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  1. 徳島県議会 1994-09-01
    10月04日-02号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成 6年 9月定例会   平成六年九月徳島県議会定例会会議録(第二号) 平成六年十月四日    午前十時三十六分開議      出席議員計四十名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     森  本  尚  樹 君     二  番     福  山     守 君     三  番     西  沢  貴  朗 君     四  番     吉  田  忠  志 君     五  番     樫  本     孝 君     六  番     来  代  正  文 君     七  番     猿  瀧     勝 君     八  番     竹  内  資  浩 君     九  番     北  島  勝  也 君     十  番     杉  本  直  樹 君     十一 番     久 次 米  圭 一 郎 君     十二 番     長  尾  哲  見 君     十三 番     佐  藤  圭  甫 君     十四 番     児  島     勝 君     十五 番     川 真 田  哲  哉 君     十六 番     宮  城     覺 君     十八 番     亀  井  俊  明 君     十九 番     堺        廣 君     二十 番     遠  藤  一  美 君     二十一番     原     秀  樹 君     二十二番     大  田     正 君     二十三番     榊     武  夫 君     二十五番     平  岡  一  美 君     二十六番     四  宮     肇 君     二十七番     近  藤  政  雄 君     二十八番     湊     庄  市 君     二十九番     木  村     正 君     三十 番     元  木     宏 君     三十一番     俵     徹 太 郎 君     三十二番     松  田  一  郎 君     三十三番     松  本     弘 君     三十四番     服  部  昭  子 君     三十五番     小  倉  祐  輔 君     三十六番     中  谷  浩  治 君     三十七番     大  西     仁 君     三十八番     原  田  弘  也 君     三十九番     阿  川  利  量 君     四十 番     谷  口     修 君     四十一番     木  内  信  恭 君     四十三番     日  下  久  次 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     下  泉  昭  人 君     議事課長     鈴  木  行  雄 君     調査課長     松  本  竹  生 君     議事課課長補佐  浜  本  道  男 君     調査課課長補佐  河  野     敏 君     議事係長     木  村  輝  行 君     委員会係長    日  関     実 君     事務主任     山  口  久  文 君     主事       香  川  和  仁 君     同        佐  光  正  夫 君     同        田  幡  敏  雄 君     同        河  内  か ほ り 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       圓  藤  寿  穂 君     副知事      松  田  研  一 君     出納長      折  野  國  男 君     企業局長     宮  本     清 君     審議監      内  藤  康  博 君     総務部長     佐 々 木  豊  成 君     企画調整部長   幸  田  雅  治 君     福祉生活部長   盛  川  弘  治 君     保健環境部長   市  原     実 君     商工労働部長   古  川  文  雄 君     農林水産部長   安  丸  徳  広 君     土木部長     山  中     敦 君     財政課長     河  内     隆 君     財政課課長補佐  里  見  光 一 郎 君   ────────────────────────     教育委員長    脇        健 君     教育長      坂  本  松  雄 君   ────────────────────────     人事委員長    大 久 保  久  夫 君     人事委員会事務局長木  村  義  則 