ツイート シェア
  1. 渋谷区議会 2010-03-01
    03月04日-02号


    取得元: 渋谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-23
    平成22年  3月 定例会(第1回)          平成二十二年 渋谷区議会会議録 第二号 三月四日(木)出席議員(三十四名)  一番  中谷琢也      二番  斎藤竜一  三番  佐藤真理      四番  下嶋倫朗  五番  沢島英隆      六番  栗谷順彦  七番  岩崎保夫      八番  岡田麻理  九番  伊藤毅志      十番  小林崇央 十一番  長谷部 健    十二番  東 敦子 十三番  前田和茂     十四番  小林清光 十五番  松岡定俊     十六番  古川斗記男 十七番  伊藤美代子    十八番  薬丸義人 十九番  浜田浩樹     二十番  吉田佳代子二十一番  牛尾真己    二十二番  森 治樹二十三番  新保久美子   二十四番  五十嵐千代子二十五番  丸山高司    二十六番  木村正義二十七番  染谷賢治    二十八番  広瀬 誠二十九番  植野 修     三十番  金井義忠三十一番  鈴木建邦    三十二番  芦沢一明三十三番  苫 孝二    三十四番  菅野 茂欠席議員(なし) -------------------------------出席説明員    区長            桑原敏武    副区長           古川満久    副区長           松井 裕    企画部長          千葉博康    総務部長          柴田春喜    危機管理対策部長      郡川武雄    区民部長          中島豊六    福祉保健部長        松崎 守    高齢者福祉担当部長     浅川和憲    保健所長          笹井敬子    子ども家庭部長       久保田幸雄    都市整備部長        秋葉英敏    土木部長          日置康正    清掃リサイクル部長     濱出憲治    教育委員会委員長      大高満範    教育委員会教育長      池山世津子    教育委員会事務局次長    大澤一雅    選挙管理委員会委員長    吉田茂夫    選挙管理委員会事務局長   篠崎章子    代表監査委員        倉林倭男    監査委員事務局長      菊池 淳 -------------------------------事務局職員事務局長  関口康永    次長    渡辺 晃議事係長  松嶋博之    議事主査  宮本 勇議事主査  山田義明    議事主査  上原雅夫議事主査  物江芳明    議事主査  根岸正宏 -------------------------------   平成二十二年第一回渋谷区議会定例会議事日程                    平成二十二年三月四日(木)午後一時開議日程第一         会期決定の件日程第二   同意第一号 渋谷区監査委員の選任の同意について日程第三   議案第四号 渋谷女性センター・アイリス条例の一部を改正する条例日程第四   議案第五号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例日程第五   議案第六号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例日程第六   議案第七号 渋谷区地域交流センター条例日程第七   議案第八号 渋谷区立二の平渋谷荘条例の一部を改正する条例日程第八   議案第九号 渋谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例日程第九   議案第十九号 渋谷区宮下公園運動施設管理条例日程第十   議案第二十号 渋谷区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例日程第十一  議案第二十一号 渋谷区立都市公園条例の一部を改正する条例日程第十二  議案第十四号 渋谷区保育の実施に関する条例の一部を改正する条例日程第十三  議案第十五号 渋谷区保育料等徴収条例の一部を改正する条例日程第十四  議案第十六号 渋谷区立保育園条例の一部を改正する条例日程第十五  議案第三十五号 渋谷区立保育園条例の一部を改正する条例日程第十六  議案第十七号 渋谷区女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例日程第十七  議案第十八号 渋谷区子ども家庭支援センター条例の一部を改正する条例日程第十八  議案第二十二号 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例日程第十九  議案第二十三号 渋谷区立図書館条例の一部を改正する条例日程第二十  議案第十号 渋谷区営住宅条例の一部を改正する条例日程第二十一 議案第十一号 渋谷区区民住宅条例の一部を改正する条例日程第二十二 議案第十二号 渋谷区地域福祉人材住宅条例の一部を改正する条例日程第二十三 議案第十三号 渋谷区借上げ等高齢者住宅条例の一部を改正する条例日程第二十四 議員提出議案第一号 渋谷区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例日程第二十五 議員提出議案第二号 渋谷区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例日程第二十六 議員提出議案第三号 渋谷区特別区税条例の一部を改正する条例日程第二十七 議員提出議案第四号 渋谷区中小企業緊急特別対策資金貸付条例日程第二十八 議員提出議案第五号 渋谷区保育料等徴収条例の一部を改正する条例日程第二十九 議員提出議案第六号 渋谷区学童保育条例日程第三十  議員提出議案第七号 渋谷区立幼稚園条例の一部を改正する条例日程第三十一 議員提出議案第八号 渋谷区幼保一元化施設条例の一部を改正する条例日程第三十二 議員提出議案第九号 渋谷区重度要介護高齢者福祉手当条例日程第三十三 議員提出議案第十号 渋谷区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例日程第三十四 議員提出議案第十一号 渋谷区特定疾病患者福祉手当条例の一部を改正する条例日程第三十五 議員提出議案第十二号 渋谷区高齢者生活支援手当条例日程第三十六 議員提出議案第十三号 渋谷区高齢者の医療費の助成に関する条例日程第三十七 議案第二十四号 平成二十一年度渋谷区一般会計補正予算(第四号)日程第三十八 議案第二十五号 平成二十一年度渋谷区老人保健医療事業会計補正予算(第一号)日程第三十九 議案第二十六号 平成二十二年度渋谷区一般会計予算日程第四十  議案第二十七号 平成二十二年度渋谷区国民健康保険事業会計予算日程第四十一 議案第二十八号 平成二十二年度渋谷区老人保健医療事業会計予算日程第四十二 議案第二十九号 平成二十二年度渋谷区介護保険事業会計予算日程第四十三 議案第三十号 平成二十二年度渋谷区後期高齢者医療事業会計予算日程第四十四 議案第三十一号 渋谷区恵比寿区民施設共同建替事業の工事費用負担に関する協定について日程第四十五 議案第三十二号 二軒家敬老館跡地複合施設の譲渡に関する協定について日程第四十六 議案第三十三号 東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更について日程第四十七 議案第三十四号 東京都後期高齢者医療広域連合葬祭費事務の受託について -------------------------------   開会・開議 午後一時 ------------------------------- ○議長(松岡定俊) ただいまから平成二十二年第一回渋谷区議会定例会を開会し、本日の会議を開きます。 この際、会議規則に基づき、十二番東 敦子議員、二十三番新保久美子議員を本日の会議録署名議員に指名いたします。 日程に先立ち、事務局長に諸般の報告をさせます。   〔関口事務局長報告〕 ------------------------------- 本日の会議に欠席、遅刻の届け出の議員はありません。 ------------------------------- 本日の会議に出席を求めた説明員は次のとおりであります。 桑原区長、古川副区長、松井副区長、千葉企画部長、柴田総務部長、郡川危機管理対策部長、中島区民部長、松崎福祉保健部長、浅川高齢者福祉担当部長、笹井保健所長、久保田子ども家庭部長、秋葉都市整備部長、日置土木部長、濱出清掃リサイクル部長、大高教育委員会委員長、池山教育委員会教育長、大澤教育委員会事務局次長吉田選挙管理委員会委員長篠崎選挙管理委員会事務局長、倉林代表監査委員、菊池監査委員事務局長。 -------------------------------渋監発第三十二号   平成二十二年一月二十九日 渋谷区議会議長殿                           渋谷区監査委員 倉林倭男                           渋谷区監査委員 丸山高司   平成二十一年十二月末日現在における例月出納検査の結果について 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕 -------------------------------渋監発第三十五号   平成二十二年二月二十六日 渋谷区議会議長殿                           渋谷区監査委員 倉林倭男                           渋谷区監査委員 丸山高司   平成二十二年一月末日現在における例月出納検査の結果について 地方自治法第二百三十五条の二の規定により執行した出納検査の結果を下記のとおり報告する。   〔「記」以下の朗読を省略いたします〕 ------------------------------- ○議長(松岡定俊) 区長から発言の通告がありますので、これを許可いたします。 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 本日ここに平成二十二年第一回区議会定例会を招集し、平成二十二年度予算案を初め多くの議案について御審議をお願いすることとなりました。この機会に私の所信の一端を申し述べ、区議会及び区民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと思います。 私が一貫して持ち続けた区政への思いは、区民が夢と希望の持てる区政であり、未来に向けてだれもが安心して住み続けられる渋谷の実現であります。 その実現に向けての取り組みの視点は、一つには、経済不況に苦しみつつも自助努力をされている区民生活への支援であります。二つ目が、子育て環境整備の支援と長寿社会を楽しむ施策の推進であります。三つ目が、地域コミュニティ活性化のための施設の建て替え整備であります。四つ目が教育、文化、スポーツの振興であり、五つ目が、生活文化を創造し、発信する活力あるまちづくりであります。六つ目は、安全・安心のまちとして「平和・国際文化都市」としての発展であります。 そして、これまで着実に成果として結びついた主なものとして、乳幼児から中学生の医療費助成や予防接種助成、保育料の軽減、本町包括支援センターや、はつらつセンター(富ヶ谷、参宮橋)の建設並びに高齢者施設の整備計画、地域交流センター新橋や大向施設の建設、本町小中一貫校建設や土曜・放課後学習クラブ「まなびー」の実施、文化総合センター大和田や西原・中央図書館の建設、高齢者や勤労者のための元気アップ体操、渋谷駅街区基盤整備方針の策定、さらに日本語教室や神宮前国際交流学級、トルコ共和国イスタンブール市ウスキュダル区、フィンランド共和国ヴィヒティ市との都市交流等、広範にわたって進めてまいりました。 今、平成二十二年度予算編成に当たって区政が新たに直面している課題は、世界的な金融・経済危機等のため、区政はこれまでにない税収の急減と、生活保護費等財政支出の増大を迫られています。また、共働き世帯が急増し、本区のこれまでの待機児解消努力を上回る待機児が増えております。そのため、保育の場の確保と同時に、依然として充足率の低い区立幼稚園を活用し、「保育と教育」の幼保一元化施設を実現することが必要であります。 さらに、区立保育園や認証保育所等を利用しやすくするためには、子育て家庭の経済的負担を軽減することが必要でありました。 また、高齢者が急増しており、まずは元気に年を重ねていただきたいと思います。一方、特養、グループホーム、老健施設等の整備が猶予できない段階に来ております。 少子化の課題でありますが、「失われた二十年」の経済不況が出生人口を急減させております。本区はこれまで保育施策やハッピーマザー助成、さらには総合的な地域環境の整備の少子化対策によって、昨年はこれまでにない出生人口千六百六十七人でありました。しかし、二十年に及ぶ出生人口の減少は、そのまま生産年齢人口の減少となっております。 これら課題を踏まえつつ、所信とするところを申し上げます。 最初に、財政についてであります。 一昨年秋以来の世界同時不況による我が国の急激な景気悪化は、本区の歳入の大宗を占める特別区税に顕著に影響を及ぼし、平成二十二年度当初予算においては前年度比で四十一億円余の減収となっており、その他、都税連動の交付金等を加えると五十八億円余の大幅な減収となっております。 しかも、今後の経済見通しでありますが、輸出も消費も設備投資についても改善の見通しはなく、景気回復は早急に出口を見出し得ない状況にあります。 さらに、平成二十二年度予算は、このような見通しを前提としつつも山積した区民の生活課題に対応するため、減収対策として使用料、占用料の増額、起債、国・都の補助金、交付金の最大限の活用に加え、予定事業等について財政調整基金の取り崩しによって対応するほか、施策の重点化や財政の効率的運営も図ってまいります。 次に、子育て支援についてであります。 子どもの生活環境は、経済の発展とともに両親の共働きの増加、小家族化、都市居住による生活空間の変化、流動的な社会における安全の確保等の必要など、社会変化に伴う施策が求められています。本区はその目標を、子どもが安全な保育環境の中で生き生きと健康で情操豊かに育つための経済的、社会的、文化的支援とともに、教育など隣接分野との連携も必要であります。 本区はそのための最重要施策として、保育園等待機児の解消が必要であると考え、認証保育所や美竹の丘保育園や聖ヨゼフ保育園西原など、保育ニーズに見合った定数確保に全力を傾けてまいりました。しかし、その努力を上回って待機児は増えております。 そこで、平成二十一年度の数次にわたる補正予算を組み、新しく区立保育室の確保、山谷の幼保一元化施設の設置、既存保育園の弾力的運営による定員の拡大のほか、認証保育所や民間保育室を活用し、待機児のゼロを期することといたしました。 さらに、本年度は、改築を進めてまいりました代官山・新橋保育園を本年十月に、文化総合センター大和田内の保育園は本年十二月に、さらに大向保育園は来年三月に開園を予定しております。 さらに、新年度改築予定の恵比寿保育園や旧代々木高校跡地保育園の建設、さらには昨年十二月に取得した西原の土地での幼児施設の整備を行い、他方、幼保一元化施設を山谷以外の拡大等をも視野に入れ、乳幼児のゆとりある保育環境整備やパートの方々の保育ニーズにも適切にこたえていきたいと存じます。 次に、保育料の軽減についてであります。 本区では、子育て家庭の経済的負担の軽減を図るため、平成十七年度から中間所得層の保育料を五〇%から三〇%減額するなど、渋谷区独自に保育料体系の見直しを行ってまいりました。さらに本年四月から、申請に基づき、区内の保育園の保育料を軽減するものであります。年収四百万円以下の世帯は保育料を無料とし、それを超え一千万円以下の世帯についても収入金額に応じて三〇%から二〇%の軽減をし、また、三人目以降の園児については無料とします。 この軽減措置は、認可保育園、幼保一元化施設(山谷かきのみ園)のほか、認証保育所、保育施設に通う区民全員を対象として実施する所存であります。 次に、幼保一元化施設についてであります。 本年四月にこれまでの山谷幼稚園を、区内初めての幼保一元化施設として山谷かきのみ園を開設します。幼保一元化施設は、これまで別々に実施されていた幼児期における保育と教育を一体化することによって、すべての子どもたちにひとしく安全で安心な保育環境を整備し、遊びや体験を通して集団生活を学び、人の話を聞く、自分の気持ちを伝える、順番を守るなどの社会性をはぐくむとともに、健康と情操を養い、かつ自主的、意欲的な子どもを育てようとするものであります。 既にこれまでの想定を超えた応募があり、このことは従来の区立幼稚園では考えられなかったことであります。 さらに、山谷かきのみ園での実践を踏まえ、第二、第三の幼保一元化施設設置を進め、待機児解消にも努めてまいります。 高齢者施策についてであります。 高齢化に伴う課題は多岐にわたりますが、その中で、特別養護老人ホームやグループホーム、老健施設、短期入所療養介護施設の整備は、急速に高齢化の進む本区において重要な課題であります。 本区では、平成二十二年度には旧代々木高校跡地に区立で四番目となる特別養護老人ホームの建設に着手するとともに、「あやめの苑・代々木」において十六床の増床、(仮称)日赤広尾総合福祉介護センターにおいては特養八十床、老人保健施設七十二床、短期入所療養介護施設八床、グループホーム十八人を、さらに本町東小学校跡地においても特養等を計画することが必要と考えております。 他方、介護保険制度を区民にとって使いやすい制度にしなければなりません。 介護保険は、寝たきりや認知症の人に対する食事や入浴の介助など狭義の介護以外に、自宅の掃除、洗濯、調理等の生活援助や、生きがいづくりのサービスなどが給付対象であります。しかし、現在、国はこの生活援助サービスの給付範囲を抑制したため、ひとり暮らしにとっても、老々世帯にとっても、勤労者世帯にとっても大変利用しにくい制約の多い制度となっております。 このことを踏まえて、とりわけ勤労者にとっても利用しやすいサービスとするため、本区は介護保険外サービスとして、生活援助のホームヘルプサービスを利用できるようにいたします。 また、区独自ホームヘルプサービス全体の利用回数制限を週三回から週四回に増やし、サービス利用者の負担を軽減し、要介護者が寝たきりやひきこもりにならない環境づくりを目指してまいります。 同時に開始した軽作業代行サービスの対象を、従前の高齢者単身世帯、高齢者世帯に加え、高齢者と同居する勤労者世帯にも拡大するとともに、利用制限時間をおおむね二倍に拡大することで、使いやすいものといたします。 次に、教育についてであります。 平成二十四年に開校を予定しております本町小中一貫校教育につきましては、現在、工事が進行しており、近隣や沿道にお住まいの方々及び地域の多くの方々に大変な御迷惑をおかけする中、大変な御協力をいただいておりますことに深く感謝を申し上げたいと存じます。 昨年四月からの共用校舎での授業が約一年を経過し、小中学生は相互に助け合い、学習はもちろん、文化やスポーツにおいても共用校舎での授業の成果を上げていただいております。小中学校の学校長並びに教職員の皆様には、小学生が中学生となったときに階段を踏み外すことのないよう基礎学力を、また、充実した学校生活となるよう、教育に創意工夫をいただいておりますことに感謝申し上げる次第であります。 今後は小中一貫教育校として、義務教育九年間を一つの連続した期間ととらえ学校教育プログラムをつくるほか、校章、校歌、制服等についても、学校や関係区民の協力を得て、順次検討を進めてまいります。 西原図書館開設に続き、中央図書館も五月に開設を予定しておりますが、文芸評論家で渋谷にお住まいだった奥野健男氏が生前所蔵されていた貴重な書籍をこの機会に「奥野健男文庫」として中央図書館内に設置をし、御遺族の御厚意にこたえ、区民の誇りにしたいと思います。 また、IT社会に対応するために、インターネット端末利用席と個人パソコン利用コーナーを設置するとともに、オンラインデータベースソフトの導入を図り、時代にふさわしい施設利用ができるように努めてまいります。 次に、国際文化交流についてであります。 海外都市交流は、交流の継続によって初めて相互の信頼が深まり、相互の文化を通しての都市交流が相互理解を深め、また、この交流が生み出す喜びや感動、新たな発見を渋谷区民、議会、行政が共有することができます。本区はこれを区政に反映し、区民とともに新たな区政の発展を期してまいりたいと思うものであります。 したがいまして、経費の節減を図りつつも平和・国際都市交流として継続していかなければならないと思います。区議会及び区民の御理解と御協力をお願いする次第です。 私は、このような視点に立って、さらに、トルコについては「二〇一〇年トルコにおける日本年」であることを踏まえまして、交流の発展を期するものであります。 また、フィンランドにつきましても、教育のあり方や社会保障制度を実地に知って、教育・保育等についてこれを区政に反映し、区政の自治、自律の発展、充実を願うものであります。 トルコ共和国イスタンブール市ウスキュダル区との都市交流においては、公募方式で選考された区民の方々を主体に区民、区議会、行政とが連携し、また、フィンランド共和国につきましても、引き続き教育や児童福祉関係者、区議会議員、そして今回は区民団体の代表者の方々にも御参加していただきたいと思います。 加えて、昨年は新型インフルエンザ流行の影響で派遣を見送りました日中友好青少年派遣研修につきましても、本年八月ごろに区立中学生を北京市へ派遣してまいります。 本区内においては、地域に根づいた文化交流として、神宮前国際交流学級を当校の御努力で進めてまいりました。この神宮前小学校におけるトルコの子どもたちとともに共同学習、運動会、学芸会など日常的な交流は、他の自治体には例のない誇るべき交流であります。 このほか、平成二十一年度から新たに開設した区内外国人のための日本語教室につきましても、新年度は区内在住の外国人と区内で活躍するボランティアグループ等と協力し、旧朝倉家住宅なども活用して、料理教室やお花見等、四季折々にふさわしいイベントを行い、日常的な国際交流の発展を図ってまいります。 人口減少社会の到来についてであります。 女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は〇・七七、(都、一・〇九、国、一・三七)で推移する一方で、平均寿命は男性七十九歳、女性は八十六歳と確実に伸びて、高齢化は加速しております。 本区において平成四年と平成二十一年の人口を比較したときに、人口総計は十九万四千七百一人と十九万五千九百十三人でほぼ同数であるにもかかわらず、十五歳から十九歳まで、また二十歳から二十四歳までの年齢で比較すると、それぞれ一万二千人余が五千人余に、二万人余が一万人余に半減している実態があります。この若年層の急激な減少は、出生人口の減少のほか、地価の高騰をきっかけとした地上げがありました。 このことは、今後、年金、医療、介護など世代送り方式で財政を維持している社会保障制度に深刻な影響を与えるだけでなく、経済や地域社会に与える影響も大きいものがあります。 こうした状況の中で人口減少を食い止める手段は、住宅や保育、教育、労働環境整備など、国や都などと総合的な取り組みが必要であります。時間のない今、本区は先導的に取り組める課題から真剣に取り組みます。 最初に、住宅建設についてであります。 住宅は、言うまでもなく区民生活の基盤であります。 本年十月に開設予定の地域交流センター新橋に併設する区営住宅は、単身高齢者向け十二戸、夫婦またはひとり親世帯向け三戸、ファミリー向けが十二戸を予定しております。夫婦向け及びファミリー向け住戸につきましては、子育てに必要な期間は住宅を保証し、魅力ある本区に低廉な家賃で住んでいただくとともに、町会などまちづくりに積極的に社会参加をし、地域の活性化に寄与することを期待したいと思います。 本年度はさらに二軒家の区営住宅の建て替え二十三戸やUR恵比寿住宅の建て替え六十三戸についても着手いたしますが、これも定住人口を増やし、まちのにぎわいを失わないためであります。 また、将来にわたって居住できる環境づくりのため、大向区民施設跡地、桜丘保育園跡地、本町三丁目用地、恵比寿西二丁目用地等の活用も含めた住宅整備のため、住宅マスタープランを策定してまいります。 次に、人口確保対策として、新たな定住対策家賃助成事業を実施してまいります。 就職、結婚、出産等をきっかけに住み替えを考えたときに、区内定住の意向が強いにもかかわらず、区内の家賃の高さを理由に区外への転出を余儀なくされたり、収入等が減少し、現在お住まいの住宅での居住継続が困難な未婚者や子育て世帯を対象に、新たな家賃助成制度を創設し、これにより区外への人口流出を防止し、定住化の促進を図ります。 助成対象者は、区内に引き続き二年以上お住まいの四十歳以下の単身者、あるいは四十五歳以下の御夫婦、さらには小中学生以下のお子さんをお持ちの子育て世帯とし、合計百世帯を対象に実施してまいります。単身世帯、夫婦またはひとり親世帯、子育て世帯とライフステージに応じ三万円から五万円の家賃補助を行うことで、本区に末永く住み続けていただきたいと願うものであります。まずは試行として実施してまいります。 さらなる制度拡充につきましては、ニーズや過重な財政負担とならないよう見きわめ、検討してまいります。 次に、ハッピーマザー出産助成金支給事業についてであります。 各健康保険においては、出産時に出産育児一時金として四十二万円が支給されております。しかしながら、都内で出産に要する費用は五十万円程度必要と言われています。これまでのハッピーマザー助成をリニューアルし、ハッピーマザー出産助成金支給事業として支給限度額を八万円に引き上げ、安心して子どもを産めるよう少子化対策に資してまいります。 活力ある生活文化都市の創造についてであります。 最初に、渋谷駅周辺地域の整備事業について申し上げます。 渋谷駅周辺地域のまちづくりについては、昨年六月の渋谷駅街区の基盤整備に係る都市計画決定を受け、本年中に土地区画整理事業が開始される予定となっております。 百年に一度の再開発と言われ、渋谷の将来を左右する大型プロジェクトであり、本区といたしましては、渋谷の将来像をしっかりと思い描き、具体化の方策を示すため、現在「渋谷駅中心地区まちづくり指針二〇一〇」の策定を関係事業者やまちづくり関係者と協議を進めているところであります。 渋谷を生活文化の発信拠点とするとき、渋谷らしさ、渋谷の魅力を引き出すために何が必要なのか、これらを地域とともに具体的な都市デザインとしてつくり上げることが今求められています。 次に、まちづくりについてであります。 本区のまちづくりの基本理念は、区と地域住民、事業者等が相互の理解、信頼、協力のもとに協働型のまちづくりに取り組むことであります。そして、地域の特性に応じたきめ細やかなまちづくりの手法として、本区においては地区計画の策定を進めており、既に表参道地区地区計画を初め十カ所の策定を終え、現在、六カ所において策定準備を進めているところであります。 しかし、現在の良好な都市環境、居住環境を守るため、一方では望ましい方向へ誘導するためには、区内全域を対象とした制度の導入が必要であります。本区では、景観や土地利用調整についての制度導入に向け取り組み、区議会及び区民の協力を得て、条例として成案を得たいと思います。 区民の健康増進についてであります。 このたび、渋谷区文化総合センター大和田内に区民健康センター桜丘を開設することとなりました。 区民健康センター桜丘では、渋谷区医師会の全面的な協力を得て、十二月からは休日・夜間診療、各種がん検診、予防接種、健康増進、介護予防などの事業を開始する予定であります。これはマンモグラフィやCT機器を導入し、かつがんや糖尿病、脳疾患などの生活習慣病の早期発見、発症予防に取り組み、高齢化や疾病構造の変化に対応するための医療の充実に努めてまいるものであります。 また、一方では、子どもの健康を守るための初期救急医療体制を充実するため、休日診療では内科に加え小児科を開設し、二診療科目で午前九時から午後七時まで実施していただくものであります。 さらに、がん検診につきましては、今回、一層の受診率向上を図るため、対象者全員に無料でがん検診を受けられるクーポン券(受診券)を送付することといたしました。クーポン券が届いたら予約して受診するという簡単な方法にして、受診率の向上に結びつけたいと考えております。 次に、子どもの予防接種助成制度の充実についてであります。 既にインフルエンザ及びヒブワクチンの費用助成を実施しておりますが、新年度は新たにおたふく風邪、みずぼうそうをも対象に加え、助成制度の充実を図ってまいります。おたふく風邪、みずぼうそうともに、一歳から三歳の間に一回接種する際に、それぞれ五千円を助成することといたします。 子どもの健康保持・増進を図り、安心して子どもを健やかに育てられる環境を整備してまいります。 文化の振興についてであります。 本年十一月に開設する運びとなりました文化総合センター大和田は、渋谷の新たな文化、教育、健康、福祉の拠点となる複合施設として、区民待望の施設であります。 さくらホール、伝承ホールは区民の自主的な文化活動や発表の場、伝承文化の承継、すぐれた音楽、演劇、舞踊などの鑑賞の場を区民に提供するとともに、「平和・国際都市渋谷」の国際文化交流の舞台として活用されることを願っています。既に芸術家や文化人、文化団体からも問い合わせがあります。 「人は生きていくだけ、あるいは働くためだけでは生活に喜びは生まれない、それは心の支えとなる文化をはぐくむことが必要である」と宮沢賢治は言いました。本区は区民の声にこたえて、質の高い文化活動が行われ、また、それに触れる喜びを提供してまいりたいと考えております。 また、最上階に設けられますコスモプラネタリウム渋谷は、渋谷の象徴でもあった半球ドームを再現するものであり、さらにはシニアいきいき大学や区民学習センター、こども科学センター・ハチラボ、多目的アリーナ、女性センター・アイリスに加え、ファッション・デザイン産業支援の機能も備え、まさに渋谷の新たな文化情報発信拠点となるものであります。 区民文化や教育の発展、振興のために、さらには男女共同参画社会の実現のために、大きな役割を果たすであろうと期待しております。 安全・安心のまちづくりについてであります。 平成二十四年四月に新文化街区に設置される防災センターは、災害対策本部機能を強化するとともに地域活動拠点を整備し、地域防災力の向上を図るものであります。 この場所は、本区の交通、情報の結節点であることに加え、災害に強い都市基盤の整ったところであり、災害対策本部を設置するために必要な機能、広さを備えているところであります。 新防災システムの基本的な考えは、地域の被災情報、安否情報を正確かつ迅速に収集する、対策本部における的確な対策を支援する、デジタル固定系無線等によって区民へ必要な情報を提供することであり、その実現に向け、システム構築を図ってまいります。 一方、帰宅困難者対策については、駅周辺事業者で組織した渋谷駅周辺帰宅困難者対策協議会において本年二月に渋谷駅ルールを策定し、帰宅開始までの支援、情報収集・提供、一時収容、備蓄等の役割分担について自主的な活動方針を定めたところであります。今後、訓練、検証を積み重ね、充実を図るものでありますが、本区といたしましては、今後もこの取り組みを支援してまいります。 次に、耐震化の促進についてであります。 区内には旧耐震木造住宅が約七千棟あり、大規模地震時には甚大な被害が予想されます。本区では、無料の耐震診断や、耐震改修工事に助成金を設けるなど耐震化の施策を進めていますが、様々な理由によって、耐震診断を行ったものの耐震改修工事に至っていない住宅が多く、このことが課題となっておりました。 耐震診断を実施しない理由としては、自己資金の不足、工事期間中の居住場所、工事のための片づけなどであります。 そこで、本区は申請者の負担軽減を図り、建物は倒壊したとしても生存空間を確保し、区民の命だけでも守るため、簡易補強工事の制度を新設いたしました。これは建物の一部屋だけを補強するものであり、区民の自己負担がなく、工事期間も原則一日とし、工事に伴う片づけや家具の転倒防止金具の取りつけを業者が行うなど、利用しやすい制度であります。 この工法は全国から注目を集め、問い合わせが集中しているところであります。 この工法を含め、従来からの耐震化制度を活用していただくことによって、災害に強いまちづくりを進めてまいります。 次に、財政規模についてであります。 平成二十二年度の一般会計歳出予算額は八百四十五億二千三百万円で、前年度に対し四・四%の増であります。特別会計は四特別会計で三百五十三億三千一万九千円で、前年度に対して〇・五%の減であります。各会計の合計額は一千百九十八億五千三百一万九千円で、前年度に対して二・九%の増となっております。 本定例会には、ただいま申し上げました予算等を含め条例案二十一件、平成二十一年度補正予算案二件、平成二十二年度当初予算案五件、契約議案二件、その他議決事項二件、人事案件一件を御提案しております。 以上をもちまして、私の所信表明といたします。 ありがとうございました。 ------------------------------- ○議長(松岡定俊) この際、区政一般に関する質問を許可いたします。 なお、事前に質問の通告がありましたから、順次指名いたします。 十三番前田和茂議員。 ◆十三番(前田和茂) 私は、渋谷区議会自由民主党議員団を代表して、区長及び教育長に質問をいたします。 所信表明で桑原区長は、区民が夢と希望の持てる区政、未来に向けてだれもが安心して住み続けられる渋谷の実現に向けて区民生活への支援、子育て環境の整備、長寿社会を楽しむための施策など、重点課題について述べられました。 これらの施策は渋谷区実施計画二〇一〇にも具体的に示されています。実施計画にあるように着実に事業を推進し、一人一人が自立し、なおかつともに支え合って安心して暮らせる共生社会の実現に向けて、総合的な区政運営に取り組んでいただきたいと存じます。 今回は、実施計画、二十二年度の予算に関連して、大きく六項目について質問をいたします。 まず初めに、子育て支援についてお伺いいたします。 