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  1. 佐賀県議会 2017-12-12
    平成29年県土整備・警察常任委員会 本文 開催日:2017年12月12日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時二分 開議 ◯定松委員長=ただいまから県土整備警察常任委員会を開催いたします。  これより質疑に入ります。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◯米倉委員=おはようございます。久しぶりの委員会質問で、随分緊張しております。昨日来、きょうはとにかく午前中に終われという至上命題でございますので、協力をしたいと思います。よろしくお願いします。  今回は、道と川について質問させていただきます。  道や川は、私たちの生活を支える大切なものです。今さら申すまでもありませんが、道路は通勤通学、通院や買い物、あるいは人々の生産活動、文化活動、観光交流、輸送流通、さらには救急救命、防災活動などなど、およそ人間生活のあらゆる場面において、どの世代においても、どの地域にとっても必要不可欠な重要なインフラであり、その整備は行政の重要な役割の一つと言えます。  一方、河川は、かつて鉄道や車両の少ない時代にあっては、交通、物流の動脈として活用されてきました。その名残が今でも随所にあります。  例えば、私の地域には土羽と呼ばれる箇所があり、いわば川の港として石炭や年貢米、木材や陶製品のかめなどの輸出搬出に大きな役割を担ってきました。今でもかめ土羽と称される場所もあります。  川の水は、飲み水として、あるいは農作物の栽培や工業用水として利活用され、私たちの暮らしやなりわいに大きな恩恵をもたらしています。せせらぎの音や、ゆったりと流れる水面の情景は、人々の心を和ませ、癒やしてくれます。  しかし、一たび大雨に見舞われますと、その穏やかな表情は一変し、暴れ川となって牙をむき出し、私どもを襲ってきます。洪水を発生させ、時には人の命を奪うことさえあります。  こうしたことから、道路や河川の整備は、私どもの文化的、健康的な生活に欠かせないものと考えております。  今回、私の地元、県西部、とりわけ厳木、相知に係る道路、河川の整備についてお尋ねいたします。  まず、一項目めですが、佐賀唐津道路について、るる御質問をさせていただきます。  現在、県では、県土の一体的な発展と交流促進を図るため、有明海沿岸道路佐賀唐津道路西九州自動車道、国道四百九十八号などから成る広域幹線道路ネットワークの整備を重点的に進められています。  中でも佐賀唐津道路は、県都佐賀市と県下第二の都市である唐津市を結ぶ県内縦貫道路の性格を有し、佐賀─唐津間の人、物の流れを活発化させる重要な路線であり、早期の整備を望む声が数多く寄せられております。  佐賀唐津道路のうち、国で整備が進められていた厳木バイパスは、平成八年に浪瀬インターまで、平成十四年には岩屋インターまでの区間が供用開始されるなど順次延伸され、その後、平成二十六年三月に相知長部田インターまでの区間が全線開通しております。  その開通式には私も参加する機会を得て、地元の大野大黒舞の踊りの披露もございました。  この厳木バイパスの開通に伴い、平成二十九年度末には相知長部田インターから牧瀬インターまでの区間の国道二〇三号現道部が国から県へ移管されると伺っており、今議会にその移管に伴う県道の路線認定についての議案が上程されています。  そこで、次の点についてお伺いします。
     国道二〇三号現道部分の県への移管についてです。  まず、県西部地域における移管の事例についてであります。  これまで県西部地域において、直轄国道バイパス整備に伴い旧道となる部分が県に移管された事例はほかにもあるのかお尋ねいたします。 3 ◯平尾道路課長県西部地域におけます移管の事例についてお答えいたします。  県西部地域において、直轄国道バイパス整備に伴い旧道となる部分が県に移管された直近の事例としては、平成十四年に県道認定いたしました県道虹の松原線がございます。  県道虹の松原線は、直轄国道である国道二百二号のうち、浜玉町から唐津市和多田までの区間を国道二百二号唐津バイパスとして整備され、このことに伴いまして平成十四年四月に、それまで国道となっておりました唐津市東町から浜玉町浜崎までの区間が国から県に移管され、県道に認定したものでございます。  以上でございます。 4 ◯米倉委員=県道の認定要件についてお伺いします。  今回の移管に伴い、国道二〇三号の一部が県道相知厳木線となるわけですけれども、県道の路線認定の要件についてお尋ねいたします。 5 ◯平尾道路課長=県道の認定要件についてお答えいたします。  都道府県道認定要件につきましては、道路法第七条第一項の各号で規定されておりまして、市や町などの主要地間や主要な観光地を連絡する道路、また、主要地と国道または都道府県道とを連絡する道路などが上げられておりますが、このうち、第六号では「前各号に掲げるもののほか、地方開発のために特に必要な道路」と規定されているところです。  また、ここでいう「地方開発のために特に必要な道路」の具体的な内容につきましては、国土交通省道路局長通達に示されておりますが、その通達の中で、その一つに「一般国道の改良工事により旧道となる区間の道路のうち、道路交通の確保上特に必要な幹線的なもの」という規定がございます。  今回移管されます国道二百三号の現道につきましては、唐津市内だけでなく、唐津市と多久市などの県内主要都市とを結ぶ幹線的な役割を有しておりまして、県の道路交通上重要な位置にあることから、これに該当するものとして県道の認定を行うものでございます。  以上でございます。 6 ◯米倉委員=県道の路線名についてお伺いします。  県道の路線名については、どのような考えで設定しているのかお尋ねします。 7 ◯平尾道路課長=県道の路線名についてお答えいたします。  路線名のつけ方につきましては、国土交通省道路局長通達により基準が定められており、その中で「路線名は原則として路線の起点と終点の名称を起終点の順に呼称する」こととされております。  このため、移管予定でございます国道二百三号の起点が唐津市となっていることから、認定予定の県道につきましては、起点を唐津市側の相知町と、終点を佐賀市側の厳木町として、路線名を相知厳木線としたものでございます。  また、県道としての路線番号につきましては、欠番などはあるものの、これまでの認定順から、三百五十号となる予定でございます。  以上でございます。 8 ◯米倉委員=移管に際しての国の対応についてですけれども、移管に際して、国、つまり佐賀国道事務所とはどのような協議が行われて、佐賀国道事務所はどのように対応されたのかお伺いします。 9 ◯平尾道路課長=移管に際しての国の対応についてお答えいたします。  国道二百三号の移管予定の区間につきましては、移管後の県の維持管理に係る負担軽減のため、現在の管理者でございます佐賀国道事務所に対して、道路施設を良好な状態で移管していただくため、平成二十八年度及び平成二十九年度に佐賀国道事務所、今後管理をいたします唐津土木事務所、また道路課の三者によりまして、現地にて立ち会いを行い、道路施設の点検をしたところでございます。  点検結果に基づきまして、劣化した舗装、破損した横断歩道橋、経年劣化による橋梁の補修、見えにくい区画線の引き直し、破損した道路附属物の取りかえなどにつきまして、移管までに補修などを行うように佐賀国道事務所と協議を行ったところです。  現在、佐賀国道事務所におきまして、県の依頼内容に基づき道路施設などの補修工事が行われておりまして、今年度末までに完了させる予定となっているところでございます。  以上でございます。 10 ◯米倉委員=県への移管後の維持管理でございますが、これまで国道二〇三号の維持管理は、直轄国道として国が担ってきたところでありますけれども、移管後は当然のことながら、これらの負担を県が担うことになっていきます。  県の厳しい財政状況の中で、移管後、県はどのように維持管理を行っていかれるのかお伺いします。  正直なところ、ありがた迷惑なところもあるんじゃないかと思ったりしますけど、余談ですけれども、どうお考えでしょうかお願いします。 11 ◯平尾道路課長=県への移管後の維持管理についてお答えいたします。  移管後は、県管理道路維持管理基準に基づきまして、週二回のパトロールや道路除草などの年間管理、また、橋梁などの五年に一回の点検、舗装表面にできました穴を塞ぐ舗装補修などの維持管理を行うこととなります。  いずれにいたしましても、移管される道路につきましては、県管理道路の一つとして、道路利用者が安全・安心に通行できるよう適切な道路の維持管理に努めていくこととしております。  以上でございます。 12 ◯米倉委員=上のバイパスができましてから、随分と交通量も縮減してきましたし、交通事故も大分なくなってきました。  補修の面でもやりやすいと言ったらおかしいですけれども、スムーズにできていくんじゃないかと期待しておりますので、どうぞよろしくお願いしておきます。  