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  1. 富山県議会 2018-11-01
    平成30年11月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     午前10時00分開会 宮本委員長 皆さん、どうもおはようございます。  ただいまから本日の予算特別委員会を開会いたします。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        井上学委員の質疑及び答弁 2 宮本委員長 井上委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 井上委員 おはようございます。  本日の予算特別委員会トップバッターを務めさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。  まず、ことしのノーベル生理学・医学賞を本県ゆかりの本庶佑先生が受賞されることになりました。今晩というか、あすの未明、零時半から表彰式が行われるということで本当にうれしいニュースでございました。  そして、本庶先生の御両親の御出身が富山市ということで、そして、住所が花園町ということで、国道41号、いわゆるノーベル街道にまた関連のある方が1人増えたということで本当にうれしいニュースでございました。  そして、その本庶先生は非常にゴルフがお好きということで、なんとベストスコアは78らしいですね。好きというよりも本当にお上手な方でいらっしゃいましてその点でも非常に親しみを覚えたわけであります。  きょうはそのノーベル街道にまつわる話も含めて、まず、飛騨高山地域との連携についての質問から入ってまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。  県では2016年9月からJR富山駅、富山きときと空港とJR高山駅をつなぎますツアーバスの運行を支援していらっしゃいます。  3つのコースでスタートしたところでございますけれども、このツアーバスの運行によって、富山─羽田便を利用した観光客の増加や、高山を訪れる旅行者を本県へ呼び込むことなど、そういった効果を期待しているという答弁が過去にございました。  このツアーバスのこれまでの実績と、その評価について観光・交通・地域振興局長にお伺いをいたします。 4 猪俣観光・交通・地域振興局長 おはようございます。お答えいたします。  委員御紹介のとおり、県では平成28年9月17日より富山駅、富山きときと空港と高山駅を結び、八尾や井波、五箇山、白川郷、飛騨古川の散策をセットにしました旅行商品であります富山・飛騨高山観光バス、3コースの運行の支援をしているところでございます。  利用実績につきましては、昨年度は3コース合わせて387名となっており、平成28年9月の事業開始からことし10月末までの約2年間の累計では725名となっております。
     コース別では、高山駅発で世界遺産の五箇山と白川郷と井波をめぐりますコースが408名と最も多く、次に、富山駅、富山きときと空港発で世界遺産五箇山と飛騨古川を散策しますコースが190名、また、富山駅、富山きときと空港発でおわら風の盆のまち、越中八尾と飛騨古川を散策しますコースが127名となっております。  評価につきましては、旅行商品の企画、実施会社からの聞き取りや利用状況を見ますと首都圏から名古屋や松本を経由し世界遺産の五箇山や白川郷を目指すケースが多く、高山から富山への誘客に一定の成果があるものと考えております。  一方、富山から高山へ向かうコースにつきましては、世界遺産の五箇山を散策するコースに比べまして、八尾と飛騨古川を散策しますコースは高山本線と競合することなどから、利用が低い状況にあると考えております。  県としましては、高山を訪れる観光客の本県への誘客促進も含め、富山・飛騨高山観光バスの利用促進が図られますよう大手旅行会社に対し旅行商品のオプション等として販売してもらえますよう働きかけるなど、PRの取り組みを進めてまいりたいと考えております。 5 井上委員 ありがとうございます。2年間で725人ということで、もうちょっといらしてもいいんじゃないかなという気もいたしますので、また、今後ともPRに努めていただきたいと思います。  高山との交通と言えば、ことしの7月豪雨の影響で一部区間が不通になっていましたJR高山本線があります。  先月にようやく全線復旧をいたしました。私は何度も取り上げていますけれども、年間450万人の観光客が来ていらっしゃる高山ですので、そのお客さんの本県への誘客を何としても期待するところでございますが、本県と飛騨高山地域をめぐる広域観光の魅力を国内外に積極的に発信して、本県が選ばれる観光地となるようにしっかりと取り組んでいけばどうかと考えますが、今後の取り組みについて、局長にお伺いをいたします。 6 猪俣観光・交通・地域振興局長 委員御指摘のとおり、本県が選ばれる観光地となるためには富山県内のみならず、本県と飛騨高山地域をめぐります広域観光の魅力を積極的に発信し、誘客を促進することが重要でございます。  このため、県では、国内誘客につきましては先ほど申し上げましたJR富山駅、富山きときと空港とJR高山駅を結ぶバスや世界遺産バスの運行支援、富山飛騨地域をめぐります周遊観光の旅行商品の造成、東海北陸自動車を利用した乗り放題プランの造成など広域周遊観光の推進に取り組んでいるところでございます。  また、国外からの誘客につきましては、岐阜県と連携し海外での観光説明会や商談会、両県の魅力ある観光資源を紹介する外国語版パンフレットの作成など、観光プロモーションに積極的に取り組んでいるところでございます。  こうした取り組みにより、例えば世界遺産バスの1便当たりの乗車人数は、運行当初の平成26年度が約9名でございましたが、平成29年度には約17名と増加しているところでございます。  また、去る11月にはJR高山本線全線復旧開通の出発式が富山駅にて行われましたが、JR高山本線全線復旧開通と北陸新幹線を活用した飛騨高山地域と富山県の周遊を改めて周知するイベントも実施されているところでございます。  県としましては、今後も本県の恵まれた多彩な観光資源をさらに磨き上げるとともに本県の魅力を最大限発信し、国内外からの旅行者に選ばれ続ける観光地となりますようしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 7 井上委員 しっかりと本県の魅力を発信していただきたいと思います。ありがとうございました。  富山市と高山市を結びます国道41号は、先ほども言いましたけれどもノーベル街道と呼ばれていることは皆さん御承知だと思います。  それで、ノーベル賞にまつわる施設が県内に幾つあるかということをちょっと調べてみました。そうしたら、現在富山県内においてはノーベル賞を紹介したり、顕彰したりする施設と言えば、県の教育記念館の中にコーナーがありました。それから、富山市科学博物館の中にもコーナーがございます。それから、私の地元、大沢野には大沢野生涯学習センターというのがありまして、その中に利根川進先生を顕彰する施設があります。そして、ちょっと高台に創造の碑というモニュメントがございます。それから、県民会館前に大変目立つところにあったモニュメントが今移動しまして、バス停の後ろのほうへ行って、ちょっと目立たないところになったんですけれども、ノーベル街道モニュメントがあります。  そして、岐阜県側には神岡の道の駅であります宙ドーム・神岡というのがありますけれども、その中にスーパーカミオカンデを紹介するような施設があるわけであります。  しかしながら、いずれも規模が本当に小さいんです。本当に残念な気持ちでありまして、せっかく富山─高山間に本庄先生を含めて6名の日本人の受賞者が関連しているわけでありまして、何とかしてせっかくのノーベル街道をもうちょっと盛り上げられないかなということを常日ごろ思うわけであります。  それで、いろいろ調べておりましたら、愛知県がことし名古屋市科学館の中にノーベル賞の受賞者を顕彰する施設を、2020年オープンを目指す予定だということを聞きました。特に子供たちを対象に科学技術への好奇心や探求心、そして、夢を触発するような、そんなような施設を何か展示して受賞者の功績にふれることができて、そして、体験や交流の場としてそういう楽しみながら功績にふれることができる、そんな施設ができれば本当にすばらしいなということを常に思っておるわけであります。  そこで、ノーベル街道沿いに県民はもとより県外や外国からの観光客がノーベル賞に気軽にふれることができて、そして、子供から大人までが学べる場としてノーベル賞を顕彰する施設やコーナーを設けてノーベル街道のさらなる魅力の向上を図ることを期待しますけれども、石井知事の御所見をお伺いします。 8 石井知事 県では今御紹介がありましたように県関係でノーベル賞を受賞されました5名の方々、国道41号の沿線にゆかりがおありですので、この区間をノーベル街道として位置づけてさまざまな形で御紹介をしてまいりました。  この度、本県ゆかりの本庶佑先生がきょうでしょうか、ノーベル賞を受賞されることになりますけれども、本庶先生も御両親が富山県出身で、また、御祖父は富山県の薬事係におられたといったようなこともあり、富山市に本籍があるということでもございますので、今後、御本人の御了解がいただければ、これまでのノーベル賞受賞者の例を参考にしまして、例えば県の教育記念館で紹介コーナーを設けて展示することなどを検討したいと考えております。  日本の受賞者27人のうちで6名がこのノーベル街道にゆかりがあるということで、大変うれしいことでございます。  本庶先生につきましては、近く有識者の御意見をお伺いする委員会を開催いたしまして、県としての顕彰を検討したいと考えておりまして、県として顕彰しようということになりますれば、県民の皆様とともに受賞をお祝いしますとともにその業績についても紹介してまいりたいと思います。  御提案のノーベル賞受賞者顕彰施設については、常設でということについてはよくよく考えてみなければいけないと思いますけれども、受賞者の方々の御理解、御協力が得られるようでありますれば、御研究の業績や御活躍の状況を適時に展示しますとともに本県とのゆかりについても紹介しまして、県民の皆さん、また、次の時代を担う子供たちが楽しく学べるイベント等につきましても関係の市や関係団体とともに相談いたしましてよく検討してまいりたいと思います。 9 井上委員 なかなか今の時代、新しい箱物をつくるというのは大変かもしれませんけど、また、前向きに御検討いただきたいと思います。  愛知県のものはどんなものなのかちょっと気になりますけど、また愛知県に負けないようなものをぜひ頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。  次に参ります。  次は、安全・安心な地域づくりについてお伺いしたいと思います。  水害や土砂災害時の避難計画について、まずお伺いをいたします。  2016年の台風によりまして岩手県の高齢者施設で9人が亡くなったのを教訓に、昨年6月の水防法と土砂災害防止法の改正で、川の氾濫や土砂崩れなどのおそれのある高齢者福祉施設や学校などの、いわゆる要配慮者利用施設の管理者に避難確保計画の作成が義務づけられました。  国土交通省によれば全国に5万481カ所ある浸水のおそれのある施設のうち、計画を作成済みなのはことしの3月末時点で18%にとどまっていたとのことであります。  平成30年7月豪雨など水害や土砂災害が頻発する中、利用者の安全確保が不十分な状況が浮き彫りになりました。  そこで、本県における要配慮者利用施設の箇所数や計画の作成状況並びにこの計画作成を促すための県の対応方針等について、土木部長にお伺いをいたします。 10 水口土木部長 委員から御指摘がありましたとおり、近年全国各地で想定を超える降雨による浸水被害や土砂災害が多発しておりますことから、昨年6月に水防法及び土砂災害防止法が改正をされまして、市町村が地域防災計画に定めた要配慮者利用施設の管理者等に避難確保計画の作成等が義務づけられたところであります。  本県における避難確保計画作成の対象となる要配慮者利用施設の箇所数につきましては、この11月末時点で浸水被害のおそれがある施設は741カ所、土砂災害のおそれがある施設が57カ所となっておりまして、これらの施設における避難確保計画の作成状況はそれぞれ160カ所、38カ所となっております。割合で言いますと浸水被害のほうが21.6%、土砂災害のほうが66.7%ということであります。  県ではこれまで対象施設の管理者が計画を速やかに作成できますよう国と共同での説明会の開催、市町村が開催する説明会への土木部職員の派遣、また、要配慮者利用施設を所管する庁内関係部局の職員による助言など、制度の周知や作成の支援を行ってきたところであります。  県といたしましては万が一、災害が発生した場合におきましても、逃げおくれ被害が発生しないよう避難確保計画が作成されることなどが重要であると考えておりまして、引き続き施設管理者向けの説明会を開催するなど、関係機関と連携し積極的に取り組んでまいります。 11 井上委員 ありがとうございます。  浸水のほうが21.6%、土砂災害のほうが66.7%ということで、まだまだ浸水のほうは少ないようでありますので、また、しっかりと進めていただきたいと思います。  次に、災害時の避難所に太陽光発電設備を設置すればどうかという提案でございます。  北海道胆振東部地震では道内のほぼ全域が停電するブラックアウトが発生しまして、被災者がスマホを充電できる公共施設などへ殺到いたしました。首都圏を中心に災害時に多くの人が集まる避難所等に太陽光パネルのほか、蓄電池や非常用電源などを設置する動きが広まっています。  本県でも今後災害に備えるとともに、外国人観光客らが多く訪れるような観光名所などで充電できる場所を増やすなどの対策が必要でないかということを考えます。これにつきまして、危機管理監の所見をお伺いいたします。 12 石黒危機管理監 避難所におきます災害時の電源確保に関する本県の状況につきましては、まず、県内では1,082カ所を指定避難箇所としておりますけれども、その約3割を占めます公立学校施設につきましては、避難所に指定されております316校のうち180校で自家発電設備太陽光発電設備等の非常時に使用可能な設備を保有しておりまして、その割合は57%と全国平均の53.4%を若干上回っておるところでございます。  県といたしましては、さらに促進を図る必要があると考えておりまして、県の重要要望等に位置づけまして、国に対して財政支援の拡充等を要望しているところでございます。  また、多くの公民館やコミュニティー施設など、約400施設を避難所に指定しておりますけれども、こういうコミュニティーセンター等につきましても、これまでこれらの避難施設の運営主体となります自主防災組織が行う非常用発電機などの資機材の整備に対しまして市町村と連携して支援を行っているところでございます。  さらに現在観光庁におきまして、外国人旅行者が災害時に正確な情報を迅速に入手できる環境整備に向けまして、外国人観光案内所の非常用電源装置等の整備に対する補助制度ができまして、この10月から募集を開始されたところでございますので、その状況についても注視してまいりたいと考えておるところでございます。  災害時におきまして、避難所等における電源の確保につきましては、情報の収集や発信などの面からも大変重要なものと考えておりまして、今後とも市町村や関係機関と連携いたしまして学校施設や防災活動拠点、また、新たな外国人観光案内所なども含めまして、その整備に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 13 井上委員 どうか前向きに推進していただきたいと思います。ありがとうございました。  次に、県産材を利用した木塀の設置についての提案でございます。  大阪北部地震で小学校のブロック塀が倒れて児童が亡くなった、ことし6月の事故を受けまして、全国の都道府県で安全性の向上につながる国産木材を使った塀を設置する動きが広まっているという報道を見ました。  災害時の危険性が指摘されるブロック塀から木塀への転換を促すものでありまして、東京都や全国知事会でも積極的に全国に呼びかけています。  事故防止の観点や県産材の活用を図る上でも有効な手段であると考えますし、本県においても学校や県有施設で積極的にこの木塀の設置に取り組んでいけばどうかと考えますが、石井知事の御所見をお伺いします。 14 石井知事 この6月に発生した大阪北部地震におきましてブロック塀倒壊事故があったということで、県としましては直ちに県立学校や県有施設の緊急点検を行って安全対策が必要なブロック塀の撤去、改修費用を9月補正予算に計上させていただいて、順次改修作業を進めております。  お話の木製の塀につきましては、委員の御指摘のとおり事故防止や国産材、県産材活用の観点から有効な手段でありまして、この4月の全国知事会においてもブロック塀から国産材を使った塀への転換、また、需要の促進などが議論されまして、全国的にもその利用を進める動きが見られるところであります。  一方で、木製の塀はブロック塀やアルミフェンス等に比べますと防火性や強度が低い、また、価格や維持費用がかさむ、耐用年数が短いなどの課題もありまして、公共施設としては利用しにくい点もございます。  そこで、林業、木材関係団体がこの4月に開設しましたとやま県産材需給情報センターによりまして、県産材と県内アルミメーカーのアルミを活用した富山型フェンスの製品化──木製のものよりは耐久性を高めて維持管理コストも抑えることができますので、そうした方向で進めておりまして、今回、お子さんや生徒さんの利用も多い教育文化会館高岡児童相談所のブロック塀の改修にモデル的に採用することにしております。  また、景観上特に配慮が必要となる立山博物館におきましても、建物と調和した木製の塀への改修──正面入り口に組積造塀がございますが、これを建物と調和した県産材の塀にする、といったことを進めております。  県としましては、これまでも富山県美術館や議事堂の改修工事、県立大学の新学生会館、これはまだ建設中ですが、そういうような県有施設の整備等につきまして、県産材の活用をしてまいりました。  今回の木製の塀の取り組みの成果も踏まえまして、小中学校については市町村の御所管ですから、市町村に対しても県産材を活用した新たな工法の普及に努めますなど、今後とも公共施設への県産材の活用に積極的に取り組んでまいります。 15 井上委員 ありがとうございます。本当に不幸な事故が起きないようにしっかりと対応していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次の話題に移ります。  次は、ひとり親家庭の子供の支援などについて、お伺いをしたいと思います。  県では平成28年3月に富山県ひとり親家庭等自立促進計画を策定しておられます。そして、ひとり親家庭の支援強化に取り組んできているところと承知いたしますが、本県におけるひとり親家庭の数や全世帯に占める割合はどのように推移してきているのかという点と、また、ひとり親御本人の収入の状況というのはどのようになっているのか、厚生部長にお伺いいたします。 16 前田厚生部長 県では、富山県ひとり親家庭等自立促進計画策定の基礎資料といたしますため、5年に一度、ひとり親家庭等の実態調査を実施しております。  本県のひとり親家庭の世帯数は、市町村が把握をしております世帯数を集計した推計値という形になりますけれども、平成15年は7,690世帯、全世帯に占めます割合が2.1%、平成20年は8,826世帯、全世帯に占める割合が2.3%、平成25年は8,922世帯で全世帯に占める割合は同じく2.3%ということになります。  世帯数増加傾向でございましたが、平成30年度の調査結果はただいま集計中でございますけれども、ひとり親家庭に支給されます児童扶養手当の受給者数が平成23年までは増加傾向でしたが、それをピークに以降減少しているということから、ひとり親家庭の世帯数は減少していると見込んでございます。  また、本県の母子家庭の母本人の年間総収入──これは就労収入のほか、児童扶養手当、児童手当、養育費などを含む値でございますが、平成25年のひとり親家庭等実態調査の結果によりますと、調査の前年である平成24年の数字でございますが、平均235万円でございました。同じく父子家庭、お父さんのほうですけれども、父親本人の年間総収入は平均338万円ということでございまして、特に母子家庭の母本人の収入、235万円という数字は、県内の女性就労者の平均年収が342万円ということで、100万円ほど低うございますので、経済的に厳しい母子家庭が多いものと考えております。 17 井上委員 ありがとうございます。収入面でやっぱりなかなか厳しい状況がうかがえるわけであります。  ひとり親家庭の子供を生活面や学習面で支援するために県では、ひとり親家庭等生活向上事業として、子供の生活や学習支援に取り組んでおられます。  平成29年度からこの事業の実施主体が市町村にかわったということでございますけれども、この事業のこれまでの実績とその評価について、また、今後の課題や利用者からの要望等についてどのように把握しておられるのか、厚生部長にお伺いします。 18 前田厚生部長 県におきましては、まずひとり親家庭の親により安定した収入を得ていただく、それで子供の教育にもお金を使っていただくという形を目指して就業相談や、求人情報の提供、資格取得に向けました支援等を行っておりますほか、ひとり親家庭の貧困の連鎖を防ぎますためにも、平成25年度からひとり親家庭の児童を対象に週1回程度、公民館等におきまして教員OBなどの学習支援ボランティアによる塾形式の学習支援を行います、ひとり親家庭学習支援ボランティア事業を県母子寡婦福祉連合会に委託をして実施してまいりました。  事業開始時の平成25年度は2市町の2カ所で延べ244人の参加ということでございましたが、年々、実施箇所数や参加人数が増加をしておりまして、平成28年度には6市8カ所で実施をしておりまして、延べ1,809人の参加ということでございます。  今ほど委員から御指摘いただきましたが、平成29年度からはひとり親家庭に最も身近な相談支援の窓口であります市町村が実施主体となりまして、あわせて事業の名称を御紹介いただきましたひとり親家庭等生活向上事業としたところでありますけれども、平成29年度は6市9カ所で2,016人に参加をいただいていると。さらに平成30年度、まだ人数は年度途中でございますが、実施は8市12カ所で実施をいただいておりまして、市町村が実施主体となりますことでよりひとり親家庭のニーズに沿いましたさまざまな実施方法、直営で実施されたり、母子会や学習塾、あるいはNPO法人等への委託という形で実施をしてございますが、そういった実施方法がとられてひとり親家庭に対します学習支援が浸透してきているものと考えております。  そのほかのひとり親という切り口以外にも、生活困窮世帯の児童を対象とした学習支援という形で実施をしている市もございますけれども、今後、より多くのひとり親家庭の児童に対します教育支援がなされますよう県としても今ほど申し上げた実態調査でニーズを把握するとともに、未実施市町村に対しましては課題の聞き取り、あるいはやり方はいろいろありますので支援スキームの提示等を行いまして事業実施を促しますとともに、事業実施中の市町村に対しましても必要に応じて助言を行い制度の充実に努めてまいります。 19 井上委員 ありがとうございます。  8市でやっていらっしゃるということですね。承知をいたしました。  ただ、やっぱり市町村の状況を見ておりますと、週1回とか2回とか曜日が限られているような状況でありましたので、ちょっと気になったところであります。  そこで、ひとり親家庭の小学生を老人ホームなどの社会福祉施設で預かって、そして、食事をしたり勉強を教えたりという事業を大分県が平成28年度から2年間モデル的に実施したというニュースを見ました。  放課後児童クラブが開いていない時間帯や休日をカバーして、児童の居場所づくりと保護者の子育て支援を同時に目指すものとして注目されるわけであります。  父子家庭や母子家庭の親は休みなく働くことが多くて、放課後児童クラブが閉じた後や土日に子供を預かってくれるところがあれば大変助かるという声が多いわけであります。  そこで、24時間年中無休で職員が常駐いたします社会福祉施設などの環境などに注目されたわけであります。ボランティアの教職員OBらに宿題などを見てもらえるというのも、塾にも通わせられない親にとっては大変有意義なものであるということであります。  ひとり親家庭の子供を老人ホームなどの社会福祉施設で預かって、食事や勉強の支援をすることは児童の居場所づくりと保護者の子育て支援を同時に目指すものとして有効な施策でありまして、本県においても取り組んではどうかと考えますが、所見を伺います。 20 前田厚生部長 地域におけます子供の居場所づくりにつきましては、ひとり親家庭に限らず重要な課題でございますので、これまでも放課後児童クラブ、とやまっ子さんさん広場の拡充やこども食堂への支援などに取り組んできております。  特にひとり親家庭に対しましては、そういった放課後児童クラブ等の利用料に対しまして助成を、市町村とともに実施をしているというところでございます。  御紹介いただきました大分県でのひとり親家庭の児童の預かり事業につきましては、社会福祉施設を活用した子供の居場所づくり推進事業といたしまして平成28、29年度にモデル的に実施をされたということでありまして、想定よりもなかなかひとり親の家庭の利用者が確保できなかったといういろんな事情もあったと聞いておりまして、平成30年度は対象をひとり親家庭の児童に限定しない形で食事の提供のような、いわゆるこども食堂のような形をとりながら、あわせて学習支援や体験、交流活動に取り組む団体や組織等への補助事業という形で見直されたと伺ってございます。  社会福祉施設を利用しました同様の事業を富山県で実施する場合には、活用できる人的、社会的資源がどれくらいあるか、あるいはひとり親家庭等から利用希望はどれぐらいあるかなどの課題はあると思っておりますけれども、今年度実施をいたしましたひとり親家庭等実態調査の結果を踏まえまして、ひとり親家庭の子供の健全な育成が図られますよう総合的な支援に努めてまいりたいと考えております。 21 井上委員 どうか前向きに進めていただきたいと思います。ありがとうございました。  次に、子供に関連しまして、子供の通学の荷物が重過ぎるという話をしたいと思います。  この通学用の荷物が重過ぎるという声が児童、生徒、保護者から上がっていることを受けまして、文部科学省がことし9月、全国の教育委員会などに対しまして一部の教材を教室に置いて帰る、いわゆる置き勉を認めるなどの対策を検討するように通知したと伺いました。  教科書協会が行った調査によりますと、小中学校の主要教科の教科書の平均的なページ数の合計は、小学校では2002年に3,090ページだったものが2017年には4,896ページ、1.6倍になっています。中学校も2,711ページから4,182ページ、1.5倍に増えているということがわかったわけであります。  学習指導要領の改訂により内容が増えたことに加えまして、理解を深めるための図表なども増加しまして、15年前の教科書よりも大変重くなっているということでございました。これに副教材なども加わって、さらに重くなっているわけであります。  実際にはかった事例によりますと、小学校1年から3年までが平均7.7キロ、最高で9.7キロあったそうあります。体重が20キロにも満たない低学年の子供がその通学、たとえ十数分間の間であったとしても、実は苦行のようになっているという実態がわかったとのことであります。  体の関節が未発達の子供が重い荷物を背負って通学することは健康にもよくないということが指摘されています。この件について、教育委員会としての御所見を教育長にお伺いいたします。 22 渋谷教育長 本年9月に文部科学省から過重な教科書や教材などを携行して登下校をすることで、子供たちの身体の健やかな発達に影響が生じかねない懸念があることなどから、各学校における児童生徒の携行品の配慮例──例えば宿題で使用しない教材などを学校に置いて帰ることを認める、学校に置いて帰ってよいもののリストを年度当初に配布して周知している、などですけれども、こうした例を示した上でさらなる配慮を講ずるよう求められております。  県内の市町村教育委員会に確認しましたところ、本県におきましては、宿題や予習、復習などの家庭学習の重要性を踏まえつつ、今ほど申し上げました配慮例に挙げられております取り組みの大部分はこれまでも実施しているとのことでありました。  その上で今般の通知を受け、さらに取り組みを拡充しているとのことでありまして、例えば、学校に置いていってよいものを追加したり、保護者が学習用具を持ち帰る機会を増やしていただくよう依頼しております。また、学校に置いておく学習用具専用のロッカーを新たに購入している市町村もございました。  県教育委員会としましては、こうした県内の新たに工夫された取り組みについて、全ての市町村教育委員会で情報を共有いただき、さらに配慮が広がるように取り組むこととしております。  今後とも各学校におきまして、子供たちが心身ともに健やかに成長できるように努めてまいります。 23 井上委員 ありがとうございます。
