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  1. 徳島県議会 2001-10-01
    10月30日-02号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成13年10月定例会   平成十三年十月徳島県議会定例会会議録(第二号) 平成十三年十月三十日    午前十時三十四分開議      出席議員計四十一名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  南  征  美 君     二  番     川  端  正  義 君     三  番     嘉  見  博  之 君     四  番     森  田  正  博 君     五  番     喜  田  義  明 君     六  番     須  見  照  彦 君     七  番     臼  木  春  夫 君     八  番     黒  川  征  一 君     九  番     古  田  美 知 代 君     十  番     山  田     豊 君     十一 番     森  本  尚  樹 君     十二 番     岡  本  富  治 君     十三 番     藤  田     豊 君     十四 番     谷     善  雄 君     十五 番     庄  野  昌  彦 君     十六 番     橋  本  弘  房 君     十七 番     冨  浦  良  治 君     十八 番     久 次 米  圭 一 郎 君     二十 番     大  西  章  英 君     二十一番     長  尾  哲  見 君     二十二番     樫  本     孝 君     二十三番     来  代  正  文 君     二十四番     竹  内  資  浩 君     二十五番     福  山     守 君     二十六番     西  沢  貴  朗 君     二十七番     吉  田  忠  志 君     二十八番     北  島  勝  也 君     二十九番     杉  本  直  樹 君     三十 番     佐  藤  圭  甫 君     三十一番     児  島     勝 君     三十二番     川 真 田  哲  哉 君     三十三番     遠  藤  一  美 君     三十四番     柴  田  嘉  之 君     三十五番     平  岡  一  美 君     三十六番     四  宮     肇 君     三十七番     元  木     宏 君     三十八番     中  谷  浩  治 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十一番     谷  口     修 君     四十三番     榊     武  夫 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     佐  藤  幸  雄 君     次長       高  岡  茂  樹 君     議事課長     桜  間  正  三 君     調査課長     小  西     昭 君     調査課課長補佐  安  倍  良  次 君     議事課課長補佐  滝     壽  郎 君     議事課課長補佐兼議事係長              木  村  輝  行 君     事務主任     豊  田  孝  一 君     同        張     功  人 君     同        大  屋  英  一 君     主事       前  田  隆  司 君     同        谷  本  か ほ り 君   ────────────────────────  出席速記者氏名     速記者      井  上  順  子 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       圓  藤  寿  穂 君     副知事      坂  本  松  雄 君     出納長      野  田  浩 一 郎 君     企業局長     辰  巳  真  一 君     企画総務部長   石  原  一  彦 君     県民環境部長   中  村     稔 君     保健福祉部長   神  野     俊 君     商工労働部長   飯  泉  嘉  門 君     農林水産部長   川  人  敏  男 君     県土整備部長   上  総  周  平 君     財政課長     米  澤  朋  通 君     財政課課長補佐  坂  東  敏  行 君   ────────────────────────     教育委員長    幸  野  章  子 君     教育長      松  村  通  治 君   ────────────────────────     人事委員長    島  内  保  夫 君     人事委員会事務局長阿  部  一  夫 君   ────────────────────────     公安委員長    粟 飯 原  一  平 君     警察本部長    伴     敏  之 君   ────────────────────────     代表監査委員   四 十 宮  惣  一 君     監査事務局長   谷  川  博  文 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第二号   平成十三年十月三十日(火曜日)午前十時三十分開議 第一 県政に対する一般質問         (四   名)   ──────────────────────── ○議長(四宮肇君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(四宮肇君) 直ちに本日の日程に入ります。 日程第一、「県政に対する一般質問」を行います。 通告がありますので、通告の順序に従い、発言を許可いたします。 十三番・藤田豊君。   〔長池議員出席西沢議員退席〕   (藤田議員登壇) ◆十三番(藤田豊君) おはようございます。 暑い暑い夏の戦いが終わり、十月定例県議会、県政に対する一般質問。自由民主党・県民会議を代表いたしまして質問をしてまいります。 まず、このたびの徳島県知事選において、見事に勝ち抜かれ、三選を果たした圓藤知事に心からの祝福をお送りいたします。 本当におめでとうございます。 二期八年にわたる圓藤知事の真摯で果敢な県政への取り組み、一隅の人々を照らす温かいまなざしが多くの県民の共感を得、三たびの信頼を受けられたゆえんであろうと思います。どうか、多くの県民から託されました切実な願い、熱い期待、そして固い信頼にこたえて存分に力を発揮され、二十一世紀の新しいかたちを創造されんことを願うものであります。 そして、私たち自由民主党・県民会議は、議会人として、圓藤知事、あなたが立つところに我々の旗を立て、ともに県のため、県民のため、力いっぱいの汗を流していくことをまずもってお誓いしておきたいと思います。 さて、私は、昨年十一月の代表質問において、二十一世紀が混迷と不安を持って始まるのではないか、新世紀の初頭は乱世の時代となるのではないかとの時代認識を申し上げました。そうは申しましたが、私自身、世の中がその予測になってほしいと願ったわけでは決してありません。 しかし、今、現実となった新世紀のありさまは、それをはるかに上回るものであります。最近のわずか五十日ほどの間にも、かつてなかったようなさまざまな恐怖が私たちの日常を次々と襲っております。航空機をハイジャックし、超高層ビルに衝突、破壊するという実に悪魔的とも言うべきアメリカの同時多発テロ、食卓に不安を引き起こし、関係産業に打撃を与えている我が国初めての狂牛病問題、最近の炭疽菌のバイオ・テロ事件などであります。 本県でも、県庁で爆発事件が起き、また、南海地震が三十年以内に起きる確率は四〇%あるという長期評価の公表もありました。 一体、次に何が起こるのか。人々の心に先行きの不安が大きな影を落としております。それでなくても、出口の見えない不況、構造改革の痛みは和らぐことなく、雇用と生活の基盤をむしばんでおります。まさに、時代は乱世のただ中にあることを確信せざるを得ません。 今、政治、行政には、社会の安全、生活の安心を守っていくために何ができ、何をすべきか、人々の理解、協力をどう求めていくのかを冷静に見きわめ、そこに資源と努力を集中していくことが迫られております。現在の乱世の時代をどう乗り越え、次に来る安定、調和の時代をどう築いていくのか、生き残りの作戦をどう描いていくのか、このことが今の時代にリーダーシップを引き受ける者の責務なのではないかと思うわけであります。 私は、こうした問題意識に立ちながら、これからの第三期圓藤県政の基本方針についてただしてまいりたいと思います。 さて、国民の圧倒的な支持のもとに発足した小泉内閣も半年がたちました。小泉首相は、就任以来、聖域なき構造改革を強い信念のもと進めているところでありますが、こうした改革には痛みが伴うのは当然とは思いますが、その影響は地方においてもはかり知れないものがあろうと思うのであります。 例えば、国の財政構造改革においては、歳出の思い切った見直しと重点的な配分という厳しい姿勢が既に打ち出されており、このことは地方交付税等で国への財政依存度が高い本県の状況を考えると、大きな影響は免れないのであります。 私たちは、これまで経験したことのない厳しい時代を乗り越えていかなければならないことを覚悟しなければなりません。こういったときにこそ、卓越した先見性と強いリーダーシップを持ち県政を進めていくことが求められる知事の役割は、はかり知れないものがございます。 圓藤知事は、選挙期間中県内各地をくまなく回られ、県民一人一人の御意見をお聞きするとともに、みずから、「これからの時代は決して易しくはない。だから、みずから厳しく見直すことは見直していく。しかし、何もやらないで立ちどまるのではなく、厳しい状況だからこそ本当に必要なこと、愛する郷土のために今やらなければならないことは県民の皆さんと力を合わせて、勇気と知恵を持って取り組み、頑張って未来を切り開いていく。そうすれば必ず夢と感動が得られるすばらしい徳島を実現できるんだ」ということを力強く訴えてこられました。苦しいときこそ立ちどまるのではなく頑張って前に進むんだと、まさにそのとおりだと思うのであります。 そこで、知事にお伺いいたします。 先ほども申し上げましたが、国の構造改革など厳しい状況の中で三期目のスタートを切るに当たり、今後四年間の県政運営で何を打ち出し、どう取り組んでいかれるのか、その決意をお伺いいたします。 次に、今回の選挙を振り返ってみますと、公共工事そのもの、あるいはその進め方が大きな争点となりました。圓藤知事は、ともすれば、もう公共工事は要らないんだと言わんばかりの相手候補の主張に対し、「もちろん環境も大切にする。しかし、必要な事業はそれぞれの調和を図りながら進めていく。決して立ちどまるのではなく、やらなければならないことはやる」という主張を持って戦われました。 私も、本格的な地方分権社会を迎え、地域間の競争が激しくなることを考えるとき、徳島の社会資本の整備はとても十分とは言えないと思っております。空港や高速道路など県の基幹となる基盤整備はもちろんのこと、それぞれの地域の生活を支える道路や下水道などへの取り組みも、全国の水準と比較するまでもなく、まだまだ必要であります。 果たして、選挙の結果は、郡部では大差がつき、都市部では苦戦を強いられるということとなりました。我が徳島においても、ある程度社会資本が整備されている都市と、これから整備を進めてほしいと思う地方というような構図があるのかなあと思わされるようなこともございましたが、全県的には知事の姿勢は多くの県民から評価され、見事勝利をおさめ、今後四年間の県政を担われることとなったのであります。 どうか知事さんには、自信を持って頑張っていただきたいと思うのであります。 そこで、知事にお伺いをいたします。 このたびの選挙は、郡部で大差がついたものの都市部では苦戦を強いられる厳しい選挙でありました。知事はこの結果をどのように受けていられるのか。また、公共工事が大きな争点となったことを踏まえ、現在取り組んでいる公共工事を今後どういった姿勢で進めていくおつもりなのか、あわせてお伺いいたします。 次に、県の行財政改革について質問したいと思います。 知事におかれましては、地方分権型行財政システムへの改革、アクション21を推進するため、事務事業の見直しや組織改革、人員削減、財政健全化など、国に先行する形でさまざまな改革を着々と進めておられているとお見受けしております。さらに、昨今の目まぐるしい社会経済情勢の変化を踏まえ、所信の中で、県民が主役の県政を推進するため、アクション21において、新しい三つの視点をさらなる改革の柱に据えた積極的な取り組みを行うといったことや、地方が主役の構造改革を実現するため、より一層の財政健全化を進めると表明されました。その意味では、これまでの改革の成果に安住することなく、さらなる行財政改革に積極的に取り組んでいくとの知事の決意と姿勢を評価いたしたいと思います。 私は、知事がお考えになっている改革を進めていく上に当たっては、県民の視点に立って、そのねらいを明らかにするとともに道筋を県民にわかりやすく示す必要があるのではないかと考えるわけであります。 そこで、県の行財政改革アクション21によるこれまでの改革の成果を踏まえ、さらに新たな目標を打ち出していくべきではないか。また、そのための取り組みをどのように進めていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 御答弁をいただいて、続けさせていただきます。   〔西沢議員出席出席議員計四十二名となる〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) まず、今後四年間の県政運営に当たっての決意ということについての御質問でございますが、私は、選挙期間中を通じまして、また、今議会所信の中でも申し上げましたが、本県を取り巻く状況がかつてない厳しさが予想される中で、こうした状況を乗り越え、あすを切り開くために、今後の県政運営において三つの基本姿勢を堅持してまいりたいと考えているところでございます。 まず、一つ目は、県民が主役の県政でございます。これからの県政を進める上で、県民の皆様の主体的な参加は不可欠であります。このため、今まで以上に徹底した情報公開を行うとともにパブリックコメント制度を導入し、県の政策づくりに県民お一人お一人が参加していただき、みずからの知恵と行動がふるさと徳島の将来を担っているんだというようなことを実感していただけるような真の県民参加を進めてまいります。 二つ目は、地方が主役の構造改革でございます。これからの時代は地方が輝く分権社会でなければなりません。そのためには、厳しい現状の中でも、あすの徳島のためにやらなければならない事業には積極的に取り組んでいく必要がございます。このため、さらなる行政のスリム化、効率化を着実に進めるとともに財政健全化プログラムの総点検を行うなど、県みずからが主体的に行財政改革に取り組むことはもちろん、市町村合併を積極的に促進し、新世紀の活力ある徳島づくりの基盤となる行政体制の整備に努めてまいります。 そして、三つ目は、夢と感動が得られる徳島づくりでございます。私は、子育てサポートセンターの整備やお年寄りが生きがいを持って暮らせるよう就労の場を提供するなど、県民だれもが元気で安心して暮らせる社会づくりを行います。 また、自然の中で憩い、あるいは生き物と触れ合うことができるビオトープを県内各地に整備するとともに環境関連産業が立地するエコタウンの整備を進め、徳島県が自然と共生し、環境にやさしい社会となるよう全力を尽くしてまいります。 また、本県経済の活性化のために成長が期待される企業の積極的な支援を行うとともに、真に豊かな生活を県民の皆様が実感できるよう教育・文化・スポーツ活動の振興にも力を注いでまいる所存でございます。 私は、このたびの選挙で県内各地をくまなく回る中で、県民の皆様の熱い思い、強い願いを直接肌で感じてまいりました。そうした願いに全力でこたえ、すばらしいふるさと徳島を実現するために、県民の皆様と一緒に考え、力を合わせる協働の姿勢で、今後ともさまざまな施策に全力で取り組んでまいります。 次に、このたびの選挙結果をどのように受けとめているのか、また、現在取り組んでいる公共事業を今後どのように進めていくのかという御質問についてでございます。 私は、郡部だから、都市部だからという区別なく、これまでも県民の皆様の幸せだけを念頭に置き県政を推進するとともに、選挙期間中もできるだけ多くの方々とお会いをし、施策を訴え、御意見をお聞きすることに努めてまいりました。 都市部で苦戦したということにつきましては、私の訴えが十分に御理解いただけなかったということではないかと考えておりますが、御批判は謙虚に受けとめまして、これからの県政の中に生かしてまいりたいと考えております。 また、このたびの選挙では公共事業が大きな争点となりました。私は、県内各地を回りながら、本県のように社会資本整備のおくれている地域が本格的地方分権時代に対応していくためには、空港の拡張や高速道路などの基幹的な社会資本の整備はもちろんのこと、それぞれの地域の皆さんが生き生きと暮らしていくために必要な事業はまだまだ数多くあると強く感じました。 しかしながら、国の構造改革の影響から、地方においても、今後、地方交付税道路特定財源の見直しなどによる大変厳しい状況が予想されます。また、変化の激しい時代においては短期間での事業効果を上げることも必要となってまいります。 こうした中で、あれもやる、これもやるというわけにはいかないのも事実でございます。それだけに、今後は事業をより一層厳しく取捨選択し、この地域のためにはどの事業を優先し、重点的に投資をして、県民の皆様に早くその効果を実感していただけるかというようなことが大変重要になると考えております。もちろん、これは単に費用対効果で都市部に投資を集中するということではなくて、地域的な公平性、ミニマム水準の確保等も考慮の上、それぞれの地域で何が重要かということを考えながらバランスよく進めるということであります。 今後とも、厳しい状況の中ではございますが、県民の皆様方の御意見を十分お伺いをいたしながら、本県の発展と県民生活の向上に真に必要不可欠な社会資本整備には、さまざまな課題を克服しながらも、積極的に取り組んでまいる所存でございます。 アクション21によるこれまでの改革の成果を踏まえた新たな目標と取り組み方針についての御質問でございます。 アクション21は、簡素にして効率的であることを基本とした、分権型社会にふさわしい行財政システムの構築を目標として、平成九年度にスタートいたしまして、3Cプロジェクト財政健全化推進プログラムを車の両輪として、両者の有機的な連携を図りながら、全庁を挙げて取り組んでいるところでございます。 3Cプロジェクトは、行政のスリム化、効率化をねらいとして、事務事業の総点検や組織機構の見直しを通じて、数値目標を掲げて事務事業見直し改善、職員数の削減や出先機関の再編に取り組んでおりますほか、本年四月には本庁組織を七部制から六部制に再編するなど、その着実な推進に努めているところでございます。 一方、財政健全化推進プログラムは、財源対策債等を除く毎年度の県債発行につきまして、四百五十億円を上限とすることでありますとか、また、財源不足額を圧縮するなどの健全化目標を定めるとともに、一般単独事業の抑制や一般行政費の縮減、横割り予算の導入など、各種健全化方策を着実に実施をいたしているところでございます。 こうした取り組みに加えまして、透明でわかりやすい行政の推進、県民参加と協働事業の促進、県民サービスの総合的な質の向上をさらなる改革の柱に据えまして、政策立案段階から県民の意見を反映させるパブリックコメント制度試行的導入を初めといたしまして、県民の満足度を高めるための施策を積極的に展開してまいります。 また、国、地方を通じまして、行財政を取り巻く環境は日々一段と厳しさを増してきておりまして、山積する県政の重要課題に柔軟かつ機動的に対応できるだけの簡素で効率的な行財政システムの構築が急務となっております。 このため、現在、平成十五年度を目標として取り組んでおります3Cプロジェクト財政健全化推進プログラムにつきまして、さらに見直すべきところがないか、ゼロベース基調での総点検を実施いたしているところでございます。 今後とも、新世紀の活力ある徳島づくりを推進するために、国の構造改革が本県に与える影響にも留意しながら、議員御指摘の点につきましても、これら総点検の結果を踏まえて鋭意検討いたしまして、さらなる改革に果断に取り組んでまいりたいと考えております。   〔杉本・大西(仁)両議員退席、出席議員計四十名となる〕   (藤田議員登壇) ◆十三番(藤田豊君) 時間の都合上、質問を続けてまいります。 次に、このたびの選挙において争点の一つとなりましたマリンピア沖洲第二期計画についてお伺いをいたします。 マリンピア沖洲第二期計画につきましては、環境の重視や広く県民の声を聞く観点から、これまでアセス法に準じた手続が進められてまいりました。知事は、アセスの最終段階となる環境影響評価書において、自然環境に与える影響をより一層低減するため、工事を四国横断自動車道のインターチェンジのある北側半分と南側半分の二段階に分けて整備する方法を最終見解として取りまとめ、今月三日に評価書を送付されました。「環境への影響を心配する県民の声に対し、埋め立ての工事工程の大幅な見直しを打ち出すなど、県工事をこれほど大胆に見直すのは珍しい」との報道もなされておりましたが、私は、まさに知事のトップとしての英断であると高く評価してやまないところであります。 今、公共工事についてはその客観性や透明性が強く求められております。この見直しに当たっては、環境面はもとより事業収支の見通し、さらには土地利用の必要性など、さまざまな角度から検討を重ねた上で出されたものと考えておりますが、県民によく理解していただき、むだな公共工事と言われないためにも、これらの決定過程をより明確にしておく必要があると考えておりますが、知事の御所見をお伺いいたします。 また、本県の飛躍、発展を見据えた場合、高速道路を整備するという方向性は何ら変わるものではなく、そのためにもマリンピア沖洲第二期計画の事業化が早期に実現するよう最大限の努力をしていただきたいと考えておりますが、今後どのような取り組みをなされようとしているのか、あわせて御所見をお伺いいたします。 次に、牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病についてお伺いをいたします。 英国を中心に欧州各国で猛威を振るった、いわゆる狂牛病の感染牛は、去る九月に国内で初めて確認され、県内においても消費者の不安が大きく広がるとともに、生産者を初め、食肉処理・加工・流通・販売事業者等に深刻な影響を与えております。とりわけ本県におきましては、狂牛病に感染した牛の肉骨粉が県内の業者に出荷され、この肉骨粉が混入された可能性のある配合飼料が流通したことにより、県民や生産者などは大きな不安を抱いたところでありますが、国や関係団体の努力によりこの肉骨粉及び配合飼料は回収され、先日、千葉県の廃棄物処理場において焼却処分されたところであります。 しかしながら、消費者の牛肉等畜産物に対する不安感は払拭されてはおらず、依然として牛肉の消費は減退したまま推移しており、県内の生産者や食肉処理、販売等事業者の経営状況は非常に厳しい状況となっております。 