3点目は、新たな財源確保と
歳出削減策です。
長崎市の重要課題は、急激な人口減少と
人口年齢構成の変化、すなわち少子高齢化問題であると認識しています。
長崎市の平成28年度の決算では、長崎市の歳入は約2,085億円に対し、市税収入と他の自主財源を合わせても約763億円で、歳入全体の37%であります。人口規模が同じような中核市48市中48位で、平均51%に対し37%であります。自主財源の割合が低いということは、国からの交付税なくして行政運営ができないという厳しい状況が発生しております。一方、歳出は義務的経費、人件費、
社会保障費が含まれる扶助費や公債費は約60%で、48市中45位で、義務的経費の割合が高いと自由に使用できる経費は少なくなり、市民の皆さんからの要望に対応ができないことも予想されます。
そこでお尋ねいたしますが、新たな財源確保と
歳出削減策についてどのような取り組みがされているのかお伺いします。
4点目は、新たな文化施設の進捗です。
ことし2月の本会議にて市長は、長崎市公会堂の廃止に伴う新たな文化施設を現市庁舎跡での整備を進めていくという判断をされました。
平成29年度から文化団体を初めとした舞台を利用する皆さんに新たな文化施設の機能について伺うなど、整備に向けた具体的な検討に入りたいという答弁でありましたが、その後の文化団体との検討状況についてお伺いします。また、
建設スケジュールについてどのようになっているのか、あわせてお伺いします。
次に、
長崎みなとメディカルセンターについて2点質問します。
1点目は、課題と解消策についてです。
長崎みなとメディカルセンターは、昨年の平成28年7月に513の病床を有する病院として全面開院しております。新病院は、平成24年度に
地方独立行政法人に移行し、
救命救急センターを備えた高機能病院を目指して
独立行政法人の中で努力されていますが、今年2月の本会議の質問時点ではER型の
救命救急センターが設置されておりませんでしたが、その後の救命救急医の確保についてどのようになっているのかお伺いします。また、小児・周産期医療についても、新病院の目指す医療として充実に努めるということでありましたが、その後の医師の配置についてもお伺いいたします。
2点目は、病院機構の経営状況についてです。
平成24年4月に
地方独立行政法人長崎市立病院機構へ移行され約6年が経過しようとしていますが、ことし2月の本会議の質問では、平成24年度から27年度の4年間で累積赤字が約24億円、平成28年度は約3億円程度の赤字が見込まれるという答弁があっております。平成29年度以降の収支は、人員体制も安定し医療機器の充実も図っていることから、病院機構は患者数や診療単価の増を図るとともに、人件費の適正化、材料費や光熱費などの経費の縮減に取り組み、市も病院機構と一体となって効果的な努力をすると明言されております。
そこで、お尋ねいたしますが、平成28年度の収支並びに平成29年度の収支の見込みについてお伺いします。
次に、
介護保険制度の現状と課題について質問します。
介護保険制度は、高齢化が進む中、家族による介護の負担が重くなり、病院への社会的入院がふえて介護の社会化が課題となり、2000年に
介護保険制度が始まっています。
その後の要介護者の増加に伴い、介護費用や保険料は増加していますが、介護施設のニーズは高まる一方であります。しかしながら、
社会保障費の効率化のため、
介護事業者が
介護サービスを提供したときに受ける報酬は2015年に大幅に引き下げられ、事業者は厳しい経営を余儀なくされています。
介護職員の人員不足も深刻となっています。介護職員の
有効求人倍率は、2017年2月時点で3.37倍、全職業平均の1.37倍を大きく上回っております。介護職員の人材不足は、平均月収が全産業平均より約10万円も低いことなどが原因と言われていますが、ことし4月から介護職員の賃金を月額1万円引き上げる処遇改善が行われました。しかしながら、まだまだ不十分であります。
また、
介護報酬改定を2018年に行う予定で、さらに介護報酬が引き下げられると、事業所の経営や職員の処遇問題は深刻化を増し、
介護サービスの基盤は崩壊するおそれがあります。また、2014年度の3月時点で、全国で
特別養護老人ホームへの
入所待機者は約52万人となり、介護が必要な人を優先させるために、2015年に新たな入所資格が原則要介護3以上に厳格化されました。さらに、介護職員がいないために、
空きベッドはあるのに利用者を受け入れることができない
特別養護老人ホームが少なくないとの調査結果も報告されています。入所条件が厳格化されても、2016年4月時点の待機者は全国で約36万人で、入所待ちを減らすためにも介護職員の人材確保が急務となっています。
そこで、お尋ねいたしますが、長崎市の
特別養護老人ホームへの入所待ちの人員及び
空きベッドはどのようになっているのかお伺いします。さらに、長崎市独自の介護職員への処遇改善はできないのか、あわせてお伺いします。
最後に、衆議院議員総選挙の期日前投票について質問します。
10月22日に第48回
