平成 13年10月定例会 平成十三年十月
山口県議会定例会会議録 第二号 平成十三年十月九日(火曜日) 議事日程 第二号 平成十三年十月九日(火曜日)午前十時開議 第一
会議録署名議員の指名 第二
意見書案 第三
代表質問 第四 議案第一号から第二十三号まで、及び第二十五号(質疑) 本日の会議に付した事件 日程第二
意見書案(一件) 日程第四 議案第一号から第二十三号まで、及び第二十五号 会議に出席した議員(五十二人) 柳 居 俊 学 君 山 手 卓 男 君 畑 原 基 成 君 亀 永 恒 二 君 吉 井 利 行 君 末 貞 伴 治 郎 君 伊 藤 博 彦 君 藤 山 房 雄 君 吉 田 和 幸 君 大 西 倉 雄 君 横 山 豊 治 君 伊 藤 博 君 三 木 康 博 君 石 﨑 幸 亮 君 松 原 守 君 西 本 輝 男 君 塩 満 久 雄 君 水 野 純 次 君 加 藤 寿 彦 君 友 田 有 君 二 木 和 夫 君 宮 﨑 幹 嗣 君 佐 々 木 明 美さん 小 泉 利 治 君 久 保 田 后 子さん 藤 本 一 規 君 重 宗 紀 彦 君 松 永 卓 君 西 嶋 裕 作 君 池 田 親 男 君 新 谷 和 彦 君 田 中 文 夫 君 桑 原 孝 行 君 近 間 一 義 君 三 村 真 千 代さん 島 田 明 君 田 中 貢 君 斉 藤 良 亮 君 岸 田 淳 子さん 橋 本 憲 二 君 守 田 宗 治 君 藤 谷 光 信 君 武 田 孝 之 君 久 米 慶 典 君 橋 本 尚 理 君 竹 本 貞 夫 君 河 野 博 行 君 秋 野 哲 範 君 村 田 哲 雄 君 長 谷 川 忠 男 君 森 中 克 彦 君 河 村 敏 夫 君 会議に欠席した議員(なし) 欠員(一人) 議案等の説明のため会議に出席した者 知事 二 井 関 成 君 副知事 綿 屋 滋 二 君 出納長 河 野 勉 君 総務部長 藤 井 俊 彦 君
総務部理事 東 邦 郎 君
企画振興部長 瀧 井 勇 君
企画振興部理事 辻 田 昌 次 君
環境生活部長 小 倉 淑 夫 君
健康福祉部長 佐久間 勝 雄 君
商工労働部長 上 符 正 顕 君 農林部長 原 田 公 平 君 水産部長 渡 辺 純 忠 君
土木建築部長 西 本 久之輔 君 出納局長 森 本 佳 文 君 財政課長 出 口 和 宏 君
公営企業管理者 前 田 隆 康 君 企業局長 徳 光 学 君
教育委員長 山 田 宏 君 教育長 牛 見 正 彦 君
公安委員長 小 田 保 君
警察本部長 富 田 耕 吉 君
代表監査委員 村 岡 正 義 君
監査委員事務局長 藤 屋 靖 夫 君
地方労働委員会会長 加 藤 政 男 君
地方労働委員会事務局長 吉 冨 克 史 君
人事委員長 山 田 悟 君
人事委員会事務局長 森 昌 幸 君
選挙管理委員長 廣 嶋 彬 智 君 会議に出席した
事務局職員 事務局長 村 田 博 君
事務局次長 來 村 正 志 君 総務課長 伊 藤 純 隆 君 議事課長 吉 次 薫 君 調査課長 岡 屋 武 紀 君 秘書室長 大 村 愼 一 君
議事課主幹 清 水 英 司 君 主査兼議事係長 中 田 望 君 記録係長 松 永 政 彦 君
主任主事 黒 石 千絵子さん
主任主事 大 井 良 平 君 主事 安 達 香奈恵さん 午前十時一分開議
○議長(島田明君) これより本日の会議を開きます。
△日程第一
会議録署名議員の指名
○議長(島田明君) 日程第一、
会議録署名議員の指名を行います。 河村敏夫君、田中貢君を指名いたします。 米国の
同時多発テロ事件による犠牲者に対する黙祷
○議長(島田明君) 既に皆様御承知のとおり、去る九月十一日、米国において発生した
同時多発テロ事件は、数多くの尊い人命を奪う極めて卑劣かつ許しがたい暴挙であります。これは、米国のみならず、
民主主義社会に対する重大な挑戦であり、強い憤りを覚えます。この
テロ事件により犠牲となられました方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族に対しまして衷心よりお悔やみを申し上げます。 また、負傷されました方々並びにその御家族に対しまして心からお見舞いを申し上げます。ここに犠牲者の御冥福をお祈りして黙祷を捧げたいと思いますので、御起立をお願いいたします。黙祷を始めてください。 〔起立・黙祷〕
○議長(島田明君) 黙祷を終わります。御着席願います。
△日程第二
意見書案
○議長(島田明君) 日程第二、
長谷川忠男君外十三人から提出の米国における
同時多発テロ事件に関する
意見書案を議題といたします。
意見書案は、お手元に配付のとおりでございます。
提案理由の説明及び
委員会付託の省略について
○議長(島田明君)
意見書案については、
提案理由の説明及び
委員会付託を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(島田明君) 御異議なしと認めます。よって、
意見書案については、
提案理由の説明及び
委員会付託を省略し、直ちに採決することに決定いたしました。 表 決
○議長(島田明君) これより本
意見書案を採決いたします。 本
意見書案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔
賛成者起立〕
○議長(島田明君) 起立全員であります。よって、本
意見書案は、原案のとおり可決されました。 字句等の整理について
○議長(島田明君) ただいま
意見書案が議決されましたが、字句等の整理を要するものについては、その整理を議長に委任されたいと思います。これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(島田明君) 御異議なしと認めます。よって、字句等の整理は、議長に委任することに決定いたしました。
△日程第三
代表質問
△日程第四議案第一号から第二十三号まで、及び第二十五号
○議長(島田明君) 日程第三、
代表質問を行い、日程第四、議案第一号から第二十三号まで、及び第二十五号を議題とし、質疑に入ります。
代表質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。
斉藤良亮君。 〔
斉藤良亮君登壇〕(拍手)
◆(
斉藤良亮君) おはようございます。平成十三年十月定例会に当たりまして、
自由民主党県議団を代表いたしまして、県政の諸課題について質問をいたします。 去る九月十一日、世界を震撼させた
国際テロ事件がアメリカで発生をいたしました。先ほど県議会として、この事件でお亡くなりになられた方々に黙祷を捧げますとともに、
テロ絶滅の意見書が採択されましたが、いかなる理由であれ、無差別に人を殺りくする行為は許されないものであります。 アメリカは、
テロ絶滅を図るため、八日未明からテロリストとその支援者に攻撃を開始しました。我が党といたしましても、
テロ行為に対しては毅然とした決意で立ち向かい、県民の生活を守ることが我々政治家に求められ、その期待にこたえることが政治家の使命であると考えるのであります。 さて、本年七月、二十一世紀最初の国政選挙となる第十九回
参議院選挙が行われました。県民の多くの方々から我が
自由民主党に御支援をいただき、心から感謝とお礼を申し上げますとともに、これほどまでに力強い御支援をいただいたのは、県民の皆様方の改革に対する期待が大であると肝に銘じ、これから山場を迎える
構造改革に、
自由民主党が一丸となって、責任政党として誠心誠意取り組んでまいる所存でありますので、引き続き御指導と御鞭撻をお願い申し上げます。 それでは、質問通告に従いまして、順次質問をいたします。 まず最初に、
雇用対策についてお尋ねをいたします。 昨今の景気・
雇用情勢は、ますます混迷の度を深め、最近の内閣府の
月例経済報告においても、「景気はますます悪化している」とされ、「もはや景気の悪化は明確になった」ともされております。 こうした中、総務省が八月末に七月の
完全失業率が五・○%に達したと発表しました。この五・○%という数字は、調査が始まった昭和二十八年以来最悪のものであり、
労働力人口二十人に一人が失業者であるという
雇用情勢は、極めて憂慮すべき状況であると考えます。 さらに、ほぼ同時期の九月当初に、
厚生労働省が発表した
労働経済動向調査によりますと、製造業、建設業各企業の
人員過剰感が依然として強く、一方、不足感が強かった
サービス業においても、その傾向が薄まるなどの動きを見せており、今後ますます、
中高年者を中心とした離職者が増大することが懸念されるわけであります。 こうした状況を受けて、政府は、景気・
雇用対策、とりわけ、雇用の創出、
セーフティネットの強化、職業訓練・能力開発など政策を総動員した
総合雇用対策を
補正予算案の中心に据え、臨時国会での議論が展開されております。現段階においては、ようやく内容の検討が本格化してきたところであり、残念ながら、県として国の動向に呼応するには、今後の状況を注視し、引き続き検討していくしかありません。 景気・
雇用対策は、国の政策の大きな柱であります。しかし、国だけにこうした対策をゆだね、任せておけばいいのか、地方においてもやるべきこと、やれることがあるのではないか、本県においても、製造業を中心として
企業合理化は一段と進み、
中高年離職者を中心とした
雇用対策は緊急を迫られております。 このため、県では、さきの景気・
雇用対策本部において「景気・
雇用情勢を踏まえた今後の対処方針」を決定され、本議会に「緊急景気・
雇用対策関連事業」にかかわる
補正予算案を提案されたところであり、まことに力強く感じております。 そこで、お尋ねをいたしますが、県として、今回の
中高年離職者を対象とした
雇用対策にどのように取り組まれるのか、さらに、こうした厳しい
雇用情勢の中で、国の動向もにらみながら、県としてどのように今後の山口県の
雇用対策を考えていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、
山口きらら博と今後の
県勢振興についてお尋ねをいたします。 二十一世紀の初頭を飾る
県勢振興の
一大プロジェクトである「
山口きらら博」が七月十四日に開幕し、九月三十日にフィナーレを迎え、七十九日間の会期を終えました。
入場者目標を大きく上回る二百五十万人以上の県内外からの来場者に、山口県の元気や魅力を深い感動とともに印象づけたことと思います。 知事は、初当選後の平成八年九月議会において、二十一
世紀未来博覧会の開催を表明され、以来、計画の策定や近隣県等への
トップセールスを初めとして、あらゆる機会を通じて、山口県躍動の舞台である「
山口きらら博」を強力に推進してこられました。改めまして、二井知事の御英断と
博覧会成功に向けた並々ならぬ御熱意に敬意を表するとともに、
山口きらら博成功の喜びを県民とともに分かち合いたいと思うのであります。 また、例年にない炎天下に汗しながら、各パビリオンや
イベント会場、
駐車場整理など、随所でスタッフや
ボランティアの皆様などが連日奮闘されてきました。 議会としましても、九月十日に、
山口きらら博推進山口県議会議員連盟の
島田明会長を初めとする有志三十五名が、
ボランティアの皆さんと一緒に活動させていただきましたが、皆さんの地道で真剣な
取り組みに感動した次第であります。 さらに、市町村の日では、県下五十六市町村の皆さんが、地域の特色あるイベントなどを熱演され、
文字どおり県民参加の実を上げてこられましたし、博覧会の成功に向けて、各
県議会議員もさまざまな形で協力させていただきました。 計画段階から実施に至るまで、この博覧会に御尽力をされました県、市町村、民間、
ボランティアの多くの皆様、本当に御苦労さまでございました。心から皆様の御労苦に対し、感謝申し上げますとともに、こうした
きらら博の成功が、
県民参加型イベントとして山口県の歴史にさん然たる光彩を放つとともに、県民に誇り高く語り継がれるものと確信をいたしております。 二十一世紀は、地方分権が実行段階を迎え、国際化、情報化、少子・高齢化など、さまざまな
社会経済環境の変化に対応するため、住民に身近な行政は
地方自治体がみずからの判断と責任で行うこととなります。
地域間競争の激化が予想される中、地域の特性やさまざまな地域資源を活用して「元気で存在感のある
県づくり」を推進することが
県勢振興の上で重要な課題であり、こうした課題にこたえるためにも、
山口きらら博の成功を一過性のものにしてはならないと考えるのであります。 そこで、お尋ねをいたしますが、博覧会が終了して間近であり、
博覧会開催成果は長期的な視点での検証も重要になろうかと思いますが、現時点で
山口きらら博の成果をどのように認識し、また、その成果を今後の
県勢振興にどのように生かされようとしているのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、
行政改革についてお尋ねをいたします。 国においては、日本経済の再生を図るため、不良債権問題の抜本解決のほか、廃止・民営化を前提とした特殊法人に対する思い切った見直しなど、聖域なき
構造改革が進められようとしております。 また、こうした国を挙げての
構造改革という大きなうねりの中で、民間においては、熾烈な価格競争やリストラなど生き残りをかけて、必死の思いで経営改善に取り組んでいるのが実情であります。 こうした中、
地方自治体においても、効率的な行政経営を図るため、あらゆる分野での
行政改革に積極的に取り組むことは、時代の要請であり、当然のことであります。本県においては、第三次行革の期間を終え、現在、新たな改革指針の策定に着手しておられると聞いておりますが、さらなる
行政改革の推進に期待をしているところであります。 しかしながら、本県を取り巻くもろもろの環境変化の速度は、我々の想像する以上に著しく、例えば、インターネットなどの
情報通信技術の世界とか、
高齢化社会の進みぐあいなどを見るにつけ、その変化の早さには目をみはるものがあります。さらに、経済の再生を図るための
構造改革の推進により、財政的な面からの急激な好転は望むべくもないのではないかと思うのであります。 こうした本県をめぐるさまざまな変化あるいは情勢を考え合わせると、これまでのように行政が内部のむだを省き、透明度を高めつつ組織を見直して効率化を図るという手法だけでは、
行政改革にもおのずと限界があり、これからは思い切った新しい考え方、例えば、官と民の役割分担の見直しを図りながら、県民のパワーをもっともっと県政に生かすなどの知恵も必要とされていると考えるのであります。 また、政治・経済・社会の
構造改革は、今や
国民的話題であり、県だけが改革の流れに乗りおくれることがあってはなりません。先日公表された
県政モニターへの
アンケート調査によると、「行革の推進をすべき」という回答が九九%に達するなど、多くの県民が本県の新たな
行政改革に関心を持っておられます。こうした県民の期待に的確にこたえ、真に県民のための
行政改革とするためにも、今回の行革は県民が身近に感じる改革でなければならないと考えるものであります。 そこで、お尋ねをいたしますが、二十一世紀という新たな時代を迎え、新しい
県づくりに向けてさらなる
行政改革を進めていかれるに当たり、どのような視点に立って、これから取り組もうとしておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、
健康福祉行政の推進をお尋ねいたします。 先ごろ県がまとめられた
長寿者名簿によりますと、県内で百歳以上の
長寿高齢者の方が四百五十一人、そのうち今年度新たに百歳の仲間入りをされる方が百八十二人、いずれも過去最高となっております。 これも本県の恵まれた自然・
生活環境、充実した保健・医療・
福祉サービス、そして何よりも高齢者一人一人が普段から健康に留意され、命と健康を保ってこられたあかしであり、その長寿を喜び、心からお祝いを申し上げたいと思います。 高齢者の方々が地域で安心して暮らしていくためには、
生活環境の改善や福祉施策の充実などさまざまな課題がありますが、その根幹をなすのは健康の保持と病気になったときの医療の保障であります。 現在、国においては、昨今の厳しい
医療保険財政の状況を踏まえ、
高齢者医療制度の
見直し等医療制度改革を平成十四年度から実施する方向で検討が進められており、これから正念場を迎えるこの
医療制度改革につきましては、国における十分な議論・検討を期待するものであり、県におかれても、県民の健康の保持の観点から、国の動向を踏まえ、適宜適切に対応することが必要であると考えるのであります。 また一方で、高齢化がさらに進む中で、疾病や医療と表裏をなす
健康づくりの
取り組みについて、身近な地域、市町村での
意識づくりや
実践活動をさらに進めることが重要であると考えます。 県では、昨年三月「健康やまぐち21基本計画」を策定され、健康な生活習慣の確立に向けた県民運動を家庭・地域・学校・職場が一体となって展開することとし、県民大会やキャンペーンなどの普及啓発や
禁煙マラソンなどの
実践活動に鋭意取り組まれているところですが、
健康づくりのこれまでの県の
取り組みが地域に根をおろし、地域の特性を生かしながら、県民一人一人の
健康づくりの実践に結びつくことを強く願っております。 そこで、お尋ねをいたしますが、
