鹿児島市議会 2018-03-01
03月08日-09号
平成30年第1回定例会(2・3月) 議事日程 第九号 平成三十年三月八日(木曜)午前十時 開議第 一 第八三号議案ないし第一二七号議案──────────────────────────────────────── 本日の会議に付した事件議事日程のとおり──────────────────────────────────────── (出席議員 五十人) 一 番 中 元 かつあき 議員 二 番 霜 出 佳 寿 議員 三 番 平 山 タカヒサ 議員 四 番 園 山 え り 議員 五 番 佐 藤 高 広 議員 六 番 瀬 戸 山 つ よ し 議員 七 番 杉 尾 ひ ろ き 議員 八 番 徳 利 こ う じ 議員 九 番 薗 田 裕 之 議員 十 番 し ら が 郁 代 議員 十一 番 松 尾 ま こ と 議員 十二 番 中 原 ち か ら 議員 十三 番 米 山 たいすけ 議員 十四 番 たてやま 清 隆 議員 十五 番 わ き た 高 徳 議員 十六 番 奥 山 よしじろう 議員 十七 番 柿 元 一 雄 議員 十八 番 志 摩 れ い 子 議員 十九 番 堀 純 則 議員 二十 番 井 上 剛 議員 二十一番 上 田 ゆういち 議員 二十二番 長 浜 昌 三 議員 二十三番 大 森 忍 議員 二十四番 伊 地 知 紘 徳 議員 二十五番 大 園 た つ や 議員 二十六番 の ぐ ち 英 一 郎 議員 二十七番 川 越 桂 路 議員 二十八番 山 口 た け し 議員 二十九番 仮 屋 秀 一 議員 三十 番 中 島 蔵 人 議員 三十一番 古 江 尚 子 議員 三十二番 田 中 良 一 議員 三十三番 小 森 のぶたか 議員 三十四番 ふじくぼ 博 文 議員 三十五番 森 山 き よ み 議員 三十六番 三 反 園 輝 男 議員 三十七番 大 園 盛 仁 議員 三十八番 小 川 み さ 子 議員 三十九番 小 森 こうぶん 議員 四十 番 上 門 秀 彦 議員 四十一番 長 田 徳 太 郎 議員 四十二番 幾 村 清 徳 議員 四十三番 平 山 哲 議員 四十四番 入 船 攻 一 議員 四十五番 う え だ 勇 作 議員 四十六番 崎 元 ひろのり 議員 四十七番 秋 広 正 健 議員 四十八番 ふ じ た 太 一 議員 四十九番 片 平 孝 市 議員 五十 番 平 山 た か し 議員──────────────────────────────────────── (欠席議員 なし)────────────────────────────────────────
事務局職員出席者 事務局長 福 田 健 勇 君 事務局参事 議事課長 尾 ノ 上 優 二 君 事務局参事 総務課長 福 重 正 史 君 政務調査課長 池 田 雅 光 君 議事課主幹 議事係長 上 久 保 泰 君 議事課主幹 委員会係長 西 田 慎 一 君 議事課主査 小 倉 秀 幸 君 議事課主任 海 江 田 拓 郎 君──────────────────────────────────────── 説明のため出席した者 市長 森 博 幸 君 副市長 松 永 範 芳 君 副市長 松 山 芳 英 君 教育長 杉 元 羊 一 君 代表監査委員 中 園 博 揮 君 交通局長 鞍 掛 貞 之 君 水道局長 秋 野 博 臣 君 船舶局長 南 勝 之 君 総務局長 内 山 薫 君
企画財政局長 鉾 之 原 誠 君 市民局長 星 野 泰 啓 君 環境局長 古 江 朋 子 君 健康福祉局長 上 之 園 彰 君 産業局長 山 下 正 昭 君
観光交流局長 山 口 順 一 君 建設局長 水 元 修 一 君 消防局長 中 薗 正 人 君 病院事務局長 有 村 隆 生 君 市長室長 松 枝 岩 根 君 総務局参事 総務部長 白 石 貴 雄 君 税務部長 西 俊 一 郎 君 企画部長 原 亮 司 君
企画財政局参事 財政部長 中 園 豊 明 君 市民局参事 危機管理部長 湯 通 堂 直 君 市民文化部長 田 畑 浩 秋 君 環境部長 池 田 哲 也 君 環境局参事 資源循環部長 柿 元 孝 志 君
すこやか長寿部長 椎 木 明 彦 君
こども未来部長中 野 和 久 君 福祉部長 日 高 照 夫 君 保健所長 土 井 由 利 子 君 産業振興部長 千 堂 和 弘 君 農林水産部長 大 迫 壮 一 君
観光交流局次長玉 利 淳 君 建設管理部長 松 窪 正 英 君 都市計画部長 坂 元 浩 君 建築部長 屋 野 伸 洋 君 道路部長 中 川 英 一 君 消防局次長 安 樂 剛 君
病院事務局次長西 村 司 君 交通局次長 小 倉 洋 一 君
水道局総務部長鬼 丸 泰 岳 君 船舶局次長 横 山 博 君
教育委員会事務局 管理部長 緒 方 康 久 君──────────────────────────────────────── 平成三十年三月八日 午前十時 開議
△開議
○議長(上門秀彦君) これより、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付いたしました議事日程第九号のとおりであります。
△第八三号議案─第一二七号議案上程
○議長(上門秀彦君) それでは、日程第一 第八三号議案ないし第一二七号議案の議案四十五件を一括議題といたします。 件名の朗読を省略し、前回の議事を継続して質疑を続行いたします。
△個人質疑(続)
○議長(上門秀彦君) それでは、引き続き個人質疑の発言を順次許可いたします。 まず、大森 忍議員。 [大森 忍議員 登壇](拍手)
◆(大森忍議員) 社民・
市民フォーラムの一人として個人質疑を行います。 なお、一部割愛するものもあることをあらかじめ申し上げておきます。 まず、今月に予定していますJR九州のダイヤ改正の関連について伺います。 JR九州は、二月十六日、三月のダイヤ改正で新幹線、在来線の運行本数を一日当たり百十七本減らすと正式発表しました。鹿児島県内は七路線で三十六本減る模様です。鹿児島本線、肥薩線、指宿枕崎線、日豊線では鹿児島中央駅発着もあり、利用者にとっては大きな影響が予想されます。 二月二十三日の地元紙の報道では、JR九州による
在来線大幅減便の影響に対し鹿児島大学の北崎教授は、「通学利用の高校生や車を持たない高齢者など、交通弱者には大きな痛手だ。不便になってますます利用者が減るという悪循環に陥りかねない。地域を維持できなくなれば、JRの多角化事業も含め発展は見込めない。JR九州は株式上場したが、
公共交通機関という一番大事な使命を忘れてはならない」と述べられています。 JR九州の青柳社長は、株式上場前の二〇一五年、完全民営化を議論した
参議院国土交通委員会で、鉄道を中核事業とする当社にとって重要な役割と答弁、交流人口をふやして価値向上を図る姿勢を明確にしていました。 そこでまず、日本国有鉄道を分割民営化したとき、JR九州ほか、JR北海道及びJR四国の三社に対して交付された
経営安定基金について伺います。 第一は、この
経営安定基金の目的と交付額をお示しください。 以上、答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) お答えいたします。
経営安定基金につきましては、JR九州、JR北海道及びJR四国の発足に当たり、その運用益によって営業損失を補うよう設置されたもので、その額は、それぞれ三千八百七十七、六千八百二十二、二千八十二億円でございます。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。
経営安定基金は、答弁にありましたように、鉄道事業の赤字補填を目的として交付されたものです。JR九州には国民の大事な税金が使われているということです。 次に、本市はこれまでも、またこれからもJR各駅に対し応分の負担を行うと推察しますので、以下伺います。 第一は、広木駅の総工事費と駅施設額と駅前広場等の内訳、工事費ごとの本市の負担割合。 第二は、今年度、詳細設計を行い、新年度より本格的に工事着手いたします
鹿児島駅前広場及び自由通路の整備内容と本市とJR九州で行う総工事費見込みをお示しください。 以上、答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 広木駅の総工事費は約四億九千万円で、そのうち、駅施設が約一億九千万円で九割が本市負担、駅前広場等が約三億円で全額本市負担となっております。 以上でございます。
◎建設局長(水元修一君) お答えいたします。
鹿児島駅前広場については、広場整備のほか、現駅舎の撤去や仮駅舎の建築など、およそ七億五千万円、自由通路については、自由通路整備のほか新駅舎の建築など、およそ二十一億四千万円となる見込みでございます。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 今回、二つの駅に限って伺いましたが、本市もかなりの負担をしている模様です。 次に、平成二十九年の三月に改定された鹿児島市
公共交通ビジョンによれば、「本市の鉄道は、九州新幹線のほか、在来線である鹿児島本線、日豊本線、指宿枕崎線により、鹿児島中央駅を中心とした放射状のネットワークを形成しており、広域公共交通の役割を担うとともに郊外部から都心部への高い輸送力と速達性・定時性を確保しています」と述べられています。二月十七日の地元紙によりますと、JR九州の減便に対し三反園知事は、「県の要請を反映することなくダイヤ改正を実施することとしたのは、県民の懸念に全く応えておらず、極めて遺憾」とコメントを出しています。さらに、肥薩線の観光特急はやとの風が不定期運行になることに対し、沿線の嘉例川地区で
まちおこし活動に取り組んでおられる方は、「何で
大河ドラマ効果で観光客がふえることしなのか」とコメントされています。 そこで第一は、三月のダイヤ改正は本市にとってどのような影響があるものか伺います。 以上、答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 今回のダイヤ改正においては、本市関連では、新幹線一本及び在来線九本の減便のほか、特急列車はやとの風の運転日の見直しなどが計画されており、本市への影響といたしましては、地域住民の利便性の低下や観光面への影響等が考えられるところでございます。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 ダイヤ改正による本市の影響は、地域住民の利便性の低下や観光面への影響が考えられるという認識のようです。 第二は、今後、JRに対して本市としてはどのような対応をされていくのか。 第三は、かつて線路など一定のインフラ整備に国民の税金が使われた以上、
公共交通機関としての役割放棄をすることは許されませんが、一方では、人口減少等の中で一企業だけでは路線を維持できません。そこで、国にも要請すべきと考えますが、見解を伺います。 以上、答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) JR九州に対しては、本年一月に本市も参画する
県鉄道整備促進協議会において見直しの要請を行ったところであり、今後の対応につきましても、国への要請なども含め、引き続き県や沿線自治体と連携して検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 ことしは
国鉄分割民営化から三十一年です。結局、
国鉄分割民営化は、国鉄の財産、国鉄用地、駅舎、レール等をそのまま引き継ぎ、さらに
経営安定基金という国民の税金までつぎ込んでいます。その企業としては社会的な責任は免れません。 報道によりますと、昨年十二月二十五日の定例会見でJR九州の青柳社長は、今後については
九州新幹線長崎ルート暫定開業の二〇二二年度まで新たな大規模改正に踏み切らないと表明されています。裏を返せば、二〇二二年度以降は大規模改正に踏み切る可能性があるのではないかと思われます。 今回のダイヤ改正で利便性の低下につながり、その行き着く先は、第三セクター化、自治体に責任の所在を押しつける上下分離方式、そして、
地方ローカル線の廃止に結びつくのではないかと危惧いたします。もともと
国鉄分割民営化は、国策として強行されました。であれば、JR九州を含む地方公共交通は国が責任を持って行うべきではないでしょうか。答弁にもありましたが、本市も県や沿線自治体と連携して国への要請もしっかり行っていただきますように要請いたしておきます。二〇二二年まで時間はわずかです。 この項の最後に、
公共交通機関として最も大事な安心安全について伺います。 二月二十三日に行われました県議会、県民連合の代表質問で、
特急ワンマン化の安全面での課題についてただしたところ、県当局は、「JR九州の特急のワンマン化については、先行しております大分─宮崎空港間では案内係員が試行的に配置されておりますが、案内係員を廃止した後の課題が検証されておらず、宮崎─鹿児島中央駅間への導入は時期尚早と考えているところであります。県では、同社に対し、宮崎県や沿線自治体と連携しその見直しについて要請を行ってきており、引き続き慎重な対応を求めてまいります」という答弁でした。 一つ実例を紹介いたします。先月の初めに鹿児島中央駅発宮崎駅行きの特急きりしま列車内のデッキに人が倒れているということで緊急ブザーが押されました。列車は加治木駅に停車、車掌が状況を確認し、次の隼人駅で救急車の配置をお願いし、倒れていた人を救急車で搬送したという事例がありました。そのときに乗務していた車掌さんにお話を聞くことができました。車掌さんは、「車掌がいたので対応できたが、これがワンマン化になったらと思うとぞっとする」と言われていました。昨年の九月議会でも紹介しましたように関西大学の安部教授は、「
特急ワンマン化は、運転士が非常対応を一人でするためリスクが大きい。車掌乗務にかわる有効な安全対策はなく、望ましくない」と指摘されています。 そこで、森市長にお伺いいたします。 特急きりしまのワンマン化に対して乗客の安全が担保されないと思いますが、市長の見解とJR九州への対応を伺います。 以上、答弁願います。 [市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 大森 忍議員にお答えいたします。 特急きりしまのワンマン化につきましては、安全面やサービス面への不安が払拭されないまま導入が検討されることは私も時期尚早と考えております。本市といたしましては、先般、JR九州に対し
県鉄道整備促進協議会を通じてワンマン化の見直しについても要請を行ったところでございますが、今後とも県や沿線自治体等と連携して慎重な対応を求めてまいりたいと考えております。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 森市長から答弁をいただきました。 特急きりしまのワンマン化につきましては、安全面やサービス面への不安が払拭されないまま導入が検討されることは私も時期尚早と考えておりますという市長の見解です。全く同感です。 JR九州の安全対策で言えば、特急きりしまのワンマン化だけではなくて合理化による人減らしが安全確保に影響が出てくるのではないかと憂慮されます。JR九州発足時に一万五千人いた社員は、現在、約六千人減らされているそうです。今回のダイヤ改正で指宿駅も直営ではなくなるそうです。鹿児島県内の日豊本線、鹿児島本線の直営駅は五つになるやに聞いています。公共交通の最大の使命は安全の確保です。ぜひ本市からもJR九州に対し安全の確保を最優先にしていただきますように強く要請させていただきます。 新しい質疑に入ります。 本市の観光施策について伺います。 NHKの大河ドラマ「西郷どん」が好調で、少しずつではありますが、本市観光も盛り上がりつつあるのではないかと推察いたします。一方で、これも繰り返しとなりますが、
大河ドラマ放送後の対策も必要なのではないかと思います。 ことしの一月に会派で金沢市を訪れました。金沢市も二〇一五年三月に新幹線が開業し、入り込み客数が開業前八百万人であったものが開業後は一千万人を超え、ホテルの建設ラッシュということでした。同時に新幹線効果を検証する会議の中で、国内旅行はいずれ下火になる、これからはインバウンドに力を入れていくべきだと言われています。金沢市は、イタリアにターゲットを絞り誘客を開始していますが、その根拠として、金沢市の兼六園に入園する
外国人観光客に対して、なぜ金沢を選んだのかという調査を行い、その中で歴史及び街並みがヨーロッパに似ているからという回答が多く、事実、最近は欧米系の方々の旅行者がふえており、特に二〇一五年から二〇一六年の伸び率では、イタリアが七一・九%増になっているようです。そこで金沢市は、昨年はミラノ、ことしはローマに職員を派遣、これとHISの旅行会社の現地支店と連携し、金沢の魅力を発信する
観光プロモーション活動を展開しています。 そこで、以下伺います。 第一に、本市の
インバウンド対策と特徴的な事業の内容、そしてその効果。 第二に、東南アジアのどこをターゲットとしながらの情報発信及び情報収集をされようとしているのか伺います。 以上、答弁願います。
◎
観光交流局長(山口順一君) お答えいたします。
インバウンド対策につきましては、第三期観光未来戦略において
強化プロジェクトとして掲げ、九州縦軸四市や南九州県都との連携による
広域観光ルートの創出、富裕層をターゲットとした
観光プロモーション、
受け入れ環境整備などに取り組んでいるところであり、
外国人宿泊観光客数は、近年、大幅に増加しているところでございます。
東南アジア地域の
メーンターゲットはタイやシンガポールとしており、
現地プロモーションや旅行会社への送客助成などを行っているところであります。三十年度におきましても吉本興業と連携した情報発信などに取り組むこととしております。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 東南アジアの
メーンターゲットはタイやシンガポールを考えられておる模様です。受け入れ環境の整備を含めて
インバウンド対策に積極的に取り組まれるということですので、期待をいたしておきます。 第三は、金沢市は、タブレットやスマホを活用してボイストラという翻訳アプリを入れた
外国語翻訳用携帯端末を購入する場合、補助の対象としていますが、本市でも導入を検討する考えはないか伺います。 以上、答弁願います。
◎
観光交流局長(山口順一君) 本市では、官民一体となって
外国人観光客の受け入れ体制のさらなる充実を図るため、
観光関連事業者による外国語表記や
公衆無線LANなどの整備に対する助成制度を設けておりますことから、お触れになったタブレット等の導入についても同制度の活用を検討してみたいと考えております。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 タブレット等の導入についても検討してみたいという答弁でした。行政というのは慎重になり過ぎて時期を外れるということもしばしば見られますが、この時期を逃さず検討されるということを評価させていただきます。 次に、“世界を視野に”
外国人観光客誘致宣伝事業について伺います。 第一は、この事業の中の
海外観光客誘致事業補助金の目的と効果。 第二は、同補助金の五年間の実績と特徴についてお示しください。 以上、答弁願います。
◎
観光交流局長(山口順一君)
海外観光客誘致事業補助金につきましては、観光客の本市への宿泊観光を促進するため、送客を行う海外の
旅行エージェントに対して補助するものであり、
外国人宿泊観光客数は四年連続で過去最高を更新しているところでございます。 二十四年度からの補助金による送客実績を順に申し上げますと、五千二百九十一、四千八百四十六、五千百三、六千七百四十二、五千六人となっております。特徴としては、団体旅行の形態が多い韓国や台湾の送客実績が多いことであり、また、補助制度につきましては、ターゲットに合わせて二十八年度からタイ及びシンガポールも対象に加えているところでございます。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。
海外観光客誘致事業補助金の特徴としては、韓国や台湾の送客実績が多い模様です。先ほどの東南アジアの
メーンターゲットはタイやシンガポールという答弁にあったように、二十八年度からはこの事業にタイやシンガポールも対象に加えられておられるようです。こういう事業は時間がかかる事業だと考えますので、ぜひ多くの方々が鹿児島を訪れていただけるような取り組みを期待いたしておきます。 新しい質疑に入ります。
地球温暖化対策について伺います。 報道によりますと、政府は、温室効果ガスの増加による気温の上昇など、気候変動の影響で生じる農業や漁業などへの被害を阻止するため、
気候変動適応法案を今国会に提出する方針であり、国による適応計画策定や気候変動の影響評価、さらには、都道府県にも地域計画の策定を求め、地域計画には高温にも耐えられる農作物の開発などが盛り込まれているようです。世界の平均気温は百年当たり〇・七二度の割合で上昇しているのに対し、日本の年平均気温は百年当たり一・一九度の割合で上昇しており、この影響は、玄米が乳白化したり、海水温の上昇でサンゴの白化も深刻で、健康被害で言えば、二〇一〇年以降、救急車で搬送された熱中症患者は全国で四万人から五万人という高水準で推移しているそうです。本市もこの間、
地球温暖化対策を行ってきていますが、市民レベルでも、行政レベルでもこの機運が薄らいできているのではないかと思われることから、以下伺います。 第一に、ここ数年の
地球温暖化対策の取り組みに対する本市の認識をお示しください。 以上、答弁を願います。
◎環境局長(古江朋子君) お答えいたします。 本市では、
地球温暖化対策アクションプランに基づき、平成二十四年度から各種施策に取り組んできているところでございます。二十八年度に実施した
市民アンケートにおいて、
地球温暖化対策が進んでいると感じる市民の割合は三六・四%にとどまっており、取り組みの見える化や啓発などが必要であると考えております。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 本市としても取り組みの見える化や啓発などが必要であると認識されておられるようです。 第二に、二〇一六年度の第二次鹿児島市環境基本計画年次報告書では、基本方針一のうち、民生家庭部門の温室効果ガス排出量削減率について、最新の現況値二〇一四年度が計画の基準年度の一九九〇年度比で九六・九%増になっていることへの見解を伺います。 以上、答弁願います。
◎環境局長(古江朋子君) 民生家庭部門の温室効果ガス排出量削減率が増加した主な要因は、世帯数増加に伴い電力使用量が増加したこと、東日本大震災以降に火力発電の割合がふえたことなどにより電力の排出係数が増加したことなどが挙げられます。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 次に、第三に、本市において、この数年間、地球温暖化によりどのような環境や生態系の変化があるのか。 第四に、今後の
地球温暖化対策の進め方について伺います。 以上、答弁願います。
◎環境局長(古江朋子君) 地球温暖化による本市への影響につきましては、鹿児島地方気象台の観測によりますと、年平均気温が過去百年間で約一・八度上昇しているとのことでございます。また、気温の上昇等の環境変化により越冬できなかった生物の定着や海の魚の産卵行動に異変などがあらわれているようでございます。 今後につきましては、プランに掲げる再生可能エネルギーや省エネ技術の利用促進などの施策を着実に進めるとともに、三十年度は新たに市民や事業者等と一体となって
地球温暖化対策に関する情報発信や普及啓発を行うかごしま市民みんなでつなごう「COOL CHOICE」推進事業にも取り組み、引き続き、市民の皆様と協働・連携しながら温室効果ガスの排出量削減に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 気温の上昇等の環境変化により越冬できなかった生物の定着や海の魚の産卵行動に異変があらわれている模様です。今後の温暖化対策については、新たに市民や事業者等と一体となった情報発信や普及啓発を行われるということですが、ぜひ、今どういう事態になっているものかということもお知らせいただき、本市を挙げての温室効果ガス排出量削減に取り組んでいただきますように要望いたしておきます。 第五に、京都市では、二〇一二年四月から大規模建築物への自然エネルギー導入義務化を始めていますが、本市としても導入すべきと考えますが、見解を伺います。 以上、答弁願います。