子育て世代の経済的負担の軽減を図るため、第一回臨時会では、三人目以降の乳幼児世帯及び収入金額四百万円以下世帯の保育料の無料化と、世帯所得に応じて三〇%から二〇%の保育料の減額が可決されました。これは平成十三年三月に……   〔「十七年だろう」の声あり〕 ◆十三番(前田和茂) 平成十七年三月に我が会派より次世代育成の緊急課題の提案をさせていただき、実現をしました「中間所得層の保育料自己負担額を所得に応じ五〇%から三〇%軽減」に続く子育て世帯の負担軽減策となりました。 さらに、今定例会におきましては、認証保育所及び認可外保育室まで区立保育園同様の保育料へと引き下げる予算案が提出されています。行政サービス度調査の「子育てしやすい自治体」全国一位に選ばれましたが、そのことに甘んじることなく、常に子育て世帯の立場に立ち、環境整備を進められる桑原区長の実行力を高く評価いたします。 この保育料引き下げは、政府が財源の裏づけもなく、ばらまきともとれる場当たり的な議論を行っている子育て支援策と違い、しっかりした財源の裏づけのもと、計画がなされました。少子化の歯止めのために、保育環境の整備のみならず働き方の見直しまで企業に求めることなどを、当時の政府が作成した「子ども・子育て応援プラン」を踏まえつつ、当区で作成された「次世代育成支援の行動計画」でも緊急重要課題とされた保育料の軽減を初めとする子育て環境の整備を、行財政改革推進のさらなる強化、継続など確かな財源の裏づけを持って、長期にわたり計画的に実行されていることに敬意を表します。 これで、近年増加した保育園の待機児問題は、二度の緊急対策で計百八十五人の受け入れ拡大に加え、保育料で区立保育園を希望されていた方が認証保育所や認可外保育室の保育料が区立と同額となることで選択しやすくなり、桑原区長の心強い決意である待機児ゼロの実現にまた一歩大きく近づいたと思われます。 そのような中、今回、提出される認証保育所の保育料は、上限月額が年齢に応じて七万七千円から八万円に設定されているものの、実際の保育料はそれ以下で、さらに認可外保育室は保育室ごとに保育料がまちまちであり、補助額の計算が複雑になる上に、補助額に不公平感や便乗しての保育料の改定がないよう、しっかりと各園と連携し、対応をお願いしたいと存じます。 また、桑原区長は、今回の予算でも引き続き、私立幼稚園においても入園料、保育料の補助や、現任教員研修費補助、嘱託医手当の補助など、子育て環境の整備を提出されています。特に時間外保育の予算は、東京都の助成金に加え渋谷区が独自に上乗せを行い、利用料の抑制が図られ、大変利用しやすくなっております。私も私立幼稚園に通わせた子育て世帯の親の一人として、時間外にいつも遊ぶ近所の子ども以外とも交流を図れ、子どもが大変喜んでいたことに加え、一回当たりの利用料が渋谷区の上乗せ助成のおかげで千円であったことに大変喜んでおりました。 他区に比べて例を見ないほど手厚い支援策だと重々承知をしておりますが、一律に月に五千円の区立幼稚園の保育料に加え、今回の予算案提出でさらに引き下げられる保育園の保育料が余りにも抑制されているため、私立幼稚園の保護者は、保育料補助をいただき負担軽減を図られていながらも、どうしても比較をしてしまいます。 そこで、区長にお伺いいたします。 厳しい財政の中、区立保育園のみならず認証保育所、認可外保育室の保育料までも引き下げられた大英断を評価しつつも、すべての子育て世帯の負担軽減のため、私立幼稚園の保育料補助の増額が図れないかお尋ねいたします。 特に、今回無料化された収入金額四百万円以下世帯を初め軽減される中間所得層の対応をお願いしたいところですが、区長の所見を伺います。 次に、幼保一元化についてお伺いいたします。 就学前の子どもたちが遊びや体験を通して社会性、自主性、健康と情操などを養うため、新しいプログラムのもと、幼児教育と保育を継続的かつ一体的に行う一歳から五歳児を対象とした渋谷型幼保一元化施設が、今回の実施計画では、既に条例化された「山谷かきのみ園」に続いて、西原地区幼保一元化施設と本町小学校跡地幼保一元化施設の設置計画が発表されました。 この幼保一元化は、平成十六年第四回定例会の代表質問を皮切りに我が会派が強く要望し続けた施設であり、大きな期待を寄せております。特に、当時の教育委員長が答弁された「家庭と幼稚園や保育園、そして地域が連携し、一人一人の子どもの育ちを促すことが幼児教育の望ましい姿であり、家庭では親の愛情としつけ、そして幼稚園、保育園では、家庭では体験できない友達との遊びや自然の触れ合い、関係者からの愛情、情熱、指導に支えられながら驚きや喜びなど豊かな体験が得られる場所」になるよう、当初から問題視された勤務分担や保育内容などの運営面の違いからの影響が出ないよう、しっかりとした連携に取り組んでいただきたいと存じます。 この幼保一元化の実施により、七園すべてで定員割れの状況が続いた区立幼稚園の活性化につながり、待機児ゼロの目標に大きく近づくものであります。 このような中、渋谷区では、前年度の合計特殊出生数が近年最高の千六百六十七人となり、将来的な対応が求められています。加えて、渋谷区は、都心ならではの特徴として地域ごとの人口数の差が大きく、特に子育て世帯、乳幼児数の地域ごとのばらつきが目立ちます。社会性、自主性などを養うための新しいプログラムの幼保一元化施設の拡充のために、民間活力の利用も必要だと考えます。 実際に渋谷区が行おうとしている幼保一元化施設と同じような考えのもと、国より民間活用として提案されていた認定こども園にも、従来の区分を打ち破り、多様な育児支援を実現できる新しい幼児教育のあり方と大きな期待を寄せていましたが、厳し過ぎる設置基準や縦割り行政の弊害から、具現化されないのが現状です。 そこで、区長にお伺いいたします。 遊びや体験を通して、人の話を聞く、自分の気持ちを伝える、順番を守るなどの社会性をはぐくむとともに健康と情操を養い、かつ自主性、意欲的な子どもを育てるための新しいプログラムである渋谷型幼保一元化には賛成であり、これからの幼児教育のあり方としてさらに拡大する必要があると考えますが、所見を伺います。 拡大には、今回の西原地区、本町小学校跡地のように、併設可能な立地条件かどうかも問題になります。運動場面積の確保など、厳しい設置基準をクリアしている私立幼稚園の活用も視野に入れるべきと考えます。 さきに申し上げたとおり、渋谷区は地区ごとの乳幼児数のばらつきが大きく、私立幼稚園によっては、これ以上の受け入れは不可能な園もあるとお聞きしています。区立、私立が渋谷区全体で一律でなく、乳幼児数や施設の立地条件も含めた地域の事情に合った幼保一元化施設計画を行うべきと考えますが、区長の所見を伺います。 次に、子育て支援センターの運営についてお伺いいたします。 子育て支援センターは、平成十二年より子育て相談、子育て教室、短期緊急の保育など実施し、区民の軽易な子育ての相談を目的に開設され、今回の実施計画では、二十三年度の代々木学童館跡と二十四年度の西原地区幼保一元化施設併設まで計九カ所が計画されております。 この子育て支援センターは、相談業務だけでなく、幼稚園、保育園入園前のお母さんたち同士の情報交換、子どもの遊び場としても数多く利用されています。 平成二十年の第三回定例会で、ひがし健康プラザから代官山地区への移転計画の際に「不便をかける地域への対応は今後の課題」と答弁をいただき、早速、ひがし健康プラザ近辺の利用者のために子育てひろばとして残していただくことになりました。地元の利用者からは安心と感謝の声が寄せられております。 子育て支援センターのほうが相談業務もあり便利であるが、相談があるときは代官山まで行けばよく、近くにひろばとして残ることで引き続き毎日利用ができると大変喜ばれております。 移転計画があったひがし健康プラザ子育て支援センターを例にしておりますが、相談業務などでの利用実態は三分の一が氷川地区から、三分の一が新橋地区、三分の一が恵比寿地区からと説明をされましたが、毎日の利用者は圧倒的に地元地域が多く、当然、近くにあるほど利用しやすくなります。 そこで、区長にお伺いいたします。 身近な地域で子育てに関する相談や短期緊急保育など総合的な支援を行う子育て支援センターは、計画された九カ所でほぼ区内全域に配置されたと考えます。子育て支援センターよりも相談員人件費などの経費が抑えられる、お母さんたちの情報交換の場や毎日の子どもの遊び場となる子育てひろばの増設をできないでしょうか。地域バランスを考慮し、子育てひろばの計画的設置を要望するものですが、区長の所見を伺います。 次に、高齢者福祉についてお尋ねいたします。 まずは、施設整備についてお尋ねします。 今後の高齢化社会に備え、より待機者やその家族のニーズにこたえるための特別養護老人ホームや家族介護の負担軽減のためのショートステイ施設、認知症グループホームの整備が実施計画で詳しく示されました。渋谷区の方針である「長寿を楽しめるまち渋谷」の実現のため、介護予防事業に力を入れられ、住みなれた地域で長く暮らせるための地域在宅療養支援体制を強化しながらも、要介護度四以上で特養入所希望者の待機者のために素早く、そしてバランスも考えた施設計画の対応は、「区民生活の課題を先送りすることなく、着実に施策を推進することで、必ずや自治振興の実を結ぶ」と標榜される桑原区長の姿勢そのもので、敬意を表します。 さらに、今回の計画では、日本赤十字社との連携・協力体制のもと「(仮称)日本赤十字社広尾総合福祉介護センター」として特別養護老人ホームが八十床、ショートステイが十六床、そして旧渋谷地域には初めてとなる認知症高齢者グループホーム十八人分も計画されています。この計画を着実に推進していただき、今後の本格的な高齢者社会に備えて、待機者やその家族の御要望にこたえていただきたいと存じます。 今回は、入所型施設計画の充実が示されておりますので、通所型介護施設の充実についてお伺いいたします。 私は、福祉保健委員会で愛知県高浜市の小規模多機能型居宅介護施設の視察に伺いました。 これらの施設は、二〇〇六年度からの介護保険の制度改正により、地域密着型サービス施設として位置づけられています。渋谷区では、この議場において他の会派からの説明で、特別養護老人ホームの待機者解消を目的に設置が要望されていました。通い、訪問や泊まりのケアを組み合わせた施設でありながらも待機者の入所を中心に考えているようで、小規模多機能型居宅介護施設は二十九床以下が基準のため、例えば二百人の待機者解消のためには最大限の二十九床の施設であっても七施設。参考までに、今回視察をした施設は三床ですので、六十七施設も整備をしなくてはならない計算となる。非効率的というより全く何も考えていない施設のように聞こえていましたが、実際の施設は話とは全然違っておりました。 視察に伺った施設は宿泊の利用者はほとんどなく、泊まりといってもショートステイとしての利用がまれにあり、通いの機能であるデイサービス事業と、利用者の状態の変化により急に通えなくなったときの安否確認のための訪問サービス事業が行われておりました。 この議場で議論されていた小規模多機能型施設のイメージと大分違っていたのですが、この施設ですばらしいと思えたことは、パンフレットに表記されていましたが、「支援し過ぎないこと」を前面に打ち出されていることです。「支援し過ぎることで御本人の力や地域の方々の関係を奪ってしまうことがないよう、御家族や地域社会との関係まで見据えた関係調整を行う」とありました。この考えは、渋谷区の「長寿を楽しめるまち」のため日常生活を重視し、健康で生きがいのある日々を送れるように社会参加の促進に目配りをし、自助努力にこたえるため、単に介護保険制度を通し高齢者の生活を考えるだけでなく、生活実態を見きわめる区独自の目を持つことに通じると思います。 また、この小規模多機能型居宅介護施設は「地域福祉社会構築のため、区市町村が指定、監督し、地域密着型サービス体系の創設と介護予防システムを目的とする」などなどと仰々しく説明されていますが、実際の業務は、渋谷区が健康づくりや介護予防、あるいは学習、親睦などの施設として整備を進めているはつらつセンターの機能の一部であり、改めて渋谷区が先駆的な取り組みを行っていることを確認できました。 そこで、区長にお伺いいたします。 特養ホームの整備は現在、区内四百一床に区外百七十九床を合わせた五百八十床に加え、要介護度四以上の待機者約二百人に対応すべく、旧代々木高校、本町東小跡地及び日赤介護センターで合計二百四十床が計画されておりますが、今後の高齢化社会に備え、デイサービスの利用者状況も増えていると存じます。 健康づくり、介護予防や地域活動への参加を目的としたはつらつセンターは、二軒家が平成二十四年四月開所と計画されておりますが、今後の整備計画を、各敬老館の施設のあり方も含め、渋谷全体での将来的な整備計画をどのようにお考えか、区長の所見を伺います。 次に、地域ケア体制の充実のためのセーフティ見守りサポート事業についてお伺いいたします。 実施計画には、見守りサポート事業のさらなる拡充が示されました。この事業は、高齢化が進む中、ひとり暮らしの高齢者、老々世帯、認知症高齢者など日常に不安がある高齢者本人や、その家族が安心して住み続けられるまちを目指すために、地域のことを一番よく知っているセーフティサポーターとしての区民の方々のお力をおかりし、地域在宅療養サポート事業や民生委員、地域包括支援センター等との連携をし、見守り体制をつくるとされました。 渋谷区独自の全く新しい事業であったため、計画当初は、この議場においても事業目的、事業規模、支援体制、サポーター養成の方法など、様々な議論がされたことは承知しております。事業が開始され、地域の高齢者の方々からは、見守り、援助、医療や介護への橋渡しなど、大変ありがたく、お世話になっていると喜ばれています。 さらに、渋谷区の地域事情に合わせ八地域から十一地域へと展開し、活動拠点や協力員の増員などの整備が進められているところです。 このセーフティネット見守りサポート事業は、地域住民にとって大きな話題となっております。前向きな意見としての、この事業の必要性が話されています。 理想は、隣近所の方々が困っているようなことは、お互いで協力し合えることにあります。渋谷区高齢者保健福祉計画にもありますように、「社会全体で支え合う介護の社会化の考えに基づき、地域での見守り、支え合い体制の整備」を住民主導で行えるのが理想です。しかし、現在の希薄とも言える近隣の人間関係にあっては、桑原区長が心配される孤独死の増加につながるおそれもあります。 そのような中、この見守りサポート事業は、協力員の日常生活の継続的な対応の中で、高齢化社会に大切な人と人とのつながり、人間関係、協調性を図れることにより、認知症になりにくい、また進行しにくいことにつながっていますし、何よりこの事業を通じて改めて地域関係、隣近所の人間関係の重要さ、共助の精神を考え直すきっかけになれたと思います。 そこで、区長にお伺いいたします。 十一地域百十人体制への増員を図り、協力員の養成のため福祉施策への理解、認知症等々への知識、大学や医療機関、社会福祉協議会での研修など、事業拡大のための整備を進められている最中だとは存じますが、このセーフティネット見守りサポート事業の将来的な展望をお聞かせください。 この事業により、地域での共助の精神の必要性を考えるきっかけへと一石が投じられました。ボランティアの性格を持つものが長く続いていくためには、「一方では学ぶ、一方では楽しむ、一方では助け合っていく」という精神を養い、地域力のさらなる向上のために見守りサポーターと連携することなども必要と考えますが、区長の所見を伺います。 次に、障害者福祉についてお尋ねいたします。 実施計画には、障害者が地域生活に移行できるよう支援する新橋作業所の改築と、障害者福祉の中核施設としてのはぁとぴあ原宿の対象者拡大などの拡充策が提案されています。渋谷区は、長期にわたり障害者施設の整備を計画的に行われることは承知しております。特に障害者福祉に関しましては、継続性が求められます。区政の運営の中でしっかりとした位置づけをしながら、将来的な対応をお願いしたいと存じます。 そのような中でも要望の多いものに、比較的軽度の知的障害者のグループホーム、ケアホームがあります。このグループホーム、ケアホームの整備は今後の大きな課題であると認識はいただいておりますが、整備する以上、持続可能な施設とならなければなりません。 要望を出されている障害者団体連合会からは「自助、共助、公助の順番。障害者であることに甘んじることなく、自分でできることは自分で、自分たちの周りで連携、協力しながらできることは自分たちで、そして、どうしても自分たちではできないことを行政にお願いしたい」と常々申されております。 私は、御本人、そして御家族が日々御苦労されながら頑張られている方々に、国の制度とはいえ、支援費制度は続けられないから自立支援法、その自立支援法も大幅に見直しと打ち出されながらいまだ対案が示されないなど、不安を増加させていることが続いています。私は、この自助、共助、公助の順序で努力されている障害者の御家族の方としっかり連携をして、グループホーム、ケアホームの整備計画を行うべきと考えます。 障害者の親御さんが、「自分にもしものことがあったとき、残された子どもは大丈夫なのか不安が残る」と心配されています。この心配は障害者の家庭のみならず、すべての家庭で心配されています。 住みなれた渋谷区でいつまでも過ごしたい、その願いは数多くの方がお持ちですが、地価の高騰による相続税の増加などで住み続けることができない方も多くいらっしゃいます。特に障害者の方は、自立支援法の考え方では「所得を保証して自立した生活を送ること」とありますが、現実には所得の確保ができておらず、特に比較的軽度の知的障害の方などは、障害者年金を初めとする社会保障制度も十分でない状態であり、将来的な住居の確保まで手が回らないのも現状です。 そこで、区長にお尋ねいたします。 自助、共助、公助の順序で頑張られている障害者の御家庭でどこまでの負担ができるのか、そして、施設の継続的な運営のための経費はどこまで出せるのかをしっかり区と連携、協力してグループホーム、ケアホームの整備を行うべきと考えますが、区長の所見を伺います。 次に、今も少し触れましたが、障害者自立支援法についてお伺いいたします。 政府が廃止及び大幅な見直しとされている後期高齢者医療費制度と障害者自立支援法は、検討中、検討中で全く先が見えず、高齢者や障害者の方々の不安が広がっています。 後期高齢者医療制度も、ネーミングの悪さ、周知不足、医療関係機関との連携の悪さ、そして当初は年間所得百六十万円以下の方の保険料が微増したことなど配慮を欠き、政権交代の際、廃止が決定されました。廃止するのであれば、公平性を担保しながら対案を示すべきであり、対案がなく、暫定的にせよ継続するのであれば、当たり前のように保険料の増額を提示するのでなく、国負担分の十二分の四を全額負担し、その上に地方格差分を上乗せするべきであると申し上げたいのですが、広域連合の議論となりますので意見のみ申し上げさせていただき、経過措置の終わりが近い障害者自立支援法についてお伺いいたします。 自立支援法に基づくサービス提供体制は、五年間の経過措置ということで、平成二十三年までとなっております。渋谷区では、法内化することにより利用者が不利にならないような体制をとり、施設は自立支援法内施設となり、利用料と給付費で賄う場合は差額を渋谷区で助成するとお聞きしております。しかし、国の施策が先行き不透明のため、障害者の家庭に不安が広がっております。改めて助成制度の内容の確認及び渋谷区全体での予算規模をお聞かせください。 平成二十三年までに自立支援法が廃止や大幅な見直しが行われるかもしれません。弱者の定義を増やし、弱者には直接助成をするという政府です。なぜか農家まで弱者扱いにし、直接助成金を出すと言っているくらいですので、支援費制度並みの手厚さで、財源がなければ大増税をかけても対案を出してきて、要らぬ心配になる可能性もありますが、厚生労働大臣がよく言われる「検討中、検討中」で経過措置の終了を迎えるかもしれません。渋谷区としては、障害者の方や施設の運営者に不安が広がらないように準備すべきと考えますが、所見を伺います。 次に、区民の暮らしと健康づくりについてお伺いいたします。 今回の実施計画には、我が会派より提案の子どもインフルエンザの予防接種の助成に加え、一歳から四歳のみずぼうそうやおたふく風邪の予防接種の一回五千円の助成と子宮頸がんの予防接種一回一万円が予算提案され、さらには子宮がん・乳がん検診の受診率向上のためのクーポン券の発送を早速取り入れていただき、感謝申し上げます。 今回、数多く提案されている区民の健康づくりで、まずは健康づくり支援事業についてお伺いいたします。 生き生きと健康で長寿を楽しめるまちづくりのために始められた健康づくり支援事業は、介護予防のための高齢者のみならず、将来的な健康も考え勤労者世帯まで広がりを見せ、今回の予算でも、数多くの事業が拡充を含め提出されています。 事業の拡大は大賛成なのですが、地域支援事業、はつらつクラブ、元気アップサロン、介護予防ひろば、生きがい支援事業、まちかど相談会、勤労者のための健康づくり等々、「数が多く、自分に合っているものは何なのかわかりにくい」また「所管が違う事業もあり、両方から誘いを受け、受講者のとり合いをしているように見られている」などの声も寄せられます。 そこで、区長にお伺いいたします。 健康づくり支援事業を整理する上でも、所管が違うものもきっちりと連携をし、御本人の年齢、体力、健康状態に合った支援事業を進められる体制づくりはいかがでしょうか。例えば、共通総合パンフレットだけでなく臨時の相談会など行うことで、より多くの区民に親切に、わかりやすい方法を御検討いただきたいのですが、区長の所見を伺います。 次に、出産助成金支給事業についてお伺いいたします。 子育てしやすい自治体全国第一位に選ばれたのは、日本一安いと自負する保育料と、日本で最初に行ったハッピーマザー助成だと確信しております。そのハッピーマザー助成が、新たにハッピーマザー出産助成金支援事業として今回提出をされています。従来のハッピーマザーより多い上限八万円とされていますが、五十万円から加入している健康保険から出産育児一時金を差し引いた額とありますが、上限の八万円を受け取れないケースはどのぐらい想定されているか、また、今回、ハッピーマザー出産助成金支給事業に変更された経緯及び目的をお伺いいたします。 次に、定住対策家賃助成事業についてお伺いいたします。 就職、結婚、出産をきっかけに住み替えを考えられたときに、定住の意向が強いにもかかわらず家賃の高さを理由に区外へ転出を余儀なくされるなど、居住継続が困難な方が渋谷に住み続けられることを目的とした定住対策家賃助成事業が、平成三年に続き提案されています。 私の周りにも、結婚などを機会に実家を離れ、賃貸マンション、アパートを実家の近所に借りたいが、都心に近いほど家賃が高く、給与収入では支払えないため、渋谷から離れた比較的家賃の安い地域に住まざるを得ない方が多くいらっしゃいます。さらに、渋谷区を離れ区外で出産、子育てを迎えられたりされた方は、子どもにとっての住みなれた環境となり、渋谷区には戻りにくくなり、区外に家を買われる場合や、渋谷の実家を相続されず売却された方もおられます。両親の近所に住めないため日常生活の継続的な対応ができず、高齢者世帯の対応が行政任せになる場合もあります。 渋谷区に住み続けたいとの思いは、実家があるなど生まれ育った方だけでなく、渋谷というブランドにあこがれ、住み続けたい方は数多くいらっしゃると思います。家賃助成は渋谷区に住み続けたいと思う区民の願いであり、この施策の新設を高く評価いたします。 渋谷区では平成三年十二月に、年度途中でありながらも、定住促進の緊急施策として家賃補助事業をスタートされました。新設当初はバブル景気絶頂期でもあり、平均収入の高さも関係したのか、開始後六カ月で新婚世帯募集数五十に対して内定二十六、決定十九、家族形成期世帯の募集数五十に対して内定二十五、決定十など、合計募集数二百七十に対して内定者が百、決定者が五十六世帯であったと仄聞しております。その後、周知徹底が図られ、決定数が増加したと聞いておりますが、近況の景気の悪化はバブル景気絶頂期と比べるまでもなく、当時は他区も家賃補助制度があったことを考えても、今回は家賃助成の申し込みが殺到することも予想されます。 そこで、区長にお伺いいたします。 今回の家賃助成予定数は、単身世帯で四十世帯、夫婦またはひとり親世帯で三十世帯、子育て世帯三十世帯の計百世帯となっておりますが、申し込みが殺到し、競争率が余りにも上がり過ぎた場合、募集世帯の追加策など、具体的な対応を行う考えはあるか質問いたします。 平成三年当時、定住問題検討委員会を設置し検討を進められたとき、桑原区長は所管の当時の企画部長であり、この問題に大変お詳しいと聞いております。住み続けられる渋谷のためにも区長の所見を伺います。 次に、区民施設についてお伺いいたします。 渋谷区の区民施設整備は、本年十一月開設予定の文化総合センター大和田を初め三月開設予定の西原区民複合施設、十月開設予定の新橋区民複合施設、来年三月開設予定の大向区民複合施設、十一月開設予定の西原区民施設、さらには恵比寿区民複合施設、千駄ヶ谷の自立支援センター跡地施設、原宿警察跡地の千駄ヶ谷区民施設の整備など、多機能化、複合化によるだれもが利用しやすい地域コミュニティ活動の拠点の充実が図られます。 また、これからの取り組みとしては、本町区民施設や代々木二丁目集会施設、上原一丁目地区高齢者施設、桜丘保育園跡地施設の検討も発表されております。是非とも、渋谷区全体にはまだまだ老朽化した区民施設があります。人と人とのつながりが希薄になる中、文化活動、町会・シニア活動等を通じた連携の強化のため、地域ニーズに応じて計画的に整備をお願いいたします。 今回は、この区民施設の活用の利用向上のための施設予約システムの導入についてお伺いいたします。 施設利用者が来庁することなく、施設の空き状況の照会や申し込みができるインターネット施設予約システムの導入は、これまで区民の方々が必要な日に会場がとれない場合、各施設に問い合わせを行っていたことが、ネット上で一元的に管理ができ、利便性の向上が図られることとなりました。しかし、心配なのは、インターネットの利用に縁のない、特に高齢者の方々が不利にならないかです。 チケット販売では、事務手続の簡素化となるインターネット利用を早期受け付けなどで行う場合もありますが、施設予約に関しては公平性を保たなければなりません。しかし、このネットでの一元管理は施設予約において大変便利でありますので、御家庭にパソコンがない方や、インターネット操作が苦手の方のための照会サービスを出張所など区民施設で行うべきと考えますが、区長の所見を伺います。 また、予約時に申込金を入れないインターネット予約だと、予定が決まる前に大量予約をし、大量のキャンセルの可能性も考えられます。対応についてどのようにお考えか、あわせてお伺いいたします。 次に、子どもの安全対策の強化についてお伺いいたします。 児童生徒の登下校、放課後クラブ帰宅時の安全対策のための地域ぐるみの安全対策の強化として、区内約千百カ所の「子ども一一〇番の家」や地域安全マップの活用及び携帯やインターネット等による犯罪に巻き込まれないよう指導啓発を行う犯罪被害防止が、今年度は充実事業として提案されております。これらの事業は、すべて子どもの安全対策のため地域、学校、関係団体、民間事業者等が連携して行う重要な事業でございます。特に、時間がかなりたち、改めて見直しの必要がある「子ども一一〇番の家」の充実は重要課題だと考えますが、これらの事業の具体的な充実策についてお伺いいたします。 次に、まちづくりについてお伺いいたします。 まずは、二十二年度新たに条例制定される計画がある「景観条例」と「土地利用調整条例」の策定予定についてお伺いいたします。 渋谷区は、平成十七年十月にまちづくり条例を制定し、良好な景観の整備及び環境保全に努めてまいりました。このまちづくり条例に基づきまちづくり審議会が設けられ、「渋谷区景観計画の策定について」が諮問され、渋谷区景観計画(素案)がつくられたことは承知しております。景観形成の意義、必要性からその方針、また、地域に応じた景観形成や計画の制限についてもよくまとめられています。 良好な景観形成のための行政計画として、まちづくり審議会の景観計画専門部会が検討中とのことですが、進捗状況と策定までのスケジュールについてお伺いいたします。 また、大規模開発行為等に対する整備基準を定めることや、ワンルームマンション、ミニ開発の防止、自転車、バイク駐車場の附置義務などにも対応する「土地利用調整条例」の策定も計画されています。内容には、区への事前協議を義務化することなどもうたわれているとお聞きします。施行主、地域住民が互いに権利だけを主張するだけでなく、景観計画も含めたまちづくりを総合的に考える渋谷区が事前に協議をし、調整できることは大変重要だと考えます。土地利用調整条例の進捗状況と策定までのスケジュールもあわせてお伺いいたします。 まちの調和と良好な地域環境の形成は、我が会派だけでなく、区民共有の願いです。特に景観計画と土地利用調整は、狭あい道路の問題とともに、長年にわたり我が会派が委員会で指摘し続けた重点事項です。実効性のある条例となるよう大いに期待をしております。 次に、災害対策についてお伺いいたします。 新文化街区に、災害発生時の速やかな初動体制の確立のため渋谷区防災センターの整備の計画が実施計画で提案されています。この渋谷区防災センターは、安否情報、被災情報の収集、伝達や的確かつ迅速な意思決定の拠点となるよう大いに期待をしております。 また、災害時の重点課題として、ターミナル駅周辺帰宅困難者対策も新規事業として計画されております。我が会派もこの問題の重要性を考え、数回にわたり代表質問を行い、ターミナル駅周辺の特性に応じ、国、東京都、渋谷区、さらには防災関係機関、鉄道機関、事業者、学校と連携・協力して、一時収容所の確保や備蓄の責務を明確にした「渋谷区震災対策総合条例」の強化が行われ、さらに、昨年十一月に東京都と連携し、帰宅困難者誘導型防災訓練が実施されました。初めての取り組みですので、実際の訓練をしてこそわかった問題点も明らかにされ、有意義な訓練でありました。 問題点の一つに、情報収集の手段としてリアルタイムの映像を本部に集約するシステムは了といたしますが、その情報を避難者へ伝達する手段が駅前のスクリーンと防災放送だけでは大きな不安が残ります。 ターミナル駅周辺の対策を担当する所管は、広域自治体である東京都であります。渋谷区も独自に対応を図っておりますが、この問題は東京都の所管でありますので、その責任を明確にし、帰宅困難者の誘導対策を東京都は行うべきであると強く申し上げます。 また、一月五日に危機管理対策部より各町内会へ伝えられた備蓄品の移動の一覧では、都心に近い避難所ほど備蓄品が減り、住宅地域に近いほど備蓄品が増えておりました。これも来街者への対応は東京都であるとの考え方からの対応だとは存じますが、特に来街者が多い地域では、区民の不安にならないよう、東京都の責任として都心部、特にターミナル駅周辺の東京都の備蓄状況も明確にすべきと求めるべきですが、区長の所見を伺います。 最後に、教育について教育長にお伺いいたします。 まず初めに、土曜・放課後学習クラブ「まなびー」についてお伺いいたします。 各学校の児童生徒の実情に応じた学習指導計画を作成し、繰り返しの学習により基礎学力の向上を目的に設置され、我が会派としては高く評価をしております。特に中学校においては、近況の景気の悪化で入学者数が増えている区立中学校においても、試験前などは、特に正規の授業以外に学力向上を願う生徒に課外時間の学習を行っていることや、特に評価をしたのが、小学校での学習習得が十分でなく、中学レベルでの学習に対して基礎・基本が不足している生徒に対して、小学校時代の復習を行いながら中学生の学習へとつながる学習計画は、学校に来ても全く授業についていけない、ひいては学校に行きたくなくなる生徒に対しての救済の場になりました。 すべての生徒が満点をとれる学力向上が理想であっても、現実には、授業についていけない生徒もいます。「私はできないから」と初めからあきらめるのではなく、できるところから始めていく、将来にもつながる生きる力をはぐくむ場ともなっているこの「まなびー」は、公教育でしかできないすばらしい事業であると思います。 また、小学校では、保護者が家庭での子どもの教育に余り熱心でなかったりで家庭での学習習慣がない子どもに対して、まず時間外での学習を継続的に行うことで、家庭でも机に向かう学習習慣につなげ、保護者の方も家庭での教育を考えるきっかけになれる事業として大変評価をしておりました。 この「まなびー」を区内全域の小中学校に展開されておりますが、利用人数にばらつきがあるとお聞きしております。まず、小学校では対象学年がばらばらで、低学年から対象にしている学校は利用者が多く、高学年のみ対象の学校は利用者が少ないとお聞きしております。そして中学校では、試験前のみの補修授業的な対応だけの学校もあると聞きます。 そこで、教育長にお伺いいたします。 小学校においては、児童の学習習慣を身につけることは早い時期ほど学習意欲にもつながり、家庭との連携もとりやすいと考えます。また、四年生以上であれば学習塾など選択の幅も広がってきます。小学校の「まなびー」の対象を全校で一年生からとすべきと考えますが、教育長の所見を伺います。 また、中学生ではさらなる学力の向上も必要ですが、公教育にしかできない、中学校の学習に困難を感じる生徒への対応を継続的に行うべきと考えますが、教育長の所見を伺います。 最後に、コミュニティスクールについてお伺いいたします。 保護者、地域住民、教職員等により構成される合議制の機関であるコミュニティスクールが、来年度は調査試行として、一校が実施計画に新規事業として計画されています。 このコミュニティスクールにつきましては、第四回定例会で我が会派の代表質問で、学校運営連絡協議会や学校関係者評価制度などが機能していることを踏まえつつの今後の対応についてお伺いいたしました。渋谷区は、保護者や地域の方々に信頼され、選ばれるため先駆的な取り組みを行ってこられました中で、特に平成十一年より実施された学校運営連絡協議会は、校長先生、教職員に加え、保護者、町内会、青少年対策地区委員会、民生児童委員、警察署などの地域連携で組織し、協議会の意見を学校運営に生かすことを目的とされておりますので、このコミュニティスクールと機能が重なるようにも思えます。 そこで、教育長にお伺いいたします。 