衆議院選挙が施行されました。長崎1区の有権者総数は34万6,539人で、10月11日から21日までの11日間の期日前投票者数は6万4,969名で、有権者総数の18.69%となっています。今回の投票率は54.86%で、期日前投票者は全体の投票者数の34.2%となっています。期日前投票は前回、前々回の
衆議院選挙と比較すると約2万人が増加していますが、期日前投票に行かれた方からは、せっかく投票に行っても1時間以上も待たされたという意見も聞いていますが、今回のこのような状況をどのように把握し、今後どのような対応をしていくのかお伺いいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。=(降壇)=
3 ◯議長(野口達也君) 市長。
〔田上富久君登壇〕
4 ◯市長(田上富久君)
市民クラブ、
五輪清隆議員の質問にお答えします。
まず、1.市長の政治姿勢についての(1)
交流拠点施設についてお答えします。
議員ご質問の1点目、募集要項に定めた提案の取りやめ等における競争性の担保についてですが、競争性が担保されないと認められる場合につきましては、応募者による不正行為が認められる場合を想定しており、他都市での
PFI事業の募集要項においても同様の要件を定めています。これは例えば、全ての
応募グループ間で通じ合い、提案内容や価格面を調整するなどの不正を行った場合を想定しており、その場合、公正に選定を執行できないと同時に競争性が担保されないこととなります。本公募では、このような不正行為は認められなかったことから、選定の執行の延期、取りやめは行っておりません。
今回の公募におきましては、
民間事業者の高度で優れたノウハウを取り入れる部分が大きく、創意工夫を最大限に発揮した提案が重要であることから
公募型プロポーザル方式を採用しています。公募に当たっては、
参加資格要件や地元企業の参画等の条件を満たせば誰でも公募に参加できる機会を設定し、市の
ホームページで公表することで競争性を確保しています。さらに、今回の
公募型プロポーザル方式での審査においては、価格面だけではなく、提案内容を重視しており、たとえ1グループのみの応募であったとしても提案内容を絶対評価で行うこと並びに
MICE事業の提案評価点に一定の基準点を設け、それを満たさない場合は失格とすることなど、優れた提案でないと選定されないこととしており、審査面においても競争性が確保できるようにしています。なお、
応募グループが1者であった理由につきましては、昨年実施しました
サウンディング調査や本公募に関する説明会等においては、多くの
民間事業者の参加があり、
参加事業者は高い関心と強い参画意欲を持っておられました。
そのような中で進められた本事業は、
PFI事業と
民設民営事業の組み合わせという先進的な複合事業であり、本事業への応募には相当の資金力や運営力を求められるとともに、地元企業の参画を満たした上で、多くの経験豊富な事業者によるグループをつくることが必要でありました。そのため、地元企業の参画やホテルのレベルなど
提案内容等の調整について、厳しい条件の中でさまざまな検討が行われた結果、最終的に
応募グループが1者になったと考えています。また、他都市の
MICE施設の整備に関する公募につきましても、沖縄県や奈良県など1者のみの応募で事業者の選定を行っております。
これらのことから、今回、
応募グループは結果として1者でしたが、公募の手続において応募者による不正行為が認められないことや、
公募型プロポーザル方式による
民間事業者が広く参加できる機会の設定、審査面での評価方法並びに1者のみの応募となった経緯などを総合的に見て、本公募における競争性は十分に確保されていたと考えています。
ご質問の2点目、
参加表明書の
受け付け期限の延長や再公募の実施検討につきましては、
応募グループが結果として1者だったという理由で市が参加表明の
受け付け期限の延長や再公募を行うことは、
受け付け期限内に参加表明を行った
応募グループに対して公正性を失い、かつ不利益を与えることになります。そのようなことから、参加表明の
受け付け期限の延長や再公募は行っておりません。
本公募の一連の手続におきましては、適正に実施し、価格面のみではなく提案内容を重視した総合的な評価を行うことで、事業の安定性・継続性が高く、地域への効果が期待できる優れた提案を行った
優先交渉権者を選定できたものと考えています。
次に、1点目の(2)
定住人口対策の具体的な取り組みについてお答えします。
長崎市の人口は、平成25年3月に公表された国の日本の地域別将来推計人口によると、平成52年には約33万1,000人になると推計されています。このため、
長期人口ビジョンの人口の将来展望として、総合戦略の推進により人口減少に歯どめをかけ、43年後の平成72年においても人口32万人を維持することとしています。
具体的には、人口の自然動態の目標として、平成42年の
