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平成30年第二部決算特別委員会−10月25日-08号
平成30年第一部決算特別委員会-10月25日-08号

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  1. 札幌市議会 2018-10-25
    平成30年第一部決算特別委員会-10月25日-08号


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    平成30年第一部決算特別委員会-10月25日-08号平成30年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第8号)               平成30年(2018年)10月25日(木曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  福 田 浩太郎      副委員長   阿部 ひであき     委   員  三 上 洋 右      委   員  宮 村 素 子     委   員  高 橋 克 朋      委   員  五十嵐 徳 美     委   員  長 内 直 也      委   員  小須田 悟 士     委   員  こじま ゆ み      委   員  飯 島 弘 之     委   員  伴   良 隆      委   員  中 川 賢 一     委   員  松 井 隆 文      委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美      委   員  大 嶋   薫     委   員  ふじわら 広昭      委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  長谷川   衛      委   員  山 口 かずさ     委   員  林   清 治      委   員  岩 崎 道 郎     委   員  成 田 祐 樹      委   員  丸 山 秀 樹     委   員  小 口 智 久      委   員  わたなべ 泰行     委   員  竹 内 孝 代      委   員  平 岡 大 介
        委   員  池 田 由 美      委   員  田 中 啓 介     委   員  堀 川 素 人      委   員  坂本 きょう子     委   員  中 山 真 一       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、小竹委員からは伴委員と、太田委員からは平岡委員と交代する旨、それぞれ届け出がありました。  それでは、議事に入ります。  第3款 保健福祉費 第2項 子ども福祉費及び平成29年度札幌市母子父子寡婦福祉資金貸付会計歳入歳出決算について、一括して質疑を行います。 ◆岩崎道郎 委員  私からは、子どもの貧困対策について質問させていただきます。  まず初めに、子どものくらし支援コーディネート事業拡大内容について伺います。  子どもの貧困対策は、本市でも本格的に今年度実施されて、ついに動き出したという印象を持っております。さまざまな課題を抱えている子どもたちを札幌市でしっかりと見つけることができるのか、そして、その子どもたちに必要な支援へつなげていけるのか、これが子どもの貧困対策に今最も求められていることであろうというふうに私は認識しているところです。  そういった中で、さきの代表質問におきまして、今回のコーディネート事業に対して今後の展開を我が会派から質問させていただいたところ、11月以降、コーディネーターを増員し、対象地域を拡大して実施する予定であるとの答弁をいただいたところです。  そこで、早速、初めの質問ですが、子どものくらし支援コーディネート事業拡大内容について伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  まず、子どものくらし支援コーディネート事業拡大内容についてでございます。  8月から開始した子どものくらし支援コーディネート事業ですが、子どもコーディネーター1名により、北区と東区の一部の地区を対象として実施しております。  10月20日までの約3カ月間、児童会館を初め、子ども食堂など、子どもとかかわる地域の関係先に出向きながら、経済面や学習面、発達面など多岐にわたる相談を50件受けておりまして、それぞれの世帯の状況に応じた支援につなげるなど、事業のニーズや効果を確認したところでございます。  そういったことから、11月以降、コーディネーターを1名から3名に増員して対策を強化し、現在実施している北区と東区に加えて、新たに白石区、豊平区、清田区、西区に対象地域を拡大して実施することとしております。 ◆岩崎道郎 委員  3カ月間で50件というのは非常に多く感じます。その一方で、この50件以外に、まだまだつなげられていない貧困世帯、子どもたちというのが数多くいるのだろうというふうに思っております。と申しますのも、皆さんも十分ご承知かと思いますが、数値的には6人から7人に1人の子どもが貧困状態にあるというデータも出ているわけです。  先日、教育委員会のところでも少し述べさせていただきましたが、平均して1クラスに2人から3人が貧困状態にあるという数値的なデータだと思います。非常に多い数だと思っておりますし、一刻も早くそういった子どもたちを貧困の状態から抜け出させる、そして、貧困の連鎖を防いでいくということが何よりも重要だと考えております。  そもそも、子どもの貧困は、これまで多くの皆様がさまざまな行動や情報に触れておられると思いますけれども、経済的な困窮の問題だけではなくて、例えば、食生活、生活習慣、そして、何よりも子どもたちの健康や学習面というところで、子どもの成長過程に大きな影響を与え、それは決していい影響ではなく、本当に大きな悪い影響を及ぼしているのではないかと思っております。  一方で、子どもの貧困ですので、子ども自身が自分が貧困状態にあることを自認するのはなかなか難しいと思います。もちろん、学校などに行けば、ほかの子と自分が少し何か違うかなと感じることはあろうかと思いますけれども、それでも、私がこの間、子どもの貧困にかかわってさまざまな方々と触れ合う中で一番感じるのは、貧困状態にある家庭のお母さん、お父さん、ご家族の皆さんは、決して自分の子どもが貧困状態にあるということを外に広めることはありません。なるべくなら自分の子どもはそんな状態ではないと、ある意味取り繕う状況もあろうかと思います。そういった隠れた貧困をまずは見つけ出すということが何よりも大事なところであります。  そして、子どもの貧困と一言で申しますけれども、それぞれの家庭によって置かれている状況というのは全く違うと思います。特に取り上げられるのは、例えば、ひとり親家庭においては、50%を超える家庭において貧困状態であると言われています。しかし、温かい家庭があっても、何らかの理由で貧困状態にあえいでいる子どもたちもいるというところでございますので、しつこいようですが、やはり、さまざまな角度から子どもの貧困に対してしっかりと目を向けていただき、早期に発見し、必要な支援につなげていくことが何よりも大切だろうと思っています。  先ほど申し上げました教育委員会の質疑の中では、スクールソーシャルワーカーの充実、巡回スクールソーシャルワーカーということについて言及させていただき、ご答弁もいただきました。学校の現場は、子どもの生活を目の当たりにできる現場ですので、学校の中で子どもの貧困に気づき、必要な支援につなげていくことも期待されておりますが、昨今、特に学校の教職員の皆さんは多忙化していると言われています。これ以上、先生たち、学校の現場に大きな負担をかけるのはいかがなものかと思っておりますので、そういった意味において、今年度4月からスタートいたしました子ども未来局の子どもの貧困対策を専門に担当する子どものくらし支援担当課に対して、私も大きな期待を寄せているところであります。  しかし、先ほど申し上げたとおり、子どもの貧困は、非常に多岐にわたる課題を抱えていると思います。子ども未来局の皆さん、そして、教育現場だけではなく、札幌市全庁を挙げてさまざまな支え、支援というものが必要になってくると思います。という中において、やはり、子どものくらし支援担当課が中心となって、さまざまな部局と一緒に連携をして子どもの貧困の対策に取り組んでいく必要があると思っております。  そこで、次の質問ですが、部局間の連携についてどのように取り組んでおられるのか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  子どもの貧困対策の部局間の連携というご質問でございます。  子どもの貧困対策を推進するための取り組みは、大変多岐にわたります。そういったことから、区役所を初め、保健福祉局教育委員会といった関係部局と連携をとり、全庁一丸となって取り組む必要があると認識しております。  子どものくらし支援担当課ですが、子どもの貧困対策計画を統括し、子どもの貧困に係る施策を着実に推進するために、庁内の連携体制はもとより、さまざまな支援機関や団体と連携を図っているところでございます。  現在実施しております子どものくらし支援コーディネート事業でございますが、さまざまな課題を抱える子どもや家庭からの相談をワンストップで受けまして、コーディネーターを含めた支援チームが関係機関と協議しながら支援計画を策定し、見守りや支援につなげるといった対応をしております。  今後は、この事業を拡充し、各機関の専門性といったものを生かしながら、子どもや家庭が抱える多様な課題の解決に向けて、より一層、関係部局間の有機的な連携を図ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  子どもの貧困にアプローチしていくことは、家庭に入り込むということになりますので、非常にハードルが高く、敷居が高いものであるというのは当然のことかと思います。  先ほど来、学校の現場で子どもの貧困に気づくチャンスがあるのではないかというふうに申し上げましたが、それでも、学校の先生が子どもたちの暮らしに対して手を突っ込んだり、その情報を外に出すということに対しては、一定の配慮も必要ですし、個人情報を的確に取り扱わなければいけないと思いますので、権限を持った方がまずはしっかりと子どもの貧困の現場に立ち入っていく、そこに入り込んでいくことができるような仕組みも必要だろうと思っております。ただ、かねてより申し上げておりますが、私は民生委員をやらせていただいておりましたが、守秘義務があるという立場で、得られる情報も多くなってきたという経験があります。そういう中で、権限を持った方、守秘義務を持っているしかるべき人ともしっかりと連携を図っていただきたいと思っております。  加えて、先日、教育委員会で申し上げましたが、学校の現場で子どもの貧困に気づくというのは非常に重要なことです。ただ、それは、子どもをそこから抜け出させてあげる最後のチャンスだと思っておりますので、学校に入学する前の子どもたちの貧困に対してどのようにアプローチしていけるのか、これが何よりも重要なことだと思っています。今年度からスタートして、半年ほどで子どもの貧困対策というものがぐっと前に進んでいまして、皆さんのお仕事に対しては心から敬意を払いたいと思いますが、その一方で、私たちの置かれている6カ月と子どもたちの6カ月というものはまるで違うものだと思います。どんどん成長していく中にある6カ月という時間を十分に理解していただいて、1年、2年と延びれば延びるほど、子どもたちの貧困の連鎖は非常に大きくなっていくと思いますので、できるだけ早期に取り組んでいただきたい、そして、一人でも多くの子どもを貧困の状態から救い出していただきたいと思っております。  私は、市役所の仕事、公共サービスにかかわる仕事は、いたずらに早ければいい、何でもスピードだとは思っておりません。そういう立場はとりませんが、それでも、子どもの貧困対策に関しては、スピード感という感覚だけが早いのではなくて、実際にしっかりとした速度を持って早く早急に取り組みを進めていただけるよう強くお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、ひきこもり対策推進事業実施状況についてと子どもの自立支援と体制の強化について、2点質問させていただきます。  初めに、ひきこもり対策推進事業実施状況についてお伺いいたします。  ことしの1定の代表質問におきまして、我が会派の小口委員から、ひきこもりの支援施策に関する支援の充実について質問し、家庭以外の居場所であるよりどころの試行実施について答弁をいただいたところであります。  国のひきこもり評価と支援に関するガイドラインにおいて、ひきこもり支援の第一歩は、家族に対する支援により家族が精神的な安定を得ることであり、そのためにも、同じ悩みを抱えた親が集い、お互いにつらい思いを分かち合い、さまざまな工夫を共有し合うピアカウンセリングの意義は大変大きいとされております。  平成28年9月に公表された内閣府の調査でも、学校や仕事に行かず、半年以上自宅にこもっている15歳から19歳は全国で54万人となりまして、50万人を超えました。この数は、7年間ひきこもった方、特に35歳から39歳の方は前回から倍増しているといわれています。特に、30代については、現在の状況が3年以上になる方が9割にも上っております。  このひきこもりの当事者にとっても、また、ひきこもってから復帰するまでの過程で、社会生活とひきこもりの状況の両者を橋渡しする機能を持つ中間的、過渡的な時間と場である居場所の必要性が指摘されているところでもあります。  今年度から試行実施されておりますよりどころは、家族と当事者にとって、家庭以外の居場所でピアサポーターの支援を受けながら、自分と同じ境遇の他者と経験を共有し、支え合える場として機能することが期待できるものであることから、社会復帰に向けた活動を起こす最初のきっかけとして重要な役割を果たすものと認識しております。  そこで、質問ですが、ひきこもりに係る集団型支援事業、よりどころのこれまでの実施状況はいかがか、また、現状をどのように評価しているのか、お伺いいたします。 ◎有塚 子ども育成部長  ひきこもりに係る集団型支援事業、よりどころの実施状況についてのご質問でございます。  よりどころは、ひきこもりの当事者や家族にとって、家庭以外の居場所で精神的安定を得られる支え合いの場となることにより、ひきこもり当事者たちが社会参加に向けて緩やかに動き出すことを目的とした事業でございます。  このよりどころにつきましては、当事者向けと親向けの二つの集いを月に1回ずつ開催しておりまして、本年6月の設置以降、5回ずつ開催したところでございます。このうち、当事者会につきましては、これまで、実人数で35名、延べ64名、それから、親の会につきましては、実人数で64名、延べで143名の参加がございました。  よりどころの現状評価ですが、当初想定した以上の参加がございまして、当事者や親のニーズが高いことが確認できたところでございます。また、参加者に対するアンケートでよりどころの評価をお聞きしたところ、当事者会、親の会ともに約8割の方から肯定的な評価をいただいておりまして、また、否定的な意見はなかったという状況でございますことから、実施内容についても満足度は高いものと認識しております。 ◆丸山秀樹 委員  ただいまの答弁では、6月から当事者と家族にそれぞれ5回ずつ行っているということで、計143名というお話でございました。  このよりどころの事業が順調に実施されていて、当事者や家族のニーズも非常に高いことが示されたところでございます。  一方、冒頭で申し上げましたさきの代表質問では、札幌市ひきこもり地域支援センター体制強化についても答弁をいただいているところでございます。札幌市ひきこもり地域支援センターは、平成27年10月に開設され、ひきこもりに関する1次相談窓口として多くの市民からの相談に対応してきました。これまでも、センターでは、1年間で約1,000件の相談に対応し、必要な支援を行ってきたと聞いておりますが、札幌市内には推計で約1万人のひきこもり当事者が存在すると見込まれており、どの相談機能にもつながらない方がまだ潜在的にいるであろうということは容易に想像できます。  今年度の札幌市ひきこもり地域支援センター体制強化は、この潜在的な当事者を掘り起こし、適切な支援につなげるための方策として大いに期待するものであります。また、相談員の増員に伴い、出張相談会の開催回数を大幅に増加すると聞いておりますが、地理的にも必ずしもアクセスのよくない現在のセンターの立地を考えると、出張相談会は、交通の利便性という観点からも、これまでの相談につながらなかった当事者や家族を支援につなげるため、非常に重要な取り組みと考えられます。  そこで、2点目の質問ですが、相談員を増員し、出張相談の回数を大幅に増加するなど、体制強化を図った札幌市ひきこもり地域支援センターの今年度の相談実績はいかがか、お伺いいたします。 ◎有塚 子ども育成部長  札幌市ひきこもり地域支援センターの今年度の相談実績についてでございます。  ひきこもり地域支援センターにつきましては、今年度から、相談員をこれまでの2名から3名に増員いたしまして、また、出張相談会をこれまでの年5回程度から年40回程度に大幅に増加するほか、よりどころにも相談員を派遣するなど、相談体制の強化を図ったところでございます。  9月末までの相談実績ですが、出張相談を19回実施し、延べ37件の相談を受けておりますほか、センター全体としても延べ709件の相談を受けておりまして、これは前年同期と比較いたしますと1.3倍の件数となっておりまして、人員増の効果が出ているものと考えております。  また、出張相談会の利用者からは、家から近いところで相談ができるとか、土・日の相談機会ができて相談しやすいといった声がございまして、相談者の掘り起こし相談機会の確保につながっているものと評価しているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  相談員の方も2名から3名に、そして、相談会も5回から40回と大変ふやしていただいて、1.3倍にふえているという答弁でございました。この答弁から、これまで以上に相談者の掘り起こしが図れているという一定の成果を確認することができたと思います。  札幌市ひきこもり地域支援センターやよりどころにより、ひきこもりに悩む当事者が状況を変えるための一歩を踏み出すことができたことは非常に重要であり、今後ますます取り組みを進めていくべきですが、その一方で、自立した生活を行うためにはさらなる支援が必要であり、当事者の抱える状況により必要な支援内容は異なることから、さまざまな支援機関を利用するケースも想定されます。  札幌市ひきこもり地域支援センターでは、相談内容に応じて適切な支援機関を紹介するなどの対応を行っていると聞いておりますけれども、当事者や家族が札幌市にどのような支援機関支援制度があるのかを知ることで、安心感を得るとともに、社会復帰に向けた一歩を踏み出しやすくなるということにもつながるものと考えます。  そこで、三つ目の質問ですが、ひきこもりの当事者や家族が社会とのつながりを持つための活動を行うに当たり、不安解消につながるような社会資源の周知など情報提供を積極的に行っていくべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎有塚 子ども育成部長  ひきこもり当事者や家族への積極的な情報提供についてでございます。  