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2010-09-09 長崎市:平成22年第4回定例会(2日目) 本文

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  1. 長崎市議会 2010-09-09
    2010-09-09 長崎市:平成22年第4回定例会(2日目) 本文


    取得元: 長崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-09
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1           =開会 午前10時0分= ◯議長(吉原 孝君) 出席議員半数以上であります。これより議事日程第2号により本日の会議を開きます。 日程1  市政一般質問 について、これよりお手元に配付いたしました質問通告表により、順次、市政一般質問を行います。33番野口三孝議員。       〔野口三孝君登壇〕 2 ◯33番(野口三孝君) 本議会は、福祉医療費の現物給付、追加経済対策などを盛り込みました総額約28億7,300万円の一般会計補正予算を初めとする28件の議案を審議する本議会であります。長引く不況、円高、政権与党の不協和音の中で、長崎市民が期待を込めた議員及び市長に対する負託に両者がどう応えるかが課題であります。その意に沿って質問通告をいたしております2点についてお伺いをいたしますので、市長初め、執行部の皆さんは、市民が理解しがたい行政答弁をするのではなく、それぞれの立場に立った率直な答弁をお願いいたしておきます。  まず、市長の2期目への挑戦であります。  田上市政は、伊藤一長前長崎市長が凶弾に倒れるというあってはならない事件により誕生し、はや任期満了まで7カ月を残すのみとなっております。オリンピックの誘致という荒唐無稽の一幕は別といたしましても、市民力、職員力を市政の旗印として、行政のトップとして恐らく全力投球をなさったことと存じます。  そこで、端的にお伺いをいたします。2期目に挑戦し、市長続投のご意志があるのかどうか、的確にご答弁をお願いいたします。  次に、平成21年度の街路事業における業務執行について伺います。  長崎市政の業務執行の責任は、すべて最終的に市長にあることは当然のことであります。先日、新聞、テレビで都市計画道路小ヶ倉蛍茶屋線愛宕工区の工事費用が当初予算の4億円で不足となり、他の路線の工事費用を流用し、そのことを上司に報告していなかったとの報道がありました。同報道の時期は、私が本質問のために資料請求をした翌日であっただけに、何か因縁めいたものを感じております。  マスコミを通じ、市民に対して、この問題について市長を初めとする市幹部のコメントは今日まで何らなされておりません。  本議会に小ヶ倉蛍茶屋線に係る予算約1億8,700万円が計上されていますが、同予算に係る論議は事前審査に当たりますので、建設水道委員会の審議を待つとして、平成21年度執行の部分につき、お伺いをいたします。  まず、同工事は平成21年度当初予算で財源を交付金2億円、起債による地方特定道路整備事業費2億円の計4億円をもってスタートし、その折、議会に対しては同路線を含む数本の路線につき、交付金、起債部分の予算を箇所づけして提案がなされております。しかし、結果的には流用というマジックによりまして、平成21年度の建設水道委員会の各委員の審査、議会そのものが無視されたのであります。それは都市計画部交通企画課の説明によれば、当初予算の積算に見落としがあり、年度内完成を目指すがため、他の路線から約2億2,000万円を流用、それも工事変更額の積算もせず、つかみ的金額を担保として業者に工事を指示し、流用後の6億2,190万円で事業費は十分であると判断をしたが、なおかつ不足することが判明し、次年度分予算の1億7,000万円の中から約1億4,000万円を先取りし、平成21年度事業費7億5,950万円を支出したとのことであります。実に当初予算の約2倍の工事費となり、市民感覚からは理解しがたいことでありますが、なぜこのようなことになったのか、的確なご答弁を求め、本壇からの質問とし、個々の重要なことにつきましては自席からお伺いをさせていただきます。=(降壇)= 3 ◯議長(吉原 孝君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 4 ◯市長(田上富久君) 明政クラブ、野口三孝議員のご質問にお答えいたします。  まず、1点目の市長の政治姿勢についての(1)二期目立候補の意志について、お答えします。  私が市長に就任しましてから、早いもので3年5カ月近くが経過をいたしました。この間、市政のかじ取り役を務めてこられましたのも、市民の皆様、そして議員の皆様方のご協力とご支援のたまものと心から感謝を申し上げたいと思います。
     現在、経済状況を見ましても、少し持ち直しの傾向があるという情報もありますが、実感としては、まだまだそこに到達しておらず、雇用情勢も大変厳しいものがあります。また、社会の変化に伴って、いろいろな制度が変わるという中で、福祉のあり方、環境、教育、すべての面で今非常に大事な時期にあります。それと同時に、長期的なビジョンのもとに取り組んでいくべき課題もあり、また、平和に関しましても核兵器の廃絶に向けて、この新しい流れが定着できるかどうかという非常に大事な時期にもあります。そういう意味で、この市長としての使命を果たすべく、精いっぱい力を尽くしておりますし、そのことに全力を注ぐという気持ちは今も変わっておりません。  ただ、先ほど野口三孝議員からご質問いただきましたように、来春の市長選への出馬につきまして、私の考えを明らかにすべき時期が近まっているということは認識をしております。十分に熟慮、検討し、しかるべき時期に判断をしたいと考えております。  次に、2点目の平成21年度の街路事業における業務執行について、お答えします。  先般からの職員による相次ぐ不祥事、また今回の街路事業の問題など、市民の皆様の信頼を損なう結果となりましたことを深く反省いたしますとともに、議員の皆様並びに市民の皆様に、この場をおかりいたしまして深くおわびを申し上げます。  今後は市民の皆様の信頼回復に向けまして、私と職員が一体となって再発防止に全力を挙げて取り組んでまいります。  なお、街路事業業務執行についての答弁につきましては都市計画部長からいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。=(降壇)= 5 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 2点目の平成21年度の街路事業における業務執行について、お答えをいたします。  長崎市の放射環状型の道路網を形成する都市計画道路として事業を進めてまいりました小ヶ倉蛍茶屋線は、本年7月4日に開通式を行い、その後、計画交通量を上回る車両が通行している状況にございます。  この小ヶ倉蛍茶屋線の平成21年度事業におきましては、予算執行管理工事施工管理及び組織管理が不十分であり、不適切な事務処理となりましたことについて深くおわびを申し上げます。  当該路線は、平成21年度の供用開始を目標として工事の進捗に努めてまいりました。しかしながら、平成21年度当初予算を見積もった段階において、工事を完成させるために必要な事業量や事業費について十分な把握ができていなかったため、必要な予算が確保できておらず、年度の途中には予算が不足する状況となりました。予算不足がわかったのは平成21年9月ごろですが、国の情勢等を考慮し、交付金や起債事業費の追加は困難であると考え、同じ街路事業費の中で建物補償や用地買収等の進展が見込めないほかの路線の交付金等の活用について県に確認するとともに、財政当局とも協議して、予算の流用を行った次第でございます。事業費が不足する都度、数回に分けて流用し、流用総額はおよそ2億2,000万円となりましたが、この過程において、部内、庁内において上司への的確な報告や相談が行われておりませんでした。また、議会に対しても適正な時期に報告、説明を行わなかったことなど、予算の流用時における業務の処理が不適切であったと深く反省をいたしております。  なお、年度内完成を目指す中で、平成21年度においては工事を19件に工区分けをして発注し、必要に応じて設計変更を行い、工事を進めてまいりましたが、一部の工事については、担当課内での十分な協議を行わないまま変更処理を行っておりました。その後、平成21年度末の完成、供用開始が困難となり、一部の工事については平成22年度に繰り越すこととなりました。工事が完成段階に入り、平成22年6月から7月にかけて、平成21年度繰り越し工事の精算業務を進める中、変更に伴う増額が大幅となり、平成22年度の予算から充当せざるを得ない状況になった次第でございます。  このようなことから、事後処理という対応となりますが、この9月議会において、この不足する予算について補正を計上させていただいたところでございます。  いずれにいたしましても、不十分な進行管理等により、このような事態が発生しましたことにつきましては深く反省するとともに、再発防止に努め、二度と同様な事例が発生しないよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。大変申しわけございませんでした。 6 ◯33番(野口三孝君) ご答弁ありがとうございました。  まず、市長の2期目への挑戦でありますけれども、非常に慎重なご答弁であったと思います。しかしながら、反面においては寂しい思いもいたしておりますけれども、若い市長ですから、やるぞといった気構えというものが出るのかなと期待もいたしておりました。  市長の答弁の言葉をおかりすれば、しかるべき時期に判断をしたいということであります。しかし、その前に、将来に向け、長期的ビジョンのもと取り組んでいく課題もありと、そのような趣旨のご発言がありました。将来に向けての長期的ビジョン、課題があるということは、今期はあと7カ月ですから、とても長期とは言えない。全く短期であって、そういった課題が片づくとは思えません。  そういった意味で、市長のしかるべき時期に判断をするということは、しかるべき時期に立候補することを前提に発表をしたいと、このように私は理解をいたしますけれども、それでよろしゅうございますか。 7 ◯市長(田上富久君) 野口三孝議員の再質問にお答えいたします。  大変難しい質問の仕方をいただきましたが、先ほどご答弁いたしましたように、今、本当に短期的なテーマ、あるいは長期的な課題、山積をしております。その中で、私自身、自分自身の力不足もありますけれども、精いっぱい全力投球をしている状況です。それは今、むしろ課題としては、あるいは平和の問題一つとっても、今考えなければならない、しなければならない問題が次々に迫ってきているという状況があります。その中で、精いっぱい全力を尽くしてやりたいということがまず1点。  そして、その中で、議員ご指摘のように、長期的な課題もあります。それについても、しっかり布石を打つ段階、あるいはそれを仕組みをつくって、ぐいっと進める段階ですとか、そういう戦略的な取り組みも必要です。そういったことも考慮しながら、十分に時期を、ただ、議員がおっしゃるように、判断すべき時期というのは迫っているというふうに認識をしておりますので、その時期をしっかり見きわめて判断し、お伝えをしたいというふうに考えております。  以上です。 8 ◯33番(野口三孝君) ありがとうございます。聞くほうもつらいし、ご答弁なさるほうも大変かと思います。  市長ね、私は今、手元にあなたの、これは市民の会ですか、我々が言うところの後援会のパンフを持っております。このパンフは入会の申込書も一緒についております。後援会活動というのは、我々の場合は議員活動を続けるがゆえにやっておるんですよ、後援会活動を。一人でも多くの方に入会をいただいて、お力添えをいただく。そして、会員の皆さん方の声を市議会に伝える、市政に伝え、いわゆる架け橋となっていく。そういった意味でいくと、市長の市民力を生かしたまちづくり田上富久と市民の会、これはまさに後援会のカードであり、後援会の入会申込書であります。ということは、後援会の方々にお力添えをいただいて、万が一、万が一ですよ、慎重に判断をし、しかるべき時期に立候補いたしませんということになれば、後援会の皆様方をペテンにかけたことになるんですよ。これは無料と有料とに分かれていますけどね。ですから、こういった後援会の活動をなさっているという事実に基づけば、必ず次期に挑戦をなさるということは自明の理なんですよ。市民の方は、皆さんそう思っている。  ですから、私は慎重に構えるのはいいとしても、素直にね、若い市長ですから、素直にぜひ挑戦をしたいと、やらせていただきたいと、そういうことで市民に協力をいただくことが私は本筋ではないのかなと思いますけれども、くどいようですけど、もう一度後援会活動等に基づいた答弁をお願いいたします。 9 ◯市長(田上富久君) 野口三孝議員の再質問にお答えいたします。  後援会活動というお話がありました。後援会活動というのは、私の場合、政治家としての歴史といいますか、経験がほんの3年少し前に始まったということもあって、ある意味では応援団的な皆さんの集まりだというふうに考えております。いろんな形で市民力の一員としての応援も含めて応援をしていただけるという皆さんの集まりだというふうに考えております。  先ほど、やるぞ、やらせてくれというふうにはっきり言ったほうがいいんじゃないかというようなお話がありました。しかるべき時期に判断をしっかりしまして、今おっしゃったような形でお伝えをさせていただきたいというふうに考えております。  以上です。 10 ◯33番(野口三孝君) 非常に前向きなご答弁で、事実上は立候補の意志があると、立候補するというご発言であろうと理解をさせていただいて、次の問題に移ります。  小ヶ倉蛍茶屋線の問題でありますけれども、部長のほうからご答弁がありました。本当に全面的に非を認められた。実に悲しいことではありますけれども、素直な答弁で終始をいたしております。しかし、私は、はい、そうですかというわけには決してまいらないと。なぜならば、ご答弁の中で、予算執行、工事施工、組織管理が不十分でしたという趣旨の発言がありました。私に言わせれば、決して不十分ではないんですよ。予算執行、工事施工、組織管理を全くしていなかったんですよ。不十分ならば、少しでもブレーキがかかっていますよ。全くなくて野放しだから、このような問題が生じているわけであります。  私はそういう意味においてはね、全く不十分で管理をしていなかったと、本当に申しわけないと市民に対して謝るのが筋であろうと思います。  それで、私、ここに1つの資料を持ってきておりますけれども、これは本年の8月3日、部長よろしいですか。いわゆる明るみになって、庁内で部長会議を開催なさっていますね。そのときに、あなたの部から、交通企画課から出された資料。この中に、2ページ、(8)として「不適切(と考えられる)業務と今後の業務結果として、工事打合せ簿を作成せず、また、上司に未報告のまま、口頭により変更を指示したこと、21年度末までの時期に、予算がない中で工事の変更増(約1億円)の指示を行ったこと、契約単位では、3本の設計書が重要変更(約60~120%変更増)であることなどの不適切な業務執行となっていたことが明らかとなった」。まだ文は続いておりますけれども、これを私なりに解釈をして言いかえるならば、工事の増嵩、いわゆる工事がふえるということ、現場での不測の事態、そういったものが重なって、変更要因が生じた場合には工事打合簿を作成しなくてはならないわけですね。しかし、今回はこの工事打合簿も作成をせずに、口頭により業者に指示をし、しかも、この変更について上司に報告もしていない。予算がないのに、工事の変更増を業者に指示しているわけです。  本来、行政の場合、いわゆる長崎市の場合、これはどこの自治体も同じでしょうけれども、予算をつけて、それを担保として工事発注をするはずですよね。しかし、それを全くせずに課長の判断で変更を業者に指示したということ、このことについて、今、部長がどういうふうにお感じになっているのか、率直な答弁をまず求めておきます。 11 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えをいたします。  今、野口議員が言われたとおり、一部の工事、これは全部ではございません。一部の工事において、そういう変更が生じたときに交わすべき打合簿、協議簿を交わさずに、口頭によって、その変更箇所の変更を指示したというのは事実でございます。これがまた当然そういう打合簿ができておりませんので、課長までも報告が至っていなかったということでございます。  担当がそのとき予算がないという認識はなくて、予算はあるという認識で指示をいたしておりましたけれども、最終的に年度末になりまして、そういった予算不足が判明したということでございまして、結果的には、そういうお金がないのに指示をしていたということになったものでございます。  以上でございます。 12 ◯33番(野口三孝君) 私はこれが部長に報告がなかったと理解をしておりましたけれども、課長にも報告されていなくて、現場担当がやったということを初めて知りましたけどね、しかし、ここに工事契約から工事完成までの概略フロー、これは交通企画課がお出しになったものですよね。これは市の工事を発注する場合の基本的な流れですね。  今回、先ほども申し上げましたように、いわゆる工事数が3本の重要な設計変更がなされているわけです。設計変更の場合に、変更金額が契約額の30%以上、いいですか、30%以上の場合は、これはどう考えたって上司に報告をして協議をすべきであろうと思います。そして、このフローからいきますとね、契約額30%以上の場合は、別途発注が原則となると今まで議会にもずっとそういうことで説明がなされているんですよ。原則、別途発注、契約というふうに、わざわざ赤でここは記載をされております。しかし、この今回の3本については30%どころじゃない。そんなもんじゃないんですよ。60%から120%増なんですよ。60%から120%、倍以上ふえているものもあるわけです。こういったものをね、どうして担当者の一存でやるのか。そういう管理というものは、なされていないんですか。部長でよろしければ答弁を求めたいと思います。 13 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えをいたします。  今、野口議員が言われましたように、基本的にはもとの契約額の20%を超える、あるいは30%を超えるという段階では変更手続をするとか、あるいは30%を超えると、これは別途契約を考えるというのが原則でございます。  そういった中で、今回の件につきましては、ここの部分につきまして上司を含めまして把握がされていなかったということで、結果として、こういった大きな変更額になってしまったということでございまして、これについては本当申しわけなく思っておりますし、今後とも、そこら辺は十分指導をしてまいりたいというふうに考えております。 14 ◯33番(野口三孝君) 答弁をいただいてもね、怒りの気持ちがふつふつとわいてまいりましてね、後ほどまたお伺いをしますけれども、次に、流用について伺っておきます。これは企画財政部になるんですか。  今お聞きのとおり、いわゆる設計変更と、これは交通企画課の場合は上司に報告もせず、担当が単独でやっている。流用についても、部長、あなたは最後まで知らなかったんでしょう。いわゆる課長サイドでなさっておる。これは事務決裁規程に課長決裁となっておるから、その点についてはね、百歩下がれば事務決裁規程では問題はないのかなと思いますけれども、今日に至って、このように明るみに出て、どうして補正なり組まなかったのかなと、どうして報告をしてくれなかったのかなと部長は残念に思っている、ざんきにたえないようなお気持ちであろうと思うんですよ。あなたに報告がなかったということは、失礼な言い方をすればね、相談しても一緒という気持ちがあったのかもわからん。その点について、端的にどうですか、今のお気持ちを答弁してください。 15 ◯企画財政部長(野田哲男君) 再質問にお答えいたします。  平成21年度の流用につきましては、本年5月にさらなる不足額が生じたという報告のときに、あわせて流用をしているという話も課長から報告を受けました。  今回の流用につきましては、改良事業費という同じ目内の事業間流用ということで、事務決裁規程が課長であったということで私への報告がなされなかったんじゃないかというふうに考えております。当然、本来であれば、これは補正予算の計上、あるいは流用についても議会とご相談をする必要があったものというふうに考えております。  しかしながら、結果として、このような対応になったということにつきましては、予算を所管する部長として、私もまことに申しわけないと思いますし、私にも責任が十分にあるというふうに考えております。  今回の問題点、反省点を整理して、組織内で十分再発防止に取り組みながら、適切な指導監督に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 16 ◯33番(野口三孝君) 本来、議会は、議員の質問等に対し、理事者から反発もある場合もあるんですけど、この問題だけは終始「申しわけございませんでした」ということでありますけれどもね、本席には財政課長もたしかお見えになっているはずですけどね、当事者にお聞きするのは大変胸が痛みますけれども、いわゆる流用について、交通企画課からその書類が上がってくる。これは一気に何億円という金が来ているわけではないはずです。何回かが重なって、その合計が億の単位になった。そうすると、その段階において、金額をどこに置くかは別にしても、例えば、1,000万円、2,000万円、まあいいでしょう。しかし、これが億という単位になった場合は、事務決裁規程では課長の決裁とはいいながらも、少なくとも私は上司である部長には報告をすべきであって、また、財政の担当者として、財政の責任者の一人であるんですから、これは補正等を組まなきゃならんぞということにお気づきになっていると思うんですけれども、その時点で、そういうことは全くお考えになりませんでしたか、答弁を求めます。 17 ◯財政課長(武田敏明君) 再質問にお答えいたします。  小ヶ倉蛍茶屋線に係ります平成21年度の流用につきましては、昨年の10月から、ことしの1月にかけて10件に分けて行ったものでございます。  同じ目内の街路事業間の流用であり、決裁区分も課長決裁であったこと、それから、小ヶ倉蛍茶屋線が平成21年度中の完成を目指している路線であったことなどから、その都度、流用を認めてきたものでございます。  この経過の中で、個々の流用金額も多額であったことから、所管から聞き取りを行うなどして事業費全体がどのように膨らんでいるのかというようなことを、その把握に努めるべきでございました。このような把握が適正になされておれば、どこかの段階で補正予算を組むというような判断もできたかと思いますが、最後まで全体像をきちんと把握することができず、補正予算を計上するという考えに及ばないまま事業間流用で対応をし、結果として2億2,000万円という多額の流用を議会へも報告することなく行ったことにつきましては、財政課長として責任を痛感しているところでございます。大変申しわけございませんでした。  以上でございます。 18 ◯33番(野口三孝君) 流用については、その程度にとどめますけれども、ここに市の幹部の方、お並びになっているわけですけどね、大体事の流れというものは、部長会議等もあって、頭の中には入っておると思うんですけれども、他の事業部でもね、いわゆる担当者が決裁をして上司に報告もせず、今、指摘をさせていただいているようなこと、工事打合簿も作成をしていないと。それで、口頭によって業者に工事増、工事変更を指示しておると。こういったことは日常茶飯事、他の事業部でもなさっているんですか。  幾つか、何人か部長にお聞きしますけれども、事業部ですから限られておりますけどね、水産農林部長、いかがですか。 19 ◯水産農林部長(溝口博幸君) 再質問にお答えいたします。  建設工事の進行管理と申しますのは、監督員及び主任監督員を置きまして、管理立ち会い、いろんな現場確認を行うということでございます。常に担当者からの報告を求め、主任監督員及び現場監督員との間でコミュニケーションをとりながら、現場の管理に努めているところでございます。  以上でございます。 20 ◯33番(野口三孝君) ということは、水産農林部では、今、私が指摘しているようなことはないと、あり得ないということだろうと思います。