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  1. 京都府議会 1997-09-01
    平成9年9月定例会(第3号)  本文


    取得元: 京都府議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成9年9月定例会(第3号)  本文 1997-09-30 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 37 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長山本直彦君) 選択 2 :  ◯議長山本直彦君) 選択 3 :  ◯植田喜裕選択 4 :  ◯議長山本直彦君) 選択 5 :  ◯知事荒巻禎一君) 選択 6 :  ◯議長山本直彦君) 選択 7 :  ◯教育長安原道夫君) 選択 8 :  ◯議長山本直彦君) 選択 9 :  ◯新井進選択 10 :  ◯議長山本直彦君) 選択 11 :  ◯新井進選択 12 :  ◯議長山本直彦君) 選択 13 :  ◯知事荒巻禎一君) 選択 14 :  ◯議長山本直彦君) 選択 15 :  ◯知事荒巻禎一君) 選択 16 :  ◯議長山本直彦君) 選択 17 :  ◯教育委員長森田嘉一君) 選択 18 :  ◯議長山本直彦君) 選択 19 :  ◯教育長安原道夫君) 選択 20 :  ◯議長山本直彦君) 選択 21 :  ◯新井進選択 22 :  ◯議長山本直彦君) 選択 23 :  ◯新井進選択 24 :  ◯議長山本直彦君) 選択 25 :  ◯新井進選択 26 :  ◯議長山本直彦君) 選択 27 :  ◯新井進選択 28 :  ◯議長山本直彦君) 選択 29 :  ◯知事荒巻禎一君) 選択 30 :  ◯議長山本直彦君) 選択 31 :  ◯議長山本直彦君) 選択 32 :  ◯坂田緑郎君 選択 33 :  ◯議長山本直彦君) 選択 34 :  ◯知事荒巻禎一君) 選択 35 :  ◯議長山本直彦君) 選択 36 :  ◯教育長安原道夫君) 選択 37 :  ◯議長山本直彦君) ↑ ページの先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1: ◯議長山本直彦君) これより本日の会議を開きます。         ─────────────────── 2: ◯議長山本直彦君) 日程に入ります。日程第1、一般質問を行います。  まず、植田喜裕君に発言を許します。植田喜裕君。    〔植田喜裕君登壇〕(拍手) 3: ◯植田喜裕君 自民党議員団の植田喜裕でございます。私は、2年半前に中京区の多くの皆様の御支援により初当選をさせていただきました。改めて、お世話になりました多くの皆様に厚く御礼を申し上げます。  議員団を代表し、荒巻知事並びに関係理事者に質問をさせていただきます。初めての代表質問であります。温かい御答弁をお願いいたします。  質問に入ります前に、一言申し上げたいと思います。  府政は少しの間も滞ることがあってはなりません。今日まで、すぐれた手腕と卓越した指導力を発揮され、京都府政を力強く進めてこられました荒巻知事に心からの敬意を表しますとともに、「引き続き、続けていただきたい」との多くの府民の熱い期待におこたえいただきたいと心から望むものであります。  それでは、質問に入ります。  「地球は青かった」、これはガガーリンの言葉です。「いつまでも青く美しい地球であってほしい」、これは私たちの願いです。私たちの子供や孫に青い空、きれいな水、おいしい空気を残し伝えたいと願い、環境問題について質問をさせていただきます。  まず、温暖化物質でもあるフロンガス回収対策についてお尋ねいたします。  オゾン層の破壊は、地表に降り注ぐ有害紫外線を増加させ、皮膚がん、視力障害の多発を引き起こすばかりでなく、生態系、環境全体への影響は大変深刻ではかり知れないものであります。本年もまた、南極上空のオゾンホールは過去最大規模になるという気象庁の発表がありました。1996年9月にはオゾンホールは南極大陸の面積の約 1.9倍に相当する約 2,600万km2に広がっており、オゾン破壊量は約 7,000万トンに達しているそうであります。また、本年4月には北極でもオゾン層が大幅に減少したことが観測されています。  オゾン層破壊の最大の元凶はフロンであり、l992年の第4回モントリオール議定書締約国会議では、特に有害な特定フロンの製造を1995年中に全廃すると同時に回収を進めることが決議されましたが、我が国の回収・安全処理対策は今なお極めて不十分であります。本年の環境庁の調査によりますと、オゾン層の破壊の原因となっている特定フロンの回収率はカーエアコンで 2.7%、業務用空調機器で 5.2%と、極めて低い数値になっております。また、冷蔵庫では自治体回収分が24.0%、民間が 2.0%の全体で 9.3%と、これまた低い回収率にとどまっております。世界第2位のフロン生産・消費国であるにもかかわらず、フロンを大気中へ放出しても何の罰則規定もないのは世界のフロン大量生産・消費国の中では日本だけであります。  フロンがこのまま回収されることなく大気中に放出され続ければ、日本のみならず、地球全体の環境に深刻な事態を招くことになりますので、フロンの大気中への放出を早急にとめることが緊急の課題であります。また、フロンは強力な温暖化物質であり、地球温暖化の原因の10.2%をフロンが占めていると言われています。先日明らかにされました環境庁の報告によりますと、代替フロンのHFCの排出量は、1995年に 2,800トンから2005年には1万 1,300トン、2010年には95年の実に8倍、2万 2,700トンとしております。例えば冷蔵庫1台の冷媒フロンわずか 200gを大気中に放出するだけで、家庭で1年間に排出する二酸化炭素 1.4トンに相当するそうであり、これを見ましても早急な削減が必要であります。  本年京都で開催される気候変動枠組条約第3回締約国会議を考えますと、開催自治体としてもこのまま放っておくことはできません。京都府におかれましても、今日まで「京都府環境を守り育てる条例」「環境保全対策低利融資制度・フロン対策資金」「地球環境管理対策指導事業」「京都府フロン回収推進協議会の設置」等、積極的なお取り組みをいただいており、今後も完全回収を目指し、なお一層のお取り組みをお願いいたします。また先般、通産省、環境庁など18省庁でつくる「オゾン層保護対策推進会議」では、オゾン層破壊物質の回収策をまとめ、関係業界や各自治体に回収強化の要請をするという報道もありました。  そこで、荒巻知事にお尋ねいたします。昨年l2月の定例議会でも質問させていただきましたが、京都府下におけるフロン回収事業は城南衛生管理組合などで実施されているとのことでございましたが、その後の実施状況はいかほどなのか、また破壊処理までを含めた今後のフロン対策事業について、オゾン層保護対策推進会議の要請内容も踏まえて、荒巻知事の御見解をお聞かせください。  今月17日に閉幕した第9回締約国会議では、2014年にはオゾン破壊物質はすべてなくなるとしており、我が国でも国レベルでの対策が必要であると考えられます。したがいまして、即刻すべてのフロンの完全回収を義務づけ、大気中への放出を禁止し、フロンの無害化技術と地球環境にとって真に安全な代替物質と技術の開発を誘導するような「フロン等放出禁止法」の早期制定を要望する必要があると考えますが、知事の御見解をお聞かせください。  次に、ダイオキシン問題についてお尋ねいたします。  人類がつくり出した猛毒の有機塩素系化合物であるダイオキシン。特に 2.3.7.8四塩化ダイオキシンは毒性が強く、サリンの2倍、青酸カリの 1,000倍の急性毒性があり、わずか85gで 100万人を殺傷することができると聞き及びます。また、慢性毒性としては発がん性、催奇形性、生殖機能の低下、ホルモン代謝障害などさまざまな毒性を持っているそうであります。その主な排出源の8ないし9割はプラスチックなどを燃焼する際に発生し、ごみ焼却施設からの排出であると言われています。そして、主に農作物や魚介類などの食物を通じて人体に蓄積され、がんや奇形、生殖障害をもたらす危険物質で知られています。また、日本人の母乳から検出されるダイオキシン類の濃度は諸外国に比べて高いという報告もあります。
     日本は世界一のダイオキシン汚染国と言われていますが、欧米に比べて大幅に対策がおくれていると聞き及びます。しかし、ようやく我が国でも厚生省が本年1月「ダイオキシン類発生防止等の新ガイドライン」を発表し、それに続き、本年8月に「大気汚染防止法施行令」の改正及び告示が交付され、本年12月より施行されることになりました。  厚生省の指示に基づき、京都府においても昨秋より一般廃棄物焼却施設のダイオキシン排出量調査が実施されました。その結果、全国では33道県 105施設で基準値を超えていたにもかかわらず、府下の対象22施設においては緊急対策が必要な排出量80ナノグラムを超える施設はありませんでした。これも環境を考えた荒巻知事の施策のたまものと敬意を表するものであります。しかしながら、既設炉において、その種類等により決められた排出量が 0.5ないし5ナノグラム以下にするという恒久対策を必要とする施設は20施設に及んだという報告を聞いております。  そこで、荒巻知事にお尋ねいたします。ダイオキシン汚染を防止するためには、ごみ焼却施設を改善し、その排出を抑制するのみならず、ごみの減量・リサイクル等、より幅広い見地からの取り組みが必要であろうと考えますが、府民に対する啓発も含め今後どのように取り組まれるのか、荒巻知事のお考えをお聞かせください。  次に、地球温暖化防止京都会議(COP3)についてお尋ねいたします。  本年は、この国際会議のほか地球温暖化問題でリオサミット以降5年後の見直しである国連環境特別総会が開催されました。国内では「容器包装リサイクル法」が4月より施行され、産業廃棄物対策の見直しが議論されています。ラベリング、ライフサイクル、アセスメントの規格化を議論するISOの総会がこれまた京都で開催されるなど、まさに環境の年であります。特に本年12月の地球温暖化防止京都会議は、国際的規模で次世代のことを考え行動する会議だとか、あるいは今世紀最後の重要な規制を締結でき得る会議だとか言われ、全世界から注目をされています。  京都開催決定に当たって、荒巻知事も「地球環境問題に対する国際貢献の絶好の機会であり、京都府としても開催地としてできる限りのお手伝いを行い、この会議の成功に貢献していきたい」という決意を表明され、「地球温暖化防止京都会議府庁推進本部」の設置、近畿6府県3政令指定都市で「関西行政協議会」の設立、また、産業界などを加えた「支援実行委員会」の設立を決められるなど、積極的に取り組まれています。特に本府では、府民の関心を高める「会議盛り上げ事業」、京都の伝統、文化、産業などを世界に発信する「京都PR、活性化事業」、環境問題解決へ具体的な施策を進める「環境対策事業」など、3テーマで取り組んでおられます。  27日総理府が発表した世論調査によりますと、6月の時点で50%以上の人が「知らない」としております。また、京都府におきましても、環境NGOであるリアルリンク京都が、本年6月より4回にわたって環境に関する意識調査を実施いたしました。その結果によりますと、地球温暖化防止京都会議の認知度は、「内容も知っている」と「名前は知っている」を合わせると6月には全体のおよそ33.1%であったのが、9月には全体のおよそ50.9%に増加しており、本府での取り組みの成果があらわれているとは感じられます。しかし一方で、「知らない」と答えた人は9月においてもまだ全体のおよそ31.6%も占めており、いま一度取り組みが必要ではないかと感じます。  そこで、荒巻知事にお尋ねいたします。こういった調査結果をお聞きになり、この結果をどのように受けとめられるのか、また、会議成功に向け、残り2カ月どう取り組んでいかれるのか、荒巻知事のお考えをお聞かせください。  環境問題の最後に、環境基本計画についてお尋ねいたします。  去る8月21日に、知事は京都府環境審議会に環境影響評価条例とあわせて環境基本計画の策定について諮問されました。環境基本計画は、昨年4月から施行された京都府環境を守り育てる条例に基づき、環境の保全及び創造に関する総合的かつ長期的な施策の大綱として策定されるものであり、今後の府の環境行政を進める上で根幹となる極めて重要な計画になるものと考えております。特に最近の環境問題は地球温暖化を初めとした国境を越えて広がる地球環境問題が焦点となっており、これは大量生産・大量消費に代表される我々のライフスタイルに起因するものであります。したがいまして、気づかぬうちに徐々に進行し、放置すれば将来の世代に深刻な影響を及ぼしかねないという特徴を持っております。一方京都府は、平安京創設以来、千年の都として歴史的建造物など豊富な文化遺産を有し、自然とともに共生してきた独自の文化、歴史を有しております。京都府ではこのような特色を踏まえ、平成2年には全国で最大規模の 100億円の緑と文化の基金を設けるなど、ユニークな施策を展開するとともにさまざまな環境保全対策の積極的な推進を図ってこられたところであります。  さきにも質問いたしましたが、ダイオキシンなどの廃棄物に関連した身近な環境問題や、二酸化炭素、臭化メチル、フロンガスなどを原因とする地球温暖化やオゾン層破壊などの地球環境問題が増大し、環境保全のニーズが高まっている中で、豊かで美しい京都の環境を、そしてかけがえのない地球規模の環境を次世代の子供たちに引き継いでいくためにも、これら環境施策をさらに推進していただきたいと願うものであります。  そこで、荒巻知事にお尋ねいたします。環境基本計画について今後どのようなスケジュールで審議を進められるのか、また、計画についてどのような内容を示されようとされているのか、荒巻知事の御見解をお聞かせください。  第2に、遺伝子組みかえ食品に関してお尋ねいたします。  御承知のように、科学技術の目覚ましい発展は、人類の行動範囲を広げ、豊かな生活をつくり上げてまいりました。遺伝子組みかえ技術についても、遺伝子DNA構造の発見以来、インターフェロンやインシュリンといった画期的な医薬品や農業・畜産・水産業の発展、遺伝子治療への応用など多大な貢献がなされてきたことも事実であります。厚生省は、大豆や菜種、トウモロコシ、綿など15品目について「安全性に問題はない」として輸入を認めました。しかしながら、原子力においてもそうであったように、光の部分のみを強調するだけでなく、影の部分、すなわち危険性を予知し、予防することも忘れてはいけないと思うのであります。種の壁を越えて組みかえする危惧、悪用された場合の危険性、食べ物としての安全性、アレルギー等の危険性、環境・生態系への影響など、遺伝子組みかえ技術の問題点も既に多々指摘されているところであります。したがいまして、一方で科学技術の発展を推進しつつ、他方でその影の部分、すなわち危険性を取り除き、安全を確保することこそ行政に課せられた大切な課題であると思うのであります。ヨーロッパ等では既に実施されている表示について、衆議院消費者問題等に関する特別委員会「遺伝子組み換え食品の表示問題等に関する小委員会」においても、表示の義務づけに向け検討がなされているところであります。消費者の選択の自由と不安の解消を積極的に図るべきだとの考えに立ったものと思います。この点について知事の御見解をお伺いいたします。  第3に、教育問題についてお尋ねいたします。  登校拒否やいじめの急増、多発する少年事件など、次代を担う青少年をめぐる問題が昨今、新聞紙上をにぎわせております。神戸での連続児童殺傷事件などは、私たち子を持つ親に驚きと恐怖を与え、世間を大きく騒がせました。また一方で、街行く若者に目を移しましても、赤や緑に髪を染め、腰に和服の古きれを巻きつけてげたをはいた男性、下着か水着とおぼしきシャツにサンダルをはき、布製の巨大なバッグを肩から下げて大声で話しながら歩いている若い女性たち。もちろんファッションは個人の自由であり、それをとやかく言うつもりはありませんが、私にはこんな若者たちに若さゆえの心身の美しい輝きと未来を託する期待を感じることはできません。むしろ他人よりも目立ちたいという利己的で無責任な幼児性がかいま見え、社会的な存在としての人間という意識が欠けているようにしか思えません。何をしてもよい、何をするのも自分の判断と考え、みずからが社会の中で担うべき責任、特に21世紀の郷土や日本、さらに世界を背負うべき自覚等、少しも感じていない人がふえているのではないでしょうか。  かつて私たちが各家庭で親や祖父母から、各地域で年長者から年少者に教えられた日常生活の中のしつけは、家の内と外のけじめ、あるいは時と場所をわきまえた振る舞いや作法となって自然に身についていきました。そして、社会的責任の重要性もおのずから体得することができました。また、日本の風土を愛し、文化を創造する人間にとって最も大切な美意識の基盤は、自然や他人に対する敬愛の念や礼節であることを自覚するに至りました。さきに発表されました文部省の98年度予算の概算要求でも、家庭・地域社会・学校が一体となって豊かな人間性を育成し、道徳教育などの拡充を目指す「心の教育」に本年度比で 2.5倍の60億 3,600万円を計上しております。  そこで、荒巻知事にお尋ねいたします。心の教育について、学校教育のみに頼るのでなく、家庭・地域社会と三位一体となって取り組んでいく必要性があると考えますが、知事はこの問題についてどのようにお考えになり、どのような取り組みをしていかれるのか、御見解をお聞かせください。  