続きまして、
リンゴにつきましては、
本県産や他県産の
収穫量が少なかったことなどから、
品薄感を背景といたしまして
価格高が続いており、過去5年
平均に比べまして130%という形になっております。
子牛につきましては、
牛肉価格の低迷による
肥育農家の
購買力低下の
影響を受けまして、86%となっております。
最後に、最近の
漁模様等についてであります。
トピックスでございますが、既に皆様御承知のとおり、1月5日の築地の初競りにおきまして、大間のクロマグロ、269キログラムが1尾5,649万円──
キログラム当たりにいたしますと21万円ですけれども、市場最
高値で競り落とされたという明るい話題でスタートしたところでございます。
1、12月の
主要魚種の
動向です。(2)サケは全域で低調に推移しております。(3)マダラは
日本海で
平均並み、
津軽海峡、
陸奥湾で好調に推移しております。
2、
沿岸水温でございますが、1月11日から16日までの半
旬平均水温は、
日本海及び
陸奥湾でかなり低目、
津軽海峡及び太平洋でやや低目となっており、全地点での平年差は、
平均マイナス1.4℃で、かなり低目となっております。
3、その他、(2)でございます。
陸奥湾の
ホタテガイ養殖。1月上旬に行った親
貝調査では、成熟は
例年よりもやや
早めに推移しております。(3)八戸港の
水揚げ。昨年1年間の
水揚げ数量は12万1,511トン、
金額は210億4,445万円で、前年と比較して
数量は2%増加、
金額は10%減少したところでございます。
以上でございます。
3 ◯三橋
委員長
ただいまの
報告事項及び
特定付託案件について
質疑を行います。
質疑は、
所管外にわたらないように願います。
質疑はありませんか。──
川村委員。
4
◯川村委員
今の
報告の中で、
積雪、
大雪に対する
対策ということで
部長から御
報告があったんですが、
被害状況のところで、恐らく各
市町村ということになるんでしょうけれども、
被害の
報告はなしと。これは
被害状況は常に県のほうに
報告をしていただくことにしているものなんでしょうか。
5
◯樋口農林水産部次長
被害が起きた場合は、
市町村を通じまして県のほうに
報告していただくこととしております。
6
◯川村委員
多分毎月、定例的な形での
報告になるんでしょう。これだけの
積雪量になりますと、かなり
被害が出ているのではないかと考えられるんですが、その点。
7
◯長根農林水産政策課長
こういう災害的なものの
被害報告につきましては、随時ということで、例えば、大雨ですとか強風ですとか、発生の
時点時点で具体的に各
県民局を通じながら
被害報告を受けております。ですから、定期的なということではございません。
以上です。
8
◯川村委員
いろんな
対策がされなければいけないと思うんですが、
野菜・
果樹関係では
ビニールハウスの
対策ということになるんだろうし、
津軽は
リンゴが一番懸念されるわけです。各
県民局を通じて
市町村のほうに
徹底ということなんですが、具体的にどういう
対策を
指示されているのか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
9
◯成田農産園芸課長
野菜のほうですけれども、非常に厳しい
低温が続いておりますので、特に、冬に栽培している
野菜の
安定出荷に向けてということで、
低温対策に取り組んでもらうよう
県民局に
指示をしております。具体的な
低温対策としては、例えば、アスパラガスとかイチゴなど、
暖房器具を使って栽培する
品目では、それぞれその
生育ステージに合わせたこまめな
温度管理をしてくださいとか、ホウレンソウ、コマツナなどの無
加温で栽培する
品目では、極端な
低温になった場合は
生育がおくれますので、例えば、
ハウス内を二重に覆う
内張りカーテンをしてくださいとか、シートをかぶせてくださいとか、そういう
指導を
徹底して
農家のほうに伝えるように取り組んでおります。
以上です。
10
◯花田りんご果樹課長
リンゴ関係の
対策といたしまして、1月18日、各