こうした状況から、県議会として、去る二十四日に、国に対し、牛海綿状脳症に係る万全の対策を求める意見書を提出したところであります。 また、今月十八日からは、食肉の安全確保や消費者の不安解消のため、市場に出荷されるすべての牛の検査が始まっております。しかしながら、和歌山市などの自治体では初日から混乱が見受けられ、一部消費者からは、信頼できないとの批判が出ているところであります。 こうしたことから、厚生労働大臣らの安全宣言への信頼をも揺らぎ、食肉への安全性の信頼を望む消費者の方々、また消費回復を祈る生産者からは、より一層の検査体制の強化に努めてほしいとの声も上がっております。 そこで、お伺いをいたします。 本県における検査状況について、検査の内容及び検査体制の強化状況はどのようになっているのか。また、検査の結果、陰性とされた牛しか市場に出回らないようにするためにどのような体制をとっているのか、あわせてお伺いいたします。 次に、肉骨粉の処理についてお尋ねいたします。 現在、本県では、家畜の処理・解体過程等で発生する骨、くず肉等を原料として製造される肉骨粉が、県外から持ち込まれる原料も含めて毎日百トン程度が製造されております。この肉骨粉については、国において肉骨粉の流通停止措置がとられたことから、保管量は日々増加しており、現在では二千八百トンが保管された状態にあると聞いております。肉骨粉の処理がおくれることにより食肉の処理、ひいては食肉流通が停滞し、牛肉に限らず、豚肉やブロイラーの生産、流通に大きな影響を及ぼしかねないと心配しているところであります。 国は、当分の間、肉骨粉の焼却処理を指示しておりますが、焼却のめどは立っているのか、お伺いをいたします。 また、私はこの間、狂牛病問題で大きな経済的影響を受けている生産者や食肉処理及び流通事業者に対する適切な支援措置を講じることも極めて重要であり、県として全力を挙げて実効性のある施策を講じていくことが必要であると思っております。 そこで、畜産農家を初め関係業者は、風評被害など大変な経済的打撃をこうむっておりますが、今後どのような支援措置を講じていくのか、お尋ねいたします。 次に、雇用対策についてお伺いいたします。 現下の雇用情勢は、有効求人倍率などいろいろな経済指標を持ち出すまでもなく、厳しさを増しており、県においては、こういった厳しい雇用情勢を踏まえ、去る十月二日に県特別雇用対策推進本部員会議を開き、緊急雇用対策の全庁的な取り組みとして、雇用のセーフティーネットを協議するとともに、今議会にも国の施策を先取りした雇用対策の一部を予算化しており、知事の雇用面に対する取り組み姿勢を高く評価するものであります。 私は、今回の不況は長く構造的なものであるとの認識のもとに、失業者対策としての緊急雇用ということだけではなく、より一歩踏み込み、雇用を支える企業への支援など総合的な経済雇用対策が必要であると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、高校教育改革についてお伺いをいたします。 高校教育改革については、二十一世紀の本県教育のあり方に関する事柄であり、幅広い県民の声を踏まえてしっかりと検討を行う必要があることから、結論を一年延ばすべきと質問したのが昨年の十一月定例会のときでありました。ことし、青木教育長から松村教育長にバトンが受け継がれ、さまざまな選択があったとは思いますが、この四月からの高校教育改革への取り組み状況を見るとき、県民参加による施策の決定という私の思いが実現していることに対しては、一定の評価をしたいと考えております。 一方、だらだらと結論を引き延ばすことは生徒、保護者に無用の不安を与えることから、期限を定めて、きちんと筋道を立てて改革を進める必要があると、昨年申し上げたところでございます。 そこで、高校教育改革の全体像骨子案を本年度中に公表するということでありますが、今後、どのようなスケジュールで作業を進め、どのような柱立てにするのかをまずお伺いいたしたいと思います。 次に、通学区域について、私は九通学区制を推奨するものですが、これが断念となり、一、三、五という複数案を提示するに至った経過とともに、九通学区により解決しようとした学校の序列意識の払拭をどのような手段で行うのか、お伺いをいたします。 また、高校教育改革を論議する場合、どうしても通学区域や入学、入試制度といった入り口部分にとらわれがちでありますが、入学後の対応として、本人の学習希望の変更などに対しても、もっと柔軟に転・編入学といったことができるようにすることも、不登校や中途退学といった問題解決のためには大変有効と考えておりますが、御所見をお伺いいたします。 次に、高校教育改革というと高校のあり方を検討すればよいとの感がありますが、約九八%の子供たちが高校に進学し、また、公立のウエートが日本一の本県だからこそ、小・中・高の連携によって、全体として徳島の教育水準を向上させることが重要であると考えております。それも、中高一貫校といった新たなシステムの導入はもとより、すべての学校を対象にして、少なくとも基礎、基本の学力を小・中・高が連携して定着させるような仕組みづくりを早期に検討すべきであると思いますが、御所見をお伺いいたします。 最後に、県西部運動公園についてお伺いをいたします。 四国の中心に位置し、交通のクロスポイントでもある県西部地域は、まさに四国の中心として広域交流の中心的役割を果たす重要な地域でございます。県西部は豊かな文化や恵まれた自然があり、これらのすぐれた資産を生かした交流拠点の整備、充実を図っていくことが、県西部を初め徳島県の振興につながるものと思っております。特に、近年の高齢化社会においては、健康は人々の関心事として大きく取り上げられ、競技としてのみならず、健康の保持、増進のためスポーツをする人も増加しており、楽しみながら気軽にスポーツができるような運動公園は、スポーツを通じての競技活動や地域文化と連携した余暇活動としての交流の核となる大変重要な施設であると考えております。 このため、私は、県議会におきまして、たびたび県西部運動公園の早期実現をお願いしてまいりました。県においては、新長期計画に県西部運動公園の整備を掲げられ、昨年度から基本構想に着手したとのことであり、鋭意調査、検討が進められていると思いますが、早く公園の位置を決めることが早期整備につながるものと考えております。 その点で申し上げますと、私は、美馬郡は高速交通網の整備と相まって、県東部地域はもとより四国三県、ひいては中国地方とも短時間で結ばれ、広域的な交流拠点の立地場所としてのポテンシャルは非常に高く、さらに、この公園に対する地元の熱意も非常に高まってきており、私といたしましては美馬郡内での整備を大いに期待しているところであります。 そこで、県西部運動公園の美馬郡への立地について、知事の率直な御意見をお伺いいたします。   〔大西(仁)議員出席、川真田議員退席〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) まず、マリンピア沖洲第二期事業について、整備手法の決定過程を明らかにすべきであるという御質問についてでございます。 マリンピア沖洲第二期事業につきましては、自然環境の保全と調和を図ることが極めて重要でありますことから、これまで環境影響評価法に準拠した手続を進め、今月三日に環境影響評価書を関係機関に送付したところでございます。 この評価書につきましては、当初は全面を一度に埋め立てる方式を考えておりましたが、県民の皆様方の御意見を踏まえ、環境に与える影響をより一層回避、低減するために、学識者や専門家の御意見をいただきながら工事工程の大幅な見直しを行い、インターチェンジのある北側部分だけを先に埋め立てて、ルイスハンミョウや海浜植生が人工海浜に定着するのを確認した上で南側の埋め立てを行うという環境配慮型の整備を基本に据えて策定したものでございます。 整備手法の決定に当たりましては、ただいま御説明いたしました二段階整備方式に加えまして、インターチェンジのある北側についてはすべて埋め立て、南側は埋め立てずに、高速道路を高架構造とする手法──これを便宜上、北側埋め立て方式と呼ばしていただきます。また、全面を埋め立てずに、高速道路をすべて高架構造とする手法──これを全面高架方式と呼ばさせていただきます。さらに、高速道路のインターチェンジを南側に設置する手法──これを南側埋め立て方式と呼ばせていただきます。こういった合計四通りの整備手法につきまして比較、検討を行いました。 まず、最後に申し上げました南側埋め立て方式につきましては、新町川が航路でありますことから、末広大橋よりも高い位置へ短い距離で上ることになります。本線への取付道路の縦断勾配が非常に急なものとなり、構造上からも問題が多いのみならず、インターから本線に合流するスピードの遅い車と本線を走る速い車とが一緒になって重なるわけです。そのために、交通安全等の観点から極めて好ましくない計画となるために、経済性等の比較以前の問題として比較対象から外しております。 また、二段階整備方式として御説明をいたしました整備手法以外の二つの案は、高架や桟橋構造となることから事業費が高くなります。これら建設コストの増加に対応する費用については、通常地元負担が求められることなどから、最終的には二段階整備方式での県費の負担が約二十億であるのに対し、北側埋め立て方式では約百六十億円、全面高架方式では約三百七十億円といった県費の負担が必要になります。さらに、高架や桟橋構造にいたしますと、道路の橋脚工事により砂浜が乱されることや、また、常に日の当たらない広大な水域が発生するなど、生息生物への影響がございます。 こうした事業費や環境面への影響等、総合的に勘案をいたしまして、最終的に今回の二段階整備方式に決定したものでございます。 議員御指摘のとおり、県民によく御理解をいただいた上でマリンピア沖洲第二期事業を進めていくことは極めて重要であるというふうに認識をしておりますので、委員会審議の場等を通じまして、最終的な判断に至った比較検討の内容をわかりやすくお示ししてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、マリンピア沖洲第二期事業の今後の取り組みについての御質問でございますが、神戸-鳴門ルートは、現在、県都徳島市にすらつながっておらず、しかも、鳴門市、徳島市、小松島市、阿南市など本県の人口の六割を占める地域が高速道路でいまだ結ばれておりません。また、四国縦貫自動車道の沿線にはあすたむらんど徳島や四国三郎の郷、吉野川ハイウェイオアシス、スキー場、温泉施設などさまざまな施設がインターチェンジ周辺に設けられ、地域の活性化が図られつつございますが、それに比べて、県南地域にはそれに類する施設がある程度整備されているにもかかわらず、高速道路の整備が十分でないために、県北部や県西部と比べて観光客の入り込みが少なく、地域の活性化が図られていない、こういう状況であるというふうに認識をしております。 県としては、こうした県内の不均衡な状況を一日も早く解消する必要がございます。 一方、小泉内閣の特殊法人改革をめぐり、日本道路公団の分割民営化や事業凍結といった議論がなされるなど、高速道路を取り巻く環境は極めて厳しいものがあるというふうに認識をしておりますが、私といたしましては、四国横断自動車道阿南-鳴門間の整備については、本県の重要事項の中でも最も重要な課題として取り組まなければならないと強く認識をいたしております。 マリンピア沖洲第二期事業につきましては、四国横断自動車道の南伸のためにはどうしても必要な事業であります。また、環境に十分配慮するために、全面埋め立て一括方式ではなくて、二段階埋め立て方式を提案しているところでもございます。ぜひとも県民の皆様方の御理解を賜りたいと考えております。 今後、一日も早く事業に着手できるよう環境影響評価手続を着実に進めますとともに、関係者の御理解をいただきながら、早期に公有水面埋立免許が取得できるよう、なお一層の努力をしてまいる所存でございます。 狂牛病の検査の内容及び検査体制についての御質問でございます。 県内の四カ所のと畜場において、年間約一万五千頭の牛が食肉として処理されておりますが、これら処理される食肉の検査は、と畜場法に基づき県の機関である食肉衛生検査所が実施をしております。 狂牛病にかかわる検査につきましては、迅速性が要求されること、多くの検体の処理が可能であること、感度の高い検査法であることなどを踏まえまして、全国同一の検査法としてエライザ法が採用され、食肉に供されるすべての牛について本年十月十八日から全国一斉に精密検査を実施し、食肉の安全性を確保しております。 検査体制につきましては、正確で迅速な検査が要求されることから、食肉衛生検査所の職員七名を十月三日から十月十六日まで国の検査機関に派遣し研修を行わせるとともに、エライザ法吸光度測定器等の──光を吸う度合いと書くわけですが──エライザ法吸光度測定器等の検査機器の整備を行ってまいりました。また、各保健所等の獣医師派遣による支援体制を組むとともに、非常勤職員の充実を図る等によりまして検査体制の強化に取り組んでおります。 十八日から実施をしております検査では、検査結果が判明するまでの間、すべての内臓、枝肉はと畜場内において厳重に保管しておりまして、合格となったものだけが市場に流通する体制をとっております。なお、県の検査において疑陽性を示した場合は、直ちに国の検査機関──神戸検疫所、また国立感染症研究所、こういうところへ検体を送付いたしまして、他の検査法で確認検査を受ける体制となっております。 肉骨粉の焼却処理のめどについての御質問でございますが、御承知のとおり、去る十月四日以降、狂牛病の主な感染源とされている肉骨粉等につきまして、当分の間、すべての国からの輸入及び国内における製造、出荷が一時停止されております。 このため、行き場を失った肉骨粉等が十月二十九日現在で約二千八百トン保管されている上に、さらに、毎日約百トン増加をしておりまして、仮にこのまま推移をし、焼却処理が進まず保管場所が確保できない場合には、と畜場及び食鳥処理場からの畜産物残渣等の受け入れができなくなることが憂慮され、詰まるところ、肉用牛農家、養鶏・養豚農家等の出荷が危ぶまれることになるわけでございます。 県といたしましては、こうした事態の打開に向けまして懸命の努力を重ねているところでございますが、県内での焼却処理に関しては、大半の市町村は、地元の住民感情、施設の処理能力等から否定的で、前向きな協力を示している施設は現時点ではわずかに二カ所にとどまっているなど、めどが立っていないという憂慮すべき状況にございます。 また、毎日製造されている肉骨粉約百トンのうち、県外分約六十五トンにつきましては、当該県へ引き取ってもらうよう折衝しておりますが、いま少し時間が必要と考えられます。 いずれにいたしましても、極めて重要かつ深刻な問題でございますので、私からも関係者に協力を要請するなど、今後とも最大限の努力を傾注してまいる所存でございます。 畜産農家等への支援措置についてでございますが、我が国におきまして初めて狂牛病の発生が確認され、消費者の不安が大きく広がるとともに、畜産農家や食肉販売処理等の業者に深刻な影響を与えていることは御指摘のとおりであります。 このため、国におきましては、畜産農家の経営支援対策として、家族労働費の補てん制度や肉用子牛の価格差補てん制度など現行の制度の一層の拡充強化を行うことにいたしております。また、緊急対策として、牛枝肉価格の安定対策や全頭検査体制が整うまでの出荷繰り延べに対する助成を初め、畜産農家や食肉関連業に対し、経営維持のための低利のつなぎ資金の融通措置等を講じることにいたしております。 県といたしましても、これらの支援対策の積極的な活用を図りますとともに、畜産農家に対しましては県単での利子助成を前向きに検討しております。食肉卸・小売業者などに対しましては、既に実施をしております経済変動資金の貸付条件の緩和により経営を支援してまいりたいと考えております。 一方、狂牛病の検査などを的確に実施をし、牛肉等の安全性を確保するとともに、正確な情報を県民の皆様にPRするなどの取り組みが、結果的に畜産農家などの風評被害への支援となりますので、幅広い視点から、適時適切に、積極的に対処してまいりたいと、このように考えているところでございます。 雇用対策に加えて、より一歩踏み込み、雇用を支える企業への支援など総合的な経済・雇用対策の取り組みに関するお尋ねでございますが、現在の雇用情勢は極めて厳しい状況にあるという認識のもとに、企業の倒産あるいはリストラ等により発生する失業者に対しての緊急的な雇用対策を喫緊の課題として、国に率先して実施するという強い決意を持って進めております。 そこで、今議会で御審議をいただいております補正予算案におきましては、雇用のミスマッチを解消し、セーフティーネットを充実させる観点から、即効性のある対策として、離職者に対するIT関連分野や介護福祉分野の職業訓練対策を初めとする緊急経済・雇用対策事業を国に先駆けて実施することにいたしました。 また、雇用を支える企業への支援につきましては、これまでも県内企業の新分野進出や体質強化を目的とする経営革新事業や、また、不況対策としての経済変動対策資金の充実強化並びに新たな雇用を生み出すベンチャー企業の創出など、各種施策を積極的に進めてきたところでございます。 しかしながら、これまで我が国経済を牽引してきたIT産業の不況や米国の同時多発テロなどによりまして、景気はなお一層悪化をたどり、一段と停滞感を深め、雇用の受け皿である県内企業の経営環境もますます厳しい状況にあると思われます。 このため、私といたしましては、これまで講じてきた施策から一歩踏み込んだ総合的な経済・雇用対策が必要であると考え、担当部局に対し、直接企業を訪問し、雇用の維持、確保の要請を行うとともに、企業経営の実態や県などへの要望事項について把握するように指示をしたところでございます。 さらに、これらの結果を踏まえつつ、大所高所より御意見を賜るため、私みずからが座長となり、産業界、労働界、学識経験者など各界各層から成る徳島県経済・雇用対策会議を設置することにいたしております。当会議からの御提言や国の動向なども踏まえつつ、本県の独自性に富んだ総合的な経済・雇用対策を進めてまいる考えでございます。 県西部運動公園の美馬郡への立地についての御質問でございますが、県西部運動公園につきましては、新長期計画の中に戦略プロジェクトの一つとして位置づけるとともに、これまで西部地域におけるスポーツ施設、開発適地等についての現状把握や住民の方々を対象としたスポーツに関する意識、要望等の意向調査を行ってきております。この調査結果によりますと、多くの方々が自然と親しみながら健康づくりができ、身近で手軽に使える運動公園としてのイメージを持たれております。 この公園の整備を進めるに当たりましては、最近の国における構造改革等の動きや県の財政状況等を勘案いたしますと、整備手法につきましては、財源確保の問題等から国の補助が得られる事業であること、整備時期につきましては、事業費確保の観点から他の公園整備等との進捗と調整を図ること、用地取得や維持管理につきましては、この公園が主として西部地域の方々が利用する公園であることから地元町村の全面的な協力が得られること等が必要であるというふうに考えております。 県西部運動公園につきましては、こうした諸状況を踏まえながら、今後、導入施設の種類や規模、アクセス等につきまして、より具体的な計画づくりを進めてまいりたいと考えております。 御質問の立地場所につきましては、西部地域全体で合意形成がなされる必要がございますが、私といたしましては、議員御提言の美馬郡を念頭に関係町村との協議を進め、できるだけ早い時期に位置決定を行いたいと、このように考えているところでございます。   〔川真田議員出席、出席議員計四十一名となる〕   (松村教育長登壇) ◎教育長(松村通治君) 高校教育改革のスケジュール及び骨子案の柱立てについての御質問でございますが、通学区域につきましては、本年度に入り実施してまいりました広聴活動による県民の意見を三つの試案に取りまとめ、来月開催の地域別公聴会やパブリックコメントにおいて、さらなる御意見をいただく予定でおります。その後、そうした意見を参考にしながら、有識者等から成る入学者選抜制度改善検討委員会において御審議いただくことといたしております。 また、高校再編や学科再編などの他の検討課題につきましても、関係者、関係機関との協議を進めながら議会での御意見も踏まえ、来年二月を目途に全体像骨子案として公表してまいりたいと考えております。 次に、骨子案の柱立てといたしましては、一点目は、中高一貫教育校や総合型専門高校などの新しいタイプや特色ある学校づくりを通じた多様な学びの場の創造を、二点目として、適正規模・適正配置基準に基づく再編整備による生徒たちの活気のあふれる場の創造を、三点目として、受験機会の複数化や通学区域の見直しなどから成る新たな学校選択システムの確立を、さらに、教職員組織の活性化を含む教育諸条件の整備や地域の教育力を生かした学校づくりなど、五つの柱立ての中で、できる限り具体的な施策を盛り込んでまいりたいと考えております。 次に、九通学区域を断念し複数案を提示するに至った経緯について、また、高校の序列意識の払拭をどのような手段で行うのかとの御質問でございますが、九通学区域につきましては、高校間の序列意識の払拭などの問題を解決するための方策の一つとして提示をいたしておりましたが、県民の皆様方から、学校選択の幅が狭まるなどを懸念する多くの御意見が寄せられました。また、市町村合併の動向とともに急激な生徒数の減少が見込まれる中、普通科高校を含めた高校再編が不可避であるとの判断に立ち、通学区域再編についての再検討を行うことといたしました。 県教育委員会といたしましては、県民の幅広いコンセンサスを得ながら進めることが必要であるとの認識に立ち、教育関係者や一般県民の方々に対して高校教育改革の必要性を御説明するとともに、望ましい通学区域につきまして御意見を伺ってまいりました。 こうした中で整理いたしました通学区域案が、一通学区域、三通学区域、五通学区域の三試案でございます。 なお、一通学区域に関しましては、学校選択の自由を最大限確保する観点から、支持する御意見が寄せられたものの、学校関係者を中心に、受験競争の激化、学校間格差の拡大を懸念する御意見も多くいただいております。 また、三通学区域に関しましては、現行の通学区域をベースにしており、徳島市への一極集中の緩和、徳島市周辺校の育成などを図ることを主眼といたしております。 さらに、五通学区域に関しましては、地域に根差した学校づくりの観点から、各通学区の地元高校の育成を図り、受験競争の緩和や学校間格差の是正を行おうとするものでございます。 なお、今回提示いたしました三試案につきましては、再度県民の方々の御意見をお伺いし、入学者選抜制度改善検討委員会において審議をいただくことは既に申し上げたとおりでございます。 次に、高校の序列意識の払拭などの問題解決につきましては、まず、新しいタイプの学校や特色ある学校づくりを通じて多様な教育の場を確保することにより対応したいと考えております。 さらに、入学者選抜についても、受験機会の複数化を導入し、その前期選抜において、狭い意味での学力だけではなく、生徒の多様な個性や能力について多面的に評価する学校独自の入学者選抜を検討いたしております。こうしたさまざまな施策を展開する中で序列意識の払拭を図ってまいりたいと考えております。 次に、柔軟に転入学や編入学できるようにすることも不登校や中途退学といった問題解決のために有効ではないかとの御質問でございますが、生徒一人一人の進路を考えるとき、不登校や中途退学につきましては早急に解決すべき重要な課題であると認識をいたしております。 これらの問題を解決するためには、中学校における進路指導の充実や高校における教育相談、生徒指導体制の充実を図るだけでなく、進路変更を希望する生徒に対しても柔軟に対応していく必要があると考えております。 