そこで、確認のために質問させていただきますが、ここ数年の市内の
灯油小売価格の推移及び直近の価格についてどのような状況なのか、まず、お伺いいたします。
◎富樫
総務部長 ここ数年の
灯油価格の推移でございますが、札幌市
消費者センターの調査によりますと、市内における
多量配達の1リットル
当たりの
平均価格は、平成26年8月に105円29銭となったのをピークに下がり始め、平成28年4月には57円25銭となり、これを底として、その後、上昇に転じております。ことしに入ってからも徐々に値上がりしながら、10月末には100円台となりました。11月9日の調査では、100円56銭まで上がり、その後は少し
下落傾向となりました。次の11月22日調査では100円を割り、直近の12月10日調査、昨日付の調査ではさらに下がって
札幌市内は95円53銭となったところでございます。
◆かんの太一 委員 札幌市
消費者センターの調べということでしたが、市内の
灯油価格は、依然として比較的高い水準であるけれども、少し
下落傾向にあるとのことでした。ただ、
灯油の価格は、その原料となる原油の価格が
国際情勢などさまざまな要素により変動することから、その動向は見通しにくいのが実際のところだと思います。
さて、
福祉灯油を実施するとした場合、どのくらいの経費がかかる
見込みなのか、
保健福祉局に確認いたしましたところ、仮に
高齢者、障がい者、
母子世帯で
住民税非課税世帯に対し、1
世帯当たり1万円を支給した場合、総額で約16.4億円、
生活保護世帯を含めると約21.8億円であり、さらに、
事務費として約2億円が必要になるというお答えでした。
この
福祉灯油について、今月6日の
代表質問で、岸副市長は、
給付金及び
支給事務に多額の経費を要するものの、給付を受ける側にとっては
冬期間の
暖房費のごく一部が補填されることにとどまることから、施策としての
実効性が高いとまでは言えないため、実施は考えていないという答弁をされました。
札幌市では、
福祉灯油を行ったことはありませんが、以前、平成19年から20年にかけて
灯油が高騰したとき、あったか
応援資金を実施しました。これは、札幌市
社会福祉協議会が5万円を上限に無利子で貸し付けるもので、8,981件で約4億3,000万円の利用があったと伺っております。
そこで、質問ですが、あったか
応援資金を実施したときと現在とでどのように状況が異なるのか、お伺いいたします。
◎野島
保護自立支援担当部長 あったか
応援資金実施時と現在との状況の違いについてでございます。
あったか
応援資金貸し付け事業を行いました平成19年は、それまで1リットル
当たり70円前後で推移していた
灯油価格が、10月の80円台から12月には98円と、2カ月の
短期間で20円余り急激に高くなったものでございます。そのため、
灯油等石油製品の高騰に伴う
緊急対策会議を設置して対応を検討し、
中小企業対策や
省エネ対策とあわせ、緊急の
消費者対策として
貸し付け事業を行ったものでございます。さらに、翌年8月には、133円を超える
灯油価格の
急騰状態が続いていたため、平成20年度も引き続き
貸し付け事業を実施したものでございます。
今季の
灯油価格につきましては、11月末から
下落傾向であり、前回、
貸し付け事業を実施したときのような
短期間での急激な
高騰状態ではないと判断しているところでございます。
◆かんの太一 委員 前回は
灯油価格が急騰した状況だったというご答弁だったと思います。
灯油価格は市民の家計に大きな影響を与えるものであります。これから本格的な
需要期を迎えるに
当たり、札幌市として価格の推移を注意深く見ていくことを要望して、私の質問を終わります。
◆好
井七海 委員 私からも、
福祉灯油について、2点お伺いいたします。
札幌市は、言うまでもなく
積雪寒冷地であり、そこに暮らす
札幌市民にとって、
灯油は生活に欠かすことのできない重要な
燃料源の一つであります。
平成27年3月に札幌市
消費者センターが作成した
家庭用エネルギー消費実態調査報告書によりますと、家庭で使用している
暖房用の燃料の割合は、
灯油が75.2%と最も高く、次に高い
都市ガスの13.4%を大きく引き離しております。今後、本格的な冬を迎えるに当たって、
灯油の価格の状況によっては市民の生活や
中小企業の活動に大きな影響を与えることから、私としてもその動向は非常に気になるところであります。
さて、札幌市では、従来から、
石油価格の高騰は広く市民に影響を及ぼすことから、その対策については、まず、国において取り組むべき課題という立場をとっておりますが、その一方で、
請願書には、道内の96
市町村において
福祉灯油を実施しているとの記載がありました。
そこで、質問ですが、道内でも比較的人口の多い
中核市である旭川市、函館市における
福祉灯油の
実施状況についてお伺いいたします。
◎富樫
総務部長 旭川市や函館市における
福祉灯油の
実施状況でございます。
灯油価格が急騰して札幌市でもあったか
応援資金を実施した平成19年度におきましては、両市とも
福祉灯油を実施した実績がございますが、その後につきましては、旭川市、函館市のいずれも実施している状況にはなっておりません。
◆好
井七海 委員 急騰した年には実施していたということだったと思います。
物やサービスの価格は、一般的に市場における需要と供給で決まりますが、灯油の価格については、先ほどもありましたように、そもそも原料となる原油について、国際的な政治・経済の情勢、為替などのさまざまな要因があって変動しております。また、原油の価格がどのような形で
灯油の
小売価格に反映されるのかということも影響してきます。
灯油価格がこのような事情で変動すること、その上、
北海道の冬の生活に多大な影響を与えることを考えますと、
価格対策はもとより、
予算措置も含めて、国においてしっかりと取り組みをなすべきものではないかと思います。そういう意味では、市民の冬の
暮らしを守るために、市としても、国などに対してしっかり意見を述べていくことも重要ではないかと考えます。
さて、
原油価格が高騰した年度においては、
福祉灯油を実施した場合、その一部を
特別交付税によって措置されるということがありました。直近では、平成19年度、20年度、25年度、26年度でそのような対応があったと聞いております。そこで、
福祉灯油を実施した場合に国や道から何らかの助成が受けられるのか、また、国や
関係団体などに対して
要望等を行っているのか、確認したいと思います。
そこで、質問ですが、札幌市が
福祉灯油を実施した場合、国や道から
特別交付税など何らかの助成を受けられるのか、伺います。
また、国や
関係団体などに
要請等を行っているのか、重ねてお伺いいたします。
◎富樫
総務部長 国や
北海道からの
財政支援、あるいは、国や
関係団体への
要請等についてのご質問でございます。
まず、
福祉灯油に対する
財政支援としては、
北海道が実施している
地域づくり総合交付金のメニューとなっております。これは、道の予算の範囲内で、
事業経費の2分の1、最大で100万円を上限に支援する仕組みとなっております。しかしながら、この
交付金については、
政令指定都市と
中核市は
交付対象となっておりません。したがいまして、札幌市は支援の
対象外という扱いになっております。
また、
特別交付税の関係ですが、現時点では、今年度において
原油価格高騰への対応として
特別交付税において措置されるといった情報は今のところございません。
次に、国や
関係団体への
要請等についてでございます。
