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  1. 札幌市議会 2018-12-11
    平成30年(常任)総務委員会−12月11日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成30年(常任)総務委員会−12月11日-記録平成30年(常任)総務委員会  札幌市議会総務委員会記録            平成30年12月11日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時     ―――――――――――――― ○林清治 委員長  ただいまから、総務委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、議案第18号 札幌市消防本部及び消防署設置条例の一部を改正する条例案を議題といたします。  質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第18号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  異議なしと認め、議案第18号は、可決すべきものと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時1分       再 開 午後1時2分     ―――――――――――――― ○林清治 委員長  委員会を再開いたします。  次に、議案第13号 札幌市議会議員及び札幌市長の選挙における選挙運動に要する費用の公費負担に関する条例の一部を改正する条例案を議題といたします。  質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第13号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  異議なしと認め、議案第13号は、可決すべきものと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時3分       再 開 午後1時4分     ―――――――――――――― ○林清治 委員長  委員会を再開いたします。  次に、議案第15号 札幌市職員等の旅費に関する条例の一部を改正する条例案を議題といたします。  質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第15号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  異議なしと認め、議案第15号は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第1号 平成30年度札幌市一般会計補正予算(第5号)中関係分、議案第4号 札幌市一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案、議案第5号 札幌市特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案及び議案第6号 札幌市職員給与条例の一部を改正する条例案の4件を一括議題といたします。  質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。 ◆田中啓介 委員  私は、日本共産党を代表して、議題となっております議案4件中、議案第1号 平成30年度札幌市一般会計補正予算(第5号)中関係分、議案第5号 札幌市特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案の2件に反対、残余の議案2件には賛成の立場から、討論を行います。  議案第5号は、本市の一般職の職員の給与改定により、期末・勤勉手当の支給月数の0.05月分引き上げ特別職職員の給与を連動させるというものです。  特別職の期末手当を一般職に準じて引き上げなければならないという法的な根拠はなく、北海道胆振東部地震の一日も早い復旧、復興が求められているときに、特別職の期末手当も自動的に引き上げていくことは、市民合意を得られるものではありません。  よって、議案第5号には反対であり、議案第1号は、議案第5号の補正が含まれているため、反対です。 ○林清治 委員長  ほかに討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  この場合、分割して採決を行います。  最初に、議案第1号中関係分及び議案第5号の2件を一括して問題といたします。  議案2件を可決すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。  (賛成者挙手) ○林清治 委員長  賛成多数であります。  よって、議案2件は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第4号及び議案第6号の2件を一括して問題といたします。  議案2件を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  異議なしと認め、議案2件は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第16号 札幌市建築物における駐車施設の附置等に関する条例の一部を改正する条例案を議題とし、理事者から補足説明を受けます。 ◎米田 総合交通計画部長  私から、議案第16号 札幌市建築物における駐車施設の附置等に関する条例の一部を改正する条例案について補足説明させていただきます。  札幌市建築物における駐車施設の附置等に関する条例、いわゆる駐車場の附置義務条例は、道路交通の円滑化を図ること等を目的に、昭和40年に制定し、一定規模以上の建築物に対し、駐車施設の附置を義務づけ、今日まで適切な運用が図られるよう努めてまいりました。  このような中、地域の実情を踏まえ、附置義務条例を見直す旨、国から示されたことを受け、全国の大都市を中心に附置義務条例を緩和する方向での改正、または、その検討が進められております。  札幌市におきましては、平成27年度に駐車場の利用状況を調査いたしましたところ、都心部の駐車場に余裕が生じていることが確認されましたことから、原単位やその制度そのもののあり方について検討し、このたび附置義務台数の適正化、隔地距離の緩和、公共交通利用促進措置等による特例制度の新設から成る三つの方向性を示した条例案を今回提出したものでございます。  資料の裏側にその概要が記載されておりますが、まず、1点目の附置義務台数の適正化については、駐車場整備地区において、本条例によって設置が義務づけられる駐車施設の規模の適正化を図るため、駐車場整備地区に限り、附置義務の対象となる建築物の最低床面積及び当該建築物床面積当たり駐車台数の基準、いわゆる原単位を資料のとおり緩和するものでございます。  2点目の隔地距離の緩和についてですが、これまで隔地距離はおおむね200メートル以内としておりましたが、駐車場利用者に対するアンケート結果等を踏まえ、おおむね350メートル以内に緩和いたします。  3点目の公共交通利用促進措置等による特例制度の新設についてですが、建築物に駐車施設を附置すべき者が、公共交通機関のさらなる利用を促すために、その利用促進に資する措置等を講じた場合に、附置しなければならない駐車施設駐車台数を減ずることができる特例を設けるものでございます。 ○林清治 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆北村光一郎 委員  ただいま説明をいただいた今回の条例改正でございますが、駐車場整備地区における附置義務台数適正化等、三つの方向性が示されておりました。この改正によって、都心部の建てかえの促進や公共交通利用促進が期待されるところであり、本条例案については賛成いたしますが、確認のため、幾つか質問させていただきたいと思います。  建てかえ促進の視点で考えてみますと、附置義務駐車施設の基準をさらに緩和し、事業者の負担を軽減させることで、より建てかえが活発化することも考えられます。  そこで、1点目の質問ですが、附置義務駐車施設の基準である原単位をどのように設定したのか、加えて、この基準は将来的に変更する可能性があるのか、伺います。  また、公共交通利用促進策については、自動車から公共交通への利用転換が図られるといった非常によい取り組みであることから、多くのビル事業者にこの制度を活用してもらうことが重要と考えます。  そこで、2点目の質問ですが、公共交通利用促進措置等による特例制度について、どのように周知させていくのかを、まず、お伺いいたします。 ◎米田 総合交通計画部長  原単位の設定手法と特例制度の周知についてのご質問でございます。  1点目の原単位の設定につきましては、札幌市都市計画基礎調査から求めた対象区域にある建物の延べ床面積を、国が主体となって定期的に実施している道路交通に関する全国規模の調査である全国道路・街路交通情勢調査、いわゆる道路交通センサスから求めた必要な駐車台数で割り返したものを、建物の用途ごとに必要な原単位として設定したものでございます。例えば、事務所用途では、駐車場整備地区内にある事務所延べ床面積が約330万平方メートルございますが、これに対する必要な駐車台数が約1万2,000台でございまして、それを割り返し、原単位として1台当たり300平方メートルと設定したものでございます。  改正条例施行後も、制度全般について効果検証し、引き続き自動車の利用実態建物用途ごと駐車需要の変化等を踏まえ、今後も必要に応じて基準の見直しを行ってまいりたい、このように考えております。  2点目の特例制度の周知についてでございますが、新たな制度の素案がまとまった段階で、札幌商工会議所札幌駐車協会北海道ビルヂング協会北海道建築士事務所協会等、関係する団体に対して説明会等を行い、周知するとともに、札幌市ホームページにおいて情報を掲載し、できるだけ広く周知に努めてきたところでございます。また、条例案が可決された後は、手引等を作成し、関係する団体へ配付するほか、あらゆる機会を捉えてPR等に努めまして、市民の皆様へ広く周知してまいりたいと存じます。 ◆北村光一郎 委員  原単位の設定方法については理解いたしました。今後においては、効果検証を行い、必要に応じて見直しを行うとのことでありました。また、公共交通利用促進措置等による特例制度については、関係団体や市民に対し、引き続き周知していくとのことでありました。  しかし、現在示されている公共交通利用促進策取り組み内容については、この資料では7項目だけであり、事業者にとっては限定的なものであるかと思います。この制度を広く活用してもらうためには、制度を周知するだけではなく、これ以外の公共交通利用促進策が提案された場合も台数の緩和が可能となるような制度にすべきと考えます。  そこで、再度質問いたしますが、この資料において示されている項目以外の公共交通利用促進策が提案された場合、どのように取り扱うのか、お伺いいたします。 ◎米田 総合交通計画部長  公共交通利用促進措置につきましては、本条例案が可決した後に策定いたします規則や手引等において、資料に示すとおりの公共交通利用促進策取り組み内容や各取り組み内容に対する附置義務台数の緩和等を明記することとしております。  この資料に示す7項目については、他都市の事例や検討会議で伺った意見を踏まえて設定するものでございますが、柔軟な運用を図るために、資料に列挙した取り組み内容以外であっても、駐車需要の低減に資する取り組みで、その効果が見込まれる提案があった場合には、個別に協議を行い、他都市などの類似事例を踏まえながら、その効果に応じて附置義務駐車台数を緩和していく考えでございます。 ◆北村光一郎 委員  ただいま回答いただきました内容で、よく理解したつもりでございます。  今回は、新たな制度も導入されることとなりますので、積極的に制度をPRするとともに、適切に制度を運用していただき、条例改正の目的が広く浸透することを期待して、質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私からも、質問させていただきます。  今回の駐車施設附置義務条例見直しの内容は、先ほどの説明にもあった三つですが、全国的な荷さばき駐車施設の不足により、荷さばき車両による交通阻害歩行者空間の阻害があり、今、全国的に対策が求められております。  