その一方で、修学旅行生などおのおので街中を散策している観光客が、日の出町や川上町付近で目的地を探してうろうろしている姿を見受けることがあります。これは、
斜行エレベーターや
グラバー園に向かおうとした観光客が方向を間違い、通り過ぎてしまったからであります。これに気づいた我々住民は、その観光客に声をかけ、間違っていたら道順を教えていますが、これが頻繁に起こるのであります。もちろん、これまで皆さんの努力により、案内板、誘導板など一定のハード施設の整備は行われております。しかし、これらの多くは
メーン通りから誘導することを意図としたものであり、一たんコースを越えてしまった場合、誘導板によって逆の道をたどることは非常に難しいようです。一方、私らが他都市を車で走るときなど、例えば、ガソリンスタンド何キロメートル手前という文字と
Uターンマークの矢印が描かれた民間企業が作製した案内板なども見たことがあると思います。このように、通り過ぎてしまったと気づかせる案内板があることと、
メーン通りじゃない方向から、いわゆる逆の方向から誘導板が設置してあれば、観光客にとってとても親切じゃないかと思われます。
そこで、これから始まる
大河ドラマ「龍馬伝」に向けて観光客の増加が見込まれる中、今後どのように誘導板を整備していくのか、お伺いしたいと思います。
続きまして、(2)
大河ドラマ「龍馬伝」
ロケ地マップ作成に入らさせていただきます。
鹿児島地域経済研究所が経済効果の発表と同時に、ことし、平成21年が篤姫の養父である島津斉彬の生誕200周年に当たるということで、両者を関連させたキャンペーンの展開についてもあわせて提言していたことから、少し気になって調べてみたところ、過去の
大河ドラマ効果を見ると、放映年には観光客数が大幅に増加する一方で、放映翌年には反動により大幅に落ち込むケースが少なくないことがわかりました。なるほど、テレビや観光雑誌など
宣伝広告効果は非常に大きなものがありますが、のど元過ぎれば何とやらで、メディアを通じた宣伝効果は強力であっても、一過性のものにとどまることも多いことから、宣伝効果を持続させるためには
大河ドラマを単なる宣伝媒体として利用するのではなく、見た人がその情報を得て自分なりのイメージやドラマをつくり上げ、それをドラマの舞台となった場所で少しでも再現といいますか、体験できるような
仕掛けづくりが非常に重要であることに気づいたのであります。
このような状況から、放映終了後の早い段階から、ハード面の充実はもとより、今回新たに長崎を訪れる観光客を翌年以降もリピーターとして呼び込めるような
観光施策等のソフト面の充実について、各方面が一体となって充実させていくことが大切だと考えます。
長崎を舞台とした映画づくりは昔から盛んに行われており、市内の至るところがロケ地として活用されております。このことは、映画を見に来た人々にとって長崎を訪れる大きな要因をつくり出しています。ちなみに、
アカデミー賞を受賞した「おくりびと」のロケ地にはたくさんの観光客が訪れ、大変なにぎわいを見せているとのことです。来年放送される
大河ドラマ「龍馬伝」では、長崎がロケ地の1つになると思われます。そこで、それにあわせてロケ地を紹介するマップを作成する考えがないのか、お伺いいたします。
次に、3.環境行政について。
(1)
地球温暖化対策への具体的な取り組みです。
今、地球上では
地球温暖化の影響と思われる海面上昇、干ばつ、局地的な集中豪雨、台風やハリケーンの巨大化、異常気象の増加などが顕在化し、
地球温暖化は人類共通の最も重要な環境問題の1つとなっています。この長崎市におきましても、過去50年間で
年間平均気温が約1度上昇し、真夏日や猛暑日、熱帯夜の増加による市民の健康への悪影響や海面上昇による高潮の影響が懸念されているようです。
我が国は、平成17年の
京都議定書の発効に伴い、
温室効果ガスの削減に関して、各省庁が連携して広範多岐にわたる施策を実施し、特に去年からは経済対策を絡めて展開しています。この
京都議定書は、去年から平成24年までの5年間の第1約束期間に入っており、我が国の場合、平成2年の
温室効果ガスの排出量を約束期間内に6%削減することを世界に約束しています。また、
ポスト京都議定書に向けて国際会議が活発に開催されたり、昨年開催されたG8
北海道洞爺湖サミットにおいても、2050年、平成62年までに世界全体の
温室効果ガス排出量を少なくとも50%削減することの実現に向けてG8で結束していくことや、G8各国が
中期削減目標を設定することが合意をされました。これを受け、我が国は先日、2020年、平成32年までの中期目標値を決定しております。
このような状況の中、長崎市ではことしの3月に
地球温暖化対策実行計画が策定され、公表されています。
そこでお尋ねします。長崎市では
地球温暖化対策として、市民、事業者に対する取り組みや市役所自身の取り組みをどのように進めようとされているのか、具体的にお答えください。
次に、(2)
レジ袋有料化に対する市の考え方です。
国においては循環型社会の形成に向け、家庭ごみのうち体積比で約6割と言われる
容器包装廃棄物の排出抑制を図るために、平成19年4月に施行された
改正容器包装リサイクル法に基づき、中でもレジ袋の削減に力を入れております。市内の小売店舗の中にはレジ袋を断った場合、値引きをしたり、カードにスタンプを押して一定数ためると景品と交換したりしているところもあり、これに伴い
マイバッグ利用が普及しているものと思います。
ここで、私があるストアで1,980円のジャンパーを購入したときの話をさせていただきます。その日はちょっぴり肌寒かったので、「すぐ着ます」と伝えますと、心優しい店員さんは正札を切り外してくださいました。そして、千円札を2枚、財布から出しながらレジに目をやりますと、1,978円と表示をしてありました。こちらが不思議そうに目を丸くしていますと、「レジ袋不要のお客様には2円引きいたしております」と笑顔で答えられました。こちらとしましては、ちょっぴり得した気分になりまして、笑顔でお店を後にしたところでございました。このように、民間レベルで値引きや
スタンプ制度のような取り組みがなされていることは非常にいいことだと思っております。
一方、全国的な動きを見てみますと、自治体が関与してレジ袋の有料化も進んでおります。国の調査によりますと、レジ袋の有料化によりマイバッグの持参率が大幅に上昇し、レジ袋の削減に大きな効果を上げているとの結果が出ております。そこで、長崎市においてもレジ袋の有料化を導入すべき時期に来ているのではないかと思いますが、レジ袋の有料化に対してどのように考えているのか、お尋ねをいたします。
次に、(3)ポイ捨て・
喫煙禁止条例の現状と課題について、お尋ねいたします。
ごみのポイ捨てや、いわゆる
歩きたばこを禁止するポイ捨て・
喫煙禁止条例が本年4月に施行されて2カ月が経過いたしました。長崎市においては、
グラバー園など禁止地区として指定している7地区の
巡回パトロールを実施し、取り締まりに当たっておられるようです。
私は大浦地区に住んでおりますので、
グラバー園と入り口までの石畳の道路でもあります禁止区域をよく通ります。その石畳の道路では、観光で来られているお客さんだと思いますが、
歩きたばこをされる方をちょくちょく見かけます。禁止地区内の住民の方々からは、もっと目立つ場所にポスターなどを掲示するなどして、禁止地区であることを明示すべきであるとの声が寄せられています。この点につきましては、景観上の問題から難しい面があると聞いておりますが、取り締まりを行う以上、やはり禁止地区であることの周知徹底を図る必要があると思います。
そこでお尋ねしますが、これまでのパトロールにおける指導状況はどうか。また、周知徹底を図るために今後どのように取り組んでいこうとしているのかお示しください。
また、犬、猫の
ふん尿対策についてもお尋ねしますが、犬の散歩に当たって多くの飼い主の方は、そのふんを袋に入れて持ち帰るなど適正に処理されているようです。しかし、一部心のない飼い主の方はそのまま放置し、まちの美観を損ねている状況も時々見られます。この犬のふん尿問題は、飼い主のマナーの問題であるとは思いますが、他都市においてはポイ捨てや
歩きたばことともに、罰則つきの条例で取り締まっているところもあります。
考えてみれば、ポイ捨てや
歩きたばこも本来はマナーの問題であるものを、長崎市においては一歩踏み込んで条例で規制し始めたところでありますので、この犬のふん尿問題についてもポイ捨てや
歩きたばこと同様、罰則つきの条例で取り締まるべきだと考えますが、市長の見解をお尋ねいたします。また、猫が多いと言われる長崎においては、描の
ふん尿対策も講じるべきと考えますが、あわせてご答弁をお願いしたいと思います。
最後に、4.市民力の向上について。
(1)未来への手紙、
タイムカプセル大作戦について質問します。
市制施行120周年目の節目の年に当たり、さまざまな
記念関連事業がなされているようですが、未来の大人でもある現在の子ども達、いわゆる将来、市民力の中心として一翼を担ってくれる私らの大事な宝でもあります子ども達がかかわる記念事業が少ないように感じております。
そこで、この子ども達が大人になったとき、さらに市民力を向上させるような仕掛けの1つとして、時空を超えるメッセンジャーでもあります
タイムカプセルを利用してはどうかと考えます。これは、子ども達が未来への自分へ手紙を書き、来るべき日が来るまで絶対に開封できない状態で保管して、設定した時期に開封するようにする。このような計画により、開封時には感動や懐かしさがよみがえり、自分たちを育ててくれた親や地域の方々への感謝の心がわき上がり、優しさや慈愛の心もさらに強くなるのではないかと思います。また、郷土への愛着もますます深まることでしょう。私が子どもだったころ、
タイムカプセルがはやりました。ちょうど大阪で万博があったときで、アメリカ館の月の石と並んで
タイムカプセルが話題になりました。それに倣って、たくさんの学校でも
タイムカプセルが埋められました。大体が自分の夢や希望を書いた作文や絵、習字、詩集や写真、それから宝物など、丈夫な密封容器におさめて、将来みんなで集まって
タイムカプセルをあけようという趣旨で、卒業してから数十年後に自分の夢や希望はどのように変わっているのか、不安と希望を持って埋めたものだったように記憶をしております。現在でも、クラス単位やPTA単位で取り組んでおられるところもあるようで、成人の日や同窓会などでの開封時には感動で涙する人もおり、かけがえのない時を見詰め直す大きな手がかりになる企画だったと絶賛する人もいることが新聞などで紹介されておりますし、実際に開封時に同席された方からも話を聞くことが出来ました。
他都市の事例を紹介しますが、函館市役所では平成4年、1992年の市制施行70周年を記念して、
タイムカプセルを玄関付近に設置しております。中には「2022年のあなたへ送るメッセージ」と題した函館の現在の姿や、次代の人々へ伝えるために、市勢に関する資料や
市内小中学生及び一般市民から募集したメッセージなどを納めており、30年後の2022年の市制施行100周年時に開示しようという企画であると伺っております。また、ほかにも小学校4年生の10歳を2分の1成人式と題し、未来の自分に手紙をあて、10年後の成人式に合わせて
タイムカプセルを開く計画に取り組んでいるところもあります。
そこで、1つ提案を申し上げたいと思います。
市制施行120周年の今と、ちょうど10歳の4年生が次の節目である10年後の市制130周年と重なる成人式を迎える年に、時空を超えて子どもだったころの自分から手紙が届いたら、どんなにすてきでありますか。さらには10歳の子どもだけじゃなく、保護者や地域の方々も
子どもたちへの思いを手紙にしてー緒に入れるようにするなど、
子どもたち自身と大人からの思いも未来というポストヘ投函する、こんな希望あふれる企画があってもいいのではないかと考えております。また、こうした取り組みを通して、二十歳になり新成人になった皆さんが、自分の成長や自分という存在の尊さに気づいたり、二十歳を機に自分自身を振り返ることは、これからの人生への決意や希望を持つことになると強く感じております。また、一人ひとりの心に宿る
市民力そのものではないかと思っております。もちろん、強制するものではありません。できるだけ多くの人たちに参加していただけるよう、子ども達を取り巻く市民力の最前線にいるPTAに協力していただくことで、その実現も十分に可能であると考えます。
このように、
子どもたちへの思いを乗せた提案でもありますので、ぜひ教育長のご見解をお聞かせいただきたいと思います。
以上、本壇からの質問を終わります。答弁によっては自席からの再質問をさせていただければと思っております。ありがとうございます。=(降壇)=
3 ◯議長(吉原 孝君) 市長。
〔田上富久君登壇〕
4 ◯市長(田上富久君) 自由民主党、堤 勝彦議員の質問にお答えします。
まず、2点目の観光行政についての(1)
大河ドラマ「龍馬伝」に向けての観光施設への誘導板等の整備についてお答えします。
観光施設への誘導板等につきましては、市内の広域的な
都市サイン実施計画に基づきまして、観光客の皆様、あるいは市民の皆様が快適なまち歩きを楽しむことができるように、用途に応じて全体案内図、それから
エリア案内図、誘導板などを設置しまして整備を進めております。そういった中で、
グラバー園等への誘導板につきましては、長崎さるくによる、
まち歩き観光を一層充実させるため、さるくコース上や主要施設への分岐点などを中心に整備をしております。
昨年度行われました11月24日の列福式の開催にあわせまして、日本二十六聖人が歩いた浦上街道を顕在化するために、殉教地である西坂から
大橋交差点付近までの誘導板を整備するとともに、さらに今年度は時津町と連携して、
大橋交差点付近から時津町までの区間についても誘導板を整備することにしております。また、ことし4月23日からは長崎さるく幕末編を開催しておりますが、その中で人気が高まっています龍馬が見上げた長崎の空コースの周辺につきましても、来年の「龍馬伝」の放送を踏まえまして、風頭や寺町、
新大工かいわいの3方向からの誘導板を設置しまして、亀山社中跡への円滑な誘導を図っております。
議員ご指摘の
南山手かいわいにおきましても、既に
グラバー園や
大浦天主堂等の
主要観光施設への誘導板等につきましては設置をしていますが、今後、「龍馬伝」に向けて最終的な現場点検を行い、必要な場所については整備を行っていきたいと考えています。今後とも、観光客等のニーズ、あるいは景観への配慮などを踏まえまして、観光客及び市民の皆様が快適に安心して歩ける
まちづくりを目指していきたいと考えています。
次に、2点目の(2)
大河ドラマ「龍馬伝」
ロケ地マップ作成についてお答えします。
来年の1月から放送される
大河ドラマ「龍馬伝」は、
岩崎弥太郎の視点から見た坂本龍馬の人生を描くシナリオであると伺っております。坂本龍馬が結成した亀山社中や海援隊、
岩崎弥太郎が活躍した土佐商会等のゆかりの地である長崎市が舞台になり、長崎でのロケも行われるものと考えています。
これまでの
ロケ地マップの取り組みとしましては、映画「長崎ぶらぶら節」や「解夏」などを紹介した
長崎ロケ地マップや長崎さるくマップでの丸山、あるいは南山手等の
ロケ地紹介の事例があります。そこで、「龍馬伝」につきましても、これまでのノウハウを生かしまして、今後予定されている「龍馬伝」に関するガイドブックの中で
ロケ地マップを作成し、ロケ地を特集で紹介するほか、長崎さるくの
コースマップなどにおきましてもロケ地の情報をしっかり盛り込んでいきたいと考えています。
次に、3点目の環境行政のうち、(1)
地球温暖化対策への具体的な取り組みについてお答えします。
ご承知のとおり、長崎市では
地球温暖化対策の推進に関する法律に基づきまして、市全体の
温室効果ガスの排出削減のために、ことしの3月に長崎市
地球温暖化対策実行計画を策定いたしました。この計画の中では、
温室効果ガスである二酸化炭素の
排出削減目標として、平成24年度までに基準年度となる平成2年度の排出量から6%を削減するという目標値を掲げています。あわせまして、この目標値を達成するために、市民生活や事業活動における排出削減のための取り組みの促進、新
エネルギー設備の導入や
公共交通機関の利用促進、緑地その他の地域環境の整備などの施策を盛り込んでいます。
具体的な取り組みとしましては、まず、市民生活における電気などの省エネ行動を促進するために、自治会などを対象に
地球温暖化対策をテーマにした
環境出前講座を開設し、職員や
地球温暖化防止活動推進員を派遣しております。また、学校では省エネや環境美化に取り組む
学校版環境ISOなが
さきエコスクールへの参加の促進や、小学校4年生と5年生向けの
環境副読本「くらしとリサイクル」や「わたしたちのくらしと環境」の配布なども行っております。さらに今年度からは、アサガオなどのつる性の植物を窓辺にはわせまして、暑い夏の日差しを和らげるために緑の
カーテンづくり事業を開始しています。先日、市役所本館と別館にも緑のカーテンを設けるために、
本館西側広場において、長崎幼稚園の園児の皆さんにアサガオなどの苗の植えつけを行っていただきました。そのほか、家庭や団体が自主的に省エネなどに取り組む我が家の環境大臣や、保護者や学校の先生がサポーターになって環境活動を行う
こどもエコクラブなどの国が国民運動として推進している取り組みについても、長崎市が地方事務局となって、市民の皆様方に参加を呼びかけております。
また、事業者に向けた取り組みとしましては、我が国独自の環境マネジメントシステムであり、省エネや廃棄物減量に取り組みますエコアクション21の普及に努めております。加えて、民間建築物の屋上ですとか壁面の緑化に対する補助制度の拡充、雨水貯留タンクの設置補助制度の創設、フードマイレージとも言われる食料の輸送に伴う二酸化炭素の排出削減につながります地産地消の推進、自動車に依存しない
まち歩き観光事業長崎さるくなど、多くの分野で取り組みを進めてきております。
一方、市役所みずからの取り組みとしましては、市の事務事業から排出される
温室効果ガスを、平成24年度までに平成19年度の排出量と比較して3%削減する目標値を掲げ、省エネ、節水、新エネルギーの活用などに積極的に取り組んでおります。
以上が現在の主な取り組み状況ですが、長崎市としては
地球温暖化対策は重要な行政課題の1つと認識をしております。ことし7月に立ち上げを予定している長崎市
地球温暖化対策実行計画協議会を通して、市民、事業者、行政が一体になって、さらなる
地球温暖化対策の推進に努めていきたいと考えております。
次に、3点目の(2)
レジ袋有料化に対する市の考え方についてお答えします。
レジ袋の削減は、以前からごみの減量のための課題の1つとされておりまして、事業者や消費者によるマイバッグの利用促進などの取り組みに加えまして、行政によるさまざまな啓発もなされてきました。平成19年度には、レジ袋等の