県民局を通じまして、各
市町村へ要請をいろいろしているところですが、具体的な
内容としましては、まず
1つには、
雪害防止の
技術的対策を
徹底してほしいということでございまして、その
内容は、
1つには、雪が新しくて軽いうちに、できるだけ積もっている木の上の雪下ろしをお願いすること。
2つ目には、雪の中に枝が埋まっている場合は、新しい雪で軽いうちに引き上げてほしいということでございます。また、剪定によって落とす予定のものが雪に埋もれて枝が裂ける場合もございますので、そういうときはできるだけ
早めに切り取り、切り取った後に、病気が入ってこないための
塗布剤を塗るというふうな保護を呼びかけるといったことが技術的な
対策です。
ただもう
1つは、そういう
対策をしに行きたくても道路が雪で行けないことがございますので、
園地に速やかに入りやすいように
農道等の早期の除雪について、各
市町村に要請していただくよう
指示してあります。
以上でございます。
11
◯川村委員
大分細かい
指導をされているようですが、例えば、
リンゴの場合は、
平成17年でしたでしょうか、
大雪があって、
積雪が非常に深いものですから
リンゴの
生育状況に
影響してくる。下のほうはなかなか消えないものですから、
上枝と
下枝の
リンゴの
生育が違ってくるということで、いろいろと
被害も
報告されたようなんですが、そういった点での
対策は、今、
青森で118センチメートルということで、
例年の倍以上の
積雪であり、
津軽の
積雪は、
例年2月がピークになるので、場合によっては、
津軽地域は、2メートルを超すのではないかと私も懸念をしております。そうなると、一つの
リンゴの木でも、
上枝と
下枝の
生育が違ってくるという
被害も考えられると思います。そういった点での
指導はされているんでしょうか。
12
◯花田りんご果樹課長
ただいま
委員のほうから、雪が深いということで、
リンゴの木の上と下の
生育が違うのではないかと。確かに、そういうこともございます。ですが、雪が消える段階で、できるだけ早く均一に雪を消すということで、消
雪剤などを散布しながら均一な
生育の確保を随時進めていくよう、
指導を
徹底してございます。
13
◯川村委員
ことしは、特に
リンゴについては、
収穫量が少なかったと。当初予定した以上に減収したという
経緯もございますので、
農家の方々は新年度に思いを寄せているわけです。県もぜひ、あらかじめ現場での
指導を
徹底していただきたいということを申し上げて終わります。
14 ◯三橋
委員長
ほかに
質疑はありませんか。──
小桧山副
委員長。
15
◯小桧山委員
風力発電の建設についてちょっとお伺いします。これまで
優良農地に
風力発電を
許可していたのは
東北6県では
青森県だけということで、先を行っていたわけです。これは国の大きな
方針で、
再生可能エネルギーを推進する
立場があって、そうしていたと思うんですけれども、今回それにストップがかかった格好になったもので、そのことについてちょっとお伺いしたいんですけれども、
委員長の地元の十三湖
沿岸と北五
津軽のほうは、
日本海からの強い風が吹いて
風力発電にはもってこいのところだったんですけれども、
優良農地の
考え方についてお伺いしたいと思います。
16 ◯一戸
構造政策課長
優良農地の
考え方でございます。これは、
農地転用基準の中で、原則として
転用できない
農地──我々は
一種農地と言っておりますけれども、これを
優良農地と
通常言っております。
その主な要件としては、おおむね10ヘクタール以上の一団の団地の中にある
農地、それから、
土地改良事業とかそれに準ずるような
事業の施行されている
区域にある
農地、さらには、傾斜地とか
土勢その他の
自然的条件から見て、その近傍の標準的な
農地を超える
生産量を上げている
農地、そういう
農地を主に
優良農地という形で我々は定義してございます。
以上です。
17
◯小桧山委員
基本方針は、
農業をきちんと守るというのが根底になるわけですけれども、
農地転用許可基準の
運用見直しの
