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  1. 佐賀県議会 2017-12-12
    平成29年文教厚生常任委員会 本文 開催日:2017年12月12日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時 開議 ◯宮原委員長=ただいまより文教厚生常任委員会を開催いたします。  これより質疑に入ります。通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◯木村委員=皆さんおはようございます。公明党の木村雄一でございます。  それでは、早速、所管事項につきまして順次質問に入らせていただきます。  最初の質問であります介護職員の離職防止についてお伺いをいたします。  人口減少社会に突入している我が国、そして、我が県におきましては、あらゆる職種の慢性的な人手不足が深刻化をしてきております。  今回、私は介護職についてのみ取り上げさせていただくわけでございますが、かつてきつい、汚い、危険のいわゆる三K職場の代表でありました建設業界の従事者数についても、二十年前の平成九年のピーク時と比べまして二七%減少しており、仕事はあるのに人が足りないとの声が多発していると聞いております。  そこで、若者離れを食いとめるために、危険な作業はロボットに担わせるなどの無人化、機械化でイメージアップを図ることや、さまざまな対策が行われているようであります。  介護職につきましても、団塊の世代が全て七十五歳以上になる二〇二五年に、県内では約六百名の人材が不足すると推計をされており、今後、住みなれた地域で必要な医療・介護サービスを受けられるようにする地域包括ケアシステムの安定構築に深刻な事態を与えることも予想され、今後、人材を確保していくためには、参入促進の取り組みとともに、今、従事している方の離職を防止する取り組みもますます重要になっていくものと考えております。  しかし、現場に行きますと、移乗介助、入浴介助、排せつ介助などの身体介助によりまして、腰部への過重な負担がかかり、腰痛を発症して離職を余儀なくされる方も多いと聞いております。  ここで、この点に注目した高知県におきまして、介護職員の身体的負担と利用者の二次障害を防止するために、持ち上げない、抱え上げない、引きずらないというノーリフティングケアノーリフトケアとも言うそうでございますが、県を挙げて推進をしているということでございます。ここにその普及啓発のチラシがあるわけですけども、(資料を示す)わかりやすく図にして、あらゆるところにお配りをなさっているということでございます。要は抱えない介護を目指すということで、これが大変重要だという認識のもとで行政が先頭に立ってやっているという話です。  先ほども少し申し上げましたが、この方法につきましては、いわゆるリフト、つり上げですね、それとか、スライディングシートという滑りやすい板を使って、そういった福祉機器・用具となるそうですけれども、職員の方がこの介助の際に被介護者の方を持ち上げることをやめるという取り組みでありまして、このことによって身体的な負担を軽減することを目的としております。  一方で、この福祉機器の活用によりまして、被介護者である高齢者の皆さんの負担も減りまして、抱えられることへの不安から介助される側が緊張して、関節の拘縮や皮膚が損傷するリスクも避けて、また褥瘡、いわゆる床ずれですね、これを予防する効果もあるというふうに聞いております。  本来は、先ほど触れたように、こういった取り組みというのは業界、先ほど建設業界の話もしましたけれども、業界の話かもしれませんが、介護人材の獲得というのは、先ほどの地域包括ケアシステムとの関連もありますので、その認識のもとに質問をさせていただきたいというふうに思っております。  ここに公益財団法人介護労働安定センターがまとめた平成二十七年十月からの一年間で全国の介護職員の一六・七%が退職をしたとの調査結果が示されております。これは前年度離職率よりも〇・二ポイント悪化しておりまして、全産業平均の一五%という数値をも上回っているとのことであります。  この調査では佐賀県の場合、離職率は一七・一%というふうに示されております。これまで本議会では賃金などの処遇改善の取り組みは何度も取り上げられておりますので、私はこの労働環境の面に絞ってお伺いをいたします。  県内の介護職員の方々において、腰痛等の身体的負担により悩みを抱えている方はどの程度おられるのかお示しいただけますでしょうか。 3 ◯松尾長寿社会課長=お答えいたします。  先ほど御紹介ありましたけども、介護労働実態調査は、介護事業所における介護労働の実態及び介護労働者の就業の実態等を把握し、介護労働者の働く環境の改善と、より質の高い介護サービス提供の基礎資料とするため、公益財団法人介護労働安定センターにおいて実施されている調査でございます。
     最新の調査結果は、平成二十八年度となっておりまして、佐賀県の調査結果につきましては、無作為に抽出された介護保険事業所の介護職員百九十八名から得られた回答の結果となっているところでございます。  この調査の中で、「働く上での悩み、不安、不満等について」の項目がございまして、二六・三%の方が「身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)」と回答されている状況でございます。  以上でございます。 4 ◯木村委員=今、佐賀県でお答えいただいた企業数というのは少なかったかもしれませんけども、ある程度の傾向性がこれでわかるというふうに思っております。  今の数字の中で、特に詳しく見ていきますと、介護の従事者の方にもいろんな形態があって、訪問介護をやっていらっしゃる方と施設で介護をなさっている方では、やはりこの数値にも違いが出てくるんじゃないかなというふうに注目してこの結果を見させていただきました。単純に考えて、連続して施設内では複数の方を同じ方が長時間抱え上げたり、そういった仕事をなさるわけであります。訪問介護については、移動もありますので、そのインターバルの違いによっても、この腰痛の不安とか不満が、度数が変わってくるんじゃないかなというふうにも思っているところです。  そういったことで、腰痛というところでちょっと注目をした議論になるんですけども、実際これだけの方が不安を抱えておられるということでありますが、腰痛は病ではありませんので、いわゆる職業病だからしようがないということで我慢をして勤務を続けておられる方が相当おられるんじゃないかなというふうに思います。ただ、我慢して仕事をしていただくと重症化をして、やがて働きたくても働けないという事態を心配している声もたくさん私のもとにも入ってきております。  そういった意味では、今回、高知県のようなノーリフトケアの取り組みというのが介護従事者の離職防止のために非常に有効な取り組みではないかと考えております。県として、この高知県の取り組みについてどのようにお考えでしょうか。 5 ◯松尾長寿社会課長ノーリフティングケアの取り組みについてということでお答えさせていただきます。  地域包括ケアシステムの構築に向けまして、介護サービスの基盤となる介護人材を安定的に確保していくことは喫緊の課題であるというふうに認識しているところでございまして、人材を安定的に確保していくためには、人材の参入を促す取り組みとともに、離職を防止し、介護現場に人材を定着させていく取り組みをあわせて行っていくことが重要であると考えておるところでございます。  先ほど答弁いたしましたけども、介護労働実態調査においての数字でございますが、二六・三%の介護職員の方が「身体的負担が大きい」と悩み、不安を抱えていることから、このことが離職につながる可能性がある要因の一つということになっているのではないかと認識しておるところでございまして、介護職員の身体的負担を軽減するための取り組みを行っていく必要があるというふうに考えているところでございます。  その取り組みの一つとして、現在県では、介護職員の身体的負担軽減につながる介護ロボットの導入に向けた普及啓発などの取り組みを実施しているところでございます。  委員から御提案ございました身体介助等のケアの際に、抱え上げをしないノーリフティングケアにつきましては、県といたしましても、介護職員の腰痛等の身体的負担を軽減するとともに、高齢者の拘縮や褥瘡などの予防にもつながっていくものであり、県内の介護事業所において、一人一人の介護職員がそういったケアの意識を持ちながら身体介助等を行うことで、離職の防止につながっていくものと考えております。  このため、今後、福祉機器・用具等の普及啓発等を実施している在宅生活サポートセンター「さがサポセンターいきいき館」に寄せられる意見や介護関係団体等の意見も聞きながら、県内の介護事業所において、抱え上げをしないノーリフティングケアという意識が高まるような取り組みにつきまして検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 6 ◯木村委員=ぜひ前向きに検討をしていただきたいというふうに思います。  今、御紹介いただいた在宅生活サポートセンター「さがサポセンターいきいき館」に、実際私も先日行ってまいりました。ここで先ほどから御紹介をしているノーリフトケアを実際に体験させていただいたんですけども、前提として、この介護方法には三つのアイテムが必要だということもわかっております。高さが調節できるベッドと、それから、車椅子におきましては肘かけの部分が取り外せるか可変式のものであること。それと、スライディングボードという板ですね、この三つが必要だということでございました。上半身を自分で動かせる方であれば、私も実際やりましたけれども、十分自分で車椅子とベッドの間を移動できるということを確認させていただいたところであります。  ここのセンターの方にお話を伺いますと、まだ行政関係の視察が余りないということで、ぜひとも本委員会におきましても視察をしていただくなり、委員の皆様にも体験をしていただくことが必要ではないかなというふうに思ったところであります。  また、家庭におきましても、ある日突然介護が始まるということもございますので、経験をしておけば、心理的な負担の軽減につながるのではないかなというふうにも思ったところであります。  そもそもでございますが、介護保険法第一条には「自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行う」とされております。一度介護状態になったからそのままということではなく、動かせるなら動く部位はなるべく動かして、できる動作をふやしていくことも必要になってまいります。これまでのように、抱えていくことが前提での介護では、この趣旨に逆行するといいますか、介護等級を上げる要因になっていくとのお話もお聞きしたところです。そういった意味では、介護する側、される側の両方にとって有意義な方法だと感じたところであります。  腰を痛めない持ち上げ方というのは、あちこちで私も見聞きしたことがあるんですけれども、やはりこれを連続して行う作業ということになれば、やはり心理的、また身体的な負担が増していくんではないかなということで、高知県のような取り組みが佐賀県内全体で広がっていくことを期待するものでございます。  昨今、人材不足によりまして、かつて従事者が限定されていた職種、例えば、冒頭触れました建設業におきましては、女性職員の活躍を推進して、入職から定着、就労継続への切れ目ない支援が始まっていると聞いております。結婚、出産、育児といった家庭との両立に絡む理由から離職をした人についても復帰をしやすくするために、復職サポートが行われております。  介護の分野でもそうした支援策は既にあると聞いておりますけれども、もう一歩進んで、愛着ある職場で働いておきながら、例えば、がんなどの病気によって、重度な病気で休職したとしても、今、がんサバイバーの方の就労の問題がありますけれども、こうした方々も身体的な負担が減れば、職場復帰が可能になるんではないかなというふうにも考えております。  先ほど少し御紹介がありましたけれども、介護ロボットの導入事業についても、市町とか全国の自治体でなさっているところもあるようですけども、現場で聞いた話では、まだまだ開発途上の機械であって時期尚早ではないかとか、使い勝手が悪いから導入しても使う人がなかなかいない状態になるんじゃないかという話も伺いました。  また、従事者の方に聞きますと、抱え上げがいけないことは以前から実はわかっていたけれども、そういった時間もないし、人を物で動かすということに対して抵抗感を持つ人も多いというふうに聞いています。  まずはそういったことで、ロボットの補助という方向も大事ですけども、先ほど紹介した安価なスライディングボードとか、あと軽微な器具の導入補助、意識啓発の講習会支援とか、そういったソフト面の支援がまずは大事なところではないかなというふうに思います。  そこで、県では、こういったノーリフティングケアに限らず、処遇の改善など総合的な取り組みを含めて、離職者の防止対策について、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 7 ◯松尾長寿社会課長=お答えいたします。  介護職員の離職を防止し、人材の定着を図っていくためには、離職の原因となることが考えられる介護職員の悩みや不安等を可能な限り解消していく取り組みが必要でございます。  介護労働実態調査において、「働く上での悩み、不安、不満」といたしまして、「身体的な負担が大きい」ことのほか、「仕事の内容の割に賃金が低い」、「有給休暇がとりにくい」、「業務に対する社会的評価が低い」なども上位となっていることから、処遇面や労働環境の改善、介護職の社会的な評価を高める取り組みなどを総合的に行っていく必要がございます。  このため県では、処遇の改善という面においては、介護報酬に設けられている介護職員処遇改善加算の取得促進を図るため、事業所への専門家、社会保険労務士でございますけども、派遣事業を行っております。  労働環境の改善という面では、事業所の管理者等を対象といたしまして、労務管理や職場環境改善に資するセミナーを実施しております。  介護職の社会的な評価を高めるという面では、今年度より、テレビ等のメディアを通して、介護の仕事の魅力等を伝えていく取り組みを実施しているところでございます。具体的に紹介させていただきますと、毎週火曜日夜九時五十四分から、サガテレビにおきまして、県内の介護職員等にスポットを当てまして、介護の魅力を伝える三分間のテレビ番組を実施しているところでございます。  また、これらに加えて、資格を取得している方は無資格の方と比べまして離職しにくいということもありますことから、介護職員初任者研修の受講補助などの資格取得の支援も行っているところでございます。  今後もこういった取り組みを引き続き実施し、介護職員の離職防止にしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 8 ◯木村委員=ありがとうございました。  先ほど何回か触れました実態調査の中では、このやめた方の離職理由というデータもありまして、一番多かったのが実は職場の人間関係と、どこの職場もそうかもしれませんけれども、よく見ていくと二八%の方がそうお答えになっているんですけども、やはり円滑な人間関係がなければ、きつい作業も単独で行うことが多くなるというお話も伺いました。例えば、先ほどの抱える作業につきましても、複数でやれば軽く済むものを、一人でやるもんですから、腰痛とか、または介護される人の転倒とか、そういった二次被害にもつながっていくというふうによく言われております。ぜひとも環境改善のために、県が主導して市町や団体の皆さん、業界の皆さんと連携をして、普及啓発にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  それでは、大きな項目の二項目め、児童心理治療施設について質問させていただきます。  私は九月の一般質問におきまして、社会的養護に関する質問をさせていただくに当たり、実際に現場に携わっておられる方のお話を伺うために、県内の児童養護施設に伺い、親の虐待やネグレクト、面前DVなどの影響から、心に深い傷を負った子供たちのケアをしておられる心理療法担当職員の方にお会いする機会に恵まれました。  その職員さんに、施設の中にあります児童の話を徹底して聞くための部屋というところに案内をしていただき、その部屋の中に置いてありますたくさんのおもちゃを見せていただきました。人形や動物、橋や道路標識、ジオラマというんでしょうか、近隣の町の風景を形づくれるほどの本当にたくさんのおもちゃがありました。棚に整然と並べられたそのおもちゃ一つ一つに意味があり、それらを児童が手に取って選んで箱に並べていくことで、心理を読み取り、ケアをしていくという箱庭療法について説明をいただきました。恐らく幼い命にとっては余りにも重過ぎる経験をしたがために、自分の思いをうまく口にできない子がいるということを現実に知りました。  ネグレクトを経験した子供に対しては、テレビゲームで対戦をして、徹底して負けてあげるんだそうです。親の愛情や関心を感じることができなかった子供さんというのは、自己肯定感を喪失していて、こういったことも心理状態を回復させる大事な治療だということ。  また、性的虐待を含む身体的な虐待を受けた子が教職員との信頼関係を築くまでに示す行動として、リミットテスティングという行動をすることも教えていただきました。これはどこまでやったら叱られるかということを試す行動だそうで、先生いわく、要はどこまでやったら、なれ親しんだ虐待関係が出てくるかということを確かめようとするんだというお話でありました。ひどく挑発的な言動をわざとしたり、叱られるような行動をわざとするそうです。  こうした児童の行動の裏に隠されている心理を酌み取って、心の平静を保ってあげることの重要性をますます感じたところであります。  そうした中で、こうした児童への心理的治療を行う児童心理治療施設が来年四月に唐津市に開設をされることになり、これまで専門の施設の設置を求めてきた教育関係者、保護者など多くの県民が喜んでいるところであります。もちろん地元唐津市民も施設への期待を膨らませているところでございますが、一方で、この施設がどのような施設で、どのようにすれば利用できるのかについて余り知られていないというのも事実であります。  今回、民設民営で佐賀整肢学園さんが設置運営をしてくださり、仮称ではございますが、ホームページを拝見いたしますと、名前が表示されておりました。好学舎という、「好き」と「学ぶ」という字が入っておりましたけども、という名称の予定だそうです。  そこで、この好学舎についてお伺いをしたいのですが、この施設の治療措置を受ける対象となる児童とは、どのようなお子さんなのかお伺いをいたします。 9 ◯豊田こども家庭課長=対象児童についてお答えします。  施設の入所、通所の対象は、心理的困難や苦しみを抱え、日常生活に生きづらさを感じている子供たちであり、心理治療が必要とされる子供たちでございます。  具体的には、虐待を受けたことなどの環境上の理由により、ちょっとしたきっかけでパニックになる。自分の心を制御できず、暴言を吐く、暴力を振るう。自分の思いや感じたことを言葉にできないなど、社会生活への適応が困難な状態にあるため、長期にわたる特別な配慮と支援が必要な子供たちでございます。  以上でございます。 10 ◯木村委員=今、御説明いただいた専門的な治療を要するお子さんというのが、虐待件数の増加とともにふえておりまして、今この瞬間にも実はふえているんではないかというふうに大変危惧をするところでございます。  先ほど児童養護施設の話をいたしましたけれども、これまでそういった専門の治療施設はなかったということで、じゃ、これまではどのような措置をとられていたのかお伺いをいたします。 11 ◯豊田こども家庭課長=これまでの対応についてお答えいたします。  本県においても、児童虐待等により心理治療が必要であるにもかかわらず、県内に入所、通所により心理治療を行う専門の施設がないために、やむなく、児童相談所では優先的に治療が必要な児童については、県外の心理治療施設に入所措置をしているほか、県内の児童自立支援施設児童養護施設へ入所措置をしたりしておりますが、在宅で生活し、医療機関に定期的に通院している子供も多いところでございます。  以上でございます。 12 ◯木村委員=県外とか児童養護施設、また、在宅の方もおられるという話でございましたが、いろんな方にお話を聞きますと、私の地元、私が住んでいるところの近くに虹の松原学園というところがございます。そこでも一部そういった方が通所とかという形でしょうか、正直申し上げまして、この学園が比較的素行の悪かった生徒さんが自立支援ということで、そこで学んでおられるという認識はあったんですけども、そこに一部そういった心理治療を要する方もいらっしゃるということは私は知りませんでした。  先ほど申し上げましたが、そうした今までなかったところに通うことになる、一定期間そこで生活をすることになるお子さんの話に戻りますけれども、どういった手続を経て、入所、通所になるのかということを最近保護者の方や御家族の方から尋ねられることもふえてまいりました。  そこでお尋ねしたいんですけども、具体的な手続について御説明をいただけますでしょうか。 13 ◯豊田こども家庭課長=施設への入所、通所の手続についてお答えいたします。  児童心理治療施設への入所や通所は、児童福祉法の規定に基づく入所措置によって行われることとなっております。  具体的には、児童相談所において、子供の保護者や関係者から相談を受け、子供の性格や行動上の問題を具体的に把握、分析する社会診断。虐待が発達や心理にどのような影響を受けたかなどを心理学的見地から診断する心理診断。必要に応じ、心身の状況を医学的な面から詳細に捉える医学診断などを実施し、児童心理治療施設による治療や支援が必要との処遇方針を決定いたしまして、施設への入所や通所措置となります。  以上でございます。 14 ◯木村委員=いろんな治療を経て、手続というよりも、児童相談所の措置をとっていただくということだというふうに理解をいたしました。  今、佐賀県の中央児童相談所の児童虐待対応件数というものがよく一般質問でも取り上げられましたけれども、平成二十七年度は二百三十七件、平成二十八年度、昨年が二百七十五件というふうに私は理解しているんですが、依然としてふえていっていく中で、やはりこの治療を要するお子さんたちの数も今後ふえていくことが予想されております。  そこで、このふえていくことに対応できるかどうかについてちょっと確認をしたいんですけれども、今回できる施設の定員数についてはどのようになっていますでしょうか。 15 ◯豊田こども家庭課長=施設の定員についてお答えいたします。  児童心理治療施設には入所と通所がございまして、入所は今の環境では家庭や学校で生きづらさを感じている子供に安心できる生活の場を提供するもので、定員は三十人を予定しております。  一方、通所は子供が現在の在宅で生活を送ることができる状況にあり、家族とともに通所でき、集団療法などの施設の機能を生かして治療を行うもので、定員は十人を予定しているところでございます。  以上でございます。 16 ◯木村委員=入所が三十名、通所が十名ということでございました。  では、次に職員体制についてお伺いをしていきたいと思いますが、この定員数に応じた専門的な資格を持っている職員数の配置については何人を予定されておられますでしょうか。 17 ◯豊田こども家庭課長=職員の体制についてお答えいたします。  施設では、生活場面、集団場面、治療場面のさまざまな場面で専門の知識を持った職員が配置されて支援するよう、国の基準において規定されております。  施設の設置運営を行う社会福祉法人佐賀整肢学園におかれましては、施設長一名、虐待を受けた子供の個別面接を行う職員一名、児童の早期家庭復帰や里親委託などのため保護者に対する相談援助を行う家庭支援専門相談員一名、子供の心身や健やかな成長とその自立を支援する児童指導員九名、子供の生活をケアする保育士三名、虐待等による心的外傷等のための心理療法を実施する心理療法担当職員八名、看護師一名の合計二十四名を配置する予定と聞いているところでございます。  さらに、運営法人の医師なども加わりまして、子供たちにとって最善の心理治療支援が行えるよう体制を整備されることとなっております。  以上でございます。 18 ◯木村委員=それぞれの資格を持った方をそれだけの数配置をしていただくということで、しっかりとした体制ができているというふうに認識をしたところでございます。  この施設で治療を受けられる児童の方というのは、地元や親元を一定期間離れることになるわけでございます。その間、学校教育を受ける機会を確保するために、県立唐津特別支援学校の分校が併設をされるというふうに聞いております。この学校の教員配置数はどのようになっていますでしょうか。 19 ◯青木教職員課長=教員の配置についてお答えします。  施設に入所する児童生徒の教育を担う学校として、来年四月から県立唐津特別支援学校の小学部、中学部の分校を開校する予定であります。  教員の配置については、四月当初在籍する児童生徒の数、学級数及び障害種をもとに、国の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員の定数の標準に関する法律によって算出された教職員定数に準じて、配置する教員の数を決めることになります。  