17番 山 田 己智恵 君 曽 我 浩 君
18番 吉 澤 弘 君
都市施設部長 内 田 昌 安 君
19番 赤 嶺 太 一 君 教育部長 山 崎 晋 平 君
20番 古谷田 力 君
病院事務局長 大 軒 邦 彦 君
21番 渡 辺 伸 明 君 総合政策課長 鈴 木 学 君
22番 大 波 修 二 君 総務課長 大 下 等 君
23番 高 久 良 美 君
24番 宮 応 扶美子 君 4.
議会事務局職員出席者
25番 小 倉 隆 夫 君 事務局長 齋 藤 道 子
26番 平 田 純 治 君 事務局次長 小日山 隆 一
27番 菊 地 弘 君 議事担当係長 田 口 健 一
28番 木 村 賢 一 君 主査 小 松 平 生
主事 名 取 智 則
2.本日の欠席議員 主事 日比野 舞
な し 主事 阿 部 通 雄
議 事 日 程 第4号
平成30年大和市議会第3回定例会第23日
平成30年 9月19日(水) 午前9時開議
日程第 1 一般質問
本日の会議に付した事件
一般質問
午前9時00分 開議
○議長(木村賢一君) おはようございます。ただいま出席議員は28人で定足数に達しておりますので会議は成立いたしました。これより本日の会議を開きます。
○議長(木村賢一君) 本日の議事日程はお手元に配付したとおりであります。
△日程第1、一般質問を行います。順次質問を許します。――13番、井上 貢議員。
〔13番(井上 貢君) 登壇〕
◆13番(井上貢君) おはようございます。自民党・新政クラブの井上貢です。質問通告に従い順次質問させていただきます。
1、
上草柳最終処分場跡地での
スケートボードパーク、
サイクルパークについて、2、
東名高速道路大和スマートインターについて、3、
東海道新幹線、高座渋谷駅について、以上、大項目3つを一括で質問し、なお、今回の1、2の質問については、私が質問しますが、二見副議長が発言していると捉えていただければと思いますので、市長、関係部長におかれましては、二見副議長に答弁するということを念頭に置いて明確な答弁をお願いいたします。
今まで二見副議長が何度も質問してきた上草柳の最終処分場、他の地域ではなかなか協力を得ることができなかったところ、平成3年に地元の皆様の協力を経て最終処分場ができました。現在、最終処分場も閉鎖し、公園になるのを待っている状況でありますが、これまでの経緯といたしましては、次の処分場も依然として決まらない中、平成28年まで埋め立てを延期しておりました。他市に焼却灰を持っていき、1トン当たり約3万円で処分、他市に助けていただいておりました。平成3年に竣工した
上草柳最終処分場の建設に当たりましては、市は、焼却灰を埋め立てる期間は5年ほどで、平成8年ごろからは復元して、
引地川水系自然公園基本計画に示されている芝生広場的な公園に整備すると説明し、納得した周辺住民の理解を経た後に建設いたしました。平成5年から最終処分場の延命化を図るために、焼却灰の県外処分と並行して埋め立て、平成8年度からは焼却灰を
全量県外処分ということにしたため、最終処分場への埋め立てを中止、平成18年11月から、最終処分場への埋め立てを再開いたしました。年間約4000トンの焼却灰を埋め立て、現在は埋め立てを完了、公園にするという計画を聞いては延期を繰り返し、当初の平成5年から平成28年の完了ということから23年もおくれ、地元の方々に御迷惑をおかけしたことになります。
前回の二見副議長への答弁で、
上草柳最終処分場につきましては、平成28年6月で埋め立てが完了し、最終覆土を行ったところでございます。今後は地盤が安定するまでの間、養生した後、周辺の公園と一体的に利用できるよう、国庫補助金を活用しながら整備してまいりたいと考えております。平成3年以来、地元の皆様には御理解と御協力をいただきましたことを深く感謝申し上げますとともに、今後の公園整備に当たりましては、地域の皆様の御要望等もお聞きしながら進めてまいりますと御答弁されておりました。
今、二見副議長の地元、上草柳では、
上草柳最終処分場跡地を
サイクルパークや
スケートボードパークとして活用してはどうかとの声が上がっているようであります。
最終処分場跡地に関しては防球ネットもできないことから、ただの広場になる可能性もありますが、近隣からは、
スケートボードや自転車などが自由にできればいいなとの声が上がっているようであります。小学生の子供を持つ親御さんは、自転車の練習や
スケートボードをする子供たちに不安があるようであります。
2020年の
東京オリンピックで、野球、ソフトボール、空手、
スポーツクライミング、サーフィン、
スケートボードの5競技18種目を実施競技に追加することが決まりました。
スケートボードの場合、
ストリートスポーツを代表する競技であり、若者へのアピールと人気面で大きな期待ができます。若い世代へのアピール力を持つ競技が今回の新種目に選ばれたと思います。新種目はメダル獲得の可能性が高く、これから競技者が急増するかもしれません。
長野オリンピックで採用された
スノーボードが時間をかけて
冬季オリンピックで一定の地位を占め、今やゲレンデに行けば、スキーをやっている人はほとんど見かけず、
スノーボードの方ばかりになりました。これらの競技もそのうちにメジャーになる可能性を大いに秘めていると思われます。
また、
スケートボードは、私の地元、中央林間でも、道路や駅構内でやっている子供たちを多く見かけます。特に
スケートボードは道路で行うのは危険であります。ロンドン・
オリンピックの後にロンドンのまちで自転車ブームが起きたという話もありまして、健康志向で、車に乗っていた人がみんな自転車に乗りかえたという経緯もあります。前回の副議長への答弁で、調査研究をしていくとのことでありました。
そこで、2点、質問、提案させていただきます。1、
上草柳最終処分場跡地をBMXなどの
サイクルパークや
スケートボードパークとして活用してはどうかと思いますが、お答えください。
2、子供たちに交通ルールや親子で自転車の乗り方練習ができるスペースもできないか、お答えください。
上草柳最終処分場は、平成3年から迷惑施設でもあるこの最終処分場を受け入れてくださった地元住民の御理解、御協力を忘れてはならないと思います。
次に行きます。
東名高速道路大和スマートインターについて質問させていただきます。この質問も二見副議長が取り上げ、また、私も平成28年12
月定例会一般質問において取り上げました。
ことしのお盆時期にもまた、カーラジオから流れる、
大和トンネルを先頭に何十キロと何度も聞いておりました。人口20万を超える自治体でインターがないのは大和市だけであること、地元地権者や物流業界からも声が上がっていること、羽田空港や東京駅へ向かうバスが運行、大和市の一番と言ってよい
シティーセールスポイントである交通の利便性のよさをさらに徹底的に上げていく。過去の市長答弁でも、実現性の有無について調査研究に取り組み、
中央森林地区の全体のまちづくりとの整合性を踏まえ、検討したい旨の答弁をいただいております。
そこで質問させていただきます。その後の経過、検討事項に関して、現状、答えられる範囲で結構ですので、お答えください。
次に行きます。
東海道新幹線、高座渋谷駅について質問させていただきます。
交通の便というキーワードの中で、
小田急高座渋谷駅と
東海道新幹線が交差している点も見逃してはいけません。以前はそのような協議もあったとのことは聞き及んでおりますが、いつの間にかなくなっていましたとよく聞きます。新横浜から小田原までの距離が長いことから、寒川での話も上がっているようですが、それはそれとして、
小田急高座渋谷駅との接続ができれば、なお大和市の交通の利便性が上がります。こだまがとまればそれで十分であります。静岡などは短い距離にたくさん新幹線の駅があります。すぐに熱海に行きたくなります。私は高座渋谷のおふろの王様に通っているのですけれども、もし新幹線がとまれば、きょうは熱海まで行っちゃおうかなとなるかもしれません。それが実現すれば、中央林間駅、大和駅、高座渋谷駅が本当に北のまち、中央のまち、南のまちと拠点となり、交通の利便性のよさがさらに上がります。また、先日起きた新幹線内での無
差別殺傷事件も、新横浜から小田原までの距離が長かったことから被害が拡大したとの話も聞きました。緊急停車できる駅があれば被害も抑えられたかもしれないと。いろいろな理由があり、実現に至っていないのだと思いますが、このような考え方に対し、現在の大和市の見解を聞いてみたいのです。
そこで質問です。
東海道新幹線と
小田急高座渋谷駅の接続についての見解をお伺いいたします。
以上です。よろしく御答弁をお願いします。
○議長(木村賢一君) 答弁を求めます。――市長。
〔市長(大木 哲君) 登壇〕
◎市長(大木哲君) 井上議員の御質問にお答えします。
1番目、
上草柳最終処分場跡地での
スケートボードパーク、
サイクルパークについて御質問がありました。1点目、
スケートボードパークBMXなどの
サイクルパークとして活用してはどうか、2点目、親子で自転車の乗り方の練習や交通ルールを学んだりできるスペースも設けてはどうかにつきましては、関連がありますので一括してお答えいたします。