経緯を、もう一回お伺いしたいと思います。
18 ◯一戸
構造政策課長
昨年7月、農林水産省では
農政局を通じまして、各都道府県に対して
再生可能エネルギー発電設備の
設置に係る
農地転用許可の実績について
調査を行いました。その際に、
本県からは第
一種農地における不
許可の
例外──
許可をしない
例外ということで、
通常、
資源の
採取という項目がございます。これは
土石その他の
資源ということで、
鉱物とかを想定しているんですけれども、それを適用して、風も
資源であるということで、
風力発電施設についても
転用を
許可していたわけでございます。それを
報告したところ、国のほうでは、
風力発電における風は、
農地を選定しなくても、その他の
土地でも得られるものであるということで、この
基準を適用することは問題があるという
判断でございました。
そこで、直ちに見直してほしいという
農政局の
指示もございましたので、県として昨年8月2日付で各
市町村の
担当部局に対して、
風力発電施設設置については、
平成24年1月1日から第
一種農地における不
許可の
例外として、
資源の
採取は適用しないでほしい旨の通知を出したところでございます。
なお、この連絡と同時に、その中で
風力発電施設を
設置するのであれば、
一種農地以外のところを探して、できるだけそちらのほうで
設置してほしいということもあわせてお願いをしたところでございます。
以上です。
19
◯小桧山委員
それ以外どこでもいいかといえば、やっぱりきちんと風の通り道というのがあって、それがよくてそこの
土地を選んだんでしょうけれども、残念だなと思っています。
農地を守る
部局としての
考え方をお伺いしたいと思います。
20 ◯一戸
構造政策課長
我々としても
再生可能エネルギー、特に風につきましては、国が推進をする重要な施策であることは認識をしております。ただ、
農地転用許可をする当
部局としては、やはり
優良農地をしっかり守っていくという仕事をさせていただいておりますので、ここについては、やはり国が定めた法律を守りながら厳正に対処していかなければならないという
立場でございます。
ただ、これからさまざまな
エネルギー政策が展開されていく中で、国のほうでも新しい法案を目指しているということも伺っていますので、それらがどのような
内容になるのか注視をしながら、できれば、県の
エネルギー部局とも連携をして対応していきたいと考えてございます。
以上です。
21 ◯三橋
委員長
ほかに
質疑はありませんか。──
畠山委員。
22
◯畠山委員
今の
お話に関連して。私も
報道を見てわかったんですけれども、気がついたら
青森県だけだったということなのか、わかっていて
青森県がこういう
判断をしていたということなのか、どっちなんでしょうか。
23 ◯一戸
構造政策課長
我々としては、下北半島、
津軽半島の風は、
風力発電にとっては、
地域の非常に有力な
資源であると
判断して
許可をしていたということでございますが、それは国の
基準とは合わないと言われたわけでございます。ほかの県は、そういう
基準の適用はしていなかったものですから、
青森県の場合は、直ちにそれを見直してほしいということになった次第でございます。
24
◯畠山委員
確信して、風も
資源だと
解釈をして進めてきたんだと。他県でやっていないのもわかっていてやってきたんだと。だけれども、国から言われたからと。少し
抵抗か何かしたものですか、考えがあってやっているんだと。それとも、おっしゃるとおりですと聞かなくちゃいけない場面ですか。
25 ◯一戸
構造政策課長
県としてそういう
解釈をしていたことについて、やはり国のほうとしては、先ほど
お話し申し上げましたように、そもそも
資源というのは
鉱物など
土石その他の
資源であると考えているんだと、それは
拡大解釈だということで、残念ながら
抵抗もできないままにそういう事態になったということでございます。
26 ◯三橋
委員長
川村委員。
27
◯川村委員
関連してお伺いしますが、
新聞報道であれば、例えば、
電力会社等であれば
許可がされるんだという
