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  1. 青森県議会 2010-01-21
    平成22年農林水産委員会 本文 開催日: 2010-01-21


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会  午前11時00分 ◯岡元委員長  ただいまから農林水産委員会を開きます。  それでは、これより審査を始めます。  慣例により、会議の記録署名委員を指名いたします。高樋委員、古村委員にお願いいたします。  本日の審査案件は、特定付託案件であります。  初めに、部長より報告事項があります。──有馬農林水産部長。 2 ◯有馬農林水産部長  おはようございます。  本日、4件について御報告申し上げます。  まず最初に、青森・岩手底はえなわ漁業問題についてでございます。資料、経緯を先に述べさせていただきますので、1枚めくっていただきまして、参考の2枚目をお願いいたします。  まず、この経緯でございますが、平成19年10月及び11月に、青森県東部海区漁業調整委員指示に違反して底はえなわ漁業の操業を行った岩手県漁業者11名に対し、青森県知事は、平成20年1月及び2月に当該委員会指示に従うよう知事命令を発しました。  平成20年9月16日、岩手県漁業者11名は、青森県知事に対し、知事命令の取り消しを求めて青森地方裁判所に提訴しました。  平成21年6月25日開催の第4回の弁論準備手続きにおいて、裁判長から原告及び被告に対し、水産庁の仲介で青森・岩手の両県関係者で話し合いを進め、問題の根本解決を図るよう強い要請がありました。  青森県から水産庁及び岩手県に対し、裁判長の要請を伝えるとともに、青森・岩手両県がそれぞれの漁業者団体と対応を協議した結果、平成21年10月27日、八戸市において水産庁仲介による漁業者間協議が行われ、底はえなわ漁業の操業に関し一定の合意が得られました。  平成22年1月15日、八戸沖沿岸漁業振興協議会と岩手県沿岸漁船漁業組合の間で、水産庁と青森・岩手両県立ち会いのもと、底はえなわ漁業に関する新たな操業協定が締結されました。  また、漁業者間の新たな操業協定締結を受けて、青森・岩手両県間で海面の管轄に関する認識の違いがあることを確認しつつも、両県は漁業者間の協議結果を尊重し、両県水産振興課長間においては、底はえなわ漁業の指導等に関する確認を、また、両県知事間においては、平成19年度及び平成20年度に青森県知事が岩手県漁業者に発した知事命令に係る確認を同日付で行いました。  その詳細の内容は、報告書1ページになりますので、お手数ですが、1ページに戻っていただきたいと思います。中段に、協定等の内容がございます。
     まず、両県漁業者間の協定でございます。協定海域は、青森県大間崎灯台と北海道旧幌泉灯台を結んだ直線、これは参考図が3枚目にありますが、そこをごらんいただきたい、それも合わせて見ていただきたいと思います。結んだ直線と、青森・岩手県境正東の線に挟まれた太平洋海域とすること。  青森県と岩手県の境界にある境石と新太鼓石を見通した線、参考図では、磁針方位で約78度30分、以下「見通し線」と言いますが、以北の海域では、岩手県側は底はえなわ漁業を行わず、青森県側は県または海区漁業調整委員会の管理のもとで操業する場合に限り操業できること。  見通し線以南では、青森県側は底はえなわ漁業を行わず、岩手県側はルールを定め、そのルールに従って操業する場合に限り操業できること。なお、昭和59年1月25日に両団体で締結した旧協定は廃止された。  続きまして、両県水産振興課長間の確認事項です。見通し線と両県境正東線で挟まれた海域における底はえなわ漁業に関しては、両県とも自県所属船に対し指導等を行い、相手県所属船の協定違背に関しては、相手県に情報提供し指導等を求めること。  さらに、両県知事間の確認事項です。青森県知事は、原告が訴えを取り下げたときから、平成19年度及び20年度に岩手県漁業者に対して発した底はえなわ漁業に関する知事命令をもって、見通し線以南の海域における管轄権行使の前例として主張しないこと。また、命令を受けた岩手県漁業者に対し法的責任を問わないことといった協定等の内容で、この問題が処理されております。  続きまして、2つ目の案件でございます。2つ目は、蓬田村内における松くい虫の被害の発生についてでございます。  東津軽郡蓬田村玉松台スポーツガーデン内のクロマツ、樹高が26メートル、直径64センチメートルに松くい虫被害が発生しました。その経緯でございます。1月8日、樹木医が蓬田村玉松台スポーツガーデン内で、1本の枯損したクロマツを発見し、枝を採取の上、地方独立行政法人青森産業技術センター林業研究所へ持ち込みました。林業研究所で簡易試験を実施したところ、1月13日に陽性反応が出たため、同日、独立行政法人森林総合研究所東北支所へ枝を送付して、詳細試験を依頼しました。1月19日付で、森林総合研究所試験成績書が発出され、県林政課が20日にその内容を確認いたしました。  県の対応でございます。これまでの対応です。1月13日、林業研究所の簡易試験により陽性反応が出たとの報告を受け、同日、林政課と東青地域県民局が現地確認を行うとともに、1月19日から20日にかけて、蓬田村から外ヶ浜町までの道路沿線や海岸線の目視調査を実施しました。19日から20日の目視調査の結果、平館地区において3本の枯損松を確認したため、材片を採取し、林業研究所で簡易試験を実施しました。結果は陰性でありました。  今後の対応でございます。蓬田村、外ヶ浜町の山間部の調査は、東北森林管理局等と連携して目視調査を行うとともに、ヘリコプターによる上空探査を実施することとしています。また、被害木については、所有者、これは蓬田村でございますが、所有者の承諾を得て、現場の積雪状況等を確認の上、速やかに伐倒・焼却処分を行うとともに、被害木に隣接する残りの3本の松、アカマツ2本とクロマツ1本でございます。については、林業研究所及び森林総合研究所等の指導を受け、対応することとしています。  今後の被害拡大防止対策については、林業研究所及び森林総合研究所等の指導を受け、適切な対応を講じることとしています。  1月28日に開催を予定しています「青森県松くい虫被害対策推進連絡協議会」において、国や県、市町村、森林組合等の森林・林業関係団体造園建設業団体、JR等に注意を喚起し、監視を徹底してまいります。  また、県のホームページ等による全県からの情報提供の呼びかけを行うとともに、住民に対して町村の広報等を通じ異常木の通報をお願いすることとしています。  また、本日、この委員会終了後に報道機関にも説明をする予定としております。  続きまして、3件目でございます。3件目は、県産農産物の販売動向についてです。  まず、東京都中央卸売市場の1月上旬の野菜でございますが、ナガイモの価格は、昨年と比較すると高めとなっており、過去5カ年平均に比べて19%上回っています。ニンニクの価格は、昨年と比較すると安値となっており、過去5カ年平均に比べて19%下回っています。ゴボウの価格は、昨年と比較すると安値となっていますが、過去5カ年平均に比べて7%上回っています。  リンゴでございます。リンゴの価格は、出荷数量が少なく、本県産の品質が良好であることから引き合いがあり、前年産を4%上回っています。  青森県家畜市場における子牛の価格です。黒毛和種の子牛価格は、景気低迷により肥育農家の導入意欲は依然として低い状況が続いており、先月をわずかに上回ったものの、前年をやや下回っています。  続きまして、最後に4点目です。最近の漁模様等についてです。  12月の主要魚種の動向です。スルメイカは太平洋で好調、日本海及び津軽海峡で低調に推移しました。サケは、津軽海峡及び太平洋ではやや低調、日本海で低調に推移しました。ヤリイカは太平洋で好調、日本海で低調に推移しました。クロマグロは、津軽海峡で平年並みに推移しました。ハタハタ、マダラは、日本海で好調に推移しました。  沿岸の水温でございます。1月6日から10日までの半旬平均水温は、日本海で8度から9度台、津軽海峡では9度から10度台、陸奥湾では7度から11度台、太平洋では7度から9度台となっています。平年と比べると、陸奥湾でやや高め、その他の海域で平年並みとなり、全地点での平年差は平均でプラス0.4度で、平年並みとなっています。  そのほか、最近の主要漁獲物の状況です。1月上旬の主要漁獲物は、日本海でヤリイカ、マダラ、津軽海峡でマダラ、スルメイカ、サケ、ヤリイカ、太平洋でサケ、スルメイカ、ヤリイカとなっています。  陸奥湾のホタテガイ養殖の状況です。稚貝、成貝とも順調に生育しています。  八戸港の水揚げの状況です。平成21年の水揚げ量は13万9,275トンで、平成20年より7.4%増加しましたが、金額は216億9,411万円で、6.9%減少しています。