合計特殊出生率1.80及び平成52年の2.00を目指し、社会動態の目標としては平成52年までに転入転出の均衡に向けた段階的な改善を目指すこととしています。この目標を達成するため、交流人口の拡大により経済を活性化させ、定住促進につなげる特定戦略「交流の産業化」による長崎創生を推進するとともに、
人口減少対策として4つの基本目標を掲げ、基本戦略を推進していきます。
基本目標のうち、まず、安心して子どもを生み育て、子どもが健やかに育つまちをつくるための具体的な取り組みとしましては、子どもの医療費助成の対象拡大や、長崎市独自で多子世帯における保育所・幼稚園等の保育料を軽減するとともに、保育所の定員枠を拡大するなど、引き続き子育て環境の充実や結婚につながる出会いの場を創出していきます。このような取り組みを進めていることにより、自然動態においては、指標である
合計特殊出生率について、平成26年の1.40から平成28年には1.48と0.08ポイントの増となり、国の数値を約40年ぶりに上回っている状況となっています。
次に、経済を強くし、雇用をつくるための具体的な取り組みとして、地場産業の競争力の向上と育成や、地域経済の新たな力となる創業支援や企業誘致に取り組むとともに、地場企業の魅力等を発信することにより若者の地元定着を図っています。
また、新しいひとの流れをつくるための取り組みとして、移住定住の
ホームページや動画での情報発信、
移住定住者に対する相談体制の強化と
無料職業紹介などに取り組むとともに、
定住促進空き家活用補助金の創設や
空き家バンクの充実など、
移住希望者支援の取り組みを進めています。
その結果、社会動態においては、転入転出の均衡に向けた段階的な改善には至っていませんが、成果が上がっている例として、企業誘致については、平成27年度から平成29年度8月までに計4社を市外から誘致し、258人の雇用を創出しました。また、学生等の地元定着については、
長崎工業会と連携し、
企業見学会を実施するなどした結果、
県立長崎工業高校の
県内地元就職率について、平成26年度の33%から平成28年度は54%へ21ポイント増加しています。さらに、移住者については、平成18年度から平成27年度までの年間の移住実績が平均8.4人に対し、平成28年度は75人と大幅に増加しています。
今後とも、総合戦略に基づく施策を着実に推進することで、人口の減少を克服し、将来にわたって活力ある長崎を維持するよう、最大限の努力をしていきたいと考えています。
以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)=
5
◯企画財政部長(野瀬弘志君) 1点目の市長の政治姿勢についての(3)新たな財源確保と
歳出削減策についてお答えいたします。
長崎市は他の中核市と比較しましても税収基盤が弱く、また歳出においては扶助費の割合が高いことなどから厳しい財政状況であり、平成28年度は全国的な傾向ではございますが、
地方交付税や
地方消費税交付金が減少したことなどから、
経常収支比率が悪化いたしております。一方、平成20年度末に74億円だった財政運営のための基金は、税収の増加などから、平成28年度末には132億円増加し、206億円となるなど改善してきている点もございます。
こうした中、次の時代の長崎の基盤づくりのための未来への投資や市民の暮らしやすさにつながる施策に配分するという考え方のもと、収支改善により主体的、自律的な財政運営を行うためには、これまでより一層新たな自主財源の確保や
歳出削減策への取り組みは必須であると考えております。
平成29年度の当初予算におきましては、普通財産の売却や貸し付けによる財産運用、収納率の向上、
ふるさと納税の取り組みなどにより約7億円の自主財源の増加を見込んでおり、また、歳出削減につきましても事業の選択と集中を行うとともに、事業手法などの見直しを行い、歳出で約4.5億円の一般財源を捻出したところでございます。また、今年度の市税収入につきましては、個人市民税や固定資産税が堅調に増加していることなどから、当初予算から約13億円を上回り、546億円となるものと見込んでおります。
しかしながら、平成30年度以降の予算編成につきまして、これまで同様、自主財源の確保や歳出削減について継続して取り組む必要があると考えており、スクラップ・アンド・ビルドなど
事業見直しを積極的に進めるとともに、これまで以上に地方創生に係る施策にしっかりと取り組み、人口減少の克服や地域経済の活性化を図ることで市税収入の増加など自主財源の確保に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
6
◯文化観光部長(股張一男君) 1.市長の政治姿勢についての(4)新たな文化施設の進捗についてお答えいたします。
新たな文化施設については、本年2月県議会での知事答弁において、
県庁舎跡地でのホールについては、適切な時期に今後の方向性を判断していきたいとの考えが示されたことを受け、長崎市としては、現
市庁舎跡地での整備を進めていくことを判断したところです。なお、今後、県の検討結果が得られた時点で、まだその内容検討の余地がある時期であれば、改めて県の方向性について内容を検討したいと考えております。