次に、本山橋から岩屋駅間についてですが、国道二〇三号の本山橋から岩屋駅までの歩道整備が行われております。  これまで私自身も地元の皆さんとともに佐賀国道事務所へ要望し、国により整備が進められてきたところです。  今後、県へ移管されるまでにどの程度国により整備されるのかお尋ねいたします。 13 ◯平尾道路課長=本山橋から岩屋駅間の国の取り組み状況についてお答えいたします。  委員御指摘の本山橋から岩屋駅までの約四百メートルの区間につきましては、現在、管理者でございます佐賀国道事務所において、本山橋から岩屋駅方面へ約八十メートルの区間の整備が進められているところです。  具体的には、平成二十四年度から本山自歩道整備事業として、片側に三・五メートルの自転車歩行者道を整備する事業に着手され、今年度も昨年度に引き続き工事を進められておりまして、県へ移管される平成二十九年度末までに完了される予定と聞いております。  以上でございます。 14 ◯米倉委員=そこはしっかりとやっていただくように要望しておきます。  今後の取り組みについてですが、国道二〇三号の本山橋から岩屋駅までの、いわゆる事業未着手区間の整備について県はどのように考えておられるのかお伺いします。 15 ◯平尾道路課長=今後の取り組みについてお答えいたします。  残る事業未着手の約三百二十メートルの区間につきましては、地元の本山地区から歩道設置を要望されていることは県としても承知をしているところでございます。  県といたしましては、交通安全事業など新規に事業を行うためには、まずは地元の合意形成が必要であるというふうに考えております。  このため、県道への移管後、改めて地元の方々などから要望を聞かせていただいた上で、交通量や自転車歩行者数等、現在の利用状況、また県内の優先度や緊急度、地元の合意形成の状況などを踏まえながら整備について検討をしていきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 16 ◯米倉委員=ぜひとも良好な道路環境ができますようにお願いをいたしておきます。  次に、唐津─相知間のことなんですけれども、佐賀唐津道路については、東多久バイパスから順次整備され、厳木バイパスが平成二十六年三月に暫定二車線で全線供用されたことにより、一定の効果が得られたところですが、残る唐津─相知間約十キロについては、国において、平成七年調査区間として指定されて以降、今日まで具体的な動きが見えないように感じています。  そこで、次の点についてお伺いします。  まず、整備の必要性と効果についてですが、唐津─相知間の整備につきましては、国への要望活動を行っておるわけですけれども、国からは、単に時間短縮効果だけでは必要性を訴えることが難しいと聞いております。私は、時間短縮こそが最大の効果であると思っていますし、もちろんその他の効果として、例えば、相互アクセス向上産業観光振興地域活性化防災対策強化等々が想定されますが、県においては、整備の必要性と効果についてどのように考えておられるかお伺いいたします。 17 ◯平尾道路課長=整備の必要性と効果につきましてお答えいたします。  佐賀唐津道路は、西九州自動車道有明海沿岸道路と連結し、県都佐賀市と県内人口第二位の唐津市を結ぶ延長約四十キロの地域高規格道路でございます。  このうち、唐津市相知町から多久市までの厳木バイパス厳木多久有料道路及び東多久バイパスの延長約十五・五キロメートルの区間が供用されているところでございます。  委員御指摘の唐津─相知間につきましては、県としても整備の必要性については認識をしているところでございまして、国への提案活動などを実施しているところです。  国への提案活動などにおきましては、道路利用者の利便性が向上するといった時間短縮の効果だけでなく、道路が整備されることによって得られます、さまざまなストック効果を用いまして、整備の必要性を訴えているところでございます。  例えば、唐津─相知間の整備によりまして、佐賀唐津道路の沿線の新産業集積エリア唐津への企業立地が進み、製造品の出荷額や地域の雇用が増加するなど、地域の生産拠点が創出される効果が期待されているところです。  また、唐津くんちと佐賀インターナショナルバルーンフェスタが、例年十一月の同時期に開催となっておりまして、この二大祭りをめぐる観光ツアーが商品化されるなど、佐賀唐津道路を活用して、佐賀と唐津の両地域に観光客を相互に呼び込むなどの観光による地域活性化が図られるといった効果もあるというふうに考えております。  このほかにも、唐津─相知間の整備により、委員先ほど御紹介がありました物流の効率化、また救急医療活動の支援、交通混雑の緩和、安全性の向上などのストック効果も期待されているところでございます。  いずれにいたしましても、佐賀唐津道路は、西九州自動車道有明海沿岸道路と連結して広域幹線道路ネットワークを形成するとともに、九州佐賀国際空港や唐津港などの広域交通拠点との連携強化を図る重要な路線であり、唐津─相知間の整備の必要性は高いものと認識をしているところでございます。  以上でございます。 18 ◯米倉委員=現在の状況と今後の取り組みでございますが、唐津─相知間の現在の状況、そして、今後の県の取り組みについてお伺いします。 19 ◯平尾道路課長=現在の状況と今後の取り組みについてお答えいたします。  唐津─相知間につきましては、現在、国から事業化の見通しが立っていないというふうに聞いておりますが、広域幹線道路ネットワークは形成されることで初めて、先ほど答弁いたしましたストック効果が発揮されるものというふうに考えております。  そのため県におきましては、平成二十九年五月に行いました国への政策提案の中で、唐津─相知間ができるだけ早く整備に向けての道筋が示されるよう提案活動を行ったところでございます。  県といたしましては、今後も引き続き、県議会や地元期成会と協力しながら、国へ働きかけていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 20 ◯米倉委員=いろいろ重要な効果等も期待できるわけでして、いずれにしても、唐津、玄海の人たちの切なる願いであることには間違いありませんし、私どもも何とか道筋をつけたいというふうに考えております。できる範囲で要望活動をしてまいる所存です。  県におかれましても、これまで以上にしっかりと提案、要望活動をさらに進めていただきたいと思っております。  よろしくお願いして、次の質問に移ります。  二項目めです。松浦川水系厳木川河川整備についてでございます。  松浦川では、未曽有の被害をもたらした昭和二十八年六月洪水以降、この洪水と同規模の洪水に対して県民の安全を確保するために、国により資産が集中する下流域から順次治水対策を進められてきました。この結果、整備が進んだ松浦川中下流域では浸水被害も少なくなり、以前と比べると安心した暮らしが営めるようになり、水田の被害も皆無に近くなりました。ありがたいことだと思っております。  しかしながら、松浦川水系厳木川においては、上流に厳木ダムが整備されてはいるものの、整備が進んでいない厳木町本山地区などの中上流部では、平成二年七月洪水のほか、平成十八年九月の集中豪雨など浸水被害が今日でもたびたび発生している状況にあり、依然として住民の方々は大雨のたびに浸水を心配されております。  厳木川の整備を順次上流に進めるに当たっては、JR橋や国道橋のかけかえなどの課題があることは認識しておりますが、本年七月の九州北部豪雨による被害を目の当たりにし、整備が進んでいない厳木川でも早急にその整備を図る必要があると考えております。  そこで、次の点についてお伺いします。  河川整備の計画についてです。  松浦川水系河川整備計画について、国管理区間松浦川水系河川整備計画の内容はどうなっているのかお尋ねいたします。 21 ◯横尾河川砂防課長松浦川水系河川整備計画についてお答えいたします。  松浦川水系のうち、国で管理されております区間の河川整備計画につきましては、松浦川水系河川整備計画といたしまして、平成二十一年七月二十一日に策定されたところでございます。  この松浦川水系河川整備計画では、おおむね三十年に一回の確率で発生する洪水に対しまして、決壊や越水などによる家屋の浸水被害を防止することを目標とされております。  実施に当たりましては、松浦川本川と、厳木川ですとか徳須恵川などの支川及び上下流治水バランスなどに配慮いたしまして、松浦川水系治水安全度を確保するとされております。  具体的には、決壊ですとか越水などによりまして家屋の浸水被害が予想される区間に対しまして、築堤及び堤防のかさ上げや拡幅、また河道の掘削、堰の改築、また橋梁のかけかえなどを実施するとされております。  さらに、河川管理施設の適正な維持管理及び操作や防災情報の充実、防災力の向上、危機管理体制の強化などにより洪水被害の防止または軽減を図るとされているところでございます。  以上でございます。 22 ◯米倉委員=厳木川の河川整備計画の内容はどうなっているのかお尋ねします。 23 ◯横尾河川砂防課長=支川となります厳木川の河川整備計画についてお答えいたします。  