その主な要因として、スルメイカの水揚げが順調に推移したこと、また、金額面では、多くの魚種で価格が低迷したことが挙げられます。なお、全国主要漁港の暫定のランキングでは、数量で第3位、金額で第7位となっています。  大型クラゲの出現の状況です。年明け以降、大型クラゲの出現個数、出現報告数とも、大幅に減少しています。  以上でございます。 3 ◯岡元委員長  ただいまの報告事項及び所管事項について質疑を行います。  なお、質疑は農林水産部所管外にわたらないよう簡明に願います。  質疑はありませんか。──今副委員長。 4 ◯今委員  まず、新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いをいたします。  質問をする前に、今、部長から蓬田村の松くい虫の発生の報告を受けました。これまでは青森県までは何とか松くい虫をとどめた、頑張ったということで、よもや青森県には入ってこないだろうということだったんですが、今、報告を受けますと、蓬田村にそういう事案が出てきたと。しっかり調査して原因を究明していただきたいと思います。なぜ深浦でなくて蓬田だったのかなという思いもありますので、その辺の原因をしっかり調査して対応していただきたいと思います。  それでは、質問に移りますが、昨年の8月に総選挙が行われて民主党を中心とした新しい政権交代、政治の枠組みが変わりました。そして、私どもの所属する民主党が、農林水産業について画期的な新しい制度を提案させていただきました。それは戸別所得補償制度であります。ことしは民主党の農政元年と位置づけて、米農家の赤字分、借金を国費で補てんするという戸別所得補償制度モデル事業が成果を示せるかどうか、大きな関心事でもありますし、これに期待をしたいと思っております。  稲作経営や担い手や米政策の柱の生産調整、減反、食料自給率がどうなりどう変革していくべきか、それぞれの食料、農業、農村の将来について、議会でも大いに議論していきたいと思っております。私ども民主党は、直接支払いに移行すれば、天下りがなくなって補助金のむだ遣いや政官の癒着が排除できるだろうということで、国際的な流れの中で、今回の農業者戸別所得補償制度を法案として提出し、今、予算化しているところであります。  そこで、今回、補正予算、そして本予算も含めて、この所得補償制度に関するモデル対策費として5,618億円を提案しているわけなんですが、その中で、農家の人たちがこれまでと全く違った制度を熟知していかなければならないわけであります。国を挙げて、昨年12月には、直接、農林水産省から全国にこの制度の中身について発信したわけでありますが、それとともに、今度は各東北ブロックも含めて、東北農政局が1月20日に、政務三役も含めて出席をしていただいて、東北の農家の人たちに各関係団体も含めて説明をする。さらには、各県レベル、市町村レベルまで、こと細かく説明をしていこうということになっているようでございます。  そこで、きょうは戸別所得補償制度について、8項目、質問をさせていただきたいと思います。  1点目は、国におけるこれまでの戸別所得補償モデル対策の説明会の内容について伺いたいと思います。 5 ◯津島農産園芸課長  お答えいたします。  国では、去る12月28日に、県や県水田農業推進協議会などの担当者を対象に全国説明会をスタートさせ、委員おっしゃるとおり、昨日、東北ブロックの説明会も開催されております。  その内容ですが、説明会では、制度を創設するに当たっての背景、それから、交付単価、支払い方法などの制度の仕組み、制度を推進する上での国や県、市町村の役割分担などについて説明がなされております。  以上です。 6 ◯今委員  制度の中身は非常に複雑なようでありますが、今後、関係団体や農家の人たちもが、勉強して、早くそれを熟知し、対応したいという思いだと思うんですが、その説明会及び事業のスケジュールについて、今後、青森県としてどのようにしておられるか教えていただきたいと思います。 7 ◯津島農産園芸課長  本県における説明会といたしましては、来週、1月25日に、国の主催で、市町村、農業団体、農家を対象にした説明会が開催されます。その説明会において、県や農業団体から構成する県水田農業推進協議会からも、今後の戸別所得補償制度を活用した飼料用米等の推進方法について説明を行うこととしております。  事業のスケジュールといたしましては、市町村段階で設置されている各地域の水田農業推進協議会が、2月から集落説明会などを通じて事業の周知を図るほか、加入を希望する農家は地方農政事務所に6月末までに加入申請し、早ければ年内に戸別所得補償制度の定額部分と、水田利活用自給力向上事業の交付金を受けることができます。  なお、戸別所得補償制度の変動部分については、年度内に交付金を受けられるスケジュールで進んでいく予定というふうになっております。  以上です。 8 ◯今委員  前にも、集団営農の問題についても、私どもの町内ではコミュニティーセンターにお呼びして、こと細かく農政事務所の担当官、それから、地元の市町村の役場の農林水産担当課長等々も含めて、さまざまな議論をして熟知させていったようでございますが、今後、農家にもう少し具体的に周知を図っていく、何か方法なり考え方、作戦をお持ちなのかどうかお聞かせいただきたいと思います。 9 ◯津島農産園芸課長  県の水田農業推進協議会では、農家に対して制度の周知徹底を図るために、1月26日から、各県民局単位で、今後、農家に説明を行う市町村や農協などの担当者を対象に、各地域における戸別所得補償制度を活用した転作営農の進め方などについて説明を行っていきます。  また、制度内容や交付金を活用し、飼料用米などを作付した場合の所得イメージなどを紹介したチラシ、これを毎戸に配布し、制度の周知徹底を図るとともに、農家所得の向上に結びつくような転作営農に誘導していきたいというふうに考えているところです。 10 ◯今委員  パンフレットを農家の毎戸に配るのも結構だと思いますし、電話でもそれぞれの市町村、農協、それから、その協議会ですか、県もしっかりと説明するように。説明する人がわからないと説明できませんので、まず先に、説明する方に熟知するように対応をしていただきたいと思います。  そこで、農家の人たちは、この戸別所得補償制度は、赤字部分、生産費にかかったお金と販売価格の差額を国が責任を持って補償してあげるんだということで、政権交代しましたらその日からすぐもらえるのかなという意識の方もおられまして。法律も変えなきゃいけない、制度も変えなきゃいけない、予算も措置しなきゃいけない中で、10アール当たり1万5,000円という数字がもう既に出ておりますし、変動部分についてもしっかり対応しようということなんですが、この戸別所得補償制度、先ほど申し上げたように、私ども民主党はメリットが相当あるというふうに考えておるわけでありますが、県としては、このモデル対策のメリットと課題もあるかと思いますが、その辺について、どのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。 11 ◯津島農産園芸課長  平成22年度の戸別所得補償モデル対策としましては、米を対象とした戸別所得補償モデル事業と、飼料用米や大豆などの転作作物の生産を振興する水田利活用自給力向上事業、この2本がセットで実施されます。そのモデル対策生産数量目標達成者のメリットとしましては、米の生産部分の所得が補償されることにより加入農家の経営の安定化が図られるほか、飼料用米などの作付により調整水田等の有効利用が図られることから、本県における食料供給力の強化につながることが期待されます。  一方、平成22年度の課題としましては、現場から転作作物に対する助成水準が現状を下回る作物があることに対して不満の意見も出ております。  こういう状況でございます。 12 ◯今委員  10アール当たり1万5,000円という数字が出ている中で、食料自給率、農業安定ということで、国が国民からお預かりしている税金を農家のために配分するわけですが、青森県は農林水産県です。特に、つがる市を中心に稲作地帯が相当あるわけです。それぞれ田んぼの面積も違いますが、この1万5,000円が単純に農家の1戸当たり、青森県全体でどのくらいの交付金が想定されるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。 13 ◯津島農産園芸課長  米の戸別所得補償モデル事業につきましては、22年産米の生産数量目標面積、これから試算した定額部分と、不確定な部分の変動部分、この2つの要素があるわけですが、いずれにしても、これは見込みとして受けとめているわけですが、この所得補償モデル事業では60億円を超えるくらいが来るのかなというふうに見込んでおります。  もう一つの水田利活用自給力向上事業については、これも各取り組む作物の単価でまた違ってくるものですから、かなりの不確定要素があるわけなんですが、昨年度の転作作物の作付面積から試算すると50億円を超えるくらいが来るのかなと。