まず、両
県漁業者間の協定でございます。協定海域は、青森県
大間崎灯台と北海道旧幌泉灯台を結んだ直線、これは参考図が3枚目にありますが、そこをごらんいただきたい、それも合わせて見ていただきたいと思います。結んだ直線と、青森・岩手県境正東の線に挟まれた
太平洋海域とすること。
青森県と岩手県の境界にある境石と新太鼓石を見通した線、参考図では、磁針方位で約78度30分、以下「見通し線」と言いますが、以北の海域では、岩手県側は底はえなわ漁業を行わず、青森県側は県または海区
漁業調整委員会の管理のもとで操業する場合に限り操業できること。
見通し線以南では、青森県側は底はえなわ漁業を行わず、岩手県側はルールを定め、そのルールに従って操業する場合に限り操業できること。なお、昭和59年1月25日に両団体で締結した旧協定は廃止された。
続きまして、両
県水産振興課長間の確認事項です。見通し線と両県境正東線で挟まれた海域における底はえなわ漁業に関しては、両県とも自県所属船に対し指導等を行い、
相手県所属船の協定違背に関しては、相手県に情報提供し指導等を求めること。
さらに、両県知事間の確認事項です。
青森県知事は、原告が訴えを取り下げたときから、平成19年度及び20年度に岩手
県漁業者に対して発した底はえなわ漁業に関する
知事命令をもって、
見通し線以南の海域における
管轄権行使の前例として主張しないこと。また、命令を受けた岩手
県漁業者に対し法的責任を問わないことといった協定等の内容で、この問題が処理されております。
続きまして、2つ目の案件でございます。2つ目は、蓬田村内における松くい虫の被害の発生についてでございます。
東津軽郡
蓬田村玉松台スポーツガーデン内のクロマツ、樹高が26メートル、直径64センチメートルに松くい虫被害が発生しました。その経緯でございます。1月8日、樹木医が
蓬田村玉松台スポーツガーデン内で、1本の枯損したクロマツを発見し、枝を採取の上、
地方独立行政法人青森県
産業技術センター林業研究所へ持ち込みました。
林業研究所で簡易試験を実施したところ、1月13日に陽性反応が出たため、同日、
独立行政法人森林総合研究所東北支所へ枝を送付して、詳細試験を依頼しました。1月19日付で、
森林総合研究所の
試験成績書が発出され、県林政課が20日にその内容を確認いたしました。
県の対応でございます。これまでの対応です。1月13日、
林業研究所の簡易試験により陽性反応が出たとの報告を受け、同日、林政課と
東青地域県民局が現地確認を行うとともに、1月19日から20日にかけて、蓬田村から外ヶ浜町までの道路沿線や海岸線の目視調査を実施しました。19日から20日の目視調査の結果、平館地区において3本の枯損松を確認したため、材片を採取し、
林業研究所で簡易試験を実施しました。結果は陰性でありました。
今後の対応でございます。蓬田村、外ヶ浜町の山間部の調査は、
東北森林管理局等と連携して目視調査を行うとともに、ヘリコプターによる上空探査を実施することとしています。また、被害木については、所有者、これは蓬田村でございますが、所有者の承諾を得て、現場の
積雪状況等を確認の上、速やかに伐倒・焼却処分を行うとともに、被害木に隣接する残りの3本の松、アカマツ2本とクロマツ1本でございます。については、
林業研究所及び
森林総合研究所等の指導を受け、対応することとしています。
今後の
被害拡大防止対策については、
林業研究所及び
森林総合研究所等の指導を受け、適切な対応を講じることとしています。
1月28日に開催を予定しています「青森県松くい
虫被害対策推進連絡協議会」において、国や県、市町村、
森林組合等の森林・
林業関係団体、
造園建設業団体、JR等に注意を喚起し、監視を徹底してまいります。
また、県の
ホームページ等による全県からの情報提供の呼びかけを行うとともに、住民に対して町村の広報等を通じ異常木の通報をお願いすることとしています。
また、本日、この
委員会終了後に報道機関にも説明をする予定としております。
続きまして、3件目でございます。3件目は、県産農産物の販売動向についてです。
まず、東京都
中央卸売市場の1月上旬の野菜でございますが、ナガイモの価格は、昨年と比較すると高めとなっており、過去5カ年平均に比べて19%上回っています。ニンニクの価格は、昨年と比較すると安値となっており、過去5カ年平均に比べて19%下回っています。ゴボウの価格は、昨年と比較すると安値となっていますが、過去5カ年平均に比べて7%上回っています。
