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  1. 鳥取県議会 2018-11-01
    平成30年11月定例会(第6号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(稲田寿久君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第1号から第37号までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  17番伊藤保議員 ◯17番(伊藤保君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。ことしも琴浦町の船上小学校6年生の皆さん32人が社会科教育の一環として、県議会の傍聴においでいただいております。  したがって、きょうは、少し優しい質問をしたいと思います。  それでは、通告に従いまして、3点の課題について、知事、教育長並び選挙管理委員会委員長に質問をしたいと思います。  来年は、統一地方選挙の年で、4月には知事選挙を初め県議会議員選挙が実施されます。  ところが、やや気になるのが有権者の皆さんの投票行動であります。6月に実施された米子市議会議員選挙の投票率は、前回選挙を4.68ポイント下回る47.31%、11月に実施された鳥取市議会議員選挙は、前回選挙を11.28ポイント下回る41.68%と、いずれも過去最低の投票率でありました。  住民に一番身近な選挙であるはずの基礎自治体議員選挙への有権者の投票結果に、政治に携わる一人として、大きな危機感と責任を感じております。  政治に無関心なのか、期待が持てないのか、諦めなのか、そして政治に参画することへの挫折感なのか、いずれにしても有権者にとって唯一の政治への参画手段が放棄されている現実は、民主主義政治の危機感であると思います。  本日、傍聴においでの小学生の皆さんもあと6年すると投票権ができます。小学生の皆さんには、社会科教育を通じて、しっかりと政治に向き合い、政治への関心を持ち続けてほしいものと思うわけですが、今日、低下傾向にある投票率について、主権者教育に取り組まれている山本教育長と県内の選挙を統括されている県選挙管理委員会委員長に、現状についての認識をそれぞれにお伺いをいたします。  次に、災害復旧対策について知事に質問をいたします。  今議会の災害復旧の補正予算に小規模災害への補助対象の見直しをされ予算計上された知事の英断に、まずは感謝と敬意を表したいと思います。  台風24号の大雨災害も農地等の激甚災害の指定を受ける中で、これまで40万円を超える災害の復旧は、測量設計費も含めて国の補助事業を受け、復旧工事が進められてきました。  一方、40万円未満の比較的小規模な災害は、国の補助事業の対象にならないため、単県事業であるしっかり守る農林基盤交付金を活用して、災害復旧事業が進められてきました。  しかし、しっかり守る農林基盤交付金は、通常枠としては、設計管理費も含めて、それぞれの市町村で農林業振興のために活用されてきましたが、災害枠としては、工事費だけが対象であり、測量設計費は対象外でありました。  ところが、40万円以下の小災害であっても測量設計費に100万円以上かかるため、通常枠に余裕があれば小災害の測量設計費に活用することができるものの、現実にはそんな余裕はなく、大半は市町村の持ち出しか、測量設計費を伴わない現場復旧に頼るしかありませんでした。
     この背景としては、以前は市町村に農林や土木技師が在職しており、測量や設計を自前で行っていたため、単県事業を活用して災害復旧ができていました。  しかし、近年、業務のアウトソーシングや厳しい定員管理の中で、市町村に農林や土木技師がいなくなり、測量設計は民間事業者に頼らざるを得なくなり、一旦災害が発生すれば、市町村や地元住民の負担には大きなものがありました。  したがって、40万円以下の小災害であっても、多額の測量設計費が大きな負担となるため、農地や農業用施設の災害復旧を諦めざるを得ない経過もあり、結果、農地が耕作放棄地化する事案も発生しておりました。  今回、11月補正予算でしっかり守る農林基盤交付金の災害枠の補助対象経費測量設計費が追加されたことは、災害に遭った農地を復旧させ、また頑張ろうという農家の意欲を後押しするもので、大変評価するものであり、市町村の皆さんに大変喜ばれていたことを申し上げるとともに、英断された知事の災害復旧への思いをお聞かせください。  次に、由良川水系の改修事業についてお伺いをいたします。  議長のお許しを得て、資料を配付しておりますので、参照しながら議員の皆さんにはお聞きいただいたらと思います。  由良川は、昭和62年10月の台風19号豪雨により、由良川及び北条川が氾濫し、床上浸水80戸、床下浸水270戸と甚大な被害が発生いたしました。  この甚大な災害の発生を受け、昭和63年から北条川下流に北条放水路の整備や、由良川の拡幅工事等が約295億円の総事業費で平成34年完了を目標に年次的に進められています。  ところが、9月29日襲来の台風24号により、由良川上流の大島付近で70.2ヘクタール、北条放水路上流の北条川の米里付近で62.8ヘクタールが2日間にわたり水があふれ、県道や町道が浸水し、そして水稲、大豆、葉ネギ、ブロッコリー、キャベツ等に被害が発生いたしました。  工事が年次的に進められているさなかでもありますが、県として、このたびの浸水をどのように総括されているのか、また、今後の工事の見直しを検討されていくのか知事にお伺いし、壇上での質問といたします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤県議の一般質問にお答えを申し上げます。  私のほうには災害につきまして2点のお尋ねがありました。  まず第1点は、しっかり守る農林基盤交付金災害復旧支援についてでございます。  これにつきましてはこのたび鳥取県では、7月の豪雨災害、さらには9月30日、10月1日ごろ日本を襲いました台風24号災害、これにより大変大きな被害が生じました。  特に船上小学校のある琴浦町は、台風24号災害の被害が甚大でございました。例えば松谷のため池の下流域だけでも23カ所の被災がございまして、今何とか新年の5月ころにはもとへ戻せないだろうかと、そういう復旧にかかっているところであります。  また、残念ながら1人お亡くなりになりました倉坂の現場におきましては農道が被災をしまして、今そこの水路も露出をし、これを何とかつないで水利を回復しようということなど復旧工事の着手をしようと。恐らく新年に入りまして2月ごろから復旧工事に入るということになろうかと思います。大変大きな未曽有の被害と言っていいことが特に琴浦町等で発生をしたところでございました。  これにつきましては私も上京させていただきまして、吉川農林水産大臣に、台風24号災害について全国の報道の焦点がなかなか当たっていなかったこともありまして、県内の被害がこんなに甚大であるということの訴えをさせていただきました。  それで先月閣議決定がございまして、激甚災害の指定ということになりました。これにより13万円から40万円までの農地小災害も復旧事業債の対象になることになりまして、比較的その辺は改善が図られたと思いますし、激甚災害になりますと恐らく琴浦ぐらいですと4,400万円が1,200万円ぐらいに負担額が縮小するということになり、実行可能な範囲内に入ってくるのではないかなというふうに思います。  そういう中、鳥取県のほうでは、農地の復旧をしようと、そういう災害復旧事業への適用を進めてきましたけれども、伊藤議員を初めさまざまな議員からも御議論がございまして、このたびどういう復旧事業をやるのかという、その設計等につきましても対象事業として今回計上をさせていただいているところでございます。ぜひこれはそれぞれの自治体で今回のように大分被害が集中するような場合には、手元でそういう計画づくりすらなかなか進まないというような状況になりますので、それについても事業対象とした趣旨を御理解いただきまして御審議を賜ればまことにありがたいなというふうに思います。  次に、由良川、北条川放水路につきまして、今後、浸水をどう総括し、それから工事についてはいかがかと、こういうことでございます。  これにつきましては昭和62年の台風19号災害がありました。あのときは191ミリ、1日当たり雨が降るということになりました。今回は226ミリ1日当たり降りまして、前回を上回るような災害だったわけであります。  実はその前の台風19号災害のときに大変多くの地域が浸水をしました。由良のまちであるとか、それから旧北条町におきましても浸水家屋が広がりました。なかなかこれは難しい部分でございまして、北条川がまた由良川、亀谷川と合流をしまして、最後、由良のあたりで海のほうへと出ていくわけであります。ただ、ここのところに全部集まってくるのですけれども、それが海のほうの水も例えば台風だと高くなってきます。また、たくさんの水が流れてきますとはけ切れなくなります。それで一帯がまるで湖のように湛水をしてしまう、水で埋まってしまうという状況になります。それが現実には起きたわけでございます。  そこで先ほど議員もおっしゃいましたけれども、多額の事業費を費やしてでもこうした状況は解消したいということで、昭和62年の台風19号災害の後に計画をつくりまして、例えば北条放水路という放水路を抜こうと。これは北条川から由良のほうにずっと曲がって川が流れていくものでございますけれども、それを真っすぐ海のほうへと流す。それによってこちらのほうの水はけをよくしようということでございました。これだけでも80億円以上かかるという、そういう壮大な計画であります。  また、厄介なのは由良川などの川幅を広げようとしますと、例えばJRの鉄道が走っています。この鉄橋が結局幅を決めてしまっているわけですね。道路などもそうであります。そこで由良のほうでは鉄橋のかけかえ事業をやりました。これも20億円近い事業費がかかるということになりました。  このようなことを実は今、順次仕上げてきておりまして、北条放水路も今回は通水できておりますし、また由良のほうのボトルネックのところも拡幅ができてきているわけであります。  ただ、全体計画からいいますと由良川の上流部のほうとか、それから今ちょっと地図がございました亀谷川、今回水があふれたところです、こういうようなところの影響を回復するためには、上流部についても対策工事は当然入っているわけでありますが、川というのはまず下流から攻めなければいけないわけですね。上流の水が流れ過ぎますと、今度は下流域のまちが水で埋まってしまいますので、まずは下流のほうの水の流れをよくする。それができ上がって今度上流部に手をつけていくというのが、これが鉄則でございます。したがいまして、順次今その工事を進めているという真っ最中であったわけであります。  結果どうなったかといいますと、以前の昭和62年の台風19号災害のときは床上で80、床下で270という大変大きな浸水になりました。今回は床上では2棟、それから床下では3棟でありまして、町なかのほうの水があふれるという状態は、今回はかなり縮小されたことになりました。  しかながら、田んぼが広がる地域などでやはり水がたまるという状況がございまして、先ほどおっしゃったように由良川上流域、亀谷川、そうした一帯のほうでは県道が2つ不通になりました。また、北条川のほうでは、これは313、北条湯原道路と並行する町道がやはり通れなくなるということになるなどかなり大きな被害があったところであります。  そういうようなことで申しますと、やはり以前、昭和62年の台風19号災害で立てた計画をできるだけ早く今後も遂行していくということが大切でございまして、例えば由良川本川の上流等とりあえずは川の拡幅だとか、しゅんせつだとか、いろいろとやっていかなければいけないでしょうし、また北条川流域のほうでも、これもまずは北条放水路のところの軟弱地盤地域などもございますので、そうしたところの手当て等々も含めて、やはりこちら側の東側部分ですね、こちらのほうもしっかりとしたこの工事が必要だということであります。  今、地元の御意見などもいろいろとお聞きをしながら適切な工事の展開ということを今後図っていかなければならないと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)伊藤議員の一般質問にお答えをいたします。  私には主権者教育につきましてお尋ねがございました。  今、低下傾向にあります投票率、これは私も非常に憂慮すべき状況だなという気持ちを持っておりまして、何とか教育の分野でもこの投票率を上げるといいますか、主権者教育に力を入れて取り組んでいく必要があるなと改めて感じておるところでございます。この主権者教育につきましては、児童生徒がこの世の中が動いていくそういう仕組みの中で政治あるいは経済、そうしたことに関心を持ちながら自分自身が社会に積極的にかかわっていこう、そのために投票というような行動でありますとか、必要な行動をとる、そうしたことにつながっていく力でありますとか、姿勢でありますとか、そうしたものを養っていく上で非常に大切な教育の中身かなというふうに思っておるところでございます。きょうは船上小学校の6年生の皆さんがこの県議会の傍聴に来ておられますが、さき方も災害のお話を伊藤県議のほうがされましたけれども、こうした議会につきまして、私たちがまさに直面する課題について真剣に議論をし合う、そうした場であろうかというふうに思っておりまして、この議会をつぶさに見られる、見ていただくということでまさに私たちが今直面している地域の課題を知るということになりますし、その課題を解決するためにいろんな方々がいろんな意見を闘わせながら実際にそれをよくしていく取り組みということに進んでいくということがわかる本当にいい学びの場ではないかなというふうに思っております。ぜひ小学生の皆さんもこれを機会にさらに、琴浦町もこうした町議会をやっておられますし、そうしたことなどを通じて政治に関心を持っていただきたいなというふうにも思うところでございます。  この主権者教育、実は社会科でありますとか、それから総合的な学習の時間、あるいは特別活動などの時間を使って学ぶということになるわけですが、こうした取り組みを通じて一番身につけてほしいなと思っていることは、自分たちの住む地域に関心を持つということ、そしてまた課題があるとすればそれを解決するためにどうしていったらいいのだろうかということを自分で考える、そしてまたいろんな人たちのかかわりの中でそれを解決していく、一緒になって考えていこうやということを実際に体験してみる、そうしたことが必要ではないかなというふうに思っております。ぜひ教室の中で学ぶだけではなく、例えば児童会でありますとか生徒会、そうした中でまず自分たちのこの学校生活をよくするためにどうしていったらいいかということを考えていくといったことでありますとか、あるいは地域に出かけていって地域のいろんな人の話を聞く中で、どうしていったらこの琴浦町がよくなるのかしっかりと自分で考える、仲間と一緒に考える、そうした体験をすることが大事ではないかなというふうに思っております。引き続き、こうした学び、教室の中だけではなくて、地域に出かけていって学ぶというような体験的なところも含めてしっかりと教育委員会のほうでもそうした取り組みが学校で行われるように支援してまいりたいと考えておるところでございます。 ◯議長(稲田寿久君)相見選挙管理委員会委員長 ◯選挙管理委員会委員長(相見愼君)伊藤議員の一般質問にお答えをいたします。  過日執行された米子市議会議員選挙鳥取市議会議員選挙などの市町村選挙の投票率が過去最低を記録していることなど現状をどのように認識しているかという御質問でありました。  あす告示が予定されています日南町長選挙を除きますと、ことしは8つの市町村において市町村選挙、6つの市町村において市町村議会議員選挙が執行されましたが、若桜町議員選挙を除き投開票が行われた8つの選挙において過去最低の投票率を記録する結果になりました。  また、境港市議会議員選挙を初めとする5つの選挙では、候補者の数が定数を上回らない無投票選挙となりました。  今さら申し上げるまでもなく、選挙制度は代議制民主主義社会の根幹を構成する重要な制度であります。健全な選挙制度の運用なくして健全な代議制民主主義の発展は期待できません。全ての有権者が投票し、公正な選挙が行われることが健全な民主政治の発展には必要不可欠であります。  しかしながら、近年の投票率は、全国的に国政選挙、地方選挙の別を問わず低下傾向にあります。鳥取県選挙管理委員会といたしましても議員御指摘のとおり、このような状況を非常に残念なことであると認識しております。  投票率の低下の理由を特定することは困難でありますが、例えば平成29年の衆議院議員総選挙について、公益財団法人明るい選挙推進協会が行った意識調査では、選挙に余り関心がなかったから、20.4%、適当な候補者も政党もなかったから、20.2%、仕事があったから、18.9%が棄権理由の上位3つとなっております。  平成28年に執行された参議院議員通常選挙におきましても同様な調査をしていますが、この調査における棄権理由のトップも選挙に余り関心がなかったからとなっており、選挙に対して危機的な状況がうかがわれます。  こうした状況は、まさに主権者教育の課題として平素からの学習によって意識改革を図っていくことが必要であると考えております。  選挙管理委員会の有権者の投票意識の向上の取り組みといたしましては、先日の松田議員への答弁でもお話ししましたが、高校生に対しましては、県下の高校3年生全員に選挙制度や投票率の現状などを内容とする小冊子を配布したり、市町村選挙管理委員会と連携して選挙の意義や投票方法などを説明する選挙出前講座を年間約30校実施いたしました。  一方、一般の皆様には、毎年市町村明るい選挙推進協議会、明るい選挙推進鳥取県女性集会、政治団体関係者を対象にした研修会を実施しまして、地域や家庭における政治意識の向上に努力しているところであります。  発達段階における主権者教育の一環として、毎年小・中・高校生を対象にして選挙啓発のポスターコンクールを開催し、児童生徒の選挙に対する意識の芽生えを図っております。  きょうは傍聴席に船上小学校の6年生の皆さんがお越しいただいているということでございますが、こうした議会を見学され、政治へのかかわり方について学習され、関心を深める機会とされることは大変有意義なことだと思います。ぜひ将来立派な有権者になっていただきたいと期待をしております。  そのほか選挙が執行されるときには明るい選挙推進大会を開催し、投票参加の意識高揚を図るとともに、県内のショッピングセンターや大学で学生と連携して街頭の啓発活動を行うなどいろいろな方法で有権者の意識に訴えているところであります。  また、各市町村選挙管理委員会におかれましては、投票率の向上のため平素からの啓発活動の実施とともに期日前投票所の増設や投票所への移動支援事業など投票環境の整備を進めていただくことも重要であると考えますので、県選挙管理委員会といたしましても引き続き市町村選挙管理委員会に対しまして取り組みの強化を要請してまいりたいというように考えております。  いずれにいたしましても有権者の政治への関心を高め、投票率の向上を図るためにこうすればすぐ効果があらわれるという方策を見つけることは困難でありますが、鳥取県選挙管理委員会といたしましては教育委員会市町村選挙管理委員会、関係団体等の緊密な連携を図りながら啓発活動の内容、あり方などに工夫を凝らして地道に有権者の選挙、政治意識の高揚を図る取り組みを進め、投票率の向上に努めてまいりたいというように考えております。 ◯議長(稲田寿久君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)知事並びに教育長、選管の委員長に答弁をいただきました。  まず、政治参画の課題から追及をしてまいりたいと思います。  教育長には、引き続き教育現場で主権者教育を実施していただきまして、今日のように社会科教育等との連携を深める中で、もっともっと身近な地方議会、これを未来の有権者の皆さんに傍聴していただくということが、政治への関心につながると思っております。  鳥取中央育英高校などは、まさに学校を挙げて地域の課題、そして地元の議会を傍聴したり、学生議会をやっています。本当にあれはすばらしいことだと思っておりますし、やはりこうした行動というのは議員にとっても緊張感ある論戦につながるものというふうに思っております。  さらにまた、身近な議会の傍聴をすることと、それから社会教育活動の中で議会傍聴というものを取り入れていただくというふうなことができれば、やはり我々としても議員力、議会力の向上とともに、住民の皆さんの意識向上にもつながるというふうに思いますけれども、教育長の所見をお伺いしたいと思います。  それと選挙管理委員会委員長の答弁をいただきましたけれども、選挙のたびに投票率が下がるという現状にはじくじたる思いというのは私も理解いたします。  やはり政治に携わる私たちも選管の皆さんに対応を問うだけではなく、みずからが議員力を高め、議会改革を進め、政策の策定に当たっては、有権者の皆さんに参画をしていただける環境づくり、これまで以上に我々としても汗を流さなければならないという部分はあるというふうに思っております。  したがって、今、大きな社会問題となりつつある政治離れについて、幅広い広報、広聴活動が必要ではないかと思いますけれども、何か秘策ということを言っても無理かと思いますけれども、ただ、先ほど選管の委員長からありましたように、仕事で行けないという有権者があるということが約20%でしたね。できれば県内の企業の経営者協会の皆さんとか、そういうところにもやはり投票に行ける環境、そういうものを選管としても協力していただけるように呼びかけていただいたらいかがなものかと思いますけれども、いかがでしょうか、答弁をお願いしたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)伊藤議員から重ねて社会教育の場でこの議会を活用してはということでございました。  おっしゃるとおりだと思います。先ほども申し上げましたけれども、この議会というのは本当に地域の課題を濃密に議論する場でありますので、この議会の様子を傍聴したり、あるいは最近ではテレビとかインターネットで配信をされているということで、そうしたところで見ていただくということで、非常にある意味自分がどうかかわっていくのかを考えるそうした学習の場になるのではないかなというふうに思っておるところでございます。  例えば社会教育団体というのがいろいろあるのですけれども、連合婦人会さんなどは随分と議会なども活用をしておられまして、明るい選挙推進鳥取県女性集会というのを開催されますけれども、そうしたところで研修でありますとか、パネルディスカッションなどいろいろ学ばれるわけですが、そうした中で各市町村の婦人会がそれぞれの地元の市町村議会などを傍聴されるということもありますし、時々お見受けしますと県の連合会の役員の方々もこの県議会を傍聴されるということもあったりして、そういう意味ではこの議会を学びの場として活用していただいているなというふうに思います。市町村のほうでもそれぞれ学校教育なども通じて市町村の議会などを傍聴する機会も設けていただいているということでございます。  最近少し新しい動きとして、先般も少し申し上げましたが、南部町のほうで、将来の町の議員さんだとか、首長だとか、そうした人材育成というところも狙いとしながら、高校生あるいは青年団をメンバーとする若者議会ということをやってみようということで、それぞれの町の議員さんがいろんな説明だとかをする勉強会などもやり、実際に課題を地域で拾い上げて、それを議会で議論をするというようなそんな仕組みでことし取り組まれようとされておりますが、まさに社会教育の中でこうした主権者教育をやられる取り組みかなというふうに思っておるところでございまして、こんな取り組みが広がっていけばいいなというふうに思っております。  こうしたことを通じて社会教育の中でもこの政治に関心を持っていただけるようなそんな取り組みについて、県の教育委員会でもいろいろと関心を持ってそうした取り組みが広がっていくような仕掛けをいろいろ考えてみたいと思っております。 ◯議長(稲田寿久君)相見選挙管理委員会委員長 ◯選挙管理委員会委員長(相見愼君)投票率の向上を図るために、議員みずから積極的に幅広く広報広聴活動に参画して有権者の意識改革に資することが必要と考えるがということでございました。また同時に、投票環境改善のために企業にも積極的に投票に参加するように要請をしてみてはどうかというようなことでございました。  先ほどの御答弁で申し上げましたが、昨年の衆議院議員総選挙について、公益財団法人明るい選挙推進協会が行った棄権理由に関する意識調査では、適当な候補者も政党もなかったからが選挙に余り関心がなかったからに次いで20.2%を占めている状況にあります。この理由は、いろいろと考えられますが、やはり候補者や政党の政見や政策が十分に認識されていないことが一因となってあらわれている現象ではないかというぐあいに思っております。  