     教科書の荷物のほかに上履き、給食の袋、それから、体育の服など、それらを持ち帰る金曜日とそれを洗って持っていく月曜日に本当に荷物が多くて両手がふさがって、さらに雨なんか降っているものなら本当に大変な通学状況でありますので、どうかまたしっかりとした対応をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。  次の話題にいきます。  次はキャッシュレス化の推進について、お伺いしたいと思います。  今定例会の永森議員の一般質問の中でも交通ICカードの導入促進についての質疑がありましたが、日本も買い物や食事の際に現金を使わずカードや電子マネー等によって簡便に決済するキャッシュレス社会が広がりつつあります。  国においてはことし4月、キャッシュレス・ビジョンを策定していますが、それによると日本のキャッシュレス決済比率は18%にとどまっています。韓国が89%、中国が60%など、キャッシュレス先進国から大きくおくれをとっているわけであります。  海外からの観光客が増加するとともにキャッシュレス決済が可能な店舗が少な過ぎるというクレームも目立ってきまして、2年後に東京オリンピック・パラリンピック、そして、7年後には大阪万博も迫っている中で観光立国の観点からも大きな問題となっているところであります。  例えば、小売店にとっては現金が多いと当日の精算が深夜まで及ぶことがあるとされまして、業務の効率を極端に悪化させています。  みずほ銀行の試算によりますと、ATMの管理コストや小売、外食業の人件費など、現金の取り扱いに伴って日本全体で約8兆円のコストが発生しているとのことであります。  小売や外食などのサービス産業は製造業に比べて生産性が低いと聞きますけれども、これらの課題解消に向けてキャッシュレス決済の導入は大きなメリットがあると思われます。  現在、県では外国人観光客の受け入れ環境整備に積極的に取り組んでおられますけれども、お土産や飲食などを扱う地域の事業者が外国人観光客の消費をもっともっと取り込んでいくためにはキャッシュレス化を進めていく必要があると考えるわけであります。  今後、このキャッシュレス化の推進にどのように取り組んでいかれるのか、商工労働部長にお伺いをいたします。 24 伍嶋商工労働部長 県内におきますサービス産業は県内総生産の約60%と大きな割合を占めておりますけれども、その労働生産性を見ますと製造業に比べて低い水準にとどまっておりまして、本県経済の成長発展のためには、このサービス産業の生産性向上を図るということが大変大切であると考えております。  国の未来投資戦略2017におきまして、今後10年間でキャッシュレス決済の比率を現行から倍増して4割程度を目指すということとされておりますけれども、キャッシュレス化の課題といたしまして、1つには決済端末の導入費用や決済事業者への手数料支払いのコストがかかること、また、決済後の資金化までのタイムラグに係る資金繰りが必要であることなどが挙げられております。  しかしながら、一方で委員御指摘のとおり店舗での会計時の作業効率化による人件費コストの低減や決済データの蓄積、活用によります新たな商品開発やサービス提供など、経営、営業戦略の面からも効果的であること、また、拡大するインバウンド需要の取り込みに有効な手段であるなど、消費拡大も期待され、経済にも非常に大きな効果をもたらすとともに消費者の利便性を高めるものと考えております。  国においては現在、キャッシュレス決済推進のために小売店、飲食店等が決済事業者等に支払う手数料や決済端末の導入費用の一部を補助いたします地域需要喚起キャッシュレス実証事業について検討されております。  県といたしましては、キャッシュレス化の推進に向けまして国のこうした支援策等についての情報収集に努めるとともに、その制度の周知を図り、サービス産業の事業者がメリット及びデメリットを含めた導入効果をわかりやすく理解できますように今後商工会議所等による意見交換会の開催など普及啓発を初め、支援のあり方について検討してまいりたいと考えております。 25 井上委員 どうか積極的に推進していただきたいと思います。ありがとうございました。  次に、旧県立近代美術館の後利用についてお伺いをしたいと思います。  富山県美術館が1年間で50万人を超える入館者があったとお聞きします。前身の旧近代美術館が50万人達成までに7年間を要したということでございまして、それを考えますと非常に順調な滑り出しだと思います。これまでの関係の皆さん方の御尽力に敬意を表するわけであります。  問題は旧美術館のほうであります。旧美術館の別館につきましては、隣接する富山市の建物とあわせて一括して売却するとのことですが、本館の建物についてはことしの6月議会において建物の利用法や解体した場合の土地の活用法など、幅広い観点から専門家や民間企業から意見を聞くという答弁がございました。そこで、半年ほどたった現在の検討状況につきまして、生活環境文化部長にお伺いをいたします。 26 須河生活環境文化部長 旧近代美術館本館の後利用につきましては、これまで多くの有識者から御意見を伺ってきたほか、数社の民間企業を対象に土地、建物の活用の可能性について調査を行ってまいりましたが、利活用については課題が多いとされてきました。  6月議会以降、さらに全国の都道府県に対して旧近代美術館と同様に耐震基準を満たさない遊休施設の利活用について調査を行いましたが、全国的に見ても建物の後利用については課題が多いという状況が見られました。  また、解体した場合の土地活用法なども含め、個別に専門家や民間企業から御意見をお伺いしたところ、1つにはコスト面からも現建物の活用は困難、2つには建物の解体には約5億円の費用が見込まれ、建物つきでの売却は難しい、3つには都市公園に隣接した場所であり、土地を売却する場合でも周辺環境に配慮した活用が必要、などの御意見をいただきました。  こうした専門家等の御意見も踏まえ、また、2021年度までの時限措置で活用できる公共施設等の除却債もあることから、建物を解体して土地を売却することも視野に現在後利用について検討を進めているところであり、地元富山市の御意見も聞きながら、年度内には一定の方向性を出したいと考えております。 27 井上委員 ありがとうございました。  今の答弁を聞きますと取り壊しの可能性が若干高いことがわかりました。そこにノーベル会館を建てるということも1つの案ではないかと思いますが、また、よろしくお願い申し上げます。  次に、県職員の採用について、お伺いしたいと思います。  まず、UIJターン採用試験についてお伺いいたします。  県では、民間企業出身者などを対象としました社会人経験者の採用試験、いわゆるUIJターン採用試験を2015年度から実施してきておられますけれども、これまでの申し込み状況や倍率、そういうものはどのように推移してきているのかということと、それをどのように評価していらっしゃるのか、人事委員会事務局長にお伺いいたします。 28 田中人事委員会事務局長 今ほどお話のありましたいわゆるUIJターンの職員採用試験でございますけれども、平成27年度から実施をしておりまして、募集職種は、初年度は行政だけでしたけれども、2年目以降は総合土木も対象としてございます。  両職種を合わせました申し込み者と最終倍率との推移についてでございますけれども、平成27年度は申し込み160名に対し受験129名、合格5名で最終倍率は25.8倍でございます。平成28年度は申し込み68名に対し受験53名、合格7名で最終倍率は7.6倍。平成29年度は申し込み50名に対し受験44名、合格6名で最終倍率は7.3倍。今年度は申し込み62名に対し受験43名、合格9名で最終倍率は4.8倍ということになってございます。  そこで、まず申し込み状況でございますけれども、年齢要件を59歳以下から40歳以下に見直しをしました平成28年度以降も毎年60名前後で安定的に推移をしてきております。受験者の志望動機といたしまして、本県の子育て環境のよさや親の介護等を理由とするUターン希望者も相当数見られるなど、こうしたUIJターン希望者のニーズに応える制度として定着してきているものと考えてございます。  また、最終倍率でございますけれども、おおむね5倍を超えておりまして、合格者の状況を見ますとIT関係、メーカーなどさまざまな経歴を持った有為で多様な人材が確保できていると考えております。民間企業等で培った経験やノウハウを生かし、県政の幅広い分野で活躍をしていただけるものと考えております。  今年度、初めて社会人向けのセミナーを1月に東京で開催することにしておりまして、県職員の仕事の魅力や富山の暮らしやすさをアピールすることとしております。引き続きこのUIJターン採用試験によりまして有為で多様な人材の確保に努めてまいりたいと考えております。 29 井上委員 ありがとうございます。  おおむね5倍程度ということで希望者は少なからずいらっしゃるわけであります。  このUIJターンによる採用は人口減少対策にも資するものでありまして、UIJターン希望者のさらなる受け入れを民間企業にお願いをしている立場である県庁としては、率先して県庁が採用枠を広げることは大事ではないかと考えるわけであります。  このことにつきまして、経営管理部長の所見をお伺いします。 30 滝経営管理部長 UIJターンの希望者を対象といたしました採用につきましては、北陸新幹線の開業を契機にUIJターンの促進の一環として、また、今ほど委員からも御指摘がございましたけれども、県外の民間企業等で培った経験、ノウハウを県行政に生かすこと目的といたしまして、平成27年度から実施をしております。  これまで平成28年度に3名、平成29年度に5名、平成30年度に4名、計12名を採用してございます。  また、今年度実施いたしました採用試験では、本県への移住促進の強化ということを県としても打ち出しておりますので、その一環といたしまして採用枠を拡大して実施しました。その結果、商社やメーカー、広告業などさまざまな業種の経験者からの応募が多数ございまして、先般9名の合格を発表したところでございます。  先ほど、人事委員会からも御答弁申し上げましたが、この採用試験の受験者から応募理由をお聞きいたしますと、富山で子育てをしたい、これまでの経験を富山県の発展に役立てたい、という声もございまして、委員御指摘のように人口減少対策や地域の活性化に一定の効果があると受けとめております。  県といたしましてはUIJターンによります採用は本県への移住促進とともに多様で有為な人材を確保する有効な方策の1つと考えてございます。引き続き県全体の採用予定者数とその中におけます各採用区分のバランス等にも留意しながらこのUIJターンによる採用につきまして、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 31 井上委員 ありがとうございます。  これからどんどんと高齢化が進んで、地元に残した親の介護をするために都会や他県から戻ってこなくてはならないという状況にある方がどんどん増えていくんじゃないかと思います。  民間での多様な経験を生かして県の業務にどんどん生かしていっていただきたいと思います。  次に、県職員の復職制度についての提案でございます。  即戦力と言えば県職員で結婚や出産、親の介護などの事情で一度退職した元職員が復職できる再採用、再任用ではなくて再採用です。再採用の制度を広島県が創設したという情報を得ました。ことしは20代から50代の女性4人の再採用を決めたとのことであります。  即戦力の元職員にカムバックを促して、多様な人生経験を県の業務に生かしてもらうことを目的に育児休暇などの福利厚生制度が現在ほど整っていなかった時代にやむを得ず退職した元職員を受け入れる狙いもあるということであります。  正規職員で3年以上の勤務経験があって、採用時に59歳以下が条件となっているということです。かつての勤務実績を考慮しまして、採用試験は論文と面接だけ、筆記試験は免除されるということでございます。  対象者は本当に限られるわけでございますけれども、やむを得ず退職せざるを得なかった人が人生のさまざまなステージで培った見識を再採用で県職員として県の業務に生かしてもらうことは検討に値するのではないかと考えますが、石井知事の所見をお伺いしたいと思います。 32 石井知事 委員から御紹介のありました広島県の事例では、女性活躍の推進に加えまして在職中に培った知識や技能を生かして即戦力として再活躍してもらうことなどを目的に平成29年度から、県の機関で3年以上勤務し結婚や出産、育児や介護などのやむを得ない事情により退職した者を再度職員として採用することにして、これまで4名の採用実績があります。  内容を見ますと全て女性で職種は保健師や心理などと伺っておりますけれども、職場の多忙化に対応できる即戦力の人材が確保できますなど、一定の成果があると伺っております。  県ではこれまでも仕事と育児、介護等との両立に向けまして、在宅型テレワーク、また、育児、介護のための早出、遅出勤務制度、また、男性の育児参加休暇や家族看護休暇など、特に女性のキャリアの継続を支援する制度等の充実を図ってきておりまして、まずは職員のライフスタイルに応じた多様で柔軟な働き方が可能な環境整備にしっかり取り組んでまいりたいと思います。  なお、本県でも結婚や育児、配偶者の転勤などの理由で定年前に退職した職員が現行の採用試験を再度受験して再び職員として勤務しているケースもございます。  県としましては、今ほど申し上げましたようにまず仕事と育児、介護等との両立が無理なくできる環境整備に努めまして、職員が働き続けられることが重要だと思っておりますけれども、獣医師や薬剤師など採用がなかなか難しい職種につきましては、今おっしゃったようなやり方も一定の効果が期待できる面もあるように思いますので、そうした職種について、委員から御紹介があった一度退職した元職員を再度採用する制度ついて、十分研究してまいりたいと思っております。 33 井上委員 ありがとうございます。そうですね、確かに職種によってやっぱり採用が難しい職種もありますので、どうか前向きに検討いただきたいと思います。  最後の質問になります。  公文書の管理について、お伺いをいたしたいと思います。  財務省の決裁文書改ざんなどが大変問題となりました。そんな中、全国の自治体が公文書管理の条例制定に動いているということが日経新聞の調査でわかったという報道がありました。全国で6つの都県が制定済みでありまして、15の道県が制定の準備や検討を進めるとのことであります。  職員のメモ類も意思決定の記録として残したり、文書の廃棄をするのに第三者の目を介したりと国の機関以上に厳しい独自ルールを課す動きもあると聞いております。  また、一般になじみの薄い公文書をわかりやすく公開する努力も求められるところであります。  本県におけるこの公文書管理の現状と条例制定も含めた今後の取り組みについて、経営管理部長の所見をお伺いします。 34 滝経営管理部長 国におきましては、財務省におきます決裁文書の改ざんなど公文書の管理に係る問題が相次いで発生したことを契機といたしまして、公文書の管理のあり方について関係閣僚会議において再発防止策が取りまとめられております。  その内容につきましては、コンプライアンス意識改革を促す取り組みの促進、電子的な行政文書管理の充実、また、決裁文書の管理のあり方の見直し、電子決裁システムへの移行の加速など、従来からの取り組みの強化が中心でございまして、公文書管理法の改正については見送られている現状と承知をしております。  また、委員からも御紹介がございましたけれども、全国の都道府県の対応でございますが愛媛県のほか、1都4県で公文書管理条例が制定されている状況にあると承知をしてございます。  一方で、本県におきます公文書の保管、保存や公文書館への移管につきましては、富山県文書管理規程で定められております。  その内容は、例えば保存期間については国のように1年未満のものはなく最低でも1年以上としておりますこと、また、職員のメモ類につきましても共用文書として適正な保存が義務づけられていることなど、国や他県と比較してみましてもより詳細な事項を規定し厳格な公文書管理を行ってございます。  公文書は健全な民主主義の根幹を支える県民共有の知的資源として利用されるべきものでございます。公文書を適正に管理していくことはそのような観点からも重要なことでございますので、まずは他県に比べても厳格な管理を義務づけております現行の県の文書管理規定の適切な運用を図りますとともに公文書の改ざん防止に有効な手段でもございます電子決裁の促進に取り組んでまいりたいと考えております。 35 井上委員 ありがとうございました。終わります。 36 宮本委員長 井上委員の質疑は以上で終了いたしました。        瘧師富士夫委員の質疑及び答弁 37 宮本委員長 瘧師委員。あなたの持ち時間は60分であります。 38 瘧師委員 おはようございます。  今定例会では何回も取り上げられて飽き飽きされておられるかもしれませんが、外国人材の受け入れについて質問を進めさせていただきたいと思います。  参議院は8日未明の本会議で、外国人労働者の受け入れ拡大をする改正出入国管理法を賛成多数で可決し成立いたしました。これで単純労働の分野においても外国人の受け入れの門戸が開かれたということであります。  国会では拙速である、議論が尽くされていない、などそういった批判もあり、確かに理解できるわけでありますが、そのような国会審議の進め方はともかくとしまして、少子高齢化などによる労働力不足が今の日本の大きな課題であるということは間違いないのであります。  県内企業においても人手不足で求人が追いつかない、人材確保のためには外国人に来てもらうしかないという声が聞こえてまいります。  現在日本の人口は1億2,680万人でありますが、内閣府の人口推移の試算では西暦2060年には9,000万人を切り今よりも3割減ってしまう、しかも、人口構成比が現在のままで減るのではなく、生産年齢人口と子供の人口が一方的に減少するということでありますので、こうした人口減少の流れが変わらないとした場合、私たちは子供や孫の世代の日本社会の経済基盤をどのように支えるのかということをみずからの責任を持って考えなければならないと思います。  日本は移民の受け入れを認めていませんが、実際のところ日本社会は既に外国人抜きには成り立たない社会になっています。この流れをとめることは難しく、こうなれば異なる文化や価値観を共有し新しい時代を切り開いていくために外国人を日本に生きる一員、仲間として受け入れる体制を整えなければならないと考えるものであります。  そこで、今定例会では何回も取り上げられておりますが、改めて1993年に導入された外国人技能実習制度について伺います。  本来、他国に日本の技術、技能を学んでもらうことを目的につくられた制度でありますが、農業や漁業など多くの業種、71業種が対象になっており、外国人の労働力を当てにする面は否めないところです。  実習生の中には苛酷な条件で働かされていた、失踪者が後を絶たないなど、そんなケースばかり強調されて制度全体のイメージがことさら悪く伝わっております。昨年11月施行の技能実習法では受け入れ先に対する監督が強化されましたが、県はこれまでの外国人技能実習制度の取り組みをどのように評価されておられるのか、伍嶋商工労働部長に伺います。 39 伍嶋商工労働部長 技能実習制度は、途上国への技能移転や人材育成を目的とする制度であり、平成29年度末時点では全国に約27万人在留されておりまして、県内の技能実習生は平成24年度の3,369名から平成29年度では4,906名へと増加するなど制度として定着しているものと考えております。  県内企業からは海外への事業展開に際しまして、技能実習を終了して帰国された方に活躍していただいていることやまた、現地法人に採用された方が製造現場の中心となって活躍しているなど、評価の声を聞いております。  一方、技能実習生の就業実態等につきましては、平成29年度における中部地区6県の実習実施機関への監督結果では労働基準関係法令違反として、これは日本人労働者に係る違反も含まれるものでありますが、長時間労働が487件、賃金不払いが279件、最低賃金違反が28件認められておりまして、適切な労働環境へと改善すべき課題もあるのではないかと考えております。  このため、国においては本制度の趣旨を徹底するため、委員御指摘のとおり昨年11月に技能実習法が制定をされたところでありまして、実習生に対する人権侵害行為について禁止、罰則規定が整備されたほか、新たに創設されました外国人技能実習機構において技能実習計画の認定や監理団体等の許可のための調査、また、実習機能の定期的な実地検査を実施するとともに実習生に対する相談、援助業務を行うなど、管理監督体制の強化とあわせて実習生の保護が図られることとされたところであります。  県としては、これまでも技能実習制度の本来の趣旨に沿って、その研修効果を高めるため、技能向上研修や県内の受け入れ企業におけますすぐれた取り組みを紹介するための事例集の作成やセミナーの開催など支援を行ってきたところであります。  今後、昨年度の国等による見直しを踏まえまして、本制度の指導監督権限を有する労働局を初め関係機関と連携、情報共有しながら技能実習生の円滑な技能習得が実施されるよう適切な支援を講じてまいりたいと考えております。 40 瘧師委員 ありがとうございます。  今ほどの話のように、大変有効に活用されている企業もたくさんあるわけでございますが、報道では実習生の失踪という外国人技能実習制度の負の部分が取り上げられております。  失踪者を出してしまう背景には幾つかあるわけでありますが、最も悪いのは日本人がやらないような苛酷な労働を実習生に強いる、そういったケースはやはり非難されるべきでありまして、監督をしっかり強化していただきたいなということでありますけれども、ほかに実習生が母国で背負った借金、主に仕事をあっせんする仲介人に支払われるお金でありまして、その額が結構大きいわけですが、そういった借金を返すことができず、より単価のいい仕事を求めて失踪するケースもあります。  もう一つは、日本語をうまく話せないことも原因とされています。  実習生には定期的に実技、学科試験が義務づけられており、ある程度の日本語の読み書きができなければなりません。その試験に合格しないと在留資格が更新されない、最終的に合格できなければ、その時点で帰国、もしくは失踪してしまうわけであります。  砺波市で早くから外国人技能実習制度を導入されている事業所数社では、実習生の生活面のケアに配慮するとともに、資源ごみの回収等の地域活動に参加させるなど、実習生が閉鎖的な環境に置かれないようにストレスなく働ける環境づくりに頑張っておられる経営者ばかりでございます。  このようにまず受け入れ先である事業者の企業努力は不可欠でありますが、実習生を1人の住民として地域で受け入れ、本県での生活を充実したものにするためには、日本語教育の研修や相談窓口の設置など地域社会でも支援していく必要があると考えますが、商工労働部長に伺います。 41 伍嶋商工労働部長 外国人技能実習制度を通じまして実習生が技能を身につけるとともに富山県において充実した生活を送り、将来県と自国を結ぶかけ橋として活躍いただきたいと考えております。  そのためには、委員御指摘のとおり職場や日常生活で同僚や地域住民と円滑なコミュニケーションが図られるよう、日本語能力の向上やトラブル等に対応する相談体制の充実を図ることが重要であると考えております。