リンゴでございます。リンゴの価格は、出荷数量が少なく、本県産の品質が良好であることから引き合いがあり、前年産を4%上回っています。
青森県家畜市場における子牛の価格です。黒毛和種の子牛価格は、景気低迷により肥育農家の導入意欲は依然として低い状況が続いており、先月をわずかに上回ったものの、前年をやや下回っています。
続きまして、最後に4点目です。最近の漁模様等についてです。
12月の主要魚種の動向です。
スルメイカは太平洋で好調、日本海及び津軽海峡で低調に推移しました。サケは、津軽海峡及び太平洋ではやや低調、日本海で低調に推移しました。ヤリイカは太平洋で好調、日本海で低調に推移しました。クロマグロは、津軽海峡で平年並みに推移しました。ハタハタ、マダラは、日本海で好調に推移しました。
沿岸の水温でございます。1月6日から10日までの半
旬平均水温は、日本海で8度から9度台、津軽海峡では9度から10度台、陸奥湾では7度から11度台、太平洋では7度から9度台となっています。平年と比べると、陸奥湾でやや高め、その他の海域で平年並みとなり、全地点での平年差は平均でプラス0.4度で、平年並みとなっています。
そのほか、最近の
主要漁獲物の状況です。1月上旬の
主要漁獲物は、日本海でヤリイカ、マダラ、津軽海峡でマダラ、
スルメイカ、サケ、ヤリイカ、太平洋でサケ、
スルメイカ、ヤリイカとなっています。
陸奥湾の
ホタテガイ養殖の状況です。稚貝、成貝とも順調に生育しています。
八戸港の水揚げの状況です。平成21年の水揚げ量は13万9,275トンで、平成20年より7.4%増加しましたが、金額は216億9,411万円で、6.9%減少しています。その主な要因として、
スルメイカの水揚げが順調に推移したこと、また、金額面では、多くの魚種で価格が低迷したことが挙げられます。なお、
全国主要漁港の暫定のランキングでは、数量で第3位、金額で第7位となっています。
大型クラゲの出現の状況です。年明け以降、
大型クラゲの出現個数、
出現報告数とも、大幅に減少しています。
以上でございます。
3
◯岡元委員長
ただいまの報告事項及び所管事項について質疑を行います。
なお、質疑は
農林水産部所管外にわたらないよう簡明に願います。
質疑はありませんか。──今副委員長。
4 ◯今委員
まず、新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いをいたします。
質問をする前に、今、部長から蓬田村の松くい虫の発生の報告を受けました。これまでは青森県までは何とか松くい虫をとどめた、頑張ったということで、よもや青森県には入ってこないだろうということだったんですが、今、報告を受けますと、蓬田村にそういう事案が出てきたと。しっかり調査して原因を究明していただきたいと思います。なぜ深浦でなくて蓬田だったのかなという思いもありますので、その辺の原因をしっかり調査して対応していただきたいと思います。
それでは、質問に移りますが、昨年の8月に総選挙が行われて民主党を中心とした新しい政権交代、政治の枠組みが変わりました。そして、私どもの所属する民主党が、
農林水産業について画期的な新しい制度を提案させていただきました。それは
戸別所得補償制度であります。ことしは民主党の農政元年と位置づけて、米農家の赤字分、借金を国費で補てんするという
戸別所得補償制度の
モデル事業が成果を示せるかどうか、大きな関心事でもありますし、これに期待をしたいと思っております。
稲作経営や担い手や米政策の柱の生産調整、減反、
食料自給率がどうなりどう変革していくべきか、それぞれの食料、農業、農村の将来について、議会でも大いに議論していきたいと思っております。私
ども民主党は、直接支払いに移行すれば、天下りがなくなって補助金のむだ遣いや政官の癒着が排除できるだろうということで、国際的な流れの中で、今回の
農業者戸別所得補償制度を法案として提出し、今、予算化しているところであります。
そこで、今回、補正予算、そして本予算も含めて、この
所得補償制度に関する