そのため、県教育委員会といたしましては、高校入学後、他の学校、学科の特色に興味や適性を見出す生徒や、より専門的な学習を希望する生徒に対応するため、転入学や編入学の弾力化に向けた検討を行い、ガイドラインづくりに着手いたしたいと考えております。 次に、小・中・高が連携しての基礎、基本の学力の定着を図る仕組みづくりについての御質問でございますが、高校教育改革の推進を通じて、生徒たちが行きたい、魅力ある学校づくりを行う一方、小・中・高の連携のもと、基礎学力の定着を図ることは、児童、生徒のみずから学び、みずから考える力を育成し、主体的な進路選択を可能にする上で大切であると認識いたしております。 特に、基礎学力の中でも、読み、書き、計算の定着を図ることは、いわば生涯における学びを保障することであり、学校教育において取り組むべき最も重要な項目の一つでございます。 そのため、小・中・高の教育関係者などから成る検討組織を早期に立ち上げ、基礎学力の定着に向けた具体的方策を検討してまいりたいと考えております。   (藤田議員登壇) ◆十三番(藤田豊君) それぞれ御答弁をいただきました。 まず、知事さんの三選の成果でございますが、徳島県の今回の選挙も、本当に今の日本に置かれた都市型と地方という縮図がいやしくも徳島県にももろに出たかな、こういう気がしております。お互いに、それはそれなりの意見として十分検討、そして加味しなければならないわけですが、知事さん、知事さんはやっぱり私ども県民全体のリーダーであります。そして、八年間の実績がこの三選という栄光を得たのではないかな。私は、知事さんの八年の政治姿勢が、県民がもろ手を挙げて賛成しておる、こういう気がしております。意見は意見と聞きながらも、やはり締めるところはきちんとこの四年間で締めていただきたい。心からお願いを申し上げておきたいと思います。 時間が過ぎてまいりましたが、肉骨粉の処理の件ですが、私は一つわからないのは、安全な肉で安全である、安全でない肉は焼却しておるのにこの処理ができない。そして、徳島県を初め十県の方が集まって、本当にテーブルで汗水垂らして協議をしておるのかな。何か徳島県だけが、農林省も、そして他県も、徳島県頑張れよと、何かこういうような私、感じがしてならない。やはり担当部局、説明責任という問題がありますが、安心なものを焼くというのは、まず根本から間違っておるのを、国の施策の中で焼かなきゃならない、これが一つ大きな間違いかなあ。やはり安心なものは循環型社会の中では当然リサイクルされるべきものを、農林省の施策によって全部がおかしくなる。一つがおかしくなれば全部がおかしくなる、今の本当に風潮と同じかな、こういう気がしております。 本当に、冷静な中で部局のさらなる御努力を御期待しておきたい、心からお願いを申し上げる次第でございます。 学校問題につきましては、小・中・高の連携、そして学力はもとよりですが、やはり今子供に不足しておるのは、私は、時間の都合上質問をやめましたが、豊かな心、人を思いやったりする、本当に人間味豊かな人間を、子供たちをどう育てていくのかな、こういう大きな基本線が学校改革、教育改革になくてはならないもの、私はそういう気がしております。あわせて、改革の中で豊かな心を持った思いやりのある子供たちがつくれる施策をまず考えていただきたい、教育長に御要望を申し上げておきたいと思います。 まとめに入らせていただきます。 初めにも申し上げましたように、今は乱世、危機の時代であります。新世紀幕あけの県政運営を託された圓藤知事には大変厳しい状況でのスタートとなったわけでございますが、歴史に照らしてみても、国民、市民が問題意識を共有し、その上で為政者が強力なリーダーシップを発揮できた国家あるいは社会は必ず危機の時代を乗り切っております。 どうか、圓藤知事におかれましても、困難にひるむことなく、徳島県政で後世に圓藤知事ありと言われるぐらいの、力いっぱいの、一生懸命の汗をかいていただき、一層の御奮闘を御期待申し上げ、私のすべての質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(四宮肇君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時四十五分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時三分開議      出席議員計三十八名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  南  征  美 君     二  番     川  端  正  義 君     三  番     嘉  見  博  之 君     四  番     森  田  正  博 君     五  番     喜  田  義  明 君     六  番     須  見  照  彦 君     七  番     臼  木  春  夫 君     八  番     黒  川  征  一 君     九  番     古  田  美 知 代 君     十  番     山  田     豊 君     十一 番     森  本  尚  樹 君     十二 番     岡  本  富  治 君     十三 番     藤  田     豊 君     十四 番     谷     善  雄 君     十五 番     庄  野  昌  彦 君     十六 番     橋  本  弘  房 君     十七 番     冨  浦  良  治 君     十九 番     長  池  武 一 郎 君     二十 番     大  西  章  英 君     二十一番     長  尾  哲  見 君     二十二番     樫  本     孝 君     二十四番     竹  内  資  浩 君     二十五番     福  山     守 君     二十六番     西  沢  貴  朗 君     二十七番     吉  田  忠  志 君     二十八番     北  島  勝  也 君     二十九番     杉  本  直  樹 君     三十 番     佐  藤  圭  甫 君     三十一番     児  島     勝 君     三十二番     川 真 田  哲  哉 君     三十三番     遠  藤  一  美 君     三十四番     柴  田  嘉  之 君     三十五番     平  岡  一  美 君     三十七番     元  木     宏 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十一番     谷  口     修 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○副議長(児島勝君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 二十九番・杉本直樹君。   〔久次米・来代・中谷三議員出席、大西(仁)議員退席、出席議員計四十名となる〕   (杉本議員登壇) ◆二十九番(杉本直樹君) 会派を代表させていただいておりますが、大変不安な気持ちでおります。よろしくお願いをいたしたいと思います。 質問に入る前に、この場をおかりいたしまして、長年の懸案でありました細川内ダムの問題で、今月十日に圓藤知事さんが木頭村に出向かれまして、村当局や水没関係者の方々と直接対談されましたことに対しまして、地元選出議員といたしまして、一言御礼を申し上げたいと思います。 当日は、水没予定地域であった関係者の方々は無論のこと、村当局に対しまして真摯な態度で接していただき、知事という立場にこだわることなく、率直に謝っていただきました。その上、村当局や関係住民から出されました要望につきましても、特別な状況であるので最優先して短期間に、しかも前例がなくてもゼロから考えて、必要な事業であれば実施できるようにするという力強い言葉をいただきまして、十七日には、早速、国に対しても要望していただきました。 「約三十年間という長い間のことで、いろいろな思いがあったと思いますが、知事としてでなく、一人の人間としても、皆さんと仲よくしたい」という率直な言葉に、これでようやく木頭村の人々も、対立の構図を乗り越え、新村長を先頭に、一丸となって木頭村の再生のために取り組んでいくことができる礎ができたと感謝をしておりました。 明くる朝、木頭村の役場の職員から電話がありました。うれしい、眠れなかった。これでようやっと村の役場の職員として村のために働ける。そんな意味の電話がございました。 どうか、知事さんにおかれましては、出発点に立った新しい村づくりに対し、できる限りの御支援、御協力をいただけるようよろしくお願いをいたしたいと思います。──うなずいていただいたように思いました。確約していただいたと受け取らせていただきたいと思います。 それでは、本題に入らせていただきます。 まず、今までの社会経済情勢を簡潔に見てみたいと思います。 戦後一貫して経済成長を求め、大きな富を手に入れた日本経済も、一九〇〇年代以後、二度にわたる景気後退に見舞われ、辛うじて一%弱という低成長を保ってまいりました。この間、政府は、大規模な資金を投資して繰り返し景気刺激策をとってきましたが、根本的な解決を見ることに至らず、結果として膨大な赤字と債務、設備、労務という三つの過剰は整理されないまま過ぎてまいりました。「失われた十年」という言葉に代表されるような時代になりました。 しかし、この間にも、新しい消費者、新しい資源、新しい機会を手に入れるために、売るところでつくれということで、輸出よりも海外子会社によるセールスをより重視する企業が多くなり、一九九八年の経済産業省の報告書によれば、海外における日本の系列子会社による同年のセールス額は日本からの輸出額を上回るようになりました。また、最近のユニクロの現象と言われるように、日本製アジア製品とも言える輸入が衣料品、家庭電気製品のみならず、農産物にも見られるなど、日本型システムからの脱出が目に余るようになりました。 他方、個人についても、一九九八年の政府統計によれば、二十歳以上の七三%が、老後に不安がある、社会保険制度をとっても心配していると答えており、国民年金離れが進み、より多くの貯蓄をし、支出を減らすことで老後に備えようとする動きが強くなっております。 これらの現象は、結果として国全体の経済問題をますます深刻化させるようになり、五%に達する失業率となってあらわれてきております。この失業に直面しているのは、高齢者、若者、女性、そして中小企業で働く人々でしたが、構造改革に揺れる大企業に雇用されている人々もこの問題に直面するようになり、終身雇用制度に守られているのは公務に携わる人などわずかな人たちになってきました。 今日の日本は、いや応なく構造改革を迫られており、経済戦略会議は、二〇一〇年ごろまでの日本経済社会の方向性について、自由で透明度の高い競争型社会を構築するため、高付加価値型の経済社会に転換することの重要性を説いております。すなわち、これらは機会における平等を目指し、その結果生じる格差についてはこれを容認するとのはっきりした打ち出しであります。厳しい社会への転換をあらわしております。言いかえれば、今までの均衡ある国土の発展からの脱却であり、自治体を均一なものとしてとらえず、それぞれの地域を独自の個性ある発展へと促すものであり、財政事情や住民の意識によって行政サービスに違いがある社会になるということだと思います。これからは地域の生活者としての住みよさを競争する社会、すなわち地方主権の時代が現実のものになろうとしております。 各自治体のあり方が大きく問われ、責任もますます重くなってくると思います。既に、地方が変わるのだという変革への芽生えも生まれ始めているという認識に立って質問をしていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 まず初めに、今回の知事選挙ほど地域差や世代間の違いのはっきりした選挙は初めてではなかったでしょうか。 極端に単純化して整理してみますと、戦後の日本社会、あるいは日本人にとって、経済成長あるいは物質的な豊かさの追求ということが、ほとんど信仰とも呼べるような絶対的な目標となり、経済システム、社会制度、ひいては人々の価値観までがその目標に向かって一元化されてきました。そうした時代の中を走り続けた人々にとっては、人間は成長や新たなものを追求し続けるからこそ生きがいを持って生活できる。生存条件もよくなるので、ゼロ成長社会など考えられないと思っている人々がおります。他方では、物質的な豊かさが一定以上に実現し、富の追求ということが生きていく上で絶対的な動機づけや価値観とは感じられず、成長すれば豊かになるとは思えない。日本は成長という目標にとらわれ過ぎているのでないか。生産条件がよくなっても、逆に公害や環境破壊によって生存条件が悪くなるという社会になるのでないかと感じている世代に大きく分かれていたように思います。 知事の選挙後のコメントの中で、良識ある県民の皆さんが暴風から守ってくれたとの発言があり、驚かされました。物足らなさを覚えたのは、五〇%に満たない投票率であった。県民主役の県政、地方主役の改革、夢と感動が得られる徳島、三つのスローガンを挙げておられます。さらに、新興産業であふれる日本一のベンチャー県、豊かな環境を守る日本一の環境県、日本一のボランティア県という三つの日本一を目指す県を目指すとも言っておられます。 これらのことについて、残念ながら、私たちには具体的なものは何も見えません。夢と感動が得られる徳島の実現は並大抵なことではございません。重点施策を絞って取り組んでもらいたいというような新聞投書が見受けられました。世間一般によく言われるような政治不信、行政不信があったとしても、身近な選挙で投票率が五〇%を切ったのは、県政に対して信頼感や期待感が感じられないのか、また、県民主役の県政を挙げておられる知事の真意が県民の方々に十分に理解されていなかったのでないか、それらはなぜなのかなどなど、多くの疑問が感じられたところであります。 選挙の結果を県政にどのように生かされるつもりか、改めて知事の所見をお伺いしたいと思います。 次に、協働立県についてお尋ねをいたします。 所信表明の中で、県政運営について、第一に県民主役の県政を挙げられ、これまで以上に県政に県民の皆様方の御理解と主体的な参加が極めて重要であると強調され、初登庁のあいさつで、「県民の声に真摯な態度で耳を傾け、県民の意見を極力取り入れることを真剣に考えてもらいたい」と述べられ、職員に対して注意を促されております。 確かに、今までの行政サービスでは、受供者のことは余り考えないで、供給者側の論理で提供してきた嫌いがあることからすると、県政の方向の大きな転換だと思います。しかし、協働の実行例として吉野川のアドプト事業を挙げられますが、県が企画したものに県民が参加することが県民との協働と考えておられるのでしょうか。さらに、県民の声を極力県政に取り入れる、あるいは県民の意見をくみ上げるということにとどまれば、知事が目指している県民本位の県政、あるいは県民の立場に立った県政と言うにはほど遠いのではないかと憶測をいたします。 それぞれの地域に住み生活する人々が新しく豊かな生活ができるように、受け手すなわち生活者というような立場に立った行政という進め方が必要だと思います。 現在、試行的に進められているワークショップと言われるやり方やパブリックコメントの制度の利用についても、事業計画に県民の意見を聞くだけにとどめず、計画段階から実際に実施していく段階まで県民に入ってもらい、双方向的に一緒に進めていくことを制度化するように早急に検討すべきだと思います。 この場合、知事も述べておられますように、特に必要なことは情報の公開ということであります。県と住民が一緒になって企画を立てたり、事業を進めていくとき、県と住民が同じ情報を持って共通の土台の上に立つことによって、県民主役の行政がより具体的なものとして目に見えてくると考えられますが、住民の側にとっては、行政の難しさや多様な制約を知る機会となり、自分たちの意見を述べ、要望していくことが地域に対しての責任感につながることを意識してもらうことができると思います。行政も、県のやっている仕事を県民に理解してもらうためにはどのようにすればいいかを考えることができると思います。それが県民本位の県政へとつながっていくのではないでしょうか。 知事の考えておられる協働立県についての理念をお伺いいたします。 なお、緊急経済対策に挙げられておりますが、国に依存するウエートの高い本県にとって、財政負担の軽減、効率的な経営、ひいては自立への道筋を開くため、民間主導で効率的な社会資本を整備するPFI制度の導入についても積極的に取り組むべきでないか。それが新たな仕組みへと変更していく方法の一つであると思いますので、お尋ねをいたします。 次に、総合交通体系の見直しについてお尋ねをいたしたいと思います。 明石海峡大橋の開通後数年がたち、本県の各種交通にも大きな変化が起きてきております。昨年十月には関西空港線がわずか五カ月で打ち切られ、ドル箱と言われた大阪線も来年一月の廃止が決まりました。その上、南海シャトルラインも廃止されることとなりました。 既に、徳島空港の拡張工事が始まっておりますが、東京線に限れば、二〇〇〇年度の座席利用率は六〇・六%と、採算ライン六五%を下回っており、全国五十九空港ある東京線の中で四十五位、四国四県では最も低くなっております。 今後、空港利用の促進策を初めとして、沖洲マリンターミナルの活用、空港ターミナルの新設に伴う現ターミナルの利用、さらには松茂町で計画されている新交流ターミナルの活用の精査、阿佐東線の赤字問題など、本県の交通政策には課題が山積しております。新長期計画の改正のこの機会に、費用対効果の視点を加味して点検し、再構築するとともに各種事業の必要性や既存施設の活用方法についての説明責任を果たすべきであると思います。 そこで、道路と鉄道、空路と海路の目的や役割分担をどうするのか、総合的な交通政策について見直すべきでないかと思いますが、お答えをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) このたびの選挙の結果をどのように県政に生かすつもりかという御質問についてでございます。 選挙の結果につきましては、いろいろな要因が複雑に絡み合うことでございまして、分析をするのは非常に難しい面もございますが、確かに、議員御発言の、世代間で異なる豊かさに対する価値観もその一つであるというふうに感じております。私自身、選挙を通じて賜りました御支援や御批判、あるいは投票率を見まして改めて感じましたのは、県民の皆様の価値観が非常に多様化しておりまして、県民の皆様の意見が反映された双方向の施策づくりを進め、県政に対する信頼や期待を高めることがますます重要になるということでございます。 そうしたことから、私は、今議会の所信でも申し上げましたとおり、これまで以上に県民の皆様に対し、県政をどう進めるのかというようなことを明確にお示しをし、また、御意見をお聞きしながら、できる限り反映していくパブリックコメント制度を進めてまいりたいと考えております。そして、県民の皆様に主体的に県づくりに参加をしていただき、協働で新世紀の夢と感動にあふれる徳島を築いてまいりたい。徳島で暮らしてよかったなと誇りに思っていただける、満足度の高い、県民が主役の県政を目指して頑張ってまいりたいとの思いを強くいたしているところでございます。 県民参加、県民が主役の県政を促進するために、県民との協働をどのような理念を持って推し進めるのかという御質問についてでございます。 私は、常々、二十一世紀・変革の時代の中で、輝きに満ち、感動あふれる徳島づくりのためには、県と県民の皆様が心を一つにして、ともに考え、知恵を出し、ともに行動する、いわゆる協働の視点に立った施策の推進が重要であるというふうに申し上げてまいりました。また、県民との協働の形としては、さまざまなものがあると考えております。 このようなことから、これまでも、県民との協働に向けた取り組みの一つとして、全国に先駆けてアドプトプログラムの推進やボランティア活動の振興などを積極的に図ってまいったところでございます。しかしながら、協働をより一層進めていくためには、県民の皆様に県が考えていること、行っていることなどをこれまで以上に積極的に、また、できるだけわかりやすく伝えることが大変重要でございます。 このため、まず、県民の皆様への積極的な情報提供と徹底した情報公開を進めることによりまして、県政への理解をさらに深めていただきますとともに、県政への参加意識を高めていただくように努めてまいりたいと考えております。加えて、政策立案過程や企画段階から県民の皆様の意見を反映していく一つの手法として、本年十一月から県のパブリックコメント制度を試行的に導入することといたしまして、今後、平成十四年度からの本格実施に向けまして、県政への提言制度との連携などの点に工夫を加えまして、県民意見提出制度として、よりよい仕組みを構築してまいりたいと、このように考えております。 また、ワークショップ手法を初めとする地域や県民の皆様方の積極的な参画の促進やさまざまな県民活動の担い手の支援につきましても、十分意を用いてまいります。 このように、政策立案を初めとして、県づくりのさまざまな場面におきまして住民と行政のパートナーシップをより高め、より積極的な協働の視点に立った県民参加の行政を推進いたしまして、議員御提案のような協働立県に向けて一生懸命取り組んでまいりたいと、このように考えているところでございます。 PFI制度の導入についての御質問でございます。 PFIの導入に関しましては、平成十一年のいわゆるPFI法の制定以降、基本方針の策定に引き続きまして、本年七月には実務的指針としてのガイドラインが出そろうなど、順次制度的な体制整備が図られてきております。 また、小泉内閣の提唱する聖域なき構造改革におきましても、保育所やケアハウスを初め、都市再生、まちづくり、公的施設の整備に当たりましてPFIの推進を位置づけるなど、導入に向けての積極的な姿勢を打ち出しております。 国、地方ともに厳しい財政状況の中で複雑・多様化する県民ニーズにこたえまして、より低廉で良質な公共サービスを提供するためには、サービス提供主体としての私たち自身が、行政運営から行政経営へと意識の転換を図っていくことが必要でございまして、公共サービスへの市場メカニズムの導入につきましても前向きに取り組んでいかなければならない課題でございます。 そうしたことから、民間事業者の資金、さらには経営上のノウハウや技術的能力を公共サービスに活用するPFI手法の導入は、公的部門の民営化、あるいは民間委託手法などとともに市場メカニズム導入の一手法として十分検討に値するものと認識をいたしております。 しかしながら、PFI手法は、我が国にとりまして新しい概念でございまして、実施事例も非常に少ないことから、具体的な事業への導入に当たりましては、PFIの効果を生かすための対象事業の選定の問題、また、従来公共が担ってきたリスク分担のルールづくりの問題、あるいはこれまでの仕様発注方式から性能発注方式への転換などの新たな手法の導入の問題、さらには本県における民間事業者のニーズ把握など、さまざまな視点から本県独自の検討、分析が必要となってまいるわけでございます。 こうしたことから、本県の実情に応じたPFIの導入につきまして、企画立案部門と事業担当部門との連携のもとに庁内検討組織を来月中に立ち上げまして、本県におけるPFI導入の可能性、導入を図る場合の手法、対象事業等につきまして前向きに検討してまいりたいと考えておるところでございます。 総合的な交通政策について見直すべきではないかという御質問についてでございます。 議員御指摘のとおり、神戸淡路鳴門自動車道の全線開通に伴いまして、高速バスの利用が飛躍的に進んでまいる一方で、航空路線大阪線や、また南海徳島シャトルラインの廃止決定など、本県を取り巻く交通環境は大きく変化しつつございます。