青森県議会 2010-01-21
平成22年文教公安委員会 本文 開催日: 2010-01-21
こうした中、昨年末、青森県
公安委員会より、お手元に配付された資料のとおり、平成22年の
青森県警察の
基本姿勢が示されました。ここにごらんのとおり、前年に引き続いて「安全・
安心まちづくり」とされました。
「安全・
安心まちづくり」は、県民の警察に対する信頼の基礎として、県警察が
地域社会と連帯して取り組まなければ達成できないことであり、サブタイトルは、昨年に引き続き、「信頼に基づく
地域社会との連帯」とされました。
また、県警察の
活動指針につきましても、昨年に引き続き、「積極果敢な
職務執行」、「「聴く」ことの励行」、「「説明」することの実践」の3項目が示されました。これは、
基本姿勢の「安全・
安心まちづくり」を達成するため、
警察職員一人一人があらゆる
警察活動において常に心がけるべきことであります。
本県警察は、この
基本姿勢を踏まえ、常に県民の安全・安心を第一に考え、
地域社会との連帯を図りつつ、適切に職務を執行してまいります。
以上、現下の
治安情勢と平成22年の県警察の
基本姿勢について御説明申し上げましたが、本県警察は、今まさに大量退職・
大量採用時代を迎えており、経験豊富な警察官の急減と
若手警察官の急増により人的基盤が急激に変容している状況にあります。
県警察といたしましては、懸念される
現場執行力の低下を防ぐため、徹底した業務の効率化、優秀な人材確保、
若手警察官を対象とした教養と
実戦的総合訓練などに積極的に取り組んでまいる所存であります。
県民に信頼される強靱な警察力を確保すべく、本年も最大の努力をしてまいります。三橋委員長、櫛引副委員長を初め各委員の皆様方には引き続き御指導を賜りますようお願い申し上げ、私の御報告といたします。
3 ◯三橋委員長
ただいまの
報告事項及び
特定付託案件についての質疑を行います。
所管外にわたらないよう簡明にお願いいたします。
質疑はありませんか。──
松尾委員。
4
◯松尾委員
まず、本年もどうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
まず、ただいま
県警本部長からも御説明がありました昨年の検挙の状況ですが、好転、減少しているということで、大変すばらしいなと思っております。
私からは振り込め詐欺のことについてちょっと質問させていただきたいと思います。これは、今また新たな手口で高齢者をねらって、この被害は全国的にはまだ続いているものでございますが、本県でも被害の発生が見られていたわけであります。昨年は
被害件数、被害額ともに大幅に減少したと聞いております。これは、常に警察の皆さんが
金融機関や地元の皆さんと連携して
被害防止に努めた結果であると思っております。被害者の多くが高齢者であるということから被害が発生すると思われることから、引き続き被疑者の検挙と
未然防止対策をしていただきたいと思っております。
そこで、次の点についてお伺いをしたいと思います。昨年の本県の振り込め
詐欺事件の発生・
認知件数の状況と
検挙状況についてお伺いをしたいと思います。
5
◯佐藤刑事部長
お答えいたします。
昨年における本県の振り込め詐欺の
発生件数は16件です。これは、前年比で
マイナス131件、
マイナス89.1%でございます。また、被害額は約2,374万円で、前年比では
マイナス約1億2,326万円、
マイナス83.8%となっております。
次に、この種犯罪に対する
検挙状況でございますが、昨年は振り込め
詐欺本犯を3事件検挙しております。
具体的には、1つ目は、
福岡県警等7府県との
合同捜査によりまして、
ダイレクトメールを使用した
民事訴訟取り下げ費用名下の
架空請求詐欺事件で19人を検挙しております。それから2つ目は、警視庁との
合同捜査によりまして、
ダイレクトメールを使用した
融資保証金名下の振り込め
詐欺事件で5人を検挙しております。3つ目は、親族をかたった
借金返済名下の
オレオレ詐欺事件で4人を検挙しております。
また、振り込め詐欺を助長する犯罪では、振り込め
詐欺事件に使用された口座をだまし取った
通帳詐欺事件、それから
携帯電話端末をだまし取った
詐欺事件等々で39件、29人を検挙しております。
次に、手口別の
認知件数、被害額ですが、まず、
オレオレ詐欺が1件です。前年
比マイナス21件、被害額は100万円で、前年比では
マイナス3,569万円、
架空請求詐欺は13件で、前年
比マイナス28件です。被害額は約2,093万円で、前年
比マイナス約2,927万円、
融資保証詐欺は2件で、前年
比マイナス65件です。被害額は約181万円で、前年
比マイナス約3,850万円。
還付金詐欺の発生はありませんでした。前年比では
マイナス17件、被害額は
マイナスの約1,977万円です。
最後に、本県の被害の特徴ですが、手口別では、
架空請求詐欺が
認知件数の80%以上を占め、
オレオレ詐欺、
融資保証詐欺及び
還付金等詐欺は激減しております。
なお、被害者の年齢別では、
オレオレ詐欺は50歳代、
融資保証詐欺は40歳代2人、
架空請求詐欺は、20歳代1人、30歳代6人、40歳代4人、50歳代1人、80歳代1人と年齢層が幅広くなっているというふうになっております。
以上です。
6
◯松尾委員
今報告をいただいた数値をお聞きいたしておりましたけれども、広範囲な各手口別でもかなり大きな成果が上がっているようでございます。
まず、発生したものを検挙していくのはもちろんでございますが、やはり
未然防止というのが非常に大事だと思います。自分は大丈夫だと思っている方がかえって陥りやすいのかなというふうな気もいたしておりますけれども、
県警本部としてのこの
未然防止対策についての今後の方針についてお伺いをしたいと思います。
7 ◯嶋山
生活安全部長
お答えいたします。
振り込め詐欺の対策につきましては、昨年、3度の「
