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2010-01-26 長崎市:平成22年産業振興・雇用対策特別委員会 本文
2010-01-26 長崎市:平成22年産業振興・雇用対策特別委員会 まとめ

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  1. 長崎市議会 2010-01-26
    2010-01-26 長崎市:平成22年産業振興・雇用対策特別委員会 まとめ


    取得元: 長崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-09
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 (3) まとめ   本委員会においては、本市産業雇用現状問題点を把握し、本市経済の  発展雇用確保に寄与することを目的として、本市経済及び雇用現状につ  いて調査するとともに、不況時における経済活性化に向けた本市産業振興と  雇用確保のための諸方策について鋭意、調査検討を行った。   以下、調査の過程で出された主な意見要望を付して、本委員会まとめと  する。  1 本市経済及び雇用現状について    本市経済の指標である域内生産は、ここ数年間において、プラスの時期   もあるものの少しずつ減少しており、ほとんど伸びていない状況である。    また、事業所数についても医療・福祉を除くほとんどの業種で年々減少し   ている。    県内企業景況感についても、製造業が比較的良かったものの、平成20年   の秋以降の世界同時不況と相まって急速に悪くなっており、数年来低調であ   る非製造業との違いがなくなってきているという状況である。    長崎市については、基幹産業である造船、造機の受注生産が堅調であった   が、今後厳しくなることが予想される。
       このような状況の中、地元企業産業活性化支援するための諸施策を   早急に実行することが非常に重要となってくる。    雇用に関しては、全国の完全失業率は、平成21年11月現在で5.2%となり、   対前年同月比で1.2ポイント上昇している。このような中で、求職者に対して   企業が募集をしている求人数割合である有効求人倍率は、原数値比較で全   国では、0.47倍(対前年同月比△0.34)、長崎県では0.43倍(対前年同月比△   0.12)、県下10カ所あるハローワーク中でハローワーク長崎では0.47倍(対前   年同月比△0.24)である。ハローワーク長崎管内月間有効求人数は前年同   月より16.8%減少した一方、月間有効求職者数は前年同月比24.9%増という   状況である。    また、非正規労働者県内企業における平成20年10月から平成22年3月ま   での雇い止め等発生状況平成21年12月16日現在で予定も含む)は、32社、   約1,675人であり、他県に比べると低いながらも失業者数増加の一因となって   いると思われる。    さらに、ハローワーク長崎管内高校新卒者県内就職率(3月末時点)   は、平成15年3月卒業生の67.2%からその後減少傾向にあり、21年3月卒業   生で59.9%となっている。    このような状況の中、失業者の再就職に向けた多角的な支援施策を行う   ことが喫緊の課題である。  2 雇用対策について(緊急雇用対策含む)    本市においては、求職者支援雇用の場の拡充創出という両面から各   種雇用施策を展開している。    まず、求職者支援としては、求職者求人企業に直接の接点の場を設け   る合同企業面談会の実施や、職業能力向上支援のための新パッケージ事業   (地域提案型雇用創造促進事業)として、CADの技術者養成等求職者の   スキルアップにつながる13のセミナーを開催している。さらに、若年者の就   業意識向上のため、学生に就業体験の場を提供するインターンシップ事業を   実施している。    次に、雇用の場の拡充創出としては、中小企業サポートセンター設置   し、生産技術高度溶接技術などの専門指導員により、中小企業事業活動   を支援している。また、新しい核となるビジネスの芽をはぐくむために、な   がさき出島インキュベータ(D─FLAG)を拠点として産学連携創業支   援事業を行っている。加えて、新たな企業立地促進を目指し、長崎県と一   体となって企業誘致推進している。そのような中、全日本空輸株式会社の   コールセンター立地神ノ島工業団地に決まり、平成23年度を初年度とし   て、平成29年度までの7年間で障害者を含めた新規雇用450人が見込まれてい   る。    