札幌市から
石油元売各社に対して、
灯油など
生活関連石油製品の価格の安定に関する要請を既に行ったほか、国や
北海道、さらには
業界団体との
意見交換会も実施しているところでございます。
◆好
井七海 委員 道からの助成は、政令市や
中核市はないという答弁でしたし、
関係団体には要望を行っているということでした。
対象世帯を抽出することなど必要な
システム改修や、
申請書類の印刷、
受け付け体制の整備といった
事務費などもありますし、国においてもさまざまな検討がなされていることも聞いておりますので、その状況を見きわめる必要があると思います。繰り返し述べてきたとおり、
灯油の価格と
安定供給については、市民の冬の生活にとって極めて重要なものであることは十分に理解しておりますので、市には、
灯油価格の動向を注視しながら、国などにしっかり対応していただくことを要望して、私の質問を終わります。
◆
平岡大介 委員 私からも、請願にかかわり、質問させていただきたいと思います。
この間、
安倍政権のもとで大規模な
生活保護費の削減が続いております。2013年8月から強行された、過去最大となる
生活扶助の
段階的引き下げは、総額890億円、最大10%カットという内容でした。その後も、期末一時扶助、
住宅扶助などの
引き下げを繰り返し、
生活困窮世帯にぎりぎりの生活を強いております。とりわけ、
請願提出者からもお話がありましたが、暖房のための
灯油代や
電気代を賄うために10月から4月まで
生活扶助費に上乗せ支給されていた
冬季加算を総額34億円もカットしたことは、まさに
生活困窮者の冬場の命綱を断ち切るものでありました。
また、
生活保護世帯のみならず、生活に困窮し、暖房をつけることができない世帯が多くあります。
請願書にもあるように、
高齢者世帯、障がい
者世帯、
ひとり親世帯では、
経済的要因から、特に
厳冬期には、
灯油代が捻出できず、苛酷な生活を強いられております。
請願提出者からの
趣旨説明で深刻な
生活実態が語られておりましたが、暖かいお風呂につかりたくてもシャワーで我慢している、しかも、1人で入るともったいないので母と10歳の娘2人で一緒に入っているという
ひとり親の世帯、それから、年金が低い、夏でも暮らすのに精いっぱいなのに、暖房を使わなくてはならない冬であればもっと大変だ、古い
木造アパートに住んでいるけれども、家で
幾ら暖房をつけても寒くて仕方がない、
暖房費を切り詰めるために、昼間は
ショッピングセンターで時間を潰しているという高齢の方、それから、節約のために食事の回数を減らしているけれども、そのせいで体調を崩してしまった方など、そういった非常に切実な市民の実態を私どもも聞いております。中には、暖房を使わない、ストーブをつけないようにするために、部屋に段ボールを何枚も持ち込んで生活している方もいらっしゃいます。
そこで、1点目の質問ですけれども、このように寒くても暖房を使うことができない市民がいることを本市はどのように受けとめているのか、これは放置できない問題であると思いますがいかがか、伺います。
◎野島
保護自立支援担当部長 寒くても暖房を使うことができない市民がいることの受けとめについてでございますが、さまざまな事情の中で、家計のやりくりに大変苦労しながら生活している方がいることは認識しているところでございます。もし、そのような深刻な
生活困窮の状況にあるということであれば、札幌市では、生活に困り事を抱えている方のための窓口として、札幌市
生活就労支援センターステップや
生活保護の
相談窓口といったところで、具体的に事情をお伺いしながら、
相談者と一緒に課題の解決に向けた道筋について考えていきたいと思っているところでございます。
◆
平岡大介 委員 非常に生活に困っていながら我慢されている方もいらっしゃる、窓口まで足を運ばないけれども、切り詰めて何とか生活している方がいらっしゃる、大変苦労している人がいるのはわかるとおっしゃっていましたので、ぜひ、そのための支援を考えていかなくてはなりません。
別の事例を示させていただきたいと思いますが、低
体温症による死亡、つまり凍死する方が、近年、非常にふえてきております。2010年以降、全国でほぼ毎年1,000人以上が犠牲となっております。そして、その大半は
高齢者という実態です。
厚生労働省の
人口動態統計によると、2000年から2016年の国内の
凍死者は約1万6,000人で、
熱中症の1.5倍です。凍死というのは
山岳遭難など特殊な環境で起きると思われがちですが、屋内の
発症例が非常に多く、
日本救急医学会の調査では、全国の
救急医療機関など91施設に低
体温症で搬送された計705人のうち、屋内での発症は517人とその7割以上を占めております。また、患者の
平均年齢は72.9歳と非常に高齢です。
認知症や社会的な孤立、暖房が使えない
貧困状態が背景にあると思います。これは、まさに放置できない問題です。
ですから、
請願書にもあるとおり、昨年、道内の96
市町村がこういった問題を放置できないと言って
福祉灯油を実施したわけであります。美唄市では4,200円、上士幌町では1万円、京極町では1万円の
灯油券、上川町では100リットル分の
福祉灯油助成券、また、名寄市では
灯油券100リットル分に加えて
電気代5,000円分、こういった支援を行っております。
このように、道内の
市町村は、経済的な事情から冬場に暖房を使うことができない市民をなくそう、厳しい冬に
凍死者を出さないようにしようと、できるだけ頑張って
財政支援をしている、助成をしているのだと私は認識しております。
そこで、2点目の質問ですけれども、なぜ、他
市町村でできて、札幌ではできないのか、これは余りにも冷たい姿勢ではないかと思われますが、認識を伺います。
◎富樫
総務部長 福祉灯油の実施につきましては、各
市町村がそれぞれの地域の状況を勘案しながらそれぞれ総合的に判断しているものと認識しております。札幌市におきましては、
福祉灯油の実施には多額の経費を要する一方で、給付を受ける側にとりましては
冬期間の
暖房費のごく一部を補填されることにとどまることから、施策としての
実効性が高いとは言えないという判断をしているわけでございます。
◆
平岡大介 委員 請願の
提出者からもご説明がありましたが、あったか
応援資金のときは非常に助かったと言っている、こういう市民の声があるにもかかわらず、札幌市が効果は一部にしかすぎない、
実効性がないと言っているのは、非常に冷たい判断だと思います。こういった市民の声、思いに寄り添う姿勢が大切ではないかと私は思います。財政をやりくりしてもやらなくてはならないのが、このような市民の命にかかわる
暮らしの問題です。
最後の質問になりますけれども、特に道都と言われる本市が、道内の半数以上が実施している
福祉灯油を
実効性がないと言って切り捨てていいのか、本来、道内の自治体を引っ張っていく役割がある本市として、
福祉灯油は実施しないというスタンスでいいのか、最も困難を抱える市民に寄り添うべきだと思いますが、改めてその姿勢について伺いたいと思います。
◎富樫
総務部長 市民の皆様からお預かりした税金をどのような政策に振り向けるべきかということにつきましては、その政策にどのくらいの効果があり、
市民生活の向上に役立つのかということ、また、実施に要する経費が財政にどのくらい影響するのかということなどを総合的に判断していく必要があります。こうしたことを踏まえた上で、札幌市としては、
福祉灯油という政策を選択することは難しいというふうに判断しているものでございます。
◆
