西宮市議会 1963-03-04
昭和38年 3月(第 2回)定例会−03月04日-01号
昭和38年 3月(第 2回)定例会−03月04日-01号昭和38年 3月(第 2回)定例会
3月定例会議事日程
昭和38年3月4日午前10時
於 議 場
順序 議案番号 件 名
1 議案第148号 西宮市職員定数条例の一部を改正する条例制定の件
議案第149号 西宮市市税条例の一部を改正する条例制定の件
議案第150号 西宮市
固定資産評価審査委員会条例の一部を改正する条例制定の件
議案第151号 西宮市付属機関の設置に関する条例の一部を改正する条例制定の件
議案第152号 西宮市公民館条例の一部を改正する条例制定の件
議案第153号 西宮市
住宅物置使用条例制定の件
議案第154号
西宮市立地区市民館条例制定の件
議案第155号 西宮市公益質屋条例の一部を改正する条例制定の件
議案第156号 西宮市福祉年金条例の一部を改正する条例制定の件
議案第157号 西宮市
災害応急救助条例制定の件
議案第158号 西宮市
興農資金貸付条例を廃止する条例制定の件
議案第159号 西宮市
道路占用料徴収条例等の一部を改正する条例制定の件
中央病院長 北 村 文 雄 君 教育委員長 福 島 守 雄 君
中央病院事務局長 日 昔 清 君 教育長 刀禰館 正 也 君
福祉事務所長 高 津 実 君 管理部長 永 島 茂 君
建設部次長 西 本 正 君 指導部長 中 上 利 一 君
建設部次長 有 村 正 雄 君
職務のため議場に出席した事務局職員
事務局長 平 山 義 一 君
次長 内 藤 康 夫 君
議事係長 川 崎 正 君
書記 天 野 禎 夫 君
速記員 野 口 修 君
速記員 川 勝 立 春 君
(午前10時13分 開会)
○議長(塚田義則君) ただいまより定例議会を開会いたします。
開会に際しまして市長の御挨拶がございます。──どうぞ。
(登 壇) (拍 手)
◎市長(田島淳太郎君) 本日は定例議会を開催申上げましたところ、各位には御多忙中にもかかわりませず、多数御出席を賜りまして、まことにありがたく、厚く感謝を申上げる次第であります。
この議会は昭和37年度の最終の議会でございますと同時に、われわれ公選による者としては、今期における最終の市会ともなるわけでございます。提案する諸議案は38年度の予算案を初め、多数の重要案件を含んでおりますので、どうぞみなさま慎重御審議の上、御協賛を賜りますようお願い申上げまして、御挨拶に代える次第であります。(拍手)
○議長(塚田義則君) 現在までの出席議員は24名であります。
本日の会議録署名議員に会議規則第113条により大槻弥之助君、宮崎三治君、御両君を指名いたします。
まず本定例会の会期を定めておきたいと存じます。本定例会の会期を本日より来たる3月23日までの20日間といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(塚田義則君) 御異議を認めません。よって本定例会の会期は本日より来たる3月23日までの20日間と決定されました。
本日の日程はお手許に配付いたしました日程表の通りであります。
これより昭和38年度の本市市政の方針を決定する重要議案の審議に入るわけでありますが、各位におかれては慎重なる御審議を賜ると共に、議会運営に絶大なる御協力をお願いいたします。
まず昭和38年度の諸議案の上程に先き立ち、市長よりまず行政方針の説明をお伺いいたします。
(登 壇) (拍 手)
◎市長(田島淳太郎君) 昭和38年度の予算案およびその他の議案について基本的方針を申し述べ、併せて予算の大綱を御説明いたします。
昭和34年市長就任以来、議会のご協力のもとに「理想都市新西宮」の建設を目指し、すべての施策を意欲的積極的に推進してまいりました。すなわち、教育振興のための施設の充実、都市計画の実施、地盤沈下対策、福祉行政の拡充、安全都市の宣言とこれに伴う施設の整備、清掃事業の強化等の諸施策を実施してまいりましたが、理想への道程は未だ遠く、「ローマは1日にして成らず」との感を深くする次第であります。目前に控えた改選期には、多数の議員各位におかれましても私同様再立候補のことと存じますが、幸いに市民の信任を得ることができますならば、互に相協力して理想都市の建設に向かっててい身いたしたいと存ずる次第であります。また、西宮市今日の発展に終始御尽力賜わりました各種委員各位の御労苦に対し、この機会に深甚なる感謝の意を表し、なお今後のご精励を切にお願い申し上げる次第であります。新年度予算においても以上述べました従来の方針を維持し、特に教育・下水道・工業用水の確保に重点を置いて編成した次第であります。
次に懸案となっております本市の海岸開発および広域行政の問題についてその現状を申し述べておきたいと存じます。
本市の海岸開発については昨年9月、日石誘致白紙還元の声明の中で申しあげたとおりであります。市当局といたしましては、地域開発に関する政府および県の方針の推移について絶えず関心を払うとともに、県当局に対し阪神海岸に対する県の基本方策を明らかにするよう要望を重ねてまいりましたが、最近に至り県は阪神間の埋立は時代の要請であるとの認識に立って、その方針を定めるため、新年度予算をもって所要の調査を進めたいとの意向を明らかにしたことは、本市海岸の開発を一歩前進せしめたものとしての賛意を表し、地元市として県のこの企画に参画する機会のあることを期待するものであります。
次に阪神間各市の広域行政問題については、その必要性を叫ばれながら今日までその成果を挙げ得ないことは各位の御承知のとおりであります。しかしながら、北九州の五市合併の実現、また、各地にみられる新産業都市建設にともなう都市区域再編への胎動、さらに昨年5月の都市合併特例法の制定等、いまや都市の合併は新しい角度で見直されようとしております。私は、阪神間各市の段階的合併を持論としているものでありますが、かかる大事業は一朝一夕にして成るものではありません。私はやがてその実現の時期が到来するものと考え、機会あるごとにこれを推進いたしたい所存であります。
次に予算の大綱について御説明申し上げます。
まず、歳入については税収その他の収入が諸般の情勢から推して新年度も大幅な増収は期待できない状態であります。しかしながら、各種の施策を積極的に推進いたしたく、また一面、健全財政をも維持いたしたいので、見込みない市債を財源とすることを避け、代って見込みある財源についてはそのすべてを網羅することといたしました。その結果、全会計を合せ100億に迫る新年度予算は、今後事業の認証決定等特に情勢の変化が生じた場合のほか年度途中における大幅な追加措置はほとんど期待できないものと存じます。なお、競輪競馬の収益につきましては、競輪事業の制度改正により、やや収益が現年度を下回る予想でありますが、なお、2億5千余万円を見込んでおり、この使途は従来通り一般経費への充当をさけ、教育費に4400万円、
特別会計国民健康保険に7837万円、市民年金費に1775万円、清掃事業費に6855万円、住宅費に5000万円と、それぞれ充当いたしました。
以上により編成いたしました新年度予算の総額は、一般会計で37億7416万円、特別会計で54億3760万円、合計92億1176万円であり、現年度当初予算に比して20億4117万円の増となっております。市税収入は28億6403万円で、現年度の当初予算額に比して6億516万円の増となり、増加の内訳の主なものは、市民税において4億7538万円、固定資産税において9578万円、たばこ消費税において2087万円、都市計画税で947万円であります。地方交付税は国の予算と本市の税収入および基準財政需要額の伸長率に大きく関連し、その予想は困難でありますので、当初予算に計上することを一応見合わせた次第であります。公営企業および財産収入につきましては、競馬収益金4400万円を一般会計に計上しましたほか、1億3000万円の不用土地売却代金を見込んだのであります。国県補助金6373万円の増収は歳出対応経費の増嵩によるもので、雑収入8434万円の増は市営住宅建設費の償還金と
中小企業融資預託金戻入および
道路復旧工事委託金並びに
今津小学校校舎移転補償金等、歳出に関連した増収によるものであります。なお、市債9350万円の増加内訳の主なものは市民体育館および
市立東高校建設充当債の計上によるものであります。
次に歳出について建設関係から説明いたします。
都市計画の街路事業については、小曽根線・中津浜線・山手幹線の街路築造および舗装工事を引き続き年度割計画に基づいて進めたい考えであります。区画整理については、今津地区と苦楽園地区を年次計画により引き続き実施いたします。今津地区は甲子園口6丁目付近の工事施工を重点的に、また苦楽園地区は新年度より工事に着手いたしますので、仮換地の一部指定等を行なって積極的に推進いたしたい考えであります。また、市勢の発展に即応して札場筋線・山手線等の都市計画街路の調査測量と用途地域内における土地利用の実態調査を行なうことにより将来の市街地整備に備えることにいたしました。また、甲陽園墓地の造成は道路より南側の墓地内に1万6799平方メートルの墓所を昨年に引き続き造成して約800件のえい地を造成いたしますとともに、北側の国有地についても、貸付を受けて約6万平方メートルの整地工事を行ないたいと考えております。
次に旧鳴尾航空基地跡の整備については街路および下水道工事は現年度で一応完了いたしますので、新年度は南甲子園線の一部に植樹をすることといたしました。都市計画の公園事業につきましては、新年度において
瓦林公園用地買収費の最終の償還を行なうとともに当該公園を今津北部のモデル公園として造成する計画のもとに、その足がかりとして公園整地を行なうこととしております。また、鳴尾浜公園は失対事業と関連させて野球場等施設の整備を行なって市民の憩いの場とするとともに
アマチュアスポーツ熱の要望にこたえる所存であります。その他の市内各公園につきましては照明設備の充実に意を用い、夜間の修景および犯罪の防止に役立たせるほか、街路樹の植栽についても引き続きその整備を進めたいと考えております。
一般土木事業における道路の新設改良は、現年度に引き続き用地の確保、地上物件の移転をすすめ、失業対策事業と相まって工事を施行することといたしました。本市の道路については舗装に適するものの延長は46万4000メートルでありますが、現年度末までに内31万4000メートルの舗装を終え、15万メートルの未舗装分を残すこととなるわけであります。この未舗装分道路面積75万平方メートルを5カ年計画で完成すべく新たに第3次5カ年計画をたてております。新年度はその第1年度として全体計画面積の内、失業対策事業と併せて13万平方メートルの舗装を行なうとともに、重車両の激増による舗装部分の損傷度の大きい個所6万4700平方メートルの補修を失業対策事業と併せて重点的に実施し、人車通行を円滑にし、交通の安全を図ることにいたしました。
次に河川については堆積土砂のしゅんせつを十分に行ない環境衛生の増進および水害予防の一助にしたいと考えております。
災害復旧事業につきましては、昭和35年、6年、7年と連年にわたり相当の被害をこうむりましたが、全力を尽してこれの復旧に努めた結果、当該事業はほとんど現年度内に完成し、新年度では被害総件数270件のうちわずか14件を残すのみとなったのであります。
地盤沈下対策につきましては、別途申し述べます工業用水道事業のほか、現年度に引き続き建設部において地盤水準測量を行うとともに、国・県に積極的に働きかけ、海岸及び
河川高潮対策事業の一層の推進を図る考えであります。この内、海岸防潮堤のかさ上げにつきましては、新年度は本市分として1億5000万円の事業費が見込まれており、これによって一昨年から継続してきました鳴尾海岸が完成するとともに、西宮港周辺においても大きく事業が進捗するものと期待しております。
また、現年度に着手しました
武庫川右岸高潮対策事業も新年度をもって完成することとなっております。
なお、砕石製造事業は当初の失対事業としての性格を失い、また企業としても収支のバランスを欠き、更に材質も非常に低下してきた状況にかんがみまして、当該事業を現年度限りで廃止することにいたしました。なお、作業員につきましては、なるべく適切な配置転換を行なう考えであります。
下水道事業につきましては、下水道が都市の基幹施設でありながら、他の公共事業に比して著しくその整備が立ちおくれておりますので、わが国の現況にかんがみ、政府では下水道緊急整備5カ年計画の決定ならびに
下水道整備緊急措置法の立案等、下水道事業の促進に鋭意努力を払うようであります。本市におきましても、地盤の沈下にともなう下水の停滞、都市下水・工業廃水等による公共水の汚濁・し尿処理の行きづまり等、下水道の立ちおくれに起因する重要問題をかかえており、下水道事業の整備促進は本市の緊急課題の一つであります。新年度は特に現年度に引き続く
都市計画下水道事業第4排水区の拡張工事を積極的に推進いたしたく、また、昨年着手いたしました前浜・久寿川両
ポンプ場拡張工事の完成を期するとともに、
甲子園口幹線工事の進捗にともなう呉羽ポンプ場の新設工事に着手いたしたいと思います。また、下水道使用料につきましては、市民各位の御理解と御協力により、きわめて良好なる徴収成績をあげておりますので、これら既設の施設に対しましては極力、維持改良工事に努力する所存であります。
次に失業対策事業について申し上げます。