以上でございます。 20 ◯木村委員=まず、四月の時点で、先ほどの基準に照らして配置数は決まるということでございました。先ほどから申し上げておりますけれども、この虐待件数がふえていくことに伴いまして、治療が必要な生徒さんが今後ふえていくことが予想されます。したがいまして、年度の途中において入所することになる児童にも対応していくことが必要になっていくと思っておりますが、この学校教員の弾力的な配置についてはどのように考えておられますでしょうか。 21 ◯青木教職員課長=年度中途で入所した場合の対応についてお答えします。  今回の施設入所の対象は、心理的困難や苦しみを抱え、日常生活に生きづらさを感じている子供たちであり、心理治療が必要とされる子供たちと聞いておりますので、年度中途に児童生徒がふえるなど、新たな学級を設ける必要が生じた場合は、学校の状況を把握し、必要に応じて加配するなど弾力的に対応していきたいと考えております。  以上でございます。 22 ◯木村委員=弾力的な配置についても考えておられるということでございましたので、私もいろいろ聞かれておりますので、ふえた場合にもしっかりと御対応いただけるんだというふうに、お答えをしていきたいなと思います。  今までこの施設の体制、中身についてお伺いをしてまいりました。恐らく今回の開設に当たりまして、県内初の児童心理治療施設ということもありますので、他県の施設等を相当研究をして準備に当たられたのではないかなというふうに思っております。ようやくできるこの施設が安定をして運営をされていくことが今後さらに求められていくと思うんですけれども、県として、この民設民営の施設にどのようにかかわっていかれるおつもりかお伺いをいたします。 23 ◯豊田こども家庭課長=今後の県のかかわりについてお答えいたします。  子供たちが、この施設で適切な治療や生活支援を受け、学校や地域社会での生活に適応できる状態になることを期待しているところでございます。  こうした特別な支援を要する子供たちに対応する施設におきましては、安定的な施設運営のため、施設開設から当分の間は入所や通所の受け入れ人員を計画的に行う必要があると考えております。  このため、施設開設当初は、まだ職員の経験も蓄積されていないことから、徐々に子供たちを受け入れながら、職員自身もスキルアップをしていくことが大切でございます。  具体的には、施設の受け入れ体制も見ながら、入所や通所の子供たちをふやしていくよう努めていくこととしております。  また、施設職員を専門の研修機関や先進施設へ派遣して研修を受けてもらったり、専門講師を招聘しての施設内研修などを実施することにより、優秀な人材の育成を図るため、開設前ではございますが、県として平成二十九年度は、職員の資質向上のための研修への支援を行っているところでございます。  県といたしましては、こうした取り組みを通しまして、施設が定員どおりの児童を受け入れることができるように支援し、施設の安定的な運営につながるようにかかわっていきたいと考えております。  以上でございます。 24 ◯木村委員=治療を受ける子供たちとともに、施設の体制についても一緒に成長していくという、徐々に成長を見守っていくという角度の御答弁だったかなというふうに思います。  ここでちょっと通告はしていないんですけども、実は男女参画・こども局長さんにちょっとお伺いをしたいんですが、この全国児童心理治療施設協議会という団体のホームページを昨日拝見いたしました。そこで地域関係機関との連携協力についてという記述がありまして、施設によっては、地域の方に不適応を示している子供たちについて広く理解をしていただくために、シンポジウムや研修会を開催して、地域のいろんな行事に施設を開放しているところもあるというふうに紹介をされておりました。また、子供たちが地域行事に積極的に参加をして社会性を身につけることにも取り組むと。  冒頭で触れましたけれども、好学舎の建設されている唐津市の久里という地域におきましては、整肢学園さんが既に唐津医療福祉センターという施設を設けております。なので、長年運営なさっていることも影響してか、単なる建て増しだろうという認識の方もたくさんおられました。特段専門的な施設ができているという認識がない方も結構おられます。  そこで、プライバシーの問題は重々承知しているつもりでありますけれども、地元の皆さんへの説明会等の開催、また、今後の地域とのかかわりについて、どのような御所見をお持ちかお伺いをしたいと思います。
    25 ◯川久保男女参画・こども局長=御質問にありましたように、佐賀整肢学園さんは長年地元とのやはり関係を築いてこられているというふうに承知しておりますので、新しいこういう施設をつくるに当たりまして、当然そこのところは地元に子供たちのこと、それから、施設の概要について御理解を得た上で進めていかれるものというふうに思っております。  まだ施設も建設中でございますし、具体的にそれをどのように今後整肢学園さんのほうが進めていかれるのかというふうなことにつきましては、具体的にはちょっとまだお伺いはしておりませんけれども、そうしたことも必要というふうなことは県のほうからも整肢学園のほうにお話をさせていただきまして、もちろん法人としてはお考えだとは思いますけれども、地元の皆さん等の理解を得ながら、この施設が円滑に運営されていくように、県としてもいろんな助言や支援をしてまいりたいと思っております。  以上でございます。 26 ◯木村委員=ありがとうございます。ぜひ地域の方も温かなまなざしで、この施設の成長を見守っていただける関係が構築できればというふうに思っております。  それでは、次の質問に移らせていただきます。  三項目めの働き盛り世代の健康増進についてお伺いをいたします。  憲法二十七条には、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」とあります。職種や役職によってもちろん幅はあると思いますが、一生で働く時間というものは一人の人生の約六分の一を占めるというお話があります。できれば、その時間を心身ともに健やかに過ごすことができれば、この上ないことだというふうに考えております。  私は、病気の発症を予防することや、万が一病気になっても重症化をさせないなど、ふだんから健康増進に取り組めば、現役を引退してからも社会で活躍できる、いわゆる健康寿命の延伸につながり、その結果として、本県の重要課題となっております医療費の適正化にも貢献できるのではないかと考えております。  現在、私もいわゆる働き盛りの世代に属しております。かつて十数年間、民間企業の社員として勤務をしていたころ、責任あるポジションで勤務するようになりますと、休日や時間外の対応は当たり前という社風といいますか、職業倫理のもとで、日々のことに追われ、なかなか個人で健康に留意した生活を心がけるのは難しいものがあり、無理が高じて入院をした経験もあります。  そのように、自分や家族、知人などが体調を崩したときに立ちどまって考えれば、元気に働ける日常生活というものが決して当たり前のことではなく、健康な体に裏打ちされた上での生活なのだということを実感するわけであります。  佐賀県におきましては、平成二十四年度に第二次佐賀県健康プランを策定され、県民の健康増進に取り組まれていると聞いておりますが、まずお尋ねをいたします。  佐賀県で策定したこの第二次佐賀県健康プランの内容についてはどのようになっているのかお示しいただけますでしょうか。 27 ◯八谷健康増進課長=佐賀県健康プランの内容についてお答えします。  第二次佐賀県健康プランは、平成二十四年七月、健康増進法に基づく国の基本的な方針が改正されたことに伴い策定いたしました県の第二次健康増進計画であり、平成二十五年度から平成三十四年度までの十年間を計画期間としております。  このプランでは、少子・高齢化の進展や糖尿病、がん、心臓病、脳卒中など生活習慣病が増加している状況の中で、「共に支え合い、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会の実現」を目指すこととしておりまして、基本的な方向といたしまして、健康寿命の延伸と健康格差の縮小。主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防。乳幼児期から高齢期までのライフステージに応じた心身機能の維持及び向上。健康を支え、守るための社会環境の整備。栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善という五つの項目を定めておるところでございます。 28 ◯木村委員=総じて県民が健康増進に取り組みやすい環境を整備する取り組みとか、がんや糖尿病といった生活習慣病の発症予防、また重症化の予防も通じて健康寿命の延伸に取り組んでおられるというふうに理解をいたしました。  では、このプランに沿ってですけれども、県でこれまでどのような取り組みを行ってこられたのかお伺いをいたします。 29 ◯八谷健康増進課長=佐賀県健康プランの取り組みについてお答えいたします。  県では、プランの五つの基本的な方向に沿いまして、さまざまな取り組みを行っているところでございます。  中でも、生活習慣病の有病率は年々増加していることから、生活習慣病の発症予防を重要な取り組みと考えており、具体的には、まず栄養・食生活分野では、栄養表示やバランスのとれたメニューを提供する健康づくり協力店の周知や野菜摂取の増加を目指した普及啓発。身体活動・運動分野におきましては、ロコモティブシンドローム、通称ロコモと呼んでおりますが、運動器症候群でございますが、この認知度を上げるための普及啓発や手軽な運動の実践例としてのウオーキング大会開催。たばこ対策におきましては、禁煙・完全分煙認証施設の指定や県内の全小学六年生、中学一年生を対象とした防煙教育などに取り組んでいるところでございます。  また、生活習慣病対策といたしましては、今申し上げた発症予防とともに、重症化予防も重要と考えております。  特に糖尿病については、重症化した結果、糖尿病性腎症になり人工透析が必要となることから、未受診者に対する受診勧奨や病状に応じた適切な治療について、医療機関、保険者、市町などと連携しながら取り組みを進めているところでございます。 30 ◯木村委員=今御説明いただいた中で、生活習慣病の予防という話もあったかと思います。この病に罹患しやすいのが、いわゆる働き盛りの世代だというふうに思っております。この方々が万一罹患したならば、今御説明もありましたが、治療や入院で医療費がかかりまして、休業や退職となったときには求人難の中で人員の補充もできず、他の従業員の仕事量がふえて体調を崩す社員が出るなどの悪循環に陥ることにもなりかねません。  ここで日本の労働者の就業構造について触れておきたいと思うんですけれども、平成二十六年の経済センサス基礎調査によれば、全体の従業員数四千七百九十四万人に対して大企業にお勤めの方が千四百三十三万人、中小企業で三千三百六十一万人と出ておりました。したがいまして、従業員の七割は中小企業に従事をなさっているということになります。  多くの働き盛りの世代が従事する中小企業におきましては、特に従業員の健康増進は今や無視ができない状況にございます。また、大企業にとっても社員をがむしゃらに長時間働かせるんではなくて、いかにして生産性を向上させて、短時間で効率的な働き方ができるかに重点を置いていると聞いております。健康的な社員こそ健康的な会社の礎で、社員の健康管理は経営課題であるとの視点が重要視されているというふうにも伺いました。この考え方を健康経営というふうに言うそうであります。従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する経営手法のことだということであります。  企業の考え方に基づいて、この従業員の健康への投資を行うという考え方ですけれども、これが従業員の活力の向上とか、ひいては生産性の向上、また組織の活性化にもつながるということで、もっと言いますと、結果的に業績が上がって、株価が向上をしていくという考え方もあるそうです。積極的に、そうしたことで社員の健康増進に取り組む企業が出始めているという報道も目にしたところであります。  先週のニュース番組で、ちょうどこの問題を取り上げておりまして、東京の大手不動産会社が社員の健康を図る指標として肥満度を図る指標、BMI値というものを採用して、全社員の数値の適正化を目指して、生活習慣の改善に取り組む半年間の研修プログラムを実施して、実際に受講した社員の中に十キロから二十キロ減量に成功した社員もいると報道をされておりました。  この会社は、経済産業省と東京証券取引所が主催をいたします健康経営銘柄に認定されたとも紹介をされておりました。この東京証券取引所の上場企業の中から、従業員の健康管理を経営的な視点と捉えて、戦略的に実践をして企業を選定するという、一業種で一社が選ばれるという報道でございました。  実は先日、中小企業の加入者が多い全国健康保険協会、協会けんぽの方とお話をする機会がありまして、この健康経営について話題になりました。県内企業ではこの考え方がなかなか浸透しづらいというふうにおっしゃっておられました。なかなか従業員の健康にまで目を配るという意識が低いといいますか、本県でも働き盛りの世代が多く勤務をしておられるこの中小企業におきまして、健康増進が図られる機運が高まっていくということは大変私は重要なことだというふうに思っております。  そこでお伺いいたしますが、県でこの健康寿命の延伸のために働き盛り世代の健康増進についてこれまでどのように取り組んでこられたのかお伺いをいたします。 31 ◯野中健康福祉部副部長=働き盛り世代の健康増進の取り組みについてお答えいたします。  県としても、家庭、職場、地域で中心的な役割を担う働き盛り世代の健康づくりは、生活習慣病予防の観点からも重要と考えております。  そのため、地域と職域の健康づくりにかかわる関係者の連携強化を図るための会議開催や、企業など事業所のニーズに応じましてこちらから事業所に出向き、健康教育を行う出前講座等を行ってきたところでございます。  中でも出前講座につきましては、平成二十八年度、県内五カ所の保健福祉事務所が計二十五回、約千三百名の方々を対象といたしまして講座を実施いたしました。過去三年間の出前講座のテーマを見ますと、生活習慣病についてが最も多く二十二回、次いで肝炎、肝がんについて十八回、以下メンタルヘルスについてなどとなっております。  また、全国健康保険協会佐賀支部、先ほど御紹介ありました協会けんぽでございますけれども、協会けんぽが企業、事業所の健康経営推進の一環として進めておられます「がばい健康企業宣言」につきまして、今年度より県も連携して周知等について協力をしているところでございます。  以上でございます。 32 ◯木村委員=「がばい健康企業宣言」等も協力してやっておられるということでございました。  先ほどから御紹介しております健康経営についてでございますけれども、他県におきましては、青森県が先進的な取り組みを行っているというふうにお聞きしました。また、大分県におきましても、県と協会けんぽさんが連携をして健康経営の認定制度というものを実施して、優良事業所は県知事表彰があると、そういった実施も聞いております。この二県について、それぞれどのようなものかお示しいただけますでしょうか。 33 ◯野中健康福祉部副部長=他県での先進的取り組み事例についてお答えいたします。  青森県につきましては、四十代から五十代の働き盛り世代の死亡率が全国と比べて高く、生産年齢、十五歳から六十四歳までの人口の減少率が全国と比較して大きいこと。また、県内の事業所のほとんどが中小企業であり、従業員が健康を害することが会社にとって損失が大きいこと。こういったことを背景といたしまして、青森県におかれましては、平成二十九年度より、従業員の健康管理を経営的視点から考え、健康経営に取り組む事業所を認定し、インセンティブを与えることで事業所の取り組みを支援する「青森県健康経営認定制度」が創設されたと聞いております。  この制度の認定を受けますと、県のホームページ等で紹介されるほか、県入札参加資格申請時に加点されること。青森県特別保証融資制度が利用できること。県内金融機関による低利融資が利用できることなどのメリットがあるとされておりまして、十一月末現在、青森県内で三十八事業所が認定を受けていると聞いております。  また、大分県におきましては、全国健康保険協会、協会けんぽ大分支部と連携して、従業員の健康支援が会社の成長につながるという経営方針を掲げます健康経営事業所の認定制度を実施しておられます。  さらに、この事業所のうち、県下の事業所の模範となり、今後も継続した取り組みが期待できる事業所を優秀健康経営事業所として、その取り組みを県知事が表彰をされております。  平成二十九年一月末現在、大分県内では九百十六事業所が登録、二百九十二事業所が健康経営事業所の認定を受けており、このうち平成二十九年度は五事業所が優秀健康経営事業所として知事の表彰を受けているというふうに聞いております。  以上でございます。 34 ◯木村委員=二県の例を示してくださいましたが、自治体が今このように取り組んでいる背景には、やっぱりこの世代が健康を害することによって、将来的に寝たきりだとか重病による多額の医療介護サービスの受給対象者になることを少しでも軽減して、健康寿命を延ばしていきたいとの意図が感じられます。  本県でも、特にこの世代が多く勤務いたします中小企業の経営者が従業員の健康に対する意識がどうしても低いという状況もありまして、私は他県のように職場における健康増進に係る働きかけについて、佐賀県も大いに学ぶところがあるんではないかなというふうに思っております。  そこでお尋ねいたしますが、県ではこの働き盛り世代の健康増進について、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。 35 ◯野中健康福祉部副部長=今後の県の取り組みについてお答えいたします。  働き盛り世代は、職場だけでなく家庭、地域でも中心的な役割を担う世代であり、この世代の健康増進は生活習慣病予防の観点からも重要と考えております。  現在、県では、関係者の連携強化を進めるための会議開催や、企業など事業所への健康教育等の出前講座などを行っているところでございますが、今後は他県の先進事例も参考に、例えば、好事例となるような企業、事業所の表彰制度等の取り組みについて検討を進めるとともに、庁内においても産業関係部局など他部局とも連携しながら、働き盛り世代の健康づくりについてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 36 ◯木村委員=先ほど産業労働部とのお話もありましたけれども、他県のように何らかのインセンティブという話も大変参考にすべきところかなというふうに思います。入札の加算とか県の融資制度を活用しやすくすること、具体例がありますので、しっかり検討いただきたいなというふうに思います。  県議会の今回の陳情として、佐賀県商工会議所連合会さんから「健康経営を目指した中小・小規模事業者のための補助金の拡充等について」という要望が上がってきているようでございます。  この中では、健康経営を重視して、肝炎ウイルス検査の無料受診対象者の条件緩和、また、利用しやすい補助金の創設、拡充を求めていく内容となっております。また、率先して健康経営に取り組む事業者への表彰制度、また、表彰された事業者への補助金の新設も要望されているようでございます。  従業員の健康増進への取り組みがなかなか進まない中におきまして、こうした声が上がるということは働き盛り世代の健康増進につながる大変すばらしい要望だと私は思っているんですけれども、県内企業の啓発が大事であって、経営という視点では、先ほど来より申し上げておりますとおり、健康福祉部だけでは難しい面もあるのではないかと考えております。  そこで、最後にお尋ねいたしますが、藤原健康福祉部長に、例えば、他の部局との連携などを含めまして、健康経営の啓発活動、またこの商工会からの要望についての御所見も同時にお示しいただき、質問を終わりたいと思います。 37 ◯藤原健康福祉部長=私のほうからお答えいたします。  今回、働き盛りの健康増進という課題で取り上げていただきましたけれども、健康プランで掲げております、「共に支え合い、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会の実現」を目指すためには、やはりそのベースとなるものは健康であろうというふうに私としても思っております。  そして、今回取り上げていただきました働き盛り世代というものは、先ほど副部長からも答弁いたしましたけれども、職場だけでなく、家庭、地域でも中心的な役割を担う世代でございます。ですから、生活習慣病を発症してから、あるいは重症化してからではなくて、あらかじめ予防の観点から働き盛りの世代が、あるいは働き盛りの世代からしっかりと運動習慣であり、食生活であり、飲酒ですとか喫煙、そういった習慣など健康を意識した生活を送っていただくことが大切でありますし、そのためには委員からも御指摘ありましたけれども、庁内において健康福祉部だけではなく、産業、労働、教育、まちづくり、そういった他部局との連携も深めながら取り組みを進めていく必要があるというふうに考えているところでございます。  本当に健康というのは県民一人一人の願いでもございますので、行政において非常に重要な課題でございますし、また、委員から御紹介いただきましたけれども、産業界におきましても健康経営ということで非常に関心が高まっているというところでございますので、この健康増進の実現に向けては、県庁内の連携にとどまらず、企業であったり保険者、医療機関、学校、そういった幅広い関係者と課題認識を共有して取り組みを進めていく必要があるものというふうに考えております。  今後、今回委員からも御紹介いただきました先進的な他県の例も参考にさせていただきながら、また実際に陳情として上がってきている例もよく見せていただきながら、広く関係者が一体となって健康づくりに一つの県民運動として取り組めるように、県庁としても旗を振りながらやっていきたいというふうに思っているところでございます。 38 ◯中倉委員=自民党の中倉政義でございます。  私からは三点についてお尋ねをいたします。  まず、不登校対策についてでありますが、これについてはこれまで議会でも何回となく数多くの議員のほうから質問があっております。今議会におきましても一般質問で質問があっておりました。それに教育長の答弁においては、学校現場の経験も踏まえて、実例を交えて、そして学校と家庭と地域がしっかりと連携して取り組んでいかなければならないという答弁があっておりました。実は、私も全くそのとおりだというふうに思っておりまして、その具体的な問題について質問をしてまいりたいというふうに思います。  本年十月末、文部科学省から平成二十八年度の全国国公私立小中学校及び高等学校の不登校児童生徒数が公表されました。  少子化が続いているにもかかわらず、不登校の児童生徒数はふえている状況にあり、佐賀県においても同じであります。特に中学校では全国平均よりも高い状況にあります。  文部科学省の調査では、三十日以上の欠席が不登校の扱いになるということでありますが、この不登校の子供の中には三十日を大幅に上回って、そして例えば出席すべき日数のほとんどを欠席して、そして同級生が一度も顔を見たことがないという子供もいるんではないかというふうに思われます。  不登校の長期化は子供の将来にも大きく影響をするものであり、できるだけ早く学校復帰をさせるということが重要であろうかというふうに思っております。  そのためには、不登校になった要因が具体的にわかれば、これは解決がしやすいというふうに思いますが、本人もなぜ不登校になったのかわからなかったり、あるいは不登校であって、わかっていても言わなかったりする場合もあるわけでありますから、要因を特定することは大変難しいというふうにも思っております。  また、義務教育である小中学校と高等学校では、不登校の主な要因にも違いがあり、その対応についても違ってくるんではないかというふうにも思います。  いずれにしましても、子供が不登校になっている要因を早期に把握をして、その要因に応じた的確な対応が急がれるところであります。  現在、県教育委員会は、スクールカウンセラー等の専門家や、NPOを初めさまざまな外部人材を活用した不登校対策の事業に取り組んでおられますが、私はこのような外部人材の活用とともに、子供たちを小さいときから知っている身近な方々の協力を得るなど、地域との連携も必要というふうに考えております。  そこで、次の点についてお尋ねをいたします。  まず、不登校の現状とその要因についてでありますが、県内の公立学校における不登校の現状がどのようになっているのかお尋ねをいたします。 39 ◯大井手学校教育課長=不登校の現状についてお答えいたします。  県内公立学校における不登校児童生徒数は平成二十六年度、平成二十七年度、平成二十八年度の順に、小学校では百五十二人、二百十三人、二百一人。中学校では六百九十人、七百五十四人、七百四十五人。高等学校では二百五十四人、二百七十四人、二百六十三人となっており、平成二十八年度の不登校児童生徒数は全校種において前年度を下回ったところですが、全体で千二百人を超えているところであります。  以上です。 40 ◯中倉委員=県内で千二百人を超しているということでありますから、これは私はただごとではないというふうに思っております。  