国土交通省は、駐車場の附置義務制度の見直しについて、荷さばき駐車施設の不足が顕著となり、整備が求められている、快適な歩行空間、円滑な道路交通の確保のために荷さばき駐車対策は重要としております。また、本市も、2016年10月から2017年2月にかけて、荷さばきエリアマネジメント実証実験を行いました。その結果、荷物配送や荷さばきに要した時間の短縮で路上駐停車の削減に貢献できたというふうに確認されております。  そこで、質問ですが、本市は、駐車場の附置義務制度の見直しをするに当たって、荷さばき駐車施設の整備についてはどのようなお考えなのか、伺います。 ◎米田 総合交通計画部長  確かに、荷さばきというのは重要な問題であると認識しておりますが、本条例の改正の目的は、あくまでも現状の駐車需要に基づいた附置義務台数の適正化を主眼としたものでございます。 ◆田中啓介 委員  確かに、今回の条例の見直しというのは、現状の駐車規模、また、駐車場の利用に対する適正化というのが内容の一つに掲げられております。しかし、そもそも駐車場を設置することは道路交通の円滑化を図るためというのも一つの大きな目的であったので、全国的にも起きている荷さばきの問題というのも、今後、あわせて検討していくべきではないかと思っています。また、国土交通省でも駐車需要等の実態を踏まえて見直しを促進するわけですから、現在の駐車場の利用状況の実態に合わせて附置義務台数の適正化をするだけではなく、駐車需要として今求められている荷さばき駐車施設の整備については、あわせて検討していくべきではないかと求めておきます。  次に、国土交通省は、駐車場政策の方向性として、地球環境に優しく持続可能な都市空間の実現に向けては駐車場、公共交通、自転車、歩行空間の一体的な計画、整備が重要、また、駐車場を市街地外周部等に配置し、市街地への自動車流入を抑制するとともに、公共交通によるアクセス手段の確保、市街地における快適な歩行空間の形成を推進するとしています。今回の条例見直しは、現状の車の流入や駐車場利用の実態に即したものにすることとあわせて、先ほど北村委員も質疑されておりましたが、公共交通利用促進措置等による特例制度を新設するとしております。  本市は、条例改正によって期待される効果として、自動車から公共交通への転換が図られて、公共交通中心のまちの実現が期待できるというふうにしております。あわせて、低炭素社会、歩いて暮らせるまちなど、環境首都・札幌を目指す札幌市として、都心への車の流入を抑制すること、公共交通機関の利用者をふやすことは重要なことだと思います。  そこで、質問ですが、どのようにして自動車利用から公共交通へ誘導していくのかということは、先ほどの7項目とあわせて周知していくとありましたけれども、それによっての効果はどれだけを見込んでいるのか、伺います。 ◎米田 総合交通計画部長  本条例によってどれぐらい公共交通へのシフトが見込まれるのかという質問でございます。  新たな提案として特例制度を開始するということと、今後、どのような規模でどのような形態かというのはそれぞれのビルの利用の仕方によってかなり大きく異なってくると思われます。ですから、これから制度の活用が促進されて、上がってきたものに対して個別に一つずつその効果は検証できますけれども、この先、どれだけ利用されるかというのは未知数でございますので、そこは運用しながら検証していきたいと考えております。
    田中啓介 委員  せっかく新設したものですし、また、公共交通利用促進は重要なことですので、随時、検証し、その効果を見て、それによって今後どうやっていくのか、これで本当に効果があるのかも含めて、ぜひ検討していただきたいと思います。  そもそも、今、自動車の保有台数というのは高齢者の免許返納や車離れなどで減少傾向にあります。また、企業においても、カーシェアリングなどで社用車を減らしております。その中で、例えば、今回、公共交通利用促進策の中にマイカー通勤規制で緩和率5%と設けておりますが、もう既にやっている企業が多数だというふうに思いますので、本当に効果があるのかどうかもあわせて検討していくべきだと思います。  今回の条例見直しは、現状の駐車場利用の実態に合わせることが主な目的になっていると思いますが、駐車場政策は、国土交通省でも言っておりますように、駐車場だけではなく、公共交通歩行空間の一体的な計画、整備が重要であり、公共交通の利用を促進する実効性のある対策を進めていくべきと申し上げて、質問を終わります。 ○林清治 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第16号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  異議なしと認め、議案第16号は、可決すべきものと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時23分       再 開 午後1時24分     ―――――――――――――― ○林清治 委員長  委員会を再開いたします。  次に、議案第20号 財産の処分の件(新さっぽろ周辺地区G街区及びI街区)を議題といたします。  それでは、質疑を行います。 ◆田中啓介 委員  私から、質問させていただきます。  今回、議題になっております財産の処分の件、特にG・I街区の土地利活用は、2015年に新さっぽろ周辺地区まちづくり計画策定において、公募型プロポーザルにより市所有の土地を民間事業者に売却することにしたというものです。  土地を取得した民間事業者計画どおりにしなければならないという指定は10年になっています。今、日本ハムファイターズ札幌ドームから北広島市に移転することになりました。北広島市では、2023年にボールパークが建設された際の交通流動の変化などを分析しております。その分析では、来場者数は3万5,000人と想定し、札幌からの来場者割合を85%、約3万人と見込んでおります。その札幌のゲート的な役割、拠点となるのが新さっぽろ駅であり、これにより人の流れが変わるなど、新さっぽろ周辺地域の実情が大きく変わってまいります。  そこで、質問ですけれども、民間に売却されたG・I街区について、今後、情勢変化に対応したまちづくりを本市主導で地域住民の声を反映させていくことができるのか、伺います。 ◎清水 事業推進担当部長  将来の情勢が変わったときに、市民の声を反映しながらの計画の見直しができるのかというお話でございます。  これまで、札幌市のまちづくりは、社会経済情勢とか市民意識の変化を踏まえまして、適宜、計画の見直しを図りつつ、おのおのの地域で適切に対応してきたところでございます。  今回、売却予定の市営住宅跡地G・I街区の土地利活用につきましても、地域の方々の意見を踏まえまして、平成27年3月に策定しました新さっぽろ周辺地区まちづくり計画に基づいて進められるものでございます。今後、計画の見直しが必要になる際には、札幌市の総合的な計画の位置づけのもと、G・I街区を含めまして、地区全体において官民連携によるまちづくりを検討していく中で、その時代の市民の声を十分聞きながら反映していくという考えでございます。 ◆田中啓介 委員  もう少し具体的にお聞きしますが、売却を予定されているG・I街区そのもののまちづくり、または設計は、今後、一民間企業に売却され、10年間は札幌市と約束してやっていくことになると思うのです。しかし、例えば10年後、契約が切れた後も、同じように札幌市がしっかりと主導で地域の意見を反映させていくことができるのか、重ねて質問いたします。 ◎清水 事業推進担当部長  10年後以降も含めて、市民の意見を聞きながら、札幌市が掌握しながら、計画を見据えてまちづくりを進めていけるのかということでございます。  これまで、札幌市は、新さっぽろ周辺地区において、区民らによる主体的なまちづくりということで、協調しながら持続可能なまちづくり取り組みを推進してきたところでございます。今回提案された事業化計画では、構成法人を中心としてエリアマネジメントという組織を立ち上げまして、それぞれの活動の段階に応じて地域の主要な企業や地域住民と連携していくということで検討を進めているところでございます。  今後、札幌市としましては、そういった活動を支援するとともに、10年後以降につきましても、都市計画決定で定められております地区整備計画に基づきまして、引き続き住民の意見あるいは活動の実態を把握しつつ、エリアマネジメント組織と連携しながら、住民意見を取り入れながらまちづくりを進めていく考えでございます。 ◆田中啓介 委員  G・I街区については、この間、我が党からも委員会、特別委員会を含めて質問させていただいております。その中で、地域の住民の声というのは全て反映しているかと質問したところ、答弁としては、全てを把握しているわけではないし、地域住民全てに納得や理解を得られたわけではないというふうにご答弁されております。10年後、一民間企業が土地を持ってしまうということにおいて、今でさえ全ての住民の声がしっかりと反映できているわけではないと言っているのに、10年後、それが本当に可能なのかということがすごく疑問なのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。 ◎清水 事業推進担当部長  10年後以降も全ての住民の意向を把握しながら進めていけるのかというご質問だと思います。  我々は、札幌市の行政を行う上で、まちづくりだけではなく、住民の声をしっかり聞きながら進めていくということに変わりはございません。ただ、それが一人一人全ての意見を掌握できているかということについては、そこまでには至らない部分もあるかと思います。しかし、しっかりと周知しながら、あるいは、議会を通じて議論をしながら、アンケート調査なりワークショップなり、市民の意見を掌握するさまざまな手法をとりながら十分に意見を把握しながら進めてまいりたいと考えております。 ◆田中啓介 委員  極力、全ての意見、声がしっかりと反映されるようなまちづくりを進めていくべきです。それは、たとえ民間のものになったとしても、そこは札幌市が主導的にやっていくべきというふうに思います。市民のそもそもの共有財産として極めて価値の高い市有地が情勢の変化に本当に対応できるのかというのは、正直、今の答弁でも疑問の部分が残ります。市有地の民間への売却そのものが最大の問題ではないかということを申し上げて、質問を終わります。 ○林清治 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。 ◆田中啓介 委員  私は、日本共産党を代表して、議案第20号 財産の処分の件に反対の立場で、討論を行います。  本議案は、新さっぽろ周辺地区G街区及びI街区の土地を民間事業者に売却し、契約締結するために処分するものです。  今、日本ハムファイターズの本拠地が札幌ドームから北広島市へ移転することにより、新さっぽろ駅の利用者数や人の流れ、また、その周辺に住む人なども大きく変わってまいります。市民にとって貴重な財産である市所有の土地が民間に売却されることで、地域の住民の声がしっかりと反映されていくものになるのか、また、情勢の変化に対応できるものなのか、疑問な点が残りますので、反対の立場として討論を終わります。 ○林清治 委員長  ほかに討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第20号を可決すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。  (賛成者挙手) ○林清治 委員長  賛成多数であります。  よって、議案第20号は、可決すべきものと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時33分       再 開 午後1時34分     ―――――――――――――― ○林清治 委員長  委員会を再開いたします。  次に、札幌市円山動物園基本方針「ビジョン2050」(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎平木 環境局長  環境局では、平成19年3月に策定いたしました円山動物園基本構想に基づく基本計画によりましてさまざまな事業を実施してきたところでございますが、動物福祉や生物多様性の保全など国内外の動物園を取り巻く環境や役割が大きく変化してきたことから、基本構想にかわります新たな基本方針といたしましてビジョン2050を策定することといたしましたので、本日は、この方針の案につきましてご報告するものでございます。  