西宮市議会 1964-12-16
昭和39年12月(第 8回)定例会−12月16日-04号
出 席 議 員
1番 綾 部 寅 夫 君 23番 吉 村 夘之松 君
3番 岡 田 八百蔵 君 24番 西 中 惣 司 君
4番 長 岡 初 男 君 25番 宮 崎 三 治 君
5番 大 庭 し ま 君 27番 北 本 正 君
6番 平 野 正 裕 君 29番 若 原 敏 孝 君
7番 草 加 義 直 君 30番 東 内 三 男 君
8番 阪 本 信 弘 君 31番 神 谷 美 明 君
9番 八 木 米 次 君 32番 白 川 夙 雄 君
11番 前 田 東 君 33番 南 野 茂三郎 君
12番 半 田 幸 雄 君 34番 江 上 常 富 君
13番 伊 藤 亀 雄 君 37番 小 西 元 君
15番 井 上 マキヱ 君 38番 野 田 義 夫 君
16番 中 村 芳 雄 君 39番 長 本 信 頼 君
17番 佐 藤 政 隆 君 40番 浅 川 守 君
18番 木 下 茂 君 41番 安 藤 美 信 君
20番 大 槻 弥之助 君 42番 大 賀 数 一 君
21番 山 崎 長之介 君 43番 清 水 保 雄 君
22番 中 野 熊 市 君 44番 平 岡 利 美 君
欠 席 議 員
19番 目 黒 邦 典 君 35番 幸 田 竜 一 君
26番 佐 藤 光司郎 君 36番 阪 田 頼太郎 君
28番 森 豊 君
説明のため出席した者
市長 辰 馬 龍 雄 君
中央病院事務局長 中 島 保 昌 君
助役 松 田 愛太郎 君
建設部次長 西 本 正 君
助役 松 浦 松 一 君 同 有 村 正 雄 君
収入役 岩 崎 彰 君
文書統計課長 森 原 孝 雄 君
企画室長 松 岡 清八郎 君 財政課長 松 村 暢 之 君
総務部長 竹 永 昭 義 君
企画室主査 馬 場 順 三 君
人事部長 日 昔 清 君
商工農林課長 難 波 義 一 君
財務部長 小 田 忠 彦 君 消防長 竹 下 宗 吉 君
建設部長 前 中 正 夫 君 監査委員 久賀田 義 治 君
失業対策部長 高 津 実 君 同事務局長 三 村 幸 治 君
社会部長 南 野 三 郎 君
教育委員長 鈴 木 輝 彦 君
産業部長 河 田 辰 一 君
教育長職務代行者指導部長
中 上 利 一 君
衛生部長 野 田 徳太郎 君 同管理部長 永 島 茂 君
職務のため議場に出席した
事務局職員
事務局長 平 山 義 一 君 書記 天 野 禎 夫 君
次長 田 中 正 節 君 速記員 野 口 修 君
議事係長 川 崎 正 君 速記員 川 勝 立 春 君
庶務係長 西 野 耕 次 君
(午前11時16分 開議)
○議長(八木米次君) 長らくお待たせいたしました。ただいまより定例議会を再開いたします。
現在までの出席議員は32名であります。本日の議会に、幸田君、
佐藤光司郎君、目黒君、森君、以上4名が所用のため欠席いたしております。
本日の
会議録署名議員に、会議規則第113条により、34番 江上常富君、37番 小西 元君、以上両君を指名いたします。
本日の日程は、お手元に配付いたしております日程表の通りでございます。
これより日程に従い議事を進めます。
まず、議案第101号および議案第102号の2件を一括上程いたします。
当局の提案説明を願います。──第2助役。
◎第2助役(松浦松一君) 議案第101号 財産取得の件、提案の理由を御説明申し上げます。
中央卸売市場関係用地取得のため、
土地所有者 新明和工業株式会社から高須町1丁目11番地ほか8筆の土地6万3369平方メートル58を買収するにあたり、買収金額および面積が「議会の議決に付すべき契約および財産の取得または処分に関する条例」第3条、すなわち2000万円以上、5000平方メートル以上に該当いたしますので、提案いたした次第であります。
なお、本件につきましては、かねてから
中央卸売市場建設に関し専門委員である新
卸売市場建設委員に諮り、昭和37年4月28日(1)新卸売市場は、財源措置、将来の
生鮮食料品の円滑なる流通等を勘案し、
中央卸売市場でなければならない。(2)可及的速やかに土地を購入し、建設計画を樹立すること。(3)
生鮮食料品の円滑な流通に適した土地を購入すること。(4)土地の面積は、将来の取扱い量の増を見込み、最低2万坪を用意すること。以上の答申がなされ、また答申(1)に述べられている
中央卸売市場(
単一卸売人制)への入場につき業者の賛否を問いました結果、167人のうち賛成134人、否とする者13人、賛否不明20人となり、業者の意向も明確化されましたので、参考までに申し添える次第であります。
次、議案第102号 昭和39年度西宮市
一般会計補正予算(第12号)。
このたび別途議案第101号をもって提案いたしております
中央卸売市場等用地の取得につきましては、
県開発公社に買収事務を委託いたしたく、予算第2条におきまして昭和40年度から昭和43年度にわたり総額5億7648万3000円を限度として
債務負担行為の補正を行なうとともに、
歳入歳出予算につきまして
県開発公社に対する
初年度分償還金8118万3000円を追加、これが財源といたしましては全額市税をもって充当した次第であります。
以上2件につき、何とぞ御協賛を賜わりますよう、お願い申し上げます。
○議長(八木米次君) 説明は終りましたので両案に対する質疑に入りますが、上程中の議案に対しましては質問通告が多数出ておりますので、発言者はなるべく質問内容が重複しないように発言していただくように、あらかじめお願いしておきます。両案に対し質問の通告を受けております、発言を許します。
まず、29番 若原敏孝君の発言を許します。
(登 壇)(拍 手)
◆29番(若原敏孝君) いま議長が言われましたように、非常に
沢山発言通告が出ておりますので、出来るだけ簡潔に質問をさせていただき、また私の足らないところは他の同僚議員が沢山御質問なさるだろうと思いますので、基本的な問題について一つ御質問をしたいと思います。
まず、この
中央卸売市場を作るということの政治的な意義について当局側に御質問をしたいと思うわけです。この市場は、
中央卸売市場法によって設置をされるものであるわけですが、この法律は大正13年頃に作られた法律だといわれています。従って、その後何べんか改正をされて時代に適合するようなものになってはおりますけれども、この
中央卸売市場法の根本的な発想方法は、一つは経済を統制していくというような観点から作られたものであり、流通機構の円滑化といいながらも一面では流通機構を巨大化し弱小業者を整理統合するものであると考えられます。しかし、
卸売市場法はそういう戦前の法律でもあり、現在のさらに高度に資本主義が発達した段階では必ずしも適合しないものがあろうかと思います。そこで、それをさらに補充し、あるいは強化するというよりも、まさに現在の政府や独占資本の意図する流通機構を作り上げていく、あるいはアメリカの独占資本に奉仕するような日本の機構を根本的に変えていく、このような立場から
中小企業基本法というものが作られました。この
中小企業基本法はまさに中小企業の首切りであり、切り捨てであります。こういう
中小企業基本法が作られることによって、どんどん中小業者は整理され、あるいは切り捨てられ、そして失業し、巷に失業者があふれ、これを
工場労働者に吸収しようとするのが政府の狙いであります。そこで、この
中小企業基本法に盛られている精神と、いま西宮が作ろうとする
中央卸売市場の果たす役割とがどのような関連があるかということを、私は尋ねてみたいと思います。この法律には、まず12条で「国は、中小企業の企業規模の適正化を図るため、
中小企業者が企業の併合、共同出資による企業の設立等を円滑に行なうことができるようにする等、必要な施策を講ずるものとする」あと2項、3項とありますが、このさらに13条に「国は、第9条から前条までの施策の重要な一環として、事業の共同化または相互扶助のための組織の整備、工場・店舗等の集団化その他事業の共同化の助成等、
中小企業者が協同してその設備の近代化、経営管理の合理化、企業規模の適正化等を効率的に実施することができるようにするため必要な施策を講ずるものとする」こういうふうに規定をされています。この
中小企業基本法の精神をどういうふうに当局側は理解をし、それと今度の
中央卸売市場を建設するという意図とを関連させて考えているのか。やはり今までの自治体の在り方として、政府の進めていく政策を忠実に実行していくという立場から、おそらく市当局も
中小企業基本法の精神を十分に汲みとりながら進めてこられたものと思います。特に、この法律が昨年の7月に施行され、こういう新しい法律が出来ることによって国も県も強力にこういうものを推進していこうとしている、それと今後の
中央卸売市場の建設とは時期が一致しています。これが諮問機関というものが相当古くから設置をされて、長い間検討を加えられてきた、そのことはこの法律とは直接関係がないようであります。しかし、いま急速にこういうことが出てきたということの裏にそういうもっと大きな背後の政治的な流れがあると私は解釈せざるを得ないのであります。その点をまず根本的な当局側の国の政策との関連から、どういうふうにこの問題を取り上げて考えているのかということを一つ質問しておきたいと思います。
それから、今度の建設は、そういう国の政策がどうであれ、西宮市の流通機構を根本からくつがえしていく、よく言えば近代的なものにしていこうということでありましょうけれども、今の秩序を根本からくつがえすような重大な問題であります。従って、市当局が余ほど長期の見通しを立て、また単に
諮問委員会の一部の、おそらく
学識経験者であろうと思いますが、そういう
学識経験者だけの意見ではなく、もっと幅広い世論の中でこの問題を打ち出すべきであるというように私は考えます。にもかかわらず、私は若干の業者の方々からお聞きをしますと、末端の業者の方は殆んど、こういう事態がここまで進んできているということを、つい最近までは知らされていなかった。また、
中央卸売市場というような考え方が打ち出され、ある程度は耳にしておっても、業者の感覚は、おそらくそういうものは出来っこない、また自分たちの今の仕事の形態が根本的に変えられるようなものが行なわれるというふうには考えていなかったと思うのです。そこで最近そういう答申案が出て、助役の御説明ではまず37年4月に答申が出たと言われますが、じゃ、その答申に基いて今まで2年半に及ぶ期間、本当に直接そのことによって生活内容が根本的に変えられてしまう業者の方々に、もっと民主的に大衆的に討論の材料を提供しなかったのかということであります。その答申が出てから2年半も経っているこの現在、寝耳に水だというような業者が多数おられるということは一体何故でありましょうか。私は推測するに、悪く解釈すれば、ひた隠しにして密議をこらして急に業者にぶっつけたというふうにとられても止むを得ないような運営の仕方であったというふうに考えられます。これは真剣に
諮問委員会で討論をなさった諸先生には非常に恐縮な言い方ではございますけれども、結果として先生方がどのように努力なさったかは別として、結果としてそういうことになったということは業者にとっても本当に残念なことだろうと思います。そこで私は業者の方々からもいろんな御意見を拝聴しています。そしてまたそれぞれの議員さんにはこういうパンフレットが配られていることと思います。従って論点はおそらくこの中でも相当問題にされておることでありますし、これから私の後に質問なさる方も、みな似たりよったりの、この中で角度を変えて御質問をなさるだろうと思いますが、やはり私は一番重点を置いて考えなければならないのは、先ほど言いました西宮市の流通機構を根本的に変えていく、じゃ、その将来の見通しはどうなのかということが私にはどうも十分に呑み込めませんし、本当に納得するような資料を市当局は提出をされていません。この業者の方々がこれほど詳細に私たちに資料を下さったけれども、市当局はこれに答えるだけの、あるいは議員を納得させるだけの資料を何故もっと十分に事前に出そうとなさっていなかったのか。(「その通り」と呼ぶ者あり)そういう点をやはりこういう20数億という、この数年来の最大の事業をこのような短時日で議決してしまおうとするところに、私は非常な疑問を感ぜざるを得ないわけです。(「同感や」と呼ぶ者あり)そこで、そういう中央政府の考え方と併せて、西宮市がどうしてもこの新
中央卸売市場の設立が必要なんだ、信念をもってそれが主張出来る根拠をもっと具体的に明らかにしていただきたいと思うのであります。私が一番心配しますのは、ここに助役が言われた167の業者のうち賛成が134、反対が13、不明あるいは保留というのが20名だ、この比率だけを見て、そして市当局は説得工作が成功したというふうに考えておられるだろうと思います。しかし一人々々の業者をとらえてみた場合、家族一家挙げて営々として今の商売を営なんでおられるのです。奥さんから子供さんから皆が協力して今の商売を築き上げてきている。新中央市場になり企業が巨大化していくことになると一切の
家族労働者、
家内労働者は放り出されてしまうことになるのであります。この
家内労働者の失業問題をどうするのか。こういうふうなこと、おそらくこの167の業者のうち何千人という
家族労働者がいるというふうに推測をされます。そういう失業問題について根本的な対策を練っているのかどうか。その点が私はこの事業を考えていく上で、まず業者の生活権ということを中心にしてとらえた場合、そのことが最も重要な、また緊急に解決をしなければならない問題だと考えています。
次に、単に業者の生活権だけの問題ではなく、西宮市民全体、あるいはこの市場を利用している小売業者の立場をどう考えているのか、ということであります。私たちが幾人かの業者にもお聞きをし、あるいは小売業者にもお聞きをいたしました。そうすると今のいわゆるこの自由競争による経営の在り方が一面では非常にそれぞれの人たちの励みにもなり、また商売のうまみにもなっているわけです。こういう経営方針であるからこそ大阪や尼崎、東神戸の方から沢山の買出し人が来ておられるわけです。これによって西宮市は、業者の推計の数字でありますが、78億に上る売上げがあるというふうに言っておられます。ところが市の
中央卸売市場になった場合の見込みとして35億あるいは40億というような推計数字が上げられているのは一体どういう意味なのだ。
中央卸売市場になれば当然売上げが下るということを前提にしているのか。また、そういう売上げは必要でないと考えているのか。そういう点、現在の西宮市に78億の売上げがあるということは、それだけ西宮市に沢山のお金が落ちてきている。尼崎や神戸からも買い出しにきて、それが西宮市にお金が落ちているということは西宮市の発展にとっても非常に大きな寄与でもあると考えているわけです。それがあのような位置に移る、
中央卸売市場になることで他市からの業者は殆んど入ってこないでありましょうし、また交通の便利が悪くて買出し人が来れない。それこそ車を持っていない小売業著たちが買いに行けないというような状態も出てくるだろうと思います。そういうふうな小売業者の利便等を考えても、あるいは西宮市に落ちてくるお金の面から考えても、相当の確信がなければこういうふうなものを私は出せないんではないかというふうに考えます。
それから、ちょっと話は元へ戻りますが、業者の説得の経過について私は是非明らかにしておかなければならない点があると思います。この134の賛成といえば圧倒的な賛成のように見受けられます。私は、ある人にお聞きしました。この人も賛成の判を押しておられます。ところが、どっちみち出来っこないという、それは今の西宮市が強力に推し進めていこうという、そういう気迫を十分に理解していなかったのか、どっちみち通りっこないということで、市場の役員さんの顔も立てなきゃならぬというふうに思って判を押したという人やら、また新市場が出来るからということで判を押した、しかし
中央卸売市場ということでは判を押さない、そういう気持では判を押してないという方もあります。(「その通り」と呼ぶ者あり)また、とにかく判だけはついてくれ、それでとにかく土地さえ購入してしまえば後はまた業者の圧力で
総合市場に出来る場合もあるじゃないか、こういうふうに説得をしている人もあるようです。もしそういうことであるならば、私たち議会を欺瞞するも甚だしいものがあると思います。おそらく当局が明からさまにそんなことはおっしゃらないだろうと思います。しかし当局の意を受けて説得に当られた一部の方が誤まってそういうことを言われたのかも知れません。しかし、そのことを真に受けて、とにかく土地だけ手に入れて、そしてまた業者の圧力で
総合市場に出来るということであるならば、市当局も市議会も業者に振り回されることになります。われわれは、そのような業者に振り回されるような議案の審議は御免です。だから当局側はこの賛成はどういう状態において賛成印をとられたのか。聞くところによると、市の当局あるいはそういう役員さんのおられるところで皆、判をついているわけです。本当に自由な秘密投票が行なわれたのではありません。こういう重大なことを決定するのに、本当に自由な意思が反映出来るような秘密投票の方式を何故とらなかったのか。こういう形でやられたのでは、それは誰でも賛成の判をつかざるを得ない。嫌だと言って判をつかなかった人は余ほど勇気が要ったことだろうと思うのです。そういうことから考えても、まず説得の方法についてどういうやり方をされたのか。沢山の業者をお集めになって、そして大衆的な討論をして、民主的な討論をした上で十分な説明の文書を市当局が回し、その上で秘密投票をした結果が134という数字であるならば、納得が出来ないこともありません。しかし、それであっても、どうしても嫌だという人が13、あるいは20というふうに出ているということになれば、もしこの人たちが「わしらは嫌だ。この建物はわしらの建物だ。
中央卸売市場が出来たって動かない。ここで商売をあくまでも続ける」というふうに言った場合には、そういう業者に対して市はどういう処置をとるつもりがあるのか。おそらく、あの今の
総合市場をそのままにしておいて、そして別に
中央卸売市場を作るというようなことではないと思います。また、あの場所を全然別の用途にしなければ意味がないと思います。同じように併列的に
総合市場と
中央卸売市場が置かれるのであれば、
中央卸売市場を作る意味はありません。従って権力的にでも今の市場をつぶさざるを得ない、そういう立場をとらざるを得ないはずだと思うのです。そういう点について当局はどういうふうに後の処置を考えているのか。
それからもう1点、年内に土地取得がどうしても必要だということです。とにかく3億円、年内に支払わないと、あの土地が入手出来ない。だから取りあえず3億円分だけでも入手しておきたいというふうに私はお聞きしたことがあります。そういう緊急の必要性というものは、私にはよく理解が出来ないわけです。これだけの大きな議案であるならば、もっともっと大衆的な討論を巻き起し、そして公聴会を開き、そして本当に議員一人々々が納得してこの議案に賛成なり反対なりの決定をさせていただきたいというふうに思います。従って年内にこの土地を買うとするならば25日までに議決しなきゃならない、こういうところにわれわれは追い込まれてしまいます。そういうふうにわれわれが常に当局側の御都合で受け身に立たされて審議しなければならないということであるならば、あとで問題になるような議案もあるように、常に議員は自主性がなく、当局側の提案するものについては何時も賛成せざるを得ない、一つ一つの事情を聞けば止むを得ないようなことも沢山あります。しかし、それが故に議員は結局意見を述べ、問題点を持ちながら賛成させられざるを得ない、こういうふうなことになってきている。もう、われわれ議員はそういう態度はまっぴら御免だと思います。
それから、この土地の歴史的な経過について一つお聞きしたいと思います。この土地は戦前に農民が耕作をしておったとも聞いております。あの土地の立地条件、あるいはいろいろな問題点についてはほかの方が御質問なさるだろうと思いますので、私はその点は避けます。この土地の入手経過、いま明和工業が持っておられる土地の歴史的な経過について一つお聞かせを願いたい。聞くところによると戦前にあの土地は強制的に取り上げられた土地だ。そのとき手離した単価が坪20円とか30円、それが今から見て当時で高かったのか安かったのか、よく分りませんが、おそらく当時であってもべらぼうに安い値で買い上げられたのではないかというふうに考えられます。そういう土地がどういうふうに変遷をしてきたのか。そういう歴史的な経過を見ないと、今の時価で評価をして明和工業に代金を支払うということになると、あの土地を古くから死守してきて、やむを得ず国策によって取り上げられた人たちの気持を私たちはどういうふうに納得させることが出来るだろうか。そういう点で、この土地の歴史的な経過を一つお聞かせいただきたいと思います。
また答弁によって再質問をさせていただきたいと思いますが、また沢山の質問者が後に控えておりますし、以上でとどめさせていただきます。
御清聴、有難うございました。(拍手)
◎第2助役(松浦松一君) 沢山の御質問がございましたので、あるいは抜けるかも分りませんが、一つその点はまた御指示いただきましたら、お答えいたしたいと思います。
まず第1点の、何か陰の政治的流れがあるんじゃないかというような御質問でございましたが、そういうふうな点はございません。これは本市の現在の市場がどうしても駐車の禁止、それから衛生的な面からいたしまして、これを移転せなければならないということで、32年頃からたしかこれ問題になりまして、新卸売市場の