第4に、少子化対策についてお尋ねいたします。  去る8月に発表された京都府の人口動態統計によりますと、平成8年の子供の出生数は、2万 4,023人と昨年を若干上回ったようでありますが、1人の女性が一生の間に産む子供の数をあらわす合計特殊出生率は1.30と昨年を下回っただけでなく、東京都に次いで低い数値であったようであります。このように昨年よりも出生数がふえたとはいえ、少子化傾向に歯どめがかかったわけではなく、本年の1月に国立社会保障・人口問題研究所が発表した「将来推計人口」によりましても、21世紀の初頭まではこの合計特殊出生率の低下傾向は続くものとされております。このような少子社会においては、いわゆる現役世代の社会保障負担の増大や労働供給力の低下など、さまざまな問題が指摘されているところであります。行政として出産を奨励するというのもなかなか難しい問題もあろうと思います。そこで、少子化対策の取り組みに当たっての基本的な考え方、基本姿勢について知事の御見解をお伺いいたします。  次に、少子化対策を考える場合、核家族化の進行という点も見逃せない点であろうかと思います。若い夫婦が祖父母から子育ての伝授を受けるということがますます難しくなるのと比例して、公的な相談体制を整備する必要性が高まってくるものと考えます。本年の通常国会で児童福祉法が改正され、保育所については措置制度が改められることとなっておりますが、これも保育所ができるだけ住民の方々に目を向けたサービスが提供できるようにとの視点があったものと承知いたしております。このように、いかにすれば住民に利用しやすくニーズに応じたものになるのかという点は、大変重要なことであろうと存じます。  そこで、お尋ねいたします。子育てに励む夫婦のいわゆる安心を確保する上で、相談体制の整備についてどのように取り組まれるのか、知事の御見解をお聞かせください。  次に、京都第一赤十字病院の整備につきましてお尋ねいたします。京都第一赤十字病院の改築整備は順調に進んでいるようであり、とりわけ当病院に整備される総合周産期母子医療センターにつきましてはこの秋にもオープンされることとなっており、府民の安心・安全を守る施策として、また貴重な生命を持って生まれてくる子供たちのための施策の一つが実を結んだものとして、大変うれしく思っているところであります。さて、このような府の中核センターが有効に機能を発揮するためには、府内の産婦人科医院との緊密な連携が必要であろうと思います。さらに、どのような症状の場合にこの中核センターが対応することになるのか等、このセンターの役割や機能について、産婦人科医院の医師に十分理解をしてもらう必要があるのではないかと考えられます。  そこで、お尋ねいたします。府内の医療機関とのネットワークの構築や、その基盤となる医師の理解の促進を図るため、具体的にどのような取り組みを進めていかれるのか、知事の御見解をお伺いいたします。  第5に、府民の関心の高い医療問題についてお尋ねいたします。  先日も厚生省から我が国の平均寿命が発表されました。それによりますと、男性は77歳、女性は84歳と、これまでの最高となりました。これは、医療の急速な進歩や衛生水準の向上、さらにだれでも安心して良質の医療が受けられる国民皆保険体制の成果であり、世界に誇るべきことであります。しかし同時に、急速な医療技術の進歩や少子・高齢化、また、我が国経済の動向なども相まって、2l世紀にはふえ続ける医療費を賄い切れなくなるのではないかということが心配されております。現在、国においては国民皆保険体制を維持するため、医療の構造改革が検討されており、先般は健康保険法などが改正され、給付と負担の見直しが行われるとともに、同時に、医療のむだをなくし、国民により開かれた医療を実現するために、21世紀の国民医療の方向性が示されたところであります。医療にかかる費用が急速に伸びていく中で、みんなが安心して医療を受けられる国民皆保険体制を今後とも守っていくためには、みんなで負担を分かち合っていくことも必要であると思います。一方で、社会的に弱い立場にいる方々に対する配慮も忘れてはならないと思います。先般の健康保険法の改正におきましては、少子化への対応の観点から、小児に対しましては薬剤の負担が免除され、低所得の高齢者にも同様の措置がとられたところであります。  そこで、知事にお尋ねいたします。京都府では、今般の医療保険改革にどのような考え方で対応されたか、また、特に社会的に弱い立場にある重度障害者や母子家庭の方々に対してどのような考え方で、どのように対応されたのか、お尋ねいたします。  第6に、「京都の府民文化の未来を考える懇談会」からの提言について、お尋ねいたします。  このたび京都府におかれましては、文化・芸術にかかわる有識者で構成する懇談会から京都の文化振興に関する提言が去る9月18日に知事あてに提出されたとのことであります。京都の文化振興に関する提言につきましては、昭和56年10月に、当時の京都府文化懇談会から「京都の文化は日本の文化」と命名された提言が出されております。この提言は、日本文化のふるさとともいうべき京都文化に焦点が当てられたものと承知いたしております。その中で、京都文化を総合的に紹介する博物館の設置や文化振興財団の設立、権威ある顕彰制度の創設などに加え、第二国会図書館など国立の施設の誘致などが提唱されたところであります。京都府におかれましては、この提言を受け、京都の歴史や伝統ある美術工芸を紹介する京都府立京都文化博物館を設置されたほか、京都文化財団の設立や新たな顕彰制度として「京都府文化賞」を創設されるなど、着実にその具体化を図られてきたところであります。また当時は、まだまだ未知数であった第二国立図書館の誘致につきましても、荒巻知事を先頭に積極的かつ粘り強い働きかけがなされ、我が党議員団も会派を挙げてその実現に向け努力してまいりました結果、国立図書館関西館として関西文化学術研究都市内に立地が決定し、平成14年度中にも開館される運びとなっております。提言の実現に向け一つ一つ真摯に取り組まれている荒巻知事初め関係者の皆様の御努力に対しまして、改めて敬意を表する次第であります。顧みますと、さきの提言から16年、時代は大きく転換いたしました。とりわけ、物の豊かさから真の心の豊かさを求める時代となり、府民の文化に寄せる関心が高まっている今日、改めて文化振興に関する提言を受けられた意義は非常に大きいと考える次第であります。  そこで、知事にお尋ねいたします。府内の無形文化財や民俗文化財の数は、国・府指定登録数が 100件を超えております。しかしながら、丹後地方など、人口の少ない地域もあり、少人数で維持されているのも現状であり、また、絶滅のおそれのあるのも現状であります。このように、近年の目まぐるしい社会生活の変化に伴い、長い伝統を有する古典芸能や府内の各地域で昔から伝承されてきた郷土芸能など伝統芸能を継承、発展させていくことが現代に生きるものとしての使命だと考えております。また一方、明日の京都の文化を生み出すためには、府民の生活の中での創作的な文化活動が不可欠であり、行政としてもそのような取り組みを支援していくことが必要であると考えます。今回の提言では、生活文化の振興、地域文化の振興、京都の芸術文化の振興という府民にとって非常に身近で大切な3つの目標を具体的に展開するために、京都府の役割としてさまざまなソフト事業の展開に加え、文化振興機構の強化や文化拠点の整備が強く指摘されております。知事としてこの提言をどのように受けとめ、今後どのような姿勢で文化振興に取り組んでいかれるのか、御見解をお聞かせください。  第7に、このたびの京都総体について、教育長にお尋ねいたします。  まずは、大会のすべての日程を滞りなく成功裏に終えられましたことに、会派を代表いたしましてお祝いと関係の皆様の今日までの御苦労に感謝を申し上げたいと存じます。  大会は、8月1日の総合開会式に始まり24日のヨット競技まで、24日間の長期にわたったところであります。私も総合開会式を初め、テニス、相撲、バレーボール、バスケットボールの競技を見学させていただきました。まず、総合開会式でございますが、直前に降り出した雨も開式には上がり、スタンドを埋め尽くした観客の見守る中、繰り広げられた式典は、目立たないところにも随所に工夫が凝らされ、さわやかで若人の祭典にふさわしい、京都らしいものでありました。中でも演技や吹奏楽・合唱など、さまざまな場面でのはつらつとした高校生の活躍に魅了されました。加えて、本府からの初の試みとして小学生による鼓隊、中学生の市町村旗を保持しての入場行進もすばらしく、次代を担う子供たちにも参加の道を開かれましたことを高く評価するものであります。一方、翌日から開催された各競技でありますが、どの会場も高校生の熱戦を一目見ようと多くの観客で埋まり、私が見させていただきましたバレーボール・バスケットボール競技は、あいにくの大雨にもかかわらず会場いっぱいの観客であふれておりましたし、テニス競技も36度を超える暑さの中、熱心に観戦、応援をされておりました。また、その声援を受けた京都府の高校生も大健闘し、8月の京都はいやが上にも熱く盛り上がったところであります。この本府の代表選手の活躍も、さきの京都国体以来、知事が本部長をされております競技力向上対策本部によるさまざまなジュニア層の育成策が実を結んだものと評価するところであり、スポーツ団体にかかわる者として、今後ますますの振興をお願いしたいと存じます。さらに、報道によりますと、いわゆるこの時期、夏枯れと言われる中にあり、交通、飲食、旅館など関係の皆様にも大会効果が及んだと紹介されていたところであり、またお聞きいたしますと、府北部の民宿等も大変潤い、関係の皆様に喜んでいただいたとのことであります。  高校生が主役の大会ではありますが、多くの府民が参画し、府民挙げての大行事であったと思うわけでありまして、長年にわたり綿密に積み上げられてきた準備が本番で見事に開花した感を強くした次第であります。その中にありまして多くの府民がひとしく感じたことに、府内10万人の高校生による一人一役の活躍が実に感動的なものであったということであります。例えば京都駅等での案内や各会場での審判や受付、ごみ集め等、一人一人が自分の役割を全うしようと汗する高校生の姿を見ていますと、このような真摯な取り組みを各学校の日常の教育活動に定着さすことができないものかと思うのであります。  そこで、教育長にお尋ねいたします。京都総体における一人一役活動は、選手だけでなく大会を支える裏方に至るまでさまざまな分野で高校生が主体的に参加され、高い評価を得たものと考えます。その成果についてどのようにお考えか、また、今後の学校教育にどのように生かしていくお考えか、教育長の御所見をお伺いいたします。  最後に、高校教育についてお尋ねいたします。  教育委員会におかれましては、今日まで社会の変化や生徒・保護者のニーズに的確に対応するため、多様で柔軟な教育システムを構築し、生徒の個性や能力を最大限に伸長させることを基本方針として、これまで普通科第I類におけるコースの配置や第II類の適正な配置を行うとともに、新たに嵯峨野高校に新しいタイプの専門学科である京都こすもす科を設置し、また、西宇治高校(全日制)、桃山高校(定時制)、朱雀高校(定時制及び通信制)にそれぞれ単位制を導入し、教育の積極的な振興に取り組んでこられました。特に新設学科の志願状況は、推薦入学の志願者が京都こすもす科は定員の 2.6倍、また西宇治高校の単位制は定員の 3.1倍となっており、それぞれの設置目的を理解し、希望を持って受験している中学生の姿がうかがえ、本府の高校教育改革が府民に浸透し、また、期待されている証拠ではないかと私は考えます。さらに来年4月には、久美浜高校に「総合学科」、園部高校に「京都国際・福祉科」が設置されることになるわけであり、選ぶ側の生徒の選択肢がますますふえることにつながり、多様化するニーズにこたえるものとして今から期待を大きくしているところであります。  そこで、お尋ねいたします。久美浜高校総合学科及び、私も過日委員会にてお伺いをし種々御説明をいただきましたが、園部高校京都国際・福祉科の特色や卒業後の進路についてどのようにお考えか、また、両高校では来年入学することになる中学3年生等を対象とした学科説明会が開催されたと伺っておりますが、そのときの反応と教育長の御所見をお尋ねいたします。  以上で質問を終わります。御清聴いただき、まことにありがとうございました。(拍手) 4: ◯議長山本直彦君) 荒巻知事。    〔知事荒巻禎一君登壇〕 5: ◯知事荒巻禎一君) 植田議員におかれましては、私に対しまして温かい励ましをいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  それでは、御質問にお答え申し上げます。  フロンガス回収対策につきましては、市町村のごみ処理ルートによる回収の取り組みと関係業界ルートによる自主的な取り組みの促進及び住民の意識啓発により、それぞれの役割分担のもとにフロンガス回収を社会システムとして定着させることが重要であると考えております。現在、市町村ルートにつきましては、本年新たに11市町がフロン回収機を設置し、38町においてフロンガスの回収を実施しておりまして、一部市町におきましては、環境庁のモデル事業として滋賀県に設置されておりますフロン破壊処理施設を利用して既に破壊処理を実施しているところでございます。また、関係業界等に対する取り組みといたしましては、本年2月に業界団体などからなる京都府フロン回収推進協議会を設置いたしまして、自主的取り組みのルールづくりの検討を行っておりまして、一方府民に対しましては、オゾン層保護セミナーの開催などによりまして啓発に努めているところでございます。  ダイオキシン対策についてでありますが、議員御指摘のとおり、ダイオキシン汚染を防止するためには、ごみ焼却施設の改善や維持管理の徹底、処理の広域化などの対策のみならず、ごみ排出量の抑制及びリサイクルの促進により、まずごみの焼却量をできる限り削減することが重要であると考えております。このため京都府といたしましては、市町村の施設整備に当たっては必要な指導、助言を行いますとともに、昨年、京都府廃棄物減量化推進協議会により策定されました「京晴れ・晴れ」プランに基づきまして、行政、府民、事業者の主体的かつ連携したごみの減量化・リサイクルの取り組みを促進しているところでございます。今後は、本年4月から開始されました容器包装リサイクル法に基づく分別収集の取り組みを促進するとともに、今年度創設いたしました「環境にやさしいライフスタイル推進事業」により、市町村が行うごみの減量化・リサイクルの先進的な事業に助成を行うほか、ごみシンポジウムの開催などの取り組みを一層積極的に推進したいと考えております。  次に、地球温暖化防止京都会議についてでありますが、この会議は人類の未来を左右する極めて重要な会議であり、この会議を成功に導くためにも府民の関心を高めることが重要であると考えております。先日、総合見本市会館で開催いたしました「京都環境フェスティバル」では、昨年を大幅に超える入場者があり、当会議が近づくにつれ、府民の環境保全意識の着実な高まりを感じることができましたものの、なお一層の啓発活動が必要であると考えております。  報告によりますと、去る8月30日には「親と子の地球環境展」が京都会館で開催され、子供さんにもわかりやすいパネル展示とか、リフォームファッションなど、地球温暖化防止のための取り組みをされ、多くの親子連れの皆さんに共感を呼ばれたとのことでございまして、主催者の方々に対しまして改めて敬意を表する次第でございます。今後も府を初め各種団体による啓発イベント等が数多く展開されますので、これらの取り組みを通じ、府民のこの会議に対する関心を高めるとともに、環境保全に向けての府民みずからの行動を促してまいりたいと考えております。  京都府庁におきましても、私を初め全職員にこの地球温暖化防止京都会議のシール(資料提示)を配りまして、名刺には全部張るようにしてもらっておりますし、また先般、府議会にもお配りいたしまして、つけておられる先生もいらっしゃいますけれども、このバッジ(資料提示)も府の幹部職員がつけるようにいろいろ指示をいたしておるところでございます。  環境基本計画についてでありますが、去る8月21日に京都府環境審議会に諮問をし、現在企画部会で審議をいただいておりまして、今後審議会で十分議論をいただき、答申をいただいた上で、来年の春ごろには基本計画として策定してまいりたいと考えております。本計画は、京都府における環境施策の基本理念や施策の基本方向を示すものでありまして、今後の府の環境施策の基本となるものと考えております。このため、本府の環境の状況や府の特性を踏まえ、審議会の御意見も十分伺いながら、21世紀に向けての目指すべき環境ビジョンを示してまいりたいと考えております。  遺伝子組みかえ食品についてでありますが、食品衛生法に基づき国に設置されている「食品衛生調査会」の「バイオテクノロジー特別部会」で事例ごとにその安全性についての評価がなされ、確認されることとなっておりまして、既に15品目の食品の安全性が確認されていると承知をいたしております。しかしながら、遺伝子組みかえ食品の市場流通が現実のものとなる中で、消費者の食品に対する選択の自由の確保や、食品に対する不安の解消が国会でも論議され、国も検討会を開催して広く有識者から意見を求めるとともに、国際的な食品規格委員会の検討状況とも整合性を図りながら、遺伝子組みかえ食品の表示のあり方について検討を始めておられると伺っております。