撲滅強化推進月間・期間」の設定を初めといたしまして、年間を通じて官民一体となった
被害防止に向けた取り組みを推進してまいりました。ただいま
刑事部長のほうからも説明がありましたけれども、前年に比べ本県における被害の
認知件数及び被害額が大幅に減少するなど、一応の抑止効果が見られたところでございます。
県警察では、これまで、悪質・巧妙化する振り込め詐欺の撲滅を目標に、
関係機関・団体と連携した
被害未然防止対策を強力に推進してまいりました。
昨年の主な
未然防止対策でありますけれども、
金融機関、
関係団体と連携をいたしまして、ATMの
集中警戒活動や
利用限度額引き下げキャンペーン等のATMの対策、郵便局、コンビニエンスストアを対象としたエクスパックの対策、
ヤマト運輸株式会社青森主管支店による「安全・
安心まちづくり便」による宅配時の
チラシ配付や
被害防止の呼びかけ、
カラオケ店、
ボウリング場、
パチンコ店及び
コンビニ等深夜スーパーなどと連携した注意喚起の
広報活動、それから、事前に家族間で合い言葉を決めて
オレオレ詐欺を撃退する「家族の絆・
アイアイ作戦」などを実施いたしました。
また、各警察署におきましても、振り込め詐欺の
被害防止推進員に委嘱した住職の方や
民生委員の方々と連携した
広報活動、高齢者の方々を対象とした寸劇による心に響く
広報活動、それから三戸警察署では、昨年12月に、三戸地区の
防犯協会と連携をして、同地区の
金融防犯協力会に振り込め
詐欺防止広報用の腕章を配付して、住民の方々にきめ細やかな声かけ活動を推進するなど、各警察署におきましても創意工夫を凝らした
未然防止活動を推進したところでございます。
こうした状況を踏まえまして、本年におきましても、これまで取り組んでまいりました諸対策を地道に継続していくとともに、新たに、現金の振り込みを阻止するための「
金融機関との連携による
水際対策の推進」と「被害に遭わないために抵抗力の向上を図る
広報活動」を柱に、困ったときには何でも相談し合える家族のきずなを深める活動の浸透を図るなど、振り込め詐欺を撃退する諸対策について強力に推進してまいりたいと考えております。
また、これまでの手口のほか、今後本県でも新たな手口による被害の発生が十分に予想されることから、
関係機関・団体との情報共有の強化によるより先制的な
被害防止広報の実施、あるいは
被害実態の分析に基づく各世代に応じた
広報啓発活動の強化により、振り込め詐欺の撲滅を目指してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
8
◯松尾委員
この振り込め詐欺、また、私からすると、例えば
融資保証金詐欺というのは、大体これははがきで送られてきてとか、そういうパターンでいくものだと思っていますけれども、これは、いわゆる
システム金融であるとかそういったものの存在というのは、多くの人たちは、特に経営者であればもうかなり周知はしているんだと思います。ただ、周知はしているんだけれども、まだ本当にそんなことをやっているのかという、新たな切り口で入ってこられるとやっぱりそういうのにひっかかってしまうのもあるんだと思います。ですので、各
金融機関はもちろんでございますが、これは、商工会、会議所といったところとも連携をしながら、これは大変悲しい被害ですので、そういうことが起きないように今後ともお願いを申し上げたいと思います。
そしてまた、先日、三戸町で
コンビニ強盗がありました。その際には、深夜だったものですから、そのときの状況というのはなかなか伝わってきませんでしたが、翌日になっていろんな方と話をすると、やはり、その放送、ニュースを見たときに、外出なり戸締まりなりに気をつけなきゃならないと、かなり皆さん不安であったようでございます。しかし、
スピード解決ということでありまして、皆さんはほっとしておられました。心からお礼を申し上げて終わりたいと思います。
9 ◯三橋委員長
ほかに質疑はありませんか。──
川村委員。
10
◯川村委員
おはようございます。本年もよろしくお願いしたいと思います。
2点ほど質問させていただきたいと思いますが、1点目は、本県警察の
検視体制についてお伺いしたいと思います。
本年1月の8日並びに18日の
新聞報道によりますと、
弘前大学医学部法医学講座が昨年11月中旬以降
司法解剖を休止しており、その後、県内で発生した事件・事故による犠牲者の遺体を
司法解剖する場合は、県警は
秋田大学や
岩手医大に依頼していることということになっております。これまで
弘前大学における解剖数は年100件前後ということで聞いておりますが、解剖を担当する医師が最近1人だけになったため休止に追い込まれたようであります。
そこで、他県に解剖を依頼するということになれば、
初動捜査等に支障が出てくるのではないかと懸念をされるところであります。変死体が犯罪によるものか否かを判断する
検視業務は極めて重要であり、しかるべき体制を強化するとともに、必要に応じて
司法解剖するなど適正に対応してもらわなければならないと思います。
そこで、次の点について伺います。過去10年間に全国の警察が取り扱った
死体件数は1.4倍に急増しているという情報もあります。変死体の
司法解剖に至るまでには、死体の
検視業務など現場における多様な業務があると思いますが、
検視業務の内容と、本県警察が過去3年間に取り扱った変死体と
司法解剖した件数についてお伺いいたします。
11
◯佐藤刑事部長
お答えいたします。
まず
検視業務の内容でございますが、警察で取り扱います死体は、自然死以外で死亡した異常が認められる死体でございます。
このため、犯罪を見逃すことがないよう、取り扱う死体については、個別の事案ごとに、死体の状況、現場の状況、関係者の供述、検案医の意見等をもとに慎重に検討をしております。
そして、犯罪である可能性が排除できない場合には、
刑事調査官が現場臨場して直接検視に当たり、必要により解剖医に