諮問委員会が出来、検討いたしておりました結果、答申も出ましたし、また土地も適当な土地が物色出来ましたので、移転いたしたいと考えるわけでございます。
何か、この市場の計画は本市だけの独自の案、独得の案のようにおっしゃって、見解が狭い、こういうふうに御質問でございますが、最近の各市の大都市、西宮市に匹敵するような都市を見ますと、全部
中央卸売市場に変ってきつつあります。これは見解の相違で、独占資本の云々ということがございますが、これは市場といたしましては近代的な市場として
中央卸売市場になりつつあります。小さいところは総合的な市場にやっておりますが、大きいところは全部
中央卸売市場に変りつつあります。現に尼崎も
総合市場でありましたのが
中央卸売市場になりまして、売上げの額におきましてもぐんぐん伸びており、このままで行くと西宮より越してしまうというような状況になっております。何故この市場を建設するのかということでございますが、これは先ほど申し上げましたように現在の市場は御承知のように非衛生でもあるし、阪神国道の駐車が禁止になり、1日に約800台ほどの車が参りますが、これではどうにもならぬということから、これを考えておるわけでございます。
それから、業者の説得の点でございますが、これは業者の皆さん方に単一制のいわゆる
中央卸売市場でどうかということで判をいただいたのでございまして、それが賛成の134名になっておるわけでございます。
その判のつき方がどうこうということにつきましては、これは私たちはそこまで疑うというわけにはいきませんので、私はそういうことはない。
賛成をいただいた方は単一制の
中央卸売市場で賛成をなさったものだと考えております。
それから次に、新市場が出来た後に今の市場はどうするかということでございますが、80何%の方々が御賛成をなさったので、この今の市場は市の分は当然閉鎖いたします。閉鎖いたします。それで皆さん方はこれに協力していただいて、新卸売市場に協力していただこうと思うわけでございます。
それから、この土地の歴史的な経過でございますが、これはそこまで強制的に取り上げてどうこうということは調べておりません。現在の新明和が所有権者でございますので、新明和と売買契約をしようということでございます。
年内に3億円ということは新明和の方からの条件になっておりますので、非常に年末押し迫った時に御迷惑と存じましたが、本議案を提案したのは、そういうことで何か何時も受け身の形だ、こうおっしゃいますが、土地交渉というものは極めて難しい問題でございまして、そう簡単にいかない。売り手の関係もありまして、そういうことから非常にこれが遅れました。いま1つは今のあなたの御質問にもありましたように、業者の意向というものがこの市場の建設を左右いたしますので、その業者の意向をまとめるということで、この定例会の当初に間に合わなかった次第でございます。そのほか何か……。(「物価、売上げ……」と呼ぶ者あり)
売上げの点につきましては、これは一応最低に見ましてああいう35億とか40億というような数字を出しましたので、私はこの
中央卸売市場が出来ますと、尼崎の例もございますので、売上げはぐんぐん伸びてくるんじゃないかと思っております。それで現在この市場をやろうとしております経済圏と申しますか、その範囲は芦屋、宝塚、西宮の人口50万を見合わしたものの市場ということで計画を進めておるわけでございます。それ以上に、この市場が大きな集荷をすることになりますと、これは業者が、買出しの人が沢山やってくるということになると考えております。しかし、これはやってみませんと分りませんが、現在の市場が非常に大きな商人人口を抱擁しておりますので、その分は新しい市場に業者の方が皆そろって行っていただければ、売上げが低下するということはないと考えております。(「
家内労働者、失業者の問題……」と呼ぶ者あり)
市場をやりましても小売店の方はそこへ買出しに来られるわけでございまして、別にそのために失業するとか……、(「小売りと違うがな」と呼ぶ者あり)ただ最近の、これから後の流通機構がどうなるかということを考えてみますと、やはりこれは新しい流通機構に即応しなければならないんじゃないかと考えるわけです。といいますのは、非常に零細な中小の企業におきましては現在、人を集めるということが非常に困難で、これは大企業、大規模の工場等は福祉施設、給料その他が多いので人を集めやすいが、雇用者の集めることについて非常に困難を来たしておるということは、現在は事実でございます。やはりこれから後は大規模的なものでないといかない、私は流通機構の在り方というものはそういうふうに考えておるわけでございます。ただ、しかしこの卸売市場が出来ましたからといって買出しに来られる人、そういうものは集荷が単一集荷ということだけで、卸売人が単一の、集荷が一つということになりますので、それは別に差し支えないと考えております。
◆29番(若原敏孝君) どうも答弁がさっぱりあいまいで、よく分らないんですが、1つは私は国との関係は最後に若干助役から触れられましたけれども、そういう最近の流通機構が膨大化していく、他市においても同じように
中央卸売市場で作られていく、だからそういうものと歩調を合せていかないと時代遅れになるというふうに考えておられるようです。われわれは、失業者が出るかどうかということについて、これはもうはっきり出ることは明らかです。この救済策をどうするかということを私は御質問しているのに、あなたは中小企業、零細企業には人が集らぬから大企業に集中していくのは止むを得ぬ。今の大企業に吸収されて、零細企業の人たちが十分に今まで通り以上の生活を確保出来ているかというと、そうではないわけです。まさに
中小企業基本法はそういう人たちを切り捨て、そして失業者に追い込み、そして安い賃金で
工場労働者に雇い上げていく、こういう労働基本法と並んで政府がとってきている政策であります。そのことが止むを得ないということで末端の自治体がそういう零細業者に対して温い手を差し伸べてやらなければ一体誰がその人たちの生活を守ることが出来るのですか。(「その通り」と呼ぶ者あり)その点を、あなた方は一定の見通しを立てて救済策を考えているかどうかということを私は質問しているわけです。
それから、業者の説得の内容と関連して、80%以上の方が賛成をしている。だから市の土地は、市の市場は閉鎖をする。市の市場だけ閉鎖すると言われました。じゃ、ほかはどうするのか。ほかは、やっぱり従来通り放っておくのか。何か一定の処置を考えないと、今のままの営業が続けられるならば、新しい市場が出来てもそれだけ入る人が少い。実際問題として青果業者の人たちの真意はみな
総合市場にしてほしい。判はついたけれども、それは一応役員さんの手前もある。おそらく8割ないし9割は行かないだろうというふうに見込んでおられます。こうなってくると、当局側は後になってあわてふためくようなことになる。だから、それをどういうふうな処置をするかということを質問しているのです。そのことを市の方は閉鎖しますということでは答弁にならないと思います。市の方を閉鎖する場合にはそれに相当権力的な執行が伴なうことになります。そのことについても私は非常に問題点があると将来を憂えているわけです。
それから、土地の問題ですね。どうしてもその3億円買っておかなきゃならぬということで、3億円年内に払っておかなければ取得が出来ないということが理由になって、さっき私が言いましたように、大衆的に民主的に、徹底的に
中央卸売市場を作るということの是非を論議する機会をわれわれが与えられないということでは非常に危険だと思うのです。だから、とにかく土地だけ買っておいて、あとで内容を検討するというわけにはいかないわけです、私らは。とにかく納得出来て初めて土地も買おう、建てるための予算も承認しようということになるのです。ところが、土地だけ今買っておかなかったらどうにもならぬ、土地は今ない時だから買えるものは買うておけということでは、私はこれからほかに沢山西宮市がやらなきゃならない事業があるのに、そういうふうにあなた方が簡単に考えているようなわけにはいかない。
それから、
中央卸売市場のことについてですが、神戸でも大阪でも
中央卸売場が出来て、そして困っている、いろいろ問題点がでているというふうなことが新聞紙上でも出されています。そういうことについても当局は十分に御研究なさっていると思う。尼崎では売上げが上ったというふうに言っていますけれども、やはり
総合市場を作っているところも、この資料を見せていただいても、どこですか、兵庫県下でも
総合市場を作っているところがかなりあります。伊丹、明石、加古川、こういうふうに
総合市場も作られているわけです。あなたがはっきりとおっしゃったように、この中央市場は西宮、宝塚、芦屋を経済圏とするというように言われました。今の西宮の市場は、極端には大阪からも一部入っているとも聞きますし、尼崎、それから東神戸からも小売業者が買出しに来ておられる。そうすると、西宮の今度の
中央卸売市場の経済圏ははっきりとそれだけ狭められたということになります。そうすると売上げが現在以上に上るという見通しはないのではないか。勿論、人口が西宮市で増大をして、それによる自然増加はあるにしても、そういう今の流通機構から見て、同じ実績が上るということは考えられません。そういうことをあなた方はどういうふうに見通しているのか、ということです。
われわれは、もう1つ助役の答弁に抜けておったと思いますが、小売業者の利便、あるいはこの人たちに対してあなた方は少くとも、よその市から買出しに来ておる人の意向まで聞かなくていいと思いますが、西宮市内の小売業者に対してはどういうふうに意見をお聞きになっているのか。とにかく、
諮問委員会のそういうメンバーの中には市場の代表は入っておられるけれども、小売業者の代表はどういう形で入っているのか。われわれはそういう点でも問題があるように思います。もし、小売業者の代表が入っているとするならば、どういう人が小売業者の代表なのか。そういう点も聞いておきたいと思うのです。
特に私は、質問が長くなりますので、失業救済の点、それからあなたはやはり国の政策と直接関係はないと言いながら、
中小企業基本法の精神を止むを得ないものと認め、あるいは積極的に推進するような立場に立っておると思います。そういう点、あなたは
中小企業基本法についてはどう考えているのか。あの精神をどういうふうにとられているのかということは、あなたの御答弁の中からはなかったと思いますので、やはりその点明確にしていかないと、われわれ西宮市の基本政策が明らかにならないと思います。
◎第2助役(松浦松一君) 失業者の点でございますが、これは現在の
総合市場がこのままでは出来なくなってきています。従って、それをそのまま放っておけばなお一そう失業者が出るということになるわけでございまして、新しい卸売市場が出来ましたからといって失業者が、私はもしありとするならば救われる、こういう考えでございます。
それから、他の市場、大阪、神戸ということでございますが、これは大阪、神戸の実績も調べております。大阪では中央が非常に大きな売上げになりまして、新しく作りました淀川の分荷場ですか、あそこは最近ちょっと下ったということは聞いておりますが、これは中央の方で吸収したために非常に一時的な現象で、土地が不便であるというふうなことからそういうことになっておると思います。
それから、宝塚と芦屋のことを申し上げましたが、今の20億という計画はそれに基いてやっておるわけでございます。従いまして、現在買出しに来ておられる、遠くは京都の宇治からも来ておられるそうですが、新しいものが出来ましたら、これは変らないんじゃないか。それは計画としましては多少低目に見ましたので落っておるようなことになっておりますが、その点は計画をそういうことに置いたということでございますので、何分御了承をいただきたいと思います。
それから、小売業者の利便についてでございますが、これは産業部長からも答えますが、公式ではございませんが小売業者の意見を聞いておるということでございます。小売業者といたしましては、西宮に市場がなくて尼崎の市場へ買出しに行くとか、あるいは神戸に買出しに行くよりは、西宮市に市場を作った方が小売業者としては便利だ。現在の
総合市場がやれなくなるといたしますと、これは便利であることは申し上げるまでもありません。
それから、
中小企業基本法に対する根本的な考え方、これは
中小企業基本法に謳われております点は市といたしましてはそれを順法してやりたいと思いますが、この
中小企業基本法と今度の市場というものは根本的に違うわけです。これはどうしても中小企業の救済ということは市としてはやらないきませんが、現在この卸売市場をやらにゃならぬということになりました根本的なことを考えていただければ、これは私は矛盾しない、こういう考えでございます。(「そうすると、市は中小企業の首切りをやるということになるのやな」と呼ぶ者あり)
◆29番(若原敏孝君) またどうせ同僚大槻議員も発言をいたしますので、もう私はあまりくどくは申しませんが、じゃ今の市場はどうしてもやっていけない、そのことは衛生的な面、それから駐車場の面を特に強調しているわけです。駐車場の問題はどうしても解決出来ない問題なのかどうか。そういう点は一体どこに隘路があるのか。衛生的な面については、それは確かに不衛生だということは分っています。だから、今の入っておられる業者は皆そういう新しいよい市場、いわゆる新市場というふうに理解をしております。だから、新市場を作るということについては皆んな賛成をしていますけれども、
中央卸売市場ということには賛成していないということなんです。だから、加古川とか明石とか伊丹が
総合市場を作っているのに西宮は
総合市場はどうしても出来ないという、何か政治的なというか、政策的な面があるかどうか。その点はやはり明らかにしておく必要があると思います。
◎第2助役(松浦松一君)
中央卸売市場に賛成しないという面ですが、私としてはアンケートをとりまして判までもらって、皆さんが80%の方が御賛成だと考えております。
何故、
中央卸売市場を作るかということでございますが、これはどうせ今の
総合市場を移転せなければならぬということになりますと、新しい国から起債をもらったり補助をもらったりするのには、一つは
中央卸売市場でないと認めないというわけでございます。
それから、やはり今後の流通経済につながる点を見ますと、
総合市場よりは
中央卸売市場の方が利点があります。この利点につきましては後ほどまた申し上げてもいいと思いますが、利点がありまして、今後の市場の在り方としましては
総合市場より
中央卸売市場の方がいいという点、現にそれがために神戸、大阪の大都市におきましては全部
中央卸売市場に変えつつあるわけです。そういう点から見まして、
中央卸売市場の方が中央経済につながる、近代的なものとしてこれが一番いいというので出したわけです。また答申案におきましても、性格は
中央卸売市場で行け、こういう先ほど申しました答申も出ております。そういう点から総合いたしまして
中央卸売市場にしたい、ということでございます。
◆29番(若原敏孝君) もう1点だけ。さっきの質問で答弁がなかったことが1つあります。それは結局、判はついた、しかし動かないということが出た場合に、市の方の市場については権力的にでも閉鎖することが出来るけれども、ほかの市場はそうはいかない。そうすると、それはどうなるのかということを私はお聞きしたけれども、それについてはっきりした答弁がなかったわけです。
それと、現在のままで駐車場がどうしても解決しないのか、ほかに何かいい方法があると思いますが、そういう点については検討は加えられたかどうか、ということです。
◎第2助役(松浦松一君) 市の市場以外の市場でございますが、これは80.2%の方々が賛成しておられますので、これは私は全部行っていただけると思うわけです。従って、反対だといって出ておりますのは10名ですか、そういう方は業者で説得していただいて行っていただこう、こういう考えを持っております。
それから自動車の件でございますが、これは御承知の通り800台からの自動車が出まして、あの川の上の駐車がなかなか県の方で認められないということでございます。現在のだけではどうにも処置が出来ない。警察も期限を切って、やかましく言っておりますので、その都度警察に新しいものが出来るから待ってくれということで、1カ月、2カ月ごとに更新をして認めていただいておるような次第でございます。私たちから考えますと、あれだけの自動車を今どこに置くという場所は現在の市場でしたらないので、新しい市場にしたいということでございます。
◆29番(若原敏孝君) じゃ、あとは大槻議員にやっていただくことにして一応この辺でやめておきます。
○議長(八木米次君) 4番 長岡初男君の発言を許します。
(登 壇)(拍 手)
◆4番(長岡初男君) 発言が昼からになるだろうと思っておりまして、ちょっと遅れました。ただいま提案されております
中央卸売市場の件について質問をいたしたいと思います。若原議員が相当内容的にも質問されましたので、私は出来るだけそれが重複しないように発言したいと思います。
まず第1点は、21億以上の非常に大きな財源を要することになるわけであります。将来、昭和45年ないし46年頃に開設がされるということになりましても、その時点で21億というような非常に大きな予算が要るということは明らかであります。それで、私どもの手元へ送付されております説明書は議案を含めて僅か4枚か5枚の薄っぺらい紙、これだけしか資料はないわけです。自治法の中には、法律の122条には長の説明書についての定めがあります。この定めによりますと、予算に関する議案を出す時には詳細な説明書を出さなきゃいかんという規定があるわけです。中央市場法という法律の中にも、新しい
中央卸売市場を建設する際には建設計画というものを農林大臣の方へ出して、農林大臣の認可を得なければなりません。その計画書というものの中へ書かなければならないものが規定されております。その1つは、設備の種類および構造、次に開設に要する費用および財源、償還の計画、配置図、付近の見取図、取扱い品目および取扱いの見込み数量、いわゆる売上げ高、経営の方法および収支の概算見込み、工事の着手および竣工期日の見込み、こういうことは市場を開設する際には当然市がこの場合には開設者でありますから、農林大臣あてに出さなきゃならぬ。今回は土地を取りあえず買うんだから、この計画書はまだ出しておりませんので議会にも示すことが出来ませんというような答弁をされると、これは非常に大変なことになる。土地だけを買って何も建てないんじゃないんですから、必ずここには
中央卸売市場を建てるということで業者の方々の賛成の判をとっておられる。
中央卸売市場を建てるということであったら、また予算の総額が21億7318万円という金額まで議会には明示がされております、最終的にはそういう金額になる。そういうことが出されておる以上は農林大臣に対するそういう計画、出す計画については議会に知らすのが私は当然じゃないかと思うわけです。何故この計画書を議員の手元にお配りにならないのか。これをまず第一番に明らかにしていただきたい。
次に、新
中央卸売市場が出来るということについての、それが是か非かという論議は私は皆さんと一緒にこれから考えていく問題であると思っております。ただ、私どもが議会にあって一番大切に考えなければならぬことは、新しい市場が出来ることによって市民生活にどんな関係があるかということであります。何をするにいたしましても、市が事業を行なう場合には直接市民生活にプラスにならなきゃならぬと思うわけです。マイナスになるような事業は、これは市がやってはならぬと私は思います。市民生活がよくなってこそ、これが本当に市がやるべき事業であります。市民生活がよくなるために多少の赤字が出るというようなことは、私はこれはやはり承認をしてやっている事業は沢山あると思う。現在、水道会計も赤字であるし、あるいは国民健康保険も赤字であります。また、図書館の事業にいたしましても、あれなんか全額赤字であります。しかし、そういうことは市民の生活がそれによって潤いが出来、いい生活、いい環境が出来ているということによって、われわれはそういうことを承認しておるわけであります。ですから、新卸売市場が出来ることによって市民の生活に及ぼす影響、すなわち
生鮮食料品というものは新卸売市場が出来たら安くなるのか高くなるのか、これをまず第一番に聞かせていただきたい。安くなったら私はいいと思う。安くなるんであれば、これはやはりいろいろと今後の問題として、われわれは出来るだけ最小の経費でいい市場を作ることに協力しなけりゃならぬと思いますし、ですからあなた方は専門家でありますから、新卸売市場が出来た場合には
生鮮食料品というものは安くなるのか高くなるのか、そのどちらであるかということを具体的に私どもに分るようにしていただきたい。私はおそらく高くなるんじゃないかと思っておるのですが、そういうことはここであんまり軽々しく言いますといけませんので、市当局のそういう見解をはっきりとしていただきたいと思います。
