最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前十時一分 開議
◯指山委員長=ただいまから
産業常任委員会を開催いたします。
これより質疑に入ります。
通告に従い、順次発言を許可します。
2 ◯定松委員=皆さんおはようございます。昨日の視察、お疲れさまでございました。
今回、質問四項目に絞っております。的確な答弁をよろしくお願いいたします。
それでは、早速でございますが、問一に入らせていただきます。
イチゴの生産振興についてでございますが、イチゴはタマネギに次ぐ産出額となるなど、本県の園芸農業の大きな柱の品目でもございます。ただ、イチゴ栽培が本県に定着いたしましてから、もう相当年数が経過しております。恐らく第一波で取り組んだ方々は、もう七十歳を超えているかというふうに考えているところでございます。そういった御家庭では、後継者がいないところではリタイアしてイチゴをやめられる、それから、後継ぎ、後継者がいるところは、さらに規模をふやしてといったところかと思いますけれども、全体的には栽培面積が減少しておりまして、大変厳しい状況となっていることには変わりありません。このままいけば、佐賀の
イチゴ産地は縮小し、産地維持が難しくなっていくのではないかと懸念しているところでございます。
こうしたことから、私は、イチゴの振興にしっかり取り組み、栽培面積の減少に歯どめをかけ、増加に転じていくような取り組みが必要であると考えております。
そこで、イチゴの新品種の開発について、育種の目標について、どのような目標を掲げて取り組まれているのかお伺いをいたします。
3
◯田崎園芸課長=新品種の育種目標についてお答えいたします。
イチゴの新品種の開発に当たりましては、
消費者ニーズが、味などの品質面はもとより、果実の赤い色が濃いなどの見た目も充実したものとなっていることや、生産者は販売単価が高い年内に多くの収量が得られるなど、所得向上につながるような品種の開発を望んでおられることなど、消費者の嗜好の変化や生産者の要望にしっかり応えていく必要があると考えております。
こうしたことから、平成二十二年度から取り組んでおります「
いちご次世代品種緊急開発プロジェクト」では、「さがほのか」が持ちます果実の形のそろいがよくて、パック詰めがしやすいなどのすぐれた特性を備えつつ、育種の重点目標として、赤い色が濃くておいしく、しかも、年内の収量も多いことを掲げまして取り組みを進めているところでございます。
4 ◯定松委員=「さがほのか」が、「とよのか」にかわりましてから、もう大分経過をしております。ただ、「とちおとめ」、「あまおう」、そういった品種と比較しますと、これは一番果から、二番果、三番果、四番果と開花の展開が早い、そして、確実に一番果、二番果、三番果と着実するというふうな特性があろうかと思います。そういった栽培者のずうっと切れ目ない収穫につながっていく上では、「さがほのか」は大変優秀な品種だというふうにも言われておるところでございます。
そういったことも注意しながら、先ほど幾つものハードルを越えていくということなんでしょうけれども、今現在、この進捗状況ですね、これは一次選抜からずうっとあろうかと思いますが、どういった状況になっておるのかお伺いします。
5
◯田崎園芸課長=品種開発の進捗状況についてお答えいたします。
この
プロジェクトでは、約一万五千種の交配苗の中から新品種を開発することといたしておりまして、これまでに
農業試験研究センター及び
上場営農センターにおきまして、
栽培適応性試験や県内の現地八カ所の
委託農家圃場での
現地適応試験、また、生産者代表あるいは農業団体と県で構成しますいちご新
品種選抜会議における検討、さらに流通関係者から評価をしていただく
市場評価会議などを行いながら選抜を進めてきたところでございます。
このような中、今年度につきましては、これまでの現地試験などで味や色などのよかった三系統につきまして、より細かな特徴を把握するため、農家のハウスに一
系統当たり二千株を定植する大規模な
有望系統個別試験を実施しているところでございます。
また、この三系統以外につきましても、これまでに選抜された十系統余りにつきまして、引き続き
農業試験研究センターや
現地委託圃場での栽培試験などを実施しており、昨年度までに選抜した系統のさらなる絞り込みを現在進めているところでございます。
具体的な品種登録の時期につきましては、今後の市場評価の結果にもよりますが、順次、品種の選定を進めまして、平成二十八年度を目途に、選抜した品種の中から特にすぐれたものを新品種の候補として絞り込んでいきたいというふうに考えております。
以上です。
6 ◯定松委員=この新品種の改良、新しい品種の抽出については、これは
イチゴ農家も大分期待をされている。ただ、ここに来て、「さがほのか」も市場評価がちょっとだけ上がっているもんですから、その時期についてもいろいろ協議がなされているというふうにお聞きしたところでございます。
いずれにしましても、一
系統当たり二千株、これはもう大規模なといいましょうか、営農に近い形での試験ということかと思います。そういったところで、優秀な品種をぜひ抽出していただいて、そして、
ネーミング等もやっぱり佐賀を代表するイチゴのネーミングということでしょうから、これはしっかりと選定をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
それでは続きまして、
イチゴ農家の高設栽培についてでございますが、いわゆる地なり、地にならせるものと、それから、この作業の腰の痛さといいましょうかね、そういった作業力の省力化についての取り組みで始まった高設の導入でございますけれども、その実績といいましょうかね、これは大分、県も補助をしたりして、今まで導入がなされてきたかと思いますけれども、いろんな種類もあろうかと思います。そして、その実績が本当に省力化に効果を発揮したのかどうか、そういったところもお聞かせください。
7
◯田崎園芸課長=イチゴの高
設栽培施設の導入についてお答えをいたしたいと思います。
高設栽培につきましては、先ほど委員から御指摘ありましたとおり、腰を曲げずに立ったまま管理作業や収穫作業ができるということで、非常に作業の軽減とか、効率化が図られているわけでございます。収穫作業につきましては、そのイチゴの栽培の労働時間の中でも多くを占めておりまして、この作業を軽減することによりまして、大幅に作業の軽減が図られているというふうな状況でございます。
これまで導入された状況を見てまいりますと、イチゴの栽培面積、現在、約二百ヘクタールを若干切る程度でございますけれども、その中で二十数ヘクタールの高設栽培の導入がなされてきておるところでございます。
これまでこの導入に当たりましては、県独自の支援策を講じて、その普及を図ってきておりましたが、特に今年度から実施しております「さが
園芸農業者育成対策事業」におきましては、一層の農家負担の軽減を図りますために、これまでの事業では三分の一だった県の補助率を二分の一までかさ上げしたところでございまして、これに市町の一〇%の補助を合わせ、農家への補助率を六〇%としたところでございます。こういうことで一層の高
設栽培施設の導入の推進を進めているところでございます。
以上でございます。
8 ◯定松委員=高設栽培については、もともとの目的というのは、