◎環境局長(古江朋子君) 本市における大規模建築物への自然エネルギーの導入につきましては、プランに掲げる再生可能エネルギーの導入促進策として太陽光発電システムを公共施設に率先して導入するとともに、民間の共同住宅や環境管理事業所への設置助成も行っており、自然エネルギーの導入義務化につきましては、引き続き各面から検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 自然エネルギーの導入義務については、引き続き各面から検討していきたいということですので見守ってまいります。 新しい質疑に入ります。 まなび文化政策と地域公民館活動について伺います。 第五次鹿児島市総合計画のまなび文化政策では、「次代を担う子供たちの個性や可能性を伸ばし、確かな学力、思いやりの心、健康・体力などの「生きる力」を育む学校教育を充実するとともに、学校、家庭、地域の連携による教育を推進し、市民が学ぶ喜びを感じながら、生涯を通じた学習やスポーツ活動を行うことのできる環境を整えるとともに、歴史や文化芸術を楽しむ機会の充実を図ることにより、生きがいと心の豊かさ、郷土に対する愛着と誇りを醸成する市民文化を創造します。人権意識の高揚や男女共同参画を推進することにより、一人一人の人権が尊重される社会を築きます」と述べられています。私の住む武岡台校区は、多くの皆さんが文化に触れ、趣味や講座等を通して作品づくりに取り組んでいます。その集約点として校区文化祭の開催を楽しみにされております。 そこで伺います。 第一は、地域公民館の今日的な役割。 第二は、校区公民館と地域公民館の連携の状況と課題について伺います。 以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) お答えいたします。 地域公民館は、生活文化の振興と社会福祉の増進に寄与することを目的に地域住民のために社会教育を推進する拠点施設として中心的な役割を果たしているところでございます。 地域公民館と校区公民館との連携につきましては、地域公民館が主催します地域総合文化祭におきまして、校区公民館の成人学級や女性学級での成果を発表するなど連携を図っております。今後とも連携がより一層充実するよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 地域公民館は生活文化の振興と社会福祉の増進に寄与することを目的として、校区公民館との連携については今後とも連携がより一層充実するように努力されるとのこと。さきの代表質疑の中でも同僚議員からも指摘がありましたように、私たちの武岡台校区コミュニティ協議会も昨年の三月に発足し、現在、コミュニティープランの作成中です。これまでの校区公民館運営審議会では、全体会議の中に中学校、小学校、幼稚園、保育園の代表の方も参加していただき、校区の教育の状況が全体的に共有できていました。現在は部会制になり、これまでのように校区の教育の状況が共有できていません。もちろんこのことは校区コミュニティ協議会の中での改善点ですので努力してまいりますが、心配するのは教育委員会とのかかわりがますます薄れるのではないかということです。そういう意味でも、地域公民館との連携は今までと同じようなことをやっていっても難しいと思います。ぜひ、いろいろ知恵を絞っていただきますように要望いたしておきます。 次に、武岡台校区文化祭は毎年十一月の第三日曜日に開催いたしていますが、毎年、展示パネルをお借りするのに大変困っています。本来は武・田上公民館から借りればいいのですが、他の校区との日程が重なっていた等で借りられず、例えば、中央公民館、城西公民館、谷山市民会館などまで借りに行くこともあります。先日、政務調査課にお願いして平成二十七年から二十九年度の各校区における文化祭の実施状況の調査をお願いしました。 そこで、第三は、平成二十七年度から二十九年度ごとの毎年十一月に限っての各校区文化祭の開催状況をお示しください。 武岡台校区文化祭では、毎年、展示パネルは二十五枚ほど使用しています。 第四は、地域公民館ごとの使用できる平均の展示パネル数をお示しください。 以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 十一月に文化祭を開催しました校区数を平成二十七年度から二十九年度まで順に申し上げますと、三十九、三十五、三十九校区でございます。 地域公民館の展示パネルにつきましては、一館平均で約二十六枚でございます。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 十一月の校区文化祭はどうしても重なり合う実態がわかりました。 そういう実態の中で質問の第五は、予算の絡みもありますが、今後改善していくことは考えていないのか。 以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 展示パネルにつきましては、地域公民館において必要に応じて購入し、校区公民館等へ貸し出しているところですが、今後、活用状況などを踏まえ、パネル数等について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 今後、活用状況等を踏まえパネル数等については検討していただけるということですので期待いたしておきます。 次に、武・田上公民館の改修工事について伺います。 第一は、主な改修項目。 第二は、改修に伴う休館期間と休館中の対応について伺います。 以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 武・田上公民館につきましては、エレベーターや授乳室を新設するとともに多目的トイレへの改修などを計画しているところでございます。 武・田上公民館の休館につきましては、三十年六月から三十一年三月まででございます。なお、図書の貸し出しは従来どおり行いますが、講座につきましては、かごしま文化工芸村等で実施することとしており、これらにつきましては市民のひろば等で周知を図ってまいります。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 武・田上公民館の改修については、エレベーターや授乳室の新設等、地域の方々からは喜ばれると思います。一方、これまで武・田上公民館で行っていた地域行事が今年度に限りできなくなるものもあると思われます。答弁にありますように周知については適切に行っていただきますようにお願いいたしておきます。 最後に、武岡地域の課題について伺います。 先日、武岡台小学校の生徒の下校中に接触事故がありました。これは、生徒が横断歩道が青になり渡る途中に信号が赤信号なのに車がぶつかってきた事故であり、生徒はかすり傷程度でほっとしたという状況でした。 これまで本会議で建設局長は、「ゾーン30の効果については、歩行者などの通行の安全性が向上したと考えており、県警によると、通過交通が少なくなり安心して歩けるようになった、交差点のカラー舗装で速度を落とす車がふえたという地域住民などからの声が寄せられている」という答弁でした。三年前の本会議で、武岡台校区のゾーン30の可能性を伺いましたが、ほとんど難しいという答弁でした。だからこそ、できる努力をお願いしたいという立場で伺います。 第一は、武岡台小学校通用門前のとまれの標識から交差点の停止線までが長く、学校側から出てくる車、進入してくる車と出会い頭の衝突事故を起こす危険性があるので停止線を後方へ下げて設置してほしいという要望です。これは、武岡台小学校のスクールゾーン委員会からの長年の課題ですが、これに対し県警は、「要望場所の一時停止規制については交差点における交通事故防止を目的として実施されているものであり、現状の位置が適正であると考えています」という答弁です。この現状の位置が適正であるのであれば安全性は保たれるということなのか見解を伺います。 以上、答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) お答えいたします。 通用門前の一時停止線は、県警によりますと、道路の形状から現在の位置で車を停止しなければ左右の安全確認ができずに事故を誘発する可能性があるとのことでございます。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 道路の形状から事故を誘発する可能性があることは理解いたしました。 第二は、停止線の位置の変更ができない場合の事故防止策。 第三は、子供たちの通学路上にあり、子供たちが横断するのに大変危険なので武岡四丁目の西本願寺別院和岡出張所前に横断歩道を設置してほしいという要望です。そもそも予算の問題ももちろんありますが、横断歩道を設置する場合、どういう要件が必要なのか。 第四は、当該場所での横断歩道設置の検討をしていただけないか伺います。 以上、答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) 横断歩道の設置基準は、交通量及び横断歩行者が多く歩行者の安全を確保する必要があること、歩行者の滞留スペースが確保できることなどで、周辺環境などを総合的に判断して設置することとなっております。 横断歩道の設置などの交通安全要望につきましては、その都度、各警察署を通じて県公安委員会や道路管理者等に検討を依頼しておりますが、お尋ねの箇所につきましても交通の状況や住民からの要望等を十分に勘案して対応していただくよう関係機関に要請してまいります。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 要請いたした箇所については、交通の状況や住民からの要望等を十分に勘案して対応していただくように関係機関に要請していただけるということですので期待をいたしておきます。 昨今、連日のように通学中の生徒の列に車等がぶつかってとうとい命が奪われる事故も報道されています。子供たちは国の宝です。せめて通学路だけでも安全な環境をつくっていただきますように要請いたしておきます。 次に、市道武岡団地一号線武岡五丁目から市道刈敷三号線田上八丁目を結ぶ道路の改良について伺います。 当該の道路は、地域の皆様方の強い要請の中、平成十二年から一部改良いただいたところですが、ここ十年、なかなか動きが見られないところから、以下伺います。 第一は、当該道路の状況及びこれまでの経過。 第二は、市道認定及び道路拡幅の可能性があるのか。 以上、答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) お尋ねの道路は、延長およそ四百六十メートル、有効幅員四から五・八メートルで、武岡五丁目からおよそ二百六十メートルの区間は法定外公共物、残りの区間は農道でございます。これまでの経緯は、平成十二年に道路拡幅の要望があり、農道に隣接する水路の一部にふたを設置しております。 市道認定については、縦断勾配が一二%を超える箇所があることなど、市道路線認定基準要綱の要件を満たしていないところです。また、整備については、建設局が所管する法定外公共物等の維持管理に関する要綱に基づき、現道幅員での舗装、排水施設等の整備により対応しているところであり、今後とも適切な維持管理に努めてまいります。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 市道認定には縦断勾配が一二%を超える箇所があることなど、市道路線認定基準要綱の要件を満たしていないということです。市道として認定するには大きな壁がある模様です。 そこで、私は、長崎市を訪れて、坂のまち長崎市の新たな道づくりを学んできました。この長崎市の新たな道づくりは、斜面市街地における生活の利便性の向上や防災機能を図るため、生活道路の整備が課題になっているという背景から進められています。 そこで、第三は、長崎市の車みち整備事業の概要。 第四は、長崎市市道の構造の技術的基準を定める条例第二十二条の縦断勾配の内容についてお示しください。 以上、答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) 長崎市のホームページによると、既成市街地内の斜面地にある市道について、用地の寄附、縦断勾配などを条件に、地域の実情に応じて階段のスロープ化や拡幅を行い、車が通れるようにする事業となっております。 縦断勾配について、同市の条例では一七%以下となっておりますが、設計速度が一時間につき二十キロメートルの道路の改築を行う場合で、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ないときは、当該規定は適用しないとなっております。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 長崎市の条例では、設計速度が一時間につき二十キロメートルの道路の改築を行う場合で、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ないときは、当該規定は適用しないということのようであります。 そこで、第五は、本市でも長崎市が条例の制定時に取り組んだ基準の緩和について検討を行ってみるべきではないかと考えますが、見解を伺います。 以上、答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) 今後、長崎市を含む他都市の取り組みなどを研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 [大森 忍議員 登壇]
◆(大森忍議員) 答弁いただきました。 長崎市を含む他都市の取り組みなどを研究していくということですので、少し時間がかかりそうですが、私も機会あるごとに他都市の調査も行わせていただきます。 以上で、私の個人質疑の全てを終わります。
○議長(上門秀彦君) 以上で、大森 忍議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 次は、小川みさ子議員。 [小川みさ子議員 登壇](拍手)
◆(小川みさ子議員) 二〇一八年三月八日、国際女性デーのきょう、第一回定例議会において、市民の皆様から届いた声を無所属の立場で個人質問してまいります。 今、国会では、深刻な労働力不足の解消、出生率低下、一億総活躍社会に向けた取り組みとして、働き方改革関連法案が審議されていますが、高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度をめぐる論戦が続いています。過労で家族を亡くした遺族らは、裁量労働制の対象拡大だけではなく、高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度についても撤回すべきと訴えています。この法案は、長時間労働の改善、非正規と正社員の格差是正、同一労働同一賃金、高齢者の就労促進が柱となり、労働基準法、労働者派遣法、パートタイム労働法、労働契約法、雇用対策法など八つの労働法をまとめて改正しようとしています。日本全体に働き方改革の各取り組みが広がり、根づくためには、まず、公務員の働き方が改革されなければなりません。 そこで、鹿児島市職員の働き方改革、官製ワーキングプアについてお尋ねします。 まずは、本市の正規職員、再任用職員、臨時職員、嘱託職員の数の割合、給料・報酬、過去十年の推移、なされてきた処遇改善について。 また、市長事務部局、企業における新年度の休職者、退職者見込みと欠員数についてお示しください。 以上、答弁を求めます。
◎総務局長(内山薫君) お答えいたします。 過去十年間の企業及び消防局を除く市長事務部局等の非常勤職員等を含む職員合計とその割合を順次申し上げますと、二十年度が職員数四千百七十五人で、正規職員七七・三%、短時間勤務を含む再任用職員一・五%、月十五日以上または週二十時間以上勤務する臨時職員一一・四%、週二十時間以上勤務する非常勤職員九・八%、同様に二十一年度が四千三百五十三人で、七三・一、一・五、一二・八、一二・六%、二十二年度が四千三百八十人で、七二・二、一・六、一一・六、一四・六%、二十三年度が四千六百二十六人で、六七・八、二・〇、一三・一、一七・一%、二十四年度が四千六百三十八人で、六七・四、一・七、一二・四、一八・五%、二十五年度が四千六百二十九人で、六七・三、一・七、一一・〇、二〇・〇%、二十六年度が四千六百五人で、六七・〇、二・四、一〇・七、一九・九%、二十七年度が四千七百八十二人で、六四・四、二・三、一三・七、一九・六%、二十八年度が四千七百二十二人で、六五・二、二・〇、一三・〇、一九・八、二十九年度が四千六百七十三人で、六五・一、二・二、一二・三、二〇・四%となっております。また、給料等の主な処遇改善についてですが、正規職員及び再任用職員の給与につきましては、これまで人事院勧告に準じて改定を行ってきております。臨時職員は二十一年度から期末手当を、二十三年度から通勤手当を支給しております。非常勤職員は二十二年度に報酬水準を全体的に引き上げるとともに、二十八年度から通勤費用相当分を費用弁償として支給しており、また、期末手当に相当する謝金については二十四年度から支給対象を拡大し、さらに二十九年度は大幅な引き上げを行ったところでございます。 次に、本年四月一日時点の休職者等の見込みについては私のほうで一括してお答えいたします。企業及び消防局を除く市長事務部局等の休職者は二十一人、退職者は六十六人、欠員は五人でございます。また、企業及び消防局の合計では、同様に四人、九十二人、二十一人でございます。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 新年度の休職者、退職者、欠員をお示しいただきました。欠員が市長事務部局五名、企業と消防局合計二十一名で、計二十六名とのこと。職員数は増減があるものの、約三三%が低賃金で、不安定雇用の非正規雇用という現状が確認できました。公務員がうらやましがられバッシングされる中、職員の三分の一は非正規ということです。私の質問通告が公開された後、本市の臨時職員から複数の声が寄せられた中、「同じ職場で同じ時間を拘束されるのに交通費は一日二百八十円、片道百四十円で、家計は赤字です」というメールもホームページから届きました。年のころも性別もわかりませんが、政党や組合などどこにも所属していない議員にさえ訴えたくなる苦しい声に現実を見る思いがしました。市長にはしっかりと受けとめていただきたいと思います。 今回、年齢別及び男女別格差も質問すべきだったと今少し後悔しているところですが、職場内での低賃金で有資格の嘱託職員など、働く立場は違えども同じ職務であることから生じる不和、あつれきのある職場環境になっていないものか。 嘱託職員の人事は各課が担っているというのは事実か、全体のバランスを見て人事課が担うべきではないか。 非正規化、公共サービスの産業化や窓口業務の外部委託の加速化など自治体のアウトソーシングの課題は何か。 以上、まとめて答弁を求めます。
◎総務局長(内山薫君) 非常勤職員につきましては、特定の業務に必要な専門的知識や資格、経験を要する職として任用しており、勤務条件については、職務の専門性や職責、困難性等を考慮した報酬額とするなど、国の通知を踏まえ適切に設定しているところでございます。今後ともやりがいや充実感を持って仕事に取り組める環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 非常勤職員は市長事務部局等で約九百五十人おり、職種も多岐にわたることから、その採用等の事務はそれぞれの所管課で行うことが最も効率的であると考えております。 次に、民間委託等に当たっての課題といたしましては、行政責任の確保に留意しながら、事務事業ごとにコスト削減だけでなく公平性、安全性、行政サービス水準の確保などにも十分な検討を行っていく必要があると考えております。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) それぞれ答弁いただきました。 アウトソーシングに相当する外部委託も含め、違う立場が入りまじる職場環境について、ぎくしゃくして仕事のモチベーションも上がらない、嘱託職員募集までなぜ現場職員がハローワークにかけ合わなくてはならないのか、人事の仕事なのではないかなど、不満の声が届きます。職場環境が悪いとコミュニケーションが不足し、人間関係の悪化で仕事でのミスが増加し、やりがいを持って行政サービスができないという本市の市民サービスに差し支えることになります。今回は交通局の実態は質問しませんが、同じ制服を着て同じ仕事をしながらも、正規職員、臨時職員、民間委託職員という三パターンの立場があり、賃金も待遇も大きな差がある中、やりがいや充実感を持って仕事に取り組めるものか、この現実を知ったとき、市民の足を守る仕事でありながらと驚きました。こんな気まずさで人間関係のひずみが生まれると職場全体の活力を低下させ、メンタル不調の一因になることもあります。 そこでお尋ねしますが、部局ごとの精神保健、精神衛生などメンタルヘルス病休者数、過去十年の推移、実態、原因分析、対策と改善。 世界保健機関による人権に根差したメンタルヘルスケアの定義についての内容と見解について。 以上、まとめて答弁ください。
◎総務局長(内山薫君) メンタルヘルス不調による病気休暇の取得者及び休職者の数について一括して答弁いたします。 企業及び消防局を除く市長事務部局等について、比較できる資料のある二十四年度から二十八年度まで順に申し上げますと、六十七、五十八、五十一、六十七、七十人、企業及び消防局では合計で二十二、十七、二十、二十一、二十四人でございます。復職の際は基本的にはもとの職場に復帰させておりますが、再発する職員もおります。メンタルヘルス不調の原因はさまざまですが、仕事上のストレスや職場での人間関係などもございます。メンタルヘルスの対応としては、ストレスチェックや嘱託医による精神保健相談、専門家によるメンタルヘルス講演会等を実施しているほか、円滑な職場復帰及び再発防止を目的とする試し出勤などに取り組んでいるところでございます。 次に、世界保健機関はメンタルヘルスについて、自分自身の能力を理解し、人生の普通のストレスにうまく対処することができ、生産的かつ効果的に就労することができ、かつ自分のコミュニティーに寄与することができる良好な状態と定義しております。個人が充実した生活を送る上では精神的に良好な状態であることが大切であると考えております。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 メンタルヘルス不調による休職者がふえていることが確認できました。基本的人権を侵す仕事上で生じるストレス、職場での人間関係による発症について、市側が未然防止のため改善すべきは何か、実態調査をして改善に取り組まれることを要望しておきます。 次に、最後のセーフティーネットを担う生活保護担当者の現状と課題についてお尋ねします。 ケースワーカーの数、仕事内容、本市の受け持ち世帯数、現時点での実態と充足率。 受け持ち数が社会福祉法で示された標準数八十世帯を上回り疲弊するケースワーカーの訴えについて答弁を求めます。
◎健康福祉局長(上之園彰君) お答えいたします。 本市のケースワーカーは九十八人で、業務内容は、生活保護受給世帯の生活状況確認のための家庭訪問や収入状況調査、扶養義務調査などでございます。一人当たりの担当ケース数は平成二十九年十一月末時点で七十七ケースでございますが、充足率は算定していないところでございます。 また、職員の病気休暇等により一時的に一人当たりのケース数が八十ケースを上回り、業務量が増加する状況があることは承知しております。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 答弁いただきました。 職員の病休などで受け持ち数が八十ケースを上回り、業務量が増加することが起きていることがわかりました。ケースワーカーの業務は、加算額の変更など個々のケースに合わせて月々の生活保護費を計算し、決定し、支給する事務がかなり大変で、ケースが多いと一人一人の相談ケアまで行き届かないとの現実もあると聞いています。八十ケースを上回ることは十分想定できるわけですから、ケースワーカーをふやすべきではないでしょうか。 次に、ケースワーカーに若手が多いのはなぜなのか。経験や知識を継承する研修、養成講座の開催数、内容、課題について。 以上、答弁を求めます。
