〇地方自治法第121条の規定により説明のため出席した者の職氏名
市長 酒 井 隆 明 副市長 平 野 斉
教育長 前 川 修 哉
代表監査委員 畑 利 清
選挙管理委員会委員長 若 狭 幹 雄 政策部長 堀 井 宏 之
総務部長 植 村 富 明
市民生活部長 野々村 康
保健福祉部長 倉 剛 史 農都創造部長 芦 田 茂
まちづくり部長 梶 村 徳 全
上下水道部長 酒 井 和 正
監査委員・公平委員会・選挙管理委員会 消防長 畑 光 明
固定資産評価審査委員会事務局
酒 井 一 弘
教育部長 上 田 英 樹
〇
議会事務局職員出席者
局長 小 林 良 平 課長 福 西 保 博
主事 中 瀬 文 隆
〇議事日程 第3号 平成28年9月8日(木曜日)午前9時30分開議
第 1
会議録署名議員の指名
第 2 一般質問
・個人質問
午前 9時30分 開議
○議長(渡辺拓道君) 皆様、おはようございます。
これから、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、あらかじめお手元に配付したとおりです。
◎日程第1
会議録署名議員の指名
○議長(渡辺拓道君) 日程第1.
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第127条の規定によって、5番、國里修久君、6番、河南克典君、7番、大西基雄君を指名します。
◎日程第2 一般質問
○議長(渡辺拓道君) 日程第2.一般質問を行います。
質問に先立ちまして、議長から一般質問の議事運営について申し上げます。
本日の一般質問についての各議員の発言は、会議規則第56条第1項の規定により、個人質問は30分以内とします。時間の徹底と発言議員に持ち時間を確認いただくため、議場東側の表示板に残り時間を表示いたしますので、御注意いただくよう、あらかじめお願いしておきます。
なお、2回目以降の質問は自席からお願いします。
質問は通告順により、議長から指名します。
通告7番、前田えり子君。
○1番(前田えり子君)(登壇) おはようございます。1番、前田えり子です。通告に従い、質問をいたします。
質問は、介護予防、
日常生活支援総合事業についてです。
安倍政権は、4年間で1兆3,200億円もの社会保障費の自然増を削減、年金の連続削減、70歳から74歳の
医療費窓口負担の引き上げ、要支援者のヘルパー、デイサービスの保険給付外し、介護報酬の大幅削減、
生活保護切り下げなど連続改悪を強行してきました。持続可能な制度のためと言いますが、「下流老人」「医療難民」「介護難民」をつくる、このような血も涙もない政治が許されるはずがありません。
「社会保障の充実に全力を尽くす」「成長の果実を子育て支援や介護の充実に使う」「私たちはしっかりと子育て支援の拡充を、介護の拡充をちゃんと図ってまいります」参議院選挙中にはあたかも社会保障を充実させるかのようなことばかり言っていた安倍首相。選挙が終わった途端、
社会保障審議会の各部会を開き、医療、介護、生活保護など、
社会保障改悪の具体化を進めようとしています。
参議院選挙からわずか4日後の7月14日には、
社会保障審議会・
医療保険部会で75歳以上の窓口負担を現在の1割から2割に倍増する負担増が議論されています。15日には、
生活保護基準部会で、厚労省が生活保護の母子加算も見直しの対象とする考えを示しています。20日の
介護保険部会では、「要介護1・2」の人に対する生活援助や、福祉用具の貸与について
原則自己負担化が議論されています。
特別養護老人ホームの入所を原則、要介護3以上としたのに続いて、要介護1・2の人を保険給付から締め出すものです。「要支援1・2」と「要介護1・2」を合わせると、要介護・要支援認定を受けた人全体の65%を超えます。介護保険料を40歳以上の国民から強制徴収しながら、65%を超える認定者から保険給付を取り上げる。まさに国家的詐欺です。
2000年に
介護保険制度ができたとき、介護を家族任せにしない介護の社会化として歓迎されました、ところが制度はどんどん後退し国家的詐欺と言われるまでひどいものになってきました。直近の2015年実施の改定で、①要支援1・2の訪問介護、通所介護を保険から外し自治体の事業に移す、②年金収入280万円以上の2割負担、
③特養ホーム入所を要介護3以上に限定する、④低所得の施設入所者への食費・部屋代の補助要件を厳しくすることが行われました。①については、実施まで猶予期間がありますが、これらの改定で、負担がふえ費用が払えず施設からの退所を余儀なくされる、必要なサービスが受けられないといった状況が生まれています。
このような政府による社会保障の改定(改悪)状況や
介護保険制度の現状について、市長は、どのように考えておられるのか、お聞かせください。
「
地域包括ケアシステム」も「要
支援サービスの見直し・新総合事業」も市町村に委ねられます。高齢者の生活を守るために、どのような施策やシステムが必要なのか、高齢者の実態をよくつかんで考える必要があります。「必要な人には
専門サービスが提供される」と言われ、「形式が変わるだけで
介護保険制度の枠内から外れない、保険外しにはならない」と説明されてきました。しかし、保険給付では、被保険者に受給権があるので、市町村は給付に義務が生じます。保険の給付の対象となるサービスには法令によって基準が決められ、質が担保されており、予算が足りなくなっても、市町村に給付義務がある以上、補正予算を組んででも給付の必要があります。これに対して、市町村事業になれば、予算の範囲内で行うもので、市町村に給付義務はなく、予算が足りなくなったら、そこで事業は打ち切りになります。法令で統一的な基準が決められているわけではなく、
専門サービスが提供される保証もありません。
篠山市の場合、
介護サービス事業者への報酬が5%も引き下げられることになっています。これまでどおりの必要なサービスが提供されることが可能かどうか、懸念されます。また、
住民ボランティアなどによる「多様なサービス」については、現行のサービスと役割が違ってきます。全ての要支援認定者には、移行後も
介護予防訪問介護・
介護予防通所介護と同じサービスが継続して利用できるように、利用者の希望に沿ったサービスができるように十分検討してください。
また、これまで、市町村窓口では、高齢者や家族から相談があった場合は、要介護認定を受ければ
介護保険サービスが利用できることを説明し、認定申請を受け付けてきました。ところが、今度の改定では、窓口担当者は、
サービス事業などについて説明した上で「明らかに要介護認定が必要な場合」は、要介護認定等の申請の手続につなぐが、そうでない場合は、
基本チェックリストを活用し「利用者本人の状況や
サービス利用の意向を聞き取った上で、振り分けを判断する」としています。この方法では、
介護保険利用希望者の要
介護認定申請を封じ込めたまま、総合事業へ誘導し、
介護保険サービスを受けさせないという事態が引き起こされかねません。「
基本チェックリスト」はもともと65歳以上の人を対象に
介護予防チェックのためのものであり、その人が介護や支援が必要かどうか判定するためのものではありません。「介護予防・
生活支援サービス事業」の対象者は、「改正前の要支援者に相当するものである」ことは明らかです。
介護保険利用の申請があった場合、これまでと同様に認定申請の案内をし、「
基本チェックリスト」による振り分けは、行うべきではないと考えます。
高齢者は介護予防と能力の維持向上に努力する「義務がある」として、自己努力と自助(自己責任)が徹底して求められています。多くの要支援者は「わずかな支援」を介護保険で受けながら、自分らしい生活を長年継続・維持しているのが現実です。こうした現実を無視して「能力向上」「社会参加」が求められています。
サービス取り上げ・打ち切りということになり、サービスが途絶えたことで状態が悪化することも予想されます。「居宅における能力に応じた自立した日常生活に必要なサービス」を提供し続けることが介護保険の責務であり、「介護保険からの卒業」を一律的に迫るようなことをせず、必要な
ホームヘルプサービスは継続して利用できるようにしてください。
以上、総合事業への移行に当たって、特に懸念される問題について、取り組みの状況や考え方を伺います。
以上、この場での質問といたします。
○議長(渡辺拓道君) 酒井市長。
○市長(酒井隆明君)(登壇) おはようございます。本日もよろしくお願いいたしたいと思います。
それでは、早速ですが、
前田えり子議員の質問に答弁をいたします。
社会保障の改定や介護保険の現状については、ふえ続ける社会保障費を抑え、それぞれの制度を維持、継続するために必要な改定であると考えています。一方で、本来サービスを受ける必要のある方が、必要なサービスが受けられないことがないように、相談支援を充実する必要があると考えており、篠山市では平成23年度にふくし
総合相談窓口を設置し、相談業務の機能を充実し、必要な支援を行っているところです。
介護保険制度についても、介護給付費は年々増加しており、篠山市においても、第1号被
保険者保険料の基準額が制度導入当初は、2,665円であったものが、現在では5,020円となっています。第6期
介護保険事業計画策定時には、将来の
介護保険料額を平成32年度で5,840円、平成37年度には6,660円になると推計しています。これらは介護給付費に大きく影響する入所施設などを新たに整備しないと想定した場合の保険料額です。また、利用者負担にかかわる改正については、より負担の公平性を高めるためのものですが、
高額介護サービスや
高額医療合算介護サービスなどにより、利用者負担が過度にならないような仕組みとなっています。
続いて、全ての要支援認定者には、移行後も
介護予防訪問介護・
介護予防通所護と同じサービスが継続して利用できるように、利用者の希望に沿ったサービスができるように十分に検討してくださいについてです。
篠山市においては、現行の
介護予防訪問介護・通所介護と同等の
サービス提供を行う「
現行相当サービス」と、
現行サービスと比較して、
人員配置基準の緩和や利用回数を縮小した「緩和した基準によるサービス」の2区分のサービスを提供します。ただし、市内事業者については、
人員配置基準を緩和したサービスを別途実施するのではなく、
介護保険サービスの定員枠内での
サービス提供を計画されていますので、現行のサービスと大きく変わらないサービスが提供されます。
緩和した基準によるサービスの報酬は、当面は
現行サービスの報酬から5%の減額としていますが、これは、近隣市が20%程度の減額を検討している中、各事業所との意見交換なども踏まえて、最低限の減額にとどめた報酬設定です。
また、どのサービスを提供するかについては、本人の状態を踏まえ、
地域包括支援センターが中心となって、
介護予防プランの作成を行い、本人の自立支援に必要なサービスを提供してきます。なお、自立支援とは、単に「できないことをかわりにやる」という意味の支援ではなくて、可能な限り本人ができることは本人が行えるようにするという支援のことです。
次に、
介護保険利用の申請があった場合、これまでと同様に認定申請の案内をして、「
基本チェックリスト」による振り分けは、行うべきでないについてです。
篠山市では、新規に要
介護認定申請を希望される場合は、全ての方に要
介護認定申請を行っていただいて、認定審査会で要介護認定を行う方針です。その後の更新手続に際しては、新しい総合事業のみの利用者については、本人の負担軽減なども踏まえて、「
基本チェックリスト」を活用した更新手続を行っていきます。これにより、本人の負担軽減だけでなく、認定審査にかかる時間や経費の削減にもつながります。
次に、介護保険からの「卒業」を一律的に迫るようなことをせずに、必要な