君   ────────────────────────     公安委員長    鈴  江  襄  治 君     警察本部長    中  村     薫 君   ────────────────────────     代表監査委員   藤  井     格 君     監査事務局長   福  田     稔 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第二号  平成六年十月四日(火曜日)午前十時三十分開議 第一 県政に対する一般質問         (四   名)   ──────────────────────── ○議長(木村正君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(木村正君) 直ちに本日の日程に入ります。 日程第一、「県政に対する一般質問」を行います。 通告がありますので、通告の順序に従い発言を許可いたします。 三十五番・小倉祐輔君。   (小倉議員登壇) ◆三十五番(小倉祐輔君) おはようございます。 まず、去る九月二十九日、紀伊半島に上陸した大型台風二十六号、本県は直撃は免れましたが、一名の方が現在も行方不明になっておられます。終日、交通機関が麻痺の状態、農作物を初め、各地、各分野で被害が発生をいたしました。一日も早い復旧を願いますとともに、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。 さて、御承知のように、昨年の十月五日は、県民の方々の大きな期待と御支持を得て圓藤新知事が誕生、初登庁をされた日であります。それから丸一年目に当たる本日、自由民主党・県民会議を代表して質問する機会を得ましたことは、私にとりましても大変意義深いものを感じます。我が会派の方々を初め皆様方に厚く御礼を申し上げまして質問に入らせていただきます。 この一年間を回顧いたしますとき、県内外におきましても、歴史に刻まれるような大きな出来事を私たちは相次いで経験をいたしました。十月の知事の御就任、県民が一丸となって成功に導いた東四国国体、「躍動のうずしお大会」、本年三月には高速道路ゼロメートル県よりの脱却、本県高速交通の新たな幕あけともいうべき脇─藍住間の開通、さらには九月四日の関西国際空港の開港、まさにビッグイベントメジロ押しといった感がいたします。さらに、国レベルにおきましても、米の緊急輸入、為替レートの九十円台など、大きな構造変化の見られた年でもありました。 そうした時期に本県のかじ取りをされる圓藤知事であります。県民は、あなたの清新な知性、バイタリティーによる力強い手腕、誠実なお人柄に大きな期待を寄せておりますことを、十分御認識をいただきたいと思うのであります。 さて、知事は、御自身の基本的な政治姿勢として、清潔、公正な県政、県民に顔を向けた県政、チャレンジする県政の三つの柱を掲げてこられました。また、交流の時代、共生の時代、新しい地方の時代の三つのキーワードも用意をされました。そして一年、政策課題は別に移すといたしまして、この機会に改めて知事にお伺いをしておきたいと思いますが、昨日の記者会見でも、「トップの大変さを痛感した。責任の重さを腹に据えて県民の方々の御意見をお聞きしながら物事を進めてまいりたい。」と申されておられたようであります。まず、真に清潔、公正な県政が保たれたか、大過なきことに主眼を置いた県民対話と言われるようなことはなかったか、チャレンジする県政について、いささかも臆病な対応に陥ったようなことはなかったか等々、県政の最高責任者としてどのように政治姿勢を堅持しながら政策に反映をさせたか、御所見をお聞かせをいただきたい。とともに、今後の県政推進に取り組まれる御決意もお伺いをいたしておきたいと思います。 私は先般、先輩の日下先生ともども全国議長会主催の海外研修に議員皆様方の御議決をいただきまして、ニュージーランド及びオーストラリアを視察する機会に恵まれました。旅行へ、去る九月七日の夜に開港間もない関西国際空港におり立ったわけであります。その威容に改めて目をみはったものであります。世界のハブ空港を目指す日本の新しいメーンゲートとして、七年有余の歳月、一兆五千億円に上る巨費を投じ、我が国初の二十四時間運用可能な空港として建設されたものであります。その特性を生かした日本経済の新しい拠点として、物や私たちの生活を大きく変えていくことが予想されるのであります。 一方、海上わずか七十キロ、本県と最も至近距離にあります当空港であります。私は、本県は名実ともに四国の玄関として位置づける上からも、当空港島を近畿との交通の結節点として位置づけを図るべきであると強く要望してまいりました。その一つとして、海上アクセスポートターミナルリムジンバス停留所設置でありますが、その見通しはかなり厳しいものがあるというふうにお聞きをしておりましただけに、九月四日開港の日より関西空港交通株式会社奈良交通株式会社において実現されていることを聞き、感無量の思いがいたしますとともに、この難しい問題に取り組んでこられた関空の方々の御好意、県初め関係者の皆様方の御努力に心から敬意を表したいと存じます。 