次に、整備に向けた具体的な検討状況ですが、既にことし7月から、新たな文化施設の機能面についての
ヒアリング調査を、文化団体を初めとした舞台を利用する方々やイベントの主催者、企画を行う
興行関係者、舞台周りの設備に詳しい
舞台技術者などの皆様や他都市の文化ホールの現状に詳しい方々などに対して行っているところでございます。この調査におきましては、それぞれの視点から多角的なご意見をいただいており、主なものといたしまして、舞台につきましては間口、奥行きともに十分な広さを確保するとともに、舞台転換などの利便性を踏まえて、上手、下手の両袖舞台の広さも十分に確保することなど、搬入口につきましては、舞台まで段差なく資機材等の運び込みができること、
搬入用大型トラックが複数台駐車できるようにすることなどといった具体的なご意見をいただいております。また、練習室や
リハーサル室といった市民が練習や小規模な公演を行えるようなスペースの必要性並びに同様の設備を備える他都市ホールの参考事例などの情報についてご教示いただいているところでございます。なお、
ヒアリング調査につきましては、今年度中に報告を取りまとめる予定としております。
次に、
建設スケジュールについてですが、工程としましては、新たな文化施設に求められる機能や整備すべき施設機能などの方針を示す基本構想、施設計画や
概算事業費、整備・管理手法などを示す基本計画を策定し、次に基本設計を行い、さらに実施設計を経て、最終的に建設工事という流れを想定しております。
現
市庁舎跡地における新たな文化施設の整備につきましては、新市庁舎建設の進捗に合わせて検討を進めていく必要があると考えております。新市庁舎は、平成34年度中の完成を目標に現在、基本設計の策定作業を進めておりますので、その進捗状況を見ながら詳細な
スケジュールを検討し、お示ししてまいりたいと考えております。
なお、
県庁舎跡地におけるホールの整備につきまして県は、県議会での議論や長崎市の
交流拠点施設整備の動向を踏まえた上で、今後、しかるべき時期に整備に関する方針を示していくとの考えでありますので、先ほども申し上げましたとおり、県の動向についても注視してまいりたいと考えております。
今後とも、さまざまな文化活動の発表の場、あるいは
文化芸術鑑賞の場として、質が高く、誰もが使いやすい新たな文化施設を整備できるよう着実に取り組んでまいります。
以上でございます。
7
◯市民健康部長(大串昌之君) ご質問の2点目、
長崎みなとメディカルセンターについての(1)課題と解消策についてお答えいたします。
まず、ER型の
救命救急センターの設置については、長崎市が、
地方独立行政法人長崎市立病院機構に対し、中期目標において目指す医療の柱の1つとして、救急医療の充実を図るため早期に整備を行い、公的病院としての役割を果たしていくことを指示しております。しかし、現在、設置に必要な人材の確保ができていないことにより、整備に至っていない状況でございます。
ことし2月の本会議においても議員にご指摘いただきましたが、病院機構において設置に必要な救急専門医の確保については、理事長を中心に全力で取り組んでいるところでございます。その結果、ことし9月に1名の救急専門医を採用することができ、現在、救急医療を担当していますが、
救命救急センターの設置に向けては、2名以上の救急専門医の確保と専門医以外の医師等を初めとした救急科の体制の整備が必要と考えております。病院機構におきましては、遅くとも平成30年度までに、まずは、さらに1名の救急専門医の確保を最優先に努めているところでございます。これとあわせて、救急科の体制を整え、中期目標の柱であるER型の
救命救急センターが早急に整備できるよう努めてまいります。
次に、小児・周産期医療についてでございますが、
長崎みなとメディカルセンターにおいては、平成26年2月の第1期棟開院に伴い、新生児特定集中治療室(NICU)を3床から6床に増床し、ハイリスク出産や未熟児に対する医療を実施しているところでございます。しかし、平成26年4月の専門医の退職により、よりリスクの高い32週未満の新生児につきましては受け入れが困難な状況となっております。
病院機構において、専門医の確保に努めておりましたが、確保のめどが立ち、平成30年4月の採用に向け、現在、その準備を進めているところでございます。これにより、平成30年度からは32週未満の新生児についても受け入れができる体制が整えられますので、今後とも小児・周産期医療の充実が図られるよう取り組んでまいります。
次に、ご質問の2点目の(2)病院機構の経営状況についてお答えいたします。
長崎市立病院機構における平成28年度の決算につきましては、平成28年7月の513床の全面開院に向けた4月から6月までの看護師の先行採用による人件費の増や、全面開院時における7月から10月までの病床稼働率の低迷等により医業収益が伸びなかったため、ことし2月時点で約3億円の赤字が見込まれておりました。しかし、11月からは病床稼働率の上昇などにより、収支改善が見られ、赤字が約1億3,000万円減少し、平成28年度の収支は最終的に約1億7,100万円の赤字となっております。
