平成26年度、第1号の
株式会社鳥取メカシステム、鳥取市に続き、本年、29年度までに
株式会社ササヤマ、鳥取市、
株式会社明治製作所、倉吉市、
株式会社Lassic、鳥取市、
安田精工株式会社、鳥取市、
鳥取金属熱処理協業組合、米子市、
株式会社エッグ、米子市、
株式会社ビック・ツール、日吉津村、
株式会社ケイズ、米子市、
株式会社寺方工作所、北栄町の10件がこれまで認定をされています。
日本経済新聞に、安倍晋三首相は、本年1月12日から17日までの日程で、欧州6カ国を訪問する。エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国とブルガリア、セルビア、ルーマニアの南東欧3カ国で、いずれも日本の首相としては初めての訪問となる。日本の企業30社が同行して、各国首脳と面会し、新たな事業展開につなぐ。日本の企業は、三菱商事などのほか、IHIや日本たばこ産業などが同行する。エストニアには、楽天も加わると報道されています。エストニアでの両国首脳による
経済ミッションの参加企業に1社だけ、日本の中小企業として鳥取県が
ニッチトップ認定している
ビック・ツールが参加し、現地でも事業展開を行いました。
そこで、知事には、安倍首相の
エストニア訪問で、日本の中小企業として1社だけ加わった鳥取県が平成28年度に
ニッチトップ認定している
ビック・ツールの参加と同社の市場展開についての取り組みをどのように評価し、受けとめるのか、伺います。
2点目に、県内の中小企業の育成として、これまで10件の
ニッチトップ認定について、認定後の企業の現状と取り組みについて、所見を伺います。
平成27年11月20日、在
タイ日本大使館において、鳥取県は、
マヒドン大学及びタイ工業連盟(医療機器)と医療機器産業を担う人材育成に関する覚書を締結し、県内の企業の
マヒドン大学との医療機器にかかわる共同研究や用途開発等を通じて人材育成を進めようとしております。また、今後、県内企業と
マヒドン大学及びタイの企業並びに県と
マヒドン大学との人材交流の可能性等も協議予定としております。
平成27年11月の覚書締結以降、その年の12月には、
マヒドン大学から工学部長ほか2名が鳥取県に来県し、県内企業の製造現場、
鳥取大学医学部附属病院の
手術支援ロボット、ダビンチを視察したほか、翌28年には、鳥取県からタイの
マヒドン大学、同
大学附属シリラート病院を訪問し、県からの医療機器分野に関する県内企業の取り組みや県の人材育成を説明、同大学附属病院からは、病院の概要や医療機器に関するニーズの説明を受けています。その後も相互の訪問による連携は進み、5回を数えます。平成29年10月には、鳥取県の
ダイキンアレス青谷で、県内企業と
個別意見交換会が行われ、医療機器の共同研究や用途開発の可能性について意見交換が行われております。
そこで、知事には、1点目に、これまで5回にわたる相互訪問、県内企業と
マヒドン大学との意見交換について、どのように評価をしているのか、また、今後の開催について所見を伺います。
2点目に、県内企業と
マヒドン大学による
共同開発研究等の可能性について、どのように受けとめているのか。
3点目には、県内企業と
マヒドン大学の協議の進捗状況に応じ、取り組みを円滑に進めるための企業支援について所見を求めます。
そして、4点目に、今後の県内企業と
マヒドン大学及びタイの企業、県と
マヒドン大学との人事交流について、知事の所見を伺いたいと思います。
続きまして、災害からの復旧、復興について質問をいたします。
平成28年10月の中部地震発生から2年目となり、一日も早い復旧、復興をさらに進めるためにも、被災者に寄り添った
生活復興支援体制の構築が望まれます。本年1月31日の
参議院予算委員会では、公明党の
山本香苗参議院議員は、東日本大震災において、仙台市が戸別訪問などを通じ被災者の実態を把握し、福祉、就労支援などを組み合わせたきめ細かい支援に取り組んだ事例を紹介し、被災者に寄り添う支援、
災害ケースマネジメントを全国で実施できるよう提案し、安倍首相も全国展開へ意欲を示しました。日本弁護士会は、平成28年2月に、被災者の生活再建制度の抜本的な改善を求める意見書を内閣総理大臣及び関係大臣等に提出、災害状況に応じた個別の生活再建計画を立てて支援する
災害ケースマネジメントを制度化すること等の意見書を提出しております。
まず、知事には、この意見書の提出の動きについてどのように受けとめるのか伺います。
鳥取県においては、本議会に、鳥取県防災及び危機管理に関する基本条例の改正案が示されております。被災者の
生活復興支援体制の構築が掲げられ、県及び市町村は、相互に連携し、必要に応じ、個々の被災者の住宅、就労、財産管理、その他生活に係る課題に総合的に対応する体制を構築し、被災者の生活の復興支援を行うものとするとの
災害ケースマネジメントの条例案が提出をされております。
昨年末の中部地震による罹災証明の発行数は、県中部地域を中心に、鳥取市、岩美町、大山町、伯耆町、境港市、米子市、日吉津村、南部町を含む13市町村で1万9,050件となっています。そのうち、被災者による
住宅再建支援制度への申し込み件数は、損壊率20%以上の住宅3,757件のうち3,276件、87.2%が制度申請を行っていますが、いまだに481件の方が未申請となっています。
そこで、住宅のみならず、被災後の生活面での課題が解決されない方々を対象に仕事や福祉、建物、生活資金、健康、法律など専門の支援チームが被災者に寄り添ったフォローアップを行う
災害ケースマネジメントに取り組みます。そして、今までの被災住宅に対する支援から、被災者に寄り添った
生活復興支援へと踏み込んだ全国初の条例となります。
そこで、知事には、1点目に、被災者の
生活復興支援体制の構築の条例制定の意義について伺いたいと思います。
そして、2点目に、
災害ケースマネジメントのもととなるカルテ、個別の訪問調査の内容と調査体制について、どのように考えるのか、伺いまして、壇上からの質問といたします。
◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)澤県議から一般質問をいただきました。
まず、教育委員会とあわせまして、私どものほうにも高校生の
インターンシップについて、どういうふうに受けとめているのかというお尋ねがございました。
現在、県内の高校、特に実業系の高校ですけれども、1週間程度、そうした実習ということを行っています。議員のほうでも、先ほど具体的な例を出されてお話がございましたけれども、私自身も、先般、安養寺さんという智頭農林の生徒さんにお会いをいたしました。彼の場合は、智頭町森林組合のほうに
インターンシップに出たわけでありますが、そうした経験も生かして、このたび
スーパー農林水産業士に認定をされ、智頭町森林組合のほうに就職されることになりました。
事ほどさようなケースがたくさんあるわけでありまして、特に今人手不足がいろいろ言われますけれども、10%、20%、30%という、そういうレベルで
インターンシップ先のほうに就職したりと、そうしたことで県内の就職に結びついているケースも目立っています。また、必ずしも就職にいかなくても、その経験が生かされて、次のステップへ向かわれる、そういうことは多々あるわけでありまして、今智頭ブルーのお話だとか、いろいろございましたけれども、そうしたような子供たちの感性に響いて、そして、自分がやるべき人生の道筋というのを開拓していく力になるだろうと思います。
これをぜひ普通科の高校でも広げていこうと、新年度は倉吉西高校や
鳥取中央育英高校におきましても、こういう
インターンシップに取り組もうということになってきているところでございます。ぜひそうした意味で成果が上がればと思いますし、また、同様なことは、例えば小学校の教材等でもあるのではないだろうか。これは知事部局のほうで副読本をつくりまして、先ほど名前が上がったような企業さんも含めて掲載している。鳥取にはこんな会社がありますよという副読本を2万5,000部つくって配付しようということを進めたり、いろいろと私ども執行部側でも応援をさせていただいております。
次に、安倍総理の
エストニア訪問で、そのとき同席をされた
ビック・ツール、あるいはその市場展開についてどういうふうに考えているのか、また、ニッチトップとして10件認定されているけれども、認定後の企業の現状であるとか、取り組みについてどうかということでございます。
ニッチトップ認定というのは、地域で独自の技術を生かして新たな業態に挑戦をするとか、売り上げを飛躍的に伸ばしていこうとか、また、海外に開拓していこうと、こんなようなことで取り組まれているところでございまして、
鳥取メカシステムさんとか、ササヤマさんだとか、さまざまな技術を持った企業が認定をされていまして、これを受けることで、いわば
県内立地企業として手厚い形での拡張の補助金に結びつくと、こういうことにもなっております。ササヤマさんでも、アメリカのほうの工場であるとか、海外にも展開されておられますし、明治製作所さん、倉吉の会社でございますけれども、こちらのほうも自動車の部品をつくっておられますが、タイ等々でも展開をされているところでございまして、特に震災を乗り越えて、今事業の拡張をしようというようなことになってまいりました。
Lassicさんという非常にユニークな会社がありまして、これも
ニッチトップ認定を受けているところでございますが、こちらは、認定前は6億円であったものが今10億円の売り上げになろうという勢いになってきました。これは、例えばIT技術と健康管理を組み合わせたようなロボットだとか、そうしたもの等に業態を広げていくということをされているわけでありまして、鳥取大学さんなどとも連携をしているところであります。こんなように、地域のユニークな技術を持って、それで挑戦していこうという企業を応援していくこと、それはやはり県内の雇用をふやしたり、また、将来の産業の柱をつくっていく意味で、非常に効果はあるのではないかと思いますし、企業のほうもそうした期待に応えて、さまざまに展開をしていただいているという状況でございます。
そういう中、西部の
ビック・ツールさん、日吉津にある会社でございますが、これはかねてから県としても支援をさせていただいた企業です。と申しますのも、もともと
リーマンショックで非常に厳しい状況になったわけでありますけれども、そういうときに新たな販路を拡大しようと。そのときに、ドリルの先端の形状を抵抗がない形、それがちょうど月の形をしたような刃先になるということでありまして、そういう月光ドリルという商品を開発する。それをさまざまな販路、例えばこれから参入をする医療系であるだとか、航空宇宙系であるだとか、いろんなところに応用がきくのではないだろうか、それを海外展開も含めて応援をしてきたところであります。この企業も
ニッチトップ認定を受けておられます。
議員のほうから御指摘がございましたように、エストニアに行ったときに、
ユリラタス首相と安倍総理とが会われたとき、そのとき、
ビック・ツールの新井専務さんも同席をされておられました。それは、私どももそうした海外展開を応援してきたわけでありますが、平成28年に、エストニアのほうでパートナーを開拓したのですね。そこで、要は独占販売権というか、そういうものを向こうで持たれてやっておられるわけです。実は、安倍総理もそのときコメントをされていましたが、エストニアは
ステンレス加工などに長じている、そういう工業分野というのがございまして、そうした方向に月光ドリルの工業系のものを活用することができる、販路が広がるというものであります。また、この会社はサンクトペテルブルグにも支店網を持っていまして、そういう意味でロシアのほうにも広がっていくし、エストニアはEUの一画ですから、EUの中に入れば、あとは貿易の自由化がなされていますので、EU全体をターゲットにできる、そんな意味で大きな期待も持てる展開であり、エストニアの首相のほうにも呼ばれるというぐらい、現地のほうでもこうした鳥取県の中小企業の新技術が期待をされているということではないかなと思います。
今後もこの
ビック・ツールの展開を応援してまいりたいと思いますし、こうしたオンリーワンの技術を持ったユニークな会社を支援してまいりたいと思います。
マヒドン大学との覚書に基づいて、共同研究開発、あるいは意見交換等のこれまでの評価、企業支援や人事交流等につきまして、お尋ねがございました。
例えば情報収集、これは向こうのほうにビューローがございまして、それで県内企業の支援をすることもかないますし、海外支援の展開の助成であるとか、また、技術の開発であるとか、そうした各方面のさまざまな支援制度とも組み合わせながら、向こうでの販路開拓、それから、製品製造につなげていくようなことなど、我々も支援をしてきたところでございます。
そうした中で、
マヒドン大学というパートナーとの間でも、今後そうしたスキームで応援もしていくことになるのかなと思っておりますが、この大学は、特に医療系につきまして、非常に評価が高い、東南アジアの雄と言っていい存在でございます。今我が国の企業も東南アジアに向かっていっているわけでありますし、あちらも経済成長が著しくて、世界の中でのウエートも高まってきているところであります。いわば新マーケットであり、かつ、一定の技術水準も備えて、旺盛な研究開発をやり、私
ども中小企業とも結びつきやすい、そういう適性を持っているところでございまして、覚書に基づきさまざまな交流事業をやり、過去5度ほど、企業も向こう側と交流をしているというようなことでございます。
例えばイナバゴムさんという会社がございます。これは名前だと、何か鳥取っぽいのですけれども、実は本社は関西ベースです。ただ、このイナバゴムさんは千代水に主力工場があって、こちらの企業活動が中心と言っていいのですけれども、このイナバゴムさんも向こうに行かれて、いろいろと調整した中で、例えばゴムという絶縁性のものがありますけれども、そこに伝導性のものを入れる。そうすると、圧力を感じて、それで電気を送るというようなことができるようなゴム、こうしたものを開発しておられるのですね。これを例えば歩くときの足の使い方を調べるとか、それから、
心臓マッサージの練習のときに、この圧をかけたら電気が通じますので、それに使うとか、こうしたことでの技術開発、製品開発につながらないかということで、今具体的な先方との協議も進んでいると伺っております。
こんなように一定の成果も見え始めているところでございますが、人的交流も、まずは企業間の交流を皮切りにして、今後進めていただければよいのではないかなと思っております。
次に、被災地の支援につきまして、何点かお尋ねがございました。
災害ケースマネジメントを全国で実施できるように提言があるけれども、こういう意見書の動きについてどうかということ、さらに、今回の危機管理条例の改正の意義について、そして、
災害ケースマネジメントの基礎となりますカルテの戸別訪問調査、あるいはその体制についてどうかと、こういうことでございます。
これについては、公明党さんのほうでも今検討を進める
プロジェクトチームが動いていますし、日弁連などでも提言活動がなされていまして、最近クローズアップされてきた議論です。
災害ケースマネジメントというのは、アメリカのほうのカトリーナの災害等が発端になりまして、それぞれの災害の解決に当たりまして、被災者はさまざまな課題を持っていますので、その被災者について、どういうような支援ができるのかというプログラムを組んで実行していくと。それも単一的なものではなくて、コンプリヘンシブ、包括的なアプローチをしようと、こういうものでございます。
こうしたことでの提言活動やその検討が政府、国会のほうでなされるというのは、大変に必要なことであるし、ぜひ進めていただきたいと思いますが、今まだごく一部でそうした動きがあるわけでありまして、
山本香苗議員等、そうしたプロジェクトのほうで一定の成果を上げて政府を動かしていただける、あるいは議員立法していただけると、我々、被災した地域としても大変心強いというところでございます。
我々も経験はしたわけでございますけれども、やはり被災者が立ち直っていくのはそう簡単なことではないわけです。さまざまな課題が次々に発生しますので、それを乗り越えていかなければならない。私どもは割と先回りして早目に展開していることで、御評価をいただいている面もあるのですが、それはいろんな関係者がやはり被災地に入り込んで、そうしたことをしてきたからだとも言えます。例えば12%の損壊というふうに判定されたお宅がございまして、こうしたところで、家をかなり直さないといけないということになってまいりました。しかし、そこに今度は専門家の方に入っていただいて、さらにいろいろと調査を進めていただきますと、屋根をさわれば何とかなるだろうと。そういう意味で助成制度もありますので、それを活用して直すというような方向に動いたということもございましたし、また、被災されてアパートのほうに移られた。しかし、健康を害してしまった。そこで家族の介護を受けるという形になったわけでありますが、そこに市町村の
地域包括支援センターが入って、いろいろと相談をする中で、介護サービスを提供してもらうようになった。それで健康を取り戻したというような事例がありましたし、また、商工関係でもやはり個別の状況に応じていかなければいけないわけです。美容室さくらさんという上井の美容室さんがあったわけでありますけれども、やはり被災されまして、それで、場所を移って新たに操業するということになりました。そのときに県のほうでつくったさまざまな支援制度を商工会議所もサービス機関として仲立ちをしまして、無利子融資などを受けて、それで無事開業にこぎつけたというところもございますし、この際、業態をさらに拡張したり、新たなことに挑戦しようと、福を興すような「福興」へ向かおうという会社もございまして、例えばたいらさんという、これはちょうど伝建地区の中にかかるような形であるお店でありますけれども、お人形とか、こいのぼりだとか、そうしたものを扱っておられるお店でありますが、被災したものですから、それを乗り越えて再始動しようというときに、従来ですと、人形はセット売りで売るということでありましたが、それをいわば個別のものでもオーダーメード的にやって、非常に消費者ニーズに沿ったような形で売る商品サービスということに取り組まれています。
こんなような形で、まずは調査をし、そして、それに対する個別の計画というのを考え、実行していく。こういう段階、ステップを踏んだマネジメントが必要だろうと、我々は体感的に今回の災害でも感じているところです。そこで、
災害ケースマネジメントという手法をこのたび、防災危機管理条例を改正して、導入してはどうだろうかと。全国でもまだやっているところはございませんけれども、条例の中で制度化をする、そういう初めての自治体を今目指そうとしているところであります。
現実にもこれを私どもの被災地でも進めていかなければならないわけでございまして、そうしたカルテをつくったり、個別の対応をするということになりますが、現在、その調査を進めているところであります。倉吉市などはかなり件数が多いところであります。三朝町の場合だと、1次的な調査は終わりまして、そういう対応を考えるべきところが57あるということがわかりました。そのうちの3分の1ぐらいは、詳細な実態調査も終えて、今そうした意味で整理が進んできています。それで、個別の対策をこれから考えて、それを実行に移していくというようなことになろうかと思います。