選挙が公正に行われ、健全に発展するためには、やはり国民一人一人が政治、選挙に関心を持って、候補者の人物や政見、政党の政策を十分に理解し、政治的判断力を身につけ、自立的、継続的に投票をする際の態度を育成することが大切であります。  そのためには常日ごろからあらゆる機会を通じて政治、選挙に関する国民の意識の醸成、向上を図っていく、いわゆる常時啓発の推進が重要であります。常時啓発は、選挙管理機関のみによって任務を果たすことは困難でありまして、関係諸団体が協力して取り組むことによってより効果が、成果が上がるものであります。  議員が御指摘されましたように、議員候補者の皆さんが日常の政治活動の中で幅広く広報広聴活動を行われ、有権者の政治、選挙に関心を高めていただくことにつきましては、恐らく有権者の皆様も強く期待されておられることと存じます。  投票環境改善のための企業への働きかけ等につきましては、商工会議所等に行って要請をしてまいりたいというように考えております。  選挙管理委員会といたしましても中立性、公平性が求められる選挙の管理執行機関であることを踏まえ、公職選挙法で示されている選挙が公正かつ適正に行われるよう常にあらゆる機会を通じて選挙人の政治意識の向上に努めなければならないことを使命として、有権者の政治、選挙の意識の高揚を図る取り組みを地道に進めて投票率の向上に努めてまいりたいというように考えております。 ◯議長(稲田寿久君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)答弁をいただきました。  最近の若い人といいますのは、新聞を読むことはほとんどない。テレビも余りニュースを見ない。娯楽番組しか。若い人が何で情報を得るかといったら、やはりSNSなのですよね。ですから選挙があることも、これだけ回っていても何の選挙かわからない若い人が多いのです。ですからそういうSNS等をやはり選管が活用して、若い人に今こういう選挙があるのだよと、国政選挙があるのだよと、投票に行きましょうよという呼びかけがもしできるものなら、やはりそういうものを活用して啓発されたらいかがなものかなと、これは提言でありますので、また検討をしていただいたらということをお願い申し上げたいと思います。  次に、災害関係に入りたいと思います。  先ほど知事から答弁をいただきました。本当にこのたびの補正、市町村の皆さん方は大変喜ばれております。特にこのたびの災害は中山間地域で多く発生しており、先ほど申し上げましたけれども、耕作放棄地になりはしないかと随分心配をされておりますが、農家の皆さんにとりましても大きな励みになると思っております。  ところで今年度も次々と災害が発生いたしました。このたびの改正されたしっかり守る農林基盤交付金の災害枠については、どの災害から適用されるのかお伺いをしたいと思います。  また、このたびの24号の災害で1時間に100ミリを超えるような記録的短時間豪雨はなくて、40から50ミリ前後の雨が長時間降り続いたということで、中部地区に発生いたしました。雨の状況からここまで私自身も災害が発生するとは驚きでありまして、これからの一つの新たなる災害の要因といいますか、災害が発生するおそれのある状況として大きな問題を投げかけた一つの災害であるというふうに思っております。  したがって、由良川にしても北条川にしても今日まで20年かけて継続的に事業が取り組まれておりますけれども、昭和62年の水害をほうふつさせるような浸水になったと、地域の皆さんも大変驚かれておりました。  このたびの豪雨水害、そこに図面で皆さん方にお配りしておりますけれども、この由良川水系というのはもう本当に亀谷川とか、円城寺川とか、いろんな倉吉側からの谷の水も入ってきておりますし、結構平たんな川なのだけれども、支流の多い川なのですよね。ですから少しの雨でもここに集まってくるという地形的な問題がありまして、特に亀谷付近、地形的にも低いということもありますけれども、周りから多くの濁流が流れ込んできたということで、これまでにない現象も発生いたしました。  したがって、引き続き、先ほどありましたけれども、上流部の川の拡幅工事を進めていただくとともに、改めて地元の皆さんと水害の検証をしていただいて、事業計画、私は見直すべきはやはり臆することなく見直していただきたいと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。  特に亀谷川はこのたびかなりの濁流が集中いたしました。やはり狭い川でありますので、何とかこういう支流のほうも河床をしっかり下げるとか、そういうことをお願い申し上げたいと思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)あわせて、しっかり守る農林基盤交付金、そしてまた亀谷地区等の浸水状況につきましてお話がございました。  しっかり守るのほうは、設計等でございますけれども、これにつきましてはことしは本当に災害の多い年でございました。このたびの24号災害以前にも7月豪雨災害であるとか、台風21号等がございました。したがいまして、これは議会に今お諮りをしている最中ではありますが、考え方としては今年度の発生災害からというふうにさせていただきたいと思います。今はまだ会計期間がずっと続いていますので、この中での措置というふうにお考えをいただければどうかなと思います。  また、由良川の上流域についてでありますが、由良川の下流域のほうはこれまでの河川改修の結果から今回は浸水を免れるということになりましたが、亀谷川が溢水をするなどのことによりまして亀谷北条線のところとか、倉吉由良線の両方の県道が浸水をする、かなり広い箇所になりました。これは議員もおっしゃったように、もともとあそこは大島という地名があって、北条のほうは北条島とありますけれども、やはり昔からそういう地形であったというようにも考えられているところでございます。非常に難しいわけであります。  しかし、先般も松本町長とお会いをしたときに松本町長から直接お話もいただきましたが、河床の掘削であるとか、それから川幅の拡幅等々暫定的な河川改修という形もあるではないだろうか、この辺もぜひやってもらいたいというお話がございました。どこかといったら倉吉の穴沢とか、それから北栄町の大島等々のあのあたりだということでございまして、あの一帯の浸水のことを考えますと、円城寺川もございまして、あの辺の改修については、かなり本格的にやりますとかなり時間もかかりますが、まずは暫定改修ということをやってみてはどうかということでありまして、ぜひ検討をさせていただきたいと思います。  ただ、厄介なのは、水が抜けやすくなると今度は海から水も入りやすくなるという双方向でございまして、そんなにもともと地形的には標高があるところではございません。したがいまして、逆流してきますと塩水になってしまって、農業のほうに影響があり得るわけであります。非常に微妙な問題がございまして、これを本格的にやっていこうと思いますと、いずれ取水堰のようなことだとか、いろいろと検討しなければいけないのかもしれません。したがいまして、まずは暫定的な上流部の改修が先決ではないかというふうに考えております。 ◯議長(稲田寿久君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)きょうお配りしている裏の北条川についてちょっと質問をしたいと思います。  北条川については、米里付近の浸水をなくすため、先ほど言いましたように北条放水路が新たにつくられ、下流域の流水対策は進めてまいりました。しかし、放水路周辺の地盤が軟弱ということで、周辺住家に影響が出たということから、住民の皆さんに大変大きな御迷惑をおかけいたしております。そうした中で地盤の改良工事が今行われておりますけれども、やはりこの工事も少し時間がかかるかなと思っておりますが、このたびの豪雨でやはり上流部の水がはけなかったのは、ボトルネックになっている北尾のJR橋が要因だというふうには思います。  北条放水路周辺の安全対策、地盤改良整備がある程度めどが立てば、すぐにでもJR橋の拡幅工事に着工すべきだというふうに思います。多分関係手続に少し時間がかかると思いますので、やはり手続を前倒ししながら取り組んでいただきたいと思いますけれども、知事の所見をお伺いします。
     それと由良川でありますけれども、先ほど知事からありましたように、地形的に特に低気圧が日本海に入ってきたときには海水面が上がってまいります。台風のときも大きな波が来ますし、そういうふうなことで流れがどうしても悪くなります。したがって、海水が瀬戸付近まで来るというふうなことがあって、農業への被害もかなり心配されています。  ですからこういう現状の中で、今後も豪雨の際には、やはり水害は起こり得るということは想定されると思いますし、想定しなければならないと思います。  そうだとするならば、このたびも浸水で2日間通行どめになった県道倉吉由良線をやはりかさ上げをして、生活道を確保すべきと思いますけれども、知事の所見をお伺いします。  それとあわせて北条も313が新しくできましたので、その古い313を町道に、町に移管しているわけですね。その町道も浸水するのです。やはり浸水するような道路を町に移管して、あとは町に頼むわというわけにはやはり県はならないと思うのですね。やはり浸水しないような道路で町に移管をすべきだったと思います。この辺も含めて私は検討をしていただきたいなと、かさ上げも含めて、知事の所見をお伺いしたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤県議から重ねて御質問がありました。県道の倉吉由良線であるとか、それから町道の北条南線につきましてかさ上げ等の話がございました。  これについては県土整備部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  北条川の流域のところでありますが、議員のお見立てのとおりだと思っています。今、北条放水路はいざというとき下流に水が抜けるようになりまして、今回それで北条川の流域ですね、浸水箇所というものが大分縮小しました。それは北条放水路ができ上がってまだ間もないですけれども、あれがあったからということもあろうかと思います。  しかし、上流側のほうを直そうと思いますと、先ほどの由良のほうと一緒でありまして、ここに北尾のJRの鉄橋がかかっています。さらに道路の北尾橋等がございまして、これら3本ぐらい改修をかけていかなければならないということになります。先ほどの由良の鉄橋のこと以上にお金がかかる、恐らく20億円、30億円というオーダーになろうかと思いますが、これがどうしてもボトルネックになります。  また、今はまだ北条放水路のほうですね、一応水は通水できていますけれども、護岸等の整備もまだ残っているところがありまして、まずは下流を固めないと影響が拡大しますので、下流域のほうの対策もとらなければならないということであります。  したがいまして、そういう下流のほうの北条放水路のほうの工事、それから先ほどおっしゃるJRについては、かけかえに向けた概略設計を進めて、できるだけ早く事業の進捗を図るということであろうかと思います。  その他の点につきましては、県土整備部長のほうからお答えを申し上げます。 ◯議長(稲田寿久君)山内県土整備部長 ◯県土整備部長(山内政己君)伊藤議員のほうから県道倉吉由良線のかさ上げ等につきまして御質問がありましたので、補足の答弁をさせていただきます。  先ほど知事のほうからも御答弁を申し上げたように、このたびの24号台風によりまして由良川の支川であります円城寺川の上流部において断面不足があったということで河川からの溢水等がございまして、倉吉市の尾原地区や穴沢地区で家屋浸水が発生いたしました。  あわせて円城寺川と並行している県道倉吉由良線におきましても北栄町の大島地区で500メーターにわたって冠水し、9月30日から10月1日にかけまして約20時間通行どめとなったというところでございます。  ただ、西向きに迂回路ができたということで、幸いにも集落が孤立するという事態にはならなかったというところでございます。  議員のほうからは、海上を低気圧が通過する場合、海水面が高くなって、海水の逆流が今後も懸念され、河川改修には時間がかかるということで、県でのかさ上げをやったらどうかという御提案でございます。  現在県といたしましては、避難路の確保ができていない箇所、さらには緊急輸送道路で冠水対策を実施しているというところでございます。  この県道倉吉由良線につきましては、冠水時に迂回路が確保可能であったということ、さらに軟弱地盤でございまして、道路のかさ上げをするに至っても多額の費用を要するということ、さらにこのかさ上げによって新たな内水被害が発生するおそれがあるというところでございます。さらに河川改修が終われば、この道路のかさ上げは不要という現実がございます。こういったことを考慮いたしまして、我々としては抜本的な対策として河川の改修を着実に進めていくといったことが肝要だろうというふうに考えているところでございます。  ただ、河川改修には多くの時間を要するというところでございます。今、河川の暫定計画といった形で計画しておりますけれども、こういったことを踏まえた上で、この道路のかさ上げが周辺の冠水に与える影響がどういったものかということ、さらにはその有効性についてしっかりと検討をしてまいりたいなというふうに思っています。  さらに、313の北条倉吉道路のつけかえによって、町道北条南線という形で移管をさせていただいたということでございます。この整備について補足の答弁をさせていただきます。  議員御指摘の町道北条南線、これは先ほど申し上げたように北条湯原道路の北条倉吉道路が完成した際に町道へ移管をさせていただいたというところでございます。御存じのとおり、基本的に県のルールといたしましては、県管理の道路のバイパスが完成すれば町なり市のほうに移管するといったのが基本的なルールでございまして、この道路についてもそのルールに従って北条町のほうへ移管をさせていただいたというところでございます。  また、この北条倉吉道路は地域高規格道路でございますけれども、この計画段階におきましても旧道の冠水対策を念頭に置きまして比較検討をさせていただいたというところでございます。結果的にはこの冠水地区を避ける形でルートを選定させていただいたというところでございます。いわゆる代替道路の役目を考慮した計画というところでございます。  今現在町に移管したということでございます。県といたしましても現段階で北栄町のほうからこの町道について冠水対策をやるといったことは伺っておりませんけれども、もし道路管理者であります町のほうが冠水対策をやって道路を整備したいという意向があれば予算の確保等を一緒になって国のほうに要望してまいりたいというふうに考えております。 ◯議長(稲田寿久君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)それぞれ答弁をいただきました。  まず、北条の313の市町村への移管した道路なのですけれども、水につかるような不完全な道路を市町村に移管していて、あとは市町村の意向ですよと。県も天神川を国から移管するときに不完全なものを県は受けませんよと言ったのでしょ。やはり市町村に移管するときには、県が責任を持って浸水しない道路を移管すべきですよ。  やはりそこのところの認識は忘れないようにしていただきたいと思いますし、それから北条川は、JRの北尾のところの鉄橋が広くなれば、そして北条放水路がしっかりできれば、かなり浸水はなくなってくるのではないかなと思います。このたび水はつかったのだけれども、引くのは早かったのですよね。やはりこれはこれまでの改良の成果というのは出ていると思います。由良川にしてもそうです。  ただ、由良川については、何ぼ改良しても、雨の量とか、それから日本海の海水面の状況によっては浸水は避けられない地形的な条件にあると思うのですよね。東郷池も一緒なのですよね。何ぼやったところで東郷池も海水面が上がったら、もう要するに差が1センチ程度しかないわけです。ですからやはり逆に言うと、改良は最大限やるのだけれども、浸水も想定する中でどうやって最低限のインフラを守るかということもやはり県には念頭に置きながら地元の市町としっかり協議をしていただいて、そして例えば今の計画を見直すなら大胆に見直していただきたい。そういうところをお願いして、これは答弁は要りません。私からの思いですので、そういうところは地元の町としっかり協議をしていただいて検討をしていただくことをお願いして、私の質問を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)32番澤紀男議員 ◯32番(澤紀男君)(登壇、拍手)おはようございます。公明党の澤紀男でございます。本日は、クリーンエネルギーの推進、教育振興と地域活性化として夜間中学、LGBT、特色ある専門高校の取り組みについて、知事並びに教育長に質問をいたします。  初めに、クリーンエネルギーの推進について伺いたいと思います。  鳥取県はNPOや地域、企業などと連携・協働して、全国をリードする環境実践、第2期とっとり環境イニシアティブプランに取り組んでおります。  プランの中に、水素社会の構築に向けた取り組みとして、水素エネルギーの実証(環境教育)拠点、鳥取すいそ学びうむ(とっとり水素学習館)を鳥取市五反田町に開設をしています。水素を製造するスマート水素ステーション、SHS、水素で電力を賄うスマートハウス、水素で走る燃料電池車、FCVなど一体的に整備した施設です。水素エネルギーを利活用した省エネ・創エネによる持続可能な暮らしを提案し、情報発信をしております。  敷地内には、SHSと太陽光発電パネルを設置し、太陽光で発電した電力を使って水を電気分解して水素を製造。FCVの燃料として供給をしています。このFCVは一般家庭7日分の電力を賄う能力を持ち、非常用電源として、FCVから同じ敷地にあるスマートハウスに電力供給を行うこともできます。このほか、水素社会について映像などで学べるエリアでは自転車をこいで水素を製造し、その水素を活用した電力で小型無人機、ドローンを飛ばす体験もできます。  供給施設、省エネ住宅、燃料電池車などの一体型の実証拠点として、ますます期待をされます。また、知事は日本海側で水素社会のトップランナーを目指すとしております。  そこで知事にはまず、昨年5月にオープンした鳥取すいそ学びうむ(とっとり水素学習館)の利用状況についてどのように評価し利活用するのか、また日本海側で水素社会のトップランナーを目指す取り組みについて所見を伺います。  県は2016年3月に県水素エネルギー推進ビジョンを策定しております。2030年までの長期目標としてFCVの県内普及台数4,400台、うちバスが10台や水素ステーション整備基数10基、家庭用エネファーム普及台数1万台などを掲げております。県は中期計画として2020年の短期目標をロードマップとして掲げております。知事には県水素エネルギー推進ビジョンの現状と今後の推進計画についての所見を伺いたいと思います。  次に、夜間中学について質問をいたします。  本年3月、鳥取県教育審議会に夜間中学等調査研究部会が設置され現在、夜間中学について検討が進められております。夜間中学の対象者は、1点目に戦後の混乱期の中でさまざまな事情により義務教育未修了のまま学齢期を超過した者、2点目に本国において義務教育を修了していない外国籍の者、3点目に不登校などさまざまな事情から実質的に十分な教育を受けられないまま学校の配慮等により卒業した者、そして4点目に入学を希望する不登校となっている学齢生徒となっております。  文部科学省は、不登校経験者や外国人らの学びの場となっている夜間中学に通う生徒がいる世帯に対し、早ければ2020年度から教育費を財政支援する方向で検討している。不登校生徒の増加や政府の外国人材受け入れ拡大に向けた取り組みを踏まえ、夜間中学のニーズは今後、高まると見ており、手厚い支援体制を探るため、同省はまず生徒のいる家庭の経済的負担の実態調査に乗り出す方針。夜間中学のある自治体を対象に、利用世帯の所得層のほか修学旅行や校外学習といったイベントごとの支出を調べ、19年夏までに結果を取りまとめたい考え。政府がことし6月に閣議決定した教育振興基本計画では、全ての都道府県に夜間中学を最低1校設置する目標を掲げている。文部科学省が7月に策定した夜間中学に関する手引では、市区町村に限らず、都道府県でも公立高校の空き教室に設けられることなどを周知。全国の自治体に設置検討を呼びかけていると報道をされております。夜間中学の開設に向け機運の醸成が進んでおります。  そこで知事には文部科学省による経済負担の実態調査についてどのように受けとめるのか、また本県の夜間中学検討部会の取り組み状況をどのように捉えるのか伺います。  鳥取県においても広く県民の皆さんへ夜間中学の現状や必要性を認識・理解していただくためのシンポジウムが企画をされました。  10月27日、28日に米子市、鳥取市において鳥取県における夜間中学の可能性を探る学びの機会確保に向けたシンポジウムを開催。  基調講演では「学びの機会確保の必要性と夜間中学設置の意義について」と題した基調講演のほか、パネルディスカッション、「学びの確保と夜間中学の可能性」ではパネリストとして京都市立洛友中学の間野郁夫校長から夜間中学の実情として不登校生徒の通う昼間部と夜間部などが紹介されております。また、シンポジウムには県外からの参加者もあったと聞きました。  そこで教育長には、1点目に、このシンポジウムについて参加者の反響はどのようなものであったのか。  またこのシンポジウム開催をどのように評価し活用するのか所見を伺いたいと思います。  2点目に、パネリストとして参加された京都市立洛友中学校、また尼崎市立成良中学校琴城分校を調査研究部会で先進地視察をしていますが、実情について所見を伺います。  夜間中学設置においては重要課題としてニーズ調査があります。県内の公民館、図書館、隣保館のほか福祉協議会、ハローワーク、鳥取県国際文化交流財団などにアンケート用紙を設置し夜間中学のニーズ調査を行っていますが、ニーズ調査の現状と今後の方向性についての所見を伺いまして、壇上からの質問といたします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)澤議員から、まず水素社会につきまして、さらには夜間中学につきましてお尋ねをいただきました。  鳥取すいそ学びうむの利用状況、あるいは鳥取県の取り組み、さらには県水素エネルギー推進ビジョンの現状や今後の推進体制につきましてお尋ねがございました。  これらについては議員からも御指摘がございましたけれども、すいその学びうむ、これが鳥取ガスさんの会社に併設をされるような形でそこに誕生しました。これは国の支援も受けまして設置をし、いわば実証実験的に水素社会をここにつくってみようということであります。  このたびの私どもの学びうむの新しいところは、燃料電池車、水素を使った車でございますけれども、それにスマートハウス、さらには発電施設、こういうものを組み合わせて行おうというものでございまして、それが積雪地帯である鳥取県でどうなのか、日本海側でこうした取り組みというものをやっていく意味があるのではないだろうか、そういうようなことで国とも共同をしながらこのプロジェクトを進めてきたということでございます。  平成28年にできまして、昨年は大体700人ぐらい入場者がございまして、ことしも既に1,000人近くなってきております。今年度は1,000人を超えてくるのではないかなというふうにも思われます。それはやはり学校などでこうした夢のあるエネルギーのあり方、水素を基軸としたような社会、究極のクリーンなエネルギー社会を視察しようと子供たちがやってきたり、また最近では夏休みの自由研究などに向けたそういうサポートなどもここでやったり、また先般は鳥取すいそ祭りというのをされました。ここで熱気球を上げるなどわかりやすい形でそういうクリーンなエネルギー社会というものを体験できるように工夫もされてきておりまして、そういう意味で、徐々にではありますけれども、こういうプロジェクト、夢の社会というものに対する認識が地域でも広まってき始めているのかなというふうに思います。  そこで水素エネルギー推進ビジョンというものを掲げてやってきているわけでございますけれども、国の想定どおりになかなかこの水素社会に向けた燃料電池車の推進、あるいは水素ステーションの設置、さらにはエネファームと言われますようなそういう施設、設備の設置が進んでいないという実情がありまして、本県も全国の動向と同じような形でビジョンは国との並びで考えてきているところではありますけれども、国もかなり達成にはほど遠い状況でありますが、本県も同様の状況であります。恐らく大幅なコスト削減や普及が図られてこないと、なかなかそうした状況には到達しないのかもしれません。それは中長期的な課題でございまして、まだ何十年も先を見越しながら今動いているということだろうと思います。  ただ、そういう中でも例えばエネファームであるとか、多くの方々も参入できるチャンスのあるものもございますし、水素ステーションをさらに設置して、卵が先か鶏が先かということはありますけれども、燃料電池車の普及とあわせてそうした設備設置というものも必要だということになります。  