司法解剖を依頼して死因の解明に当たっているところでございます。
過去3年間の
取り扱い死体数と解剖数ですが、平成19年は死体数が1,974体、
司法解剖数が115体、平成20年は死体数が2,013体、
司法解剖数が81体、平成21年は死体数が2,092体、
司法解剖数が96体となっております。
以上です。
12
◯川村委員
これまでの概要についてはわかりました。
そこで、
新聞報道で気になりますのは、
弘前大学の担当教授がこのような状況に対して県警にも
人的支援を要請したが、色よい返事はなかったというコメントが掲載されております。
そこで、県警として
司法解剖する際の──かなりの
補助体制はとっていると思うんですが、この
補助体制、
支援体制についてどのように実施をしてきたのか、今後さらなる
補助体制、
支援体制の拡充が可能なものなのかどうかについても伺います。
また、
弘前大学で
司法解剖できなくなったことに伴い
初動捜査等に影響はないのか、この点についてもお伺いしますし、さらには、
秋田大学、
岩手医大における
受け入れ体制というのは十分なのか、場合によっては拒否をされるということはないのか、あわせてお伺いいたします。
13
◯佐藤刑事部長
お答えいたします。
現在のところ、捜査に支障を来しているということはございません。
また、秋田県、
岩手県内の大学にはそれぞれ2人の解剖医がおりまして、体制も十分でございます。それで、両県警察及び両大学には、本県の現状を説明いたしまして、御理解をいただいているというところでございます。
なお、
弘前大学におけるこれまでの解剖に際しましては、警察側から
刑事調査官以下専門の係員が補助に当たっておりましたが、他県の大学では通常四、五人のところ、本県では七、八人が解剖時の記録、
写真撮影等の補助に当たってまいりました。
弘大につきましては、早急に
受け入れ体制の整備をお願いしているところでありまして、今後、
弘前大学におかれまして体制が整えば、これまでどおり依頼するというようなことになろうかと思います。
以上です。
14
◯川村委員
検視業務に影響はないということでありますけれども、
秋田大学あるいは
岩手医大における
受け入れ体制が十分なのかどうかという点についてもお答えをいただきたいと思います。
15
◯佐藤刑事部長
この解剖の委託は契約行為でありまして、もちろん
弘前大学とも契約を結んでおりますし、
岩手医大、
秋田大学とも解剖の契約を締結しておりますので、大丈夫でございます。
16
◯川村委員
今、答弁をいただいて、
補助体制、
支援体制については、通常行われる四、五人の体制よりも、
青森県警の場合は七、八人ということで非常に強化をして
補助体制として対応しているんだということでありますので、その点については理解をしましたし、
秋田大学、
岩手医大についても、契約を交わして
受け入れ体制に万全を期しているということで、そういう心配はないという理解をいたしましたので、了解しました。
そこで、2007年に
時津風部屋の若い力士が死亡した事件がありまして、これは、
愛知県警による
検視業務の不備により病死で処理し、
司法解剖がなされなかったということであります。後に、死因に不信を抱いた親が病院に解剖を依頼して、その結果、暴行死が判明したということであります。
そこで、この
検視体制の強化というのが私は極めて重要であると思うんですが、本県警察の
検視体制と、今後における
検視体制の強化の有無についてお伺いをいたしたいと思います。
17
◯佐藤刑事部長
お答えいたします。
本県の
検視体制につきましては、平成21年度から、
刑事調査官1人と
検視係長1人の2人を増員いたしまして、現在は、
刑事調査官3人、
検視係長3人の計6人体制へと強化したところでございます。さらに、来年度は、
刑事調査官1人と
検視係長1人の2人を増強し8人体制とするほか、
検視業務を担当する
一線署鑑識係員4人ほどを増強する方針でございます。
なお、
刑事調査官は、10年以上の
捜査経験を有するベテランの
捜査幹部でございまして、かつ、警察大学校におきまして法医学の
専門教育を受けた者を充てております。本県におきましては、24時間体制で、
死体発見時から一線署の報告を受け、捜査の初動から必要な指揮をするなど、誤検視の防止に努めているところでございます。
さらに、
死体写真を現場からリアルタイムで確認しておりまして、必要があれば
刑事調査官みずから現場臨場して検視を行って、事件性の有無について判断を行っているところでございます。
今後とも、検視に誤りのないよう全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
18
◯川村委員
来年度以降
検視体制がさらに強化をされるということで、期待をしたいと思います。
そこで、要望を申し上げたいんですが、
弘前大学で
司法解剖ができなくなったという件については、あくまで大学側の事情ということで理解をするところです。県警としては現状で捜査に支障はないということでありますけれども、やはり、当県に
弘前大学という立派な
総合病院がありながら他県で
司法解剖しなければならないという形態は不自然だというふうに言えるわけであります。
したがって、医師の人事にかかわることでありますので、すぐに解決できる問題ではないと思いますが、県警における
弘前大学側へのさらなる
働きかけをお願いをしたいと思いますし、また、
三村知事からも
弘前大学学長へ──今、
弘前大学は
高度救命救急センターがこの7月からスタートをするわけで、いろいろ、県との
距離関係というか、連携は強化していかなければならないという時期にもありますので、この点についてもぜひ
三村知事からも大学側へ要請していく必要があるんではないかということでありまして、私どもも機会あるごとに大学あるいは国に対してもこの件について強く
働きかけをしていきたいということで、要望にしておきたいと思います。