モデル対策費として5,618億円を提案しているわけなんですが、その中で、農家の人たちがこれまでと全く違った制度を熟知していかなければならないわけであります。国を挙げて、昨年12月には、直接、農林水産省から全国にこの制度の中身について発信したわけでありますが、それとともに、今度は各
東北ブロックも含めて、
東北農政局が1月20日に、政務三役も含めて出席をしていただいて、東北の農家の人たちに各関係団体も含めて説明をする。さらには、各県レベル、
市町村レベルまで、こと細かく説明をしていこうということになっているようでございます。
そこで、きょうは
戸別所得補償制度について、8項目、質問をさせていただきたいと思います。
1点目は、国におけるこれまでの
戸別所得補償モデル対策の説明会の内容について伺いたいと思います。
5
◯津島農産園芸課長
お答えいたします。
国では、去る12月28日に、県や
県水田農業推進協議会などの担当者を対象に
全国説明会をスタートさせ、委員おっしゃるとおり、昨日、
東北ブロックの説明会も開催されております。
その内容ですが、説明会では、制度を創設するに当たっての背景、それから、交付単価、
支払い方法などの制度の仕組み、制度を推進する上での国や県、市町村の役割分担などについて説明がなされております。
以上です。
6 ◯今委員
制度の中身は非常に複雑なようでありますが、今後、関係団体や農家の人たちもが、勉強して、早くそれを熟知し、対応したいという思いだと思うんですが、その説明会及び事業の
スケジュールについて、今後、青森県としてどのようにしておられるか教えていただきたいと思います。
7
◯津島農産園芸課長
本県における説明会といたしましては、来週、1月25日に、国の主催で、市町村、
農業団体、農家を対象にした説明会が開催されます。その説明会において、県や
農業団体から構成する
県水田農業推進協議会からも、今後の
戸別所得補償制度を活用した
飼料用米等の推進方法について説明を行うこととしております。
事業の
スケジュールといたしましては、
市町村段階で設置されている各地域の
水田農業推進協議会が、2月から
集落説明会などを通じて事業の周知を図るほか、加入を希望する農家は
地方農政事務所に6月末までに加入申請し、早ければ年内に
戸別所得補償制度の定額部分と、
水田利活用自給力向上事業の交付金を受けることができます。
なお、
戸別所得補償制度の変動部分については、年度内に交付金を受けられる
スケジュールで進んでいく予定というふうになっております。
以上です。
8 ◯今委員
前にも、集団営農の問題についても、私どもの町内では
コミュニティーセンターにお呼びして、こと細かく
農政事務所の担当官、それから、地元の市町村の役場の
農林水産担当課長等々も含めて、さまざまな議論をして熟知させていったようでございますが、今後、農家にもう少し具体的に周知を図っていく、何か方法なり考え方、作戦をお持ちなのかどうかお聞かせいただきたいと思います。
9
◯津島農産園芸課長
県の
水田農業推進協議会では、農家に対して制度の周知徹底を図るために、1月26日から、各
県民局単位で、今後、農家に説明を行う市町村や農協などの担当者を対象に、各地域における
戸別所得補償制度を活用した転作営農の進め方などについて説明を行っていきます。
また、制度内容や交付金を活用し、
飼料用米などを作付した場合の
所得イメージなどを紹介したチラシ、これを毎戸に配布し、制度の周知徹底を図るとともに、
農家所得の向上に結びつくような転作営農に誘導していきたいというふうに考えているところです。
10 ◯今委員
パンフレットを農家の毎戸に配るのも結構だと思いますし、電話でもそれぞれの市町村、農協、それから、その協議会ですか、県もしっかりと説明するように。説明する人がわからないと説明できませんので、まず先に、説明する方に熟知するように対応をしていただきたいと思います。
そこで、農家の人たちは、この
戸別所得補償制度は、赤字部分、生産費にかかったお金と販売価格の差額を国が責任を持って補償してあげるんだということで、政権交代しましたらその日からすぐもらえるのかなという意識の方もおられまして。法律も変えなきゃいけない、制度も変えなきゃいけない、予算も措置しなきゃいけない中で、10アール当たり1万5,000円という数字がもう既に出ておりますし、変動部分についてもしっかり対応しようということなんですが、この