現在そういう意味で水素ステーションの設置に向けた研究会を関係者とスタートさせていただいているところでございますし、さらにこういう省エネタウンといいますか、スマート水素タウンを実現できないだろうか。もちろんモデル的にという意味でありますけれども、そういうスマート水素タウンの実現に向けて、まずは実験事業として導入的なことができないかどうか、もともとこのすいそ学びうむの設置に向け本田技研さんとか、積水ハウスさんとか、鳥取ガスさん、さらにそれに加えまして金融機関や、また大学の先生等も入っていただきまして、今そうした研究作業もスタートさせたところでございます。まだ緒についたところという状況ではございますけれども、今後も国のほうの第5次のエネルギー戦略もございますし、水素普及に向けました水素基本戦略というのもございますが、そうしたところの動向もにらみながら、私どもも時代が移り変わっていたときに山陰が取り残されないように私どもも私どもなりのモデル事業の推進等を図ってまいりたいと思います。  次に、夜間中学等調査研究部会等で県のほうで研究しているわけでありますが、文科省のほうの実態調査、それから部会の県の検討状況についてどのように考えるかと、こういうお尋ねでございます。  これはまた教育長のほうから詳細なお話があると思いますが、私ども執行部としては、教育委員会で今検討を進められておられますので、我々もその状況をフォローしてまいりたいと思いますし、議員がおっしゃった国のほうの文科省の調査が新年度の予算要求の中に入ってきております。まだこれから予算編成作業、最終的にどうなるかちょっとよくわかりませんし、内容もまだ詳細はよくわからないのですが、文科省のほうの調査は、夜間中学に通っているそういう生徒さんの実態を調査して、負担のことも含めて教育を受けやすい環境づくりについて調査をすると、こんな趣旨ではないかなというふうに考えられます。  こうした調査なども行われて、夜間中学に向けた環境づくりが整うということは、それは教育を受ける権利の保障という意味でも意義のあることではないかなと思います。  夜間中学自体は、なかなか事情があって中学校教育を受けられなかった方々であるとか、あるいは最近ですと不登校等々のいろんな事情で学校に通いにくい、そういうお子さんの受け皿というような意味もあります。また、学び直しというようなことで、やはり憲法で保障されている教育を受ける権利というものを保障していこうというようなことでもありましょうし、その意義というのは十分にあると思います。  中学でありますので、市町村の役割というのが重要になってくるわけでありますけれども、国のほうのそうした実態調査にも注目をさせていただき、県のほうのアンケート調査だとか、それからシンポジウムだとか、いろいろと県民の皆様との対話も含めて検討をされておられますので、そうした実情もフォローしてまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)澤議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私のほうには夜間中学につきましてお尋ねがございました。これまで取り組んできた先進校視察あるいはシンポジウム、ニーズ調査のことなど評価も含めてお尋ねがございました。  詳細につきましては具体的に先進校にも視察に行って、このシンポジウムでもパネラーとして参加しております足羽教育次長からお答えを申し上げたいというふうに思います。  これまでの検討の中で、議員からもお話ありました夜間中学、外国人の方でありますとか、不登校の者でありますとか、学び直しが必要な者、いろんな方々を対象にして設置をすることができる、いろんな役割を持つことができるわけなのですけれども、そうした中で鳥取県としてどんな夜間中学のニーズがあるのか、そうしたあたりが議論の中心となってきたわけです。委員の方々あるいは県民からは鳥取県で緊急に手を打たなければならないのはやはり不登校対策ではないかといったようなお話、夜間中学をそのための一つの選択肢とすべきではないかといったような御意見、またこれに関連して民間の事業者の方からも何とかこの不登校対策、緊急に手を打たなければならない、そのために夜間中学、本来は公立の夜間中学ということなのですけれども、それを民間と公のほうで協力して、連携して何とか設置することはできないだろうかといったようなお話も伺っているところでございます。  また、一方、この不登校のことで言いますと、先般もこの議会でも御議論がありましたが、教育支援センターでありますとか、フリースクールでありますとか、いろんな方々がこの不登校児童生徒のために尽力をいただいている。そうした既存の教育機関でありますとか、その役割分担というものをきっちりある程度整理しながら進めていく必要があるのではないかといったこと、あるいは夜間中学を新たにつくるということにつきまして非常にコストのかかることでもあるし、そうした既存の教育機関等々の機能をより充実させる、そこに支援をしていく、そこを強めることで対応ができないだろうかと、そうしたことも含めて慎重に検討をすべきではないかといったような御意見もいただいているところでございます。  今どうするという方向性をまだ出しているわけではございませんが、今後こうした御意見でありますとか、この県議会での御議論、また別途行っておりますニーズ調査の結果等々ここから出てきます課題を整理しまして議論を、あとこの審議会の研究部会、今年度2回程度開催したいというふうに思っております。そうした中で夜間中学等の方向性について検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。 ◯議長(稲田寿久君)足羽教育次長 ◯教育次長(足羽英樹君)澤議員の質問に補足答弁をさせていただきます。  シンポジウムについて、そして先進地視察、そしてニーズ調査の3点につきまして、私が実際に行って学んできたことを含めまして御報告を申し上げたいと思います。  今年6月県議会におきまして澤議員から御提案をいただきました、この学びの機会確保等につきまして、県民の方にもしっかり広く周知をしていくべきというふうな御意見のもとに、10月27日、28日の両日、米子市、そして鳥取市の2会場でこのシンポジウムを開催いたしました。  学校関係者でありますとか、不登校児童生徒の保護者の方など、両会場でちょうど64名ずつ、128名の参加をいただいたところであります。米子市会場には澤議員もお越しをいただき、熱心に傾聴をいただきましたことを感謝申し上げます。  この基調講演の中で文部科学省の室長補佐のほうから、夜間中学を取り巻く現状でありますとか、学ぶ機会の確保、あるいは夜間中学の意義といったようなことをしっかり説明いただきました。  また、そうした説明を受けまして、参加された方々からは、夜間中学についてこれまで全く知らなかったが、今回のシンポジウムを通して理解できたこと、今後自分からも発信をしていきたいといったような積極的な声ですとか、あるいは先ほど教育長が申しましたが、やはり不登校対策にこれは力点を置くべきではないかというふうな御意見、またあわせて既存の機関等との連携、あるいは役割整理が必要ではないかといったような御意見をいただいたところでございます。  参加された皆さんの声、あるいは県民の方々にとりましては、このシンポジウムの目的でありました、いかなる学びの機会が確保できるのか、あるいはその必要性、意義といったようなことを広く県民の方に周知ができた、そういう意味でこのシンポジウムは意味のあるものであったというふうに理解しております。  また、このシンポジウムに先立ちまして、10月16日、17日の両日、京都、そして尼崎の2校を訪問してお話を伺ってまいりました。  簡単にですが、学校を紹介いたしますと、京都市立洛友中学校は、かつて夜間部を設置していた中学校を前身とする学校であります。現在は不登校の現役中学生が通学する昼間部、また高齢者や形式卒業者の方、外国籍の方が通学する夜間部とで構成された全国唯一の学校でございます。  また、1976年に開校した尼崎市立成良中学校琴城分校は、学齢期の不登校生徒は対象外でございまして、義務教育の年齢を超えた方が対象の学校、中学校未修了者等、あるいは外国籍の方が学ばれている学校でございました。  両校とも開校から10数年の歴史を持っていらっしゃる。この地域、あるいは時代、社会のニーズにあわせていろいろ変遷をたどって今日に至っていらっしゃるということを伺っております。  両校を視察しまして、こういう学びのスタイル、学校のパターンというのは違いますが、共通して感じたことは、学んでいらっしゃる生徒さん方の学びたいという熱意でありますとか、同じような境遇にある方がともに競い、学び、高め合う姿、その意味では洛友中学校の校長先生がおっしゃっていらっしゃいました学びの原点がここにはあるというお話、これが私は一番印象に残ったところでございます。  また、今回の視察では洛友中学校を設置していらっしゃる京都市の教育委員会にも話を伺ってまいりました。広い140万人の京都市、その中で2校の設置、通学区域の問題ですとか、あるいは希望者が減少しているといったような課題、そういった本県で今後検討していく上での参考になる御意見も伺ったところでございます。  最後に、ニーズ調査につきまして御報告を申し上げます。  現在締め切りをしたところでございますが、約6,000枚のアンケートはがきによるニーズ調査を行いました。103件の回答があったところでございます。形式卒業者等の学び直し、あるいは外国籍の方から99件、そして学齢期の不登校生徒関係の方からは4件といった内訳でございました。  詳細は今、分析中でございますが、その一部を紹介いたしますと、夜間中学を知っていると答えられた方は42人、それから知らないと答えた方が60人、1人未回答でございましたが、その意味でも先ほど申しましたシンポジウムを開催したことは、この夜間中学の存在意義を周知する上では効果があったのではないかというふうに思っております。  また、この103件の回答の中では、自分が対象者だと思うと答えられた方は6名しかございませんでした。その意味では、この対象者ではない方の意見が大半であったことから、今後そういう対象者となるような方への具体的な説明、周知をもっと図っていくということが課題であるなというふうに思っているところでございます。  この3つの点をあわせまして、ニーズ調査も含めまして、またシンポジウムの意見、あるいはこの先進地視察を含めたものをもって今後、調査研究部会でしっかりと方向性等について検討をしてまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)32番澤議員 ◯32番(澤紀男君)答弁をいただきました。  まず、知事、水素のことなのですけれども、概略的なことは大体お聞きしましたし、そういうことなのだろうなと思っていますけれども、私がもう少しお聞きしたいのは、現状は、中間目標を持っていらっしゃいますけれども、それに対してどうなのでしょうかということと、それに向かって新しい目標をどういうふうに考えていらっしゃるのかということも少しお聞きしたいというのがこれの趣旨なわけです。あとはもう知事がおっしゃられたとおりでやはりいくのですけれども、計画は立てているけれども、具体的にどうだということを再度御答弁をお願いしたいと思っております。  それとさっきの夜間中学のことにつきましては、私も参加させていただいて、やはり確認できたことが一つありました。  一つは、私も夜間中学については、2016年12月7日に教育機会確保法案が成立したわけですけれども、それ以前に東京の葛飾区の双葉中学に伺って、そこで現状を視察させてもらいました。そのときに、議会でも取り上げましたけれども、現状一番感じたのは、やはり10歳代から80歳ぐらいの方がたくさん来ていらっしゃった。やはり外国籍の方もそのうちの3分の2ぐらいはいらっしゃった。お話しした中で、不登校、それで学び直しをということで夜間中学に通って、それから夜間の高校、そして夜間の大学で、教員採用試験を受けて東京都の教員になった、その先生が双葉中学にいらっしゃった。これは知事に言っていただいたのですけれども、それを思い出しながら、そこで一番感じたのは、やはりその方が順風満帆に行ったわけではない。やはり大分苦労をされて、いろいろとアルバイトもしながら、字も読めない、そういう方だった。領収書に企画の「企」の字が書けなくて、来たお客さんから本当にばかにされた。そのときに励ましてくれたのが一緒に学んでいた80歳代のおばあさんだった。こういう学びの触れ合いということを感じました。  それともう一つ、これも2月に質問をいたしましたが、沖縄のNPOの珊瑚舎スコーレに伺ったときも、これは学齢といいますか、戦中戦後の大変な中の方だったのですが、そういう学びの姿を見ました。そこはNPOですから、昼はいわゆる子供さん、小・中・高と、こういう格好の生徒さんを受け入れてやっていますけれども、やはりその方たちの触れ合いがあった、これが一番だということでした。  私は、このシンポジウムに出て、そこのところは確認ができたわけです。京都の洛友中学の校長先生もいみじくも言っていらっしゃった。これは2部制になっていますけれども、いわゆる夜は、そういう高齢の方といいますか、若い方ではない方が来るのですが、その人と昼間の生徒ですね、やはり触れ合いを持たせる、基調講演の中でありましたように、若い世代が高齢者から触発を受けて相手を思いやる、人間的に大きくなった、これを私はそこでやはり確認をしましたし、夜間中学の意義というものは本当にここにあるのではないかなと思っております。
     そういう意味で不登校の方、いろんな方がいらっしゃいますけれども、しっかりと進めていただきたいというのをまずは思っております。  そして先ほどニーズ調査のことについて言われました。やはりニーズはあると私は思っております。埼玉県の川口に来年できますけれども、埼玉県庁の教育委員会にも行ってお話を聞きました。なかなか集まらない。それはそこに行っていないからだということを思いました。行っていないというのは、なかなか発信できていない。  そういう意味で、いわゆるいろいろなパンフレットをつくっていますけれども、鳥取県がつくっているのはやはり日本語なのですよね。母国語、英語とか、韓国語、それからあそこはトルコ語とか、そういうようなことまでやりながら、QRコードを使いながらやっていたと。そういうこともしっかりと知っていただくという意味ではこれから進めていただきたいなということを思っております。ちょっとここのところの答弁をお願いできますでしょうか。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)水素社会の展開につきまして重ねてお尋ねがございました。  詳細につきましては生活環境部長のほうからお答えを申し上げたいと思いますけれども、これから環境イニシアティブプランを作成していくということになります。環境審議会のほうでの御議論を進めていただくことにもなりますが、そういうところでまた大枠御議論があろうかと思いますし、それから先ほど申しましたように現実どういうようなことが今後、展開し得るのか、それにつきましてエコタウン、水素タウンというものをモデル的にもどう考えるのかとか、水素ステーションの推進方策を研究会のほうで議論していこうとか、いろいろと今、関係者と議論を進めております。  そういう中で必要に応じて今後見直しをしていくということは考えるのかなと思っておりますが、まずはちょっと大きな目標を示したところでありまして、鋭意それを実現すべく努力をしていくという段階かなと思っております。 ◯議長(稲田寿久君)酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)水素エネルギー推進ビジョン等につきまして補足の答弁を申し上げたいと思います。  県では、平成28年2月に水素エネルギー推進ビジョンというものを策定いたしまして、その中で、先ほどもございましたけれども、水素ステーションでありますとか、燃料電池自動車、あるいはエネファームの設置目標といったものも掲げております。先ほど知事の答弁にもございましたけれども、まだまだこういったものについては全国的にも普及が進んでいないということがございまして、掲げております目標、なかなか非常に厳しい状況にはございます。  ただ、クリーンなエネルギーということで、この水素社会というものも国のほうも水素基本戦略というものを掲げて水素社会実現に向けた取り組みを推進していくということをしております。  本県といたしましては、日本海側のトップランナーを目指して、この水素ビジョンのほうを早目に設定をして、国の計画とともに進めていこうというふうに考えております。  具体的な施策の展開と方向性でございますが、フェーズを1から5まで設けておりまして、今現在はフェーズの1というところで、まず水素エネルギーの実証拠点を整備して、先ほどもございましたが、すいそ学びうむというものを設置して、まずそこで普及啓発を行っていくと。さらには今現在検討中でございますけれども、スマートハウス化ということでコミュニティーでの、各家庭でのそういった水素の導入に向けて今、研究会を立ち上げて進めておるところでございます。まだまだそれこそ計画にまず取りかかった段階でございますので、ある意味長期的な計画の中で進めていきたいというふうに考えております。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)澤議員から重ねて夜間中学につきましてお尋ねがございました。  運営の形態といいますか、どういう者を対象にするか等々いろんな考え方があろうかと思います。先ほどお話がありましたように、いろんな年齢層の方が同じ学びたいという意欲を持ちながら、中には半分交流も含めて一緒になって学んでいく、そうしたよさもあろうかというふうに思います。そうした議論なども踏まえて検討を進めたいと思いますし、ニーズ調査につきましては、実は鳥取県でも英語、韓国語、中国語、そうした外国語も含めたアンケートの用紙をつくって、これは国際交流財団などを含めて幅広く配布をしたのですけれども、なかなか当事者御本人に届きづらい。これはどこの県がやられていても同じような状況だとお伺いしていますが、そうしたことがあって先ほどの回答結果ということになっておりますが、引き続きそうした対象の方々を支援しておられる方々などの意見をお伺いしながらニーズを把握する、そうしたことにも努めてまいりたいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)32番澤議員 ◯32番(澤紀男君)答弁をいただきました。  水素のことについて、余りくどくど言うとあれなのですが、具体的に数値と言ったので、中間報告はそれで行くのでしょうかということぐらい本当はもう少し聞きたかったのですね。  答えられたらまた後でお願いしたいのですけれども、時間がありませんので、ちょっときょうは教育問題について、LGBTについてお願いしたいと思うのですね。  LGBTは、レズビアンとかゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの4つの頭文字から成るセクシュアリティー、性的少数者を指す言葉としても使われております。国内の調査ではセクシュアルマイノリティーの人口比率は約5%から8%、約13人から20人に1人くらいいる可能性とされております。  8月15日付の日本海新聞にロバート・キャンベルさんの記事が掲載をされております。記事では、谷川とむ衆議院議員による同性愛は趣味のようなものだなど、性的少数者、LGBTをめぐる一連の問題発言について、日本文学研究者のロバート・キャンベル東京大学名誉教授は14日、共同通信の取材に応じて、自身が同性愛者だと明らかにした上で、政治家がこういうことを言うことに幻滅し、危惧も感じると批評し、性的指向は自分の中に通底する一つの芯のようなものと述べた。大きな誤解が波及していくと感じ、同性愛者である自分の立場から批評することが重要だと思ったと語ったと。月刊誌の寄稿でLGBTを「生産性がない」、「性的嗜好の話です」と表現した自民党の杉田水脈衆議院議員に対しても性的指向を嗜好と混同させるように書いている。努力で変えられると思っているようだが、直せばいいという論理は多くの人の苦しみを助長すると反発をした。  キャンベルさんは米国生まれ。1985年に来日し、九州大専任講師や東大教授などを経て現在は国文学研究資料館の館長。日本人男性のパートナーと20年過ごし、昨年には米国で結婚もした。職場の同僚や友人には明らかにしていたが、公の場で公言することはなかったという。  日本社会のLGBTへの態度をやんわりと遠巻きに見るが、表立っては公認しない。一人一人の当事者の可能性を閉じ込め、開花させない力が働いていると見る。同性婚を初めとする諸制度の整備をどうするのか。議員の発言は悲しい発言ですが、私の発言も含め、一緒に考えていこうというきっかけになればと強調したとあります。  そこで知事にはこのロバート・キャンベルさんの発言をどのように捉えるのか、また、この県庁内での人権教育でLGBTへの取り組みについて現状どのように評価をするのか今後の取り組みとあわせて伺いたいと思います。  そして教育現場でも人権教育として一層の取り組みが必要なことは言うまでもありません。  学校教育の中でLGBTや多様な性に関して知る機会がなかった高校生は、ReBitの出張アンケートの約9割に上り、正しい知識を得る機会のないまま大人になってしまいます。また、正しい知識の不足により無理解が生じ、LGBTの約68%がいじめや暴力を受けたことがあるとの調査もあります。この現状を受けながら、同じくReBitの出張アンケートでは教職員の1割しかLGBTについて知識を得ていないことからLGBTの子供は支援者を得づらい状況があるといいます。  この11月15日に県立鳥取湖陵高校の人権教育研修会が行われ、私も参加をいたしました。「多様な性から考える-全ての子供が過ごしやすい学校とは?」をテーマにNPO法人のReBitから2名の講師を迎え行われました。  研修会では、まず多様な性について伝えることは、多様な性を切り口に多様性を考えることで違いを受けとめ合い、誰もが安全に過ごせる居場所となる。  教育現場でできることとして、カミングアウトされたときの3つのステップが紹介をされました。1点目が聞くということです。初めて人に話す子供も少なくありません。人がいない場所に移動する、話してくれてありがとうを伝えるなど、安心して相談できる環境をつくる。そして2点目が知るです。どうして伝えてくれたのか聞いてください。その子が何に困っていて、何を求めているのか、どんな対応ならできるのか、対話の中で進めていく。そして3点目がつなげるということです。よりそいホットラインやNPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会などの相談窓口を活用する。先生も匿名性を守りながら利用してくださいと。  そして次に、2つのないということが紹介されました。1つが決めつけないです。自分のセクシュアリティーを決められるのは自分だけです。思い過ごしではないの、いつか治るよ、君は性同一性障害ではないのかなど否定したり、決定したりしないでください。2つ目が広めないです。共有しない。あなただから話したということは少なくありません。本人の同意なく、第三者に伝えることは避けてください。ほかに誰か話している人はいるか、確認してくださいと具体的な説明がありました。  そして先生のほうからの声として、先生としてあしたからできることは、呼称をさんで統一する、子供たちの間で多様な性に関するやゆや笑いの種にしているのを見かけたら声をかける等です。  学校全体としてあすからできることはとして、学校だよりや保健だよりに多様な性に関する情報を載せるなど具体的な事例を挙げ紹介をされました。明快でわかりやすい研修会となりました。研修会に参加した鳥取湖陵高校教職員の方々の教育現場での推進を期待しております。  そこで教育長に伺いますけれども、1点目に、教育現場でのLGBT人権教育は一層重要になりますが、指導する教職員の育成について現状と今後の取り組みについて所見を伺いたいと思いますし、2点目に、小・中・高等学校でのLGBT人権教育の取り組み状況について、どのように評価をしているのか今後の取り組み計画とあわせて伺いたいと思います。よろしくお願いします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)澤県議から重ねてお尋ねがございました。  まず、水素社会につきましては、重ねて部長のほうから数字的なところにつきまして御説明を申し上げたいと思います。  また、LGBTについてでございますけれども、議員の問題意識のとおりだろうと思います。これは今まで隠れていた問題が顕在化したのではないかと私は思っているところでございます。先ほどロバート・キャンベルさんのお話がございました。ロバート・キャンベルさんのことで、カミングアウトをすると。そういうことに対するいろんな世の中の風潮もあるわけでありますが、最もやってはいけないことはアウティングと言われる排除をするようなそういうことだろうと思います。やはりそれぞれの人の個性、人格というのがあり、それを一人一人尊重していくと、それが社会のいわば暗黙といいますか、当然のルールであるわけでございます。