あと一つ、はっきりしていることが言えるのは、いわゆる地域によっては助成水準が低下することに対応できる激変緩和措置として、約10億円を超える額が今、国のほうから回答を得ております。そういうふうな状況になっております。 14 ◯今委員  我々、さまざま政務調査なりで地元の農家の人たちにお会いしてお話を聞けば、とにかく米の値段がもう上がらないと。いくら米をつくっても借金が増えるだけだと、後継者もなかなか意欲を持たない。そういう中で、今、作物の所得を直接農家の皆様方の預金通帳に振り込んで、しっかりと借金を返して、そして、後継者を育成できる魅力のある農林水産業、今回は米が中心でありますけれども、それに向けて、一生懸命対応しているところなんですが、農家にとっては所得を向上したい。所得が向上できれば後継者もどんどん増えて、息子や娘たちもしっかり農林水産業の後継者として携わっていこうという意欲を持つわけですが、この農業の所得向上に今回の制度をどのように活用してつなげていこうとしているのか、県の考え方をもう一度お聞かせいただきたいと思います。 15 ◯津島農産園芸課長  戸別所得補償制度に加入するためには、これまでと同様、いわゆる生産数量目標、これに沿った生産をしていくほかに、残りの水田で転作を行うこと、これが原則必要となることから、できる限り農家の所得を確保するためには、米の戸別所得補償で一定の所得を確保する一方で、収益性の高い転作営農を進めていくことが必要になります。  このため、県では、ニンニクなどの収益性の高い作物の生産拡大を推進するほかに、県内に約6,000ヘクタールある調整水田などの不作付地、今、全然作物が作付されていない水田や、湿外などのために作物の収量が低い圃場などに、水田を最も有効に活用できる飼料用米などの作付を推進し、農家所得の向上につなげてまいりたいというふうに考えてございます。 16 ◯今委員  今、課長がおっしゃったように、当然、減反もある程度強いられるわけですけども、休んでいる水田をうまく転作作物に変更して、国の戦略作物という名前で、例えば、新規需要米、米粉用とか飼料米、バイオ燃料用米をつくれば、10アール当たり8万円補助するとか交付金を出すとか、それから、麦や大麦については10アール当たり3万5,000円、それから、ソバ、菜種、加工用米は10アール当たり2万円、そういう戦略作物の制度をつくっているわけでありますが、この飼料米や米、麦、大豆などの戦略作物に対する助成事業の課題、それと対応について伺いたいと思います。 17 ◯津島農産園芸課長  飼料用米や麦、大豆などの転作作物に対する助成は、委員から今、お話がありましたように、飼料用米などの新規需要米では10アール当たり8万円、麦、大豆、飼料作物で3万5,000円、ソバや菜種で2万円、野菜などのその他作物で1万円となっております。  産地確立交付金は、これまで各地域水田農業推進協議会が、各地域の実情に応じて交付単価を設定してきたわけですが、新たな事業では制度の簡素化を図る観点で統一単価となってございます。  このことによりまして、急激な助成額の減少によって、転作の生産組織などに大きな影響が生じ地域における生産体制の維持が困難になることを避けるために、国では激変緩和措置を設けたところでございます。  本県には、先ほども申し上げましたが、この措置として約10億円が交付される予定になっているわけですが、これを活用しても現行の交付水準に達しないのが現状でございます。そのため、市町村においては、助成単価を見直すことが課題となっています。県内では、特に麦や大豆などの助成水準が減少する地域が多いことから、これまで転作作物の本作化に向けて努力してきた生産組織などの活動への影響ができるだけ少なくなるように、国と協議しながら対策をしていきたいというふうに考えております。 18 ◯今委員  制度は非常に複雑で熟知も必要ですし、とにかく皆さんから預かっている税金をしっかりと、農家の人たちが借金を返して意欲を持たせる仕組みを、安全、食料安保、しっかり対応するように、県のほうで指導もしていただきたいと思いますが、自民党政権時代に認定農業者制度というのをつくりまして、融資の問題、それから生産調整の義務づくりも含めながら、さまざまな制度をつくっていったわけですが、私どもの民主党になりましてから、認定農業者にかかわる、認定農業者でなくても、さまざまな緩和策を今、考えているところなんですが、先だっての農業新聞の生産調整の義務、認定農家に求めずとか、補助事業も除外ということで報道があったわけですが、認定農業者制度と生産調整の関係は今後どうなるのか、県の御見解をお聞かせいただきたいと思います。 19 ◯津島農産園芸課長  ただいまの委員仰せの報道ですが、1月14日付の日本農業新聞では、これまで認定農業者の認定を受けるために、生産調整への取り組みを自主的に義務化してきたわけですけれども、今後は求めませんというような趣旨の記事が掲載されたわけです。しかし、翌1月15日の赤松農林水産大臣の記者会見では、「生産数量目標に従わない場合は認定を得られなかったり、既に得ている認定を取り消されたりすることがある」という旨の発言がありました。  県としましては、国へ事実関係を確認しましたが、明確な回答が得られていない状況でございますので、今後とも引き続き確認をしていきたいというふうに考えてございます。
    20 ◯今委員  最後ですが、今回は米を中心にモデル事業という形で推し進めていきますが、将来は果樹、私ども青森県はリンゴですが、果樹、あるいは、野菜、畜産、水産まで踏み込んだ農業者戸別所得補償制度がどんどん進んでいくと思います。私どもの青森県は農林水産県という自負を持ってしっかりと対応していただきたいと思いますが、県としても強いリーダーシップを持って対応していかなきゃならないと思います。農林水産部長、この農業者戸別所得補償制度、まさにこれからの時代に即応した制度だと思いますが、部長の御見解を最後にお聞かせいただきまして、終わらせていただきたいと思います。 21 ◯有馬農林水産部長  平成22年産の米から始まる戸別所得補償モデル事業、それから、あわせて実施されます水田の自給力向上の事業、この2つがセットで実施されるわけですが、この事業の実施に当たっては、まず、最大限、生産者に周知をしまして、活用してもらうということでございます。その際には、1つの所得補償モデル事業の場合は、生産数量目標を達成するということが一つの要件になっています。これは申し上げれば、生産調整に対して手を挙げて、手を挙げた人たちに所得補償が行われるという仕組みでございますので、これまでと違う仕組みにもなっています。そういったことから、制度の内容を熟知していただくということと、あわせて、生産数量の目標を達成すること、この2つを大きな柱として生産者、あるいは生産者団体と一緒になって取り組みを進めていきたいというふうに思います。 22 ◯岡元委員長  ほかに質疑はありませんか。 [高樋委員、「関連」と呼ぶ] 23 ◯岡元委員長  高樋委員。 24 ◯高樋委員  今の所得補償制度で、先ほど大体60億円と見ていると。これは数字的にどのくらいの目安で見ているんですか。60キログラム当たりのレベルでいけば。 25 ◯津島農産園芸課長  先ほどお答えした戸別所得補償制度で60億円を超えるというお話をしました。戸別所得補償制度は10アール当たり1万5,000円ということでございますので、青森県に配分された生産数量目標が達成された場合の平年反収で単純に割り返しをして、五百八十数キロなんですが、それで割り返しした場合で、粗々ですが、数字を出してございます。 26 ◯高樋委員  我々も野党ですから内容はよくわからないです。ただ、これは生産費と販売費の差額を補てんする制度ですよね。じゃあ、今回のこの制度に乗った場合、減反に協力して参加した農家全員を対象として考えた場合、60億円ということですか。 27 ◯津島農産園芸課長  米の戸別所得補償制度は、いわゆる主食用米を売り渡すという農家が制度に加入できるということが大原則でございますから、そこの部分で、戸別所得補償制度の1反歩当たり1万5,000円、これを受け取る条件がクリアできます。転作は転作です。ですから、主食用の米づくりに対して1反歩当たり1万5,000円が補償と。単価が下がった部分なんですが、これは定額のほかに単価が下がった場合は変動部分が加算されます。(「さらに」と呼ぶ者あり)さらに加算されます。単価が下がらないときは、定額部分は払われるのかというと、定額部分は単価がどういうふうになっても、10アール当たり1万5,000円が払われます。 28 ◯高樋委員  じゃあ、すごくいい米をつくって高く売れても、10アール当たり1万5,000円はもらえるわけだ。すごい。  そこで、じゃあ、もう一つ関連して。先ほど来、話がありますけど、我々旧政権、自民党時代は、結局、自立させる農業というものを多分考えてきたんだと思うんですよね。そういう状況の中で、集落営農組織形態をつくって、そして海外にどんどん売っていける。