戸別所得補償制度、先ほど申し上げたように、私
ども民主党はメリットが相当あるというふうに考えておるわけでありますが、県としては、この
モデル対策のメリットと課題もあるかと思いますが、その辺について、どのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。
11
◯津島農産園芸課長
平成22年度の
戸別所得補償モデル対策としましては、米を対象とした
戸別所得補償モデル事業と、
飼料用米や大豆などの
転作作物の生産を振興する
水田利活用自給力向上事業、この2本がセットで実施されます。その
モデル対策の
生産数量目標達成者のメリットとしましては、米の生産部分の所得が補償されることにより加入農家の経営の安定化が図られるほか、
飼料用米などの作付により
調整水田等の有効利用が図られることから、本県における
食料供給力の強化につながることが期待されます。
一方、平成22年度の課題としましては、現場から
転作作物に対する助成水準が現状を下回る作物があることに対して不満の意見も出ております。
こういう状況でございます。
12 ◯今委員
10アール当たり1万5,000円という数字が出ている中で、
食料自給率、農業安定ということで、国が国民からお預かりしている税金を農家のために配分するわけですが、青森県は
農林水産県です。特に、つがる市を中心に稲作地帯が相当あるわけです。それぞれ田んぼの面積も違いますが、この1万5,000円が単純に農家の1戸当たり、青森県全体でどのくらいの交付金が想定されるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
13
◯津島農産園芸課長
米の
戸別所得補償モデル事業につきましては、22年産米の
生産数量目標面積、これから試算した定額部分と、不確定な部分の変動部分、この2つの要素があるわけですが、いずれにしても、これは見込みとして受けとめているわけですが、この
所得補償モデル事業では60億円を超えるくらいが来るのかなというふうに見込んでおります。
もう一つの
水田利活用自給力向上事業については、これも各取り組む作物の単価でまた違ってくるものですから、かなりの不確定要素があるわけなんですが、昨年度の
転作作物の作付面積から試算すると50億円を超えるくらいが来るのかなと。あと一つ、はっきりしていることが言えるのは、いわゆる地域によっては助成水準が低下することに対応できる
激変緩和措置として、約10億円を超える額が今、国のほうから回答を得ております。そういうふうな状況になっております。
14 ◯今委員
我々、
さまざま政務調査なりで地元の農家の人たちにお会いしてお話を聞けば、とにかく米の値段がもう上がらないと。いくら米をつくっても借金が増えるだけだと、後継者もなかなか意欲を持たない。そういう中で、今、作物の所得を直接農家の皆様方の預金通帳に振り込んで、しっかりと借金を返して、そして、後継者を育成できる魅力のある
農林水産業、今回は米が中心でありますけれども、それに向けて、一生懸命対応しているところなんですが、農家にとっては所得を向上したい。所得が向上できれば後継者もどんどん増えて、息子や娘たちもしっかり
農林水産業の後継者として携わっていこうという意欲を持つわけですが、この農業の
所得向上に今回の制度をどのように活用してつなげていこうとしているのか、県の考え方をもう一度お聞かせいただきたいと思います。
15
◯津島農産園芸課長
戸別所得補償制度に加入するためには、これまでと同様、いわゆる
生産数量目標、これに沿った生産をしていくほかに、残りの水田で転作を行うこと、これが原則必要となることから、できる限り農家の所得を確保するためには、米の
戸別所得補償で一定の所得を確保する一方で、収益性の高い転作営農を進めていくことが必要になります。
このため、県では、ニンニクなどの収益性の高い作物の生産拡大を推進するほかに、県内に約6,000ヘクタールある調整水田などの不作付地、今、全然作物が作付されていない水田や、湿外などのために作物の収量が低い圃場などに、水田を最も有効に活用できる
飼料用米などの作付を推進し、
農家所得の向上につなげてまいりたいというふうに考えてございます。
16 ◯今委員
今、課長がおっしゃったように、当然、減反もある程度強いられるわけですけども、休んでいる水田をうまく