イチゴ農家の高齢化、高齢の御夫婦がやっぱりこう腰を曲げて作業車を押しながら、台車を押しながらイチゴをとっていくというのがよく見かける風景なんですね。それが目線の高さでずっと収穫ができるということから取り入れられたものかなというふうに考えております。
これはいろいろ種類もあるようで、多段性とか、いろんなものが導入されているようでございます。ただ、余り高いと、今度は収穫のときに要らん筋肉を使うみたいなところもありまして、そういった、そこの圃場にもよりましょうし、そこの農家の年齢別にもよりましょうから、そういったことを加味しながら、御指導をいただきながら導入を続けていただきたいなというふうに考えているところでございます。
それでは一方で、先ほどもちょっとだけ言いましたが、「さがほのか」の単価がキロ当たり千円を回復しておるというふうなことで、佐賀のイチゴの産地を今度、次世代に引き継いでいくために、生産振興にさらに努める必要があると思いますが、その点についてはどういった御意見をお持ちでしょうか。
9
◯田崎園芸課長=今後のイチゴの生産振興についてお答えいたします。
イチゴは、本県農業の主力となります施設園芸の中でも、
農業産出額や生産農家数などが多い重要な品目でありますことから、その振興にしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。
このため、今後のイチゴの生産振興に当たりましては、革新的な技術の導入によります一層の収量向上や省力化、低コスト化により農家所得の向上を図りますとともに、既存農家の経営規模の拡大や新規農家の育成を行うことにより、産地の維持発展に取り組んでいくことといたしております。
具体的には、先ほど答弁したイチゴの新品種の開発、また、補助事業によりますハウスや高
設栽培施設の導入支援に加えまして、飛躍的に収量、品質が向上します
統合環境制御技術や密植・周年栽培技術などについて、本県の気候や施設装備に合った独自技術の開発、普及や、労働時間の約三割を占めております
パック詰め作業の省力化、共同化を図ります
パッケージセンターの整備などにも力を入れて取り組んでいくこととしております。
このような取り組みを、生産者を初め関係機関、団体と一体となって推進することによりまして、一層の農家の所得の向上と新規農家の育成を図りまして、本県の
イチゴ産地を魅力のあるものとして、次の世代につないでまいりたいと考えております。
以上でございます。
10 ◯定松委員=次世代へつなぐ技術開発が急務だというふうに私も考えているところでございます。例えば、CO2の、二酸化炭素を供給したハウス等の──これはオランダにもありましたけれども、韓国でも見てまいりました。ほかの国ではもう当たり前のようになっているわけですね。そういった栽培方法、それから施肥の集中した管理、そういった体制をとりながら、今までの勘によるものではなくて、きちっと電子管理された栽培技術の確立など、このイチゴについても新しい技術開発が次の時代の産業を生むというふうに考えておりますので、そこのところもさらなる研究をお願いしたいというふうに考えております。
イチゴと同様ではありますけれども、担い手の高齢化や減少、そして米価下落など農産物価格の低迷、そして燃油や肥料などの資材価格の高騰など、厳しさを増すばかりでございます。こうした厳しい情勢に対し、佐賀の園芸農業を次世代に引き継ぐためには、これまでの取り組みに加えて、今言ったようないろんな取り組みがイチゴ以外でも必要になってくるかと思います。
オランダではパプリカ、それから北海道ではイチゴ、ピーマン、そういったものがほかの各県でも取り組みが進んできておりますので、佐賀もそういった取り組みがもうあちらこちらに出てくるような、農業を地場産業に、そして優秀な企業に育てるという意味で、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。そういったことについても何か御意見がありましたら、よろしくお願いします。
11
◯田崎園芸課長=佐賀園芸を次世代に引き継ぐための対策ということでお答えをいたしたいと思います。
園芸農業につきましては、本県農業の基幹となる部門となっていますことから、今後、佐賀県農業を発展させながら次世代につないでいくためには、委員の御質問にあったように、
革新的技術の導入とか、あるいは
雇用型経営に果敢に取り組む
園芸農業者を育成していくことが大変重要であると思っております。
近年、県内では
統合環境制御技術や養液栽培、こういう新しい技術に取り組む
新規就農者や、企業によりますパプリカとかトマト、こういうものの栽培が始められておりまして、このような取り組みを今後さらにふやしていくことが必要であろうかと思っております。
このため今後は、先ほどイチゴの生産振興の中で御答弁申し上げました
統合環境制御技術の開発、普及などについて、キュウリやトマト、また
ハウスミカンなど、ほかの品目にも広げながら、技術の導入に取り組む農業者を支援していきたいと考えております。
また、
革新的技術を導入しながら規模拡大を行うためには、
企業的経営マインドの育成が必要であります。このため、全国各地の
雇用型経営の先進事例の紹介、あるいは、
農業コンサルタントを招聘した
栽培管理技術の研修会の開催などにも積極的に取り組んでいるところでございます。
いずれにいたしましても、本県農業を牽引する力強い園芸農業が展開されるよう、市町や関係団体と一体となって、生産体制の強化や新技術の開発、普及を進めながら、
革新的技術を取り入れた企業的経営を行う
園芸農業者の育成にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
12 ◯定松委員=予算が足らんくらいに応募があるような事業体系をぜひ組んでいただきたいというふうに考えているところでございます。
それでは続きましては、農作業の事故防止について御質問させていただきます。
本県では、
集落営農組織の設立や農業機械の共同利用、さらには、機械の大型化、高性能化、そういった傾向がだんだんと広がっているように見受けられます。
一方、農業者の高齢化はさらに進んで、今、県内でも六十六歳から六十七歳ぐらいになっているというふうなことを聞いているところでございますけれども、
新規就農者に向けてはいろんな教育的な研修会等が行われているかなというふうに考えますが、高齢者というのは今までも
トラクター使うてきたよと、そして、少し大きくなっただけだよというふうな安易な考えで大型化が進んでいるんですね。そして、今までのなれから、田んぼのことはよう知っとんさっけど、機械のことは余りに知らない。鍵を切ってもエンジンがとまらんやったとかですよ、それから、ロータリーのとめ方を知らんとか、それから、エンジンをかけながら
トラクターからおりて、おりるときに袖につかえて前進のほうに入ってしまったとか、そういったことがよくあるようでございます。
それから、ぬれた靴で、泥がついているんでしょう、ペダルをぐっと踏み込んでしまって、ペダルとボディーの間に足ががさっとこう入ってしまう。その場合、足が抜けなくて、そのまま前進を続けて事故につながるとかですね、そういったうっかりミス的な部分もあろうかと思いますが、それがもう命取りになってしまうといった事例があるようでございます。
この事故が後を絶たない状況にありますけれども、このような状況に対処して農作業時の