ホームヘルプサービスは継続して利用できるようにしてくださいについてです。
地域包括支援センターが中心となって、本人の自立支援を念頭に
介護予防プランの作成を行い、必要なサービスを適切に提供していきます。
最後に、新しい総合事業への移行に当たっては、できる限り
サービス利用者への影響が少なくなるよう、検討しておりますが、今後、さらに生産年齢人口の減少や85歳以上の人口割合が増加すると推計されており、介護需要の急増と若年層も含めた介護の担い手が不足することが想定されます。このような状況下においても、重度な要介護状態や認知症になっても住みなれた篠山で自分らしい暮らしを続けられるよう、地域の方と医療・介護専門職との役割分担を行い、地域による介護予防の取り組みや、見守り・声かけなどの
生活支援サービスの基盤整備を行っていく必要があります。
そのためには、持続可能な支援の取り組みとして、専門職以外の新しい支え手を地域の中で見つけ出し、住民の方の自発的な「お互いさま」の気持ちを具体的な支援の仕組みにできるように、「地域づくり」に主眼を置き、市民の皆様と一緒にさまざまな取り組みを検討していきます。
以上です。
○議長(渡辺拓道君) 前田えり子君。
○1番(前田えり子君) いろんなことを工夫されてされようとしているということは承っておりますけれども、現実にこの改定をされてから、2割負担になった方とか、それから居住費であるとか、食費なんかの補足給付の要件が変わった方、負担がこう大きくなっているという現実があるわけですね。それを軽減する措置も幾らかはあるようですけれども、実際にその年金収入だけでは足りなくて、施設を退所させて在宅で見ざるを得ないという、そういうことも考えているというようなことが起こっているわけですし、また、本当に蓄えが尽きたらどうしようと、どうしたらよいのか、これ以上、家での保護介護は無理、介護する人も体がもたないというような状況も起こってきているというふうに聞いています。
本当にこれからこの制度もいろいろしてますと、実際にその介護を受ける立場になると、何かとってもつらいことが目に見えてくるわけですけれども、本当にこう実態をつかんで、介護の必要な高齢者とか、家族に対して、その市独自の軽減策というものを考えてもいいのではないかと思います。今、制度の上での軽減策とかいうのはあると思うんですけれども、特に、その市独自でその軽減策っていうようなことはあるんでしょうか。考えておられるんでしょうか。
○議長(渡辺拓道君)
倉保健福祉部長。
○
保健福祉部長(倉 剛史君) まず1点ですけれども、お金の負担が上がったことについては、施設を出なければならなくなったという現実の中で、年金収入とかその方の収入によって、負担というのを設ける形になってございますので、決して今入っている方が、今回の25年の改正によって、負担ができなくなって出なければならなくなったということはない、ということだけは御理解をいただきたいというふうに思っております。
それと基本的に介護保険の考え方というのは、その方にとってのよりよいサービスの提供と、もう1点は、介護をされる方の負担軽減というのが、大きな目的というふうに考えてございません。
あと独自の支援でございますけれども、基本的には、
介護保険制度の中のサービスにつきましては、
介護保険制度の中でやっていくというような形で取り組みを進めていきたいというふうに考えてございます。ただ、
介護保険制度以外のものにつきましては、市単独でございましたりとか、新総合事業、特にこれから認知症対策、また見守りという形での取り組みにつきましては、しっかりと市独自の色を出しながら、取り組んでまいりたいというふうに考えます。
○議長(渡辺拓道君) 前田えり子君。
○1番(前田えり子君) ぜひ個々の実態もつかんで、安心できる介護制度を維持していっていただきたいと思います。
もう一つは、介護の申請のところの入り口の問題ですけれども、さっきの答弁では、篠山市では、認定申請を全ての人に今までどおり認定申請を受け付けるということで、そういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
○議長(渡辺拓道君)
倉保健福祉部長。
○
保健福祉部長(倉 剛史君) 今の質問は、要支援1・2の方の認定というふうに捉えてよろしいでしょうか。
○議長(渡辺拓道君) 前田えり子君。
○1番(前田えり子君) 全て、こう初めて見えられる方。受け付けのときには、きちんと明らかにこの制度では、窓口で明らかに要介護認定が必要な場合や、予防給付によるサービス、
介護予防訪問介護とか、
介護予防福祉用品の貸与なんかを希望している場合は、要介護認定者の申請手続につなぐというふうになっています。そういうふうにガイドラインでは示されています。それで
サービス事業のサービスのみを利用する場合には、要支援認定を受けず、
基本チェックリストを用いた簡易な形で事業対象者とすることが可能になるというふうに、ガイドラインでは示されているわけですけれども、まず
チェックリストで振り分けるというような説明がされているわけですけれども、篠山市の場合は、その
チェックリストは、もちろん
チェックリストは今でもそのいろいろなものの後ろについてあって、自分でチェックして、心配なときには相談してくださいというふうに示されていますけれども、それを相談に来た窓口のところでするというのが、今度の制度の改定の内容やと思うんですけれども、篠山市の場合は、それではなくても、相談に来た方で介護申請をしたいという方には、皆さん、申請を受け付けるということというふうに理解してよろしいですか。
○議長(渡辺拓道君)
倉保健福祉部長。
○
保健福祉部長(倉 剛史君) まず、介護認定につきましては、軽度からいいますと、要支援1・2、そして次に要介護1から5と、七つの段階で認定があります。介護保険のサービスは、認定を受けて初めてサービスが利用できるというのが現在の制度でございます。
前田議員からの質問につきましては、まず、今回制度が変わろうとしているのは、要支援1・2の方につきましての中でも、通所と訪問の新たなサービスを利用される方につきましては、
チェックリストのみ、審査を受けなくても、
チェックリストのみによって判断をして、必要な場合につきましては、そのサービスを受けられるというような形の方向に変わってきています。
ただ、市長のほうから説明させてもらいましたとおり、新規の方につきましては、一応どのような状況の判定であるのかというところもしっかりと主治医の意見書であったりとか、専門の審査会の皆さんの意見の判断を仰ぐため、原則要支援1・2であるかもしれない、また訪問、また通所しか利用されない方という方につきましても、まずは1回目は認定審査を受けて、正式な手続の審査の結果を出していきたいというふうに考えてございます。これはあくまでも訪問・通所の話であって、要支援1・2の方でも、他の福祉用具の貸与という手続をとる場合につきましては、これは認定が必要でございますので、この場合につきましては、当然認定申請をいただいて、要介護認定の判定をしてまいります。
以上です。
○議長(渡辺拓道君) 前田えり子君。
○1番(前田えり子君) そうすると、初めての方には、必ず申請を受け付けて、ちゃんと審査会で審査してもらうということになるわけですね。そこまでちゃんとできるわけですね。
○議長(渡辺拓道君)
倉保健福祉部長。
○
保健福祉部長(倉 剛史君) 訪問と通所の新たな要支援者の方が受けるサービスにつきましては、申し上げましたとおり、まず初回、一番初めの認定の段階につきましては、要
介護認定審査会にかけて、認定をするというような方向で、市の担当は今そういう形で進めていくということであります。ただし、これは原則という形で、本人様が認定審査、いろんな訪問も行ったりとかいう形で負担に思われる場合があったりとか、私はあくまでも訪問・通所しかもう利用しないですよと、それなら
チェックリストだけでやってほしいと言われた場合につきましては、それは本人様の意向に基づいて、
チェックリストのみによって、速やかにサービスを提供するという形も、例外的ではございますけれども、とっていきたいと。それはあくまでも本人様の意向によって、判断するものであって、市といたしましては、基本はまず初回の認定のときには、認定審査にかけるという原則論でいきたいというふうに考えてございます。
○議長(渡辺拓道君) 前田えり子君。
○1番(前田えり子君) 本人の、あくまでも本人の希望でということなわけですけれども、そうすると、窓口に来たときに25項目、その
チェックリストがまず、そしたら実施されるわけですね、そういう方には。それで認定申請できるか、するか、その総合事業のほうで受ける、どういうサービスを受けるかということを自分で判断をしなさいということですか。
○議長(渡辺拓道君)
倉保健福祉部長。
○
保健福祉部長(倉 剛史君) 少し説明が悪かったのかもしれませんけれども、基本は窓口で介護保険のサービス、今回の総合事業のサービスも受けたいというような要望がありましたら、基本、あくまでも担当としては、認定申請の手続で説明をさせていただきます。ですから、まず
チェックリストをやってからというんじゃなしに、まずは認定申請をしていただく手続論で事務のほうは進めてまいりたいというふうに考えてございます。
ただし、本人様が「いや、そこまでやってまでサービスを受けるよりも、簡単にできることはないですか」と言ったときに、
チェックリストによって、訪問と通所だけのサービスは利用できますよというような形での窓口の対応をしてまいりたいというふうに考えます。
○議長(渡辺拓道君) 前田えり子君。
○1番(前田えり子君) それで、その窓口申請ですけれども、この改定の内容では、専門家でなくても、事務員でも、そういう事務職員でもよいというようなことになっているようですけれども、篠山市の場合はきちんと専門職を置いて、きちっとした説明がされる、ぜひそういう指導にしていただきたいというふうに思います。
どうしてもやっぱり迅速にするというようなことで、早くサービスが受けられるというふうに高齢者の場合、行きがちなんじゃないかなという心配がされるわけですね。きちんとやっぱり説明して、もしそういうサービスのほうに行っても、またちゃんと必要であれば、申請ができますよというようなこととか、そういう説明をきちんとして実施していただきたいというふうに思います。
総合事業のほうで受けるとなると、やっぱり先ほどもおっしゃっていましたように、住宅改修とか、福祉用具の貸与とか、購入なんかの介護保険のサービスが利用できないわけですから、そういうようなことも、きちんと説明して、本当に必要なサービスが受けられるような取り組みにしていただきたいというふうにお願いしておきます。
平和思想の高揚を図るため、市民への啓発活動も行っており、その一つに、毎年8月には平和パネル展を開催しています。ことしは8月3日から12日の10日間、篠山市役所市民ホールで、広島と長崎の原爆投下に関する平和パネル展を開催しました。同じく、8月3日から12日の10日間、中央図書館において、幼児から小・中学生を中心に平和について理解と関心を深めてもらえるように、平和に関する主な書籍を配架した「平和図書コーナー」を設置いたしました。また、冬には、篠山市今田町下立杭出身で平凡社の初代社長での下中弥三郎氏が提唱した「世界平和アピール七人委員会」と共同して、平成23年度から平和講演会を開催しています。昨年は、作家の高村 薫さんに御講演をいただきました。
また、体験型人権学習支援事業で一つの学級で夏体みの期間中の8月4日、中学生を対象にした人権セミナーを開催し、この中で旧満州で戦争を体験された、その後3年近くシベリアで捕虜生活を送られた方のお話を聞かせていただきました。さらに、篠山市内には、1,845人の戦没者の方がおられ、毎年、戦争により犠牲となられた方を御遺族とともに追悼するために、戦没者追悼式を行っています。この式典では、戦争を知らない世代に戦争の悲惨さや平和のとうとさの意義を伝え、平和への誓いを新たにするためのビデオ上映とか、戦争体験談の語りなども行っているところです。