現段階、我々のほうでも1月に市町村長のほうに提言をし、また、関係団体のほうにも呼びかけをして、動き始めたところでありまして、片方で今条例の審査をお願いしていますし、予算の審議もお願いを申し上げておりますが、そうしたことと並行しながら、今中部の市町村では実態調査を進めているというのが現状でございます。
◯議長(稲田寿久君)山本教育長
◯教育長(山本仁志君)澤議員の一般質問にお答えを申し上げます。
教育に関連しまして、何点かお尋ねをいただきました。
澤議員におかれましては、境港総合技術高校、倉吉農業高校に続きまして、
智頭農林高校を視察いただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。
その
智頭農林高校での地域連携の取り組みについてお尋ねがございました。地域連携の教育的効果、あるいは地域基礎の授業についての所感、そしてまた、
インターンシップについての教育効果についてお尋ねがございました。
智頭農林高校では、本県で唯一、林業学科を有するということで、農林業を主体として教育を行っておるわけでございますが、近年では、お話のとおり、顔の見える地域連携というのを一つのテーマに掲げまして、地域に貢献できる人材育成を目指した
ふるさと創造科を設置するなど、特色、魅力ある教育を展開いたしておるところでございます。地域行事に生徒が参加したり、あるいは物づくりを一緒にやったりという、そういう単なる連携だけではなくて、実際地域の住民の皆様と、文字どおり、顔をつき合わせていろんな連携をしていく。また、そうした取り組みや活動などを通じて、農林業を学ぶ高校として必要とされる知識、技能だけではなくて、他者と協力して物事を考えていき、行動に移す、そうした地域貢献意識の育成にもつながっているのではないかと考えているところでございます。
議員からも御紹介ありました藍染めのれんでありますとか、格子の作成などについて、これはもともとは町のほうが住民主体の行政を進めていくということで始められた智頭町の百人委員会というところにメンバーとして
智頭農林高校の生徒も参画をして、そこでプロジェクトを提案して、そのプロジェクトについて町のほうで予算化をしていただいたというところから始まっておるわけでございます。試行錯誤しながら、実際にのれんでありますとか、指導を受けながら格子を製作するということで、達成感を生徒自身も味わうということでございますし、今ではそうした藍染めのれんを掲げられる家が智頭地区で13件、格子戸についても5件ということで、広がりが出てきておりまして、地域の住民の方からも生徒に対して感謝の言葉がいただけたりということで、そこがある意味、自己肯定感の育成にもつながってきているということで、トータルとして、この取り組みは生徒の成長に大きく寄与しているのではないかなと思っております。
こうした顔の見える地域連携を進めるに当たって、幾つか学校のほうでも仕掛けをしておりまして、その一つが、お話がありました学校独自の設定科目、地域基礎という教科でございます。この中では、智頭町の現状を理解するとともに課題解決学習に向けての基礎的な力を養うということを目標にしておりまして、例えば観光でありますとか、6次産業化、移住といった視点を持って智頭町内の板井原でありますとか、新田、そうした集落を実際に歩いて回って、地域の方々と話をする。そうした中で学んだり、あるいは地域の方に社会人講師として学校に来ていただいて、さまざまな話を聞いたりということで、そうした中で、いろんな課題を発見する。その課題に対して、これはICTなども使いながら、グループワークをして、そうした解決策なども話し合いながら、最終的にはそれをまたICTなどを使って、グループで発表し合うというような基礎的な学びをするわけでございます。これをどの科の生徒も全員が学ぶということにしておりまして、こうしたことを通じて地域に関する課題、あるいはそうしたことについて興味、関心を持つということでありますとか、改善、向上を目指して主体的に取り組もうとする実践的な態度、あるいはグループ学習を通じた協調的に学ぶ力を育成しようということで取り組んでおるところでございます。
こうしたことに加えて、自分を理解する自己理解の取り組み、あるいは職業観を育成していく取り組み、こうしたことを1年生で学んでいくわけですが、2年になると、次は、全ての2年生が地元の企業に分かれて、5日間の
インターンシップを実際にやるということで、その職業体験の中で自分自身の適性を知ったり、あるいは就職時のミスマッチを防いだり、地元企業に対する理解を深めたりというような取り組みにつながっていくわけでございます。そうしたことが地元定着の期待される中で、地元に貢献できる、地元を支えていく、そうした人材の育成にもつながっているのではないかと考えております。
また、本年度からは、知事部局と連携をいたしまして、知事のほうからも御答弁ありました
スーパー農林水産業士の育成にも取り組んでおりまして、さき方の5日間の
インターンシップでしたが、この
スーパー農林水産業士の育成の中では、農業では約120時間、林業では約200時間の長期にわたります
インターンシップを体験するといったような取り組みも始めておりまして、
智頭農林高校からは2名が本年度認定をされたところでございます。
今後とも、将来の地域を担います人材の育成を図るために、地域でありますとか、関係機関などともよくよく連携をしながら、実践的な技術、知識の養成を図るとともに、地域社会に貢献する意識が持てるような、そうした人材の育成に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
次に、ICT機器を活用しての授業についてのお尋ねがございました。
智頭農林高校につきましては、学校の希望もありまして、ICTを活用した学習環境の研究のモデル校の一つとして、早くからこのICT利活用に取り組んでおりまして、実は
タブレット端末も平成25年度から導入をいたしております。このタブレットを利用して、静岡大学などと共同研究をするなど、これは協調学習の進め方にICTがいかに活用できるかというようなことを共同研究してきたわけでございます。こうした背景もあって、先般は福浜議員からその活用の利用度合いが少ないではないかというような御指摘もあったわけですが、
智頭農林高校の利活用率というのは、他校に比べて非常に高うございます。そうした、例えば学校内のふだんの授業において、調べ学習でありますとか、先ほど申し上げましたグループ学習などの活用に加えまして、地域に関連する授業などにおいても、外に持ち出していって、写真を撮ったりすることなどを初めとして、さまざまな有効的な活用方法というものがこの智頭農林の取り組みの中で生み出されているような状況でございます。
そうしたことでありますとか、タブレット型端末を初めとするこうしたICT機器の活用、これは生徒の興味、関心を引きやすいという特性もありますし、学習意欲の向上でありますとか、集中力がこれによって持続するというような特性もあるわけでございます。生徒数の少なさでありますとか、地域性といったハンディを乗り越えるツールとして、使い方としては、藍染めの話がありましたけれども、実際に他県でその藍染めを学んでいる徳島の高校とタブレットを使ってテレビ電話のような形で画像を通じて意見交換をするというような使い方もやっております。そうしたことも加えて活用できるものと考えております。さらなる有効な活用アイデアが生まれることを期待いたしておるところでございます。
最後に、通級による指導の御質問がございました。
平成30年度から制度が運用されるということで、本県におきましても、
智頭農林高校と米子白鳳高校の2校に通級指導教室を設置することといたしておるところでございます。この通級による指導は、通常の学級でふだんは学んでいるわけですが、一部、例えば学習障害があるといったような生徒さんにつきましては、ほとんどの授業を通常の学級で受けながら、その障害の状態等に応じて、例えば視覚認知のトレーニングを別途受けるといったことでありますとか、コミュニケーションの力を高めるといったトレーニングを行うといったような形で、障害の状態等に応じて特別の指導を受ける制度でございます。これまでのモデル校の設置でありますとか、そうしたことの準備の段階を経て、来年度いよいよ学習障害、あるいは注意欠陥多動性障害等の発達障害と診断された、あるいはその疑いがある生徒さんを対象として、この2校で取り組みを始めようといたしておるところでございます。通常の教育課程がありますが、在籍している高校で、通常の授業にさらにこの通級による指導を加えるという形で実施をいたしておるところでございます。その実施に伴いまして、指導を担当する教員を加配という形で、それぞれの学校に1名配置することにいたしておりますし、また、その教員が保護者の方でありますとか、もともとの通常の学級の教員、あるいは、特別支援学校等と連携をしながら、対象生徒の指導制度を行うということになるわけです。さらに、特別支援コーディネーターというものも配置をいたしまして、校外の関係機関との連携を図る担当の教員も配置いたして実施することといたしておるところでございます。
◯議長(稲田寿久君)32番澤議員
◯32番(澤紀男君)答弁をいただきました。
それでは、最初に、教育振興について重ねて質問をしていきたいと思います。
今、教育長もおっしゃいました。
智頭農林高校に行かせてもらって、本当に地域全体で学校を育てていると、これは肌で感じてまいりました。
それと、もう一つ、このICTの一つのモデルということで今おっしゃいました。これはますます必要になってくると思います。そういう観点から追及にちょっと入りたいと思うのですけれども、先ほど申しましたように、ICTを活用した教育は、今後ますます必要になってきます。多様な生徒を受け入れて、個々の生徒に応じた教育を目指して、最先端のICT環境を整備し、積極的に活用している京都府立清明高校を視察いたしました。平成27年に開校しまして、教育課程は、昼間2部、単位制の普通科、京都では29年ぶりの新設校で、これまでなかった新しいタイプの高校となっております。コンセプトとしておりますのは、「学びアンダンテ」、アンダンテは音楽用語で歩くような速さでという、こういう意味です。ICTを活用しながら、自分のペースでゆっくりじっくりしっかりと学べる環境を整えております。全員が1人1台のタブレットを持っております。
この日は、学校が取り組んでおりますタブレットを活用したランズドリルの授業について伺いました。10分トレーニングという時間が1日に4回設定され、この10分という短い学習時間を年間175回取り組むことで1単位として認定をしております。授業参観した個別学習では、eboardという基礎学力に特化した解説指導型動画教材やデジタル問題集を使い、それぞれが中学の内容までさかのぼっている生徒もいれば、応用問題を解く生徒もおります。ちなみに、この学習サイト、eboardは、NPO法人として第11回日本e-Learning大賞文部科学大臣賞を受けており、総務省の先導的教育システム実証事業で全国の学校、教育機関(公立高校・教育施設)やNPO、ボランティア団体の学習支援には無料でこのeboardアカウントを発行しております。
授業の特徴は、教員とともに近隣の大学と連携した学生ボランティアが指導に当たっています。生徒たちにとりまして、年齢も近い学生に質問もしやすいようです。授業でボランティア学生が教える専門科目は問いません。過去には、AIを専攻する大学院生もボランティアで参加したことがあります。生徒との触れ合いが重要で、ICTはそのツールだと。生徒の自信ややる気を引き出すためには、かかわる人の役割が最も大切だと授業を通して実感をいたしました。
そこで、教育長には、1点目に、京都府立清明高校のICTを活用した教育は、本県でも参考になり得ると考えますが、どのように受けとめているのか、伺いたいと思います。
2点目に、鳥取県での通級指導など、多様な生徒に対応するためのICT機器の利活用について、所見を伺いたいと思います。
そして、3点目に、清明高校での学生ボランティアの協力による授業は、生徒との親近感を覚えました。鳥取県立緑風高校、白鳳高校でも行われておりますが、どのように評価しているのか、今後の取り組みもあわせて所見を伺いたいと思います。
◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
山本教育長
◯教育長(山本仁志君)澤議員から重ねて御質問を頂戴いたしました。
初めに、京都府立清明高校のICTの取り組みについてどう受けとめるかということでございます。
お話がありましたように、2部制で、普通科の単位制ということで、ちょうど鳥取県でいいますと、鳥取緑風高校、あるいは米子白鳳高校、この2校に該当するような、そうした学校かなというふうに受けとめさせていただきましたけれども、非常に多様な生徒が入学してくる中で、ICTを上手に活用しておられるなと。その中でも、特に個に応じた教育がこのICTを通じてできるのではないかなという印象を受けさせていただきました。そうしたことで、我が鳥取県を振り返ってみますと、先ほどは
智頭農林高校では非常に利活用が進んでいるということでございましたが、緑風高校、あるいは白鳳高校では、昨年度からこのタブレット型の端末の導入をいたしたところでございますが、活用状況は十分かといえば、それほど十分活用しているという状況までまだ達していない状況でございまして、今後一層の活用が期待をされるところでございます。御紹介いただきました清明高校の取り組みなども大いに参考にさせていただけたらというふうに思っております。緑風高校も含めて、視察に行く予定もあるようでございますので、そうした視察結果なども参考にしながら、ICT活用を一層進めてまいりたいと考えております。
その清明高校におきまして、学生ボランティアの活用という観点での御質問もございましたが、本県でも、米子白鳳高校では、島根大学の学生に、鳥取緑風高校では、鳥取大学の学生に、これはボランティアで学校のほうに来ていただいて、例えば普通教科の学習支援、個別の支援に当たっていただくような場面で活躍いただいたり、あるいは、農業課程等の実習を伴うような教科で生徒とともに活動していただくということで、生徒同士の話し合いの援助でありますとか、グループワークの支援なども行っていただいているところでございます。そんな中で、やはり生徒同士の話なども聞いてみますと、ふだん、教職員でありますとか、友達にはなかなか話しづらいことでも、その学生のボランティアの方には話ができるといったような生徒もいるわけでございまして、そうしたことで、生徒にとっても随分この学生ボランティアというのはありがたい存在となっているというふうにも思いますし、一方、学生ボランティアで入った学生の話も聞いてみますと、将来的には教員を目指している中で、実際にこの教育現場で多様な生徒に対して接する、そうしたところで経験を積めるというのは非常にありがたいというようなお話も聞いております。そうした、どちらにもメリットがある取り組みかなというふうに思っておりまして、県の教育委員会としても、学校現場等に対して必要な支援をこれからも行ってまいりたいと考えております。
◯議長(稲田寿久君)32番澤議員
◯32番(澤紀男君)教育長、答弁をいただきました。
私も清明高校を視察しましたときに、学生ボランティアの方とお話ししましたけれども、本当に一緒になって教えているという感じがしました。ある意味、多様な学生さんを指導するには、一人では無理だと。数名要るのだと。その学生ボランティアの方のほうが、どちらかというと教師よりも主導的な授業を行っていたと、これが風土として根づいておるというのが物すごく私は感動いたしましたので、県教委のほうもしっかり取り組んでいただきたいなと思います。
それでは、中小企業の育成、振興について重ねて質問をいたします。
先ほど知事からも答弁いただきましたけれども、中小企業の育成をしていくことは、地域力の発展へとつながることは言うまでもありません。平成29年10月の
ダイキンアレス青谷での
マヒドン大学との意見交換会には、医療用月光ドリルを開発した
ビック・ツールも参加し、提案をしております。平井知事も
ビック・ツールの
ニッチトップ認定式では、実際に医療用月光ドリルを試されております。同様に、同大学工学部のチャクリット・スタコーン学部長が実際に月光ドリルでドリリングを行い、その性能に大変満足して、持って帰りたいという評価を得たといいます。ことしの2月15日には、
ビック・ツールは、タイの
マヒドン大学を訪問し、チャクリット・スタコーン学部長と面会、同大学工学部で医療用月光ドリルの臨床対応も含めた連携に進むべく協議が進められております。また、3月7日から9日まで、アメリカ・ルイジアナ州ニューオリンズで開催され、世界各国の医師、医療関係者が出席する2018年AAOS、米国整形外科学会展示会でアメリカFDAの認証取得をした医療用月光ドリルを実践し、商談に結びつける取り組みをしております。
国においては、経済産業省が地域経済の活性化のためには、地域を牽引する企業、地域中核企業を創出し、その成長のための支援を行う地域中核企業創出・支援事業を行っております。
ビック・ツールは月光ドリルの顕著な優位性を証明し、航空機分野への進出と販路開拓を図る支援事業として、29年度採択をされております。
そこで、知事に、
マヒドン大学と
ビック・ツールの連携協議について、どのように評価をしているのか、今後の連携、支援策について伺いたいと思いますし、鳥取県が
ニッチトップ認定した企業として、この医療用ドリルのアメリカFDAの認証取得したことについて、どのように捉えているか。また、支援する地域中核企業、支援事業の航空機分野の採択について、どのように受けとめていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて澤議員からお尋ねをいただきました。
日吉津の
ビック・ツールさんは、テレビの番組などでも何回か取り上げられたこともあるほど、こうした医療系等、新しい分野に挑戦していることが全国、あるいは世界でも注目されるようになってきたと思います。我々としても、これまでさまざまな支援をしてまいりまして、そういうような効果が出ていることに大変に期待を寄せているところでございます。
マヒドン大学とのお話もございましたけれども、
ビック・ツールさんのドリルは歯の刺さりがいいわけですね。先のほうの形状が丸みを帯びた部分がございまして、それで抵抗なく入っていく。だから、骨の中にもすぐに入り込んでいくわけです。これがほかのドリルですと、滑ってしまって、なかなか入らないことがあったり、それから、これはきりもみをしているのと一緒でございますから、入れようと思って回すたびに、発熱してしまうと。入るときの抵抗が大きいということは、発熱をすることにもつながり、それは骨の細胞の壊死にもつながってくるわけです。これは例えば歯科用のインプラントであるだとか、いろんな分野に本来は応用がきくのではないかという目算のもとに売り込みをかけてきたところでありまして、