今後、国において消費者の不安を解消しながら、食糧確保のための新しい技術開発が確立できるようなシステムが整備されますことを期待している次第でございます。  「心の教育」についてでありますが、子供たちの個性の尊重を基本として、生きる力をはぐくみ、生命を尊重する心、他人への思いやり、美しいものや自然に感動する心など、豊かな人間性を育成するためには、幼児期からの心の教育が極めて重要な課題であると認識をいたしております。ところで、子供たちを取り巻く大人社会は、自己中心的な考えや暴力、性の情報があふれるなど、憂慮すべき状況にあると考えております。こうした状況の中、子供たちは学校ばかりではなく、家庭や地域社会での生活すべてを通して学び、成長しているために、学校・家庭・地域社会それぞれが役割を果たすとともに、連携、協力をして心の教育に取り組むことが極めて重要であると考えております。京都府におきましては「京都府青少年プラン」や「きょうと未来っ子21プラン」を策定し、また有害な環境防止のため「青少年の健全な育成に関する条例」を制定するなど、子供たち自身が健やかに育つための環境づくりに取り組んでいるところでございます。本年は夏休みを控えた7月に、学校、行政、警察及び青少年育成にかかわる団体の関係者が一堂に会しまして「子供の安全と社会環境浄化推進大会」を開催いたしまして、広く府民の皆様に社会の環境浄化のアピールをしていただき、私も子供たちを守るための取り組みについて訴えさせていただいたところでございます。今後とも家庭・学校・地域社会のそれぞれの教育機能を高め、社会全体で安心・安全に暮らせる社会環境の醸成に努めてまいりたいと考えております。  少子化対策についてでありますが、急速な少子化の進行は子供や子供同士のふれあいを減少させ、自主性や社会性が育ちにくくなるとともに、地域社会の活力が低下しかねないなど、社会全体に及ぼす影響が懸念されているところでございます。こうした中で、常々申し上げておりますように子供を産み育てたい人が安心して出産、育児ができる環境を整備するためには、府民がそれぞれの立場で知恵を出し合い、行政はもちろんのこと、家庭、地域社会、企業など、社会全体で子育てを支える社会を実現することが極めて重要であると考えております。また、去る7月に「子どもと家庭のためのフォーラム '97」を開催しましたところ、子育てにかかわるさまざまな御意見をいただき、未来に向けて安心して子供を産み育てることができる社会づくりに一層取り組んでいかなければならないと決意を新たにしたところでございます。  次に、子育てに関する相談支援体制についてでありますが、核家族化の進展に伴い、子育てに不安や悩みを持つ親がふえてきているところから、身近な保育所で相談に応じる市町村の地域子育て支援センターの設置に支援をしておりますほか、明日、10月1日からは妊娠から育児に至るまでの情報を24時間提供する「安心・子育てダイヤル」を開設するなど、相談支援体制の充実に努めているところでございます。今後とも、先般策定いたしました京都府子育て支援計画を指針としながら、市町村や関係団体と連携しながら、仕事と育児の両立支援、相談支援体制や母子保健医療体制の整備充実などのために、各般の施策を推進してまいりたいと存じております。  少子化対策についてでありますが、京都第一赤十字病院の総合周産期母子医療センターにつきましては、本年11月に開設される運びとなっております。また、このセンターの開設とあわせて府内の医療機関とのネットワークを構築し、患者の症状に応じた医療が適切に提供されるよう体制を整えることが重要であると考えております。このため、総合周産期母子医療センターを中核に、北部と南部に設置するサブセンターと新生児・母体の集中治療が可能な2次病院とで機能分担を行い、未熟児ベッドの空きベッド等を情報交換する周産期医療情報ネットワークシステムを運用することといたしておりまして、今議会におきまして所要の予算をお願いしているところでございます。現在、医師や医療機関、消防機関等の協力を得てモデル事業を実施いたしまして、このシステムの周知や点検に努めているところでございます。今後とも医療関係団体などの協力を得ながら、ネットワークシステムの充実や医療機関への制度の定着を図り、周産期医療体制の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、医療保険の改革についてであります。医療技術の進歩や急速な高齢化により、医療費が急増する中、だれもが保険証1枚で医療を受けられる国民皆保険体制を今後とも維持していくためには、世代間の負担の公平性にも配慮しつつ、給付と負担の見直しなどを内容とする健康保険法の一部改正が行われたところでございます。一方、京都府におきましては、国の制度との整合性を図りながら、乳幼児、低所得の重度障害者や母子家庭、高齢者に対する京都府独自の医療費助成制度を設けまして、この制度の維持継続に努めてきたところでございます。今回の健康保険法の一部改正に当たりましても、国会で審議された法律改正の趣旨を尊重しつつ、これらの方々が引き続き安心して医療が受けられるよう、低所得の重度障害者や母子家庭の方々に対しまして、薬剤に係る負担も含め、自己負担分を助成することとしたところであります。また、府の老人医療制度の対象となる65歳から69歳の高齢者の方々に対しましても、国の老人保健制度の対象である70歳以上の方々と同水準の負担で済むよう一部負担金の助成を行うこととしたところでございます。  最後に、文化振興についてでありますが、去る9月18日に岡本道雄座長から懇談会の御提言をいただいたところでございます。この提言では、文化を府民一人一人の日々の生活や人と自然とのかかわりの中からとらえるとともに、京都の歴史を振り返りながら、これからの文化を担う者の精神として「21世紀の風流」が求められているところでございます。風流とは「古きものや新しきものに接して魂が打ちふるえ、内なる力が自由奔放に沸き出ることであり、本来熱きものである」との説明を受けました。私もこれからの文化振興の精神として共鳴を感じた次第であります。京都府といたしましては、府民、市町村や企業、各種団体などにこの提言の趣旨をお知らせいたしまして、ともに文化振興に努めてまいりたいと存じます。また、古典芸能や各地域での伝統文化を継承発展させることなど、議員御指摘の趣旨も踏まえ、提言で述べられております文化に親しむ機会づくりや環境づくり、さらには文化振興の仕組みづくりに順次取り組みまして、地域特性を生かした府民文化の振興を図ってまいりたいと考えております。  先日、友好盟約の締結のためにスコットランドのエディンバラに出張させていただきましたが、その折がちょうど世界で有名なエディンバラの国際芸術フェスティバルの開催中でございました。町中は世界からの人々で沸き立っておりましたが、どの劇場に行きましても、またホールに行きましても、家族連れも含めて満員でございまして、いろんな演奏を聞いたり、あるいは演劇を見たり、スピーチを聞いたりと、いろんなことでございました。家族連れ、本当に何というか、気楽にみんながいろんなそういうものを楽しんでいるという雰囲気が満ちておりました。また、そういうホールや劇場だけではなく、街頭を歩きますと、街頭のあちらこちらで人だかりがしておりまして、何かと思って見てみますと、個人参加の芸術参加者だということで、よく言えばそうですけれども、大道芸人みたいなことかもわかりませんが、そういう人たちの芸をみんなが楽しんでいる、本当に身近にみんなが自分のものとして楽しんでいる、こういう雰囲気がございまして、こういう雰囲気はうらやましいなぁと、ぜひ京都も将来そういうふうな雰囲気の町になってほしいなぁという感じを持ちましたり。また先般、アスペンのいろんな方々の生活を聞いておりましたところ、私はアスペンの位置がロッキー山脈の山の中でございますので寂しいだろう、テレビなんかどうしていますかというような話を聞きましたら「そんなの全然寂しくもない。テレビなんか夏の間は全部しまってしまっている」。きょうはテレビ放送していながらこういうことを言うのはいけませんが、テレビなんかはもうしまってしまっている。音楽だ、いろんな自分たちの会話だということで本当に楽しいという、文化そのものをみんなが楽しんでいると、そういう生活のようでございまして、とにかく我々の生活を振り返りますと、若干まだまだ文化性の底が浅いという感じがいたしておりまして、ぜひそういう形でこの提言等も実現するものは実現していきたい、このように思っている次第でございます。 6: ◯議長山本直彦君) 安原教育長。    〔教育長安原道夫君登壇〕 7: ◯教育長安原道夫君) 植田議員の御質問にお答えをいたします。  京都総体一人一役活動の成果についてでありますが、その活動の内容として準備段階にありましては、テーマ・スローガン・大会賛歌等の策定には先催県を超える約3万 7,000名もの中学・高校生の応募があったのを初め、自作のテレビ広報番組や総体弁当の献立のアイデアを提案するなどの新たな取り組みを行いました。また大会では、式典音楽への参加、各競技や運営の補助員として、あるいは手づくりの花や風船による会場装飾、駐車場整理、弁当の受け渡し、ゆかた姿での案内業務、記録センターの補助など、各分野において活躍し、大会成功の立て役者となっていただきました。京都総体は高校生にとって貴重な体験学習の場となり、教職員や関係者の指導も相まって、大きな力を発揮してくれたと存じております。  今後の教育の推進に当たっても、できる限り高校生に活動の機会をつくることは有意義なことと考えております。一人一役活動の成果を一過性に終わらせず、体育・スポーツの振興はもとより、文化・芸術活動やボランティア活動の推進に生かし、高校教育全体の活性化につなげてまいりたいと考えております。  次に、来年4月に設置する新たな学科についてでありますが、久美浜高校「総合学科」は、従来の普通科・専門学科の枠を越えた高校教育改革のパイオニア的役割を果たすものとして、自然科学、国際文化、文化教養、生産科学、福祉の5系列を設け、多様な選択科目を用意することといたしております。特に高齢化社会にも貢献できる人材の育成を目指した福祉系列では、今議会に実施設計などの予算をお願いしております福祉実習棟を新築し、京都府の公立高校で初めて介護福祉士の受験資格が得られるようにいたしているところでございます。また、園部高校「京都国際・福祉科」は、国際的な視野と福祉の心を携え、世界に貢献できる人材の育成を目指し、国際交流と福祉教養の2系統を置き、海外への研修や福祉施設との交流などを行うことといたしております。  卒業後の進路でありますが、両校とも国公私立大学等への進学や官公庁、企業への就職など、多様な進路に対応してまいりたいと考えております。特に久美浜高校では38単位の福祉関連科目を生かした進路、また園部高校では英語検定などの資格取得や福祉マインドを養うなど、それぞれの特色を生かした希望進路が実現できるよう指導してまいりたいと考えております。  さらに学科説明会におきましては、両校ともそれぞれ定員を超える参加者がございまして、体験学習にも積極的に取り組むなど、新学科に対する中学生の熱い期待を感じているところでございます。今後とも学校を積極的に支援して、来年4月の開設に向けて万全を期してまいりたいと考えております。 8: ◯議長山本直彦君) 次に、新井進君に発言を許します。新井進君。    〔新井進君登壇〕(拍手) 9: ◯新井進君 日本共産党の新井進です。私は日本共産党議員団を代表いたしまして、知事並びに関係理事者に質問をいたします。  質問に入ります前に、さきに行われました城陽市長選挙の結果について、一言申し上げたいと思います。選挙戦の結果は、御承知のとおり、公立幼稚園や保育園の廃園計画の中止、下水道の整備、ダンプ専用道路の建設促進、大規模スタジアム計画の見直しなど市民の切実な願いを掲げ、「市民が主人公」の市政を目指す大西忠氏が、広範な市民の皆さんの支援を受け、現職市長を大差で破って勝利しました。良識ある審判を下された城陽市民の皆さんと、そして連日大西忠氏勝利のために奮闘された多くの皆さんに心から敬意を表します。私ども日本共産党は、「新しい城陽をつくる会」の参加団体である「新しい民主市政を築く市民の会」の一員として、広範な保守、無党派の市民の皆さんとともに全力を尽くして奮闘し、新しい城陽市政の誕生の一翼を担えたことを誇りに思うものであります。  今回の城陽市長選挙は、改めて地方自治のあり方を問うものとなりました。それは、前市長が自治体の財政規模も考えず大型公共事業を推進し、財政危機を招いた上、その立て直しと称して、公立保育園や幼稚園の廃園計画を進める、切実な願いであるダンプ専用道路の建設は後回しにする、そしてこうした市政への批判には耳をかさない市民不在の市政を推進してきました。このような市政のあり方が地方自治体の役割を投げ捨てたものであることはだれの目にも明らかでした。だからこそ、政治的立場がどうであれ、「もう市政を刷新しなければならない」、この思いで保守・革新・無党派を問わず広範な市民の共同が大きく広がったのです。「住民こそ主人公」「住民の暮らしを守る仕事を第一に」との当たり前の地方自治体を求める城陽市民の皆さんが市政を大きく変えたのです。もう1つは、こうした市政刷新を願う市民の共同の広がりに対し、相も変わらず「共産市政の復活許すな」との反共攻撃で押さえ込もうとしたやり方が、マスコミも「前時代的な共産党攻撃」と批判するなど、もはや通用しなくなってきていることを城陽市民の良識が示したことです。  私ども日本共産党は、今後とも住民こそ主人公の城陽市政の発展のため、大西新市長を支え、全力を挙げる決意であります。同時に、この間、リゾート開発の破綻や原発建設をめぐって戦われた久美浜町長選、大企業の身勝手なゴルフ場開発が争点になった京北町長選、学研開発が大きな争点になった精華町議選など、府下各地の選挙戦で、京都府や大企業言いなりの開発行政中心ではなく、住民の暮らし第一の住民こそが主人公の地方政治を求める声が今大きく広がっています。こうした流れをさらに広げ、京都府政を初め、府下のすべての自治体で憲法と地方自治法の精神に沿った住民の願いが生かされる地方自治を確立するため、一致する要求で広範な府民の皆さんと共同して一層奮闘する決意を表明するものであります。  さて質問の第1は、9月1日から実施をされた医療保険制度の改悪の問題です。  先日、私どもの議員団にこんな電話がかかってまいりました。「持病の心臓病で仕事をやめ、今は年金生活。妻と2人で年金は月々18万円。きょう医者へ行って9種類の薬をもらったら、1万円余りもの支払いになった。妻も通院している。国の財政が苦しくなったか知らんが、わしらの責任と違う。一回病院の窓口がどんなことになっているか、国会議員だけでなく、知事や市長も見にこい。これでは不安で生きていられない。少ない預金を使い果たしてもいつまでもつか。金のない者は死ねということか」、こういうものです。  今回の医療保険制度の改悪は、多くの国民の反対の声を押し切って、2兆円もの負担増を押しつけるという全くひどいものです。ですから、9月1日から医療機関の窓口では本当にさまざまな問題が発生しています。抗がん剤を使っている患者さんは、1回2万円、検査を入れると月3~4万円かかる、もう生きていけない、こんな訴えもされています。「もう受診をやめる」と予約をキャンセルする患者さん、「薬を減らしてほしい」とお医者さんに申し出る方など、深刻な事態が生まれています。また、薬代が幾らかかるかわからないことから「きょうは持ち合わせがないのですが」と申しわけなさそうに言うお年寄りなど、不安いっぱいで病院に来るという事態です。これでは「お金がないから病気になっても病院に行かない。病状が悪化してからお医者さんにかかる」となって、結局医療費が高くなります。医療関係者の多くの方が指摘してきたことが現実のものとなっているのです。知事は、6月議会での我が党の質問に対して、この医療改悪は「保険体制の安定的維持のため、世代間負担の公平のためやむを得ないもの」と答弁をされましたが、このような深刻な事態を前にしても、いまだに「やむを得ない、我慢をしろ」との認識でおられるのですか。お答えください。  また、政府・厚生省が今後さらに医療保険制度を抜本的に改悪する方向を既に打ち出しています。その内容は、サラリーマン本人の負担を3割にする、大病院の外来は5割負担とする、高齢者については独自の高齢者保険をつくり、年金からも保険料を徴収し、医療費負担は1割ないし2割の定率負担にする、難病患者にも3分の1の負担をさせるなどです。今の3倍、4倍の医療費の負担をさせようというものです。その上、都道府県に対しても、医療費適正化の名目で病床数の削減などの計画を作成することや、医療費給付が全国的水準よりも高いところはその一定額を都道府県が負担することを求めるものとなっています。政府は医療保険の赤字を理由にしていますが、外国に比べても 1.5倍から3倍は高い薬価基準の見直しや国の補助金を元に戻せば、国民への負担増の必要はありません。知事は、こうした政府厚生省の一層の医療保険制度の改悪も、保険制度維持、負担の公正のためやむを得ないことと考えておられるのですか。お答えください。  本府は、9月1日から、重度障害老人及び重度心身障害児、母子家庭等への医療費給付事業で、今回自己負担となった薬剤費の一部負担についても助成を行うことを決めましたが、高齢者の医療費負担増や薬剤費負担には助成措置を行いませんでした。知事は6月議会において、低所得の高齢者には配慮されていると答弁しましたが、今回国が措置したのは、住民税非課税世帯の老齢福祉年金受給者だけです。京都での対象者はわずか1%、 4,000人足らずにすぎません。