栗山議員の御提案にありますように、篠山市には旧日本陸軍の連隊があり、比較的多くの戦争遺跡が残っていることから、篠山市人権・同和教育協議会が作成されました「ささやま平和マップ」などを参考にして、身近にある戦争の遺跡として忘れられることがないように、その写真展や親子体験ツアーなどを開催するとともに、戦争体験者の「生きた話」を聞く機会などもつくったりしながら、この後、答弁いたしますが、教育委員会とともに取り組んでいきたいと思います。
以上です。
○議長(渡辺拓道君) 前川教育長。
○教育長(前川修哉君)(登壇) 続いて、私のほうから、学校教育現場での平和学習について、お答えします。
まず、西紀中学校3年生が、戦争体験者の体験談を聞いたときの感想です。「今、私たちが学校で授業を受けられること、友達や家族と楽しく過ごせること、夢を自由に選べることがどれだけ幸せであるかを感じることができました」、もう一人の感想は、「改めて戦争の恐ろしさを感じました。戦争が奪ったものは、時間がたっても戻ってきません。どんなに悔やんでも、起きてしまったことは仕方ありません。前を向き、あすがあると信じ、生きることが大切だと思いました。今、生きていることに感謝し、これからにつなげていきたいです」
ことし5月の修学旅行先、沖縄で、語り部の体験談を聞き、生徒の心が大きく揺らぎ、当たり前の日常のありがたさ、今生きていることへの感謝の気持ちが伝わってきます。
篠山市では、小学校6年生と中学校2年生の歴史学習において、第2次世界大戦の中で変化していく国民生活の様子や、本土空襲、原子爆弾、沖縄戦の様子など、戦争の悲惨さと平和と命の大切さを学んでいます。また、小学校4年生の国語教材、「一つの花」や6年生の「ヒロシマのうた」の学習を通して、戦争や平和について広く理解を深めています。
今年度、市内小・中学校の修学旅行先は、小学校14校中13校が広島へ、中学校5校は全てが沖縄を訪問し、来年度からは全ての小学校が広島を訪問する予定です。平和学習を深めるため、修学旅行もその機会と捉え、目的意識を高める事前指導や、体験して学んだことをその後の生活や学習に生かす事後指導により、学習効果を高めています。
また、2年前、岡野小学校の6年生は、「私たちは、岡野校区にある連隊後へ行きました」「こんな身近なところにも、戦争の恐怖があったことを初めて知りました」「戦争は、みんなの笑顔や優しさを全て奪い取る戦いです」「戦争では、何も解決しないと強く感じました」、これらは、学習発表会での平和劇「ぞう列車がやってきた」のエンディングでの子供たちの言葉です。
また、議員が述べられています、歩兵第70連隊跡地の案内板には、「いま門の前に立って往時に思いをはせると、平和のありがたさがしみじみと感じられてくる」と書かれています。敗戦後は、旧制兵庫県立医大予科、新制兵庫農科大学が設けられ、今は、篠山産業高校と工業用地に姿を変えていますが、平和を脅かす戦争は、決して遠く離れた場所のものではありません。この篠山の地においても、その惨禍があったという歴史を踏まえ、当時の様子を伝え、聞くことは次代を担う子供たちにとって、これからの篠山、社会をつくり上げていく上でとても重要なことです。今度も篠山市における戦争遺跡を活用したり、戦争体験者の生きた話を聞いたりして、平和な社会を築く子供たちの育成に努めていきます。
以上、答弁といたします。
○議長(渡辺拓道君) 栗山泰三君。
○4番(栗山泰三君) 最後に、教育長からもお話をいただき、また市長からもお話をいただいたんですが、平和な社会を築くということであるかと思うんですが、戦争は絶対してはならないんですが、人権の問題の点からも人の命のとうとさを十分理解させること、戦争はまさに人の命を奪う行為でありますので、子供たちにとっても人の命の大切さを十分理解させること。昨今どうしても新聞紙上では、子供たち、中学生を殺害してしまうような事案も出ております。未成年の子供2人と中学生3人でしたか、そんな事案がありました。人の命のとうとさをまだまだ理解できていない子供が今まさにおるということが大変情けない。学校でも十分教えていただいておるんですが、我々社会におる者もやはりその責任は十分あると思いますので、やはり地域の人間が子供たちに指導することが、やっぱり重要じゃないかと思います。学校・地域・家庭、この三つが一番大事だということが言われておるんですが、やはり昨今どうしても地域の声が小さくなっておるような気がいたします。地域の声を大きくして、子供たちを育てることがやはり重要やないかと思います。近くで見たら、あの子ちょっとおかしいなというようなことがやはり感じられる場合があれば、その子に声をかける、そんな地域にならなだめだと思います。それがやはり日本をよくするために、重要なことじゃないかと思っております。大変情けない事例が新聞に出ておるんで、今後こういった人の命の大切にするということを、とうとさを十分理解させるということ。
私が小さいときは、小学生のころは、担任の先生がウサギを飼って、命の大切さを教えてくれました。毎日、餌をやり、そして夏休みも順番で餌の当番をやりました。ウサギの命を殺してはならん、命を大切にするということを学ばすためにやったことを覚えております。クラスの中でなかなかやんちゃなやつもおったんです。その子に命の大切さをわからすために、担任の先生は考えてくれました。やはり地域と学校と家庭、その三つがともに子供たちを育て、将来、立派な人材になるように努める必要があると思います。
教育長、地域のことを言うとるので、別に教育長から答えをもらう必要はないんですが、今回、あの事案について、大変寂しい思いをしておるんですが、教育長はどのように考えられますか。
○議長(渡辺拓道君) 前川教育長。
○教育長(前川修哉君) あの事案とおっしゃったのは、その事案をお伝えいただけませんか。
○議長(渡辺拓道君) 栗山泰三君。
○4番(栗山泰三君) 子供5人で、中学を卒業した子供だと思います。それが2人と、中学生3人ですか、その5人が1人の中学生の子供を殺害したというか、あの事案ですが。教育長、御存じですか。
○議長(渡辺拓道君) 若干ちょっと通告から。
○4番(栗山泰三君) 通告外で。命の大切さという意味で、感想をいただきたいです。
○議長(渡辺拓道君) そうしましたら、教育長、答弁していただけるということなんで、平和学習という、命を大切にするという観点からの少し派生というようなところで、1回だけ。
○教育長(前川修哉君) 夏休みが終わるころでした。衝撃的な事件でありました。そして、私が驚いたのは、5日間ほどでグループに入って、報道によるだけですよ、そこでそうしたネットワークを通じて、呼び出したのに来なかったという、その事案ですね。そしてうそをつかれていた。そしてどんどんどんどんエスカレートして、それが殺人までに結びついてしまう。しかも、出会いからほんのわずかな期間なんです。私は恐ろしく思ったのは、その間に子供たちが、関係というんですかね、そうやって子供たちが関係をつくらないといけないのは、友人関係というんですか、友人関係ではないと思うんですけれどもね。何かしら子供たちが人間関係をつくっていく上で、これはソーシャルネットワークの、コミュニケーションの道具と言われているんですけれども、一つはその道具の持つ恐ろしさというものを思いました。だからこそ、今、中学校でそういう機械との、いい使い方というものを今、市内の中学校ではしております。
そしてもう一つは、今おっしゃったように、小学校ではこれは難しくなったんですけれども、子供たちはずっと育つ、育っていく過程で守られている、自分の命は守られているという経験からやがてペットを飼ったり、動物を飼ったりして、自分より小さな命を守るという経験もします。特に、子供たちは道すがら行き帰りに捨てられている野良猫でありましたり、犬をかわいそうと思って、それを家に持って帰って、何とか自然な思いの中でそういう自分が守らないといけない命があるんだということを、本能的に感じる、私は生き物だと思っているんですよ。それが家の中で約束があったりして、なかなかそんなことはできません。しかしながら、今申しましたように、この平和学習でありましたり、子供たちのさまざまな生活体験の中で、命を、自分が守られていた体験から守るという体験がどこかで必要だとは思っています。
だからこそ、自然の中で篠山はそんなことがふんだんにできると思っています。それは魚であるかもしれません。時には自分が育てた野菜を食べることで、いただきますという言葉によって、そういう命の循環を感じるのかもしれません。今これだけ命というものをどう伝えていくか、手法はさまざまなことがありますけれども、そういうふんだんに子供の幼児期に私は体験をしていくことと。そしてもう一つは、コミュニケーションのありようが、機械によらざるを得ない時代というものを、私はある種、大人がつくり上げた社会なんですけれども、もう一度、人と人との関係づくりにおいては、どんなことを基本にしてやっていかないといけないのか、顔の見える関係からスタートしないといけないと思います。機械によって便利なんですけれども、相手の表情もわからない、どんな反応をしたかも自分の五感を使って、感じ取ることができないような関係の中で、私にとりましたら、本当に悲惨な心痛める事案が起こったなというには、報道を見ているときに感じてきます。しかしながら、その背景でありましたり、今後、社会的な要因というのは、浮かび上がってくるのかもしれませんが、そうしたことは、また分析だったり、検証した上で、篠山の学校教育、また今おっしゃいました地域づくりの中で子供を育てる、地域とともにある学校づくりをしておりますので、投げかけであったり、コミュニティスクールの中でそんなことも考えていただくような話題・テーマにできたらなというふうに思います。
以上です。
○議長(渡辺拓道君) ここで、暫時休憩といたします。再開は午後1時10分といたします。
午後 0時07分 休憩
午後 1時10分 再開
○議長(渡辺拓道君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
通告10番、國里修久君。
○5番(國里修久君)(登壇) 議席番号5番、國里修久でございます。通告に従い、質問をさせていただきます。
まず1点目、獣害防護柵点検を山好きの人たちに助けてもらう取り組みです。
平成23年の第81回定例会においても質問させていただいた内容でありますが、将来の農都篠山のことを考えて、提案させていただきます。
高額な補助事業の獣害防護柵を管理し続け、将来にわたって農に取り組む人たちが安心して農業を営めるように、持続可能な点検方法を考えておく必要があると思っています。市では獣害防護柵で、各地域の農地を被害から守る取り組みを進めていただいております。このことで100%とは言いませんが、安心して農業が営める環境づくりができていると思っています。ただ、お隣の集落が獣害防護柵の設置をされていないところや、国道や県道、また河川を塞ぐことができない地域に関しては、十分な環境がつくれていない現状も確認させていただいています。
市内の各地域の獣害に強い環境づくりに関しては、今後まだまだ取り組んでいかなければならないと考えていますが、今までに設置された獣害防護柵の能力を十分に発揮するためには、年に数回の点検が重要になってきます。これを怠るとせっかくの柵の役目が果たせません。野生動物対策を成功させるには、行政主導による捕獲対策や集落の獣害防護柵の設置、また、住民みずからの取り組みが必要であるということは十分理解をしております。今は集落ごとにそれぞれの取り組み方法で柵の点検や保守管理をしておりますが、柵の点検と保守管理は大変な重労働であり、将来を考えると集落ごとに任せることに不安を感じてしまいます。