わが国の失業対策事業については、目下政府において慎重な検討を続けられている段階でありますので、新年度においては従来の方針に従って事業計画を立てた次第であります。
即ち、新年度吸収予定人員として1日当たり1050人延べ31万5000人の認証わくを見込むことといたしました。道路舗装新設補修、下水道の新設、校庭の整備、プールの建設清掃等にあてることといたした次第であります。なお、これが実施に当たりましては、可能なかぎりの機械化を進め、消費的経費の節減と相まって、作業能率の向上と、経済的効果を高めるよう一層の努力を払う考えであります。
次に水道事業について申し上げます。
水道拡張工事は鳴尾水源地の完成その他施設増強によって、日量10万トン余の給水能力に拡大いたしましたが、本市の急速な発展による給水人口および給水量は予想外の増加をみているので、既定の拡張計画を再検討し、昭和50年度における給水人口を43万2000人、給水能力を20万6600トンに増大することとし、これに対応する施設工事を38年度より工費15億1000余万円、41年度完成を目標として実施することにした次第であります。新年度では、鯨池水源地の1万2000トンを処理する浄水施設築造と市内配水管2万メートル余の新設改善に重点をおき、阪神水道の受水増量とあいまって、11万8000トンを確保し、給水対策に遺憾のないことを期する考えであります。企業経営につきましては、人件費の増大によって、県下最低の現行料金での維持経営を困難ならしめているのでありますが、料金改訂は市民生活に影響するところ大であり阪神水道の受水料改訂問題、その他経済事情等を勘案し、慎重な検討を要しますが、できるかぎり資金操作等によって、料金の改訂を避けたい考えであります。
地盤沈下対策として、現年度より着工しております工業用水道事業につきましては、新年度の補助対策事業費6億5000万円全額が認められましたので、当初の計画通り38年度末に完成することになりましたが、本事業の目的よりみまして、本年12月通水を目標に事業を推進する考えであります。御承知のとおり、昨年11月より阪急神戸線以南は工業用水法の指定地域となり、かつ、法の改正強化により、既設井戸についても汲み上げを規制されることになりましたので、これに代る第2期工事が必要となってまいりました。このため日量5万トン、総事業費16億円余、工期4カ年の計画をたてておりますが、新年度分として補助対象事業費4000万円が認められた次第であります。この水源は、第1期と同様淀川にもとめ、取水・導水設備は、尼崎市・伊丹市と共同設置を目論んでおります。本市の地盤沈下は、昨年3月から9月までの半年余りに内陸部において最高10センチ余の急速な進行を示しており、きわめて憂慮すべき状態であります。工業用水道事業によって永い将来にわたっての災害が防止され、地盤沈下に起因する直接・間接の各種被害の防除軽減に貢献するところ大であると信ずる次第であります。
次に社会部関係について申し上げます。
市営住宅は甲子園キャンプ跡特定計画の最終年度として2種中層耐火5階建1棟40戸を建設いたしますが、これにより当初計画420戸が完成することとなります。なおこの団地の便宜のために集会所を建設する予定であります。さらに、大社町の老朽木造住宅を撤去し、その跡地に建設する一種中層耐火5階建1棟40戸、同種簡易耐火住宅26戸とを合わせて新年度は合計106戸の市営住宅を建設する予定であります。なお、新年度も年次計画によりまして鉄筋住宅に1坪の倉庫を建設いたしまして居住者の便宜をはかりたいと考えます。また、分譲住宅として金融公庫融資付住宅20戸および市有地の残地に20戸計40戸を建設し希望者に分譲する予定であります。
次に国民健康保険について申し上げます。国民健康保険は、昭和36年4月1日国民皆保険体制確立以来、今年で第3年目を迎えるわけでありますが、わが国社会保障制度の一翼として、一層その重要性を加えてまいった次第であります。本市はこの点に留意し、現年度から世帯主の7割給付を実施いたしましたが、医療費は逐年増加の傾向にありますので、新年度におきましては、10月1日から世帯主の給付割合を更に1割引き上げ、8割給付を実施して被保険者の負担を軽減いたしたいのであります。なお、保険料につきましては、低所得者の多い被保険者の実態と諸物価値上りの情勢を考慮して、現年度のとおり据置くことにした次第であります。
次に市民課関係について申し上げます。現年度におきまして4カ所の地区市民館を建設いたしましたが、新年度も2カ所の市民館を建設し、地区住民相互の親睦または文化活動のための場を提供する考えであります。防犯灯につきましては、全市8003灯の電気料金の半額を防犯協会へ補助し、夜間の犯罪を防止するとともに交通の安全を高めたいと存ずる次第であります。なお、これは現年度に比し480灯の増加となる次第であります。また、住民登録簿は、市民の居住関係を公証するものとして諸種の行政面に利用されておりますが、居住の実態と登録とが相違する場合は各方面に支障をきたしますので、その正確を期するため調査費67万円を計上した次第であります。消防団につきましては、老朽車3台の改装および中型車1台を購入するほか、車庫2カ所の新設および器具機材の整備を計り、一層消防力の増強に努めたい考えであります。消防署関係におきましては、新年度も引き続き防火思想の普及活動と、予防消防の指導に万全を期するとともに、施設の面においては、年次計画にもとづく防火水そうの設置のほか、庁舎の増築、危険物貯蔵庫の新設を計画しました。なお、職員につきましては新年度も現年に引き続き7名の定数を増加し防火の完璧を期したい次第であります。
次に産業部関係について申し上げます。農林施策につきましては、本市の実態に即した経営構造の改善および近代化推進による人力の軽減、および生産の増大を図るため、現年度に引き続き諸般の事業を実施するほか、新たにれき耕栽培研究試作施設の設置と農業近代化融資の利子補給、および土壌病害虫防除事業をも行ない、更に近郊都市における悩みの一つである野つぼの整備にも力をいたしたいと存じます。畜水産関係につきましては、協同組合の育成を図るとともに、都市沿岸特有の「ひへい」化しつつある水産につきまして新事業開拓のための研究に着手いたしたい所存であります。林業につきましては、現年度に引き続き植林の奨励を行ない、緑化増進を期しております。商工関係につきましては、中小商工業の振興育成に重点をおき、まず、事業資金の融資を更に円滑にするため融資わくの拡大を図り、また、県信用保証協会への貸付金の増額をも行ないたいと存じます。このほか、最近問題になっておりますスーパーマーケットの進出に対処するため、事業の協同化を推進する経営指導講習会を実施するほか、関係団体の育成による商工振興を図り、更に産業経済センターとしての西宮商工会館の建設促進のため必要な援助を行ないたいと存じます。なお、卸売市場につきましては、交通難緩和のため行なわれる国道駐車制限に対処して、新たに駐車場を拡張いたしたいと存じます。また、消費者行政の一環として計量行政にも一層の力をいたしたい所存であります。観光事業につきましては、前年に引き続き「ほたると音楽のタベ」を催すとともに、名所旧蹟案内板等の設置を行ない、また、観光協会に対しては前年通り補助金を交付し、観光事業の推進を図る所存であります。競輪事業につきましては、開催回数を8回とし、収益金2億1467万円を見込み、その収益の使途については前に申し述べたとおりであります。
衛生部関係について申し上げます。環境衛生につきましては、市民各位の御協力により、地区の組織づくりが、ほぼ完了いたしましたので、市当局といたしましては、これを機会に「町を美しくしましょう」運動を全市の隅々にまで浸透させ、名実ともに清潔な都市づくりを推進したいと存じます。また、これらの組織活動とあいまって、そ族昆虫の駆除を図り、伝染病の多発まん延を防止したい考えであります。また、と畜場は設立以来40数年を経過し、施設の老朽はなはだしく、かつ、非衛生的でもありますので、これを改築して食品衛生の改善を図りたいと存じます。保健予防衛生につきましては、市内の医療機関のかたがたの御協力を得まして、定期または臨時の予防接種を実施するほか、結核検診はもちろん、死亡順位の最上位を占める成人病検診を強力に推進してこれが早期発見、治療を呼びかけるとともに、母子衛生の向上を図り、市民の健康の保持・増進に努めたい考えであります。し尿処理事業につきましては、日々増大する排出量に対処するため老朽車に代えて「バキューム車」5台を購入し作業能力の向上を期するとともに、許可業者の協力とあいまって、し尿清掃の成果を一層あげたいと思います。またこれらの業者に対し業務の公共性と諸経費の増嵩を考え、若干の助成を考慮することといたしました。なお、終末処理については、なお当分の間、海洋投棄によらなければならないので、貯溜船1隻を新たに購入し、終末処理に遺憾なきを期したいと考えております。なお、下水清掃につきましては、新規に下水道管清掃専用機械を購入して一層の成果をあげたい考えであります。じんかい清掃事業につきましては、人口の自然増に対処し、かつ、労力の軽減、作業能率の向上と衛生美化に資するために肩引車を廃し、新たに特殊架装車4台を購入するほか、老朽車代替用として同じく特殊架装車4台を購入することにいたしました。また、昨年度約5000世帯について実施いたしました容器による定時収集は、きわめて好評であり、成績も良好でありますので、市民の御協力を得て、新年度は更に約3万3000世帯の地区に拡大し、隔日収集を励行し、併せて街頭からちり箱を一掃して、きれいな町づくりに寄与する所存であります。なお、鳴尾焼却場の改築につきましては、巨費を要しますので、本事業の効率的な運営について、さらに慎重な検討をしておりましたが、ようやく確信を得、請負業者も決定いたしましたので、1年繰り延べて近く着工する予定であります。
病院について申し上げます。中央病院は昭和34年以来、総合病院として施設特にX光線深部診療設備の整備充実につとめてまいりましたが、新年度においては更に診療の充実に重点をおくことにいたしたのであります。すなわち、アイバンクの創設に伴う角膜移植手術および開眼手術用の高度の各種医療器械を導入するほか、がん、特に胃がんの早期発見に役立てるためガストロカメラを購入することにいたしました。更に患者が寝具を持ち込まないで入院のできる制度を計画しておりますが、監督官庁の承認を得次第実施いたしたい考えであります。
福祉事務関係についての新しい施策を申し上げます。生活保護法の対象とならない低所得の人たちのための低額料金の老人ホームの建設を予定しております。老人福祉施策を一歩これによって前進させない考えであります。児童福祉対策としましては、乳児保育の社会的必要性を認め、市内2カ所の保育所に乳児保育に必要な設備を設けて、また、母子寮収容の児童の健全な育成を図る目的で、学習と生活の指導にあたる指導員を設置することにいたした次第であります。身体障害者の生活の安定のため、さきに今津二葉町所在の旧授産所の施設を身体障害者連合会に無償貸与し授産施設を開設いたしましたが、この事業に対し若干の事業委託料を計上して、その円滑な推進を図る所存であります。要保護世帯等で老衰・疾病その他の理由により、家事の処理に困難する世帯につきましては、家事の手伝・病人の看護助言等の無料奉仕を行なうホームヘルパーの制度を実施することにいたしました。災害救助法の発動に至らない程度の小規模の災害によるり災者で、現に応急的援護を必要とする者に対し、必要な援助を行なうため西宮市災害応急救助条例を制定し、所要の経費を計上いたした次第であります。身体障害者・精神薄弱者に対する市福祉年金の支給年齢制限が各々20才以上、18才以上となっているのを、6才以上に拡大して児童を支給対象に加えるとともに、精神薄弱者に対しては知能指数26以上50以下の痴愚級まで支給対象を拡大し、福祉の増進を図りました。
広報活動について申し上げます。従来の市政ニュースはタブロイド2頁建てであったため、紙面の都合上市が行なう行事のお知らせを主としたもので、市行政の動きを掲載できなかったうらみがあったので、この欠点を補うため本年1月10日号より4頁建てとしその内容の充実に努めてきましたが、38年度も引き続いてこの方針をとり、市政全般の動きを積極的にとりあげたい考えであります。これとあわせて施設見学会・市政映画の利用等市政のPRと、公聴集会の開催・巡察員制度の活用等により相互信頼に基づく民主的市政運営に努力する考えであります。市制30周年記念事業の市史編さん事業が新年度の資料編第3巻をもって完成いたします。本編3巻・資料編3巻、総事業費約2900万円、8年の時日を要したのでありますが、全国都市に誇り得る内容を備えたものと確信します。多年にわたり、この事業に当たっていただいた編集委員各位、並びに執筆の諸先生の長年の御労苦に対し、ここに深甚なる敬意を表する次第であります。
次に都市安全対策について申し上げます。本市の安全都市に関する市民運動は、昨年1カ年、関係機関・民間諸団体の手によって力強く推進され、市民の自覚を呼びおこすとともに、安全教育の実施・国道照明の設置など市の直接の施策とあいまって、かなりの成果を収めたものと考えます。
新年度は、宣言第2年目を迎え、昨年手がけました各種の施策を継続実施するとともに、新たに市内主要街路交差点における照明の設置、事業場安全競争の実施などを行なうほか、重点推進項目として交通指導員制度の活用をとりあげ、毎月15日の死亡事故0の日および春秋の交通安全期間における街頭指導の強化をはかりたい考えであります。