平岡大介 委員 金がどうだ、効果がどうだ、そういう問題ではなくて、全国で年間1,000人以上の方が凍死で亡くなっている、こういう状況に鑑みて、札幌市でそういった
凍死者を出してはいけないという判断をするべきで、この問題はやっぱりお金の部分ではないのです。そういうことから、札幌市として
福祉灯油を実施していただきたいと重ねて申し上げまして、質問を終わります。
○
村上ゆうこ 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
村上ゆうこ 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
それでは、請願第8号の
取り扱いについてお諮りいたします。
取り扱いは、いかがいたしますか。
(「継続」「採決」と呼ぶ者あり)
○
村上ゆうこ 委員長 継続と採決とに意見が分かれておりますので、改めてお諮りいたします。
請願第8号を
継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
(
賛成者挙手)
○
村上ゆうこ 委員長 賛成多数であります。
よって、請願第8号は、
継続審査と決定いたしました。
ここで、
理事者交代のため、
委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時41分
再 開 午後1時43分
――――――――――――――
○
村上ゆうこ 委員長 委員会を再開いたします。
次に、議案第1号 平成30年度札幌市
一般会計補正予算(第5号)中
関係分及び議案第8号 公の施設の
指定管理者の指定の件(みかほ
整肢園)を
一括議題といたします。
質疑を行います。
◆こんどう和雄 委員 私から、
難病医療費について質問いたします。
今年度より、
難病事務の権限が
北海道から札幌市に移譲され、331の
指定難病の
医療費助成や
相談支援事業等の事務が札幌市へ移管されました。この
権限移譲によりまして、札幌市が主体的に
難病対策を行えるようになったことから、
難病手帳の配付や
申請手続における
利便性の向上など、施策の充実が図られており、大変喜ばしいことだと考えております。
一方で、
難病患者に助成する
医療費については、国から2分の1の費用の補助があるものの、多額の
財政負担が発生している状況と伺っております。今年度は約4億5,000万円の
予算不足が生ずるというお話でございます。不足する理由としては、患者1人
当たりの
医療費が
北海道と比べて高かったとの説明がありましたが、札幌市のような
大都市では、
受給者数が多い事情もあるのではないかと考えております。
そこで、最初の質問です。
札幌市の
受給者がどのような状況にあるのか、同様に、
権限移譲が行われた他の
指定都市の状況とあわせてお伺いいたします。
◎
小田原 健康企画担当部長 札幌市と他
指定都市の
受給者数の状況についてでございます。
平成29年度末の札幌市の
受給者数は2万661人で、平成30年度末の
受給者数は約2万1,600人の
見込みとなっております。この人数は、当初予算の算定時に想定した人数と同程度のものとなっております。
受給者数について、平成29年度末の数字で比較しますと、2万1,869人の横浜市に次いで、札幌市は
指定都市で2番目に多い状況となっております。また、人口1,000人
当たりの
受給者数で見ますと、他都市が6人から9人程度であるのに対して、札幌市は11人となっており、
指定都市の中でも特に多い状況となっております。
◆こんどう和雄 委員
指定都市の中でも、札幌市の
難病患者が特に多い状況はよく理解いたしました。
大都市には、
入院施設の整った大病院があります。
研究機関でもある
大学病院もあることで、充実した
医療資源を求め、難病の患者が集中する傾向が強いと思います。このような状況は、他の
指定都市においても同様と推測しております。
そこで、
二つ目の質問ですが、このたびの
予算不足が札幌市特有のものなのかを確認するため、他の
指定都市における
難病医療費の
執行状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。
◎
小田原 健康企画担当部長 他
指定都市の
難病医療費の
執行状況についてでございます。
今回の
補正予算の要求に
当たりまして、10月に各
指定都市の
難病医療費の
状況調査を行いましたところ、回答のあった17都市中8都市において
難病医療費の
予算不足が見込まれている状況でした。多くの
指定都市が札幌市と同様に
権限移譲元の府や県における
医療費単価に基づいて予算の積算を行っておりましたが、
権限移譲後の実績を見ますと、
指定都市の
医療費単価が
移譲元の県などよりも2割程度高く、このことが
予算不足を来した主な原因になっていることが今回の調査でわかりました。
なお、
指定都市の
医療費単価が高い理由といたしましては、委員からご指摘のありましたように、高度な医療を求める
難病患者が
大都市へ集中する傾向があることなどが背景にあると考えております。
◆こんどう和雄 委員
指定都市の
医療費単価が高い傾向がわかりました。
難病には、
パーキンソン病のように
高齢者に多く発症する病気も多いと伺っております。私の住む地域でも、よく知っている方で数人が
パーキンソン病という大変なご病気にかかっており、心が痛む毎日でございます。
高齢化が急速に進んでいる札幌市においては、今後、さらに患者あるいは
医療費がふえて、関連する
事務費なども含めた負担が間違いなく増大していくのではないかと大変懸念しております。こうした状況から、札幌市の多大な負担を軽減するために、国に対しても適切な
財政措置を求めることが大変重要ではないかと思います。これは黙っていてもしようがないですから、声を高らかに上げていただき、適切な
財政措置を国に求めていくことが大切です。
そこで、最後の質問ですが、札幌市として、今後どのように国へ
働きかけを行っていくのか、お考えをお伺いいたします。
◎
小田原 健康企画担当部長 今後の
難病医療費に関する国への
働きかけについてでございます。
札幌市の
受給者数は、
高齢化や患者が集中する
傾向等によりまして、今後も増加が見込まれております。これに伴い、札幌市の
難病医療費に関する負担は、当面、増加していくものと考えております。そのため、こうした負担を少しでも軽減できるよう、
大都市衛生主管局長会議や
全国衛生部長会など、さまざまな機会を通じて各
指定都市と共同しながら、国に対し、適切な
財政措置を求めていきたいと考えております。
◆
平岡大介 委員 私からは、議案第1号と第8号にかかわりまして、みかほ
整肢園の
指定管理者制度委託の内容について、2点伺いたいと思います。
事前にいただいた資料の中で、2020年度については、現行の
運営費1億3,630万8,000円から指定管理後6,828万3,000円へ約7,000万円縮減するということですが、どのような要因でこの費用が抑えられることになるのか、内容を教えてください。
◎山本 障がい保健福祉部長 費用を抑えることができる要因についてですが、主な要因としては、利用者数の増加に伴う収入の増加と人件費の縮減でございます。
なお、当該法人のこれまでの運営実績や経験なども考慮すると、今回、提案のあった経費により適切に指定管理を行うことができるものと考えております。
◆
平岡大介 委員 人件費については、幾らから幾らへ変わり、幾らの縮減額になるのか、お示しください。