詳細につきましては、お手元に配付させていただきました資料に基づきまして、所管部長から説明させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◎加藤 円山動物園長  私のほうから、札幌市円山動物園基本方針「ビジョン2050」(案)についてご説明させていただきます。少々長うございますが、おつき合いください。  まず、概要版をごらんください。  資料1の概要版の左側、はじめにをごらんください。  ビジョン2050の策定に至った背景についてでございますが、円山動物園では、今、局長からお話をいたしましたけれども、平成19年に策定いたしました円山動物園基本構想に基づく基本計画によりまして、アジアゾーン、アフリカゾーンの整備のほか、ホッキョクグマ館、ゾウ舎の新設など着実に事業を進めてきたところでございます。また、獣医療体制の強化を図るとともに、動物専門員を新設するなど、円山動物園の人員体制も大きく変わっているところでございます。一方、動物福祉や生物多様性の保全など、国内外の動物園を取り巻く環境や役割が構想策定時から大きく変化しているところでございまして、そうした変化への対応が求められております。  こうしたことを踏まえまして、基本構想にかわる新たな基本方針として、開園から100年目を迎える2050年を目標年次といたしますビジョン2050を策定することといたしました。このビジョンでは、2050年までの期間に、円山動物園が動物園として存在する意義や果たすべき役割等、そのことについて市民や来園者にどのように伝えていくかといった方針などについて整理しているものでございます。  なお、資料には記載しておりませんが、このビジョンを実現していくための具体的な取り組みにつきましては、計画期間をおおむね5年とする実施計画を来年度に策定したいと考えているところでございます。  続きまして、ビジョン2050の検討経過についてご説明いたします。  こちらは、本書の38ページをごらんください。  下のほうのビジョン2050の策定経過というところに記載しておりますが、園内の若手職員を中心としたプロジェクトで21回の検討を重ねました。これと、有識者等によって構成されたビジョン2050の検討部会と内容を共有しながら、互いにやりとりをして検討を進めてまいったところでございます。  1ページおめくりください。  市民意見反映にかかわる取り組みといたしましては、来園者アンケート、市民意識調査のほか、子どもを対象とした、また大人を対象としたワークショップなどを行いまして市民の意見を広く聴取いたしまして、そのことを反映した上で案を策定したものでございます。  概要版にお戻りいただき、左側中段をごらんください。  ここには基本理念等を掲げております。  基本理念につきましては、命をつなぎ 未来を想い 心を育む動物園と定めまして、自然と人が共生する持続可能な社会の実現に貢献してまいりたいと考えています。そして、基本理念に基づく取り組みといたしまして、動物福祉を根幹といたしまして、生物多様性の保全、教育、調査・研究、リ・クリエーションの四つに力を入れてまいりたいと思います。  このリ・クリエーションという言葉ですが、レクリエーションという言葉がラテン語のレ、再びと、クレアール、つくる、創造するというものが語源であるという説がございます。レクリエーションには、回復する、元気づける、新たに創造するといった意味がございます。このビジョン2050では、リ・クリエーションを再創造と定義づけいたしまして、レクリエーションにかわる表現として使用しているところでございます。  次に、右側をごらんください。  重点項目である保全と教育につきまして、円山動物園の具体的な取り組みについてご説明させていただきます。  上段が保全、下段が教育でございますが、いずれも、地球という世界的な視点と、円山周辺、札幌市、北海道といった地域という視点から整理しております。  保全の1番目の地球規模の保全活動に貢献でございますが、具体的な取り組みといたしまして、左側の段の最初にございますとおり、野生動物の個体群を維持するため、第二の生息地として、生息域外保全に取り組んでまいりたいと考えております。  生息域外保全とは、絶滅危惧種を守るため、安全な施設に生き物を保護いたしまして、それらをふやすことにより絶滅を回避する方法でございまして、ある動物を円山動物園で飼育し、それらをふやし、もともとの生息地に再導入を図ることにより絶滅を回避する取り組みを進めてまいりたいと考えております。また、飼育する動物の生息地の保全にかかわるため、真ん中の段の一番上ですが、生息地の政府機関や動物園、大学等と連携しながら積極的に情報交換を行ってまいります。  保全の2番目の地域の環境保全活動を活性化する拠点にについてでございますが、動物園が保有します知識や経験などを生かしまして、環境保全活動の拡大、活性化に貢献するため、動物園の立地を生かして円山エリア全体の生態系の保全に貢献してまいりたいと考えております。  また、真ん中の段の3番目でございますが、絶滅を回避するための野生復帰を目指した希少種の飼育については、例えばオオワシなどの希少動物を本来の生息地に野生復帰させるための飼育、繁殖を行いまして、北海道の生物多様性の保全に貢献してまいりたいと考えております。  続きまして、中段以下になりますが、重点項目の二つ目の教育です。  こちらも、保全と同様に、地球という世界的な視点と地域に分けて取り組みを整理しております。  まず、左側の段の最初の教育の一つ目ですが、動物の飼育、展示を通して、多様な野生生物が存在する地球環境のすばらしさ、生態系の重要性を伝えてまいります。また、動物園は自然と人とをつなぐ場でございますので、真ん中の上段から3番目にあるとおり、市民が野生動物に親近感を持てるように、動物園の空間をできるだけ生息環境に近い状況に工夫、整備してまいりたいと考えております。  次に、教育の二つ目ですが、動物園周辺施設や教育機関等と連携し、地域の環境教育の拠点を目指してまいります。  左側の段の最初にありますとおり、生命を実感し、豊かな感性を育んでもらう生きた動物を展示する命の博物館としての役割を果たしてまいりたいと考えております。また、右側の段の最初にありますとおり、学校教育で活用できる教育プログラムを新たに開発してまいりたいと考えております。  続いて、裏面をごらんください。  調査・研究では、大学などの研究機関等と協力いたしまして、動物のこと、環境のことを探求してまいります。また、真ん中の1段目にありますとおり、職員の主体的な調査研究の企画、立案、実行を推奨いたしますとともに、新たな人材育成にも力を入れてまいります。  次に、リ・クリエーションの取り組みといたしまして、動物たちの生き生きとした姿を通して元気を回復してもらう場を提供するとともに、我々職員のみならず、売店など動物園にかかわる一人一人がおもてなしの心を持って接するなど、より楽しく心地よい空間づくりに努めてまいりたいと考えております。  次に、中段の取り組みの根幹の動物福祉につきましては、これまでお話ししました保全、教育、調査・研究、リ・クリエーションの取り組みを進める上でも根幹になる取り組みでございます。動物福祉の確保は、動物を飼育、展示する我々のような者の責務でございます。動物たちが健康で栄養状態もよく安全で野生本来の行動ができるよう、動物福祉に最大限配慮してまいります。また、右側の段の一番下にありますとおり、大規模災害などの不測の事態においても、動物たちが安全で安心して暮らせるよう日ごろから備えてまいります。  一番下の3番目の連携ですが、保全、教育、調査・研究の取り組みは動物園のみでは実施することができません。市民や市民団体などさまざまな人たちと連携協力いたしまして、ともに学び、ともに考え、ともに成長してまいりたいと考えております。  次に、右側をごらんください。  基本理念を実現するための基盤といたしまして、飼育、展示していく動物の考え方、経営基盤、行動指針の視点から整理したものでございます。  まず、1番目は、飼育、展示していく動物種の考え方についてでございます。  現在、動物園の展示に当たりましては、動物園生まれの動物が前提でございます。動物たちの健全な発育には、遺伝子の多様性のほか、動物福祉にも十分配慮する必要がございます。また、繁殖をしていくためには長期的な視点が必要でございます。このため、今後、飼育、展示していく動物種の方向性をあらかじめ定めていく必要がございます。これまで円山動物園として明確に示していなかったことから、このビジョンの中でこの考え方を整理したいと勘案しているところでございます。  飼育、展示していく動物種の方向性を考える上での視点と分類でございますが、今後、飼育、展示していく動物種の方向性を、円山動物園で飼育、展示する意義、円山動物園で飼育、展示していくために必要な条件の観点から考察いたしまして、積極的に繁殖に取り組む種、状況に応じて繁殖に取り組む種、やむを得ず飼育を断念する種に分類いたします。この考え方に基づきまして、各動物種を具体的にどの分類に位置づけるかにつきましては、このビジョンを策定後、円山動物園において整理することとしておりまして、策定後、できるだけ時間を置かずに公表したいと考えているところでございます。  この分類につきましては、飼育スペースや財政的な問題、職員の人員などさまざまな条件が前提となりますので、一度決めたらそのままということではなく、定期的に見直しをすることとしているところでございます。  次に、中段の2番目の経営基盤についてでございます。
     経営基盤については、人材、持続可能な経営の考え方、運営への市民参画の推進の三つから整理しているところでございます。  一つ目の人材につきましては、獣医療の臨床に適性のある獣医師を継続的に確保できる体制づくり、長期的視点を持って一貫して動物園運営を行うことができる環境づくりを目指してまいります。持続可能な経営の考え方につきましては、より効率的な動物園運営を行っていくとともに、入園料の見直しや減免制度のあり方など受益者負担の適正化の検討を進めます。三つ目の運営への市民参画の推進につきましては、保全の取り組みや動物福祉の充実に係る施設整備など、市民が貢献できる仕組みをつくりまして、動物園条例制定の意義や必要性について検討してまいります。  3番目の行動指針については、動物園で働くスタッフが常に動物や環境、社会のために自分が何をできるかを考え、行動していくための指針をまとめたものでございます。  最後でございますが、今後のスケジュールでございます。  年明けをめどにパブリックコメントを実施いたしまして、年度内に内容を確定させた上で、2019年度からビジョンに基づく取り組みを実施する予定としております。 ○林清治 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆北村光一郎 委員  ただいま説明をいただいた円山動物園基本方針でございますが、ビジョン2050では動物福祉を根幹にするとしていますけれども、私にとっては、この言葉に若干違和感を覚えます。それは、動物はあるべき環境の野生下で過ごすことが本来の姿だと思っているからです。来園者に見せるために狭いおりの中に閉じ込めた動物に対し、福祉という言葉を使うのは本当に適切かどうかと考えるところでございます。  そこで、質問ですが、動物福祉を根幹に置く理由を改めてお伺いいたします。 ◎加藤 円山動物園長  動物福祉を根幹に置く理由についてでございます。  動物福祉が確保されている状態とは、動物が心身ともに幸福な状態であるとされております。動物は、野生下で暮らせることが理想ではありますが、現実は非常に厳しい状況にあるため、動物園、水族館は、種の保存や環境教育のために動物を野生から切り離して飼育、展示しているものでございまして、そうであるからこそ、今日の動物園等においては動物福祉を確保することが必要とされているところでございます。  したがいまして、動物園を運営し続けていくためには、円山動物園といたしましても、国内外の主要な動物園と同様に、まずは、飼育、展示する動物たちの福祉をしっかりと守っていくことが必要でありますので、改めてそのことを認識いたしまして、何にも増して大切にしていくことの決意を持ちまして根幹に据えたところでございます。 ◆北村光一郎 委員  しっかりと受けとめましたので、そのことについては理解いたします。  次に、ことし8月の一部報道では、円山動物園が将来的に30種の動物の飼育を取りやめるという記事が出ておりまして、とても驚いたところでございます。今も説明があったと思いますが、ビジョン2050では、具体的な数字や動物種は明記されておりませんけれども、今後、飼育、展示していく動物種の考え方が示されております。  そこで、質問ですが、どのような現状に基づいてやむを得ず飼育を断念する種を決めようとしているのか、伺いたいと思います。 ◎加藤 円山動物園長  やむを得ず飼育を断念する種などを決める背景でございますが、先ほどご答弁をさせていただきましたとおり、今日の動物園、水族館においては動物福祉の確保が重要でございます。また、動物福祉を確保していくためには、動物種に応じたスペースや施設・設備が必要でございますとともに、動物種によっては群れで生活をすることが必要な動物もおります。さらに、動物にとっては繁殖により命をつないでいくことが大切なことであります。一方、円山動物園において現在飼育しております全ての動物につきまして、将来にわたってこれらの条件を十分に満たしていくことは残念ながら困難でございます。これらのことから、ビジョン2050において、積極的に繁殖に取り組む種、状況に応じて繁殖に取り組む種、やむを得ず飼育を断念する種の3種類に分類する基準を定めたところでございます。  なお、やむを得ず飼育を断念する種につきましては、さらなる動物福祉の充実や繁殖につながる場合は、円山動物園からの移動を検討するわけでございますけれども、このまま円山動物園で飼育、展示することが好ましいと判断される場合には、天寿を全うするまで責任を持って大切に飼育していくものでございます。 ◆北村光一郎 委員  大体理解するところでございます。  最後でございますが、ビジョン2050には、円山動物園の役割や動物飼育に関して規定する条例制定の意義や必要性について検討するといった記載がありました。動物の福祉に対しては、人によってさまざまな捉え方があります。そうした中で、動物園の動物が置かれている現状を全ての市民が理解しているわけではないと私は思います。  条例の検討に当たっては、その意義や必要性について十分に検討を重ねながら、市民に対して丁寧な説明をお願いすることを申しまして、私の質問を終えます。 ◆成田祐樹 委員  私からも、質問させていただきます。  新たに円山動物園の基本方針として出されたビジョン2050(案)を読ませていただきました。30年後の円山動物園に向け、長期的なビジョンに基づいた運営について策定されたことについて、これからの動物福祉や生物の保全という点から考えると非常に意義のあるものだったと思っていますが、改めてビジョン2050の策定に至った理由や策定の意義について、何点か確認させていただきたいと思います。  ビジョン2050では、保全と教育、調査・研究、リ・クリエーションの四つを重点項目として位置づけていますが、これらは円山動物園を含めて国内の他の動物園が掲げている役割とほぼ同じような項目内容となっています。全てが必要な基本的事項であるというのはもちろん承知しておりますが、その一方で、円山動物園としてどのような方向性を持っているのか、気になるところです。  そこで、質問ですが、円山動物園は、今後は特にどのようなところに力を入れていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎加藤 円山動物園長  特に力を入れていく点についてでございます。  ビジョン2050で掲げております保全と教育、調査・研究、リ・クリエーションは、相互に関連しているものであり、いずれも大切な取り組みであると考えているところでございます。中でも、基本理念であります命をつなぎ 未来を想い 心を育む動物園を実現していくためには、とりわけ保全と教育に注力していく必要がありますし、その上で調査・研究とリ・クリエーションについても積極的に進めていく必要があると考えているところでございます。 ◆成田祐樹 委員  私としましても、今後、多くの子どもたちが動物を通して楽しく環境のことや動物のことを学べる教育の部分というのは大変重要だと考えております。見ておもしろかったというだけではなく、後から図鑑を眺めたり、もしくは、見た生物を絵に描いたり、どのような地域や気候にすんでいるかということであったり、子どもなりに興味・関心を持つとてもよい機会になり得る場所だと考えています。  先週の金曜日に、たまたまうちの小学校1年の子どもが円山動物園へ遠足に行ってきたようで、寒いから象は見ることができなかったと言っていましたが、まだオープンしていないのですけれどもね。ただ、そのときに、一体、象がどこから来たのか、その国はどんな気候なのか、そんな話をバスの中でもしたそうです。  円山動物園は、そのような小さな子への教育面の効果もある一方で、新たに動物専門員が新設され、科学的な視点に基づく調査や動物の生理、生態の研究にも力を入れていくとのことであり、教育や研究分野においてもさらに存在価値が高まると思います。ただ、研究の成果を専門家が集まる会議での発表だけにとどめるのではなく、市民にもわかりやすく発信することで教育や調査研究の場としての円山動物園を認識してもらえるのではないでしょうか。  そこで、お伺いしますが、生物多様性の保全や教育を進めていく上でもこうした市民への発信は重要だと考えますけれども、円山動物園は調査研究の成果をどのように市民に周知していくのか、見解をお伺いいたします。 ◎加藤 円山動物園長  調査研究成果の市民への周知についてでございます。  調査研究の成果は、ただいま委員からご指摘がありましたとおり、専門家が集まる学会とか動物園関係者が集まる研究会で発表することもありますけれども、それよりも、まずは日々の飼育、展示や動物舎での解説におきまして市民の皆さんにその成果を還元してまいりたいと考えております。  また、動物園内で行っている飼育員カフェや出前講座などにおいても、広く市民の皆さんにお伝えしてまいりたいと考えております。加えて、今後におきましては、ホームページによる情報発信や市民向けフォーラムの開催など、調査研究の成果をさまざまな機会を捉えて発信してまいりたいと考えているところでございます。 ◆成田祐樹 委員  さまざまな内容がビジョン2050の中に入っておりますが、この取り組みを進めていくには、当然ながら資金面においてもさらに必要な部分が出てくると思われます。今後、消費税増税も控えている中で、現在の入園料そのものが適正なのかどうかについても検証が必要かと思いますが、入園料だけではなく、企業との連携による収入確保についても大変重要になるのではないかと思われます。ただ、どうしても自前で在庫を抱えるような商品開発などは、円山動物園の運営という部分から大きく外れてしまうため、企業との連携による商品開発や円山動物園のロゴやキャラクターを貸与してロイヤリティーを得るなど、知的財産を有効に活用した収入確保が必要ではないでしょうか。来春には国内最大級のゾウ舎がお目見えすることから、より円山動物園の人気も高まることと思いますし、その円山動物園ブランドをどれだけ露出させ、成長させられるかによって収入に変化が出てくると思います。  そこで、お伺いしますが、今後、新たな収入確保のため、どのようなことを考えているのか、お伺いしたいと思います。 ◎加藤 円山動物園長  新たな収入確保についてでございます。  これまでも、さまざまな企業の皆様に資金だけでなく物品や人員などいろいろな形でご支援をいただいているところでございますが、この支援の輪を広げていくためには、ビジョン2050を着実に推進し、円山動物園の魅力をさらに高めていく必要があると考えております。  その上で、企業の皆様が円山動物園を支援していただきやすい仕組みづくりを検討するとともに、今、委員からご指摘がありましたロゴマークの作成など、新たな収入確保につながる取り組みを検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆成田祐樹 委員  最後に、要望させていただきます。  どうしても特定の企業に集中して利益がいく仕組みであると、メディアの方々は公平性の観点からそれについて取り扱う量が少なくなり、ブランド化の形成は企業任せや企業ありきになってしまうことから、最終的には頭打ちになってしまうケースを多く見ております。ロイヤリティーの意図をしっかりと発信して、円山動物園の運営のため、または、円山の地域とコラボして円山や札幌の地域のためといったような公益性を打ち出し、市民にも愛されるブランドと成長させて収入に結びつけるべきではないでしょうか。そのためにも、今後は円山動物園のロゴやフォントなどについて自前で商標などの知的財産権を取得することを強くお勧めして、質問を終わりたいと思います。 ◆福田浩太郎 委員  私からも、質問させていただきます。  今お話のありましたビジョン2050では、基本理念として命をつなぎ 未来を想い 心を育む動物園と定めまして、最初のステップとして、全ての人が自然環境の大切さを実感するという目標を立てておりますけれども、円山動物園が北海道の動物園の中でどのような動物園になりたいのか、具体的には書かれていないと思います。例えば、旭山動物園では行動展示ということで大変人気を博しております。それに比べますと、我が円山動物園は、道都札幌の動物園としてどのような動物園を目指していくのか、現状では伝わってきていないところでございます。実際、お邪魔した際に感じたのですが、おりの中で元気のない動物を見かけることもありまして、動物を通じて自然の大切さを実感することができなかったところでございます。  そこで、質問ですが、2050年に向けてどのような動物園を目指しているのか、伺いたいと思います。 ◎加藤 円山動物園長  2050年に向けて目指している動物園像についてでございます。  このビジョンでございますが、開園100年を迎える2050年に向けて、円山動物園が何を目指し、どのように進んでいくのか、また、そこで働く我々職員がその実現のために何をしていくのかについてまとめたものでございます。具体的に目指す動物園像でございますが、まずは動物の福祉をしっかりと守ることによりまして、それぞれの動物が本来の行動を発現できる動物園を目指してまいります。そして、その姿を来園者の皆様にごらんいただきまして、動物を通じてそれぞれの生息地のことを考え、さらには地球環境のことを考え、そして、地球を守るためにみずからの行動を変えるきっかけとなれる、そんな動物園を目指してまいります。  これらのことによりまして、市民の皆様に誇りに思っていただける動物園になることができ、これまでのように来園者の多くが札幌市民であり、市民の皆様に愛される動物園であり続けることができるものと考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  少しは理解できたかなというふうに思います。  今お話がありました基本方針ビジョン2050では、動物の福祉の取り組みを根幹としているということですが、このことは国内外の動物園の置かれている状況から考えますと、私も円山動物園の目指す方向性として間違っていないと思います。しかしながら、世界基準として建てられたホッキョクグマ館や、先日ミャンマーから来た4頭の象が飼育されている施設のように、多額の建設費をかけ、立派な施設ができれば、動物福祉という点では達成できるのかもしれませんけれども、動物園が飼育する全ての動物にこうした施設を用意することは難しいのではないかとも思うところでございます。  そこで、質問ですが、具体的には今後策定する実施計画で検討していくと思いますけれども、円山動物園は動物の福祉をどのように確保していくのか、お尋ねしたいと思います。 ◎加藤 円山動物園長  動物福祉の確保についてでございます。  委員からお話がありましたとおり、ホッキョクグマ館やゾウ舎のように新しい施設もできているところでございますが、一方で、円山動物園には古い施設もまだまだございます。このことから、今後の老朽施設の更新に当たりましては、その動物本来の行動が発現できるように可能な限り配慮した施設を整備してまいりたいと考えております。  