     技能実習生は来日前に現地の日本語学校等で勉強しておりまして、一定程度の日本語能力を有していると考えておりますけれども、実習期間中の職業生活や地域社会での日常生活がより充実したものになるためには日本語能力のさらなる向上が望ましいことから、県では監理団体等が行います日本語研修に対して助成をしてきたところでありまして、引き続き必要な支援を行ってまいりたいと考えております。  また、技能実習生のトラブル等に関する相談体制につきましては、受け入れの監理団体等における母国語による相談体制の整備や昨年11月の技能実習制度の改正によりまして外国人技能実習機構において8か国語に対応した電話、電子メール、手紙などさまざまな方法で相談を行える窓口が設置されるなど体制強化が図られております。  県としましては現在策定を進めております外国人材活躍・多文化共生推進プラン、仮称でありますけれども、このプランにおきまして地域におけるコミュニケーションへの支援やあるいは生活支援への充実などについて検討しておりまして、今後アンケートやヒアリングも行うこととしております。  これらの調査結果や国において年内に取りまとめられる外国人材の受け入れ、共生のための総合的対応策も踏まえながら技能実習生等の地域社会における支援について検討してまいりたいと考えております。 42 瘧師委員 どうか前向きに検討いただきたいと思っております。  先日、テレビで韓国の外国人受け入れ制度について紹介する報道がございました。見ていますと韓国は日本の相当先を行っているなという印象を受けました。  韓国の制度というのは、日本の制度のような国際貢献を建前としているのではなくて、ストレートに単純労働者も受け入れているわけでありまして、入国後にはしっかりと国が管理をして、語学研修や技能研修を国の委託する機関がやっておりまして、また、いろんな相談に乗る支援センターも地域の各地区に設置しているということでありました。報道を見ていますと、日本の体制では本当に将来的には外国人が日本を選ばなくなるのではないか、そんな心配もするわけでありまして、今回の改正出入国管理法は、その答えというのはやはり外国人に来てもらう、外国人材確保にあるのではないかなとそんなことを思うわけであります。  その実習生のほかにも定住者、永住者あるいは留学ビザで在留してアルバイトをしているなど、さまざまな経緯で日本に来ている外国人をまちでよく見かけるようになりました。  今回の改正出入国管理法の成立により在留外国人のさらなる増加は間違いないわけでありますが、今後、経済効果が期待される訪日外国人の増加も考え合わせますと、医療機関を受診する外国人がこれまで以上に増えると予想します。  富山県立中央病院では、外国人の受診に対して窓口に英語版の診療申込書を設置したり、病院内の施設等に英語表記をしておりますけれども、その程度ではちょっと足りなくなってくるのではないかな、医師や看護師と外国人患者の意思疎通に問題が生じないように外国人患者と医療従事者のコミュニケーションを手助けする医療通訳者の育成をするなど、今後はもっと踏み込んだ取り組みが必要と考えますが、前田厚生部長の所見を伺います。 43 前田厚生部長 県内の病院では外国人患者の受け入れ体制の整備が進められておりまして、観光庁が取りまとめております訪日外国人旅行者の受入可能な医療機関として現在6病院が登録されておりまして、今年度中にさらに診療所の追加も予定をされているところでございます。  また、1病院が外国人患者受入れ医療機関認証制度の認証を受けているところでもございます。さらに県ではとやま医療情報ガイドのホームページにおきまして、何らかの外国語対応が可能である医療機関として合計76病院の情報を提供しております。  また、市町村ではホームページや冊子等で多言語表記によりまして医療機関や受診方法の紹介などを行っているところでございます。  また、御指摘いただきました医療通訳者につきましては、現在高岡市民病院におけるポルトガル語の通訳者や、県立中央病院等においては通訳が必要な場合にはとやま国際センター国際交流人材バンクからの通訳者の派遣等の対応がなされているところでございます。医療通訳のあり方につきましては、現在国の検討会、まさにこの11月に第1回が開催されたところでございますが、通訳者の配置、電話通訳、タブレット使用といった各通訳手法の役割分担や整備方針のほか、通訳者の養成、確保、配置の考え方について議論が開始をされたところでございます。  県としては、そういった国の動きを注視しながら市町村や医療機関等と連携しまして、外国人患者の受け入れ体制の充実を推進してまいりたいと考えております。 44 瘧師委員 それでは、これからは外国人の子供たちの教育について、話を進めさせていただきたいと思います。  定住外国人には当然家族があって、子供を日本で教育するケースが出てきます。この場合、外国人の子供たちに大きく立ちはだかるのは日本語という壁であります。  日本で生まれ、日本人と同じように段階を踏んでいけば特に問題はないわけですが、全く日本語が話せずに幼少期、少年期に日本の学校へ転入した子供にとって、学業や人間関係の問題を乗り越えることは容易ではありません。  1990年、日本は国内の労働力を確保するために入管法を改正し、結果、国内の外国人登録者数は20年余りの間に倍以上に膨れ上がりました。本県においても外国人登録者数及び小中学校における外国人児童生徒は右肩上がりを続けており、中でも日本語指導が必要な児童生徒は25年前に比べ約30倍の伸びを示しています。  このように親の就労の都合等で日本にやってきた外国人の子供たちのことを外国にルーツを持つ子供たちと呼ぶそうですが、この外国にルーツを持つ子供たちは望めば日本の学校に就学することができますが、義務教育の対象ではないため退学することもできます。  本県では不就学とならないように、特に問題が顕在化しやすい中学生を対象に教科指導、日本語指導を行っておられるボランティアの団体もございますが、やはり学校生活の中で孤立しないように学校現場への支援が必要であります。  県教育委員会の事業としては、日本語指導が必要な外国人児童生徒の教育環境を整備するために支援を必要とする学校に日本語指導教員を配置し、日本語指導、生活指導を行っておられます。また、日本語が堪能でない保護者に対しても母語で学校生活の進路に関する相談に対応する外国人相談員を配置して支援されておられます。  これらの取り組みというのは大変重要な取り組みと考えるものでありますが、この事業のこれまでの成果をどのように評価されておられるのか、渋谷教育長に伺います。 45 渋谷教育長 県教育委員会では日本語指導が必要な外国人児童生徒の教育環境を整備するため、国の加配を活用いたしまして本年度は支援を必要とする児童生徒の多い小中学校19校に日本語指導教員を各1名配置いたしまして、日本語指導や生活指導などを行っております。  また、児童生徒の通訳や母語で保護者の方々の学校生活、進路に関する相談に応じる外国人相談員を県単独で87の小中学校に配置いたしまして、個々の実態に応じてきめ細かく支援を行っておりますが、こうした相談員は北陸3県では本県のみ配置しております。  配置校からは日本語指導教員と外国人相談員が協力しその子に応じたきめ細かな指導や付き添い指導を行うことで日本語の習得において効果が上がった、母語を使って安心して相談に乗ってもらえることから保護者の学校生活や進路に関する悩み、不安の解消に役立っているなどの声が届いておりますので、日本語指導が必要な外国人児童生徒と保護者の方々にとりまして、一定の成果が上がっているのではないかと考えております。 46 瘧師委員 今ほどは一定の成果が上がっているという評価ではございしたが、私はその日本語指導教員の方──この方は外国人相談員の役職もやっておられますけれども、その方にお話を聞きました。  この事業の中身は乏しいのではないかと辛辣な自己評価でありました。まず、この事業を運営すべき予算措置が不十分ではないか、賃金が安いということをまず言っておられましたけれども、また、指導員同士でいわゆる意見交換の場もないということで、スキルアップするそういう場がない。また、語学にはたけておられても、いわゆる日本語教育には通じていない人も結構いらっしゃるのではないかということで、今後を見据えた場合、人員的な不足、指導員、相談員の養成の場も不足という話を聞いたところであります。  もっと量的、そして、質的な改善が必要だと私は思ったわけでありますが、そのへんのところの教育長の所見を伺いたいと思います。 47 渋谷教育長 県教育委員会では今ほど申し上げました日本語指導教員、これは常勤の教員でありまして、給与が支払われている方々です。この教員と外国人相談員を配置しておりますが、市町村教育委員会におきましても独自に児童生徒を支援する日本語指導講師、保護者の方々を支援する外国語支援員、外国人相談員などを配置しておりまして、各地域の実情に応じて賃金や対応時間などを定めております。  県が配置しております外国人相談員の賃金は時給1,500円で交通費も支給しております。この賃金は県が任用しております非常勤職員の賃金と比べましても廉価なものではありません。  配置時間につきましては週1回4時間を基本としておりますが、児童生徒の状況に応じて弾力的に配置時間を設定しております。また、いずれの相談員も相談記録を作成しております。さらにこの相談員には保護者対応などの経験が豊富で外国人を支援されている方々とのネットワークをお持ちの方を任用しておりますので、御指摘の相談員間の情報交換の場やスキルアップ、養成の場は設けておりません。  御提案の日本語指導員、外国人相談員制度の改善につきましては、富山県外国人材活躍・多文化共生推進プラン、これは仮称でありますけれども、このプラン策定に向けたアンケートやヒアリングの結果なども踏まえまして適切に対処してまいりたいと考えております。 48 瘧師委員 いろいろと個人的に思いはあるだろうと思いますけれども、ひとつ指導教員がやりがいを持って活動できる環境の整備に御尽力いただきたいと思っております。  それでは、外国人生徒の高校進学について伺いたいと思いますが、外国人生徒が日本人生徒と対等に競争できる学力を身につけるには、まず高校に進学することが重要であります。  しかしながら、その進学率は低く、正確な統計はありませんが、全国平均で3割程度、富山県における外国人生徒の推定高校進学率は4割程度と私は伺っております。  日本人の子供たちの高校進学率は全日制で94.1%、定時制、通信制等の進学者を含めますと98.1%であります。やはり高校へ進学し、高校を卒業するということが将来へのステップということが言えるかなと思います。  外国人の子供たちも何とか日本語能力を身につけて教科を学習し高校進学にこぎつきたいところでありますが、文部科学省の調査結果によれば外国人生徒を含めた日本語教育が必要な公立高校生のうち、9.61%が昨年度に中退したということであります。  2016年度の全国の公立高校生の中退率は1.27%で、日本語教育が必要な生徒は7倍以上の割合で中退していたということになります。  外国人生徒の教育というものは高校進学後も順調にはなかなかいかないということであろうかなと思います。  そこで、本県の外国人高校生の状況をどのように把握されているのか、渋谷教育長に伺います。 49 渋谷教育長 国の調査によりますと、県内の高校における外国人生徒の在籍者数につきましては平成29年度におきまして県立、私立合わせて89名で県立高校には38名在籍しております。  委員御指摘の文部科学省の調査は、日本語指導が必要な生徒を対象としておりますが、県立高校には平成29年度に2名在籍しておりまして中退した生徒はおりません。なお、平成28年度は4名在籍しておりましたが、そのうち2名が中退しております。中退の理由は、1名は転居のためで、もう1名は高校に開設されております日本語の授業を受講するために入学した生徒で、この授業を受講した時点で仕事に専念するため中退したとのことであります。 50 瘧師委員 それでは、その外国人生徒の高校進学の際に県教育委員会としてどのようなかかわりがあるかということでありますが、外国にルーツを持つ子供たちに対して、高校進学説明会を行う「進学プロジェクトin富山」実行委員会というのがございます。  平成20年に県内の外国籍の子供たちへの学習ボランティアを行う団体及び個人で発足されました。この実行委員会の関係者に高校進学説明会の事業の収支決算を見せてもらいましたが、事業収入は県内の日本語学校の協賛金と学習ボランティア団体の負担金のみで、支出の足りない分は世話人が自腹を切っているということでございました。後援団体の中に富山県教育委員会も名を連ねており、県庁しごと談義として県教育委員会も参加されております。  県内の外国人登録者数が年々増える中で、多文化共生社会の推進を牽引していくべき県が民間にこの説明会をずっと委ね続けるのは適切ではないのではないかと思います。外国にルーツを持つ子供たちに対する高校進学説明会は、今後は県が主催すべきと考えますが、教育長に所見を伺います。 51 渋谷教育長 中学校では高校進学に向け、生徒と保護者にその意義や入学者選抜制度などを周知しております。こうした中、中学校から外国籍の生徒と保護者には日本語の資料や説明だけでは十分に伝わらないこともあるとの声が寄せられましたので、県教育委員会では平成23年度に5つの言語で高校進学の意義や進路選択の心構え、入学者選抜制度などを説明したパンフレットを作成いたしまして、各中学校に配布しております。  また、同時にパンフレットの内容を伝える動画も作成いたしまして、そのDVDを市町村教育委員会に配布しております。さらに御要望があれば直接出向きパンフレットやDVDを用いて説明することとしております。  委員からお話のありました高校進学説明会には、御要望に基づき県の職員が参加しておりますし、また、市町村教育委員会の協力を得まして無償で会場を提供しております。  この高校進学説明会を県が主催すべきとの御提案につきましては、先ほどお答えいたしました日本語指導員などの制度と同様に富山県外国人材活躍・多文化共生推進プラン、これは仮称ですけれども、このプラン策定に向けたアンケートやヒアリングの結果なども踏まえまして、適切に対処してまいりたいと考えております。 52 瘧師委員 ぜひ前向きに検討いただきたいと思っております。  外国籍の子供たちには先ほど言いましたように義務教育の対象ではないという問題もありまして、中学校で退学するケースもあるのかもしれませんし、また、高校進学も断念する、あるいは高校へ進学してもまた退学するというようなことでありまして、そういった子供たちが今後増えてくるのではないかなという心配もあるわけであります。日本語の壁を乗り越えられずに学業継続を断念して社会に出て、その厳しさを身にしみて感じて、これはやっぱり勉強しないといけないなということで学業へ復帰を望む外国人の再チャレンジの場ということを考えなければいけないのかなということを私は思います。  現実には学齢期を過ぎてから中卒の資格を得るために学ぶことのできる夜間中学は富山県にはありません。また、独自の勉強で中学卒業程度の試験に合格して高校へ入学したとしても、一部の私立高校を除き、県内には外国人生徒のための日本語指導等の支援を行う学校はほとんどありません。  では、そうした子供たちは本国に帰ればいいと思われるかもしれませんが、多くの子供たちは日本で育ってきたということもあって、帰っても本国で同じ環境にさらされるわけでありまして、日本よりも雇用環境の悪い国であれば明るい展望がイメージできないわけであります。  やはりそこは富山県に住む1人の人間として彼らを尊び、自尊心を傷つけることなく、よい方向に導くことが必要ではないかと考えます。  学齢期を過ぎた外国人が学業へ復帰できる再チャレンジの場を確保する必要があると考えますが、教育長に伺います。 53 渋谷教育長 教育機会確保法では学校における就学の機会が提供されないまま学齢期を経過した者のうち、学び直しを希望する者に対し地方公共団体は夜間中学などの就学の機会を提供することとされております。  この夜間中学につきましては、現在、教育機会確保法が施行される前から設置されております8都府県の31校におきまして学齢期に学べなかった高齢者の方々や不登校で十分な教育を受けられないまま学校を卒業した方、外国籍の方などが学んでおられます。  県内の学び直しのニーズにつきましては国の調査などによりますといずれの市町村におきましても平成26年度から現在まで住民の方から夜間中学に関する問い合わせはなく、また、夜間中学の設置促進に関する市町村への要望や議会への請願もないとのことであります。  夜間中学は一般的に中学校において昼間と夜間の2部授業を行うものでありますので、まずは市町村で検討されるべきものと考えておりますが、本年の2月議会で学び直しのニーズを調査すべきとの御提案をいただきましたので市町村教育委員会と調査について協議いたしました。  この協議におきましては、卒業を目指すなど明確なニーズ把握は難しい面もあり、慎重に検討する必要があるのではないかとの意見もありますので、引き続き市町村教育委員会と協議してまいります。 54 瘧師委員 まだまだ調査段階といいますか、それほどニーズがないというか、まだ富山県はそれほど外国籍の子供たちが多いほうではないというような、そんなところもあるのかと思いますけれども、これからは就労目的で来県する外国人が増えてきて、外国人の子供たちも増えてくるのではないかなと思います。  その子供たちは親の都合でやってきたわけでありまして、留学生のように自分の意思で選んで日本にやってきたというわけではないですが、しかし、このような外国人の子供たちの教育が日本の将来に大きな影響を与えるのではないかなということを思います。  なぜなら、外国人の子供たちが日本人の子供たちと対等に学力を身につけて日本社会の構成員に成長した場合は、これは日本の人口が増えたということと同じ効果が得られると考えられますし、また、逆にこういった言い方は適切ではないかもしれませんが、十分な教育が受けられず、職業に定着することなく低賃金で働き続けなければならなくなった場合は生活保護であったり、失業保険などの対象になりまして、社会コストを高めることになります。  本県では、県内の外国人住民を取り巻く環境が大きく変化している状況を踏まえまして、多文化共生推進プランの大幅な見直しの作業に取りかかっておられますが、外国人の子供に対する適切かつ必要な日本語教育プログラムを整えるなど教育現場における外国人の子供の受け入れ体制の整備を重要施策として位置づけられるようにお願いしたいものであります。石井知事の所見を伺います。 55 石井知事 外国人の子供たちについても富山県に対する愛着を持っていただいて、将来、地域を担う人材として住民の皆さんとともに大いに活性化に貢献していただくことは大変望ましいと考えていますし、また、こういった方が成長して我が国や富山県と母国のかけ橋となる、そういうグローバル人材としても活躍していただく、そのためには日本語教育など教育への支援が大変重要だと思っております。  現在策定中の富山県外国人材活躍・多文化共生推進プラン(仮称)では、地域におけるコミュニケーションの支援や生活支援の充実──これは外国人留学生の奨学金支給や国民健康保険加入助成など、現状でも一定のものがありますけれども、また、多文化共生の地域づくりといったこれまでの取り組みに加えまして、教育、特に外国人児童生徒等に対する教育に関する支援を新たに追加いたしまして、外国人児童生徒等への日本語指導教員の配置などの教育の充実に関する支援や、外国籍を有する者への県立高校受験での配慮など進学に関する支援についても検討を進めております。  これまでも外国人児童生徒等への日本語指導教員等の配置や、小中学校教員を対象とした外国人児童生徒教育実践講座の実施などに取り組んでまいりましたけれども、今回のプランの策定に当たりましては外国人児童生徒の保護者等を対象とするアンケート調査──外国人児童生徒の保護者500人、そのほか県内在住留学生500人、県内在住技能実習生1,500人、合わせて2,500人ぐらいのアンケート調査を予定しており、また、外国人児童生徒がいらっしゃる小中学校などを対象にヒアリングも行って、外国人児童生徒を取り巻く現状や課題をしっかり把握いたします。  富山県外国人材活躍・多文化共生推進プラン策定委員会において、丁寧に議論をいただき、また、基礎的な教育等については市町村が小中学校については管理されておりますから、市町村と協議して、県と市町村、NPO法人等の民間団体が役割分担しながら外国人児童等への教育の支援にしっかり取り組んでまいりたい、このように思っております。 56 瘧師委員 ひとつしっかりと推進をしていただきたいと思っております。  それでは、次に安全・安心の観点から、警察本部長に何点か伺いたいと思います。  まず、あおり運転について伺います。  1年前に起きました東名高速道路での死亡事故の裁判員裁判が注目をされております。また、高速道路におけるあおり運転が全国的に急増しているという報道もございました。ことしに入って1万件を超えたという報道もございました。  取り締まりが厳しくなって露見するケースが多くなったのかもしれませんが、大変不愉快な行為であります。欲求不満が高じてストレスのはけ口としているのか、スピードの出る車に乗っている優越感がそうさせるのか、ふだんはおとなしい人がハンドルを握ると豹変してしまうと、そういった方もいらっしゃるわけでありまして、そういう行動に出る深層心理はよくわかりませんが、場所が高速道路だけに重大事故を誘発させやすく、まさに車は走る凶器ということになります。  高齢ドライバーの急増に伴い、高齢ドライバーに配慮した思いやり運転を心がけるべき時代に逆行する行為であり、身勝手なこの行為を厳重に取り締まるべきと考えますが、本県管内の高速道路でのあおり運転の状況とその対策について、山田警察本部長に伺います。 57 山田警察本部長 御指摘のようにあおり運転に関しましては110番通報が増加するなど、県民の関心が高まっている状況にあります。  このあおり運転につきましては、重大な交通事故につながる悪質、危険な行為でありまして、例えば前方を走行する車両との車間距離を極端に詰めて接近したり、不必要な急ブレーキ、幅寄せ等の妨害行為をすることを言いまして、高速道路上では特に車間距離の保持義務違反を重点に取り締まりを強化しているところであります。  このように取り締まりを強化し、またパンフレットの配布などの広報活動を実施しているところでありますが、高速道路上における車間距離不保持の検挙件数は今年11月末で32件、検挙しております。  また、高速道路においてはあおり運転等の危険、悪質な運転行為に起因する交通事故の発生は現在のところは把握していないというところでございます。  県警察では引き続き道路管理者、関係機関団体と連携して高速道路の安全な利用、また、思いやり運転、110番通報の活用等に関する広報、啓発を行うとともにあおり運転等の悪質、危険な運転の指導、取り締まりを強化してまいりたいというふうに考えております。 58 瘧師委員 以前、私もあおり運転を受けた経験がございまして、今振り返ればあれがあおり運転だったのではないかなと思う程度なんですが、私が追い越し車線に入りましたら、後続の追い越し車線を走ってきた車の前を遮ったというようなことになりまして、何か私があおり運転を起こしたようなことになったのかなと思うのですが、その後、ずーっと追いかけてまいりまして、そうしますとだんだんと何かこちらのほうまで恐怖といいますか、パニック状態になってしまう。  ですから、そういう状況になるんだよというようなことを例えば免許をとられるときの教習所あたりで教えていただくこともいいのではないかなと思います。  それから、次に、コンビニエンスストアの駐車場における駐留監視活動について伺います。  コンビニエンスストアは人が入りやすい立地的条件のよい場所で交通のかなめに位置していることが多く、警察の駐留監視に最も効果的な場所と考えます。  岩手県警はこの秋の交通安全運動期間中にコンビニエンスストア駐車場でパトカーや白バイの駐留監視活動を行いました。1カ所にとどまって声かけ指導などを行うこの活動は、47都道府県で初の県内全域での組織的な取り組みでありまして、交通安全啓発や地域の犯罪抑止効果を期待したものでありました。  コンビニエンスストア自体、24時間、人が行き交う場所だけに、万引き等の犯罪が起きやすく、また、駐車場での車同士の接触事故も起こりやすい場所であります。  富山県警察においてもコンビニエンスストア駐車場を交通安全、犯罪抑止拠点にする取り組みを強化すべきと考えますが、警察本部長に所見を伺います。 59 山田警察本部長 コンビニエンスストア駐車場における警戒活動についてお答えを申し上げます。  県内における交通人身事故につきましては、交差点やその付近での出会い頭の事故や追突事故などが5割以上を占めていることから、交差点における取り締まり、交通監視が交通事故防止上重要であると考えております。  また、パトカー等の機動力を生かしたいわゆる見せる警戒活動、特に主要交差点や幹線道路における駐留警戒も効果的であると考えております。  主要交差点や幹線道路におきましては、パトカー等が駐留する場所が限られていることから、県警察ではコンビニエンスストアの管理者等の了解を得た上で店舗駐車場にパトカーを駐留させ、通行車両や歩行者などに対して見せる警戒を行ったり、警察官による店舗への立ち寄り、声かけ等の防犯活動を実施しているところであります。  現在、県警察では年末に向け体制を拡大いたしまして、交通指導取り締まりや犯罪抑止活動を強化しているところでありまして、引き続き小売り店の団体である富山県コンビニエンスストア等防犯協会などの御協力を得まして、交差点付近の駐車場を利用した交通事故防止や犯罪抑止活動にも取り組んでまいりたいと考えております。 60 瘧師委員 それでは、次に行方不明者の捜索事案について伺います。  認知症患者の徘回等による行方不明者の捜索事案が多発しています。近年、自分の感覚としては火災の発生件数を上回る勢いのように思うわけであります。  捜索に当たっては警察、消防署、消防団、地域の方々がそれぞれの役割と捜索区域を明確にするなど、遅滞なく連携することが重要であります。そのためには、日ごろから警察と消防が顔の見える関係を築き、相互にコミュニケーションしやすい雰囲気をつくる必要があると考えます。  砺波市では、砺波警察署と砺波消防署、それから、砺波市消防団が年に1回幹事役を交互にして意見交換会を行っておりますが、このように警察から消防関係機関等への積極的な歩み寄りが必要と考えますが、ここ数年の認知症にかかわる行方不明者数の推移とあわせて警察本部長に伺います。 61 山田警察本部長 県警察が届け出を受理した認知症またはその疑いによる行方不明者は平成25年が197人、平成26年が199人、平成27年が263人、平成28年が217人、昨年平成29年が195人と推移をしております。  認知症またはその疑いによる行方不明者は事件、事故に巻き込まれる危険性が高く、速やかに発見して身体の安全を確保する必要があることから、直ちに全国の警察に手配し捜索活動を行っております。  また、捜索活動におきましては道路事情を含め地元を熟知し、ノウハウを持っている消防署や消防団等との連携が極めて重要であると考えておりまして、状況に応じまして捜索活動の協力要請をしているところであります。  消防等との関係についてでありますが、これまでもお話にありましたとおり警察署単位での連絡会議の開催や防災訓練の合同実施といったことのほかに、特に交番、駐在所におきましては地域の祭礼行事などの際に一緒に会場周辺の交通整理やパトロールを行うなど、連携を図っているところでございます。