一方、待望の明石海峡大橋も順調に作業が進んでいるようであります。空中足場キャットウオークも完成し、去る六月十日、私たち明石海峡大橋促進議員連盟もその上を歩かせていただきました。目下、ハンガーロープも架設がなされ、平成九年度完成は間違いないと実感を持ちますとともに、今こそ一日も早く陸・海・空の交通ネットワークの整備の必要性を痛感しているところであります。 まず、四国縦貫自動車道についてであります。 言うまでもなく、高速道路は部分供用ではその効果を十分に発揮し得ないものがあります。一日も早い全線開通が待たれているわけであります。いろいろなことがありました徳島─藍住間の供用開始については、先日も知事の所信の中で、「平成七年度中ごろと考えられる。今後一日も早い供用に向けて道路公団にお願いをしてまいりたい。」と述べられましたが、私は本県最大のイベントであります阿波踊りを控えたお盆までに何としても供用ができまいか、全力を挙げて公団にもお願いをすべきだと考えるものであります。改めて知事のお考えをお伺いをいたしておきたいと思います。 また、脇─川之江間の見通しや手ごたえと申しますか、明石海峡大橋完成時供用に向けての取り組みについての御決意も承っておきたいと思います。 横断道の重要性につきましては、今さら申し上げるまでもありませんが、特に川内町では縦貫道と接続し、さらに鳴門市では本四連絡道路とつながるなど、四国の高速道路ネットワークの重要部分を占めるとともに、本県にとり極めてその整備効果の高い路線であります。このうち、鳴門─津田間におきましては、過日、路線発表にかわる事業説明会がございまして、ルートが示され、事業に着手をされたところであります。また、鳴門以南につきましては、整備計画への格上げのための調査や手続を進めていると聞いております。今後、早期の供用に向けての取り組みについての方針をお聞きをいたしておきたいと思います。 また、万代橋につきましては、国道十一号、五十五号、特にかちどき橋周辺交通渋滞緩和のため、その早期完成を機会あるごとに御提案をさせていただいてまいりました。しかし、これまでの事業化へ向けての歩みを見ておりますと、県土木部の御努力にもかかわらず、用地関係者の御理解が得られておりません。都市計画決定手続が進んでいないようであります。三〇〇〇日の徳島戦略において示されております平成九年度の供用の目標達成のためには、どうしても都市計画決定が難しいとなれば、橋については県単をもってその対応を考えなくてはいけないのではないかといったようなことを、昨年の十二月議会でも申し上げましたことを記憶をいたしております。平成六年度後半よりの下部工事着工、平成八年度半ばよりの上部工着工という工事スケジュール表を考えますときに、タイムリミットは十分御承知であろうと存じます。県単架橋に対する土木部長の御決断と申しますか、御所見を伺っておきたいと思います。 また、交通ネットワークにつきましては、去る十月一日には福岡との新規路線が開設され、さらに来る十一月一日には念願の東京線の全日空乗り入れによるダブルトラッキングが実現をする予定であり、改めて知事初め関係各位の御努力に敬意を表したいと思います。 また、徳島空港の拡張整備についてでありますが、今後一層増大が予想される航空需要やチャーター便の大型化を視野に入れながら、滑走路を二千五百メートルに拡張することが不可欠ではなかろうかと思うのであります。第七次空港整備計画での位置づけを含めた今後の見通し、さらには名古屋への新規路線に向けての取り組みについてもあわせてお聞きをしておきたいと思います。 次に、細川内ダムの建設促進についてであります。 改めて申し上げるまでもなく、細川内ダムは治水、利水の両面において県南地域、ひいては本県発展のために大変重要な施設であるとの認識のもと、知事が先頭に立ってその推進に取り組んでおられるところであります。ダム建設にノーと言い続ける木頭村に対して、あくまでも理性的な話し合いによる議論を尽くすとの姿勢で臨まれ、第一回目にはその必要性について、二回目は環境に与える影響を中心に議論されたと聞いております。率直に申し上げて、両者がそれぞれの主張を述べ合い、平行線をたどっているという感が否めないのであります。知事は昨日も、少し熱くなり感情的な面もあったが、といったようなことも述べられておったようでございます。私はまず、知事は議論がかみ合わない原因をどのように認識をされておられるのか、お伺いをしたいのであります。 第二点は、今後の話し合いについてであります。 ダムの必要性についての議論は今日までに専門家の方々の御意見を十分参考に客観的にやり取りを重ねてこられたと思うのでありますが、環境や村の活性化等の面につきましては、これからも村御当局や地元住民の方々の御意見を、そしてまた、御認識、御理解をいただかなければならない面が多かろうと存じます。既に県においては、国や県に話を聞いてみたいとされる住民の御要請にこたえて、数回にわたり現地説明会に赴いていかれております。今後、トップ会談を含め、村御当局や地元との話し合いをどのような形で進めていかれるのか、いつまでぐらいをおおよそのめどとして、そういった点につきましてもお伺いをいたしたい。 さて、次に村の振興計画についてであります。 