◎総務局長(内山薫君) 職員の配置に当たっては、それぞれの業務に必要とされる能力や経験、資格のほか、ジョブローテーションの観点や各職場の年齢構成のバランスなどさまざまな要素を考慮しております。 以上でございます。
◎健康福祉局長(上之園彰君) ケースワーカーの研修につきましては、年一回、初任者に対する研修を行うとともに、二年目以降の職員も含めて年三回の県社会福祉協議会主催の研修受講のほか、適宜、課や係単位で制度周知の研修を実施しております。課題としては、法改正などにより制度が複雑化しており、職員のスキルアップを図ることと考えております。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 生活保護の仕事には専門性が求められ、ほかの法律や制度にも精通していることが必要です。その上、激務であるケースワーカーの業務は年数回の研修でのスキルアップでは難しいと思います。受給者側は個々の悩みを抱えていて、それを担当に激しくぶつけることもあります。それを理解するには何よりも社会的弱者、社会福祉や貧困問題についての正確な学びと理解が必要です。それなのに充実した研修も受けられず、正確な法の理解を欠いたまま仕事をさせられている経験の少ないケースワーカーの負担軽減のため、担当世帯数はさらに減らすべきです。ケース会議で情報共有を図り、経験を重ねなければ適切な対応はできません。業務の大半を占める各種調査、収入認定などの事務処理を簡素化、
ソフト開発も必要です。もっとケア支援業務に振り向けることができるようにケースワーカー増員を検討してください。 繰り返しになりますが、病休が出ても八十を超えないように、ケースワーカー増員の必要性を感じます。スキルアップしてなれたころには異動でまた新人。そのような配置のあり方を改めて、専門性の高いベテラン職員の配置比率を高めることも検討ください。そのためには、現在七五%である生活保護の国庫負担をふやし、自治体の負担を軽減できるよう市長から国に要望してください。 次に、生活保護高齢者世帯等専任支援担当の資格の有無、職務内容と実態、受け持ち数と充足率をお示しください。 加えて、知的、精神、身体などそれぞれの障害のある受給者に対する専任支援の現状と必要性はないのか。 以上、まとめて答弁ください。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 生活保護高齢者世帯等専任支援員につきましては、社会福祉主事任用資格を有する者や社会福祉士等の有資格者、ケースワーカー経験者などを採用し、業務内容は生活状態が比較的安定している高齢者世帯等の生活状況確認のための家庭訪問等で、担当ケース数は一人当たり二十九年十一月末時点で百二十五ケースとなっております。なお、標準数がないため、充足率は算定できないところでございます。 また、障害のある被保護者に対しましては、生活保護の趣旨にのっとりそれぞれの状況に応じて必要な助言や支援を行っております。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 生活保護高齢者世帯等専任支援員は有資格者やケースワーカー経験者を採用されているとのこと。生活状態が比較的安定している高齢者世帯などの担当と述べられましたが、障害者も含まれているわけで、比較的安定しているとの答弁が妥当かどうか、どういったことが安定しているという見解なのか疑問です。それに標準数がないからといって一人で百二十五ケースは多過ぎです。また、障害のある受給者にはそれぞれの状況に応じて必要な助言や支援をされているとのことですが、専任支援員も含めケースワーカーの苦しさがわかります。障害のある受給者に対する専任支援員配置が別途必要だと思います。御検討を強く要望しておきます。 最後に、森市長に本市職員の人事のあり方について不満の声が届いていますか。届いているのであれば、どう受けとめて対応されているのか。 以上、答弁を求めます。 [市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 小川みさ子議員にお答えいたします。 人事配置につきましては、人事評価に加え、職員申告書による本人の希望や意見も考慮するなど適材適所の配置を行っているところでございます。今後ともそのような対応を図り、職員の能力が十分発揮できるよう体制を整えてまいります。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 市長に御答弁いただきました。 職員の悲鳴のような訴えが寄せられるたびに、本人の希望で適材適所に配置されているとの市長の受けとめ方との乖離を感じます。職員が快適に士気を高めて働けないことによる市民への影響を考えてみてください。明治維新百五十周年で光の当たる事業が多い中、地道な福祉の業務をお忘れにならないでください。職場内格差の改善も含め、本市職員の働き方を見直していただくよう強く要望して、この質問は終わります。 次に、孤独死を出さないための施策について。 ホームレス状態からの生活保護申請数と開始件数、その推移と実態。 再犯、再路上化、逃亡、孤立、自殺、孤独死防止のための居宅支援を充実させる必要があると考えますが、以上、見解をお示しください。
◎健康福祉局長(上之園彰君) ホームレス状態からの生活保護申請数と開始件数の推移を二十六年度から二十八年度まで順に申し上げますと、生活保護申請数、百六十六、百七十五、百四十三件、開始件数、百五十九、百六十、百三十五件となっております。 本市におきましては、孤独死などの対策として巡回相談指導事業や訪問給食、緊急通報システム等の福祉サービスのほか、民生委員、児童委員の活動などにより相談支援や安否確認、孤独感の解消などに取り組んでいるところでございます。今後におきましても、県社会福祉士会や保護司会、警察など関係機関との連携を図る中で取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 答弁いただきました。 ホームレス状態からの生活保護申請、開始は少しずつではありますが、減る傾向にあるようです。 身寄りのない方も多く、入院時の保証人問題など、一人一人の事情、ケースに合わせた細やかなマネジメントが必要だと考えますが、見解をお示しください。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 今後、少子高齢化がさらに進行することにより、ひとり暮らしでの不安を抱える方もふえ、その内容も複雑多様化していくことが予想されますことから、こうしたことへの対応が課題であろうと考えております。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 答弁いただきました。 最後のセーフティーネットを担う生活保護の専任支援とも重なりますが、身寄りがない場合、病気になって入院できるのだろうか、どうだろうかと不安に思われるひとり暮らしの方の声が聞かれます。複雑多様な不安要素への対応が課題と言われるのなら、まずはきめ細かな対応を要望しておきます。 次に、仲間づくり、地域社会での暮らし、カミングアウト、生きがい、就職時の保証人問題など、仕事への継続的支援が必要と考えますが、見解をお示しください。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 本市では生活相談に加え、就労支援をワンストップで対応する生活・就労支援センターを初め、各種相談窓口を設置し、取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 答弁いただきました。 就労支援の際、どうしても保証人がいない当事者に保証人が必要な職の紹介をされ、働く意欲はあるのに悩まれ、ひきこもりになってしまった方の相談を受けたことがあります。各相談窓口で丁寧で適切な対応を要望します。 ことしになって知人が孤独死をしていました。助け合いの活動をする方が数日連絡が途絶えたことで訪ねてみて第一発見者となりました。自主的な共助、ピアカウンセリングのおかげで発見が早かったわけですが、ホームレス状態からの生活保護開始者間での共助、ピアカウンセリング体制の制度化。 そのような活動を行うNPO法人が取り組むつながるファイル、おひとりさまの安心手帳「いざときノート」など、鹿児島市版の備えを検討されないか。 以上、答弁を求めます。
◎健康福祉局長(上之園彰君) ホームレスの方々への対応につきましては巡回相談指導事業を行っているところであり、お触れになったような体制の制度化については、現在のところ考えていないところでございます。 また、つながるファイルなどにつきましては、エンディングノートに類似するものと考えており、昨年、その関連事業について、中核市調査を行ったところ、六市で実施しており、引き続き研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 答弁いただきました。 その孤独死された方は、つながるファイルに散骨希望を記されていました。それで、仲間たちに送られて散骨の準備を進めているとのこと。自分が孤独死したらその後はどうなるのだろうと不安に思うことが少なくない中、このような関係を深めることは、安心にもつながるし、安否確認にもなり、孤独死防止にもつながると思います。中核市では六市が実施されているとのこと。さらに研究され、ぜひ検討いただくことを要望しておきます。 次に、生活困窮者自立支援法改正について、順次お尋ねしてまいります。 まずは、必須事業である自立相談支援、生活自立支援センターの概要、対象者、相談場所、相談時間、相談方法、相談件数、チラシやホームページなどの啓発と住居確保給付金の支給額、支給期間、利用状況について、本市の取り組み状況及び成果並びに課題について。 以上、まとめて答弁ください。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 自立相談支援事業につきましては、二十六年十月に生活自立支援センターを本館三階に設置し、市内在住の方で生活に困っている方の相談支援を行っておりましたが、二十八年十月にこのセンターとハローワーク鹿児島等の窓口を一体的にした生活・就労支援センターかごしまを東別館一階に設置いたしました。相談時間は開庁時間と同じで、相談件数は、二十七年度一千八百九十三件、二十八年度二千百九十四件であり、関係機関等へチラシを配布するとともに、ホームページや市民のひろば等で広報・周知を行っております。 また、住居確保給付金は、離職などにより住居を失った方、または失うおそれの高い方に就職に向けた活動をすることなどを条件に、月額で一人世帯は三万一千六百円、二人世帯は三万八千円、三人以上世帯は四万一千百円を上限に原則三カ月間、一定の条件を満たした場合は最大九カ月間支給するもので、二十七年度は三十六件、二十八年度は三十一件支給いたしました。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) それぞれ答弁いただきました。 次に、任意事業である就労準備支援事業、家計相談支援事業、一時生活支援事業、生活困窮世帯の子供の学習支援について、取り組み状況並びに成果、課題について、まとめてお示しください。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 就労準備支援事業は、直ちに就労することが困難な方に就労に向けた清掃業務等の訓練等を行うものでございますが、これまでのところ実績はございません。課題は窓口での相談に来られないひきこもりの方などへの周知を進めていくことと考えております。 家計相談支援事業及び一時生活支援事業は、本市においては実施していないところでございます。 学習支援事業は、家庭の事情等により家庭での学習が困難な中学生を対象に二十八年度から毎週土曜日の午後に、夏休みは水曜日の午後も加えて二カ所の会場で学習会を実施しております。参加生徒数は二十八年度が延べ四百九十五人、二十九年度が延べ五百八十九人でございます。課題としては参加生徒数の確保であると考えております。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) それぞれ答弁いただきました。 就労準備支援事業は実績がないとのこと。一般就労の難しい方のために、その方に合った作業機会を提供しながら個別のプログラムに基づき中長期に支援を行うものですので、任意事業ながら周知の工夫を要望いたします。 家計相談支援事業は家計の立て直しのアドバイスで、相談者みずからが家計を管理できるような状況に応じた支援、関係機関へのつなぎなど生活再生の支援です。ぜひお取り組みの検討をお願いします。 一時生活支援事業は、ネットカフェなど不安定な住宅形態の方に一定期間の衣食住の提供、就労支援、自立支援を行うもので、時の要請がある事業だと考えます。これこそ実績のあるNPOにアウトソーシングも御一考いただきたいと要望しておきます。 学習支援事業は子供の未来をサポートする取り組みで、代表質問で拡充も明らかになっているようですので期待させていただきます。 次に、生活困窮者自立支援法改正の趣旨、概要をお示しいただき、自立相談支援事業として就労準備支援事業、家計相談支援事業の一体的事業を促進すること。 また、都道府県の各部局で把握した生活困窮者に対し自立相談支援事業などの利用勧奨を行う努力義務の創設。 都道府県による市などに対する研修の支援を行う事業を創設すること。 学習支援のみならず、生活習慣・育成環境の改善に関する助言なども追加し、子供の学習・生活支援事業として強化することについて。 シェルターなどの施設退所者や地域社会から孤立している者に対する訪問などによる見守り、生活支援の創設について。 拡充することにより期待される効果について、まとめて答弁ください。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 今回の法改正の趣旨、概要は、生活困窮者等の一層の自立の促進を図るため、生活困窮者に対する包括的な支援体制の強化や生活保護世帯の子供の大学等への進学支援などを実施するものでございます。 また、家計相談支援事業と就労準備支援事業を推進するため、両事業を実施する努力義務を創設し、自立相談支援事業と一体的に推進した場合は、家計相談支援事業の補助率を現行の二分の一から三分の二に引き上げるとされております。 関係部局においては、生活困窮者を把握した場合には適切な支援が実施できるように、自立相談支援窓口に確実につなぐよう利用勧奨を行うことを努力義務化することとされております。 都道府県が市等の職員に対する研修、事業研修体制の支援、市域を越えたネットワークづくりなど市等を支援する事業を行うことを努力義務化し、事業に要する費用を補助することとされております。 子供の学習支援事業につきましては、学習の習慣づけなどを目的とした学習支援に加え、生活習慣・育成環境の改善、教育及び進路選択等に関する支援を通じて支援の強化を図ることとされております。 居住支援につきましては、シェルター等を利用していた者や地域社会から孤立した状態にある生活困窮者に対して一定期間継続して訪問等による見守り、生活支援などを行い、地域で自立した日常生活を継続していけるような環境づくりを推進するとされております。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 改正案では本市の取り組んでいない家計相談支援事業と就労準備支援事業を一体的に推進すれば、家計相談支援事業の補助率が引き上げられるとのこと、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。 生活困窮者を放置せずその研修に費用を補助すること、居宅支援についても本市が取り組んでいない一時生活支援事業が強化・拡充されるとのことで、今後期待しておきます。 次に、生活保護制度における進学の際、新生活の立ち上げ費用として進学準備給付金を一時金として給付すること。 健康管理支援事業を創設し、データに基づいた生活習慣病の予防など、健康管理支援の取り組みを推進。 医療扶助のうち、医師らが医学的知見から問題ないと判断するものについて、後発医薬品で行うことを原則化すること。 無料低額宿泊所について、事前届け出、最低基準の整備、改善命令の創設などの規制強化。 単独での居住が困難な方への日常生活支援を良質な無料低額宿泊所などにおいて実施すること。 資力がある場合の返還金の保護費との調整、介護保険適用の有料老人ホームなどの居住地特例などについて、これらの案で期待される効果を以上まとめてお示しください。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 進学準備給付金は、生活保護世帯の子供が大学等に進学した際に自宅通学で十万円、自宅外通学で三十万円を支給することとされております。 健康管理支援事業は、生活習慣病の予防、重症化予防等の取り組みを推進するため、健診データ等の情報提供を受け被保護者の支援を行うこととされております。 後発医薬品の原則化は、医師等が医学的知見から後発医薬品を使用することができると認めた場合には原則として後発医薬品を使用することとされております。 無料低額宿泊所につきましては、社会福祉法における第二種社会福祉事業の施設であり、現在、国会において新たに事前届け出制の導入を初め、設備運営に関する最低基準及び基準を満たさない事業所への改善命令の創設を内容とする法律の改正案が提出されており、利用者の自立を助長する支援環境が整ってくるものと考えております。 無料低額宿泊所に対する規制強化が図られることにより利用者のサービスの質が確保されることから、必要な日常生活上の支援が行えるものと考えております。 資力がある場合の返還金の保護費との調整や介護保険適用の有料老人ホーム等の居住地特例等につきましては、詳細が示されていないところでございます。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 生活保護世帯の子供の大学等進学の新生活立ち上げに自宅通学で十万円、自宅外通学で三十万円支給は画期的だと思います。資力のある場合の返還金については慎重に臨んでほしいところです。 次に、ひとり親家庭の生活の安定と自立の促進について、児童扶養手当の支払い回数の見直し、年三回から六回に見直されることに期待される効果をお示しください。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 児童扶養手当につきましては、国により支給回数の見直しが予定されておりますことから、ひとり親家庭の家計の安定と自立の促進に寄与するものと考えております。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 答弁いただきました。 支払い回数の見直しでさらに計画的な家庭運営ができるものと期待します。 次に、生活保護制度にある不服申し立て、権利救済制度は、生活困窮者自立支援法ではどうなっているのか。 以上、答弁を求めます。
◎健康福祉局長(上之園彰君) 生活困窮者自立支援法におきましても生活保護制度と同様に審査請求の制度があり、処分に不服がある場合には、通知書を受け取った日の翌日から起算して三カ月以内に審査請求をすることができることとなっております。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 答弁いただきました。 生活困窮者自立支援法においても、生活保護制度と同様に不服な場合、審査請求ができるということが確認でき安心しました。生活困窮者自立支援法改正は、生活保護を受給せずに生活できるようになることを目指しているかのようですが、だからといって二〇一三年間から三回にわたり生活保護基準を引き下げ、さらにことし二〇一八年十月から三年かけて段階的に引き下げられることになったのは許しがたいことです。それなのに二〇一九年には消費税はアップの予定というのです。生活保護基準引き下げに対して生存権を保障した憲法二十五条に違反するとした裁判も起きていますが、当然です。生活保護基準を目安に利用条件を決めている優遇措置制度にも影響を及ぼし、格差が拡大していくのは目に見えています。このことは今後も追求していくことを申し上げ、次の質問に入ります。 原子力防災について。 福島原発事故から七年、一たび原発が事故を起こしたら復興はできないことを胸に刻みながら、危機管理課発行の冊子、安心安全ガイドブック&防災マップについて、部数、配布方法、利用時の工夫、予算。 作成メンバー、専門家はどのように関与しているのか。 以上、まとめて答弁をください。
◎市民局長(星野泰啓君) お答えいたします。 安心安全ガイドブックにつきましては三十一万部を作成し、市民のひろば三月号とあわせて市内の全世帯に配布をするとともに、庁内各課等にも配布をしたところでございます。今回の作成に当たっては、特に災害に備えて実践していただきたいことを一ページ目に簡潔に防災3ステップとして新たに掲載しております。作成、印刷、配布に係る予算は合計で約三千万円でございます。 ガイドブックは危機管理課を中心に地域福祉課など関係課と協議を進めるとともに、内容については本市の防災専門アドバイザリー委員や鹿児島地方気象台など専門家に確認をしていただいたほか、防災コラムも記載していただいているところでございます。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 三千万円で三十一万部作成されたとのこと。自宅にも届いておりましたので早速開いてみましたが、原発に関するページで、マップ以外の情報はわずか一ページ、そのページの二割が鹿児島県「原子力防災のしおり」を参考にして、身体に影響を及ぼす放射線の量とあるのですが、「一度に受ける放射線量が二百五十ミリシーベルトを超えると身体に影響が出始め、数値が高くなるにつれ深刻な影響が出ます」と記されています。これは原子炉建屋で被曝労働を余儀なくされた労働者たちの大事故が起きたときの急性被曝の数字であって、わが家の安心安全ガイドブックに記すべき情報ではありません。訂正はされるのかどうか見解を伺います。 以上、答弁を求めます。
◎市民局長(星野泰啓君) 身体に影響を及ぼす放射線量の記載については、前回のガイドブックと同様の記載ですが、今回も防災専門アドバイザリー委員に確認をいただきながら作成をしたところでございます。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 参考にされたという鹿児島県「原子力防災のしおり」には二百五十ミリシーベルトの記載はありません。原子力資料情報室に問い合わせましたところ、原子力防災なのだから放射線の身体影響を言うのに急性被曝しか言わないことは間違いだとのことです。住民の防災を考えるときに使う数字ではありません。二百五十ミリシーベルト以下なら影響が出始めることはないと言うのなら、一般の住民が二百五十ミリシーベルト以上の急性被曝をすると想定しての原子力防災計画なのですか。どういう状況で住民がそれだけの被曝をすると想定しているのですかと聞きたくなります。 この冊子の問題は、数年、数十年後に影響があらわれる晩発性障害を無視していることで、いわゆる低線量被曝を無視して防災計画は成り立ちませんとのことでした。この二百五十ミリシーベルトの根拠、また、次回の更新時にも同様の記載をされるのか再質問をさせていただきます。