以上申し述べました諸施策を遂行するにあたり、これが事務を補助する職員として、市役所関係では、1519名、消防本部関係では129名、教育委員会関係では125名、学校関係では497名、水道局関係308名、計2578名を予定いたしました。この人員は、現年度に比し46名の増員でありまして、市役所関係においては、用地買収、工事支障物件の移転交渉事務および道路境界明示業務の促進、計量器検査所の整備強化、その他鳴尾キャンプ跡の住宅建設等による人口増加に伴う全般的事務量の増に対処、円滑な事務処理を遂行するため23名増員をいたしました。また、消防本部関係におきましては、消防自動車乗組員数の適正化を図るため7名増員いたしました。教育委員会関係におきましては、名塩・山口公民館の新設に伴うもの2名、学校関係におきましては、浜甲子園小学校の新設、および大社幼稚園の学級増により8名増員、更に水道局関係におきましては、昭和37年度に着手した工業用水道事業および拡張工事の進捗にともない、その人員配置を整備するため6名を増員することにいたしました。以上の増員は、昭和37年度から稼動いたしました電子計算機の活用を強化するほか、ムダをはぶき、ムリをなくし、積極的な合理化、能率化を行ないつつ、必要量小限度の要員として確保しなければならない数でありまして、このほか次の人事管理方策を実施することにより、更に一般の公務能率の向上を期待している次第であります。すなわち、職員は、住民に奉仕する崇高な職責をになうものであり、住民福祉が最大限に実現されるか否かは、一に職員の素質と努力とにかかっているものと考えております。住民の願いをわが願いとし、その最大の幸福をもたらすために、われわれは燃えるような意欲をもって公務能率の向上に専心すべき責任を深く自覚するものであります。このため、新年度におきましては、特に次の2点を中心として、総合的・効果的な人事管理を展開したい所存であります。その第1は、管理職研修を徹底的に強化して、市行政の各部門、各階層にわたって部下職員とその職務に対する適切、効果的な管理にあたらせることであります。その要めは、管理職の自己啓発を促がし、管理職としての責任の自覚を高め、住民サービスの自らけん引車とならしめることであります。その第2は、市行政の各部門、各部署に、有効、適切な人事配置をすることであります。その要点は、職務と職員の個性的特徴との間に調和的な協応関係を樹立し、おう盛なモラルのもとに職員一致協力して、能率的な住民サービスにあたらせることであります。もとより、公務能率の限りない増進のため人事管理方策は、これらにとどまるものではありません。すでに前年度において示しました職員の創意開発のための提案制度、健全な人間関係樹立のためのカウンセリング制度、働き甲斐のある、努力の仕甲斐のある公正、妥当な給与制度等々の一層の充実強化の必要性を認めるものであるとともに、これらの諸方策に豊かな結実をもたらすためには、不とう不くつの努力を重ねるべきであることは申すまでもないことであります。かくして、われわれは、管理職以下全職員の力量と努力を結集して、われわれに寄せられる住民の期待にこたえたい所存であります。
以上をもちまして、昭和38年度本市行政方針に関する説明を終わります。
なお、各会計予算の内容については助役より詳細ご説明申し上げることといたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(塚田義則君) 次に昭和38年度教育行政方針並びに当初予算に関し、教育委員長より説明を願います。
(登 壇) (拍 手)
◎教育委員長(福島守雄君) 昭和38年度予算案を審議される本定例市議会開会にあたり、教育委員会の行政方針ならびに予算案の概要を申し述べ、議員各位のご批判を仰ぎたいと存じます。
わが西宮市は阪神間に位する有力な中都市として近年特に急速な発展を遂げてまいりました。とりわけ、本市の性格上教育に対する市民の関心はきわめて高く、従って教育行政に対しては質量ともに相当高度なものが要求され、施設や制度の大部分が全国にその例を見ないほど高い水準に達しております。また、昭和36年度の日本一健康優良児鳴尾北小学校の伊藤春子君に続き、昭和37年度は用海小学校の山本直弘君が兵庫県一位に、鳴尾北小学校の池田隆史君が兵庫県特選にそれぞれ選ばれたこと、今津中学校吹奏楽部の3年連続日本一、市立西宮高校タッチフットボール部の全国制覇、同校野球部の選抜大会初出場など、最近における数々のめざましい成果は、本市の教育内容の充実ぶりを雄弁に物語るものであります。これは歴代教育行政担当者の努力もさることながら、市長、市議会をはじめ全市民の教育に対する深い御理解と絶えざるご協力のたまものでありまして、教育委員会といたしまして心からの謝意と敬意とを捧げるものであります。しかしながら、教育が無限の可能性の追求を目的といたします以上、教育行政に終点はないのであります。相対的には、かなりな高水準を誇る本市の教育行政におきましても、まだまだ未解決の諸問題が山積しており、これが解決には、なお莫大な経費と長い年月と不断の努力とが必要なのでありまして、今後とも一層のご支援をお願い申しあげる次第でございます。
さて、昭和38年度教育予算案の編成にあたりましては、前年度の基本方針、すなわち(1)安全教育の徹底(2)教育の機会均等(3)人材の開発、この3つの柱を不変の原則とし、さらに学校教育と社会教育との有機的結合という点に特に留意いたしました。教育費総額は11億4562万8000円で一般会計総額の実に約30%を占め、前年度に比し44%の激増となっております。このような超大型教育予算案は他都市の追随を許さぬところでありまして、教育最優先主義の計数的表現であり、文教都市にふさわしい画期的な数字であると信じます。このうち一般経費は6億7392万5000円で前年度に比し約24.8%の増であります。増加経費のおもなものは職員の給与改定および、市立西宮東高校その他諸施設の新設に伴う経常費の増加であります。建設関係経費は4億7170万3000円で前年度に比し約84.3%の増であります。これが内容につきましては、のちほどやや詳細に申しあげる所存であります。
次に多種多様な諸施策のうち、特に重点的にとりあげたものを項目別に列挙いたします。
1安全教育の徹底と健康教育の推進、2高校生急増対策の強化、3特殊教育の振興、4幼児教育の振興、5青少年対策の強化、6就学奨励および奨学制度の充実、7現職教育の強化と教職員の福利厚生、8社会教育の充実、9教育施設の整備拡充、10その他の諸施策、以上10の重点施策について順次説明いたします。
まず第1は安全教育の徹底と健康教育の推進であります。昨年1月10日の安全都市宣言以来、市当局のきわめて積極的かつ効果的な諸施策と全市的な協力体制とによって、本市の安全対策はまことにめざましい成果を挙げつつありますが、阪神間に位置する本市の宿命と申しましょうか、交通安全を中心とする各種の安全対策の必要度はますます高まるばかりであります。教育委員会といたしましてはPTAをはじめ各方面の御協力のもとに現場の教職員と力を合わせまして、児童、生徒の心身両面の安全確保と健康増進のために努力を続けてまいりましたが、さらに一層の研究と努力を重ね、あらゆる面で安全対策を強力に推し進めていきたいと考えております。具体的には前年度安全施策として実施いたしました。(1)西宮、甲子園両警察署に対する学童横断歩道明示のための白線用塗料の提供、(2)全児童生徒に対する安全カードの配布、(3)小学校1・3・5年生と中学校1年生全員に対する健康手帳の無償配布、(4)公私立幼稚園の園児ならびに小学校1年生全員に対する黄色い帽子の無償支給 この(4)のみの予算は都市安全対策費に一括計上されておりますが、それらを引き続き行ない、安全教育の普及徹底をはかります。これに要する経費は267万5000円であります。また学校病の治療、結核集団検診、各種の環境衛生等児童、生徒の保健対策に要する経費が888万5000円、食品管理、給食指導等、学校給食に要する経費が722万5000円となっております。なお学校保健に全面的な御協力をいただいている学校医の報酬を実情に照らしまして5割増額いたしました。なお、学校給食の万全を期するため、芦原、名塩、生瀬の各小学校の給食室を改築するほか、塩瀬、山口地区を除く全小、中学校に体育館または講堂およびプールが完備されますので、これらの体育施設を十分に活用することによって体力の増進とスポーツの振興をはかりたいと存ずる次第であります。
第2に高校生急増対策の強化について申しあげます。昭和38年度から40年度にかけまして激増する高校進学希望者をいかに措置するかは、教育界が当面する全国的な大問題でございます。さいわい本市におきましては、市長ならびに市議会の絶大な御協力を得まして、市民各位の熱望にこたえ、市立高校1校の新設が実現され、高校問題は大きく前進したのであります。新設西宮東高校は、第1期工事の完工を近日にひかえ校長以下首脳陣の任命もすでに終りました。その他の開設諸準備も着々と進行しており、来たる4月に新入生を迎えて全市民の祝福のもとに開校する運びとなりましたことは、御同慶の至りにたえません。すぐれた諸施設と優秀な教職員によって行なわれる新しい学校づくりは、必ずや市民の御期待にそうものと確信いたします。また市議会ならびにPTAの皆さま方の御援助のもとに強力に運動を進めてまいりました、県立2高校の学級増につきましては期待どおりの成果は得られませんでしたが、県立西宮高校に普通課程、商業課程、それぞれ1学級、県立鳴尾高校に普通課程3学級計5学級の増加が実現いたしました。西宮東高校新設による10学級と合わせて、かつ新設県立宝塚高校への進学も含めて前年度を大きくうわまわり阪神間最高の進学率を確保することができたのでございます。今後とも新設西宮東高校の施設、設備の充実ならびに陣容の強化に努め、また県に対しまして、高校対策促進の運動を続けていくとともに中学校における進路指導の適正化を図るよう努力いたします。
第3は特殊教育の振興であります。教育の機会均等こそは民主教育の根幹であり、真の機会均等とは、ひとりひとりの子どもをそれぞれの特性や能力に応じて、もっとも適切な教育をほどこすこと、すなわち適性応能の教育にほかなりません。心身いずれかに障害があり、普通児との共学が不適当な子どもたちに対して行なう特殊教育は、万難を排して優先的にとりあげるべきであります。恵まれない子どもたちに自信と誇りを与え、自立できる能力と技術を授ける特殊教育こそ、ヒューマニズムの具現であり、民主教育の真ずいなのでありまして、一国における特殊教育の程度はその国の教育の質をはかるバロメーターであるといわれるゆえんであります。本市におきましては、早くから、この問題をとりあげ、し体不自由のための養護学校を設立し、また知恵おくれの子どものために小学校6、中学校4の特殊学級を設置しております。さらに本市における特殊教育のあり方をあらゆる面から検討し、対策樹立の資料を作成するために一流の専門家による特殊教育審議会を設置して研究を進めておりますが、本年度も引き続き検討願うことにいたしたいと思います。特殊学級は小学校4、中学校3の計7学級を増設し、既設の分と合わせ合計17学級に拡充するほか、新たに難聴児のための特殊学級を1学級設けたいと考えております。養護学校につきましては、現在篤志家の寄付によって講堂が新築されております。校舎の第2期工事につきましては、敷地内に県営住宅がある等の特殊事情のため建築が遅れておりましたが、県住宅課と折衝の結果、さいわい建築予定地の住宅については、早急に撤去される見通しがたちましたので、今回待望の管理室、訓練室等540平方メートルを増築することになりました。これに要する経費は2033万6000円であります。
第4は幼児教育の振興であります。幼児教育につきましては、従来から、その重要性はじゅうぶん認識しつつも当面する義務教育の充実に追われ、重点的に措置することが困難でありましたが、前年度からようやく、本格的に本問題をとりあげたのであります。すなわち、特殊教育と同様一流メンバーによる幼児教育審議会を設置し、本市の幼児教育全般について詳細な研究を進めるかたわら、兵庫県開発公社に対し、2園分の敷地買収資金の融資方を申請し、買収交渉を進めてまいりました。現在のところ種々の事情により敷地の入手は難航いたしておりますが、なお積極的に努力を続け、敷地が確保され次第、宿願の新独立幼稚園第1号を建設する予定であります。審議会は引き続き研究をお願いすることにいたしております。
なお、浜甲子園団地の幼児対策として日本住宅公団に対し、幼稚園1園の建設を依頼して内諾を得ており、昭和39年4月開園を目途として手続き中であります。また既設の各幼稚園につきましては、前年度に引き続き現状において可能な限り施設設備を整備して、教育内容を高めていきたいと考えております。なお今回の園児募集にあたり、大社幼稚園は定数を相当うわまわる入園希望者がありましたので、父兄の熱烈な要望にこたえて特に1学級増設の措置をとり、全市の希望者全員を入園させることといたしました。この1学級増に要する経費は57万3000円であります。