支川の厳木川につきましては、松浦川水系河川整備計画におきまして、松浦川本川の整備目標と同様に、おおむね三十年に一回の確率で発生いたします洪水に対して、決壊や越水等による家屋の浸水被害を防止するため、既設の厳木ダムによる洪水調節や堤防の整備により計画流量を安全に流下させることを目標とされております。  具体的には、堤防の高さ、幅が不足している相知地区、湯屋・田頭地区、本山地区におきまして築堤などが計画されており、河道断面が不足しております湯屋、田頭、楠、町切地区、また長部田、本山地区などにおきまして河道掘削を実施するとされております。  また、施設の管理者と調整いたしまして、本山の鉄道橋ですとか国道二〇三号の本山橋などのかけかえを実施するとされているところでございます。  以上でございます。 24 ◯米倉委員=それでは、その整備の状況について、現状についてお伺いします。  松浦川における河川整備の現状はどうなっているのかお尋ねします。 25 ◯横尾河川砂防課長=松浦川におけます河川整備の現状についてお答えいたします。  事業者であります国に確認いたしましたところ、松浦川につきましては、上下流の治水バランスに配慮しながら、順次整備が進められておりまして、河川整備計画の策定後、平成二十一年以後になりますが、これまでに本川上流部の萩ノ尾地区の河道掘削ですとか徳須恵川中流部行合野地区の築堤などが実施されたところでございます。  また、現在、流下能力が低い徳須恵川下流部の築堤や堤防かさ上げが行われているところでございます。  さらに、治水安全度や背後地の状況を考慮いたしまして、氾濫が発生した場合でも、堤防決壊までの時間を少しでも引き延ばすことを目的といたしまして、堤防天端の保護ですとか堤防裏のり尻の補強なども実施されているというふうに聞いているところでございます。  以上でございます。
    26 ◯米倉委員=それでは、厳木川の河川整備の現状についてお尋ねします。 27 ◯横尾河川砂防課長=厳木川の河川整備の現状についてお答えいたします。  支川となります厳木川につきましても、本川の松浦川と同様に下流側より治水バランスに配慮し順次整備が進められているところでございます。平成二十八年度までに相知地区の築堤、湯屋・田頭地区の河道掘削、田頭橋のかけかえ、学校前橋の撤去などが行われております。本山鉄道橋下流付近までの整備が進められてきたところでございます。  本年度は、国道本山橋上流の河床掘削、しゅんせつが一部行われる予定と聞いているところでございます。  以上でございます。 28 ◯米倉委員=今後の整備予定と県の取り組みについてお伺いします。  今後の整備予定ですけれども、厳木川の今後の整備予定はどうなっているのかお伺いします。 29 ◯横尾河川砂防課長=厳木川の今後の整備予定についてお答えいたします。  事業者であります国に確認いたしましたところ、松浦川水系の今後の整備に当たりましては、本川の松浦川と厳木川や徳須恵川などの支川及び上下流治水安全度のバランスを考慮いたしまして整備を行うこととされております。  現在、徳須恵川下流の築堤等を進めるとともに、堤防裏のり尻の補強を行うこととされておりまして、厳木川につきましては、田頭地区と相知地区堤防裏のり尻の補強を行い、本山鉄道橋や国道本山橋などにつきましては、かけかえ着手に向けて調査・設計を実施していく予定と伺っているところでございます。  以上でございます。 30 ◯米倉委員=橋梁のかけかえにおける課題についてです。  厳木川の整備を早急に進める必要があると考えておりますけれども、治水対策上支障となっておりますJR橋や国道橋をかけかえるに当たっては、どのような課題があるのかお伺いしますけれども、地元の要望としてありますので、ちょっとそれを読み上げます。  「厳木川の河川改修は、下流側より順次改修されてきたが、国道二〇三号本山橋、JR本山橋が十年に一度の洪水に対応していないため、流下能力を阻害する要因となり、厳木町本山地区はたびたび床下浸水に見舞われております。平成二十一年七月の松浦川水系河川整備計画にも必要性が明記されているところですが、国道橋、JR橋のかけかえには長期の期間と予算が必要と思われます。この河川改修は、地元を含めた五者協議の場を早急に設置し、整備に一歩前進させることが急務であります。」というふうなことが要望として上がっております。  このことについては、また次の項目でありますけれども、この課題についてどうお考えなのかお伺いいたします。 31 ◯横尾河川砂防課長=橋梁のかけかえにおける課題についてお答えいたします。  本山鉄道橋ですとか国道の本山橋のかけかえにおけます課題は、まず一点目に、二つの橋梁が近接していることですとか、付近に家屋が集中していることから、設計や施工計画に当たりまして十分な検討が必要であること、また、関係機関で十分な調整が必要であるということ、次に、家屋との近接施工となるため、地元の理解と協力が不可欠であること、また三点目といたしまして、工事着手後も複雑な施工計画や騒音、振動に対する対応などが予想されることなど、さまざまな課題があるというふうに認識しているところでございます。  以上でございます。 32 ◯米倉委員=さっき少し触れましたけれども、五者協議についてお伺いします。  橋梁かけかえに向けた取り組みとして、まずは関係機関である国、県、市、JR、地元の五者が集まって善後策を協議すべきだと考えておりますが、県としてはどのように考えておられるかお伺いします。  また、現在は国道橋と言っておりますが、県道移管になれば当然これは県道橋になっていくわけだろうと思いますけども、そこら辺も含めてどういうお考えかお伺いします。 33 ◯横尾河川砂防課長=五者協議についてお答えいたします。  橋梁のかけかえにつきましては、先ほどお答えしたとおり、多くの課題があり、事業を円滑に進めていくためには、国、県、市、JR、地元などの関係機関が多いということもございますので、相互にしっかりと協議、連携しながら取り組んでいく必要があるというふうに考えております。  特に、事業を進めるには、地元の理解と協力が不可欠でございますので、地元に対して丁寧な説明が必要と考えております。  先ほど委員からお話あったように、国道橋が次、県道橋となるということで道路管理者がかわりますが、そういったところも含めて関係機関、また地元の関係者と協議、連携を図りながら、橋梁かけかえの早期着手に向けてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。 34 ◯米倉委員=今後のことなんですけれども、厳木川の早期整備に向けて、今後県はどのように取り組んでいかれるのかお伺いします。 35 ◯横尾河川砂防課長=早期整備に向けた県の取り組みということでお答えさせていただきます。  県といたしましても、近年浸水被害が発生しております厳木川の整備の必要性は十分認識しているところでございます。  厳木川の治水安全度を向上させるためには、まずは、本山鉄道橋ですとか本山橋のかけかえの早期着手が必要であるというふうに考えているところでございます。関係機関や地元関係者などと協議、連携を図りながら、事業の早期着手に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。  また、事業を進めるに当たっては、予算の確保が不可欠であるところでございます。  いずれにいたしましても県としましては、地元住民の声を十分に受けとめながら、一日でも早く必要な河川整備の進捗が図られますよう、地元唐津市や期成会と連携しながら、事業者である国に対してさまざまな機会を捉えて働きかけてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 36 ◯米倉委員=大体これで質問は終わりなんですけれども、道路や河川の整備にはそれこそ、先ほど答弁ありましたように、多額の経費と年月を要します。県におかれては、常々国への政策提案をなされており、先週の八日でしたか、知事と議長による社会資本整備予算確保の要請が行われたと伺っております。今後におかれましても、より強くさらなる国への働きかけ、要望をお願いしまして質問を終わります。 37 ◯藤崎委員=早速、質問のほうに入らせていただきたいと思います。  昨日、現地視察におきまして、河川整備交付金事業の田手川、吉野ヶ里町、また、道路改良事業一般県道東与賀佐賀線本庄工区を見てまいりました。しっかりとやっていただいているという印象を持ちました。あとはやはり予算の確保、これが非常に重要なんだろうというふうに理解しているところであります。  そういう観点から何点か質問させていただきたいと思います。  初めに、広域幹線道路の整備についてであります。  広域的な幹線道路の重要性は言うまでもありませんが、佐賀県においては有明海沿岸道路佐賀唐津道路西九州自動車道及び国道四百九十八号で形成される広域幹線道路ネットワークの整備を重点的に進めていただいております。  そこで初めに、有明海沿岸道路、この大川佐賀道路についてお尋ねをいたします。  まず、現在の進捗状況についてでありますが、有明海沿岸道路の福岡県区間については、国の直轄事業として着々と整備が進められ、これまでに幾つもの区間で供用が行われております。