上草柳最終処分場跡地につきましては、現在、地盤を安定させるために必要な養生を継続しているところであり、あわせて公園への用途指定の変更手続や、公園整備に向けた国庫補助金の活用などについて関係機関と協議を進めているところでございます。
スケートボードは、2020年の
東京オリンピックから新たに実施された競技として正式に決定し、BMXにつきましても、自転車競技の一つとして
フリースタイル種目が正式競技として追加されたこともあり、今後関心の高まりから、競技をする人のみならず、趣味として楽しむ人もふえてくると思われます。そのような背景もあることや、御提案いただきました
スケートボードパーク、BMXなどで利用できる
サイクルパークは、周辺の公園と一体的な利用を図る上でも有効な施設となることから、本市初の試みとして実施に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
また同様に、提案のありました親子で安心して自転車の練習ができ、その中で自然に交通ルールを身につけられるような場所の確保につきましても、検討してまいりたいと考えております。
これまで長い間、地域の皆様には、御理解と御協力をいただきましたことを深く感謝するとともに、
最終処分場跡地が、より魅力的な公園となりますよう取り組んでまいります。
2番目、
東名高速道路大和スマートインターについてお答えいたします。
まず、答弁の前に、本市の交通利便性をより一層高めるため、かねてから
東名大和バス停において、大和市と羽田空港を直接つなぐ
空港リムジンバスの停車をバス事業者へ要望してまいりましたが、9月1日からようやく実施されることとなりました。この場をおかりしまして御報告いたします。
さて、
スマートインターチェンジにつきましては、平成29年度の業務委託により、
中央森林地区における
スマートインターチェンジ設置の可能性について、広域的な必要性や課題整理など、実現性の概略検討を行いました。また、6月に国が開催した相談会へも参加し、
スマートインターチェンジの実現においては、既存道路との接続や影響、費用対効果など、今後の詳細検討で必要となる事項や課題等について、国から助言を受けております。一方で、現在、
NEXCO中日本が
東京オリンピックに向け、
東名高速道路の付加車線化による拡幅工事を進めており、進捗状況の情報共有など、関係機関との調整を図っております。その後、
インターチェンジの実現に向けては、詳細検討の際の課題に加え、国や神奈川県など関係機関との調整、
中央森林地区のまちづくりとの整合や地権者の合意形成など、さまざまな課題がございます。しかしながら、整備効果といたしましては、混雑緩和や防災及び
救急体制強化等とあわせ、企業誘致による雇用創出やまちの魅力向上も期待できることから、引き続き調査研究してまいります。
3番目、
東海道新幹線、高座渋谷駅についてお答えいたします。
新幹線駅については、新横浜駅と小田原駅の中間に位置する県中央部への誘致を目的として、神奈川県
東海道新幹線新駅設置促進期成同盟会が中心となり、寒川町倉見地区を誘致地区として、これまで具体的な検討が進められてきました。新駅の設置の可能性について改めて
東海道新幹線を運行するJR東海へ確認したところ、これまでの回答と同様、現状の運行ダイヤに余裕がなく、新駅設置はダイヤ構成に与える影響が非常に大きいため、極めて困難であるとの説明を受けております。新駅の設置につきましては、このように多くの課題がございますが、高座渋谷駅が新たな交通結節点となれば、利便性が大きく向上するとともに、商業、業務機能などが集まることで、多くの人が訪れ、地域のさらなる発展が期待されることから、引き続き県や事業者等の動向を注視してまいりたいと考えております。夢のある質問、ありがとうございました。
○議長(木村賢一君) 質問を許します。――13番、井上 貢議員。
〔13番(井上 貢君) 登壇〕
◆13番(井上貢君) 答弁ありがとうございます。すばらしい答弁をいただきました。大木市長、ありがとうございます。
スケートボードパーク、
サイクルパークの実現、大いに期待しております。大和市の
スケートボートパークから、プロや世界に通用する選手が続々と誕生する、夢のようではありませんか。副議長、よかったですね。
また、
東名高速道路大和スマートインターに関しては、まだ時間がかかることはわかります。しかし、進めるべきであると考えております。自然災害に強いとされる大和市の地理的要因、大和市で一番の
シティーセールスポイントである交通の便のよさをさらに徹底的に進めていく。大和市の弱いとされる経済的にも、さがみ
ロボット産業特区、
企業活動振興条例とも絡めて企業誘致につなげていく。人口減少社会に入っても大和市がにぎわいを維持するためにも、交通の便のよさ、これを徹底的に進めていくべきだと考えております。
この狭い範囲に8つの駅があり、都心まで行ける交通の便のよい、神奈川県の中央に位置する大和市。神奈川県には海があり、山があり、湖があり、近未来都市があり、古い都があり、温泉があり、歴史ある港があり、工場地帯があり、基地があります。日本国の縮図がこの神奈川県にぎゅっと詰まっているのです。それらは全て大和市から1時間、2時間はかからずに行けます。大和市を中心に観光を考えれば、ホテルも誘致できるでしょう。厚木基地の歴史資料館、航空公園、平和祈念館への高座渋谷駅からの
シャトルバスを運行し、大和市を神奈川県の観光の拠点とする。それには
東海道新幹線、高座渋谷駅構想も必要だと考えます。そうなれば南部の皆さん、高座渋谷駅にも快速急行がとまります。そして、高座渋谷、大和市南部の人口もふえるでしょう。
さらに私の夢が広がると、国が進めた岩国基地への移駐で、激しい空母艦載機の100デシベルを超えるような騒音が軽減された中で、市民の負担について賛否があるかもしれませんが、経済や交通の利便性の観点で考えると、厚木飛行場に民間の物流の飛行機、フェデックスなどの空輸の飛行機の乗り入れが実現すれば、
東名高速道路大和スマートインター、綾瀬インターとあわせて物流の拠点ができるでしょう。そして、
民間機乗り入れで、
アメリカ西海岸、ハワイやグアム、サイパン、台湾、香港、ソウル、千歳、那覇などの直行便ができるとさらに魅力的であります。日本全国的に見ても、空港は米軍、自衛隊と民間が共用しているところも多いです。また、高台であり、地盤もかたいことから基地ができた経緯を考えれば、将来的には災害救援の拠点としてもよいでしょう。ここまで来たら交通の便がよ過ぎだし、相当なハードルの高さで、時間がかかり過ぎて、私も生きていないのでしょうが。また、大和市は土地もないので、そうなると将来的には綾瀬市と合併することも考えなければいけないかもしれません。私も一政治家でありますから、時には大きな夢を、未来を想像し、語ることも必要であります。人々が集まり、企業が集まり、経済的に多くの自主財源を確保。しっかりとした北部、中部、南部の拠点、未来の大和市が生き生きと輝ける健康都市であることを期待いたしまして、自民党・新政クラブ、井上貢の一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。
○議長(木村賢一君) 以上で13番、井上 貢議員の一般質問を終結いたします。
続いて――24番、
宮応扶美子議員。
〔24番(宮応扶美子君) 登壇〕
◆24番(宮応扶美子君) 日本共産党の宮応扶美子です。質問通告に従って一般質問を行います。
まず大項目1、児童虐待にかかわってです。
社会の注目を集めたのは、2010年に起きた大阪二児
置き去り死亡事件、これでは、子供たちの母親は、離婚して風俗で働くようになり、事件に至りますけれども、その前は、専業主婦として行政の支援を利用し、産前の育児教室にも通い、
ママサークル運営の中心的役割を担っていたにもかかわらず、このような事件に至りました。2014年には、神奈川県厚木市のアパートで、
厚木男児死体放置事件が起こりました。男の子がまだ2歳前後だった2002年ぐらいに離婚して父子家庭になった
トラック運転手の父親は、仕事に行くため子供を放置し始め、行政の手が届かず、数年後に白骨死体で発見されました。2018年には、ことしの5月ですけれども、もう許してくださいとメモを残して、まだ幼い結愛ちゃんが、義理の父親の虐待で亡くなりました。長男誕生直前の結愛ちゃんの異常な泣き声に驚いた近隣住民が児童相談所に通報し、結愛ちゃんを一時保護。その前年の2017年3月には、偶然通りかかった警察官が、外に出されている結愛ちゃんを発見し、再び一時保護。しかし、同年7月には自宅に戻ることになり、事件に至りました。児童相談所の関係者によれば、母親が迎えにきたときには結愛ちゃんもにこっと笑ったけれども、父親を見るとおびえた様子、最初に保護された際には、ばあば、前に住んでいた祖父母のところに帰りたいとも話していたとのことです。結愛ちゃんは自分なりにSOSを発見していた、それを大人が気づけなかったということです。埼玉県では、生後8カ月の長女に凍傷を負わせたとして母親が逮捕された事件。警察は、長女を殴るなどして大けがをさせた疑いで母親を再逮捕しました。調べに対し母親は、泣きやまなかったことで腹が立ったと容疑を認めています。