そういうことはこういう性的指向ということからも当然保障されなければいけない分野でありまして、本県というか、我が国の場合、この辺は意識が低かったのではないかなと思います。  私も20年余り前から海外で学んだり、研究したり、そういう機会がございまして、サンフランシスコのほうの近郊でバークレーにいたころなどもよく言われたものでありますが、非常にLGBTについては理解のある地域だというふうに言われていました。  リベラルという言葉は、その裏返しのようなところがございまして、当然ながらそういうことを容認するというのが世界の標準になっていたわけです。ただ、当時、私は日本のほうでこんなような話をしますと非常に奇異なこととして受けとめられたというふうに記憶をしているところでございますが、ようやく最近そのLGBTというものが存在するのだと、これは尊重されるべきものだというふうに意識が変わってきつつあるのではないかなと思います。  ロバート・キャンベルさん御自身も10月21日ですか、鳥取県に来て、大山開山1300年祭の行事で講演をされました。それで大山は大変に好きなところだというふうにおっしゃっていましたが、地蔵信仰、あるいは大山を初めとした文学、日本文学につきましての思いを語っておられたわけであります。  実はそういう日本の古い文学などの中にもLGBTの要素というのは本当はあるのですね。ロバート・キャンベルさんはそこを意識しているかどうかはあれですけれども、私自身高校生のころに徒然草などを読み解く中でも教えられたことがあるのですが、稚児というのは結構登場するのですね。そういう稚児に対する僧たちの思い等々の中にはそういうLGBTの傾向というものがあるのだというようなことを当時教わったこともございます。これはかなり古代からそうしたことは本当はあったと。しかし、それが顕在化していない日本社会の実相というのがあったのかなというふうに思うところであります。  本県でも人権意識についてアンケート調査をしましたところ、実はこういうLGBTに対する理解がやはり乏しいという回答が8割ほどございました。それで平成28年に人権施策の基本方針をつくるとき、県庁の中でも私も指示をさせていただきまして、こういう新しいLGBTという課題について、前例踏襲で前のまんま方針をつくろうとする傾向が役所はどうしてもあるのですが、LGBTなどもしっかりと盛り込んで方針というものはきちんとやらなければいけないと。その後、もちろんその方針の中に入れまして、それから啓発活動というのも現状させていただいているところです。  最近でも先月15日、16日には、このLGBTの研修会を米子市文化ホールや県庁の講堂のほうで実施をいたしました。  また、17日には倉吉で、feelgoodというグループが「カランコエの花」という映画を上映されるのですが、これはLGBTを扱っているわけでありますけれども、これも県のほうが共催をさせていただいています。  また、最近でも鳥取大学の学生なども非常に熱心にこの活動にかかわってくれていまして、例えば虹色らくだのほうでLGBTの成人式というものをやろうではないかと、こんなようなことを全国の運動の一環としても実施をされたりしています。こういうようなことをいろいろと地道に展開をしながら、社会の中での認識を深めていくことが重要ではないかなと思います。 ◯議長(稲田寿久君)そうしますと具体的な数字を上げて補足の答弁を求めます。  酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)水素エネルギー推進ビジョンの達成状況について数値のほうの補足答弁を申し上げたいと思います。  2030年の数値目標を掲げて今取り組みを進めておりますけれども、水素ステーションにつきましては2030年で10基の目標としておりますが、現状1基でございます。  FCVにつきましては、2030年の4,400台という目標に対しまして、残念ながらまだ2台という状況でございます。  また、エネファームにつきましては、2030年の目標1万台に対しまして、250台程度という状況でございます。  こういったFCV、水素ステーションでございますが、FCVを普及させるためには水素ステーションの整備が必要不可欠でございます。卵が先か鶏が先かということになりますが、県内のエネルギー事業者等を対象にこういった水素ステーション整備のための勉強会も定期的に開催をしているところでございます。  また、国のほうでは、第5次エネルギー基本計画でありますとか、水素基本戦略のほうで水素社会実現に向けた取り組みの抜本強化を明記いたしております。今後、水素に関する規制緩和でありますとか、技術革新が進むことで低コスト化による普及が期待をされるところでございます。  今後とも国あるいは企業の動向を注視しながら、本県での水素エネルギー推進ビジョンの見直しも検討するとともに、水素ステーション研究会、こういったものを通じて本県での水素社会実現に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)澤議員から重ねてLGBTにつきましてお尋ねがございました。  おっしゃるとおり、正しい理解というのが一番重要だろうというふうに思っておりまして、子供たちにしっかりと理解をさせるために教員の理解というものが必要になるというふうに思っております。  そうした意味で、まず教員といいますか、学校を指導する我々事務局もこのことをしっかり学んでいこうということで、事務局の研修なども始めたところでございますし、今年度高等学校の人権教育主任を対象としました研修会の中でこのLGBTを扱っております。  そうしたことに加えて、さき方知事のほうから御紹介がありましたような知事部局等で開催される研修会の案内をして、それに向けて参加を促すというようなこともやっておりまして、そうした中でさき方お話がありました鳥取湖陵高校など学校の中でもそうした研修が行われるようになってきて、これは徐々に広がっているというふうに認識をいたしておるところでございます。今後こうした学校での教職員研修がさらに進みますように、私どものほうで学校で行う教職員を対象とした新たな研修プログラムをつくって、それを学校のほうに広めていくことでこうした研修会がやりやすくなるようなそんな環境づくりを行っていきたいというふうに思っております。また児童生徒に対しても各学校で例えばNPO法人などの御協力も得ながら講演会を開催したりというような子供たちに対する教育も徐々に広がりつつあるということでございます。  来年度4月から道徳が教科化されるということで、中学校の教科書の中にそうしたLGBTを扱う教科書、これは県内の多くの中学校も採択している教科書ですが、そうした取り上げ方もされておりますので、そうした中でも学びが進んでくるというふうに思っておりますし、私どものほうでも基礎的な知識でありますとか、指導案など教職員が児童生徒に対して教育をするときの参考になるような指導資料についても作成を検討してまいりたいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)32番澤議員 ◯32番(澤紀男君)答弁をいただきました。  水素は、もうちょっと言おうかと思いましたけれども、本当は2020年、短期目標のロードマップがどうですかということをお聞きしたかったということです。もし答えていただけるのだったらお願いしたいと思います。  特色ある専門高校ということについて質問をしたいと思います。  専門高校での学び、思考、実践する、体感する教育は未来を開く源になると、こういうように思っています。新聞等で報道されておりますけれども、鳥取商業高校で25回目となる鳥商デパートですね、これを12月1日、2日に同校で開催し、生徒でつくる経営委員会が中心となり、特産品など商品選びから仕入れ、販売まで手がける毎年恒例のイベントで、2日間で来場者1万人、売り上げ1,000万円を目指しました。また、境港総合技術高校では同高の食品加工実習棟で新巻ザケの製造を行っております。甘塩仕立てでおいしいと好評で、贈答用としても人気。美保湾で養殖された全長1.5から2キロのギンザケ、境港サーモンを使い、計1,200本をつくります。新巻ザケは冷凍保存し、生徒や教職員、関係先、一般にも販売、毎年買い求める人たちの長蛇の列ができ、販売開始と同時に完売となります。他の専門高校においても特色を生かし地域と密着した取り組みが行われております。  そこで知事には紹介した専門高校の取り組みと地域連携についてどのように見るのか、また地域に及ぼす波及効果への期待についてどのように思うのか、また県内の専門高校への期待について伺いたいと思います。  教育長には紹介にした専門高校を実践教育の観点からどのように評価するのか伺いたいと思います。  県東部の4専門高校、鳥取商業、鳥取工業、智頭農林、鳥取湖陵高校が共同企画したふるさと手づくり祭りが7月14日、鳥取市弥生町のパレットとっとりで開かれておりました。昨年一旦幕を閉じましたが、地域の活性化と県東部に根づく、ものづくり文化を絶やすまいと県東部の専門高校が継承イベントを模索し、新たな祭りを企画しました。企画した講座は鳥取商業のラッピング、鳥取工業のLEDライト、鳥取湖陵はモーターカーやカップケーキ、智頭農林は曲げわっぱ弁当など、専門高校ならではの技術を生かしたもので、高校生は木材加工や調理、保育など学校で学んだことを生かし、子供たちに教える先生役になり、ものづくりの楽しさを伝えました。実行委員会事務局の松本強鳥取湖陵高校教諭は、教える立場になることで、学んだことをアウトプットする機会になるとコメントをしております。会場には小中学生や地域の方350人が訪れました。  そこで知事には、この4専門高校による地域の活性化と、ものづくり文化の継承への取り組みをどのように捉えるのか伺います。  教育長には専門高校教育の上から県東部4校の共同企画開催についてどのように評価するのか、また教育的効果について所見を伺いたいと思います。  青少年交流事業として行われたジャマイカ・ウェストモアランド県との交流事業に県立鳥取湖陵高校から5名の生徒が派遣をされております。現地の高校生と料理を通じての交流を行っております。その様子が撮影され、日本海テレビで放映をされておりました。  2020年の東京五輪・パラリンピックで鳥取県はジャマイカチームの事前キャンプ受け入れが決定しており、鳥取湖陵高校では料理を通したおもてなしに取り組むとしております。  同校では、31年度の学校裁量予算学校独自事業として2020ジャマイカ事前キャンプおもてなし事業を計画しております。同校の生産物とジャマイカの名物料理や鳥取県の特産品を生かした料理を考案します。1年目のホップ、ジャマイカへの派遣、2年目のステップ、おもてなし料理の調査研究、3年目のジャンプ、おもてなし料理の完成により事前キャンプに来場された方々へのおもてなしを目指しております。  そこで、知事、教育長には高校生によるおもてなしの取り組みについてどのように捉えるのか、またどのような教育効果を期待されるのか所見を伺いたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)澤議員から重ねてお尋ねがございました。  まず、水素社会のロードマップの数字的なことにつきましては、酒嶋生活環境部長のほうから重ねて御答弁を申し上げます。  また、あわせまして専門高校につきましてのお尋ねが何点かございました。  新巻ザケをつくっておられる境港総合技術高校は1,200本地元の境港サーモンを仕入れているわけです。以前は北海道のサケを仕入れていたのですが、最近はそうした養殖が地元でできるようになりまして、つくるようになりましたけれども、非常に伝統的な教育でございまして、地元とも地域密着で、最近ではそうした地産地消にもなるようなすばらしい取り組みではないかと思います。  同じようなことはいろんな高校でもなされていまして、私自身も、鳥取県中部地震があった直後ですね、平成28年12月ごろでしたか、くらそうやというのを倉吉総合産業高校のほうでされるわけであります。ちょうど町なかの店舗を活用してされるわけでありますが、みんなで元気を出して地元の物産を売っていこうと、こんなようなことでありまして、こうやって地域に参画をする、そして地域のいろんなよいものを掘り起こして、それをみずからの技術や教養の向上につなげていく、いい専門教育のあり方になるのではないかなというふうに思います。  こういうことはほかにも智頭農林であるとか、あるいは倉吉農業であるとか、いろんな高校でもなされていまして、中には東京のほうで実際販売の実演をしたりとか、そういうように産業振興の一翼を担うというようなものも出てきています。  ぜひ教育委員会のほうでもこうした生徒たちの活躍、それも地域の人に認められるような役立ち感のあるようなそういう参画ができる方法というものをぜひ今後とも取り入れてやっていただければというふうに思います。  そういう意味で、ふるさと手づくりのイベントがございました。議員が御指摘いただきましたように、もともとは鳥取工業さんとか、それから地域のほうで鳥取商業とか、そうしたところでやっていたわけでありますけれども、土井先生という鳥取大学の先生がいらっしゃいまして、そういう手づくりのよさを、すばらしさを地域で体験してもらおうと、当初は大学でやっていて、智頭街道でされるようになってきたのですが、御退官されまして、それでこの事業を終わるということになりました。ただ、新因幡のこういう手づくりのイベントをやろうと、これで7月にされたわけでありますが、それとあわせて智頭農林や湖陵高校、さらに鳥取商業、鳥取工業、こういうところで4校で一緒になりまして、高校生主体で土井先生にも指導していただいたことを生かしながらイベントをやろうと、みずからされたわけであります。  非常にこうした意欲的な取り組み、そして子供たちに高校生が手づくりのすばらしさを教える。例えば智頭農林であれば曲げわっぱ、伝統的な高校でつくっているものでありますけれども、そういうものであるとか、そうしたことを次の子供たちのほうに伝えていく、そういうような場にもなるわけでありまして、非常に効果もあるようなものではなかったかなというふうに思います。  今後どういうふうに展開されるかは我々も注目していきたいと思いますが、いずれにいたしましても、こうしたものづくり人材の育成、それは地域のこういう循環的なやり方というのは非常に効果があるのではないかなというふうに思っております。  最後に、ジャマイカとの交流につきまして、鳥取湖陵高校の生徒さんの思いや活躍につきまして御紹介がございました。  これはジャマイカとの交流事業をことししまして、鳥取湖陵さんとか、それから米子高校が向こうに渡りました。米子高校のダンス部の生徒とか、それから料理の交流もございました。今御紹介がありましたようなことにつながるわけでございます。ジャムジャップチキンというふうに向こうで呼んだみたいなのですが、ジャムはジャマイカ、ジャップはジャパニーズのチキン。スパイシーであるのですけれども、ベースが日本流の空揚げというものを湖陵高校の生徒さんと、それから向こうのリトルロンドン高校の生徒さんが一緒になってそういうものを創作してつくった。それをつくるという作業を分かち合うだけでなくて、食を通じた異文化交流、それから友好を深め合う、食を通じた非常にいい効果的なものになったのではないかなと思います。  こういうことは実は向こうでいろいろと今回体験があったようでございまして、ゴードンさんという通訳さんの発案ということもあるのでしょうが、鳥取とジャマイカのウェストモアランドの交流のシンボルソングや踊りというものもでき上がりまして、そういうものも披露されたり、またダンスをされる子供たちが向こうの著名な世界的にも有名なカフェ、夕日が沈むのが見えるというカフェでありますけれども、そちらのほうでお客様と一緒に披露されたと、こんなようなこともあったりして、いろいろと思い出、それから非常に子供たち、生徒へのインパクトも強い交流でありました。  これを生かして、2020年にジャマイカがこちらでキャンプをするわけでありますから、それに向けて準備をしようと、こういうように鳥取湖陵のほうでも計画をされているところであり、そういう料理を通じたおもてなしであるとか、大変にすばらしいことだと思います。鳥取市と鳥取県とがそのホストタウンになっておりますので、ぜひジャマイカチームのおもてなしを通じて異文化への理解が深まる、これがまさにオリンピック・パラリンピックの重要な役割だと思います。そうした事業が展開されることを我々としてもサポートしてまいりたいと思います。  また、このたび11月30日ごろだったとお伺いしておりますけれども、ジャマイカのオリンピック協会、JOAのほうからサミューダ会長がいらっしゃいますけれども、本県の陸協の浜崎会長のほうに御連絡があったということでありますが、実は世界のリレー大会、国際リレー大会があります。本来これが開催されるところが急遽できなくなりまして、来年は横浜でやるということになったそうであります。その横浜で大会が開催をされるときに、ジャマイカは当然強豪チームでありまして、しかもこれはオリンピックの種目にもつながるわけでありますので、ジャマイカはぜひ参加したいと。そのときのキャンプに鳥取を活用したいという御連絡があったそうです。これから陸協を初め関係者と詰めていかなければなりませんけれども、そういう意味でこういう湖陵高校の生徒さんを初め、ジャマイカとの交流を盛んにしようという、そういう若い力が発揮される機会というのは近々やってくるのではないかなというふうに期待を申し上げております。 ◯議長(稲田寿久君)酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)県水素エネルギー推進ビジョンの達成状況、短期的な達成状況のほうを再度御答弁申し上げたいと思います。  先ほど御答弁申し上げたのは2030年と現状との比較ということで申し上げましたが、今、議員のほうは2020年の分ということでございました。2020年の短期目標も設定をいたしております。水素ステーションにつきましては3基、現状は1基ということでございますし、燃料電池自動車FCVにつきましては2020年1,100台という目標を掲げておりますけれども、現状は2台ということでございます。繰り返しになりますが、調達コストが依然として高いということがございまして、まだまだ全国的にも普及段階に至っていないというのが現状でございます。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)澤議員から重ねて専門高校等での取り組みにつきましてお尋ねがございました。  専門高校では、専門的な知識、あるいは技能を身につけるということに加えて、資格の取得でありますとか先ほど述べられましたような実践的な取り組みなどを含めて、地域を担うスペシャリストを育成するという、そうした使命のもとに人材育成を行っておるところでございますが、鳥商デパートはことしは天気にも恵まれまして1万300人を超えるお客様に来場していただきまして、売り上げも1,360万円ということで目標を達成したということでございますし、この中でひよこカンパニーさんでありますとか、ことしは新たに隼Lab.さんとも提携をするというような、地元の方としっかりと連携をしながらこうした実践的な取り組みをやっているということでございます。
     こうした取り組みは、さき方知事のほうからもほかの学校でもやっているという御紹介をいただきましたが、机上の学問とは異なりまして、まさに実践的な行動を地域の人とともに起こしていくということで、ここの中でいろんな人とかかわるということを学んでいく、あるいはそうした中で職業人としての使命感だとか倫理観だとか、そうしたものも同時に学ぶことができるといったようなことで、貴重な機会となるなというふうに思っております。  今後も各校の取り組みにつきまして、これは実はほかの県には余りない裁量予算という鳥取県独自のシステムで、学校のほうで考えていろいろ実施に移していけるような、そうした柔軟な予算編成をさせていただいております。そうしたものが有効に活用されているなというふうに思っております。引き続き県の教育委員会としても各学校の取り組みにさまざまな形で支援を行っていきたいというふうに思っております。  続きまして、4専門高校における連携した取り組み、ものづくりの取り組みにつきましてお尋ねがございました。これも知事のほうから御答弁を差し上げたところでございます。  教育委員会としても、これはものづくりということでこれまで鳥大の土井先生が取り組まれていたものを何とか継承する方法はないかということで湖陵高校の校長先生が中心となってこうしたやり方をことしされたようですが、非常に各学校の連携という点でも評価できる取り組みではないかなというふうに思っております。まさに高校生が主体となって取り組んでいるという中で、ふだんは自分たちが教えられる存在であるわけですけれども、実際に子供たちを目の前にしながら今度は教える立場になってものづくりについて伝えていく。そこの中では、コミュニケーション力も養えるでしょうし、プレゼンテーションの力も養えるということで、さまざまな教育効果がある取り組みだなというふうに思っております。  こうした取り組み、これは中部とか西部にも広がっていけばいいなと思っておりますけれども、こうしたことにつきましても引き続き支援をしてまいりたいというふうに思っております。  最後に、おもてなしにつきましてお尋ねがございました。  これは今月16日の日曜日には倉吉の駅構内にありますエキパル倉吉で青少年の交流報告会というのがありまして、そこの中でも報告をさせていただくということですので、お時間がある議員の皆様方、ぜひ顔を出していただければ幸いかと思います。湖陵高校はこの取り組みをまさに2020年のおもてなしにつなげようとしているわけですが、こうしたおもてなしの取り組みについては、まさにおもてなしをするには相手を知るということが必要ですので、さまざまな教科の中で相手を知る取り組み、そしてまた、自分たちのよさを生かしていくと、何が自分たちのよさなのかということを学ぶということでございまして、そうしたことの中で例えば役立ち感だとか自己肯定感だとか、そうしたことにもつながる取り組みになるのではないかなというふうに思っております。  高校生は東京オリンピック・パラリンピックでおもてなしをしていく立場にもなるわけですので、ぜひこうした取り組みが広がっていくように、県の教育委員会としても支援をしてまいりたいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、13時15分より再開いたします。        午後0時12分休憩    ────────────────        午後1時15分再開 ◯副議長(福間裕隆君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  6番錦織陽子議員 ◯6番(錦織陽子君)(登壇、拍手)日本共産党の錦織陽子です。  まず、消費税増税中止を求め、暮らし応援の県政についてです。  安倍首相が来年10月の消費税増税を表明しました。引き上げに伴い、食料品等の軽減税率導入、低所得世帯向けのプレミアム商品券、カード利用で5%還元など景気対策を次々打ち出していますが、増税前提では軽減は景気対策にはならず、負担と混乱をもたらし、県経済と暮らしにも重大な影響を与えると考えます。  知事は、県内経済の実態や家計消費をどう見ているのか。増税反対の姿勢を示すべきではありませんか。答弁を求めます。  2014年に消費税が5%から8%に引き上げられて以降、消費不況は続いています。そういう中、10月から生活保護の生活扶助費を3年かけて最大5%減額するカットが始まりました。原油の高騰が続き、灯油の配達販売価格は11月末現在で全国7位の高さ。2016年11月末で18リットル1,438円が、本年11月末では1,984円と500円も値上がりしています。生活保護世帯や低所得世帯の暮らしが懸念されます。福祉灯油・暖房費補助の制度創設、知事どうでしょう。  次に、高校生通学費助成についてです。  県内でも、世帯の負担を抑えるための助成制度は7町にふえています。各町で工夫を凝らしての支援ですが、平成21年6月議会で、知事は通学費助成について、将来的に絶対しないわけではない、様子を見るという答弁でしたが、県が通学費を支援すること、知事どうでしょう。  次に、外国人技能実習制度についてです。  8日未明に、外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正を自公、日本維新の会で強行採決しました。審議すればするほどぼろが出る。だから短時間で審議を打ち切って採決する。漁業法、水道法改正も同様に数を頼んだ横暴勝手。断固抗議します。  入管法では、新設する在留資格の人材の半数を外国人技能実習生や外国人留学生からの移行で賄おうと、昨年11月、従来制度のもとで横行する実習生、留学生の深刻な人権侵害を放置したまま技能実習生制度を見直し、これまでの3年間を5年まで延長。さらに今回の改正では、外国人労働者を新たに受け入れる14業種のほとんどを技能実習生からの移行を前提としていますが、技能実習生をそのまま特定技能に移行して働かせ続けたいというのが本音です。  