もう1つは、市民生活と同時に、現在入っておられる市場の業者の方方の問題があります。新卸売市場が出来ることによって市場の業者の方方がどういうふうになるのか。先ほど若原議員が言われましたが、それについての答弁では非常に不満足であります。市場の業者の人の生活ということを市がまるきり、こういうのが出来たら何とか説得してこっちへ入ってもらうのだというふうに言われておりますが、この計画書の中にもありますように、仲買人、卸売の業者、標準職員数というのは323人、開設者の標準職員数が23人、346人という一つの定数が示されております。現在の市場では非常に沢山の人がいらっしゃるわけです。だから、新卸売市場が出来た時にその業者の方々の生活というものはどうなるのか。現在よりいい収入になるのか、あるいは今と同じだけの収入が確保出来るのか、これは私は非常に大切な問題だと思います。新卸売市場が出来ることによって、そこへ例えば業者の方が全部賛成をして入られたとしても、現在の収入よりも低くなるということであれば、これは私どもはやはり今の時点において考えなけりゃならぬと思うわけです。(「その通りや」と呼ぶ者あり)ですから、そういう点は収入というものはどうなるのかということを明らかにしていただきたいと思うわけであります。
それと、先ほど若原議員が言いましたが、最後に言われた質問についても答弁が十分にされておりません。もう1度明らかにしていただきたい点は、80何%の人が賛成しておられるので、不明の人と含めて33名の方々が新しい市場に入らないことはないだろう。それは業者の方々にお願いをして説得をしてもらって全部入ってもらう、こういうふうに言われておる。もし、どんな説得をされても入られない場合にはどうするかということです。それを聞いておかんといかぬ。これは法律的にそういうことが可能であります。中央市場法の第21条には「類似市場の届け出」という欄があります。この条文には、
中央卸売市場の開設許可が下りても他のそれに類似する卸売市場がある場合には、その人々は改めて農林大臣に申請をしたら、農林大臣の方では設置の基準に従って許可を下ろさなければならぬ、こういう法律があるわけであります。ですから、業者の方々が如何に説得をされてもどうしても行かぬのだ、新しい卸売市場では自分たちの生活が守れない、だからわれわれはどんなことがあっても行かないと言われた場合には、これはどうするのか。これについての問題は将来に非常に悔いを残す問題になると思いますので、当局の見解を聞かしていただきたい。
次に、一番大きな問題であるところの、市財政に及ぼす影響であります。21億というような大きな事業は西宮市の歴史始まって以来であります。こういう大きな事業を起すということの是非はとにかくといたしまして、21億円というような大事業をやる場合の、当初に申し上げました年間の償還額というような表もありませんし、私どもがそれについて論議をする資料がないんですが、大まかにいいまして西宮市が現在考えましても、どうしても来年度からしなければならぬ問題があります。それは国保の赤字が来年度には相当額ふえるということがすでにいわれております。これの財源というものは絶対的に必要であります。それから庁舎の建設という大きな問題が残っております。阪神間どこを探しても庁舎が西宮ほど複雑でバラバラになっておって、市民サービスの行き届いておらない、職員の健康管理が悪い、実に非能率な庁舎は西宮だけであります。この庁舎の新設という問題は必ず来年度ぐらいからは出てこなければならぬ問題であります。あるいは、市長は本年の当初の予算市会において労働会館、いわゆる勤労者のための福祉センターといいますか、そういう会館の改築については来年度からはやっていきたいんだという意向も示されました。最近、聞くところによりますと、これの予算だけでも1億2000万円の計画があるそうであります。また、甲山の国有林の払下げによって、これは仁明会との話合いもつきましたので、いずれこれを市が買収しなければならない分があります。当初いわれておりました8000万円程度の金額で済むかどうかということは疑問であります。この金額も相当要りますし、この山を買収いたしますと、いわゆる養護学校の施設、高等学校、現在の市立西宮高校、西高を甲山へ移転をするということは明らかにされております。この費用は相当額を必要とします。そのほか数えあげたら切りがないほど西宮市の財源というものは要るわけであります。これは議員の皆さん方がよく御承知の通りであります。そういう情勢の中で、西宮市がこの21億という卸売市場を作った場合に、来年度以降のいわゆる償還額というものがどうなっていくのか、その財源はどこから捕捉するのか。この計画案によると9億円というもの、土地を買う9億円は県の開発公社から借り入れるということだけで、全体的な計画としては起債に頼っておる部分が15億6500万円であります。一般財源は4億8277万6000円、こういう比率であります。いずれにしましても、この金を来年度からどういう計画でやるのか。この具体的なことを私どもは知りたいわけであります。それがない限りには、なかなか論議がしにくいと思います。
その次には、現在の業者の方々は新しい市場が出来る、そのことについて自分たちは負担金は1銭も要らぬのだ、自分たちの金は1銭も出さぬでもいいんだ、市が市場を作ってくれて、そこへ行ったらいい、というふうに考えておられる方があるようでございます。私も直接そういうことを聞いた方がありますので、自分たちは何の負担もせんでもいい、ただ新しい市場が出来たらそこへ入っていったらいいんだ、こういう考えを持っておられる方々もあるらしいんですが、それは本当なのか。新しい市場が出来たら、市場法によれば、やはり一つの品目ごとといいますか、そういう卸売の科目ごとに保証金を納めなければならぬというような規定もあるんですが、(「11条にあるぞ」と呼ぶ者あり)そういうことは一体、何故そういうことが業者の方々の中からそういう話が出てくるのかという問題でございます。これはやはり、本日は市場の業者の方々が沢山お見えになっております、明らかにしておいてあげて下さい。これが親切というものです。あとから、こんなことで金が要るんだということになると、今度は議会をごまかしただけじゃなしに業者までごまかしておる、こういうことになってきますから、それでは困るので、この際に明らかにしておいてあげて下さい。
それから、新しい市場が出来まして、例えば、これは本当に例えば、全部の業者の方が新卸売市場の方へ移られるとします、移られるとした場合に、いま残っておる、その閉鎖した後の土地、そういうものはどうなるのか。その跡は、西宮市は駅前整備計画というものが過去においてあったのですが、そういうことをする場合には現在ある、除けた跡の土地はまた市が買収をしてやるのかどうか。こういうことは相当はっきりしておいてもらわぬと困る。そうしますと、卸売市場を一つ建てる、それに21億からの金が要ります。まあうまくいって全部が退いてしまって向うの新しい市場へかわっていったけれども、跡の土地を駅前整備計画をやるために、また坪当り20万円で買収するんやというようなことになってくると、市場一つを作るための財源というものは何ぼ要るか分らぬ。こういうことはやはり、将来の問題であるというようなことではなしに、現在高須町に土地を3万坪を将来買う、年内に3億円の金を払うということは3万坪の土地を買うということであります。同じことであります。それを買って市場を建てた場合にはそういうふうな問題が次々と出てくるわけでございます。それらの点について、まず初めに明らかにしていただきたいと思います。
答弁によりまして再質問いたします。(拍手)
◎第2助役(松浦松一君) お答え申し上げます。
まず初めの、計画書を何故出さないかという点でございますが、お説にありましたように、これは最近建築の予算も出さないかんということがありますので、市の方ではこの21億につきましての計画案を持っております。これは後ほどプリントしてお配りいたしたいと思います。
中央卸売市場を作って市民生活がよくなるかということでございますが、これは私はよくなると考えております。
それから、
生鮮食料品が安くなるのか高くなるのかという点でございますが、これも私は高くはならないと思っております。しかし、具体的にどれほど安くなるのかということは明示出来ません。それは集荷が非常に多くなるという点、せり売りであって、今までのような価格の明示がはっきりしないという
総合市場よりは、
中央卸売市場におきましてはせり売りで価格を明示いたしますから、安くなっても高くならない、こういうふうに解釈いたします。これはしかし一概に申せませんのは、集荷の量の多少によりまして価格というものが決定いたしますので、非常に品薄なもののような場合には今やっておるより高くなるようなものが出来てくるかも分りませんが、総体的な理論といたしましては安くなっても高くならない。そうでなければ20億をかけて西宮市が
中央卸売市場をやる必要はないと考えております。
それから、市内の業者、市場の業者の生活でございますが、これはもう80.2%もの方が賛成して
中央卸売市場に行こう、時代の動きはもうすでに
総合市場から
中央卸売市場に移りつつあるということでございますので、これは皆さんの生活は不安がない、そういうことで御賛成をしていただいたんだと考えております。ただ卸売人が単一制になるというだけでございますので、その他の点につきましては業者自体の方が皆さんよく御承知だと考えております。
それから、説得してもどうしても行かないものはどうするかということでございますが、これは現時点におきましては私は予想しておりません。全部行っていただける、こう考えております。しかし、その中で行かないという人がおっても時期の問題だと思うのでありまして、ほかの市等におきましても、姫路が作りました時も殆んどの人が反対であったのが最近では向うの方へ移っておられるということですから、これはもう業者の方で説得をしていただいてやらぬ以上は、私の方では市場を作った意義がないので、是非そういう方向に努めてもらいたいと考えております。
それから、市財政についての影響でございますが、これは一挙に20億円を出すというわけではなくて6カ年計画でやろうということにいたしております。その償還の方法ですが、現在は開発公社でこの金を一時借るということになっております。しかし、これは起債の振りかえをしたいというので、自治省へも大蔵省へも働きかけをしております。従いまして、開発公社で借る場合と起債でやる場合と、償還の年次、償還の方法が大きく変るわけでございます。それで、もし仮にこれが開発公社だけでやるとしましたら、ピークの時が3億何千万円ですか、ちょっと4億ぐらいは3カ年で払わないけませんので、それだけの財政的なしわ寄せが出来ます。それは承知していただかぬと、この事業をやらない場合とやった場合とは、これは財政的しわ寄せがないとは言えません。絶対的にあるということを申し上げたいと思います。
それから、業者の負担の件でございますが、これは
中央卸売市場をやりますので、これは市がやらにゃならぬ事業でございます。ただ、建設の委員会におきまして業者の方、代表の方々から応分な協力はするというようなお話がありましたので、それは記録に残っておりますが、これはどの程度の協力をしていただくか、これから後の交渉にまちたいと考えております。
それから、閉鎖した後の土地はどうするかということでございますが、この土地は個人の土地でございますので、これは閉鎖しました以上、私の方ではこれにどういう手の打ちようもない、所有権も個人にありますので、その点は一つ御了承をいただきたいと思います。
○議長(八木米次君) 再質問ですか。
◆4番(長岡初男君) ちょっと待って下さい、それまでに私、議長にお願いしたいのです。私は昼から続けて質問させていただきますが、いま助役が初めに「21億に及ぶような大事業であるから、市の方は当然、計画書を持っております。後刻お配りいたします」何で初めに出さぬのですか。(「その通り」「こんなもの審議出来へん」と呼ぶ者あり)議会に予算の提出をする時には自治法の定めによって詳細な説明書を出さなければならぬとなっておるのに、何故出さぬのですか。私が質問したら初めて「そういう計画は当然あります」当然あるものを何故出さぬのですか。まことにけしからぬことです、これは。だから議長ね、それはそれでいいですから、そういうことも含めて、そんなんあるんだったら午後の議会に全部の議員に配って下さい。
◎第2助役(松浦松一君) 午後にはちょっと間に合わぬ。
◆4番(長岡初男君) そうしたら、何故なんですか、そんなおかしなことを言うたら困る。私は、ほかの議員さんも一緒だと思う。計画書が市にあって、そうしたら、あるものを何故議会に提示しないんですか、あなたは。はっきりして下さい。
◎第2助役(松浦松一君) これは土地購入の件でございますので、一応そこまでようお出ししなかったわけです。それで計画書はないことはございませんので、これからプリントしましてお配りしたいということを申し上げたわけでありまして、その点……。
◆4番(長岡初男君) 土地購入の件でございますから後でしようと思いました、だから私はそういう答弁があるだろうと思ったから、先ほどの質問の中でも、土地だけを買うて置いておくんじゃない、この上へは新卸売市場を建てるということで業者の方々の賛成の判までとっておるんじゃないですか。そういう既定の事実があっても、土地購入だけですから計画案は後ほど出すつもりであった、詭弁ですよ、これは。あなた方、そういう態度で議会に接していいんですか。私どもは予算が出てきた以上、計画案が出ておるんですよ、21億7000万円以上の計画案が……。そういうような計画案が出ておるのに、当然法律で定められた説明書も提出しない。まことにけしからぬことです。
○議長(八木米次君) ここで昼食のため休憩いたします。
(午後 0時21分 休憩)
──────────────
(午後 1時59分 開議)
○議長(八木米次君) ただいまより再開いたします。
◆4番(長岡初男君) 休憩前に引き続きまして質問いたしたいと思います。
先ほど市の方から、私が申し出ましたその資料が配付されたわけであります。つい今しがたいただきましたので、詳細な検討をするというところまではいっておりませんけれども、概算、見まして、こういうことが言えるんじゃないかと思います。というのは、歳入の方のいわゆる起債の合計額は15億6500万円という合計額が出ております。建設費は21億7318万8000円、最終に歳出の合計額は45億9063万6000円、こういう計数が、一応予定ではありますが、出ておるわけであります。最終に起債を償還する年限は昭和65年度になってくるわけでありますが、25年計画で償還をしていく、最終的には21億7318万8000円の建設費に対して市が45億9063万6000円、これだけの金額を全体的に償還をしなければならぬということであります。これはこの表によって明らかにされたところでございます。ですから、21億の市場を建てるということが当面出てはおりますけれども、実際に市が負担をしなければならない、実際に25年間の間に市が負担をしなければならない金は45億9063万6000円である、こういうことになるわけです。その一番最後に書いてありますように、料金収入だとか、そういうものが多少ありますが、いろいろなことを差し引きましてもその昭和65年という時点で17億2532万4000円というのは完全な市の純不足分に対する支出ということが出てくるわけであります。当然、建物は残りますけれども、そういうことが起ってくるということが、この表で明らかであります。そこで、この差引収入不足という欄を見ていきますと、昭和42年度では2億4589万2000円、その次の年が2億8852万6000円、その次の年は2億2201万1000円、こういう2億円以上の差引きの収入不足を生ずる年がこの表では3年あるわけです。そのほかは大体1億四、五千万円から8000万円までの間の年が昭和49年まで続くわけであります。それから先は金額は少し減って参りますけれども、いずれにいたしましても相当大きな、市が赤字を負担をしていかなきゃならぬ、建設のためにそういう金額を予算化していかなきゃならぬと思うわけであります。こういう予算は、その不足分というものは一体市の方ではどこから捕捉するかというと、私はおそらく市税以外にはないだろうと思うのです。それで、この際に私ははっきりと聞いておきたいのは、これは市長に明確にお答えいただきたいと思いますが、こういう財政計画の中で市長は今後起ってくる西宮市の行政をやっていく上においていろいろな事業があると思います、先ほど私が申し上げましたように庁舎の問題もありましょうし、あるいは甲山の周辺の開発の問題もありましょうし、下水道の整備計画、いろいろな問題が将来に残されておると思うのです。札場筋線の拡幅の工事のこともあなたは当初予算で公約されておる通りであります。あるいは阪急の高架に伴なう問題もあります。非常に沢山の問題がありますが、その中で自信をもって西宮市の財政を、そういう心配なしに健全財政を維持してやっていけるという自信を持った上でこの計画案を出されたのかどうか。これは市長に明らかにお答え願いたいと思うわけであります。
それから次に、先ほどの答弁では新
中央卸売市場が出来上った時には物の値段はおそらく高くならないだろうというお話がございました。こういう答弁がありました。高くならないだろう、これは安くならないかどうかはとにかくとして高くはならないだろうという話があったのですが、私は素人ですからあまり分りませんのですが、中央市場法の法律の定めによると今度出来る卸売市場での取引というものの方法はせり売りとなっております。いわゆる高値落しということです。家を建てたり、市が学校を建てたりする時と同じ競争入札は、これは安くなる可能性があるわけです。けれども、中央市場法に定めてあるところのせり売りというものは高値で落すわけです。1本の大根が50円で落そうという人と70円で落そうという人があったら、70円の方へ行くのであります。その間で多少の調整はあるだろうと思いますけれども、とにかく高値落しであるということは間違いございません。高値落しということだけを私ども素人の考えで考えた時に、今の市場の形態とは根本的に違ってくるわけです。その中で物価が下るかどうかということについては、ちょっと私は疑問があると思うのですが、当局の方ではそういう点についても今の
総合市場のやり方と新しい市場のそういうやり方とは全然違うのですから、こういうふうになって物価が下るんだ、物の値段が下るんだということを明確に教えていただきたい。これは市民生活に直接関係のある問題ですから、もし高くなるということがあったら、そううっかりわれわれは賛成するわけにいかぬわけです。少くとも物価が今よりは安くなることが望ましいですが、安くならぬでも今と同じ状態であってもらわぬと困ると私は思うのです。ですから、そういう何故物価が今より高くならない、絶対に安くなるだろうというようなことを言われていますが、その根拠は何であるか、具体的に説明をしていただきたいと思いまず。
それから、その次に今の市場の業者の方、この方々に対しては決して負担をかけないのかどうかということをお尋ねいたしました。先ほどの答弁では寄付をしてもらうことがあります、それは今後の交渉によって決めたいと思います、という答弁でございました。私が聞いておるのは、寄付というのは特殊な方がしていただくのですから、それは有難くお受けしたらいいと思いますが、私がお尋ねしているのは、一軒一軒の業者の方がおそらく店を構えられるはずですから、そういう業者の方がこの建設費に関して負担をしなくってもよいのかどうかということです。あるいは、入る場合には保証金だとか、そういうものの規定が中央市場法でありますと、そういうものはどうなるのか、こういう問題が私はあると思うのです。私どもがちょいちょい町の中で聞いております言葉では全然そんな金は要らぬのだ、新しい市場が出来たら、かわって行ったらいいんだというふうな理解をされている向きもあります。これは将来もし出来た場合に非常に業者の方も困られますし、市も困ると思いますので、そういうことを明らかにしていただきたい。一軒々々の方々にはどういう負担がかかるのか。例えば縁故債を発行して、起債のうちの一部分、市債の一部分を何億円かの分は現在入っておる業者の方にその公募債を買うてもらうというような方針があるのか、具体的に申し上げましたら……。そういうようなことも当然私どもとしては考えられることです。何も市の経費だけを使って、こんな大きな21億からの事業をやるという必要は私はやはり当然いま入っておられる業者の方も何分の負担をしてもらうということについては別に私は問題がないと思う。ですから、そういうようなことは実際に業者の方にかけるのかどうか、という点でございます。
そういう点を、いま1度、御答弁をいただきたいと思うわけでございます。
◎第2助役(松浦松一君) 物価が高くならないかという点でございますが、安くなるかという点でございますが、これは私の方も今ここでどういう具体的に申し上げる数字的なものは持っておりませんが、おそらく入荷が多くなって集荷が一本化するという点、それからせり売りで価格が明示するということになって参りますと高くはならない、こう考えております。20億もかけまして物価が高くなるというようなことでしたら、この市場を作る必要は、市民のために必要がない、こう考えております。
それから、市場の人、業者の方に負担をさすかということでございますが、これは御答弁申し上げましたように、私はあの時には寄付とまでは申し上げなかったのですが、建設の委員会の過程におきまして、ある程度の負担をしようというような記録は残っております。これは具体的にどういう寄付になって参りますのか、今おっしゃったような縁故債という格好に持ってくるのか分りませんが、私はまだ業者と交渉をしておりませんが、相当大きな金でございますので、縁故債というようなことで業者に協力を求めたいということを考えておる次第でございます。