     県警察といたしましては、引き続き消防等と緊密に連携し地域の安全・安心を確保してまいりたいと考えております。 62 瘧師委員 その行方不明者の捜索においては犯罪捜査の初動捜査と同様にやはり早期に捜索の方針を固めることがやっぱり必要でございます。そこで、人間が持ち合わせていない警察犬の嗅覚が頼りになるわけであります。  本県では古くから嘱託警察犬制度のみで対応してこられましたが、6月定例会の答弁にあったように現在は11名の指導者と18頭の犬と過去の半数程度になっており、嘱託指導者の高齢化や危険な出動事案の対応を勘案すると警察官が伴って出動できる直轄警察犬の導入が有用であります。  直轄警察犬の導入には、訓練場等のインフラ整備や犬及び人材の育成など大きな課題があるわけでありますが、増加する警察犬出動事案に適切に対応するため、県警察として直轄警察犬の導入を決断する時期にきているのではないかと考えますが、警察本部長の所見を伺います。 63 山田警察本部長 本年における当県の嘱託警察犬の出動件数につきましては、既に11月末で134件、昨年の総件数と同数となっておりまして、特に高齢者の行方不明事案などにおける捜索救助活動が125件と過去最高となっていることからも今後も警察犬の必要性が一層高まってくるものと認識をしております。  御指摘の直轄警察犬の導入につきましては、土地、施設関係や犬の購入、管理、また人の運用、関係当局との協議など、そのノウハウに関する情報を収集した上での検討が必要であり、県警察としてはまず他県の状況について調査を行うこととし、ことし8月に昨年直轄警察犬を導入した秋田県警察を視察しております。  24時間対応可能な直轄警察犬の他県における活用事例を見ますと凶悪事件被疑者の検挙や、行方不明少年の発見保護事例といったものがあり、当県における嘱託警察犬指導者の高齢化、また、後継者の不足などを勘案すれば直轄警察犬の導入について検討すべきであると認識をしております。  今後とも他県への視察、調査を進めて当県への直轄警察犬導入に向けて必要となる施設、人材育成方策などを具体的に検討していきたいと考えております。 64 瘧師委員 ぜひ前向きに検討をいただきたいというふうに思っております。よろしくお願いします。ありがとうございました。  それでは、最後の質問でございまして、全国消防操法大会の成果について伺いたいと思います。  消防団員の夢の舞台である全国消防操法大会が10月19日、富山県広域消防防災センターで開催され、全国の精鋭たちが日ごろから訓練で培った技術を競い合いました。  記念すべき富山県開催の今大会におきまして、富山県代表として2部門に出場する機会を与えられた砺波市消防団といたしましては、済みません、自画自賛しています。出場することだけで大変光栄なことであり、恐縮をしていたところでございます。その一方で、開催県の代表であることに重圧もありましたが、庄下分団、栴檀山分団の両分団が持てる力を十分に出し切り、好成績をおさめることができました。何とか富山県消防の面目を保てたと団長として安堵しているところでございます。  大会運営に携わった多くの関係者の皆さん方に厚く御礼を申し上げますとともに、特に宮本団長率いる富山市消防団員には大変お世話になりました。  また、改めて本県開催の誘致に御尽力をいただきました高野富山県消防協会会長、石井知事を初め関係各位に深く感謝をいたします。  今大会を契機といたしまして県内消防関係者の士気がますます上がり、消防団員の確保や県民の防火意識の高揚につながるよう期待するものでありますが、今回の第26回全国消防操法大会の成果について、石井知事に伺います。 65 石井知事 第26回の全国消防操法大会には、選手、応援団を初め県内外から約1万3,000人の方が御来場されまして、都道府県代表のそれぞれ精鋭の消防団が競い合うことで消防技術の向上と士気の高揚を図り、地域防災力の向上に寄与する大変意義のある大会であったと考えております。  開催に御尽力、御協力いただきました消防庁や日本消防協会、県議会、また、高野会長さん初め県の消防協会、富山市、宮本団長初め富山市消防団や県下の消防職団員、関係の皆様に心から感謝申し上げたいと思います。  大会前日の激励交流会には選手、関係者のほか、ゲストもお招きして、その中には室井滋さんや登坂絵莉さんもおられましたけれども、鱒寿しの食べ比べや日本酒の飲み比べなど、富山の食をアピールしますとともに越中おわらや福光のもちつき太鼓など、本県の伝統芸能も披露し大変好評を博しました。  また、大会当日の防災・物産展では富山県の災害克服の歴史や出火率が27年連続全国最小など、日本一安全・安心な県をアピールしますとともに消防団員が生産した有機米やハト麦茶などの物産あるいは特産品の販売を行いますほか、ラーメンや白エビのから揚げなど飲食ブースや観光ブースを設けまして、富山の食や自然を大いにアピールできたところであります。  また、お話に出ましたが、本県代表の砺波市消防団、瘧師委員が団長をお務めでありますけれども2種目に出場して庄下分団が準優勝、栴檀山分団が優良賞を獲得されますなど、大変優秀な成果を上げていただいて、「富山県消防、ここにあり」ということで全国に大変アピールしていただいて大変うれしく感じております。  県ではこれまでも消防団の活性化に向けて市町村が行う消防団装備の充実や、団員の加入につながる環境整備に支援しますなどいろんな努力をしてまいりましたけれども、今大会を契機に消防団への理解がより深まりますように努力いたしまして、消防団員の確保や県民の防災意識の高揚につながりますように、市町村や関係機関と連携しましてしっかりと取り組んでまいります。 66 宮本委員長 瘧師委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時に再開いたします。                     午前11時58分休憩                     午後1時00分開議        海老克昌委員の質疑及び答弁 67 武田副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  海老委員。あなたの持ち時間は60分であります。 68 海老委員 皆さん、こんにちは。無所属の会の海老克昌でございます。お昼のトップバッターとして元気に、そして積極的に質問をしていきたいと思いますので、知事初め当局の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、まず初めに、とやまの未来創生について質問します。  とやまの未来を考えたとき、まず目の前にある問題は人口減少問題であります。人口ピラミッドの変化によってさまざまなところに問題が生じてくることが予想されますが、その問題をいかに最小限にし、効果的な事業を展開していくかが重要になってくるわけであります。  そのような中、県ではとやま未来創生戦略を策定し、人口減少を克服し、富山県の自然、文化、産業など、各地域の特色、強みを生かした持続可能で活力ある未来を創造するといった狙いのもと、4つの基本目標を軸にさまざまな施策を展開されています。  先日、12月5日には第3回の評価会議が開かれ、戦略として掲げた少子化対策や産業振興を初めとする130の施策の進みぐあいについて、55施策がおおむね順調、75施策が一層の推進が必要との評価案が示されたところであります。  おおむね順調とされた施策は、保育、子育てサービスの充実や、仕事と子育ての両立支援に向けた職場環境の整備、若者や女性のUIJターンの推進でありました。また、一層の推進が必要な施策としては、子育て家庭の経済的負担の軽減や企業の本社機能の移転の促進、国際観光の推進などが挙げられたとのことであります。  このように、地方創生推進交付金等を活用して達成度の高い施策も多いと考えますが、一方で効果が乏しい事業や取り組み効果がなかなかあらわれないものがあるなど、達成が難しい分野もあるのではないかと思うわけであります。  そこで、とやま未来創生戦略について、策定から3年経過し、毎年見直しが図られていますが、重要業績評価指標(KPI)の達成状況等をどのように評価しているのか、石井知事にお伺いいたします。 69 石井知事 とやま未来創生戦略におきましては、人口減少対策の大きな柱であります自然増対策と社会増対策がございますけれども、まず、自然増対策では、マリッジサポートセンターを通じた結婚支援、特別保育や放課後児童クラブの実施箇所数の大幅な増加、保育料の負担軽減など、安心して子どもを産み育てられる環境の充実や仕事と子育ての両立支援。また、社会増対策では、本県が誇りとしますものづくり産業や医薬品産業の一層の発展、世界に誇る本県の自然、文化のさらなる磨き上げ、これは世界で最も美しい湾クラブの総会や「立山黒部」世界ブランド化ですね。また、UIJターンや移住、定住の推進等に取り組んでまいりました。  こうしたことの結果、本県の合計特殊出生率は、平成18年には1.34まで低下しましたけれども、その後、平成27年に1.51、また、平成29年には1.55となってまいりました。  また、社会動態については、従来は流出が多かった若い世代での社会動態が改善いたしまして、世帯全体でも、平成18年から続いております転出超過が平成28年にはプラス226人、外国人を含めてですけれども、11年ぶりに転入超過となり、平成29年には358人、平成30年は、まだ速報値ですけれども、プラス519人と、3年連続の社会増となりますなど、成果があらわれつつあると考えております。  さる12月5日に開催しましたとやま未来創生戦略施策等評価会議におきましては、KPIについては、計画期間が残り2カ年となる中で、既に達成となったものは昨年より16施策増となりまして22指標となったと大きく増加しましたが、要努力の指標もやや増加しております。  また、130の施策の進捗状況については、55施策がおおむね順調で、75施策は、おおむね順調だが、より一層の推進が必要とされまして、さらなる重点的な推進が必要とされたものはなかったということであります。  また、施策の見直しの必要性については、130施策のうち114施策が見直し不要とされまして、要検討は16施策にとどまり、また、見直しが必要とされたものはございませんでした。  このように、評価会議では全体として順調との御評価をいただき、また、各委員から目標達成に向けた多岐にわたる貴重な御意見をいただきました。今後、外部有識者による評価会議によって、このような評価結果も含めて、とやま未来創造県民会議で御意見を伺いました上で、必要に応じて年度末に戦略の改訂を行う予定でありまして、国の地方創生交付金なども最大限に活用しながら、戦略に盛り込まれた施策を着実に推進し、当初の目標を達成できるように、また、少しでも目標に近づきますように努力してまいります。 70 海老委員 ありがとうございます。  おおむね全体的に順調に成果を上げてきていると私も思っております。ただ、要努力とされた中に、観光消費額であったり宿泊者数が目標値になかなかちょっと達していないというところがあります。そういったものは、富山湾のこれからの活用であったり、立山黒部の観光のさらなる魅力アップによって達成できると思っておりますが、ちょっと1つ気になったのは、とやまっ子子育て応援券の利用率が八十数%でありまして、これは、やはりどんなものに使えるのかということをしっかりと周知していただければ、間違いなく100%に近い数字まで持っていけると思っておりますので、また広報等々を使っていただけるように御尽力いただければと思います。よろしくお願いします。  続きまして、とやまの未来創生を語る上で避けて通れないのが、結婚、出産、子育ての願いがかなう環境の整備であります。結婚を希望する男女の出会いの場の提供とライフプラン教育の充実を図ることを目的としてとやまマリッジサポートセンターが設置され、4年が経過します。  先日の藤田委員の質問の答弁にもありましたが、登録者数は延べ1,600名で、紹介件数は1,337件、そのうち630組が成立し、47組が結婚に結びついたとのことであります。  また、さまざまなイベントを開催し、結婚に前向きになった方が増えたり、気軽に出会いの場に参加できるようなバーベキュー婚活など、参加者のニーズに合わせてさまざまな工夫もされているとのことでありました。  私もたびたびこの質問をさせていただいているわけでありますが、私は決して自分の相談をしているわけではなくて、県内の独身男性の意見を代表して申し上げているのであります。結婚にもちろん前向きでありますし、たまたま運命の相手に出会っていないだけであります。しかしながら、そうやって意地を張り続けるのもどうかなと思いますので、そろそろとやまマリッジサポートセンターの登録を考えてみようかなと思っております。  そこで、とやまマリッジサポートセンターが設置され4年が経過しましたが、この間の成果をどのように捉え、結婚支援システムの充実など、センターのさらなる効果的な運営に向けて今後どのように進めていくのか、蔵堀総合政策局長にお伺いをいたします。 71 蔵堀総合政策局長 とやまマリッジサポートセンターでございますけれども、開設いたしましてから約4年ほどを経過いたしております。御指摘いただきましたように、630組が交際に発展いたしまして、47組が御成婚されたということで報告もいただいているところでございます。  ただ、ここ一、二年は登録者数が横ばい傾向にあると、伸びていないということもございます。マリッジサポートセンターのPRをさらに強化しなければいけないと考えておりまして、また、マッチングの機会の増加や、成立したカップルへの支援強化といったことも必要だと考えております。  まず、会員を増やすためでございますが、県では、ことしの4月から富山のサテライト会場、県民会館でございますけれども、こちらにおきまして、週1回、夜間にサテライト業務を行うということをやっております。また、市町村でも出張登録会を開催するなど、センターの利便性の向上といったことも図ってまいっております。さらには、県の広報、テレビ、ラジオや公式のツイッターなどですが、こうしたものを使ったり、市町村の広報紙にも掲載をしていただいています。それから、タウン情報誌にも広告を掲載して周知にも努めているところでございます。  あと、このセンターの仕組みがやっぱり初めての方に少しわかりにくいということもありますので、動画を作成いたしまして、センターのホームページに載せる、これは年度内にしたいと思っていますけど、情報発信力の強化もしていきたいと思っております。  また、マッチングの機会を増やすということでございますけれども、今まではマッチングされる方が該当しそうな女性を自分で選び出して閲覧するという状態だったんですが、申し込みの履歴のデータから導き出して、あらかじめ数人のお薦めの相手を最初に見ていただけるような、そういうシステムの機能を追加したいと思っています。  また、マッチング後の支援の強化のために、お見合いサポーターの方の養成やスキルアップにも取り組んでまいりたいと思っております。  こうしたことにしっかり取り組みまして、結婚を希望する方々の支援に努めてまいりたいと思っております。ぜひ委員にも御登録をよろしくお願いしたいと思っています。 72 海老委員 ありがとうございました。  今ほど蔵堀局長がおっしゃったようなことをしっかりと広げていけば、間違いなく登録者数も増えると思いますし、現在、横ばい状況ということでありました。私も貢献できればと思いますので、よろしくお願いします。  私たち人間の平均寿命や健康寿命が延びる中、富山県では今後、超長寿社会を迎えることになります。そのために県では、人生100年時代ひとづくり構想会議を設置し、富山県の人づくりについて、キャリア教育、リカレント教育などの理念や具体的な方策を検討されています。  これまでに各分科会では提言、骨子案を検討し、親会では提言の取りまとめをされ、今後は新年度予算に反映していくというスケジュールになっていると伺っております。  そこで質問ですが、富山県における人生100年時代ひとづくり構想会議において現在議論が進められていますが、その方向性とスケジュールを踏まえて、今後、どのように施策に反映していこうと考えているのか、石井知事にお伺いをいたします。 73 石井知事 富山県における人生100年時代ひとづくり構想会議は、人生100年時代を見据えた富山県の人づくりについての理念や具体的な方策を検討し、提言として取りまとめていただくことにしております。  この会議では、これまでに5つの観点で議論していただいておりまして、1つには、自分自身で自分の人生を主体的に切り開いていく意思を持ち、自分の未来をつくり出す能力の育成、2つ目には、子供や若者がふるさとをよりどころとして地域や国際社会に貢献しようとする態度の育成、第3番目には、認知能力を伸ばしていくことに加えまして、意欲、協調性、課題解決力などの非認知能力やICTリテラシーなど、新たな時代に求められる能力を育成すること、第4に、誰もが何歳からでも何度でも学び直して、能力を高める機会と環境があること、第5番には、家庭、学校、地域、社会、産業界、行政機関が連携した人づくりに取り組むことについて御意見をいただいております。  現在、基本的な方向性や具体的な施策について検討を進めておりますが、主なものとしては、高等教育機関等の社会人向けの多様な学習プログラムの提供──例えば県立大学における社会人セミナーや民間開放事業の充実、また、働き方改革の機運の醸成や実践に向けた取り組みの推進、女性のライフイベントに応じた切れ目のないキャリア形成の支援、国等と連携した教育訓練休暇など、助成金制度の充実、活用の促進、人生100年時代におけるリカレント教育や生涯学習の重要性の発信、地域住民の皆さんが参加する地域課題の解決に向けた学びのモデル的な活動の支援等がございます。  また、会議にあわせて、県内企業及び従業員向けにリカレント教育等に関するニーズ調査を実施いたしましたところ、リカレント教育等に関する積極的な意見が、これは企業も従業員もそれぞれ8割という大変大きな比率で積極的な意見がありました。  今後、さらにこの会議で検討いただきまして、来年1月ごろには提言を取りまとめていただきたいと考えておりまして、その内容を速やかに実施すべきものについては平成31年度予算案に反映したいと考えております。 74 海老委員 ありがとうございました。  私たち現役世代であったり、また子供たちに対して、今後の生涯をイメージできるような、そういった施策になるように期待しておりますので、よろしくお願いします。  それでは、次に、人材確保対策等について3点質問します。  県では、人材確保対策について、さまざまな制度により支援を行っていますが、経営者の方に伺いますと、独自で努力をされていらっしゃる方が多く、県の支援制度の情報が十分に行き届いていないようであります。また、県の支援の中でも活用されている支援とそうでない支援があると思いますが、その要因は何なのか分析するとともに、企業から意見を聴取し、ニーズに合った実効性の高い取り組みを目指していくべきであると考えます。  そこで、県内中小企業の生産性向上や人手不足解消に向けた支援を効果的に行っていくべきと考えますが、県として今後どのように取り組んでいくのか、伍嶋商工労働部長にお伺いいたします。 75 伍嶋商工労働部長 県内の直近10カ月の有効求人倍率を見ますと1.9倍台と高い水準が続いておりまして、深刻な人手不足の状況にあります。委員御指摘のとおり、今後、県内の中小企業の生産性向上や人手不足解消に向けた支援を効果的に行っていく必要があると考えております。  県では、生産性向上への支援策といたしまして、具体例を挙げますと、昨年9月に富山県IoT推進コンソーシアムを設立いたしまして、例えば、IoT導入プランの策定手法を習得するためのワークショップの開催や、IoT機器の設置によります実証実験を行うほか、業務のカイゼンの意識定着を図ります研修等を実施してきているところであります。  また、資金面におきましても、IoT支援特別資金やIoTの導入モデル事業費補助金の創設によりまして、新技術の導入を後押ししております。このほか、国のいわゆるものづくり補助金やIT導入補助金についても積極的な活用を促進しているところであります。  また、人手不足解消に向けた支援策といたしましては、特に若者の人材確保対策として、学生等に対する就職セミナーや合同企業説明会の開催や、奨学金返還助成制度の新設等に加えまして、今年度より富山くらし・しごと支援センターの体制強化を図ったほか、就活女子応援カフェの拡充や、就職支援協定締結校と連携した取り組みによりましてUIJターンの就職を推進するということに取り組んでおります。  また、県外出身である県内学生の県内定着、いわゆるTターン等を推進するため、これまでも学食トレーでの企業PRを行ってまいりましたが、今年度、新たに県外出身のOB、OGとのTターンカフェの開催や、PR動画によるTターンキャンペーンの実施、また、学生みずからが企画したTターンバスツアーを実施し、現場で感じた企業の魅力などの発信を行うこととしております。  県ではこれまでも、県内企業の業界団体等を通じた広報やメール等での連絡、また、学生等へのダイレクトメールの送付、さらには、県のホームページやSNS、新聞等を活用した広報を行っているところでありますが、委員御指摘のとおり、事業者や参加者まで情報が行き渡り、事業の実効性が高まるよう、企業のニーズも踏まえながら、効果的な周知、広報に努めてまいりたいと考えております。 76 海老委員 ありがとうございました。  社会情勢はどんどん変化していきますので、利用される方々にとって利用しやすく、かつ効果的な事業を引き続き行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  続いて、人材確保の関連で事業承継についてお伺いいたします。  経済産業省の試算では、2025年には全国の6割以上の中小企業で経営者が70歳を超え、このうち後継者が決まっていない企業は127万社あると言われています。中小企業の廃業は産業基盤を弱めることから、経済の活性化のためにも後継者の確保や早目の事業の引き継ぎをする必要があると考えます。  また、利益が上がっていても、後継者がいないために廃業する企業も少なくなく、例えば若い世代に事業承継をしてもらう仕組みづくりも重要であり、これには大きな可能性もあるわけであります。事業承継を首都圏の若い世代に呼びかけ、地方に移住してもらうといった施策も視野に入れ、積極的かつ大胆な取り組みをしていく必要もあると考えます。  そこで、経営者の高齢化が進む中、県内中小企業の事業承継の現状や課題をどのように捉え、今後、国や新世紀産業機構等と連携した支援、普及啓発等、本県としてどのように取り組んでいくのか、伍嶋商工労働部長にお伺いいたします。 77 伍嶋商工労働部長 県が昨年度、60歳以上の経営者に行ったアンケート調査結果では、約4割の企業で後継者が決まっておらず、その理由としては、自分がしばらく代表を続けるため、まだ考えていないという回答が多く見られたところであります。  また、承継への準備期間について尋ねたところ、通常は5年から10年程度が必要とされておりますけれども、5年以内と考えているという回答が約66%も占めるなど、事業承継に対する取り組みへの意識が不足している状況が見られ、対応がおくれた場合には地域経済に深刻な影響を及ぼすことが懸念されるところであります。  このため、県では、経営者に早期の準備を促して、事業承継の機運を高めることを目的といたしまして、シンポジウムを本年8月に開催しましたほか、本年度から事業承継税制が抜本的に改正されたことに伴いまして、改正内容の周知や特例を受けるために必要な承継計画の認定などを行っているところであります。  また、後継者の確保を図るため、今年度は新世紀産業機構に設置しております事業引継ぎ支援センターの相談員を増員いたしますとともに、同センターの後継者人材バンクを活用いたしまして、後継者不在の事業主と創業を目指す起業家等とのマッチングや、富山くらし・しごと支援センターと連携しながら、県外からの移住希望者で創業に関心のある方への情報提供に取り組んでいるところであります。  さらに、6月に立ち上げました経済団体、金融機関などの71団体から成ります富山県事業承継ネットワークにおきまして事業承継診断を実施しておりまして、今年度は目標500件としていましたところ、11月末現在で872件の診断を終了しているところであります。  今後も引き続き事業承継診断を実施しながら、対応が特に必要な企業につきましては、承継コーディネーターが中心となりまして個別の診断を行うなど、きめ細かな対応を行っていくこととしております。  県としては、中小企業者の経営支援等を次世代へ確実に引き継ぎまして、また、事業承継を契機として、経営革新や事業転換を図り、企業価値を高めることによって、さらなる飛躍、発展につながりますよう、新世紀産業機構等とも連携しながら、円滑な事業承継への支援に積極的に取り組んでまいります。 78 海老委員 ありがとうございました。  探せば必ず自分が継ぎたいという若者だったり、いろんな方が多くいらっしゃると思いますし、また、そういった方に引き継ぎたいというような経営者の方々もいらっしゃると思いますので、うまくマッチングがかなうようにまた取り組んでいただければと思います。よろしくお願いします。  次に、人材確保において今後最も必要とされ、最も確保が厳しいと問題視されているのが介護人材の確保であります。介護関連の職種の有効求人倍率は、平成27年度の厚労省による雇用動向調査によりますと3.59倍であり、全職種の1.42倍を大きく上回っています。また、県内の介護福祉養成校への入学者数は、平成23年では144人で、定員に対する充足率は75.8%、平成27年では104人で、充足率は54.7%であり、今後の人材確保に大変厳しい状況であります。  県でも、元気とやま福祉人材確保・応援プロジェクト事業を実施し、人材の掘り起こし、人材教育、人材確保、人材の定着と4本立てで取り組んでおられます。毎年、新規事業や拡充事業など、さまざまな取り組みを実施されていますが、介護人材の求人倍率も高く推移し、人材不足に拍車がかかっています。効果的な取り組みとそうでないものをしっかりと見きわめ、めり張りをつけて対応していくべきであると考えます。  そこで、介護人材確保について、県では元気とやま福祉人材確保・応援プロジェクト事業により多様な取り組みを実施していますが、事業の成果をどのように捉えているのか、前田厚生部長にお伺いいたします。