扱いもあったんですが、そういう理解でよろしいんですか。
28 ◯一戸
構造政策課長
通常、
売電をしている
電力会社であれば可能であると、我々も話は聞いております。
29
◯川村委員
だとすれば、今回の場合は、
一般の
民間の
事業者が申請をしたらだめだった、
売電の
事業者である
電力会社であればオーケーだったということで、我々から見ると非常に不公平だなと。
民間の
会社であっても
売電のためにやる
事業ですから、ぜひ同じ
扱いをしてもらいたいと思うんですよ。しかも、風車ということであれば、
一般の建物を建てるなど
農地を非常に多く使う
状況ではないものです。ポールを立てるだけの話ですから、それが
優良農地を侵害することにはならないと
一般的に考えられるので、ぜひ今の
時世ですから、そういうものは
電力会社扱いにしていただいて
許可していただくように、県としても国に働きかける必要があると考えるわけですが、その点について見解をお伺いいたします。
30 ◯一戸
構造政策課長
我々の
部局は、
農地を守る、
農地法の
部局ですので、なかなかそこの分野になると、県の
エネルギー部局の
考え方を我々も尊重せざるを得ないものですから、ここで
委員に対するお答えがなかなかできないという
状況でございます。
31
◯川村委員
農林水産部は
農地を守る
立場かもしれないですが、私どもから見ても非常に不公平だなと、
時世に乗ってないなという受けとめ方をしておりますので、今の時代は、そういうものを通していくべきだというふうに考えられますので、我々も機会あるごとに発言をしてまいりますけれども、ぜひ県のトップのほうに、
委員からも希望が強くあったということで、県全体としての
考え方をぜひ統一していただきたいということを申し上げて終わります。
32 ◯三橋
委員長
ほかに
質疑はありませんか。──
蛯沢委員。
33
◯蛯沢委員
畑作と
飼料米の主
産地である我が
東北町の
立場で、
コメの
お話はいかがかなと思いながら、
コメに対して若干教えていただきたいと思います。
現在の
コメの
販売価格は、震災や
原発事故の
影響による
品薄感から、全体的に
高値の
状況にあります。しかし、
本県産米の
販売価格は、北海道産よりも安くなっていると聞いております。
本県産米の
販売価格は
全国の
価格と比べてどうなっているのか、現在の
本県産米の現状について教えていただきたいと思います。
34
◯成田農産園芸課長
国が公表した「米穀の
取引に関する
報告」によりますと、
平成23年11月末現在での
平成23
年産米の
全国の大口の
出荷業者と
卸売業者との
相対取引での
価格を見てみますと、全
銘柄平均で60
キログラム当たり1万5,178円となっております。それに対して、
本県産米では、「つがるロマン」は1万3,433円、「まっしぐら」は1万3,341円となっておりまして、全
銘柄平均よりも1,700円から1,800円ほど低い
状況となっております。
この
取引価格が低い要因としては、
本県産米は品質のよさと値ごろ感からコンビニ等の弁当やレストランなど外食産業向けの業務用としての需要が中心となっており、総じて、単品で販売している他県の銘柄米と比べて、
取引価格が低いものと見ております。
以上です。
35
◯蛯沢委員
今
お話しになりましたように、
本県産米の販売そのものは業務向けが主体であるということ、その中で、
農家の手取りを少しでも増やしていくことが必要であると思います。ちなみに、
青森県産米は、今、課長さんの御答弁のとおり、最低であるということでございますので、県は
農家の所得を上げるために、県産米の評価向上に向けて、どのように取り組んでいるのか伺いたいと思います。
36
◯成田農産園芸課長
農家の所得を向上させていくためには、やはり県産米の品質や食味のレベルアップを図り、評価を高めて販売につなげていくことが必要と考えております。まず、そのために、生産面ですけれども、県では、食味の向上の決め手となるタンパク質の含有率を7%以下、それから、米の粒ぞろいであります整粒歩合に関しては80%以上、1等米比率は90%以上を目指した「県産米7・8・9作戦」に取り組んでいるところです。