死亡事故件数をゼロにしていくためには、関係機関、団体が一体となって、
農作業安全対策にしっかり取り組んでいく必要がございます。
そこで、お伺いをいたしますが、農作業の事故の、死亡事故についての実態、これは近年十年間における全国での農作業に伴う死亡事故の発生実態はどのようになっているのか。また、本県での発生状況はどうであるのかお伺いをさせていただきます。
13
◯田崎園芸課長=
農作業死亡事故の実態についてお答えいたします。
全国におきます平成十五年から平成二十四年までの十年間の農作業に伴います死亡事故の発生件数は、農林水産省が公表した資料で見ますと、毎年約四百件前後で推移をいたしております。
この内訳を見ますと、
乗用型トラクターやコンバインなど農業機械を使った作業中の事故が毎年二百五十件から三百件程度と最も多くを占めておりまして、次に、作業舎の屋根から転落するなど、
農業用施設での作業中の事故が毎年二十件前後、それから、熱中症や圃場、道路からの転落事故など機械、施設以外での作業中の事故が毎年百件前後となっております。
また、年齢別では、毎年、全体の七、八割が六十五歳以上の高齢者となっておられます。
次に、本県における
農作業死亡事故の発生件数は、同じく平成十五年から平成二十四年の十年間で毎年十件前後で発生をいたしております。少ない年で五件、多い年で十三件となってございます。
具体的な事故事例といたしましては、
トラクターやコンバインなどの作業中に下の段の農地や水路に転落し、機械の下敷きになった事故、農作業中に水路等に転落し、頭部を強打した事故、野焼き中に火に巻かれた事故、農作業中の熱中症による事故などとなっております。
また、年齢別に見てみますと、これも全国とほぼ同じように七割から八割が六十五歳以上の高齢者となってございます。
以上でございます。
14 ◯定松委員=本県でも相当数事故があっているということでございますが、これもやっぱり農業機械のいろんな操作の複雑化、そういったものもあるかと思います。それと、やはりうっかりミスですかね、サイドブレーキを引き損ねたとか、そういったものの事故であるかと思いますが、この安全作業についての啓発活動、これを県はどのように考えておられますか。
15
◯田崎園芸課長=
農作業安全対策の推進についてお答えいたします。
農作業事故を減らしていくためには、農業者の事故防止に関する意識の向上を図ることが極めて重要であります。このようなことから県では、市町や農協と連携して、春と秋の農繁期に
農作業安全運動を展開するとともに、「県民だより」や市町の広報誌、農協の機関誌、さらには、ポスターなどを活用しまして、農家への
農作業事故防止について意識啓発をしてきているところであります。
さらに、
農作業事故防止のポイントについて、高齢者でもわかりやすく解説をいたしました
農作業安全パンフレットや
安全意識啓発のための
農作業事故防止ステッカーの全農家への配布、農業者や指導者を対象に農業機械の安全操作や整備点検の実演などを行う
農作業安全研修会の県内三ブロックでの開催、
農業機械操作の向上のため、大型特殊(農耕用)の免許取得とあわせまして、農作業安全や機械の効率的利用の技能習得のための
農業機械化研修の実施などに取り組んでいるところであります。
特に農業機械の事故防止に向け、
県内ブロックごとに実施しております
農作業安全研修会では、路上で片方のブレーキを操作した場合、いわゆる片ブレーキの場合や、障害物を使ってあぜ越え等の実演を通しまして、ヒヤリ・ハットの疑似体験をしてもらいますことにより、不適切な操作による危険性を喚起するとともに、県の農業大学校で実施しております
農業機械化研修では、
トラクター操作における走行時のシートベルトの着用とか、あるいは乗りおり時の注意、ロータリーの安全な着脱方法など、基本的な操作技術の習得にも重点を置いているところであります。
今後とも、農協や
農業機械メーカー、市町などと十分に連携をとりながら、
農作業安全対策の一層の推進にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
以上でございます。
16 ◯定松委員=この研修についてもしっかりと取り組んでいくというお答えをいただいたところでございますが、
トラクターなどの、これは大型特殊になるかと思います。私も受講したのはかれこれ二十年ほど前だったんですが、大型特殊を取って、それから次の年に牽引を取って、それから
フォークリフトも取っているわけですね。
フォークリフトについては、今のところさほど問題になっておりませんけれども、今後は
フォークリフトやショベル、それから建設作業に使うショベル、いわゆるユンボ、そういったものも農業分野では必要になってきているのも事実でございます。
そういったことから、そういったものも視野に入れて、今後、研修会等も進めていただきたいということを添えておきます。
それでは続きましては、畜産の分野でございますけれども、一般質問でも子牛の価格等で質問させていただいたところでございます。各県それぞれブランド牛でしのぎを削りながら、畜産振興に取り組まれている。しかも、ここ数年、「佐賀牛」の名声がぐっと上がりまして、畜産農家もこれは大変喜ばしいことだというふうに思っております。ただ、子牛が六十万円を超えたというニュースは、子牛をつくる素牛農家にとっては大変喜ばしいことでありますけれども、一方で、
肥育牛農家にとっては悲鳴が出る話でもあるわけでございます。
そういったことで、本県でつくっている種雄牛、これが最近では「勝二」、それからちょっと前では「豊茂国」ですか、今、私の中では二系統しか理解しておりませんが、もう一つ何かあったようでございますけれども、その種雄牛については、大変な選抜をされて、精鋭をつくっていくというふうなことで、極めてこれは難しい。相撲界で幕内力士をつくる、一つの相撲部屋をつくるみたいなことなのかなというふうな感じもしておりますが、この県産種雄牛を地場で十分利用して、そしてその系統をふやしていく、それから、市場で評価をいただいていくということが必要になってくるかと思いますが、種雄牛の作出方法、現在、県ではどのようにしているのかお伺いをいたします。
17
◯南川畜産課長=種雄牛の作出方法についてお答え申し上げます。
種雄牛の作出に当たりましては、優秀な父牛と母牛を選ぶことがまず重要になります。そこで、父牛につきましては全国でも脂肪交雑、いわゆる霜降りですね、霜降りの遺伝能力の高い種雄牛を選抜いたしまして、それを県内の遺伝的能力がトップクラスの繁殖雌牛に交配いたしまして、すぐれた雄の子牛を生産いたします。
こうして生産された雄の子牛、通常でございますと、受胎率によっても異なりますが、十数頭の雄牛が生産されます。この子牛につきまして、体型のよい四頭を選び、その後、この四頭につきまして、一キロの餌でどれくらい大きくなるかとかの発育成績、それから、繁殖成績などを調査いたしまして、四頭のうち成績のよいものの二頭を候補種雄牛として選抜いたします。この二頭の候補種雄牛の今度は凍結精液を一般の繁殖雌牛に交配いたしまして、生産されました、今度はもうきちっとした肥育牛まで育て上げます。その肉質などを調査し、最終的に種雄牛として認定しているところでございます。
こうした手順を踏みますことから、一頭の種雄牛の認定までには約七年を要しております。
以上でございます。
18 ◯定松委員=大変な経過を経てつくっておられるようでございますが、その種雄牛一頭つくるのにも相当な予算が必要になってくるかと思います。
