始まって,そして,いわゆる立派な農業人を育てていくということがないと,若い人が農業に対する魅力が薄らいでまいりまして,若い中学生は,農業を希望しますかと問いますと,私は県庁へ勤めたい,あるいは,先生になりたいと,こういう人が大多数でございまして,私は親の農業を継いで農業をやりますという人はみんなの前ではあまり手を挙げないと,かような状態になってしまうので,どうしても技術・技能の振興,これに重点的に施策を施していくことによって,いわゆる内容の充実と,かようなことを考えるわけでございますので,これに対する茨城県の
農林水産部の部長の考え方をまず承りたいと存じます。
なお,加えて,関連なのですが,3)の 193ページにあります,農村女性大学開設事業費というのは,そういう方面に関係して内容はどうなのだろうかと,女性であって,男性はどうなんだと。
それから,次のページの女性農業士海外体験研修事業費と,かようなのが設けてあるわけでございますが,これは,男子はどうなのだろう。女子は一体何名ぐらい,茨城県で女性農業士がいるのだろうかと,かような点も加えて,冒頭,まず承りたいと思います。
107
◯川俣農林水産部長 非常に重要な課題でございまして,いろいろなかけ声をかけて,茨城農業粗生産額2位を奪回すべきといっても,根っこは,農家がいい技術を持って,いいものをまずつくるということから始まりますので,御指摘の技能・技術については,当然ながら重要なことということで,県のいろいろな計画についても,重点事項として取り上げて取り組んでいこうと,これまでも取り組んできているものでございますけれども,非常に重要課題として推進しているものでございます。
実際には,県ですと,技能・技術関係で,まず,農家に対する普及を図る前の,自分たちのところでまず技術をつけるということで,御承知の農業総合センターというのがございまして,そこにはいろいろな部門の,米の部門の農業研究所,あるいは園芸の園芸研究所,あるいは,そこにバイオ的な色彩を含めた生物工学研究所というようなもの,この施設につきましては,おかげさまで,ほかの県からも視察に来るような,非常にいい施設でございまして,そこにいい機器がそろっている,それから,若干,人も,これからいい人の手当もしていかなければならないとは考えておりますけれども,そういうものを使って,まず,農家を教育するサイドの我々職員の能力アップを図っているということで,そこで技術開発なり,いろいろな研究したものを実用化できるというようないろいろな実証試験というのをやりまして,実際に農家に行って指導するのが,農業改良普及センターというのが県内に12ございますが,あそこの普及センターの農業改良普及員,それから,生活改良普及員と,女性の方もいらっしゃいますけれども,そういうものが一体となって,実際に農家に行って技術指導をしているという状況で,それに伴いまして,最近ですと,農業総合センターの方からの研究員とか,あるいは専門技術員というのがおりますけれども,そういうものが一体となって,農家に新しいような技術を導入する場合には,担当の1人の農業改良普及員ではなくて,そういう人がチームを組んで農家に入り込んでいって技術指導をしていると,そういう体制までとるようにしているというか,とりもなおさず,県がそういう技術も重視しておるということで,力を入れているわけでございます。
それから,農協系統も営農指導員というのがおりまして,いろいろな面で農家の指導をやっておりますけれども,それに対しましても,県でいろいろな研修をやったりして,能力アップを図って,農家に対してのいろいろな意味での技術指導,生活指導,経営指導,そういうものに当たっている状況にございます。
それで,お話の,そういうものについて何らかの農業の技術に対する資格制度はないだろうかと,考えられないかということですが,現実問題として,国の方でも,地方公共団体レベルでも,認定資格的なものは現在ないというふうに聞いております。ただ,県では,農業経営士というようなことで,ある年齢以上になりますと,農業経験豊かな技術のある方,なおかつ,地域のいろいろな面でのリーダーになる方,それから,後継者を育成してくれる方,そういう者を農業経営士として認定してやってもらっております。
また,それより若い人としては,青年農業士,それから,女性の方では婦人農業士という制度を設けまして,これは,いろいろな技術とか何かの試験をして認定しているのではなくて,地域の方から市町村を通して推薦してもらって,それで認定をしていくということで,これにつきましては,ある程度の数を目標にしておりまして,決して多ければいいというものでもございませんので,ある一定の枠で抑えて,年齢制限,一応退職というのでしょうか,退任する年齢がありますので,一人がやめた場合の補充関係を重視しながら,一定の人数で,そういう方に,実際には地域のリーダーとか,先ほど言いましたけれども,それから,後継者の育成に頑張ってもらおうというふうにやってもらっております。
そういうことで,何らかの技術的な資格を付与できないかということにつきましては,いろいろな面で,専門的な技術・技能の認定制度,資格制度がございますので,実は,まだ,今,質問をちょうだいして,ここですぐ頭には浮かんではこないのですけれども,そういうものについても検討させていただければと思っております。
それから,予算関係で2つほど,3)の 193ページでしたか,それについては,担当課長から説明させてよろしいでしょうか。
108 ◯武藤委員 はい,どうぞ。
109 ◯木沢
農業技術課長 2点ほどございましたけれども,最初に,農村女性大学の問題ですけれども,これは,御承知のとおり,最近,農業従事する中で過半数が女性だというふうな状況になっておりますので,女性が積極的に農業経営に参画する,あるいは,地域のそういった計画づくりに参画するという場面がふえてきております。したがって,こういった,特に農外から農家にお嫁に来た方などについては,農業の「の」の字も知らないで来ている方もいますので,こういった若い奥さんたちを中心に,普及センターの方で毎年集まっていただいて,勉強会をやっているわけです。2年コースになっておりまして,1年目は農業技術とか,農村の生活とか,そういった基礎的な問題について勉強をする。2年目以降には,経営管理,簿記の問題とか,そういった専門的な問題を研究するという形で実施をしております。大体,1普及センター20名から25名程度の婦人を対象に毎年実施をしております。
それから,2点目の婦人農業士の海外派遣研修の件ですが,先ほど部長も触れましたけれども,婦人農業士につきましては,35歳未満の若い女性で,農業経営に一生懸命取り組んでいる方,地域のリーダーとして──35歳から45歳です,失礼しました,35歳から45歳の農村の女性で地域活動なり農業経営に取り組んでいる方,こういった方々を対象に認定をいたしまして,この人を海外研修,特にヨーロッパを中心にやっているわけですが,派遣しております。来年度については16名を認定をして,ヨーロッパに派遣しようというふうに考えております。
男性の方はというお尋ねですけれども,男性につきましては,農業青年を対象にした海外研修,これを別途,予算をお願いしておりまして,こちらは30名ほど,これも来年度はヨーロッパに派遣をするという計画になっております。
110 ◯武藤委員 お答え,わかりましたが,今の対象になる人数が30名とか40名と,農業人が何人おいでなのか発表していただきたいと思いますが,そのパーセンテージはものすごく少ないのです。ですから,男子を女子をという差別なく,なぜ女子という名前をつけたか,逆に,男子でも女子でもかまわない,技術ある人に資格を与えて,そして,農業人の技術屋の集まりが,ほかの,今,日製の旋盤工でも技能士になって,技能士を取らなければ旋盤は扱えないと,建築も,2級建築士でないと建築の木造設計はできないというように,農業人も,せっかく農業高等学校があるのですから,ここを卒業すれば,建築の方は2年間たてば受験資格が出てくるのですが,農業高校はそういう試験がないのですね。ですから,魅力がないのです。やはり,こういう試験を受けることによって,当たった以上は,例えば減反の問題でも,それから,これからの農政をどうするかという問題も,その人なりに参画をさせる。そして,農業は,あるまとまった地区では,水田がある中へ勝手にナシを植えるわけにいかないので,共同で同じ品種のものをやらなくてはならないのですから,そこの方は技術屋が集まって検討会をするとか,そういうきめ細やかなことをやらないと,ただ上から行政指導,行政指導と,これだけでは,どうも本当の農業人は生まれてこないのではないか。例えば,米の品種を選ぶに当たっても,10年以上農業をやっている人の経験談を聞くと,こういう天気のときはこういう品種がよろしいんだとか,田植えの時期はいつがいいんだと,貴重な経験談が地域ごとにあるわけなのです。そういうものを,なぜ日本人は,茨城県は尊重しないのだろうか。そして,兼業農家が多いので,農業人は少ないなどといって相手にしない。これでは,茨城県の農業は発展していかない。しかし,農業というのは重要な産業でございまして,茨城県ではこれを誇りとして,堂々と,農業の振興を唱えるときには全国に先駆けて技術改革,そして,技能の革新と,かような面で先取りした農業をつくっていく,こういう代表的な茨城県であってほしいわけでございます。
千葉県はそれを既にやって,蔬菜において茨城県を追い越してしまったわけです。流通機構等も,かような技術屋の団結がないと成り立たないわけです。個々につくっておったのでは値段が思わしくないわけです。かような模範的な制度をつくっていただいて,ひとつ,茨城県が全国に先駆けて技術農業県を振興していただきたいと,技能農業県を期待して,部長の決意のほどを承って,質問を終わりたいと思います。
111
◯川俣農林水産部長 技術農業県を目指せというごもっともなお話でして,本県でも,例えば生産者サイドですと,それぞれの農協にいろいろな生産部会が御存じのとおりありまして,切磋琢磨しておりますし,先ほどちょっとお話ししました青年農業士関係でも,それぞれの,果樹部会なら果樹,部会とは言いませんけれども,そういう集まりがあったりして,一生懸命技術的なアップというのを考えているのですが,それにも増しまして,今,いろいろお話を伺いましたので,もう一度,そういうものを見直ししながら,技術向上して,技術農業県というのを目指していくということで,これからも頑張っていきたいと思っております。
112 ◯武藤委員 あるレベル以上の人は全部入れるのですからね。特定な人を選ぶというのはだめなのですよ。そこをちょっと加えておきます。わかったのでしょうか。
113
◯川俣農林水産部長 はい,検討させていただきます。
114 ◯武藤委員 はい,では,終わります。
115
◯鬼沢委員長 磯崎委員。
116 ◯磯崎委員 那珂湊の漁港の,今度,条例の改正案というのが出ているようなので,お尋ねしたいと思います。
那珂湊の漁港,これは,漁港区域ということになっておるわけでございますので,本来の目的からしますと,漁業者,あるいは漁業のために使うということになろうかと思います。本来の目的の使用からすれば逸脱して駐車場つくっているということでございます。こういった例が全国的にあるのかどうか,わかる範囲で,まず,お尋ねしたいと思います。
117
◯深沢水産振興課長 駐車場関係につきましては,基本的には,漁港の漁獲物の運搬,あるいは資材の運搬,漁港の中に入って漁業生産活動を行うための車両の駐車場というのが基本的に原則でございます。
那珂湊漁港の駐車場につきましては,いわゆる,あそこの直販店等に訪れる人たちを主体とした車両ということで,やや,そういった本来の目的からは若干はずれる面もあるわけですけれども,これにつきましては,一応水産庁の方ともいろいろ協議して,一応承認をいただいた形の中で利用されているものでございます。
118 ◯磯崎委員 私がお尋ねしたのは,全国に例があるかということを聞いたわけでございます。
それから,答弁は簡潔にお願いしたいのですが,
農林水産部次長兼石川漁政課長にお願いします。
119 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 全国に例はございません。ただし,有料ということではございません。