次に、平成29年度における現時点での収支の見込みでございますが、4月から9月までの上半期の収支状況につきましては、病床稼働率が収支の最低ラインと考えている80%を維持し、手術件数も前年度に比べ増加したことなどにより、若干ですが黒字が見込まれる状況でございます。下半期につきましても、引き続き病床稼働率の向上やさまざまな経費節減の取り組みにより、年間を通して黒字となるよう努めてまいります。また、今回、
地方独立行政法人法が改正され、市長が病院機構の業務の実績に対する評価を行うなど、中期目標を達成するために、その責任や権限が明確化されますので、より一層持続可能な経営基盤の確立が図られるよう強く指導してまいります。
以上でございます。
8 ◯福祉部長(尾上泰啓君) ご質問の3点目、
介護保険制度の現状と課題についてお答えいたします。
人口減少と少子高齢化が進行する中で、介護人材の不足は全国的にも重要な課題ですが、長崎県の試算におきましても、高齢者人口がピークを迎える平成37年には、介護職員など約1,600人が不足すると見込まれており、長崎市においても喫緊の課題であると認識しております。
そのような中、平成27年4月から
特別養護老人ホームの入所につきましては、より必要性が高い要介護者が入所しやすくなるよう、入所要件が要介護3以上の方へと厳格化されております。長崎市における、ことし4月現在の入所申込者は、在宅の方が540人で、入所要件見直し後も大きな変更は生じておりません。この入所申込者の中には、
空きベッドが生じてもまだ入所しなくてよいと見送る方も少なくないことから、全ての申込者が直ちに入所を希望するものではないと考えております。また、職員の不足により利用者の受け入れが困難な状況にあり、
空きベッドが生じているのではないかとのお尋ねですが、長崎市には平成29年11月1日現在で
特別養護老人ホームが49施設2,105床ありますが、そのうち1施設が職員不足を理由に平成27年9月から1年間ほど定員29人のうち5人分のみ受け入れを停止した事例がありましたが、現在は受け入れを再開いたしております。平成29年8月現在の
特別養護老人ホームの利用率は97.2%とほぼ満床で稼働しているため、長崎市においては人材不足により入所ができないという状況にはないと考えております。
次に、介護職員の処遇改善につきましては、介護職員の給与水準が他職種より低い状況にあることから、国は平成24年度以降に、累計で月額1人3万7,000円相当の加算を行い、介護職員の処遇改善を図ってきております。また、医療介護総合確保推進法に基づき、平成27年度に地域医療介護総合確保基金が介護分野に適用となり、県において介護人材の確保育成策として介護分野への就職促進や介護職員の定着支援など、介護職員の処遇改善に努めております。
このような中、長崎市独自の介護職員の処遇改善策につきましては、給与面では国が介護報酬により改善を進めているため、長崎市では介護職員の人材育成や職場の負担軽減につながる対応策に取り組んでいるところです。具体的には、広報ながさき等を通じた介護職のイメージアップや包括ケアまちなかラウンジでの介護職を対象としたキャリアアップ研修の開催など、やりがいやスキルアップのための取り組みを行っております。また、介護職員の身体的な負担を軽減するため、平成28年度に介護ロボットの導入を行う事業所へ支援を行い、現在、導入効果や課題の検証を行っているところでございます。
今後は、シルバー人材センターの会員等の元気な高齢者の方々に、軽度な介護の仕事をしていただけるような取り組みも検討してまいりたいと考えております。また、国に対しては、全国市長会等を通じ、介護報酬の改定の際に人材の確保や介護従事者の処遇改善を行うよう、引き続き要望いたしてまいります。
いずれにいたしましても、介護人材不足への対応は喫緊の課題であるため、今後とも介護職の処遇改善に努めてまいります。
以上でございます。
9 ◯選挙管理委員会事務局長(橋田慶信君) ご質問の4点目、衆議院議員総選挙の期日前投票についてお答えします。
10月22日執行の衆議院議員総選挙において期日前投票を行った人は、1区、2区を合わせた長崎市全体で6万6,791人で、3年前の衆議院議員選挙と比較して約2万人増加しました。
期日前投票者数が大きく伸びた主な要因としましては、今回、期日前投票所の箇所数をふやしたり、一部の投票所について開設期間を延長するなどの有権者の利便性を向上させる取り組みを行ったことが一定成果を上げたものと考えていますが、特に今回は選挙日当日に向けた台風接近の予報により、当日投票を回避した有権者が期日前投票に集中したことが大きな要因であったものと考えております。このため、議員ご指摘のように、一部の期日前投票所では、選挙終盤において、投票するまでに相当な時間をおかけすることとなり、有権者の方へ大変ご不便をおかけしたところです。