これは過去数年、今答弁されたように、余り変わっていない状況ですよね。ずっとこのような状況が続いているということでありますから、何とか早く対応する必要がありますが、このような千二百人を超すような子供たち、その不登校の要因の状況が小・中・高校においては違ってくるというふうに思いますが、これはそれぞれどのようになっているかお尋ねをいたします。 41 ◯大井手学校教育課長=不登校の要因についてお答えいたします。  平成二十八年度の文部科学省の調査における不登校の要因の分類で言うと、学校が主な要因と判断しているもののうち、小学校では「家庭に係る状況」が最も多く、次いで「いじめを除く友人関係をめぐる問題」であり、この二つがほぼ全てを占めております。  中学校では、「家庭に係る状況」と「いじめを除く友人関係をめぐる問題」で約半数を占めており、次いで「学業の不振」が多かったところであります。  高等学校では、「学業の不振」、「入学、転編入学、進級時の不適応」、「進路に係る不安」のこの三つが同じ程度でありました。  小学生から中学生、そして高校生へと成長するに従って、家庭に係る要因から友人関係や学業、進路へと要因が変わっており、校種により状況は異なっているというふうに認識しております。  以上です。 42 ◯中倉委員=ただいま答弁いただきましたように、小学校の場合は家庭の原因が一番多いと、徐々に徐々に変わってきているという状況でありますが、本来不登校というのは家庭にいるということですよね。ですから、小学校の場合は家庭が原因でも家庭にいるというですね。中学、高校になると家庭が原因であれば、なかなか家庭には普通はいないんですよね。そういう状況にあるんですが、おのおの変わってくるということですけども、今千二百人もいる不登校の子供たちの中にさまざま今要因があるわけでございますが、しかし、実際不登校になっている子供というのは、なかなか不登校の原因を語りたがらないというのが現状だというふうに思うんですね。ですから、今いろいろ要因を言われましたけれども、この要因は千二百人のうちに、私はほとんどの子供が要因がわかっていないのが多いんじゃないかと思いますが、千二百人に対してその要因がわかって対応している部分、わかっていない部分とは、大体その比率とかなんとかがわかりますか。わかればちょっと教えてください。 43 ◯大井手学校教育課長=その比率について、本人に係る要因と理由がわからないという割合に関しましては、佐賀県においては約半数弱、小学校では四九・三%、いわゆる不登校の生徒のうち約半数弱が小・中・高校とも学校に係る状況、(86頁で訂正)または家庭に係る状況以外で該当ないというような形で報告がされているところであります。 44 ◯中倉委員=全体で約半数が要因の確定ができていないということでありますが、そうなりますと、全く登校ができていないという児童生徒もおるわけで、その状況がどのようになっているのかお尋ねをいたします。 45 ◯大井手学校教育課長=全く登校できない児童生徒の現状についてお答えいたします。  平成二十八年度における県内公立学校の不登校児童生徒の中で、学校に全く登校することができなかった児童生徒は、全校種を合わせて四十六人であり、その内訳は小学校が六人、中学校が三十七人、高等学校が三人というふうになっております。  以上です。 46 ◯中倉委員=全体で四十六人いて、中学生が一番多いということでありますけども、長期間の欠席という子供たちに対しての対応ということでお尋ねいたしますが、まず小中学校の義務教育において、そのような長期間欠席の不登校児童生徒に対して、特に夏休みとか春休みとか長期の休業中が一番問題になるかと思いますが、そこも踏まえてどのように対応されているのかお尋ねをいたします。 47 ◯大井手学校教育課長=小中学校における対応についてお答えいたします。  長期間欠席している児童生徒に対しては、担任等が定期的に家庭訪問や電話連絡などで児童生徒の状況に応じた支援を行っているところであります。  例えば、家庭訪問を行い、児童生徒の悩みを聞いたり、興味を持っていることを一緒に楽しんだりする中で、学校の様子を伝える。保護者を通して、市町等が設置する適応指導教室への通級や、保健室や教育相談など別室への登校を促す。また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、民間団体の訪問支援員等の専門家を活用するなどの対応を行っているところであります。  さらに、夏休みなどの長期休業中に学校に登校させ、学習支援を行うなど学校復帰に向けたきっかけづくりを行っているところであります。  以上です。 48 ◯中倉委員=この一番問題は、大体不登校というのは夏休みがあって、九月に行こうとするときに行けなくなるのが多いのかなというふうに思っております。一番不登校が発生する時期というのはそういう時期じゃないかというふうに思いますけれども、夏休みはやっぱり夏休みですから、本来、学校に登校させないというのが本来なんですが、そういう訓練とかさせるということだろうというふうに思うんでありますが、一番そういう時期、春休みが特に新たな学年になりますので、なかなか対応ができないといいましょうか、担任もあってないような状況になるわけですね。新年度で学年が上がって、小中学生は進級はできるわけでありますから、そういった意味では、なかなかこの時期も対応がしにくいというふうに私は思っておりますんで、これは学校の先生も非常に大変なところがあるんじゃないかなというふうに思っております。  そこで、先ほど半分はまだ原因がつかめていないということでありますが、これは原因がわかっておれば、その解決、対応の仕方も変わってくるわけでありますが、そこで学校が、先ほど言われたように、いじめとかなんとかがクラスでの問題があったりということになれば、そこはクラスに復帰をさせようとしてもなかなか困難ではないかというふうに思うんですよね。そういうところで、小中学校における区域外の就学ということについてですが、転校というか、隣の学校に行くことで学校に通えるようになるという子供もいるというふうに思うんでありますが、そうなりますと、区域外通学ということでの手続かれこれが要るような状況になるかというふうに思います。そういうことの対応を今現在どのようにされているのかお尋ねをいたします。
    49 ◯大井手学校教育課長=小中学校における区域外就学についてお答えいたします。  不登校児童生徒について、まずは在籍する学校への復帰を第一に考え、家庭や地域、関係機関等とも連携しながら対応しているところでございます。  文部科学省は、児童生徒や保護者が希望する場合には、学校と連携した適切な教育的配慮のもとに、区域外就学などを認めるといった対応も重要であることを述べております。  不登校児童生徒の区域外就学などについては、従前より市町教育委員会が、児童生徒の個々の状況と学校復帰に向けた思いを尊重して対応しており、今後も適切に対応すべきものであるというふうに考えております。  以上です。 50 ◯中倉委員=これは保護者のというよりも、保護者が幾ら行かせようと思っても本人が行くという気持ちにならないと、今通っている学校もそうでありますが、隣の学校においてもそうですよね。引っ張って連れて行くわけにはいかないわけでありますから、そういう状況の中で、やっぱり要因が、学校が、クラスとかいじめとか、そういった問題で要因があるという場合には、ちょっと距離が離れても行ってみようという子供が、そういうふうな気持ちになるというのがたくさんいるかというふうに思っております。  ただ、それをするにしても、同じ教育委員会の中であれば、そういう協議もしていただくということで一番いいかと思うんですが、今度は学校側からすれば、隣の学校にということであれば、子供を何か追いやるような感じになるというような気持ちになると思うし、受け入れる学校としても、そこも踏まえて学校長、あるいは担任の先生、そういった先生方の理解も要るということになりますよね。そうなりますと、ほかに複数ということになりますと、今度はそこがPTAとか地域の方々にも理解をしていただかねばならないわけで、なかなかそう簡単には行けないという部分があるというふうに思うんでありますが、子供が行きたいということであれば、その対応はしっかりととっていただく必要があるというふうに私は思っております。  そこで、先生だけじゃなくて、教育長が言われるよう、学校と家庭と地域の連携ということでありますから、そこはしっかりと地域との連携も必要というふうに私は思っております。特に夏季休業中というときには、地域の行事がたくさんありますから、そういった行事にいかに参加させるか、そこがまず第一であって、そしてその後学校の復帰というような形で、真っすぐ学校の復帰よりもワンクッション置いた対応をするということが不登校には一番大事なような気がいたします。それには地域がしっかりとその対応をしていただかねばならないというふうに思っております。  けさの新聞で石倉議長のコメントが、載っておりました。地域として、子供たちに大人が声をかけるのを今でもやっているということでありました、江北町ではですね。そういう部分が実は大変薄れてきておりますよね。今、下手に声をかけると、変なおじさんから声をかけられたと言われて、学校では声はかけない、大人と話をしないように勧めたりとか、これでいいのかなというふうにも思うわけでありますが、そういう状況になって、下手に声もかけられない。石倉議長でも声をかければ、怖いおじさんから声をかけられたと思った子供もいるかもわかりませんが、そういう状況があるから大人も声もかけられない状況なんですね。だから、そういう状況じゃいけないんで、佐賀県は全部の地域が子供たちには声をかけられるような、声をかけ得るような、そういった部分はぜひやってほしいなというふうに思っております。  あと、高校の場合ですが、高校の場合は、欠席日数が多くなりますと、これは小中学校の義務教育とは違いますから、当然対応が違ってくるわけなんですね。そうなると、進級、卒業ということが非常に心配になるわけですが、学校ではそういう対応をどのようにされておられるのかお尋ねをいたします。 51 ◯大井手学校教育課長=高等学校における対応についてお答えいたします。  高等学校においても、小中学校同様、家庭訪問や生徒から悩みや思いを聞き取るなど、生徒に寄り添った対応を行っているところであります。  また、可能な限り授業の欠課時数を補うため、補習、補講などの追指導を行い、単位修得や進級、卒業に向けた手だてを講じているところであります。  しかし、欠席が長期化している生徒には、当該生徒のよりよい将来を第一に考え、生徒や保護者の思いや希望を十分に聞き取り、一緒に考えながら状況に応じて、在籍校での就学を第一とし、場合によっては、他校への転学や編入学などの複数の進路を示しながら支援を行っているところであります。  以上です。 52 ◯中倉委員=先ほど言いました地域との連携についてもお尋ねをしたいと思いますが、高校の場合、転学ということも促しをされているというふうに思いますが、小中学生であれば、年間二百日ぐらいの登校日数だと思いますが、そこも丸々行けないという場合であっても、進級はできますが、高校の場合はそういうわけにいかないということでありますんで、補習とかなんとかもということでありますが、補習をするにしても出てきて補習ということになるかと思いますが、なかなか対応できない。そういう場合に、専門高校ですと、学科を選んで学校に来ているわけで、普通科であれば普通科のあるところにはすぐ隣に転学とかできるかもわかりませんが、専門高校の場合は自分の学科がないところにはそう簡単に行けないかなというふうに思っておりますし、そうなりますと、その子のためにも、その学科を望んで来ているわけですから、そこを出席日数が最初足りなかった場合に、一年繰り下がって本人が行けるということであれば、それはしっかりとそういう対応をしてやる必要があるというふうに思いますね。  今、これは太良高校がそういう不登校の対応をしていただきました。これは初代の校長が今教育長ということだと思いますが、そのときに私も、あっ、やっとこういう対応をとっていただけるんだというふうに私も大変うれしく思ったわけであります。来年度からは厳木高校も不登校の部分の対応をとっていただくということでありますから、佐賀県に北と南にありますから、通える子供は割と大分楽になりますよね。だから、そういった部分での対応はぜひ力を入れていただきたいというふうに思っておりますが、先ほど言いましたように、そういった部分も含めて地域との連携をどのようにされていくかお尋ねをいたしたいと思います。 53 ◯大井手学校教育課長=地域との連携についてお答えいたします。  義務教育において、委員御指摘のとおり、児童生徒が健全に成長していくためには、地域と連携していくことは大切なことというふうに認識しているところです。  各学校では、校区内の区長や民生委員の集まりに学校の職員が参加し、学校の状況などを伝えるとともに、情報交換を行い、見守りや声かけなどの依頼を行っております。また、学校によっては、個々の児童生徒への対応を協議する場、いわゆるケース会議において、区長や民生委員に参加してもらい、地域と連携して対応を協議しているところもございます。その際には、家庭のプライバシーにかかわることもあることから、家庭の状況や意向も踏まえ、慎重に対応しているところであります。  以上です。 54 ◯中倉委員=区長さんとか民生委員さんに大体話すしかないかもわかりませんが、子供からすれば区長さんとか民生委員さんの肩書はわからないわけで、どこか知らないおじさんが来られたとしか普通思わないんですよ。だから、私は、その子が小さいときから知っている、そういう保護者といいましょうか、地域の方というか、そういう方を探すということがまず一番最初でありますが、そういう人たちに相談をするということが私は一番大事になってくるというふうにも思っております。  そこで、教育委員会として、この取り組みについてですが、不登校対策に対しての取り組みをどのように行っておられるかお尋ねをいたします。 55 ◯大井手学校教育課長=県教育委員会の取り組みについてお答えいたします。  県教育委員会では、不登校対策の主な取り組みとして、県内全公立学校へのスクールカウンセラーの配置。スクールソーシャルワーカーを県内全公立学校に派遣できる体制の整備。民間団体と協働した不登校児童生徒の自宅訪問によるカウンセリングや学習支援などの事業に取り組んでおります。  このほか、不登校生徒の多い中学校には教員を加配し、教育相談体制の充実を図っているところでございます。  以上です。 56 ◯中倉委員=小・中・高、どこでもそうでありますが、これは学校の先生が主に対応されていますよね。担任の先生がですね。ところが、部活も担当しながら、担任もして、そして不登校や問題行動のクラスにいる子の対応もしなきゃならないというような状況。まして、家庭においては子育てもしながら、あるいは親の介護もしながらというような、そういう先生もたくさん私はおられると思うんですよ。  だから、そうなりますと、その先生はもう大変な毎日の生活かなと。先生が不登校になるような状況になる可能性って十分あっているわけでありますからですね。そこはしっかりと分担してやっていく必要があるというふうに思います。そういったところで、今、ソーシャルワーカーとかカウンセラー、いろいろそういう委託もされておるわけでありますが、子供たちからすれば、逆にカウンセラーの先生といっても、先ほど言ったように、区長と民生委員の立場と一緒で、カウンセラーの先生といっても、そこはそうは感じていないわけでありますからですね。だから、いろんな成功例もたくさんあるというのは聞いておりますが、そこだけではないだろうというふうにも思っておりますんで、いろんな事業もたしかされておられるというふうに思いますが、その取り組みの効果はどのようなものがあるのかお尋ねをいたします。 57 ◯大井手学校教育課長=取り組みの効果についてお答えいたします。  不登校対策の効果として、平成二十八年度においては、例えば、スクールソーシャルワーカーの活用では、その活動実績によると、支援件数の四〇%以上が解決、あるいは改善に結びついた。  また、民間団体との協働による訪問支援では、支援を行った百一名のうち、登校を始めるなど、学校への復帰傾向が見られるようになった児童生徒は三十三人、学校外の施設への通所が可能となった児童生徒は三十九人となっており、合わせて七〇%以上の児童生徒に復帰傾向が見られるなど、それぞれの取り組みにおいて、まだ不十分ながらも一定の効果があったというふうに考えております。  以上です。 58 ◯中倉委員=四割以上のもう復帰と、そういった全体で六十九人がそういう状況にあるということでありますが、そういう形でいろいろしていただきながらも、全体としては毎年同じぐらい、千二百人ぐらいいるわけでありますから、また、復帰はしても新たな不登校の生徒が出てきているという、そういう考え方をしなければならないのかなというふうにも思っております。  新たに出ないようにすることも実は必要になるわけで、不登校に陥っている子供も、逆に、なかなか原因を言いませんから、不登校になっている子供が、実は学校、クラスでいじめみたいなことをやって、みんなから非難されて、その子が逆に不登校になったということ。不登校した本人がその原因をつくっているという、そういう部分だって実はあるんですよね。そういう場合は、なかなかその子に原因を聞いても言いませんよね。言えないはずなんですよ。周りから非難されたということもね。  だから、周りの子供に聞いたほうが一番そこの要因はわかって、そういう状況だったんだとか、わかったりもするんで、必ずしもその本人だけじゃなくて、そのクラスにいる子供たちにもいろいろお尋ねをするということが私は必要に思いますんでですね。なかなか言わない、チクったとかなんとか、いろいろ出てくるからなかなか言わないかもわかりませんが、そこはしっかりとそういう体制ができるようにする必要があるかというふうに思っております。  そこで、今後の教育委員会がこれに対してどのように取り組んでいかれるのかお尋ねをいたします。 59 ◯大井手学校教育課長=今後の取り組みについてお答えいたします。  学校は、全ての児童生徒にとって楽しい、行きたいと感じられる場所として、わかりやすく興味が湧くような日々の授業づくりや、主体的に学習に取り組むことができる活動の工夫などを行い、学校を魅力あるものにすることが何よりも重要であるというふうに考えております。  学校がそういった取り組みをしていく中にあっても、友人関係の悩みや、さまざまなことで行き詰まりを感じる児童生徒も出てくるものであります。そのような児童生徒が悩みや思いを気軽に相談できる環境づくりや、児童生徒の小さな変化も見逃さない教職員の意識づくりに努めてまいりたいというふうに思っております。  その上で、不登校児童生徒の個々の状況に応じた段階的支援を充実させ、かつ効果的に行うことで、不登校児童生徒が無理なく一歩を踏み出せるよう、市町教育委員会や関係機関とも連携を図りながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上です。 60 ◯中倉委員=本当に早い対応が必要になるわけでありますが、去年のいじめの認知件数だけでも、たしか五百件は認知された、わかっただけでも五百件を超えているというようなことでありましたが、それが不登校につながったりしますし、この後、徳光委員もひきこもりについて質問がありますが、いじめから不登校につながって、ひきこもりにつながるというような状況につながっていくわけなんですよね。ですから、私はもうとにかく早い段階で対応をするということが必要だというふうに思っておりますんで、教育長が言われるように、学校と家庭と地域というものに、地域でいかにそれに携わってもらうようにしていくかということを、対応をまず一番最初の段階でそこを考えていただいて、教育委員会でしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っておりますんで、よろしくお願いいたします。  次に、青少年の健全育成の取り組みについてお尋ねをいたします。  これも地域という問題でお尋ねをいたしますが、青少年は家族にとっても、社会にとっても、大きな可能性を秘めたかけがえのない存在であり、健やかな成長が期待をされているところであります。  しかしながら、現代の青少年を取り巻く環境は、少子化や核家族化、インターネットの普及など、あらゆる面で大きく変化をしており、そのことにより、さまざまな困難を抱える青少年が増加しているのではないかというふうに考えます。  そのため、青少年の健全な育成のための支援が求められるところでありますが、佐賀県にも青少年健全育成条例があり、県は青少年の自主的かつ健全な活動を助長し、青少年のための良好な環境の整備を図り、青少年の健全な育成に努めることとされております。  さらに、ことしの三月には「佐賀県次世代育成支援地域行動計画(第三期)」を一部改定し、子ども・若者育成支援施策を推進することとしたところであります。  私は、県が、市町や地域の団体、住民と一緒になって、そのような困難を抱える青少年を支援し、健全育成につなげ、佐賀を担う立派な大人に成長させていく必要があると考えます。  そこで、次の点についてお尋ねをいたします。  まず、県における青少年の健全育成の取り組みがどのようになって、どのようなものがあるのかお尋ねをいたします。 61 ◯藤本こども未来課長=県における青少年健全育成の取り組みについてお答えいたします。  県における青少年健全育成につきましては、子供、若者育成支援の基本理念、施策の基本を定めました子ども・若者育成支援推進法に基づく「佐賀県次世代育成支援地域行動計画(第三期)」におきまして具体的な施策を定めているところでございます。  その中で、子供、若者の個性や能力を伸ばす育成支援として、「子ども・若者の健やかな成長に向けた支援」、「困難を抱える子ども・若者とその家族への支援」、「次の時代を担う子ども・若者の育成」などといった五本の柱をもとに、さまざまな事業を行っているところでございます。  このうち、「子ども・若者の健やかな成長に向けた支援」といたしましては、企業やNPOと商品の共同開発などの体験を行い、ふるさと佐賀への誇り、愛着を育み、地域の課題に目を向け解決していく力を育てる「子どもたちの志を育てtaiken事業」。地域コミュニティーと連携いたしまして、子供たちの自然体験活動を通じて、心や体のたくましい子供たちを育む「キッズチャレンジ!自然体験活動推進事業」。また、児童館や病院などの地域コミュニティーにおける中にあります図書コーナーの充実を図りまして、地域、家庭における子供の読書活動を推進する「子どもの居場所の図書コーナー充実支援事業」などを実施しているところでございます。  一方、「困難を抱える子ども・若者とその家族への支援」といたしましては、就労、保健、福祉など複数の分野にわたる県内の関係機関・団体が連携いたしまして、困難を抱える子供、若者のみならず、その家族など周りの環境までも含めた支援を効果的かつ円滑に実施いたします「佐賀県子ども・若者支援地域協議会」を設置しているところでございます。  その中で、さまざまな相談にワンストップで対応いたしまして、関係機関の紹介、そのほかの必要な情報の提供及び助言を行う拠点といたしまして「佐賀県子ども・若者総合相談センター」を設置いたしまして、子供、若者の社会的自立に向けた支援を行っているところでございます。  また、県に事務局を置きまして、青少年の健全な育成を図ることを目的として設置されました「佐賀県青少年育成県民会議」におきましても、自然体験の中で防災について学ぶ活動、地域の方から教えてもらう木工体験教室などを通じまして、地域での体験・交流活動の活性化や子供たちの健やかな成長につなげる「地域 de taiken活動支援事業」。子供たちに広い視野と柔軟な発想や創造性、物事を論理的に考える力や、みずからの主張を正しく伝え、理解してもらう力などを身につけることを目的といたしました「少年の主張佐賀県大会」などの事業に取り組んでいるところでございます。  以上でございます。 62 ◯中倉委員=今、答弁いただきましたように、県の各部各課においても、いろんな青少年にかかわる、子供を参加させるような事業というのがありますよね。それを数えますと、もう本当に相当な数が私はあるというふうに思っております。ただ、数が多ければいいという問題でもないわけで、ただいま答弁いただいたものが、いかにその目的に沿って事業がなされているかということが一番大事になってくるというふうに思っております。  そこで、いろんな青少年健全育成事業というものについて、数多くあるわけですが、それをどのように周知して、どのような青少年がそれに参加をしているのかお尋ねいたします。 63 ◯藤本こども未来課長=青少年健全育成事業の周知と、その参加者についてお答えいたします。  まず、周知の方法につきましては、事業の実施主体であります県、市町、団体などにより異なるところではありますが、まず学校を通じてチラシの配布でありますとか、ホームページやSNSを活用しての呼びかけ、テレビの情報番組への出演、市町広報誌への掲載や回覧板、各戸へのチラシ配布などにより広く周知しているところでございます。  団体によっては、地域の事業所にチラシを置いてもらったり、直接子供たちに声かけをしたりして、事業内容に興味を持つ子供たちの参加につながるよう周知に努めているところでございます。  