わかりました。  続いて、道路公園部長。 21 ◯道路公園部長(池田敏明君) 道路公園部におきましても、基本的には工事打合簿によって、きちっとやるべき事例だと思いますので、そのことについては常々職員にも指導しておりますし、それで基本的にはやっていると思っております。  ただ、100%ではないというところもあるとは思いますので、そのことにつきましては、今後とも適正に上司への報告、工事打合簿による記載等を指導してまいりたいというふうに思っております。  以上です。 22 ◯33番(野口三孝君) わかりました。  これは企業会計の立場から、上下水道局長、企業はまた、ある意味、その会計は違うと思いますけどね、上下水道局でこのような今指摘をしておるようなことが多々あるのか、そういうことはないということなのか、端的にご答弁を求めておきます。 23 ◯上下水道局長(白石裕一君) 設計変更によりまして契約金額に変更が生じるものにつきましては、事業担当課におきまして工事内訳簿を作成しまして、所属長まで決裁を受けて業者に指示するようにしておるということで報告を受けておりますし、今後とも、そういうことがないように十分周知徹底を図ってまいりたいと思っております。  以上でございます。 24 ◯33番(野口三孝君) わかりました。  それぞれ部長には質問通告もいたしておりませんでしたのでね、大変ご迷惑をかけましたけれども、今聞いた範囲においては、いわゆる今回のこの問題は異例中の異例というふうに理解をいたさざるを得ないのかなというふうに思います。  そこでね、私は責任者である両副市長にお聞きをしておきますけれども、工事等については椎木副市長ですね。設計変更の場合、今まで何度もお聞きしているから、くどく聞くなとおっしゃりたいのかもわかりませんけどね、いわゆる工事打合簿の作成もせずに、それも、このくらいやればというどんぶり勘定のつかみ金で変更工事を指示した、このような実態を、ある意味、あなたが責任者であろうと私は思います。そういう立場で、今どう思われているのか。時間も余りありませんので、端的にご答弁を求めます。 25 ◯副市長(椎木恭二君) 再質問にお答えをいたします。  ご指摘をいただきましたような多額の流用の問題でございますとか、あるいは指示書を作成しないで口頭による指示で追加工事を行う、不適切な契約の変更を行うなど、こういったことにつきまして、まず事業の進捗管理がずさんであったというふうなことを率直に感じています。それから、予算管理に関しても非常に認識が甘かったということを感じています。  それともう1つは、街路事業という事業を担当するチームとしての組織の運営のあり方というのが、これが本当にきっちりできていたのかどうか、そういった運営の不手際、そういったものを率直に私としては現在感じております。  そういう意味では、市長を補佐する立場として、事業を担当する事業担当の統括という職責をきっちりと果たしてこれなかったということに対しては、現在、非常に反省をいたしているところでございます。こういったことを今後起こさないように、再発防止に向けての取り組みをこれからきっちり行うことで、信頼回復のために努力をしてまいりたいというふうに感じているところでございます。  以上です。 26 ◯33番(野口三孝君) 続いて、智多副市長にお伺いをしますけどね、智多副市長は財政部長の経験もありますし、財政畑を歩まれているわけですけれども、いわゆる工事発注に際して積算の不備から予算不足が生じて、こういう状態、いわゆる多額な流用ということになったわけですけどね、事務的な統括責任者として、こういうことについて今どのように思われておるのか。  それと、いわゆる繰り越しをした次年度予算、平成22年度の予算として繰り越したものを平成21年度の事業費に、またそれをその中から1億4,000万円程度でしたか、流用していますよね。行政のいわゆる会計というものは単年度ですね。それは法的に問題はないから次年度分を先取りしたということなんでしょうけれども、しかし、常識的に考えた場合、議会で議決をして繰り越している。それを勝手に先取りして使うという、このこともね、私に言わせればあってしかるべきことではないと思いますけれども、どのように思われるか。  時間が余りありませんのでね、まだほか指摘することもありますので、3分ほどにまとめてご答弁ください。 27 ◯副市長(智多正信君) まず、今回の事態につきましては、予算の適正な執行を管理する立場から大変申しわけないことと私も深く反省しております。おわび申し上げます。  ご質問の件でございますけれども、今、流用とか、そういう話がございますが、流用というのは例外措置として、ある程度認める範囲というのもあると思いますが、今回のものにつきましては、その事業の大もと的なものが動くのかどうかという判断が少し欠けていたのではないかというふうに思っておりまして、その点につきましては、単に流用が認められているというだけの問題ではないと思いますので、その辺は大変私も結果的に反省をいたしております。  それから、議員からもお話のように、特に一般会計の予算につきましては、単年度予算主義というものが原則中の原則でございまして、その例外行為として債務負担行為、繰越明許費等が認められているということで、これは1つの例外行為でございますので、あくまでも当該年度予算の中で当該年度の事業を執行するという原則から照らし合わせますと、今回の分につきましては、私は不適切であったのは否めないとは思います。  結果といたしまして、こういうことになりまして、本当に大変申しわけなく思っています。  以上でございます。 28 ◯33番(野口三孝君) 両副市長ともに反省をしておるということでありますけれどもね、それは大いに反省をしてもらわなきゃ困るんですよね。こういう事態になって胸張ってもらってはね、市民に対して申しわけないですよ。  そこでね、私は1つだけ、この問題で市長にお聞きしたいのは、担当が上司に相談もせずに、ある意味、自分だけで、表現が悪いけれども、勝手に、勝手にはやっていないのかもしれんけれども、1人でやってしまった。ということは、その職員は私はある意味、立派なのかなと。上司に相談もせず、自分の能力でやったわけだから。そうすると、ある意味、これが市長が言うところの職員力かなと、そう思わざるを得ないんですけれども、市長、こういうふうな事例で担当者が上司に相談もせず、おのれの能力で自分で考えて事をやった。その結果、何億円という流用が出てきた。これは職員力ですか、あなたが言うところの。そこだけ答弁ください。 29 ◯市長(田上富久君) 野口三孝議員の再質問にお答えいたします。  職員力というのは、もちろん個人の力もあります。しかし、組織の力、組織全体で成果を上げていく力が職員力でありまして、今回の場合の事案につきましては、組織内での十分なコミュニケーションがとれていなかったというのは非常に大きな要素だと。そういう意味では、職員力の不足を改めて感じておりますし、今後とも真摯に努力を積み重ねていかなきゃならないということを私自身も反省も込めて強く感じております。  以上でございます。 30 ◯33番(野口三孝君) 市長は2期目の立候補については、長期的ビジョン等もあるという表現でしたけれどもね、これは長期的でなくてもね、このような問題は短期的に、集中的に改善できるわけですからね。検証チーム等を発足させて検証はしていかれると思いますけどね、私は内部だけではだめと思いますよ。やはり外部の方にも入ってもらって、そこで検証をするということが必要ではないのかなと思います。  そして、こういった問題が生じたということは、1つには、いわゆる技術職員が私は不足しているんじゃないのかなと。今回の場合にしても、道路工事の地元の自治会なり個人的にもあるでしょう。地権者のこともあるでしょう。そういった苦情等、要望等に対することで、事務的な仕事が一切できなかったと。ほとんどできませんでしたと、先ほど指摘した部長会議の報告書には、交通企画課はそう書いているんですよ。ということは、退職者不補充というのは、これはわかるけれども、事務職ばかり大事にするんじゃなくてね、やっぱり技術者を育てる気持ち、育てていくと。そうしないと、設計書を見て積算すらできていないわけでしょう。その能力というものをやっぱり養わなきゃ。これは年数がかかることではありますけれどもね、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。  それと、今回こういうふうに、他の路線から流用をした。新地町稲田町線の交付金1億6,000万円、片淵町松ヶ枝町線、これは起債で5,550万円、中通り線、これも起債の690万円。合計2億2,190万円流用をしておる。これは結果から見れば、この路線は交通企画課としては工事が進捗、いわゆる買収等もあるわけでしょうから、工事が進捗しないから、有利な財源を持ってきて流用をしたというふうにおっしゃるけれども、これは詭弁であってね、2億何がしか持ってきた。しかし、この3路線にしても、いずれ工事にかかる。着工しなきゃならんのですよ。そのときには、今流用をしているからお金はないわけでしょう。そうすると、2億2,190万円、このうちの1億6,000万円にしても、国が交付金として新たに出してくれるということがありますか。そういうところまで確認をして、あなた方は流用をしたんですか。そうじゃないと思う。国はさらにこういう工事で1億6,000万円流用をしたから新たに下さいといったってね、それはそうですかといって出すということは私はあり得ないと思う。そうすると、2億2,190万円というものは、新たに起債を起こして、その工事に出す結果となるんでしょう。そうしなきゃ工事に着工もできないし、3路線を要望する地域の方、長崎市全体の道路網を考えたときに放置しておくわけにはいかんわけですからね。  そういった意味で、私は市民に対して、2億2,190万円、金額にしてはそうですけれどもね、市民に負担をかけたということですよ。これについてね、だれが責任をとるんですか、だれが。市長ですか。副市長がおとりになりますか。行政の一番悪いところはね、責任をとらんということなんですよ。ですから、検証チームができて、いろいろと今回のこの不祥事について、その原因なり要因というものが判明していく。そうすると、再発防止のために皆さん方で知恵を出して、知恵を絞ってやっていく。しかし、私は責任は必ずとるべきだと思います。よろしいですか。私は何も担当をしている方に責任をとらせろということじゃないんですよ。これは管理自体ができていないんですよ。担当者に責任があるにしてもね、常日ごろからあなた方は「報・連・相」ですか、報告、連絡、相談、この頭文字をとって、額にまで入れて部長室に飾っているじゃないですか。あんなもん、絵にかいたもちですよ、こういう状態になればね。  だから、どうか深く反省をして、謙虚な気持ちで検証チームに取り組んでいただいて、あなた方自身もですよ。そして、私は市民に対してね、必ず責任をとって、公式な場で謝るべきだと思います。  これをもって質問を終わります。 31 ◯議長(吉原 孝君) 次は、26番津村国弘議員。       〔津村国弘君登壇〕
    32 ◯26番(津村国弘君) 日本共産党の津村国弘です。質問通告に基づいて、平和行政、被爆体験者支援事業、平和教育について質問を行います。市長並びに関係理事者の誠意ある答弁を求めるものであります。  まず、平和行政についてであります。  第1点目は、核兵器のない平和な世界をつくる取り組みと評価の問題であります。  今、核兵器廃絶を目指す国際政治が大きく変わってきています。そのきっかけは昨年4月、オバマ米大統領のプラハ演説と思います。昨年の平和市長会議の成功とともに、ことし5月に開催された核不拡散条約(NPT)再検討会議において全会一致で採択した最終文書、「すべての国が核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立するための特別な取り組みを行う必要について確認する」と明記されました。これらの確認は、核兵器のない世界に向けての重要な第一歩だと思います。  多くの被爆者の方々が、高齢を押し、病を押してニューヨークまで足を運ばれ、核兵器のない世界をと訴えられた姿をテレビで拝見し、ここにこそ世界の反核運動の原点があると感銘を受けた次第であります。日本と世界の草の根からの反核運動が国際政治を動かしていることに確信を持ちたいと思います。  ことしの平和式典には史上初めて米、英、仏の政府の代表が参列し、潘基文国連事務総長が広島の記念式典に参加され、長崎には5日に来崎され、原爆落下中心碑の前で「このような核兵器が再び使用されないようにする確実かつ唯一の方法は、すべて廃絶すること。」とのスピーチが行われ、平和市長会議の取り組みの評価など直接お聞きして、核兵器廃絶へ国際的な高まりの確信を一層深めたところであります。田上市長は広島市長とともに被爆地の市長として大きな役割を果たされていることに評価をしたいと思います。これら一連の平和への取り組みをどう評価され、今後につなげていくのか、ご見解をお尋ねします。  2.6日の広島市の平和宣言は、政府に対して非核三原則の法制化と核の傘からの離脱が盛り込まれています。長崎平和宣言は、核の傘に頼らない安全保障とあります。菅総理の広島でのあいさつは、核兵器廃絶の先頭に立つ道義的責任があると決意が述べられましたが、その後の記者会見では、核抑止力が我が国にとって引き続き必要という発言はまことに遺憾であります。被爆者団体から抗議の声が広がるのは当然であります。歴代の自民党政権も同様の立場をとっており、核の傘論、核抑止力論は核廃絶の立場と相入れないと思いますが、改めて市長の見解を示していただきたいと思います。  3.政府の「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」報告書についてであります。  年末に予定されている新たな防衛計画大綱策定に向けた提言をまとめ、菅総理に提出しました。報告書は非核三原則や武器輸出三原則の見直しなど、軍拡に歯どめをかけてきた原則を台なしにする内容であります。  報告書の立場は軍事力ですべてに対応しようという時代おくれの考えです。アジアと世界で核兵器のない世界の実現のための世界的取り組みが強まり、紛争を政治的、外交的に解決する平和の流れが大きくなっている情勢の中で、殊さら軍事緊張を高める提言は容認できません。市長におかれましても、積極的な対応を求めていただきたいと思いますが、市長の見解を求めます。  第2点目は、「被爆体験者支援事業」に関する問題です。  1980年、原爆被爆者対策基本問題懇談会答申以降、国は、被爆地域拡大については、科学的・合理的な根拠がある場合に限るという答申を盾に地域拡大を拒み続けてきました。また、審議過程の議事録が非公開にこれまでされてきましたけれども、先ほど、30年たって開示されました。この議事録は約830ページに及んでいます。  議事録を読んでみますと、1980年7月29日に内部資料として基本懇の議論の流れが示され、基本理念、戦争被害への受任論や、「国は原爆被爆者に対して損害賠償責任を負うとする主張があるが認めることはできない」、また、「被爆地域拡大については、直接放射線量、残留放射線の調査結果等十分な科学的根拠に基づいて行うべきである」「現在の被爆地の拡大には政治的判断が入りすぎる」などと示され、国の筋書きどおりの答申を求めた意図は明らかであります。  1979年12月、第5回の会議が開かれ、長崎被災協の代表の方が被爆地域拡大を訴えられています。そして、第6回、第7回の会議では被爆地域拡大の問題が審議されています。その内容は驚くべき内容です。委員の名前は黒塗りになっていますが、「いまだに地域拡大とかなんとかいうことを言っているのは、国から何とか名目を付けて金を出させてその分け前に預かろうという、まあ極端な言葉で言えば、さもしい根性の1つのあらわれ」という暴言、また、「残留放射能というような科学的根拠に基づいて施策をする」そして、「便乗するものを防ぐという方針で進んでいけばよい」、第7回では、「12キロなんていうところは、家は壊されていない」など、そういう認識を示しています。「地域拡大運動をやっている人たちは、一部の人はこれを拡大して、地域の中に入れてもらうことによって、健康手帳をもらい、いろいろな給付を受けたいという一種のたかり的な気持ちがある人もあると思う」というような余りにもひどい発言が相次ぐなど、被爆地域の実態、被爆者の苦しみ等を真摯な態度で受けとめ、審議がなされたとは到底言えないものであります。国の筋書きどおりの答申が行われたことは明らかであり、この答申を認めるわけにはいきません。  長崎県・市は、これまで科学的根拠を示し被爆地域拡大要望を行っており、米国戦略爆撃調査報告書や日本の科学者の報告などから被爆地域拡大の根拠は明らかであります。  長崎市は、国に対し、被爆地域を拡大是正し、「被爆体験者」への被爆者健康手帳を交付するよう強く求めていただき、被爆者の願いに応えていただきたい。ご答弁を求めます。  2つ目に、「被爆体験者支援事業」の抜本的改善の問題です。  2002年の制度創設時の事業の目的は「健康の保持と向上」であったものが、2005年の改正で、「病状の改善、寛解及び治癒」と目的が変わって事業が大きく後退しました。先ほどの基本懇答申が押しつけられている中で、「被爆体験者支援事業」が創設されたことは、県、市、市議会の全力を挙げた取り組み、関係町の活動、被爆者の運動などの努力が実ったものと思います。  しかし、05年の改悪は被爆体験の記憶のない人が排除され、その復活に4年越しの運動が行われ、昨年09年より医療受給者証が交付されました。また、寛解、治癒が目的とされたために3カ月病院で治療を受けないと手帳が使えず、毎年の更新の手続ができないなど、現状は「被爆体験者」の高齢化に伴い、手続など1人ではできず、身体的負担が大きくなり、実情に合っていないというのが状況です。  したがって、被爆者健康手帳と同様に、1)一度交付した医療受給者証は更新なしにすること。2)対象疾病の制限をなくすなど、抜本的な改善を国に要望を行う状況だと思いますが、答弁を求めます。  3点目は、平和教育についての質問です。  8月26日、中学校の平和学習発表会が行われたことが報道されました。香焼中学校では、縦3.5メートル、横7.8メートルのキャンパスに平和の絵を書いたことが紹介され、校内で核兵器は必要かとのアンケート調査結果の報告、そして、香焼の戦中の俘虜収容所の聞き取り調査を行い、そういう成果などが報告されています。  第二次世界大戦の被害は、どの地域でも残っており、特に長崎市は被爆地であり、学校での平和教育は特別な意義を持つものであります。平和教育を通じて、地域の平和を考える大きな力へとつながっていくと思います。  私も勉強しなくてはならないと思い、文献や収容所の通訳と親しかった人で、川南造船の勤労課や社長室に勤務されていた人から説明を受けることができました。改めて戦争の悲惨さ、平和への取り組みの思いを強く持たせていただきました。  戦時中、香焼の軍需産業であった川南造船は人出が足らず、全国からの徴用工2,000人、俘虜、囚人1,500人から4,000人、強制連行された朝鮮人300人などが動員されていました。  昭和17年10月25日、香焼村田ノ浦海岸埋立地に俘虜収容所を福岡の俘虜収容所の分所として開設し、俘虜の総数は2,000名に及んだと言われています。捕虜の国籍は、米国、英国、オランダ、オーストラリアなどです。軍部と結びついていた川南造船で働かされていました。「建物はコンクリート2階建てで、陸海軍人、軍属、同社の俘虜課職員に通訳などが米軍で運営され、一般人の出入りはかたく禁じられ、憲兵の監視下に置かれていた。朝夕の造船所への出入りは3列、4列縦隊で着剣した兵隊が要所に張り込み、軍属が道案内をした。当時、村内には水はなく、工場以外は一般人も小さな井戸に頼っていたから、捕虜の入浴などままならず、被服も体も汚れ切っていた。食べ物はもっと不自由で、会社からの配給では足りるはずがなく、軍属たちが交代で市内に買い出しに出かけたりしていた。国民は自由も民主主義もなく、生活の安定などないときだから、捕虜はどんなにひどい待遇に置かれていたかは想像もつかない。」まさに平和の重要性が語られていました。  別の資料によると、終戦時には約500名の捕虜が収容され、終戦までに72名が死亡していると記されています。戦後、何人かの元捕虜が収容所を訪れている。昨年2009年にはオランダ人元捕虜の息子さんやイギリス人の元捕虜の息子さんが跡地を訪れ、テレビ局のインタビューに、収容所跡地に若い人が集う中学校が建っているのはうれしい。ただ、若い世代にここで何があったかをきちんと伝えてほしいと答えられておりました。香焼で何があったのか、戦後どんな苦労があったのか、平和の尊さを共有できる活動であると思います。  これからの平和教育の一環として、俘虜収容者跡地に説明板が必要ではないかと思いますが、ご答弁を求めます。  以上、本壇からの質問といたします。=(降壇)= 33 ◯議長(吉原 孝君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 34 ◯市長(田上富久君) 日本共産党、津村国弘議員の質問にお答えします。  まず、1点目の平和行政についての(1)オバマ大統領登場以降の平和の取り組みについての評価についてお答えします。  昨年4月のオバマ大統領によるプラハ演説以降、国際社会においては、核兵器のない世界に向けての潮流が勢いを増し、核超大国間の具体的な動きなど、大きな進展を遂げてきました。  昨年の9月には、国連安保理首脳会合において、核兵器のない世界の実現をうたった決議を全会一致で採択、12月には、オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞したことにより、世界の関心はさらに高まりました。プラハ演説から1年後のことし4月には、同じプラハにおいて、世界の核兵器の95%を保有するアメリカとロシアが、戦略核をそれぞれ1,550発に削減するという新しい軍縮条約の調印に至っております。また、ことし5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議においても、中東非核兵器地帯創設の取り組みなどの合意文書を採択するなど、国際社会の核兵器のない世界への流れは続いております。  こうした国際社会の動向を背景に、長崎市も被爆地として積極的な活動を展開してまいりました。昨年8月に第7回平和市長会議総会を開催し、ことし2月には第4回核兵器廃絶地球市民集会ナガサキを開催しました。この両集会におきまして長崎アピールを採択し、核兵器廃絶に向けた市民の意志を明確に示しました。  このほか、ことし5月のNPT再検討会議においては、長崎市からも多くの市民や被爆者が平和行進や平和集会に参加し、核兵器廃絶をアピールしております。8月には潘基文国連事務総長が初めて長崎を訪問され、さらに、ことしの被爆65周年平和祈念式典には、過去最高の32カ国の駐日大使等に参列をしていただき、国際社会の関心の高まりを実感いたしました。被爆者や平和団体、平和市長会議など、市民も、行政も、NGOも一体となったこれまでの取り組みにより、国際社会に核兵器廃絶のメッセージを強く発信することができたと考えております。  一方、NPT再検討会議が開催されたニューヨークでは、被爆の実相が十分に世界に伝わっていない現状にも直面しました。現在、長崎平和特派員の任命など、新たな取り組みを始めたところであり、今後、市民やNGO、都市のネットワークを広げながら、さまざまな機会に被爆の実相を伝えていく必要があると考えています。ことし11月に英国のマンチェスター市ではヨーロッパの都市が集まり、非核都市宣言30周年記念式典の開催が予定され、また、長崎市では世界の労働者2,000人が参加してUNI世界大会が開催されます。  今後とも、こうした機会をとらえて被爆の実相を伝えていくとともに、国連や日本政府、NGOと連携し、核兵器のない世界の実現に向けて努力を重ねていきたいと考えております。  次に、1点目の(2)核抑止力は必要とする総理発言への市長の見解についてお答えします。  長崎市は、平和宣言などにおいて非核三原則の法制化や北東アジア非核兵器地帯構想の実現を繰り返し訴え、核抑止力に頼らない安全保障の確立を求めてきました。それは、国際社会が核兵器の抑止力に基づく安全保障を追求してきた結果、かえって核拡散の危険性が高まり、核兵器の脅威にさらされている現実を踏まえれば、核抑止力に頼らないということは被爆地として当然の訴えであると考えています。  長崎市としましては、今後とも、日本政府には北東アジア非核兵器地帯構想の実現など、核抑止力に頼らない国際社会の構築に向けて、被爆国としてリーダーシップを発揮するよう訴えていきたいと考えています。  