2点目ですが、昨年の
交通事故の
発生状況と本年の
交通事故防止対策についてお伺いいたします。
前段、
石川本部長のほうからの報告の中でも触れられたわけですが、昨年の
交通事故の
発生状況は、全国的にも
発生件数、死者数、
負傷者数とも減少傾向にあるようでありますが、
県内死者数については50人と、前年の62人を12人も下回り、過去最少という結果が明らかにされているところであります。県警における
交通事故の
発生状況分析、指導・取り締まり、幅広い安全教育などの抑止活動の成果ではないかと思っており、この点については、県警の
交通事故抑止活動を高く評価し、敬意を表したいと思います。
しかしながら、少なくなったからこれでいいということではなく、
交通事故の犠牲者を一人でも多く減少させるために全力で取り組んでいただきたいと思います。また、死者の半数が高齢者ということであり、今後さらに高齢化が進むことを考えれば、これまでとは視点を変えるなど、重点的に保護対策や安全教育等をしていく必要があるのではないかと思っております。
そこで、次の点について伺います。昨年の
交通事故発生状況と
死亡事故の特徴点についてお伺いいたします。
19 ◯工藤交通部長
昨年の
交通事故発生状況と
死亡事故の特徴点についてお答えいたします。
昨年の県内における
交通事故発生状況は、
発生件数は6,005件で、前年
比マイナス399件、6.2%の減少、死者数は50人で、前年
比マイナス12人、19.4%の減少、
負傷者数は7,482人で、前年
比マイナス480人、6.0%の減少となっております。
発生件数及び
負傷者数は、平成14年以降8年連続で減少しました。特に死者数は2年連続で大幅減少となりまして、県内の
交通事故死者数が最多であった昭和47年の238人に比べまして約5分の1まで減少しました。これも、委員の皆様を初めといたしまして県民の多くの皆様方から交通安全に対する御理解と御協力をいただいたことによるものであると感謝をしております。
次に、昨年の
死亡事故の特徴ということでございますけれども、まず、高齢者の死者数が24人で、前年より9人減少しましたが、全死者数に占める割合は48.0%で、依然として半数近くを占めているということ、また、歩行中事故に遭われて死亡された方が19人おりますけれども、そのうち17人、89.5%が高齢者でございました。また、飲酒運転による死者数は、前年の8人から半減しましたけれども、いまだに4人も亡くなっております。また、自転車乗車中の死者数は4人で、13人であった前年より9人大幅に減少し、昭和60年以降最少となりました。さらに、昼間の死者が24人で、前年より13人と大幅に減少しましたけれども、夜間の死者のほうは26人で、1人増加ということなどの特徴が挙げられます。
20
◯川村委員
今の内容を見ますと、やはり高齢者への対応が課題だということが言えるんですが、昨年の高齢者が被害となった
死亡事故の特徴について、幾つかお話をいただければというふうに思います。
21 ◯工藤交通部長
昨年、高齢者が被害となった
死亡事故の特徴についてお答えします。
昨年における高齢者被害の交通
死亡事故の特徴は、事故類型別に見ると、人対車両の事故で亡くなられた方が17人で、高齢者全体の70.8%を占めているということ、年齢層別に見ると、65歳から69歳が4人、70歳から74歳が5人、75歳から79歳が5人、80歳以上が10人となっておりまして、75歳以上が高齢死者全体の62.5%を占めていること、昼夜別に見ますと、夜間が15人で、高齢死者全体の62.5%を占めているということなどが挙げられます。
22
◯川村委員
70歳以上になるとやはり事故率が非常に高くなるということが分析されると思うんですが、そこで、本年の交通
死亡事故抑止対策の重点推進事項についてお伺いをいたします。
23 ◯工藤交通部長
本年の交通
死亡事故抑止対策の重点ということですけれども、昨年の交通
死亡事故の発生実態を踏まえまして、より一層の減少を図るためには、やはり、高齢者対策、飲酒運転根絶対策、交通マナーアップ対策、それから夕暮れ時・夜間の対策を推進することが重要であると認識しております。
こうした観点から、この4項目について年間を通じた4大作戦と位置づけまして、自治体や交通
関係機関・団体、ボランティアの皆様方との緊密な連携のもとに、具体的には、35万人高齢者との直接対話による交通安全指導、2つ目としては、飲酒運転を初めとする悪質・危険違反の強力な取り締まり活動、3つ目として、歩行者、自転車利用者及びドライバーのすべての道路利用者に対する交通マナーアップに向けた街頭指導活動、4点目として、夕暮れ時のライトの早目点灯や夜間のライトの上向き走行の実践及び反射材の使用促進についての
広報啓発活動などに取り組んでいるところであります。
本年も、安全で安心な交通社会の実現に向けてこれらの対策を強力に推進して、
交通事故のさらなる減少を図ってまいる所存でございます。
24
◯川村委員
最後に要望を申し上げておきますけれども、本年度もこの抑止対策というものをぜひしっかりやっていただきたいと思うんですが、できれば、この交通
死亡事故の死者数で全国のベストファイブに入るくらい──私は十分可能であるというふうに見ておりますので、それくらいの気持ちで取り組みをいただきたいということを要望申し上げて終わります。
ありがとうございました。
25 ◯三橋委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
警察本部関係の審査を終わります。
執行部入れかえのため暫時休憩いたします。
○休 憩 午前11時35分
○再 開 午前11時37分
26 ◯三橋委員長
休憩前に引き続き委員会を開きます。
教育委員会関係の審査をいたします。
なお、本日は、白石職員福利課長が公務都合により欠席しております。
それでは、
特定付託案件についての質疑を行います。