健康づくり運動の地域での普及・定着に向けて、今後どのように取り組んでいかれようとしているのか、お伺いをいたします。 次に、農林業問題について、二点お尋ねをいたします。 まず一点目は、狂牛病対策についてお尋ねをいたします。 国内初の狂牛病の発生が報じられてから、ちょうど一カ月が経過しました。御案内のように、この事件は、牛肉という余りに身近な食材の問題であるため、その安全性については国民的な関心事となっておるのであります。 そもそも狂牛病は、既に英国を初めとする欧州での発生事例があり、英国での実験・研究の結果では、脳、脊髄、目及び小腸の最後の部分、いわゆる「危険部位」以外のところから狂牛病の感染はないことがわかっております。 また、世界の家畜衛生の国際機関である国際獣疫事務局の基準でも、たとえ狂牛病に感染している牛であっても、「危険部位」以外の牛肉、牛乳・乳製品は安全であるとされており、農林水産省は、こうした研究結果や国際獣疫事務局の基準に基づき、牛肉、牛乳・乳製品は安全であると明言をいたしております。 しかしながら、先月二十九日に山口市において開催されたタウンミーティングにおいても、狂牛病に関する質疑が行われるなど、現状では、狂牛病に対する不安感からさまざまな憶測が先行し、一般消費者、学校給食などで牛乳の利用を見合わせる動きがあり、ひいては外食産業や食品メーカーにも影響し、牛肉消費が落ち込んでいる状況にあります。 このことは、牛肉の流通にも影響を及ぼすことになり、枝肉価格の低下を来し、生産者の経営に大きな打撃を与えることから、意欲の減退が危惧されているところであります。 我が党は、こうした風評による被害を招くことがないよう、国及び県は早急に狂牛病の撲滅や牛肉への不安解消に向けて、畜産関係者への防疫対策の徹底や屠畜場での食肉衛生検査の徹底などの万全な対策を講じていくとともに、広く県民に対し、牛肉の安全性など正しい情報をわかりやすくPRしていくことが重要だと考えております。 そこで、お尋ねをいたしますが、県においては、今後、県民の不安解消や生産者の支援について、どのような対策をとっていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、農林業問題の二点目として、森林・林業行政についてお尋ねをいたします。 私は、平成七年二月定例会において、本県の誇る豊かな森林を活用して、都市住民との交流による地域づくりを進める「森林・文化圏構想」の提言などを通して、森林の持つ多様な機能に対する県民の理解促進と、その公益的な機能の発揮に向けた森林整備の重要性について主張をいたしました。 県においては、この提言も踏まえ、これまで森と人との共生関係を構築する「里山文化構想」の推進などを進めてこられましたが、こうした構想の推進によって得られた県民の理解や関心を、これからの森林整備に生かしていくことが大切だと考えております。 御案内のように、森林は、国土の保全、水資源の涵養を初め、地球温暖化の防止や生態系の維持、さらにはレクリエーションの場の提供など、多様な機能を有しており、県民のだれもが森林の適正な管理を通して、こうした機能を将来にわたって持続的に発揮していくことに大きな期待を寄せておるのであります。 さて、本県の森林は、戦後の積極的な造林により、針葉樹を中心として森林資源が蓄積されましたが、一林家当たりの保有山林規模は五ヘクタール未満と、総じて零細な経営となっております。 また、平成十二年の農林業関係の統計における林業従事者数は七千七百六十五人で、十年前の一万六千七百六十三人と比べ半分以下に減少しており、六十五歳以上の割合も六割を超えるなどの高齢化が進んでおります。 このような中、木材価格の長期低迷による林業の採算性の低下が林家の経営意欲の減退を招いており、公社等の管理するものや市町村有林を除いた、人工林の約七割に当たる林家みずからが経営・管理を必要とする十二万九千ヘクタールの私有林については、十分な保育・間伐が進まず、林業経営が立ち行かなくなることが危惧されておるのであります。 このような状況では、もはや森林所有者や林業関係者のみでは十分な森林の管理は困難であり、さらなる森林の荒廃につながりかねない極めて深刻な事態であると考えております。 多様な機能を有する本県の森林を、県民共有の財産として将来に引き継いでいくためには、まず、こうした本県の森林を取り巻く状況を十分に認識した上で、多面的機能の享受者である県民に広く周知を図るととにも、森林を保全・整備していく手だてを県民とともに考えていく必要があると思います。 すなわち、上流における森林整備の厳しい状況を下流にも知らせ、いわゆる川上、川下の連携による
取り組みを進めていくことが大切だと思うのであります。 そこで、お尋ねをいたしますが、川上、川下の連携による森林づくりを、県、市町村、関係団体、さらには県民が一体となって進める必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、教育問題についてお尋ねをいたします。 「教育」とは、文字どおり「教え、育てる」ということでありますが、この二文字の言葉に、教師と親、それぞれが担う役割があるものと思っております。教師は、親から全幅の信頼を得て学校教育を通じ、子供を教える。親は、家庭教育を通じ、子供を慈しみはぐくむのであります。 これまで我が国の教育は、教育の普及を通して経済・社会のさまざまな分野における大きな変革をもたらす原動力となる一方で、教育の効率化が重視され、多くの知識を一斉画一的に教え込むなど、子供一人一人の個性に意をかけてこなかった嫌いもあり、子供たちの勉強や学習に対する意欲や関心が薄らいだり、本来身につけるべき社会性や主体性の欠如などの問題点も指摘されているところであります。 このような状況を見聞きするたびに、「教え、育てる」という本来の「教育」の部分で、それぞれが担うべき役割が十分に果たされていないのではないか、という思いを強く抱くようになってきました。 幸い、本県には一人一人の個性を見抜き、生かしていく伝統的な教育の風土があります。よき伝統は、歴史の一ページに記して終わりとするのではなく、不断に継承、発展させていくことが大切なのであります。 そこで、ぜひとも、教育に携わる者全員が個性を大切にする本県ならではの伝統的な教育の風土や特色について再認識され、それぞれが責任と主体性を持ち、真正面から毅然と「教育」に取り組んでいただきたいと思うのであります。 折しも小・中学校では、来年度から新しい教育課程が完全学校週五日制のもとで本格的に実施され、子供たちへ確実に基礎・基本の力を身につけさせるため、ゆとりある教育活動が行われるとともに、各学校で創意工夫を凝らした教育が可能となる「総合的な学習の時間」も本格実施されることとなっております。 教師は、ゆとりある教育の中で創意と工夫を重ね、子供たちの個性や能力を伸ばしていく多様な指導方法や教育手法を実践し、「教えるプロ」として輝きを増していくとともに、教育に携わる関係者は、教師が「教えるプロ」として育つよう支援、指導も重ね、新しい教育課程が「山口県らしい教育」の契機となるよう、この
取り組みに期待するものであります。 そこで、教育長にお尋ねをいたしますが、この新しい教育課程が本格実施されるに当たり、学校教育において子供たちの個性や能力を伸ばす教育をどのように進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、このたび着任されました富田
警察本部長にお尋ねをいたします。 冒頭でも触れさせていただきましたが、ニューヨーク及びワシントンにおいて同時多発テロが発生し、多数の行方不明者等犠牲者が出たところであります。このような一般市民を標的とする許しがたいテロには、混沌とした国際情勢の中、いつ我が国で発生してもおかしくない状況にあると思うのであります。 我が国は、これまで「水と安全はただ」という定説の上にあぐらをかいていた感がありますが、ミネラルウォーターが飛ぶように売れ、毎日の報道で悲惨な事件を多数見聞きする昨今、今やそのような定説は神話と化したように感じるのであります。 そこで、国内の治安情勢に目を転じますと、警察庁が今年上半期をまとめた犯罪情勢によれば、刑法犯の認知件数が百二十八万八千三百八十一件と初めて百万件を突破し、過去最悪だった前年同期に比べ一五・九%増加しておるのであります。検挙率は一九%と、これまた初めて二○%を割り込むなど、まさに危機的状況を呈しているのであります。 山口県の情勢に目を転じますと、刑法犯の認知件数は一万一千四百六十五件と前年同期に比べ一千五百七件増加しており、全国情勢と同様の傾向を示しております。検挙率は二八・七%と全国情勢よりは高いものの、前年同期の四一%と比べ大幅に減少するなど、県内の治安にとっても危機的数字を示しております。 このような情勢となった要因として、犯罪の国際化やハイテク化、社会の規範意識の低下など、さまざまな要因が挙げれますが、特に私が感じますのは、一線警察官の負担が増大している捜査環境にあるのではないでしょうか。 一連の警察不祥事件に端を発した警察改革も軌道に乗り始めたばかりであり、悪化する治安情勢のもとにあって、県民の安全を担う県警察の責任は真に重要になっております。県民も大きな期待を寄せていると思うのであります。 そこで、お尋ねをいたしますが、かかる状況にあって県警察を今後どのように運営をされようとお考えか、米国の
同時多発テロ事件に対する危機管理も含めて、
警察本部長の御所見をお伺いいたしまして、
代表質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(島田明君) 二井知事。 〔知事 二井関成君登壇〕
◎知事(二井関成君) 斉藤議員の御質問にお答えをいたします。 まず、
雇用対策についてのお尋ねであります。 お示しがありましたように、全国的に厳しい
雇用情勢が続きます中、今後、不良債権の処理等
構造改革の進展に伴い、中高年を中心に離職者の増加が懸念をされます。 このために国におきましては、九月二十日に雇用面の
セーフティネットの整備などを内容とする「
総合雇用対策」を決定をし、現在、具体化に向けた作業が進められております。 こうした中で、本県におきましても、八月の有効求人倍率が全国平均の○・五九倍は上回りますものの、○・七五倍となっておりまして、新規求職者、有効求職者ともに前年を上回るなど、厳しさを増してきております。 したがいまして、県としては、当面可能な限りの対策に積極的に取り組むことといたし、去る九月二十七日に「山口県景気・
雇用対策本部」を開催し、
中高年離職者等に対する支援を中心とした緊急対策や中長期的な対策等からなる「景気・
雇用情勢を踏まえた今後の対処方針」を決定をいたしたところであります。 この方針に基づきまして、今回、緊急対策として、IT実務や介護実務等、六コース百十五名の臨時訓練の追加実施を含め、新たに二百十五名の訓練枠を確保するとともに、企業と求職者の出会いの場である「合同就職説明会」や「就職準備セミナー」を開催するなど、
中高年離職者等の再就職の促進に全力で取り組んでいくことといたしました。 また、今後の
雇用対策としては、引き続き国の
雇用対策や補正予算の動向等を注視しながら、適宜的確に対応していかなければならないと考えております。 また、中長期対策としては、「産業振興ビジョン21」に基づき、雇用の創出につながる創業・起業化・新事業展開、さらには優良企業の誘致を強力に推進をいたしますとともに、本県の実情に即した就職支援や能力開発支援等の対策を推進をしていくために、その基本となる「山口県雇用促進計画」を策定をし、この計画に沿って本県産業施策と相まった
雇用対策を効果的、総合的に推進をしていきたいと考えております。 次に、
山口きらら博と今後の
県勢振興についてであります。 まず、
山口きらら博の成果についてでありますが、「いのち燦めく未来」をテーマに、「元気」をキーワードに開催をいたしました「
山口きらら博」は、皆様方の絶大な御協力をいただき、おかげを持ちまして県内外から目標入場者数を大きく上回る二百五十一万人余の皆様に御来場をいただきました。 この
きらら博では、開催準備段階から県内外へさまざまなPR活動を行ってまいりましたし、多彩なパビリオン出展やイベント、さらにはホスピタリティーあふれる運営等を通じて、山口県の元気や魅力、そして未来への可能性を全国に大きくアピールをし、新たな交流の礎を築くことができ、二十一世紀の新しい
県づくりの実現に向けて大きな一歩を踏み出すことができました。 また、この
きらら博は、県民参加型の博覧会として、県民の皆様が一つの大きな目標に向かってエネルギーを結集をし、そしてその成功体験を県民全体で共有することができました。 私は、このことは山口県民にとって大きな誇りや自信となり、これからの
県づくりを進める上で大きな原動力になるものと確信をいたしております。貴重な成果であると考えております。 次に、博覧会の成果を生かした今後の
県勢振興についてのお尋ねであります。 私は、
きらら博開催を提唱して以来、この博覧会を一過性のイベントに終わらせるのではなく、この博覧会でつくられた数多くの資産をこれからの地域づくり、
県づくりに具体的な形で継承し、発展をさせていくことこそが真に重要であると考えてまいりました。 このため、博覧会で示された「多様な県民活動」のさらなる発展を図るため、現在、準備を進めている「県民活動支援条例」を今年度中に制定をし、支援体制を整備したいと考えております。 それと同時に、本年六月に設置をいたしました「きらめき山口一○○人会議」や今後実施をいたしますパブリックコメントなども活用して、県民の皆様からの幅広い御意見、御提言をいただきながら、博覧会の成果を生かした
県づくりの指針となる「ポスト
きらら博戦略プラン」を、来年六月を目途に策定することといたしております。 この戦略プランの策定に当たりましては、デザイン21の目指す
県づくりをより確かなものとするため、「県民活力」を積極的に活用するということを基本に、「環境」、「
ボランティア」、「文化」、「スポーツ」、「観光・情報発信」等の分野で、
きらら博でのさまざまな
取り組みを踏まえた新たな施策づくりを進めていきたいと考えております。 私は、こうした博覧会の成果を生かした施策を、県民の皆様と一体となって進めていくことをこれからの
県づくりの大きな柱の一つと位置づけ、五年後の国民文化祭、十年後の国民体育大会の開催などを視野に入れながら、「元気で存在感のある
県づくり」に邁進してまいりたいと思います。 次に、
行政改革についてのお尋ねであります。 本県では、これまで三次にわたる
行政改革を実施してまいりましたが、近年、少子・高齢化の進展やIT化、さらには分権型社会への移行など、時代が大きく変化する中、「元気で存在感のある
県づくり」を目指し、そのような変化に的確に対応できる活力ある行政運営の一層の確保を図るために、現在、新たな
行政改革の指針づくりに取り組んでおります。 そこで、お尋ねの
行政改革の視点でありますが、私は、このたびの
きらら博に結集をされた県民の皆様の力強い元気と情熱を前にして、これからの
県づくりに当たっては、県民が主役となり、活躍できる仕組みづくりが大変重要であるという思いを新たにいたしました。 このため、現在、策定を進めている
行政改革指針におきましては、こうした「県民主役の元気な県政の実現」を基本に、行政と民間の適切な役割分担と連携のもと、特にお示しがありましたような、民間や県民活動団体等の活力を最大限に生かせるような行政システムの構築を図り、また、「分権、IT化など時代の変化への的確な対応」や「簡素な行政と県民サービスの向上」という視点にも立って、施策や事務事業の見直し、組織の再編整備、利用者の立場に立った行政サービスの提供、さらには財政の健全化等に積極的に取り組んでいきたいと考えております。 また、こうした
行政改革が県民にとって身近なものに感じられますように、指針の策定段階はもとより、実施段階におきましても、
アンケート調査の結果など県民の皆様の御意見を十分に踏まえますとともに、
行政改革の実施内容や実績についても、県民の方々に対し、できるだけわかりやすいものとなるように、その公表やPRに努めてまいりたいと考えております。今後とも、県議会や
行政改革推進委員会にお諮りをしながら、新たな
行政改革に取り組んでいく考えであります。 次に、
健康福祉行政に関するお尋ねでございます。 お示しがありましたように、少子・高齢化が急速に進行する中、すべての県民の皆様が健やかで心豊かに生活ができるように、疾病の予防に重点を置いた
健康づくり対策を強力に推進をしていく必要があります。 このため、県では、昨年三月、二十一世紀における
健康づくり対策の基本指針となる「健康やまぐち21計画」を策定をいたしました。そして、市町村や関係団体等と連携、協力を図りながら、たばこ対策など年間を通じたさまざまなキャンペーン活動や地域活動の強化等を進める「健康やまぐち21県民運動」を積極的に展開をいたしております。 また、その一環として、
山口きらら博におきましても、健康福祉パビリオン「すこやかほほえみプラザ」を出展をし、
健康づくりをテーマとしたイベント等を通じて、多くの来場者の皆様方に直接、健康の大切さ、
健康づくりの重要性を訴えてまいりました。 今後は、こうした普及啓発活動を一層積極的に展開をし、県民一人一人の
健康づくりに対する意欲を高めていくとともに、現在、豊浦郡四町でモデル的に実施をしております
健康づくりの
取り組み成果等を生かしながら、広域的な
健康づくり運動の普及・定着に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 また、
健康づくりの推進に当たりましては、広く住民参加のもと、地域の実情を踏まえたきめ細かな活動を展開していく必要がありますことから、住民に身近な市町村において、より具体的な
取り組み目標などを定める
健康づくり計画を策定をし、これに基づいて
健康づくりリーダーの養成や自主活動グループの育成、健康教室の開催など、地域に密着した主体的な運動が進められるように、指導、支援をしてまいります。 県といたしましては、今後とも、二十一世紀の「元気県山口」を支える元気で健康な人づくりを目指して、県民を主体とした
健康づくり運動を積極的に推進をしてまいりたいと考えております。 次に、狂牛病対策についてのお尋ねであります。 今般、国内で初めて「牛海綿状脳症」、いわゆる「狂牛病」が発生をいたしましたことにより、県民の皆様が牛肉の安全性について不安を抱かれ、牛肉消費の落ち込みや価格の低下など、生産者にも影響が出ておりますことから、消費者の不安解消や農家支援対策を早急に進めていくことが必要であります。 県といたしましては、これまで安全対策として、平成八年から「と畜場法」に基づく牛海綿状脳症の検査を実施をしてまいりましたが、このたびの本病発生後、緊急に防疫会議を開催をし、直ちに全農家のすべての牛二万四千七百九十二頭を調査をし、本病特有の神経症状を示す牛がいないこと、原因となる肉骨粉が使用されていないことを既に確認をしたところであります。 また、この病気は、牛の脳や脊髄、目、小腸の最後の部分、いわゆる「特定危険部位」以外は人への感染はなく、牛肉は安全であることから、こうした情報を山口県のホームページに掲載をするとともに、県民の不安を解消するために、庁内に教育委員会を含む関係部局で構成する連絡会議を設置をし、また、健康福祉センターや家畜保健衛生所に相談窓口を設けるなど、正しい知識の普及啓発を図り、風評被害の防止に努めてきたところであります。 今後は、屠畜場において、「特定危険部位」の廃棄の徹底を期するために、完全焼却処分を指導するとともに、食肉の安全を確保するため、屠畜検査員の技術研修とより高度な検査機器の整備を急ぎ、現在、国が予定をしております十月十八日からは、EUが行っている検査と同等の三十カ月齢以上の牛すべてを対象としたスクリーニング検査に対応できるように諸準備を進めているところであります。 さらに、風評被害を速やかに解消するため、関係団体や市町村と連携をし、チラシの全戸配布、県・市町村広報誌やイベントの活用など、あらゆる機会を通じて幅広く県民への啓発活動を行っていくことにいたしております。 こうした
取り組みとあわせて、農家支援対策として、経営維持を図るために、国において新たに創設をされたえさ代の助成や緊急融資制度の円滑な活用について、きめ細かく指導をしていくことにいたしております。 また、発生原因の早期究明と防疫対策、牛肉に対する信頼回復を知事会等を通じて国に要望し、消費者の不安解消と畜産経営の安定に万全を期してまいりたいと考えております。 次に、森林・林業行政についてのお尋ねであります。 森林は、申すまでもなく、木材生産のみならず、県土の保全や水源の涵養などの公益的な機能を有しております。本県の森林面積は、県土の約七割を占めており、こうした機能を将来にわたって持続的に発揮させていくため、森林を適正に維持・管理をしていくということが重要であると認識をいたしております。 しかしながら、担い手の減少や高齢化の進行、木材価格の長期低迷による森林所有者の生産意欲の減退が進む中で、とりわけ、私有林におきましては、森林所有者による適正な管理が困難となってきております。 県といたしましては、これまで森林・林業の担い手づくりや県産木材の需要拡大などに取り組むとともに、森林の機能や役割を県民の皆様に理解をしていただくために、お示しがありました「里山文化構想」を積極的に推進をするなど、川上と川下が連携をした