また、既存の施設につきましても、給餌回数や場所、餌の与え方に工夫をしますとともに、植栽や床、壁などについて自然に近づけるよう配慮するほか、例えばチンパンジーなど群れで暮らす動物についてはグループ構成の変更などにより社会的行動を促すなど、できる限り動物の福祉に配慮した飼育、展示を行ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  動物の福祉のためにさまざまな工夫をされることを理解いたしました。  動物福祉の充実には、動物の日々の健康管理が大変重要であると思います。また、動物がけがや病気になったときは、適切な医療行為を施さなければいけないわけでございます。こうした取り組みをさらに充実させるためには、獣医療の向上が必要であるというふうに思います。  そこで、伺いますが、獣医療の向上には獣医師や動物専門員の人材育成が重要であると考えますけれども、円山動物園はどのように職員の人材育成を進めていくのか、お尋ねいたします。 ◎加藤 円山動物園長  職員の人材育成についてでございます。  ただいまご指摘がありましたとおり、動物福祉の充実には獣医療の向上が重要であり、そのためには獣医師や動物専門員の人材育成が必要でございます。このため、獣医師につきましては、平成29年2月に北海道大学の獣医学部と連携協定を締結いたしまして、定期的な意見交換や研究会への参加、動物園における技術指導などスキルアップに向けた取り組みを行っております。また、動物に関する専門的な知識を持つ動物専門員の職を新設いたしまして、これまで9名の職員を採用しております。その中で、外部講師による研修会や内部の勉強会を開催するなど、そのスキルアップに努めてきているところでございます。  今後におきましても、これらの取り組みを継続するとともに、動物専門員の動物看護などに関する専門知識の習得、実践を推進いたしまして、獣医師だけではなく、動物園全体で獣医療の充実に向けた取り組みを行ってまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  今後の人材育成については、一定程度理解するところでございます。  最後に、要望を申し上げますが、誤解のないように、現在の体制が悪いということではないとご理解いただきたいと思います。  園長を初め、よく頑張っていただいているというふうに思いますけれども、しかしながら、以前は、円山動物園長は獣医師がお務めになっておられました。それが、今は、動物を見たい、また、動物園にかかわりたいという獣医師職を採用できずに、数年で異動する獣医師免許を持つ職員を動物園に宛てがってきたというふうにも言えると思いますけれども、その中で、後継の園長を育ててこられなかったことは大きな課題であると私は認識しております。  先日、獣医師会の先生にお話を伺いましたが、園長には動物のことを腹の底からわかった上で市民や来園者に動物のことをしっかり説明できる人が必要だし、また、対外的にも、動物の専門家が他動物園や研究機関、専門機関などと連携を進めたり、円山動物園の魅力を強く発信していくことが必要だというお話を伺いました。このことが、最初に申し上げた円山動物園の目指すものが伝わりづらいことの一因であると私は感じております。  臨床に適性のあることはもちろんですけれども、動物にかかわりたい、また、円山動物園を道都札幌、そして世界都市さっぽろとしてふさわしいものにしたいという動物の専門家である獣医師がしっかりと腰を据えて取り組み、そして、園長を中心に、事務方がしっかりと支える体制づくりについて、関係部局、特に職員部かと思いますが、連携して取り組んでいただきたいということを要望申し上げて、質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私からも、質問させていただきます。  自然環境がどんどん壊されてきたことでの地球温暖化により、世界各地で異常気象、自然災害が多発しております。その中で、今、地球規模で環境保全や生物多様性の必要性が言われています。動物園は、自然環境、希少動物や絶滅が危惧されている種を守ること、生物多様性の保全に貢献する役割を持つものとして重要な存在です。  本書の5ページ(6)の今日の動物園に求められているものとして、「今日の動物園に求められている社会的役割は、動物園という社会の中だけではなく、地球規模での保全活動です」と書かれております。動物園として、地球環境について考え、また、環境保全のために行動する市民、子どもたちをふやしていく役割があると思います。来園する市民や子どもたちに対してだけではなくて、動物園のスタッフが外に出て多くの市民や子どもたちに対して伝えていくことが重要だというふうに思います。  そこで、質問ですが、動物園の外に向けて環境保全や生物多様性の必要性などを伝えていくために、現在はどのような取り組みをしており、また、本方針を進めていく上で、今後さらに多くの市民、子どもたちに伝えていくためにはどのようなことに取り組んでいこうとお考えなのか、伺います。 ◎加藤 円山動物園長  現在、動物園では環境教育に関してどのような取り組みが行われていて、今後どうするのかということでございます。  今ご指摘がありましたとおり、動物園は、生きた動物たちを通じて環境について楽しく学ぶ施設でございまして、現在も動物園内外でさまざまな教育・普及活動を実施しております。具体的には、園内におきましては、動物の餌を通して命のつながりなどの解説を行う冷蔵庫ツアー、職員やボランティアによる動物ガイド、企画展や各種ワークショップなどさまざまな取り組みを実施しております。また、外に出ての話でございますが、小・中学校や町内会などに出向き、動物園の役割や生息地の環境問題などの出前講座を積極的に行っているほか、小学校の教育プログラムに円山動物園を組み込んでいただきまして、複数回、職員がその学校を訪問し、動物園を継続的な学習教材として活用していただくような取り組みも実施しているところでございます。  来春にはゾウ舎もオープンして当園の関心もますます高まってまいりますので、今後も、これらの取り組みに加えまして、園外に積極的に出向いて環境保全の大切さなどについて教育・普及活動を行ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆田中啓介 委員  環境保全や動物のことが中心になると思いますが、動物園の中、また動物園の外に対しても、環境の大切さを知らせていく、普及させていくという本当に大きな役割を今後もますます広げていただきたいと思います。また、来園した人だけではなくて、動物園のスタッフがみずからどんどん外に出て動物のこと、環境保全のことを広く発信することは、スタッフにとってもやりがいにつながっていくのではないかと思っております。  次に、現在の円山動物園の休園日についてです。  本書にも書かれておりますが、動物舎の安全点検や職員の情報共有の拡充など、準備体制を万全に整えるために開園時間の短縮や休園日の増加を図ったとしております。現在の休園日は、隔週の水曜日と4月、11月の第2週目の月曜日から金曜日になっておりますが、多くの主要な動物園で、例えば毎週月曜日が休みというところもあります。毎週休園日を設けることによって、その休園日にスタッフの会議を行うことができ、それによって飼育している動物のちょっとした変化などについても早期にみんなで情報共有できたり、また、今後の飼育の仕方などを話し合う時間も十分に確保していくことができると思います。  本書の36ページの第4章 基本理念を実現するための基盤の3 行動指針の(5)チームワークには、「自らの能力を最大限に発揮し、チームワークの強みを最大限に生かして業務を遂行します」とありまして、「多様な人材がそれぞれの個性と能力を尊重し、自由闊達に意見を交わすことにより、それぞれの『個』を調和させ、チームワークをもって目標を実現していきます」とあります。  そこで、質問ですが、今後、これについて具体的にどのような取り組みをしていこうとお考えなのか、伺います。 ◎加藤 円山動物園長  動物園というのは、現在におきましても、象を含めて、職員を五つの班に分けて進めておりまして、その班の中で話し合いをし、自分たちの受け持つ複数の動物についてどのように進めていくか検討しているところでございます。  今、委員からお話があった休園日とか開園時間の短縮でございますが、以前は、札幌市の始業時間が8時45分で動物園の開始が9時だったということもございまして、職員間のミーティングや前日の引き継ぎが十分にできない状況の中で運営せざるを得ないという状況もありました。しかし、現在は9時半に変えたことから、十分に班の中で引き継ぎや話し合いをした上で現場に出ていくことができるようになりました。そこで、そういった取り組みを今後も継続していくとともに、今の月2回の休園日については職員の研修やミーティング、共同作業をやっていますので、そういうことをしっかり進めていって、より一層、職員が同じ方向を向いてみんなで動物園を盛り上げて、市民の皆様をおもてなしできるようにしていきたいと考えているところでございます。 ◆田中啓介 委員  最初に質問させていただいたスタッフが外に出ていく時間を確保するためにも、やはり休園日をふやしていくことも必要ではないかと思っております。また、今、園長から、五つの班に分かれてそれぞれの班でと言われておりましたが、行動指針では、動物園で働く全てのスタッフと書かれております。これは、全てのスタッフが、来園したお客さん、また、子どもたちの質問に何でも答えられるようにということを今後は目指していくと書かれていると思います。そういう意味では、一つの班では情報を共有しているけれども、ほかの班のことはわからないということではなくて、本当にそこで働いている全ての職員が情報を共有できるように、園長も同じ一つの方向にということを言っておりましたが、そのためにも、時間を確保できるような体制と、時間だけではなく、人員的な体制も含めて充実させていくことが必要だと思います。  動物園を起点にして自然環境を守るためにも、何が必要で何をしなければならないのか、多くの市民、子どもたちに、動物園、また動物そのものについて動物園のスタッフを通して学んでもらうようにするためにも、動物園のスタッフ一人一人がやりがいを持ち、また、やりがいを感じながら働ける職場、環境の整備が重要であると申し上げて、質問を終わります。 ○林清治 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  最後に、札幌市環境教育基本方針の改定案についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎平木 環境局長  環境局では、環境教育の取り組みを進める方向性を示すものといたしまして、平成8年に札幌市環境教育・学習基本方針を策定いたしまして、その11年後の平成19年に札幌市環境教育基本方針として一度改定を行っております。この方針につきまして、本年3月に、上位計画であります第2次札幌市環境基本計画を策定したことなどを受けまして、このたび、札幌市環境教育・環境学習基本方針として改定を行うことといたしましたので、本日は、この改定案につきましてご報告させていただくものでございます。  詳細につきましては、お手元に配付いたしました資料に基づき、所管部長から説明申し上げますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◎大平 環境都市推進部長  私から、札幌市環境教育・環境学習基本方針(案)の概要についてご説明させていただきます。  A3判の資料1をごらんください。  まず、はじめにですが、この方針は、持続可能な社会の実現に向けて、札幌市の環境教育・環境学習の基本的な考え方を明らかにするとともに、継続的に取り組みを進めていくための方向性を示したものでございます。  次に、第1章 改定の背景と目的についてでございます。  最初に、環境教育・環境学習を取り巻く状況の変化ですが、1点目として、第2次札幌市環境基本計画の策定です。2050年に実現を目指す札幌の環境の将来像を定め、その実現に向けた施策の方向を示しました。また、3点目にあるとおり、国際的な動きとしてパリ協定が採択、発効されたことや、持続可能な開発目標SDGsが定められたこと、そして、4点目の札幌市教育振興基本計画の策定や5点目にあります学習指導要領が改訂されたことにより、学校教育の方針あるいは方向性が見直されたことなどがありました。  次に、改定の目的です。以上のようなさまざまな状況の変化を受け、より広い視野で環境教育・環境学習を捉え直し、環境問題をより多くの人に伝えることを目的として改定を行うことといたしました。  