◎市長(辰馬龍雄君) 健全財政の問題でありますが、市当局といたしましても健全財政を堅持しながら諸般の事業を進めていきたい、かように考えております。
◆4番(長岡初男君) そんなね、そういう答弁をされると非常に困るのです。それを通りいっぺんの答弁というんです。私は、こんにゃくの裏表のような答弁をしてくれと言うているんじゃないのです。(笑声)そういうことじゃなしに、西宮市の財政をやはり最終的に責任をもってよく考えていただくのは市長です。市長が確固とした信念を持って、本当にこの市場をやることの、これはどうなるんだということを、もっと呑み込んでやってもらわぬと、さっきも言うたように45億の金をかけるわけです、結局は。結局は、21億というていますけれども、45億になるわけです。45億円という負担を市が、25年間という長期ではありますが、負担をしていかなければならぬ。私がさっきも言うたように、いろいろな問題があるわけです。現在もうすでに来年度には、まず第一番に甲山のところへ高等学校を移転しなけりゃならぬということは、もう焦眉の問題になっておると思う。これは学校の方からも請願書といいますか陳情書といいますか、そういうものも出てきておりますし、市の方でもやはりそういう計画は来年度から立てたいということを、はっきり議会で言うているわけでしょう。あるいは庁舎の問題についても随分多くの議員の方々から質問があって、これは当然考えにゃいかぬ問題だということは言われておるわけです。そういう中で、こういう財政負担をやっていけるという、これによってほかの西宮市の行政にいわゆるしわ寄せがあるということは助役が言われたわけです。ですから、市長の方でこういう金額を毎年出していった場合には、これはこういう面の事業はちょっとどうなるとか、もうちょっと言うて下さいよ。そうでなけりゃ、健全財政を維持するように努めてやります、当り前のことです。そんなことを私は聞いているんじゃないのです。
それからもう1つは、いま助役は、物の値段が安くなるだろう、と言われましたがね、あなた専門家じゃないから、あなたに聞いても無理ですが、幸いなことに産業部長がおるわけです。この人はこの問題に直接取り組んで非常に傾倒しておられると思うのです。だから、あなたが1ぺん答えて下さい。物の値段が安くなるという根拠ですね。私ども議員は本当に素人なんですから、現在の市場でどういう取引が行なわれておる、実際には物を買いに来た小売の方あるいは仲買いの方とどういう交渉が行なわれて物の売買がされておるということも詳しく知らないわけです。新しく出来る卸売市場はせり売りだということは法律だけを読んで分りますが、具体的にどうなるんかということは分らぬわけですから、物が安くなるんだったら、その安くなる、こうするから安くなるということを、よく分るように説明をして下さい。
◎産業部長(河田辰一君) ただいま新卸売市場が出来ましたら物価が安くなるかどうか、これは先ほど助役も説明しましたように、高くなることはなかろうと思いますが、それかといって、端的にいいますと今の実績をよく、阪神間の隣接の尼崎
中央卸売市場、これは中央市場法の市場です、神戸の東市場がございます、それらから購入された経路の価格と西宮のこの魚菜市場から購入された経路のものを比較検討してみます時に、高くはならない、それかといって、ほぼ同じ値である、殆んど同じ値である、これは今の統計上から申し上げますと、はっきり言えることでございます。安くなるかどうか、これも原則は、不作、青果は特に天候に左右されますので、不作を除きまして普通一般的に申し上げますと高くもならないが、それかといって急激に安くなる、さようなことはないということをお答え申し上げます。
◆4番(長岡初男君) 市長のも後でいいです。部長ね、そうしたらもう少し変った角度からお聞きいたしますがね。この現在西宮の市場の、現在の市場ですよ、今の市場の売上高は私ども他の業者の方が出されたんだと思うのですが、出された資料では78億円から80億というような数字が出ておるわけですね。実際に昨日私ちょっとほかの業者の方に聞いてみましたら、多少誤差があって、今年度の売上げを見ておると大体100億程度の商いがされておるようです、大体。それで、今までの昭和36年度当時から統計的に見ていきますと、西宮の人口がふえるに従って年間まあ8億円から10億円近い伸びがあるわけです。昭和36年頃から比べると数字は相当伸びているわけです。こういう調子で西宮は人口がふえていきますから、暫くの間はおそらく45万くらいの人口まではふえるという可能性があると思っておるのです。そういう人口の伸びを考える時には当然消費物資がふえるわけですから、当然売上高というものはふえていくと思います。そうすると、昭和45年の新しい市場を開設する当時には、今の調子で年間8億円だったら8億円ぐらいの線で伸びていったとして、5年間先には40億という金が伸びるわけですね。だから今100億の商いをしておれば140億円の商いが今の市場で、これは分りませんけれども、計算上はそういうことが出るんじゃないかということが想像されます。ところが、あなた方が出しておられる市場は、ここのさっきいただいたこの資料の一番下に書いてありますが、商いの額は43年度の売上高は20億、これは最低に見積っておられるんだと思うのです。おそらくこんな数字じゃないと思いますが、44年度25億、45年度が30億、46年度が35億、それで46年度で現在の市場が70億の半分だというふうに書いておりますが、この70億という数字は現在の市場の数字とはちょっと違うと思うのです。けれども、とにかく46年度で35億、以下は各年10%増であって、そういうふうな47年度以降はもう据置きになるだろうというふうな予想が立てられております。そうすると、こういう計算でいって、例えば40億なり50億の線まで伸びていったとしても今の市場の売上高よりも100億近い商いの差が出るわけです。それは何故なのですか。それが私は分らないのです。商いが少くなるということは、結局業者の方の生活に直接な関係が出てくるんじゃないか。私はそういうふうに思うのですがね。それでも業者は生活に全然関係はないのか。何故この商い高が減るのか。新中央市場であったら何故減るのか。さっきのあなたの御答弁だったら現在の市場の値段は西宮と芦屋なり神戸なり、よそとほぼ一緒だ。ほぼ一緒であれば新しい市場が出来ても同じ商いが出来て当然じゃないんですか。私は素人ですから分りませんけれどもね、そういう考え方をするんですが、何故そうしたら商いが極端に減るのですか。約3分の1ぐらいに減ってしまう、45年度当時には。これは業者の生活権の問題に非常に関係が深いと思いますので、これは一つ明確にして下さい。何故、減るのか。
◎産業部長(河田辰一君) 今お尋ねの点、そのうちの1点ですね。年間8億のペースで伸びていくものと考えられる、この点につきましては数的に申せばお説の通りでございますが、現在は市場の敷地が何分御承知のように6000余坪しかありませんし、家屋は老朽化しておる、非衛生である、特に駐車禁止ですね、これは昭和41年の7月16日までしか認めてくれる特例がございませんので、その駐車禁止という大きなブレーキのために今あなたが申しておられます年間8億のペースで伸びていくとは私は思わない。駐車禁止で制限される。要するに狭隘である。後ろは東海道本線が控えておりまして堰堤のために伸びることが出来ない。丁度デルタ地帯のようなところに設置されておる。こういうふうなところに若干伸びていきますが、今お説のように8億のペースでいくとは私は思っておりません。
その次に、現在でさえも78億の売上げがあるのにかかわらず、それは開設当時には特に46年度では35億じゃないか。これは何故こうなるかと申しますと、われわれ事務当局の考えておりますのは同じ性格の中央市場で東には大阪、さらにその隣接には尼崎、お隣りの西に神戸市があります。同じ性格の中央市場がこの阪神間に新たに西宮市に生まれますと、俗にいう妙味ですか、買出人の妙味といいますか、それがなくなる。(「本音が出てきた」と呼ぶ者あり)妙味がなくなるから、というのは現在いま神戸市からも尼崎市からも中央市場のある所在地の買出人さえもこちらへ来ておられますのは、妙味がある。妙味というのは、相対取引です。ところが現在はそういう観点でございますが、将来の構想を考えてみます時に、先ほど申し上げましたように6000余坪の敷地で伸びることが出来ない。立体的にも伸びない。仮に立体化されましても駐車場という大きな問題にブレーキがある。こういうことを考えます時に、将来の大西宮市を考えます時には、この取引が近代化され、しかも合理化されておる流通機構の中央市場法によらなければならない。利害得失は現時点においてはいろいろな角度から出て参ると思いますが、将来の西宮市を考えます時に必ずや私はこれは喜んでいただけるものだ。丁度、大阪では御堂筋をこしらえます時に関市長の時に、あれほど何を馬鹿気たことをするんだ、それが現在ではもう狭くなっておる。私はこういう観点で
中央卸売市場に持っていかねばならぬ、かように存じます。
◆4番(長岡初男君) だんだんと本質的なことが出てきたわけですが、私が言うているのは、あなたが今8億円のその数字は伸びないと私は思うと言われましたですがね、それは今のままの状態では伸びないです。これはもう分り切っております。それは駐車禁止になって車が入れないというたら、それは伸びるというてもなかなか難しいでしょう、そのスピードは。だから、21億をかけてこういう市場を作る方がいいか。今あなたが言われたように商いが減るということは明らかである、何故減るかといえ大阪や神戸や近郊に同じような形の中央市場がある、だからやはりその物価安定といいますか、政府の方のそういう指導方針に従って大阪の中央市場と西宮の中央市場の値段が格段の差があった場合には、よその市場の人がこっちへ買出しに来るから困るので、一応物価は同じような値になってしまうと思う、これはね。大阪やら神戸と、いわゆる卸売物価というものは一緒になるだろう、そうすると西宮に業者が来ておった人でも尼崎やよその人は、どこで買うても一緒やったら自動車賃だけでも助けようと思って近くに行きますわね、そうすると商売が減るということは、あなたが今はっきり言われた。そういう理由で商いが減るんだ。商いが減るということになると、そうしたら業者の人の利潤というものはどうなるかということです。これは当然100億円の商いをして、例えば仲買人でもマージンが同じであれば商い高が多い方が利潤が多いということは常識的に考えられますね。そうすると、業者の方の生活は、あなたの今の答弁によって、今より悪くなる。生活状態は悪くなるということは、これはもう極めてはっきりしてきたわけです。おそらくもう今よりよくなるということは期待が出来なくなります。そういうことは言えます。そういうことで業者の方が納得をされておるというところに私は新しい疑問を持つわけです。それと西宮へ折角100億からの金が、現在でも100億近い金が落ちておる、それを今度やることによって西宮へ折角落ちていく金を何のためによそへ逃がしてしまわないかぬのか。私は、西宮に中央市場が出来たら非常に喜ぶのはむしろ尼崎じゃないか、尼崎の商いというものは非常にふえるだろうと思います。そういう今の答弁から推察いたしまして、尼崎やとか神戸の方の中央市場の商いはふえるだろうと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)けれども、西宮の市場の経営というものは、そういうあなたの答弁から推察した限りにおいては非常に難しくなるんじゃないか、赤字が相当出てくるんじゃないか。この計画案の中には、先ほど私が申し上げた数字の中には人件費あるいは物件費というものは1銭も計画の中へも見込みの中にも入っておりません。けれども、相当の人件費、物件費というものは私は要るだろうと思う。市場の、そういう経営するために、例えば料金収入で売上高の何%とか、あるいは面積割りの金額がありますけれども、そういう金額を多少操作をして収入をはかったといたしましても、新しい会社はやはり売上高のパーセンテージが非常に物をいうてくるんじゃないか。家賃というものはそう無茶苦茶に高くとれるものではございません。これは公共団体の建物を、そんな普通の間借りのアパートのような式で、そんな家賃がとれるはずがありませんから、ですからそうすると当然売上高の何%という、その入ってくる収入というものが非常に大きな今後の、そういう中央市場の運営の経常経費の中の主要な歳入部門になってくると思う。売上高が極端に今の3分の1ぐらいになるということが初めから分っておるのですから、そういう中で経営をやっていったら必ずこの赤字以上の赤字が出るということが予想されるのですが、その運営経費についてはそんな赤字は心配ない、これだけの売上げがあったら結構やれるという自信をお持ちですか。それと業者の生活は現在の生活よりも、あなたの答弁から考えてですよ、よくなるんだということが言えますか。これは聞かして下さい。そうでないと、今日は業者の方は沢山来ておられる。業者の方が、自分たちの生活が悪くなるというような考えを持っておられる方は一人もないと思う。みな新しい中央市場が出来たら自分たちの生活がよくなるとお考えになっていると私は思います。ですから、あなたの答弁からいくと悪くなるんですから、これははっきりして下さい。
◎産業部長(河田辰一君) お答え申し上げます。
ただいまの御質問は、私は2つの観点から見てお答えせなければならないと思います。と申しますのが、業者を中心として見た方法と、消費者を中心として見た方法と、2つあります。私は後段の特に32万人の本市の場合を考えてみます際に、32万人の消費者人口を考えて、御承知の通り、先ほど申し上げました通り、青果物の生産量は他の商品と違いまして天候に大きく左右される、従って台風とか、またその他気候不順なために不作になった場合、この不作は作物でありますから、めぐって参ることは当然でございます。不作になった場合、まず中央市場法によって開設されておる市場と、そうでない市場、どちらが、言葉は非常にまずいですが、信用と申しますか、入荷量ですね.そうすると政府は法によって中央市場を開設しておるときに保護政策からいって保護するのが当然です。と申しますのは、農林省というものが必ずや消費者ばかりを見ておりません。生産者、メーカーであるお百姓の方にも当然農林省は力を入れております。今は集荷はバラバラでありますが、逐次農協とかは法人化されておりまして、集荷団体がそれに向けて強力に府県を経て大阪とか、あるいは中央市場法により開設されておる市場に入荷していくという指導を行なうことは、これ当然であります。その不作になった場合に、いま申し上げましたように、不作になれば非常に品物が少くなってくる。果物はさておきまして、蔬菜はこれは必需品でございます。勿論、果物も必需品でございますが、それ以上に蔬菜はパーセンテージを見ましても、青果を100としまして蔬菜の消費量は大体70から75%程度になっております。従って果物が20%ないし25%の消費になっております。いま申しました生活必需品である蔬菜が入ってこない、不作のために、荷が少いがために。その時にまず誰が困るかというたら、西宮市民が困るんじゃないか。その時に尼崎の中央市場があるじゃないか、あるいは神戸の東市場もあるじゃないか、あるいは大阪もあるじゃないか。例えば、隣りの尼崎の中央市場には品物が少いながらでも入って参ってくる、その時に西宮の買出人が従来西宮の現在行なっております
総合市場の買出しの形態でなじみのある方が、尼崎の市場にはなじみがありませんわね、その時に限って尼崎の市場に買出しに行く。勿論、仲買人と買出人とは相対で、せりというものは相対でやります、その時にはどうしても尼崎の業者の仲買人、例えばCという業者は必ず平素からの系統と申しますか、なじみがある、なじみの買出人に向けて相対で取引するということは人情、火を見るより明らかであります。その時に西宮の方は高値をつけたところで高値では落ちない。と申しますのは、せりでしたら高値で落したらいいんですが、相対ですから高値かどうか分らない。その時に困るのはどこかといいますと、西宮市民が困るんじゃないか。この不作は、言葉が悪いでんが、20年に1ぺんとか15年に1ぺんでしたらいいんですが、御承知のように不作は時々でございますので……、(「質問の要点を答えてくれよ」と呼ぶ者あり)先ほど言いましたように消費者を中心として見た場合にはですね。それから業者を中心として見た場合に、これは利害得失は、魚菜市場は魚菜市場の特徴を持っております。また中央市場の方はまた特徴があります。これは利害は相半ばするとしても、私は今消費者を中心に考えた場合に、あくまで中央市場でもって現在は、あなたは時期尚早じゃないかと言っておられませんが、私は将来の西宮を見た時に土地の確保がだんだん宅地化されて参ります時に、いずこに土地を求めるのか。いま求めなかったら、いつ求めるのか、かようにも存じます。その点よろしく御了承を願いたい。(「議長、答弁を整理さしてくれよ。さっぱり見当がつかぬぞ」と呼ぶ者あり)
◆4番(長岡初男君) あのね、河田部長、そんなことを聞いていない。ほかの議員さんかてお分りだろうと思う。私はそんなことを聞いていないんです。消費者を中心にして物を考えるというようなことをあなた言われましたが、それは公務員として当然のことですよ。それは、市民をもとにして考えますというのは当り前のことなんですよ。そうしたら業者の方は市民じゃないんですか。私はそう言わざるを得ないようになってくるんだ、そう言われると。業者も市民でしょうが。市民の生活を考えるという基本原則でやるんだったら、消費者だけが市民じゃございません。
業者も市民だ。だから私は初めに、市民生活に及ぼす影響はどうか。その中で、消費者の側の市民に及ぼす影響はどうか、業者に及ぼす影響はどうかということを初めに私が開いたのは、そこにあるんです。あなたの今の答弁は、ええ加減なあいまいな答弁をされておりますが、その答弁を引っくり返して悪く解釈したら、消費者のために施策をやれば業者はどうなってもいいというのと同じじゃないですか。そんなことで行政をやっていかれるということになったら、私は根本的な問題があると思う。そんなことでいいんですか。私が聞いているのは、はっきり聞いたでしょう、業者の生活が今よりもよくなるのか悪くなるのか。あなたの先ほどからの答弁では、悪くなるとしか考えられない。だから、そこのところをはっきりしてくれと聞いた。肝心な答弁はしなくて、消費者のために物を考えてやります、そんな答弁どこにありますか。もう1ぺんやり直して下さい。
◎産業部長(河田辰一君) 簡単にお答え申し上げます。
先ほど私は2点から、業者の方を中心として見る場合と消費者と2つ申し上げましたが、前者の業者を中心にした場合、これは好まない業者を市が引きずって、言葉は悪いですが、市が引きずって中央市場へ入場しなさいと言っているんじゃなくして、先ほども助役が御答弁申し上げましたように、80%の確約を得まして、業者が自主的に
中央卸売市場へ入場するんであるというまとまった御意思があればこそ市もこれに踏み切っておりますので、業者の拒否がみすみす分っておる、例えば20%しか入場しない、80%の方は現在でいいんだと言っておられましたら、これはまた話は別です。あえて私は、事務当局としては上司に対して提案をお願いしなかったですが、しかし先ほど申し上げましたように80%もの方が単一で
中央卸売市場に入場するんである、こういう決意が明らかにされて参りましたので、勿論業者の方も市民でございますので、業者の方のあえて反対を退けて中央市場に踏み切る、かような考えは持っておりません。なお、重ねて申し上げますが、業者の方は80%以上は中央市場に単一制で入場するのである、入場するという確約をいただいておりますので、この点御了承を賜わりたいと思います。
◆4番(長岡初男君) ちょっとね、当局側、答弁を統一してもらわぬと困る。これは大変ですよ。今あなたは、言葉は悪くても何でもいいですが、正直に言うてもらったからいいと思う。引きずってまで入れようと思っておらぬ、それは非常に……(「民主的でよろしい」と呼ぶ者あり)あれですけれどもね、言葉のアヤというものは私はとやかく問題にいたしません、この際。けれども、先ほど助役さんは「いま反対をされておる方が一部ある。けれども、その方々も納得をしてもらうように説得をして全部入ってもらえると私は思っております」と助役さんは言うた。河田部長は「嫌なものは来ぬでもいいんだ」という答弁を今した。これはどっちが本当なんだ。統一をして答弁をして下さい。そういう助役と部長との答弁の食違いが明らかにあるじゃないですか。うそやと思うのやったら、ここにちゃんと録音も入っておれば速記録もある。速記録を、議長、私が言うていることがうそか本当か、それだったらちょっと休憩して速記録を調べて下さい。そうでないと、あなた方、質問したら、いやそんなことは申しませんというて、またいい加減な答弁をする。そういうことをやられたら困るのですよ。議会は、そういういい加減な答弁ばっかりされると困る。