子供をチェックするだけでは限界があるのです。本当にチェックしなければならないのは親です。親が子供を育てるだけの能力を備えているのか、それは経済的だけでなく、さまざまな良識という意味でも。親は子供を産んで親になれるわけではない、子供を産んでも親になれない大人はたくさんいる、大切なのはそういう親をどうサポートするかということです。これはベテランの
児童相談所職員の言葉です。
児童虐待には、殴る、蹴るなどの身体的虐待、性的行為をすることの性的虐待、家に閉じ込めたり食事を与えないなどのネグレクト、言葉によるおどしや無視などの心理的虐待があります。全国の児童相談所が2017年度に対応した
児童虐待件数は、速報値、正式な発表ではありませんけれども、速報値で13万3778件ということが判明し、統計を始めた1990年から27年間連続で増加し、社会に大きな衝撃を与えました。特に子供の心を言葉や行動で傷つける心理的虐待が2017年度までの5カ年で3倍にふえたこと、また、2016年度中に虐待で亡くなった子供は77人のうち、無理心中以外では、死亡した子供は49人、実母からの虐待を受けて死亡した子は30人、実の父からは4人などということも公表されました。事件が起こるたびに、家庭訪問をして、面会できなかった、親が何でもないと言った、子供を確認できなかったと児童相談所のおわびや謝罪を聞くたびに、救える命、子供の無念を思うと、本当に涙が出ます。児童相談所の人員体制などの充実と人材の育成も必要です。
児童虐待防止法は、虐待によって児童の成長や人格形成に悪影響を及ぼすことを防止する法律で、18歳未満の児童に対する虐待の防止や、児童虐待を発見した場合の保護などについて定められていて、2000年5月に公布、11月に施行されました。1994年に子供の基本的人権を国際的に保護することを目的とした子どもの権利条約に日本が批准したことや、1990年代以降のメディアで児童虐待に関する報道が積極的になされ、
児童虐待防止法が制定されるに至りました。
また、私にとって最も忘れられないのは、2000年に起こった
無認可保育所大和スマイルマム事件です。家庭での虐待とは異なりますけれども、大和市内の託児所で保育者の虐待によって幼児2名が死亡し、5人がけがをするなどした事件で、
保育園関係者を初め、社会に大きな衝撃を与えた事件です。この事件などをきっかけに、翌年11月、
無認可保育施設での虐待や死亡事故の予防対策が強化されました。大和市は、独自の児童相談所はなく、神奈川県の
中央児童相談所が管轄となっています。大和市の児童虐待に関する相談の実態を通して、大和市、そして私たち市民が果たすべき役割を明らかにして、児童虐待を未然に防ぎたいと考えます。
そこで質問です。1、なぜ虐待は生まれるのか、児童虐待や困難な子育ての背景には、若い世代の雇用破壊や貧困の広がりがあるのではないかと考えるものですが、日々相談業務を行う中でどのように分析されているのでしょうか、お伺いいたします。
2点目、相談体制についてです。1、相談受け付けの体制及び相談の件数、内容について、2、児童相談所との連携、児童相談所への直接相談件数について、3、子ども家庭総合支援拠点の整備について、平成28年度改正児童福祉法で児童の安全確保のための初期対応等の迅速的確化のための市町村の体制強化が図られ、そのための拠点整備が法で努力義務化されたとのことです。具体的にはどのようなことが考えられているのでしょうか、お伺いいたします。
3点目、虐待の発見から通報、保護についてです。早期発見が何よりも大事です。保育園や民生委員、医療機関などからの通報があると思われますけれども、実態はどのようになっているのでしょうか。特に市民からはどのように行われているのか、市民の果たす役割が大変重要になってきていると思われますので、お聞きいたします。
4点目、特に小中学校における発見、通報についての実態を伺います。毎日、出欠をとり、顔を合わせるクラス担任、そのほかにも、いわゆる保健室の先生、養護教員ですけれども、また、スクールソーシャルワーカー、児童心理士、学校相談員などなどの連携が必要と考えますので、実態をお伺いいたします。
5点目、次に、児童養護施設や里親制度について伺います。被虐待児、虐待を受けた子供のケアや受け入れ体制についてはどのようになされているのでしょうか、お伺いいたします。
6点目、虐待の再発防止のために、親に対する経済的、心理的、医療的、福祉的支援が必要ですが、どのようになされているのでしょうか。
7点目、虐待の再生産を断ち切るために、子供のときに虐待を受けた方は、自分が親と同じようなことをするのではないかと心配との意見もあります。つまり、虐待の連鎖を食いとめる支援はどのようになされているのでしょうか。
8点目、経済的理由で安全な養育環境を保てない相談もあると思うのですけれども、子供の貧困対策はどのように講じられているのでしょうか。
9点目、子どもの権利条約を踏まえた市の取り組みについて、子どもの権利条約は、先ほども言いましたとおり、日本は1994年、実に世界で158番目の批准でした。第19条、虐待、放任、搾取からの保護、子供は、親や親がわりに子供を育てる人からの暴力から守られるとされています。子供の人権、主権、保護されなければならない、この立場を明確にして、子供の虐待防止を行うことが重要だと考えますけれども、市長の御所見を伺います。
これで1回目の質問を終わります。
○議長(木村賢一君) 答弁を求めます。――市長。
〔市長(大木 哲君) 登壇〕
◎市長(大木哲君) 宮応議員の御質問にお答えします。
1番目、児童虐待にかかわって御質問がありました。9点目、子どもの権利条約を踏まえた市の取り組みについてお答えいたします。
児童の権利に関する条約、いわゆる子どもの権利条約は、子供の基本的人権を国際的に保障するために定められた条約で、日本は平成6年に批准しております。平成28年に改正された児童福祉法では、第1条で子供の権利に関する条約の精神にのっとりと明文化されており、全ての子供が健全に育成されるよう、虐待の発生予防から自立支援までの一連の対策のさらなる強化が図られたところでございます。
さて、先日の目黒区で起きた児童虐待による死亡事例は記憶に新しいところでありますが、報道などで児童虐待の話を耳にするたびに、胸を強く締めつけられるような思いであり、児童虐待は子供の権利を著しく侵害する重大な問題として捉えております。
本市ではこれまでも児童虐待対応に力を入れており、すくすく子育て課が中心となり、保育所や小中学校を初めとする子供にかかわる関係機関と連携を深め、早期発見、早期対応に努めてきたところ、心配な情報の共有が図られるようになってきております。あわせて、母子保健業務から、早期発見に向けまして、赤ちゃん訪問を保健師や助産師などの専門職が行うことで、母親の心身の状況を的確に把握することに努め、また、乳幼児健診未受診者に対しましても全員の子供の安全の確認をしてまいりました。さらに、児童虐待の発生予防として、国が進める大きな柱の一つである母子保健包括支援センターに位置づけられる子育て何でも相談・応援センターを、昨年4月にすくすく子育て課の母子保健担当と家庭こども相談担当が連携して開設し、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を行うことで、虐待の発生予防に努めているところでございます。
こうした取り組みを含め、私は市長就任以来、子供医療費助成の対象年齢の拡大や、市立病院における小児救急、24時間365日体制の整備、待機児童の解消など、子供の健康と安全を守ることにつながる施策について力を入れてきたところでございます。さらに、シリウス内の屋内こども広場、ことし4月に開所した子育て支援施設きらきらぼし、8月に開設した市民交流拠点ポラリスなどは、親子の外出機会をつくることで、孤立した子育てを防ぐことに加えて、相談機能により保護者の困り感や悩みを受けとめることもできることから、安心して子育てができる環境づくりに大きな役割を果たしております。子供は社会の宝であります。このように多様な施策によって本市の子供たちの人権がしっかりと守られ、心身とも健やかに成長していけるよう、引き続き子育て支援施策の充実に取り組んでまいります。
その他につきましては関係部長から答弁させます。
○議長(木村賢一君) 続いて、補足答弁を求めます。――こども部長。
〔こども部長(齋藤園子君) 登壇〕
◎こども部長(齋藤園子君) 1点目、なぜ虐待は生まれるのかとの御質問にお答えいたします。
虐待は、不安定な夫婦関係、社会的孤立、経済事情、親の精神疾患、予期しない妊娠、出産、しつけへの理解不足、そして、子供の気質や発達上の育てにくさなど多種多様な要因が考えられることから、どこにでも起こり得るという認識に立つことが重要と考えております。
2点目、相談体制についての1つ目、相談受け付けの体制及び相談受け付けの件数、内容についてお答えいたします。
本市における児童虐待の通告や相談は、すくすく子育て課家庭こども相談担当が受けており、正職員として事務職2名、保健師1名、非常勤職員として家庭相談員6名、保育士1名、心理士2名の計12名体制となっており、子育てにかかわるワンストップ相談窓口である子育て何でも相談・応援センターと連携しながら対応しております。なお、児童虐待対応は高い専門性が求められることから、研修に力を入れており、児童相談所主催の研修に加え、相談支援スキル習得のための専門研修への派遣、課内研修の定期実施など、職員の資質向上に努めております。相談件数といたしましては、昨年度新規に虐待相談対応したのは257人でございまして、内訳は身体的虐待が77人、心理的虐待が68人、ネグレクトが112人となっております。
