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  1. 札幌市議会 2012-12-11
    平成24年(常任)経済委員会−12月11日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成24年(常任)経済委員会−12月11日-記録平成24年(常任)経済委員会  札幌市議会経済委員会記録            平成24年12月11日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時 ○長谷川衛 委員長  ただいまから、経済委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  議事に先立ちまして、理事者より発言したい旨の申し出がありましたので、これを認めます。 ◎下村 交通事業管理者  先週、12月7日夜、市電西8丁目停留場におきまして、停車中の電車に後続の電車が時速2キロ程度で追突する事故が発生し、市電を利用される多くのお客様にご迷惑をおかけしました。  現在、原因究明を進めており、今後、より一層、安全運行を確保できるよう、再発防止に努め、信頼回復に取り組んでまいりたいと考えてございます。  事故概要につきましては、所管の高速電車部長からご説明させていただきます。  このたびは、まことに申しわけありませんでした。 ◎田畑 高速電車部長  事故の概況につきまして説明させていただきます。  去る12月7日金曜日でございますが、午後6時57分ごろ、西4丁目停留場を発車した車両が西6丁目の交差点で赤信号により停止しておりました。前方約100メートルの西8丁目停留場に、先行電車が乗客混雑で停車中であることを確認いたしました。その後、交差点の信号が青になったため、発車いたしまして、時速約15キロに達したところでブレーキをかけ、スピードを落としながら進行を続けまして、先行車両の約5メートル手前で停止させようとしましたけれども、十分減速いたしませんでした。このとき、非常ブレーキを投入しましたけれども、とまり切れずに、結果として時速約2キロメートルで衝突してしまったということであります。  負傷者につきましては、西8丁目停留場で先行の車両に乗車されまして、西線9条の停留場で降車されました。そして、帰宅後に腰や首に痛みがあった、それで、電車事業所の方に電話連絡をいただきました。その際、電車事業所の勧めで、夜間診療病院を受診していただきました。そのときには、2〜3日の経過観察が必要というような医師のお話があったということでございます。  原因は調査中でありまして、その他、事故の背景、要因等についても、現在、詳細に分析等を進めているところでございます。  緊急的な防止策としましては、1点目としては、安全運転に関しての職員全体への周知徹底を図りました。それから、特に冬期間ですので、追従運転時の車間距離については十分確保するようにということで行っております。また、詳細な原因究明後には、新たな再発防止策を強化していきたいというふうに存じます。  申しわけございませんでした。 ○長谷川衛 委員長  それでは、議事に入ります。  最初に、議案第35号 軌道事業の実施に関する件を議題といたします。
     理事者から、補足説明を受けます。 ◎富澤 技術担当部長  それでは、議案第35号 軌道事業の実施に関する件について補足説明させていただきます。  まず、お手元にございますA4判の資料1、路面電車の環状化(ループ化)に伴う特許の取得と書かれた資料についてご説明いたします。  1の路線の新設に向けての特許をごらんください。  路面電車の環状化、いわゆるループ化につきましては、ことし4月に策定しました路面電車活用計画に基づきまして実施に向けた準備を進めているところでございますが、軌道事業の路線の新設に当たりましては、国土交通大臣の特許が必要でございます。この特許申請の前には、市議会で軌道経営に関する決議をいただく必要がございますことから、このたび議案を提出したものでございます。  次に、2の特許取得の手法をごらんください。  特許取得の手法は2通りございます。一つは、(1)軌道法に基づく通常の特許で、既設線はこちらで取得してございます。もう一つは、(2)地域公共交通の活性化及び再生に関する法律、以後、活性化法と呼ばせていただきますが、この法律に基づく特許でございます。  軌道法の特許と活性化法の特許の大きな違いは、活性化法の特許では、軌道運送高度化実施計画、以後、高度化計画と呼ばせていただきますが、高度化計画を策定する必要があるという点と、いわゆる上下分離制度を導入できる点でございます。上下分離制度とは、軌道や車両を建設、所有する地方公共団体等軌道整備事業者が民間等の軌道運送事業者に施設、車両を貸し付けることで運送と整備を分離して事業運営を行える仕組みのことでございまして、運送事業を上、整備事業を下と呼んでいるものでございます。  次に、3のループ化特許申請をごらんください。  札幌市の軌道事業につきましては、将来にわたり直営を維持することは困難であると判断しておりまして、直営にかわる持続可能な経営形態として、効率的な運行と、市が主体的に路面電車まちづくりに活用することとが両立できるよう、先ほど2の(2)でご説明いたしました上下分離制度の導入を視野に入れ、ループ化の特許は、高度化計画の認定を申請し、リストにするものでございます。また、高度化計画の内容につきましては、後ほどご説明いたしますが、項目としましては、路線のループ化、新型低床車両の導入、既設線の制振軌道化及び停留場のバリアフリー化となってございます。  次に、4の上下分離制度を導入する場合の法手続きでございますが、今回、提出いたします高度化計画の大臣認定を得ることで、ループ化の特許を取得いたします。将来、上下分離制度を導入する際には、高度化計画の変更認定を受けることとなります。  続きまして、事業の概要につきまして、お手元にございますA3判の資料2、軌道事業の環状化(ループ化)概要と書かれた資料についてご説明いたします。  まず、1のループ化実施内容をごらんください。  先ほどもご説明いたしましたが、特許を必要とするのは、新たに軌道を敷設する区間でございます。路線名については、仮の名前ではございますが、都心線、区間は現在のすすきの停留場から西4丁目停留場の間、その延長は404メートルを計画してございます。  開業時期は、平成27年春を予定してございまして、今後のスケジュールにつきましては、現在、開会中の議会で議案の議決をいただいた後、速やかに特許取得の申請を国土交通省に行い、道路管理者の意見照会や運輸審議会国土交通省内での調整を経た後、来年3月に特許取得を見込んでいるところでございます。その後、工事施工認可取得の手続に入りまして、来年9月に認可を取得した後、10月から関連工事に着手する予定でございます。工事は、支障物件の移設、軌道の敷設、すすきの、西4丁目両停留場の改築、電気設備工事などを行い、平成26年12月の竣工、その後、習熟運転を経て平成27年春には環状化区間の開業を予定しております。  事業費は、約19億円を見込んでいるところでございます。  続きまして、2の軌道運送高度化実施計画をごらんください。  高度化計画には、大きく三つの内容がございます。  一つ目は、先ほどご説明しました路線のループ化でございます。駅前通にサイドリザベーション方式で制振軌道を新設し、さらに、狸小路周辺に新たな停留場を設けることで、資料の中央下にあるイメージのように、停留場と周辺部が一体となった、人がにぎわう交流空間の創出が期待されます。  二つ目は、資料中央にイメージを掲載しております低床車両の導入でございます。札幌独自のシャープでモダンなデザインとし、また、車いすなどに利用しやすいバリアフリーに対応した車両であり、定員数も既存車両の60名程度から71名に増加いたします。  そして、三つ目は、停留場のバリアフリー化と制振軌道化でございます。  整備区間につきましては、お手元に参考資料として配付いたしました路面電車の路線図をごらんください。  1の街路拡幅による整備でございますが、建設局所管街路拡幅工事は、南9条以北の道路を対象としてございますので、対象となる停留場は、この路線図の左肩にございます山鼻西線の西15丁目、その南側の西線6条、その南側の西線9条旭山公園通、それから、山鼻線は、路線図の右側になりまして東本願寺前及び山鼻9条の5停留場でございます。これらの停留場につきましては、街路拡幅に合わせバリアフリー化を進めるものといたしまして、その他の既設の停留場は乗降場のかさ上げなどを実施していく計画でございます。  2の制振軌道化につきましては、本線レールの内側にレールを敷設するいわゆるダブルレール化を行って振動や騒音を抑制するもので、既設の全線を対象とし、軌道の更新などに合わせて進めていく考えでございます。  これらの整備によりまして、ループ化区間のみならず、既設線の利便性等も向上し、路面電車全線の高度化を図ることで、利用者サービスの向上とともに、経営の健全を図ってまいる所存でございます。 ○長谷川衛 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆佐々木みつこ 委員  まず、12月7日に発生しました路面電車の追突事故について、先ほど原因究明再発防止に努める、運転手へ徹底するというお話がありましたが、その職員の雇用形態、また、運行と整備マニュアルの徹底状況など、現時点で考えられる原因と再発防止に向けた内容をお聞かせいただきたいと思います。 ◎田畑 高速電車部長  まず、運転手の雇用形態、経歴等についてですけれども、運転手は、52歳の正職員の運転手で、路面電車運転経歴は10年4カ月でございましたが、それ以前に、平成2年から平成14年までは自動車運転手として勤務しておりました。自動車運転手、それから路面電車運転手の時代を通して事故歴等はありません。  それから、マニュアル等につきましては、運転取り扱いマニュアル等をきちっと整備して、それにのっとって行っております。  また、現在、想定される原因と対応策ということでございます。  現時点で想定される原因といたしましては、このとき、今回の事故が起きた7日の17時21分に発生した地震の影響で運転ダイヤは非常に乱れておりまして、多くのお客様に迷惑をかけたところであります。そういった乱れたダイヤの復旧運転をやっていたということが背景にございました。  それから、詳細原因については、今、調査中ですが、冬期間の運転については、特に車間距離の確保など、安全運転に対する配慮が欠けていたのではないかという反省がございます。それからまた、車両を調べましたところ、ブレーキパッドの周辺に氷の付着が見られましたので、これが直接の原因と断定するわけではないのですが、こういったものも制動距離に影響を与えた要因の一つになったのではないかと想定されます。  いずれにしても、原因はどうであれ、どのような状況であっても絶対に事故を起こしてはいけないというのが我々事業者に与えられた努めだと思います。今回の事故を真摯に受けとめて、これを教訓として今後の安全運行につなげていきたいと思います。  もう一つ、再発防止に向けた今後の考え方でございますけれども、まずは、先行車両へ追従停車するときの車間距離については、通常時で3メートル、そして、滑るときには5メートル以上の距離を置くことを規定していますが、安全に配慮いたしまして、状況に応じてさらにこの距離を伸ばす、要は前方の電車に接近しないというようなことをやっていきたいと思います。  また、冬期間は、運転の取り扱いとして、定期的にブレーキをかけることでブレーキパッド周辺の氷が解けることがありますので、そのように氷を取り除くことを定期的に行う、これを徹底させたいと思っています。さらに、職員が添乗して指導しておりますけれども、降雪時の車道や軌道敷の変化に適切に対応するための技能をさらに上げていきたいというふうに考えているところです。  大変ご迷惑をおかけしまして、申しわけございませんでした。 ◆佐々木みつこ 委員  今、いろいろな再発防止策をされることは大体わかりましたけれども、そもそも、冬場に制動距離が伸びることは札幌では当然予測されることでありますし、氷などがブレーキパッドにつくのも当然のことです。また、最近は地震もよく発生していますので、そういったことを想定した上で、安全に運行することをもっともっと図っていただきたい。今回は、単純なミスであるというふうに私は思います。  また、私も、最近、電車通を車や徒歩にて通行することがありますが、線路と道路横の雪との間が狭い中、そして、でこぼこ路面を車自体もおしりを振りながら走行しているようなところを、市電が余り減速せずに、そして、警笛と言うのですか、威嚇運転をするようにして通り過ぎる場面を何回か拝見することがありました。これから冬の時期は、電車と車の事故も起こりやすくなりますので、路面の管理とか電車通の交差点や電停付近の安全管理、除雪との連携などもぜひ配慮していただきたいということをお伝えします。  とにかく、今、そちらから言われていましたが、今後、二度とこのような事故が起きないように、また、将来、委託化したときにも、再度、安全運行が図られるような徹底の仕方をご検討いただきたいと思います。  では、路面電車ループ化について質問させていただきます。  我が会派は、かねてより、軌道事業の継続に当たっては、抜本的な経営の効率化を図ることが重要であり、まず、経営形態の見直しを行い、黒字化のめどをしっかり立ててから論ずるべきであると主張してきました。  平成24年第1回定例会の予算特別委員会において、我が会派は、軌道事業の経営の効率化、経営形態の見直しを行い、黒字化のめどを立ててから論ずるべきとの立場で、また、活用計画案については、十分な市民合意を得られていない状況から、予算の修正案を提出させていただいた経緯があります。  今議会の代表質問で、市長は、軌道事業の経営については、将来にわたり直営を維持することが困難である、そして、直営にかわる持続可能な経営形態として、上下分離制度が有力な選択肢であると答弁されています。しかしながら、現在の赤字基調の路面電車が駅前通をたった400メートルほど延ばしてつなぎ、ループ化することで、果たして、将来、本当に黒字に転じることができるのか、さらに、これまで市長がまちづくりに活用するとおっしゃっていたことの具体的な内容も見えてきません。  そこで、何点か確認させていただきます。  まず、交通局は、これまでどのような経営改善を実施してきたのか。  次に、ループ化の目的、効果は何なのか。  さらには、軌道運送高度化実施計画により、ループ化部分の特許を取得し、あわせて、経営改善のため、上下分離制度導入の道筋をつけるということですが、漠然としています。経営改善の実施時期、すなわち上下分離制度の導入時期について、もっと明確に示すことが必要だと思いますが、それができないのか。  加えて、このたび提案されているループ化のルート案については、駅前通でということでありますが、そこには地下街があり、地下鉄南北線も運行していて既に成熟したにぎわいのある空間であります。そのようなところに路面電車を敷設するよりは、例えば、もっと都心の東側、二条市場やサッポロファクトリーのあたりでループ化する方が将来のまちづくりにつながると考えるのですが、なぜ、あえて過剰投資とも言える駅前通でのループ化をするのか。  以上、4点についてお伺いします。 ◎小西 事業管理部長  ただいま佐々木委員からのご質問は4点あったかと思いますが、私から、順次お答えしたいと思います。  まず、1点目の交通局におけるこれまでの経営改善の取り組みでございます。  交通局では、平成4年度以降、数次にわたり経営健全化に取り組んできておりまして、これまでの間、地下鉄の全駅の委託化、それから運転手のワンマン化といった業務の見直しや民間委託の推進など、人員を削減するという手法で経営の効率化を図ってまいりました。その結果、直近である平成23年度と健全化の着手前年である平成3年度とを比較した場合、交通局全体では、平成3年度の162億円から95億円の人件費を削減してきているところでございます。このうち、軌道事業につきましては、車両の整備業務の委託化、あるいは、運転手の非常勤職員の活用といった手法で効率化を進めてきたことによりまして、正職員につきましては、平成3年時は128人おりましたけれども、そこから67人削減し、総人件費では約3億3,000万円の削減効果を得ているところでございます。  それから、2点目のループ化の目的、効果は何なのかというお尋ねでございます。  路面電車ループ化につきましては、まず、路線が環状化することで、どの停車場からでも西線回りあるいは山鼻線回りのいずれかの最短ルートを選択することができるようになりまして、移動時間が短縮する効果がございます。また、山鼻線が都心部に直結することによりまして、西線の混雑が緩和し、現在、生じておりますラッシュ時の乗り残しが解消できるといったようなお客様にとっての利便性の向上が期待されるところでございます。  一方、私ども事業者にとりましては、お客様へのこれらサービス向上に伴う需要の増加あるいは収入の増加という効果がありますとともに、今回の特許取得のために、軌道運送高度化計画の認定を受けることで、将来の上下分離制度導入への道筋をつけるという意味合いがございます。今回の路線のループ化を契機といたしまして、運送サービスの向上と経営の効率化を同時に進め、軌道事業経営改善にこれからも邁進したいというふうに考えてございます。  それから、3点目の上下分離制度の導入時期を明確にできないかというお尋ねでございます。  上下分離制度は、国の認可を得て初めて実現できるものですから、現在、我々申請者の立場で何年からと明言することはできないと考えてございます。  そして、上下分離制度の導入に向けましては、一定の環境を整えることが必要となってまいります。  その一つ目は、人材の育成でございます。札幌は、路面電車を運行している他の地域と比べまして、積雪寒冷かつ全線が自動車交通と混在する併用軌道という厳しい走行環境にございます。したがいまして、将来の運行を担う人材として、非常勤職員の養成と、運行に係る技術、技能の継承をしっかりと行いまして、安全レベルを低下させることなく新たな経営形態に引き継ぐことが必要と考えているところでございます。  次に整えるべき環境として、老朽化した施設・設備の改修がございます。購入後、50年以上が経過した車両が多く存在していること、建築後40年以上が経過した車庫あるいは変電設備の老朽化、これらへの対策を進めることは新たな担い手が軌道事業を受けやすい環境を整備するといった意味からも重要と考えてございます。  また、担い手そのものについての十分な検討も必要になってまいります。新たな担い手に求められる条件といたしましては、路線をしっかりと維持し、サービス水準を確保できること、安全管理につきましては、上下が一体となった体制がとれること、収支の透明化が図られること、それから、運行の担い手としてこれから育成する非常勤職員を受け入れていただくことなど、いろいろな観点からの検討が必要になってまいります。今後、組織面、収支面、安全管理体制、それらにつきまして、さまざまな観点から深掘りをし、検討を進めていきたいというふうに考えてございます。  これら新たな担い手が事業を受けやすくするための環境整備を精力的に行いまして、かつ、国との協議も並行して進め、軌道事業の維持と経営改善のため、平成30年代前半と言いつつも、少しでも早い時期での経営形態の見直しを目指したいと考えてございます。  最後の4点目のご質問は、なぜ駅前通でループ化するのかというお尋ねでございます。  今後、軌道事業につきましては、この春に策定いたしました路面電車活用計画に基づきまして、都心地域と想定されております3地域への延伸の可否を検討していくことになろうかと思いますが、私ども軌道事業者といたしましては、現行路線のままでは、早晩、事業の維持が困難になるものと考えてございます。そこで、まずは、最少の投資で、時間短縮や乗り残しの解消など、運行サービスの水準を効果的に上げることができる駅前通でのループ化を行い、その中で経営を改善し、体力をつけた上でさらなる公共交通の充実を目指してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆佐々木みつこ 委員  まずは、最少の投資で運送のサービス水準を上げるために、駅前通でループ化して、経営改善の体力をつけ、平成30年代ということですから、ループ化して大体5年ぐらいで経営形態の見直しを目指すということだったかと思いますが、当初から黒字になっていないと担い手も出てこないのではないかとも思います。あくまで経営の黒字化が最重要事項であることを再度指摘させていただきたいと思います。  ところで、駅前通のループ化となれば、かねてから我が会派が指摘しておりましたタクシー、荷さばき、除雪などへの懸念は、経済活動の上でも無視できないものであります。また、計画を見ましたら、ループ化による新規需要はほんの600人という想定でありました。事業に要する大きな投資、ループ化では19億円というご説明がありましたが、車庫とか変電所とか、その周辺整備を含めて全体で90億円という投資を考えますと、その投資効果をきちんと評価し、その効果である乗客増を600人以上に拡大していくことが不可欠であると考えます。さらに、これからの札幌市は、少子高齢化の進展、人口減などにより、市民の暮らしや活力ある経済を支える将来の交通体系のあり方が問われると思います。  そこで、再質問でありますが、先般、3定の決算特別委員会において、我が会派の阿部議員が、運送業界タクシー業界の理解を得るという課題にどう取り組まれたのかとの質問に、理事者側の答弁では、調査検討は進めているものの、移設方策などは固まっておらず、業界の理解を得るところまでには至っていないということでした。ループ化を進めるに当たっては、こうした課題を早急に解決する必要があり、そのためにも、事業に対するこうした業界への影響について着実に検討を進めることが不可欠であります。  この質問から既に1カ月半ほど経過していますが、タクシー、荷さばき、除雪などの課題解決に向けた検討はどこまで進んでいるのか、お伺いします。  次に、事業効果についてお伺いします。  先ほど申し上げましたとおり、ループ化での乗客人員増は1日当たり600人という計画でございました。観光客の増加や沿線の再開発誘引などの不確実な効果は見込まない中での見積もりであるとは伺っていますが、路線のループ化においては、さまざまな波及効果が期待できるところであり、もし駅前通より東のルートであれば創成川イーストの活性化及び観光客の増加がもっと期待できるところであります。今回、最少のコストで整備し、経営改善の体力をつけることを優先して駅前通でループ化と伺いましたが、その中で、乗客600人増にとどまらない効果を求めていくことが必要であると考えます。  ループ化される駅前通には、大型商業ビルが並び、それと交差する狸小路商店街が東西に伸び、このエリアは古くから札幌の商業の中心として札幌のまちを牽引する重要な商業圏であります。ここに電車を走らせることによる効果が1日600人の増加だけでは、投資をする市民にとって大変心外であり、その投資はむだだと思われてしまいます。沿線を活性化させ、商業事業者や観光消費を呼び込むなど、いろいろな効果を見える形で市民に示すことが必要だと考えます。  そこで、質問ですが、駅前通に市電を通すことにより、どういう効果を期待し、どう高めていくのか、お伺いします。  3点目の質問ですが、このたびは路面電車ループ化の議案でありますけれども、市民からは、中央区の都心部ばかりが便利になるのではないか、都心部以外のバスや地下鉄や道路などの交通計画はどうなっているのかという声も聞こえます。路面電車にとどまらず、将来的な札幌市全体の交通体系を見据える必要があり、札幌市全体の交通体系の中で、自動車や公共交通に期待される役割を明確にし、市民にとって利用しやすい納得のいく交通体系にしていくことが必要と思います。  そこで、質問ですが、ことし1月に策定した札幌市総合交通計画でも公共交通の充実を目標に上げていますけれども、札幌市全体の将来の交通体系の充実にはどのように取り組んでいくのか、お伺いします。 ◎佐藤 市民まちづくり路面電車担当部長  3点のご質問にお答えします。  まず、タクシー、荷さばき、除雪でございます。  タクシー乗り場につきましては、現在、ループ化区間であります駅前通に4カ所ございます。これを、駅前通から余り離れない地点に移設することを中心に検討を進めております。荷さばきのための駐車については、通常の規制ですと作業時間5分でございますが、これを20分まで延長できる荷さばき規制緩和区間というものを駅前通のループ化区間以外の場所に新たに設けることを中心に検討を進めております。タクシー乗り場の移設場所や規制緩和区間の設置につきましては、事前に実施したタクシーや荷さばきの利用状況調査や、法律で定められる駐車禁止エリアなどを除いた活用可能スペースを考慮しまして、それぞれについて最も適当と考えられる方策案を作成しているところでございます。この方策案をベースにいたしまして、関係行政機関に相談しながら、地域の方々にも説明を始めているところでございます。できるだけ早期に成案化いたしまして、速やかに地域や業界など関係者の方々にご相談し、ご理解とご協力をいただけるよう、鋭意、努力してまいりたいと考えております。  また、除雪につきましては、ループ化区間は国道でございますので、国道管理者に相談しながら検討を進めているところでございます。既に道路断面を決定し、現在、軌道と車道の境界部分の取り扱いをどうするか、維持管理を含め、作業面やコスト面など、さまざまな観点から細部にわたる具体的な検討を進めているところでございます。軌道部の除雪につきましては、線路の除排雪を行う必要があるため、既存のササラ電車の改良も含めて検討を行っております。  2点目の駅前通を通すことにより、どういう効果を期待し、どう高めていくかというご質問でございます。  このループ化区間は、札幌のシンボルストリートであり、都心のにぎわいの軸である駅前通で、そこは、大きな商業圏と相まって、四季を通じて多くの市民や観光客の憩いとにぎわいの場となっております。ここに電車が走るということは、国内はもとより、海外に対しても非常に大きなインパクトがあると考えております。加えて、新たに導入する新型低床車両や狸小路の新電停、さらには、高齢者を含め、だれもが安心、気軽に電車を乗降し、お使いいただけるよう、全国的にも初めての本格的なサイドリザベーションなど、トータル的なデザインを意識した取り組みを展開しまして、集客、交流の促進、購買行動の活発化などといった効果が発揮されることを期待しております。  この特徴的な空間の中で、一年を通じ、来街者が楽しめるイベントやサービスを提供している沿道商業者、都市再生整備推進法人であります札幌大通まちづくり株式会社など、地域との緊密な連携を図りながら、多様なサービスを市民や来街者に提供し、にぎわいが生まれ、さまざまな体験を楽しんでいただき、それと同時にまちの魅力を高め、活性化につながっていくようなアイデア、豊かな取り組みを着実に展開していきたいと考えております。  こうしたハード・ソフト両面の取り組みに加えまして、既設線沿線全体の魅力向上や活性化という点についても意を尽くしながら、戦略的にプロモーションすることにより、来街者の購買意欲を刺激することや、新たな都市再生の動きに連動した民間投資を誘発するような機運が高まることを期待しております。そのためにも、私どもも、市民や地域の皆さん、また、地元商業者を初めとする企業の皆様と手を携えながら、一緒に取り組みを進めてまいりたいと考えております。  3点目の札幌市全体の将来の交通体系の充実にどう取り組んでいくかというご質問でございます。  札幌市では、今後の人口減少や高齢化が一層進行する中、市民生活や経済活動などを支えていくためには、将来の交通体系のあり方をしっかりと見据えておくことが重要と考え、平成24年1月に札幌市総合交通計画を策定しました。超高齢社会の到来に向けて、市民にとって暮らしやすく移動しやすい交通環境を創出することが重要であり、暮らし、活力、環境を重視する公共交通を軸とした交通体系の実現を計画の基本理念としております。その中で、具体的な交通施策として、都心部を初め、その他の拠点におきましても、市民生活における交通利便性向上のため、交通結節点としての乗り継ぎ円滑化、バリアフリー化の促進などを進めていく予定でございますし、さらに、公共交通全般の利用促進に取り組んでいく予定でございます。  なお、今後とも、その効果の検証を行いながら、適宜、計画の見直しを行うこととしており、地域の課題や要望をしっかりと把握しながら、札幌市としての将来の交通体系の確立に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  都心部以外の地域の課題や要望をしっかりと把握して、札幌市全体の将来の交通体系の確立に向け、市民の合意が得られるように、適宜、検証しながら進めていただくことを、ここはぜひお願いいたします。  ここで、市長にお伺いします。  平成21年2定での私の代表質問において、国際園芸博覧会の開催いかんについてお伺いしたことがございます。そのときは、市民の賛成が37%、反対が30%と、開催への賛成意見が多かったにもかかわらず、開催いかんの判断は延期に次ぐ延期をされ、結果、その年の4定の飯島議員への答弁において開催しないという決断をされたことがございました。  私はその理由をまだ覚えておりますが、このようなことをおっしゃっておりました。そのときにおいてではございますが、国際イベントへの投資の考え方として、一時的な集客による経済効果だけではなく、将来的な経済波及効果が発生することを目的にするものであり、その費用対効果という問題をクリアできるのであれば積極的にやるべきであるという前提を述べられた上で、花博については、4年後、つまり任期後も費用対効果について私の責任において大丈夫だと思えるものしかやれない、今はわからない、不安だけど将来はいいかもしれないということでは、ゴーサインを出す勇気を持っていないとお答えいただいております。  そこで、このたびの路面電車ループ化への投資についてお伺いします。  市長は、この投資について、札幌市の将来にわたるまちづくり、とりわけ将来的な札幌市への経済波及効果の発生を導く費用対効果が市長の責任において大丈夫と考えているのか、お伺いします。 ◎上田 市長  私もその答弁をよく覚えております。また、就任以来、どこに何を優先的に投資し、そして、投資をする際には、当然のことながら、将来的にその投資効果が上がることにそれなりの確信を持ちながらということで、振り返りますと、そのようにやってきたというふうに自分では考えております。  電車の問題につきましては、私が就任した直後から議論されております。平成15年6月に就任いたしましたので、それからすぐ、電車について当時は存続させるかどうかという議論が始まりまして、市民との対話集会、いろいろなフォーラム等も開かれました。その結果を踏まえて、平成17年2月だったと記憶しておりますが、やはり、札幌市の市電は、北海道遺産という位置づけもされておりますので、まちの風景あるいは風格、歴史といったものを物語るもので、まちづくりにとっても非常に重要な役割を担い、かつ、これからも札幌を象徴するものとして電車を生かしていきたい、こんな市民の皆さん方の考えと、私もそうだろうなということで、存続させるという決断をいたしました。  その後、さまざまな先生方の意見をお聞きしながら、また、どういう形であれば市民のために存続させていくことができるかという方法論も専門家の先生方等々を交えて議論した結果、やはり、乗車人員の拡大が非常に大きなテーマだということでした。そこで、札幌で乗降客の一番多い札幌駅での結節点を設けるべきだ、そして、駅前と大通と薄野を結びつけていく、そういうものにしていかなければならないのだというふうなご提言をちょうだいいたしまして、私どもも、それに向けて、そういうことが実現できるかどうか、さまざまな検討をしてきたところであります。  その過程で、駅前までの延伸だとか、あるいは桑園とか苗穂とか、そういうところまで広げていかなければ電車のよさがなかなか出てこないのではないかというふうな議論もありました。ただ、それに対する投資全体を見渡して、市民全体の意見をしっかりお聞きして、確実に市民の皆さん方の信頼を得られる政策決定をしなければなりません。そんな思いから、まずは電車のよさをしっかりと理解していただく必要がある、そのためには、交通の利便性、市電の利便性を高め、そして、それを利用していただく方をふやすことを目的といたしまして、とりあえず19億円かかりますが、この400メートルをループ化することが既設路線を本当に多くの皆さん方によくご利用いただけるようにするための必要な措置というふうに考えまして、昨年の選挙の際にはループ化するということを公約に掲げていたところでございます。  そんな意味で、都市の装置として、今まで使い勝手が余りよくなくてなかなかご利用いただけなかった方もおられると考えておりますが、一応、計算いたしますと純増が600人と考えておりまして、ループ化することによって最小限で600人は乗客増ということになるだろうと思います。それとともに、私も、いろいろなまちに行って電車に乗っておりますが、例えば、富山のようにループ化されたところに行きますと、観光客は必ず乗りますね。そういうふうな存在として、ループ化することによる効果ということでは、1,200万人から1,300万人もの多くの方々が観光客として札幌へ訪れるわけでありますので、この方々が札幌の象徴的な乗り物としての電車を多く活用していただけるようなことになりますと、よりにぎわいといったものが増し、まちづくりの中では極めて重要な役割を担っていただける、かつ、投資した額を十分に回収し、まちづくりの効果といったものを多く発揮することができるという確信を持ち、私はループ化についてご提案させていただいているということでございます。 ◆佐々木みつこ 委員  今、市長のご答弁で、ミニマム、最小で600人は乗客がふえて黒字化になる見込みである、プラスアルファで観光客も見込めるので、投資を回収できる確信が十分あるとお伺いしました。ぜひ、そのとおりになるように、経済波及効果をさらに高めていただくように期待いたします。  最後に、一言、申し上げます。  これまでもご答弁にありましたとおり、ループ化を契機とする経営改善を確実なものとし、上下分離を含む経営形態の見直しや、タクシーや荷さばきなどの諸課題への対応をまずはしっかりと進めていただきたいと考えます。市長にお伺いしましたとおり、将来の経済波及効果が不可欠ですので、具体的なプロセスを持って、議会にも適切にご報告いただき、市民にも常にわかりやすく確実に実行させるよう求めるとともに、私どもはその動向について注視していくことをお伝えします。  また、住民生活に密着するさまざまな公共交通の利便性向上を図り、都心部ばかりではない、札幌市の全体的な交通体系を確立する取り組みへの市民の期待は非常に大きいと考えます。都心部の路面電車ループ化にとどまることなく、例えば、札幌市の地下鉄網はこれで十分なのか、都心部以外の子どもや高齢者、障がいをお持ちの方にも使いやすいものになっているかなど、さまざまな観点から検証を加え、具体的にスケジュールと数値目標を持って機能向上に努めていただきたいと考えます。