ページの右側をごらんください。  第2章では、基本的な事項として、基本理念、目指す将来像、重視すべき点を示しています。  最初に、基本理念ですが、「みらいを想い、みんなを想い、真剣に考え行動できる環境市民を育てます」と定めました。この環境市民という言葉は、2行下の部分で説明があります。今のことだけではなく、未来のことを想像し、自分のことだけではなく、周りにいるみんなのことを思い、生き物同士のつながりなどの地球環境のことを真面目に考えて、やるべきことをみずから判断し、積極的に取り組む人を環境市民と呼び、こういった人たちをふやしていきたいという考えを表現したものです。  次に、2の目指す将来像では、市民が持続可能な都市とは何かについて理解しているなど、目指す社会像を3点示しました。  次に、3の環境教育・環境学習を行う際に重視すべき点として5点掲げましたが、(4)の経済的側面、社会的側面の同時向上は、SDGsの考え方なども取り入れたものです。  1枚めくっていただきまして、第3章 札幌の特徴を生かした環境教育・環境学習です。  最初に、環境教育・環境学習に生かすべき札幌の特徴です。札幌は、都市の生活環境と自然環境とが調和し、社会インフラが整い、また、環境プラザなど環境関連施設が各所に設置されています。このような背景を生かして環境教育・環境学習を進めていきます。  次に、2では、環境教育・環境学習が対象とする四つの分野を示しております。この四つの分野は、第2次札幌市環境基本計画の将来像を実現するための柱と整合性をとった内容になっております。  最初に、(1)の健康で安全な生活環境の確保に関することですが、この分野では、生活を取り巻く大気、水、土壌に汚染がない状態を維持するため、努力を続けていく必要があります。この分野で理解を促すことのウにありますとおり、自然災害から身を守るための知識や備え、これは避けられない温暖化による異常気象や災害に適応していくことを示したものです。  次に、(2)の低炭素社会の実現に関する分野です。札幌は、暖房エネルギーの消費量が多いことから、化石燃料由来のエネルギー消費を削減していくことが必要です。この分野で理解を促すことは、イの高断熱・高気密住宅やエのエネルギー地産地消や再生可能エネルギーの利用などです。
     次に、(3)の循環型社会の実現に関する分野では、限りある天然資源の消費抑制とごみの発生抑制、再使用、リサイクルという3Rの重要性について理解や取り組みが必要です。この分野では、オのプラスチックによる海洋汚染問題といった新しい環境問題への理解も必要です。  (4)の自然共生社会の実現に関する分野です。日々の暮らしが生物多様性を基盤とする生態系から得られる恵みによって支えられていることを認識し、自然環境への負荷を減らすライフスタイルへの転換が必要となります。この分野では、イの生物多様性の喪失による地球環境問題や、エの人と野生鳥獣との共生などの理解が必要です。  1ページめくっていただきまして、3ページをごらんください。  第4章 環境教育・環境学習の進め方になります。  最初に、1、札幌市が主体となって推進する取り組みについてです。  この方針案では、幅広い世代に環境教育・環境学習を広げていくこととしていますが、子どもに対する環境教育・環境学習が今後も中心であります。このため、学校などの教育機関で行われる環境教育の推進を最初に取り上げました。学校におきましては、これまでも教育委員会と連携しながら環境教育を進めてきましたが、アのとおり、今後もさまざまな取り組みを継続して進めます。  なお、就学前からの環境教育も重要でありますことから、アの(エ)にありますように、幼稚園、保育所における環境教育も進めていきます。そのほか、太字イの環境教育教材の提供、ウの教員向けの研修の実施、エの環境教育施設・設備の活用についても今後も継続していきます。  ページの右側をごらんください。  (2)環境人材の育成についてですが、ここでは、学校外や地域で活動する専門家などの支援や育成について例示しています。太字アの(ア)のとおり、環境保全アドバイザー、環境教育リーダーなどの専門家派遣制度を今後も継続していきます。また、太字イの(ウ)のとおり、外部専門家と学校や地域をつなぐコーディネート機能を充実強化していきます。  (3)は、環境教育・環境学習の場と機会の充実です。アの場の充実では、(ア)の環境関連施設の展示内容の工夫やイベントの充実、(イ)の環境関連施設間の連携を推進していきます。  ページをめくっていただいて、4ページ目をごらんください。  イの機会の充実ですが、ここでは、(ア)のような子ども向け普及啓発イベントを行うことや、(オ)のような消費者教育やまちづくり活動の機会を利用することなどを挙げています。  次に、(4)の普及啓発のための情報の発信、広報と行動の後押しです。家庭や学校など、さまざまな場において自主的な環境活動が円滑に行えるよう効果的に情報提供を行ったり、自発的行動の支援を行います。  以上が、札幌市が主体となって推進する取り組みです。  次に、2、さまざまな担い手に期待される取り組みです。  環境教育・環境学習は、さまざまな担い手が参加、協働して取り組まれることが重要です。右のページでは、家庭や地域、市民活動団体、事業者などに期待される取り組みを挙げました。例えば、(1)の家庭では、親子で環境に配慮した生活について話し合い、教え合うこと、(2)の地域においては、地域の活動を通して生涯学習や環境教育・環境学習の場を創出すること、(3)の市民活動団体や事業者におきましては、職場内での環境教育・環境学習、地域社会への貢献を期待する取り組みとしています。  最後に、第5章は、推進体制と点検等についてです。  推進体制として、札幌市環境教育・環境学習基本方針推進委員会を設置し、取り組みの実施状況や効果などの点検、評価を行います。また、この委員会での点検、評価を踏まえ、取り組み状況や事例を環境白書などで公表するほか、必要に応じて対象分野や進め方を見直します。  最後に、本方針につきましては、ご説明した内容に基づき、今月中をめどにパブリックコメントを実施し、年度内に策定することを目指しております。また、施行後10年をめどに見直しを検討することとしています。 ○林清治 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆北村光一郎 委員  ただいま説明いただきました今回の基本方針では、幅広い世代を対象とした環境教育・環境学習を新たなポイントとして掲げております。近年は、地球温暖化が原因とされる異常気象が頻発し、毎年のように大きな自然災害が発生し、甚大な被害が各地で起きています。また、資源やごみの問題、自然との共生のあり方など、解決していかなければならない身近な環境問題も多くあります。  私も、環境教育・環境学習の対象は、子どもに特化せず、今の社会の担い手である幅広い世代にすべきだと思っております。一方で、大人世代の方々は、一度形成された意識や考え方、行動様式を変えることは簡単ではないと思います。そこで、大人に焦点を当てた環境教育・環境学習について、何点かお伺いいたします。  まず、基本方針策定段階での市民意見の収集についてですが、今回の改定では環境教育の対象を子どもから幅広い世代に広げることとしており、そうであれば、いろいろな世代の人々から環境教育・環境学習に関する課題や取り組みなどについて意見を求める必要があると考えられます。  そこで、質問ですが、基本方針の策定段階において市民意見をどのように取り入れてきたのか、まず、お伺いいたします。 ◎大平 環境都市推進部長  本方針の策定段階における市民意見の反映方法についてお答えいたします。  基本方針の改定に当たりましては、学識経験者や学校教員、環境活動実践者、公募市民で構成される札幌市環境教育基本方針推進委員会から、幅広い視点の意見や提言をいただきながら改定案の検討を進めてきました。その過程におきまして、さらに、多様な意見や取り組み内容の提案等を聞くため、ワークショップを3回開催いたしました。このうち2回は、環境活動を実践している方に参加いただき、改定のポイントや環境教育の対象など基本方針の枠組みのほか、取り組み内容についてもご意見をいただきました。残りの1回は、住民基本台帳から無作為に抽出した市民に参加していただき、参加者同士が体験を交えながら環境教育・環境学習の進め方や効果的な取り組みについて意見交換を行いました。これらのワークショップでは、幅広い世代を環境教育の対象とすることは重要であるが、無関心な人にはなかなか伝わらないといった意見もあり、こうした意見や提案を環境教育基本方針推進委員会に報告した上で、改定案に反映させたところでございます。  今後、パブリックコメントを実施し、さらに市民の意見を反映させていきたいと考えております。 ◆北村光一郎 委員  次に、大人を対象とした環境教育・環境学習の進め方についてでありますが、社会生活をしている中で環境について学んだり考えたり、主体的に時間を確保することは、一般的には難しいことと思います。環境への意識が高く、積極的に環境保全活動を行っている環境市民はいますが、環境への関心がない、あるいは、環境について考える時間の少ない市民が多いと思います。大人を対象として環境教育・環境学習を進めていく際には、こうした関心のない市民に対して何をどうアプローチしていくのかが重要だと思っています。  そこで、質問ですが、大人に対する環境教育・環境学習では、どのようにアプローチしていくお考えか、お示しください。 ◎大平 環境都市推進部長  大人に対する環境教育・環境学習のアプローチについてでございます。  今回の改定では、持続可能な社会の実現のため、「みらいを想い、みんなを想い、真剣に考え行動できる環境市民を育てます」を環境教育の基本理念として掲げ、対象を幅広い世代へ広げましたが、特に、大人に対してこうした理念や環境を守ることへの理解を広げていくことが環境教育・環境学習の基本的な役割と考えております。このため、まずは、さまざまな広報手段や場、機会を活用して、環境保全の必要性や意義を繰り返し伝えていきます。また、全ての小・中学生が夏休みと冬休みの際に提出するエコライフレポートは、その内容を家庭内で取り組むものにすることで大人への働きかけにもなることから、こうした効果的な活用も行っていきたいと考えております。  そのほか、地域や企業内で行われる研修会や講習会も環境学習として有効であり、ニーズに応じて専門家の派遣を行うなど、環境学習の充実を図っていきたいと考えております。さらに、札幌市生涯学習センターなど講座等の機会を提供する施設と連携し、また、環境プラザや円山動物園など多様な環境関連施設も活用しながら、大人を対象とした環境学習を推進していきたいと考えております。 ◆北村光一郎 委員  最後に、環境教育・環境学習の取り組みの点検、評価についてですが、現方針による取り組みについては、参加人数や件数をもとに札幌市環境教育基本方針推進委員会において評価しております。改定案でも同様に、取り組みの実施状況や効果などを推進委員会で定期的に点検、評価するとなっております。取り組みの実施状況の把握は、一定程度はできると思いますが、環境教育・環境学習の効果や成果を把握することは容易ではないと考えます。特に大人に対する環境教育・環境学習の効果の把握、評価は、かなり難しいのではないかと考えています。  そこで、質問ですが、第三者による推進委員会も活用して進行管理を行っていくとしていますけれども、取り組みの点検、評価をどのように行っていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎大平 環境都市推進部長  取り組みの点検、評価についてでございます。  環境教育・環境学習の取り組みを着実に進めるため、第三者機関である札幌市環境教育・環境学習基本方針推進委員会に具体的な取り組みの実施状況や効果などを報告し、点検、評価を行うこととしています。その際、取り組みの効果を評価するには、まずは環境に関する市民の意識の変化を把握する必要がありますことから、毎年行っている市民アンケート調査を活用しながら評価、検証を行っていきたいと考えております。  また、この推進委員会には5名の環境活動を実践している委員がいることから、実際の活動を踏まえた意見や課題なども参考にして取り組みの改善、見直しを行っていきたいと考えております。 ◆北村光一郎 委員  要望でございますが、このような基本方針の推進には、担当している職員だけではなく、全庁的な取り組みが必要であると私は考えます。