マヒドン大学さんでもそういう滑らないとか、切れ味がいいとか、それから、熱が出ない等に着目をし、これを何とか採用できないだろうかというようなことを今おっしゃっています。
タイのお国柄だと思いますけれども、いろんなところに実はアプローチがありまして、もともとスイスの企業からおろしているという形がございますので、そうしたところとの交渉をこれからしていくのでありましょうけれども、もしスイスの企業がこうした私どもの
ビック・ツールさんのを採用するとかということになれば、今度はヨーロッパも見えてくるわけでありますし、世界が見えてくるということにもなりますので、おもしろい展開になればなというふうに御期待をいたしております。
また、やはりアメリカを一つターゲットとして考えてきたわけでありますが、アメリカの場合、非常に規制が強い国であります。よく非関税障壁のようなことをさまざまおっしゃいますが、特に食品、それから薬品につきましては、FDA、フード・アンド・ドラッグ・アドミニストレーション、そういう国の機関がございまして、ここは、その厳格さで知られているわけですね。だから、いろんなものが実はそこではね返されるわけです。認証が得られないと、それに対する規制がありますので、企業だとか、お店だとかでも扱いにくい、そういういわば一つの商文化もあるわけですね。例えばニューヨークのあるお店がよく自慢話をされておられましたのは、フグ料理を出すのが大変だったと。フグは毒がありますので、FDAを通らない。そうすると、お店で出せないと。そこをかなりいろんな手だてを使って、そういうものを認めてもらったというのが一つの手柄話になるぐらい、FDAを突破するというのは非常にハードルも高く、突破すれば逆に付加価値になる、そういうものであります。
ビック・ツールさんは、このFDAの認証をことし1月に受けられました。その後、3月6日から10日に、アメリカの整形外科学会が開かれたとき、この
ビック・ツールさんは展示をされて、商談会もやられたわけでありますが、そのFDAも認証されていることから、かなり引き合いが変わってきたそうです。それによりまして、この分野でも展開のチャンスが広がっているのかなと。今向こうの有力な企業さんとも交渉をしていると伺っております。
また、航空機系でありますけれども、大手の航空機メーカーに連なるような、そういう部品産業の中でも、こういう航空機系は使えるところがございますので、そうした中で、この
ビック・ツールのドリルというものは活用できないか。これは経済産業省の事業も活用しまして、当方でも応援をさせていただいているところでございますが、これにつきましても、さまざまな向こう側との協議が始まっているところでございます。
こんなような形で、いろいろまずは製品開発、それから販路拡大、そうしたさまざまな局面で各種事業も使いながら、こうしたニッチトップ企業の応援をさせていただいているところでございます。
◯議長(稲田寿久君)32番澤議員
◯32番(澤紀男君)知事から答弁をいただきました。
中小企業の育成という観点から、今回取り上げさせていただきました。ほかにも、中小企業の方でいろんな技術を持っていらっしゃるニッチトップがありましたけれども、しっかりとこれからも県として光を当てていただきたいなと、これを要望して、質問をいたしました。
次に、
災害ケースマネジメントにちょっと移りたいと思います。
先ほど知事のほうから答弁いただきましたけれども、現実、進める上でのカルテの調査ということで、少しだけ申し上げたいと思います。いろいろな調査があると思いますが、やはり仙台市の例をとったことを聞きますと、この仙台市では、その調査に当たってシルバー人材センターに委託して調査をしたと。これは国会での答弁も聞いております。どういうことか、被災された方々は、困ったことこそなかなか言えない。そして、聞けない。そういうことについて、やはり年齢もある程度、経験も持っていらっしゃるシルバー人材センターを活用して、しっかりと聞いて、カルテをきちっとしたものに精度を上げていただきたいなということを、これは要望しておきたいと思いますので、また答弁があればお願いをしたいと思います。
災害からの復旧について、重ねて質問をいたします。
防災士の育成について伺いたいと思います。鳥取県は、平常時には自助、共助の考え方を広げるとともに、災害時には共助の取り組みを担い、指導する防災士の育成を県下で推進をしております。防災士は、自助、共助、協働を原則として、社会のさまざまな立場で防災力を高める活動を期待され、そのための十分な意識と一定の知識、技能を習得したことを特定非営利活動法人日本防災士機構が認定した人のことをいいます。
教育長のほうからは、PFIの可能性調査が手間取っているという話なのです。ここで一つだけ、これはどうしても外せないものとして、私はお願いをしたいことがあるのです。今いろんな形で提案をしているのですけれども、今後美術館をやっていく上において、私は学芸員というのは非常に重要な位置を占めるものだと思っていまして、このPFIで建物だけになるのか、運営もそうなるのか、どうやって、指定管理にするのか、いろんなことが議論されていくと思うのですけれども、最低限学芸員だけは直営でやっていく。要するに我々のコントロールがきくところが必要で、なおかつ学芸員が大きな大きな位置を占めていくわけで、そのことについてどう考えているのか、これは教育委員長にお答えをいただきたいなと思います。
あわせて、ラーニングセンターの件なのですけれども、現在準備のために2人の職員が学芸員という形でおられると思います。これはもともと学校から派遣をされてきた教員の方だと聞いておりますけれども、この準備が非常に大事だと思っていまして、これに、あと、教員の間でいろんなところに派遣研修とかされているようなのですけれども、そういった派遣研修先にこの美術ラーニングセンターの準備室みたいなところができないのかどうか。
また、この美術ラーニングセンターの検討委員会のメンバーが小学校の元校長先生とか、美術の教員とか、そういった方々が入っておられると聞いておりますけれども、美術の専門家でない者、いわゆるほかの教科の先生とか、あるいは美術団体の方、あるいは全然関係ない音楽団体の方とか、そういった方を加えられないのか伺います。
また、対話型鑑賞のスタッフを確保していくということは非常に重要だと思っていますが、前に質問したときには、あらかじめボランティアを養成していく必要があるのだというふうに言っておりましたけれども、どういった形でこの対話型鑑賞のスタッフを確保していくのか。できれば固定的な非常勤の職員という方をつくっていくということも必要だと思うのですが、そういったことについていかがでしょうか、教育長にお尋ねします。
これは、教育委員長にお尋ねしたいのですけれども、先ほど教育委員長の提案でこの美術ラーニングセンターをつくるということになったということでお話がございました。大変すばらしい提案をしていただいて、もう日本にここしかない、鳥取県しかないものになろうと思います。そこで、その美術ラーニングセンターを将来的には、対話型鑑賞のファシリテーターの全国の養成機関みたいなことにしていくのだというような大風呂敷でも広げていただけないかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
中島教育委員会委員長
◯教育委員会委員長(中島諒人君)まず、学芸員のことについてです。
現状、運営のことも含めて、PFIを導入すべきかどうかということが検討されている段階ですので、なかなかちょっとお答えしづらいところもあるのですけれども、やはり学芸員という専門的な知見を持っている人、そのスタッフがしっかり直営によって支えられるということは重要なことなのではないかなというふうに思います。アドバイザリー委員会においても、運営が外部委託されないということの重要性を説くアドバイザリーのメンバーの方もいらっしゃいました。その辺の意見は、私どももすごく重要なこととして、大切なこととして、お聞きしているところです。
私個人の考えとしては、議員おっしゃるようになったらいいのではないかなというふうに思っているところですけれども、ここのところは、まずはPFIの導入の検討についての結論を待たなければいけないことかなというふうに思っているところです。
美術ラーニングセンターにおいて、対話型鑑賞のファシリテーターの日本に冠たる養成機関にという、やる以上は、日本中に誇れるものにするというようなことを目指すという気持ちは持たなければいけないところだろうなというふうには私も思っています。ファシリテーターというのがすごく重要な役割を担っているということは、議員がおっしゃるとおりで、やはり対話型鑑賞によって、アート作品というのがただの教養ではなくて、人によって理解が違うものであり、対話の場の中心にそれを置き、いろんな人の意見を聞くことでもって、それぞれの違いを認識していくという意味で、一つは作品に対する理解が深まるとともに、もう一つは、やはりみんなそれぞれに違うのだよと。そして、いろんな考え方があっていいのだよということの中で、人間理解とか、他者理解とか、社会に対する理解が深まっていくという、非常に重要な側面があるのだろうなと思います。ですので、このファシリテーターの養成ということは、いずれにせよ、しっかりやっていかなければいけないし、やる以上は、何かしら全国に誇れるものを目指していくということは、これはぜひ入れたいことだなというふうに思っております。
先ほども申し上げたこととつながるのですけれども、ファシリテーターというだけではなくて、美術ラーニングセンターにおいて、アートを通じた学びとか、表現ワークショップの教育的な意義をしっかり現場の先生に認識をしてもらい、そのファシリテーションのテクニックなども知ってもらいということで、鳥取県の教育をよりアップデートしていくための重要な人材育成の場として機能していくということは、ぜひやっていきたいことだなというふうに思っているところです。
◯議長(稲田寿久君)山本教育長
◯教育長(山本仁志君)森議員から重ねて美術ラーニングセンターにつきまして、何点かお尋ねをいただきました。
詳細は、重ねて理事監兼博物館長から御答弁申し上げますが、この美術ラーニングセンター、美術館、ミュージアムネットワークによる連携とあわせまして、この美術館を特徴づける大きな2本柱の一つでもございますその機能、体制につきましては、私としてもしっかりといろいろ意を払いながら検討してまいりたいと考えておるところでございます。
◯議長(稲田寿久君)田中教育委員会事務局理事監
◯教育委員会事務局理事監(田中規靖君)それでは、補足の答弁を申し上げます。
大きくは3点ほどございました。
まず、美術館のスタッフの確保の話でございますけれども、先ほど森議員からの質問にもありましたとおり、この美術ラーニングセンター機能の検討を主に進めている担当というのは、現在教員籍の専門員2名でございます。新しい美術館の大きな目玉として、このラーニングセンター機能を機能させていくための人員体制としては、やはり少し不十分であろうかなということは認識をしておるところでございます。そのために、まず初動といたしまして、学校における教員の研修をうまく利用して、その研修先として、この博物館、美術館というところを御利用していただくといったような形で体制の充実をまずは図っていくといったようなことで今検討を進めておるところでございます。その上で、必要な体制等はどのようなものかというのは、実際事業内容をある程度詰めていく中で検討してまいりたいというふうに考えております。
美術ラーニングセンターに関する検討委員会というものを設けておりますが、その委員のメンバーについての御質問がございました。このメンバーにつきましては、小学校、中学校の現役の学校長の方にも参画をいただいております。小学校は教科担任制ではございませんので、あらゆる教科を見ている校長先生ということもございますので、教科横断的に考えていくということでは、ある程度は可能ではないかなというふうには考えておりますが、委員会の検討を進める過程で、外部の専門家の知見を得たいであるとかといったような場面もあろうかと思いますので、そこは柔軟に考えてまいりたいというふうに考えております。
対話型鑑賞のためのボランティア、あるいは非常勤の確保のお話がございました。この対話型鑑賞につきましては、先ほど来お話があったとおりで、そのファシリテーターというものの存在というのは非常に重要な存在でございます。現在、先進的な取り組みが行われております美術館、例えば東京にございます国立近代美術館等、少し先進事例も調査をしながら、準備を進めているといったようなところでございます。また、この12月に県の中部のほうで、県立美術館と共に歩む中部地区の集い協議会というものを設立なさいました。その中で、応援団部会という部会が設けられておりまして、サポーターの制度であるとか、ボランティアの組織づくりであるとか、そういうものを事業として取り組んでいこうといったようなことを検討しておられますので、そういう応援団組織等との協力、連携、あるいは支援をいただきながら、具体的に美術館運営を支援いただくボランティアの育成の充実を図ってまいりたいかなというふうに考えております。
また、中核となる人間をということで非常勤のお話もございました。今調査しております先進美術館のファシリテーターの事例を見ますと、多くが無償のボランティアで構成をされているといったような実態があるようでございます。非常勤の配置まで必要かどうかということにつきましては、今後そういう準備を進めていく中で検討をしてまいりたいというふうに考えております。
◯議長(稲田寿久君)3番森議員
◯3番(森雅幹君)美術館については、鳥取県の課題で、やっとつくる方向になったものであります。基本構想では1万2,000平米ほどでしたけれども、それが9,910平米にシェイプアップされたということで、運営については、もう間違いないのだというお話でした。したがって、これ以上もっと面積を減らしていくなどということがないような形で、ぜひこの最低限の面積になったということを私は確認をさせていただいて、前に進みたいと思います。
生涯未婚の問題についてであります。
丁寧な答弁をいただきました。私は、幸せとは何かというような上段に構えてお話し申し上げました。確かにいろんな価値観に変わってきて、その価値観を押しつけるわけにはいかない、もちろんであります。それから、教育委員長のほうからも、学校教育の中でそういったことを教えるわけにはいかないとおっしゃって、まさにそのとおりでありまして、私の提案もそういうことではなくて、考える場をぜひ提供いただきたいなと、そういう思いでしたが、教育委員長からはそういった答弁をいただきました。また、知事からもそういった対策が必要ではないかというような答弁もいただいたところです。
本当に価値観が変わっていく中で、幸せというのは、先ほど知事のほうからもありましたし、教育委員長からもあったのですけれども、人間関係の中でしか生まれないものだと思います。一人だけで幸せが生まれるということ、個人と物との間だけで幸せが生まれるというわけではなくて、人間関係の中だけでしか生まれない、そういったことをぜひ考える場というものを持っていただきたいなというような思いでございます。
また、教育委員長のほうからは、キャリア教育という言葉も出していただいて、私も最後はキャリア教育につなげた質問がしたいと思っていたのですけれども、そのキャリア教育ということが非常に重要だと思っていまして、今後子供たちに対して、具体的な場を持つ努力をしていただきたいということを申し上げて、これについては終わります。
もう時間がありませんので、最後に、産業廃棄物の処分場の問題であります。
知事からは、丁寧に対応していきたいということでお話がございました。足らざるところは補いたいというお話もございました。私は、立場を申し上げますと、産廃は必要なのだと、鳥取県においてつくらなければいけないというふうに思っています。ですが、本当に今の計画でそこにそのままつくっていいのかというところには、実は疑問を持っているということであります。現在反対している方がいらっしゃって、その話し合いが平行線で、ばちばちぶつかって、これが法律に従って、その法律の枠内であれば、それがそのままできるのだという形でこれができ上がっていくということは全く不幸であります。お互いにわかり合えるところが必要だと思っていまして、それは一体何なのかといったところが私は本当にあるのではないかなと思っています。
一つには、やはり知事もこうやって反対されている方と話し合う場というのが必要ではないかなと思います。また、本来、知事はこの産廃処分場の設置の許認可、あるいは監視の立場なのですけれども、今回政策的に鳥取県内にどうしてもつくらなくてはいけないということで、環境プラントさんが手を挙げられて、それでは、環境プラントさんが事業主体でやろうねということでスタートしたと。あそこが場所だったということなのですけれども、そこで、今度はやはり地域の住民にとっては、あの会社が何十年続くかどうかもわからないので、やはりそれは県の関係の環境管理事業センターが事業主体になったほうがいいねということで、それを変えられたということについては、非常によかったなと思っています。政策的に県にかかわる環境管理事業センターが事業主体になるということを決断されたというようなことがあるとするならば、もうちょっと住民の皆さんの意見を、どこが不安で、その不安をどうやって解消するかというようなことが、やはり何か出されないと、今の計画のまま、もう全然大丈夫だと、これに文句を言っている人たちは何か法外な要求をしている人たちなのだという扱いでいくとするならば、こんな不幸なことはないと私は思っていまして、もしこのままあそこでやるとするならば、少なくとも今のオープン型ではなくて、クローズド型にするとか、新たな提案をされて、住民の皆さんに話をしないと、もう全然これは平行線のままでいくというようなことになってしまうと思います。
また、前の質問でもやったのですけれども、埋め立て安定後の土地についても、地主に返して、後は地主さんが自由に使うのだと、利用規制はあったとしても自由に使えるというようなことではなくて、後もずっと県が管理していきますよというような姿勢がないと、これはやはりだめではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)未婚化が続いていることに対しての話でありますが、確かに先ほどのお話のように、いろんな考え方があるのでしょうけれども、やはり社会の中で何が幸せか考えるというのは大切であり、今の状況を変えていくためにも、いろんな啓発活動なり、PR活動はこちらの執行部側でも教育委員会と別の立場でできることもあろうかと思います。「空の星になれないなら、せめて家庭の灯火になりなさい」というジョージ・エリオットの言葉がありますが、そんなようなことというのは、やはり多くの方々にもわかっていただける一つの価値観かもしれません。ただ、教育の観点だと、子供たちに押しつけるわけにはいかないという難しさがあるのかもしれませんが、ただ、今の問題をいろいろ語り合う中で、こうしたことに向き合おうという機運の醸成は可能かなというふうにも思っていまして、いろいろ工夫をしてまいりたいと思います。