ボランティアによる森づくりを進めてきたところであります。 今後におきましては、こうした
取り組みの成果を踏まえ、森林を県民共有の財産として社会全体で支えていく新たな仕組みづくりに取り組む必要があると考えております。 このため、まず、これまで養成をしてまいりました里山リーダー等を中心とする森づくり活動を県下各地で展開をし、森林や林業に対する県民理解のより一層の促進を図ることといたしております。 また、流域を単位として、森林所有者や市町村、企業、都市住民などの川上、川下の関係者を構成員とする協議会を設立をし、森林の管理に対する所有者の意向や森づくり活動への都市住民の参加意欲を把握をし、県民参加による森林の保全を積極的に推進してまいります。さらに、森林の適正な管理に向けた協定の締結など、川上と川下の合意形成や流域の特性を踏まえた流域全体での支援のあり方などについて、検討を進めていかなければならないと考えております。 今後、こうした
取り組みを通じて、健全で潤いのある森林を次代に引き継いでいけるように、県、市町村、関係団体、県民が一体となって社会全体で森林を守り、育てていく仕組みづくりを進めていく考えであります。 以上でございます。
○議長(島田明君) 牛見教育長。 〔教育長 牛見正彦君登壇〕
◎教育長(牛見正彦君) 子供たちの個性や能力を伸ばす教育についてのお尋ねに、お答えを申し上げます。 本県には、お示しのように、一人一人の個性を見抜き、それを生かしていくという、そういう教育の伝統がございます。この伝統を生かしまして、山口県教育ビジョンの基本目標である「夢と知恵を育む教育の推進」の実現に向けまして、子供のよさや可能性を大切にしまして、豊かな知恵を身につけさせていく教育を推進をいたしているところでございます。 こうした中で、来年度から完全実施をされます新教育課程は、ゆとりの中で生きる力をはぐくむことを目指しまして、子供たちの能力や適性に応じた教育を進めていくことを重視するものでございます。 したがいまして、この新しい教育課程の趣旨に沿った教育の展開が、山口県らしい教育の一層の推進につながるものと、このように考えております。 こうしたことから、県教委といたしましては、これまでの一斉画一的に知識を教え込みがちであった教育から、子供の個性を生かし、知恵をはぐくむ教育へと教育の基調を転換するよう、各種の研修会等において教師の意識改革に努めますとともに、個に応じた指導体制の整備を進めてきたところであります。 とりわけ、指導体制の整備につきましては、これまで小学校一年生の多人数学級に補助教員を配置する「楽しい学び舎づくり推進事業」や、小学校六年生に教科担任制を導入する「伸びゆく学び舎づくり推進事業」、また、中高連携・中高一貫校への
取り組みなど、小学校入学前から高等学校までの滑らかな接続を図る中で、子供の可能性を最大限に伸ばしていくことができるような、本県独自の指導体制である山口方式「夢つなぐ学び舎づくり」に鋭意取り組んできたところでございます。 このような個性を生かす教育をより充実させていくためには、御指摘のように、教師が「教えるプロ」としての力量を高めていくことが極めて重要であります。このため、新たに「学力向上プロジェクト委員会」を設置をいたしまして、新しい教育課程の趣旨に基づいて、子供の実態に応じた授業のあり方を明確にするとともに、能力を十分に伸ばすための方策について検討を始めているところでございます。 具体的には、少人数による授業などきめ細かな指導のあり方、子供のよさを生かす教材開発のあり方、子供の成長を促すための評価のあり方などについて、現在、研究を進めているところでございます。 この「学力向上プロジェクト委員会」の研究成果は、指導事例集にまとめまして県内の各学校や関係機関に配布をいたしますとともに、各種研修会等あらゆる機会をとらえて活用いたしまして、教員の指導力の向上を図ってまいりたいと、このように考えております。 来年度からの新学習指導要領の全面実施を契機といたしまして、指導体制の整備や教員の資質、能力の向上に一層努めまして、子供の個性や能力を伸ばす山口県らしい教育の実現に向けまして、最大限の努力をしてまいる考えでございます。 以上でございます。
○議長(島田明君) 富田
警察本部長。 〔
警察本部長 富田耕吉君登壇〕
◎
警察本部長(富田耕吉君) 昨今の厳しい治安情勢のもとでの警察運営、テロ対策等危機管理についてお尋ねをいただきました。 アメリカでの
同時多発テロ事件を契機として、地球規模でテロに対する不安が増大をいたしております。 また、国内でも、犯罪が激増し、刑法犯の認知件数が過去最悪のペースで推移するほか、個々の犯罪について、凶悪化、複雑化、組織化が進むなど、大変厳しい治安情勢が続いております。 他府県と比較して、治安のよい山口県内でも同様に、刑法犯の認知件数が大幅に増加し、全国平均を上回っておりますが、その検挙率が低下していることは御指摘のとおりであります。 こうした状況において何よりも重要なことは、県民の皆様に安心感を与えるような地域に密着した努力でありまして、県警察では、組織全体の運用対策の見直しによる業務の効率化、合理化、人員の再配置などにより、地域に密着した第一線現場の職務執行力の強化を推進してきておるところでございます。 また、信頼される警察であるよう、厳正な規律を維持し、さらに時代や状況の変化に合わせた適切、柔軟な警察運営に努めてまいります。 もとより、治安の維持は、警察の力だけでなし遂げられるものではなく、県民の皆様の御理解と御支援をいただきながら、県を初めとする自治体や関係機関、関係団体との一層の連携を図ってまいります。 御指摘のありました
テロ事件につきましては、無辜の人命を無差別に奪う極めて卑劣な暴挙であり、到底許すことのできないものであります。 このたびの
同時多発テロ事件に対しては、発生直後から関係部課長等を指揮し、警察庁等関係機関とも連携の上、テロ関連情報の収集、関係施設の警戒強化などの対応を行ってきております。 テロ防止の要点は、第一に、テロ関連情報の継続的な収集、第二に、粘り強く細心な警戒の実施、第三に、迅速、適切な対処にあると認識しており、引き続き関係機関との緊密な連携のもと、万全を期してまいります。 今後とも、県民生活の安全と平穏の確保のため、全力で取り組む覚悟でありますので、御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 以上でございます。
○議長(島田明君) 池田親男君。 〔池田親男君登壇〕(拍手)
◆(池田親男君) 民主・公明・連合の会の池田親男でございます。会派を代表いたしまして、県政諸課題につき、知事並びに教育長にお伺いいたします。 その前に、本日、本議会冒頭に、全会一致で意見書を提出いたしましたが、アメリカ合衆国における同時多発テロは、昨日未明の米軍の空爆をもって新たな段階に入りました。 こうした事態に国連安全保障理事会の行った一三六八号決議に基づき、我が国が国際社会の一員として何ができるのか、国会の審議を通し、適宜適切な対応を期待するものであります。 さて、こうした世界的緊張感もさることながら、本県の経済情勢は依然と厳しい状況を脱せず、県民生活は一段と危機に瀕しております。復興というさまざまな要因に具体策もなく、政府は改革を全面に打ち出しておりますが、地方分権の折々、本県ででき得る施策は、この際積極的に取り組んでいかなければなりません。
山口きらら博については、後で触れますが、成功は成功として是とし、次なる県政課題に果敢に挑戦していただきたいことを冒頭申し上げ、通告に従いお伺いいたします。 さて、山口県のリーディングプロジェクトとして取り組まれてきた「
山口きらら博」は、関係者皆様のすばらしい団結と努力をもって、県内はもとより、多くの人々にまさに「いのち」からの感動を与え、大成功に終わったことをお祝い申し上げます。 また、もう一つのプロジェクトである「やまぐち情報スーパーネットワーク」も、
きらら博の勢いに負けじと、この七月、順調にそのスタートを切りました。自設網としては、全国最大規模を誇るこの光ファイバーの情報通信網の本格的な運用に大きな期待の集まるところでもあります。 さらには、県立美術館における「クロード・モネ展」や県立萩美術館・浦上記念館の「ゴッホ展」も、殺伐としたニュースが流れる中、真の芸術との出会いの喜び、そして静かなる感動を与え、県立美術館では来館者も過去最高を記録するなど、これまたホットな話題に関係者の皆様の御尽力を心よりたたえたいと思います。 こうした本県におけるさまざまな
取り組みは、
きらら博に見る底力、情報新時代の先端を走るたくましさ、文化・芸術を愛する優しさ等々、それらが本県には脈々と流れていることを改めて認識させたものと思います。と同時に、いよいよ全国に発信する山口県として、こうした財産を背景に、自信を持って出発するときが来たとも実感するわけであります。 さて、本県では、既にたくましい
県づくりを目指すための指針として、二○一○年を展望した運営指針である「未来デザイン21」があります。さきに述べたリーディングプロジェクトが大成功し、走り出した今日こそ、名実ともにその着実な推進が求められ、中でも実質、新たなスタートといえる平成十四年度の
取り組みは、県民にとって大きな関心事であります。 つきましては、いまだ十三年度半ばであり、また、本県も我が国の経済情勢同様の厳しさを免れないわけでございますが、そうした中にも、一つの大きな区切りを終えた今日、多様化する県民ニーズにこたえ、また全国に発信する山口県として、平成十四年度以降、新たな県政運営を長期的な視野に立ち、どのような基本的考えで取り組まれようとされておられるのか、まずお伺いいたします。 次に、冒頭申し上げましたように、「
山口きらら博」は、県民の約一・七倍という集客をもって大成功いたしました。 特に脚光を浴びたのが、県民参加の博覧会をサポートし、県民の人的ネットワークを築き、博覧会を陰で支えてこられた延べ六千人を超えるオレンジのTシャツの「燦めき隊」の
ボランティアパワーでありました。「目的を同じにしたとき、みんな仲間です。県内に新たな友達がたくさんできました」と、ある方が語ってくれました。 また、雨の中、会場を後にする車に一台一台頭を下げ、手を振る駐車場関係の皆さんの姿には、だれをも胸を熱くしたと思います。 一方で、分別収集、リサイクル等でごみの減量化に努めた博覧会でもありました。小さな子供たちが、食べた後片づけを分別で行う姿は立派なものでした。また、会場がきれいだったことも、参加者一人一人が
きらら博をよいものにしようとの心がけであったと思います。 そこで、
きらら博の今後については、「きらめき山口一○○人会議」を設け、検討をされるやに伺っておりますが、こうした
ボランティア活動などを通して得られた無形の財産を、二十一世紀の「山口創造」へ生かしていくため、活発なる議論をお願いしたいと思うわけであります。 例えば、本県独自で七月十四日を「
山口きらら博記念日」、あるいは「
ボランティアの日」として設け、毎年この日は県民各自が
きらら博での交流、感動、思い出を呼び起こせる日としたり、また、この日を前後に、子供たちが目を輝かせた「竹トンボ」を初めとする手づくり工作の場、すなわち、教える喜びとつくる喜びが交差する場を
きらら博会場を中心に再現したり、また、いつでも「あの日の感動」、「やればできる」という気持ちを呼び起こさせる等、
きらら博で発揮されたこうした県民の自主的な活動や情熱を一層育てていくことが必要であると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、時あたかも、公助から共助への社会が求められ、本県も
ボランティアやNPOなど県民活動の推進に鋭意取り組んでいるところであります。 そこで、二十一世紀の元気で活力ある「山口創造」を実現していく上からも、
きらら博を契機として盛り上がりを見せた県民活動を各部署との連携も十分に図りながら、さらに充実、発展させていくことが重要と考えますが、今後の
取り組みについてお伺いいたします。 以上で
きらら博を終わり、次に
行政改革の観点より、二点お伺いいたします。 一般に社会が成熟化すると、行政に対する住民ニーズも多様化、高度化してまいります。しかしながら、こうしたすべてのニーズに行政が対応すると、財政の拡大、行政の肥大化を伴うことになり、また、公平のバランスを失うことにもつながり、おのずと行政の限界が生じてまいります。 逆に、二十四時間社会や土・日等の休日へのニーズ、さらに競争原理の上からもコストダウン、サービス向上等、行政の手を離れ、民間ベースで行う方が真に住民ニーズにこたえられるケースもあります。 さらに、社会経済の活性化の観点からも、行政の守備範囲を民間に開放することで、県民に広く雇用の場を提供することにもなります。 民間力の成長とその仕事内容に照らせば、必ずしも行政の手ですべて行うのではなく、民間で行えるものは民間に移行しようという柔軟な姿勢が必要と考えますが、これについてまず、知事の御見解をお伺いいたします。 ところで、本県の外郭団体を見てみますと、十部署にわたり三十五団体ございます。時代の要請で設立されたものと思いますが、少子・高齢化や情報化の進展等、社会経済の構造が大きく変化している現在、外郭団体のあり方についても、時代の変化に対応した見直しが必要と考えます。 本県の場合、県事業に絞り、事業の必要性や費用対効果を担当者が自己採点する事業の「評価システム」があり、導入されて二年の経過で、そのノウハウも定着してきたと思われます。 そこで、いわゆる外郭団体に対しても、時代の流れによる統廃合、民間能力の優秀性にかんがみ、業務内容におけるそのものの必要性、民間委託が可能か、民間との役割分担は可能か、人事に客観性はあるか、職員数は適当か等々、まず団体みずからが事業評価を実施することが重要であり、一方で、外郭団体に対する県のあり方についても、例えば、第三者評価を取り入れての適切な見直しが必要ではないかと考えます。 ついては、外郭団体の見直しについて、県は今後どのように取り組まれようとされているのか、お伺いいたします。 次に、
行政改革の二点目として、一般会計歳出がふえ続け、公債残高も右肩上がりの今日、民間企業の資金やノウハウ等を活用し、公共サービスの提供を民間主導で行う手法、すなわち「PFI」の導入についてお伺いいたします。 この件につきましては、これまでにも多くの議員が取り上げてこられましたが、これは英語のプライベート・ファイナンス・イニシアチブの頭文字をとったもので、さきに述べたように、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用し、公共サービスの提供を民間主導で行う手法であります。 しかも、ただ業務を任せるのではなく、入札段階、事業実施段階で競争原理を働かせ、よりよいものを生み出せる、また、契約内容によっては二十年、三十年と引き続くこともあり、当初の契約内容は大変重要となります。 今日まで、民間活力の利用としては、第三セクター方式がありますが、その場合、事業のリスクの配分があいまいだったために、結局、公共側が無用な追加支出を強いられるケースが多く、いま一つ広がりが見えませんでした。 しかし、PFIの場合は、民間が当初の事業計画で最後まで行うため、自治体がこうしたリスクを負うことはありません。 そうした意味では、PFIは、企業経営、市場原理に基づいた行財政改革の具体的方策の一つであり、公共サービスの効率性と質の向上を同時に追求するものです。当然ながら、行政自身が実施した場合とPFIで行った場合とを比較し、行政の方がよい場合はPFIを採用しないこともあるわけであります。 国においても、本年一月と七月に三つのPFIのガイドラインを示しており、近県でも岡山県、広島県が
取り組みを示しております。 本県においても、公営住宅、教育文化施設、廃棄物処理施設、リサイクル施設、社会福祉施設、また情報通信施設、観光施設等々、PFIの研究、運用をする対象は多岐にわたると考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、本県における文化振興についてお伺いいたします。 文化・芸術は、人々の創造性を開き、表現力、コミュニケーション力を高めるとともに、人々の心に安らぎを与え、潤いをもたらし、生きる力をみなぎらせます。 「来てよかったね」、優しい顔の二人の老婦人が、目と目を合わせ、うなずき合っておられたのが県立美術館での「クロード・モネ展」の閉会四日前に見られた姿であります。私ももう一度と思い、出かけていったわけですが、「モネ」のすばらしさはもとより、皆さんが優しい顔になり、何気ないすばらしいこの「一言」を聞けたことも大変印象に残りました。 科学技術が発達し、都市化が進む中で、経済的な豊かさは獲得されましたが、一方で、個々人を結ぶきずなが失われ、不安が増大しているのが今日の社会で、一人一人をやわらかなきずなで結ぶものこそ、文化・芸術と言えます。また、人々の感性を刺激し、豊かな想像力を生み出し、ひいては新産業を生み出す新たな基礎になるとも考えられます。 そこで、より人間性を育てる意味で、子供から大人まで、すぐれた文化・芸術を見る、触れることのできる機会の創出や、山口県の芸術家を育てる意味で、毎年、権威ある発表の機会の設置、さらには、今回の「モネ展」のように、単年度では資金も、準備の不可能な大がかりな展示も、計画的に実施できる体制づくり、そして、本県の売りである文化、歴史を一層PRする企画等々の内容を盛り込んだ、新たな「山口県文化・芸術振興プラン」の策定を提案するものであります。 そして、これについては幅広い観点から、教育分野との連携や民間の知識も含め、本県の主要プロジェクトとして文化の振興に取り組むべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。 次に、福祉行政についてお伺いいたします。 先般、国において、社会福祉基礎
構造改革の一環として、社会福祉法の制定や関連法の改正が行われました。 その背景には、社会福祉の理念として、福祉ニーズの多様化、利用施設の種類の増加、多面的な供給体制などがあり、そうした中で個人が、家庭・地域において人としての尊厳を持ち、その人らしい生活ができることを保障すること、との考え方があります。 そして、今回の大きな改正点は、身体障害者、知的障害者にかかわる
福祉サービスが、これまでの措置から利用者の選択に基づいて行われること、また、身近な市町村で障害者サービスが一元的に実施されることで、準備期間を経て、平成十五年四月より実施されます。 ついては、市町村においては、障害者からのさまざまな相談に応じられるサービス量の確保、個別計画の調整、大きくは保健・医療・介護との連携による「地域福祉計画」の策定が必要となります。 また、県においては、こうした適切なサービス提供事業者の認定、さらには、主体となる市町村が円滑に新しい障害者施策へ移行できるための支援が必要となります。 ところで、こうした改正の精神には、障害者からして逆に必要なサービスを受ける権利が確保されたともいえ、当然ながら、新たなニーズが出てくるものと思います。 例えば、ソフト面では、リハビリにもつながる音楽、文化、スポーツ活動等や社会参加、貢献へのサービス提供、またハード面では、交通バリアフリーへの各種対応等々、障害者の多様な要望にこたえる上で、従来のサービスメニューの範疇での提供に固持するのであれば、今回の改正の意図は達成できないものと思います。 そこで、障害者の多様な要望に柔軟な対応ができるよう、新しい制度施行前に専門的な相談体制の整備や苦情解決システムの充実、サービス事業者の育成など、障害者が地域で生き生きと生活できる体制づくりが必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。 また、こうした新たな施策の陰で、例えば、有効な支援策がいまだ確立されていない高次脳機能障害者施策の確立、また実態に即した難病施策の充実も忘れてはなりません。 県当局におかれましては、こうした方々に対する支援体制づくりへ向け、引き続き地域、現場からの代弁者として、より大きな声を国へ届け、社会福祉の公平な基盤づくりに一層努めていただきたいと思いますが、御見解をお伺いいたします。 次に、中小零細企業支援対策と