札幌市ひきこもり地域支援センターは、ひきこもりに関する1次相談窓口として、ひきこもりに関する相談を広く受け付けておりまして、さっぽろ子ども若者支援地域協議会といったネットワークも活用しながら、日ごろから医療機関、就職支援発達相談などの各支援機関と連携をとりまして、必要な支援先へとつないでいるところでございます。  また、委員からご指摘がありましたとおり、利用できる社会資源に関するより一層の情報提供を図ることによりまして、ひきこもりの当事者や家族が安心感を得られるほかに、さまざまな支援機関を積極的に活用できるようになるなどの効果が見込まれるところでございます。  まずは、現在、市内の小・中学校や各支援機関へ配布しておりますさっぽろ子ども若者支援地域協議会相談機関を紹介する冊子がございまして、それをよりどころで配布する取り組みを始めたところでございます。今後は、当該冊子の区役所での配布あるいは民生・児童委員への配付など、さらなる情報提供に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  言うまでもなく、ひきこもり当事者というのは、私たち札幌市にとりましても大事な市民の一人であり、また、今後の少子高齢化が進む札幌においても貴重な人材であると思います。  ひきこもり対策は、長期的に見ると、労働市場の活性化や将来的な社会孤立防止にもつながるということでもございますので、札幌市としても力を入れる意義は大変大きいものと考えます。  しかしながら、ひきこもりからの脱出は、先ほどからずっと出ておりますけれども、一朝一夕にできるものではなくて、当事者に対して長い時間をかけて寄り添いながら継続的に支援していくことが非常に重要であると考えます。  ついては、札幌市ひきこもり地域支援センターの運営はもとより、現在、試行実施しているよりどころにつきましては、継続的な実施を求めたいと思います。また、ひきこもりの支援や相談対応には専門的なスキルや経験が必要であり、ひきこもりの長期化や高齢化など事態の深刻さも増しているという現状に鑑みると、スキルや経験を持った相談員がますます求められるものと考えます。札幌市としても、高い専門性を持った相談員の人材育成やさらなる相談体制の拡充などについても、今後も引き続き検討を行っていただくことを要望したいと思います。  さらに、現在、ひきこもりの実態調査をされていると思いますが、そうした結果も参考にしながら、困難を抱える人たちが自立した生活を送れるように、活動を後押ししていただきたいと思います。先ほど施設等の案内というのもありましたが、ひきこもり対策のためのハンドブックをぜひとも検討していただくなど、支援の充実を要望して、次の質問に移りたいと思います。  次に、子どもの自立支援体制強化について伺います。  子どもは、家庭において、愛情を受け、健やかに育つことが望ましく、虐待等によって子どもの生命、身体に危害が生じる場合などについては、公的な責任のもと、大切に養護していく必要がございます。  厚生労働省によれば、親がいない、また、虐待や経済的理由など家庭的な理由で保護者のもとで暮らせなくなり、社会的養護を必要とする児童は、平成29年度で全国で約4万5,000人にも上るとされております。こうした児童の虐待件数は年々増加してきておりまして、札幌市の平成29年度の虐待認定件数は1,913件と5年連続で過去最多を更新している状況にあることから、施設や里親など社会的養護受け入れ先を確保していくことは非常に重要であります。  そこで、質問ですが、札幌市における児童養護施設や里親などへ預けた人数の直近の状況についてお伺いいたします。 ◎高橋 児童相談所長  児童養護施設や里親などへ預けた直近の人数というご質問でございます。  札幌市では、社会的養護の必要な子どもたちにつきまして、お子さんの状態や家庭の状況などを総合的に勘案いたしまして、児童養護施設入所あるいは里親、ファミリーホームなどへの委託を行っております。直近ということですので、本年10月1日の状況でお話しさせていただきますと、児童養護施設あるいは乳児院といった施設に633人、そして、里親、また、ファミリーホームというのは、里親の変形版と申しますか、6人以内の里親家庭とご理解いただきたいと思いますが、こちらに216人、合計で849人を措置という形でお預かりさせていただいております。  こういった社会的養護が必要なお子様は、少しずつではございますが、昨今、増加傾向にあります。とりわけ、里親やファミリーホームにお願いしているお子さんについては、札幌市里親会という団体がございますが、こちらとも連携させていただいて普及啓発を行っております。その結果、札幌市内ではこの里親家庭が259件と増加している状況にございまして、5年ほどさかのぼった時点からの増加率は約11%の伸びを示しており、これら家庭的養育を推進しているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  児童養護施設や里親などを含めて849名と、非常に多いと思いました。また、札幌市においては、社会的養護の需要が高まっている中で、新たな受け入れ先となる里親が259件とふえてきていることも伺いました。  社会的養護のもとで育つ子どもたちは、児童福祉司や施設の職員などが連携して、家庭に戻るための支援や、それが困難な場合は、自立に向けた支援を受けることとなります。  私は、この夏、北広島市の西の里にあります児童自立支援施設である向陽学院を訪問し、話を伺ってきたところであります。家庭に戻ることができた子どもは親から支援を受けることができますが、家庭に戻ることができないまま、18歳を迎えるなどして自立した若者は、その後、社会的養護による支援を受けることはできません。そのような若者は、一旦自立しても、困ったときに頼れる人や相談相手がおらず、仕事の仕方や人間関係などでつまずいてしまい、仕事をやめ、その後はなかなか再就職ができないといったことも少なくないと聞いてまいりました。  こうしたことから、国においては、平成29年度から施設や里親などのもとで生活の経験がある18歳から22歳の若者に対し、自立に向けた継続的な支援を行うことを目的として社会的養護自立支援事業を導入し、生活に関する費用面での支援や関係機関と連携して継続的に支援するコーディネーターの配置、そして、生活相談や就労相談支援の実施を求めており、札幌市でも平成29年度から一部の事業を開始していると伺っております。  そこで、質問ですが、社会的養護自立支援事業の実施状況と、今後どのように支援を進めていくのか、取り組みの方向性についてお伺いいたします。 ◎高橋 児童相談所長  社会的養護自立支援事業の実施状況と今後の取り組みの方向性というご質問でございます。  まず、施設などに入所していた児童が、18歳到達後も22歳まで施設や里親のもとで生活できるよう、札幌市も昨年度から費用面での支援を実施しており、昨年度は6名のお子様に対して支援を実施いたしました。お話にもありましたとおり、このような若者は、本当に困難に直面したとき、よりどころがなく、大変困っていらっしゃいます。安心して自立するためには、さまざまな関係機関、ネットワークといったものを活用した継続的な支援が必要だと考えております。  このため、今後は一人一人の状況に応じた支援をコーディネートいたしまして、日常的な生活相談や就労相談、あるいは、トータルでの継続的で包括的な支援体制を構築していきたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  札幌市においては、現在の施設などを退所した若者についても、就労など関係機関と連携しながら、継続的かつ包括的な支援の枠組みをしっかりと検討していくというお話がありました。  家庭で育った子どもについては、家庭というよりどころがあります。しかし、社会的養護のもとで長く生活してきた若者は、自立した後は、そのようなよりどころがあるとは限りません。一日も早くそのような若者が多くの人や関係機関とつながりを持って、安心して自立に向けた一歩を踏み出せる仕組みを構築していただきたいということを求めたいと思います。  今月の初めに、厚生労働省から、子ども虐待による死亡事例等の検証結果についての公表がございました。これは、東京都目黒区で5歳の女の子が死亡したという死亡事例について、国の専門委員会による検証結果が出たところであります。この中で、児童相談所の専門的体制の強化を図るための施策の推進についても提言がなされております。  我が会派は、以前から、第2児童相談所などの組織体制の強化と、関係機関との連携強化に向けた取り組みについて質問してきており、これまで、札幌市からは、第2児童相談所の設置等について必要な検討を行い、複雑多様化する児童虐待問題に迅速かつ的確に対応できる取り組みを進めるという答弁を得てきたところであります。  人口200万人規模の自治体において、児童相談所を1カ所体制としている自治体は札幌市のみでございます。先ほど指摘させていただいたとおり、社会的養護を必要とする子どもは増加傾向にあり、児童虐待件数も増加の一途をたどる現状に対応するためにも、第2児童相談所の速やかな設置に向けた検討が必要であると考えます。  そこで、質問ですが、検討に当たっては、札幌市の現状のみならず、児童相談所を複数設置している自治体の状況など、さまざまな角度から十分に有用性を分析することが必要と考えますが、第2児童相談所の設置について、どのような調査検討を行っているのか、お伺いいたします。 ◎高橋 児童相談所長  第2児童相談所の設置に関する調査検討でございます。  私どもは、これまで、虐待相談の増加に伴う業務負担や困難ケースへの対応といったことに関連して面談室や心理検査室の確保、さらには、児童福祉司の増員配置など、もろもろの課題の整理を進めてまいりました。その上で、政令市以外にも全国に200少しの児童相談所がございますが、まず、20政令指定都市の各児童相談所を調査させていただきました。その中から、具体的には、複数の児童相談所を設置している大阪市、京都市のほか、単独設置をしている福岡市、さいたま市の4都市には職員を直接派遣して、個別に具体の状況を確認させていただきました。そのほかにも、複数の児童相談所を設置している都市におきましては、それぞれの児童相談所間での連携体制、あるいは、区役所も含めた情報共有、連携といった個別のお話も直接聞き取りをいたしまして、こういった調査を通じて各都市の状況を把握することができました。  第2児童相談所の設置に関しましては、これらの課題に向けた体制強化、方向性ということで、引き続きもう少し検討を進めていきたい、そういう状況でございます。 ◆丸山秀樹 委員  直接、各都市に赴いてお話を聞いてきていただいたことはわかりました。第2児童相談所の設置検討に当たりましては、分析もとても大事なことですが、早急に検討していただくことが大事ではないかというふうに私は思います。  全ての子どもは、適切な養育を受け、健やかな成長と発達、自立等が保証されるよう、札幌市として増加する虐待相談への迅速かつ的確な対応はもちろんのこと、社会的養護が必要として、施設や里親などに預けた子どもへの支援、さらには、施設などを退所した若者への継続した支援など、こうした中身は、総合的かつ横断的な支援体制の確立が不可欠になるものと思います。そうした役割を示す上でも、体制強化はしっかり行っていかなければならないものと思います。  児童相談体制の強化に引き続きしっかりと取り組んでいただきますことを求め、私の質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私は、保育士の処遇改善について質問いたします。  保育の現場では、保育士不足が慢性化しています。一方で、保育士の資格を持っていても保育の現場で働いていない、いわゆる潜在保育士は全国で70万人以上いると厚生労働省の調査からも明らかになっております。  そこでまず、質問いたしますが、札幌市として、多くの潜在保育士がいるにもかかわらず、保育の現場では保育士不足が慢性化している原因をどのように認識しているのか、伺います。
    ◎押見 支援制度担当部長  保育士不足が慢性化している原因の認識についてお答えいたします。  保育士不足の原因につきましては、ここ数年、毎年1,000人規模の整備等による受け入れ枠の拡大を行ってきていることに加えまして、企業主導型保育事業の開設が進んでいることなどから、各施設での人材確保が困難さを増してきているというふうに認識しております。  また、保育士として働く場合の条件として、給与、賞与のほかに、勤務日数や勤務時間、あるいは、通勤時間などといった勤務条件を重要視する傾向が強くなってきていることも要因の一つと考えられるところです。特に、潜在保育士の求職においては、家庭の事情などから昼間の短時間勤務を希望する方が多いと聞いているところでございます。一方で、保育所等の求人においては、フルタイム勤務、もしくは、早朝や夕方に勤務可能な方を募集している施設が多いことから、求職と求人にミスマッチが起きているというふうに認識しております。 ◆田中啓介 委員  今、保育士不足が慢性化している原因にはさまざまな理由がある、また、整備は進んでいて、それに追いついていないという中身の答弁だったと思いますけれども、10月23日付の北海道新聞でも人手不足の記事が載っておりました。  潜在保育士がなかなか保育の現場で実際に保育士として働かない一番の要因として、低賃金、残業の常態化などの処遇改善がなかなか進まないことだと書かれておりますし、実際に、厚生労働省の2017年の賃金構造基本統計調査でも、全産業平均賃金が月33.3万円に対して、保育士の平均賃金が月22.9万円と、10万円近くも低い実態です。  また、同じ厚労省が行った保育士資格を有しながら保育士としての求職を希望しない求職者に対する意識調査の結果でも、保育士を希望しない理由で最も多かったのが賃金でありました。さらに、就業している保育士の現在の職場の改善規模ということでも調査しておりますが、こちらは、部長が答弁されたとおり、給与、賞与等の改善が圧倒的に多いという結果でありました。  このように、低賃金の改善が求められている中で、国としては処遇改善加算Ⅰ、札幌市独自でも加配保育士雇用促進等補助金、単価7,390円などを行ってきておりますが、それでも低賃金が改善されていないことから、さらに処遇改善加算Ⅱが加わってまいりましたけれども、こちらは対象になる保育士が限定的です。例えば、副主任保育士は4万円ですが、全体の3分の1が上限となっております。これでは、全保育士の賃金を大幅に引き上げることにはつながっていきません。また、活用しづらい、限定的過ぎるという声もあって、国が2018年3月に処遇改善加算Ⅱの運用の見直しについての考え方を示し、関係機関に事務連絡として通知しております。  そこで、質問ですが、処遇改善加算Ⅱが見直された内容はどういったものだったのか、その見直しによって全ての保育士の賃金を引き上げることにつながるのか、伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  処遇改善加算Ⅱの見直しと賃金改善の効果についてお答えいたします。  処遇改善加算Ⅱにつきましては、保育士のキャリアアップの仕組みを構築するために、平成29年度から、技能、経験を積んだ保育士等の処遇改善を行うために導入された制度でございます。職員の経験年数に応じ、副主任保育士に月額4万円、職務分野別リーダーに月額5,000円の加算額を支給することになっておりますが、平成30年度からは、月額4万円の加算額の一部を職務分野別リーダーに対しても配分することを可能としたものでございます。  この見直しによりまして、一定の要件を満たす必要はありますけれども、技能、経験を積んだ若年層職員に対する加算の配分がこれまで以上に可能となるため、より多くの保育士の賃金改善につながるものと認識しているところでございます。 ◆田中啓介 委員  今の部長の答弁は、より多くの保育士が加算の対象になるけれども、全てではないという認識でよろしいでしょうか。全ての保育士の賃金アップにつながっていかなければ、全く処遇改善とは言えないと思います。国が全ての保育士に対しての処遇改善として行っている賃金の引き上げは月6,000円程度にとどまっていて、また、来年度、2019年4月からは3,000円程度の賃上げをする予定にもなっておりますが、合わせても9,000円です。最初に話したように、全産業平均の賃金と比べて10万円近い隔たりがありますから、まだまだ足りません。さらに、加算というものは、対象が限られて、そのための事務仕事も新たに発生してまいります。業務量の負担軽減にもつながっていきません。このような小手先の政策ではなくて、抜本的な対策が今求められていると思います。  保育士の賃金が低くて、また、過重な労働が強いられている根本の原因は、実態に合っていない低過ぎる公定価格と最低配置基準にあるというふうに思います。公定価格の人件費は、最低基準配置分となっています。その人員配置基準は、0歳児は3対1、1~2歳児は6対1、3歳児は20対1、4~5歳児は30対1となっていて、これではとても子どもの安全を保障できるような配置にはなっておりません。  実際に、2017年、さいたま市の認可保育所のプールで、保育中に当時4歳の女の子が溺れて死亡したという本当に痛ましい事件がありました。保育士1人に3歳から5歳の園児20人と、国の配置基準を満たしてはいました。国が行った事故を受けての対策は、保育士をふやすための財政支援ではなくて、プール活動、水遊びを行う場合の事故の防止についてと題し、プール活動や水遊びを行う場合は、水の外で監視に専念する人員とプール指導等を行う人員を分けて配置し、人員配置ができない場合にはプール活動、水遊びを中止することという通知を出しましたが、それらに必要な人員配置分の補助はいたしません。最低配置基準どおりの保育士配置であったら、保育園でのプール活動や水遊びはできなくなってしまいます。配置基準が低過ぎるために、子どもの安全と健やかな成長のため、保育園は基準を上回る保育士配置をしていますが、国や市の十分な助成はなく、保育園の負担となっております。  内閣府は、諮問機関である子ども・子育て会議の公定価格に関する議論の中で、公定価格基準の職員配置よりも実際の職員配置の人数が上回っていることを踏まえ、公定価格を設定するべき、保育士等の平均給与は他職種に比べて低く、処遇改善が必要、あわせて、研修機会の確保も必要、保育の量的拡大に偏重している、保育の質の向上にも重きを置いていただきたいとの意見があったと報告されております。  国がなかなか抜本的な処遇改善をしない中で、他の自治体は、例えば、つくば市では、2017年度から、市内の保育園で働いている全ての保育士に月3万円を独自に上乗せして、保育士に直接支給する補助を行っています。つくば市は、前の年の2016年には、市内の保育所に勤務している保育士を対象として家賃補助制度も実施しています。また、京都市では、保育園の保育士配置基準を独自に引き上げています。例えば、国の基準では6対1ですが、1歳児は5対1、さらに、1歳6カ月に満たない子どもについては4対1まで保育士を加配できるよう、助成を実施しております。  そこで、質問ですが、他の都市はなぜ独自に保育士の賃金の上乗せや保育士の最低基準の引き上げを行っているとお考えか、伺います。  あわせて、他都市と同様に、本市として独自に全ての保育士の十分な賃金の引き上げ、最低配置基準の引き上げをすべきだと思いますがいかがか、伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  他都市、市独自の賃金改善や職員加配についてお答えいたします。  他都市では、地域の実情を踏まえ、保育士の確保や保育の質を高めるために行っている措置であると認識しております。札幌市においては、これまで、入所児童の年齢別配置基準をもとにした職員加配ではなく、最低基準保育士数を上回る保育士の配置に対して市独自の施設補助を行ってきており、今後も継続してまいる予定でございます。  