富山県議会 2018-11-01
平成30年11月定例会 代表質問
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前10時00分開議
◯議長(高野行雄君)ただいまから本日の会議を開きます。
2 ◯議長(高野行雄君)日程に入るに先立ち、報告事項を申し上げます。
去る11月26日、知事から提案されました議案第147号から議案第149号までについて、
地方公務員法第5条の規定に基づき、議会から人事委員会の意見を求めておきましたところ、11月26日付をもって、お手元にお配りしたとおり、意見の申し出がありましたので、御報告をいたします。
これより本日の日程に入ります。
県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑(会派代表)
3 ◯議長(高野行雄君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第138号から議案第165号まで、報告第17号及び報告第18号を議題といたします。
これより会派代表による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告がありますので、順次発言を許します。
上田英俊君。
〔33番上田英俊君登壇〕
4 ◯33番(上田英俊君)おはようございます。
私は、自由民主党を代表し、今定例会に提出されました諸案件並びに県政の諸課題について質問いたします。
質問に先立ち、一言申し上げます。
昭和天皇の崩御により平成の時代が始まり、国内では消費税の導入、土地神話に基づく地価狂乱、
金融引き締め策によるバブル経済の崩壊と金融不安、そして、少子高齢化、
人口減少時代が到来し、一方、海外では、緊張化、流動化し続ける国際情勢等、多くのことを経験した平成もカウントダウンを迎えました。いかなる時代、逆境にあっても、
自民党議員会は、あしたと未来に対する責任感を抱き、情熱と判断力を駆使し、時代を切り開いていく決意を表明し、以下、質問に入ります。
初めに、新
年度県予算等について2点質問します。
先般、知事は、新
年度予算編成について、とやま
未来創生戦略枠を設定し、
人口減少対策や持続的な
地域活力創出を図る施策に重点配分するとともに、新たにとやま新
時代重点政策枠を創設し、活力、未来、安心及び人づくりに優先配分する方針を示されました。
新年度においては、
新幹線開業効果の持続、深化に引き続き取り組むとともに、防災・減災対策など、県民の命を守る安全・安心の確保、中
山間地域対策の推進、総合的な富山湾の保全と活用、地域経済の活性化など、とやまの未来創生を深化させる重要施策を積極的に推進していく必要があります。
また、予算編成に当たっては、歳入の確保をしっかりと図るとともに、戦略的施策については、その効果を早期に発現させるため、スピード感を持って取り組んでいく姿勢も必要と考えます。
そこで、新年度予算の編成に向け、本県の税収の状況と財源の確保の見通しはどうか、また、どのような方針で予算編成に取り組むのか、石井知事の所見を伺います。
次に、消費税の
税率引き上げについて伺います。
社会保障の安定財源の確保及び財政の健全化を同時に達成することを目指す観点から、消費税の使途の明確化及び税率の引き上げを行う社会保障と税の一体改革が行われました。前回の
税率引き上げの教訓から、需要変動の平準化、景気変動の安定化に万全を期す必要があり、国においては、あらゆる政策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう全力で対応するとのことですが、県としても、国と呼応した防災・減災対策を図る公共投資、
地方創生推進策などの経済の回復基調を持続させるための対策を行うことが必要です。
そこで、消費税率の引き上げに当たり、景気の下振れリスクを回避するため、県としてどのように取り組む方針か、知事の所見を伺います。
次に、魅力ある富山湾の活用について8点質問します。
我が党では、昨年、全議員が参加する
富山湾未来創造調査会を設立し、富山湾の保全と利活用について調査研究を行い、知事に提言を行いました。
環日本海物流の活性化、つくり育てる漁業の推進、湾岸道路等の
インフラ整備、観光遊覧船を活用した周遊観光の促進、メタンハイドレートの調査研究、海洋深層水の利活用促進など、富山湾を核とした
プロジェクトに取り組むことが、新たな成長戦略になるものと考えます。
そこで、我が党の提言をどのように受けとめ、今後どのように富山湾を活用した施策を総合的に推進していくのか、知事の所見を伺います。
次に、世界で最も美しい
湾クラブ総会について伺います。
去る9月に、富山湾など世界26カ国1地域が加盟する世界で最も美しい湾クラブ第14回総会が台湾澎湖県で開催され、本県から山崎副知事が参加し、来年10月に本県で開催される総会に向けて、改めて本県の多彩な魅力をアピールしてこられました。
来年の富山県での総会は、日本で開催する初の総会であり、観光誘致や地域経済の活性化に大いにつながるものと期待されます。
そこで、富山県総会の成功に向けて、今後どのように取り組むのか、総会参加の成果とあわせ、山崎副知事に伺います。
また、総会の成功はもとより、さらなる
外国人観光客の誘致を進めるためには、宿泊施設や
公共交通機関等での外国語対応ができる人材の育成確保や案内標識等の多言語表示化、
キャッシュレス決済の普及など、
受け入れ体制の整備を早急に進める必要があると考えますが、今後どのように取り組むのか、猪俣観光・交通・
地域振興局長に伺います。
次に、伏木富山港を中心としたロシアとの物流について伺います。
伏木富山港は、
日本海側有数の国際航路を持つ
国際拠点港湾であり、
ロシア極東航路は、日本とロシア極東を結ぶ唯一の
定期コンテナ航路となっています。
日本での
ラストポートとなる伏木富山港からの輸出は、国内で
海上輸送日数が最も短く、太平洋側の港に対し、優位性があります。こうしたことを踏まえ、県では、さらなる伏木富山港の利用促進策の1つとして、
シベリア鉄道を利用したモスクワまでの
コンテナ貨物輸送の実証実験に取り組んでいます。
7月の実験では、輸送期間は16日間、9月の実験では19日間となり、目標としていた15日間には届かなかったものの、従来に比べると日数は短くなり、
スエズ運河経由ルートと比べ迅速性に優位があるのは確かであります。
一方、おくれの原因を調査し、目標とする15日間での輸送という定時制の確保に向けた対策も必要です。昨年9月に開催された第3回
東方経済フォーラムの際の
日露首脳会談では、互恵的な
日露経済関係を発展させていくことで合意し、現在、両国協力の多くのプランが進行しつつあり、また、
シベリアランドブリッジ構想が実現し、輸送ルートとして定着すれば、日本側の窓口である伏木富山港の拠点性は一層高まります。
そこで、伏木富山港を中心としたロシアとの物流を今後どのように進展させるのか、
伍嶋商工労働部長に伺います。
次に、
海洋環境保全の取り組みについて伺います。
近年、
プラスチックごみによる海洋汚染に対し、世界的に危機意識が高まっております。特に、
マイクロプラスチックを体内に取り込んだ魚が日本近海の広い範囲で見つかっており、
海洋汚染防止対策を早急に実施することが求められています。
去る6月の
G7サミットでは、世界の海を汚す
プラスチックごみをどう減らしていくか、具体策を各国に促す
海洋プラスチック憲章が議論され、我が国は国民生活や経済への影響を慎重に検討し、精査するため参加を見送りましたが、海洋ごみに関する問題について、来年6月に我が国で開催されるG20においても取り組むこととしております。
また、
プラスチックごみを含む
海洋ごみ対策を着実に実施するため、国においては、さきの通常国会で、美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る
海洋漂着物等の処理等の推進に関する法律が改正されたところであり、
海岸漂着物対策基本方針の改定や
プラスチック資源循環戦略の策定に取り組んでいます。
そこで、環境先端県を標榜する本県として、こうした世界的な潮流を踏まえ、
海洋環境保全の取り組みを積極的に展開すべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、つくり育てる漁業の推進について伺います。
天然の生けすと呼ばれる富山湾では、古くから定置網漁業を中心に沿岸漁業が盛んであり、寒ブリやシロエビ、ホタルイカ、高志の紅ガニなどの本県特有の魚介類が高い評価を受けております。
その一方で、長期間にわたる産出額の減少傾向や生産コストの増大、さらには、
クロマグロ漁獲規制など、近年、本県の水産業、特に定置網漁業を中心とした沿岸漁業を取り巻く環境は厳しさを増しております。そのような中、とる漁業からつくり育てる漁業への転換を図る必要があると考えます。
県では、放流用種苗の生産拠点として、氷見市と滑川市に
栽培漁業センターを設置し、栽培漁業の推進に向けて取り組んでいますが、施設整備やIoT技術を活用した
スマート漁業の導入など、これまで進めてきた栽培漁業をさらに進化させていくことが重要です。
そこで、老朽化が著しい
氷見栽培漁業センターの施設更新を含め、今後、つくり育てる漁業に対しどのように取り組むのか、
芝田農林水産部長に伺います。
次に、湾岸道路の整備について伺います。
観光庁の調査によると、平成29年の本県における観光消費額は1,561億円で、平成28年の1,498億円より63億円増加しましたが、このペースでは、総合計画で定める2021年に2,100億円という目標の達成はかなり厳しい状況ではないかと考えます。目標達成に向けて、来年10月に本県で開催される世界で最も美しい
湾クラブ総会を契機に、国内外からの観光誘客をさらに拡大するとともに、体験型、滞在型観光の充実を図る必要があります。県内には、サーフィンやダイビングなどの
マリンスポーツ、レジャーを楽しむスポットが点在しており、体験型観光の資源として活用できるのではないでしょうか。
また、射水市、氷見市、滑川市には、年間を通してほぼ定期的に運航されている観光遊覧船もあり、観光資源である
海王丸パークもあります。こうした富山湾の沿岸部にある観光資源を湾岸道路で結び、富山湾を楽しむ周遊観光の取り組みを強化すべきであります。
湾岸道路そのものも、美しい富山湾や立山連峰を眺望できる観光資源となります。
そこで、観光振興のためにも、湾岸道路の整備を早期に進める必要があると考えますが、今後どのように進めていくのか、
水口土木部長に伺います。
次に、(仮称)富山県
自転車活用推進条例等について伺います。
国においては、環境、交通、健康増進、観光振興等の重要な課題に対処し、自転車活用の推進に関する施策の充実を図るため、昨年5月に
自転車活用推進法が施行され、法の基本方針に即した
自転車活用推進計画が策定されました。自転車活用への関心が高まる中、海越しの立山連峰など美しい景観を楽しめる
富山湾岸サイクリングコースの整備や同コースを活用した
富山湾岸サイクリングの開催など、本県の新たな魅力の創出、活用による観光振興の取り組みが積極的に展開されております。
今後は、こうした取り組みをさらに進めるとともに、日常生活において自転車を利用しやすい都市環境を整えることに加え、健康づくりや
安全利用確保の面からの取り組みも進め、総合的かつ計画的な自転車活用に取り組むべきであります。
本県でも、こうした観点から、自転車活用を推進すべく、去る10月に富山県
自転車活用推進検討委員会が設置され、県条例の制定や本県の計画策定に向けた検討がなされています。
そこで、どのような理念の条例を制定し、また、どのような内容の計画を策定する方向で検討しているのか、知事に伺います。
次に、活力とやまについて7点質問いたします。
まず、
関西電力黒部ルートの一般開放について伺います。
去る10月17日に県と関西電力は、
関西電力黒部ルートの一般開放について合意し、協定を締結しました。長年にわたり、関西電力に対し、黒部ルートの一般開放を求めてきたところですが、ようやく2024年度から一般開放されることとなりました。現在、関西電力が実施している
黒部ルート見学会は、黒部峡谷の自然景観のすばらしさや電源開発の歴史を体感できる貴重な機会であり、黒部ルートの一般開放、旅行商品化は、立山エリアと黒部エリアを結ぶ新たな
産業観光ルートを形成し、本県の観光振興はもとより、国が推進している観光立国という観点からも、重要な
プロジェクトであります。
黒部ルートの一般開放により、立山黒部のブランド力は一段と高まることが期待され、宇奈月温泉を初め、県内の他の観光地への波及効果も期待できます。今後は、一般開放される2024年度までに、
世界ブランドにふさわしい旅行商品化と
受け入れ態勢の整備を進めていく必要があります。
そこで、黒部ルートの旅行商品化及び
受け入れ態勢の整備について、今後、どのようなスケジュールと体制で取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。
次に、立山・黒部の
世界文化遺産登録に向けた取り組みについて伺います。
県が
世界文化遺産登録に向けて取り組みを進めている立山・黒部については、昨年11月に、本宮堰堤と泥谷堰堤が我が国を代表する
近代砂防施設として、既に指定されている白岩堰堤とあわせ、国の重要文化財に指定されました。
また、昨年12月には、
立山砂防施設群と黒部川水系の発電施設群が
日本イコモス国内委員会の日本の20世紀遺産20選にも選定されており、その歴史的、文化的価値が高く評価されております。
さらには、去る9月に本県で開催された
インタープリベント2018富山、
国際防災学会富山大会で、立山砂防について、人類共通の遺産として共有していくべきものとする提言を盛り込んだ富山宣言が採択されました。今回の富山宣言の採択は、国際的な観点からも、立山砂防の顕著な普遍的価値を証明するものと言え、
世界文化遺産登録に向け、大きな弾みになったものと思います。
そこで、立山・黒部の
世界文化遺産登録の実現に向け、より一層強力に取り組むためには、さらなる機運の醸成、県民の盛り上がりも必要と考えますが、今後どう取り組んでいくのか、
インタープリベント2018富山の成果とあわせ、
蔵堀総合政策局長に伺います。
次に、中山間地域の新たな対策について伺います。
中山間地域では、集落の空洞化、地域産業の人手不足と所得の減少、
生活支援サービスの喪失が進行し、さらなる人口減少下においても持続可能な新たな地域社会をつくることが喫緊の課題となっています。加速度的な人口減少と高齢化という事態に対処し、中山間地域を維持するには、県の主体的、主導的なかかわりが不可欠であり、また、施策の企画、実行に当たっては、地域の実情に応じた柔軟な支援制度の構築、市町村、企業など多様な主体との協働を進めることが重要とされます。
こうした観点から、
自民党議員会では、中
山間地域集落や市町村長から意見を伺った上で、中山間地域の新たな対策を知事に提言したところであり、また、(仮称)中山間地域における持続可能な社会の形成に関する条例を制定すべく準備を進めております。
そこで、我が会派の提言を踏まえ、中
山間地域対策を推進する枠組みを見直し、県の組織体制や支援の充実を図っていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、富富富の作付拡大に向けた取り組みと課題について伺います。
富富富については、10月の
本格販売開始以降、好調な売れ行きを見せており、評価も高く、上々のスタートを切っております。さらに、記録的な猛暑にもかかわらず、一等米比率は99.1%と、コシヒカリや他県の新品種と比較しても高い数値となり、暑さに強いという特性も証明されました。
一方、今年度の作付面積は、当初予定の約半分である518ヘクタールにとどまりました。作付が伸び悩んだ原因としては、初年度ということもありますが、標準的なコシヒカリより化学肥料や農薬を減らすことなどを求める厳格な栽培要件も少なからず影響したのではないかと思われます。品質、食味を高いレベルで維持するため、厳格な栽培要件は必要でありますが、その中でも生産意欲を高め、作付面積を拡大し、収量を確保しなければなりません。
そこで、今年度の富富富の生産や販売を振り返っての感想及び来年度の作付拡大に向けた取り組みや課題について、知事に伺います。
次に、
農業農村整備事業について2点質問します。
まず、
県単独農業農村整備事業に係るゼロ県債設定について伺います。
昨年11月定例会の我が党の代表質問において、農地や
農業用排水路の整備などの