産業廃棄物処分場につきましては、詳細は副知事のほうから申し上げたいと思いますけれども、これについては、私も以前から議場でもいろいろございますので、何らかの形でいろんな方々と話し合う機会というのも必要かなと思いながら、きょうまで来ています。
ただ、現状を申し上げれば、条例上の手続が進んでいまして、これは当事者同士で話し合う、センターと地元が話し合おうというタイミングであり、ここは行司役を県がしなければならないところであります。また、その後の廃棄物処分場法の手続の中では、やはり先ほどおっしゃったように2つの立場があるわけでありまして、公正を疑われるようなこともあってはいけませんし、私自身は、どちらかというと県庁の中にチェックアンドバランスをつくったほうがいいというふうに判断をいたしまして、今そういう意味で審査等を担当するような生活環境系統と、あともう一つ、廃棄物の処分をどこかでやらなければいけない、それを進める系統とを進めようとしているところでございます。
そうしたことの複雑な状況もございまして、それについては御理解をいただきたいと思いますが、ただ、それで物事をおざなりにするつもりは全くありませんので、最後の最後までよき解決策を見出せるように努力をしてまいりたいと思います。
◯議長(稲田寿久君)野川副知事
総枠の時間が迫っておりますので、要領よくお願いいたします。
◯副知事(野川聡君)わかりました。
住民との直接対話なり、住民意見への対応ということについて補足の答弁をいたします。
さかのぼりますと、条例開始が平成28年11月ということであります。平成24年ぐらいから淀江の地元住民の方と話をしてきております。条例に入る前に、私もほぼ出ていましたので、条例と同じやり方をやった上で、平成28年、条例の手続に入っております。さらにこれが進みますと、法律のステージに入っていくということでありますけれども、平成25年9月以降だけで申し上げましても、私が統轄監のときでありますけれども、また、前生活環境部長、あるいは今の生活環境部長ですね、都合20回程度、直接お話を聞いておりますし、文書のやりとりも10回程度やらせていただいています。必要な内容については、知事にも報告しておりますし、もちろん事業者であります環境管理事業センターにもお伝えし、必要な情報は共有をして今日まで来ております。
直接対話等々のお話がございます。これを全部否定するわけではありませんが、条例上の手続、既に意見聴取のステージに入っておりますので、しっかり対象の方々につきましては、その意見調整会議で正面から向き合っていただいて、その場で御意見を主張していただくということでありますとか、米子市、米子市議会からも御要望いただいて、専門家会議というものをつくりました。これも直接対話するための、理解の促進のための会議だったと思っております。御理解を賜ればと思います。
クローズド型のお話もありました。これも議員からこの議場でお話があったのでありますが、幾つか理由がございます。現計画はオープン型にしておりますが、やはりクローズド型はまだ全国で70件程度しか事例がございませんで、まだ終了、廃止したケースが一つもなく、技術的な知見が蓄積をされておりません。一方で、オープン型は全国に1,700件から1,800件、非常にたくさん実績がありますし、実際終了、廃止したケースもありますので、技術的な知見の蓄積があるものですから、この計画につきましては、オープン型の構造といたしております。
今度は、安定した後の土地の話ということでもありますが、これもお話ししたと思いますが、議員もおっしゃいましたが、土地は県のものではございませんで、当然土地所有者があって、売却の意向がないという前提がありますけれども、平成4年に、当時、淀江町と淀江町の土地改良区が埋め立てをした後は、行く行くは、連絡道路をつくったりとか、あるいは農地にして、集団換地をしましょうと、そういうのが一廃処分場の場所で取り決めがついております。したがって、この計画は、その隣の地域、土地で産廃処分場をつくるわけですが、改良区の皆さん方含めて、今は同じような計画でいきたいということでありますので、クローズド型という、その箱物をつくりますと、その終了時点で構造物が残ることになり、跡地利用計画とのそごが生じるということでありますので、御理解いただきたいと思います。
それと、管理の問題でありますけれども、それは、今でも廃掃法できちっと県が管理するようになっております。公示をして、きちっと県が継続の監視をいたします。事実、県内でも40数カ所、廃止になっておる処分場がございます。それも同じように管理を県がさせていただいておるところでございます。
◯議長(稲田寿久君)3番森議員
◯3番(森雅幹君)もう時間がないのですけれども、現在の法制度での処分場のいろんな基準がありますが、これは年が経ていくたびに、新たな知見がどんどん出ていくものでありますので、住民の皆さんが不安に思っていること、そういったことについては、真摯にやはり向き合っていただきたいということを申し上げて終わります。
◯議長(稲田寿久君)暫時休憩いたします。午後の本会議は午後1時半より再開いたします。
午後0時26分休憩
────────────────
午後1時30分再開
◯副議長(福間裕隆君)再開いたします。
引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
5番市谷知子議員
◯5番(市谷知子君)(登壇、拍手)日本共産党の市谷知子です。
まず、核兵器問題です。
恣意的調査で撤回世論が高まる働き方改革や、森友学園土地売却決裁文書の改ざん、安倍政権の責任は重大です。その一方、平昌五輪を契機にした南北対話が非核化に向けての米朝対話という歴史的前進に発展していることを歓迎します。そして、東アジアの平和と悲願の核兵器廃絶の決め手は、対話による平和的外交であることがいよいよ明らかとなり、軍事的対立をあおるトランプ大統領のNPR核兵器開発や、それに追随する日本政府の姿勢を変える世論を高めること、先日、民進党の代表質問で興治議員がヒバクシャ国際署名にサインした平井知事にさらなる行動を求めたこと、大変重要と思います。そこで、ヒバクシャ国際署名に県庁ぐるみで取り組むなど、行動、啓発をすること、知事、どうでしょう。
次に、貧困問題です。
安倍政権は、生活保護費を前回の最大10%削減に加え、今回最大5%削減します。相対的貧困率が下がったといいますが、それは貧困層が広がったからにすぎず、さらに生活保護水準を下げれば、貧困の拡大です。この中で、権利である生活保護は受けるべき人が受けやすい環境の整備が自治体の責務と思いますが、知事、どうでしょう。
また、鳥取県ひとり親家庭の医療費助成、親には子供にはない所得制限があり、非正規雇用なのに所得制限にかかり、治療を我慢したお母さんもいます。住民税、所得税非課税世帯という所得制限は、ワーキングプアといわれる年収200万円程度でも支援対象から外れます。特にひとり親の場合、親の健康は子供の生活に直結します。なぜ親に所得制限があるのか、答えてください。
次に、国保です。
国の激変緩和措置によって県が示す市町村の標準保険料率が現状に比べ8町で下がります。知事が国の財政責任を強く求めたことの成果と思いますが、所見を求めます。
次に、医師確保です。
この間、県内の自治体病院長とお話をすると、どこでも地域医療を担う医師が足りない。特に東部で中央病院を中心に拡大する高度急性期病床の医師不足は深刻です。先日の常任委員会での病院長のお話では、鳥取大学の医師派遣は、場所の関係で島根県への派遣もあり、鳥取東部が視野に入りにくい、もっと県として連携を強めてほしいとのことでした。一県一医学部の精神を生かし、鳥取大学との医師派遣の連携を強化すること、どうでしょう。
次に、障害者施策です。
県立かちみ園、第二かちみ園、尚寿苑の民間譲渡が検討されていますが、前回、利用者や家族の意見を聞くべきと申し上げましたが、施設職員との関係での要望はどうだったでしょうか。
また、旧優生保護法下での障害者強制不妊手術問題は、先日、知事が遺憾の意を表明し、国に謝罪と補償を求めたこと、同感です。同時に、手術決定は県の審査会です。審査会での生んでも育てられない、子供が不幸になると障害者の存在をも否定する発言は許せません。私は、知事も謝罪し、この差別思想をなくす先頭に立つよう、精神障害者家族として望みます。どうでしょう。
次に、農林水産業です。
30年度当初予算は、臨時議会予算も含む14カ月予算ですが、臨時議会で対策費が76億円も計上されたTPP11、日EU・EPAに対する知事の見解が一言もありません。改めてお尋ねします。
そして、こうした輸入自由化や需給調整廃止で、米づくりの不安が広がる中、ことしの米の戸別所得補償制度廃止は、所得向上にも逆行です。制度の継続を求めること、影響額と今後の対策をお尋ねし、壇上での質問といたします。
◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)市谷議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、平和と核兵器の廃絶に向けましての考え方等々、お尋ねをいただきました。
これにつきましては、代表質問でもやりとりをさせていただきましたが、昨年5月31日に、私自身もヒバクシャ国際署名をさせていただきました。その前にも広島の知事ともいろいろと話し合いもさせていただき、鳥取のほうでも、私は署名する用意がありますよということも申し上げて、それで、関係者の方が来られたのだと思います。そういう形で、署名をさせていただいたところでございます。
この平和を目指すこと、あるいは核兵器の廃絶というような課題につきましては、これは国際世論の大きな連帯が必要だと思います。それは、一つは、外交上の問題が確かにあるのでしょう。ただ、この外交の問題というのは、いろいろな国と国との関係が絡み合って、一筋縄ではいかないところもあります。ちょうど今現在もイギリスとロシアがかなり反駁をし始めました。こうしたこと等々、いろいろと国同士ではさまざまなことが起こるわけであります。
ただ、人々のレベル、そうしたところではまた違ったことはあり得るのだと思うのです。今回のICANのノーベル平和賞の受賞ということもそうだったと思います。そういうふうに人々が連帯をして、そして、平和というものを目指そう、そういうことについては、国際的な普遍的価値として国連憲章にも盛り込まれた大きな価値観、人類の恒久的な大義というものがあるだろうと思います。
これについては、そういうようなことでの署名運動でございまして、自発的な意思で参加するのが最もよいことだと思います。組織を挙げて何か職務上の地位で強制するということよりも、自発的に取り組んでいただくのがよいのではないかなと思います。そういう意味で、私たちにできること、県庁絡みということでいえば、それはこの議会もそうした意味で、非核平和鳥取県宣言を満場一致でされた歴史もあり、8月のそうしたシーズンにおきまして、横断幕を掲げる、あるいは電光掲示板を利用したいわばアピールを行う、これは議会も賛同された、そういう宣言もございますので、それを期間として、鳥取県として行うことは可能だと思いますが、そうしたことなどで我々にできる範囲のことをやるべきではないかなと思っております。
次に、生活保護につきまして、これを受けること、その環境を整えるのは自治体の責務ということではないかということでございます。
これは、今本県の場合、市町村のほうで福祉事務所が設けられまして、そこで行うという実務になってきております。これは憲法に基づきまして、最低限度の幸福追求権ですね、ひとしくそうした生活を享受することができるという、そういう条項もあり、それに基づき、戦後も生活保護法が設けられてきたという歴史があります。したがいまして、それについての責務は基本的には国が負っているものだと思いますが、その国の法律の中で、自治体の窓口でそうした生活保護の事務を行うというわけでありますので、そういう憲法観や法律の趣旨にのっとった運用が当然求められることだと思います。
次に、ひとり親家庭の医療費助成につきましては、子育て王国推進局長からお答え申し上げます。
国民健康保険につきまして、保険料率の算定の課題のことがございましたけれども、これは、市谷議員も出席されているようにお見受けをしましたが、市町村長との行政懇談会の場におきまして、詳細な算定、かなり細かい計算をしなければ出てこないものでありまして、それについては示させていただきました。そうすると、本県の場合は、ほとんどの自治体で、従来よりも若干抑制的になり得る数字になりまして、最終的には新しい仕組みの中でも、市町村が保険料を定めるということになります。ですから、今後また保険料の設定については、また市町村のほうで十分考慮いただきたいと思いますし、新年度は、それを風呂敷で包むように、県が保険の主体になるということもございますので、適切に今後も情報提供、技術的な指導ということをさせていただきたいと思っております。
これに至るまで、国全体での議論もあり、市町村でいろいろと赤字が続いてきたことに対する地方団体側の強い懸念がありました。私も知事会の中で大分発言をさせていただきましたが、国が責任を持って財政責任を果たすべきだと。現在赤字なのは、それは低所得者が多くなっていることが影響しているわけでございますし、また、要は普通の被用者保険を卒業した方々が入ってくる等々、いろいろと特殊な事情があるわけです。ですから、国民健康保険につきまして、国が撤退するのではなくて、きちんと財政責任を果たすべきだということを申し上げてきて、3,400億円の措置額が明らかになりました。議場でも繰り返し述べておりますが、これが必ずしも十分だとは思いません。今後もその医療費の動向、それから保険者の状況に十分配慮をしながら、国も財政責任を果たすべきだと引き続き訴えかけをしていきたいと思います。
次に、地域医療につきましてお尋ねがございました。
医師派遣のことにつきまして、これは福祉保健部長のほうからお答えを申し上げます。
また、福祉施設のことにつきましては、ささえあい福祉局長からお答えを申し上げます。
次に、優生保護法下での強制不妊手術についてでございますが、これは以前もこの議場でも御議論申し上げましたとおり、長谷川県議の御指摘があるわけで、これは大変な人権問題であり、過去の国全体での非常に残念な課題、問題であるというふうに思います。その意味で、先日も申し上げたとおりでありますが、まことに遺憾なことであり、これについて、県としてできることを考えたわけでございまして、今相談窓口をつくらさせていただきました。今のところ具体的に被害者である方々からの御相談はまだこちらに届いておりませんが、今後も丁寧にそうしたことに対応していくことが大切だというふうに思っております。
具体的なそうした方々のいろんなケースがあると思います。そういうことに丁寧に対応するように、部局のほうには指示をさせていただいておりまして、今後救済措置が国全体で、超党派で議論されることを望んでおりますが、国に対してしっかりとした原因究明と、そして、対策を求めてまいりたいと思いますし、私どももそれをにらみながら、この被害を受けられた方の立場に寄り添って丁寧に対応してまいりたいと思います。
次に、農業問題につきましてお尋ねがございました。
詳細は、農林水産部長からお答えを申し上げたいと思いますが、TPP11であるとか、EPAであるとか、そうしたことが農林水産業に対して影響を与えることは、これは見えてきたわけでありまして、国としても最大限責任ある対応をしていただくことが必要であり、これを国のほうへ求めてまいりました。今回それに基づいて、いろんな予算も出てきましたので、2月臨時議会、そして、この当初議会に関連の予算を私どもも提案をさせていただいたところであります。
今後もこの農林水産業者の犠牲の上に貿易の自由化がなされるということがあってはならないわけでありまして、そういうことにならないように、強く国に求めてまいりたいと思います。
◯副議長(福間裕隆君)木本子育て王国推進局長
◯子育て王国推進局長(木本美喜君)ひとり親家庭の医療費助成になぜ所得制限があるかということについて補足の答弁をさせていただきます。
現在ひとり親自身の医療費につきましては、所得税非課税世帯に限定をして助成対象としているところでございます。特別医療費助成自体は、昭和48年に制度創設をいたしまして、ひとり親家庭につきましては、昭和55年から対象に加えたものでございますが、ひとり親につきましては、昭和55年の制度当初から所得制限を設けております。当時、母子家庭の生活状況は大変厳しい状況でございまして、母子福祉施策の充実が図られる一方で、昭和50年代半ばには離婚数が死別を上回るなど、ひとり親の状況にも変化が生じていた時期でございます。こうした中、昭和50年ごろから全国的にひとり親家庭の医療費助成制度化の動きが広がってきておりまして、この時期に鳥取県も制度の開始をしたというところでございます。現在全ての都道府県で、ひとり親の医療費助成につきましては、所得制限が設けられております。
ひとり親家庭におきましては、親が一たび病気で働けなくなるということになりますと、生活の維持に直結することになります。経済的な問題を理由とした受診抑制がないように支援をすることで、ひとり親家庭の生活の安定、福祉の向上を図るというものでございますが、支援の必要性は世帯の経済状況に大きく左右されることでありますので、所得制限を設けておるところでございます。ひとり親家庭の所得状況がさまざまであるという状況、また、県民の方からの理解も得ながら、制度を維持していくというためにも一定の所得制限は必要というふうに考えているところでございます。
◯副議長(福間裕隆君)藤井福祉保健部長
◯福祉保健部長(藤井秀樹君)私のほうからは、鳥取大学との医師派遣、あるいは医師確保の連携強化について補足の答弁を申し上げます。
県内の病院への調査では、県内の医師数は、この4~5年でも約100名増加しておりますが、医療の高度化、専門分化より、医療機関が必要とする医師数も増加しておりまして、医師の養成、確保は大きな課題と認識しております。その上で、県内の医師確保には、鳥取大学医学部との連携は重要であるというふうに考えておりまして、現在も医師確保奨学金の貸与、あるいは県と大学が共同設置しております鳥取県地域医療支援センターによる医師のキャリア形成支援、それから、鳥取大学地域医療学講座を設置いたしまして、人材育成などの取り組みを連携して行っているところでございます。
◯知事(平井伸治君)(登壇)市谷県議から重ねてお尋ねがございました。
優生保護法につきましては、重ねてでございますけれども、非常に残念なことであり、遺憾なことだというふうに申し上げているところでありまして、これから被害者の方々があらわれてこられるのではないかと思われますが、そうしたときに県としての責務を果たしてまいりたいと思っております。
CH-47等につきましては、詳細、地域振興部長からお答えを申し上げたいと思いますが、我々も安全を第一義として申し入れておりますし、配備について、C-2、CH-47、いずれも全員協議会で議会でも御議論をいただき、その上で回答しているというものであります。その全員協議会で議論した趣旨を我々も忠実にその後も履行しているわけでございまして、安全対策等を強く求めてきているということでございますが、詳細、部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