ダムの建設はメリットをもたらす反面、現実に立地する地域の方々には厳しい事態を迫らざるを得ない面のあることも否定できないわけであります。国、県は真剣に村の将来を考え、できる限りの中身の濃い活性化対策の取りまとめに責任を持って当たっていくことを強く望むものであります。言うまでもなく、村の活性化は地元の意見抜きではあり得ません。話し合いの内容を深めていく意味からも、早急に振興計画の素案をまとめ、提示していくべきだと思います。そして、思い切ったビジョンを示すべきであります。従来の発想にとらわれない大胆できめ細やかな施策を盛り込むべきであります。知事の御見解を承っておきたいと思います。 次に、生活再建相談所に関してであります。 この問題につきましては、去る六月議会、我が会派の中谷会長からの御質問に対しまして知事は、できるだけ早い時期に設置できるよう努めたいとお答えになっておられました。最も深刻な影響を受けられるのは、移転を余儀なくされる水没予定者の方々であります。この二十数年間、ダムによる苦悩の日々を送ってこられた方々の気持ちを考えるとき、一日も早く本格的な相談窓口を設置すべきであります。知事のぬくもりのある御答弁を期待するものであります。 御答弁によりまして、質問を続けてまいりたいと思います。   〔大西議員退席、出席議員計三十九名となる〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) まず最初に、就任一年を振り返っての感想といいますか、どういうふうに政策に反映したかとか、今後の決意についてでございますが、振り返ってみますと、光陰矢のごとしと申しましょうか、昨年の十月五日に知事に就任して以来はや一年が過ぎようとしておるわけでございます。 私は昨年十一月の県議会の所信表明におきまして、私の基本的な政治姿勢といたしまして、清潔、公正な県政に徹すること、そして県民に顔を向けた県政を進めること、さらにチャレンジする県政をお約束をさせていただいたわけでございます。この一年、どうすることが県民の幸せにつながるのか、みずから掲げた政治姿勢に反することはないのかという点について、常に厳しくみずからを律しながら、公平かつ公正な行政に努めてまいったつもりでございます。 また、各界各層の県民の方々との形式にこだわらない数多くの対話や、県政提言ボックスの設置など、偏りのない幅広い御意見をいただくためのさまざまな工夫を凝らし、決して独断専行に陥ることなく、県民とともに進める行政に徹してまいったつもりでございます。 そして、郷土徳島のさらなる発展のため、若さと行動力を持って解決困難な課題に対しても決して憶することなく、積極果敢に挑戦してまいったつもりでございます。 こうした姿勢で、私なりに一生懸命県政に取り組んできた一年でございました。その結果といたしまして、一年という期間の中では努力の成果がすぐにはあらわれてこないものも多々ございますが、かねてより県民の方々から強い御要望がございました、航空便としては二十年ぶりの新規路線となる徳島─福岡便が開設されまして、また徳島─東京線のダブルトラッキング化も来る十一月一日に実現の見通しとなったところでございます。このことにつきましては大変うれしく、交流新時代を迎えようとしている本県の発展のために大きく寄与するものと期待をいたしておるところでございます。 また、徳島市内及び周辺部の交通渋滞解消に向けてのソフト対策として導入いたしました時差通勤や、先ほど申し上げました県政提言ボックスなども順調に滑り出しているところでございます。 さらに、現在実現に向けて鋭意取り組んでおりますさまざまな事業につきましても、ギアをシフトアップしながら精いっぱい努力してまいる所存でございます。 次に、今後の県政推進に取り組む決意ということでございますが、御承知のように、今現在、本県は将来を左右する大切な時期を迎えております。私は県政を担当するリーダーとして、かじ取りを誤ることのないよう慎重にその方向を見きわめつつ、県勢発展のため、さらに積極的な姿勢で県政に取り組む必要のあることを十分認識いたしております。もとより、現在のように先行きの読めない不透明な時代では、とりわけ情報というものが大きな価値を持ってまいります。私は、今までの仕事を通じて私なりに広がりを持った人的ネットワークを培ってまいりましたが、知事に就任してからも、行政を進めるに当たって、こうした方々から得られた情報や御協力は非常に貴重なものでございました。今後とも、さらに人とのつながりを大切にし、さまざまな情報を得ることによりまして、より正確に進路を見きわめ、県勢の発展につなげてまいるつもりでございます。 また、地域間競争の激化している今日、もはや手をこまねいて無難に事を運ぶ時代ではございません。より積極果敢に失敗を恐れず、よりチャレンジ精神を発揮して、私の目指しております住みよい、暮らしやすい県づくりに誠心誠意努力してまいります。 いずれにいたしましても、今後、引き続き県民の方々との対話を重ねつつ、一生懸命知恵を絞り、汗を流してまいる決意でございますので、よろしく御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。 