そのことによって、一般道路の混雑緩和や企業の立地など、さまざまな整備効果があらわれているというふうに認識しております。九月には福岡県柳川市の柳川西インターから徳益インターまでの四・五キロ区間が暫定二車線で開通し、さらなる整備効果も期待されているところであります。  一方、福岡県境を含む大川佐賀道路についても先般、九月の常任委員会で現地視察をいたしましたが、早津江川の橋梁についても、これはしっかりと目に見える形で整備が進んでおりました。  そこで、現在の大川佐賀道路の進捗状況についてお尋ねをいたします。 38 ◯平尾道路課長=大川佐賀道路の現在の進捗状況についてお答えいたします。  有明海沿岸道路は、大牟田市から鹿島市までの延長約五十五キロの地域高規格道路でございます。佐賀県内におきましては、福岡県側から大川佐賀道路、佐賀福富道路、福富鹿島道路の三区間となっております。  このうち、国で事業が行われております大川佐賀道路につきましては、延長約九キロメートルの区間でございまして、現在、諸富地区、川副地区、東与賀地区の三地区において整備が進められているところでございます。  まず、諸富地区につきましては、早津江川にかかります橋梁の下部工及び上部工の工事が推進をされております。  また、昨年度から用地買収に着手されておりまして、引き続き用地買収が進められるとともに、今年度から諸富高架橋の下部工の工事に着手されると聞いております。  次に、川副地区につきましては、道路予備設計が進められていると聞いております。  次に、東与賀地区につきましては、平成二十六年度から用地買収に着手され、引き続き用地買収の推進が図られているところでございます。  また、軟弱地盤対策の工法選定のための試験盛り土の工事が進められておりまして、完了した試験盛り土の沈下量などの観測が行われるなど、工法の検討も進められているところです。  このほか、仮称でございますが、東与賀インターにかかる橋梁の下部工の工事についても進められていると聞いております。  以上でございます。 39 ◯藤崎委員=それでは、今後の見通しについて答弁を求めます。 40 ◯平尾道路課長=大川佐賀道路の今後の見通しについてお答えいたします。  大川佐賀道路の諸富地区につきましては、早津江川にかかります橋梁について、今後も引き続き上部工及び下部工の工事が進められ、また、用地買収についても進捗が図られる予定であると聞いております。  次に、川副地区につきましては、今後、道路設計の内容につきまして地元説明会が行われる予定と聞いております。  また、東与賀地区につきましては、用地買収や仮称東与賀インターにかかる橋梁の下部工の工事などが進められるとともに、試験盛り土の沈下量などの観測及び軟弱地盤対策の工法検討などが進められると聞いているところです。  このように、今後、大川佐賀道路につきましては、目に見える形で事業が展開されていくものと期待をしているところです。  以上でございます。 41 ◯藤崎委員=一点、なかなか答弁しにくいことかと思いますけれども、質問させていただきたいと思います。  大野島インターチェンジへのアクセス道路についてであります。  これは福岡県大川市大野島内に有明海沿岸道路の大野島インターチェンジが設置をされるということから、佐賀市川副町大詫間地区の方々は、この大野島インターチェンジへのアクセス道路として、県境をまたぐ県道大詫間大川線を利用することになります。しかしながら、福岡県内の区間は幅員狭小で、線形も非常によくないことから、当該区間の整備が強く望まれているというふうな話も聞いております。  要望区間が福岡県側ということで、この委員会においてなかなか難しい事案であろうかと思いますが、県としてどのように対応していただけるのか、あえてお尋ねをさせていただきたいと思います。 42 ◯平尾道路課長=大野島インターチェンジへのアクセス道路についてお答えいたします。  大野島インターが将来供用され、大詫間地区の方々が利用される場合には、県道大詫間大川線を使われることが想定されますが、委員御指摘のこの区間につきましては福岡県の道路となることから、佐賀県が整備をすることは難しいというふうに考えているところでございます。  なお、ことしの十月には、この区間につきまして地元の方々から佐賀県にも要望があったことから、福岡県へ要望内容を伝えたところでございます。  今後も、こうした地元の方々からの声につきましては、福岡県へ届けていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 43 ◯藤崎委員=それでは、佐賀福富道路について質問させていただきます。  現在の進捗状況についてでありますが、県で事業中の佐賀福富道路については、一部区間の開通により、時間短縮や周辺道路の混雑緩和の効果があらわれております。  佐賀福富道路の整備については、こうした効果以外にも、九州佐賀国際空港や県医療センター好生館へのアクセス向上、災害時における救急・救援物資の輸送、水産物・農産物の輸送効率の向上など、多くの整備効果が期待されていて、できるだけ早期の完成が望まれています。  そこで、佐賀福富道路の現在の進捗状況について、どのようになっているのかお尋ねいたします。 44 ◯平尾道路課長=佐賀福富道路の現在の進捗状況についてお答えいたします。  県で事業を進めております佐賀福富道路につきましては、佐賀道路と接続しますジャンクションから福富インターまでの延長約十・五キロメートルの区間となっております。  このうち、平成二十八年三月までに嘉瀬南インターから芦刈南インター間の延長約六・五キロメートルを供用したところでございます。  現在は、この先の区間の芦刈南インターから福富インター間の延長約三・五キロメートルにつきまして整備を進めております。  このうち、芦刈南インターから福富北インター間の約一・四キロメートルの区間につきましては、平成二十七年度までに用地買収は完了しているところです。  また、この区間で整備を進めております六角川大橋の橋梁工事につきましては、平成二十六年度から着手しておりまして、現在、上部工の工事の進捗を図っているところでございます。  次に、福富北インターから福富インター間の約二・一キロメートルの区間につきましては、用地買収の進捗に努めているところでございまして、十一月末現在の進捗率は面積ベースで約九二%となっております。  また、福富地区におきましては、想定した以上に軟弱粘土層が厚いことや土の強度が低いことが判明したことから、軟弱地盤対策工法の見直しを行うために、平成二十八年度から試験盛り土を行っておりまして、現在、盛り土の沈下状況などを計測しているところでございます。  以上でございます。 45 ◯藤崎委員=では、これについても今後の見通しについて答弁を求めます。 46 ◯平尾道路課長=佐賀福富道路の今後の見通しについてお答えいたします。  今後も、引き続き芦刈南インターから福富インター間の整備を進めていくこととしております。まずは、事業用地の確保が重要であることから、未買収地の用地確保のため、白石町や地元の御協力をいただきながら用地買収を進めていきたいと考えております。  さらに、六角川大橋の工事につきましては、引き続き上部工の工事の進捗を図っていくこととしております。  また、軟弱地盤対策工法につきましては、試験盛り土の計測結果を分析いたしまして対策工法を決定することとしております。  いずれにいたしましても、有明海沿岸道路につきましては、長期にわたり本県の発展を支える重要な社会資本でございまして、重点的に整備を行っていく必要があると認識をしているところです。  整備を計画的、着実に進めるに当たりましては、まずは、継続的な予算の確保が必要であり、平成二十九年五月の知事による政策提案や、平成二十九年八月に行いました県議会や地元期成会と一体となりました提案活動など、機会を捉えて国への提案活動を行ったところでございます。また、そのほか国との調整会議などにおいても提案を行っているところです。  県といたしましては、今後も引き続き県議会や地元期成会などと協力をしながら、有明海沿岸道路の早期整備に向けて、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 47 ◯藤崎委員=有明海沿岸道路については、本当にオール佐賀県でぜひ取り組んで、一日も早い完成を望まれるものだと。  私も二十代のときに東京から佐賀に帰ってきたときに、有明海、当時、湾岸道路というふうな話を聞いて、そんなすごい道路ができるんだというふうな夢を膨らました思いが本当についきのうのように思います。それがもう本当に目の前に来ているということは感動に近いものがあります。  なかなか難しい面はあろうかと思います。難工事だと思いますが、しっかりと予算確保に努めていたただいて、努力していただきたいというふうに思います。  次に、佐賀唐津道路の佐賀道路についてであります。  現在の状況についてでありますが、多久市から佐賀市までの区間、いわゆる多久─佐賀間については、多久市から小城市三日月町までの多久佐賀道路(I期)と呼ばれる区間は、国において事業が進められ、国道三十四号から有明海沿岸道路に接続する仮称佐賀ジャンクションまでの佐賀道路と呼ばれる区間は、県で事業が進められていると聞きます。  一方、それら二つの道路をつなぐ区間であります小城市三日月町から国道三十四号までの多久佐賀道路(II期)と呼ばれる区間については、事業者が未定であると聞いており、早期に事業者を決定していただきたいものと思うわけでありますが、佐賀唐津道路の事業効果を発揮させるには、多久─佐賀間全区間の早期整備が望まれています。  そこで、多久─佐賀間のうち、県において事業を行っている佐賀道路について、現在の状況はどのようになっているのかお尋ねをいたします。 48 ◯平尾道路課長=佐賀道路の現在の状況についてお答えいたします。  佐賀唐津道路は、西九州自動車道有明海沿岸道路と連結して広域幹線道路ネットワークを形成するとともに、九州佐賀国際空港や唐津港などの広域交通拠点との連絡強化を図ります延長約四十キロの地域高規格道路でございます。  多久─佐賀間のうち、国道三十四号から有明海沿岸道路に接続いたしますジャンクションまでの約四キロメートルの区間である佐賀道路につきましては、昨年度、国の補助事業として新規事業の採択を受け、県で整備を進めているところでございます。