具体的には、土づくりを基本とした施肥管理や気象変動に対応した水管理及び適正な収穫・乾燥・調製などの
技術指導の
徹底です。さらには、会議等を開催して
生育や技術情報の共有化などを関係機関・団体と連携して実施しています。
一方、品種の開発面に関しては、地方独立行政法人
青森県産業技術センターが極めて良食味品種──極良食味品種といっておりますが、この開発について、現在有望と思われる系統を選抜し、現地適応性試験に取り組んでいるところでございます。
以上です。
37 ◯津島総合販売戦略課長
販売面につきまして、若干補足させていただきます。
本県産米の評価向上に向け、販売面では、
市町村及びJA、関係団体による
青森県産米需要拡大推進本部と連携しまして、
一般消費者に対しましては、大手量販店等で開催する「
青森県フェア」でのPR、
全国の量販店等での新米キャンペーン、県内のコンビニなどと連携した県産米使用のお弁当、おにぎりのキャンペーン等を実施しているほか、県産米の主要な用途となっている業務用の需要拡大を図るため、炊飯及びブレンド特性を
調査し、冷めてもおいしい、また、混ぜてもおいしい、そういう結果を米穀卸や外食
事業者等の実需者へアピールするなどして評価向上に努めているところです。
38
◯蛯沢委員
今、いろいろ伺ったわけでございますが、近年、山形県では「つや姫」、北海道は「きらら」云々ということで話題になったわけですが、その後また「きらら」よりもいいという「ゆめぴりか」など、相次いで食味のよい品種がどんどん出てきていると。今、課長さんから、
本県における極良食味品種というような言葉が出てきたわけですが、私が「つや姫」の話の中で、私の大先輩であって、米の主
産地である黒石市の高樋議長さんから、ぜひこれを見せてとアドバイスを受けたので、この「つや姫」、きょうの朝日新聞に「打倒コシヒカリ」ということで山形県の取り組み方がついていると。
青森県は極良食味品種、昨年播種したということで、3年間かかるという
お話も聞いているわけでございます。山形県や他県が取り組んでいるように、「打倒コシヒカリ」とか「打倒ササニシキ」とか「打倒あきたこまち」とかというように、我が
青森県もそんな心構えで開発していると思いますし、そこの部分の取り組みの結果は、二、三年後には出てくるということでございますが、現在の
状況等を教えていただければありがたいと思います。
39
◯成田農産園芸課長
品種開発に取り組んでいる
青森県産業技術センターでは、極良食味品種の開発については、基本的には、耐病性、耐冷性にすぐれた品種の開発を進めておりまして、「コシヒカリ」級の食味で安定生産ができる品種ということで取り組んでいます。
現在、「コシヒカリ」級の食味を持つ有望なものは4系統ございます。実際、現地のほうで作付して試験に取り組んでおり、この4つの系統の特性が現地で安定しているのかということに関しては、まだ二、三年の継続した試験が必要となっているところです。
以上です。
40 ◯三橋
委員長
ほかに
質疑はありませんか。──
畠山委員。
41
◯畠山委員
それでは、海岸防災林の復旧について伺います。
東日本大震災の津波による海岸防災林の流出が、
本県から千葉県までの太平洋
沿岸6県の総延長230キロメートルのうち、およそ3分の2に当たるそうです。特に、宮城県の
被害が甚大であると言われております。そこで、
本県の
状況について確認をしたいと思います。県内民有林の海岸防災林の整備
状況について伺います。
42 ◯野呂林政課長
本県の海岸防災林の復旧についてでございますけれども、
本県の海岸線は、総延長は約800キロメートルございます。このうち、民有林の海岸防災林延長は116キロメートルで、海岸線全体の約15%を占めております。
県では、民有林の海岸線につきまして、昭和初期から海岸防災林造成
事業に取り組んでおり、これまで約2,500ヘクタールの防災林を整備しているところでございます。
43
◯畠山委員
この海岸防災林に期待される機能と、今回の震災の津波に対する効果について伺います。