そういったことから、この利用状況というのはどういうふうになっておりますでしょうか。
19
◯南川畜産課長=この種雄牛の利用状況でございますが、現在、畜産試験場には「豊茂国」、先ほど委員御紹介いただいた「豊茂国」と「勝二」という二頭の種雄牛が使用されております。
まず、「豊茂国」の凍結精液の供給でございますが、これは種雄牛として認定されました平成二十年度から供給を始めまして、平成二十四年度まで、おおむね年間二千本から三千本と推移していたところでございます。近年では、これまでに出荷されました「豊茂国」を父に持ちます肥育牛の枝肉について、肥育農家の間でも非常に重量が大きくなるとか、肉質も非常に良好である、それから安定した成績で、まず、つまりのところ外れがないというようなことが評判になりまして、高く評価されるようになりましたことから、平成二十五年度では約五千本と大きく増加しているところでございます。
また、「勝二」の凍結精液でございますが、これは平成二十五年度に認定されたわけでございますが、平成二十五年度は約二千本が供給されておりまして、今後、枝肉成績等が評価され、利用が拡大していくことを期待しているところでございます。
以上でございます。
20 ◯定松委員=今、現在では、「豊茂国」が五千本、それから「勝二」が二千本と。「豊茂国」については、もう相当な年齢になろうかと思います。「勝二」がこの次にかわるものとして活用されていくんだろうと思いますけれども、たしか肥育牛の年間の生産量というのは二万七千頭ぐらいですよね。そのうちで両方合わせましても七千、それから種付けの外れ等もございますから、恐らく六千台の出荷かなと、六千から六千弱ぐらいではないかなというふうに考えておりますが、これはやっぱりさらなる利用促進というのは、何か手がないもんでしょうか。
21
◯南川畜産課長=今後の利用促進という部分でございますが、基本的には、まずは、やっぱり優秀な種雄牛をきちっとしたものをつくっていくことが利用拡大につながっていくと考えておりますので、引き続き、県独自の種雄牛の作出につきましては、生産者、またJAと連携しながら、より優秀な種雄牛の作出に努めていきたいと考えております。
また、作出した種雄牛が、より多く利用されていくためには、その能力を生産者に十分理解してもらうなどのPRをしっかりやっていくことが重要と考えております。
こうしたことから、種雄牛に認定されるまでの詳細な調査成績、それから、認定後の肥育牛の枝肉成績などを随時公表いたしまして、特に共励会等で成績が優秀になりますと、非常に生産者の注目も集まってまいりますので、その交配の組み合わせなどをお示しするなどして、引き続き、利用の推進とPRを行っているところでございます。
いずれにいたしましても、このような取り組みをしっかり進めることによりまして、生産者の利用拡大を図ってまいりたいと思っております。
以上でございます。
22 ◯定松委員=この優秀な種雄牛をさらに伸ばしていく。それと、一つには素牛を育てる農家の方々の育成ですね。幾らたくさん使ってくださいと言っても、その農家さんがもううちはこのくらいが限界ですよと言われれば、それまでなんですよね。一つの母体に三つも四つもつけられんもんですから。そういったことを考えれば、今後は肥育農家の方にも幾らかは素牛をつくる牛舎あたりもふやして、同じ管理ででけんこともないのかなというふうにも考えますんで、そういった対応も御提案をしていただければいいのかなというふうに考えますので、そこら辺について現状あたりわかりますでしょうか。
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◯南川畜産課長=繁殖農家につきましては、非常にやっぱり規模が小さい農家が多くございまして、高齢者の方も多数いらっしゃいます。そうしたことから、やっぱり繁殖農家の方ではできるだけ規模拡大をして、きちっとした後継者が引き継がれるような規模拡大もきっちり進めていく必要があると思います。
また一方で、うちの県の肥育農家は非常に規模が大きい農家さんもいらっしゃいまして、今では肥育と繁殖の一貫経営をされているところもかなりふえてまいっております。
そうしたことからいたしますと、そういった肥育農家の方も繁殖をしやすいように、この前、唐津でつくっておりますキャトルステーション、そうしたものを活用していただきますと、肥育農家の方が繁殖と一貫経営をしても、子牛をキャトルステーションに預けることによって、きちっとした繁殖経営もできるようになりますので、そうした取り組みについてもこれから推進をしてまいりたいと思っております。
以上でございます。
24 ◯定松委員=肥育農家の中にも繁殖部門をつくっている唐津の事例等もございますけれども、いろんな管理の違いというのは確かにわかります。お産をさせるわけですから、いろんな母体の管理、それから、その牛の体調、表情とか、そういったものにもあらわれるかと思いますので、これは確かに目配り、気配りのきく小規模で、しかも高齢者の方が多いのかなというふうな気もいたします。
ただ、素牛がなければ肥育も何もかもないものですから、肥育牛の供給源という役目もございますし、素牛をつくること、それ自体が畜産経営ということでございましょうから、その両方が伸びていくような取り組みを今後御指導いただければと思います。
それでは問四に入りますが、配合飼料の価格が高騰を続けております。
これは、畜産物の価格というのは横ばいといいましょうか、マルキンがどうにか発動しなくてもいいよというふうな推移かなと考えておりますけれども、このことは喜ばしいことではあります。
ただ、肥育農家においては、子牛の生産頭数が少ないことも原因として、子牛が六十万円近く、五十九万九千円程度の平均価格。ですから、高い素牛というのは、八十万円ぐらいのもあるのではないかなというふうに考えているところでございます。
これは二年後の出荷するときになれば、百万円、百二十万円で売れんと合わんわけですね。そういったことも考えると、地元で飼料がとれればなというふうにごく単純に考えるところでございます。
この飼料が高値で推移している一方で、子牛農家の中には国の経営所得安定対策を活用して飼料用米の作付を希望する方々がふえてくるものと思います。また、畜産農家には飼料用米の利用拡大を進めていく必要があるとも思うわけですね。
ただ、肥育農家というのは、今までトウモロコシでつくってきた肉が、米にかえて大丈夫なのかな、果たして今までどおりの成績が得られるのかといった不安の声といいましょうか、今までの方式を変えれない。変換することがどうしても難しい。気分的に難しいのか、体制的に難しいのか、そこら辺でお伺いをしたいと思いますが、配合飼料等の今までの価格推移についてはどのような状況になっているのか、まずお伺いいたします。
25
◯南川畜産課長=配合飼料価格の状況についてでございますが、配合飼料価格につきましては、その主な原料でございますトウモロコシなどの国際相場でございますとか、海上運賃、さらには為替レートの動きによって大きく影響されてございます。
大体ここ五年間におけます十二月時点での配合飼料価格の推移を見てみますと、平成二十二年度は一トン当たり五万二千円であったものが平成二十三年度には米国産トウモロコシの需給が逼迫したことでございますとか、一部投機資金の流入等の影響で国際相場が高騰したため、約五万八千円に上昇しております。