2つ目、児童相談所との連携及び児童相談所の相談件数についてお答えいたします。
虐待のリスクが高い家庭への支援に当たっては、児童相談所に個別ケース検討会議への同席や、自宅への同行訪問を依頼し、また、日ごろから電話等で情報を共有するなど、連携を密に図っております。なお、大和市を所管する神奈川県
中央児童相談所において、平成29年度中にかかわった虐待相談を含む養護相談の人数は361人とのことでございます。
3つ目、子ども家庭総合支援拠点の整備についてお答えいたします。
平成28年の児童福祉法改正では、職員配置等を強化することにより、専門的な相談対応、必要な調査、訪問等による継続的なソーシャルワーク業務までを担う拠点、いわゆる支援拠点の設置に努めなければならないと規定されました。それを受け、本市においても支援拠点の設置に向けて検討を進めているところでございますが、子育て何でも相談・応援センターにより、相談体制の充実が図られたところであることから、この体制を生かし発展させつつ、本市として最も望ましい拠点の整備に向けて検討してまいります。
3点目、虐待の発見、通報、保護についてお答えいたします。
虐待の通報に関しましては、児童虐待の防止等に関する法律において、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかにこれを市町村または児童相談所等に通告しなければならないと広く義務が課されております。さらに、学校の教職員や保育士、医師、保健師などは児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならないと明文化されております。
本市では、毎年11月の児童虐待防止推進月間における啓発活動や市のホームページでの周知に加えて、昨年度、大和市版虐待リスクチェックリストを作成し、保育所、幼稚園、各地域の子育てサロン等に配付したところ、わかりやすいと好評をいただいたところでございます。続いて、昨年度新規に相談対応した児童の主な相談経路につきましては、学校からが最も多く59人、次いで赤ちゃん訪問や乳幼児健診を担当しているすくすく子育て課母子保健担当からが55人、近隣、知人からが32人、虐待者本人である母親からが28人、保育所からが23人となっております。また、相談の内容として、生命に危険な行為である顔面打撲や首絞め等があった場合、または親が病気や障害により安全な養育をできない状況にある場合などは速やかに児童相談所に連絡し、緊急的な一時保護につなげることで子供の安全を図っております。
5点目、児童養護施設や里親についてお答えいたします。
児童相談所は、一時保護した児童について、家庭復帰に時間を要するなどの場合には、児童養護施設等への入所措置や、里親への養育の委託を行っております。なお、施設への入所措置や里親への委託を行う社会的養護の現状として、施設における養育が約8割でございますが、子供の成長、発達にとっては家庭が最も自然な環境であることから、平成28年の児童福祉法改正で、養子縁組や里親等への委託を一層進めることとされております。
6点目、虐待の再発防止についてお答えいたします。
保護者への支援を行うことにより、虐待が解消し、その状態が一定の期間続いたことを確認できると支援を終了いたしますが、その際、学校や保育所等の関係機関に見守りを依頼し、心配なことがあれば、連絡を受けて支援を再開する体制で再発防止に努めております。
7点目、虐待の再生産を断ち切るための支援についてお答えいたします。
保護者との相談を通じて虐待の解消を図っておりますが、相談の中で、幼少期に受けた虐待がトラウマとして残り、また、自己肯定感が極めて低いことから子供に当たってしまうというお話をされる方もおられます。そのような方には、心理士による定期的な面談により、精神的な回復を図るほか、症状が重い場合には、精神科等の医療機関への受診につなげております。また、子供への心理的な支援といたしましては、心理士による来所面談のほか、学校や青少年相談室と連携し、学校内においてスクールカウンセラーや学校相談員による面接を行っております。
8点目、子供の貧困対策についてお答えいたします。
貧困を理由に、食料がない、居所を維持できないなどの相談があった場合、子供にとって安全な養育環境をつくれないという理由でネグレクトとして相談受理することがございます。このような場合には、生活保護や生活困窮者自立支援、ハローワークなどの相談窓口へ同行し、各種制度とつなぎ合わせるとともに、それらの各機関と連携して支援することで、子供の安全な生活環境の確保に努めております。
○議長(木村賢一君) 続いて――教育部長。
〔教育部長(山崎晋平君) 登壇〕
◎教育部長(山崎晋平君) 4点目、小中学校における発見、通報についてお答えいたします。
学校では、子供とのかかわりの軸となる学級担任を中心に、教職員全員が児童生徒の生活環境、健康、衛生状態の確認、精神、行動面の観察、直接の聞き取りなどによりまして、虐待を受けたと思われる児童生徒の早期発見に努めております。また、スクールカウンセラー、学校相談員、スクールソーシャルワーカーが相談支援を行う中で、学校と密に連携、協議することにより、背景に児童虐待が疑われるケースについての早期発見につなげております。学校において、虐待を受けたと思われる児童生徒を発見した場合には、こども部すくすく子育て課と情報共有を図りつつ、速やかに児童相談所等の関係機関に通報しており、その後の連携の中では、学校は児童生徒の環境の調整や心理的ケアなどを行っております。
○議長(木村賢一君) 質問を許します。――24番、
宮応扶美子議員。
〔24番(宮応扶美子君) 登壇〕
◆24番(宮応扶美子君) 市長は、子どもの権利条約に基づいて、子供の人権を守るためにさまざまな施策を行っていると述べられました。私は、通報も含めて、市民の役割、子供を地域で目にかけ、見守る、共通の認識、体制をつくっていきたい、大和市としても積極的に市民啓発を行っていただきたいと考え、要望いたします。
また、虐待に関する児童相談事業については、細部にわたる答弁がございました。すくすく子育て課を新設し、昨年から子育て何でも相談・応援センターの開設は、悩みを抱える市民にとってまさに応援団としての市民が駆け込めるところであってほしいと思います。
さて、全国的に虐待件数が急増しているということですけれども、本市では2016年に201件、2017年度257件の相談、その差56、率にすると28%の増となっています。また、神奈川県の
中央児童相談所の相談件数は、速報値、正式な発表ではありませんけれども、本市の相談件数は304件とのこと、これを合計すると約500から600件ということで、この中には重複の相談もあるとのことです。実際に困難を抱える子供や家庭へのさらなるきめ細かな対応を要望いたします。
川崎市では、2013年1月に、川崎市子どもの権利条約がつくられました。また、国分寺市では、いじめを含めた、子どもいじめ虐待防止条例がつくられました。今回の目黒区での児童虐待事件を受けて、東京都は虐待防止条例策定に向けてパブリックコメントを募集するとのことです。本市がロケ地となっていた毎週火曜日のドラマ、「健康で文化的な最低限度の生活」、これは憲法第25条の文言ですけれども、前回、母親が生活保護費を奪い、ネグレクトの児童虐待がテーマでした。親子の成長を見守るという、この新人の生活援護課のケースワーカーの成長の物語で、昨日、最終回となりました。本市でも単なる理念条例ではなく、子供たちを巻き込んだ実効ある条例をつくることを御検討くださることを要望し、次の質問に移ります。
大項目2、「図書館の道」の改善についての質問に移ります。
以前に行いました私の宮応扶美子事務所のタウンウオッチングで出された市民の要望や意見、改善してほしいものについては、議会質問や市への要望を行うなどしてまいりました。一方、本市が毎年行う「あなたの一言提案」をつぶさに目を通しましたところ、図書館の道、つまり、大和駅東側プロムナードに関する実にたくさんの要望が寄せられています。皆さん思うことは同じなのだなと心強くいたしました。
1つ、木陰。ことしの猛暑の中、灼熱の石畳を歩くのは本当にきついものがありました。日差しを遮る木陰は、駅前広場の木と、シリウス前の横断歩道の信号機の横の木のみ。行き交う人々は、木陰が欲しい、何で木を切っちゃったのとの声を伺いました。次に欲しいもの、ベンチ。散歩の方の御要望です。西側プロムナードは、泉の森まで足を伸ばせるので、朝晩多くの方が散歩をなさいます。だからこそ、一休みするベンチが欲しい。ちなみに大和駅西側プロムナードにはさまざまな形のベンチがあります。東側プロムナードも、シリウスを過ぎる国道467号線を超えるとベンチがあります。そうなんです。大和駅プロムナードは、もともと随所にベンチがあり、歩行者、散歩の方、市民のお休みどころでもあったのです。それが図書館の道になったら、一休みするところがなくなってしまった、これっておかしくないですか、2年間で500万人の来場者という日本一の図書館と言っても、行列のような混みぐあいではありません。ぜひ何らかの形でベンチの設置を求めます。