最終的には、旧政権においても農産物の自由化というものを受けざるを得ないというのを視野に入れて歩んできたと思うんですけれども。そこで、この集落営農に所得補償制度がどのような影響を与えるのか、その辺をお伺いします。 29 ◯市川構造政策課長  お答えいたします。  戸別所得補償制度は、従来の水田経営所得安定対策と異なりまして、経営面積の小さい農家も個別に加入できるということから、集落営農組織からの脱退、貸しはがし等が懸念されているところでございます。  しかしながら、集落営農組織への参加だとか農地の貸し付けにおきまして、土地利用の効率化、それから、農業機械の効率的運用などによりまして、個人でやるよりもコスト低減が図られるというメリットがあることを考慮しまして、脱退、貸しはがしなどが生じないように指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 30 ◯高樋委員  先ほどの説明にありますように、結局、激変緩和措置費用というのは青森県も10億円くらいもらえる。結局、これから割り振りする部分で予算額を補てんしながら、その方々を維持していこうという考えだと思いますけれども、ただ、実際、今の話でいきますと、集落営農をやる必要があるのかという問題も出てくると思いますし、また、今の状況で集落営農が維持していけるのかという問題も出てくると思いますけれども、そういう部分を考えたときに、県はこれからこの集落営農組織をどのように育成していこうとしているんですか。 31 ◯市川構造政策課長  集落営農組織につきましては、農業機械の共同利用、共同作業によりまして、稲作や転作の効率化、それから、担い手が不足している地域での水田の維持管理等、地域農業において重要な役割を果たしています。そしてこのことは、農業就業人口の減少だとか高齢化が進む中で、集落営農組織の役割はますます重要になっていくものと考えております。  このため、県では、集落営農組織等が農業の6次産業化に取り組みまして、農村地域の経済基盤である農業の収益性を高めることによって、持続可能な農村社会を実現させていけるよう、先般、「青森県攻めの地域営農企業化戦略」を策定したところでございまして、本年1月18日には各県民局に「地域営農企業化支援チーム」を設置しまして、モデル集落営農組織の育成等を進めていくということにいたしているところでございます。  以上です。 32 ◯高樋委員  県はこれからどうするのかな。結局、集落営農組織をつくることにおいて、団地化とか効率をよくする圃場整備とか、そういうものをこれから考えていくべき時代であったと思うんですが、それがとまってしまうわけですよね、ある面でいけば。結局、民主党は土地改良事業費をすべて所得補償に回す発想ですから。そのときに、青森県の農業、特に、米、大豆、小麦に対してどう考えていくんですかね、部長さん。 33 ◯有馬農林水産部長  集落営農については、基本的には、積極的に進めていきたいというふうに考えています。それは、その背景として、人口がどんどん農村の中で減っていく、労働力が減っていくという中で、集落全体としてどうしたら最も生産性が高い営農を維持できるかという視点から考えたときには、地域の中にある農地をいかに活用するか、地域にある労働力をいかに活用するかという意味で、やはり個別でやれる部分と、個別ではなく集落全体で取り組んだほうがその優位性を発揮できる部分がありますので、その優位性を発揮できる部分については、基本的には集落営農という形で積極的に進めていきたいということで、今回、戦略のプランをつくりまして、その実現に向けて、来年度以降、さまざまな施策を展開していこうというふうに思っています。  そういった中で、米づくりとあわせて、米づくり以外の部分、水田の有効活用の部分で、例えば、えさ米であるとか、米粉用米であるとか、これが比較的、今、10アール8万円ということで、高水準の助成水準を保たれていますので、こういった部分を活用して、地域の中でそれを取り込んだ営農を行っていくと。  加えて申し上げますと、えさ米、飼料用米や米粉用米、これは今、8万円という予算的な補助であります。これは、県としては予算的補助ではなくて、制度としてこれから持続的に実施できる制度、いわゆる戸別所得補償の対象品目にでも取り込んでいただいて、制度として持続できるような仕組みを国に対しても提案をしていきたいというふうに思っているところです。  以上でございます。 34 ◯高樋委員  戸別所得補償制度、最終的には、日本の国も考えていかなければいけない分野でもあったんだと思います。ただ、それが一つの選挙の道具として使われて、それで結果的にそれをやらざるを得なくなってしまった。それが本当に日本の農政にとってよかったのかというのは、それこそ科学分野でないですけども、時代が判断してくれるのかなと思っているんです。ただ、今回の政権交代を民主党の方もちょっと勘違いしていて、私は、マニフェストすべてを国民が望んで政権交代をしたわけでなく、自民党に対する反省を求めた部分が強いんだろうと。そこは我々も謙虚に受けとめるんですけれども、政策が政権によって全く変わってしまうということは大きな間違いで、やはり先人のやったことに対しても、いいものはやっぱり尊重していくということが大事なんですね。「坂の上の雲」じゃないですけども、司馬遼太郎さんは、昭和期の人たちに明治、江戸期のいいことは見習えということで歴史書を書いてきたわけでありますから、そのことを民主党の方に十分考えていただきたいと思います。  ただ、民主党がよく、革命を起こした、と言っていますけれども、一つ歓迎したいことは、地域主権、これは安倍元総理のときから地域主権で道州制というのを歩んできて、それを今、原口さんも一生懸命推し進めようとして、これは私も大賛成です。ですから、来年度、これから予算要求していく中において、青森県で革命を起こすぐらいの予算を考えてみてください。何も国を頼らない、国を頼らないで青森県独自でやっていくんだと。もし国がそれに賛同しないのであれば青森県も国を応援しないと、そのぐらいの気概を持った政策を出していただきたい、そのことを要望して終わります。 35 ◯岡元委員長  ほかに質疑はありませんか。──中村委員。 36 ◯中村委員  1点だけ質問いたします。  本県は森林県でありますけれども、林業の活性化、これが最大の課題であります。先般、新政権のもとに、森林・林業再生プランが12月に公表されました。私はこれを大変期待しています。そこで、このプランの概要と今後の進め方、このことをまず伺います。お願いします。 37 ◯樋口林政課長  森林・林業再生プランでございます。このプランは、現在の木材価格の低迷ですとか、国産材の利用が停滞しているというような現状から、森林・林業の再生に向けた、中長期的な政策の方向を示したものということになっております。現在、戦後植え続けてきました人工林資源が利用可能な段階に入ってきているということから、今後10年間で、現在の木材自給率24%を倍の50%にするということが目標とされています。  これを実現するために、1つとしましては、やはり効率的な木材を搬出する低コストな路網の整備、それから、高性能林業機械等を組み合わせた作業システム。2つ目としまして、林業の中心となっていく人材の育成。3つ目といたしまして、地球温暖化防止への貢献、コンクリート社会から木の社会への転換を実現するための木材利用の拡大。4つ目としまして、森林計画制度ですとか補助金・予算の見直しなどに取り組むという内容になっております。  今後の進め方、スケジュールでございますけれども、具体的なスケジュールにつきましては、現時点ではっきりと示されておりません。しかしながら、このプランを着実に推進するということで、農林水産省内に農林水産大臣を本部長とする「森林・林業再生プラン推進本部」を設置いたしまして、その推進本部のもとに外部の有識者等を含めた検討委員会、これは検討項目ごとにつくるというふうに聞いております。その検討委員会を立ち上げ、具体的な検討を行うというふうに聞いております。  以上でございます。 38 ◯中村委員  大変すばらしいプランですね。このプランが今後施行されれば、本県の森林・林業の活性化にどういう効果ができますか。 39 ◯樋口林政課長  今後、国から具体的な施策が示されるということになると思います。県といたしましては、その施策を積極的に活用するということで、1つとしましては、まず、林内の路網が整備される。路網といいますのは、林道のほかに作業路という規格の幅の狭い道路も含めたものを言いますけれども、そういう路網が整備されて、間伐等の森林整備が進んでいくということでございます。それから、2つ目としましては、この路網が整備されることによりまして、低コストで木材生産が可能になり、これによりまして県産材の利用拡大が図られるということで、これらについては、本県の森林・林業、木材産業の再生や新たな雇用の場の確保などに効果があるというふうに考えております。  