翌年の平成二十四年度におきましても、米国のトウモロコシ主産地の今度は大干ばつによりまして作況が悪化したため、六万二千円とさらに上昇しております。
また、平成二十五年度以降は、米国における作況は良好でございましたが、急激な円安の進展によりまして、昨年は約六万六千円、それから平成二十六年度、ことしにおきましても同様な傾向が続いているところでございます。
以上でございます。
26 ◯定松委員=これは今後下がる見込みがあるとするならば、円高にならんばいかぬということに尽きるのかなというふうに思いますが、トウモロコシが高くなったのは、たしかバイオエネルギーの材料のために、トウモロコシで焼酎をつくってアルコールを抽出するというふうな原材料に使われかけてから高くなったやに聞いております。それで、今後それが飼料用米にかわってほしいと思うんですが、国策でもそういったところが示されておりますよね。
それで、飼料用米の今の作付状況、これは生産者で生産をして、畜産サイドで使用されているという事例、私も余り聞かないんですね。しかも、牛に使われている事例は、もうほとんど聞いたこともございません。今現在で養鶏とか養豚、そういったものに使われる可能性があるというふうにも聞いておりますが、今現在どういうふうな実態になっているのかお聞かせください。
27
◯南川畜産課長=現在、平成二十五年産の飼料米の利用状況を見ますと、一番多うございますのが粉砕せずに、もみのまま給与することができます肉養鶏での利用が最も多くございまして、三百六十四トンとなってございます。
次に、採卵鶏で五十一トン、それから、肥育牛で四十一トンとなっておりまして、県内全体では四百六十トン程度が利用されているところでございます。
以上でございます。
28 ◯定松委員=四百六十トンが主食用米から隔離をされて、きちっとしたルートで飼料用として今現在利用されているということと理解をいたしたところでございます。
これは四百六十トンといいますと、栽培面積で飼料用米として栽培をきちっとされた、しかも、これは生産調整面積ですよね。その面積というのは出ていますか。
29 ◯溝口農産課長=飼料用米の作付の状況についてお答えをいたします。
先ほどの数字と、県内で作付された分の中で県外に出ている分も若干ございますので、作付状況につきましては、平成二十五年度が約二百二十五ヘクタールでございました。平成二十六年度は六十ヘクタールほど増加をいたしまして、二百八十六ヘクタールが作付をされている状況でございます。
市町別に見ますと、多久市が約百ヘクタール、それから、鳥栖市が七十七ヘクタール、伊万里市が三十四ヘクタール、吉野ヶ里町が約二十八ヘクタールというふうになっているところでございます。
以上でございます。
〔資料配付〕
182 ◯宮崎委員=これで見るとね、平成十九年度が五千二百十八万人、これは平成二十五年度やったけんね、あんとき言いよったとは。五千二百五万人、平成二十六年度が五千二百五十七万人、平成十九年度と平成二十六年度と比較をすると、四十万人ばかりふえとるたいな。それに比べて、正規職員は百七十万人ばかり減ってきておる。それに対して、非正規職員が二百二十万人ばかりふえておる。
こういう状況で果たしていいのかということよ。やっぱり国民が安定して生活できるためにはね、やっぱり正規職員をふやさないかんということやろうもん。確かに雇用者数はふえている。百万人ふえておる。しかし、非正規職員ばかりふえて、正規職員は減ってきておる。こういう状況じゃ、私はアベノミクスの効果が出ているとは言えないということをきちっと言わざるを得ないわけですね。それに対して、どやんすっとかい。
183 ◯笠原雇用労働課長=委員御指摘のとおり、非正規雇用が近年増加しておりますけれども、これはやはり企業側からいたしますと、国際競争力の強化やサービス産業の増大など産業構造の変化に伴う雇用形態の変化だと。一方で、勤労者の側からいたしますと、やはり景気が拡大している途上におきまして、非正規で入ってきて、できるだけ正規に移っていっていただきたいという、非正規雇用に対する勤労者側の意識の変化とか働き方の多様化が起こっておりまして、そういう複合的な要因によるもので、非正規がふえていると理解しております。
以上です。
184 ◯宮崎委員=人ごとのごたる答弁をせんばい。雇用者側から見た感じ、働く者の側から見た感じ、それじゃなくて、行政側からどうするかということをぴしゃっとなぜ言えんの。私が聞いているのは、アベノミクスを安倍政権がやっている。その効果が百万人の雇用拡大につながったと、こうおっしゃっていますからね。じゃ、百万人の雇用拡大の内訳はどうかというと、非正規職員だけふえて、正規職員が減少している。こういう状態で行政としていいのかということを聞きよるわけですよ。どうですか。
185 ◯横尾農林水産商工本部副本部長=お答えをいたします。
今回、二年前に比べて全体の雇用者数が百一万人増加していると。その内容的には、非正規のほうがふえたという形になっておりますが、これについては、まずはこれまで労働市場に参加できていなかった方々が就業を始められたものだと理解をしております。非正規ではありますけれど、いろんな多様な働き方が提供されることによりまして、新たな就業機会がつくられたということで、人口減少社会の中で労働力の不足の対応とあわせまして、未就業者の就業促進の効果はあったというふうに考えております。
ただ、いずれにしましても、全体の雇用枠がふえていく中で、やはりこの動きというのを正規雇用の増につなげていくということが期待される大事なことであろうと考えておりまして、県としましても、国の雇用政策の推移というのをしっかり注視してまいりたいと考えております。
186 ◯宮崎委員=あなた方はそう言うばってんね、安倍政権は、非正規職員の雇用を拡大するような法案を提出しようともくろんでおるとやないと。これはどういうことかい。(発言する者あり)不信任決議を出された副議長は、何ば言いよるとか、そこら辺で。
187 ◯横尾農林水産商工本部副本部長=御指摘の点、いわゆる派遣労働法の改正等をおっしゃられているかと思いますが、それについてはさきの国会でも議論をされておりますので、そういったことも含めまして、今後の政策の動向をちょっと見ていきたいと考えております。
188 ◯宮崎委員=今後の動向を見きわめるていうとはね、非正規職員の拡大をするような動向を見きわめていきたいということに変わりなかっちゃけんな。もうちょっとこの質問は、もう腰打ったのでこのくらいで終わります。
じゃあ、最後に、有田焼創業四百年の事業について質問をしていきたいというふうに思います。時間も相当とりましたので。
窯業界も、もう長きにわたって売り上げが低迷しておるということは出てきておりますね。これはもう十年以上の長きにわたって低迷しているように私は思っているんですけれども、現在の状況はいつごろから低迷して、現在の状況はどういうふうになっているのか、ちょっとお示し願いたいと思います。
189 ◯石井有田焼創業四百年事業推進監=有田焼の売り上げ関係を含めた現状について、お答えさせていただきます。
有田焼産地全体の売上高は県が独自に把握しております平成二年からのデータによりますと、平成三年をピークに年々減少を続けているところでございます。
この売上高の推移といたしましては、この平成三年の二百四十九億円がピークとなっております。その後、年々減少を続け、近年、直近の平成二十五年では四十二億円ということになっております。