◎山本 障がい保健福祉部長 人件費につきましては、現行の1億2,928万3,000円から今回提案のあった1億646万1,000円、縮減額としては2,282万2,000円でございます。
◆
平岡大介 委員 次の質問ですが、児童の受け入れ人数はどのように変わるのか、それから、職員数及び雇用形態は変わるのか、そして、現在いらっしゃる言語聴覚士、児童心理士、調理員の非常勤職員はどのようになるのか、伺います。
◎山本 障がい保健福祉部長 指定管理後の受け入れ人数、職員数及び雇用形態、現在の非常勤職員の処遇についてでございます。
まず、受け入れ人数についてですが、
指定管理者の募集時に、1日の利用者数について、定員40人の8割に当たる32人を要求水準として設定したところでございます。当該法人からは、新たに自宅送迎を実施するなどのサービス向上の提案があり、現行よりも多い利用者の受け入れが行われるものと想定されるところです。
次に、職員数及び雇用形態の内訳についてですが、職員数については、合計6人ふえることとなり、全体として、常勤職員は17人から21人に、非常勤職員は3人から5人に、職員の総数としては20人から26人にふえる予定でございます。
最後に、現在の非常勤職員の処遇についてですが、現在、言語聴覚士、児童心理士、調理員の3名の非常勤職員が在籍しておりますけれども、指定管理開始後は、新たな職場への配置も含め、本人の意向に沿った対応を行うこととしております。
◆
平岡大介 委員 最後のところですが、言語聴覚士、児童心理士、調理員は必ずしも同施設で雇用されるのは定かではない状況だということでしょうか。
◎山本 障がい保健福祉部長 本人の意向に沿った対応をすることとしております。
◆
平岡大介 委員 言語聴覚士、児童心理士、調理員の非常勤職員は、必ずしも同施設で雇用されるとは限らないということであります。
それから、給与面、人件費の部分ですが、単純計算すると、人件費を職員の人数で割りますと、現行の646万4,150円から409万4,654円へと、約237万円の年収の減になるということがわかりました。
○
村上ゆうこ 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
村上ゆうこ 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
◆
平岡大介 委員 私は、日本共産党を代表して、議案第1号
一般会計補正予算及び議案第8号 公の施設の
指定管理者の指定の件に反対する立場から、討論を行います。
本議案は、医療型児童発達支援センターみかほ
整肢園の
指定管理者を社会福祉法人麦の子会に指定するものです。
本
委員会の質疑において、従前の施設
運営費が、指定管理移行後、職員数を20人から26人へとふやす一方で、2,282万2,000円分の人件費を縮減し、人件費を安く抑えるため、単純計算で1人
当たりの年収が現行646万4,150円から409万4,654円へ、約237万円の減となることがわかりました。それから、現在、非常勤職員として配置されている言語聴覚士、児童心理士、調理員については、引き続き同施設で雇用されるかどうかは定かではないということが明らかになりました。
指定管理者制度は、官から民へという流れの中、経費削減のために導入されたものであり、その一番のしわ寄せが働く者の労働条件の悪化と不安定雇用に集中しています。
また、医療型児童発達支援センターは、一人一人の状況に応じた療育プログラムのもとに、さまざまな活動体験や遊びを通して子どもの成長を育む療育を提供する施設です。市職員が直接かかわって運営すべきであり、
指定管理者制度はなじまず、よって、議案第1号及び第8号には反対です。
○
村上ゆうこ 委員長 ほかに討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
村上ゆうこ 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第1号中
関係分及び第8号を可決すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。
(
賛成者挙手)
○
村上ゆうこ 委員長 賛成多数であります。
よって、議案2件は、可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第2号 平成30年度札幌市国民健康保険会計
補正予算(第1号)を議題といたします。
質疑を行います。
質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
村上ゆうこ 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
村上ゆうこ 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第2号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
村上ゆうこ 委員長 異議なしと認め、議案第2号は、可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第14号 札幌市附属機関設置条例の一部を改正する条例案を議題といたします。
質疑を行います。
質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
村上ゆうこ 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
村上ゆうこ 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第14号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
村上ゆうこ 委員長 異議なしと認め、議案第14号は、可決すべものと決定いたしました。
ここで、
理事者交代のため、
委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時58分
再 開 午後1時59分
――――――――――――――
○
村上ゆうこ 委員長 委員会を再開いたします。
最後に、札幌市自殺総合対策行動計画2019(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。
◎鎌田 精神保健担当部長 札幌市自殺総合対策行動計画2019(案)について、お手元のA3判の資料に沿って説明いたします。
第1章 計画策定にあたってでは、計画策定の趣旨、計画の位置づけ、計画期間について説明しております。2 計画の位置づけでは、ポンチ絵にありますように、自殺対策基本法、自殺総合対策大綱、第3期
北海道自殺対策行動計画、さらには札幌市における自殺総合対策の在り方について、有識者からご提言をいただいた札幌市精神保健福祉審議会からの答申を踏まえて策定するものです。
第2章 札幌市における自殺の現状ですが、人口10万人
当たりの自殺者数を示す自殺死亡率は、政令市の中で6番目であり、他の政令市や全国に比べ、50代以下の年代で自殺率が高く、原因、動機では、経済・生活問題、家庭問題の割合が高いなどの特徴が挙げられます。
第3章 第2次計画の振り返りと課題ですが、関連施策の展開や協働による取り組みにより、自殺者数は、平成25年の374人から平成29年の319人に減少しましたけれども、課題としては、ゲートキーパーの役割を担う人材をさらにふやすことや、さまざまな分野における関係者間の連携を深めていくことなどが挙げられます。