雇用対策についてお伺いいたします。 景気の後退とデフレ傾向が進む中、さらには冒頭申したように、米国の同時多発テロなどにより、本県においても中小零細企業経営を取り巻く環境は一段と厳しくなっております。 こうした事態に、早急な中小零細企業に対する
セーフティネットの構築が必要であり、現在、国においては、資金調達や連鎖倒産防止、創業支援と一層の支援策を検討しております。 本定例議会にも、中小企業制度融資の利率を一律○・二%引き下げるとの報告がされておりますが、円滑なる運用に向け、一層の御努力をお願いするものであります。 さて、ここで注目しなければならないのは、厳しい現下、負債を抱え、将来の事業計画もままならない中、再建へ向けて必死の努力をされている多くの零細企業への支援であります。 私もこうした方々の相談を多く受けてまいりましたが、制度融資の話をいたしますと、決まって「経営状態から金融機関の窓口で紹介してもらえない」、また、「前回申請してだめだったから無理です」、「保証人がとれないので融資は無理です」、制度融資そのものが自分には利用できないと思い込んでおられる方がいかに多いかということであります。 そうした意味では、こうした方々にとって、今回の利率改定は何の支援策にもなっておりません。また、本県の厳しい現状に、国の方針をもって本県の中小零細企業対策とする姿勢は余りにも受け入れられません。実態を把握し、もっともっと踏み込むべきであります。 そこで、制度融資の支援策の充実の前に、相談業務として単にどの融資が活用できるかではなく、制度融資を活用してもらうにはどうすればいいのか、どのような手だてが必要なのか、どのように経営改善指導すれば利用できるのか、制度融資の利用、活用促進のため、専門家も配備したきめ細やかな相談指導窓口の整備、さらには、融資窓口となる信用保証協会、金融機関に対しても、融資姿勢のあり方を検討するよう働きかけることこそ、本県にとって急務と考えますが、御見解をお伺いいたします。 次に、厳しい現下の
雇用対策についてであります。
雇用対策については、現在、窓口は「ハローワーク」を中心とする国の機関であり、県としては、直接的な雇用拡大、あっせんができない制約がある中で、今回、本県独自の緊急支援策として、就職説明会、臨時職業訓練、就職準備セミナーの提案は一応の評価をしております。 しかし、
完全失業率が五%という多くの失業者の方にとって、いま一つ「かゆいところに手が届かない」施策と思えるのは、訓練よりも時代のニーズに合った雇用の場の提供、すなわち、高齢者福祉、環境、情報、医療等といった新産業部門と言われる二十一世紀型産業における雇用の場の育成、確保が十分なされていないということであります。 つきましては、県民に有効な、こうした成長産業を中心とした新産業そのものの育成と新産業における雇用の場の拡大にどのように取り組まれておられるのか、さらには、労働市場における移動の円滑化の上から、さきに述べた「ハローワーク」と県の連携はどのようになっているのか、お伺いいたします。 次に、農業施策、とりわけ「生産・流通」についてお伺いいたします。 当局は、平成十三年度予算編成に当たって、「山口県らしさの追求を基本とした元気で存在感のある農林業、農山村づくりを進める」とあり、「担い手づくり」「農林産物づくり」「農山村づくり」「暮らしづくり」の四つを大きく位置づけられております。そこには各般にわたる施策が設けられ、現在、鋭意その目的に向かって
取り組みがされていることと思います。 さて、先般、県農林部と全農山口県本部が事務局となる「見つめて!やまぐち農産物愛用推進委員会」が成立されました。 主たる目的は、「地産地消」を盛り上げようということで、さまざまな意見交換、
取り組みが確認されたもようであります。同会の今後の活躍を心から期待するものであります。 ところで、この「地産地消」のかなめは「生産・流通」にあり、当局も指摘されているように、産地間競争の激化、輸入農産物の増大、消費量の減少等により、生産者は大変苦しい事態にあります。また、流通にあっては、景気の低迷、卸売市場法改正による取引の多様化、JAS法改正による表示の義務化等、新たな局面を迎えております。 そうした中で、目を引いた記事が、「ふるさと特産加工開発コンクールで「トーフ焼き菓子」が最優秀賞」との記事でありました。果たしてどんな味かなと思うと同時に、どこで手に入るのか、これまでどのような特産品があるのか等、改めて興味を抱きました。 資料をお願いしたところ、何とこのコンクールで商品化されたのが七十六品目もあり、改めて生産者の意気込みを感じたわけであります。 しかし、残念なことに、そうしたほとんどがその生産地域での販売にとどまっております。生産地域を越えてこそ、商品価値は増すのにと思ったわけですが、生産能力、流通の管理、保存期間等、そこには大きな課題があるのかなとも思いました。 今述べたのは一例でありますが、本県農業従事者の努力と知恵の結晶で誕生するよい生産品を幅広い流通に乗せ、多くの消費者につなぐことは、生産意欲の増大、流通過程における雇用の拡大、県民に安全な商品を提供し、本県の自給率向上にもつながるものと考えます。 そこで、米や野菜、果物に始まり、さきに紹介した農産加工品も含む県内農産物の流通支援策として、どうすれば多くの県民の手に渡り、消費してもらえるのか。本県ホームページの利用や独自のホームページの作成への支援、消費者と生産者が触れ合う場の提供等、「地産地消」の実現に向けた一層の御努力をお願いするところでありますが、実りの秋を迎える今、実りある御所見をお伺いいたします。 最後に、教育行政、とりわけ、「完全学校週五日制」の実施を控えての家庭、地域の教育環境づくりについて、お伺いいたします。 「モラルハザード」、いわゆる倫理観の欠如という言葉が使われて久しい感がいたしますが、いまだ社会全体に道徳や倫理の欠如という指摘は続いております。事実、青少年の犯罪は凶悪化し、子供たちを取り巻く環境は、深刻にして厳しい状況にあります。 また、教育界においても、学級崩壊、いじめ、不登校、校内暴力などの諸問題も、残念ながら、いまだ解決に至っておりません。 このような現状に、我が国では、二十一世紀を教育改革の世紀と位置づけ、教育改革国民会議や中央教育審議会、生涯学習審議会からも、さまざまな教育改革に関する
取り組みがなされております。 さて、いよいよ明年四月、「完全学校週五日制」が実施されます。その背景には、子供たちの教育を学校での教育だけに任せるのではなく、家庭や地域において、子供たちにさまざまな体験活動の機会を与えようとするもので、そのための機会を「意図的」「計画的」に提供する地域の教育環境づくり、体制整備の必要性を指摘しております。 また、「山口県社会教育委員の会議」の提言にも、「子供たちの生きる力をはぐくむ体験活動の充実を図るために、学校・家庭・地域社会が一体となった「地域の教育環境づくり」への
取り組み」の必要性を指摘しております。 ところで、そうした指摘、提言を前に、現実の家庭、地域は果たしてそうした期待に実際こたえられるものかどうか、いささか不安を感じます。 家庭を見れば、社会環境の急激な変化から、現実は家庭そのものが崩壊の危機に瀕していたり、あるいは、我が子かわいさの親の姿勢、子の心・親知らずの押しつけ教育、地域においては、子供たちに正しいしつけができる勇気をも失わせております。 こうした家庭、地域の教育力の低下を前に、そのものを新たな「教育の受け皿」にするには、さきに申したように、一抹の不安を禁じ得ません。加えて、家庭、地域、さらには、我が国の社会構造そのものが、週休二日制の体制になれていない現実もあります。 また、学校は、地域住民にとって十分開かれた空間であるとは言えず、家庭もまた地域から孤立しがちな状況にあります。こうした中での学校・家庭・地域が一体となった教育の実現は、実際、言葉のみの感が否めません。 そこで、「完全学校週五日制」の本格実施を控え、子供たちが健全に成長することができる「家庭、地域の教育環境」の現状をいかにとらえられておられるのか、また、学校・家庭・地域が一体となった環境づくりをどのように進めていかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 以上で
代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(島田明君) 二井知事。 〔知事 二井関成君登壇〕
◎知事(二井関成君) 池田議員の御質問にお答えをいたします。 まず、今後の県政運営に当たっての基本的な考え方についてであります。 二十一世紀の新しい
県づくりの大きな舞台として開催をいたしました「
山口きらら博」は、県民の皆様との一丸となった
取り組みにより、成功のうちに終了することができました。 私は、この
きらら博を通じて、県民の皆様お一人お一人がさまざまな分野で力を発揮をされ、それが本当に大きな力として結集をし、県民がその成功体験を共有できましたことは、山口県民の自信と誇りにつながったものと確信をいたしております。 今、社会経済情勢が大きく変化をし、景気・雇用環境も極めて厳しい状況にありますが、私は、この
きらら博の成果を継承・発展させることを、これからの
県づくりの大きな柱とし、また、この自信と誇りをベースとして、県民の皆様や市町村と一体となって、「元気県山口」の創造に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。 このため、まず博覧会の成果を生かした施策を、来年六月を目途に「ポスト
きらら博戦略プラン」として策定をいたしますとともに、二十一世紀初頭の新しい
県づくりに向けて、来年十月に策定予定のデザイン21「第三次実行計画」に反映をしていくということにいたしております。 また、「やまぐち情報スーパーネットワーク」や「ごみゼロ社会づくり」に向けた
取り組みなど、さまざまな分野で本県の特性を生かした、いわゆる「山口方式」と呼べる施策展開をさらに加速化していきたいと考えております。 今後とも「元気で存在感のある
県づくり」に向けて、県民の皆様とともに全力でチャレンジしてまいる決意であります。 次に、
きらら博で発揮をされた県民活力を育て、今後の県政に生かしていく施策についてのお尋ねであります。 お示しがありましたように、私も、県民の皆様の
ボランティアやホスピタリティーの精神、また成功に向けての熱い思いが
きらら博成功の原動力であり、これを貴重な財産として、これからの地域づくり、
県づくりに具体的な形で継承し、発展をさせていくことが重要であると考えております。 このため、「ポスト
きらら博戦略プラン」において、この博覧会で示された「きららネット」を中心とした企画力や行動力、関係者による心のこもったもてなし、県民
ボランティア等による「ごみゼロ博覧会」づくり等の
取り組みを、より確かなものとする施策づくりを進めるとともに、多様な県民活力の一層の発揮に向けて、御提言の趣旨を踏まえながら、さまざまな活動の場づくりについて施策の検討をしていきたいと考えております。 次に、県民活動の推進に関するお尋ねであります。 私は、新しい時代の
県づくりには、NPO活動など県民の皆様の主体的、自主的な活動が今後ますます重要になってくるものと認識をし、県政に取り組んでまいりました。私は、
きらら博を県民の皆様と行政による共同の実践の場としても活用してまいりましたが、私は、この博覧会を通じて、県民活動の重要性を改めて実感をいたしました。 そこで、お尋ねの県民活動への今後の
取り組みについてでありますが、まず、今年度におきましては、
きらら博で培われた活動を継承していくため、「県民活動元気ネットワーク事業」を実施するなど、博覧会への参加者を初め、県民の皆様によるネットワークを一層広げていくことといたしております。 次に、県民活動推進の新しいフレームづくりとして、現在、県民の皆様の御意見をお聞きしながら、行政とのパートナーシップに関する基本理念や活動支援の方向等を明確化した県民活動支援条例を本年度じゅうに制定すべく、鋭意準備を進めております。 また、支援の拠点である「やまぐち県民活動支援センター」につきましては、民営化を図ることとし、関係機関、市町村などとの連携の強化、情報提供・相談機能等の充実について検討いたしますとともに、県民活動を幅広く支援できるよう、
ボランティア振興財団等、関係機関のあり方についても協議、検討をいたしているところであります。 博覧会で発揮をされた県民活力という無形の財産を、こうした
取り組みにより県民活動として結実、発展をさせ、
県づくりへの参画意識を一層高めることを通じて、「二十一世紀の新しい
県づくり」に県民の皆様と一体となって邁進していきたいと考えております。 次に、
行政改革についてのお尋ねであります。 まず、業務の民間移行についてであります。 お示しがありましたように、多様化、高度化する県民ニーズに対応し、サービスを的確に提供していくためには、今後、民間と行政の適切な役割分担のもと、民間でできることは民間にゆだねることが県民サービスの向上や行政運営の効率化を図る上からも重要であります。 このため、私は、現在策定中の新たな
行政改革の指針において、民間活動との連携と民間事業の活用の促進を重要課題とし、NPOなど民間活動団体等との連携や業務の民間委託、民営化、PFIなどについて幅広い検討を行い、
きらら博において発揮をされたような民間の活力を生かす仕組みづくりに積極的に取り組むということにいたしております。 次に、外郭団体の見直しについてであります。 外郭団体のあり方につきましては、社会経済情勢の変化に即応して、不断の見直しが必要でありますことから、新たな
行政改革の指針においても、これを進めることにいたしております。この見直しに当たりましては、お示しのとおり、団体の事業内容や効率性等を検討していくことが必要でありますことから、まず、団体みずからがこれを行えるよう、その評価方法について協議、調整しながら、外郭団体の適切な評価を行ってまいりたいと思います。 また、県の支援のあり方等も含めて、現在実施をしております第三者による「外部監査制度」等を活用するとともに、
行政改革推進委員会の意見も聞きながら、外郭団体の見直しに取り組んでいきたいと考えております。 次に、PFIの導入についてのお尋ねでございます。 お示しがありましたように、PFI事業は、民間の資金、経営能力や技術力を活用して、公共サービス提供施設の設計・建設から運営・維持管理に至る全期間の事業を一体的に行うことによりまして、
地方自治体みずからが事業を実施する場合と比較して、運営経費を含めた全体事業費の軽減が期待でき、また、財政支出の平準化も図られますことから、本県としても、効率的な行財政運営を目指す上で、取り組むべき課題であると認識をいたしております。 このため、これまで庁内プロジェクトチームにおいて、PFIの調査、研究を行ってまいりましたが、公共施設等の整備をPFIで実施をした場合、地域総合整備事業債を活用して県が整備した場合に比べて、交付税収入が少ないということ、民間資金を活用するため、金利負担が大きいということ、民間が事業主体となることにより法人税、固定資産税等が課税されること、というような問題がありまして、現行制度のもとでのPFIの導入につきましては、対象施設が限定されることや、施設運営等に民間のノウハウが最大限発揮できるような工夫が必要とされること等の課題も明らかになってまいりました。 しかしながら、本県におきましては、「元気で存在感のある
県づくり」に向けて、政策課題への迅速な対応や行財政改革を一層推進することが求められておりますことから、国の制度改善を期待をしつつ、引き続き課題の整理を進め、早期に関係部局で構成する調整組織を設置をし、計画・構想中の各種プロジェクトについて、個別、具体的にPFI導入の可能性を検討していきたいと考えております。 次に、文化振興についてのお尋ねであります。 私は、二十一世紀は心の豊かさが一層求められる時代であると考えており、心豊かで活力ある地域づくりを進めていく上からも、文化の果たす役割がますます重要になってくると認識をいたしております。 このため、歴史や伝統をはぐくみ、豊かな文化を培ってきた土壌を礎に、県民が文化に触れ合い、文化に親しむ環境づくりに鋭意取り組んでおります。 お示しのありました文化・芸術に触れることのできる機会や、県内芸術家育成のための発表機会の創出等につきましては、「モネ展」のような特別企画展のほか、県内外の文化施設との連携等により、幅広い分野の文化・芸術に触れる機会を提供するとともに、芸術家を育成するため、県美術展覧会における自由な発表の場の提供や、秋吉台国際芸術村等、それぞれの施設の特色を生かした人材育成にも取り組んできております。 一方、「
山口きらら博」では、県民の皆様や文化団体、市町村が一丸となって、伝統芸能を初め、各地域の特色ある文化資源を活用したさまざまな
取り組みがなされ、本県文化の魅力を県内外に強くアピールできたものと考えております。 御案内のように、平成十八年度には、我が国最大の文化の祭典である国民文化祭を本県で開催することといたしておりますが、こうした
きらら博の成果を継承、発展をさせ、国民文化祭に結集をし、真に山口県らしい特色のあるものとして開催したいと考えており、また、「
山口きらら博」の成果を織り込みながら、御提言の趣旨を踏まえて、二十一世紀にふさわしい新たな計画づくりに取り組んでいく必要があると考えております。 私は、今後とも県民の皆様や文化団体の御意見、御要望をお伺いをしながら、教育委員会、市町村との連携のもとに、本県の最重要課題として「個性と魅力ある県民文化の創造」に全力で取り組んでまいります。 次に、福祉行政に関するお尋ねであります。 まず、障害者
福祉サービスにつきましては、これまでの「措置制度」から、障害者みずからがサービスを選択し契約を行う「支援費制度」に、平成十五年度から移行することとなっております。この「支援費制度」は、障害者のニーズが多様化する中で、障害者の自己決定を尊重して、利用者本位のサービスを目指すものでありますので、サービス基盤の整備や相談体制の充実等を通じて、障害者の生活をきめ細かく支援できる体制づくりを進めていくということが重要であると考えております。 このため、県といたしましては、市町村や関係団体と一体となって、福祉施設の整備やホームヘルパーの養成など、ハード・ソフト両面にわたるサービス提供基盤の計画的な整備に努めますとともに、障害者支援センターの設置や障害者ケアマネジメント従事者の養成等、相談支援体制の整備、さらには施設における苦情解決のための窓口や第三者委員の設置など、苦情処理システムの充実等にも取り組んでおりまして、新制度への円滑な移行・定着に向けてこれらの