県単独農業農村整備事業について、冬にかかる労働環境や作業環境の悪い時期の工事を避けて、3月から4月の田植え前に工事を仕上げるため、次年度は11月定例会でゼロ県債を設定するよう提案したところ、知事から、土地改良区のニーズを把握した上で、年度開始前の工事着手が可能となるものについては、ゼロ県債の11月補正予算への計上を検討するとの答弁がありました。
本定例会に提案されている11
月補正予算案において、
県単独農業農村整備事業に係るゼロ県債が計上されており、我が党の提案が受け入れられたものと考えます。
そこで、今回のゼロ県債の設定に際し、土地改良区から具体的にどのようなニーズが上がってきており、今回の補正予算で十分に対応できるのか、また、ゼロ県債の設定により、具体的にどのような効果が期待できるのか、
農林水産部長に伺います。
次に、
農業用排水路の溢水対策について伺います。
ゲリラ豪雨や農村集落の混住化による生活雑排水の流入、宅地化、道路舗装の進展等により、
農業用排水路での溢水が県内各地で発生し、県民の生命や財産を脅かしています。
特に水路断面が狭い鉄軌道の
アンダー部分において、被害が多く見られております。そのような状況を踏まえ、本年2月定例会の一般質問において、土地改良区や市町村と連携し、各
農林振興センターが窓口となって、県内全ての溢水箇所を総点検し、集中的に解決すべきと質問したところ、
芝田農林水産部長より、今後、総点検を実施し、
ボトルネック箇所の洗い出しを行った上で、効果的な被害防止策を進めたいとの答弁がありました。
溢水被害防止のための施設改修に向けて、早急に点検を進めることが重要であります。
そこで、
県内農業用排水路等の溢水箇所の総点検の状況と今後の見込みについて、
農林水産部長に伺います。
次に、県産米の海外輸出について伺います。
国内の米の消費額が伸び悩む中、海外に活路を見出すことは必然であり、特に大きな市場として中国に目を向けることが重要であります。
先月、
自民党農林水産部会で、兵庫県にある米卸大手の株式会社神明の精米工場を視察してまいりました。
この工場では、現在、JAみな穂で生産される県産コシヒカリの中国への輸出を担っており、中国での県産米の消費拡大に寄与しております。中国への米輸出には、植物検疫上、
指定精米工場での精米及び
指定薫蒸倉庫での薫蒸が義務づけられていますが、本年5月の政府間交渉の結果、神明を含め、工場や倉庫の追加指定がなされ、今後もさらなる指定の追加が見込まれます。
現在、富山県内には、指定工場、倉庫は存在しませんが、輸送にかかる時間やコストなどを勘案すると、県内に指定工場や薫蒸倉庫があれば、県産米の輸出にさらに弾みがつくものと期待されます。
そこで、県としても、潜在的に莫大な米需要が見込まれる中国への輸出の可能性を開くため、中国への米輸出に必要な精米工場の指定や薫蒸倉庫の登録に向けた支援などの取り組みが重要であると考えますが、
農林水産部長の所見を伺います。
次に、未来とやまについて2点質問します。
まず、
県立高校普通教室への空調整備の設置について伺います。
学校における猛暑対策について、
特別支援学校においては、普通教室、
特別教室ともに空調設備を完備するとされたものの、教育委員会では、県立高校の普通教室については、これまでと同様に、PTAが主体となって設置したいとの申し出があった場合に設置する方針とのことでありました。
こうした中、国では、児童生徒の熱中症対策として、
公立小中学校等の空調設置への支援に係る経費822億円を含む補正予算が成立したところであり、また、全国的にもこの秋に埼玉県など4県が公費により
県立高校普通教室の空調設置を進めることを打ち出しています。
こうした動きを踏まえ、我が党では、今月14日には、自民党二階幹事長や
加藤総務会長、
麻生財務大臣等に対し、また、18日には、来県された自民党、
岸田政務調査会長に対し、県立高校の空調設備の設置に対しても、国の支援を要請したところであります。
そこで、
県立高校普通教室においても、災害とまでも言われたことしの猛暑を踏まえ、また、これまでPTAの皆さんに設置していただいた高校との公平性の確保にも留意しながら、公費での空調設備の設置を急ぐべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、不登校ゼロに向けた対策の強化について伺います。
家庭事情、いじめなど、多様、複雑な要因で不登校となっている児童生徒の数は、県内公立の小中高合わせて1,224人にも上り、その割合は、中学校で生徒数の2.3%と、20年前からほぼ横ばいで推移しています。これまでカウンセラー、
ソーシャルワーカー等の配置が進められてきましたが、今後は、第一線で教育に当たる学校現場の
受け入れ体制強化が必要不可欠であります。多忙な担任教員が授業準備や部活動指導の合間に対応したり、複数の教員が入れかわりかかわる現状では、不
登校児童生徒との信頼関係を構築できず、教員の業務負担が増すばかりであります。また、保健室、相談室への登校では、十分な教育機会が確保されません。
このため、黒部市では、不登校専任に近い形で教員を確保した上で、別の普通教室において、児童生徒の関心に応じた授業を行っており、県はこうした不登校対策を積極的に支援する
富山スタンダードを打ち立てるべきであります。
そこで、不登校ゼロの実現に向けて、不登校対策を専任とする教員の加配、別室授業の実施による教育機会の確保等の新たな対策を講ずるべきと考えますが、渋谷教育長の所見を伺います。
次に、安心とやまについて4点質問します。
まず、県内の木造住宅の耐震化の推進について伺います。
県内の木造住宅の耐震化率は、平成25年調査で約72%、平成15年の約63%に比べ、9ポイント程度上昇しているものの、依然多くの木造住宅が未耐震の状況となっています。
その一方で、本年9月には、震度7を記録した
北海道胆振東部地震が、6月にはブロック塀の倒壊などが発生した
大阪北部地震が起こるなど、日本の各地で大きな地震が頻発しており、その被害も甚大なものとなっております。
本県においても、大規模な地震が発生する可能性はあり、万が一の事態に備え、未耐震になっている木造住宅について、その解消に向けて早急に取り組むべきと考えます。
そこで、県内の木造住宅の耐震化を一層進めるため、
耐震改修支援事業の補助上限額の引き上げなど、市町村とも連携し、耐震改修のための支援策を充実させるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、県における障害者の雇用について伺います。
障害者雇用問題で先月22日に富山労働局が公表したところによると、昨年6月時点での障害者の雇用率は、県の知事部局及び企業局が1.82%、県教育委員会が1.19%、県警察本部が1.72%であり、いずれも当時の法定雇用率を下回っていることが判明しました。雇用率の算定において、分母となるべき職員数に非常勤職員を含めていなかったことや、障害者手帳の保有を確認していなかったことなどが理由とされていますが、批判を厳粛に受けとめ、積極的に障害者雇用に取り組んでいく必要があると考えます。
そこで、県の適切な対応が求められますが、今後の対応方針及び具体的な対応について、知事の所見を求めます。
次に、障害者計画について伺います。
現行の富山県障害者計画については、障害者基本法に基づく本県の障害者計画として、施策の基本的な方向や達成すべきサービスの目標などを明示した総合的な計画とされていますが、現行の期間は、平成26年度から30年度までとされています。この期間中には、国においては、平成28年に障害者差別解消法が施行されたほか、本県においても、障害のある人の人権を尊重し県民皆が共にいきいきと輝く富山県づくり条例、そして、この4月に富山県手話言語条例が施行されたところです。
そこで、平成30年度は、現行計画の最終年度に当たることから、これまで推進された計画及び計画に基づく施策の効果をどのように評価するのか、前田厚生部長に伺います。
最後に、消費者教育推進計画について伺います。
消費者問題については、高齢者をターゲットとした悪質商法や特殊詐欺のほか、若者をターゲットとして、スマートフォンなどインターネットを悪用した犯罪が多発しています。国においては、消費者契約法の一部が改正され、取り消すことのできる不当な勧誘行為や無効となる不当な契約条項の追加などが行われ、来年6月に施行される予定であります。
現在の富山県消費者教育推進計画は、本年度までを計画期間とし、県は多様な主体と連携・協働して、生涯にわたる消費者教育を体系的、効果的に推進してきましたが、さきに述べた消費者被害の現状に鑑み、県民に対して一層の消費者教育が必要であると考えます。
そこで、今年度は、本計画の最終年度に当たることから、これまで推進された計画及び計画に基づく施策の成果をどのように評価するのか、須河生活環境文化部長に伺います。
以上をもちまして、自由民主党を代表しての私の質問を終わります。ありがとうございました。
5 ◯議長(高野行雄君)石井知事。
〔知事石井隆一君登壇〕
6 ◯知事(石井隆一君)おはようございます。
自由民主党を代表されましての、上田議員の御質問にお答えをいたします。
まず、新年度予算の編成方針等についての御質問であります。
今年度の県税収入の状況につきましては、当初予算では前年度に比べて12億円の増となる1,382億円を見込んでおりましたけれども、9月末現在での実績が昨年の同時期と比べて15億円増の715億円となっております。何とか当初予算が確保できるように努力してまいります。
また、新年度の県税収入を初め、財源の見通しにつきましては、現段階で確たることは申し上げられませんけれども、今年度税収の状況に加え、今後の税制改正や地方財政対策の状況を踏まえ、適切に見積もる必要があると考えております。
本県財政につきましては、平成17年度当時の約400億円の構造的財源不足は、28
年度予算編成で解消いたしましたものの、骨太方針において、地方一般財源総額を2021年度まで今年度の地財計画の水準で実質的に確保するとされた一方で、地方財政についても国の取り組みと合わせた歳出改革等に取り組むこととされておりまして、現在、地方交付税の削減等も含め、国において厳しい議論が展開されておりますことに加え、福祉や医療など社会保障関係費の増加ですとか、新幹線建設等に係る公債費がなお高い水準で推移する見込みであることなどを踏まえますと、予断を許さない状況でございまして、新年度当初予算については、現時点で約31億円の要調整額が見込まれております。
そのため、新
年度予算編成に当たりましては、引き続き、県税を初め、歳入確保に最大限努めますとともに、政策経費等について、マイナスシーリングを設定しますなど、政策の重点化、効率化を図ることにしております。
その上で、厳しい財政状況にありましても、将来の富山県の発展のために必要な施策を展開していく必要がありますので、昨年度に引き続き、とやま
未来創生戦略枠を設け、とやま未来創生戦略に基づく施策を推進しますほか、とやま新時代への新たな挑戦を掲げたことし3月に策定しました新総合計画の政策目標実現に高い効果が見込まれる重点政策に取り組むためのとやま新
時代重点政策枠を新たに創設いたしております。例えば、新・富山県ものづくり産業未来戦略とか、あるいは中山間地域の振興、立山黒部の
世界ブランド化等々でございます。
こうした本県の持続的な発展に資する施策を盛り込んだ予算を編成しますためには、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保など、地方税財源の確保充実が重要であります。そのために、11月9日に開催された政府主催の全国知事会議におきましても、安倍総理を初め石田総務大臣など関係閣僚に私からも強く要請をいたしました。特に地方の一般財源総額を確保するためにも、どうしても東京に偏在しがちな地方法人課税の偏在是正の新たな措置ということをお願いしたわけですけれども、安倍総理からは、この偏在是正の問題については、新たな措置について検討して、2019年度の税制改正で結論を得たいという回答もいただいたところでございます。
今後、国の予算編成の動向等を見きわめながら、財源の確保に努めて、県民の皆さんが未来に向けて夢や希望を持って、生き生きと働き暮らせる元気な県づくりに、スピード感を持って積極的に取り組める予算となるように鋭意努力してまいります。
次に、消費税率の引き上げによる景気下振れリスクを回避するための、県の取り組み方針についてお答えをいたします。
国においては、来年10月の消費税、地方消費
税率引き上げを予定どおり実施するとされ、需要変動の平準化のための十分な支援策や軽減税率の導入など、あらゆる施策を総動員して、経済に影響を及ぼさないように、来年度、再来年度予算において、臨時・特例の措置を講じるとの方針が示されております。
また、国土強靱化対策の強化等を内容とする今年度の第2次補正予算の編成にも取り組むとされております。
県としましては、地方創生の推進に向けて、本県を初め、地域経済の活性化に十分配慮した総合的かつ積極的な実効性ある経済対策を講じていただきたいとともに、地方の財政運営にも支障が生じないように十分留意していただきたいということで、安倍総理に対して、全国知事会と連携して直接要請するなど、政府・与党の幹部に要請してまいりました。
また、たび重なる大規模災害を踏まえまして、国では、減災・防災、国土強靱化のための3カ年緊急対策を年内に取りまとめて、今年度からの3年間で集中的に実施するとの方針が、これは安倍総理の所信表明演説等で示されておりまして、県としましては、この機会を捉えまして、災害に強い強靱な県土づくりを進めるためにも、補正予算を含む公共事業予算が本県に重点配分されますように積極的に働きかけてまいります。
また、今議会に補正予算案において、安全・安心の確保と豪雨災害等の対応に要する経費を追加計上しておりますほか、道路補修等に係る債務負担行為、農業の土地改良なんかも含めまして、債務負担行為を昨年に比べても増額して、年度間の切れ目のない発注、事業効果の早期発現に努めることにいたしております。
県としましては、今後も、交付金等の国の財源を積極的に活用しますとともに、景気の下振れリスクを回避するために、国と呼応して、また、県独自の取り組みも含めまして、本県経済の持続的な成長、発展に資する地域経済の活性化に向けて、鋭意取り組んでまいります。
次に、魅力ある富山湾の活用についてお答えをいたします。
先般、自由民主党の
富山湾未来創造調査会から、富山湾が未来を拓くというタイトルで、富山湾の未来に向けた貴重な御提言をいただいたことは大変ありがたく、また心強く思っております。
県としましては、今回の御提言の内容も十分に踏まえまして、これまで以上に富山湾の産業振興への活用、魅力のブラッシュアップ、情報発信など、さまざまな観点から富山湾を核とした多岐にわたる
プロジェクトを全庁挙げて、また県議会の皆様方の御意見もいただきながら、さらなる観光振興、地域活性化につながりますように、そして、富山県が大きく飛躍するように、新年度以降の予算編成においても、しっかり取り組んでまいります。
具体的には、産業振興への活用として、伏木富山港への貨物の集荷促進による
環日本海物流の活性化、
シベリア鉄道の問題もございます。また、富山のさかなのブランド化と海外への発信、またキジハタ等の栽培漁業の事業化に向けた研究加速化など、つくり育てる漁業等の推進、また沿岸部の観光拠点等とを結ぶ湾岸道路やサイクリングコースなどインフラの整備、観光遊覧船を活用した周遊観光の促進、また、日本海側の表層型メタンハイドレートの開発促進、また幅広い分野での海洋深層水の活用などに取り組んでまいります。
また、富山湾の魅力のブラッシュアップ、情報発信としては、お話に出ましたように、来年10月には、世界で最も美しい湾クラブ富山県総会が予定されておりますので、本県の自然や文化、産業等の魅力や環境保全、観光振興等の取り組みを世界に発信し、交流できる総会となりますように準備を進めますとともに、この機会に富山湾の魅力を紹介する動画などを作成したり、また、
富山湾岸サイクリングの開催、新湊マリーナへの県外船舶オーナーの誘致、伏木富山港へのクルーズ客船の誘致などに取り組みますほか、
プラスチックごみ対策や海岸清掃などの環境保全活動など、さまざまな分野の取り組みを進めてまいります。
次に、
海洋環境保全の取り組みについてお答えをいたします。
議員の御紹介のとおり、
プラスチックごみによる海洋汚染は、世界的に関心が高まっておりまして、国においても、
海岸漂着物対策基本方針の改定、それから
プラスチック資源循環戦略の策定などが進められていまして、3Rの推進による