このことに対し、市長は、「地域の皆さんが点検、管理していただくということが基本となっております。市内には、福井や小多田など、集落みずから定期点検を実施し、早期の修繕を行い、柵の効果を継続的に発揮していただいている地域もあります。また、点検・管理については、「集落柵点検の手引き」を配布するなど、適切な維持管理を呼びかけ、お願いをしているところであります。今後、御指摘のように、高齢化、担い手不足から点検が大変困難になるというところも出てくるかもしれませんが、市と地域と一緒になって、取り組みを続けていきたいというふうに考えているところです」と答弁をいただいております。
この「市と地域と一緒になって取り組みを続けていく」という答弁の取り組みを考えたとき、高額な事業費を捻出しているのですから、まず、地域がどのように点検を計画、予定し、実施しているのか、市として、各地域の状況がどのようになっているかぐらいは把握しておく必要があると思いますが、市長の見解を問います。
確かに自分たちで後は守っていく、地域住民、自治会で守っていかないといけないという認識のもと、点検・管理に取り組みますけれども、点検・補修にこれから先も心配なく取り組める地域と、そうでない地域が出てくるでしょう。なかなかの重労働であるため、ことしはできても来年はできないという事態も考えられます。
こうした中、市として、都会の山好きの方々や、市内であっても地域外の方々で、頑張ってやろうと考えている方々を獣害防護柵点検隊として募集していただいた後、地域の方々と一緒に点検作業を体験し、また交流することで獣害の現状を知り、篠山ファンにつながる取り組みになるのではないかと考えますが、市長の見解を問います。
次に、2点目の地域公共交通の維持・確保のために補助金アップをです。
公共交通対策事業は、市民生活にとって欠かすことのできない生活交通を維持・確保するために路線バスの運行費を補助したり、乗り合いタクシーへの運行助成、コミュニティバスの運行を行うことで、自家用車などの自由な移動手段を持たない方々に対し、一定の効果をもたらしていると理解しています。
また、コミュニティバス・路線バスの利用促進を中心にバス事業者や地元との協議を重ね、ボランティア輸送の検討や乗り合いタクシーの運行見直しを行い、利用しやすい環境づくりに尽力いただいておりますが、利用しやすい環境の中にあっても、公共交通機関の利便性の乏しい地域においては、安心した生活ができるように地域が主になり、移送サービスに取り組まれております。頑張ってもらっているのにもかかわらず、道路運送法の枠外で事業を行う場合は運輸局からの幾つかの指摘事項に対して、改善や見直しを図っていく必要があるということも確認されております。そのことで、利便性の乏しい地域での移送サービスが行われなくなる可能性があることに不安を感じます。
バス事業者においては、バスを利用する人が少なくなってしまった時代になり、運賃収入だけでは運行できず、補助金を出す形で経営してもらっています。この補助金に対しては、いろいろな意見があると思いますが、もし補助金をやめて、赤字のバス路線が全て廃止になってしまえば、現在利用されている方々の移動手段がなくなることになり、住民の生活に支障が出ます。そうなると、新たな交通手段をつくり上げなければならなくなり、市としては、今まで出していた補助金の額よりも多い支出が必要になると考えます。
市長としては、現状の地域公共交通は守り続けなければいけないという考えを持っておられるからこそ、施政方針において、平成28年7月を目途に公共交通の基本的な案を示すとされておりますが、検討状況及びその内容、方向性はどのようになっているのか、お示しください。
現在は自家用車に乗っていて買い物や病院へ行かれる方々でも、何十年先にはバス等にお世話にならないと目的地へ移動することができなくなる可能性があります。財政難の折にこんなことを申し上げるのはどうかとも思いますが、市の中心部から離れた地域の住民のためにも最低でも現状の補助金を出し、さらにはJR篠山口駅までの直通路線の便をふやしてもらえるように、もっと補助金を出していくことがこれからの地域の暮らしを守るためには必要なことだと考えますけれども、市長の見解を伺います。
以上で、この場での質問を終わらせていただきます。
○議長(渡辺拓道君) 酒井市長。
○市長(酒井隆明君)(登壇) それでは、國里議員の1点目の獣害防護柵の点検を山好きの人たちに助けてもらう取り組みについてです。
獣害防護柵につきましては、これまでに総延長約386キロメートルの整備が完了し、本年度も辻地区などで進めています。整備に当たっては自治会などで設置線に沿って草刈りなどを実施していただいています。完了後は、施設財産の引き渡しと、その後の適正な維持管理を地元にお願いする協定書を結んでいます。管理の実態としては、回数は年間数回から毎月、方法は班分けによる当番制や担当箇所を決められるなど、それぞれ負担を減らす工夫をしながら点検をしていただいている状況です。
篠山市では、毎年7月に対象の農会を中心として「集落の獣害対策状況」についてアンケートを実施していますが、点検回数は、平均で年間4回という結果が出ています。また、獣害に対する知識、点検への意識が不足している傾向も見られたために、新たに獣害柵の点検・維持管理に係る研修会も実施いたしました。獣害柵に独自の工夫を施されている藤ノ木地区や、修繕料の積み立てを計画的に行っておられる小多田地区の先進事例を紹介したり、獣害を減らすためには点検作業が重要であるということを訴えながら、修繕に対する補助事業もあわせて周知をしています。その他、獣害に強い集落支援員が相談に応じ、地域の実情に応じた点検・修繕方法のポイントや近隣自治会などとの連携方法などをアドバイスしています。
労力の確保については、半数程度の集落で確保ができているようですが、今後は、ますます担い手の高齢化が進むと考えられますので、5年後、10年後の姿を見据えた対策の検討が必要と考えているところです。
次に、都会の方に協力を仰ぐことの御提案につきましては、こういったことが既に今実施しつつあるというふうに考えておりまして、この6月の補正予算で承認をいただきました、環境省のエコツーリズム推進事業で、篠山の多様な生物や自然環境を生かした新たな観光の可能性を探っているところです。ここでは、獣害対策を逆手にとって生かせないかということも大きなテーマとしています。中でも、10月には畑地区で実施しています、「さる×はた合戦」を、冬にはイノシシの生態を学びながらぼたん鍋を堪能していただくツアーも計画しようとしています。
そのほか、民間の取り組みとして、NPO法人里地里山問題研究所では、獣害対策をきっかけに地域を元気にしていくモデルをつくろうと、獣害から守り継承していきたいという魅力的な地域資源を発掘して、都会のニーズと結びつけることで、地域と支援者を結んでいこうとされています。既に、国の支援を受けながら川原地区におりわなを設置し、都会の方も含めた会員に監視カメラの映像を配信するなど、興味深い取り組みも進んでいます。
大芋地区を見ましても、農学実践講座でお世話になっている神戸大学の学生の皆さんや、宮代地区で企業の森づくり事業を展開されている阪急交通社の皆さんを初め、いろんな交流も実践されていますので、こうした方々との連携を通じて獣害柵点検という方法も研究していきたいと考えます。
また、地域で楽農パートナーなどにより取り組まれる際には、農作業体験の一環として、獣害柵の点検を活動メニューに加えるなど、こういったことも検討していきたいと思いますので、今後ともの御指導をよろしくお願いいたします。
以上です。
○議長(渡辺拓道君) 國里修久君。
○5番(國里修久君) 最初の通告の中で、把握しておく必要があるというふうに私、申し上げておるんですけれども、先ほどの答弁の中で、労力の確保が半数程度できているということで、私も申し上げました、心配ない地域と心配になってくる地域があるということも認識しておりますが、できなくなってから、対応するようなことでは遅いと思っています。先ほども5年後、10年後を見据えた取り組みが必要という御答弁をいただいたんですが、やはり私が言っている把握、これはどのような、先ほど答弁にもいろんな取り組みを紹介していただきましたけれども、どのようなやり方で取り組まれて、どのようなことが起こって、また問題として上がっているかを、やっぱり地域ごとに抱えている、抱えてないかもしれませんけれども、そういうことの相談に乗りながら、地域がちゃんとできているのかを知っておく必要があるんです。
やはり高額なお金をかけておりますので、獣害から守れなくなってしまうということは、私も大変もったいなく思いますので、やはり日ごろからの市としてどんな状況やという把握、その把握というのは、もうちゃんとせえということじゃなくて、できていますかという意味で把握することを、私は考えているんですが、そこの点はどのような考えがあるのかを、答弁いただいてなかったように思いますので、答弁をお願いいたします。
○議長(渡辺拓道君) 芦田農都創造部長。
○農都創造部長(芦田 茂君) 個別の獣害策を設置した集落に対して、状況をしっかりと把握しているということではございません。昨年7月に全農会を対象にしまして、集落の獣害対策の状況ということでアンケートを送りまして、個票をアンケート調査という形でいただいております。それで、170の農会から回答をいただいております。個別の集落名を書いていただいて、獣害柵の点検の状況とか、そういったことについてアンケートをとっております。
しかしながら、國里議員がおっしゃるように、個々の獣害柵設置農家の課題であったりとか、そういうものをしっかりと今把握をする必要があるというふうには考えております。今後ですね、そういう個別の農家の獣害柵に対しての課題について、もう一度、個別調査をして、しっかりと状況把握をしてまいりたいというふうに思います。
○議長(渡辺拓道君) 國里修久君。
○5番(國里修久君) 個別の農家というか、(「集落」と呼ぶ者あり)そうですね。当然、答弁の中では、前向きなお話もあったんですが、実際、私いろんな地域を回ってみますと、管理がちょっとしんどそうやなとか、ちょっとこれは急な、ちょっと点検しに行くのにも登りにくいなという箇所がございまして、やはり地域によっては、そこの箇所まで行けない方々がいらっしゃるのも事実であります。その集落に、やはり若い方々がいらっしゃる場合は何とかその若い人にその点検、そこの箇所への点検を行ってもらうことができるんですけれども、そういった声を聞く必要があるのではないかと思っているんです。だから、点検の回数とか実際やっているということも当然、大事なんですが、こういうちょっと行きにくい箇所にあるから、実際はここが難しいんやというような声は、アンケートでそこの部分があるのか、また、声を聞く何かがあるのかわかりませんが、そういった部分は、どう市への報告というか、あるのであれば教えていただきたいと思います。
○議長(渡辺拓道君) 芦田農都創造部長。
○農都創造部長(芦田 茂君) 御承知のように、獣害ということで、獣害に強い集落支援員、鈴木先生に来ていただいておりますので、個別の集落からの点検をしておるんやけど、シカが出てくるんやというふうな御相談をたくさん受けます。そういった場合には、個別に相談に乗りまして、現地にも行ったりして、あるいはどこから出てくるのかということで、出没が多い地区について、夜間の暗視カメラを設置して、どこからシカでありますとか、イノシシが出てきておるのかということをビデオ撮影等をして、問題になる箇所をこちらのほうで洗い出して、農会にお伝えをして、ここをしっかりとガードされれば、このシカの出没は防げますよというふうな、個別の相談をいただいたところについては、そういう細かい配慮といいますか、相談に応じる体制をとっております。