以上でございます。 40 ◯中村委員  それで、このプランを受けて、県では、今問題の地球温暖化対策、これにはどう取り組みますか。 41 ◯樋口林政課長  ちょっと繰り返しになるかもしれませんが、この森林・林業再生プランでは、地球温暖化防止への貢献、それから、コンクリート社会から木の社会への転換を実現するというふうに示されております。これによりますと、まず、木材の利用の拡大を図るということとともに、間伐等の森林整備に必要な路網整備の加速化を図ることとしております。  県といたしましては、今後示されるこういう施策を活用しまして、間伐等の森林整備を進めていきたいということと同時に、県産材の利用拡大、これを進めまして、地球温暖化対策に有効な事業ということで取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 42 ◯中村委員  大変いいプランですから、県もこれから積極的に推進してほしい。  要望して終わります。 43 ◯岡元委員長  午さんのため、暫時休憩いたします。  なお、再開は午後1時といたします。 ○休 憩  午前11時55分 ○再 開  午後 1時03分 44 ◯岡元委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。
     質疑を続行します。  質疑はありませんか。──西谷委員。 45 ◯西谷委員  最初に、部長報告の漁業問題について、ちょっとお伺いします。  これは今、我々が聞いているいきさつの中からいくと、今回は、なべ漁場とか、あそこの部分に関しては、青森県のほうが譲歩したということになるんですか。その認識を、最初にちょっとお聞きします。 46 ◯坪田水産局長  もともと今回の訴訟につきましては、青森県での東部委員会指示に違反したということで、岩手県の漁業者11名に対して青森県が知事命令を出したという経緯でございます。それに対しまして、今回の訴訟の、原告側がメーンとしていたのは、あの海域は岩手県の海域であるという主張でございました。そういう根拠をもとに、青森県の知事命令は該当しないんだという論戦でございました。もともと青森県は共同漁業権の沖合については、県の境界ラインはないと。従来の慣習なり漁業者間の取り決めによって、漁業指令なりに応じて操業するのが従来からのやり方であるという主張ですね。ただし、はえなわにつきましては、当時、昭和59年の漁業者間の協定がございまして、正東の線から以北について、はえなわをやらないという協定がございましたので、それに基づきまして、青森県は論戦をしてきたわけです。  今回、漁業者間におきまして、いわゆる通称なべ漁場について、はえなわの操業を認めるという漁業者間での確認ができたものですから、県としては、勝ち負けではなくて、岩手県の海域だという主張を岩手県が裁判で下げるわけですので、青森県もそれには言及しないということです。ただ、はえなわの区域につきましては、漁業者間で了解したという事項を尊重して、今回、協定を締結したという状況でございますので、御理解いただきたいと思います。 47 ◯西谷委員  青森県側の漁業者もそれを了解したということで、こういう結果になったということですね。わかりました。  次に、午前中の高樋委員の、来年の予算編成については革命的な予算編成をしろという発言を予測したかのように、私が予算の点について通告しておきましたので、高樋委員の発言も参考にしながら、新年度の、来年度の農林水産部の新年度予算の基本的な考え方、現在どういう状況か私もわからないんですけれども、大体、部としては予算をある程度まとめて、例年ですと2月に知事査定ということで3月の議会にかかるんだと思いますので、現在の状況を踏まえてその考え方についてお尋ねしたいと思います。 48 ◯渋谷農林水産政策課長  それでは、私のほうから新年度予算要求に向けて、基本的な部の考え方についてお答えいたします。  農林水産部といたしましては、本年度からスタートした「青森県基本計画・未来への挑戦」と新たな「攻めの農林水産業」に掲げました取り組みを着実に推進していくために、平成22年度の予算編成に当たりましては、県の基本方針をもとに、現在作業を進めているところでございます。  新年度においては、特に「選択と集中」の基本方針の戦略キーワードに基づきまして、1つ目として、本県の食の強みを生かし、生産、流通、販売までを有機的に結びつけ、農商工連携を核といたしました食品製造業の振興や商品の高付加価値化などによる食産業の充実・強化。それと、2つ目といたしまして、地域内の人材や資源をフルに活用し、農業生産のみならず、農産加工や直売などもできる企業的・組織的な農業経営の育成などによる雇用の創出・拡大。3つ目といたしまして、東北新幹線全線開業元年という好機を生かしまして、県外から訪れる多くのお客様に対する本県の魅力発信や、首都圏での販路拡大や消費拡大の取り組み。これらのほかに、午前中も話がありました、国の農業者戸別所得補償制度などの新たな取り組みにあわせまして、飼料用米や米粉用米の生産拡大を進めるなど、本県の農山漁村地域を元気にしていく予算とし、農林水産業者やその関係者の収益性の向上に結びつけていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 49 ◯西谷委員  今のところ、国のほうの予算がまだ確定していないんですけれども、見込みとしては、総体としてはいくら減る、いくら増えるとか、数字があれば。どういう傾向にあるんですか、予算の規模。 50 ◯渋谷農林水産政策課長  先ほどお答えしましたとおり、新年度予算について、今、まさに編成作業中ということでありますので、どういう規模になるかということにつきましても、厳しい情勢の中でやっているということはありますけれども、この段階で、詳しく申し上げられるような段階でないということを御理解いただきたいと思います。 51 ◯西谷委員  わかりました。今、食の産業ということと、それから企業性とかいろんな特徴を出しています。ことしの知事の寺島実郎さんとの新春対談の中で、知事は、1つは食の産業、それからエネルギー、そして新幹線が来るということもあって観光に関連した形での取り組みをやることによって、青森県は明るい兆しがあるようなことがありましたけれども、その中で特に、「私ども青森県は、食の海外市場開拓にとても努力をしております」と言っていました。「食料は輸入するものでしたが、我々は中国を初め台湾、北東アジアへ青森の一級品の販売戦略を展開しております」ということで、今までの食料は輸入するものだという概念から脱して、青森県のすばらしい食材と加工したものを含めて、海外輸出するということを力を入れて言っておりましたので、これに呼応して、農林水産部としては、本県の農林水産物の技術の促進、今までも何回か委員会で話をしてきましたけれども、どのように取り組んでいこうとしているのかお伺いいたします。 52 ◯平舘総合販売戦略課長  お答えいたします。  農水産品の輸出環境なんですが、長引く世界的な不況、これにあわせた円高ということで、相手国の購買力が低下しており、総じて厳しいものとなっております。こうした中で、本県産農水産物の輸出を維持・拡大していくためには、これまで築き上げてきた相手国の優良なパートナーとの結びつきをより強固にしていくことや、新たな販路を開拓していくことが重要であると認識しております。  このため、21年度は、今年度ですね、県産農水産物のさらなる輸出拡大を目指しまして、県と関係団体で組織しております、青森県農林水産物輸出促進協議会、これらが中心となりまして、対象国、あるいは、売り込みの手法について検討しております。具体的には、まず、国ですが、中国、中東、アメリカにおいては商談会の開催、それから、見本市への出展や消費宣伝活動などに取り組んでおります。それから、対ロシアでは商談活動、同じく香港、シンガポールでは県産米の販売促進活動を実施してきておるところであります。  こういう動きをやりまして、実は、新たな動きとして2点ほどございます。1つは、リンゴについてなんですが、本年が台湾へのリンゴ輸出が戦後再開されてから60年という節目の年に当たることから、社団法人青森県りんご輸出協会が台湾の輸入業者等を招聘し、産地をPRすることになっております。  また、最近では、ベトナムについても、有望市場としてこれまで取り組んできました台湾の業者さんを仲介いたしまして新たな輸出が始まるなど、そういうふうな動きも出ております。  県では、引き続き関係団体と連携しながら、効果検証も交え、輸出促進の取り組み強化を図っていくということとしております。 53 ◯西谷委員  ベトナムの話が出ましたので、委員長にかわってベトナムとの取り組みについて。4月に一緒に行くつもりでおります。