3番目としての時計台があればという御意見も多々ありました。大和駅東側駅前広場には時計塔がありますが、北側からは見えますけれども、東側からは見えません。東西から見える時計塔が必要ではないでしょうか。
4番目、手も洗える水飲み場の設置を望む声がたくさんありました。少ししゃれた水飲み場、既に散水栓もあるので、大きな工事を要するわけでもありませんから、設置を求めます。
また、図書館の道の改善については以上ですけれども、道路に椅子を、これについては、私ども共産党の佐藤大地議員を初め、ほかの議員の方からも質問がありましたが、一般道路や生活道路についても要望が寄せられています。例えば私の宮応事務所から大和駅まで行くのに、柳橋信号場を渡った石のところで一休み、途中の民家の階段で一休み、大和警察の信号のところで一休み、スーパーに入ったところで椅子で一休み、そして、やっと大和駅に到着する、宮応さん、年をとるってこういうことなのよと、御近所の方からのお声がありました。9月定例会では、大和市歩く健康づくり推進条例が提案されています。ほかの方の通行の邪魔にならないように、高齢者や障害をお持ちの方々のためのベンチ、椅子、腰かけ、スタイルはいろいろあると思いますけれども、そういうものを設置してはいかがかと提案いたしますので、御所見、御答弁をお願いいたします。
以上で2回目の質問を終わります。
○議長(木村賢一君) 答弁を求めます。――
都市施設部長。
〔
都市施設部長(内田昌安君) 登壇〕
◎
都市施設部長(内田昌安君) 2番目、「図書館の道」の改善について御質問がありました。1点目、水飲み場やベンチ、植栽、時計の設置についてお答えします。
図書館の道につきましては、安全な歩行空間の確保と防犯性の向上を図るため、シリウスのオープンに合わせ、現在の道路形態としております。本年7月7日には、シリウスの累計来館者数が500万人を超え、図書館の道は、来館者を初め、多くの方に御利用されております。水飲み場やベンチ、植栽、時計の設置については、今後、周辺の土地利用によるまち並みの変化に合わせて調査研究を進める必要があると考えております。
2点目、市道の歩道にベンチを設置することについてお答えします。
歩道にベンチを設置し、歩く途中に休息できる場所をふやすことは、歩くことに不安を持つ人の外出促進の一助となるため、これまでも鶴間駅周辺やオークシティ周辺などには、休憩やコミュニティーの場に活用できるベンチを設置してまいりました。道路は、安全で円滑な交通を確保する役割のほか、ゆとりや豊かさを備えた快適な空間とすることも必要であると認識しております。市道の歩道へのベンチの設置に当たりましては、ごみや騒音等管理面及び防犯上の課題などがあることから、設置が難しい場所もありますので、道路の構造や周辺の土地利用状況を精査するとともに、道路の利用者や地元の御意見、御要望などを十分検討し、慎重に対応してまいります。
○議長(木村賢一君) 質問を許します。――24番、
宮応扶美子議員。
〔24番(宮応扶美子君) 登壇〕
◆24番(宮応扶美子君) 御答弁をいただきました。
高齢者にとっては、きょういくがとても大事と、あるサークルで聞きました。はて、何かしらと思っていたら、きょう行くところがある、きょう行く、出かける、歩いていく、そのための一助が道路のお休みどころ、一息つけるところが必要と今回改めて提案をさせていただきました。さらなる拡充を求められているコミバスも重要です。そして、そのコミバスの停留所にも同じ思いが寄せられていると考えます。
それでは、次に大項目3、最後の質問に入ります。多選自粛条例にかかわっての質問です。
2007年の4月、大和市長選挙で初当選をされた大和市長は、2008年9月定例会に、大和市長の在任期間に関する条例案を提案し、賛成多数で可決されました。その内容は、「第1条 この条例は、市長の職に同一の者が長期にわたり在任することにより生じるおそれのある弊害を防止するため、市長の在任期間について定め、もって将来にわたって清新で活力ある市政運営を確保することを目的とする」、「第2条 市長の職にある者は、連続して3期(各期における在任期間が4年に満たない場合も、これを1期とする。)を超えて在任しないよう努めるものとする」、「2 市長の職の退職を申し出た者が当該退職の申立てがあったことにより告示された市長の選挙において当選人となり引き続き在任することとなる場合においては、当該選挙の直前及び直後の期を併せて1期とみなして前項の規定を適用する」、こういう内容の条例が提案され、可決をされました。
市長は、2008年9月1日の議会の初日の議案提案では、淡々と事務的にこの提案をされ、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。□□□、議案が付託された総務常任委員会では、副市長が提案理由を述べ、□□□□□□□□□□□□、日本共産党など何人かの委員により直接市長の思い、考えを聞きたいと市長の出席を求めましたけれども、委員会で賛成少数で市長の出席は否決され、市長は□□□□□□□□□□、委員からの質問に答える機会はありませんでした。総務常任委員会では賛成多数で条例可決となり、その後の本会議でも賛成多数で、本条例は成立をいたしました。
日本共産党は、大和市を初めとする、いわゆる多選自粛条例の制定に反対をしてきました。その理由は、憲法第15条、普通選挙権の保障、すなわち立候補の自由を不当に制約することを危惧するからです。最高裁判所は、1968年12月4日、この憲法第15条に触れながら、立候補の自由は、選挙権の自由な行使と表裏一体の関係にあり、選挙に立候補しようとする者が、その立候補について不当に制約を受けるようなことがあれば、選挙人の自由な意思の表明を阻害することになり、自由かつ公正な選挙の本旨に反するとの考えを明らかにしました。
それでは、禁止ではなく、自粛なら憲法違反にならないのか。よく言われるのが、平成19年、すなわち2007年5月30日の総務省のもとでつくられた首長の多選問題に関する調査研究会の報告書の中で、首長の多選制限は必ずしも憲法に反するものとは言えないとの見解をまとめています。しかし、その後の平成19年、すなわち2007年10月18日の衆議院総務委員会で、立候補することができない者を被選挙権を有しない者として、成年後見人あるいは公民権が停止されている者など、一定の範囲に限定している公職選挙法の規定を逸脱するものであり、違法であるとの答弁が、久元政府参考人からなされました。さらに指摘するならば、さきの総務省の報告書においても、制度化する場合には、法律にその根拠を置くことが憲法上必要であり、地方公共団体の組織及び運営に関する事項を一般的に定めた地方自治法において規定することが適当であると述べています。多選を理由に条例などで任期を制限したり、自粛するというのは、憲法が明記する基本的人権、民主主義の原則からして問題があるのではないでしょうか。つまり、立候補の自由を不当に制約することは憲法違反になるということを明らかにしているのです。今、憲法を正面から考えることが大変重要になっています。住民にとってよいものはよい、選挙において誰を選ぶか、その権利は国民、住民にあります。よいものを続ければよく、そうでなければ選挙で審判を下せばよいと考えるものです。
そこで4点伺います。1、市長はどのような考えでこの条例を提案されたのでしょうか、改めてお伺いいたします。
2点目、条例を改正しなくても立候補、出馬はできるとお考えでしょうか。
3点目、みずからの市政について、12年間をどのように総括されているのでしょうか、お伺いいたします。
そして4点目、来年4月の一斉地方選挙において、市長は4期目の立候補、出馬をされるのでしょうか、お伺いいたします。
答弁をお願いいたしまして、3回目の質問を終わります。
○議長(木村賢一君) 答弁を求めます。――市長。
〔市長(大木 哲君) 登壇〕
◎市長(大木哲君) 3番目、多選自粛条例について御質問がありました。1点目、市長はどのような考えで条例を提案したのかとの御質問にお答えいたします。
大和市長の在任期間に関する条例は、市長の職に同一の者が長期にわたり在任することにより生じるおそれのある弊害を防止し、清新で活力のある市政運営を確保することを目的として、平成20年9月定例会に提案したものでございます。
3点目、この12年間をどのように総括しているのかとの御質問にお答えいたします。
平成19年に市長に就任して以来、健康都市の実現を目指し、「人」、「まち」、「社会」のそれぞれの側面からまちづくりを積極的に展開してまいりました。幾つか例を挙げるとするならば、「人の健康」では、がん検診を充実させるとともに、保育所の待機児童解消に全力を尽くし、3年連続でゼロを実現したほか、学校図書館の充実や放課後寺子屋やまとの創設などにより、教育環境の充実にも取り組んでまいりました。「まちの健康」については、街頭防犯カメラの設置などにより、犯罪発生件数が大幅に減少したほか、コミュニティバスの導入などにより、都市生活の利便性を高める取り組みを力強く推進してまいりました。「社会の健康」に関しましては、全国から注目を浴び続けている文化創造拠点シリウスを初め、市民交流拠点ポラリスなどの整備と、その運営等に取り組むことで、お一人様を初めとした市民の居場所やまちのにぎわいを創出することに注力してきたところでございます。