次に、1点目の(3)「安保防衛懇」報告書についての市長の見解についてお答えします。  ことし8月、「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」が菅総理大臣に対し報告書を提出しました。同懇談会は、ことし2月、新政権下における初めての防衛計画大綱の見直しに当たり設置され、8月までに9回の懇談会が開催されたと聞いております。報告書は、我が国の安全保障と防衛力のあり方全般に言及しており、我が国が受動的に平和を享受する国から平和創造国家へ成長することが提唱されています。非核三原則に関しては、報告書第1章の「米国による拡大抑止」の項目の中に、議員ご指摘のように、「当面、日本の安全のために改めなければならないという情勢にはない」として、非核三原則堅持の姿勢を示しながらも、核兵器を使わせないことが重要であり、「一方的に米国の手を縛ることだけを事前の原則として決めておくことは必ずしも賢明ではない」として、将来の非核三原則の見直しに含みを持たせた表現となっています。  ことしの平和祈念式典の中で、総理は非核三原則の堅持を明言されました。「安保防衛懇」の報告書については検討材料の一つとしたいと述べるにとどまり、今後の取り扱いをどうするのか、明確に示してはいません。  ことし、核密約の存在が明らかになり、国是としての非核三原則の形骸化が懸念されている中、長崎市としても、平和宣言などで非核三原則の法制化を求めてきた経緯もあり、当面、政府の対応を慎重に注視をしていきたいと考えております。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 35 ◯原爆被爆対策部長(金谷博己君) ご質問の2.「被爆体験者支援事業」についての(1)「被爆体験者」への被爆者健康手帳の交付についてお答えいたします。  長崎市は、被爆時の状況及び地理的条件から、原爆による放射能の影響は、爆心地から同心円上の半径約12キロメートルの区域にあると考え、これまで昭和49年度の被爆隣接地域被災状況調査、昭和58年度から59年度にかけての被爆隣接地域住民健康調査、平成2年度の長崎原爆残留放射能プルトニウム調査等を実施し、この被爆未指定地域を被爆地域として認定するよう、市議会等と一丸となって国に要望してまいりました。  しかし、昭和55年の原子爆弾被爆者対策基本問題懇談会の答申以降、国は地元が提出した被爆未指定地域における放射能の影響調査報告について、専門家による検討会議を設け精査を行い、身体への影響は認められないとしております。  このような中で、平成11年度に長崎市及び関係6町が行った原子爆弾被爆未指定地域証言調査の報告書を国に提出し、その結果、国は原爆放射線による直接的な影響はないが、被爆体験に起因する精神的・身体的影響が認められるとして、爆心地から半径12キロメートル区域内の未指定地域を健康診断特例区域として指定し、被爆体験による精神的要因に関連する疾病、疾患にかかわる医療費の自己負担分を支給するという被爆体験者精神影響等調査研究事業、いわゆる「被爆体験者支援事業」の提案がなされました。  長崎市は、高齢化する対象者への援護が急がれる中、また、放射能の影響を解明するには長期的な研究が必要とされる中で、この提案は国において実現可能な最大なものであると判断し、長崎市を初め、関係6町の行政や議会、被爆未指定地域の住民や被爆者団体の代表の方などの総意のもと、苦渋の決断を行い、受け入れた経過がございます。  このような経過を踏まえますと、原爆による放射能の影響に関する新たな科学的知見が出ていない現状においては、被爆地域の拡大是正を国に要望する状況にはないと考えているところでございます。  続きまして、2点目の(2)「被爆体験者支援事業」の抜本的改善についてお答えをいたします。  被爆体験者支援事業の改善につきましては、平成14年度の事業開始当初、被爆体験者医療受給者証の交付要件が、「現在も爆心地から半径12キロメートル区域内に居住すること」とされていたため、長崎県及び長崎市において、平成15年度に被爆体験者実態調査を行い、その報告書をもとに、平成16年4月に居住要件の撤廃を国に要望をいたしました。この要望を受け、国は専門家などによる検討会を設け、検討の結果、平成17年度に事業の改正が行われ、この事業の対象となる居住要件が長崎県内へ拡大することとなりました。  しかし一方では、「医療費の支給に偏り、被爆体験による不安の解消がなされていない」、「被爆体験に基づく精神疾患及び合併症と関連のない疾患等に医療費の支給がなされている」、「精神科の医師が継続的に関与していない」との同検討会の指摘を受けまして、国は、この事業の目的を「健康の保持と向上に資する」ことから、「症状の改善、寛解及び中和を図る」ことへ見直し、「健康教育の実施」、「個人ごとの対象疾患の認定」、「精神科医師による毎年の更新診断」及び「受給者証の認定基準を被爆体験の記憶がない者は対象外とする」というようなことといたしました。  その後、手続等における対象者の負担軽減及び認定基準の改善を国に強く要望をした結果、平成21年度から精神科医師による更新のための診断が3年に1回となったこと、被爆体験者精神医療受給者証の認定要件が、被爆体験の記憶の有無を問わないとされたこと及び新規に発症した対象疾患の認定が随時行えることといった事業の見直しが行われ、一定の改善がなされたところでございます。  本事業が調査研究事業としてスタートをし、事業目的が「疾病の改善、寛解及び治癒」に見直された経過を踏まえますと、抜本的な見直しを国に要望することは難しいと考えております。しかしながら、県外居住の被爆体験者に対する医療受給者証の交付問題も残されていることから、今後とも手続等の簡素化など、現事業のより一層の改善・充実に向け、国に強く要望してまいりたいと考えております。  以上でございます。 36 ◯教育長(馬場豊子君) ご質問の3点目、平和教育について、(1)香焼俘虜収容所跡地(中学校敷地)の説明板設置についてお答えいたします。  長崎市における平和教育につきましては、原爆被爆都市としての本市の特殊性を生かして、被爆体験を継承し、平和の大切さを発信できる児童生徒の育成に努めております。被爆から65年がたち、被爆者の高齢化が叫ばれる中、被爆の実相の継承につきましては、特に力を入れております。直接被爆者である語り部の方々による被爆体験講話をすべての小中学校で毎年実施しております。あわせて、平和案内人による被爆遺構めぐりや、被爆体験講話を聞いた子どもたちが作成しました平和紙芝居の取り組みなども行っております。また、毎年8月に市内すべての中学校の代表者が参加し、平和学習の成果を発表する平和学習発表会を行っております。本年度は、香焼中学校が自校の取り組みを発表いたしました。平和体験講話はもとより、中学生自身による戦争と平和のアンケートや地域の方へのインタビュー等、熱心な取り組みを発表しております。その中で、自分たちの学校の敷地にあった俘虜収容所についても調べ、戦争の悲惨さを学んでおります。発表の中では、香焼中学校の子どもたちは学んだことを後の世代にも伝え、思いやりの心を持ち、平和のとりでを築いていきたいと結んでおりました。  これまでも、長崎市内の各学校におきましては、平和教育にかかわるさまざまな取り組みを行っております。  例えば、滑石中学校においては、平成20年度から21年度にわたり、総合学習の一環として平和教育に取り組む中で地域の被爆について調べ、そのことをもとに救護所跡や被爆クスノキなどの説明板を自分たちで設置した事例もございます。  香焼中学校敷地内に収容所跡地の説明板が必要ではないのかというご質問についてでございますが、現在、香焼中学校におきましては、平和教育の継続した取り組みとして、自分たちが調べたことの説明板を設置したいとの意向であると伺っております。教育委員会といたしましては、必要に応じ支援をしてまいりたいと考えております。  今後とも、被爆都市としての本市の特殊性を踏まえ、平和教育の充実に取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 37 ◯26番(津村国弘君) 一通りご答弁をいただきました。  再質問をさせていただきたいと思います。  まず、平和行政の問題でありますけれども、これは我が党の意見だけ申し上げます。  日本共産党は、綱領に核兵器廃絶を目指すことを掲げている唯一の政党として、これからも全力挙げて核兵器廃絶のために全国民の運動と連携していくことを表明しておきたいと思います。  次に、「被爆体験者支援事業」の問題であります。  先ほど、部長答弁では、新たな科学的な状況が生まれていない。したがって、国に対して原爆手帳を交付せろということは言えないと、こういう趣旨の答弁であったというふうに思います。  基本懇の最大の問題は、新たな地域拡大というのは科学的、合理的根拠がなければ拡大をしないという中身なんですね。私は先ほども紹介しましたけれども、基本懇の審議の過程で、このような科学的、合理的根拠を求めた、その審議会の中で、今指定をされている原爆の地域が科学的、合理的な根拠によって指定されたのか、このことがこの審議の過程の中で明らかになっているわけであります。  第6回の会議では、こうあります。北村審議官という人がいますけれども、こういうふうに発言しています。「先ほど、企画課長から申し上げましたように、地域拡大問題の沿革なり、ものの考え方等の詳細な資料を、できれば次回にご説明申し上げようと思っていますが、だいたい概要を申し上げますと、当初の、最初の地域を指定しましたときに、旧行政区画で切らざるを得なかったという事情がある」と。「正確な丸を描いて」どこからどこまでか「ということでは、なかなかいかないので、旧長崎市区域とか、旧広島市区域とかいうことで、まず、地域指定をしたわけです。当然のことながら完全な円ではないわけでして、そういたしますと、やはり原爆施策を講ずると、具体的な言葉を換えて言いますと、言葉は悪うございますが、経済保障があるものですから、やはりその行政区画を一歩外れるところの人と何ら変わりがないのではないか、という議論が出てくるわけです。それで、2回ほど広島、長崎につきまして地域を拡大いたしました。」と、こういうふうに政府が答弁を行っているんですね。  じゃ、第7回ではどうなっているか。これは委員ですけども、「そうしますと、最初に長崎の方について言いますと、長崎市とその周辺の隣接地域という指定の仕方をしたことが、そもそもまずかったということですね。長崎の爆心地から何キロメートルの範囲というように特別の地区の指定をしたときの考え方で初めから指定しておけば、ここもふやせ、ここもふやせという問題は起きないで済んだのかもしれないのですね。「長崎市及びその周辺地域」という指定の仕方が後までずうっと禍根を残しているのではないかというふうに感じがしますね。」と。  三井という政府の担当者は、「いまから反省してみますと、確かに長崎という縦に細長い地域を一括してやってしまったというのが、その隣その隣という議論を呼び起こした原因であったかもしれないと思います。」と、こうなんです。  つまり、旧長崎市内、その周辺、これは2回に分けて拡大したと。しかし、今言っているように、地域指定は何ら科学的根拠に基づいてなされなかったというのが実態であります。で、日本共産党の小沢和秋衆議院議員が、2000年11月17日、厚生委員会で質問しました。これは2000年ですから、今の「被爆体験者支援事業」ができるときの状況ですけれども、「私が特にお尋ねしたいのは、この検討会、検討会の出発点が、昭和55年の基本懇答申だと確認したということです。これはどういう意味か。この基本懇答申を機に、それ以後、地元の指定地域拡大要求はすべて拒否された」と。「だから、それを出発点だと言うのなら、この検討会はノーという結論を出すために検討したという体裁をつけるだけのものになりかねていないのではないか」と、こういうふうに言っているわけですね、指摘をしているわけであります。  したがって、自分たちは地域指定をしたときには、科学的、合理的根拠は一切示さずにこの地域を指定したと。そして一方、今、被爆者には科学的、合理的根拠を示せ。全く国の責任の放棄であります。被爆の実相に基づき地域拡大の要求を行ってきた市議会や被爆者の要望をですね、先ほども紹介したように、さもしい根性だとか、一種のたかりだと、こういう誹謗中傷した、この答申というのは到底許せないではないですか。国に改めて基本懇答申の破棄を求めて被爆体験者に被爆者手帳の交付を求めてきたというふうに思いますが、再度、答弁を求めるものであります。 38 ◯原爆被爆対策部長(金谷博己君) 再質問にお答えいたしたいと思います。  原爆被爆者対策基本問題懇談会の議事録につきましては、私も全部読ませていただきました。非公開の懇談会ということで、議員ご指摘のように、委員の発言の中で表現に不適切な部分も確かに見受けられます。しかし、国民の合意を得られるということを前提に、被爆者対策の基本的な理念、対策の基本的なあり方、援護法の制定などについて、委員それぞれの立場から議論がなされていること。特別の被害状況、国家補償をする根拠、現行援護策の評価について、広島、長崎の市長や知事、被爆者団体の代表、学識経験者から意見聴取を行っていることが記録としてあります。  原爆被爆者基本問題懇談会につきましては、昭和54年6月に、厚生大臣の私的諮問機関として設置をされておると、そういうふうな性格のものでございますので、その中での議論の過程の内容とか、議事運営につきましては、長崎市として意見を挟むというような立場にはありませんので、ご理解をいただきたいというふうに思っております。  以上でございます。 39 ◯26番(津村国弘君) 議論の過程はですね、いろいろ先ほど紹介したような状況でありますけれども、問題はですね、今の地域指定が基本懇で言っているように、科学的、合理的根拠に基づいて指定をしたということではないということをみずからが告白しているんですね。そうなんですよ。そうしておきながら、今、長崎市は被爆者の人たちがやっぱり地域指定を拡大してほしいと、12キロメートル以内はすべて原爆手帳を交付しろという、こういう要求に対して、あなた方は科学的、合理的根拠を示せと。こんなひどい話がありますかということなんですよ。そりゃ議論の審議の過程の中で、本当に誹謗中傷した、たくさんのことがまだあるわけです。しかし、そういう議論の中で、自分たちの地域指定が全く科学的、合理的根拠じゃなかったと。ただ、長崎市の、旧長崎市に指定をせざるを得なかったと。丸い円じゃなかったもんだから、その隣の隣接地から言われたら、それを拡大していったと、こういうふうに答弁しているんです。委員は何を言ったかと。だから、歯どめをしなくてはならないと言っているんですよ。こんなね、私はこの答申のあり方というのは、これは認めるわけにいかんのじゃないかと私はそういうふうに思っているわけであります。  この問題は、今後、被爆者の方々の運動とやっぱり一体となって、強く国に対して市からも申し入れをする、そういう立場に立つということを強く求めていきたいと思います。  では、次に、被爆体験者支援事業の、そのものの抜本的な改善の問題ですけれども、これに対する答弁も、これもなかなか難しい状況だというような答弁でありました。  しかし、私はですね、2005年に、平成17年ですけれども、制度が改正された。私は改悪と思っているんですけれども、この改正について、平成17年6月の市議会定例会において、我が党の中田 剛議員が質問をいたしました。もう制度改正になったと、市長どう思うかという質問をされたんです。  そのときに伊藤市長はどう答えたか。「中田 剛議員の再質問にお答えいたしたいと思います。中田議員も本壇でも、自席でも切々と言われていますように、被爆者の方にとって、特に12キロメートルという線引きをすることについて、いろんな議論も、またあったわけです。そういう苦渋の線引きをする中で、長い間の年月をかけてやっと、いわゆる受給者証を、しかも、PTSDという手法を用いた形で実現できたという喜びもつかの間に、こういった形の国の新たなやり方といいますか、そういう方向にいったというのは非常に私も憤りを感じています」と、こういうふうに言われたんですよ。「残念だなと。私も厚生労働省の方に行きましたし、原援協を初め議会の皆さん方、被爆者団体関係の方々も、その後、もとに戻せと、戻すべきであるという運動を続けています」と。ずっとありますけれども、結論として、「やっぱし2002年の最初のスタートの時点に戻すという形で、今後、議会の皆様方、関係の方々と努力をしてまいりたいと思いますので」という答弁がなされているわけですね。  じゃ、議会はどうかと言いますと、平成17年6月23日、被爆体験者精神影響等調査研究事業に関する意見書。「平成14年4月1日から被爆体験者の健康の保持と向上に資することを目的として実施されてきた」と。しかし、「平成17年6月1日から居住要件を長崎県内に拡大する一方で、その症状の改善、寛解及び治癒を図ることを目的として、対象疾患を個人ごとに限定する」とか、「精神科医師による診断を3年に1回から毎年にする」とか、こういうことを言ってですね、「事業創設に至った経緯を考慮せず、これまでの事業から大きくかけ離れた内容に改正しました。この改正によって被爆体験者は大きな不安を感じており、医療関係者の混乱、反発も生じておる」ということで、「この事業の目的を事業創設時の目的に戻すこと」となっているわけですね。ですから、この目的が変わったということがですね、今後、今の被爆体験者にどんなに重い状況になっているかということであります。  部長は、先ほど精神科医師の診断というのは3年に1回でいいというふうに言われましたけれども、医療者受給証の中には精神疾患の名前がおのおの違うんですよ、おのおの。その病状によって毎月精神科の病院に行かなくてはならない人もいるんです。3カ月に1回行かなくてはならない人もいるんです。1年に1回の更新のときに、これはお金が要る意見書は必要ではないんですけども、そういう精神科の医師の、いわば継続的な受診がなかったら更新できないという仕組みなんですね。ですから、今大変な、既にご承知のようにね、原爆が投下されて65年、その対象者の年齢も七十四、五歳、六歳でしょう。男性の平均年齢というのは79歳なんですよ。あと3年か4年か、ほんの四、五年のときになるとですね、ほとんどの人がね、もう亡くなっていくというような、こういう差し迫ったこの状況の中で、この制度改正によって、目的が変わったことによって、寛解、治癒を求めたことによって、3カ月間病院に通わなかったら手帳を使えなくなるんですよ。更新もできなくなるんです。  私のところに先日電話がかかってきましてね、80幾つの女性の方ですけれども、施設に入っておられます。いや、実は自分は毎月じゃないけれども、病院には通っていたと。しかし、今回更新ができなかったと。今からタクシーで来るからちょっと相談に乗ってほしいということでありました。で、それは私が行ったわけですけれども、被爆体験者精神医療受給者証の更新に係る手続についてということで、調査課長からこういう手紙が来ているんです、A4でね。80幾つの人がですね、これ読んでわかるかということなんです。わからないんですよ。担当の職員は、何とかわかりやすいようにということで書いているわけですけれども、受け取る側は、もうこれ読めないんですよ。そして、3月からの更新でしたから、そのときに更新ができなかったと。何でできなかったかというと、精神的な症状については、平成21年3月の手帳交付から10カ月を経過していますが、平成21年12月17日に三和中央病院で1度の受診しか確認することができなかったと。この精神科の医師に行かなかったから、更新ができないということなんですよ。更新をするなら、また最初からやり直してくださいと。で、9月になって、6カ月が過ぎたということで送ってもらいました、原爆被爆対策部からですね。私電話したんですよ。1人で手続できますかと言ったらね、できないと言うんです。できないんですよ。だから、施設の人から書いてもらうようにしますと。1人で更新ができないものを、いまだに押しつけていく。しかも、あと何年かしか、本当に生きておられないかもしれない、こういう状況にまだこんなことをするのかと。だから、原爆手帳のように、一度医療受給者証が渡ればね、一生涯何の手続も要らないで受診できるように、そういうふうにしてほしいというのは、これは当然な要求ではないんでしょうか。  そしてまた、この改正によって、創設時は対象疾患については、がん、それから外傷、それから感染症、これ以外はすべて病院の対象になったんですね。ところが、今何ですか、80なんですよ。だから、病院に行って、これは対象になるのかならないのか、こういうね、本当にひどいもんです。だから、すべての病気に対応できるような、そういう受給者証にしてほしいという、こういう願いというのは当然なことではないかというふうに思います。  今のような高齢化を迎えて、目も見えない、足も思うように歩けない、耳もよく聞こえない、こういう人たちがだんだんふえているという実態を、私は厚生労働省健康局に実態をやっぱり調査をして、そして、本当に安心して必要なときに必要な医療が受けられる、そういう抜本的な制度改正が今求められているんじゃないかというふうに思いますが、見解をお伺いしたいと思います。 40 ◯原爆被爆対策部長(金谷博己君) 再質問にお答えをいたします。  議員ご指摘のように、被爆体験者の方々も平均年齢が74歳と、非常に高齢化が進んでおりまして、現在市内で約6,400名の方々がこの事業をよりどころに治療を受けておられます。この制度が調査研究事業という形で、治癒、寛解というのを事業の目的に掲げて国が要綱を制定いたしておりますので、非常に難しい部分もありますけれども、私どもも、こういう実態を県のほうとも協議をしまして、一体となりながら、手続の簡素化、並びに事業内容の充実を国に強く要望してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 41 ◯26番(津村国弘君) 県のほうに、もっとよく相談してね、手続については、簡素化したいという努力をしたいということなんですけれども、やはり私は率直に言ってね、不十分だなというふうに思うんですよ。  先ほどもちょっと紹介しましたけれども、この制度改正になった2005年のときに伊藤市長は今度の改正は、憤りを感じると。もとに戻せというふうに、もとに戻せというのは目的をもとに戻せということなんですよね。私はどういうふうに原爆被爆対策部長が受け取っておられるのか、先ほど言った市議会の決議、意見書、それから、伊藤市長の答弁ですね、どういうふうに受け取っておられるのかなと思うわけですよ。  私は、原爆被爆対策部の仕事というのは、確かに国からの委託事務をきちんとやっていくということ、同時に、被爆地ですから、被爆者の要望をやはり国にきちんと伝えていく、そして、被爆者と一緒になって改善を行っていく、こういう立場に立つのが長崎の原爆被爆対策部ではないかというふうに思います。  実際に今の「被爆体験者」と言われる人たちの生活実態が今どこまできているのかと、一つひとつですね、何回も何回も事務手続をしなくてはならないような、こういう状況はですね、実態に合っていないんじゃないかと思うんですよ。  ことしの5月、健康診断が、診査が行われました。香焼では1週間かけてやったみたいですけれども、私、何回かのぞいたんですが、みんなね、つえをついてきたり、車いすで来たりする人も中にはいるんですよ。そして、書き方がわからん、もう自分は書くことができんから行政センターで書いてもらうようにしたとかね、こういう実態を健康局に伝えて実態を見てほしいと。こういう方向にならないものかどうかですね。健康局は知りませんよ、今の実態というのは。一番知っておられるのはやっぱり原爆被爆対策部だと思うんですよ。今度の1年ごとの更新だって、市役所の窓口に3回来てやっと受理されたという人もいるわけです。そういう点、どういうふうに思われるのか。事務の簡素化というだけではなしに、やはり手帳を交付したら一生使えるものにしないと、もう本人たちは手続ができんのですよという実態を率直に健康局に届けるという、これぐらいは約束できませんか。