第5は青少年対策の強化であります。近年、青少年の非行は質量ともに深刻化し、憂うべき暗いニュースが毎日のように新聞紙上をにぎわしている有様であります。さいわい本市は学校、警察その他関係各方面の絶えざる努力により比較的良好な状態であるとはいえ、決して楽観は許されないのであります。これが対策といたしまして、昭和36年度以来指導課に補導係を設置し、少年補導所と協力して非行青少年の早期発見早期治療に全力を傾けております。申すまでもなく、青少年問題におきましては治療よりもむしろ予防に万全を期する方がはるかに効果的なのでありまして、学校教育において地についた道徳教育を強力に展開するとともに社会教育の面においても健全な青少年を育成するため、ボーイスカウトや子ども会の助成等をさらに積極的に進めてまいります。また青少年問題協議会を中心として市民各層の代表者の衆知を集め、各機関の連絡を緊密にとりながら明るい町づくりの運動を推し進めていく所存であります。これら青少年対策に要する経費として学校教育関係において119万8000円、社会教育関係において90万1000円を計上いたしております。最近県教育委員会当局も本問題の重要さを認め、本市の中学校に対し県費補導教員4名の配置がありましたが、もちろんこれだけでは不じゅうぶんでありますので、関係当局に対しこの定数増加を強く要望いたしたいと考えております。
第6は就学奨励および奨学制度の充実であります。さきにも述べましたとおり、教育の機会均等は民主教育の基盤でありますが、能力があるにもかかわらず、経済的な理由により就学困難な児童、生徒および学生の数は決して少なくないのであります。本市におきましては、これが対策につきまして従前から特に配慮して各種の施策を行なってまいりましたが、本年度も多額の就学奨励金、教科書の無償給付、修学旅行費、医療費等の補助のほか、年2足の運動靴を現物給付し、義務教育における不就学の根絶を期しております。また、高校生、大学生に対する奨学金貸与につきましては、前年度から特別奨学生制度を新設し、理工科系の生徒、学生に対して科学技術教育振興の立場から特別な配慮をいたしましたが、本年度はこれをさらに充実するほか篤志家の寄付で造成された奨学基金から生ずる利息による奨学生を新たに採用いたします。以上義務教育における就学奨励に要する経費2152万7000円、高校生および大学生の奨学金貸与に要する経費449万4000円であります。
第7は現職教育の強化と教職員の福利厚生であります。本市の学校施設、設備は、冒頭に述べましたように非常に高い水準にあります。しかしこれらのすぐれた物的条件を有効適切に活用し、より充実した教育効果をあげるためには、何といたしましても教職員個々のたゆみない研修が不可欠の要素であります。特に昭和33年に教育課程が改訂され、小学校は昭和36年から、中学校は昭和37年から全面的実施の運びとなり、さらに本年度から高等学校が改訂されますが、この改訂におきましては、とりわけ科学技術教育に重点がおかれておりますので施設、設備、教具等の物的面の充実はもちろん、地道な研修による指導面実技面における実力を養成することが特に望まれるのであります。これら研修活動を積極的に助成するため教職員研究委員会補助金1523万3000円を計上するとともに、夏季休業等を利用して宿泊研修会を開催し、あるいは管外視察により他都市の教育実態の調査研究を行なわせる等教職員の資質の向上と指導力の強化を期したいと思います。これに要する経費は230万7000円であります。なお、従来から実施しております研究指定校をさらに充実し継続的な研究を積みあげ、本市教育水準の向上を図りたいと考えます。また前年度教職員ならびに家族の方々の慰安会開催のため互助会に厚生交付金を交付いたしましたが本年度も引き続き100万円を交付するほか県費教職員全員に対して市費教職員同様被服の貸与を考慮いたしております。これが所要額は233万4000円であります。
第8は社会教育の充実であります。社会教育は学校教育と相並んで車の両輪であるといわれながら現実は程遠く、ほとんどの都市において教育行政の大
部分の精力が学校教育についやされているのが実情のようであります。文教都市をもって任ずる本市といえども残念ながら数年前まではやはり例外ではなかったのであります。しかるに近年学校教育もようやく充実の度を加え、かつ社会教育振興へのほうはいたる世論がわきあがり、ここ1〜2年の間に公民館増設を中心として本市の社会教育はめざましい躍進を遂げ、まったく面目を一新した感があります。すなわち既設の7、建築中1、近く着工1を加えまして合計9つの公民館は、全国各都市の注目と羨望の的であり、その成果に多くの期待が寄せられております。本市社会教育の基本は、社会教育法の主旨に則り市民ひとりひとりが実際生活に即応する文化的教養を高めることを目的とすることは申すまでもありませんが、はじめに述べましたように学校教育との密接な連携をはかり、学校と家庭と地域社会とを一層緊密に結びつけ青少年の健全な育成を期するものであります。すなわち小集団学習、相互学習、技術学習の場として誕生した公民館の果たす役割は、地域の文化センターとして限りなく大きいものがあると思われます。本年度は引き続き第10番目の公民館を東町3丁目に建築することによって社会教育の一層の充実を期する考えであります。なお、図書館におきましては、自動車文庫ならびに読書活動等の振興に力を注ぐとともに新設公民館をも自動車文庫の有力な配本所として、おおいに活用し社会教育の進展を図りたいと思います。また従来全市的な諸事業は社会教育課で担当してきましたが、中央公民館を開設いたしましたので、これらの事業はすべて中央公民館で行ない、社会教育課には各種社会教育団体の育成およびこれら団体指導者の養成ならびに公民館の総合調整等を主とした教育行政を行なわせ、社会教育の行政面と実施面とを有機的に連携させることによって円滑な運営を期する考えであります。学校教育におけると同様、社会教育におきましても人的条件は物的条件以上に重要なのでありまして、すぐれた社会教育要員の確保こそ社会教育発展のキーポイントであります。今後特にこの点に留意いたしまして優秀な人材の開発と養成につとめ、厚味のある社会教育体制を整えていきたいと思います。以上社会教育事業に要する経費1505万4000円、各種団体の育成、指導者の養成に要する経費326万9000円、公民館等社会教育各種機関の運営に要する経費1833万7000円、公民館の建築に要する経費1846万3000円を計上しております。同和教育は、学校教育、社会教育の両面におきまして特に十分な連携をとりつつ粘り強く展開していかねばなりません。前年度に引き続いて同和地区の実態調査を行ない各種の問題点を探究し、今後の行政の指針といたしたい。また昭和36年度に芦原地区を県から青少年愛護モデル地区に指定され、2カ年にわたり補助を受けて諸問題の解決に努めてきましたが、本年度はさらにこの対策を強力に推し進めたいと考えております。これが必要経費として97万円を計上いたしております。また、社会体育の面におきましても、楽しい家庭づくり、明るい職場づくり、住みよい町づくりを目途として健全なスポーツやレクリエイションを奨励普及するとともに、各種体育団体の育成と指導者の養成に努力する所存であります。本年度の施策として特筆大書すべきは来年度開催される東京オリンピックの記念事業としての市民体育館とシーハウスの建設であります。この両事業は年来の構想でありましたが、このたび市長の英断により今回予算化し得ますことを心から喜ぶものであります。市民体育館は延4300平方メートル約1億5500万円を要する大規模なもので、あらゆる屋内体育競技が行なえる施設を考えており、これが完成のあかつきには一大スポーツセンターとしてじゅうぶん威力を発揮することでございましょう。また全市的な大集会所として活用する場合には実に5000人を収容しうるのでありまして、種々の会合や集会に大きな役割を果たすことと思います。予算の都合により2カ年の継続事業とし来年の夏完成を目途として事業を進めていきたいと考えております。シーハウスは、西波止町に建設する予定であります。皆さまご承知のとおり昨年堀江青年は、本市のヨットハーバーからマーメイド号に乗って出航し、単身太平洋を横断して海国日本の名を世界にとどろかしたのでありますが、この記念すべきヨットハーバーを改良するとともにスポーツとレクリエイションの拠点をつくり、特に健全な青少年の育成に資したい所存であります。これが建設費は1500万3000円であります。
第9は教育施設の整備拡充であります。本年度の教育施設の整備費は当初に申しあげました通り総額4億7170万3000円であります。このうち学校関係は2億2882万7000円で前年度に比し約55%の増、その他の教育機関分としましては1億1646万8000円で前年度の実に約3.3倍となっております。これは本市が文教都市として全国に誇りうるまことに驚異的な数字でありまして、恐らく今までにない予算案と申せましょう。以下大別して申しあげます。
(1)は老朽校舎等の解消でございます。市財政の都合により、やむなく延期いたしておりました高木小学校、上甲子園小学校、名塩小の改築および安井小学校の改築と、名神高速道路インターチェンジにかかる今津小の改築第1期工事ならびに芦原小学校、名塩小生瀬小学校の給食室の改築事業等延4248平方メートル総工事費1億1853万2000円であります。これによって老朽校舎改築事業の第1次計画は、本年度をもってごく一部を除きすべて完了いたします。
(2)は校舎等の新・増築であります。児童、生徒数の増加および計画に基づく継続事業として市立西宮東高校第2期増築、広田小学校、南甲子園小学校、養護学校の増築および小松小学校の体育館兼講堂、幼稚園1園、仮称東町公民館の新築事業等延6778平方メートル合計1億9630万6000円であります。
(3)はプールの建設であります。本年度は芦原小学校、今津小学校、小松小学校の3校に680万円をもって建設いたします。特に芦原小学校のプールにはテスト・ケースとして浄化装置を設備いたします。本計画が完了いたしますと塩瀬、山口地区の小学校4校と養護学校を除くすべての小中学校がプールを有することとなり、水泳指導および児童生徒の体位の向上に大きな成果を収めうることと期待いたしております。
(4)は市民体育館とシーハウスの建設であります。前にも述べましたとおり市民体育館の本年度分7618万2000円とシーハウス建設費1500万3000円であります。
(5)はその他の事業であります。特別教室への転用5教室420万円、校庭の改良2校、校庭緑化3校、用地買収2件その他一般整備工事合計約26000万円を実施する予定であります。なお、浜甲子園団地の小中学校建設につきましては、日本住宅公団と交渉中でありますので、話がまとまり次第追加予算をお願いする所存であります。また今津小学校の改築に伴う今津公民館の新築移転につきましては、目下慎重に検討中でありますので成案を得次第おはかり申しあげたいと存じます。
第10はその他の諸施策であります。その主なものは(1)映画「西宮の教育」続篇の作成。(2)スポーケン市からの派遣学生の受け入れ。(3)事務能率増進のための事務机・戸棚等の買い換え。(4)教育研究所の視聴覚センターの充実。等であります。
以上、昭和38年度の教育行政方針ならびに予算案の大要を御説明申しあげましたが、随所で強調いたしました通り本予算案は、文教都市西宮の面目をいかんなく発揮したきわめて特色のあるものでございまして、これが成立し執行されたならば、本市の教育は各方面において飛躍的に充実され、その成果は瞠目すべきものがあろうと存じておる次第であります。申すまでもなく、本予算案は30万市民の教育に対する限りない愛情と熱意との反映なのでありまして、教育委員会といたしましては、改めて職責の重かつ大なることに深く思いをいたし、その全組織をあげ全知全能を傾けまして、有効適切な教育行政を推進し、市民の御期待に応える所存であります。市議会をはじめ市民各位の変らぬ御支援と一層のご指導をお願いするゆえんであります。
なお、市財政の都合上、今回予算化しえなかった重要施策につきましては、今後、鋭意その実現に努力いたしたいと存じます。なにとぞよろしく慎重御審議のうえ、御協賛賜わりますようお願い申しあげます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(塚田義則君) ここで昼食のため休憩いたします。
午後1時から再開いたします。
(午前11時41分 休憩)
──────────────
(午後1時8分 開議)
○議長(塚田義則君) 午前中に引き続きまして、ただいまより再開いたします。
次に議案第148号ないし議案第194号の47件、及び議案第196号ないし議案第200号の5件を一括上程いたします。
当局の提案説明を願います。──第2助役。
(登 壇)
◎第2助役(松浦松一君) 議案第148号 西宮市職員定数条例の一部を改正する条例制定の件、提案理由を御説明申し上げます。
今回の条例改正は、合計で46名の定数を増員するためのものでありまして、増員の内訳を申し上げますと、市長の事務部局の職員22名の増は、用地買収、支障物件移転事務および道路境界明示事務の増大、計量検査所の整備強化、甲陽園墓地管理事務所の設置、甲子園キャンプ跡等住宅建設の増加のために伴う事務量の増大に対応するための増員が主たるものであります。監査委員の事務部局の職員1名の増は、監査事務を充実し、その適正を期するため、書記1名を増員しようとするものであります。次に、教育委員会の事務部局の職員2名の増は、新設された名塩公民館と既設の山口公民館に事務吏員を各1名配置しようとするものであります。消防職員7名の増は、消防自動車乗組員数の適正化を図るためのものであり、教育委員会の所管に属する学校の校長、教員及び事務部局の職員8名の増は、浜甲子園小学校の新設に必要な職員7名及び大社幼稚園に教員1名を増員しようとするものであります。また、水道局の事務部局の職員6名の増は、工業用水道事業並びに水道拡張事業の進捗に伴ない適正人員を確保するためであります。以上の理由により現行条例の一部を改正いたしたく提案いたした次第であります。