参加する青少年につきましては、このように広く周知を行っているところでもありますことから、さまざまな青少年が参加しているというところでございます。やはり事業内容に興味を持った子供たち、また、その子供たちに誘われて参加する友達といいますか、そういう子供たちが参加していることが多いというふうに考えております。  以上でございます。 64 ◯中倉委員=いわゆる学校を通し、広報チラシはもちろんでありますが、学校から各子供たちにチラシを配って、こういうことがあるからということで参加を促したりなされておりますけれども、なかなかそういう状況で、健全に育っている子供が参加しているという状況で、健全に育成しなければならない子供はなかなか参加していないという、そんな気がするわけであります。  だから、チラシを配って、そういうことを促しただけでは、先ほどから申し上げております不登校の子供とか、問題行動の子供はなかなか参加できない部分でありますが、それは親に言って参加させるかといっても、親が言ってもなかなか簡単には参加はできないから、先ほどから言いますように、そういった部分で何とか一緒に参加しないかというような、そういった部分を誰がやるかということなんですね。  地域の人が一番いいわけで、そういう形でそこにまず参加をさせて、そして不登校の子供は学校の復帰の一つになるような対応をするというのが私は必要であろうかというふうに思っておりますし、体験活動は非常に大事になってくるわけで、そういった意味では青少年にとっては大変意義あるものというふうに、いろんな体験活動は困難を抱える子供、不登校だけじゃなくて、問題行動とか非行に走る子供たちだって、それに参加をさせるということが私は必要というふうに思っておりますんで、どのようにしてその体験活動に導いて、社会参加につなげていくかということでお尋ねをいたします。 65 ◯藤本こども未来課長=今後の青少年健全育成の取り組みについて、どのように活動に導いていくのかという点についてお答えいたします。  地域での体験・交流活動は、委員からも御指摘がありましたとおり、豊かな人間性や社会性を育み、子供たちの生きる力につながるものと考えております。県では、佐賀で子育てをしたいと思ってもらえる佐賀県づくりを推進いたします「子育てし大県”さが”」の中でもさまざまな体験活動に取り組んでいるところでございます。  先ほど紹介いたしました、子供たちにさまざまな体験の場を提供いたします「子どもたちの志を育てtaiken事業」ほか、スポーツ体験、自然体験、コミュニケーション体験など、さまざまな体験活動を通しまして、子供たちのやる気や自信、考える力や伝える力などさまざまな能力を伸ばしまして、ふるさと佐賀への誇りや愛着心を持ち、将来、志を持って社会に出て地域で活躍できる子供たちの育成を図っております。  ただ、このような体験活動に不登校など困難を抱える子供たち、若者にも参加してもらうことは、非常に重要だと考えております。  困難を抱える子供、若者の体験活動の参加に当たりましては、包括的な相談窓口であります「佐賀県子ども・若者総合相談センター」から適切な支援機関につながれております。このつながれた支援機関におきまして、支援の中で地域での体験・交流活動も取り入れられているところでございます。  この中で、参加することになった子供たちは、地域でのボランティア活動、地元農家での就労作業、地域行事などを体験することによりまして、社会性や自立心が促され、社会参加につながっているところでございます。  例えば、高校を中退した少年が支援を受ける過程で、地元のお祭りでのボランティア活動などを経験することにより、自己肯定感や地域への愛着心が向上され、現在では支援ボランティアに参加するなど地域貢献を行うまでになった事例もございます。  支援機関におきましては、みずから困難を抱える子供、若者が参加できる体験活動の情報を積極的に収集するとともに、地域の公民館や民生委員、児童委員からもさまざまな活動の情報が提供されているところであります。今後も地域と連携し、子供、若者に寄り添った支援が行われることとされております。  また、県におきましては、今年度から若い世代を対象といたしました子ども・若者育成支援者の養成を始めたところでございます。支援の対象となる子供たちに近いお兄さん、お姉さん的存在の若い世代が支援者となることで、さらに寄り添った支援につながることを期待しているところでございます。  今後とも、「佐賀県子ども・若者支援地域協議会」の構成機関や市町、地域との連携を密にいたしましてさまざまな事業に取り組むことで、無限の可能性を秘めた子供たちが健やかに成長し、佐賀を担う立派な大人になれるよう支援を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 66 ◯中倉委員=体験活動は大変大事になるわけで、その中で小学生、中学生になりますと、今度はやっぱり中学生がリーダーという形で小学生を引っ張っていく対応をするような仕組みづくり、その中に問題行動、非行とかに走っている子供が逆にリーダーという形になれば、ぐんぐん引っ張っていくという状況で、逆にそういった方向に導くことができるんです、それをさせることによってですね。  だから、それもボランティアの一つにはなるかと思いますが、高校に行っている子供もそうですよね。中学生、高校生をそういう形で、年の若いリーダーというのがいいんですよね。大人が敷いたレールに乗せるということではなくて、中学生がリーダー、あるいは高校生がリーダーと。それは一〇〇%は成功しないかもわかりません。五〇%しかできないかもわかりませんが、それは、そこの行事ができれば、それは一〇〇%成功というふうに思うようなことがいいわけで、大人が一生懸命レールに乗せて、一から十まで成功するまで大人が見るようなことでは、体験にはならないというふうに思っております。  特に部活とかなんとかをやっている子供と、こういう行事等は土曜、日曜ですから行事は重なりますよね。ですから、そういう部活で一生懸命している子供は健全に育っているとは思いますが、体験というのは非常に大事でありますから、そういった部分にも参加できるような、そういう部分はぜひ佐賀県としては取り組んでいただきたいかなと。  部活については、また折があれば質問いたしますが、そこも休みをどうとるかというような問題もこれから協議をする。休みをとりはするものの、六年後には佐賀国体もありますから、指導もどうするかということであるので、大変難しい部分になるかと思いますが、そこは子供たちは何でもさせるということが必要になってきますんで、県教育委員会としてはそこを踏まえて、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思っております。  最後に、ICT利活用教育推進事業についてお尋ねをいたします。  佐賀県教育委員会では全国に先駆けてICT利活用教育に取り組まれており、特に県立高校では全県規模で実施され、平成二十六年度に生徒一人一台の学習用パソコンが導入されてから四年目を迎えております。  佐賀県の県立高校で三年間、学習用パソコンを利用した生徒がこの春、卒業いたしました。  三年間の取り組みを検証し、必要な見直しを行うために、生徒へのアンケートや学校現場への聞き取りなどを行い、その結果等を踏まえて検討がなされ、今後の活用推進策やこれまでの学習用パソコンの個人所有から県の備品とし、生徒に無償貸与するなどの大幅な見直し案が今議会に示され、債務負担行為として四億一千五百万円が計上されております。  しかしながら、この方針転換をめぐっては、今議会一般質問でも数名の議員から質問があっておりました。  ICT利活用教育は、生徒一人一人の個性や能力に応じたわかりやすい授業が実施できることや、これからの社会には必須となってくる情報活用能力の育成が図られることから、県教育委員会ではしっかりと取り組んでいただきたいと考えます。  そこで、お尋ねをいたします。  まず、学習用パソコンの活用状況と成果についてであります。  導入してから三年を経過いたしましたが、その活用状況と成果がどのようになっているのかお尋ねをいたします。 67 ◯碇教育情報化支援室長=学習用パソコンの活用状況と成果についてお答えいたします。  本県では、平成二十六年度から全県立高校におきまして、学習用パソコンを生徒一人に一台導入し、ICTを利活用した教育を進めてきたところでございますが、昨年度末で事業開始から三年が経過し、入学時から学習用パソコンを用いた教育を受けた生徒が卒業したことから、改めて現状把握と課題の整理を行ったところでございます。  その結果、学習用パソコンの活用状況につきましては、インターネットを活用した調べ学習や資料等の閲覧、プレゼンテーション資料の作成、解答や作品の共有化、授業や部活動等における録音や動画撮影等で幅広く活用されているところでございます。  なお、普通教科での活用状況につきましては、授業の六割から一割の活用と、学校間で幅があることや、英語七割、理科六割、社会三割と教科間で活用に幅があるなど、その活用状況はさまざまであるという課題も見えてまいりました。  また、学習用パソコンの導入成果につきましては、例えば、個別学習ソフトを活用し、自分の苦手なところの学び直しを行い、生徒の弱点克服につながった。英語では、音声認識ソフトを活用して自己学習することでスピーキング力が向上した。学校が独自に作成した解答解説や実習解説等の動画を繰り返し見ることで、理解や技能の向上が図られたなど、一人一人の個性や能力に応じたわかりやすい授業の実施等による成果があらわれているところでございます。  また、教員への聞き取りでも生徒の深い学びにつながっている等の声が聞かれているところでございます。  以上でございます。
    68 ◯中倉委員=本当に幅広い活用がなされているということで、大変ありがたいというふうに思いますが、ただいまお話がございましたように、各教科によっても幅があるということでありますが、学校によってもおそらく、特に普通科と専門高校の別でも大きく違うかなというふうに思っておりますが、活用状況はどのようになっているかお尋ねをいたします。 69 ◯碇教育情報化支援室長=普通高校、専門高校別の状況についてお答えいたします。  普通高校、専門高校ともに、総合的な学習の時間における調査活動やプレゼンテーション活動により情報活用能力が向上したなど、同様の活用状況や成果が見られておりますが、一方で、普通高校に見られる特徴といたしましては、個別学習ソフトを活用し、自分の苦手なところの学び直しを行い、弱点克服につながった。希望する大学の、あるいは学問分野について幅広い情報収集を行い、大学受験の際に役立てることができたなどが挙げられております。  また、専門高校に見られる特徴といたしましては、教員が作成した自習ソフトや解説動画で学習させることによって、検定試験の合格者が増加した。面接指導において、志望動機等をパソコンで作成させることで、効率のよい添削指導ができたなどが挙げられております。  このように、普通高校と専門高校で、それぞれ特性や教育目標に応じた活用もなされているところでございます。  以上でございます。 70 ◯中倉委員=それでは、先生のスキルについてですが、これは導入したときと三年経過しても大きく違うところが出てきていると思いますが、教員のスキルも相当向上はしてきているというふうに思いますが、そのようなところはどのような状況でしょうか。 71 ◯碇教育情報化支援室長=教員のスキルについてお答えいたします。  学習用パソコンの導入当初は、従来の指導方法にいかに効果的な形で学習用パソコンを取り入れていくかという難しさがございました。  そこで、これまで学習用パソコンの導入前及び導入後の操作スキル研修。効果的な活用事例の紹介等、学校の希望に応じた訪問研修。普通教科及び専門教科における教科別の授業研修等の研修会を実施するとともに、教員の教材作成を支援するためのICTサポーターの配置等の学校支援を行ってきたところでございます。  こういった取り組みの結果、例えば、テストの解答解説の動画や実習の操作手順の動画といった自作教材を作成し、効果的に活用する。あるいは電子黒板と学習用パソコンを組み合わせて、個々の生徒の意見を共有し、授業を展開するなどの活用が見られ、教員の指導スキルの向上が一定程度図られているところでございます。  なお、指導スキルが十分でない教員もおり、基礎から応用まで教員のスキルに応じた研修を充実させてまいりたいと考えております。  以上でございます。 72 ◯中倉委員=教科によっても幅広いんで一概に言えないかもわかりませんが、恐らく自分でプログラムを組んだりして、ソフトに合わせてじゃなくて、自分に合わせてプログラムをして、そして、授業に利用している先生もおられるんじゃないかというふうに思うんですね。  それと一方では、使えなくて使わないという先生もいるのかなというふうにも思っておりますが、これは教科によって大きく違ってくるというふうに思いますが、ここはしっかりとした先生のスキル向上ということについては、リースをしたとしても一緒でありますから、ここはしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。  そこで、ことし卒業した生徒の利活用の状況というのはどのようになっておりますでしょうか。 73 ◯碇教育情報化支援室長=卒業後の利活用状況についてお答えいたします。  卒業生の学習用パソコンの利活用状況につきましては、全体的な把握は行っておりませんが、一部の例ではございますが、本年六月、佐賀大学において、本県公立高校をことし三月に卒業した佐賀大学教育学部一年生四十五名に対しまして、大学での学習用パソコンの活用状況についてアンケートを実施していただいております。  このアンケートの「学習用パソコンを今でも活用していますか」の問いに対しまして、半数程度の学生が「活用している」と回答しているところでございます。  以上でございます。 74 ◯中倉委員=これもぜひ、状況のアンケートの部分がとれれば、ぜひとっていただきたいなというふうに思っております。  そこで、今、佐賀大学に四十五人入学した部分の約半数は使っているということでありますが、実は佐賀大学でタブレット端末を利用した入学試験が十二月一日にあっております。そこで、タブレットで出題や回答をする推薦入学でありますが、これには六十五人が受験をしております。  県立高校から何人が受験をして、全国で初めてのタブレット端末試験にどのような感想を持っているのか、そういった部分の調査があれば教えていただきたいと思います。 75 ◯碇教育情報化支援室長=佐賀大学でのタブレット端末を利用した入学試験についてお答えいたします。  今回のタブレット端末を利用した入学試験につきましては、県立高校へ聞き取りを行った結果、普通高校から五人、専門高校から十二人の計十七人が受験しておりました。  受験した生徒の感想といたしましては、事前に使用方法の説明もなされており、また、タブレットの使用になれていたので、戸惑うことはなく受験できた。タブレットの操作は、学習用パソコンでふだん行っていることと変わらないことだったので、問題なかった。タブレットの操作を丁寧に慎重に行わなければならないと思い緊張し、操作に気をとられ、問題に集中できないところもあったなどの感想をいただいているところでございます。  以上でございます。 76 ◯中倉委員=確かに三年間学んでおりますから、ほかの生徒、十七人の生徒はそれについての違和感はなかったんではないかというふうに思いますが、問題の難しい部分は別にして、操作については大変しやすかっただろうというふうに思いますが、佐賀大学においてもこれから、来年からもやっていくんだということをたしか報道されておりましたから、そういった意味では非常に有効になっているというふうにも思います。  そこで、検証結果と基本的な方針についてお尋ねをいたしますが、今回、さまざまな調査等を行い、検証結果をどのように受けとめ、今後の基本的な方針というのがどのようになっているのかお尋ねをいたします。 77 ◯碇教育情報化支援室長=検証結果と基本的な方針についてお答えをいたします。  今回、これまでの取り組みを検証し、必要な見直しを行うために現状把握や課題の整理を行ってきたところでございます。  その中で、学校間、教科間、あるいは教員によって、その活用の状況がさまざまであるという課題もございましたが、ICTのさまざまな特性、強みを生かすことによって各学校、教員がさまざまな成果や効果を感じている実態から、県教育委員会が目指していた効果が一定程度確認できたところでございます。  今後も、一人一台の学習用パソコン環境を維持し、ICT利活用教育をさらに進め、教育の質の向上を図ってまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 78 ◯中倉委員=そこで、次に今回見直される見直しの内容ですね、ソフト、ハード面ともに見直しがされておりますが、その概要はどのようになっているのかお尋ねをいたします。 79 ◯碇教育情報化支援室長=見直しの内容についてお答えいたします。  今回、事業開始から昨年度末で三年を経過したところでございますが、三年間で得た知見、取り組みの成果等を踏まえ、ICT利活用教育のさらなる推進に向けて事業見直しを行ったところでございます。  その中で、ソフト面の見直しといたしましては、効果的な活用を行っている学校での実践方法等の共有化による各学校の取り組み促進。研修の充実、活用事例の共有等による個々の教員のスキルアップ。効果があらわれている教材等のさらなる活用等に取り組むこととしております。  また、ハード面の見直しといたしましては、より低価格な費用で学習用パソコンが導入できるよう仕様見直しによる機種選択の幅の拡大、ヘルプデスク運用の見直し、デジタル教材の負担の見直し、それと学習用パソコンの整備方法の見直し等の事業全体の見直しを行うことといたしております。  以上でございます。 80 ◯中倉委員=三年前と比べてでも、恐らくソフトの数も格段にふえている状況だろうというふうに思いますから、先生たちもそれに対しては、一番合っている部分を選べたりというような形でされているんではないかと思っておりますが、そういう見直しの中で、今回、保護者負担について、学習用パソコンの備品化やデジタル教材の負担の見直しが示されております。この見直しによる保護者の負担というのがどのようになっているかお尋ねをいたします。 81 ◯碇教育情報化支援室長=保護者負担についてお答えいたします。  今回の見直しに当たりましては、学習用パソコンの整備方法につきまして、備品化も含めてさまざまな議論を行う中で、今回の見直しの視点の一つでございます保護者負担の軽減も含めて総合的に勘案し、より保護者負担が少なくなる方法を選択し、備品として整備し、貸与することといたしました。  また、デジタル教材につきましては、現在、学習用パソコン本体を保護者に負担していただいているため、県が負担することとしておりましたが、今回の見直しでは、学習用パソコン本体の負担がなくなるため、デジタル教材につきましては、紙の教材と同様に保護者負担とさせていただくことといたしました。  この負担につきましては、学校の選択する教材によって違いがございまして一概には申せませんが、三年間で平均一万八千円程度を見込んでいるところでございます。  以上でございます。 82 ◯中倉委員=この方針が備品化、リースということでありますから、非常に大きく変わるということになるわけでありますが、その大きく変わるICT利活用教育の説明責任についてでありますが、現在、自己所有をしている生徒と保護者に対しても、これはしっかりと説明が必要というふうに思いますが、そこはどうされているのかお尋ねをいたします。 83 ◯碇教育情報化支援室長=大きく変わるICT利活用教育の説明責任についてお答えいたします。  今回の見直しは、生徒、保護者にとって大きな変化となることから、県教育委員会といたしましては、しっかりと説明を行っていく必要があると考えております。  特に、自己所有している生徒、保護者につきましては、今回の見直しの経緯、見直しを行った考え方、保護者負担の見直し内容等につきまして説明を行う必要があると考えております。  具体的には、速やかな説明資料の配布や生徒への説明を行うとともに、保護者会等の保護者が集まる機会を活用して説明するなど、丁寧に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 84 ◯中倉委員=そこはしっかりとやっていただかなければ、現在の一、二、三年生は全部自分で買い取っているわけでありますから、やっぱりいろんな意見がこれから出てくるのかなという心配もいたしているところでありますから、そこはしっかりと説明をしていただくようにお願いするところであります。  そこで、学習用パソコン導入に当たって、保護者の説明もではありますが、議会との議論の経緯についてでありますが、これは三年前というかその前から、一人一台の学習用パソコンの導入ということで、議会でも相当な議論をしてきたのを覚えておりますが、改めてその経緯についてお尋ねをいたします。 85 ◯碇教育情報化支援室長=学習用パソコン導入に当たっての議会との議論の経緯についてお答えいたします。  ICT利活用教育につきましては、平成二十三年度の先進的ICT利活用教育推進事業の開始時からこれまで、県議会においてさまざまな御議論をいただいたところでございます。  特に、一人一台の学習用パソコンの導入に関しましては、平成二十四年度から平成二十五年度にかけまして、議会で御議論を重ねていただいております。  御議論いただいた内容につきましては、学習用パソコンの整備方法、導入目的、選定方法につきまして、保護者負担について、経済的な購入が困難な家庭への対応について、保護者の理解を得るための情報提供について等で、こうした御議論を重ねていただきながら、平成二十六年度からの学習用パソコンの導入となったものでございます。  以上でございます。 86 ◯中倉委員=たしか、これは我々もそうでしたが、ICT教育の導入に当たって、たしか韓国とかシンガポール、私も韓国のほうに行かせていただきましたが、そういった視察もしてきましたよね、執行部も一緒に行ったというふうに思いますが。そういう形で海外視察までして、しっかりと議論してきたというのを私も覚えておりますが、今回は大きな方針転換であるにもかかわらず、そういった議論をする暇もなかったような気がいたしまして、議会への対応についてもそうであります。  ICT利活用教育の大きな方針転換であり、導入前に保護者負担をめぐって議会で多くの議論を交わしてきたにもかかわらず、これまでの間に議会に報告はなく、唐突の感は否めないところであります。  改善検討委員会では協議をしたということでありますけれども、ただいま答弁いただいた導入時の経緯を考えれば、議会に対してもしっかりとした説明が必要であったかというふうにも思うわけでありますが、そこは教育長、どのように考えておられるかお尋ねをいたします。 87 ◯白水教育長=導入時の経緯を考えれば、議会に対してもしっかりと説明が必要であったかと思うかどうかということに対してお答えをいたします。  ICT利活用教育、特に学習用パソコンの導入につきましては、ただいま室長が答弁申し上げましたように、議会において多くの御議論を重ねていただいた上で導入に至っております。  しかしながら、今回の学習用パソコンの整備方法の見直しにつきましては、見直しの成案を得ることに意識が集中してしまい、議会の皆様に検討状況を御報告しておりませんでした。  本来ならば、委員御指摘のとおり、議論の途中であっても議会の皆様に御報告、御説明すべきであったと深く反省をしております。  今後は、議会におきまして十分な御議論ができますよう、ICT利活用教育の実施状況等につきまして、適宜御報告を行いながら進めてまいりたいと思います。  以上でございます。 88 ◯中倉委員=今議会でも質問があっておりましたし、もっともっとほかにいい方法があったんではないかというような議論もなされておりました。  そして、議員の中にも、五万円の保護者負担をした議員も何人かおりますよね。そして、皆さん方の中にも恐らくそういう負担をされた人もいるんじゃないかというふうに思いますけれどもね。パソコンの貸与ということについては、前は貸与でなくて買い取りじゃないと家に持ち帰れないから、備品ではだめなんだということでありましたが、今回は備品として貸与するということで、それを持ち帰って子供たちが学習しても支障はないんだということでのこれが導入ということでありますから、今の一、二、三年生にもしっかりと説明はしなければなりませんが、これから貸与をして勉強するそういう検証も、ここはしっかりとやっていく必要があるというふうに思っております。ぜひその対応はお願いしたいと思いますし、幾らか変化があれば、ここは議会に対してもいろいろ報告もしていただきたいというふうにも思っております。  そこで、今後のICT利活用教育について、非常に大事なICTでありますが、今後、県としてどのように推進に取り組んでいかれるのか、これを教育長にお尋ねをいたします。 89 ◯白水教育長=今後のICT利活用教育についてお答えいたします。  まず最初に、四月から備品として貸与するという形になりますけども、当初からこの変更につきましては説明を丁寧に行いながら、活用状況等をしっかり見ながら、学校と連携して対応をしっかりしていくと同時に、その状況につきましても、議員の先生方に御報告をしたいというふうに思っております。  