しかしながら、保育士の賃金改善や入所児童数に応じた保育士の年齢別配置基準等の改善につきましては、各自治体それぞれが行うものではなく、国の責務において行うべきものと考えておりまして、保育士が安定して働き続けられる環境づくりのため、今後ともさまざまな機会を捉えて、国に対して要望してまいりたいと考えているところです。 ◆田中啓介 委員  札幌市として独自にやっていても、本来は国が責任を持ってやるべきという答弁だと思います。  確かに、国の基準が余りにも低過ぎることに対して他の自治体も同様に国に要望していますが、他の自治体は、国の改善を待っている場合ではないと。まさに、道新の記事にも急げと書かれております。他の都市は、保育士がどんどんやめていく、待機児童はふえていく中で、子どものため、子育て世代のために、一刻も早くと、まさに本気で子育て支援をしているからではないでしょうか。  札幌で保育士の資格を取った方が、本州のほうが給料がよいからと、関東にある保育園に就職いたしました。資格を取った若い世代が道外に流出している実態が起きております。地方自治体として一番の仕事は、福祉の増進、充実です。保育は福祉です。その福祉に従事している人の処遇を改善させることは、本市として最優先に取り組むべきことです。  具体的に、保育士の大幅な賃金の引き上げ、配置基準の引き上げを、国への要望にとどまらず、本市独自にも早急に行うべきと申し上げて、質問を終わります。 ◆松井隆文 委員  私からは、市内の保育所について、震災に関連して質問させていただきます。  9月6日に発生した北海道胆振東部地震では、札幌市内でも、道路や公園などのインフラを初め、多くの公共施設及び民間建築物が被災し、損傷を受けました。また、大規模停電や断水、物流の停滞などの影響により、市民生活にも大きく支障を来したところであります。  市民の利用に影響が大きい施設の一つとして保育所が挙げられますが、札幌市が運営している市立保育所においては、地震の影響により、建物の一部損壊や、園庭に亀裂が入るなどの被害が生じた施設もあり、さきに可決、成立した補正予算に基づいて、順次、復旧が進められていると聞いています。また、札幌市立の保育所では、ライフラインの影響により、地震直後はできるだけ登園を控えるよう協力を求め、やむを得ず保育が必要な場合には、児童をお預かりするという体制をとっていたとのことであります。  一方、市内には多数の私立保育所や認定こども園があり、地域における保育の担い手として多くの園児を預かっておりますが、地震の影響がどの程度であったか、大変気になるところであります。  そこで、質問ですが、市内の私立の認可保育所等においては、建物の被害状況はどうであったのか、また、停電などの影響により休園となった保育所等はどの程度あったのか、伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  今回の地震による保育所等の被害状況についてお答えいたします。  まず、保育所等の被害状況についてでありますが、地震直後から各園に問い合わせた結果、建物にあった被害は、全411施設中、軽微なものも含めまして31施設と把握しております。また、多くの園が停電や断水などの影響を受けたところでありますが、そうした中でも4割ほどの園は開園し、やむを得ず休園となった施設については、地震がありました9月6日は258施設、翌7日は227施設と把握しております。  停電や断水、物流の停滞による給食提供が困難な中、医師や看護師といった医療関係者など、災害時にも仕事に出なければならない保護者への対応として開園を決定した施設もございまして、各園、各施設におきましては、施設の安全性を確保の上、できる限りの保育をしていただいたというふうに考えております。 ◆松井隆文 委員  ただいまの答弁では、被災施設は、軽微なものも含めて、全体で411施設中31施設とのことでありました。また、ライフラインの影響などで困難に直面しつつも、4割もの園が休園せずに保育を継続されたということでありますので、保育所の責務として保育を必要とする保護者に寄り添った対応をとられた結果であろうと受けとめております。  今回の地震は、これまで経験したことがない規模のものでありまして、想定以上のものでありましたが、今後もこのような地震が再び発生しないとは言い切れないと思います。そして、その際に、被害が広範囲に及び、多くの保育所が被災して保育の継続ができなくなるということも当然想定し、対応を考えなければならないと思います。  そこで、質問です。  被害の状況によって対応はさまざまであると思われますが、一般的に、保育所が被災して保育を行うことができなくなった場合、保育の継続のためにどのような対応が考えられるか、伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  保育所が被災して通園できなくなった場合の一般的な行政の対処についてお答えいたします。  まずは、事業所と連携しながら、施設の被害状況を適切に把握して評価を行い、施設の使用可否について的確に見定めることが大事と考えております。その上で、施設の利用ができないことになった場合には、その後の再開の見通しについて十分な検討を行い、再開見込み時期を明らかにしていく必要がございます。再開見込み時期を踏まえて、短期間での再開が認められる場合や緊急避難的な対応が必要な場合には、系列園あるいは近隣園において保育を実施することとなります。  次に、施設の利用が長期的にできなくなった場合には休園になるため、転園に向けた対応も必要となってまいります。  いずれの場合にしても、近隣園に対して受け入れ拡大の協力要請を行いつつ、受け入れ情報等を収集して施設に提供するなど、相互に連携を図りながら対応しなければならないと認識しているところです。  なお、こうした施設利用におけるさまざまな対応については、いち早く安全で安心した環境のもとで保育を子どもたちに提供するため、スピード感を持って行うことが重要だと考えており、今回の地震におきましても、その点を念頭に置きながら対応に当たってまいったところでございます。 ◆松井隆文 委員  事業所と連携して使用の可否、再開時期の検討等を行い、そして、系列や近隣と協力しながら、場合によっては転園も含めて対応するというご答弁でありました。  やはり、保育というのは、震災後、市民の生活をもとに戻していく中で大変重要な存在であること、それから、例えば、同じ札幌市内でも、市内の端から端で、ここがあいているからすぐ移ってくださいとはならず、単にあきがあるだけではなく、解決しなければならないさまざまな課題がある問題だと思います。そこで、現状ですぐにというのは難しいことかもしれませんが、万が一を考えて、例えば、定員に余裕を持たせた体制づくりというのも長期的には考えていかなければならないかと思います。あるいは、ふだん、保育士として働いていない有資格者に、震災等の非常時に貢献していただくための登録制度といったものも柔軟に検討するなど、札幌市としてでき得る限りの対策をとっていただきたいということを求めまして、私の質問を終わります。 ◆成田祐樹 委員  私からは、報道でも多数取り上げられました東区の厚成福祉会保育所について、何点かお伺いしたいと思います。  過去最大の震度とも言われる6弱を観測した東区においては、地下鉄東豊線上の道路が陥没するなど大きな被害が出た地域でもありますが、私の町内会にある札幌厚成福祉会保育所では、地震の影響によって建物が危険であることが確認されたことで、園児が転園を余儀なくされたことは、近隣に在住の保護者の方からの情報で最初にわかったところです。  特に、年度途中の一斉転園は、一般的にはあり得ないことであり、その対応にも注目が集まりました。とりわけ、東区においては、国の定義においては当てはまらないものの、依然として待機児童が存在している地域でもあり、保護者の中には、転園という急な話が湧いてきて、当初、受け入れ自体が本当に可能なのかを疑問視する不安の声が出ていたことについては、その保護者の方の置かれた状況や気持ちを考えると十分に理解できるところです。  保育所を存続してほしいといった希望の声も出ていましたが、保育所の法人の状況などを勘案した結果、転園を推し進めることとなったと聞いております。  ここで、保護者の方から出た声の中には、転園が必要であることを伝えた保護者説明会が10月5日、6日だったというタイミングから、送迎を一旦終了するとされた20日という期間の設定が短かったことによって、保護者の中で不安がふえてしまったという声が出ていたようです。また、実際に、札幌市が児童福祉法に基づいた勧告を法人に行ってから、その後、数日の間を置いてから保護者説明会が開催されたこともあり、その時系列の流れが保護者にとって配慮されたスケジュールであったのか、気になるところでもあり、確認をさせていただきたいと思います。  そこで、お伺いしますが、なぜ短期間のうちに転園を進めることとなってしまったのか、また、そのようにしなければならなかった理由についてお聞かせ願えればと思います。 ◎押見 支援制度担当部長  まず最初に、なぜ短期間のうちに転園を進めることになったのかについてお答えさせていただきます。  まず、このたびの札幌厚成福祉会保育所の転園に至る経緯についてであります。  9月6日の北海道胆振東部地震により、3階建ての1階部分である保育所自体には大きな被害はありませんでしたが、2階、3階部分である母子生活支援施設に内外壁の亀裂などの損傷が見られる状況でございました。このため、保育所に入所している児童については、系列の札幌厚成福祉会第二保育所や近隣での保育の措置をとる一方で、保育所部分の使用が可能かどうか、専門家による調査を行ったところです。  この調査の結果、現状のままでは保育所として安全に使うことができない旨の判定が出されたことから、9月28日に、児童福祉法に基づき、施設の安全性が確保されるまでの間は保育所を使用しないよう勧告したところでございます。  運営法人においては、施設の補修や仮設園舎の設置などを検討したものの、相当の期間を要することなどから、再開のめどが立たないとして休園するという判断となり、在籍する園児に転園をお願いするということになったものでございます。  続きまして、2点目の転園までのスケジュールが短期間となった理由についてお答えいたします。  札幌厚成福祉会第二保育所での保育に際しては、札幌厚成福祉会保育所から同所まで児童を車で移送する必要がありますが、朝夕の移送時には、地震被害に遭った札幌厚成福祉会保育所を一時的な待機場所として使用せざるを得ない状況にあり、そうした危険な状況についても、でき得る限り早期に解消すべきと考えたところです。加えまして、移送にかかわる児童や保護者の負担、臨時的に受け入れる札幌厚成福祉会第二保育所の過密な状況での保育状況も早期に解消する必要があると考えたところです。  このようなことから、一日でも早く転園できるよう手続を進め、児童にとって安全かつ安定した保育環境を確保することを最優先と考え、短期間ではございましたが、転園のご理解とご協力をお願いしたものでございます。 ◆成田祐樹 委員  安全を何よりも重視したということは当然のことかと思いますし、その辺については十分理解できるところでもあります。一旦、期限を区切って、全員がうまく転園できるようにスケジュールを決めたのかなというふうに思っております。  第三者から見ると非常に妥当な判断だと思っておりますが、一方で、当事者である保護者の方は、そうは言われても、本当に自分の子どもに行き先があるのかどうか、仕事を続けられるのかどうか、この短期間で非常に悩まされた方が多かったとも聞いております。  今回、子ども未来局や東区役所の職員が全力で調整に当たって、22日までに全員の転園のめどがついたということに関しては、保護者の方からも、限られた期間の中で頑張って対応していただけたという声も聞いております。ただ、実態として、ちゃんと近くの保育園で受け入れができたのか、希望の園での受け入れがかなったのか、また、通わせるのに大きな負担となる園が割り当てられていないか、非常に気になるところです。  そこで、今回の転園の状況についてお聞かせください。  また、転園せざるを得なかった園児、保護者について、どのように今後のケアを行っていくのかもお聞かせ願えればと思います。 ◎押見 支援制度担当部長  まず、転園せざるを得なかった園児、保護者についての今後のケア等についてお答えいたします。  まず、転園先の決定については、保育の必要性がなくなった方を除きまして、全ての方が第1希望とまではいきませんでしたけれども、大半の方が転園申込書に記入いただいた園に利用調整することができたところでございます。当初、記入いただいた園で調整できなかった方についても、個々の保護者の方とやりとりをしながら、きめ細やかな利用調整を行ったことにより、転園につながったところでございます。  また、転園の日程でありますが、引き続き、保育を必要とされる方52人のうち49人の方が10月22日に、その他の方に関しても10月中には転園が可能となっております。  続きまして、園児、保護者に対する今後のケアについてでありますが、保護者説明会において、転園先での保育に対する不安の声が寄せられましたことから、転園先となりました各保育所等に対して個別に配慮をお願いする旨を文書と電話により依頼を行ったほか、保護者説明会において、各種相談に関する窓口のご案内をさせていただいたところでございます。  今後、転園先の保育所等で保育に関する相談等が寄せられた際には、お子さんの状況等を踏まえながら、個別にしっかりと対応してまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  この短期間で受け入れに関してめどをつけていただけたことに関しては、本当によくやっていただけたという気持ちですし、原局に対してもですが、受け入れをしてくださった保育園や法人、また、受け入れにかかわった方に感謝したいと思っております。ただ、まだこれで終わりということではないと思っております。  もともとは母子ホームが併設されていた保育所ということで、中には単身で子育てをされている方もおり、小さなお子さんを抱えながら、一人で考え悩んだ方がいたのではないかと思います。また、度重なる余震もあり、精神的にも非常にナイーブな状況であったことも想定されます。どうしても、そのようなときには、ふだんだと何てことない言葉が、当事者にとっては心ない言葉に聞こえてしまう場合もあるかと思います。また、転園に際して、経済的な負担が新たに出る家庭もゼロではないと思います。一つ一つは小さな不安ですが、重なることで大きな心配になっていったのではないでしょうか。  今回、転園の手続が終わったことで全て終わりということではなく、日常における育児の相談なども含めて、今後においても転園された方に対しては懇切丁寧な対応を続けていただくことを強く要望しまして、質問を終わりたいと思います。 ◆竹内孝代 委員  私からは、停電による子ども未来局の業務の状況と対応についてと保育士の確保の取り組みについて、2点質問させていただきます。  このたびの議会において繰り返し取り上げさせていただいておりますが、さきの地震の影響については、しっかりと状況を明らかにして、これからにつなげていくことが大事だという観点から、まず初めに、停電による子ども未来局の業務の状況と対応についてお聞きしたいと思います。  今回の震災は、道内の半分の電気を供給していた苫東厚真火力発電所が完全に停止し、その結果、北電管内のほぼ全域で電力がとまるというブラックアウトが起こり、道内全域において大規模停電が発生するという未曽有の事態から始まっております。  札幌市内においても、至るところで、街灯はおろか、信号までもが消えてしまいましたので、停電の発生当日は、夜が明けるまで暗闇に包まれまして、尋常ならざる不安感を抱いたことは、まだ記憶に新しいところです。その後、電気は徐々に復旧していきましたけれども、苫東厚真火力発電所の再稼働に相当の時間を要するのではとの見通しから、一時は北電が輪番停電を計画するなど、混乱はしばらく続きました。  そのような中で、本市の本庁舎には自家発電装置が設置されておりまして、これを稼働させることによって停電の発生直後から通常のように電力を確保することができている状況でしたけれども、市の機構の全てが本庁舎にあるわけではなく、子ども未来局は、本庁部局でありながら、大通バスセンタービルという民間ビルに入居しており、全く状況は異なっております。前回、総務局の本庁舎管理の質疑でもご紹介させていただきましたけれども、子ども未来局におきましては大変な状況であったと聞いております。  そこで、初めの質問ですが、地震による停電が起こった際に子ども未来局はどのような状況にあって、また、どのような対応を行ったのか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  停電時における子ども未来局の状況、そして、その対応というご質問でございます。  まず、停電時は、非常用の照明のみ点灯しておりましたが、午前4時15分ごろには消えてしまいまして、全館停電となりました。また、固定電話やパソコンにつきましては、停電発生時から全く使用できない状況でございました。ただ、防災無線が設置されておりまして、防災無線のみが使用できる状況でございましたので、災害対策本部と通信できることは確認していたところでございます。  そういった中で、被害状況の把握や必要な連絡につきましては職員の携帯電話で行いまして、公立保育所やちあふる、児童相談所や一時保護施設、児童会館、若者支援施設などの状況を把握いたしまして、照明がなくて暗い中、事務室内においてホワイトボードで情報を共有しながら、資料作成なども手書きで行っていたところでございます。  さらに、携帯電話も充電できない、電力復旧の見通しも立たないといった状況で午後になりまして、連絡手段が途絶えるおそれがあること、また、速やかに情報収集を行う必要もありましたことから、自家発電装置がある本庁舎内に会議室を確保することをいたしました。大通バスセンタービルからパソコン1台とレーザープリンターを搬入いたしまして、午後4時ごろに使用できる環境を整えまして、必要最低限でございましたが、ようやくそれを確保した状況でございます。  こういった対応の中、当日の午後5時30分過ぎにバスセンタービルの電気が復旧し、通常の機能が回復したという状況でございます。 ◆竹内孝代 委員  被災当日は、本庁舎が平常時のように電源が使えていたものに比べて、今、お話を伺っただけでも目に浮かぶ状況だと思います。特に、非常用電灯も1時間ぐらいで切れてしまい、無線で対策本部とかろうじて連絡をとるのが精いっぱいだったということがよくわかりました。  子ども未来局では、長時間の停電によって情報収集や業務に支障が出ていたということでしたが、今、お話がありましたように、本庁舎の会議室に執務の環境を整える準備をされていたときも、ノートパソコンでは用を足さなくて、エレベーターがとまっている状況で階段と代車を使ってデスクトップのパソコンを本庁舎に運んだというお話も耳に挟みました。冬であったら、もっと大変な状況だったと思います。  災害に強いまちにしていくためにも、子どもの安全・安心を守るためにも、震災の際に保育所と連携されていたという質疑が先ほどありましたけれども、子どもの安全や安心を守るためには重要な機能を有している子ども未来局だと思っております。ぜひ本庁舎に入っているべきであり、民間ビルに入居している状況を可能な限り速やかに解消していただきたいということを求めまして、まず、この質問を終わります。  次に、保育士確保への取り組みについてお聞きします。  待機児童対策については、札幌市においても、子ども・子育て支援事業計画の見直しによって、平成30年度、31年度の2カ年で4,000を超える整備を行う、こうした供給の確保に取り組んでいるところです。