120 ◯磯崎委員 全国に例がないということを,茨城県,那珂湊漁港でやられたということでございます。なぜやったかということでございますけれども,私の承知しているところでは,本来,魚市場であったところが,新しい魚市場が隣にできた,したがって使わなくなった,未使用のままで長期間おくと無用の長物のように見える可能性がある,加えて,当該市場の前で,旧那珂湊魚市場前で小売店舗が発生して,鮮魚の小売市場ができてきた。その買い物客に対しての駐車場用地が必要になってきた。しかも,その小売市場は町の活性化のために役立っている。公共目的にも合致するような状態が生まれてきた。そういうことから,駐車場設置もやむを得ないのではないかということで,全国で初めてといいますか,唯一の駐車場が漁港区域の中につくられたのではなかろうかと,そのように考えておりますけれども,いかがでしょうか。
121 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 那珂湊は,茨城県の主要な漁港基地ということで,かつては,カツオ,マグロ,それから,底びき,それから,まき網,その他沿岸漁船ということで賑わっていたわけでございますが,全国的な傾向といたしまして,特にカツオの釣り場が少なくなったということが一つございます。
しかし,那珂湊漁港は第三種漁港でございますので,よその県から入ってきた船につきましては,これは,断る理由がございません。したがいまして,本県沖に漁場が形成されますと,全国からカツオの船が集まってまいります。それらの船に対して,水揚げはもちろん,一時的な係留を認めざるを得ません。
また,県内におきましても,ことしなども多分そうなるのではないかと思いますが,コウナゴとかオキアミ等がだんだんと親潮と同時に南下してまいりますと,県内全部の船が,あるいは福島とか北の方の船がその魚を追ってまいります。そうすると,鮮度がすぐ落ちる魚なものですから,本県に水揚げされます。ちょうど本県の中央に位置しております那珂湊漁港は格好の水揚げ漁港となります。
したがって,時期的にはあいている漁港でございますが,また別な意味で言えば,時期的にはかなり込む漁港になるわけです。その船のために,ある一定の場所を設けているわけでございますが,ここ数年来,漁港もかなり整備されてきましたし,それらの船にも対応できるのではないかというような考えもございますし,また,魚市場が対岸の方に新しくできましたので,ただし,船の係船とか,あるいは,船に乗り降りする方々の支障のないような,逆に言えば,必要な面積を取りまして,残った部分を駐車場として活用するというようなことで進めてまいりました。
ただ,当初,無料というようなことで出発したわけでございますが,無料にいたしますと,車間の事故があったり,あるいは,駐車場の施設が破損されるおそれもあるというようなこともございましたので,有料にしたわけでございます。
122 ◯磯崎委員 それでは,お尋ねしますが,無料にしようと思ったけれども有料にしたということですけれども,受益者負担の考え方がどのように織り込まれているのか,その値段の具体的な根拠的なものを,ある程度でよろしいので教えてください。
123 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 先ほど申し上げましたとおり,駐車場にはそれぞれ人が配置しなくてはなりません。したがって,維持管理費というものがあります。その維持管理費が,大体の算出基礎となっております。
124 ◯磯崎委員 維持管理費として現実に決まった額があって,それで年間収益といいますか,あがる費用があると,実際上の管理,まず一つは,投資効果と収益ということでございますけれども,もともと行政財産といいますか,国有財産といいますか,そういったものをベースにして,収益事業ということになってくれば,これは本末転倒になってくるわけですので,十分に考えて設定されなければならないと思うわけです。その点で,収益の中身について,教えていただきたいと思います。
125 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 中身と申しますと,料金といいますか,委託しているわけでございますが,委託の料金の中身ということでございますか。
126 ◯磯崎委員 収益と。
127 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 それは,料金が委託の基礎になっておりますので,ほぼイコールというふうになっております。
128 ◯磯崎委員 今回,1回4時間で 100円で,2時間を超えたら同じ額を取ろうというような案だと思うのですけれども,これはどういう理由ですか。
129 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 平成6年度に10月から始まったわけでございますが,それらのときの利用する車の数,これは,種類がここに書いてございますように,3つほど種類がございますが,それからの利用数等を勘案いたしました。
130
◯深沢水産振興課長 駐車料金の1台 100円,200 円,300 円ということですけれども,これは,基本的には市営の駐車場の料金を準用してこういう料金を設定いたしました。
131 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 今,深沢課長が説明したとおりでございますが,一つには,100 円ということでございますので,これは,1日 100円という基礎もございましたが,1日 100円では,月 3,000円になってしまって,だれかがずっと置きっぱなしになる可能性もあるというようなことも考え合わせまして,そういうような形になっております。
132 ◯磯崎委員 それから,時間なのですが,7時から5時までというふうになっておるわけですけれども,御存じのとおり,魚の仕事は朝の2時,3時から始まっておるわけです。買い物客も,12月になりますと,特に暮れなどは,信じられないくらい早い。去年の暮れの例ですと,12月29日,30日は,朝の3時半には買い物客が来ていました。4時に店を開けたら,飛び込んでくるお客が複数でおったわけです。7時から開ける,そして,5時に終わる。夏の5時はまだまだ明るい。そのころ夕涼みがてら海の方へ来て,買い物に来る客もいる。そういう実態にそぐわない管理運営形態になってきているのではないか。その面について,もともと行政サービスの一環で考えているのか,それともどうなのか,あの買い物客は町の活性化に役立っているとは言いましたけれども,実は交通の渋滞には大変な,全市的な迷惑になっておるというものですから,その辺について,今後,駐車場の大幅拡大も必要だし,一たん駐車場として設定した以上,そして,おさかなセンターで県も補助を出して活性化に役立たせようとした以上は,次のことを考えなくてはならない。もとに戻せないと思うのです。その辺を,お考えをお聞かせいただきたいと思います。
133
◯深沢水産振興課長 この駐車場につきましては,平成6年の11月に開場したわけですけれども,その時間の設定につきましては,市並びにあの辺,周辺の量販店の営業時間等も勘案しながら,7時から5時までというふうな形で設定されたわけです。
ただいま,委員の方から,実態にそぐわないというふうな話があったわけですが,確かに,そういった面も多々あるわけでして,その辺の,あそこの,いわゆる交通緩和なり利用実態に合わせた形の利用時間といいますか,そういった面で,ひたちなか市等とも協議しながら,その辺の利用の形態については検討してまいりたいと考えております。
134 ◯磯崎委員 わかりました。
農林水産部長に一つ,お伺いさせていただきます。
水産茨城という言葉がございます。170 キロの海岸線ということで,今後の茨城の発展のために,その一つは産業の振興ということでありますが,水産業の振興という意味,産・官・学を結びつける気持ちはありませんけれども,ずばり申しまして,茨城大学に水産学部をという声があるわけですが,これにつきまして,川俣
農林水産部長の御所見をお伺いしたいと思います。
135
◯川俣農林水産部長 当委員会で,前にも委員さんからそういうお話をいただいたかもしれません。正直申し上げまして,その後,例えば,しかるべき大学とか,文部省と少し接触をとったかといいますと,まだそういう段階に,私のところでも整理がついておりません,実を言いますと。
ただ,前にもお話ししたかもしれませんが,漁業の振興方策を考える場合に,うちにあります高校から直に行ける高等教育機関というものが近くにあって,そこで,その高校を出た生徒たちが学び,それですぐ,茨城の海で活躍できるということは,それは,漁業の振興の面から非常に望ましい,また,子供の教育面から,生活環境面から,非常に望ましいのではないかと思いますので,そういう方向として,私は,研究すべき課題であろうというお答えをした記憶がございますが,現状につきましては,今申し上げたとおりで,例えば,文部省の方針が,一時期,新設大学はだめ,学科改編ならば地域の実情に応じてということも言っていた時期がございます。今,そういう時期なのかどうか,あるいは,そういう学科,学部の新設についてはいいという方針があったとしても,実際には国立大学ですので,県レベルでできることは何かと言いますと,過去に茨大で学科改編で,確か,人文学部に大学院を設けた実績があるかと思います。その際,県サイドでできたことは,側面から応援しようということで,いわゆる中央要望の形として,知事の名前で文部省なり関係方面に陳情したということがございますが,あくまでも主体は大学サイドということで,大学がその気になってくれないと,この問題も進みません。
そういうことで,幸いなことに,茨城のさかなを決めていただいた橋本学長がちょうどさかなの選定委員会の委員長という立場の方ですので,何らか折をみて,どの程度話が進むかわかりませんが,お話をしてみようかと,大変進まなくて申しわけありませんが,そういう状況ですので,そういう方向で,少し,学長とでも話をしてみたいと考えております。
136 ◯磯崎委員 ただいま,川俣部長のお話で,念頭におありのようなのが,漁業振興とか子供の教育にもいいだろうとかというような考え方のようにお話ありましたけれども,例えば,慶応大学などで環境情報学部とか総合政策学部とか,従来の縦割的な学部構成を乗り越えて,マルチメディアとかインターネット時代の新しい発想による新しい学部,画期的な内容を含んでおるわけでございます。
水産ということになると,例えば,大洗の水族館が,恐らく,従来の,今までのような水族館ではなくでき上がってくるのではないかと思います。新しい,光と音を入れた,ニューメディアを含めたものでつくられるのではないかと,単に世界の珍魚を集めただけというような時代ではもうなくなってきておるわけでございます。
そういう意味で,茨城大学の水産学部というのは,あるいは,海洋学部というのは,内容的には斬新というよりは画期的なものを取り扱う,世界に向けて,人類と魚類の併存といいますか,共存といいますか,共生というのですか,あるいは宇宙に向かったような,そんな画期的な内容で構想を練っていただければ幸いだと,このように要望をいたしまして,私の質問を終わります。
137
◯鬼沢委員長 桜井委員。
138 ◯
桜井委員 時間がないので,本当はいろいろな項目をきょうは挙げてきたのですが,最初に,要望を先にやります。
農協が住専,ノンバンク等に大きな問題を,今,これは,ある意味では,大変な社会問題になっているわけですが,こういうことになった原因が,日本の国全体がバブルとかマネーゲームとかいろいろな社会的風潮もさることながら,もう一つ,農協そのものが,どんどん,組織そのものが肥大化し過ぎた。その組織を守るために,本来なら農業者を守るべき存在が,いつの間にか頭でっかちになって,組織そのものを守るためにそういうふうに肥大化したといってもいいのではないだろうかなと,ずっとこれは見ているわけですが,いろいろな農協の業務の中の信用業務というようなのが,本来なら逸脱していってしまうわけです。今後,そういう肥大化した農協をリストラしながら,新しい方向に行くのにはどうしたらいいかという視点というものを,今,しっかりとひとつ把握して,御指導のほどをお願いしたい。ただ単にバッサリやることによって,またまた大きな社会リアクションが起きるであろうし,そういうことを踏まえた,どうしてこういうふうになってしまったかという,この演繹的なものを含めて,ひとつ,今後指導をお願いしたいというのが1点。