今回、実施計画に提案されているコミュニティスクールは、先んじて設置され、機能している学校運営連絡協議会との関係を踏まえどのようにお考えかお伺いいたします。 渋谷区として独自の方向性を打ち出す必要もあると思います。今、学校に必要なのは、学校と家庭のさらなる密な連携だと考えます。年に二度の通知表によるコミュニケーションだけでなく、日常的な連携、協力が、一部の方だけでなくすべての家庭に必要と考えますが、教育長の所見を伺います。 以上、大きく六点につきまして、御答弁をよろしくお願いをいたします。 ○議長(松岡定俊) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会自由民主党議員団、前田和茂議員の代表質問に順次お答えをさせていただきたいと思います。 最初に、子育て支援についての御質問でございました。 保育園等の保育料引き上げに対応して、とりわけ年収四百万以下に対する無料化をされたことに対し、幼稚園でもそのバランス上、そのような同様の措置をとってほしいと、こういうようなお話であったと、このように思います。 私立幼稚園の保育料につきましては、既に国の就園奨励費、都の保護者負担軽減補助に加えまして、本区におきましては所得制限なく区独自の上乗せ補助をしているところでございます。本区の財政状況等を考慮するとき、すべての所得階層に対し補助増額ということは大変難しい、このように思っております。 他方、私といたしましても、子育て支援の一環としての子育て世帯の負担軽減は、本区としてもできる限り対応したいという思いは議員と同様であります。したがいまして、すべての所得階層とは言えませんが、私立幼稚園に対しましても、収入金額四百万円以下の世帯につきましては平成二十二年度より保育園と同様に無料化できるよう、早急に対応してまいります。 次に、幼保一元化施設の拡大についてでございます。 本区におきます幼保一元化施設は、幼稚園児であっても保育園児であっても、すべての子どもたちがひとしく安全で安心な保育環境を整備し、社会性をはぐくみ、健康と情操を養い、自主的かつ意欲的な子どもを育てるための幼児教育と保育を継続的、一体に行うことを目的といたしております。 この目的を達成するために、渋谷区では初めての幼保一元化施設となる山谷かきのみ園での検証を十分行った上で、保育ニーズにこたえ切れない地域、例えば千駄ヶ谷あるいは本町等について、その拡大を検討してまいりたい、このように考えております。 民間活力のこの利用も必要であると、このようなお話がございましたけれども、私立幼稚園との連携も視野に入れながら、御質問にありましたように乳幼児数も地域にばらつきがある、あるいは保育園、幼稚園施設の立地条件もまちまちであると、こういった地域ニーズに合わせまして、幼保一元化施設を導入するか否かも含めまして、区立のみならず私立の活用も含めて検討してまいりたいと存じます。 次に、子育てひろばについてでございます。 議員の御提言は、できるだけ近くに、規模は小さくても身近な地域で安心して遊ばせることのできる子育てひろばを数多く実施してほしいと、こういうお話でございました。 今回実施いたしました渋谷区民意識調査におきましても、乳幼児が安心して遊べる公園や広場が少ないということが五八・六%もございました。乳幼児が室内で遊べる施設が少ないという、そういうお答えも二一・四%ございました。これらの御希望にもおこたえできるように、今後、幼保一元化施設の計画などにおいて、施設のスペースの状況などを踏まえて十分検討してまいりたいと存じます。 次に、高齢者社会についてでございます。 はつらつセンターにおいて、大変御評価をいただき、さらにこれを拡大していく計画はないか、このようなお話であったと存じます。 このはつらつセンターは、健康づくりや介護予防、あるいは学習や親睦など、長寿を楽しむ高齢者の方に大変喜ばれております。「渋谷区全域に」との御要請でございますけども、現在、四カ年計画の進行中でございますので、今後、全体の施設計画の中で検討してまいりたいと存じます。 次に、セーフティネット事業についてのお尋ねでございました。 セーフティネット見守りサポート事業に対して、大変高く御評価をいただきました。また、この事業を通して区民の方々に共助の精神が芽生えているというお話もいただきました。社会全体で支え合う介護の社会化のため、大変ありがたいお話であったと思っております。 今後、見守りサポート事業の中で一人でも多く区民の方が共助の精神を持っていただけるよう努力をしてまいりたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。 次に、障害者福祉について二点のお尋ねでございました。 まず、グループホーム、ケアホームの整備についてでございます。 グループホーム、ケアホームの整備につきましては、渋谷区障害者福祉保健計画におきまして重点事業として位置づけておりまして、社会福祉法人やNPO法人等の協力を得ながら整備をしてまいりたいと、このように考えております。そして、議員御指摘のとおり、整備する以上は持続可能な施設としていく必要があろうと、このように思っております。 持続可能な施設となるよう御理解をいただきながら、連携・協力し、整備計画を進めてまいります。 次に、障害者自立支援法についてのお尋ねでございます。 区内の民営による施設につきましては、議員御指摘のとおり、法内化した場合には、障害者自立支援給付費が従来の区補助額に満たない場合には、施設運営に支障のないよう、その差額を補助しております。 補助の内容といたしまして、民営授産・訓練施設につきましては契約更新料を含む施設借り上げ費、事務費、重度障害者がいる場合には重度加算額及び利用者の交通費でございます。法内化をしている「ワークささはた」など三施設につきましては、合計四千二百九十七万円余の補助額と相なっております。 なお、法内化をしていない「ワークセンターひかわ」などの施設につきましては、従来どおり、四千四百五十万円余を補助をしているところでございます。 また、グループホームにつきましても、初台寮など法内化をしている施設に対しましては、契約更新料を含む施設借り上げ費や委託料など合計千七百十六万円余を補助いたしております。 国の施策が不透明な中で、障害者の方や施設の運営者に不安が広がらないようにとの御指摘でございますが、現在、国では障がい者制度改革推進会議等において議論が進められているところであり、その動向を見きわめながら、区として適切に対応してまいりたいと存じます。 次に、健康づくりについてのお尋ねでございます。 健康づくり支援事業については多岐にわたるため、利用者の体力、健康状態により支援事業を勧められる体制づくりを進めてはと、こういう御提言であったと思います。 御指摘のとおり、福祉、保健、教育の各部署において様々な事業の展開をしているところでございます。これら事業の推進に当たっては、対象者にわかりやすくするため、御案内のパンフレットを提携して作成するなど、区民にわかりやすくお知らせをする努力をしてまいりました。 御提案のように、各所管で連携した相談会についても、これから検討してまいりたいと存じます。 次に、ハッピーマザー出産助成金支給事業についてのお尋ねでございました。 当初のハッピーマザー助成は、公費負担による妊婦健診が二回に限られていた。そのため健診を受けていない妊婦の駆け込み分娩などの問題が発生し、本区では、妊婦、胎児の健康管理における妊婦の健診の重要性と妊娠中の費用負担の軽減の点から、平成十八年度に一回の妊娠につき五万円の支給を開始してきたところでございます。 その後、平成二十一年二月から、国により妊婦健診の助成回数が十四回になりました。本区におきましては一億五千六百万円を出しているところでございますけれども、妊娠中の健診費用の軽減という役割を終わったところでございます。したがいまして、今年度は分娩時における経済的負担の軽減を図る、そのような目的で、五万円の分娩一時金を支給してまいりました。 一方、都内の医療機関での出産費用はおおむね五十万円でありまして、健康保険組合から支給される出産育児一時金四十二万円との間に八万円の差が生じている。このため、これからの出産をしようとする世帯の負担に相なっていると、このように聞いております。このような状況のもと、ハッピーマザー助成を出産助成金へと移行し、あわせて支給限度額を八万円まで引き上げようというものでございます。 一部、財政のゆとりのある組合健康保険では四十二万円を超える給付がされているため、加入している健康保険のいかんを問わずだれもが五十万円支給を受けられるようにするため、減額措置を導入するものでございます。 減額対象の件数につきましては、渋谷区の国保以外の健康保険の加入状況は把握し切れていないため不明でありますが、一部に限られるものと想定をいたしております。御理解をいただきたいと存じます。 次に、定住対策家賃補助事業についてのお尋ねでございました。 定住対策家賃助成の予定数が百世帯であるが、申し込みが殺到した場合に追加募集など具体的な対応を行う考えがあるかと、このようにお尋ねでございます。 所信表明の中でも申し上げましたが、本区においても高齢化が加速する中、少子化による若年人口の減少が表面化してきております。この若年人口の減少は、社会保障制度に深刻な影響を与えるだけでなく、地域コミュニティに与える影響も少なくないところでございます。 こうした社会情勢下、本区においても人口減少対策を可能な限り検討する必要があります。 新たに実施する定住対策家賃助成事業は、渋谷に住み続けたくても家賃の高いことから転出を余儀なくされている未婚の単身世帯や子育て世帯を対象に、定住化を促進し、ひいては少子化対策を図ることを目的とするものでございます。 経済状況の低迷により収入が減り、家計に占める家賃負担が大きくなってきている現下、また、この制度は給付行政としての性格であるため、希望者は大変多いことが想定され、百世帯分で足りるかという議論もあろうかと思いますけども、区の財政負担も伴うものでございますので、まずは二十二年度にはこの事業を開始し、応募の状況を見きわめ、さらに少子化対策としての意義を見きわめつつ、今後判断してまいりたい、このように考えているところでございます。 次に、区民施設予約システムの導入についてお尋ねでございます。 初めに、区民施設予約システムが導入されれば大変便利になる反面、インターネットに縁のない高齢者や家庭にパソコンがない方、操作にふなれの方がかえって不利にならないよう、照会サービスを出張所など区民施設で行うべきじゃないかというお尋ねでございました。 区民施設予約システムは、いつでも、どこからでも利用者の都合のよいときに簡単に施設予約が可能となるもので、区民の利便性向上に大きく寄与するものでございます。しかし、議員御発言のように、このことによってかえって不利となる人が出ることのないよう、従来どおり、電話や施設の窓口での予約申し込みも残していく予定でございます。 次に、予約時に申込金を徴収できないインターネット予約では、予定が決まる前に大量予約をしたり、そして直前に大量のキャンセルが発生することも想定されるけれども、どのように対応するかということでございます。 大量予約や理由のないキャンセルなど一部の利用者の不適切な利用に対しましては、利用者団体の事前登録制、予約ができる枠の制限、無断不使用者に対します利用の不承認などによりまして、利用の適正化を図ってまいりたいと存じます。 いずれにいたしましても、区民施設予約システムの導入の目的は区民サービスの向上にございます。高齢者などへの不利な扱いや一部の見識に欠ける団体による不適切な利用が生じることのないよう、適切に対応してまいりますので、御理解をいただきたいと存じます。 次に、区民の暮らしと健康づくりについてでございます。 最初に、子どもの安全対策の強化についてのお話でございました。 これまで小中学校において、児童生徒が危険を予測し、回避する能力を身につけるよう、地域安全マップづくり等を通して安全指導を行ってまいりました。一方、地域においては、保護者、町会、青少年対策地区委員会が地域の見守り、防犯パトロールを行ってまいったところでございます。 今後の充実事業についてのお尋ねでございますが、子ども一一〇番の家につきましては、現在、青少年対策地区委員会が各地区において照合、点検を行っており、その中で、建物がビルに変わり、一階が事務所になって逃げ込みにくくなっていたり、プレートが見えにくい場所にある等の課題が明らかになってまいりました。そのため、いつでも子どもが助けを求めることのできるコンビニエンスストアに協力を要請するなど、子ども一一〇番の家の整備・充実を図ってまいります。 次に、地域安全マップですが、毎年小中学校で作成しており、児童生徒は通学路上の危険な場所を確認し、日々の登下校時や放課後活動の際に活用をいたしております。区は、地域安全マップで危険とされた公園や道路等については、土木部においてその都度改善を行っており、全庁的な情報の共有化に努めております。今後は、この地域安全マップに子ども一一〇番の家の場所も記入し、子どもたちへの周知を図ってまいりたいと考えております。 防犯リーダー実践塾修了者、町会、保護者等が協力して落書き消しを行うなどを通して防犯活動のきっかけづくりを行うなど、地域の見守り・防犯体制の充実を図ってまいります。 携帯やインターネットによる犯罪被害の防止につきましては、小中学校において警察及び専門家を招いてセーフティ教室、防犯教室を開催しておりますが、この授業を、保護者や地域関係者にも声かけをし学校公開日に実施するなど、地域情報の共有化を図り、地域ぐるみで子どもたちが犯罪に巻き込まれないよう注意を喚起してまいりたいと考えております。 次に、景観条例及び土地利用調整条例の制定にかかわります進捗状況と制定までのスケジュールについてのお尋ねでございます。 景観計画につきましては、今後、素案をもとに景観専門部会において原案策定の検討を行う予定であります。以降、答申を得て、景観行政団体となるための都との協議を経た上で、平成二十二年度中にその運用のための景観条例を制定したいと考えております。 その後、区民の意見聴取、都市計画審議会の意見聴取など、景観計画策定のための手続を順次進めてまいります。 一方、土地利用調整条例につきましては、素案における課題等、まちづくり審議会において御審議をいただいており、今後、土地利用専門部会等で原案作成の検討を経て、答申をいただき、これに基づき、これも平成二十二年度中に条例制定を行ってまいりたいと存じます。 次に、帰宅困難者についてでございます。 都に対して、帰宅困難者のための備蓄状況を明確にするよう求めるべきであるということでございます。 震災発生時、東京都の想定しております渋谷駅周辺では十八万人の滞留者、十万人の帰宅困難者、また、都内では千百四十四万人の滞留者、三百九十二万人の帰宅困難者の発生を予測され、各鉄道駅から神奈川・埼玉・千葉方面への一斉帰宅が開始されることにより、区・市にまたがる広域的な混乱が懸念されております。このため、東京都では帰宅困難者ステーションの設置などの対策を行い、徒歩帰宅者に対して道路交通情報や水、トイレの提供、休憩場所の確保等の取り組みを行っております。 一方、区におきましては、地域住民の救出・救助や避難誘導等に全力を尽くす必要があり、帰宅困難者対策に対する支援には限界がありますが、住民と帰宅困難者の混在による混乱を防止するため、事業者による渋谷駅周辺帰宅困難者対策協議会と連携をいたしまして、対策に取り組んでいるところでございます。 お尋ねの帰宅困難者の備蓄につきましては、都の広域行政の課題であり、都が責任を持って対策を進めるべきものでございます。協議会と連携し、対策に取り組んでいく中、備蓄状況を明らかにするよう都に求めていきたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(松岡定俊) 池山教育長。 ◎教育長(池山世津子) 教育について二点のお尋ねです。 初めに、土曜・放課後学習クラブ「まなびー」についてお答えいたします。 「まなびー」は、子どもたちに学習習慣をつけさせることから始まり、学習意欲の向上と基礎・基本の確実な定着を図ることを目的といたしております。 学校の授業では、小学校の一、二年生で基礎的、基本的な内容の定着を図り、三年生からは、基礎・基本を活用して学力をより確かなものとしていきます。小学校三年生以降の学習内容の習得が中学校での学習にも影響を与えるため、この時期に基礎・基本を確実に身につけることはとても重要であると考えております。このため、対象年齢につきましては、当初、小学校一、二年生で学んだことをもとに学習の発展や応用へ進む段階である小学校三年生から中学生までを想定いたしました。 昨年の六月にまず一校から始め、九月には全小学校で実施となり、半年が経過いたしました。子どもたちからは「勉強が楽しくなった」「わからないことがわかるようになった」といった声が聞かれるなど、確実に成果が上がっていると実感いたしております。 御質問にございました対象学年につきましては、当初の想定を超えて一年生から実施している学校は十校あり、比較的小規模校での対応が見られます。二年目を迎えます来年度につきましては、議員の御質問の趣旨を踏まえ、対象学年を一年生からとし、指導方法、指導内容についても、児童生徒の実態に十分配慮して柔軟に対応してまいります。 また、中学校では、基礎学力の定着が十分でないために中学での学習に困難を感じている生徒に対し、放課後の「まなびー」の時間を活用して継続的に個別指導を行っている学校もございます。個別に指導を受けた生徒は学習に対する自信を持ち、授業に意欲的に参加できるようになったという報告も受けております。 今後はこのような取り組みを参考に、中学校の「まなびー」を継続的に実施するよう、各中学に働きかけてまいります。 次に、コミュニティスクールヘのお尋ねです。 今回、実施計画でお示しいたしましたコミュニティスクールは、保護者や地域の方々で構成されるコミュニティスクール、学校運営協議会が児童生徒の実態や学校の運営状況を把握し、学校と一体となってみんなで子どもを育てていくという共通認識のもと、学校運営に参画していく制度と考えております。 具体的には、教育計画や経営方針、予算などの学校運営の基本的な事項を保護者や地域の方々が学校長と一緒になって御議論いただき、その結果を学校運営に反映していくものです。 議員の御質問にもございましたが、平成十一年度から実施してまいりました学校運営連絡協議会の機能と重なるところがございますが、学校運営連絡協議会は十年を経過し、ややもするとその会議場で言いっ放しや聞きっ放しの情報交換の場となり、その本来の機能が十分果たせなくなっている学校も見受けられます。このため、来年度に試行いたしますコミュニティスクールは、学校運営連絡協議会のこれまでの成果と反省を踏まえ、学校、保護者、地域が一体となり、学校運営に参画し、学校と家庭、保護者のしっかりした連携を地域が支えていく制度にしたいと考えております。 新年度に入りましたらば、これまでの小学校校長会と教育委員会との研究結果を踏まえ、学識経験者の意見も聞きながら、渋谷区ならではのコミュニティスクールのあり方について方向性を定め、十一月にはモデル校での試行を実施する予定でございます。御理解と御協力をお願いいたします。 以上、答弁といたします。 ○議長(松岡定俊) 十三番前田和茂議員。 ◆十三番(前田和茂) 御答弁ありがとうございました。 ただいま区長及び教育長より、意を酌み取っていただきまして、大変前向きな御答弁をいただきました。改めてありがとうございます。 まず、私立幼稚園の保育料の助成ですけれども、収入金額四百万円以下世帯を保育園と同様に無料化をすると心強い答弁をいただきました。安心して子育てできる渋谷として、私立幼稚園に通わす子育て世帯は大変ありがたいことになりました。改めて桑原区長の大英断に感謝をし、財政状況との関係もありますけれども、さらなる子育て支援をよろしくお願いをいたします。 次に、幼保一元化の拡大ですけれども、当然、保育ニーズもあわせてお考えいただくこととなります。是非地域事情に合わせて、区立同士の併設、私立の活用、または区立、私立の併設など、地域特性に合わせ、いろいろな立地条件にも合わせ考えられると思いますので、是非御検討のほうよろしくお願いをいたします。 子育てひろばの拡大につきましては、十分に検討していただくということでした。 前回のひがし健康プラザ子育て支援センターのときもそうでしたけれども、区長の「検討する」「今後の課題とする」という答弁ほど心強く、当てにできるものはないと思っております。是非子育て世帯の情報交換、安心の場としての数多くの増設をお願いをいたします。 高齢者福祉では、「はつらつセンターを含む高齢者施設の計画を全体の中で考える」と答弁いただきました。当然多額の経費もかかることです。全体の施設計画の中で、地域バランスも考え、計画的な対応をお願いをいたします。 セーフティネット見守りサポートについてですけれども、これは私は持論として、区民が主役、住民主導のまちづくり、地域づくりというのが理想であり、行政は住民活動の後押しをすべきと考えております。この事業はまさに課題解決のみならず、希薄と言われている住民関係の問題提起に一石を投じ、社会で支え合える介護社会を住民でつくり、行政は後押し、サポートする理想のまちづくりにつながると思っております。 まだ体制づくりの段階ですけれども、是非理想を掲げ、実効性の高い事業になるように改めて期待をさせていただきます。 障害者福祉では、グループホーム、ケアホーム、改めて重点事業と御理解をいただきました。持続可能な施設となるよう、障害者御家庭の御理解をいただいて、連携・協力し合い、施設計画をよろしくお願いいたします。 また、自立支援法の対案が示されないことで広がる不安に対しての対応も是非お願いをいたします。 区民の暮らしと健康づくりで、まず、健康づくり支援事業、是非各部署での連携をお願いをいたします。 所管の違いというのは区民には関係ないことですので、利用者が選びやすく、わかりやすい事業となるようお願いをいたします。 家賃補助ですけれども、応募の状況も見きわめ判断していただくとのことですので、状況によっての対応をよろしくお願いをします。 また、予約システムの導入は、電話、施設の窓口もやられるということですけれども、インターネットのほうが全然便利になりますので、本当に不利益にならないかどうか、これはもう実施状況も見ながら改めてまた意見をさせていただきたいと思っております。 まちづくりにつきましては、具体的な行動の段階に入っておりますので、実効性の高い事業になるようお願いをいたします。 最後、教育ですけれども、特に「まなびー」につきまして、御理解をいただきましてありがとうございます。来年度からは全校小学一年からの実施ということで、大いに期待をしておりますので。 改めて申し上げますけれども、学習習慣を身につけさせることと中学校の学習へ困難を感じている生徒への対応、これを是非よろしくお願いをいたします。 今回の代表質問では、実施計画、そして二十二年度予算の関係を中心に質問をいたしましたが、まだまだお伺いしたい新規事業もございました。我々自民党議員団十人がそれぞれの所管委員会におりますので、各委員会に分かれてしっかりと議論してまいりたいと思っております。 今回、質問をしませんでしたけれども、この場で私の考えを一言述べさせていただきたいと存じます。 何度も我が会派が質問しておりますけれども、都区財調についてでございます。 本区は平成二十二年までの激変緩和の措置はいただいていながらも、商業振興などを行った上での法人税、環境整備を行った上での固定資産税が歳入に入らず、桑原区長が大いに進められている行財政改革によるやりくりをしながら新規事業を行っておりますけれども、この制度の不公平さに何度となく異を唱えてまいりました。他区の財政状況を理由に--中には財政運営の怠慢やばらまき策も含まれますので、納得はしたくないんですけれども、他区の財政状況を理由に渋谷区の要望は今まで通ってきませんでした。 そのような中で、今回、耳を疑うような報道がされました。どこの区とは申しませんけれども、住民税減税を目指し基金を創設するというニュースがありました。減税は、これはもうみんなが望むことでございます。しかし、責任ある行政運営のためには、収支バランスを考えて財源の確保、これをしていかなくてはならないと思います。別のところのどこかの市長みたいにですね、財源の裏づけもなく無責任な減税策を行えば、次の世代、未来を担う子どもたちに借金を押しつけることにもなりかねません。 今回、報道された区の財源は、これまで区債返還に充てていた都区財調の交付金を十年間積み立て、区民税を一〇%引き下げるとの考えのようです。納得はしておりませんけれども、水平調整という名目のもと多額の交付金を受け取っている区の財政調整交付金の使い道が基金の積み立てでは、理屈は通りませんし、行財政改革推進した独自の努力で区政運営を行う我が区としては、全く遺憾と言わざるを得ません。言いかえれば、渋谷区が商業振興、環境整備を推進しての法人税、固定資産税、いわば渋谷のお金で他区の住民税を安くすると宣言されているようなものであり、改めてこの都区財調制度に異を唱えるというか、おかしいと申し上げさせていただき、区長とともに、この制度に対して改善を求めていきたいと思っております。 私たち自由民主党議員団は、責任政党としての自覚とプライドを持ち、区長とともに長寿を楽しめるまち渋谷、安心して子どもを産み育てられる渋谷のため、さらに申し上げれば自然と文化とやすらぎのまちの推進のため働くことをお誓い申し上げさせていただき、私の質問を終了いたします。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(松岡定俊) 議事進行上、暫時休憩いたします。 -------------------------------   休憩 午後三時五分   再開 午後三時二十五分 ------------------------------- ○議長(松岡定俊) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、会議時間の延長をいたしておきます。 二十四番五十嵐千代子議員。 ◆二十四番(五十嵐千代子) 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、区長並びに教育長に質問します。 最初に、沖縄普天間基地問題について質問します。 普天間基地を初め沖縄の基地は、戦後、米軍が県民の土地を無法に強奪してつくられたもので、宜野湾市の真ん中にある普天間基地は、アメリカの国防長官でさえ世界一危険と認める軍事基地です。市民は毎日の爆音被害に加え、墜落や米兵による殺人・暴行事件など、不安の中での暮らしを余儀なくされています。 沖縄県民は、昨年十一月、普天間基地の即時無条件撤去を求め、今年一月の名護市長選では新基地建設に反対する市長が勝利しました。沖縄県議会も県内移設反対と普天間基地の即時返還を求める決議を全会一致で採択、国に強く要請しています。 沖縄県にとどまらず、移転先として検討されている全国各地で「これ以上の基地は要らない」と怒りと抗議の声が上がっています。 今、国民は、安保条約改定から五十年がたつ中で、普天間基地問題の解決に注目し、基地撤去を強く求めています。住民の命と平和を守る立場にある区長は、基地の無条件撤去をアメリカに求めるよう国に要請すべきと考えますが、所見を伺います。 次に、核兵器廃絶について質問します。 昨年、オバマ大統領が「核兵器のない世界」の訴えをした以降、核兵器廃絶の新たな機運が広がり、昨年十二月の国連総会では、核兵器全面禁止・廃絶条約の早期締結に向けた交渉の開始を求める決議が賛成多数で採択されました。 核兵器のない世界の実現に向けて、今年五月、ニューヨークで行われる核不拡散条約再検討会議を核兵器廃絶への一歩を踏み出す大きな契機にしようと、全国の草の根の運動が今広がっています。二月十六日、被爆地の広島と長崎の両市長から渋谷区議会に「被爆国である日本政府が核不拡散条約再検討会議で積極的役割を果たすよう求める意見書を上げてほしい」との要請文が届きました。今、核兵器廃絶への一歩が踏み出せるかどうかが問われています。是非区長としても国に対し、核兵器廃絶のため積極的役割を果たすよう求めるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、消費税増税と庶民増税について質問します。 区民の暮らしが一層厳しくなっています。共産党区議団が昨年十月から行った区政アンケートでは、「千四百円だった時給が八百五十円になった」「不況で給料も減って大変な中、子どもも大きくなりお金はどんどんかかるし、蓄えもできず、何かあったらと思うと不安です」また「建築関係の仕事をしているが、ここ一年ほとんど仕事がなく、生活ができない状況です。年金にはまだ少しあり、今の生活がもたない」などの深刻な声が寄せられました。 こうした国民の暮らしを守るため、我が党は、国の予算の組み替えを要求しました。その内容は、一、大企業の巨額の内部留保と利益を社会に還元させ、雇用、中小企業を守ること、二、社会保障削減路線を是正し、拡充を図ること、三、軍事費と大企業・資産家減税にメスを入れ、財源確保して庶民増税の不安を解消することです。 しかし、鳩山政権は軍事費の削減には手をつけず、大企業と一部の資産家には減税を継続し、庶民には十五歳未満の扶養控除の廃止を実施するなど、増税の流れを変えていません。また、菅 直人財務大臣は、消費税を含む税制の抜本的な改定の議論を三月から本格的に始めるとしています。非課税世帯や生活保護世帯からも容赦なく取り立てる消費税は、収入の少ない人ほど負担が重い最悪の不公平税制です。 庶民には、増税と社会保障による負担増に加え、現在の五%の消費税さえ家計を直撃し、中小企業、商店の営業に大きな影響を及ぼしています。区長は区民の暮らしを守る立場から、国に対し、軍事費の削減や大企業、富裕層への減税の見直しを行い、扶養控除の廃止をやめるとともに消費税の増税をやめ、当面、食料品非課税にするよう求めるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、渋谷区の税金の使い方について三点質問します。 最初に、施設整備計画の見直しについてです。 区長は二〇〇七年十一月に突然、「渋谷の未来に向けて」と称して二十三カ所の施設を総額四百四億円をかけて整備する計画を発表しました。さらに、その計画にも記載されていなかった旧代々木高校グラウンドの取得、桜丘保育園跡地施設建設、本町区民会館の建て替え、上原地区の用地取得などわかっているだけで十カ所の施設建設計画を、議会はもちろん区民にも知らせず、トップダウンで次々と追加しています。追加した用地取得費だけでも、既に明らかなだけで四十一億円以上も支出しています。 二〇一〇年度予算では、施設整備計画費として、旧大和田小跡地施設の五十二億六百万円を初めとして九十億千百万円、二〇一一年度以降にはわかっているだけで四十四億五千八百万円に加え、渋谷駅の周辺整備費を計上するなど大企業のための開発を促進しています。二十三カ所総額四百四億円の整備計画に対して、区民から、施設建設だけに多額の税金をかけていいのか、将来負担はどうなるのかという疑問や不安の声が出されても、区長は議会を無視し、強行しています。その上、さらに新たな土地取得で当初計画を変更したり、追加工事を専決処分で実施しています。 こうした区長のトップダウンで箱物建設を聖域にし、施設建設の拡大を住民無視で突き進む政治手法はやめるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、渋谷駅周辺地域整備計画などの再開発について質問します。 桑原区長による大企業奉仕、大型開発のまちづくりは、国や都が進める大型開発事業とあわせて区内の景観や住環境の悪化をもたらしています。さらに、東急を中心とした一兆円規模とも言われている渋谷駅再開発に伴う渋谷駅周辺整備調整事業に、二〇一〇年度予算では三千百万円余、道玄坂一丁目地域のまちづくりなどに千五百七十万円余の合わせて四千六百八十万三千円の予算が計上されています。 これまでにも渋谷駅周辺整備計画には、二〇〇一年から八年度までで二億四千五百八十七万二千円の税金が投入されてきました。渋谷駅周辺整備事業などの再開発への税金投入はやめるべきと考えます。所見を伺います。 次に、トルコ、フィンランドへの議員派遣についてです。 税金の無駄遣いとして区民からも強い批判の声が上がっているトルコ、フィンランドへの議員派遣は、国際交流を口実としてトルコには今年で五回目、フィンランドには三回目の派遣を行うもので、新年度の予算には、議員を含む二十七人分の経費として千七百九十九万円を計上しています。これまでに支出した金額と合わせると七千七百十三万円余に上ります。 さらに問題なのは、行政をチェックする役目の議員が行政と一体となって行っていることです。議員の役割からしても、区民の厳しい生活実態から見ても、議員の特権のような派遣はやめるべきと考えます。区長の所見を伺います。 次に、渋谷区の二〇一〇年度予算編成についてです。 桑原区政の新年度予算案は、保育料を年収四百万以下を無料とし、一千万以下の軽減、子育て世帯や若年層への家賃補助、低所得者、高齢者向けの区営住宅の建設、特養ホーム、老健施設などの建設・増床計画などは、区民要求にこたえた施策として評価するものです。 我が党区議団が実施した区政アンケート、回答数五百四十通に寄せられた区民の声は、「月七万円ちょっとの収入で税金が五千円、国民健康保険料に八千三百四十円は痛いです。ひとり暮らしで老後の不安もあり、医療費も高くて医者にかかることもできない状況です。公共の乗り物には乗らず、歩いて節約しています」、六十代の男性など、暮らし向きが悪くなったと答えた人が六二%、その原因として医療費の負担増、住民税などの増税、賃金・給料の減少などを挙げており、自公政権が進めてきた構造改革による庶民増税と社会保障の切り捨ての影響が区民生活を深刻にしていることが明らかです。 そこで、区民の暮らしと福祉を守る取り組みについて四点質問します。 最初に、雇用対策です。 共産党区議団は、この間、派遣切りなどに遭った人たちに対して、地域の労働組合や渋谷社会保障推進協議会などと共同で街頭労働相談会に取り組むなど、物のように使い捨てにされてきた労働者の救援に全力を挙げてきました。 多くの国民の要望を受け、国もハローワークと自治体が連携したワンストップ相談窓口の設置や、年末には公設派遣村を開設し、利用者は九百人を超え、このうち生活保護を受給できたのは五百人余りでした。