第4章 計画の基本的な考え方では、基本認識、基本理念、基本方針、目標を示しています。
まず、基本認識として、自殺は、その多くが追い込まれた末の死、自殺は、その多くが防ぐことのできる社会的な問題、かけがえのない命が、日々自殺に追い込まれているを掲げております。
2 基本理念では、市民一人ひとりが支え合い、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指すことを掲げ、現在の行動計画を継承、発展させる形としております。
2枚目をごらんください。
3 基本方針では、自殺予防学の視点に立った六つの柱を掲げております。
目標ですが、これまで札幌市は、自殺者を何人まで減らせばよいといった一定数の自殺者を容認すると捉えられかねない数値目標の設定はすべきではないとの認識のもと、できる限り自殺者を減らすことが重要であると考えて取り組みを進めてまいりました。本計画においても、これまでの考え方を堅持し、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、一人でも多くの命を救うことを目標としております。
なお、基本方針ごとに成果指標を掲げ、取り組みの進捗把握や評価等に活用していきたいと考えております。
次に、第5章 施策の展開について説明します。
第4章に示した基本方針のもと、11の施策とそれにかかわる取り組みを掲げております。
主な取り組みについて説明いたします。
施策2では、継続する事業のうち、さらに強化して取り組んでいくレベルアップ事業としてゲートキーパー養成研修の開催を、新規事業として医療機関向けに自殺予防に関する研修会の開催を挙げております。施策4では、強化して取り組む事業として、労働者のメンタルヘルス向上につながる情報発信や各種
相談窓口の周知などをホームページやSNS等を活用して行う事業を掲げています。施策5では、新規事業として、依存症支援者研修事業を、施策7では、同じく新規事業として、大学保健管理センター等との連携による取り組みの実施を掲げています。施策8では、強化して取り組む事業として、関係機関と連携した未遂者等実態調査事業を掲げ、施策9では、新規事業として、救急患者精神科継続支援料算定施設を中心とした未遂者医療の推進と、専門職向けに未遂者支援に関する研修会を開催することを掲げています。施策10では、強化すべき事業として、関係機関と連携し、自死遺族への相談の実施を掲げております。施策11は、新規事業として、有識者や、自殺対策に関連する関係機関や団体で構成する(仮称)札幌市自殺総合対策連絡会議を立ち上げ、構成員となる機関や団体が果たすべきおのおのの役割を明確にして、一人でも多くの命を救うという目標のもと、協働による取り組みを進めていきたいと考えており、本計画を進める体制づくりとして重要な事業と考えております。
最後に、第6章 計画の推進体制です。
連携の観点から、庁内におけ札幌市自殺総合対策推進会議と庁外における(仮称)札幌市自殺総合対策連絡会議の両輪で行動計画を推進していく体制を構築してまいりたいと考えております。
○
村上ゆうこ 委員長 それでは、質疑を行います。
◆こんどう和雄 委員 私から、札幌市自殺総合対策行動計画2019(案)について質問いたします。
ただいま、平成31年度から平成35年度までの5カ年計画で始まる新たな自殺総合対策行動計画案についてご報告いただきました。私の市議としての政策の中で、市議会議員は市民のとうとい命を守ることに直結した仕事をしていると宣言しておりますが、地域の中での行動として目指していることは、自殺防止、交通事故死ゼロ、地震・風水害等の災害に強いまちづくり、そして、かかりつけ医を見つけて健康増進を図ること、これらを掲げて強い覚悟を持ち続けながら機会あるごとに市政報告会で提言してまいりました。わかりやすく言うと、結論として、人の命を心から大切にするという考え方に尽きると私は思っております。
言うまでもなく、地方自治体である札幌市は、住民の福祉の増進を図る責務を負っており、住民がより幸福な生活を営むことができるように、さまざまな施策を実施しております。その幸福の対極にあるものが自殺なのではないかと思っております。大切な生命をみずから消し去り、家族や友人にも深刻なダメージを与える自殺の問題は、非常に深刻かつ大きな問題でもあります。
札幌市における年間自殺者数は、平成10年から平成24年までの長期間、年間400人を超えておりました。平成20年には、477人の方が自殺されて大切な命をなくされております。長らく高どまりが続いており、自殺総合対策基本法や自殺総合対策大綱を踏まえ、平成21年度に札幌市は最初の自殺総合対策行動計画を策定しました。さらに、平成26年度からの第2次行動計画のもと、自殺者は平成29年には319人まで減少しているという説明がございました。しかしながら、年間自殺者数が300人を超えている現状を見ますと、憂慮すべき状況にあります。引き続き、危機意識を持っていただいて、自殺対策を強力に推進していかなければならないと強く考えます。
そこで、最初の質問をいたします。
次期行動計画を推進するに
当たり、どのような基本認識で取り組んでいくのか、お伺いいたします。
◎鎌田 精神保健担当部長 基本認識についてでございますが、次期計画では、基本認識として、三つの項目を掲げております。
一つ目の基本認識は、自殺は、その多くが追い込まれた末の死ということであります。自殺は、みずから命を絶つ瞬間的な行為だけではなく、命を断たざるを得ない状況に追い込まれるプロセスが前提にあり、自殺に至った人の多くは、鬱病や依存症などの精神疾患により適切な判断を行うことができない状況に陥っています。
二つ目は、自殺は、その多くが防ぐことのできる社会的な問題ということです。自殺の背景、原因には、さまざまな要因が複雑に絡み合っていると言われておりますが、一見、個人の問題と思われる健康問題、家庭問題などであっても、相談支援体制など社会的取り組みで解決が可能な場合もあります。
三つ目は、年間300人を超える市民のかけがえのない命が自殺によって失われているということであります。
以上の認識に立ち、市民一人一人がかけがえのない命を守ることの大切さを理解し、保健、医療、福祉などさまざまな関係機関が連携し、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して取り組んでまいりたいと考えております。
◆こんどう和雄 委員 ただいまのご答弁の中で、自殺は、その多くが追い込まれた末の死で、その多くが防ぐことのできる社会的問題という基本認識が示されました。私は、その多くが防ぐことのできる社会的問題という言葉に少し救われた感じがいたします。私は、努力すれば何とか防げるのではないかという意味もあると認識しております。
自殺の原因、動機を大別すると、先ほどございましたように健康問題、家庭問題、経済問題などです。札幌市における自殺の主因は、健康問題が51%、家庭問題が29%、経済・生活問題が31%となっています。これにかかわるさまざまな施策を充実させていくことは大切ですが、自殺未遂歴のある方など、いわゆる自殺のハイリスク者に注目し、そういう方に対して効果的な取り組みを展開することに努力していただくことが重要ではないかと考えます。
そこで、
二つ目の質問は、次期計画におけるハイリスク者に対する認識についてお伺いいたします。
◎鎌田 精神保健担当部長 ハイリスク者に対する認識についてでございます。