それから,農業後継者がどんどんどんどん減少している。その中で,いろいろな,農業大学校を初め,県はやっていますが,若い人たちに何で農業をやらないのですかと聞くと,まず,農業をやりたい,しかし,農業には仲間がいない。農業大学校では非常にいろいろな仲間がいて,人生に大きなばら色のものを感じた。ところが自分の家に来て現実に農業をやる,一つの集落,あるいは,100 戸なら 100戸の中で,私の知り合いが農業をやるといって帰ってきたのですが,私も大いに頑張れと。ところが,3ヵ月でやめますと言ってきた。何でやめるか。彼は20歳。同じ集落の中で,彼と一番近い人の年齢が48歳。かつては4Hクラブだとか,人間というのは社会的な動物で,そういう仲間というものが切磋琢磨しながら,ところが,農業大学校とかいろいろな組織の中では,後継者として,しかし,現実の農業を始まる中での横の若い人たちの連絡,そういうものが現実にあるのだろうか。これなくしては,頭の中の農業後継者だけであって,現実には長続きしないのではないだろうか。この辺を,後継者同士の横のものを今後どうやるかということをひとつ要望したい。
では,質問に入ります。
植木
園芸流通課長にお伺いしたいのですが,八郷町にフラワーパークというのがあります。あれは,できて何年たち,そしてまた,どのくらい資金投下したのか,同じように,群馬県にもフラワーパークがあります。これはどのくらいの金を投下して,何年たち,そして,どのくらいの金を投下したのか,ちょっとお伺いしたいと思います。
139 ◯植木
園芸流通課長 茨城県のフラワーパークは,科学万博を記念しまして,ちょうど昭和60年にできまして,ちょうど去年で10年間と,こういうことになっております。
今まで,当初12億 9,000万円ぐらいでやったのですけれども,その後資金投下をしまして,現在までのところ,総資本投下は約17億円でございます。
これに対しまして,群馬県も,平成4年度に群馬フラワーパークというのを赤城山のふもとの宮城村でつくっておりますけれども,これは,71億円の投資でございます。
以上でございます。
140 ◯
桜井委員 八郷町の茨城県フラワーパークと,前に茨城県という名前がついている。向こうは群馬県といって,片方は71億円も出す。茨城県といっていながら,たった16億円しか出していない。では,入園者数は,ここ3年間はどのくらいあって,パラレルにちょっと言っていただきたいのですが,そして,収益はどのくらい両方あるのか,ちょっと。
141 ◯植木
園芸流通課長 茨城県のフラワーパークにつきましては,平成4年度がちょうどピークでございまして,全体の入場者数が45万 6,000人程度でございまして,平成5年が39万 8,000人,平成6年が38万 1,000人と,こういうようなことでございまして,全体の収益でございますけれども,フラワーパークは,入園料と売店収入がございまして,約3億 7,000万円ぐらいの収入だと思います。
142 ◯
桜井委員 群馬県は。
143 ◯植木
園芸流通課長 群馬県の場合は,入園料が 600円でございますけれども,入園料金の方ですけれども,約2億 5,000万円でございます。
以上でございます。
144 ◯
桜井委員 17億円投下して3億円売り上げている。そしてまた,群馬県は70億円入れて2億 5,000万円しか売り上げてない。ランニングコストはどのくらいかかるのですか。そしてまた,全体としての収益は,パラレルに群馬県と茨城県がどういうふうになっているか。
145 ◯植木
園芸流通課長 茨城県のフラワーパークの場合は,ランニングコストでございますけれども,約3億 7,000万円ぐらいでございます。それから,群馬県の場合は4億 9,000万円で,ここは,入園料がすべて県の方に入って,そのままそっくり交付して,あと,運営費の方を補助していると,こういうことで,差引県費の方は2億 4,000万円を群馬県の方は交付していると,こういうことでございます。
146 ◯
桜井委員 茨城県はどういうふうになっているのですか。
147 ◯植木
園芸流通課長 茨城県の場合は,県費は年間約 2,400万円,指導センター設置費として 2,400万円の補助金を交付しております。
148 ◯
桜井委員 茨城県では,そうすると,毎年, 2,400万円損しているということか。収益はどうなっている。両方。
149 ◯植木
園芸流通課長 先ほど,収益については約3億 7,000万円というようなことで,入園料と売店,入園料が1億 7,000万円,売店料が1億 8,000万円,その他ということでございまして。
150 ◯
桜井委員 差し引きどのぐらいか。
151 ◯植木
園芸流通課長 差し引き, 2,000万円から約 3,000万円の経営の黒字になっております。
152 ◯
桜井委員 黒字ね。
153 ◯植木
園芸流通課長 はい。
154 ◯
桜井委員 群馬県は。
155 ◯植木
園芸流通課長 群馬県は,4億 9,000万円がかかりますので,そのうち入園料が2億 5,000万円でございますので,2億 4,000万円の赤字と,こういうことでございます。
156 ◯
桜井委員 群馬県は2億 4,000万円も赤字を出している。茨城県は 3,000万円ももうかっている。これは,課長,あなたの経営才覚が,そして,片方は,71億円も投下して,毎年毎年,他県のことだから我々言う必要ないが,3億円も,毎年ランニングコストで,群馬県は,そして,2億 4,000万円も損している。茨城県はろくに金もやらない。そして, 3,000万円も毎年もうかっている。これは,課長の経営手腕がすばらしいということなのだろうが,そのもうかった金はどういうふうに使っていますか。どのくらい今までにもうかっていますか。
157 ◯植木
園芸流通課長 収益の部分は,基金として,現在,約3億 4,000万円積み立ててあります。八郷町の方が管理をしているところでございます。現在,フラワーパークの場合は,県から八郷町の方に管理運営を委託しまして,さらに,八郷町の産業文化事業団の方に再委託しているというようなことでございまして,八郷町の方に基金があると,こういうことでございます。
158 ◯
桜井委員 管理を任せているということと,使っていいという,その金を八郷町が使っていいということは,これは同じというふうに解釈していいのかな。もうかった金を,3億 5,000万円近い金を八郷町の産業文化事業団に管理させているということですが,これは,自由に八郷町がこの金を使っていいというふうに解釈していいのか。
159 ◯植木
園芸流通課長 基金の活用につきましては,八郷町と茨城県フラワーパークとの管理運営の協定書,あるいは,県の財産の使用貸借の協定書と,この2つがございまして,八郷町の現在保管している基金につきましては,県と協議して使うことになりますけれども,この協定書の中には,使い方の中身といたしましては,現在の管理運営に資金が不足する場合が一つあります。
それから,施設の補修,あるいは改良と,軽微な変更とかそういうものに限られておりまして,それも,県と協議の上,基金の取り崩しをすると,このような協定になっております。
160 ◯
桜井委員 八郷町に,毎年40万人近くフラワーパークに来ている。特に,私のところはあそこから 500~ 600メートルのところが家なのですが,連休のときは家から出られない。こんなにも車が来るのかというほど来るのですが,今後,こういう県の施設がつくられたとき,まず,ものをつくるとき,どういう形で地元の住民に物事が還元されていくのか,本当のことを言うと,あそこでのもうけはない。八郷町に還元されない,住民に還元されない。ただ,ただ,騒音と交通事故とか,そういう形で,今後,こういうものをどういう形で地域に還元したらいいのかということを,ひとつ,単なる,これは,今回ばかりではなくて,今後のリーディングケースとして,こういうものができたとき,今聞くと,地元還元というものが全然,協定書の中にもうたわれてないが,その辺をどういうふうにお考えなのか,課長に。
161 ◯植木
園芸流通課長 県と八郷町の関係は,県は施設を整備する,管理運営はフラワーパークの方が委託先であります八郷町あるいは産業文化福祉事業団の方で担っていくと,こういうスタンスでございまして,地元還元策につきまして,フラワーパークの方では,地元の方々に入園料の無料入園,昨年は入れましたり,また,夜のコンサートというようなことで,入園のためのもの,地元の方たちがフラワーパークに親しんでもらうような施策は去年とったようでございます。
したがいまして,今後,八郷町は果樹が豊富なところでございますので,地元産品をフラワーパークに来られる人に対してどのような提供をしていくか,あるいは,直売をするかとか,そういう,40万人のお客に対してどのような地域社会に貢献できるような施策展開ができるかどうか,これにかかろうかと思いますけれども,基本的には,フラワーパーク内の整備はあくまでも県と協議するということで,地元還元ということには,直接,フラワーパークの整備とは切り離しいたしまして,県の助成制度を活用しながら支援していくのが県の考えかなと,このように考えております。
162 ◯
桜井委員 あそこへ来ればわかると思いますが,周りが全部駐車場だけなのです。この間の金曜日,私,視察してきまして,皆さんが一生懸命説明しているとき,私,あそこを視察してきたのですが,あの前の広場を,もっと駐車場のあの広場,広くとって,あそこに地域の,今課長が言ったような,大根だとか何でもいいのです,それから,切花でも何でもいい,そういう市場的,バザール的なものをよく開くことが,観光というのは,あそこを見るばかりではなくて,地域のそういうものを買ったり何かするような,そういう触れ合う広場をあそこにつくっていただいたらどうなんだろうかなというのを要望したいのです。これは要望です。
そういう観光の,ただ単に,受け身に見せるというだけではなしに,そういう一つの広場をどんどんあそこへつくって,その広場の中で,さっき言ったような,夏の夜はフェスティバル・イン・八郷などと,若い者を1万人も集めてやるようなのも一つ。県のそういう施設を前向きな形にやっていただきたいのが一つ。
それから,こうやってみると,平成4年が45万人,39万人,38万人とじり貧になっている。あそこへ行ってみると,非常に最初はすばらしかったが,もう10年たったら,2回見ると飽き飽きしてしまう。パチンコ屋だって3年に1回は改装すると同じように,これは,ああいう観光事業というのは,10年に一遍ぐらいは大改造をして,やはり,一回見た人をもう一回引きつけるような,そういう方向性でなければ,新鮮なものを,そしてまた,御存じのとおり,朝日峠が間もなく抜けます。そういう中で,ますます東京からあそが近くなるというような形になっていった場合,朝日峠を抜く,早めるインパクトにもこれはなるわけでございますが,そういう意味で,そういう大改造の意思があるや否や,これは質問にさせていただきますが,課長,お願いします。
163 ◯植木
園芸流通課長 これまで,フラワーパークにつきましては,レストハウスを3億 3,900万円程度で,平成3年度にやりまして,施設の整備を図ったわけなのですけれども,今後,本年度の当初予算に計上させていただきましたように,水の流れる滝,これを,基本構想を平成8年度計上させていただきまして,この構想に基づきまして,子供たちが水に戯れるような施設整備を平成9年度,10年度にかけてしていきたいと,このように考えておりますけれども,フラワーパーク全体的には,現在収益性もありますので,全体の施設整備についてはまだ,県の方としては考えていないところでございます。
164 ◯
桜井委員 片方が71億円も投資して毎年3億 5,000万円も赤字をぶっている。それに対して,16億円しか投資しないで3億 5,000万円も基金がある。ある意味では,観光というのは大抵失敗してしまう。しかし,これは,数少ない,こういう一つの成功している例であり,国民宿舎のあそこと同じように,茨城県の八郷町のフラワーパークが,関東地方で非常に大衆に膾炙されたというか,こういうものを,より一層今度は飛躍的な,10年間でまずテストケース的なものがあって,これでできるぞといった場合は,やはり,決定的なものを,商売的な発想から見てもやる必要があるのではないかということを,これは部長にお願いしておきます。
続きまして,時間がないので,3時までに終わりというようなことを副委員長から言われていますので,小田木委員もこの次やるということなので,ワカサギについてちょっと。
ワカサギが,一昨年と去年の漁獲料はどのくらいなのか,深沢振興課長,ちょっとお伺いしたい。霞ヶ浦,北浦のワカサギ。