容器包装廃棄物の排出抑制の促進を柱にした
改正容器包装リサイクル法が施行され、事業者に対して容器包装を有償で提供すること、容器包装を使用しないように誘引するために景品等を提供すること、容器包装の使用について消費者の意思を確認することなどの取り組みを行うことが求められ、これを受けてレジ袋の有料化が全国的に拡大をしてきております。
また、このレジ袋の有料化に当たりましては、ほとんどの場合において地方自治体が関与して実施をされておりまして、中には条例で義務づけている自治体もありますが、多くは事業者及び消費者と自治体が協定を結んで実施するという手法がとられています。その実施に当たりましては、現在、都道府県単位、あるいは市町村単位で有料化の一斉実施をしている場合でも、その参加事業者は主要なスーパーなど大型店のみという都市がほとんどであり、すべての事業者が参加している状況にないという課題があります。
こういった中で、長崎県では今年度、
レジ袋有料化の実施を検討するため、行政、事業者、消費者を構成員とする検討会議を設置することとされており、長崎市もこの会議に参加する予定になっています。
レジ袋の有料化は、ごみ減量化に向けての有効な方策でありますが、その実施には、事業者、消費者双方の理解と協力が必要不可欠になります。この検討会議の中で十分議論を深め、長崎市としての対応を検討していきたいと考えています。
次に、3点目の(3)ポイ捨て・
喫煙禁止条例の現状と課題についてお答えします。
ご指摘のとおり、この条例を施行したことしの4月1日付で、人通りの多い観光地域や文化財周辺地区など7つの地区をポイ捨て・喫煙禁止地区として指定をし、職員が巡回しながら、ごみのポイ捨て、あるいは屋外の公共の場所での喫煙に対して注意や指導を行うとともに、指導に従わなかった場合には2,000円の過料処分を科すこととしております。4月1日から5月末までの指導件数は、ポイ捨てが4件、喫煙が96件ですが、すべて指導に従い、その場で火を消していただくなどしており、現在のところ罰則の適用までは至っておりません。
また、議員ご指摘のとおり、長崎市としましても、この制度の内容や指定地区である旨の周知の徹底につきましては、その重要性を考え、全世帯へのチラシの配布、あるいは自治会掲示板、旅館・ホテル、JRや路面電車の車内等においてポスターを掲示したり、指定地区内でも可能な限りポスターを掲示し、あるいは路面標示を行うほか、さらには関係者の方々のご協力をいただきながら街頭キャンペーンを実施するなど、一層の周知に努めております。なお、観光施設の周辺における看板等の設置につきましては、地域の景観等に配慮する必要がありますので、慎重に検討していく必要があると考えています。また、指定地区周辺の施設等の管理者が設置している灰皿に指定地区の図面を表示することができないか等、施設の管理者ともご相談しながら検討を行っています。
今後とも、対象地域の拡大を予定している中で、どういった周知の方法がいいのか、さらなる周知徹底に力を入れていきたいと考えております。
またあわせまして、市民の皆様と市とが協働しながらポイ捨て・喫煙防止の啓発活動に取り組んでいくという観点から、市民によるポイ捨て・喫煙防止市民パトロール団体を募集しておりまして、市民の皆様のご協力をいただきたいと考えております。
次に、犬、猫の
ふん尿対策についてお答えします。
まず、犬につきましては、登録制であるため飼い主がはっきりしており、また、長崎市犬取締条例の中でふん尿を衛生的に処理するよう飼い主に義務づけておりますことから、飼い主が判明すれば、注意、指導を行っています。また、飼い主が注意、指導に従わない場合の罰則規定も設けております。平成20年度には、ふん尿のことで33件、飼い主に直接指導をしていますが、罰則を適用した事例はございません。
一方、猫につきましては登録制や条例による規制がありませんが、飼い主などが判明すれば、犬と同様に適正な飼育方法について注意を行っています。なお、現在、長崎市では猫の飼育に関するガイドラインを作成中であり、この中で飼い主が守るべき心構えなどの指針を定めることにしています。今後、このガイドラインに基づいて、市民の皆様に引き続き猫の適正な飼い方について普及啓発を行ってまいります。
今後も、ポイ捨て・喫煙防止及び犬猫のふん尿の適正処理につきましては必要な対策を講じ、きれいなまち長崎、快適なまち歩きができる観光都市ながさきを目指して努力していきたいと考えております。
以上、私の本壇からの答弁といたします。=(降壇)=
5 ◯消防局長(菅原 哲君) 1.消防行政についての(1)
緊急車両出動時の安全対策についてお答えいたします。
消防局管内におきましては、昨年1年間で火災や救急など緊急出動を要する事案は2万803件でございました。これは、1日平均で57件、時間に換算いたしますと、25分に1件の割合で緊急出動をしていることとなります。
議員ご指摘のとおり、緊急車両の出動時は危険を伴うため、日ごろから隊員に対しましては、安全に現場に到着しなければ活動そのものができないことを強く認識させ、安全管理マニュアルを活用した危険予知訓練を実施するなど、指導の徹底を図ってまいりました。とりわけ、緊急車両が消防庁舎の車庫から出る際の安全対策といたしまして、歩行者や通行車両が多い消防署におきましては、車両が出動する旨を文字で表示する電光掲示板を設置しているところでございます。なお、今後さらなる安全対策といたしまして、電光掲示板をより目立たせ注意を喚起するため、赤色回転灯などを設置することとしております。
議員ご指摘の安全性の向上のため、車庫の
出入り口付近に照明装置を設置したらどうかということでございますが、現在、消防署や出張所などにおきましては、庁舎の車庫内の照明器具及び出動車両の前照灯によって安全確認を行っております。また、先ほども申し上げましたとおり、場所によっては電光掲示板に赤色回転灯を設置するなど、新たな対策を講じることとしたところでございます。照明装置の設置につきましては、今後、周囲の明るさ、道路状況、歩行者数、交通量など、消防署や出張所ごとの状況と、その効果を十分に検証した上で、設置について検討してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、
緊急車両出動時の事故防止を初め各種事故防止につきまして、万全を期してまいりたいと考えております。
以上でございます。
6 ◯教育長(馬場豊子君) 4.市民力の向上について。(1)未来への手紙、
タイムカプセル大作戦についてお答えいたします。
学校におきましては、卒業や創立、あるいは閉校等、記念となる節目の年に、
子どもたちの思い出づくりや保護者や地域の方の思いを込めたさまざまな取り組みを行っております。一例を挙げますと、壁画や校歌のレリーフなどの共同制作、記念冊子や植樹などでございます。その中の1つの取り組みとして
タイムカプセルがございます。
タイムカプセルに関する市内の取り組み状況につきましては、過去5年間で市内74の小学校のうち19校が取り組んでおります。卒業学年である6年生を中心に、学校やPTA、同窓会が主体となって
子どもたちの手紙や文集、写真などの思い出を詰めた
タイムカプセルを作成し、運動場や校舎に保管しております。
議員ご指摘の
タイムカプセル大作戦は、従来の取り組みにも増して、親と子で未来の夢や希望を語ることができるとともに、10年後の自分を想像し、成人という節目の年に振り返ることができるすばらしい取り組みであると思います。また、市制120周年の年度ということもあり、それぞれの学校やクラス、PTAの特性に沿った創意あふれる
タイムカプセルができるものと期待でき、作成過程や10年後の開封を通して親と子のきずなも深まり、家庭力の向上や地域への感謝の気持ちにもつながるものと思います。
取り組みに際しましては、PTAと学校が十分相談の上なされるものと思いますが、教育委員会といたしましても、
タイムカプセル大作戦の周知や相談等、協力をさせていただきたいと考えております。
以上でございます。
7 ◯18番(堤 勝彦君) 一通りのご答弁をいただきまして、ありがとうございました。
それでは、ほかにもちょっと思っているものがありますので、お話しさせていただきたいと思いますが、まずは
緊急車両出動時の安全対策について、局長にお尋ねします。
先ほど光の必要性を私、お話をさせていただきました。光は大切なんですね。救急車、消防車、パトカーなんかでも、まずは光が見えて音が後から聞こえるという状態で、大体、皆さん気づくと思うんですが、しかし、音の件もちょっと話をさせていただきたいと思いますが、私も消防団員の一員でありまして、火災現場に急行する際は、ヘッドライトは上向きでつけまして、ライトも横も全部つけまして、音をワンワン鳴らしながら走っていきます。そして、火災現場まで急いで行くわけですが、また、そのときとですね、訓練時でいえば地区の合同訓練、いわゆる隣の分団の方々との連携する訓練ですね、これが年に2回ありますが、そのときなんかも以前はサイレンを鳴らして出動をしておりました。が、最近では、火災時は鳴らしますが、訓練時には音を、どっちかというと、とめてではないですね、和らげて、なるべく少な目、音を出さないような訓練をしております。これは住民に対する思いやりとか、そういう観点から、訓練時はなるべくサイレンは鳴らさんでもよかろうということでやっております。
しかし、これは社会状況の変化のせいだと思うんですが、音などに対する、音に敏感になる方がやっぱりふえたんじゃないかと思っております。
また、話が少しずれますが、松が枝埠頭、うちの近所のほうで、年に何回か花火大会があるんですね。花火大会て、市民の方が皆さん喜んでいただいて、埠頭にたくさん集まってくださるんです。私もいいなと思っているんですが、しかし、その花火大会も、あの音はやかましかばいと、家の揺れたばいと、どがんかしてくれんねと。私も一応市議会議員なので、ご近所の方、おばあちゃんたちが言ってくるんですね。いや、おばあちゃん、ごめんねと。おいに言われても、花火にはちょっと言い切れんとばってんということは言っているんですけど、やはり花火に興味のない方からいったら、あの音はうるさいんじゃないかと思うんですね。やっぱりそうなんだと思います。
ですから、もしかしてサイレンの音もですね、本当は自分のことになれば音はガンガン鳴らして来てほしいんですけど、自分と関係がないところになりましたら、やっぱりうるさいという方もいらっしゃるのかなということも多少感じているところもあります。しかし、消防のサイレンはだれかの命を助ける、または財産を守るという観点で、緊急時の協力要請音であります。ですから、お互いさまという気持ちを持たないといけないということは皆さんわかっていますが、やっぱりそれがなかなかそのときにそういう気持ちになれないというのがあると思います。
そこで、市民の皆様に対して、この緊急時の理解や緊急車両接近時の協力など、これを広報ながさきなんかで周知徹底したらどうかなと思うんですね。徹底というか、お願いですね。こういうときは皆さんご協力をお願いします。そういう文書でも出されたらどうかなと思いますが、そういうのが市民の方に対しての親切でないかと私は思っておりますが、局長、その辺どうですかね。お考えになりますか。教えてください。
8 ◯消防局長(菅原 哲君) 再質問にお答えいたします。
日ごろから消防行政全般に関する広報活動につきましては、広報ながさきなどの広報紙やテレビ、ラジオなどの広報媒体を活用し、積極的に取り組んでいるところでございます。サイレンの吹鳴に関する広報につきましては、訓練時においてサイレンを鳴らす場合は、消防法令の規定に基づき公示を行った上、地域の皆様に事前に広報を行っております。
また、議員ご指摘の緊急走行時のサイレン吹鳴につきましては、現場付近や走行経路付近にお住まいの市民の皆様方にはご迷惑をおかけしていると思いますが、これは人命救助や被害の軽減のために、一刻も早く現場に到着するためには必要なことでございますので、地域における訓練指導や研修会など、あらゆる機会をとらえながら広報し、市民の皆様にご理解、ご協力をいただけるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
9 ◯18番(堤 勝彦君) ぜひその辺、市民の方に理解を得られるように、みんなで努力していきたいと私も思っております。これは、サイレンを鳴らすことによって、やっぱり啓発につながっていくと私は思っておりますので、多少音はしますが、本当、皆さんで理解していきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
次に、観光行政について質問させていただきます。
昨年から私、
大河ドラマ誘致を進めてきておったものですから、この「龍馬伝」に関しては大変心を寄せているところでありますが、「龍馬伝」ということで亀山社中ですね、亀山社中が8月からオープンだったですかね。その亀山社中、実際にあそこまで歩いていってみますと、結構山の中腹でありましたので、大変遠かったような気もしております。私の気のせいかもしれませんが。やっぱりあそこで龍馬を体感できると、そういうことで観光のお客さんも来てくれると思うんですけどね。やっぱり歩いたらつらいので、よかったらですね。
そこでなんですけど、これは先輩方からもすごく勧められたことなんですが、例えばあそこ、上に登ってお客さんが汗だくになってきたところで、上下水道局が出している水があるじゃないですか、ペットボトルの。アジサイの絵がかいたものですかね。あの水を一人ひとりにプレゼントするとかしたらどうかなと、ぜひ進めてみたいと私は思っているんですが、そのラベルが今、アジサイの絵ですかね。そこを例えば「龍馬伝」のイメージする絵というんですかね、龍馬くんというんですか、ああいうとをかかれてからお客さんに配るというか、プレゼントしたらどうかなと思っているんですが、局長、そういうことってできるんでしょうかね。どうかいいお答えをお待ちしております。
10 ◯上下水道局長(白石裕一君) 再質問にお答えいたします。
ペットボトル入りの長崎の水は、長崎の水道水の安全性とおいしさを市民の皆様にPRする目的でつくっております。昨年は350ミリリットルのペットボトルで9,000本つくりまして、主に上下水道局主催のイベントとして開催しております水フェスタや上下水道施設親子見学会のほか、水源となっているダムの近郊で開催される地域のイベントなどで配っております。
水道水は、一般のミネラルウオーターに比べまして、検査項目の数においてほぼ2倍の厳しい検査をクリアしておりますので、市民の皆様にはこれらのイベントなどで実際に口にしていただくことで、改めて水道水の安全性やおいしさに気づいていただけるよう、PRに努めているところでございます。
亀山社中を訪れた方に長崎の水をプレゼントしてはどうかとの堤議員のご提案でございますが、製造を委託しております工場の製造能力の問題や、水道水を給水車で工場まで運搬している関係から、製造できる数には限りがございます。しかしながら、私どもの長崎の水が長崎市の主要施策でございます観光振興の一助となるのであるならば、その一部を提供させていただきたいと思っております。
また、ペットボトルのラベル等のデザインを工夫することで、「龍馬伝」や長崎さるく等のPRに利用することも可能でございます。文化観光部とも協議をいたしまして、期間中のデザインの変更についても検討したいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
以上でございます。
11 ◯18番(堤 勝彦君) ありがとうございます。9,000本つくっていただいて、そのうち何本回ってくるかちょっとわかりませんが、先ほど先輩方からも少し出ておりましたが、お金がいっぱいあるなら、たくさんつくってもらって市民の方へ、また、観光のお客さんへサービスしていただければ大変ありがたいなと思います。
しかし、余り出されんということも言われたんですかね。〔発言する者あり〕そうですね。じゃ、もし数が限られてくるなら、やっぱりそこで希少価値をつけるというんですかね、例えば、何本限定とか、そういうことをされたらお客さんもどんどん、それを欲しさに来るかなと私は思うので、そういうところでちょっと希少価値をつけるとかしたらどうかなと思うんですね。
そこで、私なりに提案というんですか、長崎のふるさと大使である福山雅治さんがロケで長崎に来たときに、必ずその水を飲みよるところを映像におさめてもらうとか、写真におさめると。そしたら、もしかしたらその100幾らぐらいですかね、あの水が。それが、もしかしたらオークションなんかで付加価値がぱっと上がって、その水を欲しさに長崎に来たくなるとかいうふうに人気が出るんじゃないかと思っておりますので、ぜひそんなところも、ロケの中で水を必ず置いておくとか、そういう仕掛けか何かしとってもらうことはできないかということで、部長、どうですかね、そういうことでお考えはいかがでしょうか。ロケのときに水を置いておくということはいかがか、よかったら考えてください。
12 ◯文化観光部長(浦瀬 徹君) 堤議員のご質問にお答えします。
この「龍馬伝」をどう生かすかというためには、いろんな仕掛けが必要だと思っております。福山さんのお名前も出ましたけれども、肖像権の問題、その他いろいろクリアする問題もあろうかと思います。「龍馬伝」の中で知恵を絞って、お客様に対する期待できるような仕掛けを考えていきたいと思っております。
38 ◯25番(牧山 隆君) 政府のほうには厳しい、やはり私は、被爆地の市長として、政府に強く公表せろということを言ってほしいと思うんですけれども、やはりそれが被爆者の、市民の皆さんの願いではないかというふうに思うわけです。
そういった点で、引き続きこの問題では、私たちは政府にそういった働きかけもするし、被爆地の役割としてもっともっと国に強い立場で臨んでいくことを求めていきたいというふうに思っております。
次に、新市立病院について質問をしていきたいというふうに思います。
最初には、既に独立行政法人化を選択した大阪府立病院機構ですね、ここの問題でいいますと、少し紹介しますが、2006年にここは独立行政法人化に踏み切った。非紹介患者の初診料がそれまでの1,701円から2,625円にはね上がった。セカンドオピニオン30分7,400円から15分延長し、45分間で2万1,000円に、実に2倍に引き上がったと。分娩料9万3,000円から15万円、こういうふうになったと。
現在の市民病院の場合で言うと、これは使用料等条例でこういった料金も、法定条例できちんと定められていて法人の理事長が好き勝手に値上げができないというふうになっていると思います。そういう点で、この独立行政法人化というのは、こういった自由診療のところに与える大きな影響というのは市民に大きな負担を強いるんじゃないかと心配の声が上がっているんです。市民病院が上がれば、市内の開業医の先生方のこういった自由診療にかかわる料金も引き上がるようになっていくというふうに思うんです。