また、待機児童の対策のためには、保育所等の施設の整備とあわせて、保育を行う人材の確保が大きな課題となっておりまして、私もこれまで何度も取り上げてまいりました。  保育士の確保が問題になっている背景には、先ほどの答弁にありましたけれども、施設整備が進んでいる、保育士の需要がふえていることとあわせて、ほかの業種に比べて低いと言われている処遇であったり、勤務時間の長さ、休みのとりにくさ、保育以外のさまざまな業務に追われるなど、いろいろな問題があり、職場への定着のしにくさがあると言われております。私も現場におりましたので、夢と希望を持って、小さいころから保育士になりたいという方々が入ってくるけれども、いろいろな事情でなかなか定着できないという状況を見ておりました。  札幌市では、求人と求職のマッチングを行っている札幌市保育士・保育所支援センターさぽ笑みを設置しまして、人材確保に向けた支援を行っていますけれども、特に、今年度は、保育士の実態を明らかにするための調査を行いました。私のところにも8月に調査票が届きまして、これは保育士資格を持っている人全員に届くというものでした。この内容を拝見しましたら、30項目もの物すごい内容の細かい調査でした。  そこで、質問ですが、保育士実態調査の結果の取りまとめ状況について、現段階でわかっていること、また、特筆されることはどのようなことが挙げられているのか、まだ途中かもしれませんけれども、まず、お聞きします。 ◎押見 支援制度担当部長  保育士実態調査の結果、現段階でわかったことについてお答えいたします。  このたびの保育士実態調査は、札幌市の住所で保育士登録をしている方1万2,038人を対象に、8月20日から8月31日を調査期間としてアンケートを実施したところでございます。  この調査の取りまとめ状況については、速報値ですが、1万2,038件に対し、有効回答数が3,820件、有効回答率が31.7%になっております。現段階でわかったことといたしましては、資格を持ちながら、現在、保育士として働いていない方、いわゆる潜在保育士は1,807人であり、ご回答いただいた方のうち、約47.3%となっております。過去に保育士として働いていた方と現在保育士として働いている方に対して、今後、保育士として働く場合に求める条件を尋ねたところ、勤務日数が最も多く、次いで勤務時間、通勤時間、給料、賞与等の順となっており、給与面だけでなく、その他の勤務条件も重視している傾向が見られたところです。  また、現在保育士として働いている方に対して、勤務日数、上司との人間関係などといった現在の職場に関する満足度を尋ねましたところ、同僚との人間関係、通勤時間、保育士としてのやりがい度の順に高く、給与、賞与等の満足度が最も低い結果となりました。一方で、特筆されることとしては、過去に保育士として働いた方に対して退職理由を尋ねましたところ、結婚に次いで残業や持ち帰りが多いという結果になっており、保育におきましても長時間労働を回避する傾向が確認されたところでございます。 ◆竹内孝代 委員  速報値についてご報告いただきました。  3,800人の方からの回答、また、資格を持ちながら、現在、保育士として働いていない方、いわゆる潜在保育士が1,800人ぐらいいるという貴重な情報もわかったということでした。  今、保育士不足と言われておりますけれども、潜在保育士の掘り起こしにつなげていくというのが今回の調査の一番大事な目的なのではないかと思います。  そこで、調査結果を踏まえまして、潜在保育士の掘り起こしについては今後どのように進めていこうと考えらいらっしゃるのか、お聞きします。 ◎押見 支援制度担当部長  潜在保育士の掘り起こしの進め方についてお答えいたします。  潜在保育士の掘り起こしについては、このたびの調査にあわせて、札幌市保育士・保育所支援センターさぽ笑みへの登録規模を聞いたところ、資格を持ちながら、現在、保育士として働いていない方、いわゆる潜在保育士からの登録希望者が190人ということで、さぽ笑みの9月末時点における従前からの累計登録者数394人にこれらの方を加えますと、48.2%の登録者増となりました。これらの方々のうち、セミナー等の情報提供を希望された方に対しては、今後、職場復帰セミナーや合同面接会といった取り組みに関する案内を直接送付するなど、さまざまなアプローチを行ってまいります。
     また、保育士として復帰する場合の条件として、勤務日数や勤務時間、通勤時間などを挙げられる回答者が多かったことから、潜在保育士の方がどのような勤務条件であれば復帰を望むのかなど、さらに調査内容を分析し、今後の確保策の検討につなげることに加えまして、さぽ笑みでの求職者と求人とのマッチングにも生かしてまいりたいと考えているところでございます。 ◆竹内孝代 委員  今回の調査をされた方の中で、190人がさぽ笑みの登録をしてくださったというのは、すごく大きな思いがけない成果だったと思いますし、そういった方々も含めて、今後、セミナーの案内をしたり、詳しい分析を通じて、マッチングにも生かしていきたいということだと思います。  今回、新たなさぽ笑みの登録者がふえましたし、せっかく設置したので、ぜひ有効に活用して、このさぽ笑みにはしっかり掘り起こしの成果につながるような取り組みを求めていきたいと思います。  保育士の確保という点におきましては、潜在保育士の掘り起こしといった観点に加えて、もう一つ、せっかく夢と希望を持って入られた保育士の方々に長く勤めていただくことが大事だと思います。  そこで、質問です。  今後、この調査をもとに、実のある施策につなげていくことが重要であると思いますが、特に人材の定着という点では、この調査をどのように生かしていけるのか、伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  保育人材の定着にどのように生かしていくのかについてお答えいたします。  人材の定着という点について、速報値ではありますが、過去に保育士として働いていた方に対して保育施設を退職した理由を尋ねたところ、結婚や妊娠・出産のほかに、残業や持ち帰りが多い、給与、賞与を挙げた回答者が多かったところであります。また、現在、保育士として働いている方に対しまして、職場に対して改善してほしい点を尋ねたところ、給与、賞与等、職員数の増加、勤務体制や休暇取得、事務、雑務の軽減などを挙げた回答者が多い結果となりました。  今後は、調査結果のクロス集計などといった詳細な分析を行い、その結果をもとに、どのような対策を行うことが人材定着に向けた取り組みとしてより効果的なものなのかを見きわめるとともに、関係団体や事業者等に対して情報提供を行っていくことなどにより、人材が定着しやすい職場づくりに生かしてまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  詳しい実態がよくわかりました。今は調査の途中経過だと思いますし、速報値ですが、この後、詳細な分析を行っていくというお話ですので、ぜひとも、処遇などの労働条件、また職場の環境改善に向けて、事業者、札幌市がそれぞれ効果的な取り組みを行うためにしっかりと詳しく分析していただき、そして生かしていただきたいと思います。  そこで、これをどう生かしていくかということですが、私も、これまで、保育園等への札幌市の独自の補助金体制について見直しを求めて、2年ほどお話をさせていただきました。国の新制度を踏まえて、札幌市もぜひということで、昨年、全面改定されましたが、これは9年ぶりとお聞きしております。そのときの答弁でも、これは始まったばかりなので、どんどん見直して改善していきたいということでした。市税を投与していく札幌市の補助金についても、今回の調査の中で、保育士の定着にどういうことが必要なのか、また、保育園の運営の中でどういったものに使うのがいいのかという試算にも及んだと思いますので、さまざまな分野の検討のときにも、ぜひともこの実態調査結果を参考にしていただくことを求めておきたいと思います。  先ほどお話がありましたように、今回は回収期間が短いということがありましたし、震災もありまして、締め切り後におくれて届いている回答もあるのではないかと思います。ボリュームが結構あったものですから、忙しい方など、後でゆっくりと思っているうちに締め切りが過ぎていたというもったいないこともあるような気がいたします。  これらは調査の対象となりませんが、参考になるような声の記述があると思いますので、大切に扱って今後の施策に生かしていただきたいと思います。 ◆平岡大介 委員  私からは、民間児童育成会、いわゆる民間学童保育の保育料の減免と家賃補助制度の拡充について、何点か質問させていただきます。  まずは、保育料の減免についてです。  本市は、民間学童保育所の果たしている役割について、留守家庭児童の居場所の一つであり、多様なニーズの受け皿として役割を担っていること、また、保護者が積極的に運営に取り組んで、家族ぐるみの交流が図られ、親同士の情報交換の場にもなっていると2011年の我が党の質問に答えているところであります。  私は、小学生のころは、両親が共働きでありましたので、兄弟そろって民間学童保育所に通っておりました。学校の友達と遊ぶなどで保育所に行かないときには連絡が来まして、どこで何をしているのかという確認があり、両親にとっては大変安心であったというふうに思います。また、年間を通してバザーや夏祭りなどさまざまな行事を行っており、親同士も仲よくなり、それこそ家族ぐるみのつき合いをしていたことが大変印象に残っています。  まさに、本市が、保護者が積極的に運営に取り組んで、家族ぐるみの交流が図られ、親同士の情報の交換の場にもなっていると答弁するように、仕事が忙しく、地域や子どもたちとかかわる余裕のない保護者にとっては、家族ぐるみで支え合えて、社会からの孤立を防ぐ機会となってきました。  そこで、質問に入ります。  2015年の国勢調査によりますと、本市のひとり親家庭世帯は、母子世帯1万5,572世帯、父子家庭で1,316世帯に上っております。民間学童保育所は、児童の放課後の保証だけではなく、ひとり親世帯や仕事で手いっぱいで余裕のない保護者にとって社会から孤立しないための居場所にもなっていると思いますがいかがか、伺います。  また、ひとり親世帯が多い現代だからこそ、民間学童保育所が求められているのではないかと思いますがいかがか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  今の質問の中にもありましたが、民間児童育成会の役割に対する認識といったお話かと思います。  委員のお話にもありましたとおり、民間児童育成会につきましては、家庭的な保育環境の中で、さまざまな工夫をしながら運営されております。そういったことから、ひとり親世帯などを含むさまざまな世帯の多様なニーズに応えることで、選択肢の一つになっていると考えております。  こういったことから、民間児童育成会につきましては、地域における留守家庭児童の居場所として一定の役割を担っているというふうに認識しております。 ◆平岡大介 委員  私の経験から申し上げますが、私の通っていた学童保育では、ひとり親家庭の方もいらっしゃいましたし、障がいをお持ちのお子さんが通っている場合もありました。そういった家庭と他の家庭が支え合って、いろいろな困りごとや悩みごとを聞いて助け合っていたという印象でありました。  2018年3月に策定されました札幌市子どもの貧困対策計画の中の子どもの貧困対策に関する大綱では、生活の支援では貧困の状況が社会的孤立を深刻化させることがないよう配慮して対策を推進するとうたっておりますし、計画の策定のもととなった子どもの貧困実態調査においては、家計の状況について、ぎりぎり、赤字を合わせた世帯の割合が全体の62.6%に対して、ひとり親世帯は78.2%、貯金がない割合についても、全体の15.3%に対して、ひとり親世帯はその倍以上である35.1%と、どの数値においてもひとり親世帯の貧困状況が顕著でありました。  そこで、2点目の質問に入ります。  昨年の決算特別委員会で、ひとり親世帯で働いている母親の実態を把握されているのかと我が会派が質問したところ、有塚子ども育成部長は、ひとり親世帯などの低所得者世帯の状況につきましては、(仮称)札幌市子どもの貧困対策計画の策定を行う中で実態調査を行っておりますけれども、現在、現状と課題を把握しながら、必要な施策を検討しているところでございますというふうに答えておりますが、その後、実態調査の結果が明らかとなり、計画が策定されたところでありますが、現在、実態をどのように把握し、課題をどのように認識されているのか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  ひとり親世帯などの実態と、その課題に対する認識についてのご質問でございます。  質問にもありましたが、札幌市子どもの貧困対策計画、札幌市ひとり親家庭等自立促進計画を策定しておりますけれども、その策定に当たり、それぞれ実施したアンケート調査がございます。その結果では、ひとり親世帯などの低所得者世帯ほど子どもや保護者自身の悩みについて相談する人がいないとか、相談窓口を知らないといった社会的孤立の傾向にあることが確認されたところでございます。  こうした結果も踏まえまして、困難を抱えるお子さんや世帯を早期に把握し、速やかに支援につなぐことができるような相談支援体制の充実とか、子どもが安心して過ごすことができる地域の居場所づくりについて課題があると認識しております。 ◆平岡大介 委員  本市も、ひとり親家庭貧困状態に陥っていることが顕著であると認識されているということであります。民間学童保育所の平均的な保育料は月額約1万5,000円でありますから、ひとり親世帯やぎりぎりの生活をしている世帯では経済的な負担が大きいのではないかと思います。その経済的な負担が大きいために、入所を断念するケースも多いとも伺っております。  3点目の質問に入ります。  本市では、生活保護世帯には保育料の全額免除、就学援助世帯へは一部減免を行う制度がございますが、減免額の増額や、せめてひとり親世帯への拡大というのも必要ではないかと思いますがいかがか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  保育料減免額分助成のひとり親世帯への拡大というご質問でございます。  札幌市におきましては、民間児童育成会に対しまして、これまで、国の助成基準に準じた助成を行ってきたほかに、札幌市独自の加算を行うなど、民間児童育成会の運営に対して手厚く支援を行ってきたところでございます。  今、ご質問にありました保育料減免額分助成の対象拡大につきましては、札幌市独自の加算措置でございまして、まずは、現在の助成を継続できるように、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆平岡大介 委員  国の助成に加えて、札幌市独自に加算を行っているという答弁がありました。しかし、減免制度を利用したいと思っても、なかなか使うことができないといった実態がございます。  もう1点、質問させてください。  札幌市学童保育連絡協議会が集めた声の中には、保護費をもらうために、ケースワーカーから、まだ民間学童保育所が必要ですかと毎月言われて胃が痛くなるということや、3年生のときに学校にミニ児ができ、保護課からミニ児の利用を促された、保護課と相談しても、ミニ児は学童保育と同様だとかわることを強いられた、結局、その児童は学童保育を退所することになりますが、ミニ児には通う気にはなれず、児童の放課後の居場所は奪われたままになってしまったということであります。放課後の居場所が変わるということは、子どもにとって必ずしもいい環境に変わるということではないと思います。なれ親しんだ環境から新しい環境に変わり、これまで構築してきた指導員や友達との人間関係も一からつくり上げ、なじんでいくというのは、子どもにとって大変なストレスになる場合もあるのではないかというふうに思います。  そこで、伺います。  放課後の保育環境が途中で変わることは、児童にとって決していい影響を与えないのではないかというふうに思いますが、どのような認識をお持ちでしょうか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  途中で保育環境が変わるということですが、それがお子さんにとってどうかという部分につきましては、個々のお子さんによって違う部分があると思います。一律にそれがどうということは、なかなか言い難いのではないかと考えております。 ◆平岡大介 委員  環境が変わるということと話は別ですが、転校が多い子どもなんかは鬱病を発症しやすいといったデータや専門家の意見もあるということは言わせてください。  子どもの家庭環境に合ったそれぞれの保育環境が必要だというふうに思います。親同士、家族ぐるみの交流の場であり、親子の支えとなっている民間学童保育に通いたいけれども、お金の都合で断念する、このようなことをなくすために、子どもの放課後の保証と、保護者の生活実態に寄り添った減免制度の拡充を改めて求めておきます。  次に、民間学童保育への家賃補助について伺いたいと思います。  本市には、学童保育所の運営費補助として家賃の補助を行っています。具体的には、児童数によって3区分ございまして、家賃の総支出額の半額、50%までを補助するというものであります。内容は、10名から19名で上限3万5,000円、20名から35名で上限4万3,000円、36名以上で上限5万円となっております。このような家賃の補助を本市が独自で行っていることは、大変評価できるところであります。しかし、この補助制度がつくられてから20年が経過いたしますので、実態に即した見直しも必要ではないかと思います。  また、学童保育所にとっては、毎年何人の子どもが入ってくるかというのが事前にはわからないために、変動するのではないかが不安だということであります。20人以上でありますと、先ほど言ったように4万3,000円ですが、1人足りない19人以下となりますと3万5,000円になります。月額にして8,000円も落ち込み、年間にして9万6,000円の下げ幅となることは、学童保育所の経営にとって大きな打撃となることは言うまでもありません。  そこで、伺いますが、学童保育所の家賃補助制度について、補助額は児童数ではなくて家賃の総額で決定するなどの内容の見直しが必要ではないかと考えますがいかがか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  家賃補助の見直しというご質問でございます。  各施設の家賃というのは固定的な費用ですが、まず、子ども・子育て支援新制度が平成27年に始まっており、運営費に対する国の補助の基準額が増額されているという状況がございます。また、家賃補助につきましては、委員のご質問にもありましたが、保育料減免の助成と同様に、札幌市独自の加算措置ということもございまして、まずは、現在の助成の継続を基本としながら、国の状況も踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆平岡大介 委員  今回の北海道地震で家屋が破損して、やむを得ず引っ越しを迫られたという学童保育所もございましたが、物件を探すというのは大変です。面積はどうか、周りの住民に理解は得られるのか、その建物自体の耐震や築年数などで入居条件が大変限られてくるということであります。そこで、せめて補助額が増額されて、要件も緩和されれば、入居の幅がもっと広がり、物件も探しやすくなるということであります。  子どもの人数が変わっても、家賃が変わることはありません。学童保育が使いやすい補助内容に改めるべきと求めて、質問を終わります。 ◆伴良隆 委員  私は、里親、里子に関する本市の問題、課題と今後のあり方について伺ってまいります。  いかなる児童も、その子の最善の利益を追及し、健全な養育を施すことは、社会的責任であります。しかし、さまざまな理由で家庭での養育が受けられない子どもたちに温かい家庭環境のもとでの養育を提供するはずの里親が長時間労働をしたり、市が里子をほかの子と同様に扱うという考えを盾にして長時間保育を許容すれば、児童福祉法の理念や里親制度の趣旨の阻害要因になりかねず、里親に関する権限を持つ児童相談所は、関係者と連携し、こうした問題や課題を改善し、一人でも多くの子どもに家庭的な基盤を与えるべきであります。  さて、乳児院を出た、まだ言葉も話せない当時2歳の里子に真剣に対応している方々から、本市の対応にとても心配しているという声が数カ月前に私に寄せられました。私は、この事案から、本市の里親制度の運用には大きな問題があり、里親委託の拡充を目指す国の方針にも課題がある中、本市にとってあるべき児童養護を今のうちに見詰め直し、見直すべきは見直していくのかどうか、この質疑で確認してまいります。  それでは、児童相談所と保育部門の順に伺ってまいります。  両部門に質問ですが、里子について、保育所入所を決定するのは区役所の担当者でありますけれども、決定するに当たり、児相と区役所、そして保育所側とは情報提供や情報交換などを含む各種相談をきちんと相互に行っているのかどうか、また、そうした状況にある理由とは何か、伺います。 ◎高橋 児童相談所長  まず、児童相談所サイドからお答えさせていただきます。  通常、児童相談所は都道府県単位で設置されておりますが、札幌市は政令指定都市でございますので、同じ札幌市という行政組織の中に児童相談所という組織も存在しております。我々は、日ごろから、事あるごとに情報共有を口に出しておりますが、今回のご質問の件について、一例として申し上げます。  児童虐待が行われた家庭は、一旦は一時保護を行ったり、あるいは、先ほどのお話にございましたように、社会的養護として、施設あるいは里親、ファミリーホームといったところで、何らかの形で事情があって家庭から引き離れていたお子さんが再び家族再統合という形で家庭に帰る場合、保護者の方が疾病等あるいは何らかの事情があって保育に欠ける事例がございます。このようなときに、保育所の運用を通じて家族の再統合を支援している事例が多々ございます。こういったときには、直接、児童相談所から、福祉部通知という形で、公文書をもって保育所の利用についてよろしくお願いいたしますといった文書を発行しております。これは、年間、結構な数が発行されております。  そのほかにも、日々、さまざまな場面で、保育所、あるいは、お話の事例では2歳ということでしたが、保育所、幼稚園といった部門を使いますので、公的なところで抑えている利用状況につきましては、児童相談所として保育に心配がないかといった情報交換を日々の業務の中でやりとりをさせていただいている現状がございます。 ◎押見 支援制度担当部長  入所決定に係る事務担当の関係についてお答えさせていただきます。  保育所の入所決定につきましては、区の所管になっております。入所決定につきましては、里親にかかわらず、就労しているかどうかといった保育の必要性の要件に合致するかどうかが保育所に入所させるかどうかの判断基準になりますので、それに基づいて決定するということになります。その際に、児童相談所に相談する、連携をとるというケースは想定されていないのが一般例だと思っております。 ◆伴良隆 委員  児相では、さまざまな事案に応じて日々というお話でございまして、区からは、そこまでしてやっているわけではないということでした。  当該の里子の保育所入所決定に関しましては、児相側に事前に情報提供や相談していなかったことは、区役所も児相も認めております。担当事務以外はかかわらない、関知しないという縦割りの仕事は、里子へのきめ細やかな配慮がまるでない対応であり、極めて問題であります。その問題については、後に私が論じていきます。  次に、保育部門、そして児相の順で両部門に質問していきます。  里子の保育所での保育時間について、何か取り決めや基本や目安があるのかどうか、伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  そのお子さんが里子かどうかが保育時間に直接かかわりがあるというものではございません。  現在の子ども・子育て新制度におきましては、保育の必要性により、11時間の保育標準時間もしくは8時間の保育短時間の二つの区分で運用が行われております。ただし、必要に応じまして、1時間もしくは2時間の保育延長をなさるといった事例もございます。 ◎高橋 児童相談所長  里子家庭においてのお話をさせていただきます。  私ども児童相談所としては、先ほど来お話していますとおり、社会的養護といった必要性の背景がある中で里親家庭にお願いしております。それまで何らかの事情がありまして家庭から親子が離れる状況になったことに鑑みまして、できる限り家庭的な養育環境の趣旨を理解していただいた上で、里親あるいはファミリーホーム、施設もそうでありますが、環境を整えて育てていただくことを認識していただいて、その制度を支えていただいているという理解で運営している次第です。 ◆伴良隆 委員  押見部長と高橋所長に土曜の保育についてお聞きします。 ◎押見 支援制度担当部長  土曜保育に関しましては、必要が生じたときに、直接、園に申し込みしていただいて、園のほうで、いいですよというお話になれば、利用することが可能という制度になっております。 ◎高橋 児童相談所長  私どもの立場といたしましては、土曜日に限定はしておりません。養育の必要があった場合には、それは個々の事情かと考えております。 ◆伴良隆 委員  養育の環境は確保しなければいけない、そして、保育のほうは保育制度に基づいて、特段の制限はない、児相としては、養育の環境、家庭の環境を大事にしてほしいということであれば、特段目安というものはないというふうにとりました。  当時、当該里子を預かる保育所側が、月曜から土曜の朝7時から夜8時までの長時間保育を里親が希望していることを心配し、区役所側に相談したところ、区の担当者は、他の保護者と同じように対応しなさいとか、子どもにとってストレスなら保護者に直接言いなさいとか、児相がきちんと把握しているからなどと返答したようで、里子だろうと保育制度上は認められるから関係ないという浅はかな意識が見え隠れしています。  その後、私が問い合わせますと、区役所側は、夜8時迎えとは聞いていないと言いわけし始めましたが、里親が夜8時まで預けたいと希望したことは事実でありまして、現に日曜以外の毎日を夜8時まで預け、毎週土曜も預けることを児相は問題視しました。事実であります。そして、当時、里親に忠告したようでありますが、今となっては、里親の迎えが夜7時を過ぎ出し、土曜の毎週利用の希望も再び出てきているところでございます。  それでは、児相に伺いますが、里子の養育状況及び保育所利用状況について、里親からの聞き取りだけでなく、区役所や保育所に情報提供を求めるなど、適時適切な聞き取りがきちんとできているのか、伺います。 ◎高橋 児童相談所長  ただいまのご質問は個別のご質問ですが、委員がお尋ねの今回の件に関しましては、私どもでは詳細なところまでの聞き取りを終えていません。 ◆伴良隆 委員  それでは、保育部門に聞きます。  里子の保育園利用状況や養育状況は、保育所が毎月提出する児童出席簿で確認できることもありますが、それを含め、区役所は児相に的確な情報提供ができているでしょうか。 ◎押見 支援制度担当部長  今回、委員がご指摘されている案件について、そのような事実があったかどうかは確認できてございません。 ◆伴良隆 委員  オール札幌ですよね。合わせてですよね。そして、子どもを見守るんですよね。寄り添い、情報共有をすると。この子だけが情報共有できていなかったというのは、言いわけになりません。  家庭の時間を大切にすべき里子にとって、望ましい保育所利用日数と時間が担当部署によって見解が違うことは大問題でありまして、養育状況や保育園利用状況についても、里親からの一方的情報では事足りるわけではなく、保育所入所決定前も決定後も市の両部署と保育所を含めた三者相互のクロスチェックができていないことは極めて問題であります。  そこで、児相、そして保育部門の順で伺ってまいります。  両部門に質問でありますが、里子の保育所利用条件について、担当部署ごとで見解が分かれている問題と、保育所入所決定前からその後の里親、里子についての相互連携と情報交換がきちんとなされていない問題について、早急に検証し、改善していくべきと考えるがいかがか、伺います。  そして、伺う前に、私は答弁にずれがあると思いますけれども、児相のほうでは、ふさわしくない時間があるとこの親に伝えているはずであります。利用時間も日数もです。養育を大事にしてほしいと。ということは、保育で言うと、制度上では許されてはいる、しかし望ましくないということで、見解が分かれております。なので、こういったことについて早急に検証し、改善していくべきと考えますがいかがか、それぞれに伺います。 ◎高橋 児童相談所長  先ほど来のやりとりの中ですれ違っていることは私も感じておりますので、検証と申しますか、制度上のずれも含めて、その中身をしっかりと確認して、今後、よりよい形になるよう進めていきたいと考えております。 ◎押見 支援制度担当部長  今回の事案につきまして、具体的に何が問題であったのかといったことについて検証する必要性はあろうと思います。その際には、児童相談所、区、そして、所管である我々子ども未来局で事実関係をしっかりと確認した上で具体的な問題点を明らかにするという取り組みは大事だろうと理解いたします。 ◆伴良隆 委員  これは、個別事例ではなく、職員の方々が実際にかかわっているケースです。ほかの子にだって、当然、保育の担当の方は同じような対応をしたでしょう、そういう意識だからです。ですから、僕は、保育だけを責めるつもりはありません。これは児相の大きな問題だと思っていますが、児相のほうも、保育所に入所する決定は聞いていなかったと言っているのです。これはよろしくない。  ところで、各種里親に支給される里子1人当たりの月々の養育費と手当の金額、その他公費で支給される各種項目とは何か、伺います。 ◎高橋 児童相談所長  里親に対して支給される公費の手当でございます。  いわゆる施設に当たる事務費は、里親に対しては里親手当ですが、養育里親に対して9万円ほどの手当、さらには、事業費としまして、施設に当たる運営費、維持費の部分でございますけれども、こちらは7万円ほどになります。トータルで、毎月15万円ちょっとの金額が支給される状況でございます。 ◆伴良隆 委員  答弁に触れられていないので、その他もろもろの医療費や学費もそうですが、その子の成長に伴っていろいろ支給されるものがございます。それは何かということをこれから申していきますけれども、なぜそのような手厚い支援が得られるのか、つまり支援の趣旨とは一体何なのかということについて伺います。  今の手当で触れられる部分があるのだったら、それを含めて、なぜこんなにいい支援が得られるのかという趣旨をお答えください。 ◎高橋 児童相談所長  養育に係る経費でございます。  先ほど申しました施設に当たる事務費以外にも、生活費や、また、多くの小さなお子さんは幼稚園などにも通っておりますので、そういった費用、あるいは教育費、学校の給食費といったもろもろの細かいところまで積算上は入っております。全ては、子どもの支援のための支出でございます。 ◆伴良隆 委員  まさに、そのとおりです。子どもの支援のためです。僕は嫌らしいお金の話をしているのではないのです。子どものためにですよ。  情報提供をいただいた当該の里親、里子の話に戻りますが、共働きである里親が、保育所利用時間を平日はおよそ7時過ぎから夜8時、一部土曜の夜7時と希望していることから、日曜以外はほぼ毎日のように朝から晩まで働きに出ているということになるわけであります。
     里子に関するさまざまな手当があるにもかかわらず、ここまでして働かなければいけない経済状況ともなれば、里子と向き合い、良好な家庭環境を築くためには、里子のことで無理に働く時間や苦労が生じないようにという里子手当の本来趣旨は破綻していることになり、当該の里親が認定され、里子を迎え入れた経緯や理由は大丈夫だったのかと、とても心配で不安になります。  そこで、質問でありますが、里親と認定する前の段階と、認定後に里子の里親として選定された後の段階で、就労状況など当人や家族の経済状況をどのように把握できているのでしょうか。一般論です。 ◎高橋 児童相談所長  里親認定前と認定後の確認の状況というご質問かと思います。  まず、一般論で申します。里親認定に至るまでに、さまざまな説明、研修等、さらには、最後に審議会等々を経て認定させていただきます。その後、お子さんをお願いして里親、里子の関係がスタートしましたら、まずは1週間をめどに家庭訪問をしております。その後、一月をめどに家庭訪問をしまして、以後、半年をめどに、必要に応じて、その途中途中でも家庭訪問あるいは面談等々をさせていただいております。その中で、里親家庭の状況等も確認させていただいているのが一般的な私どもの現在の手法でございます。 ◆伴良隆 委員  里親になりませんかというパンフレットには、こう書いてあります。共働きでもいいのかというクエスチョンです。  親から離れて暮らすことになった子どもの心のケアの視点に立つと、家庭に迎えてから1年程度は、子どもと向き合い、じっくりと養育できる体制を整えることが望ましいということになります。一般論でお話しになったことと、このケースの食い違いは一体何なのかということについては説明を求めませんが、私が情報提供いただいた部分で申しますと、里親が共働きで、しかも、ほぼ週6で朝から晩まで保育所に預けるほど働くとなると、一般的家庭でもなかなか厳しい経済状況の中で生活していると思うわけであります。里親要件では、里子としっかり接する環境が必要だから経済的に困窮していないこととしていて、今、それをチェックしているとおっしゃっていますよね。しかし、里親認定には、生活保護世帯ではないことなど以外には、所得や収入や就労時間に具体の目安がなく、里親選定後も経済的状況や養育時間の確保に一定の目安がないことは、私は制度趣旨からして大きな課題だと思います。  さて、当該の里親には小学生の実子もいるとのことであり、当時の私への情報提供では、夜8時であっても小学生の実子に2歳の里子を迎えに行かせたい旨の希望が里親から保育園にあったと聞いた私は、実子と里子へのネグレクトのおそれがあるとして、児相に情報提供し、児相が里親に問いただしたところ、里親がこの話題自体を撤回した件があります。  そこで、関連して質問でありますが、平成23年に東京都杉並区内で起きた里親による里子への暴行、虐待死亡事件について、里親認定から里子との選定及びマッチングにおいてどのような課題があったかをご承知かどうか、伺います。 ◎高橋 児童相談所長  当時の課題は、全てを認識しておりません。しかしながら、現在、私どもが抱えている認識ということでお話をさせていただければと思います。  まず、ご指摘がございましたとおり、里親を継続してお願いできるか、その資格、適格性の維持、持続でございます。二つ目といたしまして、一般家庭とは異なる長い歴史の中で、施設養護、大きな建物の中で数多くの職員で支えていただきました。しかしながら、ここ10年ほど、小規模な形でということで、小さなところで、今回のお話にあるように、一般の家庭の中で里親、里子という関係が結ばれて養育をお願いしております。そういう外部の目から届きにくいところで養育をお願いしていること、さらには、里親、里子という生まれたときからの関係性をお互いに持っていない、そういうスタートでお願いしていること、ここに難しさがあります。また、里子が親元から離れるに当たりましても、身近なところでしっかりとした里親にお願いできるかというところ、組み合わせといいましょうか、マッチングといいましょうか、こういうことが日々適切に行われるのかという課題がございます。さらには、札幌市内で申し上げますと、市内のエリアにおける里親の登録が10区の中で点在している状況にございますので、各区で満遍なく地域で子どもたちの支え手となっていただけるための開拓、そして育成といったことが日々抱えている課題でございます。 ◆伴良隆 委員  今の所長のご答弁もそうかなと思いますが、私のほうでも補完させていただきます。他市の残念な事案でありましたが、私は、これは参考になると思いましたので、割愛してお話しします。  認定登録申請や事前調査については、里親を希望する動機や里子に対する養育観が必ずしも十分に記入されていない、里親希望者の就労時間や生活実態を詳細に把握するための事前の書類提出を求めていない、さまざまな養育の悩みや問題に必要に応じて地域のサポートなどを受けながら養育することが重要であるが、十分に説明、周知されていない、認定の審議におきましては、個々の家庭の状況に即した意見を付すことが難しい、認定前研修では、里子と向き合っていくために実践的に活用できる内容が不足している、選定及びマッチングについては、里親の就労状況や養育時間の確保等について実態が十分に把握できていない場合がある、交流中における児童相談所と施設とのケースカンファレンスについては必須とされていない、家族一人一人に対する個別の聞き取り等は行っていないということが課題でございます。  これからどうしていくのかということは非常に大事ですし、もちろん、大変献身的で熱心で純粋な里親の方々を私も知っておりますけれども、一方で、重たい課題を抱えているような里親が一部で潜在化していく可能性もあるのではないでしょうか。  全20政令市を調べたところ、里親の認定のみに独自要綱等を設けているのが6市、里子との選定、マッチングも含め、独自の要綱等を設けているのがそのうち2市です。今、所長からいろいろとお話があり、私も問い合わせをさせていただきましたが、特に独自要綱を設けていない我が市、そして、里親にかかわった重大事例を経験したさいたま市及び埼玉県の里親委託、指導の手引は、里親申請書の就労調査ポイントなど、注意項目ごとに丁寧に記載されています。  私は、以前から、虐待の気づきのためのチェックシートと情報共有のガイドラインをつくるべきと危機感を持って議会で言い続けてきましたが、その数年後に手稲区で児童が死亡してからやっと虐待の気づきと情報共有に市が本腰を入れたことは苦々しい記憶であります。里親制度に関しても、果たして適格な里親なのかどうか、関係機関は情報共有できているのか、そして、里子は本当に幸せでいるのかなど、何か重大な事故や事件が起きてから取り組むようなことは、大げさな話ではなく、金輪際やめていただきたいわけであります。  そこで、質問でありますが、里親認定や里子との選定、マッチング、そして、その後の養育環境についてしっかりと把握し、チェックし、支援や改善につながるよう、里親制度を適切に運用する要綱や手引をつくるなど、里親制度の充実を図るために体制や取り組みを構築すべきですがいかがか、伺います。 ◎高橋 児童相談所長  せんだっての経験等を踏まえて、るる教えていただきましたことは感謝申し上げます。  私どもといたしましても、里親の認定を維持していくためにも、しっかりと体制を強化し、そのような制度をつくっていきたいと考えておりますので、今しばらくお時間をいただきたいと思います。 ◆伴良隆 委員  きょう、私は初めて伝えましたから、精いっぱいのご答弁だと思います。ただ、今しばらくではなく、すぐにやってください。そして、保育のほうにもご協力いただきたいと思います。各区を統括されていると聞いておりますので、ご審議をよろしくお願いいたします。  