    79 前田厚生部長 介護人材確保につきましては、県福祉人材確保対策会議の構成団体と連携しながら、掘り起こし、教育・養成、確保、定着を4本柱といたしまして、若者等への介護の魅力のPRや就労支援や職場定着支援など、さまざまな施策を実施してきております。  こうした取り組みの結果、最近5年間で介護職員は約3,300名増加をしておりますが、県内におきまして人手不足感、直近の平成30年10月の有効求人倍率でいえば、一般職種が1.93倍に対しまして、介護関連職種は5.05倍という状況にもございますので、人材確保が厳しくなっている中、2016年度から2025年度までにさらに4,600人確保する必要がありますことから、より一層取り組みが必要と考えております。  県では今年度、介護職の負担軽減効果は高いのですけれども、高額なのでなかなか普及が進んでいないと言われております移乗支援型の介護ロボットを複数台導入して、ユニット単位でロボットを活用するなど、職場全体で環境改善に取り組む事業者に対する支援を大幅に拡充しますとともに、腰痛予防研修というのもやっておりますが、職場を離れて研修に参加することが難しいという御意見もいただきましたので、指導者を事業所に派遣いたします出前講座を新たに実施しますなど、事業の拡充を行っております。  さらに、高校生を対象としましたインターンシップや中高生向けタブロイド誌への介護の魅力のPR記事の掲載や、離職した介護職員に介護職場へ再就職していただけるよう、潜在介護福祉士等に対する復職支援を新規に実施いたしますなど、事業効果を踏まえまして、関係の皆さんの御意見をいただきながら取り組んできたところでございます。  今後とも、必要に応じ事業内容の見直しを行いながら、市町村や関係団体と連携しながら、しっかりと介護人材の確保に努めてまいります。 80 海老委員 ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。  とやまの未来創生において、10年後、20年後の未来の目標を語り、その実現に向けて取り組んでいくのはやはり若い世代であり、その中心を担っていくのは若手事業者の方々であると考えます。事業者は、今の事業を伸ばしていくとともに、新たな事業展開も視野に入れておられます。県内にある問題や課題を把握してもらうことで新たな事業展開を実施し、それらを解決することによって利益を得てもらう体制が構築できれば、全てがよい方向へ進むわけであります。  そのような中、11月21日にはとやまの未来を創造する若手事業者懇話会の第1回が開催されたとのことであります。この懇話会では、産業、経済、地方創生等の課題など、扱うテーマも幅広く、参加されている方々の名前を拝見すると、さまざまな分野の経営者で構成されており、この懇話会から富山を熱くする新たな取り組みがスタートしそうな予感がして、大変楽しみにしているわけであります。  そこで質問ですが、先般、とやまの未来を創造する若手事業者懇話会が設置され、議論が始まったところでありますが、どのような成果を目指して実施しているのか、石井知事にお伺いいたします。 81 石井知事 かねてから、とやまの未来創造に当たっては、次の時代を担う若い皆さんが、現在も各分野で頑張っていただいておりますけれども、さらに主体性を持って研さんを積み重ねながら切磋琢磨して、さまざまな分野、地域でチャレンジしていただいて、行政がそのチャレンジをサポートしていく、そういう機会や仕組みをつくっていくことが必要ではないかと考えております。  そこで、とやまの未来を創造する若手事業者懇話会では、若手事業者の皆さんから、ものづくり産業における新たな成長分野への進出、あるいは観光振興と地域づくり、農商工連携、商業・サービス業の活性化などの幅広い分野につきまして、現在の事業展開に関する取り組み状況や課題、県政への提案などをいただきますとともに、各界を代表するアドバイザーの方々からの御意見も伺いながら、とやまの未来創造に向けて取り組むべき方向性を議論いただくこととしております。  去る11月21日に開催しました第1回の懇話会では、観光・地域づくりをテーマに、若手事業者11名、アドバイザー5名に参加いただきました。若手事業者の皆様からは、例えば、氷見市の耕作放棄地や中山間地域で農園やワイナリー、オーベルジュを運営している、そして、今後、農園を拡大して雇用を確保して、地域の活性化を目指したい。八尾町で町屋を改修したゲストハウスを運営し、まちづくりに取り組んでいるが、車移動の外国人観光客が増加していることも踏まえて、駐車場の整備や位置の広域マップ化をお願いしたい。また、南砺市井波で、古民家を改修した宿に泊まりながら職人に弟子入りし、食事や買い物は町で消費する新たな旅の形を提案している、などの御意見をいただきまして、11名の皆さんいずれの取り組みも大変意欲的ですばらしく、また、斬新な発想で地域の魅力を引き出していらっしゃる、大変心強く感じております。  今後、第2回を今週、12月13日に、第3回を来年の1月にそれぞれ開催することにいたしておりますけれども、この懇話会を一過性にすることなく、引き続き若い皆さんの取り組みをフォローしていくことはもちろんですけれども、この機会に若手事業者同士や、また、アドバイザーの方々とのネットワークが生まれまして、お互いにいい意味で競い合って切磋琢磨することによって、富山県の新たな発展、飛躍につながるように、また、いただいた県政への御提案をできるだけ前向きに生かしまして、必要な支援も行いますなど、適切に対応してまいりたいと思っております。 82 海老委員 ありがとうございました。  ぜひ今後も活発な意見が交換されて、斬新なアイデアが生まれて、それが県の施策であったり、いろんな事業に反映されることを祈っております。よろしくお願いします。  次に、県民公園新港の森について質問します。  この県民公園新港の森は、昭和58年に新港臨海工業地帯からの公害を防止するとともに、地域住民に緑豊かな潤いの場を提供するために造成された緩衝緑地で、場所は射水市の作道地内にあります。園内の施設としては、野球場、庭球場、サッカーの試合や陸上競技ができるスポーツ広場があります。  私自身、小さいころに親に芝生広場に連れていってもらい、一緒に遊んだ記憶であったり、学生時代に取り組んでいた野球と陸上競技の思い出がたくさん詰まっている思い入れのある公園であります。小学校、中学校、高校と野球をしておりまして、大体、大会になれば、この野球場を利用して、仲間と汗をかいたり涙を流したりした場所であります。  また、スポーツ広場においては、市の連合運動会であったり、県駅伝の選考大会であったり、そういったものが開催されて、当時、好意を寄せていた女性から、海老君、頑張れといった声をかけてもらって、実力以上の力を発揮して、大変いい成績も残したりした場所であります。また、その後、恋に発展したり、大変甘酸っぱい記憶もある、そういった本当に思い入れのある場所であります。  これは私に限らず、この地域にいらっしゃる方々が皆さん、小さいころから利用されてきて、親しまれている場所でありますので、ぜひ何かしらの対策だったり、これからもいろいろと取り組みをしていただきたいと思うわけであります。  そんな公園でありますが、最近では利用者が減少してきているのではないかと思うわけであります。あれだけ広い公園で、施設もあって、子供からお年寄りまで楽しむことができる公園でありますので、設置市とも協力しながら、より一層の活用を期待するものであります。  そこで、野球場やスポーツ広場などの施設を備えた広大な公園でありますが、利用状況の推移をどう認識し、一層の利用促進のため、どのように工夫をし、取り組んでいこうと考えていらっしゃるのか、生活環境文化部長にお伺いいたします。 83 須河生活環境文化部長 県民公園新港の森につきましては、今ほど御紹介いただきましたように、緩衝緑地として昭和58年7月にオープンしております。約25ヘクタールの広さを持つ公園の敷地内には、今ほど御紹介をいただきましたスポーツ施設のほかに、無料のパークゴルフ練習場やスロープ広場、また、薬草園などが整備されておりまして、所在しております射水市、高岡市を初め、県民の皆さんの憩いの場として幅広い年齢層の方々に利用されております。  お尋ねの新港の森の利用状況でございますが、有料スポーツ施設以外の利用者も含めた利用状況を御紹介いたしますと、過去5年間の年間当たり延べ利用人数は約12万人で推移しておりまして、ほぼ横ばいとなっております。  この新港の森の利用促進を図りますため、指定管理者である公益財団法人富山県民福祉公園におきましてはいろいろ工夫をいただいておりまして、これまで四季の観察会の開催など自然教育の機会の提供や、ウオーキングコースなど日常的な健康づくりの場の設定、また、幼児サッカー教室の開催など子育て世代の支援などを実施してきております。  今年度は新たに、親子や家族など幅広い世代を対象に、11月には園内の木の実などを使って飾り炭焼き体験会を開催いたしましたほか、冬期間閉鎖をいたします野球場の外野芝生を幼児に開放する原っぱ幼稚園といった事業などを実施することとしております。  今後とも、来園者の皆様の御意見もお聞きしながら、指定管理者とともに一層の利用促進が図られるように努めてまいります。 84 海老委員 ありがとうございます。  この新港の森の利用状況についての推移のデータもいただきました。全体で見ると、大体横ばいなのかなと思いますけれども、やはりちょっと以前に比べて減少してきている施設もありますので、ぜひ、今ほどいろいろなイベント等を開催されていると聞きました。また、あいている、利用されていない時期において、何か県民の皆さんが親しめるようなものを企画して、利用者増に取り組んでいただきたいと思います。  この県民公園新港の森を管理しているは公益財団法人富山県民福祉公園さんでありまして、新港の森を含めて、太閤山ランド、総合運動公園など、県内9公園を管理されています。  太閤山ランドでは、季節ごとにあじさい祭り、夏のプール、元気秋フェスタなどイベントが開催され、多くの県民に利用されています。  また、自然博物園ねいの里では、山菜クッキングやバードウオッチング、夏休み自由研究支援やジビエ料理の試食会などを実施し、親子で楽しみながら自然に親しむイベントが開催されています。  このように、ほかの公園も管理し、実績やノウハウの蓄積があり、着実な管理もされていると考えますが、指定管理者の公募結果について、直近は1者の申請のみとなっておりまして、サービスの向上や利用促進等に向けた意識が働きにくくなっているのではないかと思うわけであります。  そこで、本公園の指定管理者は公益財団法人富山県民福祉公園が担っていますが、これまでの業務実績をどのように評価しているのか、お伺いいたします。 85 須河生活環境文化部長 県民公園新港の森につきましては、平成18年度から指定管理制度を導入しておりまして、以後、指定管理期間に合わせ、3年から5年ごとに指定がえを行っております。第1回から第3回までは、それぞれ複数者からの申請があり、指定管理候補者選定委員会での審査を経て、公益財団法人富山県民福祉公園が選定されてまいりました。第4回となる前回の公募におきましては、今ほど御指摘のとおり、県民福祉公園1者のみからの申請となりましたが、複数者の場合と同様に、選定委員会で審査の上、選定されたものでございます。  県民福祉公園は、指定管理者としてこれまで、先ほど御紹介した利用促進策のほか、スポーツ大会等の日程に合わせた利用時間の弾力的運用や休園日の開放や、夏の間におきます供用時間の延長運用、低廉な利用料金の設定、また、ボランティアによる公園利用の活性化などを行ってきておりまして、県としては、県民サービスの向上や利用促進のための工夫が重ねられていると評価しております。  また、県では第三者評価制度を設けておりまして、指定管理施設の管理状況を客観的かつ専門的に評価しており、県民福祉公園につきましては、平成25年度から平成29年度の指定管理期間の中間年度の平成27年度にこの評価を受け、管理運営が良好との評価もいただいております。  県民福祉公園には、これまで培われた経験やノウハウを最大限活用し、引き続き高い意識を持って、今回の指定管理期間の業務に当たっていただきたいと考えております。 86 海老委員 ありがとうございました。  さまざまな工夫がなされているようでありまして、大変安心しました。引き続きよろしくお願いします。  冒頭にも申し上げましたが、県民公園新港の森は昭和58年に造成されまして36年が経過して、老朽化が懸念されるわけであります。野球場に関しては、ことし、グラウンドの改修と芝生の養生をされたと伺っております。また、公園内のトイレも数年前に新しくなっているようであります。  しかし、利用者から、野球場のベンチ内では時々雨漏りがするといった声がありましたり、また、公園内には延べ6.4キロの遊歩道がありまして、ジョギングであったりウオーキングで利用される方々が大変多くいらっしゃいまして、雨の降った次の日に行きますと、ところどころ水たまりがあるのであれば、まだ水たまりを避けて歩くこともできるんですけれども、5メートルから10メートルにわたってずーっと遊歩道全体が水たまりになっている、海のようになっているような状態で、遊歩道を避けて、1度芝生のほうに上がって、またおりて歩いていかなければいけないといった状況にあるわけであります。  そういった老朽化であったり、さまざまな改修をしなければいけないところも出てきていると伺っているわけでありまして、今後、また十分に県民公園としての機能を果たしていかなければいけないと思っております。  子供から年配の方まで全ての人が楽しくレクリエーションに汗をかいて、また、疲れを癒やす場所としてふさわしい場所になるように、老朽化対策を計画的に進めていく必要があると考えております。  そこで、本公園は昭和58年にオープンしており、各施設の老朽化も進んでいると考えますが、その対応をどのように進めていくのか、お伺いをいたします。 87 須河生活環境文化部長 新港の森につきましては、昭和58年の開園以来35年余りが経過しておりまして、野球場やスポーツ広場を初め、施設の老朽化が御指摘のとおり進んでおります。  この施設の修繕につきましては、修繕が必要となった段階でその都度対応してきておりましたが、平成27年3月に、向こう10年間の維持管理費及び修繕費の縮減と平準化のため、県民公園新港の森公園施設長寿命化計画を策定しております。この計画では、施設ごとに経年劣化の状況など健全度調査を実施して、その結果を踏まえて補修、更新の優先度を設定し、優先度の高いものから順次対策を進めることとしております。  ただ、平成29年度及び平成30年度におきまして、公園利用者の安全で快適な施設利用を図る上で必要性かつ緊急性の高い工事を行うため、長寿命化計画に基づく工事を延期し、野球場の内野整備や水漏れ対策など、そうした施設の修繕を優先して実施したところでございます。  なお、指定管理者におきましては、安全確認のため、日常的な巡回や保守点検に加え、年3回の定期点検を行っており、施設設備の異常の早期発見に努めております。委員御指摘の雨の日の遊歩道の状況につきましても、早急にまた点検を行いまして、必要な対策を行ってまいりたいと思います。  県としては、今後、指定管理者とともに施設の安全性に十分留意しつつ、長寿命化計画も踏まえながら、施設の機能保全と安全対策に努めてまいりたいと考えております。 88 海老委員 ありがとうございました。引き続きよろしくお願いします。  次に、美しい富山湾の活用、保全について2点質問します。  世界で最も美しい湾クラブの総会が来年秋に開催されることから、これまで以上に富山湾を活用するとともに、環境保全にも力を入れていかなければなりません。  富山湾の環境保全については、石井知事初め、県当局の皆様に高い関心を持っていただきまして、さまざまな施策を通して県民の意識も上がってきていると感じております。海岸清掃についても、各所で自主的に行っていらっしゃる方も多く見受けられまして、大変うれしく思っております。  私の地元、六渡寺海岸では、毎月第3日曜日に地元の方が中心になって海岸清掃を行ってこられましたが、その海岸清掃のボランティアも次第に参加者が増えてきておりまして、ことしは全体年間を通しての延べ人数で約3,000人を超える方々にお越しいただいて、海岸清掃を行っていただきました。六渡寺海岸のある地元を代表して、この場をかりて本当に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。  このように清掃活動を通じて富山湾の環境を守るといった県民の意識をさらに高めていくために、県ではことし6月からスマホアプリ、ピリカを活用した清掃活動を促し、6月から8月までの個人登録者数は延べ約2,800名、団体、企業は約30団体に登録いただき、拾われたごみは約52万個との報告もいただいております。  今後もさまざまな施策を通じて県民に清掃活動を促し、広げる取り組みや、海洋ごみに関する普及啓発、環境教育の取り組みなど、さらに充実させるとともに、より多くの県民に参加してもらえるように一層の工夫が必要であると考えます。  そこで、富山湾の保全と県民の意識醸成のため、県民ボランティア等による地道な海岸清掃などの取り組みも大事であり、さらに活動の裾野を広げるべきと考えますが、須河生活環境文化部長に所見を伺います。 89 須河生活環境文化部長 県民ボランティア等による海岸清掃は、漂着物の回収が図られるだけでなく、その原因となるごみの発生抑制について、参加なさった県民一人一人の意識が高まる重要な活動であると認識しております。  特に本県の場合、海岸漂着物の約8割が県内由来であることから、富山湾の環境保全と県民の意識醸成のため、県ではこれまで、1つには、みんなできれいにせんまいけ大作戦と銘打った全県的な清掃活動の展開、2つには、親子等を対象とした海岸清掃体験バスツアーの開催、3つには、海外漂着物の現状を学ぶ環境教育教材等の作成、配布などに取り組んでまいりました。  また、今年度から新たに、今ほど委員から紹介をいただきましたスマホアプリ、ピリカを活用し、個人やグループ単位での自主的な清掃活動を呼びかけており、現在までに延べ5,600人以上が登録し、拾われたごみは約57万個ということになっております。この秋からは一層の利用拡大を図るため、富山グラウジーズの試合などスポーツイベントへの来場者など、さらに幅広い県民へのピリカ活用の呼びかけを行っております。  加えまして、10月に開催した3R推進全国大会や、環境について子供から大人まで楽しく学べるとやま環境フェアなどにおいて、海岸漂着物問題に関する講演や展示を行うなど、県民の意識啓発にも努めてきております。  来年10月の湾クラブ総会に向けまして、美しい富山湾の環境保全活動にさらに多くの県民の皆様の御理解と御参画をいただけるよう取り組んでまいります。 90 海老委員 ありがとうございました。  スマホアプリ、ピリカの登録者数も着実に増えてきていると伺いました。これからもいろんな方が、県民が集まる場所で積極的に告知し、周知していただきまして、さらに登録者数を増やして、ごみを拾う方が一人でも多く出てきますようにといいますか、広がっていきますように、またよろしくお願いします。  次に、富山湾のさらなる活用についてでありますが、まだまだ活用の部分に対しましては対策が不足しているように感じております。富山湾で楽しむとしたら何がありますかと問われても、なかなか出てこないのが現状なのではないかと思います。海のある他県と同様に釣りであったり海水浴はできますが、富山湾といえばこれといった代名詞になるようなものが必要であると考えます。  例えば、他の湾クラブでは、以前の質問でも御紹介しましたが、ベトナムのハロン湾では、湾内に浮かぶ大小の奇岩を見て回りながら、船内で湾でとれるカニなどの魚料理を堪能できるコースがありました。また、アメリカのサンフランシスコ湾では、しょうしゃなビクトリア調の邸宅が連なる町並みとともに、その地域でとれるワインや食事、サーフィンなどさまざまな魅力が一体となってサンフランシスコ湾の名前を押し出しています。これらによって大きな経済効果がもたらされています。  このように、富山湾の美しい景観を楽しむだけではなく、滞在時間が伸びて、にぎわい創出につながるよう、さまざまな体験ができる仕掛けを、他の湾クラブ加盟湾の事例も参考に考えるべきであります。  そこで、美しい富山湾を活用した観光誘客のため、海辺での体験型観光や観光遊覧船等の取り組みを推進してはどうか、猪俣観光・交通・地域振興局長にお伺いをいたします。 91 猪俣観光・交通・地域振興局長 世界で最も美しい湾クラブに加盟しております富山湾には、美しい景観、珍しい自然現象、生態系、新鮮な海の幸に加えまして、ダイビングなどのマリンスポーツを満喫できる環境など、多彩な魅力がございます。このため、本県を訪れました観光客の満足度を高め、より長く県内に滞在していただけますよう、こうした多彩な魅力を生かした海辺の体験型観光や観光遊覧船の取り組みを推進し、国内外から本県へのさらなる観光誘客によるにぎわい創出を図っていくことは大変重要と考えております。  現在、県内では海辺の体験型観光としまして、ダイビング、フライボードなどマリンスポーツの体験、初心者向けの釣り体験や遊漁船での本格的な海釣り体験や、たら汁づくりとひすい探し、カニや漁港鍋と競り見学など食事つきの体験のほか、観光遊覧船を活用しましたホタルイカ海上観光や定置網漁見学など、地域の特色を生かしましたさまざまな取り組みが実施されております。  一方、ほかの湾クラブ加盟湾におきましても、例えば、天橋立で有名な京都宮津湾では、釣りやシーカヤック体験、海の幸を使った薫製づくり体験、モーターボートでのクルーズ体験など、湾の特徴を生かし、さまざまな体験型観光の取り組みが実施されていると聞いております。  来年の世界で最も美しい湾クラブ富山県総会を見据え、県としましては、委員の御指摘のとおり、こうしたほかの湾クラブ加盟湾の取り組み事例も参考にしながら、海辺の体験型観光プログラムの充実など、滞在コンテンツを拡充していくほか、引き続き沿岸市町の観光協会等に対しまして海辺の体験型観光商品の造成を働きかけていきますとともに、とやま観光推進機構とも連携を図りながら情報発信を強化するなど、美しい富山湾を活用したさらなる観光誘客に取り組んでまいりたいと考えております。 92 海老委員 ありがとうございました。  ダイビングやフライボードであったり、また、ホタルイカ観光船など、私も富山湾でそういったものが楽しめるということはわかってはいるんですけれども、やはりまだまだ富山湾でフライボードができるとかダイビングができるといったことを認識していらっしゃる方が少ないと思います。  本当に例えばどこに行けばそういったものができるかというような情報もしっかり発信することによって、じゃ、やってみようかというような県民の方もいらっしゃると思いますし、また、県外から来られた方が、じゃ、私もそこに行ってちょっと楽しんでみようかなというような思いになると思いますので、もっともっと積極的な情報発信をしていただければと思います。よろしくお願いします。  それでは、最後になりますが、県民の安全・安心について質問します。  ことしは自然災害が大変多い年でありまして、大阪府北部地震であったり、また、本県を含め西日本を中心とした広範囲に被害を及ぼした7月の豪雨、台風21号や北海道胆振東部地震など、大変多い1年でございました。しかし、過去数年を見てみても、大規模な自然災害は毎年のように発生しており、県内においてもいつ発生してもおかしくない状態にあるわけであります。  自然災害の被害を最小限にするためには、ふだんから災害に備えて準備しておくことが重要であり、災害を未然に防ぐ、被害を最小限に抑えるための防災知識を身につけておく必要があります。  ことしの7月の豪雨の際、私も消防分団の一員として屯所に詰めておりまして、緊急出動態勢をとって、担当地区の巡回をしておりました。私の地元では避難指示が発令されまして、地域のコミュニティーセンターに住民が避難できるよう、市役所から職員の方が三、四名体制で来られて、交代で夜通し対応していただきましたが、しかし、実際に避難に来られた方を後で伺ってみるとゼロ名でありまして、あまりの防災意識の低さに驚いたところであります。  まだまだ富山県は災害の少ない県という安全神話や、まさか自分の身にそんなことは起こることはないといった意識でいる方が多くいらっしゃることは明確でありまして、いざというときに県民がみずから意識して行動できるよう取り組みを進める必要があります。  そこで、避難指示等がある場合に、避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告、避難指示を市町村長が発令し、避難を呼びかけていますが、その危険性や切迫度合いも含め、県民が理解し、避難行動へ移せるよう、防災意識の普及啓発や教育を進めるべきと考えますが、石黒危機管理監に今後の対策をお伺いいたします。 93 石黒危機管理監 災害時におきまして、住民一人一人が防災に関する意識を強く持ちまして、避難勧告等の情報を正しく理解し、適切な避難行動をとることにつきましては、住民の生命を守る上で一番基本的なことだと考えておるところでございます。  このため、県では、これまでも市町村と連携して、県民の防災意識の向上に努めているところでございまして、具体的に申しますと、県が実施します訓練におけるいろいろな取り組み、例えば、県の総合防災訓練におきまして、住民避難訓練や災害体験等の取り組みを行っております。また、自主防災組織が実施する実践的な避難訓練への支援、防災や気象等に関する知識を学ぶ防災気象講演会の開催、地域の自主防災組織等へ出向きまして、防災をテーマとした講演を行う出前県庁の実施などを実施してきておりまして、今後ともその充実に努めてまいります。  また、本年3月には、実際、地震が発生したときに県民がどう行動すればいいか、あるいは日ごろの備えなど、こういうものを記載いたしましたふるさと富山地震・津波防災ハンドブックを1万部作成いたしまして配布したほか、9月補正予算でお認めいただきましたけれども、子供たちの防災意識を高めるため、小学生用、中学生用にそれぞれ、とやま防災ハンドブックをより充実した内容に改訂して配布したところでございまして、地域や学校、家庭での防災教育に活用いただき、避難行動を身につけていただく取り組みも進めているところでございます。  なお、現在、国におきましては、7月の西日本豪雨におきまして、避難情報が必ずしも住民の避難行動につながらなかったこと、これによって多くの被害者、犠牲者を出したことを踏まえまして、防災情報と住民に求める避難行動を5段階の警戒レベルとして明確化することなどが検討されておりまして、こうした国の動きなども注視しながら、今後とも県民のより一層の防災意識の向上のため、市町村と緊密に連携をとりつつ、防災・減災対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 94 武田副委員長 海老委員の質疑は以上で終了しました。        渡辺守人委員の質疑及び答弁 95 武田副委員長 渡辺委員。あなたの持ち時間は60分であります。 96 渡辺委員 やっと質問時間が回ってきました。きょうは税財政問題等、不都合な現実を毎日のように聞かされますので、日常政治の諸問題、たくさん質問を用意しましたので、これから質問を早速始めさせていただきます。  税、それは国家の骨幹をなすものであります。わずか数%の動きでも政局を揺るがすもの、その鍵を握る組織、それが我が党自民党税調であります。複雑に絡み合った業界の利害調整を一手に担い、また、予算に比べて、税は決まった瞬間から国民の経済活動に与える影響が大変大きいものでもあります。過去、政治家が決めてきたのは、国民の意見をやはり幅広く酌み取りやすいからではないか、このように思っております。多分、東京では、我が党自民党税調インナーの会合が断続的に行われているのではないかと、このように思っております。  私は、地方は国に頼るだけではなく、みずからの責任で必要な安定財源の確保、行財政改革を企画、立案し、実行していく、毎年、たゆまぬ努力をしていくべきだと考えております。  私も県議会議員として県政に携わりまして15年、1つの行き着くところがございました。やはり税を制するものは地方自治を制すると言っても過言ではないと、このようにも思うわけでございます。なぜならば、財源なくして、私ども議員の要望には応えていただけない、ひいていえば、県民の要望に応えることができないからであります。  きょうは、最初に、税財政の本質的な諸問題について質問をしていきたいと思います。また、この件に関しましては、今日まで大変汗をかいてこられました石井知事に、ぜひ私を初めケーブルテレビを見ている人たちがわかりやすい、わかるように答弁をしていただければ幸いに思います。  それでは、早速、質問に入らせていただきます。  最初に、国と地方の税源配分についてお尋ねをいたします。  平成28年度決算における租税収入では、国税が59.0兆円、地方税が38.6兆円と、国と地方の関係は3対2となっています。これに国から地方に移転される交付税や国庫支出金等も財源として地方団体の事務事業が実施されることによって、最終的な支出ベースでは、国が71.1兆円、地方が97.3兆円と、国と地方の割合はおおむね2対3となります。このように、国と地方の関係は、税収の段階では3対2であるのに対し、最終的な支出の段階では2対3と逆転しているのが現状であります。  私は、国と地方の税源配分の関係を、地方への税源移譲等により租税収入に対する地方税の比率を高め、3対2から2対3にもっていくことが望ましいと考えます。税収配分で見直すべきなのか、また、交付税制度で調整をすべきなのか、どのように考えておられるのか、石井知事の御所見をお聞かせ願いたいのであります。