◎市民局長(星野泰啓君) 二百五十ミリシーベルトの根拠としては、低線量の健康影響に関する論文や電離放射線障害防止規則に二百五十ミリシーベルトという記述があるところでございます。ガイドブック作成時には原子力防災の記載部分に限らず、全ての記載内容について精査した上で作成をしております。今後もより市民にわかりやすいものになるよう努めてまいります。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 御答弁にあった二百五十ミリシーベルト記載の参考にされたという電離放射線障害防止規則には確かに二百五十ミリシーベルトの記載はありますが、これは特例的な緊急被曝限度等に関する基準として二百五十ミリシーベルトを上限にしています。日本の原子力政策が始まって長いわけですが、この二百五十ミリシーベルト超の被曝を受けたのは結果的にJCOの被曝とは別に原子力では福島第一原発事故の六名とのこと。そのうち外部被曝の分が百十ミリシーベルト以下の範囲とこの規則には記されています。原子力資料情報室が回答されたように急性被曝なのです。 原子力災害対策特別措置法解説では、原子力緊急事態宣言の判断基準は、敷地境界で毎時五百マイクロシーベルト、つまり、〇・五ミリシーベルトで災害対策本部を立ち上げ、即時避難を指示するなどとしたと記されています。次回発行の際は精査して市民によりわかりやすいものにされるとのこと。放射線の監視をするモニタリングポストの設置場所である鹿児島県六十七局を地図と写真などで紹介され、これもページの二割を割いています。これよりも一行だけでこの冊子に紹介されている放射性物質の汚染検査、避難待機時検査を受ける鹿児島市の三カ所を紹介したほうが市民の防災にとってはより現実的ですので、検討をお願いいたします。 なぜこれほどこの冊子にこだわるかといいますと、原発の賛否に関係なく事故は起きます。まして火山を抱えている鹿児島です。もし一たび事故が起きたときの備えとして役に立つ安心安全ガイドブックをつくってほしい。そして、市民の命を守りたいという必死の思いからおただしをさせていただきました。三十年度は危機管理局が新設されるわけですので、ぜひ一ページではなく、原発防災のしおりを作成していただくことを要望させていただきまして、新しい質問に入ります。 主要農作物種子法廃止について。 そもそも種子法は何のためにいつできた法なのか、この法によって守られてきたことは何なのか。 この三月で廃止になるという主要農作物は何なのか、廃止されたらどのようなことが起きるのか。 当事者の声も聞かず成立した種子法廃止への不安、種子ビジネス民間参入を危惧する声など。 以上、まとめて答弁ください。
◎産業局長(山下正昭君) お答えいたします。 主要農作物種子法は、優良な種子の生産、普及を進めるために昭和二十七年に制定され、都道府県にそれぞれの優良な品種の育成と普及、種子の生産及び原種の確保等を義務づけてきたところでございます。 同法に定める主要農作物は、稲、大麦、裸麦、小麦及び大豆で、廃止により優良な種子の安定生産と供給が懸念されるところでございます。 県などの公的機関による種子供給が不安定となることで地域の気候や風土に適した品種の栽培が難しくなることや海外企業の参入による種子の価格高騰などを危惧する声があるところでございます。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) それぞれ御答弁いただきました。 お米、麦類、大豆というのは日本人の健康を守ってきたみそ、しょうゆの原料でもあります。伝統ある日本食が続けていけるものかどうなのか重大な危機だと考えざるを得ません。日本でも、この鹿児島でも進められてきた地産地消のもとになる種子がやがて海外からの種子に統一されたらどうするのでしょう。最悪、米国のように農薬会社の種子ビジネスに農家が、そして市民の食生活が支配されるようなことになることも想定内です。その上、価格高騰となれば、まるで種子を使って経済制裁を受けているようなものです。 そこで、新潟県、兵庫県の種子を安定供給するための条例案の内容、他都市の動き。 附帯決議案が無視された種子法廃止により、元農水大臣・山田正彦氏が「これで公共の種子として農家に安く提供されてきたコシヒカリ等の多様な固定種はなくなり、モンサント等の民間の数種に絞られることに(農競強化法第八条第四項)」という意見があるが、そうなれば遺伝子組み換え種子が混入してくるということになるのか。 本市の農家はどのような影響を受けるのか、本市としてどのような対策をとるのか。 以上、まとめて答弁ください。
◎産業局長(山下正昭君) 新潟県などの条例案は、県において今後とも主要農作物の優良種子の安定供給を継続することを目的としております。また、同法の廃止に関し千葉県野田市議会などが日本の種子を保全するための新たな法整備を求める意見書を提出しているところでございます。 同法の廃止により、今後、海外企業の参入も考えられますが、県に伺ったところ、これまでと同様の種子の供給体制を維持するとのことで、直ちに遺伝子組み換え種子が流通することはないとのことでございます。 本市への影響等でございますが、これまでと同様の種子供給体制が維持されることから、本市の農家への影響はないものと考えており、引き続き県の奨励する品種を農家に勧めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 答弁いただきました。 私もきょう県のほうに確認をとってみましたら、国から既に地方交付税で一括配分とのこと。来年度以降も県として種子の育種・育成を進めていくとの回答がありましたが、この回答を信じていきたいなと思ってはおります。 最後の質問に入ります。 交通局跡地問題について、変更になっている日曜日の工事の実施について。 何を理由にいつ変更になったのか。 周辺住民にはどのような形で広報したのか、説明会は開いたのか。 交通局長は、今後、当初の計画から変更事案が発生した場合はどのように対応するつもりなのか。 以上、まとめて答弁ください。
◎交通局長(鞍掛貞之君) お答えいたします。 工事の実施日につきましては、雨や強風など天候によって工事の進捗に影響が出ることから、工期内に確実に完了し、地域の皆様に安心していただけるよう二月上旬に日曜日も実施することにしたところでございます。 住民への広報につきましては、近隣町内会に周知文の回覧をお願いするとともに、工事の実施によって影響を受ける近隣住民の皆様には直接戸別訪問して説明等を行っており、説明会は開催しておりません。 現在、工事は順調に進捗しておりますが、お触れになりましたような場合はこれまでと同様に丁寧な対応を図ってまいります。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 答弁いただきました。 私に届いた影響を受ける地域の市民は留守中にポストにチラシが入っていただけとのことで、何ら丁寧な対応とは思えないとのことでした。市民の暮らしより買い手側の工事開始を優先されているとしか考えられません。交通局にただすことではないのでしょうが、日照権の悩みも既に届いています。 次に、交通局跡地の土壌汚染問題について。 平成二十九年十二月議会において、「交通局が交わした土地売買契約書の締結項目にある第十一条「本契約締結後、売買物件に隠れた瑕疵が発見されても、甲(交通局)の責めに帰すものでない限り、甲は、乙らに対し、瑕疵担保責任は負わないものとする」とあります。今回のケースは一〇〇%交通局が責任を負わなければならないものなのか。甲乙両者で責任割合を協議し、適切な土壌汚染対策を公平中立な第三者の意見を取り入れて話し合うべきではないか」とただしましたら、「今回の調査結果により汚染された土壌が判明したということを受けて弁護士に相談いたしました結果、局が全て責任を負うべき瑕疵であると判断いたしたところでございます」と交通局長は答弁されました。その弁護士との相談結果、瑕疵があると判断された公的文書を開示してお示しください。 以上、答弁を求めます。
◎交通局長(鞍掛貞之君) 弁護士には土壌調査の結果や売買契約書等をもとに相談しており、「基準値を超える土壌汚染があったことは瑕疵であり、局に瑕疵担保責任がある」と口頭で回答いただいたところでございます。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 十億円以上を計上することになった土壌調査のやり直しも、買い手のところに局長が一人で出向かれ、口頭での危惧される声をスタートに再調査が始まったわけです。例えば、十億円の買い物をするのに口約束で済まされることはまずあり得ません。そして、瑕疵担保責任の判断も口頭でとのこと。交通局の運営はそんなに軽いものなのでしょうか。この市民にとっての不利益はどのような責任をとられるのか、今さら申し上げたくはありませんが、局長には猛省を求めます。 次の質問に入ります。 汚染土壌はどこに運んでいるのか、船でどこの汚染土壌処理施設に持っていくのか、運び出しのルートはどうなっているのか、全ての船舶は汚染土壌を積めるのか、もし許可が必要であれば、その船は汚染土壌を積める許可を有しているのか、新たな土はどこから運び込むのか、買い手側は埋めたばかりの土をまた掘り起こすのか。 以上、まとめて答弁ください。
◎交通局長(鞍掛貞之君) 掘削した土壌は県の使用許可を得た谷山港の保管積みかえ場所に陸送し、運搬船に積みかえて大阪府や愛媛県などにある汚染土壌処理施設に搬入しております。運搬船は許可は必要ありませんが、特定有害物質等が浸透、流出しない構造であることや汚染土壌運搬船の掲示をすることなどの国の運搬に関するガイドラインの基準を満たしております。埋め戻す土は良質土として検査済みの市内三カ所の土取り場から搬入しております。埋め戻しに当たっては、開発共同事業体と土量を減らせないか協議しましたが、掘削前の地盤測量等をもとに建物の設計をしてきており、土地の形状等が変わるとやり直しになり、開発計画に支障が生じるので当初予定どおり埋め戻してほしいとのことでありました。共同事業体は、掘削工事を含め各建物の設計に基づいて施工されるとのことでございます。 以上でございます。 [小川みさ子議員 登壇]
◆(小川みさ子議員) 御答弁いただきました。 鹿児島のまさに森友問題をこのまま幕引きにはできません。次の機会に交通局の体質をただしてまいります。 以上で、私の個人質問を全て終了いたします。
○議長(上門秀彦君) 以上で、小川みさ子議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) ここで、しばらく休憩いたします。 午 前十一時三十八分 休 憩 ───────────────── 午 後 零時五十九分 開 議
○議長(上門秀彦君) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を続行いたします。 次は、井上 剛議員。 [井上 剛議員 登壇](拍手)
◆(井上剛議員) 平昌冬季オリンピックの興奮冷めやらぬ平成三十年第一回鹿児島市議会定例会に当たり、私は、自民みらいの一員として個人質疑を行います。 北海道においては、カーリング女子日本代表のLS北見の皆さんが雪の降り積もる地元で市長から涙の歓迎を受ける一方、鹿児島では春一番が吹く中、新燃岳の噴火活動が活発化するなど日本列島の多様な姿が映し出されています。 なお、南大隅町、鹿児島市出身で、はなし家の桃月庵白酒師匠が芸術選奨新人賞を受賞されたこともまことに喜ばしいことでございます。ますますの活躍を期待しております。 今回は、三つのテーマについて質問してまいります。 まず、CCRC(生涯活躍のまち)への取り組みについてお尋ねします。 我が国は、本格的な人口減少社会に到来し、首都圏への人口一極集中と地方の急激な人口減少への危機感から、第二次安倍政権において地方創生に取り組み始めました。その一つの方策が、大都市圏から地方への移住の促進であり、その柱の一つとしてCCRCという言葉が注目を浴びるようになりました。これは、コンティニューイング・ケア・リタイアメント・コミュニティーの略であり、我が国では生涯活躍のまちという言葉で表現されます。私は、これまでこのCCRCについて質疑を行っておりますが、そもそもは民間の日本創成会議により提唱され、国もまち・ひと・しごと創生総合戦略にこのCCRCを位置づけたことから、日本版CCRCの実現に向けて全国的な取り組みが始まりました。国の日本版CCRC構想有識者会議の最終報告においては、生涯活躍のまち構想について、「東京圏を初めとする地域の高齢者が希望に応じ、地方やまちなかに移り住み、地域住民や多世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができるような地域づくりを目指すもの」と定義づけ、その後の国の手引き等において、高齢者を中高年齢者と対象の幅を広げました。CCRCの意義を中高年齢者の希望の実現、地方への人の流れの推進、東京圏の高齢化問題への対応としています。 本市もこのCCRCへの取り組みを始め、平成二十九年二月には、鹿児島市「生涯活躍のまち」構想・基本計画を策定し、平成三十年度予算案には新規事業として、「生涯活躍のまち」形成支援事業、約四千七十一万円を計上しています。 そこでまず、これまでの本市の取り組みと新年度予算案について伺いますが、第一点、「生涯活躍のまち」形成支援事業等、事業の必要性とこれまでの本市の取り組み経過をお示しください。 第二点、本市の目指すCCRC(生涯活躍のまち)はどのようなものか。本市の「生涯活躍のまち」構想・基本計画に示した本市のあるべき姿を改めて詳細にわかりやすくお示しください。 第三点、CCRCの推進に当たり、本市の強みと弱みをどう分析しているものか改めてお示しください。 答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) お答えいたします。 本市におきましては、二十七年十二月に策定した総合戦略の中で、大都市圏等からの移住促進により人口減少問題の克服や消費需要の喚起を図り、地域を活性化するため、重点戦略、健“高”医“良”都市の創造に関する取り組みとして、生涯活躍のまち構想の検討を掲げ、二十九年二月に本市「生涯活躍のまち」構想・基本計画を策定したところでございます。 本市の構想・基本計画におきましては、移住される中高年齢者等が、地域住民等との交流を図り、地域社会に溶け込みながら、生き生きと輝くことができるコミュニティー形成の実現を目指すほか、良好な医療・介護サービスを受ける基盤となる医療・福祉業等の活性化による雇用の創出を目指すこととしております。 本市の構想・基本計画の推進に当たりましては、豊かな自然と都市の利便性をあわせ持つバランスのとれた本市の地域特性を生かしていくことが重要であり、また、移住者の希望に応じて就労機会の提供を行うことが課題であると考えております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 本市として強みと弱みをしっかり分析され、今後の展開を期待したいと思います。 次に、平成二十九年度の選定事業主体について伺いたいと思います。 既に今年度は、本市の構想・基本計画に基づき、事業主体を公募し、選定作業を進めたと仄聞していることからお尋ねするものです。 そこで第一点、応募事業主体数と選定方法をお示しください。 第二点、選定された事業主体名とその法人格等を明らかにしてください。 以上、答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 事業主体につきましては、二十九年九月から十一月まで募集を行い、一共同企業体から応募がなされ、外部有識者と本市の関係部課長で構成する生涯活躍のまち推進会議において、提案内容等の審査を行ったところであり、医療法人参天会と社会福祉法人喜入会で構成する共同企業体が選定されたところでございます。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 応募された事業主体数は一事業者ということでありましたけれども、厳格な審査に基づいて選定されたというふうに認識いたします。 続けて伺いますが、第一点、選定された事業主体の事業内容、特色と対象地域、居住環境の型、地域交流拠点やコーディネーター、またサービス提供の考え方などを詳しくお聞かせください。 第二点、選定事業に計画目標はあるのか、あるとすればどのような内容かお示しください。 答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 事業主体の計画によりますと、喜入地域の居住誘導区域におけるタウン型として実施されるもので、地域交流拠点を設置し、移住者の相談・対応等を行うコーディネーターを配置することとされております。また、対象者としては、大都市圏から移住を希望する五十歳代以上の健康な方を想定しており、住まいや医療・介護、社会参加や交流等の各種サービスを提供するほか、大学との連携や地域における空き家を利活用した取り組みなども提案されております。 計画目標としては、移住世帯数を三十三年度までに三十世帯とされております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただました。 喜入地域でタウン型ということで、大学との連携ですね、これも大いに注目されるところでございます。 続けて伺います。 第一点、選定事業により期待される効果はどのようなものか。 第二点、事業への本市のかかわり方はどうなるのか。 第三点、選定事業の展開など今後のスケジュールをお示しください。 答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 今回選定した事業は、本市における生涯活躍のまち形成推進のモデルケースとなるほか、喜入地域を中心として消費需要の喚起や雇用の維持、創出、地域の活性化などにつながることを期待しております。 本市といたしましては、事業主体の取り組みが着実に推進されるよう、大都市圏からの移住促進に向け情報発信に連携して取り組むとともに、健康づくりや生涯学習など各種サービスの提供や財政的な支援等を行ってまいりたいと考えております。 事業の実施に向けましては、国による地域再生計画の認定を受けた後、地域交流拠点へのコーディネーターの配置や住まい等のサービス提供体制、移住者の募集方法等について、実施時期を含め事業主体と協議を行いながら、三十年度から円滑な実施が図られるよう取り組むこととしております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 新年度からの実施へ向けしっかりと準備を進められ、そして、やはり第一号ということで大変重要なモデルケースになると思われます。着実な成果を上げていただくことをぜひ行政としてもしっかりとバックアップしていただきたいと願います。 そこで、平成三十年度予算案が提案され、CCRCに係る新たな事業主体の募集・選定などを行うようですが、以下伺います。 まず、平成三十年度の事業内容とそのスケジュールをお示しください。 答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 三十年度の取り組みといたしましては、今回選定した事業主体の支援を行うとともに、関係事業者の動向や国による認定手続の時期等も考慮しながら新たな事業主体を募集してまいりたいと考えております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 二十九年度の選定事業主体への取り組みをしっかり支えながら、三十年度も新たに募集も行っていく予定だということを承りました。 そこで、続けて伺いますが、第一点、新年度においても新たな事業主体を募集し選定するようですが、その必要性をお示しください。 第二点、新たな事業主体を募集するに当たり、事業の居住環境の型と対象地域はどう考えているのか。また、新たに期待することは何かお示しください。 答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 本市の構想・基本計画に基づき、さらに事業展開を図る観点から、三十年度におきましても、新たな事業主体の募集・選定に取り組むこととしております。 居住環境といたしましては、タウン型またはエリア型のいずれかで、立地環境は居住誘導区域を対象としております。このことにより、人口減少問題の克服や生活サービス、コミュニティーの持続的な確保等を期待しているところでございます。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 立地適正化計画に位置づけられた居住誘導区域、ここにさらに新たな事業主体によるCCRCを展開していきたいということでございますけれども、タウン型、エリア型、どちらでも構わないということでありますけれども、やはり、より効果的なCCRCの事業が展開していけるように、十分な協議も事前に行いながら、そしてしっかりした事業主体を選定していただきたい、このことをお願いしておきます。 平成三十年度の事業に関し、さらにお伺いします。 第一点、CCRC推進へ向けての人員配置を含めた新たな推進体制の考え方やその概要をお示しください。 第二点、CCRCに関し、平成三十年度は市民への周知をどのように行うのかお聞かせください。 答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 三十年度におきましては、移住を希望される方への相談対応等の充実を図るとともに、生涯活躍のまち構想を推進するため、企画部政策企画課内に移住推進室を新設し、室長、係長を併任で職員一名と移住支援コーディネーター一名を専任で配置することとしております。 生涯活躍のまちの取り組みにつきましては、市民のひろばやホームページ等において周知を図るとともに、本市の支援措置について関係団体等への周知・広報に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 新たな室を設けるということでございます。一方で、市民に対してやはりまだ十分な周知というのはこれからだというふうに思いますし、市民にもまだ十分な理解というのを得る努力が必要になってくるかというふうに思われます。 そこで伺いますが、第一点、CCRCに関連する重要業績評価指標(KPI)とこれまでの実績を改めてお示しください。 第二点、CCRC推進において、本市においてこれまでの課題となっている点はどのようなものか明らかにしてください。 第三点、そもそも移住希望者等は鹿児島市に何を求めているのか、不安要素はどのようなものか、当局として把握していることがありましたらお示しください。 答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 本市の構想・基本計画におきましては、計画目標として本市への移住相談件数を三十三年度に年間百件と掲げており、これまでの実績は二十七年度、二十九件、二十八年度、五十一件、二十九年度は二月までで七十一件となっております。 生涯活躍のまちの推進に当たりましては、制度のさらなる周知・広報が課題であると考えております。 二十七年度に行った移住に関する意識調査におきましては、本市への移住を希望する理由として、「豊かな自然や温暖な気候」、「家族や親戚、友人、知人がいる」、「愛着がある」が多くなっております。また、不安材料といたしましては、「収入の確保」と「就職先の確保」が多くなっております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 相談件数は急激に多くなっているということがわかりました。やはり、周知・広報についてどう意を凝らして、また、市民の交流、これをどう促していくのか大きな課題ではないでしょうか。一方で、本市の強みというものはありますけれども、雇用、就職、収入、こういった面について、これは市政全般にもかかわることだと思いますけれども、この不安の解消をどう図っていくのか、改めて担当部署としても関係部局と連携をとりながらしっかりと改善を図っていただくことを要請しておきます。 次に、CCRCに関する全国の動向についてお尋ねします。 まず、その前に、そもそもCCRCはアメリカにおいて約二千カ所、約七十万人が居住し、市場規模は三兆円を超えているとの報告もあるなど、アメリカにおいて普及している政策のようですが、アメリカの政策がそのまま我が国に当てはまるわけではないでしょう。 そこで、改めてアメリカ版と日本版のCCRCの共通点と相違点をお示しください。また、相違がある場合はその理由をお示しください。 答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 国の資料等によりますと、共通点といたしましては、健康なうちから移住し、年齢に応じて生活支援や医療・介護サービスなどが総合的に提供され、同じコミュニティーで生活を続けることなどがございます。相違点といたしましては、アメリカでは移住者の生活が趣味や学習活動を中心としているのに対し、日本では仕事も含まれていることであり、このことは日本では移住者の年齢層がアメリカより低く想定されていることも一つの要因とされております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 日本版に進化を遂げているといいますか、変化を遂げながらCCRCは我が国において進展しようとしているということがわかりました。