知事、これは実際にある事例ですが、81歳と77歳の老人世帯で、御主人が入院。医療費は1カ月3万円、入院給食費は減額措置をして1万 9,500円です。合わせて1カ月4万 9,500円が必要です。この御夫婦の収入は、2人の年金を合わせても5万 8,100円です。何かのためにとわずかの蓄えがあるために生活保護も受けられません。御主人の医療費を払えば、手元に残るのはたった 8,600円になってしまいます。これで奥さんは1カ月どうして生活することができるでしょうか。今多くの高齢者の方々は3万、4万の年金で生活をされているのです。こうした高齢者も入院するためには最低5万円は必要となります。これでは病気になっても入院すらできません。私どもの試算では、新たに20億円あれば高齢者の方々の新たな負担増を助成することができます。そして、これを含め35億円あれば、高齢者の医療費・薬剤費負担の増と障害者や母子家庭などの福祉医療対象者も含めた入院給食費の公費助成ができます。住民の命・健康を守る仕事は地方自治体の最優先の仕事であり、今緊急を要する課題になっています。高齢者の医療費負担増や薬剤費の一部負担、入院給食費についても、この際、公費助成を行うべきではありませんか。知事の心ある答弁を求めます。  次に、国・地方の行財政改革、リストラ問題です。  橋本内閣は、さきの財政構造改革会議の最終報告を受け、これに沿った来年度予算の編成と財政改革法案を臨時国会へ提出しようとしています。その内容は、まさに国家的リストラとも言うべきもので、財政再建の名のもとに、あらゆる部面での国民への犠牲の押しつけとなっています。来年度予算の概算要求を見ても、厚生省はさきに述べた医療分野での大幅削減とともに、児童手当や児童福祉手当の削減、生活保護予算の削減、高齢者保健福祉計画の抑制など、福祉のあらゆる分野に及んでいます。また、教育でも高校の40人学級実施や養護教員の複数配置の先送り、私学助成の大幅削減などです。地方自治体に対しても、補助金の1割一律カット方式を打ち出し、さらに交付税の抑制を図るため、地方の歳出を削減する自治体リストラを一層強要しようと、今自治省は新たな指針づくりに着手しています。これは地方自治体の自治権を露骨に侵害するものです。  政府は、国民や地方自治体に痛みを押しつけながら、財政危機を招いた最大の原因であるむだな大型公共事業にはメスを入れず、 630兆円もの公共投資計画は、総額はそのままに実施を3年間おくらせるだけというものです。さらに軍事費もわずかの削減で、一方で沖縄の米軍基地移転などに伴う予算は別枠としており、軍事費総額では拡大するものとなっています。このような国民生活を破壊し、地方自治を侵害するような財政改革推進はやめ、公共投資や軍事費の抜本的見直し、削減で財政再建を図るべきと知事として国に意見を言うべきと考えますが、いかがですか。  また本府としても、国が新たに押しつけようとしている自治体リストラにどう対処するのかが問われています。知事は、本年2月定例会で、平成7、8年度で 430人の職員の削減などを行い「今後新しい行政推進大綱に掲げている地方機関の見直しや職員定数の適正管理など 148項目について、順次具体化に向けた取り組みを進める」と答弁をされました。しかし、この新しい行政推進大綱は「スクラップ・アンド・ビルドを基本とし、事業の縮小、廃止、統合など見直しの一層の徹底や経費の節減合理化を進める」として、福祉や医療、教育などの府民サービスを切り捨てるものとなっています。現に、この間行った人員削減では、他府県に比べてもともと少ない教職員をさらに 314人も減らしたものであり、福祉関係でも22人減らすなど、教育や福祉を後退させたものでした。  また、組織・機構の見直しでも、進められようとしているのは保健所の廃止・統合であり、農業改良普及センターや家畜保健衛生所の縮小・廃止ではありませんか。今さら言うまでもありませんが、保健所は府民の健康と安全にとって極めて重要な役割を果たしており、「これをもっと充実してほしい」、これが市町村を含め広範な府民の願いとなっています。「新しい行政推進大綱」にこの保健所の「見直し」と明記されたことから、関係者の中に不安が広がっています。知事として、この際、保健所の廃止・統合は行わないことを明確にすべきではありませんか。  また、畜産を初め農業が大変な危機に直面しているときだからこそ、農業改良普及センターや家畜保健衛生所など、できる限り農家の身近に、いつでも相談に乗れる体制をとるべきではありませんか。  さらに、事務事業の見直しでも、この間、92年に腎臓障害者通院交通費支給が 7,000円を超える分の2分の1の支給をしていたのを1万円を超える分に改悪、無認可共同保育所への助成措置も95年度から毎年箇所数も予算も減らしていくとか、95年には厳しい財政状況の中で運営している商工会や難病患者団体など、団体の実情を無視して補助金を一律1割カットするなど、暮らし・福祉・医療など切実な願いでつくられた諸制度をどんどんと削ってきています。  このようにわずかな金額にかかわらず福祉・医療は容赦なく削減しておきながら、同じ時期に、巨大スタジアム公園の用地買収には30億円もつぎ込むなど、大型公共事業推進は何の見直しもされていません。事務事業の見直しと言うのなら、今後、府財政の大きな負担になる巨大スタジアム建設や和風迎賓館の建設など大型公共事業をこそ見直すべきではありませんか。お答えください。  第3の質問は、介護保険制度にかかわってであります。  公的介護保障の制度は、これまでの家族介護依存から公的介護中心へと根本的に改め、希望者全員に一定水準の介護を保障するものでなければなりません。政府の介護保険制度の第1の問題は、このままでは保険あって介護なしという事態になるということです。本来、保険制度を導入する以上、24時間対応のホームヘルプ、いつでも利用できるショートステイ、待機なしの特別養護老人ホームなどの整備が必要です。ところが、政府のゴールドプランも本府の高齢者保健福祉計画も、こうした必要性を満たすものとはほど遠いものとなっています。  例えば本府の場合、在宅要介護老人数は1999年度、2年後には2万 6,952人と推定する一方で、ホームヘルプサービスの計画は 131万 6,000回となっています。1人のお年寄りに週3回のサービスをするとしたら、 8,400人余り、3分の1のお年寄りしかホームヘルプサービスを受けることができません。残り1万 8,000人を超える方は、保険料を払って、介護が必要な状態にあるのにサービスは受けられないことになります。また特別養護老人ホームの建設も 6,240床確保するとなっています。既に今年度末で 5,490床確保できる見込みで、計画残は 750です。ところが、待機者は京都市内を含めれば約 3,000人にも上るのです。  知事は1994年6月議会での我が党議員の質問に対し、特別養護老人ホームについて、計画を実現すれば「目標年度には待つことなく施設が利用できる体制」が整えられると答えられました。しかし、現実はこれと大きくかけ離れています。知事はこの答弁にどう責任を持たれるのか、お答えください。  しかも、この不十分な計画すら市町村の7割が、介護保険をスタートさせようとする2000年3月までには達成は無理と答えているのですから、このままでは、保険制度ができても保険あって介護なしとなってしまいます。市町村の担当者の方は「このままでは、住民の方からは保険を払っているのになぜサービスを受けられないのかと怒られる」、このように困惑をされています。知事、この際、計画を抜本的に見直し、必要な人材の確保と施設整備に全力を挙げるべきではありませんか、お答えください。  そして、国に対しても、公的責任で人材の確保や施設整備を進めるよう要求すべきです。さらに介護保険法に、希望する要介護者のすべてが介護給付が受けられるよう国の責任で体制を整備しなければならない、このことを明記するよう政府に求めるべきではありませんか。  また、大宮町など幾つかの市町からは、新たに特別養護老人ホームの建設を希望しても、国・府から「当初の計画に入っていないから認められない」と言われているとの声があります。このような態度をとるべきではありません。市町村が必要と判断した計画は、積極的に支援をする態度をとるべきではありませんか。  さらに介護保険のメニューにはリハビリがありますが、理学療法士や作業療法士の確保は極めて困難です。府の計画でも、府立医科大学医療技術短大での養成を検討するとされていますが、いつになればこれが具体化されるのですか、お答えください。特に北部地域の市町ではこれらの人材確保が人件費補助がないこともあって困難となっています。ですから、病院や施設へ派遣を要請せざるを得ないという状況です。しかし、病院側の都合などで派遣を断られるというケースも生まれており、この際、京都府としてこうした人材を確保し、必要な市町村への派遣を行うなどの体制を検討すべきと考えます。いかがですか。  介護保健法のもう1つの問題は、高齢者に大変な負担を押しつけ、支払えない高齢者や低所得者は介護給付から排除されかねないということです。政府の案は、年金だけで生活する高齢者からも平均 2,500円、夫婦で 5,000円の保険料を取るというものです。その上、給付を受けるときには所得に関係なしに利用料の1割を負担しなければなりません。そして保険料を払えない場合は、特別養護老人ホームにも入れず、ホームヘルパーにも来てもらえない。保険料を払っていても、1割の利用料が払えなければ利用できないということになってしまいます。ですから、東京の武蔵野市長は、全国の市長に手紙を出して「未納者にはペナルティーを科すということは、未納者はどんなに困っていようが見捨てておけということでしょうか。これではまるで市町村長は鬼のような役割をやれということではないか」と訴えています。  知事、今回の介護保険法制定に当たっては、住民税非課税世帯の高齢者や所得者からは保険料を徴収しない、そしてこれらの人々は老人福祉法に基づく措置などを行うこととし、すべての必要な国民が介護が受けられるシステムとなるよう政府に申し入れるべきではありませんか。政府が今進めようとしていることは、わずかな年金で生活するお年寄りに対し、医療制度では高齢者保険をつくり、掛金を徴収し、自己負担も1割から2割を負担させる、介護保険でも保険料を徴収し、利用料も1割を取る。これでは高齢者はどうして生活しろというのでしょうか。まさに今、国言いなりの態度では府民の命と暮らしを守ることはできません。今こそこのようなお年寄りいじめの国の政治にきっぱりとした態度をとり、地方自治体として京都府は高齢者の暮らしを守る防波堤の役割を果たすべきと考えますが、知事の見解を明らかにしてください。  次に、京都経済の問題についてであります。  経済企画庁が発表した4月から6月の国内総生産は、石油ショック以来23年ぶりの大幅な落ち込みをしました。この原因は、個人消費の落ち込みが4兆円となっているとおり、4月からの消費税の増税、特別減税の廃止、医療保険の改悪など、政府が進めた9兆円もの国民負担増にあり、G7でも厳しい批判の声が出されています。こうした消費不況の拡大は、和装伝統産業や観光を初め、主に個人消費に支えられている京都の経済にはより深刻な打撃となっています。知事は、これまで消費税の増税は「バランスのとれた税体系を目指すもの」と容認されてきました。今日の事態は、こうした態度が府民の暮らしと営業、京都経済に重大な責任を負うべき知事として全く無責任極まりない態度であったことを露呈する事態となっています。  また私は、先般発表された「平成8年度事業所・企業統計調査結果」を見て愕然としました。それは前回、5年前と比較し、本府の事業所は約 7,000、 4.5%の減少です。これは全国平均の 7.5倍です。減少率で京都よりひどいのは兵庫県ですが、兵庫の場合はあの大震災の影響があったことから、実質的なワーストワンが京都となっています。就業者数もわずか 0.8%増で、全国平均の6分の1という状況で、文字どおりワーストワンです。しかも、京都は男性の就業者数は全国でただ1つマイナスとなっているのです。これはまさに京都の経済と雇用の状況が全国最悪であり、異常な事態となっていることを示しています。  問題は、京都の経済がなぜこのような深刻な事態に陥ったのか、本府として適切な施策がとられたのかということです。バブルがはじけ深刻な不況局面となった1991年以降、本府が行った不況対策の中心は公共事業の拡大にありました。1991年に比べ、普通建設事業費は決算で見て92年、93年はそれぞれ前年比20%増、毎年 300億円ずつ増額し、95年までの5年間で1.63倍、 932億円の増となっています。また知事は、丹後リゾート開発を丹後地域振興のためにと言い、巨大スタジアムの建設も地域振興の起爆剤にと位置づけるなど、大型公共事業、開発事業が地域振興に役立つとの考えで進めてこられました。しかし今日の事態は、こうした施策が京都経済の活性化にはつながらなかったことを浮き彫りにしました。そして一方、京都の経済の主役である中小企業、伝統地場産業への対策は全くの無策となっていたことです。この不況時の中小企業振興のための商工予算を見れば、この期間、82億円弱の伸びで、建設費増額のわずか10分の1にも満たないものとなっています。こうした結果、本府の平成9年度商工行政施策の大綱でも「豊かな社会づくりの基盤とも言える経済活力が失われていくことが懸念される」と、みずから危惧を表明せざるを得ない事態となっています。読売新聞の全国調査でも、不況対策として巨額の公共事業がばらまかれたが「地域経済への波及効果は期待されたほど大きくなかった」とし、「公共事業に頼っていることで地方の自立的な産業の発展が妨げられている」と指摘しています。  このように、京都経済の実情を無視し、大型公共事業やイベントで不況対策、経済活性化対策を進めてきた知事のやり方はまさに破綻をしています。今何よりも求められていることは、こうした大型公共事業中心で経済活性化を求めるやり方を根本的に改め、京都経済の主役である中小企業、伝統地場産業の振興、活性化に全力を傾ける方向へ大きく転換することではないでしょうか。知事の見解をお伺いいたします。  そこで、具体的な問題で3点質問いたします。
     その第1は、官公需発注の問題です。  本府が公共事業を拡大しているにかかわらず、今日、建設業が繊維関係を上回って府内倒産件数の1位を占める事態になっていることは、公共事業の執行に当たっても、中小企業振興をなおざりにしてきた本府の姿勢が反映をしています。これまで知事は、我が党の中小企業への官公需発注率を引き上げるべきとの要求に対し、 1,000億円を超えているとか、大型公共事業が多かったなど言いわけに終始されてきました。しかし、政府ですら「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」に基づいて、不十分でも毎年目標と方策を定める閣議決定を行っているところです。ところが、本府の場合、同法第7条に「地方公共団体は、国の施策に準じて、中小企業の受注機会を確保するために必要な施策を講じるよう努めなければならない」とされているにかかわらず、目標も方策も定めていません。しかも、官公需発注庁内連絡会議も年2回程度の開催で、1回は国の方針を伝えるためのものであり、もう1回は前年実績の取りまとめをするためのものです。まさにおざなりなやり方と言わなければなりません。あらゆる機会をとらえ、京都の中小企業を育成しようとする姿勢が本府にないことを示しています。こういう姿勢ですから、蜷川府政時代は、全国の自治体の発注実績の平均を10%以上上回っていたのが、1992年度からは全国平均を下回るという事態になっています。改めて法律に基づいて、国と同様に毎年度の中小企業への官公需発注の目標を設定すること、その際、国は今年度、過去最高の目標を設定し、実現しようとしているのですから、本府も蜷川府政時代の水準である80%台へ思い切って引き上げる措置をとるべきと考えますが、いかがですか。これをすれば、不況に苦しむ中小企業に対し 200億円を超える仕事を新たに確保することができます。あわせて、これを実行するためにも、中小企業者への発注情報の提供、分離・分割発注の具体化、官公需適格組合等の活用など、本府として具体的な方策を持つべきではありませんか。知事の見解を明らかにしてください。  第2は、中小企業、伝統地場産業への支援の問題です。  今深刻な事態にある西陣織や丹後機業など和装・伝統産業に対する今年度の予算がわずか1億 8,000万円で、学研記念公園の年間管理費1億円と大差がないという、極めて不十分な状況にあることは既に厳しく指摘してきたところです。さらに府の商工行政施策の第1の課題として「21世紀に光る京都産業の育成」を掲げながら、その大きな柱である中小企業への技術支援体制が極めて不十分となっていることです。日本海側の福井県や石川県などは、新たな産業集積を図るため、その技術支援体制の強化を図り、企業誘致にとどまるのではなく、関連の地元中小企業への支援体制を強化しています。ところが、本府の場合、同じ日本海側の北部地域中小企業の振興と言いながら、中小企業総合センター北部技術支援室はわずか嘱託2名の体制であり、予算も人件費2人分を含めて 800万円余りです。これでは北部地域の機械金属を初めとした新製品の開発や技術の高度化などの要望にこたえられないことは明らかです。さらに、中小企業総合センター自身も今日の中小企業の要望にこたえられず、必要な機器がないとか体制が不十分などからセンターでは対応できず、高い料金を払って民間の試験研究機関に頼ったり、他府県の試験研究機関に回ったりしているのが現状です。