次に、四国縦貫道の件についてでございますが、徳島─藍住間につきましては、懸案となっておりました一部家屋の撤去が完了いたしまして、本線部分の支障物件について解決の見通しがついたところでございます。現在、日本道路公団におきましては、総力を挙げて工事に取り組んでおられますが、供用は一年程度の工事期間が必要と見込まれますことから、平成七年度の中ごろと考えられるわけでございます。 しかし、本県には、御指摘のように阿波踊りという県民挙げてのイベントがあり、県外からの入り込み客も多いことから、高速道路を県都に直結し、円滑な交通を確保することが非常に重要であるということは十分承知をいたしております。このことを念頭に置きまして、一日も早い供用に向けて、日本道路公団との連携を密にし、公団に可能な限りの御尽力をお願いしてまいりたいと考えておるところでございます。 横断道についてでございますが、四国横断自動車道の津田─鳴門間につきましては、六月末から九月中旬にかけまして、板野町及び鳴門市の地元対策協議会概略ルート測量立ち入り等についての地元説明会を行ってきたところでございます。その結果、ほとんどの協議会から測量立ち入りの了解が得られるなど、地元の方々の御理解が深いと感じているところでございます。 このようなことから、高速道路の中心を現地に示す中心ぐい打設式の準備が現在進められている状況であります。 今後は、地元の方々の期待にこたえるべく、日本道路公団、県、市、町が一体となって建設促進に努めてまいりたいと考えております。 鳴門─阿南間についてでございますが、整備計画区間への格上げに向けまして、国及び県において種々の調査や手続を進めておるところでございます。このうち鳴門─小松島間は、去る八月末に関係する市及び町より都市計画案について同意する旨の意見をいただくなど、必要な手続は順調に進んでいるところでございまして、この秋にも都市計画決定を行いたいというふうに考えております。 今後の手順といたしましては、まず整備計画区間に格上げしていただく必要がございます。その後、二年程度の期間を要しまして施行命令が出されまして、地元と設計協議を行うことがこれまでの一般的な手順であります。しかしながら、この区間は他の区間と異なりまして、都市計画決定によりまして道路の区域や構造等が明示されることから、施行命令までに地域の意向を把握し、これまで長くかかっている設計協議の期間を短縮することが可能であると考えております。したがいまして、津田─鳴門間の進捗状況を見ながら、関係する市、町とも連携を図り、その準備を進めてまいりたいと考えております。 それから、徳島空港の件、さらには名古屋便の件でございますが、徳島空港の整備促進につきましては、県政の重要課題として、これまでも運輸省を初め関係省庁に対し強く働きかけを行ってきたところでございます。このようなことから、今年度、運輸省におきまして徳島空港の拡張整備のための基本計画調査が実施されることとなりまして、第七次空港整備五箇年計画への組み入れに向けて大きな前進であるというふうに受けとめております。 しかしながら、全国的に空港整備に対する要望が各地とも非常に強く、決して予断を許す情勢ではございません。このため、県といたしましては、引き続き所要の調査を進めるとともに、運輸省を初め防衛庁及び地元松茂町等の関係機関との協議調整を鋭意進めまして、五箇年計画に組み入れられるよう、今後とも万全の取り組みを図ってまいる所存でございます。 次に、徳島─名古屋間の新規路線の開設についてでございますけれども、本格的な交流の時代を迎える本県にとりまして、国内航空ネットワークの充実を図っていく上において、新規路線の開設は非常に重要な課題であるというふうに認識をいたしております。御指摘の名古屋線につきましては、過去に実施いたしました需要予測調査におきましても、相当程度の需要が見込めるとの結果が出ておりますし、平成二年度に実施いたしました徳島空港の利用状況に関するアンケート結果でも、新規路線の開設希望地として名古屋方面は高い数値を示しておるところでございます。また、今年度事業として現在、中・長距離及びコミューター航空路線についての需要予測調査も実施しておりますので、これまでの調査で得たデータや県民のニーズ等も考慮するとともに、この調査の予測結果等も踏まえながら、名古屋線等も含め、次なる新規路線の可能性を検討してまいりたいというふうに考えております。 次に、ダムの問題でございますけれども、木頭村との議論がかみ合わない原因ということでございますけれども、細川内ダムにつきましては、今年六月と八月に木頭村と二回の意見交換会を開催したところでございます。その中で県は、那賀川流域全体の観点から治水、利水上の必要性等を主張してまいりましたし、それも客観的に数値を挙げて説明してまいったところでございます。これに対しまして村は、木頭村にとってダムは村の存亡にかかわる問題であり、また環境保全上も問題があるというふうに主張されているわけでございます。 このように、意見が食い違う根底には、県は流域全体という広い視野に立った考え方で意見を述べているのに対しまして、村は村の将来や環境の変化等を強く懸念されての発言となっておりまして、これが意見のかみ合わない根本原因ではないかというふうに考えているところでございます。 