プラスチックごみの発生抑制、河川の上流から下流までが一体となった清掃活動などの推進、海洋プラスチック問題に関する国際協力の推進などが盛り込まれております。
本県では、これまで、レジ袋無料配布廃止やトレイやペットボトルなどの回収の促進をするとやまエコ・ストア制度になどによる
プラスチックごみの3R、また河川の上流まで、県土全域における県民総参加の清掃活動、また、本県の呼びかけで北東アジア地域の自治体などが参加している海辺の漂着物調査などに取り組んでおりまして、こうした本県の先駆的な取り組みが、こう申してはなんですけれども、国がようやくそれを取り込んで方針を策定されたという面もあろうかと思います。
県としましては、来年10月の世界で最も美しい
湾クラブ総会に向け、
海洋環境保全の取り組みを一層強化するために、今年度から新たに携帯型マイバッグの作成、配布、また河川敷の耕作者に対する苗木ポットなどの適正処理の呼びかけ、不法投棄防止モデル地域の選定と重点パトロールのほか、スマホアプリを活用した自主的な清掃活動についても推進しております。
また、来年度、本県で開催予定のNEARの環境分科委員会、これは2年に一遍定期開催しておりますけれども、せっかくのこの機会を生かして、漂着物の発生抑制など、漂着ごみ対策についても議論する予定としておりまして、県としては、こうした機会も生かしながら、環境先端県として、できれば世界の模範だと言っていただけるようにしっかり取り組んでまいります。
次に、自転車活用についてお答えをいたします。
自転車の活用推進につきましては、市町村や関係団体、事業者等で構成します富山県
自転車活用推進検討委員会を設置いたしまして、富山県におけるこれまでの取り組みを踏まえて、自転車活用推進条例(仮称)や
自転車活用推進計画(仮称)の策定に向けて御意見をいただいております。
自転車活用推進条例(仮称)については、自転車交通の役割拡大による良好な都市環境の形成、健康増進、自転車を活用した観光振興等の推進、安全で安心な交通環境の創出を基本理念とし、自転車の活用推進のための基本的な施策を盛り込む方向で検討を進めております。
また、
自転車活用推進計画(仮称)は、条例の基本理念を踏まえた計画としまして、自転車通行空間の整備と保全、またシェアサイクルやレンタサイクルの普及促進、幅広い年齢層におけるサイクルスポーツの振興、湾岸サイクリングなどイベントのブラッシュアップ、サイクリングコースの充実、また交通安全意識の広報啓発、学校における交通安全教室の開催等の施策を盛り込むこととしたいと考えております。
今後、
自転車活用推進検討委員会においてさらに議論を深めまして、また県議会における御議論、市町村や関係団体、県民の皆様の御意見等を踏まえまして、今年度末の条例制定並びに計画策定を目指しまして、鋭意取り組んでまいります。
次に、黒部ルートの一般開放についてお答えをいたします。
60年来の懸案でありました黒部ルートの一般開放等につきましては、関西電力と粘り強く交渉を進めてきた結果、万々一の場合に備えての安全対策を完了した後、これは関電さんの負担でやっていただくこととなっておりますけれども、2024年度から年間最大1万人の一般開放・旅行商品化を実現することで合意しまして、先般、関西電力の岩根社長と協定を締結させていただきました。この関西電力の御決断、いろんな経過があるわけですけれども、敬意を表しますとともに、これまで御支援や御協力をいただいてきました国会の先生方や関係省庁、また県議会の議員各位、市町の皆様初め、多くの方々に感謝申し上げたいと思います。
協定締結を踏まえまして、旅行商品化や
受け入れ体制を早急に整備していく必要がありますので、先般、11月2日に地元黒部市の大野市長を初め、宇奈月温泉や県内の観光関係事業者、関西電力北陸支社、黒部峡谷鉄道などの方々に御出席いただきまして、意見交換会を開催いたしました。会議では、2023年に開湯100年を迎える宇奈月温泉の振興につなげたいとの御発言や、ガイドの養成に地元として取り組むことが必要だと、また、早い時間での朝食提供など、特別なサービスで満足度を高めることが必要だといった御意見のほか、1万人という希少価値をより高める旅行商品づくりが重要だといったような御意見もいただき、また、新幹線の敦賀延伸とか、大阪万博、当時はまだ決定はされていなかったわけですが、そうしたこともあるので、関西圏をターゲットとした商品や宣伝が重要だと、こういったような御意見もいただきました。
今後は、来月開催予定の第4回目の「立山黒部」
世界ブランド化推進会議におきまして、一般開放・旅行商品化の実施について、大所高所から御議論いただくとともに、民間の知恵や力で進めていくべきこと、県、市、民間が役割分担しつつ取り組むべきこと等を整理しまして、また、実務的な方々による検討の機会や場を設けていくことも必要だと考えております。
現在、新
年度予算編成に向けて、こうした御意見も踏まえて、旅行商品化の準備スケジュールや実施体制について検討を進めているところでございまして、黒部ルートが立山黒部のブランド価値を高める魅力的な旅行商品となりますように、世界でここしかないといったハイレベルでインパクトのある、そういう観光となるように、必要な準備を関係市町や事業者と連携しながら、しっかりと準備を進めてまいりたいと思います。
次に、中
山間地域対策についての御質問にお答えをいたします。
中山間地域におきましては、人口減少に伴う過疎化や高齢化が進行する中で、日常生活や集落生活の機能の維持が喫緊の課題でございますので、農林業だけの問題ではなくて、部局横断的に取り組むために、県では、今年度から地域振興課に地域活力・中山間支援班を新設いたしました。
この班を中心に、今年度は中山間地域の課題や実態を把握するために、全集落を対象に生活状況を調査いたしましたところ、8割以上の集落代表者が20年後には集落が衰退していくと感じておられるほか、後継者の育成確保やイノシシ等の発生、除雪の負担、公共交通に困難が生じているなど、県内の中山間地域の課題について多くの意見をいただきました。
また、先般、自民党の県議会議員会からも、中山間地域の新たな対策の申し入れとして、県の推進体制の強化や地域の実情に応じた柔軟な支援制度の構築等についても御提言をいただきました。
県としましては、今後どのような支援や、推進体制で取り組むことが一番効果的であるのか、いただいた御提言についても部局横断的かつ総合的に検討しますとともに、比較的、本県はコンパクトで移動時間も短くて済むといったような実情もございます。今回実施した実態調査なども踏まえまして、市町村やNPO、民間事業者等との連携、協働にも留意しながら、これはせっかくの御意見をいただきましたので、県議会とも連携しながら、スピード感を持って適切に取り組んでまいります。
次に、富富富の取り組みについてお答えをいたします。
30年産の富富富につきましては、518ヘクタールの面積で作付されまして、10アール当たりの収量は、コシヒカリよりやや少なくなりましたけれども、生産者の皆さんによる適切な栽培管理の徹底で、一等米比率が99.1%と、北陸4県の新品種の中でも大変いい結果となっております。
また、PR・販売対策についても、これは例えば富富富というネーミングも、おかげで、シンプルで意味も多彩な深い意味があり、インパクトがあるといったようなことを、先般、全国知事会議の場でも何人かの知事さんから言っていただいたぐらいであります。
また、女優の木村文乃さんを起用したコマーシャルの放映、また多くのマスコミに報道いただき、SNSでの拡散などによりまして、販売状況はおおむね好調でありまして、また、消費者の方々からもおいしいと御評価いただいております。おかげさまで滑り出しは順調と言っていいんじゃないかと思います。
こうした高い御評価に応えますために、31年産では、本年の約2倍となる1,000ヘクタールの作付を目標に、現在、生産者を募集しておりますけれども、30年産の極めて高い品質や倒伏しにくい特性が実証されましたこと、また、概算金で60キロ当たり1万4,500円と高く設定されたこと、また、県内全ての地域で全量基肥栽培が可能となったことなどから、昨年の生産者募集の際の生産者の方々の不安感は、ある程度解消されてきているんじゃないかと思います。
ただ、生産者説明会では、登熟がやや不良となり、未熟な米が多かった、コシヒカリと収穫時期が重なり、作業が競合したといった課題も寄せられております。
そこで、高品質、良食味と収量性をあわせて確保するための栽培マニュアルの改訂ですとか、農協などの共同乾燥調製施設の活用の促進、また、経営面積に応じて、コシヒカリと収穫作業ができるだけ重ならないようなきめ細かな作付計画の調整、指導によりまして、農業団体や地域協議会と十分連携しまして、需要や販路の拡大とあわせて、生産の拡大が進むようにしっかりと取り組んでまいります。
次に、県立高校の空調設置についてお答えをいたします。
学校における子供たちの学習環境は大変重要であります。県立高校の空調設備の設置については、身体的なケアが必要な
特別支援学校への設置を優先しまして、平成26年度の全普通教室への設置に続いて、さきの9月補正予算、議決いただきましたから、特別教室に来年夏までに完備するように、今、緊急に整備を進めております。
また、少子高齢化や第4次産業革命の進展など、教育を取り巻く環境が大きく変化する中で、時代の変化に対応した人材育成のためにも、高校教育はもちろん大変重要でございます。
そのために、県立高校の再編統合を進めますとともに、学校教育における学習活動や施設設備、生徒の指導支援、いずれの面でも一層の充実強化を進めておりまして、特に再編統合の対象校8校については、魅力と活力ある学校づくりの推進や、またICT教育の実施校の拡充、生徒用トイレの洋式化など、これも1年前倒しをして、優先的、重点的に取り組んでおります。
そこで、御質問の県立高校の普通教室の空調設置については、今後も地球温暖化の進行に伴って、夏の猛暑日が増加していく事態も想定されることを勘案しますと、これまでの経過、県教委でもいろいろと悩んでいらっしゃるようでありますけれども、そうした経過はありますものの、私としては、生徒の学習環境の確保、そして、高校教育の充実の観点から必要ではないかと考えておりまして、教育委員会と連携して、これまでPTAの皆さんに設置していただいた高校との公平性の確保にも留意しながら、また、国の来
年度予算編成等も十分見きわめながら、御提言を踏まえまして、公費による空調設置の推進について検討してまいりたいと考えております。
次に、住宅の耐震化についての御質問にお答えをいたします。
議員の御指摘のとおり、住宅の耐震化は重要な課題であり、かねてから住宅の
耐震改修支援事業については、市町村とも連携し、住宅全体の改修だけではなく、部分改修も対象にしますなど、全国的にもトップクラスの手厚い支援となるように配慮してまいりました。
議員御提案の
耐震改修支援事業の補助上限額の引き上げにつきましては、国が住宅の耐震化をさらに促進するために、ことし4月から新たに耐震化に係る総合的支援メニューを導入しておりまして、その事業については、市町村が住宅耐震化のためのアクションプログラムを策定し、戸別訪問等を実施するなど積極的な取り組みを行う場合に、国と地方公共団体で実質的に100万円の定額補助が可能とされたところであります。
県としましては、この事業の実施主体が市町村でありますので、市町村の財政負担や新たな取り組みの実施も伴うものでありますから、これまで市町村と導入に向けた協議を行ってきたところでありますが、いずれの市町村においても、来年度の予算編成に向けて、前向きに検討する旨の御回答をいただいております。
住宅の耐震化は、県民の皆さんの安全・安心にかかわることであり、引き続き市町村と連携を密にしつつ、
耐震改修支援事業の補助上限額の引き上げなどの支援策の充実につきまして、来年度から実施できるように鋭意検討してまいります。
最後に、障害者雇用の御質問にお答えをいたします。
去る8月、国における障害者雇用率の不適切な算定が報じられまして以来、本県でも県や一部の市町において、不適切な算定や計上ミスが判明しており、まことに残念に思っております。今回の原因について、国の検証委員会の報告では、制度を所管する厚生労働省の対応について問題点が指摘されましたほか、例えば厚生労働省の障害者の範囲や確認方法等についての対応が、内容が不明確な通知が発出されていたかとか、いろんな問題点が言われております。こうしたことのほか、国の各行政機関についても、対象障害者の計上方法の正しい理解の欠如や障害者雇用促進法の理念に対する意識の低さが上げられております。国では、この報告を踏まえまして、先般、公務部門における障害者雇用に関する基本方針を策定しまして、再発防止策や障害者の活躍の場の拡大、任用面での対応策などを掲げておられます。
県としましては、知事部局において、平成22年度の初級職の採用試験、これは正規職員ですけれども、身体障害者枠を設けておりますほか、平成24年度からは、障害者嘱託職員の雇用を行いますなど、これまでも障害者雇用に積極的に努めてまいりました。また、県教育委員会でも、教員採用選考における身体障害者を対象とした特別選考の実施などに取り組んでおります。
なお、警察本部では、30年度から、知事部局と同様に初級職の警察事務の採用試験に身体障害者枠を設けておりまして、来年度以降も引き続き、受験申込者の確保などに努めることにしております。
さらに、今回の問題を受けまして、知事部局では、教育委員会とも連携して、法定雇用率の早期達成、これは大事なことですから、9月下旬から障害者嘱託職員の募集をハローワークを通じて行いまして、来年1月までに、新たに知事部局で15名、教育委員会で2名をそれぞれ雇用することにいたしております。
県では、国の基本方針や他県の先進事例を参考としつつ、教育委員会や警察本部とも連携しながら、例えば採用する障害種別の拡大や、例えばこれまで身体障害者に限っている初級職の障害者枠を精神、または知的障害者も対象とするように検討するとか、あるいは従事する業務の拡大について研究しますなど、障害者の事情やニーズ面等にも十分配慮して、これまで以上に、障害者の積極的な雇用にしっかりと取り組んでまいります。
また、県内市町村に対しても情報提供等に努めますとともに、また、市町村側のお求めに応じて、また必要に応じて助言等を行ってまいります。
以上でございます。
7 ◯議長(高野行雄君)山崎副知事。
〔副知事山崎康至君登壇〕
8 ◯副知事(山崎康至君)世界で最も美しい湾クラブ台湾総会での成果等についての御質問にお答えをいたします。
去る9月下旬に、台湾澎湖県で開催された世界で最も美しい湾クラブ第14回総会に、知事の代理として参加をさせていただきました。
今回の総会には、15カ国から26の湾が参加いたしましたが、会期中に開催されたさまざまな行事を通じて、まず、各加盟湾における環境保全や観光振興の取り組みはもとより、参加者へのおもてなしなどの
受け入れ態勢を初め、総会の運営状況などについてつぶさに見て学ぶことができました。また、次回総会の開催湾として行いましたプレゼンテーションでは、改めて本県の多彩な魅力を発信し、富山湾のすばらしさに理解を深めていただくことができたと思っております。
そして、今回の役員改選で新たに就任されたブジョルド新理事長を初め、主要な役員や各加盟湾の皆さんとの親交を深めるとともに、来年の富山県総会の日程概要について、新理事長らと率直な意見交換を行うなど、関係者との信頼関係を築くための貴重な機会となり、またその際、来年の富山県総会への参加を要請いたしましたところ、多くの参加湾の方々から、ぜひ参加したいとの参加に前向きなお答えをいただくことができました。
さらに、これまでの本県の富山湾の活用・保全の取り組みが高く評価されまして、今回新設されたアジア地域の副理事長補佐職に、日本から富山湾が初めて選出されたところでありまして、参加した成果といたしましては、こうしたことがあったと考えております。
今後、日本初となる来年の富山県総会の成功に向けまして、先般、設立いたしました県、沿岸市町、民間関係団体等から成る実行委員会におきまして、おもてなし行事や県内エクスカーションなどについて実施計画を策定いたしますとともに、総会開催記念PRグッズの製作、配布により、県民の皆さんの機運醸成を図るなど、富山湾を初めとした本県の魅力を発信できる富山らしい総会となるよう、必要な準備を着実に進めてまいります。
9 ◯議長(高野行雄君)猪俣観光・交通・
地域振興局長。
〔観光・交通・
地域振興局長猪俣明彦君登壇〕
10 ◯観光・交通・
地域振興局長(猪俣明彦君)私から、
外国人観光客の
受け入れ体制の整備についてお答えします。
本県を訪れます