議案第149号 西宮市市税条例の一部を改正する条例制定の件。
戦後の住宅不足を緩和し、これが建設の促進を図るため現行条例においては昭和33年1月2日から37年1月1日までに建設された床面積15坪以下の住宅専用家屋については建築後3カ年分の固定資産税につき減免措置がとられておりますが、今般政府の方針に基き、昭和37年1月2日から昭和38年1月1日までに建設された同様の家屋についても昭和38年分の固定資産税を軽減いたしたく、この条例を提案いたした次第であります。
議案第150号 西宮市
固定資産評価審査委員会条例の一部を改正する条例制定の件。
「行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律」の施行に伴なう、地方税法の改正により現行条例の一部を改正する必要が生じたので、本条例を提案した次第であります。改正の主なる点は、行政不服審査法に基く手続との混同を避けるための用語の改正と、行政不服審査法所定の手続を本委員会に対する審査申立に準用するための手続規定の改正であります。
議案第151号 西宮市付属機関の設置に関する条例の一部を改正する条例制定の件。
本市の青少年問題協議会は昭和33年以来事実上設置されていますが、従来これに関する条例が未制定でありましたので、今般青少年問題協議会設置法に基き正式に本市に長の付属機関として青少年問題協議会を設置するため提案した次第であります。
議案第152号 西宮市立公民館条例の一部を改正する条例制定の件。
今回、西宮市立名塩公民館を新設するにあたり、同館の講堂、集会室および和室の使用料を制定するため、この条例を提案いたした次第であります。
議案第153号 西宮市
住宅物置使用条例制定の件。
本市の管理する中層耐火構造住宅では、かねてから自転車乳母車などの置場設置の要望があり、市としてもその必要を認めたので、今回新たに物置を設置するにあたり、その使用についてこの条例を提案いたした次第であります。
議案第154号
西宮市立地区市民館条例制定の件。
本市住民の地域社会における相互の親睦および文化活動の増進に寄与するため、大箇市民館、北甲子園口市民館、生瀬市民館および平木市民館を設置するにつき、本条例を提案いたした次第であります。
議案第155号 西宮市公益質屋条例の一部を改正する条例制定の件。
公益質屋の低所得者階層に対する救済と資金の高率な運用を図るためには、現下の経済情勢において従来の資金貸付限度では十分でないので、その額を、1口5000円を1万円に、1世帯1万円を3万円に引き上げるため、この条例を提案いたした次第であります。
議案第156号 西宮市福祉年金条例の一部を改正する条例制定の件。
本年度より身体障害者年金および精神薄弱者年金の受給者の範囲を広げるとともに、精薄年金については支給額を一部増額するため本条例を提案いたした次第であります。改正の主な点は、身障年金の受給年令「20才以上」を「6才以上」に、精薄年金については「18才以上」を「6才以上」にそれぞれ引き下げるとともに身障年金についてこの措置によって新たに支給をうけることになった者、すなわち18才未満の者の年金額を年額一率9600円に定めること、ならびに精薄年金については現行の一率1万2000円を18才未満の者については一率に9600円、18才以上の者については精薄の程度に応じ1万2000円または1万5000円支給することに改訂することであります。
議案第157号 西宮市
災害応急救助条例制定の件。
現行の災害救助法による救助の対象は相当大規模な災害のみに限られており、市内で発生した災害の大部分は救助を受け得られない実情でありますので、災害救助法の適用を受けない程度の災害によるり災者に対して本市が応急的に必要な救助を行なうため、本条例を提案いたした次第であります。
議案第158号 西宮市
興農資金貸付条例を廃止する条例制定の件。
農業近代化資金助成法の制定により、農業者金融は農協その他の機関で長期、低利に行なわれることになり、本条例は一応その目的を達成し今後存置する必要がないものと認められるので、これを廃止するため本条例を提案いたした次第であります。
議案第159号 西宮市
道路占用料徴収条例等の一部を改正する条例制定の件。
現行の道路、公園および提塘溝渠等の占使用料は昭和31年および昭和32年に制定したもので、現状では適正を欠くので、その後の物価高騰を考慮するとともに、各市の状況をも勘案して妥当な額に改正し、併せて堤塘溝渠等の使用料の減免規定を改正するため本条例を提案した次第であります。なお、今回の占使用料額の改正内容は、一部改訂しなかったものを除き最低、軌条その他これらに類するものの20%引き上げから最高地下室マンホールの4倍引き上げまでとなっております。
議案第160号 昭和28年12月31日以前または昭和29年1月1日以降に給与事由の生じた普通退隠料および遺族年金の年額改正に関する条例制定の件。
恩給法の一部を改正する法律が昨年10月1日から施行され、国家公務員の恩給年額が改定されたことに伴ない、本市においても国の改正措置に準じ昭和28年12月31日以前または昭和29年1月1日以降の退職者に対する普通退隠料および遺族年金の年額を改定するため、この条例を提案いたした次第であります。なお、本改正による普通退隠料および遺族年金の年額は、平均13%の引き上げとなります。
議案第161号 寄付採納の件。
西宮市消防団生瀬分団用消防自動車の購入費の一部に充当するため、塩瀬町生瀬自治会および消防団生瀬分団から金120万円の寄付申込みがあったので、採納するにあたり、提案いたした次第であります。
議案第162号 寄付採納の件。
仮称市立六軒市民館の建設費に充当するため、市内六軒町2番地 六軒地区財産管理委員会および同町94番地 六軒自治会から金60万円の寄付申込みがあったので、採納するにあたり、提案いたした次第であります。
議案第163号 昭和38年度
一般会計事業費起債の件。
本年度一般会計予算の起債につきましては、防火水槽築造等消防施設整備事業として事業費940万円より国庫支出金34万円を差し引いた残額906万円のうち900万円、都市計画事業として、今津および苦楽園土地区画整理、小曽根線、中津浜線および山手幹線の各街路、甲陽園墓地ならびに鳴尾浜公園事業に要する事業費1億9843万5000円より国庫補助金8698万円を差し引いた残額1億1145万5000円に対して3000万円、高等学校建築費として8498万5000円に対して3000万円、仮称市民体育館建築費7618万2000円に対して4900万円、軽費老人ホーム建築費として事業費2500万円より国県支出金888万7000円を差し引いた残額1611万3000円に対して800万円の財源を、それぞれ起債に求めたく、提案した次第であります。
議案第164号
仮称西宮市立市民体育館建築事業費を継続費とする件。
昭和38年度、昭和39年度の2年度にわたって仮称市立市民体育館を建築せんとするにあたり建築事業費を継続費とすることについて議決を賜わりたく、提案いたした次第であります。なお、予定市民体育館は市民運動場内に建設予定で、鉄筋コンクリート3階建1290坪、収容人員5000人、総事業費は1億4100万円で、昭和38年度に7618万2000円、昭和39年度に残額6481万8000円を施工しようとするものであります。
議案第165号 昭和38年度西宮市歳入歳出予算。
本日提案いたしました昭和38年度一般会計予算は、37億7416万4000円で、前年当初予算に比較して8億2226万2000円の増となっております。
歳出におきましては投資的経費すなわち事業費に属するものは9億8998万6000円、消費的経費その他としては27億8417万8000円でありますが、このうち特別会計への繰出金として6億5809万1000円を計上しておりますので、差引一般会計の消費的経費としては21億2608万7000円となります。この歳入といたしましては、国庫支出金等特定財源として4億4998万3000円を計上し、残額33億2418万1000円につきましては、市税28億6403万8000円のほか、使用料及び手数料等の税外収入4億6014万3000円をもって充当しております。
以下歳出につきまして、各款にわたり御説明申し上げます。
第1款議会費6869万3000円は、議員44人および職員17人の給与費6134万3000円および旅費325万6000円、交際費200万円、その他経常経費209万4000円であります。
第2款市役所費6億7168万3000円は、専門委員および職員741人の給与費4億4996万1000円、専門委員費用弁償および職員旅費545万2000円、芦原連絡事務所新築等営繕工事費1067万7000円、退隠料退職手当等2616万4000円、職員共済会等負担金、健康保険料5800万1000円、交際費その他経常経費1億514万5000円、職員研修費207万2000円、市政ニュース、市政映画作成等広報経費652万2000円であります。このほか監査委員4人および職員7人の給与費を含む監査委員会経費699万5000円と公平委員会経費69万4000円を計上しました。
第3款消防費は1億2089万円で、このうち消防署関係としましては職員129人の給与費8073万6000円、消防施設整備事業として防火水槽3カ所の築造工事費170万円、消防庁舎増築工事135万円、危険物貯蔵庫建築工事36万円、事務所天井扇取付6万9000円、消火栓新設維持補償金132万2000円、職員共済会負担金および健康保険料529万9000円、旅費その他経常経費841万2000円、合計9924万8000円でありまして、消防団関係としましては団員860人に対する報酬271万6000円、出動費用弁償219万3000円、老朽消防自動車3台の改装費360万円、生瀬分団消防自動車購入費165万円、大社分団ほか2分団の車庫ならびに詰所建築費174万円、水上艇新造費65万円のほか消防団運営交付金393万円、その他516万3000円を加え、合計2164万2000円であります。
第4款土木費1億4124万3000円は、市内各所道路舗装新設2万平方メートル、補修1万7700平方メートルの経費4152万円、屋敷町その他市内各所道路新設改良事業費789万8000円、その他道路改良および維持修繕費1496万3000円、神祇官橋等橋梁新設維持修繕費664万4000円、道路復旧受託3万6100平方メートルの工事費5007万8000円、市内各所水路維持修繕費705万5000円、今津砂田町ほか所属防潮堤嵩上等河川浚渫等経費439万円、その他港湾、水防の諸経費および各種負担金等869万5000円であります。
第5款教育費は11億4562万8000円で、経常費としましては、教育委員4人および事務局学校等の教職員612人の給与費3億6826万9000円、新教育課程改定に伴なう教材費整備費38年度分2061万8000円、PR映画「西宮市の教育」作成費150万円、就学困難な児童生徒に対する運動靴支給経費85万円、理工科学奨学生に対する特別奨学金と一般就学奨励金および貸与金2157万1000円、教職員研究委員会補助金1523万3000円、講堂1校新設に伴なう設備費160万円、中学校机買替経費270万円、特別教室新設に必要な備品費850万円、幼児教育特殊教育審議会諸経費123万1000円、各学校園の営繕工事費2476万円のほか、事務局学校その他教育機関の維持運営諸経費2億709万3000円であります。事業費としましては、小松小学校の講堂新築事業費1758万6000円、安井、高木、上甲子園、今津、名塩5小学校の校舎改築費1億948万6000円、芦原、名塩、生瀬3小学校の給食室改築費886万6000円、広田、南甲子園2小学校の校舎増築費3549万7000円、養護学校校舎増築費2033万6000円、西宮東高等学校校舎増築費8498万5000円、幼稚園1園新築費1943万9000円、芦原、今津、小松3小学校プール新設費680万円、仮称東町公民館新築費1846万3000円、仮称市民体育館新築費初年度分7618万2000円、仮称シーハウス新築費1500万3000円旧鳴尾航空基地跡学校用地買収費の本年度分1307万2000円、春風小学校および上甲子園中学校用地買収費405万9000円、その他特別教室改造、校庭改良整備等の経費4192万9000円、計4億7170万3000円であります。
第6款 社会及び労働施設費は2億7448万5000円で、その内訳は生活保護費1億4195万4000円、市内公立9、私立13保育所の措置費および公立保育所の清掃等雑務委託料、私立保育所乳児保育委託関係費等を含む維持運営経費2938万7000円、軽費老人ホーム関係経費を含む老人福祉費2851万9000円、国民年金印紙購入等諸経費3358万8000円、市内各所公園便所清掃委託料その他市内各公園整備と管理費1350万5000円、中および六軒地区市民館建設費936万6000円、ホームヘルパー制度実施、災害救助措置その他各社会福祉施設の維持運営および諸経費1813万6000円であります。