165
◯深沢水産振興課長 平成6年の水揚量が 289トンでした。平成7年につきましては,統計がまとまっておりませんのでわかりませんが,多分,250 トン内外ではないかなと予想しております。
166 ◯
桜井委員 課長,最盛期はどのくらい,ワカサギは霞ヶ浦でとれたんですか。
167
◯深沢水産振興課長 昭和40年以前は,大体 1,000トン以上漁獲されております。毎年その程度とられました。今までの最高では,昭和40年に 2,590トンぐらいとられているところです。
168 ◯
桜井委員 これは,やはり,由々しき問題だよね。かつての10分の1まで減少して,そして,また,去年,一昨年から,もうとれないのにまた30トン減っていくということで,聞くところによると,今,霞ヶ浦周辺の,とって売る漁獲もさることながら,もう一つ,水産加工業というのが大きな産業なのですが,もう地元のワカサギがとれない,使えない。ほとんどが外国からという,これは大変な問題だ。そして,ワカサギそのものを今までは諏訪湖から卵を持ってきた。ところが,ことしは諏訪湖の卵もない。かつて諏訪湖は霞ヶ浦からワカサギを持って行って諏訪湖にふやした。その諏訪湖から今度はワカサギの卵を持って霞ヶ浦に。ところが,諏訪湖もだめだ。ではどこか。今,出島漁協初め霞ヶ浦は,中国から卵を持って来ようと,現実に持って来ている。これは,諏訪湖から中国へワカサギを持って行った。もとをただせば,これは,霞ヶ浦から持ってくる。こういう中国から霞ヶ浦のワカサギの卵を持って来て,そうすると,いろいろな生物の体系だとか,いろいろな問題があるだろうが,まず,そういう生態系とか何かいろいろな問題はありませんか。
169
◯深沢水産振興課長 せっかく中国から持ってきて,それが霞ヶ浦の在来のワカサギ等に影響があっては,むだになり,なおかつマイナス面になるわけですが,基本的には,同じ種であるかどうか,同じ仲間であるかどうかということを内水面水産試験場等で,形態,形状,特に,脊椎骨数等を調べたところでございます。そしたら,霞ヶ浦と中国のワカサギ,成魚についてはほぼ同じということなので,同一の種類であるということで,特に,霞ヶ浦に卵を入れましても,それがふえても,霞ヶ浦の生態系を乱すことにはならないだろうと,こう判断しております。
170 ◯
桜井委員 中国の変なワカサギが来て,日本で言えば,こういう言葉を使っていいかどうか,ハーフみたいなワカサギがどんどんできてしまって,新しいものが,我々の次の世代には,何だこんなものがあるというふうになってしまいやしないかと,これは,非常に,こういう生物を外国から持って来るというのは,我々は本当に神経を使わなくてはならない。ただ単に,当面的な,場当たり的な,ワカサギをふやせばいいだけの問題ではなくて,やはり,自然との関係とか何かというものを,我々,神経を使わなくてはならないわけですが,今の課長の話だと,それを学術的に,脊椎とかいろいろなものを調べたら,そしたら同じものだと,もとをただせば,先ほど言ったように,霞ヶ浦のワカサギが外へ旅立って戻って来たようなわけだが,しかし,その中にはいろいろな,ハビタットの関係で変わってしまう可能性があるわけですから。はい,わかりました。
それから,ワカサギを中国から飛行機で持ってくるのに,何時間たてばいいのだ,あれは。どういう形でやっているの,現実は。
171
◯深沢水産振興課長 霞ヶ浦で,人工孵化で,枠をつくってシュロを入れて,それに卵を付けて,それで人工孵化をしているわけですけれども,中国でも,やはり同じ方式で採卵はして,大体5日ぐらいおきますと発眼しますので,発眼してから運搬するという形になるかと思います。そうすると,大体,中国ですから,私,ちょっと中国へ行ったことがないのでわからないのですが,大体1日ぐらいで霞ヶ浦の方へ成田を通じて来るのではないかなという感じがいたします。
172 ◯
桜井委員 これは,受精してから違う水に出すには48時間以内にやらないとだめになってしまう,本当のことを言うと。これは飛行機で持ってくるわけですが,問題はこの次なのですが,営々として,大変な金をかけて,ワカサギを霞ヶ浦に持ってくる。ところが,この間,石渡のあるところに,古いドックを漁協支部がお借りしてやってみた。去年やってみた。ワカサギが1匹もいない。そこへ,その発眼したワカサギをドックに入れて,遮断して,それから,調べてみた。ワカサギが1匹もいない。これは,どういうふうに思いますか。ブルーギル,ブラックバス,あそこのドックは7畝あるのですが,7畝というのは70アールかな。今回も同じことをやったって,中国から持ってきたって,全部,発眼してかえる前に,ブラックバスとブルーギルの餌をどんどんまいているだけではないのか。
280 万トン,250 万トン,あれだけワカサギを,何億というワカサギを,毎年,毎年,1年魚ですから,減少しているということは,みんなあの卵はブルーギルの餌になっているのではないか。そして,この間,あそこを遮断して,まず水をはけと。7畝だから70アールの中でとったブルーギルとブラックバスが 5,000キロだったかな。ものすごい。それをまず,きれいに,1匹もそういう外来の魚をいなくして,きれいな環境に今,テストケースとしてやっているのです。その金が80万円かかるんだが,県に頼んだら出してくれない。それで,今,一生懸命やっているのですが,この外来魚対策というのを,今後,どういうふうに考えているのか,その辺を聞きたいのですが。
173
◯深沢水産振興課長 確かに,ワカサギの卵というのは,食べられるのは確かにブルーギルが最も多く,ブルーギルだけではなくて,ケナガエビだとか,ムツゴだとか,いろいろな魚の滋養みたいな形になって食われているわけです。
今,霞ヶ浦,北浦で人工孵化放流事業をしているのは,卵をただそこの湖の中に浸すだけではなくて,その周りをそういった,いわゆる外敵から守るために,もじ網等で囲って,囲った中でいわゆる孵化をさせて,そして沖合へ持って行って孵化稚魚を放して網をはずすというふうな形で,できるだけそういった餌にならないような工夫をしながら人工孵化放流事業はやっているわけです。
174 ◯
桜井委員 ここで,私は提案したいのだが,かつて日本の国のワカサギは全部霞ヶ浦のワカサギだと言っても過言ではない。霞ヶ浦のワカサギがどんどんどんどん,先ほど言った諏訪湖に持って行ったり,かつて同じように,何で霞ヶ浦はそういうふうに卵がとれないのか。諏訪湖は,要するに,課長が言うとおり,あれは上るわけだな。上る習性を利用して,それを一網打尽にとって全部やるわけだ。霞ヶ浦でも,何も外から卵をもらって来ないで,独自に霞ヶ浦の採卵場をつくる,要するに水をつくって,その大がかりな経営の産卵場を,恋瀬川の下流あたりに日本一のワカサギの産卵場をつくって,そして,中国の方から,かつての嫁に行ったか婿に行った魚を持って来るよりも,そこでもう一回,産卵場を。霞ヶ浦のワカサギがなくなったら,あれは大変な,霞ヶ浦の魅力は,漁場として,また,我々の心のふるさととしての霞ヶ浦というのはなくなりますよ。そういう,あそこを代表するワカサギ,県の魚の中で,部長が言うとおり,ワカサギというのは県を代表する,ヒラメなどよりもはるかにワカサギの方がてっとり早くて,大衆に膾炙されている。そういうものをやはり,もう少し大々的に,水をつくって,そして,人工的に大きな世界一の産卵場をつくって,もう一回そういうものをやる方向性はあるかないか,課長に聞きたい。
175
◯深沢水産振興課長 委員がお話ししたように,諏訪湖のワカサギは川へ上るということで,霞ヶ浦のワカサギというのは,一部川に上りますけれども,大半が湖岸一体に産卵するやつで,なかなか恋瀬川とかどこかとか採卵場をつくっても,そこで十分な新魚を確保するということはできるような生態系ではございません。
したがって,現在,霞ヶ浦漁連及び北浦漁連で採卵し,人工孵化放流をやっていますけれども,霞ヶ浦では11ヵ所で採卵して,そこの各地先でやっているわけで,基本的にはそういった複数の箇所で,いわゆるそれに見合った施設をつくった形の採卵場,孵化場というのが最も霞ヶ浦の実態に即しているのではないかなという,そんな感じがいたします。
176 ◯
桜井委員 そういう形で,その地域,地域のそういう実態に合わせた,実情に合わせた形で,外国から,中国から卵を持って来るなどという発想は余りよくない。やはり,我々は,自分の地域を,茨城の海を大切にし,そしてまた,自分たちの湖を大切にして,そこからちゃんとしたものを育てていくことが次の世代への我々の義務であるし,そういうことを大切にしながらひとつ,場当たりで,いなくなったから向こうから何か持って来ればいいという発想ではなしに,我々がそこを育てたり,そして,その環境を大切にしながらいくという方向でひとつお願いしたい。
最後になりますが,これは,ちょっとだけお聞きしたいのですが,八郷町に,今度は畜産試験場が間もなくできますが,八郷町の畜産試験場ができること,そしてまた,県南,特に,つくばを中心としたいろいろな研究団体とタイアップしながら,あの地域の,日本の,また,茨城県の畜産を振興してもらうわけであるが,同時に,新しい時代の農業のあり方はどうあるべきか,そういう形で,前の知事のときに私は強くそのことを,知事もまた私と同じ考えで,八郷町に農業総合公園という話が持ち上がったのが,いつの間にか千代田町の方へ行ってしまったが,もう一回,時代はまさに新しい時代の農業のあり方を問う,農業総合公園というものを八郷町に復活したら,畜産試験場とパラレルにリンクしたような形でもう一回復活したらどうだろうと,あれは千代田町にどうしてできないのか,私は千代田町には反対しましたが,千代田町の観光農園というのは特殊なのです。農業総合公園を持ってきて,そこにターミナルをつくって,そこへバスでばんばん来て,そこで物を売るというものは千代田町の観光農園ではない。半世紀にもわたる1戸の農家と,長い歴史の顧客の,人間の,東京の都会の人たちが自分のふるさとに帰りたい,また,ふるさとの匂いを感じたい,そういうものが一つの観光と密着した,個々の農家と個々のそういう関係が千代田町の観光農園の本質的なものだ。あそこにぱっと大きな農業総合公園をつくることによって,そこへバスが来て,だれも,我々が忘れたような人と人との触れ合いというものを無視した形の,そんなことをやるには,金になるのは,そのターミナルのところに店を出せば一番金になるわけだから。そうすると,ずっと今まで先達がやってきた千代田観光の本質的なものを壊すのではないかということで,私は言ったわけでありまして,それにはどうしても八郷町がぴったり合っているということで,畜産試験場,そしてまた,フラワーパーク,農業総合公園というものが中心となして,まさに名峰筑波のもとにそういう意味で,ただ単に八郷が出身だから八郷のことを言っているわけではなしに,マクロ的な発想から見ても,そういうものをもう一回復活する方向性はどうだろうかと,課長,余り真剣に,横を見ないで,島村農政企画課長にお願いしたいと思います。
177 ◯島村農政企画課長
桜井委員よりありました農業総合公園につきましては,63年以来,コンサルタントに委託してあり,概念なり場所等を特定しない条件でいろいろと検討してきたという経緯がございます。
それで,今,お話が出ましたように,千代田町につきましても,平成3年度に積極的に誘致というものがございましたので,用地取得の可能性等の調査もしております。
それ以後,この農村公園の構想につきましては,規模が大きくて,国の予算なり,民活の活用と,方向を考えておりましたが,国の予算がつかなかったことなり,民活活用が低下したというようなことで,期待できないというようなことで,休眠状態に今現在あるわけでございます。
178 ◯
桜井委員 冬眠ではなくて休眠で,大体春になりましたから,ひとつ,新しい時代の,今まで我々は本当に,さっきの住専でも何でもそうだけれども,余りにも土地だとか金だとか,そういうことに走り過ぎてしまって,もう一回,我々の職業観を含めて,若い人,次の世代が,一番文化的な職業は何ですかと聞くと農業と答える。農業の持つ文化性だとか,そういうものを次の世代にはっきりと教える必要があるのではないか。今非常に,国の,社会の曲がり角の中で,農業を媒介とした新しい時代の位置づけをもう一回,心の位置づけを,心の問題としてやる必要があるのではないか。そういう意味で,ただ単に民活がどうの,へちまがどうのではなくて,時代はまさに農業総合公園みたいなものを求めているといって,今こそやらなければいけないのではないかと私は思うので,早稲田大学に観光学会というのが,学生たちの団体があるのですが,この間,全部,彼らのアンケートをとったら,一番文化的な職業は何ですかといったら,全部が農業と答えた。21世紀は,自然と自分の中で,我々が全部アーティカルな中で,もう一回見直すような,そういう心の豊かさというものを求める意味で,農業の置かれている立場だとか,今後の社会を推進する意味で,ここで農業総合公園を強く,川俣