外国人観光客は、来年の世界で最も美しい
湾クラブ総会や日台観光サミットの開催を機に今後ますます増加すると予想されますことから、本県を訪れた
外国人観光客の満足度を高め、より長く滞在していただきますよう
受け入れ体制の整備充実は大変重要と考えております。
このため、県では、とやま観光未来創造塾観光ガイドコースのインバウンド専攻の新設による外国語対応ガイドの育成、富山駅構内の観光案内所における多言語対応、観光案内看板・標識や、飲食店の店内外での外国語表記に対する支援、民間の美術館や博物館等の文化施設が行います外国語表示案内の設置等に対する支援などによる
受け入れ体制の整備に取り組んでおりますほか、観光おもてなし5つ星制度の導入やセミナーの実施などにより、おもてなしの体制の充実強化にも努めているところでございます。
なお、
キャッシュレス決済につきましては、特に
外国人観光客のニーズが高く、国においても2027年までに
キャッシュレス決済比率を倍増し、4割程度とすることを目標としておりますことから、本県においても、今後、キャッシュレス推進における課題を整理し、国の動向を注視しながら検討してまいりたいと考えております。
県としましては、引き続き国、市町村、民間事業者とも連携しながら外国人旅行者の
受け入れ体制の整備充実にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
11 ◯議長(高野行雄君)
伍嶋商工労働部長。
〔商工労働部長伍嶋二美男君登壇〕
12 ◯商工労働部長(伍嶋二美男君)私からは、ロシアとの物流の取り組みに関する御質問にお答えをいたします。
県では、伏木富山港が
ロシア極東航路の日本海側で唯一の寄港地であり、太平洋側の港よりも
海上輸送日数が短いことなどの優位性を生かしまして、ロシア向け輸送実験を継続的に実施してきたところでございます。
また、平成26年度からは、
シベリア鉄道を利用した試行的な輸送に対する補助制度を創設するなど、
シベリアランドブリッジ構想の推進に積極的に取り組んできております。
今年度におきましては、昨年、
ロシア極東航路を運航いたしますFESCOの幹部が明言されました輸送日数の短縮の実態を確認するための検証事業を実施したところ、議員から御紹介のありましたとおり、目標としていた15日間での輸送を達成することはできなかったものの、第1回の輸送では、伏木富山港からモスクワ到着まで16日間、第2回目の輸送では19日間となりまして、従来と比較して大幅な日数の短縮が確認できたところであります。日本海側におけます伏木富山港の拠点性をより一層高めていくためには、本ルートの輸送日数を目標といたします15日間の定時運航としてまず定着させるとともに、その活用を促していくことが重要であると考えております。
今後、定時性を確保するための課題の克服に向けた方策や貨物量の増加につながるよう、現行の助成を含むインセンティブ制度のあり方について検討することとしたいと考えております。
また、今年度から、国において実施されておりますパイロット事業につきまして、来年度、伏木富山港を活用する事業の採択や、また、ロシア全域や欧州方面も視野に入れた検証事業を行うよう引き続き働きかけるなど、国や関係機関と十分連携しながら、
シベリア鉄道を利用した貨物輸送の活性化に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
13 ◯議長(高野行雄君)
芝田農林水産部長。
〔
農林水産部長芝田 聡君登壇〕
14 ◯
農林水産部長(芝田 聡君)まず、つくり育てる漁業についての御質問にお答えいたします。
待ちの漁法である定置網漁中心の本県漁業は、漁獲量の変動が大きいことから、漁業経営の安定化に向け、これまでも栽培漁業を推進してきており、氷見の県営センターと滑川の公社営センターにおいて役割分担しながら種苗生産を行っております。
また、水産研究所では、キジハタとアカムツの種苗生産技術を開発しており、より多くの種苗を用いて放流効果を検証するため、種苗生産施設の整備を進めているところでございます。
栽培漁業センターで生産する種苗の魚種や数量は、それを購入し交流する漁協等の要望をもとに決定する必要があります。このため、
栽培漁業センターの施設整備等のあり方につきましては、新魚種の事業化にあわせて検討する必要があり、まずは、現在整備を進める種苗生産施設でキジハタとアカムツの早期事業化に取り組み、そのめどが立った段階で、漁業団体や関係市町等の意見もお聞きして検討してまいりたいと考えております。
一方、養殖漁業につきましては、本県では、冬期の激しい波浪や寄り回り波により生けすが破損するおそれがあることから、これまで魚類の海面養殖は事業化に至っておりませんが、最近、サクラマスの海面養殖など新たな取り組みが見られ、水産研究所において技術指導を行っております。他県では、海面養殖において先進的なICT技術を駆使している事例もあり、本格的な養殖が行われる場合には、今後、国の事業の活用による支援なども検討し、本県の養殖漁業の振興に努めてまいります。
県では、現在、新たな水産業振興計画の策定を行っておりまして、栽培漁業を重要な柱と位置づけて、
スマート漁業の導入も含め、さらに積極的に進めてまいりたいと考えております。
次に、ゼロ県債の設定についての御質問にお答えいたします。
農業農村整備事業では、これまで、できるだけ農業生産に支障が生じないよう、春先における農地の耕作時期から秋の収穫までの期間を避けて工事を行ってまいりましたが、近年、水稲の高温対策により田植え時期をおくらせる傾向にあり、田植え前の工事期間を確保しやすくなったことなどから、今回、新たにゼロ県債の活用を図ることといたしました。
補正予算の編成に先立ちまして、あらかじめ各土地改良区に要望を伺ったところ、小規模な用水路の更新及び補修、水管理に必要な水門の新設、安全防護柵の設置、農道の舗装、屋敷林の枝打ちなどが20地区から寄せられまして、これら全てに対応するため、今回、事業費ベースで約9,000万円、予算ベースで3,500万円の債務負担行為の設定を提案しているところでございます。
これらをゼロ県債で対応することにより、最も水を要する田植えの前に、用排水路や農道の工事が終了し、農作業の効率化や転落事故の防止が早期に図られるとともに、工事の施工側におきましても発注の平準化が進み、これまでの冬期にかけて工事を行うことによる除雪や排水等の附帯的作業、防寒対策が軽減され、作業環境や労働環境の改善が図られるものと考えております。
今後とも土地改良事業の施工に当たっては、事業効果の早期発現、比較的気候のよい春先の工事量の確保や年度間の切れ目のない発注に努め、農家や土地改良区、施工する事業者等の皆さんのニーズに積極的に応えてまいりたいと考えております。
次に、
農業用排水路等の溢水箇所の点検についての御質問にお答えします。
県では、これまでも、
農業用排水路等の溢水が発生しやすい場所について、関係機関と連携し、その原因や対策について検討を行い、順次対応を進めてきておりますが、近年の宅地化や道路舗装の進展、集中豪雨の頻発等に伴い、これまで被害が見られなかった箇所においても、溢水等が発生するケースが相次いでおります。
このため、本年2月議会で議員から御提案がなされたこともございまして、今年度、被災の影響が特に懸念される基幹的
農業用排水路について、増水時に十分な通水断面が確保されにくい鉄軌道等の
アンダー部分に関し、水路の管理者である土地改良区に対する溢水被害の発生状況等の聞き取り調査や、現地における施設の劣化状況及び断面の計測を行っており、現在、全部で379カ所ございますけれども、その約9割に当たる342カ所について点検を終了したところでございます。残りの箇所についても早急に点検を進め、年度内には完了する予定となっております。
また、この点検結果をもとに、用排水路が集水する区域の状況も勘案し、溢水被害の発生が懸念される具体的な箇所の洗い出しを行うとともに、想定される被害の大きさや施設の老朽化の進みぐあいなど、対策の緊急度の把握を行っているところでございます。
今後、これらの成果に基づき、土地改良区や市町村と連携し、狭窄部の水路断面の拡幅など、排水機能の向上を図る対策を緊急度の高い箇所から計画的に推進して、溢水被害の未然防止に努めてまいります。
次に、中国への米輸出についての御質問にお答えします。
米の国内市場が縮小傾向にある中、海外市場の開拓は極めて重要であるため、県では、昨年6月に富山県産農林水産物等品目別輸出促進方針を策定し、米、米加工品を重点3品目の1つに位置づけて、米の輸出拡大を図っております。
また、国のコメ海外市場拡大戦略
プロジェクトに県内から25産地が登録し、輸出事業者とのマッチングにより新たに輸出に取り組む動きが見られるところでございます。
特に、中国への米輸出につきましては、
指定精米工場での精米と、登録薫蒸倉庫での薫蒸が義務づけられているほか、現地の米との価格差が大きいなどの課題もある中で、昨年からJAみな穂のコシヒカリが、国内最大手の米卸業者により、中国に向けて輸出されております。ことし5月には、中国向け輸出に使用可能な
指定精米工場及び登録燻蒸倉庫が新たに追加されたことから、県産米の輸出拡大にも追い風となっており、JAみな穂では、来年産はさらに輸出量を増やす計画であると聞いております。
県では、将来的に伏木富山港から中国に県産米を輸出できる体制を構築したいと考えております。現在、県内の精米工場及び燻蒸倉庫でトラップ調査に取り組んでおりまして、県といたしましても支援しているところでございます。年度内には調査を終える見込みであり、これにより、指定・登録の審査を受ける体制が整うことになります。今後、国に対して早期の指定・登録を働きかけるとともに、海外市場の動向等についてアンテナを高くし、本県産米の輸出拡大に積極的に取り組んでまいります。
以上でございます。
15 ◯議長(高野行雄君)
水口土木部長。
〔土木部長水口 功君登壇〕
16 ◯土木部長(水口 功君)湾岸道路の整備についての御質問にお答えをいたします。
氷見から朝日までの湾岸道路につきましては、国道8号などとともに幹線道路ネットワークを形成し、本県の観光拠点や物流拠点間を結び、産業、経済を支え、地域の活性化に大きな役割を果たす重要な道路計画であります。この実現に向けましては、国道、県道、市町村道、港湾道路など各種道路の整備により進めることとしておりまして、延長が約90キロメートルと長いことから、これまでも事業の熟度などを踏まえ、区間を区切って整備に取り組んできております。具体的には、県東部では、入善町古黒部から朝日町草野間の赤川橋を含む区間、黒部市立野から生地間のバイパス整備、また、県西部では、新湊大橋や高岡市雨晴での現道拡幅などに取り組んでまいりました。
また、現在、県東部では、朝日町元屋敷から宮崎間の現道拡幅や入善町藤原から古黒部間のバイパス整備、県西部では、高岡市雨晴の2期区間となる現道拡幅などに取り組んできております。
さらに、片貝川の最下流部のバイパス整備や、庄川にかかる新庄川橋のかけかえにつきましても調査を進めているところであります。
議員御指摘のとおり、海越しの立山連峰や富山湾の眺望など、国際的ブランドであります富山湾の魅力を広く発信し、本県の新たな飛躍につなげていきますため、県としては、湾岸道路をなるべく長く一連のものとして、連続性を持った道路としてつなげていくことが重要と考えております。
湾岸道路そのものも観光資源になるとの御指摘もいただきました。その御趣旨も踏まえ、今後も一層の整備促進に努めてまいります。
以上でございます。
17 ◯議長(高野行雄君)
蔵堀総合政策局長。
〔総合政策局長蔵堀祐一君登壇〕
18 ◯総合政策局長(蔵堀祐一君)立山黒部の
世界文化遺産登録に関する御質問にお答えをいたします。
立山砂防の
世界文化遺産登録につきましては、松浦元ユネスコ事務局長や西村東大名誉教授などから、立山砂防は顕著な普遍的価値を満たすですとか、砂防という世界遺産は例がなく、着眼点がよいといった助言をいただき、国際シンポジウムの開催ですとか、世界的な比較分析などの調査研究や普及啓発を積み重ねまして、イコモスのコンティ前副会長などから、立山砂防は世界遺産の登録基準(i)である人間の創造的才能をあらわす傑作に該当するとの高い評価をいただいております。
ことし9月には、海外の世界遺産や砂防の専門家を招きまして、立山砂防シンポジウムを開催いたしました。立山砂防の防災遺産としての価値について磨き上げを行い、さらに翌日の10月1日から開催をされました国際防災学会
インタープリベント2018におきましては、立山砂防が人類共通の遺産として共有していくべき顕著な普遍的価値を有しているという富山宣言がまとめられました。その価値が専門家によって国際的に認知されたところでもございます。
今後の取り組みといたしましては、これまでの調査研究の成果や立山砂防の顕著な普遍的価値を海外へ積極的に発信していくことですとか、次世代を担う若者、高校生とか大学生ですが、若者への普及啓発、さらには県民挙げての活動となりますように一層取り組むことなどが重要だと考えております。
引き続きまして、国や関係市町、関係団体などと連携協力しながら、立山砂防の世界遺産登録に向けた取り組みに積極的かつ粘り強く取り組んでまいります。
以上でございます。
19 ◯議長(高野行雄君)渋谷教育長。
〔教育長渋谷克人君登壇〕
20 ◯教育長(渋谷克人君)不登校対策についての御質問にお答えいたします。
不登校解消に向け、各学校の状況に応じて的確に対応するためには、御指摘のとおり、不登校対策の専任教員による対応も重要であります。
このため、本県では、国の加配を活用いたしまして、比較的不登校の多い中学校に、生徒や保護者の方々の相談に応じ、助言や援助などを専任で行うカウンセリング指導員、これは教員ですが、こうした指導員を配置しておりまして、本年度は31校に配置しております。
また、不登校対策では、専門家との連携も重要でありますので、今年度、国の目標を1年前倒しいたしまして、スクールカウンセラーを全ての公立小中学校に配置しておりますし、スクールソーシャルワーカーを全ての中学校区に派遣するなど、体制の拡充にも努めております。
議員からお話のありました黒部市の学校は、今ほど申し上げましたカウンセリング指導員の配置校であります。この学校では、今年度から、カウンセリング指導員と学校内の教員の授業時数を調整して配置いたしました、主に不登校の生徒の学習指導を担当する教員の2名体制で、子供たちに応じた別室授業を実施いたしまして、教育機会の確保に努めているとのことであります。
御提案の不登校対策を専任とする教員の配置を拡大するためには、まずは、国において、教職員定数の純増を図っていただくことが何よりも重要であると考えておりますので、今後とも、国に対しまして、教職員定数の改善について強く働きかけてまいります。
また、黒部市の取り組みにつきましては、各市町村教育委員会と情報を共有いたしまして、それぞれの不登校の子供たちに応じた対応が適切に実施されるよう努めてまいります。
以上です。
21 ◯議長(高野行雄君)前田厚生部長。
〔厚生部長前田彰久君登壇〕
22 ◯厚生部長(前田彰久君)障害者計画に基づきます施策の効果等についてお答えをいたします。
平成26年から平成30年度までの現行の第3次障害者計画に基づきます障害者施策によりまして、グループホームの利用者は694名から806名へと増加をしておりますし、放課後等デイサービスは699人から980名と利用者数が増えておりますほか、登録手話通訳者や相談支援専門員、ジョブコーチ等の専門職も増加をしておりまして、それらによる支援の強化でありますとか、特別支援教育に関します個別指導計画の作成率の向上、低床バスの導入によります施設等のバリアフリー化の推進などが図られるなど、着実な成果が上がっているものと考えております。
また、この間、ライフステージに応じました高度専門的な医療、福祉サービス等を提供いたしますリハビリテーション病院・こども支援センターの開設、差別解消条例に基づきます1,381名の地域相談員の配置、差別解消ガイドラインの策定及び普及、手話言語条例に基づきます手話の普及等にも取り組んでいるところでございます。
一方で、国等の障害者雇用率の不適切な算定、低額な工賃等の雇用問題や痛ましい殺傷虐待事件など、共生社会の実現に向けまして重い課題が依然として存在している現状にございます。
現在、策定を進めております新しい計画におきましては、現行計画の評価等も踏まえました上で、障害者関係団体や有識者等からも幅広く御意見を伺いまして、年齢や障害の有無にかかわらず、住みなれた地域で安心して生活できる共生社会の実現が図られるよう検討を進めてまいります。