そういった点で、市民が出し合って市民病院をつくったのに、お金がなければ市民病院にかかれない、こういう事態がないとは言えないと思うんです。そういう点で、この地方独立行政法人化、市民に大きな負担をやはりかぶせるんじゃないかと。
先ほど病院局長は、医師のそれぞれの給与体系も違うようになる、あるいは市長と法人理事長の間でさまざまな施策が展開できるので、いいようになるというふうなことを言われましたけれども、いい病院をつくっても、結局は市民がかかれなかったら病院は、これはおかしい結果になるんじゃないかというふうに思うんですけれども、病院局長いかがでしょうか。
39 ◯病院局長(楠本征夫君) 病院の収入は、今言われましたように、大体、診療報酬というのと、それから特定診療料という個室料とか、分娩料とか、そういうものに分かれていると思います。
それで、現在のその特定診療料の決定の仕方なんですけど、私たちがとっている方法は、長崎市内の状況を全部データをとったり、あるいはほかの都市のデータをとったりということで、その独立行政法人になったから、さらに上げようという意思は、今のところは全然持っていないというのが正直な気持ちでございます。今からも、それも含めて中期目標、中期計画、そういうところで議会のほうで縛っていただければと、そのように思っております。
40 ◯25番(牧山 隆君) 今、中期目標、中期計画で議会のほうから縛ってほしいというふうな形で言われましたけれども、今は市民病院のそれぞれの会計が年度、年度出されております。予算もそうですけれども、これが3年から5年以内というふうになっております。そうなった場合には、これは3年ないし5年に1回、議会に報告すればいいというふうになるんじゃありませんか。そうなった場合に、今は毎年毎年議会が当然関与してどういうふうになっているかということも、この議場で、あるいは委員会で明らかになっているんだろうというふうに思いますけれども、今度は法人の理事長と、そして、ここでいう市長のところとの間でしか、そういったことはもうわからなくなってしまう。議会には毎年毎年報告されなくていいんじゃないですか、そういう点については。そういった点では全然縛りがきかないというところに、独立行政法人化というのが大きな利点としてあるんじゃないでしょうか。
厚生労働省の幹部の発言として、これは総務省の研究会報告の中では、自治体の議会の詳細な事前関与があると、導入する意味がないと、こういうふうに言っているわけです、総務省自身が。そういう点では、局長が今言っていることは非常におかしな結果になってくるというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
41 ◯病院局長(楠本征夫君) 先ほども言いましたとおり、収入の本体といいますのは、いわゆる医療の保険でございまして、これは国で全国統一的な点数をつけているところでございます。だから、その本体そのものは、全く独立行政法人だから変わるということじゃないと思います。
だから、変わり得るのは、先ほど言いましたように、特定診療料という項目に入るところでございまして、個室料とか、あるいは分娩料とか、そういうところの範疇になると思います。だから、そこもさっき言いましたように、むやみやたらに上げると、これは民間の病院もそうと思いますけど、上げればいいというものでもないし、ある程度の良識といいますか、そういう範囲、あるいは慣例といいますか、そういう範囲の中で決まってくるもので、特に市長が、設立者である独立行政法人がそういうことはなかなかできない。多分首長、市長もそういうことは許されないんじゃないかと、そのように思っております。
以上でございます。
42 ◯25番(牧山 隆君) 診療報酬とはちょっと別枠なところで、そこは好き勝手にはできないというか、地域の地場のほうの平均額を見てやるんだろうというふうなことでありましたけれども、実際は独立行政法人の特徴として3年ないし5年に目標をつくって、そして、法人化計画をつくっていくというふうになろうと思います。
そういう点で、さっき壇上からも紹介しましたけれども、日本で最初に独立行政法人化に踏み切った北松中央病院、江迎町にございますけれども、ここの中では医療機器、施設設備においては、費用対効果や法人の財務、総合的に勘案するということで言われていると。
結局は、お金がなかったりすると、これは費用が先に出てくると、費用を計算して機器もそろえなさいというふうになっていると思います。結局は、その財政を黒字にしていって、そこの中でどうやっぱり展開していくかというのが大きな目標になってくるというふうに、それは今でも変わらないと思いますけれども、この点について言えば、大阪の例を引き出すまでもなく、分娩料が1.6倍になると、室料が引き上がれば、1日数千円の部屋代、ベッド代取られてですよ、それは入院できる市民がやはりお金と財布と相談しないといけないと、こういうふうになるんです。ですから、そういう点ではお金のあるなしでも、今でも室料は設定されていますけれども、心配しないでかかれる公営の病院であるべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
43 ◯病院局管理部長(黒川智夫君) 補足してご説明申し上げます。
公営企業型地方独立行政法人は、先ほど議員ご指摘のとおり、中期目標を3年から5年まず設定をいたします。その後に、私どものほうで中期計画、その3年から5年に合わせた中期計画というものを策定してまいります。この中期計画の中に一定、先ほど申し上げました料金の定めというものがございます。診療報酬以外の料金でございますけれども、その料金の定めも議会の議決が必要ということになっております。
そういった意味では、きちっとした形で一定先ほど申し上げましたように、局長が答弁申し上げましたように、市内の一定料金とかいろんな要素を加味いたしまして、この期間、例えば室料でありますとか、紹介手数料でありますとか、そういったものは幾らぐらいにするかということを定めていく中期計画を議会にご承認いただくということになります。
以上でございます。
44 ◯25番(牧山 隆君) この大阪の病院機構のほうも、やはり議会に報告をしていたのかと思うんですけれども、そういった点では、これは押し切られているわけじゃないですか。分娩料が9万3,000円から15万円に上がって、こういうふうになっているというのは考えられないじゃないですか。大阪の人だって、これはびっくりされたというふうに思います。
それから、この病院機構では、役職のところの賃金体系は引き上がっていくようになっているんですけれども、一般看護師、これは賃金体系がフラットになって一遍に200人からの退職者が出ている、こういうことも言われている。そういう点では、非常に独立行政法人というのは全国1,000近くの自治体病院があると思います、公立病院があると思いますけれども、まだ独立行政法人に移行しようというふうに決めているところは本当に10本の指の中に入るくらいしか決めてないじゃないですか。私はそう急ぐべきじゃないというふうに思うんです。
この独立行政法人について、なった場合のときに職員の身分のことについて質問します。
長崎市が、病院局が目指しているのは非公務員型というふうに言われました。法人設立時点では、公務員は自動的に、これは法人の職員になってしまうというふうになると思います。しかし法人が解散するときには、これは職員はもう解雇になってしまうというふうになるのが普通だろうというふうに思います。そういうことも国会の中では、この独立行政法人化が審議されたときに附帯決議がついてこれもされている。
2003年7月1日、参議院の総務委員会では地方独立行政法人法案に対する附帯決議が議決された。その1つには、地方独立行政法人の設立に当たっては地方公共団体の自主的判断を十分尊重するということが言われています。2点目には、地方独立行政法人への移管等に際しては雇用問題、労働条件について配慮し、関係職員団体または関係労働組合と十分な意思疎通が行われるよう必要な助言等を行うと、このように附帯決議がつけられています。
そういう点で、この審議の中では、総務大臣は独立行政法人化を一方的に行ってはならないと、独立行政法人化の議論の過程で勤務条件にかかわるのは労使交渉の対象になる。趣旨、目的に沿った運用ができているのか、5年をめどに実施要件について検討を加え必要な措置を講じると、こういうふうに総務大臣も述べています。
そういう点では、病院局の課長に聞きましたけれども、7月には独立行政法人に移行することの答えが出てくるというふうに言われておりましたけれども、この点で職員団体との今のお話の内容、まだ全然決まっていませんから何も言われていないというふうに思いますけれども、どういうふうにこれをやっていくのか、一方的に決めるなというふうに、国会でもこういうふうになっているわけですから、いかがでしょうか。
45 ◯病院局長(楠本征夫君) 長崎市の場合の独立行政法人化というのは、今言われましたとおり、現在その可能性の調査中ということで、大体7月ごろにはその結果が出るんじゃないかと思います。
その後の移行のやり方ですけど、当然、今言われましたとおり、勤務条件とかその他に関しましては、やっぱり組合との話し合いというのは必要と思っておりますから、そういう手続きはちゃんと踏んで行っていきたいと、そのように思っております。
以上でございます。
46 ◯25番(牧山 隆君) ちゃんと手続きを踏んでと言われますけれども、国会決議の中にあったり、あるいは総務大臣が述べているように、一方的に市役所の、この病院で働く職員に対して、病院局は一方的にこういったことを押しつけないと。それは市民にも当然、こういった病院をつくっていきます、職員に対しても、こういったふうになりますと、はっきりそういったところは情報を開示しながら進めていくということを確認してよろしいですか。
47 ◯病院局長(楠本征夫君) 先ほど答弁いたしましたとおり、やはり手続きを踏んで正当であれば、そのような方向で行くということになると思いますし、だけど、全く無理を押しつけるとか、そういうことはやるつもりは今のところありませんし、やっぱりある程度の協調といいますか、そういうことは必要ではないかと思っております。
以上でございます。
48 ◯25番(牧山 隆君) 局長、今のところはそういうつもりはないとか言われても、これは5年、10年、市民にとっては20年先の病院のありようが今決められようとしているわけですから、これは大事な問題だというふうに思います。当然、局長さんもかわられる可能性だってあるし、市長だってかわられる可能性がある、そういった点では遺恨を残さないように、十分な審議が私は必要だというふうに思うんですね。
そういう点で引き続き質問させていただきますが、この間、今まででも職員の身分の問題、それから議会との関与の問題、先ほど言われましたけれども、それから自由料金の問題ですね、こういった点、どれをとってみても全国で行われているところでは余り、これは市民生活にとってみても、職員にとってみても、あるいは自治体にとってみても、私はよくないだろうというふうに思います。
病院局が目指している独立行政法人化になれば、どういったメリットがあって、市民生活はどういうふうになるのか、病院局にとってはどうなるのか、わかりやすくひとつご教示いただけませんでしょうか。
49 ◯病院局長(楠本征夫君) お答えいたします。
独立行政法人を希望する一番の理由と申しますのは、今病院でやっている仕事に対して人数が足りない部分があると。そういうところで定数というのがございまして、それになかなか縛られる部分がある、そういうことでなかなか仕事がしにくい、医療がしにくいというところがあるんではないかと、そのように感じておりまして、そこが一番の大きな目的でございました。そういうところで、必要なところには必要な人数が配置できるようなシステムが望ましいということで希望したわけですけど、その医療に関しては、その結果、やはり今でもなかなか不十分である、そういう医療が独立行政法人になってチームワーク、人数、そういう点でスムーズに動けるようになればいい医療も提供できるんではなかろうかと、そのように思っております。決してマイナスの方向に向かって医療を進めようとは、そういう考えではございませんし、ぜひいいものをつくっていきたいと、そのように思っております。
50 ◯25番(牧山 隆君) 人員の体制の問題、特に途中退職される看護師や、あるいは医師の問題ですね。そういったところで、独立行政法人になれば、年度の途中でも採用が可能だと、これはどこの会社でもそれはあります。病院だけに限らずですね、そういったことを大きな理由としてやっているというのは、これはまやかしですよ、私はそう思います。
よその病院の中では、自治体病院がこの独立行政法人に踏み切るように総務省が提案していくのは何でかと言うと、お金の問題です。赤字を少しでもなくしていこうというのが総務省や厚生労働省のねらいです。そこで、問題になっているのが、今各自治体が問題を抱えているわけじゃないですか。このガイドラインも提出せろというふうに総務省が言ったわけじゃないですか。そういうところで、そういった市民病院で定数が途中割れたりすると仕事ができないとか、そういう平談な理由は病院局長、おかしいと思いますよ。
財政部からいただいた長崎の病院事業会計に関する拠出金、一般会計からどういった形で出ているかということで、これは平成20年度の当初予算額、まだ決算出ていませんから財政部からいただきましたけれども、4つの市民病院、野母崎、琴海、市立病院成人病センター、ここで繰出金総額は14億3,800万円と、こういうふうになっていると。政府から、国のほうから特別交付税として6億8,000万円返ってくるというふうになっている。そうすると、一般会計から病院のことについてお金を出さなきゃいけないのは7億5,800万9,000円です。これが全国では、1,000近くある公立病院のうち8割は赤字だというふうに言われているんですけれども、長崎の自治体病院、市立病院は非常に優秀だというふうに思うわけです。それはもちろん病院局長初め職員のご奮闘のたまものだというふうに思うわけですね。そういう点で、この財政の面から言っても独立行政法人化に移行する必要は全然私はないと思うんです。そういう点で再度、局長のご答弁をお願いします。
51 ◯病院局長(楠本征夫君) 現在は繰出金という形でいただいております。今度、独立行政法人になっても一応、交付金という形で、今と大体同額と理解しているんですけど、そういうことも市のほうからいただけると思っておりますので、その点に関しましては、現在と変化がないと思っております。
先ほど言いましたように、そういう一定の交付金をいただきながら、よりよい医療を目指したいと、そのように思っております。
以上でございます。
52 ◯25番(牧山 隆君) よりよい医療を目指すというのは至極当然でありまして、これはどこの医療機関でもそのようにしているというふうに思うんです。
先ほど市の持ち出し分で計算しましたら、市民1人当たり1,710円、月々に直すと142.5円、このくらいの持ち出しですね。そういう点では非常に長崎の市民病院、4つの病院は、琴海、野母崎がちょっと赤字でありましたけれども、非常に私は財政的には優秀だというふうに思うんです。そういう点で、独立行政法人化に向かうことはしないでほしい。
それから、医師の確保の問題。この問題も独立行政法人に移行することによって、やはり大変な問題じゃないだろうかというふうに思うんですね。3年から5年にかけて目標をつくって計画をしていく。法人はこの計画によって、赤字のところは少しでも赤字幅を少なくしようとする。当然、患者さんが1,000人だったら1割増の1,100人ぐらいにしようと、こういった形でやはり計画をつくっていく。結局は法人が、独立行政法人化になった法人が身を削ってそれに向かって懸命に行くようになってしまう。これによって、先ほども述べたように、大阪のほうでは200人からの看護師が退職されると。高齢になった先生方、看護師が退職の歯どめがかからない、こういうふうなことが起こっているんです。今の市民病院でもこういった形で独立行政法人になったら、おやめになられていく先生がいらっしゃるんじゃないか、あるいは看護師がいらっしゃるんじゃないかというふうに思います。
そういう点で、きょうは医師問題ですから、医師の問題を取り上げたいと思いますが、今までも医師問題というのは大きな目標と、これからも臨床研修医問題等ありますけれども、新しい病院になって、506床の病院になった時点でも三十数人医師が不足するというふうなことが言われておりましたけれども、これは病院局長、テレビでも私見たんですけれど、新しい病院になったら医師確保には自信がありますと病院局長言われていましたけれども、それは大丈夫ですか。
53 ◯病院局長(楠本征夫君) 現在の医師の状況というのは、新聞、テレビで言われるとおりでございまして、決して状況がいいということじゃございません。だけど、新病院に関しまして、先ほどちょっとお話ししましたけど、医師のモチベーションというのはどこにあるのかというのは、公立だからあるという、そういうのもあるかもしれませんけど、どちらかといえば、やはり働きがいと、そういうふうに考えております。新しい病院では十分な働きがいが出るような、そういう病院にしていけば集まってもらえると、そのように確信しております。
以上でございます。
54 ◯25番(牧山 隆君) 新しい病院になれば医師も集まると、それは研修医もそこに残って勤めてもらうというふうなこともあるかとは思いますけれども、今の市民病院の中でも、例えば野母崎の病院を市民病院として存続させるために数人の医師が必要だったんですけれども、それが確保できない状況じゃないですか、琴海もそうです。だからこそ、これは医師が1人2人、四、五人の医師をこれは確保できなくて、結局は民間移譲あるいは診療所化にしてしまうという、先生のところでは、モチベーションのところはさまざまな個々人違うというふうなことですけれども、それは確かにそうだというふうに思います。年代によっても違うだろうし、さまざまに科目によっても違うだろうというふうに思います。しかし、よその病院で独立行政法人になったところの医師の問題では、高齢になった先生方がやめられているというのが事実なんです。そうならないという保証はありますか。私は、そういうことは今からは言えないと思いますけれども、やはり医師問題というのは、独立行政法人じゃなくて、市立病院、市民のために医療をやるというか、市民がつくった病院で働くというところにやはり先生方のモチベーションはあるんじゃないかと私は思うんですね。そういう点で、医師の確保の問題では、ぜひ力を入れていただきたい。