特に、年齢層がアメリカより低いということで、単に趣味や学習面のみならず、やはり経済的な面、これをどう担保していくのかというのは大きな課題ではないでしょうか。 そこで、日本版CCRCの着実な展開が期待されますが、全国の動向について以下伺います。 第一点、CCRC形成に関する全国の動向はどうなっているのか、県内での動向はどうか現状をお示しください。 第二点、当局として、これまで先進地と言われる地域の調査を行っていると仄聞しますが、その調査箇所と分析結果、成功している地域があるとすればその要因は何か見解をお示しください。 答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 現在、生涯活躍のまち形成に関して国の地域再生計画の認定を受けている自治体は、函館市や弘前市など十七市町であり、県内市町村は含まれていないところでございます。 先進地調査といたしましては、民間主体の取り組み事例である金沢市のShare金沢や千葉市のスマートコミュニティ稲毛等の視察を行っております。これらの取り組みにおきましては、健康でアクティブな生活を送るためのさまざまなプログラムの実施や自立した運営のための収入の確保等がなされており、安定的な経営を行うための自主財源の確保などが持続的な事業展開につながっているものと考えております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 全国では十七市町取り組んでおられるということですけれども、本県では本市のみが取り組んでいるということで、やはりその責任というのは大きなものがあるのではないかと思われます。また、金沢市や千葉市、有名な事例ですけれども、調査に行かれたということで、自主財源確保という点についても着目され、それを今後の本市の政策に生かされようとしておりますので、大いに注目をしていきたいというふうに思っております。 そこで、本市のCCRCに関する今後の取り組みの充実に向けて、以下、基本的な点について順次伺います。 まず初めに、鹿児島市の強みをどう生かすのか、また、経済面を初めとした弱みをどう克服するのか見解をお示しください。 以上、答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 事業主体の募集に当たりましては、豊かな自然と都市の利便性をあわせ持つ本市の地域特性を生かした事業計画の提案を求めることとしており、あわせて移住者の希望に応じた就労支援についても事業主体の積極的な取り組みを働きかけることとしております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 やはり温暖な気候や温泉に身近に触れることができる、あるいは地域のコミュニティーがある程度しっかりしている等、さまざまな強みというのもあると思います。一方で、就労支援を初めとした一つの大きな課題について的確な事業の実施が行われることを大いに注目しておきたいと思います。 そこで、再び伺いますが、本市でCCRCを形成するに当たり、まずは選定された事業主体の役割が大きいわけですけれども、全てが事業者に任されるわけではないと考えます。行政としての一定の支援、バックアップが必要ではないでしょうか。 そこで、事業主体へのさらなる支援、バックアップ充実をどのように行うのか、また、事業者のインセンティブを高める施策を充実することが必要と考えますが、見解をお示しください。 答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 事業主体の取り組みに対しましては、財政的な支援等を行うとともに、必要に応じて二十九年度に選定した事業主体にも生涯活躍のまち推進会議への参画を求める中で、事業推進に必要な支援、協力について協議の上、対応を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 財政支援ということはこれから今後さらに明確になってくるものと思われますし、また、このインセンティブを高める取り組み、まだ今は十分明らかにはされませんでしたけれども、今後、やはり他都市調査等も踏まえ、また本市としてもどういった観点から事業を進めていくのかしっかり見きわめながら、インセンティブを高める取り組みをより早く明らかにしていただきたいと要望しておきます。 そもそもCCRCの成功のためには、具体的に中高年齢者に移住していただくことが重要であります。 そこで、以下伺いますが、第一点、大都市圏からの移住をどのように促していくのか、健康や教育、利便性、生活の豊かさなどインセンティブを高める施策充実やハード・ソフト、財務等に関する情報開示の義務化、移住者の安心感を高めるために、例えばアメリカで実施しているような認証規格制度の導入等への見解をお示しください。 第二点、本市は、住みかえの形態を主に大都市圏からの移住者を対象とする広域移住型としていますが、CCRCには必ずしも大都市圏の居住者のみが関心を寄せるわけではありません。本市域内や市域外の近隣地域からの転居者もあり得るわけで、場合によってはそのような方のほうが多くなる可能性も否定はできません。 そこで、本市として、大都市圏ではない地域からの移住をどのように考えるのか見解をお示しください。 答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 二十九年度に選定した事業主体におきましては、大都市圏の移住希望者に対し地域の魅力や生活環境等について独自の広報紙やホームページの作成、SNSの活用等を通じて広く情報発信を行うとともに、財務状況等の公開も行うとされております。本市といたしましても、移住希望者が安心して事業主体を選択できるよう、他都市の情報提供の事例等も調査してまいりたいと考えております。 本市の構想・基本計画におきましては、大都市圏からの移住者を主たる対象とする広域移住型で推進することとしており、事業主体の募集・選定に当たっても、このことが基本になると考えております。大都市圏以外からの移住の希望があった場合は、受け入れ環境等について事業主体と協議の上、対応することになるものと考えております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 やはり、大都市圏からの中高年齢者の方々が移住していただくためには、さまざまな工夫というのが必要になってくると思います。例えば、今後は事業主体が廃業や事業撤退を行う場合のリスクヘッジのあり方なども大きな関心事になると思われます。その対応を注視していきたいと思います。 一方で、大都市圏以外の方が転居してくる場合については、事業主体と協議を行うということで、今の段階では恐らく明確には打ち出せないと思うんですけれども、やはりそういった地域にお住まいの方もCCRCについては興味を持たれて、よりいい環境で生活していきたいということは全くどの地域に住んでおられても同じでございますので、しっかりと基準等を今後、明確にするなり、なぜ私は受け入れられないのか、あるいは受け入れられるのかということで争いにならないように注意をしていただきたいと思います。 そこで、以下、再びお尋ねしますが、第一点、施策を進めるに当たり、国や県、関係団体等との連携もやはり重要と認識しています。これらとの連携をどのように図るのか、また、国等へ財政支援や必要な法的規制緩和等を求めることへの見解もあわせてお示しください。 第二点、日本版CCRCについては、移住者と市民が壁をつくらず協働・協調してまちを形成していくことが重要と思われます。市民への周知をさらに進め理解を求め、移住者と市民が連携強化を図って行くことへの見解をお示しください。 答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 生涯活躍のまち推進会議におきましては、有識者のほか、県や関係団体等とも意見交換を行いながら事業を推進することとしており、事業の実施に当たっては、国による地域再生計画の認定を受けることとしております。また、国におきましては、生涯活躍のまち形成に向けた取り組みを円滑に実施できるよう手続の簡素化や財政的支援を行うこととされており、さらなる支援の充実を検討していただきたいと考えております。 生涯活躍のまちにつきましては、移住される方と地元住民を初め地域との交流が重要とされておりますことから、事業主体と連携しながらこれらの交流が促進されるよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 まずは、事業の実施内容については事業主体が当然責任を持つということで、その役割の大きさというのは改めて感じましたけれども、一方で、市としては、国や県、関係団体等との連絡調整、あるいは要望すべきところはしっかり行いながら事業が円滑に進みますようにぜひ強力な推進体制を築いていただくことを要請しておきます。 以下、伺いますけれども、第一点、本市は、新年度において企画部に移住推進室を新設し、移住促進に向けた取り組みを推進することとなっていますが、今後の重要な施策であるCCRCを含め移住を担う部署として人員配置は十分ではないと感じます。人員配置を含めた本市のさならる体制強化への見解をお示しください。 第二点、本市の総合戦略や「生涯活躍のまち」構想・基本計画において、移住全般に係る目標を設定していますが、CCRC自体に関する目標がありません。施策をさらに着実に推進するためにも、本市全体のCCRC自体の目標設定を行う必要があると考えますが、見解をお示しください。 第三点、平成三十三年度までの本市「生涯活躍のまち」構想・基本計画において、事業主体については、必要に応じ公募し選定するというスケジュールを打ち立てています。平成三十年度は新たな選定作業を進めますが、平成三十一年度以降の事業主体選定の考え方はどうなっているのか、必要に応じとはどのような判断となるのか見解をお示しください。 第四点、平成三十三年度の計画期間以降の支援・施策充実への見解をお示しください。 答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 移住推進室の体制については、移住相談の状況や生涯活躍のまちの取り組みの進捗状況を踏まえて対応してまいりたいと考えております。 本市の総合戦略におきましては、「生涯活躍のまち」構想・基本計画の具体化を含めたKPIを新たに設定したところでございますが、生涯活躍のまちの目標設定については、今後の進捗状況を踏まえて検討してまいりたいと考えております。 三十一年度以降の事業主体の選定につきましては、三十年度の取り組み状況を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。 本市の構想・基本計画において、事業主体には将来的に自立して運営することが求められており、その事業運営の状況を見守るとともに、国の動向も注視しながら対応を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) CCRCについては、息の長い取り組みになりますので、やはり長いスパンでしっかり考えて支援、バックアップもしていくと、そして事業主体が目的にかなった事業を推進するように、しっかり見守っていただきたいなと思います。 るる伺ってまいりましたが、最後に、森市長に伺います。 人口減少が進む本市において、我が会派の代表質疑でも明らかになったとおり、自然動態以上に社会動態による人口減少が大きく、移住施策は本市において重要なものになると認識しております。若年者に関する人口政策に加え、この主に中高年齢者を対象にするCCRC施策の促進もさまざまな面で本市にとって重要な意味を持つと認識しており、鹿児島県内で唯一このことに取り組む本市の責務は大きいと思います。 そこで改めて、鹿児島市版CCRC実現と施策充実に挑む森市長の見解をお聞かせください。 答弁願います。 [市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 井上 剛議員にお答えをいたします。 私は、人口減少問題の克服や地域活力の向上の一環として、大都市圏からのアクティブシニアの移住の促進を掲げ、これまで本市の構想・基本計画を策定するとともに、事業主体を選定するなどの取り組みを進めてきたところでございます。 平成三十年度からは、本市の豊かな地域資源や充実した都市機能を活用しながら、生涯活躍のまち形成に向けた取り組みが本格化いたしますが、この取り組みにより、喫緊の課題である社会動態の改善につながるものと考えております。また、全市的な波及を通じ、超高齢社会の進行が見込まれる中においても、誰もが生きがいを持って健やかに暮らせる地域社会の実現を目指してまいりたいと考えております。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 森市長から力強い答弁をいただきました。 本市の地方創生策の大きな柱の一つである鹿児島市版CCRC実現へ向けて着実に施策推進を図ることを大いに期待し、その動向を見守ってまいりたいと思います。 次に、都市のスポンジ化対策についてお尋ねします。 このテーマにつきましては、平成二十九年第三回定例会の代表質疑において総括的に質疑を行い、森市長からは、「コンパクトなまちづくりを進めていく中で都市のスポンジ化については、さらなる都市の低密度化により生活利便性の維持が困難になっていくなどの課題が生じることから、国において対策の検討を進めておられますので、その動向を注視し対応してまいりたい」との答弁がありました。 国においては、国土交通省が社会資本整備審議会に都市計画基本問題小委員会を設置し、この問題への対応を協議しています。本市も人口減少や高齢化を背景に財政面及び経済面において持続可能な都市経営を今後も行うことができるように都市再生特別措置法に基づき、立地適正化計画となるかごしまコンパクトなまちづくりプランを策定し、コンパクトなまちづくりを加速させていますが、その中でこの都市のスポンジ化への対策は急務との認識から、改めて質疑を行います。 そこでまず、都市のスポンジ化について伺いますが、第一点、都市のスポンジ化とは何か、改めて定義等をお示しください。 第二点、都市のスポンジ化の背景とその問題点をお示しください。 答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) お答えいたします。 都市のスポンジ化は、国によると、都市の内部で空き家、空き地等の低未利用地の空間が、小さな敷地単位で時間的、空間的にランダムに、相当程度発生する現象と定義されております。 背景には、人口減少などの急速な進行があり、これに伴う都市の低密度化による行政サービスの非効率化や空き地、空き家等の大量発生による居住環境の悪化などが懸念されております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) わかりやすい答弁をいただきました。 本市においても、御指摘のような都市のスポンジ化が顕在化しつつあるのではないかと思われます。 そこで、以下伺います。 第一点、都市の低密度化に関する空き地や空き家の最近の推移など、我が国の現状とその将来推計をお示しください。 第二点、同じく最近の推移等の本市の現状と将来推計をお示しください。 第三点、本市の現状に対する当局の問題認識をお示しください。 答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) 国の現状ですが、空き地の総数は平成二十五年で一千五百五十四平方キロメートル、空き地率は八・二%と推計され、将来推計は示されておりません。 また、空き家の総数は二十五年で八百十九万六千戸、空き家率は一三・五%と推計され、四十五年には二千百四十六万六千戸、空き家率は三〇・二%に上昇すると予測されております。 次に、本市の現状ですが、空き家の総数は二十五年で四万三千戸、空き家率は一三・九%と推計されておりますが、空き地の現状や空き家、空き地の将来推計については把握していないことから、まずは現状把握に努めるとともに、建物等の既存ストックの活用について検討を進めていくことが必要であると考えております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 まずは、本市として空き地の現状把握や空き家、空き地の将来推計も行っていただくことを改めて要請しておきます。 続いて、都市のスポンジ化に関する国の動向について伺います。 第一点、先ほど申したとおり、国は小委員会を設置しこれまで協議を行っていますが、これまでの経過と取りまとめの概要を改めてお示しください。 第二点、今後の取り組み内容とスケジュールをお示しください。 答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) 国の動向については、学識経験者等で構成する小委員会を二十九年二月に設置し、これまでに都市のスポンジ化についての対応などの中間取りまとめを行うとともに、実現化方策として、都市再生特別措置法の改正を行うことなどが議論されております。 小委員会によると、今後、五年程度かけて都市のスポンジ化などの都市計画に関連する諸課題について現行制度の再点検などさらなる検討を行っていくとのことでございます。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 ぜひ、国の動向を注視していただきたいと思います。 そこで、今、答弁にありましたが、国は都市のスポンジ化対策を総合的に推進するため、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案をまとめ閣議決定したと仄聞します。このことについて伺います。 第一点、法律案策定の背景、必要性を改めてお示しください。 第二点、法律案の内容をお示しください。 答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) お触れの法案は、都市において望ましい土地利用がなされていない状況を踏まえ、低未利用地の集約等による利用促進などを図るため、まちづくり団体などが交流広場等を共同で整備・管理する際の協定制度の創設などが盛り込まれております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 そこで、続けて伺いますけれども、第一点、法案成立による目標や期待される効果はどのように考えられているのか。 第二点、地方公共団体に求められる役割はどのようなものか。 答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) 今回の改正では、居住誘導区域に占める低未利用地の割合を現状維持または低下させることを目標としており、民間事業者などが魅力的なまちづくりを進めることで、低未利用地の利用が促進されることなどが期待されております。 また、地方公共団体に対しては、民間事業者などによる低未利用地の管理運営に対する支援などが求められおります。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 事業主体としてはやはり民間が中心になっていくということは理解いたしましたが、低未利用地の管理運営に対する民間事業者への支援など地方公共団体の役割に期待したいと思います。 ところで、国の小委員会の資料にも既に都市のスポンジ化対策の先行的な事例が紹介されているようですが、他都市の先進的な事例はどのようなものがあるのか、改めてお示しください。 答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) 先進的な取り組みとしては、民間事業者などが既存ストックを活用しながら広場の整備から管理までを行っている長野市の事例や低未利用地の建物の用途を変更することで有効活用している北九州市の事例などがございます。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 私も、たまたま長野市のその事例のところに行きましたけれども、やはりみんなで工夫して成り立った地域なんだなということは後から知りまして、なるほどそういうことだったのかということを自分ながら体感したところでございます。 ところで、都市のスポンジ化対策で全国で大いに注目されているのが、日本版ランド・バンクと言われる山形県鶴岡市のランド・バンク事業です。 そこで伺いますが、第一点、その事業概要を詳しくお聞かせください。 第二点、同事業のこれまでの成果と課題をお聞かせください。 第三点、同事業に対する本市の評価をお示しください。 答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) 鶴岡市のNPO法人が行っているランド・バンク事業は、空き家、空き地を活用した小規模連鎖型の区画再編事業であり、土地の取得や建物の除却等の仲介を行い、狭隘道路の拡幅や狭小宅地の解消を図るものでございます。 鶴岡市によると、これまでの成果は、低未利用地の有効活用や住環境の向上を通じて、まちなか居住の推進や中心市街地の活性化が図られていることであり、課題は、土地や建物の権利調整等に多くの時間を要することであるとのことでございます。 お触れの事業については、宅地建物取引士や司法書士などの専門家で構成されたNPO法人が主体となり、行政が支援することで、空き家の解消と住環境向上の一体的な推進が図られている事例と考えております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 鶴岡市のランド・バンク事業は、課題があるものの、成果を上げつつあり、本市としても一定の評価を行っていることがわかりました。まちなかの快適な住環境整備等によるコンパクトなまちづくりの実効性を高めることが大いに期待されます。 そこで、最後になりますが、国の動向を注視するとともに、本市も現状の把握や先進地調査、有識者からの意見聴取、体制整備など早急に取り組みを進めてほしいと願いますが、都市のスポンジ化対策に関する本市の今後の取り組み方針をお示しください。 答弁願います。
◎建設局長(水元修一君) 本市としては、引き続き、かごしまコンパクトなまちづくりプランを推進し、機能性の高い都市空間の形成に向けて取り組むとともに、現在進められている法改正等の状況や他都市の動向について今後とも注視しながら対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 本市においても、より快適な住環境整備というのがやはり市民からは根強い要望であります。国の動向や他都市の事例もよりつぶさに注視し、本市のコンパクトなまちづくりがより実効性あるものになるよう、関係機関、専門家等と連携しながら、この都市のスポンジ化対策に迅速かつ適切に取り組んでいただくことを要請しておきます。 最後に、NHK大河ドラマ等への薩摩の生んだ偉人、村橋久成の採用支援についてお尋ねします。 ことし一月から放映が開始されたNHK大河ドラマ「西郷どん」。西郷隆盛や大久保利通、島津斉彬など、薩摩、鹿児島の生き生きとした先人の生きざまに加え、鹿児島の雄大かつ美しい自然がふんだんに盛り込まれ、多くの視聴者を引きつけるすばらしいドラマではないでしょうか。史実とは違う場面があるものの、毎回泣けてくると多くの方から意見が寄せられます。私も息子に泣いている姿を見せたくないため、一人密かに録画がした分を見ております。「西郷どん」大河ドラマ館の入場者数も順調に伸びているなど、本市にも多くのにぎわいをもたらしているようです。 NHK大河ドラマや朝の連続テレビ小説など、注目されるテレビドラマの放映は、その地域にもさまざまな効果をもたらすようです。 そこでまず伺いますが、地域の偉人がNHK大河ドラマ等の主人公に採用される意義をお示しください。 答弁願います。
◎