生活保護につきましては、これはささえあい福祉局長のほうから、所得税の話はどっちですかね。子育て王国推進局長のほうから、それから未婚のシングルマザーのことも子育て王国推進局長から、国民健康保険につきましては福祉保健部長から、それから福祉施設につきましてはささえあい福祉局長から、また農業につきましては農林水産部長からお答えを申し上げたいと思います。
種子法が廃止をされたわけでありますが、以前も議論がここでございましたけれども、その体制を我々はきちんと維持をしてやっていこうということでやっているわけでありまして、条例がなくとも、当然ながらそういうことは考えていこうということであります。
◯副議長(福間裕隆君)高橋地域振興部長
◯地域振興部長(高橋紀子君)CH-47の安全対策と訓練ルートについて補足の答弁をさせていただきます。
CH-47につきましては、今後も安全対策につきまして、防衛局のほうにお伝えしていくとともに、安全を確認してまいりたいというふうに思っております。
また、訓練ルートにつきましては、先ほども御答弁いたしましたけれども、従来から学校等の上空は避けて飛行しているということを聞いております。
◯副議長(福間裕隆君)宮本ささえあい福祉局長
◯ささえあい福祉局長(宮本則明君)まず、鳥取市福祉事務所の防犯カメラの件であります。
こちらは、法定受託事務でございまして、法23条による事務監査もあるところではありますが、相談者の相談内容について、プライバシーに配慮し、懇切丁寧な対応が行われているかといった内容を監査することとされておりまして、防犯カメラの設置禁止が規定されているものではございません。
また、鳥取市では、人権やプライバシーに配慮しながら、鳥取市の判断で設置されたものでありまして、これについて申し上げる立場にはございません。
次に、県立社会福祉施設の譲渡に関してであります。
現在と同じ職員で対応してほしいとの声もあわせて、今、譲渡条件を検討しておるところでございます。
なぜ前提ではないと言えるのかという御質問でありますが、これは先ほどもお答えしたつもりではありましたが、平成29年に庁内の検討会で、民間譲渡も含めて検討する施設と位置づけたものでありますので、民間譲渡の可能性も含めて現在検討しておる、その譲渡条件なども検討しておるということであります。
◯副議長(福間裕隆君)木本子育て王国推進局長
◯子育て王国推進局長(木本美喜君)ひとり親家庭の医療費助成につきまして、所得制限の再検討をしてはどうかという御質問に対してお答えをいたします。
所得税では、所得控除の積み上げによりまして非課税となる所得金額を決定いたしますけれども、住民税につきましては、合計所得額が一定の金額以下の場合に非課税ということでございまして、所得税と住民税との間では非課税となる所得金額が異なるところでございます。
本県の特別医療費助成制度におきましては、平成22年に税制改正において廃止をされました年少扶養控除や特定扶養控除の上乗せ分につきまして、引き続き控除があるものとして適用していることもございまして、ほとんどの方が所得税で算定をしたほうが助成対象になりやすい状況でございます。また、住民税非課税の金額が所得税非課税の金額を上回る世帯の状況の場合でございましても、非課税となる所得金額の差はほとんどない状況でございます。
ちなみに、いろいろパターンは試算をしてみておりますけれども、ひとり親で16歳未満の子供さんが1人おられる、未婚で16歳未満の子供さんが1人おられる場合については、住民税非課税のほうが高くなるということでございますが、この場合は差が1万円という状況でございます。もともとひとり親の制度を創設した際に、所得税と住民税を比較検討いたしまして、より対象となる方が多い所得税非課税を所得制限として採用した経緯もございます。他県を見ましても、所得税非課税としている県が、住民税非課税とする県を大きく上回っている状況でございます。所得制限の見直しについては、現時点で考えていないところでございます。
続きまして、みなし寡婦控除の適用をしてはどうかというところでございます。
ひとり親家庭につきましては、子育てと生計の維持を1人で担っておられまして、未婚であるか、婚姻歴があるかによって行政の支援の取り扱いに差が生じることにつきましては、国、県、市町村それぞれに課題意識を持っているところでございまして、順次各種制度の見直しが進んできております。
例えば、国の制度でございます児童扶養手当のほか、高等職業訓練促進給付金等幾つかの制度につきまして、平成30年度からみなし寡婦控除が適用される見込みとなっております。お話のございました県営住宅の例や保育所の算定におきましても、みなし寡婦控除を適用する市町村もあるところでございます。
ひとり親の医療費助成制度におきましても、現在、2町が独自の所得基準を定めておりまして、未婚の方も婚姻歴のある方も同じ基準で所得を判断して助成を行っている状況でございます。
しかし、医療費助成制度につきましては、県と19市町村との共同事業ということでございまして、県全体の制度としてみなし寡婦控除を導入するには全市町村の同意が必要であるというところでございます。
一方で、所得税につきましても、みなし寡婦控除の適用についてたびたび議論がされているところでございます。平成30年度の税制改正大綱におきまして、未婚のひとり親の税制上の対応を平成31年度税制改正において検討し結論を得ると、検討期限を付して明示して位置づけられたところでございます。当面は国の動向を見守りたいと考えております。
◯副議長(福間裕隆君)藤井福祉保健部長
◯福祉保健部長(藤井秀樹君)私のほうからは、国民健康保険について補足の答弁を申し上げます。
地方公共団体が独自に行う特別医療費助成の取り組みに対して、国が受診等の拡大につながるとして実施しております国庫負担金の減額調整措置、いわゆる国保のペナルティーでありますが、この減額された額を各市町村と県が補填している状況であります。
国においては、この平成30年4月から、未就学児までを対象外とされたところでありますが、県としては、今後も引き続き国に対してこの国保のペナルティーの措置を撤廃するよう要望していくこととしているところでございます。
この国による減額分に対する市町村の補填財源でありますが、被保険者からの保険料で補填されているのが14市町村、一般会計からの補填が5市町村と対応が分かれている状況であります。県としては、国民健康保険運営全体における一般会計繰り入れの取り扱いを含め、総合的に勘案する必要があることから、1月18日に開催いたしました県・市町村行政懇談会の場で、平成30年度はこれまでどおり県の特別調整交付金で4分の1を措置することで合意を得たものでございます。その会議の場でも申し上げたところでございますが、今後の対応については、市町村と協議を引き続き行うこととしているところでございます。
◯副議長(福間裕隆君)岸田農林水産部長
◯農林水産部長(岸田悟君)補足の答弁をさせていただきます。
まず、新潟県の直接支払モデル事業についてでございます。
現在、新潟県が実施されているモデル事業は、現行の中山間地域の直接支払制度のスキームでは交付金単価が不十分と思われる極めて営農条件が不利な豪雪地帯の中から3地区を選びまして、10アール当たり1万5,000円を加算し支援するものということで、今年度から3年間実施をして、3年の検証の後、国に対して中山間直接支払制度の単価の引き上げを提案するということで聞いております。新潟県では、このモデル事業は米の直接支払いを行っているものではなく、条件不利地の所得補償の構築を国に提案するという目的で実施されているものということで伺っておりまして、本県で同様の事業は考えておりません。
また、主要農作物種子法についてでございます。
主要農作物種子法の内容につきましては、現行の種苗法に引き継がれておりまして、国は廃止後の都道府県の役割について言及をした通達を、昨年11月に出されております。本県ではこの通達に基づきまして、今月中に新たに要綱要領を定めまして県の役割を明確化して、これまでどおり原種等の生産でありますとか圃場生産物の審査等の対応をすることにしております。
これまでに国府町の種子生産組合、またJAグループから県に対して、廃止後も引き続き同様の役割を担っていただくよう要望するということで要望を承っておりまして、県としては今後とも県内の種子生産に影響がないように、しっかりと対応してまいりたいと考えております。
◯副議長(福間裕隆君)5番市谷議員
◯5番(市谷知子君)自衛隊のCH-47ですけれども、全員協議会のことを言われるのですけれども、そういうことはもう終わった後に、最近このドアが落ちたという事故が起きているわけですから、きちんとこういう危険な物は飛ばさないと申し入れすべきだと思いますが、知事、もう一度どうでしょう。
鳥取市生活保護監視カメラについて、プライバシーが守られていないということがあれば問題だと。つまりそういう状況が監視カメラによって起きているわけです。それで、法7条、生活保護は申請による。23条、紹介ありましたが、知事は市町村を監査する義務があります。申請によらなければできない生活保護を、こうしてプライバシーを監視して、生活保護を申請しにくくする監視カメラの設置。知事は鳥取市を監査指導すべきと私は思いますが、いかがでしょう。
ひとり親家庭の医療費助成ですけれども、いろいろ所得なども計算してみたと言われましたけれども、私、事前に聞きましたら、そういうことはしていないというふうに伺いました。さっき試算の話を出されましたけれども、これは私が税務課に試算をしてくださいと出したものを今紹介されたわけで、本当にいいかげんだなというふうに思いました。
みなし寡婦控除の適用。
これはやっている自治体もあるということで、せめて市町村と検討すること、いかがでしょうか。それぐらいしてもいいと思いますけれども、いかがでしょう。
国保のペナルティーは、今後県の応分負担は検討するとのことで、ぜひお願いします。
また、県はことしから国保の適正運営に責任が生じます。そこで保険証が役場にとどまっているとめ置き。以前県は調査し、改善通知も出していたのに、前議会で部長は、とめ置きは必要ととれるような答弁でありました。ちゃんと実態調査し、改善の手だてをとること。
また、国保料滞納による財産の差し押さえ。
国税徴収法では、生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき、滞納者の給料等の支給10万円プラス家族1人当たり4万5,000円の額が手元に残らない場合、差し押さえしてはならないという基準があります。県、市町村で改めて確認し、周知すること、いかがでしょう。
また、県立福祉施設は民間譲渡が前提ではないと言われるのですけれども、結局、民間譲渡先を決める第三者委員会設置の予算まで組まれていて、これあくまで民間譲渡ありきで話が進んでいるということを言いたいというふうに思います。
そこで、1月の常任委員会では、3施設の試算結果が報告されました。2つのかちみ園7億4,800万円、尚寿苑1億9,656万円。平成17年のときには厚生事業団に無償譲渡だったのに、今回は誰が買うにしても相当大きな買い物であり、県立施設として果たした役割を全うしようとすると、相当な体力が必要と思います。
そこで、平成17年、無償譲渡しましたが、その他財政的な優遇策はそのときどうしたのか、今後もそれをするのかどうか、家族会からは同じ職員さんで対応してほしいという要望が出ていますが、どのような対応を考えているのか。
かちみ園では強度行動障害の重度の障害者を受け入れていますが、今でも体制不足で、県外の施設に行ってもらった例もあるそうです。障害者差別禁止、権利条例といいながら、障害当事者が希望しても県内や家族の近くにいられないのは差別だと思います。この権利保障をする県立の役割を全うさせる体制強化は考えているのか、それとも受託者任せなのか、知事、御答弁ください。
次に、米対策。
これは本気度を問われると思います。種子法廃止の対応は、県は従来どおりやりたいということですが、それならばぜひ条例化をお願いしたいと思いますが、もう一度どうでしょう。
県独自の米の所得補償はしないとのことですが、需給調整や直接支払い廃止の中で、県は再生協議会で米の作付をふやすよう提案していますが、これ以上どうやってふやせばいいのかという声が出ています。活力増進プランで付加価値をつけるような県の特別対策は、県内農家の7割を占める小規模兼業農家は乗りにくくて淘汰され、農家と耕作面積の減少を招くことになると思います。
皆さん、今国連では、食料、エネルギー不足が指摘される中で、国際家族農業年を位置づけ、大規模よりも小規模家族経営の農家のほうが効率的で生産性が高いと、この小規模家族経営の農家を推奨しております。私は、今こそ所得補償で小規模家族経営を支え、農地と地域を守るべきだということを申し上げておきたいと思いますが、知事の姿勢をもう一度お伺いします。
次に、畜産酪農ですけれども、臨時議会の質疑のときに、乳価は生乳不足なので価格が下がることはない、また加工乳の価格補償補給金は生クリームも対象になったので、むしろ単価がよくなると言われました。しかし、EPAで乳製品の輸入がふえれば前提は全く変わります。加工用に回していた北海道の生乳がだぶついて全国に回り、各地の乳価が下がることが懸念されます。今、畜産クラスター事業で牛の数をどんどんふやして、生乳生産量も6.4万トンにふやすとしていますが、資金回収できなくなるのではないでしょうか。ちゃんとEPAに反対すべきですし、加工乳補給金は30年度は10銭ふえると言いますけれども、今後もずっと経費が賄えるだけの価格補填となるよう求めること。
また、所得補償9割のマルキンは30年度だけです。31年度以降の継続実施を求めること。知事、どうでしょう。
また、牛の数がふえるのに、活力プランには畜産酪農農家の戸数をふやす目標がありません。鳥取県は1県1乳業です。その大山乳業が掲げている100戸の就農戸数目標を県のプランにも書いて、一緒に実現に力を尽くすべきと思いますが、いかがでしょう。
また、次に、水産。
沖合底びき船の造船、国のリース事業です。TPP対策といいながら、TPPもまだ実施されていないのに事業は29年度で終了予定です。鳥取県ではまだ改良していない船が13隻残っています。30年度以降も継続するよう国に求めること、知事、いかがでしょう。
◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)最後にまたたくさん質問が参りましたけれども、CH-47等の課題につきましては、これは地域振興部長から、また生活保護につきましては、これはささえあい福祉局長から、ひとり親の試算等につきましては子育て王国推進局長から、国民健康保険は差し押さえ等も含めてですかね、福祉保健部長から、それから福祉施設につきましてはささえあい福祉局長から、米問題、それから畜産につきましては農林水産部長から、また水産の船のことがあったですかね。その点につきましては水産振興局長からお答えを申し上げます。
◯副議長(福間裕隆君)補足答弁を求めますが、時間総枠46分までですから、コンパクトにお願いをしたいと思います。
高橋地域振興部長
◯地域振興部長(高橋紀子君)CH-47の安全対策でございますが、現在調査中ですが、しっかりと再発防止策を講じると、安全対策について万全を期すと聞いております。今後もきちっと継続して申し入れを行ってまいります。
◯副議長(福間裕隆君)宮本ささえあい福祉局長
◯ささえあい福祉局長(宮本則明君)鳥取市の福祉事務所の防犯カメラについてであります。
これも先ほどお答えしたつもりではありましたが、法23条による事務監査は、懇切丁寧な対応が行われているかといった内容を監査することとされておりまして、防犯カメラの設置禁止が規定されているものではございません。
福祉施設の譲渡に関することでありますが、平成17年のときは厚生事業団の独立経営化という特殊要素があったのでありまして、通例では平成20年度に母来寮を厚生事業団に譲渡したときのように、何らの予算優遇措置は行っていない。これが通例であります。現在と同じ職員で対応してほしいとの声もあわせまして、今回の譲渡に当たり、譲渡条件を現在検討しているところであります。
また、県立施設としての体制強化でございますが、かちみ園、第二かちみ園に対しましては、例えば一対一処遇となるような単県予算措置につき、平成30年度当初予算として提案しておるところでありまして、このような手法を用いて体制の確保を図っていく所存であります。
◯副議長(福間裕隆君)木本子育て王国推進局長
◯子育て王国推進局長(木本美喜君)ひとり親家庭の医療費助成についてでございます。
みなし寡婦控除の撤廃につきましては、幾つかの市町村に対して意見のほうをお伺いしたところでございますが、やはり費用がふえるということで消極的な御回答をいただいている市町村もあるところでございます。国の動向を見守ってまいりたいと思っております。
◯副議長(福間裕隆君)藤井福祉保健部長
◯福祉保健部長(藤井秀樹君)議員から質問があったのは、短期保険証かと思いますので、そういうことで答弁させていただきます。
国民健康保険の保険料の滞納に関しまして、市町村が通常の1年間より短い被保険者証を発行することは法定化されておりまして、その際、該当者には窓口にとりに来ていただいて、相談等の機会を確保することとされているものでございます。このような状況から、窓口に一定期間その保険証を置いておかれることについて、市町村に解消することを求めることはしないということで、前回答弁をさせていただいたところであります。
ただし、窓口においでにならないことによって結果的にその短期被保険者証が窓口に長期間置いておかれることは望ましくないために、電話連絡や家庭訪問などをして適切に取り組むように通知をし、この取り扱いについては市町村に対して適切な取り組みを行うよう指導していっているところでございます。
また、滞納処分に関してでございますが、これについては昨年の11月に開催しました市町村収納担当者への研修会においても、差し押さえが可能かどうか判断する具体的な計算方法なども周知しており、今後も市町村における適正な収納対策に努めていきたいというふうに考えております。
◯副議長(福間裕隆君)岸田農林水産部長
◯農林水産部長(岸田悟君)まず、農作物種子法ですが、新潟県では農業生産額の6割を米が占めておるということで、直にJA等農業団体からの要望に応えて新潟県では条例化しているということでございます。兵庫県では、昭和36年に既に条例化しているということで、本県では、国の通達に基づきまして要綱要領でもって運用したいと考えております。
また、30年産米をどう確保していくかということでございます。JAいなばでは、従来の米生産に保全管理の水田等での主食用米の生産復活ということで確保していこうというようなことを計画されております。いずれにしましても、JAグループと連携を強化しまして、30年産米の確保に臨んでいきたいと思います。
また、EPA対策でございます。
EPAにつきましては、国家間の交渉でございまして、国会の場で慎重に審議、判断されるべき内容であるというふうに思っております。
また、加工原料乳生産者補給金でございます。