今年に入っても依然として職や住まいを失う人の数は減らず、実態は深刻です。渋谷区独自にハローワークと連携した相談窓口をつくり、すべての人が住まいと職を確保できるまで支援すべきと考えますが、所見を伺います。 生活保護の老齢加算を復活するとともに、生活保護を改善することについて質問します。 生活保護を受給している七十歳以上の高齢者に支給されていた老齢加算が、社会保障費の削減により二〇〇六年四月から廃止されました。高齢者は生活費の二割を削減されたことで、暖房費を削ったり、食事の回数を減らすなど厳しい生活に追い込まれています。全国から「憲法二十五条で保障された国民の最低限度の生活を営む権利を否定している」と、裁判を起こし、復活を求める運動が広がっています。 区長としても、憲法二十五条の精神を生かし、老齢加算の復活を国に求めるべきと考えますが、所見を伺います。 また、「区内に住み続けたい」とアパートを探しても、現在の生活保護基準の住宅扶助五万三千七百円では、高齢者などに貸してくれるところはほとんどありません。家賃の高い渋谷区で住まいを確保できるよう、特例の六万九千八百円まで認めるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、国民健康保険料の値上げについてです。 「国保料が払えない」、この間、二人の方から相談がありました。一人は二年前にリストラされた四十代の男性で、この間、アルバイトで生活をつないできましたが、それも昨年夏ごろからは週二日しか働けず、持病が悪化しても病院にかかるお金もない状態でした。もう一人の方は長年建設関係の仕事をしてきた方で、ここ数年は思うように仕事がなくなり、生活に追われるようになり、多額の住民税や国保料が払えない状態になっていたのです。 渋谷区の国保料滞納世帯は二〇〇八年度の決算でも一万八千八百四十一世帯、加入世帯の二七・四%と深刻な事態です。 区長は今定例会に、四月から国保料を一人当たりの平均で六千二百二十三円の大幅引き上げを提案しています。そもそも国民皆保険として位置づけられてきた国民健康保険が、国の改悪によって国庫負担が四五%から三〇%に減らされ続け、さらに医療費対応方式にされたため、国保料が毎年値上げされるようになったのです。国に国庫負担をもとに戻すよう求めるべきです。 また、二十三区統一だからといって値上げしようとしていますが、区長は、二〇〇四年度には区の独自性を発揮して、区民の生活実態が厳しいからと値上げを行いませんでした。現在の区民の生活実態は、あのときよりはるかに厳しくなっているのですから、値上げをやめて値下げすべきと考えます。区長の所見を伺います。 次に、後期高齢者医療保険料についてです。 鳩山政権は、選挙公約として掲げていた後期高齢者医療制度の廃止を四年間先延ばしにするとともに、値上げ分の財源を補てんすると言っていたこともほごにしました。結局、東京都広域連合は、四月から保険料を一人平均四千百六十五円値上げすることを決めました。 本来、後期高齢者医療制度は直ちに廃止すべきものであり、ましてや保険料を値上げして高齢者に負担増を押しつけるなど、絶対に許せるものではありません。 日の出町では、高齢者の医療費負担を減らすため窓口負担を無料にしましたが、さらに今年の四月からは、寝たきりの高齢者に月二万円の寝たきり手当を支給する予定です。 区長は今こそ制度の廃止を国に強く求めるとともに、高齢者を大切にする立場で渋谷区として窓口負担の無料化を実施すべきと考えますが、所見を伺います。 次に、子育て支援について五点質問します。 安心して子どもを産み育てられる環境づくりは、引き続き緊急の課題となっています。とりわけ子育て世帯への経済的負担を軽減する支援は重要です。 区長が新年度予算に、保育料を低所得者には無料とし、一千万円以下の世帯には軽減策を打ち出したことと、保育施設に入所している子どものうち第三子について保育料を無料にすることは、子育て世帯から待ち望んでいた施策として歓迎されています。さらに子育て世帯の経済的負担を軽減するため、上の子どもが保育施設に入所している場合だけでなく、幼稚園などに入っている場合はもちろん、すべての第三子以降を無料にすべきと考えますが、見解を伺います。 次に、出産助成金の増額について質問します。 今まで五万円支給してきた出産費用の助成金を、四月から、健康保険から支給される額との差額を八万円を上限に助成することを提案していることは一歩前進と評価します。 しかし、実際、区内の医療機関で出産した場合の費用は六十万円を超える場合も出ています。だれでもお金の心配なく子どもを産むことができるよう、既に港区で実施しているように上限を六十万円まで拡大すべきと考えます。所見を伺います。 次に、保育園の待機児解消は、認可保育園の増設で実施することについてです。 この間、出生数の増加と経済不況の影響を受け、子どもを保育園に預けて働きたいと希望する女性が急増し、保育園の待機児問題は社会問題となっています。渋谷区でも、今年四月から認可保育園の入所を希望している子どものうち、ゼロ歳から三歳児は既に定数を三百二十八人もオーバーしています。このことは、区民がどれだけ認可園での保育を望んでいるかを示すものでもあります。 渋谷区は、区民要望を受けて保育園の待機児対策として百八十五人の定数拡大を計画し、一月から受け入れをスタートさせました。しかし、どの保育園にも入れない子どもは昨年を大きく上回る二百人になります。待機児を解消するため、認可園の増設を直ちに実施すべきと考えますが、区長の所見を伺います。 また、渋谷区が待機児解消策として打ち出した認可外保育室は、保育士の配置数も国の最低基準を下回っており、園庭もなく、調理室もないため、給食は外部委託のケータリングの弁当を利用することになっています。実際、一月から開設した上原地域の認可外保育室では、給食はケータリングの弁当、冬でも温かいスープもなく、御飯も冷たいものが出されています。四月開設の山谷の幼保一元化施設も同様の予定です。 認可外保育室の給食については、温かい食事を提供できるよう認可園と同じように改善すべきと考えますが、区長の所見を伺います。 さらに桜丘保育園を、昨年までは「希望する園児は残す」と言っていたのが全員大和田に移すことにし、桜丘保育園を廃園にしようとしています。これでは増え続ける待機児を認可園で受け入れることはできません。認可園を希望する保護者の願いからしても認められません。桜丘保育園と現在の大向保育園を存続すべきと考えますが、所見を伺います。 次に、保育施設の最低基準の改悪についてです。 民主党政権が待機児童の解消を理由に保育室の面積の最低基準を事実上廃止しようとしたり、保育園の三歳児以上の給食を外部搬入にしようとすることは認められません。 これまで認可園は、子どもの発育にとって最低必要な保育士の配置、保育室の面積、調理室の確保が児童福祉施設等設置最低基準として定められ、全国どこの認可園も子どもの保育環境として最低守らなければならない基準は確保されてきました。この基準が廃止されれば、今でも十分とは言えない保育環境を一層悪化させることになります。国に対して最低基準の改悪に反対し、改善するよう求めるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、給食の民間委託についてです。 区長は、新設する区立保育園の新橋、代官山、大向の三カ所の保育園の給食を民間委託にする方針を打ち出し、職員の削減を図ろうとしています。保育園の給食は、子どもたち一人一人の体調や発育に合わせるとともにアレルギーにも対応するなど、子どもの成長に合わせ、保育と一体に行われなければならないものです。保育に対する区の公的責任を投げ捨て、保育を営利企業の利潤追求の場にする市場化そのものであり、子どもたちのよりよい保育を受け、幸せに育つ権利を奪いかねないやり方で、子どもたちを犠牲にする自治体リストラです。このことには職員組合、保護者からも強い反対の声が上がっています。 区長は、子どもたちの成長を保障する保育に対する渋谷区の公的責任をしっかりと果たすため、保育園の給食委託はやめるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、教育問題について四点質問します。 最初に、三十人学級の実施についてです。 長年の都民と教職員関係者の運動、共産党都議団が要求してきた少人数学級の実施について、東京都教育委員会は昨年の第四回定例会で「教員配置を増やし、学級規模の縮小も可能とする」と答弁し、四月から七億円の予算をつけ、小中学校の一年生を担当する教員配置を百二十八人増やすことを明らかにしました。 渋谷区でも、一人一人の子どもたちの学校生活全体にきめ細かく教師の目が行き届くよう、三十人学級に踏み出すべきと考えます。教育長の所見を伺います。 また、東京都に対しては、早急に全学年で三十人学級を実施するよう求めるべきと考えますが、あわせて伺います。 次に、幼保一元化施設についてです。 区長は、渋谷型幼保一元化施設として山谷かきのみ園を四月から開設するとともに、昨年暮れには突然、西原の幼稚園と保育園を幼保一元化施設にすることを理由に、新たに土地取得を行い、順次全幼稚園に広げる考えを示しました。 昨年度の当初予算では、西原保育園は調理室の改修を行う予算が計上されていましたが、それを変更することについては保育現場には全く知らされていません。幼稚園、保育園現場の職員からは、「話し合いもなく、なぜこんなに急にやるのか」という声が出ています。 文京区では、四年前に区内初めてのモデル園として幼保一元化施設を開設しましたが、開設三年間の実績について保護者も交えた検証委員会を行い、昨年六月、最終報告を提出しました。それによれば「幼保一元化施設の検討においては、就学前教育としての有効性が認められるが、幼稚園教諭と保育士の連携や保護者間のコミュニケーションを深めるのに相当の時間を要する」などとして「現時点においては、新たな幼保一元化施設を開設することは難しい」と結論づけています。 今、渋谷区に求められているのは、拙速に計画を進めるのではなく、未来を担う子どもたちに子どもの権利条約に基づく最善の利益を保障する認可保育園の増設と充実、そして区立幼稚園での三歳児保育など、幼児教育の内容をさらに充実させることです。区長の所見を伺います。 次に、学校選択制についてです。 渋谷区は二〇〇四年度から学校希望選択制を導入するとともに、特色ある学校づくりとして広尾中高連携校、松濤英語教育重点校、上原教科教室型校舎、本町の小中一貫教育校、鉢山理数重点校など、区が特別に予算をつけて選ばれる学校づくりをしてきました。 その結果、松濤中や上原中学校には全区から生徒が集まる一方で、生徒数が激減する学校も生まれました。とりわけ本町中は、小中一貫校建設を住民の反対を押し切って実施したため、二年前から、入学する生徒は地域に住んでいる子どもの一割以下に激減しています。今年の地区大会の新年会でも「来年のニューイヤー駅伝には本町中学校は出場できない」また、子どもたちにスポーツを長年指導してきた方からも「野球やサッカーなど子どもが集まらない」という話もありました。一方で、二十校の小学校から子どもが集まる学校では、「一年生の子ども同士の人間関係をつくるのが大変で、授業を成り立たせるのも大変になっている」「子どももストレスがたまってけんかが多くなり、遅刻も増えている」「学校と保護者の距離が遠く、何かあったときに話をするのも大変」、こういう話を聞きました。こうした問題は渋谷区に限らず、学校選択制を実施しているところの共通の問題として出されており、廃止や見直しをする自治体も出ています。 また、文部科学省も昨年九月、「地域と学校のつながりが希薄になり、自分たちの生活拠点に密着した学習指導に支障を来したり、地域住民が通学の安全確保に協力することが困難になったりする」などとして、「学校選択制は全国一律に推進すべきではない」という考え方を出しました。 一部の学校にだけ予算をつけて選ばれる学校づくりをするのではなく、どこの学校に通っても一人一人が大切にされ、格差のない教育を受けられるようにすることが大切です。子どもの教育に格差を持ち込み、地域との関係も希薄にし、地域の教育力も減退させる学校選択制は見直すべきと考えますが、教育長の所見を伺います。 次に、本町小中一貫校建設について質問します。 本町地域の三つの小中学校の統廃合による小中一貫教育校建設は、住民の様々な不安を解決しないまま昨年秋から工事が強行されています。いまだに保護者だけでなく多くの住民が子どもたちのことを心配しています。また、隣接している住民からは、工事の振動や騒音に悩まされていることへの怒りの声も出されています。 現在の本町中学校に通学している生徒は一年生が九人、二年生が十九人、新年度の希望者は四人で、未提出者を含めて入学予定は十三人となっています。この子どもたちと保護者の願いにこたえようと、現場の教職員の方たちは本当に奮闘されていますが、様々な困難があることも聞いています。 本町小学校と東小学校の卒業生の多くは、このまま友達と同じ中学校に通いたいと願っています。しかし、今年も、地域にいる約百人の子どものうち本町中を希望した子どもはわずか三人しかいません。多くの子どもたちは本町中以外の学校に希望を出さざるを得ませんでした。中には、仲のよい友達と同じ学校に通えると希望を出したのに、抽せんの結果、友達とは別々の学校に決まってしまい、「子どもが制服を買いに行く朝まで悔やんでいた」という話を保護者から聞きました。保護者も子どもたちも納得していない小中一貫校計画を強引に進めるやり方に、本町の子どもたちは友達との関係を引き裂かれ、不本意な選択を迫られ、行き場をなくし、深く傷ついているのです。こうした状況をつくった区の責任は重大です。 本来、教育の目的は、子どもたち一人一人の人格の完成を目指し、個人の価値をたっとび、自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われるものです。しかし、この間の渋谷区のやり方は一貫校建設先にありきで、子どもたちを置き去りにしてきました。 渋谷区は、一人一人の子どもたちに心を寄せ、子どもたちを大切にする教育を行うべきです。三校の統廃合による施設一体型の一貫校建設は、今からでも見直すべきと考えます。区長の所見を伺います。 次に、中小業者、商店街支援について伺います。 深刻な不況の中で、商店街、中小企業への支援強化は待ったなしとなっています。昨年一年間の区内の倒産件数は二百二十四件、それによる失業者は三千一人にも上り、過去十年間で最悪だった一昨年に迫る状況です。国と自治体の新年度予算は、中小業者への固定費補助などによる対策の強化が求められています。 ところが、渋谷区の中小企業予算は昨年度比で五千五百四万一千円、率にして七・四%のマイナスとなっています。新たな実施計画に盛り込まれている事業は緑化対策だけです。本町周辺の商店街を見ても、一昨年、昨年で八百屋、クリーニング屋、雑貨屋、パン屋、喫茶店、食料品など住民の身近な存在として長年商売をされてきた店が次々と閉店しました。どこの商店街を見てもシャッターが閉まっている店が目につくようになり、今、商売を続けている方たちからも、「いつまで続けられるか不安だ」という声が聞かれます。 昨年、渋谷区が実施したプレミアム付き商品券事業について、総務委員会への報告では、利用した区民は三千百九十三人、購入した区民は人口の約一・五%です。一人で十万円分を購入した人は千四百人以上で、総額二億円のうちの七割を占めています。利用された小売店は七百六十三店で、そこで売り上げた額は全体の五一・四%しかなく、四七・一%は大型店の売り上げとなっています。参加する商店を増やすとともに、多くの消費者が利用できるよう改善が必要です。 こうしたことも踏まえて、今、区に求められていることは、区内の中小企業と商店街の景気回復に何が必要なのか、業種ごとにきめ細かく把握する実態調査を行い、支援することです。 大田区では新年度予算に、地域特性を踏まえ、歴史や文化、近隣住民の意見も取り入れながらにぎわいと活気ある商店街の機能充実を図る経費が盛り込まれました。渋谷でも、まずは活気ある商店街をつくり出すために、商店街を利用する地域住民とともに振興策について知恵を出し合う場をつくることが大事だと考えます。区長の所見を伺います。 次に、商店街の街路灯補助を全額補助にすることについてです。 六号坂商店街では、毎年の街路灯の維持費に約九十万円かかります。十号坂商店街でも、アーチと二十四基の街路灯の電気代が年間約七十万円かかっていますが、区の補助金は三十七万六千円です。どこの商店街でも突然廃業する店が増えて、「残った商店だけで維持するのは大変になっている」という声を聞きます。 商店街は、子育て世帯にとっても高齢者にとっても地域コミュニティのかなめとなり、街路灯はまちの防犯の役割も果たしています。電気代を渋谷区で全額補助すべきです。我が党の試算では、二千百万円増額すれば可能です。区長の所見を伺います。 また、直貸し融資制度の実現、区の小規模工事を地元業者が受注できるよう簡易登録制度、区民が店舗や住宅をリフォームする際に助成する住宅リフォーム助成制度など、地域経済のかなめである中小業者対策にふさわしい予算の増額と対策に取り組むべきと考えますが、あわせて区長の所見を伺います。 ○議長(松岡定俊) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 日本共産党渋谷区議会議員団の代表をされていらっしゃる五十嵐千代子議員の質問に順次お答えをさせていただきたいと存じます。 最初に、普天間基地のことを申されましたけれども、安全保障にかかわる重要な課題について区長が軽々に話をすることはいかがかなと、このように思っております。 核兵器廃絶についてでございますけども、区も区民も、それぞれ平和国際交流等々を通して同じ平和のために努力をしているわけでございまして、改めて核兵器だけに焦点を当ててやろうという考え方は持っておりません。 次に、扶養控除の廃止と消費税増税をやめるようにと、こういうことでございますけども、共産党の御立派な国会議員、いらっしゃるわけですから、そちらを通してお話をしてあげてほしいと、このように思います。 施設整備計画について、政治手法が間違っているというお話だったと思いますけども、何を言っても聞く耳を持たない会派のことでございますから、「ああ、そうですか」ということ以外に私にはありません。 渋谷駅の再開発についてのお話がございました。 当然、渋谷区も責任ある区政として、このことについては正面から対応していかなくちゃいけない、このように思っておりまして、その方向、渋谷街区基盤整備方針に基づきまして、駅施設の機能更新と再編を進めていく、さらに駅前広場など公共施設など、駅ビルの再開発と一体的に再編整備をして、公民のパートナーシップにより安全で快適な都市再生を目指していきたいと、このように思っております。 次に、トルコ、フィンランドへの議員派遣についてでございます。 私の意図するところ、趣旨とするところについては所信表明で申し上げたところでございますので、御理解をいただきたいと思います。 雇用対策についてのお話がございましたけれども、渋谷区独自にハローワークと連携して相談窓口をということでございます。 既に渋谷区はハローワークと連携いたしまして、職と住宅に困窮している方々への支援をいたしているわけでございますから、改めてそのような考え方は持っておりません。 生活保護にかかわります老齢加算と、生活保護の改善についてのお話がございました。 生活保護基準につきましては、国が基本的方向を決めるわけでございますから、その議論の推移を見守りたいと、このように思います。 また、住宅扶助の特別基準につきましては、生活保護受給者の状況から判断し、必要と認める場合には適切に対応しておりまして、一律にそのような考え方は持ち合わせていないと、こういうことでございます。 国保料を、引き下げるべきではないかということでございますけども、国民健康保険の制度設計は国の権限でございますから、渋谷区が引き下げるということはできない、このように思っております。 次に、後期高齢者医療保険料についてもお話がございましたけども、このことについても同様でございまして、国の対応を待ちたいと、このように思っております。 それから、子育て支援に関して、小学生についても無料にすべきだと、こういうことでございますけども、このことについては保育料体系の中で軽減を図っておりますので、小学生については考えていない、こういうことでございます。 出産助成金これを六十万円までということについては、上げれば上げるほど結構でございますけれども、これはやはり財政的なバランスも必要だと、このように思っております。 それから、保育園の待機児解消のために認可保育園の増設をと、こういうお話がございました。 あなたがトップダウンでだめだと言っている中には、そういう施設計画を盛り込んでいるわけでございます。そのことについてもひとつ目を背けないで、そのことについてきちっと見届けた上で御発言をいただきたいなと、このように思っております。 認可外保育園施設の給食についてのお尋ねがございました。 きぼう保育室については、待機児解消のための緊急対策として開園をしたと。一定の施設的なこの制約の中で、このようなことを行うところでございます。 給食につきましては、保育園給食に実績のある事業者のお弁当を提供しておりまして、入園時の面接においてもケータリングであることを御説明し、保護者にも御理解をいただいているところでございます。 それから、桜丘保育園や大向も存続すべきだというお考えでございますけども、桜丘も大和田も、新しくその保育園をつくるわけでございますから、そのことで御理解をいただきたいと思っております。 保育園の最低基準の改悪についてということで、民主党政権が保育所設置の最低基準を廃止し、三歳児以上の給食を外部搬入をしようとしているということでございますけども、私は、地域のことは地域が決めたほうがいいと思っているんです。そういう面では、これからのあるべき方向というのは自治体が主体的に決めていく、私、それが自治だと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。 給食の民間委託についても、新橋、代官山、大向をとらえてお話がございましたけれども、それぞれ実績ある専門業者に委託をしていく、また、その資格を持った職員を予定しているわけでございますから、子どもを犠牲にするということには相ならないと、このように思っております。 幼保一元化施設というよりも認可保育園の増設で対応しろと、こういうお話でございます。 先ほど申し上げましたけれども、一方では計画をやめろ、一方では増やせということで大変迷惑をしております。一貫性のある質問にしてほしいなと、このように思っております。 三歳児に限らず、私どもは保育ニーズに、家庭の必要とする保育ニーズにこたえていくということが一つであろうと思いますし、また、ヨーロッパや北欧では、保育は就労支援でなくって教育であると、このような考え方もございます。私はそれも大切なことではないかなと、このように考えているということでございます。 小中一貫校建設につきましては、これまでも再三にわたって私は誠実に答えてきたつもりでございますので、そのことの中で御理解をいただきたい、このように思います。 それから、中小企業と商店街のお話がございました。 この今日の問題というのは、消費者の収入が増えない、だから消費が増えないと、こういう状況、言うならばデフレでございますから、今、景気回復、そのための実態調査というのはいかがなものかな、このように思っております。 先ほど他区の例を引かれましたけれども、これも決め手になる方法はないんです。これは地域商店街活性化法というのが昨年できた、それに対応した、私は法律文をそのまま言っていらっしゃるんじゃないのかなと、そのような感じをしておりまして、ただ、私は、商店街は地域コミュニティを担っていただいている、しかもその中で日常生活、区民の日常生活を支えて頑張っていらっしゃいますから、できることについては私ども、どんどんやっていきたいなと、このように思っておりますけれども、景気停滞しているときには我慢することも必要かなと、このようなことを思っている次第でございます。 商店街の街路灯のお話がございましたけれども、このことについては、本区では一基当たり九千円の補助をしているということでございまして、他区に遜色はないんじゃないかと、このように思っている次第でございます。 それから、中小企業の問題として直貸し制度融資あるいは簡易登録制度、住宅リフォーム助成制度については、これまでも再三御答弁申し上げてまいったところでございますので、御理解をいただきたいと思います。 以上、答弁といたします。 ○議長(松岡定俊) 池山教育長。 ◎教育長(池山世津子) 教育について二点のお尋ねです。 初めに、三十人学級の実施についてのお尋ねでございます。 このたび東京都教育委員会が示しました学級編制方針は、小一問題や中一ギャップを予防、解決することを目的とし、小学校、中学校ともに入学直後の学年において教員を加配するものでございます。 平成二十二年度におきましては、小一及び中一に限り、教員の加配の基準を一学級三十九人として計算をいたします。これにより加配された教員は、学校の実情に応じて活用するものとされておりますが、例えば小一または中一の児童生徒数が四十人である場合は、従来一学級編制といたしていたものを二十人・二学級の編制をすることも可能となるものでございます。 渋谷区の小中学校では、全校において、区独自の予算により少人数指導のため教員の配置、講師の派遣等を行い、基礎学力の向上に取り組み、一定の効果を上げております。新たな東京都の制度は、その趣旨に従い十分に活用してまいりますが、都の制度の対象とならない学年もございます。従来どおりの少人数指導を取り入れてまいりたいと考えております。 なお、東京都教育委員会からは、この新しい制度は従来の一学級四十人という学級編制基準を変更するものではないこと、また、毎年度、制度の検証を行うとともに、三年後には総括的な検証を行うと説明を受けております。 したがいまして、現時点で東京都に対し、三十人学級の要請を行う考えはございません。 次に、学校選択制についての御質問でございます。 渋谷区の学校選択希望制の目的は、確かな学力の向上を図るとともに教職員の意識改革を促し、区民から選ばれ、信頼される学校づくりを目指しているものです。どの学校におきましても児童生徒一人一人を大切にし、個に応じた教育の実践を目指し、教育活動を行っておりますし、格差はありません。 本区の小中学校では、学区域の学校あるいは自宅から近い近接の学区域の学校に入学している児童生徒の割合は、小学校で九七%、中学校で八四%を占めており、地域の学校が保護者や子どもたちに選ばれている実態がございます。学校選択希望制は、地域に根差した学校をつくっていくことを後押しする制度であります。したがいまして、現制度を見直す考えはございません。 以上、答弁といたします。
    ○議長(松岡定俊) 二十四番五十嵐千代子議員。 ◆二十四番(五十嵐千代子) 区長に再質問をいたします。 昨年、国民は政治を変えることを求めました。貧困と格差を広げ、国民の命や安全を犠牲にしてきた構造改革に「ノー」の審判を突きつけ、社会保障の切り捨て、「官から民へ」といって福祉も教育も公的責任を投げ捨て、安上がりを求めて民間委託を進めるやり方を変えることを求めていると私は考えます。区長は昨年のこの審判、どのように受け止めているのでしょうか。 大事なことは、今、区に求められているのは、今日、明日の生活にも困っている区民がいるということ、また、長年続けてきた商売をやめざるを得ないような人たちがたくさん区内にいるということ、仕事をしたくてもできないような状況に追い込まれている建設業者などがたくさんいるということ、こういう人たちの暮らしと命を守ることを最優先にすることが、私は渋谷区に求められている最大の仕事だと思っています。 そういう点から言いますと、施設整備計画ですが、区長はトップダウンの政治手法を見直さない、こう言いました。しかし、今のやり方がトップダウンと言わずして何と言うのでしょうか。昨年の暮れに突然、西原の保育園と幼稚園を一緒にする、幼保一元化施設にするといって土地を購入する提案を追加議案として、たった一日の審議だけで議会に押しつけ、多数で強行可決させる、これがトップダウンと言わざるして何と言うのでしょうか。 私は、施設整備計画については、こうしたトップダウンのやり方をやめて、区民の参加の開かれた場で計画そのものを見直すべき。すべての施設計画を私たちは、先ほど来から要求しているように、否定しているわけではありません。しかし、一つ一つの施設についても、たとえ福祉の施設であっても、地域住民の意見、全区民の意見を聞いて適正な規模や適正な財政投入、そういうものを区民の合意で行うべきだと考えているのです。 改めて区長のトップダウンのやり方、見直すべきだということを強く求め、所見を伺います。 さらに、渋谷駅の周辺整備計画などの再開発あるいは議員の特権的な海外派遣についてはやめない、その一方で、わずかな予算があればできる商店街の街路灯の補助あるいは出産育児金の増額、こういうものについては財政的なことがあるからやらない、とんでもないことです。 私どもが今回提案しております国保料の値上げ中止に必要な予算は四億一千六百万、七十五歳以上の医療費無料化は三億八千六百万、第三子以降の保育料の無料化は五千四百万、中小企業の直貸し制度は三億円あればできることなのです。税金の使い方を切り替えるべきです。改めて所見を伺います。 二点目は、区立保育園の給食委託の問題、認可外保育室の問題ですが、子どもを犠牲にする規制緩和の何者でもありません。温かい給食を求めている子どもたちに、それをコストダウンとして与えない、また、保育士と一体となった調理を民間に委託する、これをやるような、こうしたことをやることは、まさに公的責任を投げ捨てるものです。 今、保育園に入所を求めている多くの保護者も、一人一人の子どもたちを大切にしてほしい、こういう思いで保育園に預けているのです。ゼロ歳児から五歳児までの子どもを預かる渋谷区が、行き届いた保育を行うのは当たり前のこと。ほかの予算を削ってでも子どもたちを大切にする保育を行うべきで、認可外保育施設や給食の外部からの搬入あるいは民間委託は絶対にやめるべきです。改めて答弁を求めます。 本町小中一貫校の問題です。 先ほども言いましたけれども、今、保護者や地域住民の反対を押し切って区長が進めてきた小中一貫校の犠牲は、子どもたちに大きくあらわれています。本町中に通いたいと願っている子どもたちは、小学校を一緒に過ごした子どもたちと、今、別れ別れにならざるを得ない。本中を希望した昨年の子は百二人中五人です。今年は百人中たった三人だけです。こうした事態をつくり出したことを区長はどのように考えているのでしょうか。 改めて本町の子どもたちが今、行き届いた教育を求めている、子どもたち一人一人の個性に合わせた豊かな教育を求めている、このことについて改めて区長の答弁を求めます。 ○議長(松岡定俊) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 日本共産党渋谷区議会議員団、五十嵐千代子議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。 最初に、この何というんでしょうか、今日、明日にも困る人がいらっしゃる、あるいは商売をやめなきゃいけない人もいらっしゃる、建設業をやめなくてはいけない人もいらっしゃる。暮らしと命を守るのは共産党だと言わぬばかりのお話でございましたけども、各会派の皆さん方も一生懸命そのことのためにお考えをいただいていると、私はそのような気持ちで対応させていただいているところでございます。 トップダウンというお話でございましたけれども、トップダウンというのは経営上必要なんですよね。それをあなたは、間違えないでください。トップダウンも必要だし、ボトムアップも必要なんです。両方が相まって経営がうまくいく、これはもう私が言うことじゃなくて、経営者なら全部わかっていることです。高いところからも見なくちゃいけない、下からも見上げていかなくちゃいけない、様々なことがあって、融合して経営はうまくいくんです。それは私が言っているんじゃないです。経営学ならだれでも言うことですから聞いてみてください。 それで、その例として西原の用地取得のことについて言われましたけれども、あれも、「年内に取得しなければほかに売るよ」と、こういうお話でございましたから、この目的等をきちんと議員に、議会に御説明をして、私、お願いをしたわけでございまして、何も私、しゃにむにですね、それこそ押しつけて御判断をいただいたわけじゃないと、このように思っております。 その他のことにもそうですけどね、それは予算の段階でも、あるいはその計画についての段階でもですね、あるいは工事の実施計画の段階でも、あるいは工事の施工の段階でも、私どもの管理職はそれぞれ地域に行ってお話をして、意見を聞いて帰ってきているんです。私の行く場合もございました。行ってみんな理解してくれました。そしてですね、そのことについてはわかりましたと、そのようなことが大半だったと思います。五十嵐議員さんが聞かれているのはどういうことか知りませんけどですね、今のこの民主主義の時代、一方的にやるなんていうことはね、あり得ないと思っています。 その次に、商店街の支援のことに絡んでおっしゃったと思います。 私、時代のそういう変化に対応した、自分の商売を変えていく、工夫をしていく、みんなやっているんです。それはみんなやっている、努力しているんです。ただ倒れるというだけじゃなくて、やはり倒れないためのですね、みんな全力を挙げて努力をされていらっしゃるんです。私はそのことも知っています。そういう努力をですね、支えていく、そういうような区政でなくてはならないんじゃないかと、このように思っております。 首をひねっていらっしゃいますけども、ただ、その中でですね、直貸し融資制度についても言われましたけれども、私は、このことがですね、企業や商店を救うことにならないんだと。それは、直貸しをやってですね、そのことによって貸し倒れが発生したときにどのようにするのか、その債権管理はどうするんだ、そのことは、そのまま財政に大きい穴をあけるわけじゃありませんか。そのことを心配して、この直貸しはだめですよということを私は申し上げたわけですよ。そのことをね、きちっと受け止めて、それなら対案を示してください。私はそのように思っております。 