◎産業部長(河田辰一君) 重ねてお答えいたしますが、私は当局が中央市場に踏み切った理由を申し上げておりますので、先ほど午前中も助役が申しましたように、10何人かの賛成しない人もある、それは開設までに市当局としても極力納得していただくよう努めたい。私の御答弁申し上げたのは、殆んど多数の人が反対をしておられるのにもかかわらず、それまで押していこうとはせない。ただし、幸い今申しました80%以上の人が意思が統一出来ておる、あとの残りの方につきましては、これはこぞって行ってもらうように説得しなければならぬ、開設までに。かように考えておりますので、この点よろしく御了承を賜わりたいと思います。
◆4番(長岡初男君) そういうふうに答弁が変るでしょう、私が聞かなかったら、露骨にいうたら、あなたは、もう反対する奴は放っておいて、しまいにつぶしたらいいんだというぐらいの気だった。私が聞いたら、答弁の食違いを指摘したら、とたんに、それは開設をすることに踏み切った理由だ、踏み切った理由というのはあなたの基本的な考え方だ。誰がどう言うても、あなたの基本的な考え方だ。ところが私が指摘したら、とたんに助役と同じように答弁を合せていく。こういういい加減なことをやってもらうと困るのですよ。私だけじゃなしに、ほかの議員さんも困るのです。どういう判断をしてよいのか分らないのですよね。ですから、そういうことについては将来特に戒めていただきたいと思います。ほかに質問の方が沢山いらっしゃいますので、私はこの辺で一応やめますが、常任委員会の方の審査等の問題もありますので、その委員会でも十分に御審査がいただけることと思います。
あとに質問の方がいらっしゃいますので、その方にお譲りいたしたいと思います。(拍手)
○議長(八木米次君) 次に、17番 佐藤政隆君。
◆17番(佐藤政隆君) 私、ここから質問させていただきます。
申し上げます前に私は一言、先に申し上げなければならぬことは、決算委員会におきましても委員から、来年度の予算を編成するにやはり黒字でいけるかどうかということを非常に心配された質問が沢山私はあったと思うのです。長岡議員が言われたように、明年はなさなければならないところの金額が非常に多い、果して西宮の現在の財政は黒字を続け得られるかどうかということを私は非常に心配いたしております。そこで、そういうふうに心配をいたしております、その最中に新たに今度20億、これは一ぺんにはいけませんが、例えばもう本月15日か16日ですね、もう15日しかないのに3億円の金を出せというような、へんな無理な議案をお出しになることは私はどうかと思う。(「その通り」と呼ぶ者あり)
そこで、まず一応私はお伺いいたしたいことは、質疑ですから一応お尋ねするんですけれども、私はこの
中央卸売市場が現在通りではいかないということは百も存じております。助役さんも、将来この市場は必ず近いうちにやめなきゃならぬということを先ほど来お話があったが、私今ちょっと書類を見ますと41年までに駐車場、自動車置き場の期限が切れるから、どうもあそこでやれないんだろうというふうに私は解釈をいたしておるのですが、そういうことでおそらく現在の私は既得権を侵害されるということは私はない。けれども、そういうふうな期限は何とか切り抜けて、あそこででもいま暫く西宮市がもう少し財政が裕福になってきて、これなら大丈夫だという目途がついた時にやっても私は遅くない、私はこう思うのであります。まず私はこういう根本からお尋ねを申し上げますのですが、大体20何億の金をかけて芦屋や宝塚のようなああいう辺鄙なところまでも何故ここで西宮が市場を作ってやらなきゃならぬ義務があるのかということを、まず私はお伺いしたい。将来は必ずそういうところはどうでもいいんだ、これはちょっと付けたりで付けておるのであって、実際は西宮市民のためだとおっしゃるんなら、はっきり西宮市民のためということで芦屋や宝塚は抜かしてもらいたい。そうすると、芦屋や宝塚をこの
中央卸売市場の範囲に入れるのであったら、こういう阪神行政区域、最近出来ましたところの阪神都市行政か、あれでこういうものはやるということなら、これは別です。西宮単独で、尼崎にも出来ておる、あるいは今日の朝日新聞にも出ておりますが、神戸も芦屋の向うで大きな
中央卸売市場を作ろうという計画があるということを今日の新聞は発表いたしております。特に大阪では東に市場が出来ましたが、この東と従来の中央市場とが今双方が非常に競争いたしておるようでございます。競争しておるこの市場は、西の川口にある市場は必ずこの阪神地区に進出する可能性が多い。それは交通の便がよくなったということですね。そういうことから、あちらからも進出してくる、こちらからも買出しに行くという点が私はあるということを一応考慮しなければなりません。西には神戸にそういうものが出来れば、これも一応考慮しなければなりません。そういうような中間に果してこの企業体制を行なって、十分に経営が出来るかどうか、出来るにいたしましても私はここに20億もの金を使って来年赤字にならないかということを一番心配するということの根本理念に立って私は申し上げるのでありまするが、さらに現在買収いたそうとするところの、この鳴尾の地先でございます。この地図を見ますと今の焼き場の隣り、一番あそこは低いところです。低い証拠には、あそこにポンプ場がございます。水の流れは一番低いところへ寄るから、あそこへポンプが出来て、あれから武庫川に水を流しておるのでございます。相当、私は地上げをする費用が沢山要ると思うのです。坪3万円は如何にも安いとおっしゃいますが、誰か申されましたが、あれはもっと安かったと思うのです。非常にもうかっております、今3万円で売ったら。大体あれは私たちはよく存じておりますが、本当に20円か30円で買うたところなんです。それは新明和工業が3000万円の資本金で作り、6000万円になりして、最後の資本金は6000万円であったと思う、終戦前後の会社の資本金は。それが鳴尾の3分の1の土地をあの会社が買ってしまって、その財源はどこから作ってしまったかといいますと、銀行から出たんです。だから現在あの会社は銀行の管理会社です。銀行は20円で買うたものを今まで持っておって利息をやったところで、まだ3万円に売ったら、うんともうかる。土地がないとおっしゃいますが、考えて御覧なさい。あそこへ行って周囲を眺めて御覧なさい。武庫川の東側は尼崎地区では海岸を今埋立てておるじゃありませんか。また西宮も将来武庫川尻から芦屋の境界までは地上げせなければならない状態になっております。必ずなるでしょう。そういうことになりますと、卸売市場の如き物品を絶えず集散、集めたり散らしたりするような場所は海と陸の交通の便利のいいところでなければ私はいかないと思うのです。運搬料が高くつけばつくほど物価は上ります。だから、生産価格にプラス小運搬賃、これがいわゆる物資の価格になるんであります。交通の便のいいところに場所を持っていくことが一番合理的な経営方針でないかと思います。今あの今度買おうとします土地のあの通路を一ぺん考えて御覧なさい。1日1000台以上の自動車が仮に夜の夜中からあそこを通るのですが、2つの道しかありません。この2つの道を夜の夜中からどんどんやられた場合には、地区の住民が非常に迷惑です。(「すでに反対陳情に来ておるぞ」と呼ぶ者あり)そうして埋立ていたします。少くとも1メートルぐらいの地上げをしなきゃなりません。一体あそこで1平方メートルの地上げをいたしますと幾らかかりますか。おそらく坪5000円はかかるでしょう。そうすると、3万円で買っても、あの価格は3万5000円という価格に一応せなければならぬ。もし、そうして地上げいたしましたら地区で大騒動が起ります。あれだけ広い面積をそれだけ高く上げましたならば、上田方面では水の吐け口がなくなってしもうて、絶えず、雨が降ればあそこは必ず床上に浸水することは、これは当然のことだと思うのであります。そういうようなことをして地元民はおそらくあそこには歓迎しないと思うのです。また物を運ぶには、やはり海岸沿いに市場を作る上においては船便を使わなければなりませんが、船着き場ということも非常に重要な問題ですが、武庫川の西側のあそこでは、どこへ一体船を着けるのですか。船を着ける場所が一つもないのです。海岸を埋めてしまったならば、おそらく海岸はこれから1キロも先に地上げをするというんですが、そうなったらあの辺りに船を着けるところはどこもございませんです。道はたった2つしかない。空中から運ぶよりほかに方法はないということになります。(笑声)そうすると飛行場を作らんならんということになります。(笑声)そういうふうなところに私は市場を持っていくということは地の利を得たとはどうしても私は思えぬのです。そこで先ほど申し上げますように、この必要性は認めておりまするが、現在の西宮、折角今まで赤字をせなかったところのこの西宮が、こういうようなことによって赤字にされるということは、まことに私は市民としては折角のこの
中央卸売市場設置以上に市民は不利益を感ずると考える。こういう意味から、いいことで仮にあるといたしましても、いま暫くこれは延ばしていただいて、もう少し確実に健全財政が確立されるまで延期されるのが正しいと思うのですが、市長さんの御意見はどうですか。ほかの方はいろいろおっしゃるけれども、私は市長さん以外に信用しない。何故かというと、私は年寄ですから、今まで言うたことは丁度議会で代議士に大臣が答弁しているのと同じですわ。一向に要領を得ぬ、うそばっかり言うておる。東京は遠いから仕方がないが、ここは幸い近いのですからね、はっきり私は市長さんに、あなたの本当の意思を開きたい。
どうぞ、お願いいたします。
◎市長(辰馬龍雄君) この市場の問題でございますが、非常にいろいろ御討議を願っておるんでございますが、私といたしましてはこの本市の市場が昭和7年から9年頃に出来て、非常に老朽化している。これはすでに申すまでもないことでありますが、この際に何とかして市場を大きなものに、だんだん人口もふえて参りますしということで、いろいろ土地を物色しておりましたところ、浜の方に見つかったわけでございます。非常に数字も、御覧いただいたように、巨費が要るわけでございます。私といたしましてもいろいろとほかに、お説のように、やるべき市の事業が山積しておるという中でこれを始めるということにつきまして、いろいろ関係者とも語り合ったのでありますが、先ほども長岡議員がおっしゃいましたように、いろいろ建設の問題、例えば市庁舎とか、それから甲山の中におけるところのいろいろものを作っていくという問題、そのほか下水道の問題とか、山積しておりますが、その中においてこれをこの際何故やるべきかというような問題で論議をしていただいておるのでありますが、これはまた一方市当局といたしましては健全財政を堅持していかねばならぬというような問題もございます。それで、いろいろやりたい仕事を、限りはございませんが、仮に庁舎とか、あるいはまた甲山の中における建設の問題等をですね、全部これやっていくと、これは勿論市の財政も御承知の通り限りがございますので、赤字になるということは、これはもう当然であります。ですから、やはり順位を決めて、そして漸次やっていくということの中において、この市場を今度手掛けていくという考えをしておるわけでございます。それで、この順位といいましても、いろいろ皆さんの考え方もあると思いますので、順序をつけて皆さんにお諮りをして、そして来年度は事業を進めていきたい、かように思っておるわけでございます。
◆17番(佐藤政隆君) 市長さんの御意見、よく分りました。私たちと同じ考えだと思いますので、私は市長に敬意を払います。しかしね、私はこの問題が決して重大問題であるということは私は決して否定いたしません。当然これはもう10年以来毎年々々この市場問題については委員会を開いてやって参った問題でございます。なかなか困難な問題でございます。また、あの道路を見ましても、自動車がああして止っておるということも私もよく存じております。何とか早く解決せなきゃなりません。しかし、この20億の金をかけて現在の市民に及ぼす物価の影響というものは大して違わないということです。今やっても、二、三年先に延びても、物価に対しては大して影響を及ぼさない。すなわち、これだけの投資をしたから、やったから明日から物価が半減するとか、青果物が半分になるというんだったら、これは大いにおやりなさい。でなければ、高い金利を払って、市は相当の負担をかけて物価はやはり変化はないんです。議論であるが、高くもならねば安くもならぬというような、そんなことはこれは議論じゃありません。しかし、少くとも現状維持であっても物価は
中央卸売市場をやっても大体変化はないんです。だからね、まずそういうような利害の比較的少いものは何ぼ必要なことでもお預けとして、そうして市民に一つでもいい方のことを優先にして市政をやることが正しい在り方ではないか、こう思う。だから、おそらくあなたもどうせ来年の予算市会には市長の来年度の方針というものをお出しになるでしょう。その時に例えば本年度は教育費とか道路というものを中心にやられるということを声明されましたが、おそらく来年も相当やられると思うが、もし今回これを通したならば来年の事業の主たるものはこれだということであって、ほかは何も出来ないということになります。しようと思えば赤字でございます。赤字覚悟でやって、もうわしはあと任期は2年だというのでやろうとお考えになるか知りませんが、決してそれは私はそういうべきものではない。おそらく市長もそうは考えておらぬと私は考えておりますので、一応まず私は、地元にかねてあなたが地元の何とか自治会か何かと約束をしておる、文書を取り交しておるそうですね。あの方面において大きな工場もしくは大きな事業場をやる場合には地元の意向を聞くということで、相談の上でやるという契約をしておることはございませんか。私はそういう契約書があると聞いておるんですか、今日陳情か何か行ったのと違いますか。何かそんなことがあるんと違いますか。あるか、ないか、ちょっとお尋ねいたします。(「上田の公害対策委員会や」と呼ぶ者あり)
○議長(八木米次君) どうですか。後ほど答弁されますか。(「議事進行について」「休憩や」と呼ぶ者あり)
◆39番(長本信頼君) いま佐藤議員の方から質問のありました、地元の市民と市長が約束をしておるのかどうか、こういう問題につきましては、これはかなり言われている内容が大きいと思う。やはりお約束しておられるとしたら、この計画につきましても当局の方はやっぱり一考を要する問題ではないか、かように思います。従いまして、今の佐藤議員に対する答弁はやはりその当時の文書なり、あるいはいきさつというものを十分に調べてもらった上で、市長の方から責任のある答弁を願うということが望ましいかと思いますので、従いましてここで出来たら休憩をして、その間にその責任のある調査をして、責任のある答弁を市長の方で行なっていただく、こういうような議事進行の動議を提出いたします。
(「賛成」「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(八木米次君) ただいま長本議員から休憩の動議が提出され、所定の賛成者がありますので、動議は成立いたしました。よって、本動議を直ちに議題といたします。
お諮りいたします。本動議の通り決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(八木米次君) 御異議を認めません。よって、この際休憩されたいとの動議は可決されました。
ここで暫く休憩いたします。
(午後 2時58分 休憩)
──────────────
(午後 3時34分 開議)
○議長(八木米次君) お待たせいたしました。休憩前に引き続き、ただいまより再開いたします。
市当局の答弁を求めます。
◎第1助役(松田愛太郎君) 鳴尾の上田地区と前市長が一応確約した事項があるわけでございます。その点につきまして、公害対策委員会の方々が前市長がこういうなにをしておるから、これを踏襲して実行に移してもらいたいという希望があったわけでございます。その項目のうち、第5項目におきまして、東南鳴尾地区に公共施設を設置することについて、その答えといたしまして現在の市長は、私も市民の皆様との話合いの場を作りたい、市会にもよく諮って御期待に副うようにいたします、こういうふうに回答を地区へ申し上げておるわけでございます。あくまでも市会の方にもよく諮って御期待に副うようにいたします、こういうふうに書いておりますので、地元の方とよく協議いたしたい、かように考える次第でございます。
◆17番(佐藤政隆君) まあ、この問題が出る以前に地元の了解を得ていただいたら結構だと思うのですが、ただいまの契約によりますと、まず優先的に議会で相談して、そうして議会で可決された場合に了解を得るというようにも文書は解せられるわけです。私はそのことについては一応そういうことを御了承を願えば、私は地元との円満に話合いをつけることが出来れば、この問題が通るか通らぬかは別といたしまして、私はその点はいいと思いますので了承いたしますが、先ほど私がお尋ね申し上げました小運搬の先ほど申しました2つの道路しかない、1つは大東―上甲子園線、1つは武庫川の堤防上の道路です。ところが、あれが堤防道路じゃなくして、堤防の上を走っておるということになるわけです。現在あれは尼崎が海岸を地上げをいたしておりますので、トラックが1日に約1000台、800台以上のトラックがあそこを絶えず走っております、現在は。41年のことは知りませんですが、現在はそれだけぐらい走っております。あれは道路とはちょっと私は考えにくい。あれは堤防です。だから完全な道路と申しますと、ただいまの大東―上甲子園線だけしかございません。そのたった1本の道路しかない、そこを通ずるとしまして、41年から後はおそらくここの現在の市場でも自動車ばかりではありません、肩引き車が沢山買いに参っております。そういうようなのも勘案いたしますと非常にあの道路では少いのですが、それに対する御計画はどうか。
それから、海からの運ぶのに一体どこを基点としてあそこに船を着けることが出来るかどうか。
この2つに対して当局はどういう考えを持っておるかの2点を私はお尋ね申し上げて、これは質問でございますから、賛否はさらに賛否の場合に申し上げますが、質問としてはこの2点に御答弁下さいますならば私はこれで終りといたします。
◎第2助役(松浦松一君) あの土地を選びました理由でございますが、今おっしゃったように水運の便という点もあり引込線もある。それから将来はあの地先に埋立てが出来まして、木材センターならびに一大流通センターを作る、こういうふうな点から考えまして、あの土地が市場といたしまして適当ということで選んだわけでございます。
それで、道路の点でございますが、道路はおっしゃるように西側にあの広い道路と、それから堤防の上もあれは道路になっております。それで、それを利用する、2つの点を利用しようということでやっておる次第でございます。
◆17番(佐藤政隆君) もう私は質問をやめると申し上げましたのですが、今ちょっと助役さんから、あそこの海岸に木材センターが出来るという案が出てきたのですが、容易ならぬことを私は聞いたと思うのです。これは議題外ですから、ここで申し上げることはどうかと思いますが、私たち殊に鳴尾地区の方面の市民はあそこに木材センターを作ることは大反対でございます。私は前に名古屋の台風の時にあそこへ行政視察に参りました。直径1メーターから1メーター半もの木材で長さは何ぼあるか知れませんが、あれが高潮によって流入してどんどん打ち上げて、堤防なんかまたたく間に釣鐘を叩くように、ああいうようにぶち破られてしもうて、またたく間に堤防をぶち破ってしまった。そうして波が越えて家の中へどすんどすんと入ったから、平家の市営住宅か県営住宅がございましたが、あれが片っ方の端からど真ん中を抜いてしまって、実に惨たんたる状態を見て参ったのでございます。こういうふうなことが再びこの鳴尾の浜でそういうものが作られて、何ぼいかだを作りましてもそんないかだは何時切れてしまうか分らぬ。そんな危険なものをあそこに作ることは私は、議題外ですけれども、私はどうもこれは助役さんが言わなきゃ申し上げませんけれども、これは私は反対でございます。
○議長(八木米次君) 佐藤さん、もうこれでようございますね。
次に、20番 大槻弥之助君の発言を許します。
(登 壇)(拍 手)
◆20番(大槻弥之助君) それでは、まず共産党としての立場を明らかにしながら、若原議員が質問をいたしましたが、日本共産党は、この今まで各議員がそれぞれの立場から発言をされて理路整然と質疑を行なってこられたことに対して、当局の答弁はまことにしどろもどろで誰が聞いておっても、これはおかしくてしょうがない。こういうようなあやふやな当局の見解を呑むわけにはいきません。それと同時に、私ども共産党として言わなければならないことは、若原議員が申し上げましたように、
中小企業基本法によって中小企業を破壊する、すなわち独占の系列下に残る、大資本の系列下に残る企業以外はつぶしていくという
中小企業基本法と、それから密接なつながりを持っておるところの
卸売市場法とを切り離して物を考える、非科学的な考え方については私どもは本当に当局が今の日本の経済情勢を如何に勉強していないかということを端的に現わしたものだと私は思います。そういう点から考えまして、私どもはあくまでも中小企業の繁栄を守り、業者の生活と権利を保障していく、こういう立場から物を考えるならば、おのずからこの議案を賛成するという立場から質問は出来ないのであります。