また、少子・高齢化や高度情報化の進展、環境問題への対応などとともに運輸事業における参入、撤退の自由といった規制緩和の実施、また、昨年十一月の交通バリアフリー法の施行など、社会情勢の大きな変化もございます。 県といたしましては、こうした変化を踏まえまして、新たな視点から、広域交流・高速交通時代に対応した本県の総合交通体系を確立する必要があるというふうに考えまして、平成十二年度には乗合バスの活性化に関する調査、本年度は隣接府県など県外との交通に関する調査等を行いまして、また、パーソントリップ調査なども踏まえまして、平成十四年度におきまして本県の総合交通体系の基本構想を策定することにいたしております。 構想の策定におきましては、厳しい社会経済情勢を踏まえまして的確な需要予測を行い、新長期計画等との整合性を図りながら、陸・海・空の各交通手段の短期的な、さらには中長期的なあり方について検討を進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。   〔川真田議員退席、出席議員計三十九名となる〕   (杉本議員登壇) ◆二十九番(杉本直樹君) 知事から前向きな御答弁をいただきました。 今までは、行政の会計年度が単年度主義であるために、フローだけを追いかけてストックを追わず、軽視してきた嫌いがあるように思います。既に、各地で第三セクターの不振が伝えられておりますが、本県も例外ではないと思います。これからはフローばかりを追いかけずにストックをより重視し、監視、点検をし、適正な管理運営に心がけていただきたいと思います。 論語に、楚の国の地方長官、葉公が、地方を治めるにはどうしたらよいか尋ねたところ、孔子答えて、「近き者説び遠き者来たる」と言われたそうであります。そこに住んでいる人が喜ぶような施策をすれば、そのうわさを聞いて遠くから人が来るようになるという意味だそうでございます。 知事さんには、例えば木沢村のヘリコプターの基地の視察をされました。ぜひとも既設施設の利用状況や現在実施中の事業を視察していただきたい。行政施策の効果がどの程度達成されているか、地域の人たちと親しく話をされていただきたい、そういう機会を持っていただきたいというようにお願いしたい。つまり、起工式や開通式だけでないときにも来ていただきたいということでございます。 次に、子育て支援対策についてお尋ねをいたします。 我が国の子育てに対する保障は欧米に比べて低いと言われます。日本の場合は、三世代同居の家族が欧米に比べて比較的多く残っていたことと、核家族化が進んでも子育ては基本的に家族の中で自己完結的になされるべきであり、それを社会化するなど論外といった感覚が比較的最近まで共通されてきたというようなことがあったと思います。 しかし、男女参画社会の推進など女性の社会進出や会社化する、すなわち個人単位化をする中で、急激に家族というコミュニティーとしての実質を失いつつあります。この結果、日本の低い社会保障費を支えてきた条件であった見えない社会保障が大きく希薄化しつつあるのが現在進みつつある事態ではないでしょうか。 さらに、最近の家族手当や扶養手当の減額や廃止の傾向は、女性や子供を世帯内の被扶養者として見るのでなく、独立した給付や保障の対象として位置づける必要が生じてきつつあります。 なお、経済審議会は、将来の経済成長を確保するためには、三十歳代の女性の労働化率を現在の五五%から八〇%台へ、六十歳代の男性の労働化率を現在の男七五%から男女合わせて八〇%まで高めることを期待しております。 このように見ていきますと、これからますます家庭というコミュニティーの希薄化が予想され、子育て支援の社会化はますます必要条件となってきました。しかも、少子化対策の効果のあらわれるのは二十年、三十年先のことと考えますと、直ちに対策を講じるときに来ているのではないかと思います。 知事は、とくしま子ども未来21プランに基づき、総合的な対策を行っているところであり、保育所の待機児童数の減少や学童保育のクラブ数の増加など、その着実な推進が図られているところです。「今後とも、余裕教室の活用や子育て支援のための拠点整備などにより、柔軟かつ地域の実情に応じた少子化対策を積極的に行ってまいります」と表明されておりました。 しかし、全国学童保育連絡協議会がことし五月に調査した結果では、全小学校のうち、学童保育の割合は二一・三%、全国のワースト五位以内に入っているということであります。しかも、児童が移動しなくても済む空き教室の利用は二カ所しかないそうです。また、保育所も百人を超える待機児童があるということです。 知事は、本県の二十世紀から引き継いだ諸課題として、少子・高齢化、環境問題、高度情報化など、少子・高齢化を第一に挙げられております。しかし、具体策としては、余裕教室の活用、子育て支援のための拠点整備と施設の充実を強調されるのみにとどまっているように思われます。無論、施設の充実は必要不可欠な問題と思います。しかし、それら以上に重要なのは、子供を対象とする仕事である以上、保護者にかわるような、よりすぐれた人材を確保することではないでしょうか。特に、児童保育には、そのかなめである指導員の養成、確保があって初めて達成されるものであることは論をまつまでもないことであります。保育所などは学校と並んで最も公共性の高い分野と考えられますので、ハード事業と同じか、むしろそれ以上の重要性を認識し、ソフト対策を充実していくべきではないでしょうか。 全国に先駆けて少子化が進み、深刻化しており、二十一世紀の重要課題と認識しておられる知事は、国の対策を待って対応するんでなく、変化に満ちた変革に立ち向かう勇気と決断を持って本県独自の対策を講じるべきではないかと思います。 そこで、指導員の確保は無論のこと、継続して勤務できる体制や賃金など労働条件の改善対策、保育手当などの保障費対策、さらには施設の整備計画についても部長にお尋ねをいたします。 次に、森林、林業の活性化と振興対策についてお伺いをいたします。 日本の森林は、戦時中は国を支え、戦後は経済復興のために伐採が繰り返されてきました。その結果、全国各地にはげ山や伐採跡地が残され、水害を初めとして各種災害が多発するようになり、国土保全の上でも森林の再生は最優先の課題として、全国規模で緑化事業が進められてきました。 この緑化事業は、人工林の造成を目的に、人の手によって早く緑化を進めるという方法でありました。人工林という名称が示すとおり、人の手によって自然の力により効率的に役立てようという方法であって、引き続き人の力で林を管理しなければ自然の力を有効に利用することもできないことは無論、健全な森林として成立することが不可能となる可能性を秘めておりました。しかも、森林の成立には短くても五、六十年、あるいはそれ以上の超長期の管理を経て初めて、森林資源として木材生産はもとより県土保全など多くの効果が発揮されるものであります。 しかしながら、植林というフロー中心に投資された行政施策も、森林整備というストックに対する投資という認識は比較的薄く、しかも木材価格の低下は民間による森林への投資意欲を失わせてきました。その上、今まで少なからぬ環境運動に携わってきた人たちは、これまで、森林そのものの保護や干渉してはならないと訴えてきたことも森林に対する意欲をそぐ一因ともなっておりました。 しかし、今や森林は、二酸化炭素の固定にとどまらず、あらゆる局面で私たちの暮らしや生物そのものに大きな影響をもたらすという認識が一般化しつつあります。そのために、森林を持続的に維持し、適切な、有効な管理の下で森林を活用し、そこが供給するさまざまな効用と最終の木材成果品に至るまでの包括的な保護システムをつくり、森林経営者の意欲を将来にわたって引き出していかなければならなくなってきていると思います。 知事は、本県を豊かな自然との共生を生活の中で実感できる、身近な自然の保全と創出をすることによって、日本一の環境県を目指すと言っておられます。県土の七六%を占める森林は身近な自然そのものであり、これを保全、創出することによって、日本一の環境県という目標が達成されるのではないかと考えます。 まず初めに、森林の適切な管理システムについてお尋ねをいたします。 森林の管理が環境保全の観点から見て問題はないか、社会的な利益にかない、経済的にも持続できるような持続可能なものであるかをチェックし、そうと認められる森林から切り出された木材やそれらから加工された木材製品については、表示マークをつけて流通を促すことで持続可能な森林管理を推し進めようという運動が、非営利国際組織、FSC、森林管理協議会によって行われております。日本でも既に、高知県四万十川流域や、アサヒビールが広島県の社有林約二千二百ヘクタールでこの認証を取得しております。 本県も、県有林あるいはモデル地区を設けるなどして認証制度に参加し、環境県として発信できるようにすべきでないかと考えますので、お尋ねをいたします。 次に、森林の整備についてお尋ねをいたします。 森林は適切な整備があって初めて永続性と効果を発揮させるものであることは、県民の共通の認識になりつつあります。しかし、生産性の面から見ますと、労働生産性が向上すると、その対価として賃金は上がりますが、資源生産性が高まっても資源価格が必ずしも上がるわけではなく、現在のように相対的に資源が安い場合には資源生産性を上げる動機が生まれなくなって、投資に対する意欲が次第に薄れることになりました。そのために、手入れ不足の森林が増加傾向にあり、森林整備の決め手である間伐の実施が緊急の課題となっております。 そこで、間伐の推進に当たっての対策と間伐材の利用、特に公共事業への利用促進についてお尋ねをいたします。 なお、県産材の利用促進のための認証方法についてもあわせてお尋ねをいたします。 次に、高校教育改革についてお伺いをいたしたいと思います。 六月の文教厚生委員会の中で高校再編問題を中心に議論をさせていただいたところでありますが、きょうはちょっと違った角度から高校教育改革について質問をさせていただきたいと思います。 これからの高校教育を考えるとき、連携という大きなポイントになるものと考えております。連携にもいろいろございますが、一つは地域との連携であります。 昨年末、通学区再編とセットで、地域に根差した学校づくりということが言われてきましたが、本来この言葉の意味は、高校も地域の一員であり、地域のバックアップの中で高校の活性化を図り、一方、高校も地域のために貢献することだと私は理解をいたしております。 そこで、いわば高校と地域との相互協力とでも呼ぶような仕組みづくりを今回の高校教育改革の全体骨子案の中に盛り込むつもりはあるのか、ないのか。また、盛り込む場合、どのようなものを検討されているのか、伺いたいと思います。 二つ目は、学校間の連携であります。これは、小・中・高の縦の連携とともに高校間の横の連携があります。 まず、縦の連携についてでありますが、私の地域の那賀高校や阿波西高校では連携型中高一貫教育としてスタートをしております。これらの現時点の評価とともに、今後他の高校にも拡大させていく予定はないか、お伺いをいたします。 また、城ノ内高校において併設型の中高一貫教育を導入予定とのことであります。多様な教育の場を確保するという点で私も賛成しておりますが、四国の他県のように、地域ごとに設置していくような考えはないか、お聞きをいたしたいと思います。 次に、横の連携についてでありますが、私は、生徒数の急激な減少の中で、高校再編は避けては通れないものと考えております。本校としての基準を満たす場合でも、全体的な高校の規模縮小化は進んでいくものと考えております。限られた財源と人員の中で教育活動の水準を維持向上させていくためには、一つの高校でフル装備といった考えだけでは難しいのではないかと思います。 そこで、高校間で相互に協力し合い、活力ある高校運営を行っていくような仕組みについてどのようなことを考えておられるのか、お尋ねをいたします。 最後に、連携も関係してまいりますが、例えば、インターネットを活用した遠隔授業などは、特に郡部にある高校の活性化に有効と考えますが、こうしたIT技術による新たな取り組みを検討する考えはないのか、お尋ねをいたします。よろしくお願いをいたします。   (神野保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(神野俊君) 放課後児童クラブ、いわゆる学童保育指導員の労働条件の改善等についての御質問でございますけれども、県におきましては、少子化社会におきます子育て支援の推進を図るため、福祉、保健、労働、教育等幅広い分野にわたる総合的な徳島県少子化対策計画、いわゆるとくしま子ども未来21プランを本年三月に策定をいたしたところであります。この中で、放課後児童クラブにつきましては、目標年度の平成十六年度末までに、現在の六十五カ所を九十五カ所に拡充することといたしております。 議員御指摘の指導員の労働条件の改善につきましては、国においてその基準が定められているところでありますが、今後、その実態を十分把握し、内容の充実等を国に対して働きかけてまいりたいと考えております。 なお、国の基準に満たない小規模な放課後児童クラブなどにつきましては、県単独事業で助成をし、制度の充実に努めているところであります。 次に、保育手当など子育てのための経済支援についてでございますが、本年度、子育て費用の負担軽減の観点から、乳幼児医療費助成事業や第三子・三歳未満児保育料軽減の拡充を図ったところでございます。 また、児童手当制度も国において逐次拡充をされてきておりますので、今後におきましても、国等の動向を注視してまいりたいと考えております。 さらに、施設の整備計画についてでありますが、特に保育所整備等につきましては、実施主体であります市町村との連携を図りながら、保育所の増改築や乳児保育を初めとする特別保育事業の充実に取り組んでおり、今後とも住民個々のニーズに応じた保育所運営を強力に指導し、保育対策の充実を図り、待機児童の解消に努めてまいります。   (川人農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(川人敏男君) 森林認証制度に参画し、環境県としての発信ができるようにすべきではないかという御質問でございますが、御提言の森林認証制度につきましては、環境及び社会経済的側面に配慮した国際的な基準に基づき、適切な森林管理が実施されている森林について認証されるとともに、その森林で生産された木材には認証ラベルが添付されて出荷されます。 一方、森林は、水資源涵養、県土保全、保健休養など多様な機能、役割が求められている状況の中、森林認証制度は環境からの視点による客観的な評価手法の一つとして、欧米等では広く認知されており、意義ある制度と認識いたしております。 しかし、国内では認証機関が未整備で、日本での認証基準がないため、海外の専門家との共同チームによる認証作業が必要で、かなりの準備期間や費用が必要であること、また、認証ラベルが添付され出荷された木材の流通体制が確立されていないなどのために、現在までに、全国で三件が認証されるにとどまっている状況にあります。 御指摘のように、県といたしましては、みずから施業管理を行っている県有林等が国際的な基準による環境に配慮された森林として認証されることは、環境県としての発信に非常に有効なことと考えており、今後、認証取得の可能性やそのメリット、デメリットにつきまして積極的に検討を進めてまいる所存であります。 間伐推進の対策と間伐材の利用、特に公共事業への利用促進についての御質問でございますが、本県の杉、ヒノキの人工林は森林全体の五五%を占め、このうち間伐が必要な森林は七万五千ヘクタールで、四四%を占めております。 間伐は、良質な木材生産はもとより、多様な機能を発揮する森林の育成に欠かせない作業であるため、平成十二年度に緊急間伐五カ年計画を策定し、本年四月からは間伐推進チームを設置し、積極的に取り組んでいるところであります。 県といたしましては、間伐材の利用につきまして、本年一月に公共土木事業における間伐材の利用を五年間で倍増させる目標を掲げたところであり、ことし六月の定例県議会におきましては県産木材の利用促進に関する決議をいただき、意を強くし、積極的な木材利用の推進に取り組んでおります。 このほか、関係機関に間伐材の利用拡大を働きかけるとともに、木材利用事例集を初めとする各種資料によって、木材をより利用しやすい環境づくりを進めていきたいと考えております。 県産材の利用促進のための認証方法についての御質問でございますが、県がこの十一月以降に発注する公共土木工事において、間伐材を利用する場合は、仕様書等に県産材と指定し、間伐材の一層の利用を図ることとしております。これを着実に実施するためには、使用される木材が県産材であるという確認が重要でありますが、このことにつきましては、県産材の産地証明書を森林組合等に発行していただくことにしております。 今後におきましては、この産地証明書を活用することはもとより、関係機関との連携を強化し、公共工事における県産材の利用をさらに推進してまいる所存であります。   (松村教育長登壇) ◎教育長(松村通治君) 高校と地域との相互協力のような仕組みを検討しているのかとの御質問でございますが、高校と地域とが相互に協力し、双方の活性化を図ることは重要な課題であることから、全体像骨子案の中で、地域に根差した、地域が育てる学校づくりという観点から具体案を盛り込んでまいりたいと考えております。 まず、高校が地域の協力を得て活性化を図る方策の一つとして、その高校はもとより、地域の小・中学校の教職員や保護者、行政関係者などから組織するマイスクール推進委員会──仮称でございますが──の設置を検討いたしております。 さらに、地域の教育力を活用し、特色ある学校づくりを進めるため、すぐれた知識や実務経験を有する地域の方々の力を教育活動に生かすことや、地域の歴史、文化などの講座の開設を検討いたしております。一方、高校が地域に貢献するために、施設の開放や地域住民に対する公開講座を充実してまいりたいと考えております。 また、地域の声を学校運営に生かすための学校評議員制度の導入やインターネットを活用した教育内容等の積極的な情報提供を通じて、開かれた学校づくりを進めてまいりたいと考えております。 次に、連携型中高一貫教育の現時点での評価及び他校への拡大についてどのように考えるのかとの御質問でございますが、那賀高等学校及び阿波西高等学校において、本年度から本格的に連携型中高一貫教育を実施しており、それぞれ中・高の教員によるチームティーチングや部活動、学校行事での交流などの連携を通じて生徒を育てていく取り組みがなされております。 こうした取り組みの中、教職員の相互理解が深まり、教科指導や生徒指導において中・高の一貫性のある、きめ細やかな指導が図られるなど、一定の成果があらわれつつあります。 一方、今後の教育効果を高めるための課題といたしましては、連携中学校の生徒が必ずしも連携高校に進学しない状況での中学校教育のあり方や、中・高の教職員間の連携を一層深めるための方策の検討が挙げられます。 また、今後につきましては、両地域の成果を踏まえ、中高一貫教育の実施に向けた地域の要望や期待される教育効果を勘案しながら検討してまいりたいと考えております。 次に、併設型中高一貫教育校を地域ごとに設置していく考えはないかとの御質問ですが、併設型中高一貫教育校の設置につきましては、現行の教育制度を前提としながら多様な教育機会を確保し、生徒の個性をより重視した教育を実現するため、県民からの強い要望や国、他の都道府県の動向等を踏まえて検討を行っております。その際、県下の生徒や保護者にとって学校選択の一つとなり得るよう、交通の利便性、学校規模や施設内容、近隣の市町村立中学校への影響等を勘案し、徳島市内の城ノ内高等学校への導入が適当であると考え、具体的な検討を進めているところでございます。 議員御指摘のとおり、四国の他県においては、おおむね通学区域ごとの設置を予定しているようではありますが、本県におきましては、特に郡部における生徒数の急激な減少が見込まれる中、近隣の市町村立中学校への影響等の課題があること、また、城ノ内高等学校での教育効果等を見きわめる必要があることなどから、なお慎重に検討していく必要があると考えております。 次に、高校間で相互に協力し合い、活力ある高校運営を行っていくような仕組みについて考えているのかという御質問でございますが、生徒の多様な学習ニーズに対応し、幅広い選択科目を開設するため、普通科、専門学科、総合学科がそれぞれの学科の特徴や学校の個性を生かした学校間の連携を行うことは、御指摘のとおり、学校規模の全体的な縮小の中で、今後一層重要になってくるものと認識をいたしております。 そのためには、生徒が他校へ出向き授業を履修する方法を基本としながらも、教員が他校へ出向いて授業を行うことやインターネットを活用するなど、学校間連携を効率的、効果的に行う方法について幅広く検討する必要がございます。 さらに、部活動や学校行事などを通じて生徒、教職員の積極的な交流による連携を進めるとともに、高校間のみにならず、大学も含めたより広範な学校間連携を行い、活力ある高校運営に努めてまいりたいと考えております。 次に、インターネットを活用した遠隔授業などIT技術による新たな取り組みを検討する考えはないかという御質問でございますが、インターネット等の情報技術の発展により遠隔地とのリアルタイムの情報交換が可能になり、他の学校との交流学習や共同学習などの取り組みが始まっております。また、図書館や博物館、民間企業や官公庁のホームページなどのデータを容易に学習に活用できるようにもなってきております。 一方、他の学校との授業の同時展開や双方向の質疑応答などを行うためには、より通信速度を高めることやその運用経費の低減化などが課題となっております。 いずれにいたしましても、地理的に不利な状況にある高校の教育内容の向上にはIT技術の活用が大変有効であると認識いたしており、課題への対応も含めまして、本県教育の情報化推進に取り組んでまいりたいと考えております。   (杉本議員登壇) ◆二十九番(杉本直樹君) 時間が余ってしまいました。一番これが喜んでいただけるんでないかと、今改めて自負いたしております。 それぞれにお答えをいただきました。 子育て支援、高校改革、さらには森林の問題につきましても、将来の社会環境や自然環境を大きく左右するほどの非常に重要な課題だと思っております。 子育て支援事業については、これからますます隠れていた社会保障が衰弱してくるとともに困難となってくることが予想されます。現在のハード中心の対策からソフト対策へと重心を移すときに来ております。すなわち、子供たちを被扶養者としてとらえるのではなく、独立した人ととらえ、保育のための助成策の強化はもとより、指導者、管理者の育成・確保対策を早急に立てるべきであろうと思います。 森林、林業につきましては、今まで、とかく林業という経済面だけをとらえる傾向がありました。しかし、最近のように、森林に対する広範囲な利用といろいろな効用に対して大きな期待が要求されるようになりますと、従来のように農林水産部だけでなく、例えば、ビオトープが里山や水に深くかかわっているように、土木、環境はもとより、観光などと多くの部局が関係してまいります。したがいまして、多くの課題にこたえるためには、十分な連絡調整を図りながら、総合的な視点から森林・林業問題に取り組んでいただくよう要望いたしたいと思います。 なお、高校教育改革につきましては、主として技術論に終始しましたが、本県の全日制高校の普通科の役割、さらには各校がさらに特色づくりで争い合う意味など、基本論を再確認していただき、そこから技術論へと展開していただきたいと思います。 特に、森林・林業問題や高校改革につきましては、現在進行形でありますので、十分に議論を重ねて、変わりつつある本県に対応できるような計画をしていただきたいと思いますし、最後に、知事は所信表明の中で、「現状変革の勇気を持ち、積極的かつ主体的に改革に取り組み、未来創造の知恵を絞り、改革の中から新たな活力を生み出す気概を持って、正面から立ち向かっていく」と、力強く述べられておりました。 