○議長(渡辺拓道君) 國里修久君。
○5番(國里修久君) 私が言っている把握しておくという部分が、なかなか私の言っていることが難しいというふうな考え方を持っておられるのかもしれませんが、まだ大丈夫です。点検がしっかりできていなくても、まだ大丈夫という、私も認識はございます。ところが、先ほども答弁いただいた中で5年後、10年後を見据えた場合に、やっぱり私のこの今言うとったことが後になって、あのときにやっぱりそういう方向で考えておけばよかったなと思わないようにだけ、取り組んでもらわんと、せっかく高額なお金で設置して、今はまだ安心して農業を営める状況でございますけれども、やはり柵の点検が実際苦しい作業です。でも、私の申し上げているのは、楽しく取り組める、そのような形づくりが必要やというふうに考えて、今回提案をさせてもらっています。
日本全国には、ボランティア精神の豊富な方がいっぱいいらっしゃいます。やっぱりその方々に農業の苦しさとか、獣害に合う悲しさとかを知っていただいて、農を営むにはほんまに大変なんやで。でも、こうやって守り切った後の農作物は本当に感謝の塊ねんでっていうことも知ってもらうことで、篠山ファンがふえていくというふうに、私は感じましたので、検討していただくお話もいただいておるので、楽しく柵の点検が行えるような仕組みづくりをつくっていく必要があると考えておりますので、今後とも検討を踏まえて、答弁をお願いしたいと思います。
○議長(渡辺拓道君) 芦田農都創造部長。
○農都創造部長(芦田 茂君) 市長の答弁の中にもございましたが、ふるさと村という取り組みがあります。これは都市住民を農村ボランティアとして受け入れて、営農活動や草刈り、あるいは里山の保全など、地域とともになって活動するという取り組みでございます。これにつきましては、市内では辻、曽地中、西本荘、真南条上、上筱見、西紀南、吹地域、今田町の本荘、上小野原など9地区に都市部からボランティアを受け入れて、畑や田んぼ、あるいは池の草刈り、獣害柵の管理といったことについても取り組まれています。西本荘では、この柵の点検整備であったり、倒木の除去といった活動も報告で上がってきております。
この事業は、ボランティア自体は県の緑公社のほうに登録をして、都会の方が自分が活動したい地域を選択して、ボランティアに行かれるという取り組みでございます。県のほうでも、そういう獣害柵の点検作業、あるいは里山の整備もオーケーですよということがございます。
それと個別の集落によって状況は違うと思いますので、私どものほうとしても集落の状況をいま一度しっかりと確認をして、こういう取り組みが可能ですよという呼びかけをして、そうではないとですね、都会の方に単に獣害柵の点検に来てくださいといっても、なかなかボランティアというのは集まるもんではないと思います。やっぱりその集落とつながりがあって、交流があって、お互いにやっていきましょうと。そのかわりきれいな水、きれいな田んぼからとれた農作物をお互いに売り買いできるような仕組みも含めて、構築していただいて、初めて都市と農村の交流が成立するものだというふうに思いますので、やはり都会の人だけに任せるんではなくして、地域と一緒になって、そういう活動を支援していただけるような仕組みをこれからは構築する必要があるというふうに認識をしております。
○議長(渡辺拓道君) 酒井市長。
○市長(酒井隆明君) 答弁しましたように、基本的にはやはりその地区、その集落ごとにきちんと点検していただくことが大事だと思います。今、篠山市でもその地域の農業・農地を守るために、集落ぐるみで、あるいは地区ごとにみんなで協力しながらやってほしいと、こういうことを呼びかけていますけれども、その一環として、やはりその地域の農業・農地、それに伴う獣害柵の点検というのは、基本的に集落地区でやはりやっていただく必要があると思います。
しかし、今おっしゃるように、都市部のいろんな力をかりてやっていくということも当然必要ですので、御提案いただいた趣旨は今後生かしていきたいと思いますし、今、現実にもふるさと村の活動であるとか、鈴木先生の里地里山問題研究所とか、本当に都市部の方の力を利用して、楽しく、その農村を楽しみながらこういった獣害柵なんかもやろうとしていただいておりまして、部長が言いましたように、柵の点検だけしてくれといいましても、なかなかそれだけに喜びを感じてしていただける方は少ないというか、ないというんですかね。やはり物をつくる喜びであったりする中で、そういったことをあわせてしていただける。こういうふうに思いますので、今のような取り組みもまた今後ですね、いろんなところで拡大していけるように取り組んでいきたいと思います。
○議長(渡辺拓道君) 酒井市長。
○市長(酒井隆明君)(登壇) それでは、國里議員2点目の地域の公共交通の維持・確保についてです。
お話しいただきましたように、公共交通再編の検討の状況については、7月に篠山市としての案をお示ししていくというふうに言うておったんですけれども、申しわけございません。そのスケジュールが少しおくれておりまして、今市議会の会期中には、その案をお示しできるように早急に進めていっております。現在、庁内で大きな方向性についてはまとまって、その案で実際に運行が可能なのかどうかを、今、交通事業者に確認をしているところです。
大きな方向性としましては、バス、タクシー、自家用車など多様な手段を組み合わせることで市全域に交通ネットワークをつくって、市内19地区の地形や住宅の密集度合いなど、地区の特性に応じた形での移動手段を確保できないかというふうに考えています。具体的には、路線バスの維持と路線の一部再編、コミュニティバスのルートの廃止や増便、また、市町村有償運送事業の実施や乗り合いタクシーの運行など、地域ごとの取り組みへの支援、さらにそれらを補完する形でタクシーチケットの配布など、こういったことを組み合わせて考えていこうというものです。近くこの案を議会の皆様にもお示しをする、地域の皆様にもお示しをして、検討を重ねていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
2点目の事業者への補助金額を上げるという点についてです。
現在、市内の路線バス運行については、神姫グリーンバス株式会社及び京阪京都交通株式会社に対し、運行経費の補助を行っています。年度によって金額は異なりますが、毎年2,500万円から2,700万円の補助金を交付しているところです。この補助金額は、実際にかかった経費から運賃収入を差し引いた、この赤字分を補填するという形で、バス事業者から交付申請がされた額を交付しているものです。
したがいまして、補助を行っている路線のバスの運行便数をふやせば、それに応じて補助金額は増額していくということになりますが、便数やそれにかかる経費などは、この再編中の交通ネットワークの内容によることとなっていきます。
お話のとおり、地域の住民の暮らし、この足の便を確保することは大変大切なことで、この補助金も大切なものと考えていますが、この事業者の補助だけではなかなか地域の公共交通も守っていけませんので、先ほど言いました、地域の皆さんに担っていただける部分も、そういう仕組みも考えながら、地域の公共交通の確保を図っていきたいと思いますので、よろしく御指導いただきたいと思います。
以上です。
○議長(渡辺拓道君) 國里修久君。
○5番(國里修久君) 先ほど再編というお話で、会期中には示したいということを答弁いただきましたけれども、目的地、人によって違うんですが、目的地までストレスなく行ける路線が最高、そういう再編が組めれば最高なんですけれども、人によって要求されるレベルも違ってきていろいろあるんですが、主要な目的地としては、やはりスーパー、市役所、JR篠山口駅、また病院という形が主になってくるかと思うんですが、そちらへ行かれる移動手段としては、この再編の内容としては、満足されるレベルででき上がる予定なんですか。
○議長(渡辺拓道君) 堀井政策部長。
○政策部長(堀井宏之君) 今、市長が申し上げましたように、基本的な考え方としましては、バスやタクシー、あるいはそういった交通手段で、基本的には医療機関、それから商業施設、スーパー等ですね。買い物、医療がやはり高齢の方の第一であろうということで、それに加えて、今おっしゃっていただきました、駅や市役所というのもその中では何回かあるかということで、そういったものについては、一応そういったところへのアクセスを第一に考えております。
ただ、おっしゃっていただきましたように、ドア・ツー・ドアといいますか、おうちから、例えばささやま医療センターまで一遍に行けるというのが理想ではございますけれども、なかなか交通事業者の、いわゆる路線バスでありますとか、タクシーとか、そういう事業者との調整も必要でありますので、そういったことも念頭に置きながら、今、交通事業者との協議をしておるところです。
当然、反対をされますと、最終的にはその公共交通会議という中で決めていくんですけれども、そこで事業者の反対になりますと、会議がまとまらないということになりますので、それまでにいろんな話をさせていただいて、理解を得る形で再編を図っていきたいということで、今、市の案についてはおおむねでき上がりましたので、これで今、事業者と協議をしているというところです。
○議長(渡辺拓道君) 國里修久君。
○5番(國里修久君) 現在、地域で取り組んでもらっている交通組織というのがあるわけですが、今後、そっちに頼らざるを得ない、もう地域の方々で住民の方々を目的地へ移動していただけるような、それが主になるような時代になってしまうかもわからないと。これは絶対とは言いません。可能性があります。でも、そういうときに、もしもそうなったときに、市として、地域のそういう方々の組織への支援、支援のやり方、そういうのを考えておく必要があると思うんですが、今の段階でまだそこまで考えてないということかもしれませんが、やはり考えていく必要もありますので、今の段階でこの地域の交通組織に対する考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○議長(渡辺拓道君) 堀井政策部長。
○政策部長(堀井宏之君) 現在、検討しております内容ですが、主に周辺部につきましては、一つはコミュニティバス、7ルートあるわけなんですけれども、それを約4ルート廃止いたしまして、そういった有償運送ですね、地域の方にハンドルを握っていただく有償運送、もしくは乗り合いタクシーというような形での再編を考えております。
一つは、有償運送になりますと、今ちょうど御質問いただいている國里議員の大芋のほうでは、完全に市民の方のボランティアということで、運行していただいておりますので、交通事業者にとってもそれが障害になるということにはならないんですけれども、今回の場合は、有償運送、住民の方にハンドルを握っていただく場合でも、事故等の問題もありますので、市のほうで免許といいますか、許可をとりまして、市の有償運送として運行していただこうと考えております。基本的には地元のまちづくり協議会とか、自治会のほうに運行を市のほうから委託するという形になろうかと思います。その場合については、運行車両についても市のほうからお渡しをして、運行していただくと。
例えば、豊岡のそういう有償運送の市町村モデルですと、大体運転手さんが1日3,000円程度の謝礼ということで、あとはそれを当然デマンドになりますので、その申し込みを受けていただいて配車、運転士さんを決めていただくという作業、そういった地域でやっていただこうと思っておりますので、そういう経費なんかを業務委託料として市のほうからお渡しをして、運行していただくと。ただ、どうしても運転手の方が確保できないとか、そういった場合については、先ほど申し上げた畑地区でやっておりますような乗り合いタクシー、それも、畑地区はルートが決まっておりますし、時刻も決まっておりますけれども、乗り合いタクシーのデマンドの方法とか、そういった形も考えられると思います。