今回、1月5日のリンゴの初市のときにも、委員長と一緒に弘果に行ったら輸出の話になりまして、弘果の社長からも、リンゴの輸出をもっともっと県で力を入れてくれということでお願いをされておりますので、そういうことも我々の委員としての立場でも応援したいというふうに思っております。  今回、県の農産物の販売のデータがきのう、おとといの新聞に出まして、横ばいということでありますけれども、本県知事がそういうふうに頑張っているように、輸出にもっと力を入れて県内農産物の販売を促進するということでは、ぜひ我々も関心を持って応援したいと思いますので、取り組みをよろしくお願いします。  要望を申し上げて終わります。 54 ◯岡元委員長  ほかに質疑はありませんか。──古村委員。 55 ◯古村委員  私は、リンゴの価格とこれからのリンゴの販売戦略、それから農協のあり方、その2点についてお尋ねをしてまいりたいと思います。  夕べ、梅酒の湯割りというのを飲みまして、まだ体がほてってまして、久しぶりに二日酔いでありまして、そういう点では、質問の仕方も御迷惑をおかけするかと思いますけれども、お許しをいただきたい。梅酒は県産品でありましたので、よろしく。  まず、リンゴの販売対策ですが、部長は先ほど、販売動向についてさらっと流して、前年産を4%上回っているとだけ申し上げておりました。この裏にはやっぱり、そっけない言い方をあえてしたというのは、これからのリンゴ価格の先行きというのは予断を許さない、そういう懸念なんかがあったのではないかというぐあいに思っています。過去5カ年の先ほどの資料によりますと、平均では22円安ということでございますので、果たして、農家が暮らしていくための価格と言えるのかどうか。4%高いといっても、農家のほうでは今、相当苦しんでいるというのが、私の浪岡での実感であります。  今までみたいに通年販売というんですか、長期販売、ガス冷とか冷蔵庫に頼った、果たしてこういう販売方法がいいのかどうかという疑問を持ちました。言ってみれば、長期あるいは通年販売という有利性というものが薄れてきているのではないか、特にスーパーなんかでは、高いんであれば要らない、こういうようなことも新聞記事に出ておりましたので、むしろ長期販売に備えるために冷蔵庫あるいはガス冷、それから腐っているかどうかの検知器とか、いろんな経費の負担がだんだんかさんできていまして、しかも、長期販売に伴う褐変とか、そういうリンゴの品質低下も問題になって、さらに、検査体制を強化しなければならない。こういう中にあっては、長野を見習って、むしろ年内販売、あえて長野に挑戦をする、そういう年内出荷、販売に重きを移していくべきではないのかと考えています。そういうことで、通年販売、長期販売の有利性は薄れているのではないかというのが1点。  それと、あうんの呼吸というんですか、長野は年内に販売を終える。本県は、本県リンゴの長持ちする特性を最大限に生かして年明け後に販売をしていく、そういうあうんというか、すみ分けができているやり方で、今まで販売戦略を立ててきたと思うんですけれども、その辺も、あえて長野と競合して、青森県が価格をリードしていく、そういう意気込みでやったらどうなのかと思っているところです。  とりあえず、この2点についてお伺いいたします。 56 ◯塩谷りんご果樹課長  それでは、まず初めに、本県産リンゴの長期・通年販売の有利性は薄れているのではないかということでございます。  本県のリンゴの生産量というのは45万トン前後ということで、全国の過半を維持しているということから、これからも安定的に販売していくためには、今現在、平成20年の調査で、普通冷蔵、CA冷蔵合わせて43万トンぐらいの収容能力があります。それを最大限発揮しながら、長期・通年販売をやっていくことが必要だということで考えております。  ちなみに平成11年産から10年間の主要市場の月別の価格を見ますと、まず、年明けの1から3月までの価格と、贈答時期の12月を除いた年内価格というのは、ほぼ同水準なわけです。それで、その後1月以降上昇しているという傾向になっていますので、長期・通年販売の有利性というのは十分あるという形で見ています。  それから、次に、長野県とのすみ分けをやめて、年内出荷・販売に重きを置いたらどうかということなんですけれども、平成20年産の東京、大阪など主要5市場における9月から12月までの出荷量に占める本県のリンゴの割合というのは、およそ42%ということで、長野県が26%なので、青森県が大きく上回っておりまして、それで、年明け後は、ほぼ100%青森県産ということになっています。  そういうことで、県産リンゴの年内出荷量、今まで以上に増やすことは、供給過剰ということで値崩れを起こす危険性があるということで、やはり出荷の集中を避けて、周年の安定供給体制を維持することが重要であるということで考えています。 57 ◯古村委員  これは、県のほうでは、年内出荷の場合と年を越した場合、あるいは、3月、4月、6月までのリンゴの出荷の場合の経費というのを試算したりしているものなんでしょうか。 58 ◯塩谷りんご果樹課長  つまり、流通経費ですよね。それについては、はっきりした試算というのはありません。 59 ◯古村委員  やっぱりそういう経費なんかも試算をして、農家というのは手取りだわけだ。経費だけだんだん増えていく。肥料、農薬も上がる。農協の経営が苦しくなったから、今までは大量で仕入れるから農家に有利だ、安く提供できるといって、市況対策費という名目である程度還元してきたりしたけれども、経営が苦しくなったからそれも出せなくなったと。こういういろいろなもろもろの事情があって経費が下がらない。そういう中にあっては、やっぱり産直みたいに、畑から収穫して、自分の家の倉庫に置いて、それを出したほうが、やっぱり値段は安くても手取りは多いと。むしろ手取りに重きを置いた販売というものを考えていくべきではないのかと思っています。今の課長の話であれば、従来どおりだと。私から言わせれば事なかれ主義で、下手にやり方を変えたりして責められるよりも、今、勤めているうちは今のままでいいという感じを受けました。  3点目なんですけれども。ことしは、部長の報告でいけば、去年よりもは高いと言うけれども、平年に比べればがたっと安いと。こういう2年続けてのリンゴ価格の低下というのが、やはり高齢のリンゴ農家には極めて厳しい決断が迫られている。というのはなぜかといいますと、ずっとリンゴをつくってきた、リンゴを切るに切られない、愛着がある、ということで、腐乱病にかかってきた木を徐々に切っていきながらも、たまには新しい新品種を植えたりとか、一つの楽しみとしてリンゴ園をずっと維持・経営してきた人というのは結構いるわけです。特に、年金をもらってからは、孫の小遣い、正月のまっこ代になればということでやってきている方もたくさんおります。それがやっぱりことしになって、もう孫の小遣いも難しい。下手すれば、安い厚生年金から費用を出さなければいけない。こういう状態になって、伐採が非常に目立っている。ですから、高齢者がある程度、生産量を確保するということで県のリンゴ産業に貢献をしてきたのに、やはりことしからは、とうとうリンゴ園を廃園にするという傾向が顕著になってくるのではないか、来ているのではないか、という危惧を持っていますので、耕作放棄地というんですか、リンゴ園の廃園面積なんか、県のほうでつかんでいるかと思いますので、そういう廃園面積の傾向からリンゴの離農者が増えているのかどうか、そういう傾向値を語っていただきたいと思います。 60 ◯塩谷りんご果樹課長  ここ数年の廃園面積の傾向ですけども、年において非常にばらつきがあるんですけれども、平成21年から過去5年間をさかのぼりますと、合計で約1,500ヘクタールが廃園になっています。年間を見れば、200から300ぐらいで推移している。ちなみに、21年の6月の調査では、118ヘクタールくらいになっております。 61 ◯古村委員  今の剪定の期間でも相当伐採して廃園になるというのはあるかと思いますけれども、5年で1,500町歩、じゃあ、浪岡のリンゴ園の面積ですね、部長。弘前、長野、浪岡というのが栽培面積では1、2、3なわけだ。この3番目の面積に匹敵する面積が5年間でつぶれたということです。今後、これにどう手だてをするかというのは、すぐれて民主党、鳩山さん、民主党県連、民主党会派の手腕になるかと思いますので、それはことし1年、見守っていきたいと思います。  リンゴの値段、価格の問題で、この間、県のほうからお話をお聞きをして気になったのが、リンゴ果汁というんですか、ジュース、国外から90万トン、生果で換算して90万トンの輸入量だというので、90万トンといえば、むしろ国内のリンゴ生産量を若干上回っている数字、これを何とかできないものかと。そして、県でも原産地表示ですか、リンゴ果汁に対する、こういうお願いをしているし、また、県の農業会議から送られてきたんですが、加工飲料に原料、原産地表示を義務づけることと、こういう要望なんですが、原産地表示というのは、今は当たり前になっているんではないのですか。