転作作物に変更して、国の戦略作物という名前で、例えば、
新規需要米、米粉用とか飼料米、
バイオ燃料用米をつくれば、10アール当たり8万円補助するとか交付金を出すとか、それから、麦や大麦については10アール当たり3万5,000円、それから、ソバ、菜種、加工用米は10アール当たり2万円、そういう戦略作物の制度をつくっているわけでありますが、この飼料米や米、麦、大豆などの戦略作物に対する助成事業の課題、それと対応について伺いたいと思います。
17
◯津島農産園芸課長
飼料用米や麦、大豆などの
転作作物に対する助成は、委員から今、お話がありましたように、
飼料用米などの
新規需要米では10アール当たり8万円、麦、大豆、飼料作物で3万5,000円、ソバや菜種で2万円、野菜などのその他作物で1万円となっております。
産地確立交付金は、これまで各地域
水田農業推進協議会が、各地域の実情に応じて交付単価を設定してきたわけですが、新たな事業では制度の簡素化を図る観点で統一単価となってございます。
このことによりまして、急激な助成額の減少によって、転作の生産組織などに大きな影響が生じ地域における生産体制の維持が困難になることを避けるために、国では
激変緩和措置を設けたところでございます。
本県には、先ほども申し上げましたが、この措置として約10億円が交付される予定になっているわけですが、これを活用しても現行の交付水準に達しないのが現状でございます。そのため、市町村においては、助成単価を見直すことが課題となっています。県内では、特に麦や大豆などの助成水準が減少する地域が多いことから、これまで
転作作物の本作化に向けて努力してきた生産組織などの活動への影響ができるだけ少なくなるように、国と協議しながら対策をしていきたいというふうに考えております。
18 ◯今委員
制度は非常に複雑で熟知も必要ですし、とにかく皆さんから預かっている税金をしっかりと、農家の人たちが借金を返して意欲を持たせる仕組みを、安全、食料安保、しっかり対応するように、県のほうで指導もしていただきたいと思いますが、自民党政権時代に認定農業者制度というのをつくりまして、融資の問題、それから生産調整の義務づくりも含めながら、さまざまな制度をつくっていったわけですが、私どもの民主党になりましてから、認定農業者にかかわる、認定農業者でなくても、さまざまな緩和策を今、考えているところなんですが、先だっての農業新聞の生産調整の義務、認定農家に求めずとか、補助事業も除外ということで報道があったわけですが、認定農業者制度と生産調整の関係は今後どうなるのか、県の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
19
◯津島農産園芸課長
ただいまの委員仰せの報道ですが、1月14日付の日本農業新聞では、これまで認定農業者の認定を受けるために、生産調整への取り組みを自主的に義務化してきたわけですけれども、今後は求めませんというような趣旨の記事が掲載されたわけです。しかし、翌1月15日の赤松農林水産大臣の記者会見では、「
生産数量目標に従わない場合は認定を得られなかったり、既に得ている認定を取り消されたりすることがある」という旨の発言がありました。
県としましては、国へ事実関係を確認しましたが、明確な回答が得られていない状況でございますので、今後とも引き続き確認をしていきたいというふうに考えてございます。
20 ◯今委員
最後ですが、今回は米を中心に
モデル事業という形で推し進めていきますが、将来は果樹、私ども青森県はリンゴですが、果樹、あるいは、野菜、畜産、水産まで踏み込んだ
農業者戸別所得補償制度がどんどん進んでいくと思います。私どもの青森県は
農林水産県という自負を持ってしっかりと対応していただきたいと思いますが、県としても強いリーダーシップを持って対応していかなきゃならないと思います。農林水産部長、この
農業者戸別所得補償制度、まさにこれからの時代に即応した制度だと思いますが、部長の御見解を最後にお聞かせいただきまして、終わらせていただきたいと思います。
21
◯有馬農林水産部長
平成22年産の米から始まる
戸別所得補償の