次期計画におけるハイリスク者に対する認識といたしまして、WHO、世界保健機関の調査及び先行調査において、自殺した方の多くが鬱病や依存症などの精神疾患を有していたと推定されていることから、これらの危険性の高い人を早期に発見し、必要な支援や精神科医療につなげることが必要と考えております。
また、自殺未遂者が再度の自殺を企図するリスクは非常に高く、未遂者に対する支援を充実させていく必要があります。さらには、失業や
生活困窮等の経済的問題、
高齢者の介護や子育ての悩みなどの生活上の問題など、さまざまな自殺の要因を社会全体の問題として捉え、生きることの阻害要因を減らし、生きることの促進要因をふやしていくような取り組みを推進していくことが必要であると認識しております。
◆こんどう和雄 委員 札幌市の自殺対策にかかわる基本的な考え方と、自殺のハイリスク者に対する認識については理解いたしました。
ただいま答弁がありましたように、自殺のハイリスク者と言われる方々は、鬱病等の精神疾患や経済・生活上の問題、家庭の問題など、実にさまざまな問題を抱えているわけです。そのようなハイリスク者がその問題を乗り越えて生きていくために、医療や福祉を初めとするさまざまな施策の担い手として社会の中で実際に支援する人たちのかかわりが重要であり、さまざまな職種の関係者が共通認識を持って取り組む必要があるのではないかと強く考えます。
このたびの次期計画を策定する準備段階では、自殺予防学の第一人者である札幌医科大学医学部の河西教授を初め、保健、医療、福祉、教育、法律、さらに自殺対策にかかわる団体など18の領域で構成する自殺総合対策の在り方検討部会において、1年余りの月日を費やし、7回にわたる会議を経て、各領域の関係者が連携して自殺対策を進めるという強い意志のこもった答申がまとめられたと伺っております。
関係者の皆様の大変なご努力に対しまして、敬意を表するところでございます。
今回、次期計画を策定するに当たって、このような手法を取り入れたことについては評価すべきところであります。今後、自殺対策を進める上で、民間が行政のパートナーとして連携を密にし、それぞれが持っている潜在的な力を有機的に結びつけていくことが重要であると考えております。
そこで、質問ですが、次期計画では、個々の施策を
実効性あるものとするため、
関係団体等との連携をどのように進めていこうとしているのか、お伺いいたします。
◎鎌田 精神保健担当部長 (仮称)札幌市自殺総合対策連絡会議についてのご質問です。
自殺総合対策の在り方検討部会に参加してくださった団体は、自殺のハイリスク者と直接かかわりのある職能団体、活動団体です。委員がご指摘のとおり、これらの団体と札幌市が連携を密にすることで、各領域において対応力を向上させ、より
実効性のある取り組みを強化していくことができると考えております。これまでも相談業務を中心とする団体との連携を進めてまいりましたが、さらに、多くの領域から成る
関係団体との連携強化が求められていると考えています。
そこで、次期計画の推進体制として、自殺総合対策の在り方検討部会にご参加いただいた有識者や団体を中心とする(仮称)札幌市自殺総合対策連絡会議を新たに立ち上げて、関係機関、
関係団体とのネットワークの構築を進めてまいりたいと思います。さらに、自殺未遂者や学生への支援などといった重要課題ごとにワーキンググループを設置し、取り組みを着実に進めていきたいと考えております。
◆こんどう和雄 委員 自殺対策を総合的に推進していくために、庁内では部局を超えた連携が必要です。そして、ただいまの答弁にありましたように、自殺対策において各分野を担っている関係者の皆様と思いを一つにしていただいて、ぜひとも
実効性のある対策を展開していただきたいと思います。
そこで、最後の質問ですが、木下局長、ぜひ、今後の自殺対策に取り組むに
当たり、決意表明をお願いしたいと思います。
◎木下
保健福祉局長 自殺の背景、原因にはさまざまな要素が絡んでおり、委員のお話にもございましたとおり、さまざまな関係機関によりまして総合的に対策を進めていく必要があると考えております。
次期計画の策定に
当たりましては、さまざまな領域で自殺対策を担っていただいている有識者、
関係団体の皆様から多大なるご支援をいただきました。このことは、今後の計画を推進する上で、大変大きな力になるものと考えております。誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して、一人でも多くの命を救うため、庁内関係部局はもとより、庁外の各
関係団体のご協力も得て、総力を結集して取り組んでまいりたいと考えております。
◆こんどう和雄 委員 局長、ありがとうございます。局長の決意をお聞きして、札幌市の自殺対策がさらに推進され、新計画の目標である一人でも多くの方の命が救われることを大いに期待いたします。
最後に、要望です。
自殺対策の取り組みを行政が抱え込んでしまわずに、保健、医療、福祉、教育その他の関係機関と
関係団体が連携を図り、おのおのが果たすべき役割を明確にし、協働による取り組みを進めることは、大変すばらしいことであると考えております。そして、これだけボリュームがある11の施策として、中身の濃いまとめをされていると思います。
しかしながら、大変すばらしいと思いますが、連携や協働の仕組みづくりや、多岐にわたる取り組みの進捗管理、成果、検証をしっかりやっていかなければ、この計画案に掲げられたものが絵に描いた餅となってしまうのではないかと危惧しております。札幌市には、これから取り組みを進めるに
当たり、市民のかけがえのない命をしっかり守っていくのだという強い使命感を持っていただき、自殺対策を推進していく中心的な役割をぜひ担っていただきたいことを要望して、私からの質問を終わります。
◆かんの太一 委員 私からも、札幌市自殺総合対策行動計画2019(案)について、幾つか質問いたします。
先ほど、第2次行動計画の重点的な取り組みの結果、平成29年では319名に自殺者数が減少しているというご説明がありました。
私は、平成28年第1回定例市議会の予算特別
委員会におきまして、第2次行動計画に基づく取り組みを進めるに
当たり、4点について要望いたしました。1点目は、市民に対する普及啓発とともに、相談支援に当たる人材を養成してほしいこと、2点目は、若年層の死因の第1位が自殺であることは大変憂慮すべき事態であるので、若年層に対する自殺対策に力を入れてほしいこと、3点目は、庁内外の関係機関や
関係団体と連携を強化し、自殺総合対策をさらに前進させてほしいこと、4点目は、自殺者数が減っているからといって、決して自殺対策を後退させてはならないことを要望いたしました。
そこで、最初の質問ですが、私が要望した項目も踏まえ、第2次自殺総合対策行動計画に基づく取り組みと今後の課題についてお伺いいたします。
◎鎌田 精神保健担当部長 第2次行動計画における取り組みと課題についてお答えします。
委員からご要望を受けた取り組みにつきましては、いずれも第2次行動計画において重点的に進めてまいりました。具体的には、人材養成に関しましては、かかりつけ医を初め、さまざまな専門職への研修を継続し、平成28年からはゲートキーパー研修の充実を図るため、傾聴のロールプレーを取り入れるなど実施方法の見直しを進めてまいりました。若年層の対策に関しましては、平成29年度から、市内の中学生、高校生を対象に、漫画を通じてゲートキーパーを啓発する冊子を配付しました。また、スマートフォンから閲覧できる札幌こころのナビの運用を開始するなど、積極的に普及啓発に取り組んでまいりました。庁内外の連携強化に関しましては、庁内では、札幌市自殺総合対策推進会議を通じて関連施策と自殺対策との連携を図り、庁外では、