    42 ◯原爆被爆対策部長(金谷博己君) 「被爆体験者支援事業」の手続の簡素化につきましては、実態も含めまして、私どもも厚生労働省の健康局の皆さんとも何回もお話をしております。高齢化が進むということで、さまざまな問題も出てきておりますので、さらに実態を十分伝えて、何とかですね、改善に結びつくように努力をしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 43 ◯26番(津村国弘君) 再度申し上げておきますけれども、やはり爆心地から12キロメートル以内は原爆の被害を受けている、そういう科学的な根拠も示されている。そういう立場に立って被爆体験者の皆さんには全員に原爆手帳が渡るように最大の努力をしてほしいし、我々もそういう立場で頑張りたいというふうに思います。  そして、現行の「被爆体験者支援事業」については、すべての疾病がその対象になるように、ぜひ働きかけていただきたいし、手帳の交付は、一度交付すると一生涯使える、そういう手帳への改善を強く求めまして、私の一般質問を終わります。  以上です。 44 ◯議長(吉原 孝君) 休憩いたします。  午後は1時から再開いたします。           =休憩 午後0時0分=           ───────────           =再開 午後1時0分= 45 ◯副議長(中田 剛君) 休憩前に引き続き会議を開きます。42番桑原善弘議員。       〔桑原善弘君登壇〕 46 ◯42番(桑原善弘君) 質問通告に基づき、大きく4件について質問いたします。市長並びに関係理事者の明快なる答弁を求めるものでございます。  まず、林業行政についてでありますが、1,000年を超える歴史の中で、日本人の多くは木づくりの家に生まれ、樹木の恩恵とともに暮らし、自然の恵みを最大限に生かすとともに、常に感謝を忘れず、森林の存続を支えてきた人々の営みを忘れてはならないし、日本には長い歴史の中で森の文化がはぐくまれて今日まで続いているのです。  しかし、この日本も高度経済成長期を境にして、山林の崩壊、自然災害が増加してきております。世界的には国土の砂漠化による破壊現象も進んでいる国々もあります。言うまでもなく、森林を保全することは国の砂漠化を防ぎ、国土を保全するのみならず、海洋資源の育成にも大いに役立つ貴重な国家的事業なのであります。今日、森林、あるいは植林の現状はどうかと見てみますと、必ずしも良好な環境にあるとは言いがたいのではないでしょうか。  そこで、森林保全、林業行政等について、3点お尋ねをいたします。  まず1点目、ここ数年の中で、本県の森林面積はどうなっているか。台風等の被害がそのままに放置されている箇所、私有地を含む、はないか。今後の森林と人間との共存関係をしっかりしていく必要があるのではないでしょうか。  2点目、林道について。市の林道の現状をどう考えているか、木材の運搬に林道は充足しているか、今後の対策を含めてお答えください。  3点目、本市における木材需要関係はどうなっているのか。現況としては外材、外国からの材木に押されて木材価格も低迷しているので、放置林、間伐等をしていない植林の山が相当数あるのではないか、これらを助成して林業がより振興するよう取り組みを進められないか。  いずれにせよ国土を良好に保全するため、早急に森の文化を守ること、林道を整備して植林事業を振興していくことは重要な課題であると考えるものであります。  次に、高齢者にかかわる諸問題について。最近の報道で取り上げられている問題の中から、高齢者にかかわることにつきまして3点お伺いいたします。  1点目、高齢者の所在把握と庁内連携。  まず1点目は、高齢者の所在不明の問題であります。東京都足立区で、生きていれは111歳の方の遺体が発見され、これが年金の不正受給問題へとつながり、さらに高齢者の所在不明問題が全国的に大きな問題としてマスコミで報じられています。家族が死亡の届出を行わなかったため、住民基本台帳上も生存している状態となっており、死亡者が受けとるべき年金を家族が詐取したと思われますが、長崎市では年金の問題は別にしても、実態として100歳以上の高齢者が長崎市に何人おられて、そのうち、所在が不明な方は何人いるのか、把握しているのかお示しください。  次に、一部報道等によれば、今回の問題は、福祉部門と住民基本台帳を所管する部門との連携がよくなかったために発生したのではないかと言われておりますが、長崎市では関係部門の連携はうまくとれているのか、お尋ねいたします。  さらに、住民基本台帳は、さまざまな行政サービスに反映されているだけに、今後もこのような問題は起こり得るのではないかと思われますが、これに対してどう対処していくのか、お尋ねいたします。  2.高齢者虐待の現状。  次に、高齢者虐待についてお尋ねいたします。高齢者への虐待は、年を追って増加の傾向にあると聞いております。長崎市内においても、家族が十分に介護をしているとは言えない事例や、社会経済状況の厳しい中で、親御さんのお金を無断で生活費に回すなど、虐待ではないかと思える情報も聞き及んでおります。家族間で起こっているので表に出ない事例もあると思いますが、長崎市における近年の高齢者虐待の実態と、その対応についてお尋ねいたします。  次に、介護事業について。  長崎市の高齢化は全国平均を上回るスピードで進行しており、65歳以上の高齢者は平成23年に11万3,626人、率にして26.2%に達すると見込まれている。このような状況の中、高齢者のための施設整備が多数進められている。私の地元の三和地区でも、有料老人ホームのほか、小規模多機能型居宅介護事業所や広域型の特別養護老人ホームが既にあるが、高齢化の波を反映してか、有料老人ホームや地域密着型特別養護老人ホームが現在整備中であり、身近にこの問題を感じております。長崎市としても、地域密着型介護サービスとして、小規模多機能型居宅介護事業所や地域密着型特別養護老人ホームの整備に力を入れて取り組んでいるが、現在の整備状況と施設充足の状況について伺いたい。  2番目、介護の現場における人手不足は深刻な状況にあると考えているが、小規模多機能型居宅介護事業所や小規模特別養護老人ホームの開設に当たり、介護職員やケアマネジャーは確保できるのか、お伺いいたします。  次に、児童虐待・育児放棄について。  児童が大人の身勝手から、いろんな事故に身の危険を感じなければならないような世の中になっている。全国的には新聞、テレビ等で毎日のように報道されているが、本市においてはどうなのか、次の点についてお尋ねいたします。  1点目、育児放棄、虐待は増加傾向にあると聞いていますが、この対策と今後の取り組みについてお示しください。2点目、不登校の要因はさまざまなものが考えられるが、これに対して今後どのように対応しようとしておられるのか、お示しください。  以上、本壇からの質問を終わり、後ほど自席で再質問させていただきます。=(降壇)= 47 ◯副議長(中田 剛君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 48 ◯市長(田上富久君) 自由民主党、桑原善弘議員の質問にお答えします。  まず、1点目の林業行政についての(1)本市における森林面積の現況についてお答えします。  まず、長崎市の森林面積の推移についてですが、長崎市域の53.8%に当たる2万859ヘクタールが森林であり、そのうち35%に当たります7,279ヘクタールが杉・ヒノキなどの人工林で、残りの65%、1万3,579ヘクタールがカシなどの広葉樹や竹林等でございます。平成18年度と比較しますと、151ヘクタールが住宅団地開発や農用地造成等によりまして減少をしています。  次に、台風等の被害がそのまま放置されている箇所がないかというご質問ですが、近年、大規模な台風の直撃はなく、一部の地域で風害や潮害を受けた箇所が見られるものの、植林木の植えかえや復旧が必要な被害は発生しておりません。  次に、森林と人間との共存関係につきましては、議員ご指摘のとおり、昔から集落や人里に接した山などは里山と呼ばれ、単に建築用の木材の供給源としてだけではなく、炭やまきとしての燃料を初め、落ち葉や下草などは田畑の肥料として利用され、また、緊急用の木材、現金供給源を兼ねた水源涵養林として意図的に森林の伐採を行わない里山もありました。このように、人と森林のかかわりは深いもので、人々は自然の恩恵を受けながら暮らしてきました。  しかしながら、近年の社会情勢や生活様式の変化に伴いまして、森林に人が入ることが少なくなり、手入れが行われていない森林が増大をしています。  こういった中で、森林整備の基本方針や造林の方法、間伐の基準などを定めました長崎市森林整備計画や森林施業の共同化促進、担い手の育成や間伐事業の合理化に向けた取り組みを定めました特定間伐等促進計画を策定し、森林整備の指導や間伐の促進に努めております。  今後も通常の国・県の補助事業や長崎県森林環境税の事業を活用しながら、森林の公益的機能の維持に努めていきたいと考えております。  次に、1点目の(2)林道整備の現況についてお答えします。  林道や作業道等は、森林整備や木材搬出等を行う際に必要なもので、コストの削減を図るためにも重要な役割があると考えております。現在の整備状況ですが、平成21年度末現在で林道が29路線、総延長8万208メートルとなっており、その林道での森林の利用区域面積は4,509ヘクタールとなっています。また、作業道につきましては35路線、5万4,370メートルとなっております。現在、整備中の林道としましては、長崎市西海町から西海市を結ぶ森林基幹道西彼杵半島線、及び船石町から中里町を結ぶ林道権現線、また、作業道としては、大崎町から千々町までの作業道大崎線があります。  しかしながら、さらなるコスト削減のためには、高性能林業機械の活用促進を図る必要がありますが、これに必要な作業道等の簡易な道路は充足していない現状にあります。  今後とも、林道や作業道等の整備は、森林整備や木材搬出を行う上で必要なものでありますので、森林所有者の今後の意向や要望を伺い、ご協力を得ながら、国や県の補助事業等を活用して整備を進めていきたいと考えております。  次に、1点目の(3)木材需要の現況についてお答えします。  林野庁が公表している国内の木材需要は、平成元年は約1億1,600万立方メートルであったものが、平成21年には約6,300万立方メートルにまで落ち込んでおり、長崎市においても同様の傾向であると推測をしております。また、平成21年の国産材と輸入材との比率を見ますと、国産材は28%に過ぎず、輸入材に頼っている現状にあります。  次に、長崎市の森林の状況としましては、間伐材として利用可能な時期を迎えたにもかかわらず、間伐が実施されず、そのまま放置された森林もあります。このような状況の中で、森林の整備をさらに推進し、間伐材売却による収入につなげるために、間伐施業の効率化等によりコスト削減を図る必要があります。  そこで、長崎市では長崎県が示しました集約化推進に係る基本方針に基づいて、長崎市集約化推進計画を策定中であります。この計画は、おおむね30ヘクタール以上のまとまりを持った区域を指定し、木材搬出を行う道路網の整備や高性能林業機械等の導入により、林業作業のシステム改善のための取り組み強化を図るものです。  今後につきましては、各種の補助事業を活用し、林業への支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、2点目の高齢者にかかわる諸問題についての(1)高齢者の所在把握と庁内連携についてお答えします。  全国の市区町村におきましては、地方自治法上の自治事務として、住民基本台帳法の定めるところにより、住民の居住関係を証明する住民基本台帳を整備しております。これはまた、介護保険、後期高齢者医療、年金、選挙など、各種行政事務処理の基礎となっております。  高齢者の所在不明問題が7月末ごろからテレビや新聞などで報じられたことを受けまして、長崎市にそういった所在不明の高齢者がいないか、関連部局において直ちに調査を実施いたしました。7月末日現在で、100歳以上の高齢者は長崎市の住民基本台帳に191名、外国人登録に1名の計192名がおられますが、病院や施設に入院、入所中である方、介護保険制度や後期高齢者医療制度のサービスを受けている方の確認を行いまして、それ以外の方は直接訪問するなどして、すべての方について所在を確認しております。今後もさらに対象年齢を引き下げて調査を継続する方向で検討をしております。また、長崎県を通じ、総務省からも、関係部局間の連携を図るようにという通知があっております。  いずれにしましても、住民基本台帳は記載された内容と住民の居住関係の事実が合致する正確な記録が求められるものでありますので、今後とも庁内の連携を緊密にとりながら、適切に対応していきたいと考えております。  次に、2点目の(2)高齢者虐待の現状についてお答えします。  平成18年4月に高齢者虐待防止法が施行され、4年が経過する中、長崎市における高齢者虐待相談件数は、法の施行以前に比べますと増加をしております。法施行後の高齢者虐待の相談、通報の状況ですが、平成18年度が83件、平成19年度が49件、平成20年度が70件、平成21年度が70件となっております。高齢者虐待の相談は、介護サービスを提供する事業所、ヘルパーやケアマネジャーからの市への情報提供を初め、市内に15カ所設置しております地域包括支援センターと連携をとって対応をしております。特に保護が必要な場合は、被害の拡大を防ぐため警察等との連携を図りながら24時間の対応をしております。  虐待の状況につきましては、暴力などの身体的虐待、暴言や無視などの心理的虐待、親の年金を使い込むなどの経済的虐待が多く、虐待をする者は息子、配偶者、娘の順になっており、同居家族からの虐待が9割近くを占めています。また、虐待を受けた高齢者は女性が8割を占め、年齢は80歳代が5割、70歳代で4割となっております。  相談に対する個別対応としては、立入調査や関係者からの情報収集により事実確認を行いまして、生命の危険性が高い場合は施設への一時保護を行っております。措置による一時保護の実施状況は、平成18年度が10件、平成19年度が7件、平成20年度が6件、平成21年度が13件となっております。  虐待を行う家族の背景として、認知症への理解不足や介護負担、アルコール依存などの精神的問題、リストラなどによる経済的不安など、深刻な問題を抱えている家族も多く見受けられます。このため、行政だけでなく介護保険事務所、介護保険事業所、民生委員など関係者間で対応を検討して、また、必要に応じては警察や弁護士、司法書士などの専門機関との連携を図りながら支援を行っております。  高齢者虐待の対応につきましては、未然防止のための啓発活動や、地域の見守りや関係機関とのネットワークによる早期発見、早期対応により、深刻な状況になる前に対処できるよう、引き続き高齢者虐待の防止に取り組んでまいりたいと考えております。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 49 ◯福祉保健部長(桑水流和弘君) 3点目の介護事業についての(1)小規模多機能型居宅介護事業所・地域密着型特別養護老人ホームの整備状況についてお答えいたします。  長崎市におきましては、第4期介護保険事業計画に基づき、高齢者が住みなれた地域で生活を継続することができるよう、小規模多機能型居宅介護事業所、地域密着型特別養護老人ホームなどの地域密着型サービスの整備を推進しております。  小規模多機能型居宅介護事業所につきましては、既存の居宅サービスよりも、きめ細やかで柔軟なサービスが可能であることから、開設済みの事業所を含め、市内全体で45カ所の整備を目標に掲げておりますが、現在、整備予定のものも含め14カ所でございまして、計画どおりの進捗が図られていない状況でございます。  しかしながら、国におきましては、地域密着型サービスの推進を図るため、平成21年度の介護報酬の改定におきまして、経営の安定化を図るための加算が平成23年度までの間、創設されておりまして、長崎市といたしましても、小規模多機能型居宅介護事業所の制度についての普及啓発に努めるなど、年4回の公募を行うなどの整備促進を図っております。  次に、地域密着型特別養護老人ホームにつきましては、施設入所待機者の解消を図るため、平成23年度までの計画期間中に348床の整備を促進することといたしております。昨年度は12事業所、330床分の整備計画を決定し、現在、各事業所は開設に向け整備に取り組んでおり、平成23年度中には全事業所とも整備を完了する見込みでございます。  施設の充足状況でございますが、第4期介護保険事業計画におきまして施設整備を行うことによりまして、一定待機者の解消は図られるものと考えております。  いずれにいたしましても、長崎市の現状を踏まえまして平成23年度中に策定いたします第5期介護保険事業計画におきまして、介護サービスの充実を図ってまいりたいと考えております。  次に、3点目の介護事業についての(2)介護職員及び介護支援専門員の確保についてお答えいたします。  まず、小規模多機能型居宅介護事業所につきましては、管理者、介護職員、介護支援専門員の配置が義務づけられておりまして、1日の通所利用者の上限を15名とした場合、介護職員は少なくとも8名、介護支援専門員は1名確保をする必要がございます。また、地域密着型特別養護老人ホームにつきましては、施設長、生活相談員、機能訓練指導員、介護職員、看護職員、介護支援専門員の配置が義務づけられておりまして、入所者29名の場合、介護・看護職員は少なくとも10名、介護支援専門員1名を確保する必要がございます。  このような中、各事業所におかれましては、介護職員や介護支援専門員などの必要人員を確保するためにホームページの開設、求人案内雑誌への掲載、ハローワークや専門学校などへの求人依頼を行うなど、積極的に人材確保に取り組んでおられます。また、県におきましても人材確保に向け合同説明会を実施するなどの取り組みがなされておりまして、長崎市といたしましても、介護職員の確保は施設の適正な運営に欠かせないものでございますので、事業所と連携をとりながら、引き続き必要な情報の提供を行うなど、可能な限りの支援を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 50 ◯こども部長(松下貞行君) ご質問の4点目、児童虐待・不登校についての(1)育児放棄などの児童虐待への対応についてお答えいたします。  長崎市では、児童虐待を初め、子どもに関する相談窓口として、こども総合相談窓口を設置しており、平成22年度からは相談係を新設して保健師、心理士、教員などの9名の相談員を配置し、市民の方から寄せられる各種相談に対応しているところでございます。平成21年度の相談延べ件数は7,407件のうち、児童虐待に関する相談件数は延べ1,559件、そのほか、保護者の方の病気や障害などにより、そのまま放置することで虐待につながるおそれがある養護・その他の件数が延べ3,553件で、この2つを合わせると5,112件となり、平成20年度の約1.4倍と増加しております。  児童虐待防止対策には、各関係機関との密接な連携が不可欠であることから、県の長崎こども・女性・障害者支援センターを初めとした34の関係機関で構成される長崎市親子支援ネットワーク地域協議会を設置し、要保護児童等の早期発見や適切な支援に向け連携強化を図っております。現在、代表者会議を年1回、定期的な情報交換や事例検討の研修でもある実務者会議を毎月開催しているほか、処遇困難なケースにつきましては、関係機関が随時集まり、個別ケース会議を開催しているところでございます。さらに、長崎市児童虐待対応マニュアルを関係機関に配布するとともに、教育関係者、保育所長会、主任児童委員研修会等で虐待対応研修を随時実施し、虐待が疑われる児童に対する早期対応を呼びかけております。  早期発見の機会といたしましては、母子健康手帳の交付時や乳幼児健診時に虐待のリスクが高いと考えられるケースを支援しております。また、乳幼児健診の未受診者も虐待のハイリスクとして対応しているところでございます。平成20年度からは、乳児家庭全戸訪問事業として民生委員・児童委員の方が生後4カ月までの児童がいる家庭を訪問する事業や育児支援家庭訪問事業として、虐待のリスクや養育困難が懸念される家庭に対し研修を受けた支援員が家事援助を行うサービスを行うなど、ニーズに応じた対応を行って、虐待につながらないように努めているところでございます。そのほか、子育てを行う親同士の学習会である親育ち学びあい事業や子育てに関する情報交換や交流の場としての子育て支援センター、地域のふれあいセンター等でのお遊び教室など、保護者の育児負担の軽減を目的とした事業も実施しております。  今後とも、このような事業と並行して幼稚園、保育所、学校など、子どもにかかわる機関との連携強化を図り、虐待防止に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 51 ◯教育長(馬場豊子君) ご質問の4点目、児童虐待・不登校についてのうち、(2)不登校への対応についてお答えいたします。  文部科学省が示しております不登校の考え方は、年間30日以上欠席した者の中で、病気や経済的な理由による欠席者を除いた児童生徒となっております。全国調査におきますと、平成21年度の全国不登校児童生徒数は小中学校合わせまして約12万2,000人で、2年連続減少し、本市におきましても前年度比34人減の434人となり、5年ぶりに減少に転じております。不登校のきっかけにつきましては、複数回答で調査がなされておりますけれども、その統計によりますと、全国では本人が極度の不安や緊張感を感じるなどの本人にかかわる問題が40%を超えており、次いで友人関係の問題、親子関係の問題の順になっております。本市におきましても、本人にかかわる問題が不登校児童生徒の約50%を占めており、次いで親子関係の問題、友人関係の問題がそれぞれ約25%と、全国調査とほぼ同じような傾向にございます。このように、不登校のきっかけとして高い割合を占めているものが、いずれも人間関係に関するものであることから、現在の子どもたちはコミュニケーション能力が不足しているのではないかと考えております。  次に、不登校への具体的な対応についてでございますが、教育委員会におきましては、このような不登校の状況を踏まえまして、教育研究所における教育相談、少人数による活動を通して学校復帰を目指す学校適応指導教室「ひかり」の運営、引きこもり傾向児童生徒に対して継続的に家庭訪問を行うメンタルフレンド派遣、大学生などによる登校支援を行うヤングアドバイザー派遣などの不登校対策事業を行っております。さらに、本市独自に作成した不登校対策マニュアルを全教員へ配付し、全市挙げて不登校問題に取り組んでいるところでございます。  学校現場におきましては、欠席初期での素早い対応を心がけるとともに、長期休業後の子どもの様子に目を配るなど、早期発見、早期対応に努めております。特に不登校の始まる時期が中学1年生に多いことから、小学校、中学校間での情報交換を密にしたり、小学6年生が中学校の授業を体験するなど、さまざま対応によって不登校の未然防止に取り組んでおります。  不登校に至るまでには、家庭や心身の問題など、さまざまな要因が絡み合っていることも多いため、民生委員・児童委員などの地域人材、相談機関、福祉機関、医療機関などの関係機関との情報交換や個別ケースごとの対応者会議を開催するなど、より一層きめ細やかな対応ができますよう努めていく所存でございます。  以上でございます。 52 ◯42番(桑原善弘君) それぞれご答弁をいただき、ありがとうございました。順を追って再質問をさせていただきます。  まず、林業行政についてでありますが、ご存じのように、戦前、戦後を通じて、その当時のことを覚えておる人はまばらではないかと思います。あの辺にちょろっとおりますが。その当時は、各家庭では、かまどもふろ場もまきで炊いていましたですね。それで、30年代に入りますと、石油こんろやガスこんろが普及して、まきが要らなくなり、そのようにうっすら覚えております。それまでは、山を持たない人たちは大地主のところに行って、ここからここまで木を切らせてくださいと、それで2キロメートルあろうが、3キロメートルあろうが切らせてもらったことを覚えておりますし、そこを、私は小学生ながら、あの狭か道、50センチメートルそこそこの山道を下ったことを覚えております。そういう経験もしておりますし、この文化生活を営むようになったことはありがたいことでございますけれども、反面、いろんな障害も出ております。  その当時、30年から40年にかけてですね、木材需要もぼつぼつとふえてきまして、そして、30年代の後半になりますと、高度経済成長期に入りまして、いよいよ木材が本格的に使われるようになりまして、もう山に入山することは余りないものですから、草木はどんどん生えてきて、しかしながら、当時はそうした動物に対しては食べ物があったから、里まで出てこなくてもよかったわけですね。もう結構山奥で動物そのものが生活されていたわけです。今はどうでしょうか。行ってみてください。もう山は深くなってしもうて、日が差さないもんだから、新芽が出てこない。結局、動物そのものがもう山奥では暮らせないから里に下ろうと。そして、かみつき猿ですね、乱暴ですね、あの猿は。そういうのが出没するようになりました。そういうこともありまして、これは将来は木材はどうしても必要になるぞということもあって、そうした山を持った家庭では、とにかく植林をしようよと、今、植えておけば、あと30年したらば、これが当時そうですね、大工さんの賃金が1,000円しなかったでしょう。ですからね、1本植えておけば当時は10万円ぐらいになるんじゃないかと言うとったんじゃないでしょうかね。ほとんどの家庭で、山を持ったところは植林しています。それが、もう30年、40年になって、もう本当に益木に成長しているんです。  それで、私も地元のほうから余り言いたくもないんですけれども、自転車道路がそばにいっとるもんですから言わせていただきます。  要するに、土井首から野母崎まで人工樹林されている杉、ヒノキは、さっき言いましたように、もう30年、40年たっています。それで、もう十分にお金になるわけですが、さて、それを出すのにはコストが高くつく。まず道がないわけですからね。今さっき答弁がありましたように、その林道をつくる様子は全然ないんです。これはまず当てにならない。  そこで、自転車道路の沿線の方々は、いずれにしても1本でも2本でも自分で出さなければいけないから、要するにこの自転車道路を利用できないかという希望もあるわけなんです。  そこで、お尋ねしますけれども、江川町から脇岬までのサイクリング道路が整備されておりますので、現在は自転車での利用者は少なく、朝夕のウオーキングコースとして利用されております。私もちょいちょいそこを散歩しますけれども、ほとんど自転車とは会いません。このサイクリング道路を伐採木の搬出に活用されないかどうか、ご見解をお示しください。 53 ◯水産農林部長(溝口博幸君) 林道についての再質問ですけれども、野母崎半島サイクリングロード、通称ですけれども、江川町から脇岬まで約20.7キロメートルほどございます。昭和49年から平成9年までに休憩所とか展望所、それから駐輪場、トイレなど、合わせて整備されたものでございまして、県の長崎振興局で管理をしております。  お尋ねの、木材搬出にこのサイクリングロードを活用できないかというご質問ですけれども、おっしゃるとおり、地域の森林資源から見ても、利用可能な杉、ヒノキ、人工林がかなりございます。現在、木材単価の低迷する中で、主抜材や間伐材等の搬出道として利用できれば、コスト縮減を行うことができるということで、ひいては森林所有者の販売代金の還元も多くなりまして、森林整備に対する意欲も増してくると思っております。  そこで、私ども県のほうと協議をいたしましたところ、つまり長崎県に木材搬出として利用できないかということを協議させていただいたんですけれども、設置目的自体がサイクリングや周辺住民の散歩道として利用していただく道路だということで、基本的に原則的には許可はできないという見解に立っております。  しかしながら、道路には支障木とか水道管の布設とか、生活権の維持のために通行するものについては、やむを得ず許可をする場合があるということで、そういう木材の搬出等も、事案が発生した時点で個別に協議をしてほしいというふうな回答を一応得ております。  今後、議員おっしゃるように、そういう事案が発生した段階で、道路管理者と協議を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