     このうち、ジャンクションから、仮称でございますが、嘉瀬北インターまでの区間につきましては、昨年度末から進めておりました測量が完了し、現在、その測量をもとに道路の予備設計及び地質調査を実施しているところでございます。  以上でございます。 49 ◯藤崎委員=では、今後の見通しについて、どのようになっているのかお尋ねいたします。 50 ◯平尾道路課長=今後の見通しについてお答えいたします。  現在実施しております道路予備設計が完了した後、来年度には道路計画の内容につきまして地元説明会を行い、詳細な設計を進めていきたいというふうに考えております。  なお、佐賀道路の整備を計画的、着実に進めていくためには、継続的な予算の確保が重要でございます。引き続き国への政策提案などを進めていきたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、佐賀道路につきましては、有明海沿岸道路とネットワークを形成し、事業効果を発揮することが重要であるというふうに考えておりまして、引き続き早期整備に向けて、しっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上でございます。 51 ◯藤崎委員=道路については、本当に町ができる、また変わる、そういう大きな影響力があります。そういう意味ではしっかりと力強く進めていただきたい。  一方で、やはりそのためには地域の協力といったものが必要であることから、そういう御理解であったり御協力といったものは丁寧にあわせてやっていただきたいというふうに思います。  また、五十五分圏構想と以前聞いておりましたけれども、この広域的な幹線道路にあわせて、やはり安全・安心という意味での危険を回避するための、そういった交通安全用の道路整備といったものも、身近な道路整備もあわせて進めていただきたい。  選択と集中というのは、今の限られた財源の中では、これはもう大きな流れだと思います。ただ一方で、やはりどうしても広い分散型の佐賀県内でありますから、それぞれの地域にいろんな課題があることもぜひ、大所高所からの目線も必要だけれども、やはり地域に目線をおろした、そういった施策もあわせて心配りをやっていただきたいというふうにも思うところであります。  それでは次に、中小河川緊急治水対策プロジェクトについて質問させていただきます。  近年、全国各地で集中豪雨が発生し、それに伴う自然災害が頻発化、激甚化しております。本年も七月五日から九日にかけて発生した九州北部豪雨では、福岡県朝倉市や大分県日田市を中心に、数十年に一度の猛烈な豪雨となり、河川の氾濫や、大量の流木、土砂流出を伴う大規模な土砂災害が発生いたしました。  このような中、国において十二月一日に中小河川緊急治水対策プロジェクトが公表されました。このプロジェクトでは、九州北部豪雨や近年の豪雨災害を教訓に行った全国の中小河川の緊急点検結果を踏まえ、中小河川で緊急的な対策を行うというふうに聞いております。  九州北部豪雨のような大規模な災害がいつどこで発生してもおかしくない状況であると考えれば、県内においても緊急的点検結果を踏まえた対策を講じることが重要となります。  そこで、何点かお尋ねをいたします。  初めに九州北部豪雨についてでありますが、福岡県朝倉市などが豪雨に見舞われ、大きな被害が発生しております。被災した地域の降雨状況はどのようなものであったのかお尋ねをしたいと思います。 52 ◯横尾河川砂防課長九州北部豪雨の被災地の降雨状況についてお答えいたします。  九州北部豪雨では、福岡県や大分県、佐賀県などで局地的に非常に激しい雨が降りまして、特に福岡県筑後の北部から大分県西部にかけて線状降水帯が形成されて猛烈な雨が降ったところでございます。  御質問がありました被災地の降雨状況でございますが、七月五日から九日にかけての総降水量につきましては、福岡県朝倉市で平年七月の一カ月の降水量の約一・八倍となります六百三十・五ミリを観測し、大分県日田市では平年七月の一カ月の降水量の約一・三倍となります四百四十八ミリを観測しているところでございます。  また、最大の二十四時間降水量につきましては、朝倉市で五百四十五・五ミリ、日田市で三百七十ミリを観測し、いずれも観測史上最大となっているところでございます。  最大一時間降水量につきましては、朝倉市で観測史上最大となります百二十九・五ミリを観測し、日田市では八十七・五ミリを観測しております。  いずれにいたしましても、被災した各地で観測史上最大となるような記録的な降雨が観測されているところでございます。  以上でございます。 53 ◯藤崎委員=本当に、以前は大体年間千七百ミリとか千九百ミリと言われていた中で、これだけの雨が降ったというのは恐怖にも似た思いの怖い雨だったろうというふうに思います。  そこで、県内の降雨状況についてお尋ねしたいと思います。  九州北部豪雨における県内の降雨状況はどうであったのかお尋ねをいたします。 54 ◯横尾河川砂防課長九州北部豪雨時の県内の降雨状況についてお答えいたします。  九州北部豪雨時の県内の降雨状況といたしましては、七月五日から九日にかけて最も降水量が多かった白石町におきまして、総降水量が平年七月の一カ月の降水量の約一・四倍となります四百六十三・五ミリを観測しております。  また、佐賀市川副町では、平年七月の一月の降水量の約一・一倍となります三百六十一・五ミリを観測しております。  最大二十四時間降水量につきましては、佐賀市川副町で観測史上最大となります二百九十・五ミリを観測し、白石町では観測史上第二位となります三百二十八・五ミリを観測しております。  また、最大一時間雨量につきましては、小城市小城町で八十七ミリを観測しております。  有明海沿岸の平野部を中心に七月五日から九日までの五日間で、平年七月の一カ月の降水量を上回る猛烈な豪雨に見舞われたところでございます。  以上でございます。 55 ◯藤崎委員=特に県内の平野部で猛烈な豪雨というふうになったということですが、県土整備部関係で所管している被害というのはどういう状況だったのかお尋ねいたします。 56 ◯横尾河川砂防課長=県内で県土整備部関係の被害状況についてお答えいたします。  九州北部豪雨時におけます県土整備部関係の被害といたしましては、道路のり面や河川護岸の崩壊などが発生いたしまして、県関係で二件、市町関係で二十四件、合計二十六件の公共土木施設の災害が発生しているところでございます。  また、これとは別に、土砂災害につきましては、多久市で二件、武雄市で六件、小城市で一件、有田町で一件の合計十件が発生し、うち有田町では家屋の一部損壊が一棟確認されているところでございます。  また、筑後川上流部で発生しました土砂災害によりまして大量の流木など、量といたしまして約二万二千立方メートルほどございましたが、こういった大量の流木などが本県の有明海沿岸の海岸施設に漂流、漂着したことが今回の災害の特徴となっているところでございます。  このほか、県の管理道路で、国道二路線、県道八路線の合計十路線で冠水による通行どめが発生したというところでございます。  以上でございます。 57 ◯藤崎委員=それでは、その九州北部豪雨等の豪雨災害を踏まえた緊急点検についてお尋ねしたいと思います。  初めに、国と県が連携して中小河川の緊急点検が行われたというふうに聞いておりますが、どのような理由、背景で行われたのかお尋ねをいたします。 58 ◯横尾河川砂防課長=中小河川の緊急点検がどのような理由で行われたかということでお答えいたします。  今回の緊急点検は、九州北部豪雨等の豪雨災害による中小河川の氾濫など、近年の豪雨災害の特徴を踏まえた対策を推進するために行われたものでございます。  近年の豪雨災害の背景とか課題につきましては、まず九州北部豪雨では、局地的かつ猛烈な降雨によりまして、急流河川などで大量の土砂の流出や流木が発生し被害が拡大したこと、また二つ目に、全国の中小河川におきまして、越水等によりたび重なる浸水被害が発生しておりまして、治水安全度が低い河川も多いことから、再度の氾濫発生の危険性が高いということ、三点目といたしまして、避難勧告発令などの判断ですとか河川の状況を把握するための水位計の設置が進んでいないということから、住民に避難に対する対策が十分でないことなどが背景、課題として挙げられるところでございます。  