44 ◯野呂林政課長
海岸防災林は、主に飛砂や強風などから内陸の人家や
農地を守る機能のほか、海岸線の美しい景観を形成するなど、県民の生活環境の保全を図る上で極めて重要な役割を果たしてございます。
また、東日本大震災による被災
状況を検証した結果、海岸防災林は大規模な津波自体を完全に抑止することはできないものの、津波エネルギーの減衰による背後の人家等の保全や到達時間の遅延、漂流物の捕捉といった津波
被害を軽減する効果が確認されているところです。
45
◯畠山委員
今の効果のところですけれども、船がたくさん津波で流されて、海岸防災林があったおかげで船がそこでとまって人家のほうまで来なかったというような話を聞いていますけれども、そうですか。
46 ◯野呂林政課長
今回の津波によって八戸市から三沢市にかけて漂着した船舶が約22隻であり、海岸防災林がなければ背後の人家だとか
農地に甚大な
被害が多分起こされたと考えられております。
それから、独立行政法人森林総合研究所の研究結果によりますと、約6メートルの津波が来た場合、防災林がなければ、水位が4.4メートルで来るものが、防災林があることによって3.1メートルに軽減されたであろうと。それから、津波の速さでございますけれども、6メートルの津波が押し寄せた場合、毎秒4メートルの速さで来るものが、防災林があることによって2.3メートルまで減速されたであろうということが出ています。
47
◯畠山委員
今、大変効果があったということが
お話にありました。また、研究結果も今、
お話ししていただきました。被災
状況と復旧への取り組み
状況について伺います。
48 ◯野呂林政課長
今回の東日本大震災では、津波により海岸防災林施設が、三沢市で11カ所、八戸市で1カ所、おいらせ町で1カ所の計13カ所が被災しました。
被災の内訳は、海岸の浸食を防止する防潮護岸が2,326メートル、砂の移動を防止する人工砂丘が5,513メートル損壊したほか、クロマツの海岸防災林が約12ヘクタール流出するなど、
被害総額は約23億円となっております。
県では、昨年5月に生活再建や産業振興などの当面の
対策を取りまとめた「
青森県復興プラン」を、12月には創造的復興に向けた中長期的な取り組みの方向性を示した「
青森県復興ビジョン」を策定し、復旧・復興を図っているところであり、おいらせ町の1カ所と三沢市の10カ所については、国の林地荒廃防止施設災害復旧
事業を活用して、年度内に全箇所の復旧に着手し、防潮護岸や人工砂丘などについては2カ年で、流出した海岸防災林についてはクロマツを植栽し、4カ年で復旧することとしています。
また、八戸市の1カ所と三沢市の1カ所については、国の第3次補正予算により、治山
事業の海岸防災林造成
事業及び保安林緊急改良
事業で復旧することとしており、年度内に発注できるよう準備を進めております。
49
◯畠山委員
今もクロマツの
お話が出ました。海岸防災林の再生にはクロマツの苗木が必要だということを言いましたけれども、宮城県の
被害が特に甚大だということで、需要が膨大になっていると思うんです。
本県でも今、
お話しした計画がありますけれども、供給見通しは大丈夫なのかというところをお伺いします。
50 ◯野呂林政課長
今回の海岸防災林の流出面積は約12ヘクタールでございまして、1ヘクタール
当たり1万本植栽することから、約12万本のクロマツ苗木が必要となります。このため、昨年12月に、
青森県山林種苗協同組合や
青森県森林組合連合会等で構成されます「
青森県林業用種苗需給調整協議会」が開催されまして、復旧に要するクロマツの苗木について協議したところ、クロマツ苗木は毎年8万から10万本の供給が可能であり、今回の復旧計画に要するクロマツ苗木は、年間1万1,000本から5万3,000本程度であることから、苗木の生産供給は可能であるとされたところでございます。
以上です。
51
◯畠山委員
ありがとうございました。非常に効果のある海岸防災林ということでございますので、早い復旧をお願いしたいと思います。
次は、
平成23年産
リンゴの流通加工