    97 石井知事 地方が責任を持って地方創生を初め、福祉、医療、地域経済活性化、雇用対策など、増大します役割を果たしていきますためには地方税財源のさらなる充実が必要であり、また、住民の皆さんに身近な行政サービスについては、地方の実情をよく知る地方団体のほうが効果的に事業を実施できますので、地方への権限移譲とともに税源移譲を行うことなどによりまして、地方税財源の充実、強化を図ることが必要だと考えております。  一方で、税源移譲等により地方税を充実する際には、どの税目でありましても必ず税源の偏在が生じますので、偏在是正措置をセットで行いませんと、財政力の豊かな団体と乏しい団体との財政力格差が一層広がってしまうという問題がございました。  例えば、社会保障・税一体改革でも、都道府県間の財政格差がより広がって、社会保障関係費の増加に対応できない地方の団体が出てこないように、全額国税にして地方交付税で配ればいいという御意見もございました。当時の与謝野経済財政担当大臣など、そういった御意見でございましたけれども、やはり地方自治の根幹は自前の地方税をしっかりベースにするということですから、全国知事会等と連携して地方消費税の充実を強く要請しました結果、地方消費税を増やした場合に生じます、例えば東京など大都市と一般の地方との税収の偏在の問題は、都道府県間で何とか理解、協調し合って是正する、例えば、偏在度の大きい地方法人課税の偏在是正をするということをいわば前提としまして、引き上げ分の5%のうちの1.2%分を地方消費税とすることができました。  地方分権、地方自治を推進する観点からは、地方税の充実とあわせまして、税源の偏在性が小さくて税収が安定的な地方税体系を構築することが何よりも重要でありますので、また、偏在是正を含めたこうした税制の検討、見直しを進めてもなお残る地方税源の偏在性につきましては、地方交付税により地域間の財政力格差を是正して、全国どのような地域であっても一定水準の行政を確保するための財源を保障していくことも重要だと考えております。 98 渡辺委員 それでは、次に、今ほど出ましたように、先日、日経新聞にも出ておりましたけれども、地方税の偏在是正についてお尋ねをいたします。  地方財政の自立性の強化の観点からは、地方団体の実施する事務事業の財源の基礎となる地方税をいかに確保、充実していくかが最重要課題であります。地方税収は経済活動の集積度の違いによる法人関係税の偏在等から、地域によって大きな格差がございます。都道府県税について、平成28年度の人口1人当たりの税収では、一番多い東京都が23.5万円であるのに対し、一番少ない沖縄県では9.6万円と、2.4倍もの格差が生じております。  地方団体は、全国どの地域でも、今ほどおっしゃったように、安全・安心、社会保障、教育等について一定水準の行政サービスの提供が求められております。その財源の基盤となる地方税も、提供される行政サービスの性質を踏まえたものであるとともに、できる限り偏在度が少ないように制度設計がされた上で確保、充実されることが当然求められるわけです。  では、石井知事は全国知事会の地方税財政常任委員長として、これまで地方税の偏在是正に、どのように取り組んでこられたのか、お尋ねをいたします。 99 石井知事 今お話がありましたように、一番税収が豊かな東京都さんと一般の地方では随分と税収の格差、偏在がございます。そこで、県としましては、全国知事会とも連携して、なるべく偏在性が少ない、格差の少ない、そして、税収が安定的な地方税体系の構築を確立すべきだということで国にも働きかけてまいりました。  これまで地方法人特別税及び地方法人特別譲与税というものを創設いたしまして、これは平成20年度の税制改正でございます。また、地方消費税の充実にあわせまして、法人住民税の交付税原資化を図る、これは、平成26年度に消費税、地方消費税を合わせて8%段階、それから、平成28年度改正で消費税、地方消費税率10%段階で、それぞれ法人住民税も東京都など大都市と一般の地方と大きな格差がございますから、その法人住民税の一定の部分を地方交付税の原資にして、そして、格差是正するように配分し直すと、こういうふうなことをやってまいりました。  近年、経済が改めて回復基調にあって、地方税収が全体として増加する中で、一般の地方と東京都など大都市の財政力格差が再び拡大する傾向にございます。  委員はよく御存じのことですけれども、例えば、全国くまなく店舗があるコンビニなどは、その収益の相当部分がフランチャイズ料というような形で東京などの本社の売上として計上されますので、結局、税収は東京都など大都市の税収になって、一般の地方の税収増につながりにくいということがございます。  また、法人事業税などは、本社が東京で、例えば地方に工場があるという場合、本社と地方の工場の従業員の比率に応じて、一定部分、分割されることになっているんですけれども、最近では、例えば地方に工場ができましても、IT化やロボット化が進みまして、人間である従業員はあまり増えなくて、ロボットのほうが増えると、こういうことになりますから、結局、東京本社、地方の工場を合わせての収益は東京に一旦計上されますが、分割の際に、ロボット化によって地方の従業員数がどんどん小さくなっていきますので、結果として、東京都などの大都市部に税収が集中してしまうと、もうこういう現象が出ております。  既存の税制がこうした経済社会の変化に追いついていない、つまり、一種の税収のゆがみのようなものが出てきていますから、それを是正しなきゃいけないと。決して東京都さんから税源を奪おうとか、そういうことではなくて、税制のゆがみを正してほしいということで、現在、与党の税制調査会を中心に検討を進めていただいております。  これまでも安倍総理を初め政府・与党の幹部の方々にさまざまな機会を通じて全国知事会としての提言を御説明し、そのプロセスでは、東京都の小池都知事さんなどとの大激論などもございましたが、何とか一定の御理解を得て進めてまいりました。  また、地方法人課税の偏在是正措置とあわせて、それによって生ずる不交付団体の減収額の全額を地方財政計画に歳出として計上いたしまして、地方に手厚く配分することによって、実効性ある偏在是正措置が実現しますように、県としましては、引き続き全国知事会とも連携しながら、政府・与党に対して鋭意働きかけておりまして、多分というか、きっと政府・与党で適切な結論を出していただけるんじゃないかと思っております。 100 渡辺委員 私も、偏在是正は国の責務だと思います。  それでは、次に、国、地方をあわせたプライマリーバランスの黒字化に向けた取り組みについてお尋ねをいたしたいと思います。  以前、6月6日、常任委員会で滝経営管理部長と6問ぐらいこの件に関しまして附則104条からやらせていただきましたけれども、あまりにも答弁がハイレベルで、私にパブリック・デット・オーバーハングなんて言われてもなかなかわからないわけでして、ぜひこの件に関しましてもわかりやすく、知事、答弁をいただきたいと思います。  平成28年度の国と地方の歳出総額の純計は168.4兆円であるのに対し、国民の納めた租税総額は97.5兆円と、租税総額の1.7倍の支出となっております。それを埋める財源として、国と地方ともに国債や地方債に大きく頼る財政運営を続けてきた結果、国と地方の長期債務残高の合計額は1,000兆円を超えるという危機的な財政状況になっております。  この状況を改善するためには、歳出を抑制することと歳入の増を図ることの双方が必要になると考えております。そのため、経済財政運営と改革の基本方針2018、骨太の方針では、国と地方をあわせたプライマリーバランスの黒字化の新たな達成時期を2025年度とし、同時に債務残高対GDP比の安定的な引き下げを目指すこととしております。また、消費税率の引き上げ分を教育の無償化等にも活用することとされており、財政赤字の縮減に充てられる消費税分は大変縮減することになります。  現在の財政構造をいかに改革して、持続可能な財政体質を構築していくかは避けては通れない課題であります。2025年の国と地方をあわせたプライマリーバランスの黒字化という財政の健全化目標の達成に向け、国と地方が赤字を押しつけ合わず、基調を合わせて取り組むことが必要と考えます。この点につきまして、地方の税財政を代表する立場として、石井知事の御所見を伺いたいのであります。 101 石井知事 委員御指摘のとおり、我が国の国、地方を通じた長期債務残高は1,000兆円を超えておりまして、対GDP比で1.9倍程度にも達している。これからも高齢化の進展に伴う社会保障関係費の増加が避けがたいと考えられる中で、財政健全化はやはり喫緊の課題だということかと思います。  そのために、ことし6月の骨太の方針では、委員からお話があったとおり、財政健全化目標を掲げまして、その達成に向けて国、地方で基調を合わせた歳出改革や効率化に取り組むとされました。2025年度に国、地方をあわせたプライマリーバランスの黒字化を目指すと、そのために歳出改革や効率化に取り組もうとされたわけでございます。  委員は財政にお詳しいですから、よく御存じなんですけれども、このプライマリーバランスというのは、社会保障や公共事業などの行政サービスを提供するための経費、短く言うと政策的経費を、新たな借金を除いた税収などで賄えるかどうかを示す指標でありまして、我が国は、平成30年度で15.7兆円の赤字となりまして、これはGDP比でマイナス2.8%ということになりますけれども、これをまず黒字化して、借金に頼らずに政策的経費を賄えるようにする必要がある、こういうことでございます。  これは、一般の方にわかりやすく言いますと、一般の家庭の家計でいいますと、毎年、あるいは毎月の生活に必要な経費を、今までした借金は別にして、これからは毎月もらうサラリーの範囲内でやっていこうと、せめてそうしようと、そうしないと、毎月必要な支出の電気代、あるいは食料費、それをまたサラリーの範囲を超えて新たな借金をしていますと、どんどんこれはもう到底返済不可能な状態、借金が雪だるまになりますから、それを食いとめようと、こういうことでございます。  地方団体がこれまでも国を大きく上回る行財政改革や給与関係経費や、また投資的経費などの懸命な歳出削減努力を行ってまいりました。この十五、六年ぐらいでいいますと、地方財政計画のトータルは、実は2.4兆円ほど減っております。しかし、高齢化対策や子育て支援、社会保障の関係費はむしろ11.3兆円増えている。そうすると、収入が減っているのに11.3兆円社会保障が増えると何で賄ってきたか。結局、職員の給与を減らす、あるいは投資的経費を減らす、こういうことでやってきたんですけれども、そういう努力もいよいよ限界に来ているということでございます。  本県においては、懸命な行革努力で約400億円ありました財政構造赤字を2年前に解消し、県債の残高も平成29年度末残高で3年連続の減少となり、また、平成30年度末も多分マイナスになって、4年連続で減少見込みとなりますなど、財政の健全化が進んではまいりましたけれども、社会保障関係費の増大、今後も予想されます。そのために、医療費や介護費の適正化、あるいは健康寿命を伸ばして、できるだけ医療費なども抑制していく、こういうことに取り組んでいきまして、今後も政策の効率化、重点化を進めていかなければいけないと思っております。  また、歳入確保のために、成長分野に対する重点的な投資等を通じまして、地域の生産性の向上を図ることも大切でございます。本県においても、例えば生産金額が全国1位の医薬品産業のさらなる飛躍を目指して、くすりのシリコンバレーTOYAMAの取り組みを進め、これは国の応援する7つのプロジェクトの1つに選んでいただくなど、それなりの成果が出つつございます。また、産業や地域社会の発展の担い手を育成、確保するためにも、Uターン率の向上や富山県への移住促進なども、一定の成果が出ていますけれども、さらに努力してまいります。  委員おっしゃいますように、富山県が将来に向かって元気な地域であり続けるためには、やはり財政の健全化ということは欠くことのできない重要な要素の1つと思っております。県としましては、行革等を通じためり張りのある予算編成に努めます一方で、企業誘致、Uターン率の向上、移住の促進、県民の皆さんの希望出生率の達成など、いろんなことに積極的に取り組んで、税源の涵養にも努めまして、県民の皆様が希望を持ち、安心して働き、暮らせる、そうした富山県になるように努力してまいります。 102 渡辺委員 ぜひよろしくお願いします。  それでは、次に、赤字地方債であります臨時財政対策債についてお尋ねをいたします。  近年、地方団体の借入金残高は200兆円前後のレベルで推移をいたしております。その中身として、交付税に代替する財源としての赤字地方債である臨時財政対策債が増加し続け、平成29年度末には53兆円にもなると見込まれております。  地方財政の安定的な運営を維持するためには、継続的に一定水準のやはり一般財源総額を確保することが最重要課題であると考えます。特に地方交付税の総額確保とあわせて、臨時財政対策債の抑制、さらには、この仕組みからの脱却が強く求められます。  本県の財政においては、赤字地方債である臨時財政対策債は、では、どのような状況なのか、また、この地方財政の課題に今後どのように取り組んでいかれるのか、滝経営管理部長にお伺いをいたします。 103 滝経営管理部長 地方税とともに多くの地方団体におきまして重要な一般財源である地方交付税の原資につきましては、国が徴収しております所得税や法人税などの国税の一定の割合を原資といたしまして、地方に配分をされております。ところが、近年、この20年来になりますけれども、そのもととなる税収を上回る額で地方が必要とする地方交付税総額がございます。つまり足りないということでございまして、その不足分については、国と地方が折半をして補填することとされております。  委員から御指摘がございました臨時財政対策債は、国と地方が折半をする、そのうちの地方分として発行する赤字地方債でございます。そのかわり、その元利償還金が発生いたします後年度に全額が地方交付税で措置されるということでございまして、臨時財政対策債を発行しても、直ちに地方財政の運営に影響を与えるものではないという性格のものではございます。  ただ、一方で、近年は景気回復によりまして税収が増加をし、臨時財政対策債の発行額が減少傾向にはあるものの、地方全体の残高ベースでいいますと、委員から御指摘がありましたとおり、平成29年度末で53兆円を超えるということでございます。来年度の地方財政計画、今は最終調整に入っているところだと思いますけれども、恐らく来年度の地財計画ベースでも、新たに4兆円程度の発行というのは見込まれる状況にあるのではないかと考えております。  本県におきましては、これまで県債残高は3年連続、平成30年度も恐らく達成できますので、4年連続で減少する見込みになるのではないかと思っていますけれども、その内数となります臨時財政対策債の残高は年々増加をしております。平成29年度末では3,966億円に上るということでございまして、全体の1.2兆円のうち約3割強の割合に臨時財政対策債がなってきてございます。国におきまして、その削減に向けた取り組みを進めることが必要だと考えております。  そのためにはどうしたらいいかということでございますけれども、これはそもそも国税の税収を、パイを増やす、税収を増やすということとあわせまして、やはり地方交付税に回していただく割合を増やす、これは法定率の引き上げと申しますが、そうしたことを含めた抜本的な改革を行って、臨時財政対策債の発行に頼らない安定的な交付税総額の確保が大事だということでございまして、全国知事会等とも連携し、これまで本県におきましても繰り返し国に求めてきたところでございます。  一方で、国も大変厳しい財政状況にある中でございますので、簡単には実現できない難しい課題ではございますけれども、今後とも、全国知事会等とも連携しながら、国に対して強くこの交付税総額の充実確保についても求めてまいりたいと思います。 104 渡辺委員 ぜひよろしくお願いをいたしたいと思います。  それでは、次に、持続可能な社会保障制度の構築についてお尋ねをいたします。  高齢化の進行と社会保障費の増大については、平成27年に、国勢調査が始まりました大正9年以来、初めて総人口が減少し、全国の65歳以上の割合が26.6%となり、人口の4分の1を超えました。こうした人口減少の中、高齢化と少子化は着実に進み、富山県は全国を上回る少子高齢化が進んでおります。  このような人口の状況を反映して、年金、医療、福祉にかかわる全ての経費が増加し続け、特に最近では、医療に加えまして介護費用の増加が大きく、社会保障の各分野における仕組みをいかに工夫して持続可能なものとして維持していくのかが大変求められております。  そこで、本県の社会保障関係費にかかわる財政支出の状況はどうなのか、また、県として、歳出の抑制にあわせ、持続可能な社会保障のシステムを構築していく必要があると考えますが、どのように取り組んでいかれるのか、前田厚生部長にお伺いをいたします。 105 前田厚生部長 本県におきます医療費は、平成27年度は約3,557億円と、10年前、平成17年度に比べまして569億円、19%ほど増加をしております。また、介護給付費は、平成29年度は約985億円と、10年前に比べまして276億円、38.9%の増加となっており、少子高齢化の進展に伴い、今後も増加していくことが見込まれております。  県ではこれまでも、社会保障関係費の適正化を図るために、医療費適正化計画や高齢者保健福祉計画・介護保険事業支援計画などの計画に基づき各種施策に取り組んでおりまして、医療につきましては、医師会や薬剤師会等とも連携して、後発医薬品の普及促進に努めた結果、その使用割合は着実に増加をしております。また、地域医療構想に基づきます医療機能の機能分化、連携などの推進によりまして、急性期病床から回復期病床への転換など、効率的な医療提供体制の整備が順調に進んでいるという現状にございます。  また、介護につきましては、各市町村が介護予防を目的とした教室や地域サロンの開催など、介護予防や重度化防止の取り組みを進めてまいりました結果、要介護認定者の伸びが計画を下回ったということもありまして、平成30年度からの第7期の介護保険料の引き上げ額はこれまでで最も低くなるなど、取り組みの効果が着実にあらわれてきていると考えております。  今後、社会保障関係費の増大がさらに見込まれる中でございますので、医療の面では、糖尿病性腎症の重症化予防の取り組みや、予防、早期発見、早期治療を目指しましたがん対策や認知症対策など、健康寿命の延伸に向けました効率的かつ効果的な医療提供、介護の面では、自立支援型のケアマネジメントの強化やリハビリ体制の充実など、介護予防や重度化防止に向けました取り組みを一層進めることとしておりまして、今後とも医療費や介護費の適正化に努めながらも、真に必要な医療介護サービスが確実に提供されますよう、市町村や医療、介護の関係機関と連携しながら取り組んでまいります。 106 渡辺委員 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いします。  税財政の質問の最後に、消費税率の引き上げにかかわる事業者への支援についてお尋ねをいたします。  来年10月の消費税率10%への引き上げに当たり、低所得者層に対しては軽減税率制度の導入等による配慮がなされているものの、駆け込み需要とその反動減といった需要変動や景気の回復力が弱まることが懸念をされております。  また、軽減税率制度の導入に伴い、2023年10月からはインボイス方式が始まります。日本におけるインボイス方式導入は、現行の請求書保存方式からの大きな転換となり、制度改正に伴い、免税事業者の立場の悪化や、請求書に記載する事項が追加されることによって事業者の負担の増大など、多種多様な問題、課題等も想定をされます。  こうした消費税率の引き上げの課題に対して、国においてはさまざまな対策が講じられておりますが、では、富山県として事業者への支援にどのような対策を講じていかれるのか、伍嶋商工労働部長にお尋ねをいたします。 107 伍嶋商工労働部長 消費税率の引き上げに伴います需要変動やインボイス方式の導入によります中小、小規模事業者への負担をできる限り軽減いたしまして、県内経済の活力を維持発展させていくことが重要であると考えております。  このため、県では、消費税率の引き上げに際して、消費税の円滑かつ適正な転嫁のための徹底した対策及び軽減税率制度導入への対策に係る支援を国に要望いたしますとともに、適宜、消費税率引き上げに伴う影響につきまして、下請企業等の実態把握調査を毎月行うこととしているほか、新世紀産業機構内に設置しております中小企業支援センターの相談窓口における相談対応などを行ってきているところであります。  また、税率引き上げなどによります中小、小規模事業者の資金繰りを支援するため、県制度融資の経済変動対策緊急融資や、原材料高騰対策として設けました小規模企業支援枠の取り扱い期間を延長しているところであります。  さらに、生産性の向上に取り組むことなどによりまして、税率引き上げに伴う影響を最小限に抑えるため、IoT機器の導入に対して支援していますほか、経営改善や経営革新に取り組む中小、小規模事業者に対しましても、とやま中小企業チャレンジファンドによりまして、新商品の開発から販路開拓まで一貫して支援しているところでございます。  一方、委員からも御紹介のありましたとおり、2023年10月からのインボイス方式の導入に向けましては、制度の周知や中小企業支援センターでの適切な窓口相談に努めますとともに、事業者において対応が必要な業務手順の見直し作業、例えば税率に応じた経理処理の見直しなどの作業や税額計算、さらには適格請求書発行事業者登録等の手続に関する研修会の開催を支援することとしております。  今後とも、国の支援内容、国では消費者のポイント還元支援などが検討されておりますけれども、こうした支援内容を踏まえながら、県といたしましても、中小、小規模事業者に対します消費税制度の周知徹底を初め、制度の円滑な実施に向けて、相談体制や資金繰り支援の充実に取り組んでまいります。 108 渡辺委員 ぜひ混乱が生じないようによろしくお願いいたしたいと思います。  それでは、次に、高岡市の安全、安心、活力について幾つかお尋ねをいたします。  まず、新高岡駅を拠点とした地域の振興についてお尋ねをいたします。  北陸新幹線は、高速交通体系の柱であり、沿線地域の飛躍的な発展を図る上で大きな効果をもたらすものであります。2015年3月14日の北陸新幹線金沢開業により、高岡市を含めた北陸地域と首都圏とのアクセス環境は格段に向上をいたしました。特に、速達タイプかがやきは、交流人口拡大によるにぎわい創出や地域の経済活動を牽引する原動力となることから、高岡市を初めとする富山県西部地域では、このかがやきの新高岡駅での停車に向けたさまざまな取り組みを行っており、また、新高岡駅を基点とした飛越能地域への誘客拡大、定着を図るため、関係者と連携した誘客事業を展開いたしております。  さらに、この富山県西部地域は関西方面との経済的な交流も大変活発なことから、大阪までの早期整備を実現することにより、初めて北陸新幹線の整備効果が最大限に発揮されるものと考えております。  これにより、我が国における現行の太平洋側中心の高速交通網の代替補完機能を有する新たな高速交通体系の中軸が形成をされるわけでございます。  そのような中で、高岡市が目指す新高岡駅を拠点とした富山県西部並びに飛越能地域の振興を図るため、広域的な地域振興等の観点から、県として、これらの地域と連携して、玄関口となる新高岡駅周辺などにおいて大型プロジェクトを初めとした各種事業に積極的に取り組んでいただきたいと思います。石井知事の御所見を伺いたいのであります。 109 石井知事 県の西部地域は、世界文化遺産の五箇山合掌集落、ユネスコ無形文化遺産の高岡御車山祭、また、城端神明宮祭、それから、日本遺産の高岡、井波など、本当に国内外に誇る歴史的、文化的資産を初めとして、伝統工芸品や雨晴の海越しの立山連峰の景観など、多彩な地域資源に恵まれていまして、飛越能の玄関口である新高岡駅を拠点として広域的な取り組みを推進することによって、域内のさらなる活性化が期待されると考えております。  そこで、県ではこれまでも、公共交通では城端線の増便の試行や、新高岡駅と高岡駅を結ぶ路線バス等への支援、また、広域観光では、広域観光案内所の設置、べるもんたなど観光列車や観光路線バスの運行支援、JR各社と連携した旅行商品の造成、映画を活用した県外からの誘客促進など、また、産業観光では、ものづくり産業見学体験施設への支援、能作さんの見学体験施設も支援しましたし、県の総合デザインセンターの中にクリエイティブ・デザイン・ハブを整備したり、最近はコンセプトカーの展示など、産業観光を紹介するコーナーも総合デザインセンターに設けたりしております。  さらには、市や地元団体が主体となったまちづくりや、とやま呉西圏域での取り組みについても支援をしてまいりました。  また、来年度には、南砺市利賀村でシアターオリンピックスが開催され、南砺市等で冬季スキー国体も開催されるということで、県としましても、こうした機会を捉えて、積極的な地域振興に取り組んでいきたいと思っております。  委員から御提案の、高岡市が目指していらっしゃるという話もありましたが、新高岡駅周辺における大型プロジェクトにつきましては、夢のある話でありますから、県としては、地元の御希望や盛り上がり、また、専門家の御意見も踏まえながら、ただ、大型プロジェクトといっても、どういう中身かというところは、まだ実ははっきりしないところがありますので、地元の御意見、これは高岡だけではなくて、県西部全体でどんなお気持ちなのかといったことも踏まえながら、いずれにしても、相当程度の事業費を要するんだと思いますので、先ほど県財政についても心配していただきましたが、県財政に与える影響や、その大型プロジェクトの内容、それから、実際、そういうことをやるとしたら、県と地元市などとの役割分担、費用対効果など、いろんなことの課題がございますから、これからも高岡市初め県西部の皆様のお考えなども伺って、いろんな面で研究、検討をしてまいりたいと思っております。 110 渡辺委員 ぜひそのときが来れば、よろしくお願いをいたします。  それでは、次に、伏木富山港の伏木地区と新湊地区のアクセス道路の整備についてお尋ねをいたします。  伏木富山港の伏木港や特に大型船舶の入港に対する富山新港と能越自動車道高岡北インターチェンジや国道8号へのアクセス道の整備や、姫野、牧野地区の住宅街の安全、住環境のさらなる向上のためにも、県道姫野能町線の第2期区間、高岡市中曽根─射水市作道、国道415号線への接続の整備をぜひ促進していただきたいと考えておりますが、どのように取り組んでいただけるのか、水口土木部長にお伺いをいたします。 111 水口土木部長 伏木富山港から能越自動車道高岡北インターチェンジや国道8号へのアクセス道路の整備につきましては、これまでに臨港道路伏木外港1号線の伏木万葉大橋を含む約2.8キロメートルの区間や、県道姫野能町線の牧野大橋を含む第1期区間、約2キロメートルなどの整備を実施してまいりました。  現在、伏木外港1号線の能町交差点までの約1キロメートルの区間や、県道小矢部伏木港線の高岡市守山地内で整備を進めておりますほか、委員御指摘の姫野能町線の第2期区間といたしまして、高岡市中曽根から射水市作道地内などの延長約1.8キロメートルの暫定2車線のバイパス整備に平成26年度から取り組んでおります。  この第2区間につきましては、これまでに道路設計を終え、中曽根側から東側に向けて、順次、用地取得や改良工事を進めているところであります。今後、中曽根地内の埋蔵文化財調査や作道地内の物件補償を進めるなど、事業の進捗を図ることとしております。  伏木富山港と能越自動車道高岡北インターチェンジや国道8号を結ぶこれらのアクセス道路の整備につきまして、県内の産業経済の発展や地域の安全で円滑な交通を確保するため、大変重要であると考えておりまして、地元の皆様の御協力を得ながら、今後とも整備促進に努めてまいります。 112 渡辺委員 ぜひ早期にお願いをいたしたいと思います。  高岡市の安全、安心、活力についての質問の最後に、高岡市のきずな子ども発達支援センターについてお尋ねをいたします。  高岡市のきずな子ども発達支援センターは、県西部唯一の診療所機能を持った医療型児童発達支援センター及び福祉型児童発達支援センターであります。ここでは、医療と福祉、教育の3者を密接に結びつけた独自の療育方法を開発し、診療、訓練、保育等、児童の発達に沿った支援を直接及び間接の両面から実施をいたしております。  近年、利用者が顕著に増加しており、利用者の半数近くは、高岡市以外の県西部6市からたくさんの方が来ておられます。市のセンターは、こうした利用者の増加の影響で医師の診察が半年待ちになるなど、利用者のニーズに十分な対応ができず、苦慮をいたしております。こうしたことから、早期に診察を受けることができるよう、県施設や民間施設と連携をし、体制の強化を図っていく必要があると考えております。  他県では、県の第3次支援機関の一形態として、本所に対する支所に位置づけているところもあり、また、本県では、児童相談所が富山、高岡の2カ所の体制となっていることからも、高岡市のきずな子ども発達支援センターを県の発達障害者支援センターほっぷの支所としてぜひ位置づけていただき、県の西部地域の機関として検討していただきたいと考えておりますが、前田厚生部長にお伺いをいたします。 