これは、本府の中小企業総合センターと織物指導所を含めた技術相談件数が、 1,000事業所当たりで 443件、試験依頼や分析等の施設利用が 298件となっているもとで、福井県が技術相談で 1,463件、施設利用が 993件と3倍以上にもなっていることを見れば歴然としています。まさに和装・伝統産業だけではなく、新しい産業の育成を図る支援体制の上でもまともな対策が打たれていないことを示しています。さまざまな不利な条件を抱える京都の中小地場産業が国の経済構造改革政策のもとでも発展できるよう、中小企業総合センターの設備や人員体制の抜本的強化、とりわけ北部技術支援室の強化など北部での体制強化を図るべきではありませんか。  第3は、小売商店・商店街対策についてです。  ここでも知事が本気で中小小売店を守るつもりがあるのかが問われる事態が生まれています。福知山へのジャスコ進出に対し、地元商工会議所は大幅な規模縮小の意見を提出していました。ところが福知山市長は、1万 2,000m2を超える規模の店舗を必要とする意見書を知事に提出しました。これを受けて知事が大店審に提出した意見書は「この出店調整に当たり、福知山商工会議所等の意見とともに福知山市長の意見を踏まえた取り扱いをしていただく必要があると考える」としたものです。これでは、大幅な規模縮小を求めた商工会議所の意見もあるが、市長の意見を踏まえて相当規模の店舗を認めるべきとするものです。この知事の意見書には、大型店進出で苦況に立たされている中小小売商店や商店街の苦難を軽減しようとする立場が全くありません。また、京都府と京都市が出資し建設した京都駅ビルに進出した伊勢丹が9月11日オープンし20日がたちましたが、今、この伊勢丹と既存の百貨店のすさまじい競争が繰り広げられています。これが北部は園部、綾部から、南は宇治、城陽など広範な京都の小売商店や商店街に大きな打撃を与えるであろうことは、既にマスコミも指摘しているところです。我が党が繰り返し要求してきたとおり、大型店の進出を規制するための大店法の改正、さらには京都独自の規制要綱などが必要となっていることは、ますます明らかです。  そこで、知事にお伺いしますが、我が京都府議会はさきの6月議会において、全会一致で「中小小売商業の振興に関する意見書」を採択しました。この内容は、大型店の出店が中小小売業に深刻な影響を与えており、さらには地域社会の崩壊や交通問題、生活環境破壊も引き起こしているとして、大型店の無秩序な進出を抑えることができるよう大店法の見直しを求めるものでした。知事は、こうした議会の立場と同様に、大型店の進出を規制する方向への大店法の見直しが必要と考えられておられるのか、お答えください。  また、ライフ壬生店の増床計画に対し、府の大店審は「当該地域は直近に商店街などの商業集積も見られ、地域の消費者の利便性は既に一定の水準にある」こと、また開店後1年余りの間に「近隣の商業環境が好転したとは考えられない」ことから、「京都市及び京都商工会議所、並びに当該地域の中小小売業者から提出された意見にも配慮して増床は認められない」という結論を出し、知事もこれを受けて、増床を認めないと決定しました。知事は、今後、このライフ壬生店と同様、地域消費者の利便性が確保され、近隣商業環境に大きな変化がない限り増床は認めない方針を堅持されるのかどうか、お伺いいたします。明確な答弁を求めます。  次に、教育問題についてであります。  8月28日、来年度の府立高校の募集定員等が発表されました。昨年度は嵯峨野高校京都こすもす科の設置、今年度は西宇治高校などに単位制の導入、そして来年度も新たに久美浜高校の総合学科設置などが行われます。このように、府教委が1984年に現在の類型制度と広域通学圏を2つの柱とする制度に変更してから、猫の目のように高校制度は改編、細分化され、合否判定の基準が極めてあいまいな推薦入学枠の拡大が図られ、中学校の進路指導と生徒や父母に混乱と不安をもたらしています。中学校の進路指導の先生は、願書を提出するにも40通り、50通りの組み合わせを考えなければならないという事態です。  本来、高校時代にこそみずからの個性や適性に合わせた進路を決める力をつける時期ですが、多くの高校生が高校入学前に複雑な類型や学科、コースの早過ぎる選択が迫られ、入学後に興味や関心が変わっても変更できないという袋小路に追い込まれています。現にできるだけ留年させないという方針のもとでも、中途退学者は毎年約 1,000人にも上り、その理由の第1は進路変更となっているのです。また、嵯峨野高校京都こすもす科のように、府下一円を校区とする大学区制の学校では、遠くは丹後などから入学し、1人でアパート暮らしで高校生活を送る、試験時期になれば伸び盛りの高校生が外食やファーストフードばかりの偏った食事とならざるを得ない事態が生まれています。また、毎日綾部から通学し、勉強と通学だけでくたくたとなり、クラブ活動どころではないという生徒も生まれています。単位制が導入された西宇治高校でも、南山城村からの通学生もあり、有名大学への進学を目指すのが当たり前という雰囲気の中で、授業もクラブも宿題もとなり、多くの生徒が疲れ、保健室に来る生徒がふえるという状況です。これが本当に人生で最も伸び盛りで楽しい高校生のあるべき姿でしょうか。  また、父母も子供の希望をかなえてやりたいと思えば、高い通学費や下宿代などの大きな負担を覚悟しなければなりません。そして他方では、高校間格差が広げられるもとで、希望どおりの高校に入れず、他校ヘ回された生徒は入学したときから挫折感を味わわされる事態となり、勉学や高校生活への意欲をそぐものとなっています。ですから、府教委も1995年からI類の活性化のためにとコース制を導入しましたが、ある高校では情報コースが設置をされ、中学校への説明ではコンピューターは生徒1人に1台、家に持ち帰ってインターネットもできると説明されながら、コンピューターは購入されず、専門教師も配置されていません。入学後、生徒も父母も失望するという事態です。嵯峨野高校京都こすもす科や単位制では数人でも講座を開講する体制をとるとしながら、他方ではこんな事態をつくり出しているのです。また、マスコミからも「効率面だけで統合してしまう府教委の姿勢には疑問を感じる」と批判された定時制高校の募集停止、障害児が往復3時間もの通学時間を要する養護学校新設の放置など、弱い立場にある子供たちは、府教委の切り捨ての対象とすらなっています。  そこで、教育長に質問いたします。  まず第1は、高校制度改編について、教職員や地元の父母、関係者が全く知らない間に一方的に決められる、さらに府教委や校長の意に反する意見を持つ父母や教職員とはまともな話し合いすら持たない、このような閉ざされた教育行政を改め、父母、教職員、住民の参加と合意による教育行政、学校運営へと転換すべきではありませんか。お答えください。  そして、これは教育委員長にお伺いいたしますが、こうしたさまざまな問題を生み出している高校教育について、教育委員の皆さんが忌憚なく父母、住民の声を直接聞く公聴会を各地域で開くことを提案します。ぜひ、見解をお聞かせください。  第2は、府教委として、府民的な討論を踏まえ、現行の高校制度を抜本的に見直すべきではありませんか。その際、普通科の類型別募集を廃止し、入学後に多様な興味や関心、進路希望に基づいて教科、科目が履修できるよう、少人数の講座を特定の学校だけでなくどの学校でも開設できるよう教育条件を整備する。大学受験についても2年生、3年生の選択教科、科目を保障することで、どの学校でも豊かな学力をつけることができるよう整備を進めるべきではありませんか。そして、希望するすべての中学生を地域の学校へ入学できる保障をつくるべきです。  第3は、市内の中学生の半分が遠くの高校に振り分けされざるを得ない亀岡に高校を新設すること、障害児の通学時間の短縮と、適正規模をはるかに超えている養護学校の現状を改善するための養護学校の新設などは緊急の課題です。また、与謝の海養護学校など老朽化した校舎の改築も急がれなければなりません。こうした教育条件を整備し、どの子にも行き届いた教育を進めることこそ京都府の責任です。こうした課題にどう取り組まれるのか、答弁を求めます。  最後に、憲法と平和の問題についてであります。  日米両政府は、先日新たな日米防衛協力指針、いわゆるガイドラインを国会にも諮らず最終合意を行いました。この内容は、従来の「日本が武力攻撃を受けた際」の共同作戦だけでなく、「日本周辺地域における事態」、つまり日本への軍事的脅威もない状態(発言する者あり)、日本有事とは無関係なアメリカが引き起こした軍事行動に、基地の提供だけでなく(発言する者あり)── 10: ◯議長山本直彦君) 静粛にお願いします。 11: ◯新井進君(続)日本の経済力、軍事力を総動員して協力をする枠組みをつくることにあります。(発言する者あり)静粛にしてください。  しかも、「周辺事態」とは「地理的なものでない」として、アジア、太平洋はもちろん、日米共同作戦を地球的規模に広げようというものです。そのために、先日来、自衛隊基地や米軍基地だけでなく、民間の港湾施設に相次いでアメリカの空母や強襲揚陸艦が入港しているように、日本全土を米軍の自由出撃と兵たん支援の最前線基地とするため、民間の空港、港湾も米軍が自由に使えるようにしようというものです。既に舞鶴港も桟橋の延長、水深の掘り下げ工事が進められ、米軍艦などの使用に耐えるものに整備が進められています。さらにこれらに対応した国内体制をつくるための有事立法も国会に提出されようとしています。  新ガイドラインでは、「後方地域支援を行うに当たって、日本は中央政府及び地方公共団体の機関が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用する」とされています。まさに地方自治体にとっても「防衛問題は国の固有事務」と傍観するわけにはいかない事態となっているのです。米軍が必要とした場合、「日本は施設・区域の追加提供を適時かつ適切に行う」としており、外務大臣は国会の答弁で「民有地あるいは公有地の提供があり得る」と答えています。さらに地方分権推進委員会の第3次勧告でも、米軍用地の強制使用手続は、都道府県の収用委員会の権限を奪い、国が強制使用できる仕組みとすることを勧告しています。これは戦時中、堀川通りや御池通りの拡幅のため住民を立ち退かせ、接収したのと同様の措置がとられることであり、財産権の保障を明記した憲法違反の措置です。  また、既に1990年、アメリカ第7艦隊のブルーリッジが舞鶴港に入港した際の調査報告で、医療機関は舞鶴自衛隊病院だけでなく、舞鶴国立病院も活用できるとされ、海上自衛隊との協議が始まっています。祝園弾薬庫の弾薬輸送でも既に民間運輸業者がこれを行い、一般道路を走っているのです。このような民間人や民間施設の徴用は、政府の「有事法制研究」では自衛隊の第一線指揮官が都道府県知事に要請できるとしており、しかも民間人がこれを拒否すれば罰則規定まで設けるとしています。これは職業選択の自由を保障した憲法に違反することは明白であり、こうした憲法違反の行為を知事にさせようとするものです。  これらが、国際紛争の解決のための武力による威嚇行使を永久に放棄した日本国憲法に違反することはもちろん、国民の権利や財産権、地方自治権すら奪うものであることは明らかです。憲法99条は、「公務員は、憲法を尊重し、擁護する義務を負う」と定めています。この義務を負う知事として、こうした明白な憲法違反、そして現行安保条約にも反する新ガイドラインや有事立法の法制化を認めない立場を明確にすべきではありませんか。知事の見解をお聞かせください。  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 12: ◯議長山本直彦君) 荒巻知事。    〔知事荒巻禎一君登壇〕 13: ◯知事荒巻禎一君) 新井議員の御質問にお答え申し上げます。  医療保険制度についてでありますが、現在、医療の高度化や急速な高齢化により、我が国の医療費は毎年1兆円を超える規模で急増しており、平成7年度で年間27兆円、国民1人当たりでは約22万円に上がっております。このような中、だれもが保険証1枚で医療が受けられる国民皆保険体制を維持していくためには、世代間の負担の公平化にも配慮しつつ、給付と負担の見直しなどを内容とする健康保険法等の一部改正が行われたところでございます。京都府といたしましては、先ほど植田議員にもお答えいたしましたとおり、府の老人医療制度の対象となる65歳から69歳の高齢者の方々への単独助成制度については、国から廃止を含めた厳しい指導がある中ではありますが、国の老人保健制度の対象となる70歳以上の方々と同水準の負担で済むよう、一部負担金の助成を行うこととしたところでございます。  なお、国民医療のあり方につきましては、今後責任と権限を有する国会において十分な論議が行われるものと承知をいたしております。  入院時の食事療養費につきましては、従来から何度も申し上げておりますように、直接的な医療費の軽減を図る観点から、乳幼児・障害者の医療について改善を図り、平成8年12月から実施をしているところでございます。  次に、行財政改革についてでありますが、議員も御承知のとおり、我が国の社会経済情勢は、少子・高齢化の進展、生産年齢人口の減少など大きく変容しており、その中で国の財政は現在危機的状況にございます。こうした状況の中で、国においては21世紀に向けてさらに効率的で信頼できる行政を確立し、安心で豊かな福祉社会や健全で活力ある経済の実現という明るい展望を切り開くためには、経済構造の改革を進めつつ、財政構造を改革し、財政の再建を果たすことが喫緊の課題であるとし、一切の聖域を設けず、歳出の改革と縮減に取り組まれているものでございまして、危機的な財政状況の中で財政の健全性を回復し、その機能を適切に果たしていくために必要な措置であると承知をいたしております。先ほどからの新井議員のような御主張の点などは国会で十分論議していただきまして、国民の理解ができる結論を得るよう願っているところであります。  次に、地方機関の見直しにつきましては、昨年1月に策定しました「新しい行政推進大綱」に沿って取り組むことといたしておりますが、府民生活や市町村行財政への影響が大きいことから、これらに十分配慮するとともに、国の省庁や国の地方機関の再編、また地方分権の動向を見きわめながら、手戻りのないよう慎重に検討を進めているところでございます。  次に、事務事業の見直しに当たり、大型公共事業こそ見直すべきとの御意見についてでありますが、これまでから安心・安全で公平・公正な京都府づくりを基本に、府民の暮らしや健康を守る福祉・医療施策、教育についても府政の最重点施策として積極的に取り組んできているところでございます。京都府といたしましては、今後とも事務事業の見直しを進めるなど、健全財政を堅持しながら、保健福祉施策や教育、各種の中小企業対策や雇用対策はもとより、府民要望の強い道路整備などの公共事業、単独事業を着実に推進し、府民生活の安定と向上に努めてまいる所存でございます。  かつて景気の非常によい、税収の好調な時期におきまして、私どもはやはり世の中はいいときがあれば必ず悪いときがあるというところから、年度間の財源調整をして安定した健全な財政を保ちながら行政水準が税の悪いときに下がらないように、福祉なども下げないで済むようにと、こういうことで基金を積み、いろいろ工夫をやってまいりました。そのおかげで、現在こういう状況でございますけれども、行政水準を下げずにやっていくことができておるわけでございます。そのとき共産党は、金があるのならすべてその年に使ってしまえということを非常に強く主張されました。(発言する者あり)そういうふうに毎年のお金を使っておった場合には、現在、福祉の行政も含めまして、どういう状況になっているかということを(発言する者あり)── 14: ◯議長山本直彦君) 静粛に願います。 15: ◯知事荒巻禎一君)(続)現在の状況がどうなっているかということを考えますと、全く無責任な主張であったということを確信いたしている次第でございます。  私は、先日東京に出張しましたときに、ちょうど茨城県の知事選挙をやっておりまして、そのときの候補者の政見放送がたまたま東京都にも流れてきておりました。それを見ておりますと、共産党推薦の知事候補の発言が全くきょうおっしゃったことと一緒でございまして、とにかく借金がたまってけしからん、それは公共事業をやり過ぎだと。そういうことで、どこから出た指令かもしれませんが、やはり中央から同じ色で言われるということは、地方分権時代には共産党は合わない党だということを私はつくづく感じております。  高齢者の介護についてでありますが、京都府におきましては、京都府高齢者保健福祉計画に基づき、平成11年度の整備目標を定め、施設サービスと在宅サービスを車の両輪として、地域的にもバランスのとれた介護基盤の整備を進めているところでございます。施設サービスにつきましては、全国を上回るペースで整備が進んでいるところであり、また在宅サービスにつきましても、昨日大野議員にお答えしましたとおり、おおむね順調に進んでおるところでございます。計画の見直しにつきましては、介護保険法案において都道府県及び市町村は介護保険を円滑に実施するために必要な介護基盤の整備に関する計画を策定することとされておりますところから、京都府といたしましては、こうした動向も注視しながら、当面は高齢者保健福祉計画の早期達成に全力を挙げてまいりたいと考えております。  さらに理学療法士、作業療法士については、市町村等において必要な人材が確保できるよう、修学資金の貸与事業や研修の実施などの支援を行っているところでございます。