コース別では、高山駅発で世界遺産の五箇山と白川郷と井波をめぐりますコースが408名と最も多く、次に、富山駅、富山きときと空港発で
世界遺産五箇山と飛騨古川を散策しますコースが190名、また、富山駅、富山きときと空港発でおわら風の盆のまち、越中八尾と飛騨古川を散策しますコースが127名となっております。
評価につきましては、旅行商品の企画、実施会社からの聞き取りや利用状況を見ますと首都圏から名古屋や松本を経由し世界遺産の五箇山や白川郷を目指すケースが多く、高山から富山への誘客に一定の成果があるものと考えております。
一方、富山から高山へ向かうコースにつきましては、世界遺産の五箇山を散策するコースに比べまして、八尾と飛騨古川を散策しますコースは高山本線と競合することなどから、利用が低い状況にあると考えております。
県としましては、高山を訪れる観光客の本県への誘客促進も含め、富山・
飛騨高山観光バスの利用促進が図られますよう
大手旅行会社に対し旅行商品の
オプション等として販売してもらえますよう働きかけるなど、PRの取り組みを進めてまいりたいと考えております。
5 井上委員 ありがとうございます。2年間で725人ということで、も
うちょっといらしてもいいんじゃないかなという気もいたしますので、また、今後ともPRに努めていただきたいと思います。
高山との交通と言えば、ことしの7月豪雨の影響で一部区間が不通になっていました
JR高山本線があります。
先月にようやく全線復旧をいたしました。私は何度も取り上げていますけれども、年間450万人の観光客が来ていらっしゃる高山ですので、そのお客さんの本県への誘客を何としても期待するところでございますが、本県と
飛騨高山地域をめぐる広域観光の魅力を国内外に積極的に発信して、本県が選ばれる観光地となるようにしっかりと取り組んでいけばどうかと考えますが、今後の取り組みについて、局長にお伺いをいたします。
6 猪俣観光・交通・
地域振興局長 委員御指摘のとおり、本県が選ばれる観光地となるためには富山県内のみならず、本県と
飛騨高山地域をめぐります広域観光の魅力を積極的に発信し、誘客を促進することが重要でございます。
このため、県では、国内誘客につきましては先ほど申し上げましたJR富山駅、富山きときと空港とJR高山駅を結ぶバスや
世界遺産バスの運行支援、
富山飛騨地域をめぐります周遊観光の旅行商品の造成、
東海北陸自動車を利用した
乗り放題プランの造成など
広域周遊観光の推進に取り組んでいるところでございます。
また、国外からの誘客につきましては、岐阜県と連携し海外での観光説明会や商談会、両県の魅力ある観光資源を紹介する
外国語版パンフレットの作成など、
観光プロモーションに積極的に取り組んでいるところでございます。
こうした取り組みにより、例えば
世界遺産バスの1便当たりの乗車人数は、運行当初の平成26年度が約9名でございましたが、平成29年度には約17名と増加しているところでございます。
また、去る11月には
JR高山本線の
全線復旧開通の出発式が富山駅にて行われましたが、
JR高山本線の
全線復旧開通と北陸新幹線を活用した
飛騨高山地域と富山県の周遊を改めて周知するイベントも実施されているところでございます。
県としましては、今後も本県の恵まれた多彩な観光資源をさらに磨き上げるとともに本県の魅力を最大限発信し、国内外からの旅行者に選ばれ続ける観光地となりますようしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
7 井上委員 しっかりと本県の魅力を発信していただきたいと思います。ありがとうございました。
富山市と高山市を結びます国道41号は、先ほども言いましたけれども
ノーベル街道と呼ばれていることは皆さん御承知だと思います。
それで、ノーベル賞にまつわる施設が県内に幾つあるかということをちょっと調べてみました。そうしたら、現在富山県内においてはノーベル賞を紹介したり、顕彰したりする施設と言えば、県の教育記念館の中にコーナーがありました。それから、富山市科学博物館の中にもコーナーがございます。それから、私の地元、大沢野には大沢野生涯
学習センターというのがありまして、その中に利根川進先生を顕彰する施設があります。そして、ちょっと高台に創造の碑という
モニュメントがございます。それから、県民会館前に大変目立つところにあった
モニュメントが今移動しまして、バス停の後ろのほうへ行って、ちょっと目立たないところになったんですけれども、