23 ◯議長(高野行雄君)須河生活環境文化部長。
〔生活環境文化部長須河弘美君登壇〕
24 ◯生活環境文化部長(須河弘美君)最後に、消費者教育推進計画についての御質問にお答えをいたします。
県では、平成26年に策定いたしました富山県消費者教育推進計画に基づき、高齢者等への消費者教育や消費者教育の担い手育成を重点テーマとし、消費生活講座の開催やくらしの安心ネットとやまにおけるトラブル事例の情報共有、高齢者の見守り体制の充実など、ライフステージに応じた消費者教育に取り組んでまいりました。
こうした取り組みの結果、去る7月に実施しました消費生活に関する県民意識調査におきまして、過去1年間に消費者トラブルがあったと回答した割合が平成25年の21.2%から16.1%に減少するとともに、県警察や金融機関等の取り組みもありまして、特殊詐欺の被害金額は平成26年の5億3,000万円から平成29年の1億8,000万円へと大幅に減少しております。
また、消費者教育の担い手の育成につきましては、消費生活推進リーダーやくらしのアドバイザーの配置に加えまして、民生委員等への高齢者見守り研修の実施などにより、地域での相談体制の充実が図られるなどの成果があったと考えております。
御紹介のとおり、今年度は現行の計画の最終年度でございますことから、新しい計画の策定に当たっては、1つには、近年、若年層のみならず、高齢者のインターネットトラブルの増加が見られること、2つには、今後、成年年齢引き下げによる新成人を狙った悪質商法等の増加が懸念されること、3つには、新たな課題としまして、エシカル消費やSDGsの普及啓発などが求められていることなどを踏まえまして、高齢者への消費者教育の拡充や若年層への消費者教育の強化、また、環境や社会等に配慮して行動できる消費者の育成などを重点テーマとして、今後、一層消費者教育の推進に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
25 ◯議長(高野行雄君)以上で上田英俊君の質問は終了しました。
暫時休憩いたします。
午前11時48分休憩
─────────────────────
午後1時00分開議
26 ◯議長(高野行雄君)休憩前に引き続き会議を開きます。
島村進君。
〔1番島村 進君登壇〕
27 ◯1番(島村 進君)社民党・無所属議員会を代表し、4項目について質問をいたします。
まず、質問に先立ちまして一言申し上げます。
昨日、外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案が衆議院法務委員会で野党の反対を押し切り採決が強行され、衆議院を通過しました。けさの新聞は、数の力、熟議置き去り、こんな大見出しが出ておりました。失踪技能実習生の実態調査結果のデータ改ざんの問題や野党からこの制度自体の不備が指摘をされる中で、もっと熟議が必要であったとの指摘であります。まさに、安倍一強政治の弊害を見せつけられた思いがいたします。
また、第4次安倍改造内閣においても、適材適所、全員野球内閣とのふれ込みとは裏腹に、実態は在庫一掃内閣とやゆされるように、我が県選出の大臣も含めて、その資質が大きく問題とされる閣僚が続出し、国民の批判が高まっているところでございます。
また、ロシアとの平和条約締結交渉における2島先行協議の問題や、憲法改正への安倍首相の異常なまでの執着などを見ておりますと、私は、安倍首相の何か焦りのようなものを感じるのであります。これは私だけでありましょうか。国の行方を大きく誤らなければと深く憂慮をするばかりであります。
さて、それと比べるというのもなんでありますけれども、我が石井知事におかれましては、県民生活に寄り添い、どっしりと腰を落ちつけて県政運営に当たっていただいておりまして、頼もしい限りでございます。そうした私の思いを申し上げながら、以下、質問に入らせていただきます。
まず、1項目めの質問として、石井知事4期目の県政についてお伺いをいたします。
知事が4期目に当選されましてから、ちょうど2年が経過をし、折り返し地点でございます。
そこで、後半に向けての知事のお考えと決意について伺います。
まず、平成31
年度予算編成にどのような方針で臨まれるのかであります。私は、県政の第一の課題は、県民が安心して暮らすための医療や福祉、教育環境の整備などのさらなる充実に向けて、しっかり財源を確保し、施策を前進させることだと思っております。しかし、その事業に必要な財源は限られておりまして、不要不急の公共事業等により県民生活に影響が出ないように、一層の工夫とめり張りある予算編成が求められていると思っております。
そこで、平成31年度の予算編成に当たっての基本的な考え方について、知事の所見をお伺いいたします。
2点目に、北陸新幹線の開業から3年8カ月が経過をいたしました。北陸新幹線の事業は、県内総事業費が7,100億円余りという大型事業で、我が県の事業費負担も1,890億円という巨額に及んでおります。また、起債償還額が毎年約70億円であり、だんだん減ってはいきますけれども、今後も、30年近く続くことになります。富山県にとっては極めて大きな負担となる事業でありますが、経済効果を含めた県民生活への影響について、知事はどのように評価しておられるか、お伺いをいたします。
ストロー現象などで金沢駅のひとり勝ちが懸念をされた中でありますが、観光客の受け入れや首都圏へのきめ細かなPRなどによりまして、これまで県内3駅の利用状況は高水準を維持し、善戦していると思われますけれども、開業からこれまでの評価と、新幹線の開業効果を根づかせ、より深化させるための今後の取り組みについて、知事の所見をお伺いいたします。
3点目に、知事が大きな目標として掲げられた、県民希望出生率1.9を目指したこれまでの取り組みについて、その成果をどのように評価しておられるか、お伺いいたします。
また、少子化対策は極めて大きな課題であり、現在の県政の優先的に取り組むべき課題でもあります。しかし、極めて難しい問題でもありまして、多くの努力と実効性ある施策の展開が必要であります。県民希望出生率1.9を目指し、今後どのように取り組んでいかれるのか、成果への評価とあわせて知事の所見をお伺いいたします。
2つ目の項目の質問といたしまして、地域活性化の推進について伺います。
まず、住民の足である地域公共交通の確立と富山空港の活性化について伺います。
地域公共交通の確立は、高齢化社会の進展の中、これまで以上に県政における重要課題の1つとなっております。私は、9月議会でも指摘をさせていただきましたが、富山県地域交通ビジョンの計画期間の10年は、新幹線への投資が一段落した絶好のタイミングでもあり、集中的に地域交通政策に投資をし、是が非でもビジョンの目標が達成されるよう、不退転の決意で臨むべきと考えております。公共交通不便地域の利便性確保や拠点駅の機能強化、広域周遊観光ルートの充実など、本県の地域交通を取り巻く環境が大きく変化する中で、地域公共交通の活性化に向けた大胆な取り組みが必要と思いますが、知事の所見をお伺いいたします。
次に、富山きときと空港の活性化についてであります。
富山空港の利用者の大半を占める東京便の充実は、空港活性化の必須要件であります。10月28日からの冬ダイヤにおける機材の小型化はやむを得ない面もありますが、ずるずると利用者減少につながらないように努力が必要であります。利用者の減少が見込まれる冬季の利用率確保に向けた取り組みについて、観光・交通・
地域振興局長に伺います。
次に、知事には、北陸新幹線建設促進同盟会の会長として、引き続き先頭に立ち、取り組んでおられますが、将来的に金沢以西の北陸新幹線の大阪延伸が実現し、移動の利便性が高まりますと、富山きときと空港の経営環境がさらに厳しくなることが見込まれます。詳細な利用実態調査を踏まえた富山空港の中長期的な活性化戦略の策定と、新たな路線の開拓、これまで以上に重要と考えますが、どのように取り組んでいかれるのか、観光・交通・
地域振興局長にお伺いをいたします。
2点目に、日台観光サミットの富山県開催が来年の5月に迫っており、今定例会の補正予算案件としても、1,500万余りの準備経費の債務負担行為の設定が提案をされています。
この間、台湾からは、立山黒部アルペンルートなどの魅力的な観光地を求め、多くの
外国人観光客が富山に訪れております。また、台北への直行便を契機に、富山からも多くの方が台湾を訪問し、観光を軸とした交流が盛んになっております。その意味では、これまでの台湾との観光交流の集大成として位置づけ、今後の観光交流のさらなる活性化のきっかけとなるイベントとすべきであると考えますが、今後、どのように進め、盛り上げていかれるのか、知事の所見をお伺いいたします。
3点目に、富山駅周辺整備について伺います。
まず、富山駅の高架化は、完了しますと利便性が向上し、人の交流のさらなる活性化が期待される極めて大きな事業であります。高架化による道路網や路面電車等の利便性の向上はもとより、高架下や周辺での集客に向けたにぎわいの創出が求められるところであり、富山市やあいの風とやま鉄道、富山地方鉄道等と連携をしながら、県都である富山駅及びその周辺の環境整備、にぎわいづくりにどのように取り組んでいかれるのか、知事の所見をお伺いいたします。
次に、富山駅の連続立体交差事業と富山駅周辺整備計画の推進に当たっては、富山地方鉄道本線の高架化が必須の要件となります。したがって、この構想には、富山地方鉄道株式会社の理解と協力が大前提であり、十分な協議が必要であります。何よりも、県都の中心部における整備の重要性を認識し、理解を得ていく努力を惜しんではならないと考えるものであります。連続立体交差事業に係る鉄道事業者の負担については、事業者の理解を得る努力とともに県民の理解が得られる負担割合となるよう、十分かつ丁寧な協議が必要と考えますが、現在の交渉状況や今後のスケジュール等について、土木部長の所見を求めます。
4点目に、農林水産業の振興について伺います。
まず、富富富の本格デビューから2カ月近く経過をし、ブランド米としての売り出しの初年度としては、まず成功したものと思われます。しかし、品質、食味がたとえ申し分なくても、全国には大変多くのブランド米が市場流通をいたしておりまして、それらライバルに勝ち抜いていくためには、引き続き多くの努力が必要であります。今年度の品質確保に向けた取り組みと、これまでの販売状況をどのように評価しておられるのか、また、来年度に向け、どのように取り組みを進めていくのか、知事の所見をお伺いいたします。
次に、漁業について伺います。
2015年の寒ブリの記録的な不漁が記憶に新しいところでありますが、漁獲量の著しい変動や大漁時の値崩れなどによる不安定な収入環境、クロマグロの資源管理の影響による定置網での混獲回避など、漁業を取り巻く環境が引き続き厳しい中、県内の水産業の一層の振興に向けた支援が求められています。それぞれの漁港や魚種ごとに課題も異なり、漁業者の皆さんの意見をしっかり把握した中で、漁業者に寄り添う支援の強化をどう図っていくのか、
農林水産部長の所見を求めます。
3項目めに、安全・安心の確保についてお伺いをいたします。
1点目に、健康寿命の延伸についてであります。
先般、ねんりんピックが富山で開催をされ、成功裏に終了をいたしました。全国から1万人を超える選手団を迎え、県内からも大変元気な多くの皆さんに参加をいただき、高齢者の健康増進への機運が大いに高まったところであります。
このような機運の高まりを逃さず、健康寿命日本一に向け、今後どのように取り組んでいかれるのか、ねんりんピック富山の評価とあわせて知事の所見をお伺いいたします。
2点目に、高齢化の進展への対応は、待ったなしでございます。団塊の世代が全員75歳以上となる2025年まであと7年であります。住みなれた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けたい、これは多くの人の希望であります。その意味で、介護体制の充実は喫緊の重要課題であります。地域包括ケアシステムの構築や介護福祉人材の確保などについてどう進めていかれるのか、厚生部長の所見をお伺いいたします。
3点目に、県内における病院内保育所の設置状況についてお伺いをいたします。
今11月定例会の補正案件として、済生会高岡病院の院内保育所の新設整備を支援する予算が提案をされております。このような病院内保育所の整備は、看護職員等の確保や育児を行いながら働ける環境づくりに資するものでありまして、大変有効な施策であると考えております。
そこで、今回の補正事業の内容と、この間の院内保育所の整備状況並びに今後の普及に向けた取り組みについて、厚生部長の所見を伺います。
4点目に、電力の安全・安心についてお伺いをいたします。
北陸電力の七尾大田火力発電所の停止に続き、現在は再稼働したものの、敦賀火力発電所2号機が、蒸気漏れ事故により一時停止をしたことによりまして、その他の発電電力や電力他社からの融通により対処をせざるを得ないという事態が発生をいたしました。
報道によれば、敦賀火力発電所2号機のトラブルについては、損傷部分の交換、補修などで今月の23日に復旧したようでありますけれども、このような火力発電所の相次ぐトラブルは、志賀原発の全面停止が長期化し、かわりにベースロード電源の役割を担う大型火力発電施設に負荷がかかり過ぎたのではないかとの見方が広がっております。原発に頼ってきた供給体制に無理が生じたためと考えられております。
そこで質問ですが、この間のたび重なるトラブルや事故の多発について、これによる県民生活や企業活動への影響はなかったのかどうか、また、今後、本県の電力供給体制の確保の観点から、北陸電力に対し、安心できる電力供給体制の確立をしっかり求めていくべきと考えますが、商工労働部長の見解を求めます。
5点目に、昨年12月に公表されました新たな断層による地震被害想定について伺います。
この新たな断層帯による地震被害想定について、早期に県民への周知徹底を図るべきであると考えます。この間、呉羽山断層については有名でありまして、よく知られておりますけれども、この新たな砺波平野断層帯西部や森本・富樫断層帯、邑知潟断層帯などの呉西地区の断層については、十分認識されていないのではないでしょうか。県民への周知を図り、より多くの人々に地震防災の認識を深めていただくためにも、新たな地震被害想定を前提とした、これまでより多くの県民が参加できる大規模な防災訓練を実施してはどうか、危機管理監の所見をお伺いいたします。
6点目に、木造住宅の耐震化についてお伺いをいたします。
地震の発生時間帯にもよりますが、深夜等の場合、木造家屋の耐震化の状況が人的被害の大きさに直結いたします。その意味では、木造住宅の耐震化は極めて大きな課題であると考えております。幸い国も全国的に地震被害が相次ぐ中、本年4月から、耐震化に係る総合的支援メニューを導入されました。このような支援メニューを十分に活用し、中期的な耐震化の数値目標を設定の上、着実な耐震化の推進を行い、目標としている耐震化率90%の確実な達成を目指すべきではないかと考えております。
平成31年度事業の実施に向け、どのような方針で臨むのか。また、その際、県としてどのような指導的な役割を果たしていこうとするのか、決意を含めた土木部長の所見をお伺いいたします。
7点目に、免震オイルダンパーの不正問題について伺います。
油圧機器メーカーであるKYB株式会社(かやば)製の免震オイルダンパー等の免震制御装置の性能検査記録の改ざん問題が発生をし、全国で約1,000件近くの工事が該当するとの報道がなされております。県内でも、データが改ざんされた免震装置が使用された可能性のある施設として、公的施設では、富山中央署、射水市本庁舎、砺波総合病院南棟及び既に新聞報道もされておりますけれども、民間の2施設が対象と伺っております。
この問題は、建築物の安全性の根幹を揺るがす重大問題であり、建築業界全体の不信にもつながりかねず、県としても毅然とした対応が求められております。対象施設の免震装置等の早急な調査とともに、適合品への早期交換と補修の実施はもとより、国ともしっかり連携をし、再発防止について当該事業者や関係業界に強く働きかけるべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
8点目に、交番襲撃事件などによりまして、地域の治安維持に対する県民の関心が非常に高まっております。
このたび富山南警察署の基本設計が完了いたしました。地域の安全を守るかなめとして早期の建設が求められておりますが、今後の整備スケジュールと、期待できる機能や特徴について、警察本部長の所見をお伺いいたします。
4項目めの質問といたしまして、教育環境の充実についてお伺いをいたします。