所管外にわたらないよう簡明に願います。
質疑はありませんか。──
松尾委員。
27
◯松尾委員
おはようございます。
それでは、私のほうから3点ほど質問させていただきたいと思います。
1番目は、ことし、新年を迎えて大変すがすがしい思いで過ごしておりましたところ、本県の高校生の冬休み期間中に、部活動の最中に倒れてお亡くなりになった生徒の記事がございました。その生徒の保護者の方には心から御冥福をお祈りしたいなと思いますが、まず、この件について新聞でしか私どもは知り得ておりませんので、この概要についてお伺いをしたいと思います。
28 ◯松田スポーツ健康課長
去る1月10日日曜日、県立木造高等学校剣道場で、剣道部の部活動中、1年生男子生徒が突然意識を失い、倒れ、病院へ救急搬送されましたが、同日午前11時42分、死亡が確認されたところであります。
この日は、顧問の指導のもと、9時から準備運動、切り返しなどの基本動作を行い、その後、15秒1セットの打ち込み練習をし、4セット目が終了したところで崩れるように倒れ、防具を外し確認したところ、脈はあるものの意識がなかったことから、直ちに救急車を呼び、病院へ搬送したものであります。
以上です。
29
◯松尾委員
ということは、それは急性心不全といいますか、その病状というか、それはそういうことだったということなんでしょうか。
30 ◯松田スポーツ健康課長
私どもに入っている情報では、不整脈による多臓器不全というふうに保護者から連絡があったというふうに聞いております。ただ、精密な原因というのは2カ月ないし3カ月ぐらいかかるということですので、現時点ではまだわかっていないということでございます。
31
◯松尾委員
わかりました。
私も剣道のほうをずっとやってきているものですから、剣道の練習でそれだけ重大な事態になるというのは今だとなかなかないんじゃないのかなというふうな気がしております。昔、私たちや私たちの先輩方がけいこをしている間であれば、そのけいこというのはそれこそ激しさをきわめておりましたので、体のけがはあっても、内部的なこととかそういうのでなるというのは、その管理も含めてなかなか起こり得ないんじゃないのかなと思っている中でのこういう事故でございましたので、恐らく、県内の剣道の関係者、またスポーツの指導をされている方々は本当に背筋が寒くなるような思いをしたんだと思っております。
聞くところによりますと、県のほうでも体育指導に関していろんな指針も出しながら指導はしてきているようでございますが、こういった事故防止の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
32 ◯松田スポーツ健康課長
県教育委員会では、毎年度初めに、各市町村教育委員会及び県立学校に対し、部活動時等の安全管理の留意点を掲載した「幼児・児童生徒の安全指導及び学校の安全管理について」を通知し、児童生徒等の安全指導及び学校の安全管理に万全を期するようお願いしているところであります。
また、生徒が安全に運動部活動に取り組むことができるよう、運動部活動での事故・傷害の防止対策として、種目ごとの安全指導、事故発生時の対応、事故防止のためのチェックリスト等を記載した「高等学校運動部活動における安全マニュアル」を作成し、県内すべての高等学校に配付するとともにホームページに掲載し、その活用を図るよう周知してきたところです。
学校においては、毎年度、健康診断等において生徒の健康状況を把握するほか、日常の健康観察等により事故防止に努めているところではありますが、今回、部活動中に1年男子生徒のとうとい命が失われたことは、まことに痛ましく、残念なことであります。
この事故を受け、県教育委員会では、各市町村教育委員会及び県立学校に対し、児童生徒の健康状態を把握するなど、学校管理下での事故防止及び安全指導について万全を期するよう改めて通知したところです。
今後とも、運動部活動中の事故防止について、県高等学校体育連盟と連携し、高等学校に対し、それぞれの種目の特性に応じ、安全に必要な環境の整備を図るとともに、生徒自身の安全への対応能力を養うなど、事故発生の
未然防止に努めるよう指導してまいります。
以上です。
33
◯松尾委員
今のお話をお聞きしておりますと、まず、県とすれば、児童生徒の健康管理をきちんとしてこれまでもきているし、これからもやっていくということでありますので、その点については私はいいと思います。
ただ、今回のことでも何か非常に重い部分があるのは、実は、どの指導者の方と話をしていても、昔に比べると、今の子供たちの体力、また頑丈さというのはかなり落ちているようだと、そういう話があります。
ですので、健康管理のことはもちろんですが、やはり、これはもう、幼児のころからといいますか、小学校のころからといいますか、そのときから、体力づくりというもの、体をつくるということが一番大事なことだと思うんです。今、若年の方でも糖尿病になったりとか、不整脈等心臓に病気を抱えたりとか、昔はある程度年齢が高いほうでないとなかなかそういうものの発生はなかったんですが、そういうのが若年齢化してきている。そのことでも、やはり、体力、子供たちの運動の中身というのはかなり変わってきている。
だから、そこをもう一回点検していかないと、たったこの20年、30年──自分の年からいくと、例えば30年時代が違っただけでそれだけ人の体力というのが変わっていくというのは、これは大変危機的なことだと思っています。これは生活習慣も含めてだと思いますが、そういった意味で、今回のこの件というのは現代に対して非常に大きな警鐘を鳴らしているんだと、私はそう思っておりますので、これは、教育長のほうからも、その生徒の方々、また保護者の方々に対して、体づくり──文武両道といいますけれども、やっぱり両方を兼ね備えなければならないということをぜひとも伝えて、今後のことに生かしていただきたいなと思っております。
次に、新規高等学校卒業者の就職の状況についてお伺いをしていきたいと思います。