ノーベル街道の
モニュメントがあります。
そして、岐阜県側には神岡の道の駅であります宙ドーム・神岡というのがありますけれども、その中にスーパーカミオカンデを紹介するような施設があるわけであります。
しかしながら、いずれも規模が本当に小さいんです。本当に残念な気持ちでありまして、せっかく富山─高山間に本庄先生を含めて6名の日本人の受賞者が関連しているわけでありまして、何とかしてせっかくの
ノーベル街道をもうちょっと盛り上げられないかなということを常日ごろ思うわけであります。
それで、いろいろ調べておりましたら、愛知県がことし名古屋市科学館の中にノーベル賞の受賞者を顕彰する施設を、2020年オープンを目指す予定だということを聞きました。特に子供たちを対象に科学技術への好奇心や探求心、そして、夢を触発するような、そんなような施設を何か展示して受賞者の功績にふれることができて、そして、体験や交流の場としてそういう楽しみながら功績にふれることができる、そんな施設ができれば本当にすばらしいなということを常に思っておるわけであります。
そこで、
ノーベル街道沿いに県民はもとより県外や外国からの観光客がノーベル賞に気軽にふれることができて、そして、子供から大人までが学べる場としてノーベル賞を顕彰する施設やコーナーを設けて
ノーベル街道のさらなる魅力の向上を図ることを期待しますけれども、石井知事の御所見をお伺いします。
8 石井知事 県では今御紹介がありましたように県関係でノーベル賞を受賞されました5名の方々、国道41号の沿線にゆかりがおありですので、この区間を
ノーベル街道として位置づけてさまざまな形で御紹介をしてまいりました。
この度、本県ゆかりの本庶佑先生がきょうでしょうか、ノーベル賞を受賞されることになりますけれども、本庶先生も御両親が富山県出身で、また、御祖父は富山県の薬事係におられたといったようなこともあり、富山市に本籍があるということでもございますので、今後、御本人の御了解がいただければ、これまでの
ノーベル賞受賞者の例を参考にしまして、例えば県の教育記念館で紹介コーナーを設けて展示することなどを検討したいと考えております。
日本の受賞者27人のうちで6名がこの
ノーベル街道にゆかりがあるということで、大変うれしいことでございます。
本庶先生につきましては、近く有識者の御意見をお伺いする委員会を開催いたしまして、県としての顕彰を検討したいと考えておりまして、県として顕彰しようということになりますれば、県民の皆様とともに受賞をお祝いしますとともにその業績についても紹介してまいりたいと思います。
御提案の
ノーベル賞受賞者顕彰施設については、常設でということについてはよくよく考えてみなければいけないと思いますけれども、受賞者の方々の御理解、御協力が得られるようでありますれば、御研究の業績や御活躍の状況を適時に展示しますとともに本県とのゆかりについても紹介しまして、県民の皆さん、また、次の時代を担う子供たちが楽しく学べるイベント等につきましても関係の市や関係団体とともに相談いたしましてよく検討してまいりたいと思います。
9 井上委員 なかなか今の時代、新しい箱物をつくるというのは大変かもしれませんけど、また、前向きに御検討いただきたいと思います。
愛知県のものはどんなものなのかちょっと気になりますけど、また愛知県に負けないようなものをぜひ頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。
次に参ります。
次は、安全・安心な地域づくりについてお伺いしたいと思います。
水害や土砂災害時の避難計画について、まずお伺いをいたします。
2016年の台風によりまして岩手県の高齢者施設で9人が亡くなったのを教訓に、昨年6月の水防法と
土砂災害防止法の改正で、川の氾濫や土砂崩れなどのおそれのある
高齢者福祉施設や学校などの、いわゆる要
配慮者利用施設の管理者に
避難確保計画の作成が義務づけられました。
国土交通省によれば全国に5万481カ所ある浸水のおそれのある施設のうち、計画を作成済みなのはことしの3月末時点で18%にとどまっていたとのことであります。
平成30年7月豪雨など水害や土砂災害が頻発する中、利用者の安全確保が不十分な状況が浮き彫りになりました。
そこで、本県における要
配慮者利用施設の箇所数や計画の作成状況並びにこの計画作成を促すための県の対応方針等について、土木部長にお伺いをいたします。