ICT利活用教育につきましては、これからの時代を担う児童生徒一人一人が社会の変化に主体的に対応するとともに、生涯にわたりまして夢や目標を持ち続け、その実現のために必要となる資質や能力を身につけさせるための教育の実現が求められております。  こうした中、教育の情報化の推進は、今後ますます重要となりますコミュニケーション能力や情報活用能力等、いわゆる「生きる力」の育成に有効な手段と捉えており、今回のソフト面の見直しの中で、進展校の学びのカスタマイズや効果的な活用法の推進など推進方策を策定したところでございます。  また、現在、学習指導要領の改訂が進められているところでございますが、この中では、情報活用能力を言語能力などと並ぶ全学習基盤の資質、能力と位置づけられるとともに、主体的、対話的で深い学びの実現やICTの特性、強みを生かした学びの質の向上等が示されておりまして、ICT利活用教育を推進していきますことは、このような動きと合致するものと考えております。  今後は、まず今回取りまとめた推進方策を着実に進めていきますとともに、不断の検証を行いながら、ICT利活用教育をしっかりと推進してまいりたいと思います。  私からは以上でございます。 90 ◯中倉委員=ただいま教育長が答弁されたように、ICT教育はこれまでも全国に先駆けての取り組みということですから、実は我々議員もiPadを何年前になりますか、導入して持っているんですね。これを、私どももいろいろな視察とかなんとか行きますと、手元に皆さん持って視察を受けたりしていますから、非常に他県からは不思議がられているわけなんです。それで、議会に対しての視察もあっておりますよね。どういうことですかねと言われて、いや、実は私たちは出張がこうやって多いんで、その間に執行部からファクスで何かの連絡があって、帰ったら済んでいるような行事が幾つもあるんですよというようなことだったんですね。それがiPadで、どこにいたって執行部からもちゃんと送ってきていますから、それで対応はできるということですね。私はちょいちょい見逃したりもいたしておりますが、そういうふうに非常に議会としても、そのような取り組みは一生懸命やっていくことに実は取り組んでおるんでありますから、子供たちに対してのICT教育もしっかりやっていただきたいというのは議会も同じであります。  そこで、今、教育長が言われたように、社会に出れば、進学あるいは就職もします。進学した子供も先では社会に出るわけでありますから、そういった意味では、佐賀県でICT学習用パソコンを使って学習をした子供が会社に入ってでも、そこでリーダー的存在になって、いろんな取り組みをしてくれるような、そういったことを一番期待するわけでありますから、ここは学校現場も詳しい教育長でありますから、しっかりとそのような対応も、ICT教育も含めて、先ほど言いました不登校や問題行動の子供たちも含めて、全体がよくなるような方向に、佐賀県からはそういう子供が一人もいないと、ICT教育を全部やっているという佐賀県の教育にしていきたいということをお願いして、私からの質問を終わります。 91 ◯宮原委員長=暫時休憩いたします。十三時二十分をめどに委員会を再開いたします。     午後零時十六分 休憩     午後一時二十分 開議 92 ◯池田副委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。     ○ 発 言 訂 正 93 ◯池田副委員長=質疑に入ります前に、午前中の中倉政義君の質問に対して執行部より発言の申し出がありましたので、これを許可します。 94 ◯大井手学校教育課長=午前中の中倉委員の質問に対する答弁でございますけども、不登校生徒の要因のわからない数の割合について、約半数弱との答弁を行いましたが、実際は小・中・高全体集計で三割弱でありましたので、答弁の修正をいたします。どうも御迷惑をおかけしました。 95 ◯徳光委員=県民ネットワークの徳光清孝でございます。  きょうは二つの質問をしたいというふうに思っています。  まず、問いの一はひきこもり対策の充実についてであります。  先ほどの中倉先輩からもありましたとおり、今議会では一般質問でも、この常任委員会でも不登校の問題が審議をされました。私たちが子供のころと比べると、本当に今の子供を取り巻く家庭の環境、地域の環境、社会の環境、あるいは教育の環境、全て大きく変わって、物すごいプレッシャーを感じながら子供たちも日々生活しているんだなというふうに思っています。  そういう意味からすると、いろんな形で子供たちにしっかり寄り添って、いろんな支援をしていくことというのが大人の役目として、今ほどやっぱり求められている時はないのではないかなというふうに思っています。  このひきこもりの問題も単に子供ではなくて、高齢化というか、かなり高年齢の方もそういった状況にあるというのが実態としてはあるようですので、少しこの点について質問したいというふうに思っています。  この対策につきましては、ことしの五月に「佐賀県ひきこもり地域支援センター」、愛称は「さがすみらい」というふうに言うそうですけれども、この地域支援センターが設置をされまして、専門的な相談機関として積極的に事業が取り組まれてきております。  この取り組みについては、平成二十八年二月の定例議会の一般質問で前に座っていらっしゃる木村議員が質問されました。そして、同じくその年の十一月の定例議会の当常任委員会で中本委員が質問をされまして、その後、県内のひきこもり等に関する調査の実施とか、あるいは先ほど言いました専門機関「さがすみらい」の設置へとつながってきたんではないかというふうに受けとめているところであります。  そこで、次の点について質問をしたいと思います。  まず、ひきこもり等に関する調査についてです。  これまでどんな方法で調査したらいいのかということも含めて、なかなか難しい面があったかもしれませんが、他県の例も参考にしながら、ことし調査がされたというふうに伺っています。
     そこで、この調査の実施方法等についてなんですが、ひきこもり等に関する調査の時期、あるいは実施方法はどうなっていたのかお尋ねをいたします。 96 ◯五郎川障害福祉課長=調査の実施方法等についてお答えをいたします。  ひきこもりの方は社会とつながっていないため、多くの場合、家族を通じてのみその状況等を把握することができるのではないかと考えております。その一方で、家族が外部に相談することを迷ったり、その事実を隠したりする場合も少なくはなく、家庭に立ち入ることが難しい面もございます。  そこで、家族以外で本人の状況等を把握し得る者として考えられます民生委員、児童委員の御協力を得て、ことし三月に、担当地区を受け持つ千八百九十七人の民生委員、児童委員の方に調査をお願いしたところでございます。  調査の対象は、おおむね十五歳以上の方で、「ひきこもり等の状態にある者」としました。  「ひきこもり等の状態にある者」とは、「仕事、学校、家庭以外の人との交流など社会的参加ができない状態が六カ月以上続いていて、自宅に引きこもっている状態の者」、または「社会的参加ができない状態であるが、時々買い物などで外出することがある者」として調査を行ったところでございます。  以上でございます。 97 ◯徳光委員=それでは、この調査の結果の概要はどうなっているのでしょうか。 98 ◯五郎川障害福祉課長=調査結果の概要についてお答えをいたします。  調査は千八百九十七人中、千四百五十七人の方から御回答をいただき、回答率としましては七六・八%となっております。  調査からわかったひきこもり等の該当者は六百四十四人でありまして、人口当たりの該当者の割合は〇・〇九%となっております。  仮に回収率が一〇〇%だったとして単純に計算をいたしますと、ひきこもり等の該当者は八百三十九人となってまいります。  以上でございます。 99 ◯徳光委員=今、概要についてはお答えいただいたんですが、詳しい結果もあると思いますが、この調査からわかった佐賀県内のひきこもり等に関する特徴といいますか、その辺はどのように捉えているでしょうか。 100 ◯五郎川障害福祉課長=調査結果の特徴等についてお答えをいたします。  今回の調査では、ひきこもり等の該当者の性別は、無回答の九十人、一四・〇%になりますけども、これを差し引きますと、男性が三百八十九人、率にして六〇・四%、女性が百六十五人、二五・六%となり、男性が女性の約二・四倍多くなっております。  該当者の年代別では、六十歳以上が一番多く、次に四十歳代、そして五十歳代となっており、四十歳以上が四百五十二人、七一・三%と、若年層、十五歳から三十九歳ですけれども、こちらの百八十二人、二八・七%を大きく上回ってございます。  それから、家族構成を見てみますと、七七・〇%が家族と同居、二二・〇%がひとり暮らしであり、家族と同居しているケースがほとんどとなっております。  ひきこもり等の状態にある期間につきましては、三年以上が四百六十六人、七二・三%、五年以上になりますと、三百七十五人、五八・二%、十年以上ですと、二百三十二人、三六・〇%となっております。  これを年代別に見ますと、三十歳代以上の各階層で、十年以上が最も多く、中高年齢層のひきこもり状態の長期化が見られたところでございます。  ひきこもり等に至った経緯は「わからない」が二百二十一人、二七・〇%となっております。  経緯がわかるものとしましては、「疾病・性格など本人の問題」、それから「家族や家庭環境の問題」、「就職をしたが失業した」が多くなっておりまして、不登校がひきこもり等に至った経緯となったという回答もございました。  該当者が支援を受けているかどうかにつきましては、「わからない」が二百六十人、四〇・四%と最も多く、民生委員、児童委員であってもひきこもり等の把握が難しいということがわかりました。  また、支援を受けている者は百三十六人、二一・一%であり、支援に結びつく難しさが改めてわかったところでございます。  この調査全体を通しての受けとめとしましては、全国的にも言われておりますけれども、「ひきこもり者の高年齢化や長期化」、それから、「支援を受けている者が少ない」という問題が、佐賀県においても課題であることが改めてわかったところでございます。  そのため、訪問支援、いわゆるアウトリーチによる相談支援や医療、保健、福祉、教育、労働等の関係機関との連携、ひきこもりに関する普及啓発など、ひきこもりの方とその家族等が支援を受けられる環境づくりが重要であると受けとめたところでございます。  以上でございます。 101 ◯徳光委員=今、伺ったら、六十歳以上が多いということなんですが、ひきこもりの定義を、調査をした定義がそのまま、いわゆるひきこもりに当たるのかどうかというところも、本来で言うと精査が必要かなと思うんですね。  例えば、足がちょっと悪くて、もうなかなか外には出たがらないけれども、家族との交流とか、電話でとか、いろんな交流はあるよという、社会的な関係は断絶していないという方も多分いらっしゃるかなと思いますんで、なかなかわかりにくい実態もあるのかなというふうに思います。  ただ、支援に結びついているのが二一%ということですから、やはりそういう人はそういう人で、例えば、足が悪くて元気で社交性はあるけど、なかなか外に出ない人にはそれなりの支援が、また違った意味の支援が必要だというふうに思いますので、そういった意味では、どんな支援に結びつけていくのかというのはかなり難しい面もあるのかなというふうに思っています。  そこで、そのひきこもりに対する専門の相談センターとして地域支援センターがことしの五月に設置をされて、これまで活動をされているわけですが、まず、このセンターを設置するまでの経緯はどうなっていたのかお尋ねをいたします。 102 ◯五郎川障害福祉課長=センターを設置するまでの経緯についてお答えをいたします。  県では、以前から佐賀県精神保健福祉センターや各保健福祉事務所におきまして、ひきこもりを含む心の健康相談、それから、家庭訪問、家族教室などを実施しましたり、三十歳代までの子供、若者への支援体制としましては「佐賀県子ども・若者総合相談センター」を設置し、専門機関と連携した支援を行ってまいりました。  そのほか、生活自立支援センターを設置し、ひきこもりの方を含めた生活困窮者の相談を受けるなど、さまざまな関係機関と連携をしながら支援を行ってきたところでございます。  しかしながら、ひきこもり者の高齢化や、社会的参加や自立に向けた支援については十分に対応できていないという面があったことから、全年齢層にワンストップで対応できる「ひきこもり地域支援センター」をことし五月に設置したところでございます。  ひきこもり地域支援センターの運営につきましては、公募を行い、特定非営利活動法人スチューデント・サポート・フェイスに委託をしたところでございます。  また、ひきこもりの方が相談しやすい環境に少しでもするために、センターに、先ほど委員も御紹介いただきましたけれども、「さがすみらい」という愛称をつけたところでございます。佐賀県の「さが」と「探す」をかけまして、どんな困難な状況にあっても、必ず道、未来はある。一人では解決できないことでも、佐賀の地で一緒に未来へ続く道を探していけたらという思いと、ともに未来の生き方を探していくという意味を込めております。  以上でございます。 103 ◯徳光委員=それでは、そのセンターの業務内容、具体的にどんな業務をというか、支援をやっているのかとか、あるいは人的なものも含めて、体制はどうなっているのかお尋ねをいたします。 104 ◯五郎川障害福祉課長=センターの業務内容や体制につきましてお答えをいたします。  ひきこもり地域支援センターでは、電話や来所、訪問支援、いわゆるアウトリーチ等による相談支援のほか、医療、保健、福祉、教育、労働等の関係機関との連携を図ったり、ひきこもりに関する普及啓発等の業務を行っております。  委託先のスチューデント・サポート・フェイスは、アウトリーチによるひきこもり者支援のノウハウを有しておりまして、そのノウハウはセンターでの活動でも生かされていると思っておりまして、強みとなっております。  また、このセンターは、佐賀市の白山に設置をしておりますけれども、サテライトとしまして武雄市にも設置をし、利便性の向上を図っております。  相談体制につきましては、相談員は専任職員を二名、うち一名は臨床心理士を配置し、この二名体制でスチューデント・サポート・フェイスでの相談支援経験が豊富な者が対応をいたしております。  以上でございます。 105 ◯徳光委員=電話相談とか、あるいは訪問、関係機関との連携や普及とか、それから、専任としては二名の方、いわゆる専門家で対応されているということなんですが、設置されたのが五月十五日ですか、ということで、設置されて、今現在ではもう半年以上過ぎているわけですけれども、現在までというか、直近でつかんでいる時期まででいいんですけれども、相談件数とか相談内容というのはどのようになっていますか。 106 ◯五郎川障害福祉課長=相談件数等についてお答えをいたします。  ひきこもり地域支援センターは、ことしの五月十五日に開所をいたしまして、直近、九月末までの四月半の間の集計でございますけども、来所、電話、メール、アウトリーチ等で対応した相談件数は、実人員で二百五十一人、延べ人員としまして二千二百三十七人となっております。  相談件数の内訳としまして、関係機関からの相談が三四・八%、それから、本人からが三一・九%、家族からが二四・九%となっており、支援方法としましては、アウトリーチによるものが三九・一%、電話によるものが三五・〇%、メール等が一三・六%、来所が一二・四%となってございます。  支援対象者二百五十一人を男女別で見ますと、男性が百八十一人、七二・一%と対象者の多くが男性となっております。  年代別では、三十代が七十六人と一番多く、次に二十歳代の六十一人、四十歳代の五十一人となっております。  また、ひきこもり期間が十年以上である者は百二十二人と半数近くを占めております。  相談内容といたしましては、失業など仕事に関することや、家族や家庭環境に関すること、それから、不登校に関することなどが上がっております。  以上でございます。 107 ◯徳光委員=ひきこもり期間が十年以上が半数というところにはちょっとびっくりしたんですけれども、それだけこの専門の相談センターというのを待ち望んでいたのかなというふうに思うんですね。  それで、四カ月半で実相談者が二百五十一人というふうにお伺いをしました。以前の答弁を聞いていると、精神保健福祉センターですかね、これで年間相談件数が百件ぐらい、それから、訪問が三十件から五十件ぐらいというふうにお聞きをしていましたので、わずか四カ月半で二百五十一人というのは物すごく多いなというふうに思うんですね。そんな意味では、一つはこの専門の相談センターというのをどのように周知をしてきたのかなと。やっぱり周知をして、あっ、そういうところ、専門のところあるなら、自分やっぱり相談したいという、そういった自分とか、家族とか含めてあったと思うんですが、こういう相談センターができましたという周知はどのようにやられたんでしょうか。 108 ◯五郎川障害福祉課長=周知についてお答えをいたします。  佐賀県ひきこもり地域支援センター「さがすみらい」については、設置後、パンフレット等をつくっていただきまして、それを配布等々させていただいております。  それから、研修会等々も開いていただいておりまして、例えば、民生委員、児童委員さんを集めた協議会での研修でありますとか、あとそれぞれ、例えば、ケアマネジャーの会議とかに出ていって、そこで説明をしていただいたりもしております。  それから、センターの紹介としまして結構報道機関からのお問い合わせ等々もあって、取材等も受けておりますし、他県からの視察等もいただいているというふうな状況でございます。  以上でございます。 109 ◯徳光委員=もっともっとふえてくるんではないかなと思いますけれども、その支援内容についてなんですが、ひきこもりの対策の専門機関だからこそ、かなりきめ細やかな支援が期待できるというふうに思うんですが、例えば、専門機関だからこそできたという支援、どのような事案があるのかお尋ねをいたします。 110 ◯五郎川障害福祉課長=支援内容、事案についてお答えをいたします。  例えば、一つ目の事案としまして、二十歳代で大学在学中、学業のつまずきから五年ほど引きこもっていまして、両親が来所をされております。御両親から本人の状況を詳しくお聞きしながら、状況分析を行い、大学の話題を出すタイミングや短期、長期的な働きかけについて検討を重ねております。その結果、本人が家族と買い物等の外出ができるようになり、その後、二カ月ほどしてから本人も来所し、相談ができるようになった。家族相談は電話相談等も含めて十回程度行ったといった事例もございます。  それから、専門学校を卒業後、就職できず、そのまま十年以上引きこもっている三十歳代の子供さんの件で親御さんが来所されております。状況から発達障害や精神疾患がベースにあると考えられたため、医療機関の受診の必要性を説明しております。その後、精神科病院を受診し、発達障害と診断されておりますけども、継続受診ができず中断し、再度ひきこもり状態となってしまったということで、そこで、センターのアドバイザーであります精神科医につなぎまして、往診を行うことで再び医療とのつながりができ、現在は訪問看護が開始され、安定をしているといったもの。  それからもう一つは、仕事の失敗から十年以上引きこもっていた四十歳代の方ですけれども、この方は本人がインターネットでこのセンターのことを知りまして相談をされております。本人の話を受けとめ、就労に関しての具体的な情報提供と自己否定感を修正し、自信を持てるように面談を重ねました結果、自信と就労への意欲を少しずつ取り戻し、現在では就労支援機関への利用を始めているといった事案などが報告をされております。  以上でございます。 111 ◯徳光委員=かなり多方面にわたって、きめの細かい支援ができているなというふうに思っています。  ただ、今後のことを考えますと、四カ月半で二百五十一人ですから、単純にこのまま伸びると、年間七百人を超すということになると思います。そこまでなるかどうかは別にして、ふえればふえるほど、一人の人に一回相談すれば終わりではなくて、多方面に支援をお願いしたりとか、一人の方に何回もかかわっていくということになると、二倍、三倍というふうに業務量とか、いろんなことが多分今後ふえていくんだろうというふうに思うんですね。  そこで、確かに専任の方が二人いらっしゃいますけれども、今後の体制として、しっかり県も支援をしながら、その二名からふやしていくとか、あるいはさまざまな機関とのつなぎをやっていくとか、そういった体制の充実が必要ではないかというふうに思いますけれども、その辺はどのように考えていらっしゃいますか。 112 ◯五郎川障害福祉課長=センターの体制の充実についてお答えをいたします。  ひきこもりに関する相談は、先ほど支援の事案でもお答えをしましたとおり、一回だけで終了するというものではなく、継続的な相談を実施しましたり、相談の経過の中で本人の状況によっては家庭訪問などを行うなど、時間をかけた支援が必要でございます。  ひきこもりの方やその家族等には、丁寧で継続的な支援が必要であることや、重複した問題を持つ方も多いことから、ひきこもり地域支援センターだけで対応するのではなく、精神保健福祉センターでありますとか、医療機関、それから学校、ハローワークなど、さまざまな関係機関と連携しながら、それぞれの専門性を活用した取り組みが必要であると考えているところでございます。  相談員数につきましては、他の都道府県のひきこもり地域支援センターを見ますと、これは平成二十八年の八月時点での調査ではございますけれども、佐賀県と同じく専任の正規職員を配置しているのは十三都府県のみでありまして、そのうち専任職員二名以上を配置しているのは五都県となっております。  本県のセンターは今年度に開設をしたところでありまして、その体制につきましては、これからの相談件数等の推移をまずは見ていきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 113 ◯徳光委員=専任を二人も置いているのはそんなにないということで、佐賀が後発であったけれども、かなりきちんと対応されているというふうには受けとめていますが、やはり多分ふえていくし、より支援が複雑化していくというふうに思っています。そんな意味では、ぜひ充実に向けて県もしっかり支援をしていただきたいというふうに思いますが、先ほど答弁の中で少しいろんなところとの連携ということも言われました。今後の取り組みとしては、当然、その地域支援センターを充実させると同時に、課長も言われましたように、いろんな機関と連携を強めていかないといけないというふうに思っています。  例えば、精神保健福祉センターは先ほど言いましたとおり、これまでも年間百件の相談とか、三十から五十の訪問件数があったりとか、あるいは生活困窮者支援制度で今相談が、資料をもらうとかなりふえています。相談全体としては平成二十八年度が六千七百件ぐらい、平成二十九年が七カ月で四千七百二十四件なんで、恐らく平成二十九年度一年間で言うと、かなりそれを、六千七百を超えるだろうと思います。恐らく、生活困窮者支援制度の相談の中にも、ひきこもりという方も結構いらっしゃると思います。  そんな意味では、精神保健福祉センターや生活困窮者支援制度との連携をどう図っていくのか。例えば、定期的にどれぐらいの頻度かは別にしても、情報を共有し合うとか、ケースを共有し合うとか、ケーススタディーを行うとか、いろんなことが考えられるというふうに思うんですが、そういったところとの連携をどう図っていくのかお尋ねをいたします。 114 ◯五郎川障害福祉課長=今後の取り組みについてお答えをいたします。  精神保健福祉センターでは、ひきこもりを含む心の健康相談や、ひきこもりの方の家族に対する支援としまして、家族教室を開催いたしております。  また、精神科医、臨床心理士、保健師等の専門職が相談に対応するとともに、必要に応じて、ひきこもり地域支援センターと連携した支援を今後も行っていくことが重要であると考えております。  それから、生活困窮者の相談窓口であります生活自立支援センターの相談者の中には、先ほど委員御指摘がございましたとおり、ひきこもりの問題を抱える方も含まれておりますことから、ひきこもり地域支援センターと生活自立支援センターとが相互に連携し、適切に対応していくことが必要であると考えております。そのためには、先ほど委員が言っていただきました定期的というか、その辺、協議会あたりの開催も必要なのかなというふうにも考えております。  現在、ひきこもり地域支援センターは、精神保健福祉センターや生活自立支援センターと連携を行い、ひきこもりの方やその家族等の支援を行っているところでございますけれども、三月に実施をしました調査におきまして、本県でもひきこもりの方の高年齢化や長期化の問題、それから、ひきこもりの方が支援につながっていないなどの課題が改めてわかったところであります。今後とも各関係機関がしっかり連携しながら、それぞれの専門性も活用しながら、支援に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 115 ◯徳光委員=県としてさまざまな機関を結びつけていくとか、側面からの支援をしっかりしていくということで取り組みの充実を図っていただきたいというふうに思います。  それじゃ、二つ目の質問ですが、教員免許の更新についてお尋ねをしたいというふうに思っています。  教員免許更新制度というのは、平成十九年の免許法の改正によって平成二十一年度からスタートしまして、来年でちょうど十年を迎えるということになります。  制度が導入された当初は、特に現職で教職についていない教員免許をお持ちの方にどのように周知をしていくのかとか、あるいは県内において更新のための講習が開かれますけれども、その受講機会をいかに確保していくのか。それから、受講料というのも結構な負担になるというのを当時聞いていましたので、その負担増等が懸念をされたところから、私も当時、議会の場で質問したところであります。  県の教育委員会におきましては、制度の導入時にホームページや県民だよりなどを通じた広報を行うとともに、学校長、あるいは幼稚園長とかを対象とした説明会を県内各地で開催するなど、制度の周知に努められてきたと受け取っております。その結果、制度そのものは当然ながら、かなり周知された、浸透しているというふうに認識をしているところであります。  しかしながら、免許更新に必要な更新講習に関しては、例えば、多分県内で一番大きくて近いのが佐賀大学ということになると思うんですが、そこの講座をインターネットで申し込もうとしたら、もうすぐに満杯になったとか、そんな声もお聞きをしました。また、来年度においては、教員免許の更新時期を迎える方が、これまでの約二倍近くになるんではないかということもお聞きをしています。  そんな意味では、更新講習が県外の大学等でも行われていますので、例えば、福岡に行って講習を受けるということも可能でありますけれども、その運賃とか、あるいは手間、時間というのを考えると、できるだけ多くの教員の方が県内でスムーズに更新の講習を受講できるようにしていく必要があるのではないかなというふうに考えております。  そこで、次の点についてお伺いをいたします。  まず、県内における更新講習の受講機会の確保についてなんですが、今年度を含んで、直近の五年間の教員免許の更新等に係る申請件数ですね、これはどのようになっているのかお尋ねをいたします。 116 ◯青木教職員課長=教員免許更新等の申請件数の推移についてお答えいたします。  教員免許更新等に係る今年度を含む過去五年間の申請件数につきましては、平成二十五年度が九百五十一件、平成二十六年度が九百七十件、平成二十七年度が千五十件、平成二十八年度で千三十四件、平成二十九年度十二月十一日現在でございますけれども、七百六十四件となっております。  なお、これらの件数には、病気休職や育児休業等で更新を延期する方や、管理職など更新を免除できる方の申請件数が含まれており、これらを除く更新のみの申請件数につきましては、平成二十五年度が八百四件、平成二十六年度が八百十五件、平成二十七年度が八百六十七件、平成二十八年度八百五十六件、平成二十九年度十二月十一日現在でございますけれども、六百十七件となっております。  以上です。 117 ◯徳光委員=平成二十九年度はまだ年度途中ということもありますが、大体毎年、純粋に更新を受けるという人が八百人ちょっとぐらいということで推移をしているということだと思います。  そこで、更新講習の実施状況なんですが、先ほど言いましたとおり、県内では佐賀大学を中心に更新講習が実施をされているところでありますけれども、もう少し具体的に、どのように実施をされているのかお尋ねをいたします。