そこで、私どもはまず当局にお伺いいたしたいのは、今朝の神戸新聞には、ここに大きく「神戸港東部に流通センター」こういう見出しで、「阪神の台所に直結 食品加工市場の団地」ということを明らかにしております。これは神戸の構想です。これも昭和46年頃に出来る。日石反対の闘争が起きた折に、関西経済同友会はポートオーソリティーを作って、そうして西宮海岸に一大流通センターを作るんだ、こういうような計画を発表いたしております。それで今度ここへそういう計画があるのに卸売市場を持ってくるのじゃなしに中央市場を持ってくるんだ、こういうことになると関経連の言っておるところの流通センターと中央市場との関係は一体どうなるのか。河田部長の答弁によると、神戸あるいは尼崎、あるいは大阪の話もしておられたけれども、神戸新聞のあれは芦屋の地先ですよ、芦屋川の地先に同じような卸売市場の一大センターが出来たら、一体西宮のような小さな規模の中央市場が本当に成り立っていくかどうか、一ぺん考えてもらいたい。企業は巨大化すればするほど収奪するのにはしやすい。神戸の大きなこんな計画と、西宮のちっぽけな僅か45億のものと比較してですよ、あんた方はこれでやっていけるという確信を持っているのかどうなのか。私はその点から市長に聞かないといかぬと思うのです。関西経済同友会の問題については、市長さんも関西経済界の中に入ってきておられたんですから、この辺ではっきりしてもらわぬといけないということを、まず第1点に申し上げておきます。
それから第2点目に、先ほど若原議員の質問の中で、助役さんは、もしも行かなかったら業者の方に説得をしてもらうんだ、こういう形で言っておられた。ところが共産党が調査をした東の卸売市場の中にも20名の白紙の人は自分の家と土地を持っておるのです。この人を、わざわざ、
中央卸売市場法の11条には「卸売業者の保証金」これは11条によって「保証金を納付すべし」と明確にされてある。そうすると、この人たちは家も店舗も持ちながら、これは何ぼとるか知らぬけれども、おそらく1人100万ぐらいは出さなきゃならぬでしょう。何のために保証金まで出して、家を捨てて卸市場に行かなきゃならないのか。この白紙の人たちは行かないからこそ中立的な態度をとっているんと違うだろうか。もう1つの問題は、行くと言った人、昭和37年の7月24日の西宮卸売市場の総会直後に、判を押してもらいたい、こういう形で回られて、判を押された中の人々も、判だけ押しておいたらいいんだ、その場になって行かんかったかて、判を押せと言うたんだから押しただけだという人も、私の調査の中では明らかに出てきております。
もう1つ、この中央市場推進の決議というのは一体どういう文書なのか。おそらく私は
中央卸売市場の推進決議ではなかったのじゃないか、
総合市場を速やかに建ててもらいたいという決議書じゃないかと思うんだけれども、もしもあるならば決議書をここで読み上げていただきたい。
それからその次に、助役は先ほど、姫路の卸売市場には最初は行かんかったけれども全部行きました、いともうまく私どもをごまかそうとした。ところが姫路へ連絡をとって直ぐ調べてみたら、137軒が残っているのだが、これは一体何やねん。議会の答弁はおもちゃじゃない。(傍聴席で発言する者あり)
○議長(八木米次君) 傍聴席、静かに願います。
◆20番(大槻弥之助君) (続)岡山も同じことです。岡山も行ってない。こういう問題について私どもは、助役は何を根拠に若原議員に答弁したのか、その点について私どもは助役から答弁を求めたいと思う。
それから、これは河田部長にお伺いいたしたいと思います。あなたは長岡議員との物価の質問の中で、上りも下りもせぬだろう、これは非常に聞こえのいい答弁ですわ。ところが、今やっておられる方は、これは直接産地といろいろ話合いをし、そうしてなるべく安く引いてきて安く売ろうとして、夜の目も寝ないで、そうして荷物が入ったら夜の夜中でも起きて荷物を受け入れする、そうしてですよ、朝商売をしたら、二、三時間か四、五時間寝て、またやっておられる。昨日、一昨日か、私、調べに入った時に、牛蒡屋さんに行ったら「あんた方、夜ゴボウを受けて、そして朝仕事をして、またやりますのか」と言うたら「今の中小企業で家族みんなが寝もやらずしてやっているから、安く売れるのだ」と、こう言っておられた。そうすると、
中央卸売市場になったらこれは社員ですわ。8時間労働制が布かれます。そうすると自ら2交代なり3交代なりしたら、それだけ人件費が加算されてこないだろうか、物価の中に……。それから、またこれには卸売市場には手数料として必ず6分かけられるわけや、ねえ、そうでしょう。その上にまだ1000分の幾らかをとられる。そして今度仲買人が入る、小売商人に行く。これで物価が上らないかどうか。今あなたは長岡議員に対する答弁の中で、妙味があると言ったのは、そういう中小企業が家族ぐるみ必死になって生活と権利を守って、1銭でも安く売って、そしてその中で利潤を得ていこうという中小企業の苦しい立場と、中小企業の実態から来るところの妙味があるから商売人が集ってくるのですよ。それを除いて何の妙味があるのか。そんな私は詭弁的な答弁が私は答弁じゃないと思う。あなた方は、こういう流通機構を整備するというけれども、2段階3段階となるような流通機構の在り方が、近代的な流通機構の在り方だと言えるかどうか。その辺についても部長から明確な答弁をもらいたいと思います。
私はそこで今度は、少し意地が悪いかも知らぬけれども、失対部長に答弁を求める。何でかというたら、いま僕の調べたところによると市場167軒ある、そのうち個人経営の場合は大体従業員四、五名、これは家族労働が殆んどですが、この人たち、これは卸売市場になったら殆んどの人がこの人みな失業してしまうのです。卸売市場はそんな老人や子供を雇うてくれません。正規の社員だけになる。そうしたら、家族だけで切り抜けている人は失業するんだけれども、その人たちに今の失業対策事業では政府が失対法を改正して入れてくれへん。そうすると、あなたは新しい失対事業でもおおこしになって、この
家族労働者を救済するかどうか。これも私、失対の親方から聞いておかんといかぬ。これは市長さんにも、市単独で失対事業をおこすのかどうか。今でさえももんちゃくしておるのにもっとおこすかということも、これ聞いておかぬと私、失業者がこれ以上ふえたらいかぬので、1ぺん、非常に意地の悪い質問かも知らぬけれども、これも聞いておきたいと思う。
それから、もう1つ言っておきましょうね。中央市場法の21条 類似市場の届け出、こういう条項がある。さっきは、説得して皆つれていく、こう言ったんだけれども、もしも白紙の人、あるいは判だけ押して、行かぬと言う人、それから行かないと言う人、この人たちが農林大臣に届け出をしたら21条によって類似市場が作れることになっているのです、卸市場があっても。そうすると、これは一体、市が最終的には45億円ですか、45億9000万円かけて作っておきながら、この人たちが類似市場の届け出が出て、そして農林大臣がそれは距離が離れているから、あるいは何らかの形でよろしいと言われたら、一体どないなる。おそらく私は、助役さん、反対の人は何とかかんとか言ったけれども、西の市場は33軒あるうちに15軒反対なんです。半分、反対しているのや。もう二、三人変ったら、あんた一体どないするつもりやねん。それから、あんたがとった百何十名のうちには、間違いなしに行きますと言うた中に喫茶店もあれば散髪屋もあれば寿司屋もある。一体、寿司屋や散髪屋が卸売市場に何の関係があって判を押して歩いておるのや。一体何の判や、それは。数をこしらえる判か。そういう点……。
それから、もう1つ助役さんや河田部長さんに聞いておかないかぬのやけれどもね、昭和39年の11月20日まで、全体の市場、卸売市場の人々と何回ぐらい一体話をしたんやろうか。私はおそらく、保証金をとられて、
家族労働者は失業して、そうしていろいろ困るということやら、それから今くれたこの資料の中にでもまた沢山、僕はこれを見たらなかなか議会は通してくれへんやろうと思うのや。1平方メートルの売場が賃貸契約15円というような安い値段で土地を貸しよったら、また監査委員さん怒られますわな、議員さんから。こういう格好で、いろいろの経費等を考えてみたら、そう甘いものではないと思う。だから、そういう実情、情勢を本当に話合いをしたのかどうか。この辺の問題も私は聞いておきたい。
それから、今の卸売市場だったら、これは今度は小売業者の立場で考えてみましょうね、月末になって支払いが出来なくなった、そうすると今だったら「親父さん、済まぬけれども、わしとこ今月都合が悪いねんけど、貸してえな」と言うて、1カ月や2カ月は親父さんの顔でどうでもなる。今度は中央市場になってきたら、金を払わんかったら、会社やからビシビシ差しとめられ、倒産が出てきいひんか。これは重要な問題ですよ、小売商人にとっては。今は本当に卸売業者と小売業者というものは共に生きるために相協力しているけれども、会社となればこれは農林大臣に年2回の決算報告もせないかぬし、いろいろ監督も受けるし、いろんな制限が出てくるから、取立ても厳しくなるということは、これは当り前のことなんです。そうすると小売商人はそういう中で苦しまないかどうか。自信があるか。
それと同時に、さっき佐藤さんも言われておったように、交通の便です。あの市場であるから籠を担いで朝早く小売商人がやってこられる。あの浜の方へ行ったら小売商人は一体どうして行くの。自動車が現在500台か600台やと思う。あとの人は荷車ひいて、あるいは籠を担いで行く本当に零細な人なんです。こういう零細さんは行って仲買人から買わしてもらわなきゃならない、そしてまた歩いて帰らなきゃいかぬ。
この人たち、本当に零細な人たちがどれぐらい労力的に苦しむか。その苦しみの度合について、あんた方は考えたことがあるか。私は小さい時に魚をよく今の市場に買いに行きました、貧乏だったから。芦屋から西宮まで買いに来るときに、その遠さに、朝冬寒かったら私は非常に自分でも小さかったから泣いたことがある。それと同じように小売商人というのはそういう苦しみを味合うだろう。私たちは、自動車を持っておる人、オートバイを持っておる人だけのことを考えるんじゃなしに、すべての業者が生きる道を考えなければならないんじゃないだろうか。
それと同時に、道路交通法、道路交通法というて、まる切り鬼の首をとったように言っておるんだけれども、なるほど道路交通法は問題があるかも分らぬ。しかし、ここで考えてみるならば、今の建物が老朽化しておるんなら、あそこへ5億か6億、あるいは10億要ってもいいと思う、あの建物を全部高層建築に変えて、下を売り場にして、そうして今の業者の人たちを2階に住まわしていって、建築の高層化をやれば、売り場面積も広くなる、こういうこともわれわれは考えられるわけです。あるいは道路交通法がそんなにやかましいんなら、大阪の長堀川を見て御覧なさいよ、道頓堀。あれは何時の間にか、道路交通法がやかましいけれども、県が許可しないとか府が許可しないとかいいよったけれども、やはり駐車場になっているじゃないか。いかぬのだったら、市と市会と住民が一緒になって、いま卸売市場は道路交通法で困っているから、あれを何とかするためにあの河川のふたをしてあれを二重なり三重のモータープールにするために、県民の利益、市民の利益として県に陳情したら私は出来ないということはないだろうと思う。そうしたら、あの上ででも自動車の100台や200台は十二分に置けるし、あるいはいろんな方法で自動車のモータープールについては考えれば幾らでも出来ると思う。40億も金をかける、そんな無駄なことをする必要は私は毛頭ないと思うのですよ。
もうこれぐらいで質問を一応終って、答弁を求めなきゃいかぬのですが、私はもう1度最後に念を押しておかないかぬのは、あの人々の生活が絶対よくなるように、青物屋が56軒あって、それがたった1軒になって、そして会社員になってやらはんのや。生活がよくなる、こういう保証を、責任をもって市長なり助役なり当局が言えるか言えないか。これは私は業者一人の問題じゃない、全業者の問題だから、もう1度、責任をもって、よくなるなら確信をもってよくなるということを答えていただきたい。
以上のことを申し上げまして、非常に飛び飛びで下手な長談義をいたしましたが、どうか一つ御親切に御答弁を願っておきたい。終ります。(拍手)
◎第2助役(松浦松一君) 御答弁を申し上げます。
初めに
中小企業基本法との関係で、この市場をやると大資本の中に入ってしまって困るじゃないか、こういう御意見でございますが、これは大槻さんの見解の違いでないかと思います。(「いや、違うねん。関経連との問題なんか、みな聞いているのや」と呼ぶ者あり)大資本といいましても、これは荷受け会社が一つになって、そして今の方が皆その会社を組織せられますので、別に三井、三菱というような大きな資本がここへ入ってくるわけじゃございませんので、その点を御了承を願いたい。
それから、神戸新聞に今日出ました計画が大きいから西宮でやっても駄目じゃないか、こういうお話ですが、この件は別といたしまして、丁度あなたの言葉と同じようなことがこの
総合市場と中央市場におきましても言えるんじゃないかと思うのです。これはやっぱり大きな荷受け会社を作ってやらなければ、これからは立っていかぬということになるので、政府も卸売市場を奨励しておるものと私は考えております。
それから、説得出来ない場合のものに対して保証金云々ということでございますが(「説得して、行った者の保証金や。取らないかぬ、と書いてある」と呼ぶ者あり)これは11条の点は、卸売市場の商人をやる場合に保証金をとるということで、この条文的なものは部長の方から答弁をいたさせます。
それから、印を押した人が出ておるが、これは行かぬのに判だけ押せというので判を押した、こういう点でございますが、私はそうは見たくないわけでございまして、あの中には単一制の卸売市場、農林大臣の許可する単一制ということも入れて判をもらっておりますので、判を押していただいた方の人格を尊重したいと私は思うわけでございます。
それから、賛否の件も同様でございまして、ただいま申しましたように農林大臣の許可する単一制ということで賛否を問うております。その数が80.2%になっておりますので、これはそういうことは私はないと思っております。
それから、姫路の市場の件でございますが、これは一つの例として申し上げましたので、初めは姫路は閑古鳥が鳴いて誰も行かなんだというのが現在は沢山入っておられますから、そういうことで残りの方は説得していただいて入っていただくようにしたい、こういうことを申し上げたわけでございます。
それから、寿司屋と散髪屋という点ですが、そういうことは私は何か、あの判を見ましたのですが、これは事務的には経済部の方からお答えさせていただきます。
それから、卸売市場の代表者と話したかという点でございますが、これは本市が作っております専門委員会の中に卸売市場の方が……(「全員だよ」と呼ぶ者あり)何名か入っておられまして、その方々が皆の方の御意見を出されたということでございます。
それから、ちょっと日は忘れましたが、東口公会堂で臨時の大会も開かれましたので、私は皆さんの御賛成をいただいておる、こういうふうに考えております。
最後に、生活がよくなるかどうかという点でございましたが、これは業者の方が時代の動きというものを察知されまして、これでやらねば駄目だというところで賛成なさった点からいきますと、これは悪くならないということはこの点から推測されるわけでございます。まあ、いずれにいたしましても物価高という現在の状態から政府におきましても主要な都市にこういう流通的なものを作らせようということでございます。従来までの
生鮮食料品の流通機構がこれでいいかどうかということにつきましては大きな疑問がありますので、やはり時代の動きに沿うようにやらなければ生きていく道がないんじゃないかと思います。これは見解の相違がございますが、かつて明治の初めに淀屋浪花の豪商というてはびこっていたものがことごとく滅んで新しい者が流通機構を握ったという点からお察し願いたいと思うわけでございます。
◎産業部長(河田辰一君) 保証金の点についてお答え申し上げます。
これは当然市場が開設されましたら、
中央卸売市場業務規程によりまして卸売人、仲買人とも、それぞれ保証金を頂戴するようになっておりますので、その点御了承を願います。(「何ぼ取るの」と呼ぶ者あり)それはまたいろいろ、現在、参考までに申し上げますと、尼崎は最低5万から30万、また卸売会社は30万から100万、この程度を隣りの尼崎市は徴収されておられます。その点、御報答申し上げます。(「あとの答弁、どないなるの」と呼ぶ者あり)
◎
商工農林課長(難波義一君) 決議が出されております、それにつきましてお読み申します。これは39年7月29日に出ております。全文をそのまま朗読いたします。
申 請 書
昭和39年7月29日
西宮市長 辰 馬 龍 雄 殿
西宮市卸売市場連合会
副会長 井 本 仲
松 本 駒 吉
北 山 佐 一
記
別添の名簿につきまして御説明申し上げます。
名簿に名記しております人員は、昭和39年7月29日現在西宮市卸売市場連合会に営業所を置きまして、西宮市卸売市場連合会会員として営業を営む店主名でありまして、新市場入居希望申込み者の明細に間違いありません。
申込者数 164名。
これが39年7月29日に出ております。(「中央市場とは一つも書いてないじゃないか」と呼ぶ者あり)
それから次に、昭和38年の9月2日に出ております、これは決議書でございます。
決 議 書
8月31日市建設委員会の申合せに関する件
西宮市新卸売市場建設予定地として市当局の都市計画の一部、甲子園線終点南寄りの土地に関し、当連合会役員会に諮りしところ、全会一致で賛成するを得たり。よって、ここに建設促進を決議する。
昭和38年9月2日
西宮市卸売市場連合会
以上でございます。
◎
失業対策部長(高津実君) お答えいたします。
失対事業に受け入れるかどうかという御質問だったのでございますが、あなたも御存じの通り、これは私の答弁する権限でなくて、職業安定法の範囲でございますので、御了承を願います。
◆20番(大槻弥之助君) 助役さんの答弁を聞いておっても河田さんの答弁を聞いておっても、私ら満足出来ないですよね。本当に科学的でないですよ。確信をもって科学的に数字を出されてくるんなら、僕らも聞いておって、さらに追及をしようかという気が起きてくるけれども、本当にいうたら姫路の問題でも後になったら、みな入ってしもうたというて、調べてみたら、これだけ残っているやないか、こう言うたら、これはだんだん入ってきたんや、そんな答弁をしておるんやったら丁度のれんと腕押しをしているような答弁だと思う。僕はそんな答弁はしてもらったところで大して参考にならぬと思う。いま難波課長が読んだ文章の中に卸売市場を作ってもらいたいということは書いてあるけれども、中央市場を作ってくれと一言も書いてない。これはどういうことなんだ。これは何事や。あんた方は中央市場を作ってくれということが業者の要求である、こう言ってある、そうじゃないのや。業者は現在のままいって、そうして総合的な市場でやれると思っておられるわけや。そのためにサインをしてある、それを一体いつ中央市場というようにすりかえていったのか、明らかにしてもらいたい。(傍聴席で発言する者あり)
○議長(八木米次君) 傍聴席、声を立てないで下さい。
◆20番(大槻弥之助君) (続)もしも私どもはそういうような決議書を市当局が勝手に解釈して、委員会の議員諸氏に中央市場を作ってもらいたいんだというような形で提案したとしたならば、これは私は大変な問題だと思う。だから、この辺について今の文書の中に中央市場ということは一言も表わされてないので、これは私は明らかにしておかなければならないし、この問題は私どもは現在の時点で非常に疑問を持っておるから、もう1度明らかにしてもらいたい。
◎第2助役(松浦松一君) 姫路の件でございますが、これは私たちの聞いておるのでは卸売人、仲買人は全部入ったということを聞いておるわけですが、ただあなたがおっしゃいますから一つの例として申し上げたので、現在残っておるのは小売商人だけが残っておるということを聞いておる次第です。
◎
商工農林課長(難波義一君) 先ほど読み上げました中に、中央市場法に基く中央市場の建設ということは書かれておりません。しかし、午前中にあったかと思いますが、この問題につきましてはすでに昭和37年4月28日に西宮市新
卸売市場建設委員会、勿論専門委員さんでございますが、その中で答申がなされております。それは昭和37年4月28日でございます。それから後から読み上げました分が昭和38年の9月2日に出ておりますが、この当時はすでに敷地の候補地を求めるべく、枝川町排水路の西、あるいは東の埋立てということで建設委員会の中でも論議がなされておりました。勿論、建設委員の中では中央市場ということは口には出しませんが、新市場ということは中央市場に通じておると、われわれはそのように理解をいたしております。
それから、それが出されました内容をもう1度申し上げますと、「8月31日市建設委員会の申合せに関する件 西宮市新卸売市場建設予定地……」となっております。そういうことで字句には、中央市場という字句には出されておりませんが、全文から解釈をいたしますと、市の建設委員会の申合せに関する件ということの引っかけとして新市場ということになりますと、やはりいわゆる中央市場法に基く中央市場だというふうに、われわれは理解をしておったわけでございます。
以上でございます。
◆20番(大槻弥之助君) 今の発言の中で、非常に重大ですよ、われわれは解釈をしておったという発言ですよ。速記録、間違いありませんね。私は業者が中央市場を作って下さいと言われたんなら、それは話は分る。おそらく、もしも中央市場を作るということが全体の討議としてやられておったら、今日、賛成、反対、白紙やというようなものが出てこないはずなんです。そういう論議は何時、全員の総会に諮って、あなたはやられたのか。ここの状態を見てみますと、39年11月20日に助役それから