それから、もう1つは、やはり奨学制度というのを民間の病院なんかは使っています。高校生、大学生から、医学部に入ったときから、こういった形で医師を育てるというふうな形で奨学制度もつくっているんですけれども、こういったところに奨学制度をつくるようなお考えはございませんか、医師の問題で。
55 ◯病院局長(楠本征夫君) 奨学制度に関しましては長崎県でも実際行われておりまして、有効な結果を出していると思います。今後の医療状況によりましては、やはり奨学制度とか、そういうものを考える必要が起こってくるんではないかと思います。特に先ほど言われました地域性といいますか、同じ医療機関でも、野母崎、琴海と街中にある市立病院というのは違いますから、そういうところを配慮しながら、やはり医師を均等に集められるシステムとしましては、やはり奨学制度なんかも検討する必要があるんではなかろうかとは思っております。
以上でございます。
56 ◯25番(牧山 隆君) きょうは独立行政法人化に向けてこれからの病院のありようをちょっと質問させていただきましたけれども、この問題では、やはり私たちは新しい病院建設に向けて、そして運営も公設公営でやってほしいと、こういう立場をずっと主張を続けてきました。これからもこういう立場で、市民の健康とやはり命を守る中核病院をつくっていくためにやっていきたいというふうに思います。
最後になりましたけれども、国民健康保険事業は質問できませんでした。次回やっていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
57 ◯議長(吉原 孝君) 休憩いたします。
午後は1時から再開いたします。
=休憩 午後0時1分=
~~~~~~~~~~~
=再開 午後1時0分=
58 ◯議長(吉原 孝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。23番向山宗子議員。
〔向山宗子君登壇〕
59 ◯23番(向山宗子君) 公明党の向山宗子でございます。質問通告に従いまして、順次質問させていただきますので、市長並びに関係理事者の明快かつ前向きなご答弁をよろしくお願い申し上げます。
まず初めに、暮らしに役立つ図書館事業の推進について質問させていただきます。
昨年の1月に開館した市立図書館は、連日多くの市民に利用していただき、来館者数や貸出冊数も順調の様子、大変うれしく思っています。また、子ども向けのお話し会や図書ボランティアの育成講座を初めとする各種講座、講演会など企画され、実施されているようですが、開館より1年半たった現在、その実施状況、また、市民の皆様からの要望にどのように応えておられるのか、お伺いをいたします。
図書館は市民に広く情報を提供することのできるキーステーションでなければならないと私は考えています。市民のより高い要望に応え、さらに活用度の高い図書館にとの思いで、私自身、先進地である鳥取県を視察してまいりました。鳥取県は、人材育成の観点から、古くより図書行政が重要な位置づけをされてきた歴史的背景があり、現在でも県立図書館の資料購入費は人口1人当たりに換算をすると、平成12年度以来、全国第1位を保っているほど高い見識を持っておられました。図書館の使命は人づくりであり、地域が自立し、産業を振興するためにはすぐれた人材が必要であることは言うまでもありませんが、その人材の育成を担う最も有力な機関が図書館であるとの自負に立っておられるので、一つひとつの取り組みが、また、その実践が大変意欲的、積極的に感じました。
ですから、旧来の図書館のイメージである趣味、娯楽のための施設だけではなく、実際に人々の暮らしに役立たなければということで、各種関係機関、団体と協働をし、ビジネス支援事業、医療・健康情報サービス、法情報サービスなど、社会の変化を先取りした新しいサービスに取り組んでおられ、図書館でのビジネス相談から商品が開発され、特許を取得、起業成功の例が誕生していました。そのようなサービスの中で私が着目したのは、法情報サービスの中の法情報検索マップの配置です。これはセクハラやら、ドメスティック・バイオレンスなど、他人に向かって口にしにくい問題を抱える人の課題の解決支援のため、これら生活に身近な15種類の法律問題、例えば、相続、交通事故、不当解雇、多重債務、年金問題、いじめ、ストーカー、離婚などについて、館内のどこにどんな資料があるかを図示して、まず、1人で参考資料を探せるようにし、次いで専門的な相談機関も示すパンフレット、それが法情報マップと言いまして、これは議長にご承諾を得て、ご紹介をいたしますが、〔資料表示〕このような1枚のB4判の冊子に、これは不当解雇ですけれども、これがどのような資料が図書館に存在をしているのか、また、それは裏にどの書架にどのところにあるのかという番号もちゃんと振ってありまして、また、それ以外、見えないと思いますが、大体こういう紙がだっと図書館の入り口に並べてあります。例えば、うちの市役所でいいますと、そこのさるくが置いてあるような棚に陳列をしてありまして、その横にはそれに関連する国からのパンフレットやら、いろんなものが一緒に並べてある。だれでもさりげなく行って、ぱっと取って、問題解決の糸口がつかめるというようなものになっていました。
この問題解決のサポートとして大変有意義な施策だと私は思いました。本市の市立図書館においても同様のサービスを導入できないものか、お尋ねをいたします。
2点目、次に、新市立病院における病院患者図書館の設置についてお伺いをいたします。
新市立病院に関しては、さまざまな質問がなされておりますが、私は、また、違った角度からお伺いをさせていただきたいと思っています。
読書や芸術、芸能などは、人を励ますことができる、また、生きる力や勇気を与えてくれる力があるというのは、もう皆様もよくご承知のことだと思います。病気にかかった人には、この効果、特に読書の治療的効果が著しいと認識をされ、欧米の病院では患者図書館が早くからつくられてきましたが、日本ではまだまだ知られていないのが現状です。しかし、平成19年度から20年度にわたり、文部科学省の補助で行われた病院患者図書館の全国実態調査では、極めて強い勢いで拡大しつつある点が浮き彫りにされたとあります。時代の要請が高まりつつあるのではないでしょうか。1974年に日本病院図書館研究会を設立され、患者図書館の調査、研究、普及活動を続けておられる菊池佑氏は、その著書の中で「患者は病気になっても市民であり続け、市民としての諸権利を持っています。日本の病院では、その権利を行使する環境が未整備であり、入院生活は、診療一色に塗り潰されている感を否めません。患者が市民として、教育、文化、医療情報サービスを受ける権利を行使できる医療環境づくりが必要です」と、また、「健康な時も、病気の時も、市民として文化的活動に参加できる社会は、豊かな社会であると言えます。物が豊富なだけではなく、心も豊かに過ごせる社会としての、いわゆる生活大国の指標のひとつに患者図書館を含むことを私は提案します」と述べられていますが、私も全く同感です。
この病院患者図書館は、患者だけではなく、看病をする患者の家族、外来の一般市民、病院の職員にも開かれたものです。この病院患者図書館は、病気との戦いという重圧の中にいる患者やその家族にとって、いやしの空間となるでしょうし、また、インフォームドコンセントやセカンドオピニオンなど、最良の医療を受けるための情報を得ることのできる場となります。医師や看護師、また、スタッフにとっても情報収集の、また、研究の重要な場になることは言うまでもありません。そして、それをより可能にするのが図書館の専門家である司書の存在です。
新市立病院に病院患者図書館を設置するお考えはないか、お伺いをいたします。
3点目、女性の健康支援、がん対策についてお伺いをします。
「若年性乳がんについてもっと知ってほしい。若い人には自分と同じ思いを味わってほしくない」、これは乳がんを発症され、24歳6カ月で生涯を閉じるその瞬間まで人を愛し、人に愛され、人を支え、人に支えられた長島千恵さんの遺言です。現在、大きな反響を呼んでいる上映中の映画「余命1カ月の花嫁」の主人公がその長島千恵さんなのです。そして、彼女の思いを受けた乳がん検診プロジェクト「余命1カ月の花嫁・乳がん検診キャラバン」が昨年から行われ、本年も千恵さん号は桜前線とともに、3月末に沖縄をスタートし、5月22日、北海道札幌会場まで29会場で約3,000人の20代、30代の女性が受診をし、キャラバンを通して、早期発見の大切さを啓発されたと伺いました。
また、本年3月から5月にかけて、我が公明党が行った「命を守る。がん対策の強化充実」を求める署名運動におきましては、九州、沖縄で531万2,152名、長崎県では45万6,054名、我が長崎市においても約20万人の方々が署名をしてくださいました。いかにがん対策について関心が高いかを痛感をいたしましたが、しかし、それが即検診につながるところまで至っていないのが現状でございます。受診率を向上させるためにも、がん検診の公費負担の拡大や受けやすい検診システムの充実などを県、国に対して皆様の声を携えて要望した次第でございます。
さて、今般、政府与党が発表した経済危機対策にも、私たち公明党が取り組んでいる女性サポートプランで主張している女性の健康支援策やがん対策が盛り込まれています。なぜ経済危機対策なのに、女性のがん検診なのかと思われる向きもあるかと思いますが、この対策の目標は、安心と活力です。女性が安心して社会の中で活動していくことは、ひいては活力にもつながるものと考えますし、また、少子化対策にも資するものだと思っています。女性の健康を応援するために、市長並びに理事者の積極的な取り組みを期待して、以下、お伺いをいたします。
1つ、本市における乳がん、子宮がんの現状はどのようになっているのでしょうか。
1つ、今年度、女性の健康支援対策事業が大幅に拡大をされ、乳がんや骨粗鬆症などの予防に役立つ事業や女性の健康パスポートの発行などが各地で実施されていますが、本市の取り組みについてお伺いをいたします。
1つ、新経済対策で打ち出された子宮頸がんでは20歳から40歳まで、乳がんでは40歳から60歳までの間のそれぞれ5歳刻みの対象者における検診の無料化について、本市の取り組みはいかがでしょうか。
1つ、国が平成18年度に策定をしたがん対策推進基本計画では、平成23年度までにがん検診の受診率を50%以上にすると目標を定めていますが、国全体の受診率の平均と比べても、我が市のがん検診受診率が低くなっております。このような状況を踏まえた上で、今後、受診率の向上のためにどのような取り組みをお考えなのか、お聞かせください。
最後に、ふるさと納税制度における啓発活動の推進についてお伺いをいたします。
昨年5月より始まったふるさと納税制度、ふるさとに貢献をしたい、ふるさとを応援したいという納税者の思いを寄附金という形でご協力をいただける制度ですが、現在までの我が長崎市に対する皆様からの真心はどのような状況にあるのかお知らせください。
また、ふるさと納税推進のために各自治体ではさまざまな努力や工夫をしてPRに努めているようです。例えば、京都市では、「だいすきっ!京都。寄付金」との愛称のもと、納入通知者による振り込みに加えて、クレジット決済を導入、また、郵送などでの申し込みに加えて、パソコンや携帯電話、QRコードなども含めて、画面から申し込みができるようにしたり、また、米子市では、地元特産品の宣伝を目的として地元企業とタイアップし、1万円以上のふるさと納税をされた方に5,000円相当の地元の特産品を送るという取り組みをされているようです。このことにより、ふるさと納税にかかわる5,000円の自己負担分を解消し、同制度の一層の拡大を図るようにしたもので、パンフレットを見てみますと、18種類の特産品の中から好きなものを選んでいただけるようになっているようです。これにより米子市は県よりも多く寄附が寄せられている、また、同様の施策をとった出雲市も島根県の中で件数が断トツ1位、このようなプレミアムつきふるさと納税を取り入れた自治体は、総じて人気が高い傾向にあるようです。
寄附に頼らず、自主財源を生み出す努力が必要であることも承知しておりますが、長崎の魅力を発信することにもつながるのではとの思いもあり、財政逼迫の本市の状況をかんがみても、このふるさと納税制度は積極的に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。啓発活動の推進をどのように取り組んでいかれるのか、お示しください。
以上、本壇からの質問を終わり、ご答弁の後、自席より再質問をさせていただきます。=(降壇)=
60 ◯議長(吉原 孝君) 市長。
〔田上富久君登壇〕
61 ◯市長(田上富久君) 公明党、向山宗子議員の質問にお答えします。
まず、3点目の女性の健康支援、がん対策についてお答えします。
長崎市における乳がん、子宮がん検診の受診状況ですが、乳がん、子宮がん検診は2年に一度の受診となっておりますので、平成18年度と19年度を合わせました実績でご説明を申し上げます。
乳がん検診では、対象者数6万2,193人のうち、7,338人が受診され、受診率は11.8%、このうち2年間で1,263人の方が精密検査が必要と判定され、精密検査を経まして40人の方にがんが発見されています。なお、乳がん検診につきましては、今年度から対象年齢を30歳以上に拡大し、30歳から39歳の方に対しましては、超音波検診による乳がんの早期発見に努めることにしております。
一方、子宮がん検診では、対象者数8万3,064人に対し、受診者数2万6,177人、受診率31.5%で、このうち2年間で662人の方が精密検査が必要と判定され、精密検査の結果、32人の方にがんが発見されています。
次に、女性特有のがん検診推進事業ですが、この事業は、国の経済危機対策として女性特有のがん検診を支援することで、受診率の向上を図ることはもとより、未来につながる子育て支援として、今年度の補正予算に計上をされました。
事業の内容といたしましては、子宮頸がんについては、20歳から40歳のうち5歳刻みの節目の方、乳がんについては、40歳から60歳のうち、同じく5歳刻みの節目の方に対しまして、検診の無料クーポンを配付するとともに、検診手帳を交付するということになっております。
長崎市では、現時点におきましては、事業の実施要綱がまだ示されていないために、不明な点もございますが、今回の無料クーポンをきっかけにして、受診率の向上が期待できますので、事業の実施に向けて準備を進めていきたいと考えています。
また、女性の健康手帳につきましては、思春期の後半から老年期を対象にして、母子健康手帳、学校での健康記録、雇用時健診、特定健診などの多様な情報を一括して整理することで、女性が医療を受けるときや健診結果の報告を受けるときなどに有効活用が図れるものとされています。現時点では、手帳の記載内容などはまだ未定ですが、今年度、国が示しました女性の健康支援対策事業の中でモデル事業として幾つかの自治体で女性の健康手帳の配付に取り組まれると聞いております。国は、その事業効果を検証することとしておりますので、その結果を受けまして、手帳の配付について検討をしていきたいと考えています。
次に、がん検診の受診啓発についてですが、長崎市のがん検診の受診率は、子宮がん検診を除きまして、国や他の類似都市と比較しまして、全般的に低い数字になっております。一人でも多くの市民の方にがん検診を受けていただき、早期発見、早期治療によるがんの完治を期待しているという観点から、受診率の向上は大きな課題であると考えております。そのため、年に2回、広報紙にがん検診の特集号を同封するとともに、テレビ、ラジオを使った周知や健康イベントによる啓発活動などを行っております。さらに、今年度からは全自治会のうち、希望していただいた自治会へ健康教育の出前講座を実施しております。その中で、がん検診の受診勧奨、あるいはがんの危険因子であるたばこや生活習慣病の予防についての講話も行っております。
がん検診の受診率向上が、がんによる死亡者数の減少につながるものと認識をしておりますので、今後とも周知、啓発に取り組んでまいります。
次に、4点目のふるさと納税制度における啓発活動の推進についてお答えします。
ふるさと納税制度につきましては、昨年5月に地方税法が改正されまして、寄附控除の適用下限が5,000円まで引き下げられ、上限を超えなければ、寄附した金額の5,000円を超える部分が居住する地方自治体の個人住民税などから全額控除される制度でありまして、より少ない負担で寄附が行えるようになりました。
平成20年度のふるさと納税のPR活動につきましては、まず、昨年6月にホームページを開設するとともに、あわせましてリーフレットの作成を行い、
グラバー園、原爆資料館等の観光施設はもとより、金融機関の市外店舗などにも設置をさせていただいております。また、県外の長崎市出身者の方への広報活動として、市内の大学や高校の同窓会、県人会等を通じての周知活動を行っております。こうした活動の結果、寄附の状況としましては、平成20年度の実績で49件、278万9,000円の寄附をいただいたところであります。内訳としましては、長崎市内の方が6件、市外の方が43件となっており、このうち県外の方は31件となっています。いただいた寄附につきましては、寄附者の意向に沿いまして、平和推進や歴史的、文化的遺産の活用などの項目に該当する事業、あるいは市長お任せについては、
地球温暖化対策推進事業費及び長崎街道シュガーロード展開事業費に活用させていただくこととしております。
今年度の新しい取り組みとしましては、ホームページやリーフレットの内容の更新を行うとともに、6月からインターネットによるクレジットカード納付が可能となるような仕組みを取り入れ、寄附される方の利便性を高めるよう努めております。さらに、ふるさと納税の寄附者の皆様には、年2回発行しております長崎応援マガジン「ながさきジーン!」を送付させていただくことといたしました。また、ことしの5月には、長崎市の活性化につなげるため、長崎を外から応援することを目的として、長崎伝習所在京長崎応援団塾が立ち上げられました。先日、私もその会議に参加をさせていただき、塾生の皆様とふるさと納税に関する意見交換やPRを行ってきたところでございます。
今後とも、あらゆる機会を通じて、ふるさと納税について広く周知を行い、長崎を応援したいと考えておられる皆様のお気持ちをしっかりと受けとめ、長崎のまちがさらに元気になるよう努めてまいりたいと考えております。
以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)=
62 ◯教育長(馬場豊子君) ご質問の1点目、暮らしに役立つ図書館事業の推進について、1.法情報サービス、法情報検索マップの導入についてお答えいたします。
長崎市立図書館は、