民間給食、民間に給食委託することもそうでございますけども、それなりに実績を持っていらっしゃる、そしてそれなりに資格者を持っていらっしゃる、そういうところにお願いをする、あくまで子どもを犠牲にしてですね、やろうなんていう気持ちはありません。みんなそういうことで苦労しているんじゃないですか。ない条件の中で、いろんな条件を探って、その中から一番いい方法を探ってやろうとしているんでございましてですね、何でもかんでも委託をすればいいというような考え方はですね、渋谷区は持っていません。 それから、小中一貫校についてのお話がございました。 別れ別れになったとすれば残念であると思っております。少なくなっているということについては、理解をされなかったな、そういうことはあると思いますけども、必ずや私は、その地域はですね、本町地域はですね、必ずや見直されると、私はそういうふうになっていくと思います。教育委員会もそういう決意のもとで、私は、この学校運営のために努力をしていただいていると、このように思っておりますから、私は押すな押すなになると、このように思っているものでございますので、御理解をいただきたいと思います。 以上、答弁といたします。 ○議長(松岡定俊) 二十四番五十嵐千代子議員。 ◆二十四番(五十嵐千代子) 今、区長の再答弁を聞いて、改めて区長の考え、間違っているというふうに私は言わざるを得ません。 トップダウンは必要だというふうに、経営上と言われました。まさに区長は、渋谷区を株式会社と間違っているのではないでしょうか。渋谷区は地方自治法で、第一の任務として住民の福祉の増進、これがうたわれているのです。この間、福祉を切り捨てるようなやり方、保育園の子どもたちが今まで与えられていた保育条件まで奪われる、こういうやり方は絶対に福祉の心を持っているとは言えません。 また、民主主義と言われましたけれども、区長は本町小中一貫校でも「理解されなかった」、こう言いましたけれども、今、子どもたちが区長の強行の計画によって、本来であればみんなと一緒に同じ中学校に行かれた子どもたちが行かれない、こういう事態に追い込んでいるという、その反省が全くないということを改めて指摘をさせていただきます。 私たち日本共産党区議団は、引き続き区民の暮らしと命を守るために全力で奮闘することを申し上げ、質問を終わります。 ○議長(松岡定俊) 六番栗谷順彦議員。 ◆六番(栗谷順彦) 私は、渋谷区議会公明党を代表し、区長並びに教育長に大きく七点の質問をいたします。 初めに、二十二年度予算及び実施計画二〇一〇についてお伺いします。 平成二十二年度の予算案を見ると、まず目に飛び込んでくるのが四十一億円余の減収となる特別区税であります。さらにそのほかの交付金等の減額を合わせて五十八億四千万円余に及ぶマイナスからのスタートには、大変な御苦労をされての予算組みだったことがうかがえます。 しかも、一歩も後退させることのできない区民生活に対し、使用料、占用料の増額確保と起債、また国・都の緊急経済対策としての補助・助成制度を最大限に活用し、そして、いわば桑原区長の区民を思うがゆえの愛の事業仕分けとでもいいましょうか、施策の集中と選択、また財政の効率的な運用を図られました。 二月下旬、私ども区議会公明党は、渋谷区の二十二年度当初予算の説明会を区内数カ所で開催いたしました。その説明会のほんの一部を紹介いたしますと、まずは健康について、特にがん検診無料クーポン券配布であります。 昨年、公明党は女性の健康を守るため、女性特有のがんに対する無料検診クーポン券配布を実現いたしました。これは、子宮頸がんは二十から、乳がんは四十歳から五年ごとの節目検診の受診率向上を目指し配布されております。そして、渋谷区でも我が会派の要望を取り上げていただき、渋谷区独自の施策として、現行の隔年検診の対象者にも無料クーポン券の配布を行っていただきました。 がんは日本における死亡原因の第一位で、渋谷区でも平成二十年は死因の三一%を占めております。 二十二年度予算には、渋谷区はこれまでもがん検診を無料で実施してきましたが、がんの早期発見、早期治療を推進するため、区民の方がより受診しやすくなるよう、がん検診、胃、大腸、肺、子宮、乳がんの対象者全員に無料で受診できるクーポン券を送付し、予約から受診までの利便性向上を図るとしております。これにより、受診率の向上が大いに期待されます。 渋谷区では公明党の取り組みで、七年前の十五年度からマンモグラフィによる乳がんの検診を導入していただきました。最初は年間百人程度の受診枠でございましたが、徐々に拡大され、今では希望者全員が受診できるようになりました。 二十二年度中には文化総合センター大和田に開設される渋谷区健康センターで、医師会の協力のもと、区民対象者全員がマンモグラフィも含め、最新の検診医療機器で受診できるようになるわけであります。がん検診が終わったら、プラネタリウムで夜空を見る。私は、これだけで受診率が向上すると思っております。 また、各種ワクチン接種助成も、渋谷区はほかに類を見ないほど充実が図られようとしております。お子さんは、新規でおたふく風邪、みずぼうそう、継続でヒブワクチン、高齢者は二十二年度も継続で肺炎球菌ワクチンが七十五歳以上無料、そして、子宮頸がん予防ワクチン接種助成であります。三回で四万五千円から五万円の費用がかかるこのワクチンを、三回で三万円を十歳から十九歳まで幅広く助成し、二十からは無料クーポン券で検診というこのシームレスなサポートこそが全国初にふさわしいと私は思っております。 また、私どもが提案させていただいた渋谷区独自の特定不妊治療助成も二十二年度、継続となりました。これは平成二十年度から、一回の治療につき十万円を年二回、五年間助成するものであります。昨年増額した東京都の支援を合わせると、一回につき二十五万円、年二回が五年間続くことになります。当事者にとっては「人の痛みをわかっていただいているような制度」と、非常に好評をいただいております。 次に、高齢者対策でありますが、後でも触れますが、昨年、公明党は全国三千人を超える国会、都道府県議会、市区町村議会の全議員が現場に入り、介護総点検を実施いたしました。そこで浮き彫りになった幾つかの中に、特養など介護施設の建設と、介護保険内でフォローできない部分をどうカバーするのかという問題がありました。 国のレベルの問題でもありますが、区長は既に計画し、実施しております。 これまで私ども、特養の整備と在宅介護の充実などを一貫して訴えてきたところであります。今後の超高齢化社会を見据えた視点に立って、特養の待機者やその家族のニーズにこたえるため、特別養護老人ホーム、公設が二、民設一の建設が区長より発表されました。また、自宅で介護している方の負担軽減のために、ショートステイの施設や認知症グループホーム設置も計画されました。さらに、区独自の介護サービスとして、これまで区長はひとり暮らしの高齢者や、いわゆる老老介護世帯に手厚くサポートしてきたわけでございます。 さらに、二十二年度において親などを介護する勤労世帯にもそのサービスを拡大し、提供することによって在宅介護の負担も軽減され、介護するほうも安心して働ける状況がつくられます。 また、平成二十年一月に全国に先駆けて開始した区独自のホームヘルプサービス、軽作業代行サービスも、二十二年度より勤労者世帯も対象となり、支援が盛り込まれました。区長がよく言う「区民のため、国がやらないのなら区がやる」との言葉どおり、現場を知る者ならではの施策であり、高く評価するものであります。 次に、私どもが提案した定住対策家賃助成であります。これは毎日のように問い合わせがあり、対応に苦慮しております。 以前、家賃の上昇に収入が追いつかなかったバブルの時代に、区外へ流出を防ぐために渋谷区家賃補助制度がありました。今はそれとは逆に、大変な不況の中、収入が減るなどして定住が困難な時代となりました。 就職、結婚、出産等をきっかけに引っ越しをしようにも、家賃を考えると引っ越し先は渋谷区内である必然はなくなります。また、収入等が減少し家賃を払うのが精いっぱい、今より安い部屋に引っ越しをする費用すら出ない、そういう若者や子育て世代が増えております。新たな家賃制度として、これらの方を対象に十年間、三万円から五万円の助成が今回盛り込まれました。これは定住化の促進を図るとともに、子育て支援、さらには少子化対策となるでありましょう。 私どもに寄せられるこの反響の大きさが区民の叫びであり、区民の生活の現実であります。区長の決断に感謝する次第でございます。 また、保育園においては、桑原区政第二回目となる保育園の軽減措置がとられました。 区長は平成十七年、中間所得者の保険料減額を実施いたしました。これにより、渋谷区の保険料の安さは都内でもトップクラスになったわけであります。二十二年度予算には、さらに給与所得の方で四百万円以下は保育料無料、一千万円以下まで収入に応じた減額をいたします。さらに三人目以降が無料となり、少子化に貢献した小さなお子さんが多い世帯ほど大きなメリットとなるわけであります。 以前、よく「保育料のために働いているようだ」というお母さんの声がありました。もうこういう声はなくなると確信しております。 私たち公明党は、早くから保育園の新設や定員枠の弾力化を提案、実現してまいりました。そして、このたび区長推進の待機児ゼロプロジェクトは、待機児を減らそうとする下からのアプローチではなく、「待機児をゼロにするんだ、そのためにどうするのか」との大上段に目標を掲げ、そこから逆算していこうとするまさに英断に次ぐ英断であります。幼保一元化施設、山谷かきのみ園の推進実現も大きく影響しています。 私たち公明党は、区長の推し進めるこの待機児ゼロプロジェクトを全力で応援していく決意であります。 幼保一元化について、公明党は平成十五年から提案、推進をしてまいりました。親の就労形態にかかわらず、すべての子どもたちをひとしく保育、教育する、お母さんが働いているとか働いていないとか関係ない、これが幼保一元化の魂であります。「未就学児はすべて同じ」、この哲学なくして幼保一元化を語ることはできません。プリスクールの概念そのものであります。 この記念すべき渋谷区第一号として、山谷かきのみ園が二十二年四月、開園いたします。今後、開園を予定されている西原・本町地域にも大いに期待を寄せているところであります。 公明党は三年前、品川区の小中一貫教育校、日野学園を視察してまいりました。校長先生から校内くまなく案内していただき、全学年の教科書を見せてもらい、そして教育方針を伺いました。一瞬「ここは日本かな」と思ったほどであります。渋谷区でも、小中一貫教育の実現を願ってまいりました。 日野学園の校長先生から聞いた忘れられない話があります。それは、私立の中学校の先生たちが視察に訪れ、「日野学園は私立を超えていますね」と言われたそうであります。そして、最後にこう言ったそうであります。「ただ、日野学園になくて私立にあるものが一つだけあります。それは授業料ですかね」ということでありました。 日野学園の宣伝をしているわけではありません。それだけ小中一貫教育には多くの可能性があり、期待もまた大きいと思います。二十四年開校予定の本町小中一貫教育校に対し、私ども公明党にも多くの期待が寄せられております。 五年前の平成十七年、渋谷区の合計特殊出生率が全国ワーストワンとマスコミに報じられる中、六月の定例会において、区独自の妊娠期間中の負担軽減策としてハッピーマザー助成を提案いたしました。これは当時、妊娠期間中のサポートがたった二回の妊婦健診しかないことから、おなかの子どもに児童手当を支給できないものかとの発想で、五千円掛ける十カ月で五万円を妊娠手当として支給することを提案してまいりました。 桑原区長は早速翌年の十月から実施に踏み切り、ここに全国初の妊娠期間中のサポート、ハッピーマザー助成が誕生し、その効果は大きく、その他の子育て支援と相まって、渋谷区は子育て支援全国ナンバーワンの座に輝きました。 実は、公明党本部もこのことを重視し、その後、国会で公明党が妊娠期間中の負担軽減策として妊婦健診の拡大を図り、妊婦健診助成は二回から五回、さらに十四回と拡大されました。渋谷区発信の妊娠期間中のサポートが国を動かし、子育て支援のスタートラインを出産時から妊娠期間へ変革させることができました。これは歴史の事実であります。 さらに、ハッピーマザー助成は次の段階にその使命を移し、妊娠期間の負担軽減策から出産時の負担軽減のサポートとして進化を遂げました。 それは、当時、国保の出産一時金は三十八万円と、実際の出産にかかる費用である五十万円前後には十数万円の隔たりがありました。現在は、国保の出産一時金は四十二万円まで拡大されました。そこで、ハッピーマザー助成を八万円にすることで出産一時金と合わせて五十万円の実現を御存じのとおり提案してまいりました。そして、桑原区長は二十二年度予算に上限八万円としてハッピーマザー出産助成を盛り込まれました。ハッピーマザーのバージョンスリーであります。 ハッピーマザー助成は渋谷区の子育て支援の象徴として、今後も進化し続けることを願うものであります。 平成二十二年度予算は、今、何をすべきか、それに明快にこたえたものと高く評価されるものであります。 以上のように、私ども渋谷区議会公明党は、二月中に、区民に向け二十二年度予算の賛成討論を--あ、失礼しました。予算説明会を済ませております。 この未曽有の減収が見込まれる中、子育て支援、文化振興の発信、区民の健康維持、高齢者福祉、定住対策等々目を見張る施策の数々に、会場からは大きな感嘆の声が起こりました。当然であります。また、実施計画二〇一〇においても、子育て支援、地域コミュニティの構築と活性化、超高齢化社会を見据えた対応、区長の決意みなぎるテーマで貫かれております。 そこで、区長に改めて、二十二年度予算、そして二十四年に向かっての実施計画二〇一〇断行の決意をお聞かせ願いたいと思います。 次に、文化芸術振興及び文化総合センター大和田についてであります。 いよいよ今年、渋谷区の文化の拠点、区民の健康維持の拠点、そして教育、福祉、地域コミュニティに大きくかかわる区民待望の文化総合センター大和田が、十一月、オープンする運びとなりました。既に三月一日からは、さくらホール、伝承ホールの使用案内の配布、受け付けが始まり、ついにここまで来たのかと実感をしております。 七年前、私が議員になって初めての代表質問で桑原区長にお願いしたのが、渋谷区の文化芸術振興にかかわる条例制定と、文化振興を検討する場の設置でありました。区長にはその意を十二分に酌んでいただき、早速その年、平成十五年の十一月、補正予算を組んで渋谷区文化芸術施策検討委員会を立ち上げられました。私は、この検討委員会の設置こそが文化総合センター大和田建設の礎になったと信じております。 検討委員会では一年間にわたり、守るべき文化、新たな文化、渋谷区ならではの文化等々、様々な角度から渋谷区の今後の文化芸術振興にかかわる検討がされました。その検討委員会の提言を受け、区長は十七年三月、新たな区民文化の創造と情操豊かな次世代を担う子どもたちの育成のため、旧大和田小跡地活用計画を発表されました。また、同三月三十一日、渋谷区文化芸術振興基本条例も制定され、検討委員会の新たな役割は大変意義深いと感じております。 それから、条例の内部機関として渋谷区文化芸術振興推進協議会が組織され、今日まで協議を重ねていただいております。 平成二十年、渋谷区文化芸術振興基本条例はその所管を教育委員会から区長部局に移し、一段と間口の広い文化芸術振興の取り組みが行われるようになりました。 文化総合センター大和田について、我が会派もインキュベーション施設やアートギャラリーの設置等の提案もさせていただきました。今、振り返ると、この文化総合センター大和田建設まで多くの方が参加し、検討し、協議し、知恵を出し合い、いわば区民の思いが凝縮した施設であると認識しております。 先日、私は、区内で子どもたちにバレエを教えている方と懇談をいたしました。今まで、区内でレッスンは何とかできても発表会や公演は区外の施設で行わざるを得なかった状況が、さくらホールの完成によって解消することを大変喜んでおられました。このような団体、グループは意外に多く、区内でもけいこ等の場の確保も激化しているとのことで、文化総合センター大和田に設置される練習場、リハーサル室は「大変な人気になりますよ」ということでありました。 また、ホールに反対している人たちの理由を聞かれました。私は「全体の収入より運営費が一億数千万出るから無駄だって言っていますね」と言うと、彼女は「全く対極にいる方々ですね。舞台芸術に限っても、子どもたちの心を育て、いや、区民の心の財産を積む場としては安いコストじゃありませんか」とのことでした。私も同感であります。 区長は、渋谷区文化芸術施策検討委員会の設置からこの六年半を振り返り、どのような思いかお聞かせください。 文化総合センター大和田において、現在、内部の施設も含め、ネーミングライツを募集しております。この経済状況の中、企業にとってなかなか高いハードルではないかと思っております。 そこで、特にさくらホール、伝承ホールについて、サポーター制度、スポンサー制度を導入してはどうでしょうか。渋谷区の舞台芸術振興のため賛同してもらえる多くの企業や団体、個人から寄附をしてもらい、さくら、伝承両ホールの入り口にボードを掲げ「私たちは渋谷区の舞台芸術振興とこのホールをサポートします」と寄附をしてもらった企業や個人の名盤、ネームプレートを掲げるというものであります。 名盤も、センシティブなものでなければなりません。一口の金額を定め、寄附しやすくすること、目的を持って寄附をしてもらったものをどうプールするのか、できなければ一たん一般会計に繰り入れ、次年度予算化する、また税制上の優遇処置、メセナ協議会との兼ね合い等々、クリアしなければならない問題もありますが、両ホールのオフィシャルスポンサー制度、オフィシャルサポーター制度の導入を検討していただきたいと思いますが、区長の御所見を伺います。 一月四日、トルコ共和国の首都、アンカラでオープニングセレモニーが行われ、「トルコにおける日本年」事業がスタートいたしました。 日本とトルコとの友好の歴史は、一八九〇年のエルトゥールル号から百二十年、それから九十五年後の一九八五年、イラン・イラク戦争におけるトルコ航空邦人救出から二十五年、この両国民の命を救い合った歴史は対として語られることが多く、「トルコにおける日本年」事業のパンフレットやオフィシャルサイトにも明記されております。トルコと日本の友好の歴史の重さ、深さを改めて感じる次第であります。 渋谷区でも、イタスンブール市ウスキュダル区との友好の歴史も新たな段階に入り、昨年は渋谷区の文化芸術団体が現地での公演をするなど、歴史の一ページを飾りました。また、今年は公募による区民参加が予定され、より深い文化交流ができるものと期待しております。 そこで、現地トルコでの事業の二カ月前まで申請すると、「二〇一〇トルコにおける日本年」のオフィシャルロゴマークの使用と、オフィシャルサイトへの掲載がされるようであります。是非申請すべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、新しいホールの完成を機に、トルコ・ウスキュダル区からの文化芸術団体を招聘し、広く区民に鑑賞していただきたいと思いますが、区長の考えはいかがでしょうか。 我が会派は、金沢市のインキュベーション施設を視察するなど、早くから若手起業家の支援の重要性と設置を提案してまいりました。最近、この夢のある事業について、各方面から問い合わせをいただいております。 文化総合センター大和田の十階、十一階に設置されるファッション、デザインに特化したインキュベーションオフィス、創業支援施設の運営はどのようになるのか、また、募集要領と今後のスケジュールをお聞かせください。 文化庁の二十二年度の予算を見ると、昨年度に引き続き「文化芸術立国の実現」と「文化の発信」がテーマであります。年々確実に微増ながら予算を増やし、文化芸術振興を標榜する者はその発信も使命であるかのようであります。 渋谷区民はもとより区外の方にも是非足を運んで見てもらいたい区の施設は何かと考えると、松濤美術館、白根記念渋谷区郷土博物館・文学館、渋谷区ふれあい植物センター、重要文化財旧朝倉家住宅、そして今後は渋谷区文化総合センター大和田で、中でもプラネタリウムやアートガーデンとなるのではないでしょうか。渋谷の文化の発信の一環として、この五施設のPRビデオを制作し、ホームページ等で配信してはどうでしょうか。 また、ふれあい植物園は独自のサイトを持っていますが、ほかは独自のサイトを持っておらず、区のホームページの中にあります。この五施設のいわばポータルサイト、入り口となるサイトを構築し、五施設を前面に押し出し、さらに、同時期のイベント開催など綿密な連携を図ってはどうかと考えます。 所管が複数にわたる、旧朝倉家住宅のように余り大勢で押しかけられては文化財保護への支障を来すということがあるかもしれませんが、「店長お勧め」ならぬ「区長お勧め」の渋谷区の文化発信として、五施設セットでその目玉とされてはどうでしょうか、お考えをお聞かせください。 続いて、子育て支援であります。 十六年から順次推進した放課後クラブ事業は年々充実が図られ、全児童対象の放課後の過ごし方について、親の就労形態にとらわれない考え方が定着いたしました。 放課後クラブ事業は、今後、区が進める幼保一元化の出口論とも言えます。その意味で、スムーズな連携が期待されております。 全校・全児童対象の放課後クラブ事業によってその役目を終えた旧学童館の跡地利用については、渋谷区の子育て支援に大きく貢献したところであります。跡地はそれぞれ教育、子育て、福祉、地域コミュニティ等姿を変え、また、変えつつあります。大半は子育て支援センターや保育施設として、子育て支援の飛躍的な拡充をもたらしました。区長による時代に即した放課後クラブ事業がなかったら、到底望めなかったことと認識しております。 この数年、ハード面、ソフト面でも様々な取り組みがなされてきました。今後さらに放課後クラブをどのように充実していくのか、区長の所見を伺います。 二月十日の二十二年度当初予算のプレスリリースの席上、区長が「待機児ゼロの実現」と宣言した瞬間、私は鳥肌が立ちました。未曽有の経済状況により保育園需要が増す中、「待機児ゼロのゴールテープを切るのは渋谷が一番だ」との並々ならぬ決意を感じました。我々も保育園の定員の弾力化や保育園の建設を訴えてきましたが、昨年来から区長陣頭指揮の待機児ゼロプロジェクトには、敬意を超え、感謝の気持ちでいっぱいであります。 ここで、二十二年度中の待機児ゼロの実現に向け、その未来予想図を示していただきたいと思います。 政権についた民主党は、そのマニフェストに、中学校までの子どもに全額国庫負担で月額二万六千円の子ども手当をうたっております。二十二年度は半額の一万三千円ということでありましたが、それから何とあろうことか児童手当の地方負担分を組み入れてきました。渋谷区の二十二年度予算の中にも計上されております。 児童手当は一九六七年、昭和四十三年、千葉県市川市で公明党市議の提案で、一自治体の制度として誕生しました。翌年、東京都も実施し、一九七二年には国の制度となった数少ない地方発信のボトムアップの制度で、以来四十年間、拡充が図られてきました。特にこの十年は、対象児童の拡大や支給の増額、所得制限の緩和など、四回にわたり大きく拡充が図られました。しかし、その四回とも唯一反対したのが民主党でありました。その理由は、「額が小さいから」と記憶しております。 その反対してきた児童手当の、しかも地方負担分を組み入れたことで、もはや子ども手当とは言えません。私は、これは児童手当の五回目の拡充を民主党が行うんだなと認識しております。 また、政府は子ども手当の財源の一部として、扶養控除廃止を二十四年より予定しているようであります。税制改正の議論は議論としても、これにより住民税負担が増加し、必然的に国保料等の区民負担は増加するのは確実であります。どれほどの負担増になるのか、また、区にとっての対応があればお聞かせください。 次に、教育及び消費者啓発について御質問します。 本年、鉢山中学校が理数教育重点校として最初の一年を終えようとしております。二十二年度は二年目として、特に、こども科学センター・ハチラボとの連携の年でもあります。渋谷区の理数教育のセンター校として、二年目に向けた意欲を教育長にお尋ねいたします。 また、こども科学センター・ハチラボは、同施設文化総合センター大和田十二階に設置されるプラネタリウムと天体観望スペースと連携するべきと思います。その上で、国立天文台やJAXA、宇宙航空研究開発機構の宇宙教育センターが行う学校教育支援プログラムなどを活用してはどうか、教育長にお尋ねいたします。 理数教育は、一つの副産物として、健全な消費者を育てることにつながると信じています。市場やネットショッピングには「えせ科学」や「トンデモ科学」と言われる理解しがたい理論や表記が数多く見られます。公正取引委員会が行うその宣伝表示などへの排除命令も意外に多く見かけます。 また、「特許を取得している」との表示があれば安心してしまいがちですが、特許はその製品のもととなる理論の正しさを証明するものではなく、単にオリジナリティの保障であることを知る人は余り多くありません。 そこで、理数教育にこだわらず、全中学校での消費者教育の実情と今後の展望について教育長に伺います。 国の消費者庁の設置に伴い、消費者行政の一元化により消費者保護の取り組みが一段と高まっております。また、悪質事業者から消費者を守るため、東京都も消費生活条例を改正するなど対策に乗り出しました。区においても消費者センターを中心に相談業務を行っていますが、特に最近、傾向などがあればお聞かせください。 消費者保護の観点から、区民への啓発事業は重要な役割があると考えますが、今後の啓発事業の計画があればお聞かせください。 次に、危機管理及び防災についてお尋ねいたします。 十九年六月議会において、区施設へのAEDの設置をお願いいたしました。区長は早速翌日、庁舎二階へ設置し、その後、スポーツセンター、全小中学校と設置拡大されました。 現在の区施設への設置状況と今後の設置計画をお聞かせください。 また、区内でもAEDを使った救命講習の受講者が年々増えております。十九年度では四千七百七十三名、二十年度で五千九百四十名、二十一年度で六千七十三名が区内で受講しております。救命講習では、意識のない方を発見し、周りに協力を求め、その一人に「あなたはAEDを持ってきてください」というくだりがあります。だいたい議員の方は御存じであると思います。AEDを頼むほうも頼まれるほうも、素朴な疑問として「実際このような事態に遭遇したとき、AEDはどこにあるんだろう」と思いながらも講習は進んでいきます。 そこで、区内のAEDマップの作成をお願いしたいと思います。 区内施設を初め公共機関、企業等、大変な作業かもしれませんが、紙ベースで作成するのではなく、ホームページで定期的に更新し、救命講習のときや、意識ある方がプリントアウトできるようにしたほうが便利で効果的であると思いますが、区長の考えを伺います。 新型インフルエンザ蔓延を教訓として、企業が、大規模災害時だけではなくSARSや鳥インフルエンザなど強毒性のウイルスのパンデミック(感染爆発)に備え、BCP(事業継続計画)の再検討を行っております。鳥インフルエンザやSARS等のウイルスの感染爆発に備え、渋谷区としてBCPの計画と考え方を伺います。 同じく、強毒性のウイルスの感染拡大時の家庭や職場等における濃厚接触者のガイドラインをつくる必要があると感じています。私自身、昨年、家族が新型インフルエンザに感染、発病し、濃厚接触者、ほとんど超濃厚接触者でございましたが、当事者になった経験上、必要性を実感しております。ガイドラインの有無も含め伺います。 次に、防災関係でありますが、その前に、このほどチリ地震、ハイチ地震に次いでのチリ地震で犠牲者となった多くの方の御冥福をお祈り申し上げるとともに、一日足らずで我が国に到達した津波に、まさに対岸の火事ではないことを痛感いたしました。 「忘れたころを忘れない」、その思いで二点伺います。 大規模災害時、内部疾患、人工透析を必要とする腎不全、また酸素ボンベの携帯を余儀なくされる肺疾患の方など、たとえ防災で無傷で救出されても、生命維持を絶たれた場合、その不安ははかり知れません。その不安を解消するためにも、区としてどのような対応をとるのか伺います。 十九年、我が会派は新潟県の小千谷市と三条市、また石川県輪島市を視察してまいりました。実際に災害に遭われた自治体の備えの再構築には目を見張るものがありました。 平成十六年七月、大洪水を経験した三条市は、ビジュアルを駆使した防災センターを設置し、きめ細かい情報収集と市民への情報発信システムを構築し、情報管理こそがかなめとの教訓を生かしておりました。 また、十六年十月、震度六強を経験した小千谷市は、自治体災害時情報ネットワーク「ネットワークおぢや」をつくり、多くの自治体が参加しております。特に、被災家屋調査や罹災証明発行業務の教訓は非常に勉強になりました。 一貫して、実際災害を経験した自治体は、教訓として知恵を発信し続けております。 渋谷区は、防災協定を結ぶ自治体があります。それはそれとして、災害を実際に経験した自治体と日ごろ密接な連携を図り、災害発生から復興に至るまで長期にわたる各セッションでの情報やノウハウを習得し、研究する必要があると思いますが、区長の見解を伺います。 次に、介護総点検についてお尋ねします。 介護保険制度は本年で十年の節目を迎えます。十五年後の二〇二五年には、六十五歳以上の高齢者人口は全国で三千六百万人、高齢化率三〇%を突破すると予想されています。これを踏まえて公明党は、昨年の十一月から十二月にかけて、全国三千名を超える全議員が介護の現場に入り、介護総点検運動を実施しました。 全国四十七都道府県から十万件を超えるアンケート調査結果を得、その貴重なデータをもとに喫緊の課題や提言をまとめ、新介護公明プランを策定いたしました。ポイントは三つの不足、介護施設、在宅支援体制、介護労働力でありました。 高齢者が住みなれた地域で安心して老後を暮らせる社会を目指し、二〇二五年の超高齢化社会を見据え、二〇一二年の介護保険制度改正では抜本的な制度設計の見直しが必要であります。これにより、公明党は、重点課題として十二項目の政策提言を発表いたしました。この新介護公明プランについて、区長の御意見を伺います。 この介護総点検で、渋谷区のレベルの高さを改めて実感しました。特養の建設計画や区独自の介護のサービスの取り組みなど、他区や他の自治体に比べ充実度が数段上であると感じた次第です。 その中で、是非一つ提案をお願いしたいと思います。 それは、区内の四カ所のパワーリハビリ施設を、今後、本町、上原に建設が予定されている特養にも設置拡大できないでしょうか。シニア筋力トレーニング教室の充実と、それを修了された方のその後のモチベーション維持を図っていただきたいと思いますが、区長の考えをお聞かせください。 最後、環境施策について伺います。三点伺います。 渋谷区において新たに建設される施設に太陽光発電パネルや風力発電等を設置して、クリーン電力利用による節電はかなり進んでおります。次の段階として、高価ではあるが、仕組みや原理は理科教育につながる燃料電池を利用した節電システムを今後検討する段階にあると思いますが、区長の所見を伺います。 役所は、殊のほか紙文化であると痛感しております。これは議会の諸問題で扱う事項でございますが、文書により通知という慣習などは、紙で受けたい人、メールなど電子情報で受けたい人、どちらか選択できるようにする時代に入っていると思います。 同じく、庁舎の各部署でもそのような慣習があるのではないでしょうか。派手に看板を掲げるてらいの環境対策も必要ですが、足元に目を向け、全庁舎的に紙文化へのブレーキをかけるプロジェクトを立ち上げてはどうでしょうか、区長の考えを伺います。 最後に、地球温暖化対策を推進するため、再生可能エネルギー、風力、地熱、バイオマスなどの活用で都市部と地方が連携し、双方の課題を解消していく新しい取り組みが、昨年十二月、東京都、青森県、そして千代田区の三つの自治体で締結がされました。 東京都は本年四月から、全国で初めて、大規模事業所を対象にCO2の排出削減を義務化します。一方、その達成策の一つとして、青森県再生可能エネルギーの利活用を促していこうとするものです。多少高価な電力の購入となりますが、義務の励行による企業のイメージの向上と明確な目標設定が期待されております。 また、青森県側では再生可能エネルギーの開発を支援し、都市部にエネルギー供給することで低炭素社会構築に貢献し、また、新規の事業参入を促し、雇用の拡大や経済の活性化につなげたいとしております。 渋谷区においては、実施計画二〇一〇で「廃棄物発電によるグリーン電力の購入」とあります。これは「再生可能エネルギーによるグリーン電力購入」との違い、また、その仕組みをお聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(古川斗記男) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会公明党、栗谷順彦議員の代表質問に順次お答えをさせていただきたいと思います。 最初に、平成二十二年度予算及び実施計画二〇一〇に高い御評価を賜り、厚く感謝申し上げます。 平成二十二年度予算、そして二十四年度に向かっての実施計画二〇一〇の決意をと、このようなお話でございました。 今日の社会は、一面において、将来に備えるということよりも目先のことだけつじつまを合わせる悲しい社会になろうとしているわけでございます。また、公や行政に対して言われのない怨望や憎悪を持ち、バッシングを行うことに喜びを持つ人間も散見され、ネガティブ社会の一面も見られるところでございます。そうした社会にあって、よいことはよいと御評価をいただくことはどれほど希望と夢のある社会のために行政を勇気づけ、職員を励ましていくことになるかはかり知れないものがあると、このように思っている次第でございます。 区政は常に目に見えない区民の苦しみや悲しみに思いをいたし、また、少子化社会や高齢社会の構造的課題に目を向け、さらに渋谷区として教育、文化を向上させ、また、世界平和のもとグローバル社会の中で活力ある社会としての発展を図ることに思いをめぐらさなくてはならないと思っております。 今日の社会状況をかんがみるときに、区政は課題を先送りできないタイムリミットを突きつけられていると、このように思っている次第でございます。しかも、その課題は一朝一夕に成るものでなく、区議会の皆様方と共通認識を持って進めていかなくてはならないと、このように思っている次第でございます。 経済不況のために区税収入は激減しておりますが、だからこそ区政は頑張らなくてはなりません。