今回提案されている基本方針を市の職員が理解して率先して取り組んでいただくことを申し上げて、私の質問を終わります。 ◆成田祐樹 委員  私からは、子どもを対象とした環境教育について質問させていただきます。  まず、学校での環境教育の取り組みについて、2点お伺いします。  現在の基本方針は、子どもを重点化対象としながら環境局と教育委員会が連名で策定して取り組みを進めてきていますが、今回の改定案は、環境教育・環境学習の中心は子どもであるとしているものの、環境局が単独で策定を進めている部分が特徴的です。その一方で、教育委員会においても、現在、札幌市教育振興基本計画の改定作業を同時に進めています。環境局と教育委員会がそれぞれで学校における教育の方針や取り組みを検討しているように感じるところです。  そこで、最初の質問ですが、今回、環境局が単独で改定を進めている理由はなぜなのか、また、現在の基本方針と改定案とでは子どもを対象とした環境教育の進め方に違いがあるのか、まず、お伺いしたいと思います。 ◎大平 環境都市推進部長  環境局単独で改定する理由と現方針との違いについてのご質問です。  今回の改定では、環境教育をより広い視野で捉え直し、幅広い世代を対象としたことで学校以外の取り組みを大幅に取り入れたため、環境局が主管となって策定することといたしました。  なお、改定案の策定作業は、これまで同様、教育委員会と連携して進めてきたところであります。  次に、現方針との進め方に違いがあるかというご質問でありますが、基本方針は、策定から約20年が経過し、学校での環境教育が定着してきていることから、現方針と同様、教育委員会と連携を図りながら進め、取り組みの充実を目指していきたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  ぜひ、教育委員会とも足並みをそろえてやっていただきたいと思っております。  ただ、近年の学校現場では、学習指導要領の改訂により、プログラミング教育やカリキュラムマネジメントの充実がうたわれるなど、社会状況の変化に対応した取り組みが求められており、教える側の負担も大きなものとなっています。特にプログラミング教育は、近年、AIなどの必要性から人気になっている一方で、専門的知識を持っている人が少ないことが問題ともなっています。そのような学校現場の状況も踏まえると、環境教育・環境学習を無理なく進めていく必要があるのではないでしょうか。  そこで、二つ目の質問ですが、さまざまな変化への対応に追われる学校現場で、どのように環境教育・環境学習を進めていくのか、見解をお伺いしたいと思います。 ◎大平 環境都市推進部長  学校での環境教育の進め方についてお答えいたします。  さまざまな対応が求められている学校では、環境教育を円滑に進めるためには、教育委員会とより連携を図っていくとともに、取り組みの効率や効果を高めていくことも必要です。  今回の改定案で掲げる環境市民を育てるという基本理念は、新学習指導要領で言う持続可能な社会のつくり手を育てることや、札幌市教育振興基本計画で示している未来へつながる思いを育むことと方向性は同じであり、ともに持続可能な社会の実現を目指していることから、学校教育の中で相乗的に環境教育を進めることができると考えております。また、学校の状況やニーズを踏まえながら、環境局が提供する環境教材や副読本を見直したり、教員向けの研修を充実するなど必要な支援も行いながら、効率的・効果的に環境教育を進めていきたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  必要な支援も行っていくということで、ぜひ効率的・効果的という部分で環境教育を推し進めていただきたいと思っております。  次に、学校以外の部分における子どもを対象とした環境教育・環境学習についてお伺いしたいと思います。  子どもには学校以外で過ごす時間もたくさんあり、子どもに対する環境教育・環境学習をさらに広げるためには、学校以外の場や機会も活用していく必要があると思われます。特に、自発的に環境に関心を持ってもらうことが大事であり、詰め込み型の学習ではなく、体験を通して学習できる仕組みをどのように子どもたちに知ってもらえるかが課題になるかと思います。  そこで、質問ですが、学校以外の場や機会における子どもに対する環境教育・環境学習は、今後どのように進めていく考えか、お伺いしたいと思います。 ◎大平 環境都市推進部長  学校以外での子どもに対する環境教育についてお答えいたします。  ただいま委員がご指摘のとおり、子どもに対する環境教育は、学校以外でもさまざまな場や機会を活用して効果的に行うことができますことから、関係する担い手とも連携協力して進めていきたいと考えています。  具体的には、市内には環境活動の拠点施設である環境プラザを初め、各所に環境関連施設があり、展示物や行事を通して環境保全の大切さを伝えるなど環境教育・環境学習の取り組みを行っておりますが、今後は、展示内容の工夫やイベントの充実のほか、相互に施設紹介やPRを行ったり連携事業を実施したりするなど、子どもの来場者をふやす取り組みを行っていきたいと考えております。このほか、楽しく環境問題を学ぶことができる環境広場さっぽろなどのイベントを活用し、広く環境に関心を持つ子どもたちをふやしていきたいと考えております。また、幼児から高校生まで誰でも参加できるこどもエコクラブが児童会館を中心に活動しており、学校外で過ごす時間を有効に活用し、環境学習を推進したり環境保全活動の実践にもつなげることができますことから、こうした活動を広げていきたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  教育関連施設のPRというのは非常に大事だと思います。やはり、小さなお子さんを持っていらっしゃる家庭でもなかなか知らないということがあると思いますので、相互のPRという部分も含めて、認知をし、利用していただくことをぜひ積極的に進めていただきたいと思っております。  最後に、さまざまな部局や担い手と連携した子どもへの環境教育についてお伺いします。  環境教育・環境学習の範囲はかなり広く、その担い手も多様です。むしろ、日々の生活のほとんどが環境に結びついており、日ごろからどれだけ環境という視点を持ちながら個々の取り組みを関連づけたり協働して実施できるかで、取り組みの効果を大きくしたり、新たな取り組みとして発展することができるのではないかと考えます。  環境局は、みずから環境教育の取り組みを進めるだけではなく、そうした多様な機会をうまく活用したり、さまざまな担い手をつなぐ役割を果たすべきと考えています。先日の代表質問でもSDGsについて取り上げさせていただきましたが、環境局だけが、所管だからといって担うのではなく、所管を超えて取り組みを意識してもらう必要があると考えます。  そこで、最後の質問ですが、子どもへの環境教育や環境学習効果をより高めるために、環境局はどのような取り組みを行っていくのか、見解をお伺いします。 ◎大平 環境都市推進部長  子どもに対する環境教育の効果をより高めるための環境局の役割、取り組みについてお答えいたします。  今回の改定では、環境教育・環境学習の対象をより幅広い世代へ広げるため、多くの部局と協議を重ねながら、多様な機会やさまざまな担い手による取り組みを盛り込みました。こうした取り組みが円滑に進みより効果が発揮できるよう関係部局や担い手と連携を図り、必要な協力や支援を行っていくことが環境局の役割と考えております。そのためには、まず環境教育・環境学習の方向性や道しるべを示すことが重要でありますことから、この基本方針が広く共有されるよう周知、PRを行っていきます。  また、さまざまな担い手と情報交換を行いながら、要望に応じ、講師や専門家を派遣したり、担い手同士をつないだり、活動の幅が広がる支援を行っていきたいと考えております。さらに、子ども向けに実施している学校や地域における出前授業や自然体験活動などにおいて、より効果を高めるために専門家や事業者に協力を依頼するなど、子ども向けの環境教育・環境学習の充実を図っていきたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  最後に、要望ですが、さまざまな担い手をお子さんにつないで、ぜひ幅広い環境教育・環境学習の充実の場を図っていただきたいと思っております。そのためには、やはり、何よりも所管を超えた取り組みが大事になると思います。環境局以外の局においても環境について考えていただくことを、私は強く要望したいと思います。今回の基本方針案の中にもさまざまなことが書いてありますが、12月の宴会の時期ですから、まずは、食品の食べ残し、2510(ニコッと)スマイル宴に全所管で取り組んでいただいて、そして、こういった基本方針があることを各局にPR、周知していただくことを強く期待しまして、質問を終えたいと思います。 ◆福田浩太郎 委員  私からも、質問させていただきます。  我が会派では、持続可能な社会の実現を目指して、議会においてもさまざまな質疑を行ってまいりました。持続可能な社会の実現には、意識の変革や人材の育成が必要であり、環境教育が担う役割は大変重要であると考えておりますので、そういう視点から質問させていただきます。  まず初めに、ESDの視点でございます。  ESDとは、持続可能な社会づくりの人材や担い手を育成するための教育のことでございます。2002年の世界サミットで提唱された教育理念であり、2014年に愛知県名古屋市で開催されたESDに関するユネスコ世界会議において、日本主導でグローバル・アクション・プログラム、GAPを発表いたしましたあいち・なごや宣言が採択をされたところでございます。  本市においても、2007年に改定されました現行の札幌市環境教育基本方針において、このESDの考え方は環境教育の基本に据えられております。このESDの考え方は普遍的なものと理解しておりますが、今回の改定案の中にはESDの記載がほとんどないようでございます。  そこでまず、お伺いしたいのですが、今回の改定案では、ESDの視点をどのように反映させているのか、お尋ねいたします。 ◎大平 環境都市推進部長  改定案におけるESDの反映についてのご質問です。  委員がご指摘のとおり、環境教育を進めるためにはESDの考え方が重要であり、現行の方針ではESDの考え方を基本に据えて取り組みを進めてきたところであります。一方で、2015年に国連で採択されたSDGsは、ESDの考え方も包含し、現在、全ての国が目指す国際基準となっており、改定案ではSDGsの考え方を基本に据えたところであります。  具体的には、誰一人取り残さないという理念のもと、持続可能な社会を目指した目標であるSDGsの視点を取り入れて、みらいを想い、みんなを思い、真剣に考え行動できる環境市民を育てるという基本理念を掲げました。この基本理念は、持続可能な社会の構築のために行動する人を育成するというESDの視点と共通するものであり、現行の環境教育基本方針の考え方が引き継がれているものと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  ESDの考え方も包含しているということは理解するところですが、ただ、学校教育におけるESDの取り組みは余り進んでいないのが実情でございます。環境教育はやっているということでございますけれども、ESDはなかなか広がっておりません。しかし、既にやっている地域では、いじめの減少、成績の上昇、グローバル人材の育成など効果が上がっているということも伺っております。環境市民育成のためにも、学校教育におけるESDの取り組みを、ぜひ教育委員会と連携してお願いしたいと思います。  次に、環境教育におけるフェアトレードの位置づけについてでございます。  フェアトレードは、適正な価格で生産品を購入し、先進国の市場で販売する仕組みでありまして、生産者の労働環境や生活水準を守るだけでなく、生産地の環境保全にも資する持続可能な消費社会の実現に向けた重要な取り組みでございます。  札幌市は、フェアトレードタウンの認定を目指し、ことしの第3回定例市議会においてフェアトレードの理念支持及び普及啓発に関する決議を全会一致で可決し、これを受けて市長もフェアトレードの理念の支持を表明したところでありまして、来年中にはフェアトレードタウンに認定をされる見通しであると伺っております。