今、就職氷河期というふうに言われておりまして、もともと青森県の就職率は全国と比べても大変低いほうでありましたが、今般の実情は、それにさらに拍車をかけて、大変厳しい状況であります。
そういった環境から、平成22年3月──今度の3月ですね、その卒業予定者の求人及び内定状況というのがどういうふうになっているのかお伺いをしたいと思います。
34 ◯小林参事(学校教育課長)
お答えいたします。
青森労働局の発表によりますと、平成22年3月新規高等学校卒業予定者の求人倍率は、12月末現在1.00倍で、昨年に比べ0.45ポイント下回っております。
県内外別の内訳では、県内は0.72倍と昨年に比べ0.29ポイント、県外は1.35倍と昨年に比べ0.54ポイント、ともに下回っております。
次に内定状況でございますけれども、12月末現在の就職内定率は66.9%と昨年に比べ9.7ポイント下回ってございます。
県内外別の内訳では、県内は51.6%と昨年に比べ8.2ポイント、県外は85.5%と昨年に比べ7.7ポイント、ともに下回っております。
以上でございます。
35
◯松尾委員
今回の就職氷河期というのは、青森県の抱える構造的な問題もあわせてあるという状況なものですから、これは単年度で急激に改善するというのはなかなか難しいんだと、私はそう感じておりますが、今、県のほうでは、商工労働部のほうで、雇用創出特別支援枠ということで、新規高卒者を採用した場合に融資の保証料率を変えていくと、さまざまそういった手だてを講じて、一人でも多くの生徒の就職に結びつけたい、そういう努力をしております。
私からすれば、今回のこの制度をうまく活用して、高校側も、何とかこれを、PR、また1人でも2人でも多く採用してもらうために活用していっていただきたいなというふうに考えているところでございますが、県とすれば、そういった連携についてどのようにお考えなのかお伺いしたいと思います。
36 ◯小林参事(学校教育課長)
県教育委員会では、新規高等学校卒業予定者の就職支援につきまして、
関係機関との連携を図りながら進めているところでございますが、昨今の厳しい雇用状況を受けまして、昨年12月15日に開催された第3回青森県緊急雇用対策本部で今後の就職支援強化策を取りまとめ、未就職者に対するさまざまな取り組みを進めております。
具体的には、3月末までの支援策として、就職指導支援員の配置、教員の企業訪問やハローワークへの生徒の引率に要する経費の支援及び教員向けの研修の実施を進めているところでございます。
県商工労働部の県特別保証融資制度は、委員御指摘のとおり、新規学卒予定者等の雇用支援につながる取り組みであるというふうに考えております。
県教育委員会といたしましては、引き続き、
関係機関と連携して、各学校に適切な情報を提供しながら、一人でも多くの高校生が就職できるよう取り組んでまいりたいと思っております。
以上でございます。
37
◯松尾委員
私が今この話を出したのは、確かに、この商工でやっている制度──私も、11月議会のときに、ただ紙切れ1枚持ってお願いに行ってもだめなんだ、やっぱり何かお土産をつけていかなかったら、今の企業の状況からすれば、新しく採用するというのもかなり勇気が要る話なんだ、だからそれを後押ししてほしいという話も出ていました。ですので、こういう形というのは私は大変いいと思っていますが、ただ、これでちょっと心配なのは、1名を採用すればもう融資が決まると。
だから、一人でも多く採用させていくためには──この融資制度は、商工会とか会議所とか
金融機関を通じて直接企業のほうに回ります。だけれども、その中には、何名まで雇わなきゃならないとかそういった義務的なことは、1名だけなんです。ですので、そこの部分を補っていくためには、現場の高校の中で就職活動をいろいろ支援していくときに、「いや、ここを何とかあと1人ふやしてもらえませんか」と。その一つ一つの積み重ねというのは私はすごく大事だと思うんです。
ですので、これは、商工の側の策と教育委員会側の策と二つが折り合うような形でやっていけば実際にかなり効果が上がってくるんだろうなと思っておりますので、ぜひその点のところを、部局を横断して協力してやっていただきたいなと思っております。
次に、これはちょっと先に教育長のほうにお伺いをしたいと思いますが、私は、運転免許というのは社会に出るときにまず最低限必要な資格でないのかなという気がしていますけれども、特に東京都内ですとかそういうところであれば、何も車の免許を持たなくても、電車で移動して仕事もみんなできるわけですけれども、この青森県は、やっぱり車を持たないと、生きていくのがなかなか大変な、不便な土地だと思っておりますけれども、教育長はどのように感じていますか。
38 ◯田村教育長
車の免許取得につきましては、今、委員おっしゃったように、例えば就職活動をするということ一つとりましても、持っているということは一つの大きな要素になるんじゃないかなと思っております。
ただ、いわゆる学校における教育活動の中で……(
松尾委員、答弁を制止)
いいですか。じゃ、この辺で失礼して。まあ、今申し上げましたように、就職だとか何かのときには、特にこういうふうに地方の場合は必要になってくるものとは考えております。
39
◯松尾委員
まず、だれが考えても、車の免許がなければ就職活動もできないというのは当然のことでございます。ただ、今の県立高等学校ということで考えますと、じゃ、在学中にそれを取るのがいいのか、その後がいいのか、いろんな議論がやっぱりあるんだと思います。ただ、私は、今のこの就職氷河期という時代において、いわゆる就職活動──決まった方はいいですよ。でも、決まらない方も多く出るわけなんです。その方々が間をあけないで就職活動に専念できる環境というのは整えていかなければいけないのではないのかなと、そういうふうに考えます。