    54 ◯42番(桑原善弘君) 県ともよく話し合って、沿線の地主さんたちの要望がとにかく入るようにお願いをしておきます。  次に、これは他都市の件でございますけれども、実はせんだってから環境対策特別委員会で京都市に視察に行き、その折に、「木の文化を大切にするまち・京都」市民会議がありました。皆さんご存じのように、京都市は地形が盆地で、その盆地的風土の周辺に森、やがて三山がつくられ、そこに寺が建てられ、社がつくられ、人が住み始めました。その森林の中で形成された人間の文化が里山へ、そして、まちへと転化しております。  京都市では、自然と共生する豊かな暮らしの中で代表されるのが、ご存じのようにあの奥行きの細い廊下がありますけれども、廊下というより通路なんですね、そこに坪庭があり、京町家があって、その中心には木の文化があります。  古い歴史を語るときに、一概に京都市と長崎市を比較することはできませんが、少なくとも長崎市は海に面し、囲まれた海洋都市であります。しかしながら、この海も森も自然崩壊には打ち勝てず、その上、山から恵みの栄養分も少なく、いそ焼けが進み、魚介類は減少の一途をたどっているのが現状であります。これはもう、これまで私も一般質問等で大分言ってまいりましたけれども、これをそのまま放置しておきますと、私の代はいいですけれども、その子ども、孫たちの代になったらば大きな問題となります。  そこで、この京都市に行政視察に行って調査した結果、その趣旨、設立の目的を読み上げて報告いたします。  森林の効用、命でつながる森林・川・海。  木の供給源となる保全・整備された森林は、二酸化炭素の吸収源となり、すぐれた景観を形成するとともに、土砂災害防止、水源涵養、生態系の保全などの多面的な機能によって、まちに恵みを与えています。また、健全な山が生み出す豊かな水が京都の文化をはぐくみ、農業を初め幅広い産業を支え、生活の基盤を形成してきました。さらに、このような森林から供給される恵み、養分、水等は川を通して海に至り、海洋生物をはぐくみ、森林での取り組みが海まで命でつながり、ひいては地球環境の保全につながっております。  そこで、市長にお尋ねいたします。京都市がこのように取り組んでおります。それで市民会議も設置し、地球温暖化対策にとどまらず、市民や事業者の理解と行動を促進しているが、長崎市はどのように森林整備を考えているのか、お尋ねいたします。 55 ◯市長(田上富久君) 桑原議員の再質問にお答えいたします。  先ほど昭和30年代などのお話をお聞きしながら、私も以前、郷有林の下払いの作業などに地域の皆さんと一緒に行って、大変な重労働であったことを少し思い出しました。  森林につきましては、今、京都の事例でお話をされましたように、空気をきれいにする、あるいは土を守る、育てる、水をたくわえ、災害を抑えて川から海に至って海の生物もはぐくむという、本当にそのおかげで都市が守られているというようなお話がありました。そういう非常に大きな効用を持っている、地球にとりましても大事な部分だというふうに思います。  あぐりの丘などで里山ゾーンありますけれども、ああいったところで、里山が今ほとんどなくなっているということもあって、こういう使い方を昔はしていたんだということ、山と村の里の間に里山というものがあって、人間がそこと共生していたんだというようなことも、子どもたち、あるいは大人の皆さんにもご理解いただける機会を提供していきたいというふうに思いますし、海岸に近い森林が魚を寄せる効果があるということで、魚つき保安林というのがあるそうですけれども、そういったものの指定の促進ですとか、あるいは漁業者の皆さんとの連携も含めながら、森林の整備に長崎市としても努めていきたいというふうに考えております。  以上です。 56 ◯42番(桑原善弘君) ぜひ真剣に取り組んでいただきたいと思います。  さて、この次が問題です。これは、山を育てていろんな二酸化炭素なんかを削減しようと取り組んでいるさなかに、この山に異変が起きております。  ご存じのように、今、対馬のほうが韓国の資本が入っていますですね。それはもうご存じでしょう。先日、9月7日の夕方のテレビ番組で、クローズアップ現代というのを、ちょっと私がチャンネルをひねりましたら、それが始まったんです。そのタイトルが「外資がねらう?森林買収、その目的は」。私は、一番のねらいは用地なのか、立木なのか、ここははっきりしませんけれども、まず、立木ではないかと思います。  これは中国系であろうと思います。というのは、ご存じのように、中国は今、住宅ブームでどんどん家が建っています。そこに片っ端から、恐らく中国の皆さんがすることですから、どんどん切って、そのまま送るでしょうから、日本のようにきれいに柱は何寸、あれは幾らといって伐採するわけじゃない。それはそれでいいとしても、その後のケアをどうするのか、恐らく木を伐採することによって、水利も、それから利水もできなくなりますし、まず二酸化炭素が賄い切らんようになります。それこそ環境破壊の始まりとなると思います。  それともう一つは、そのとき私はずっと箇条書きをしたんですけれども、もう北海道を初め、本州に8カ所買収しています、山林を。そして、全体的には57ヘクタール、1ヘクタールが300万円。さて、坪幾らでしょうか。1,000円です。で買収しているんですね。  とにかく、そのイギリス人がコメントしておりましたけれども、このイギリス人というのは香港系なんですね。これは億万長者だから、日本の山林に投資をしようということなんですね。これも投資はしてもらってもいいんですけれども、いわゆる今言うように、林道でも整備して、そして枝でも下刈りすれば、それはもうこれにこしたことはないと思います。  しかしながら、山というのは境界がばらばらなんですね。普通宅地のように、ここからここまで、はっきりしていないんです。ちなみに、私が住んでいる三和地区は、あれだけは早くさばけたんですね。地籍調査をしてもうちゃんとしているんです。  ですから、昔は境界石、これを置いて、せこか者は、それをわざわざこっちに持ってきて、ここからこれまではおれがとぞて言うてやりよったとです。今はそれはできないんですけれども、残念ながら旧長崎市内、まだそれが進んでいないそうですね。  考えてみますと、長崎市の場合は、そう山も深くないし、大きくないからあれなんですけれども、恐らく買い手に来る人たちは、そこはちゃんと勉強してくるでしょうから、将来がどうなるのか、私も先が心配だなと思っているところでございます。いずれにしても、この人たちがちょっと言っておりましたけれども、日本人は今のところ山に対して無関心であると、そこをつけねらわれているんですね。それで、その番組の中で、五島の方のインタビューもありました。名前は私も知っていますけど、ここでは申しませんけれども、それがどうなるのか、その方も先はよくわからないと言っております。  いずれにいたしましても、この問題も出てくるだろうし、この林道の整備というのは、もう国策でやらないとだめなんですね。地方ではとてもできないでしょうから、ひとつ将来のために、それぞれ取り組んでいただきたいと思います。  次に、子ども、育児放棄について質問いたします。  あの大阪での出来事、女の小さい子どもさんが2人、あれは大阪でしたかね、親から置き去りにされて、1カ月余りも飲まず食わず、私から言えば、ちょうどひ孫に当たるような年齢ですね。かわいそうでかわいそうで、そして、あのテレビの画面を見とって、あの入り口のわき、それから中、もうごみがいっぱいしてましたけどね、ここが問題なんですよ。  今までは大きな事故につながらなかったからよかようなものの、あの子どもたちが2人中におって、そしてどうしても育児放棄する人は、外を遊んでさるくから家には帰らない、収入もないということで、経済的にも困窮しとるはずなんですね。そうなれば、自然と公共料金の不払いが生じて電気なんかストップされる。電気をとめられると、夜なんか暗くておられないから、子ども心にもろうそくなんかを見つけてね、恐らくこのごみの上に立てるはずですよ。そして生活をするはずです。  今度はなかったようなものの、これが1カ月も幾らも放置されれば、これはただでは済まないと思います。その人たちじゃなくて、人を巻き添えにせんならいいけれども、とにかくアパートとかマンション住まいになりますと、1階だけじゃなくして、5階なら5階、8階なら8階まで、煙は巻きますからね、もう第二、第三者、第四、第五の犠牲者が出るわけですから、ここのところの、もしそういうところを確認した場合の措置として、どのように考えておられるのか、答弁をお願いいたします。 57 ◯こども部長(松下貞行君) 再質問にお答えします。  保護者の精神的な不安定さ、それから生活能力が未熟で、家がいわゆるごみ屋敷風になると、そういった結果、児童の生活に悪影響を及ぼしているという事案がございます。  このような場合には、保護者とうちの担当職員間で、信頼関係があり本人が現状を改善したいとの問題意識がある場合には、ごみの分別方法や掃除の仕方など、具体的な方法を指導し、また、その家庭がひとり親家庭の場合には、日常生活支援事業というメニューがございますが、それを利用して支援員と協力して清掃を行っております。  しかし、保護者の方と信頼関係が築けなくて、そういう場合には児童が所属する保育所、学校、関係機関と、それから主任児童委員等々の地域の方々を加えた個別会議、ケース会議を開き、協力、連携しながら対応しております。  今後も、保護者との信頼関係を築けるように働きかけて、生活環境の整備の必要性や火災予防等についての指導をしつつ、地域の方々の協力を得ながら養育状況や環境の改善に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 58 ◯42番(桑原善弘君) 次に、高齢者虐待についてでありますけれども、もう皆さん既にご存じのように、いろんな事件、事故が起きております。本当に年はとるほど、自分が持った子どもたちからいじめられるのかなと思えば、本当にお先真っ暗です。それはね、親も悪いんですよ。子どもの教育が悪いんだから。それと、やっぱり親子間の気持ちが希薄になって、現在ではもう昔のようにはいきません。昔のように、一列にずらっと枕を並べて寝るころは、親の言うこと、兄、姉の言うことをよく守りよりましたけれども、今はもう核家族で、おまえはおまえ、おれはおれと、そういう時代でございます。  だから、これからの人は大変だろうと思いますけれども、いずれにいたしましても、この高齢者問題は大変だろうと思いますけれども、どうか今後とも苦労して育てていただいた両親ですから、皆さん方にもまだまだそういう親御さんがいらっしゃると思いますので、私からのお願いでございます。どうか大事にして、そして親に仕えてください。  以上をもって、私の質問を終わります。 59 ◯副議長(中田 剛君) 次は、10番平戸都紀子議員。       〔平戸都紀子君登壇〕 60 ◯10番(平戸都紀子君) 「明るい市政、あなたと共に」の市民クラブ、平戸都紀子でございます。ことしの夏は35度以上の猛暑日が続き、異常な暑さでございますが、台風9号の影響で朝夕は少し涼しくなったような気がいたします。  それでは、質問通告に基づきまして質問をさせていただきます。  1点目の、ごみの減量化についてでございます。  その中の(1)生ごみ資源化モデル事業のその後の状況についてお尋ねをいたします。以前にもこの質問をさせていただきましたが、ごみの減量化が叫ばれる中、もっともっとこの運動の輪を広げていくために再度質問をさせていただきます。  私は、七、八年前から生ごみのリサイクル運動に取り組んでおります。循環型社会の中で、リサイクルできるものはごみ扱いしないで再利用することを日ごろから心がけ、ごみ減量で活動しているグループの一員でございます。  さて、平成17年ごろ、3年間にわたり生ごみ資源化モデル事業を市では実施をされました。私も早速伊王島で仲間をつくり、勉強をするのには絶好のチャンスだと思い、応募いたしまして、発酵剤(ぼかし)のつくり方から、生ごみが土になるまでの過程をしっかり勉強をさせていただきました。とてもためになって、今、実際実践しております。  そこで、お尋ねをいたします。このモデル事業は何カ所で実施をされたのでしょうか。そして、モデル事業地区のその後の状況については把握をされておられるのでしょうか。材料代等すべて市の持ち出しで指導をしてくださり、おまけにぼかしをつくる材料代までいただいた記憶がございます。そうであれば、なおさら活発に活動して当然だと思いますが、いかがでございましょうか。生ごみの堆肥化の輪は広がっているのでしょうか。お伺いをいたします。  次に、堆肥化容器のことについてお尋ねをいたします。  堆肥化容器につきましては、市からの半額の補助があり、プラスチック容器は1基4,000円台が2,000円台で、電気を使用する容器は上限2万円の補助となっております。堆肥化を取り組まれている人にとっては、半額負担は非常に喜ばしいことでございます。  モデル事業に要した費用にしましても、堆肥化容器の半額補助にしましても、市の税金で賄っております。税金の無駄遣いにならないよう、市は十分その後の様子を知る必要があると思いますが、いかがですか。  (2)として、今後の取り組みについてでございますが、生ごみ減量のために市としていろいろ啓発事業を実施されておられると思いますが、今後の取り組みについてはどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。  次に、大きな2番目といたしまして、(仮称)伊王島大橋架橋後の伊王島交通体系についてお尋ねをいたします。  (1)パークアンドライド方式の具体的対応策ですね。(仮称)伊王島大橋も通行料は無料と県より発表がなされました。そして、今月の半ばぐらいから最後の橋げたがかかろうとしております。そうすると、橋の外観は見えてまいります。私たちは今年度中にはでき上がると聞いておりますが、そうなのでしょうか。  架橋後、島内はパークアンドライド方式をとるとのことですが、具体的な対応策を説明していただきたいと思います。  2番目に、島内バスの今後の方向性についてお尋ねをいたします。  本土から島に入るバス、そして、島内でのバスにつきましては、これから先どのような形になるのでしょうか。  3番目といたしまして、交通船の存続についてお尋ねをいたします。  架橋後、長崎-伊王島間の交通船の状況はどうなるのでしょうか。  よろしくお願いいたします。ご答弁をいただいた後、議席にて再質問をさせていただきます。=(降壇)= 61 ◯副議長(中田 剛君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 62 ◯市長(田上富久君) 市民クラブ、平戸都紀子議員の質問にお答えします。  まず、2点目の(仮称)伊王島大橋架橋後の伊王島交通体系についての(1)パークアンドライド方式の具体的対応策についてお答えします。  (仮称)伊王島大橋は、伊王島町2丁目と香焼町安保を結ぶ一般県道伊王島香焼線の一部として計画をされ、現在、長崎県において平成23年春の完成を目標に鋭意、事業が進められております。この完成によりまして、伊王島と本土がつながり、緊急時の交通手段の確保や日常の交通の利便性が向上するなど大きな効果が期待されますが、一方で自動車による来島者の増加が予想され、島内の交通環境の悪化が懸念されております。  そのため、長崎市としましては、架橋後の島内の交通環境や生活環境を安全で快適なものとするため、幹線道路沿いに一定規模の駐車場を確保し、そこからほかの交通手段を使って島内を散策してもらうパークアンドライドの手法を基本とした交通体系の確立を目指しています。具体的には、駐車場について種々検討した結果、やすらぎ伊王島に隣接する位置に臨時駐車場も含めた、およそ530台の駐車場を確保することとしておりまして、今月中旬ごろから整備に着手をする予定です。また、駐車場整備とあわせまして、インフォメーション機能やトイレなどを備えましたクラブハウスも一体的に整備することといたしております。  そこで、議員ご指摘の具体的な二次交通の方策ですが、二次交通としましては、バス、自転車、徒歩などが考えられます。  現在、バスにつきましては、島内コミュニティバスが平日で1日10便運行し、また、自転車につきましては、やすらぎ伊王島などが電動アシスト自転車などを13台、普通自転車をおよそ120台保有し、それぞれ有料で貸し出しを行っております。  架橋後におきましても、自動車で来島される方に十分な二次交通サービスを提供できるよう充実を図っていく必要があると思います。そのため、二次交通につきましては、自転車や徒歩を主流としながら、それをバスが補完するような交通体系を基本として、電動アシスト自転車の増車や島内コミュニティバスの活用も含めたバスの運行などの強化策について、架橋と同時に実現できるよう関係者とともに検討を進めております。また、自転車や徒歩によって島内を散策される方を円滑に観光施設などへ誘導するため、既存の案内看板等もわかりやすくつくり変えたいと考えております。  いずれにしましても、二次交通につきましては、よりよい交通環境を整えていく必要がありますので、架橋後におきましても利用状況などを踏まえながら、引き続き、利用しやすく効率的な交通体系の確立に向けて努力をしていきたいと考えております。  次に、2点目の(2)島内バスの今後の方向性についてお答えします。  現在、伊王島では地区の公共交通機関としてコミュニティバスを運行しておりますが、架橋後は島内を取り巻く交通環境が大きく変化することが予想されます。そのため、既存のコミュニティバスのあり方や香焼方面からのバスの乗り入れなど、地域住民の生活の向上や地域振興の観点から、十分な検討が必要であると認識をしています。具体的には、架橋後に香焼地区から路線バスを伊王島まで延伸させ運行すること、あるいはコミュニティバスを島外まで延伸させ運行することなどといった内容について、現在、長崎バスと協議を進めております。  島内におけるバスの方向性につきましては、できるだけ早い時期に結論を出したいと考えておりますので、ご理解いただきますようよろしくお願いいたします。  次に、2点目の(3)交通船の存続についてお答えします。  長崎と伊王島及び高島を結ぶ航路は、現在、島と本土を結ぶ唯一の公共交通機関であり、離島補助航路の指定を受けまして、県と市の補助金により、その維持に努めております。  長崎市としましては、この交通船が伊王島及び高島の住民の皆さんはもとより、観光客の皆さんにとっても重要な交通手段であるとともに、地域振興や観光振興を図る上で重要であると認識をしております。(仮称)伊王島大橋の架橋後も引き続き現在の長崎、伊王島、高島航路の交通船を存続させていきたいと考えております。そこで、昨年度には架橋後の航路のあり方について、その存続を前提に航路事業者と県並びに市で協議を進め、国に対し、離島補助航路としての要望を行いました。また、航路事業者としましても、国に対して架橋後も現行の運航内容での補助金交付申請を行っております。  いずれにしましても、航路の存続に向けて引き続き、国や県、並びに関係機関と十分な協議、調整を進めていきたいと考えております。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 63 ◯環境部長(樫山敏徳君) 次に、1.ごみの減量化についてのうち、(1)生ごみ資源化モデル事業のその後の状況についてお答えをさせていただきます。  ご承知のとおり、長崎市のごみの総排出量は、近年の人口減少とも相まって年々減少傾向にあり、平成21年度は15万5,000トンで、ピーク時でありました平成10年度の26万9,000トンに比べますと、40%強の減少となっております。そのうち可燃ごみにつきましては12万3,000トンで全体の80%を占めております。さらに、その中で家庭系生ごみにつきましては、平成21年度の組成分析調査によりますと、家庭系可燃ごみの31.4%となっております。  この生ごみ減量化の一環として実施いたしました生ごみ資源化モデル事業につきましては、地域におけるごみの減量化策として生ごみを堆肥化し、その活用策について検証することを目的に、平成16年度には5地区131世帯を、また、平成17年度には8地区181世帯をモデル地区に指定し、1地区当たり2年間を限度に自治会やボランティア団体などを中心に取り組んでいただいたものであります。具体的には、指定期間中に生ごみ堆肥化容器を無償貸与するとともに、堆肥化に必要な資材の提供を行い、さらには、専門知識を有する講師を派遣することにより、モデル地区内でのごみの減量、堆肥化を実践するというものでございました。  ちなみに、この事業に取り組んだ方々へのアンケートの結果によれば、堆肥化に成功した方は全参加者の約8割となっております。また、個々の感想としましては、生ごみの分別、堆肥化のきっかけができた、自治会内で協力体制ができた、堆肥化の方法が習得できたなどの声が寄せられ、参加していただいた団体の皆様には、おおむね好評であったと考えております。  このように本モデル事業につきましては、それぞれ生活されている地域でごみの減量化のために堆肥化を実践するという所期の目的を達成するとともに、人材の育成にも少なからず貢献でき、一定の役割は果たすことができたものと考えております。  なお、ご質問のモデル地区のその後についてでございますが、現在、各地区とも継続して活動をされている状況でございます。