モデル事業、それから、あわせて実施されます水田の自給力向上の事業、この2つがセットで実施されるわけですが、この事業の実施に当たっては、まず、最大限、生産者に周知をしまして、活用してもらうということでございます。その際には、1つの
所得補償モデル事業の場合は、
生産数量目標を達成するということが一つの要件になっています。これは申し上げれば、生産調整に対して手を挙げて、手を挙げた人たちに所得補償が行われるという仕組みでございますので、これまでと違う仕組みにもなっています。そういったことから、制度の内容を熟知していただくということと、あわせて、生産数量の目標を達成すること、この2つを大きな柱として生産者、あるいは生産者団体と一緒になって取り組みを進めていきたいというふうに思います。
22
◯岡元委員長
ほかに質疑はありませんか。
[高樋委員、「関連」と呼ぶ]
23
◯岡元委員長
高樋委員。
24 ◯高樋委員
今の
所得補償制度で、先ほど大体60億円と見ていると。これは数字的にどのくらいの目安で見ているんですか。60キログラム当たりのレベルでいけば。
25
◯津島農産園芸課長
先ほどお答えした
戸別所得補償制度で60億円を超えるというお話をしました。
戸別所得補償制度は10アール当たり1万5,000円ということでございますので、青森県に配分された
生産数量目標が達成された場合の平年反収で単純に割り返しをして、五百八十数キロなんですが、それで割り返しした場合で、粗々ですが、数字を出してございます。
26 ◯高樋委員
我々も野党ですから内容はよくわからないです。ただ、これは生産費と販売費の差額を補てんする制度ですよね。じゃあ、今回のこの制度に乗った場合、減反に協力して参加した農家全員を対象として考えた場合、60億円ということですか。
27
◯津島農産園芸課長
米の
戸別所得補償制度は、いわゆる主食用米を売り渡すという農家が制度に加入できるということが大原則でございますから、そこの部分で、
戸別所得補償制度の1反歩当たり1万5,000円、これを受け取る条件がクリアできます。転作は転作です。ですから、主食用の米づくりに対して1反歩当たり1万5,000円が補償と。単価が下がった部分なんですが、これは定額のほかに単価が下がった場合は変動部分が加算されます。(「さらに」と呼ぶ者あり)さらに加算されます。単価が下がらないときは、定額部分は払われるのかというと、定額部分は単価がどういうふうになっても、10アール当たり1万5,000円が払われます。
28 ◯高樋委員
じゃあ、すごくいい米をつくって高く売れても、10アール当たり1万5,000円はもらえるわけだ。すごい。
そこで、じゃあ、もう一つ関連して。先ほど来、話がありますけど、我々旧政権、自民党時代は、結局、自立させる農業というものを多分考えてきたんだと思うんですよね。そういう状況の中で、集落営農組織形態をつくって、そして海外にどんどん売っていける。最終的には、旧政権においても農産物の自由化というものを受けざるを得ないというのを視野に入れて歩んできたと思うんですけれども。そこで、この集落営農に
所得補償制度がどのような影響を与えるのか、その辺をお伺いします。
29 ◯市川構造政策課長
お答えいたします。
戸別所得補償制度は、従来の水田経営所得安定対策と異なりまして、経営面積の小さい農家も個別に加入できるということから、集落営農組織からの脱退、貸しはがし等が懸念されているところでございます。
しかしながら、集落営農組織への参加だとか農地の貸し付けにおきまして、土地利用の効率化、それから、農業機械の効率的運用などによりまして、個人でやるよりもコスト低減が図られるというメリットがあることを考慮しまして、脱退、貸しはがしなどが生じないように指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
30 ◯高樋委員
先ほどの説明にありますように、結局、
激変緩和措置費用というのは青森県も10億円くらいもらえる。結局、これから割り振りする部分で予算額を補てんしながら、その方々を維持していこうという考えだと思いますけれども、ただ、実際、今の話でいきますと、集落営農をやる必要があるのかという問題も出てくると思いますし、また、今の状況で集落営農が維持していけるのかという問題も出てくると思いますけれども、そういう部分を考えたときに、県はこれからこの集落営農組織をどのように育成していこうとしているんですか。