取り組みを一層充実をしていくことにいたしております。 今後とも、県といたしましては、障害者が自立をして生き生きと暮らせる地域社会づくりに向けて、
福祉サービスの基盤整備を初め、社会参加への支援やバリアフリー対策など総合的な障害者施策の推進に積極的に取り組んでまいります。 次に、御指摘のありました高次脳機能障害につきましては、診断や治療方法が確立をしていないため、現在、国において支援策等についての調査、研究が行われておりまして、県としても患者実態調査を進めております。また、難病対策につきましては、従来から健康福祉センター等を窓口として、きめ細かな医療や
福祉サービスの提供に努めております。 県といたしましては、今後とも、高次脳機能障害を有する方々に対する有効な支援策の早期確立と難病対策の一層の充実について、国に要望してまいりたいと考えております。 次に、中小零細企業支援対策についてであります。 まず、中小零細企業に対する相談指導の窓口についてでございますが、各商工会・商工会議所に百三十八人の経営指導員を配置をいたしますとともに、県下八カ所の倒産防止特別相談室に専門的な資格や経験を有する商工調停士を配置をし、経営改善の指導・相談や金融相談、さらには倒産防止の特別相談などを行っております。 今後とも、県内中小企業のだれもが身近な地域で、きめ細かな相談・指導を受けることができるように、相談指導体制の一層の充実に努めてまいります。 また、信用保証協会や金融機関に対しましては、これまでも積極的な対応を要請してまいりましたが、先月の二十八日には関係機関が一堂に会して、「中小企業金融円滑化緊急対策会議」を開催をし、より積極的な金融支援に係る申し合わせを行ったところであります。 今後とも、県制度融資の充実を図りますとともに、あらゆる機会を通じて、制度と相談窓口のPRに努め、関係機関との緊密な連携のもとに、中小企業に対する金融支援がさらに円滑になりますように、全力で取り組んでまいりたいと思います。 次に、
雇用対策についての二点のお尋ねであります。 まず、新産業そのものの育成と新産業における雇用の場の確保についてであります。 お示しがありましたように、時代のニーズに合った魅力ある雇用の場を確保していくためには、新産業育成への
取り組みが重要であります。このため、情報通信、環境、福祉・医療等を重点育成分野として位置づけまして、関係機関等とも連携をしながら、人材育成や資金支援、研究開発支援、マーケティング支援などの諸施策を実施をしてきたところであります。 さらに、本年度におきましては、山口宇部空港に山口臨空インキュベーションオフィスを設置をいたしましたほか、重点育成分野に関する産学官研究プロジェクトを拡充するなど、新産業の育成に積極的に取り組んでおります。 また、新規・成長分野雇用奨励金や介護人材確保助成金等の活用を促すことにより、新産業における雇用の場の確保に努めてまいりたいと思います。 次に、ハローワークとの連携についてであります。 お示しがありましたように、
雇用対策の推進に当たりましては、ハローワークとの連携が不可欠であります。そのことから、景気・
雇用対策本部や労働関係連絡会議において相互に情報交換をし、また、労働市場における移動を円滑に推進をするため、就職説明会などを共同で開催をするほか、ハローワークがあっせんをした求職者を高等産業技術学校で受け入れるなど、十分な連携を図っているところでございます。 今後とも、ハローワークとの緊密な連携をさらに図りますとともに、新産業育成や新規事業の展開を支援するなど、雇用の確保につながる施策を積極的に進めてまいります。次に、農業政策についてのお尋ねであります。 お示しがありましたように、農業を取り巻く環境が大きく変化をしております中で、農産加工品を含めた県産農産物の利用をより一層促進をするためには、一人でも多くの県民の皆さんが山口県産のよさを理解をし、より身近に感じていただけるよう、働きかけていくことが重要であると考えております。 このため、本年七月に新たに設置をいたしました「見つめて!やまぐち農産物愛用推進委員会」を中心に、近く県産農産物愛用スローガンを公表し、テレビやラジオCMを重点的に実施をするなど、「地産地消」に対する県民の皆様の機運を醸成をすることにいたしております。 また、県産農産物をより身近に感じていただけるよう、県産表示の徹底や「エコやまぐち農産物」などの個性あるブランドを育成するとともに、学校給食への活用、販売協力店の確保、さらには消費者と生産者等の交流イベントの開催などに取り組むことにいたしております。 特に、お示しのインターネットを活用したPRにつきましては、研修会による生産者のホームページ作成への支援を充実をいたしますとともに、これまでの県や農業団体のホームページによる農産物などの紹介に加えまして、新たに「地産地消」のホームページを開設をし、特色ある農産物や加工品を紹介するなど、消費者と生産者の結びつきをより強化することにいたしております。 私としては、こうした
取り組みを通じて、県民の皆様の理解と参加をいただきながら、「地産地消」を積極的に展開をし、新鮮で安心な県産農産物の消費の拡大を図っていく考えであります。 以上でございます。
○議長(島田明君) 牛見教育長。 〔教育長 牛見正彦君登壇〕
◎教育長(牛見正彦君) 「完全学校週五日制」の本格実施を控えまして、家庭、地域の教育環境づくりについてどうなっているかと、こういうお尋ねにお答えを申し上げます。 近年、少子化や都市化の進展を背景といたしまして、不登校や青少年の犯罪の増加など、子供たちを取り巻く状況には大変憂慮すべきものがございます。 このような中で、来年度から実施される「完全学校週五日制」におきまして、子供たちが週二日の休日を有意義に過ごす、そういったためには、家庭や地域において、さまざまな体験活動ができるような教育環境づくりを進めなければならないと、このように考えております。 県教委といたしましても、これまで休日の土曜・日曜日に子供たちだけで参加できる自然体験活動などの「場の提供」や、子供センターなどでの「情報の提供」によりまして、子供たちが自主的、主体的に活動できるように努めてまいりました。 さらに、子供たちが健全に成長するための基盤である家庭教育につきましても、学習機会の提供や相談体制の充実などに取り組んでまいったところでございます。 しかしながら、家庭や地域の教育環境の現状は、過保護や過干渉、教育に自信を持てない親の増加、地域社会とのつながりが薄くなる、そういった状況でいまだ多くの問題を抱えていると認識をいたしております。 今回の社会教育法の改正では、これらの問題に対処するために、家庭や地域の教育力の向上を重要課題といたしまして、家庭教育に関する学習機会の提供や青少年の
ボランティア活動など社会奉仕体験活動や自然体験活動等、さまざまな体験活動の充実を目指しております。 また、「山口県社会教育委員の会議」の提言におきましても、地域の行事や
ボランティア活動に参加する子供たちの自発的な体験活動を地域の大人が支援する環境づくりが求められております。 「完全学校週五日制」の実施を控えまして、県教委といたしましても、これら社会教育法の改正や「山口県社会教育委員の会議」の提言を踏まえまして、親の悩みや不安について相談できる体制の充実など、家庭教育への一層の支援を図ってまいりたいと考えております。 また、子供たちが自主的に参加できる体験活動の充実を図り、地域の大人が積極的に子供とかかわることができる施策の展開や、子供を地域で育てるという意識の啓発に努めることによりまして、学校・家庭・地域が一体となった教育環境づくりを市町村教育委員会を初め、関係団体と密接な連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(島田明君) この際、暫時休憩いたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時五十四分休憩 午後一時一分開議
○副議長(二木和夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
△日程第三
代表質問
△日程第四議案第一号から第二十三号まで、及び第二十五号
○副議長(二木和夫君) 日程第三、
代表質問を行い、日程第四、議案第一号から第二十三号まで、及び第二十五号を議題とし、質疑の議事を継続をいたします。松原守君。 〔松原守君登壇〕(拍手)
◆(松原守君) 質問に入る前に一点触れておきたい件がございます。 去る九月十一日、アメリカで発生しました
同時多発テロ事件であります。平和に暮らしている住民が何の前ぶれもなく、六千人とも言われる多くの人々を奈落の底へ突き落とす、まことに残忍な犯罪行為であります。犠牲になられた方々へ心からの御冥福をお祈り申し上げます。 今、アメリカ社会では、憎むべきテロとテロをかくまう国に対し、報復攻撃すべしと国論一致し、一触即発の状況にありましたが、十月八日未明、報復攻撃の火ぶたが切って落とされたことは御案内のとおりでございます。 さて、我が日本の対応はいかにあるべきか、秋の国会での最重要課題として論戦が交わされているところであります。 与党三党では、自衛隊による在日米軍施設や国会、首相官邸、原子力発電所など重要施設の警備を可能にするための自衛隊法改正案を成立させることとしており、あわせて、米軍による報復攻撃に踏み切った場合の、自衛隊の後方支援を視野に入れた二年間の時限立法も、三党合意に達したとなっているのであります。 私は、自国の外交を論ずる立場にはありませんが、しかし、一国民として持論を述べさせていただけるならば、いかなる後方支援といえども、「軍事行動にかかわる後方支援は慎重であるべし」と主張したいのであります。 なぜならば、我が日本には世界に誇れる平和憲法を有するからであります。いかなる理由を付しても、米空母の護衛艦的な行動、そして武器・弾薬の輸送などは、まさしく逸脱行為としか私には写りません。敵対している諸国から見れば、どこが戦闘行為と違うのか、百遍説明しても理解が得られるとは思いません。 昨今、アメリカ社会の中にも、テロ直後の熱い報復主戦論の一部で冷静な判断を求める声も芽生えているという報道も目にしました。力をもって相手をねじ伏せれば、力をもってはね返ってくる、我が日本も貴重な、苦い体験をしてきたではありませんか。 私は、後方支援そのものが悪いと言っているのではありません。飢えている、病んでいる多くの難民の方々に医薬品やパンを精いっぱいの手当をしていく、いわゆる難民救済には全力を挙げて協力していただきたいのであります。 最後に、憎むべき
テロ行為は、時間と場所を選ばないのであります。党利党略におぼれることなく、自国日本を守る対策をしっかり構築していただくよう期待をして、この項を終わらせていただきます。 まず最初に、
雇用対策についてお尋ねをいたします。 さて、圧倒的な国民の支持を得て四月二十六日に誕生しました小泉内閣、あれから早くも半年を迎えることになりました。小泉首相が国民に訴えてこられた「聖域なき
構造改革」には痛みが伴うと、当初から聞いておりました。少しぐらいの痛みなら辛抱して、日本新生の改革を期待しようと国民の大方は考えました。 しかし、期待された改革は一向に実現の兆しはいまだ見えてきませんが、失業者の増大という痛みだけは容赦なく振りかかってきているのが現状ではないでしょうか。 つい先般、
完全失業率が五%の大台に乗り、失業者が三百三十六万人、実に我が山口県総人口の二倍強というすさまじい数値となっています。 国の方でも、おくればせながら、「
総合雇用対策」が九月二十日にやっと発表されました。それによりますと、例えば、一つにケアハウスへの民間への拡大による雇用の創出、二つ目にはレセプト民間委託等による雇用の創出、三つ目には補助教員、警察支援要員、森林作業員等への臨時的な雇用創出であります。新市場の創出やセイフティネット整備のための対策が示されました。今後は、これらの諸施策が一日も早く実施に移されることを期待するものであります。 さて、話を我が山口県に戻します。先般、手元にいただいた資料によりますと、年齢別有効求人倍率は、いわゆる中高年齢層と言われる世代が最も厳しいようであります。 ここで中高年齢層と申し上げた四十五歳から五十九歳といえば、家庭では、中学生、高校生、大学生の子供たちを抱えていて、最も教育費や生活費を必要とする年代で、この時期に働く場を失うことほど辛いものはないのではないでしょうか。まず、この年代の雇用の確保に全力を傾注していくべきであると、だれもが率直に考えるところであります。 こうした状況の中、知事におかれましては、今議会に緊急
雇用対策案をお示しになりました。中高年齢者の離職者・転職者に的を絞った支援対策事業となっており、まことにありがたく敬意を表するものであります。 一方で、中高年齢者の方々の再就職の大きな障害が何であるのか、率直に考えてみますと、一つに、当たり前ではありますが、既にある程度の給料を得ていることが挙げられます。二つ目に、年齢が高いために上下の関係がうまくいかない、つまり、年下の上司がよう使い切れないと言われております。 しかしながら、再就職への最も大きな障害となっているのは、巷間言われております雇用のミスマッチ、いわゆる求職と求人の条件のずれであります。このミスマッチの解消こそ、再就職への道を開くものであり、労働移動の円滑化を促進するものだと思います。 そこで、こうした雇用のミスマッチを解消するために、県としてどのように
雇用対策に取り組んでいかれるのか、まず知事の御所見をお伺いいたします。 さらに、当面する緊急支援策はよしとしますが、今後、急展開で雇用環境が好転するとは考えられません。次年度以降も見据えた対策が必要だと考えます。これまでも、既に「緊急地域雇用特別交付金事業」などで短期の雇用創出にも努めてこられました。この事業は平成十三年度をもって終了すると聞いておりますが、こうした事業について、今後実施していく可能性はないのか、あわせてお伺いをいたします。 最後に、ぜひ県独自の対策とあわせ、市町村においても行える施策については、力強い支援を期待しておきたいと思います。 次に、市町村合併の推進についてのお尋ねをいたします。 福祉・医療・環境・住民の日常生活など多様な要望にこたえて、豊かな地域づくりを効率的に進めていく、そのためには自治体の基盤を強化する市町村合併は、避けて通ることのできない大切な課題であります。市町村合併の基本的な論議は、もう何回となく同僚の議員の皆さんがこの壇上から述べてこられましたので、重複は避けたいと思います。 さて、他県の市町村合併の動きはどうでしょうか、少し調べてみました。 ことしになって、新潟県黒埼町が一月一日、つまり、元旦に新潟市に編入されました。一月二十一日には東京都の田無市、保谷両市が合併し、西東京市が誕生しております。四月には茨城県の潮来町と牛堀町の合併で潮来市が誕生、五月には埼玉県の浦和、大宮、与野の三市が大合併し、さいたま市が誕生しているようであります。調べによりますと、昨年までの十年間の合併がわずか十三件だったのに比べますと、ここに来て合併の動きが他県でも広がりつつあることが伝わってくるのであります。 しかし、今のままの合併スピードでは、当初、国が掲げておられる三千二百余の自治体を千程度にまとめるという目標にはほど遠い感がいたします。 さて、我が山口県での市町村合併はどのように進捗しているのでしょうか。まずは、私なりにおさらいをしてみたいと思います。 昨年末、二井知事は、二井知事を本部長とする山口県市町村合併推進本部を設置されました。それと同時に、県内五十六市町村の二十七通りの合併パターンをお示しになり、各市町村への説明会開催など積極的に実行されたと、うかがっております。 そうした地道な努力の結果として、法定合併協議会を設置している三市二町に加え、今日現在、県下九地域四十五市町村において、合併調査研究会、合併という文字はないものの、行財政スクラムプロジェクトといった名称をもって、市町村合併シミュレーション調査事業に真摯に取り組んでおられるなど、ほぼ全県下の市町村において、合併にかかわる
取り組みが行われていることに敬意を表する次第であります。 そこで、市町村合併の推進について、提言もいたしたいと考えるのでありますが、先般、他県の町を訪問いたしました折に、その町の合併に対する住民向けチラシをいただいたのでありますが、実にわかりやすく、合併による効果が数字をもって、あるいはグラフをもって記されているのであります。 もう少し具体的に申しますと、合併することにより利用の幅が大きくなる公共施設の数だとか、あるいは合併することにより削減できる議員と職員の数とトータル的な削減金額等々が具体的に示されているのであります。もっと大切なことは、合併することにより自分たちの町がどのように生まれ変わるのか、将来の夢をきちんと示しているのであります。 ただいまは、他県での
取り組みの一端を申し上げましたが、要は、住民の皆さんに合併の必要性をしっかりPRしていくべきだと私は考えるのでありますが、いかがですか、お尋ねをいたします。 次に、市町村合併に対する重点支援地域指定についてであります。 国では、この春、各都道府県知事に対し、年内に少なくとも複数地区以上を合併重点支援地域に指定するよう要請しています。指定を受けた地域に対しては、物的・人的な支援を県として強化していくことになっているようであります。 そこで、その合併重点支援地域はどこなのかとお尋ねをする予定でありましたところ、九月の二十七日に徳山市を中心とした三市二町がその指定を受けられたと、うかがいました。今後は、我が山口県の市町村合併の文字どおりオピニオンリーダーとして、これからの指定を受けるでありましょう他市町村の「道しるべ」となっていただきたいと願うものであります。 そこで、お尋ねでありますが、ただいま申し上げた合併重点支援地域に対し、どのような支援策を考えておられるのか、お尋ねをいたします。また、今後、当合併重点支援地域の追加指定に向けて、どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、
きらら博についてお尋ねをいたします。 暑い夏の日差しが照りつける七月十四日、「いのち燦めく未来へ」をテーマに、延べ七十九日間に及ぶ二十一
世紀未来博覧会「
山口きらら博」が開催をされました。 スタート当初は、例年になく厳しい暑さに、入場者数が伸びないのではと、個人的には心配をしておりましたが、それも何のその、「きららは楽しい、きららはおもしろい」という口コミが次第に伝わり、日を追ってその輪が広がり、もう私どもの方から「
きらら博へぜひ行ってください」とか、「ここはひとつ私の顔を立ててお願いします」ということが全く必要ないほどの盛り上がりを見せてきました。 私自身は毎朝、とある新聞の
きらら博のページをまず真っ先に開き、入場者数の確認、きょう、あすのイベントを見、そして、来場者の声の欄を丹念に読むのが楽しい日課となっていました。 その
きらら博も、私を含め、全県民にいろんな思い出を残して七十九日間、目標の二百万人を大きく突破し、二百五十一万人余の御来場をいただき、大盛況のうちに閉幕式を迎えることができました。長期間にわたり準備をしてこられた関係者の皆さん、そして多くの
ボランティアの皆さんに心から御苦労さまとねぎらいの言葉を送りたいと思います。 とりわけ、