また、今後の話し合いについてということでございますけれども、村との次回の話し合いは、当初の約束どおり十月末ごろを目途といたしまして、今までと同様な形式で実施したいというふうに考えております。次回は、これまでの意見交換会での議論の内容を踏まえまして、もう少し論点を明確にし、双方の主張をわかりやすく整理をして意見の集約を図ってみたいというふうに考えておるところでございます。村との話し合いは、次回の意見交換会の状況等も勘案しながら、今後はトップ会談のみならず、地元の方々も含めたいろんなレベルで話し合いを行ってまいりたいというふうに考えております。 いつまでにというお尋ねでございますが、現段階では明確にはいつまでというふうなことは申し上げられません。 それから、木頭村の振興計画についてでございますけれども、県では、細川内ダムが建設されることによります地元への悪影響を極力少なくし、逆にダム建設を契機に村が活性化できるよう、県としての案である木頭村振興計画素案を見直しをしておるところでございます。所信表明でも申し上げましたとおり、今年じゅうにはまとめ上げまして村当局に提示をし、また御意見もお聞きしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。計画の策定に当たりましては、議員御提案の趣旨を十分念頭に置きながら、大胆できめ細やかな施策を取り入れられるよう、十分検討してまいりたいというふうに考えております。 なお、振興計画を実施に移すためには、財政的な面で支援することも大切であると認識しておりますので、今後、そういう面でも前向きに取り組んでまいりたいというふうに考えております。 それから、生活再建相談所についてのお尋ねでございますが、細川内ダムの問題につきましては、実施計画調査に着手して以来、実に二十三年が経過しようとしているわけでございます。この間、水没予定地区の住民の方々が最も御苦労されているということは、私といたしましても十分認識しているところであり、また心の痛む問題でございます。このため、県では、かねてからこれらの方方が不安を抱いている将来の生活設計等につきまして、相談等に応じてまいりたいというふうに考えておりまして、そのための施設である生活相談所を建設するのに必要な予算の受け入れ措置も行っているところでございまして、既に、建設省におきましては建物の設計にも着手しているところでございます。この設計ができ次第、建築に向けての手続を進めまして、今年じゅうには着工できるよう、最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。 細川内ダムにつきましては、今後とも問題解決が図られますよう、全力を挙げて取り組んでまいる所存でございますので、御理解、御協力のほどをよろしくお願い申し上げます。 大変失礼をいたしました。脇─川之江間の供用開始についての見通し等につきまして答弁漏れがございました。まことに失礼いたしました。 脇以西の事業促進につきまして、四国の高速道路網の形成の上で最重要課題として取り組んでおりますが、まだ多くの未契約物件を初めといたしまして墓地や家屋の移転問題など数多くの課題を抱えております。この課題解決には、用地交渉を促進するとともに、墓地の移転場所、家屋の代替地のあっせん等が必要でございまして、ぜひとも地権者の方々や地元関係者、さらに地元町の協力が必要でございます。また、この区間には長大トンネルや長大橋など、工事期間が長くかかるものが多くございまして、日本道路公団に対しまして工期の短縮を図るためのさまざまな工夫をお願いする必要がございます。 このため、私も、去る七月でございますが、日本道路公団及び町を訪問いたしまして、より一層の協力要請を行い、また県の直接用地交渉を担当する職員にも督励をいたしたところでございます。残された期間を考えますと、まことに厳しい状況ではございますが、平成九年度末の供用を目標に、日本道路公団及び町とさらに連携を密にし、一丸となって懸命の努力を重ねてまいる所存でございます。何とぞ地元関係者のさらなる御理解、御協力をお願いする次第でございます。   〔大西議員出席、出席議員計四十名となる〕   (山中土木部長登壇) ◎土木部長(山中敦君) 万代橋につきましてお答えをいたします。 万代橋を含む延長約二・二キロメートルの道路の都市計画決定につきましては、当計画ルートが市街地の住宅密集地を通過すること等から、一部住民から計画の変更や代替地についての強い要望がございます。県といたしましては、この道路は県都徳島市の発展のためにはぜひとも必要な道路であり、今後、徳島市とともに代替地等具体的に取り組んでいく中で、関係者の御理解を得て、おくれております都市計画決定手続を進めてまいりたいと考えております。 一方、万代橋は、交通混雑の緩和や新町川により遮断されている地域間の交通の面で効果が大きく、供用が急がれますことから、現在、県単独費で橋りょうの実施設計を進めるなど、スケジュールにおくれを生じないよう努力しているところでございます。 