フェアトレードタウンとして、市民や事業者の中で、より一層、フェアトレードの取り組みが広がることを期待しているところでございます。  そこで、お尋ねいたしますけれども、フェアトレードタウンを目指す本市として、フェアトレードの理解促進や行動喚起につながるような環境教育・環境学習の取り組みに力を入れるべきと考えますがいかがか、お尋ねいたします。 ◎大平 環境都市推進部長  フェアトレードに関する環境教育・環境学習の取り組みについてのご質問でございます。  フェアトレードは、持続可能な社会の実現に資する消費行動の一つであり、環境教育・環境学習の取り組みとして重要なものと考えております。このため、フェアトレードにつきましては、環境教育・環境学習の対象分野の一つである循環型社会の実現の中で理解を促す項目として位置づけ、取り組みを進めていくこととしております。  そうした中、ことし6月に札幌ドームで開催いたしました環境イベントであります環境広場さっぽろにおきまして、フェアトレードの普及を目指す市民団体が出展し、その意義を説明しながら商品の販売も行うなど、普及に向けた取り組みが既に行われているところであります。  今後も、フェアトレードの目的や意義について市民や事業者の間に理解が進むよう普及啓発を行うとともに、関係部局や市民団体と連携して行動喚起につながるような取り組みを行っていきたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  フェアトレードは、誰もが常日ごろ行う消費生活において、持続可能な社会構築へ行動を起こせる、取り組みやすく、そして実感ができる効果的な活動だと思っております。ぜひとも、諸団体と連携して理解が広がるよう取り組みを進めていただきたいと思います。  次に、企業におけるSDGsの取り組みの推進と環境教育についてお尋ねいたします。  SDGsは、企業の経営における基軸になりつつありまして、昨年の11月には、経団連において、会員企業に遵守を求めている企業行動憲章の中でSDGsの達成を柱とするよう改定を行ったところでありまして、SDGsの取り組みが企業の間で広がっていくものと考えております。  札幌市におきましても、SDGs未来都市に選定されまして、SDGsの取り組みを進めるほか、SDGsの理解促進に向けた普及啓発に力を入れていくこととしており、環境教育・環境学習の取り組みにも大いに期待しているところでございます。  そこで、最後の質問でございますけれども、企業のSDGsへの理解促進を図り、環境、経済、社会の3側面の取り組みが広がるように環境教育・環境学習の取り組みを進めるべきと考えるがいかがか、お尋ねいたします。 ◎大平 環境都市推進部長  企業のSDGsへの理解促進を図る環境教育・環境学習の取り組みについてお答えいたします。  企業がSDGsに取り組むことは、経済、社会の側面と同時に環境の取り組みが進むことにつながりますことから、SDGsの理解が進むよう関心や理解度に合わせた支援を行っていきたいと考えております。  具体的には、企業が行うSDGs研修などの講師として環境アドバイザーなど専門家を派遣したり、エコメンバーの登録制度を活用し、事業所間でSDGsの活用方法や具体的な取り組みについて情報共有を図るなど、理解促進につながる支援を行っていきたいと考えております。また、SDGsの取り組みを発信できる仕組みとして、札幌の環境保全に貢献する企業などを表彰するさっぽろ環境賞や、企業自身が環境配慮の状況をまとめた環境報告書の展示イベントなども活用するなど、企業がSDGsに取り組む後押しを行っていきたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  企業がSDGsに取り組むことは、リスクヘッジやファンドを呼び込むことからいっても重要なときに来ていると伺いました。我々以上に敏感な企業も多いというふうに伺っております。企業に対しても、ぜひしっかり理解を広げていただきたいと思います。  最後に、取り組み方について要望したいのですが、学校教育において進まない理由として、新たに取り組むことで負担が増すと感じている方が多い現状というふうに思っております。しかし、今既に取り組んでいることが、実は捉え方、見せ方でSDGsに関係あることが多いわけでございまして、先ほど成田委員からもお話がございました。  昨年、視察に伺ったESD活動支援センターによりますと、ESDは、ある面、忙しいが、楽しいし、達成感がある、ただし、入り口を間違えるとずっと取り組めないと。また、今回、基本理念にもありまして、非常にわかりやすい説明でしたが、教育の質は、人の気持ちがわかることで向上し、日ごろの経験でも育っていくもの、こういう非常に興味深い視点をお伺いしたところでございます。ぜひ、住み続けられるまちづくりという大きな目的で、当たり前の人助けが世界のトレンドであり、最先端であるという認識、そして生き方の新しいブランドであることを踏まえて取り組みを進めていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私からも、何点か質問させていただきます。  先ほどの説明の中で、今回の改定の背景の一つに、環境問題にかかわる国際的な動きとして、パリ協定の策定、発効により2020年以降の気候変動対策の新たな枠組みが掲げられたという説明があったと思います。そのパリ協定以降、国連気候変動枠組条約第24回締約国会議、COP24が今まさにポーランドで開かれております。この会議では、世界の平均気温上昇を2度未満に抑え1.5度未満を目指すとするパリ協定の目標達成に世界が近づくか、それとも行動をさらに先送りするかが問われていると指摘されております。  そして、過去4度の歴代COP議長の連名で、気候変動対策で世界は岐路にあるとする共同声明が発表されました。このような共同声明は、かつて例がなく、今回の会議の重要性が際立っております。この声明では、各地の災害の頻発など気候危機への極度の懸念を表明し、世界は岐路に立っており、今後2年間の決定的な行動が死活的に重要だと述べております。具体的には、パリ協定の履行のために社会のさまざまな利害関係者の関与、プロセスを通じた2020年までの気候変動対策や目標の引き上げなどを呼びかけております。
     そこでまず、お伺いいたしますけれども、環境局として、COPの声明や呼びかけをどう受けとめ、どのように発信していこうとお考えなのか、伺います。 ◎大平 環境都市推進部長  COPの内容に対する受けとめとどう広げていくかという御質問だと思います。  温暖化対策に関する国際会議COPの議論や合意内容につきましては、温暖化の実態の把握、あるいは、将来の予測を知るためには非常に有用な情報であると我々も思っておりますことから、広く市民の間にも共有されるべきというふうにも考えております。  現在、COP24の内容につきましては、テレビや新聞などで議論の様子や解説が報道されております。世界の重要な社会問題として取り上げられておりますので、そうした情報が広がることを期待しておりますけれども、札幌市としましても、ホームページなどの広報媒体や普及啓発などのイベントといった機会を活用して情報発信をしていきたいと考えています。また、来年度は、札幌市温暖化対策推進計画の改定を予定しております。こうした国際会議での採択、あるいは、国の方向性も踏まえて検討していくというふうにしておりますことから、こうした計画の策定過程を通じた周知や普及啓発も行っていきたいと考えております。 ◆田中啓介 委員  先ほどの説明の中、またやりとりの中でも、環境に関心のある人はいろいろな施設に行ったり、COPの問題だったり、自分自身がどういうふうに考え、どういうふうに行動していったらいいかということで今後進めていけると思います。しかし、先ほど難しいというお話もありました関心のない人に対しては、どうやって環境問題について考え、行動することを促すかということが求められていると思います。本方針の第2章 基本的な事項の基本理念には、先ほど部長が説明されておりましたように、今のことだけではなく、未来のことを想像し、自分のことだけではなく、周りにいるみんなのことを思い、生き物同士のつながりなどの地球環境のことを真面目に考えて、やるべきことをみずから判断し、積極的に取り組む人、環境市民を学びを通してふやすこととあります。  そこで、関心のある人、ない人にかかわらず、多くの市民が環境問題について考え、行動していくことが求められ、まさに、今COPで言われているように地球環境が危機的な状態にあり、2020年までにと言われているときに、基本的な事項として環境市民を学びを通してふやすことを掲げておりますけれども、環境局として、いつまでに、また、どれだけの市民が環境問題について理解することが必要だというふうに考えているのか、また、どのように進めていこうとしているのか、伺います。 ◎大平 環境都市推進部長  環境市民を、いつまでに、どのように広げていくかというご質問だと思います。  この基本方針は、札幌市の環境基本条例に基づいて環境教育・環境学習に関する基本的な考え方、あるいは、取り組みの方向性を示したものでありますことから、この基本方針の中には個別の数値目標というのは設定しておりません。  しかしながら、今後、取り組みを進めていく上で、ご指摘のように市民の環境に対する意識を把握する必要がありますことから、今後、そういった意識や理解度を把握するアンケートなどを実施して、その結果を環境教育基本方針の中の点検、評価で見ていきたいと思っています。現状では、いつまでに、どのようにという数値については設定していないところでございます。 ◆田中啓介 委員  COPではこの2年間が勝負だと言われている中で、やはり、いつまでなのか、また、先ほどの答弁でも、毎年やっている市民アンケートでも把握していきたいと言っておりましたが、アンケートを行うだけではなくて、どれだけの市民が理解しているかという数値的な目標もしっかりと立てていくことが、今後の取り組みを進めていく上でも重要だと思います。  次に、第3章の札幌の特徴を生かした環境教育・環境学習の2の環境教育・環境学習が対象とする分野と内容の(2)の低炭素社会の実現に関することの中で、温室効果ガスの増加が地球温暖化を招き、異常気象を引き起こしている、特に札幌は、冬季の暖房エネルギー消費量が他地域よりも多いことから、化石燃料由来のエネルギー消費を削減していくことが必要であると書かれております。そして、この分野で理解を促すこととして、住宅のエネルギーロスの状況や、省エネ家電や高効率機器、高断熱・高気密住宅の必要性、エネルギーの地産地消や温室効果ガスの削減に向けた再生可能エネルギーの利用を掲げております。  繰り返しになりますけれども、2年間の環境保全の取り組みが重要だと世界的に言われているときに、早急に化石燃料由来のエネルギーを削減していく必要をどれだけの市民に周知し、どれだけ理解されたか、また、いつまでになど、こちらも明確な目標を持つべきだと思いますがいかがか、さらに、目標を立てると同時に、取り組みの状況がどのようになっているのか把握していくことも重要だと思いますが、環境局としてはどのように把握していくのか、あわせて伺います。 ◎大平 環境都市推進部長  エネルギー関係の把握とどういうふうに進めていくかということだと思います。  先ほども答弁いたしましたけれども、この基本方針の中では、基本的な方向を示すものでありますので、目標値等を設定しておりません。しかし、個別の計画ということで、来年は札幌市温暖化対策推進計画の改定を予定しておりますので、目標の設定についてはそうした中で必要に応じてやっていくものと考えております。特に、今言った意識の部分というのも大きいと思いますので、今ご質問にあったようなことについては、個別の計画の中で検討してまいりたいと考えております。 ◆田中啓介 委員  部長は、この基本方針案は方向性を示すもので、数値目標や数値を掲げているものではないと言っておりました。  しかし、本当に、この2年間が勝負だ、地球環境を左右する重要な時期だとCOPが全世界に警鐘を鳴らしている待ったなしのときです。そういうときに、理解を促すで済ませていいのかということが甚だ疑問なのです。本市の環境保全のための計画、対策を促進する環境局として、具体的な数値目標を持って主体的に行動していくべきと申し上げて、質問を終わります。 ○林清治 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後3時11分...