子どもたちからお年寄りまで市民のニーズに応え、知の蓄積の提供と開放の場のみならず、市民とともに生き生きとした長崎市の未来が切り開いていけるよう、多様な取り組みを展開しております。特に2階では、学びのフロアと称し、専門的な図書、暮らしに役立つ図書、ビジネス支援コーナーを初めとする仕事に役立つ図書、各種の辞典類などの資料を豊富にそろえております。また、オンラインデータベースにつきましては、全国トップレベルの種類をそろえ、高度な調べ物にも対応できるよう整備をいたしております。さらに、裁判員制度の説明会や日本貿易振興機構(ジェトロ)と提携した転職・起業講座を開催するなど、図書館のさらなる活用を促しているところでございます。このように図書館にお越しいただければ、社会の制度やルールについて学んだり、生活や仕事でのいろいろな困り事の解決法を見出せるよう整備をいたしております。
向山議員からのご提案であります法情報検索マップでございますが、これは例えば、相続や年金問題など、それぞれの事項に対しての具体的な内容、図書館にある参考となる図書、その資料が図書館のどこに配架されているかを示す館内地図、さらに、図書館以外の相談機関などの情報をチラシ1枚にまとめたもので、図書館職員に尋ねにくい事項などにつきましても、利用者お一人でも情報にたどり着けるようにしたものでございます。
初めて図書館へ来られて、図書のパソコン検索も苦手、図書館職員に聞くのもはばかられるといった方にとっても、チラシ1枚を見ながら自分で調べられる、このサービスは、図書館をより身近に感じていただきながら、現にお悩みやトラブルを抱える方々が問題を解決していく方法で取り組めるという大変有意義な事業だと思われますので、実施に向け、具体的な検討に入りたいと考えております。
今後とも市民や地域に役立つ図書館を目指し、広く市民へ広報するとともに、利用者の日常の生活に密着し、地域に根差した魅力あふれる図書館づくりに取り組んでまいりたいと存じます。
以上でございます。
63 ◯病院局長(楠本征夫君) 新市立病院における病院患者図書館の設置についてお答えいたします。
現在、市民病院には、医局に小さいながら医師専用の図書室を設置しているほか、地域医療連携室内のがん相談支援センターに、がんに関する図書や冊子を備えた図書コーナーを設置しております。入院されている患者さんや付き添いのご家族、また、お見舞いの方まで広く利用できる図書室を病院内に設置することにつきましては、患者さんなどへの医療、健康の情報提供のみならず、長期に入院生活を送られている患者さんや付き添って看護されているご家族の方が、気分転換を図れる場所として大変有意義なものであると考えております。
新市立病院に図書室の設置が可能かどうかですが、新市立病院にはさまざまな施設が必要になることから、施設配置を効率的に行わなければなりません。そこで、図書室、保育所、講堂、あるいは研修医のための研修施設等の必要性や、その優先順位を考えながら、図書及び読書スペースの整備について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
64 ◯23番(向山宗子君) 一通りご答弁をいただきまして、大変にありがとうございます。
それでは、再質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、1点目の暮らしに役立つ図書館事業の推進についてでございますが、教育長のほうから実施に向けて、導入に向けて検討していただけるという前向きな答弁をいただきまして、大変にありがとうございます。
鳥取県の県立図書館に伺って、私が一番感動したことが、やはりものすごいスピード感があられたということなんです。司書の方が、県民が何を望んでいるのか、今、何を知りたいのかというのを前もって、本当に察知をして、ちょうど私が伺ったときは、インフルエンザのまだ最盛期でございましたが、もう入ったところにばんと大きくインフルエンザのコーナーが、図書もいっぱい平積みをして置いてございました。また、やはり今、離職者が多いということで、資格を取るためにはどうしたらいいのかとか、再就職をするためにはどうしたらいいのかというのが、もう各コーナーに見やすいようにしてあるんですね。
そういうことの中で、さらにもう一つ感動したのが、司書の心意気というか、本当にお一人おひとりがいろんなことを聞かれたときに、わかりませんとか、いや、そういう本はありませんというのは司書の恥だというふうにおっしゃって、とにかく徹底的に探す。なければ、どこからかでも探してくる。また、今わからなくても、いついつまでに、じゃ、お答えをしますという対応を皆さんなさっているところで、館長もレファレンスはカンファレンスだというふうなことをおっしゃいまして、従来より県民のいろんな日常的な困り事、また、聞きたいことに対して適切な情報提供に努めてきたということをおっしゃっておりました。
私も、本当にそういう意味で、今回、他都市のいいところはどんどん真似していったほうがいいと、そういう観点から提案をさせていただきましたが、そのように受け取っていただけて、大変ありがたいと思います。
それで、質問でございますが、それをいざ実施に移す際に、幾つか心配点がございます。やはり法情報ということでございますので、司書の方々だけではやっぱり難しい判断とかもあると思います。鳥取では、そのバックボーンに法情報検索のための委員会を立ち上げておられました。地方裁判所、弁護士会、それから、司法書士会、大学の先生、地方法務局、総務部、消費生活センターからお一人ずつ7名の方が参加をされて、年に2回から3回開催をされていらっしゃったんですね。中身の濃い対応、また、皆さんにより役に立つ情報をということで、そういうふうにされておられましたけれども、今後の取り組みの中でそういう委員会の設置をお考えになるかどうか、ご見解を教えてください。
65 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。
確かに情報を発信するからには、正確な情報が必要になってこようかと思います。図書館の中にも運営協議会、図書館協議会というのを持っておりまして、その中にも専門家の方々もいらっしゃいます。今後、この法の情報をサービスするに当たりましては、正確な情報を提供するという意味では、どういう形で専門家の方々のご意見を聞くのかも含めて検討させていただきたいと思います。
以上でございます。
66 ◯23番(向山宗子君) ありがとうございます。そこら辺も対応していっていただければと思います。
やはり本当にさまざまな相談事が寄せられているということがわかりました。鳥取で20年度に受けた相談事例は、離婚の調停中に子どもの養育費は夫婦のどっちが払えばいいのかとか、多重債務について特定調停や自己破産の方法を教えてくださいだとか、交通事故は示談の方法を知りたいとか、また、裁判とか判例では訴状の書き方を知りたいだとか、あとは法令でも医療器具の廃棄方法について定めている法律を見たいとか、そういった本当にこういうことをいろんな、とにかく種々雑多なことが来るんだなというふうに思ったんですが、そこで求められるのが、司書の能力というか、本当に許容範囲の大きさだと感じました。
長崎ではPFIを導入して指定管理者にお任せをしておりますけれども、市の職員が館長以下何名かおられて、リーダー的にやっていらっしゃると思いますけれども、こういう大きないろんなことを調べて、また対応していくに当たって、中心的にやっていかれる司書の対応というか、そこら辺は大丈夫かどうか、お知らせください。
67 ◯教育長(馬場豊子君) 再質問にお答えいたします。
確かに市立図書館は、市の館長を含め、数名の市の職員、それと、PFIの中で受けていただいているPFIの会社の方で、その中に司書の方がいらっしゃいます。そういう中で司書の方たちの研修等々、日々研さんを積まれておられます。ただ、先ほども申し上げましたとおり、図書館の協議会というのも持っておりまして、そこは市のほうが主催となって、PFIの方も入っていただきまして、また、さまざまな分野の方たちの代表の方から成った図書館協議会というのがありまして、大きな運営につきましては、その中で方針等々、振り返りも含めながら進めているところでございます。そういう意味では、司書の方のスキルアップも含めまして、今後も研さんに努めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
68 ◯23番(向山宗子君) はい、わかりました。よろしくお願いをいたします。
もう一つ、このマップ製作に当たって心配される点が、資料の充実が必要となってくると思われます。いろいろな相談事項において、それに関連する書物というのがたくさん必要になってくるわけですけれども、例えば、いろいろ策定していく中で、こういう分野が足りないとか、こういう分野が不足しているといった場合に、図書の購入費というのがもう決められているかと思いますが、十分確保されているかどうか、ちょっと心配なんですが、いかがでしょうか。
69 ◯教育長(馬場豊子君) 市立図書館につきましては、図書の数につきましても、さまざまな図書、他都市に比べても遜色ないように図書の配置をしております。また、いろんなところからの寄贈も多くて、図書の数につきましては、今、十分そろえているものと思っております。しかしながら、まだまだ時代が進むことで、それぞれ必要な図書が毎回出てきます。そういう部分については、適切な配置を努めていきいと考えております。
以上でございます。
70 ◯23番(向山宗子君) やはり冊数というよりも、中身が大事になってくると思いますので、その都度、充実をされていかれることを要望して終わりたいと思います。
続きまして、2点目の新市立病院における病院患者図書館の設置について再質問をさせていただきます。
私、今回、この質問をするに当たって、本年の1月21日にオープンしたばかりの鳥取県立厚生病院の図書室を視察してまいりました。できたばかりでございましたので、とてもすてきな図書室がありましたけれども、外来の病棟の5階でレストランも一緒の階にあって、図書室も大きなガラス張りの外から見える扉で、とっても見晴らしがよくて、本当に気持ちのいい、明るい図書館だったので、本当に感動したんですけれども、入ったらすぐ児童書のコーナーはちゃんとカーペットが、もう小さいんですけれども、カーペットが敷いてあって、クッションが置いてあって、
子どもたちが児童書を読めるようになっております。また、いろいろ奥に行くと、書架、移動書架とプラス一般書という、専門書と一般書という形でありました。何よりも本当にすごいと思ったのが、専任の司書が常駐をしてありました。この図書室は新設ではなくて、改装してつくられた図書室でございます。先ほど今の市民病院にも職員用の図書室はありますとおっしゃっておりましたけれども、ここもそういう感じだったのを改装をして、もともとあった医療に関する学術書4,700冊と、一般蔵書が少なかったために、県立図書館から500冊をお借りする。倉吉市立図書館から、すぐ近くにあったんですけれども、倉吉市立図書館から400冊借りてきて、闘病記だとか、一般の書物も充実をさせていらっしゃいました。その内容は、司書さんがいますから、定期的に入れかえをして、常に皆さんの利用に応えていく、また、いろいろレファレンスをいただいて、こういうのを調べたいとか、こういう本を読みたいと言ったら、司書さんはもうちゃんとてくてく歩いて倉吉の市立図書館に行ったり、また、郵便で送ってもらったりということでやっていらっしゃったんですね。診察券で登録をして、入院患者さんとか、付き添いの家族を対象に貸し出しも行っていらっしゃいました。
ただ、伺ったところによると、この病院内に専任の司書を配置する事例というのは、やっぱり全国的にもすごく珍しく、慣習を越えて、複数の図書館が病院図書室の支援体制をつくっている事例というのは、全国初とも言えるぐらい、まれだということでしたけれども、そういうすばらしい取り組みのところを、先進中の先進に行ってきたわけですが、そこに行って私が思ったのは、ここは改装してつくられたわけですけれども、うちの長崎市の市立病院、今度の新しい新市立病院はまだ今から計画を策定して、そして、青写真を書いてつくっていくという、まだ本当に考える余地のある段階でありますので、ぜひこういう病院の中に明るい図書室があったら、どんなにすばらしいだろうということを感じまして、本当にぜひこの質問をしようと思いました。
なぜそこまで思ったかといいますと、私は自分が看病の体験がございますので、本当に半年の間、ずうっと病院と家の往復をして、病院にいる時間も意外とあったんですけれども、本当に、例えば、ちょっと自由な時間ができても、居場所がないというのを痛感しておりました。そこにこういう施設があれば、本当に一生懸命いろんな重圧に耐えて、ストレスに耐えて頑張って介護をしている家族の方にとっても、また、外来で来られた人にとっても、また、患者さんでも、重病の方は動けないかと思いますが、例えば、回復期にある方が次の社会に出ていくときの本当に勉強だったり、また、ちょっとした時間に読んだりと、そういう本当にどれをとってみても、これは本当に有意義だというふうに感じております。
心地よいアメニティーというか、どうしても病院というのは無機質なというか、本当にそれはもう衛生的にしようがないんですけれども、そういう感じなんですが、でき得れば、本当に木とか、紙とか、布とか、そういう全く気分が変えられるような、そういうすばらしいアメニティーの空間を、また、気持ちを変える場所をつくっていただきたいと心から思っております。
そのことを念頭に置いた上で、それの車の両輪のもう一つ、インフォームド・コンセント、セカンドオピニオンという面においても、患者は素人ですので、お医者様の言われることを何を基準に判断をしていいかというのはものすごく難しいんですね。そういうときにこういう本はありませんかと司書さんに言ったら、持ってきてくれる。それを読んだら、先生の言うことが理解できる。また、もっと違う治療法はないんですかって尋ねることができる。この効果というのは、ものすごく大きいと思うんですけれども、病院局長、いかがでしょうか。
71 ◯病院局長(楠本征夫君) お答えいたします。
ただいま言われました一般的な読書、それから、専門的といいますか、自分の病気に関する知識を得るということ、それから、ほっとした時間を持ちたいという、いわゆるアメニティー、その3点につきましては、本当に今の病院にとっては必要なものであると、そのように考えております。
新しい病院に関しまして、図書館が可能かどうかということが一番問題になるわけなんですけれども、今言われた図書館というのも必要ですけれども、ほかにもまだ必要で、ぜひ欲しいというものがたくさんございます。そういうことで、そういうものを含めて優先順位を決めていきたいと思いますけれども、決して後ろ向きで考えているつもりはございませんから、前向きに検討しながら、そういう作業を進めていきたいと思っております。
以上でございます。
72 ◯23番(向山宗子君) ありがとうございます。局長の前向きという言葉に希望を託していきたいと思います。本当にこの計画段階で本格的な病院患者図書館が配置されれば、今、長崎にはないわけです。長崎大学にもありません。原爆病院は何か過去にあったというデータをちょっと読んだんですけれども、現在は職員だけしか使えないという状況のようでございます。これが新しい長崎市立病院が配置をされれば、九州で初になりますし、医療の充実がまず第一というのは当然のこととして、患者中心の医療への転換といいますか、患者の総合的な満足度の向上を考えると、プラスアルファの医療サービスはものすごく重要になってくると思います。本当に長崎市立病院のグレードが上がることは確実だと考えておりますが、市長、いかがお考えでしょうか。もし、見解がございましたら、お願いいたします。
73 ◯市長(田上富久君) 向山議員の再質問にお答えをいたします。
先ほど病院局長からご答弁させていただきましたように、これからさまざまな必要な施設を検討して、優先順位をつけながら整備を図っていくことになりますけれども、その中で先ほどおっしゃったアメニティーの部分というのは、確かに大事な要素の一つであると思いますし、そういった要素も十分加味しながら、今後検討を進めていきたいというふうに思います。
以上です。
74 ◯23番(向山宗子君) ありがとうございます。それでは、本当に希望を持って、また、しっかり私も応援をしていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
では、続きまして、女性の健康支援、がん対策について再質問をさせていただきます。
最近、本当に、先ほど長島千恵さんのお話をちょっと引用させていただきましたけれども、本当に胸が詰まるような思いです。近年、本当に女性特有のがんである子宮頸がんや乳がんに罹患する若い女性が急増しているということでございます。子宮頸がんでは約8,000人が罹患をされて、2,500人が死亡、乳がんでは3万5,000人が罹患して、1万人が死亡しているというデータもございます。本当に検診を受けることが早期発見、早期治療につながるということがわかってはいるんですけれども、日本の受診率は両がんともに20%台でございまして、アメリカやフランスなどは70から80%あるんですね。もう日本はOECD各国の中で最低という不名誉なデータが出ております。
じゃ、なぜ検診に行かないのかっていったときに、やはりいろんなアンケートや意識調査の中で出てくるのは、恥ずかしいとか、怖いとか、痛そうとか、知らなかったとかということが多いようであります。正確な知識というか、本当に、つい人ごとだと思ってしまいがちですので、本当にそうではないということを若いときからしっかりと教育していく必要があるのではないかと思っているんですけれども、そういう若い人たちにきちんと理解してもらうためにも、母子手帳から引き継いでいく中学とか高校のときに、きちっとした知識も与えた上で、自分自身が小さいころからどういう予防接種を受けてきて、どういう病気をして、どういうお薬を飲んで、どういうふうになっていったかということを記していくのが健康パスポートと私たちは呼んでいるんですけれども、健康手帳という、そういう考えを持っているのですが、見きわめていきたいというのを、さっきの市長の答弁の中にありましたけれども、その必要性、今後、導入のお考えは、啓発という意味も含めて、今後の導入のお考えをもう一度お聞かせください。
75 ◯福祉保健部長(桑水流和弘君) 再質問にお答えいたします。
先ほど市長も答弁いたしましたように、思春期の後期から老齢期を対象とした記録ということで、母子の健康手帳、あるいは健診、予防接種、そういったものの記録を記載して活用していただくというようなことでございます。
今年度、女性の健康支援対策事業の中で、モデル事業として、幾つかの自治体で取り組まれるということで聞いておりますので、その事業結果を見て、私どももこの配付については検討をさせていただきたいと考えております。