     あわせて、観光都市さっぽろ、国際都市さっぽろとして都市の魅力も高め、札幌市全体の活性化につなげていくことをいま一度求めて、私の質問を終わります。 ◆本郷俊史 委員  今、市長からもお話がありましたけれども、路面電車につきましては、この間、市長が当選される前から、かなり長い時間をかけて議会でも議論されてきましたし、また、市民の間でも、市民会議、アンケート等を通じながら議論されてきたという経緯があります。昭和46年に地下鉄が開通して、それに伴って、順次、路面電車の路線が廃止されて、今の8.5キロ、すすきのと西4丁目間の折り返し運転という形になって既に約40年が経過しています。当然、この間の時代の変化、あるいは、路線周辺の施設の移転、特に学校関係の移転による乗客の減が大変大きかったわけですね。  そういう中で、今ありましたように、存続の危機という場面がございましたが、当時は20年くらい前でしょうか、札幌の財産である路面電車をぜひ残すべきだという市民運動があり、あるいは環境への配慮などから、LRTだとか、一たん廃止をした路面電車を復活させるみたいな形で、お話があったように平成17年2月に存続を決定しました。存続する大きな理由は、今、市長が答弁されたとおりで、都心のまちづくりに活用できる、単に人を運ぶという交通輸送だけでなしに、これはまちづくりのツールになるということ、そして、それが札幌の全体的な活性化に結びついていくということで存続を決めました。  そして、今回、活性化法に基づく特許ということでこの議案が提案されております。経営については先ほどあった上下分離方式の導入ということで、ようやく目に見える形で具体的に一歩進むなと。ただ、非常に残念なのは、そのことが広く市民に理解されていないことです。要するに、先ほど都心以外という話がありました。例えば、札幌駅から大通にかけて、あるいは地下歩行空間、これは札幌の都心ですね。では、都心は中央区のものかというと、そうはならないですね。札幌駅の南口におりて、これは札幌の顔であり、札幌の財産、まさに、その都心の活性化のために路面電車を活用しようとしているわけですから、当然、路面電車も札幌の貴重な財産、市民の財産ということで、広く市民に理解をいただく努力――平成17年に存続を決めてから約7年が経過していますけれども、これまでの取り組みについて一つお聞きしたいことと、広く浸透しない理由を札幌市としてはどういうふうに考えていらっしゃるか、この2点。 ◎佐藤 市民まちづくり路面電車担当部長  平成17年2月に、都心のまちづくりへの寄与の可能性を踏まえて路面電車存続が決まって以来、市民へのさまざまな情報提供や意見把握を行いながら、関係機関や有識者から成るさっぽろを元気にする路面電車検討会議から提言をいただきまして、さらに、平成22年3月に路面電車活用方針をまとめてからも、パンフレットを新たに作成し、全区でのパネル展やフォーラムのほか、幅広い市民の参加による大規模な市民会議を開催してきました。こうした市民からいただいた多くの意見を踏まえまして本年4月に策定しました路面電車活用計画につきましても、議会議論でございますとかパブリックコメントを実施するとともに、新型低床車両のデザイン検討におきましても市民アイデアの募集を実施したほか、広報さっぽろやホームページを活用した情報発信を行ってまいりました。このように情報提供に努め、多くの機会を通じて市民の皆様から意見をいただきながら行っているところでございます。  ただ、委員がおっしゃるとおり、まだまだ足りない部分があると思っております。理由につきましては、まだまだ路面電車に乗っていただけていないのかなと思っておりますが、今後は、さらに多くの市民が路面電車に関心をいただき、ご理解を深められるよう、さまざまな媒体を通じて情報発信に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆本郷俊史 委員  要は、さっき言ったように、約40年間、通勤・通学の足としてきたわけですね。中央区の中で走っていましたから、当然、そこに用事のない方は利用されないということがあります。それから、施設、車両の老朽化ということもある。  実は、4年前に、冬期間、雪の中で超低床車両が事故なく走行できるかという実証実験をやりましたね。そのとき、長谷川委員長もたしか一緒におりましたが、マスコミにもかなり取り上げられて、市民の関心も結構高かった。市民の試乗会がありまして、60人の募集定員のところ、1,000人以上の応募があった。当然、中央区以外の方々もおりました。そのときに私もその方にお話を聞いたのですが、その方たちは鉄道マニアと言うのでしょうか、実は、雪の景色の中をLRTが走っている写真を撮りに結構来ていらして、電車の車両自体が観光資源になることもあり得るのだなと思いました。  来年3月に新型車両が1両導入されるということですので、ぜひ、この機会を逃さないで、効果があるように、こういう車両が走るということで、例えば、都心の商業者と連携したイベントの開催だとか――首都圏から転勤で来られた方からよく言われるのは、札幌は、確かにきれいなまちだけれども、歴史的な建造物あるいは路地とか、まち歩きが楽しくないという話をよく聞きます。今、テレビの番組でも、通常の旅番組でなしに、まち歩きの番組というのは、結構、視聴率をとっている、ブラタモリだとか、いろいろあります。ですから、そういったまち歩きなんかも絡めたイベントだとかをぜひ考えて、市民に理解を深めていただけるように取り組んでいただきたいと思うのですけれども、いかがかということをお聞きします。 ◎佐藤 市民まちづくり路面電車担当部長  札幌市は、これまで、雪ミク電車などの企画電車の運行や、沿線観光施設と連携した乗車券の発売など、沿線の人や施設、活動を紹介するフリーペーパーの発行など、利用促進につながるさまざまな取り組みを行ってきております。今後、これらに加えまして、例えば、沿線にある隠れ家的な飲食店が連なるかいわいやデザイン性の高い建物が並ぶ路地裏など、個性豊かなスポットに光を当てたまち歩きを楽しめるような仕掛けづくりなどにも地域の方々とともに取り組んでいきたいと考えております。また、新型低床車両のデビューイベントでは、地元商業者と連携しながら、電車のみならず、まち全体を楽しめるような演出により、人とまちをつなぐ路面電車が持つ優しさや温かさを知ってもらうことで、マイレール意識が醸成される機会の一つとしていきたいと思っております。このような取り組みを、創意工夫を凝らして着実に実施していきたいと考えております。 ◆本郷俊史 委員  先ほど佐々木委員から、1日600人のためにというお話があった。そして、本当に、最低でもと、本当に乗客をふやすことが大きなテーマなのだという先ほどの市長のお話です。実は、富山でLRTを始めたときに、ふだん、乗らない、用事のない人方が新型車両、LRTに乗るためにということで、21%の乗客増になったと。当然、資料を押さえていらっしゃると思うけれども、それはいろいろな仕掛けをしているわけですよ。高齢者の方々が路面電車に乗って都心に出てくる、都心に出てきたときに、お買い物をするときのポイントがたまったりとか、いろいろな仕掛けを考えている。だから、単に、新しい電車になったから、きれいだから乗ってみたい、こういうことだけでなしに、やっぱり、もっと民間との連携による工夫というのか、そういうことをぜひ考えて、そのことがまた開業効果を高めていくことになりますので、3年後ですから、よろしくお願いします。 ◆金子やすゆき 委員  私から、まず、12月7日の事故のことにつきましてお尋ねさせていただきます。  さっき佐々木委員の質疑も聞いておりましたけれども、どうしてもわからないところがありまして、結局、この原因は何なんだということなのです。ご説明によりますと、西4丁目の電停から、通常どおり、規則に従って運転士が運転を行ってきたところ、ブレーキが予想外にきかず衝突したのだ、こういうことだったと思うのです。結局、これは、車両のブレーキに原因があったのか、あるいは、運転士の見落としなどが原因だったのか、これはいずれなのかということをまずお聞きしたいと思います。  また、これまで札幌市の市電の歴史の中で同じような事故がほかにあったのか、ここはいかがでございますか。 ◎田畑 高速電車部長  原因については、先ほども申しましたけれども、今、詳細について確定するべく調査中です。ただ、今、金子委員がおっしゃったように、運転手の見落としではないのかと、これについては否定できると思います。  というのは、私も1時間半ぐらいの事情聴取に立ち会いましたけれども、その中での運転手の証言では、先行列車の5メートル手前を停止目標にして、そこに足りるようなブレーキをしていた、そこのところはきちっと言っておりますので、運転手の見落としとか、そこら辺の手順おくれとか、そういったことではないと今段階では思います。  それから、もう1点、同じ事故につきましては、平成16年12月、これも冬の時期だったかと思いますけれども、そのときにも低速で先行車両に衝突してしまったと。路面電車の場合には、電車同士の事故というのは非常に重く受けとめられておりますが、そういった事故があったというふうに記憶しております。 ◆金子やすゆき 委員  幸い、今回はぶつかったスピードが約2キロメートルということで、非常に低速だったということでした。私もぶつかった車両を見せていただきましたけれども、ほとんど傷もなく、それから、負傷者の方もさほど大きなけがには至らなかったということだと思います。  ただ、カラーの色刷りの事故略図もいただいておりますが、どうしてもわからないのが、5メートルの間隔をあけてブレーキをとめようということでブレーキをかけたのだけれども、結果的にはとまらず、ずるずるずると行ってぶつかってしまったと。運転手はきちんとブレーキをかけたということであれば、これは車両の方にトラブルがあったのではないのかというふうに思わざるを得ないのですけれども、どうしてそういうふうに言えないのかというのが一つ疑問としてあるところでございます。  この図の中で見ると、先行車両との距離が8メートルのところで時速6キロまで落ち、それから、5メートルのところを過ぎてしまったと。それから、時速2キロで、先行車両から2メートルのところまで来たところで、さらに進んでしまってぶつかったということです。しかし、ブレーキをかけると、多分、段階的にスピードが落ちてくるものだろうと思うのですけれども、これは、突然どこかの段階でブレーキがきかなくなったのか、あるいは、どこかの段階で徐々にききが悪くなっていたのかということが一つ目の質問です。  それから、最終的に、ブレーキがきかないので、運転手の判断で非常ブレーキを使ったのだということですけれども、一体、どこで非常ブレーキをかけたのか、その2点を教えていただけますでしょうか。 ◎田畑 高速電車部長  まず、停止線というのではなくて、停止位置として、規定の中で、先行車両がある場合に、滑走、滑ることが想定されるときには5メートルでとめるということで、運転手はそこを目指してとめていったと。事情聴取のやりとりでの話ですけれども、事故現場の手前に西6丁目の電停があります。そこで、一たん、赤で停止をしていて、信号が青に変わったので、そこから力行をした。そして、15キロまでスピードが上がった段階で、先行100メートルほどのところに電車がいるのがわかっていますので、徐々にブレーキをかけていくのですね。少しずつ減速していく。そして、ずっと減速していって、先行電車の手前8メートルないし10メートルぐらいところで、時速6キロぐらいになって、通常、6キロぐらいですと、滑らなければ3メートルぐらいで停止するということなのです。そこから、急にどんと非常ブレーキを入れたのではなくて、通常のブレーキは7ステップまであるのですけれども、徐々に強めていくのです。そして、そのときには減速はしていったのだけれども、最後にブレーキがきかない微妙な感覚があったのだと思うのです。そこで、まずいということで、先行車両から2メートルぐらいのところで非常ブレーキを入れたと。その段階で、大体、速度が時速2キロメートルぐらいになっていたと思われるのです。そして、とまり切れずに追突したと。委員がごらんになったように、傷が残るような、そういった大きな事故ではないような速度でぶつかったということです。  それから、滑走とブレーキの関係がどうしてもわからないというところで、こういった滑るという現象には2種類あります。一つには、秋口によくあるのですけれども、線路上に枯れ葉などが積もったときには、その枯れ葉の油分だとか、そういったもので要は線路自体が滑る。通常の道路を自動車で走っているときと同じように、アイスバーンで滑るような滑り方です。それからもう一つは、自動車でもありますが、ブレーキのききが抜けるときがあります。ブレーキパッドでタイヤを圧迫して摩擦力でとまることになりますので、そこが抜けるということも想定として考えられます。  