10銭ふえました現行の補給金については、大乳は、生産経費を十分に賄えている状況ということで、現在のところ国要望は考えておりません。
また、マルキンでございますが、今回法律改正で、TPP、EPAの発効に合わせて補填率が現行の8割から9割に引き上げられるように法制化されました。また、政府は30年度の1年間に限って、牛マルキンの補填率を9割に引き上げ、実施することを決定したということで、引き続き国に継続して、豚マルキンについては要望していきたいというふうに考えております。
また、戸数でございますが、県では現在135戸戸数がございますので、戸数ではなく、農業産出額の目標設定を……。
◯副議長(福間裕隆君)もう時間ですから、やめてください。
◯農林水産部長(岸田悟君)していきたいと思います。
◯副議長(福間裕隆君)それでは、制限時間いっぱい終わりましたので、以上で市谷議員の質問、終わりにしたいと思います。
6番錦織陽子議員
◯6番(錦織陽子君)(登壇、拍手)日本共産党の錦織陽子です。
まず、2月23日に開催された淀江管理型産廃処分場整備計画に関する専門家会議についてです。
知事は11月定例会で、手続条例の対象者以外の市民や漁業者からの反対や心配の声に、条例とは別に第三者的な専門家会議を立ち上げ、広く地元関係者の不安、意見に対するセンターの見解を審査するとして、このたび専門家会議が開かれました。しかし、住民の不安や不信感は、より一層高まっています。24日付の読売新聞には、「産廃処分場 宙に」「専門家「安全」住民納得せず」と報じていますが、専門家会議の主催者として、住民や漁業者の不安は解消されると考えられるのか、知事にお尋ねします。
さらに3点について伺います。
1、専門家会議の委員の選定基準と構成、人選はどのように行ったのか。
2、会議の日程をどのように決め、住民への告知はどのように行ったのか。
3、当日配布された住民意見は要約してあり、一番関心の大きい水源地への処分場建設や地下水の流れる方向について入れなかったのはなぜか。それぞれ答弁を求めます。
次に、鳥取県は、県有施設・資産有効活用戦略会議において、現在直営で運営している施設は、PFI、コンセッション方式など、民間活力を導入できないか、指名指定管理制度を導入している施設の管理運営を見直し、民間譲渡、または公募をかけ、指定管理者制度へと一挙に進めようとしています。まず、PFI、コンセッション方式について説明をお願いします。
次に、バイオマス発電についてです。
鳥取県西部は、国営中海・宍道湖干拓淡水化事業など、自民党政権が進めた大型公共事業の失敗が最も集中する地域の一つです。和田浜工業団地は昭和48年3月に約42ヘクタールを工業専用地域として用途指定しましたが、約7ヘクタールの区画が長年残っていました。今、ここに群馬県に本社を置くシンエネルギー開発株式会社が、経済産業省のFIT制度の認定を受け、大型バイオマス発電をする計画です。計画では、発電規模は5万キロワット、燃料はヤシ殻、木質ペレットで、インドネシア、マレーシア、ベトナム等からの全量輸入材です。県企業局はこの和田浜バイオマス発電工場に工業用水を送る配管布設などのため、30年度当初予算で2億1,770万円の新たな企業債借入金を計上しています。再生エネルギーの拡大は必要です。しかし、このように全量輸入燃料で発電量の大きいバイオマス発電について、県として何の基準も示さず認めていいのか、知事の認識をお尋ねします。
次に、原発問題です。
3月11日、福島原発事故から7年たちましたが、どんな世論調査でも5~6割は原発再稼働反対です。とりわけ3月4日の朝日の世論調査では、福島県民の75%は再稼働反対です。政府は2030年度には電源の20~22%を原発で賄うとしていますが、現在国内で運転する原発は、九州電力川内原発2号機と、関西電力の高浜原発3、4号機の計3基の原発で、比率は2%であり、これを10倍にする計画です。きょう関西電力大飯原発3号機が臨界に達する模様ですが、今、小泉純一郎、細川護熙元総理が顧問を務める原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟は、原発の即時停止、原発の再稼働は一切認めないとする原発ゼロ基本法案を提案し、9日には立憲民主党、日本共産党、自由党、社民党の4野党が原発ゼロ基本法案を衆議院に共同提出いたしました。政治の意思として原発ゼロを決断するものです。この立場に立ってこそ、再生エネルギーを急速にふやすことができると考えますが、知事はこの動きに賛意を示す考えがあるのか、答弁を求めます。
最後に、鳥取県産米の消費拡大についてです。
米の直接支払交付金制度が平成30年度以降廃止となります。不十分とはいえ、米作農家の赤字を補填する確実に見込める収入でしたが、この米の直接支払交付金の鳥取県の影響額は、先ほどの市谷議員への答弁では、マイナス7.3億円ということです。南部町のある13ヘクタールの集落営農の農家は75万円から80万円の減収に、40ヘクタールの農業法人は300万円の減収で、とてもやっていけないと、農家所得への打撃は深刻です。負担軽減等があるといいますが、カバーできません。農家所得倍増という安倍政権のかけ声も全くの空論。食料自給率は低下が必至です。まさに亡国農政。そうした中で、鳥取県は、農業生産額1,000億円を打ち出しましたが、鳥取県産米消費拡大について、やはり地道な努力が必要だと思います。まず病院や福祉など、県営施設での県産米の活用状況をお尋ねして、壇上の質問とします。
◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)錦織議員の一般質問にお答えを申し上げます。
まず、産業廃棄物処分場につきましてお尋ねがございました。
これらにつきましては、生活環境部長からお答えを申し上げたいと思います。午前中も議論をさせていただきましたとおりでございますが、専門家会議の設置自体は、米子市のほうのやはりそうした技術的な問題、そういう不安に対して、丁寧な対応をする必要があると。こういうお話がございましたので、条例手続という当事者同士でお話し合いを進める、そういう場を県が設定をする。その際の参考になるような専門的知見を述べていただくこととして、専門家会議を設けたところでございます。午前中も申し上げましたが、今そうした両者間の話し合いを促進するという本県独自の手続を進めているところでございまして、円滑なコミュニケーションが少しでも図られるように、我々としては丁寧に対応し、努力をしてまいりたいと思います。
次に、PFI、コンセッションにつきまして、どういう手法なのかというお話がございました。
PFIというのはプライベート・ファイナンス・イニシアチブという制度でございますが、民間の主導的な資金投入というものの言葉ではあるのですけれども、我が国でPFIといったときの基本的なイメージは、単にそういうファイナンスのことだけでなくて、どちらかというと民間の活力を導入してくる。そこに一つの重きがあるのだと思います。行政が全ての施設を経営することが妥当なのかどうか。そういうメスを入れてPFIというものを考えるべきではないかと、こういうことであります。
施設を運用するに当たりまして、料金収入がある。その料金収入は、利用者がふえればどんどん大きくなるわけです。そうすると、またいい事業がそこでできるようになる。こういうような意味で好循環が生まれてくれば、住民サービスとして向上するのではないだろうか。そういうことがありますし、また、全ての例えば将来にわたる投資のためのお金の借り入れを公がやらずとも、民間において、今、民間の資金というものが大変に大きくなってきたわけでありまして、世界でもそうした資産保有の特別大きな国になってきました。そういう民間資金というものを活用する場としてもあるのではないだろうか。あるいは、雇用ということを考えたときも、民間のほうの雇用をふやす。そういうような手法としてPFIという考え方もあるのではないだろうか。このようなことでございまして、そういう民間の活力を導入し、民間の参画を得てやっていくというのがPFIというイメージで語られていると思います。
厳密にPFIといった場合、そのファイナンスのことがあるわけでございますし、発注の仕方の定義もあると思います。いろいろと細かい仕様を決めて発注をするのが従来の我々の地方自治法で決まっている財務のやり方でございます。しかし、こういうようにしてくれというある意味包括的な発注をする。そういうことを性能発注というふうにいいますが、そうしたことをやるのが、またPFIでございますし、個別の例えば建物を建てるにしても、電気工事があったり、それから例えば家具調度品のことがあったり、いろいろございます。それを一つ一つ個別に発注するのではなくて、一括して経営体のほうに発注をする。そういうような意味で一括して発注するということがございますし、また、期間の意味でも長期的なスパンでそうした発注を行う。契約の期間というのを長くとっていくわけであります。それによって、大きな建物を、もう計画するところから始めて、それを建てて運用するところまで、全て民間の活力の場があるわけでありまして、その全部がいくかどうかはともかく、PFIとしてそうした手法を、全部、または一部で導入していこうというような考え方があります。
また、コンセッションというのは、その一形態になるわけでありますが、所有権は自治体のほうに留保をした上で、その経営権、運営権というものを販売すると。売却をすると。そういうような形で、これは料金収入がある施設でありますので、そちらのほうの料金収入等で賄っていくと。そういう形態のPFIがコンセッションというふうに御理解をいただければというふうに思います。
再生可能エネルギーにつきましてお尋ねがございましたが、これについては生活環境部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
また、原発ゼロ基本法案について、再生可能エネルギーを爆発的にふやしていくことができるのではないかと、こういうお尋ねでございます。
これは、3月9日に、いろんな党が一緒になりまして共同提案ということでまとまったと報道されているところでございます。これの背景に、今、議員のほうでおっしゃいましたけれども、過去の総理大臣もその系列と関連をしてくるのではないかと思われます。
いずれにしましても、東日本大震災の後、この議場でも大分私たちは議論をさせていただきましたが、原子力発電所の大きな事故が福島であったわけであり、我々地域でも再生可能エネルギーをふやしていく形で、単なる電力の消費県ではなくて、電力の生産県として役割を果たす。それが我が国全体での緩やかなエネルギー革命につながっていけばよいのではないだろうか。こういうように考えております。
それにつきまして、政治的なスタンスもいろいろあり、原発につきましては、各党間で国会でも議論が闘わされているところでありまして、私どもとしてはその動向に注視してまいりたいと思いますが、本県の場合、福島原発事故の後、大きく軌道修正をして、それまでの電力生産には無縁だったところで、再生可能エネルギーをふやしてまいりました。今ではその電力の自給率35%まで上がっており、国の15%を大きく上回っているところでございます。
今後とも、こうした再生可能エネルギーを発展させていく姿というのを我々としてもつくり上げていきたいと思いますが、これについての促進策については、もう今、実は家庭用電力についてはほぼ自給できる水準まで本県の場合は来たわけであり、余りその過度なドライブをかける必要はないだろうというふうに考えておりまして、そういう意味で補助のやり方については、ある程度のモデルでの水準にさせていただこうと。最近はそういうようなドライブをかけているところでございます。
最後に、県産米の消費拡大について、地道な努力が必要ではないだろうか、病院や福祉などの県営施設での県産米の活用状況はどうだろうかと、こういうことでございます。
これについては、総合療育センターとか、県立病院だとか、そうした県の福祉や病院では、現在100%県産米を使わさせていただいています。ここに至るまでは大変だったのですけれども、例えば病院でも、やはりいろんな外部の業者が入って受託してやっているわけでありまして、そういうところの料金との関係もあるものですから、努力が必要だったのですが、現在では100%に来ております。
また、子供たちの学校給食なども、やはりそうした方向性へ持っていきたいと。特に食材も含めたそういう地産地消率、これも50%にはとてもいかないといっていた時代もございましたけれども、今、ここ10年ぐらい、みんなで努力をさせていただき、市町村にも御協力をいただいて、65%のレベルまで今来ており、お米のほうでいえば100%県産米ということになりました。
今後も地道なことが続くのかもしれませんけれども、我々としても、この消費拡大、県産米の地産地消に努力をしてまいりたいと思います。
◯副議長(福間裕隆君)酒嶋生活環境部長
◯生活環境部長(酒嶋優君)では、私のほうから2点補足の答弁を申し上げたいと思います。
まず、1点目は、管理型産業廃棄物処分場計画の質問についての、住民の不安解消について外、3点についてまず補足の答弁を申し上げたいと思います。
まず、住民の不安解消についてでございます。
専門家会議でございますが、知事も御答弁申し上げましたとおり、これは地元関係者から出されました法令基準そのものに対する不安、あるいは疑問等に対するセンターの見解等に対しまして、専門的、科学的見地から、専門家による検証、評価の上、基準設定の背景や考え方について専門家の御意見をいただき、県としてはそれら専門家の意見をセンターと関係住民等との対話促進、理解促進に活用すると。そういった目的で設定をして行ったものでございます。
会議では、国の中央環境審議会専門委員等も務められ、科学的根拠と学術的に共有されている見識を持たれる複数の専門家から、専門的知見や研究成果等をもとに、法令基準の考え方、あるいは一般的な疑問に対する見解をお聞きすることができましたので、これら見解をセンターと関係住民等との対話促進に活用していくことができるものというふうに考えておるところでございます。
次に、専門家会議の委員の選定基準等についてでございます。
専門家会議の委員につきましては、廃棄物処理や土壌、水環境、環境管理全般に幅広い知見を持たれ、科学的根拠等学術的に共有されている見識を持たれる専門家で、国や、あるいは自治体の審議会、あるいは専門家会議のその委員経験者の中から、県の廃棄物審議会の委員の御意見もいただきながら、選定をしたところでございます。さらに、地元関係者から要望のございました専門家も委員に加わっていただくなど、最終的に4名の専門家を選定したというものでございます。
次に、会議の日程の設定及び住民への告知についてでございます。
まず、会議の日程の設定等についてでございますが、11月県議会終了後、12月下旬からこの専門家会議の委員選定作業を進めてまいりました。その過程の中で、北海道大学、あるいは九州大学、鳥取環境大学に所属されます廃棄物処理工学、環境システム工学、土壌・水環境の3名の専門家の方を候補に選びまして、この3名の委員候補の予定の合う最短の日程、日取りが2月22、23日でございましたので、2月23日を基本に調整を進めておったところでございます。その後、1月下旬に住民の方からの要望もございまして、内部で検討した結果、鳥取大学の北村先生の委員追加を2月上旬から検討いたしまして、改めて調整を行いました。何度か先生との折衝を経まして、北村先生のほうにも委員就任の承諾をいただきまして、2月23日の会議出席についても、その開催直前まで調整を行ったところでございますが、先生のほうの業務の都合からやむなく欠席となったものでございます。
次に、住民の告知の方法についてでございますが、報道発表前に、2月19日付で米子市への開催通知とあわせまして、設置手続条例の対象となっております関係6自治会の自治会長さんに電話により開催を連絡し、周知の依頼をいたしました。その上で開催のチラシを送付いたしたところでございます。自治会の中には回覧で周知をしていただいたところもあるというふうに承知をいたしております。翌日、2月20日に県のホームページに掲載するとともに、報道機関に資料提供を実施いたしますなど、会議開催の周知は広く行われたものと認識をいたしております。
このような周知もございまして、会議当日、2月23日には、30名の傍聴人にお越しいただいたというものと考えております。
次に、住民意見の要約に地下水のことが入っていないという御意見でございましたが、地元関係者からの意見は非常に多岐にわたっておりましたので、専門家会議で議論する意見の取りまとめに当たりましては、法令基準等に対します不安等と、それから一般的な質問等につきまして、16種類の意見に集約をいたしたところでございます。このうち、近隣水源地への汚染の懸念に関する御意見につきましても、遮水シートが破れて汚染水が漏れることにより、近隣の地下水が汚染されると。こういった項目で住民意見の項目の一つとして提示をいたしており、専門家からの御意見もいただいたところでございます。専門家からは、遮水シートやベントナイト混合土による多重遮水工による対策が講じられているため、法令基準を遵守し、適正な管理を行うことで、浸出水が埋立地以外に漏れ出す可能性は大変低く、周辺を汚染するということは考えがたいとの見解が示されており、地下水への影響に対する見解はいただいたものというふうに考えております。
次に、バイオマス発電の全量輸入燃料に係る県の基準について、補足の答弁を申し上げたいと思います。
鳥取県では、持続可能なエネルギーへの転換でありますとか、地球温暖化防止対策に向けまして、とっとり環境イニシアティブプランでエネルギーシフトの率先的な取り組みを掲げまして、再生可能エネルギーの導入を推進しているというところでございます。こういった中、米子市の和田浜工業団地におきまして、国の固定価格買取制度、FIT制度の事業認定を受けられ、全量輸入燃料によります5万4,000キロワットのバイオマス発電事業の検討が進められているというところでございます。この事業につきましては、輸入燃料によりますバイオマス発電もFIT制度の対象となっていること、また、この発電所のオペレーションに係る雇用、これが大体10名から20名、あるいは建設に係る雇用、それから燃料の荷役に係る雇用、また境港での燃料輸入に係る業務、それから境港から発電所までのトラック輸送、さらには固定資産税不動産取得税、法人事業税の地方税の収入などなど、こういった地域経済の活性化が期待できるということがございます。地域に貢献の大きい事業というふうに評価をしているところでございます。
また、米子市におきましても、この事業検討の動きにあわせまして、和田浜工業団地の用地造成を進められており、事業化を支援されているというふうに伺っておるところでございます。
こういった事業効果などを考えますれば、本県独自の燃料調達に係る基準を設定する考えはございませんが、今後も地域貢献に配慮した事業が実施されるよう、米子市と連携をいたしながら、事業者のほうに働きかけてまいりたいと考えております。
◯副議長(福間裕隆君)6番錦織陽子議員
◯6番(錦織陽子君)お答えいただいたので、続けて追及質問に移ります。
まず、産廃処分場です。