また、平素から不況に備え、無駄を排し、基金を積み上げる努力をいたしてまいりましたが、今こそこれを活用しなければなりません。かつて渋谷区政は豊かだと言われ、皆これを信じたと思いますが、現実は、基金は百十億円と減り、財政構造は歳出が増え、貯金がゼロになるどころか赤字になることが必至のときもありました。しかし、今、基金は七百億円を超えていますが、これも血と汗と努力の結果でございます。 持続的な財政運営のための課題の一つは、三位一体改革による特別交付金三十億円が、二十二年度でこれがなくなることでございます。このことに対応して、本区は建設公債を一方で生かす、他方で二十二年度には文化総合センター大和田の建設が完了し、二十三年度には本町地区小中一貫校の建設も完了となりますので、これら普通建設事業を弾力的に運用し、それらの心配事を取り除いてまいりたい、このように思っている次第でございます。 持続的な財政運営に結びつけ、景気回復も必要でございますけれども、今のところその見通しもない中、一つ一つ細心の注意を払いながらこの財政運営に努め、目的を達したい、このように思っております。どうぞこれからも御助言をお願いをしたい、このように思っております。 次に、文化芸術振興及び文化総合センター大和田について、この六年間振り返ってどのような思いかと、こういうお尋ねでございました。 本区における文化芸術の総合的な振興については、美術の分野については松濤美術館を中心とした企画展示や絵画教室、公募展など、区民の美意識を高める総合的な施策を推進してまいりましたが、音楽や演劇、伝統芸能にかかわる施策については体系的な施策に欠けておったため、長い間、本区の課題になっていたところでございます。 そこで、平成十五年十一月から、自然と文化とやすらぎのまち渋谷にふさわしく、文化芸術の振興・発展に必要な区の基本方針を検討するため、渋谷区文化芸術施策検討委員会を設置し、平成十六年九月に御提言をいただきました。その御提言の趣旨を踏まえ、平成十七年三月、渋谷区文化芸術振興基本条例が制定されました。その趣旨とするところは、文化芸術の振興を通して新しく区民文化の創造と、創造性豊かな次世代を担う子どもたちの育成こそが少子高齢化の時代を心豊かに生きるために何よりも必要であると、このように考えたところでございまして、御提言をいただいたことに心からお礼を申し上げる次第でございます。 そのため、本区には公会堂があるものの使い勝手のいい中小のホールはなく、都の施設は近く廃止予定であり、また、国の施設は利用が多くて区民は使えない、そのような状況の中で、区民の自主的な文化活動の発表の場や良質な文化芸術に触れる機会の提供など、総合的な施策の充実を図る目的で、旧大和田小学校跡地を活用し、中小の文化ホールの施設整備の方針を打ち出したところでございます。 加えて、プラネタリウムやこども科学センターを設置し、子どもたちの夢をはぐくむとともに、既に区民に好評なシニアいきいき大学や体育館、図書館などを加えた総合的な文化施設整備を検討し、平成十七年六月には、それらを盛り込んだ基本構想案を発表したところでございます。 その後、基本設計を進める際にも、専門家の意見やパブリック・コメントの実施によりいただいた区民の意見、要望等も参考にしながら、よりよい施設づくりに努めてまいりましたが、これを政局として利用し、いつも箱物であるという反対する会派のあったことについては大変残念に思っている次第でございます。 こういった経過を踏まえながらも、平成十九年第三回定例会において本施設の建設工事の契約議案の御議決をいただき、近隣住民や地元町会等の御協力をいただき、二年八カ月に及ぶ工事期間を経て本年六月末には工事が完了し、十一月には待望の施設オープンを予定しているところでございます。これを一貫してお支えをいただきました貴会派初めそれぞれの区議会議員には、厚くお礼を申し上げたいと存じます。 なお、さきの臨時区議会において文化総合センター大和田条例が制定されたことにより、本年三月から文化ホールの使用申請受け付けを開始する運びとなりましたが、少しでも多くの区民の方々に利用いただいて、区民の心の支えとなり、喜びをもたらす施設としたいと、このように思っている次第でございます。 また、都立児童会館が閉鎖になることを踏まえ、この施設が親子が楽しめる児童会館的なにぎわいをもたらすものであってほしい、さらには、将来的には多くの区民が集える「大和田文化まつり」など、渋谷を代表する文化発信の拠点であってほしいと、このように願っている次第でございます。 次に、さくらホール、伝承ホールのオフィシャルスポンサー制度やサポーター制度の導入についての御提言でございます。 議員御提言のとおり、昨今の経済状況によりネーミングライツの募集は低調でございまして、本施設のホールについてもいまだ成立していない状況でございます。しかし、ホールの運営には一定のコストがかかるため、様々な工夫により収入源を確保し、安定した事業展開を図らなくてはならないと考えております。 さくらホール、伝承ホールは、基本的には貸し館を基本とする運営とし、自主事業については予算の範囲内で節目、節目で展開していく予定でございます。したがいまして、貸し館の稼働率を上げることにより収入確保を当面の課題として考えておりますが、議員の御提言のオフィシャルスポンサー制度やオフィシャルサポーター制度についても、費用対効果や制度実施のための体制整備などについても十分検討しながら、今後のホール運営に生かしていきたい、このように考えている次第でございます。 次に、文化芸術振興及び文化総合センター大和田に関しまして、海外都市交流に生かしてはということの御提言のもとにお話がございました。 その中で、一点目は、ウスキュダル区との文化交流事業を「二〇一〇トルコにおける日本年」事業として認定申請をしてはどうかというお話がございました。 これは、申請に基づき、外務省内の「二〇一〇年トルコにおける日本年」事務局が、日本とトルコの間の経済、文化、教育、スポーツ、観光等の幅広い分野の交流促進や両国間の相互理解、友好関係の強化に資すると判断された事業を認定するものでございます。一月末で約五十件の事業が認定されているところでございます。 認定されますと、広報媒体に「トルコにおける日本年」事業であることが明記でき、また、ロゴマークの使用やオフィシャルサイトへの掲載が可能となるわけでございます。 ウスキュダル区との都市交流につきましては、これまでも交流を積み重ねてきたところであり、今年は記念すべき「二〇一〇トルコにおける日本年」であることから、御提言を踏まえ、事業認定の申請をしてまいりたいと存じます。 また、このホールの完成を機に、ウスキュダル区から文化芸術団体を招聘をされてはという御提言をいただきました。大変意義のあるこの御提言であると思っておりますが、相手方の意向や受け入れ態勢や時期、経費負担等、様々な問題がございますので、検討課題とさせていただきたいと存じます。 次に、ファッション、デザインに特化したインキュベーションオフィスについて、どのように運営をしていくのかというようなお話でございました。 議員御案内のとおり、ファッション、デザインに係る産業は渋谷を代表する産業であり、文化でございます。日本にとどまらず、世界に向けて最先端の流行や情報を発信する拠点として整備した本施設は、単に経営基盤の脆弱な起業家に安価で場所を提供する一般的な創業支援施設とは一線を画し、ファッション・デザイン産業に特化し、才能ある人材の育成支援に主眼を置くところでございます。 そのため、この分野において唯一の大学院大学を擁し、八十年余の歴史の中から世界に伍して活躍される人材を多く輩出されている区内の学校法人文化学園に、本施設の運営に当たっていただくことにいたしました。 施設の運営や入居者の募集選定、その基準などの詳細につきましては、今後、第三者機関である渋谷ファッション・デザイン産業支援関連施設運営協議会に本区もかかわりまして、協議、相談を重ねてまいります。 また、建物の完成と相前後して、入居する若手デザイナーを決定し、本施設のオープニングに合わせファッションショーや展示会、有名なデザイナーを招聘しての事業なども予定しているところでございます。 いずれにいたしましても、区は本施設を整備することでファッション・デザイン産業の支援を行い、一方、ファッション業界を熟知している文化学園は、その人材育成のノウハウに学と民の力を十二分に生かして運営に当たり、この文化総合センター大和田から渋谷育ちの有為の人材を輩出し、渋谷のファッション・デザイン産業を世界に向けて発信できるものと確信をいたしております。 次に、渋谷区の文化発信にということで、松濤美術館、白根記念郷土博物館・文学館、ふれあい植物センター、旧朝倉家住宅、そして今後は文化総合センター大和田で、中でもプラネタリウムやアートガーデンなど五施設のPRビデオを作成して、これをホームページで配信してはいかがというお話でございました。 渋谷区は、これまで芸術、文化、ファッション、音楽、ITに代表される情報発信都市として、常に区外から注目されてまいりました。また、今秋新たにオープンする文化総合センター大和田が新たな文化発信情報拠点となり、渋谷が内外から訪れる人々であふれ、さらなる魅力ある生活文化都市として発展していくことが必要でございます。そのためには、あらゆる機会や媒体を通してこの施設のPRを内外に発信することは、大変意義のあることだと考えております。 議員の御提言にございましたウエブ上でのデータ容量や費用等の課題がございますが、御提言の趣旨を十分に踏まえて、今後ともIT化時代にふさわしいホームページづくりや情報発信のあり方など、研究、工夫を重ねてまいりますので、御理解いただきたいと存じます。 次に、子育て支援についてのお話がございました。 まずは、学校を生かした放課後クラブ事業をすべての小学校に設置し、一方では旧学童館跡地を教育、子育て、福祉、地域コミュニティ施設として活用を図ることにより飛躍的に子育て支援事業が拡充したという高い評価をいただきました。これは私が目指しております「渋谷の未来に向けて 誰もが安心して住み続けられるまち渋谷」の取り組みの一環として、子育て環境整備のために旧学童館を活用することで、保育園や子育て支援センター、子ども発達相談センターを開設してきたところでございます。 今後も子ども図書館、児童青少年センター等を実施計画二〇一〇に基づき順次整備し、子育て環境のさらなる充実を図ってまいりたいと存じます。 他方、放課後クラブでは、これまでの学童クラブの待機児の解消とともに、一年生から六年生までが様々な活動を通し、交流しながら社会性や創造性を身につけ、児童一人一人に豊かな放課後を提供しております。 また、平成二十一年度からは、保護者の就労に対応するため、午後七時までの特別延長も始めたところでございます。 今後の放課後クラブの方向につきましては、御質問の中で「放課後クラブは幼保一元化の出口論」との御発言がございましたが、幼保一元化施設が入り口であれば、まさにその道は放課後クラブに続くものでございます。さらにはゼロ歳から十五歳、幼保一元化施設から小中一貫校までの成長過程を踏まえるなど、放課後クラブも大切な役割を担っているところでございます。 今後、児童一人一人が様々な体験や学び、文化、スポーツなどの活動を通して異年齢集団の中で社会性や創造性を身につけ、より豊かな放課後を過ごすよう、さらなる事業の充実を目指してまいりたいと存じます。 次に、この未曽有の経済状況の中で、保育園需要の増す中、昨年来からの区長の待機児ゼロセッションに敬意を超えて感謝の気持ちでいっぱいであると。今後のこの待機児ゼロの実現に向けて、その未来予想図を示していただきたい、こういうお話でございました。 本区は、子育て支援における最大の課題の一つに、保育園の待機児対策を考えました。これまでも、平成十八年四月に「美竹の丘保育園」を、平成二十一年四月には「聖ヨゼフ保育園西原」を開設し、また、十六年十一月には「パレット保育園初台」を開設後、平成二十年まで毎年認証保育所を整備してまいりました。しかしながら、出産後もキャリアを継続したいという女性の増加と、不況により働かざるを得ない家庭の増加が相まって、待機児解消は引き続き緊急課題となっておりました。 そこで、本年度は二次にわたる補正予算によって、区内の各地域の待機児解消のための緊急対策を実施し、本年四月までに百八十五人の定員拡大を目指しております。 さらには、本年四月の認可保育園の入園状況を踏まえ、待機児の生ずる可能性のある地域を中心に第三次の緊急対策として、千駄ヶ谷保育園の分園設置、既存園における定員の弾力化などにより三十二人の受け入れ拡大を図り、本年四月の待機児ゼロを目指しているわけでございます。 本年十月には代官山保育園、新橋保育園が、来年三月には大向保育園の改築が完了し、三十七人の定員拡大をも見込んでいるところでございます。さらに、本年十二月には文化総合センター大和田内に民設民営の保育園を開設するほか、この後、引き続き恵比寿保育園の改築や旧代々木高校跡地保育園の新設などにより、今後も二百人余の定員増を図ってまいりたいと存じます。 さらに、渋谷区独自の幼保一元化施設を本町等に整備していくことを通して、ゆとりあるスペースで情操豊かな保育、教育を行い、着実に定員拡大を図るとともに、パート労働者であっても、家庭における養育にふさわしくない環境の幼児に対してはそのニーズにこたえてまいりたい、このように思っている次第でございます。 政府は、子ども手当の財源の一部として扶養控除廃止を二十四年度より予定をしているけれども、それが区民負担としてどうなっていくかと、こういうことについてのお尋ねでございました。 今国会に提出された地方税法の改正法案は、個人住民税の扶養家族につきまして、平成二十四年度から十六歳未満の扶養親族にかかわります扶養控除三十三万円が廃止される内容となっております。これが適用されますと、十六歳未満の扶養親族一人につきまして、現在と比べ三万三千円の住民税額の増となってまいります。また、国民健康保険につきましては、平成二十一年の所得割料率百分の九十四で算定、試算いたしますと、扶養親族一人につき、住民税と合わせ六万四千二十円の負担増と相なります。 税制については国政において論議されるものでありますが、一方、国保料につきましては医療費対応方式のため、全額負担増になるわけではございませんが、料率算定に当たっては当然、負担の公平という観点から算定すべきものと考えております。 次に、区の消費者センターにおける相談の傾向、また、消費者保護の観点から、今後の啓発事業の計画についてのお尋ねでございました。 本区の消費生活相談においては、総件数においては変化が余りないものの、近年、架空請求やネット通販などIT関連、株や投資信託などの金融商品の相談が増え、内容も複雑なものになってまいっております。また、マルチ商法や催眠商法などのいわゆる悪質商法にかかわります相談は、件数こそは少ないものの、なかなか根絶できない状況でございます。相談者の年代別では、三十歳代が多くを占めておりますが、六十歳代以上の高齢者の割合も年々増加する傾向でございます。 高齢者の相談においては、自らが事業者と交渉して解決することが難しいことや、御家族からの相談も多いのが特徴でございます。また、被害に遭う金額も高額になる傾向があり、その後の生活基盤に大きな影響を及ぼしているところでございます。そのため、被害に遭った事後の対処が中心の相談業務の充実に加え、まずは高齢者が被害に遭わないための啓発も、安心で安定した区民生活や消費者の保護の観点から重要と考えております。 そこで、区では新たに出前講座の手法を用いまして、高齢者を対象に、身近な場所で気軽に相談できる、あるいは悪質商法の手口や被害実例を紹介し、対策のポイントを知っていただく啓発事業を実施いたしたいと考えております。例えば、シニアクラブや町会など少人数の集まりに講師が出向き、打ち解けた雰囲気の中で学んでいただくもので、消費者団体として実績のある渋谷区消費者の会に委託して実施いたしたいと存じます。 今後とも地域の民生委員やセーフティネット見守りサポート協力員などの連携も視野に入れながら、区民、とりわけ高齢者の悪質商法による被害防止に向け、きめ細かく啓発事業を進めてまいりたいと存じます。 次に、危機管理及び防災にかかわりまして、AEDの区内設置の状況、今後の計画についてのお尋ねでございます。 AEDは、現在、避難所となる小中学校二十七カ所、ケアコミュニティ施設、スポーツセンターに加えて区総合庁舎、はぁとぴあ原宿、ひがし健康プラザなど、合計三十七カ所に設置しております。一方、民間施設においては駅、デパート、ホテル等大規模集客施設で設置が進んでおりますので、今後の区の施設への設置につきましては、震災対策としての必要性を踏まえ、財政状況を考慮しながら対応してまいりたいと考えております。 また、AEDマップを作成するということにつきましては、AEDを設置する施設につきましては、区施設に加え消防署、民間事業者の協力をも得てホームページに掲載し、マップの作成は次の課題とさせていただきたいと考えております。 次に、鳥インフルエンザやSARS等のウイルス感染爆発に備え、渋谷区としてのBCP(業務継続計画)の計画と考え方についてのお尋ねでございます。 本区においても、新型インフルエンザ、強毒型が蔓延し、区職員の欠勤率が最大四〇%、二カ月間継続するとの想定のもと、BCP、いわゆる業務継続計画を作成しております。 その基本的な考えは、区民の感染予防、感染の拡大防止、健康の保持及び区民生活を維持するため、必要最小限の業務について継続をする、その他の業務は休止をする、職員体制は必要最小限の人員とし、その他は自宅待機とするとしているものでございます。 また、継続する業務の具体的基準として、保健所の業務など区民の健康、保健にかかわる業務、戸籍、住民記録や国民健康保険事務などの区民生活の維持に不可欠な業務、また、住民情報システムや全庁電算ネットワークなどの継続業務を遂行するために必要な基盤業務などとしております。それらに基づき、所管ごとに継続する業務を定め、取りまとめを行ったところでございます。 BCPは、最悪の状況を想定し策定しておりますが、感染力、致死率、治療薬の有効性等、新型インフルエンザの状況を正確に把握し、職員の出勤状況等に対応し、弾力的、機動的な運用を図る必要がございます。 都は、区市町村のBCP対策ガイドラインを区市町村の意見等を踏まえ、本年四月には策定する予定でございます。それを受けて、今回のインフルエンザ流行の実情、教訓を含めまして、より実際的なBCPを策定してまいりたいと考えております。 次に、強毒性インフルエンザウイルスの拡大を想定した家庭や職場等における濃厚接触者向けのガイドラインについてのお尋ねでございますが、現在、東京都は今回の経験を踏まえ、これまでの新型インフルエンザ対策の全般について特別区との協議中でございますので、協議の中で見直しを行っているところでございます。 本区においても都と連携をしながら、必要なガイドラインの作成に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、災害時、内部疾患、人工透析を必要とする腎不全、酸素ボンベの携帯を余儀なくされる肺疾患の方々などの対応についてのお尋ねでございます。 こうした疾患を持っている方々にとりましては、災害時におきましては、それぞれ継続した医療行為が必要でございます。透析が必要な患者には、東京都区部では災害時透析利用ネットワークがつくられており、渋谷区内では、日赤医療センター初め十医療機関の災害時連絡網が整備されております。さらに広域ネットワークも整備され、近隣県の医療機関でも人工透析を受けられる体制が整っております。 また、慢性疾患をお持ちの方は、平素から、万一の際の対応について主治医と相談し、自己の疾患について病気の状況や治療内容など医療情報を別の医療機関にも正確に伝えることができるようにしておくとともに、医薬品や医療器材等を常備するなどの対策をとられることが大切なことと考えております。 次に、災害を経験した自治体と密接な連携を図り、情報やノウハウを習得し、研究する必要があるという御提言でございました。 本年度は中越地震の小千谷市長をお招きし、防災の日に、事業者を対象として経験談を中心に、また、十二月には区職員自主防災組織を対象として災害時の行政対応と地域力についてお話を伺いました。十一月には自主防災組織が小千谷市などで視察研修を行い、区の職員も同行し、現地の自主防災組織の代表から災害時の地域の共助活動、市幹部から行政の緊急初動対応など、実際の体験と対策活動を学んだところでございます。 また、二月には中越地震の小千谷市、中越沖地震の柏崎市等で支援活動を行った京都・新潟大学グループの教授をお招きをし、行政における被災者の生活支援について、全管理職と関連業務にかかわる職員の研修を実施したところでございます。 今後は新たな視点から防災協定を結ぶことも視野に入れ、被災地自治体、支援を行った自治体との継続した交流を進めてまいりたいと考えております。 次に、新介護公明プランについてのお尋ねでございます。 新介護公明プランは、街頭アンケートの実施や事業者、介護従事者からの意見聴取、さらには相談事例の集約など多くの労力をかけられ、策定をされたものであり、敬意を表する次第でございます。 このプランを拝見いたしますと、安心して老後を暮らせる社会に向けて十二の提案をされていらっしゃるわけでございます。 その一つが、特養等介護三施設を倍増し、また、グループホームなどを三倍増にするというものでございます。本日、本区議会の冒頭で述べさせていただいたとおり、高齢化社会に対応するため、旧代々木高校跡地、日赤関連施設、さらには本町東小跡地におきまして、特養、グループホーム等整備を進めていく計画でございまして、このことは本区の推進している計画とマッチする同じ方向だと、このように感じているところでございます。 第二に、在宅介護の支援強化でございますが、本区においても本年度からさらに、介護保険外サービスにおける区型介護サービスの充実を図っているところでございます。家族が安心できる介護の実現を目指してまいりたいと存じます。 最後に、介護保険制度の抜本的な基盤整備でございます。 介護保険は日々、生活に密着するため、医師による医療保険や現金給付で事足りる年金保険より、はるかに複雑で多様な問題を抱えております。社会保障国民会議は、二〇二五年の介護費用は最大二十四兆円と、昨年度の三・四倍になると予測をいたしております。今後、生活に密着する介護保険をどのようにするのか、介護給付の範囲、介護保険料をどうするのか、微調整では対応のできない大きなグランドデザインとしてこれが計画をされ、国民の理解が必要であろう、このように考えている次第でございます。 パワーリハビリについてのお尋ねがございました。 このことにつきましては、旧代々木高校跡地複合施設には理学療法士、作業療法士を置き、医師の助言をいただきながら、リハビリ機能を中心とした施設を設置したいと考えております。 また、教室に参加され、修了された方々には継続してトレーニングができるよう、これまで実施をしてまいりました四施設、言うならばこの美竹の丘、恵比寿社会教育館、中幡小学校温水プール、せせらぎ、この四施設においても指導員を配置した自由利用日を設定し、自主的に体力維持できるよう配慮してまいりますので、御活用をいただきたいと存じます。 燃料電池について、この節電システムの採用を検討するようにという御提言でございました。 燃料電池は、天然ガス等の燃料から水素を取り出し、空気中の酸素と電気化学反応を起こさせることにより発電するシステムでございます。発電電力が七百五十キロワット程度の家庭用燃料電池は、技術の進歩と国の補助金制度に加え、量産体制が整ったことにより、これまで課題であった価格と耐久性について実用化が図られました。そのため、現在では各エネルギー会社がメディア等で宣伝し、生産、販売を活発に行っている状況でございます。 一方、業務用につきましては発電出力が大きいため、現時点での技術ではコスト面等の課題を克服することができないことから、家庭用に比べ、普及が遅れている状況にございます。 業務用燃料電池を普及させるための最も大きな課題はコストであり、家庭用が三百万円程度であることに比べ、業務用は二百キロワットの発電用のもので一億円程度かかると言われているところでございます。また、耐久性についても、より長い寿命が求められているところでございます。 したがいまして、現時点では、使用電気量の削減に見合うまでのコストダウンと耐久性が達成されるまでは導入は困難であると考えております。 しかしながら、燃料電池の仕組み自体は環境対策等に有効な手段でありますし、最近では熱と電気を同時に供給することのできるコージェネレーションシステムも開発されておりますので、今後の開発動向、価格動向に注目をしてまいりたいと存じます。 次に、全庁舎の紙文化へのブレーキをかけるプロジェクトを立ち上げてはと、こういうお話でございました。 議員の御発言にもございますように、現在の区役所の仕事の進め方は、回議文書による文書決裁システムを初め、会議から日常の連絡事項まですべて紙を利用しております。 一方では、不要となった紙については裏面の利用やリサイクルとして資源回収をするなど、資源回収に向けた取り組みを実践しているところでございます。 本区においては、既に職員一人にパソコン一台が配備され、庁内LANでネットワーク化されておりますので、紙情報から電子情報への移行の基盤整備は整っておるわけでございますが、組織的に、そのためにペーパーレスの推進体制とはなっておりません。 そこで、本年四月からはこのシステムを生かすため、職員をIT環境での仕事にならすために、各種通知や訃報、また総務や企画からの調査依頼等は庁内情報共有サイトを利用して、ペーパーレス化と情報の電子化を試行的に実施することといたしました。 庁内LANにどのような情報を載せるかについては、セキュリティの観点あるいは渋谷区庶務規程等との整合性を図らなければなりませんが、いずれにいたしましても、現状の紙に依存している仕事システムを見直すとともに、まずはできるところから順次ペーパーレスを進めていきたい。庁内における紙の消費量削減を目指してまいります。そのための推進体制についても検討してまいります。 次に、渋谷区実施計画二〇一〇で「廃棄物発電によるグリーン電力の購入」とあるが、再生可能エネルギーによるグリーン電力との違いとその仕組みについてのお尋ねでございます。 初めに、再生可能エネルギーとは、風力、地熱、太陽光などの自然界の営みによって得られるエネルギーのことでございます。これら再生可能エネルギーから得られる電力は化石燃料を使用しないので、その利用時においては二酸化炭素を排出しないだけでなく、エネルギーとしても無尽蔵にあるため、地球温暖化対策にとっては非常に重要なエネルギー源でございます。 一方、本区が来年度より導入する予定でございます廃棄物発電による電力購入というのは、私たちが日常排出するごみを東京二十三区清掃一部事務組合の工場で焼却する際に発生する熱を利用して発電を行い、そこで得られる電力を購入することであります。この電力は、原則として紙や木材など地下資源ではないものを焼却して得られる電力でありますので、新たな二酸化炭素の発生がないクリーンな電力と言うことができます。 これらの電力は、東京二十三区清掃一部事務組合と民間企業の合弁会社が販売元となり、二十三区向け、本年四月より供給することとなっております。本区では、この電力を平成二十二年度から神南、臨川、富谷、代々木の小学校四校で購入することと相なっております。従来の電力からこの電力に変更することによって、小学校四校についてはCO2排出量が現在の約四分の一になる見込みでございます。 本区といたしましては、CO2削減のため、廃棄物発電を積極的に活用してまいりたいと考えております。渋谷清掃工場の立地区として、東京二十三区清掃一部事務組合を通し、他の施設への導入拡大を図ってまいります。 以上、答弁といたします。よろしくお願いいたします。 ○副議長(古川斗記男) 池山教育長。 ◎教育長(池山世津子) 教育及び消費者啓発について三点のお尋ねでございます。 まず、鉢山中学校についてであります。 今年度、鉢山中学校を理数教育重点校とし、理科室を改築いたしまして、様々な実験ができるように器具を準備いたしましたり、百二十インチの大スクリーンやプロジェクターなどの先進的な視聴覚教材を装備するなど、充実した学習環境の中で授業を行ってまいりました。 また、数学や理科の授業を区内の他の中学校よりも週一時間増やしました。これにより、様々な実験を行ったり、じっくりと時間をかけて基礎・基本の確実な定着を図ることで、数学や理科への興味、関心を高めてまいりました。 生徒や教員にも変化が見られ、数楽部、科学部といった部活が新しく設置されました。この数楽部の「スウガク」は「数を楽しむ」と書きます。さらには、中学校の専科の教員による小学校への出前授業や、電気通信大学等の専門機関との連携が進むなど、理数教育重点校として特色ある教育活動を展開してまいりました。 また、鉢山中学校の特色でもあります土曜スクールでは、東海大学の秋山 仁教授を外部講師としてお招きしておもしろ数学講座や、東京ガスとの連携によるおもしろ科学講座など年四回実施をし、専門的な学習にも挑戦してまいりました。 二年目の意欲ということでございますが、御質問にございましたとおり、平成二十二年度には鉢山中学校にとっては待望のこども科学センター・ハチラボが開設されます。この「ハチラボ」のネーミングでございますが、ハチ公の「ハチ」、鉢山中学校の「ハチ」と研究室、実験室という「ラボラトリー」という言葉をつけたものでございます。 理数教育に関する学習プログラムや学習教材などの開発、教員の研修や出前講座、部活動への支援など、ハチラボとの連携に多くのことを期待しております。今年度の取り組みを進めつつ、鉢山中学校とハチラボとが相互に連携・協力しながら、さらなる理数教育の充実を目指してまいりたいと考えております。 また、近隣の小学校への支援、連携をより一層進め、理数教育における小中一貫教育を目指してまいりたいと考えております。 次に、こども科学センター・ハチラボに関しての御提言です。 こども科学センター・ハチラボとプラネタリウムとの連携による学校支援でございますが、現在、プラネタリウムの担当者からは、区立の小中学校の屋上から見える風景をスクリーンに投影し、あたかも自分の学校から星空を見ているかのようなプログラムを予定していると聞いております。 本年十一月にハチラボが開設いたしましたらば、まず、卒業を控えている区立小学校の六年生と中学三年生との見学を予定しております。その折には、自校の夜空をプラネタリウムで見た後、ハチラボで天文関係の講義や実験を行ったり、展示物で見たり、触れたり、体験させることを計画いたしております。 現在、ハチラボで行う様々な事業につきましては、電気通信大学を初め専門の研究機関の学識経験者、区立小中学校の理科部会などの教員で構成いたしております開設のための準備会を立ち上げ、ここで検討しているところでございます。 御提言をいただきました国立天文台や宇宙教育センターが行う学校教育支援プログラムにつきましては、この施設の特性を生かした活用ができると思われますので、この準備会において検討してまいりたいと思います。 次に、消費者教育の実情と今後の展望についてのお尋ねです。 現在、中学校において社会科の公民的分野で、所得に応じた消費と蓄財や、消費者の権利を守る法律とその仕組みについて学び、自分の生活と経済社会全体のかかわりの中で問題をとらえさせております。 また、家庭科では、キャッチセールスや訪問販売などの契約にかかわる問題、そのような問題を相談する機関やクーリングオフなどの制度について学び、具体的に対応できる力を身につける指導を行っております。 このように、消費に関する必要な情報や知識を収集し、合理的に判断し、行動できる消費者を育成することを目指し、様々な教材の中で消費者教育を行っているところでございます。 しかしながら、御質問にございましたように、昨今では、パソコンの普及によりネットショッピングが一般化されつつあります。今後は中学生に対する消費者教育におきましても、科学的な見方や考え方、総合的な物の見方を育成し、インターネット時代に対応した商品やサービスを多面的な価値基準のもとに検討し、判断する力をはぐくむなど、消費者教育の推進に努めてまいりたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○副議長(古川斗記男) 六番栗谷順彦議員。 ◆六番(栗谷順彦) 区長、教育長におかれましては、多岐にわたる質問に丁寧に、また前向きに回答いただきましてありがとうございました。 本年は、渋谷区にとって、文化芸術振興の拠点の完成という大きな開花の年であります。また、新しいスタートラインに立つ年でもあります。 区長は、所信の中で「文化は心の支えとなる」と宮沢賢治の言葉を引用されました。ある詩人は、芸術と人生を端的に語りました。「芸術と人格は深く相通じている。偉大な芸術には偉大な人格の輝きがある。また、偉大な人生はそれ自体が偉大な芸術である」と言われています。 文化芸術は、その精神と人生へ大きな影響を与えることは論をまちません。私ども公明党は、これからも文化芸術振興はもとより区民の生活の現場の声を真摯に受け止め、全力で活動してまいることを決意し、私の代表質問を終わります。 ありがとうございました。 ○副議長(古川斗記男) 議事進行上、暫時休憩いたします -------------------------------   休憩 午後六時一分   再開 午後六時二十二分 ------------------------------- ○議長(松岡定俊) 休憩前に引き続き会議を開きます。 三十一番鈴木建邦議員。 ◆三十一番(鈴木建邦) 渋谷区議会民主党を代表し、区長、教育長、保健所長に質問をいたします。 世界的な金融・経済不況を中国や新興国、そして先進国と脱しつつある中、日本がなかなか不況から抜け出せないといった状況は深刻であります。月例経済報告では、「景気は持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある」として、「その先行きは持ち直しの傾向が続くことが期待されている一方、下押しするリスクの存在にも留意すべきだ」としています。短期的には消費意欲の減退と物価下落という状況ですが、実際には長期的な生産性の悪化と、それによる実質賃金水準の切り下げでありますので、下降局面は引き続き長期にわたるのではないでしょうか。 