10
水口土木部長 委員から御指摘がありましたとおり、近年全国各地で想定を超える降雨による浸水被害や土砂災害が多発しておりますことから、昨年6月に水防法及び
土砂災害防止法が改正をされまして、市町村が
地域防災計画に定めた要
配慮者利用施設の管理者等に
避難確保計画の作成等が義務づけられたところであります。
本県における
避難確保計画作成の対象となる要
配慮者利用施設の箇所数につきましては、この11月末時点で浸水被害のおそれがある施設は741カ所、土砂災害のおそれがある施設が57カ所となっておりまして、これらの施設における
避難確保計画の作成状況はそれぞれ160カ所、38カ所となっております。割合で言いますと浸水被害のほうが21.6%、土砂災害のほうが66.7%ということであります。
県ではこれまで対象施設の管理者が計画を速やかに作成できますよう国と共同での説明会の開催、市町村が開催する説明会への土木部職員の派遣、また、要
配慮者利用施設を所管する
庁内関係部局の職員による助言など、制度の周知や作成の支援を行ってきたところであります。
県といたしましては万が一、災害が発生した場合におきましても、逃げおくれ被害が発生しないよう
避難確保計画が作成されることなどが重要であると考えておりまして、引き続き
施設管理者向けの説明会を開催するなど、関係機関と連携し積極的に取り組んでまいります。
11 井上委員 ありがとうございます。
浸水のほうが21.6%、土砂災害のほうが66.7%ということで、まだまだ浸水のほうは少ないようでありますので、また、しっかりと進めていただきたいと思います。
次に、災害時の避難所に
太陽光発電設備を設置すればどうかという提案でございます。
北海道胆振東部地震では道内のほぼ全域が停電する
ブラックアウトが発生しまして、被災者がスマホを充電できる公共施設などへ殺到いたしました。首都圏を中心に災害時に多くの人が集まる避難所等に太陽光パネルのほか、蓄電池や非常用電源などを設置する動きが広まっています。
本県でも今後災害に備えるとともに、
外国人観光客らが多く訪れるような観光名所などで充電できる場所を増やすなどの対策が必要でないかということを考えます。これにつきまして、危機管理監の所見をお伺いいたします。
12
石黒危機管理監 避難所におきます災害時の電源確保に関する本県の状況につきましては、まず、県内では1,082カ所を
指定避難箇所としておりますけれども、その約3割を占めます
公立学校施設につきましては、避難所に指定されております316校のうち180校で
自家発電設備や
太陽光発電設備等の非常時に使用可能な設備を保有しておりまして、その割合は57%と全国平均の53.4%を若干上回っておるところでございます。
県といたしましては、さらに促進を図る必要があると考えておりまして、県の重要要望等に位置づけまして、国に対して財政支援の拡充等を要望しているところでございます。
また、多くの公民館や
コミュニティー施設など、約400施設を避難所に指定しておりますけれども、こういう
コミュニティーセンター等につきましても、これまでこれらの避難施設の運営主体となります自主防災組織が行う非常用発電機などの資機材の整備に対しまして市町村と連携して支援を行っているところでございます。
さらに現在観光庁におきまして、
外国人旅行者が災害時に正確な情報を迅速に入手できる環境整備に向けまして、
外国人観光案内所の非
常用電源装置等の整備に対する補助制度ができまして、この10月から募集を開始されたところでございますので、その状況についても注視してまいりたいと考えておるところでございます。
災害時におきまして、避難所等における電源の確保につきましては、情報の収集や発信などの面からも大変重要なものと考えておりまして、今後とも市町村や関係機関と連携いたしまして学校施設や
防災活動拠点、また、新たな
外国人観光案内所なども含めまして、その整備に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
13 井上委員 どうか前向きに推進していただきたいと思います。ありがとうございました。
次に、県産材を利用した木塀の設置についての提案でございます。
大阪北部地震で小学校のブロック塀が倒れて児童が亡くなった、ことし6月の事故を受けまして、全国の都道府県で安全性の向上につながる国産木材を使った塀を設置する動きが広まっているという報道を見ました。