さらに、世界同時不況による厳しい雇用情勢を踏まえ、国の交付金事業を   活用し、緊急雇用対策事業を実施している。一つは、離職を余儀なくされた   失業者に臨時的・一時的なつなぎの仕事を提供する緊急雇用創出事業臨時特   例交付金事業として、避難所実態調査事業バリアフリーマップ施設調査事   業等を実施している。もう一つは、長期雇用につなげるために、3年間の事   業終了後も民間が引き続き雇用継続が期待されるふるさと雇用再生特別交付   金事業として長崎コンテナ貨物集荷活動業務委託事業旅行商品開発事業   等を実施している。    本委員会としては、厳しい雇用状況が続いているため、合同企業面談会に   ついて、回数を増やすなど、関係機関との連携のもと更なる充実を図るよう   要望する。併せて、合同企業面談会を行った結果、企業がどのような人材を   求め、実際どの位の人数が雇用に結びついているのかをできる限り検証し、   雇用施策に生かしていただきたい。    また、求職者企業ミスマッチを防止する観点から、インターンシップ   の促進と、就職活動正規雇用の手助けに有効なジョブ・カード制度普及・   定着、促進を図っていただきたい。併せて、子育て世帯に対する雇用機会の   確保のために、母子家庭等在宅就業支援策を考えていただきたい。    さらに、後継者不足等により企業が廃業となり雇用が失われないようにす   るための防止策として、M&A(合併・買収)を含めた事業継承支援を行政   と銀行が密に情報交換すること等により、推進していただきたい。    野田市においては、全国的な低賃金化防止のため、市発注業務に携わる労   働者に市長が定める最低賃金以上の給与を義務付けた公契約条例を制定した。   本市においても特に下請け労働者労働条件の悪化が懸念されており、労働   者の適正な労働条件確保公契約に係る業務質的向上を図るうえで、公   契約条例の制定を検討していただきたい。併せて、本市労働者賃金の状   況、水準が実態としてどうなっているのかをきちんと調査する必要がある。  3 地場産業育成について    本市では、平成20年3月に策定した長崎経済成長戦略に沿って各種経済   施策を展開している。その内容は、地場産業経営力向上域外経済へのア   クセス・コンタクト、企業誘致推進、新産業創造産業都市生活の融   合である。特に、地場産業育成という観点から各種の取り組みを行ってお   り、具体的には、ものづくり支援のための技能者育成指導事業中小企業サ   ポートセンターによる技術指導員派遣経営雇用相談長崎特産品をア   ピールするための特産品販路拡大支援事業プレミアム付き商品券等による   消費拡大支援などが挙げられる。    本委員会としては、本市が実施している各種経済対策施策について企   業への訪問活動などを通じて有効活用してもらうよう、積極的にPR及び周   知を図るよう要望する。また、本市基幹産業である造船業が高操業を続け   てきたことから、他地域のような急激な影響を受けていなかったが、22年度   に向けて製造業経営状況が非常に厳しくなることが予測される。したがっ   て、きめ細かな対応ができるような体制を整え、企業誘致も含めた産業振興   施策雇用対策充実を図るため、商工部組織体制マンパワーを強化す   るよう要望する。    次に、企業誘致に関して、誘致を進めるうえで、県の工業団地に固執する   ことなく、庁内や宅建協会との情報交換により市有地民有地候補地の確   保を図っていただきたい。さらに、複数の地場企業連携し、自分たちの技   術を組み合わせて新しい商品を開発していく域内企業立地推進していた   だきたい。    一方、本委員会では、地場産業育成振興観点から本市契約発注   の状況についても調査を行った。まず、平成20年度の建設工事及び建設工事   に係る業務委託等についての契約状況であるが、全発注件数に対する市内、   準市内及び市外区分別発注件数割合は、市内82.1%、準市内11.2%、市外   6.7%であった。また、建設工事に係るもの以外の業務委託のうち、平成20   年度から21年度7月までに制限付一般競争入札で実施したもので、落札率が   60%未満のものは全58件中24件となっており、その24件の落札業者15者のう   ち、すべて正社員で履行した業者が9者、一部非正社員雇用し履行した業者   が6者あった。その非正社員賃金状況としては、時給制で時間当たり760   円から1,000円、日給制で時間単価に換算して900円から1,625円の賃金であっ   た。なお、平成21年10月1日からは、近年の厳しい経済状況を踏まえ、建設工