保育園を除く児童関連で、月額平均措置費の粗々の概算を見ますと、参考値で乳児院の1人当たり約74万円を筆頭に数字上は高額であり、社会的養護と健全な養育は社会の責務である以上、里親制度を含む児童関連事業の質は必ず維持または向上されなければなりません。まして、次世代育成支援対策推進法に基づき委託されている児童関連施設のより一層の小規模化が求められ、里親委託率も高めるよう国から促されている今日、本市における里親制度もまた適正、的確に運用し、質を維持または高めることが求められています。  こうした国が進める児童施設の小規模化や里親委託率アップを否定するものではありませんが、児童関連施設であっても、いわゆるお父さん、お母さんがいて家庭的でありますし、子どもたちは、そこで社会性を身につけ、立派な大人に育っていくというふうに私は耳にしております。  そこで、最後に、子ども未来局長に指摘させていただきます。  今、所長からご答弁がありまして、やや抽象的な部分もありますが、児童が健やかに成長し、立派に自立して幸せになるよう、現在の児童関連施設が果たしてきた役割や機能、そして実績を大切にしながら、同時に、里親制度ならではの意義を果たすためにも、里親、里子に関する課題や問題をすぐに検証すること、そして、軽率に里親委託を急ぐことで、質を落としたり、重大事案につながることが決してないよう、要綱や手引を作成し、運用の改善を図ること、また、先ほどのように、関係者同士で認識や対応に違いが生じないようきちんと情報共有を行うこと、そして、里親事業の質を保ちながら、里親制度を広く市民に周知し、推進していくこと、以上について強く指摘しておきます。  今後の検討状況はまた別途問い合わせさせていただきますので、ご報告いただきたいと申し添えまして、終わります。 ○福田浩太郎 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時10分       再 開 午後3時30分     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆小口智久 委員  人恋しい秋となりました。私からは、若者出会い創出事業、いわゆる婚活について質問させていただきます。  札幌市では、さっぽろ未来創生プランに基づき、さまざまな取り組みを進めているところでありますが、平成28年の合計特殊出生率は1.16と、政令指定都市及び東京都区分の中で最も低い現状にあります。  未婚率の高さや夫婦間の出生率の低さに加え、現在、恋人がいない人は、交際への不安として、そもそも出会いの場がないと考える人が最も多く、結婚相手の紹介を頼める人もいない若者が多いといった状況から、平成29年度より、子ども未来局において、結婚を希望する若者の出会いを支援する若者出会い創出事業を実施しております。  昨年度の参加状況などについては、本年3月の予算特別委員会において、13のプログラムを実施し、延べ参加者数が321名となったことを答弁いただきました。今年度も昨年度に引き続きこの事業を実施、今まさに進捗中の事業でありますが、まず、現時点での実施状況について伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  若者出会い創出事業の現在の実施状況というご質問でございます。  若者出会い創出事業は、共通の趣味やまちづくりへの参加などを通じて、結婚を希望する若者が出会う機会をつくり出すものでございます。  今年度につきましては、子どもの職業体験イベント、ミニさっぽろへの出展の企画・運営を行ったり、プロカメラマンに教わりながら円山動物園で撮影会を行うカメラ講座とか、昨年度実施し、好評でしたハーブ講座など、11のプログラムを実施しているところでございます。  既に実施しております六つのプログラムにおきましては、男女合わせて160名の定員に対して177名の応募があり、多くの方にご参加いただいている状況でございます。今後、実施予定のプログラムにつきましても、既に定員を上回っているものが複数ございます。キャンセル待ちの受け付けも行いまして、可能な限り多くの方にご参加いただけるように努めているところでございます。 ◆小口智久 委員  既に実施したプログラムで、定員160名であったところ177名の応募があった、これから実施されるプログラムでも既に定員を上回っているものがあるということでございます。ことしも、多くの市民に関心を持っていただいているということがわかりました。  今年度は事業を開始して2年目になりますが、昨年度の課題をプログラムに反映するなど、何か改善した点があれば伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  昨年度の課題等を踏まえた今年度の改善点というご質問でございます。  まず、昨年度、参加者の満足度が高かったカメラ講座やハーブ講座などのプログラムにつきましては今年度も引き続き実施しておりまして、満足感を持てるようなプログラム編成を行ったところでございます。  具体的に言うと、例えばハーブ講座におきましては、講師からハーブの効能などについて学んだ後、グループの入れかえを行いながら、ハーブティーの試飲やハーブソルトをそれぞれの好みで調合し合って、互いにそれらを見せ合うなど、自然と参加者同士で交流が図られるような内容となっております。  また、改善した点の一つとして、昨年12月に開催した各プログラムの参加者が一堂に会するレジュナイトパーティーについて、年末は多忙なので参加しづらいといった声がありましたので、今年度については2月開催に変更して、参加しやすい時期に実施する予定としております。また、昨年度はキャンセル待ちのプログラムもございましたので、より多くの方に参加していただけるように、今年度は、初めて参加する方の申し込み期間、ファーストエントリー期間と言っておりますけれども、それを設けたり、各プログラムを9月開催分までの前期と10月以降開催の後期分に分けて申し込み期間を分散させるなど、事業2年目としての工夫を行ったところでございます。 ◆小口智久 委員  昨年度、参加者の満足度が高かったプログラム、例えばハーブ講座を引き続き実施したり、多くの参加者を募る申し込み方法、例えばファーストエントリーなどで重複を避け、皆さんが順繰りに応募できるような工夫を行ったということでございます。また、年間11のプログラムの中で、いつもは12月に行っていた、また会いましょうというパーティーを、今回は2月の忙しくない時期にやるなど、いろいろな工夫をしていることは評価いたします。  一方で、若者出会い創出事業は、対象が20歳代と30歳代であります。しかし、私の今までの社会人経験から申し上げると、私は技術系の会社でしたので、大学院を卒業した20代中盤ぐらいの男女が新しい社会人になり、部下として入ってきます。そして、たたき上げの時代が30歳ぐらいまで続き、それから、少しずつ仕事を任せられるようになっていくのが30歳前半からでございます。そうすると、私の職場だけかもしれませんが、仕事がだんだんおもしろくなるのは30代の後半ぐらいになってしまいます。私などは大変迷惑をかけた上司かと思いますが、少し余裕が出てきたときにはもう40歳に近くて、それから結婚された方もいらっしゃいますが、そういうような状況でございます。  そこで、中高年の結婚支援について質問です。  子ども未来局に対して、40歳以上の方から事業に参加したいといった要望があったかどうか、加えて、1年半、この事業を実施してみて、今対象としている20歳代、30歳代以外の世代でも事業へのニーズがあると感じているかどうか、所見を伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  40歳以上の方からの参加要望の有無、それから、市民からのニーズといったご質問でございます。  まず、40歳代の方からの事業の参加申し込みの要望ですが、市のホームページを通じて1件寄せられたところでございます。  次に、この事業のニーズですが、事業を開始した昨年度、それから今年度の2年間で、ともに定員を上回る応募がございますので、事業の対象であります20代、30代のニーズについては一定数以上あるものというふうに考えております。  ご質問にありました、それ以上の世代からの出会いの創出へのニーズですが、申し込みの中には38歳、39歳といった40歳に近い申し込み者もいらっしゃいますので、ニーズが全くないということはないと思います。ただ、申し込み者の年齢を見てみますと、今年度につきましては、今のところですが、32歳、昨年度は30歳の方が最も多い申し込みとなっており、年齢が離れるほど漸減していくという傾向にございます。さらに、30代後半で見てみますと、女性は一定程度の申し込みがありますが、男性は年齢が上がるにつれて減少していくといった傾向が感じられるところでございます。  なお、本事業の対象以外の方からの要望に対しましては、南区で実施している事業の紹介や、北海道のほうに支援窓口がございますので、利用できる可能性がある部署を紹介できるよう、日ごろから情報収集に努めて情報の提供を行っているところでございます。 ◆小口智久 委員  40歳以上の方から1件の問い合わせがあったという答弁をいただきました。  要望いたします。  調べましたら、40歳代のご夫婦の出産が20年前よりは4倍ぐらいにふえているという現実もありますし、多様性ということにもなりますので、その辺の世代の拡大もどうかご検討いただければと思います。 ◆こじまゆみ 委員  私からは、児童虐待防止に向けた取り組みと里親委託の推進に向けた里親支援について伺います。  本年8月に国が速報値として公表した平成29年度の全国児童相談所における児童虐待の相談対応件数は13万人を突破し、過去最多を記録しております。札幌市児童相談所による平成29年度の虐待相談対応件数は、先ほどもお話にありましたが、1,913人と前年度比4.6%増、全国的な傾向と同様に、4年連続過去最多を更新したと伺っております。  本年3月に東京都目黒区で発生した5歳女児の虐待死事件は、子どもがノートに記したメッセージが余りにも痛ましく、この問題への国民的な関心を著しく高めたところでありますが、虐待により、とうとい命を落としている子どもたちは、全国で毎年80人前後も発生しています。  児童虐待は、子どもの心身の成長や人格形成に影響を与える重大な権利侵害でありますが、その背景には、現代の社会、地域、家庭の構造的、複合的な問題があることから、どこの家庭にでも起こり得ることとして、社会全体で取り組むべき重要な課題であります。  さきの代表質問において、親子とかかわる機会を捉えて、早い段階から適切な助言や支援を確実に行うことが重要と認識しているとの答弁をいただきました。この問題への関心の高まりを一過性のものにしないためにも、行政が継続的に啓発活動を展開し、社会の機運をさらに高めて、一般市民に広く定着させていくことが何より大切であると考えます。  そこで、質問ですが、札幌市児童相談所に寄せられる虐待通告件数の推移と傾向について伺います。 ◎高橋 児童相談所長  ご質問にありました児童虐待通告の最近の推移と傾向についてでございます。  まず、札幌市の児童相談所で取り扱いました通告件数について、平成27年度からお話させていただきますと、平成27年度の虐待通告件数は1,366件、平成28年度は1,398件ございました。そして、昨年度は、ご質問の中でもご紹介いただきましたが、1,494件でございまして、毎年5%程度、取り扱い件数がふえております。  傾向といたしましては、昨年度の内訳でお話しさせていただきますが、警察からの通告が888件ございまして、6割ほどになります。その次に、近隣、知人、いわゆる一般市民の方からは377件ございまして、こちらが約3割、そして、医療機関や学校、あるいは、行政、関係機関といったところからは125件ほどあり、約1割という内訳になっております。  警察からが約6割で888件ということですが、多くは、一般市民が110番通報しまして、その結果、警察が出動して、養育状況に何らかの不安があるとの通告が来ております。そういったことに鑑みますと、一般市民の方にも、心配な家庭があると気づいたときには、何らかの形で見守っていきたいという意識が徐々に育まれて、浸透してきているという分析をしているところでございます。 ◆こじまゆみ 委員  一般市民の方が110番通報して、そこから警察の方が通報する形が888件というのは、一般市民の方が絡んでいるのではないかと想定されます。  児童虐待は、家庭の中で起こり、外からは見えにくいことから、子どもや保護者みずからが周囲の人に支援を求めないことも少なくないために、ちょっとしたサインに気づくことが非常に重要であります。特に、乳幼児期の虐待は重篤化する場合が多いため、私どもの会派では、従前から、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援が必要であると求めてまいりました。  心身の不調や家庭環境の問題については、医療機関や教育機関等の気づきによる速やかな情報共有が何よりも虐待予防に重要であります。また、近隣住民や子どもにかかわるさまざまな関係機関からの情報提供や通告をさらに増加させていくことも、児童虐待の早期発見・早期対応に向けて効果的であると言えます。そして、近隣住民や関係機関の見守りの感度、気づきの精度を高めていくことも、虐待の兆候を発見した際の速やかな情報提供や通告を促進し、地域全体での支援の輪の広がりにつながると考えます。  そこで、これまで、札幌市は、児童虐待防止の普及啓発にどのように取り組んできたのか、また、今後、関係機関との連携をどのように推進していかれるのか、伺います。 ◎高橋 児童相談所長  普及啓発の取り組みと関係機関との連携の推進についてのご質問でございます。  まず、お話にございましたように、生まれる前から、出産等に関する母子保健、そして、保育所あるいは幼稚園、学校といったように、行政側での協力はもちろんのことでございます。その上で、これまで、一般市民向けの普及の取り組みといたしましては、まずは、割と行政に近いところで、民生委員・児童委員や青少年育成委員、あるいは、学校、保育所、児童会館といったところの新しい職員の皆様に対し、毎年300名ほどお集まりいただいて児童虐待の現状、その対応について研修会を開催しております。一般市民向けとしては、そのほかにも出前講座を活用させていただいて、その中で児童虐待あるいは養育困難への対応の仕方についてお話をさせていただいております。こちらのほうは、年間で30件ぐらいございまして、受講者は十数人ぐらいの小さな単位ですので、年に400人ぐらいですが、毎年、こうした方々にお話をさせていただいております。また、来月から、国が提唱している児童虐待防止推進月間、いわゆるオレンジリボンキャンペーンですが、この推進月間を中心に、講演会や地下鉄での広告掲載、さらには街頭啓発により、広く一般市民に理解をいただくように努めているところでございます。  それから、二つ目のご質問は、関係機関との連携についてでございます。  連携の推進につきましては、学校や保育所など子どもとかかわる関係機関に向けて、先ほどの講習会を含めて、基礎的な知識を浸透させていくこと、また、これだけではなく、私ども児童相談所と一緒に子どもを支える立場として支援の枠組みを共有していくことが重要でございますので、関係機関が支援の枠組みを共有した中で、虐待の予防や早期発見、そして一層の早期養育推進を進めているところでございます。  ことし3月、児童虐待防止ハンドブックが完成いたしまして、関係機関、学校や医療機関、あるいは、民生委員や青少年育成委員等々に集まっていただく要保護児童対策地域協議会という組織がございます。こういう集まりをきっかけといたしまして、さまざまな機会でハンドブックをご紹介させていただき、いろいろなチャンネルを広げる中で周知に努めているところでございます。  さらに、今後、関係者が集う会議、さらには、一般市民が集まるいろいろな機会で普及啓発に努めますとともに、私ども札幌市児童相談所も経験しましたが、幾つかの痛ましい事例をもとに、庁内外を含めまして、いま一度、しっかりとした対応をするような研修に取り組んでいきたいと考えております。 ◆こじまゆみ 委員  市民の方々へ、その気づきの感度を上げていただくために普及啓発活動は継続的に行っていただきたいと思いますし、そのことで地域での見守りの目をふやしていくことに努めていただきたいと思います。  子育て支援にかかわる関係機関同士がより緊密に連携し、子どもが支援のはざまに落ちることがないように、より一層の協働をお願いしたいと思います。また、見守りを継続し、強化する取り組みだけではなく、見解の相違を是正し、切れ目のない支援の推進を求めておきたいと思います。  それでは次に、平成28年の里親委託の推進に向けた里親支援について伺わせていただきます。  平成28年の児童福祉法改正により、家庭養育優先の原則が明確化されました。全国の児童人口は減少してきておりますが、児童虐待の増加によって、家庭で養育することが難しく、里親や施設など社会的養護のもとで暮らす子どもの数は、今後さらに増加する可能性もあると言われております。  このような子どもたちの生活の場を里親やファミリーホームなどの家庭的な環境にしていくことが必要とされておりますが、特に就学前の乳幼児期は、愛着関係の基礎をつくる時期であることから、温かく安定した家庭で養育されることが何よりも重要であります。  施設や里親に預けられた子どものうち、里親とファミリーホームに委託される子どもの割合である里親委託率については、平成28年度末での全国平均は約18%です。国は、中長期的な委託率の目標数値として、乳幼児は75%以上、そして、学齢期以上の子どもは50%以上の実現を目指しています。  札幌市の傾向を見ますと、里親の数は多く、28.1%の委託率ということで年々増加してきております。これは、改正児童福祉法の方向性としては一致しているところですが、今後、資質も含めまして、その内容が問題になってくると思います。国が目標とする委託率とはまだまだ開きもありますし、引き続き里親委託の推進を進めていただきたく、求めておきたいと思います。  ところで、札幌市では、今年度から里親トレーニング事業を開始し、未委託の里親を対象とした講義や事例検討などにより、即戦力となる委託可能な里親の養成を行っているということでございます。里親委託の推進のためには、里親の新規開拓と未委託里親の養育力の向上の両面から進めていくことが必要であるため、里親トレーニング事業を効果的に実施していくことが重要だと考えます。  そこで、質問ですが、里親トレーニング事業のこれまでの実施状況について伺います。 ◎高橋 児童相談所長  里親トレーニング事業の実施状況ということでございます。  この事業は、社会福祉法人にお願いいたしまして、今年度から開始しております。現在、児童を養育していない里親の養育技術の確保とか、お願いしていたお子さんとの関係性が少し悪化した里親に対する振り返り、あるいは、全ての里親に対しても、まさに質の確保ということで、養育技術の向上を目的とした研修をお願いするなどしてスタートしたところでございます。  このうち、現在、未委託の里親を対象とした研修では、子どもへの愛着や問題行動に対する対応について、演習を中心に研修を行っております。この半年で延べ44人の方に参加していただいて、いま一度、振り返りをしていただいたところでございます。  また、当初はお願いしていたお子さんと仲がよかったのですが、一緒に暮らしていく中で、その後、何らかの形で不調を来したケースはゼロではございません。そういった里親家庭に対しましては、お子さんもさることながら、振り返りとして、里親に対する心理的なケアといったこと、あるいは、里親に対して、いま一度、お子さんとかかわるコミュニケーション能力の手法を学ぶ個別研修も実施しております。  