何でリンゴ果汁に、手間暇かかる、どういうことが支障になって、今現在どういう状況になっているのか、御報告をいただきたいと思います。 62 ◯塩谷りんご果樹課長  この原料、原産地表示につきましては、平成15年ころから県を挙げていろいろ要望活動を展開してきました。今現在、厚生労働省と農水省の2省にまたがるということで、そういう所管業務でありますので、共同で「食品の表示に関する共同会議」というものを開催して、学識経験者とか、それから消費者団体、業界団体から有識者を招聘しながら、委員会で検討しているというところです。  今現在、消費者側は、果汁飲料については義務化の対象にするべきだというのが大勢を占めるんですが、業界側、つまり、大手の飲料メーカーなどからは、製品をつくるに当たって、複数の輸入国の原料を使用しているから原産国が頻繁に変わると。それから、容器の表示、缶なら缶に表示するんですけれども、そのスペースに限りがあるということで、多数の原産国については表示が不可能だと。それから、原料の原産国と加工国が異なり、加工国がわかっていても原産国がわからない。そういったことがありまして、今現在、果実飲料の原料、原産地表示の義務化については、義務化しようという形では合意に至っていない。平成21年7月に国でそういう意見を聞きながら報告書をまとめています。その中では、こういう意見を踏まえて、具体的な国を明示するのではなく、輸入とか国産という形で大くくり表示が検討されておりまして、現在は、昨年9月に発足した消費者庁のほうに話がいっているという動きになっています。 63 ◯古村委員  では、今までの自民党政府は、どちらかといえば、消費者、生活者にやさしくなかったわけだ。民主党は随分やさしい。愛想もばらまいてるし、企業、団体に金をやるよりも直接家庭にやろうと、そのほうがいいんだということになっているから、民主党政権になったら期待は持てるんじゃないの。課長の感想。 64 ◯塩谷りんご果樹課長  この件につきましては、いろいろこれから消費者庁でもんでいきますので、私自身としては、早めに原産国表示をしてほしいという形では思っています。 65 ◯古村委員  たまに自民党の控室に呼ばれて、叱られるような答弁してくれればいいじゃない。  次に、農協合併なんですが、先般、おいらせ農協がとうほく天間なんかと合併する議案が、組合員総会で反対多数で、反対多数でいいんだな、ちょっと上回ったんだな、臨時総代会でね、それで破綻しました。とりあえず、農協合併の進捗状況はどうなっていますか。 66 ◯山本団体経営改善課長  本県の農協合併は、平成12年の農協大会において決議された、「県内5農協構想」に基づいて進められております。  この合併構想の実現に向けて協議を進めてきたわけですけれども、その結果、平成20年12月には青森地区4農協により合併構想第1号の「青森農協」が誕生してございます。それから、平成21年4月には八戸地区4農協で合併構想第2号の「八戸農協」が誕生しているところでございます。さらに、21年7月には五所川原地区の2農協が合併して「ごしょつがる農協」が誕生しているということで、現在、14の総合農協になってございます。  今後ですけれども、来年の4月には十和田と下北地区で6農協による2農協の合併が予定されておりまして、その結果、総合農協数は10農協になるということで見込んでございます。 67 ◯古村委員  このおいらせ農協が抜けたことで、あとの4農協はそのまま合併するんでしょう。しかし、おいらせ農協が入れば、農産物の販売高あるいは購買線の供給高というのが県内で随一の農協になる。したがって、おいらせ農協が合併しないことによって、何かあとの4つだけ合併しても小さいまとまりの農協ということで、合併メリットというのか、合併効果というのが半減するという記事もありましたけれども、その辺はやっぱりそうなんですか。
    68 ◯山本団体経営改善課長  おいらせ農協が入れば、今、委員が言ったように県内一の農協になるわけですけれども、ただ、ほかの農協も合併を望んでいる、おいらせ農協がなくてもやはり合併が必要だということで進んできておりますので、多少、販売高が少なくなったとしても、合併したほうが、今の状況からすると合併する農協にとってはいいということで合併したと思っているところです。 69 ◯古村委員  それで、浪岡は青森農協ということになって、非常に大きな得体の知れない農協になったわけでありますけれども、果たして、合併してまだ1年足らずなので、どうなったのか、よかったのかどうかとなれば、私ども一組合員から見れば、何か依然として、役員改選はやったけれども責任の追求ばかりしてぱっとしないと。それからもう一つは、合併してスケールメリットを生かして、これから、さあ頑張ろうというときになって、また3カ年計画とか経営の大幅な見直しをしなければならない。合併して1年しかたってないのにそういうような状況。じゃあ、合併に当たってどこまで経営を再検討して議論したのかというのは、私にしてみれば非常にうさんくさく感ずるところなので、まず、県内農協の農産物の販売、購買、信用、共済、これは各事業の推移というのはどうなっているのかというのを全体的にお尋ねしたい。 70 ◯山本団体経営改善課長  ここ数年の販売、購買、信用、共済事業における収益の推移を見ますと、各事業とも総体的に減少傾向にございます。  これは、本県に限らず全国的に見られる状況でございまして、主な理由としては、組合員の高齢化や離農、それから、農協離れ等による組合員の減少による事業利用量の減少、それから、農産物の価格低迷による手数料収入の減少、これらが挙げられると思います。  しかしながら、農協合併に伴いまして、組織体制の見直しや人員のスリム化が図られることなどから、事業管理費等が削減され、ここ数年にあっては県全体でおおむね10億円以上の黒字ということになってございます。 71 ◯古村委員  やっぱり合併によるメリットというのが、どうも組合員としては実感できないというのが正直なところなんですが、農林水産省がある農協を調査して指摘した事項に、当期欠損金の発生原因は何なのかと、合併前に不良債権の処理を行わなかったのはなぜか、合併初年度から要改善JAに指定されレベル格付けされる農協は聞いたことがない。こういうような指摘を受けている農協もあるわけなので、やっぱり、県のほうで、あまりにも合併せよという指導が、尻たたきがひど過ぎるのではないか。時間をかけて、今までの環境の経営実態なり、そういうものを正確に洗いざらい出させて、その上で時間をかけて円滑な合併に向ける、そういうことがなくて、何か先に合併ありきで県のほうでも太鼓を叩いているから、こういう合併して1年もたたないうちに農水省から指摘を受ける。こういう事態になっているのではないかと思いますけれども、この合併するに当たっての県の指導に強引さがあるのではないかと思いますが、その辺について。 72 ◯山本団体経営改善課長  合併に当たっては、中央会が主体的に行って、合併経営計画をつくって、地区の協議会で将来の合併の内容等を決めるわけですけれども、そういういろんな個々の事項等を詰めていって、それで合併よしということでやっているので、決して委員が言っているように、合併ありきでの話ではなくて、協議会の中でいろいろもんで、それで合併がよしとなったときに話を進めています。 73 ◯古村委員  市町村合併の市町村振興課と大体似たような答弁でございました。  次に、広域合併はしたけれども仮に経営破綻した、その場合の救済策はどこのだれがやるものか。あるいは、仮に経営破綻した場合に、どこが経営を引き継いだりするものなのか。こういうこともこれからはあり得ないとは言えないと思っていますし、また、全国にそういう例があるのかというのをお尋ねしたい。 74 ◯山本団体経営改善課長  農協が経営破綻した場合、やはり破綻した農協の救済と貯金者の保護が必要になってきます。したがって、経営破綻を救済する場合、社団法人JAバンク支援協会があるんですが、そこの支援策が講じられることになります。具体的には、破綻農協を健全な他の農協に組織統合する。それで、統合した農協にJAバンク支援協会から資金贈与、あるいは資本注入を行う。なお、破綻した農協の機能については統合後の農協に移管・維持されることになってございます。  一方、貯金者については、農水産業協同組合貯金保険制度に基づいて、付保貯金が保護されます。付保貯金というのは、貯金保険で保護される貯金でございまして、貯金者1人当たり1,000万円までとその利息が保護されることになってございます。  それで、破綻した農協に対しては、これは存続させない。あとは、経営者の退任。それから、民事・刑事上の責任を追求する。それから、出資金でございますが、これは100%減資するという措置をとってございます。  以上です。 75 ◯古村委員  次に、先般1月の初めに、青銀、みち銀、いわゆる地銀が農業金融に本腰を入れていくという報道がなされました。