従来から、行政に前例第一主義、公平・平等の原則ということが言われております。この原則を身につけて守っている限り、新しい事業に、仕事に手をつけなくても済むことになりかねません。確かに、この原則を破り、思い切ったことをすると苦労することや批判を受けることとなるかもしれません。しかし、批判や苦労をおそれて、無難に、安全にというだけで従来型の仕事をしていたら、この変化の激しい時代に対応できなくなるのではないでしょうか。知事の言われる改革の中から新しい活力を生み出すことができなくなってしまうのではないでしょうか。前例第一主義、公平・平等の原則から一日も早い脱出を期待し、見守っていきたいと思います。 新しい提案があったとき、その趣旨や目的をはっきりと認識し、把握することができれば、おのずから実行できる手段や方法は考えられるものだと思います。手段、方法にこだわって、目的や評価、判断を忘れることがないようにしていただきたいと思います。老婆心ながら、あえて具申申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(児島勝君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時二分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後二時二十四分開議      出席議員計三十五名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  南  征  美 君     二  番     川  端  正  義 君     三  番     嘉  見  博  之 君     四  番     森  田  正  博 君     五  番     喜  田  義  明 君     六  番     須  見  照  彦 君     七  番     臼  木  春  夫 君     八  番     黒  川  征  一 君     九  番     古  田  美 知 代 君     十  番     山  田     豊 君     十一 番     森  本  尚  樹 君     十二 番     岡  本  富  治 君     十三 番     藤  田     豊 君     十四 番     谷     善  雄 君     十五 番     庄  野  昌  彦 君     十六 番     橋  本  弘  房 君     十七 番     冨  浦  良  治 君     十八 番     久 次 米  圭 一 郎 君     十九 番     長  池  武 一 郎 君     二十 番     大  西  章  英 君     二十二番     樫  本     孝 君     二十三番     来  代  正  文 君     二十四番     竹  内  資  浩 君     二十五番     福  山     守 君     二十六番     西  沢  貴  朗 君     二十七番     吉  田  忠  志 君     二十八番     北  島  勝  也 君     三十 番     佐  藤  圭  甫 君     三十一番     児  島     勝 君     三十三番     遠  藤  一  美 君     三十五番     平  岡  一  美 君     三十六番     四  宮     肇 君     三十七番     元  木     宏 君     四十一番     谷  口     修 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○議長(四宮肇君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 八番・黒川征一君。   〔長尾・柴田・中谷・阿川四議員出席、出席議員計三十九名となる〕   (黒川議員登壇)
    ◆八番(黒川征一君) 新風21を代表して、二十一世紀初頭における当面する徳島県政の重要課題について質問いたします。 まず最初に、九月一日未明、くしくも防災の日でありますが、東京新宿の雑居ビル火災で四十四人の方が亡くなられました。昨日も事故があったようでありますが、この火災により不幸にして命を失った皆さん方に心から御冥福をお祈りしますとともに、この雑居ビル火災からの教訓は、一見華やかに見える大都市のもろさをかいま見ることができたように思います。日ごろから、防災意識の高揚を図るための啓発、啓蒙を怠ってはなりません。 また、九月十一日、アメリカにおいて発生した同時多発テロ事件は、数多くのとうとい人命を奪う極めて卑劣かつ許しがたい暴挙であります。これは米国のみならず民主主義社会に対する重大な挑戦であり、強い憤りを覚えます。 ここに、改めて、犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、被害者の方々に心からお見舞いを申し上げます。 今回の戦いは、アメリカをいかに支援するかではなく、テロとテロの温床をいかに撲滅するかがテーマのはずです。本当の後方支援は軍事的兵たんを担うことではなく、議論すべきは自衛隊の派遣の是非などではありません。テロは絶望から始まります。絶望に対抗する力はたった一つ、あしたを信じる気持ちです。あしたを信じるためには武力に頼らない平和をつくるしかないのです。目には目をの報復にこだわってはなりません。かつての日本は鬼畜米英ということで戦争を始めましたが、広島、長崎の原爆投下で二十数万人のとうとい命が奪われました。その後の日本の政府はアメリカとの友好関係を大事にしたことによって、今日の繁栄があると思います。まさに、「憎しみは憎しみによって消え去るのではなく、愛によってのみ消え去る」の名言どおりであります。 そうした意味で、次に圓藤知事の政治姿勢について質問させていただきます。 九月十六日の徳島県知事選挙で三度目の当選を果たされた圓藤知事さんに、心からお祝いを申し上げます。 三たび当選されたときの記者会見で、圓藤知事は、非常に厳しい選挙だったと振り返り、三期目の県政に取り組む姿勢として、県民参加を強調しました。このことは、有権者が二期八年の実績を評価し、県政の継続を支持した結果とはなりましたが、わずかな運動期間で新人の大田正氏に追い上げられたこと、投票率は前回を上回ったにもかかわらず、得票数は反対に前回を下回っていることの複雑な心境を明らかにしたものだと考えます。 まず最初に、今回の知事選挙の結果を踏まえて、圓藤知事が今後四年間、県政を担当するに当たっての決意と政治姿勢について質問いたします。 圓藤知事は、十月定例県議会の所信表明で、県政運営の基本姿勢の第一に、県民が主役の県政の推進を挙げました。これに対してだれも異論はありませんが、このことは、二期八年にわたっての圓藤県政は県民主役でなかったのかとも言えるのであります。圓藤知事の基本姿勢を示し、改めてその真意を表明してください。 第二に、世界の政治、経済、軍事の中核を担っているアメリカ大統領の任期は二期八年であります。日本の総理大臣は大体二年程度で交代しております。強大な権力と権限を持つ知事などの首長は、どのぐらいの長さが適当でしょうか。ちなみに、圓藤知事が再選されたことは十二年間君臨することになります。わかりやすく言えば、真新しいランドセルを背負って入学した小学生が高等学校を卒業したことになります。このような長い任期をどのように考えているのか、所見を伺いたい。 第三に、大型公共事業の見直しを焦点に戦われた知事選挙で、マリンピア沖洲第二期工事や松茂空港の拡張問題などの関係地域は大田正氏が勝利しています。このことは何を意味するのか。そして、これをどう受けとめられているのか、御所見を伺いたい。 次に、森林・林業基本法について。 今年六月二十九日、新しい林業基本法、いわゆる森林・林業基本法が制定されました。旧林業基本法は一九六四年七月施行されたものでありますから、新林業基本法の制定は実に三十八年ぶりの大改正であります。 旧林業基本法は、高度経済成長期に林業の総生産の増大と生産性の向上を目指すものでありました。当時、木材の国内生産自給率は八〇%あり、今日の自給率が二〇%という状況からすれば、まだ、杉、ヒノキを植林すればお金になると言えるものでありました。このたびの森林・林業基本法は、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、公衆の保健、地球温暖化防止、林産物の供給等の多面的機能が持続的に発揮されるよう整備、保全するためとなっています。いわゆる旧林業基本法とは大きくさま変わりをしています。このことは、環境面から森林をとらえ、森林の持つ多面的機能の持続的発展を目指したものと言えます。この新しい森林・林業基本法が真に地球環境や人類の生存にとって必要不可欠であり、時宜を得たものであることは間違いはありません。 そこで、質問いたします。 まず第一点として、新しい森林・林業基本法の精神が国民的にコンセンサスを得て二十一世紀の環境面で大いに役立つようにするためには、かつての林業基本法の総括から出発しなければいけないと思いますが、知事の所見を伺います。 第二点は、森林・林業基本法の大改正と同時に森林法の改正がなされたところであります。このことは、徳島県の七五%を占める森林を水土保全林、森林と人との共生林及び資源の循環利用林の三区分にすることにあります。いわゆる森林計画において、水源涵養、環境保全等の発揮すべき公益的機能別に応じたゾーニング計画を樹立しなければなりません。このゾーニング計画は、県、市町村が一体となって、二〇〇二年三月までに樹立しなければなりません。このゾーニング計画の課題と問題点はいろいろあると思うが、これに対する所見を伺いたい。 第三点は、去る九月十四日、和歌山県知事初め三十道府県知事が共同提言された緑の雇用事業で、地方版セーフティーネットの創設であります。これは、従来の公共事業の枠にとらわれない、地方における森林や清流、海洋等の保全、整備を行うなど、自然環境を回復、再生させるための事業で、この事業は、自然の持つ公益的機能の維持増進につながり、地方の事業に厳しい目を注ぐ都市の住民にも有意義な事業と言えます。この事業によって、新たな雇用の創出効果や、また、地域での人材の定住化、Iターン者の受け入れ促進による都市との交流の推進などにより、徳島県内の過疎化、高齢化が進む地域の活性化などにもつながると言えます。緑の雇用事業について、知事の所見を伺いたい。 第四点は、来年度の国の新規事業として、森林の適正な管理を促進するため、森林整備地域活動支援交付金の概算要求がなされております。いわゆる林業版のデカップリングであります。林野庁の算定方式によると、森林の持つ公益的機能は、国全体で七十五兆円、徳島県の場合は九千二百億円の価値があるとなっています。この公益的機能を持続的に発揮するためのデカップリングとは、どんな内容であって、いつから実施されるのかを伺いたい。 次に、狂牛病問題について。 狂牛病が国内で初めて発見されたのが九月十日でありました。今日までの政府、農水省の対応は批判されて当たり前であると言わざるを得ません。 十月十八日からは食肉処理場で解体される牛の全頭検査が始まり、圓藤知事は十月二十二日の定例記者会見で、狂牛病の問題について、「全頭検査開始以降クロになった牛はおらず、徳島の牛は安全だ。県民の皆さんには牛肉を安心して食べていただきたい」と述べ、事実上の安全宣言をしたと報道されています。 私は、狂牛病に関して、国及び県の対応は消費者を最優先した取り組みでなければ国民の不安は払拭されず、信頼回復にはつながらないと確信しています。 過去十年間、農林水産省は、ヨーロッパでの狂牛病騒ぎをよそに、日本は安全だと言い続けてきました。そのあげく、水際での防止に失敗し、牛に肉骨粉を食べさせないという行政指導も穴だらけで不十分であったと言えます。畜産農家や肉骨粉業者への影響ばかり考えて、事態を甘く考えていたのではないでしょうか。 こうした不手際が消費者に不信を抱かせて牛肉離れが起きたと言えます。その結果、畜産農家や業者が打撃を受けているのです。一遍の安全宣言より、徹底した検査とこの間の不手際が起こった原因の情報公開をすることで信頼回復を図るべきです。 そこで、圓藤知事に質問します。 狂牛病問題で、国は、一次検査の疑陽性の段階でも発表するとした方針を撤回し、最終判定後に公表するとしました。国は二転三転したのであります。徳島県も国の方針に従ったために同様の結果となりました。圓藤知事は、「一次検査の段階で公表すれば、風評被害が広がるおそれあり。公表する県としない県があるのは非常に問題。公表することにした十五道県は困っていると思う。その原因をつくったのは国だ。まことにけしからん」と、国の対応を強く批判したと言われています。 このことに対して、疑いがわかった段階で公表する方針を決めた鳥取県は、「灰色を灰色と言わなければ、シロをシロと言えなくなる。公表した方が消費者からの信頼が高まる」と主張し、「疑いが出れば出荷作業はとまってしまうので、いずれ明らかになる。その時点ですべて隠そうとする姿勢は不自然。エライザ法という一次検査の性質上、どうしても余計な疑いが出ることを広く知ってもらう方が得策だ」と説明しています。 同じように和歌山県も、「疑いがある牛は市場に出回らないことをはっきり伝えれば、公表する方が不安の解消につながるとの判断に至った」と言っています。「検査はあくまで県の事業であるため、県として消費者に報告するのが筋だ」と言っています。疑いの段階で公表するとした北海道や他県も同様の見解となっています。 私は、徹底した情報公開によって信頼回復を図るには、疑いの段階でも県の責任において公表すべきだと考えます。圓藤知事の御答弁を求めます。 第二点は、狂牛病を広げないためには感染経路の割り出しが不可欠であります。千葉県で見つかった感染牛は、輸入肉骨粉を食べていないというだけで、その後の調査はとまっています。 狂牛病の猛威を目の当たりにしてきたイギリスのグラッドレー博士は、インタビューに次のように答えています。「狂牛病に感染した牛を生きたまま輸入したケースなら、過去にも単発的な事例はある。しかし、今回日本で見つかった牛は国内で感染したと見るべきで、汚染された飼料が広い範囲で使われた可能性もないとは言えない。肉骨粉を介して感染のリサイクルが起きている可能性もある」と述べています。イギリスの乳牛の子牛は生まれて二週間目ごろから人工乳を与えられ、その中に肉骨粉が添加されていました。これが感染の原因と考えられています。一方、肉牛は母親の乳で育てられます。狂牛病の発生が肉牛より乳牛に多いのはこのためだと述べています。 こうした先進地の事例からしても、感染経路の徹底解明こそが消費者の不安を取り除き、安全、安心をPRできる唯一の方法であります。 知事は、国に対して、当面を糊塗するための拙速な安全宣言よりも、安全性の根拠などの情報を包み隠さず誠実に開示するように強く要請するべきであります。御答弁をお願いします。 第三点は、牛の解体方法にも問題があります。今のやり方は、牛の背骨を電動のこぎりで引くので、脊髄が飛び散って、肉につきやすいと言われています。脊髄をすべて焼却しても、肉に付着していれば無意味だと考えます。牛の解体方法について検討を要すると思いますが、所見を伺いたい。 第四点は、十月十八日以降は徳島県食肉衛生検査所で牛の全頭検査が始まっているので、食肉の安全対策は前進したと言えます。が、何よりも狂牛病の原因をつくらない体制、すなわち牛の安全な飼料をどう確保するかが大事であります。この点について、見通しも含めて、万全な体制をつくることが最善の方法と思われますが、御所見を伺いたい。   〔大西(仁)議員出席、西沢議員退席〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 「県民が主役の県政の推進」の真意についての御質問についてでございます。 私は、知事就任当初から、県政は県民のためにという認識のもとに、県民の皆様に顔を向けた県政運営に努めてまいりました。可能な限り、県民の皆様方から直接生の声をお聞きする機会を持ち、県政に反映することに努めてまいったところでございます。 その上に立って、昨今の急速な時代の変化や県民の皆様方がお持ちの多様な価値観に基づく県政への要望に対しまして十分おこたえをし、満足度の高い県政運営を進めるためには、これまでにも増して県民の皆様が主体的に参加することができ、一緒になって施策をつくっていけるような仕組みづくりが必要ではないかと考えたところでございます。 そこで、このたびの選挙におきまして、こういった私の思いを「県民が主役の県政」という言葉に込め、お約束をさせていただいたわけでございます。したがいまして、三期目がスタートして初の定例会となります今議会の所信におきまして、改めて、今後四年間、県政に取り組む基本姿勢として、その位置づけを明確にし、今後その姿勢を堅持し、全力で県政運営に取り組んでまいりたいという決意を表明させていただいた次第でございます。 知事の任期はどれくらいの長さが適当かという御質問についてでございます。 知事という職は、四年ごとに県民から直接審判をいただく職でございまして、また、それぞれの県において状況も異なりますので、何期をもって適当かとは一概には申し上げられないと考えております。ただ、知事という職には、その重責に耐え得る責任感と情熱、激動の時代を切り開いていくための行動力、そして、何よりもふるさと徳島を愛する気持ちが不可欠であると考えます。私自身、三選の出馬に際しましては、そうした気力、体力が衰えていないか、また、今後とも持ち続けることができるかどうかを熟慮いたしたところでございます。 私といたしましては、三期目の県政をお任せいただいたからには、この四年間を圓藤に任して本当によかったと言ってもらえるように、その重責にこたえるべく全力で頑張ってまいる所存でございます。 マリンピア沖洲第二期工事や空港拡張問題等の関係地域は大田氏の得票が多かったが、これは何を意味するのかと、どう受けとめるのかという御質問についてでございます。 このたびの選挙は、マリンピア沖洲第二期工事や空港拡張事業等への賛否を直接的に問うものではなく、二十一世紀初頭の県政運営において重要でございます福祉、教育、環境保全、社会資本整備、高度情報化など各般にわたる総合的な施策に対して、向こう四年間どのように取り組むのかということが問われた選挙であるというふうに考えております。 今回の選挙におきまして県民の皆様の関心が高かった事項といたしましては、公共事業のみならず、県財政への不安であったり、あるいは環境問題などではなかったかと認識をいたしております。それだけに、今後は、県みずからが行財政改革に取り組むのはもちろん、行うべき事業の取捨選択を徹底するなど、効率的で健全な行政運営に努めますとともに、道路、港湾等の社会資本の整備を進める際には環境との調和に十分配慮しながら取り組んでまいらなければならないとの思いを強くいたしているところでございます。 かつての林業基本法の総括についての所見でございますが、旧林業基本法は、その当時においての社会経済の動向や見通しを踏まえて、我が国林業の向かうべき道筋を明らかにするものとして、昭和三十九年に制定されたものでございます。 本県におきましても、旺盛な木材需要と山村地域の豊富な労働力に支えられて盛んに造林事業が行われてまいりました。造林事業は当時の有効な土地利用の方法であったと思いますし、また、多くの人手を要する造林、保育、木材生産の活動は山村地域にとって大変大切な働き場でもございました。しかしながら、森林に対する国民の要請は、木材生産機能から水源涵養、国土や自然環境の保全、地球温暖化の防止、レクリエーションや教育の場としての利用などの多面にわたる機能の発揮へと多様化をしてきておりまして、これにこたえていけるように、将来にわたって適正に森林の整備と保全を行うことが求められております。 したがいまして、旧基本法に基づく政策は成果を上げてきましたけれども、時代の変化に合わない面も見られ始めました。こうしたことから新たに森林・林業基本法が制定されたものと認識をいたしているところでございます。 緑の雇用事業についての所見でございますが、緑の雇用事業は、自然環境を回復、再生させるとともに新たな雇用の受け皿を創出することをねらいといたしまして、本県を含めまして全国二十八道府県知事が賛同いたしまして、共同で提案したものでございます。 この緑の雇用事業を森林組合などが担うことによりまして、新規雇用の創出を図り、森林などを保全する人材の定着化を促進することにいたしております。 さらに、地方に新天地を求めてIターンを志す都市生活者の雇用の受け皿として、また、民間企業のリストラに伴う都市における失業者などへの雇用機会の創出を図ることができるなど、さまざまな効果が期待できるものと考えております。 このような趣旨によることはもとより、来年度の国の予算の重点七分野のうち、環境問題、地方の活性化、高齢化の三分野にまたがる重点分野として、この事業が創設されるように共同提言したものでございまして、本県の森林、林業を取り巻く状況を考えますと、大変有意義で、時宜を得たものであるというふうに考えているところでございます。 徹底した情報公開によって信頼回復を図るには、疑いの段階でも県の責任において公表すべきだとの御指摘でございますが、食肉検査の結果公表につきましては、国民の健康問題などにかかわる極めて重要な問題でございまして、国が確固たる方針を持って統一的な取り扱いを行うことが強く求められるところでございます。 しかしながら、今回のように、国が発表時期を、当初、確定診断後としていたのを、都道府県段階での疑陽性の結果後に変更し、最終的には確定診断後としたわけでございますが、そうした方針を二転三転するような事態については、まことに遺憾であると思っております。 全国的には、スクリーニング検査の段階で公表する都道府県もございますが──これが十六県です。消費者の不安解消や畜産農家への影響などを総合的に勘案すると、各自治体間において検査結果の公表時期にばらつきがあると、かえって消費者や畜産農家の方々の不安をあおり、混乱を招きかねない問題になるというふうに考えております。 例えば、エライザ法を用いたスクリーニング検査では、検査材料の粉砕不良、反応液の洗浄不良などの要因によって、狂牛病ではないにもかかわらず、一ないし三%程度の疑陽性が出るというふうに言われております。スクリーニング検査の段階で公表する自治体におきましては、確定診断の段階で公表する自治体に比べて、狂牛病の疑いのある牛が多く発生するような誤解を招くおそれがあるなどの問題が生じてくるわけであります。 したがいまして、本県といたしましては、県民の皆様に混乱を与えないように、国の要請に基づいて、県の実施するスクリーニング検査の段階ではこれを公表せず──本県と同じような対応をする県が三十一府県あるわけであります。万が一にも陽性との確定診断の結果が出た場合には、その段階で公表する方針にしたものでございます。 国に対して、安全性の根拠などの情報を開示するよう要請すべきとの御質問でございますが、狂牛病につきましては、一九八六年にイギリスで発生したものでございまして、その感染原因等は現状では完全に解明されていないところもございますが、御指摘のように、基本的には情報を誠実に開示することが消費者の不安を取り除く最善の方法と私自身も考えております。 このため、県といたしましては、こうした趣旨を十月十七日に県単独で緊急要望し、私自身も上京いたしまして要望してまいりました。さらに、十月二十五日には近畿ブロック知事会の共通的な緊急要望として国の関係省庁に強く要請したところでございます。 