さらには、乳幼児期、思春期、青年期とさまざまな年齢をお願いしておりますので、段階に合わせた対応の研修も全ての里親に対して実施しております。加えて、知的のおくれ、言葉の出が遅いとか動きがほかの子と違うといった発達に心配のあるお子さんに対する理解に関しても、いま一度、振り返っていただく研修も行っているところでございます。 ◆こじまゆみ 委員  里親のトレーニング事業は、さまざまな形で44件行っているということでした。振り返りはもちろんですが、子どもにとっては、愛着形成、アタッチメントを重要視していただきたい乳幼児期、そして多感な思春期など、それぞれの発達段階に応じて問題が生じてくると思いますので、丁寧に個々のケースに対応していただけるよう専門家の方たちの助言や支援もお願いしておきたいと思います。  里親トレーニング事業では、未委託の里親の養育技術の向上に向けた取り組みに加えて、委託中の里親を対象とした事業も実施しているということですが、そのような視点は非常に大切だと感じております。  国の統計によりますと、施設や里親に預けられている子どものうち、障がいのある子どもや、虐待を受けたことで心に傷を負ってしまった子どもの割合が年々増加しておりまして、今後、里親への委託が増加するにつれて、困難を抱えた子どもの数もふえていくことが予想されます。育てにくさから虐待というのは起き得ることもありますので、そういったこともふまえますと、札幌市としても、子どもを委託している里親への養育支援の充実がますます重要になると考えております。  そこで、質問ですが、里親委託の推進に向けて、里親への支援の充実は今後どのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎高橋 児童相談所長  里親支援の充実でございます。  お話にありましたとおり、子どもたちの成長により、おのおの状態が異なります。養育上のさまざまな課題に寄り添いながら適切な助言・指導を図りますとともに、里親の負担感の軽減が重要課題と考えております。専門的な支援を要するお子さんに対しましても、養育技術の向上を観点に、体系的な支援の体制を構築したいと考えております。  これまでも、児童養護施設や乳児院にお願いしております里親支援専門相談員の方々とか、サロン活動をしていただいております札幌市里親会を中心に、委託状況の把握あるいは助言なども行っておりますが、今後さらに、里親からの具体的なご意見、ご要望も踏まえまして、被虐待児、障がい児あるいは非行児も含めて研修プログラムの充実を考えていきたいと思います。 ◆こじまゆみ 委員  里親の養育力を高めるための取り組みをさらに進めていただくとともに、子どもを委託する前から委託した後まで、さまざまな段階で、そして、さまざまな節々で里親支援を充実させること、そして、一人一人の子どもの状況に応じた適切な養育を実現し、子どもたちの健やかな成長につながるようにしていただくことを求めておきたいと思います。  児童虐待防止は、未然予防、そして児童相談体制の強化について、私ども会派は、これまでも、さまざまな観点から、代表質問、委員会、そして特別委員会で議論してまいりました。国では年内に児童虐待防止対策体制総合強化プランを策定されることから、速やかに対応していくことが求められます。
     児童虐待対応は、養育者の生育歴や、心身の状態や育児負担といった家族の抱える要因、そして、社会的つながりに関するさまざまな問題、経済的にも、夫婦関係などのさまざまな問題が作用して発生しています。児童相談所のみならず、子ども未来局はもとより、母子保健、教育機関等の各分野で多岐にわたる支援が必要となることから、これら多くの分野の専門家がチームを組み、お互いの役割を確認するとともに、支援者相互のバックアップもできるような実効性のある連携を図っていくことを求めておきたいと思います。  最後に、要望でございます。  以前、伴委員が申しておりましたけれども、連携の強化、認識の強化、体制の強化をずっと求めてまいりました。今度は実効性のある強化を求めて、私の質問を終わります。 ◆坂本きょう子 委員  私からは、保育所入所に関する運用について、それから、小規模保育事業における連携園について、2点の質問を順次していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  私は、ことしの第1回定例会の代表質問で、保育所入所に関する運用について、子どもが新たに保育所に入るに当たって、一般的に、集団生活への適応等を目的として、通常よりも保育時間を短縮した、いわゆるならし保育について、運用の改善を求めました。そのときの質問に対し、岸副市長からは、他都市の取り扱いや保護者、保育現場等の意見も踏まえ、より適切な運用のあり方について検討してまいりたいというご答弁を頂戴していました。  このほど、園などに聞き取りを行い、運用の見直しが行われているとお聞きいたしましたので、どのような形で聞き取りをされてきたのか、どのような結果が得られているのかというところについてお話をいただきたいと思います。 ◎押見 支援制度担当部長  ならし保育に関する保育所への聞き取りの結果についてお答えいたします。  ならし保育に係る事前入所の取り扱いについて、札幌市においては、最大7開所日の事前入所を認めていたところでございます。ことしの1定の代表質問における委員からのご質問を受けまして、4月下旬に市内410施設を対象に、ならし保育にかかわる事前入所の取り扱いについて実態調査を実施いたしました。  調査結果といたしましては、現状行っているならし保育の実施期間は1週間であると約80%の園が回答しながらも、子どもの状態等により延長が必要な場合があるとの声が上がっておりました。一方で、事前入所の期間について、現行の7開所日に対して、約30%の園から短いとの意見があったほか、特に、ゼロ歳児、1歳児は、7開所日では不足という声や、体調を崩して期間を延長する子が多いとの声も多くございました。さらに、初めて子どもを預ける保護者の方においては、子どもを預けながらの仕事や送迎、家庭における負担等を踏まえると、期間を延長することで気持ちに余裕を持つことができるとの声もあったということでございます。 ◆坂本きょう子 委員  代表質問を受けて、早速、4月に園に対する聞き取りを行ってくださいました。まさに、質問の中で改善を求めていたことは、今回の聞き取りの中で明らかになってきていると思います。  今、7開所日ということで運用されていますから、おおむねの園では1週間のならし保育の期間を設けているのは当然のことだと思いますが、その中でも、やはり30%の保育園が短いと感じていて、とりわけ、年齢で言うとゼロ歳から1歳の子どものところが短いということです。若いお父さん、お母さんはもちろんですし、子どもが集団生活の中になれていく期間が7日では短いことがはっきりしたのだと思います。このような結果を受けとめて、現行の7開所日はもちろん延長されることだろうと思います。  私は聞き取り調査の結果の資料を頂戴しましたが、今、保育園では、10日程度のならし保育を行っている、あるいは2週間、また、わずかな数ではありますけれども、長いところでは3週間を目安としてならし保育を行っている園もございました。本当に丁寧に子どもを受け入れ、親御さんを受け入れ、きちんと子育て支援をやっているのだろうと思います。  こういう中にあって、保育園の負担も相当大きなものがあろうと思います。市としては、弾力的な運用ということで7開所日を変更したと聞いておりますが、具体的にどのように変更なさったのか、また、今申し上げたように、園にとっても負担になるところも少なからずあろうかと思いますので、そういうことも含めて、保育園あるいは保護者に対してどのような周知を行っているのか、伺いたいと思います。 ◎押見 支援制度担当部長  調査結果を踏まえた対応等についてお答えいたします。  調査結果から、大半の園のならし保育の実施期間は2週間以内であったことを踏まえまして、ならし保育にかかわる事前入所の最大の期間について、現行の7開所日から、2週間のうち、日曜日を除く12開所日へ変更することとし、変更後の取り扱いをことし9月から開始することとしたところでございます。  周知につきましては、既に申し込みをされている保護者の皆さんに関しては、毎年9月にご提出いただく世帯状況届に文書を同封したほか、今後、入所を希望される保護者の方に関しましては、入所相談等の際に各区役所の窓口において個別に説明したところでございます。また、各園に対しては、新規入所に係る利用調整の際に、個々の保護者の状況等を踏まえまして、各区から各園に個別に説明をさせていただいたところでございます。  なお、取り扱い変更後、保育所や保護者の方からは、特段のご意見等は寄せられていない状況でございます。 ◆坂本きょう子 委員  若いお母さんたちは、仕事をしながら子育てをしていきたいという強い思いを持ち、保育園を探す保活にとてもご苦労されている中で、やっと決まった保育園に、復職する、あるいは仕事が始まる前に、子どもを連れてならし保育に行きます。しかし、1時間から始まって、少しずつ時間を延ばしながら、1週間という期限の中でこれをやっていかなければならないということで、本当にこれが負担だという声をたくさん伺いました。そういう声があって代表質問ということになったわけですけれども、これが、聞き取り調査の結果、どうやら延長されるようだという話をしましたら、多くのお母さんが本当に喜んでくださいました。1人目のときはだめだったけれども、これで、もう1人、子どもを産む勇気というか、背中を押してくれるというか、そういう状況ができたのかなというようなことも伺いまして、私は本当にうれしく思いました。これからも、より現実的な形で子育て支援の後押しをしっかりとやっていっていただきたい、それが札幌の若い皆さんの切実な声だということを受けとめて、さらなる弾力的な運用なども含めて取り組んでいっていただきたいと思います。  そこで、今申し上げたように、1人目の子どもの保活が終わり、ならし保育も何とか切り抜けるというところで入所するのが小規模保育ということになります。ここは、ゼロ歳から2歳までの子どもを保育するところで、19人以下という小規模の保育施設になりますけれども、当然、3歳を迎えるまでには卒園しなければなりません。やっと保活から解放されたお母さんが、3歳を目の前にして、また新たに保活を始めなければいけないことになります。これは、全国的には3歳の壁と言われておりますが、札幌でもいよいよこれが現実の問題になってくるのかなという思いをしております。  私は、このことについても昨年の代表質問で取り上げました。その時点で、市内には58カ所の小規模保育事業所があり、その中で、18カ所が3歳になって転園できる連携施設を持たないということになっておりました。今現在、待機児童を解消するため、小規模保育事業所を受け皿にして保育所の整備が行われており、小規模保育事業所も相当数ふえていると思いますけれども、今、小規模保育事業所は何カ所あって、そのうち、連携園を持たない保育事業所は何カ所あるのか、伺いたいと思います。 ◎押見 支援制度担当部長  今現在、ことしの10月になりますが、小規模保育事業所の施設は87ございます。小規模保育事業所制度ができましたのが平成27年度で、この制度ができ上がった当初は、平成31年度末まで、連携先の施設がなくとも、一旦は小規模保育所の設立を認めるという経過措置を設けていたところですが、今現在、経過措置を適用している施設は12施設ということで、委員がご指摘のとおり、平成27年当時は15ございましたので、若干減っている状況にはなっております。 ◆坂本きょう子 委員  もちろん始まったばかりの制度、事業所ですが、2017年度に比べると、今現在、58カ所が87カ所になっていて、そのうち12カ所でまだ連携施設が設定されていない、ただし、2019年度まで経過措置が設けられているという部長の答弁であったと思います。  2017年度は31%が設定できていなくて、今は14%が未設定となるのでしょうか。一生懸命に連携施設を探しているとは思いますが、今なお2歳の子どもたちは卒園していくという状況にあります。経過措置があると言いながらも、連携施設を持たずに小規模保育事業所が認可され、開園して子どもたちを預かっている今の仕組み自体、おかしいのではないかというふうに思っています。  昨年の質問のときには、転園先は確保されているというご答弁がありましたけれども、小規模保育事業所の卒園に当たって、子どもたち受け入れ先が見つからなかったというケースは現状ないのかどうか、この間、小規模保育事業所の卒園児の転園についてはどのように対応していたのか、伺いたいと思います。 ◎押見 支援制度担当部長  小規模保育事業所の卒園後の転園先の確保の状況についてお答えいたします。  小規模保育事業所を卒園後、引き続き認可施設の利用を希望する場合は、利用調整において加点を行う等、入所に当たっての配慮を行っておりまして、現時点で、卒園後の転園先が確保できなかったというケースについてはないと認識しているところです。 ◆坂本きょう子 委員  連携園があるところについてはそこに受け入れをお願いする、連携園がない場合、あるいは、ほかの認可保育所を希望される保護者に対しては子どもに加点があるということで、今のところ、受け入れ先が見つからなかったケースはないということでした。  今、小規模保育事業所で連携園があるところでも、自宅あるいは職場、勤務先からでは今預けている小規模園と距離的にかなり違うところ、逆方向に連携園があるような場合は、親御さんの負担にもなります。あるいは、3歳ですから、下に子どもがいらっしゃる場合には同じ保育園に入れることにはなりません。そして、特定園を希望する場合には、国定義で言うと待機児童にはカウントされないことになります。さらに、連携園があっても、なおその中でも受け入れ枠がありますから、そこに入れない可能性もあるわけです。これは、親御さんにとってはとても大きなストレスで、それがまさに3歳の壁と言えるのだろうと思います。そういうところに対してはほかの認可保育所への入所も勧めているということでしたが、まずは連携園のめどをきちんと立てていくこと、そして、連携園に十分な受け入れ枠を確保することが必要だと思います。  小規模保育事業所の事業者だけではなく、今持っている連携園になり得るであろう保育所に対しても、札幌市、行政の側から何らかのアクション、お願いというものがあってしかるべきだと思いますが、そういうところに対して市として新たな連携園の設定に向けて支援しているのか、伺いたいと思います。 ◎押見 支援制度担当部長  小規模保育事業所に対する連携園の確保の状況につきましては、毎年度、1回だけ文書で通知して状況確認をしている状況でございます。その文書の中には、しっかりと連携園を確保するようにとお願いさせていただいておりますけれども、それ以外にも、新たに保育所を整備するに当たりましては、小規模保育事業所の近くにこういう保育所ができますよということを当該小規模保育事業所にもご案内するという形で支援をさせていただいているという状況でございます。 ◆坂本きょう子 委員  今ある小規模保育事業所、それから、連携園になり得るであろう保育所、それから新しく開所する保育園、それぞれに対してしっかりとアンテナを張って、双方向で取り組みをしていく必要があるし、そこのネットワークをつくっていくのはまさに行政の仕事だと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  聞いたところによりますと、小規模保育事業所は定員19名ということになっておりますけれども、現状でも22名までの超過入所が認められているということです。それからまた、話は前後しますけれども、設置のときに補助金を投入されない自主整備の小規模保育事業所については、連携園がないということに対して、今、札幌市が持っている子ども・子育て支援事業計画の中での連携園の位置づけということが強く言えない状況にもあると聞いています。ここがとてもハードルが高いのだろうと思いますので、自主整備の保育所であっても、きちんと連携園をつくっていくように求めていくことが必要であろうと思います。  それから、22名の超過定員について、また、今のところ、札幌市では受け入れ枠が確保できているというご答弁が先ほどありました。3歳の壁ということで、全国的には受け入れ先が見つからない親御さん、子どもがたくさんいらっしゃる中で、国では2019年度までの経過措置をさらに延長する動きも検討されているということですが、超過定員のことと経過措置の延長について、今現在、札幌市でお考えがあれば伺いたいと思います。 ◎押見 支援制度担当部長  経過措置の関係についてのご質問でございます。  私どもも、経過措置の延長に関して、国で検討しているということは確認しております。しかしながら、それが具体的に延長されることが決定したというところまでは我々のほうでも知り得ておりませんので、現在のところ、国の動向を注視している状況にございます。 ◆坂本きょう子 委員  国の動向を注視するよりも、連携園をしっかりと見つけて、3歳になったときにもスムーズに転園できる状況をつくることがまず先決ではないかと思います。  そして、待機児童の解消の問題では、何よりもゼロ歳、1歳、2歳というところの保育ニーズが一番高く、待機が多い状況になっている中で、全国的に地域型保育事業というものが受け皿として整備されている状況ですが、これから幼児教育の無償化などもあって、3歳児以上の保育所入所等のニーズはますます高くなっていくだろうというふうに思われます。計画の中ではこれも若干反映されていると思いますが、この間も、行政の保育ニーズを上回る形で多くの方が保育所入所を希望している状況が続いてきているわけですから、ここはしっかりと現実を直視しなければならないと思いますし、結局、切り張りの中での受け皿づくりのツケが親御さんや子どものところに出てくることに、私は強い懸念を抱かざるを得ないということは申し上げておきたいと思います。  3歳だからといって、新しい保育園、新しい環境にまたなれていかなければならない、その中での人間形成を新たにつくっていかなければならないということは、子どもさんにとってはとても大きなストレスになるだろうというふうに思いますので、そういうところも踏まえた上で、連携園の設定、それからまた、小規模保育事業所に対する指導などもあると思いますが、しっかりと対応していっていただきたいと申し上げて、終わりたいと思います。 ◆中山真一 委員  私からは、病後児デイサービス事業、いわゆる病児保育の事業について伺います。中でも、実施施設拡大のための課題について、増設のための環境整備の観点と病院へのアプローチ方法の大きく二つの観点から伺わせていただきます。  本市の病後児デイサービス事業は、平成28年度から1施設ふやしていただいて、現在6施設、定員は24人でやっていただいております。  地域で保育所に子どもを通わせておられるお母さん方や保育士とお話をしますと、何とかしてほしいということで出てくるのが大きく二つあります。一つは、職員の待遇やお休み、いわゆるゆとりの部分です。もう一つは、病児保育が不便なのでもう少し改善してほしい、電話がつながらないことも多いし、電話がつながってもいっぱいで入れないという声をよく耳にいたします。  ご存じのとおり、子どもは、大人と違ってすぐ風邪を引きます。特に、子どもが2人、3人といると、もっと大変になります。上の子の風邪が治ったと思ったら、次は下の子が風邪を引くこともよくあると思います。そうなると、夫婦ともに働きたくても、かなりの頻度で会社を休まなくてはならない可能性が常につきまといます。特に、パートのお母さん方にとっては悲痛であります。休んだら、その分、パート代が減るわけであります。子育てにお金がかかってお金がないからパートをしているのに、子どもが熱を出して休むとお金が減る、この問題は大変切実であります。  