以上でございます。 59 ◯藤崎委員=それでは、その緊急点検はどのような点検内容となっているのかお尋ねいたします。 60 ◯横尾河川砂防課長=緊急点検の内容についてお答えいたします。  緊急点検の内容は、渓流におけます土砂・流木対策、河川におけます再度の氾濫防止対策及び水位把握の三項目について、対策が必要な箇所の洗い出しを行ったものでございます。  具体的には、一つ目の項目といたしまして、渓流における土砂・流木対策の点検といたしまして、谷に土砂が堆積してできました谷底平野と呼ばれるものですが、この谷底平野を流れる河川や過去に土砂、流木による甚大な被害が発生した履歴がある河川を対象といたしまして、氾濫発生の危険度や想定される被害の程度、土砂や流木の氾濫による被害が想定される重要施設の有無について確認を行ったところでございます。  また、次の二つ目の項目といたしまして、河川における再度の氾濫防止対策の点検といたしまして、中小河川の重要水防箇所を対象といたしまして、氾濫発生の危険度や想定される被害の程度、浸水が想定される重要施設の有無などについて確認を行ったところでございます。  三つ目の項目の水位の把握の点検といたしましては、中小河川を対象といたしまして、各河川におけます水位計の設置状況ですとか水位把握が必要な箇所の抽出について確認を行ったところでございます。  以上でございます。 61 ◯藤崎委員=それでは、その緊急点検の結果を踏まえた中小河川緊急治水対策プロジェクトというものが十二月一日に国から公表されましたが、その内容について質問いたします。 62 ◯横尾河川砂防課長=中小河川緊急治水対策プロジェクトの内容についてお答えいたします。  先ほどお答えしました三つの項目について実施しました緊急点検の結果を踏まえまして、とられる対応策について中小河川緊急治水対策プロジェクトとして国において取りまとめられて、去る十二月一日に公表されたところでございます。  このプロジェクトで、全国の約七百渓流での土砂・流木対策、全国の約四百河川、約三百キロメートルでの再度の氾濫防止対策、全国の約五千河川、約五千八百カ所での洪水時の水位監視、以上の対策を、平成三十二年を目途として、今後おおむね三年間で推進するということにされております。  具体的な対策の内容といたしましては、まず土砂・流木対策といたしまして、土砂、流木による被害の危険性が高い中小河川におきまして、土砂・流木捕捉効果の高い透過型砂防堰堤等の設置。また、再度の氾濫防止対策としまして、浸水家屋数が多いなど、緊急的に再度の氾濫防止対策が必要な区間におきまして、多数の家屋や重要な施設の浸水被害を解消するための流下能力を向上させる河道の掘削など。また最後に三項目めといたしまして、洪水時の水位監視として、水位把握の必要性の高い中小河川におきまして、近隣住民の避難を支援するための低コストの水位計の設置などの対策がその内容となっているところでございます。  また、平成三十二年度を目途として行われるよう、交付金による支援等を実施することとされているところでございます。  以上でございます。 63 ◯藤崎委員=では、そのプロジェクトを具現化していくために、今後県はどのように取り組んでいくのか伺います。 64 ◯横尾河川砂防課長=県の今後の取り組みについてお答えいたします。  県では、中小河川緊急治水対策プロジェクトに基づきまして、今後対策を行うこととしております。  まず、土砂・流木対策につきましては、現在、砂防事業を実施中の箇所のうち、近年、土石流災害が発生したことのある市町で、多数の家屋や要配慮者施設などに被害が想定される九つの渓流におきまして、透過型砂防堰堤等の整備を行うこととしております。  また、再度の氾濫防止対策といたしまして、重要水防区間のうち、現在、河川改修事業を実施中の箇所で、近年、洪水により被災した履歴があり、再度の氾濫により多数の家屋ですとか要配慮者利用施設、役場等の浸水被害が想定される十一の河川、五・七キロメートルにおけます河道の掘削ですとか堤防の整備を行うこととしております。  三点目に、洪水時の水位監視といたしまして、堤防の決壊や越水等が発生した場合に、人家や要配慮者利用施設などの浸水の危険性が高く、的確な避難判断のための水位観測が必要な二十河川、二十箇所に低コスト水位計の新設を行うなどの対策を推進していくこととしております。  いずれにいたしましても、国の交付金を活用いたしまして、今後、平成三十二年度を目途としましたおおむね三年間で、中小河川緊急治水対策プロジェクトに位置づけられた対策をしっかりと進め、県民の安全・安心な暮らしを支えてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 65 ◯藤崎委員=治水については、県が行う大規模なものもありますし、また、市町が行う、より身近な治水の事業もあります。よく連携をされて、なおかつ地元負担であったり、そういう受益者負担というものも生じてくる場合もあります。なかなか高齢化していく中で、地域の負担が重荷になっているというふうな話も聞く場合があります。砂防など急傾斜事業等ですね。  そういった意味で、よくいろんな課題を聞いていただいて、ぜひ解決に向けて知恵を出し合っていただきたいというふうにも思うわけであります。  では次に、公共工事発注の平準化について質問させていただきます。  県土整備部の十一月補正予算におきまして、繰越明許費や工事量の平準化や端境期における中小建設業者の受注機会の確保につながる、いわゆるゼロ県債が要求されております。  そこで、次の点について伺います。  県土整備部の繰越明許費についてであります。  十一月補正後予算におきます繰越明許費は、最近どのように推移しているのか伺います。 66 ◯熊崎県土企画課長=十一月補正後予算におきます繰越明許費の近年の推移についてお答えいたします。  十一月補正後予算の繰越明許費でございますが、平成二十七年度が約七十三億六千六百万円、平成二十八年度が約百三十四億二千六百万円、平成二十九年度が約六十五億九千六百万円となっております。  平成二十八年度の金額が突出をしておりますが、これは国の経済対策第四次分、約七十二億円を含んでいるためでございまして、これを除きますと、最近の三カ年ではおおむね六十億円台から七十億円台で推移をしているところでございます。  以上でございます。 67 ◯藤崎委員=それでは、十一月補正で要求しておられます県土整備部の繰り越しの主な理由についてお尋ねいたします。 68 ◯熊崎県土企画課長=十一月補正で要求している繰り越しの主な理由についてお答えいたします。  今回提案しております十一月補正予算におきまして、県土整備部では百三十一件、総額で約六十四億一千八百万円の繰越明許費を提案しております。  これを理由別に整理をいたしますと、用地補償交渉や工事の内容、方法等についての地元調整がおくれたことによりますものが九十九件、約四十九億六千五百万円、金額ベース約七七%を占めております。  また、関係事業者との調整に日数を要するなど、事業主体側の事情に起因するものが三十一件、約十四億三千八百万円、金額ベースで二二%というふうになっております。  以上でございます。 69 ◯藤崎委員=では、その現状についてどのように認識しているのか、この際お尋ねいたします。 70 ◯熊崎県土企画課長=繰越明許費の現状認識ということでお答えいたします。  繰り越しには、事業効果の早期発現ですとか端境期対策などの効果があるというふうに認識をしております。ただ、これは予算の会計年度独立の原則の例外というふうに認識をしておりまして、事業はやはり年度内に完了するということが本来あるべき姿でございます。繰り越しについてはできるだけ縮減をしていくべきものと考えております。  このため、事業計画段階におきましては事前調査や工法の検討を行います。また事業着手に当たりましては、事業計画だけではなく事業の必要性や効果等についても丁寧に説明することによりまして、地元の理解を十分得るなどの事前調整や、工事がおくれたものにつきましては分割発注を検討するなど、今後も引き続き繰越明許費の縮減に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 71 ◯藤崎委員=経済対策があったりとかすると、なかなか限られた職員体制の中では難しい事案もあろうかと思います。しかし、やはりここは予算の単年度独立ということで、原則を今答弁されたように、しっかりと守っていくための努力といったものはやっていただきたいというふうに思うわけであります。  ただ一方では、やはり無理な進め方というものもまたこれは課題が出てこようかと思いますので、そこは丁寧に、そういうやむを得ぬものもやはりあろうかと思います。そういったところは丁寧に説明をしていただくことで、より県民の理解を得るという面も大事ではないかなというふうに思うわけであります。  その繰越明許費に対する理解を得るという意味においては、建設業界側の経営状況といったものに思いをいたしたときの対策といったものを非常に大事にしていただきたいなと私は思っております。そういう意味では、建設工事早期着手対策費、いわゆるゼロ県債についてであります。  このゼロ県債というものについて、まず初めに説明を求めたいと思います。 72 ◯熊崎県土企画課長=ゼロ県債について御説明をいたします。  ゼロ県債とは、翌年度に発注予定の工事の一部を前年度中に前倒しして発注できるように債務負担行為の設定を行うというものでございまして、契約初年度に支出を要さないことからゼロ県債と呼んでおります。  ゼロ県債は、工事の前倒し発注によりまして、雨季前に工事を完了できるようにしまして、大雨等による浸水や土砂災害の未然防止などの事業効果の早期発現を図りますとともに、年間を通した工事量の平準化、端境期における中小建設業者の受注機会の確保につなげるということを目的としております。  以上でございます。