しかしながら、今後の都市計画決定の時期や工事工程、またヨット等の船舶対策、用地取得等諸般の状況を勘案いたしますと、平成九年度完成という目標は大変厳しい状況になってきておりますが、議員御提案の県単独費で一部先行的に実施すると、こういう方法も含めまして、今後関係機関と協議を行い、早期に着手できるよう努めてまいりたいと考えております。   (小倉議員登壇) ◆三十五番(小倉祐輔君) 知事初め土木部長から御答弁をいただきました。先般の開会日の所信でも知事は、「皆様の御指摘を真摯に受けとめながら、私自身さらに高い倫理により身を律してまいりたい。今後、県民に顔を向けた県政推進に向けて一生懸命に頑張っていきたい。」とお述べになられました。御決意を了としたいと思います。 なお、縦貫道の徳島─藍住間であります。 最終的には、公団が判断、決定をする事項ではありますけれども、重ねて徳島県最大イベント、何としても阿波踊りまでに供用できるように、さらに一層の御努力なりお願いもしていただきたいというふうに存ずるわけであります。 脇─川之江間につきましては、申し上げるまでもなく、四国の交通ネットワークのキーポイントを占める重要な路線でもございます。いろいろと用地の問題であるとか、難しい状況もたくさんあるようでございます。そうした障害を乗り越えて渾身努力をしていただきますように御要望を申し上げておきたいと思います。 横断道につきましても、いろいろ努力の跡がうかがえるようであります。中心ぐいの早期の設置であるとか、阿南間の整備計画への格上げ、県民の期待にひとつおこたえをいただきますように、この点につきましても御要望を申し上げておきます。 万代橋につきましては、今、部長の方から、前向きなと申しますか、御決意の一端を披瀝するようなお答えがございました。三〇〇〇日にも入っておりますこの万代橋の供用、平成九年度には間違いなしに完成するように御尽瘁されますように、御希望を申し上げておきたいと思います。 二千五百メートル滑走路につきましても、五箇年計画にできるだけ早く組み入れていただき、万全の取り組みをしながら頑張っていきたいと、知事の御決意でございました。これは知事の専門中の専門の分野でもございます。名古屋新規路線ともどもに御期待を申し上げておきたいと思います。 細川内ダムにつきましては、原因につきまして県は県全体的なとらえ方、村は村を中心としたとらえ方といったような一面もありまして、なかなか意見がかみ合わないようでございます。十月に予定されております取り組みにつきましては、整理をしながら、おおよそ解決をしておる問題については、答えを出しながら一つ一つ積み重ねていくといったような議論の中で、わかりやすくひとつ対応をしていただきますように、この点につきましても御要望を申し上げたい。 振興計画を大胆できめ細かなものにしたい、当然だと思います。生活相談所につきましても、今年度中にぜひ実現をさせたい、了といたしたいと思います。 次に、Jリーグの誘致断念についてであります。 Jリーグ誘致につきましては、昨年来、徳島にJリーグチームをとの期待が高まり、市民団体が関係機関に働きかけを行いまして、三月には二十二万人を超える署名も集まり、知事はJリーグ誘致は郷土意識の向上と地域の活性化に大きく寄与するとの見きわめのもとに、取り組みに強い意欲を示されたことは御承知のとおりであります。三月十八日、県、石井町及び大塚製薬株式会社、三者によって確認書が交わされ、五月二十四日にはチーム運営会社の設立を目的とするJリーグ推進協議会も発足し、本格的なスタートがされたのであります。その後、いろいろの事情がございまして、この九月末の準加盟申請の目標に約半年間にわたり懸命の努力が続けられましたが、結果、推進協議会におきましては、運営会社の設立は困難であると結論が示されました。知事も、この状況では見送らざるを得ないと決断をされたわけであります。この見送りは実質的な誘致断念とも考えられ、残念と言わざるを得ません。 しかし、私は、今回のことで知事のチャレンジ精神がいささかも後退をしてはいけない、これを教訓として生かしていただきたい、ますます挑戦する姿勢をみずからとともに県職員にも浸透を図られることを強く望んでおきたいと思うわけであります。とともに、徹底的にこの整理、総括を行い、期待を寄せられた多くの県民の方々に納得を得る責任のある分析の報告をしなければならないと思います。条件の一つである運営会社設立確保にどのように臨まれたか、みずからリーダーシップをどう発揮されたか、さらにそれがなぜ実を結ばなかったかということについても御説明をいただきたいと思います。 また、三月十八日に交わされた確認書についてであります。申請を見送った以上、これらの合意事項についての御見解もお伺いをしたい。 さらに、推進協議会より今後の取り組みについて、徳島でJリーグ等の公式試合が楽しめるような条件整備の検討を要望されたと聞いております。私は、Jリーグのみならず、陸上とかラグビー等の球技とかのジャンルを問わず、全国規模の、あるいは一定の国際レベルの各種スポーツ大会が開催できるような、ひのき舞台としてふさわしい施設の整備を図るべきだと思うわけであります。この観点から、現在の鳴門陸上競技場の改修についても、真剣な検討を進めていく必要があると考えられます。