正社員でも、市内中小零細企業においては、人手不足があってなかなか仕事をあけられないのが現状であります。このように、仕事になかなか穴をあけられないワーキングマザーにとって、大変厳しい状況が続いているというふうに思います。  女性の活躍を柱に掲げている本市にとって、病児保育の整備は、保育所の整備と両輪であるとも考えます。実際に、本年1月の市民意識調査によりますと、女性が働きやすい環境づくりのために解決すべき社会の課題についての設問に対して、緊急時に子どもを預けられる環境が整っていないことが55.6%で、希望するタイミングで保育所等に入園できないを抑えて1位であります。特に、30代は65.4%、40代は64.2%の方がそれが課題だとおっしゃっていらっしゃいます。  加えて、昨年11月、札幌市内の18歳から49歳の男女に対して、女性が活躍できるまちづくりに向けた市民アンケートというものが行われましたけれども、女性が働きやすい環境づくりに向けて解決すべきことという設問に対して、4割の方が病児保育など緊急時に子どもを預けられる環境が整っていないことを挙げていらっしゃいます。  実際に、本市においても、昨年度、定員超えにより、電話したけれども、利用できなかった児童は1,335人、お母さん方の間では第2の待機児童とも言われております。病児保育の待機児童解消に向けて取り組みを進めていくことが必要であります。  この問題は、いわゆる事業者、病院など相手もあることですので、担当の皆さんは、ハードルも多く、大変な中、頑張っていただいておりますけれども、残念ながら、お父さん、お母さんのニーズに対してなかなか追いついていないのが現状であります。  近年、各都市とも、子育て環境の向上、女性が働きやすい環境づくりということで、急ピッチで病児保育を拡充してきております。実際に、札幌市は、他政令市に比べて相当おくれているのが現実であります。定員数を人口当たりで見ると、札幌市の24人というのは、20政令市中最下位であります。定員数自体も、20市中18位であります。札幌は6施設24人、大阪の188人、名古屋の166人というのはすごく多い都市ですけれども、人口が40万人も本市より少ない福岡市でさえ、20施設、定員212人分が確保されております。人口が3分の1の熊本市でさえ、8施設、定員74名を確保されているので、本市の24人がいかに少ないかということが数字上でもあらわれているというふうに思います。  加えて、施設のエリアに偏りがあります。施設が自宅や職場から遠くて不便という声もお聞きいたします。現状、施設は、10区中5区にしかありません。北区、中央区、西区、清田区、南区には、施設自体が一つも存在しないのが現状であります。  共働きが主流になっている今、病児保育は、子育てにとってのインフラであります。今ない地域、実際に頼んだけれども、頼めない人たちを減らしていく、有事で本当に困っているときに預かってもらえるのが保護者としては一番大事であります。そういう意味では、もう少しお金もマンパワーもかけて拡充を加速させていくことが必要であります。  まず、実施施設の拡充についての札幌市の認識を伺いたいと思います。  アクションプランにおいては、平成31年度までに実施施設を今から1カ所ふやして7カ所まで拡充するとされております。札幌市においては、プランの目標達成に向けて取り組んでいらっしゃると思いますけれども、事業の必要性を考えると、平成31年度までに7カ所でいいということではなく、少しでも早く7カ所、8カ所と実施施設をふやすよう、拡大に向けスピード感を上げて進めていくベきと考えますが、皆さんのご認識を伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  病後児デイサービス実施施設の拡充についてお答えさせていただきます。  委員がご指摘のとおり、保護者が就労している場合などにおいては、子どもが病気になった際に自宅での保育が困難な場合がありますが、こうした保育需要に対し、保護者の子育てと就労の両立を支援するため、札幌市では、病気回復期にあり、集団保育が困難な子どもを一時的に預かる病後児デイサービス事業を実施しております。  現在は6施設で実施し、平成29年度には延べ2,300人ほどが利用したところでありますが、一方で、従前から、風邪などの流行によってニーズが集中し、利用できない場合があることは、本事業の大きな課題であると認識しているところでございます。このため、アクションプランにおきまして、平成31年度までに実施施設を2カ所ふやして7カ所に拡充することとしており、平成28年度には6カ所目を新規開設したところでございます。  札幌市では、病後児デイサービス事業を補完する機能として、個人の登録会員が病児、病後児を預かる緊急サポートネットワーク事業も実施しているところでありますが、より多くの保護者に病後児デイサービス事業を利用してもらえるよう、また、少しでも早く、一カ所でも多く実施施設を拡充できるよう、医療関係者の協力を得ながら、積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆中山真一 委員  今、部長からお答えいただいたように、一人でも多くのお子さんにご利用いただけるよう、一カ所でも多く積極的に進めていきたいというお話がありましたけれども、今おっしゃった中には、相手もあることですし、いろいろとお聞きする中で、参入のハードルがあるのだろうなと思っております。  課題を解決していくために、病児保育がふえない理由を少し整理したいと思います。  いろいろとお伺いすると、お医者さんのほうが前向きで、ぜひお子さんやお母さんのために協力したいというお話があったりします。一方で、病院の事務方が難色を示される場合もあるとお伺いしております。  今おっしゃったように、季節変動などのいろいろな問題がありまして、運営側がちゅうちょされるのが現実だと思います。札幌市としましては、運営リスクを低減させることが必要ではないかと思いますので、ここからは、事業者の参入に当たって運営リスクを低減させる工夫について、るるお伺いさせていただきたいと思います。  具体的には、運営安定のためには稼働率を上げていくことがまずもって必要であります。利用した人数によって、市からお支払いする委託料の加算が変わってまいります。  昨年度の各施設の1日平均利用人数を見ますと、施設によって人数にばらつきがあります。少ない施設は1日平均0.7人に対し、多い施設は2.1人、この傾向は、毎年、季節ごとにある程度固定化してきております。いわゆる稼働率の高さ、利用人数の多さは、複合的な理由もあると思いますけれども、1日平均利用人数が多く、稼働率が高い傾向のある施設に聞き取りなどを行い、何か特徴的なことをしているのか、何か工夫しているのかをリサーチして、それを横展開していくことも必要ではないかというふうに思います。  そこで、伺います。  稼働率が高い施設に対し、これまで聞き取りなどでリサーチをしていらっしゃるのか、また、これまでやってこられなければ、今後、リサーチを行い、稼働率を高めるために効果的な取り組みなどがあれば、それを横展開するなどの取り組みが必要だというふうに考えますけれども、ご見解を伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  新規事業者の参入に当たって、運営リスクを低減させる工夫についてお答えさせていただきます。  病後児デイサービス事業6施設の稼働状況につきましては、1日平均の利用者数は、最も少ない施設で、委員がご指摘のとおり0.7人、稼働率で見ますと17.8%でございますけれども、最も多い施設では2.1人、53.3%となっておりまして、各施設とも稼働水準はそれぞれ異なっている、ばらついているという状況にございます。  一般的に、稼働状況は、交通機関などの利便性のほか、風邪の流行期や感染症に罹患した子どもの利用の受け入れ制限、あるいは、直前のキャンセルなどが影響すると考えられますが、今後、各施設の運用面をリサーチし、稼働率を高める工夫が確認できれば、施設間での共有、横展開の取り組みについて検討してまいりたいと考えております。 ◆中山真一 委員  今、部長からお話がありましたけれども、当然、いろいろな複合的な要因があるだろうと推察されます。ただ、こういったことは、丁寧に細かくやれることから一つ一つやっていくということが大変重要であると思います。既存の施設の方に安定した経営をしていただくこともそうですし、新しい施設にちゅうちょなく参入していただくという面でも必要だと思いますので、今お話がありましたけれども、聞き取りで工夫などがあるかどうかというのもリサーチしていただいて、横展開も含めて進めていただければと思います。  施設を開設するに当たっての課題について、もう少し具体的に伺っていきます。  今も少しお話がありましたが、施設側には病児保育特有の悩みがございます。子どもの体調変化や保護者の都合により、予約のキャンセルが多いことであります。インフルエンザの流行期には、予約が殺到し、定員がすぐ埋まってしまう一方で、体調が回復されたり保護者がお休みをとれた場合に、どうしてもキャンセルが出てしまいます。施設にとって、直前にキャンセルをされると、運営上の影響が大変大きい部分がございます。  実際に、2013年度の全国の病児保育施設に行った厚労省の調査によると、運営に困る要因というのは、5割の施設で当日利用のキャンセルというものを挙げていらっしゃいます。  そんな中、他都市では、運用の仕方でむらをなくす工夫をされております。例えば、無断キャンセルがあった場合は、以後の利用を制限するという自治体もあります。そのほかに、施設ごとにキャンセルの率を分析し、あらかじめキャンセルを見込んで定員を上回る利用申し込みを受け付ける手法を自治体が施設に対して働きかけるという事例があります。今、申し上げたようなことは、どれが適切かというのはいろいろな考え方があって当然だと思います。  そこで、伺います。  こういった他都市の工夫などを参考にしながら、キャンセルの影響を低減させる取り組みなども検討していくことが必要ではないかと考えますが、ご見解を伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  キャンセルの影響を低減させる工夫についてお答えいたします。  病後児デイサービス事業においては、子どもの病状が回復した、あるいは、保護者の仕事の都合がついたなどの理由によりまして、直前のキャンセルが少なからず生じていると認識しております。特に、当日の朝にキャンセルがあった場合には、先ほども答弁しましたとおり、稼働率が低下し、利用料収入に影響することから、事業者にとっては小さくない問題と受けとめております。  キャンセルを少しでも減らすために、無断のキャンセルがあった場合に以後の利用を制限する対応をとっている自治体があることは承知しておりますが、そうした対応は全国的にもまだ少ないと思われ、今後の動向を踏まえながら検討する必要があるのではないかと考えております。  また、キャンセルがあっても、稼働率が低下しないように、キャンセルを見込んで予約申し込みを多目に受け付けすることについては、実際にキャンセルが発生しなかった場合のリスクが伴うことから、運用面での難しさも懸念されているところであります。  子どもの病状は、先を見通せるものではないだけに、このキャンセルが生じることはやむを得ないことだと理解しておりますが、今後、実施施設におけるキャンセルの実態把握を行い、他都市の取り組みも含めて、キャンセルの影響を低減させる有効な方策について検討してまいりたいと考えております。 ◆中山真一 委員  部長からるるご答弁いただきましたけれども、恐らく各都市のいろいろな施設でも同じような問題を抱えていて、いろいろ試行錯誤されているのだろうというのが実態だと思います。それぞれの施策、いわゆるキャンセルを減らすための取り組みには一長一短があるというのはまさにおっしゃるとおりだと思います。今、部長におっしゃっていただいたように、他都市の事例もそうですし、市内でやっていただいている施設に対してキャンセルの実態等を細かくリサーチしていただいて、どういう方法がいいかということをご検討いただければと思います。  先ほどの施設のキャンセル率を事前に分析するというのは意外と確率が高いようで、それをやっている自治体は稼働率90%ぐらいを実現しているということです。ある程度、施設ごとに季節などの傾向が出てくるので、今やっている中では、そこの分析というのは比較的有効だと推察しております。  次の質問に入ります。  病児保育は、子育てをするインフラとして非常に重要であります。私は、もっとお金をかけてもいいのではないかというふうに思っております。いわゆる子育て支援全体のお金は、平成29年度決算で見ると、子育て支援部で873億円、うち、病後児デイサービス事業は5,300万円でございます。  札幌は6施設24人で5,300万円の予算規模ですが、例えば、ほかの都市を見てみますと、札幌よりも人口が40万人少ない福岡市ですと予算規模が3億9,000万円、人口3分の1の熊本市ですら予算額1億1,000万円と桁が違っております。もちろん、地域的な事情がいろいろありますので、一概に比較するのが簡単ではないというのは理解しておりますけれども、財源の面でももう少し工夫があってもいいのではないかというふうに私自身は思います。  実際に、近年、地域によっては国の基準に加えて独自の上乗せをやっている自治体も出てきております。当然、施設の採算の問題を少しでもクリアしていただくところですが、事業者に支払う委託料というのは市が独自に設定されておりますので、例えば、年度末加算の要件をもう少し緩めるなど、事業者の実入りがよくなるようにしたほうがいいのではというふうに考えます。  そこで、伺います。  事業者の参入のハードルを下げるためにも、他都市の手法なども参考にしながら、独自の上乗せなども検討すべきだと考えますが、ご見解を伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  事業者の委託料の上乗せについてお答えいたします。  病後児デイサービスの事業者に対する委託料につきましては、看護師、保育士の人件費や光熱水費などの運営管理費のほか、利用日数に応じた加算を積み上げたものとなっております。  委託料の設定に当たっては、事業者の収支についても勘案する必要があると考えておりますが、現状では、各事業者とも、収支が大きく不足する状況には至っていないと認識しております。  しかしながら、委託料の引き上げが新たな事業者の参入インセンティブになるのか、他都市の委託料の水準も勘案しながら、その必要性を判断してまいりたいと考えております。 ◆中山真一 委員  今の部長のお答えにもありましたけれども、いわゆる収支不足に陥っていないというのは現状としてはあると思います。どこまで施設にうまみを持ってもらうかというのは、いろいろなお考えや価値観があっていいと思いますけれども、ほかの都市を見ますと、1人利用人数がふえるごとに細かくインセンティブをつけていくというやり方をされているところが多いです。そこで施設の実入りを大きくすると同時に、利用人数をふやしていただく努力もしていただくという両にらみでやっているところが多いと思いますので、引き続きこの部分も検討していただいて、何かしら有効な手があるかどうかを考えていただければと思います。  次に、事業者参入へのアプローチについてお伺いします。  札幌市では、新たな事業者の獲得のため、これまでどのようなやり方、進め方でアプローチを行ってこられたのか、伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  これまでのアプローチについてお答えいたします。  事業の拡充を目指し、現在、札幌市医師会の協力を得ながら協議を重ね、個別に医療機関に働きかけを行っているところです。  具体的には、札幌市医師会からご紹介いただきました医療機関に直接訪問し、折衝を行ってまいりました。その中で、職員のために、病児保育が軌道に乗った場合には本事業の実施を検討してまいりたいという申し出が出ている医療機関もあったところでございます。 ◆中山真一 委員  今、部長からもお話がありましたけれども、医師会の皆さんのご協力も仰ぎながら、一つ一つ丁寧に進めていただいていることは理解いたします。  今のやり方が完全に悪いと言うつもりは全然なくて、一つ一つの施設の状況を見ながら丁寧に進めていくというのは当然必要だと思いますけれども、実施施設を少しでも早く拡充していくためには、もう少しスピード感を持てるようなやり方で幅広くアプローチをしたほうがいいのではないかと思うところであります。次の段階というか、アプローチ方法を少し変えていくような段階にきているのではないかというふうに私自身は思っております。  そこで、伺いますけれども、医師会の皆さんにご理解とご協力をいただきながら、同時並行的にアプローチをしていくなど、これまでと違う方法、工夫が必要だというふうにも思いますが、札幌市のご見解を伺います。
    ◎押見 支援制度担当部長  今後のアプローチに関する工夫ということでございます。  これまでは、小児科と院内保育を併設している施設をまずはターゲットにしていたという経過でございました。今後につきましては、小児科のみならず、内科と院内保育を併設している医療機関に対しても事業の実施を呼びかけていくということで、一斉に案内を発送すること、さらには、ホームページを活用して事業者の募集をPRしていくことについても検討してまいりたいと考えております。  あわせまして、これらの事業者には、可能な限り、ある意味では従来どおりかもわかりませんけれども、個別に働きかけを行いつつ、事業の実施や拡充の必要性を訴えていき、新たな事業者の獲得に向け、スピード感を持って積極的に取り組んでまいりたいと考えているところです。 ◆中山真一 委員  今、部長からも、ある意味で前向きというか、力強いご答弁があって大変うれしく思います。従来は小児科で院内保育をやられているところに絞って取り組んだが、今後は内科も含めてというお話もありましたので、ターゲットの幅が大分広がってくることを期待したいと思います。また、これまでとは大分違うやり方でありますが、一斉に働きかけをして興味のある事業者を募っていくということでしたが、これによって少しでもスピード感を持って進んでいくことを心から願っております。  アクションプランの成果指標でも、子どもが育てやすい環境だと思う市民の割合は平成26年の59.8%から平成29年は54.4%と、このKPIはちょっと落ちています。ただ、札幌市にもいろいろとご努力をいただいている中で、結果として子育ての環境が変わってきておりますので、一概にこれをどうこう言うつもりはありません。  しかし、札幌市も、市として女性の活躍ということをおっしゃっております。私自身は、さっぽろ女性応援会議などをやっていたとしても、施策の実態がそれに伴っていないと意味がないと率直に申し上げたいと思います。市長は、女性活躍という観点で課題全体をテーブルに置いたときに、単なる理論ではなく、建設的に一つ一つ解決していかないと間に合わなくなるという危機感を持っているとおっしゃっていますが、私は、子育てという部分で病児保育というのは社会のインフラだと思っております。  最初に申し上げたように、エリアによって偏在があるということも含めて、これまで以上にマンパワーもお金もかけて拡充を進めていただくことをお願いしまして、私の質問を終わります。 ○福田浩太郎 委員長  以上で、第2項 子ども福祉費等の質疑を終了いたします。  以上をもちまして、議案第1号中関係分の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月29日月曜日午後1時から、討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後4時51分...