京都府立医科大学医療技術短期大学部における理学療法士、作業療法士の養成につきましては、京都府内における需給状況を見きわめながら、引き続き研究してまいりたいと考えております。  なお、介護保険法案における保険料につきましては、所得に応じて設定され、低所得の方への負担は軽減されることになると承知をしているところでございます。いずれにいたしましても、介護保険制度の導入に当たりましては、本制度が国民の切実なニーズにこたえた水準の高いものとなるよう、また地方の立場から見て、財政面や人材確保の面においても安定したものとなるよう、国に対して強く要望しているところでございます。  京都経済の活性化についてでありますが、これまでから中小企業や伝統産業、地場産業の振興を府政の重点課題として積極的に取り組んできたところでございます。例えば中小企業の皆さんに安心して経営に取り組んでいただくために、昨年度、無担保無保証人資金、新マル小とも言うべきものを限度 750万円、年利 2.3%で創設いたしまして、多くの方々に御利用いただいておりますし、去る9月16日からは和装業界や小規模企業を対象とした緊急金融対策も実施するなど、きめ細かな対策を行っているところでございます。また中小企業における技術改善や新商品の開発、市場開拓、人材育成など、さまざまな分野における支援を行うとともに、京都経済に新しい活力を注入するため、ベンチャー企業の育成にも取り組んでいるところでございます。  社会経済の大きな流れというものがございまして、これらは一地方団体だけではなく、やはり社会全体がいろんな要素によって動いているわけでございますが、それをただ公共事業に頼ったということだけに転嫁してすべてを論ずるということは、私はいかにもおかしなことだろうと思います。しかも、まだできておりませんスタジアムや、あるいはリゾートをやったから不況になったような、そういう因縁づけをされるということは全くおかしいというふうに考えます。  中小企業向けの官公需についてでありますが、従来からお答えしておりますように、官公需の発注は中小企業の振興にとって極めて重要であると考えております。そのため、官公需庁内連絡会議を初め、さまざまな機会を通じて分離・分割発注の推進や共同企業体方式による府内事業者への発注促進、銘柄指定の廃止、さらに官公需適格組合の活用などの方針について全庁的に徹底を図りながら、中小企業向け官公需の発注拡大に最大限の努力をしているところでございます。先般の部長会議におきましても、私から全部局長に対しさらに徹底してこれを努力するように指示をしたところでございます。  この発注率につきましては、いろいろいつも説明しておりますように、その年その年の事業の種類によって変動があるわけでございまして、例えば蜷川知事さんの時代でも70%という年もあります。また林田知事さんになって84%という年もあります。私になってからも80%の年もございまして、いろいろ動くわけでございまして、それだけをつかまえて、数字だけで議論するのはおかしい。むしろ基本的にどういう方針で、どういう姿勢でこれをやっているかということをよく見ていただきたいというふうに思うわけでございます。  京都府中小企業総合センターについてでありますが、平成元年、京都リサーチパーク内に最先端の施設として整備をし、従来の府立中小企業総合指導所に比べ飛躍的な充実を図ったところでございます。なお、その後においても中小企業が技術革新に対応できるよう、業界のニーズも十分把握しつつ、新しい試験研究機器を導入するなど、年々機能の充実に努めているところでございます。また、北部における技術支援についてでありますが、いわゆる集積活性化法を活用して、中小企業総合センター北部技術支援室に設置している試験機器を地域の企業に利用していただくとともに、機械金属業界の事業活動拠点としての丹後テクノセンターの整備や新商品・新技術開発に対する支援、技術アドバイザー等を活用した技術指導、研究会・講習会の開催などにより、府北部の産業振興を図っているところであります。  大店法の見直しについてでありますが、これまでから繰り返しお答えしておりますとおり、地域の発展のために商店街や中小小売商業の果たす役割は極めて大きいと考えております。この立場に立って、機会あるごとに国に対して意見を申し述べてきたところでございまして、平成10年度の政府予算要望書にも、大店法の見直しに当たっては、商店街の振興など地域の実情に配慮するよう明記をして、その実現を強く要望しているところでございます。また、本年6月府議会で全会一致で決議されました「中小小売商業の振興に関する意見書」の趣旨に沿いまして、私自身も努力をしているところでございます。  なお、大店法の増床に係る調整につきましては、大規模小売店舗審議会において個別の案件ごとに中小商業者への影響や消費者利益の保護など、さまざまな観点から慎重に審議されるものであり、京都府といたしましては、その結果を尊重して対応してきているところでございます。今後ともそのようにいたします。  最後に、「新しい日米防衛協力のための指針」、いわゆる新ガイドラインについてでありますが、今回のガイドラインでは「日本のすべての行為は日本の憲法上の制約の範囲内において、専守防衛、非核三原則等の日本の基本的な方針に従って行われる」ということが基本的な前提となっているところでございます。昨日の臨時国会における橋本首相の所信表明演説におきましてもこのことを明言しておられました。もとより国防に関することは国の専管事項でありますが、新ガイドラインでは、後方支援において地方公共団体が有する権限や民間能力の活用等について言及されておりますので、今後それらの内容が明らかにされ、国会の場において国民の理解が得られるよう十分な論議が行われることを願っている次第でございます。 16: ◯議長山本直彦君) 森田教育委員長。    〔教育委員長森田嘉一君登壇〕 17: ◯教育委員長森田嘉一君) 新井議員の御質問にお答えさせていただきます。  御案内のごとく、教育委員会では従来からさまざまな形で幅広い各界の御意見をお聞きしながら教育行政を進めているところでございます。高等学校教育につきましても、学識経験者、中学校やあるいは高等学校の校長、PTAなどの幅広い府民の代表で構成されております府産業教育審議会や、また高等学校教育検討委員会などの御意見を十分にお聞きしながら、教育委員会として慎重に協議を重ね、充実、改善に努めてきたところでございます。今後とも幅広く各界の御意見をお聞きする工夫をしながら、府民の信託と期待にこたえる教育行政の推進に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。  その他の御質問に関しましては、教育長から答弁させていただきたく思います。 18: ◯議長山本直彦君) 安原教育長。    〔教育長安原道夫君登壇〕 19: ◯教育長安原道夫君) 新井議員の御質問にお答えをいたします。  まず教育行政についてでありますが、先ほど教育委員長からお答えをいたしましたとおり、広く府民の御意見をお聞きし、府民の信託と期待にこたえ、関係諸法令に基づき公教育を推進しているところでございます。また学校運営につきましては、学校の最高責任者である校長が学校運営を円滑に行うため、必要に応じて教職員や保護者の意見を聞き、最終意思を決定し、教育目標の達成に努めているところであります。  次に、高校教育制度についてでありますが、昭和60年の制度改善は、特色ある学校づくりを進め、生徒の個性や能力を十分に伸長させ、希望進路の実現をねらいとし、生徒が興味、関心や進路に即した選択ができるよう、普通科に類・類型を設けるとともに、一定の範囲で希望校に入学できるようにしたところであります。この結果、大学進学や就職、今年の高校総体で、共産党を除く各会派から絶賛をいただいておりますように、体育・スポーツ、また文化活動などにおいて多くの成果を上げ、府民の皆様から高い評価をいただいているところでございます。その後も社会の進展や生徒の多様化に対応するため、職業学科の学科改編や、多様で柔軟な教育システムとして京都こすもす科や単位制高校を設置し、さらに来年4月には総合学科を開設することといたしているところでございます。また、中学3年生の進路選択に当たり、高校教育制度について理解を深めていただくため、学科の特色や入学者選抜の仕組みなどをわかりやすく示したリーフレットを、今年は府下の中学校すべてに、また中学生にも渡るように既に配布をいたしました。  募集定員と選抜方法につきましても、今年は例年より約2カ月早くこの8月に既に発表するなど、その周知に徹底を図っているところでございます。今後も、現行の高校教育制度を基本にしながら、生徒や保護者のニーズにこたえ、教育の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、高校新設についてでありますが、亀岡市域の中学校卒業者数は、平成2年3月をピークに減少する傾向にあり、新設は考えておりません。  また、養護学校の設置につきましては、児童・生徒数の推移などに基づいて適切に対応してきているところであり、新設する考えはございません。  次に府立学校の施設についてでありますが、従来から校長を通じて学校の実情を把握し、府立学校全体の状況も見ながら計画的に必要な整備を毎年行っているところでございます。さらに与謝の海養護学校につきましても、本年度既に屋上防水工事、外壁改修、給食施設の改修や厨房・食堂への冷房施設の設置を行うなど、順次整備を進めてきたところでありまして、今後は必要に応じて整備を図ってまいりたいと考えております。(新井議員発言を求める) 20: ◯議長山本直彦君) 新井進君。    〔新井進君登壇〕 21: ◯新井進君 ただいま御答弁をいただいたのですが、幾つかの点で改めてお聞きをしたいと思います。  1つは、知事は、政府が行う問題──医療保険制度の改悪や財政改革やガイドラインについてはすべて、一言も自分の立場、意見を言われませんでした。今、京都府民の多くが知事に求めていることは、国に対しても堂々と物の言える知事を求めている、このことを指摘をしておきたいと思います。  そして、医療保険制度の改悪に関連をして、私は、35億円あれば、今の京都府で知事が先ほど言われました9月1日から実施をした障害児や母子家庭などの医療給付だけではなしに、高齢者に対しても薬剤費の負担や、さらには入院給食が実施をできると申し上げましたが、この予算額35億円と言えば、京都府の予算 8,000億円の中で言えば 0.5%以下です。そして、巨大スタジアムの建設にこれから幾らかかるかはまだ知事は公表されていませんが、数百億円とも言われております。和風迎賓館の建設も地元負担に数百億円が要ると言われています。これらのことを考えたときに、本当に第一義的に京都府がやるべき仕事が、私は府民の命を守ることにある、このように考えています。そういった意味で、知事は結局、府民の命や健康を守る仕事よりも、府民が余り利用することもない大型公共事業の方が大事だという立場を示されました。ぜひ前向きに実施を検討する姿勢もないのか、改めて答弁を求めます。  同時に、この財政の問題に関連をして、日本共産党がいわゆる「ため込み」を批判した問題を言われました。 22: ◯議長山本直彦君) 簡潔にしてください。 23: ◯新井進君(続)しかし、ため込みをしたお金が今どこに使われているのか、それが本当に府民のために使われているのではなしに、先ほども申し上げましたように、今の大型公共事業を中心としたやり方に使われているのは明らかです。ですから、そういった意味で、府民の税金をだれのために使うか、このことが問われている、このことを申し上げておきたいと思います。  それから、次の点は── 24: ◯議長山本直彦君) 新井議員、簡潔にお願いします。 25: ◯新井進君(続)はい。保健所の見直しについて、知事は「慎重に見直しを検討したい」と言われましたが、保健所の廃止が含まれた検討なのかどうか、このことを再度お答えをいただきたいと思います。  それから、もう1点は、いわゆる介護保険に関連をして、高齢者福祉の対策ですが、「おおむね順調に進んでいる」と答弁をされました。しかし「おおむね順調」と言って進んでいる特別養護老人ホームの建設が済んでも 3,000人に上る、いわゆる特養の待機者はなくならない。この事態に対してはどう責任を持たれるのか、お答えをいただきたいと思います。  最後に、相も変わらず、知事はよその県での選挙の話を持ち出されましたが、しかし私はきょうの質問の最初にも、城陽市長選挙の結果が、まさに反共攻撃が時代おくれになっている、このことを指摘をしました。このことは、改めて、知事も最近よく愛読をしていただいております「京都民報」に登場された、前の京都府議会議長の井上治氏も「もう反共攻撃が通用する時代ではない。そういう変化を理解できない政治家は、もうだめです」と(発言する者あり)── 26: ◯議長山本直彦君) 簡潔に願います。 27: ◯新井進君(続)指摘されている。このことを申し上げて、私の再質問を終わります。 28: ◯議長山本直彦君) 荒巻知事。(発言する者あり)静粛に願います。    〔知事荒巻禎一君登壇〕 29: ◯知事荒巻禎一君) 新井議員の再質問にお答え申し上げます。  まず、1点の政府のいろいろの制度の改悪について、なぜ知事は政府によう物を言わないかと、こういうお話でございますけれども、言うだけだったら私も簡単でございます。知事は、言うだけで済むような簡単な立場にはおりません。知事が言う以上は必ず実行する、府民に対して私は信頼を得るために、言ったことは実行する、こういう姿勢でやっておりますので、自分の信じたこと以外は言いません。そういうことで、皆さんのように言うだけで済むのは、非常に立場が違うということでございます。  しかし、私は、常に安全・安心、公平・公正ということで、府民の方々が、特に社会的に弱い立場におられる方に対しては府県として精いっぱいのことをやる、こういう基本姿勢でやってまいりましたし、また、今後とも社会的に弱い方のためには一生懸命、ないお金を工夫してでも努力をしていきたい、水準を保っていきたい、このように思っております。しかし、共産党のように、国の方で自分の主張が通らなかったことを、すべて今度は知事がやれと、こういうふうに持ってこられるということは、国の制度、地方の制度、いろいろな制度ということを御存じないか、あるいは知っておって言われるか、ためにする議論であるような感じがいたすわけでございます。  それから、公共事業についていろいろ言われましたが、それでは府民のためにならない公共事業をどこへ使ったか、具体的に御指摘いただきたい、私はそれに対して具体的に御指摘いただいたら答弁をさせていただきます。  以上でございます。 30: ◯議長山本直彦君) この際、暫時休憩いたします。    午後3時21分 休憩         ───────────────────    午後3時38分 再開 31: ◯議長山本直彦君) 休憩前に引き続き会議を行います。  次に、坂田緑郎君に発言を許します。坂田緑郎君。    〔坂田緑郎君登壇〕(拍手) 32: ◯坂田緑郎君 新政会の坂田緑郎でございます。私は会派を代表いたしまして、知事並びに関係理事者に質問をいたします。  荒巻知事3期目の総仕上げの年であります平成9年度も、はや中間点を迎える中で、今定例会におきましては、多様な府民のニーズにこたえ、府政の各般にわたる施策を進めるため、総額 210億円の補正予算案が提案されておりまして、特に社会資本の整備推進を初め、京都第一赤十字病院に開設される救命救急センターや総合周産期母子医療センターの運営助成など、安心・安全なまちづくりや保健福祉対策といった当面緊急に取り組むべき施策を中心に編成されたところでございます。近年、本府の財政状況は大変逼迫してきている中で、平成8年度の決算を見ましても、実質収支が7億 l,700万円の黒字と20年連続で健全財政を維持しつつ、増大する府民の多様な要望に的確にこたえられてきていることに対しまして、知事の卓越した行財政手腕を高く評価するものでございます。しかしながら、今も申しましたように、本府の財政状況はまことに厳しい状態に置かれているのではないかと府民の一人といたしまして大変憂慮するものであります。  そこで、質問の第l点は、今後の財政運営につきましてお伺いいたしたいと存じます。  平成9年度の府税収入の予算額は 2,950億円が見積もられているところでございますが、これは8年度決算額 2,911億 2,400万円に比べましてわずか 1.3%の増で、平成3年度のピーク時との比較におきましては 477億円余ものマイナスと、いまだに低水準のままで非常に厳しい状況にございます。一方、府債の残高は他府県に比べると相対的に低い状況にはありますが、それでもこの間の税収の落ち込みや数次にわたる景気対策等の財源確保などにより、残高は急増を余儀なくされて、本年度末の見込みは 8,188億円と、まさに予算規模に匹敵するまでとなっております。加えまして財政調整基金など各種基金の残高はあとわずかとなり、活用の余地がほとんどないという状況でございます。  このような財政状況を考えますと、今後とも健全財政を維持していくには今まで以上に厳しい、また血のにじむ努力が必要になろうかと思うわけであります。将来に向けて健全な財政運営を継続していくためには、歳入の確保と歳出の削減という両面がありますが、まず歳入につきましては、何と言いましても自主財源の中心となる府税収入の動向いかんによるところが大きいわけでございます。本府の税収構造は、法人関係税の占めるウエートが大きいことなどから景気の動向に左右されやすいという特徴がある中で、まず今後の府内の景気についてどのような見通しを持っておられるのか、お聞かせ願いたいと存じます。加えて、その景気動向を踏まえまして、今後の府税収入の見通しについてもお伺いをいたします。  先般、経済企画庁が発表いたしました9月分の報告によりますと「国内需要について、個人消費は消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要の反動減が引き続き見られるものの、企業の設備投資は回復傾向にあるなど、全体としては緩やかな回復傾向を続けている」とのことでありますが、私の個人的な感想を申し上げますと、このような一般的な回復基調には業種間での格差があり、特に構造的な不況要因を持つ繊維産業を初め中小企業の多い京都の特質からすれば、回復が目立たない、むしろ一向に感じられない状況なのではと考えるわけであります。  次に、歳出の面におきましては、御承知のとおり国の財政構造改革の取り組みが進められる中で、本府におきましても極めて厳しい財政状況のもと、国の取り組みに即応し、財政の健全化を図っていくことが喫緊の課題であります。