そのような中、先日衆議院を通過した政権交代後最初の予算となる平成二十二年度予算案につきましては、マニフェストに沿って子ども手当等の新政策が盛り込まれた結果、当初予算としては過去最大の九十二兆円となりました。 「コンクリートから人へ」の方針を鮮明に、公共事業関係費を一五%削減する一方、社会保障関係費を九・八%、文教及び科学振興費を五・二%増加しており、歳出の組み替えが着実に行われていると言えます。歳入面では、景気低迷のため税収が大幅に減少する見込みとなっており、国債の増発といわゆる「埋蔵金」により埋め合わせることとなりました。「事業仕分け」や「査定大臣」という言葉が象徴するいわゆる「無駄の削減」は残念ながら予定したほどの成果は上げられてはいませんが、今後引き続きの歳出見直しが行われることを期待するところであります。 翻って、渋谷区の新年度予算、そして、あわせて示された実施計画については、区長発言の中でも「経済不況に苦しみつつも、自助努力をされる区民生活への支援」、これを第一に掲げているように、厳しい経済状況の中、極力「人」に対する支援を充実させようという意思を持ったものであり、その点を評価したいと思います。 渋谷区の場合は、いわゆる「四カ年計画」に基づく施設建設も急ピッチで進められているところでありますけれども、老朽化が進む各施設の状況、あるいは諸課題の解消を考えますと、一定理解できるところであり、会派としても了承をしてまいりました。今後はさらに必要不可欠の施設のみ建設をするという姿勢を保ち、極力「コンクリートから人へ」という姿勢を区としても貫いていただきたいと考えます。 また、三年の実施計画は、十年程度の長期計画を持たない現状を考えると、事業の羅列という感が否めず、「渋谷区はどうなっていくのか」という疑問に答えられるものとは残念ながらなっておりません。変化の激しい時代に先を見通すのは容易ではありませんが、それでも指針となるべき長期計画の整備が必要です。今後の重要な課題であることを指摘しておきます。 財政の観点では、対前年比で四十一億円の大幅な特別区税の減収見込みとなっているものの、これはむしろここ数年の経済状況が上ぶれ状況にあったと見るべきであります。今後の財政運営に当たっては、さらに効率化・スリム化を求めるとともに、基金等を極力温存しつつ、下降局面に対処する必要があります。 以上、平成二十二年度予算案及び実施計画二〇一〇について、渋谷区議会民主党としての現時点での見解を申し上げました。具体的な予算の賛否等については、予算委員会の審議を経た上で考えたいと思いますが、差し当たって特に重要な事項について、以下順次お尋ねをいたします。 まず減収対策として述べられている起債、基金の取り崩しについてです。 経済見通しが長期的な下降局面にある中、区の事業を十分に達成するには、基金と公債のバランスある取り扱いが重大なかぎになります。 基金取り崩しが過去世代からの貯蓄の取り崩しに当たる一方、新規の起債は将来世代への負担均衡化に当たり、慎重な取り扱いが求められます。好景気のときに積み増した基金を不景気のときに短時間で使い果たしてしまう例は枚挙にいとまがなく、また、インフラ整備のために起債しても、将来負担が過大になってしまう例も枚挙にいとまがありません。バランスと言うはやすく、行うはかたいものであります。基金と公債の取り扱いについて、現時点での区長の方針を伺います。 続いて、外部監査についてであります。 平成十年に施行された改正地方自治法では、都道府県、政令指定都市及び中核市に外部監査制度の導入が義務づけられるとともに、他の自治体でも条例により実施できることになりました。全般的な監査を委託する包括外部監査と特定の案件ごとに契約を結ぶ個別外部監査の二つがありますが、監査に対する期待が高まる中、内部監査ももちろんしっかりやっていただいているとは思いますが、外部監査を求めることは区民の信頼を確保する上で必要であると考えるものです。外部監査の導入について、区長の御見解を伺います。 続いて、子育て支援についてです。 近年、就労形態の多様化など社会の変化に応じて、様々な保育サービスが求められるようになってきています。保育サービスの中心である保育所の需要も、女性の社会進出などによる共働き世帯の増加とともに高まり、渋谷区が様々な対応を図っているところであります。 保育の社会化という言葉がありますが、子どもの健やかな育成に社会全体で取り組むために、保育サービスの質的・量的な充実を図ることが求められていることは言うまでもありません。この点、実施計画においては、まず第一に子育て支援が冒頭に取り上げられるようになり、その中でも保育・幼児教育環境の整備が最初に掲げられています。時代の要請にこたえようとする意気込みがはっきりと示されていることを高く評価したいと思っております。 現在の状況は、近隣他自治体と比べても、充実した環境を提供できていると感じているところです。保育料が平準化されたため、今後は認可・認証・認可外すべてを対象として、選択が子育て世帯の間で進んでいくことが予想されます。実際、認証に預けていらっしゃるある自営業のお母さんは「認可園の園庭は魅力的だが、保育料負担が同水準になるのであれば、友人関係やスタッフの優秀さからこのまま満足している認証に三歳まで預けたい」とおっしゃっていました。 とはいえ、昨年秋からの大規模な待機児解消策にもかかわらず、四月入園の希望者数は定員を大きく上回る状況に変わりはありません。厚生労働省が二〇〇九年二月に行った調査では、認可保育所の利用希望は、ゼロから二歳の児童がいる御家庭で四二・二%、三歳から就学前の児童がいる御家庭で四八・六%が希望されており、潜在的な保育需要の大きさに対して対応はまだまだ不十分である可能性があります。そういった方々、あるいはフリーで働いていらっしゃる方々などは、現状一時保育を使わざるを得ないので、どうしても一時保育は枠の奪い合いになっていると聞いています。 今後の課題としては、さらなる保育需要に対応した施設整備が必要であることは言うまでもありませんが、一時保育や休日・夜間保育の充実、週二、三日あるいは午前・午後などの短時間保育を柔軟に提供する特定保育の実施、病後児保育の充実と病児保育の実施、ファミリー間の預け合いの促進、親が病気や事故など緊急に保育を必要とする場合の受け入れの拡大、そして、それらを莫大な公費投入なしに実現するための民間企業やNPO等の参入促進であります。区長の御見解を伺います。 また、手続面でも、働きながら子育てをしていらっしゃる方に配慮する必要があります。認可園に四月に入園されるある方の場合、入園必要書類の取得、面接、説明会と三回保育園に出向く必要があります。もちろん何度も通って保育園の雰囲気をつかみ、園になれてもらうことは必要ですが、個々の事情にも配慮することも必要ではないでしょうか。あわせて伺います。 さて、臨時会で成立をした保育料等徴収条例の改正に続き、今定例会で提出された予算案では、認証・認可外保育室に通っていらっしゃる御家庭に対して、負担を認可保育園並みにする助成が盛り込まれました。 今回、還付という手法をとったことには、非常に大きな意義があると感じておりますが、利用者からはわかりにくい、還付されるとはいえ、月数万円を余計に払うのは生活が苦しい、事務的な負担がある、子育て世帯をなぜねらい撃ちにするのかなど、誤解まじりの声が上がっており、考え方を是非明確にしていただくことが必要であると思います。還付を採用した理由について明らかにしていただくとともに、区民に対する周知を徹底していただくことを求めますが、いかがでしょうか。 また、今後も視野に、どのような場合にこの還付という手法を採用するのか、明らかにしていただきたいと思います。区長の御見解を伺います。 続いて、海外都市交流事業についてでございます。 海外都市交流事業については、全般的に経費節減に努めること、トルコについては公募区民主体の交流に切り替えること、フィンランドについては教育関係者主体の交流にすること、さらに区議会議員の参加者に対しては、交通費等の自己負担を設けることなどが示されていることは評価をするものであります。 トルコは親日的だけでなく、二〇三〇年ごろには十指に入る経済大国になっているだろうという予測が信憑性をもって語られており、ヨーロッパとイスラム世界の狭間にあるという地理的な要因からも、今後存在感をますます増してくる国であります。また、北欧諸国は教育だけでなく福祉や国家体制において独自の発展を遂げており、とりわけフィンランドの生産性の高さは特筆すべきものがあります。訪問団が結成をされる暁には、極力交流の実を上げられるよう、要望したいところです。 とはいえ、行政や議員が毎年多額の費用をかけて交流する必要があるとも言い切れず、今後は節目ごとの交流にとどめるのが妥当であると思います。この点いかがでしょうか。 また、公募区民のあり方については、先ほど挙げたように二〇〇七年で十七位、二〇三〇年前後には十指に入る経済大国となるようなトルコでありますから、これからの国であり、比較的親日的な国でもあることから、是非未来ある若者中心の交流としていただきたいと思います。具体的には、一定の枠を設け、大学生以下の区民向けとしたらいかがでしょうか。区長の御見解を伺います。 続いて、家賃助成についてであります。 新年度予算については、定住対策家賃助成として五千万円の予算が計上されています。多くの方々が希望される可能性が高いにもかかわらず、一部の方しか助成できないという点で問題が払拭されていないことを指摘せざるを得ません。投資と考えた場合でも、約五千万円の投資が百世帯、約二百人前後の居住継続にしかならず、投資効率としても余り高くない事業であります。確かに様々な手だてを講じて定住促進を図っていかなくてはならないのは言うまでもありませんが、家賃助成は慎重に行うべきであると考えます。区長の御見解を伺います。 次に、予防接種と区民の健康について順次伺います。 まず、新型インフルエンザへの対応の検証でございます。 ようやく一段落したと思われる新型インフルエンザですが、必要なのはこの一年間の新型インフルエンザ対策を速やかに検証し、今後に反映させることではないでしょうか。 国の対応に大きな問題があったため、それを前提とした区の対応は混乱して当然で、担当者は大変な御苦労を強いられたことと思います。この点、率直にねぎらいたいと思います。 とはいえ、私としては三点課題を指摘したいと思います。 第一点目は、対応に若干遅れがあったこと。例えば新型インフルエンザワクチンの集団接種については、十月上旬には厚生労働省から方針が示されていたにもかかわらず、実施は十二月に入ってからでありました。実施したことは評価したいと思いますが、今後の課題として状況の変化に迅速に対応していただきたいと思います。 二点目は、区が医療機関の負担を軽減するという視点に欠けていたこと。例えば予防接種の費用助成の書類を各医療機関で印刷させており、ほかの区では「区が印刷をして送付をしていた」というような状態であります。この印刷事務の負担が非常に大きかったということであります。区は、各医療機関の負担を軽減する方針を明確にする必要があったのではないでしょうか。 三点目は、区と医師会・各医療機関・関係諸団体との連携が不十分であったことです。どの地域でどれほど感染者が出ていたのか、学校での状況だけでもリアルタイムに共有できれば大きな力となったはずですが、そのような情報共有は残念ながら不足をしていました。漠然とした言い方で恐縮ですけれども、もっと「オール渋谷」で情報共有し、対応すべきであったのではないでしょうか。 また、ワクチンの集団接種開始当初はほとんど希望者がなく、教育委員会や保育園の協力を得て告知を徹底したところ、今度は六百人もの希望者が集団接種に応じたと聞いています。このような広がりを持った対応を初手から進めるべきではないでしょうか。 以上述べてまいりましたが、国内発生からの区の新型インフルエンザ対応について、どのように総括していらっしゃるのでしょうか。十分対応は評価しているところではありますが、この経験を今後に生かすために成果と課題を率直に検討すべきであると考えます。さきに挙げた三点も含めて、区長の御見解を伺います。 続いて、麻疹の接種率向上についてでございます。 政府は二〇一二年をめどに麻疹の排除を掲げ、定期接種の二回接種化及び中学生・高校生対象の三期・四期の定期接種を五年間のみ実施しています。 麻疹排除を達成するには、予防接種を二回とも九五%を上回る接種率が求められます。残念ながら現在の渋谷区は、この数字には遠く及ばない状態であります。定期接種の予防接種については、接種の実施が区市町村長に義務づけられており、まず区が率先して取り組みを進めなくてはなりません。 特に重要なのは、新型インフルエンザの集団接種でも結果が出ているとおり、教育委員会との連携であります。オール渋谷で是非摂取率九五%を達成していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。平成二十一年度の一期・二期・三期・四期それぞれの渋谷区における接種率はどの程度なのか、平成二十年度に比べて向上しているのかどうか、あるいは平成二十二年度に向けて接種率九五%を達成する方策をどのように考えているのか、区長の御見解を伺います。 続いて、任意の予防接種についてでございます。 昨年のヒブワクチン及び新型インフルエンザワクチンへの助成に続き、新年度予算案では水ぼうそう・おたふく風邪・子宮頸がんワクチンへの接種費用助成が盛り込まれ、さらに実施計画の中に予防接種の助成の項目が新規で盛り込まれました。子育て世帯の支援とともに、子どもが健全に成長できる環境づくりに積極的に取り組む姿勢があらわれており、高く評価をするものです。この考え方はさらに推し進めていただきたいと思います。 任意予防接種については、副反応被害の救済や通報体制が不十分であると感じます。我が会派の関係者も季節性インフルエンザの健康被害があり、数カ月間車いす生活を余儀なくされました。それに対する対応というのは十分でなく、是非救済や通報体制を十分構築いただけますよう要望をいたします。 さて、残っている任意接種の予防接種、たくさんありますけれども、二月に発売された小児向けの肺炎球菌七価ワクチンは、早期に重症化し、予後も悪い髄膜炎を初め菌血症、肺炎、中耳炎など多様な疾病の原因菌になること、それから、肺炎球菌は抗生物質耐性菌が増えているので予防が重要であること、接種していない児童や周囲の高齢者の肺炎球菌保菌率の減少効果が認められ、特に免疫力の低下した後期高齢者対策にもつながること、医療経済の観点から見て費用対効果に非常にすぐれていることから、既に助成実施されているヒブワクチンと同様に重要であると考えます。肺炎球菌七価ワクチンの助成について、区長の御見解を伺います。 定期接種とはいえ、比較的健康被害が懸念されている予防接種がございます。一つはポリオワクチン。ポリオワクチンについては、日本では弱毒化された生ワクチンが使われていますが、世界的には毒性を取り去った不活化ワクチンへの切り替えが進められており、アメリカなどではもう既に生ワクチンは使われていない、危険なので接種しないということが徹底をされているようです。 先日、神戸市では九カ月の男の子がポリオを発症したという残念な報告がありました。ワクチン由来の二次感染が強く疑われるものです。不活化ワクチンへの切り替えを早期に進めるよう、区としても対応をいただけますよう強く要望いたします。 一方、健康被害の発生からワクチンが切り替えられたのが日本脳炎でございます。日本脳炎については、定期接種とされているものの、積極的勧奨の差し控えとなっていましたが、昨年新型ワクチンの接種が開始をされ、厚生労働省の「厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会及び日本脳炎に関する小委員会」にて、平成二十二年度から積極的勧奨を行うという方向になっていると聞いています。 早晩国の方針が定まると見られる中、渋谷区としてもできるだけ早期に接種実施できる準備が必要です。平成二十二年度予算案については三千七百名分の接種費用が計上されておりますが、具体的にはどのようなスケジュールで取り組むのかを早目に明確にし、保護者や医療機関を混乱させないことが重要であると考えます。日本脳炎ワクチンの対応について、保健所長の御見解を伺います。 続いて、危機管理について伺います。 都市での震災だった阪神・淡路大震災では、県庁・市役所の初期対応の遅さが問われました。実際に自治体が機能し始めたのはおおむね三時間を経過してからだったと伺っています。 渋谷区では、区長は区内にお住まいですが、幹部職員は少数しか区内に在住していない状況があります。区内に必ず住めとは言えませんが、災害時にも徒歩で参集できる距離に居住する職員・幹部職員が増えてくることが区民の希望であるのではないでしょうか。この点、どのように考えているのか、区長の御見解を伺います。 関連して、防災職員住宅の整備、耐震化については喫緊の課題であると認識しています。区長の御見解を伺います。 続いて、国民保護計画についてでございます。 平成十九年に策定された渋谷区国民保護計画においては、武力攻撃事態、緊急対処事態、NBC、つまり核・生物・科学兵器を使用した攻撃が想定され、計画が立てられています。これらの計画が現実に生かされるような事態には絶対にならないでほしいと願うところではありますが、日本有数の繁華街を抱える渋谷区としては、備えだけは充実させておく必要があると思います。 同計画においては、平素からの備えとして研修や訓練なども含む組織・体制の整備、避難、救援及び武力攻撃災害への対処に関する平素からの備え、物資及び資材の備蓄・整備、国民保護に関する啓発について述べられています。 これら平素から備えが必要としている事項については、都と協力して対応する事項や災害対策と重複する事項も多いと考えますが、それらも含めて計画策定から三年たってどのように体制が整ってきたのか、区長の御見解を伺います。 続いて、まちづくりについてであります。 景観計画及び景観条例の実施スケジュールについて伺う予定でしたけれども、先にほかの会派から質疑がありましたので、省略いたします。 街並み景観に関して、最近とある高名な漫画家が自宅を建築した際、外観が非常に個性的だったため、近隣住民との間にトラブルとなったことが話題となりました。渋谷のようないわゆる高級住宅街を抱えるような土地柄では、いつでも起こり得る事例であるように思います。 渋谷の住宅街には、もともと武家屋敷、大名屋敷であった地域があります。明治以降、住宅として分譲された後でも、比較的大きな区画を保ち、ゆったりとした道路空間と緑豊かで閑静な環境を備え、かつしょうしゃで独特な風情をたたえているため、人気が高いエリアとなっています。これら武家屋敷を由来とする住宅街の街並みを保存するための取り組みが必要ではないか、景観計画や地区計画などの取り組みが考えられますが、いずれにしても、地区住民の御理解、御協力が不可欠であります。どのように考えるか、区長の御見解を伺います。 続いて、地盤沈下についてであります。 大規模建築だけではなく、地下室を持つ一戸建て程度の小規模の建築物でも、周囲の地盤沈下を引き起こす事例が散見されています。渋谷は言うまでもなく、川が広範囲に暗渠化され、あるいは地下水脈が数多く存在している土地柄であり、ずさんな建築の場合には被害が起きてしまうおそれがあります。 地盤沈下は因果関係の検証が難しく、事後的な対応では住民間の相互不信も招きかねません。地下室を含む建築計画では、区の予防的な指導が必要と考えますが、いかがでしょうか。区長の御見解を伺います。 続いて、広報のあり方についてです。 以前も取り上げましたが、各種説明会や審議会等の動画や記録を区のホームページに掲載したらいいなという話であります。 区や関連機関が実施する各説明会について、日程や告知漏れなどの関係で参加できる区民は当然限られてしまいます。議会での議事録のように検索できる形で議事録などを公開すべきと思いますが、それは手間も費用も時間もかかってしまいます。 そこで、まずは公開されて行われている説明会の動画を動画サイトに公開し、区のホームページからリンクを張って、区民が視聴できるようにしたらいかがでしょうか。もし区で対応できないというのであれば、機材を持った区民有志にボランティアをお願いすることも可能です。そうすれば、手間も費用もかかりません。既に動画中継など一般的になっていますし、区民のためにも区のためにも積極的に取り組んでいくべきであります。この点いかがでしょうか。区長の御見解を伺います。 続いて、学校教育についてであります。まず広報のあり方です。 学校広報は、開かれた学校づくりとともに、住民参加を進める意味でも高い意義があります。特にホームページは紙媒体と異なり、卒業生や将来入学予定の世帯を含む地域住民にとっても自由に見られるものであり、コストも比較的少なく済む非常に重要な広報媒体であると考えます。 例えば上原中学では、三年生向けの学年だよりウエブ版が毎日のように掲載され、三月三日には何と百七十四号を数えています。生徒も編集に参加するなど、有機的に活用されているようであります。上原中学は校長先生を先頭に情報発信が積極的で、新入生向け説明会資料などもホームページに掲載されており、「今学校が一体どうなっているのか」が比較的把握しやすくなっています。休んだ生徒や保護者にとって貴重な情報源になっていると言えます。 その一方で、数年前からホームページが更新されていないような学校もあります。 全校において、学校経営の一環として学校広報を明確に位置づけ、ウエブの活用や紙媒体も含めた学校広報のあり方を早急に示すべきではないでしょうか。また、ウエブについては簡便に更新できるシステムを導入すること、学校経営の一環として校長が責任を持つ体制をつくることは必要ではないでしょうか。教育長の御見解をお尋ねします。 続いて、コミュニティスクールについてであります。 先ごろ示された渋谷区実施計画二〇一〇の中では、コミュニティスクールの導入が明記されました。これを高く評価したいと思います。 コミュニティスクールの意義と導入までの具体的なスケジュールについて、明確にしていただきたいと思います。教育長の御見解をお尋ねします。 続いて、言語活動の推進についてでございます。 新学習指導要領では、総則において言語活動を充実することが明記されており、過去の他の議員の質問に対する答弁でも教育長がこれを明言するなど、渋谷区の教育において趣旨が十分に反映されることを期待するものであります。 言語活動は、とりわけ生徒のバランスある、かつ主体的な発話・傾聴の経験が重要であり、年間およそ、千時間程度ある授業時間の中でいかに「話して聞く時間」を確保していくかが焦点であると考えます。 従来型の一斉授業は、この観点が明確に抜け落ちており、教師が話し、児童生徒が聞くという一方的な関係にありました。この反省から、十数年ほど前から教育研究・教育実践の世界では、いわゆる協同学習・協調学習・集団学習といったジャンルが生み出され、子どもたち同士のかかわり合いを重視する学習が研究されてきました。 例えば上越教育大学の西川教授の提唱する『学び合い』、上原中学で研究されている「構成的グループエンカウンター」、あるいは東京大学の佐藤学先生の提唱する「学びの共同体」などであります。これらは児童生徒同士の言語活動を重視するという側面があり、新学習指導要領における言語活動の充実を授業そのものの中で保障するものであると言えます。 教育委員会に求めるのは、これらの理論を深く研究し、それぞれの長所をいいとこどりして、学校や各教員に普及させる努力であります。いかがでしょうか。列挙いたしましたこれらの理論を、それぞれどのようにとらえているのかも含めて、教育長の御見解をお聞かせください。 続いて、笹塚中学校における給食の問題であります。 笹塚中学校における給食の不適切な取り扱いについて、九月議会でも質問させていただきましたが、その際の教育長の答弁は「今後このようなことが起きないよう、徹底した再発防止策を講じているところであります」というものであり、十分な対応を期待していたところであります。 その後、様々な事実が明らかにされてきましたが、保護者からの情報公開請求などへの対応についても疑わしいことがありました。開示された当該校である笹塚中学校の給食の日報は、当初資料提供が行われたものとは違うものが出てきています。これら提出された二種類の資料は正確に事実が記載されたものなのでしょうか。教育長の答弁をお願いします。 これに関連して、情報公開請求があって以降、教育委員会の職員が笹塚中学校に派遣されたと聞いています。だれの指示で職員を派遣したのか、時期、人数、所属、派遣理由とともに明らかにしていただきたいと思います。教育長の答弁を求めます。 また、私費会計の取り扱いについて引き続き改善を求めます。この間の取り組みも含めて、教育長の答弁を求めます。 次に、図書館についてであります。 二〇一〇年は国民読書年であります。タイミングを合わせて今月七日には西原図書館がリニューアルオープンされるほか、五月には新中央図書館が、六月には笹塚子ども図書館が、十一月にはこもれび大和田図書館が開設予定となっており、今年は図書館行政が大きく進展する一年ととらえています。 図書館が単なる地域の無料貸本屋となることのないように、区民の知的活動の拠点として、あるいは地域課題解決の拠点となるよう是非努力していただきたいと思います。その点、NPO法人にゆだねられた代々木図書館は、インターネットなどで独自情報の発信なども積極的に行っており、例えば二月二十二日の通称猫の日には「ただいま代々木図書館では猫本特集をしています。是非お立ち寄りください。にゃんにゃん」というタイトルのもとに、猫にまつわる本を紹介するといった取り組みをしています。親しみやすく、かつ人を巻き込んでいく努力を評価したいと思います。 さて、図書館行政についてぜひ要望しておきたいのは、区や関係団体が発行する記念誌・研究発表資料等、いわゆる灰色文献の充実であります。区や関連団体の発行する文献は、郷土資料としても政策資料としても非常に貴重なものでありますが、現状は学校の周年記念誌ですら満足に収蔵されていない状況であります。 先ほど述べましたように、是非図書館には地域課題の解決の拠点となっていただきたいと思います。そのためには、区や関係団体が発行する出版物について、各部・各行政委員会の協力のもとにパンフレットやポスターなども含めて網羅的に収蔵する必要があるのではないでしょうか。教育長の御所見をお伺いします。 次に、オンラインデータベースの活用についてです。 中央図書館には、新たにオンラインデータベースが利用できる環境が整うとのことです。百科事典・新聞・論文検索などの有料のデータベースは、調査活動には必須のものであり、区民の知的活動を支援する強力なツールとなり得ます。今後これらを地域館でも活用できるようにしていただきたいと思います。 また、データベースはレファレンスを充実させるためにも必要なツールです。現在渋谷区のレファレンスサービスは文献紹介が主な機能となっているようですが、データベースを活用してさらに高度なレファレンスサービスを展開できないでしょうか。以上、教育長の御見解をお尋ねします。 最後に、社会教育館についてであります。 社会教育館は、区民の教育活動・文化活動を支援する大切な施設であります。特に学習室については無料で利用できるため、社会教育館の機能の中核を担っていると言えます。 とはいえ、学習室の利用には大きな課題が指摘されています。この点、どのような認識を教育委員会が持っていらっしゃるか。学習室の適正利用について考え方を伺います。 また、登録団体についても、登録名簿と実際の活動参加者との間に乖離がある、活動内容が営利活動と見まがうようなものがあるなど課題があるようです。登録団体の管理を適正化する必要があるのではないでしょうか。教育長の御見解を伺います。 以上、御答弁をお願いします。 ○議長(松岡定俊) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 渋谷区議会民主党、鈴木建邦議員の代表質問にお答えをしたいと思います。 最初に、私に基金と公債についてということでございます。 これをどういうふうに取り扱っていくのかと、こういうお話で、私唐突に思っておりますのは、これは基金というのは一言で言えば貯金でございます。貯金を有効に長く使っていく、その原則しかありません。また、一方でこの起債でございますけれども、これは要するに建設公債と呼ばれるものでございまして、これは将来の世代が受益するものについては、それは借金をしてもいいよ、こういうことでございます。いずれも区の有効需要に対応するために、基金も使えば公債も発行すると、そういう関係でございますから、私はこの両者を上手に使いながら、あえて言うならば、税金もこれは無駄に使っちゃいけないんです。それは適切に使いながら、持続可能な財政運営をしていく、そのことに尽きるんだろうと思っています。 私はそのような姿勢で、これからもその運用に努めてまいりたい。言うならばも、起債についても有効にできるものについてはこういう時期ですから、これはそういう形で起債はやらなくちゃいけない、こういう時期にあると、こう思っております。 基金は、必要があればこれは使っていく。しかし、見通しのない使い方はしないよ、こういう考え方でございますから、御理解をいただきたいと思います。 それから、この外部監査制度についてのお話がございました。 この制度というのは、内部監査制度の、私はセーフティネットとしてあるものだと、こう思っているんです。内部監査が機能しないときには、あるいは専門性が高いときには、そのときにはそういうものを有効に活用しながら、次への一手をやっていくと、こういうことであろうと思っております。 そういった意味で、常にこの内部監査に加えて外部監査を求めていくというような考え方を私は持っておりません。 それから、保育の社会化ということでお尋ねでございました。 端的な形で申し上げるようで恐縮ですけれども、私は保育児の保育定数の拡大、このことについては、様々な形で今回対応させていただきました。しかし、それは区立の保育室という形のものもございましたけれども、私はこのことを一時的な対策としてやっていくということでなくて、それは一方では建て替えをする、一方では幼保一元化施設等をやるというようなことで、恒久的な子どもたちの保育環境を整備していくと、そういう視点を持ちながらやってきたわけでございます。 そういった中で、一つはこの一時保育をどういうふうにしていくかということなんですけれども、この一時保育で一番課題になってくるのはパート労働者なんです。パート労働者は、保育園のこの入所基準に合わない。だけども、定期的に働くためにはどこかへ預けなくちゃいかんと。そういう人たちがいらっしゃる。そういう人たちに対してどうするかというと、私はこの対策、この保育定数を拡大することによって、そのことにこたえていきたい、そういう姿勢を持っているということで御理解いただけるといいかなと。四月段階で、これは一応の見通し、待機児ゼロにするけれども、それだけでなくて、その後もこのいよいよ建て替え等々に伴って増えていく、それは今後二百ぐらいは増えていくと。そういう形に相なっていくだろうと思いますし、さらにはこの幼保一元化対応等も残されていると。そういった中で、一時保育の人たちのその余裕スペースをも確実にとっていくことはできると、こういうふうに思っているということです。 それから、もう一点のこの休日・夜間保育というのは、これは施設運営の問題になってまいります。ですから、休日等々のこれはどちらかと言えば、自由業の人が多いようですね。自由業でデザイナーとかなんとかということになりますと、医者だとかなんとかというふうになりますと、どうも土曜・日曜を使うことが多いようでございます。そういう人たちへの使われ方というのは、一般のサラリーマンよりはるかに少なくて限定的だと。ですから、これを一般化して考えることはないだろうと、こういうふうに思っておりますし、夜間保育については、それぞれニーズに対応した形での運営を考えていけばいいんだと、こう思っております。 病児保育については、この前も吉田議員からのお尋ねで申し上げたんですけどね、インフルエンザのときは、そこにかかわる人間は優先接種をしてもらえないんですよと。そういう人たちがいると、病児保育にならない。だから、そういう人たちに対しての国の制度の対応の仕方も変えてもらわなくちゃいかんな、私はそんなことを思っております。 それから、この三回を越えて、何回も役所に来させるなということについては、私すべてがそうだと思っているんです。そのことはうちの管理職に聞いてもらってもわかるんですけども、無駄に来なくて済むようなそういう対応を役所としてやらない、慎みなさいということは言っております。今後ともそういうような気持ちで対応していきたいなと、このように思っております。 それから、保育料の還付についてのお話がございました。 私はこの保育料をこの前引き下げたと。その中でも渋谷はその保育料の安さは全国一になっていたわけでございます。ところによっては、北海道なんかではその五倍かかるというようなことが報道で私知っておりましたけれども、それでも恐らく日本で探して一番安いクラスに入る、それでも下げてくれと言うんですよ。そういう人たちが出てくるんです。だから、私はそういうふうに下げるのは、これは市民の税金でそういうことができているんですよということを知っていくためには、私は還付方式をとったほうがいいんではないか。言うならば市民としての自覚をしていただくために、あえて手間のかかる還付方式をとったということでございます。 そのときに私知ったんですけれども、スウェーデンというのは税金についても返すときには還付方式をとるんだそうですね。私知らなかった。そういうふうにしてそれぞれの本来的な負担責任を明確にしていく、そのようなことをやっている、そのようなことを私知りまして、この保育料についてもそのようなことをやらせていただいたということで御理解をいただきたいと思っております。 それから、海外都市交流を節目ごとの交流ということのお話がございました。それは経費を小さくしていく、あるいはこのすべてのバランスということであれば、そういうことの御提言も理解するところでございますけれども、ただ一方的にやることでなくて、そういうことであれば区議会とも御相談させていただきたい、また、相手とも共通の認識のもとに進める努力は必要だろうと、このように思っております。 それから、家賃補助についてのお尋ねがございまして、投資効率という問題がございました。 