その中では、モデル事業に参加されたメンバーや活動回数に変動はあるものの、定期的に堆肥化に取り組まれ、活動人員がふえた地区もございまして、これまでにも増して生ごみ減量化に寄与していただいていると考えております。  また、同じくご質問の生ごみ堆肥化容器等の購入助成事業についてでございますが、ご承知のとおり、これはごみの減量化や分別排出に対する市民の皆様の意識を高めていただくことを目的として、堆肥化容器等を購入された際、先ほど議員のほうからもございましたけれども、その金額の半分について補助を行う制度でございまして、上限額は主に電動式生ごみ処理機が対象になろうかと思いますけれども、2万円とさせていただいているところでございます。  この生ごみ堆肥化容器の使用につきましては、議員ご指摘のように、特に本年のように猛暑が続く年はもとより、夏場の取り扱い方や冬場の凍結等の対処の仕方など難しい点もございますが、季節に応じた管理ができるよう専門家の方々のご意見等もお伺いしながら、まずは購入時点での指導内容の充実を図るとともに、関連する各種講習会等での詳しい解説などを通じて堆肥化容器の適正使用を推進することで助成事業の効果を高めてまいりたいと考えております。  今後とも、環境に優しい循環型社会形成推進の観点から、活動団体への支援の充実はもとより、市民の皆様が生ごみ堆肥化に気軽に取り組んでいただける環境づくりに引き続き努めてまいりたいと考えております。  次に、(2)今後の取り組みについてでございますが、先ほども申し上げましたが、生ごみの減量化は長崎市のごみ処理量の減少に直接つながることから、積極的に取り組んでいく必要があると考えております。その中で具体的方策といたしましては、ご承知のとおり、食材を無駄なく使い切ることやメニューに合った食材を購入するといったエコクッキングを各種環境イベント等機会をとらえて奨励してきているところでございます。また、自治会等での説明会やリサイクルに関するイベントにおきましては、生ごみに限らず、ごみ減量の基本であります4Rとして、不要なものは買わないリフューズ、過剰包装や使い捨てのものを使わずに減らすリデュース、繰り返し使うリユース、使用済みのものを再資源化するリサイクルについて周知を行っているところでございます。  このような中、長崎市における生ごみ減量化施策の中心事業の一つとして、生ごみ堆肥化講習会がございます。これはご承知のとおり、各地域の自治会等が生ごみ堆肥化に関し専門的知識を有する団体より、ごみ減量アドバイザーの派遣を受け生ごみ堆肥化に取り組むもので、平成21年度は自治会を初め、延べ22団体が受講されております。この中には小学校1校と幼稚園、保育園もそれぞれ1園ずつ含まれておりまして、子どもたちの環境教育、とりわけ食育の分野においても重要な役割を担ってきているところでございます。  今後とも、この生ごみ堆肥化講習を継続し、市民の皆様がより身近なところで専門家から生ごみの堆肥化に関する知識や技術を学ぶことができる環境づくりに一層努めてまいりたいと考えております。  このほか、生ごみの減量化につきましては、給食残渣のグリーンコンポスト事業の実施に加え、環境月間や水フェスタ等のイベントでの啓発ブースの設置等を通じて、機運の醸成に努めてきているところでございます。また、本年度は地球温暖化対策として、これまでにない大規模なイベントを10月に予定しているところでございます。その中では、だれでも、いつでも、簡単に実践できる市民の環境行動を推進するため、10月16日から22日までの1週間をエコライフ・ウイークとし、期間中10万人規模の市民の方々の参加、協力のもと、こまめな消灯やエコドライブなど身近な環境行動の呼びかけを行うことといたしております。  特にエコライフ・ウイークのスタートに当たる10月16日土曜日ですが、この日には長崎水辺の森公園で、ながさきエコライフ・フェスタを開催することとしており、市民の皆様に興味を持ってご来場いただけるよう、さまざまな仕掛けを行い、わかりやすく楽しめる環境イベントとなるよう計画しているところでございます。例年実施いたしておりますばってんリサイクルについても、ことしはこのながさきエコライフ・フェスタの中で開催することとしており、ごみ減量やリサイクルの啓発もより効果的に展開することができるものと考えております。  いずれにいたしましても、生ごみの減量化に限らず、これからの環境問題を考える上では、やはり市民お一人お一人が地球市民としての自覚を持って、日々の生活の中で省エネ行動を実践していくことが肝要であると考えておりますので、市といたしましては今後ともそれにつながる啓発等に関係団体の方々のご意見等もお伺いしながら、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 64 ◯10番(平戸都紀子君) ご答弁ありがとうございました。  それでは、生ごみのほうから再質問をさせていただきます。  生ごみの堆肥化容器というのは、これまでにどれくらい出ておりますでしょうか。それと、生ごみ資源化モデル事業に費やした費用も教えてください。 65 ◯環境部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  生ごみ処理機の補助につきましては、ご承知のとおり、平成4年度より開始をいたしておりますけれども、平成21年度末までの累計で堆肥化容器が8,057基、電動式は平成9年度からの補助開始でございますけれども、1,998基の合計1万55基を補助いたしております。ちなみに平成21年度末までの補助総額は5,731万7,531円となっております。  また、生ごみ資源化モデル事業に要した経費でございますけれども、平成16年から18年の事業期間において実施した13地区合計で278万8,708円となっております。  以上でございます。 66 ◯10番(平戸都紀子君) ありがとうございました。堆肥化容器は8,057基と電動が1,998基ということで1万55基ということは、1万55人の方が購入されたということになるわけですよね。こういう方々が購入されて、市のほうは半額補助で販売される。その後、こういう方々がどういうふうにして使っていらっしゃるか、本当にこの容器を使用されているかどうかという、そこら辺のアフターといいますか、そういうのはされておられますか。 67 ◯環境部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。
     ご指摘の件につきましては、現在、堆肥化講習会等の中で指導することにより、そういうことで対応を行っておりますけれども、その現状についての把握というのは完全にはいたしておりませんので、今後そのあたりの実態の把握というのを十分行った上で、そのほかどういうことが考えられるか専門家の方々のご意見等もお伺いしながら考えてみたいと思っております。  以上でございます。 68 ◯10番(平戸都紀子君) 市のほうからの歳出も相当な金額になっておりますよね。これは私からの提案でございますけれども、この容器を買われた方々に、例えば1カ月間、大体容器で七、八キログラム入るんですね。3日か4日間あります。それを1カ月間に何回そういうふうに堆肥化容器の中でためたか。そして、これは家庭菜園をされている方とか、畑を持っておられる方というのは非常にやりやすいんですけれども、市内でマンションとかアパートに住んでおられる方というのは、同じようにはいかないんです。やっぱりまちの中でするとなりますと、少々のにおいもいたしますし、それはやり方によっては、においもしなくなるんですけれども、そこまでいくのにも時間がかかります。  そして、私の実際に体験したことから言いますと、1回講習を受けたぐらいでは、そのときはわかるんですけれども、家に帰りますと、わからなくなるんですよ。だから、今、毎月、例えば、今月はあぐりの丘で講習会なさると思うんですが、1回きりではなかなか頭にも入りません。だから、体で覚えないとどうしようもないんですけれども、そこら辺のことはお考えになられたことありますか。 69 ◯環境部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  先ほどもお答えをさせていただきましたけれども、まず、その実態の把握というのを十分行った上でアフターフォローの充実ということについても、いろんな方のご意見、特に利用されている方々のご意見等をお伺いしながら考えてみたいと思っております。  以上でございます。 70 ◯10番(平戸都紀子君) 今の樫山部長のお話の中で、いろいろ環境活動を確かにされておられますし、生ごみ堆肥化の指導に当たりましては、アドバイザーとして生ごみシェイパーズ長崎の方々が指導には当たっておられると思います。それで、月に1回ですかね、それと、あといろんな地域からの話があれば指導に行っておられるわけですけれども、この輪は、人口が減っているから確かに燃やせるごみの量も減っています。これは当たり前のことなんですけれども、容器を買われた方は幾らかでも堆肥化をやってみようという、そういう気持ちのあられる方だと思いますので、各地域でされる場合は地域の方が集まられますが、どこか長崎の中央部といいますかね、そういうところに1つ、月に1回は講習会ができるような空き部屋といいますか、そういうところをぜひ市のほうでどこか見つけていただいて、個人ではなかなか大変ですので、そこで毎月1回は何曜日にやっていますよというふうな形をすると、一度説明を聞かれた方で、もう一回聞いてみたいとかおっしゃる方はそこに来ていただければいいんですけれども、そういう形で、どこか見つけていただくというお考えはございませんでしょうか。 71 ◯環境部長(樫山敏徳君) 再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  生ごみ減量化の有効な方策な一つとして、生ごみ堆肥化というのを今後一層推進していく上からは、先ほども申し上げましたけれども、多くの方が気軽に堆肥化講習会等に参加できる環境づくりというのが肝要であるというふうに思っております。  そういうことで、ご指摘の件につきましては、その趣旨というのは十分理解できますので、市有の遊休施設の有効活用の検討というのはもとより、民間同士のつながりでおっしゃるような拠点づくりをされている県内他都市の事例というのもございますので、そういうことも参考にしながら、今後、地元で活発に活動されておられる方々のご意見等をお伺いする中で、引き続き、市も一緒になってその可能性を探ってみたいというふうに思っております。  以上でございます。 72 ◯10番(平戸都紀子君) 今、環境部長のほうから市も一緒になってやっていきたいという強いお言葉をいただきましたので、これからはアドバイザーの方々も入れて、そして、本当に堆肥化容器はこれだけ数も出ていますし、これだけ税金も投入しておられるわけですから、これが本当に無駄遣いになりませんように、ぜひ生きたお金にしていただきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。  引き続きまして、伊王島大橋架橋後のことについてお尋ねいたします。  先ほど市長のほうからご説明をいただきましたが、一番危惧されますのは、架橋後、橋を渡って伊王島の中に入ります。その場合に、橋を渡ってこられたお客さんは、やすらぎ伊王島の裏の駐車場決まりましたよね、そこにとめるようになっておりますが、ご存じのように、橋のふもとからは裏のほうにも行けるんですね。広い道がございます。一周道路になりましたので。そこら辺のことが一番危惧されるんですけれども、そこら辺はどのようにお考えでしょうか。 73 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えをさせていただきます。  今ご指摘いただいたのは、多分、橋をおりて海岸線のほうに回る道路のことだというふうに思います。  まず、基本的な考え方としては、今度つくるやすらぎ伊王島そばの駐車場まで誘導するという考え方がまず第一にございます。ただし、このご指摘いただいた路線につきましては、幅員も十分ございますので、そこに入らないようにするというのは非常に難しいかなというふうに考えております。  ただ、海岸線をぐるっと回っていって、白浜のほうに曲がっていきますけれども、その先はちょっと住宅地になっておりますので、幅員が若干狭いということもございます。ですから、広いところでできればUターンをしていただきたいというような案内看板をつくると、今そういう予定をしております。そういったところまでの対応を今のところを考えています。  以上でございます。 74 ◯10番(平戸都紀子君) 今のご説明だと、できるだけという言葉をお使いになられましたが、できるだけということは入ってもいいということにも考えられますけど、それでは困るんですよね。だから、昼間、そして夜。夜はどうなるのだろうか。昼間も、できるだけ入らないようにじゃなくて、入らせないような方法というのはお考えになっていないんでしょうか。 75 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えいたします。  基本的に市道でございまして、幅員も比較的ございます。そういう意味では離合もできる場所でございますので、通らせないということにはならないと思います。  今、平戸議員がおっしゃいました、やはり生活道路といいますか、狭隘道路で行きどまりとか、そういった部分については別途対応を考えておりますが、こういった市道で循環する部分については、なるべく、先ほど言いましたように、広いところでUターンをお願いしますというような看板は出しますけれども、とめるということは非常に難しいというふうに考えております。 76 ◯10番(平戸都紀子君) 私たちも橋はつくることに賛成した一人ですので、それは喜んでいるんですよ。決して橋をつくらないでくださいなんていうことで私は言っているつもりはございません。しかし、やすらぎ伊王島というところは本当に近場のハワイと言われるぐらいに、私は橋ができてもお客さんは船と自家用車でたくさんお見えになると思うんですね。そして、温泉もわいておりますから、ことしも島が沈むぐらいにたくさんの方が見えましたので、本当です。そして、その上で、私、北松鷹島のほうにも視察に行かせていただきましたんですけど、確かにオープン当時は多くて、もうまず、トイレが足りない、食べるところも少ないということで、相当苦労をされたというお話を聞いてまいりました。伊王島の場合は、やすらぎ伊王島が相当数客を受け入れることができると思うんですけれども、ぜひ先ほどおっしゃいましたように、立て看板等でなるべく、私もなるべくという言葉を使ってしまいましたが、入らないようなそういうお知らせ板というのは絶対必要だと思いますので、よろしくお願いいたします。  それから、島の中は本当に赤道、里道というんですか、細い道がたくさんありますので、先ほどもおっしゃいましたように、もう行きどまりになるところも結構ありますので、Uターンもできないというようなところもたくさんありますので、そういうところにも車が入らないようにぜひ看板等を設置していただきたいと思います。  それから、クラブハウス、駐車場のすぐ横にございますが、このクラブハウスのことについて要望させていただきたいんですけれども、これは今回条例に上げてありますので、恐らく要望でしかお話ができないと思うんですが、クラブハウスの中にはトイレが女性用が3個ですね、それから、男性用が2個はついております。それでも駐車場ですので、そこで相当数の車が駐車されるんじゃないかと思うんですが、もう少しトイレの数もこの際ふやしていただいたほうがいいんじゃないかなと思います。それから、そこでおりてホテルまでの道というのは、そうですね、歩いて5分ぐらいありますかね、だから、大雨が降ったりしたときはクラブハウスの中を雨宿りの場所としても確保できないかなと思いますので、そちらのほうもよろしくお願いいたします。それから、駐車場ではいろんなことが起こる可能性もございますので、ぜひ監視カメラの設置をお願いしたいと思います。これは要望でございますが。  これから伊王島架橋後に、最初は市のほうも橋のふもとに駐車場をということで相当ご苦労されたと思います。しかし、結果的にはそれができなくて、メーン道路、結局メーン道路を走って駐車して、そこで車をパークアンドライド方式でされるということですよね。最初、私はそのときに、今説明でわかりましたが、一たんおりた後、電気自動車を走らせるのかな、どうなのかなと思っておりましたら、コミュニティバスを走らせるということですけれども、今、船で伊王島におりた場合、夏休みとか、それからゴールデンウイークとか、お正月は、相当数お客さんが島に来ています。そして、夏休みは海水浴場がオープンいたしますので、ピストンで何回もお客さんをホテルの大型バス、それから、市が用意したコミュニティバスでどんどん送っているんですが、駐車場に来られたお客さんたちを、例えば、海水浴場に行ったりするときは、どのような形で運ばれるようにお考えなのでしょうか。 77 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えいたします。  夏休み、海水浴シーズンとかの臨時的な対応ということで言いますと、海水浴場に直接臨時便で送るという対応はこれまでもやっておりますし、これからもやっていきたいというふうに考えております。  それと、島内バスにつきましては、駐車場を起点にして、いろんな場所を回るというようなことでの2次交通という考え方をいたしておりますので、1日、平日は10便、日曜日は8便でございますけど、そこの部分を少し時間についてもちょっと検討していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 78 ◯10番(平戸都紀子君) バスのことについてお尋ねをいたします。  本土を渡ってきて島内を走るバス、その本土に入るまでの、そこら辺は具体的にわかっているんでしょうか。 79 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えいたします。  先ほどの市長の答弁にもありましたように、現在、検討中ということでございます。長崎バスが今、香焼恵理まで運行いたしております。それを延ばす形というのは、ひとつ我々としても要望しているところでございます。ただ、長崎バスとしても利用者がどういうふうになるかということで非常にご懸念をされております。  それともう一つは、公共バスをつなぐ方法として、島内のバスを島外に出すと、香焼のほうに出すという方法もございます。それと、それをいろんな形で組み合わせる、例えば、朝夕の通勤通学時間帯は島内まで入っていただいて、例えば、市内まで長崎バスに運行してもらうとか、そういった方法もございまして、いずれにしても、費用負担の問題もございます。そういった意味で今検討をさせていただいておりますが、どちらにしても公共交通としてバスはつなぎたいというふうなことで考えております。  以上でございます。 80 ◯10番(平戸都紀子君) 公共バスもぜひ必要だと思いますので、いろんなことがはっきりわかりましたら、ぜひまた教えていただきたいと思います。  それから、交通船のことでございますが、今、市長のお話を聞いておりましたら、交通船は長崎、伊王島、高島間で今までどおり運航をするんだというお話でございましたが、島の人たちは船は普通どおりと思っておられる方が多かったんですけど、「えっ、でも、もしかしたら船の便が減るとやなかとやろうか」とか、「金額的にはいろいろ高くなるんじゃないだろうか」とか、そういう心配を少しずつされて、そういうお声を聞くようになりました。でも、島民としましては、今までどおりというふうに理解してよろしいんでしょうか。 81 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えいたします。  架橋後すぐに大きく変えるというのは非常に難しいというふうに今思っております。ですから、来年度といいますか、船の運航については現在の形の運航をしながら、それで、例えば、乗客数の推移であるとか、あるいはバスが入ったときにバスとの組み合わせとか、あるいは自家用車で入る方のお客さんの数とか、そういったものを勘案して、場合によっては当然、便数の見直しというのはあり得ると思いますが、来年度は現行のままでいくように今のところ考えております。  以上でございます。 82 ◯10番(平戸都紀子君) ありがとうございました。それでは、まだ当分というか、今のままで推移を見ながら運航をされるというふうに理解いたしました。  それで、伊王島の道路というのは観光客が来て通る道路というのは全然拡幅もされていませんし、今までどおりの幅の中でされると思いますが、パークアンドライド方式をとるときに、一たんおりて、例えば、自転車に乗りかえるにしても、一番メーンのところを観光客の車も通りますし、そして、乗りかえて自転車で行くにしても、その道路も結構利用すると思うんですが、そこら辺で混雑が予想されると思うんですね。いろんな事故が起こらないようにするためにも、横断歩道とか、信号機とか、そういうのはつけていただけるんでしょうね。お願いいたします。 83 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えいたします。  今、警察、あるいは県、市の道路管理者、私ども入って、行政センターも入って、そういう交通問題についての協議を進めております。おおむねまず、いわゆる架橋直後はこういった形でいこうということで、いろんな看板とか、横断歩道の設置とか、停止線を引くとか、そういった対応は今のところつくっておりまして、それに向けて今、作業を進めているというところでございます。ただ、信号機の設置は今のところは保留といいますか、考えていないというような状況でございます。  とにかくいわゆる実際、状況を見ながら検討したいということで警察のほうもそういう話でございます。  以上でございます。 84 ◯10番(平戸都紀子君) それでは、次にお尋ねしたいのは、伊王島の方々が島の中に入ってきた場合、架橋後ですね、橋を渡って入ってきた場合、というのは、アパートはアパートの前に駐車場ができておりますので、月に家賃プラス1,000円という形でそこに駐車されています。それで、それ以外の方は結構近くにとめたりとかされているんですが、そういうことって、橋がかかった後も、それで今までのままでいけるんですかね。ちょっとお尋ねいたします。 85 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えいたします。  今のご質問は、自分の車の駐車場の話だと思います。これは自分で確保していただくということで、道路上にとめるとか、そういったことについてはやっぱりよろしくないということになりますので、自分で確保していただくということになります。よろしくお願いいたします。 86 ◯10番(平戸都紀子君) ということは、あいているところにとめていいということになるんですかね。それと、例えば、伊王島に住んでおられる方の家族が来られた場合とかは、そこら辺あくまでも今度やすらぎ伊王島の横に駐車場をつくる、そこには伊王島に来られた観光客だけだと思うんですが、そこら辺の見きわめというのはできるんですかね。 87 ◯副議長(中田 剛君) 平戸都紀子議員、申しわけありません。もう一度質問の趣旨を正確にしていただけませんか。 88 ◯10番(平戸都紀子君) 伊王島の方の家族の方が自家用車で来られた場合の話でございますが、そういう方が大橋を通ってこられた場合は、もちろん実家のそばにとめると思うんですが、それでいいのかなと思うんですね。橋のふもとに警備員かなんかいて、何かチェックをされるとか、そういうことではないんでしょう。 89 ◯都市計画部長(馬場敏明君) 再質問にお答えいたします。  基本的に今度市のほうで整備いたします、やすらぎ伊王島横の駐車場によそから来られた方がとめられるということについては区別はできないものというふうに考えております。ただ、今のところ、夜は施錠するというふうなことで考えておりますので、そういった状況でございます。  それと、伊王島自体が今も車は走っておりますけれども、完全な車社会ではないわけで、今後、ご親戚が来られたりとかということも想定されますので、あるいは今自分の駐車場がないという形で車を持っていらっしゃる方とかいらっしゃれば、そこは駐車場を自分で確保していただくということが必要だというふうに思います。  以上でございます。 90 ◯副市長(椎木恭二君) 平戸議員の交通問題に関してのご質問に少し補足してお答えをさせていただきたいと思います。  