対策についてということで、先ほども少し
お話がありました。
収穫量が大きく落ち込み、年末の
産地在庫は過去10年で最少、前年比較では7割弱と
報道されております。このような著しい変化は、もともと微妙な需給バランスで成り立っている市場や流通の各方面に大きな
影響を与えることが想定されます。そこで、本来、加工に回る下位等級品が生食用として出回るケースが見られていると聞いていますが、県はどのように
指導しているか伺います。
52
◯花田りんご果樹課長
23年産の
リンゴにつきましては、当初、
リンゴの花芽不足で、10%ぐらいの減少ということでございましたが、その後、夏場の乾燥や、9月に入って雨が多かったことなどによる肥大不足で、
例年になく出荷量が少なく、
産地市場、消費地市場
価格ともに
高値で推移してございます。
このような中で、市場関係者などから、
例年であれば加工に行くような低品質の
リンゴが生食用として出荷されているケースがあると聞いており、高品質を誇る
本県産
リンゴのイメージダウンが懸念されるところでございます。
このため、県としましては、
平成23年12月22日付で、県内の
リンゴ出荷団体、
生産者団体等に対しまして、イメージダウンを起こさないように、適正選果及び出荷の
徹底について文書でお願いするとともに、12月27日、28日、及び1月13日に、主要農協やりんご商業協同組合などを巡回してお願いしたところでございます。
こういうイメージダウンをさせないため、これからも関係団体と情報交換をいたしまして、適正選果、計画出荷の
徹底を図っていきたいと考えております。
53
◯畠山委員
うちの奥さんが、近所のスーパーから
リンゴを買ってくるわけです。小さいですね。この記事を見てお店に行ってみました、確認しようと思って。やっぱり小さいのがたくさん前面に並んでいるんです。もちろん大きいのもありますよ。大きいのは後ろにポン、ポンとありますけれども、今まで意識して見てきていないからあれなんですが、ただ、手にとったときに、これは違うなという感じがしたものですから、課長さんおっしゃるとおり、
青森県のとらの子の
リンゴが県内ならまだしもだと思うんですよ、県外の市場に行ったときに、こんなものしか来てないのかというふうになっては困るなと。難しいのかもしれませんけれども、そういう意味では、実態の
調査をしておくべきではないかと思うんです。一とおりこれが終わったときに、あの年の流通実態はどうだったんだと、とれなかったときにこういうことが起きたと。こういう問題が起きたことはまとめておかなくちゃいけないと思うんです。そういう意味では、県内外の流通の実態は調べておいたほうがいいのではないかなと思うんですけど、答えられますか。
54 ◯津島総合販売戦略課長
リンゴの販売につきましては、
全国205社の青果卸に協力を要請しています。りんごの会というのが
全国に13団体あります。そのりんごの会と随時とはいかなくても年に3回程度、意見を交換する場を持っております。そういう場で実態、あるいは、改善すべき点は意見を聴取して、反映させられるものは反映させていきたいと考えます。
55
◯畠山委員
ぜひ、こういうわけだからこうなっているんだということもお伝えする必要があると思うんです。黙っていれば品質が悪くなったというだけになってしまうので。事情があってそういうふうになっているわけですから、そういうところはちゃんとやってほしいなと思いました。
それから、もう一つは、「
青森県産りんご使用」と表示された加工品に他県産や海外からの原料が使われないよう、県はどのように
指導しているのか伺います。
56 ◯鈴木食の安全・安心推進課長
委員から今、御指摘のございました、
リンゴジュースなどの加工品につきましては、
一般の生鮮食品と異なりまして、JAS法上、原料の原
産地を表示する義務はございませんが、消費者のニーズにこたえ、また、商品の付加価値を高めるなどの目的で「
青森県産りんご使用」と表示する場合は、使用した
リンゴがすべて
青森県産であることが必要となります。
しかしながら、
平成20年に県内の製造
事業者が「