このような取り組みを進めてきた中、平成28年11月には、中国上海においてWHOが開催したヘルスプロモーション国際会議に、あまたある我が国の都市の中から大和市が招待されるなど、健康都市やまとの取り組みは国内外から高い評価をいただくようにもなったところでございます。市民生活を守っていくためには、時には過去や常識にとらわれることなく、市民にとって必要な施策を大胆に展開しながら、健康都市の実現に向けて着実に歩みを進めてきたものと捉えております。
4点目、出馬についてお答えいたします。
私に与えられた責務は、日々の市政運営に全力で取り組むことであると考えております。
その他につきましては関係部長から答弁させます。
○議長(木村賢一君) 続いて、補足答弁を求めます。――市長室長。
〔市長室長(小林 心君) 登壇〕
◎市長室長(小林心君) 2点目、条例改正をしなくても出馬できるのかとの御質問にお答えします。
大和市長の在任期間に関する条例は、禁止を定めている条例ではないことから、立候補者の選択肢を奪うものではありません。
○議長(木村賢一君) 質問を許します。――24番、
宮応扶美子議員。
〔24番(宮応扶美子君) 登壇〕
◆24番(宮応扶美子君) 御答弁をいただきました。
第4期目の出馬についてはじっくりと検討したいとの思いかと私はお見受けをいたしました。じっくりと検討していただきたいと思います。しかし、あと6カ月、条例改正をするなら、次の12月定例会がリミットです。また、庁内では、来年度予算案の策定中です。本格予算を組むのか、骨格予算にとどめるのかの判断も必要ではないでしょうか。また、ただいま市長室長が、自粛条例ですから、これを変えなくても立候補はできる、そういうような解釈答弁がありました。この自粛条例は、議員提案で廃止をすることもできますけれども、提案してつくったのは市長ですから、市長にそれらの一義的な責任と権限があると考えます。また、条例が議会で可決されていたわけですから、議会の中での各会派の態度も重要になるかと思います。先ほど述べましたとおり、今、憲法が非常に重要になってきています。それぞれの国民、市民一人一人が、この憲法は本当にこの国の最高法規なのだろうか、その実感ができるかどうか、そういうところにも来ています。私は、そういう意味では、この自粛といえども、市長本人だけではなく、これからの市長も拘束をする自粛条例、これついては、しっかりと憲法に基づく判断をする、そのことが必要ではないかという意見を述べまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(木村賢一君) 以上で24番、
宮応扶美子議員の一般質問を終結いたします。
○議長(木村賢一君) 暫時休憩いたします。
午前10時18分 休憩
午前10時40分 再開
○議長(木村賢一君) 再開いたします。
○議長(木村賢一君) 続いて――5番、河端恵美子議員。
〔5番(河端恵美子君) 登壇〕
◆5番(河端恵美子君) 公明党の河端恵美子でございます。大項目ごとに質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。
大項目1、治療で免疫を失った方への予防接種の再接種費用の助成について質問をいたします。
皆様も御存じのとおり、予防接種には、法律に基づき市町村が主体で実施する定期予防接種と、希望者が各自で受ける任意予防接種があります。本市でも特に子供の健康、育成のために、子供が生まれ、成長していく段階に応じて定期予防接種を受ける体制が構築されています。これによってあらかじめウイルスや細菌など病原体に対する免疫をつくり出し、感染症の発症、あるいは重症化を予防することができます。また、多くの人が予防接種を受けることで、社会や集団としての免疫を獲得でき、集団の中に感染者が出ても流行を阻止することができるという、集団免疫効果が発揮されます。
小児期に実施する定期の予防接種で得た免疫が消失するケースについては、白血病や再生不良性貧血などの血液疾患の治療として骨髄移植を受けた場合、抗がん剤を用いての化学療法や放射線治療を受けた場合、膠原病やリウマチなどの治療に使用する免疫抑制作用の強い生物学的製剤を使用した場合などで、獲得した免疫が低下もしくは消失することがわかっています。骨髄移植後の免疫不全状態においては、さまざまな感染症に罹患する頻度が高く、時にはその治療に困難を来す場合もあります。予防接種によって感染症の予防や症状の軽減が期待できる場合は、再接種をして、消失した免疫を獲得することが推奨されております。その場合、実施施設の責任において行われる任意の予防接種となりますので、接種費用は自己負担となるのが現状です。
予防接種は、定期接種に関しては、特別な事情などがない限り、ほとんどのお子さんは受けていると思います。御家族は予防接種を受けるために、たくさんの時間をやりくりし、また、子供たちも痛い思いをしながら頑張って受けています。予防接種は、適切な時期に受けるために、子供の体調を調えたり、仕事の都合をつけたり、兄弟がいれば誰かの手をかりなければならない状況もあると思います。とにかく大忙しです。私も子供が3人おりますので、友人や知人の手をかり、大変だった思い出があります。そして、改めて予防接種が公費でなければ経済的負担は大変に厳しいものとなります。公費負担で受けられることは本当にありがたいと改めて再認識をいたしました。
そして、この大変な思いをして受けた予防接種の抗体がなくなってしまうとしたら、皆さん、どんな気持ちになるでしょうか。現状、予防接種の定期接種は、再度接種することができませんが、未接種のものがあれば、予防接種法施行令の規定に基づき、長期にわたり療養を必要とする疾病にかかった者への特例措置として、定期接種の時期を過ぎても接種することができる制度があります。しかし、平成25年に改正された予防接種法では、骨髄移植等の免疫機能を抑制する治療により抗体を失った子供に対する再接種の救済措置がありません。病気の予防だけではなく、蔓延の予防の観点からも、本市の子供の命を守る体制として、予防接種に対する補助制度を構築すべきと考えます。新潟市では、条件はございますが、任意で予防接種を再接種する方に対して、経済的な負担の軽減及び感染予防を目的として、再接種費用を助成しています。同様の制度を実施する自治体は、私が調べた中で、同市を含め、全国で43市に上ります。小さな声ではありますが、頑張って治療に向き合っている御家族を応援するためにも、ぜひ酌み取っていただきたいと切に願うものであります。
そこで質問をいたします。1、本市の平成29年度における定期予防接種率の主なものについて伺います。
2、就学前までに受ける定期予防接種の接種回数、全額自費で支払った場合の金額について伺います。
3、治療で免疫を失ったことによる予防接種の再接種費用の助成の要望の把握に対しての対応について伺います。
4、予防接種で得た免疫を骨髄移植、臍帯血移植、抗がん剤治療などにより失い、再接種が必要になった場合、全額自己負担となるための費用の助成を行っていきませんか、市長の御所見をお伺いいたします。
以上で大項目1の質問を終わります。
○議長(木村賢一君) 答弁を求めます。――市長。
〔市長(大木 哲君) 登壇〕
◎市長(大木哲君) 河端議員の御質問にお答えいたします。
1番目、治療で免疫を失った方への予防接種の再接種費用の助成について御質問がありました。3点目、治療で免役を失ったことによる予防接種の再接種費用の助成の要望の把握とその対応について、4点目、今後の費用助成については、関連がありますので一括してお答えさせていただきます。
平成28年度、市民から、議員の御提案と同様の要望があり、費用負担だけでなく、健康被害が起きた場合の救済制度も含めて、国が制度構築するべきものという当時の市の考えを回答しております。再接種にかかる経済的な負担が大きいことは認識しているところでございますが、健康被害が起きた場合の救済制度の確立は必須であり、本来、国が制度構築すべきとの考えに変わりはございません。一方で、本市では、がん患者の支援に力を注いでおり、ウィッグ購入費用、重粒子線治療費用に対する助成制度に加え、今年度からは、骨髄ドナーとなる方や、雇用する事業所等に対する助成を開始したところでございます。御提案いただきました小児がん治療により免疫を失った方への再接種費用の助成につきましては、予防接種に対する助成ではなく、本市が推進しておりますがん患者支援の視点から、助成していくことを含め、既に助成制度を実施している自治体の動向など調査研究した上で判断してまいりたいと考えております。
その他につきましては関係部長から答弁させます。
○議長(木村賢一君) 続いて、補足答弁を求めます。――
健康福祉部長。
〔
健康福祉部長(目代雅彦君) 登壇〕
◆8番(国兼久子君) 御答弁ありがとうございました。
特殊詐欺対策、そしてお一人様支援事業など、寄り添い型の支援対策に期待したいと思います。