伊王島の場合には、これまで橋がないということで、島の状態であったと、大きくもない島の状態であったということで、車の数というのは非常に少ない中で島民の皆さんの生活が営まれていたという、そういう中で、いわゆる都市計画部長の話にもありましたように、車社会への対応といいますか、車社会の中での生活のあり方という部分が、やはりなかなか実態として理解しにくいという部分があるんだろうと思います。  そういう意味で、例えば、観光客の方が車で来た場合の形というのはどういったことになっていくのかとか、あるいは島民の皆さんが車を持った生活を行うというときには、島内の中でどういった形の動き方になるのか、生活の仕方になるのかとか、あるいはお知り合いの方が島を訪れたときには、どういうふうな形で島の中で動き回れるような、あるいは島の中で交通生活を乱さない形でどう動くことが適当なのか、そういったことについていろんな形でもう少し情報を的確にといいますか、きめ細かくいろんな形で島民の皆さん方にそういった車を島の中に入れることで出てくる弊害の部分、それから、そのことで便利になる部分、そういったところも含めて少しきめ細かな島民の皆さんと懇談会でございますとか、あるいは説明会でございますとか、そういったことを少し、これはこれから計画をいたしまして、皆さん方と一緒に勉強をするというような、そういった形をとりたいというふうに思います。そういったことを担当のほうにも指示をして、ぜひやっていきたいというふうに思いますので、ご理解をいただきたいと思います。 91 ◯10番(平戸都紀子君) 今、副市長のほうから、私もまとめで同じことをお願いしようと思っておりましたが、島の中は決して車がないわけじゃなくて、車を持っている方は、私は把握しておりませんが、恐らく五、六十台はあると思いますし、結構、島の中でも自宅から波止場までとかは、それから、島の中の商店の方とかは車おりますので、結構走っております。そういう中でちゃんとした駐車場を確保しなくても、あいているところにとめるとかということは、まあまあ許されていたんですね、今まで。それなもんですから、これからはやっぱり車が入ってくることによって、いろんな規則といいますかね、決まりはつくっておかないと、島の人と入ってくる観光客を区別することもできないだろうと思います。それで、いろんな質問をさせていただきました。  今後、いろんなことが想定されると思いますので、先ほど副市長がおっしゃいましたように、島の方々との対話の場を持つなどして、真摯に対応することをお約束してほしいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。  時間も少し余っておりますが、これで私の一般質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。 92 ◯副議長(中田 剛君) 休憩いたします。  午後3時25分から再開いたします。           =休憩 午後2時53分=           ───────────           =再開 午後3時25分= 93 ◯議長(吉原 孝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。48番平野だいとし議員。      〔平野だいとし君登壇〕 94 ◯48番(平野だいとし君) 本日最後の質問をさせていただきます公明党の平野だいとしでございます。質問通告に基づきまして、以下4点について質問いたしますので、市長並びに関係理事者の明確で簡潔なご答弁をよろしくお願いいたします。  第1点目は、原爆被爆行政についてお尋ねします。  被爆65周年の節目の年を迎えた本年、いまだに被爆の実相は世界の人々には伝わっていないのが現実であります。ことし5月のNPT再検討会議に、日本政府を代表して参加していた福山哲郎氏、当時の外務副大臣は、核兵器の惨禍の実相を将来の世代に継承していくことは、人類に対する我が国の責務と発言をされております。翻訳なども含め、伝える事業は今以上に国の支援が必要と考えますが、被爆65周年に対する本市の総括と、今後の取り組みとあわせて市長のお考えをお尋ねいたします。  次に、大きな項目の2点目、観光行政について2点お尋ねいたします。  第1点目は「龍馬伝」による効果とその後の観光客誘致策についてお尋ねします。  「龍馬伝」効果については、7月の県内観光客施設の入場者数は、前年度比18.9%増、宿泊客については15%増の市内ホテルもあったとの報道がされております。本市における最新の「龍馬伝」効果と、その今後の見通しについてお尋ねします。  また、「龍馬伝」後の取り組みにつきましては、長崎県が、中国の辛亥革命100周年を迎える明年、本市とゆかりの深い梅屋庄吉と孫文の企画展を10月から半年間、長崎歴史文化博物館で開催を計画しております。今年7月からは、中国人ビザの緩和も実施されており、中国人観光客の増加も期待されます。「龍馬伝」後の本市の観光客誘致策についてお尋ねします。  次に、観光行政の2点目、ロシアとの交流の現状と促進策についてお尋ねします。  長崎とロシアとの交流については、日露和親条約が締結された後の1868年、明治元年、南山手17番にロシア領事館が開設され、約40年間の歴史を刻んできており、また、日露戦争直前まではロシア東洋艦隊が冬季避寒のため寄航していたことから、稲佐地区一帯はロシア人のための宿泊施設や別荘などが建てられ、大変なにぎわいを呈していたと語り継がれております。また、長崎には日本で一番大きなロシア人墓地があるなど、ロシアとの歴史のかかわりは非常に深いものがあると考えております。  そこで、以上のような歴史的な背景を踏まえ、長崎市とロシアとの交流の現状と今後の交流促進について、お尋ねいたします。  まず、現在、長崎市においてはロシアとの間でどのような交流がなされているのか、現状についてお尋ねいたします。  また、新聞報道によりますと、8月9日の平和祈念式典に参列されたカストロノフ在日ロシア連邦大使館総領事が、ロシアの総領事館を今後新たに設置する場合、歴史的にロシアとゆかりの深い長崎県も候補地の一つである。大阪以西を管轄する総領事館の必要性は高く、ロシア、長崎の交流が深まれば、仮に新設する場合、候補地になるとの発言がありました。  私は、ロシアとのさらなる交流を促進する上でも、長崎市として総領事館の誘致は必要であると考えております。また、ロシア、長崎の交流が深まることが総領事館設置の前提であるならば、ロシアとの都市、例えば、長崎帆船まつりに参加していただいているロシア帆船の母港であるウラジオストク市との市民友好都市の提携も望ましいと考えられますが、以上3点について市長のお考えをお尋ねいたします。  次に、大きな項目の3点目、産業振興策について2点お尋ねします。  第1点目は、市内業者への優先発注の取り組み状況について、お尋ねします。  この市内業者への優先発注の取り組みについては、昨年の建設水道委員会などでも指摘があり、本市の建設工事共通仕様書を長崎県の同仕様書に準じた形で資材等についても原則として市内生産品を使用しなければならない旨の改定を行うとの答弁があっております。  景気低迷による厳しい経営を強いられておられる市内の中小企業の支援策として、本市はどのような市内業者への優先発注の取り組みをなされておられるのか、お尋ねします。  次に2点目は、廃校舎を活用した陸上養殖の普及策についてお尋ねします。  今、海のない栃木県の小さな温泉街、那珂川町の里山温泉トラフグがマスコミで注目されています。産官学の連携で小学校の廃校舎を利用した陸上養殖が、まちおこしにも大いに貢献しているとの情報を得、早速、先月視察をしてまいりました。  発端は、地元で湧出している温泉の成分が魚類の生息に適した塩分濃度の1.2%であるということに気づいたことでした。東京大学や宇都宮大学からの技術支援もあり、海のない町のまちおこしに活用できると平成20年6月から市場価値の高いトラフグを選定し、飼育試験を開始。海水では体長300ミリ、体重600グラムまで成長するのに約1年半はかかるのが1年で生育できる実証を得ることができたことから、平成21年度からは旧武茂小学校廃校教室を活用して、地元企業が運営をされております。今では5つの教室にそれぞれ設置された12トンの水槽で、合計1,250匹のトラフグが生育されており、既に地元温泉街の旅館や料亭からも予約が殺到し、相場の倍近いキロ3,500円でも完売の状態とのことであります。さらに増産が見込めると6月には校庭にビニールハウスを設け、5,000匹の稚魚の飼育も始められております。  本市においても山間部の養鶏場跡地を活用し、海水を使わない新しい発想での陸上養殖に成功されておられる業者の方もおられます。最近は海面を利用した畜養や養殖は、赤潮などの影響で多大な被害が出ております。ますます海水を使わない陸上養殖の需要は増してきております。本市でも廃校舎を活用した陸上養殖の普及促進策に取り組まれるお考えはないのか、お尋ねします。  次に、大きな項目の4点目、空き家・空き地対策について、老朽危険空き家除却への助成についてお尋ねします。  今、高齢化や過疎化などを背景に空き家が増加しております。空き家が老朽化してくると、地震や台風などの自然災害時に倒壊の危険性や害虫の発生による近隣への被害のおそれもあります。また、犯罪の温床にもなりかねません。先日の新聞報道では、国土交通省が密集市街地にある老朽住宅の撤去に1軒当たり30万円を定額補助する方針を打ち出しております。撤去への補助は地方自治体に独自の補助制度があることが要件となっております。この老朽住宅への補助制度に対し、本市としてはどのようにお考えになっておられるのか、本市の老朽危険空き家に対する取り組み状況も含め、お尋ねいたします。  以上で本壇からの質問を終わり、ご答弁をお聞きした上で自席より再質問させていただきます。=(降壇)= 95 ◯議長(吉原 孝君) 市長。       〔田上富久君登壇〕 96 ◯市長(田上富久君) 公明党、平野だいとし議員の質問にお答えします。  まず、1点目の原爆被爆行政についての(1)被爆65周年の総括と今後の取り組みについてお答えします。
     ことし5月に開催されました核不拡散条約(NPT)再検討会議には、長崎市からも多くの方々がニューヨークを訪れ、国連本部をめぐる平和行進に参加し、集会では被爆者が被爆体験を語るなどのアピール活動を展開しました。2005年の再検討会議は、何の成果もないまま終了しましたが、今回のNPT再検討会議では合意文書が採択されるなど、一定の前進があり、核兵器禁止条約への言及など、NGOなどの声も各国政府に届いたものと考えています。  一方で、国際社会においては、いまだに原子爆弾による被害の惨状を十分に理解されていないことも改めて感じたところであり、伝えることの重要性を認識いたしました。帰国後、長崎市としても世界じゅうで平和を訴えている方々を平和特派員に任命するなど、新たな取り組みを開始しました。また、日本政府も今回のNPT再検討会議の冒頭の一般討論演説において、軍縮・不拡散教育に関する取り組みをさらに推進することを訴えており、42カ国の政府が共同で軍縮不拡散教育に関する共同声明を発表しました。  さらに、過去最高となる32カ国の駐日大使等が参列されたことしの平和祈念式典において、菅総理大臣が、非核特使や被爆体験談の外国語翻訳など、核軍縮・不拡散教育の取り組みを進めることを明言し、政府としてこれまでにない意欲を示しました。  被爆の惨状を広く世界に伝えることについては、国連事務総長の長崎訪問の際にも意見交換をしており、私も式典終了後、外務省を訪ねて被爆地と政府、国連が協力して非核特使や被爆体験談の外国語翻訳の事業を進めていくようにお願いをしてまいりました。  被爆65年を迎えたことし、国連や日本政府が被爆体験の継承に積極的にかかわる姿勢を示したことは意義深く、今後、国連や日本政府と連携しながら、長崎市としてもこれまで以上に積極的に被爆の実相を伝えるよう努力していきたいと考えております。  次に、2点目の観光行政についての(1)「龍馬伝」による効果とその後の観光客誘致策についてお答えします。  大河ドラマ「龍馬伝」の放送に伴いまして、主要観光施設における利用者数は引き続き増加傾向にあり、ことしの1月から8月までの来場者数は、グラバー園が63万2,849人で、前年同期比約13%増、出島が24万4,740人で、前年同期比約11%増となっております。また、龍馬関連施設におけることし1月から8月までの入場者数につきましては、亀山社中記念館が17万4,577人、長崎奉行所・龍馬伝館が27万5,238人、長崎まちなか龍馬館が11万8,996人となっており、県外からも多くの観光客においでいただいているところです。さらに、まち歩き観光では、「龍馬伝」の放送に合わせまして、幕末に活躍した英雄にスポットを当てた長崎さるく英雄編を開催しておりますが、ことし1月から7月までの通さるく、学さるく合わせての延べ参加者数は2万9,593人で、前年同期比約107%増と大きな伸び率を示しております。  宿泊施設の稼働状況ですが、日本銀行長崎支店発表の県内主要経済指標によりますと、県南地区では1月から7月までの前年同期比で約4.6%の増となっております。大河ドラマ「龍馬伝」では、第3部が始まった7月18日以降、ロケ地となった崇福寺やグラバー邸、大浦天主堂のほか、亀山社中や引田屋、小曽根邸など、長崎ゆかりの地が次々と登場をしてまいりました。「龍馬伝」第4部におきましても、料亭清風亭での会談など、長崎の場面が登場する予定でありまして、あわせて「龍馬伝」紀行のゆかりの地紹介の効果によって、今後さらに多くの観光客の皆様に訪れていただけるものと考えております。  こういった中、「龍馬伝」後の観光客誘致策につきましては、「龍馬伝」の取り組みを一過性のものにしないため、今後とも、龍馬と幕末、長崎の魅力を発信するなどの事業展開を図ってまいりたいと考えております。また、国内観光が伸び悩む中で、ビザ発給要件の緩和によって、今後、爆発的に旅行人口が増加することが予想される、中国を初めとする東アジアからの観光客誘致につきましては、観光振興の起爆剤として大きく注目されており、長崎市でも最も重要な課題の一つであると認識をしております。  長崎市としては、ことし7月15日に私が本部長となって長崎市アジア・国際戦略推進本部を設置し、県の長崎県アジア・国際戦略本部との効率的な連携を図ることにしております。また、私自身も長崎市と歴史的にゆかりの深い中国からの観光客誘致は重要であり、トップセールスの必要性を感じましたので、去る8月23日から30日にかけて福州市、上海市、瀋陽市に赴いたところです。さらに、国際観光に特化した戦略と3カ年のアクションプランもあわせて現在策定中であり、その中で教育旅行における学校交流事業の積極的な受け入れや、クルーズ船乗客の上陸後の満足度の向上、4カ国語表記による案内板の充実等を検討をしております。  また、議員ご指摘の孫文と梅屋庄吉でございますが、長崎市で生まれた梅屋庄吉は、孫文と出会って意気投合し、アジア人のためのアジアを築くための盟約を結び、2兆円とも言われる資金を提供したと言われております。  来年、平成23年は辛亥革命100周年を迎えることもあり、現在開催中の上海万博の日本館では、8月24日から29日までの間、「孫文と梅屋庄吉展」が開催され、2万人を超える来館者があったと聞き及んでおります。先般、私自身も福州市との友好都市提携30周年の市民訪問団において、多くの議員の皆さんと一緒にこの企画展を拝見する機会を得ましたが、大変すばらしい内容でありました。また、長崎県におきましては、アジア・国際戦略本部の先行プロジェクトの一つとして、孫文と梅屋庄吉の関係をクローズアップし、観光客誘致につなげていく活動を行っております。その中で、来年10月1日から長崎歴史文化博物館において特別企画展を開催する計画も明らかにされております。  長崎市としましても、孫文自身が9回長崎に訪れているなど、深い関係がある中で、長崎市出身の梅屋庄吉との友情は中国と長崎市の貴重なかかわり合いとして、今後も大切にしていかなければならないと考えております。また、観光客の誘致という視点からも県との情報交換を密にし、中国建国の父と言われる孫文と長崎市出身の梅屋庄吉に関する情報や資料等を顕在化していき、国内外から観光客にお越しいただけるよう取り組んでいきたいと考えております。  次に、2点目の(2)ロシアとの交流の現状と促進策についてお答えします。  長崎とロシアとの歴史的なつながりは、19世紀にまでさかのぼり、今でも毎年開催されます長崎帆船まつりにウラジオストク市を母港とする帆船の参加、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に平成17年から在日ロシア大使館代表者が毎年参列をしていただき、長崎市が副会長を務める平和市長会議には17都市が加盟をしております。  しかしながら、長崎市内在住のロシア人は、市内在住外国人の約0.5%しか占めておらず、ロシアと地理的に近い位置にある北海道、新潟などと比べますと、自治体間の交流、経済交流につきましても、活発とは言いがたいのが現状でございます。  先日、在日ロシア大使館カストロノフ総領事が、在日ロシア総領事館を今後新たに設置する場合、長崎も候補地の一つであるという発言が報道をされておりましたが、長崎市にはまだ正式な打診があっておりませんので、今後、正式な打診があった場合には県とも連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。  次に、ウラジオストク市との市民友好都市提携についてお答えいたします。  市民友好都市につきましては、ことし7月にアバディーン市と第1号となる市民友好都市提携を行いました。アバディーン市と長崎は日本の近代化に多大な貢献をしましたトーマス・ブレーク・グラバー氏との歴史的なつながりがあり、両市のロータリークラブが平成8年からトーマス・ブレーク・グラバー奨学生の相互派遣を行うなど、市民が主体となった実質的な交流が行われていることから、さらに活性化させ、継続的に続いていくように行政が側面的な支援を行っていくという意味合いで今回の締結に至りました。  ウラジオストク市との提携につきましては、今後、両市市民や民間団体の交流状況の確認を行うなど、提携の可能性を探っていきたいと考えております。  なお、既に民間交流が活発に行われている都市も複数ございますので、それらの都市を含めて提携の機運の高まりなどを勘案しながら、優先順位も考慮して市民友好都市の提携を進めてまいりたいと考えております。  次に、3点目の産業振興策についての(1)市内業者への優先発注の取り組み状況についてお答えします。  長崎市では、入札・契約制度の公正性及び透明性を確保するため、建設工事や建設工事に係る業務委託、物品の購入、物品の借り入れの入札につきましては、原則すべての案件を制限付一般競争入札で実施をしております。また、建設工事関係以外の業務委託につきましては、建物清掃、警備業務、登記測量など業務委託の約半数の案件を制限付一般競争入札により実施しており、来年度からは全案件を実施する予定としております。入札の資格要件につきましては、極力、市内業者への優先発注を条件としており、平成21年度における市内業者への件数ベースでの発注状況は、建設工事で申し上げますと、94.4%、建設工事に係る業務委託では91.4%の割合となっております。  次に、市内業者への優先発注の取り組み状況についてですが、建設工事では従来から契約時に、下請負人は可能な限り地元業者から選定すること、労力、資材等の調達については、地元の業者、労働者を可能な限り活用することとして文書で依頼を行っておりましたが、これに加えまして、昨年8月に緊急経済対策に伴う建設工事発注等の運用方針を定めまして、資材等及び下請負人の市内・県内優先使用について徹底を図りました。  今後とも、引き続き長崎市の経済浮揚と雇用の確保を常に念頭に置きながら、地元業者優先の発注の努めていきたいと考えております。  以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)= 97 ◯水産農林部長(溝口博幸君) 3点目の産業振興策についての(2)廃校舎を活用した陸上養殖の普及策について、お答えいたします。  少子化や市町村合併の影響で廃校となる公立小学校がふえる中、企業や団体に校舎を再利用してもらおうと、文部科学省は本年9月3日からホームページで全国の施設情報の一括提供を始めております。既に再利用されている空き校舎は、ミネラルウオーターや生ハムの製造工場、高齢者向けの福祉施設、芸術家の活動拠点や展示会場、宿泊施設として利用されているとお聞きしております。  ご質問の廃校舎を活用した陸上養殖につきましては、議員ご指摘の栃木県那珂川町における温泉水の利用によるトラフグ養殖のほか、石川県の輪島市におけるエビ類養殖などの事例が報告されております。近年、陸上養殖は飼育水を循環ろ過して再利用する閉鎖循環式養殖の技術開発によりまして、全国的に見るとヒラメ、トラフグなどの海産魚の養殖が海から遠く離れた地域においても試みられるようになっております。  長崎市内の陸上養殖は、水産センター高島事業所におきまして、ヒラメ、トラフグの養殖を行っているほか、三ツ山と野母町におきまして、民間事業者が施設整備や飼育方法等をそれぞれ創意工夫いたしまして、トラフグ、ヒラメ、マハタなどの付加価値の高い魚種の陸上養殖を行っております。陸上養殖は、台風、赤潮などの自然環境から影響を受けにくいメリットがあり、また、廃校舎などの未利用施設の活用により、初期投資を低く押さえることができることから、全国的に普及が進む養殖形態であると考えております。  長崎市におきましては、栃木県那珂川町の事例とは異なり、四方を海に囲まれていることから、各地域において地域の特性を生かした一定規模の海面養殖が行われております。また、現時点では収益性の見込める魚種、流通経路、販売先の確保の問題などから、新たな陸上養殖実施の要望はない状況にあります。  しかしながら、将来的な陸上養殖の必要性に向けた長崎市の陸上養殖普及への取り組みとして、昨年度から成長が早い長崎市産ハイブリッドアワビや、付加価値の高いマハタについて民間事業者と共同で養殖試験を行っております。  今後、陸上養殖が新たな養殖業として普及、成長するために、光熱費等の維持管理費の軽減など、克服すべき課題の解決に向け調査・検討を行っているところでございます。  長崎市といたしましては、今後とも、陸上養殖事業者との意見交換をさらに緊密に行うとともに、地域漁協や産学官と連携を図りながら、長崎ならではの魚種の導入、地域資源の有効活用など、長崎らしい陸上養殖の普及、定着に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 98 ◯建築住宅部長(御所健剛君) ご質問の4点目、空き家・空き地対策についての(1)老朽危険空き家除却への助成につきまして、まず、長崎市の取り組み状況についてお答えいたします。  議員ご指摘のとおり、木造住宅が密集する斜面地では空き家がふえ、その中には長年放置され、倒壊の危険性が増すなど、周辺住民に不安を与えているケースがあります。建築物は本来、その所有者、管理者、または占有者が、適正な維持管理に努めなければならないことから、老朽危険空き家に対する取り組みといたしましては、従来から建築基準法に基づき、所有者等へ建築物の除却や改修など適正な維持管理の指導を粘り強く行っているところでございます。その結果、所有者みずからによって平成18年度は49件、19年度45件、20年度32件、21年度15件の老朽危険建築物の除却や改修がなされており、地域の安全性が一定向上したものと認識しております。しかしながら、老朽危険空き家の所有者等の中には経済的に困窮し、自力では除却できない方もおられるのが現状でございます。  一方、長崎市では、平成18年度から防災再開発促進地区等の一部の地区において特に整備が必要な既成市街地1,070ヘクタール、105町丁目を対象に、市が所有者から土地と建物の寄附を受け、建物を除却する老朽危険空き家対策事業を創設し、居住環境の向上と安全・安心の確保に取り組んでおります。その結果、平成18年度6件、19年度7件、20年度8件、21年度には7件の老朽危険空き家の除却を行い、跡地をポケットパークなどの公共的空間として整備を行っております。さらに、本年度につきましては、これまで66件の相談を受け、権利者や地域自治会と除却、整備に向け、協議を進めております。  次に、老朽住宅の撤去への補助制度の導入につきましてお答えいたします。  議員ご指摘のとおり、国土交通省では、大規模地震による住宅の倒壊や火災の延焼を防ぐため、自治体独自に補助制度があることを要件とし、密集市街地にある老朽住宅の撤去に定額補助をする制度を来年度から導入する方針を決めたとの新聞報道がなされました。  