それがどういう状況だったのかというのを今調査しているという段階なのです。だから、滑るというのは2種類あって、どっちが原因だったのかというのは、やはり突き詰めて調査しないといけないというところであります。 ○長谷川衛 委員長  金子委員にお尋ねしますが、事故の件について、まだ質疑を続けますか。 ◆金子やすゆき 委員  もう一つの質問だけでございます。 ○長谷川衛 委員長  そうですか。なるべく簡潔にしてください。 ◆金子やすゆき 委員  わかりました。  そうしたら、委員長からもお話がございましたので、次に、きょうの議題であります環状化についてお尋ねしてまいりたいと思います。  まず、今回、路面電車ループ化特許申請に当たっては、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律、活性化法ですが、これで行うというご説明を今伺いました。通常は軌道法で特許の申請を行うのだと思うのですけれども、今回はあえて活性化法の活用を選択したということであります。  なぜ、活性化法を活用することとしたのか、それは、軌道法では国に特許の申請を受け付けてもらえないからなのか、そこをまずお尋ねいたします。  それから、この二つの法律のどちらを適用するのかというところで、上下分離制度ということがあるのだというお話を伺いましたけれども、実際に札幌市として上下分離でやっていくのだという方針は、正直なところ、唐突に出てきたなというふうな感があります。具体的にどのような仕組みで行っていくのか、その説明はまだ詳細に聞いていないと思います。まして、それで行くということは議会も含めた決定に至っていない、こういうふうに思いますが、現時点でどのような状況にあるのか、お尋ねさせていただきます。 ◎小西 事業管理部長  ただいまの2点につきましてお答え申し上げます。  1点目は、今回の特許申請に当たり、軌道法ではなく、なぜ活性化法で申請するのかということでございます。  活性化法に基づきまして軌道運送の高度化実施計画について国の認定を受けることになりますが、その内容としては、低床車両の導入あるいは路線のループ化バリアフリー化など、利用者サービスの向上を図るという内容でのサービス向上、高度化するための計画でございます。まず、軌道法で特許を取得し、しかる後に上下分離の導入を図ろうといたしましても、低床車両の導入とか、路線のループ化等、軌道運送の高度化事業が、その時点では既に一定程度進められているような段階になっているのかなというふうに想定されます。そういうことで、新たな高度化事業がない中で上下分離制度を導入することは、現行の法制度上、困難というふうに我々は認識しております。したがいまして、来年度から低床車両の導入が始まり、それに続く路線のループ化、あわせてバリアフリー化を行うという軌道運送の高度化事業をこれから進めていくという現時点が、高度化のスタート時期というふうに考えてございますので、今のタイミングで、活性化法に基づき特許申請を行うことが最も適当だというふうに我々は判断した次第でございます。  それから、上下分離制度の導入につきまして、唐突感がある、どうしてそういうことが出てきたのだということでございます。  軌道事業の経営効率化につきましては、我々は、これまでも、どういった手法があるのかということでいろいろ検討してまいりました。例えばですが、運送事業の委託化を考えたこともございます。これは、地下鉄では駅業務を委託しているように、運行業務だけを委託できないのかということもその検討の俎上にありました。しかし、近年、例えばJR西日本の福知山線列車事故以来、国は、安全管理体制につきまして、監査を含めて非常に厳しい対応、認識を持ってございます。したがいまして、軌道事業、鉄道事業の両方とも、いわゆる国の認可あるいは特許があって初めて運送できるものでございますので、特許、認可を持たない者に委託すること、あるいは、持ったとしても、もともと事業を行っていたものを委託する姿勢自体に国が非常に疑問を持ち、それについてはなかなか積極的な見解は得られていないといったような事情でございます。  それから、活性化法につきましては、ここ5年ほどの状況でございまして、実例として富山がその手法で上下分離を実施したところでございます。富山につきましては、先ほど本郷委員の話の中にもありましたけれども、活性化が非常にうまくいった実例だということで、我々もるる調査をしまして、こういった状況の中で経営を効率化する手法として上下分離という手法が今考えられる効率化の中では最善なのではないかということで、現状、こういった活性化法という手続で申請させていただこうというふうに考えているものでございます。 ◆金子やすゆき 委員  上下分離することによる新しい経営形態によって経営体質を改善していくことは当然あるのだろうと思いますので、それ自体を否定するものではないのですけれども、具体的にそれがどのような仕組みで行われるのかということについては、まだ明らかになっていないのではないかと思うのです。  そこで、最初にご質問させていただいた、どうして軌道法ではないのかというところについて、来年にも低床車両が入ってくるから、今、活性化法を使っておかないと後で使えないのだ、こんなふうなご説明だと理解したのですけれども、私は、国交省に、これはどういうことになっているのだということでお話を聞きました。すると、国交省が言うには、ループ化自体については、別に軌道法でもって申請してもらって構わないというふうに言うのですよ。そして、活性化法というのは、あくまで上下分離を行うための事業者の仕組みをつくるための法律ですから、現時点で上下分離を選択しないのであれば軌道法で構わない、低床車両を入れるのは特に特許申請の必要はありませんので、また、新しい制振軌道を入れたりとか、乗客のサービスを改善する取り組みは特許申請の必要がありませんので、これらについては軌道法でやってもらって全く差し支えないということなのですね。また、国からさまざまな助成もいただけるのだと思うのですが、これについても、軌道法を使おうが、活性化法を使おうが、補助制度自体の枠組みについて特に判断に変わりはないという話を国交省がしております。  先ほど、札幌市としては活性化法で行きたいのだという話だったと思うのですが、許認可権を持っているところと違う判断をしているように私には聞こえたのですけれども、そこの受けとめはいかがでしょうか。 ◎小西 事業管理部長  委員ご指摘のように、路線延伸の特許取得、あるいはバリアフリー化、あるいは新型車両の導入、それぞれ個々で考えますと軌道法での特許申請ということでこれらの目的を達成することが可能です。  ただ、我々としては、今後、未来永劫、直営を維持していくことは非常に困難だという状況判断のもと、上下分離という経営効率化の手段の布石を打ちたい、そのためには今こそ活性化法を使うタイミングであるという判断のもと、我々の意思、判断で、国に対しては、今回、こういう手法で申請させていただこうというふうに話した次第です。 ◆金子やすゆき 委員  わかりました。  この活性化法を適用するに当たって、関係者等の理解を得る努力をすることが法で定められております。そういった中で、国道部分に軌道を敷設するということでありますから、道路管理者あるいは公安委員会、また、その他の公共交通事業者、先ほど佐々木委員からタクシー協会の話なども出ておりましたが、いわゆる利害関係を持つその他の関係者は本市に対してどのような意見を述べているか、明らかにしていただきたいと思います。 ◎佐藤 市民まちづくり路面電車担当部長  高度化計画に関しましては、主に国道が直接の敷設場所になりますので、今、国道管理者には文書照会をしております。また、先ほどもるるご説明しましたが、除雪などのいろいろな問題を含めて、具体的に今やるという前提でのいろいろな協議をしておりますので、基本的にはご理解をいただいていると思います。ただ、個別の課題につきましては、今、実施設計中ですので、調整中でございます。  また、公安委員会につきましても、活用計画を作成する段階からさまざまなご相談を申し上げて、一定程度のご理解をいただいているというふうな状況でございます。 ◆金子やすゆき 委員  法律には、活性化法の第8条第3項ですけれども、軌道運送高度化事業を実施しようとする者は、あらかじめ関係する市町村、公共交通事業者等、道路管理者及び公安委員会の意見を聞かなければならぬという決まりがあります。  今のご答弁ですと、おおむね事前の調整並びに理解を得ているのだという話だったと思うのです。しかし、先ほど文書照会をかけているというご答弁だったと思いますが、私が先方から聞く話では、札幌市に質問しているけれども、具体的にどうしたらいいのだという返事が札幌市から返ってきていないというふうに逆の話を聞いています。札幌市の方で、こういうふうな形でやるのだというものをきちんと示してもらえないので、こちらも判断できないというふうに道路管理者は述べておりますけれども、この話の矛盾はどういうことなのでしょうか。 ◎佐藤 市民まちづくり路面電車担当部長  どういうご質問をしてそのような回答になったかはわかりませんけれども、確かに、まだ実施設計中ですので、個別の課題で調整中のもので回答できていない部分はございます。ですから、すべてのことに対して国道管理者と合意ができているというわけではございません。細かい部分でいっぱいありますので、それを今詰めているところでございます。 ◆金子やすゆき 委員  おっしゃったように、いろいろな問題があると思うのです。長くなるので多くは述べませんが、今回はサイドリザベーション方式という極めて特殊な形式をとりますので、いろいろな問題があると思います。それで、一部が解決していないのではなくて、ほとんどの部分が解決していないのではないかなという印象を持ちますが、先方は札幌市の答えを待っていますということでありますので、ぜひ、早急にご返事していただきたいと思います。  それから次に、ここに400メートルの軌道を敷設することによる需要予測についてご質問したいと思います。  400メートルの軌道を整備することで19億円の建設コストがかかるということでありますから、1キロメートルに換算すると約47億円と非常に高額なコストがかかるわけであります。今の委員会の質疑を聞いていると、1日おおむね600人の乗客の純増が見込めるのだという話だと思いますが、これは、どういう計算をして1日600人の乗客増が見込めるとなったのか、まず、その理由、それから、具体的に増収効果としてはどれぐらいの金額を見込んでいらっしゃるのでしょうか。 ◎佐藤 市民まちづくり路面電車担当部長  需要増の600人という推計のご質問についてお答えします。  国土交通省鉄道局には、鉄道プロジェクトの評価マニュアルという手法のマニュアルがございまして、その中の4段階推計法によって需要推計をしております。その需要推計に当たりまして、札幌市では、まず、パーソントリップ調査とか、平成19年に実施した電車沿線の交通行動調査を把握した上で、その4段階推計法、4段階というのは発生集中交通量と分布の交通量と各交通機関の分担交通量、これを段階的に推計していくもので、この4段階推計法を用いて算出し、ループ化区間による時間短縮などの効果も含めて、ほかの公共交通機関から路面電車に転換する人数を600人程度と推定したところです。 ◎小西 事業管理部長  私から、600人の乗客増による増収効果についてお答えいたします。  まず、単価でございますが、現状は大人の乗車料金は170円でございます。我々が活用計画の中にもお示ししておりますけれども、料金改定について15%程度の増を見込ませていただくような計画になっております。これを、例えば、大人料金を現行の170円から200円に改定したという前提条件のもと、当然、お子様もおりますから、その平均単価を158円というふうに見込みました。これに600人を掛けまして、365日を掛け合わせますと、増収効果は約3,500万円ということでございます。  現状の運賃収入がどのぐらいあるかといいますと、年により浮き沈みがありますけれども、大体10億円の収入があるところでございます。 ◆金子やすゆき 委員  わかりました。  