今後とも、政府予算に対する県の十一月重要要望などあらゆる機会をとらえまして、情報の開示、感染ルートの解明を国に強く要請してまいりたいと、このように考えているところでございます。   〔西沢議員出席出席議員計四十名となる〕   (川人農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(川人敏男君) 森林計画において、ゾーニング計画を来年三月までに策定するに当たっての課題と問題点についての所見でございますが、森林のゾーニングは、これまでの木材生産、林業振興を中心とした施策から、県民に森林(もり)づくりの方向を明らかにするとともに水源涵養などの多様な機能が効果的に発揮される森林(もり)づくりを進めていくために行うものです。 現在、多様な機能や森林資源、林道網整備の状況を勘案しながら、森林計画で位置づける水土保全林、森林と人との共生林、資源の循環利用林の基準を作成するとともに市町村に対して説明会を行ったところであります。 ゾーニングの設定によって新たな規制が加わるものではありませんが、市町村が樹立する市町村森林整備計画の策定に当たっては、森林所有者の意向や林道整備、造林事業などの施策との調整といった課題もございます。 また、隣接市町村境界でのゾーニングの整合性については、県と市町村と連携を密にし、調整が必要になってくるものと考えております。 いずれにしましても、限られた時間の中で行わなければならないので、地域での説明会等を通じて森林所有者等に周知し、ゾーニングの円滑な設定に努めてまいりたいと考えております。 公益的機能を持続的に発揮するためのデカップリングとは、どんな内容で、いつから実施されるのかの所見でございますが、この森林整備地域活動支援交付金制度、いわゆるデカップリングは、本年六月に制定されました森林・林業基本法に基づく新たな措置として、農林水産省が平成十四年度予算に概算要求されたもので、不在村所有者の増大や高齢化の進行のため、適正な森林の管理が困難となった人工林等について、森林現況の巡視や歩道の維持管理、境界の確保などの日常的な業務に対して助成しようとするものであります。 具体的には、一定のまとまりを持った保育の必要な森林について、森林施業計画の認定を受けた森林所有者等が市町村と協定を締結し、森林現況調査等の助成対象の行為を行うと、保育の必要な森林一ヘクタール当たり年額一万円程度が支払われる仕組みであります。また、この制度は、予算が成立すれば、平成十四年四月から開始される見込みであります。 県といたしましては、従来から本県が政策提案をしていた内容と同様なものとなっており、森林整備を促進する有効な施策であるため、制度の導入を積極的に進めてまいりたいと考えております。 次に、牛の安全な飼料を確保する体制づくりをどのように考えているかという質問でございますが、今回発見された狂牛病の感染源は確定していませんが、感染ルートとしては、肉骨粉を用いた飼料が強く疑われているところです。一方、全国的に、全農家の全頭を対象とする立入調査において、他県の一部の農家で不適切な使用事例が見られたことから、県においても、肉骨粉を牛用の飼料としないよう指導の徹底を図ったところであります。 国においては、十月四日から、すべての国からの肉骨粉の輸入を一時停止するとともに、国内生産を含めた飼料用、肥料用の肉骨粉と、これを含む飼料、肥料の製造及び工場からの出荷を一時停止することにしたところです。さらに、十月十五日、飼料安全法に基づき、肉骨粉を含むすべての家畜用飼料の製造、販売、家畜への給与を法的に禁止することとしました。 また、将来の恒久的な肉骨粉の取り扱いについては、農林水産省において、十月五日に立ち上げた牛海綿状脳症対策検討会の意見を踏まえて決定されるのではないかと考えております。 今後、県といたしましては、農林水産省の指導のもと、適切な検査指導を実施すること等により安全な飼料を確保してまいる所存であります。 いずれにいたしましても、国、県等が連携し、こうしたことを着実に積み重ねることが、安全な飼料を確保する体制を確立する、よりよい方法であると考えております。   (神野保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(神野俊君) 牛の解体方法について検討を要するのではないかとの御質問でございますけれども、御指摘のように、現在、全国的に牛の解体方法につきましては、脊髄の中心部を電動のこぎりで切断する方法が実施をされております。 解体処理におきます背骨の切断につきましては、国の特定危険部位管理要領に基づきまして、脊髄片が飛散しないよう、のこぎりの歯を洗浄しながら切断をしているところであります。また、脊髄が損傷しないよう、脊髄の切断箇所の中心を若干ずらした位置で切断を行い、切断後の電動のこぎりにつきましては、と畜場法に基づき一頭ごとの洗浄消毒を確実に実施をいたしております。その後、県食肉衛生検査所の検査員が、確実に脊髄の除去がなされているかを確認し、食肉への汚染の防止を図っておるところでございます。 一方、ヨーロッパの一部の国におきましては、吸引機による脊髄の除去を行っており、国におきましては、この方法の導入の可能性について検討を行っているところであります。 県におきましても、今後、国の動向を注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。   〔大西(仁)議員退席、出席議員計三十九名となる〕   (黒川議員登壇) ◆八番(黒川征一君) 圓藤知事の政治姿勢について、四年間圓藤に任してよかったと言えるように頑張るということですが、四年間任す以外に方法がありません。ぜひ頑張ってほしいと思います。 緑の雇用事業について、これは本当に、今の山が荒れている状態からすれば、本当に高齢化社会、そして、林業の多面的機能というのが新しい林業基本法でできたわけですが、そういった精神からすれば、この雇用事業を来年度、二〇〇二年度の重点事業として国で採択されるよう、ぜひ頑張ってもらいたいということを申し上げておきたいと思います。 それから、牛の問題であります。牛の問題で徹底した情報公開をすべきという、疑いの段階でも明らかにするというのが徹底した情報の公開でありまして、県庁や議会の決裁文書前の情報を公開するという意味からしても、この疑いの段階から明らかにする。そして、エライザ法というのはやっぱりそこに正確ではないということを皆さんが知る段階で、安全性というのはソフトランディングできるというふうに思っています。 そういう意味で、全国に都道府県分かれたわけでありますが、まさにこの政治的というのか、住民に対する政治姿勢というのが大きく二分したというふうに思っています。そうした意味で、本当に情報公開というのは、疑いの段階でも出すことが疑いのない状態をつくるというふうに思っています。そういう意味で、ぜひ私はそういう理解をする中でやっていただきたいなと思っています。 それから、狂牛病の問題でありますが、これはイギリスで、ヨーロッパで猛威を振るったわけでありますが、日本国内においても、羊が狂牛病にかかった。すなわちスクレーピーという名前でありますが、五十頭ほど羊がそういう病気にかかった。そして、そのことが肉骨粉ではないかと言われていますが、介して北海道の牛が千葉県で発見されたということになって、狂牛病ということになるわけですが、この問題がまた、人間にうつった場合は変異型ヤコブ病という形で出てくるという状態も、これまたヨーロッパで明らかになっているわけでありまして、この狂牛病に対する本当の情報公開を徹底することによって問題を解決し、安全で、安心で、継続したことができるんではないかというふうに思っています。そうした意味で、この対策を万遺漏なきようにやってほしいなあということを申し上げておきます。 それから、牛の問題が出ましたが、牛の狂牛病は、これは共食いから発したということを、まず結論から言えると思いますね。牛は草食動物であります。そして、反すう動物であります。反すう動物というのは、羊や、ヤギや、牛や、そしてラクダがそうだということでありますが、反すう動物であるのを肉骨粉を食わしたことによって、牛の胃は四つあるわけですが、その四つの部分を合理化して、肉骨粉を食わすことによって早く太らせて、そして、早うに市場に出回らして金もうけをするというところから入ったということも事実でありますし、反すう動物であるものを、やっぱり草食動物であるものを、そこの本来のところから言ったら、ちょっと人間の都合でそういうことはやられてきたというように考えた方が当たり前というよりは、そういう考え方で本来の牛の育て方をするべきだということを考えているところであります。 そういった意味で、愛知県が生んだ──東の宮沢賢治、西の宮沢賢治と言われる新美南吉という人がおりますが、「牛」という詩を詠んでいます。その中で、「牛は重いものを曳くので ゆっくりたくさん食べる 牛は重いものを曳くので 黙って反すうしている」という詩がありますが、そういう、牛は重いものを引くので、休みにはおっとりしていると、まあこれ全文を読み上げることはできませんが、そういった牛の本来の性を大事にしてもらいたいなということであります。 時間がありませんから、次へ行きます。 国土調査の必要性について。 本格的な少子・高齢化社会が加速度的に進み、徳島県内の市町村では集落の維持が困難になっています。三十年前までは一集落の世帯数が三十戸から四十戸あった町内会が、今日では町内会として成り立たないような状況にまで追い込まれています。人々が生きていくためには冠婚葬祭が必要不可欠であります。一つの集落で葬儀、告別式が不可能になり、他の集落と共同して実施しているところも数多くあります。山間僻地では六十五歳以上の高齢者が一〇〇%という状況にもあります。各町村ごとに見た場合、高齢比率が三〇%を超えていることからすれば当然のことかもしれません。 こうした中で、徳島県の面積の七五%を占めている中山間地域の民有地、国有地等の境界を、境を知る人が非常に少ない状況になってきています。今日でも境界は、丘境、谷境であったり、隣接者と協議の上、付近の石を埋め込むことによって、また、隣接者と異なった樹種を植林することで境界の維持と田畑や山林の手入れをしてきたのであります。 しかし、中山間地域の高齢化が進み、田畑、山林の手入れを放棄して、離村、離農や集落の崩壊によって、これまで人々の知恵と努力によって営々と築かれてきた、維持してきた境界は風前のともしびとなっています。 また、徳島県の公共事業、いわゆる社会的資本整備が全国的に見てもおくれていると言われますが、このおくれの原因の一つに、民民の境界、官民の境界の争いがあり、公共用地取得のために本格的な用地交渉に入れないという事例、用地交渉のおくれが公共事業のおくれとなって予算の次年度繰り越しや公共事業のストップということは枚挙にいとまがありません。 徳島県では、地籍調査を必要とする面積は三千八百三十二平方キロメートルのうち、平成十一年度までに実施済み面積は六百八十五・二八平方キロメートルであり、進捗率は一八%となっています。この進捗率は、全国平均が四三%でありますから大変なおくれであります。徳島県内における地籍調査の実施状況は、実施している市町村が二十五市町村、休止中の市町村が六市町村、すべて完了したところが六町、全然手をつけてない未着手の市町村が十三町村となっています。こうした状況を早急に打ち破り、全国平均に近づけることが喫緊にして緊要の課題であります。 そこで、質問します。 第一点は、地籍調査は、土地所有者に協力を求めて境界ぐいを設置してもらい、境界を確認してから測量などを行うのであり、法律で境界ぐいを設置させる権限はありません。地籍調査の趣旨を土地所有者などに十分説明し、理解を得る必要があります。すなわち、この地籍調査事業を成功させるには、土地所有者などはもちろんのこと、国、県、市町村などの公有財産の管理者の関係者が一致団結して、理解と協力がなければ飛躍的な前進はありません。まさに啓発活動が非常に大切であります。そのための具体的施策が必要と思われますが、知事の所見を伺います。 次に、地籍調査を推進していくに当たって、県、市町村の体制の充実が不可欠であると考えます。体制を整えるための手段として、市町村については、担当職員の給料の財政的負担の解消を図ることが大きな要因と考えられますので、国に対して、職員の給料を補助対象とするような働きかけを強めるべきだと考えます。そして、県については、地籍調査は土地所有者の境界を決定する地図を作成することから、作業工程の検査方法や成果の作成方法が公共測量作業規程や不動産登記法と比べると大きく異なり、検査や指導に要する時間は大変な量となっています。 今後、徳島県内において、全国平均に追いつけ追い越せという指導体制をしくには県の体制整備が絶対必要と考えます。 さらに、地籍調査で最も必要とするのは一筆地調査工程であります。この工程は、基本的には市町村が直営で実施していますが、市町村の職員数にも限界があり、今以上に作業量を拡大するには一筆地調査の外注化を進める以外にないと考えます。そして、全国的に一筆地調査の外注化を希望する市町村が多くなると想定されますので、県の体制整備を含め、国へ働きかけるなど予算獲得が大変重要になってくると思います。御所見をお伺いします。 介護保険制度について、最後です。 介護保険制度がスタートして一年半を経過しました。さまざまな問題をはらんでいるにもかかわらず、マスコミの取り上げる回数も減ってきています。六十五歳以上の高齢者の保険料、いわゆる第一号被保険者の保険料は、二〇〇〇年四月から六カ月間は保険料を徴収せず、同年十月から二〇〇一年九月までは本来の半額徴収となっていましたが、今年十月からは満額徴収となりました。六十五歳以上の方で老齢・退職年金が月額一万五千円未満の方、すなわち普通徴収対象者数は、徳島県下で三万五千二百三十一人、全体の賦課対象者数が十八万四千九百七人ですから、約一九%の方が介護保険料を年金から天引きされることなく、自分で直接市町村に納付する普通徴収者となっています。二〇〇一年五月現在、この普通徴収者のうち二千五百七十九人、約七・三%の高齢者が保険料の未納となっています。この調査時点は保険料が本来の半額徴収であり、ことし十月から満額徴収になれば、さらに保険料の滞納者が増大するのは必至であります。 また、年金から天引きされているため、保険料の未納とはなっていませんが、生活を切り詰め、介護保険の給付を制限している高齢者から生活相談を受けますが、このような高齢者の皆さんは、生活保護を受けなさいと言っても、素直に、はい、わかりましたとはなりません。役場の世話になるのをちゅうちょする高齢者が多いからです。 現在、特別養護老人ホーム入所者で、約六五%の高齢者が年金収入が六十万円以下であると言われています。最低生活保障の生活保護基準が、地域によって、あるいは身体障害者手帳の有無などによって若干の金額に差はありますが、年間九十万円から百万円程度が独居老人に支給されています。このことからしても、最低限度の生活保障以下の収入で生活している高齢者から介護保険料や介護費用の一割負担を徴収することは許されません。 六十五歳以上の高齢者の介護保険料は、第一階層から第五階層の五段階徴収となっています。本人が住民税非課税でも、世帯の中に課税者がおれば第三段階となります。県下の介護保険料平均額は三千三百二十円となり、世帯全員が非課税で、老齢福祉年金受給者や生活保護受給者でなければ第二階層となり、二千四百九十円の保険料となります。第一階層の生活保護受給者などは千六百六十円であります。 さらに、介護保険料を国民健康保険税と比較した場合、国民健康保険税の場合は、最も低い住民税非課税者で独居老人の場合は年額一万七千円程度となり、最高限度額の納税者は五十三万円程度でありますから、ざっと三十一倍の格差となっています。これが六十五歳以上の高齢者となった場合、第一階層は月額千六百六十円で年額一万九千九百二十円、一番高い第五階層は月額四千九百八十円で年額五万九千七百六十円となりますから、格差は三倍であります。 どちらも社会保障制度でありながら、介護保険料は国民健康保険税と比較した場合、収入すなわち支払い能力を全く無視した制度であり、最低限度の生活を保障した憲法に抵触するものと言えます。早期に国民健康保険税のような定率制の導入を図る必要があります。介護保険料の未納者が少ないのは、定額の年金生活者からも特別徴収というやり方で有無を言わさず年金から天引きしているからであります。 徳島県下の六十五歳以上の高齢者、いわゆる介護保険適用者は十八万二千四百二十七人、そのうちの住民税非課税者と言われる低所得者は、第一階層から第三階層であり、十四万四千九百三十四人が該当します。ざっと七九%の高齢者がこのゾーンに入っています。 介護保険制度が真に高齢者の、なかんずく低所得者にも納得していただけるような制度になるためには、国民健康保険制度並み以上の社会保障制度にしなければなりません。そういう意味から申し上げますと、現在の五段階方式──市町村によっては六段階でもできるわけですが、この市町村民税の課税、非課税の違い、また、世帯全体での課税、非課税の違いだけに着目した現在の介護保険料の設定基準を、もっときめ細やかで個々の高齢者の実情に十分対応できるような設定方法に変更する必要があるのではないかと考える次第であります。 そこで、市町村の声を国に向かって代弁していくべき県の責務として、この介護保険料の設定方法をもっと低所得者に配慮したものとするよう、国に対して、早急かつ強力に要請するべきだと考えますが、圓藤知事の御所見を伺います。 第二点は、介護保険制度の介護認定は、第一次判定、第二次判定の二段階制度になっていますが、当初から、第一次判定で痴呆性の高齢者の介護判定が軽く出るという問題がありました。しかも、痴呆介護のノウハウ自体が確立しておらず、痴呆の高齢者を抱える家庭からは不満が出ていました。第一次判定に使うコンピューターソフトの見直しはどのようになっていますか。県理事者の答弁をお願いします。 第三点は、平成十二年度分の介護保険料の未納者は約二千六百人でありますが、介護保険料は昨年の十月からことしの九月まで保険料の半額徴収でありましたが、普通徴収者に対する未納者は七・三%の割合となっています。十月からは介護保険料を一年以上滞納している場合は、介護サービスにかかった費用の一割負担ではなく、一たん介護サービス費用の全額を支払うことになります。後日、申請によって保険給付分の九割が返ってくることになります。保険料を一年六カ月以上滞納した場合はさらに厳しくなり、九割の払い戻しも一時とめられ、給付される額から保険料を差し引かれることにもなります。これが二年以上になるとさらに一段と厳しい措置がとられるようになっています。介護保険料を滞納するような高齢者に全額納入する能力はあると思えません。このような措置がとられる前に、低所得者対策を講ずるのが先決だと考えます。県理事者の見解を求めます。 最後に、介護保険制度は、高齢者の皆さんが住みなれた地域で、なおかつ自分の家で、いつまでも安心して長く生活できるようにするシステムの構築でありましたが、現実は在宅福祉より施設福祉重視となっています。このことは、訪問介護事業者が早々と撤退したことからも明らかです。そんな状況にもかかわらず、歯をくいしばって頑張っているヘルパーさんたちの血のにじむような努力に報いるためにも、余りにも低い家事援助の介護報酬単価を早期に改善してほしいと考えます。県理事者の所見を伺います。   〔大西(仁)議員出席、出席議員計四十名となる〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 地籍調査を推進する上で啓発活動をどのように進めるのかという御質問についてでございます。 地籍調査事業は土地の所有権等を明確にするもので、各種公共事業の計画策定や用地買収の円滑化など、土地に関するあらゆる施策の基礎資料となる極めて重要な事業でございます。しかしながら、現在本県における進捗状況は、全国平均に比べましておくれが見られているのは議員御指摘のとおりでございます。 この原因といたしましては、事業主体である市町村が土地の所有権等の調査、調整、取りまとめに多大の労力と期間を要すること、また、その業務に必要な専任職員を十分配置できないことなどが考えられます。 こうした状況のもと、この事業の促進を図るには、御指摘のように、まず、この調査事業の趣旨を広く県民の皆さんに周知し、その必要性を十分御理解いただくことが大事なことでございます。 県といたしましては、これまで、国のパンフレットや県のホームページの掲載等によりましてその啓発活動に努力してまいりましたが、今後は、地籍調査の必要性や実施状況をわかりやすくまとめた県独自のパンフレットを作成するとともに、未実施町村には巡回指導を従来以上に強化してまいりたいと考えております。 さらに、法務局等の国の関係機関及び公共事業等を推進する県関係機関等がこれまで以上に緊密な連携を図りまして、市町村がこの事業を円滑に推進できるように一生懸命取り組んでまいりたいと、このように考えております。 介護保険料の設定方法を低所得者に配慮したものとするよう国に強く要請すべきではないかという御質問についてでございます。 介護保険は社会保険制度として運営されるものでございますので、保険料を負担していただく必要があるわけでございますけれども、本年十月からは保険料の満額徴収がスタートしたこともございまして、高齢者の負担が大きいという指摘があることは承知をいたしているところでございます。 一方におきまして、この介護保険制度は保険者である市町村において決定を行う部分もございますが、全国統一の制度でございまして、また、財源の確保等からいたしましても、低所得者対策等の重要な課題につきましては、国において取り組みを行うべきであるというふうに考えております。 このため、これまでも市町村への各種財政支援などとあわせまして、低所得者に対する利用者負担軽減策の拡充及び保険料の低所得者対策の充実を県の重要要望の最重点事項として、国に対しまして強く要望してまいったところでございます。 また、国におきましては、本年度に入りまして、厚生労働省内にプロジェクトチームを設置し、低所得者対策の検討等を開始したと伺っておりますので、その検討状況を注視するとともに、県といたしましても、議員御指摘の点も踏まえまして、引き続き要望等を行ってまいる所存でございます。 訪問介護の家事援助にかかわる介護保険の改善についての御質問についてでございます。 訪問介護につきましては、サービス内容に基づきまして、身体介護、家事援助及びその中間の複合型と三つの類型に区分されているところでございます。それぞれの介護報酬につきましては、国が介護報酬実態調査を行い、三十分以上一時間未満の単価を、身体介護は四千二十円、複合型は二千七百八十円、家事援助は千五百三十円とそれぞれの類型ごとの報酬を設けておりますが、家事援助の単価が低過ぎるのではないかという御意見があることは十分承知をいたしているところでございます。 この介護報酬単価につきましては、平成十四年度中の改定が予定されておりまして、国では、本年度中にも介護事業経営実態調査や社会保障審議会での審議等が開始されると聞いておりますので、県といたしましても、国の今後の動向を注視してまいりたいと考えております。 なお、本年七月に全国知事会として、介護報酬及びその算定については、サービスの利用の現状を踏まえて、適切に見直すよう要望を行ったところでございますが、本県といたしましても、国の検討状況を踏まえつつ、市町村や関係者等の御意見も伺いながら本県の実情を十分国に伝えてまいる所存でございます。   (川人農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(川人敏男君) まず、市町村地籍調査担当職員の給料を補助の対象とするよう国への働きかけ及び県の体制整備についての御質問でございますが、お申し出の件につきましては、これまでも、県が参加している全国国土調査協会等を通じて国に対して要望を重ねておりますが、実現を見ておりません。 