現在、認知症患者は全国で約462万人と言われており、年々増加の一途をたどっています。繰り返しになりますが、特に高齢独居の方々や知的障害により判断能力が十分でない人たちがさまざまな不利益をこうむらないよう、その人らしい安心安全な生活を社会全体で支える仕組みづくりが本当に求められていると感じております。市長の答弁の中にも、成年後見制度の周知や利用促進、将来の後見人不足に備え、市民後見人の養成に前向きな考えを伺いました。地域におけるセーフティーネットの一つとして市民後見人の仕組みが定着することにより、市民後見人はほかの地域住民、地域包括支援センター、地区社会福祉協議会等の地域団体、弁護士等の専門職団体と連携し、地域で暮らし続ける本人の権利を守ることが可能になります。支援を求める市民がいれば、まずは地域住民による支援や見守り活動、要介護状態になれば介護保険や障害者自立支援法等のサービスの活用、さらに判断能力が低下すれば成年後見制度を利用することになります。本市においては、市民後見人の養成講座が始まったばかりですが、市民後見人は、市民の新たな社会貢献の場として、地域における支え合いの観点から、親身のケア、成年後見制度の新たな権利擁護の担い手として活躍を期待されるものです。ぜひ丁寧な養成をお願いいたします。
また、将来、市民後見人が適切な後見業務が行えるよう、大和市社会福祉協議会が後見等監督人として市民後見人の活動を支援するためにも、ワンストップセンターとして改めまして大和市社会福祉協議会に成年後見センターの設置を要望いたします。
それでは、次の質問に移ります。大項目2、学校給食と食育について、大波議員の質問もありましたが、私のほうも学校給食の質問をさせていただきます。
中項目1、安全安心な学校給食について、学校給食の起源は、明治22年、山形県鶴岡町の小学校で貧困家庭の児童を対象に無料で昼食を提供したことにあるとされています。昭和29年6月に、学校給食法が制定され、正式に制度が始まりました。学校給食の狙いは、毎日を健康で生き生きと生活できるようにするために、食事、運動、休養の調和のとれた生活習慣を身につける必要があることを伝えることにあります。
近年、子供の貧困が日本においても深刻な社会問題となり、それは子供の基本的な生活さえも脅かしています。2013年には、子どもの貧困対策の推進に関する法律が成立し、国と自治体は子供の貧困対策を策定し、それを実施する責務を有することが法に明記されました。特に心配されるのが、子供の栄養の問題です。朝御飯を食べていない、お弁当の時間に教室から消える、夏休みが終わるとやせている、夕食さえも御飯にふりかけのみ、おなかいっぱい食べたことがない、このような子供の存在が明らかになってきました。
学術的にも、親の所得によって子供の栄養状態に大きな格差が生じているという研究成果が次々と報告されています。文部科学省の調査によると、朝食を毎日食べていない子供は、毎日食べている子供に比べ、学力や体力が低い傾向があり、いらいらし、落ちついて教室に座っていることが難しくなるなど、精神面、行動面にも影響が出ることもわかっています。これは、貧困の子供は、たんぱく質、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛、ビタミンA、ビタミンCなどの栄養素の摂取が、そのほかの子供たちに比べて少なく、野菜の摂取頻度が特に少ない子供たちに顕著にあらわれると言います。子供の貧困対策にとっても給食の充実は有効であると考えます。
文部科学省は、各自治体における公立小中学校での完全給食の実施状況を取りまとめ、本年7月27日付で各都道府県教育委員会等へ通知しています。1740自治体のうち全ての小学校、中学校において完全給食を実施する自治体は1608自治体でした。お手元に資料をお配りしておりますので、御参照ください。神奈川県は14番になっています。全ての小学校、中学校において完全給食を実施している自治体を都道府県別に調査した結果では、神奈川県は20自治体が実施しており、比率では60.6%と、京都府の14自治体、53.8%に次いで低い水準となっています。全国平均92.4%、関東では神奈川県以外の都県はいずれも97から100%と高い給食の実施率です。
神奈川県の場合、急激に人口が増加した昭和40年以降、学校建設を最優先で行ったものの、中学校の給食導入を先導するリーダーがいなかったため、そのまま現在に至ってしまったという背景があります。神奈川県が行った平成29年度神奈川県内の学校給食実施状況でも、横浜市、鎌倉市、横須賀市、藤沢市など、多くの市で公立中学校の完全給食がありません。本市では昭和34年2月より小学校で、昭和48年4月より、北部調理場の完成により、中学校で完全給食を開始するなど、神奈川県で先駆けて中学校の完全給食を実施してきました。昨今、食品の種類があふれる中で、学校給食におきましても、合成保存料等の不要な添加物を全て取り除くことが難しくなる中で、だしから手づくりし、既製の冷凍食品を使用しない本市の給食に対する姿勢は大いに評価いたします。
質問です。昨今、食の危機と呼ばれている社会事情や多様化するライフスタイルに伴う家庭の食の変化を鑑み、学校給食の社会的意義について教育長の御所見を伺います。
2点目、安全安心な給食への取り組みについて、放射性物質、不要な添加物や遺伝子組みかえ食品の使用について、子供たちの健康にかかわることです。これらの対応についてお伺いします。
学校給食では、栄養士などの専門家が、子供の栄養摂取に配慮しながら献立をつくっていることから、保護者側から見てもバランスのとれた料理が並ぶ給食のメニューに頼もしさを覚えることも少なくないはずです。また、家庭内でも個食化が進んでいる現状において、みんなが同じものを食べる学校給食に意味はあると考えます。仲間意識が生まれるのも事実のようです。もちろん給食嫌いの子もいますし、小食の子もいるでしょう。それでも大人になったとき、給食という共通の話題で盛り上がれます。豊かになった子供たちであっても、食べ物の思い出は残るようです。
さて、先ほど私は、みんなが同じものを食べる学校給食に意味があると申し上げました。義務教育として平等に教育を受ける学齢期に、完全給食の実施は、経済格差の解消という意味もあります。小学6年生の6人に1人が中学受験をする一方で、同じく6人に1人は貧困家庭で育っています。給食を食べるために学校へ行く、そうした話は今でもあります。
一方で給食には幾つかの問題点があります。問題のない事業はあり得ませんが、少しでも解消していく努力は不可欠です。みんなで同じものを食べることによる第一の弊害は食中毒です。特にセンター式や委託式で提供している場合、大もとで何らかのトラブルがあれば被害が甚大で、原因特定も難しくなります。また、最近面倒なのは、アレルギー問題です。2012年12月、東京都調布市立の小学校で、給食後に、食物アレルギーのある5年生の児童が死亡しました。女児は乳製品にアレルギーがありましたが、女児がおかわりを求めた際に、担任教諭は、食べられない食材が記入された一覧表を確認しないまま、チーズ入りチヂミを渡してしまいました。女児が食後に気分が悪い旨を訴え、症状が悪化したため、校長が14分後に女児の持っていたエピペンを注射しましたが、アレルギーによるアナフィラキシーショックで心肺停止になりました。その後も2014年7月、秋田市立の小学校、2018年8月、こちらのほうは、小麦を使用したサケのフライを食べた後、昼休みにサッカーをし、腹痛やせきなどの症状を出し、中学3年生の男子児童が症状を出しましたが、この生徒は、原因は食物の摂取などに運動が加わったことで起こる運動誘発性の小麦アレルギーを持っていたということです。
近年、児童生徒を取り巻く生活環境の変化や疾病構造の変化などに伴い、児童生徒におけるアレルギー疾患の増加が指摘され、これらの対策として、平成20年6月、文部科学省は、学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインを策定しています。本市においても大和市学校給食における食物アレルギー対応の手引きに沿って対応がなされています。改めて本市におけるアレルギー対策についてお伺いいたします。
本市の公立小中学校において何らかの食物アレルギーを持つ児童生徒をどのように把握しているのでしょうか。過去3年間のエピペンを処方されている児童生徒の推移について、食物アレルギーについて、教員向けの研修など対策はどのように行われているでしょうか。
中項目2、学校給食を活用した食育について、食生活を取り巻く社会環境が大きく変化し、食生活の多様化が進む中で、朝食をとらないなど、子供の食生活の乱れが指摘されています。子供が将来にわたって健康に生活していけるよう、栄養や食事のとり方などについて正しい知識に基づいてみずから判断し、食をコントロールしていく食の自己管理能力や望ましい食生活を子供たちに身につけさせることが必要になっていることから、主に学校における食に関する指導の推進に中核的な役割を担う栄養教諭制度が創立され、平成17年度から施行されました。本市でも市立小学校には、食に関する専門知識を持つ栄養教諭が全体で4人配置されています。栄養教諭は、子供たちへの指導のほかにも、教師のために研修を実施したり、保護者向けの食育講演会を催したりするなど、大人に向けた食育活動も推進しております。本市でも平成29年7月15日から、広報やまとにシリーズでコラム「知って得する食育」を掲載し、6月15日号で終了しましたが、とても興味深い内容でした。最終回では、「大和市の農産物を子どもたちに」がテーマでした。学校給食での地場産物の活用は、子供たちへの食育に大変効果があると感じました。