今後に向けた対策としましては、選挙人名簿の照合と投票用紙交付窓口を増設し、スムーズな投票手続につなげたいと考えています。また、宣誓書の記入に時間を要する方もいらっしゃることから、新聞折り込みで配布する選挙のお知らせチラシや長崎市の
ホームページなど、事前に宣誓書を入手できる方法の周知に努めるとともに、案内係の増員と、応対や事務処理の事前研修を徹底することとしています。こうした取り組みによって待ち時間を最小限に抑えることにより、有権者の利便性を損なうことのないよう、投票環境の向上に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
10 ◯29番(五輪清隆君) ただいま答弁をいただきましたから、再質問させていただきます。
まず初めに、
交流拠点施設です。この関係については今週月曜日、市長から報告を受けたわけですけど、今後、今議会で
環境経済委員会の
所管事項調査、そして来年の2月については債務負担行為ということで日程の中にあっておりますから、この中については質問しません。しかしながら、今日までの経過について、もう少し詳しくお聞きしたいということで思っています。
先ほどの競争性の担保の関係であります。先ほど市長は、
優先交渉権者の選定において、
公募型プロポーザル方式を採用していることは、応募者が結果として1者であった場合でも、公募開始時点において
民間事業者が公募に参加する機会は十分確保され、同時に競争性は確保されてるということで答弁がされました。市長と違うのは、やはり競争性というのは同じように複数公募を上げてから、その中身の議論をして審査し、その中でどっちがいいのか、それが私は本当の競争性じゃないのかなということで理解しております。ですから、私と市長の認識が若干違いますけど、このことについては再度またおうかがいします。
代表者会議の中で言わせていただきましたけど、その中で、整備・運営事業の募集要項の中に、提案の取りやめという項目があるわけですね。その中には、いわゆる先ほど市長が言われた関係があるわけですけど、そしたらば、例えば私も含めて皆さんがわかるような形の中で、その項目の中に、提案内容や価格面の不正がなかったら公募者が1者であっても競争性は担保されるという、そういう項目を書いていただければ私は理解します。通常このような要項を見たときに、誰が見ても、職員の皆さんはわかってると思いますけど、私はわかりません。多分、市民の皆さんも、これだけを見てどう判断しますかと言われても、市長が言われるような判断をする方は少ないと思いますよ。そういう意味で、今回のこういう要項の中に、そのことを含めて記載しようと思ったのか、まあ、これについてはどういう経緯かわかりませんけど、このことを書いていただければということで思ったわけですけど、このことについてお伺いします。
また、9月の委員会の中で、私は公募は1者でしょうと言うても、いや、競争性とか公平・公正ということで、その回答があっておりませんけど、結果的に公募者1者でありました。そしたらば、9月の時点で委員会の中で1者ですということを公表していたら、今回このような状況の影響というか、どういうものが影響されたのか、ここについてお伺いします。
11
◯文化観光部長(股張一男君) 再質問にお答えします。
まず、1点目の競争性の確保につきましては、参加機会をやはり平等に設けるということで、今回は公募型プロポーザルというところで、そこは事前に多くの方が参加できる場面、これが1つやはりあったということで考えております。それとあわせまして、審査におきましても事前の提案の中で、価格だけではなく内容による絶対評価というところで、
MICE事業につきましても半分の点数行かなかったら失格というものもございます。1つはそれによる競争性の確保。あともう1つは、今回、応募が1者となった経緯の中で、やはり地場産業の参入というものもありました。こういったものも、総合性を含めた中で今回、平等に門戸が開かれており、客観的な審査、それから絶対評価を行ったという中で競争性は確保されていたと思っております。
続きまして、2点目の1者ということ、それから、9月議会でそういったことをなぜ言わなかったのかと、影響があったのかということのお問い合わせがございました。これにつきましては、9月議会の
所管事項調査の中で、6月議会に実施しました第2回の官民対話、それから
応募グループからの提案受け付け、あわせまして受注者選定の進め方等についてご説明させていただきました。
応募グループ数の公表の考え方につきましては、その中で
優先交渉権者の決定時という考えを、後の10月の決算委員会のときにご説明いたしました。この理由と申しますのは、応募数を1者と仮に出した場合というところで、その後に審査会があるという状況でございました。そういった中で、事前に1者というものが相手にわかるということであれば、プレゼンテーションの場面でやはり最善の提案というものが引き出せない可能性があるというところから、そういうリスクをはらんでいると、公平性が保たれないというところから公表は行わないということに至ったところでございます。