技能実習生の雇用には、鳥取県内でも労働法令違反が報告されていますが、現状の徹底検証もなく、制度設計が不明なまま法改正を強行したことについて、知事の所見を求めます。  次は、産廃処分場建設についてです。  産廃処分場建設に反対する住民や農業者、漁業者の一番の反対の理由は、安全性に対する疑問です。ダイオキシンや重金属などの毒が処分場によって危険な汚水となって流れる、地下水に浸透する、環境を壊す、その不安が解消されていません。  現に、塩川に基準値を超えるダイオキシンが流れた。県は25年前の農薬由来だと説明しましたが、それなら50年後、100年後、20万トン埋められた産廃の危険物質が流れ出さないと言えるのか。  また、意見調整会議は何のためにあるのか。  県の役割、生活環境部長の役割は何か。条例の読み上げでなく、簡潔な答弁を求めます。  最後に、エネルギー政策と原発についてです。  中国電力は11月1日、島根・鳥取自治体関係者向けの島根原発2、3号機に係る審査状況説明会を開き、3号機の審査ストップも審査中の2号機の審査の中断も、手続上の問題で厳し目の御指摘をいただいたと冒頭挨拶。しかし、実際は3号機はバックデータのない申請をし、2号機も提出書類の不備です。中電が申請を急いだ背景は、7月に閣議決定した安倍内閣の第5次エネルギー基本計画です。中電は、3号機申請前の鳥取県議会全員協議会で、私の質問に対しスケジュール感はないと言っていましたが、11月の説明会で第5次エネルギー基本計画のエネルギーミックスを達成するためには3号機の早期審査と着工が必至と考えていたと述べるなど、エネルギーミックスを達成するため急いだというのが事実です。しかし、この第5次エネルギー基本計画は、既存の老朽化した原発を含む全ての原発と島根原発3号機と建設計画中の東京電力、青森東通原発を含めても20から22%は達成できず、第5次エネルギー基本計画は既に破綻しています。  共産党県議団の知事要望に対し、原子力発電所の必要性については国が適切に判断すべきもので、国に原子力事業からの撤退を求めることは考えていないと答弁されましたが、エネルギー政策は国が決めるもの、国の言いなりでいいのか、知事の答弁を求めます。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)錦織議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、消費税と、それから県内の経済状況実態に対する見方につきましてお話がございました。  これについては、データ的なこと等を含めまして、詳細につきましては商工労働部長のほうからお話をさせていただきたいと思いますが、近年でも社会保障の負担というのは300億円を超える水準になってきています。本県におきまして、これはどんどんふえてきている状況がございます。もともと消費税の議論が始まりましたのは、その前の国民福祉税構想の時代からそうなのかもしれませんが、こういう社会保障の負担が膨らむ中でどういうふうに国、地方相まってその負担を償っていくのか、その辺の議論があるのではないかなというふうに考えております。  議員も御指摘されましたけれども、現在政府のほうで、経済対策として例えば商品券であるとか、それからポイントというお話もあります。この辺は今どういうふうに固まってくるのか、ちょっと我々もフォローしていかなければならないところだと思っております。  いずれにいたしましても、私どもが痛いのは、自動車税の軽減措置がこのたび盛り込まれそうだということになっているところであります。どういうふうにトータルで経済を停滞させないような消費税の引き上げ時の対策がとられるのかどうか、これは県内の経済にも影響しますので、十分な対策が必要だということはこれまでも国に対して申し上げてまいりましたし、これからいよいよ本格化するのであれば、この辺も改めて要請をさせていただきたいというふうに思います。  また、消費税の引き上げでありますが、これによりましてさまざまな社会保障の負担のあり方も変わってくるところでございます。これがもし上がれば、それを財源として例えば介護保険の65歳以上の第1号被保険者がいらっしゃいますが、こうしたところで住民税非課税世帯に対する負担の軽減措置が実行されるというふうに予定をされてきたところでもございますし、まだ議論の途上ではありますが、子供たちの幼児教育等々の負担の軽減、あるいは免除ということにつながってくるところでありまして、この辺はこうした財源がなければ前に進まないところにもなっているところでございます。  もちろん税金の引き上げというのは痛みを伴うものでございます。しかしながら、片方でこういう社会保障が現状でもどんどん上がってきているという状況、それから今後を見据えて少子高齢化の適切な対策を国全体、あるいは地方も協力して打っていかなければならないというところはございまして、こうした消費税、いわば経済に影響を与えない形でこれを引き上げていただくということも、現在とり得るべき選択肢となってきたのではないかなというふうに認識をいたしております。詳細は商工労働部長からお答えを申し上げます。  次に、灯油、暖房費等につきましてお尋ねがございました。  ささえあい福祉局長からお答えを申し上げたいと思います。  また、高校生の通学費の助成につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、先週、12月7日だったと思いますが、県の町村会が要望活動に県のほうへお越しになりました。そのときに高校生の通学費助成について検討してもらいたいと、町村会のほうのお話がございました。そのとき、幹部の皆さんとやりとりをさせていただいたのですが、結論的にはこれから協議期間といいますか、お互いちょっと話し合いをし、そして調査をしなければいけない。現在どうなのか、どういう対策が望まれるのか、そうしたことをこれから話し合いながら、何らか県としても制度化に向けて検討しましょうと、こういうようなことを先週話し合ったところであります。  この週末も若桜町に参りまして、若いお母さんたちのお話がございました。高校生が通学するのが大変だというお話があって、やはり通学費助成のお話があったわけでありますけれども、若桜町は通学費助成をされていますが、それでも智頭町よりもむしろ通学費がかかっているという現状があると。計算してみるとどうもそうなるみたいです。矢部町長と話し合いもさせていただいたのですけれども、町のほうでもいろいろとそういう制度の枠組みは考えていただかなければいけないでしょうし、町村会とちょうどお話をしたところでありましたので、県も何らかそうした高校の通学費の支援のあり方、これを町村会と協働して検討してみようかと、このようなことをお話をしたところでございます。  そのとき森安鳥取県町村会長もおっしゃっていましたが、県内の町村等の高校通学費のあり方は大変ばらばらでございまして、財源等もいろいろであります。我々も調べてみても、過疎債を財源にしているものもあれば、ふるさと納税を充てておられる町村もございますし、公共交通の鉄道の運賃助成をしているところもあればバスというようなことでむしろみずからされているところもありまして、正直、決まった助成のあり方というのがないというようなことであります。ですから、なかなかやり方も難しいところでもございますが、町村会のほうの強い要望もございましたので、この件については研究調査をして制度化を検討してみようと、今このようなやりとりをしている真っ最中でございます。  次に、外国人の雇用につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、詳細は雇用人材局長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、出入国管理法の第2条の5がこのたび成立をしましたが、この中でも外国人に対する差別的な取り扱いが禁止をされているところであります。法律が成立しましたので、そうしたことの実効性を持って行っていくことが今後大切になってくるのではないかというふうに思います。  他方で、県内でもいろんな領域でこうした外国人の方の働く場を提供したいという産業界や農林水産業方面の強い意向も寄せられているところでございまして、今後の国の具体化に注目をしてまいりたいと思います。  次に、産業廃棄物処分場につきましてお尋ねがございました。  これの水につきまして、危険物質が流れないというようなことの対策はどうなのかと、こういうお尋ねでございますが、この点につきましては、副知事のほうからお答えを申し上げたいと思います。  また、意見調整会議の目的や生活環境部長等の役割につきましては、生活環境部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  次に、エネルギー政策につきましてお尋ねがございました。  共産党さんとの文書のやりとりの詳細ということもございますので、この考え方につきましては生活環境部長からお答えを申し上げたいと思いますが、これは緩やかなエネルギー革命を起こすというふうに私も重ねて申し上げてきたところであります。それは、福島原発の事故がございまして、その後、原子力発電所というものについて、中長期的にはこれにかわる再生可能エネルギー等々のエネルギー政策というのが必要になるだろうと。私ども鳥取県は国ではありませんので、エネルギー政策全体を所管しているわけではございませんが、鳥取県としても緩やかにエネルギー革命を起こしていけるように、再生可能エネルギーのシェアを県独自にも広げていこうということを大目標に平成23年から取り組んでまいりました。その結果として、現在では民生部分の電力発電量については県内の再生可能エネルギーで賄うと、自給できるというようなところまでやってきたところでございます。こうしたことを私どもとしては大前提にしていますし、個別の原子力発電所の稼働云々につきましては、安全を第一義として周辺地域の意見も聞いた上でこれについて考え方をまとめる必要があると、この辺は強くこれまでも主張してきているところでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)吉村商工労働部長 ◯商工労働部長(吉村文宏君)県内経済の状況や消費の動向について補足の御答弁をさせていただきます。  県内経済は、リーマンショック等の影響で平成22年から23年、24年にかけて、いろんなデータが底値を記録したところでございますが、近年は企業様の投資等につきましては回復しておりまして、例えば製造品出荷額は平成28年では全国4位の伸び率を記録しておりますし、1人当たりの県民所得も平成27年では全国の中で9位の増加率というふうになったところでございます。  最近の消費の動向でございますけれども、コンビニエンスストア等は比較的ずっと堅調でございまして、全体といたしまして、わずかではございますけれども消費額総額も増加傾向にあるということでございまして、以上を考えますと、県内経済は堅調の中で消費行動もおおむね前年比同か、あるいは若干増ぐらいで推移しているというふうに理解をしております。 ◯副議長(福間裕隆君)宮本ささえあい福祉局長 ◯ささえあい福祉局長(宮本則明君)灯油購入費助成のことについてでございます。  個別世帯への支援は、まず住民生活状況を把握する市町村において検討されるべきものと認識しております。  県内市町村から灯油購入費に関する支援が必要との意見は聞いていないところであり、県が制度創設することは考えておりません。 ◯副議長(福間裕隆君)三王寺雇用人材局長 ◯雇用人材局長(三王寺由道君)外国人労働者のことについて補足の答弁をさせていただきます。  今回国会で成立した新たな在留資格であります特定技能は、技能実習とは異なる制度として14業種に限定して受け入れを行うとされており、受け入れ分野については生産性の向上や国内人材確保のための取り組みを行ってもなお当該分野の存続のために外国人材が必要と認められている分野に限定されているということでございます。  その中で、政府は日本人と同等以上の賃金とする、あるいは外国人の給与等について企業側に定期的に届け出を義務づける、住居費や食費名目に不当に払わせていないか確認し、実効性を担保する等の見解を示されておりまして、待遇の確保を図ると、そういうふうな形にされております。  そういうことから、先ほど知事のほうからありましたとおり、これから詳細が示されていくところを注視していきたいというふうに考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)野川副知事 ◯副知事(野川聡君)産廃処分場の安全性につきまして御答弁をさせていただきます。  議員がおっしゃいますように、安全性が一番でありまして、事業者も安全第一を念頭にこれまで対応されてきておりますし、県もその考えで臨んでまいりました。  平成24年から約7年間、事業者が現在は環境管理事業センターでありますけれども、地元住民の方々を中心に事業計画を丁寧に説明され、県も必ずその場に同席をさせていただいて、地元から出る御意見を踏まえまして、より安全な対策がとれる計画とするように条例手続が始まりますまでの5年間、そして今も手続条例入っておりますが2年間、誠実に進めてきたと、そのように承知をいたしております。  議員はダイオキシンとか、あるいは重金属、あるいは毒が流れるという、そのようなことをおっしゃいますけれども、全国の産廃処分場はこれまで1,000を超える産廃処分場がつくられてきたと思っておりますが、そうならないようにしっかりとした安全対策をとってきたと考えておりますし、この淀江の計画につきましても、基準は国の基準を上回る厳格なもの、また他の処分場よりもより安全対策を施したもの、全国一の安全性を持った施設にしようということで最大限努力をされてきたものと考えております。  塩川のダイオキシンの話も議員はおっしゃいましたが、何度も何度も聞いた人が少し誤解をするような言い方をされます。ダイオキシンの基準値、これは環境基準で決められておりますが、年間の平均の値を採択するものでありまして、議員の念頭にありますのは平成24年5月に1回、1つのポイントで少し高い値が出たそのことを念頭におっしゃっていると思います。これも本議場、あるいは常任委員会でも御説明をしておりますが、4月から6月、春先に全国的に田植えのシーズン、代かきをすることによって土壌中に残留いたしますダイオキシン類が攪拌をされて河川に出ていると、そのように考えられるということを環境省も国交省の外郭団体であります公益財団法人河川環境研究所も、その調査結果につきましては公表をされているところでございます。  50年、80年というお話もありました。処分場の稼働中はもちろんのことでありますが、廃止後につきましても安全をしっかりと守ることが必要であります。維持管理基準は国基準以上のものをする予定にしておりますし、廃止後につきましても、法律に決められたとおり跡地を指定区域と指定いたしまして、適切にしっかりと管理をしていくことといたしております。実際、全国でも、あるいは県内でも、一般処分場、産業廃棄物処分場、既に廃止した処分場が数十カ所ございます。法律に従って適切に管理を行っているところであります。  いずれにいたしましても、今後とも安全第一で県もしっかりと対応してまいりたい、そのように考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)産廃処分場に関します意見調整会議とエネルギー政策に関する本県の考え方、この2点につきまして補足の答弁を申し上げます。  まず、意見調整会議の意義等についてでございますが、意見調整会議は、廃棄物処理法に基づきます許可申請の事前手続として定めました手続条例に基づきます制度の一つでございます。手続条例では、計画の事前公開、事業者による説明会の開催を義務づけまして、関係住民からの意見書の提出、それに対する事業者の見解書の提示、そういった制度がございます。それらを行った上でも関係住民の理解が得られない場合に、申し出を受けまして開催をするのが意見調整会議というものでございます。  意見調整会議では、これまでの説明会、あるいは意見書、見解書のやりとりを踏まえまして関係住民と調整をし、整理した論点をもとに、事業者と関係住民の双方の主張の歩み寄りを促進する、そういうものでございます。  意見調整会議での県の役割でございますが、事前に関係住民からの意見に対しますセンターの見解を得て論点を整理し、会議の場ではこの論点に沿って関係住民からの質問、要望等を促し、それに対するセンターの回答を促す、そういったことで円滑な会議運営を行うということで相互理解を促進し、その状況を確認すると、そういう役割がございます。  これらの趣旨に沿いまして、意見調整会議の開催申し出がございました2自治会と10名の関係住民のうち、これまで1自治会と関係住民9名の方との会議を開催したところでございます。  次に、エネルギー政策とそれに対する本県の考え方につきまして、補足の答弁を申し上げたいと思います。  エネルギー政策につきましては、産業を含めた部門ごとのエネルギー需要を把握し、それを賄うために必要な規模のエネルギー資源を海外から輸入するものも含めまして確保し、供給する体制を整えるということで、国としてマクロ的な計画を遂行する必要があるものと考えてございます。  しかしながら、決して全てを国任せということではございませんでして、本県も参画をしております自治体と企業で構成をいたします自然エネルギー協議会、こういう会議がございますが、平成23年には中長期的な原発依存度を下げるため、その解決策の一つとして自然エネルギーの普及拡大を図ることが必要と、こういった宣言を行いまして、国に対しても意見を申し上げてきているところでございます。  また、本県では東日本大震災を契機にいたしまして原子力発電への依存をできる限り減らし、先ほど知事の答弁がございましたが、緩やかなエネルギー革命を起こしていくということが必要と考えまして、環境イニシアティブプランに目標を掲げて施策を進めてきているところでございます。  現在、平成29年度末で96万キロワットの再生可能エネルギーを発電しておりまして、その比率は国の数値を大きく上回り、県内の家庭電力を自給できる水準まで達しているというところでございます。  こうした取り組みが広く全国に展開されることでさらに多くの再生可能エネルギーの導入が進みますよう、自然エネルギー協議会、あるいは全国知事会で国要望を行うなど、他県とも連携しつつ取り組みを進めていくことにしております。 ◯副議長(福間裕隆君)6番錦織議員 ◯6番(錦織陽子君)それでは、再質問をさせていただきます。  まず、消費税です。  消費動向は若干増加というような答弁もありましたし、消費税増税が経済に影響を与えない十分な対策が必要だと、そういうのを求めていくということです。本当に県の財政も大変になるのですけれども、増税すれば県民の生活も本当に大変になるということで、これは1世帯当たり年平均6万2,000円、県全体で250億円の負担増になるというふうに想定されています。私たちが行っている県政アンケートに、ある母子家庭の若い母親は、頑張っているがこれ以上の増税は死ねということを言われているようだと訴え、ほかにも、畑作農家だが農業収入が激減。政治は数字にあらわれない実生活がよくわかっていない。子供が大きくなるにつれて生活が厳しくなった。給料が上がらない。保険料は上がるばかりなど、こうした苦しい県民の声がいっぱい寄せられています。私は、今とても増税をするような状況ではないというふうに思います。  また、日本商工会議所は、軽減税率制度の導入はゼロベースで見直すとともに、インボイス制度は廃止を含め慎重に検討すべきと言っています。インボイス制度は、課税売上高1,000万円以下の500万とも言われる免税業者を事業取引から排除するものであり、このインボイス制度の中止を求めること、知事どうでしょう。  福祉灯油、これは市町村で検討すべきということをおっしゃったのですけれども、知事はこの実態を御存じなのかなというふうに思います。生活保護費の冬季加算は、既に3年前に単身世帯で一月500円減額になっています。また、10月からの保護費の改定では、米子市の場合を例にとりますと、小・中・高、子供3人と45歳の母親の世帯では月額4,050円、単身の69歳の例では月額530円、2人の小学生と42歳の母子世帯では3,750円削られました。ふえた世帯もありますが、何を削るかといえば食費を削るしかないというふうに言われます。鳥取県に観光客や富裕層を迎え入れるためにはたくさんの税金を投入しますが、私は本当にここに福祉の心を持つべきだと、示すべきだというふうに思います。  そして、高校生の通学費の補助なのですけれども、これは知りませんでしたけれども、町村会も検討してほしいというふうに要望されたということで、ぜひこれは前向きに検討していただきたいと思うのです。琴浦町は町営バスの通学の生徒に定期代8割を負担すると。それから、岩美町は新1年生の4月から6月の3カ月間に限り、新入学の準備で負担が大きいということを考慮して、町外から岩美高校に入る人、また町内から町外への高校に行く人など、そういった通学費補助をしているのですね。大山町も2分の1の通学費補助、そして子供たちの学習やクラブ活動を保障するために、親御さんが知恵を絞って駅までの送迎を取り組む、こういったことをすごく努力されているのです。ですから、これは研究調査ということなので、来年4月これが少なくとも実施できるように、ぜひお願いしたいと思います。  外国人労働者の件なのですけれども、法律は成立してしまったのですけれども、この制度の詳細は決まっていないのに決めてしまったということは、自公政権は本当に許せないというふうに私は思うのです。  鳥取労働局が昨年1年間に外国人の技能実習生を雇用した事業所の立入調査では、調査した57事業所のうち47事業者、82.5%の労働法令違反が報告されています。全国の平均の70.8%に比べても高い出現率でした。書類送検された例では、残業を71時間、また過労死ライン80時間を超える104時間と違法な時間外労働、賃金の不支給などでした。