きらら博の会長でもある二井知事におかれましては、終始その先頭に立たれ、日の当たらない持ち場で黙々と働いておられる方々にも心配りをされたとうかがい、本当にうれしく、ありがたくも思いました。 閉会式で二井知事が述べられました、「
きらら博の成功は、県民、そして関係者すべてのおかげです。皆さんに心から感謝をいたします」との短いが、温かい言葉にすべてが言いあらわされていると私は思います。 さて、この
きらら博の大成功のエネルギーを今後の
県勢振興にどのようにつなげていくのかについては、最も大切なところであります。この項については、既に同僚議員よりお尋ねがありましたので、重複は避けますが、ぜひとも実りあるものとなるように期待をしております。 私は、山口県始まって以来のこの一大イベント「
山口きらら博」の成功は、本県の歴史に深く刻み込まれるものと思っており、県民の皆様にも末永く語り継いでほしいと思っております。そのためには、開催記念的なものを残すのも一つの方策ではないかと思います。 その理由は、この
きらら博の成功は、私自身は三本の柱があったと考えています。その一つは、山本寛斎さんの「やまぐち元気伝説」であり、そしてイヴ・ペパンさんの「きららスターライトファンタジー」、そして三つ目は
ボランティアの皆さんの活躍であります。あの猛暑の会場を花で飾ってくれた皆さん、清掃作業、身障者の方々への温かいお世話、そして乳母車や迷子のお世話と、文字どおり
きらら博成功の原動力となって支えていただいたおかげだと私は確信しております。 その中でも特に、親子で
ボランティアに参加され、ごみの分別などで汗を流されました方々がたくさんおられるとうかがいました。きっと何物にもかえがたい思い出に残る体験ではなかったかと推察をいたしております。 そこで、その子供たちが二十年後、三十年後にあの「きらら浜」を訪れたとき、よき思い出になるものや県民が
きらら博の意義や感動を思い起こすものがよいと考えます。私は、個人的には全国キャラバン隊で大活躍したあのマスコットキャラクターの「山口きららバンド」の像なんかとてもいいなと思っていますが、知事さん、いかがですか、お尋ねをいたします。 いずれにしましても、新世紀幕開けの一大事業をなし遂げた県民の心に残るものを期待をして、この項を終わります。 次に、クリーンエネルギー対策についてお尋ねをいたします。 今、私どもの生活から電気を取り除いての生活はとても考えられません。水と空気と電気、あって当然の生活をしており、なくなるということは生活できないことと直結していると言っても過言ではないと思います。 しかも、その電気は、大半が石油、石炭、天然ガスといった限りある資源を燃やして電力を得る、この手法が最も安定して、その技術も完成しているわけでありますが、昨今の地球環境保全の立場から、その比率を下げていくことが求められていることは御案内のとおりであります。 今、最もクリーンエネルギーとして期待をされている原子力発電、近い将来、火力、水力、原子力がバランスのある日本のエネルギーとして、安定的に国民に供給されることを期待しているのであります。 さて、これからが本番に入るわけですが、私は、安定的な電力は、何と言っても、ただいま申し上げました火力、水力、原子力の三本柱で供給体制を整えておき、その供給に不安定はないが、自然を活用したクリーンなエネルギーをミックスしていく。クリーンなエネルギーが増大すれば、その分限りある化石燃料を控える。石油や石炭は今の私たちだけで使うのではなくて、次の世代にも残しておくべきでありますが、いかがですか。 さて、そのクリーンエネルギーにも、風、太陽光、波の力、バイオと多様に考えられているようですが、本日は時間の制約もありますので、ここでは風のエネルギーについてだけ考えていきたいと思います。 私の手元にあります資料によれば、日本で最も早い風力発電は、一九八五年、長崎県香焼町で二百五十キロワットが試験用として設置されたのが最初のようであります。その後、本年四月一日現在で二百六十六基の風車が稼働しており、その出力は約十四万キロワットと言われています。ドイツの約五百万キロワット、デンマークの約二百万キロワットにはほど遠く、足元にも及ばないところであります。 北海道北西部にある、ある町では、風車四十二基、発電能力五万三千キロワット、国内の風力発電の約四割近くを賄っており、売電収入は年間十二億円を超える見通しにあるとうかがっています。青い空と緑の牧草に四十二基の白い風車が映える雄大な景観は、今や観光地としても、風車が町の顔になっているそうであります。 さて、我が山口県では、一九九六年、大津郡日置町の山の頂に二基、約四百キロワットが設置され、実証試験が行われています。このクリーンエネルギーの代表格である風力発電も、一九九八年後半から実証試験の段階から、次のステップとして、売電事業として各県で本格化してきたような感じがいたします。風力発電には、まだ越えなければならないさまざまなハードルがあることも承知をしています。 しかし、知事さんにおかれましては、山口県の百年の大計として、このクリーンエネルギー・風力発電にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いをいたします。 次に、病院前救護の整備充実についてお尋ねをいたします。 常日ごろ、健康なときには何とも感じないあの赤色ランプを点滅させた救急車、街でサイレンの音を聞けば、せいぜい道路を譲って通行の妨げにならないぐらいの協力しか、した記憶がありません。 しかし、これが一たん、我が家族が、我が友人が、知人がお世話になる立場になりますと、これほど頼もしいことはありません。過日、私の地元でも敬老の日の催しが地域を挙げて行われました。その会場で体調を壊されて、救急車を呼ぶこととなりましたが、一刻を争うときの救急車到着ほどうれしいものはありません。幸いにも、無事退院され、まずはめでたしでありましたが、折しもこの救急車には、救急救命士が同乗されており、いわゆる病院前救護が適切に行われた結果、大事を小事で済ませることができたとうかがいました。まことに頼もしい限りの救急活動であります。 一刻を争う急病や思わぬ事故に遭ったとき、病院での治療を受けるまでの短時間がその人の生命を左右する、あるいは後遺症をも左右すると言われています。そこで、病院前救護の大切さが言われるところであります。 一九九一年、国家資格として救急救命士の制度が発足して、丸十年の歳月が流れました。救急体制の整備は人の生死と直結するだけに無関心ではいられません。一人一人が初期救急の大切さを知り、「三百六十五日二十四時間の安心」のために体制の整備に万全を期さなければなりません。 そこで、お尋ねをいたします。 交通事故の増加や高齢化の進展等により、呼吸や循環機能の障害による救急患者が増大し、これらに対応するため、救急救命士制度がスタートし、自来十年が経過する中で、我が山口県における救急救命士の養成状況及び高規格救急自動車の配備等、病院前救護の基盤整備について、どのように取り組まれてこられたのか、まずお尋ねをいたします。 また、あわせて、今後の新たな十年に向けて、目まぐるしく進歩する医療技術に対応すべく、救急救命士に対する再教育などの今後の課題に対して、どのように取り組まれるお考えなのか、お伺いをいたします。 さらに、病院前救護には、何よりも住民みずからが心臓マッサージや人工呼吸などの応急手当てが一人でも多くできるよう、その知識の普及啓発を図っていくことも大切と思いますが、御意見をお伺いいたします。 最後に、本日こうしている間も、あの赤色ランプをつけてサイレンを鳴らし、使命感に燃えて急患の待っておられる現場に急行しておられる救急隊員、そして救急救命士の皆さんに心から感謝をし、私の質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(二木和夫君) 二井知事。 〔知事 二井関成君登壇〕
◎知事(二井関成君) 松原議員の御質問にお答えをいたします。 まず、
雇用対策について、二点のお尋ねであります。 最初に、雇用のミスマッチの解消についてでありますが、お示しがありましたように、
中高年離職者等の再就職を促進するためには、雇用のミスマッチの解消が重要であると考えております。 こうした観点から、県といたしましては、国とも連携をしながら地域の実情や求人ニーズを踏まえ、訓練ニーズの高い介護実務やOA実務などの臨時訓練を実施をし、
中高年離職者等の能力開発、再就職の支援に取り組んでまいりましたが、近年のIT化の進展等に対応し、今年度からは新たにIT実務の科目を設けるなど、職業訓練の充実強化に努めてきたところであります。 しかしながら、今後、不良債権の処理等
構造改革の進展に伴い、本県におきましても、離職者等を取り巻く
雇用情勢は一段と厳しくなることが懸念をされております。 したがいまして、当面、中高年に対する能力開発等の就職支援対策を講じますとともに、中長期的視野に立って雇用のミスマッチの実態に即した
雇用対策を、効果的、総合的に推進をしていく必要があると考えております。 このため、その基本となる「山口県雇用促進計画」をできるだけ早期に策定をすることといたし、計画の策定に当たりましては、本県の就業構造や雇用のミスマッチの実態等を調査、分析し、能力開発、就職支援等に関する施策や就職関連情報の提供システムのあり方について検討することといたしております。 今後、産業振興ビジョン21に基づく本県産業施策とも相まって、この計画に沿った
雇用対策を推進することによりまして、雇用のミスマッチの解消に努め、
中高年離職者等の再就職の促進に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 次に、緊急地域雇用特別交付金事業についてであります。 この事業は、国の緊急
雇用対策の一環として、臨時応急の雇用就業機会の創出を目的に、平成十一年度に創設をされたものであります。 本県におきましても、この交付金を活用し、県や市町村において各種の事業を実施をしてまいりました。当初目標の三千五百人の雇用創出を達成できる見通しとなっておりまして、一定の成果が得られたものと考えております。この事業は、平成十三年度で終了いたしますことから、現下の厳しい
雇用情勢を踏まえ、先般、中国地方知事会を通じ、事業の継続やこれにかわる事業の実施について国に要望いたしたところであります。 こうした中で、国におきましては、さきに発表した
総合雇用対策の中で新たな「緊急地域雇用特別交付金事業」に取り組むことといたし、現在、その具体化に向けた検討が進められているところであります。 県としては、こうした国の動向等を見きわめながら、事業の実施方法などについての検討や準備を進めてまいりたいと考えております。 次に、市町村合併についての二点のお尋ねであります。 まず、住民に対するPRについてでありますが、市町村合併は今後の地域のあり方にかかわり、住民の生活に大きな影響を及ぼす事柄でありますことから、市町村のみならず、民間も含めた幅広い
取り組みが必要であります。地域において、合併に関する議論を十分深めていくことが何よりも重要であります。 このため、県におきましては、合併に向けた一層の機運醸成を全県的に図るとともに、各地域の具体的な
取り組みを積極的に支援をしているところであります。 まず、合併の必要性や効果等につきまして、イラストを交え、問答形式で説明したリーフレットの作成や、県や県内市町村の
取り組み状況等を紹介をしたホームページなどにより、幅広く情報の提供を行っております。 また、本年八月には、全国のトップを切って、市町村合併リレーシンポジウムを千人を超える県民の方々の参加を得て開催をいたしました。私も、このシンポジウムには冒頭から最後のパネルディスカッションまで出席をし、その中で、「元気で存在感のある
県づくりを進めていくためには、市町村の行財政基盤の強化を図ることが不可欠であり、このための最も有効な方策である市町村合併の推進は、避けて通れない重要な課題であること」など、合併についての私の考え方を直接県民の皆様にお話をさせていただいたところでもあります。 さらに、今月下旬から順次、県内各地域で開催をするパワーアップサミットにおきましても、私自身、市町村長さんや住民の方々と合併の必要性等について意見交換を行いたいと考えております。 また、県下九地域の四十五市町村におきましては、健康・福祉等の住民サービス水準や財政状況などの合併効果等に関するシミュレーション調査に取り組んでいるところであり、県としても、これらの取り組みを積極的に支援をいたしております。 この調査検討結果は、各地域で合併に関して具体的に議論をするための資料として、市町村議会や住民へも公表されますので、関係資料の取りまとめや情報提供に当たりましては、図表やグラフを用いるなど創意工夫をこらして、住民の方々にわかりやすいものとなるように、県としても助言をし、支援をしてまいる考えであります。 県としては、こうした取り組みを通じて、地域における合併に関する
取り組みが進展するように、今後とも住民に対し、きめ細かな情報提供やPRを積極的に行っていく考えであります。 次に、合併重点支援地域についてであります。 本県では、徳山市、下松市、新南陽市、熊毛町及び鹿野町からの要請を踏まえて、このたびこの三市二町を合併重点支援地域に指定いたしました。この合併重点支援地域は、国が新たに策定をした「市町村合併支援プラン」に盛り込まれた関係省庁の連携による支援策等の導入を図ることができる地域であります。 県としては、今回初めて指定した周南地域三市二町につきましては、既に法定合併協議会において新市建設計画に関する協議が鋭意進められていることから、計画に盛り込まれている国、県、市事業について、この支援プランに掲げる事業を初め、あらゆる制度を活用して事業化の検討、優先採択、重点投資など、地域の実情に応じた支援を積極的に行っていく考えであります。 また、今後の合併重点支援地域の指定に向けての
取り組みについてでありますが、市町村や住民の自主的、主体的な
取り組みにより、地域の合併に向けた機運や
取り組みの熟度が一層高まるように、県としては、市町村合併についての積極的な情報提供やシミュレーション調査等への支援を行い、関係市町村と十分協議、調整を進めながら、合併重点支援地域の追加指定に向けて積極的に取り組んでいく考えであります。 次に、
山口きらら博についてであります。 県内外から二百五十一万人余の多くの方々に御来場いただき、大きな感動と元気を与えた「
山口きらら博」は、本県の歴史に深く刻み込まれる多大な成果を残すことができたものと考えております。 これもお示しがありましたように、県民
ボランティアを初めとする参加された皆様の熱意あふれる御活躍と心のこもった温かいもてなしがあってこそだと考えております。
山口きらら博は、県民の元気と情熱が結集をし、一つの大きな目標を達成した感動や喜びを共有することができましたが、こうした成功体験は山口県民としての誇りや自信につながるものであり、いつまでも語り継がれていってほしいと願っております。 こうしたことから、御提言のように、「よき思い出になるもの、
きらら博の意義や感動を思い起こすもの」を残していくことは大変意義があると考えております。このため、県政資料館におきまして、
山口きらら博のメモリアル展示をすることといたしており、現在、その具体的な計画作成を進めているところであります。また、御提案の「きらら浜」におけるモニュメント等の設置につきましても、御趣旨を踏まえて今後、検討してまいりたいと考えております。 私は、こうしたメモリアル展示等を通じて、
山口きらら博がいつまでも県民の皆様の心に残り、県勢のさらなる発展につながるように努めていきたいと考えております。 次に、クリーンエネルギー対策についてのお尋ねであります。 まず、自然を活用したクリーンエネルギー、いわゆる自然エネルギーの増大についてであります。 自然エネルギーの導入は、エネルギー資源の少ない我が国では、化石燃料にかわるエネルギーとして、また環境への負荷の軽減という観点からも、極めて重要であると考えております。 しかしながら、自然エネルギーは自然条件に大きく左右をされ、また発電コストもまだ高いということなどから、実用性や経済性の面で課題を抱えております。 このため、国におきましては、自然エネルギーの技術開発を進め、また各種の助成策を講じながら、国や自治体、さらには民間企業や一般家庭への導入を進めているところであります。 県におきましては、これまでも自然エネルギー導入の普及啓発と先導的な役割を担うため、公共施設へ太陽光発電システム等を設置をいたしますとともに、国の助成策や単県の融資制度の活用を促すことにより、自然エネルギーの導入に努めてきたところであり、さらに平成十一年度には「新エネルギー導入ビジョン」を策定をし、その一層の導入促進を図っております。 加えて、今年度は県土の約七割を森林が占め、多くの間伐材や全国第三位の竹林面積を有する森林資源を活用した森林バイオマスエネルギーについて導入可能性を調査をし、あわせて活用方向や推進方策も検討するということにいたしております。 次に、風力発電についてでありますが、最近、売電事業用の大規模風力発電施設の導入が進み、過去三年間で全国の導入量が約五倍となるまで急増しているところであります。 しかしながら、風力発電の導入につきましては、風速や風向きといった自然条件や騒音、景観等といった社会条件などの課題をクリアすることも必要となっております。 本県におきましては、お示しがありましたように、日置町に風力発電が設置をされておりますが、最近では国の助成制度を活用して、下関市や油谷町、豊北町で風況 風の状況の精査が実施をされており、このうち、今年度は油谷町において風力発電のシステム設計が実施される動きが出るなど、導入に向けた着実な
取り組みがなされております。 県といたしましては、引き続き「新エネルギー導入ビジョン」に沿って、国の助成制度や県の融資制度の活用を促すとともに、市町村との連携も図りながら、風力発電を初めとする自然エネルギーの導入が促進されるように努めていきたいと考えております。 次に、救急業務における病院前救護の整備充実についてのお尋ねに、お答えをいたします。 御案内のとおり、近年、高齢化の進展や交通事故の増加等により、心臓や肺の機能障害に陥る救急患者が急増しております。そのことから、このような患者を救急現場から医療機関に搬送・収容するまでの間、応急処置を行うという病院前救護の中核を担う救急救命士等の役割は非常に重要であります。 救急救命士は国家資格であり、その養成、確保につきましては、まず救急業務に関する一定の講習の修了が必須要件とされておりますことから、県といたしましては、消防学校において基礎的な教育、訓練を実施をいたしております。そしてさらに、各消防本部はより専門的な知識、技能を修得するために、都道府県が共同で設置をいたしました財団法人救急振興財団の養成所を初め、国が指定する養成機関に毎年、救急隊員を派遣をし、その養成、確保に努めておりまして、現在、県内には資格を有する百五十一名の救急救命士が業務に従事をいたしております。 また、心肺機能の維持、回復について応急処置を行う高度救命用の資機材を備えた高規格救急自動車につきましては、これまで各消防本部において、人口密度、救急出場件数、市街地の状況等を勘案をしながら、順次、既存の救急自動車からの転換を進めてきております。現在、県内に三十二台が配置され、各地域の救急業務に対応しているところでございます。 次に、今後の