第7款 保健衛生費3943万3000円は成人病検診費を含む結核予防費の265万6000円と予防接種については前年に引き続き行なう小児麻痺、日本脳炎、インフルエンザの予防接種等の経費1577万3000円、伝染病院維持運営経費412万円、墓地火葬場維持管理費249万5000円、環境衛生地区協議会補助金172万5000円、西宮保健所付属栄養相談所建設寄付金80万円、西宮医師会当直医制報償金20万円、そ族昆虫駆除経費959万9000円およびその他経費206万5000円であります。
第8款 産業経済費の6241万4000円は、農業委員会費では委員26人、職員6人の給与費551万8000円、その他経常費104万円、農業振興費では農業経営近代化対策として礫耕栽培施設工事農業近代化資金利子補給補助金等343万5000円、市場費では中央魚菜市場および公設市場関係経費と中央卸売市場駐車場増設工事費等425万円、商工振興費では中小企業業融資等対策費2912万7000円商工会館建設補助金1500万円、その他246万9000円および土地改良、畜林水産振興経費、計量費等147万5000円であります。
第9款 財産費は1069万7000円で、市有耐火建築物の自家保険制度を実施し、火災保険料相当額を毎年積み立てることにしたため、これが経費250万5000円、他の建物等に対する市有物件火災保険料374万円、自動車損害保険関係の各種保険料等236万7000円、その他市有財産の維持管理諸経費28万5000円を計上しております。
第10款 統計調査費の178万7000円は、事業所統計調査結果書印刷その他統計法に基ずく指定統計調査費63万2000円と市勢要覧統計季報等印刷編集経費115万5000円であります。
第11款 選挙費は1429万8000円で、これは選挙管理委員4人および職員9人に対する給与費637万7000円、選挙啓発その他維持運営に要する経費261万1000円、4月執行の兵庫県議会議員選挙執行費253万8000円、同じく市長、市議会議員選挙執行費258万2000円、7月執行予定の農業委員会委員選挙執行経費19万円であります。
第12款 観光事業費23万5000円は、西宮観光協会に対する補助金15万円のほか、観光案内版設置および、ほたる購入費8万5000円であります。
第13款 公債費1億2174万5000円は、現債額7億6012万1000円および昭和37年度債に対する元利償環金1億1814万5000円と一時借入金5000万円に対する利子360万円であります。
第14款 諸支出金8億5988万1000円の内訳は、各特別会計への繰出金6億5809万1000円のほか、安全対策経費としては、公私立学校園児童および保育所児童に支給する交通安全帽購入費156万5000円、一般街路照明灯設置工事費240万円、交通信号機4基設置寄付金160万円、その他376万7000円に併せて933万2000円、都市開発調査経費、47万4000円、市史資料編第3巻編集発行経費461万円、防犯協会補助金642万8000円、私立学校園教育振興補助金800万円、納税貯蓄組合事務補助金628万円、西宮市総合医療連盟補助金300万円のほか、工業用水道事業に対する本年度出資金1億4927万7000円、その他諸経費1438万9000円であります。
第15款 都市計画事業費は2億4055万2000円で、この内訳は前年に引き続き、小曽根線、中津浜線、山手幹線の各街路事業を臨就合併施工により実施する経費として7962万5000円、同じく今津土地区画整理事業経費5000万4000円、苦楽園土地区画整理事業経費2200万4000円のほか、甲陽園墓地事業費、鳴尾浜公園事業費瓦林公園事業費、都市計画調査費等諸経費8813万3000円、その他各種負担金等78万6000円であります。
第16款 予備費は50万円を計上しております。
以上歳出合計は37億7416万4000円となる次第であります。
歳入の御説明を申し上げます。
第1款 市税は、28億6403万8000円を、第2款 地方交付税は基礎額1000円を、第3款 公営企業及び財産収入としては競馬事業益金収入および財産売払代金等1億8694万7000円を、第4款 分担金及び負担金としては保育所および母子寮の措置費負担金938万7000円を、それぞれ計上しました。
第5款 使用料及び手数料は4350万6000円で、その内訳は、道路占用、堤塘溝渠等土木関係使用料、幼稚園、保育料等教育関係使用料等教育関係使用料1813万3000円、社会施設その他使用料41万2000円、戸籍および住民登録謄抄本その他照合証明閲覧等手数料1660万1000円であります。
第6款 国庫支出金は2億3333万5000円、その主なものは、生活保護費負担金1億1262万7000円、保育所措置費負担金1196万円、都市計画事業費補助金8698万円、拠出制国民年金交付金329万9000円、教材費負担金282万1000円、その他として1564万3000円を計上しております。
第7款 県支出金は7378万9000円で、主なものは、県税徴収交付金5207万8000円のほか、生活保護費負担金333万4000円、県議会議員選挙費負担金253万8000円、伝染病予防費補助金286万円、結核予防費補助金209万8000円、軽費老人ホーム建築費補助金296万2000円、土木費補助379万7000円で、その他としては412万2000円を計上しております。
第8款 寄付金747万2000円は、消防団生瀬分団消防自動車購入費120万円、中市民館建築費450万円、六軒市民館建築費60万円、社会福祉事業費75万円、児童福祉事業費4万円、養護学校治療用備品購入費2万1000円、住宅建設費36万1000円等の充当寄付金であります。
第9款 繰入金は、基礎額1000円を計上いたしました。
第10款 繰越金は、基礎額1000円を計上いたしました。
第11款 雑収入は2億2968万7000円で、道路復旧工事受託金収入5008万2000円、国民年金印紙売捌収入3306万3000円、住宅費償還金収入3170万5000円、中小企業融資預託金収入2750万円、今津小学校校舎移転補償金収入2640万円、競輪場使用収入720万円、予防接種実費徴収金928万6000円、領金利子509万5000円、学校給食運転資金貸付金収入500万円、その他3435万6000円であります。
第12款 市債の1億2600万円は、消防施設整備費充当債900万円、都市計画事業費充当債3000万円、高等学校体育館建築費充当債7900万円、軽費老人ホーム建築費充当債800万円であります。
以上合計37億7416万4000円で、歳入歳出差引残金なしとなる次第であります。
何とぞ御協賛を賜わりますように、お願い申し上げます。
議案第166号 特別会計設定の件。
土地区画整理の清算金については、在来から歳計外現金扱いとして処理しておりましたが、明確を欠く恐れがあるため、昭和38年度より土地区画整理清算費の特別会計を設定し経理をいたしたく、提案した次第であります。
議案第167号 昭和38年度特別会計事業起債の件。
本年度特別会計の起債につきましては、と畜場改築費5580万9000円に対して3000万円、下水道事業費として公共下水道および都市下水路事業費2億4050万円より国庫支出金3200万円を差し引いた残額2億850万円に対して7900万円、公営住宅建設費1億3089万6000円より国庫支出金4654万2000円を差し引いた残額8435万4000円に対して1400万円、上水道拡張事業費3億4400万円に対して3億1400万円、工業用水道建設事業費7億413万円より国庫支出金1億3800万円を差し引いた残額5億6613万円に対して3億5000万円の財源を、それぞれ起債に求めたく、提案した次第であります。
議案第168号 昭和38年度西宮市
特別会計中央病院診療所費歳入歳出予算。
本会計の予算総額は1億7799万7000円で、歳出としましては、病院職員152人の給与費8167万1000円、薬品等原材料費3440万円、眼科治療の充実をはかるため、これが器材購入費を含めた医療用器具費706万6000円、患者等給食用賄費1406万4000円、基準寝具を図るため布団保管倉庫建設等病院施設整備工事費202万3000円、本年度より新しく計画する厨房雑務委託料150万円、市債元利償還金829万3000円、その他維持運営に要する諸経費2603万8000円であり、診療所費におきましては、夙川診療所の職員1人の給与費53万7000円と維持運営経費36万5000円、また売店経費としましては204万円を計上、合計1億7799万7000円となります。歳入におきましては、入院料等の使用料および手数料1億3266万9000円のほか、繰越金1000円、売店収入230万5000円、雑収入214万3000円を、それぞれ計上するとともに、不足額4087万9000円を一般会計より繰り入れ充当しました。
議案第169号 昭和38年度西宮市
特別会計土地区画整理清算費歳入歳出予算。
土地区画整理清算金につきましては、昨年度まで歳入歳出外現金として取扱っておりましたが、戦災復興および鳴尾浜手地区の事業も津門地区を残し殆んどの事業が終了しましたので、清算金の収支を明確にするため本年度より特別会計を設定した次第であります。歳出におきましては、清算交付金3770万円、嘱託2人の報酬98万円および清算に要する一般事務経費35万5000円、合せて3903万5000円であります。歳入におましては、清算徴収金3770万円、督促手数料1000円および雑収入1000円をそれぞれ計上するとともに、不足額133万3000円を一般会計より繰り入れ充当しました。
議案第170号 昭和38年度西宮市
国民健康保険歳入歳出予算。
本会計につきましては、保険料は据え置きとし、本年10月より世帯主の給付率を8割に増額することとして、予算総額2億4941万6000円を計上しました。歳出におきましては、職員40人の給与費2104万7000円、保険給付費2億2223万3000円で、受診率および本年10月から予定している世帯主に対する給付率等の増により前年当初に比し3143万9000円の増加をみております。その他に保険料納付報償金298万7000円、診療報酬支払基金預託金および運営諸経費314万9000円を計上しております。歳入におきましては、保険料収入5673万2000円、国庫支出金として現過年度事務費、療養給付費負担金9983万2000円および調整交付金等1447万6000円、県支出金1000円、繰越金1000円、督促手数料3000円、雑収入2000円を計上、不足額7836万9000円を自転車競技事業費よりの繰入金をもって充当しました。
議案第171号 昭和38年度西宮市
特別会計公益質屋費歳入歳出予算。
本会計の予算総額は456万8000円で、歳出のうち主なものは職員6人の給与費372万4000円および市債元利償還金44万6000円で、その他は維持運営経費39万8000円であります。歳入におきましては、事業収入として貸付金利子183万7000円、前年度繰越金1000円、雑収入6万7000円を計上、不足額266万3000円を一般会計より繰り入れいたしました。
議案第172号 昭和38年度西宮市
特別会計援護資金歳入歳出予算。
本会計の予算総額は97万3000円で、歳出におきましては職員1人の給与費73万2000円、その他運営委員報酬等諸経費、24万1000円で、これが歳入としましては、貸付金利子収入2万3000円、前年度繰越金1000円、雑収入22万9000円のほか、不足額72万円を一般会計より繰り入れいたしました。
議案第173号 昭和38年度西宮市
特別会計市民年金費歳入歳出予算。
本会計の予算総額は1774万8000円で、歳出におきましては職員2人の給与費88万円、精神薄弱者等2874人に対し支給する年金1526万5000円、生活保護者に対する法外援護物資購入費92万5000円、その他給付事務費67万8000円を計上、これが歳入としましては前年度繰越金1000円および雑収入1000円のほか不足額1774万6000を自転車競技事業費から繰入れ充当しました。
議案第174号 昭和38年度西宮市
特別会計養老院事業費歳入歳出予算。
本会計の予算総額は、1576万3000円で、歳出におきましては、職員15人の給与費775万7000円、上ケ原、愛宕山両寿園改修等工事費77万9000円、その他151万4000円の事務費と収容者給食等賭費399万9000円、収容者扶助料法外医療費28万円、その他143万4000円の事業費をそれぞれ計上し、歳入につきましては、生活保護費収入1006万2000円、寄付金82万2000円、繰越金1000円、雑収入25万6000円を計上したほか、不足額462万2000円を一般会計より繰り入れ充当しました。
議案第175号 昭和38年度西宮市
特別会計市営葬儀費歳入歳出予算。
本会計の予算総額は1025万3000円で、歳出におきましては、職員7人の給与費410万3000円、大型葬儀用自動車代替購入費292万円、その他事業運営費316万4000円で、市債元利償還金6万6000円でこれが歳入としましては葬祭用品および霊柩車使用料461万2000円、葬祭用品売払代金その他雑収入156万1000円、繰越金1000円のほか、一般会計繰入金407万9000円をもって充当しました。
議案第176号 昭和38年度西宮市特別会計と
畜場費歳入歳出予算。
本会計の予算総額は6223万2000円で、歳出におきましては職員6人の給与費327万4000円のほか維持運営に必要な諸経費314万9000円、および、と畜場改築費5580万9000円を計上、これが歳入としましては、と畜場使用料631万9000円、繰越金1000円、雑収入10万3000円および市債3000万円のほか、一般会計繰入金2580万9000円をもって充当しました。