    118 ◯青木教職員課長=更新講習の実施状況についてお答えいたします。  今年度の県内における更新講習の実施状況については、佐賀大学では八十六講習で定員が四千四百六十八人、西九州大学、短期大学では、九講習で定員が三百六十人、佐賀女子短期大学では五つの講習、定員二百人、九州龍谷短期大学では十の講習で定員が四百六十人、合計で百十の講習で定員が五千四百八十八人となっております。  なお、免許を更新するには、最低五つの講習を受講していただく必要がございますので、計算上では県内では約千人の免許更新が可能となっているところです。  しかしながら、委員御指摘いただきましたように、佐賀大学の幾つかの講習については、インターネットによる受け付け開始と同時に定員に達してしまうものがありまして、結果として本人の希望どおりに講習が受講できないケースもあると聞いております。  なお、佐賀大学によりますと、発達障害や不登校の児童生徒への対応などに関する講習への申し込みが多いとのことでありまして、現場の教員が直面している課題や悩みが講習の選択に反映されているのではないかと推察されるところでございます。  以上でございます 119 ◯徳光委員=ありがとうございました。総数としては県内で受けられる総数は確保できているけれども、ある講習の科目というか、人気があるところは希望に沿わない場合もあるということなんですが、その制度自体は、更新の講習というのは必修科目、選択必修科目、それから選択科目ということで、それぞれ所定の時間数で合計で三十時間受講が必要だというふうに聞いています。ただ、もう今の学校現場の多忙化というのは、ある意味一般常識的になっていまして、多忙化の中で教員が少しでも受講しやすい時期に講習が実施をされるべきと考えていますが、現状としてはどのような時期に実施をされているんでしょうか。 120 ◯青木教職員課長=更新講習の実施時期についてお答えいたします。  県内の更新講習については、今年度に実施される全百十の講習のうち、約半数が夏季休業期間に実施されており、また、それ以外の講習についても、全て土曜日、日曜日及び祝日に実施されております。  また、ここ数年、放送大学等の通信制による更新講習受講者がふえてきておりまして、特に放送大学の講習は、受講期間内であれば、テレビ、ラジオ、インターネットで受講できるなど利便性が高く、受講後の確認試験についても、アバンセにある佐賀学習センターでの受験が可能となっております。  以上です。 121 ◯徳光委員=やっぱり半数が夏休みということで、環境としては一番受講しやすい時期だろうというふうに思っています。  それで、この更新講習の実施主体は県ではないということは承知をしておりますが、県の教育委員会として、実施機関とどのようなかかわりを持ってきているのかお尋ねをいたします。 122 ◯青木教職員課長=実施機関との連携についてお答えいたします。  県教育委員会では、教職員課が佐賀大学の教員免許更新講習室との協議を年に数回行いまして、講習への要望や開講日等に係る調整を行っております。  具体的には、受講対象者が少ない専門科目の実施継続の依頼、小中学校の土曜日授業と重ならないような日程調整など、教職員ができるだけ受講しやすい講習が編成されるように努めているところでございます。  また、大学としても、非常に人気の高い講習については、追加開講や定員枠増などで対応していただいて、できるだけ多くの希望者を受け入れてもらっている状況でございます。  以上です。 123 ◯徳光委員=私もお聞きしたところによると、佐賀大学さんも本当によく協力をしてくれて、柔軟にこの間、対応していただいているんで、大きなトラブルはないみたいですよという話も聞いています。  そこで、次は念のための質問なんですが、当然、これ更新できなければ、現職の人は職を多分失うということになると思うんですが、これまでにそういった例というのはなかったでしょうね。 124 ◯青木教職員課長=更新講習受講上のトラブルについてお答えいたします。  委員御指摘いただきましたけれども、一部の講習で希望どおり受講できなかったケースはございますが、佐賀大学との協議の中で、それ以外のトラブルがあったとの報告は受けておりません。  希望の講習を受講できなかった方も、別の講習を選択したり、県外の大学や放送大学等での受講によって、全ての方が受講を修了されております。  更新手続の窓口である教職員課においては、これまで現役教員の方が講習を受けられずに免許更新ができなかったということはございません。  以上です。 125 ◯徳光委員=それじゃ、平成三十年度における円滑な教員免許更新についてなんですけれども、県内の公立学校において、今年度を含んで直近五年間の各年度に免許更新期を迎える職員数というのはどのように推移をしているんでしょうか。 126 ◯青木教職員課長=教員免許の更新期を迎える職員数の推移についてお答えをいたします。  県内公立学校において、今年度を含む直近五年間の各年度に免許更新期を迎える職員数については、平成二十五年度が六百八十四人、平成二十六年度が六百七十一人、平成二十七年度が六百八十七人、平成二十八年度が六百四十八人、平成二十九年度が千十二人となっております。  平成二十八年度までは約六百人後半で推移してきておりましたけれども、平成二十九年度は例年の一・五倍の千人程度になる見込みであります。  以上です。 127 ◯徳光委員=今お伺いをいたしまして、平成二十九年度は千人を超えるということです。ただ、これは佐賀県の公立学校における対象の職員さんということで、特に正規職員の方を対象とした数値だというふうに思っていますんで、そうなりますと、講師とか非正規の教員の方もいらっしゃるというふうに思いますし、それから、認定こども園、幼稚園なんかには教員免許というか、持っている方もいらっしゃると思います。私立の学校、そういったところにもいらっしゃると思うんですが、そういった方々にはどのように周知とか対応されているのかお尋ねをいたします。 128 ◯青木教職員課長=私立学校等への周知につきましてでございますが、県教育委員会のほうでは、私立幼稚園や認定こども園についてはこども未来課、私立中学校、高等学校については法務私学課を通じて、毎年、免許更新の申請手続に関する通知や更新講習修了後の申請書の提出依頼に関する通知を行っております。  また、文部科学省からの通知もありますので、それを受けて、こども未来課、法務私学課のほうからも、随時、更新制度の留意事項等について通知がなされております。  以上です。 129 ◯徳光委員=漏れはないと思いますけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  それで、先ほどの答弁の中で、平成二十九年度に対象となる職員数というのが千人を超えるというふうに、一・五倍以上になっているんですが、その理由というものはどういったものなんでしょうか。 130 ◯青木教職員課長=平成二十九年度に更新期を迎える職員が多い理由についてお答えいたします。  教員免許は、免許更新制度が始まった平成二十一年度以降に免許を取得した方については、免許の有効期限が要件取得から十年と定められております。  一方、平成二十一年度までに免許を取得した方については、生年月日で更新期が決められておりまして、昭和三十年代、昭和四十年代、昭和五十年代生まれの方をそれぞれ一歳ごとに区分した十のグループに分け、十年に一度更新することになっております。  しかしながら、昭和六十年代生まれの全ての方について、今年度に更新期を迎える十番目のグループに加えられたことになっておりますので、対象者が特に多くなっております。  以上です。 131 ◯徳光委員=特に多くなっているということなんですが、平成二十九年度に千人を超える方が対象となるということで、当然ながら平成三十年度、平成三十一年度に受講するというふうに思っています。そうなりますと、先ほどお聞きしたところによると、定員千人分ぐらいはありますよということなんですが、今まで六百人ちょっとで、余り大きなトラブルがなくできたということなんですが、今回は千人を超える人の対象者でちょうど千人ぐらいということになると、例えば、県内で受講できないケースが出てきたりとか、円滑な教員免許の更新に支障が出るということが危惧をされるというふうに思いますが、その点についてはどのように対応されるんでしょうか。 132 ◯青木教職員課長=平成三十年度の更新講習に向けた対応についてお答えいたします。  委員御指摘いただきましたように、平成三十年度に更新講習受講者が大きく増加することから、ことしの四月に佐賀大学からの依頼もございまして、県内全ての国公私立学校、幼稚園に勤務する更新講習の受講予定者に対して更新講習の受講に係る意向調査を実施いたしました。  そして、当該調査結果をもとに、県教育委員会としましても講習内容や日程だけでなく、講習の定員増についても佐賀大学と協議を行ったところでございます。その結果、平成二十九年度の受講者約六百八十人を基準として、平成三十年度は約一・五倍の千六十人の定員となるよう計画していただいております。  県教育委員会としましても、できるだけ多くの方が県内で更新講習を受講できるよう、引き続き佐賀大学と協力しながら取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 133 ◯徳光委員=佐賀大学さんもしっかり協力をしていただいて、千人を超す枠といいますか、それを用意したいということでなっています。  それで、最後の質問になりますけれども、学校の先生に聞くと、先ほど答弁でもありましたけれども、通信制も大丈夫ですよという話を聞いて、割と通信制はスムーズに受けられますよという話も聞きました。ただ、通信制で受けられるというのを余り知らない教員の方も多いというのも聞いています。そんな意味では、放送大学など通信制による方法を含めた更新講習の受講を促して、万が一免許を失効させないようにする取り組みが重要と考えますけれども、今後、その点も含めてどのように対応するのか質問しまして、質問を終わりたいというふうに思います。 134 ◯青木教職員課長=免許を失効させないための取り組みについてお答えいたします。  教員免許状は、教員として採用する前提となる個人資格でございます。本来、自己管理すべきものではありますけれども、県教育委員会では教員免許更新を失念し、教員免許を失効させてしまう、いわゆる「うっかり失効」を防止するため取り組みを実施しております。  まず、年度当初に更新期を迎えた者のリストを各学校に配布し、管理職のほうから本人へ更新講習の申し込みから受講修了後の県への申請までの指導をお願いしております。  また、多くの大学等で更新講習が修了する十月ごろに各学校へ調査を行い、免許更新対象者の受講状況の確認を行っております。  さらに、毎年、文部科学省からの通知を受け、全国の更新講習の開設状況や更新制度の留意事項等に係る通知も行っております。  特に今年度は、平成三十年度に受講する者が増加することから、受講に当たって利便性が高い放送大学を初めとした通信制による更新講習も選択肢として紹介しております。  いずれにしましても、現職の教員が教員免許を失効させてしまいますと失職し、学校の教育課程に大きく影響することになります。「うっかり失効」は絶対にあってはならないことであり、(副委員長、委員長と交代)県教育委員会としましては、引き続きその防止にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 135 ◯武藤委員=日本共産党の武藤明美でございます。  私は、四つのテーマで質問を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。  まず初めに、北部地区住民検診についてです。  北部地区住民検診の問題については、日本共産党の県議団として一般質問や特別委員会、さらにはさきの九月議会でこの委員会でも質問をしてきたところです。玄海原発一号機が稼働する二年前の一九七三年から二〇一一年三月末まで、つまり二〇一〇年度まで三十八年間にわたって、約二千九百万円の公費を使ってきた原発周辺地域の住民検診について、調査結果がどうなったのか明らかにしてほしいと求めてまいりました。  唐津東松浦医師会が持っていることも明らかになり、検診結果の情報について佐賀県も共有することは有意義であるとの認識も示されました。そして、この委員会でも関係三機関の検討状況を確認したいとの答弁がありました。  そこで、その後の動きについて伺いたいと思います。  一つは、九月議会以降、玄海町、唐津市、唐津東松浦医師会の三関係機関の検討状況について確認されたのでしょうか。そして、どのような状況だったのかお聞きしたいと思います。 136 ◯野中健康福祉部副部長=九月議会以後の関係機関の検討状況の確認についてお答えいたします。  九月議会後、唐津東松浦医師会、玄海町及び唐津市を訪問し、四月臨時議会で答弁いたしました県の意向について改めてお伝えするとともに、それぞれの検討状況を確認いたしました。  玄海町や唐津市においては、調査について定めました「長期健康調査研究要綱」において、本研究活動内容、特に結果の特徴等について一切他に情報提供してはならない。必要な開陳は全て医師会長、もしくは医師会長が委員会の同意を得てあらかじめ指名した者が部外者と対応する。被調査地域居住者の個人的及び地域的プライバシーを守るよう配慮しなければならないとされており、これらを遵守する必要があることなどから、玄海町、唐津市においては資料を医師会から取得して公開することはできないというお考えでございました。  また、唐津東松浦医師会においては、当時の健康調査特別委員会が決めた要綱に基づいて判断すべきものであり、調査結果を公開することはできないとの考えでございました。  ただし、その後、唐津市によりますと、調査結果そのものではなく、検診内容や結果の概要について、医師会から聞き取りをした結果を県に対して説明することは可能との考えも示されたところであり、実際県に対し情報提供をいただいたところでございます。  以上でございます。 137 ◯武藤委員=では、その県に対して情報提供いただいたという内容について、明らかにしていただきたいと思います。 138 ◯野中健康福祉部副部長=関係機関からの情報提供の状況についてお答えいたします。  唐津市から情報提供いただいた内容によりますと、当時の老人保健法に基づきます基本健診の検査項目に加え、赤血球、白血球、血色素の三項目の検査を、対象となります三地区、玄海町外津地区、今村地区、旧鎮西町串地区について毎年一地区ずつ実施。結果は受診者個人へ毎回通知。健康調査特別委員会において、毎年、実施地区ごとの検診結果の平均値をグラフ化した資料により口頭で報告。資料は委員会終了後回収。三項目全ての数値が基準値内の数値であることから、問題ないとの委員会の判断のもと、事業を終了し、委員会を解散されたという内容でございます。  以上でございます。 139 ◯武藤委員=赤血球や白血球や血色素の状況を検査されたんだということなんですけれども、私、これまでのいろんな情報やこの委員会、あるいは県議会や唐津市などのやりとりから聞いていて、三つの地区がもう毎年きちっと行われていたかと思うと、今お話をお聞きしていてわかったのは、三つの地区、つまり外津地区と今村地区と串地区、これが年度によって一つずつしかされていないということで、三十八年間されたけれども、それぞれの地区は三十八回されたんではなくて、ローテーションで行われてきたというふうなことになるんだなということがわかったんですね。  いずれも問題になるような値ではなかったということで終了もされたと、出された資料は回収もされたということなんですけれども、ただ、住民の方たちに、受けられた方たちに報告をした中で、問題はないというふうにされたとしても、住民の方たちに現在聞いてみても、そういうことだったかな、どういうことだったかなというふうに認識がとてもあやふやな状態でもあると。長い間のことですので、そういうふうに思っていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれないんですね。  そもそもこの検診の目的というのは、玄海原発周辺の住民の健康状況を系統的に見ていくものだということだったと思うんですけれども、改めてこの調査の目的、検査の目的ですね、これについて何だったのかについて改めてお聞きしたいと思います。 140 ◯野中健康福祉部副部長=検査、研究の目的についてお答えいたします。  表記地区につきましては、原子力発電施設の設置や道路整備など生活環境全般にさまざまな変化が見られることから、それらの関係地区につきまして、健康状態の推移について医師会の研究のために健康状態に関する調査研究を行うということで、唐津東松浦医師会のほうより情報提供をいただいております。  以上でございます。 141 ◯武藤委員=唐津東松浦医師会から県への情報提供があったということの中身は、今、副部長さんがおっしゃったことだと思うんですけど、この間、玄海町の岸本町長さんが言ってこられたことは何だったのかというと、玄海原子力発電所周辺地域住民を対象に集団検診により実施し、諸疾患の早期発見と事後指導を行い、予防対策を図る目的によって実施してきたというようなことを言っておられるんですね。単なる調査じゃなくて、早期発見、事後指導、そして予防対策、こういったことがされてきたんだろうかと私は不思議でなりませんが、そのことについても後でお答えいただきたいと思います。  同時に、九州電力は唐津東松浦医師会が玄海一号機の運転開始にかかわり、道路整備などにより生活環境に変化が生じる周辺住民の健康状態の推移について、医学的研究を目的に実施してきたというふうにも言っておられるんです。道路整備が一体何の関係があるんだろうかというふうに思わざるを得ない。まさしく一貫性のないような目的なんですね。ただ、医師会がおっしゃっている目的のほうが、県が認識しておられることのほうがより一番近いんではないかなというふうにも思うんですけれども、先ほど言った諸疾患の早期発見とか事後指導、予防対策、こういったことが図られてきたのかどうなのか、それについて御存じだったら明らかにしていただきたいと思います。 142 ◯野中健康福祉部副部長=玄海町のお話がありました早期発見、事後指導ということでのお話でございますけれども、健康に関する調査につきましては、もともとこの調査が検診に合わせてされているということも聞いておりますので、その検診としては疾病の早期発見とか、発見された内容に基づきまして事後指導をするというのは、もともと検診、調査について基本的な考えではないかというふうに考えております。  以上でございます。 143 ◯武藤委員=医療機関、当時の検診をした機関が他者には口外しないと、公開しないというようなことを目的にして──目的というか、そういう約束になっていたので公開はできないというふうなことなんですけれど、県は本当に原発を立地する県として、県民の安心・安全、それから健康、こういった問題をきちっと把握して対策もとっていくんだというふうなことをおっしゃってきたと思うんです。皆さんたちは、こういった健康問題について共有することが有意義だというふうなことをおっしゃっているんですけれども、共有できないというような状況にそれぞれの三機関の答弁はなっていると思うんですけれども、せっかくこういった検査があり、調査がありながら、それができないというふうなこと、本当に私としてみたら残念でたまりません。県民の皆さんたちも、きっと明らかにされないこと自体、何か問題があるんじゃないかというふうにも思っていらっしゃるんですけれども、これが共有するということにはならないと思いますし、今後、皆さんたちがどんな対応をとられるのか、そのことについてお聞きしたいと思っております。 144 ◯野中健康福祉部副部長=今後の対応についてお答えいたします。  県といたしましては、先ほど委員もお話になりましたとおり、県民の健康は大変重要ということで考えておりまして、これについてはさまざまなデータを踏まえて議論されるべきでありますし、そういった関係のデータは開かれた状態にあるべきではないかと考えております。  「長期健康調査研究要綱」につきましては、先ほど申し上げましたとおり、原則公開できないという関係機関の考えはございます中で、県の意向を踏まえまして、検診内容や結果の概要については情報提供をいただいたというふうに考えているところでございます。  県といたしましては、引き続き関係機関の動向について注視してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 145 ◯武藤委員=本当に開かれた状態にないということは大変残念なんですね。ですから、県としても本当に立地県として県民の健康をしっかり考えていく、対策をとっていくという上でも、やはりこれらについて引き続き求めていただきたいし、折に触れ、県民の健康についての問題をしっかり認識した上での取り組みを三機関にも引き続き求めていただきたいというふうに思いますけれども、どうでしょう。 146 ◯野中健康福祉部副部長=今後の対応について、重ねてではございますけれども、県としては県民の健康は重要なものでございますし、そういった関係のデータは重要という認識は私どもも有しているつもりでございます。これにつきまして、概要については情報提供いただいたというところでございますけれども、引き続き関係機関の動向については我々としてもきちっと関心を持って注視してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 147 ◯武藤委員=注視だけではなくて、本当に皆さん方が積極的に求めていくという立場にぜひ立っていただきたいと思いますので、これについてはまた改めていろんな場でお願いするというふうに思います。  それから二つ目に、児童養護施設等での子供たちの安心できる環境について質問をいたします。  家庭環境等による虐待やその他の事情から、児童相談所により一時保護される子供たちがいます。中には、児童養護施設で生活せざるを得ない子供たちもいます。今回いろいろな質問も交わされる中で、児童心理の治療施設もできるというふうなことで歓迎をしているところですけれども、そうした子供たちが安心して過ごせる場所であってほしいと、こういった児童養護施設等の役割が安心できる環境であってほしいというふうに思っておりますので、これに関して質問いたします。  児童相談所での一時保護についての理由や、どのぐらいの期間で一時保護がされているのか、まずお尋ねいたします。 148 ◯豊田こども家庭課長=まず、一時保護の理由についてお答えいたします。  一時保護を行う必要がある場合は、大きく分けて三つございます。  一つ目は緊急保護で、保護者からの虐待、放任等の理由によりその子供を家庭から一時引き離す必要がある場合。子供の行動が自己または他人の生命、身体、財産に危害を及ぼし、もしくはそのおそれがある場合などでございます。