     知事は、さきの6月定例会におきまして「国の取り組みも十分念頭に置きつつ、事務事業の全般にわたりその効果や必要性を再検討の上、徹底した見直しを行い、限られた財源を府民要望にこたえ得る施策に重点的に配分していく」との考えを示されたところでありまして、少子・高齢化対策や環境問題など今日的な課題に積極的に対応していくためにも、ぜひともその実行をお願いいたすものであります。それに加えまして、私は予算の執行段階における経費節減への努力をこれまた今まで以上に取り組んでいただきたいと思うわけであります。「ちりも積もれば山となる」「千里の道も一歩から」ということわざがありますように、日々の経費節減への取り組みはなかなか表面に出にくい、目立たない面があり、苦労も並々ならぬものがあろうかと存じますが、職員のコスト意識をさらに喚起していただき、できる限りの経費節減を行い、それによって捻出された貴重な財源を府民要望の強い施策に重点配分していくことが重要であります。  明年度の当初予算編成に向け検討が進められていることと存じますが、財政構造改革の流れの中で、また地方分権の時代を目前にし、知事は来年度予算をどのように組み立てていかれるのか、基本的な考えをお伺いいたしたいと存じます。  次に、職業能力開発施策についてお伺いをいたします。  我が国経済は緩やかな回復基調にあるとはいうものの、依然として景気の先行きは不透明であり、また、平成9年7月の完全失業率は 3.4%と引き続き厳しい雇用情勢にございます。戦後、我が国の社会経済は目覚ましい発展を遂げ、国際社会の中におきましても重要な地位を占めるまでになりました。この目覚ましい経済発展を支えてまいりましたのは、何といいましても優秀な技術を持った多くの中小企業であり、また、製造現場で働く優秀な技能労働者であったと私は確信いたしております。  しかしながら、この発展の過程における急速な機械化や自動化の進展が皮肉にも製造現場における技能労働者の職を奪う結果となり、雇用情勢の悪化に拍車をかけているのであります。また、機械化、自動化による生産ラインのロボット化による単純作業の繰り返しが物をつくる喜びを奪い、若者の技能離れを加速させたところであります。私は、技能を身につけた人材の喪失は日本産業の競争力を失わせると、大変危惧をいたしているところであります。しかしながら、近年、技術革新や情報化、経済の国際化等の急速な進展により、我が国産業は大きな転換期を迎えております。同じ規格の製品を大量につくっていた時代から多品種少量生産の時代へ移行しており、状況に応じて微調整を可能とする技能労働者の役割が高まっております。また、生産ラインのロボット化、ハイテク化が進展する中で、ロボットに作業をさせるためにデータを入力し、機械の調整をする熟練工が高齢化の進展により減少しつつある中で、企業もその必要性にやっと気がついてきたところでございます。これまで現場を支えながら影の存在であった技能者が今クローズアップされ、技能にスポットライトが当たってきたのであります。このような状況を踏まえて、現在、各企業においても技能の伝承システムづくりや若手の技能労働者の育成が検討されております。  私は、技能労働者の育成を重要課題と考え、平成7年2月府議会におきまして、職業能力開発施設の整備について質問をさせていただきました。「生涯職業能力開発推進拠点施設」の整備計画がそれであります。その構想は、50年の歴史を持つ府立の京都高等技術専門校と女子高等技術専門校を統合し、勤労者の職業能力を開発、向上させる役割を持った施設の整備を図り、社会に必要な産業を支える技能者を育成しようという目的で計画されたものでございます。荒巻知事は「21世紀の京都産業の発展を支える人材育成の拠点施設を平成10年度の開校を目指して取り組んでまいりたい」とお答えになりました。この間、大変厳しい財政状況の中、着実に整備を進められました知事の御努力に心から敬意を表する次第であります。  今後、少子化傾向の中で若者の技能離れによる後継者難が大きな問題となってくるとともに、企業の生産拠点の海外移転などに伴い、技術革新を支える国内の物づくりの熟練技能の喪失が懸念されるところであります。このような状況の中で、物をつくる喜びを知ってもらい、21世紀の京都産業を支える人材を育成することが重要と考えますが、新たに整備される京都高等技術専門校を中心として、どのような職業能力開発施策を推進されるのか、知事の御所見を承っておきたいと存じます。  次に、教育問題についてお尋ねをいたします。  国家百年の大計と言われる教育は、今、21世紀を目前にして、戦後の教育改革に匹敵する重大な転換期にあります、しかも、明治、戦後のそれがいずれも先進諸国といういわばお手本があり、それに近づき追いつけという目的の明らかなものであったのに対して、今日の転換期はまさに目標の設定自体も含め、「自前」の改革としてかつて経験したことのないものであります。国際化・情報化・少子化・核家族化など現在社会を形容する言葉は数多くありますが、子供たちは、今そうした社会の諸現象の影響を受け、まさに呻吟していると言わざるを得ません。また、たやすく骨折をしたり、倒れても手でかばうことができずに顔を打ってしまうといったことが指摘されて久しく、これはいわば身体的な自己保存本能の退化とも言えるものでしょう。また、昨今のいじめの問題や青少年の凶悪な犯罪、自殺などの多発を思いますとき、思いやりの心、生命を大切にする心が極めて希薄になり、精神面においても脆弱さを強く感ぜざるを得ないのであります。私たち大人は、そうした子供たちに「たくましく生きる力」をはぐくむとともに「少しでも安らぎと明るい明日」を保障していく責務があると考えます。中央教育審議会の第1次、第2次答申や文部省の教育改革プログラムなどが提起している課題も、そうした見地から主体的に受けとめる必要があろうと存じます。  そこで、数点にわたって理事者の御所見をお伺いいたします。  第1は、いわゆる中高一貫教育についてでございます。  6月定例議会における同僚議員の質問に対しまして理事者は慎重に対応する旨答弁をされておりますが、8月29日付各紙の報道によりますと、文部省は来年度から各都道府県ごとに3~4校を研究協力校として指定し、実践研究を始めると決定したとのことであります。中高一貫教育については、受験戦争の低年齢化を生むのではないか、あるいはエリート校づくりになるのではないかなどの声があるのも事実であり、私は、中教審の言うような学力試験を行わないことはもとより、すべての子供たちに選択の機会が与えられなければならないと考えております。研究協力校がそのまま中高一貫校の有力な候補となるとも言われている中で、来春に本府においても中高一貫校が導入されるとすれば、小学校での進路指導の必要性からも、具体的な内容をどうするのかが早急に明らかにされなければなりません。今日の段階での教育委員会の基本的なお考えを伺いたいと存じます。  第2は、子供たちにかかわる事件や犯罪に関連して、「心の教育」の充実についてでありますが、昨日、また先ほども知事、教育長から御答弁もありましたので、私は意見を申し述べて要望にしておきたいと存じます。  神戸の中学生による児童連続殺傷事件は、義務教育段階の子供が被害者となるばかりでなく、かくまで残忍な犯罪の実行者とすらなり得ることを示し、世の心胆を寒からしめたところでありますが、この事件は、昨今の少年事件の両面を象徴していると思うのであります。すなわち、一方では、特に本年に入り児童・生徒が殺害される事件が続発し、しかも、犯人が顔見知りや近所の人物といった極めて憂慮すべき実態があり、他方には、戦後第4のピークとすら言われる少年犯罪の増加と殺人や強盗などといった凶悪化があるわけであります。文部省は、これらへの対応を含め、いわゆる心の教育のあり方について中央教育審議会に諮問するとともに、来年度予算において本年の 2.5倍に当たる60億円余を概算要求していると聞いております。このような状況を踏まえ、本府教育委員会におかれましても、心の教育の充実に向け、さらに積極的に取り組まれるよう念願する次第であります。  次に、いわゆる不登校について御質問をいたします。  文部省の発表によりますと、平成8年度の不登校児童・生徒は9万 4,000人を超え、増加率も15.5%と過去5年内の最高であったとされております。残念ながら、本府におきましても 2,300余人と過去最高に達しており、特に小学校では増加率が23%を超え、在籍者比率も全国平均を大きく上回るなど深刻な状況にあると言われております。もとより、その原因は学校のみに帰すべきではなく、家庭・地域社会と一体となっての取り組みが必要でありますが、教育委員会としてもこのような状況をどのように受けとめ、どのように取り組んでいくのか、お答えいただきたいと存じます。  次に、高校総体ついてお尋ねをいたしておきたいと存じます。  本府の単独での開催となりました本年度の高校総体が、感動的な総合開会式から始まり24日までの長きにわたる大会が見事な成果をおさめられましたのはまことに喜ばしい限りでございまして、関係理事者を初め大会運営に当たられました多くの方々の御努力に深い敬意を表するものであります。大会の成績におきましては、本府の高校生の入賞の数が昨年の約3倍にも上るという選手諸君の活躍はもとより、「一人一役」の活動に参加した多くの高校生の姿はまことに感動的でございました。私の地元宇治市におきましても、男子バスケットボール、サッカー、さらには水泳の3競技が開催をされ、いずれも高校日本一を競うすばらしいプレーを多くの市民が目の当たりにしたところでございます。そして、事前の準備から高校生が花づくりに、また大会補助員として、また各競技の開閉会の合唱に、吹奏楽にと本当に多様な場面で活躍をし、市民がそれを温かい目で支えるという機会を得られましたことは、本府の将来に明るい光明を見出した思いであります。  そこで、お伺いをいたしますが、総体が高校教育の一環としての大会であるところから、高校生にとって環境を考える実践の場となるような視点も大切にされたところでありますが、その成果と今後の環境教育にどうつないでいこうとされているのか、教育長の御所見をお伺いいたしたいと存じます。  次に、健康問題についてお伺いいたします。  我が国の平均寿命は年々伸長し、平成8年には男性が 77.01歳、女性が 83.59歳と、まさに世界一の長寿国となりました。戦後間もない昭和22年当時は男性が50.6歳、女性が 53.96歳と人生50年時代であったものが、人生80年時代となったわけであります。このことは大変喜ばしいことではありますが、一方で寝たきり老人の増加など、解決すべき問題も数多くあると考えられます。  さて、この人生80年時代を一生涯健康でありたいと思うのは、だれもの願いであります。ここ数年の死亡原因の状況を見ますと、依然として「がん」が死亡原因のトップを占め、次いでいわゆる「心臓病」、「脳血管疾患」が続き、これらのいわゆる3大成人病で総死亡者数の6割を占める状況となっております。したがいまして、成人病の克服が健やかな人生を送る上でのキーポイントになるのではないかと言われております。国においては、こうした成人病を予防するには、食生活や運動など日常生活に注意を払うことが大切であるとの観点から、「生活習慣病」と名称を改めまして、その予防対策の推進を図ることとされているところであります。  そこで、お伺いをいたします。「生活習慣病」の予防対策を推進することが将来の高齢社会を真の長寿社会とすることにつながると思いますが、知事の御所見を伺っておきたいと思います。  次に、住民の健康づくりを進める体制の問題について、お伺いをいたします。  平成6年に成立いたしました地域保健法が本年4月から全面施行されております。この法律によりますと、各市町村では住民に身近なサービスを分担し、保健所では専門的なサービスを分担することとされており、その機能分担に従って順調な取り組みが進められていることと存じます。殊に、先ほど申し上げました生活習慣病の対策については市町村の果たすべき役割には大変大きいものがあると考えますが、一言で市町村と申しましても、宇治市のような大きな市もあれば、笠置町や南山城村などの小規模な町村もあるわけであります。地方分権によってそれぞれの市町村で特色のある取り組みが進められることは大変喜ばしいことではありますが、健康というような問題については、どの市町村に住んでいようとも一定水準以上のサービスの提供が図られるようにする必要があると考えます。小規模な町村においては、地域保健法による権限移譲により大変多くの業務を実施することとなりましたが、保健婦を初めとする人的な体制の整備が大きな課題となっており、府の支援や指導が必要不可欠なものと考えますが、いかがでしょうか。知事の御所見をお伺いいたしたいと存じます。  次に、木津川右岸運動公園についてお尋ねをいたします。  木津川右岸運動公園の整備についてでありますが、この公園整備は、御案内のとおり太陽が丘や鴻ノ巣山運動公園などと一体となった総合的なスポーツゾーンの形成を図ることにより、青少年に夢を与え、府民の生涯スポーツの拠点となるとともに、砂利採取跡地を緑豊かに再生し、鉄道・道路・河川等公共施設の整備促進など、木津川右岸地域を初め府南部地域の振興に大きなインパクトを与えるものであります。このような理由から、公園の早期整備につきましては各方面から強い要望が出されているところであります。知事は、今日までの議会答弁で、公園整備を積極的に推進し、地域振興を図っていこうとする姿勢を明確に示しておられ、まことに頼もしく思っておるところでございます。本府におきましては、スポーツや報道等の関係団体による懇談会が設置をされまして、いろいろ意見を聞きながら、スタジアムの規模等の見直し、検討を鋭意進めておられるところと聞いております。先日の城陽市長選挙は木津川右岸運動公園やスタジアムのあり方についてが争点となりました。積極的にこれを推進していく現職と、白紙見直しを主張する新人とが市民の審判を受けたわけであります。新しく選出された城陽市長さんは、さきの選挙で「巨大スタジアムの建設を白紙に戻し、市民の合意で見直します」「大型事業のむだをなくし財政の健全化を図ります」と、スタジアム計画の見直しを表明されておるわけであります。木津川右岸運動公園は既に都市計画決定をし、用地の手入れも行い、着々と準備が進められているのでありますが、現在府において検討が進められておりますスタジアムや公園整備計画案について、案がまとまり次第府民に明らかにしていただき、早期に整備事業に着手していただきたいと考えておりますが、今後の見通しについて知事の御所見をお聞かせいただきたいと存じます。  次に、観光振興についてお尋ねをいたします。  観光は、人が日常から離れ、未知の自然や人、文化や環境と出会い、感動や活力を与えられるとともに、経済の面でも、旅行業や宿泊・飲食・土産品など幅広い産業の振興に深くかかわっており、地域社会や経済の活性化に重要な役割を果たしております。平成3年に運輸省が行った調査によれば、我が国の旅行消費に伴う国内産業の売上高は約20兆円で、国内総生産の5%に達し、雇用の面でも、約 410万人の就業機会を生み出していると試算されているところであります。つまり、観光や観光産業の振興が、地域の活性化にとって大変重要な意味を持つ時代が到来しているのであります。京都府は、国際的な観光都市である京都市を中心に、国内屈指の観光地として発展を遂げてきたところでありますが、近年、観光客の名所旧跡離れやテーマパークの出現などもあり、地域間競争はますます激化をいたしております。  こうした中で、府内では、さまざまな地域資源を観光資源として活用すべく、積極的な取り組みが進められております。「歴史街道計画」のメーンルートに当たる南部地域では、案内サインの設置やイベントの開催など、歴史街道関連事業が京都府と関係市町村の連携のもとで活発に展開されており、最近は女性を中心に源氏物語が静かなブームといったようなことで、私の地元宇治市も例年以上に多くの来訪者でにぎわっているところであります。メーンルート沿線の乙訓地域でも「大山崎山荘美術館」などの新しい観光スポットが人気を博しています。また北部地域では、日本三景天橋立を擁する宮津市、近畿百景の1位に選ばれました五老ケ岳や「赤れんが博物館」で有名な舞鶴市を初め、温泉や古墳、伝説等の資源の活用や、テレビドラマ化、映画化などを契機に各地域が観光振興に力を注ぎ、近年、着実に入込客が増加してきておりますし、中部地域では、美山町や瑞穂町がかやぶき民家群や鍾乳洞等の地域資源をうまく観光資源化しているのを初め、京阪神近郊という地理的条件を生かして、積極的な観光の取り組みが各地で進められております。  