今の形としては、そういった形でその部分については、地域の方にお力をおかりして、市民の方の運行を確保したいと考えております。
○議長(渡辺拓道君) 平野副市長。
○副市長(平野 斉君) 今、堀井部長が申しましたように、いわゆる持続可能な形で今までの地域にお任せするような形よりも、市町村有償運送で市がある程度責任を持ちながら地元と一緒にやっていくという形を今とろうとしています。ただ、そうなりますと、今のボランティアみたいに、どこまででも送っていけるという部分は、どうしても制約が出てきまして、東のほうから出てきても、この町中まで出てきて、そこからは公共交通で駅のほうへ行っていただくとか、全部が全部そのうまくいかない部分もありますので、その辺はそういったことも含めて、地域のほうで御判断いただくというふうなパターンを提供していきたいなというふうに思っております。
以上であります。
○議長(渡辺拓道君) 國里修久君。
○5番(國里修久君) 私、補助金をもっと、現状以上の補助金というような質問もさせてもうたんですが、私も何ぼでもどんどんどんどん、それは考えてないんですが、やはり公共交通の維持のためにはこれは必要だということで、質問させてもらっていますが、公共交通を守ろうためには、皆さんも御存じのとおり、乗車すること、これが一番大事やというふうに思っています。よく廃止されるという話を聞いて、慌てて乗りにいくとか、よく皆さん、そういう方も多いように聞きますが、やはり廃止されるということになる前に、皆さんが乗って、乗車して応援していく、そういう取り組みも大事なのかなと私は考えておるんです。
これはふだんから利用するという乗車じゃなくて、イベント等でこのバスに乗る、乗車する、ふだん乗らない人に乗ってもらうような取り組みを行うことで、応援する形にもなるのかなというふうに思いました。例えばイベント開催をするときに、駐車場が大変少なくございますので、バスに乗ってお越しくださいというような場所でのイベントの開催とかが行うことができましたら、少しでもバス事業者さんへの応援にもなるのかなというふうに考えますので、やはり利用すること、こういう利用ができるような施策を考える、そういう形が今後必要だというふうに思いますが、いかがでしょう。
○議長(渡辺拓道君) 平野副市長。
○副市長(平野 斉君) その利用を促進するという意味で、今でもお試し乗車とか、そういうことをやっておりますが、なかなかそれもうまくいかない部分があるんです。ただ、國里議員おっしゃいますように、やっぱり地域の理解を得て、地域も盛り上げていただくということが非常に大事かなというふうに思います。
今回の公共交通の新しいパターンというのは、まち協を初め、地元へ持ってはいりますので、その場でのそういう逆に公共交通の地域での盛り上げというのも一緒にお願いしていって、ともに新たな公共交通が本当によいものになるような形での市からの提案というか、今、議員さんがおっしゃるような形での提案も含めて、できたらいいのではないかというふうに思います。
○議長(渡辺拓道君) 通告11番、向井千尋君。
○9番(向井千尋君)(登壇) 議席番号9番、向井千尋です。通告に従い、質問させていただきます。
私の質問は二つあります。一つ目は、相模原障害者施設殺傷事件についてです。
去る7月26日、相模原障害者施設殺傷事件は「津久井やまゆり園」で起こった、施設入所者19人が命を奪われ、27人が負傷するという、かつてない大変痛ましい事件です。現在もいまだ事件の全容は調査中でありますが、元施設職員でもある加害者は、この期間、「障害者がいなくなればいい。重度の障害者はいてても仕方がない」と繰り返し供述しています。
基本的人権が全く無視されたこの事件について、市長の御意見、また、篠山市内における障害者施設や養護学校への安全対策について、お考えをお伺いします。
次に二つ目の質問です。二つ目の質問は、篠山市における高齢者福祉政策についてです。
現在、篠山市の高齢化率はきょうの新聞に、もうすぐ敬老の日ということで、神戸新聞に載っておりましたが、最新の情報だと思います。8月末で32.22%、全国平均では26%。これは平成27年度の高齢社会白書からです。2010年から2060年までの人口推計を見てみると、15歳から64歳までの生産人口は61%、15歳未満の年少人口は70%の急激な減少となるのに対し、65歳以上の老年人口は、2020年までは増加を続け、その後、23%と少しずつ減少していきます。しかしながら、85歳以上の人口は、2030年以降も増加すると推定されています。これは篠山市の保健福祉部の資料よりです。
厚生労働省が進めます社会保障改革は、後期高齢者が人口の約18%になる、2025年を見据えて計画を進められていますが、篠山市は現在、この75歳以上の高齢者が占める割合は約17%、既に国が進めております2025年の間近といえ、今後も少子高齢化は進んでいきます。
篠山市総合計画の中で酒井市長が掲げられております「地方都市のリーダー」とは、この超高齢の地方都市であります篠山市において、どのような姿を目指すのでしょうか。日本中の自治体が直面している、この少子高齢に対する先駆的な福祉政策を掲げ、創造的な解決策を実現していくことこそが、全国の自治体にも有効なモデルとなり、地方都市のリーダーとなり得ると考えます。私たち市民一人一人がこの課題に真剣に向き合い、英知をつくすことこそが今最も求められていることであると考えます。
介護の社会化を掲げて、2000年に施行された
介護保険制度は昨年、2015年に大きく改正されました。その主な内容は在宅医療・介護の連携推進、認知症施策の推進、予防給付・日常生活総合事業、
特別養護老人ホームの中重度者(要介護3以上)の重点化、一定所得のある人の利用者負担を2割へ引き上げなどがあります。今回の改正は、増大していく要介護者と財源不足を補うための苦渋の策であるといえます。先ほど前田議員もこの改正について、いろんな課題を述べられておりましたが、私も今回の改正は、本当にこの問題の苦渋の策であると思います。
篠山市においても介護保険が開始されたころの第1号被保険者の基準の保険料は、先ほど市長も言われましたけれども、2,665円であったのに対し、現在は5,020円と約2倍にまで増加しています。また、利用者負担も1割であったのに対し、一定以上所得のある人に対しては、2割の利用者負担を求めています。
それから、今回の改正の大きな争点であります新しい介護予防・日常生活総合事業、新しい総合事業においては、現行の要支援者の通所介護サービスと訪問介護サービスから、その状況に応じて、基準を緩和したサービスや地域のボランティア等の支援に移行していきます。篠山市で、第1号被保険者が1万3,599名に対し、要支援1・2の認定者は648名、要介護1から5までの認定者は1,950名、そのうち現在、介護サービスを利用されている要支援者は426名、この方が新しい事業の主な対象となると思うんですが、そして要介護者が1,155名、これは介護保険事業運営推進協議会の27年度末の資料から抜粋しています。
2000年に始まった
介護保険制度は、社会福祉基礎構造改革の大きな柱として、それまでは行政がその対象者に対して「措置」であった社会福祉事業を、対象者が自由に福祉サービスを選択し事業者と「契約」することで必要な福祉を受けるという、戦後日本の社会福祉の大改革でした。その
介護保険制度が今回は事業者から地域へと移行されようとしています。そのように、社会福祉のあり方そのものが問われている今だからこそ、今回の新しい総合事業は「市町村が中心となって、地域の実情に応じて住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実させることで、地域の支え合い体制づくりを推進し、要支援者等に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とすることを目指す」とされており、本当に今、地方自治のあり方そのものが問われていると思います。
以上のような、大変厳しい転換期に立たされている福祉情勢の中で、篠山市の目指す地方都市のリーダーとしての高齢者福祉のあり方について、お伺いいたします。
一つ目は、新しい総合事業の方針について。
介護を支える人材育成を目標とされておりますが、先ほどの前田議員の質問に対する答弁の中にも、市長は「介護を支える人材を育てることが課題だ」と答弁されておりましたが、その課題について、その介護人材の専門職、そしてそれを専門職ではなく、ボランティアの育成それぞれについての方針をお伺いします。
とりわけ、2025年、2030年、これから10年後、15年、20年間の私たちのこの篠山市を支える、先を見据えての若年層への理解や啓発を含めた人材育成についての方針をお聞かせください。
二つ目は、今後の持続可能な福祉のためには、未来をつくる子供たちの教育のあり方は不可欠です。これからのこの篠山市のこの高齢者福祉を考えていくのは、未来をつくる子供たちもともに知恵を出していかないといけないと思います。であるので、現在の小中学校における認知症を含む、高齢者への理解についての教育方針をお聞かせください。
3点目に、65歳以上の高齢者の7人に1人は認知症、または認知症の可能性が高い高齢者を合わせると、65歳以上の4人に1人と言われています。最近その新聞にも本当にたびたび認知症のことが取りざたされていますが、この介護保険の問題のもう一つの大きな柱は、そこの認知症の課題だと思っています。この65歳以上の4人に1人が認知症の可能性が高い高齢者であると、今、厚労省が認知症施策推進総合戦略という資料の中で言っています。
篠山市においても認知症の方に対する支援は重要課題です。これも新聞に載っていたのですが、昨年度、認知症やその可能性のある方が行方不明になったのは、全国で1万2,208人、兵庫県で1,309人で、兵庫県は全国2位ということで、篠山管内においても65歳以上の行方不明の届け出が9人となっています。また、その篠山市の保健福祉部の把握されている数はもっと警察には出ていない数もあると思いますので、もっと多いのではないかと思いますが、そういういろんな社会問題が出ています。
その認知症の方を今後いかに支えていくのか、篠山市としての認知症の方についての支援の今後の方針や計画について、お伺いします。
そして最後にもう1点、篠山市内において、特に高齢化率の高い地域、これは高齢化率を見てみると、定住促進重点地区とも重なっております。畑、日置、雲部、後川、福住、村雲、大芋、西紀北の中小学校地区におけます具体的な施策について、お伺いします。
以上で、ここでの質問とさせていただきます。
○議長(渡辺拓道君) 酒井市長。
○市長(酒井隆明君)(登壇) それでは、向井議員1点目の相模原障害者施設での事件についてです。
平成28年7月26日、神奈川県が「社会福祉法人かながわ共同体」を指定管理者として運営しています、神奈川県相模原市の障害者支援施設「津久井やまゆり園」において、多数の入所者が殺傷されるという大変痛ましい事件が発生いたしました。被害に遭われ、とうとい命を亡くされた皆様方に心から御冥福をお祈り申し上げます。
この事件は、津久井やまゆり園の元職員で、「障害者は役に立たないから殺した」「障害者を安楽死させたかった」といった、障害のある人の命や尊厳を否定するような供述をしています。抵抗できない障害のある人に次々と襲いかかって、死傷させる残忍な行為に私たちは驚愕し、心痛にたえない事件であります。