取り組みについてでありますが、引き続き、救急救命士の計画的な養成、確保を図ることはもちろんのこと、再教育についても、医療技術の進歩や疾病構造の変化等に的確に対応した救急救命措置が行われるように、山口大学医学部附属病院の高度救命救急センターや救急医療機関と連携をしながら、円滑に実施をされるように努めてまいります。 また、高規格救急自動車につきましては、今後とも地域の実情や需要を踏まえながら、適正な配置がなされるように整備の促進に努めてまいります。 次に、地域住民に対する応急手当ての普及啓発についてであります。 お示しがありましたように、救急自動車が到着するまでの間、家庭や交通事故の現場において、住民の方々が救急患者に対し、止血、人工呼吸、心臓マッサージなど初期の手当てを迅速に行うことが、救命率の向上に大きく寄与するところであります。 このため、このような一次的な応急措置の知識と技能を身につけることが極めて大切でありますことから、各消防本部を核に健康福祉センター、医師会等の関係機関が相互に協力をしながら、自治会、事業所等において、地域の方々を対象とした講習会の開催や巡回・指導などによる救急知識の普及啓発の促進に努めてまいります。 今後とも、県といたしましては、市町村や関係機関と緊密に連携をしながら、県民の安全と安心の確保に向けて、救急体制のより一層の整備充実に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(二木和夫君) 藤本一規君。 〔藤本一規君登壇〕(拍手)
◆(藤本一規君) 日本共産党の藤本一規でございます。通告に従い
代表質問を行います。 九月十一日、アメリカで起こった
同時多発テロ事件は、無差別に多数の市民を殺りくした憎むべき犯罪行為です。日本共産党は、改めて卑劣なテロリストの蛮行を糾弾するとともに、テロの犠牲となられた多くの方々と御家族、関係者の皆さんに、心から哀悼とお見舞いを申し上げるものです。 そして、八日未明、米軍によるアフガニスタンへの軍事攻撃が開始をされました。国連を中心とした国際政治の場で、国際社会としての的確な制裁という手段が尽くされないまま、軍事攻撃という事態になったことは大変残念に思います。 日本共産党は、野蛮なテロを根絶することは二十一世紀に人類がこの地球上で平和に生きていく根本条件の一つと位置づけております。同時に、テロ犯罪に対して、軍事力で報復することはテロ根絶に有効でないばかりか、地球上に新たな戦争とそれによる巨大な惨害をもたらす結果となり、さらに一層の
テロ行為と武力報復の悪循環をもたらし、無数の新たな犠牲者を生み、事態を泥沼に導く危険があります。 既に
同時多発テロ事件後の米軍岩国基地の内外では緊張が高まり、戦闘準備と思われる動きが強まり、市民生活にも多くの影響を与えています。 また、県内には自衛隊基地も多くあります。アメリカが始めた報復攻撃を自衛隊が支援をするという事態が生まれれば、岩国市を初め山口県の各所が
テロ行為の標的になりかねない、こういう重大な事態が危惧をされているのであります。 テロ根絶に向け、今必要なことは、報復戦争を直ちに中止をし、国連が中心となり、国連憲章と国際法に基づいてテロリストとその支援者を追い詰めて、「法に基づく裁き」を下すことだと考えます。 本県議会でも、先ほど
テロ事件の発生防止のため、「世界各国との連携のもとに国連憲章と国際法の趣旨に沿い、法と理性に基づいて最善の措置をとられるよう要請する」との意見書が全会一致で採択をされました。 二井知事におかれましても、この意見書の立場に立って、政府に対し必要な要請を行うべきと考えますが、いかがですか。 今、国会では、アメリカが開始をした報復攻撃に、自衛隊を派遣させるための新規立法と法改正がたくらまれています。こうした動きは、憲法違反の海外派兵を合理化し、国際法に根拠がない報復戦争への参戦を目的とするという点で、憲法九条をずたずたに引き裂くもので、絶対に許されるものではありません。 知事は、報復戦争に自衛隊を派遣しようとする国の動きは、憲法をじゅうりんする行為だとお考えになりませんか、見解をお尋ねいたします。 また、
テロ事件後、米軍岩国基地は、厳重な警戒体制がしかれ、原則として午前六時半から午後十一時までとなっている滑走路の運用時間の取り決めを無視して、二十四時間運用を岩国市などに通告をして、住民生活に大きな影響を及ぼしています。中止を求める県議会決議も、採択をされている夜間着艦訓練と同様、深夜に轟音をまき散らす運用時間外の訓練は、住民の受忍の限度を超えることは明らかだと思います。滑走路の運用時間の遵守についても、日米間の合意事項となるように政府に要請すべきと思いますが、いかがですか。 質問の第二は、景気対策、
雇用対策についてであります。
完全失業率が遂に史上最悪の五%、三百三十六万人となりました。また、空前の人減らし、リストラの嵐が日本列島を吹き荒れています。雇用の確保はまさに待ったなしの課題です。 山口県警本部の自殺統計によると、ことしの一月から八月までの自殺者は二百六十七人、そのうち六十一人の動機は経済生活によるものです。年齢構成で一番多いのは、五十歳から五十九歳の七十六人。働き盛りの労働者が経済的理由で次々に自殺をする。今日の状況は、まさに「痛み」の限度を超えたものだと思います。 「雇用が過剰だからリストラも仕方がない」との議論があります。しかし、このことは理由になりません。ことし八月、国連の経済・社会委員会は、日本の現状について「公共・民間部門双方において過剰な労働時間を許していることに対して深い懸念を表明する」と指摘をして、「労働時間を短縮するように勧告をする」という報告書を提出いたしました。 また、同委員会は、四十五歳以上の労働者が減給や一時解雇の危険にさらされていることにも懸念を表明し、その是正を求めています。 今、過剰なことは、雇用ではなく、労働時間であり、今こそ雇用を守るルールが必要であるということを国連が勧告をしているわけであります。 今、政府は、規制緩和の名でさらに大企業が堂々と解雇できるような仕組みづくりを検討し始めています。こうしたことがまかり通れば、ますます雇用悪化しかねません。今やるべきことは、国連も指摘をするように、日本に労働者の雇用を守るため、解雇を規制するルールをつくり、政府自身その効果を認めている労働時間の短縮を進めることだと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。 また、何といっても、地域経済に大打撃を与えるリストラをやめさせることは、山口県にとって重要です。これまで知事は、リストラ計画を発表した企業に対しては雇用確保などを要請されてきましたが、今後、県内すべての大企業に対して、知事みずからが直接出向いて、「地域経済への社会的責任を果たし、地域雇用を守ってほしい」という要請をすべきと考えますが、お尋ねをいたします。 雇用が悪化の一途をたどる中、職業訓練の拡充は重要課題です。今議会の補正予算でも、職業訓練の拡充のための予算が一定組まれておりますけれども、高等産業技術学校の増設を含めた抜本的な強化が必要だと考えますが、いかがですか。 また、国の外郭団体である小野田のポリテクセンターの存続が、今こそ求められていると思いますが、現状について県の認識をお答えください。 次に、雇用問題の中でも、とりわけ深刻な障害者雇用について質問をいたします。 法定雇用率未達成企業は、昨年の全国データで五五・七%、とりわけ従業員千人以上の企業では七四・五%が未達成という状況が放置をされています。障害者雇用拡充のために、国に未達成企業の公開を求めるなど、抜本的な対策の強化が求められていると思いますが、知事のお考えをお尋ねいたします。 また、県は、物品の調達において、一定要件を充足する障害者雇用企業を優先的に取り扱う制度をスタートされたようですが、この効果についてどのように認識をされておりますか、お尋ねをいたします。 この問題では、教育分野での努力が重要です。県立山口養護学校に産業科を設置されましたが、今後、知的障害を持つ子供たちの養護学校で、職業教育を全県に広げていくためのどのような
取り組みをされるのか、お尋ねをしたいと思います。 次に、大企業のリストラと戦後最悪の不況の中で苦しむ中小企業対策についてお尋ねいたします。 日銀の下関支店の山口県企業短期観測の九月調査の業況判断指数は、七四年の調査開始以来、悪い順番で二番目という状況で、経営者の不況感をまさに鮮明にしているわけであります。 とりわけ、マイカルの経営破綻による影響が、県内でも防府市、下関市を中心に広がっています。島根県では、テナントや納入業者などに対して制度融資や倒産関連資金の取り扱いを開始をして、県商工会連合会が各所でマイカル関連緊急相談窓口を開設するなどの対策を講じております。山口県も早急に具体的な対策を講じる必要がありますが、この問題に知事はこれまでどう対処し、今後どのようにされようとしておられますか、お尋ねをいたします。 中小企業の経営を守るためには、融資制度の改善も求められております。そのため、県制度融資に対する損失補償を拡充し、中小企業が借りやすい制度融資に改善する必要があると考えますが、いかがでしょうか。 また、中小企業に働く勤労者向けの小口資金の限度額も、思い切って引き上げて、この制度の有効活用を行うべきだと考えますが、お尋ねをいたします。 質問の第三は、
山口きらら博についてであります。 私たち日本共産党は、今、県政がやるべき最優先課題は、一過性の「祭り」に力を注ぐのではなく、日々深刻さを増している県民の雇用を守り、暮らし、福祉、教育を充実させることだと主張してまいりました。
きらら博は、幸い、
入場者目標を突破をして、知事は、さきの定例記者会見で財政は赤字にならない見込みであるとの見解を示されました。しかし、関連事業費合わせると六百五十億円もの税金と貴重な人的財産を投入した「祭り」であります。幅広い県民の意見を取り入れて財政面はもとより、「祭り」の成果、そして課題を一日も早く明らかにする必要があると考えますが、知事の見解をお伺いします。 また、知事は、さきの記者会見で、
きらら博効果もあって県内の七・八月期の観光客は二○%ふえたと発表されました。しかし、一方で、岩国・大島地域などの県東部を中心に、逆に観光客が減ったのも事実であります。県民の貴重な税金を投じた事業であり、当然、その波及効果は全県に及ばなければならないと思います。こうした状況を知事はどのように認識をされておりますか、お尋ねをしておきます。 さて、今後、
きらら博周辺 きらら浜の活用をどうしていくかということは、県政及び県財政にとって極めて重要な問題です。きらら浜では、スポーツ交流ゾーン前期計画の仕上げとして、サッカー場その他の建設が予定をされております。さらに後期計画として、さらなるスポーツ施設の建設も計画をされています。 私は、先日、長野県のオリンピック施設エムウエーブなどを視察をしてまいりました。このエムウエーブのグラウンド面積は、きららドームより一回り大きい程度でありました。通常経費が年間一億六千万円かかり、ほぼ同額、設置者である長野市が一般財源から毎年支出をする、こういう状況でありました。 既存の県立施設の利用状況がかんばしくないのが実情の山口県。さて、この多目的ドームの管理運営、そして今後のきらら浜全体の利用計画については、住民参画のもとに検討をされ、県民合意の中で進められるべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。 質問の第四は、狂牛病対策についてお尋ねいたします。 同時多発テロ同様、国民を震撼させているのが国内での狂牛病の発生です。農水省は、狂牛病の疑いのある乳牛は焼却処分をした、こう断言をいたしました。しかし、後日、この乳牛が肉骨粉となっていたことが明らかになるなど、農水省の失態は国民の不安を大きく今、増幅をさせております。狂牛病の発生が正式に確認された今、国の責任を明確にした万全な安全対策が強く求められていると思います。 山口県は、先日、県内に狂牛病に冒されている牛はいない、こう発表されましたが、今後、感染防止と安全確保などの対策を徹底することが大切です。私は、先日、宇部市食肉センターの視察を行ってまいりましたが、その内容も踏まえて幾つかの問題を提起をしたいと思います。 第一は、感染防止対策を国の責任で行わせるという問題であります。 山口県でも
厚生労働省の指針に基づいて、県内五カ所の屠殺場で、新たにスクリーニング検査が十月十八日から行われるようになります。また、頭蓋、脊髄、回腸遠位部など無条件焼却が義務づけられている危険部位は廃棄物として処理されることになる上に、肉骨粉使用の全面禁止で、今まで有価物になっていた骨などが新たに廃棄物として発生してくることなどが予想されます。さらに、背割り解体の危険性が指摘をされているため、今後、解体方式の変更が生ずる可能性もあります。 こうした対策を実行していく上で、県はもとより、市町村などに新たな負担が強いられることがないように、国に対して必要な要望を行うべきと考えますが、見解をお伺いいたします。 第二は、肥育農家や食肉関連産業への影響への対応についてであります。 県内で屠畜されていた肉牛・乳牛の昨年の月平均が五百九十八・八頭でしたけれども、先月九月は五百二十五頭と減っています。また、先ほど指摘をした新たな検査の体制が整うまで、三十カ月以上の牛の屠殺場への搬入の自粛も要請を現在されております。まず、肥育農家の収入減への対応が求められていると思いますが、いかがでしょうか。また、県内の食肉関連産業の売り上げ減少に対する対応が求められていると考えますが、いかがでしょうか、お考えをお示しください。 第三は、風評被害への対応についてであります。 実際に県内の学校給食で牛肉の使用を控えているとした公立小・中学校、県立学校が六十五校に広がるなど、影響が出ております。これら風評被害解消を国に強く求めていく必要があると考えますが、これへどのように対処されるお考えでしょうか、お尋ねをいたします。 質問の第五は、市町村合併についてであります。 合併特例法の期限切れまであと三年半となり、県は、合併後の姿をシミュレーションする事業を県下全域に広げようとするなど、合併推進に向けた
取り組みを加速化されようとしております。しかし、一方で、重点支援地域に指定をされた周南合併構想の前途に暗雲が垂れ込める中、県の「あせり」とも見える動きが表面化しているように思います。 その一つは、ことし一月に開かれた経済団体の新年交流会での副知事の講演です。副知事は、「私は、正直申し上げて、合併のデメリットはないと思っています」と話されました。 二つ目は、山口県がことし作成をした市町村合併のパンフレットの内容であります。この中で、「サービス水準は高い方に、負担は低い方に調整されるのが一般的です」と書かれてあります。県のパンフレットで、サービスが高い水準に統一されるよう調整されたと紹介をされているひたちなか市では、合併後最初の議会で、私たちの調査で、少なくとも市立幼稚園の授業料、市営住宅の敷金、水道加入時の予納金、体育館の個人使用料、督促手数料が高い方に統一をされているという事実をキャッチしております。 今後、県幹部の話や印刷物は、メリットだけではなく、デメリットも客観的事実を正確に住民に示す必要があると考えます。その上で、誤りは正す必要があると思いますが、いかがですか。 なお、このパンフレットにもいいことも書かれています。「市町村合併は、市町村や住民の方々に自主的・主体的な判断によって行われることが基本です。まず、自分が住んでいる市町村と周りのいくつかの市町村が一緒になったらどうなるのか、具体的にメリットもデメリットも考えてみる必要があります」という部分であります。合併問題については、この立場に立って取り組むべきだと考えますが、改めて知事の見解をお伺いいたします。 質問の第六は、医療・福祉問題についてでございます。 この第一は、医療改悪についてです。 国は、来年度に向けて老人医療制度の対象を七十歳から七十五歳に引き上げるなど、医療「大改悪」を検討しています。この医療改悪が実行されたらどうなるのか、私は本日、表をつくってまいりました。(提示)これは私が勤務をしておりました宇部協立病院が調べたものであります。 まず、図の左側、糖尿病で自分でインシュリンを注射し、毎月一回の尿検査、血液検査、投薬を受けている七十二歳のAさん、このように昨年までは五百三十円、現在が三千円、改悪後は五千百九十円になる。右のケース、大腸にポリープが発見され、一泊二日の入院でポリープを内視鏡で切断した七十三歳のBさん、昨年までは三千九百二十円、ことしは一万一千百三十円、改悪後二万七百円もの負担が強いられる、こういうことであります。 「お金がないので薬は五百円分にしてください」、こういう患者さん、「検診でポリープがせっかく見つかった高齢者に病院が手術をお願いしたら、治療費がないので勘弁してくださいと断られる」、今でさえ、医療現場ではこのような声が聞こえるのに、健保本人の三割への引き上げ、今の老人医療制度の対象年齢の引き上げなどが行われたら、国民的な規模で健康悪化をもたらすことになると思います。県民の命を守る責務を持つ知事として、これ以上、医療費負担をふやさないように国に要請すべきと考えますが、いかがですか。 医療・福祉の問題で第二は、介護保険についてであります。 医療改悪に加え、高齢者の耐えがたい負担となっているのが介護保険です。今月から六十五歳以上の介護保険が満額徴収となり、今までの二倍になりました。現在でも、介護保険の負担が厳しいことが、昨年度の介護保険料の普通徴収の収納率が県全体で九四・四%にとどまっていることにあらわれておると思いますし、また、利用限度額に対するサービスの利用率が四○%にとどまっていることも、高齢者の経済的負担の重さを物語っていると思います。 このような中、全国で独自に約二割の自治体が利用率を減免をして、約一割の自治体が保険料の減免を行っています。県内でも十の自治体で利用料を、四つの自治体で保険料の減免を行っております。 知事、改めて高齢者の耐えがたい負担になっている保険料、利用料の負担軽減のため、市町村を援助する制度の創設が必要だと考えますが、いかがですか。 また、国としての減免制度を求め、せめて独自に保険料減免を進める自治体に「収入のみに着目した一律の減免は禁止をする」などと言って圧力をかけることを中止させるよう、働きかけていただきたいと思います。知事の見解をお示しください。 第三は、ハンセン病問題についてであります。 私は先日、水野県議と一緒に岡山県の長島愛生園を訪れ、山口県人会の皆さん、入所者自治会の皆さんと懇談をする機会を得ました。「外に出るな、ふろにも入るな、散髪にも行くな。もうここに来るしかなかったんです」、「私がここに来た後、家は真っ白になるくらい消毒されました」。入所者の話は続きます。 ハンセン病は、感染力の弱い感染症であり、薬で完治をすることがわかっていながら、「強制隔離」をされ、病気が治っても「退所」できない、「強制収容」がされ続けた歴史の重みを私は実感をいたしました。三千余のみたまが眠る納骨堂に献花した際は、まさに万感胸に迫る思いでありました。 以下、視察の内容も踏まえて質問をいたします。 第一は、過去のハンセン病に関する山口県の施策の検証と謝罪についてであります。 二井知事は、長島愛生園と邑久光明園を訪問をされて、六月議会で「山口県として、国の隔離政策に協力をし、入所者の方々をふるさとから切り離し、深い苦しみを与え、差別と偏見を助長してきたことに対しまして、心からおわびをいたしました」と答弁をされております。確かに山口県人会の方々は、知事の訪問を大変喜んでおられました。 しかし、園自治会の役員の方々と懇談をした際、山口県は全国で最も熱心に「無らい県運動」に取り組んだ県との評価があることをお聞きをいたしました。過去の過ちを真摯に反省をして、二度と過ちを繰り返さないためには、山口県が具体的にどのように隔離政策を推進をしていったのかをつぶさに検証する必要があると思います。そして、今直ちにこのことに取り組まなければ、事実は歴史のやみに葬り去られてしまいかねません。 岡山県は、「ハンセン病対策を振り返り、正しい理解をすすめる委員会」を七月に発足をさせました。山口県でも同様の委員会を設置をして、過去の事実をつぶさに調査をする必要があると考えますが、知事の認識をお尋ねをいたします。 次に、入所者や家族への対策の強化についてお尋ねをいたします。 これは、率直に県人会の方から受けた要望ですが、隔年開催となっている県の里帰り事業を毎年の実施にしてほしいということであります。入所者の平均年齢は七十歳を超えております。再来年のことまで見通せない、これがお気持ちのようであります。明確な答弁をお願いいたします。 また、これから具体的な保障という状況も受けて、九十名という県出身の入所者と家族の方が何でも相談できる窓口の開設が必要だと思いますが、いかがでしょうか。とりわけ、社会復帰希望者が住居や医療、介護で困ることがないように、国、県の責任で万全を期す必要があると思いますが、お尋ねをいたします。 次に、啓発活動についてであります。 この補正で四百二十万円、ハンセン病対策の啓発予算が計上されておりますけれども、これでは貧弱と言わざるを得ません。鳥取県や岡山県のように、小・中・高の学生へ向けた啓発パンフレットの作成などが求められていると思いますが、いかがですか。 最後に、教育問題について一点お尋ねします。 それは、少人数学級の促進についてであります。ことし八月、山形県の高橋知事は、三十人学級を実現する意向を明らかにしました。私たちの調べによりますと、一部でも少人数学級を実施している都道府県は、秋田、新潟、千葉、埼玉、福井、広島、愛媛、鹿児島と広がってきております。 山口県議会は、九六年十二月議会で小・中・高での三十五人学級を早期実現する請願を採択しています。それからもう五年経過をいたしました。山口県も少人数学級へ足を踏み出すときです。先ほど雇用の深刻さを指摘をしてまいりましたけれども、三十人学級にしたら、小・中で新たに千二百十五人、三十五人学級でも五百六十七人の教員が必要です。親も子も景気もよくなるこの施策、進めない理由がありません。知事の英断だと思いますが、お尋ねをいたします。 以上で質問を終わります。(拍手)