1点目に、少人数学級の充実に向け、県独自での教員の確保に努めるとともに、教職員定数や加配の純増を、国に強力に働きかけるべきであります。少人数学級の効果は、この間の調査でも明らかであり、学力の面でも落ちこぼれをなくし、全体の学力向上に寄与しておりますし、いじめや不登校についても大きな効果が確認をされております。
今日的には、特別な指導を要する児童生徒も増えてきておりまして、よりきめ細かな教育環境の整備が求められております。少人数学級の拡充に向け、教育長の前向きな答弁を求めたいと存じます。
2点目に、教職員の働き方改革についてお伺いをいたします。
本年の6月議会以来、この問題については大きな課題として取り上げてまいりました。しっかりと取り組み、実効性ある改善、改革を行うことは強く求められております。
11月18日のある地方紙の1面に、教員志願減少に危機感、県内採用試験倍率3倍割れとの見出しで大きく報じられております。現在、人手不足が社会問題化する中にあって、教員はブラックと敬遠され、なり手が少なくなっている状況があるのではないでしょうか。そのような状況等を踏まえてまいりますと、教職員の働き方改革の推進は、喫緊の課題であると考えるものであります。
文部科学省も、平成29年8月に学校における働き方改革に係る緊急提言を発出いたしました。1つは、校長及び教育委員会は、学校において勤務時間を意識した働き方を進めること、2つとして、全ての教育関係者が学校・教職員の業務改善の取り組みを強く推進していくこと、3つとして、国として持続可能な勤務環境整備のための支援を充実させることとの提言でございます。
この間、全国的に教職員の働き方改革の取り組みが進められております。私は、この問題に関して、他県ではどうしているのかなということでいろいろ調査をしてみましたけれども、例えば近くでは、石川県の教育委員会の取り組みは、石川県公立小学校、中学校、高等学校、
特別支援学校における教職員の多忙化改善に向けた取組方針というのを、平成30年3月に策定されておりました。そして、それに基づいて本格的な取り組みが進められております。勤務時間実態調査として、全学校を対象に、校長から講師まで、全ての教職員の勤務実態を平成29年4月から平成30年6月までの分の調査が記載されておりました。
具体的には、小中学校においては抽出調査で行われ、小学校35校834名、中学校は24校685名、県立学校は、全職員を対象に調査をされておりました。そして、それらを踏まえて、1つとして、実態の把握と分析、2つは、中長期的な課題の整理、3つに、取り組みの基本方針、4つに、達成目標、5番目に、具体の取り組みとして、県の教育委員会、そして市町村教育委員会、それぞれ校長会、学校の体育連盟及び文化連盟の責任者が、教員多忙化改善推進委員会に結集をして取り組みが進められておりました。
そこで質問でありますが、この間の議会答弁では、教員の働き方改革を進めていくためには、勤務実態の把握が重要であり、今後とも市町村教育委員会と連携しながら、しっかり取り組みたいと答弁されておりますけれども、これまでの調査状況はどうか。また、小中学校も含めた徹底した調査が不可欠と考えるものでありますが、課題があるとすれば、それを明らかにするとともに、教職員の働き方改革をやり切るという教育長の強い決意をお伺いしたいと存じます。
3点目に、とやま学校多忙化解消推進会議の位置づけはどのようなものか、お聞きをいたします。
また、同推進会議でこの間積み上げてこられた議論や取り組み、それを踏まえた実効性ある対策の推進について、教育長の所見をお伺いいたします。
以上、私からは4項目について、当局の見解をただしまして、社民党・無所属議員会を代表しての質問といたします。
28 ◯議長(高野行雄君)石井知事。
〔知事石井隆一君登壇〕
29 ◯知事(石井隆一君)社民党・無所属議員会を代表されましての島村議員の御質問にお答えをいたします。
まず、新年度の予算編成についてでございます。
本県財政につきましては、平成17年当時の約400億円の構造的財源不足は2年前に解消いたしましたけれども、骨太の方針において、地方財政についても国の取り組みと合わせた歳出改革等に取り組むこととされていることに加えまして、福祉、医療など社会保障関係費の増加や、またお話に出た新幹線建設に係る公債費がなお高い水準で推移する見込みでありますので、予断を許さない状況であり、平成31
年度予算編成については、現時点で約31億円の要調整額が見込まれております。
このため、平成31年度の予算編成に当たりましては、引き続き、県税を初め歳入確保に最大限努めますとともに、政策経費等についてはマイナスシーリングを設定して、事業をゼロベースで見直すなど、政策の重点化、効率化を図ることとしております。その上で、とやま
未来創生戦略枠を設けまして、とやま未来創生戦略に基づく施策を推進しますほか、新総合計画の重点政策に取り組むためのとやま新
時代重点政策枠を新たに創設いたしております。
議員御懸念の医療、福祉や教育環境の充実もこの特別枠で要求できますほか、扶助費などの社会保障関係費や学校・福祉施設の運営費につきましてもシーリング対象から除外しておりまして、厳しい財政状況にありましても、医療や福祉や教育環境については、一層充実するように努めてまいります。
平成31年度当初予算編成におきましても、県民の皆さんのさまざまなニーズの反映に努めまして、医療、福祉、教育はもちろんですけれども、近年、自然災害が頻発していることを考えますと、大規模災害に備えた防災・減災対策としての公共事業なども非常に重要でありまして、県民の皆さんが未来に向けて夢や希望を持って、生き生きと働き暮らせる元気な県づくりを積極的に進める予算となりまように努力してまいります。
次に、北陸新幹線についてお答えをいたします。
北陸新幹線の乗車人員は、開業前の3倍近い高い水準が依然として続いておりまして、4年目に入ってむしろ前年同期比で102%とプラスで推移しておりますほか、観光客の増加とか、それから企業立地の進展とか、また若い人を中心にUターン率の向上や富山県への移住の増加など、さまざまな効果があらわれております。
特に、観光の面では、昨年の立山黒部アルペンルートの
外国人観光客数が過去最高の26万3,000人となりましたほか、富岩運河環水公園には、富山県美術館が開館したこともありまして、昨年は、前年度比70%増となります265万人が来場されまして、日本海側でトップクラス、全国有数の観光スポットとなりますなど、富山県の知名度の向上や地域経済の活性化にも貢献いたしております。
また、地方拠点強化税制、これは本県が全国知事会と連携して働きかけてつくっていただいた税制ですけれども、企業の本社機能の移転等によりまして、開業後、15社で249人の雇用が創出されまして、県外からの移住者も、かつて10年ほど前は200人前後でしたが、昨年度は過去最大の729人となりまして、県全体の社会増減は平成28年に11年ぶりに226人の転入超過に転じ、これは外国人を含めてですけれども、29年はさらに358人の転入超過となっております。他の道県の多くは、約2,000人とか6,000人ほどのマイナスのところが非常に多いわけでございますから、相当の成果があったと言えるのではないかと思います。
このように、北陸新幹線は、他の地方創生の関連施策と相まって、富山県を初め北陸地域の活性化に大きく貢献しておりますから、北陸全体、日本全体の飛躍発展のためにも、京都─大阪までの早期全線整備に向けて、北陸新幹線建設促進同盟会はもちろんですが、北信越五県議会協議会、また、北経連を初め北陸、関西を挙げて5団体合同による要請を行って、より強力に建設促進運動を進めております。
ひところに比べますと3年ほど前まではルートもまだ決まっておらず、財源も当てがないということで、いつになったら大阪まで着くのかという雰囲気もありましたが、随分変わってきたと思います。
今後も、北陸、関西の沿線府県、経済界が連携いたしまして、もちろん地元国会議員や県議会議員の皆様のお力添えもいただきながら、金沢─敦賀間の2022年度までの確実な開業や敦賀以西についても、環境アセスメントの速やかな推進とともに、必要な財源を確保の上で早期着工して、2030年度末までの北海道新幹線、札幌開業ごろまでの大阪開業の実現を強く求めてまいります。この点については、石井国土交通大臣、また、先般は岸田政調会長、石田総務大臣、もちろん安倍総理にも強くお願いしているところでございます。
あわせて、
新幹線開業効果を持続、深化させますために、県としては、観光振興を初め新たな企業誘致やUIJターン、特に移住の促進などについて一層努力してまいります。
次に、少子化対策についてお答えをいたします。
少子化対策につきましては、首都圏等からの移住、定住の促進とあわせまして、全国でもトップクラスと言っていいように熱心にやってきたと思っておりまして、具体的には、マリッジサポートセンターを通じた結婚の支援、また、中央病院のNICUやMFICUなど、全国トップクラスの周産期医療体制の充実、また、仕事と子育ての両立支援、子育て支援の機運の醸成などを進めてまいりました。特に経済的負担の軽減につきましては、不妊症対策、不育症の治療費助成、これはいずれも全国トップクラスでありますし、また、妊産婦や乳幼児医療費助成に加えまして、第3子以降の保育料の原則無償化や多子世帯に対する教育費等の融資の実質無利子化、また、子育て応援券の配付等に取り組んでまいりました。
こうした取り組みの結果もありまして、かつて1.34というふうに随分低い時期もありましたが、合計特殊出生率は、平成29年に1.55にまで上昇しまして、また、しっかりとした働き口が見つかりやすいことや、すぐれた子育て環境等を評価して、県外から若い世代の移住者が相当に増えてきているといったことなど、一定の成果があらわれていると思っております。
しかし、お話のように、県民の皆さんの希望出生率1.9とは依然として開きがありますので、今年度からは、県内全市町村と連携しまして、一定の低所得世帯の第1子、第2子に対する保育料の無償化、軽減、また、とやまっ子すくすく電気、子育て応援券の拡充など、子育て家庭の経済的負担のさらなる軽減についても新たに取り組んでおります。加えて、マリッジサポートセンターの機能充実ですとか、市町村や企業との結婚支援に係る連携の強化とか、病児・病後児保育のさらなる充実、女性活躍、働き方改革の推進などにも積極的に取り組んでおります。
今後、31年度には、かがやけとやまっ子みらいプランの改定も予定しておりますので、県民会議でも御議論いただきながら、今後とも市町村や関係団体、企業等と連携しまして、県民の皆さんの結婚、出産、子育ての願いがかなう環境づくりが着実に進むようにしっかりと取り組んでまいります。
次に、地域公共交通についてお答えをいたします。
本県の交通政策につきましては、地域公共交通サービスの維持活性化を県政の重要課題に掲げてきておりまして、県民の身近な生活を支える鉄軌道やバスの運行支援などに、毎年相当程度予算も確保して取り組んでまいりました。例えば、議員御指摘の公共交通不便地域の利便性の確保としまして、市町村やNPOが運行されていますコミュニティバス、あるいはデマンド型交通の導入への支援ですとか、また拠点駅の機能強化として、昨日、開業した石動駅の新駅舎と南北自由通路の整備ですとか、富山駅の高架化の整備の推進、また広域周遊観光ルートの充実としまして、新幹線駅からの2次交通確保のため、アルペンライナーとか、わくライナー、世界遺産バスの運行、また一日乗り放題切符などの企画切符への支援、さらには、県下を網羅したバスロケーションシステムの導入といった取り組みを関係者とともに進めております。このバスロケーションシステムは、来年の11月導入予定ですけれども、県単位としては全国で多分1番目にやることになるんじゃないかと思っております。
また、あいの風とやま鉄道では、新駅の整備を進めますとともに、新型車両を導入しまして、移管前と比べて車両の運行本数を大幅に増やしますなど、地域交通の活性化にしっかりと取り組んでおります。
こうした取り組みによりまして、富山県地域交通ビジョンに掲げた目標は、おおむね順調に進捗している。ノンステップバスの導入率なども例えば53%、2年前ですね、これが昨年、28年末に64%で11ポイント上がるとか、かなり順調に来ていると思いますけれども、今後も使いやすくてわかりやすい持続可能な地域交通の実現に向けまして、交通事業者や市町村など関係の皆さんと連携しながらしっかり取り組んでまいります。
次に、日台観光サミットに関しての御質問にお答えをいたします。
台湾から本県への観光客につきましては、例えば立山黒部アルペンルートへの昨年の入り込み数は約14万人と14年前の6.8倍、また
外国人観光客の約5割を占めておりまして、これまでの取り組みが着実に実を結んできている。また、県内の水産卸業者の方から、富山市の岩瀬市場に水揚げされた魚をその日のうちに富山空港から台湾へ輸出する取り組みも始まりますなど、観光だけではなくて幅広い分野に広がりつつあると思います。
そうした中で、来年の日台観光サミットの開催、双方から旅行業界や観光業界のトップが集う絶好の機会でございますので、改めて本県の多彩な魅力を発信するために、万全な準備を整えてまいりたいと思っております。
開催に向けましては、サミット会議の主催者、これは日本観光振興協会と日本旅行業協会と台湾観光協会でございますけれども、こうした主催者の方々や地元市町村等の御意見も伺いながら準備を進めております。例えば、サミットの日程は、台湾との直行便であります富山・台北便の運航日に合わせて設定しておりますし、またエクスカーションについては、台湾で人気の高い立山黒部へのさらなる誘客はもちろんですが、県内各地の新たな魅力、例えば日本海側トップクラスの観光スポットとなった富岩運河環水公園とか富山県美術館とか、また台湾でまだ十分に知られていない観光素材をアピールするために、本県の多彩な歴史、文化、例えば瑞龍寺とか、あるいは魚津の埋没林とか、いろんなものがありますから、それから、また富山湾のすばらしい眺望とか、海の恵み、個性あふれるさまざまな体験プログラムなども組み入れまして、複数のコースを準備いたしますほか、行程に合わせて、県西部や東部で地元市や観光事業者の方々との交流会を実施いたしますなど、サミット後の県内全域へのさらなる誘客を見据えたプログラムにしたいと思っております。
また、
受け入れ態勢の整備についても、先月、おもてなし体制の一層の充実強化を図るために、以前、「休んでかれ。」宣言というのもやりましたが、それをバージョンアップしまして、観光おもてなし5つ星制度というのを導入したところでございまして、サミットの視察先にもこの制度やおもてなしセミナーへの参加を働きかけますなど、これを機会に、サミット参加者はもちろんですけれども、
外国人観光客の満足度がさらに高まるように取り組みを進めてまいります。
さらに、富山・台北便の一層の利用拡大を図りますために、PRイベント・キャラバンの実施、パスポートの取得支援に取り組む、これは9月補正で議決いただきました。また、アウトバウンドを含めた観光の相互交流の促進にも努めてまいります。
次に、富山駅周辺整備についてお答えをいたします。
北陸新幹線の開業効果の持続、深化のためにも、県の連続立体交差事業とか、富山市のやっておられる駅周辺整備事業など、富山駅とその周辺の環境整備をスピード感を持ってしっかりと進めてまいりたいと思っております。
このうち、あいの風とやま鉄道の高架化につきましては、これは平成17年から進めてきたわけですけれども、いよいよ来年3月4日に下り線を高架供用することになり、全線の高架化が完了いたします。その後、引き続き富山市が施行する南北自由通路や路面電車の南北接続が2019年度末に完成する予定となりますことや、また都市計画道路牛島蜷川線や富山駅南北線などの幹線道路、また北口駅前広場などの社会基盤の整備が順次進められまして、鉄道で分断されていました富山駅周辺の南北一体化が図られることになります。
また、富山駅の高架下については、とやマルシェなどの店舗が開設されたほか、あいの風鉄道等では、2020年中を目途に飲食ゾーンなどを整備する、コンビニやカフェなども入ると思いますが、そして、駅利用者の利便性向上やにぎわいづくりに取り組むこととされております。
また、南西街区については、私からも速やかな開発をお願いしてきた経過がございますけれども、富山市から、先般、JR西日本不動産開発グループの計画を採用して、商業施設とホテル等から成る複合施設を整備する旨の発表がありまして、観光客はもちろん、県内利用者のニーズにも十分配慮された開発になると期待しております。