議案第177号 昭和38年度西宮市
特別会計清掃事業費歳入歳出予算。
本会計の予算総額は3億167万9000円で、歳出におきましては、清掃第1課の事務所関係9人、し尿処理関係111人、下水清掃関係31人、清掃第2課の事務所関係11人、じんかい処理関係154人、焼却場関係22人、胞衣汚物処理関係1人、計339人の給与費1億7598万3000円、臨時職員賃金142万5000円のほか、代替購入を含むし尿処理用5台およびじんかい処理用8台の各作業用自動車計13台の購入費1773万円、第2保健丸の代替として、し尿貯留船1隻の購入費450万円、下水道管清掃の能率化を図るためロットマシン等機材購入および清掃委託料665万円、阪急線以北の世帯約2万2300世帯を対象に実施するじんかい収集委託料2167万6000円、市場に対するじんかい処理環境衛生補助金144万円、地区指定による3万3000世帯に対するポリ製容器設置補助金1478万4000円、浜松原焼却場炉体補修およびじんかい収集用肩引車置場改造等各種工事費388万2000円、市債元利償還金440万5000円、その他各事業に必要な消耗品燃料等の経費4920万4000円であります。歳入につきましては、胞衣汚物取扱所使用料およびし尿清掃手数料等3936万6000円、繰越金1000円、雑収入87万6000円を計上、不足額2億6143万6000円について一般会計より1億9288万1000円を、特別会計自転車競技事業費から6855万5000円を、それぞれ繰り入れ充当しました。
議案第178号 昭和38年度西宮市
特別会計下水道事業費歳入歳出予算。
本会計の予算総額は、3億1560万4000円で、歳出におきましては職員33人に対する給与費1820万7000円、ポンプ場の維持管理経費579万1000円、下水道維持管理経費1643万2000円、私設下水道受託工事費224万4000円、下水道使用料徴収委託料117万7000円、市債元利償還金3013万6000円、その他経常経費111万7000円のほか、公共下水道事業としては第4および第5排水
区下水道新設事業費4810万円、呉羽ポンプ場新設事業費9060万円、昨年3月30日予算外義務負担の議決を願いました前浜ポンプ場増設事業費4200万円、同じく久寿川ポンプ場増設事業費2300万円を、都市下水道事業としては浜甲子園線下水路新設事業費1080万円、鳴尾町4丁目所属ほか下水路改良事業費2600万円を計上しております。歳入におきましては、下水道使用料および私設下水道設計手数料1475万6000円、公共下水道および都市下水路事業に対する国庫補助金3200万円、同じく市債7900万円、繰越金1000円、雑収入220万3000円のほか、不足額については一般会計からの繰入金1億8764万4000円をもって充当しました。
議案第179号 昭和38年度西宮市
特別会計失業対策事業費歳入歳出予算。
本会計の予算総額は3億4198万2000円で、歳出におきましては一般労務者1050人、副監督員36人、事務補助員27人、計1113人をもって年間延べ33万3900人の稼働計画により補助認証額2億2839万7000円のほか、市単独経費として1億1358万5000円を計上しております。なお、市単独経費の内訳としましては15万平方メートルの計画による道路舗装新設改良および補修費3297万3000円、長期債元利償還金1045万7000円、職員106人に対する給与費市負担額5604万円、資材費701万円、失対労務者支給交通費110万円、日雇労務者援護会補助金270万円、その他諸経費330万5000円であります。歳入におきましては、失業対策事業費国庫補助金1億4596万4000円繰越金1000円、雑収入35万3000円のほか、不足額1億9566万4000円を一般会計から繰り入れ充当しました。
議案第180号 昭和38年度西宮市
特別会計住宅費歳入歳出予算。
本会計の予算総額は1億8915万4000円で、歳出におきましては職員7人の給与費397万1000円、付属倉庫144戸の建設工事費432万円、住宅修繕工事費1629万9000円、一般会計への償還金3170万3000円、その他2709戸の住宅管理費196万5000円と、第1種簡易耐火構造住宅26戸、第1種中層耐火構造住宅40戸、第2種中層耐火構造住宅40戸、計106戸および集会所の建設と敷地造成工事費1億2547万5000円、旧鳴尾航空基地跡住宅用地買収費の本年度分542万1000円であります。歳入につきましては、住宅使用料等5705万2000円、公営住宅建築費国庫補助金4654万2000円、市債1400万円、住宅譲渡代金収入1000円、繰越金1000円、雑収入136万1000円のほか、不足額7019万7000円については一般会計より179万7000円、特別会計分譲住宅建築費より1840万円、自転車競技事業費より5000万円をそれぞれ繰り入れ充当しました。
議案第181号 昭和38年度西宮市
特別会計分譲住宅建築費歳入歳出予算。
本会計の予算総額は9982万9000円で、歳出におきましては分譲計画による木造住宅40戸を建設する経費8142万9000円および特別会計住宅費への繰出金1840万円を計上し、歳入におきましては分譲金9982万7000円のほか、繰越金および雑収入にそれぞれ基礎額1000円を計上しました。
議案第182号 昭和38年度西宮市特別会計兵庫県
住宅協会事業委託費歳入歳出予算。
本会計の予算総額は4921万3000円で、歳出におきましては、兵庫県住宅協会より管理を委託されている公庫融資協会住宅754戸の管理経費694万6000円、および付属倉庫64戸の建設工事費192万円ならびに同協会に支払う家賃収入4034万4000円および一般会計への償還金3000円を計上、これが歳入としましては家賃収入4056万7000円、管理委託金収入859万4000円、繰越金5万円、雑収入2000円を、それぞれ計上しました。
議案第183号 昭和38年度西宮市特別会計西宮市
公会堂建設費歳入歳出予算。
本会計につきましては基礎額のみを計上しました。歳入におきましては、繰越金および雑収入にそれぞれ1000円を、歳出では施設費2000円を計上しました。
議案第184号 昭和38年度西宮市
特別会計自転車競技事業費歳入歳出予算。
本会計は年8回を開催する予定のもとに総額20億1326万5000円を計上、歳入としましては入場料1326万円、車券発売金20億円、勝者投票券事故収入および繰越金にそれぞれ1000円、雑収入に3000円を計上し、歳出としましては開催費17億9759万5000円のほか、特別会計西宮市国民健康保険等への繰出金2億1467万円、予備費100万円を計上しました。
議案第185号 西宮市水道事業の基本計画の全部を改正する基本計画制定の件。
本市水道事業が市民の生活用水、産業用水ならびにその他の浄水を供給する水道のほか、地盤沈下対策として工業用の原水を供給する工業用水道を経営するに当り、地方公営企業法第4条に基く基本計画を変更致すことを適当と認めますので、本案を提案いたした次第であります。
議案第186号 議決変更の件。
昭和37年3月30日議決変更を得ました本市水道第4次拡張事業費の年期および支出方法を定める件につきまして、水道普及率の上昇と、1人当りの使用水量の漸増に伴なう給水人口および給水量の増大に対処するため、総事業費6億8000万円を19億円に、完成年度を昭和41年度に変更等、既定の年次計画を変更いたしたく提案いたした次第であります。
議案第187号 昭和38年度水道事業会計予算。
水道事業会計の収入および支出予算は、収益的収入および支出と資本的収入および支出とに大別されております。まず、第2条の収益的収入および支出、すなわち収益およびそれに対応する費用の予定は、収入では、第1款事業収益4億4958万8000円でありまして、この内訳は第1項営業収益すなわち主たる営業活動から生ずる収益4億3891万6000円、第2項営業外収益すなわち営業活動以外の原因から生ずる収益1067万2000円となっております。支出では第1款事業費は4億8119万7000円でありまして、この内訳は第1項営業費用すなわち主たる営業活動に必要な費用4億4702万2000円、第2項営業外費用すなわち営業活動以外の費用3317万5000円、第3項予備費100万円で、人件費の高騰により経常経費は収支の均衡を保つことが、困難となり、当年度は3160万9000円の損失を予定されることになりましたが、この損失の資金操作については、減価償却費その他内部留保資金により工夫をはかる考えであります。第2条の2の期間外収入すなわち固定資産売却等による繰越利益剰余金の増加予定は150万2000円で、期間外支出すなわち過年度損益修正による繰越利益剰余金の減少予定は20万円であります。第3条の資本的収入および支出すなわち設備投資関係の予定は、収入では第1款資本的収入3億3187万7000円で、これは拡張工事に充当する企業債収入および宅地造成に伴なう配水管布設工事等の負担金ならびに固定資産売却代金であります。支出では、第1款資本的支出は3億6355万7000円で、この内訳の第1項建設改良費3億5844万6000円は、拡張工事および、施設の増補改良であり、第2項企業債償還金455万2000円、第3項固定負債償還金5万9000円、第4項予備費50万円であります。資本的収入が資本的支出に対し不足する額3168万円は、当年度損益勘定留保資金3000万円および減債積立金168万円で補填するものであります。第4条の一時借入金の借入額は、常時1億2000万円以内と定めました。第5条のたな卸資産の購入限度額は6885万3000円と定めました。なお、以上の予算の実施計画、事業計画、資金計画、予定損益計算書、予定貸借対照表のほかに別冊参考書も添付いたしておりますので、御参照くださるようお願いいたします。
議案第188号 昭和38年度
工業用水道事業会計予算。
工業用水道事業会計の予算は、建設中でありますため営業活動にかかる収益的収入および支出はなく、資本的収入および支出のみとなっております。まず、第2条の資本的収入および支出の予定は、第1款資本的収入7億413万円で、この内訳は第1項企業債3億5000万円で、これは建設工事に充当する企業債収入であります。第2項他会計からの出資金1億4927万7000円は、地方公営企業法第17条の2の規定による他会計からの出資金であります。第3項の建設負担金6500万円は、需要者の負担金第4項は建設工事に対する国庫補助金1億3800万円、第5項雑収入185万3000円となっております。支出では、第1款資本的支出は7億413万円で、この内訳は第1項第1期事業建設費6億6213万円で、神戸市との共同施設関係の支出のほか、浄配水施設の水工事費用地買収および事務費であります。第2項第2期事業建設費は、4100万円で、尼崎、伊丹両市と共同施工計画で調査ならびにその他所要経費を計上したものであり、第3項予備費は100万円であります。第3条の1時借入金の借入額は、常時1億6000万円以内と定めました。なお、以上の予算の実施計画事業計画、資金計画、予定貸借対照表のほかに別冊参考書を添付いたしておりますので、御参照くださるようお願いいたします。
議案第189号 一時借入金の件。
昭和38年度会計の財政調整資金として一時借入をすることのできる金額について、前年度と同様、常時3億円以内と定めたく、提案いたした次第であります。
議案第190号
市金庫事務取扱銀行を定める件。
株式会社神戸、三和、大和各銀行の金庫取扱事務が本月末日をもって満了いたしますので、新たに取扱銀行指定の必要がありますが、各銀行より継続の申し出がありますので、前年度と同様指定いたしたく、提案いたした次第であります。
議案第191号 小学校設置の件。
来たる4月1日から初等普通教育を実施するための西宮市立浜甲子園小学校を市内古川町13番地に設置するにあたり、提案いたした次第であります。
議案第192号 中学校設置の件。
来たる4月1日から中等普通教育を実施するための西宮市立浜甲子園中学校を市内古川町8番地に設置するにあたり、提案いたした次第であります。
議案第193号 議決変更の件。
昭和36年9月の定例会で議決を得て、財団法人兵庫県開発公社と土地買収委託契約を締結し、その後昭和37年2月の臨時議会で議決変更を経ました、中津浜線街路用地市内甲東園2丁目1の2ほか4筆5591平方メートルの買収代金は、当初市単独事業費として支出する予定で支払方法を決定し、うち1262万1824円は昭和38年度に支払いする予定でありましたが、本件土地とは別に国庫補助対象事業として計画していました、同事業の上大市1丁目から甲東園2丁目の区域の土地買収および建物移転が進捗しないので、事業費消化の必要上、本件土地買収を補助対象事業に振り替えたため、契約書第4条の年度別支払方法中、先に申し上げました額、すなわち昭和38年9月9日支払額の全部を昭和38年3月30日支払いに変更いたしたく、提案した次第であります。
議案第194号 資金前渡の件。
市税前納者に対する便宜を図る目的をもって前納報償金の支払いにあてるため、財務部徴収課長に月200万円以内を限って資金前渡をするにあたり、提案いたした次第であります。
議案第196号
工事請負契約締結の件。
市営堤町
団地分譲住宅新築工事について去る2月11日入札を執行の結果、第1回、第2回とも落札者がなかつたので、最低入札者である芦屋市月若町37番地 神井建設工業株式会社と交渉の結果、金2080万円で契約を締結するにあたり、提案いたした次第であります。