今後とも、あらゆる機会を通じて国に働きかけてまいる所存です。 県の体制につきましては、地籍調査の促進を図れるよう、本年四月から担当制の導入に合わせて増員を行い、体制の強化を図ったところであります。 今後は、この担当制を有効に活用して、柔軟な事務調整等により重点的、効率的な推進に努めてまいります。 次に、一筆地調査の外注化についての御質問でありますが、これは平成十二年度から制度化され、地籍調査の促進を図る上で有効な手法となっております。これを受け、本県では、既に三町村が取り組んでおります。しかしながら、この外注化事業につきましては中山間地域に限る等の地域指定要件が条件づけられており、県下全体に適用できないという課題があります。 このため、この要件をなくし、全地域が対象となるよう国土交通省へ要望してまいります。また、あわせて市町村の要望を踏まえ、地籍調査に必要な予算についても国土交通省に要求してまいります。 いずれにいたしましても、地籍調査事業につきましては、今後強力に推進しなければならないと考えておりますので、県といたしましては、なお一層の努力を重ねてまいる所存であります。   (神野保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(神野俊君) まず最初に、介護保険の要介護認定に係ります一次判定ソフトの見直し状況についての御質問でございますけれども、議員御指摘のとおり、現在の一次判定ソフトでは痴呆の程度が正確に評価されないという現場や市町村からの意見があるところでございます。 現在、要介護認定では、一次判定の結果だけでなく、その結果と認定調査員によります特記事項、さらには主治医の意見書の記載内容などを十分審査して行う二次判定をもって要介護度を認定することとなっております。 県といたしましては、認定調査員や介護認定審査会委員及び主治医の方々に、より適切に調査や審査をお願いすべく、毎年研修会を開催しているところでございます。 御質問の一次判定ソフトの見直しにつきましては、改訂が予定をされており、全国的な取り組みとして、本年二月から三月にかけまして施設介護の実態調査を、六月には在宅介護の実態調査を実施をいたしたところでございます。この後、訪問調査や一次判定ソフト改訂版の試作品を使用した認定審査会のモデル事業を行った上、平成十五年度から新しい一次判定ソフトによります要介護認定が正式に開始される予定となっております。 県といたしましては、今後予定されております各種モデル事業等におきます結果やそれに伴う市町村や関係者等の御意見を踏まえ、適切な改訂作業が行われますよう国に要望してまいりたいと考えております。 続きまして、介護保険料の滞納者に対し、給付制限を行う前に低所得者対策を講ずるべきではないかという御質問でございますが、介護保険料を一年以上滞納している方が介護サービスを利用する場合には、償還払い化などの一定の給付制限を実施する旨の規定が介護保険法で定められているところであります。 しかしながら、介護保険制度が介護の社会化と高齢者の介護不安をなくそうとするものであることからいたしましても、給付制限につきましては簡単に実施すべきものではなく、事前に被保険者に対します十分な説明を行ったり、個々のケースに応じたきめ細かな納付相談を実施するなど、適切な対応が不可欠であると考えております。 このため、県といたしましても、本年八月に市町村長に対しまして、できる限り給付制限を講じなくてもよいように、滞納者に対する積極的な取り組みをお願いをいたしたところでございます。 また、低所得の方々に係る介護保険料につきましては、議員御指摘のとおり、種々課題を抱えている現状にあります。 一方におきまして、低所得者対策につきましては、全国統一的な制度の中で行われるべきものでございますので、知事が先ほど御答弁を申し上げましたとおり、引き続き積極的に国に対して要望を行ってまいる所存でございます。   (黒川議員登壇) ◆八番(黒川征一君) 介護保険制度について、本当に、この町、この村に住んでよかったなあと。そして、今の介護保険制度があるから私はここで最期をみとってくれたと言える、よい制度にしてもらいたいという気持ちから考えれば、低所得者対策を、これ以外にないと思っています。 国保の定率制は、先ほど申しましたように、最低が一万七千円で最高が五十三万という三十一倍の格差がありますから、介護保険の場合は保険料が五段階ですから三倍の格差です。だれに一番厳しいかというたら低所得者に厳しく、そして収入の高い人には非常に軽い、負担の軽い制度であるということはもう衆目の一致するところであります。これを変えなければ介護保険制度そのものが崩壊するだろうと思っています。 そうした意味で、一隅を照らすという知事の言葉が四年前にありましたが、本当に一隅を照らす、そういうお年寄りが輝いてこの地域で最期までおれたというようにするのには、やっぱりそういう制度の充実以外にないというふうに思っています。 そしてもう一つ、四年前に、一隅を照らすことを知事は、「一隅を照らす、これすなわち国宝なりと」ということを言っていますが、私は、この言葉は天台宗の最澄さんが言うた言葉でありますが、この言葉の後に、「悪事は己に向え、好事は他に与え、己を忘れて、他を利するは、慈悲の極なり」という忘己利他の精神がそこになければ、一隅を照らす環境はできないというふうに思っています。 県政、理事者、それぞれ県議会議員等々のそういう立場にある人は、まさに忘己利他の精神があってこそ、県政や社会のオピニオンリーダーとして、そこに敢然と輝くのであるということを申し上げまして、私のすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(四宮肇君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後三時三十五分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後四時三分開議      出席議員計三十六名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     木  南  征  美 君     二  番     川  端  正  義 君     三  番     嘉  見  博  之 君     四  番     森  田  正  博 君     五  番     喜  田  義  明 君     六  番     須  見  照  彦 君     七  番     臼  木  春  夫 君     八  番     黒  川  征  一 君     九  番     古  田  美 知 代 君     十  番     山  田     豊 君     十一 番     森  本  尚  樹 君     十二 番     岡  本  富  治 君     十三 番     藤  田     豊 君     十四 番     谷     善  雄 君     十五 番     庄  野  昌  彦 君     十六 番     橋  本  弘  房 君     十七 番     冨  浦  良  治 君     十九 番     長  池  武 一 郎 君     二十 番     大  西  章  英 君     二十一番     長  尾  哲  見 君     二十二番     樫  本     孝 君     二十三番     来  代  正  文 君     二十四番     竹  内  資  浩 君     二十五番     福  山     守 君     二十六番     西  沢  貴  朗 君     二十七番     吉  田  忠  志 君     二十八番     北  島  勝  也 君     二十九番     杉  本  直  樹 君     三十 番     佐  藤  圭  甫 君     三十一番     児  島     勝 君     三十三番     遠  藤  一  美 君     三十五番     平  岡  一  美 君     三十七番     元  木     宏 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十三番     榊     武  夫 君   ──────────────────────── ○副議長(児島勝君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ──────────────────────── ○副議長(児島勝君) 本日の会議時間を延長いたします。   ──────────────────────── ○副議長(児島勝君) 二番・川端正義君。   〔久次米・柴田・中谷・谷口四議員出席、大西(仁)議員退席、出席議員計三十九名となる〕   (川端議員登壇) ◆二番(川端正義君) いよいよ本日最後の質問となりました。 堂々たる各会派の代表質問の後で、私も負けないように、県政喫緊の課題につきまして真剣に討論を行いたいと思います。皆さんお疲れのところでございますが、いましばらくおつき合いをいただきたいと思います。 まず初めに、二十一世紀の徳島県政の進路を定める知事選挙におきまして、県民の良識ある選択により、圓藤知事は見事に三選を果たされました。徳島県の将来を思うとき、知事個人のみならず、徳島県民にとりましても喜ぶべき健全な選択であったと思っております。 ここに、改めて圓藤知事にお祝いを申し上げます。おめでとうございました。 知事選におきましては大型公共事業の是非が争点になりましたが、おくれております徳島県の社会基盤の整備は、徳島県の将来を思い、活性化を図るとき、欠かせぬ事業であります。しかしながら、小泉内閣が構造改革のための七つの改革を唱えてまいりまして、次々とその内容が明らかになるにつれて、痛みを伴う改革とは言いながら、その影響は我が県政にとりましても容易ならぬものであります。 知事は、県政を進める中で、県民の意見を取り入れるパブリックコメント制度の導入を言われておりますが、これにより県民の合意を形成していくことはこれまで以上の強い決意と覚悟が求められるものと思うのであります。 私は、二十一世紀は大いなる変革の時代であると考えております。政治、経済、産業等あらゆる分野において大きな転換期を迎えているものと思うのであります。その最も大きいものは環境の変化であり、それに派生する諸問題であります。地球規模で申し上げますと、地球の温暖化、オゾン層の破壊及び森林の破壊等であります。これらをどのように解決していくかによって未来が決まるものと考えております。 県政においても例外ではありません。直面しておりますごみ処理の問題にしても、環境から見て、避けて通れぬ大きな課題であります。このことには大局的な視点で、大きな指導力を持って、環境に調和するシステムを構築していく必要があると思っております。 現在の社会は大量生産、大量消費の社会構造の結果であり、これからの行政には環境との調和を念頭に置いて、良好な環境を守り伝えていくことが後世への責任であります。 知事は、「現状変革の勇気、未来創造の知恵」を掲げられておりますが、先輩政治家の知事にまことに僣越な言いようではありますが、県民の安全と幸福のために、評価は後世に問うという気概を持って今後の県政に取り組まれますように期待をしております。 それでは、まず初めに、ごみ行政の見直しについて質問をいたします。 ごみ行政の中でも、環境汚染問題等多くの課題を抱え、最も難しいとされるごみを埋め立てるための最終処分場についてお尋ねをいたします。 県内の埋立最終処分場の現状を見てみますと、県が設置した公共関与最終処分場としては、現在、徳島市の沖洲廃棄物最終処分場、阿南市の橘廃棄物最終処分場があります。これらの最終処分場の受け入れ対象地域は限定されたものとなっておりまして、橘最終処分場においては、産業廃棄物、一搬廃棄物ともに県南部のみ、沖洲最終処分場では、産業廃棄物は全県下対象でありますが、一搬廃棄物は徳島市のみとなっております。 沖洲最終処分場の残余年数は、これまでの埋め立ての推移からして、あと二年半で満杯となる状況であります。一方、橘処分場では、ことし六月から埋め立て開始となりまして、今後九年間で完了する計画を立て、現在供用中であります。また、三カ月の実績ではございますけれども、埋立申請で計画した処分量に対して余りにも埋立量が少ないのであります。具体的には、一搬廃棄物は予定の十分の一以下、産業廃棄物では何と五百分の一以下の実績しかないわけであります。 そこで、まず、産業廃棄物の問題についてお尋ねいたします。 橘処分場の産業廃棄物の受け入れが特に少ない原因として、沖洲処分場と比べた場合、受け入れの対象地域の問題と埋立料金の問題が考えられます。受け入れ対象地域の問題としては、沖洲処分場は全県下から受け入れておるのに対しまして、橘処分場は県南部に限られております。また、料金の問題としては、代表的なものを例にとりますと、沖洲処分場が一トン当たり一万四千円、これに対しまして橘処分場は二万円、六千円も高く設定されておるのであります。同じ県の関与する施設でありながら料金に差があります。このことは一物一価の原則に反しているのではないでしょうか。 このように、県南部の産業廃棄物が橘処分場に搬入されず、使用期限の残り少なくなった沖洲処分場をさらに短命にする要因ともなっておるわけであります。 そこで、知事は、このような産業廃棄物の処理の現状をどのように受けとめられておられますか。また、見直すつもりはございませんか。知事の御所見をお伺いします。 次に、一般廃棄物についてお尋ねします。 一般廃棄物の処理は市町村の責務であることから、徳島県は平成十年度に県内を六ブロックに分け、ごみ処理広域化計画を策定しました。しかし、埋立最終処分場については必ずしもこの区割りどおりいっておらず、市町村によっては県外搬出が行われていることは御承知おきのことでございます。 具体的に申し上げますと、平成十二年で鳴門市を初め四町、三、一部事務組合において、年間総量九千トン、金額にしておよそ三億円の一般廃棄物が県外に搬出されておるのであります。それらの市町村は財政的にも大きな負担となっておりますし、県外搬出がいつまでも可能という保証もないわけであります。 これまで述べてきましたように、一方では多くの市町村が県外搬出を余儀なくされ、莫大な費用が県外に流出している反面、橘処分場のように計画を大きく下回る埋立量のため、県から運営委託を受けている県環境整備公社の経営に支障を来し、その赤字が将来県民の大きな負担になるおそれがあるというのが今の徳島県の実態でございます。 このような県内の公共関与処分場の不均衡なありようを是正して、効率的、一元的運用とするため、一般廃棄物についても全県一区の方法に転換すべき時期に来ていると考えます。つまり、現在県外搬出している市町村も県内で処理ができるようにしてはどうかということでございます。知事の御所見をお伺いします。 ここで、県環境整備公社についてお尋ねします。 県は、公共関与の処分場の管理運営を財団法人徳島県環境整備公社に委託しております。当公社は橘処分場の建設に当たって多額の借り入れをしており、その借り入れは当初の埋め立て計画の九年間で償還する計画であるわけですが、ことし五月に出た国の基本方針の中で、ごみの減量計画が示されておりまして、廃棄物については、平成九年から平成二十二年までの間に、おおむね最終処分量を半分に削減するというふうな方針を立てております。また、将来、県南部の人口は減少することが予測されております。それに伴いまして一般廃棄物も減少するということが見込まれます。また、産業廃棄物も、その大口であります辰巳工業団地の企業誘致が進まなければふえていかないと思うのであります。このままで推移すると、埋立処分量が少ないために予定どおり償還できず、金利は増大するばかりか、新たな借り入れも必要となる可能性もあります。 この公社の理事長が県民環境部の環境局長でありまして、県の出資した財団法人であるために、この将来の大きな赤字に対して利子補給や新たな借り入れのための債務保証など県民の負担は避けて通れないものと思うわけであります。 公社の健全な運用を行うために、県はどのような具体的なお考えをお持ちでしょうか、所見をお伺いします。 最後に、空港周辺整備で予定されております松茂処分場の問題を申し上げます。 現在は、沖洲処分場に県下から年間四万立米、産業廃棄物が持ち込まれておりますが、先ほども申し上げましたように、これもあと二年半で満杯となります。松茂処分場の産業廃棄物の受け入れ容量は十三万立米と極めて小さく、現在沖洲処分場に持ち込まれている年間四万立米、この量を受けた場合、三、四年で使えなくなってしまうのであります。 県は、松茂処分場の産業廃棄物用地が満杯になった場合、その後の対策としてはどのようなことをお考えか、お伺いをいたします。 次に、産業廃棄物処理業者の許認可に伴う県の責任についてお伺いいたします。 産業廃棄物の処理については、排出事業者がみずから行うことが法律に明記されております。排出事業者がみずから処理が行えない場合に、産業廃棄物処理業者にその処理を委託するのが一般的であります。この産業廃棄物処理業者が不法投棄など不正を行い、倒産などで責任者がいなくなってしまった場合、ごみ処理を委託していながら、最終責任はごみを排出した事業者がとることになっておるのであります。許認可を持った業者に委託料を取られ、その業者が不正を働いた場合は、排出者責任ということでその処分にまた料金を取られ、二重に料金を取られて、これでは詐欺に遭った被害者のようであります。結果として、県も片棒をかついだようなものではないかと思うわけでありますが、県に責任はないのでしょうか。ごみ処理を委託した事業者の立場からしたら全く納得のいかないものでございます。 この産業廃棄物処理業者は、県知事の許認可で事業を行っております。この場合の許認可を与えた県の責任はどうなりますか、御所見をお伺いいたします。 また、民間事業者はどの産廃業者が悪徳で、どの業者が良心的なのか、見分けがつかないのであります。県の許認可を目安に委託しているのが現状であります。 そこで、許認可を与える県の責任として、二点、提案したいと思います。 第一点は、許認可を与える時点で供託金などを設定して、業者が遂行できない場合、その供託金で処理をする。第二点は、許認可を与えた後、適正な業務が遂行されておるかどうかを細かく監視する。とにかく、県が許認可を出した業者であれば、我々は安心して委託ができるような制度にしてもらいたいのであります。御所見をお伺いいたします。 お答えをいただいて、質問を続けます。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 産業廃棄物の処分について、沖洲処分場と橘処分場の現状をどのように受けとめ、また、料金や受け入れ地区を見直すつもりはないのかという御質問についてでございます。 財団法人徳島県環境整備公社が平成三年十月から沖洲廃棄物最終処分場を、また、平成十三年六月から橘廃棄物最終処分場の管理運営を行っておりまして、廃棄物の埋立処分料につきましては、当公社におきまして独立採算の視点からそれぞれの料金が設定されております。 このため、議員御指摘のとおり、料金について差がございます。また、海面埋め立てをしている橘廃棄物最終処分場での埋め立て方法が水面に浮遊しないように工夫する必要があることも、県南地域で発生した産業廃棄物が沖洲廃棄物最終処分場へ搬出される原因となっておりまして、橘廃棄物最終処分場の埋立量が現時点では少ないものとなっているわけでございます。 公共関与の最終処分場は、廃棄物処理施設の設置が難しい中で、地元阿南市を初め、県南地域の自治体や周辺住民等の関係者の方々の御理解と御協力を得て設置したという経緯がございまして、受け入れ対象地域を見直し、拡大することはなかなか困難なという事情もおわかりをいただきたいと思います。現時点では、公有水面埋立申請時の計画と比べ、差はございますけれども、受け入れ開始からまだ間がなく、受け入れ量の見通しがつきにくいことから、当面は今後の埋立量の推移を注意深く見守ってまいりたいというふうに考えておりますが、御指摘の点につきましては、今後、関係者間で十分意見交換を図ってまいりたいと、このように考えております。 県内の公共関与の処分場の不均衡を是正し、効率的、一元的に運用するために、一般廃棄物についても全県一区の方法に転換すべきとの御質問でございます。 一般廃棄物につきましては、市町村により適正に処理されなければならないという原則のもと、各市町村におきましては、焼却施設等の中間処理施設や最終処分場の設置について努力をしていただいておりまして、県におきましては、その市町村の取り組みに対して支援をいたしているところでございます。 しかしながら、陸上部における最終処分場の設置は大変厳しい状況下にございまして、県といたしましては、海面埋め立てなど公共用地造成計画の中で、地元自治体を初めとする関係者の御理解と御協力を得て廃棄物最終処分場を確保し、その中で一般廃棄物も受け入れることも進めているところでございます。 こういった考え方のもとに、これまでに沖洲廃棄物最終処分場や橘廃棄物最終処分場を整備しておりまして、さらには、事業着手しております徳島空港周辺整備事業におきましても最終処分場の整備に取り組んでいるところでございます。 一般廃棄物につきましても全県一区の方法に転換すべきとの点につきましては、先ほど御説明いたしましたところでございますが、地元の自治体や周辺住民等の関係者の御理解と御協力を得て設置してきたという経緯がございますので、現時点におきましては、どうか御理解を賜りたいと思っております。議員御指摘の点は十分私もわかっております。   〔大西(仁)議員出席、出席議員計四十名となる〕   (中村県民環境部長登壇) ◎県民環境部長(中村稔君) 橘処分場について、県環境整備公社の健全な運営を行うため、県はどのような具体的な考えを持っているのかという御質問でございますが、財団法人徳島県環境整備公社は、県及び一市と三つの一部事務組合が出資し設立したものでございますが、これまでも経営改善に努めてきたところでありまして、現在の公社の経営は健全なものとなっているところでございます。 御指摘のとおり、公社の経営につきましては、埋立処分料が公社の収入源であり、埋立量の増減に伴い収支も変動しますことから、将来の不確実な経営状況に対応する必要がございます。 このため、財団法人徳島県環境整備公社といたしましても、できる限り内部留保に努めているところでありますが、今後とも、出資者である関係自治体や一部事務組合と十分連携をとり、健全な経営が図られますよう努めてまいりたいと考えております。 続きまして、空港周辺整備事業で予定されている最終処分場の産業廃棄物埋立容量が満杯になった場合、その後の対策はどのように考えているのかという御質問でございますが、空港周辺整備事業につきましては、基本構想の段階から各分野の専門家から成る検討委員会を設置し、瀬戸内海における埋め立ては厳に抑制すべきものということを念頭に置いて検討が行われ、必要最小限度の埋立面積として計画されております。 このため、当事業における廃棄物最終処分場の埋立容量につきましては、過去のごみの排出実績等から今後十年間の廃棄物の埋立量を推計し、一般廃棄物七十四万立方メートル、産業廃棄物十三万立方メートルなど、全容量は百四十四万立方メートルとされております。 議員御指摘のとおり、沖洲廃棄物最終処分場での産業廃棄物の埋立量は、ここ数年では、年間約四万立方メートルの高水準で推移しておりますが、循環型社会への移行が始まっている現段階におきましては、この処分場が供用される平成十九年以降も同様に推移すると考えるにつきましては、不確かな状況にございます。 県といたしましては、環境への負荷の少ない循環型社会の構築に向けて、廃棄物の発生抑制や再使用、再生利用等による資源の循環的な利用を図るための諸施策を推進しているところでございまして、このような環境政策の推進によって、できる限り埋立量の減量に努めてまいりたいと考えております。 