府域全域でこうした地域挙げての取り組みが功を奏し、京都市を除く府内の昨年1年間の観光入込客数は過去最高の 1,950万人を記録したと発表されたところであります。私は、府内の各地で地域の特性を生かした観光資源の整備や誘客のための多様な取り組みが行われ、観光京都の復権に向けて明るい兆しが見えてきたこの時期をとらえて、明確なビジョンのもとに府域全体で進むべき方向を一つにし、京都らしい観光の取り組みを積極的に推進して、活力ある京都府をつくっていくべきと考えるのであります。  そこで、知事にお伺いをいたします。知事は、全国の知事を代表して国の観光政策審議会委員に就任され、我が国全体の観光政策を大局的見地から積極的にリードされるとともに、昨年度から京都府観光産業振興ビジョンの策定にも取り組まれ、先ごろ中間報告が発表されたところですが、そこでの検討の経過なども踏まえ、来るべき21世紀の京都府の観光振興をどのように図っていこうと考えておられるのか、御所見をお伺いいたしたいと思います。  次に、地元の問題といたしまして、都市計画道路京都宇治線の事業進捗などのことについてお尋ねをいたしたいと存じます。  質問に入ります前に、一言御礼を申し上げたいと存じます。  申すまでもなく、宇治橋周辺は世界文化遺産に登録された平等院や宇治上神社など幾多の歴史的遺産を有しており、京都市内とはまた違った印象を感じさせる京都を代表する地域であります。歴史的な環境に恵まれたこの地におきまして、昨年3月28日、平成の宇治橋とも言うべき新しい橋が見事に完成し、供用開始いたしましたことはまことに喜ばしいことでございます。新しく生まれ変わった宇治橋は、創建以来千有余年という誇りある宇治橋の歴史を背負い、周辺の環境と十分に調和したデザインの橋として、特に旧の橋が鉄製にペンキで塗装をしたものであり、その色や塗装のはげてくる状況から、建てかえの宇治橋はぜひとも木製か、もしくは木目のある宇治橋にしてほしいとの要望が強くございました。私も機会のあるごとに要望をしてまいったところでございます。幸い、技術の進歩も手伝いまして、ヒノキを使っての欄干ができ上がり、その姿はまことに立派なものであります。新たな観光施設としても、今後地域活性化の一翼を担ってくれるものと確信をするものであります。さらに伺うところでは、この大事業が昨年度、全国街路事業コンクールにおきまして見事特別賞を受賞するという快挙をもなし、今までにも増して宇治橋の名を全国に広めることができましたことは二重の喜びであります。ここに、改めて荒巻知事を初め多くの関係職員の御尽力に対しまして、地元議員といたしまして心から感謝を申し上げる次第でございます。  さて、この宇治橋は京都市と宇治市を結ぶ主要幹線であります主要地方道京都宇治線の一部でありますが、供用されたことで周辺の交通渋滞は一定改善はされたとは言うものの、御存じのように京都宇治線は慢性的な交通渋滞が常態化しておる道路でありまして、かねてより渋滞解消に向けた対策が強く望まれているものであります。本府では、渋滞解消に向け昭和63年度より京滋バイパスから宇治橋までの京都宇治線の整備に積極的に取り組まれ、現在、用地買収がかなり進んでいるやに聞き及んでおりますが、この京都宇治線の拡幅事業の一日も早い完成を私どもは願っているところでありますが、現時点での事業の進捗状況と今後の見通しはいかがか、お伺いをいたします。  また、京滋バイパス以北の府道京都宇治線における交通渋滞解消に向けた取り組みについて、地元宇治市とも協調しながら進めていくべきであると思いますが、知事の御所見をお伺いいたしたいと存じます。  最後になりましたが、荒巻知事におかれましては3期目の任期満了まであと6カ月を余すのみとなりました、御就任以来今日まで厳しい財政運営、激動する社会経済情勢の中にあって、府民生活を真の豊かさを実感できるものになるよう努められ、さらに府政の均衡ある発展を公平・公正を旨として進めてこられました。その功績は枚挙にいとまがありません。我が新政会といたしましては高く評価をするものであります。先般来、知事に対して各種団体や一般府民の多くの人々から来春の知事選挙にぜひ出馬を願いたいという要請が相次いでおります。私は、荒巻知事が築いてこられた今日までの京都府政をさらに発展させ、21世紀に向けた確固たる京都府をつくり、推進していただきたいと存じます。  知事におかれましては、健康に十二分に御留意をされ、来春の知事選挙に出馬し勝利されんことを祈念申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 33: ◯議長山本直彦君) 荒巻知事。    〔知事荒巻禎一君登壇〕 34: ◯知事荒巻禎一君) 坂田議員におかれましては、ただいま会派を代表して、今回の補正予算及び平成8年度の決算に対しまして高い評価をいただきまして、厚く御礼を申し上げます。  また、私に対しましても温かい激励をいただきましてまことにありがとうございました。お言葉を肝に銘じながら、なお一日一日知事の職責を果たしてまいりたいと存じておりますけれども、時期が至りまして決意をいたしました際には、またよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。  それでは、御質問にお答え申し上げます。  まず京都府の経済見通しについてでありますが、議員御指摘のように、日本経済が緩やかな回復過程にあるとの判断が示される一方で、府内の繊維産業を初め多くの中小企業におきましては構造的な要因もあり、依然として厳しい状況が続いております。このような中での今年度の府税収入の見通しについてでありますが、8月末の調定実績を見ますと、今年度から創設された地方消費税収入が大部分10月以降の調定となるなど、税制改革に伴う事情によるところもございますが、昨年同期と比較して現年課税分で 6.5%の減となっておりまして、特に法人2税につきましては、対前年比17%減と大幅な落ち込みとなっているところでございます。これは昨年度見られた一時的な増収要因、すなわち銀行の不良債権の有税償却などの原因のあった分の反動によるところが大きく、必ずしも景気の動向のみによるものではございませんが、景気の先行きはなお不透明であり、府内の経済状況も大幅な回復が期待できる状況にはないところから、府税収入につきましても依然として厳しい状況が続くものと考えております。  今後の財政運営についてでありますが、京都府の財政環境は、府税収入について今後とも本格的な回復が期待できないことや、財政調整基金など各種基金の残高も大幅に減少したこと、さらに義務的経費の増加が見込まれることなどによりまして、一層厳しい状況が続くものと認識をいたしております。また国におきましては、財政構造改革に向けた取り組みとして概算要求基準につきましても従来のシーリング方式から分野別の歳出削減策、いわゆるキャップ制を採用するなど、抜本的な改革、縮減に取り組むこととされております。このような厳しい状況のもとで、来年度の予算編成方針につきましては現在その内容を検討しているところでありますが、来年春には知事選挙が予定されているところから、骨格的予算として編成することになろうと存じます。  一層厳しさを増す財政環境の中で、今後とも健全財政を維持していくためには、国の財政構造改革の動向も十分念頭に置きつつ、従来にも増して思い切った取り組みが肝要であると存じております。そのためには物件費等の経常的経費については引き続き一層の節減、合理化を図ってまいる必要があると考えております。また、政策的経費につきましては、これまでのシーリング方式を抜本的に見直すとともに、複数部局にまたがる事業につきましても横断的な調整をさらに強化するなど、事務事業の全般にわたる総点検や効率的な事業執行を図ってまいる必要があろうと存じております。  こうした取り組みによりまして捻出いたしました貴重な財源を、不況対策、高齢化、また福祉対策への取り組みや環境問題、その他の今日的な課題を初め、4府総の総仕上げへ向けました府民要望に的確にこたえ得る施策に重点的、効率的に配分してまいる所存でございます。  次に、職業能力開発についてでありますが、産業就業構造の変化に対応した人材育成を図るために、京都高等技術専門校と女子高等技術専門校の統合を行い、来年4月の開校に向けて準備を進めているところでございます。この専門校におきましては、技術革新や情報化に対応するために訓練科目の再編を行い、2年制のメカトロニクス科や情報処理科を新設するなど、最新の機器を整備して訓練を実施することといたしております。また、商業デザインやインテリアなどの訓練を充実するとともに、中小企業在職者に向けた技能講座なども開催することといたしております。  このような拠点づくりとあわせて、議員御指摘のとおり、若者の技能離れが進む中で、物をつくる喜びを知っていただくことが重要と考えておりまして、「能力開発フェア」の開催などを通して技能尊重の意識の啓発に努めているところでございます。  今後とも技能者育成のため、府立及び雇用促進事業団立の公共能力開発施設や民間の能力開発施設が十分に連携して、総合的な職業能力開発を進めてまいりたいと考えております。さらに、関西文化学術研究都市に誘致いたしました我が国唯一最大の「勤労体験プラザ」につきまして、これの進捗によりまして今のような問題につきましても大いに期待が持てるのであろうと存じております。  健康問題についてでありますが、人生80年時代を迎え、疾病の早期発見・早期治療にあわせ、疾病の予防や健康増進に着目した取り組みが重要となってきております。このため、食事、運動、休養などの生活習慣が、がんや脳卒中などの発症に深く関係していることから、「生活習慣病」という考えを導入し、対策を進めることが重要でございます。京都府におきましては、市町村とも連携し、老人保健法による基本健康診査や各種がん検診などの普及、拡大に努めますとともに、健康的な生活習慣の確立を目指し、「京都府民年代別健康づくり指針」の策定を初め、骨粗鬆症や糖尿病の予防教室の開催など、健康増進や疾病の予防に努めているところでございます。  次に、住民の健康づくりへの体制整備につきましては、府内のどの市町村においても必要な保健サービスが提供されることを基本といたしまして、従来から保健センターの整備や各種保健事業への助成はもとより、保健婦を初めとする人材確保対策、とりわけ小規模の町村に焦点を当てた取り組みを進めてまいりました。この結果、本年4月にはすべての市町村で複数の保健婦が配置され、また保健センターも着々と整備が進められているところでございます。今後とも市町村の体制整備のための支援を行いますとともに、府民の健康増進に向け積極的な施策を展開してまいりたいと考えております。  木津川右岸運動公園の整備についてでありますが、この公園整備はかねてから何度も申し上げましたけれども、府民の生涯スポーツの振興、青少年の健全育成、さらには木津川右岸地域発展の核づくりといった効果をねらいますとともに、JR奈良線の高速化・複線化の促進や周辺道路などの整備を一体的に推進することにより、京都府南部地域の振興に多大な波及効果を及ぼす事業であると考えております。公園整備に当たりましては、府民により広く利用していただけるような施設配置計画とするために、さまざまな角度から検討を重ねているところでございます。今後、府議会を初め地元や府民の皆様の御理解を得ながら事業に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解、御協力をよろしくお願い申し上げます。  観光振興についてでありますが、海外旅行の普及や観光ニーズの多様化など、観光を取り巻く状況が大きく変化する中で、新しい時代にふさわしい21世紀型観光を創造し、京都から世界へと発信していくために、昨年度来、観光関連業界や学識経験者の皆さんなどにより「京都府観光産業振興ビジョン」の検討を進めていただいておりまして、先般、これまでの検討結果をもとに中間の取りまとめが行われたところであります。既に、各市町村の御努力によりすばらしい施設、温泉、イベントなどが実現しておりますが、これを進めまして、新お国自慢というような地域資源を生かした特色ある観光地づくりを進めるとともに、それらをネットワークすることにより、広域的観光を展開していくことやアジア地域からの観光客の積極的な誘致などの方向を示したところであります。また、「歴史文化」や「伝統工芸」、豊かな「自然」や「温泉」の活用はもちろんのこと、これまで余り観光資源として考えられなかった「工場」や「商店街」などの活用も含めまして、新しい視点に立った参加・体験型の京都府観光を創造していくこともあわせて盛り込んだところでございます。今後とも市町村や関係団体などの意見を十分にお聞きしながら、観光産業振興ビジョンを本年度中に策定いたしまして「京都観光ルネサンス」の推進に向け、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、京都宇治線についてでありますが、本路線の交通渋滞の解消につきましては重要な課題と認識をいたしておりまして、その対策に鋭意取り組んでいるところであります。昨年3月には新宇治橋を供用開始したところであり、先ほどいろいろお褒めをいただきまして大変力強く、うれしく存じております。また、新宇治橋から京滋バイパスまでの区間につきましては、京滋バイパスのアクセス道路として4車線化に向けまして、昭和63年度に事業着手し、これまで主として用地買収に重点を注いでまいったところでございます。来年度早々には宇治橋東詰付近から三室戸交差点までの区間におきまして本格的な工事に着手するとともに、早期完成を目指して引き続き努力をしてまいりたいと考えております。  一方、京滋バイパス以北につきましては、従来から交通のネックとなっております六地蔵町並交差点、宇治病院前交差点などの主要な交差点改良や信号運用の改善などにより、渋滞解消に向けた対応を図っているところでございます。また宇治市におきまして、東部地域の活性化のために現在事業中の市道木幡日野線や計画中の市道黄檗山手線の整備につきましても、渋滞解消に役立つものであり、京都府といたしましても、これらの事業進捗につきまして積極的に支援をしてまいりたいと考えております。 35: ◯議長山本直彦君) 安原教育長。    〔教育長安原道夫君登壇〕 36: ◯教育長安原道夫君) 坂田議員の御質問にお答えをいたします。  まず中高一貫教育についてでありますが、本年6月、中央教育審議会の第2次答申において、子供の個性、能力をゆとりある教育の中ではぐくむことを目指し、6年間の一貫した教育を行うものとして導入が提言されたものであります。このため文部省では、都道府県においてその実施形態や特色ある教科、科目の開設、連携のあり方などを研究する会議の設置、さらにこうした調査のため、教育実践協力校を設けるなどの経費を来年度の概算要求に盛り込んだところであります。府教育委員会といたしましては、中高一貫教育を実施するに当たり、議員御指摘のような課題もありますので、今後、国や他府県の動向にも注視し、十分な研究と慎重な審議が必要であると考えております。  次に、登校拒否についてでありますが、京都府におきましては、医師や臨床心理士などからなるトータルアドバイスセンターなどにおける教育相談やカウンセリングマインド養成講座などの教員研修の実施、また市町村における適応指導教室の設置や学校における教育相談体制の確立などを進めてまいりましたが、全国と同様に増加傾向にあり、深刻に受けとめているところであります。そのため本年度は、スクールカウンセラーの配置の10校から25校への拡充に加え、新たに教育相談ネットワーク事業を実施し、広く関係者を集め、登校拒否について協議するとともに、市町村における教育相談や適応指導が一層促進されるよう努めており、さらに教師用の「登校拒否指導読本」の作成にも取り組んでいるところであります。今後とも市町村教育委員会や関係機関と十分に連携し、学校・家庭・地域社会が一体となった取り組みが一層充実するよう努めてまいりたいと考えております。  次に、京都総体での環境教育の取り組みについてでありますが、大会の準備や大会運営の業務が高校生の体験学習の場でもあり、その中で環境教育にかかわる取り組みも重要な視点として進めてきたところであります。高校生の一人一役活動として、地域の駅舎、主要道路あるいは河川敷など、公共施設でのクリーンキャンペーンに取り組んだり、ナホトカ号油流出災害に当たっては油回収の支援活動を展開したところでございます。また分別収集のできるごみ箱を総合開会式場や各競技会場に設置したり、記録センターではインターネットなどの有効活用により記録用紙を従来に比べ約50万枚節約することができました。また多くの大会会場で地球温暖化防止京都会議のPRコーナー設置やパネルの展示を行い、環境問題への関心を高めていただくよう工夫をしたところでございます。このような取り組みを通して、高校生が環境に対する理解と関心を深めたものと考えております。府立高校においてはこれらの成果を生かし、校内組織に環境教育を位置づけるとともに、指導の手引などを活用して、教職員の意識の向上を図り、環境教育を推進してまいりたいと考えておるところでございます。         ─────────────────── 37: ◯議長山本直彦君) 本日はこの程度にとどめ、明10月1日午後1時から本会議を開きますので、御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。    午後4時35分 散会 発言が指定されていません。 ↑ ページの先頭へ...