卸売市場建設委員長、こういう方々から発表があったけれども、かかる重大な問題を委員会に出席しておって、組合総会にかけなかったのは何故か、こういうような問題が起きなかったか。あなた方も出席しておったと思うんだけれども、その総会の模様を出席された方は明らかにしてもらいたい。もしも何年かにわたって討議討論がなされておったら、11月20日の段階でそういうような意見が出てくるとは私は思えない。あなた方は市民の公僕だし、また議会は市民から選ばれた選良だと思う。私どもは一つの事業、一つの政策をやるためには、市長さんは選挙の公約は和と純潔や、こういって言われている、もう1つ何やったか忘れたけれども……。そうやけれども、和や純潔を守って、和を守っていこうと思ったら本当に皆さんと話合いをし、ひざ突き合せて、そうして討議をすることが民主主義であり和の原則やなかろうか。それなら、あんた方はそれをやらないで一方的にやったというと、市長の選挙公約を踏みにじって、そうしておやりになっておるのか、一体どうなんか。市長さん、ああいうような課長が答弁したら、あんた、腹立たぬか。わしやったら腹が立つねん。そこで、そういう総会の中で異議が出て相当揉めたと思う。あなた方はサッといんでしもたんと違うかいな。十分に答弁して、そこで納得いくまで答弁したのか。その辺の問題も私は明らかにしてもらいたい。
担当の河田部長から物価の問題を聞いたけれども、今度は河田部長、答弁してくれへん。そういう、6分とられて、その上に仲買いがかかったら物価が上るか上らぬかというて私、子供の算術みたいに、小学校の子供でも分ると思うのやね。手数料をとられて、そしてまだ仲買人にかかって、それから渡っていきよったら高うならへんか。それよりも産地から今の商人に直接入った方が安うないかというて僕は聞いておるんやけれども、そんな算術的な答弁もしてもらえないし、いま助役さんの答弁を聞いておっても、芦屋の沖に出来る大きなもの、これが出来たら西宮は影響を受けへんかというたら、大きく合同したら丁度ようなるやろう。三井や三菱、誰も三井や三菱の論議をするんなら国会で論議します、そんなものは。一市会議員がこんな三井や三菱の収奪している状態をここで論議しようとは思いません。だから私は河田部長にもう1度、そういう算術的な問題、物価が上らぬ、私は今算術的に上るといっておるのですよ、はっきり。手数料とかいろんな、さっき言ったように労働時間が2交代制になったら賃金がふえてくる、物価が入ってくる、今は家族労働でやっているんだけれども、そういうことが会社制度になったらする必要がないし、市の職員だって8時間こえたら超過勤務手当とるでしょう。卸売市場の職員だって8時間こえたら超過勤務手当とりますよ。みんな物価に反映しますよ。そういう基礎的な、数字的な問題について、あなたは物価が上らぬというような、上らぬだろうというようなことを言われるけれども、これはあんた考えてみたらよく分ると思いますので、もう1度それは部長として確信を持ってもらいたいし、難波課長はおそらく私に今文書を読み上げたんだけれども、私はそれに反論して、一こも書いてないじゃないか、総会の模様も言え、あんた方いつ全員と論議したのかということについて具体的に一つ、僕が納得の出来るように説明してくれへんか。
◎産業部長(河田辰一君) 物価の点でございますが、これは先ほど長岡議員さんの時にもお答え申し上げましたように、最終的に消費者が購入する価格は変らない。変らない。そこに、私は言葉の表現がまずいですが、妙味というものがある、妙味というものが。(「妙味というのは何から生まれるのか、具体的に説明してくれな分らへん」と呼ぶ者あり)それは後ほど御説明を申し上げます。
次に、新市場新市場といいながら中央市場の点がはっきり明文化されてない、こういう点でございます。これは先ほどからも何回も申し上げております通り、昭和37年4月28日に新
卸売市場建設委員会におきまして4つの答申が市長あてに出されております。その1つに、中央市場でなければならない、答申案の昭和37年4月28日に時の建設委員長
佐藤光司郎さんから市長あてに答申が出された。(「違うのや。そのことを言うておるのと違うのや、難波課長の言うておるやつや」と呼ぶ者あり)だから、それに敷衍して申し上げます。その委員会の専門委員会の中に市場連合会役員の北山さん、中西さん、井本さん、それから開設者の現在亡くなられました筏さん、米谷さんら6名の方を委嘱申し上げまして、それらの方々を業界の代表の意見としてわれわれは考えております。また考えて参ったのでありますので、この連合会の役員の方個人を委嘱申し上げたんじゃなくして、それぞれ市場の代表者の方でございますので、西市場とか東市場とか、あるいは連合会の副会長とか、こういう地位におられる方を委員に御委嘱申し上げまして、その方を通じて中央市場であるということは、先ほど申し上げました昭和37年4月28日に、はっきり分っておるのです。ところが、たまたまあなたが御指摘なさっております通り、11月の20日の卸売市場連合会の臨時総会が東口公会堂で開かれまして、私もその末席をけがしておりましたが、一、二の方から、今あなたの発言なさいました趣旨のことが質問されましたので、改めて市の方から業種ごとに早急に御意見をまとめてもらいたい、さらにそれを一段と明確化するために連合会の役員の方を通じまして、この月の10日までに恐れいりますが、私の方で文書を成文化いたしまして、それを連合会の市場の方にそれぞれお配り申し上げまして、中央市場の単一制である、荷受け会社が。このこともはっきり明文化しまして、皆さんの自主的な御回答を待ちましたところ、午前中から助役それぞれ発言いたしております通り80%以上の同意、賛成が得られましたので、実は本来から申し上げますとこの開会当初の12月7日でしたか、に提案いたすべきはずでありましたが、なお一そう慎重を期するため、慎重を期するとは申しましたが11月20日の総会であなたの申しておられる一、二の方からそういう声を総会において聞きました関係上、さらに慎重を期するために、事務当局におきまして、いま申しました署名を頂戴いたしましたので、提案が遅れたような次第でありますが、重ねて申し上げますが、この新
中央卸売市場法による中央市場であるということは37年4月28日にはっきりいたしております。この点ひとつ御了承を賜わりたいと思います。(「さっき物価の妙味を説明すると言うたのを説明してくれ」と呼ぶ者あり)
妙味といいますのは、これは私は非常に表現が、どういいますか、まずくて、結論からいいますと、この西宮の現在の魚菜市場に買出し人の方が買って末端の小売店、すなわち消費者と取引する小売店において、中央市場から、午前中も御答弁を申し上げました通り、神戸とか、あるいは尼崎で仕入れている人も西宮には若干あります。その方と物価が変らない。これは現実に若干は変りますが、そう大して変らない。といいますのは、中央市場の尼崎で一部仕入れてくる業者が市内にあるといたします、その方が高い値で売って、西宮の現在の魚菜市場から仕入れた方が安く売る、そうすると尼崎から仕入れた方は売れないです。売れないから、必然的に下げてきますわね。また、あるいは上げるかも分りません、こちらは。いずれにしても消費者にわたる時の最終価格と申しますか、それは殆んど変っておりません。変っておりません。あとは、あなたが相当に御研究もなさっておられるので、妙味ということは私らが申し上げるまでもなく、あなたの方がよく御承知のことだと思いますので……(「ちょっと待ってくれ、どないなっておるのや、これは……」と呼ぶ者あり)御了承を願います。
◆20番(大槻弥之助君) もう余計しませんけれどもな、私、何や知らん分らぬようになってしまうわ。あのね、部長の話を聞いておったら丁度スゴロクをやっておるみたいなものや、前へ行ったり後ろに戻ったり。妙味があるということはね、あなた方、尼崎やあるいは伊丹や、その辺から、神戸の方からも来ているということは、西宮の卸売市場が安いからやってくるんやろうなあ、間違いおまへんな。そうすると、今度いって、せりにかかって、6分とられて、神戸と同じやったら来なくなるから、僅か20億か30億かに売上げが下るということをあなた方は立証しておるわけやろう。そうしたら、ここであんた方は財源の確保ということを非常に、健全財政ということを非常に言われているのや。78億あるいはまた80億といわれるのと、今度50億に下って、何年かかって二十五、六億か30億といわれるのとで、市税収入はどれだけ変ってくるのや。あなた方、財源を確保する必要は毛頭なしに税金収入を減して、そして市税を沢山使うて、市をつぶすつもりで市場を作るんか。そんなつり合いのない答弁をしておって、本当に答弁だと聞きとれるか。私はそんな筋の通らぬ議案を出してくる方がどうかと思うということが第1点です。だから私はこれは、もうここで申し上げます。市長にこんな訳の分らぬ、つじつまの合わぬ、そうしてしかも今まで私を入れて4人、決してこれで賛成やと誰も言わんかった。これだけ大きな議案を委員会に付託されても委員会が迷惑ですよ。この際、私は市長に、この議案を、これだけ重要な、しかも今後の市財政に大きな影響を与えるものとして、もう1ぺん検討をし直すために、あとで正副議長と相談して、議案を撤回する意思はないかどうか。これは市長に聞きます。
それともう1つは、河田さん、さっき北山さん、中西さん、井本さん、それから筏さんとかいうて代表を挙げたのは、全員の総意に基いてやられたんだ、もしもこの人たちが民主主義的なルールを踏んでやられておったら、あなたが言うた11月20日の総会で揉めなかっただろう、異議が出なかっただろうと思う。さっき難波課長が読んだ2つの文書に一つも、卸売市場以外に中央市場をこしらえてくれという一片も文章がないからこそ揉めたんでしょう。だから、これだけ約15人の反対と20人の白紙、こんなものは行かへんという人ですよね。それから判を押して、役員の顔があるからという人を入れて、これ出来上った時にどないなるんかと思ったら、さっき長岡君に対する答弁の時に、あんまり工合が悪かったら1ぺん上司とも相談してと、こういってあんた言うてはったけれども、私はこの辺で、そういう論議はさっき市長に言っておるから、河田さんに、この人たちは専門委員会に来られて、そうして代表として来られたんだろうけれども、おそらくここに書いてあるように臨時総会に対してこういう工合な質問をされていますね。
質問の第2、昭和39年の11月20日、卸売市場連合会の臨時総会において松浦助役、それから建設委員長さんから
中央卸売市場建設の公式発表がありましたが、かかる重大な公職にありながら、かつ委員会に出席され、何で組合総会にかけなかったのでしょうかというような、こんな論議が総会で出なかったはずですよ。もう1つ、昭和39年7月24日 西宮市西市場臨時総会の直後、直ちに土地を買うだけだから判を押してもらいたいというので書類を渡しましたが、それは中央市場推進の決議書になったように聞いておるんだけれどもというような、こんなことが私はおそらく論議されなかっただろう。いうならば、これは私ども独走をしてきたのじゃないか、市当局自身が独走をしたのじゃないか、私どもはこう考えます。そういう点でまことに非民主的で、しかも全員の総意を持たないようなもの、私はそう言いたい。こんな意見が出る、しかも45億の金をかけるものについて、これだけ多くの議員が言われているんだから、ここでもうあなた方の答弁を求めようとは思いませんが、やはり私は反対の人が言われていること、少数が正しいということを言わなきゃならないですよ。少数の意見が、この意見は正しい意見を述べておられるということを私は言わなきゃならぬ。私は多数があながち民主主義のルールを踏んだとは思わない。共産党はそう思います。私は民主主義というものは、多数は少数の意見を十分に尊重して、そうして出来得べくば全員が一致するように、どこまでも相協力して話合いを進めていく、何回か討論を重ねる、そういうことによってこそ本当に私は立派な民主主義が育ち、市政がよくなっていくんだ、こう考えますので、市長に最後に今いったように、これからあと何人か質問がありますので、これ以上は論議をしませんけれども、どうか私が今いったように非常に市財政にも影響があるし、来年度海清寺の移転問題もおそらく出てくるだろう。長岡君の言うた通り問題が沢山ある時なので、私どもは時期尚早だ、全体の意思を統一するために、この議案を、もう1度十二分に市首脳部として話合って、撤回する意思がないかどうかということを市長に聞きたいと思います。
○議長(八木米次君) 質問ですか。
◆20番(大槻弥之助君) これはまあ私の意見として市長に聞くんだから…。(議場で発言する者あり)
○議長(八木米次君) ちょっと待って下さい。
◆20番(大槻弥之助君) 私のまだ後に質問者が大分おるから、それは後で聞いたら、最後の人が聞いてくれたらどうかということですので、どなたが最後の人か知りませんが……、東内議員さん、それでは……(「人の言うことを、その何が出るか分らぬじゃないか」と呼ぶ者あり)だから、あんたがやってもらえるんだったら、最後の人が聞けばいいから………(「人の考えを押しつけられたって困る」と呼ぶ者あり)それだったら私は聞きますわ。市長に、撤回する意思がないかどうかということを聞いておきますわ。(「そんな人の考えを押しつけられたら困る」と呼ぶ者あり)いやいや、それだけ聞いてもらえるか、というているんです。
○議長(八木米次君) 整理しますから……。それではどうですか、答弁ございますか。どうですか、答弁に長引くようだったら休憩いたしますので……。はい、どうぞ。
◎市長(辰馬龍雄君) 今の点について御答弁いたしますが、市当局といたしましては中央市場法による市場を建設したいという考えでございますので、一つ皆さんの御審議を賜わりたいということでありますので、撤回する……(「審議を賜わりたい、ということですね」と呼ぶ者あり)だから撤回する考えはございません。
○議長(八木米次君) ここで暫く休憩いたします。
(午後 4時40分 休憩)
──────────────
(午後 5時19分 開議)
○議長(八木米次君) 休憩前に引き続き、ただいまより再開いたします。
44番 平岡利美君の発言を許します。
(登 壇)(拍 手)
◆44番(平岡利美君) 実は社会党の議員団としましては本議題に関して3名の発言通告を出しておったわけであります。ところが、何分にも時間的に相当遅くなっておりますし、私の方で3名の議員が相談をいたしまして集約をいたしまして、社会党議員団として代表いたしまして私の方から質問をさせていただく、このようになりましたので、御了解をいただきたいと思います。なお、私に質問が最後でございますので、締めくくりの意味で発言をさせていただきますので、当局の方でも遺漏のないような答弁をお願いしたい、かように思っております。先ほど来、先輩の各議員からいろいろと質問があったわけであります。これに対して当局の方からは答弁がなされておったわけでありますけれども、いずれも手の平に石鹸を塗って鰻を掴むような答弁しか聞きとれなかったわけであります。どうも、ぬらりくらりしておりまして、われわれはどうも理解が出来ない、こういう答弁の内容でございました。
そこで、まず私の方で最初にお尋ねを申し上げたいことは、財源措置の問題であります。財源措置の問題につきましては、仮にも21億7000万円、こういう財源を支出をするわけであります。これだけの財源を必要とする、西宮市にとりましては画期的な大事業を行なおう、こういう提案であります。この提案に際しましては当局の方でも現在まで鋭意原案作成についての努力をされたでありましょうし、また諮問にあずかりました新市場建設委員会の中でも慎重に論議をされたことと思います。深く敬意を表すものであります。しかしながら、何分にも先ほど来申し上げておりますように、21億7000万円であります。これだけの金を使って事業を行うわけでありますから。あくまでも私たちは当然業者の皆さん方の生活の安定と、そして市民の福祉と生活の向上を前提としてこれから質問を行なうわけでありますが、これだけの金を使って、そしてなおかつ、勿論この金が現在市の中にあるわけではありません。21億7000万円の中から、この議案の中に出ております分だけ私たちが理解しましても15億6000万円、これは借金をするということであります。借金をして、やるということであります。第1年度の3億円、第2年度の6億円、この9億円につきましては開発公社から借入れをするということであります。これはまあ資料の中に明示をされておりますので、この分については一応分るわけであります。その後の第3年度以降、この事業が完成をするまで6億6000万円は一体当局としてはどこから融資を受けるつもりでおるのか。その融資を受けられる先を一つ御明示を願いたい、かように思うわけであります。これは私の推測もありますし、また一部仄聞をいたしておるわけでありますけれども、この6億6000万円の中の5億円という金額が、これが業者の方から縁故債として負担をしていただこうという考え方をもっておられるやに聞いておるわけでありますが、それが本当であるとすれば、これは業者の方にとっては由々しい問題であろうかとも思うわけであります。先ほど来、各議員から指摘をされておりましたように、賛成をされた業者の方、いわゆる新市場の方に移るということを同意をされた業者の方であっても、保証金の問題ですら市当局から説明を受けておらなかった。保証金が要る、保証金を出すんであれば、われわれは判を押すんじゃなかったんだ、このように言っておられる判を押された方もあるわけであります。その上に債券を買ってもらわなきゃいけない。その債券の額たるや、5億円を現在の業者の数150名で割るといたしましても、これは一業者あたり約300万円の債券を持ってもらわないかぬ、こういう勘定になるわけでありますが、この債券を業者に持たせるという考え方、持っていただくという考え方が当局にあるのかどうか、その点をお聞きをしたいと思います。
そこで問題になりますのは、先ほども申し上げましたように、また各議員から言われておりましたように、保証金を積んでまで向うに行くのであれば私は同意をするんではなかった、こういう業者がおられるようでありますが、その上に先ほども申しましたように、さらに市の債券を300万円も持たされる、こういうことになってきますと、いろいろ業者の条件が悪くなってくるわけです。そうなりますと、現在時点では判をついておるけれども、しかしその移る時点になって、私は行くのは嫌だというような考え方が当然出てこようかと思うわけであります。その場合に現在賛成をしておる方が80%、いわゆる当局の原案に同意をされておる方が80%、それから同意をしておらない方、あるいは態度保留の方が合せまして20%おられるというわけでありますが、部長の答弁も先ほど聞いておりますと、あくまでも絶対多数が新市場に移ることを希望されておるから当局としてはこの原案を推し進めていくんだ、推進をするんだという考え方が表示をされたわけでありますが、しかしこのただいま私が説明をいたしました保証金の問題、それから縁故債の問題、おそらく300万円近い金額になると思うのですが、それだけの縁故債を業者の方が持つという条件が付けられた場合、態度を変えられて現在同意をされておる方が同意をしないという態度、賛成をしないというふうに態度を変えた場合には比率が当然変ってくるわけであります。現在は80対20でありますけれども、これが50対50というような比率になった場合には、当局はどのような措置をとられるか、その点について一つ明確な答弁を願いたいと思うわけであります。現在、敷地は買うた、敷地は買うたけれども、あとになって業者はそういう約束じゃなかった、そういう条件はあの当初には付いておらなかったということでもって同意をされておる方が反対の立場に回られた場合には、先ほども申しましたように80対20が50対50というような比率になった場合には、これは当局としては現在確保しようとしている、また確保したと仮定をして、仮定をしたその土地を何かほかに転用するという目途があるのかどうか。そういう点についてお聞きをしておきたいと思います。