農林水産部長に要望して,終わりにさせていただきます。
179
◯鬼沢委員長 暫時休憩をいたします。
なお再開は,午後3時10分を予定いたします。
午後2時55分休憩
───────────────────────────────
午後3時12分開議
180
◯鬼沢委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開いたします。
───────────────────────────────
181
◯鬼沢委員長 質疑のある方はお願いいたします。
小田木委員。
182 ◯小田木委員 けさ,開会に,初めてだと思いますけれども,常任委員会開催のときに遅刻をいたしました。結果として,質問の順番も最後の方になったということでございます。
まず,もう,何人かの方から質問もありましたし,それに対しての答弁もあったようでありますけれども,住専関連の農協のことに関しては,ひとつ要望だけをしておきたいなというふうに思います。
私自身の考えとしましては,農協関連からあれほど多くのお金が住専の方に流れていたというようなことも,実態がわかるまでは本当に信じられないことであった。それがどういうふうなことであったのかというのは,今,国の方でも調査をしておりますし,そういうようなものがはっきりした上で解明されていくのかなというふうに理解もしております。ですから,県と茨城県農協との関係につきましても,今後の国の動向を踏まえた推移を見守りながらいきたいというふうに考えているところでもございます。
ただ,今回のことを,今までも,そういうようなデータというものは公表されていたと思いますけれども,農協という組織に対しての信頼感といいますか,そういうものが,収益性の内容であるとか,そういうことまでは,ちょっと私どもでは記憶に残らない程度のものしかなかったのです。
それが,今回の一連のことを通しまして,農協の収益が信用事業と共済事業によって大きく支えられているといっても過言でないような,そういう状況にあることを実感をして,大変な状態だなというふうに認識をしております。
しかしながら,茨城県農業は,たまたま昨年,生産高で第3位ということにはなりましたけれども,農業県としての歴史と誇りを持って農業活動をやっているわけでありますけれども,その農業行政を進めていく上では,やはり,末端組織を持った最も大きな,農業に対する,県の立場からすれば協力団体であり,友好団体である。今後,また,この茨城農業を維持していくためにも,この農協との連携というものが極めて大事なことでありますから,そういう考えに基づいて,お互いが提携し合いながらやっていかなければならないというふうには思っております。
ただ一つ,大変に,そういうことにならなければいいなあという心配があるのですけれども,今まではやはり,農協に対する農業者の信頼というのは,それは,物が高いとか,あるいはなかなか言うことを聞いてくれないとか,そういうような意見というものがないわけではありませんでしたけれども,大半の農業経営者にしてみたならば,自分たちの心のよりどころといいますか,農業を仕事としていく仕事の支えというような考え方を持っていたのではなかろうかというふうに思います。
しかし,今回の住専の問題で,信頼をしていたはずの組合員であり,末端で農業活動をしている会員の気持ちのどこかに,自分たちがつくった,あるいは自分たちが支えていた農協に対しての信頼感というものが薄れはしないだろうか,その後,そういうような状況が起こったときに,組織として大変なことになってしまうのではないかというような心配を,私は持っております。
そういうものが,もし,指導,あるいは,お互いに提携をしながらやっていけるとすれば,県の立場しかないのではないかというふうに思いますので,今後,この問題を契機として,正すべきところは正し,進めるところは進めて,一日も早く信頼回復がされるように,そして,間違っても農協という組織が衰退していくことのないような,そういう施策の展開を期待をしたいと思いますし,要望をしておきたいというふうに思います。
あとは,ほとんどの方々が聞かれましたので,私は,議案書に基づいて少し聞かせていただきたいと思います。
まず,
繰り越しですけれども,
繰り越しの中に,8ページから9ページにかけて,例えば,農業経営基盤強化支援対策事業費,これが,設計変更ということでした。
それから,その下にあります豊かなむらづくり整備事業費(後期対策補助),それから,シビックガーデン整備事業費,この
繰り越しにつきましても,設計変更というような説明があったと思います。
それから,補正予算書の説明書の中でも,予算を消化しない部分について,事業変更のためというような説明があったかと思うのです。事業変更であるとか,この設計変更というものが,おおよその主な理由というものはどういうことであったのか,お聞かせをいただきたいと思います。
183 ◯島村農政企画課長 最初に,農業経営基盤強化支援対策事業費でございますが,これは,かんがい排水整備の事業でございまして,受益地が9ヘクタールで排水路が 600メートルということでございましたが,これの排水関係におきまして,設計変更に時間を要したということになっておるわけでございます。
それから,豊かなむらづくり事業費でございますが,これは3つほどございまして,1つは,直売施設が1つございますが,これは,御前山村でございますが,ちょっとこれは考えられないといいますか,当初予定しておりました用地の一部が道路であったというようなことで,ちょっと計画段階の用地の選定で誤りがあったわけですが,そういう関係で予定地の変更をしまして,それの設計等に時間を要したということでございます。
そのほかは,瓜連町の農村公園整備事業でございます。これが予定していたところが,当初,古徳沼というところだったのですが,それが静峰公園の方に,そこが事業費が余ったものですから,もっとこっちも欲しいという地元の要望がありまして,そういうことで変更になったというようなことでございます。
184 ◯小田木委員 私は,土木委員会に所属したときにも申し上げたのですが,私の考えそのものは,
繰り越しに対しては比較的というものよりも極めて寛大な考え方をするものなのです。ただ,努力をして,それが相手に受け入れられなくて,まだ交渉中で繰り越すんだと,これは許されるのですけれども,最初からの計画がまずかったがために設計変更をしなければいけないことになったとか,あるいは,今,言われたように,本来そこにはできないんだということの調査というものがちょっと不備であったのではないか,そういうことについては,やはり,行政としては,厳しく計画段階で検討をして,そういうことのために事業が遅れるというようなことのないように,今後御努力をいただきたいと,これは要望をしておきたいと思います。
それから,漁業関係で,補正の方の 283ページの上の方に,漁業
振興対策費の中で,一番下に,大中型まき網漁業再編整備対策事業費と,並びに対策事業費補助,これが
減額補正をされているわけでございます。これは,過日の説明で,8船予定していたものが4船になったというような説明があったわけですが,この8船が4船になってしまったという理由をお聞かせをいただきたい。
185 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 当初予定しておりましたのは,まき網というのは,網船と魚探船と2隻の付属船ということで,4隻で1つの形態を成しているわけでございます。これを1ヵ統と言っているのですが,当初,この1ヵ統と,それから,だんだん資源が少なくなってまいりましたので,2隻の付属船は要らないのではないかと,したがって,付属船を1隻にしてリストラを図れというようなことでございまして,両方とも同じ割合で,国が9分の4,それから,県が9分の2,それから自分たちの仲間が9分の3というような形で進めてきたわけでございますが,予定どおり,完全に廃業する網船と運搬船2隻と魚探船,これにつきましては1ヵ統をきちんと廃船をしたわけでございますが,あとの付属船を減らす方,これにつきましては,たまたま昨年は,漁獲高に恵まれまして,かなり苦しかったはずなのですが,少しよくなりますと,もっととれるのではないかということで,雇った乗組員も解雇せず,船をつないでいたということが原因でございまして,結果的には経営内容はよかった,総体的にはよかったのですが,そういったことで,少しよくなったものですから,なかなか切り離せないでいたというのが原因でございまして,ただ,昨年よかったからことしいいという保証はございませんが,そういうことでございます。
186 ◯小田木委員 この事業が事業として採択されていく経緯も多少知っているのですけれども,とにかく,あの地域の議員さんが窮状を厳しく訴えられて,何とかしてほしいというようなことで,しぶしぶでもなかったかもわかりませんけれども,ある面では,県も英断をもって対応しようということでできあがった事業ですよね,これは。
今の次長の説明だと,業者は勝手だなという思いもしないでもありませんけれども,ただ,全体的な流れを見れば,やはり,この事業を推進していくことの方が状況には合っているという判断ができるのではなかろうかと思いますし,ことしの予算にも計上はされてますので,そのように理解してよろしいのでしょうか。
187 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 委員おっしゃるとおりでございます。なお,これにつきましては,現在,波崎地区におきまして,各船数隻ずつ漁場に引っ張っていかないで係船させて,テストケースといいますか,それを実施しております。
188 ◯小田木委員 これも,年々の漁獲高とかいうようなものを見ていきますと,数字で見ますと,もう歴然として出ていることでありますし,ことしよかったから少し待ってくれということであれば,それは,ことしまた新たな展開がなされるのかもわかりませんけれども,私は大勢としては,やはり,この事業を採択したときの考え方,これは,間違ってはいないと思うのです。ですから,やはり,事業が進むように,事業者とよく調整をされて,事業遂行に御努力をいただきたいと,御要望しておきたいと思います。
それから,やはり,
畜産関係,畜産課長にちょっとお尋ねしたいのですが,子牛の生産が振るわなくなってきたというようなことで,1回に2頭子供をとろうというような事業が入っていますね。あの事業は,今,どんな状況にありますか。
189 ◯荒木畜産課長 受精卵移植で2卵を移植してということなのですけれども,受胎率は1卵よりは若干よろしいのですけれども,ただ,双子が生産された場合に,何かやはり,子牛が虚弱だとか,少し小さいというようなことで,それほど経済効果がないというようなことで,実態としては進んでいないというようなことでございます。
190 ◯小田木委員 私の地域にも,やはり,生産をしている立場の人がいるのですが,どうも家で2頭生ましたよというような話も聞いておりませんし,どうも余りこの事業は進まなかったのかなと,前の知事さんはこの事業に大変入れ込んでおりまして,やがて心配なくなるよと,こういうことだったのだけれども,現状では,当初計画したような状況にはなっていないというようなことなのですね。だとすると,過去には,それぞれ農家の御老人が趣味を兼ねて肥育用の牛を飼われ,しかも子供とりをしていた。そういう方々が,子牛の値段が下がってきたことが最大だとは思いますけれども,ほとんどやめてしまわれた。そういうことで,子牛の供給が非常に少ない,かなり遠くまで行かないと入手できないというようなことをよく耳にするのですけれども,その子牛の導入については,そうするとどのようにお考えられているのか。