以上でございます。
76 ◯23番(向山宗子君) ぜひしっかりと取り組んでいただく方向でお願いをしたいと思います。
次には、女性特有のがん検診の推進事業の中で、無料の検診クーポンと、それから、検診手帳を配付するということで、長崎市としてもそれは実施に向けて取り組んでいかれるということで大変ありがとうございます。これで具体的にいつごろ、どのような方法で行われるのか、わかっていれば、そのことと、また、長崎市における対象人数はどれくらいかお教えいただけませんでしょうか。
77 ◯福祉保健部長(桑水流和弘君) 再質問にお答えいたします。
事業の実施要綱自体がまだ示されておりませんが、一応県とか国、それから、説明があった範囲内でお答えしたいと思います。
子宮がんにつきましては、20歳から40歳までの5歳刻み、乳がんにつきましては、40歳から60歳の方ということでございまして、年齢的には前年度にこの年齢に達した方々が対象となってまいります。
事業を実施するとした場合の事業対象者でございますが、子宮頸がん検診で約1万3,400人、それから、乳がん検診で約1万7,000人、合計3万400人ぐらいの方が対象になるというふうに考えております。
以上でございます。
78 ◯23番(向山宗子君) ありがとうございます。それでは、連絡がございましたら、スムーズな実施ができるよう、しっかりと今から取り組んでいただきたいと思います。
次に、啓発活動と、もう1つ、乳がんに関して、先ほどご答弁の中で、今まで40歳以上だった対象年齢を市独自の助成制度として30歳に拡大をしていただけるというご答弁をいただきまして、本当にうれしく思います。大変に評価したいと思います。
乳がんはそうなんですけれども、それもまた、超音波ということで、若い方はやはり超音波のほうが発見がしやすいということも私も存じておりましたので、そのことも評価いたします。
それでは、子宮頸がんのほうなんですけれども、この子宮頸がんというがんは、普通のがんと違いまして、子宮体がんとも全然別物ということで、ウイルスによって発症するがんであって、ですので、発症する前に予防ができる唯一のがんだと言われています。私も近年までこのことを知らなかったんですけれども、ヒトパピローマウイルスというウイルスはとてもありふれたウイルスだそうで、風邪と同じような感じで、ほとんど女性の7割から8割はもう一度はうつっていると。ただし、これは性交渉によってうつるんですけれども、初めて性交渉があってから3年がたつと、もうだれがなってもおかしくないというようなことだそうです。ただし、きちんと検診さえ受けていれば、うつっていくのは本当に数%なんだけれども、その数%すらも、がん化していくのに5年から10年かかるそうなので、そのHPVに感染しているかどうかがわかれば、本当に予防ができるということを知りました。やっぱりはきちんとした知識を持って、きちんと検診を受けていれば、この子宮頸がんという病気は、ほぼ100%かからないということがわかったということは、これは私たち議員とか、行政の責任も重大だということだと思います。
それで、新たなご提案なんですけれども、2年に一遍で大体発見できる数というのは本当にそんなに変わらないというのは、そのとおりなんですが、発見できなかった数を見ると、明らかに違うんです。やっぱり毎年やったほうがいいんです。ところが、そうなると、費用が倍になります。それで、この細胞診と、それから、このHPVが感染しているかどうかというのをあわせてやると、これがもし、どっちもマイナスだとすると、3年間しなくていいそうなんです。ですので、それを20歳以上は全員細胞診のみだけやる、30歳以上は細胞診とHPV検査を取り入れてやるというふうにやっていくと、今のかかっている費用とそんなに変わらない費用で、この施策ができるということをちょっと聞いたんですけれども、こういうことがわかったら取り組んでいただけるお考えはありますでしょうか。
79 ◯福祉保健部長(桑水流和弘君) 再質問にお答えいたします。
子宮頸がんに関する、いわゆる検診の方法でご提案ございました。私どもといたしましては、現在、非常に受診率が低いというようなこともございます。そういった意味から、まず、一義的には、そういった若いうちに検査を受けることで防げる、特に子宮頸がん等ございますので、若い人に対するそういった検診の勧めといいますか、そういったものをまずは進めていきたいと思います。特に携帯電話等でのそういった相談、あるいはメールマガジン等、若い方への情報発信、それから、あるいは大学とか、専門学校、そういった若い方がいらっしゃるところでのイベント、シンポジウムを通じまして、女性のがんでございます子宮頸がん等の啓発を行いたいと思います。
なお、HPV検査、あるいは細胞診を組み合わせてやる方法につきましては、ただいまちょっとご提案を受けましたが、経費的なものはどのようになるか、ちょっと今わかりませんが、研究をさせていただきたいと思います。
以上でございます。
80 ◯23番(向山宗子君) ありがとうございます。しっかりと前向きに検討いただければと思います。要望をしておきます。
時間がございませんので、最後のふるさと納税制度に対する再質問をさせていただきます。
先ほど言っておりました特産品をアピールすることを目的として企業さんに協力をしていただいて、商品を送るというようなシステムをとった米子市は、何と昨年度の実績が134件で1,067万円、出雲市は713件で1,773万円という実績が出ているんですね。やはりアピールの熱心さ、積極性ということも大事だと思いますので、これは要望をしたいと思います。
ちょっと1つ教えていただきたいのが、長崎は49件で、市内が6件、市外が43件で、県外が31件ということでしたが、長崎市職員で長崎市外に居住されてある方もちょっと私調べたんですけれども、4,054名の中で何と15.9%、ほぼ16%の644人の方が長崎市外にお住まいなんですね。この本当に長崎を元気にしていこうという納税制度ができたときに、本当にこの数を引き算すると、本当に10人とか、それくらいの人しかひょっとしたらされていないんじゃないかと思うんですが、市職員に対する啓発はいかがでございましょうか。
81 ◯企画財政部長(野田哲男君) 再質問にお答えいたします。
まず、市職員の実績でございますが、現時点で14人で、合計49万8,000円、そのうち市外居住者は11人で、寄附金の合計は40万3,000円となっております。
寄附そのものを強制的に要請するということは、寄附の趣旨からいって難しいんじゃないかなというふうには思っておりますが、このふるさと納税の制度、あるいは事業の趣旨を庁内の会議などで積極的に伝えてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
82 ◯23番(向山宗子君) 意識の問題だと思いますので、どうか強制はもちろんできないと思いますし、そういうものではないとよくわかっておりますけれども、よろしくお願いをいたします。
最後に、今回、クレジットカード払いもできるようになったと、いろいろな目的も選べるようになったということで、制度はとっても進めていただいていることを評価した上で、長崎出身のふるさと大使である福山さんであるとか、また、それい以外にもたくさん有名な方とか県外で活躍されてある方もいらっしゃいます。そういう方々にご協力も願いながら、また、来年は「龍馬伝」ですので、どんどん長崎の魅力をアピールした上で、また、ご協力をお願いしていけるよう、私たちも頑張りますけれども、職員の方々も意識を持って啓発していただけることをお願いして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
83 ◯議長(吉原 孝君) 次は、39番吉村正寿議員。
〔吉村正寿君登壇〕
84 ◯39番(吉村正寿君) こんにちは。市民クラブ、吉村正寿です。6月議会の
市政一般質問のトリを務めさせていただきます。トリといえば思い出されるのは、年末の紅白歌合戦の美空ひばりであります。美空ひばりには遠く及びませんが、柔の心境で、川の流れのような質問をできればと思っておりますので、どうぞ市長並びに理事者のお答えを求めます。
初めに、被爆二世問題についてお尋ねします。
昨年6月議会において、被爆二世問題について質問をさせていただきましたが、そのときの市長及び原爆被爆対策部長の答弁には失望しました。被爆二世が肉体的にも精神的にも経済的にも苦しんでいる、そういう現実があるにもかかわらず、法律論を盾に、解決しようという意思をみじんも感じられなかったことは本当に残念でした。ただ1つ、田上市長が被爆二世の会の皆様と面会するお約束をいただき、それをかなえてくださったことは大変感謝をしています。この場をおかりしてお礼を申し上げます。市長、ありがとうございました。市長の被爆二世の会への面会は、問題解決に向けての前進ではありますが、それが大きな一歩になるのかどうかは、これからの努力次第であると思います。
そこで、市長が被爆二世の会の皆様にお会いしたときの心境並びにご感想を率直にお聞かせください。
また、ことし3月にも被爆二、三世に関する申し入れが行われましたが、その回答については、例年のごとく国に対する要望のみを行うだけで、市独自の政策はゼロ回答です。このような回答を続けなければならないことについて、市職員の皆さんの矜持は本当にあるのでしょうか。市長のおっしゃる職員力を信じてよいのでしょうか。
次に、
地球温暖化と防災対策についてお尋ねします。
IPCCが2007年
地球温暖化に関する第4次評価報告書を発表しましたが、それによると、2099年までに地球の海水面が最大59センチメートル上昇するという予測がされています。政府は、
地球温暖化の原因である
温室効果ガスの削減に向けて目標を定めて官民一体となった取り組みを進めていますが、緩和策は話題になっても、適応策についてはほとんど私たち市民には知らされていません。実は大変なことが私たちの住む長崎にも忍び寄っています。皆さんもテレビでごらんになったことがあると思いますが、ツバルやキリバスなどの島嶼国の一部が海面の上昇によって水没しようとしています。しかし、この事象は何も南の国の島々に限ったことではなく、地域差はありますが、世界じゅうの国に起こっていることです。当然、我が長崎市にも起こっています。
全国でも有数の長い海岸線を持つ長崎市としては、この海面上昇についてどのようにとらえていらっしゃるでしょうか。また、何か対策をお持ちでしょうか。
最後に、長崎の教会群とキリスト教関連遺産の世界遺産登録と
まちづくりについてお尋ねします。
長崎県は長崎の教会群とキリスト教関連遺産を世界遺産に登録しようと、関係市町とともに取り組んでいます。長崎市議会でも昨年度、世界遺産推進特別委員会で課題や問題点を議論させていただきましたが、そこで議論をもう少し深めたかった点についてご質問をさせていただきます。
まず、世界遺産の構成資産がまだ固まっていないようですが、構成資産を決定する長崎県世界遺産学術会議での議論はどのようになっているのでしょうか。
また、現時点で構成資産が決定していないということは、長崎県が目指す平成23年度の世界遺産登録は無理ではないかと思われますが、いかがでしょうか。
日本二十六聖人殉教地は、長崎の教会群とキリスト教関連遺産の構成資産候補となっており、大変重要な場所と認識していますが、隣接する地域は長崎市の玄関口で、ビルが建ち並び、駅周辺の再開発や魚市跡地への県庁舎移転が進められています。世界遺産の登録にマイナスの影響が懸念されますが、今後のこの地域の
まちづくりについて、どのようなお考えをお持ちなのかをお聞かせください。
また、世界遺産登録を進めるような
まちづくりをしていかなければならないと考えますが、長崎市を今後どのようなまちにしていこうとお考えなのかをお聞かせください。
以上、本壇からの質問とします。お答えの後、自席より再質問させていただきます。=(降壇)=
85 ◯議長(吉原 孝君) 市長。
〔田上富久君登壇〕
86 ◯市長(田上富久君) 市民クラブ、吉村正寿議員の質問にお答します。
まず、1点目の被爆二世問題につきましては、昨年の6月議会での議員のご質問を受けまして、9月に被爆二世の皆様と直接お会いし、その思いやご要望をお伺いいたしました。その中で、被爆二世の方々が被爆者である親の体験、あるいはご苦労を身近に感じてこられ、また、ご自身も身体的な不安を感じておられることを改めて感じました。
この被爆二世対策につきましては、東京都、あるいは神奈川県など一部の自治体で、医療費の助成など独自の施策を講じていることは存じております。長崎市としましては、被爆者と同様に、被爆二世対策につきましては国の責任においてなされるべきであると考えております。
国への要望を有効なものにするために、被爆二世の実態調査を行ってほしいという点につきましては、国が健康診断以外に被爆二世対策を実施していない理由が、現在までの科学的知見では原爆放射線による遺伝的影響が認められていない、解明されていないためとされています。したがいまして、国を動かすためには、放射線や医学の専門化の解析を前提として、被爆二世の人たちと被爆をされていない親を持つ同世代の人たちとの比較ができる広範な学術的な調査が必要であると考えています。既に放射線影響研究所が行った被爆二世の生活習慣病と親の放射線被曝との関連についての調査結果が平成19年2月末に出されており、現段階では影響は見られないという見解でありますが、さらに研究する必要があることから、今後も継続して行われる予定だと聞いております。
国では、この調査の推移を見て、被爆二世対策について検討するという国会での答弁がなされておりますので、長崎市としましては、被爆者とその子、孫に対する原爆放射線の身体的影響及び遺伝的影響についての調査研究の継続とさらなる促進を図っていただくとともに、がん等への健康不安を抱えている被爆二世の健康診断にがん検診を加えていただくことを広島・長崎原爆被爆者援護対策促進協議会、いわゆる八者協及び長崎原子爆弾被爆者援護強化対策協議会を通じまして国等へ強く要望をしてまいりますので、ご理解をいただきますようにお願いをいたします。
次に、2点目の
地球温暖化と防災対策についてお答えします。
地球温暖化等による潮位の上昇につきましては、世界的に問題が指摘されております。議員ご指摘のように、台風の際には気圧や風の影響で海面が異常に上昇し、それが満潮と重なった場合には、海抜が低い地域において浸水被害の発生する可能性が高くなるものと考えられます。長崎市は、埋め立てによってまちが形成されてきた歴史を持つため、平たん地の中には海抜が低い地域もあります。このため、これまで道路のかさ上げや排水施設の整備など、浸水被害を防ぐための対策を講じてまいりました。また、建物につきましても、市の施設だけではなく、民間の施設においても、地下室への入り口などに防潮板を設置するなどの対策がなされてきております。しかしながら、堤防や護岸、水門、河川等の浸水被害に対する施設は、過去の災害におけるデータをもとに設計がなされておりますので、台風と潮位の上昇が重なり、過去のデータを上回る高潮が発生した場合はソフト面での対策が主になります。その対策としましては、気象台、その他関係機関と連携を密にして情報の収集に努め、その情報を迅速、的確に住民の皆さんに伝達することで、早目に避難をしていただくことが最も重要です。そのためには、住民の皆さんが日ごろから自分たちの住んでいる地域にどんな危険があるのか、いざというときにどこに避難すればいいのか、情報はどのように把握するのかなど、災害に対する十分な備えをしていただくことも必要です。
そこで、その取り組みとして、地域ごとの防災訓練を実施するとともに、防災研修会などを開催し、地域の危険箇所の把握、防災情報の取得方法、避難経路の確認など、防災意識の浸透を図るよう力を注いでおります。また、地域住民の安全を確保するためには、地域で自主的に防災活動を行う防災組織が大きな力になることから、自主防災組織の結成促進と活動の活性化を図っておりますが、今年度は自主防災組織活動の中心となっていただく市民防災リーダーの育成事業を行うことにしております。
いずれにしましても、長崎市は海岸線も長く、離島もございますので、温暖化による海面上昇の影響は大きなものになると考えます。今後とも、ハード、ソフトの両面から被害の軽減に努めていきたいと考えております。
次に、3点目の長崎の教会群とキリスト教関連遺産の世界遺産登録とまちづくりについてお答えします。
世界遺産暫定一覧表、暫定リストに掲載されております長崎の教会群とキリスト教関連遺産につきましては、現在、長崎県及び関係5市2町で連携をして世界遺産登録への取り組みを推進しております。その登録に向けたスケジュールにつきましては、できるだけ早期の登録を目指すという観点から、現在、平成23年度の登録を目指して取り組んでおりますが、昨年度、長崎市議会世界遺産推進特別委員会におきましても、登録目標年次につきましてご議論いただき、世界遺産登録目標年次については、県と関係市町で十分な精査と早急な対応を行うことなどのご要望もいただいております。そういった中、平成21年1月、ことしの1月に文化庁で行われたヒアリングの中で、平成23年度の登録は、ユネスコの世界遺産委員会での審査が厳格化していることや現在の準備状況を踏まえると厳しいのではないかという文化庁からの指摘を受けたという報告が長崎県からなされました。そのため、長崎県及び関係5市2町でこれまでの取り組み状況の検証と登録に係る課題の抽出を行いまして、現在、その結果を踏まえ、県及び関係市町で検討を行っております。
いずれにしましても、世界遺産登録に向けた取り組みは地域の活性化を目指す上で重要でありますので、全力で取り組んでいきたいと考えております。
次に、長崎県世界遺産学術会議の状況ですが、この会議は、長崎の教会群とキリスト教関連遺産の世界遺産登録のため、推薦書の内容などにつきまして、学術的、あるいは専門的な立場から検討を加えるために設置されたもので、これまでに5回開催をされ、世界遺産としての価値や構成資産について検討を行ってまいりました。長崎の教会群とキリスト教関連遺産の世界遺産としての価値については、ことし3月に世界遺産国際シンポジウムを開催するとともに、海外の専門家の方々との意見交換会を行い、貴重なご意見を伺っております。
構成資産については検討が重ねられておりますが、現在のところ決定までには至っておりませんので、今後も引き続き長崎県世界遺産学術会議で検討し、最終的には国内外の専門家の意見も聞きながら、国、県、関係市町で協議の上、決定していくこととしております。