災害時の危険性が指摘されるブロック塀から木塀への転換を促すものでありまして、東京都や全国知事会でも積極的に全国に呼びかけています。
事故防止の観点や県産材の活用を図る上でも有効な手段であると考えますし、本県においても学校や県有施設で積極的にこの木塀の設置に取り組んでいけばどうかと考えますが、石井知事の御所見をお伺いします。
14 石井知事 この6月に発生した
大阪北部地震におきまして
ブロック塀倒壊事故があったということで、県としましては直ちに県立学校や県有施設の緊急点検を行って安全対策が必要なブロック塀の撤去、改修費用を9月補正予算に計上させていただいて、順次改修作業を進めております。
お話の木製の塀につきましては、委員の御指摘のとおり事故防止や国産材、県産材活用の観点から有効な手段でありまして、この4月の全国知事会においてもブロック塀から国産材を使った塀への転換、また、需要の促進などが議論されまして、全国的にもその利用を進める動きが見られるところであります。
一方で、木製の塀はブロック塀や
アルミフェンス等に比べますと防火性や強度が低い、また、価格や維持費用がかさむ、耐用年数が短いなどの課題もありまして、公共施設としては利用しにくい点もございます。
そこで、林業、
木材関係団体がこの4月に開設しましたとやま県産
材需給情報センターによりまして、県産材と
県内アルミメーカーのアルミを活用した
富山型フェンスの製品化──木製のものよりは耐久性を高めて
維持管理コストも抑えることができますので、そうした方向で進めておりまして、今回、お子さんや生徒さんの利用も多い
教育文化会館や
高岡児童相談所のブロック塀の改修にモデル的に採用することにしております。
また、景観上特に配慮が必要となる立山博物館におきましても、建物と調和した木製の塀への改修──正面入り口に組積造塀がございますが、これを建物と調和した県産材の塀にする、といったことを進めております。
県としましては、これまでも富山県美術館や議事堂の改修工事、県立大学の新学生会館、これはまだ建設中ですが、そういうような県有施設の整備等につきまして、県産材の活用をしてまいりました。
今回の木製の塀の取り組みの成果も踏まえまして、小中学校については市町村の御所管ですから、市町村に対しても県産材を活用した新たな工法の普及に努めますなど、今後とも公共施設への県産材の活用に積極的に取り組んでまいります。
15 井上委員 ありがとうございます。本当に不幸な事故が起きないようにしっかりと対応していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次の話題に移ります。
次は、
ひとり親家庭の子供の支援などについて、お伺いをしたいと思います。
県では平成28年3月に富山県
ひとり親家庭等自立促進計画を策定しておられます。そして、
ひとり親家庭の支援強化に取り組んできているところと承知いたしますが、本県における
ひとり親家庭の数や全世帯に占める割合はどのように推移してきているのかという点と、また、
ひとり親御本人の収入の状況というのはどのようになっているのか、厚生部長にお伺いいたします。
16 前田厚生部長 県では、富山県
ひとり親家庭等自立促進計画策定の基礎資料といたしますため、5年に一度、
ひとり親家庭等の実態調査を実施しております。
本県の
ひとり親家庭の世帯数は、市町村が把握をしております世帯数を集計した推計値という形になりますけれども、平成15年は7,690世帯、全世帯に占めます割合が2.1%、平成20年は8,826世帯、全世帯に占める割合が2.3%、平成25年は8,922世帯で全世帯に占める割合は同じく2.3%ということになります。
世帯数増加傾向でございましたが、平成30年度の調査結果はただいま集計中でございますけれども、
ひとり親家庭に支給されます
児童扶養手当の受給者数が平成23年までは増加傾向でしたが、それをピークに以降減少しているということから、
ひとり親家庭の世帯数は減少していると見込んでございます。
また、本県の母子家庭の母本人の年間総収入──これは就労収入のほか、
児童扶養手当、児童手当、養育費などを含む値でございますが、平成25年の
ひとり親家庭等実態調査の結果によりますと、調査の前年である平成24年の数字でございますが、平均235万円でございました。同じく父子家庭、お父さんのほうですけれども、父親本人の年間総収入は平均338万円ということでございまして、特に母子家庭の母本人の収入、235万円という数字は、県内の女性就労者の平均年収が342万円ということで、100万円ほど低うございますので、経済的に厳しい母子家庭が多いものと考えております。