113 前田厚生部長 高岡市きずな子ども発達支援センターは、発達障害を含みます障害児への療育や訓練等とともに、医師による診断、治療も行うことができます県西部唯一の児童発達支援センターでございます。近年、発達障害等によりまして、同センターを利用する子供が増加傾向にあると伺ってございます。  一方、御紹介いただきました発達障害者支援センターは、発達障害者支援法に定める業務として、都道府県が相談支援、発達及び就労支援、発達障害に係る情報提供及び研修、関係団体との連絡調整等を行うため、入所施設等に附置するものでございます。本県では、県社会福祉総合センターに業務委託して、ほっぷという名前で県全体の発達障害児等を対象に支援を行っているということでございます。  きずな子ども発達支援センターを発達障害者支援センターに位置づけるということになりますと、新たに就労に関する支援や高岡市以外の県西部の住民への情報提供、あるいは、関係機関との連携体制の確保ということも新たに行っていただく必要がございます。このため、設置主体であります高岡市から、センターの将来構想や意見、意向等についてよくお伺いをしていきたいと考えてございます。 114 渡辺委員 特に、今、私が質問した話は、これはとやま呉西圏域の連携中枢事業の1つでもございますので、ぜひ実施をしていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。  それでは、次に、障害者等用駐車区画の適正利用の促進についてお尋ねをいたします。  多くの人が利用する公共施設及び民間施設の駐車場において、障害者等用駐車場が整備をされているものの、対象区画の不足や一部の健常者が駐車をしていることなどにより、必要な方が駐車できない問題が多々生じております。  全国では、平成18年に佐賀県が、障害者や高齢者などで歩行が困難な方に対し、障害者等用駐車区画の駐車スペースの利用証を行政が交付いたしまして、障害者等用駐車区画の適正利用を促進するパーキングパーミット制度を導入され、現在まで多くの府県で取り組みが行われております。  また、国においても、ユニバーサルデザイン2020行動計画に基づいて、平成29年に開催されたパーキングパーミット制度の導入促進方策検討会において、未導入の地方公共団体に対して導入を促進していくことが望ましいとの取りまとめがなされております。  そこで、本県においても、このパーキングパーミット制度の導入に向けた検討を私は進めるべきだと考えますが、石井知事の御所見を伺いたいのであります。 115 石井知事 パーキングパーミット制度は、障害者や高齢などで歩行が困難な方に対して、障害者等用駐車区画の利用証を行政が交付しますことで、障害者等用駐車区画の適正利用を促進する制度であります。お話しのように、平成18年に佐賀県が初めて導入したものであります。  制度開始当初は、この制度がよく知られていないということもあったと思いますが、事務手続が煩雑でありますなど、利用証の交付を受けていない障害者や高齢者の方が駐車場を利用しにくい、また、不適正利用に対して罰則がなくて、結局はモラルの問題に帰結してしまうなどの課題が指摘されておりましたけれども、それ以来、10年余り経過しまして、最近でも県議会で御議論いただいた経過もございました。  最近では、利用者から制度の理解が進んで、内部障害者など外見では障害のわからない方や妊産婦などからとめやすくなったとの御意見や、地方団体で相互利用できますために、他の地方団体への通院や買い物等の際にも利用ができるといった声が寄せられているということでございます。  また、制度を導入している地方公共団体の約9割が、調査に対して、障害者等用駐車区画の適正利用が促進されたと回答されているということですので、本県においても、制度の導入に向けた検討を進める時期にあると思っております。  ただし、制度の導入に当たっては、対象者の範囲や利用証に有効期限を設けるかなど、利用に当たっての具体的な要件や対象者、また、県民の皆さんへの周知方法の検討を進めますと同時に、商業施設などの駐車場の施設管理者や市町村の協力が不可欠でありますから、関係者の十分な御理解をいただきながら、丁寧に進めていく必要があると思います。  この10月以降、市町村の意見を改めて勉強会などを開催して伺ってきましたが、今後、障害者や高齢者等の関係団体や駐車場の施設管理者など、関係者の方々の御意見を伺いまして、また、他県の状況も参考にした上で、パーキングパーミット制度の早期導入、できれば来年度から実施できないかという方向で具体的な検討を進めてまいります。
    116 渡辺委員 ありがとうございました。  私は、今後、独立した個人や個性や多様性を重んじるインクルーシブな社会にどんどんなっていくのではないかと思っております。ぜひこういうことを進めていけば、障害者の皆さん方にも大変喜んでいただけるのではないかと思うわけでございます。  それでは、最後の質問に入らせていただきます。  今冬の雪害対策として、大雪が発生した際の市町村や地域住民との連携についてお尋ねをいたします。  国の豪雪地帯対策基本計画の変更後、雪処理の担い手の確保に向けた除排雪の体制の整備、空き家に係る除排雪等の管理の確保や雪冷熱エネルギー等の活用促進などの取り組みが進められているところでありますが、昨冬は1月中旬から2月中旬にかけて北陸地方を中心に大変な大雪となりました。高岡市においても、生活必需物資の供給に支障が生じるなど、大雪は地域住民の生活や社会経済活動に大きな影響を与えます。  国では、大雪時に道路で立ち往生しないよう、タイヤチェーンを取りつけていない車両を通行止めとする規制、チェーンの義務づけが検討されているほか、県では、地域防災計画の雪害編で、道路、鉄道の早目の通行規制を盛り込むことなどの対策を聞いております。  大雪が発生した場合には、何よりも除排雪体制が私は一番大切であると考えております。県が管理する県道と市町村道の連携した除雪が必要であり、また、生活道路、歩道については、地域単位での地域住民と連携した除排雪が重要であると考えます。では、どのようにきめ細かに連携して取り組んでいかれるのか、水口土木部長にお伺いをいたします。 117 水口土木部長 冬期における安全で円滑な道路交通を確保するためには、各道路管理者が連携し、適時、的確な除雪を行うことが重要であると考えております。このため、県では、広域農道や市街地部の幹線道路など、県管理道路と市町村道が交互に連続する35区間、延長で約164キロメートルにおいて、市町村と連携し、同一業者が同一機械で一体的な除雪を行う取り組みを実施し、除雪の効率化を図っております。  また、県管理道路と市町村道の交差点部の除雪の分担や運搬排雪のための雪捨て場の共同利用による効率的な運用につきまして市町村と調整を図っており、さらに、大雪時には、国や高速道路会社、市町村などの各道路管理者が情報共有サイトを利用し、それぞれ管理する道路の除雪状況等を共有するなど、連携体制の強化に取り組んでいるところであります。  また、通学路となる歩道や地域の生活道路の除排雪につきましては、地域の方々との協力が不可欠と考えており、県では、地元自治会等への歩道用除雪機械の貸与や、地域ぐるみ除排雪促進事業により市町村が自治会等に貸与する除雪機械整備への支援を行っております。  また、バス停や交差点などにスコップを設置し、地域の方々や通行する皆さんに除雪をしてもらう、雪と汗のひとかき運動も実施しております。  県としましては、大雪時にもしっかりと対応できますよう、今後とも国や市町村など関係機関と連携を密にするとともに、県民との協働による除排雪を推進し、冬期における安全で円滑な道路交通の確保に努めてまいりたいと考えております。 118 渡辺委員 水口部長、今の答弁の中で、1つ確認の意味で質問させていただきたいんですけれども、当県はチェーンの義務づけはなったんですか、ならなかったんですか。 119 水口土木部長 高速道路や国の直轄の国道について、昨年度の立ち往生の経緯、あるいは勾配の状況、そして、チェーンの着脱場の整備なども踏まえて指定されるという新聞報道がありますが、きょう現時点でそういった指定が本県においてなされたということは聞いておりません。  また、県管理道路については、当面指定する予定はございません。 120 渡辺委員 終わります。 121 武田副委員長 渡辺委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                     午後2時59分休憩                     午後3時10分開議        米原蕃委員の質疑及び答弁 122 宮本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  米原委員。あなたの持ち時間は60分であります。 123 米原委員 平成最後の年末を迎えようとしておりますけれども、ことしもさまざまなことがございました。ことしは西日本、大阪、北海道、全国各地で豪雨や地震など災害の多い年であったかと思います。被害に遭われた方、改めてお見舞いを申し上げたいと思います。  富山県でありますけれども、1月、2月、大変な大雪でありました。その後、少し一段落いたしましたけれども、今年度になりましてから、奥田で発砲事件がありました。最近になってまた発砲事件のような事件もありましたけれども、大変物騒な世の中だなと思っています。  それから、最近よくニュースに出てくるのは、用水に落ちて亡くなるという、こういう痛ましい事故がたくさん県内で発生をしたこともございました。また、お年寄りが交通事故に遭われるような事故も多いということであります。  一方、北陸新幹線、開業いたしまして、来年3月で丸4年ということでありますが、北陸新幹線開業によりまして、おかげさまで県政はおおむね順調に推移をしているのではないかなと思います。  一方、今月に入りましてから、富山県の人口でありますが、新聞報道によりますと、45年ぶりに105万人割れになったということが人口移動調査で明らかになりました。ピークは112万人でありまして、県の人口は、少子化や若者の流出で減少し続けていると言われております。このままでいきますと、2045年、まだ先の話だと思いますけれども、81万人まで減るという推計もあるようでありまして、こうしたことで、石井知事も、時間はかかっても、人口減少に何とか歯どめをかけなければならないということを先般も示されたところでございます。  さて、富山県の人口が減少し始めたのはいつごろからかということでありますけど、これは明らかなデータが出ているんですが、1989年、平成元年、このときの富山県の中学校の卒業生が1万9,000人いたということであります。それ以上いたという時期もあるわけですけれども、それがずっと減少し続けて、2008年、平成20年から平成29年まではおよそ1万前後で推移していたということであります。しかし、ことし2018年、平成30年には1万人を割って、とうとう9,656人までなったと、こういうことであります。明らかにこれは数字が出ていますからね。さらに、2022年には、この中学生の卒業予定者が9,000人を割り込むと、こういったことも言われています。さらに、2027年には8,000人程度になるのではないかと、このように予測されているわけです。  こうしたことから、数年前に富山県の大沢野工業高等学校が富山工業高等学校に統合されました。さらにまた、二上工業高等学校が高岡工芸高等学校に統合されたわけであります。さらには、滑川、氷見、それから南砺井波でも統合がありました。  そして、この二、三年前からそうでありますけれども、改めて生徒減少の状況の中でさらに統合を進めていかねばならないということになりまして、いろんな教育委員会からもデータを示されました。それで協議をされ、再編が行われ、泊高等学校、水橋高等学校、高岡西高等学校、南砺福光高等学校が廃校になると、2020年から実施することになりました。  やむなしの感も拭えないわけではありますけれども、こうした事態に至っている今、高校の再編を通じまして、未来の本県の姿を思い描いてみることが非常に重要ではないかと実は思います。  私は、今回、新しい時代、次世代に向かって我が県の教育について今後どのように進めていかねばならないのかということに絞って少しお話を申し上げたい。前段が長くなって恐縮でありますが、御理解をいただきたいと思います。  これは、私の意見というよりも、多くの県民の方々が人口減少の問題、それに伴う学校の統合の問題、いろんなところで、きょうもほとんど皆さん方が人口減少とおっしゃっているわけです。  そういう中にあって、これは知事1人で対策を考えるのでなくて、もちろんここにいらっしゃる皆さんが人口減少という問題について、やはりみんなで考えていかねばならない課題かと思います。教育委員会だけで判断するべき問題でもありませんでしょう。したがって、みんながこの問題を受けとめて、どうこれからしっかりと取り組んでいくのかということを私は考えていかねばならない状況に来ているのではないか、至っているのではないかと思います。  これは富山県に限ったことではなくて、全国的な傾向でございます。人口減少の中、全国あちこちで統合されたというようなところもいろいろあって、私ども県議会議員も超党派でいろいろと各県を視察に行ってまいりました。一つ一つ私は申し上げませんが、いろんなことで工夫をしているというところが多々ございました。中高一貫教育もありました。田舎だけれども、すごく魅力的な学校もありました。小さいけれども、すごくみんな一生懸命やっている学校もありました。こうしたことを考えると、僕は数の問題ではないな、とも実は思うわけです。  そこで、私は、今回、富山県のこと、もう少し教育県ということについて、富山県はどうも教育県、教育県ということを私たちはよく皆さんから聞いてまいりました。  教育県とは何ぞやということなんですけど、例えば、富山県は、東京大学に何人入学した、一流大学に何人入った、ということが、どうもそれがステータスといいますか、それがどうも富山県の教育県と言われている、あるいは実績をもとに判定されている側面が大きいのではないかと実は思うわけであります。  そして、この大学に入った人たちは、個々人の能力を発揮されて、そして、みずからの希望をかなえたいと願う生徒にとってはある程度大きな目標を達成されたと思います。そして、その人たちが学校を出て、社会に出て、国内外で大きな役割で活躍をされている方もいらっしゃいます。例えば、谷内さんや外務省の今の中国大使の横井さん、いろんな人たちが中央で、世界で大活躍しておられる。こういった方もいらっしゃることも事実だと。しかし、これはごく一部の方でありまして、多くの人たちはそうではないとは言いませんけれども、私は数少ないと思います。  したがって、私が申し上げたいのは、富山県で生まれ育った人は、できれば富山に戻ってきてもらいたい。いろんな経験をして、東京で大学を出たら、ある程度の経験をされ、あるいは海外の経験もいいでしょう。いろんな経験をされて、その経験をもってこのふるさとへ戻って、今までの経験、貴重な体験を地元で生かすということが本来の私は生きた教育になっていくのではないか、それが人づくりにつながっていくのではないか。行ってしまった者へ帰ってこい、帰ってこいというようなことを言っておっては、これはちょっと私はいかがなものなのかなと実は思います。  ちょっと長くなりましたけれども、そういったことを考えると、富山県における教育の現状について、何を目指して、何を重視して行っているのか、知事にひとつ所見を伺っておきたいと思います。 124 石井知事 富山県の人材育成のあり方ですけれども、さかのぼりますと、9年前の明日のとやま教育創造懇話会の提言、これは当時の富山大学の学長でした西頭さんが座長でしたけれども、いろいろ議論をいただきまして、その理念として──ふるさと富山に愛情を持って、広く世界に目を向け、みずからの夢や目標に向かってチャレンジし、未来をみずから切り開いて、富山や全国、そして世界を舞台にさまざまな分野で活躍をして、富山県や日本の活力ある社会づくりに貢献できる人間の育成をしよう──こういうことが示されておりまして、私も大きな方向としてはそういうことではないかと思って、今日まで教育の問題に対処してまいりました。  この考え方は、その後、策定されました県の教育大綱などにも引き継がれておりまして、第4次産業革命の進展等を見据えたICT環境の整備とプログラミング教育の推進、また、ふるさとについて学び、理解を深め、誇りと愛着を育むふるさと教育などの取り組み、そのほか、グローバル社会で活躍できる人材育成、あるいは、富山で生活し、富山で働くよさを学び、みずからの生き方を考えるライフプラン教育などに生かしていると思っております。  キャリア教育についても、地元企業の御協力をいただきながら、委員もよく御承知のように、中学校2年生になったら14歳の挑戦、また、高校でのインターンシップ等を積極的に進めておりまして、この春の高卒就職者の県内就職率は、全国平均では81.1%ですけれども、富山県は94.1%で、全国でも2番目に高くなっております。  また、県内出身大学生のUターン率も着実に高まっておりまして、これは調査を始めた平成18年には51.3%だったんですけれども、その後、Uターン率が随分と上がってきまして、この3年間は連続して58%台となっております。また、統計のとり方はちょっと違いますが、県外に移動した方のうちUターンで出生都道府県に戻る人の割合、これは政府の調査ですが、55.3%で、本県は沖縄県に次いで2番目に高いとされております。  このほか、富山県がなかなかいいところだということでしょうか、おかげさまで10年ほど前は移住してくださる人は200人ぐらいでしたが、一昨年が565人、また、昨年は729人となりまして、かつ20歳代、30歳代の方がその7割を占めております。  富山県が、そこでふるさととして働いて、暮らして、家庭を持つ、御縁のある方にも御評価いただけるし、県外の方からも一定の御評価をいただける選ばれる県の1つになってきたのではないかと思っております。  ただ、課題もいろいろございます。これからも非常に変化が大きく進展する中で、ふるさと富山県に心の根っこを置きながらも、地域や県内、全国、あるいは世界で夢や志、情熱を持って力強く活躍することができる、次の時代を担う人材の育成にしっかり取り組んでまいりたい。そのことについて、教育委員会とも連携しまして、全力を挙げてまいります。 125 米原委員 最近、知事はいろんなところでUターンの状況をお話しされていますので、少しずつ形といいますか、Uターンの状況が変わってきたのではないかなと思っており、大変相当安堵しているわけですが、教育の問題、正直申し上げて、時間をどれだけかけても、これでいいということはないわけで、あらゆる角度からもっともっと根幹といいますか、そういったものをこれからも考えていかないといけないと思います。もう少しこの問題、突っ込んでお話し申し上げますと、私の地元、砺波の地域に砺波工業高等学校というのがあります。この間、ロボットで全国優勝いたしました。先般、この学校の校長先生、あるいは担任の先生と懇談をいたしました。  来年の3月に115人卒業するそうでありますが、何と求人申し込みが700人だそうですよ、700人。115人しかいないんですよ。400社の企業から求人申し込みがある。とてもとても皆さんの期待に応えられないと、こういったことでした。そして、ずっと最近はこういった状況が続いておるようであります。  さらに、もう一つ事例を申し上げますと、先般、この会場で富山県の薬都とやまを代表する薬のメーカーの方々と自民党の役員会の皆さんと懇談会を開催いたしました。知事も御承知のとおり、中井敏郎会長を初めとして、県内の企業の方が10人ぐらい、役員の方にお集まりいただき、懇談をいたしました。  これから海外戦略に向けて、薬都とやまが、もう今、1兆円近くの産業に大きく成長してきた。さらにこれから海外の戦略を進めていかねばならないと、こういったことをいろいろと皆さんと意見交換をいたしておりました。しかしながら、最後は、人がいないと、人材がいないんだと、困っているんだと、そういうところに行き着くわけです。  知事のほうに、この間、中井会長から、富山県の高等学校、あるいは高等教育機関に薬業学科を何とか拡大をしてもらえないかと、こういったような趣旨の要請があったかと思いますが、この現状に対してしっかり受けとめていただいていると思います。  また、きょうこの場で言いませんが、この間、上市の山崎議員も、上市では今、いろんな薬の企業がどんどん大きく成長していますし、今度も新たな投資もされるというようなことも新聞で大きく報道されております。上市高等学校もできればそうした薬業学科、何とか検討してもらえないかと、幾つかそういうことを皆さん、現場の声として上がっている。まだ、これはどうなっていくかわかりませんけれども、そういったことで県民からさまざまな声をいただいているということをどうかしっかりと受けとめていただきたい。  もう一つ申し上げておきます。これも事例です。YKKの副社長をされておられた井上さん、大変親しくおつき合いをしていただいておりまして、こんなお話でございました。今、YKKは、富山に新幹線が開業したから、富山県のこの地域を総本山として位置づけたいと。そのためのいろんな今、検討をしているんだと、設備投資もされていると、会議もここでやりましょう、本社の一部をこっちに移転しましょうということになってきた。人材も何とか地元で確保したいということをおっしゃっておられる。  そこで、富山県にいろいろとお願いしているんだけど、YKKというのは、サッシや窓、それから玄関等々、ファスナーもそうでありますが、デザインに必要な技術者を養成したいと、何とか採用したいとおっしゃるんだけど、なかなか人材が集まらないと。富山県、そういうところがないんじゃないかと、少ないんじゃないかと、こういう現状をおっしゃるわけですよね。  こういったことを考えると、やっぱりまだまだ皆さん、現場のことをよくおわかりになっていないところも多々あるんじゃないかなとちょっと思います。  それにもう一つ、きょう後ろに先般お話しした建設業界の方、役員の方がいらっしゃいます。きつい、汚い、危険というものが定着してしまったのかわかりませんが、災害や除雪、社会資本の整備、私ども、生活基盤、産業基盤が確立されてこそ、経済社会が成り立っていくわけであります。しかし、建設業界、大変高齢化している。したがって、そのために集めたいと思っているんだけど、人材が集まらない、こういうことを皆さん、いつもおっしゃっておられる。  そこで、過去からも教育委員会を初め県の皆さんには話をされたと思うんですが、できれば土木工学科、建築工学科、土木環境科など、建設に関連した工学科といいますか、科目の枠を広げてもらいたいと、何度も学科を増設していただきたいということを要請してきたと思うんでありますが、希望者が少ないからなかなかできないという話も過去にはあったように私は記憶しているわけです。  少ないからじゃなくて、これから必要な人間をつくっていくと、育てていくと、もっともっと窓口を広げて、皆さんに今の社会はこうですよと、こういうことをやっぱり訴えていかねばならないわけです。3日ほど前に学校にお邪魔して、高校生に今どんな社会って聞きましたが、今の産業の構成はわかりません。先生がこうだと言ったら、そうですかとおっしゃるかもしれませんが、高校生で判断できることも少ないですよ。社会の実態がどうだからということを、社会全体を教えていかないといけない。そのへんがどうもやっぱり私はまだ現場の実態をわかっていらっしゃらないのではないかなと思います。  希望者が少ないとかなんとかじゃなくて、できれば今のこの高校再編を契機に、富山地区、高岡地区、新川地区、砺波地区に土木建築科や、デザイン学科、医薬品工学科など、そういったものをぜひひとつしっかりと取り組むように私はやるべきじゃないかということを渋谷教育長にお尋ねしたいと思います。 126 渋谷教育長 県立高校の学科、募集定員などにつきましては、時代の変化に対応した人材を育成していくために、必要に応じて随時見直していくことが望ましいと考えております。  このため、まず、御指摘の土木、建築系学科につきましては、高岡工芸高校土木環境科土木工学コースにおきまして、平成27年度に受け入れ枠拡大に向け、実験、実習設備を整備いたしまして、平成28年度からは、それまで20名程度でありましたコースの生徒が30名程度となっております。  また、委員から御指摘ございましたけれども、富山県薬業連合会から御要望いただきました薬業系学科の増設につきましては、去る7月の総合教育会議で定められました再編実施計画の素案において、水橋高校と富山北部高校による新高校にくすり・バイオ科を1学級から2学級に増設することとされております。  デザイン系学科につきましては、現在、富山北部高校の情報デザイン科と高岡工芸高校のデザイン・絵画科で合わせて2学級設置しておりますが、今ほど申し上げました素案では、情報デザイン科を新高校に継承することとされております。  再編実施計画につきましては、現在、意見募集や地域説明会などでいただきました素案に対する県民の方々の御意見を踏まえまして、さらに検討を進め、年内を目途に策定することとされております。  委員からいただきました、本県産業に必要不可欠な分野に対応する学科を新増設すべき、との御提案につきましては、再編実施計画の素案に対する御意見として受けとめさせていただきまして、検討してまいりたいと、このように考えております。 127 米原委員 ぜひ本当にしっかりと今の社会そのものにこれから重要な子供たち、どのようにこれから地域の中で活躍してもらうか、その役割を果たしてもらうかという教育環境、極めて重要な課題だと思います。  統合も、私は人口減少の中でやむを得ないとは思いますけど、大きいとか小さいとかじゃなくて、本当に小さくてもいい、やっぱりしっかりと必要な人材を育てていくという役割が僕は富山県で極めて重要だと思いますので、前向きに検討するというお話でありますが、しっかりとこのことを検討して、教育委員会だけじゃなくて、県全体でやっぱりこのことを考えて、しっかり取り組むように、ぜひ教育長を中心にまた御努力をいただきたいなとお願いしたいと思います。  もう一つ、このことについて、次の質問に入りたいと思います。質問というか、お尋ねしたいことがございます。  私、昨年、知事にこの場、予算特別委員会でも申し上げたんですが、県立中央農業高等学校を昨年、お訪ねいたしました。これからの農業をやっていく子供たちがどのように現在取り組んでいるのかなという関心もありましたので、訪問いたしました。  270人定員に対して、今二百二、三十名でしょうか。生徒がいらっしゃるようでありますけど、今、寮に住んでいる生徒さんが149人だったかな、150人ぐらい泊まっていらっしゃるということで、その中でどれだけ農業に皆さんが携わっていくのかといったら、農業を希望する生徒はたった3人か4人だという話でした。  これじゃ県立農業高等学校と言えるのかなということで、松村校長先生を初めお話ししてまいりました。  これから何とか無人の機械を使ったり、ITを使ったり、やっぱりそういういろんなものを使って、農業をやっていかないといけない。お年寄りが機械の下になって亡くなるというような事件も過去にもある。子供たちがやっぱりもっと未来に、農業に関心を持ってもらわないといけないということで、そのことを申し上げて、とやま農業未来カレッジとももっと連携をしてやってもらいたいということを知事に質問したら、知事は早速現地のほうに御訪問いただいたそうであります。  現地の人たち、先生も大変喜んでおられました。知事に来てもらったと、見てもらったと、だから、その中で機械も施設も順次これからちゃんと整備していきましょうということをおっしゃっていただいた。