     7月に県が行った外国人就労者に対するアンケート調査の結果を見ると、ビザの種類は約83%が技能実習であり、外国人就労者も企業側もいずれも言葉の問題の解決が必至であること。一方、高度外国人材の雇用を考える企業では、企業の中核人材に育成、定着を期待する企業が少なく、雇用の調整弁、安上がりの労働力を期待しているのではないかという懸念をいたします。  県は外国人就労対策会議をこの間開催していますが、この間の議会の常任委員会の審議でも、外国人労働者の対応は国、受け入れ企業の対応は県と、権限の問題はありますが、縦割りに感じますし、私は直接鳥取労働局に行っても、実習生の方は権利意識がありますからなどといって実態を教えてもらえなかったのです。  やはり身近な市町村や県が国ともっと連携して対応する必要があるのではないかというふうに思います。そして、県が外国人労働者向けの相談窓口を開設すべきではないかと思いますが、知事どうでしょう。  それと、産業廃棄物の問題なのですけれども、国基準を上回る全国一安全な施設にするのだという意気込みで頑張っていらっしゃるということなのですけれども、処分場にはダイオキシンや重金属が実際に入り込むわけですね。それで、土壌鉱物学や重金属汚染土浄化研究の九州大学名誉教授の和田信一郎氏は、重金属類は分解不可能で土粒子の相互作用が強いために、除去することは容易ではないと論文で述べておられます。そして、明治学院大学、熊本一規名誉教授は、管理型処分場の汚濁物質は汚水処理施設からの排水に含まれ排出される以外は処分場にとどまり続け、処分場の土壌を汚染すると指摘されています。もし単なる土壌が重金属を吸着、安定化するというものなら、重金属汚染土壌の不溶化技術、溶け出さない技術ですね、これを専門にする企業がなぜ存在するのか説明ができません。  ネットで検索すればそういう企業がたくさんあるのですよね。これまで説明されたように、洗い出し効果だとか安定化しますなどという説明はないのです。だから、処分場や跡地は永久監視する制度を設けているのです。危険だ、間違いだと言っている研究者の声をぜひ聞いてみていただきたいと思います。その責任が知事にはあると思います。  意見調整会議、それと県の役割も説明されました。生活環境部長の役割は説明がなかったですけれども。知事は9月議会で、今の段階は事業者と住民の主張を交換してコミュニケーションをとり、折り合えるところがあるかどうかを見出そうとするものであると、結局可否は廃掃法の段階だと、今はそういう段階ではないというふうにおっしゃいました。  この意見調整会議では、両者の主張を交換する調整役が県にあると思うのですね。私は当日、傍聴しましたが、自治会の方が会議室に入ってこられたときに、先に着座しておられた生活環境部長は会釈するでもなく、挨拶も読み上げてから退室されるまで一切自治会の方には顔も向けず、目も動かすこともありませんでした。これは本当の話なのです。私はその姿を見て、これは本当に調整する気は全くないなというふうに感じたのです。県の条例の運用マニュアルというこんな厚いものができていますけれども、ここにはちゃんと意見調整の事務は生活環境部長が行うというふうに書いてあるのです。私はこれにも反しているというふうに思います。  そして、意見調整会議もいずれ終わると思いますが、最終的にはどの時点で対象の自治会の同意をとるのか。4自治会では半数以上の反対署名が既に出ています。自治会の総意でなければならないというふうに考えますが、県は何をもって自治会総意の確認をするのか、また淀江の漁業者の同意、水利権者、塩川の水を使用して稲作をしている農業者の同意はいつの時点でとるのかお答えください。  それと、エネルギーの関係なのですけれども、今、知事は原子力からの撤退を求めることは考えていないということ、だめではないかというふうに言ったら、そしたら担当者に回されると。公文書で答えられたものに対して、私はその答弁はおかしいと思うのですよ。結局緩やかなエネルギー革命が必要だというふうにおっしゃるのですけれども、結局原発を推進するということではないかというふうに私は思うのです。現実に福島の事故が起きたのに、政府は新規制基準ができて、それに合格したら再稼働すると。県は一応段階は踏んでいるので容認する、そういうことはだめだと私は思うのです。  アメリカの電力大手のエクセロンは、原発はコストが高いから新規はできないと言っています。安倍政権が成長戦略に位置づけた原発輸出も、建設費の高騰などで中止、断念、凍結が相次いでいます。本当に原発政策というのはもう破綻しているのです。  9月6日に発生した北海道胆振東部地震では、全道が停電するブラックアウトが起きました。この全道停電の教訓は何か。  また、九州電力は10月に一部の太陽光発電を稼働停止する出力制御を実施、11月には風力発電の出力制限をするなど、今後も電力の需給バランスが崩れて大規模停電が起こらないよう出力調整する方針です。再生可能エネルギーを推進する鳥取県として、この事態をどう考えるのか、知事の答弁を求めます。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて錦織議員からお尋ねがございました。  まず、消費税につきまして、生活困窮者の対策、それからインボイスについてお話がございました。  これにつきましては総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、今、公明党さんとかの提案があったからだと思いますが、そういう生活困窮者対策でよく限定した上での商品券というものが検討俎上に上がっているようでございますし、先ほど申しましたけれども、もし導入するということになるのであれば、それに合わせた経済的な影響等がないようにということが必要だと思いますし、社会保障制度でございますから、社会保障制度になる以上はそういう生活困窮者対策というのも今後盛り込まれていくべきものではないかなというふうに思います。  インボイスにつきましても、今後ちょっと時間をかけてということになるわけでございますが、いずれにいたしましても、詳細は総務部長のほうからお答えを申し上げます。  また、灯油につきまして、重ねてお尋ねがございました。  これについてはささえあい福祉局長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、これまでも何度か灯油の支援ということを私ども県としても応援をしたことがあります。その前提としては市町村の事業がございまして、また国のほうでも全体としてのそうした灯油代助成のスキームというものが示されるというようなことがございます。私どもも未来永劫こういうことをやらないということを言っているわけではなくて、市町村の状況だとか国の制度なども見ながら、今後対応を考えていくという類だと思っております。  高校生の通学費につきまして、重ねてお話がございましたが、今、岩美町や琴浦町のお話もありましたけれども、そのように実はそれぞればらばらな状況でありまして、どこをどういうふうにつなぎ合わせて考えればいいのかというのは、実務上ちょっと難しいところです。それは町村会のほうもわかっていて、そういう意味で自分たちも調査してみなければいけないということをおっしゃっていました。若干時間がかかるのではないかと思いますが、お互いにすり合わせをしつつ、いずれこういう高校生の通学費につきましても、今町村が中心でやっているのですけれども、それに対して県も何らか支援方策を考えるということを検討してまいりたいと思っております。  外国人労働者につきまして、重ねてお尋ねがございました。  これについては、雇用人材局長から重ねて御答弁を申し上げたいと思います。  相談が必要な外国人もいらっしゃるでありましょう。そういう意味で、県のほうでも議場での御議論がいろいろございましたので、2,000部そうした対象の外国人の方々にパンフレットをお分けさせていただき、これも非常に好評なものですから、増刷をしているという状況であります。その中には国の機関や関係機関の相談窓口も記載をさせていただき、そこでは何カ国語か外国語対応ができるようになっています。また、県のほうでもみなくるという相談窓口がございますが、こちらのほうでもこれまで外国人の御相談15件お受けをさせていただいております。これは労福協のほうに委託して運営している相談窓口でございます。詳細は雇用人材局長からお答えを申し上げます。  また、産業廃棄物処分場につきましてお尋ねがございました。  意見調整会議のあり方でございますとか、それから自治会等との対応方針等でございます。これらにつきましては、生活環境部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  次に、エネルギー問題につきましてお尋ねがございました。  これも詳細は生活環境部長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、私が先ほど申しましたように、緩やかなエネルギー革命を起こし、原子力一辺倒ではない、そういうエネルギーのあり方を全体的には目指すべきではないだろうか。ただ、それについては国が専権事項のエネルギー政策でございますので、私どもとしてもそれを現場で実践をしていき、単なる電力消費県ではない電力生産県としてある意味一定の自立を果たしていこうと、そういう意味でこれまで10年余り、平成23年からかじを切りまして、今そうして民生電力の供給ぐらいはできる程度までやってきたということであります。  したがいまして、決して原子力発電を積極的に推進するとか、今議員がおっしゃったような趣旨で私どもは発言をしていることもございませんし、そういう趣旨ではありません。原子力発電の稼働については、今後も一つ一つ意見を申し上げていく立場だというふうに考えております。  そういう中でブラックアウトということがございました。  ある程度電力の現場といいますか、電源を分散化したり、さまざまな方策が必要であります。これについてはきょうのNHKの報道でも流れ始めていますが、こういうブラックアウト対策を政府としてもやっていこうというように決めるということでありまして、近々その対策を取りまとめるということになっています。その中には、各電力を通じて電力の融通ができるような、そういう仕組みをつくるとか、それから事業所等において分散的に電力を起こす仕組みだとか、そういうものも検討されるということであります。私どもはこれに注目してまいりたいと思いますし、例えば今、酪農家などから、そうしたブラックアウト対策として何らかそういう電源対策を考えたいと、こういう声も上がっておりまして、鳥取県としても鳥取県の範囲でできることを協力してまいりたいと考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)井上総務部長 ◯総務部長(井上靖朗君)私のほうから消費税に関しまして、2点の補足の答弁を申し上げます。  まず、生活困窮者の関係についてのことがございました。  議員のほうで御質問の中で1世帯当たり6万5,000円程度というお話がありました。これは国会のほうで財務大臣が答弁した数字だと思いますけれども、全国平均で全体の増税額を世帯数で割った額ということでございます。民間シンクタンクのほうの試算によりますと、やはり年収によって変わるということで、大体年収300万円の世帯で年間3万円程度、それから年収1,000万円の世帯では約9万円程度の家計負担の増加があるということでございます。  一方で、先ほど知事のほうも答弁がございましたように、消費税の増収額を使いまして社会保障の充実ということで、特に低所得者層の方々への負担軽減というのが図られることになってございます。例えばこれは8%のときに国民健康保険の5割軽減の世帯の対象が広がっておりますけれども、例えば鳥取市の保険料で試算いたしますと、5割軽減ということになりますと年間4万円強ぐらいの負担軽減になるということもございますし、今度介護保険のいわゆる第1段階ということで住民税非課税世帯等につきましては、基本保険料について今まで半額、0.5倍するということでございましたけれども、これを今8%段階で0.45まで引き下げさせておりまして、今度10%段階になりますとこれは0.3、つまり基本保険料の3割の負担にまで下げるということでございまして、こういったことまで試算いたしますと、大体年額で1万5,000円程度の負担軽減というのが図られるというふうに承知をしております。  こういった社会保障の充実の際での負担軽減、あるいは先ほど知事からも答弁させていただきましたけれども、消費に関するさまざまなポイント制度でありますとか軽減税率等、こういったような負担軽減というのが一定図られるということで、確かに増税でありますので家計負担への影響はゼロではないというのは事実でございますけれども、こういった特に低所得の世帯に対する軽減策が同時に図られるというふうに承知をしております。  もう一つ、インボイスについての御質問がございました。インボイスにつきましては、今回消費税率10%の引き上げに伴いまして軽減税率制度が導入されるということで、複数税率ということになるわけでございます。こうした場合に、複数税率のもとで適正な課税を行うためにはインボイスという形で事業者間の税負担をきちんと把握するということが必要不可欠ということで、今回導入されるというふうに承知をしております。  したがいまして、中止ということにはなかなかならないかというふうに思っておりますが、国のほうでは議員のほうの御質問にございましたように、特に免税事業者の方が取引から排除されるのではないかという懸念があるということでございまして、免税事業者の方が課税事業者への転換の要否を見きわめながら対応を決められるようにということで、軽減税率のほうは来年10月からということでございますけれども、インボイス制度につきましては平成35年10月からということで、4年間の準備期間を設けるというふうに承知をしております。また、35年10月から6年間につきましては、経過措置的に免税事業者からの仕入れにつきましても一定の仕入れ税額の控除が認められるということで、段階的に制度を導入していくというふうになっているというふうに承知をしております。 ◯副議長(福間裕隆君)宮本ささえあい福祉局長 ◯ささえあい福祉局長(宮本則明君)灯油購入費助成のことについてでございます。  これまで県が灯油購入費助成を行ったのは、過去2度ほどあろうかと認識しております。灯油価格の高騰があったということ、そして多数の市町村が自主的に行う対策もあったということ、そして国による財源措置もあったということ、こういったことを背景に、県は市町村に向けて、あくまで市町村に向けてでございますが、財源措置をしたといった経緯がございます。こういったことが参考になろうかとは思います。  このうち灯油価格の高騰についてですけれども、先ほど議員から御紹介のありました11月末の全国7位というのは配達販売価格のことであろうかと思いますが、同じ日の時点で店頭販売価格は全国13位ということで若干開きがあるようでございますし、またここ1カ月、10月末から11月末にかけて若干値下がりをしておるというところもあります。このまま下がっていくのか、それとも反転してまた上がっていくのかというところは見通し不透明な状況でございます。  また、過去2度のことでございますが、平成19年度の2月補正においては、19市町村全部の市町村において灯油購入費などに必要な金品ですとか現物の支給といったものが必要になったとお聞きしておるところでありますし、その後、平成20年8月まで灯油の価格が上がっていったというような背景もありまして、平成20年度の補正においても、14市町村において行ったという背景があったものでございます。また、平成26年度の2月臨時補正においては、16市町において独自の動きをなさったというところがありまして、いずれにしましても、相当多数の市町村において自主的に動かれたという経緯があったものでございます。これに加えて国による財源措置もあったということが背景にあったと思います。  それで、先ほど議員のほうから生活保護世帯ですとかひとり親世帯の生活の苦しさといったことの御紹介もございましたが、そういったことも織り込んだ上で、まずは市町村において検討をいただきたいと思いますが、今のところ市町村からこういった制度が必要だといった意見はお聞きしておりませんし、国による助成措置の動きもありません。ただ、今後灯油価格の動向ですとか国の原油高騰対策や経済対策、また住民に近い市町村の考え方を見て判断をしていくことになろうかと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)三王寺雇用人材局長 ◯雇用人材局長(三王寺由道君)外国人労働者の相談窓口について補足の答弁をさせていただきます。  先ほど知事のほうから話がありましたとおり、県の中小企業労働相談所みなくるでは15件ほど外国人からの相談を受け付けましたが、大半が日本人の配偶者など日本語の支援者がいる方でございました。ちなみに、技能実習生からの相談はございませんでした。  そういうことから、技能実習生が具体的相談を行うには通訳等で言葉を補う必要があること、法令違反に気づいた実習生も転職の自由がないため声を上げにくく、匿名での通報の形にならざるを得ないことなどの実態を鑑みると、国等が設置している専門の相談窓口の充実が実効性があるというふうに考えております。そういうこともあって、ことしの7月に国に対し、本県に未設置である外国人労働者相談コーナーの設置を要望したところでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)私のほうから2点、補足の答弁を申し上げたいと思います。  まず、淀江産業廃棄物処分場に係ります意見調整会議、あるいは自治会等の同意についてでございます。  まず、先ほど部長の役割の答弁がなかったという御指摘でございましたが、先ほど御答弁申し上げた県の役割を果たすのが部長の役割というふうに理解しておりますし、これまでの意見調整会議では関係住民からの質問、要望等を促し、それに対してセンターへの回答を促すなど、部長の指示のもと、担当職員のほうに会議運営を行わせているというところでございます。  次に、自治会等の同意ということでお話がございましたが、手続条例、これは廃棄物処理法の許可申請前に事業者による関係住民への説明会の開催でありますとか、意見書、見解書のやりとり、そして今やっております意見調整会議の開催等を通じて関係住民の理解促進を図るということを目的としたものでございます。したがって、関係住民、あるいは水利権者などの同意を求めるものではございません。  なお、淀江地区の漁業者の方は関係住民ではございませんけれども、漁業者の要望を受けまして事業説明会を開催いたしました。しかし、漁業者への説明会という本来の趣旨とは異なる会となってしまったため、本来の趣旨の説明会が開催できる環境であれば説明会を設定する準備がある旨、再三にわたり通知をさせていただいておるところでございますが、これに対しては漁業者から繰り返し要望が提出されるなど、理解促進のための説明会の開催が少し難しい状況になっているというところでございます。(錦織陽子君「要望しているではないですか」と呼ぶ)今申し上げましたように、同意を求めるものではございません。  次に、ブラックアウトや再エネの出力制御について、補足の答弁を申し上げます。  北海道では、ブラックアウトの発生源である道内最大の165万キロワットを発電いたします苫東厚真火力発電所が道内の発電規模の約3割を超えておりまして、1施設に大きく依存しておったという状況がございました。一方、中国地方では、1施設に大きく依存していないことに加えまして、電源の種類、あるいは場所が分散をしている、そういったことがございますので、ブラックアウトが発生する可能性は低いというふうに言われているところでございます。  しかし、同様の事態が起きないとは限らないために、本県におきましても県有施設、酪農、医療機関及び福祉施設などの停電対策について検討を始めたというところでございます。  また、九州電力による太陽光発電の出力制御でございますが、これは電力需要が少ない時間帯に太陽光発電の出力が伸びますと需給バランスが崩れましてブラックアウトを引き起こす可能性があると、このために行われたというものでございます。特に九州電力は再生可能エネルギーの比率が高いことから、太陽光発電、あるいは風力発電の出力制御が生じやすいというふうに言われておるところでございます。  再生可能エネルギーの出力制御自体は、再生可能エネルギーがふえる中で電力の需給を維持するためには必然的に起こり得るものでございまして、こうした仕組みであることを国民の皆さん、あるいは事業者に理解を得ることが重要ではないかというふうに考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)6番錦織議員 ◯6番(錦織陽子君)消費税の問題なのですけれども、私が先ほど年間6万2,000円の負担増というふうに言ったら、シンクタンクでは300万円のところだったら3万円とか1,000万円だったら9万円の負担というようなことで、いずれも負担はふえるのです。そういうことをちょっと何か数字をいろいろ上げてごまかすのはやめていただきたいと思うのですよね。3日に公表された鳥取県の経済動向を見ても、消費も投資も生産もマイナス、低調、足踏み、こういう文字が目に入ってくるのです。雇用は求人が高水準といっても、はっきり言って雇用のミスマッチです。こんな県内経済で消費税増税を今やったら、とてもではないけれども経済と暮らしに壊滅的な打撃になるということを県としても立場をはっきりさせるべきだというふうに私は思うのですよ。  そして、インボイス制度は、35年10月からとか言われますけれども、これを導入されたら、免税業者は先ほどおっしゃったように課税業者にならないと仕事を受けられないというおそれが出てくるのですよね。税務署に届け出て課税業者になったとする。複雑な適格請求書を発行するためのシステムや維持費を負担する能力はないのです。こんな複雑な。もう廃業しかないのです。課税業者も実際困るわけですね。だからインボイス制度に反対しておられるのです。インボイスを実施させないためには、知事ははっきり消費税増税に反対すべきです。  そして、通学費補助、これは一歩前進でよかったと思います。  福祉灯油は、今回は市町村からは要望がないということなので、要望すればこれはやるぞというお答えだというふうに確認させていただきました。  技能実習生の問題なのですけれども、外国人の労働者の相談をみなくるで受けていますよという答弁でした。私もみなくるに行ってお話を聞いてきました。外国人労働者の相談は、県全体でも紹介ありましたように26年度1件、27年度なし、28年度、29年度が3件、ことしは4件と少しふえていますが、それでも分類は求職者の相談とか、労働者としてはわずか1件だけなのです。全労働者対応のみなくるさんなので、外国人も対応しようとすればそれなりの外国語表記だとかパンフレットなりが必要だし、場所も入りにくいし、わからないというふうに思います。だから、みなくるで受けますだけでは急増する外国人労働者、技能実習生に寄り添った対応ができないのではないかというふうに思います。  専門の相談窓口というものをつくるように国に要望したということなのですけれども、私は国際交流財団にも行ってまいりました。ここには外国語の話せるスタッフが複数いますし、それから書物もあります。技能実習生や外国人も単に日本語を学ぶだけではなくて、そこで悩みも愚痴も言える、そんな雰囲気があります。鳥取に来られた外国人の方のセーフティーネットですからというふうに担当の方がおっしゃっていたのですけれども、私はその姿勢がとてもいいなというふうに思いました。  別の窓口をつくるというのももちろんいいのですけれども、せっかくある国際交流財団をこのままではなくて一つの窓口として拡充させる、充実させて関係機関と連携するような検討ができないのか、知事どうでしょうか。  産廃処分場の問題なのですけれども、これは同意は得ないと。総事業費80数億円もかける大事業です。これは赤字になったら本当に県が補填する事業なのです。同意はとらないと、危険な処分場をつくるのにそんなことで進めていいのですか。水利権者は大勢いるのに、説明会では51人しか案内していない上に兼業農家が多いのに、平日の午後に昼間に開催する。実質1名の参加でした。漁業者だって組合に登録している人は正・準組合員97人。漁業には全く影響がないと9月議会でおっしゃいました。こんな科学的な説明のないまま淀江漁協の水揚げ高は平成29年度で約2億4,300万円です。この漁業権、財産権が侵されるかもしれないのに、漁業者が声を上げるまで無視されていた。怒られるのは当然だと思いませんか。  漁業権も水利権も一人一人に権利があります。同意を得ずに進めることがあってはならないと思いますが、知事どうでしょう。  そして、原発の問題なのですけれども、九州電力が再生エネルギーの出力調整をしたというのも、まずは国の原発優先政策、そして原発が大量の発電をして一度稼働したら簡単にはとめることができない厄介な構造だからです。電力の安定供給のためには、一極集中ではなく地域分散型が大前提。今、鳥取県企業局も中電に売電するだけではありません。2015年にスタートしました米子市と地元企業5社で立ち上げたローカルエナジーというのがあるのですけれども、地域経済の基盤となるエネルギーの地産地消の促進、地域外への資金流出の抑制、地域内での資金循環を可能にするものです。  産業技術総合研究所の主任研究員の歌川学氏は、鳥取県は既存の省エネ技術普及、省エネ普及によって2050年にはエネルギー半減、CO2 を90%以上削減の技術的可能性がある。設備投資が必要だが元が取れる。地域活性化、雇用増、将来の人口減を食いとめる主要対策になる可能性があるなど、鳥取の再エネのさらなる推進と対策の必要性を述べています。  研究者や地域のこうした人材を集めた、仮称ですが、省エネ地域資源化研究会などというものをつくって、原発に頼らない鳥取独自のエネルギー政策を持つべきではないかと思いますが、知事どうでしょう。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)錦織議員から重ねてお尋ねがございました。  まず、消費税につきましてるるお尋ねがございましたが、これにつきましては重ねて総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  高校と灯油については了とされたということではないかと思います。  それから外国人実習生、外国人労働者につきましては、雇用人材局長のほうからお話を申し上げたいと思いますが、これはちょっと話がごちゃごちゃになりますので少し整理をして申し上げれば、外国人労働者についての管轄はやはり国の労働局だとか、それから今度入管をパワーアップしまして、入管が新しい組織になって、外国人労働者のいわば多分権利保護ということもやっていくのではないかと思います。そういうようなことで本来国全体、労働者は動きますし、国境を越えて来るものですからそちらが主でありまして、現在もそうです。ですから、我々以上に労働局、それから厚労省の相談窓口は各国語対応でありますから、そちらのほうの電話等の相談のほうに行っているのが実情でありまして、本県のほうに来るのは、本県でも相談があれば受けますよという、そういう意味でみなくるであります。  あともう一つ、我々のほうで従来からやっておりますのは、外国人の方が暮らしやすいように我々地域社会としても国際交流財団等と、それから市町村の窓口もそうでありますが、例えば学校にお通いになるとか、それから外国人の方の言葉の問題、これは財団のほうでそうした学習会を提供するとかをしているわけでありますが、こういうような意味で、さまざま暮らしやすい地域社会ということで我々も役割を果たさなければいけない。そちらのほうは外国人労働者の法の問題とはまたちょっと別の観点で、かなり包み込むような形でこれは今後強化していかなければいけないということです。  これらをトータルで政府のほうには相談窓口、鳥取県の中にも専門の窓口をつくることだとか、それからこうした外国人に対する日本語教育の支援だとか、いろいろと今回の法律に基づいて要請活動をしなければいけないことがあるなというふうに考えているところであります。  次に、産業廃棄物処分場につきまして重ねてお尋ねがございました。  これにつきましては、生活環境部長からお答えを申し上げたいと思います。  また、あわせて再生可能エネルギーについてのお尋ねがございました。  これも生活環境部長のほうから重ねてお答えを申し上げたいと思いますけれども、実は先月の6日に環境審議会のほうに環境イニシアティブの改定の最終年が来ていますので、これをやろうということで諮問したところでございます。  今後こうした再生可能エネルギーの課題などがございますので、議員のほうもいろいろと今御提案もあったわけでありますけれども、我々のほうでもその環境審議会の中にそうした専門家の方もオブザーバー的に入っていただいて、環境の中の再生可能エネルギー問題、どういうような目標設定があるかとか、それから今後の進め方等々についていろいろと御審議もいただき、最終的にはイニシアティブプランの中に反映させていこうというふうに考えているところであります。 ◯副議長(福間裕隆君)補足答弁を求めますが、時間が31分までしかありませんから、簡潔にお願いをいたします。  井上総務部長 ◯総務部長(井上靖朗君)インボイスにつきまして補足の答弁を申し上げます。  インボイスの仕組みにつきましては、ヨーロッパ諸国では通常行われているものでございますけれども、我が国においては今回初めて導入されるということですので、事業者の方が御負担を非常に懸念されているということは承知しております。  今実は国のほうで来年10月から始まります軽減税率に関係しまして、複数税率に対応したレジですとかポスシステムの導入につきまして補助制度を設けております。こういったことから、軽減税率導入後、次のステップとして議員御指摘のようなインボイスにつきましても、やはり一定の国の支援が必要ということでありましたら、また県としてもそういった要望を国に対して行うということを事業所の意見等も踏まえながら考えていきたいというふうに思っております。 ◯副議長(福間裕隆君)三王寺雇用人材局長 ◯雇用人材局長(三王寺由道君)外国人労働者の相談窓口についての補足の答弁をさせていただきます。  外国人労働者向けの厚生労働省の相談といたしましては、外国人労働者向け相談ダイヤル、これが6カ国語でございます。それから、技能実習生向けの母国語相談は外国人技能実習機構が行っておりますけれども、こちらのほうが10カ国語でやっております。きめ細やかな母国語で相談することができるということでやっております。  先ほどお話しさせていただきました外国人労働者相談コーナーにつきましては、全国で26都道府県に設置されております。そういったものをまた本県のほうにも設置していただきたいということで要望したものでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)私のほうから2点、補足の答弁を申し上げます。  まず、淀江の産業廃棄物処分場に係る自治会等の同意についてでございますが、手続条例、あるいは廃棄物処理法には、同意をとるという仕組みはございません。手続条例では、生活環境の保全や公衆衛生の向上のために必要な産業廃棄物処理施設の円滑な設置を図るために、廃棄物処理法の手続の前に関係住民の理解を得るための仕組みを設定しているものでございます。  なお、環境管理事業センターが計画をしておりますこの処分場でございますが、これは上水道でも採用されております逆浸透膜など高度な水処理施設が設置をされ、国の排出基準を上回る水質で放流される計画と承知しておりますけれども、最終的には施設の安全性は廃棄物処理法に基づく設置許可手続の中で確認をすることになります。その際には、厳格に審査を行っていくということにいたしております。  次に、鳥取県独自のエネルギー政策についてでございます。