今後も、富山駅周辺が、県民の皆さんにも、また来客、来県される観光客やビジネス客にとっても、利用しやすく、魅力的でにぎわいのある場所となりますように、富山市やあいの風とやま鉄道、またJR西日本など関係者と連携協力して進めてまいります。
次に、富富富の取り組みについてお答えをいたします。
本年産の富富富は、この夏の酷暑の中で一等米比率99.1%と、極めて良好な品質を確保することができました。これは、高温に強い品種特性が発揮されましたことや、生産者登録制を採用して、生産者の皆さんに栽培マニュアルに基づく適切な生産管理にしっかり取り組んでいただいた結果と考えております。
また、PRや販売対策につきましては、富富富というネーミングが、さっきもちょっと触れましたが、シンプルで親しみやすくてインパクトがあるといったような御評価もいただけておりますほか、女優の木村文乃さんを起用したコマーシャルの放映ですとか、多くのマスコミ報道、SNSでの拡散など、効果的なプロモーションを途切れることなく展開するように努めてまいりました。
そうしたことの結果、県内外での販売状況はおおむね好調だと受けとめておりまして、全農の富山県本部からは、集荷された約2,300トンの富富富については、県内外の米卸業者との間で、既に半分以上が契約済みであること、また富富富の販売店舗が11月中旬以降に大幅に増える、首都圏なんかでも、今まで707店舗ぐらいだったのが、10月末に増えて、11月以降はさらに2,100店舗になるということでありますから、今後、出荷数量も順調に伸びていくと考えて、そういう見込みを持っております。
来年産に向けては、本年の2倍となる1,000ヘクタールの作付を目標に、現在、生産者の募集を行っております。今後、今年度の収量や品質に関するデータを詳細に分析いたしました上で、登熟の向上とか、青未熟粒の発生低減とか、栽培マニュアルを改定しまして、食味や品質確保の徹底を図ることにしております。
また、PR、販売対策につきましては、県外での知名度の向上を図りますとともに、消費者目線に立って、実需者のニーズにも的確に対応できますように、引き続き、生産者やJA、全農などと一体となって、また県の職員も随分頑張ってくれていると思いますけれども、しっかりと取り組んでまいります。
次に、ねんりんピック富山の評価と健康寿命日本一に向けた取り組みについてお答えをいたします。
ねんりんピック富山2018は、県内外から約1万人の選手団を初めとして、延べ55万人もの方に御参加をいただきまして、参加された多くの方々から、富山県の自然、文化、食などの魅力を生かして、地域や世代を超えた交流の輪が広がる心に残るすばらしい大会だったと、いろんな方から御評価をいただけたように思います。これもひとえに議員各位を初め市町村や各種競技団体、また大会ボランティアなど、それぞれの立場で大会をお支えいただいた皆様の御尽力、御協力のたまものでありまして、改めて感謝申し上げます。
大会期間中、県内15市町村で繰り広げられた史上最多の27種目の交流大会の各競技やイベント、文化イベントもありましたが、多くの県民の皆さんにも御観覧いただきましたけれども、これは国体とは性質が違うとはいいましても、富山県選手団が優勝13とか、準優勝20とか、3位が25とか、随分頑張っていただきましたし、また全国から集まられた高齢者の生き生きとプレーする姿を目の当たりにいたしまして、健康づくりへの機運が一層高まったものと考えております。私もソフトボールやサッカーやゲートボールなどの競技を観覧いたしましたけれども、私とほぼ同世代のあまり年の変わらない方も、例えばサッカーのあしがるチームなんかに参加されまして、本当に機敏な迫力あるプレーをなさっているのを見ますと、見ていた私も大変元気をいただいたと思っております。
県としましては、これまで平成28年5月に富山県健康寿命日本一推進会議を設置いたしまして、県全体で子供からお年寄りまで健康づくりに取り組む機運の醸成に取り組みますとともに、望ましい生活習慣を学ぶ1泊2日の健康合宿等の運動習慣の定着などの取り組みを進めてまいりました。
こうした中で、先週19日には、「健康寿命をのばそう!アワード」におきまして、本県の健康寿命が大幅に上昇したことに加えて、スポーツを通じた健康づくりなどの取り組みが評価されまして、新設されたスポーツ庁長官賞を受賞させていただきました。
こうした、ねんりんピック富山の開催等を健康づくりに結びつける絶好のチャンスだと思いますので、ウオーキングとかサイクリング等の運動習慣の定着ですとか、減塩や野菜摂取の促進等の食生活改善などを柱としまして、健康寿命日本一を目指す取り組みをさらに加速しまして、人生100年時代を見据えた県民の皆さんの健康づくりにしっかり取り組んでまいります。
最後に、免震オイルダンパーについてお答えをいたします。
10月16日の国交省の発表によりまして、KYB株式会社などが大臣認定等の内容に適合しない免震オイルダンパーを全国903件の建築物に検査データを書きかえて出荷して、県内においても、病院や庁舎等の5件の建物に設置していたということが明らかになりました。こうしたことは、建築物の所有者や使用者等に不安を与え、かつ建築物の安全・安心に対する県民の皆さんの信頼を揺るがす行為でありまして、極めて遺憾だと思っております。
こうした事案について、県から、KYB株式会社等に対しまして、速やかな説明を求めておりましたところ、11月12日にKYB等から県に対して、本事案に関する謝罪と説明があり、年内を目途に対象建築物の構造安全性の確認を行うとともに、認定基準等に不適合な製品を早急に交換するということでありました。
県からは、KYB等に対して、改めて遺憾の意を表しますとともに、所有者等への丁寧な説明、免震オイルダンパーの施工状況の報告、構造安全性の確認、速やかな交換の実施、原因究明と再発防止策の報告の5項目の速やかな実施を強く申し入れております。
一方で、国土交通省では、原因究明と再発防止のための外部有識者委員会を設置しまして、年度内を目途に、免震材料等に係る不正事案の再発防止策等についての提言を取りまとめる予定と聞いております。
県としましては、建築物の安全性の確保は、もとより大変重要なことでございますから、国交省には、免震材料等に係る大臣認定制度の課題を踏まえた再発防止策の検討と速やかな実施や、また関連業界に対する再発防止の指導の徹底について、また関連業界に対しては、それらを踏まえた迅速な誠意ある対応をそれぞれ強く求めてまいります。
30 ◯議長(高野行雄君)猪俣観光・交通・
地域振興局長。
〔観光・交通・
地域振興局長猪俣明彦君登壇〕
31 ◯観光・交通・
地域振興局長(猪俣明彦君)私から、富山きときと空港についての2つの御質問にお答えします。
まず、東京便の冬季の利用率の確保に向けた取り組みについてお答えします。
今年度の県政世論調査の結果においても、空港の利用を増やすためのサービスとしては、冬季就航率の向上を初めとする東京便の利便性向上が48%と一番上位の回答となっております。
このため、県では、東京便の冬季利用を促進するため、現在、空港サポーターズクラブ会員を対象とした冬季利用促進キャンペーンの実施、羽田便乗り継ぎを利用した沖縄、九州などへの旅行商品造成に対する支援、特に需要の弱い便を狙いとした首都圏からのビジネス客等を対象に、レンタカー利用の支援充実、また映画「散り椿」とのタイアップツアーへの旅行商品造成への支援などに取り組み、利用者増に努めているところでございます。
また、天候による欠航を少なくすることも重要であり、今回の冬ダイヤでは、降雪時の着陸性能が向上し、冬季就航率の向上が期待されるGPSを用いたRNP─AR進入方式の使用可能なボーイング737─800型機が全ての便に投入されております。加えて低空域での雨雲の動きが予想可能となります気象予測システム開発に取り組むこととしておりまして、このシステムが導入されましたら、さらなる就航率の向上が見込めるものと考えております。
冬ダイヤに入ってからの飛行機利用の状況はおおむね堅調に推移しており、今後とも利用者の増に向けて、関係者とも協議しながら、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
次に、富山きときと空港の利用実態調査と新規路線開拓についてお答えします。
富山きときと空港は、老朽化に伴う空港施設の更新や東京オリンピック・パラリンピックに向けての保安体制強化などから、経費を大幅に削減することは厳しい状況にあります。
このような中、収入増加につながる新規路線の開拓や増便などに努めておりますが、空港の狭い意味の収支に着目するのではなく、空港がもたらす経済波及効果や空港の存在することのメリットが極めて重要であり、将来にわたり、空港を維持する意義を県民の皆様に御理解いただくことはとても大切だと考えております。
また、議員御指摘のとおり、活性化策の検討や新規路線の開拓に向けては、空港利用者の実態を把握することが重要でありまして、その実態をより細かく把握するため、現在、詳細なアンケート調査等を実施しているところであります。これらの調査結果を踏まえて、活性化策や新たな路線開拓について取り組んでまいりたいと考えております。
今後とも、こうした空港の経済波及効果やメリットが十分発揮されるよう、中期的な戦略的な視点から空港の活性化を目指し、飛騨高山など近隣地域の利用拡大も取り込みながら、将来にわたって富山きときと空港が富山と日本、そして、世界各地とを結ぶ航空ネットワークとしてしっかりと機能するよう空港の維持発展に取り組んでまいりたいと考えております。
32 ◯議長(高野行雄君)
水口土木部長。
〔土木部長水口 功君登壇〕
33 ◯土木部長(水口 功君)まず、富山地方鉄道本線の高架化についての御質問にお答えをいたします。
富山駅付近連続立体交差事業につきましては、まずは、北陸新幹線の富山駅周辺の整備とあわせ、あいの風とやま鉄道線とJR高山本線の高架化を優先して整備を進めてきたところでありまして、来年3月4日に下り線の高架切りかえを迎えますことから、残る富山地方鉄道本線の高架化につきましても、切れ目なく、来年度から事業に着手できるよう、地鉄、富山市、国土交通省と協議を進めております。
また、この事業の実施に必要となりました都市計画の変更の手続、これは駅舎の形状の変更ですとか、ホーム長を80メートルから125メートルに延ばすという内容となっておりますけれども、この手続につきましては、今月20日に開かれました県の都市計画審議会において審議をいただき、原案どおり議決をいただいたところであります。
鉄道事業者の事業費に対する負担につきましては、国の要綱では通常7%とされておりますが、地鉄の場合、除却する踏切がないこと、高架下が駅前広場に面しておらず、高架下の貸付利益が必ずしも大きくないことなどから、地鉄からは負担の軽減について求められており、地鉄の経営状況も勘案しながら、見込まれる受益と比べ過度な負担とならないよう、富山市とも連携してその軽減策の具体的な検討を行っております。
この軽減策につきましては、議員御指摘のとおり、地鉄や富山市、県の合意形成はもとより、県民の皆さんにも御理解いただけるものとなることが大事であると考えておりまして、丁寧に協議を進めているというところであります。
次に、高架化工事の今後のスケジュールにつきましては、まず、鉄道の仮線工事など準備に数年を要し、さらに、高架橋の本体工事には4年程度を要すると見込まれますが、事業着手後は、できるだけ早期に完成させるよう努力をしてまいりたいと考えております。
今後、引き続き富山市とも連携しながら、地鉄との協議をさらに加速させますとともに、都市計画の変更に係る法定協議や事業認可申請など国土交通省に対する必要な手続を進めまして、来年度の事業着手を目指し、鋭意努力してまいりたいと考えております。
次に、木造住宅の耐震化についての御質問にお答えをいたします。
住宅の耐震化は重要な課題と考えておりまして、県では、平成28年10月に改定をしました耐震改修促進計画におきまして、住宅の耐震化率を平成25年推計の72%から2021年には85%、2025年には90%に引き上げることを目標とし、さまざまな施策に取り組んできております。
具体的には、耐震診断や耐震改修の支援制度を設けておりますとともに、耐震化リーフレットの新聞折り込みや防災士会と連携した防災講座の実施、住宅耐震化フォーラムの開催、工事費用の負担軽減を図ることができる技術者向け耐震化低コスト工法の講習会の充実など、積極的に普及啓発も行ってきております。
議員から御紹介いただきました国の耐震化に係る総合的支援メニューの活用につきましては、午前中、自民党の上田議員の質問に対して知事が答弁申し上げましたとおり、県では、この事業の実施主体が市町村であり、市町村の財政負担や新たな取り組みの実施も伴うものでありますから、これまで市町村と導入に向けた協議を行ってきたところでありますが、いずれの市町村におきましても、来年度の予算編成に向けて前向きに検討する旨の御回答をいただいておるところであります。
このことから、県としましても、
耐震改修支援事業の補助上限額を100万円に引き上げるなどの支援策の充実について検討してまいりたいと考えております。
また、県民の皆さんの防災意識を高め、住宅の耐震化の必要性について浸透を図りますことや、部分改修など費用を抑えた耐震改修の一層の普及を図ること、経年劣化や高齢者対応などの住宅リフォームに合わせて耐震改修を呼びかけることなどにも、さらに努めてまいりたいと考えております。
県としましては、今後とも、市町村や建築関係団体等とも連携し、耐震化率目標の達成に向けて、住宅の耐震化が一層進むように積極的に取り組んでまいります。
以上でございます。
34 ◯議長(高野行雄君)
芝田農林水産部長。
〔
農林水産部長芝田 聡君登壇〕
35 ◯
農林水産部長(芝田 聡君)水産業の振興についての御質問にお答えいたします。
本県水産業をめぐっては、長期にわたる生産額の減少傾向や生産コストの増大、漁業就業者の減少に加え、近年、ブリやホタルイカなどのブランド魚の漁獲量の変動や、クロマグロの資源管理による本県定置網漁への影響、漁港の長寿命化や高波対策など、多くの課題があると認識してございます。
こうした中、県では、今年度、新たな水産業振興計画を策定することとし、漁業者や流通・ブランド関係者等から成る検討委員会において検討を進めております。計画素案では、5つの基本施策を掲げ、1つには、定置網における小型クロマグロの放流技術の開発やキジハタ、アカムツの栽培漁業の早期事業化など、持続可能な漁業の推進、2つには、鮮度保持施設等の整備への支援など、安全で良質な水産物の安定供給、3つには、SNS等の活用による国内外へのPR活動の強化など、富山のさかなのブランド化と販路拡大、4つには、新規就業者確保策の充実やICT導入等によるスマート水産業の推進など、担い手の育成確保と経営基盤の強化、5つには、防災対策の強化や就労環境の改善など漁港の機能充実、こういった5つの柱に沿って施策を推進したいと考えております。これからは、漁業者の所得向上と新規就業者の増加につながる水産業の成長産業化の視点が重要になります。
今後とも、県議会はもとより、漁業者や関係団体の御意見も十分お聞きしながら、実効性ある振興計画を策定し、本県水産業のさらなる発展に努めてまいります。
36 ◯議長(高野行雄君)前田厚生部長。
〔厚生部長前田彰久君登壇〕
37 ◯厚生部長(前田彰久君)地域包括ケアシステムの構築に向けた体制整備についてお答えをいたします。
地域包括ケアシステムの構築に向けまして、県では、これまでも開業医の連携、グループ化や訪問看護ステーションの設置、機能強化支援など在宅医療の充実、地域密着型介護施設や小規模多機能型居宅介護、富山型デイサービスなどの整備、ケアネット活動や市町村が実施します介護予防・
生活支援サービス事業の支援などを行いまして、今年度は、新たにICTを活用した地域医療、介護連携の情報共有基盤整備への支援などに取り組んでおります。
また、介護人材の確保対策につきましては、高校生を対象にしたインターンシップやタブロイド紙への介護の魅力PR記事の掲載、潜在介護福祉士等に対する復職研修、腰痛予防研修や介護ロボット導入支援の拡充、国の処遇改善加算の充実にあわせました県独自の事業者に対します加算取得支援など充実強化を行っているところでございます。
こうした取り組みの結果、5年前と比べまして、グループにより在宅医療を行います開業医は約40人増加をするとともに、地域密着型施設や富山型デイサービスなどは着実に増加をしておること、また、介護職員は約3,300人増加するなど、地域包括ケアの体制は充実をしているという現状にございます。