こういうことを私、何度も見てきたと、こうしてやるぞということをおっしゃっていただきましたので、実は大変喜んでおります。  そこで、私は別に疑っているわけではないんだけど、ことし11月にまた行ってきたんですよ、この間、11月。その後、どうなっているかなと思って。今度、どんなことをおっしゃったか。校長先生はいらっしゃらなかったので、穴田教頭さんと2人の先生に話を聞きました。  機械がとても古くて傷んだ機械なんですよ、いわゆる農機具。こんな機械を使って農業をしろという話が無理です。子供、かわいそうですよ、夢、ありませんよ。私は、帰りにとやま農業未来カレッジに寄って、ここの機械はどうなっているのかと聞きましたら、いい機械を使っていました。そこはリースでやっておるんですよ。それはきょうは言いませんが、お金を聞いたら、大したことない、リースだから。購入ではないので。そういうことでも即できることなんですよ。  建物ももちろん大事。だけど、そういう機械を使って、今、子供たちを教えなければならないと言っておるのに、このことに対する着眼点はちょっと違っているんじゃないかなと私は感じました。こういったことも早速やっていただきたい。  さらに、私は今回、穴田教頭と何人かの先生にちょっと教室を見せてもらえませんかといったら、どうぞということで3階へ上がっていったんですよ。何というかあれで高校かなと思うくらいひどかった。天井も床もとても傷んでいて、黒板も、もう黒板でありません。こんなところで子供たちが勉強しておるのかと思ったら、もうかわいそうになりましたよ。これで農業をしろとか、地元のために頑張れと言ったって、とてもとても頑張る気にはなれないと私は思いました。  そして、トイレも私、行った。ウオッシュレットは1基ありました。今の時代はウオッシュレットの時代、みんなうちで使っているのですが、それも汚かった。こんなところでみんなは勉強しておるんかなと思った。  だから、そういうこと1つとっても、何か実際に、皆さん、育てようというところの考え方がちょっと私はどうなのかなと実は思います。  こうした学校の施設、あるいは今申し上げた教室の関係等々、早速この間この話をしておったら、視察に行かれた方もいらっしゃるようでありました。私が言ったからかどうか知りませんが、やっぱりひどいなという話もちょっと耳に入ったんですけれども、とにかく今の全体のことを含めて改善をしていただきたいと思いますが、そのことをあわせて教育長に伺っておきたいと思います。 128 渋谷教育長 中央農業高校は、本県における農業教育の中核校として、農業の学びを通して、地域農業や地域産業の発展を担う人材の育成を進めるという役割を担っております。  御指摘の農業のICT化や無人機械の操作につきましては、GPSによる高精度の自動走行システムを搭載した直まき用田植機を用いた実習を行っておりますし、今年度から新たに、委員から前も御指摘ありましたドローンについてですけれども、ドローン操作の講習やイノシシ被害の撮影実習なども行っております。  また、本年度中に中央農業高校の敷地内に設置されますとやま農業未来カレッジのICT活用による環境制御型園芸ハウス、これは地方創生拠点整備交付金を活用したものですが、このハウスを活用した実習も行うこととしております。  施設設備につきましてですけれども、新たな寄宿舎の2020年度からの供用開始を目指しまして、現在、実施設計を進めておりますし、また、学校現場の意見を聞きながら、今年度は畝立て機械の更新や外壁の修繕に取り組んでおりまして、来年度はトイレの洋式化を進めることとしております。  御指摘の教室を初めとする校舎の老朽化対策、これは県立学校の施設は約7割が築30年を経過しているという、そういう状況にあります。その中で来年度から県立学校の長寿命化改修を進めることとしておりますので、委員の御指摘も踏まえながら、改修年次計画を検討してまいりたいと考えております。  今後とも、とやま農業未来カレッジと連携しながら最先端の農業技術を習得できるように、また、施設設備を充実するように努めまして、学校の魅力向上にしっかり取り組んでまいります。 129 米原委員 きょうは時間もありませんので、警察のことも詳しく申し上げたいんですが、箱物から言ったら、もう本当にひどいところでみんな仕事をしておるよ。かわいそうですよ。  だから、僕は子供たちのそういう夢というか、今、順次進めていかれるということもおっしゃいましたが、教室の内装などは、全部建てかえとなると、これは大変なことになりますけど、今はリフォームがどんどん進んでいる世の中ですから、ちょっとこぎれいにすれば、なんとかなるんですね。そういった配慮がやっぱり私は大事だと思うんですよ。  ぜひひとつ子供たちにまた元気を出して地元のために頑張っていただくような、そういう対応をしっかりやっていただきたいなと思います。  教育長も頭が真っ白になって、最近、相当御苦労が多いなというのは私、わかるんですよ。ストレス、たまっているでしょう、あなた。いつも見ていて本当に何かストレスがたまっているなという、その固まりみたいな感じに見える。これだけいつも教育の問題、どうこう言われたら、それはもう大変だと思いますよ。だけど、何とかやっぱり知事、副知事初め、管理職の皆さんで一緒になって、人の問題に関してはみんなが共有しながらやっていくということをぜひ皆さんで応援してあげてください。ぜひお願いいたします。  もう一つ、学校のことで申し上げておきます。  先般、南砺平高校の中田校長先生を訪ねてまいりました。この学校は、定数が100人、今88人生徒がいらっしゃるようであります。寮に泊まっている子が46人でした。この学校は、日本の伝統的な文化を一生懸命努力されて、今や全国、世界で平高校というのは有名になってきましたね。大変な活躍をしてくれています。そして、生徒も頑張って、全国トップクラスになってきたということであります。  校長先生といろんな打ち合わせをした後、ちょっと教室を案内していただきました。きれいになっておったね。中央農業高校とは大違いですが、新しくしたわけではなくて。やっぱりきれいにちゃんと整理されているということを言いたいわけです。  それから、子供たちも廊下で会ったらすごく元気に挨拶してくれました。非常に私は感動いたしました。笑顔で挨拶をしてくれました。
     体育館へ行きました。体育館へ行ったら、子供たちがちょうどスポーツをやっていました。ある子が飛んできまして、こんにちはと言うんです。ああ、こんにちはって返事をして、君、どこの出身と聞いたら、東京だと言うんですよ。東京のどこだと聞いたら、目黒だと言うんですよ。ああ、そうって、いつこっちに来たの、どうして来たのといって聞いたら、おじいさんがこの平出身の方で、実はこちらの学校に来たんだと言っていました。教育長も御存じだと思うんだけど、何も東京じゃなくて、ほかの出身の子も、岐阜県やいろんなところから来ているんだね、何人か。そういうことでやっぱり僕は、ああ、なるほどなと。  都会の東京の目黒の子は、中学校まで東京にいたと。君、高校生になってどうと言ったら、こんなにすばらしい自然があって、こんな楽しいことはないと、みんな優しいし、人もいい人たちだし、最高だと言っていましたよ。僕は、都会では人は育たないと思うよ。そのへんにはたくさん都会の人もおられるけどね。都会では育たないと思いますよ。地方だから、海があって、山があって、川があって、田んぼがあって、皆さん本当にいい人たちですよ。こういう中で子供が育ったら最高ですよ。全国から募集してくださいよ。そして、富山県で育て上げてくださいよ。そういう教育を僕はやっぱり目指してもらいたい。  大きいとか小さいとか、関係ない。人数が少なくてもいい。そういうことをやっぱりしっかりやっていくのは、私は規模の問題ではない。いかに富山県で人を育てるかということに僕はもっともっと真剣に取り組んでもらいたい。そのことを私はぜひお願いしていきたいと思います。  まだ言いたいこと山ほどあるんですけど、ちょっと次の質問。総合政策局長にお尋ねしたいと思います。  私立高校、これも申し上げておきましょう。今、富山県には私立高校が10校あるそうです。富山第一高等学校はすごく頑張っている。野球やサッカーや、いろいろと頑張っている。僕はこの学校も視察に行ってきました。1,200人いた。子供たちは元気でやっています。非常に元気でした。あと、いろいろとありますけど、富山第一高等学校ぐらいかな、元気がいいのは。  もう一つは高朋高等学校へ行ってきた。昔の北日本電波高等学校かな。不登校など大変な厳しい環境になって、なかなか通学できないというような子供たちもたくさんいるようにおっしゃっておられました。それを校長先生、一人一人声をかけて、そして、何とか立ち直らせるように、子供たちに、何とか学校へ出てこいということを声かけしていると。それで、幾つかの実績も上がっているということをおっしゃっておられました。  その話を、元北陸電力の社長、会長をされた新木富士雄さんが聞いたら感動されて、そこの後援会長を今度引き受けられたそうですね。すごいじゃないですか。やっぱり教育って僕はそんなものだと思うんですよ。ただ、あそこの学校も汚い、正直言って。美しいとは言えない。やっぱりきれいにしてやってもらいたい。そういうことも含めて私立高等学校について、これからどのように取り組んでいくのか、蔵堀総合政策局長に伺います。 130 蔵堀総合政策局長 県内の高校生の21.8%は私立高校に在籍をされております。私立高校は、それぞれ建学の精神に基づきまして、特色ある教育を展開されていると考えております。その結果として、学業であったり、スポーツであったり、文化であったり、幅広い分野で成果も上がっていると思います。  ただ、一方で、中学校の卒業者数が減少傾向にございますので、それぞれの私立学校の経営環境は今後さらに厳しくなると見込んでおります。こうしたことから、私立学校の経営安定というのは大変重要だと県としても考えております。  各私立学校が引き続き安定的な経営をしていただくためには、原則としては、各校の経営努力というのは、それは当然でございますけれども、今ほどいろいろ御指摘のございましたように、例えば特色ある教育活動や多様な教育ニーズ、不登校などの教育ニーズへの対応に取り組んでいただくなど、一層魅力があって生徒に選ばれる学校づくりに取り組んでいただくことが大事だと思っています。  県としては、これまでも学校施設の耐震化や教育環境の整備、それから、生徒、保護者の授業料負担への支援に加えまして、各校の経常的な経費や特色ある教育、魅力を高めるための取り組みに支援をしてきております。結果として、全国トップクラスの水準となっているところでもございます。  他県からのお子さんの受け入れというお話もございました。富山県の私立高校に、平成30年度は他県から41人が入学をしております。過去5年間は大体毎年30人程度が入学をされておりましたけど、平成30年度はさらに10人ほど増えたという状況でもございます。こうして各私立高校がより一層魅力を増して、それぞれの特色を積極的に発信いただくことで活性化されることが重要だと思っています。  県としても、特色ある教育や学校の魅力向上の取り組みに対しまして支援の充実について、検討してまいりたいと考えております。 131 米原委員 私立高等学校の方々とも何度かお話しさせていただいたことがあるんですが、県のほうは、私立高等学校に対して大変積極的というか、全国1人当たりの補助といいますか、これは非常に高いということは私もよく理解しているつもりです。非常に思い切った支援をしていただいておることは十分県の配慮、すごいなと私は受けとめています。  ただ、逆に私立側からいったら、生徒がどんどん減少するから、また何か頂戴よと、とまでは言いませんが、何となく手を出しておるように見えてしようがないんですよ。私立高校の皆さん方の経営には、お金もうけできるものではありません。教育なんていうものはお金もうけできない。できないけれども、やっぱり何かまただめだったらお願いしますというようなところがかいま見えたものだから、あなたたち、もっと知恵を出しなさいよと、こういうことをやりたいんだということを言いなさいよって、私が言ったら、私立側は、ええ、またいろいろと御指導お願いしますということで終わっているんですけどね。本当にもっと私立高校の皆さんは知恵を出してもらいたいと私は思います。  そこで、もう一つお尋ねしたいんですが、高等教育機関です。私、県議会議員になって一、二期目だったと思いますが、中沖前知事が、何か富山に欠けているものはないのか、何か提案してもらえないかということをよくおっしゃいました。県民に対しても、私ら議員に対しても。質問というのは、こういうことが欠けていますよと、こういうところが不足していますよということを言ってくださいということをよくおっしゃったことを記憶しているわけです。  そこで、当時、私は高等教育機関が非常に富山県は不十分だと、だから子供が離れていくんだと、若い人が離れていくんだということをよく言いました。ちょうどそのときに、インテックの金岡幸二さんや中尾哲雄さんが中心になって富山国際大学を設立されました。そして高岡地区では、高岡第一学園の川原隆平さん、そして、経済界の立山アルミの竹平榮次さんが中心になって、高岡法科大学の建学に大変御尽力いただいたことをよく覚えています。  さらに県立は、中沖さんの時代に富山県立大学をつくろうということで、中沖さんが今の大学をつくられた。そして、今度、石井知事がそこを医薬品工学科や看護学部、あるいは工学科等々、新しくやりましょうということで決断された。  そして、浦山学園さんも、何とか地元に間に合うような生徒を世に送り出したいということで一生懸命やっておられる。  そういう中にあって、元気がないのは高岡法科大学ですよ。元気ありますかね。きょう高岡の人、一生懸命、質問しておられたけど。何かもうひとつ、私は今の時代にどうなのかな。法学部なんでしょうけど、間に合っているならいいんです。そうだけど、何か元気がないように私は感じるわけです。  高専や私立、短大など、いろんな関係がありますが、どのようにこれから新しい高等教育機関を進めていこうとしていらっしゃるか、蔵堀局長さん、ひとつ考え方を聞かせてもらえませんか。 132 蔵堀総合政策局長 本県には、高等教育機関として富山大学、それから富山県立大学、さらには富山国際大学、今ほどお話がございました県内で唯一法学部を要している高岡法科大学など、7つの高等教育機関があるわけでございます。これらの高等教育機関は、若者の県内定着、各分野への人材供給といったことだけではありませんで、それぞれの機関、学校が有します知的資源の活用によって、産業の活性化やまちのにぎわい創出といったことを行っていただいておると思っています。本県の地方創生にも欠かせない存在だと認識をいたしております。  県ではこれまで、1つには医薬品やアルミのコンソーシアムなど、県内企業との共同研究、それから、人材育成や若者の県内定着の取り組みなどに連携して取り組んでまいりました。また、私立大学につきましては、施設整備に対する支援、寄附講座や寄附講義の実施、それから、大学コンソーシアム富山が行います高等教育機関の魅力向上や県内定着促進の取り組みへの支援も行ってまいりました。ことしになってからは、CiCの5階の研修室を大学コンソーシアムで活用される際には無償で貸し付けるといった支援もしてきたところでございます。  私立大学につきましては、建学の精神などそれぞれの経営方針、運営方針をお持ちなので、必ずしも県の考えと一致するということではないとは思いますけれども、県内高等教育機関のさらなる活性化は大変重要だと考えております。引き続き連携して、富山県で活躍していただける若者が増えるように、県としてもしっかり取り組みの支援に努めてまいります。 133 米原委員 本当に富山大学、それから今申し上げた県立大学、それから短大、高専などまだありますが、しっかりとまた特色を出して、富山県として今の時代に合ったものを何とかやっぱり検討していかないと、何か今まであったからと、ただ存在に依存するのではなくて、もっとやはり新しい風を送り込むようなことを考えていかないいけないのではないかなと実は思います。  今回、県立大学は医薬品工学科や看護学部など、非常に今の時代にマッチした、知事が大変決断をいただいて、それこそ相当な投資をされて決断をいただいたわけですから、こうしたこともやっぱり非常に富山県にとって大きな財産になっていくのではないかと私は思いますので、ぜひ後世のこともあわせて、ひとつ検討いただきたいなと思います。  いずれにいたしましても、人づくり、人材というのは育てていかなければなりません。知事もいろんな場所で、人の問題、毎日、人の問題でしょう。人がいないとかどうだって、どこへ行ったって、みんな人の問題ばかり、毎日毎日、もう皆さん聞かされている状況です。みんながやっぱりそういうことをしっかりと受けとめて対応していかねばならないのではないかと思います。ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  次に、先般、これは知事にも、私ども自民党の役員会でお邪魔したときに、新しい地方創生の実現に向けて寄与するための第5世代移動システム、いわゆる5Gということについてお願いをいたしました。  これは、2020年のサービス開始に向けまして、通信事業者による整備が進んでいるのでありますけれども、これからIoT、さらにいろんな高度性を求められる自動運転、あるいは遠隔医療、離れて手術をするというような、そんな時代になっていくようでありまして、ちょっと怖いですけどね。そんなことで手術できるのかなと思います。あるいは、建設機械でも離れて例えば操作できるなど、そういったことも考えていかなければならない、今いろんな研究が進められているということでありました。  こうしたことを踏まえて、今さまざまな取り組みがなされているようでありました。このことは実は、私ども、全然わからなかったわけじゃないんですが、前に富山県にいらっしゃった新田さん、出口さん、長岡さんがおられる総務省へ私ども自民党の部会でお邪魔した際に、これからの総務省の目玉といいますか、5Gについての勉強会をいたしました。その勉強したことを受けとめて、なるほど、こんな時代になっていくのかと、オリンピックの前後にはこういう時代にはなっていくんだなと。  昔は、1964年のオリンピックのときは東海道新幹線が走って、その後、白黒テレビがカラーテレビになった時代ですよ。そんな時代が今、何十年の間に大きく変わったわけですから、今度、2020年を境にまた大きく世の中は変わっていくであろうと。そのための5Gというのはしっかりと受けとめていかなければならないということでありましたので、それが地方創生につながると、こういうことをおっしゃったものですから、これはいいことだなと思って、その内容を先般、自民党本部の二階幹事長や加藤総務会長、さらには萩生田幹事長代行、麻生大臣とお邪魔して陳情したところ、富山県が全国で初めてだとおっしゃいました。なかなかのものだと、そこまで勉強しておるのかというような話でした。  そういうことを僕は先般知事に話したら、いや、幹部の皆さんもこれからやっぱり進めていかなければならないと、この間、知事もおっしゃっていただきましたが、実用化に向けて、地方創生の実現に向けて、中山間地域対策などいろんなことにつながると思いますが、知事は5Gに向けての活動をどのように取り組んでいこうとしていらっしゃるのか、伺っておきたいと思います。 134 石井知事 委員御紹介のとおり、5Gにつきましては、2019年3月末までに周波数の割り当てがありまして、2020年度から商用サービス開始に向けてさまざまな方面で実証実験を行って、今、委員のおっしゃるとおり、これまでの既成概念にとらわれない活用方策が幅広く検討されております。  5Gについては、現在のLTE回線、4Gの100倍程度の速度であります10ギガbpsを目指すとされておりますけれども、その実現には、設備投資に係る技術的、経費的課題が残っておりまして、携帯大手各社それぞれ1兆円規模の投資を見込むと言われておりますけれども、実際に稼働に係るシステム開発事業者等の投資見込み額、国や自治体の導入経費がどの程度になるかは、まさに今、いろいろと模索しているということかと思います。  そこで、2年後の商用サービス開始時には、現在のLTE回線を改良した1ギガbps程度、現在の4Gの10倍程度での提供から開始しまして、課題を解決していきながら増強を図っていく予定と聞いております。  一方で、国においては、5Gは多様な地域課題解決や新しい地方創生の実現に寄与することが期待されますので、ことし6月に閣議決定された未来投資戦略2018において、5Gの地方への速やかな普及展開が重要であるとして、国、自治体、民間事業者において役割分担しながら、5G等の高度無線環境時代に向けて、ICTインフラの整備等を加速化するとされております。  また、総務省でも石田総務大臣を本部長とする地域力強化戦略本部を今月内に設置しまして、持続可能な地域社会の構築に向けて、AIや5Gを活用して、委員おっしゃるとおり、自動走行や遠隔治療等の先端技術をどのように地方行政で生かしていくかという検討を開始されると伺っております。  県としましては、委員の御提案の5G、大変いい方向だと思いますので、その普及展開に向けた国の動向や、具体的などのような分野で地域の課題に対応できるのか、例えば、お話にも出ました高精密診断画像による遠隔診療。また、建設現場の重機を遠隔地のコックピットから操作する、あるいは、観光では、360度パノラマ撮影された8K画像をリアルタイムで配信して、遠隔地でイベント等の臨場感を非常に画期的に高めるなど、いろんなことが今検討されるわけです。富山県としても、今例に挙げたようなことや、例えば今県議会でも、中山間地域対策、どうするかというようなことがいろいろ議論されています。そういった分野でもこの5Gの技術が活用できないかなど、いろいろ検討しなきゃいかんと思っておりますので、新年度に向けまして、官と民との役割分担、また、財政負担のあり方等も含めまして、国は国で大いに検討していただくんですが、それを横目でにらみながら、県における検討体制の整備についても、せっかくの委員の御提言でございます、ぜひその方向で体制整備を進めて、できれば全国に先駆けて、富山県がしっかり取り組んでいると御評価いただけるように頑張ってまいりたいと思います。 135 米原委員 ぜひ期待をしておりますので、知事を先頭にひとつ進めていただきたいと思います。  最後に、いよいよ来年、新しい年を迎えるわけでありますけれども、最後にこれだけ1つもう一度、大変しつこいようでありますが、申し上げておきたいことがございます。  県では、例えば先ほどの教育問題の高校再編の問題にいたしましても、あるいは、いろんな研究会や検討会というのがたくさんございます。大変な資料をつくられて、これをいろんな委員会の人たちに見てもらう。こうです、ああですという説明がある。知事も結構そういうのが好きですからね。がーっと書類をつくって説明するのが大変得意な方でありますけど、僕は、つくる側にすれば、それはもう書類も大事なんですが、問題は、やっぱりほとんど説明で終わっちゃうんですよね。あれだけ書類を出されて説明されたら、もうなかなか反論できない。思っていてもなかなか言えない。  私は、これからの時代、今この新しい時代は、産学官金労といつも言っている。地方創生の時代を迎えるということは、皆さんの意見を集めて、どうその地域の、ローカルならローカルの、富山県なら富山県に合ったものをつくるかっていうことだと言っている。言っているのだけど、県のスタンスは書類でもってこう示されるとなると、僕はこれはとてもとてもなかなか生きた地方創生にならないと思うんですね。  若い人たちもたくさんいる、女性もいる、いろんな人たちが意見を持っている。そういう人たちの意見を聞いて、それをやっぱり形にして、1つの富山県型のものをつくっていくことが富山県型の地方創生に結びつくと、私はそう思うんですよ。  何か皆さんのやり方を見ていたら本当に、どれだけ書類がありますかね、これ、同じものばかり。莫大な費用ですよ。資料をつくることに皆さん時間をかけている、そのための会議をしなければならない。私はちょっと民間ではとてもとてもそれは考えられないですね。  ですから、もう少し簡素にして、意見を聞いたものは、なるほどねと思ったら、やっぱりそれを入れるというぐらいのスタンスでやらないと、どうもきょうも皆さんと話をしていても、検討しましょうとかどうとかこうとかというような話が結構多い。  私たち県議会議員もお願いしますなんて、何でお願いしますって言わなければならないの。一緒にやりましょうということを言えばよいではないか。何でお願いします、お願いしますと言わないのといけないのか。私はお願いしていないから。違うでしょうが、みんなで一緒にやらないといけない。そういうところはやっぱり改めていかないと、改革にはならんと思うと私は言いたい。  新しい時代を迎えるということは、みんなが意見を出して、みんなで語り合って、そして、いい富山県をつくっていこうよと、それが地方創生なんだというスタンスで私は考えるべきだということを申し上げたいと思います。最後に知事の所見を伺っておきます。 136 石井知事 いろんな課題を検討するには、縦横斜めからいろいろ検討するということで、いろいろ書類が増えたりすることがあると思いますが、やっぱり今お話に出たように、次の時代を担う若い人やこれまで以上に活躍していただくという意味で女性の皆さん、あるいは、御高齢だけれども、まだまだ意欲がある、そういう皆さんの意見をしっかり聞いて生かしていくというのは大事だと思います。  そういう意味で、きょうも議論に出ましたが、先般から始めている若者の事業者の懇話会というのを最近つくりましたけれども、若い方の中にも、本当に志や情熱、夢を持って、本当に足を地につけて、本当に苦労して、額に汗して頑張って、知恵を出して、本当に実績を上げている方が結構たくさんおられます。そういう実践の中から出てきた課題、やっぱりここまで自分たち頑張ったけど、ここはひとつ県や市町村に頑張ってほしいなと、こういったような話を聞くと本当にうれしいですね。  やっぱりそういう前向きにもっと地域をよくしよう、富山県をよくしよう、日本をよくしよう、そういう情熱や夢、志のある若い人や、また、頑張っている女性の皆さん、いろんな皆さんの意見をできるだけ生かして、そして、富山県として大きく前進する。そのことによって、いろんな課題がある日本をもっと元気にする。そういうことに寄与できますように、また米原委員を初め県議会の皆さんの御意見を伺いながら、一緒に頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。 137 米原委員 本当に大きな声を出して、大変失礼なことがあったかと思いますが、やっぱり富山県が大好きでありますし、もっと富山県が、今まで皆さん、先人たちが御苦労されてつくり上げてきたこの富山県、さらにいい富山県をつくるために、みんなで頑張っていく、そういう富山県になっていただきたいから、あえて申し上げた次第でございますので、お互い頑張りましょう。  終わります。ありがとうございました。 138 宮本委員長 米原委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって本委員会の質疑は、全て終了いたしました。  各委員におかれましては、長時間御苦労さまでした。  終わりに、本委員会の運営に終始御協力を賜りました議員各位、県当局並びに報道関係の各位に対し、深く敬意を表します。  これをもって、平成30年11月定例会の予算特別委員会を閉会いたします。                     午後4時09分閉会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...