例えば、私の住む地区でありますと、今はもう三戸のハローワークというのはなくなりました。八戸に行かなきゃならない。三戸の山の中からバスで出てきて、それからバスで八戸まで行って、それから、直接ハローワークまで行くわけじゃありませんから、またそこから移動する。だけれども、就職を考える人たちというのは八戸だけではやっぱり探せないんです。自分の行きたい職業・職種、いろんなものを見ますから。そうなると、十和田のハローワークにも行くし、二戸のハローワークにも行くし、さまざま動かなきゃならないんです。そのときに、車の免許がないと、結局動きようがないんですよ。そこを私は一つお話ししておきたいんです。
そこで、今、聞くところによりますと、県内の公立高校の中で、免許の取得というものについて、各校さまざまな状況、各校の判断でやられているようでございますけれども、それについて教育委員会としてどの程度把握されているのかお伺いをしたいと思います。
40 ◯小林参事(学校教育課長)
お答えいたします。
自動車運転免許の取得については、それぞれの高等学校の学習指導、生徒指導、それから進路指導の実情を総合的に踏まえて校長が定めるものでございます。
県教育委員会では、現在、学校個別の対応につきましては把握してございません。
41
◯松尾委員
まず把握をして──今おっしゃったとおり、各高校の校長が、自分たちの学校の校風や進路指導、就職状況、いろんなものを総合的に考えながらその部分の指示を出しているということでございます。
ただ、皆さんのことを悪く言うわけじゃありませんが、やっぱり役人であると、新しいものに切りかえていくとかそのときの状況に合わせていくというときに及び腰になるところも多分あるんだと思うんです。
ですので、実際にどういうふうにやっているのか、就職活動に照らしたときに本当にそれがきちんとされているかどうかという意味で県内の公立高校の対応状況というのを調査するように、できれば要望をしておきたいと思います。
次に、最後になりましたけれども、県立高等学校の3次実施計画についてでございます。
先般の11月議会の際にも若干申し上げましたが、今、就職状況が非常に悪い、生徒の進路というものをきちんと確保してあげることがなかなか難しい、そういう時代になってきました。
そこで、地元の三戸の話をさせてもらえば、就職率に関して言えば、三戸高校はここずっと100%で来ています。これは普通科、商業科を含めてですけれども、商業科の割合が6割、7割ということで進んできていました。私は、この3次計画について異論を唱えているわけでもないし、反対をしているわけではございませんが、今この厳しい時期に、就職率の高い学科といったものを大きく動かすということは、そこに住んでいる地域の方々に対して、また、そこに通ってくる生徒の皆さんに対して大きな不安を与えてしまうんじゃないのかなと。
ですので、この実施時期、また、そういったものについて検討を加えることもあり得るのかなということを少し教育長とも議論させていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
42 ◯佐藤教職員課長
県立高等学校教育改革第3次実施計画は、社会の変化や中学校卒業予定者数のさらなる減少が予想される中にあって、小学校や中学校で学んでいる子供たちが、夢をはぐくみ、進路実現に向けた高等学校教育を受けることができるよう策定したものでございます。
第3次実施計画においては、前期計画の期間中でも、生徒の志願・入学状況や高等学校教育を取り巻く環境の変化によっては計画内容の見直しをすることとしております。
委員御指摘のとおり、新規高等学校卒業者の就職内定率は例年に比べて県下全域で厳しいものとなっておりますので、今後も経済状況の動向を注視してまいりたいと思っております。
43
◯松尾委員
今の御答弁ですと、そのときのいろんな状況を加味しながらというお話もございました。ぜひそうしていただいたほうがいいのではないのかなと、私はそう思っております。
本来、この教育改革は、それこそ1次から始まって今は3次計画ですが、計画ありきで進んでしまったときに置き去りにしてしまうものがもしもあるとすれば、それはかなり大きなものになりますし、それを取り戻すというのはなかなか大変だと思います。
ですので、そういった逐次の適切な判断というのをこの場で考えていくことも必要だろうと思っておりますので、ぜひその辺のところをよく考察して取り組んでいただきたいと思います。
44 ◯三橋委員長
ほかに質疑はありませんか。──
川村委員。
45
◯川村委員
1点だけ質問させていただきます。小中学校における土曜日の授業についてお伺いいたします。
平成14年度より学校週5日制が完全実施となったところであります。本県においても定着してきているのではないかと思っております。
東京都教育委員会が、本年1月、土曜日に教育課程に位置づけられた授業の実施を求める学校が多いことから、希望する学校については月2回を上限として実施できることとしたということが報道をされております。
この背景には、家庭や地域の教育力が必ずしも十分ではない地域などにおいては、無目的に過ごしたり生活のリズムを乱したりする子供への対応が必要なこと、また、現在、補習等のため多くの教員が土曜日に出勤しているという実態、それから、十分な授業の時数を確保することが困難なことから、長期休業日の短縮を実施する学校が毎年増加しているということ、新学習指導要領の全面実施に伴い授業時数が増加し、これまで以上に過密な週時程──週の時間日程でありますが──を余儀なくされ、児童生徒及び教員の負担が増大していることなどが挙げられております。
そこで、県内においてもこの問題について何らかの対応が必要と思いますが、次の点についてお伺いいたします。
平成23年度から新学習指導要領が全面実施ということになって、現在この過程にあるわけでありますが、この全面実施に伴う授業時数の増加によって過密な週時程を余儀なくされ、児童生徒及び教員の負担が増大していると思われるわけですが、県教委としてどのように受けとめているのか、まずお伺いいたします。