今後、高齢化が一層進展することに伴いまして、中重度の要介護者や認知症高齢者の増加が見込まれるため、中重度者の在宅サービスなど、高齢者のニーズを的確に捉えましたサービスを充実するとともに、介護職員は2025年度までに必要とされます約4,600人を確保するなど、県といたしましては、今後とも、市町村や関係団体と連携を図りながら、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせる体制の構築に取り組んでまいります。
続いて、院内保育所に係るお尋ねにつきましてお答えをいたします。
近年、医師や看護師等の女性医療従事者が増加をしておりまして、育児をしながら安心して働くことができますよう、県では、県医師会や看護協会と連携しまして、女性医師からの相談窓口の設置やキャリアアップ座談会の開催、ワーク・ライフ・バランス推進ワークショップの開催など、女性医師や看護師の勤務環境改善や職場定着を支援しますとともに、病院内保育所の整備に係る工事費や運営費補助を行っているところでございます。
病院内保育所の設置状況につきましては、県内の病院内保育所数は、平成18年度は19カ所でございましたが、平成30年度には29カ所となっておりまして、さらに、そのうち病児保育を行っているのは8カ所、延長保育は13カ所、24時間保育は5カ所となっております。平成30年7月現在でございますが、女性医師27名、看護職126名、その他病院職員合わせて242名が御利用いただいているという現状にございます。
今回の11
月補正予算案におきまして、済生会高岡病院が病院内に新設いたします保育所への施設整備補助を計上してございますが、病児保育や延長保育を行いますほか、同病院職員以外も一部利用可能と伺っております。病児保育や延長保育を行います院内保育所は限られておりますので、医療従事者の確保や職場定着の促進が期待できるものと考えております。
今後とも、病院内保育所の設置や運営に対する支援を始めまして、子育てしやすい環境づくりに努めてまいります。
38 ◯議長(高野行雄君)
伍嶋商工労働部長。
〔商工労働部長伍嶋二美男君登壇〕
39 ◯商工労働部長(伍嶋二美男君)電力の供給体制に関する御質問にお答えをいたします。
北陸電力では、志賀原子力発電所が停止する中、去る9月に七尾大田火力発電所2号機が停止し、また、今月には、敦賀火力発電所2号機が停止する事態が発生したところであります。
これらの火力発電所の復旧につきましては、敦賀火力発電所2号機は、補修と点検を経て去る23日から再稼働しており、七尾大田火力発電所2号機につきましては、現在、設備損傷の原因究明及び補修方法を検討されており、年度内での一日も早い運転再開を目指すこととされているというところであります。
県民生活や企業活動にかかわる今後の電力需給の見通しにつきましては、今月上旬に資源エネルギー庁から、全国の電力需要が高まることしの冬の需給見通しについて、これは12月から3月まででありますけれども、その見通しが発表されたところでありまして、内容といたしましては、連系線を活用した電力融通などが行われることによりまして、全国の各エリアでの供給力を確保できる見通しが示されたところでございます。
また、北陸エリアにつきましても、電力の供給予備率が、これは安定供給に最低限必要とされる3%を上回っておりまして、特別な節電を実施しない方針が示されたところであります。
北陸電力においても、今後とも県民生活や企業活動に影響を及ぼさないよう、電気設備の保守点検を確実に実施するなど、引き続き電力の安定供給の確保に最大限取り組むこととされております。
県としては、電力は、県民生活の安定と県内企業の円滑な事業活動を支える重要なインフラであることから、今後とも、電力需給状況を注視いたしますとともに、北陸電力において、今回発生したトラブルが他の設備でも起こり得ないか早急に点検するなど、設備の保守点検の確実な実施によりまして、電力の安定供給に万全を期していただくよう要請してまいります。
以上でございます。
40 ◯議長(高野行雄君)石黒危機管理監。
〔危機管理監石黒雄一君登壇〕
41 ◯危機管理監(石黒雄一君)私のほうからは、新たな地震被害想定を前提とした大規模な防災訓練の実施についてお答えをいたします。
昨年12月に公表いたしました新たな地震被害想定調査の結果につきましては、県及び関係のある全ての市におきまして、地域防災計画に反映させるとともに、県では、調査結果や地震発生時の県民の方のとるべき行動内容、あるいは日ごろの備えなどを記載いたしましたふるさと富山地震・津波防災ハンドブックを1万部作成し配布したほか、研修会や出前県庁、あるいは県のホームページへの掲載などによりまして、県民の方への周知啓発に努めているところでございます。
また、これまでも県の総合防災訓練につきましては、地震被害想定調査や直近の全国各地で発生いたしました大規模災害等の教訓を踏まえまして、地震や豪雨による複合災害を想定した実践的な訓練となるよう取り組んできたところでございます。
具体的に申しますと、今年度の9月に開催いたしました県の総合防災訓練におきましては、新たな地震被害想定調査に基づく邑知潟断層帯を震源とする地震を想定するとともに、6月に発生いたしました大阪府北部地震や7月の西日本豪雨等の教訓を踏まえまして、例えば地震によりまして倒壊したブロック塀や家屋からの救出訓練、あるいは集中豪雨による浸水を想定した渡河ボートを利用した救助・避難を実施するなど、より実践的な訓練となるよう工夫し、訓練参加者数につきましても、過去10年間で最大の約6,400人となるなど、多くの方々に訓練に参加いただきまして、災害に対する知識を深めるとともに、自助、共助の意識を高めていただいたものと考えておるところでございます。
来年度以降の県の総合防災訓練につきましては、開催市町村や関係機関と連携しながら、できる限り多くの県民の方々に参加いただき、内容、規模ともさらに充実したものとなるよう、しっかりと取り組んでまいるところでございます。
42 ◯議長(高野行雄君)山田警察本部長。
〔警察本部長山田知裕君登壇〕
43 ◯警察本部長(山田知裕君)(仮称)富山南警察署についてお答えをいたします。
(仮称)富山南警察署につきましては、富山市内警察署再編計画に基づき、富山市蜷川地内で整備を進めており、先ごろ、その基本設計を取りまとめたところでございます。
特徴的な機能等に関してでありますが、北陸自動車道富山インターチェンジに近いという立地を生かし、大型車両駐車スペースを確保することで、災害発生時等の部隊集結、運用拠点として活用することができること、非常用自家発電設備を設置し、商用電力の供給が遮断された場合でも、治安、災害拠点としての機能を維持できること、階段、エレベーター等を中央部に集約したセンターコア型の設備配置によりスペースの有効利用を図るとともに、動線を短縮し、迅速な対応を可能とすること、また利用者の方の利便性の確保としまして、庁舎1階の待合ホール空間に面して、総合受付、窓口業務エリアを配置し、来訪される方がわかりやすく安心して利用できる県民サービスゾーンを設けること、プライバシーに配慮した相談室を配置し、相談者が安心して相談できる環境を確保することなどを盛り込んでおりまして、十分な機能を発揮できるよう整備を図ることとしております。
また、整備場所につきましては、警察航空隊の拠点となる富山空港に近いことから、万が一、この同空港敷地が浸水した場合を想定し、県警ヘリつるぎの代替ヘリポートの設置を検討しているところでございます。
今後のスケジュールでございますが、早期の整備完了を目指すこととし、実施設計を来年の3月までに取りまとめ、来年度早々に建設工事に係る入札を実施し、来年7月に工事着手をしたいと考えております。竣工につきましては、2020年9月を目指すこととしております。
44 ◯議長(高野行雄君)渋谷教育長。
〔教育長渋谷克人君登壇〕
45 ◯教育長(渋谷克人君)まず、少人数学級についての御質問にお答えいたします。
本県では、小学校1、2年生では少人数学級を、また小学校3、4年生と中学校1年生では35人学級選択制を導入しておりまして、そのほかの学年では、国の加配定数や県単独の講師を配置いたしまして、習熟度別学習などの少人数指導にも力を入れ、少人数学級と組み合わせた効果的な少人数教育を進めておりまして、今後も、基本的にはこの方針を継続していきたいと考えております。
なお、小学校3、4年生に35人学級選択制を導入した際には、少人数学級を選択した学校の事情によっては、ほかの学年の少人数指導の実施が難しくなる学校もありますので、新たに県単独の非常勤講師を配置いたしまして、学校現場の実情を踏まえた予算措置も講じております。
また、学校の実情に応じたきめ細かな指導が行えますように、小学校専科教員、学びサポート講師、中1学級支援講師などを配置しておりますし、小学校における英語の教科化に備え、今年度は、既に全国一となっております英語専科教員の配置を42校から60校にさらに拡充するなど、新たな教育課題にも的確に対応するよう努めております。
少人数教育のさらなる充実のためには、まずは、国において、教職員定数の純増を図っていただくことが何よりも重要であると考えておりますので、今後とも、国に対しまして、教職員定数の改善、少人数教育の充実について強く働きかけてまいります。
次に、教員の働き方改革についての御質問にお答えいたします。
教員の時間外勤務の実態把握につきましては、県立学校では、昨年9月から出退勤時間と業務内容を把握しておりますし、勤務が長時間に及ぶ教員につきましては、各学校において、管理職が面談などを通して原因を把握いたしまして、助言や業務改善に努めております。
こうした県立学校の取り組みにつきましては、小中学校の教員の服務を監督する市町村教育委員会と情報を共有しておりますし、助言も行っておりまして、現在、全ての小中学校におきましても、教員の勤務時間などの把握に努めておられます。また、各小中学校におきましても、県立学校と同様に、勤務が長時間に及ぶ教員につきましては管理職が面談しておりますし、各市町村教育委員会におきましても、各学校の情報を把握、分析いたしまして、校長会などの場でその結果をもとに業務改善について協議を行っているとのことであります。
こうした中、この10月から、県と市町村の教育委員会が集まりまして、昨年9月から本年8月までの県立高校の時間外勤務時間数の資料をもとに、各学校や教育委員会における教員の勤務時間の把握状況や働き方改革に向けた具体的な取り組みなどについて、情報を交換する会議を開催しております。この情報交換会につきましては、引き続き定期的に開催していくこととしておりまして、今後とも、市町村教育委員会と連携しながら、教員の働き方改革にしっかり取り組んでまいります。
次に、とやま学校多忙化解消推進会議についての御質問にお答えいたします。
本県では、教員の多忙化を解消し、子供と向き合う時間を確保するとともに、教員の健康保持を目指しまして、平成17年度から県と市町村の教育委員会や小、中、高校の校長会、職員団体の代表者から成るとやま学校多忙化解消推進会議を毎年3回開催しております。
また、この会議での協議結果を踏まえ、毎年、多忙化解消の基本方針、学校や各教育委員会が取り組むべき具体的な方策、前年度の取り組みの成果などを取りまとめた、とやま学校多忙化解消の推進方針を作成いたしまして、県内の全公立学校に配布して、多忙化解消に積極的に取り組んでおります。
今年度の推進方針では、学校や各教育委員会が取り組むべき具体的な方策として、管理職の意識改革、勤務実態の把握と改善、部活動や学校業務の負担軽減などを掲げ、それぞれ具体的な取り組み内容も示しております。
また、今年度から新たに、学校と教員用の業務改善に向けたセルフチェックシートも掲載しておりまして、各学校現場で着実に実践が進むよう努めております。
この会議では、これまでの取り組みとその成果を踏まえながら議論を進めておりまして、今後とも、会議の議論を踏まえながら、実効性のある教員の働き方改革にしっかり取り組んでまいります。
以上です。
46 ◯議長(高野行雄君)島村進君。
47 ◯1番(島村 進君)初めての代表質問でありましたので、再質問はせんとおこうかなと思っておりましたけれども、教育長に質問させてください。
教育長の答弁、さらさらっと流れておりましたけれども、点数をつけたいんですけれども、どうもつけられません。誠意が伝わってこないんですよ。
私はそんなに難しいことを聞いているわけでないんです。まず、教職員の過労死を何としてもなくしたい。また、そのためには、全ての学校の教職員がどのような働き方をしているのか、徹底した調査による実態把握が不可欠である。そして、その実態に基づいて、過労死ラインと言われるような時間外労働をなくしていく、実効性ある対策を早急に進めること、このことを求めているだけなんですよ。そんなに難しいことを言っているわけじゃないんです。
教育長の答弁でいろいろありました。小中学校は市町村の教育委員会の所管でありまして、そこで行っているとか、情報は共有しているとか、何か人ごとの話なんですね。そんなことを言っておったら、チコちゃんに叱られますよ。あなたは富山県の教育行政のトップなんですよ。一番の責任者です。教えているのは富山県の子供たちですよ。悩んで苦しんでいるのは富山県の教師なんですよ。縄張りもへったくれもないでしょう、そんなものは。
私たち社民党が、6月の定例会で、菅沢議員が代表質問で、本県の教師が過労死した労災認定問題を取り上げさせていただきました。そのとき、知事は、このように答弁されております。今後も教職員の時間外勤務の縮減や多忙化解消、働きやすい職場環境に取り組み、今回のようなことが二度と起きないよう再発防止にしっかり生かしてまいります。これが知事の答弁でした。
そして、教育長、あなたは、義務教育学校の教員が、いわゆる過労死されたことはまことに残念で、痛恨の極みでありますとおっしゃっておられます。任命権者として御家族の皆様に深くおわび申し上げます、今後、このようなことが二度と起こらないようにしてまいります、この公の議会の場で、この場であなたはそうおっしゃったのではないですか。もう少し責任者として、人間として、一人称で誠意ある答弁をいただきたい。このことを申し上げて、再答弁を求めます。
48 ◯議長(高野行雄君)渋谷教育長。
49 ◯教育長(渋谷克人君)島村議員の再質問にお答えさせていただきます。
まず、働き方改革に積極的に取り組む、教育行政を担う者として、一人称でお答えをさせていただいていると思っております。その上でお話しさせていただきますけれども、まず、本県を含む9県において、私どもも調査させていただきましたけれども、市町村も含めて、県教育委員会が統一した方法で時間外勤務などを把握している県はございませんでした。なぜならば、議員の御指摘のとおり、服務監督を考えまして、小中学校の教員の服務監督の権限のある市町村教育委員会、こちらのほうをやはり尊重していらっしゃるわけですね。そうした中で私どもは情報も共有し、情報交換会も開催いたしまして、一体となって過労死が今後二度と起こらないように取り組んでいるところであります。あわせて、部活動指導員、スクールサポートスタッフの配置についても積極的に取り組んでおりまして、義務教育学校においてもこういう働き方改革が進むように支援をさせていただいているところでありますので、一人称でない他人事のような御指摘をされましたけれども、私は決してそのようにして考えたことはございませんし、これからも私の問題としてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
50 ◯議長(高野行雄君)以上で、島村進君の質問は終了しました。
以上をもって、会派代表による質問、質疑を終了いたします。
次に、予算特別委員会の構成について御報告いたします。
委員長宮本光明君、副委員長武田慎一君、理事澤谷清君、井上学君、向栄一朗君、火爪弘子君、委員亀山彰君、藤田良久君、川島国君、薮田栄治君、海老克昌君、吉田勉君、井加田まり君、平木柳太郎君、藤井裕久君、瘧師富士夫君、渡辺守人君、稗苗清吉君、横山栄君、米原蕃君、以上のとおりであります。
次に、お諮りいたします。
議案調査のため、明11月29日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
51 ◯議長(高野行雄君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
以上で本日の日程は終了いたしました。
次回の本会議は、11月30日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後2時38分散会
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