31 ◯市川構造政策課長
集落営農組織につきましては、農業機械の共同利用、共同作業によりまして、稲作や転作の効率化、それから、担い手が不足している地域での水田の維持管理等、地域農業において重要な役割を果たしています。そしてこのことは、農業就業人口の減少だとか高齢化が進む中で、集落営農組織の役割はますます重要になっていくものと考えております。
このため、県では、集落営農組織等が農業の6次産業化に取り組みまして、農村地域の経済基盤である農業の収益性を高めることによって、持続可能な農村社会を実現させていけるよう、先般、「青森県攻めの地域営農企業化戦略」を策定したところでございまして、本年1月18日には各県民局に「地域営農企業化支援チーム」を設置しまして、モデル集落営農組織の育成等を進めていくということにいたしているところでございます。
以上です。
32 ◯高樋委員
県はこれからどうするのかな。結局、集落営農組織をつくることにおいて、団地化とか効率をよくする圃場整備とか、そういうものをこれから考えていくべき時代であったと思うんですが、それがとまってしまうわけですよね、ある面でいけば。結局、民主党は土地改良事業費をすべて所得補償に回す発想ですから。そのときに、青森県の農業、特に、米、大豆、小麦に対してどう考えていくんですかね、部長さん。
33
◯有馬農林水産部長
集落営農については、基本的には、積極的に進めていきたいというふうに考えています。それは、その背景として、人口がどんどん農村の中で減っていく、労働力が減っていくという中で、集落全体としてどうしたら最も生産性が高い営農を維持できるかという視点から考えたときには、地域の中にある農地をいかに活用するか、地域にある労働力をいかに活用するかという意味で、やはり個別でやれる部分と、個別ではなく集落全体で取り組んだほうがその優位性を発揮できる部分がありますので、その優位性を発揮できる部分については、基本的には集落営農という形で積極的に進めていきたいということで、今回、戦略のプランをつくりまして、その実現に向けて、来年度以降、さまざまな施策を展開していこうというふうに思っています。
そういった中で、米づくりとあわせて、米づくり以外の部分、水田の有効活用の部分で、例えば、えさ米であるとか、米粉用米であるとか、これが比較的、今、10アール8万円ということで、高水準の助成水準を保たれていますので、こういった部分を活用して、地域の中でそれを取り込んだ営農を行っていくと。
加えて申し上げますと、えさ米、
飼料用米や米粉用米、これは今、8万円という予算的な補助であります。これは、県としては予算的補助ではなくて、制度としてこれから持続的に実施できる制度、いわゆる
戸別所得補償の対象品目にでも取り込んでいただいて、制度として持続できるような仕組みを国に対しても提案をしていきたいというふうに思っているところです。
以上でございます。
34 ◯高樋委員
戸別所得補償制度、最終的には、日本の国も考えていかなければいけない分野でもあったんだと思います。ただ、それが一つの選挙の道具として使われて、それで結果的にそれをやらざるを得なくなってしまった。それが本当に日本の農政にとってよかったのかというのは、それこそ科学分野でないですけども、時代が判断してくれるのかなと思っているんです。ただ、今回の政権交代を民主党の方もちょっと勘違いしていて、私は、マニフェストすべてを国民が望んで政権交代をしたわけでなく、自民党に対する反省を求めた部分が強いんだろうと。そこは我々も謙虚に受けとめるんですけれども、政策が政権によって全く変わってしまうということは大きな間違いで、やはり先人のやったことに対しても、いいものはやっぱり尊重していくということが大事なんですね。「坂の上の雲」じゃないですけども、司馬遼太郎さんは、昭和期の人たちに明治、江戸期のいいことは見習えということで歴史書を書いてきたわけでありますから、そのことを民主党の方に十分考えていただきたいと思います。
ただ、民主党がよく、革命を起こした、と言っていますけれども、一つ歓迎したいことは、地域主権、これは安倍元総理のときから地域主権で道州制というのを歩んできて、それを今、原口さんも一生懸命推し進めようとして、これは私も大賛成です。ですから、来年度、これから予算要求していく中において、青森県で革命を起こすぐらいの予算を考えてみてください。何も国を頼らない、国を頼らないで青森県独自でやっていくんだと。もし国がそれに賛同しないのであれば青森県も国を応援しないと、そのぐらいの気概を持った政策を出していただきたい、そのことを要望して終わります。