○副議長(二木和夫君) 二井知事。 〔知事 二井関成君登壇〕
◎知事(二井関成君) 藤本議員の御質問にお答えをいたします。 最初に、米国における
同時多発テロ事件に関するお尋ねであります。 私は、今回の米国における同時多発テロは、許すことのできない非人道的な行為であり、人類共通の願いである恒久平和を実現するためには、国際的な連携により、あらゆるテロ活動を根絶をしていかなければならないと考えております。 そこで、まず政府に対する要望についてでありますが、去る九月十二日、全国知事会を初めとする地方六団体により、「アメリカ合衆国における
同時多発テロ事件に関する共同声明」を発表し、「非人道的な
テロ行為の絶滅を強く願い、我が国における類似事件の危険性も視野に入れつつ、このような
テロ事件の発生防止のため、最善の措置をとられるよう」、国に対して要請をしているところであります。 次に、自衛隊の派遣につきましては、国の専管事項である外交・防衛に関するものであり、国政の場において、憲法、国際法等を踏まえて、十分に論議されるべき問題であると考えております。 次に、米軍岩国基地の滑走路運用時間に関するお尋ねであります。 米軍基地は、国が我が国の平和と安全を維持する上で必要と判断し、提供しているものであり、その運用につきまして、
地方自治体として基本的に是非を論ずる立場にはありませんが、住民に不安等を及ぼすような運用は行われてはならないと考えております。 このような観点から、滑走路の運用に関しましては、これまで渉外知事会を通じて国に対し、夜間・早朝における飛行禁止等を日米間の合意事項にするよう要望しているところであり、県としては、今後とも県民の平穏な生活を確保する立場に立って、適切に対処してまいりたいと考えております。 次に、景気・
雇用対策についてであります。 まず、解雇を規制するルールをつくり、労働時間の短縮を進めることについてのお尋ねであります。 解雇に関する基準やルールにつきましては、国会において議論をされておりますので、その動向を注視をしてまいりたいと考えております。 また、労働時間の短縮につきましては、県といたしましても、中長期的に雇用の創出を促すものと考えており、年間総実労働時間千八百時間の達成に向けて、山口労働局との連携を図りながら積極的な普及啓発に努めてまいります。 次に、大企業のリストラについてのお尋ねであります。 大企業を中心とした合理化は、地域経済を初め、関連企業や雇用等に極めて大きな影響がありますことから、合理化を打ち出した企業に対しましては、その社会的責任を十分に認識をした上で、労使協議による円満な解決はもとより、最大限の企業努力によって地域経済への影響や雇用不安を最小限に食いとめるように、景気・
雇用対策本部を中心に、必要に応じて文書で要請を行ってきたところでありまして、今後とも同様の対応をしていきたいと考えております。 次に、職業訓練に係る学校の増設を含めた抜本的な強化についてのお尋ねであります。 高等産業技術学校における職業訓練につきましては、技術革新や情報化等の社会経済情勢の変化に対応し、逐次、訓練内容の充実や施設等の整備を図ってまいりました。 今後とも、現行の高等産業技術学校のほかに、専修学校等民間教育訓練機関も積極的に活用しながら、訓練ニーズや
雇用情勢の変化に対応した職業訓練の充実強化に努めてまいります。 次に、ポリテクセンター小野田の存続についてのお尋ねであります。 国は、平成十四年度末をもって廃止する方針でありますが、代替の職業能力開発施設の必要性を認め、現在、既存施設の活用など具体的な検討を進めております。 県としては、地元の訓練ニーズを踏まえた施設の活用がなされるように、関係機関に対し強く要望してまいります。 次に、障害者雇用についてであります。 法定雇用率未達成企業に対する指導につきましては、法に基づき国が行うこととされており、県としては、国と連携をしながら普及啓発を行い、障害者雇用の促進に努めてまいる考えであります。 次に、障害者雇用企業からの物品調達に関するお尋ねでありますが、この制度は、障害者雇用の促進の一助となるよう、障害者を雇用する企業の物品調達の機会を拡充するものであり、十月一日からスタートいたしました。 今後、この制度の早期定着と適切な運用に取り組んでいくことといたしており、一人でも多くの障害者が雇用されるように努めてまいります。 次に、マイカルグループの経営破綻に伴う県の対応についてであります。 御案内のように、マイカルグループは、全国展開の企業であり、負債総額も極めて大きいことから、私は県内中小企業にもかなりの影響があると判断をし、倒産事業者としての国の指定と同時に、連鎖倒産防止のため、関係中小企業者が経営安定資金の融資が受けられるよう措置をするとともに、信用保証協会に対しまして、本・支店への特別相談窓口の設置を要請をし、相談体制を整えたところであります。 また、九月二十八日に開催をいたしました「中小企業金融円滑化緊急対策会議」におきましても、県内に店舗を持つ全金融機関に対し、より積極的な緊急支援を要請をいたしました。 今後とも景気・
雇用対策本部を中心に、各種情報の収集に努めますとともに、関係機関との緊密な連携のもとに、県内経済や中小企業への影響が最小限にとどまるように、最善の努力をしてまいります。 次に、県制度融資に対する損失補償の拡充につきましては、信用保証協会の積極的な保証対応を促し、より利用しやすくなるという点では効果的でありますが、一方、代位弁済になった場合には、損失の一部を県費で補てんをするということになっておりますので、引き続き慎重に検討をしていく必要があると考えております。 また、中小企業勤労者向け小口資金につきましては、一般生活資金など四つの資金からなり、これまでも育児・介護資金、災害資金の創設や大学教育資金の貸付限度額の引き上げなど、勤労者のニーズに沿って制度の拡充に努めてまいりました。 県といたしましては、それぞれの資金目的に即した貸付限度額であると考えておりますが、今後とも、勤労者のニーズや民間ローンの動向等を勘案をしながら、この制度が有効に活用されるように努めてまいります。 次に、
山口きらら博についてであります。 まず、
きらら博の成果等についてのお尋ねであります。
山口きらら博は、目標入場者数を大きく上回る二百五十一万人余の皆様に御来場をいただき、本県の魅力や元気を県内外に大きくアピールをするとともに、県民参加型の博覧会として県民の皆様のエネルギーを結集することができました。 こうした成果を含め、
山口きらら博の開催成果につきましては、現在、専門機関に委託をして県民の皆様や参加者等へのアンケートを行いながら、経済的・社会的効果について調査を行っているところであります。本年度末までには、その結果が取りまとめられるということになっております。 また、博覧会協会の財政収支につきましても、この年末までに仮決算を行い、本年度末までに博覧会協会総会において決算報告を行う予定であります。 私は、これからの課題は、
きらら博の開催を通じて得られた成果を、二十一世紀の新しい
県づくりにつなげていくことであると考えております。「きらめき山口一○○人会議」等を通じて、県民の皆様の御意見、御提言をいただきながら、県政各般にわたる新たな施策づくりを進めていきたいと考えております。 なお、
山口きらら博に六百五十億円を投入したとの御指摘がありましたが、このうち大半は将来にわたって県民の皆様に利活用されるスポーツ交流ゾーンや道路網の整備経費でありますので、御理解をいただきたいと思います。 次に、
きらら博の観光における波及効果についてのお尋ねであります。
山口きらら博につきましては、この開催を本県観光振興の絶好の機会ととらえ、JRグループ六社とも連携をした全国規模の大型観光キャンペーンを展開をし、山口県の魅力を全国にPRしてまいりました。 その結果、お示しがありましたように、七月・八月の中間速報値では、地域間で多少のばらつきはありますものの、県全体の観光客、宿泊客数とも二○%程度の伸びとなっており、九月も同等以上の伸びが期待できますことから、おおむね全県下に波及効果があったものと思っております。 次に、多目的ドームの管理運営やきらら浜全体の利用計画についてのお尋ねであります。 多目的ドームを含むスポーツ交流ゾーンの管理運営につきましては、効率的な運営や多くの県民の皆様に利用していただくことを視点に置いて、現在、運営事業の内容や管理組織等について検討を進めております。 また、現在、利用計画の定まっていない「きらら浜北エリア」の土地利用につきましては、今後、県民の御意見をお聞きをしながら、具体化に向けての検討を進めていきたいと考えております。 次に、牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病についての三点のお尋ねに、お答えをいたします。 まず、感染防止対策についてでありますが、本年九月十日に発生をした牛海綿状脳症につきましては、県民の食生活や生産者への影響を招くことのないよう、早急に対策を講ずる必要があると考えております。 このため、県におきましては、その対策の一環として、屠畜場設置者に対する牛の特定危険部位の焼却処理や化製場設置者に対する肉骨粉の廃棄物としての焼却処理の指導を行っております。 また、既に実施をしている牛海綿状脳症の屠畜検査内容を強化をし、十月十八日から開始することといたしており、現在、そのための機器整備や検査員の技術研修等を進めているところであります。 さらに、解体方式の変更につきましては、国において専門家による検討が進められておりますので、県におきましては、その結果を踏まえ対応することといたしております。 なお、御指摘の牛海綿状脳症の発生を受けての一連の対策経費を国に求めることにつきましては、事態が今なお継続中でありますので、今後の推移を見ながら検討してまいりたいと考えております。 次に、肥育農家や食肉関連業者への対応についてでありますが、牛の出荷繰り延べ等により経済的影響を受けた農家に対し、今般、国において緊急の融資制度や出荷繰り延べによるえさ代の助成措置が創設をされました。 また、食肉関連産業におきましても、販売不振等が生じておりますことから、その経営の維持のため、緊急融資制度が創設をされたところであります。 県としては、これらの制度の円滑な活用について、きめ細かな指導をしていく考えであります。 次に、風評被害の解消についてでありますが、牛肉が安全であることを県のホームページに掲載をするとともに、教育委員会を含む関係部局で構成する連絡会議を通じて、学校など各種機関への普及啓発を図るなど、風評被害の解消に努めているところであります。 なお、牛海綿状脳症対策は、国を挙げて取り組むべき課題でありますことから、知事会等を通じて、牛肉の信頼回復などについて国に要望していくことといたしております。 今後とも、県としても、牛肉の安全確保と県民の不安解消、畜産農家などの経営安定に努めていく考えであります。 次に、合併問題についての二点のお尋ねであります。 まず、合併のデメリットも、客観的事実を正確に住民に示す必要があるのでは、とのお尋ねでありますが、これまで県といたしましては、全国における合併の
取り組み状況の情報収集に努め、これを踏まえ、市町村に対しまして的確な情報提供を行ってきたところでありまして、合併によるメリット・デメリット等についての県としての情報提供が誤っているというふうには考えておりません。今後とも、適切な情報提供に努めていきたいと考えております。 次に、合併についての立場のお尋ねでありますが、市町村合併は、どこまでも市町村や地域住民の自主的、主体的な判断により行われることが基本であると考えております。 次に、医療・福祉問題のうち、
医療制度改革についてでありますが、
厚生労働省は、このたび少子・高齢社会に対応した医療制度の実現に向けて、広く国民の論議に供するための「
医療制度改革試案」を発表して、平成十四年度実施に向けて検討を進めているところであります。 県といたしましては、医療保険制度は本来、国の責任において定められるべきものと認識をいたしておりますが、この改革が県民生活にも大きな影響を及ぼすことも予想されますことから、県民の健康増進と適正な医療の確保を図るとともに、低所得者に配慮した措置が講じられること等について、全国知事会等を通じて、国に対し強く要望してきたところであります。 今後とも、国における改革論議を注視をしながら、必要に応じ、引き続き要望してまいる考えであります。 次に、介護保険についてのお尋ねでありますが、保険料や利用料の負担のあり方については、この制度の根幹にかかわることでもあり、本来、国において検討されるべきものであると考えております。 また、市町村における低所得者に対する独自の配慮措置につきましては、国においては、このような
取り組み自体を否定しているものではなくて、実施をする場合にあっても、「介護を国民みんなで支え合う」という、この制度の趣旨に沿って行うよう、助言しているものと理解をいたしております。 今後とも、県といたしましては、国に対し、低所得者に対する配慮措置などについて所要の働きかけを行いますとともに、市町村や関係団体と一体となって介護保険制度の円滑な運営に取り組んでまいります。 次に、ハンセン病問題についてのお尋ねであります。 まず、御指摘のありました委員会の設置につきましては、国においてハンセン病問題対策協議会の中で過去の事実を検証していくということにいたしており、本県におきましては、当面、委員会の設置は考えておりませんが、入所者の方々に入所当時の実情をお伺いをし、対処していくことといたしております。 次に、里帰り事業につきましては、入所者の方々からの御要望も強いことから、今後、事業の充実について検討してまいりたいと考えております。 また、入所者の不安の軽減や社会復帰の支援のため、県庁内に専門相談窓口を設置することにより、入所者や家族の方々からの相談に応じますとともに、社会復帰を希望される方につきましては、御意向を踏まえながら、住居や医療、介護を初めとする支援について検討してまいりたいと考えております。 最後に、小・中・高校生への普及啓発につきましては、パンフレットの作成など、その方策を含めて検討してまいりたいと考えております。 ハンセン病問題につきましては、今後とも、入所されている方々等の実態把握に努めますとともに、御要望を十分にお伺いをし、国の対策も踏まえながら、普及啓発や福祉対策の充実を図るなど、できる限りの対応をしていきたいと考えております。 次に、教育の問題についてのお尋ねであります。 私は、人づくりの観点から、教育条件の整備を図ることは大変重要な課題であると認識をしております。小学校一年生における多人数学級への補助教員の配置など、教育諸施策に積極的に取り組んでいるところであります。 また、お尋ねの少人数学級につきましては、今年度から、学級編制の弾力化という法的な道は開かれましたものの、国の財源措置が図られなかったことから、その実施は困難ではありますが、国の教職員配置改善計画において、教科によって二十人程度のグループを編成して行う、いわゆる少人数指導のための配置改善が図られたところでありますので、県としても、こうした改善に積極的に取り組んでいるところであります。 今後とも、教育委員会と連携を図りながら、教育条件の整備に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(二木和夫君) 牛見教育長。 〔教育長 牛見正彦君登壇〕
◎教育長(牛見正彦君) 知的障害児の職業教育についてのお尋ねにお答えを申し上げます。 障害のある生徒がその能力を可能な限り伸ばし、職業的に自立するためには、生徒の特性等に十分考慮しながら職業教育を推進する必要がございます。 本県におきましては、各養護学校での作業学習や職場体験などを通して、一人一人に応じた職業教育を行っているところでございます。 お示しの山口養護学校高等部には、機械操作や産業現場における実習を多く行うなど、より時代の進展に合った職業教育を実施するために、先駆的な
取り組みとして、軽度の障害児を対象とした産業科を設置したところでございます。 今後、山口養護学校の成果を踏まえながら、各養護学校の特色を生かした職業教育のさらなる充実に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(二木和夫君) これをもって
代表質問を終わります。
○副議長(二木和夫君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会をいたします。 午後二時四十二分散会 地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。 山口県議会議長 島 田 明 副 議 長 二 木 和 夫
会議録署名議員 河 村 敏 夫
会議録署名議員 田 中 貢...