191 ◯荒木畜産課長 委員おっしゃられますように,今,繁殖牛が約 7,000頭なのですけれども,そのうち 5,200~ 5,300頭,子牛を生産します,黒毛の子牛を。本県では約4万頭,肉牛を出荷していますけれども,そのうちの2万 1,000頭が黒毛の肥育牛です。したがいまして, 5,200~ 5,300頭しか生産していないものですから,約1万 5,000~ 6,000頭は他県から導入しているというような実態で,東北地方とか,近くでは北関東の群馬とか,それから,遠いところでは宮崎の方まで行って導入している実態で,何とか繁殖の基盤の増強は考えていくしかないというようなことではいるのですけれども,やはり,いいものを生産していかなければ市場での評価も薄いというようなことで,2年ほど前,雄を導入していただきまして,来年度から繁殖地域の低能力な雌牛を高能力に置き換えていこうというようなことで,8年度に新たに,雌のいいものの導入をして,受精卵移植を活用していいものを生産していこうというようなことで,今,8年度に新しい予算をお願いしたところでございます。
192 ◯小田木委員 肥育農家にとっては,やはり,子牛が円滑に取得できるかどうかということが最大ですし,供給が少ないということになれば,それに対して何らかの対応をしていただかなくてはなりませんけれども,一番いいのは,やはり,県内で需給に合っただけのものが生産される,これが理想かもしれません。
ただ,今までのいろいろな商業品であるとかそういうものを考えてみても,県の事情によっては,いわゆる子牛を生産するところと,親牛をいわゆる肥育していく場所というものが,必ずしも同じでなくてはならないということも,今の交通体系の発達とか,情報の発達とかというものからいけば,こだわらなくてもいいのかなと。基本的には県内で供給するよといってみてもおのずから限界がありますし,県がいろいろな変化をしていく中で,必ずしもそれにこだわって,言葉は悪いですけれども,無理に何とかしようというよりは,そのことに関しての極めて先進的なところも日本の中にはあるのではないか。聞くところによると,牛も血統的なものが最大90%なんだというようなことも耳にしておりますし,そういうところの子牛が安定的に茨城県に供給されるような,そういう道筋をつけていくことも,子牛の供給の1つの事業ではないかなというふうに,私は考える面もありますので,参考にしていただければありがたい。肥育農家の方に,安心できるような子牛の供給状況というものを整備をしていただきたいと,要望しておきたいと思います。
それから,もう一つ。松くい虫の防除というものがかなりの予算が計上されているわけですけれども,一時期,大変な状況だと言われて,県内全域でそのような対策をしたわけですけれども,現況はどういう状況なのでございましょうか。
193
◯平原林業課長 現状でございますが,まず,経過を簡単に申し上げますと,実は,昭和46年に水戸市で最初にマツノザイセンチュウというのが発見されまして,御案内のように,昭和53年,54年には,茨城県だけでも70万立方メートルを超えるような被害が出たというふうな実態がございました。その後,松林も減少しておりますけれども,被害は年々減少傾向に来ておりまして,平成6年度で申し上げますと,5,800 立方メートルの被害が出ております。これは,法律で,いわゆる駆除すべき計画区域がそのうちの30%で約 1,800立方メートル程度でございます。計画区域外で 4,000立方メートル程度の被害が出ております。
実は,本年度の,7年度の状況でございますが,やはり,6年度と同じように,高温少雨の影響等がございまして,平成6年度とほぼ同じ程度の被害の状況になってございます。
以上でございます。
194 ◯小田木委員 ちょっと,時間が過ぎてきますと,人間の記憶とか,あるいは注意力というものはだんだん薄くなってまいりますので,一般の方はもう,松くい虫の問題は終わったかなというふうに受けとめている方が大半かと思います。しかし,現実は,今,課長が説明されたような状況で,ここの8年度の予算にも計上された,これだけ大きなお金を駆除に使わなくてはならない。予防の方法というのは,恐らくいまだに見つかっていないのだと思うのですが,ぜひ,一般の方にもわかっていただけるような,しかも,そういう状況になったものを,ならないうちに防除するために,ひとつ努力をいただきたいなというふうに思います。よろしくお願いしたいと思います。
最後になりますけれども,改良普及所のことについて,ちょっとお尋ねしたいと思います。
先ほど,武藤委員の方から,技術向上というような問題提起があったわけですけれども,何年か前に改良普及所の再編がございましたね。あのときには,地域ではほとんどが反対であった。しかし,いろいろな状況を勘案して,やむを得ずということで認めた。うちの地域もそうでありましたけれども,ただ,あのときには,再編の仕方が,組み合わせの仕方が,どうも地域ごとにあまりなじみのない地域が一つにされるのだと,非常に困ったと,例えば,昔の郡で言いますと,久慈郡の中にずっとあったものが今度は那珂郡と一緒にならなければならないんだよというようなこともありましたね。これは,余り,人間的な関係も薄いし,今後,この普及所の活用というのは低くなってしまうのではないかというような心配もされた面があったわけです。それと,もう一つは,再編するときに,決して農家経営に迷惑はかけない,かえって,専門官を配置することによって,今までよりも必ず納得していただける普及所になりますと,こういうことであったと思うのですが,現況はいかがでしょうか。
195 ◯木沢
農業技術課長 当時は改良普及所,今,普及センターですが,26ヵ所ございましたのを12ヵ所に統合したという一つの背景といたしましては,農家も専門家といいますか,技術的にも革新が進んでおりまして,高度な技術指導を求める声が非常に強くなっていた,それから,産地も広域化をしてきていたというようなことへ対応するためには,どうしても質の高い普及事業を展開したいということで,再編整備ということでお願いしたわけです。
その後,普及員の数につきましては,統合当時の人員を確保するというのを大前提にしておりますし,また,統合することによって,1普及センター当たりの人員が,昔は10人程度しかいなかった,現在25人前後おりますので,複数の,例えば野菜なら野菜の技術者を配置することができるということで,研修等も交代で受けられますので,普及員の資質向上にも非常に役立っている。それと,また,組織的にも,技術を担当する専門の課と,地域全体といいますか,市町村なり農協なり,対応できるような地域普及課という課を設けまして,専ら市町村,農協との計画づくり,それから,共通的な課題の解決等をやっておりますので,まだ統合して日が間近ということもございまして,評価ということになるとこれからの問題かと思いますが,現時点では,市町村なり農協からの声を聞きますと,おおむね評価されているというふうに理解しております。
196 ◯小田木委員 どうもありがとうございました。ぜひ,そうあってほしいと思いますし,やはり,実際に農業活動をされている方というのは,一番身近な存在として普及所だったと思うのです。その身近なところに,市町村には申しわけないですけれども,市町村にも農林課もあるよといいましても,県にいるほどの技術者がそこにいるかという保証はありませんので,やはり,彼らにしてみたら普及所と相談をする,そういうような面が非常に強かったですから,期待していることは非常に高いものがあると思います。
ですから,今後,言うまでもなく,技術的な進展ということを考えなければ農業も成り立たない時代になっておりますので,そういう面では,本当に普及所の存在意義というのは大きいのではないか。ぜひ,地域の各種の農業がありますので,その人たちの満足のいくような,あるいは信頼にこたえ得るような普及所にしていただきたい。要望して終わります。ありがとうございました。
197
◯鬼沢委員長 江田委員。
198 ◯江田副委員長 幾つかの項目についてお聞きしたいと思います。
木沢
農業技術課長にお伺いいたします。
3)の 187ページです。
園芸日本一総合推進事業費が 6,300万円,また,園芸日本一推進体制整備事業費補助が 3,700万円,園芸いばらき振興推進事業が3億 3,300万円というようなことで,かなり園芸に,日本一の園芸県を目指そうというようなことで力を入れつつありますし,園芸いばらき振興協会も設立して,今,園芸の確立を目指して頑張っているわけですけれども,特に,平成6年に茨城県の農業粗生産額が 5,000億円を割りまして,その主な理由が園芸の遅れ,千葉県に対して遅れてしまったというふうなことでございますけれども,何回も質問が出ていますけれども,今後,いろいろ施策を転じていく上において,いろいろ分析しますと,説明資料にもありますけれども,生産技術の問題とか,施設化の立ちおくれとか,ガラスハウスのおくれとか,生産,出荷,流通の問題とか,幾つか問題点はあろうかと思いますけれども,今後,本県がこういうふうな日本一という目標を立てたわけですから,これに向かってどのような今後の園芸振興計画を立てられているのか,また,ある程度具体的な品目につきましても,こういうふうな形でやっていきたいと,こういうことで,また,生産者,生産団体と協調歩調で,同じベクトルで進みたいというふうなことを考えていらっしゃるのか,その辺をまず,植木課長にお伺いしたいと思います。
199 ◯植木
園芸流通課長 今,委員から御指摘がありましたように,千葉県に,園芸部門だけでも平成6年は 573億円差がつけられたと,こういう状況でございまして,そういう意味で,本県といたしましては,まず,千葉県と比較しますと,数量の問題がございますので,新産地をことしつくりましょうというようなことで,新しい野菜生産団地を今回,当初予算に計上させていただきまして,新産地づくりをして,まずロットの量をふやしていきたいというのが一つでございます。
それから,単価的にも,前の常任委員会でも御答弁申し上げましたけれども,千葉県とキログラム当たり約26円の差が野菜でありますので,単価を少し上げなくてはならない,こういう観点から,施設化を図ろうというようなことで,施設化による,周年出荷をできるような,しかも単価アップをしようというようなことで,今回特にガラス温室の方を充実させていきたいと,こういうのが一つございます。
それから,組織づくりというようなことでございますので,園芸いばらき振興協会の方も,現在5人でおりますけれども,これも,なるべく市町村,農業団体の方からも派遣していただきまして,少し県の方からも現役を派遣するようなことで,今,調整をしておりますので,7人ぐらいにふやしまして,組織づくりをしていきたい。
それから,販売戦略といたしまして,先般結成いたしました茨城のうまいもんどころ,こういうものを中心に販売戦略を強化していきたいと,こういうような観点で平成8年度は進めてまいりたいというようなことでございます。
200 ◯江田副委員長 大変,立地条件は千葉県と同じようにいいわけですし,かなり,千葉県を見ますと,房総半島,ずっと山が真ん中を走っていまして,面積的にははるかに茨城県の方が条件はすぐれているわけです。そういう点で,今後,数値目標を立てて,では,5年後には日本一の園芸県になるんだと,何年後にはなるんだというような目標段階を踏んでいってやらないと,例えば,設備だって,投資していくのにはかなりの額が,恐らく千葉県はやってきたと思うのです,今まで。それでこうなってきたと思うのです。これから,何年か千葉県に追いつき,追い越せというのはかかると思うわけです。そういう点で,ぜひとも年次計画を立てていって,この辺だったら千葉県と大体とんとんいくと,さらに,これからいくと追い越せるというふうな,やはり,向こうもいきますから,それはわかりませんけれども,一応,目標はしっかり立てて,そこへ向かって数値目標をつくっていくということが,やはり,
農林水産部で挙げている園芸日本一というようなことになってくると思うので,ただ,そのとき,そのときではなくて,しっかりした茨城県の基本的な戦略をつくるというようなことが最も大事ではなかろうかなというふうなことを思っているわけでございます。ぜひ,今後,部内で検討していただきたいと,かように思います。
それから,3)の 195ページ,今度,木沢課長の方にお願いしたいと思いますけれども,農山漁村高齢者ビジョン推進実践事業費,今年度新規で 244万円ほど組まれたわけでございますけれども,これの内容を,これは,国が2分の1,市町村が2分の1でございますね。内容をちょっと教えていただきたいと思うのですけれども。
201 ◯木沢