それから次でありますけれども、次は買収用地の問題であります。この買収用地につきましては、価格の点につきまして私は専門家ではありませんので、高いとか低いとかいう評価は付けることは出来ません。しかしながら、ただ私が申し上げられることは現在この坪単価が3万円で、その上に少くとも3尺は地上げをせないかぬ、こういうことが言われておる、そういうふうに私は仄聞をいたしておるわけです。3尺は地上げをせないかぬ。さらに道路を付けなければいけない。下水の整備をしなければいけない。また岸壁の工事もやらなければいけないだろうし、引込線の整備もやらなければいけない。こういういろんな工事、付帯事業がついておるわけでありますが、そういったものを全部含めますと、土地の造成費だけで、おそらく坪単価は3万5000円は下らないのではなかろうか、このように判断をいたすわけであります。そこで御承知の通りに先般私たち市議会に県の当局から諮問がありました平左衛門新田の地先の埋立工事であります。現在はまだ埋立てはされておりませんけれども、この埋立てを完成した場合にどれぐらいの造成費がかかるかということは、この市議会の特別委員会の中で討議をされたわけでありますが、どのぐらいかかるかということを県の当局にお尋ねをしたわけであります。その時に県の当局では約2万5000円ぐらいではなかろうか、これはおそらく推定数字でありますけれども、そういう話でありました。ところが先ほど申しましたように、現在この取得をしようとしておる用地の価格が3万5000円程度、完全に造成をした場合に3万5000円程度かかる、こういうことであります。ここで私は土地が高いとか安いとかは申しませんけれども、これを対比をした場合に、将来県の総合開発計画、この県の総合開発計画自体も私は賛否を論じる段階ではないと思うのですけれども、この開発計画をもって鳴尾の浜に流通センターを作るというふうなことが、これは仄聞をしておるわけでありますけれども、そういった先ほども佐藤議員さんの方から質問がありましたように木材センターがどうとかこうとかいう話がありますが、こういった事業計画そのものの内容につきましては現在の時点では触れたくありません。しかし、そういうふうに埋立てをするということは早晩何らかの形で具体化をする運びになっていくのではなかろうかと推測をするわけです。そうした場合に、この鳴尾の浜に2万5000円で護岸工事もすべて完備をした土地が2万5000円で取得が出来る、将来。そういう見通しも考えられるわけでありますが、現在何を急いで3万5000円の土地をここで購入をしなければいけないのか。そういう点についての質問もあわせてしておきたいと思います。
それから次にお尋ねいたしたいのは、やはり市民生活との関連の問題であります。これは市民生活に何らかの形で影響があるという前提で私は質問をするわけでありますが、先ほど来各議員の質問に対する当局の答弁は、一般の諸物価は、今いう現在の
総合市場でやっておる場合と、それから中央市場でやる場合と、一般消費者への小売値段は変らない、消費者に売り渡す値段は変らない、こういう答弁がありましたけれども、これも私は専門家ではありませんので詳しい事情は分りませんけれども、単純に私は一つ考えてみます。単純に考えて、現在の取引状態は、生産者から業者、それから小売人、消費者、こういう段階を経て消費者の手元に渡っておるわけであります。ところが、中央市場になりますと、生産者から中央市場を経て仲買人を経て小売人を経て、そうして消費者に販売をされる、こういう経路をたどるわけであります。そこで、トンネルは今までであれば2つだったのが3つくぐらなければいけないという結果が生じてくるわけであります。そこで問題になりますのは、この2つのトンネルをくぐる場合には当然2つのマージンがあるわけでありますけれども、3つのトンネルをくぐれば当然、3つのマージンがここに加えられるわけであります。そういうふうなことを考えて参ります時に、物価が高くならないということがどういうところで保証が出来るのか、その理論的な根拠を私ははっきり出していただかない限りは、承服いたしかねるわけであります。
それから最後にもう1点、簡単に聞いておきたいわけでありますが、先般新聞紙上で拝見をしたわけでありますけれども、市長は新規事業は昭和40年度にはやらないということを言明をしておられるようであります。そこで、私がこの当局から提案をされております議案と関連をいたしまして質問をするわけでありますけれども、また市政ニュースにも先般来いろいろと出ておりましたけれども、市の財政は非常に苦しいのだということが出ておったわけであります。新規事業はやらない、こういうことが新聞にも報道される。ところが、ここで考えられますことは、新規事業はやらないということは、この中央市場建設のためにここ五、六年の間は相当市は歯を食いしばって、あらゆる財源を節約をしなけりゃいけない、こういうことに相なるわけでありますけれども、そうなって参りますと、当然そうなると私は思うわけでありますが、市長はそういう考え方で新規事業をやらないということを表明をされたのかどうか、その点まずお聞きをして、それからもしそうであるとしたならば、この中央市場の問題にかかって、そのほかの教育施設の問題であるとか、あるいは下水道施設の問題であるとか、あるいはその他福祉対策であるとか、すべての問題にしわ寄せがされて、ただ諸物価の問題だけじゃなしに教育の問題あるいは道路行政の問題、すべてに市民にしわ寄せが来るということを私は懸念をするわけであります。そういう点について市長ならびに関係当局の御答弁を願いたいと思うわけであります。
以上、申し上げまして、非常に簡単でありますけれども、答弁如何によりまして再質問をさせていただきますので、その点議長の方でよろしくお取りはからいを願いたいと思います。(拍手)
◎第2助役(松浦松一君) お答え申し上げます。
まず第1点の縁故債の点でございますが、その5億、6億ほどがどういうことになっておるかという御質問でございますが、これは一応起債以外のものは市費でもって充てたいということでございますので、従いましてこれは一般の市税になりますか、あるいは競輪等の収益事業の財源になりますか、現時点においてはまだそこまで具体的なものは持っておりません。いずれにいたしましても起債以外のもので充当したいという考えでございます。そこで、起債の点について縁故債を賦課するかどうかということでございますが、これは今までの御質問で御答弁を申し上げましたように、業者の方もある程度の協力をする、こういうことが記録にも残っておりますので、いよいよこの市場を御決議いただきましたら、計画を立て、農林省に申請しまして、その際には御協力を願いたいと考えております。その金額につきましては今、どれぐらいにするかということは、まだ関係の業者と話をしておりませんので、ここで申し上げるわけにはいかぬ次第でございます。出来るだけ御協力を願いたいという考えは持っております。
それから、現在の80%の数が変ってきた時にどうするかということでございますが、それは私の方ではこれはもう変らないということで、予想もしておりません。それで、もしそういうふうな事態が参りました時には改めて考えて、皆さんと御協議したいと考えております。従って、この土地がどういうことになるかということにつきましては、これと同様の考えでおります。
それから、保証金の点は後ほど,これはまあ法律から見ますと、卸売業者に対してということですから、荷受けの卸売人が一つになりましたら、これでいいんじゃないかと思うのですが、詳しいことは後ほど財務部長から答弁いたします。
それから、土地の価格の点でございますが、なるほどおっしゃるように2万5000円で埋立てが出来るかも分りませんが、今の時点におきましては、これはこの土地を選びましたのは引込線がある、それから答申等によりましてこの趣旨に沿わなきゃならない、それから今の市場が自動車の駐車禁止になっておるというような点から、この土地を物色いたしました。これは不動産鑑定をやりますと大体3万円という価格は高くないので、買収に踏み切った次第でございます。
それから、市民生活についての影響の点でございますが、これは今はっきりと、例えば1割安くなるとか2割安くなるとかいうことは言えませんが、現在のような業者が沢山で集められるよりは単一的に集めた方が信用度が高くなって、単に値段というだけでなくして、ここに集まって参ります荷物の集荷の問題からいきましても、やはり近代的な
中央卸売市場をやらなければいかぬのじゃないかという点でございます。まあ業者が8つあるより荷受会社が一つになる方が大量的なものが寄せられる、従って手数料の点から考えましても輸送の運賃から、少しずつ集めてくるものよりも一本で集まる方が価格が安くなる。また、これがせりで価格がはっきりいたしますので、非常に多くの口銭をとる人と少い人というようなアンバランスが出来ず、市内の物価というものは統一的なものが出るんじゃないか。そういうことで
中央卸売市場を政府も奨励しておると思うのでございます。そういう観点から一つ、この
中央卸売市場というものについてお考えをいただきたいと思うわけでございます。
それから、新規事業はどうかということでございますが、これはもう先ほど申し上げましたように、この市場をやりますと最高の時に2億何千万、3億ほどの財源を必要といたしますので、このしわ寄せはどうしても出来ますので、このしわ寄せをやらずにやるということは、これは非常に困難な問題でございます。出来るだけしわ寄せの線が少いようにやりたいというので、開発公社の分を起債に振りかえたいというので、私もこれだけでは行ったことはないんですが、東京に出張しました時に時間を割いて農林省も交り自治省にも交り、大蔵省も行って参りました。
大蔵省も非常に好意的でございましたが、一部やはり職員の中に、急に持っていったというようなことでお叱りを受けた点もございますが、これからいよいよこの御決議をいただきましたら、この起債、縁故債になりますか政府債になりますか、そういう点につきましては出来るだけ運動をして起債に振りかえたい、こういうふうに思う次第でございます。これは特別にワクを得ておるわけではございませんので、運動をしなければ獲得出来ないわけです。実はこの間、大蔵省へ行きました時には、課長補佐の人が、相当よそで事業をやらないものが出来てくるだろうからそういう点をかき集めてというような、非常に好意のある言葉も聞いておりますが、これは局長とか部長のところまで行っておりませんので、いよいよになりましたら皆さんの御協力を得まして、是非この起債の獲得に努力したいと思う次第でございます。
◆44番(平岡利美君) ただいま答弁をいただいたわけでありますけれども、まだ納得がいかないわけです。
まず、縁故債の問題でありますけれども、この分はやはりはっきりしておいてもらわなければ困ると思うのです。業者の中には、先ほど来各議員が申しておりましたように、保証金を積まなければいけないということすら十分に理解をされておらない方がおるわけです。その上に縁故債を一つ引き受けてもらいたい、起債を持ってもらいたい、債券を持ってもらいたい。それも少い金ならいいんですよ、これはおそらく数百万円という大きな金を業者の方に負担をかけるということになって参りますと、それでは5年先になって新しい市場が出来て向うへ移る段になって業者の方からそういう条件じゃなかったというような苦情が出てきた場合にどうするかということ。また、その縁故債の問題が業者の中に持ち出された時に、先ほども申しましたように現在の賛成反対の比率が変ってきた時に事業変更をやらなければいかないような時点が到来をするやに私も憶測をするわけでありますけれども、そういう場合に先ほど部長も答弁されておりましたけれども、とにかく現在80%という大多数が賛成をしておるから、これを実行するんだ、ところがその比率が変ってくれば当然考え方が変るということになるわけですから、そういう点について考え方を変えるのかどうか、これをまずお聞きをしたいと思います。
それから、縁故債については、やっぱり金額をはっきりしておいてもらわな困る。どのぐらいの債券を持たせるのか、それをはっきりしておいてもらわなかったら、それぞれの業者に心づもりがあろうと思うのです。その点もはっきりしていただきたい。
それから、土地の問題でありますけれども、これは私は土地が安いとか高いとか言っているんじゃないんです。そこで造成をした場合にはこういうようなことで出来るというような話も聞いておるのです。これを対比した場合に、どちらが利用価値があって、どういうふうな、行政効果面から考えてどうかというふうなことをいろいろ検討する余地があると思うのですけれども、しかし問題はこの今年中の議会で解決をしなければ、この契約自体がどうなるのかということを私、危惧するわけです。その点について先ほども質問しようと思っておったのですが、再質問の中で明らかにしていきたいと思うのですけれども、今年中にもし議会で継続審議というふうなことになった場合、この契約がどういうふうになるのか、それを一つ明確に示していただきたい、こう思います。
それから、新規事業の問題でありますけれども、ただいまの助役さんの答弁では、当然こういう事業をやれば利息だけでも1億円から要るんですから、5年後には。ここ10年ほどの間は何も大きな事業をやれないというような結果になろうと思うのです。そこで、これをそういうことを先ほど来申し上げておりますように、教育問題あるいは下水道の問題、あるいはまた道路問題、すべてを犠牲にしてまでもこれを強行して市民にどういう福祉と、それから行政効果を与えようとしているのか、その点を一つ明確に御答弁を願いたいと思います。
◎第2助役(松浦松一君) 第1点の縁故債の点でございますが、これは先ほど申し上げましたように、業者は建設委員会で応分の協力をするということは聞いておりますが、これは記録にも残っておりますが、お説のような点も十分に研究いたしまして今後話合いを進めたいと考えております。それで今ここで申し上げられないと申しますのは、業者の方にしましても市場が出来るか出来ぬか分らへんのに、そんなことを言うてきてもろうても困るというように言われる点もございますので……(「逆や、逆や。そんなもん逆や」と呼ぶ者あり)それで話を進めておりません。ただ、これは御趣旨の点も十分に検討いたしまして話を進めたいと思います。
それから、新市場に行かない場合にはどうするかという点でございますが、この点も私は80.2%の方が、単一制の農林大臣の許可するということまで書いておりますので、まあ先ほど申しましたように皆さんの判を信用して進めておりますが、御趣旨の点もございますので、十分に検討をいたしまして遺憾なきようにやりたい。おっしゃるようなことで、市場は出来たわ行かぬわということでは申し訳ないと思いますので、その点は十分注意いたしたいと思います。
それで、この議会で土地代を議決せなかったらどうするかという点でございますが、これは提案説明で申し上げましたように、今年の末までに金をほしいということで、非常に急いで申し訳ないんですが、提案したような次第でございます。従いまして、今の時点におきましては議決をいただかなければ向うは取り消す、こういうふうに申しております。
以上でございます。
◆44番(平岡利美君) どうも、縁故債の問題だけは、これははっきりしておいてもらわな困ると思うのです。いま助役さんの方から答弁がありましたけれども、これはやはり業者の方にとっては、この後の条件如何によっては現在でも態度を変えようという方が相当おられるわけなんです。この縁故債がどれだけの割当てがあるだろう、その割当ての如何によっては現在賛成をされて判を押しておられる方も態度を変えようという方が相当おられるわけです。ですから、それはもう今日の時点で、はっきりと御答弁を願いたい。大体、構想だけでも結構です。構想だけでも明確にしてもらいたいと思うのです。
それから、土地の購入の問題でありますけれども、この議会で議決をしなければ、3億円の金を入れなければ、これが契約が出来ない。業者の方でそう言っておる。こういうことなんですが、どうも私は、とにかくその間の事情がもう少しはっきり説明を願いたいと思います。どういうわけで3億円の金を耳を揃えて今年中に持ってこなんだら契約はしないという何があるのか。例えば、ほかの買い手がついてどうとかこうとかいう話もあるでしょうし、それを具体的に説明を願いたいと思います。
◎企画室長(松岡清八郎君) 土地の問題につきまして、お答え申し上げます。
明和工業の方は本年内に3億円ほしい、これは売買交渉の条件になっております。もしそれが果たされない場合、先方がどういう態度に出ますか、これは今からどうこういうことは申し上げにくいかと思います。
◎第2助役(松浦松一君) 縁故債の点でございますが、これは御答弁申し上げましたように、当然向うに義務的に負担さすものではありませんので、協力するということで代表の方からそういうお話がありますので、出来るだけ協力していただこうという考えでございます。従いまして、ここで金額を何ぼにするというようなことを申し上げましても、そんなもの勝手に言われても困るということになりますといかぬので、今後の交渉にまたしていただきたいと思います。(「総会を1ぺんしかやってへんのに、いかんやないか」と呼ぶ者あり)
◆44番(平岡利美君) 問題は、もう私はその1点にしぼって一つ質問をしたいと思うのです。(「頑張れよ」と呼ぶ者あり)とにかく6億6000万円ですね、6億6000万円という金が公社以外から何とか工面をしなきゃいけないわけです。先ほども、自治省の方でいろいろ考えてくれておるというような話がありましたが、大蔵省ですか、考えてくれておるというようなこともありましたけれども、それは幾分の起債がとれるかも分りません。しかし、やはり大部分は縁故債によって消化をするという考え方には間違いがないわけですね。縁故債によって消化をするということになってくれば、市債を発行するということなんですが、市債を発行するということになってくれば一般の市民が買うてくれるというようなことはありません。やっぱり業者の方々に負担をしていただかなきゃいかんというふうになるわけです。これは自ら協力をしていただくというふうに助役さんは逃げておられますけれども、結果的には強制的に割当せざるを得ないということになるんじゃないんですか。そうせなければ、どこから金を持ってくる、持ってくる先がなくなってくるんじゃないか。私はそう思うのですけれども、もう1度それ答弁を願いたいと思います。
◎第2助役(松浦松一君) 今の財政計画でいきますと、一応6億何千万円は一般市費からいきたい、これは年次に割りまして、あとの15億何ぼを起債でいきたい。ところが起債も15億何ぼも政府債ではなかなかもらえぬので、それで縁故債になると思うわけなんです。どうせ起債の条件は縁故債になりますので、なりました場合には業者の方に協力していただく、またあるいは銀行で負担を願うとかいう、そういう点で消化したいと、こう考えております。従って、このここで何ぼ業者に持ってもらうということは言えない。出来るだけ沢山の負担をしていただきたい、こういう考えでございます。
◆44番(平岡利美君) そこで、じゃ質問しますけれども、業者が協力をするということを言われておるというわけですね。じゃ、業者がこれは縁故債は持たないと言ったら、市はどうするんですか。市は全部かぶるのですか。その点、明確にしてもらいたいと思います。(「100万円でも協力や」と呼ぶ者あり)
◎第2助役(松浦松一君) それは、その時点でないと申し上げられませんが、前のそういう記録もございますので、出来るだけ多く業者に持っていただく、これが一つの考え方でございます。
◆44番(平岡利美君) 出来るだけ余計持ってもらうということですね。出来るだけ余計持ってもらうということは完全に消化したいということですね。6億6000万円、完全に消化したいということになるわけですね。そういうふうに理解をしていいわけですか。そうなりますと、先ほど私が演壇で申し上げましたように、1戸あたり300万円以上になるわけですよね。1業者あたり300万円以上になる、そういう条件を業者が了解をしておるかどうかということが私は疑問なんです。その点について一つはっきり今日しておいてもらわぬと、あとあと各常任委員会の中で審議される場合でも非常に問題が生じてくるでしょうし、はっきりしていただきたいと思います。
◎第2助役(松浦松一君) この点につきましては、先ほど申し上げましたように、御注意の点も十分に勘案しまして、業者の方と折衝したいということで本日の答弁は御勘弁願いたいと思います。
◆44番(平岡利美君) これ、何べんやっても、どういうんですか、のれんに腕押しなんです。これ以上、私は追及したくないと思います。ないと思いますけれども、ただ一言申し上げておきたいことは、やはり常任委員会の場ででも一つどの程度の、大体の構想だけでも結構です。はっきりと、幾らという金額を明示が出来なければ、構想としてこういう構想を持っておるということぐらいは明示をしてもらいたいと思うのです。私は本会議でこれは明示するのが当り前だと思いますけれども、当然今日の場でまだその構想が出来ておらないということは責任が非常に怠慢だと思うのです。そういうことを申し上げたいと思います。
それで、もう、まだ申し上げたいことがあるんですけれども、非常に時間も過ぎておりますし、本日の場合はこれだけで一つ質問を終らせていただきますけれども、何回も申し上げますように、業者に負担をかけるということだけは明らかになったわけです。とにかく協力をしてもらう、そして協力してもらう以外に方法はない。ほかから財源を引っ張ってくる目途はないということは明らかになっておるわけです。だから、その点も業者の方に十分に理解をしてもらえるのかどうかということを、これはやっぱり話合いを続けてもらいたい、即刻。そういうことを要望して質問を終ります。(拍手)
○議長(八木米次君) 以上で通告者による質疑は終りました。
この辺で質疑を打ち切り、上程中の両案を担当常任委員会に付託して異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(八木米次君) 異議を認めません。よって、議案第101号および議案第102号の両案は担当常任委員会に付託いたします。付託区分につきましては日程表の通りでございます。
この際お諮りいたします。大日の会議はこの程度にとどめ散会いたしたいと存じますが、異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(八木米次君) 異議を認めません。よって、本日はこれをもって散会し、次会は明17日午前10時より本会議を再開いたします。御苦労でございました。
(午後 5時56分 散会)...