相談窓口を中心とする
関係団体と定期的な情報交換や連携事業を行ってまいりました。
課題といたしましては、人材養成におけるゲートキーパー養成の拡充、若年層対策における支援に結びつきにくい階層への
働きかけ、連携強化に関しては、保健、医療、福祉を含む幅広い領域の庁外
関係団体との協力関係強化などが挙げられます。
◆かんの太一 委員 今後の課題ということで言及がありまして、その中で、引き続きゲートキーパーの養成が必要であるとの答弁でした。
先ほどの答弁にありましたように、今までも、本市では、市民を初め、保健、医療、福祉、教育などの各分野においてゲートキーパーの養成を実施してきました。悩みのある方と寄り添うゲートキーパーが地域と連携して活動していく環境を整えていく必要性、また、専門性を有する方々の参画など、かかわる方の裾野を広げるゲートキーパーの養成や質の向上について、これからも地道な取り組みが必要であると考えます。
そこで、質問ですが、ゲートキーパーを担う人材を養成するに
当たり、次期計画ではどのような取り組みを行うのか、お伺いいたします。
◎鎌田 精神保健担当部長 次期計画におけるゲートキーパーの養成についてでございます。
これまでも行ってまいりました市民に身近なかかりつけ医への鬱病対応力向上研修を引き続き実施することに加え、新たに、保健、医療、福祉、教育、法律などの職能団体等に対して研修への参加を
働きかけるなど、専門職に対するゲートキーパーの養成を推進してまいりたいと考えております。また、市民向けのゲートキーパー研修も引き続き行うとともに、市民の方々にゲートキーパーに関する認知度を高めるような啓発も進めてまいりたいと考えております。
◆かんの太一 委員 これからも、ゲートキーパーの養成等、また、職能団体など専門職とのかかわりも深めていくという答弁だったと思います。研修に際しては、講師の方も非常に質の高い研修をしていると伺っておりますので、今後も、裾野を広げることに加えて、質の向上に取り組んでいただくことを求めておきます。
次に、大学生に対する自殺対策についてお伺いいたします。
計画書案の、札幌市の自殺の現況では、直近5年間における市内の大学生の自殺者数は49名に上っていると記載されております。次期計画では、これらの学生に係る対策の強化を図るため、大学保健管理センター等との連携による取り組みの実施を掲げています。
そこでまず、大学保健管理センターとはどのようなもので、どのような役割を果たしているのか、お伺いいたします。
◎鎌田 精神保健担当部長 大学保健管理センターについてでございます。
大学や短期大学には、学生の保健管理業務を担当する機関が設置されており、その名称は、保健管理センターを初め、保健センター、学生相談室など大学によって異なりますが、次期計画案においては大学保健管理センターで統一しております。また、そこで働く職員は、大学の規模により、非常勤を含め、医師、保健師、看護師、カウンセラーなどの専門職が配置されております。大学保健管理センターでは、その業務として、定期健康診断とその結果に基づく相談、学内での傷病に対する処置、健康教育及び啓発、そして、学生のメンタルヘルスに関する相談などの健康管理を行っています。
◆かんの太一 委員 今、大学保健管理センターの概要についてご説明がございましたが、大学の規模等によって、その内容も少し異なるのかなという印象を受けました。
市内には、24の大学と短期大学があり、5万人以上の学生が在籍しております。道内外から、親元を離れ、ひとり
暮らしをする学生も多いですし、これらの大学には、学費や生活費、学業や友人関係、さらには進路の問題など、さまざまな悩みを抱えている学生がいます。札幌市が大学保健管理センターと連携してさまざまな取り組みを進め、大学生の自殺対策の推進を行うことは、自殺を未然に防ぐ上でも重要であると考えます。
そこで、質問ですが、次期計画では、大学保健管理センター等との連携による取り組みの実施とありますけれども、どのように連携を図り、取り組みを実施していくのか、伺います。
◎鎌田 精神保健担当部長 大学保健管理センターと連携した取り組みについてでございます。
大学内における健康教育を初め、心の健康に関する学生支援や学生相談を充実させることは、学生に対する自殺対策として重要であると認識しております。それぞれの大学保健管理センターでは、自殺対策に対する取り組みの姿勢もさまざまであることから、相互の連携を図ることで、学生への支援がさらに推進されると考えております。
このことから、次期計画におきましては、大学保健管理センターの自殺対策に関するネットワークの構築と連携強化を支援し、情報交換や事例検討会の開催、学生への啓発活動など、大学生の自殺対策に寄与する取り組みを連携して進めてまいりたいと考えています。
◆かんの太一 委員 最後に、要望ですが、本市の自殺者数は減少傾向にあるとはいえ、さまざまな理由から自殺に至る方はいまだ300人を超えており、自殺を未然に防ぐ観点からの取り組みを続けていくことは重要であると考えております。今回は、若者の自殺予防に焦点を当てて質問いたしましたが、ゲートキーパーのさらなる裾野の拡大及び質の向上、そして、大学保健管理センターとの連携などを図り、悩みを抱える若者を孤立化させない取り組みを進めていただくことを求めまして、私の質問を終了いたします。
◆好
井七海 委員 私からは、札幌市自殺総合対策行動計画2019(案)の若者の特性に応じた対策について伺います。
我が会派は、ことしの第1回定例会本会議や予算特別
委員会などで、全国的に注目されている長野県におけるLINEを利用した若者に対する相談事業を紹介し、札幌市でもSNSによる相談体制を早期に構築すべきではないかと提言したところです。その後、東京都でもLINEを活用した相談を試験実施したところ、3月19日から31日までの13日間という
短期間に1,409件ものアクセスがあり、600件の相談を受け付けたようです。このようにたくさんの相談がありましたが、今年度は、期間を大幅に延長して、9月10日から3月31日までのおよそ7カ月間、SNSによる相談を実施しております。
若者にスマートフォンが普及したことで、神奈川県座間市の痛ましい事件、SNSによるいじめや架空請求詐欺に巻き込まれるなど問題点もありますが、SNSなどのネット上では、死にたい、消えたいなど若者の悲痛な叫びは絶えることがありません。また、インターネットやSNS上で自殺をほのめかしたり、自殺の手段等を模索したりする傾向もあると言われており、今の若者は、相談する相手が少ないことが浮き彫りになっていると感じております。
このようなことから、若者がコミュニケーションをとりやすく、事前に支えることができる仕組みづくりをしなければ、自殺を未然に防ぐことはできません。さらに、若者が置かれている多様な状況に配慮し、自殺の要因となっている家庭問題、学校問題、学業不振、進路や就職問題などさまざまな悩みに対応する環境の整備が必要と考えます。
そこで、質問ですが、次期計画では、若者の特性に応じた対策についてどのような取り組みを行っていくのか、お伺いいたします。
◎鎌田 精神保健担当部長 若者の特性に応じた対策についてでございますが、インターネットやSNSの普及に伴いまして、若者を取り巻く環境は急速に変化し、今や、スマートフォンが若者にとって重要なコミュニケーション手段になっていると認識しております。