今回のこういった説明については、委員会でずっと説明させていただいておりました。ただし、この取りやめの件だとか先ほどの競争性の点、これにつきましては、ずっと委員会でも説明させていただきましたけれども、十分ではなかったという面も私自身あると思います。今の時点になってこういうことがあるというところは、しっかりその辺は十分な説明を行うことを今後はしっかりやっていきたいと思いますし、大型事業ということでございますので、議会の皆様についても説明していきたいと思っております。
以上でございます。
12 ◯29番(五輪清隆君) 委員会で報告したとかそういうことを言われてますけど、やはり公募型のプロポーザルというかそういう関係ですからいいですよということであれば、誰が見てもわかるようにやはり記載すべきですよ。公募型はこういうことですからそういう競争性は保てますとか、それを書いてもらえば、やはり今回このような競争性についてという質問しないわけですよ。
そして、先ほど部長が言われましたけど、やはり皆さんの進め方おかしいですよ。委員会の中で言わせていただきましたけど、今後の日程ということで9月議会の中で質問しました。そのときというのは、議会が質問をするような日程じゃなかったじゃないですか。11月下旬にこの公募を決定したことを報告します。そして、12月の委員会の中で、一般質問が終わった後に
所管事項調査として説明します。それが議会に対して説明したことになるんですかということで委員会で言ったんですよ。そして、その後、委員長の配慮によって、やはりこの経過も含めて、少なからずとも9月議会で出された関係をやはりクリアしなければいけないということで、あえて決算委員会でしたわけじゃないんですか。そのまま9月議会の中でそういうことがなかったら、委員会の中で、
所管事項調査の中でこういうことで決まりました、それで終わりですよ。ですから、当然のように、市のほうはこういうことで決まりましたと発表するわけですから、マスコミに出てから議員が聞くようなあれではおかしいということで今回なっているわけですよ。そのことを、やはり今までのMICEというのは、土地を購入するとき一度否決されてるんですよ。そして、議会として、やはり今後、将来のために長崎駅裏のJR貨物の土地を、やはり駅周辺のそういう活性化含めてやっていこうということで、議会として3点の附帯決議をして土地を購入した経緯があるわけですよ。そこを考えたときに、今回の交流拠点というのは、議会も行政側も一緒になって進めなければいけないという、そういう認識に立つならば、やはりいろんなことも含めて説明すべきですよ。そのことが抜けてるから、行政の一方的な報告になってしまって、こういう状況が発生をしております。
やはり、そういうことを考えると、私自身はMICEの関係というか、
環境経済委員会に何年か入っとって感じるのが、平成26年9月に委員会の自主的調査ということでMICE運営をやっている3社の方が参考人として
MICE事業を説明をされました。そのとき、一委員として聞いたわけですけど、そのときはMICE単体の事業ですから今回と若干違いますけど、そのとき3社の方が言ったのは、MICEを建てることによって長崎市の経済効果がありますよ、そして収益も上がりますよ、そして交流人口も拡大されますよということでしたわけですね。しかしながら、いろんな関係で土地の購入は否決されて、平成26年12月に可決されておりますけど、今回の
交流拠点施設の事業者の公募の実施とかそういうことについても2月3日に要求水準書(案)を公表して、2月10日に開催した説明会には42社、66名の方が参加しております。やはり多くの方が今回の
交流拠点施設については注目した形の中で参加してるわけですね。その後、3月31日の整備・運営事業募集要項ということで公表し、そして4月13日に開催した募集要項の説明会にも33社、57名の方が参加してるわけですよ。そして、6月16日の
参加表明書提出が、ある意味締め切りのリミットなんですね。そこに1グループしかなかったんでしょう。というのは、言いかえますと、今回、行政が出した要項を含めてかなり厳しかったんじゃないのかなと思ってます。
ですから、この関係を議論する気はありませんけど、市民の皆さんが一番心配してるのは、今回、新聞等で出たように、1グループしか出てないのに本当に競争性が担保されてるんですか。そして、金額についても最高額の約147億円、リミットいっぱいでの形になって、それが本当に透明性があるんですか。そしてまた今後については、来年2月議会の債務負担行為とか、来年6月の契約含めて順序はなっておりますけど、物は建てたけど、10年ぐらい大丈夫だけど、後は心配ですよ、やはりそういう声もあるんですよ。やはり市民の皆さんの見方というのは、あくまでも外貨を獲得するための、国外そして国内の皆さんがあそこを利用していただいて、今回は市民の皆さんも使用できるような要件にしておりますけど、やはりブリックホールと今回の