以上でございます。
190 ◯宮崎委員=平成三年に二百四十九億円あったやつが、わずか二十年で四十二億四千万円、これは一体何がどうなっとっとね。
191 ◯石井有田焼創業四百年事業推進監=売上高の要因について、御回答させていただきます。この売上高の減少の要因でございますが、一つは長期にわたります景気の低迷、それから、それを背景といたします高級割烹、それから旅館などの大口のユーザーの需要縮小でございます。
あと、あわせまして低価格商品、こういった分に対する志向が高まりまして、ギフト需要の減少等も含めたさまざまな要因が考えられますけれども、大きく捉えますと、売り上げのほとんどを占めております国内市場が縮小したことが原因というふうに考えております。
以上でございます。
192 ◯宮崎委員=この十分の一以上も売り上げが減少するというね、この傾向を見てさ、あなた方は何か打つ手はなかったんですか。いかがですか。
193 ◯池田商工課長=これまでの対策につきましてお答えをいたします。
委員御指摘いただきましたように、平成三年をピークに売り上げが低迷をして減少を続けているところでございます。これまで産地の現状を踏まえまして、ものづくりへの支援でございますとか、後継者育成などを行ってきたところではございます。
そうした中で、産地の動きといたしましては、例えば、窯元グループが主導する形で、インスタントラーメン専用として開発されました究極のラーメン鉢シリーズ、これは平成十六年度でございます。また、商社のグループが主導する形で焼酎グラスでございますとか、ビアグラスなどの匠の蔵シリーズ、これは平成十七年度でございますけれども、さらに、有田を代表する陶磁器メーカー二社と万年筆メーカーとの異業種の連携、融合により生まれました有田焼万年筆など、目新しい取り組みがなされてきたところでございます。
こうした取り組みを踏まえまして、平成二十年度からは意欲ある事業者の取り組みに対して総合的に支援することによって商品開発、あるいは販路開拓において新たな事業展開を促して、産地の再生を図ることを目的といたしました産地再生支援事業、これに取り組んでいるところでございます。
現状を見てみますと、依然として厳しい状況が続いているところではございますけれども、産地再生支援事業に取り組んできたことによりまして、例えば、商社とデザイナーとのコラボによります1616シリーズでございますとか、シンガポールアイコンズといったようなものなど、海外でも評価を得る新しいブランドが生まれているところでございます。
以上でございます。
194 ◯宮崎委員=ラーメン鉢ばつくったけんて、どやんするとね、大体。
あのね、この十年間に、窯業者、それから販売社のいわゆる倒産、廃業件数はどのくらいあるんですか。
195 ◯池田商工課長=この十年間のという御質問でございます。佐賀県信用保証協会の代位弁済の件数という資料を持っておりますので、それに基づきましてお答えをさせていただきたいと思います。(121頁で訂正)
申しわけございません。ちょっと今持っておりますデータが平成十一年からの資料でございます。直近五年のお答えということでもよろしゅうございますか。(「はい」宮崎委員呼ぶ)
平成二十六年十月末でございますけれども、二十六年、暦年でございますが、ゼロ件でございます。平成二十五年、これは暦年で有田町の倒産件数ということでございますが、一件。平成二十四年、暦年で四件、平成二十三年、暦年で二件、平成二十二年、暦年で三件、平成二十一年、暦年で四件、これは有田町内における信用保証協会の保証付きで代位弁済がされた数でございます。
以上でございます。
196 ◯宮崎委員=これだけでもね、十数件の倒産件数が数えられるんじゃないですか。これまであんたたちは何をしよったと、一体全体。
この窯業界というのはね、佐賀県の中での大きな産業でしょう。そういう位置づけじゃないとかい。それをね、いわゆる十分の一まで売り上げが低迷するような事態を、ほったらかしとったって言うちゃ語弊があるだろうけどね。どんな手だてをしてきたのよ。そして倒産防止、どういうふうな形で食いとめようとしてきたのよ。その辺はどうね。
197 ◯池田商工課長=お答えいたします。
先ほど御答弁いたしましたように、平成三年をピークに売り上げが減少を続けておったところでございます。そういった中で、先ほどお答えいたしました産地再生支援事業を始めるまでは商品開発への技術支援でございますとか販路開拓、商工課を初め県庁複数課にわたって支援をしてきていたところでございます。
そうした状況を踏まえまして、平成十九年度からは有田焼産地に対しましての支援というものを商工課に一本化、一元化をいたしまして、体系的に実施できるよう、商工課内に地場産業振興係というものを設置しております。
そういった中で、先ほどの究極のラーメン鉢でございますとか、匠の蔵シリーズ、こういった産地がグループとして打開を図ろうと、そういったような動きに呼応し、それから産地組合、事業者などの御意見を伺いながら、平成二十年度からでございますけれども、事業者グループを対象とした産地再生支援事業を開始し、現在に至っているといったところでございます。
以上でございます。
198 ◯宮崎委員=それにしてもお粗末だね。こんな状況になるまで何ら手だてができなかったということを見ると。これは誰の責任ね。誰がどのような形で責任とるの。
199 ◯石井有田焼創業四百年事業推進監=結果についての御回答でございますが、これまでも、先ほど御説明があったように、売上高の減少がまだとまらないような状況でございます。有田焼産地の再生に係りましては厳しく受けとめておるところでございます。
ただ、今の状況は基本的に経済活動の中での結果ではございますけれども、県としましては、現状を厳しく受けとめまして、県として今までやるべきことはやってきたということを踏まえながら、今後とも対応していきたいというふうに思っております。(「しゃんことは聞いとらん」と宮崎委員呼ぶ)
200 ◯宮崎委員=僕はそういう質問はしていませんよ。このような状態になるまでしたのは誰の責任かいて言いよる。どうあんたたちは認識を持っているの。
201 ◯志岐農林水産商工本部理事=一部今までのお答えと重複するところもありますが、私も長年、この有田焼にはかかわってきておりますので、今の状況については長く有田焼の振興に携わってきたものとして厳しく受けとめております。
ただこの間、何もやってきていなかったというわけではなくて、少し遡りますと、例えば、平成六年には九州陶磁文化館の隣にありました窯業技術センターというのを全面的に移転、改築して、技術指導、あるいは新商品開発というのを強力に支援するための体制を整えました。
また、平成八年には、有田を主会場としまして、世界・炎の博覧会を開催いたしました。(「しゃんかとはわかっとる」と宮崎委員呼ぶ)はい。
その後、減少を続け、産地の危機が叫ばれるようになりましたので、平成十九年に、今、池田課長が申し上げましたけれども、商工課に産地再生を目的とする地場産業振興係という新しい係を設け、そして、県庁内の体制を強化して、そして、新しい事業も翌年、平成二十年度から取り組んでまいりました。
しかし、それでもなおかつ産地を取り巻く状況は厳しくて、減少に歯どめをかけることができなかったというふうな状況がこれまでの経過であり、現在の状況であります。