次期計画では、若者の特性に配慮し、スマートフォンで簡単に閲覧できる普及啓発ウエブサイト札幌こころのナビやホームページ等を活用して心の健康に関する正しい知識と必要な支援に結びつく情報を提供するとともに、その内容の充実を図ってまいりたいと考えています。また、若者は、自発的には相談することをためらい、支援につながりにくい傾向があるため、情報通信技術を活用した若者に対するアウトリーチ策などについて、関係部局や関係機関と連携して検討していく予定でございます。
◆好
井七海 委員 若者のスマートフォンの保有率がふえている中で、ホームページなどでの周知、また、内容の充実、アウトリーチなどを進めていくということでした。
次に、SNSを活用した相談の実施について伺います。
SNSの話題を繰り返しますが、ことし3月の自殺対策強化月間において、国の補助事業を活用して、13団体によるLINE、ツイッター、チャットといったSNSを活用した相談事業が実施されました。この事業を通じて、SNSを活用した相談事業は、気軽にアクセスしやすく、コミュニケーションが苦手な人でも相談しやすいなど、若者に対する効果的な取り組みの一つとして評価されております。さらには、声を出さずに相談できることで、電車の中など、近くに誰かがいても、どこでも相談できることが利用しやすい一番の理由だと思います。一方で、カウンセリングをする側も大変な責任があり、特に、電話と違って、相談したことが文字に残ることで問題が生じることも承知しております。
そこで、質問ですが、新たな自殺対策を進めるに当たって、若者の
相談窓口として、電話相談に加え、SNSを活用した相談の実施についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎鎌田 精神保健担当部長 SNSを活用した相談の実施についてでございます。
SNSを活用した相談は、利用しやすい相談手段の一つであることや、チームでの対応が可能であるといった長所がある一方で、相談対応技術が確立されていないといったことも指摘されております。次期計画を進めるに
当たりまして、本市を含む全国各地で実施したSNS相談に関する成果や課題等を踏まえ、SNSの活用を含めた多様な相談体制のあり方について引き続き検討してまいりたいと考えております。
◆好
井七海 委員 さまざまなメリット・デメリットがあることは承知しました。
最後に、要望ですが、日本の自殺者数は年間およそ2万人で、以前と比べると減ってきてはいるものの、先進国では日本だけが高い水準にあり、若者の自殺者数は横ばいで、減っておりません。悲しいことに、10代から30代までの死因第1位が自殺です。大変に深刻な問題であり、大切な命、特に若者の命を守る対策については喫緊の課題です。このようなことからも、相談のしやすいSNSも活用してさまざまな相談先を広く市民に周知するなど、これからも、関係部局が連携し、スピード感を持って施策を推進していただくことを要望して、質問を終わります。
◆
平岡大介 委員 私からも、この報告案件にかかわって、女性妊産婦の自殺対策について、2点伺いたいと思います。
本市の特徴として、自殺者数は男性のほうが多いという状況ですが、自殺未遂歴のある自殺者の割合は女性が多い状況です。また、同居人のいない者の自殺者の割合が高い、そして、他の政令都市に比べ、自殺の要因として経済・生活問題が多く、この項目については
政令指定都市中2位という状況です。自殺の要因は、さまざまな問題が複合的にかかわると言われておりますが、社会的孤立や経済的困窮が自殺者を追い詰めるという実態があると考えます。
ことしの9月、国立成育医療研究センターが発表した2015年と2016年の2年間に死亡した、妊娠中から産後1年未満の女性357人のうち、102人が自殺しており、産後の自殺者数は92人と、海外に比べると妊産婦の死亡者数は少ないけれども、自殺の占める割合が高いということです。
そこで、伺いますが、このように妊産婦の死亡のうち、自殺が多数となっている要因についてどのように考えるのか、その認識を伺います。
◎鎌田 精神保健担当部長 妊産婦の自殺の要因についてでございます。
ただいま委員からご紹介のありました国立成育医療研究センターの調査によりますと、出産後、1年未満に自殺した92例の検討では、35歳以上、初産婦、仕事をしている者のいない世帯で自殺率が高かったと報告されていることから、育児不安、経済不安等のストレスや産後鬱などが自殺の要因の一つと考えております。
◆
平岡大介 委員 まさに、今、語られたように、その要因の一つとして産後鬱というのが考えられます。産後鬱は、子育てへの不安や自信喪失、疲労感、食欲不振などの症状があり、家族関係などのストレスや、妊娠、出産に伴う体の変化、経済的な負担などさまざまな要因が考えられると思いますが、実に10%の妊産婦が経験すると言われております。
このような産後鬱の状態は、母親1人が苦しいというだけではなく、周りの家族、とりわけ胎児、児童への虐待に発展する可能性もあります。そして、最悪の場合、心中という可能性も考えられます。厚労省のデータでも、2016年から2017年までの1年間で、子どもの虐待による死亡事例は67事例、77人、そのうち心中による虐待死は、未遂も含めて18事例、28人という結果が出されていることからも、妊産婦の不安に寄り添い、精神疾患などで医療的支援を必要とする場合には、適切に受診につなげることが自殺対策としては重要ではないかと思います。
そこで、質問ですけれども、今後、妊産婦へのメンタルヘルス対策については、重要な位置づけとして強化していくべきと思いますがいかがか、伺います。
◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長 妊産婦のメンタルヘルス対策の強化についてのお尋ねでございます。
委員からご指摘がありましたとおり、妊産婦のメンタルヘルス対策は、児童虐待防止の観点からも極めて重要なものと認識しており、これまでも、母子健康手帳の交付時に区保健センターの保健師が全ての妊婦と面談する妊婦支援相談事業や、出産後4カ月までに保健師、助産師が家庭に訪問する乳児家庭全戸訪問事業等におきまして、妊産婦の精神状態の把握を行っております。この際、鬱の兆候がある場合には、速やかに医療機関につなぐなど医療との連携強化に努めているところであり、妊産婦のメンタルヘルス対策の充実に取り組んでいるところでございます。
今後も、引き続き、妊産婦の自殺を一人も出さないよう、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
◆
平岡大介 委員 ある医療機関では病棟の助産師が継続的に家庭訪問を行っておりますが、そういった医療機関への支援も大切だと思います。また、先ほど鎌田部長が言われたように、妊産婦の死亡事例で、就労している人が1人もいない無職世帯の女性の自殺率が高いということでした。そうした方への経済的な支援を考えますと、やっぱり、産後ケア事業では宿泊で8,000円かかり、日帰り型では3,500円かかります。非課税世帯では減額されますが、そういった金額の設定についても所得状況を考慮した減額や無償化も考えていかなければいけないということを求めて、質問を終わります。
○
村上ゆうこ 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
村上ゆうこ 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、
委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午後2時44分...