篠山市としましては、この事件を受けて、市内8カ所の障害者支援施設に対して、安全対策の取り組みを確認するとともに、指定管理者制度によって運営しています、「障害者総合支援センタースマイルささやま」「こども発達支援センター」の指定管理者「社会福祉法人わかたけ福祉会」に対して、①門扉の施錠、鍵の管理の徹底など不審者の侵入防止対策に万全を期するとともに、日ごろから警察署との連絡体制など、安全管理の徹底。この事件が元職員の犯行であるということから、職員一人一人のストレスがたまらないように、その日ごろからの職員の状況や職場環境の改善、こういった点を通知いたしました。
わかたけ福祉会は、これを受けて、①各施設の施錠状態の確認や避難路の確保、不審者侵入に対する初動態勢の確認、②不審者対応マニュアルに基づく訓練の定期的な実施、③事案発生時の篠山警察署や消防署などとの迅速な連絡、市役所との連携体制、④各施設における防犯・危機管理に係る資材の充実、刺股やヘルメットの購入など、こういったことを実施する旨の報告を受けたところです。
また、障害者福祉
サービス事業所の指定や指導を行う兵庫県においても、事件発生直後、県下障害者支援施設長や障害児入所施設長に対して、「施設における安全管理の徹底等について」通知をされたところです。
その他、市内にあります唯一の障害者入所施設「丹南精明園」においては、事件後、門扉の施錠時刻を早めたり、監視カメラの増設をされました。また、各グループホームやNPO法人が運営されている、各障害福祉
サービス事業所についても、日ごろから安全管理に取り組んでいるとの報告を受けているところです。
今後もこれまでと同様、各施設利用者及びグループホームの入居者の皆様が安全に生活ができますように、より一層の安全管理の徹底に努めていきたいと思います。
また、加害者に対しては、事件発生までに、精神障害によって他人に危害を加えるおそれがあるとして、行政が患者に入院を強制する措置入院の制度が適用されたものの、現在の制度上、個人情報などの観点から、退院後、関係自治体、病院、そして事件が発生した施設などとうまく連携・情報共有ができていなかったということも言われています。現在、厚生労働省によって、再発防止に向けた取り組みが検討されていますが、篠山市におきましても、このような事件が発生しないように、関係機関と連携を深めていきたいと考えています。
以上です。
○議長(渡辺拓道君) 向井千尋君。
○9番(向井千尋君) 今、市長の答弁にありましたとおり、事件直後いち早くその安全対策や、働いていらっしゃいますその職員さんへの業務管理等へもいろいろ御配慮いただいておりますこと、改めてありがとうございます。
私もこの間、市内の福祉施設や養護学校、それから障害を持つ方の家族など、ちょっと話を聞いてきました。今、市長がおっしゃったとおり、本当に心を皆さん痛めておられます。また、現在その市内の施設の安全管理なんですけれども、養護学校や障害者支援センターには、防犯カメラがなく、今後最悪の事態に備える必要もあるのではないかと思います。
それから、今回の事件があったことで、近年その福祉施設は地域に開かれた施設づくりということで、その地域での風通しをよく、活動されていると思うんですが、そうして安全管理に力を入れることで、今までのそういう動きと相入れないんじゃないかと、そういうこともちょっと懸念されている声も聞きました。しかし、いつもその市長がおっしゃっているとおり、篠山市の治安は大変よいと。その治安が大変よいのは、その地域とのつながりが篠山では密やから、それが治安の安全にもつながっているということで、その地域に開かれた、今までのその施設づくりということと、今回の安全対策にもう一回力を入れるということは、決して逆行することではないことを告げられたらよいなと思います。
それともう一つ、先ほど市長も言われましたとおり、今回の事件が私たちに問いかけていることは、いま一度、障害を持った方の尊厳や基本的人権について、私たち自身が、問い直すべきことなんじゃないかと思います。この事件のあった、割と直後に篠山市内で障害者短期入所施設を運営されております、山中信彦さんが、神戸新聞のコラムで書いておられました。その中で、山中さんは、この事件について、「障害者は世の中からいなくなればいい、価値はない、税金泥棒だなどという言葉が、インターネット等で流れたことが、大変つらかった」と述べられています。今回の事件の後、そんなふうに加害者が述べております、その言葉で深く傷ついている障害を持つ御家族や関係者の方がいらっしゃいます。その障害者が価値がない、税金泥棒だというのは、その価値がないというのは、一体どういう意味なんだろうと私も考えたんですけれども、価値がない、役に立たないというのは、今のその経済の中や仕事に対しては、役に立たないということなのかもしれないですけれども、その反対を言えば、その経済や仕事はもともとは人のためにあるもので、誰もの平和で幸せな暮らしを守るためにあるはずのものだと思うんですけれども、それを反対から覆すような、尊厳や基本的人権を守っていくことこそが、これから大切なことであると思います。
そのコラムの中で山中さんは、「弱者の生きやすい社会は、誰もが生きやすい」と言われていて、私もそのとおりだなと思ったんですけれども、どんな人も生きていることに価値があって、一人一人の命が大切にされること、心のバリアフリーをさらに推進していただける篠山市でありますように、どうかよろしくお願いいたします。
○議長(渡辺拓道君)
倉保健福祉部長。
○
保健福祉部長(倉 剛史君) 今回の事件を受けまして、当然まず一番最初に担当部として考えたのが、やっぱり入所されている方の安全確保というのが一番というふうに考えて、それぞれ施設に、市長が申しましたとおりお話しました。ただ、やっぱり今回の事件の中で、一応担当者を含め、私も含め、一番危惧しているのが、向井議員が言われたとおり、昔、以前というのは、障害者というのは施設の中におさめておくみたいな雰囲気があったのが、今は地域にどんどん出ていっていただいて、入所でもグループホームに入って、地域の中で生活をしていく。また、障害者の作業所などで、市役所なんかもパンの販売に来ていただいたりとか、いろんなところでレストラン、食堂を運営してもらったりとか、障害者が地域に出ていただくような流れというのを生んで、一般市民の方も障害者と常に触れ合うというような環境は整備できてきた。それが今回、せっかくそう施設自体も開かれた施設、地域の人が、スマイルであってもいろんな交流をされて、地域の人が自由に入っていけるようなところの施設展開を進めてまいりましたのに、今回の事件によって、余り厳しく人の出入りを制限したりとか、防犯カメラの設置をしたりとか、施錠したりとか、これをやっぱりやり過ぎますと、地域との、今、向井議員が言われたように、つながりがまたもとの、昔のものに戻ってまいりますので、そのあたりは安全と地域のつながり、障害者が地域に出ていく、ここのところをうまく併用させながら、対応をしてまいりたいなというふうにも思ってございます。
当然今、今回の施設のところでは、防犯カメラを新たに設置されたところもございます。言われたとおり、スマイルささやまとか、こども発達支援センターにつきましては、防犯カメラで管理をしてもらっています。わかたけ福祉会等、防犯カメラといいますと、ずっとそれを見ておかなければだめ、見逃したらそれでわからないというところがございますので、誰かが入ってこられたときに、事務所で音が鳴るとか、音楽が鳴るとか何か新たな方法、誰もが気がつく方法の不審者対策だったりとか、万が一、不審者が来たときの職員としての体制だったりとか、通報体制というのをしっかりともう一度考えましょうという形で今、投げかけて一緒に検討しておりますので、障害者が地域でいろんな活動をしていただくことも、守っていくも含めながら、安全対策というのにしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。
それとやっぱり今回の事件の中で、加害者自体が精神的な障害があるということで、これに対して、また障害者に対するいろんな偏見というのが、問題が生じる可能性というのも当然出てまいりますので、しっかりとそのあたりも含めまして、障害者の基本的人権なりの教育、また市民、今回、地域、集落での人権学習でも認知症、高齢者の福祉も取り組んでもおりますし、昨年は、障害者の人権という形も取り組んでございますので、しっかりそのあたりもあわせて取り組みを進めていきたいというふうに思います。
以上です。
○議長(渡辺拓道君) 酒井市長。
○市長(酒井隆明君)(登壇) それでは、向井議員2点目の篠山市における高齢者福祉政策についてです。
1点目の専門職やボランティアの人材育成についての方針についてです。
篠山市の将来推計人口においては、今後も人口の減少の傾向が続いて、生産年齢人口についても減少が見込まれます。高齢者人口も2025年ごろをピークに減少し始めますが、85歳以上の人口割合は増加すると推計されています。このことは、介護需要の急増と若年層も含めた介護の担い手が不足するということが想定されます。
そこで、現在の介護
サービス事業の専門職によるサービス体制を見直して、効率的で効果的な支援が行えるように、「篠山市在宅医療・介護連携推進協議会」を立ち上げて、介護と医療の連携強化についての取り組みを医師会や介護
サービス事業所とともに検討をしています。
また、地域における自助と互助の潜在能力の活用として、高齢者の力や地域の助け合い力を見直そうとしています。65歳から74歳の人口は、6,351人で、そのうち、介護認定を受けている人数は155人です。割合にすると2.4%で、したがって、65歳を超えても、まだまだ元気な高齢者が多いというのが現状です。
このことから、高齢者自身が積極的に社会参加をして、活躍できる場をつくっていきます。その一つが、社会福祉協議会に委託しています「見守り支援サポーター事業」です。この事業は、住民同士の支え合い活動を進めるもので、2日間のサポーター養成講座を受講後、有償ボランティアとして簡単な日常生活のお手伝いをするものです。また、高齢者の社会参加の場としては、まちづくり協議会単位や自治会単位で集まり、体操などを行う「地区いきいき塾」や「いきいき倶楽部」の開催を推進しており、その場の運営を支援してくためのボランティアの育成も行い、各地域で活躍をしていただいています。どちらの事業も、実際に活動されているほとんどが60歳以上の方であり、支え手として参加することで、本人の介護予防にもつながっていると思います。
今回の新しい総合事業では、介護
サービス事業所が、ある程度研修を受講した人を雇用し、簡単な
生活支援サービスを提供することも可能となっています。今後は、篠山市が研修会を企画運営し、受講された方が、介護
サービス事業所やシルバー人材センター、有償ボランティア、地域の支え合い活動など、多様な場で活躍をしていただけるように取り組んでいきます。
2点目の小中学校における認知症を含む高齢者への理解についてです。
平成19年度から、認知症についての基礎知識を持った市役所職員や社会福祉協議会職員、介護
サービス事業所の職員たちが講師役となって、自治会の集会や老人会の集まり、小・中・高校などに出向いて、認知症のことを正しく理解していただけるように「認知症サポーター養成講座」を実施しています。7月末現在、約8,400人の市民が受講されており、うち約1,900人が、小・中・高校生となっています。
現在のように核家族化が進むことで、子供たちが高齢者と触れ合う機会が少なくなっています。高齢になると、目に見える身体の変化だけでなく、物忘れや気持ちの変化、見えない障害があらわれてきます。子供たちを対象に「認知症サポーター養成講座」を開催し、そのような状況になった高齢者の気持ちを知り、寄り添い方を子供たち自身で考えることで、高齢者を敬う気持ちや自分たちにできることを学ぶ機会となっています。
3点目、篠山市の認知症対策についての今後の方針や計画についてです。