17 井上委員 ありがとうございます。収入面でやっぱりなかなか厳しい状況がうかがえるわけであります。
ひとり親家庭の子供を生活面や学習面で支援するために県では、
ひとり親家庭等生活向上事業として、子供の生活や学習支援に取り組んでおられます。
平成29年度からこの事業の実施主体が市町村にかわったということでございますけれども、この事業のこれまでの実績とその評価について、また、今後の課題や利用者からの要望等についてどのように把握しておられるのか、厚生部長にお伺いします。
18 前田厚生部長 県におきましては、まず
ひとり親家庭の親により安定した収入を得ていただく、それで子供の教育にもお金を使っていただくという形を目指して就業相談や、求人情報の提供、資格取得に向けました支援等を行っておりますほか、
ひとり親家庭の貧困の連鎖を防ぎますためにも、平成25年度から
ひとり親家庭の児童を対象に週1回程度、公民館等におきまして教員OBなどの学習支援ボランティアによる塾形式の学習支援を行います、
ひとり親家庭学習支援ボランティア事業を県母子寡婦福祉連合会に委託をして実施してまいりました。
事業開始時の平成25年度は2市町の2カ所で延べ244人の参加ということでございましたが、年々、実施箇所数や参加人数が増加をしておりまして、平成28年度には6市8カ所で実施をしておりまして、延べ1,809人の参加ということでございます。
今ほど委員から御指摘いただきましたが、平成29年度からは
ひとり親家庭に最も身近な相談支援の窓口であります市町村が実施主体となりまして、あわせて事業の名称を御紹介いただきました
ひとり親家庭等生活向上事業としたところでありますけれども、平成29年度は6市9カ所で2,016人に参加をいただいていると。さらに平成30年度、まだ人数は年度途中でございますが、実施は8市12カ所で実施をいただいておりまして、市町村が実施主体となりますことでより
ひとり親家庭のニーズに沿いましたさまざまな実施方法、直営で実施されたり、母子会や学習塾、あるいはNPO法人等への委託という形で実施をしてございますが、そういった実施方法がとられて
ひとり親家庭に対します学習支援が浸透してきているものと考えております。
そのほかのひとり親という切り口以外にも、生活困窮世帯の児童を対象とした学習支援という形で実施をしている市もございますけれども、今後、より多くの
ひとり親家庭の児童に対します教育支援がなされますよう県としても今ほど申し上げた実態調査でニーズを把握するとともに、未実施市町村に対しましては課題の聞き取り、あるいはやり方はいろいろありますので支援スキームの提示等を行いまして事業実施を促しますとともに、事業実施中の市町村に対しましても必要に応じて助言を行い制度の充実に努めてまいります。
19 井上委員 ありがとうございます。
8市でやっていらっしゃるということですね。承知をいたしました。
ただ、やっぱり市町村の状況を見ておりますと、週1回とか2回とか曜日が限られているような状況でありましたので、ちょっと気になったところであります。
そこで、
ひとり親家庭の小学生を老人ホームなどの社会福祉施設で預かって、そして、食事をしたり勉強を教えたりという事業を大分県が平成28年度から2年間モデル的に実施したというニュースを見ました。
放課後児童クラブが開いていない時間帯や休日をカバーして、児童の居場所づくりと保護者の子育て支援を同時に目指すものとして注目されるわけであります。
父子家庭や母子家庭の親は休みなく働くことが多くて、放課後児童クラブが閉じた後や土日に子供を預かってくれるところがあれば大変助かるという声が多いわけであります。
そこで、24時間年中無休で職員が常駐いたします社会福祉施設などの環境などに注目されたわけであります。ボランティアの教職員OBらに宿題などを見てもらえるというのも、塾にも通わせられない親にとっては大変有意義なものであるということであります。
ひとり親家庭の子供を老人ホームなどの社会福祉施設で預かって、食事や勉強の支援をすることは児童の居場所づくりと保護者の子育て支援を同時に目指すものとして有効な施策でありまして、本県においても取り組んではどうかと考えますが、所見を伺います。
20 前田厚生部長 地域におけます子供の居場所づくりにつきましては、