青森県産りんご果汁使用」と表示しているにもかかわらず、実際には輸入濃縮果汁を原料に使用した
リンゴ果汁飲料を販売するなどの原料原
産地に係る不適正表示事案が発生し、県では、JAS法に基づく
指示・公表を
平成20年8月に行ったところでございます。またその後、
平成21年2月には、県警が関係者を不正競争防止法及び詐欺の疑いで逮捕、3月には起訴されたという
経緯がございました。
県では、この事案を受けまして、全庁を挙げて「食品表示注意喚起推進活動」を実施し、県内の全食品製造
事業者に対する法令遵守や表示の自主点検等の巡回
指導を実施してございます。また、各
地域県民局に
設置いたしました「食品表示適正化
指導チーム」による食品製造
事業者に対する
指導・啓発、また、研修会の実施など、再発防止と食品表示の適正化に向け、継続的な監視、
指導活動を実施しているところでございます。
また、業界団体内部の取り組みといたしまして、社団法人
青森県りんご加工協会におきまして、内部の自浄機能を高めることを目的に、「りんご加工品適正表示監視
委員会」を
設置いたしまして、傘下の加工場を
指導・点検している
状況でございます。
今後とも、食に関する消費者の信頼を確保いたしまして、安全で安心な食品を消費者に提供していくため、引き続き、強力に適正表示の
徹底に努めてまいりたいと考えてございます。
以上です。
57
◯畠山委員
平成20年の話ですけれども、不正はどうやって発覚したんでしたか。
58 ◯鈴木食の安全・安心推進課長
県に対して情報提供があって、それをもとに
調査を進めたということでございます。
59
◯畠山委員
垂れ込みということですね。どこの機関がチェックできるのか、あるいは、できないのか、まあできないのかなと。垂れ込みというか、だれかの善意に頼るしかないというところも現実問題としてあるということですよね。私たちは何とか、とらの子の
リンゴを守らなくちゃいけない。ちょっと前は、秋田県産の
リンゴが市場で混じるなど、考えられないようなことが起きているわけです。そういう意味では、本当にとらの子なわけですから、何としても守らなくちゃならないんだと、もちろん皆さんそういう思いでやってらっしゃるんでしょうけれども、それが関係者にもっと伝わるようにぜひ取り組みを進めていただいて、大変な時期でもございますので、起きるんじゃないかなという不安を持ちながら質問していますので、こういうことがないように、ぜひ取り組みをお願いしたいと思います。
以上です。
60 ◯三橋
委員長
ほかに
質疑はありませんか。──高樋
委員。
61 ◯高樋
委員
今、
畠山委員の話で、
リンゴの販売の話があったんですけれども、実は、去年の暮れ、私は鹿児島の市場を視察に行ってきました。勉強になったのは、
1つ、今の
畠山委員の言うように、
青森県の
リンゴの評価を落としてはいけない。それは重々わかるんですが、その評価をどこの目線にするのかという部分。つまり、見た目だけで勝負していいのか、やはり食味で勝負するのか。その辺を明確にしなければいけないこと。もう一つは、正直言って、鹿児島県の県民所得は、
青森県と沖縄県といつもドングリの背比べの
状況の中で、県民所得に合った
リンゴ価格でなければ消費が進まないという現実もあるわけです。
青森県の
リンゴは世界一だという自負は我々も持っていますから、当然それは守っていかなければいけない。しかし、それだけにあまり固執してしまうと、逆に今度は、売れるところでも売れなくなる可能性も出てくる。そういう部分を踏まえたときに、やはり
農林水産部もいろいろ
全国の市場
調査等々もやっていると思いますけれども、消費
動向も十分視野に入れた販売戦略を立てながら、
青森県の
リンゴに対する取り組みをしていただければよろしいのかなと感じましたので、要望とさせていただきます。
62 ◯三橋
委員長
それでは、ほかに
質疑はないようでありますから、これをもって審査を終わります。
以上をもって
農林水産委員会を終わります。
○閉 会 午前11時52分
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