    73 ◯藤崎委員=このゼロ県債というものは、非常にいい面があるというふうにも思うんですね。やはり今言われた河川工事などは、まさにその取水期の前に終えるような、年度を越せばすぐに着手できると、そういう意味では非常によい事業であるなというふうに思います。  こういった面はぜひ今後もしっかり進めていただきたいというふうに思うわけでありますが、一方、心配される点もあるわけでありまして、いわゆる前払金のところですよね、こういった面がちょっとどのようになっていくのかなというふうな心配もありますし、当然、年度を越してすぐ着手ということなんで、その時点で前払金というふうになるのかどうか私もよくわかりませんが、保証協会なり、そういったところとの連携もしていただくことで、年度を越して着手した場合の着手資金、そういったもののところはしっかりとやっておられるとは思いますけれども、配慮して取り組んでいただきたいというふうに思うわけであります。  また予算の確保についても、交付金として着実に設定する以上は予算が配分していただけるよう、ここはしっかり取り組んでいただきたいということもあわせてお願いしておきたいと思います。  そこで、ゼロ県債の内容についてでありますけれども、十一月補正予算で要求しているゼロ県債の事業はどうなっているのかお尋ねいたします。 74 ◯熊崎県土企画課長=ゼロ県債の内容についてお答えいたします。  十一月補正で提案をしておりますゼロ県債事業といたしましては、翌年度の当初予算に計上を予定しております単独事業のうち、道路保全事業や河川保全事業、砂防施設整備事業などの中から、先ほど申し上げました梅雨入り前までの浸水や土砂災害等の未然防止などの事業効果の早期発現が見込まれる箇所を選定しております。  また、平成二十八年二月から、国土交通省の交付金事業につきましてもゼロ県債の設定が可能となりましたことから、昨年度から道路整備交付金事業や河川整備交付金事業の中からも同様の箇所を選定しているところでございます。  以上でございます。 75 ◯藤崎委員=本当に答弁を聞くと非常にいい事業だと思いますので、ぜひそこはしっかり取り組んで着実に進めていただきたいというふうに思います。  梅雨入り前にそういう河川の治水事業ができるというのは、これは非常によいことでありますし、以前は、せっかく年度が変わって発注したけど、まさにその大雨対策のための仕事が、梅雨に入るということでその区間はできないということで、そういう面ではまさに今答弁いただいた意味で非常にありがたい事業だというふうに思うわけであります。  またもう一点、公共工事発注の平準化の取り組みということでも大きな効果を期待するわけであります。公共工事発注の平準化は、建設業の計画的な経営や雇用の安定化に寄与するというふうに考えるわけですけれども、県は今後どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 76 ◯熊崎県土企画課長=公共工事発注の平準化の取り組みについてお答えいたします。  ただいま御指摘をいただきましたように、公共工事発注の平準化は、建設業の計画的な経営や雇用の安定に寄与するものであり、建設業の健全な発展を図るに当たっては重要な取り組みと認識をしております。  このため県におきましては、工事の実施時期が年度末に集中しないように早期発注に努めますとともに、ゼロ県債を含めた債務負担行為の活用、さらには、繰り越しの制度につきましても、財政運営上は例外措置であるということに十分留意し、その抑制に努める一方で、そのメリット部分に着目をして弾力的に活用することなどの予算措置により平準化に努めているところでございます。  また、工事の平準化に当たりましては、スムーズな発注契約ができますよう、設計ストックや用地ストックというものを確保しておくということも重要でございます。このため、用地買収や物件移転補償などの地元交渉の促進、電柱や地下埋設物など支障物件の円滑な移設のための事前協議、調査設計の前倒しと工事の進め方に関する地元関係者との早期合意などにも取り組んでいるところでございます。  今後もこうした事前準備に取り組みますとともに、工事の早期発注に努めまして、ゼロ県債等も活用しながら公共工事の平準化に努めてまいります。  以上でございます。 77 ◯藤崎委員=工事の平準化、発注の平準化については、本当に以前と比べれば大分進んできたというふうに思います。効果が出てきているというふうに思います。年末、年度末に仕事が集中しますと、まず、今現在、いわゆる人手不足、あらゆる産業がそうでありますけれども、建設業界も高齢化して若い人がなかなか入らない中で、人がいないという実情もありまして、やはりそこは平準化することでしっかりとした教育を積み重ねながら人材を育てていくというふうな、そういうことにも取り組むことができるわけでありますから、ここはとにかく、平準化というのは非常に大事なことですので、しっかりと進めていただきたいというふうに思います。  それでは最後、交通事故抑止対策の推進について質問させていただきます。  本年の交通事故発生件数については減少傾向にあるというふうに聞いておりますが、十月、十一月と交通死亡事故が多発しており、十一月二十二日には全県下に交通死亡事故多発警報が発令をされました。  警察においては、交通指導取り締まりの強化を初めとした各種取り締まりを展開していただいております。これらの活動は、道路利用者に緊張感を与え、交通事故抑止に対する効果が期待されるものの、死亡事故のような悲惨な交通事故を一件でも減少させるためには、やはりハンドルを握る一人一人が交通事故を自分のこととして考え、交通事故を絶対に起こさないという気持ちをしっかりと持って運転することが重要であります。  慌ただしくなる年末を迎え、交通事故の多発が懸念されることから、交通事故抑止に向けた諸活動を強力に今後も推進していただきたいと願います。  そこで質問いたします。  交通事故の本年の発生状況についてでありますけれども、本年の人身交通事故及び死亡事故の発生状況はどのようになっているのかお尋ねいたします。 78 ◯中原交通企画課長=本年の交通事故発生状況についてお答えいたします。  本年十一月末現在、人身交通事故の発生件数は六千二百二十一件で、前年同期と比較しますと八百十二件、一一・五%減少しております。  死亡事故は三十三件発生し、三十三人の方が亡くなられており、前年同期と比較しますと三人増加しております。  御承知のとおり、十一月二十一日に三件の死亡事故が発生し、十月を含め九件もの死亡事故が発生したことを受けまして、全県下に交通死亡事故多発警報が発令されております。  さらには、同警報の発令期間中に二件の死亡事故が発生するなど、二カ月間で計十一件の死亡事故が発生したことから、昨年同期を上回った状況にあります。  佐賀県の人身交通事故は、依然として追突事故が最も多く、交通事故全体の四五・六%を占めております。その原因は、ちょっとした脇見や考えごとなどによる前方不注意がほとんどでありますが、追突事故による死亡事故も四件発生しております。  死亡事故全体の原因を見ましても、前方不注意が十五件で四五%と最も多く、わずかな不注意が重大な結果につながっている現状にあります。  以上でございます。 79 ◯藤崎委員=では年末についてですけれども、交通事故が多発傾向にあると聞きます。例年十二月の交通事故の発生はどのような傾向にあるのかお尋ねいたします。 80 ◯中原交通企画課長=年末の交通事故発生状況についてお答えいたします。  過去五年間の人身交通事故発生状況を月別で見ますと、十二月は平均八百五十二件で最も多く、一年を通して唯一八百件を超えております。  死者数につきましても、十二月は平均五・六人で最も多くなっております。  時間帯別で見ますと、午後五時から午後七時までの発生が、他の月の約一・五倍に増加し、また、類型別では他の月より追突事故の割合が高くなっております。  これらは、年末で人や車の動きが多くなることに加え、帰宅時間帯と薄暮時間帯が重なることなどが事故を誘発する要因となっていると考えられます。  以上でございます。 81 ◯藤崎委員=では、交通事故抑止対策について質問したいと思います。  交通事故を減少させるためにどのような取り組みを推進しているのか伺います。 