産業廃棄物処理業者が不正等を行った場合、許認可を与えた県の責任はどうなるのかとの御質問でございますが、産業廃棄物処理業の許可事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する法定受託事務でございまして、申請者が技術上の基準に適合する施設及び能力を有し、かつ欠格要件に該当しない場合には許可しなければならないものと解されております。 処理業者が不適正処理等を行った場合は、県といたしましては、まず、当該行為者に対し、改善あるいは原状回復に向けた指導を行い、さらには改善命令や措置命令を行うとともに、悪質な業者につきましては、関係機関と連携を図り、告発も視野に入れた厳正な姿勢で臨みたいと考えております。 次に、供託金の設定や細かな監視等、安心して委託できるような制度にすべきではないかとの御質問でございますが、供託金につきましては、業の許可に際し、法に定める要件以外の条件を付加することでございまして、現行の廃棄物処理法上は困難でございますが、処理業者の責任の担保のあり方等について、県といたしましても、国に対しても要望しているところでございますが、なお、この点につきましては研究を続けてまいりたいと考えております。 また、許可を与えた後の処理業者の監視につきましては、廃棄物対策課及び各保健所に二十名の廃棄物監視員を配置しておりまして、毎日県内を巡回し、不法投棄や不適正処理の発見、防止に努めているところでございます。 平成十三年四月の法改正の施行により、排出事業者責任はますます強化され、産業廃棄物の発生から最終処分に至るまでの一連の処理の工程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずる注意義務を負うことになりました。 県といたしましても、事業者に対し、このことを十分自覚し、具体的には、委託契約の締結、マニフェストの交付等の法に定められた諸手続の履行を含め、産業廃棄物を適正に処理されるよう、あらゆる機会をとらえ法改正の周知徹底を図るとともに、産業廃棄物の不法投棄や不適正処理を未然に防止するため、巡回を強化し、法律を厳正に適用することにより優良な業者の育成を図ってまいりたいと考えております。   〔大西(仁)議員退席、出席議員計三十九名となる〕   (川端議員登壇) ◆二番(川端正義君) それぞれ御答弁をいただきました。 橘処分場の産廃料金についてでありますが、お答えの中に、料金の高い低いの違いがあるのは、処分場ごとの独立採算なので料金が違うんだというふうなことであったかと思います。しかし、今後、橘処分場の収支見通しが大きく違って、予定とは違い赤字になった場合に、独立採算の考え方でいくなら、阿南や県南部の方々がその大きな赤字を負わなければならない。それでもよいのかということであります。 そういうことで、ぜひこの件は県南の方たちのためにもですね、全県一区の考え方に改めていく方向で検討していただきたいというふうに思うわけであります。 それから、県が許認可を出した産業廃棄物処理業者であれば、我々は安心して委託ができるような制度にしてもらいたいということに対するお答えも、供託金のようなものは現行の法律ではなかなか難しいということはよくわかりましたが、今後一層のそういうふうな業者の監視、監督に力を入れていただきたいというふうに強く要望しておきます。 それでは、次の質問を進めたいと思います。 失業対策についてお尋ねをいたします。 小泉内閣の改革により、来年度の一般歳出の概算要求で、公共事業を一〇%削減する方針を打ち出しております。公共事業一〇%の削減によって、来年度の建設業界では、一説に、全国で就業者数六百二十九万人のうち六十万人以上の人が失業するのではないかという調査結果もございます。さらに厳しい見方をいたしますと、一〇%の予算削減のうち用地費、それから測量費、こういうものは翌年以降のために減額ができないということでこれを先取りをする、そういうことになりまして、新規の工事の発注は二〇%以上も減るという厳しい見方がございます。この場合は、先ほどの六十万人じゃなくて百二十万人の方々が建設業界からはじき出されるということになる、そんな予測であります。 ここで、徳島県の公共事業の状況を見てみますと、人口一人当たりの公共工事額では全国第三位というふうなことで、徳島県はいかに公共事業への依存度の高い県であるか推測することができます。仮に徳島県は百分の一の影響を受けるとして、少なく見積もっても六十万人の百分の一ですから六千人、厳しく考えましたら一万二千人の建設現場からの失業者が出るということになるわけであります。 公共事業依存度の高い本県で、来年の建設現場における失業を県はどのくらい予測しておるのでしょうか。 また、小泉首相は、国民の不安を取り除くため万全の雇用対策を打つと公言しておりますが、本県は本県の特徴に合った雇用対策を考える必要があると思うのでありますが、知事の御所見をお伺いいたします。 知事は、緊急雇用対策として所信表明の中で、介護、福祉、IT分野等の予算化などで職種の転換を打ち出そうとしているようにも思われますが、これらは限られた分野の失業者に有効であっても、建設現場の方々の場合、それらへの分野の転換は困難があるのではないかと思うのであります。 なぜかと申しますと、建設現場の就業者は五十歳以上の中年男性が約四割を占めておりまして、この年齢層では、今までの社会的経験、固定観念などで意識の切りかえが難しいというところがあるからであります。 次に、知事は所信で、水源の森、それから共生の森づくりの事業推進と、中山間地域における雇用の増大につながる間伐事業を重点目的に挙げられておりますが、緊急雇用対策の一環として、建設作業員の転用を対象とした中山間地域における雇用対策を考えられてはいかがでしょうか。山に行って間伐を行うということは、だれでもすぐできることではございません。一定期間の訓練の場なども設け、新たな林業従事者の育成と雇用を図ってはどうかと思うのであります。御所見をお伺いします。 さらに、現在唯一の県単独の失業対策として、離職者生活費貸付制度というのがございます。この制度は、貸付限度額が百万円であります。しかし、驚いたことに、この制度は平成二年から実施されながら利用実績がゼロであります。なぜこのようになっておるのか、お伺いをいたします。 さらに、この制度は、正規の労働組合員と非組合員では債務保証料の差がありまして、非組合員が利用した場合、返済額が正規の労働組合員より高くつく不平等性がございます。失業に労働組合員も非組合員もないはずでございます。平等な制度にするために、非組合員に利子補給などの弾力的な運営はできないものでしょうか、あわせてお伺いいたします。 次に、教育改革についてお尋ねいたします。 このたびの普通科高校の学区再編は、九学区案を見送り、生徒たちの学校選択の自由を大幅に取り入れました。また、受験機会の複数化を図り、これまでの一発勝負的な受験から、より柔軟性を持った入試制度に改革されようとしております。これまでの議会での議論や保護者の意見を取り入れたもので、好ましいものであると思っております。今後の議論の推移を見守っていきたいと思っております。 さて、このたびの質問は、特色ある学校づくりとは何かについて行いたいと思います。 これまでの改革は形ばかりの改革で、内容が忘れられていないでしょうか。通学区や入試制度は高校教育改革を行う上での手段にすぎないのでありまして、特色ある学校づくりの最も重要な部分は、実は教師の意識改革ではないでしょうか。教師が変われば学校も変わるということであります。 そこで、教師が変わるとはどういうことか。私は、校長が変われば教師も変わると思っております。つまり、校長が変われば教師も変わる。教師が変われば学校が変わるということであります。 高校教育改革の目標として、地域に根差した特色ある学校づくりが掲げられております。このために、校長には強いリーダーシップで、教師や地域の協力を得ながら学校が一丸となって、特色ある学校づくりを行うことが求められておると思います。 そこで、強いリーダーシップがとれる校長とは何か。高い見識や信念といった資質はもちろんですが、人事権や予算権といった権限の強化が今まで以上に必要であると思います。 さらに、校長の任期についても、現在、平均二年半ということでありますが、腰を落ちつけて、特色ある学校づくりに取り組むには最低でも四年は就任する必要があると思いますが、教育長は、学校の特色づくりに最低何年が必要とお考えか、お伺いします。 校長のこれらの任期延長と権限を強化する取り組みについてお聞かせください。 このたびの改革案では、生徒は学校選択の幅が広がり、また、各学校も独自の入試制度で学校裁量の範囲を広げることになります。そうなりますと、各学校は、特色に応じて、志願してほしい学生像、生徒像を示すことが求められるのであります。 普通科高校の特色とは何か。教育委員会の説明では、単位制、コース制や総合選択制などのような制度による特色のことを言っております。私は、このような制度によるものでなく、内容による特色を言うのだと思っております。でなければ、志願してほしい生徒像は示せないのであります。 例えば、スポーツや芸術、あるいは進学、それぞれで県を代表するような伝統ある学校づくりをすることが、特色ある学校づくりであると思います。教育長はどのようにお考えでしょうか、お伺いをします。 もう一題、質問をさせていただきます。 次は、空港周辺整備事業に係る手入れ砂の確保についてであります。 鳴門金時及び大根、これらは私の地元鳴門市の名産であるとともに徳島県の名産物でもあります。これらの砂地で取れる農産物は、何よりも良質な畑の確保が大事であります。この砂地の畑を確保するために、地元の農家の方々はたゆまぬ努力を続けてまいりました。この砂は吉野川河口付近の砂が最適とされておりましたが、約三十年ぐらい前から入手が困難となり始めまして、現在では香川県など県外の砂を使用しております。 県外の砂では、地元の砂と比べて酸性度や保水力の点で劣っております。日本一の鳴門金時の色、つや、形、そして色の白い真っすぐな大根、これらは地元の砂で生まれるものでありまして、県外産の砂では、品質を保つには大変な苦労がございます。畑は、大雨が降ると砂は流され、また風で飛ばされ、定期的に補充する必要があります。このような県外産の砂でも利用せざるを得ない状況が続いてきました。生産農家は、のどから手が出るほど手入れ砂を求めております。 知事は、初めてことしの六月議会で、我が会派の遠藤議員による代表質問に、手入れ砂の確保について積極的な姿勢を示されました。農家の皆さんは大変な期待を持ってこの事業の開始される日を待ち望んでおります。 そこで、それではどのくらいの量が、また、工事工程の中でいつごろ、各農家に幾らぐらいでといった、この工事に関連した実質的な検討はどのように現在進んでおるのでしょうか。知事の御所見をお伺いします。 さらに、香川県など県外の砂は、近々採取ができなくなると聞いております。いつごろまで入手可能なのでしょうか。また、その後の対策はどのようにお考えでしょうか。 さらに、手入れ砂の代替技術として、吉野川河口の砂と成分がよく似た人工砂も開発中と聞いておりますが、その現状と見通しはいかがでしょうか、あわせてお伺いいたします。 答弁をいただきまして、まとめに入りたいと思います。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 来年の建設現場における失業の予想及び本県の特徴に合った雇用対策を考える必要性という御質問についてでございます。 建設産業は、住宅、社会資本整備の直接の担い手として大きな役割を有しておりまして、全産業就業者の約一〇%を占める基幹産業でございまして、本県におきましても、全就業者数の一一%が建設業従事者となっております。特に、公共事業依存度の高い郡部の中山間地域においては、建設業従事者の比率はかなり高く、公共事業削減等に伴う影響が特に憂慮されるところでございます。 今後、平成十四年度の公共事業投資の一〇%削減によりまして、国におきましては、マクロ的な推計で約六十二万人の建設業従事者の減少が予想されております。 この状況は、本県におきましても同様の傾向であると思われますが、来年の建設業従事者の失業者数を具体的な数字で予測することは、種々の条件設定等の問題から困難であると考えておりますので、どうか御理解を賜りたいと存じます。 いずれにいたしましても、離職者数の増加が懸念をされ、これらへの対応は緊急的な課題であるというふうに認識をいたしております。こうした状況をも踏まえて、県といたしましては、徳島版の雇用のセーフティーネット構築に向けた検討を進めるために、まず、十月二日に、徳島県特別雇用対策推進本部員会議を開催をいたしますとともに、今回の補正予算で、国に先駆けまして、介護やIT分野での離職者職業訓練など即効性のある対策を講じているところでございます。 さらには、現下の経済・雇用情勢に即応するために、私みずからが座長となり、産・学・官の連携によります徳島県緊急経済雇用対策会議を発足させることにいたしております。 今後は、国の補正予算の動向なども見きわめながら、本県の独自性に富んだ、国、県及び企業による三位一体の経済・雇用対策を展開してまいる所存でございます。 建設作業員の転用を対象とした中山間地域における雇用を考えてはどうかという御質問についてでございます。 県では、杉、ヒノキの人工林のうち、間伐が必要な森林面積七万五千ヘクタールを対象といたしました、平成十二年度から平成十六年度までの緊急間伐五カ年計画を策定いたしまして、間伐の推進に鋭意取り組んでいるところでございます。 御承知のように、間伐事業は、事業費の八割以上を人件費が占めておりまして、森林組合等が事業主体となっております。このため、新たな雇用の拡大、雇用の創出も視野に入れて取り組んでおりまして、中山間地域の雇用対策に大きな成果があるものと考えております。 次に、間伐事業を行う場合に、一定期間の訓練の場等を設けて、新たな林業従事者の育成と雇用を図ってはどうかという御質問についてでございますが、間伐等の森林整備は、現地が急傾斜で作業用機械を使用した危険作業が多く、林業従事者には研修により資格等の取得が必要となってまいります。 このため、新たに林業に従事しようとする方には、関係機関等と連携をいたしまして研修の場を設けてその育成を図っているところでございます。 また、多くの研修終了者、過去に林業に従事した経験のある方の雇用が図られるように、間伐事業を行う森林組合等に対しまして適切な情報等の提供に努めるなど、御提言のように、新たな雇用の促進を図ってまいる所存でございます。 空港整備に伴う手入れ砂の採取予定量、採取予定時期、受益農家負担額等の検討の進捗状況についての御質問でございます。 九月二十日に着工いたしました空港拡張周辺整備事業の実施に伴いまして埋め立てられようとしている砂を砂地畑農家の方々が利用できるように、種々検討を進めているところでございますが、先般、手入れ砂の採取に関する工法や運搬の方法、必要経費などについて調査、検討を開始したところでございます。 まず、採取予定量についてでございますが、農家の御要望を踏まえまして、この調査結果や空港周辺整備事業の工法や工程等と調整をいたしまして、採取可能量の検討を行うことにいたしております。 また、採取時期につきましては、空港周辺整備事業の工程から外周護岸工事がおおむね完了する平成十五年度には採取できるのではないかと考えております。 農家の負担についてでございますが、採取経費などの調査を始めた段階でございまして、現時点では算定できておりませんが、原則といたしまして、採取にかかわる直接の経費につきましては受益農家の皆様に御負担をいただくことを考えております。   (飯泉商工労働部長登壇) ◎商工労働部長(飯泉嘉門君) 離職者生活費貸付制度について幾つかの御質問をいただいておりますが、本県におきましては、県内の事業所に勤務する勤労者が豊かでゆとりある生活が営めるよう、勤労者生活の節目に必要となる資金を低利で貸し付け、勤労者の生活安定及び福祉向上を図ることを目的として、徳島県勤労者ライフサイクル資金貸付制度を平成二年度から実施してまいりました。 この制度における貸し付けの種類といたしましては、教育、医療、冠婚葬祭費などを対象とした一般生活資金、また、議員御質問の離職者生活費を初め、育児休業や介護休業の利用者に対する生活費などを対象とした特別生活資金などがございます。 徳島県勤労者ライフサイクル資金貸付制度につきましては、平成十二年度末実績として、融資枠四十一億四千万円に対し、貸付残高三十四億七千四百万円、利用率約八四%となっておりますが、離職者生活費を対象とした貸付金につきましては、議員御指摘のとおり、現在のところ利用者がない状況でございます。 このため、これまでも新聞及びテレビといった広報媒体やチラシなどにより周知に努めてまいりましたが、今後の利用促進を図るため、貸付限度額を被扶養者を有しない者について五十万円から百万円に引き上げるとともに、貸付利率について、一・六%から一・三%引き下げ、〇・三%にするなどの改正を行い、勤労者にとってより借りやすいものとなるよう、できるだけ早期に見直しを行う考えでございます。 また、組合員と非組合員の間での債務保証料格差についてでありますが、これは社団法人日本労働者信用基金協会の債務保証基準により全国一律に定められた制度であり、直ちに格差を解消することは困難でございます。 しかしながら、徳島県独自の雇用セーフティーネットの一環として、離職者の生活安定に資するため、当該債務保証料につきましては何らかの負担軽減が図れないか、今後十分に検討してまいりたいと考えております。   (松村教育長登壇) ◎教育長(松村通治君) 魅力ある高校づくりを進めていくには、校長の人事権や予算権等の権限強化と校長の任期延長が必要であるとの御質問でございますが、議員御指摘のとおり、魅力ある高校づくりのためには、生徒や地域の実情に応じた学校の自主的、自立的な取り組みが必要であり、校長の高い識見やリーダーシップが欠かせないものと認識いたしております。 また、校長が独自性やリーダーシップを発揮するには、校長の一層の資質の向上とともに、リーダーシップの発揮を可能とする学校運営体制の整備や校長の裁量権の拡大などの条件整備が必要でございます。 そのため、先般、学校管理規則を見直し、学校の自主的判断を尊重し、学校の裁量を拡大する方向で改正したところでございます。 さらに、人事及び予算につきましても、校長の意向を受けとめることが重要でありますので、これまで以上に校長との連携を密にしながら、魅力ある高校づくりへの意欲的な取り組みに対しては特に配慮をいたしたいと考えております。 また、校長の人事につきましては、勤務経験や実績など幅広い面を評価し、年功序列にとらわれることなく、意欲のあるすぐれた人材の登用に一層努力するとともに在任期間の長期化にも配意してまいりますが、特に高校教育改革の中で、新たなタイプの学校づくりを推進していくような学校においては、校長と管理職の在任期間の長期化を図るなど、適正な配置に努めてまいりたいと考えております。 次に、スポーツ、芸術、進学等、それぞれで県を代表するような伝統ある学校づくりをすることが特色ある学校づくりではないかとの御質問でございますが、特色ある学校づくりの目指すものは、各学校が創意工夫をして、生徒一人一人の興味・関心、能力・適性、進路希望等に対応する教育を充実し、すべての生徒が目的意識を持って学ぶことができるよう多様な教育システムを構築することにあると考えております。 県教育委員会といたしましては、単位制や中高一貫教育など制度面における特色化の検討とともに、大学との連携や学校独自の科目の開設など教育方法、教育内容による特色化についても支援をいたしております。 また、こうした取り組みにあわせ、新しい入学者選抜制度では受験機会を複数化する中で、その前期選抜で学校、学科の特色に応じ、志願してほしい生徒像を明らかにするほか、特色づくりに対応した選抜方法の導入を図ることなどを検討いたしております。 特色ある伝統を培っていくためには、相当の期間と努力を必要といたしますが、何よりも各学校が県を代表するという気概を持って、魅力ある学校づくりを行うことが大切であることから、校長を初め教職員の一層の奮起を促すとともに特色化に向けての条件整備を進めてまいりたいと考えております。   (川人農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(川人敏男君) 県外の砂がいつごろまで入手可能か、また、その後の対策をどのように考えているのかについての御質問でございますが、瀬戸内海沿岸地域では香川県が平成十七年度から採取を全面禁止するほか、その他の府県でも、既に禁止しているか、または県外搬出禁止等の措置がとられていると伺っております。 現在、主に香川県から手入れ砂を搬入しておりますが、各府県の状況を勘案しますと、ここ数年のうちには、香川県はもとより他府県からも搬入することは困難になってくるものと考えております。 このような状況にあるため、県では、手入れ砂の代替資材であるもみ殻薫炭の利用及び人工手入れ砂の開発、また、手入れ砂を利用しない連作技術の開発に鋭意取り組んでいるところであります。 次に、人工砂の開発の現状と見通しについてでございますが、手入れ砂の確保が困難になっている現状にかんがみ、平成十二年度に手入れ砂に適した性質に近い吉野川流域の砂利を砕いた砂で裁培試験を始めております。本年度には圃場における実証試験等の研究を行いましたが、その経過からいたしますと、おおむね有望ではないかと考えております。 今後におきましては、代替手入れ砂対策の研究成果の実用化に向けて、さらに全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。   (川端議員登壇) ◆二番(川端正義君) それぞれお答えをいただきました。 まとめに入りたいと思います。 先ほどお答えの中に、手入れ砂の確保につきましては、今後大変厳しい状況が予想されておるようでございます。香川県は平成十七年度で中止、つまり平成十六年までしか採取ができないというふうな状況でございます。このたびの空港整備事業で一息つくことはできるのでありますけれども、将来的には大変な問題かと思います。どうかブランクのできるようなことなく、代替の手入れ砂の開発を成功させていただきたいというふうに強く要望しておきたいと思います。 先日の第五十六回国体で、我が県は四十五位と残念な結果でございました。昨年も四十五位、一昨年は四十一位というふうな状況でありました。このような結果も、あるいは教育の平準化、平準化を重視してきた県の方針が招いたものでないかと私は思います。 今のところ、きょうの答弁にもありましたように、県の教育委員会はシステムづくりの方ばかり目が向いておるような、そういうふうな気がいたしております。最も重要なのは教師の意識改革であります。 我が会派の竹内議員が常に言っております。「百の制度より一つの熱意」ということであります。このことによりまして、生徒それぞれの能力を最大限に引き出し、各分野において我が県を代表する生徒たちが全国で大活躍をする、そういうふうな日が来ることを大いに期待いたしまして、本日の私のすべての質問を終わります。 御清聴どうもありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(児島勝君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○副議長(児島勝君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後五時二分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━...