     二つ目は行動観察でございまして、具体的な処遇指針を定めるために、一時保護による十分な行動観察、生活指導などを行う必要がある場合。  三つ目は短期入所指導でございまして、短期間の心理療法、カウンセリング、生活指導などが有効であると判断される場合でございます。  それから、一時保護の期間についてでございますが、一時保護の間は、学習指導やスポーツ等レクリエーションを実施しておりますが、通学ができないなど子供の行動の自由を制限する側面もあるため、一時保護の期間は、児童福祉法により二カ月を超えてはならないとされているところでございます。  しかしながら、必要があると認めるときはこの期間を超えることも同法では認められており、実際に施設入所に移行する際に保護者との調整に時間を要する場合など、この期間を超えるケースもございます。  以上でございます。 149 ◯武藤委員=一時保護をされる子供たちですけれども、最近はどのぐらいのお子さんたちがおられるんでしょうか。 150 ◯豊田こども家庭課長=一時保護される子供の数についてでございますが、子供たちの入所期間はまちまちでございますが、過去三年間の一時保護された子供の数でございますが、平成二十六年度は二百十七人、平成二十七年度は百九十六人、平成二十八年度は二百四人と、おおむね二百人前後で推移しているところでございます。  以上でございます。 151 ◯武藤委員=現在、一時保護の施設を増築しておられますけれども、それだけ二百人前後の子供さんたちが、これは年間のトータルでしょうけれども、ふえているという中での増築という状況になってくると思うんですけれども、増築後はどのようになっていくんでしょうか。 152 ◯豊田こども家庭課長=一時保護所の増築についてでございますが、平成三十年十月完成を目途に増築工事を進めているところでございます。  その定員は、現在の男子七人、女子七人の計十四人から、男子十四人、女子十四人の計二十八人と二倍になります。  また、個室の数は二部屋から八部屋とふえ、子供たちのプライバシーにも十分配慮した施設となる予定でございます。  以上でございます。 153 ◯武藤委員=ふえている子供さんたちの事情から見ても、二倍の広さになるということで、これはこれとして子供たちのプライバシーにも配慮した設計になっているということで、それはそうだろうし、そうしていかなくてはいけないだろうなというふうに思うんですね。  次に児童養護施設の入所なんですけれども、一時保護の後に家庭に帰らないお子さん、あるいは帰してはいけないような場合、養護施設に入所するというふうになっていくわけですけれども、これはどういうことからこういうふうにされているんでしょうか。そのほか、家庭に帰れないといった理由のほかにもいろんなことがあるんじゃないかと思いますけど、どうなんでしょうか。 154 ◯豊田こども家庭課長=施設入所の判断についてでございますが、一時保護後、家庭に戻らずに施設に入所する場合には大きく分けて二つございます。  一つ目は、保護者に原因がある場合で、保護者の養育能力不足、保護者からの虐待、生活困窮など、家庭に戻っても児童が安心して生活することが困難なケースでございます。  二つ目は、児童に主な原因がある場合で、専門の児童福祉施設に入所して保護や訓練、または治療したほうがよい場合。不良行為をなし、またはなすおそれのある子供などのケースでございます。  以上でございます。 155 ◯武藤委員=現在、施設に入所している子供さんの人数や年代はどのようになっているでしょうか。 156 ◯豊田こども家庭課長=施設入所している子供の状況についてお答えいたします。  県内の社会福祉法人が運営する六児童養護施設に入所中の子供は、平成二十九年四月一日現在、幼児三十三人、小学生七十八人、中学生四十八人、高校生四十二人、十八歳を超えている者四人の計二百五人となっております。  また、平成二十七年度は二百二十三人、平成二十八年度は二百十九人となっており、各年度おおむね二百人を超える子供が入所しております。  これを年代別の構成比で見ますと、三年間の平均で幼児が一五・八%、小学生が三七・四%、中学生が二二・七%、高校生が二一・九%、その他が二・二%となっているところでございます。  以上でございます。 157 ◯武藤委員=今御答弁いただきましたけれども、原則的には十八歳過ぎたら退所し、自立していくということになるんだろうと思いますけれども、高校生のほかにその他という人たちがおられますけれども、これはどういう理由からでしょうか。 158 ◯豊田こども家庭課長=施設入所措置の延長についてお答えいたします。  児童福祉法では、基本的に満十八歳で施設への入所措置は終了いたしますが、施設などで育った子供たちが、一般家庭で育った子供たちと同じように進学や就労しながら自立生活をしていくことは容易ではなく、生活が不安定となりやすく、また就職後、比較的短期間のうちに離職する場合も多うございます。  このため、自立に必要な能力が身につかないまま措置解除することがないよう、十八歳から二十歳に達するまでの間、措置延長を行っているところでございます。  以上でございます。 159 ◯武藤委員=なかなか自立も困難だというふうに感じます。社会人として本当に今後困難にも負けずに自分の道をしっかり歩んでもらいたいというふうに強く願っているところです。  一時保護所や児童養護施設内において、こういう不幸な、家庭的にも困難なところで育って、こういった施設に入所しているというお子さんたちが虐待などに遭わないでほしいというふうなことも思うわけですけれども、一時保護所や児童養護施設は家庭的にも本当に御苦労された子供さんたちが生活していく場です。ですから、こういった施設で虐待や暴行があってはならないというふうに思っておりますけれども、佐賀県内の施設で職員から子供への虐待はあっているのかどうか、最近五年間についてお聞きしたいと思います。あっているのであれば、その内容はどういうものなのかもお答えいただきたいと思います。 160 ◯豊田こども家庭課長=職員による虐待についてでございますが、一時保護所においては職員から子供への虐待はあってございません。  一方、施設におきましては、過去五年間で三件の事案が発生しております。  詳しい内容は控えさせていただきますが、体罰という身体的な暴力、わいせつな行為、性的に不適切なかかわりといった事案がございました。  以上でございます。 161 ◯武藤委員=残念ながら、この五年間で三件あっているという御報告なんですけれども、こういった職員から子供への虐待があった場合に、どういう対応を皆さんたちされているのか、また、再発防止のためにどんな対応をしておられるのかお聞きしたいと思います。 162 ◯豊田こども家庭課長=発生後の対応についててございますが、県はそれぞれの事案につきまして、施設を運営する法人から報告を受けまして、担当職員が施設に出向くなどして事実確認や調査などを行い、再発防止のための取り組みを求めております。  あわせて、被害を受けた子供に対しましては、児童相談所の児童心理司による心理的ケアを行っているところでございます。  また、再発防止のための対応についてでございますが、県といたしましては、施設の再発防止の取り組みが行われているかを、監査や施設訪問などの機会を捉えて確認し、二度とこのようなことが起こらないよう強く求めているところでございます。  職員は、安心を与えてくれる存在であり、信頼できる身近な存在でなければならないと思っております。心に傷を残し、大人への信頼を失うことが決してあってはならないと考えているところでございます。  再発防止の対応といたしましては、施設では児童虐待防止の研修の中で、入所児童への虐待防止の内容も含めて職員研修が行われております。  また、県内全ての児童養護施設には、職員から不当な扱いを受けた場合、子供たちが施設に知られることなく投書できるポストが設置されておりまして、こども家庭課へ届くようになっております。  県が施設指導で訪問した際には、子供たちがそのポストを利用しやすい状況になっているかを確認しております。  このような手法が再発防止の一助になると考えており、子供たちが安心して生活できる環境を確保していきたいと考えております。  以上でございます。 163 ◯武藤委員=体罰や虐待や性的暴力もあるということで、本当に家庭的にもひどい目に遭ってきた子供さんたちが安心して暮らしていけないような状態を施設でつくってはいけないということを心から願っています。安心して生活できないような、そういう施設であってはならないし、皆さんたちが一層努力していただけるようお願いしたいと思っています。  それから、子供同士のトラブルについてですけれども、先ほどの答弁にあったように、幼児から小学校、中学校、高校等、年齢を超えた子供たちが入所しているわけですけれども、いじめやトラブルが起こらないとは言えない状態ではないかなというふうにも心配するわけです。  子供同士のトラブルについてどのように把握されているのか。あればその内容はどうなっているのかをお示しいただきたいと思います。 164 ◯豊田こども家庭課長=子供同士のトラブルについてでございますが、一時保護所や施設においては、委員おっしゃるとおり、さまざまな背景や特性を持つ子供たちが集団で生活をしていることから、子供同士のトラブルはあっており、内容は、けんかや暴言などさまざまであると聞いております。統計のほうは持ち合わせておりません。  以上でございます。 165 ◯武藤委員=子供同士のトラブル、問題があった場合、どんな対応をしておられるんでしょうか。 166 ◯豊田こども家庭課長=発生後の対応についてでございますが、職員が子供たちに配慮しながら聞き取りを行い、事実を確認し、集団生活ではお互いに相手の立場になって生活することが大切であることを諭し、子供たち同士の仲直りを促すことで集団生活が円滑に進むようにしております。  それでも子供たち同士の関係が改善しない場合には、例えば、部屋を変え、できるだけ同じ時間を共有しない環境をつくるなどして、職員が見守っていくこととしております。  また、トラブルによって子供たちがけがをした場合など、職員による目配りが不十分であったと思われる際には、保護者に対しまして丁寧に経緯を説明し、謝罪を行っているところでございます。  以上でございます。 167 ◯武藤委員=佐賀県内ではそういった子供同士のトラブル、その他についての統計がないということなんですけれども、全国的にはとてもトラブルで片づけられないような陰湿な事件や性暴力も明らかになっています。虐待、暴力については、佐賀県の場合はあってほしくないし、ないというふうにも思いたいけれども、統計をとっていないということからいえば、やはりこれは統計は必要なんじゃないかなというふうにも思います。  職員の目を盗んで行われていることもあるというふうに聞き及んでいます。保護者からの虐待から逃れて生活していく場で、そうした被害を受けて精神的に病気になった場合などもあるわけです。学年が進むにつれて、自分がされたことをまた低学年の子に行うようになっていくといったこともあっているようです。本当に言葉にするのもできないような陰湿な事件や性暴力もあっているということ、ある男の子が手記に書いていたそうですけれども、監視の先生の目を盗んで、女の子の部屋から女の子を連れ出してきて男の子の部屋に連れていくというのが自分の役割だった、もうこんなことはしたくないという思いを吐露しているといった手記もあっているというふうに読みました。  それで、やはりそういった全国的にも問題になっていることが佐賀県で決して起こらないであってほしいし、そうは思いますけれども、やっぱりきちっと当事者、担当する方たちがそういうところにまで目配りをして調べていくということが必要なんじゃないかと思いますが、それについてはどうでしょうか。 168 ◯豊田こども家庭課長=今、私どもが把握しているのが、暴言とか、小さなと言っては問題があるかもしれませんけれども、重篤なけがをするとか、施設の方たちが問題が大きいと判断された場合にはきちんと報告は受けておりますので、それに対してはきちんとその時点その時点で適切に対応しているところでございます。  以上でございます。 169 ◯武藤委員=今はそういう対応をきちっとしていらっしゃるでしょうけれども、全国的に起こっているようなことが佐賀県であってはならないし、もしあっているなら大変なことですので、そういった対応も考えていく必要があるし、そういう意味でも子供たちに深くきちっと聞き取りも行っていただきたいと思うんです。それについてはどうでしょう。 170 ◯豊田こども家庭課長=こういったケースが発生しましたときには、加害といいますか、被害の児童だけに、加害とか職員の虐待とかもそうなんですけれども、わからないように聞き取りなども行っておりまして、それについては対応を今しているところでございます。  報告は受けておりましたけれども、統計としてはちょっとまとめておりませんでしたので、今後は年度の件数をきちんと、必要があればすぐに数字が出せるような形で対応したいと思います。  以上でございます。 171 ◯武藤委員=ぜひ統計も準備していただきたいし、そういう施設内でどうしていくのか、機関としても、それから県の行政としても、安全対策委員会なども設けて対応していただくようにお願いしたいと思います。  次に、国民健康保険の県単位化についての質問です。  国民健康保険制度は、国民皆保険として社会保障に位置づけられている最後のとりでです。  六月議会でもこの委員会で質問をいたしましたが、国民健康保険が来年、二〇一八年度の四月から都道府県単位化されることになります。県や市町は残る三カ月、大わらわで仕事をなさっていると思います。  前回、スケジュール的にも無理ではないか、一年延期したほうがいいのではないかということもお聞きしました。でも、そうはできないということでしたので、いよいよ国からの仮係数が示され、標準税率も試算されました。  そこで、次の点についてお聞きいたします。  今回出された試算で、国保税がこれまでより高くなる市町、低くなる市町が出てきます。その状況と上昇率が大きい市町はどうなっているのかお示しください。 172 ◯山中国民健康保険課長=県が公表いたしました標準保険税率等について御回答申し上げます。  先般、国が示しました仮係数を用いて算定した平成三十年度の標準保険税率を公表いたしました。夫四十二歳、所得二百三十三万円、妻四十二歳、専業主婦、子供十歳と七歳という四人家族のモデル世帯において、年間の保険税額が高かった市町は、高いほうから江北町五十九万五百円、多久市五十四万七千六百円、武雄市五十四万七千二百円の順となっております。  逆に年間保険税額が低かった市町は、低いほうから玄海町四十三万六千八百円、有田町四十四万一千七百円、伊万里市四十六万三千百円の順となっております。  また、同じモデル世帯におきます平成三十年度の保険税額と平成二十九年度の保険税額との比較では、六市町で保険税額が下がり、十四市町で保険税額が上がるという算定結果になっております。  現行税率と比較いたしまして、標準保険税率のほうが高くなっている市町のうち、上昇率が大きい市町を大きいほうから申し上げます。  多久市一二・七%、上昇額で六万一千九百円、江北町一二・〇%、上昇額で六万三千四百円、吉野ヶ里町一〇・七%、上昇額四万七千七百円の順でございます。  以上でございます。 173 ◯武藤委員=今お示しいただいたように、先ほどは四人世帯のモデルケースだったんですけれども、高齢世帯、老夫婦二人世帯というのも、大体江北だとか多久、大町だとか、それに鳥栖なども加わってくるわけですけれども、多くなってくるというふうに思われます。  そういった中で、今でさえ国保税が払いたくとも払えないといったところもあります。現在の滞納世帯、たくさんあるわけですけれども、その状況について、まずお聞きしたいと思います。 174 ◯山中国民健康保険課長=国保税の滞納の状況についてお答え申し上げます。  平成二十九年六月時点における平成二十八年度の県全体の滞納世帯数は、九千五百九世帯でございます。国保世帯数が十一万一千百一世帯でございまして、これに占める割合は八・六%となっております。  県内で滞納世帯の占める割合が多い市町を高いほうから申し上げます。上峰町一四・五%、百五十八世帯、嬉野市一三・七%、五百二十五世帯、鳥栖市一二・九%、一千百七世帯の順でございます。  逆に、滞納世帯の占める割合が少ない市町は、少ないほうから白石町二・八%、九十七世帯、有田町五・四%、百五十五世帯、大町町五・七%、六十一世帯の順でございます。 175 ◯武藤委員=今お示しいただきましたけれども、滞納世帯が多いというのは、パーセントでは今おっしゃったとおりなんですけれども、いずれにしても、佐賀市や唐津市や鳥栖市は、世帯数も多いという中で滞納世帯数も実数としては大きいわけですね。  こういったところで保険税が今後上がるとか、あるいは滞納世帯が現在あるところの対応ですが、県単位化とはいいますけれども、資格証発行がふえてしまうということはあってはならないというふうに思うんですけれども、それについてはどのようにお考えなんでしょうか。資格証発行の権限というか、市町の対応ですね、どのようにお考えなんでしょうか。 176 ◯山中国民健康保険課長=まず、税率が高い市町へどう対応するかという件についてお答えさせていただきます。  まず、平成三十年度の制度改革におきまして、国は急激な保険税の負担増にならないように激変緩和措置を講じております。三百億円の暫定措置を講じておりまして、本県におきましても、個別市町への激変緩和措置を実施しているところでございます。  しかしながら、住民負担の視点におきまして、急激な保険税の上昇が見られる場合は、各市町において、財政調整基金の取り崩しや法定外一般会計繰り入れなどの市町独自の激変緩和措置を講じるかどうかを、保険税と公費等によって保険給付との間の収支均衡を図ることが原則であること。それから、一般会計からの繰り入れによって国民健康保険以外の公的医療保険の被保険者に負担をかけることになることなども踏まえて、慎重に検討していただくことになると考えております。  それから、被保険者の資格証明証の件でございますが、一年以上滞納された場合は資格証明書を発行するようにということで国保法のほうに規定がございますので、それは適切に資格証明証の発行事務は市町において行っていただくことになろうかと思います。  以上です。 177 ◯武藤委員=激変緩和措置について触れられましたけれども、もちろん国が激変緩和措置について出しているのは今おっしゃったとおりだと思います。  ただ、厚生労働省が示している三つの案に対して、佐賀県も県内の市町にちゃんとそういったことを周知しておられるのかということと、それから、一般会計からの繰り入れも、前回六月に聞いたとき、それぞれの市町の裁量で行うもので、県がああだこうだとは言わないということもおっしゃったと思うんですけれども、そのことの確認ですね、それをまず一件お聞きしたいと思っています。  それから、資格証発行については、原則的には資格証発行ではなく、短期でもいいから短期保険証をまず渡すと、そこから出発しないといけないと思うので、資格証発行まずありきではないような対応をしていくべきではないかと思うんですが、それについてどうでしょうか。 178 ◯山中国民健康保険課長=まず、個別市町への激変緩和措置の件でございますが、激変緩和措置につきましては、県と市町の会議等の中で激変緩和措置を講じる旨、その内容について御説明をしております。  それから、短期被保険者証の件につきましては、国保税の滞納があった場合に一年未満の短期被保険者証をまず出すという形で市町は適切に対応されておると思います。  それから、資格証明証の場合であっても、緊急やむを得ない場合で本人さんが御病気のような場合は、臨時的に市町の窓口におきまして短期の保険証を出すようなこともできることは市町にお伝えをしているところでございます。  以上です。 179 ◯武藤委員=いずれにしても、機械的に資格証発行をしないということが大原則であるというふうに受けとめていただきたいし、市町にもその旨、ちゃんと知らせていただきたいというふうにも思っております。
     それから、新制度の国保の運営なんですけれども、新制度では、県は保険者として財政運営の責任も持つことになっていくわけです。それはどういう仕組みになっていくんでしょうか。 180 ◯山中国民健康保険課長=国保の新制度におけます特別会計、その他の運営についてでございますが、新制度におきまして、県にも市町と同様に特別会計を創設することになります。これまで各市町の特別会計で完結しておりました方式から、各市町は県に納付金を納めていただき、県は各市町の保険給付費を全額市町へ交付金という形でお支払いする方式に変わることになります。  各市町の納付金は、まず、県全体で医療給付費総額を見込みまして、そこから国と県の公費を差し引いた残りを市町ごとに案分することとなっております。各市町は、県が定めました納付金を納めるため、県が提示する標準保険税率を参考に保険税率を決定していただくことになります。  さらに、これまでの市町内の被保険者相互の支え合いの仕組みに加えまして、市町間相互の支え合いの仕組みも加わるなど、これらの新たな仕組みによりまして、県単位での収支均衡が保たれ、安定的な財政運営が可能となります。  なお、仮算定結果をもとに試算した場合でございますが、県全体の国保財政は約八百五十億円規模になると見込まれます。県の特別会計を経由せず、市町の特別会計からそのまま出産育児諸費等として歳出する経費を差し引いたものが県の特別会計の規模となります。  以上です。 181 ◯武藤委員=県は市町に給付費交付金として保険給付に必要な金額を全額払うというふうなことになりますけれども、その財源はどんなものなんでしょうか。 182 ◯山中国民健康保険課長=保険給付費を賄う財源でございます。  県は、国からの療養給付費等負担金、それから、高額医療費負担金、調整交付金等、合わせまして、県からの一般会計の法定繰入金、市町からの国民健康保険事業費納付金の五つに加えまして、他の公的医療保険から拠出されました前期高齢者交付金を主な財源として、県の特別会計から市町に対して保険給付費等交付金をお支払いすることとなります。  以上です。 183 ◯武藤委員=今後、市町が納付金の確保が困難、つまり世帯から入ってくる国保税がなかなか入ってこないとか、あるいは医療費が高くなったということで、そういった納付金の確保が困難になった場合、県はどういった対応を考えているんでしょうか。 184 ◯山中国民健康保険課長=財源が不足した場合の対応についてでございます。  新たな国保制度におきまして、市町は県が示しました国民健康保険事業費納付金を納めてもらうこととなりますが、もし市町が支払う保険給付費が当初の見込みより多くなったとしても、当該年度の納付金は増額されることはなく、一方、保険給付費については県から必要額が交付金として支払われる仕組みとなっております。  このことから、市町において、条例で適正な保険税率が設定され、市町が必要な保険税を確保するために設定した収納率を達成できれば、単年度収支において基本的に財源不足は発生しない仕組みとなってございます。  しかしながら、保険税調定額が見込みより減少した場合や市町が必要な保険税を確保するために設定した収納率を達成できなかった場合など、市町において財源不足が発生する場合は、県からの財政安定化基金の貸付等の措置を講じることとしております。  以上です。 185 ◯武藤委員=その国保の財政安定化基金ですね、これは貸し付けという形をとるわけでしょう。市町に幾らずつ県から繰り入れますよという形ではないわけですよね。返すために市町は、またそれなりの努力をしていかなくてはいけないということになって、やっぱり国保税がそれぞれの住民のところで上がっていくということにもなりかねないんじゃないかと思うんですね。  そういう意味から言えば、激変緩和措置、今、六年間だというふうに言われておりますけれども、県によっては特別な事情があったりすると財政緩和の期間を延ばしていくということも、弾力的に運用していけるんじゃないかというふうに思いますね。  今の段階でも、全国を見ても、激変緩和の期間を六年間じゃなくて、もう少し延ばしているというようなところもあるわけですね。  本県は、第一次産業、非正規など国保の世帯数は結構多いと思うんですけれども、そういったことも考えながら、先ほど言った激変緩和措置の対応も弾力的に運営していただきたいなというふうにも思っているわけです。  本当に県として積立金を市町に貸し付けるというだけではなくて、やはり一定の繰り入れ制度も考えていくべきなんじゃないかと思うんですけれども、そういう事態になった場合、そこら辺まで考えていただけるのかどうなのか、答えていただきたいと思います。 