今のお話ですと、新線を敷設することによって、今まで歩いていた人が乗ってくれるとか、あるいは、既存の交通機関からのシフトがあるというのは、多分、地下鉄に乗っていた人が市電を利用してくれる、こういう話ですね。そうすると、地下鉄の乗客は、その分、減るということになるだろうと思うので、本当にこれで増収になるのかという疑問が一つあります。  また、所要時間の短縮が見込めるという説明で、これは委員に配られている資料だと思いますが、国に対する高度化計画の認定申請書を見ると確かにそのように書いてあります。西4丁目からすすきの間は現状では43分かかりますけれども、これがループ化されると、確かに、4分もかからないですか、多分2〜3分で到着するのでしょう。つまり、40分以上の時間短縮になる、こういうことを見込まれていると思うのです。  確かに理屈の上では間違っていないのですが、西4丁目からすすきのまで43分かけて乗る人が本当にいるのだろうかと言ったら、多分、これは余り考えられないと思いますから、その43分が4分に縮まったからといって、これで本当に600人ふえるのかというのは推測としてはちょっと甘いのではないかなというふうに思うわけであります。  今の計算ですと、158円の単価で1年間で約3,500万円の増収になるということでありますけれども、国に提出する予定の認定申請書の最後のページに今回の新線敷設に係る収支概算書が載っております。これを見ると、上の旅客のところだと思うのですが、西4丁目からすすきのの新線の部分で乗客数が1日3,200人と書いておりますね。国に出している数字は3,200人と書いてあるのに、議会には600人と説明している、この違いは一体何であるのか。  また、この表の中で、収入の合計として、国に出している書類では9,300万円の増収だと真ん中ぐらいのところにあるかと思います。ところが、今のご答弁ですと、増収は3,500万円であるということで、国に出している申請書と議会への説明がどうしてこんなに違うのか、私は疑問に感じるところなのですけれども、これをご説明いただけますでしょうか。 ◎小西 事業管理部長  私から、ただいまの2点につきましてご説明申し上げます。  ループ化にかかわる純増効果は600人ということでございます。委員からお話しいただきました、申請書の素案にのせるべき収支概算書、ここでは、いわゆる足伸ばしをした400メートル区間のみに限った収支がどうなるのかということを示すべき資料でございます。その際に、これは富山で、上下分離――最近、延伸の実例があるものですから、それらを参考にこの資料のつくり込みを行いました。  600人がなぜ3,200人になるのかということでございますが、まずはベースとなる純増600人に、もともと既設線で乗っていた方が、例えば、従来、山鼻線ですすきの駅でおりることを余儀なくされていた方がそのまま新線部分も乗るといったような推計をいたしまして、そういった既設線から足伸ばしをしてループ部分を乗る方が約2,600人いるであろうと。これは、純増ではございません。今まで足どめを食っていた方で、ループ化でつながることによってそのまま新線部分に乗る方が2,600人、合わせまして3,200人という数字でここははじいてございます。  それから、9,300万円の効果でございます。今の1日3,200人に、1人当たりの料金収入を79円というふうに見ております。なぜ79円なのかということを申しますと、先ほど言ったように、純増で乗る方にあわせて、足伸ばしで乗る方もいらっしゃいます。その方の収入をどう把握するかということで、我々も正直ちょっと思いあぐねた部分でございまして、先ほど申しましたように、富山の例をいろいろお聞きして調べましたところ、富山におきましても、純増の部分と足伸ばしの方がいる部分を足して2で割ったような形で、我々の場合ですと158円の半額の79円をループ化路線に乗る方の料金収入というふうにとらえました。これに3,200人掛ける1年間ということで、9,300万円という収入が計算上出てくるものでございます。 ◆金子やすゆき 委員  わかりました。79円の計算はそういうことだというのがよくわかりました。  富山は、私も委員会視察で行かせていただきましたけれども、札幌市の市電とは環境が随分違いますね。向こうは、もともと郊外からの既設のJR線を転換したものですので、随分、条件が違うのではないのかなと思うのです。乗客のところは、乗り過ごしですか、2,600人の方がいて、それに純増600人だったらわかるわけですけれども、本市の市電の場合は均一料金でありますから、西4丁目からすすきのまで、さらに1区間に乗ったとしても別に増収になるわけではないですね。先ほどからこの委員会でも出ておりますけれども、そこには重複して地下鉄もある、地下歩道もあるということでありますから、本当にそこまで増収になるのだろうかというのは非常に疑問を感じるところであります。  そこで、市長にお越しいただいておりますので、市電についてお話をお聞きしたいところがあります。市長がふだんからおっしゃっております市電は札幌の歴史的な財産であるという部分は、私も確かにそうだというふうに共感するところがあります。それから、古い市電に新しいLRTの技術を導入することによってまちづくりに生かしていきたいというそのお気持ちもよくわかります。しかし、その前提となるのは、やっぱり、これは本市が行う一つの事業、一つのビジネスであることを考えれば、やみくもに採算を考えずにやっていいということではなくて、最低限、収支が合う、長期的にはどこかで帳じりが合っていくということでなければ、経営として成り立たないのではないかなというふうに思うわけなのです。  今、佐々木委員からも、路線の延伸箇所を例えば東側に向けてみたらどうだったのかとか、議会の中でもいろいろな意見があるのだろうと思うのですけれども、私が思うのは、まず、路線のループ化、特にサイドリザベーションというのが、今、理事者からの説明もありましたが、まだ関係者との調整がほとんど終わっていないという現状があろうかと思います。法律の中では、この調整がきちんと終わってから国に申請しなさいということになっております。きょう示されているタイムスケジュールでは、12月中に特許申請するのだと書いてありますが、今のお話だと、道路管理者あるいは公安委員会あるいはタクシーを運行している事業者、こういうところの了解もきちんと得られない段階で、今すぐ活性化法を使って申請しなければならないのかというところに大いに疑問を感じるのです。  これは、まちの将来に非常に大きな影響を残すものでありますから、もう少し多くの人の意見を聞き、慎重に臨んでこの計画を進めていただいてはどうなのかと思うのですけれども、これにつきまして市長のお考えをお伺いさせていただきます。 ◎上田 市長  経営が成り立たなければならないもの、持続可能な経営体質にしていくということの一つの決意表明として上下分離方式にしていくということを掲げて調整をしていく、そういう考え方で行くわけでありまして、その上下分離が持続可能な経営をしていくための重要な部分だという考え方で活性化法を使わせていただきたい、こういう考えであることを従前から申し上げているところでございます。  そして、その申請をするためには、さまざまな調整をしなければならないというのもご指摘のとおりでありますけれども、おおむねご理解をいただいているように――私は、当初から協議のときに参加させていただいておりますが、非常に好意的にといいますか、問題を克服しようとお互いに思っていて、それを克服するという方向で参加していただき、札幌のためになるならできるだけ実現できるように、それぞれの部署でチェックをしながら、どうやればできるかということで協議させていただきましょうということでご参加いただいているところに私も立ち会っております。そういう意味では、委員がご指摘のご心配については、今、前向きに検討していただいて調整中だということでご理解いただきたい。  ぜひ、上下分離をするという決意表明の一環として活性化法による特許申請にご同意いただきたい、こういうふうに考えているところでございます。 ◆長内直也 委員  今回のループ化を含めた電車の問題は、私は、立場がいろいろありますので、まずは、なかなか理解してくれない市民の方々を代表したお話をまず一つしたいと思います。  まちづくりの中で、公共交通というのは本当に核にあるものだと思っております。その核であるべき公共交通は、先ほど来あったように、40年前に、地下鉄を中心としたものとなり、それにバスを連絡させるということが札幌市の公共交通の大きな柱だと思います。そういうふうにやってきた中で、要望もあったとは聞いていますが、1カ所だけ残ってしまったというか、残したというか、その残った部分の電車があいまいな位置づけのままで、ずっと40年、ここまで来たというところに理解されない一番大きな原因があると私は思っています。  そうであるならば、今、これからどうするかという中で、電車をどうやって札幌市内の公共交通の中に位置づけていくかというところを明確に答えられなければ、理解されない方に理解してもらおうということ自体が無理だというふうに思っています。例えば、地下鉄もない不便な場所で、あるいはバスもなかなか結ばれない、けれども、そこに重要な公共施設が建てば、そういうところに路線を伸ばしていくとか、そういうようなものがないと、電車そのものについて、今、残ってしまった路線のことだけで考えてもその部分が明確にされなければ、私も説明しづらいし、なかなか理解してもらえないということでありますので、まずこの考え方についてお伺いしたいと思います。 ◎佐藤 市民まちづくり路面電車担当部長  不便な地域があるというところでの交通をどうしていくかということでしょうか。 ◆長内直也 委員  そうではなくて、電車について、どういうところに路線を配置して、どうやって生かしていくかという札幌市の公共交通としての考え方はどうなのですかと聞いているのです。 ◎佐藤 市民まちづくり路面電車担当部長  先ほども質疑の中で答弁申し上げたとおりですけれども、本年1月に策定した札幌市総合交通計画で、公共交通を軸にした実現ということを一番の計画理念としております。それに基づきまして、電車につきましては、幾つかの戦略的な施策パッケージを想定しておりまして、都心部とか、各地域の拠点の施策とか、環境に配慮したものとか、幾つかございますが、そのうちの都心のパッケージの中で、さまざまな歩行系の整備とあわせて路面電車を活用していくということを総合交通計画の交通施策の中でも位置づけております。それとあわせまして、まちづくりの戦略ビジョン、都心のまちづくり全体の中でも電車を活用していこうということを掲げております。そういうことを踏まえまして、路面電車活用計画の中でも、駅前通の主要ストリートに路面電車を活用していくということを掲げているところでございます。 ◆長内直也 委員  今の答弁では、悪いけれども、理解してくれという方が難しいと思います。  都心部でという話がありましたので申し上げますけれども、都心部というのは、どこからどこまでの範囲を想定しているのですか。 ◎佐藤 市民まちづくり路面電車担当部長  都心部につきましては、北8条から南9条まで、そして東3丁目から西8丁目、石山通、西11丁目ですか、そのところを基本的には都心部というふうに言っておりますが、活用計画の中でもそうですし、都心部以外の創成川以東、桑園、その3地域についても検討を進めるということで、路面電車を活用していくというような基本的な考え方を示しております。 ◆長内直也 委員  都心部というのが私たちには違和感があるのですよ。  では、今この路線が走っているところの人口がふえているのかどうか、あるいは、都心として、一部は都心ですけれども、大多数はその周辺部ですね。周辺部となると、今、人口がふえているのは、中央区の中でも北側と西側なのですよ。あるいは東側ですよ。そういうところの方々からすれば、都心部のための電車だと言われても、たまたま残った路線の中で、ループ化しようが、つなごうが、全然関係ないわけです。ましてや、中央区以外の方にしてみれば自分たちには全く関係のない話です。