農業技術課長 この事業につきましては,御承知のとおり,高齢者がどんどんふえているという状況がございますので,もちろん,県全体としては福祉部の方の高齢者のビジョンがございますけれども,それと連動させながら,農業,特に農村の場合ですと,高齢者でなおかつ農業に従事されている方も多いですし,地域活動に参画している方も多いわけです。そういった方々の活動する環境の場づくり,そういったものを目指した県としてのビジョンづくり,それから,市町村につきましても,今後,モデル的にビジョンをつくっていただこうと,そのビジョンを受けて,いろいろな補助事業を利用しながら,高齢者が活動できるような,言ってみれば活動センターといった施設とか,そういう整備もつなげていきたいというふうに考えております。
202 ◯江田副委員長 これは,生涯現役を貫いてもらいたいというふうな大きな目標があるかと思うのですけれども,そういう中で,
農林水産部だけではなくて,あらゆる,教育庁だとか,さらに衛生部とか福祉部とか,その他いろいろな,全庁的にわたるものではないかなというふうなことを思っているわけでございますけれども,今,課長さんから御説明あったとおりだと思うのですけれども,そういう点で,おじいちゃんの知恵袋,おばあちゃんの知恵袋ではありませんけれども,そういうふうな,今後,高齢化時代の農山漁村と,まして,今進んでいるのは加速度的でございますので,その辺のところ,これは,全庁的な取り組みでやらなかった場合は,とても大変な時代が来るなというふうに思っているわけです。恐らく,あと20年後になってきたら,5人に1人から4人に1人で入ってくるわけですから,ほとんどお年寄りばかりの時代も来るような可能性もあるわけです。担い手の育成を一生懸命今やっていますけれども,でも,必ずそういうふうな時代が来るわけでございますので,今から,活力あるお年寄り時代を迎える,活力ある農山漁村を迎える,そういうふうなことで全庁的に取り上げていって,そういうふうな立派な知恵,財産があるわけですから,これを大いに,個人個人の機能を,持っているものを最大限に生かし切るというようなことが,本県の,また,農林水産業の振興につながるというふうに思うわけでございます。
そこで,今年度は,これで策定して,市町村にもお願いして策定して,茨城県とすればどういう形でやっていく予定でございますか。8年度に策定したものに対して,例えば,市町村と連携してこうやっていこうではないかとか,そういうふうな,今後のビジョン,つくりました,はい,つくりましたで終わってしまったのでは意味がないわけですので,今後の対応の仕方,ちょっとお伺いしたいと思います。
203 ◯木沢
農業技術課長 今,御指摘のあったとおり,この問題は単に
農林水産部だけの問題ではございませんので,全庁的な取り組みの中に位置づけながら取り組みたいと思っております。
8年度につきましては,まず,県のビジョンづくりにつきまして検討したいというのが一つでございます。それから,市町村への対応につきましては,モデル市町村を2ヵ所ほど選定をいたしまして,この2ヵ所の市町村につきまして,県のビジョンづくりとあわせて,市町村としてのビジョンをお願いしたいということで,その後につきましては,市町村については2ヵ年で策定していただくという予定にしております。最終的には,当面,10町村を対象に,5ヵ年で進めたいというふうに考えております。
204 ◯江田副委員長 そういうことで,ぜひ,これは,ゴールドプランとその他と全部連携してきますので,大事な分野でございますので,ひとつ,今後,政策として,実施の段階でしっかりした対応をとっていただきたいと,かように要望いたします。
それから,240 ページ,これは,石川次長さんにお伺いしたいと思いますけれども,我が国周辺漁業資源調査委託事業費,これは,国からの委託で,987 万 8,000円というような予算を組んでいるわけでございますけれども,これは,平成8年に国連海洋法が批准するというふうなことに対する委託事業費だというような説明があったわけでございますけれども,具体的にはどういうことなのでしょうか。
205 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 一連のものについての説明になりますか,国連海洋法条約の。
206 ◯江田副委員長 いや,そうではなくて,この予算の問題です。
207 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 わかりました。まず,この国連海洋法条約というのは,通常なら,今,ちょっと国会がもめていますけれども,通常なら3月の通常国会に上程いたしまして,5月か6月ごろに批准という形に予定していたわけでございますが,これは,国の方でございますので,結果はどうなるかわかりませんが,これがきちんとなりますと,日本の 200海里内の排他的経済水域という言葉を使っているのですが,そこの資源については──水産の資源ももちろんですが──その国が管理をする,そして,とるのも決める。そうなりますと,では,全くよその国にとらせないかというと,そうではなくて,まず,自分の国で可能漁獲量を決めなさい。タックという言葉を使っています,TACです。そうしますと,余ったものについてはよその国にも利用させなさい。これは,よその国も全く同じなのです。そうすると,資源量というのははっきりしないとどれだけとれるかわかりませんので,まず資源量をはっきりさせる。その作業を水産試験場と行政の方でやる,8年度からやるということです。
208 ◯江田副委員長 韓国の問題とかいろいろあるようでございますけれども,ちょっと話はそれるかもしれませんけれども,韓国では竹島ツアーをこれからやると,大型フェリーでやると,日本政府としては,それに乗らないようにというふうなことを言っているようですけれども,茨城県にもそのような指示は来ているのですか。ちゃんと竹島に桟橋をつくりまして,間もなく始まるようですけれども,その辺の情報はありますか。
209 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 現在のところ,まだ来ておりません。
210 ◯江田副委員長 そうですか。そういうことで,大変,向こうの日本海側がちょっと落ち着かないと大変な問題になってくるというふうに思うのです。国の問題でございますけれども。
この調査費で,約 1,000万円弱ですけれども,どこをどのように調査するわけですか。
211 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 まず,先ほど,漁獲可能量,TACという話をしましたが,そのためには,日本近辺の排他的経済水域の中にどれだけの魚がどの程度いるかということを,まずつかまなくてはならないのです。そのために,当面,今のところは,9種類ほどの魚をまずとり決めよう。その種類というのは,日本の漁業者が主たる漁業でしている,対象になっている。もう一つは,国際的な漁獲の魚種である。もう一つは,資源保存上重要な魚種であるということで,9つほど選んでおりますが,最終的には30になるというふうに推定しております。その決められた資源がどれだけいるか,これは,国がやるといっても大変なことでございますので,各県にあります水産試験場が資源量を把握するという作業に,まず入ります。
212 ◯江田副委員長 わかりました。そういうことで,大変,国委託のこういう事業が入ってきてお忙しくなると思うのですけれども,頑張ってやっていただきたいと思います。
それから,その同じページの,ひらめき・いばらき・県のさかな事業というので,額は 282万円ほど組んでございますけれども,この前の説明では,小学校へ県の魚ヒラメを飼っていただいて,親しんでもらいたいというふうなことなのですけれども,小学校の希望する学校にこのような水槽とかヒラメをお分けして,子供たちに育ててもらうという意味ですか。ちょっと説明していただきたいと思います。
213 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 昨年,県の魚というとヒラメ,それから,旬の魚ということで,ヒラメも入りますけれども,海の魚4つ,それから,淡水の魚ということでワカサギが選ばれました。これを機会に,まず,ヒラメとワカサギとカシマナダハマグリについて広く県民に知らしめようと。特に,ヒラメについては,なぜ選んだのかという理由等もございますが,ヒラメにつきましては,最大の理由が,県都水戸市で全国一の消費量を誇っている。それから,カシマナダハマグリにつきましては,外洋性砂浜の二枚貝は全国一の漁獲を誇っている。それから,ワカサギは,先ほど
桜井委員さんの方から出ておりましたとおり,やはり,茨城,霞ヶ浦,そしてワカサギというようなことでございます。
ところが,これらについて,きちんと生理生態等が知らしめられていないというようなこともございますので,それらについて,それぞれ子供たちに知らしめよう。まず,ヒラメにつきましては,ちょうど子供たちが夏休みが終わったころ,9月ごろ,各希望の小学校に5センチから10センチ程度のものを配布いたしまして,そして,えさをやって,海水を取りかえたり,あるいは浄化させたりして,その成長過程を見る。2,3か月過ぎますとある程度の大きさになりますので,毎年,県内の豊かな海づくり大会を実施しておりますので,その大会のときにでも,自分たちが育てた魚を放流するというようなことを考えております。とりあえず,海水を使わなくてはならないということもございますので,これは,海に面するところの小学生になるかと思います。
それから,ワカサギにつきましては,できれば12月から3月にかけまして,各漁業協同組合で,親魚,親の魚をとって人工授精をするわけでございますが,その採卵とか授精にタッチしてもらう。そのことによって,自分たちが授精させた魚がやがては口に入るというような実態を知ってもらおう。これは,子供たちと親ともども参画してもらおうというふうに考えております。
それから,カシマナダハマグリの方でございますが,これは,カシマナダハマグリというのは意外と,これは,和名はチョウセンハマグリというのですが,チョウセンハマグリからカシマナダハマグリになったのは,確か前に説明したと思いますが,それぞれの消費の量を調べてみますと,茨城県でとれたカシマナダハマグリの10%しか茨城県の方々に食べていただいていないのです。というのは,90%以上はよその県にむしろ流れているということで,結構値段も高うございますので,それでもやはり,茨城県人であればカシマナダハマグリを食べていただこうというようなことが一つでございまして,これは,水利的にどうこうということはできませんので,山の方の子供たちに,こういうおいしいハマグリがあるんだよということで供給いたしまして,その食べた殻が残ります。食べた殻を利用して民芸品等をつくる趣味といいますか,そういったものを育成していくというふうに考えております。
214 ◯江田副委員長 ひらめき・いばらきというのは,「ヒラメ」といばらきの「き」をくっつけたのかなというような気がしますけれども,ごろ合わせで。ヒラメとワカサギとカシマナダハマグリですか,そういうことで,これ,予算が少なくて,どのくらいの生徒を,また,学校にやるのかちょっとわからないのですけれども,この予算では幾らもできないのではないかななどという気がしますし,学校の数とか,あと,カシマナダハマグリの場合には小学校の給食に供して,そのハマグリの殻で子供たちにいろいろ工芸品をつくってもらいたいと,そういうふうなことでしょうから,山の方といったって,どっちが山なんだか,筑波山も山だし,こっちも山ですし,方々山がありますけれども,どのくらいの対象児童を,生徒を考えているのか,ちょっと教えていただきたいと思います。
215 ◯石川
農林水産部次長兼漁政課長 予算規模のことでございますが,一応,ある程度盛りだくさんな計画を立てたわけでございますが,いろいろと全体的な予算の関係もございまして,このような形になったわけでございますが,一応,希望するところということと,それから,この予算の枠の中で,教育庁とも相談しながらやっていきたいと思います。
216 ◯江田副委員長 そうですか。大変,発想はすごくいいと思うのですけれども,そういう点で,かなり希望する学校は私は多いと思うし,実際やってみると,子供たちも大変喜ぶのではないかなと,大変いい企画だというふうに思っているわけでございます。ぜひ,単年度で終わりにしないで,水産物のPRと消費拡大ということですから,また,よかったら継続して,小学生ばかりでなくて中学生たちにも,また,ある面では,もっと小さい幼稚園生の子とか,広めていただければ,県の魚のPRによりつながるのではないかなというふうなことも考えいるわけでございます。よく中身はわかりました。ひとつ,少ない予算で大変だと思いますけれども,頑張って,効果的に使っていただきたいと,そういうふうに思います。