     エネルギー政策につきましては、国としてマクロ的な計画を遂行する必要があるところでございますが、一方、再生可能エネルギーにつきましては、地域のエネルギー資源を把握し、景観、環境などに配慮しながら住民の意見も反映しつつ導入することが可能なものでございますので、県独自に検討することは十分できるものと思っております。先ほど知事の答弁にもございましたが、環境イニシアティブプランの中に再生可能エネルギーの導入目標を位置づけております。今年度で第2期プランが終了いたします。次期プランにおきましても、イニシアティブプランの中で検討してまいりたいと考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)6番錦織議員 ◯6番(錦織陽子君)産廃の問題なのですけれども、汚染等の損害とか被害のおそれがあるのに、このまま条例を終えて廃掃法に進んで建設を強行する、こんなことはあってはいけないと思います。そんなことを強行すれば、憲法29条財産権に違反になります。それだけ漁業権とか水利権とかは強い権利です。そして、計画地は46%が米子市有地です。これまで一般廃棄物処分場の第3期の計画は勝手に環境プラントが構想していたことで、決まっていなかったと言われますが、残余期間はあと10年。最も有効な一般廃棄物処分場用地に県主導で産廃処分場をつくるということになったら、新しい場所を探すことになります。時間もお金もかかります。簡単に一般廃棄物最終処分場の次の場所を探すことができるとお考えなのか、知事のお考えをお聞かせください。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)産業廃棄物処分場につきまして、重ねてお尋ねがございました。  詳細は、副知事のほうからお答えを申し上げます。 ◯副議長(福間裕隆君)野川副知事 ◯副知事(野川聡君)西部の一般廃棄物処分場につきましては、これは今現在、西部広域行政管理組合のほうで検討がスタートしておるように聞いておりますので、そちらのほうと現在西部広域が搬入しております一般廃棄物場、今の計画と隣り合わせでありますので、お互いに情報交換をしながら進めてまいりたいと、そのように考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)8番西川憲雄議員 ◯8番(西川憲雄君)(登壇、拍手)県議会自由民主党の西川でございます。  一般質問も中盤を迎えました。今までの議員が知事の3期12年の質問を多くされ、傍聴しておりました。私たちも残るところ4カ月であります。私も毎定例会、県政発展のためいろいろな個別の質問をさせていただきましたが、今回はそれらを総括して、知事のほうにお伺いしたいと思います。  今回のテーマは、地方創生とはという題でお伺いいたします。  知事は、どのような社会の姿を頭に描いてこの地方創生の実現に向けて取り組んでおられるのか。例えば、高度成長期のようにきらきらと輝く活力のある社会なのか、また反対に、地域内で物事が完結し、安定した自主自立で頑張る社会なのか。地方創生の話の中で、あれはいけない、これはだめだ、今まであったものがなくなることが問題視されます。余り前向きな議論をお聞きしません。そのことに対応することが地方創生のように聞こえたりいたします。以下の質問をした上で、地方創生のあるべき姿をお聞きしたいと思います。  個別の問題として、少子化についてお伺いいたします。  なぜ少子化になったのか、その原因は何なのか、知事はどのように御理解されているのでしょうか。また、それらへの対応は必要なのかどうかお伺いいたします。  次に、人口減があります。  少子化が進めば人口減は必然でありますが、人口が減少することが社会に与えるインパクトが大きく問題視されております。その問題点、またその解決をどのようにお考えになっておるのか。  ここで、少し日本及び鳥取県の人口推移を御紹介させていただきます。余り古いのはとっておりませんが、この資料は議会図書室、また智頭町の図書館にお願いして資料を集めていただきました。日本では、慶長5年、1600年、関ケ原があった年でありますけれども、その当時1,200万人余りの人口がありました。そして、明治13年、1880年ですけれども、その当時3,590万人、そして昭和25年、1950年ですけれども8,400万人余り、そして平成17年、2005年、1億2,770万人、そして3年後、2008年にピークを迎えております。一方、鳥取県ですけれども、これはなかなか資料がありませんので慶長5年とは対比できませんけれども、享保6年、1721年に資料がありまして、25万5,000人が鳥取県の人口でありました。そして、明治13年、1880年、37万1,000人、大正1年、45万5,000人、そして対比できます昭和25年、60万人です。そして、昭和63年、1988年、61万6,000人がピークということをお聞かせいただきましたが、資料を読み解く中で、昭和31年が61万3,000人でありました。つまり、資料では1988年、昭和63年がピークにはなりますが、鳥取県の本来のピークはどうも昭和31年を契機に伸びていないということであります。  この資料を読み解きますと、慶長5年から日本は現在までに10倍の人口になっております。そして、明治13年から3倍。一方、鳥取県は、先ほど言いましたように逆算しますと慶長5年を計算して12万人という計算になります。これはあくまでも推計でありますが。それから合わせますと5倍強であります。そして、明治13年から対比しますと、日本全体では3倍強でありますけれども、鳥取県は1.5倍強。つまり、ここに人口の推移の中にヒントが隠されているのではないかと私はこの資料を見て思いました。  人口は、以前は収穫量で決まっておりましたが、明治以降、日本が3倍になったという裏づけは、経済成長であったと思います。このことから人口がふえることが善であり、人口が減ることが悪と考えるようになったのではないでしょうか。これからは食糧が人口を決める社会ではなく、また、経済成長のようにグローバル化、重商主義で人口増が可能になった社会ではないように思われます。  それでは、トータルとして本当に悪なのか、またどうしても避けなければならない問題なのか、知事にお伺いしたいと思います。  次に、今後の行政の責務についてであります。  人口減が進む中で、今後の行政の役割、責務について、基本的な認識、考えをお伺いいたします。  次に、教育長にお伺いいたします。  知事にお伺いした内容を踏まえて、教育委員会として地方創生に向けて教育行政に何が必要か、教育の役割についてお伺いし、壇上での質問といたします。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)西川県議の一般質問にお答え申し上げます。  西川県議からは、非常に大きなテーマにつきまして所見を問われたところであります。冒頭おっしゃっておりましたけれども、私たちもこの4年の任期の総括時期に入ってまいりました。西川県議もこれまで登壇をされるたびに、例えば中山間地の活性化であるとか林業のあり方、さらにこうした人口減少等の地方創生の問題、あるいは災害対策等々、積極的にいろんなテーマで智頭を初めとした鳥取県のあり方を問うてくださいました。それによって例えば健康関係ではモデル事業をつくっていったり、いろいろと我々も動いてきたところでありまして、感謝を申し上げたいと思います。しかるに、今もって地方創生とは何だろうか、あるいは私たち行政は何をすべきなのか、こうした哲学に立ち返ってみようと、こういうお考えではないかなというふうに拝聴をさせていただきました。  今おっしゃったことは実は全てが絡み合っています。人口の観点で人口増が鳥取県の場合は余り進んでいないように最近は見える、そういうような統計からして、人口減というのは是なのか非なのか、どうなのか、あるいは少子化対策はどうなのか、行政は一体何をやればいいのか、実はこれらは密接に絡み合っているのではないかなというふうに思います。  やはりいろいろと分析も必要だと思います。そういう中で、本当に社会として対処しなければならない課題があるのかどうか、ここに光を当てて、いわば行政投資をしていく、我々が行動を起こしていく、それはどういった領域に対して何をやると効果的なのか、これを常に検証しながら我々は進んでいかなければいけないと思います。特に鳥取県の場合は小さな自治体であります。だからこそ、地方創生に熱心にならざるを得ない。もう一度地方がこの国を変えるぐらい元気の源になっていく、そのためには人口減少に歯どめをかけて消滅可能性自治体を排除していく、これが我々の大命題であります。  長い間の人口トレンドは、実は日本は徐々に人口増に向かっていましたけれども、最近少し停滞期に入っています。もともと古代のころから考えてみれば、律令国家ができて、そして平安時代になり、戦国、江戸というふうに進んでいきます。特に産業の大きさ、経済規模の大きさ、それから医学的な問題、こういうことがやはり人口と大きくかかわっているように思われます。経済が伸びてくるころになるとだんだんと人口増に向かっていきやすい局面がありますし、また、医療が発達してくればそこで急激に亡くなる方が減ってきますので、増加に転じるというようなことがあります。じわじわと日本の人口はふえてきたわけでありますが、急激にふえることはありませんでした。  そういう中で、議員がおっしゃった江戸時代というのは、かなり激変が起きたわけであります。智頭の慶長杉が植えられたころに等しいそうした時代から考えると、江戸時代を通じて大体3倍ぐらいにふえたというふうに言われているわけであります。そのうちの前半につきましては特に伸びた時代で、先ほどの1,220万人ぐらいから3,000万人ぐらいまでふえた。その後、実は後半は停滞をしているのですね。前半の伸びてきた原因について、いろいろと学者の皆さんなどが研究もしているのですけれども、片方で江戸に対する集中は起こるわけでありますが、実は江戸は男性社会でございました。なかなか婚姻が成立しにくい状況があったのですね。それに対して、地方のほうはどうだったか。我々は池田藩でありますけれども、そこでいわばそれぞれ殖産興業のいろんな対策がとられるわけであります。そういう中で、農家が結構自立をしてくるわけですね。当然おしょうゆ屋さんといいますか、そうした豪農のもとに小作をするというような形態等々はいろいろあるわけでありますけれども、ただ、そういう中でも食べていけるようになり始める。時々飢饉が起きて一揆というようなこともございましたけれども、特に前半は比較的温暖な時代でございまして、生産力が上がっていくときです。それで、江戸ではなかなか婚姻が成立しない中で、地方では皆結婚できるというようになったと言われています。  それで、今では我々は当たり前のように思っていますけれども、昔はなかなか所帯を持つことというのができるかどうかという時代から変わりまして、鳥取県も含めて地方はそういうような状況になった。そういう中で、当然ながら婚姻が成立しますのでお子さんをもうけられて、どんどん人口がふえていく。だからこそ、3倍にふえたわけであります。それに伴いまして、新田を開発するだとか、それから例えば織物だとか、そういう特産物を振興していく。こういう中で収入、なりわいというものを地域の中でそれぞれ各藩が自活をしようとするわけであります。  後半になりますと、江戸時代もどちらかというと気候不順に入ってきます。そういう意味で、天明とかいろいろ飢饉が起きることになります。こういうようなことで農村でも凄惨な事態があって、なかなか食べるものも食べられない、それから場合によっては、あってはならないことですけれども間引き的な、そういうようなことがあったのではないかと学者は分析をしているわけでありまして、後半は人口は停滞をしていくというようなことになりました。  明治に入りましてそうした足かせが取れてきて、どんどん工業化社会になってきますので、家族をふやすことに対して制約が減ってまいります。ですから、再びふえてくると。この時代、鳥取県内もやはり人口はふえてきているわけであります。問題は戦後だったのですね。戦後になりまして、人口増が急激に見られました。その急激な人口増の背景にあったのはベビーブームのようなことももちろんあるわけでありますが、やはり医療水準が上がってきて、亡くならなくてもいい方が亡くならないようになって、特に子供ですね、子供の段階で無事健やかに成長すると、そういうことがなされるようになる。ただ、そこでまず過疎が起こるわけですね。高度成長に入ってきますと、働き手が都会のほうに行ってしまう。三ちゃん農業と言われるような地方の状況が生まれる。そして、さらに最近では、そこに少子高齢化が進んできて、人口も自然減、出生数よりも死亡数のほうがどうしてもふえてくる。ですから、人口流出とあわせて、それに重ね合わせるように今、自然減も起きてくる。こういうような状況が現代であるというふうに分析せざるを得ないわけです。  そういうようなところで、私どもとしては一つ、出生の問題、少子化対策というのも大事なのではないか。我々の地域の中でどんどん高齢者ばかりになってくる、地域を変えようと思うと2つ手があって、1つは出生数をふやしていく。そのためには幸せな家庭を持ってもらって、そこで生活をしていただくということもあります。それで子供が育てにくい状況を排除していく。またもう一つは、移入をするですね、移住をしてもらうと。こちらのほうにシフトをしていくということもあるわけであります。前者のほうは、我々は実は先進的に取り組んだところで、保育料の無償化事業、あるいは30人学級などの少人数学級、こうしたことを積極的に進める中で、その辺がそうした若い層の皆様に理解をされ、子育てしやすくなったということで現実にも出生率が向上してきていると。10年前1.43だったものが今1.66までふえてきています。ただ、今もって課題として生まれてきているのは、特に出産にかかわるような年齢層の若い人たちが鳥取を離れている時期に重なっていることであります。これを何とかしなければいけない。ここが直らなければ、出生数自体がどんどん上向いていくというところまでは持ち上げられないわけです。  では、今までの策が果たして無策であったか、効果がなかったかということでありますが、実は有配偶者の出生率というのがあるのですね。配偶者のある御家庭でのお子さんをもうけられる率でいいますと、男性も女性も今、鳥取県は全国の8位、9位にまで浮上してきているわけです。ですから、いろんな難しい事情が、最近は経済的事情だとかが主要事情になってきました。鳥取県の場合は、それをみんなで助け合って、あるいは行政も支えて応援をしようということが伝わって、お子様をもうけられる、そういうことが現実にふえてきている。ただ問題は、配偶者を持った御家庭の数が多くない、これがまた一つの問題になるということであります。そういう意味で、移住対策もやっていく必要がある。この辺が議員がおっしゃる地方創生が狙いとしていることに私どもなりの答えを出していくことでありまして、ここをこつこつと積み重ねてきたわけです。  移住についていえば、ことし前半で954名の方の移住ということで、過去最高になりました。こういうようにある程度数字も出てきているのですけれども、なかなか大都会のようにほっておいても人口集中するところ、その圧力は我々のとは比較にならないところがありまして、戦後どんどん国全体では人口はふえてきていますが、鳥取県はさっきおっしゃるように昭和30年ごろから実は足踏み状態ではないかという分析をされましたが、なかなかそういう状態をまだはね返せずにいるということであります。  私どもは、そうしたことが極端に進行することは避けなければいけませんので、こういう少子化対策、あるいは移住対策、これは一つの重点施策として地方創生の施策を遂行する責務はあるのではないかなと思います。  ただ、では私たちは無理に全てをコントロールできると考えていいのかというと、多分そうではない。私どもは神様ではありませんので、全ての人に例えば子供をつくれとかというようなことを決めることはできない。あるいは、引っ越してこいというふうに無理やりにも決めることはできない。そうすると、何が決めているかというと、経済の実相とか社会のトレンドが決めているところがありまして、これを全否定することまではなかなかできないわけですね。むしろ、それはしてはならないのかもしれません。個人個人の志向性なり、いろんな考え方のもとに人生を選択し、生活のスタイルを選択されているわけであります。ですから、それに我々として異を唱えるというのは多分タブーなのでありましょう。そうであれば、もう一つ我々行政が責務としてやらなければならないのは、トレンドとして例えば人口が減少していくということが最終的には変えられないということも受け入れた上で、そういう中でも助け合って生きていけるような村づくり、そういう限界集落などのことも含めて考えていったり、あるいはそういうところで健康づくりをやって、人口は減少局面にあるけれども、ここに住んでいて幸せだったよというふうに皆さんに感じていただけるような、そういう長寿の里づくりのようなことなど、むしろ人口減少も受け入れた上での対策もやはり行政の責務なのではないかなというふうに思います。 ◯副議長(福間裕隆君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)西川議員の一般質問にお答えをいたします。  地方創生実施に向けての教育行政の役割等につきまして、お尋ねをいただきました。  非常に大きなテーマでございまして、お話しのとおり、いろいろグローバル化でありますとかAIが進展するということ等も含めて、先がなかなか読みづらい。そうした中で鳥取県の子供たちにどんな力をつけていくかということを常々考えるわけですけれども、どんな世の中になろうとも、教育でつけていく力だとか、そういうものは余り変わっていないのではないかなと。常に何かに対応できるようなものということを考えていきますと、例えば綿々と過去の先人たちが積み上げられた知識でありますとか、教養なども含めてそうしたものをまず身につけさせる。そうした上で、それらを使って自分の頭で考えて、あるいは他の人たちと一緒になって考えて、それを行動に移していける。そうした力でありますとか、そうした中で例えば思いやりでありますとか感動するというような心の部分ですね、豊かな心、またそれを支える健康な体、そうしたものを育てていく。また、人とのコミュニケーションをする力、そうしたものもしっかりつけるということが必要なのではないかなと。そうしたことを踏まえて、お互い社会の中で支え合っていこうねという、そうした心もあわせて育てていきたいというふうに思います。  最近、地方創生という言葉が出てきていますが、そうした中で特に力を入れなければならないなと思うのは、ふるさとのことをよく知って、そこに誇りを持ち、また愛着を持つということ。またそういう中に、過去には鳥取という地で逆にほかよりは不利な条件等があるわけですけれども、それまでの培ってきた知恵だとか、ほかの人と力を合わせてそういう課題を、不利な条件を克服して今の状況をつくり出している人がいるのだというようなことをしっかり学んで、自分たちも地域の課題などに向かって解決していこうと考えていく、そうした力をふるさと教育のようなものでつけていくことが必要なのではないかなというふうに思います。  我々が考えますのは、例えば智頭でいいますと杉を植えられたわけですけれども、とても自分の世代のときに使えるものではなくて、子供、あるいは孫の世代でしっかりと杉がお金になって、その人たちの孫のために役立つというような、すごく先をにらんで投資をするわけですけれども、教育もそんな部分があるのではないかなというふうに思っています。大人自身が地域の将来というものをポジティブに考えて行動していく、そういう姿を子供たちに見せていくということが大事なのではないかなと。その中で子供たちは地域の未来なのだ、未来を象徴するものなのだ、地域の宝なのだという意識を皆さんで共有していただくような、そんな役割を教育が果たしていかなければならないのかなというふうに思っています。  そんな意味で、今フレーズとして言うのは、学校と家庭と地域が一体となって子供たちを見守り育てていく、そんなシステムを教育の中でつくり上げていくといったようなことでありますとか、そんな中で、地域の中で一生懸命生きておられる人々、大人とのかかわりでありますとか、そのかかわりを含めた体験、そういうものを重視した教育というものをしっかりと進めていくべきではないかなというふうに思っておるところでございます。  いずれ子供たちはそれぞれさまざまな可能性を一人一人が秘めておるわけでございますので、それぞれ夢を持ってもらい、夢や目標に向かってチャレンジする、時には失敗もするでしょう。それも含めて、大人が温かくそれを見守り、その可能性を最大限に伸ばしていく、そういう教育を県民の皆さんとともに一緒になって取り組んでいきたい、そんなことを考えているところでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)8番西川議員 ◯8番(西川憲雄君)御答弁いただきました。  少しびっくりしたのは、少子化の問題で知事の御答弁の中に晩婚化という言葉がなかったです。普通私がいろんなところでお聞きしますと、晩婚化というのが大きな要因だというお話をお聞きします。私もある程度あるのかなとは思いましたが、知事の御答弁にはありませんでした。  ただ、やはり経済環境、収入というのが大きく影響するのだろうと私は思っております。実は以前テレビで見ていたのですけれども、コマツの会長が自社の従業員全員の出生率を調べられたそうでして、あそこは小松市に本社を半分移転されたそうですけれども、東京は従業員の出生率が0.9で、あそこの会社は小松だろうと東京であろうと所得が一緒らしいのです。そうすると、小松市に移られた従業員は1.9だというお話でした。