こういった中、長崎市では、議員ご指摘のとおり、日本二十六聖人殉教地はキリシタン弾圧を示す歴史的遺産として、また構成資産の候補として非常に重要な場所であると認識をしております。日本二十六聖人殉教地を保護するためのバッファゾーンにつきましては、平成20年度に実施いたしました景観計画策定のための調査を踏まえ、今後も専門家の方々からの意見を伺うとともに、地域住民の皆様などと十分に相談をしながら検討していきたいと考えております。
一方、長崎駅周辺地区のまちづくりでございますが、この地区は国際観光文化都市長崎の玄関口として大変重要な地区であり、九州新幹線西九州ルート、JR長崎本線の連続立体交差、そして土地区画整理事業の3つの事業を相互に連携を図りながら進めております。そこで、この地区の今後の具体的なまちづくりについて検討するため、ことし1月に地区内の地権者や地元の代表、関係団体、学識経験者などで構成する長崎駅周辺
まちづくり委員会を設置いたしました。現在、幅広いご議論をいただきながら、周辺環境と調和した建築物整備のあり方などのきめ細やかなルールづくりに向けた検討を進めております。検討に当たりましては、世界遺産登録への取り組みと十分に整合を図っていきたいと考えております。
いずれにしましても今、長崎市は長崎の教会群とキリスト教関連遺産など世界遺産候補を2つも持つまちになるとともに、長崎の
まちづくりの核になる長崎駅周辺地区においては、新幹線の終着駅が長崎であることが明確になり、長崎駅周辺土地区画整理事業とJR長崎本線の連続立体交差事業が都市計画決定されるなど、
まちづくりを進める上で絶好の機会を迎えております。この機会をとらえ、長崎市が持つ歴史、文化、市民性、地理、地形などを強みとして最大限に生かし、個性的なまちをつくることを目指して、今後の
まちづくりに取り組んでいきたいと考えております。=(降壇)=
87 ◯39番(吉村正寿君) お答えありがとうございました。
まず、被爆二世の問題から再質問をさせていただければと思います。
市長にお答えをいただいているんですけれども、6月議会のときに原対部長がお答えになったのと何ら変わるところがなくて、少しでも変われば、被爆二世の会の皆さんも少しは一緒に、ああ、何かやっているなという気持ちになられると思うんですけれども、どうも今、市長のお立場、よく皆さん聞かれるんですが、市民の立場ですか、国の立場ですかというのをよく聞かれるんですよね。そのときに、市長は必ず、いや、私は両方の立場を持っていますと、国の事務をきちんとやらなければならないし、かといって、それだけではなくて、市民の皆さんの声もきちんと受けとめて、それを伝えなければならないということでお答えになられます。
そこで、市長の国の立場に立った姿というのは結構よく見かけるんですよ。マスコミでも何でも、裁判のときでも被告は長崎市ですから、やはり長崎市の代表である市長というのは、どうしても国の立場というふうに見られがちなんですよね。ところが、市民の立場に立って運動している市長の姿というのはなかなか見えないと私も思うんですよ。
そこで、被爆二世の会もそうですが、ぜひ被爆者の皆さんと一緒に手をとり合って、何か一緒に国に対して戦っているんだという姿勢を見せていただきたいと思うんですけれども、ちょっと抽象的な質問で申しわけないんですけれども、何かそういうふうな、何か機会があれば一緒にやっていくんだよという心構えでも結構ですから、お聞かせいただきたいと思います。
88 ◯市長(田上富久君) 吉村議員の再質問にお答えいたします。
昨年、被爆体験者の問題などで、これはもちろん議会の皆様とも一緒になって、さまざまな行動を起こしました。波状的に何度も何度も東京にもお伺いしましたし、関係の国会議員の皆さんが長崎にお越しになったときにもお話をさせていただたり、あるいはこちらからもちろん何度もお伺いして要望を続ける、あるいは厚労省に要望する、あるいは与党PTの会議に参加して、長崎市の体験者の皆様の実情を述べ、改善を要望するさまざまな活動を展開しております。そのことにつきましては、原援協として議会の皆さんとも一緒になって活動を常に続けておりまして、今後もそういう意味では議会の皆さんと連携をとりながら、市民の要望について、特に国、あるいは国会議員の皆様にも強く要望を続けていく中で、少しずつ少しずつ制度が前進してきていると思います。
昨年12月の被爆体験者の制度につきましても、平成14年の創設時点に戻すことができたのも、そういった多くの皆さんの力添えがあったからだというふうに思いますし、私もその中で何度も何度も東京のほうにもお伺いいたしました。そういった意味では、決して活動していないということでは全くないというふうに考えておりますし、今後とも精いっぱいそういった姿勢で臨んでいきたいというふうに思っております。
以上です。
89 ◯39番(吉村正寿君) ありがとうございました。被爆二世の問題ですけれども、科学的根拠ですね、放射線の科学的な影響が見られないということで今、そこが壁になって被爆二世の問題が全然前に進まないということだと思うんですけれども、確かに難しいと思うんですよね。ただ、植物ですとか動物実験では、放射線の子孫への影響というのはきちんと見られているわけで、こればっかりは人間で実験するわけにいかないからですね。ですから、これを証明するのは非常に難しいと思うんですが、ちょっと切り口を変えると、実は被爆二世の問題というのは被爆者自身の問題なんですよ。
というのが、私がよく知っている方が去年、がんになったんです。私と同年代で、その方が胃がんだったんですけれども、その家系はお父さんのほうの家系もお母様のほうの家系も、がんは1人もいないんですよね。もちろんかかった人がないから亡くなった人もないわけですけれども、その人のお父様が竹の久保で被爆をされた方、結構近いところで被爆されて、被爆してすぐ頭の毛が抜けたりとかいう障害も出たそうです。ところが、今はもう健康なんですけれども、その方が入院されたときに、そのお父様が一番苦しんだとおっしゃるんですね。本人は意外とけろっとしていたと。お父様が何と言ったかというと、自分が原爆に遭ったから、その人が、がんになった人が苦しんでいるんじゃないだろうかということを常に言って、ほとんど毎日病院に見舞いに来たというんですよ。やはり被爆者というのは、自分の体に起きたこと、また自分の心の中のこと、自分のことを抱えているんですよね。それにプラス、その
子どもたちの責任まで被爆者というのは実は負っているんですよね。こういう精神的な構造といいますか、私たちにはわからない部分で苦しんでいらっしゃる。その人たちの重荷を少しでもとってあげられるのは、私は行政の力ではないかなと思います。そこで、東京、神奈川あたりはできていますよね。残念ながら、被爆地である広島とか長崎はその対策がとれていない。そこで、全部が全部やってくださいというようなことではなくて、何かやっぱりプラスの方向で転がしていただきたいんですけれども、答えは一緒なので、ちょっと要望にとどめておきますが、とにかく市民と一緒に手をとり合って国に何かすると。その何かというのは被爆二世の方々ときちんと話をして、一歩ずつでもいいから前に進んでほしいと思います。
そのときに今、一番要望されているのは、まずとりあえずできることとして実態調査、被爆二世の実態調査をまずやりましょうよということでおっしゃっていますから、実態調査についてはそんなにお金もかからないでできると思いますので、どうかできるような方向で考えてください。
被爆二世の問題はこれで終わりにしたいと思うんですが、ある方が言っていました、田上市長にこれだけ伝えておいてくれと。それは、平和都市の市長と平和市長は違うんだよという話であります。私もよくわかる話でありますが、どうか田上市長、平和市長を目指して、ぜひ被爆二世の問題も自分の代で解決するんだというふうに思っていただければありがたいと思います。
続いて、
地球温暖化と防災対策について再質問をさせていただきたいと思います。
私は、もちろん台風のときなんかの高潮の影響も考えていたんですけれども、実は2099年には台風が来なくても59センチメートル上がるということがIPCCの報告書で言われているんですよね。
そこで、お伺いしたいんですが、IPCCの第4次報告書については、市のほうでどなたか担当者、お読みになられましたでしょうか。まずそれと、お読みになられた場合に、その感想もちょっとお聞かせいただきたいと思います。
90 ◯総務部長(三藤義文君) 私どもも資料を収集しまして、内容については読まさせていただいております。
内容につきましては、確かに第3次報告書に比べて一段と進んだ評価がされているということで、現実性が増してきたんじゃなかろうかというようなことをまず感想として思っております。
以上でございます。
91 ◯39番(吉村正寿君) ありがとうございます。私はこの報告書を読みながら恐怖感を覚えました。大げさでも何でもなくて。それをもとに、ちょっと地図を作成してまいりましたので、ちょっとごらんください。地図といいますか、防災マップといいますか。すみません、チームプレーでまいります。〔図示表示〕この青いところが長崎港ですね。これは浦上川で、こちらは中島川ですね。この緑の線は、これは主要な長崎市の道路です。主要な部分は長崎市の道路です。今、長崎市の潮位がここ5年間で一番高いときの平均ですね、毎年潮位が違いますから。一番高いときの平均が海抜1.95メートルです。海抜1.95メートルです。この海抜は東京湾平均海面から1.95メートルということで、この地図は長崎市の基本図、2500分の1の基本図を持っていらっしゃいますけれども、それを4分の1にしましたので、縮尺としては5000分の1の地図なんですけれども、ここに書いてある高さというのは、だから、東京湾潮位表に載っている高さと一緒なわけなんですね。ここに数字がずっと小さく書いてあるんですよね、ここは幾ら高さがあるというのを。そこで、今、1.95メートルというのが一番長崎で潮位の高い部分ですから、その1.95メートルに2099年の59センチメートル上がったときの水位、約2.5メートルになりますけど、その2.5メートルの部分よりも低い部分をこのピンクの印で囲ってみました。こんなにあるんです。これは災害のときじゃないんですよ。常に満潮のときに、潮の上下はありますけれども、潮の高いときにはこの部分には潮が来るということです。こういった浜口の周辺部については、それこそ道路が濡れる程度ではあるんですが、実は一番低いところは目覚、実は海抜1.4メートルしかないんです。ということは、もうこの目覚あたりは、あの交差点あたりは1メートルぐらい常につかるんですよ。常になんですよ。だから、災害のときだけじゃないんです。災害のときはもっと恐ろしいシナリオが裏に用意してありますので、後ほど説明しますけれども。となれば、どうするんでしょう。これは主要な道路なんですけれども、主要な道路が時間によっては全然通れなくなるんですよね。今、長崎市はこういう状況を抱えているんです。
ということで、確かに台風のときはもっと大変なので、後から言いますが、こういう状況が2099年に来るということです。私は136歳です、生きていたら。ちょっとえらい先の話ではあるんですが。ところが、じゃ、今から90年後に潮位が一気に59センチメートル上がるのかというと、そうじゃないはずです。だんだんだんだん上がっていくはずですよね。だんだん上がったときに、多分30年後とか40年後には長崎に影響が出てくるはずなんですよ。もう満潮のときには必ず長崎は水につかっているという状況、もしかしたら駅にはボートで行かんばいかんごとなる可能性もあるわけですよね。59センチメートルということでしたが、まさか長崎上がっておらんやろうねと、海洋気象台に行ったんですよ。上がっていました。長崎が今、何と年間3.7ミリメートルずつ水位が上昇しているそうです。ということは、ほかの地域は5.1ミリメートル、鹿児島で5.7ミリメートル、福岡で5.1ミリメートルとか上がっているんです。長崎だけ今のところ3.7ミリメートルなんですよね。
これが今の調子でどんどん水位が上がっていくと、本当に大変なことになると思うんですが、これについて早急に何か手を打たなければならないと思うんですが、まず何からやりましょうか。お考えがあるんだったらお聞かせください。
92 ◯総務部長(三藤義文君) 確かに議員ご指摘のように、21世紀の末には59センチメートルというのが、これは最大値として出されております。ただし、この数値につきましては、社会経済事象が現在の化石燃料を使っていくというふうなことを前提とした場合の最大値が59センチメートルということになっております。だから、私どもは、まず温暖化対策を全世界的に今から打っていくということが、これが一番大きな効果があると思っております。だから、59センチメートルの水準になるのか、それともIPCCが出しております18センチメートルの水準になるのかは、今からの私どもの生活のあり方によって変わってくるというふうに考えております。これは世界的な内容は、そういうようなことだというふうに考えております。
また、長崎市だけの例をとりますと、これは確かに海面の上昇というのは起こっております。ただ、私ども護岸整備等々は、これは過去の災害の状況等を勘案しながら整備をされているものですから、直ちに最大値を目標とした整備になるかというのは、これは難しい面があると思います。そういうことで、先ほど市長が本壇で答弁いたしましたように、やはり気象情報等を早期に入手して、そういうふうな被害に遭わないような状況で、まず、ソフト的に対応していくことがまずできることではないかというふうに考えております。
以上でございます。
93 ◯39番(吉村正寿君) 部長、報告書をよくお読みになったら今、部長がお答えになったことについては、実は一つひとつ書いてあるんです。政策決定者向け要約の概要というのが、これはちゃんと環境庁から出ているんですけれども、その中に気候変化とその影響に対する観測結果、気象システムの温暖化は疑う余地がないと、必ず温暖化をするんだと。それで、大気や海洋の世界平均気温の上昇、雪氷の広範囲にわたる融解、世界平均海面水位の上昇が観測されていることからも、今や明白であると言い切っているんですね。その後に、予測される気候変化とその影響ということで、現在、もしくはそれ以上の割合で
温室効果ガスが継続的に排出された場合、21世紀中にはさらなる温暖化がもたらされる。だから、今の状況で進めていくということは、さらなる温暖化がもたらされ、世界の気候システムに多くの変化が引き起こされるであろう。その規模は20世紀に観測されたものよりも大きくなる可能性がある。もう1つショックなのが、気候に関する諸過程やフィードバックに関連した時間スケールのため、たとえ
温室効果ガスの大気中濃度が安定化したとしても、だから、今なら今やめたとしてもということですね。安定化したとしても、数世紀にわたって人為起原の温暖化や海面上昇が続くと書いてあるんです。
今、政府は緩和策を一生懸命やっているんですよね。
温室効果ガスを出さないようにということで、緩和策は進めています。ところが、残念なことに適応策のほうについては全く何もやっていないというぐらい、やっていないですよね。護岸とか本当は国の予算が来ていないと、長崎ではできるような代物じゃないと思うんですよね。そういったことが全く政府のほうから言ってこないということは、政府自身が適応策を全然やっていないということなんですよね。実は、このIPCCの報告書の中には、適応策についてもしっかり書いてあるんです。どういうふうな適応のオプションがあるかというのが書いてあります。まず、インフラとか住居について、防波堤を高くする、高潮用の堤防をつくるとか、砂丘の補強をする。世界的なものなので、そうなんでしょうけど。海面水位上昇及び洪水に対する緩衝地帯としての土地の取得と沼地、長崎じゃちょっと無理ですよね。1つありました。移転と書いてあります。だから、要はこのピンク色のところ、このIPCCの報告書には、今のところ移転なのか、もしくはかさ上げ、特にこの高さは道路センターをずっととっていますので、道路センターは構造上ちょっと高いところにありますよね、道路の排水を考えるために。そしたら、道路よりも住宅地のほうが低いわけですから、この辺、水たまりになる。道路と住宅地をかさ上げにするのか、それともそんなにしょっちゅうしょっちゅうできないと、予算的にも無理だということになると、ここはもとに戻すと。海にお返しして、この人たちがどこかよそに移転をすると、そういうオプションまで考えてくださいよと、しっかり書き込んであるんです。だから、よく読んだんですかという話をお伺いしたんですよね。
それで、これは実は住居とかインフラ、鉄道とか道路とかですね。今、道路を言いましたけど、鉄道もそうなんですよね。今、長崎駅と新幹線と高架化の事業という話をされました。仮に道路に茂里町あたりで、2099年に1メートルぐらい来るわけですからね、1メートルぐらいの高さに水が来ないということは、それ以上に盛り土をして、道路を高くしてやる。皆さんが住んでいるところも高くしてやるということを考えないといけない。そしたら、今の設計で高架をすると、多分、道路からのクリアランスで5メートルぐらいとるはずなんですよ。高架下をくぐれるようにですね。道路運送車両法では3.8メートルの高さですが、それより以上にスムーズに通れるように多分5メートルぐらいとるはずなんです。5メートルをクリアできる道路の高さにしたはずなのに、水が上がってくるので道路も上げなきゃなんないとなったときに、今の設計がどのくらいになっているかわかりませんけど、それを1メートル上げないことには、この連立も高い車は通れないということになるんです。またそれをやり直すのにお金がかかるということなんですよね。
そういうことがないためにも、無駄なお金を使わないためにも、早目に温暖化の研究をして、これは私がざっとつくったものです。それも中心地だけです。もっと長崎市には東長崎のほうとかもあるわけですし、野母崎とか三和とか、実はもう磯道のほうなんていうのも低いんですよね。だから、あのあたりがどういうふうになるのかというのを早目にぜひ皆さんのほうでデータを集めていただいて、確かに防災も今からやりますけど、大事ですけど、防災も大事ですが、90年後には水没するんだという危機感を持ってくださいということです。