この補助制度は、老朽危険空き家対策に一定の効果があるとは思われますが、今回の報道はあくまでも国土交通省の方針ということであり、詳細につきましては、現在のところ不明でありますので、今後、補助要件など情報の収集等を行ってまいりたいと考えております。  老朽危険空き家対策につきましては、今後とも、関係部局が連携し、安全・安心なまちづくりに努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 99 ◯48番(平野だいとし君) それぞれご答弁いただきまして、ありがとうございました。  それでは、再質問をさせていただきます。  最初に、原爆被爆行政についてからでございます。  皆さん、ホームページをごらんになっておられる方はおわかりになっておると思いますけれども、この被爆65周年の8月9日を前に、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館のホームページに、長崎原爆戦災誌の英訳版を紹介するコーナーが開設をされております。これは私、昭和57年に第2回の国連軍縮総会に被爆2世の代表としてニューヨークで開かれた総会に参加した折に、やはりこの被爆の実相というのがまだまだ伝わっていないなということがもともと頭にありましたものですから、議員になっても、これを再三、本会議でも質問をさせていただきました。そして、今回28年目になりますけれども、1つの夢が実現したんではないかと思っております。この場をおかりいたしまして、市長を初めこの事業にかかわった皆様方に心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。  次に、本壇から、市長のほうから答弁をいただきました被爆の実相を伝える事業についてでございますが、戦争、原爆という、こういう問題を私はやはり、これは一自治体だけの問題ではないと、そのように思っております。ぜひ声を大にして、この被爆の悲惨さを伝える事業のさらなる支援を国に私は、市長、求めていっていただきたいと、これは要望のみにさせていただきます。  そこで再質問でございますけれども、我が会派からことしの4月に市長に提出させていただいておりましたけれども、広島・長崎での核廃絶サミット開催等の要望書に関して再質問をさせていただきます。  ことしの7月に広島市で開かれました平和市長会議主催の2020核廃絶広島会議のヒロシマアピールの中に、この広島・長崎での核保有国の首脳会議の開催が盛り込まれております。この席には、市長はちょっと用事があったんでしょう、欠席されておられたんですけれども、どのような抱負、また決意なり持っておられるのか、お聞きしたいと思います。市長によろしくお願いいたします。 100 ◯市長(田上富久君) 平野だいとし議員の再質問にお答えいたします。  広島で行われました2020ビジョンの会議に私も参加をしておりました。途中で帰ってまいりました。その中で、アピールを採択する会議の途中まで参加をさせていただいたんですけれども、今、非常に大事な時期に来ているということで、特に核兵器禁止条約がその中では非常に共通のテーマになって、演壇に立たれる方のかなりの方がそれに言及をして、次のテーマであるということがある意味で明確になったような会議でもあったわけですけれども、そういったことも含めていろいろ、次どうするのかと、次のステップをどういうふうに組み立てていくのかという会議をするときに、やはり広島・長崎というのは非常に会議の場として有効ではないかと。それは、1つは見ていただくことができる、被爆者の皆さんの話を聞いていただくことができる。それとまた、発信する場所としても非常に多くの皆さんの耳目を引きつけることができるということも含めまして、これは有効ではないかというような意見の方向になりました。これについてはいろんな形がありますので、平和市長会議そのものもそういう意味では、一つの都市の代表の集まる、非常に重要な会議ですし、いろんな形で今後とも開催可能な会議については誘致に努めていきたいと思いますし、今回、ことし11月に開かれます労働組合の集まりであるUNIの大会も1回目がベルリン、2回目がシカゴ、3回目が長崎ということで、これはわざわざ長崎を選んでいただいて、小さなまち、前2回に比べますと小さなまちですけれども、開催をしていただいているということですので、そういった機会もしっかり生かしながら、決して首脳だけの会議ではなく、いろんな機会を生かすように努力をしていきたいというふうに考えております。  以上です。 101 ◯48番(平野だいとし君) 確かに今、核廃絶への道というのは、とてつもなく厳しいというものがありますので、ぜひこれも打開策の一つとして首脳国の人たちがやはりこの被爆地長崎を訪れて、そして、この被爆の実相というのを身をもって感じてもらって、そして、次のステップ、どうすれば平和になるかと、そういったことを審議してもらうことは非常に意義のあることだと思いますので、ぜひ市長には今後頑張っていただきたいと思います。  それから次に、観光行政についてでございます。  「龍馬伝」後の観光行政については、やはり私は今後、梅屋庄吉と孫文、これにスポットが当たるんではないかと思っております。早速私も梅屋庄吉とはどんな人かわかりませんでしたので、「梅屋庄吉と孫文」という本を買ってまいりました。そして、読んでみたんですけれども、初めて梅屋庄吉がいかにすごい人か、スケールが大きい人か、また、中国とのゆかりが深いかということが本当によくわかりました。  梅屋庄吉については、本人自身が遺言ということで素性は内密にしてくれということを言っておられたということで、この足跡というものが残っていないわけでございます。ですから、今後、長崎の観光を掘り起こすという意味で、どのような形でこの足跡を掘り起こそうとされておるのか、お聞きしたいと思います。 102 ◯文化観光部長(浦瀬 徹君) 再質問についてお答えいたします。  今、議員から梅屋庄吉につきましてのお話がありましたけれども、今回、この孫文と梅屋庄吉が顕彰されるという背景につきましては、もともとは2008年の5月、現在の中国の国家主席でございます胡錦濤主席が訪日をされた際に、当時の総理でございました福田康夫総理が中国建国の父と呼ばれる孫文とゆかりの深い場所としまして、東京日比谷のレストラン松本楼にご招待をされ、孫文と梅屋庄吉のお話をされたということから、私どものほうにも伝わってきているところでございます。  今回、来年の10月が、1911年、辛亥革命から100周年を迎える年であること、それから、来年は長崎県と上海市の友好交流関係樹立から15周年に当たること、以上を背景にしまして、先般、藤井副知事が上海市を訪問した際に、先ほど市長からの答弁にありましたように、長崎歴史文化博物館におきまして孫文と梅屋庄吉の交流をテーマにした企画展を開催する方向で進めているというような答弁をさせていただきましたけれども、その内容でございますけれども、まず、孫文と梅屋庄吉に関する資料につきましては、先ほど申し上げましたように、梅屋庄吉のひ孫に当たります東京日比谷公園内の松本楼常務の小坂文乃さんが所有されている資料が中心となります。  仄聞しておりますのは、貴重な資料、手紙類と写真が中心というふうに聞いておりますが、現在、長崎県を窓口にいたしまして、小坂さんが所有されている資料につきまして、内容、価値、そういったものを学芸員の中で整理をされていると聞いております。  また、先般の上海訪問の際には、孫文及び孫文の奥さんでございます宋慶齢さんの資料館となっております上海孫中山故居記念館、お住まいになった記念館でございますが、故居記念館と、同じく上海宋慶齢故居記念館、この館長にもお会いしまして、来年の企画展への参加と資料の協力要請を行っているという状況でございます。  そういったことで、今後はこういった資料をもとに企画展に向けて取り組むことになるわけですが、長崎市といたしましても、まだまだ議員からご指摘がありましたように、梅屋庄吉さんそのものが市民に知られていないという状況でございますので、まず、長崎市の役割としましては、梅屋庄吉さん、それから奥様のトクさん、これは壱岐市の出身の方でございますが、このお2人についてのご紹介をしたりしながら、来年の辛亥革命を背景にして国内外から観光に来ていただくような、そういった展示会になるように私どもも一緒に取り組んでいきたいと、そういう状況でございます。  以上でございます。 103 ◯48番(平野だいとし君) 私はこの梅屋庄吉という方は、龍馬以上に長崎とはゆかりの深い人ではないかと、そのように思っております。  しかし、このことは中国の人々もまだよく知りません。長崎の方もまたよくわからない。そういうことで、しかし、この梅屋庄吉さんというのはどういう人か、中国の方々がもし知ってくれれば知ってくれるほど、私は中国というところは恩義の深い、恩義を感じる国の人々でありますので、必ずや中国人観光客の誘致というものは大きくなっていくんじゃないかと、ふえていくんじゃないかと思いますので、ぜひこれから一歩一歩そういった足跡をたどるようにしっかり掘り起こしをしていただければと思っております。  それとあと、今度、中国人の方が観光に見えたときに困るのが、やっぱり言葉の壁、これから中国の方がふえてくるのは間違いなくふえてくると思います。そのときに困るのはやっぱり言葉の壁ではないかと思います。  私も川越市をちょっと訪問させていただいたんですけれども、あそこでは東京国際大学というところがございまして、そこが単位を与えて、大学生に外国人観光客のガイドをしてもらっているという取り組みをされておりました。こういった取り組みも長崎にも長崎外国語大学とか、たくさんの大学もありますし、また、留学生もたくさんおられます。そういった方々にサポーターになっていただくような取り組みも必要じゃないかと思いますけど、この点についてもお尋ねいたします。 104 ◯文化観光部長(浦瀬 徹君) 再質問についてお答えいたします。  議員ご指摘のように、留学生や大学生を国際観光客に対するガイドとして活用することについては、非常に重要なことだというふうに認識しております。現在、長崎の大学等で学んでいる留学生や日本人学生が持っている語学力を生かして、国際観光客に対してガイドを行うことは中国語等の通訳ガイドが現在不足する状況の中にありましては、大変有効なことであります。  現状でございますけれども、長崎港へクルーズ客船が入港した際に、長崎港松が枝国際ターミナルの中においての案内でありますとか、あるいは両替を行う際、クルーズ客船受入委員会での通訳ボランティアの中にも留学生や大学生が含まれております。また、クルーズ船をおりられまして、浜んまち商店街でショッピングを楽しんでいただいておりますけれども、その際にも留学生がインフォメーションブースで案内通訳を行っている状況でございます。また、市内におきましては、議員からもございましたように、学校法人長崎学院におきましても、官公庁長官の登録研修機関として、旅程管理主任者、旅行の際の規程等々を学ぶものでございますが、そういった資格を取るための開講であるとか、クルーズ船専門のアテンドスタッフを募集されるなど研修を行っているところでございます。  いずれにいたしましても、留学生や大学生をガイドとして活用することにつきましては、昼間の大学の講義があることから、平日は大変厳しいものもあるかと思いますけれども、大学側や学生の協力が得られる場合につきましては、積極的に活用をさせていただきたいというふうに考えております。  以上でございます。 105 ◯48番(平野だいとし君) ぜひそういう方向で外国人観光客のサポーターに尽力をしていただきたいと思います。  それでは、次にロシアとの交流の現状と促進策についてですけど、私は8月9日の平和祈念式典のあとにセルゲイ・カストロノフ在日総領事さんと実は日露協会の方々と一緒にお会いする機会がございました。そのときに総領事は、この長崎市との人的交流、これを今後進めていきたいと、それをロシアは求めているというようなことをおっしゃいまして、それから近いうちに長崎に親善交流団を市長のもとに送らせていただきたい、そのようにおっしゃっておられました。ぜひこのロシアというところも本当に長崎とは深いえにしのあるところでございます。また、ロシアは核保有国でございますし、そういった方々が長崎に来て原爆の悲惨さを知る機会もふえてくると思いますので、ぜひそういった面からも友好都市の提携を進めていただきたいと思います。また、総領事館の設置についても、これは県のほうが主になるんでしょうけれども、一緒に連携をとりながら、ぜひ前向きに連携をとっていただいて検討していただきたいと強く要望しておきます。  では、次に、市内業者への優先発注の取り組みについて質問をさせていただきたいと思います。  ご答弁では、市内業者への優先発注の取り組みにつきましては、九十何%とか、そういうふうな積極的に実施して成果の出ている旨のご説明がございました。しかし、本当に地元の中小企業に何としても仕事を回してやりたい、そういった思いがあるのかないのか疑いたくなるような事例があっておりますので、真意を確かめさせていただきたいと思います。  それは、先日行われました新長崎市史印刷製本業務の受託者特定についてでございます。これは公募型のプロポーザル方式で業者を決められたわけでございますが、市内業者3社と市外業者2社、合計5社で争われまして、結果はホームページでも皆さんご存じかと思いますけれども、市外業者で決定をしております。  結果はともかくとしても、この事業は市制120周年を記念する長崎市史で、地元にとってはなじみの深い事業でもあり、まさに市民のためになる事業ではないとおかしいと思います。なぜ市内発注優先とできなかったのか、市外業者を参入させられたのか、明確な説明を求めたいと思います。 106 ◯企画財政部長(野田哲男君) 再質問にお答えいたします。  地場企業への支援強化につきましては、私どもといたしましても、常に念頭に置きながら仕事をいたしております。  今回の長崎市史印刷製本業務委託に当たりましても、当然、市内業者だけの発注方法も検討いたしました。しかし、今回の委託業務の内容が単に印刷業務ということだけではなく、専門家の原稿を適切に校正できる一定の専門的知識と経験を必要とすること。また、執筆者からの原稿提出におくれが生じた場合でも、限られた時間の中で確実に業務を履行できるしっかりとした体制が必要であることなどから、これを総合的に検討した結果、長崎市の登録業者の中から市内市外を問わず、意欲と能力のある業者を広く公募し、審査の上、最善と思われる業者を選定する公募型プロポーザル方式を採用すべきと判断いたしました。  このことにつきましては、さきの2月議会の予算審査の際にもこの考え方をご説明申し上げたところでございます。  また、他都市の状況でございますが、直近5カ年で市史を刊行、あるいは編さん中の中核市を調査いたしましたところ、やはり校正と印刷をあわせて発注している事例では、その多くが市外業者を含めて広く募集を行っているという状況でございました。  審査委員会におきましては、経済性、それから現行の校正能力、印刷技術力、履行能力の項目に配点をいたしまして、総合的に審査を行っております。また、審査に当たりましては社名を伏せて審査をしてもらい、最後に委員全員の点数を集計し、最高得点者を受託者として決定して、結果として市外業者となったものでございます。  以上でございます。 107 ◯48番(平野だいとし君) 今、その理由として単に印刷だけではなくて、原稿等をチェックできる一定の専門知識と経験を有する業者としたいと、ミスを少しでもなくしたい。そういうことから市外業者も入れたというような理由ではなかったかなと、そのように受け取っております。しかし、これでは最初から編集も印刷もできる大手業者、それは市外業者に限定されるんではないでしょうか。本市には編集、それから原稿等のチェックもできる、実績のある企業は複数ございます。印刷や製本というものは、その企業でなくても、例えば、共同企業体方式とすれば、市内業者だけでも可能だったと私は思っております。市内業者への発注優先の考えが最初から少しでもあれば、市内業者のみの業者選定もできたはずだと思いますけれども、再度、最初からそういう考えはなかったのかどうか、お答えしていただきたいと思います。 108 ◯企画財政部長(野田哲男君) 市内業者も確かに中小企業の業者ではなかなか難しい内容だというふうに思いますが、市内業者の中でも関係事業所と連携をして参加をされているというケースもございます。私どもとしては、市内業者、市外業者に限らず、まず間違いなくこの予定どおりに長崎市が誇れる市史が刊行できるようにという観点で公平公正な審査をしたものというふうに考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。 109 ◯48番(平野だいとし君) 私にはどうしても納得がいかないんですよね。市内業者へ何とか発注させてやりたいという思いがあれば、そういうのがなかったんじゃないかなと、そういうふうに思います。  もう1点、この発注業務は、今年度は全4巻のうち第2巻、それからあとの第1巻と第4巻は24年度、第3巻は25年度の発刊となっておって、そこで仕様書には問題がなければ今後の発注も今回発注した同一業者で行う予定と、そのように書いてあります。つまり、安価な金額を提示できる大手企業、それからまた、故意に金額を下げて提示する企業に有利な方式になっていたんではないかなと、そのように勘繰られても仕方ないんじゃないかと思います。  先ほど他市ではそういう市内業者優先というところはないようなことで説明ありましたけれども、実際には中核都市でもちゃんとあります。そこで、今回は仕方ないとしても、次の2回、3回目、これは事業発注は市内業者のみというような優先をして発注する考えがないのかどうか、これをお聞かせいただきたいと思います。 110 ◯企画財政部長(野田哲男君) 再質問にお答えいたします。  市史につきましては、全4巻を発巻する予定でございます。やはり市史につきましては、その4巻に対しまして一貫性、均一性というものが保たれるというのが非常に大事な問題だというふうに考えておりまして、今回のプロポーザルの中でも特に問題がなければ、続いて発注を行う予定であるということを明記いたしております。  そういうことから、履行の中において適正に行われていれば、現在の業者と契約すべきものというふうに考えております。  しかしながら、今後、市史に連動した事業といたしまして、普及版、あるいはITを活用した年表の作成というものも計画しておりますので、この件につきましては、市内業者での発注を考えていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 111 ◯48番(平野だいとし君) 今回の事業費は4巻分で約8,000万円あるわけですね。それが今回すべて市外業者で出ていってしまうということになります。だから、もうぜひ市内業者にも仕事が行くように、この厳しい情勢でございます。発注業務の見直しを強く求めていきたいと思います。  プロポーザル方式の発注というのは、各所管部の対応というふうになっているそうでございますけれども、市長は平成22年の施政方針にはこのようにうたっております。世界的な金融危機の影響で市民生活にも景気や雇用に関する不安が広がっているとして、本年度は地域経済を支えている中小企業に対する支援と雇用対策の強化に努めますと、そのように明言をされておられます。全庁的な意識づけというものがやはりしっかりしていなかったんじゃないかと私は思うわけでございますけれども、市内業者優先という意識を持っていただかなければならない、全庁にですね。と思いますけれども、市長のお考えをお尋ねしたいと思います。 112 ◯市長(田上富久君) 平野だいとし議員の再質問にお答えいたします。  市内業者を優先するという考え方については、これまでも繰り返し庁内でも徹底をしておりますし、それが先ほど申し上げましたパーセンテージにあらわれているというふうに思います。また、それが全部が全部、100%そういくかというと、それはやはり仕事の質にもよりまして、仕事の内容にもよりますので、そういったことを質のいい仕事をして、成果を最大にすることで市民の皆さんの税金の使い方として有効なものとするというのもまた大事な側面でありますので、基本的に市内業者というのはしっかり徹底をしながら、今後も進めていきたいというふうに考えております。
     以上です。 113 ◯48番(平野だいとし君) ぜひこういう市内業者優先というような認識をすべての職員さんが持てるよう、各部局にわたって、全庁にわたって徹底できるように市長のリーダーシップに期待をしておきたいと思います。  次に、老朽危険空き家除却への助成について再質問をさせていただきたいと思います。  本市では全国でも珍しい老朽危険空き家対策事業を平成18年から実施をしていただいており、非常に感謝をしております。しかし、毎年七、八件ということで追いつかないというのが現状だと思います。  私が住んでおります平戸小屋町、大鳥町だけでも年々、逆に空き家がふえているというような気がしております。さらに、高齢化が進みますと、まち自体が本当にゴーストタウンというか、そういったものになってしまうんではないかと危惧する声も聞かれております。そうならないように、この定額を補助する国の制度、こういったものも1つの対策だと思いますので、ぜひ推進をしていただきたいと思います。  それと、空き家・空き地が増加する原因としては、生活道路がない。また、あっても緊急車両が進入できないなど、やはり利便性の問題ではないかと思います。例えば、地元の朝日地区でありますけれども、朝日小学校裏門がありますが、そこは休日・夜間、放課後などは裏門が閉まってしまっております。裏門までは直進できますので、車も入れるんですけれども、戻りは道路が6メートルと狭いために、何回もハンドルを切らないとUターンできない、そのような状況であります。特に緊急車両など大型車は、ずうっと直進してきて、あとバックを数百メートルしてUターンできるところまで行かないとUターンできないと、そのような状況になっております。  この地域は斜面市街地再生事業区域となっているわけですけれども、遅々として進んでいないというのが現状であります。せめてこの緊急車両がUターンできるスペースの確保をぜひ早くしてほしいということで、これはまちづくり協議会の中でも再三出てきているのでありますけれども、ぜひこの地域の声に答えていただければと思いますけれども、市長のお考えをお聞きしたいと思います。 114 ◯道路公園部長(池田敏明君) 再質問にお答えいたします。  朝日小学校へ接続する市道平戸小屋町8号線につきましては、朝日小学校前で行きどまりであり、昼間におきましては、学校敷地を利用してのUターンが可能ですが、夜間などは正面玄関が閉まっており、Uターンがしづらい状況にございます。  ご指摘の学校敷地を利用してのUターン場所の確保につきましては、今後、地域の皆様や教育委員会などと協議を行いながら検討をしていきたいと考えております。  以上でございます。 115 ◯48番(平野だいとし君) 地域からはそういう声が出ていますので、至急、実現をしていただきたいと思います。  最後になるかと思いますけれども、ちょっと市長のほうにお聞きしたいんですけれども、今この再生事業のほうがなかなか進まない。それは地権者の問題等がありまして、そういう交渉事は職員が行っているんですけれども、ぜひこういう大事なものにつきましては、市長、副市長、部長で行っていただけないか、そういう要望があるわけですけれども、その点について最後にお答え願えればと思います。 116 ◯副市長(椎木恭二君) ただいまの再質問でございますけれども、可能な限り地権者の皆様方とご相談をしながら事業が進捗いたしますように努力をしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 117 ◯議長(吉原 孝君) 本日の市政一般質問はこの程度にとどめ、あす10日午前10時から本会議を開き、市政一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。           =散会 午後4時26分= ──────────────────────────────────────────────   上記のとおり会議録を調整し署名する。    平成22年10月25日                               議  長 吉 原   孝                               副議長  中 田   剛                               署名議員 堤   勝 彦                               署名議員 小 宮 慶 一 長崎市議会 ↑ ページの先頭へ...