そしてもう一つ、管理職になれば2.3という数字が出たということです。やはり経済の関係は大きいのかなというような考えをしましたけれども、知事の御答弁の中で晩婚化がないのに私は大変うれしく思いました。というのは、晩婚化というのは、今政府であれ鳥取であれ取り組んでいる女性が輝く社会というのに直結しておりまして、やはり女性が輝くということはなかなか早期に結婚が難しい状況をつくっているということもあります。  実は、もし知事の答弁の中であればと思って明治時代の女性の20歳のときの資料をつくったのですけれども、どうもこれが必要でないようですので少しだけ紹介しますと、明治19年、20歳で結婚されている比率が東北3県、福島で50%以上。20歳でですよ、20歳で結婚されている方が。やはり統計で見ますと、東京以北、以北というか東側が結構早く結婚されておりまして、鳥取県を含む西側の日本のほうは25%とか30%の間で推移しているようでした。多少これも後で参考にしていただければと思います。  それで、追及に入らせていただきます。  人口減は経済の活力の低下や人手不足が問題視されておりますけれども、これはある意味、社会では短期的な問題として捉えることはできないかということでございます。実は、テレビ等でよく言いますけれども、第4次産業革命が来るという社会の中で、人イコールGDPとか国力という考えを少し変えていってはどうかなという思いがあって、知事に御質問いたします。  その場合、人口減を地域の活力で埋めるためには何が必要か。そこには、生産性の向上に努めることが一番必要ではないかと私は考えております。そうすることで、若い世代が鳥取県に住もう、そして頑張ろうという社会がつくられるのではないかなと思います。  先ほど知事の答弁の中で移住定住のお話もありましたが、これは夢ではありますけれども、私は、その中で鳥取県が呼び込むのではなくて成功例を鳥取県でして、鳥取に行ったらこういう仕事で自分が頑張れるのだ、そういう社会がつくられていくことのほうが今以上に、よりインパクトがあるのではないかなという思いがあります。したがって、人が減っても生産量がふえればいいわけでありまして、鳥取県はそのような社会を先取りしていけないか、知事に再度お伺いいたします。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)西川県議から重ねて結婚等とのかかわりや、あるいは第4次産業革命等とのかかわりにつきましてお尋ねがございました。  確かに晩婚化はちょっと先ほど触れてはいませんけれども、本県もそういう状況にございます。特に最近、平成27年のデータでありますけれども、男性については生涯未婚率が全国平均を上回るという、これまでずっと下回っていたのですけれども、そういう結果が出ました。女性のほうは12ポイントと14ポイントぐらいでまだ全国よりも低位にあるのですが、男性のほうは23ポイントと22ポイントぐらいのところでひっくり返ったということになりました。一体何が起こっているのかなということだろうと思います。  そういう意味で、先ほどおっしゃったように、婚姻の選択というのはそれは個人個人の問題であるので、それに過度にかかわることは社会全体が控えるべきところもあるとは思うのですけれども、結婚したいけれども出会いの場がないと、これについてはやはり我々も対策を強化しなければならないのかなというふうに思います。そういう意味で、今、私どもも鳥取県のいろんなサポートの体制の中でえんトリーというシステムを動かして、これがさらに今回島根県とシステムが結ばれまして、山陰両県でのマッチングが可能なようになってきました。こうしたことなどをやはりもっと柔軟に展開していかなければいけないのかなという、そういうような問題意識がございます。  また、どうしてもお子さんをもうけられる年齢が上がってきますので、その場合の不妊治療等の支援などもやはり重要になってくるのかなと思います。  ただ、そういう中でも、本県の場合は有配偶者の出生率は上がってきているところでありますし、第3子以降のお子様が割合としてふえてきていると。これはやはり私どもの政策効果の部分もあると思いますので、そうしたところをさらに追求していかなければならないのかなというふうに思います。  そんな中、コマツの会長さんのお話がありました。コマツの会長さんの坂根さんは島根県出身で、山陰の人でいらっしゃるのですが、石川県小松市のほうに本社機能を一部移転されて、それが社内の出生率向上に役立っているということをおっしゃっています。私も何度かお会いをして直接状況をお伺いしたところであるのですが、やはり東京に住んでいるとどうもそういうことになってこないと。やはり地方に行くと通勤時間が短くなるとか、それからやはり仕事の上のストレスの問題もあるのだろうと思います。そういう意味で地方に本社機能を移転するということの意義は大きいというようなお話でありまして、やはりこういうことを国としてももっと取り組んでいかないと、地方創生が本格的に進んでいかなかったり、また本当は御家族ももうけながら伸び伸びと暮らしたいという若い方々等への需要、満足にはつながらないのではないかなというふうに思います。ですから、こうした企業の地方分散等も大事なポイントになろうかと思います。  そして、第4次産業革命のような新しいジャンルにおいて、若い方々がここでこんな成功をおさめたという例をどんどんつくるべきではないかというのは大賛成であります。  第4次産業革命と言われるIoTだとか、あるいはAIだとかロボット化等々を通じまして、これから私たちの地域社会も変わってき得るだろうと思います。例えば日南町のほうでファームイングという大規模な農事組合法人がありまして、若い方が結構担い手になっておられます。30ヘクタールぐらいの稲作をされ、それからトマトであるとかソバだとか、そういうのもつくっておられるのですけれども、その稲作の部分などをある意味未来型のスマート農業にしようと、これを今プロジェクトとして私どもも応援に入っているのですが、進めています。例えばセンサーで田んぼの状況を見ながら自動的に施肥をして田植えをしていくという機械であるとか、それから耕運機もコントローラーでリモコンでやるとか、それからいろんな生産の状況をデータなどと組み合わせまして、翌年もっと生産力が向上するように、そういう生産管理システムというものを導入していこうということで未来型の農業の姿というのを今鳥取県の中でも模索を始めています。  林業もそうでありまして、航空計測で八頭町とか日南町が森林の状況を調べたわけでございます。さらに、どういう木が山の中に生えているのか、地上のリサーチも含めてそうした状況を製材所のほうと情報共有をして、それで無駄のない搬出作業につなげるとか、それからA材も含めた材の効率的な利用につなげていくだとか、こういうことをやろうと、これが今、千代川流域のモデル事業としてこのたび国のほうで採択をされたわけであります。さらにまた、工務店なども含めて製材所と需給のマッチングをしていく、そんなようなシステムもできないだろうか、こういうことをつなげていきながら、従来とは違った川上、川中、川下の木材、森林のあり方を今スマート林業的に模索できないだろうか、これも今私どもも進め始めたところです。  例えばドローンを飛ばして、それでケーブルでロープウエーの架線を仮設する。そういうこともドローンで作業すれば短時間で危険もなく手軽にできると。これで生産力を上げることができる。こんなようなことを今、本県としても取りかかってきているところであります。これはもちろんいろんなビジネス、商工業にも応用されてくるわけでありまして、人口が仮に制約をされるような世の中になっても、一人一人の生み出す付加価値が大きくなればそれで所得が得られて、暮らしていくことができる。それを鳥取県内でどういうふうに実践することが可能か、この辺がやはり今後の地域社会の分かれ道になってくると思います。  県立のハローワークができております。ここに移住の起業しようという方々もマッチングに入っていただいて、そこに例えば起業するときの支援策なども含めて、一つのパッケージができないだろうかと今の御議論をお伺いしていて思ったところでございます。  そんなような形で、こういう第4次産業革命という新しいトレンドが世の中で起きてくるときに、都会の方々が夢を持ってこちらで定着をし、ビジネスを起こし、そして広げていく、これが農林水産業も含めて行われていく、そんなようなことを我々はプロモートしていかなければいけないのではないかと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)8番西川議員 ◯8番(西川憲雄君)行政の取り組みの必要性について、御質問させていただきました。  ここで、ちょっと今度は反対に、行政が取り組むことでのリスクについてお伺いいたします。  実は、皆さん御存じだとは思いますが、中国では一人っ子政策が行われました。この弊害は多分近い将来出てくるのではないかなと。また、アフリカでは今、人口爆発が起こっております。これ自体は大変すばらしいことのように聞こえますが、先ほど知事がおっしゃいました人口増で子供たちがふえる要因は医療の進歩とか手助けとかというのが大きく寄与しております。また、食糧支援。私がお聞きした話ですけれども、実はアフリカで1家庭1夫婦が大体平均6名の子供さんを持たれるそうでありまして、以前は大体その6名の子供さんが成人するのは2名だったそうです。ところが、先ほど言いましたようにNPOとか赤十字の支援で6名のうち4名が20歳を迎えられる状況になったそうです。これ自体を見れば大変喜ばしいことなのですけれども、一つ残念なことは、それを受け入れる社会インフラ、食糧、そして雇用、そういうものが整わない中で若者がふえると何が起こるかというと、食糧の略奪であったり紛争であったり、ひいては戦争。今、アフリカで多くの紛争が起こっているのは、基本的には若者の増加が起因しているというのもお聞きしております。  このように、行政が取り組むことは将来社会に大きな影響を与えるということも理解しなければならないと思い、質問させていただきました。  少し国内に目を向けますと、先ほど知事が製材業のお話もしていただきましたけれども、私もやっております製材業、私が30代のころには全国で事業所が3万件以上ありました。今6,000件を切っております。これはよく皆さんが外材が入ったからと言われますけれども、実際はその要因だけではなく、昭和50年代、国の政策で林構といいまして林業構造改善事業、これに皆さんが手をつけられました。まだ当初は小規模の事業者ですけれども、後段になりますと10万立米の工場というような大きな製材所ができるようになりまして、そうしますと総需要と供給との関係で、小さい製材所は淘汰されていきました。その当時、国がこういう政策を打つからだという多くの方のお話がありましたけれども、私は、長い目で見て15年、20年先のことが縮まっただけの話で、きょう見ればですよ。ですから、やはり社会の中では生産性の向上というのは絶対避けて通れない仕組みなのだろうなというように思います。  先ほど言いましたように、国の政策、県の政策、大変後々大きくなっています。再度知事のほうにお伺いしたいのは、生産性の向上、これはただスケールだけの問題ではなく、いろんな情報であったり、先ほど知事が言われました高度人材を都会から地方に持ってくる、これも生産性の向上になります。こういうことに今以上に取り組むお考えはないのか、お伺いいたします。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)西川県議から重ねてお尋ねがございました。確かに海外において極端な人口政策、またそうしたトレンドが起きているのは事実でありまして、中国は一人っ子政策、そして今、大変な高齢化、急速な高齢化に悩んでいるというような状況が生まれてきています。1974年、世界人口会議があったころは、アフリカはキャパシティーが広いし、また資源も豊富なので人口がふえても大丈夫だと、そのような結論だったのですが、結局人口が急増したことで先ほどおっしゃったような社会的な問題が発生をしてくる。1983年にはそうした人口問題というものに警鐘を鳴らす、そういうことがアフリカの中でも話し合われるようになってきて、今日人口爆発が食糧の問題だとか、それから雇用の問題、社会保障の問題などになり、国情の不安定にもつながっているという実情もあります。やはりある程度適度な行政の関与ということはあっていいはずでありますが、過度に何かトレンドを曲げてまでやろうとしますと話がコントロール不能なところに行ってしまうというのが、過去の経験なのではないかなというふうに思います。  本県の場合、今これから必要なのは、議員がおっしゃるように人口は若干少なくなってくるトレンドを受け入れた上で生産性を高めて所得の向上を図っていく、こういうことが一つの解決のキーになるのではないかということだと思います。  これは、いろいろと我々もチャレンジをしてきたところですが、農業でいえば例えば和牛の種雄牛造成などを進めて、1人当たりの農家所得は今恐らくかなり急上昇してきていると思います。また、果樹も二十世紀梨一辺倒だったところを、新甘泉等を入れて、従来よりもましてくる。また、ハウス栽培をスイカに導入することで通年出荷といいますか、切れ目のない出荷がそのシーズンにはできるようになりまして、それで売り場を確保して所得を上げていると、単価も上がったと、このようなことになってきました。  これは農林業だけの世界ではなくて、商工業、製造業とかサービス業の分野でも可能なはずであります。例えば旅館さんなどでもそういうICTを活用した顧客管理や現場管理などのシステムを入れて効率化を図っていこうということに動かれている有力な旅館も県内にも出始めているところでございます。また、さまざまな地域の問題を管理する中でも、例えば交通の手段ですね、これなども鳥取大学と国の内閣府の事業なども入れて県もかかわって、そういう供用をしてバス、バスといってもタクシー型のデマンドタクシーのようなバスを動かす、こんなことを大山のほうでさせていただいたものを貨客混載だとか次のビジネスにつなげて、できるだけ所得が得られるようにならないかと動いていったり、新しい先端的な技術を導入して、月光ドリルさんのところはリーマンショックのときまでは単なるドリル生産でありましたけれども、これは医療系などに行くのではないかということで10年ずっと育ててきましたが、今、海外のメーカーさんでも非常に注目をされてくるようなことになってきたり、一つ一つそれぞれの分野で、同じような陣容で仕事をするにしても、所得がふえるように、私どもでもいろんな挑戦を応援してきたところであります。  これからまさにこうしたことの競争が各県、各地域、各国で起こってくるわけでございまして、本県としてもそうしたIoT等々を導入したりAIを導入したりということも含めた生産性の向上策というのを強化してまいりたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)8番西川議員 ◯8番(西川憲雄君)それでは、行政の責務についてお伺いいたします。  知事が御答弁されたように、やはり地域の活力を維持するためには、人口減の中でいかに生産性を上げて収益を生むかという観点が必要だと思っております。先ほど説明の中で、これはちょっと言わずにおろうかなと思ったのですけれども、例えば低コストハウス、鳥取県は本当にすごくいい取り組みだと、私は思っているのですけれども、県東部がなかなかこれが伸びておりません。本来は東部にすごくマッチした取り組みだと思っております。特に中山間では雪の対応にもなるし、鹿の対応にもなるし、牛の対応にもなります。ところが、この前お聞きしたら葉物野菜が基本的な対象で、例えば果樹とかブドウとかが対象品目でないから補助の対象にならないというようなお話をお聞きしました。ただ、県は県でまた別の対応は考えておられるのですけれども、一般的な考えとして、頑張る農業を手助けするためにつくったハウスであれば、私はつくる品物まで余り細かく県が指定しなくて、頑張るところに力を与える、最低限3年ぐらいの経営計画が出せるような会社でなければなりませんけれども、やはり品物でいい悪いを判断するのはいかがかなと思いました。ここら辺についてはできるだけ改善していただきたいし、やはり先ほど言いましたように、人口減というのは大きなデメリットを受けます。行政に対してもそうです。例えば人口が60万人おったのが将来展望で46万人ということになると、住民からすれば2割5分の、25%の負担増になりますよね。そうすると、やはり行政の責務としては将来社会を維持するコストは極力小さくすることが必要でありますし、10年、30年後に負担となるようなものはできるだけつくらない、つくるとしてもよくよく考えて最低限のものにするとか、先ほど言いましたように25%人口減があるのであれば、最低限25%は生産量アップ、それ以上の生産力を上げるという、それはボリュームだけではなくていろんな先ほど言われました情報の問題、物流の問題、いろんな方法でいいのだと思うのですけれども、私はやはりこれからの県の政策として重要項目に入れてはどうかなと思います。  教育長にお伺いいたします。  知事とのやりとりを聞いていただきまして、先ほど教育のあるべき姿、とることの必要性はお聞きしましたが、これから今お話ししたようなことをやるにしても、これからの若者がやる気が起こらなければ何にもなりません。そういう意味で、これからの若い人たちが頑張れる、そういう力を持つ教育をやっていただけるのか、それとも今取り組んでいるのかどうかをお聞きしたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)西川県議から重ねてお尋ねがございました。  農業における低コストハウスにつきましては、これは一つの技術でございまして、県のほうで開発をしたものであり、これが耐雪性もよく、結構使えるということがここ数年で実証されてきたと思います。これはスイカを先ほど例にとりましたけれども、そのほかのところでも低コストハウスは使えるわけでございまして、その活用につきましては、農林水産部長のほうから詳細はお話を申し上げたいと思います。  果樹とかで一般的に全て排除されるとかということではないと思います。むしろ、どういう事業を組み合わせてやると農家さんとしては有利に事業化できるかというところのいろんな計算も働いているのかなというふうに思いながら、お伺いをさせていただきました。  生産性を上げるということは大切でありまして、最近も私どもは県内の企業の経営革新の応援をさせていただいています。そういう中で、ロボット化を導入して、それで実際生産ラインの効率化を図っていく、そういうことは日常茶飯に見られるようになってきました。設備投資の応援をして、それの売り上げをふやし、付加価値、所得を上げてくると。この辺はいい循環が今、県内の企業向けにも支援する中で出てきたのかなと思います。  また、最近特に中国等から生産基盤をこちらに返すことなど、誘致のほうの域外からの立地について申し上げると、ほとんどと言っていいほど人間が余り要らない生産性が高い工場が主流です。これでないと海外の安い労働力の産地と競争ができないのだと思います。そのような意味で、議員がおっしゃったように相当程度加速度的に今、付加価値が上がってきている、そういう生産の実態が工業面でも生まれてきていると思います。  若干サービス産業などへの波及がまだ十分できていないところなどもありますので、先ほどおっしゃった第四次産業革命などが一つのキーワードになるのではないかなと思いますが、今私どもでも、IoT推進ラボを国の応援も得て鳥取県内には設置をし、人材育成やいろんな技術開発、アプリケーション開発に向かい始めたところであります。ぜひ新年度以降もこれが拡大できるように、県政としても努力をしてまいりたいと思います。
    ◯副議長(福間裕隆君)村尾農林水産部長 ◯農林水産部長(村尾和博君)低コストハウスにつきまして、補足の答弁を申し上げます。  鳥取型低コストハウスにつきましては、2015年に県が中心となって開発いたしました。4年後の2018年現在ですけれども、969棟、面積にしまして27ヘクタールが導入されました。急速に導入されておりまして、県の中部のスイカ地帯が中心となっております。スイカに導入されまして、後作にチンゲンサイやホウレンソウのような葉物野菜もつくっていらっしゃいまして、非常に農家の所得向上に貢献しているところでございます。  議員お話しのように、県の東部ではなかなかそういった大きな野菜関係の施設物、作目がございませんので、中部に比べますと伸びはわずかであります。アスパラガスとかで導入されております。  基本的には要望がありましたらなるべく要望に沿うように、農家の方にしっかりお話し合いをさせていただいて知恵を出しながら事業に取り組んでおります。中にはブドウとかサクランボをつくりたいと言われる方もあるのですけれども、何分6メーター間口の単棟ハウスでございまして、果樹をつくる形態にはなっておりません。そういうことで、そういう皆さんには既存の柿、ブドウの推進事業がございますので、そちらのほうで棚をつくったり、そういうことで応援させていただいているという状況でございます。  今後とも規模拡大やら新しい作目に積極的に導入される皆さんにはしっかり応援していきたいと考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)西川議員から重ねて、地方創生に向けてやる気のある若者を育てるべしというお話だったと思います。  そのとおりだというふうに思っております。教育行政としては、さまざまな体験でありますとかさまざまな学びの中で、それぞれの児童生徒にいろんな適性、特徴があるわけですので、自分の力の中で何が生かせるのか、それぞれの子供が自分自身で考えていくことが必要だというふうに思いますが、そのために今考えているのは、自己肯定感というものをどんどん高めていく必要があるのではないかなというふうに思っております。そのために何をすべきかということなわけですが、やる気を育てるためにはやる気のある大人とかかわるというのが一番早いのではないかなということも一つ思っておるところですし、一つは夢や目標というものを自分でしっかり持って、それに向けて何を今したらいいのかというのを考えて取り組んでいく、そんな取り組みを積み重ねていく、そんなことが要るのではないかなというふうに思っております。  智頭農林高校では、私が西川議員に言うのもなんですけれども、Preserve智頭宿という団体がおられて、智頭の町並みを保存していこうという木田さんという本当に強い思いを持った方がおられ、その方の仲介で、藍染め工房をやっておられますちずぶるーというところの力をおかりして、町並みの中で藍染めののれんを広げていく。その中の取り組みに智頭農林の生徒がかかわっていく、そうしたことでありますとか、あるいは藤縄建具店のお力をおかりして格子の戸ですね、それを智頭農林の生徒がつくっていく。この間お邪魔したときには、すごく緻密な模様の格子戸に挑戦をしていましたけれども、使っていただく人の顔を思い浮かべながら喜んでもらえるものをつくりたいのだということで生徒が本気で向かっていました。そんなことでやる気のある大人が本気で子供たちに向かっていただいている、その中で子供たちも真剣な姿勢を学んでいる。そうした学びというのが次の子供たちが自分の次の人生、キャリアをどう積んでいくかというのを考える上で大きな学びとなっております。  こうしたことが必要ではないかなというふうに思っておりまして、そういうことをふるさと教育の中でありますとかキャリア教育、大きなくくりでいいますとそうしたことでありますとか、地域と連携した探求活動に力を入れることによって一方では自己肯定感を高めながら児童生徒のやる気を育てる、それが将来の地域の発展につながる、それを信じて取り組んでまいりたいというふうに思っております。 ◯副議長(福間裕隆君)8番西川議員 ◯8番(西川憲雄君)先ほど説明いただきました。言われるように、低コストハウスが対象の建物ではなく、それ用の建物があるというお話ですけれども、物事というのは余りにも固定概念を持たないほうがいいわけで、例えば安くていい鳥取式ハウスがあれば植え方によっては対応できることもあるし、野菜などでも露地物で下に伸ばすものをくいを打って縦に伸ばした野菜をつくっていく発想もあるのですよね。ですから、僕は需要のある方にいろいろ対応できるような、そういう柔軟な思考もあってもいいのではないかなと、これは要望しておきます。  最後に、教育長にこれはお願いになります。先ほど智頭農林の説明をしていただきました。子供たちが智頭農林に行きたいというのは、やはりそこにいい指導者があったり学校の方針で思いがあって、それに取り組んで、では林業をやってみようとか農業をやってみようとかという思いを持つ子供をつくらないと意味がないわけです。それには、受け皿としたところがもうちょっと方向性というか力を出す、そういうもっとアピールするような部分が今少ないのではないかなと私は考えておりますので、その辺を御努力願いまして、今回の質問とさせていただきます。 ◯副議長(福間裕隆君)本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後3時32分散会    ────────────────...