ただ、これも今、石井から申し上げましたように、今の状況は行政としてはやるべきことをやってまいりましたけれども、基本的には一義的には民間事業者の皆さんの経済活動の結果だというふうに理解をしております。県としては、やるべきことは行政の責任としてやってきたというふうに理解をいたしております。
202 ◯宮崎委員=手を尽くすところは手を尽くしたと言わんばっかりの答弁やね。しかし、その結果がこの結果だろう。これはどういう意味ね。やっぱり何らかの歯どめというものをね、やっぱり考えるべきであったろうと僕は思うよ。それができなかったから、有田焼創業四百年の事業をやろうというのかな。いかがですか。
203 ◯志岐農林水産商工本部理事=委員おっしゃるように、二年後に創業四百年を迎えるという状況に差しかかっております。今だからこそやはりこういう危機の状況を何とか打開をして、産地再生に向けた動きをつくっていきたい、そういった状況をつくっていきたいということが一つ有田焼創業四百年事業をスタートした目的でもございます。
204 ◯宮崎委員=やろうとすることに僕は反対じゃないけどね。しかし、足並みはそろっているのかな、どうかな。
205 ◯志岐農林水産商工本部理事=足並みはそろっているかという御指摘であるわけですが、いろんな意味があろうかと思っておりますけれども、やはり有田焼というのを産業として捉えた場合には、その担い手、プレーヤーは、産地の事業者、つくり手であったり、メーカー、窯元、そして商社の皆さんだと思っていますので、そういった産地事業者の皆さんとは、まずしっかりと連携をとっていく、しっかりとサポートをしていく体制が必要だろうと思っています。
あわせて、有田焼と一口に申し上げますけれども、伊万里・有田焼というのが正式な名称でありまして、産地を形成するエリアが有田町を中心としまして、伊万里市、武雄市、嬉野市という四市町に広がっております。こうした四市町の皆さんも、構成団体とします佐賀県有田焼創業四百年事業実行委員会という組織をつくっております。あわせて、観光の面でありますとか、あるいは文化の面から連携をとっていく必要があるだろうということで、そういった関係団体も県の実行委員会の中には構成団体として入っていただいておりまして、関係市町、関係団体と連携しながら、現在、事業を進めているところでございます。
206 ◯宮崎委員=幸か不幸かわかりませんけれども、さきの有田町長選挙で、現職の田代町長が新人の山口隆敏君に敗れて、山口隆敏君が町長に当選されましたね。
そこで、新しく町長に就任された山口さんは、前任者がつくっておった基本計画を破棄まではせんでも、見直しをするという形で今進められておるというように聞いております。事実でしょうか。
207 ◯志岐農林水産商工本部理事=新たに町長に就任された山口町長が、計画を全面的に見直したのは事実かというふうなことでございます。この点について、少し経過を御説明いたしますと(「いいぞ、もう時間がない」と宮崎委員呼ぶ)はい。田代町長のもとで、ことし三月二十八日の実行委員会で基本計画というのが承認をされておりました。ただ、山口町長にかわりまして、その内容が大幅に見直されまして、改定された基本計画については、先般、十二月五日の実行委員会で承認をされたという状況でございます。
208 ◯宮崎委員=十二月五日の協議会で承認されたんですね。だとするならば、承認された新しい実行計画が基本に据えられていかなければならないと思うんですね。そうでしょう、いかがですか。
209 ◯志岐農林水産商工本部理事=委員御指摘のとおり、今般承認をされた基本計画をベースに、これから町のほうで事業が実施されていくものと理解をいたしております。
210 ◯宮崎委員=それではお伺いしますけど、前町長の田代さんの時代に策定された基本計画と、山口町長さんになられて基本計画が見直されたという大きな点は、どこがどう見直されたんですか。
211 ◯志岐農林水産商工本部理事=恐らく、委員の手元には、その基本計画の原本をお持ちでないと思いますので、要点のみ御説明させていただきますが、(「持っとるぞ、ここに」と宮崎委員呼ぶ)そうですか。基本計画の頭のほうに、基本的な考え方というところがございまして、それが、前町長のもとで策定、承認された基本計画と、そして、新町長のもとで承認された基本計画、両者を突き合わせて比較してみますと、さほど記述内容については違いがございません。
ただ、違いはどういうところにあるかということを考えてみますと、まず、前町長のもとでは、例えば世界陶磁器コンテストという事業を含めて、十本の事業が計画の中に盛り込まれておりました。それが、新町長のもとでは、焼き物大博覧会という事業を柱とする主催事業が三本と、それ以外、共催事業その他というふうな構成になっております。
そういうふうに見ますと、事業計画についてはかなり見直されたなというふうな感じがするわけですけれども、基本的な考え方という点ではほとんど、さほど違いはございません。
それと、事業の進め方が違うんじゃないかなというふうに捉えております。それは、田代町長のもとでは、これまでいろんな大型のイベントを手がけてこられました福井昌平さんという外部の専門家の方を総合プロデューサーに据えて基本計画の策定作業などを進めてこられておりました。
ただ、これが山口町長のもとでは、一つの考え方としてですけれども、町民の皆さんの知恵を集めて、町民の意見を聞きながら事業を実施していくという考え方に立ちまして、このほど、基本計画を大幅に見直されたわけですけれども、その方針が表明された後、福井総合プロデューサーは辞意を表明されまして、その後辞職をされたわけですけれども、今現在、そういう総合プロデューサーを置くという体制になっておりません。こういうふうに、事業の進め方、あるいは事業を進めていく体制という点で、両町長の間には大きな違いがあるのかなというふうに理解をいたしております。
212 ◯宮崎委員=何でそんなに大きな違いが生じてきたんですか。どこに原因があるというふうにつかんでいらっしゃいますか。
213 ◯志岐農林水産商工本部理事=今お答えしたことと関係するわけですが、山口新町長のもとでは、町民の皆さんの知恵を集めて、意見を聞きながら事業を推進していくという考え方が基本にありまして、外部の専門家を総合プロデューサーに据えて、外部の力をかりることなく、町民の皆さんから意見を聞き、町民の皆さんとともに進めていくという考え方が基本にあるというふうにお聞きしており、そういう考え方のもとで、今回、基本計画が見直されたものと私は理解をいたしております。
214 ◯宮崎委員=じゃ、裏を返せば、田代町長さんのときには、そういう町民の意見を把握せずに事業を進められてきたという認識でいいんですね。
215 ◯志岐農林水産商工本部理事=いや、私は必ずしもそういうふうには理解しておりませんが、新町長はそういうふうにおっしゃっていらっしゃいまして、直接、前町長から新町長と相反する考えだということをお聞きしたことはございません。
216 ◯宮崎委員=大体、どれが一体本当ですか。あなたはそうじゃないと思っておると言うばってんね、実際はそういうふうに言っているところを見ると。
217 ◯志岐農林水産商工本部理事=これは形の上だけですけれども、前町長のもとでも、地元の業界、あるいは関係団体、また住民の方々を含めた実行委員会というものが構成をされて、実行委員会の中でいろいろと議論をなされ、そして基本計画の検討をこれまで進められてきましたので、事業の進め方なり体制という点では、決して県民の方の意見を聞かないということではなくて、県民の方の意見を聞きながら進めて来られたというふうに理解しています。ただ、トップに座る方が外部の専門家と、その方を総合プロデューサーに据えていらっしゃったというところが一つ違いがあるんじゃないかなというふうに思っています。