      事に係るもの以外の業務委託においては、最低制限価格を設定する対象業種   を拡大し、最低制限価格率を67.00%から73.00%に引き上げ、適正な業務履   行を確保するとともに、仕様書提示契約の際に労働関係法令の遵守につい   ての啓発を行うなど事業者労働環境確保業務の適正な履行を促してい   るところである。    次に指定管理者状況であるが、全76件中72件が市内業者、4件が準市内   業者指定管理者としている。また、平成20年度において指定管理者委託   業務及び修繕業務専門業者に再委託を行った状況であるが、全発注件数に   対する市内、準市内及び市外区分別発注件数割合は、委託業務市内72.8%、   準市内14.4%、市外12.8%、修繕業務市内89.1%、準市内5.1%、市外5.8%   であった。    内容を見ると、市内業者業務を行うことが可能なものを市外発注して   いる事例があり、本委員会としては、地場企業の体力が減少している中、市   内業者で履行できるものは市内業者でやってもらうという姿勢が大事である   と考える。そこで、市外業者発注する場合は理由書を付して協議するなど   し、指定管理者外郭団体発注をする場合も含め、全庁的に統一した市内   発注を優先するシステムを確立するよう要望する。  4 農林水産物生産流通販売推進及び農林水産業後継者育成につ   いて    現在、農林水産業を取り巻く環境は、担い手減少後継者不足、あるい   は従事者高齢化などにより生産力の低下、また環境変動社会情勢の変化   による価格の低迷など、様々な問題を抱えている。    このような状況の中、本市においては、農林水産業振興については、平   成19年度から農水産業関連産業活性化に向けて生産流通消費の各方   面との連携により地産地消を中心とした食の事業、ながさきの「食」夢市場   運動を推進しているところである。    また、農林水産業後継者育成新規就業促進施策としては、農業にお   いては農業センター地産地振興公社による人材育成のための研修会の実   施、農業新規参入支援事業などを実施している。林業においては、国や県の   事業として、緑の雇用担い手対策事業、ながさき森林づくり担い手対策事業   を実施している。水産業においては、技術習得支援リース漁船取得支援の   ための経費補助漁業研修生の受入れ、その他漁業者のための金融対策の利   子補給などを実施している。    本委員会としては、地産地消の推進後継者問題は、農業所得向上を図   ることが重要であると考える。そこで、農産物を加工すれば保存ができ、時   期や気候に左右されず1年中売ることができるので、地元農産物を活用した加   工所整備拡充に対する支援をしていただきたい。他都市では規格外商品を   カット野菜として瞬間冷凍した物を販売し、多額の利益を上げている事例が   ある。農業生産において、規格外農産物が非常に多く、本市においてもこの   辺を十分に研究して農家に研修を行い、実績を作っていただきたい。さらに   は、昨今、ネット流通が広がりつつあるが、そういう意味で農林水産業の振   興策として流通をどのようにしていくのか検討し、成功事例を活用して取り   組んでいけるような環境づくりをしていただきたい。    また、学校給食への地元農産物導入促進においては、さらに関係機関と   の協議が必要であり、加えて農産物だけでは限界が来るかもしれないので、   栄養士等の協力のもと地元農産物を使った加工品導入も検討していただき   たい。    後継者育成の面からは、例えば、会社組織のようなものを設立して、そ   こで給料をもらいながら農業ができるというように、農業一つ職業とし   て若者が入っていけるような支援施策を行うとともに、若者農業に対し   て関心を高めることが重要となるので、市のホームページ等を活用し、ただ   作るだけではなくて、どうやったら販売につながっていくのかというモデル   を示していただきたい。    一方、水産業振興に当たっては、赤潮や海の汚染が進行しているので、   付加価値の高い魚種を研究したうえで、陸上養殖普及拡充を図っていた   だきたい。また、丸尾町のお魚センター構想について、本市水産都市であ   り、観光客誘致観点からも、市の中心部へのお魚センター的施設設置に   向けて引き続き努力していただきたい。   最後に、理事者におかれては、産業振興及び雇用対策商工部水産農林部  にとどまらず全庁的な問題であることを念頭に置き、委員会における調査の過  程で各委員から出された意見要望を十分に踏まえ、国や県などの関係機関と  連携を図りながら、本市経済発展雇用確保に向けて積極的に取り組まれる  よう強く要望する次第である。 長崎市議会 ↑ ページの先頭へ...