82 ◯中原交通企画課長=交通事故抑止対策についてお答えいたします。  悲惨な交通事故を防ぐためには、先ほど説明いたしました死亡事故等の原因を踏まえますと、ドライバーが交通ルールを遵守して、運転に集中した道路利用を習慣づけるとともに、交通マナーを向上させることが極めて重要であると考えております。  県警察といたしましては、これまで取り組んできました対策に改善を加えながら、街頭活動や広報啓発活動、交通安全教育など、道路利用者の交通安全意識の高揚に向け取り組んでおりますほか、重大事故に直結しかねない悪質な違反を重点に、交通指導取り締まりを実施しているところであります。  また、追突事故を防止するために、「三秒間の車間距離」、「三秒・三十メートルルール(方向指示器)の徹底」、「三分前の出発」の実践を呼びかけます「みっつの3」運動を推進しているほか、自動ブレーキシステム等の機能を備えました安全運転サポート車の普及促進を図っているところであります。  以上でございます。 83 ◯藤崎委員=しっかり進めていただきたいと思います。  あわせて、先日、新聞の記事でありますけれども、生活道路の三十キロ規制、いわゆる「ゾーン30」と言うんでしょうか、これが県内でも効果を出しているというふうな記事を読ませていただきました。  これにつきまして現状や効果、今後の方針などについて答弁いただければと思います。 84 ◯中原交通企画課長=「ゾーン30」の整備状況等についてお答えいたします。  「ゾーン30」につきましては、生活道路における歩行者等の安全な通行を確保することを目的としているものであります。  例えば、抜け道としての通行が多いなど歩行者等の通行に危険がある区域、ゾーン全体に時速三十キロの速度規制を実施し、あわせてカラー舗装、道路上に盛り上がり部分、いわゆるハンプと言いますけれども、これを設置、外側線の引き直し等による車道幅員の減少などを行うことで、速度規制だけでなく視覚的、物理的に速度の抑制を図るものであります。  本県の整備状況につきましては、平成二十三年度から平成二十八年度末までに小中学校や住宅地周辺等を中心に十七カ所の整備を終えております。  平成二十七年度までに整備しました県内十五カ所につきまして、整備前後の年度で人身交通事故の発生状況を検証しました結果、三十二件が二十五件、率にしまして二一・九%減少しており、交通事故の抑止効果が認められたところであります。  本年度は佐賀市北川副地区におきまして一カ所の整備を予定しているところでありまして、今後も地元の要望等を踏まえながら、道路管理者とも連携し、積極的に整備を推進していくこととしております。  以上でございます。 85 ◯藤崎委員=先ほど交通事故抑止対策についてるる御説明いただきましたけれども、今後、年末に向けてどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 86 ◯中原交通企画課長=年末に向けました取り組みについてお答えいたします。  県警では、交通事故が増加する年末に向け、十一月から「交通事故抑止ラスト2か月作戦」を展開しておりまして、交通事故多発交差点におけます街頭指導、パトロールを強化しておりますほか、特別交通取り締まり部隊を編成しての取り締まりなど、警察総力を挙げた各種対策を実施しているところであります。  年末時期は日没時間が早まり、薄暮時間帯を中心に、重大事故発生の危険性が高まりますことから、ドライバーには早目のライト点灯運動に加え、夜間の前照灯の原則上向き、歩行者の方には反射材着用について重点的に広報を行っております。  また、追突事故が増加する実態を踏まえまして、ドライバーの方が周囲の状況に注意して、緊張感を持って運転していただくよう、関係機関・団体の皆様と連携しました「追突事故ゼロ 前を34(見よ)作戦」などの街頭啓発活動を行っております。  さらには、忘年会等により飲酒等の機会が増加しますことから、警察官を大量動員しての大検問や少人数でのミニ検問をランダムに実施するなど、飲酒運転の検挙を強力に推進していくこととしております。  県警察といたしましては、県民の皆様が明るく新年を迎えられますよう、引き続き交通事故抑止対策に取り組んでまいる所存であります。  以上でございます。 87 ◯藤崎委員=最後の質問とさせていただきたいんですけれども、交通事故抑止対策については、現場の士気というのは、いわゆる警察におけます士気というのは非常に高く上がっていると思うわけであります。前と比較すれば、パトカーであったり、白バイの方であったり、本当によく回っていただいております。そういう意味では緊張感を与える、そういうふうな熱心な活動をやっていただいていると思いますし、これ以上ないほど士気は上がって、一生懸命やっていただいているというふうに、本当にそう思います。  ただ、飲酒運転や危険運転、そういった悪質なものはそういう取り締まりでしっかりとやっていただきたいんですけれども、「追突事故ゼロ 前を34(見よ)作戦」、つまり追突事故でありますけれども、こういったのは幾ら警察の方が、現場が頑張っても、やはり運転をする方が意識を持たなければ、これはなかなか解決につながらないということであります。  今回質問をするに当たっていろいろと話を聞かせていただいたんですけれども、二秒、三秒ルールでしたか、いわゆる二秒はよそ見をするけれども、三秒になると怖くてできないというふうな話、これは逆に言うと、やっぱり二秒はよそ見をする可能性が誰でもあるんだということでありました。そういうふうにしますと、いつ自分が事故を起こしてもおかしくない、現に運転をされる方は誰もが冷やりとした瞬間というのは必ずあると思います。私もそうでありますし、また、以前、私も事故を起こしたことがあります。ただ、正確に言いますと、普通に運転をしている中で、前の車が居眠り運転で、本当に急に曲がって突っ込んできたと。幸い、ハンドルを切って横に衝突をして、大きなけがにはならなかったんですけれども、でも相当激しい衝撃でした。つまり、いつ事故が起きるかわからない。そういう状況の中で、本当に県民の士気といったものを上げていく必要があるんじゃなかろうかというふうにも思うわけであります。  最後、交通部長さんに今後の取り組みということで所見を伺いたいと思います。 88 ◯篠原交通部長=交通事故抑止対策についての交通部長の所見ということであります。  県内の人身交通事故は、今も話しましたように、昨年まで三年連続で減少しております。本年もさらに減少傾向で推移しております。  しかしながら、人口十万人当たりで見ますと、いまだ高い水準で発生しており、また交通死亡事故につきましても、本年、交通死亡事故多発警報が二回にわたって発令されるなど、予断を許さない状況にございます。  答弁の中にもございましたが、追突事故でありましても死亡事故に至るなど、全ての交通事故が重大事故につながるおそれがありますことからも、やはり交通事故の総数を減少させることが重要であると考えております。そのためには委員御指摘のとおり、歩行者を含みます全ての道路利用者が交通事故を自分のこととして捉え、安全に道路を利用することが最も重要であります。  警察といたしましては、交通安全にかかわる機関、団体との連携を緊密に図りながら県民の交通安全意識の高揚に努めていきますとともに、引き続き交通指導取り締まりなどを通じまして交通事故抑止を図ってまいる所存であります。  以上であります。 89 ◯定松委員長=これで質疑を終了いたします。  暫時休憩します。     午前十一時三十六分 休憩     午前十一時三十七分 開議 90 ◯定松委員長=委員会を再開いたします。  これより討論に入りますが、ただいまのところ討論の通告はあっておりません。討論はないものと認めます。よって、討論を終結し、直ちに採決に入ります。     ○ 採     決 91 ◯定松委員長=まず、甲第三十九号議案中本委員会関係分、乙第五十三号議案、乙第五十六号議案、乙第五十八号議案及び乙第六十七号議案から乙第六十九号議案まで三件、以上七件の議案を一括して採決をいたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 92 ◯定松委員長=全員起立と認めます。よって、以上七件の議案は原案のとおり可決されました。     ○ 継 続 審 査 93 ◯定松委員長=最後に、九月定例会から引き続き審議中の 一、県土整備行政について 一、災害対策について 一、警察行政について  以上三件につきましては、諸般の検討が必要ですので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 94 ◯定松委員長=御異議なしと認めます。よって、以上の三件についての継続審査を議長に申し出ることにいたします。  以上で、本委員会に付託されました案件の全てを議了いたします。  これをもちまして県土整備警察常任委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでございました。     午前十一時三十九分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...