本市での学校給食を活用した食育の取り組みについて幾つか質問いたします。
本市学校給食で使用している地場産物の品目について、また、その使用割合について、地場産物を使用した献立について。単独調理校では地場産物の利用が進んでいることを評価します。近隣の生産者のリンゴやトマト、キュウリなどが出てくるようです。自分が住んでいる地域や農業に興味を持ち、生産者への感謝の気持ちを育むよい機会となります。給食で使用した地場産物を子供たちや保護者にどのように周知しているのでしょうか。生産者との交流の取り組みは行っているのでしょうか。本市の学校給食を周知するイベントについて伺います。毎年、給食展を開催していますが、学校給食やそれにかかわる食育イベントについて伺います。
2つ目の質問は以上です。
○議長(木村賢一君) 答弁を求めます。――教育長。
〔教育長(柿本隆夫君) 登壇〕
◎教育長(柿本隆夫君) 2番目、学校給食と食育について御質問がありました。1点目、安全安心な学校給食についての1つ目、学校給食の社会的意義についてお答えいたします。
学校給食は、成長期にある児童生徒の心身の健全な発達のため、栄養バランスのとれた豊かな食事を提供することにより、健康の増進、身体の発育、発達や体力の向上を図ることはもちろんのこと、食に関する指導を効果的に進めるための生きた教材として、給食時間はもとより、各教科においても活用されております。昭和29年に学校給食法が制定されてから、時代の変容に伴って学校給食に求められる役割や意義は変化しており、戦後の栄養不足を補う役割から、現在においては、望ましい食の選択能力の育成や生活習慣の確立等の教育的意義、さらには食文化の継承、地産地消の取り組みといったさまざまな分野でその意義が見出されております。また、近年の社会経済状況の目まぐるしい変化や家族形態、ライフスタイルの多様化等は、子供たちの食生活に多大な影響を及ぼすものとなっており、食生活の乱れなどが懸念されている中、安価で栄養バランスにすぐれた学校給食の社会的意義はますます高まっているものと認識しております。本市の学校給食につきましては、小学校は市制施行の昭和34年から、中学校は昭和48年から現在に至るまでの長きにわたり実施してまいりました。教育委員会といたしましては、児童生徒の心身の健全な発達と食育の推進のため、また、学校給食に対する市民や社会からの期待に応えるために、今後も小中学校の9年間にわたって児童生徒を支え続ける完全給食のより一層の充実に努めてまいります。
○議長(木村賢一君) 続いて、補足答弁を求めます。――教育部長。
〔教育部長(山崎晋平君) 登壇〕
◎教育部長(山崎晋平君) 2つ目、放射性物質と食品添加物や遺伝子組みかえ食品の使用についてお答えいたします。
本市の学校給食における食材は、独自の学校給食物資品質基準に基づき、食品添加物については豆腐の凝固剤等、製品の製造に当たって必要不可欠なもの以外は使用しないこととしており、また、遺伝子組みかえ食品については使用しておりません。放射性物質濃度につきましては、食材の使用頻度や産地を考慮し、月1回、2品目について、ゲルマニウム半導体による検査を行い、ホームページで結果の公表を行っております。
3つ目、食物アレルギーを持つ児童生徒の把握の方法についてと、4つ目、小中学校における過去3年間のエピペンを処方されている児童生徒数の推移につきましては、関連がございますので一括してお答えいたします。
食物アレルギーを持つ児童生徒につきましては、健康診断の際に保護者が記入する保健調査票等をもとに把握しており、その中でエピペンを処方されている児童生徒は、平成27年度は29名、平成28年度は33名、平成29年度は44名となっております。
5つ目、食物アレルギーへの対応についてお答えいたします。
食物アレルギーを持つ児童生徒につきましては、アレルゲンのない献立のみを喫食するか、弁当を持参していただいておりますが、食物アレルギーの有無にかかわらず、全ての児童生徒が給食を安全にかつ楽しんで喫食できるよう、調理方法の工夫により、食物アレルギーの原因となることが多い卵や乳については使用しない献立をふやすなど、アレルゲンとなる食材を含まないよう、工夫した献立を提供しております。また、大和市立病院小児科医師の協力を得て、学校でアナフィラキシーショックの対応が迅速にできるよう、教職員向けにアナフィラキシーエピペン研修を毎年実施し、食物アレルギーの基礎知識に加え、エピペントレーナーを用いたエピペンの打ち方についてのグループワークも行っております。
2点目、学校給食を活用した食育についての1つ目、学校給食で使用している地場産物の品目についてと、2つ目、地場産物の使用割合につきましては、関連がございますので一括してお答えいたします。
平成29年度における県内産の地場産物は、主にコマツナなどの野菜のほか、卵や豚肉などで使用割合は20.2%となっており、市内産は主にダイコンやサトイモなどで、使用割合は4.3%となっております。
3つ目、地場産物を使用した献立についてお答えいたします。
主に地場産物を使用した献立といたしましては、豚汁と大和市イベントキャラクターヤマトンをかけ合わせたヤマトン汁という献立を提供しており、市内産のダイコンやサトイモ、ナガネギのほか、市内産の大豆でつくったみそ等を使用しております。
4つ目、給食で使用した地場産物の子供たちや保護者への周知についてお答えいたします。
給食で地場産物を使用した際には、献立表や給食だよりでそのことを周知するとともに、給食のサンプルケースへの掲示、給食時間の放送等で、使用した食材や産地、生産者がわかるよう、児童生徒へ伝えております。
5つ目、生産者と子供たちの交流の取り組みについてお答えいたします。
単独調理校では、近隣の生産者の方に、朝収穫したトウモロコシについて、子供たちの前で成長の様子や栽培の大変さなどについて話していただき、皮むき体験をした後、給食で提供して味わうなど、生産者の顔が見える中で、子供たちの感謝の心を育むとともに、生産から消費までの一連の流れについても学んでおります。
6つ目、学校給食を周知するイベントについてお答えいたします。
学校給食を周知するイベントといたしましては、文化創造拠点シリウスを会場に、夏休みに大和市学校給食展を開催しており、五感を使って体験し、給食や健康に興味を持てるよう、実物の回転がま等の展示や地場野菜を使用した野菜スタンプのしおりづくりのほか、食育講座や給食の試食等を行っております。そのほか、夏休み親子料理教室や学校給食ポスター展など、さまざまな形でイベントを開催することで、教育委員会では、学校給食についての情報発信を行うとともに、学校給食をモデルとした食育の推進を図っております。
○議長(木村賢一君) 質問を許します。――8番、国兼久子議員。
〔8番(国兼久子君) 登壇〕
◆8番(国兼久子君) 御答弁ありがとうございました。時間がないところなので、ちょっとはしょってお願いを申し上げます。
地場産物につきましては、本市は20.2%で、大変健闘しておりますが、市内産の使用割合はわずか4.3%でした。そこにはやっぱり、共同調理場では規格がそろったものを大量にそろえなければいけないといった課題もあるかと思いますが、市内の農家の方も、子供たちが食べてくれると思うとやはり作業にも励みが出るのではないでしょうか。もう少し、ぜひ多くの学校で、交流なども含めまして取り組まれるよう要望いたします。
また、食物アレルギーに対しても、疑わしきは提供せずが基本ですが、おかずが1品減るのも寂しいものです。栄養士、調理師の御努力で、アレルギーのある子もみんなが同じ給食を食べられるよう、卵と小麦を使わない揚げ物にかわるメニューを考案され、常に技術を磨いてくださっていることも私も存じ上げております。大変感謝申し上げます。
しかし、多くの事故は教室で起こっています。アレルゲンの入ったおかずのおわかりを求められてうっかり与えるなど、基本的な確認ミスなど、危機管理が大切です。本市でも一部の単独調理校では除去食を提供しているようですが、アレルギー対応の調理場を設置する自治体もあります。完全除去食の提供はないため、家庭からお弁当を持参となっております。保護者の負担が大きいと感じます。千葉県鎌ヶ谷市では、アレルギー専用調理場を備えた給食センターを2014年3月に完成させました。兵庫県明石市は、同年6月に栄養士を増員しています。その他の自治体も、スタッフ増員や調理場の整備を行っており、本市でも安全で楽しい給食のために共同調理場のどれかに専任栄養士を置き、アレルギー専用調理室を設置するなどの検討をすべきと要望し、私の一般質問を終わります。
○議長(木村賢一君) 以上で8番、国兼久子議員の一般質問を終結いたします。
これにて一般質問を終結いたします。
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○議長(木村賢一君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。これにて散会いたします。御苦労さまでした。
午後5時57分 散会...