関心が薄いところが、我々もそれぞれの地域を背負って出てきていますから、説明に窮しているというのが現状なのですよ。そういうことについて、皆さんから明快にお答えをいただかないと、これを、はい、わかりましたというふうに簡単に丸をつけるわけにはなかなかいかないのですよ。だからこそ、どういう考えなのかということを改めて求めているのですけれども、やっぱり、市長がやりたいからではなくて、皆さんが、事業をやっていく人たちとして、覚悟と情熱をしっかり持って今後どういう電車にしていくのだということを語れなかったら、それはもう理解されないですよ。今回の議案にしても、やっぱり出だしが後ろ向きなのです。今これをやらないと立ち行かなくなるだとか、車両がどうにもならないだとか、それだったらやめてしまえばいいんじゃないかという話になってしまうのではないかと。それを超えるだけのしっかりとした考えを持たなかったら、私はなかなか理解されないというふうに思います。  一方、先ほど立場がいろいろあるという話をしましたので、同じ中央区の中でも、例えば私が住んでいるところは、もともと電車が走っていて、40年前に廃止されたところですよ。そういうところの住人からすれば、電車に対するさまざまな反対、賛成はいろいろありますけれども、大まかに言えば、地元の方に延伸ということがあればやっぱりそれなりの理解を示してくれるという部分が逆に言うとあるわけですね。それは、東の方も多分同じだと思うのです。  そうであれば、私は前から申し上げていますけれども、やるのならやるで、徹底的に路線を全部敷き直すぐらいのことをやったらどうなのかということを申し上げたこともあります。あるいは、ほかの区、中央区以外のところでも、例えば地下鉄の延伸が予算的になかなか厳しいとするならば、地下鉄を延伸したいけれども、どうしてもできないようなところに路面電車を活用するだとか、あるいは、中央区にしても、皆さんはご存じかどうかわかりませんが、実は坂がすごく多いのですね。海外の電車もそうですが、坂のところに路面電車を利用するとか、さまざまな考え方があると思うのです。そういう前向きな、未来に向けて明るい展望が開けるような電車の議論がほとんどされないままに、今生き延びるために何とかしなければいけないというような、とりあえず酸素ボンベをくださいみたいな話であれば、私はなかなか理解されないと思います。  改めて、管理者あるいは市民まちづくり局の方でもいいですけれども、しっかりとした考えを述べていただきたいと思います。 ◎下村 交通事業管理者  これまで、路面電車の環状化、ループ化軌道事業を持続させていく上でいかに重要かということを説明させていただきましたが、私ども事業者としては、やはり、将来的に路面電車をいかに――都心に限らず、固定型の公共交通を必要とするという議論をするにしても、まずは、今、走っている路線の経営をしっかりと安定化して事業の持続性を確立することが真っ先に取り組まなければいけない急務の課題だという認識のもとに進めてまいりました。  路面電車の検討というのは、これまで、実に長い間、行われてきましたけれども、その間、今、長内委員がおっしゃったような意見もいただきながら、私どもも、札幌市としては、さまざまな地域への導入を、本格的に、市民と、また議会の皆様ともしっかりと議論を深めていかなければならない、そのためには、やはり時間をかけてやるということになると、今ある事業を強固な形に、そしてサービス水準が高く利用しやすい形に維持していかなければいけない、こういう認識を持っております。  私ども事業者としても、将来的にさまざまな地域での路面電車の活用ということを決して否定はしておりません。可能な限りその可能性を追求していきたいなと思っておりますが、このたびの議案につきましては、それをやるための足がかりとしてぜひご理解いただきたいというふうに思っております。 ◆伊与部年男 委員  先ほどから聞いていますと、さまざまな観点からさまざまな見方がある。本件は、今回、特許申請を出すという案件ですね。この特許申請を出すから議会の決議が要る、議会の決議がなかったら特許申請を出せないから、ぜひひとつ議会でもって決議してくれ、こういう議案なのですよね、基本的には。  それで、申請書の理由をずっと読ませてもらいました。そうすると、路面電車だけではなしに、地下鉄にしてもバスにしても、札幌市で動いているさまざまな交通機関は、基本的には、札幌市総合交通計画を作成して、これは平成24年1月に作成しましたが、あなたたち原局としてはこれに基づいて計画どおり遂行してきているわけだ。  そこで、私も、一番最初に、市長に、404メートルで600人、これはちょっとおかしいんでないかと毒づいたことがあるのです。そうしたら、市長は、いや、伊与部さん、404メートルで600人という単純な数字を出しておれにぶつけんなやと、そういうふうに言われましたけれども、ずっと調べたら、404メートルで600人ではないんですよね。問題は、都心線、仮称の新線、これが404メートル600人、そのほかに、1条線、山鼻西線、それから山鼻線、これは既設線ですね。それから、車両の導入予定区域にしたって、都心線だけではなしに、1条線だとか山鼻西線だとか山鼻線だとか、こういう路線を総合的に集約して、そして特許を申請する、そういうことなんでしょう、中身は。ここをきちっと受けとめておかないと議論になりませんよ、はっきり言って。404メートルの話ばかりしたって、話にならぬ。404メートルで申請したって特許はけっ飛ばされますよ、これは。だから、こういう総合的な観点から議論をしないといけないのではないかと思うのです。  それから、もう一つ、これは富澤部長に聞きたいけれども、上下分離方式にしたって全然説明不足です。簡単に一言でもって上下分離制度なんて言ったって、だれもわかるやつはいない、はっきり言って。さっき部長が説明したけれども、私たちも富山に行ったことがあります、何回も。見ました。成功しているという日本で初めての上下分離方式だから。しかも、電車は低床車両を使っている。乗ってみましたけれども、上下分離制度の説明は、今まで交通局にしても路面電車担当の佐藤部長にしても全然だめだ、これは。点数をつけたら零点だ、はっきり言って。もう、全然だめ。市議会議員68人の中で、上下分離制度を説明すれと言ったって、将来も含めて、具体的に説明できる人は余りいないのではないですか。あなたたちも、部課長を含めて、上下分離制度を説明しなさいと言われたら、本当に納得のいくような説明をできる人が何人いるか。なかなかいないと思いますよ。そういう説明不足が、今、長内委員からも話があったように、納得のいくような説明が今まで全く欠けていたのではないかと。  しかし、今この時期になって、低床車両も導入しなければならない、これを進めなければならない。何としても今議会で特許の決議が欲しいという議案だから、将来の上下分離制度の具体的な中身について、もっと詳しく、もっとわかりやすく説明して、市民が本当に納得のいくような方式で行かなければいけないと思うけれども、管理者、今までの反省を含めて、これからどういうふうに札幌市民が納得するような説明をしていくのか。そこをしっかりしていかないと、議会だってなかなか決議を上げられないのではないですか。  管理者、いま一度、ざっくばらんにわかりやすく、納得のいくような説明をしていただきたいと思います。 ◎下村 交通事業管理者  上下分離制度がなぜ近年の日本につくられたかということを踏まえて、ご説明させていただきます。
     ご承知のように、近年の日本社会というのは、モータリゼーションの台頭によって、公共交通の利用がだんだん少なくなって、それを維持するのが厳しい時代になってきました。移動手段に関しては、国民の多くが多様性を求めるようになってきた時代でございます。そういった中で、地域の公共交通の足をいかに維持していくか。そのためには、維持する上での費用、または、設備を時代に合った形にするための投資、こういったさまざまな負担が必要になるわけでございます。この負担を利用者が少しずつ減ってきている公共交通の運行事業者のみにさせるのは厳しい時代になってきた、国のこういった状況判断から、これからの地域生活を支えていく上では、地域交通に対して、国として何らかの支援も必要になってきているだろうということで、従来のように、交通事業者のみでこの施設も運行もすべて負担するというのは厳しいだろうと。そこで、地域において、公共交通を維持する、または、利便性を高めるために新たに路線を引く、この場合に、事業者の負担ばかりではなくて、そこの地域の運営を行っている地方公共団体が、その基盤、車両、こういったものを負担して用意するのであれば、別な事業者が電車を運行することもやぶさかではないでしょう、例外として認めます、こういう趣旨で上下分離制度が行われてきたわけです。  富山は軌道事業として初めてこれが適用された例でございますので、私どもも、富山の例を参考にしながら、大切な財産である軌道事業を札幌市に残すために、こういう手法を札幌市においても導入したい、そして、利便性を高めるべく整備を進めたい、こういうふうに考えているわけでございます。 ◆伊与部年男 委員  もう一つ、具体的に聞きますけれども、例えば、一般会計の予算で街路拡幅する場所がありますね。この資料を見たって、どこを拡幅するのか、何メートル拡幅するのか、何キロ拡幅するのか、具体的なことが全然わかりませんよ、はっきり言って。それは、上下分離で言うと、要するに、行政が持つ道路工事なのでしょう。それは、これを見たってわからない。どこからどこまで、何メートル広げて何メートル延ばすのかというのも、全然わかりません。そんなことも含めて、もっと具体的に説明してもらわなかったらわからぬ、率直に言って。  だから、そういうことも含めて、議会が決議をしなかったら特許を申請できないわけだから、富澤部長、きちっと説明してくださいよ。道路の幅だとか、どこからどこまで延ばすのか、全然わからんもの。何というか、説明をもっと詳しく丁寧にしてもらわなかったらわからんわ。わかるかい、これ。(「わかりません」と呼ぶ者あり)  わからないでしょう。聞かなかったらわからないんだから。聞かなくてもわかるような書類を出していただきたいな。 ◎富澤 技術担当部長  説明資料の内容が不十分というご指摘をいただきました。そういうことで、参考資料ということで先ほどこういった資料も使って説明させていただきましたが、当初からもう少し内容のわかるものを出してほしいというご指摘でした。  先ほどこちらの路線図で簡単な範囲についてはご説明いたしましたが、改めて、具体的に申しますと、これは建設局で行います街路拡幅事業でございますので、交通局で計画している事業ではございません。まず、そこのところはご理解いただきたいと思います。ですから、具体的な計画については、私どもが建設局から聞いている内容ということでございます。  まず、西7丁目通というのが山鼻線の方でございます。先ほど山鼻線の東本願寺と山鼻9条が該当するといった部分でございます。(「同じこと言ったってわからんぞ、そんなもの」と呼ぶ者あり)街路の……(「もともとの資料が全然なってないでしょう」と呼ぶ者あり) ○長谷川衛 委員長  答弁を続けてください。 ◎富澤 技術担当部長  (続)整備内容としましては、路線の延長が680メートル、幅員が現況の20メートルを25メートルに拡幅するものでございます。山鼻西線の整備内容は、延長が940メートルで南1条から南9条まででございます。幅員につきましては、20から25メートルの現況につきまして25メートルに拡幅するという内容でございます。 ◎小西 事業管理部長  重複しますが、改めて、拡幅の内容について私からご説明申し上げます。  まず、山鼻西線の拡幅範囲でございますが、お手元に路線図を印刷物でお配りしております。済みませんが、大きな図面がございませんので、それをごらんいただけますでしょうか。  そこに南1条線の一番西側の西15丁目の電停があろうかと思います。元の交通局あるいは教育委員会があった場所でございます。ここの電停と西線6条、それから南に下がって、もう一つ、西線9条、この電停まで、それから、東側の山鼻線につきましては、東本願寺前というのが資生館小学校の南にあると思いますが、ここと、さらに南の山鼻9条、ここの間につきまして建設局において街路拡幅を行います。