ひとり親家庭に限らず重要な課題でございますので、これまでも放課後児童クラブ、とやまっ子さんさん広場の拡充やこども食堂への支援などに取り組んできております。
特に
ひとり親家庭に対しましては、そういった放課後児童クラブ等の利用料に対しまして助成を、市町村とともに実施をしているというところでございます。
御紹介いただきました大分県での
ひとり親家庭の児童の預かり事業につきましては、社会福祉施設を活用した子供の居場所づくり推進事業といたしまして平成28、29年度にモデル的に実施をされたということでありまして、想定よりもなかなかひとり親の家庭の利用者が確保できなかったといういろんな事情もあったと聞いておりまして、平成30年度は対象を
ひとり親家庭の児童に限定しない形で食事の提供のような、いわゆるこども食堂のような形をとりながら、あわせて学習支援や体験、交流活動に取り組む団体や組織等への補助事業という形で見直されたと伺ってございます。
社会福祉施設を利用しました同様の事業を富山県で実施する場合には、活用できる人的、社会的資源がどれくらいあるか、あるいは
ひとり親家庭等から利用希望はどれぐらいあるかなどの課題はあると思っておりますけれども、今年度実施をいたしました
ひとり親家庭等実態調査の結果を踏まえまして、
ひとり親家庭の子供の健全な育成が図られますよう総合的な支援に努めてまいりたいと考えております。
21 井上委員 どうか前向きに進めていただきたいと思います。ありがとうございました。
次に、子供に関連しまして、子供の通学の荷物が重過ぎるという話をしたいと思います。
この通学用の荷物が重過ぎるという声が児童、生徒、保護者から上がっていることを受けまして、文部科学省がことし9月、全国の教育委員会などに対しまして一部の教材を教室に置いて帰る、いわゆる置き勉を認めるなどの対策を検討するように通知したと伺いました。
教科書協会が行った調査によりますと、小中学校の主要教科の教科書の平均的なページ数の合計は、小学校では2002年に3,090ページだったものが2017年には4,896ページ、1.6倍になっています。中学校も2,711ページから4,182ページ、1.5倍に増えているということがわかったわけであります。
学習指導要領の改訂により内容が増えたことに加えまして、理解を深めるための図表なども増加しまして、15年前の教科書よりも大変重くなっているということでございました。これに副教材なども加わって、さらに重くなっているわけであります。
実際にはかった事例によりますと、小学校1年から3年までが平均7.7キロ、最高で9.7キロあったそうあります。体重が20キロにも満たない低学年の子供がその通学、たとえ十数分間の間であったとしても、実は苦行のようになっているという実態がわかったとのことであります。
体の関節が未発達の子供が重い荷物を背負って通学することは健康にもよくないということが指摘されています。この件について、教育委員会としての御所見を教育長にお伺いいたします。
22 渋谷教育長 本年9月に文部科学省から過重な教科書や教材などを携行して登下校をすることで、子供たちの身体の健やかな発達に影響が生じかねない懸念があることなどから、各学校における児童生徒の携行品の配慮例──例えば宿題で使用しない教材などを学校に置いて帰ることを認める、学校に置いて帰ってよいもののリストを年度当初に配布して周知している、などですけれども、こうした例を示した上でさらなる配慮を講ずるよう求められております。
県内の市町村教育委員会に確認しましたところ、本県におきましては、宿題や予習、復習などの家庭学習の重要性を踏まえつつ、今ほど申し上げました配慮例に挙げられております取り組みの大部分はこれまでも実施しているとのことでありました。
その上で今般の通知を受け、さらに取り組みを拡充しているとのことでありまして、例えば、学校に置いていってよいものを追加したり、保護者が学習用具を持ち帰る機会を増やしていただくよう依頼しております。また、学校に置いておく学習用具専用のロッカーを新たに購入している市町村もございました。
県教育委員会としましては、こうした県内の新たに工夫された取り組みについて、全ての市町村教育委員会で情報を共有いただき、さらに配慮が広がるように取り組むこととしております。
今後とも各学校におきまして、子供たちが心身ともに健やかに成長できるように努めてまいります。
23 井上委員 ありがとうございます。