観光交流局長(山口順一君) お答えいたします。 大河ドラマや連続テレビ小説等が放送されますと、主人公となる偉人にゆかりのある地域が大きく取り上げられますので、その地域の魅力の発信につながるものと考えております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 採用による意義というのは大きなものがあると思います。 ところで、ここで今回は、鹿児島人にとって知る人ぞ知る存在である村橋久成について、NHK大河ドラマ等に関連してお尋ねします。 西村英樹氏の著書「夢のサムライ」の帯には、「斉彬の遺志─北海道開拓にすべてをかけた薩摩の志士」というコピーがあります。そのプロローグは、神戸で身元が判明しない男が倒れ死んでいったシーンから始まります。この男が村橋久成です。田中和夫氏の著書「残響」にも描かれた村橋久成の数奇な運命に思わず引き込まれてしまいます。御承知のとおり、村橋の銅像は鹿児島中央駅前の若き薩摩の群像の中にあります。 そこで、改めて伺いますが、この村橋久成の生涯・功績、北海道及び鹿児島との関係をお示しください。 答弁願います。
◎
観光交流局長(山口順一君) 村橋久成は、現在の姶良市出身で薩摩藩英国留学生の一人であり、函館戦争の終結に貢献するとともに、日本初のビール工場、開拓使麦酒醸造所の設立にかかわり、北海道の産業振興に尽力するなど、北海道と鹿児島の両方にかかわりのある人物でございます。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 改めて、村橋の鹿児島と北海道への深いかかわりを教えていただきました。 実は、村橋久成の胸像が北海道知事公館の前庭にあります。制作者は若き薩摩の群像と同じく中村晋也先生です。村橋久成は今なお鹿児島と北海道に存在しているのです。この村橋をNHK大河ドラマ等に採用してもらおうとの動きがあったと仄聞しております。 そこで伺いますが、まず、NHK大河ドラマ等への村橋久成の採用をめぐる団体等の活動とその結果をお示しください。これまでNHK大河ドラマで北海道がメーンの撮影地になったことがあるのかも含めてその活動をお示しください。 次に、その団体等の活動に対する北海道及び札幌市のかかわりはどのようなものかお示しください。 答弁願います。
◎
観光交流局長(山口順一君) 村橋久成を主人公とした大河ドラマの誘致につきましては、報道によりますと、平成二十七年五月に北海道久成会など多くの団体等の賛同のもと、大河ドラマ「北で燃えたサムライ 村橋久成」を誘致する会が設立され、その後、NHKに要望書を提出するなどの活動を行っているようでございますが、現在のところ放送決定には至っていないところでございます。また、NHKによりますと、北海道がメーンの撮影地となった大河ドラマはないとのことでございます。 誘致する会には、北海道知事と札幌市長も特別顧問として就任しているようでございます。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) そこで、続けて伺いたいと思いますけれども、北海道での誘致活動はいつの放映を照準においていたのか、その理由は何か。あわせて実際にその年に採用されたドラマは何かお示しください。 以上、答弁願います。
◎
観光交流局長(山口順一君) 誘致する会においては、北海道と命名され百五十年目を迎える平成三十年の放送を目指していたようでございますが、三十年は大河ドラマ「西郷どん」が放送されているところでございます。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 そのとおりであります。ことしのNHK大河ドラマが「西郷どん」に決定したとき、北海道またその御出身の方々から、鹿児島に負けたと悔しがる声が多数寄せられました。しかし、その都度、私は、鹿児島人は決して皆さんを見捨てませんよ、必ず支援しますよと申し上げてきました。鹿児島でも北海道出身の方々が多数活躍され、鹿児島人も北海道の方々に大変お世話になっていることと思います。また、過去の歴史や現在に至るさまざまな営みにおいて、鹿児島と北海道のつながりを感じる市民も多いのではないでしょうか。 そこで改めて、鹿児島と北海道には、歴史、イベント、団体、人など、過去から現在に至るまでさまざまなつながりがあると認識していますが、歴史的及び今日の鹿児島と北海道の結びつきについて当局の認識をお示しください。 答弁願います。
◎
観光交流局長(山口順一君) 鹿児島と北海道の結びつきにつきましては、明治初期において北海道開拓使に多くの薩摩藩出身者がかかわっておりました。現在では本市と札幌市において平成二十五年十一月に観光・文化交流協定を締結し、観光施策に生かすとともに、二十九年度からは職員の人事交流も行っているところでございます。また、民間においては、北海道物産展が長年開催されていることや鹿児島どさんこ会によるスズラン配布のほか、北海道久成会と鹿児島久成会との交流がございます。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 鹿児島と北海道の過去、現在、そして重層的なつながりがあることを確認いたしました。 そこで、NHK大河ドラマ等に村橋久成を採用してもらうことを本市として支援することについて、以下伺います。 第一点、採用に関するこれまでの本市の取り組みはどうなっているのかお聞かせください。 第二点、採用された場合の北海道、札幌市及び本県、本市への効果はどのようなものが想定されるのか見解をお示しください。 答弁願います。
◎
観光交流局長(山口順一君) 本市は、誘致する会に対しましては、同時期に鹿児島への大河ドラマの誘致活動を行っていたことから特に支援していないところでございます。 村橋久成を主人公とする大河ドラマ等が放送されますと、北海道においては観光振興に大きな効果があるものと考えております。また、本市においても一定の効果は生じるものと考えております。 以上でございます。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 北海道が誘致しているときは鹿児島もよきライバルであったわけですから、当然支援はしていないわけであります。一方、もし村橋久成が採用されれば北海道に大きな効果もあると思われますが、鹿児島においても一定の効果があるという御認識でございました。同じ思いでございます。 本市は、平成二十五年に札幌市と観光・文化交流協定を結びました。日本の北と南における政治、経済、文化、交通の拠点都市として発展し、歴史上のかかわりも深く、国際観光都市として多くの魅力を有する両市が観光・文化面を中心とした交流を推進することで交流人口の増加を図り、両市の観光振興と地域経済の発展に寄与することを目的にした協定で、連携・協力事項として、観光振興の施策推進、歴史的かかわりや文化を通じた交流促進などが挙げられております。まさに、この村橋久成を主人公とするNHK大河ドラマ等への採用を働きかけることは、この両市の交流協定の趣旨にかなう取り組みではないでしょうか。 そこで最後に、森市長に伺いますが、観光・文化交流協定を結ぶ札幌市との関係を尊重し、村橋久成をNHK大河ドラマ等へ採用してもらうよう札幌市等の誘致活動を本市としても支援してはいかがかと考えますが、このことに対する森市長の見解をお示しください。 答弁願います。 [市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君)
大河ドラマ放送等は観光振興に大きな効果が見込まれますことから、本市は県や関係団体等と一体となって平成二十二年度以降、継続してその誘致に取り組んできております。そういった努力が今回の「西郷どん」の放送に結びついたものであろうと考えております。今後も引き続き、大河ドラマの誘致に取り組む予定でありますので、札幌市等からお話がありましたら、その時点で支援を含め検討してみたいと考えております。 [井上 剛議員 登壇]
◆(井上剛議員) 答弁いただきました。 森市長には前向きな御答弁をいただきました。ぜひ、機会ありましたら協力して採用支援に向けてお取り組みをお願いしたいと思います。 「廻向には我と人とを隔つなよ 看経はよししてもせずとも」、廻向するには味方と敵とを区別してはならない、例えお経を読もうが読むまいが、それより真心込めて祭ることである、薗田裕之議員の出身地である南さつま市では、今でも子供たちを中心にこの日新公いろは歌を学んでいるそうです。西郷さあも学んだこの歌に、このような薩摩の寛大な心意気を示す言葉があり、実際、薩摩の先人はそのように行動してきました。 別に札幌市が敗者というわけではなく、同じ時期にNHK大河ドラマへの運動を進めてきた者への敬意や思いやりを今に生きる私たちは示す必要があるのではないでしょうか。村橋久成に関する今回の動きは、札幌市と鹿児島市の真の観光・文化の連携・交流に資する話だと考えます。ことしも五月には、北海道から直輸されたスズランの花が鹿児島市民に無償で鹿児島どさんこ会の皆様により渡される予定になっております。二十五回目ということであります。 森市長を初め、当局としても意を用いていただくことを改めて要請し、以上で、私の個人質疑の全てを終わります。
○議長(上門秀彦君) 以上で、井上 剛議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 次は、幾村清徳議員。 [幾村清徳議員 登壇](拍手)
◆(幾村清徳議員) 私は、平成三十年第一回定例会に当たり、自民維新の会の一員として個人質疑を行います。 質問の三日目でございますので、さきの本会議で質疑された部分等につきましては、重複しないよう割愛等ございますので、御理解をいただきますようあらかじめ申し上げておきます。 通告の一項目の波濤を越えた若き薩摩の先人たちについてお伺いします。 十九世紀半ばの英仏米等欧米列強は、アジア各地を侵略し植民地にして、さらに琉球、薩摩を経て幕府がある江戸へと向かった。幕末の日本に開国を迫ったペリー提督も琉球・那覇にいかりをおろし鹿児島沖にコースをとったそうであります。日本にキリスト教を伝えたイエズス会のフランシスコ・ザビエルも鹿児島から入ってきた、東千石町にあるザビエル像が物語っています。日本列島の南端に位置する鹿児島は、資料等を精査していくと、文字どおりアジアの玄関として古くから海外との交易の歴史を持ち、日本列島における海外雄飛のパイオニア的存在と言っても過言ではありません。世界で活躍している人々に故郷に帰ってきていただく、そうすればコンベンションホールぐらい必要になるかもしれません。 鹿児島県人世界大会が本市において開催されることは大変画期的で意義あることと思います。本市や県、また経済界等関連団体との連携を積極的にし、オール鹿児島体制を築き、海外における有力な味方づくりとするチャンスと思います。 以下お伺いします。 歓迎レセプション等大会の開催も本市を中心に展開されていくものと考えます。さまざまな人的ネットワークやビジネスチャンスも考えられます。 一つ、本市のかかわり方。 第二点、本市に与える影響。 そして、グローバル時代、青少年たちへの影響、海外で活躍する人々と触れ合うことで若者や青少年の志の開拓など考えられます。青少年と海外で活躍する人との交流も考えるべきだと思いますが、グローバル時代の青少年への影響等。 以上、御答弁を願います。
◎総務局長(内山薫君) お答えいたします。 鹿児島県人世界大会の実行委員会は、商工会議所を初め県内の経済団体、県や市長会などオール鹿児島の体制で組織されているところでございます。本市といたしましては、同大会の趣旨を踏まえ、周知・広報など積極的に協力してまいりたいと考えております。 大会には国内外から六百名程度の参加を見込んでいるとのことで、これらの方々と交流する機会が創出されることにより、次代につながる新たなネットワークの形成などが期待でき、また、青少年にとりましては、グローバル人材の育成などが図られるものと考えております。 以上でございます。 [幾村清徳議員 登壇]
◆(幾村清徳議員) 鹿児島県人世界大会の開催に関して我が会派の代表質疑に続き取り上げさせていただきました。古くから海外交流に伝統を持つ本市にとって、鹿児島県人世界大会が本市で開催されることは大きな
観光プロモーションではないかと思います。だから、本市はプロモーターになるべきだと主張するのであります。海外で活躍する人たちは、故郷鹿児島に強い意識を持ったイノベーターではないかと思います。鹿児島県民・市民にとってよい刺激を与えるかもしれません。本市の若手経営者の中には既に海外が近くなったとビジネスチャンスを実感するかのような人たちもふえていると思います。日本における先進事例に、ただ一県、沖縄県で開催されている世界のウチナーンチュ大会があります。成功事例に学ぶ市民・県民にどんな刺激を与えているのか、調査すべきモデルケースであると思います。大会の成功を期して当局の奮闘を祈ります。 新しい質問に入ります。 通告してある第二項の橋梁、道路及びトンネル等の緊急対策についてお伺いします。 国土交通省では、道路や橋、トンネルを対象にした二〇一四年から二〇一六年度の老朽化点検の結果を集計したデータを公表されています。緊急対策が必要と判定されたのは三年間の累計で橋が三百九十カ所、トンネル、二十七カ所、歩道橋など十三カ所とのことであります。劣化が進み危険性が高く、通行どめや通行規制といった緊急対策がとられているほか、かけかえ、撤去なども必要で、恒久的な対応も進めるとしています。 そこでお伺いします。 市道、橋梁、トンネルなどこれまで点検・調査を実施した件数や調査の結果、補修が必要となった件数、改めてお示しください。 第二点、これまでの対策を実施した件数について、あわせてそれぞれお示しください。 以上、答弁を願います。
◎建設局長(水元修一君) お答えいたします。 調査を実施した件数と補修が必要な件数、対策を実施した件数をそれぞれ申し上げますと、橋梁は、六百七十八、二百十三、四十七橋、道路舗装は、七百九、百七十、七・五キロメートル、トンネルは、十四、四、四本、横断歩道橋は、二十七、五、三橋でございます。 以上でございます。 [幾村清徳議員 登壇]
◆(幾村清徳議員) 答弁をいただきました。 橋梁、道路舗装、トンネル、横断歩道橋それぞれ補修工事等の対策も実施されているようでありますが、橋梁や道路舗装については補修の必要な箇所がまだ残っているようでございます。 そこで、今後どのように取り組んでいかれるのかお尋ねします。 まず、新年度の対応。 次に、今後の方針についてお示しください。 答弁をお願いします。
◎建設局長(水元修一君) 三十年度の対応ですが、橋梁は四十六橋の詳細点検と十七橋の測量設計、十五橋の補修工事を、道路舗装は十五路線の測量設計、二十七路線の補修工事を、トンネルは四本の詳細点検と三本の測量設計及び長寿命化計画の策定を、横断歩道橋は十八橋の詳細点検と三橋の測量設計、二橋の補修工事を、そのほか門型標識一基の詳細点検等を予定しております。 今後も優良財源を活用しながら計画的に補修等を行い、道路網の安全性と信頼性の確保に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 [幾村清徳議員 登壇]
◆(幾村清徳議員) 答弁をいただきました。 十二年の中央自動車道笹子トンネル、山梨県での大事故を受けて、橋梁、トンネル等の点検が義務づけられました。住民を事故に遭わさないための未然の対策は重要であります。市民の安全を守るという観点に立ち、細心の注意をお願いしておきます。 次に、町内会と地域コミュニティ協議会についてお伺いします。 今議会の代表質疑で一定の議論は交わされておりますので、通告の(一)、(二)は割愛します。 (三)についてお聞きしたいと思います。 町内会と地域コミュニティ協議会の関係についての通告の趣旨は、地域コミュニティ協議会制度のもとでも町内会や自治会等の自立性については確保されていくものかを確認することができるのかということでございます。 (四)の教育委員会の所管下にある校区公民館の市民局への移管の質問趣旨は、校区公民館という施設は将来的にどのように扱われていくのか、どこが所管していくのかという単純明快な質問でございます。 以上、御答弁ください。
◎市民局長(星野泰啓君) お答えいたします。 町内会は、一定の地域内に住む人々の自主的な総意に基づき地域を快適で住みよくすることを目的として組織をされております。一方、地域コミュニティ協議会は、小学校区単位で地域主体のまちづくりを進めるために町内会を初めとした幅広い団体が連携・協力し、地域課題の解決や資源の活用を目的として組織され、町内会はその中核となる構成団体と考えております。 以上でございます。
◎教育長(杉元羊一君) お答えいたします。 校区公民館は学校施設の一部として教育委員会が管理しており、地域コミュニティ協議会を初め、町内会やあいご会などの校区の関係団体に使用していただいているところでございます。現在、施設の位置づけや管理運営方法等につきまして関係部局と協議しているところでございます。 以上でございます。 [幾村清徳議員 登壇]
◆(幾村清徳議員) 御答弁をいただきました。 町内会と地域コミュニティ協議会の関係につきましては、町内会や自治会は純然たる住民の自立的自治組織であると理解しています。従前どおり地域コミュニティ協議会制度でもその自立性は尊重され、確保されていくとの答弁ですので、しっかりと確認しておきます。 また、校区公民館の市民局への移管については、学校現場の働き方改革という観点に立った場合いかがか。いずれにせよ、地域、各種団体にとって過重負担とならぬように、運用面の工夫改革が求められてきます。 昔と違って特に住宅地域では昼間は若者たちの姿が少なくなってまいりました。政府の進める一億総活躍というスローガンに呼応したのか、若い世代は、女性も男性もともに活躍に出かけ、働きに出かけて、地域では若い世代の地域活動の担い手が少なくなっているのが現実の姿であります。町内会への加入率アップとあわせ、地域活動の担い手確保も地域社会を形成していく上で行政の大きな課題となってくるものと思います。 次に、城西地区のまちづくりについてお伺いします。 市民の安心と安全を確保し、住みよいまちづくりを進める観点から、安全なまちづくりは決して一朝一夕には達成できない、継続して粛々と課題に取り組んでいく必要があると思います。市道武岡原良線の中で、原良土地区画整理事業区域内の幹線道路と接続する箇所の車と人とが混雑する事故の蓋然性の高い箇所において、危険性の除去は喫緊の課題であります。 そこでお伺いします。 現在の取り組み状況。 今後のスケジュール。 当該事業は、市単独事業か、それとも補助事業となるのか。 以上、答弁をお願いします。
◎建設局長(水元修一君) お触れの箇所については、歩道設置を含めた拡幅整備を計画しており、これまで三回、地元説明会を開催し、現在、用地測量等を実施しております。 今後は建物調査等を行い、事業用地の確保に向けて用地交渉を行う予定でございます。 財源については、社会資本整備総合交付金等の優良財源の確保に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 [幾村清徳議員 登壇]
◆(幾村清徳議員) 御答弁をいただきました。 この案件は地域の長きにわたる課題でありました。答弁をいただき、当局の取り組み状況、今後の事業スケジュール、さらに、事業財源の考え方等、一定理解いたしました。今後の事業が遅滞なく進捗するよう改めて要請しておきます。 次に、北朝鮮による日本人拉致問題についてお伺いします。 安倍首相は、去る二月十三日、衆議院予算委員会で開催されている平昌冬季五輪に出席された成果の一つに、北朝鮮のキム・ヨンナム最高人民会議常任委員長と言葉を交わせた。その際、日本人拉致問題の解決を強く求めたと述べておられます。安倍首相が機会を捉えて、じきじきに関係者に被害者の帰還を要望していることは、アメリカのトランプ大統領が国連の場で、初めて北朝鮮による日本人拉致問題にコミットしたことでもわかります。拉致問題は我が国の主権にかかわる現在進行中の重要な案件であります。国民の一人として関心を払わぬわけにはまいりません。 以下伺います。 北朝鮮に拉致されたままの日本人の中には、かつて鹿児島市民であったお二人もおられます。 第一点、本市の被害者について、そのてんまつ。 政府は北朝鮮による日本人拉致をめぐり新たな対応もされているようでございます。含めてお示しください。 第二点、拉致問題に対する政府の最近の取り組み。 以上、答弁をお願いします。
◎健康福祉局長(上之園彰君) お答えいたします。 本市の拉致被害者としましては、昭和五十三年八月十二日に、現在の日置市吹上浜海岸で拉致された市川修一さんと増元るみ子さんがおられます。 最近の政府の取り組みといたしましては、引き続き、北朝鮮の拉致問題の動向に関する情報収集、特定失踪者問題調査会による北朝鮮向けラジオ放送によるメッセージの発信のほか、平成三十年度は、新たに小・中・高校の教員等を対象とした拉致問題の理解促進のための研修会を実施することとされております。 以上でございます。 [幾村清徳議員 登壇]
◆(幾村清徳議員) 御答弁をいただきました。 拉致問題は、本来、国が責任を持って解決すべき事案かと思いますが、本市の市民が被害者になっています。市民も当局も傍観者になってはいけないということであります。今後も強い関心を持っていただくことをお願いし、さらにまた、かねて人権問題に明るい方々には特にお願いをいたしておきたいと思います。 新しい質問に入ります。 本市の観光スポットの駐車場問題についてお伺いします。 政府は、二〇二〇年までに訪日観光客を年間四千万人、消費額八兆円を目標にして掲げられました。中国からの観光客による爆買いはとまったと言われます。理由は、中国国内のバブルがはじけたとか、旅行者が一巡したとかと言われます。とはいうものの、あるレポートによると、アジアからの訪日客は今後も増加する傾向にあると言います。 日本列島南の玄関のマリンポートかごしまは豪華客船でにぎわいつつあります。訪日されるアジアの観光客にとりまして、本市のマリンポートは文字どおり日本のゲートウエーとなります。観光鹿児島はまだまだこれから本格化するものと予想されますが、解決しなければならない問題も山積しております。 そこでお伺いします。 一つ、西郷銅像、市立美術館前付近の駐車場問題への当局認識。 二つ、城山展望所の駐車場はいつごろ整備されたのか、また、利用者の評価を。 三、磯の花倉地区に西郷蘇生の家があります。観光客は近づけるのか、駐車場環境はどのようになっているのか。 以上、答弁を願います。
◎
観光交流局長(山口順一君) お答えいたします。 西郷銅像周辺にはセラ六〇二を初め民間の普通車用の駐車場があり利用されておりますが、観光バスの乗降場につきましては不足する状況が生じていることから、県を初め関係機関と協議を行っているところでございます。 次に、西郷隆盛蘇生の家につきましては、国道十号からの進入道路で過去に死亡事故が起き、現在も車両の進入が制限されていることから駐車場は設置しておりません。道路整備等との兼ね合いもありますことから、現時点での駐車場の設置は困難であると考えております。 以上でございます。
◎建設局長(水元修一君) お触れの駐車場は平成三年度に現在の形で整備を行っており、観光客などの利便性向上に寄与しているものと考えております。 以上でございます。 [幾村清徳議員 登壇]
◆(幾村清徳議員) 答弁をいただきました。 今や観光スポット、にぎわう場所に来客対応の駐車場を設けるということは一般的であります。駐車場設置は重要な附帯設備の一つと意識改革の必要な時代となってまいりました。特に、西郷銅像のあたりの観光バスの駐車場は、やがて御楼門も完成することと思います。喫緊の課題であります。現場で観光ボランティアに汗を流す方の切なる訴えが地元マスコミに投稿されているとおりであると思います。観光鹿児島の本気度、認識が問われる案件であります。早急な対応を強く申し上げておきます。 次に、西郷屋敷の西郷隆盛の家の復元についてお伺いします。 日本史のターニングポイントに登場し、誰もその名を知らぬ者はいないほど西郷隆盛の名は知れ渡っております。残念ながら、西郷さんがこよなく愛したふるさと鹿児島にその家がありません。重要な課題をなし遂げていくには短兵急ではよい結論はたどり着かないと、機運の醸成は大事な要件と西郷どんに関する書籍「翔ぶが如く」を読み返して見て諭されました。 質問項目の西郷屋敷の来歴については、経過を含め私のほうで少し概略を述べさせていただきます。 武の西郷屋敷というのは、西郷吉之助が戊辰戦争から国元に凱旋して、明治二年から三年にかけて大勢の家族で暮らすには手狭となっていた上之園町から武村に居を移し、みずから武村の吉と称したところであります。もともとここは薩摩藩士の二階堂家の別邸だったそうであります。明治十年の西南戦争のとき、家族全員が西別府の野屋敷に避難中に焼失されたが、明治十三年、中央政府にいた弟の従道公が家族のためにと再建されたそうでございます。 この写真は、明治十三年ごろに再建されたものであります。この家でございます。そして、こちらは石川静正さんが鹿児島を訪れたときに描かれた絵図、西郷家の中の絵図でございます。資料等がきっちりと残されております。 五十年代はこの西郷屋敷は確かに存在しておりました。なぜなくなったのか、なぜ解体除去されなければならなかったのか、歴史的な価値のある場所なのに。今考えても返す返す残念なことであります。当時の区画整理事業によってであります。貴重な歴史的場所でありますが、区画整理事業のあり方も当時と今日では随分と違ってまいりました。仮に今日、当時の姿のままのこの家屋が保存されていたならば、長州・萩の松下村塾、薩摩の西郷隆盛の家として観光スポットになり、西郷どんブームの今、大勢の観光客が押し寄せていたであろうことは想像が容易にできます。 翻って、世界を見渡せば、国家的な偉業をなした人物や有名人の居宅は保存され、また復元されたりして、そのまちの誇り、人々の誇りとして活用されている事例はあまたあることと聞いています。 そこでお伺いします。 西郷屋敷の来歴。 国家的偉業者の居宅保存の事例等、お手元に資料があれば、また把握されておられれば示していただきたいと思います。 答弁をお願いします。