その街路拡幅を行った際に電停のバリアフリー化を行います。その内容は、一つは、既存の電停幅が1メートルでございますが、それでは車いすが乗れませんので、2メートルに拡幅して車いすでも電停に乗れるようになります。また、電停は、今、15センチの高さでございますが、低床車両の床と高さを合わせるためにさらに15センチ増して30センチにすることによって、車いすで介助なしにそのまま路面電車に乗ることができます。そういうことで、その範囲につきまして、電停幅を1メートルから2メートルに、高さを15センチから30センチにすることによってバリアフリー化を図ります。  それ以南の電停につきましては、現在予定されている街路の拡幅工事がその区間だけですから、街路の拡幅がなければ電停幅を1メートルから2メートルに広げることができません。したがって、暫定的ではございますが、高さのみになりますけれども、30センチにかさ上げすることによりまして少なくとも車両の床と面を合わせるといったようなバリアフリー化を行う予定になってございます。 ◆伊与部年男 委員  だから、今答弁があったような具体的な利便性だとか、そういうものがこれをやることによって非常に前進するんだと。そういうイメージを、全市民なり、市民だけではなしに、札幌に来る人に、今度、札幌がループ化をやったらこういうふうになるんだというイメージをしっかり植えつけさせないと、みんなに理解されないんでないかい、率直に言って。  ループ化をするための手続をとるのでしょう。そういうことで決議が必要なのだから、私たちは、決議することについては、今言ったような段々の話をもっともっと積極的に前面に出して説明する中で議会の承諾を得た、そういうイメージというか、そういうものをしっかりとつくっていただきたい。 ○長谷川衛 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○長谷川衛 委員長  なければ、質疑を終了いたします。 ○長谷川衛 委員長  次に、討論を行います。 ◆佐々木みつこ 委員  自民党・市民会議を代表し、議案第35号 軌道事業の実施に関する件につきまして、これまで多くの議論が行われてきたものでありますが、今回の質疑を受け、一定の前進があったものとして、賛成する立場で討論を行います。  かねてより、我が会派は、重要な事業の予算計上や予算執行に当たっては、十分な議論に基づき、慎重な判断にて行うことが鉄則であると論じ、対応してまいりました。今回、提出されております議案第35号における軌道事業の今後のあり方については、これまでも、まず、抜本的な経営の効率化を図ることが必要であると強く指摘してきたところであり、ループ化を含めた路線延伸については、経営形態の見直しを行い、黒字化のめどを立ててから論ずるべきと主張してまいりました。さらに、ことしの第1回定例市議会予算特別委員会においては、これまでのループ化等の延伸にかかわる事業の進め方に対し、十分な市民合意が得られているとは言えず、議論が成熟していないとして修正案を提出し、これまでの市側の進め方と今後のあり方の是非について指摘をしたところであります。  我が会派は、軌道事業の延伸等については、早い時期から、総合交通体系における都心部のあるべき姿と、その経済効果などについて検討し、環境負荷の少ない、人に優しい路面電車の存続を強く求めてきた経緯がありますが、その当時から、一貫して経営の効率化による事業の見直しと黒字化が必要であるとし、機会あるごとに、ループ化を含めた路線の延伸を行う場合には、同時並行的に経営形態の見直しを進めることが肝要であると意見を述べ続けてきたところであります。  今回、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律、いわゆる活性化法に基づきループ化の特許を取得するため、議会の議決が必要となったことから、議案の提出がなされ、その議案説明の中で、経営形態については、直営方式を断念し、上下分離方式にて抜本的な経営の効率化を図るとともに、安全運行についても技術、技能を継承する方策を検討し、事業の担い手を育て、支障が生じないように努めるとのことが確認されたところであり、これまで我が会派が主張してきた同時並行的な事業の推進に努力してきたものと理解するところであります。  しかしながら、都心の交通体系は総合的に整備が進んでいる状況にあり、これ以上に都心の整備が必要なのか、ループ化されるルートが望ましいのか、地下鉄延伸等の総合交通体系の必要性が叫ばれている中で、多くの経費をかけて事業を実施するものであることから費用対効果に問題はないのか、沿線住民だけでなく、本当に市民合意が得られているのか、将来に禍根を残すことがないのかなど、さらに議論を深めることが重要であるとともに、都心のにぎわいの創出や拡大による多くの経済効果など、札幌市全体に与える影響について市民へ丁寧に説明することが求められていると考えます。  我が会派は、今定例会における一連の代表質問及び委員会質疑の中で、今回の軌道事業のあり方が、都心における交通体系の推進とまち並みの活性化にとどまらず、本市全体の経済発展に寄与し、さらには、本市のまちづくりの根幹である総合交通体系の推進と交通事業の抜本的な改革につながるものと理解し、議案第35号に賛成するものであります。  なお、今後も、ループ化などの路線の延伸のみが先行するのではなく、経営の抜本的な見直しと安全運行技術等の継承や施設・設備の更新を優先的に推進するとともに、今以上に事業内容を公表し、沿線住民や関係業界の理解促進はもとより、都心及び都心周辺部に暮らす市民以外の多くの市民にも理解が得られるよう、魅力あるまちづくりの計画、総合交通体系における市電の位置づけなど十分に説明を尽くすことを求め、討論といたします。 ◆金子やすゆき 委員  議案第35号に反対の立場から、討論を申し上げます。  討論に先立ちまして、今回の議案審査に当たり、理事者側に一言申し上げたいことがございます。  理事者からの説明をいただいたのが先週の金曜日ということで、本日の委員会まで余りに日数がなく、市民の意見を聞くこと、また、専門家への意見を聞くことなどの事前の準備を十分に行うことができませんでした。議案書には、1枚の紙にループ化としか書かれておりませんけれども、よく聞いてみると、ループ化として並行して実施する軌道運送高度化事業には、市電経営の今後にかかわる極めて複雑な事項が盛り込まれておりまして、これらの内容を慎重に吟味するためには、もっと事前の丁寧な説明があってしかるべきであったかと思います。  まず、この点をご注意申し上げたいと思います。  そして、本題ですけれども、高度化事業の柱である上下分離につきまして、その制度の仕組み、あるいはメリット・デメリットにつきまして、いまだ議会への詳細な説明が行われておりません。軌道事業は市民の財産であり、どのように他の軌道運送事業者にその運行権を譲渡していくのか、また、その事業者は一体だれで、どのような組織なのか、また、職員の身分はどのように引き継がれるのか、その経営形態はいかなる形であるのかなど、いずれもすべてが不明確なままであります。  ことし3月に実施した札幌市路面電車活用計画に対するパブリックコメントでは、市民から多数の批判の声が寄せられておりました。今回の計画は、その路面電車活用計画からさらに大きく踏み込んだものでありますけれども、その細部につきましては、検討中との理由で明らかにされておりません。こういった細部につきましては、その利害、得失を含めてもっと具体的に公開するとともに、計画を疑問視する反対意見には、その懸念を解消すべく丁寧に説明することを求めるものであります。  かつて、議会での批判を無視して強行した藻岩山ロープウェイは、開業からちょうど1年がたちました。その売り上げ実績は事業計画比で約5割と、当初の目標の半分と大幅に割り込んでおります。何事にも批判には相当な理由があります。丁寧に説明して、その疑念を解消し、その上で慎重に計画を進めるのでなければ藻岩山ロープウェイと同じ轍を踏む可能性があります。  市電沿線の人口は約9万5,000人、192万人市民の5%にしかなりません。また、そのうち、実際に市電を利用している方は1日約2万人ということですから、市民のわずか1%にしかならないわけであります。ここに90億円の投資を行い、そして、これからどれだけの赤字が発生するという覚悟を持ってこの長期投資に臨んでいらっしゃるのか。今回の計画については、売り上げをふやすというよりは、むしろお金を使うことに主眼が置かれているように感じてなりません。入るをはかって出るを制す、この商売の基本を忘れては経営の改善は難しいものと思います。  今回、ループ化を実現したいのであれば、まず、ループ化の採算に絞って議論をすべきなのであって、具体的な内容が明らかでない上下分離をただ前提とした特許申請は適切でないものと思います。札幌市は、計画を小出しにするのではなくて、将来計画の全貌を明らかにするとともに、議会での慎重かつ十分な審議を経て国への申請手続を行うべきであると考えます。  以上の理由により、我が会派は、本議案に反対といたします。 ○長谷川衛 委員長  ほかに討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○長谷川衛 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第35号を可決すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。  (賛成者挙手) ○長谷川衛 委員長  賛成多数であります。  よって、議案第35号は、可決すべきものと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時12分       再 開 午後3時13分     ―――――――――――――― ○長谷川衛 委員長  委員会を再開いたします。  次に、議案第2号 平成24年度札幌市一般会計補正予算(第5号)中関係分を議題といたします。  理事者から補足説明を受けます。 ◎入江 雇用推進部長  議案第2号 平成24年度札幌市一般会計補正予算(第5号)の所管部分について補足説明させていただきます。  議案書22ページの第3表、債務負担行為補正中の事業名、新卒未就職者人材育成事業及び高卒未就職者人材育成事業についてでございますが、これら事業は、新卒者の就職状況が厳しい中、平成24年3月から25年3月までに卒業した新卒未就職者を人材サービス会社などで一定期間雇用し、主体性や課題発見力、チームワーク力などのいわゆる社会人基礎力を身につける研修と、求人のある企業での職場実習を行うことで早期就職を支援するもので、平成25年3月卒業の未就職者を考慮し、3月中に雇用を開始するために早期の委託契約が必要でございます。  また、財源といたしましては、国の雇用創出基金の震災等緊急雇用対応事業枠を活用いたします。この基金事業は平成24年度で終了となりますが、24年度中に雇用を開始した場合は平成25年度までの事業実施が可能であり、財源確保について北海道と協議が調いましたことから、翌年度までの債務負担行為を設定させいただくものでございます。 ○長谷川衛 委員長  それでは、質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○長谷川衛 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○長谷川衛 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第2号中関係分を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○長谷川衛 委員長  異議なしと認め、議案第2号中関係分は、可決すべきものと決定いたしました。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後3時15分...