私は、農協については絶対必要だと思っているんですが、信用事業があるために広域合併をさせられる、そういうようなことで、むしろ信用事業なんか切り離して、みち銀とか青銀、地銀、いわゆる信用金庫なんかと提携したほうがいいのではないかという考えを持っていましたら、リンゴの前渡し金、米の前渡し金なんかの際には信用事業をやっていればメリットがあるんだというような話があります。どうも見ていれば、信用事業のために広域合併をして、地域密着型の農協、いわゆる協同組合の精神というのがだんだん薄れていって、我々組合員とは縁遠いもの、義理人情もなくなってくる。私も今、むしろ灯油なんかは地元の商店から買ったほうが来年の選挙は点数が来るのではないかと、こういうよこしまな考えなんかを持って、何とかしなければいけないなという考え方にまでなるんで。やっぱり地域と一緒に歩んでこそ我々も農協に対して愛着を持つ、農協を利用する、こうなるんですが、大きくなってくれば、どこの馬の骨みたいな組織かわからないということになって、営農指導なんかもほとんどやられていない。当然、合理化されて、施設が整理統合される、人員も集中されるということで、リンゴ指導員なんかは選果場のほうにだけいるという状態になって、特に、農協とつき合うメリット、必要性、そういうのが薄れて、むしろ町の肥料屋さんに行ったほうが親切・丁寧に教えてくれる、こういうような状況になって、私は、これからの農協というのは危機的ではないかと思っています。  特に、大きくなったことによって、信用事業で果たして員外貸し付け、特に、我が青森農協の場合は青森市という信用事業の規模の大きいところと合併しましたので、果たして青森市、建設業も倒産する、ホテルも倒産するということになれば、員外貸し付けをして取りっぱぐれている、不良債権になっている、こういうのは我々の目には見えないけれども相当数あって経営を圧迫しているんではないか、全く証拠はないんですよ、そういう心配が出てくるんですけれども、その辺の員外貸し付けと不良債権の状況というのは、県のほうで把握しているものなのかどうか。 76 ◯山本団体経営改善課長  組合員以外の者に対する事業資金の貸し付けについてでございますけれども、農協法の規定によりまして、組合員向けの貸付金総額に対して25%以内であれば貸し付けすることができることになってございます。  県内の農協における員外貸し付けについては、平成20年事業年度末時点で、すべての農協が25%以内となってございます。法令違反はなく、員外利用率は約3%から15%で、貸付金額は89億円というふうになってございます。  それから、員外貸し付けに係る不良債権については、あるんでしょうけれども全体的には把握しておりません。発生しないように農協検査等において指導しています。 77 ◯古村委員  私も若いとき、青銀でも貸さない、みち銀でも貸さない、そうすれば、やっぱり信用金庫に走って行ったり、労金に走って行って何とかつなぎをつけるということになれば、やっぱり苦しい企業というのは、地銀も貸さない、信用金庫も貸さないとなれば、農協に行けば何とかなるのではないかという心配をしているところでありますので、ぜひとも検査の際はそういう点に留意をして、一般の農家に被害が及ばないようにお願いを申し上げたいと思います。  次に、先ほど申し上げました、地方銀行がアグリビジネスローンというんですか、農産物を担保にした金融事業に乗り出すということなんですが、そうなれば、農協のほうは相当痛手を受けるんではないかと思いますが、山本課長、その辺はいかがですか。 78 ◯山本団体経営改善課長  特に、今、委員が言ったように、近年、全国的にも銀行等の農業分野への融資の動きが顕著になってきているところでございます。本県においても、地方銀行が農業関係の融資を積極的に展開していくことが表明されるなど、動きが見られております。  銀行等の農業分野への進出は自由な経済活動の一環として当然のことと考えております。農協としても、地域密着型のメリットと購販売や共済など営農・生活全般にわたってサービスを提供している強みを生かしながら、これまで以上に農家の希望や要望をくみ上げ、銀行等に負けない金融商品の開発と提供に努めることによって、信用事業の伸長を図っていくことができると考えてございます。 79 ◯古村委員  やっぱりそのとおりであればいいんだけれども、農協というのは営農指導や販売、共済事業など、一体で経営を重層的に支えている仕組みを持っているから強みがあると、農協のほうに利があるという話は聞くんだけれども、実態はそれと全く違っていると、私なんかはそう思ってるわけ。したがって、きちんと経営を続けている、いわゆる優良な大きな農家は地銀を利用する。零細、小規模、高齢者、そういうところは農協にすがりつくよりほかはない。何かそういうぐあいに分かれていくんではないか、既に分かれていってるんではないかと。そうなれば、農協のほうは零細、例えば、私なんかも全く零細、リンゴだけとれば零細なんだけれども、今、県議会をやってるから、こういう大きいやつを使っているけれども、県議会選挙で落ちたりすれば全く零細部類になって、農協に2万円、3万円、5万円の金を借りたりということになるかと思います。そういう人ばっかり農協が扱うんではないか。そういう心配さえしているわけでありますので、ひとつその辺も入れて、農協に対する指導、農協のあり方、土地勘がなくなった農協が果たしていいのか。今までの浪岡農協であったら、「古村一雄の畑2カ所」と言えばぱっと飛んでくるわけだけれども、青森の人が来たって全く土地勘がないわけだから。第一、私たちからして話もしないということになるんだけれども、その辺の、やっぱり農協合併して果たしていいのかというのは、もう一回考えてもらいたいというのが私の質問の趣旨であります。やっぱり地域に愛着があってこそ農協だと思っていますので。  最後に2点ほどお尋ねします。県は単位農協に対して、どこまで指導、介入できるのかということと、もう一つは、私は常勤役員について、この間まで畑に出ていながら、今度、農協の常任役員になったからといって急に背広を着て、ネクタイを締めて、似合わなくやっている。やっぱり信用できないというのは言い過ぎだけれども、もう少しちゃんとやってもらいたい。ただ、職員を頭からどなりつけて果たしていいのか。そういう意味では4人なら4人、組合長、常務、専務、何とかって4人なら4人常勤役員がいるとすれば、そのうちの1人、特に信用事業ぐらいは員外から役員を選ぶ。こういう制度はあると思うんだけれども、それを義務づけるというんですか、専門的な知識を持った役員を員外から入れなければ、今の農協はどうにもならないんではないかと思っていますので、その辺のお考えもお聞きをして、現在、員外役員というのは県内農協で何人ぐらいいるのか、それをお聞きして終わりたいと思います。 80 ◯山本団体経営改善課長  まず、単位農協に対する指導はどこまでかという御質問でございます。  県は、農協法に基づいて定期的に農協の組織制度や業務会計に係る検査を実施しております。その中で、法に違反した事項や不適切な事項等があれば指摘し、発生原因やその具体的改善策等について農協から報告を求め、その実施状況を見守りながら指導しています。  具体的には、例えば、組織制度では合併への取り組みを進めていくことや、コンプライアンスの徹底など、共済事業においては適正な事務処理などを指導しているほか、農協経営の中で重要な柱の一つとなっている信用事業に関しても、貸付業務や貯金業務が適正に行われているかなどを検査して、これらを通じて今後の健全な経営につなげていくように指導しているところです。  それから、常勤役員に員外の人が必要ではないかということでございますけれども、平成21年12月末現在、県内14総合農協がございますけれども、常勤理事は51名でございます。うち員外理事は一人もおりません。また、常勤監事については、8農協で8人おりますけれども、うち2人が員外の監事になってございます。  県としては、農協経営及び事業運営の健全化・適正化を図っていくためには、経営感覚にすぐれた経営者が必要との認識に立ってございます。農協の理事に学識経験者など員外からの就任が可能となるよう農協が検討することを指導していきたいと思います。 81 ◯古村委員  本当に県の農林行政を強力に効果的に進める上では、やっぱり農協組織は重要な位置を占めているわけなんで、県のほうでは、農協との関係、あるいは農協のあり方というものを特段に重視をしながら、ぜひとも農家のための農協組織、そういうことでこれからも強力な指導を進めていってもらいたいと思います。県の部長級は、どこどこの農協の専務にはなるんだというのがあっても、私は天下りだと言って批判はしませんので。 82 ◯岡元委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもって審査を終わります。  以上をもって農林水産委員会を終わります。 ○閉 会  午後 1時54分 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...