◎教育長(杉元羊一君) 西郷武屋敷につきましては、西郷南洲翁が明治六年から西南戦争が起こる十年まで生活しております。屋敷は、西南戦争で焼失した後、十三年、弟従道により再建されましたが、昭和五十二年に取り壊され、跡地の一部は現在、西郷公園となっております。 歴史的人物の居宅保存の事例としましては、西郷南洲翁と同じ時代を生きた伊藤博文や木戸孝允の旧宅などがございます。 以上でございます。 [幾村清徳議員 登壇]
◆(幾村清徳議員) 御答弁いただきました。 西郷さんの井戸や門柱、それから東側の石垣は残されております。さすがに当時の区画整理の所管課も建設局も、後年あるやと思うての配慮ではなかったかと思います。 幕末明治の偉人たちは、鎌倉幕府以来二百六十年も続いた幕藩体制を打倒し、明治維新を断行して新政府を樹立しました。維新回天の先頭に立ったのは我が薩摩藩であり長州でありました。御存じのとおりであります。明治維新は欧米の列強によって植民地主義の波がアジアを飲み込まんとしている状況で、国の独立を全うしようという尊王攘夷思想の実現にあったと言われています。維新のスーパースターと言えば西郷吉之助であります。誰もが認めていることであります。国のためなら命も要らぬ、名も要らぬというだけでなく、実行した人という評価であります。 私は残念ながら西郷さんに実際に会ったことはありませんが、歴史家や評論家はそろってそのように、お会いされたように感動的に躍動感あふれて書き上げておられます。世の中が混迷したとき、変革期になると必ず西郷星があらわれると言われます。このことは事実かもしれません。確かに、大河ドラマ「西郷どん」では、頑張れと声が飛んでいる、現下の混迷した世相に対する世間の声を代弁したエールか叫びかもしれません。 そこでお伺いします。 西郷南洲翁の今日的評価。 街なかは西郷一色でございます。この現象をどのように見るか、今なぜ「西郷どん」か見解をお聞かせください。 以上、答弁をお願いします。
◎教育長(杉元羊一君) 西郷南洲翁につきましては、今もなお多くの人々から敬愛されている郷土の偉人であり、その魅力ある生き方や教えについて、今後とも継承されるよう努めてまいりたいと考えております。 本年は、明治維新百五十年という歴史的な節目の年であり、明治維新の中心となった西郷南洲翁の功績と人徳に注目が集まっているものと考えております。 以上でございます。 [幾村清徳議員 登壇]
◆(幾村清徳議員) 御答弁をいただきました。 私も杉元教育長と同感でございますが、もう少し西郷さんの教えを今こそ必要とする、今こそよみがえらせという声かもございません。 この通告の最後であります。 当局の最高責任者である森市長と意見を交わしたり、市長の政治姿勢を問うたり、見解を聞いたりするチャンスは私にはこの本会議しかございません。というわけで、少々ぶしつけな言い方かもしれませんが、あえてお伺いさせていただきます。 歴史上の人物で一般的に日本人が好きな人物ナンバーワンは西郷隆盛と言われます。日本人はなぜ西郷隆盛に感銘し、なぜ魅了されるのだろうか、西郷隆盛を生んだ鹿児島市の市長として、大河ドラマ「西郷どん」の今、いろいろな局面において市長さんに所感を求められることと思います。森市長の率直な所感をお聞かせください。 以上、お願いいたします。 [市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 幾村清徳議員にお答えいたします。 西郷南洲翁は、近代日本の礎を築く原動力となりながら、その人柄は謙虚にしておごることなく、公平無私の心で清廉潔白な生活を貫いた郷土の偉人でございます。私もこうした南洲翁の人徳に敬服しているところでありまして、時代を超えて多くの人々の心を捉えているものと考えております。 [幾村清徳議員 登壇]
◆(幾村清徳議員) 答弁をいただきました。 市長の答弁でにじみ出ているものは、やはり、西郷どんは理念、人格ともにすばらしい、人の上に立つ指導者として尊敬するに値する郷土の偉人であると聞こえました。時代を超えて尊敬を受けるということは半端なことではあらんと思います。そういうふうに受けとめてよろしいでしょうか。それでは、よかろうということで次に移ります。 政府は、全国各地にある城郭や神社、歴史的文化財を活用した観光拠点の整備事業を始めているようであります。我が国の歴史・文化の発信であります。アメリカの歴史はわずか二百数十年、比べて日本の歴史は長い、世界史的に見ても、王朝や部族の攻防は別にして、国としての歴史は最も長いほうではないかと思います。 西郷屋敷はアプローチの仕方次第では有力な観光拠点になり得る要素を備えているとまちづくりプロデューサーの方は述べています。 西郷屋敷を整備して西郷隆盛の家を復元して、西別府の野屋敷、さらに西田の薩英戦争の本陣跡、そして常盤の西郷家墓地、坂本龍馬とお龍が泊まったと言われる小松屋敷とルート化すれば、街なかにスケール感のある新しい観光資源が誕生することになります。地方創生事業そのものにつながっていくと思います。新しく設置された広報戦略室の観光戦略に描くにふさわしい戦略性があるのではと思います。企画の具体化を望まずにはおられません。この件は引き続きあらゆる機会を捉えてまた質問させていただきます。 以上で、私の個人質疑の全てを終わらせていただきます。
○議長(上門秀彦君) 以上で、幾村清徳議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) ここで、しばらく休憩いたします。 午 後 二時三十六分 休 憩 ───────────────── 午 後 三時 九分 開 議
○議長(上門秀彦君) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を続行いたします。 次は、伊地知紘徳議員。 [伊地知紘徳議員 登壇](拍手)
◆(伊地知紘徳議員) 民進・無所属の会より個人質疑を行います。 この間、代表質疑、個人質疑を通して各面からの議論がなされてきたところではございます。そうした中で、議場におかれる皆様方には、質疑も三日目、この時間でございますので大変お疲れのこととは思います。そんな中で、少し一部おたくみたいな議論を十分ほど交わさせていただきますが、まげて御理解いただきまして、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 さて、まずは財政についてでございます。 平成二十八年度の財務書類をもとに、これまでの蓄積と新年度予算からさきの財政の姿について伺ってまいります。 平成二十七年度までの総務省の改訂モデルによる算定から平成二十八年度は統一的な基準による算定に変わり、平成二十七年度までの財務書類による分析とは明らかに数値に違いが生じてきています。なお、行政目的別コストについては、今日においても総務省の方針が示されていないために分析はできないところでございます。それらを除き、普通会計における各比率から見てまいりたいと思います。 今申し上げましたが、質問の一点は、その前段として伺うものですが、平成二十七年度の総務省改訂モデルによる算定から平成二十八年度の統一基準による算定と算定方法が変わったわけですが、率直に何が変わったのか、変動の要素とその特徴を明らかにしてください。あわせて財政当局の印象もお聞かせください。 以上、答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) お答えいたします。 二十八年度財務書類につきましては、国の示した基準に基づき、資産の再評価等を行った結果、償却資産の減により有形固定資産が減となったことなどから、各指標が変動しております。基準見直しにより資産の老朽化比率などが見える化され、財産マネジメントへの活用や他都市との比較が可能となったものでございます。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) 総務省の算定基準の見直しにより財政の見える化もまた一歩進んだようでございます。 他都市との比較もさらに進んだようですので、それを踏まえて、以下伺ってまいります。 それでは、具体的に順次お尋ねします。 まず、歳入額対資産比率についてであります。 御案内のとおり、資産の合計が歳入合計の何年分に相当するかを示す数値です。資産の合計を資金収支計算書の収入合計で除して求められるものです。平成二十六年度、二十七年度までは四・二年分であったものが、平成二十八年度は三・五年、〇・七ポイント減少したことになっています。その要因は資産総額の減少にあると思料いたしますが、平成二十七年度までとの算定方法の相違を初め、資産総額がなぜ減少したのか明らかにしてください。 質問の二点、この比率は地方公共団体では三〇〇%から七〇〇%程度が平均的な値、標準とされています。本市では三五三%のようです。この値は中核市全体ではどの程度に位置しているものか、その比較と財政当局の感想をお聞かせください。 質問の三点、資産老朽化比率について伺います。これも資産台帳の結果かもしれませんが、平成二十七年度は四六・五%であったものが五六%と単純比較では老朽化率が一年で一〇%も進んだことになっています。資産総額の減少がその要因とも思われますが、平成二十七年度までとの相違について明らかにしてください。 以上、答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 歳入額対資産比率につきましては、算定方法に変更はなく、資産総額が再評価の影響で減となったことによるものであり、適切な水準であると考えております。 また、現在、新基準で公表している中核市は、本市を含め四十八市中七市のみであり、その平均は三七〇%でございますが、数が少ないため分析はできないところでございます。 資産老朽化比率の増につきましては、御指摘のとおり、固定資産台帳の整備に伴い、国の基準により減価償却を行った結果によるものでございます。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) お答えいただきましたとおり、歳入額対資産比率も資産総額の影響であったが、依然、適切な水準にあることを押さえておきたいと思います。 また、今日現在、中核市中七市しか公表されていない現状にあるようでございます。四十八市中七市ですから、当局の事務方がいかに仕事が早かったかということをこのことからもうかがうことができるんだなというふうに思っております。しかし、公表されていない現状では、正確な分析や詳細にわたる比較が困難なことは理解をしておきたいと思います。資産の減価償却を詳細に行われた結果と受けとめます。より現実的な数値と見えてきましたので、それを踏まえた長寿命化やインフラの更新をさらに計画的に財源を確保され対応くださるよう要請をいたしたいと思います。 次に、社会資本形成における世代間負担比率についてであります。 質問の一点、純資産の合計を資産総額で除して求められる過去及び現世代負担比率は六四・二三%となっています。一般的に地方公共団体では五〇%から九〇%が平均値、標準とされていますが、本市ではその範疇にあります。 そこで、他の中核市と比較した場合、平均も含めてどのような状況か、本市の特徴と感想をお聞かせください。 質問の二点、将来世代の負担比率は平成二十八年度三四・八%となっており、平成二十七年度までの二七・四%より七・四ポイント負担が大きくなっています。率直に変化の著しさを実感します。その比率の一般的な平均値、標準は一五%から四〇%程度とされていることからすれば、平均値内にはあるにせよ、高い位置に近づきつつあると考えられます。他中核市と比較した場合、平均も含めてどのような状況か、感想も含めてお聞かせください。あわせて平成二十七年度までとの相違、要因などを今後のあり方とともにお聞かせをください。 質問の三点、現世代と将来世代とそれぞれに負担をお伺いしましたが、この指標の分析の視点はやはり世代間の公平性が担保されているか、将来世代への負担が大きくならないかという点にあると思いますが、見解をお聞かせください。 以上、答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 過去及び現世代負担比率につきましては、中核市七市の平均は七〇・五%で、先ほど申し上げましたとおり数が少ないため比較はできませんが、適切な水準にあると考えております。 将来世代負担比率につきましても、適切な水準にあると考えておりますが、七市の平均は二七・六%でございます。二十八年度につきましては、資産の再評価等の結果、有形固定資産が減となったことで数値が変動したものでございますが、今後ともプライマリーバランスの黒字を確保する中で適切な水準を保ってまいりたいと考えております。 世代間の負担の公平性につきましては、少子高齢化が進行する中で将来世代の負担が大きくなることのないよう、資産を適切な規模にしていくとともに、市債残高の減少に努めるなど、健全財政を維持していく必要があると考えております。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) 明らかになっている中核市はおおむね財政状況が良好な自治体です。その平均七〇・五%と比較すると、本市は現世代の負担が六・二七ポイント少ないことがわかります。将来世代についてもしかりです。いずれも適切な水準とされていますが、中核市七市の平均が二七・六%であることからすれば、七・二ポイント高い状況は改善を要する課題であることを指摘しておきます。いずれも平均値内とはいえ、ゆめゆめ将来世代に大きなツケを回すことにならないようしっかりと世代間の負担の公平性が担保されるように対応していかなければなりません。 次の質問に移ります。 受益者負担比率についてです。 本市においては四・五%となっています。標準値は二%から八%ですので、ほぼ平均よりやや低めにあることがわかります。厳しい財政環境下にあっても市民生活に一定配慮されている姿がこの数値から実はうかがえるわけであります。他の中核市と比較した場合、平均も含めてどのような状況かお聞かせください。また、今後の見通しや推移についてもお聞かせください。 次に、行政コスト対公共資産比率について伺います。 経常行政コストを公共資産で除して求められ、公共資産の運用における効率性の度合いを示すものです。その標準は一〇%から三〇%程度とされています。比率が低ければ効率的な公共資産運用による行政サービスが提供されたことが考えられます。平成二十七年度は二二・四%でしたが、二十八年度は二七・三%と四・九ポイント上昇したようです。これも資産総額の減少によるものが影響したものと受けとめますが、標準の範疇にはあります。効率的な行政サービスの提供といった観点から今後留意される点は何かお聞かせください。 引き続き伺います。 行政コスト対財源比率についてです。 平成二十七年度までは対税収等比率と言っていました。これは経常行政コストに対する財源等の割合をあらわす指標で、当該年度の行政サービスに係るコストから受益者負担部分を除いた純経常行政コストに対する当該年度の財源等の負担割合を示すものです。一般的な標準が九〇%から一一〇%とされています。平成二十七年度は八二%、従来の手法では平成二十八年度は八六・二%、新たなものでは一〇一・七%となっていますが、その違いと高くなったことからうかがえるものは何なのかお聞かせください。 以上、答弁願います。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 受益者負担比率につきましても適切な水準にあると考えておりますが、中核市七市の平均は四・九%でございます。今後とも、施設の使用料等につきましては、受益者負担の原則と市民負担の公平性を考慮し設定してまいりたいと考えております。 公共資産の運用における今後の留意点につきましては、行政サービスの質を低下させることなく、事業の峻別や民間力の活用等により行政コストを縮減するとともに、資産規模の適正化を図ってまいりたいと考えております。 行政コスト対財源比率につきましては、算式の分母となる財源等から臨時財政対策債の発行額が除かれたことや分子となる行政コストの中で社会保障費が増加していることなどから数値が変動したと考えております。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) 受益者負担比率は中核市七市の平均より若干低い状況のようです。利用料などを安くしろといったような議論もありますが、気持ちは理解できますが、考え方によっては、例えば施設等の利用で利益を享受しない、いわゆる利用はしないがサービスの提供に要する負担を平等に請け負っている市民も一方ではいるわけです。また、市外、県外の受益者もいるわけです。負担と受益のあり方、公平性の観点、財政的視点は負担のあり方を論ずるとき欠かせない、見逃せないポイントだと私は考えております。適切な水準を設定されますよう要請をしておきたいと思います。 行政コスト対公共資産比率については、行政コストは抑え、行政サービスは低下させないという困難な作業ですが、さらに工夫されますよう要請をさせていただきます。 行政コスト対財源比率についてお答えをいただきました。実は、私は、ここに大きな懸念を抱いております。その一つは、なぜ実質的な地方交付税とされる臨時財政対策債をこれまでの算定とは違い財源から除外をしたのかという点です。そこに国の今後の財源に対する意図を感じるからであります。今後の推移を注視したいと思います。 次に、さきの我が会派の代表質疑で触れました本市第五次総合計画における第四期実施計画に係る事業費についてです。 所要額三千六百七十五億円の財源内訳中、地方債は五百六十二億円とお答えになりましたが、財源の構成比率で見れば一五・二%に相当します。新年度予算における市債の比率は一〇・九%となっていますが、実施各年度の予算全体における市債とその推移に影響を及ぼさないものか、また、本会議でも答弁いただいたとおり、市債を減少させる方針との整合は図れるものか見解をお聞かせください。 今回は、平成二十八年度の財務書類をもとにはじき出される各指標を中心に財政分析をさせていただきました。総務省より新たな統一基準が示され、ストックとコスト情報に大きな変化が見られました。新年度予算は過去最高の積極予算となりましたが、その結果や蓄積を議論するのは来年の暮れの話となるわけです。 一連の質問の最後に、市長にお伺いをいたします。 新年度の行財政の運営により各種財務指標をどのような水準で推移させられるのか、また、財政力指数や経常収支比率などの主要財政指標から見られる水準をどう見通されるのか、導かれるのか、健全財政の堅持に向けた財政運営に臨む方針をお聞かせください。 以上、答弁願います。 [市長 森 博幸君 登壇]
◎市長(森博幸君) 伊地知紘徳議員にお答えをいたします。 平成二十八年度決算におきましては、新公会計に係る資産や行政コスト等の各種財務指標はいずれも適正水準にあり、また、主要財政指標につきましては、他の中核市と比較しておおむね上位となっておりまして、健全財政を維持しているものと考えております。 今後とも、可能な限りの収入の確保と経費支出の効率化に努めるほか、資産規模の適正化や世代間の負担の公平性を図るなど、長期的な視点に立って持続可能な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
◎
企画財政局長(鉾之原誠君) 第四期実施計画期間におきましても、各年度ごとに借入額が償還元金の範囲内となる見込みであり、市債残高の低減が図られるものと考えております。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) 市長より、力強く健全財政の堅持に向けた新年度を初め長期的な視点も含めた財政運営に対する見解を伺いました。 平成二十八年度の財務書類に基づく各指標から新年度及びその先の財政の姿について伺ってまいりました。 ところで市長、増加をたどる臨時財政対策債、交付税措置における今日の状況、すなわち財政力の弱い自治体には地方交付税の割合を高め、一定の財政力のある自治体には臨財債による対応の割合を高めるという配分のあり方、なおかつ、基金に対する財務省の厳しい指摘など不安に満ちる財源や歳入予算をめぐる環境には全く目が離せません。九州市長会会長として、地方の立場から財源の確保とあるべき姿の追求に御尽力をくださいますよう、この場をおかりしお願いを申し上げておきたいと思います。 次の質問に移ります。 高齢者の自動車運転免許自主返納促進についてお伺いをいたします。 初日の一番目の方がかなり質疑をされたところでございますが、付随してまたお尋ねをさせていただきます。 内閣府発行の交通安全白書によりますと、高齢運転者による交通死亡事故の特徴として、七十五歳以上の運転者の死亡事故件数は七十五歳未満の運転者と比較して、免許人口十万人当たりの件数が二倍以上多く発生をしています。このように、高齢ドライバーによる事故が相次ぐ中において、高齢社会における日本の高齢車社会にどう向き合い、解決し、安全な交通移動手段としていくかが私たちに与えられた課題であると認識すべきことを強く感じています。 そこで、以下伺ってまいります。 まず、県警免許管理課によると、県内の免許保有者が昨年末現在百十一万二千四百八十三人、そのうち七十五歳以上が九万九千八百九十三人で、今後、高齢者の保有者増が見込まれているところです。さきの質疑で明らかになったように、六十五歳以上の高齢者が加害者となった件数がおよそ年間六百十数件を超える状況にあるとのことでした。 そこで、本市内における平成二十四年から二十九年の六十五歳以上の高齢者全体の自動車運転免許の保有者数をお示しください。 答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) お答えいたします。 本市における高齢者の運転免許保有者数を二十四年から二十九年まで順に申し上げますと、六万二千七百五十六、六万八千三百三、七万三千七百十、七万七千八百六十二、八万一千八百八十二、八万五千五百五十八人でございます。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) お答えにより、平成二十四年が六万二千七百五十六人、そして、二十九年は八万五千五百五十八人と五年間で約二万三千人ふえたことがわかりました。 それを踏まえ伺います。 係る状況から今後、早急な交通事故防止対策を講じていかなければなりません。その一つの方策として、高齢者が運転していることを周囲の方々に知らせ、注意喚起を促す取り組みとして高齢運転者マークの表示義務があります。御案内のとおり、平成二十一年四月の改正道路交通法により、罰則等のない努力義務の対象者は七十歳以上となりました。 そこで、高齢運転者マークの表示徹底についての認識をお聞かせください。 答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) 高齢運転者マークの表示につきましては、各季の交通安全運動や高齢者を対象とした交通安全教室の中で呼びかけており、今後も表示の徹底に努めてまいります。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) 高齢運転者マークの表示については、季節の交通安全運動や高齢者を対象にした交通安全教室の中で呼びかけておられるようですが、交通安全教室だけにとどまらず、高齢者と触れ合う各種機会を通じて表示が徹底される取り組みがなされますよう要望いたします。 次に、高齢者が関係する事故を防止するために、改正道路交通法で高齢者の免許更新に認知機能検査や臨時検査を受けることが義務づけられました。 そこで、平成二十六年から二十九年までの高齢者の認知機能検査による免許停止、取り消しとなった人数をお聞かせください。あわせて認知機能検査等に要する所要日数をお聞かせください。 答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) 本市における高齢者の認知機能検査による免許停止及び取り消し者数を二十六年から二十九年まで順に申し上げますと、三、十、十、十六人となっております。なお、認知機能検査等は自動車学校などに申し込み後、実施までに一、二カ月を要するようでございます。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) 検査後、二十九年においては十六人の方が免許停止、取り消しとなっていることに驚きました。 他方、みずからが自動車運転に適さなくなったことの理解が難しく、判断できないことがうかがえるのではないでしょうか。高齢者が関係する事故後、家族の中では、親に対して尊厳があり、なかなか運転免許の自主返納を促すことができなかったと後悔されている家族もおられるようであります。全国においても自動車運転免許自主返納が増加傾向にあるようでございます。 そこで伺います。 平成二十四年から二十九年までの本市の自動車運転免許自主返納者数とそれに対する分析。 あわせて高齢者の自動車運転免許自主返納が進まない現状認識と課題をお聞かせください。 答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) 本市の高齢者の運転免許証の自主返納者数を二十四年から二十九年まで順に申し上げますと、六百二十六、八百七十三、八百三十九、八百九十六、一千百十八、一千四百六十四人で、高齢運転者による事故の多発や昨年三月の道路交通法改正などにより返納者がふえているようでございます。 免許返納が進まない要因としては、車がない生活に不安があることなどが影響しているものと考えております。二十九年度の国の調査によりますと、安心して運転免許証を返納できるようにするために必要なこととして、公共交通機関の運賃割引や無償化、地域におけるバス路線などの整備を求める声が多いことから、返納後の交通手段の確保が課題であると考えております。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) 返納が二十九年に極端に多くなったのは、道路交通法の改正によるものであり、改正の意義があったものと評価をしたいと思います。交通事故防止の免許返納が進まない要因として、車がない生活に不安があることが影響しているようであります。 次の質問です。 二十九年度の国の調査によりますと、安心して免許証を返納できるようにするために必要なこととして、公共交通機関の運賃割引や無償化、地域におけるバス路線などの整備を求める声が多いようであります。 そこで、本市の高齢者福祉の事業で運賃割引を実施している敬老パス交付事業について、関連しますので伺わせていただきます。 平成二十四年度から二十八年度までの敬老パスの交付件数を対象者に対する比率とあわせてお示しください。また、利用状況もあわせてお示しください。 答弁願います。