46 ◯小林参事(学校教育課長)
お答えいたします。
年間総授業時数は、学校教育法施行規則において標準として規定されており、学校週5日制を前提として定められているものであります。
委員御指摘のとおり、新学習指導要領が全面実施となりますと、小学校では低学年で週2時間、中・高学年及び中学校では週1時間、授業時数が増加することとなります。
しかしながら、文部科学省の調査によりますと、平成20年度、本県小中学校では既に同程度の総授業時数を実施しており、新学習指導要領が全面実施される平成23年度以降においても対応可能なものと認識しております。
なお、本県においては、本年度から「教師が子供に向き合える学校づくり推進事業」を実施し、学習指導や生徒指導等のため、教師が子供により向き合えるよう、従来の枠組みにとらわれず、新たな視点で学校運営の見直しを図る取り組みを行っているところであります。
県教育委員会といたしましては、各学校が地域の状況や児童生徒及び教員の実態を十分考慮しながら新学習指導要領に基づいた教育課程を適切に実施するよう、引き続き指導・助言をしてまいります。
47
◯川村委員
平成23年度からの新指導要領完全実施に伴って、県教委としては十分対応が可能だという力強いお答えをいただきました。
そこで、小中学校において土曜日にも授業を実施することが望ましいという声があるわけでありますが、県内において小中学校で土曜日に授業を実施しようとした場合に、その手続というのはどうなるのかについてお伺いいたします。
48 ◯小林参事(学校教育課長)
公立学校においては、学校教育法施行規則により、土曜日は休業日と規定されており、授業をしない日となっております。
しかしながら、同規則において「特別の必要がある場合は、この限りではない」とされており、土曜日に授業を実施することについては、小中学校及び設置者である市町村教育委員会の判断によることとなっております。
そのため、校長が教育上必要であると判断した場合には、学校週5日制の趣旨を十分踏まえながら、保護者や地域の理解を得られるようにしまして、年間指導計画に位置づけた上で、あらかじめ市町村教育委員会に届け出等をすることになっております。
以上でございます。
49
◯川村委員
土曜の授業については、学校がその必要を認めた場合には、各市町村教育委員会で許可をすれば実施できるんだということで理解をいたしますが、この学校5日制が実施されて7年が経過をするということになります。私は、その成果がどうであったのか、課題、問題点もあると思うんです。そういったことについて検証する必要があるんではないかというふうに考えるんですが、これまで、県教委として、いわばこれまで実施をしてきた週5日制に対する成果あるいは課題といったものについて取りまとめをしたことがあるのか、ないとすれば、これからそういうことをお考えになるつもりはないのか、この点についてもあわせてお聞かせいただければと思います。
50 ◯小林参事(学校教育課長)
具体的な調査というのは行っておりません。
この学校週5日制でございますけれども、家庭、地域と協力しながら、連携しながら、子供に社会体験とか自然体験とかを行わせましょう、主体的な時間をつくりましょうということで始められたものでございます。子供たちが、いわゆる、みずから学び、みずから考える力とか、豊かな人間性、たくましく生きる健康な体など、その種の生きる力をはぐくむためのものでございますけれども、市町村教育委員会、それぞれの学校とともに、そういう趣旨の実現に向けた取り組みをしていきたいというふうに考えております。
51 ◯田村教育長
御承知のとおり、学校週5日制は、そのときの社会的な要請、背景等があって導入されたわけでございますが、その一つとして、子供たちにゆとりを持たせながら、自分で社会体験だとか自然体験をやりながら、生きる力だとかそういうものをはぐくませていこうと、そういう大きな趣旨があるわけでございます。
したがいまして、新学習指導要領等さまざま──今度は23年度から導入されると。しかも現行の学習指導要領がございますが、その趣旨につきましてはやはり尊重していくべきものと考えております。
基本的には、やはり子供たちは、さまざまな社会、いろんな環境の中で成長していくわけでございますので、その中でたくましく育っていくということになりますと、先ほど申し上げましたように、そういう社会体験だとか自然体験をどういう形で子供たちにやらせていくかということもまた我々のやらなければいけない大きなことと考えておりますので、そういう意味では、この週5日制というものを最大限活用しながら、かつ学力をつけていくと。また、一方ではそういう課題もありますので、それについても学校を指導していきたいと考えます。
52
◯川村委員
最後、要望ということになると思いますが、これは国の施策でありますので県がどうこうということではないと思うんですが、今、教育長からお話がありましたように、学校週5日制を導入した趣旨というのがあるわけでありまして、そのことが──今ちょうど7年が経過しようとしていると。7年がいいのか10年がいいのかは別といたしましても、いずれかの時期にその趣旨が十分生かされているかということを検証してみる必要もあるんではないかと。その中に新たな課題があるのであれば、取り組みをしていくことも必要ではないかと思うんです。そういう点では、検証という部分について、これから県教委としてぜひ検討をしていただきたいということを要望して終わりにしたいと思います。
53 ◯三橋委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもちまして
教育委員会関係の審査を終わります。
以上をもって
文教公安委員会を終了いたします。
○閉 会 午後 0時13分
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