35
◯岡元委員長
ほかに質疑はありませんか。──中村委員。
36 ◯中村委員
1点だけ質問いたします。
本県は森林県でありますけれども、林業の活性化、これが最大の課題であります。先般、新政権のもとに、森林・林業再生プランが12月に公表されました。私はこれを大変期待しています。そこで、このプランの概要と今後の進め方、このことをまず伺います。お願いします。
37 ◯樋口林政課長
森林・林業再生プランでございます。このプランは、現在の木材価格の低迷ですとか、国産材の利用が停滞しているというような現状から、森林・林業の再生に向けた、中長期的な政策の方向を示したものということになっております。現在、戦後植え続けてきました人工林資源が利用可能な段階に入ってきているということから、今後10年間で、現在の木材自給率24%を倍の50%にするということが目標とされています。
これを実現するために、1つとしましては、やはり効率的な木材を搬出する低コストな路網の整備、それから、高性能林業機械等を組み合わせた作業システム。2つ目としまして、林業の中心となっていく人材の育成。3つ目といたしまして、地球温暖化防止への貢献、コンクリート社会から木の社会への転換を実現するための木材利用の拡大。4つ目としまして、森林計画制度ですとか補助金・予算の見直しなどに取り組むという内容になっております。
今後の進め方、
スケジュールでございますけれども、具体的な
スケジュールにつきましては、現時点ではっきりと示されておりません。しかしながら、このプランを着実に推進するということで、農林水産省内に農林水産大臣を本部長とする「森林・林業再生プラン推進本部」を設置いたしまして、その推進本部のもとに外部の有識者等を含めた検討委員会、これは検討項目ごとにつくるというふうに聞いております。その検討委員会を立ち上げ、具体的な検討を行うというふうに聞いております。
以上でございます。
38 ◯中村委員
大変すばらしいプランですね。このプランが今後施行されれば、本県の森林・林業の活性化にどういう効果ができますか。
39 ◯樋口林政課長
今後、国から具体的な施策が示されるということになると思います。県といたしましては、その施策を積極的に活用するということで、1つとしましては、まず、林内の路網が整備される。路網といいますのは、林道のほかに作業路という規格の幅の狭い道路も含めたものを言いますけれども、そういう路網が整備されて、間伐等の森林整備が進んでいくということでございます。それから、2つ目としましては、この路網が整備されることによりまして、低コストで木材生産が可能になり、これによりまして県産材の利用拡大が図られるということで、これらについては、本県の森林・林業、木材産業の再生や新たな雇用の場の確保などに効果があるというふうに考えております。
以上でございます。
40 ◯中村委員
それで、このプランを受けて、県では、今問題の地球温暖化対策、これにはどう取り組みますか。
41 ◯樋口林政課長
ちょっと繰り返しになるかもしれませんが、この森林・林業再生プランでは、地球温暖化防止への貢献、それから、コンクリート社会から木の社会への転換を実現するというふうに示されております。これによりますと、まず、木材の利用の拡大を図るということとともに、間伐等の森林整備に必要な路網整備の加速化を図ることとしております。
県といたしましては、今後示されるこういう施策を活用しまして、間伐等の森林整備を進めていきたいということと同時に、県産材の利用拡大、これを進めまして、地球温暖化対策に有効な事業ということで取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
42 ◯中村委員
大変いいプランですから、県もこれから積極的に推進してほしい。
要望して終わります。
43
◯岡元委員長
午さんのため、暫時休憩いたします。
なお、再開は午後1時といたします。
○休 憩 午前11時55分
○再 開 午後 1時03分
44
◯岡元委員長
休憩前に引き続き委員会を開きます。