議案第197号 西宮市手数料条例の一部を改正する条例制定の件。
公共用地に関する境界明示の手数料は従来現行条例に基き1回50円を徴収いたしていましたが、これを同事務に要する経費に見合う額に改正したいため、本条例を提案した次第であります。なお、改正額は従来の1件50円を1500円に大幅に引き上げいたしました。
議案第198号
土地買収契約締結の件。
中津浜線街路用地として市内甲東園2丁目55田632.26平方メートルおよび同2丁目15宅地255.53平方メートルを、市内段上町1丁目67松本四郎および同町8丁目25の2松本いくゑ氏から、田については坪当り金3万2000円、宅地については坪当り3万5000円、計882万5820円で買収契約を締結するにあたり、提案いたした次第であります。
議案第199号 寄付採納の件。
仮称市立中市民館建設費等に充当のため、さきに中自治会より建設費450万円および中前田町20番地 宅地109平方メートル99、実測約66坪の寄付申し入れがあり、昨年3月の定例議会で寄付採納の議決を賜わりましたが、今回同地上の建物である中自治会館木造瓦葺真壁2階建1棟 建坪28坪58、延べ49坪48の寄付申入れがありましたので、採納いたしたく、提案した次第であります。
議案第200号 西宮市
国民健康保険条例の一部を改正する条例制定の件。
世帯主である被保険者について、療養給付に要する費用の一部負担金の割合を従来の10分の3から10分の2に引き下げ、保険給付の内容改善を図るため、この条例を提案いたした次第であります。
以上52件につき何とぞ御協賛を賜わりますようお願い申し上げます。
○議長(塚田義則君) ここで暫時休憩いたします。
(午後2時10分 休憩)
──────────────
(午後2時35分 開議)
○議長(塚田義則君) 休憩前に引き続きまして会議を再開いたします。
先ほど第2助役から説明がありました諸議案の質疑は後日に譲ることにいたします。
次に議案第195号 予算外義務負担の件を上程いたします。
当局の提案説明を願います。──第2助役。
◎第2助役(松浦松一君) 議案第195号 予算外義務負担の件、提案理由を御説明申し上げます。
本年4月に入学する予定の小学校1年生および養護学校児童概数4190名、ならびに幼稚園児6390名、および保育所措置児童1200名、計1万1780名に対し、安全対策の一環として、昨年同様、交通安全帽を入学式当日支給いたしたいのでありますが、入学式がいずれも4月上旬である関係上、昭和38年度予算の議決をまって発注すれば期日に間に合わないので、購入予定概数1万1780個の購入価格156万5000円以内の予算外義務負担をして、本年度内に発注いたしたく、提案いたした次第であります。
何とぞ御協賛賜わりますようお願い申し上げます。なお、本件は本日御即決賜わりますようお願い申し上げます。
○議長(塚田義則君) 説明は終りましたが、上程中の本案に御質疑はありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(塚田義則君) 質疑を打切り、上程中の本案は常任委員会の審査を省略して御異議はございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(塚田義則君) 御異議を認めません。よって常任委員会の審査を省略し、これより討論に入ります。
上程中の本案に御意見はありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(塚田義則君) ここで討論を打切り、採決に入ります。
上程中の議案第195号は当局提案通り決定して御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(塚田義則君) 御異議を認めません。よって議案第195号は原案通り可決確定されました。
次に報告第18号 事務報告の件、報告第19号 西宮市市有財産報告の件の2報告を上程し、当局の説明を願います。──第2助役。
◎第2助役(松浦松一君) 報告第18号 事務報告の件。報告第19号 西宮市市有財産報告の件、2件につき一括提案理由を御説明申し上げます。
昭和37年中に処理しました本市事務及び昭和36年12月末日現在における本市の市有財産について御報告申し上げた次第であります。
○議長(塚田義則君) 報告は終りましたが、両報告はこれをもって終ることにいたします。
次に報告第20号 処分報告の件を上程いたします。
当局の提案説明をお願いします。──第2助役。
◎第2助役(松浦松一君) 報告第20号 処分報告の件。
水道普及率の上昇と、1人当りの使用水量の漸増による給水人口および給水量の増大に対処するため、水道事業計画変更の必要が生じましたが、これが認可申請には当該地方公共団体の意思決定を明らかにするため、事業計画変更についての市議会の議決を必要としますが、申請は急施を要し、議会を招集する暇がなかったため専決処分いたしましたので、御報告するとともに、議会の御承認を賜りたく提案いたした次第であります。
事業計画変更の概要は、簡易水道給水地区を除き、昭和50年度の給水人口39万6291人を43万2500人に、1日最大給水量15万8516立方メートルを20万7600立方メートルに変更することであります。
○議長(塚田義則君) 報告は終りましたが、本件に御質疑、御意見はありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(塚田義則君) ここで質疑討論を打切り、採決に入ります。
報告第20号は当局報告通り承認して御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(塚田義則君) 御異議を認めません。よって報告第20号は報告通り承認されました。
次に報告第21号ないし報告第23号の処分報告の件、3件を一括上程いたします。
当局の提案説明を願います。──第2助役。
◎第2助役(松浦松一君) 報告第21号 処分報告の件。
市立南甲子園小学校講堂新築工事につきまして、今般同講堂の玄関ホール、玄関庇の変更および小屋裏通路の新設等工事変更の必要を生じ、これに伴なう工事請負契約変更の必要を生じましたが、変更額が原契約金額の1割以内であるので、本市契約条例第8条の2の規定により、専決処分をもって契約金額を金1614万円から金1632万300円に契約変更いたしましたので、御報告いたします。
報告第22号 処分報告の件。
市立香櫨園小学校講堂新築工事につきまして、今般同講堂玄関ホール、玄関庇の変更および小屋裏通路の新設等工事変更の必要が生じ、これに伴ない工事請負契約の変更の必要を生じましたが、変更金額が原契約金額の1割以内であるので、本市契約条例第8条の2の規定により専決処分をもって契約金額を金1587万円から金1650万6000円に契約変更いたしましたので御報告いたします。
報告第23号 処分報告の件。
市立上ケ原小学校講堂新築工事につきまして、今般同講堂玄関ホール、玄関庇の変更および小屋裏通路の新設等工事変更の必要が生じ、これに伴う工事請負契約の変更の必要を生じましたが、変更金額が原契約金額の1割以内であるので、本市契約条例第8条の2の規定により専決処分をもって契約金額を、金1480万円から金1504万5000円に契約変更いたしましたので御報告いたします。
以上3件につき御報告申上げます。
○議長(塚田義則君) 説明は終りましたが、上程中の各報告に質疑並びに御意見はありませんか。──12番。
◆12番(長本信頼君) ただいま上程されております報告21号から23号3件に関連して御質問申上げたいのですが、この理由には1・2・3とそれぞれ工事を変更せざるを得なかった、こういうことで理由を説明されておりますが、具体的には何で工事を変更しなければならなかったのか。当初のいわゆる工事設計は具体的にどういう点で支障があったのか。その点がこの説明だけでは十分分りませんので、当局より詳細に説明を願いたいと思います。
◎管理部長(永島茂君) お答え申上げます。
私の方から建設部の方へ設計を当初お願いいたしまして工事の契約を行ったわけでありますが、工事中途におきまして、御承知の通り今回やっておりますうち2件までは正門の前に講堂が建つわけでございます。最初玄関ホールはモルタル塗りを計画いたしましたが、やはり玄関正面のことでもございますので、これを簡単な言葉で申上げますと、砥ぎ出し工事に変更して頂くのでございます。それから玄関のひさしの長さを当初2メートルで計画いたしておりましたが、御承知のように今回の体育館は会議にも使うということで上ばきの、下ばきのまま上ることを禁じなければならない建物でございますので、玄関のひさしを50センチ伸ばしまして、そこで靴のはきかえ等できるように、混雑を防ぐという意味で50センチ伸ばさして頂きまして、それから小屋裏の通路でございますが、天井裏をはう設備がございません。電灯設備なんかが故障いたしましたときにも、相当高い足場を組まなければ電気の補修ができないということは、屋根裏に通路を作らして頂きまして、以上のような理由でございますので、よろしくお願いいたします。
◆12番(長本信頼君) 大体それで分りました。それでも結構でありますけれども、ただ要望としましては、やはりこれだけの大きな工事をやる場合につい目の届かんところもありますけれども、今後の設計施行につきましては十分途中で手直しとか、変更とかないように遺漏のないように当局の方としてやって頂くように要望しておきます。
○議長(塚田義則君) 他に発言がなければ、各報告はこれをもって終ります。
次に報告第24号及び報告第25号の処分報告の件、2件を一括上程いたします。
当局の提案説明を願います。──第2助役。
◎第2助役(松浦松一君) 報告第24号 処分報告の件、報告第25号の処分報告の件、2件一括して御報告申し上げます。
このたび上今津財産区から浦風巡査派出所建築費の一部として金50万円を寄付したいので、市において保管している田代町溜池売却代金460万円のうちから同額を交付されたい旨の申し出がありましたので、本市において検討した結果、使途としては妥当であるので、在来の例により、これを地区自治団体に交付するため、これが予算措置をしたものであります。
なお、同派出所の竣工時期の関係もあり、急施を要したため専決処分をいたしましたので、御報告の上、御承認を得たくお願いする次第であります。
○議長(塚田義則君) 説明は終りましたが上程中の各報告に質疑並びに御意見はありませんか。──24番。
◆24番(大槻弥之助君) 今の説明によりますと、派出所を建設するのに財産を寄付する、こういう形ですが、これは派出所というのは、当然県がやるべき性質のものであるのに、市に割当てをして来る、あるいは地元の負担金がなければ建てない、こういうような形で県が押し付けて来ておるのか、それとも地元がどうしても地元住民の総意として建設する、こういう形でやられておるのか。あるいは県が市の負担がなかったら建てないといっておるので、市が地元にそういう話をもって行って、そして地元民を説得したのか。その点についてまず質問を申上げたいと思います。
◎第2助役(松浦松一君) 私の聞いておる範囲内におきまして地元の方々が地区の治安のために進んで寄付したい、こういうことでこの金を出したい、こういうことでございます。
◆24番(大槻弥之助君) 問題はもちろん地区の住民がそういう派出所を完備して、そして地区の治安の維持に当るということは当然のことといえるかも知れないけれども、私どもやはり交番所を建てるよりも、もっと地域的にみたらする仕事が沢山あると思う。当然そういう問題が起ったならば、これは県当局に申入れて、県がそういう老朽した、あるいは地域住民の安寧秩序を守れないような交番に対して当然県費をもってやるのが妥当だと思うので、こういう形で今後市の財産が地域住民の意思だからといって、そういうような県費で当然やるべき施設に寄付されないように要望しておきたいと思います。
以上でございます。
○議長(塚田義則君) ほかに質疑がなければ、これで質疑討論を打切り、上程中の報告第24号及び報告第25号の2件は、ただいまの当局報告通り承認を与えて御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(塚田義則君) 御異議を認めません。よって報告第24号及び報告第25号の2報告は報告通り承認されました。
次に競輪場使用許可について当局より報告がございます。──第2助役。
◎第2助役(松浦松一君) 競輪場使用許可報告。
3月8日から13日までの6日制西宮競輪および4月4日、5日、6日および21日、22日、23日の6日制西宮競輪について、伊丹市長から、西宮競輪場使用許可の申請があり、使用を許可しましたので御報告申し上げます。
なお、本件については、関係機関の了解を得ておりますので、併せて御報告申し上げます。
○議長(塚田義則君) 報告は終りましたが、ただいまの報告に御質疑はございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(塚田義則君) 他に発言がなければ、本報告はこれをもって終ります。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
次会は来たる8日午前10時より再開し、代表質問に入ることにいたします。
本日はこれをもって散会いたします。
(午後2時51分 散会)...