186 ◯山中国民健康保険課長=先ほど委員おっしゃったような被保険者の負担能力を上回るような事態が生じた場合にどうするかということかと思いますが、今回の制度改革によりまして、県は保険者となります。  それで、財政運営の責任主体となったところでございますが、制度改革後におきましても、持続可能な国民健康保険制度の堅持の最終的な責任は国にあることは変わらないと考えております。  したがいまして、保険者であります県及び市町が新たな国保制度で与えられた役割を果たしたにもかかわらず、国保税額が被保険者の負担能力を上回り、国保制度の円滑な運営に支障が生じるおそれがあるような場合は、国に対しまして制度の見直しや、さらなる公費拡充を求めていくことになるものと考えております。  以上です。 187 ◯武藤委員=今御答弁いただきましたけど、その姿勢はありがたいと思いますし、大事だと思います。しかし、国は一九八〇年のときから国保に対する国の支出を減らしてきているんですよ。つまり、行く行くは医療費削減がそこの狙いだと思うんですけれども、国の社会保障削減の一環として、一九八〇年の国保改正のときからずっと減らしてきている。その結果、市町が苦しみ、そして国保世帯が苦しむという中で、こういう県の単一化ということになってきているわけです。  広域化として新制度がスタートをするということになりましたけれども、国に余り過度な期待もできないんではないかというふうにも思っております。  本来、国が一九八〇年の初めのころと同じように国の支出をもとに戻していけば、こんな苦労もなさらなくてもいいんではないかというふうに思いますけれども、根本のところで国に対してきちんと物を言うということは大事なことだと思っております。  四月から第一段階とも言える県の単位化が始まるんですけれども、それについて、もう三カ月間しかありませんけれども、今後、皆さん方が取り組む状態、それから、スケジュールについて明らかにしていただきたいと思います。 188 ◯山中国民健康保険課長=今後のスケジュールについてでございます。  今回公表しました税率は、県が新制度に向けて市町に予算編成や条例改定等を準備していただくために、国から示されました仮係数を用いて算定したものでございます。今後は、十二月末に国から示されます確定係数を用いまして、県が改めて算定を行い、平成三十年一月に市町へ標準保険税率をお示しすることとしております。  市町におきましては、県が示します標準保険税率を参考に、各市町の国民健康保険運営協議会や議会等での議論を踏まえていただき、保険税率を精査の上、平成三十年度の国保特別会計予算の決定とともに保険税率を決定していただくこととなります。  県は財政運営の責任主体として、引き続き適切な助言を行いまして、市町とともに、国民健康保険の安定的な運営を目指し、平成三十年四月の新たな制度への円滑な移行に向けた準備を進めてまいりたいと考えております。  以上です。 189 ◯武藤委員=これは部長にお聞きしたいんですけれども、先ほど私が激変緩和のことを申し上げました。六年間と一応なっているけれども、佐賀県の特別な事情とかも考えていくならば、それを独自に延長するということも可能ではないかというふうに指摘したんですけれども、本当に市町や被保険者の方たちが、いろいろ大変な中で、そういったことも考えていただくように、そのときそのときの場面に応じてだとは思いますけれども、ぜひそのあたりも考えていただけるような佐賀県であってほしいなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。 190 ◯藤原健康福祉部長=委員からの御質問にお答えいたしたいと思います。  先ほど国民健康保険課長のほうからもお答えいたしましたけれども、その限度を超えるような状況があれば、そこはしっかり県であれ、市町であれ、この新しい制度のもとで、できることはしっかりやった上で国に対して求めていくということはしたいというふうには考えてございますけれども、現時点で何か県として独自に繰り入れると、そういったところは現時点では考えていないところでございます。  ただ、もっともこの制度運営に当たりましては、また、この制度の準備に当たりましては、市町の意見もしっかり聞きながら取り組んできたところでございますので、また制度が始まってからもしっかりと市町と意見交換をしながら、どういう制度運営ができるかということは考えていきたいというふうに思っております。  以上です。 191 ◯武藤委員=部長が努力をしていただくということはわかりますけれど、とにかく今、安倍政権がやろうとしていることは生活保護を削減したり、そういった保険制度、国民皆保険制度をなし崩しにしていくようなことになって、本当に国民の人たちから悲鳴が上がっているんですね。私のうちにも毎日のように、もう生活苦で大変だというようなことで、国は何で弱い者いじめするんだというようなお怒りの声もお寄せいただくわけですけれども、本当にこういう県民が苦しむような制度であってはいけないということは、改めて申し上げておきたいというふうに思います。  それから、最後の質問になりましたが、少人数学級の推進についてです。  全ての子供たちが豊かな学校生活を過ごし、健やかに成長できることは県民みんなの願いです。私は、行き届いた教育のためにも、少人数学級の実現と推進、そして、教育環境の整備と充実、父母負担の軽減など、これまでも求めてまいりました。だからこそ、教職員の健康管理や働き方などにも光を当てなければと、教育委員会の皆さんに毎議会のように教育現場における問題提起や、父母、県民の願いを発言してまいりました。  佐賀県では一九九四年に全国に先駆けて、今、唐津市、当時の北波多村で独自の工夫で三十五人以上のクラスに先生を一人ふやしての三十五人以下学級というのが行われ、小さな村の大きな取り組みとして注目をされました。一クラス二十人規模になった学校では、通知表つけが四十人だったときと比べて、本当に早く進むようになった、済んだ。そして、その時間は芋判をみんなでつくったり、チューリップの球根を植えながら、子供たちと触れ合える時間がふえたということで保護者からも大歓迎されました。  この経験から、父母、県民は、佐賀県教育委員会や知事に対して、ぜひ独自の裁量で少人数学校の実現を求める要請行動や署名が取り組まれ、大きな運動に発展しました。否決されても毎年毎年要請行動は行われ、前古川知事が就任して二年目にやっと少人数学級の実施を述べたのです。それからの佐賀県が今日に至るまで、どんな取り組みをしてきたのかを改めてお聞きしたいと思います。 192 ◯青木教職員課長=少人数学級の推進に係る経緯についてお答えいたします。  佐賀県教育委員会では、本県教育の充実を図るべく、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」、いわゆる義務教育標準法に基づく教職員の配置を行っております。  加えて、平成十七年度からは、基礎的な生活習慣や学習習慣を身につけるため、県単独で小学校低学年に少人数学級またはチームティーチングによる指導の選択制を導入したところであります。  また、平成二十一年度からは、いわゆる中一ギャップを解消し、生徒指導面の充実を図るため、一定規模以上の中学校第一学年に、そして、平成二十二年度からは全ての中学校第一学年に少人数学級、またはチームティーチングによる指導の選択制を導入し、県単独で必要な人員の配置などの措置を講じております。  こうした状況の中、平成二十三年度に義務教育標準法が改正され、小学校第一学年は三十五人学級が制度化されたものの、その附則において小学校第二学年以降は学級編制の標準を順次改定し、法制上その他の必要な措置を講ずることとされていることについては、まだ実現に至っていない状況でございます。  本県においては、引き続き県単独の人員配置により、小学校第二学年及び中学校第一学年で少人数学級、またはチームティーチングによる指導の選択制を実施しているところでございます。  以上です。 193 ◯武藤委員=今、平成十七年から始まった小学校低学年の少人数学級、もしくはTTの選択制の話もございましたし、中一ギャップに対応する中学校一年生の少人数学級の実現も話をされました。  国が義務教育標準法を小学校一年生から適用したということでもって、全国的にも小学校一年生は少人数学級になっているんですね。佐賀県民のこうした運動が風穴をあけたというふうに思っているんです。少人数学級の取り組みが、今、全国的にも広がって、本当にすばらしい進展をしているというふうに思います。  小中学校全ての学年で少人数学級が行われているのは二十の府県になっています。また、その他の県も独自に学年を広げております。佐賀と同じように、小一、小二と中一というのは、七都道県にすぎません。全国に先駆けて頑張った本県が、今やおくれた県になっているんですね。それを思えば、これで果たしていいんだろうかというふうに思わざるを得ません。  教育熱心な佐賀県の伝統を受け継いで、やはり佐賀県も少人数学級をさらに進めていくという立場に立っていただきたいのですが、それについてはどのようにお考えでしょうか。 194 ◯青木教職員課長=少人数学級のさらなる推進に向けた今後の取り組みについてお答えいたします。  佐賀県教育委員会としましては、さまざまな教育課題に適切に対応し、これまでのきめ細やかな指導が後退することのないようにするため、教職員の定数をきちんと確保していくことが必要と考えております。  そのためにも、少人数学級の実施など義務教育の根幹にかかわる事項については、本来、教育の機会均等と教育の水準維持の観点から、国の責任において措置がなされ、同時に安定的な採用、配置が行えるように計画的な実施がなされるべきものと理解しております。  しかしながら、学級編制の標準引き下げが進まない一方で、平成二十九年四月一日から、いわゆる義務教育標準法の一部改正が施行され、教職員定数にかかわる改正がなされたところでございます。  そもそも教職員の定数は、学級数や児童生徒数から算定する基礎定数と目的に応じて毎年文部科学省から配当される加配定数に分けられます。  今回の改正点は、これまで毎年の国の予算折衝に係り、配当数が不安定であった加配定数の一部が、算定基準を満たせば確実に確保できる基礎定数になったところでございます。  具体的には、これまで加配であった指導方法工夫改善という定数が一定の割合で基礎定数として算定できることになりました。  この基礎定数を活用して、小学校第三学年以降のチームティーチング、または少人数学級の選択制として拡大できないか、今後、研究をしてまいりたいと考えております。  以上です。 195 ◯武藤委員=今後、三年生で基礎定数の指導方法の工夫の部分が改善されるというのであれば、ぜひぜひ研究し、取り組んでいただきたいと思うんですね。一遍に全学年をと言いたいけれども、それができれば一番いいんですけれども、まずは三年生からでもぜひぜひやっていただきたいと思うんです。  先ほども言ったように、本来ならもちろん義務教育ですから、国がやるべきことです。教育の機会均等です。ですから、よその県でも、今、佐賀県の状況に学んで頑張って、しかも全学年やっているという県がふえていく中で、本当に佐賀県がおくれているということになっているのはとても残念なことなんですね。ですから、一歩ずつでも自分たちの県の子供たちの教育環境をしっかりとよくしていくという立場に立っていただきたいと思うんです。  本当にこれに関して、今、小学校で三年生、四年生、五年生、六年生、平均三十五人を超える学級数がどれぐらいあるのか。また、三年生でどれぐらいあるのかを改めてお聞きしたいと思います。 196 ◯青木教職員課長=平成二十九年五月一日現在で標準学級をもとにした算定でおきますと、小学校で平均三十五人以上を超える学校につきましては、三年生で二十四校、四年生で二十四校、五年生で二十二校、六年生で十九校、合計八十九校ございます。  以上でございます。 197 ◯武藤委員=今お聞きしたように、本当に佐賀県民の長い間の県民運動で風穴をあけたこの少人数学級ですね、ぜひ努力をして頑張っていただきたいと思うんですが、教育長改めて、今、少人数学級にしては教員をふやすということになり、一人一人に目が行き届き、授業もより丁寧に向き合えるということになりますし、教員の健康管理の上でも、本当によくなっていくんではないか、その一歩になっていくんではないかというふうにも思いますので、改めて教育長が子供たちに目の行き届く教育のために頑張っていただく決意を述べていただきたいと思います。 198 ◯白水教育長=先ほど課長が申しましたように、現在、県単独で小学校二年生、中学一年生、少人数学級、またはチームティーチングの選択制を敷いております。また、基礎定数を活用しまして、小学校三年以降につきましても、チームティーチングまたは少人数学級の選択制は拡大できないのかということで、今、研究を進めておりますが、こういう学級編制の基準につきましては、先ほど委員御指摘のように、義務教育の根幹でございます。なかなか県独自で引き下げることは難しいことでございますが、特にこれから国において、やっぱりしっかり制度設計をして実施すべきというふうに私たちは考えております。  本年度も国への政策提案、または全国の教育委員会の連合会、または全国の教育長連合会でも要望しましたけれども、今後も引き続き要望していきたいと思います。よろしくお願いします。  以上でございます。 199 ◯宮原委員長=それでは、これで質疑を終了いたしたいと思います。  理事会開催のため、暫時休憩をいたします。     午後三時二十一分 休憩     午後三時四十五分 開議 200 ◯宮原委員長=それでは、委員会を再開いたします。     ○ 附帯決議案提出 201 ◯宮原委員長=ただいま委員長の手元に木原奉文委員外七名から、「甲第三十九号議案 平成二十九年度佐賀県一般会計補正予算(第四号)に対する附帯決議(案)」が提出されました。これは皆様にお手元に配付しておりますとおりのものでございます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    甲第三十九号議案    平成二十九年度佐賀県一般会計補正予算(第四号)に対する    附帯決議(案)  県教育委員会は、平成二十六年度から全県立高校の生徒に一人一台の学習用 パソコンを導入し、ICT利活用教育を推進してきたが、これまで生徒の保護 者による負担としてきた制度を、来年度から県費により賃借した後、生徒に貸 与する制度に改め、その運用を変更しようとしている。  この変更は、入学時の保護者負担を軽減するという観点から行うものである ことは理解するものの、制度導入時に県議会において議論を尽くして決めた方 針を大きく変更する内容にもかかわらず、方針決定に至る過程において何ら情 報提供を行うことなく、唐突に提案したことで、十分な議論の時間を確保しな かったことは極めて遺憾であり、今回の一連の経緯は納得し難い。  また、変更にかかる県教育委員会の説明は、議論の重要な判断材料である全 体経費等に関する部分が二転三転したばかりでなく、これまで学習用パソコン を購入してきた生徒・保護者への変更にかかる説明が不十分な内容と言わざる を得ない。  ついては、今回の事案を教訓とし、再びこのようなことがないよう、県教育 委員会、併せて予算の調製権及び議案の提案権を所掌する県執行部に対し、県
    政の重要課題や県民に直接利害等を及ぼすような事案等にあっては、議論の時 間を十分に確保し、拙速に事業を進めることのないよう強く要請する。  県教育委員会に対しては、ICT利活用教育の推進にあたり、現場の実情を 十分に把握し、不断の検証を怠らず、十分な教育効果を挙げるよう求めるとと もに、生徒・保護者に対し、今回の変更に関する情報提供を早期かつ丁寧に行 うことで、特に、変更前に学習用パソコンを購入した生徒・保護者の理解を得 るよう強く要請する。  以上、決議する。 平成二十九年十二月十二日      提 出 者   木 原 奉 文   中 倉 政 義              石 倉 秀 郷   徳 光 清 孝              宮 原 真 一   古 賀 陽 三              池 田 正 恭   木 村 雄 一 佐賀県議会文教厚生常任委員会 委員長 宮原真一 様      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     ○ 附帯決議案上程 202 ◯宮原委員長=直ちに附帯決議案を議題といたします。  この際、本附帯決議案について、提出者の趣旨説明を求めます。 203 ◯木原委員=それでは、今回の提案の教育委員会の学習用パソコンの問題についての趣旨説明を行います。  今回の問題につきましては、一般質問でもさまざまな議論がございました。また、本日の委員会でも質疑があったとおりでございます。私のほうから附帯決議案につきまして趣旨説明を行いますが、その内容を読み上げて趣旨説明にかえさせていただきたいと思います。  甲第三十九号議案  平成二十九年度佐賀県一般会計補正予算(第四号)に対する附帯決議(案)  県教育委員会は、平成二十六年度から全県立高校の生徒に一人一台の学習用 パソコンを導入し、ICT利活用教育を推進してきたが、これまで生徒の保護 者による負担としてきた制度を、来年度から県費により賃借した後、生徒に貸 与する制度に改め、その運用を変更しようとしている。  この変更は、入学時の保護者負担を軽減するという観点から行うものである ことは理解するものの、制度導入時に県議会において議論を尽くして決めた方 針を大きく変更する内容にもかかわらず、方針決定に至る過程において何ら情 報提供を行うことなく、唐突に提案したことで、十分な議論の時間を確保しな かったことは極めて遺憾であり、今回の一連の経緯は納得し難い。  また、変更にかかる県教育委員会の説明は、議論の重要な判断材料である全 体経費等に関する部分が二転三転したばかりでなく、これまで学習用パソコン を購入してきた生徒・保護者への変更にかかる説明が不十分な内容と言わざる を得ない。  ついては、今回の事案を教訓とし、再びこのようなことがないよう、県教育 委員会、併せて予算の調製権及び議案の提案権を所掌する県執行部に対し、県 政の重要課題や県民に直接利害等を及ぼすような事案等にあっては、議論の時 間を十分に確保し、拙速に事業を進めることのないよう強く要請する。  県教育委員会に対しては、ICT利活用教育の推進にあたり、現場の実情を 十分に把握し、不断の検証を怠らず、十分な教育効果を挙げるよう求めるとと もに、生徒・保護者に対し、今回の変更に関する情報提供を早期かつ丁寧に行 うことで、特に、変更前に学習用パソコンを購入した生徒・保護者の理解を得 るよう強く要請する。  以上、決議する。   平成二十九年十二月十二日      提 出 者   木 原 奉 文   中 倉 政 義              石 倉 秀 郷   徳 光 清 孝              宮 原 真 一   古 賀 陽 三              池 田 正 恭   木 村 雄 一 佐賀県議会文教厚生常任委員会委員長 宮原真一 様  以上です。 204 ◯宮原委員長=これより質疑に入ります。質疑はございませんでしょうか。 205 ◯武藤委員=日本共産党の武藤明美でございます。  今、附帯決議案が示されました。私は本来、附帯決議というのは、案件が非常に賛否両論逼迫して、拮抗していたときに運用に当たっての注意事項ということで示されていく内容だというふうに思っておりますが、今回、県教育委員会が提案しているこの案件については、本当に父母、県民が願っていることでもあります。しかし、私自身、今のこの附帯決議に盛られている文言について、もう本当に気持ちは同じように思っている次第なんです。それは最初に導入されるときに、生徒にこんな保護者負担五万円もかけるようなものを何で導入するのかと、貸与方式にすべきじゃないか。県が備品という形になぜできないのかということをずっと主張してきたわけです。それができないということになって四年間、保護者の方はお金を払い続けてこられました。  今回、貸与方式になって、以前購入された子供さんや保護者の方たちがどんなふうに思われるのかということや、ほかの部局からは事前に、今こういうことを検討しておりますけれども、県議会に諮りたいというようなことの報告があって、丁寧な対応がされて大きな変更の場合など、新しい案の場合、そういったことがされて議会で正式に諮るというようなことも経験してまいりました。そういう点においては、教育委員会は丁寧さを欠いているなということを痛感いたしました。しかし、この附帯決議について、気持ちはわかるんですけれども、これまで一般質問や、それから委員会でも質疑が交わされてきたところです。なぜこれを改めて附帯決議として提出されるのかということ、それから、こういう状況において、この附帯決議について撤回できないのかということについて提出者にお聞きしたいと思っております。 206 ◯木原委員=ただいま武藤委員から私に対しての質疑がございましたけれども、委員会や、先ほども申しましたように一般質問やきょうの委員会でもありました。そしてまた、武藤委員からもただいま出ましたけれども、今回の変更の議論の過程には、いわゆる拙速感というものがありまして、そして、何よりも今まで購入をしてこられた保護者の方々に十分なる説明が行われていないと、そのように我々は考えております。  そういう中で、この点につきまして議案の採決に当たりまして教育委員会、そして、県の執行部に対して委員会としてのいわゆる意思を示すべきと、そういうふうに考えたところでございます。  以上です。 207 ◯武藤委員=撤回できないという趣旨の御答弁だったと思います。残念です。  ただ、この問題は、教育委員会初めほかの部局も大いに教訓としていただきたいし、何よりも、私は教育委員会の皆さんが、チーム教育委員会としての体をなしていないということを言わざるを得ません。教育長をしっかり支えなければならない副教育長や課長さんたち、室長さんたち、この方たちが教育職におられた教育長をしっかり支えるという認識がないからこんなことになったんではないかということも指摘しておきたいと思います。大いに反省を求めるものです。 208 ◯宮原委員長=ほかに質疑はございますでしょうか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕 209 ◯宮原委員長=それでは、質疑を終了いたしたいと思います。  それでは、これより討論に入りたいと思います。  甲第三十九号議案中本委員会関係分及び本案に対する附帯決議案について一括して討論に入りますが、討論の通告はあっておりませんので、討論なしと認めます。よって、討論を終了し、直ちに採決に入ります。     ○ 採     決 210 ◯宮原委員長=まず、甲第三十九号議案中本委員会関係分を採決いたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 211 ◯宮原委員長=全員起立と認めます。よって、本議案は原案のとおり可決されました。  次に、「甲第三十九号議案 平成二十九年度佐賀県一般会計補正予算(第四号)に対する附帯決議(案)」について採決いたします。  本附帯決議案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 212 ◯宮原委員長=全員起立と認めます。よって、本附帯決議案は可決されました。  次に、ただいま議決された議案を除く他の議案について討論に入りますが、討論の通告はあっておりませんので、討論なしと認めます。よって、討論を終了し、直ちに採決に入ります。  乙第五十九号議案から乙第六十二号議案まで四件、乙第七十号議案及び乙第七十三号議案、以上六件の議案を一括して採決いたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 213 ◯宮原委員長=全員起立と認めます。よって、以上六件の議案は原案のとおり可決されました。  次に、請第二号請願「全学年で三十五人学級の実現、教育の無償化、教育条件の改善を!二〇一七年度 すべての子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願」を採決いたします。  本請願を採決することに賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 214 ◯宮原委員長=起立者少数と認めます。よって、本請願は不採択となりました。     ○ 継 続 審 査 215 ◯宮原委員長=最後に、九月定例会から引き続き審議中の 一、県民環境行政について 一、健康福祉行政について 一、男女参画・子育て行政について 一、教育の振興について  以上四件につきましては、諸般の検討を必要といたしますので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これに御異議ございませんでしょうか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 216 ◯宮原委員長=御異議なしと認めます。よって、以上の四件につきましては継続審査を議長に申し出ることといたします。  以上で、本委員会に付託されました案件の全部を議了いたしました。  これをもちまして文教厚生常任委員会を閉会いたします。お疲れさまでございました。     午後三時五十九分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...