国が示す発症率をもとに、篠山市の認知症と軽度認知症の人数を推計しますと、高齢者の28%となり、10年後には37%になると見込まれます。つまり、認知症は、高齢者になると誰もがなり得る病気として対策を講じていく必要があります。
そこで、篠山市では「認知症になっても住みなれた地域で安心して暮らせるまちづくり」を目標にさまざまな取り組みを行っています。認知症対策の基本は「認知症の正しい理解」であり、子供から大人までを対象とした、先ほど言いました「認知症サポーター養成講座」を開催していますし、さらに、認知症の方やその家族、地域の人たちが気軽に参加ができる「認知症カフェ」や「介護セミナー」を中心とした「介護者への支援」、また権利擁護の視点や見守りを中心に「尊厳ある安心で安全な地域づくり」や「早期発見と適時適切な医療介護の提供」など、医療機関や介護
サービス事業所、警察、地域などと連携しながら事業に取り組んでいます。
今後は、「早期発見と適時適切な医療介護の提供」と「見守り支援体制の充実」に力を入れて取り組みます。例えば、高齢者の集う機会などで「認知症気づきシート」を使って、気になった方にはかかりつけ医への受診を促すように周知をします。かかりつけ医には治療と介護の役割分担を行っていただくために、介護に関する相談については、篠山市の相談機関や支援体制を紹介していただくように働きかけていきます。また、認知症の相談は、昨年に開設しました「もの忘れ相談センター」での窓口相談だけではなく、認知症専門相談員が自宅を訪問し、本人や家族に会って、今後の支援体制を検討していく体制を整えていきます。
見守り支援体制については、行方不明になった認知症などの高齢者を早期に発見できるように、警察署や民間協力事業所と連携しました「見守りSOSネット」を構築しています。これは、家族から警察署に行方不明届があったときに、警察署から地域福祉課にメールが送信され、篠山市から、登録いただいている民間企業の方々に協力の一斉メールを送信するというものです。また、篠山市では平成26年度に篠山市消防団と篠山警察署の協定が締結され、消防団のネットワークも活用して、さらに多くの方々の協力を得ることができるようになっています。
このように、認知症対策は、行政だけが行うものではなくて、地域住民や介護
サービス事業所、民間企業、医師会などが協力して進めていく必要があるために、8月には「篠山市認知症対策会議」を開催しました。また庁舎内においても、保健福祉部だけでなくて、教育委員会、市民協働課、人権推進課などさまざまな部署と連携が図れるように、ふくし
総合相談窓口を中心に「トータルサポート連絡会」を開催し、認知症対策に取り組んでいます。
最後に、市内において、特に高齢化率の高い畑、日置、後川、雲部、村雲、福住、大芋、西紀北における具体的な施策については、高齢化に伴うさまざまな課題は、特定の地域だけではなくて、篠山市全体の問題となっています。しかし、地域ごとの課題の優先度や効果的な解決策が異なることもありますので、まずは、地域ごとに課題を整理する必要があります。その方法としては、今年度から篠山市社会福祉協議会に配置しました、地域の
生活支援サービスの構築を推進する「生活支援コーディネーター」を中心に、地域の代表者などが集まり、意見交換する場を設けて、課題を出し合い整理をしていきます。そして、それらをもとに篠山市のさまざまな部署や社会福祉協議会、民間事業所とも連携しながら、それぞれの地域の方と一緒になって、課題解決に向けた取り組みを検討していきたいと考えます。
私からは、以上です。
○議長(渡辺拓道君) 前川教育長。
○教育長(前川修哉君)(登壇) 続きまして、私からは、小・中学校における認知症を含む高齢者への理解についての教育方針について、お答えします。
市長答弁にもありました、「認知症キッズサポーター養成講座」は、市の健康課が企画する思春期保健福祉体験学習の一つとして、地域福祉課が中心となり、平成19年度にスタートした事業です。平成28年8月末現在で、これまでに延べ1,680名の小中学生が受講しており、今年度は、総合的な学習の時間などを利用して、既に市内2中学校131名が体験し、この10月には、市内3小学校での実施を予定しています。この養成講座は、グループワークを通して高齢者を敬う気持ちや、認知症の方に対しての理解を深めることを目的としており、希望校全てで実施することとしています。
参加した生徒の感想からは、「認知症の人の不安や苦しみを理解し、笑顔でゆっくり話しかけるなど、優しく接したい」「意見が違ってもすぐには否定せず、一旦受けとめてあげることが大切」など、相手の立場に立って物事を捉え、自分にできるサポートについて考えを深めています。
また、トライやる・ウィークや児童会・生徒会活動などにおいても、高齢者福祉施設等への訪問活動を行うなど、体験的な交流を行っています。例として、西紀中学校生徒会の福祉・給食委員会が、月1回、高齢者福祉施設である「和寿園」を訪問し、アロマボランティアを行っています。アロマボランティアとは、香のいいオイルを手につけまして、指先でありましたり、手のひらをマッサージするボランティアでございます。その生徒たちは、トリートメントをして終わったときに、「気持ちがいい、上手やなと言ってもらい、やってよかったと思った」「余り高齢者の方と触れ合う機会がないので、よい機会になりました」、こうした感想を述べています。高齢者との触れ合いを通して、相手の喜びを自分の喜びとして受けとめる心が育っていると考えられます。
一方、市内全ての小中学校においては、文部科学省が作成した「わたしたちの道徳」や兵庫県教育委員会が作成した人権教育資料、小学校では「ほほえみ」、中学生用の「きらめき」を活用し、高齢者とのかかわりについて理解を深め、課題解決に向けて実践的な態度を培う学習を進めています。
今後も、教材を使っての学習や体験的活動による学びを工夫することにより、高齢者理解を深めていきたいと考えています。
以上、答弁といたします。
○議長(渡辺拓道君) 向井千尋君。
○9番(向井千尋君) 今、市長と教育長にはそれぞれ篠山市の現在の取り組みや今後の計画について、聞かせていただきました。ありがとうございます。
その中で、福祉人材のことなんですが、今、見守り支援サポーターとか、65歳以上を超えてもまだまだ元気にボランティアをということを聞かせていただいたのですが、もう一つその専門職の育成とか、その専門職の方のスキルアップなど、なかなかその介護職は、有効求人倍率もほかの倍率と比べて大変高くなっているし、ほとんどその女性のパート労働が支えていることもあります。余りその処遇がよくなく、なかなか求人が難しい職種だと思うんですけれども、この人材不足を補うことについて、何か対策はあるでしょうか。
○議長(渡辺拓道君)
倉保健福祉部長。
○
保健福祉部長(倉 剛史君) 向井議員の言われますとおり、介護人材の確保というのは大きな課題。ハローワークの募集の中でも必ずどこかの施設が募集を行っているというのが今の現状というふうに考えてございます。
特に、今現在、前は向井議員のところでヘルパーの養成をやっていただいたりとかという取り組みをしていただいておりましたけれども、今回、本年は和寿園において、そういうヘルパーの養成講座というのも取り組みをいただいてございます。このあたり、うちの担当におきましても、これは市が主体になるのか、今、社会福祉法人の皆さんが協議会をつくっていただいて、地域貢献という形での検討をいただいております。このあたりも含めて、人材の育成、専門職の育成というのを、しっかり市も支援をしながら、取り組んでいく形を今後とっていきたいというふうに考えてございます。
あともう1点は、これからの話になるんですけれども、今現在、旧丹南高での海外からのという形の専門職の検討が進んでございます。そのあたりも含めて、いろんな人材での専門職の確保というのにしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。
それとあと、処遇改善につきましては、なかなか市が直接処遇改善をすることはできないところがございます。今、介護保険法の改正の中で国のほうにおきましては、処遇改善のプラス加算という形もやってございます。そのあたりもしっかりと事業者に取り組んでいただけるような、また、市としてもいろんな事業所等と協議をする中で、できるだけ事業所に対しての負担もかからないような取り組みというものも、今後の課題としてやってまいりたいというふうに考えます。
以上でございます。
○議長(渡辺拓道君) 向井千尋君。
○9番(向井千尋君) 今、
倉保健福祉部長がおっしゃったとおり、介護職員初任者研修の養成講座、今現在、和寿園のほうが取り組んでおられると伺っております。今回、私、ハローワークにもその有効求人倍率等を問い合わせたときに、職業訓練として、介護職員養成はあるんですかと聞いたら、実はことしの6月にあったんですけれども、定員まで満たなくて、結局やりませんでしたと言われました。今も部長が言われたとおり、ハローワークやったりとか、社会福祉協議会やったり、いろんな福祉団体やったりが、個々ばらばらにその養成講座をやっていたりすることもあるかと思います。今、部長が言われたとおり、その社会福祉法人との協議会の中でなのか、行政側かわからないですけれども、その辺の調整というか、研修の調整とか、その人材育成に対しての情報収集とか、発信とかをまた御検討いただけたらうれしいかなと思います。
それから、今、部長が言われたとおり、旧丹南高の介護福祉士養成専門学校についてなんですけれども、これもこの前、全員協議会の場で初めてお伺いしたんですけれども、その中で今回、ベトナムの留学生80名を中心に運営を進めるというような話だったんですけれども、実際には、篠山市とウエルライフさんと兵庫医大の三者が共同で運営していくというような協定書だったと思うんですけれども、その篠山市の、例えば高校を卒業したとか、専門学校に行くような形で、そこで福祉人材を養成するという計画はどうなのでしょうか。
○議長(渡辺拓道君) 堀井政策部長。
○政策部長(堀井宏之君) 先般の全員協議会でお話をしましたけれども、現在、旧丹南高の跡地につきまして、県のほうと移譲の交渉をしておるところでして、ほぼ大詰めに来ております。基本的には、社会福祉法人が運営いたしまして、定員が1学年80名の2学年生ということで、合計160人になります。開校が来年の9月予定ということで、基本的には、先ほど申し上げましたように、ベトナムのほうから留学生を募集するということでございますけれども、そこについては、日本人の方が受けられないとかということは全くございませんし、篠山市内にお住みの方で、例えば、高校を3月に卒業されて、9月までちょっと時期がありますので、そういったこともありますけれども、年明けには募集要項等もやっていくというような話も伺っておりますので、定員は一応あるわけなんですけれども、日本人が何人で、ベトナムの方が何人というような、そういう色分けは今は特にしてないという話も伺っておりますので、ぜひ地域の方で希望がありましたら、受験していただけたらと思っております。
○議長(渡辺拓道君)
倉保健福祉部長。
○
保健福祉部長(倉 剛史君) いろいろ情報発信の件なんですけれども、向井議員の言われましたとおり、しっかりと市のほうで集約をさせていただいて、広報だったりとか、ホームページであったりとか、いろんな形での情報発信というのを市のほうがしっかりと情報を集めて、市民の方、当然従事されている方でこれから資格を取りたいという方もいらっしゃいますので、その方々にも情報発信ができるような形での取り組みを進めてまいります。
○議長(渡辺拓道君) 向井千尋君。
○9番(向井千尋君) ありがとうございます。どうか篠山市のその介護人材のこれからの養成と、その質を高めるようなよい研修をしていただけたら大変うれしいと思います。