たしかこの子ども手当についても、乗数効果は何だと、こういうふうに言われて、大臣がうろちょろしている様を私はテレビで見させていただきましたけどね、これの投資効率として考えることではないんです。本来ならば子ども手当だけでだめだということはみんな知っていると思うんですよ。それは児童手当も必要でしょう。住居への対応も必要だ。保育対応の保育環境も整備してやらなくちゃいかん。さらには労働環境整備、言うならば育児休業だけじゃなくて、復職できる、正しく正規の職業につけるような、そういうシステムが必要だということはもう日本でなくて、北欧や西欧は全部研究しているんですね。私は、ですから、ない知恵の中でこういうことをやるわけですけれども、もしあなたがそういうふうに不十分だと言われるんなら、それに対応する対案を示してほしい、こう思うんですね。ただだめだ、だめだじゃなくて、何が一番有効なんだと、そういうことについての御提言を欲しいな、このように思っております。 それから、ワクチンのお話がございました。 インフルエンザの対応の検証としてお話がございました。私はこのことについては、新型インフルエンザの教訓は何だったか、将来をにらんで、本区においても検討する必要があるということについては、もう指示をしているところでございます。 そもそもこの国においても、東京都においても検討すべきことではなかったのかな、こう思っておりますのは、厚生労働省は今回予防接種法の改正案を通常国会に提出すると、このように聞いているんです。しかし、どのように変えるのか、我々には一切わからないんですね。そういうことで、これからの国と自治体がそれぞれ円滑に協力しながらやっていくことができるのかと、このように思っているんです。 振り返ってみますと、当初は強毒性の鳥インフルエンザを想定したわけです。ところが、現実には感染力は強いけれども、しかし、弱毒性だということになって、対応を切り替えているんですけどもね、いつどういうふうに切りかえるかというメッセージはどこにも届いていないんですよ。わからないんですよ、我々は。そのときにわからないことは、このワクチンがどのぐらいあるのか、準備されているのかわからない。ですから、この新聞の社説にも書いてありました。ワクチンラグを早く解消しなさいと。国内生産だけでなくて、国外生産も踏まえながら、ワクチンラグを早く解消していったらどうだと、そのようなこともありましたし、接種対象についても、あるいは優先順序についても、あるいは接種回数についても、私が知ったのは新聞なんですよ、悪いけども。そのような状況なんです。ですから、渋谷区だけを責められてもこれはだめなんですよ。だから、私は全体的にこの問題について考えるならば、私はこの医師の負担軽減とか、あるいは連携不足とかいう前に、全体的に何を考えるべきだったろうか、その中で渋谷区は何をやるべきかというふうに考えていかなければだめじゃないか、こう思っているんです。集団接種についても、何か遅れているようなことをおっしゃいますけれども、このことについては東京都が決めているんです。この優先順序ですね。最初はこの十月二十八日から医療関係者だと、こう言っているんですよね。その次には基礎疾患のある人が十一月だ、十二月九日になって小学校低学年だと、こう言っているんですよ。この前ほかの議員から言われたこと、受験生に対して何とかしてくれないかという話もあったんですよ。だけど、すべてそのことについては受け付けなかった。そういう状況があるんですよ。ですから、このことは一方的に言うことじゃなくて、全体的な反省の中から役割を見出していかなければ、この問題は解決しないんじゃないかと、このように思っております。 その次に、予防接種と区民の健康についてお話がございました。 麻疹ワクチンの接種率についてのお尋ねでございますけれども、平成二十年度で一歳に行う一期は八四%、就学前に行う二期は七三・九%、中学一年生の三期は六四・五%、高校三年の四期は四六・五%でございます。まだ今年度の上半期の接種率については、ほぼ一期については横ばいであるけれども、それ以外は五%向上していると、こういうことでございます。 国が接種率を九五%というお話がございました。この接種率を高めようと国が言うならば、この接種助成についても国としての責任を果たしてほしいなと、こういうふうに思っております。渋谷はこの二十二年度でも、この接種のために二億一千九百万使うんです。これは、あなたは財調の問題をやめられたけども、そこでは渋谷には一銭も来てないんですよ。一銭も来てない。その金は全部よその区へ流れている。言うならば、私お願いしたいんだけれども、この予防接種の二億一千九百万を補助金でもらうか、特別交付金なら必ず渋谷に来るんですよ。ですから、私はやります、努力しますということを言うんですけどもね、これ全部二億一千九百万、全部財調でありながら、渋谷には金が一銭も来てません。そのこともよくお考えになって、渋谷区のやることを迫っていただかないと、何でもかんでも渋谷区で承るというわけにはいかない。そのことも御承知いただきたいなと、このように思っております。 教育委員会との連携についてもお話がございました。 このことについては、区立中学校一年生の保護者を対象に、接種状況のアンケートを行うと、未接種者については学校で個別に接種を勧奨するなど、様々な取り組みをやっていただいている。努力はさせていただきますけれども、そういった環境整備についても、ひとつ目を開いて、また、そういう御発言をしていただきたいなと、このように思っております。 次に、任意接種についてのお話等がございました。 本区ではこれまで、高齢者への肺炎球菌、あるいは小児インフルエンザ、ヒブワクチンの任意接種の費用助成を行い、来年度予算では水ぼうそう・おたふく風邪・子宮頸がんワクチンの任意接種費用を助成するための経費を計上しているところでございます。 お尋ねの小児用の肺炎球菌ワクチンにつきましては、昨年の四定で貴会派の吉田議員にも御答弁したとおり、現段階では実施の考えを持っていないところであります。 また、副反応被害者の救済については、国において検討していただくべき事柄であると、このように思っております。 次に、危機管理として職員についてのお話がございました。 災害時に徒歩で参集できる区職員の居住状況でございますけれども、区内居住は管理職で八名、職員は二百六十八名でございます。言うならば一割五分ぐらいになりますでしょうかね。それぐらいの人間は区内居住だということでございます。これが五キロ範囲内になりますと、管理職は十五人、職員は四百九十九名でございます。 こういった人間が何をやるかというと、現場で火を消したり救助をするわけじゃないんです。これは本部に行って、それぞれの本部としての役割をやるため、その最小限の人間であったり、あるいは場合によっては道路警戒、道路のそういうような様々なものがあれば、それを除いていく、そういう役割もございます。あるいは水を運ぶべき、飲料水が必要ならばそれを運ぶとか、そういうことへの、だんだんと時間に伴ってそういうことが必要になってくる、その人間も必要になってまいります。ですから、最初から人間が全部いる必要はないと、そういうことで御理解をいただけたらと、このように思っております。 職員住宅等の耐震化につきましては、すべてがまだ整備されていない。財政状況の中でそれへの対応をしてまいりたいと、このように思っている次第でございます。 それから、国民保護計画についてのお尋ねでございました。 本区では、この平成十八年の国民保護協議会の審議に基づきまして、十九年三月に計画を策定したところでございます。国がこの安全保障のあり方、そのことで揺れているわけでございますけれども、国民保護は国民的な課題である。基礎的自治体の役割は、あくまでも住民の避難誘導や住民への情報提供が主なものでございます。それは防災における対応と一にするところがございますので、そういったことを考えながら、これからも訓練を続けてまいりたい、このように思っております。 まちづくりについてのお尋ねであったと思います。 武家屋敷等の低層住宅地域における街並み保存についてのお尋ねであったと思いますけれども、かつて江戸時代に所在した大名屋敷や武家屋敷は、明治以降は一部は大学や病院などの敷地になっており、多くは分譲地として形を変えて、江戸時代の歴史的な面影は失われているわけでございます。 その中でゆとりある住宅地として整備された幾つかの地域は、現在に至るまでも閑静な低層住宅として続いており、区といたしましても、そのような貴重な住環境を今後とも維持していくことが望ましいと考えているところでございます。 しかしながら、これらの地域は、低層居住専用地域に指定されておりまして、それ以上の規制を行政が一律的に行うことは地権者の財産権との関係で困難であると、このように思っております。 したがいまして、街並み保存ということになれば、地域の自発的な合意形成があって初めてなし得るものだと、このように思っている次第でございます。 小規模建築物の地盤沈下についてのお尋ねでございました。 地盤沈下対策は、工事前の設計段階では設計者の責務でございます。地質データや地形、地下水脈等の調査を行いまして、設計を行う必要がございます。その際の資料としては、区ではこれまで建築に伴う地質調査資料を保管しておりますので、閲覧できるようにいたしたいと思っております。 施工の際でございますけれども、施工者の責務として必要な措置を講じていく責任がございます。したがいまして、資格者である設計者・施工者にはそれぞれ役割を果たしていただくよう、また、地質調査資料を活用してもらうよう啓発をしてまいりたいと存じます。 広報について、この記録等を動画でホームページに掲載できないかというお話でございました。 このことについては、以前も申し上げましたが、データの容量の問題や新たなサーバーの構築、費用対効果の問題がございます。加えて動画配信の必要や区民ニーズ、または説明会参加者の肖像権やプライバシーの問題、編集のあり方、提供方法についても十分検討が必要であると、このように思っております。 なお、御提言の民間動画サイトの活用等については、改ざんや悪用のおそれ等、さらなる課題が多く、考えてはおりません。区民説明会や公開の審議会の開催に当たりましては、これまで以上に多くの区民の方が参加しやすい日時や場所を設定するなど、工夫しながら対応していきたいと存じます。いずれにいたしましても、広報は必要な情報をタイムリーにわかりやすく提供していくことが肝要でございますので、今後ともその利便性に資するよう取り組んでまいります。 以上、答弁といたします。 ○議長(松岡定俊) 笹井保健所長。 ◎保健所長(笹井敬子) 予防接種と区民の健康についての御質問にお答えいたします。 日本脳炎ワクチンへの対応についてのお尋ねでございますが、昭和五十一年より予防接種法に基づいて行われております日本脳炎の予防接種は、重篤な健康被害の発生があり、平成十七年五月に勧告によって積極的な接種勧奨を差し控えることとなっております。 その後、新しいワクチンが開発され、昨年二月に薬事法上の承認を受けたことから、厚生科学審議会の予防接種部会に設置された日本脳炎に関する小委員会での検討が進められ、本年二月、中間報告の素案が取りまとめられました。この報告案では第一期、すなわち三歳から四歳での三回の接種については、平成二十二年度から積極的な接種勧奨を再開すべきとするものの、二期、すなわち九歳での接種による有効性、安全性は確立していないとして、また、積極的勧奨の差し控えにより、接種機会を逃した者への経過措置については、第二期の接種の可否が明らかになった時点で議論するとしております。 一方、五年ぶりの接種勧奨の再開になることから、全国保健所長会では国に対して、再開に当たってはワクチンの供給状況、接種機会を逃した者への経過措置、最近の予防接種施策において、たびたび生じてきた混乱を起こさないための方策を検討するよう要望しております。 こうした状況から、本区では接種勧奨の再開に備えて、接種費用を来年度予算に計上しておりますが、今後の本格的な実施には、平年度分で約三千万円、再開遡及分では約一億円という大きな財政負担を伴うため、国が地域主権を標榜する以上、自治体に対する財源保障を明確にした上で、方針を決めていただきたいと考えております。 特に法定予防接種費は、都区財調で算定される項目であり、普通交付金が不交付の本区にとっては、結果として区単独負担と同様になるため、多額になる再開遡及分については、本区に直接収入される補助金、もしくは交付金か、あるいは財調の特別交付金を要望したいところであります。 また、接種については、国の方針が決定した段階で速やかに医療機関と調整し、対象者全員に予診票を交付できるよう対応してまいりますので、議員におかれましても、財源を含め、環境整備に御協力していただきたいと考えます。 以上、御答弁とさせていただきます。 ○議長(松岡定俊) 池山教育長。 ◎教育長(池山世津子) 私には、学校教育についてと図書館及び社会教育館の運営について、七点のお尋ねでございます。順次お答えを申し上げます。 初めに、学校広報のあり方についてです。 学校が、保護者や地域に対して学校情報の提供や発信に努めることは、学校運営の一環であり、校長の経営責任であると私も認識しております。各学校では、毎年度当初それぞれの学校の教育目標を定め、その教育目標を達成するための基本方針を策定しております。どの学校においても、この基本方針の中では、開かれた学校づくり、信頼される学校づくりのために、ホームページや学校・学年・学級だより、学校掲示板等の活用により、情報発信を積極的に行っていくことが明確に位置づけられており、学校広報の重要性についてはいずれの学校長も、学校経営の一つの柱として十分認識しているところでございます。 私のもとにも、毎月紙ベースの学校だよりが届きます。この学校だよりに目を通しますと、校長や副校長の学校経営や教育に対する考え方に触れたり、学校の日々の出来事が知ることができ、私にとっては貴重な資料であり、毎月読むのを楽しみにしているところでございます。 一方、ホームページの活用につきましては、校長自らが情報発信し、更新する学校もございますが、ほとんどの学校ではパソコン操作に詳しい教員が担当しております。 教育委員会では、こうした学校の情報発信を運営面で支援していくよう、教員研修の中にホームページ作成講座を設けるなどの取り組みを進めております。 議員からは簡単に更新できるシステムのことなど、具体的な御提言もいただきましたので、参考にさせていただきながら、今後も各学校がそれぞれに創意工夫を凝らし、保護者が区民にわかりやすく親しみの持てる広報活動が展開できるよう、学校支援に努めてまいります。 次に、コミュニティスクールの意義と導入までのスケジュールについてのお尋ねでございます。 まず、コミュニティスクールの意義でございますが、保護者や地域の方々が学校運営に対して一定の権限と責任を持つ学校運営協議会、いわゆるコミュニティスクールでございますが、この学校運営協議会を通じて、学校運営に参画することにより、学校・家庭・地域が一体となって子どもたちのためのよりよい教育を実現することができ、結果保護者や地域に開かれ、信頼される学校づくりが推進できると認識しております。 導入までのスケジュールにつきましては、今年度、小学校校長会が行ったコミュニティスクールについての研究を受け、新年度に入りましたならば、学識経験者の御意見をいただきながら渋谷区における学校運営協議会のあり方の検討を行い、十一月にはモデル校の試行を実施したいと考えております。 次に、言語活動の推進についてのお尋ねです。 今回の新しい学習指導要領では、すべての教科において言語活動を充実させることが強く求められております。これを踏まえ、本年度は新学習指導要領の完全実施に向けて、言語活動の具体的な指導をポイントに加えた各教科の教育計画を新たに作成し、言語活動の充実に努めてまいりました。また、来年度は学校教育施策の重点として、言語活動の充実を位置づけたところでございます。 議員の御提言にございました上越教育大学の西川先生が提唱していらっしゃいます「学び合い」や、佐藤先生が提唱する「学びの共同体」は、いずれも教師が授業のねらいや学習課題を明確に示し、児童生徒が主体的に考え、自ら学ぶという授業の構成を重視しております。認知心理学の研究から見出された西川先生の「学び合い」は、専門性が高い教師が一方的に教えるよりも、児童生徒同士が学び合ったほうが有効であると指摘しており、相手に教えることで自らの学びを高めることをねらいといたしているところでございます。 また、佐藤先生の「学びの共同体」は、いつでも必要なときにグループで学び合う学習スタイルを取り入れています。そして、わからない問題があれば、進んで質問できる児童生徒の育成を目指しております。 私が昨年九月に教育研究のために訪問・視察いたしましたフィンランド共和国のクオッパヌンミ総合学校の授業でも、二十人程度によるグループワークトレーニングを取り入れた授業をしているのを視察してまいりました。 上原中学校が校内研究として取り組んでいる構成的グループエンカウンターは、生徒が自分の思いを本音で語り合い、人間関係を深めながら自由に意見を出し合ったり、他人の話をきちんと聞いたりすることのできる力を身につけ、学力の向上につなげようとするものでございます。 これらいずれも、言語活動の推進には有効な手だてではございますが、より効果的に進めるには、教師が授業のねらいとグループ活動のねらいをきちんと押さえた上で、授業展開をすることが必要です。 次に、笹塚中学校の給食についてのお尋ねです。 笹塚中学校の平成二十年度の給食の状況につきましては、使用する食材料の価格を抑え気味にする献立の調整や変更を現場の判断で行い、内容や価格が月によってアンバランスな給食となってしまったものでございます。 この給食の状況につきましては、保護者からも指摘をいただき、教育委員会では統一献立の変更手続を改善するなど、徹底した再発防止を講じており、今年度の給食では一年間を通じて内容や栄養価に偏りのないバランスのとれた給食を提供しております。このことにつきましては、昨年の第三回定例会で鈴木議員の御質問にお答えしたところでございます。 お尋ねの給食の日報につきましては、平成二十年度の記録について、記載の一部に不備が見受けられたり、栄養価の計算に不正確な点があったりしたことから、子どもたちに提供した給食の内容を正確に記録・保存させるために、作成のし直しを学校に命じたものであります。 現在は、学校に正確な給食の記録が保存されており、また、元の記録につきましても、この間の経緯を残すため、そのまま保管しているものでございます。 また、職員の派遣についてのお尋ねでございますが、この間、昨年七月より本件に関連した情報公開等にかかわる請求は、現在まで三十件以上に及び、四千枚を超える書類の閲覧及び写しの交付に対応してきているところでございます。書類の写しの交付を行うために、二千枚以上のコピーが必要であり、そのほとんどは笹塚中学校の書類でございました。情報公開請求の都度、一学校の対応能力をはるかに超える期限内での事務作業が発生したことになります。このため、教育委員会では対象文書の特定やコピー作業などの支援のために、昨年の九月一日から今年の三月三日までの間、事務局の職員を作業量に応じて二、三人、庶務課・学務課の職員をこの定められた手続により、笹塚中学校に延べ約四十回出張させております。 なお、私費会計の取り扱いにつきましては、教育委員会は従来、学校徴収金取扱要綱を定め、各学校に対して学校徴収金の適正な管理と会計事故の未然防止を求めてまいりましたが、昨年十月にその内容を変更し、徴収金会計の事務は公費における取り扱いに準じて処理することを義務づけるなど、校長会を通じて各学校長に対し、さらに厳正な管理執行を求めているところでございます。 引き続き、教育委員会は学校と一体となって、信頼される学校づくりに努めてまいります。 続いて、図書館、社会教育館の運営について、三点のお尋ねでございます。 初めに、図書館が区や関係団体が発行する出版物について、網羅的に収蔵する必要があるのではないかというお尋ねです。 図書館が区や関係団体が発行する出版物を積極的に収集・保存し、手軽に利用できる資料として区民に提供していくことは、図書館の重要な役割の一つであると認識しております。 しかしながら、これらの多岐にわたる資料を図書館で網羅的に収集し、収蔵していくためにはスペース的な課題がございました。御案内のとおり、新たに四カ所の図書館が開設され、新中央図書館には保存書庫が設けられるなど、図書資料の保管スペースが今後拡大されてまいります。 今後は、区や関係団体が発行する出版物につきましても、可能な限り収集・保存に努めてまいりたいと考えております。 次に、有料データベースの利用と高度なレファレンスサービスを実施できないかというお尋ねでございます。 近年、区民の情報に対する要望は、教養、娯楽にとどまらず、就職活動・起業等のビジネス関係の情報、健康・介護・子育て等の生活課題に密着した情報など、多様化しております。こうしたニーズにこたえるためには、有料データベースの活用と、高度なレファレンスサービスの実施が大変有効であると考えております。 新中央図書館では、インターネットを通じてデータベースにアクセスできるパソコンを設置し、新聞記事や百科事典など、検索・閲覧できるオンラインデータベースサービスを実施いたします。また、レファレンス機能を充実させるため、専用のカウンターを設置し、このオンラインデータベースサービスとあわせて利用者の皆様の調査・研究活動を幅広く支援してまいります。 なお、これらの機能を地域図書館で活用することにつきましては、新中央図書館における利用の実態を見きわめた上で検討してまいりたいと考えております。 最後に、社会教育館の学習室の適正利用と登録団体の適正管理についてのお尋ねです。 社会教育館は、区民の教育活動・文化活動を支援するため、学習室や音楽室・体育館・料理室・和室・茶室などを整備し、生涯学習の拠点として位置づけております。このため、社会教育館の利用に登録名簿者と実際の活動参加者との間に乖離があったり、活動内容が営利活動であるなどの不適切な利用があってはならないと考えております。このようなことを防ぐため、社会教育館を利用するためにはあらかじめ団体の適格性の審査を行い、団体登録をしていただいております。登録の有効期限は二年であり、更新することは可能としております。また、実際の学習室等の利用に当たっては、申請に基づきその適否を審査の上、利用の承認をしているところでございます。 しかしながら、御質問のような利用が皆無であるとは言えません。登録名簿と実際の活動参加者との間に乖離があると疑われる場合には、実際に利用される方の名簿登録をしていただくように指導しております。また、活動内容に営利活動の疑いがあるときには、調査の上、注意や改善の指導を行いますが、従わない場合には、利用の停止や登録の抹消を行うこともございます。 今後とも区民の生涯学習活動の拠点として、気持ちよく社会教育館を利用していただけるよう、利用の適正化に努めてまいります。 以上、答弁といたします。 ○議長(松岡定俊) 三十一番鈴木建邦議員。 ◆三十一番(鈴木建邦) ただいま区長ほかから、大変長時間にわたり、しかし、きちんととらえていない答弁を一部いただいたのは残念でございます。 やはり非常に問題なのは、きちんと向き合っていただいていないんだなというところでありますけれども、例えば保育の社会化のところでは、NPOなどに対しても参入をしていただくべきだというような提案をさせていただいたわけですけれども、区で全部やれなんて全然言ってないです。そうではなくて、様々な保育サービスをどうやって提供していくのか、しかも、財源は限られている中どうやって提供していくかの知恵を是非見せてくれという質問でありました。それをきちんとなぜとらえられないかというのは、非常に疑問があると思います。ちょっとうまくしゃべれていないですが、還付という方法については、私も非常に意義があると思っています。しかし、きちんと伝えられていない。これによっていろいろな問題点が生じているんだと思います。ここは是非認識をしていただきたいと思います。 海外都市交流事業については、答弁漏れもありましたけれども、もう面倒くさいからいいです。 家賃助成についても、ほかの案等は提案をしたいと思います。 一番問題なのは、やっぱり予防接種ですよ。予防接種法においては、市町村長がきちんとやらなきゃいけないというのが大前提であります。もちろん予防接種法についていろいろな問題がある点認識していますし、この費用の問題についてもきちんと分担をしなきゃいけないよというのは当然思いますけれども、しかし、麻疹についてはもう既にやられているわけで、追加的な費用が増えるわけではありません。なのにもかかわらず、お金がない、きちんとお金が払われればやりますよというような発言もありましたけれども、これはないんじゃないですか、幾ら何でも。麻疹については、もう既に無料で接種を皆さん方しているわけです。追加でお金払うぐらいしかお金の使いようがないじゃないですか。今の財源で周知を徹底すれば、ある程度は行きますよと。何でそういうふうにならないで、お金の話になってしまうのか、全く理解できないです。予防接種については、麻疹について言えば、定期接種として意義があり、必要性があるということで、国も定期接種にしていると。この現状の中で子どもたちを守っていくために、何%、数%でもいいから少しでも努力をしましょうよ、こういった姿勢をなぜ持てないのか。私には全く理解ができないところであります。 予防接種について、再質問いたします。麻疹について、接種向上、もう一度答弁をいただきたいと思います。 それから、日本脳炎については、確かに新しく負担が追加されるということで、言われたことについては受け止めて提案もしていきたいと思います。 それから、もう一つ、笹塚中学校の件については、当初提供された平成二十年度の日報については、給食主事と給食主任、そして、管理職の印鑑が押されているそうです。この給食主事は、当時担当していなかったのに印鑑を押すはずがない、それから、給食主任については、給食の内容に納得できなかったので、平成二十年十月から十二月までの三カ月間は絶対押してないと言っております。なぜ当事者が押印していないはずの印鑑が押された文書があるのか、これは問題であると思います。 それから、パソコンで作成された報告書については、その当該の二人の印鑑欄が省かれてつくられています。こういった取り扱いは、やっぱり記載内容の信憑性をどうしても損なうものであると思います。 教育長が以前、答弁の中で触れられた徹底した再発防止策というのは、徹底した事実の究明から始まるものであって、責任を明確にすることが必要です。この件に関して、教育長の再答弁もお願いします。 それから、文書管理についてです。やっぱり取り扱いがきちんとなっていないということが浮かび上がったと思いますので、これの徹底も求めたいと思います。答弁を教育長、お願いします。 ○議長(松岡定俊) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 私について、麻疹のことでしょうかね、大分憤激しながらおっしゃったようでございますけど、私はこういう金がトータルで来ると二億一千九百万かかっている。これ一応そのうちの半分ぐらいは財調算定になっているけれども、現実には一銭も来ないんですよ。一銭も来ない中で、やれやれと言うんだったら、国はそのことにやれるような、渋谷区もやれるようなそういう手を打ってほしいということをお願いしているんですよ。お金があればちゃんとやりますと、こう言っているんですよ。金もなくて、ただやれやれと言うのは、ちょっと筋違いじゃないかということでございますので、私はそういうことで御理解いただきたいと思います。 以上です。 ○議長(松岡定俊) 池山教育長。 ◎教育長(池山世津子) 私には、笹塚中学校における給食問題についての再質問でございます。 二十年度の記録につきましては、先ほど申し上げましたとおり、記載の一部に不備が見受けられましたので、今年度に入り、訂正を命じまして、それの訂正を行ったところでございます。ですから、二十一年度につきましては、当然再発防止に努めておりますし、きちっとしたものがございますし、二十年度の記録につきましても、現実に合わせたものと、それから、不備があったその日報についてと両方を保管しているというところでございます。 今後このようなことのないように取り扱っていきたいというふうに思っています。 それから、すみません、先ほど私答弁した中で、情報公開の書類の写しの交付のために二千枚のコピーというふうに発言しましたが、二万枚のコピーの間違いでございます。ここでおわびして訂正させていただきます。 ○議長(松岡定俊) 三十一番鈴木建邦議員。 ◆三十一番(鈴木建邦) 再々質問させていただきます。 順番を変えて、教育長に対しては印鑑の件は是非お願いしたいと思います。印鑑どうして押されているのか、再答弁をお願いします。 それから、予防接種については、保護者は予防接種法においては努力義務で、首長は予防接種法において接種義務があるわけであります。お金があれば接種をしますというのは、この感覚には、法の趣旨には合いません。ですから、全力で努力をすると。でも、足りないものは足りないんだというような話だと、まだよかったんですけれども、今回は最初から金が来ないからやらないんだというような話になってしまうんだったら、それは予防接種法の趣旨を全く逸脱しているとしか言いようがありません。もう一度再答弁をお願いします。 ○議長(松岡定俊) 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) 鈴木建邦議員の再々質問にお答えをします。 私、やらないということは言っておりません。ただ、やる以上はやれるような環境整備をしてほしいと。当然のことでございます。国が法で決める以上、それへの裏づけは必要だと。それは当たり前だと思うんです。私はそのことだけ言っているだけですから、誤解のないようにお願いしたいと思います。 ○議長(松岡定俊) 池山教育長。 ◎教育長(池山世津子) 笹塚中学校における給食の日報の印鑑のことの御質問でございます。 二十年度にはそういった記載に不備があったということを、私認めております。それが不適切だったので、きちっと正しくつくり直しをするようにということでございます。それで、つくり直したものには責任者の判こを押して、正しくつくり直して、その両方を保管しているということでございます。御理解いただきたいと思います。 ○議長(松岡定俊) 三十一番鈴木建邦議員。 ◆三十一番(鈴木建邦) ただいま答弁をいただきました。 予防接種については、やっぱり子どもを守る立場を是非明確にしていただきたかったなと思います。残念ですが、予防接種法に不備があることは事実です。ただ、そこで現状に甘んじて環境整備をしてほしいというのは、気持ちとしてはわからないでもないですけれども、区長としては言ってほしくなかったせりふであります。大変残念です。 それから、印鑑のほうについては、印鑑を押したことも間違いであったという認識をさせていただきます。今後は是非文書管理と私費会計の取り扱い、引き続き徹底をしていただきたいと思います。 私ども民主党は、引き続き区民生活の向上のために努力してまいります。 以上です。 ○議長(松岡定俊) 以上をもって、区政一般に関する質問を終わります。 これから日程に入ります。 日程第一を議題に供します。   〔渡辺次長朗読〕 ------------------------------- △日程第一 会期決定の件 ------------------------------- ○議長(松岡定俊) お諮りいたします。 本定例会の会期は本日から三月三十一日までの二十八日間とすることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(松岡定俊) 御異議ないと認めます。 よって、会期は二十八日間と決定いたしました。 日程第二を議題に供します。   〔渡辺次長朗読〕 ------------------------------- △日程第二 同意第一号 渋谷区監査委員の選任の同意について ------------------------------- ○議長(松岡定俊) 本件に関し、代表監査委員倉林倭男氏は暫時御退場願います。   〔退場〕 ○議長(松岡定俊) 提案理由の説明を求めます。 桑原区長。 ◎区長(桑原敏武) ただいま議題となりました同意第一号は、識見を有する者のうちから選任いたします監査委員のうち、平成二十二年三月三十一日をもって任期を満了する者の後任者として倉林倭男氏を任命するため、提出するものであります。 よろしく御同意くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(松岡定俊) これから質疑に入ります。質疑はありませんか。質疑なしと認めます。 本件は委員会付託を省略することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(松岡定俊) 御異議ないと認めます。 よって、本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。 これから討論に入ります。討論はありませんか。討論なしと認めます。 これから日程第二を採決いたします。 本件については、区長提案のとおり倉林倭男氏を渋谷区監査委員として選任に同意することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(松岡定俊) 御異議ないと認めます。 よって、倉林倭男氏を渋谷区監査委員として選任することに同意と決定いたしました。 倉林倭男氏の入場を許可いたします。   〔入場〕 ○議長(松岡定俊) お諮りいたします。 本日の会議は議事の都合により延会することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」の声あり〕 ○議長(松岡定俊) 御異議ないと認めます。 よって、本日の会議はこれをもって延会することに決定いたしました。 次回の会議は明三月五日、午後一時に開議いたします。 なお、日程は、当日文書により御通知いたします。 本日の会議はこれをもって延会いたします。 -------------------------------   延会 午後七時五十三分 -------------------------------右会議の経過を記載し、その相違ないことを認め署名する。渋谷区議会議長   松岡定俊渋谷区議会副議長  古川斗記男渋谷区議会議員   東 敦子渋谷区議会議員   新保久美子...