最後に,部長にお伺いしたいと思うのですけれども,今回の予算,
農林水産部で約 565億円ぐらいですか,農地局を合わせますと,約 1,200億円近くの予算を組んでいるわけでございます,この農業問題。粗生産額が 5,000億円も切ってしまったと,平成7年度はこれからでしょうけれども,そういう点で,予算を組む場合,農地局は別だよと言えば別かもしれませんけれども,我々とすれば一緒の考えでいるものですから,粗生産額が 5,000億円弱,予算が 1,200億円近く組むというふうなことで,予算編成する場合,基本的に,生産効率とかそればかりではないわけですし,環境問題に配慮したり,いろいろ,将来の食料危機に備えたり,環境保全だとか,もちろんいっぱいあるわけでございますけれども,普通の企業経営の感覚とは違うことはよくわかるわけでございますけれども,予算を組む場合,投資効果といいましょうか,投資効率といいましょうか,それと県の予算,粗生産額との関連といいましょうか,そういうことはどのように考えて,部長は,この
農林水産部の予算を組まれるのでしょうか。もし,御所見ありましたら,お伺いしたいと思います。
217
◯川俣農林水産部長 農地局が基盤を整備し,端的に言いますと,うちがその上を使って農業粗生産額を上げていくという仕組みになっていますので,当然,農地,農林一体で本県の農業政策をやっているということでございますが,例えば,その中で,1,200 億円を投資したらば,一体それが農業粗生産額として幾らにはね返ってくるのかと,非常に難しい,投資と,それから,投資効率を,民間の企業ですと,例えば年間予算幾らで,例えば自動車ですと何台生産して,それが,海外,国内,幾らで売れて,差し引き幾らもうかったとすぐ出る話で,生産額に結びつくわけですが,農業の問題,当然,県の施策,それから,市町村の施策,民間の施策,それから,独自の農業者の努力,もちろん国の施策と,いろいろ兼ね合いがありまして,それが複合的に効果をあらわして,茨城の地域なら茨城地域に投資されるもろもろの農業生産関係の金が全部集約された形で農業の粗生産額として出てくるのが,大体のあれかもしれませんけれども,どうも,県の 1,200億円と農業粗生産額との直接的なつながりと,非常に難しい御質問なので,なかなかその辺の,産業連関関係でどうやっていくのか,あるいはあるのかもしれませんが,残念ながら,私の今持ち合わせている知識,今までの勉強の範囲では,それを直接的に御説明できないので残念です。
ですが,当然ながら,我々は,行政効果,投資効果を上げるべく,最大限の努力をして,それが少しでも,本県の農業粗生産額が上がり,農家の所得にはね返ってくるということを最大の目標に,これからも,農業のいろいろな諸問題に取り組み,成果を上げていきたいと思っております。
218 ◯江田副委員長
農林水産部,あした,農地局の審査があるわけでございますけれども,大変大きな曲がり角に来ていまして,そういう点で,今度,計数管理,その他,効果に対する評価,その他のしっかりした後のフォローも兼ねて,また次の計画へ入っていくというふうなことで,先ほどの園芸日本一も全くそうでございますけれども,そういう点で,しっかり分析,評価をして,それを庁内で皆さん方の統一をした上でさらに一歩進んでいく,そういうふうなしっかりした体制をぜひお願いしたいなというふうに思っているわけでございます。
以上で,私の質問を終わります。
219
◯鬼沢委員長 ほかに,質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
220
◯鬼沢委員長 ないようですので,以上で質疑を終了いたします。
───────────────────────────────
221
◯鬼沢委員長 これより,付託案件の採決を行います。採決は一括して行います。
第1号議案中
農林水産部関係,第9号議案ないし第12号議案,第47号議案ないし第49号議案,第73号議案中
農林水産部関係,第80号議案ないし第83号議案,第95号議案ないし第97号議案,第 105号議案中
農林水産部関係及び報告第1号別記3について,原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
222
◯鬼沢委員長 御異議なしと認め,原案のとおり決しました。
次に,請願の審査を行います。
農林水産部関係の請願は,8年第5号平成8年度畜産・酪農政策価格及び政策に関する請願の新規1件であります。
お手元に請願調査票を配付してありますので,御参照願います。
それでは,8年第5号を議題といたします。
223
◯鬼沢委員長 本件については,いかが取り計らいますか。御意見があれば,お願いいたします。
〔「採択」と呼ぶ者あり〕
224
◯鬼沢委員長 ただいま,採択との発言がありました。
お諮りいたします。本件は採択することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
225
◯鬼沢委員長 御異議なしと認め,採択と決しました。
ただいま採択と決しまして請願は,政府関係機関に対し,意見書の提出を求められているものであります。
お諮りいたします。本請願の願意に基づく意見書を本委員会委員により発議することにしたいと存じますが,これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
226
◯鬼沢委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。
なお,意見書案文の作成につきましては,いかがいたしましょうか。
〔「委員長一任」と呼ぶ者あり〕
227
◯鬼沢委員長 ただいま,委員長一任の声がありましたが,委員長のもとで作成することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
228
◯鬼沢委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。
───────────────────────────────
229
◯鬼沢委員長 暫時休憩をいたします。
午後4時10分休憩
───────────────────────────────
午後4時11分開議
230
◯鬼沢委員長 休憩前に引続き,委員会を再開いたします。
ただいま,休憩中に委員長のもとで作成いたしました意見書案文をお手元に配付いたしました。
平成8年度畜産・酪農政策価格及び政策に関する意見書(案)
畜産・酪農を取り巻く環境は,牛肉自由化以降,大幅な農家数の減少,販売価格の低落等による経営悪化に加え,ウルグァイ・ラウンド農業合意によって,一層の競争を強いられ,大変厳しい状況となっている。
畜産・酪農におけるコストの大半は輸入穀物による購入飼料であるため,経営上のコスト削減にも一定の限界があり,再生産と所得を確保し,輸入物と競争して我が国の畜産・酪農の生産基盤を維持・拡大していくには,国よる支援対策が是非とも必要である。
昨年末,平成17年度を目標とする「農産物の需要と生産の長期見通し」及び「酪肉近代化基本方針」の公表により,意欲的な生産目標が示されたが,これを達成するための具体的政策を確立することが急務となっている。
厳しい将来予測の中で,生産基盤を維持・拡大させることにより一定の自給率を維持し,農家に意欲を持たせ経営の安定を図っていくことは,国民の食料確保のうえからも,畜産・酪農政策に求められる基本であり,コストを償い,再生産を可能とする施策を早急に策定し,これを具体的に展開することが必要である。
よって,国においては,これら畜産・酪農を取り巻く環境を十分斟酌され,平成8年度の加工原料乳保証価格等畜産・酪農政策価格の決定に当たっては特段の配慮をされるとともに,中長期を展望した酪農対策や生産基盤強化,経営安定対策等具体的な政策を確立し,その政策を着実に推進されるよう強く要望する。
上記について,地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。
平成8年3月 日
茨城県議会議長 小 川 栄次郎
(提出先)
内閣総理大臣
農林水産大臣
231
◯鬼沢委員長 ただいま配付した案文でいかがでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
232
◯鬼沢委員長 御異議ありませんので,本意見書案文で発議することに決しました。
なお,この意見書につきましては,農林水産大臣の諮問機関である畜産振興審議会の総会が3月14日に開催され,その後,飼料,食肉,酪農の各部門が順次開催する予定になっていることから,3月14日の本会議に上程し,議決されるよう,議長あて申し出ることといたしたいと存じますが,これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
233
◯鬼沢委員長 御異議なしと認め,そのように決しました。
後ほど,発議書に御署名をしていただきますので,閉会後もそのまま御在席願います。
以上で,
農林水産部関係の審査は全部終了いたしました。
この際,皆様方に一言ごあいさつ申し上げます。
御案内のように,我々委員の任期は,今定例会をもって満了することになっております。
昨年1月に委員長に選任されまして以来,これまで,議案審査や県内外の調査の委員会活動に当たりましては,川俣
農林水産部長さんを初め,執行部の皆さん方の懇切丁寧なる御説明や積極的な御協力によりまして,円滑なる委員会運営を行うことができました。心から感謝申し上げる次第であります。
顧みますと,この任期中,農業を取り巻く情勢は,ウルグァイ・ラウンド農業合意の実施,新食糧法の施行といった歴史的な変革期を迎えたわけであります。
執行部の皆様におかれましては,諸政策の執行に当たっては,大変な御苦労があったかと思われますが,今後とも,これまでの委員会において示された各委員の御意見等を十二分に配慮の上,希望をもって取り組める農林水産業の確立に向けて,積極的,かつ,効率的な事業の執行に努められ,県民の期待にこたえられますようお願い申し上げる次第であります。
簡単ではございますが,これまでの御協力に対しお礼を申し上げますとともに,皆様方の御健勝となお一層の御活躍を御祈念申し上げまして,ごあいさつといたします。
川俣
農林水産部長から発言を求められておりますので,これを許します。
234
◯川俣農林水産部長 ただいまは,委員長から,大変御丁寧なごあいさつを賜りまして,まことにありがとうございました。
私の方からも,
農林水産部を代表いたしまして,鬼沢委員長,江田副委員長を初め,委員の皆様に一言お礼の言葉を申し上げいと思います。
昨年1月以来,委員の先生方には,本県農林水産業の諸問題につきまして,適切なる御指導,御鞭撻を賜り,厚くお礼を申し上げる次第でございます。
委員長からのお話にもございましたように,ウルグァイ・ラウンド農業合意の実施や新食糧法の施行といった大きな変革期を迎えている中,平成6年の農業粗生産額が千葉県に抜かれるという,非常にショックな状況となるなど,現在,非常に課題を抱えておる状況にございますが,今後とも,委員の先生方からいただきました御意見を生かしつつ,農業,林業,水産業,それぞれの振興計画に基づきまして,着実な事業の推進を図り,あすに希望を持って取り組める,魅力ある農林水産業の確立に努めてまいる所存でございます。
簡単ではございますが,これまでの御指導,御協力に対しまして,改めまして感謝申し上げますとともに,委員の先生方の御健勝となお一層の御指導をお願いいたしまして,お礼の言葉とさせていただきます。大変ありがとうございました。
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235
◯鬼沢委員長 本日は,これをもちまして,
農林水産委員会を閉会といたします。
なお,明日は,午前10時30分から委員会を開き,農地局関係の審査を行いますので,委員の皆様方はよろしくお願いいたします。
長時間,まことに御苦労さまでございました。
午後4時16分閉会
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