それでは、裏に行きます。〔図示表示〕ちょっと面積が広がりました。これはですね、さっき高潮の話が出ましたけれども、今、長崎の平均の最高潮位が1.95メートルと言いました。そのお話を長崎海洋気象台に聞きに行ったんですけれども、そのときに長崎海洋気象台の人たちに、長崎に台風がよく来ますけど、そのとき浸水を余りしませんよねという話をちょっと投げかけたんです。そしたら、気象台の職員が、いや、長崎はラッキーなんですよと言われたんです。というのが、大きな台風が長崎に近づいたのが平成3年の台風19号ですかね、リンゴ台風。あのときは、実は天文潮位と実際の潮位の差が1.29メートルあったというんです。天文潮位というのは、その時間に何メートルのところに潮位があるかという計算上出される潮位ですね。それをもとに潮位表というのをつくっていますよね。その潮位表の高さと思ってください。その潮位表の高さプラス1.29メートル上がったんだそうです。低気圧ですから、気圧が1ヘクトパスカル下がれば、水面が1センチメートル上がるんです。ということは、台風、今、950ヘクトパスカルとか940ヘクトパスカルの大型の台風、カテゴリー4、5の台風というのは非常にふえているんですね。それが長崎に襲来したとき、潮の高い時期というのは8月、9月に集中しているんですよ。今度も8月21日に184センチメートルというのがあります、午後9時ごろ。そのときに台風が来たら、水位が3.3メートルぐらいのところまで、計算上、上がるという。ということは、この赤い部分は海抜3.3メートル以下の地域です。先ほどはこの辺だけだったんですけどね、長崎市内中心部、平地は全滅です。意外と強かったのが、浜の町。浜屋のあたりでちょっと足が水で濡れる程度。これは旧市街地といいますか、昔からまちを形成しているおくんちの踊り町、大黒町とか元船町、この辺は別にして、この踊り町の周辺というのは意外と水が来ないんですね。今、やっぱり問題になっているのは埋立地、出島のあたりとか、新地のあたりとか、夢彩都のあたりとか、県庁が建とうとしている場所なんていうのは、もうまるっきりだめなんですよ。本当にボートで行かなきゃならないぐらいの高さです。特に県庁なんていうのは、防災のときに一番力を発揮してもらわなきゃならないところに行けないということは、これは大ごとですよね。というようなことが考えられるということです。これが高潮の被害です。
実は先ほど高潮の被害を想定されているとおっしゃいましたけれども、甘いです。まだまだ甘いと思います。なぜ甘いかと。長崎市は地域防災計画をお持ちですよね。これは災害対策基本法にちゃんと防災計画をつくりなさいと、法律で書いてあります。この地域防災計画に高潮の記述はあるんですか。高潮の被害を想定した対策は何かお持ちでしょうか、お答えください。
94 ◯総務部長(三藤義文君) 確かに地域防災計画のほうでは、これはあらゆる災害に対応するための避難、もしくは業務、こういうようなことを記載させていただいております。水際対策の場合は、これともう1つ、水防計画がございます。水防計画のほうは高潮を念頭に置いた部分も記載をされております。
ただ、私ども長崎市の場合は、7.23もありまして、大雨とか土砂災害を念頭に置いたといいますか、そちらのほうに軸足を置いた災害対策というのを中心に今打ってきておりますので、議員ご指摘のように、高潮に関する記載は薄いということは私も考えております。
以上でございます。
95 ◯39番(吉村正寿君) 災害対策基本法、昭和36年11月にできております。この災害対策基本法ができる大きな災害があったんですね。それは皆さんよくご存じなんでしょうけれども、伊勢湾台風です。伊勢湾台風は、実はこの高潮の被害が一番大きかったんですね。高潮が堤防を越えて、ちょうど貯木場があったらしくて、その貯木場にどんどん流れ込んで、木とか、あといろんなごみと一緒に住宅地を襲って、それでかなりの被害を出したということで、それをもとに災害対策基本法ができたというふうに言われています。その災害対策基本法の定義の中には、災害が幾つか定義してあって、災害は暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他のと書いてあるんです。ご丁寧に高潮と入っているんですよ。それはそうですよね、伊勢湾台風を契機にできた法律ですから。わざわざ高潮と入っているのに、長崎市は海がすぐそばです。高潮は十分に考えられるはずです。あびきというような特有な現象もあるわけです。その中で、豪雪はしなくてもいいとして、この高潮が地域防災計画の中に入っていないというのは、どう見てもやはりまずいと思うんですよね。ぜひ防災基本計画の中に、この高潮の部分、さっき水防計画の中に少し触れてあるとおっしゃいましたけれども、このくらいの、要はハザードマップをつくるぐらいの気持ちできちんと整備をしていただいて、そうしないと、こういう地域が水没する、高潮でやられる、標高の低いところだから気をつけてくださいねということは住民の皆さんに対して言えないと思うんですよね。それをまず避難をしていただくバックデータをきちんとつくっていただくという必要はあると思いますので、早急にやっていただければと思うんですが、いかがでしょうか。
96 ◯総務部長(三藤義文君) 議員ご指摘の面も含めまして、専門家の方々にもご意見をお聞きしながら、その辺のところを検討していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
97 ◯39番(吉村正寿君) ぜひよろしくお願いいたします。
次に、実際、今度もし災害があったときのことをちょっと考えたいと思うんですが、災害になったときに避難される方がいらっしゃいますよね。どこにでもそうなんですけど、避難所というのが緊急に設けられて、そこに安全なところに避難をしていただくということがよくあります。そのレポートを読んでいて、どこにも出てくるんですけど、気づいたんですが、高齢者、それから障害者、そして乳幼児を持つお母さん、その家族といってもいいと思いますが、そういう方々が非常に高いストレスを感じておられるということだそうです。
1つは、赤ちゃんの泣き声がその避難所じゅうに響き渡るんだそうですね。そうすると、周りの方ももちろんそうなんですが、周りの方はまだ、ああ、赤ちゃんが泣きよんねというぐらいの優しい気持ちの方もいらっしゃれば、そうじゃない方もいらっしゃるみたいですけど、それよりも何よりも、その泣いている赤ちゃんのお母さん、もう大変なんだそうです。人に悪い、悪い、悪いで。そこで、当初から想定されているわけですし、実際レポートもたくさん出ているわけですから、災害に対する弱者については、避難所をあらかじめ最初から別の場所に想定をしておくというのは必要ではないかと思います。このことは、実は災害対策基本法の中の配慮をする部分に書いてあるんですよね。高齢者、障害者、乳幼児等、特に配慮を要する者に対する防災上必要な措置に関する事項をちゃんとやってくださいよということで。これはやはり市もしないといけない。
そこで、そういうのをできるところというのは、一般の避難所より、むしろ、長崎はたくさん旅館とかホテルとかありますから、そういったところと協定を結んで、災害が起きたときにはそこに避難していただくと。そのかわり費用等も発生するでしょうから、そういったのはホテルとか旅館の組合の皆さんと、あらかじめ災害が起こる前に話をしていただいて、どういう場合はそこにすぐ避難してくださいよというような方法をつくっておくということが大事ではないかなと思うんですが、このあたりについてはいかがでしょうか。
98 ◯総務部長(三藤義文君) 再質問にお答えいたします。
確かに議員ご指摘のように、乳幼児を抱えた方や障害を持った方がほかの避難者と共同生活を送るには、なかなか難しい面があろうかというのは私たちも思っております。そういうようなことも受けまして、私どもも福祉避難所として社会福祉施設と協定を締結しまして、避難所として活用できるような方法も今現在行っております。
また、議員ご提案の旅館やホテルを避難所として利用することにつきましては、そういう方々にとっては非常に安心して避難ができるという点ではメリットがあると思いますし、また、避難が長期化した場合は、その他の方々にとってもそういうふうな整備が整ったところで避難生活ができるということは、これは安心して避難生活が送られる大きな要素だということは私も重々理解をいたしております。
ただ、議員おっしゃられたように、何分にもその経費とか、それから利用期間、常時使えるような状態になるのかどうか、いろんな避難所として活用するにしても整理していくべき課題がございます。だから、私どもとしましても、関係者の皆さんとその辺の課題をまず協議させていただいて、その後に判断をさせていただきたいというふうに考えております。
以上でございます。
99 ◯39番(吉村正寿君) ありがとうございました。やや前向きなご回答いただいたというふうに思っております。災害に強いまちづくりをしていただきたいと思いますし、また、災害に遭ったときには、やはり弱者に対する配慮のあるまちづくりをしていただければと思います。
それでは、ちょっと時間が余りないんですけど、世界遺産の件に行きたいと思います。
世界遺産なんですけれども、わざわざ二十六聖人のところを取り上げたというのは、やはりまちづくりに大きな一つの要素になっている部分だと私自身思います。二十六聖人のあの刑場の跡を、殉教地を外すという考え方もあるんだそうですね、そのまちの周りを見たときに。ところが、この殉教地を外すということは、ちょっと乱暴といいますか、ちょっと話は変わりますが、もともとは教会群を世界遺産にしようという動きで立ち上がった運動で、どうもそれだけでは弱いということで、長崎のキリスト教の伝来から繁栄、そして迫害、潜伏、復活、こういう歴史を一緒にその中にのっけて世界遺産にしましょうというようなムーブメントになっていったと。そのときに、キリスト教関連遺産とか教会だから、バチカンの強い後押しがもらえるんだということをおっしゃる方もいらっしゃるんですよ、学術会議の中にですね。実際、二十六聖人がその構成資産の中から漏れたら、バチカンの動機、モチベーションがちょっと下がるんではないかという懸念もあるぐらい大切な場所です。これについては、結城了悟神父様、去年お亡くなりになりましたけれども、その方がなぜあそこがということを書いておられます。それは全然違うところに本当は二十六聖人ははりつけにしようとしていたみたいですね。ところが、そこは今まで罪人を刑に処すところなので、そこは適当じゃないからということで、当時の人が申し入れをしているんですね、半三郎という長崎の奉行みたいな方に。今の西坂なんですけれども、ここに刑場をしてくれということで、そこにつくったそうなんですが、そのときに、これは適当な時期に教会を建てるのにふさわしい場所だというふうに言ったんだそうです。ローマに書いて送ったんだそうですね、ルイス・フロイスがですね。よくキリスト教の史跡というのは教会が上に建っているんですよね。そういうのをイメージして、そういうふうなことをおっしゃったと思うんですが、だから、今の西坂というのは、もうそのときにそこに教会を建てるんだという思いのもとに、そこにあったと。それと十字架を今の長崎市の中心部ですね、そっちのほうに向けて並べて立てたというんです。これはやっぱり見せしめなんですよね。それと海が見えるというのがやはり1つ大きな大切な要素なんですよ。というのは、はりつけにされた二十六聖人は夏ぐらいまでそのままその場所にさらされているんですね、すぐおろされたんではなくて。ポルトガル船が出入りするときに、敬意を表して号砲を鳴らしたと。ということは、海とものすごく密接な関係がある。そういったところなんですよね。
じゃ、今の二十六聖人の殉教地がどうなっているかということなんですけど、こういう状況です。〔図示表示〕皆さんよくご存じだと思いますが、周りにビルが建ち並んで、長崎のまちも望むことができなければ、海も見えるのがここだけです。この部分だけなんですね。そういう長崎の教会群を世界遺産にするときに、歴史的な書物の部分を目に見える形で顕在化していくというのは非常に大事だと思うんですよ。読んだことを長崎に行ったら実体験できるというまちづくりは、これは絶対に大切だと思うし、それは私は世界遺産になるための大切なファクターだと思うんですよね。
もう1つが大浦天主堂と西坂の関係なんですね。よく大浦天主堂が西坂のほうを向いて建っていると言っていますが、あれはちょっと都市伝説みたいですね。大浦天主堂を建てたフューレ神父、それからプティジャン司教は、調査をしたときに二十六聖人の殉教地は実は立山のほうだと思っていたみたいですね、記載によると。その当時は立山のほうを二十六聖人の殉教地はそこだと特定していたみたいなんですけれども、後からの調査で今の場所だというのがほぼ確定したわけですが、そのときにプティジャン司教が何て書いているかというと、今、自分たちは教会を建てていると。本当は殉教者のところに教会を建てたいんだけれども、そこは今は自分たちは入れないと。その入れる場所をもらったけれども、ここから殉教者たちは今、私たちが教会を建てているところを見て喜んでいるというふうに書いてあるわけですね。これは精神論になりますから、いや、もうそがん話ば議会ですんなと言われればそれまでなんですけど、殉教者たちが見て喜んでいるということは、そういう書物の裏づけをするためには、大浦天主堂の場所から二十六聖人の殉教地が見えるというのは非常に大切なことだと考えるんですね。ところが、それもよく今見えません。
こういったのを見えるようにするまちづくりというのが、実は世界遺産にするためのまちづくりではないかなと思うんです。長崎市はそのまちづくりを進めていくについて、「地域力でまちなか再生」という、これはまちなか再生計画策定検討委員会が出された報告書ですけれども、市民の皆さんが入っていろいろ議論されてつくった1冊の提案書、報告書です。これを市に出されたと思うんですけれども、この中に、実は西坂の二十六聖人から大浦天主堂を見通すことができる景観軸を形成しましょうとうたってあるんです。ところが、長崎市がまちなか再生の行動に関する基本方針、これからこれになったんですよね。これに出てくるのは、たったの2行なんです。完全に後退しているんですよ。
市長が言う市民力というのは、これを見ても明らかに、ああ、こういう計画を出してくださるというのは、やはり皆さんいろんなものを勉強されてつくったなと感じることができるんです。ところが、市役所の職員が入った途端にこういうふうになってしまったというのは、いろんな法律の縛りとか、私見に網をかけるとか、そういういろんなことがあるかもしれないんですが、非常に寂しいんですよね。そこで、市役所の職員力というものをやっぱり疑いたくなるというか、そういうところに結局は行くわけなんですね。
質問の内容が大変雑多になって、何か説明で社会の勉強みたいになってしまって大変申しわけないんですが、そこで、長崎市は駅周辺、今からやらないといけないです。世界に対して約束しないといけないんですよね。世界遺産の
まちづくりとして、あの周辺をこういうふうな
まちづくりにしていきます、それを世界に対して約束して、50年後、100年後はわかりませんけれども、そのように
まちづくりをつくっていかなきゃならないと思います。その世界の約束は破るわけにいきません。そのときに、さっき言ったように県庁舎が海が見える唯一の場所、実はあそこは県庁舎が建つ予定なんですよ。そういう場所に、市長が簡単に県庁はあそこに移転するものと思っているというようなことをおっしゃるということは、本当に世界遺産の
まちづくりを考えているのかなと疑わざるを得ないんです。もしよかったら、コメントをいただければと思います。
100 ◯企画財政部長(野田哲男君) 再質問にお答えいたします。
県庁舎の整備につきましては、県庁舎整備懇話会では、例えば、高層化して横の空間を広くとる方法、あるいは低層化して高さを抑える方法など、幾つかの案が示されております。県も周辺景観に配慮した設計をするという認識を示しておりますので、長崎市としても世界遺産についても県、市一緒にやっておりますので、そういう観点からも県庁の整備について十分協議をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
101 ◯39番(吉村正寿君) 長崎の命運がかかっていると思いますし、私は長崎百年の大計だと思っています。県庁舎ばっかり言うようで大変申しわけないんですけれども、あの辺、水も来ますし、二十六聖人のそういう景観の問題もあるわけで、本当にいろんな問題がふくそうしている場所ですので、本当に本気でやらないと、皆さん本気なんでしょうけれども、本気でやらないと絶対に解決しないと思いますので、どうかよろしくお願いをします。
それと世界遺産、平成23年度、もう無理ですよね。無理だと思います。平泉が登録延期になって、平泉が平成23年度にまた再申請をするということだから、今、国としては2つ一遍に出しませんので、平成23年度は平泉の番なんですね。それ以降ということですので、別に急いでやれということではなくて、世界遺産推進特別委員会の中でも、とにかくゆっくりやってくださっていいですから、本当にいいものにして、一回で試験をパスするような計画にしてくださいということを常に皆さん申し上げていたと思うんです。
そこで、もうはっきり言ってください。もう23年度はあきらめましたと。その後に、しかるべききちんと準備をして、登録に向けて再スタートを切るつもりで頑張るんだということで一言いただければと思いますが、いかがでしょうか。
102 ◯企画財政部長(野田哲男君) 再質問にお答えいたします。
文化庁の考え方としては、まず準備が整ったところから申請をしていくということで、平泉との関係もございますが、長崎市としても一定準備が進んでいるということは文化庁も認めていただいておりますので、現時点で精いっぱい頑張りたいと考えております。
以上でございます。
103 ◯39番(吉村正寿君) とにかく頑張ってください。難問が本当に山のように積み上がっています。どうか私も皆さんと一緒に精いっぱい努力をしたいと思いますので、一緒に頑張りましょう。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
104 ◯議長(吉原 孝君) これをもって
市政一般質問を終了いたします。
日程2
請願第4号 義務教育費国庫負担制度の堅持に
関する請願について
及び
日程3
請願第5号 「所得税法第56条の廃止」を求め
る意見書提出を求める請願について
以上、2件につきましては、お手元に配付いたしております議案審査付託表に記載のとおり、所管の各常任委員会に付託いたします。
日程4
長崎市議決事件に該当しない契約についての報
告に関する条例に基づく報告について
は、既に配付されております報告書のとおりであります。
本件は同条例の規定により報告されたものでありますので、同報告書によってご了承をお願いいたします。
以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。
次回の本会議は6月24日午前10時から開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
=散会 午後3時2分=
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上記のとおり会議録を調整し署名する。
平成21年8月10日
議 長 吉原 孝
署名議員 内田 隆英
署名議員 吉村 正寿
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