交流拠点施設というのは仕分けがされてるわけですね。ブリックホールとか旧公会堂というのは、市民の皆さんの文化施設として使ってください。しかしながら、
交流拠点施設については外貨を獲得する、そして、
交流拠点施設を含めてやはり広げることによって経済効果を持たせていこうということが目的ですから使い方も違います。しかしながら、今まで長崎市がいろんな取り組みをした関係で、あぐりの丘もそうでした。そこについても指定管理者としながらでも、今回のやつとは違いますけど、そのこと自身がやはり頭の中に残ってるわけですよ。ですから、今回のやり方、そしてまた議会に対しての説明も含めて、私はおかしいと思ってます。
そして今回、公募が1者になった要因として、前回のMICEというのは単体でしたけど、今回はホテルを含めた提案ですから、ホテルというものは民設民営ですからかなりの費用もかかります。そして、そこに関係ある多くのグループが必要になるわけですから、そういう意味での厳しいなという条件もあるわけですけど、当然今回は、
優先交渉権者になったそのグループについては調査費用も相当かかってると思いますよ、人件費も含めたら何千万円も。その中で、長崎市の要項にあるのは、本事業の応募に係る費用は全て
応募グループの負担ということになってるわけですよ。負担というのは、とれるかとれんかわからんのに、例えば何千万円もかけて本当に応募ができるのか。もしそれができなかったら、もう何もなしですから、そういう意味で市として、例えば応募に当たっては金額を幾ら補助をしますとか、そういうことをすることによって応募団体も複数出てきたんじゃないのかなと、私は思いますけど、このことについてどう思いますか。
13
◯文化観光部長(股張一男君) 再質問にお答えします。
市の大型施設の設計業務委託におきまして、設計者をプロポーザル方式で決定する場合、プロポーザルへの参加に対し一定額の報償費を出す、そういう規定がございます。しかしながら、
交流拠点施設の事業は単なる設計業務委託とは異なること並びに
民間事業者側にとっても民設民営で施設を建設して利益を得るという事業参画を伴うものであることなどから、その規定には該当しないとして報償費の支払いは行っておりません。参考までに、公募における募集要項に関する質問回答や官民対話などにおいても、
民間事業者からの費用支給の要望はありませんでした。
なお、
応募グループが1者であった理由につきましては、
PFI事業と
民設民営事業の先進的な複合事業であり、本事業への応募には地元の参画を満たした上で多くの経験豊富な事業者によるグループをつくることが必要であったことなどが考えられ、プレゼンテーション・ヒアリング時の市からの報償費がなかったことが影響したとは考えておりません。
以上でございます。
14 ◯29番(五輪清隆君) 確かにそういうこと言うでしょうけど、やはり参加する側とすれば相当な費用がかかるわけですから、できないできないじゃなくて、また業者からそういう参加の要望がなかったじゃなくして、現状を見たときに、皆さんが例えば今回、公募についても1者だけと思ってなかったと思いますよ。複数出るという予想もされてたんじゃないですか。そして、結果として1公募でもう決まったわけですから、この関係についてはこれ以上言っても進みませんけど、こういうものについては、やはり土地代、建物を含めたときに215億円ですよ。先ほど企画財政部長が言ったように、長崎市の財政は厳しいんですよ。さっき本壇で言ったように、財政を見たときに歳入は中核市の48市中48位ですよ。当然、収入も上げなければいけない、歳出もいろんなところ削らなければいけない。それに伴って今回は215億円、
交流拠点施設として交流人口をふやそうということはわかります。定住人口が厳しいわけですから。そして、先ほど定住人口も言われましたけど、長崎市は人口が約42万人で、43年後に10万人の歯どめ策で32万人でやっていこうと言われてますけど、直近の関係からいくと、昨年の11月1日とことしの11月1日で5,000人減ってるわけですよ。43年をかけると21万人減ります。今の人口の半分なんですよ。ですから、いろんな交流人口も大切ですけど、定住人口をいかに、ふやせと私言いません。市が目的としている四十数年後の10万人減少に向けて、長期スパンじゃなくして、やはりどこに視点を置かなければいけないのか、そこをしなければいけないと思っています。特に、今の現状を見たときに、長崎市から県外に出ている方が多いです。それは当然、企業の関係もあります。一番問題なのは、平成17年から、10年前からは亡くなる方が出生数より多いわけですよ。ですから、例えば出生率を上げるためにどういうことをやらなければいけないのか、いろいろ答弁がありましたけど、そこを視点にしなければ、私はこの長崎市というのは人口は毎年5,000人ぐらい減ってしまって、20年後には10万人減って、まさに厳しい状況が続くんじゃないかなということで思っています。
なお、
交流拠点施設の関係については、委員会での
所管事項調査の中で質疑をさせていただきます。
以上であります。
15 ◯議長(野口達也君) 次は、2番橋本 剛議員。