◎健康福祉局長(上之園彰君) お答えいたします。 敬老パスの交付者数と交付率を二十四年度から二十八年度まで順に申し上げますと、七万八千三百三十、七八・五、八万一千五百五十八、八〇・一、八万四千二十五、八一・一、八万六千百八十七、八二・八、八万八千七百四人、八三・六%となっております。また、利用回数を二十四年度から二十八年度まで万単位で順に申し上げますと、五百九十四、五百八十八、五百七十五、五百六十二、五百四十二万回となっております。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) 敬老パスは発行枚数が年々増加している一方、利用状況の実績が少なくなっているようであります。このことを私なりに考えてみますと、敬老パスの交付条件の七十歳以上の方々がまだまだ元気で自動車運転ができる状態の中で、たまに利用する公共交通機関として念のために取得をされているのではないかと考えるものです。そう考えれば、自家用車の利用から公共交通機関利用にシフトさせるための仕掛けが必要となります。 そこで伺います。 敬老パス等の利用を含めた本市としての取り組み、対応状況と課題をお聞かせください。 質問の九点は割愛しますので、お答えにならないように。 また、今月一日の地元紙の報道によりますと、県におかれては三十年度から県警内に高齢運転者係を設けて、県内六十六カ所の地域包括支援センターと連携をし、免許返納後の生活を支援する体制を整えるとのことですが、どこまで包括支援センターが担うべき役割なのか、県警とどのような内容で協議が調ったものかお聞かせください。 答弁願います。
◎市民局長(星野泰啓君) 本市では、昨年十二月に、国、県、警察と市の関係課で構成をする交通安全企画員会議を開催し、
公共交通機関の利用促進を含め、高齢運転者の事故防止対策について意見交換を行ったところでございます。今後も、関係機関と連携し、運転免許証の返納を含め、高齢者が安心して生活できる環境の整備について各面から検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、地域包括支援センターとの連携につきましては、国による県警と地方公共団体福祉部局との連携強化の方針に基づいて行われるもので、認知症等で運転免許を失った方の健康や生活等に対する不安や悩みを少しでも解消すべく、希望する方については、県警から地域包括支援センターへお知らせするものでございます。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員)
公共交通機関にシフトさせる取り組みの難しさは理解をしますが、高齢者が加害者となる重大事故が増加傾向にある現状においては、
公共交通機関へのシフトを何が何でも推し進めなければなりません。敬老パスの事業目的に免許の自主返納を促すことを加え、さきの答弁にありました優遇制度の周知を含め、高齢者の
公共交通機関利用にシフトさせるための取り組みが重要と考えます。今後、関係機関と連携をされ、
公共交通機関へのシフトが進むよう特段の取り組みを要望させていただきます。 新たな質問です。 次は、ごみ処理行政について伺います。 市民生活を基本に社会経済活動により生み出されるごみ処理の原価において、収集部門は平成二十八年度、二十八億八千八百七十三万八千百八十九円、焼却原価が十九億六千百八十六万五百三円、埋め立ては六億六千八百十三万六千三百二十八円、資源化は六億七千二百七十六万一千百八十九円の合計六十一億九千百四十九万六千二百九円となっています。一年間の計画収集量、焼却量ともに平成二十七年より減少していることが事前の調査で明らかになっております。ごみの有料化の議論もあり、当局の懸命なごみ減量化に向けた努力があったものと理解をいたしております。 一日一人当たりの家庭ごみ量は平成二十七年より平成二十八年は十五グラム減少しています。たかが一人十五グラムといえども、市の人口換算によりますと約一日八千キロ、年間に換算すると三千トンの減少ですから緩いものではありません。当局の努力と市民の一定の理解を評価したいと思います。しかし、まだ足りません。 そこでお尋ねをします。 質問の一点、相対として平成二十八年度はどの程度の減量が図られたものか、当初の見込みとの相違、一日一人当たりの十五グラムの減量化により焼却費や資源化にどのような影響を及ぼし、効果を得られたものか、部門ごとに明らかにしてください。 質問の二点、ごみ処理原価の減少に向けた考え方について伺います。 収集部門においては、ごみ量にかかわりなく民間、直営を問わず車両と人的体制のコストですので、ここは余り圧縮・縮減が困難な原価と理解しますが、御見解をお示しください。また、そうであれば、ごみ処理原価の減少や削減を図る有効な対策は、市民一人一人が自覚をし、焼却ごみと埋め立てごみを減らすことに尽きると考えます。単純な話かもしれませんが、なかなかそうだねといかない難しさも当局も感じておられることと思います。そうだねと言ってそのとおりやってくれれば大変な効果になると期待をするわけですが、御見解をお聞かせください。 質問の三点、焼却部門におけるごみ処理費の内容とコストの比重の高い要素は何か明らかにしてください。 質問の四点、埋め立て部門における年間埋め立て量が平成二十七年度より平成二十八年度は二千トン減少したにもかかわらず、一トン当たりのコストがおよそ四千六百八十八円上昇したことになっておりますが、その理由を明らかにしてください。 質問の五点、焼却費用を削減するためには、そもそもごみ量を減らせば済む話ですが、日々の食生活から生み出される生ごみだけは減量化にも限界があると考えますが、処理費用削減に向けた有効策をお示しください。 質問の六点、当局の生ごみ減量化に向けた対応と認識をお示しください。 以上、一括して答弁願います。
◎環境局長(古江朋子君) お答えいたします。 平成二十八年度のごみ・資源物の総量は、前年度と比べ六千五百三十六トンの減少となり、ほぼ当初見込みのとおりでございました。市民一人一日当たり十五グラムの減量効果ですが、焼却部門では薬品や燃料の使用量を抑える効果があったことなどから、経費が減少したところでございます。資源化部門では分別の徹底により、プラスチック容器類の収集が増加したことから経費がふえる要素もございましたが、紙離れによる古紙類の減少の影響が大きかったため、全体の経費は減少したところでございます。 収集経費につきましては、固定的な経費が多く削減が困難な部分もございますが、焼却や埋め立て経費についてはごみの減少により経費が抑えられることから、市民の皆様にはなお一層の協力をお願いしたいと考えております。 焼却経費の主な内訳を割合の大きい順に申し上げますと、清掃工場の運転委託料や薬品代、燃料代などの維持管理費、施設建設の減価償却費、職員の人件費でございます。 埋め立て経費の上昇は、二十八年度に覆土とり場の用地取得を行ったことによるものでございます。 燃やせるごみには古紙類やプラスチック容器類等の資源物が二割混入していることから、分別の徹底を図り、燃やせるごみを減らす取り組みも重要だと考えております。 また、三割を占める生ごみの削減はごみの減量を進める上で重要なポイントでございます。このため、水切りなど三切りの積極的な啓発活動を行うほか、生ごみ処理機器の購入に対する助成や段ボールコンポストを活用した事業を市民やNPOと協働して取り組むなど、一層の推進に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) ごみの減量効果のそれぞれの経費減少への影響を確認しておきます。また、当然のことながら分別の徹底が引き続き課題であることを押さえておきます。 次は、生ごみ処理の現状と対応についてです。 平成二十八年度の一日一人の家庭ごみの量、五百七十グラムの内訳は、その九四・九%の五百四十一グラムが燃やせるごみで、そのうち三二・一六%、百七十四グラムを占めるのは生ごみです。何せ三分の一強を占めていますので、ここが肝とも言えます。 これを踏まえお尋ねします。 質問の一点、生ごみ処理に向け生ごみ処理機器の購入を推進され、補助金制度も導入し、この間、対策を図ってこられました。これまでの購入、普及状況と課題を明らかにしてください。 質問の二点、新年度予算では、ホームフードリサイクルグリーン事業を拡充されるとともに、親子で取り組む「もやせるごみ」減量実践モニター事業も盛り込まれました。これまで電気式のごみ処理機器が生ごみ処理のイメージでしたが、段ボールコンポストなるものが新たに加わったようです。私も初めて恥ずかしながら耳にしましたが、多くの市民もそうかもしれません。いかなるものか、その特徴と費用もあわせて明らかにしてください。 以上、答弁願います。
◎環境局長(古江朋子君) 生ごみ処理機器の購入に対する助成は、平成元年度から二十八年度までに二万三千八百六十五基となっております。このうち電気式は八千二十八基となっており、価格が約六万円と高価なことから、その普及が進まないところでございます。 段ボールコンポストは、もみ殻やおがくずなどを入れた段ボール箱に生ごみを投入し、微生物の力で分解させ堆肥化するもので、臭気も出ず手軽に取り扱え、価格も一基一千五百円から三千円程度と安価なものでございます。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) 電気式のごみ処理機の普及の状況、進まない事情がよくわかりました。一方、段ボールコンポストなるものは電気式と比べかなり安価で、しかも臭気も出ず手軽であることからして、ここに力点を置くことはむしろ必然性のあることかなというふうにも考えます。当局の着眼を評価するものですが、それにしろ予算規模が少ないことは少し気がかりです。生ごみ対策を充実させ、効果を高めるためには強力な取り組みが必要です。 今、お答えになられた段ボールコンポストや生ごみ処理機器により親子四人の子育て一般家庭で一年間稼働させた場合、年間でどの程度の生ごみの減量化が図られると推定されるものか、また、資源化される堆肥量の推定、市民一人当たりの焼却コストにどのような影響と効果を及ぼすと考えられるものか、今後の展開もあわせて明らかにしてください。 一連のごみ処理行政に関する質疑の結びに伺います。 新年度のごみ処理目標と第五次総合計画における第四期実施計画による目標達成に向けたプロセスと新年度のあるべき姿についてお聞かせください。 以上、答弁願います。
◎環境局長(古江朋子君) 家庭ごみの一人一日当たりの排出量五百七十グラムのうち生ごみは百七十四グラムであり、これを仮に全量段ボールコンポストで処理したとすると、親子四人で年間約二百五十キログラムが減量され、六十キログラムの堆肥ができる計算となります。生ごみの減少は焼却経費等の削減につながることから、家庭で手軽に取り組める段ボールコンポストのさらなる普及に努めてまいりたいと考えております。 総合計画におきましては、ごみ・資源物の総量の目標を三十年度、二十万四千トン、最終年度の三十三年度は十八万四千トンとしているところでございます。その達成に向け、生ごみの減量化への取り組みはもちろんのこと、本年一月から始めた金属類の回収量増に努めるとともに、草木類の資源化を研究するなど各種施策を積極的に展開してまいりたいと考えております。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) モデルケースについて試算をお示しいただきました。 年間二百五十キロの減量、そして六十キログラムの堆肥の精製と、その具体的効果を知ることができました。また、段ボールコンポストの普及に向けた姿勢もお示しいただきました。 局長、私も応援します。拡充された事業が去年より七十万円弱多い約三百四十万円ですね。そして新規のモニター事業は四十一万円、ちょっとこれは少なくありませんか。恐らく、一時的に行政コストは上がるかもしれないんですが、有効にこのことが効果を示せば、必ずや五年後、十年後に環境衛生費の行政コストが縮減されることは間違いないんです。
企画財政局長もぜひ御理解いただけると思いますし、市長も、「うんにゃ」とは言われないと思うんですよ。ぜひ説得をして、ことしは仕方がありませんので、この予算で私も了としますけれども、来年はさらにこの予算が拡充するようしっかり見守っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 あわせまして、新年度それぞれの目標が達成されることに期待をしますとともに、私自身も市民の一人でございますから、言う以上は取り組まないといけないと思いますので、そのことをお誓いを申し上げ、この項の質問を終わらせていただきたいと思います。 新たな質問に移ります。 次は、教育行政について伺います。 まずは、市立小学校・中学校の学校規模適正化・適正配置に関する基本方針案の考え方と今後の方針に関しお聞きします。 質問の一点、基本的考え方について、子供たちにとってよりよい教育環境というふうにおっしゃっていますが、具体的にどのような環境を指すものかお聞かせください。 質問の二点、直接的には関係ないかもしれませんが、この後の質問とも絡みますが、学校と家庭と地域の三者連携を基本とした学校運営や教育という考え方に変わりはないものと理解をしてよいものかお聞かせください。 質問の三点、昨今、気がかりなのは、若い保護者の一部には面倒くささや煩わしさから地域とのかかわりを忌避したり、PTA活動の停滞や後退を招くなどの風潮も一方でうかがえるところでございます。地域の担い手を生み出す機能に黄信号がともり、憂慮すべき事態とも考えられます。このようなことに言及するゆえんは、本案を進める上での留意点に保護者や地域の理解と協力が必要だということがしっかりと明記をされているからです。地域が、そして保護者が育たなければこの案もうまく地域ごとに運ぶとはなかなか思えないから実は危惧をしているものです。直接的な連関性に乏しい質問になって恐縮ですが、家庭教育学級などでは限界が既に感じられております。また、改めて別の角度で質疑を交わさせていただきたいと思いますが、社会教育の観点でどう対策を図っていかれるものか対応をお聞かせください。 質問の四点、適正化する手だての中には、校区の垣根を越えた規模の再編も示されているわけですが、その中には同じ町内の中で線引きが行われる可能性が含まれるのか。また、そうした場合、校区の変更を含めて地域コミュニティーや町内会との整合についてどう考えられるものか明らかにしてください。 質問の五点、適正規模にある小中学校内における小中一貫教育の導入も示されています。その教育効果や望ましいと考えられる判断の視点や観点を明らかにしていただきたいのであります。 質問の六点は割愛をいたします。 なお、説明会などを経て具体的な姿が見えてくるのは、順調にいって平成三十二年度以降のことと受けとめておきます。 以上、一括して答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) お答えいたします。 よりよい教育環境づくりにつきましては、学校規模等の課題の解決を目指すことで、児童生徒がこれまで以上に心身ともにたくましく豊かな人間性や社会性を養うとともに、確かな学力が身につけられる環境を整備しようとするものでございます。 学校、家庭、地域につきましては、十分な連携を図っていくことが必要であると考えております。 また、社会教育におきましては、市PTA連合会などと連携してさまざまな取り組みを推進しておりますが、説明会では校区等のあり方も含め、保護者や地域の方々と認識を共有する中で児童生徒のよりよい教育環境づくりの観点から検討を行ってまいりたいと考えております。 国によりますと、小中一貫教育で期待されます教育効果としましては、中学生の不登校生徒数の減少、児童生徒の学習意欲や規範意識の向上、異年齢集団による教育活動の充実などがあるとされております。その導入につきましては、保護者や地域の方々の理解等を得ながら取り組む必要があるものと考えております。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) 基本方針案における基本的認識は受けとめておきます。小中一貫教育による効果は多面的であると理解をいたしました。また、事業を進める中で説明会も行われることが明らかになっていますが、丁寧に行われ、しっかりとそういった意味で意思の合意形成が高まること、そしてまた、条件が整うことを期待し、また、要望もさせていただきたいと思います。 教育行政に関する次の質問は、さきの我が会派の代表質疑において頭出しし、お答えをいただいた八幡小校舎建替事業におけるPPP、PFI手法の導入可能性調査に関してであります。 まず、お聞きしますが、昨年四月に定められた本市のPPP/PFI手法導入優先的検討方針では、建設事業費の総額が十億円以上のものを検討対象とされていますが、行政施設といえども公教育を行う施設も一律に対象にされた本市の考え方をお聞かせください。また、学校施設そのものでPFIを活用された事例があれば明らかにしてください。 質問の二点、一千万円強の予算をかけて調査を行い、実現すれば教育的にどんな効果が想定されるものか、そもそも校舎建てかえでPFIを導入することについて考えられたメリットとデメリットを明らかにしてください。 質問の三点、一千万円強の予算で検討される内容は何か。また、何に要する費用か具体的に明らかにしてください。 質問の四点、端的に伺いますが、検討の結果、PFI手法を断念する可能性も含まれるものか見解をお聞かせください。 以上、一括して答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 本市の方針は国の指針に基づき策定されておりますが、同指針において教育文化施設も対象とされていることから、本市の方針も同様に規定されているところでございます。また、国によりますと、学校施設で活用された事例は旭川市など二十件とされております。 導入いたしますメリットとしましては、施設のライフサイクルコストの縮減や維持管理上の利便性、効率性の向上などがございます。デメリットとしましては、事業開始までの準備に要する作業等がふえることでございます。 事業内訳につきましては、事業手法検討調整、既存校舎の耐力度調査、敷地測量などでございます。 今回の調査におきましては、施設のライフサイクルコストの縮減や維持管理のサービス水準向上など各面から導入の可能性について調査するものでございます。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) PFIによる建設事例があったことをお答えいただきましたので、その効果を掘り下げて、今後、検証させていただきたいと思います。 一連の質問の最後に、二点伺います。 PFI事業については想定どおりの効果が得られるものもありますが、一方では破綻事例もございます。記憶に残るものでは、福岡市のスポーツ健康施設、タラソ福岡です。運営に関してではございますが、四カ月にわたり施設を閉鎖し、市民サービスを提供できなくなった例もございます。また、一方では、同じく福岡市の新病院事業では応札者が一者しかなかったため事業スケジュールにおくれが生じた例もございます。当局も御承知のことと思いますが、これらから留意すべき点をどのように認識しておられるものかお聞かせください。 質問の二点は割愛をいたします。 以上、答弁願います。
◎教育長(杉元羊一君) 国が作成しました公立学校施設整備PFI事業のための手引書によりますと、公立学校の運営につきましては、PFI事業者は実施し得ないとされておりますことから、学校の教育活動につきましては、従来どおり本市による運営となるものでございますが、今回の調査におきましては、過去の導入事例等も参考に慎重に検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 [伊地知紘徳議員 登壇]
◆(伊地知紘徳議員) 進めるとした場合に、最も肝心な点は失敗事例の検証にあります。今後の推移を見守りたいと思います。 以上で、私の個人質疑を全て終了いたします。
○議長(上門秀彦君) 以上で、伊地知紘徳議員の個人質疑を終了いたします。(拍手) 以上で、通告による個人質疑を終わります。 ほかになければ、これをもって質疑を終了いたします。
△常任委員会付託
○議長(上門秀彦君) それでは、ただいまの議案四十五件については、いずれも所管の各常任委員会に付託いたします。
△散会
○議長(上門秀彦君) 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明日は、午前十時から会議を開きます。 本日は、これにて散会いたします。 午 後 三時五十八分 散 会 ─────────────────地方自治法第百二十三条第二項の規定により署名する。 市議会議長 上 門 秀 彦 市議会議員 柿 元 一 雄 市議会議員 大 森 忍...