218 ◯宮崎委員=外部からプロデューサーを雇うて据える、それを廃止する。これでも相当な意見の相違ですよね。やっぱり相当、意見が相違したことであろうというふうに想定はつきます。
ところで、基本計画の見直しによって生じる事業費は、どういうふうに変化したんですか。
219 ◯志岐農林水産商工本部理事=事業費についてのお尋ねですが、事業費については、前町長のもとで策定された基本計画が承認された際も、具体的な事業費というのはお示しされておりません。
また、新町長のもとで先般承認された基本計画についても、まだ事業費は示されていないという状況です。
220 ◯宮崎委員=じゃ、事業費は、今からついていくんですか。
221 ◯志岐農林水産商工本部理事=事業費については、これから実行委員会の中で検討されて、承認されるものだと理解をいたしております。
222 ◯宮崎委員=事業費が、事業内容が具体的にどのようになるのか、それに基づいて事業費がどのくらいかかるのかというのは今からですね、そうですか。
223 ◯志岐農林水産商工本部理事=先般承認されました基本計画は、あくまで事業の基本的な考え方だったり方向をまとめたものでありまして、また事業費を積み上げるだけの検討がまだできていなくて、これから基本計画の承認を受けた後、一つ一つの事業について事業計画を検討していくというふうにお聞きをいたしております。
224 ◯宮崎委員=県の事業はどうなっているんですか。
225 ◯志岐農林水産商工本部理事=佐賀県が今現在進めております事業につきましては、昨年九月に佐賀県プランというものをまとめました。このプランについては、事業の基本的な方向性をまとめたものでありまして、そのプランに沿って、現在、事業化を図っておりますけれども、毎年度、毎年度、新年度を迎える前の議会で予算を提案させていただいて、それについて御承認をいただいて、現在事業を進めているというふうな状況でございます。
226 ◯宮崎委員=毎年度予算化した数字は幾らですか。
227 ◯石井有田焼創業四百年事業推進監=予算額についてお答えいたします。
有田焼創業四百年事業に係る県の予算額としては、先ほど申しました佐賀県実行委員会のほうで事業のほうを執行して、取り組んでおりまして、この予算額として、平成二十五年度が一億千五百六万五千円、平成二十六年度が四億九千八百二十六万二千円となっているところでございます。
以上でございます。
228 ◯宮崎委員=この有田焼創業四百年事業というのは、有田町とそれから武雄、嬉野を含んで──と、佐賀県とが一体となって推進をしていく事業じゃないんですか。
229 ◯志岐農林水産商工本部理事=この実行委員会の事務局は、県、私ども有田焼創業四百年事業推進グループに置いておりますので、こちらのほうが事務局を努めさせていただいておりますが、構成団体の皆さんと協議しながら計画を策定し、そして予算についてもそこで御承認をいただいたという状況でございます。
230 ◯宮崎委員=そういう中において、有田町の実行委員会での事業計画案が、十二月五日に承認されたということはどういうことなんですか。
231 ◯志岐農林水産商工本部理事=私のこれまでの答弁の中で説明が漏れたかと思いますけれども、佐賀県が事務局を務めております佐賀県有田焼創業四百年事業実行委員会というのがあります。それとは別に、有田町に事務局を置く、簡単に申し上げますと、有田町の事業実行委員会というのが別に、平成二十四年に設立をされておりまして、それぞれ独立した実行委員会で今現在、事業推進しているという状況にございます。
232 ◯宮崎委員=こういう事業を、県と町とそれぞれ独立して分離した事業主体でやっていけるんですか。
233 ◯志岐農林水産商工本部理事=県と町が連携して事業を進めていくという点では、一つの実行委員会で進めていくという考え方もあると思いますが、町のほうで平成二十四年に実行委員会が設立される前に、私はまだそのときはおりませんでしたけれども、県と町との間でこれからの事業の進め方について協議を行って、究極の目的は同じかもしれませんけれども、県の立場、町の立場、また、県、町それぞれが重点を置く事業のポイントみたいなものについてすり合わせをした結果、別々に実行委員会を立ち上げようということになって、今日独立した形で今進めているという状況に──済みません、町の実行委員会の設立については、平成二十四年と申し上げましたけれども、平成二十三年の誤りでございました。済みません、その点、訂正いたします。
234 ◯宮崎委員=有田焼創業四百年事業というのは、県だけでできるものでもないし、有田町だけでできるものでもない、そういう事業でしょう。これは、県と有田町、車の両輪となって、一体となって推進をしていかなければ、私は事が成り立たないというふうに見ているんですよ。てんでんばらばらでいいんですか。そんなことで事業が成功するというふうに思っていますか、どうですか。
235 ◯志岐農林水産商工本部理事=先ほど実行委員会のお話を申し上げましたが、県の実行委員会には、構成団体として有田町にも入っていただいておりますし、町の実行委員会には、県も構成団体として入っております。まず、そういう実行体制の点で、両者は連携をとっております。なおかつ、県のほうで進めている事業の中には、どちらかと言いますと産業振興にウエイトを置いた取り組みを進めていますけれども、取り組みの中には、例えば観光客を誘致したり、あるいはまちづくりを進めていくといった取り組みもありますので、そういった点については、当然のことながら地元の町として有田町のかかわりが出てきますので、こちらのほうから協力を求めたり、また支援を仰いだりという形で、これまでも有田町とは連携をとりながら進めてきております。
これからについても、先般、町のほうで正式に基本計画が承認されましたので、基本計画に沿った事業計画の策定に当たっては、県も協議に入る形で、相互に連携、協力しながら進めていきたいというふうに考えております。
236 ◯宮崎委員=あのね、ここにあなた方の予算化をした事業計画打ち合わせ書を持っていますよ。こういう事業計画というのは、有田町が決めた基本計画と県が主体になって決めた基本計画と一体となって、お互いに餅は餅屋という形で総合的な判断で事業を推進するということが一番やらなくちゃいけない事業じゃないんですか。それが町長がかわられて基本計画が見直されて、やっとついせんだって基本計画が承認されたと。中身については今からだという矢先に、県のほうはもうどんどんどんどん先に行って、町のほうはおくれていっていると、こういうちぐはぐな事業が成功するはずがございませんよね。いかがですか。
237 ◯志岐農林水産商工本部理事=今、委員が御指摘されたことは、町の事業のスタートがおくれたという点では確かにそのとおりだと思っております。(「いや、おくれただけじゃなかとばい」と宮崎委員呼ぶ)
これまでも基本計画が承認されるまでも協議はしてきておりますし、これからもその協議は続けてまいりますので、今、御指摘があったようなおくれについては取り戻せるように、しっかりこれから連携を密にとっていきたいと思っております。