専門家会議ですけれども、人選も日程も、傍聴者にその日制限もかけたということ、住民への配慮は本当に感じられません。専門家会議はパワーポイントを使った安全をアピールする説明会のようだったという傍聴者の声もあるように、委員同士が科学的に意見を交わす、そういう場はありませんでした。センターの計画に対して、問題点を指摘される委員がおられなかったので審議にならなかったというのは当然だと思います。
住民団体が専門家会議の委員に推薦した5人のうち、ただ1人選ばれた地下水専門の北村義信鳥大特任教授は、2月中は出席できないと委員を受けられたのに2月に決まったことを、知事は承知しておられたのでしょうか伺います。
また、住民が一番心配している福井水源など、地下水源が汚染されるのではないかという問題は、審議の対象から外されました。長年、米子市水道局の水源、地質を踏査して地下水脈を熟知されて、福井水源に地下水が流れることは少しも否定できないと指摘される吉谷昭彦鳥大名誉教授を専門家委員に選ばなかったということは、公正中立の立場で科学的な検討をするための委員の選定に重大な問題があると思いますが、知事の責任ある答弁を求めます。
さらに、住民への会議開催の周知、民主主義の欠如の問題です。下泉の自治会長宅に会議開催通知が届いたのは2日前。これでは周知が不可能です。しかも平日の9時から開始。傍聴できないように意図的に設定したのではないかという住民や漁業者らの不信の声に、知事はどう答えられるのでしょうか。これら委員会の人選、日程、審議内容、どれをとっても、このたびの専門家会議は大変不十分だったのではないかと思いますが、知事の答弁を求めます。
次に、民間活力です。
鳥取県は、既に指名指定を民間譲渡や公募による指定管理への方針を決め、鳥取コナン空港や3つの県営発電施設改修、運営に係るPFI、コンセッション方式の本格的導入の準備や、日野川第一発電所も追加でPFI、コンセッション方式が導入できないか、30年度予算に調査費などを計上しています。はっきり言って、非常に乱暴なやり方だというふうに思います。現場には利用者も職員もいる。取引業者もいます。コストだけでははかれない文化や技術の積み重ねがあります。何よりも鳥取県が税金で設置運営する公的責任があり、それぞれの施設の設置目的に照らしてどうなのかという検討が欠落していると思いますが、知事の所見を求めます。
バイオマス発電です。
先ほどの説明だと、地域貢献があるからいいではないかというような言い方でしたけれども、シンエネルギー開発株式会社は全国で1万5,000キロワット級のバイオマス発電工場を展開して、富山県では米子と同時進行で5万キロワットのバイオマス発電を計画しています。直接経営するのではなく、現地で事業実施者を募集して決定することとなっており、米子新エネルギー株式会社と名前は決まっているものの、事業主体の企業がまだ決定しておらず、排水で川の温度の上昇や環境悪化など、地域から心配の声が上がっています。5万キロワットといえば、発電出力は11万世帯分で、米子市の世帯数約6万6,000世帯と境港市世帯数1万4,800世帯を足してもはるかに上回る発電量です。しかも工業用水の配管をシンエネルギーがするのか、企業局がするのかも決めていない段階で、2億円を超える新たな企業債借入金の予算を組むのは、余りにも拙速で無責任な話ではないでしょうか。知事の答弁を求めます。
そして、FIT制度は、電気利用者の賦課金で支える極めて公益性の高い制度です。今回のシンエネルギーは、初期の設備投資は数百億円と、大手企業でなければ参入できません。資源エネルギー庁が発行しているFIT制度のガイドブックには、再生可能エネルギーとしてのバイオマス発電のメリットは、資源の有効活用で廃棄物の削減に貢献としていますが、輸入ヤシ殻では鳥取県の資源の有効活用にならないではありませんか。バイオマス白書2017では、輸入バイオマスではエネルギー自給にならない。膨大な国民負担に見合うメリットがあるのかと指摘。また、日刊木材新聞2017年8月26日付の時評欄では、大型化と輸入燃料の活用が木質バイオマス利用のあるべき姿だろうかと疑問を投げかけています。今大きいほどコストの安くなる大型バイオマス発電の建設ラッシュですが、県内のバイオマス発電には、燃料調達で規制をするなど検討が必要ではないでしょうか。再度知事の答弁を求めます。
そして、原発ですが、原自連の原発ゼロ法案、こういった野党の共同提案というものが今出ています。この原発について、知事は非常に慎重に見えますが、原発事故には安全神話があったのではないかという発言もありました。このことからいうと、やはり後退しているというふうに私は思います。
3月1日に中国電力主催の島根原発2号機の中央制御室空調換気系ダクト腐食についての住民説明会が境港市で開かれました。原因は、いわゆる想定外だったということです。当日は、宍道断層評価の見直しと基準地震動最大820ガルが了承されたと報告。専門家から連動しているとの指摘を受けている宍道断層と鳥取沖西部断層は連動しないと断言しつつも、質疑の中で、宍道断層は今後も新しい知見で伸びることも考えられると述べたというのは、非常に私は矛盾しているというふうに思いました。
境港市での説明会の閉会の挨拶で、中国電力原子力本部長は、3号機の申請の段取りになれば、また説明会をさせていただきたいと言及されました。2号機の適合審査も終わらない時期に、前のめりの3号機の申請発言は許せないと思いましたが、知事の御所見をお尋ねします。
そして、県産米の消費拡大についてですが、鳥取県の病院とか福祉施設では、100%県産米を利用しているということでした。例えば、県有施設の夢みなとタワーとか、米子コンベンション、梨花ホールなどのレストラン、県立環境大学の食堂、県庁食堂など、これらは民間業者が入っていると思いますが、そこでの県産米利用はどうでしょうか。
また、県内介護・福祉施設、民間病院などの地産地消、県産米の利用は促しているのでしょうか。お尋ねします。
そして、保育所では、3歳未満児は主食、副食とも公定価格に含まれていますので、御飯も含めた給食が提供されていますが、3歳以上児は御飯だけは持参しなければいけないということになっています。地産地消を進める上でも、県として保育所、3歳以上児への米飯への支援を行うこと、知事、どうでしょう。
◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、産業廃棄物処分場につきましては、生活環境部長のほうからお答えを申し上げます。
また、PFIですかね、水力発電のことにつきましては、企業局長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
また、米子新エネルギー株式会社の関係で工業用水の配管という予算でございますが、これについても企業局長からお答え申し上げます。
次に、バイオマス発電所の建設一般につきましては、生活環境部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
そして、島根原発について、3号機の審査を進めさせてよいのかと、こういうお話がございました。
これにつきましては、今、本県として協議を受けていますのは、基準地震動のことであります。これは2号機の審査全体にかかわることでございまして、御案内のように、私どもでもかつて全協を開催しまして、2号機に対しては審査に入ることについては了としましたが、ただ、その出口において、審査が終わったとき、その後再稼働を認めるかどうか、そのタイミングでまた改めて話を聞きますと。こういうような形で、2段階で今後処理していくことを我々としては表明し、今、中国電力もそれを受け入れて進んでいるということだと思います。
そういう中、基準地震動は、私どもでもいろいろと申し上げていたところでありまして、宍道断層の長さが一体どうなのか、それからその宍道断層の影響というものをきちんと評価するべきではないかということを具体的に要請をしておりました。全協のときもたしかその話はあったと思います。それを求めていたことに、原子力規制委員会のほうでもある意味応えたのだと思いますが、今回、基準地震動の見直しということになり、宍道断層を従来よりも伸ばした形で考えることになったわけであります。
これについて、先般説明を受けまして、その説明について、私どもとして今後よく検証していくことが必要であります。出口は、最終的にはどうせ2号機の審査の中に含まれる一項目でありますので、そのときまでにきちんと我々のほうで態度決定をするということかと思いますが、いずれにいたしましても、これは大事なポイントということには間違いないので、私どもの地震等を専門にする原子力安全顧問の皆さん、さらには米子、境港の両市の安対協と言われる皆さん方、こうした方々にも話を聞いてもらう必要があると考えております。
米子市、境港市も同じように、基準地震動について説明を受けたところでございますので、こうしたことについて、今受けとめた上で、対応していかれるのではないかなというふうに思いますが、両市と我々もきちんと協議をしながら、今後の展開を考えていきたいと思っています。
お聞きしたところによりますと、20日に県議会としても全員協議会を開催されて、この基準地震動についての説明を受けるということでありますので、私も議会前にお話を伺いましたが、議員の皆様にも聞いていただければと思います。
私は、両市長と一緒にお話をいただいたところでありますが、この基準地震動ということが出た途端に、メディアのほうで3号機のあの申請という話が出たわけです。私ども鳥取県としてはそれについては何も聞いていないと。特に3号機ということになりますと、島根県や松江市は、これについて一度ゴーサインを出している関係があるのですね。その関係がございまして、島根県、松江市は3号機はどういう仕組みかということから始めて、一通りの議論をされた経験はおありなのでしょうけれども、私どもは福島原発事故後にようやく原子力安全協定を結んで、説明を受ける立場になったものですから、私どもはそういうのは一から聞かないといけない類いのものだと。そういう意味で、そうした特殊性も考えてもらいながら、立地と周辺と同等に扱っていただかなければいけないのではないかと、これは強く申し入れをしたところであります。
ロジックとして、この基準地震動の審査について、原子力規制委員会のほうでこのような形で示されたことが、自動的に3号機の審査に入るということではないはずでありまして、3号機は3号機の問題として別途やはり周辺である鳥取県にもきちんとした話がなければならない類いのものだということを強調させていただきました。
今後も、安全を第一義として、立地のみならず周辺地域においても意見を求めながら、こうした原子力について検討がなされることを、国、あるいは中国電力に求めてまいりたいと思います。
最後に、県産米につきましてお尋ねがございました。これについては、市場開拓局長のほうからお答えを申し上げます。
◯副議長(福間裕隆君)酒嶋生活環境部長
◯生活環境部長(酒嶋優君)では、私のほうから産業廃棄物処分場に係る点と、バイオマス発電の2点につきまして補足の答弁を申し上げたいと思います。
議員のほうからは、この専門家会議が不十分ではという御意見でございましたが、そのことについてまず補足の答弁を申し上げます。
幾つか御指摘ございましたが、まず、会議の日程についてであります。
先ほど御答弁申し上げましたけれども、最初に委員候補としていた専門家の皆さんの予定など、最短の日程2月23日を基本として調整を進めていた中、その後住民の皆さんからの要望も踏まえて、鳥大の北村先生の委員追加ということで調整をし、委員に承諾いただいたところでございますが、御多忙ということもございまして、当日やむを得ず欠席ということになったものでございます。
また、住民への告知についてでございますが、これも先ほど御答弁申し上げておりますが、報道発表前には市のほうへの開催通知とあわせまして、関係6自治会のほうには連絡もさしあげ、開催のチラシのほうも送付はさせていただいております。その後、県のホームページにも記載、報道への資料提供、こういったことも行っておりますので、会議開催の周知は行われているものというふうに認識をいたしております。
また、専門家会議の委員等、専門家会議についての御意見ございましたが、この専門家会議の目的、何度も御答弁申し上げておりますけれども、専門家の方の専門的、科学的見地から基準設定の背景でありますとか、考え方について御意見をいただき、それら意見をセンターと関係住民等との対話促進、理解促進に活用するといった目的のものでございまして、何かを審査したり、また結論を出したり、あるいはその場で意見を闘わすといったことを目的としたものではございません。したがいまして、そういった性格の専門家会議自体に何か不十分な点があったというふうには私どもは考えておりません。
次に、大型バイオマス発電にかかわる規制についての御質問でございました。
国のほうでもこの再生可能エネルギーが我が国の主力電力として自立していくことを目指してございます。一般木材等のバイオマス発電に関しましては、その燃料が輸入か国産かを問わず、導入を進めているという状況でございます。
このたびの和田浜で行われますバイオマス発電事業でございますが、地球規模で考えれば地球温暖化防止効果への寄与、あるいは循環型社会の貢献といったことがあります。また廃棄物の再利用、減少にもつながるという面もございますし、地球環境改善への寄与。これは生活環境に影響があります廃棄物を資源として使うといった寄与。こういった地球温暖化防止、あるいは地域経済、あるいはもっと大きく考えれば地球への効果と。そういう大きな効果がさまざまあるものと考えておりますので、県といたしまして、その燃料調達に係る基準、あるいは規制の検討は考えておりません。
◯副議長(福間裕隆君)亀井行財政改革局長
◯行財政改革局長(亀井一賀君)私のほうからは、県有施設の設置運営等につきまして補足の答弁をいたします。
錦織議員の御発言を伺っておりますと、県の施設でありますけれども、多少コストがかかりましても、とにかく県によって直営すべきということで、職員を直接雇用するたびに税金を使いなさいというふうに聞こえるわけですけれども、私どもは必ずしもそういった考え方はとっておりません。業務につきまして、民間活力を導入してコスト削減を図ると。税金というのは県民サービスの向上のためにむしろ使うべきだというふうに考えておりまして、県の責務というのは、つくった施設をとにかくみずから運営するということではなくて、民間でできることは民間でという考え方のもとで、施設を通じて上質な公共サービスを県民の方に提供することだというふうに考えております。
さらにその民間活力を導入することによりまして、民間におけます雇用の創出、そういったものも図れるだろうというふうに考えておりますので、個々の施設のその設置の目的に照らしまして、指名指定、あるいは公募でありますそういった指定の管理、それからPFIとかコンセッションなど、最も住民サービスの向上が期待できて、コストの削減も実現できるといった手法を選択して民間活力を導入していくべきだというふうに考えております。
PFI、コンセッションにつきましては、今議会でもそうでございますけれども、これまでもこの議場、それから常任委員会等で丁寧に説明をさせていただきまして、取り組みを進めさせていただいております。今後もそういった形で丁寧に説明をいたしまして進めさせていただきたいと思っております。
◯副議長(福間裕隆君)湊企業局長
◯企業局長(湊正彦君)それでは、私のほうから、和田浜バイオマス発電所への工業用水道の供給について補足の答弁を申し上げます。
立地予定の米子市におきましては、昨年から用地費、あるいは用地及び補償費等を計上され、またさらに新年度予算としましては、土地の造成費等の予算も今議会に提案されておるところでございます。あわせて、米子市からは、鳥取県企業局に対しまして、工業用水道をぜひ供給してほしいという強い要請をいただいたところでございます。
企業局といたしましても、まだ正式に工業用水道の給水申し込みはございませんけれども、ある程度採算性も見込まれるということから、時間も限られておりますので、給水計画の検討に着手をしたところでございます。
その結果でございますけれども、工業用水道の配水管の位置が、現在工事が行われております県道米子環状線、それから平成30年度から事業に着手いたします市道和田浜団地大篠津西2号線、ここに布設するのが最も合理的な計画というふうに立てておるところでございます。これらの道路工事と同時施工を行うことによりまして、かなりのコスト縮減が図れるということから、機動的な対応を図るためにも、今議会に当初予算として御提案をさせていただいておるところでございます。
なお、事業者のほうからは、発電所の試運転を平成33年の春ごろにしたいというふうに伺っておるところでございます。このため、県が整備します従来手法では十分な工期が確保できないというおそれもございますために、管の布設を民間事業者が行って、布設後に施設の所有権を企業局にいただき、そのまま企業局が管理するという、ビルト・アンド・トランスファー、いわゆるBT方式というものを事業者のほうに現在提案をさせていただいておるところでございます。引き続き米子市や事業者と協議を行ってまいりたいと思っています。
◯副議長(福間裕隆君)森脇市場開拓局長
◯市場開拓局長(森脇光洋君)それでは、県有施設等での県産米の利用と保育所への支援につきまして答弁させていただきます。
御指摘のありました夢みなとタワーなど県有施設での食堂等におきましては、先ほど知事が答弁いたしました病院とか福祉施設10施設も入っておりますけれども、24施設の中で22施設が県産米を使用しているわけでございまして、約9割の施設が県産米を使用している状況でございます。まだ使用がされていないところにつきましても、また事業者さんと相談させていただきたいというふうに思っております。
また、民間施設についてでございます。
民間福祉施設につきましては、各施設の運営基準を定めた県条例の施行規則、これ平成25年4月に施行しておりますけれども、食事の提供に県産品、県内加工品の食材利用に努めることを規定しておりまして、多くの社会福祉施設で県産米を利用されているというのが実態でございます。引き続き施設の監査等の場におきまして、県産米の利用につきまして助言、指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
また、保育所の3歳児以上の主食費、いわゆる米飯代でございます。それに対する補助についてでございますけれども、保育所等の公定価格の積算を考慮いたしまして、多くの保育所で3歳以上児は米飯持参となっておりますが、市町村または各園の判断で完全給食を行っているケースもあるようでございます。例えば智頭町さんですとか若桜町さん、江府町さんではそういうふうなことになっているようなこともあります。
米飯の持参は、親にも保育にかかわってもらうため、家庭からの主食持ち込みを前提としている背景もございますけれども、保育の実施主体であります市町村、または個々の保育所の取り組み方針を尊重すべきであるというふうに考えておりまして、県による補助は考えておりません。
◯副議長(福間裕隆君)6番錦織議員
◯6番(錦織陽子君)では続けます。
原発についてなのですが、中国電力は近年でも1、2号機で511カ所の点検漏れ、それから点検記録の検査報告書偽造、ダクトの腐食、低レベル廃棄物放射能濃度測定ミスなど、上げたら切りがありません。問題なのは、たまたま見つけたとか、相手先からの指摘で発覚したというようなことが毎年のように繰り返されているということです。先ほど3号機については、島根県、松江市は一度ゴーサインを出した経過があるけれども、鳥取県はまだ聞いていないぞというふうにおっしゃいました。中国電力もこの3号機の説明について、鳥取県に説明する必要性そのものを忘れていたのではないかなというふうにも思われます。原発を稼働させる能力も資格もないというふうに思います。
核燃料サイクルは破綻、核のごみの持っていき場もなく、原発は廃炉も含めると高コスト。電気は足りて、他の電力会社にも送電しています。危険な原発はこの地でも絶対稼働してはならない。知事もそういった立場に立っていただきたいと強く要望しておきます。
民間活力ですが、先ほど県の施設、コストの削減を図り、最も住民サービスの向上になるものを求めるのだというふうにおっしゃいます。まあ本当に県職員要らないのかなというふうにすごく残念に思いますが、現実に県の資料には、民間の資金や技術を活用し、コストを抑えるのが大前提となっています。もともと国のトップランナー方式導入による地方交付税の算定。これが自治体に大手資本の民活導入を競わせています。今議会でも上下水道広域化、水道事業の民営化を検討せよという質問が出ました。2月定例会で同様な質問を受けた倉吉市の石田市長は、上下水道は重要なライフライン、公的な責任を果たすべき分野と考える、地方自治体は水道事業に責任を持って運営すべきと導入を否定されましたが、私は大変賢明な判断だと思いました。海外では、水道事業を民営化したものの、料金高騰などで再公営化が相次ぎました。県営の3つの水力発電所のPFI、コンセッションは、全国初で前例がありません。県有施設の運営は、安定した業務と安全性、継続性が求められる業務です。災害時のリスクは、経営が破綻したらどうなるのか、また、また県がやるといってもそのときに技術やノウハウが鳥取県に残る担保があるのか、公的責任を果たせるのか、知事、どうでしょう。
バイオマス発電です。
これは、地球への効果が、全体への効果があるというような、これは本当に詭弁だというふうに思いますね。ヤシ殻の輸出国では、パームヤシ農場が熱帯雨林を伐採して拡大されるなど、輸出国の生態系破壊をもたらしかねず、このまま輸入バイオマスがふえれば、燃料が足りなくなる発電所も出てくるというふうに言われているのです。一方、国内では、真庭市のように地元の中小企業が地域で燃料を需給できる小型のバイオマス発電で地域経済を活性している。こういった自治体もあります。工業用水の赤字解消のためでなく、県は持続可能なエネルギーと環境、地域経済への効果など、本当に慎重に検討して対応すべきだと、これは指摘しておきたいと思います。
県産米の消費拡大についてですが、民間施設には引き続き産業振興条例の観点でぜひ提案をしていただきたいと思いますし、指定管理者制度などは、委託契約のときの項目に入れるなど、取り組みを進めていただきたいと思います。
学校給食や保育園の給食の無償化と、地産地消を進めるためにも、まず保育所での主食を県産米で提供できるよう、これはぜひ検討していただきたいと思いますが、今も実際、3つの町で実施しているということで、保育所と市町村、そして県も一緒になれば、本当に効果が出ると思いますので、よろしくお願いします。
産廃処分場ですが、条例外で専門家会議をやるというのは、よっぽどの知事の決意があったのではないかなというふうに私は思ったわけですけれども、北村先生が最初から欠席するということを知事は知っておられたかどうかわかりませんけれども、こんな日に設定するというのはもともとおかしいと思います。4人のうち唯一の地下水の専門家ですよ。なぜセンターと異なる意見を持つと公平中立に入らないのでしょうかね。北海道や九州から呼ばなくても、地元にちゃんとこれが検証できる科学者がいるのです。専門家会議で主に説明された松藤教授は、廃棄物審議会の田中勝会長と一緒に本を出版された方です。その田中勝会長は、昨年、センターの見解書を点検して、日本国内でここまで高度な設備をした施設はないとお墨つきを与えた方です。これで審議できるのでしょうか。住民は、廃棄物審議会にも県にもセンターにも不信感を持って、怒り、苦しんでいます。
知事、今、行政の信頼性が問われています。関係者の納得と不安解消のためには、きちんと疑問に応える姿勢で最後までやり遂げることが必要です。
次回の専門家会議の開催については、明言されていませんが、十分な周知期間と複数の地下水の専門家、特に水利地質学の専門家である吉谷昭彦鳥大名誉教授、そして地元との専門家代表を入れ、地元との質疑のやりとりができる専門家会議の開催を求めますが、知事、どうでしょう。
そして、地元関係者への丁寧な対応と情報公開についてです。
資料は、地元自治会の住民が、センターが行った7回の事前説明会の会議録の開示請求に対するセンターの不開示の回答です。公開しない理由は、センター情報公開規程第8条第6号、その他当該事業の性質上、当該事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものに該当ですが、全く理由になりません。そして、備考欄の記述も、意味不明です。地元住民が自分の出た説明会の議事録の開示請求を、なぜ事業の遂行に支障を及ぼすおそれがあるというのか。公益財団法人の鳥取環境管理事業センターは、鳥取県の出資法人で、県出資割合が34%なので、公開しなければならないという鳥取県の情報公開条例第33条の2には該当せず、第38条の、公開に努めなければならないという努力義務の対象でしかありません。しかし、管理運営費は貸付金や派遣県職員の人件費を除いても毎年3,000万円から4,000万円、ほぼ100%が県費なのに、非開示を繰り返している。非常にそういう態度、私は丁寧とは言えないと思います。県は、開示するよう指導責任があるのではないでしょうか。知事、どうでしょう。
◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)錦織議員からの重ねての御質問にお答え申し上げます。
原発については要望とおっしゃいましたね。
PFIにつきましては、これは企業局長のほうからお答えを申し上げます。
KPSについては、指摘とおっしゃいましたか。指摘として、では受けとめさせていただきます。
また、県産米についても要望という言い方をされたと思います。
産業廃棄物処分場問題についてでございますけれども、専門家会議のこと等につきましては生活環境部長から、それから今後の対応につきましては副知事のほうから、あと情報公開については、これは元気づくり総本部長のほうからお答えを申し上げます。
◯副議長(福間裕隆君)湊企業局長
◯企業局長(湊正彦君)それでは、水力発電のコンセッションに対しますリスク対応について補足の答弁を申し上げます。
水力発電事業は、安定性、安全性、継続性が求められる業務でございます。PFI、コンセッション方式の導入に当たっては、事業条件の設定や、それから運営事業者の選定に十分に配慮して決めていく必要があるというふうに考えております。このため、民間の参画意欲のある事業者の方と幾度も意見交換、あるいはヒアリング等を行っておりまして、その中で出てきた民間の方々の意見としましては、民間の水力発電事業者の中には、ダム管理の経験のない方もいらっしゃいますから、コンセッションの対象からダム管理を外してくれというような意見が多く出されております。このため、現時点におきまして、コンセッション導入後もダム管理については県が継続して行うこととしておりますが、このダム管理に要する費用につきましては、運営権対価の中に盛り込んで、いわゆる事業者の負担とする、そんな制度設計を構築してまいりたいというふうに考えております。
さらに、国民負担を伴う固定価格買取制度、FIT制度でございます。これを適用する以上は、長期安定的な発電を行うことが、社会的な責任でございます。さらに、水力発電の施設の耐用年数は50年から60年となっております。このため、FIT期間終了後も事業継続をしたいという意欲的な民間の事業者の方がたくさんおられました。できるだけ長期にわたって事業を継続したいというふうな意向も確認できたところでございます。
したがいまして、コンセッション導入のための検討につきましては、リスク分担を含めた事業全体の枠組み、長期安定的に事業を継続するための契約期間の設定、また事業者選定の手法、それから事業者撤退リスクの回避方法、一番大事な地域経済への波及方法などなど、今議会に予算を提案させていただいておりますアドバイザリー業務の中で、専門家や有識者の知見を伺いながら検討してまいりたいというふうに思っております。
◯副議長(福間裕隆君)酒嶋生活環境部長
◯生活環境部長(酒嶋優君)では、私のほうから産業廃棄物処分場に係ります専門家会議の継続、次回開催等につきまして補足の答弁を申し上げたいと思います。
まず、専門家会議の委員につきまして、いろいろ御意見ございましたが、専門家会議の委員につきましては、廃棄物処理や土壌、水環境、環境管理全般に幅広い知見をお持ちで、科学的根拠、それから学術的に共有されている見識をお持ちの専門家で、国や自治体の審議会、あるいは専門家会議の委員経験者の中から、県産業廃棄物審議会委員の御意見をいただきながら選定をしたというところでございます。
また、専門家会議の次回開催等についてでございます。専門家会議につきましては、これまでもその目的について御説明しておりますとおり、専門家の見識を事業者と関係住民等との対話促進、理解促進のために活用するといったことを目的に開催したものでございます。したがいまして、現在準備を進めております条例手続の意見調整会議におきまして、福井水源地への地下水の流動に関する関係住民からの意見に対して、センターが意見を示し、専門家会議での地下水への影響に関する専門家意見も参考にしながら、相互理解を促進するということになってまいります。そして、センターの見解の合理性等につきましては、廃棄物審議会において審議をいただくことにしておりまして、地下水の流動に関するセンターの見解につきましても、審議会において専門家の招聘の必要性も検討しながら確認をいただくという考えでございます。
なお、これまで地元関係者から寄せられております法令基準そのものに対します不安でありますとか、一般的な疑問につきましては、2月23日開催の専門家会議におきまして、専門家の見解が得られたものというふうに考えておりますが、今後地元関係者から寄せられます意見のうち、加えて、専門的知見が必要となるものがございましたら、改めて専門家に意見を聞き、さらなる対話促進、理解促進の一助としていきたいというふうに考えております。
◯副議長(福間裕隆君)野川副知事
◯副知事(野川聡君)産廃処分場につきまして、今後の対応ということでございますが、昨年米子市、また米子市議会のほうから、県に対して、しっかり安全性等を確認してほしい、また事業者にしっかりと説明をするように県に助言してほしいと、そういう要望をいただきました。県では、センターに直ちにその旨伝えたところでありますし、センターには関係自治会のほうに早速説明等をしていただいております。
今後、関係住民の方々につきましては、やはり条例上の意見調整会議という場がございますので、2つの自治会、また個人63名だったと思いますが、その方々と日程調整をして、意見調整会議で意見を調整していく。そういう場面を至急つくりたいと思いますし、地元関係者につきましては、先ほど部長が申しましたように、さらなる専門的ないろんな不満、疑問点が出ましたら、それはまた専門家のほうに意見を聞いて、地元のほうに返していくと。そういう作業を丁寧にやっていきたいと思います。
また、漁業者につきましては、12月末、1月末、3カ月ほど日程調整していますが、やはり海が荒れることも、あるいは数日先の天候もなかなか読めないことから日程調整がなかなか決まりませんが、4月になりましたら、ぜひセンターに再度漁業者のほうに説明するように県のほうも積極的に日程調整をして努力してまいりたいと存じております。
◯副議長(福間裕隆君)小倉元気づくり総本部長
◯元気づくり総本部長(小倉誠一君)私のほうから環境管理事業センターへの指導につきまして補足の答弁をさせていただきます。
環境管理事業センターの情報公開規程でございますけれども、県に準じた規定となっております。
開示請求のありました今回の案件でございますけれども、平成24年から29年にかけて行われました地元自治会への説明会の資料と議事録を求めるものでございました。結果として議事録が非開示ということになったことを受けて、条例に基づいて苦情の申し出が県に出されたのが、今月2日で、9日にセンターに調査に入ったものでございます。
その結果でございますけれども、まず、この説明会は地元自治会が非公開としてくれという要請に基づいて開かれた会であるということ、また、個人情報が多々入っております。個人の権利、利益を損害するおそれがあるということ。また、今後の率直な意見交換でありますとか、意思決定の中立性、それを大きく損なうおそれがあるというような観点で資料を確認させていただき、納得をしたところでございます。
以上の観点から、規程に基づきます8条の2項、5項、6項に該当するのかなというふうに考えておりまして、このたびの対応は適正であったのかなと考えております。
なお、これとあわせまして、過去のいきさつといいますか、取り組みもあわせて確認をさせていただきました。
平成26年から29年にかけて計104回の開示請求が出されております。たびたび同じような開示請求が出されているような状況でございまして、文書としては363件の文書、そして枚数としては7,400枚を超える、そういった開示請求がなされておる。それへの対応も、先ほど言いましたように、適切に対応がされていることを検査結果として思ったところでございます。
したがいまして、今回の対応でございますけれども、規程を逸脱したものとは認めがたいということで考えているところであります。
それと、管理運営に県費が相当投入されているのではないかというようなコメントでございました。条例上は、対象者については一般出資法人、また補助金交付団体ということで、平成24年度に条例改正して新たに盛り込んだところでございまして、そのときにあわせて、今回、相談窓口も追加して条例化しているところであります。今回の対応はこの条例を適用されたものでございます。
いずれにしても、対象者は一般出資法人であろうが、補助金交付団体であれば、これは並列で考えるべきものであって、あわせて考えるべきものではないというふうに思っています。
いずれにしましても、センターに対して指導するということは考えておりません。
◯副議長(福間裕隆君)6番錦織議員
◯6番(錦織陽子君)産廃処分場の問題ですが、専門家会議、結局もうやらないということですか。水俣病の公害のときに国基準がなかったなどというふうに言われた先生がおられるのですよ、その中で。事実と違うことを住民はわからないだろうみたいなことで、平気で言われる。ますます不信感が強まるのは、当然ではないですか。知事は平成27年11月議会で、健康を害するものなら私も体を張って抵抗するとおっしゃいました。福井水源に地下水が流れる。そういう専門家の指摘を無視して、専門家会議にも呼ばないで、このまま建設に進むなどということは、県民の命と健康を守る知事として絶対やってはいけないことだというふうに思います。
午前中の森議員の答弁で、住民との話し合う機会も必要かなと、思いはあったということでしたけれども、今でも遅くないです。ぜひ知事、一度住民の皆さんと会ってください。どうですか、知事。直接答えてください。
◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて錦織議員からお尋ねがございました。
専門家会議は、先ほども部長も申しておりましたけれども、これは両者の話し合いをする過程でいろんな疑問点が出ているものですから、それについて、専門的、学術的見地で整理をする必要がある。そんな意味で専門家の皆様に委嘱をしているところでありまして、ここで全ての、例えば環境基準を満たしているかとか、そういうものを廃棄物処理法のレベルで裁くものではありません。これは事前の手続段階のことでありまして、いずれこの後、もし条例手続が終結した後は、当然ながらそこは慎重な審議をしてもらう必要もありますし、いろんな調査をするということは、次の段階としてはあるかもしれないなというふうに思います。
いずれにいたしましても、そういうようなことでいろいろと土俵をつくるのが、私どもで求められているところでございまして、今の条例手続が本県独特ものとして設けられており、そこで両者の話し合いをし、論点を整理し、折り合えるところがあったり、理解できるところがあるかどうかというのを我々としても見きわめていくと。そのような手続を今やっている真っ最中でございます。
したがいまして、私のほうで、例えばどちらかの立場で動くことは避けたいと思いますし、また現在はそのいわば行司役としてやっている段階でございます。午前中も申し上げましたけれども、そこは私の立場としては差し控えているというのが現状であることを御理解いただきたいと申し上げたとおりでございます。
いずれにいたしましても、そういうわけで今、両者の話し合いを促進することに県としても全力を傾けてまいりたいと思いますし、今後もいろいろとプロセスがございますが、最終的に安全なものかどうかという確認は、当然ながら、なしていかなければならないところであり、これについて、もし環境に悪い影響を与えるものであるということであれば、それは責任を持って県としてもストップをかけるという場面もあるかもしれません。現在のところはそういう状況であるということで御理解いただきたいと思います。
◯副議長(福間裕隆君)6番錦織議員
◯6番(錦織陽子君)知事、今、環境に影響を与えるものかどうかというのをおっしゃいましたけれども、やはり影響があると言っている人の意見を聞かないで、どうしてそれが進めることができるのですか。専門家会議というものをやり直さないといけないというふうに私は思います。
さっきの情報開示のことですけれども、平成26年から29年の間に104回開示請求があったと。いかにも業務の邪魔しているみたいな言い方に聞こえましたけれども、これはなぜかというと、ちゃんと出さないからですよ。そのことを私は強く指摘しておきたいと思いますし、個人情報などは当然消して、訴訟中のものなどは出せないということはあるかもしれないけれども、恣意的に自分たちのことを隠そうと。そういうことがありありなのですよ。だから、県として、そんなことではいけないと思います。もっと厳しくやっていただきたいというふうに思います。
◯副議長(福間裕隆君)錦織議員、時間ですから。(錦織陽子君「はい。でも、まだ……」と呼ぶ)いやいや、総枠時間、4時1分を過ぎましたので。(錦織陽子君「わかりました」と呼ぶ)
本日の議事日程は全て終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後4時01分散会
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