この取り組みについても御所見を伺っておきます。 次に、農業問題についてお尋ねをいたします。 御承知のとおり、昨年十二月十四日、農業関係者はもちろん国民各界各層の反対を無視しガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意がなされました。すなわち、米輸入の部分自由化受け入れが決定されたわけであります。そして、今後予定されるのはこの批准であります。批准に当たりましては、アメリカのウエーバー条項の廃止であるとか、ECの補助金の削減、そういった実施状況を十分見きわめながら、我が国だけがひとり打撃を受けることのないように慎重に対応することを政府に要望すべきであると考えるものであります。 さらに、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意を受け、農業・農村の国際化が急速に進んでおりまして、さきの農政審議会の報告を見ても、規制緩和の名のもとに、農業を裸のままにして国際競争の場に立たそうという動きも見られることは御案内のとおりであります。特に、米の生産・流通自由化を柱とする報告書は、現行の食管法にこだわらず、新たな法体系を整備すべきだと明記もされております。戦後農政の抜本的転換を求める内容と、そしてまた、これを受けて農水省は国内対策大綱を近いうちに示すというふうに仄聞もいたしておるところであります。新たな農産物の長期見通し、率直に申し上げまして、今日まで農林省の見通しは余り当たったことは少ないんでありますが、それはそれとしまして、そういったものを策定して農業基本法を見直す、米は自給を基本として自給率低下の歯どめをかける、一律強制的な割り当ての減反を生産者の自主的判断にゆだねていく、政府の役割は備蓄米の管理などに限定する、流通規制も最小限にとどめるようにとの内容と聞いております。 本県農業にとりましても、このような国の動きに不安定な日々を送っておりますが、知事は、新たな国際環境のもとで今後の本県農業振興についてどのような基本方針で対処をされようとしておられるのか。また、農林水産部長は、今回の農政審議会報告の米管理システムの構築によって来年度以降の生産流通をまた新しくつくられると、いわゆる法体系の中で農家が安心して米がつくれるような対応をどのように講じていかれるのか。さらにまた、さきの関西国際空港の開港もございましたが、今後、輸入農産物の増加が予想されます。中でも、レンコンであるとかシイタケ、本県特産品への影響は大変大きいものが出てまいっております。今後予測される輸入野菜に対して、どういったような対策をとりながら産地を維持していかれようとしておるのか、この点につきましてもお伺いをいたしておきたいと思います。 次に、本四全通記念事業としての、徳島の先人、偉人を顕彰するモニュメント建設構想について御提案を申し上げておきたいと思います。 いよいよ平成九年度には待望の明石海峡大橋が完成をいたします。本四連絡道路が全通する日を迎えておりますが、まさに徳島県の歴史にとりましても永遠に記念すべき慶事でございます。 そこで、全通記念事業として、さまざまなイベントやモニュメントが現在検討をされております。私は、その一つとして、偉人顕彰モニュメントというべき記念館の建設を提案するものであります。私たちの郷土には、今日までさまざまな分野におきまして多くの偉人、賢人を生み、はぐくんでまいっております。特に、明治以降の多方面にわたる御活躍は非常に目ざましいものがあります。まさに郷土の誇りであります。交通が未開発のときに世界各地を踏査し、考古学や人類学に大きな足跡を残された鳥居龍蔵博士、近代日本の教育行政の礎を築いた芳川顕正、ドイツに留学し、野口英世とともに世界の薬学界の重鎮、エフェドリンの発見者である長井博士、人類愛に基づく運動に取り組んでこられた賀川豊彦先生、樺太──今のサハリンであります──開拓の先駆者であります岡本韋庵、仁術の医師として勤められ、北海道開拓の祖と言われた関寛斉、さらにまた我が国SF作家の先駆者として、江戸川乱歩とともに大きな功績を上げられた海野十三、そういったそうそうたる方々がございます。すべて敬称を略させていただいたわけでございます。 こうした徳島の近代以降に活躍をされた多くの偉人の方々について、写真であるとか、肖像であるとか、パネル、出版物、さらには映画や展示、総合的に駆使をされて、その人となりや業績を知らせ与える記念館の建設、架橋新時代を担う徳島県の青少年たちに大きな教育効果をもたらすものと確信をいたすものであります。知事の御見解を承っておきたいと思います。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) まず、Jリーグの件でございますけれども、Jリーグ誘致につきましては、魅力のある郷土づくり、若者の定住を促進するために大きな意義があることから、解決すべき課題が多いことはあらかじめ承知はいたしておりましたが、多くの県民の期待にこたえるため、あえて困難にも取り組むことを基本姿勢として実現に努めてまいったわけでございます。 ことしの三月に県、大塚製薬、石井町の三者の間で、それぞれの役割を明確にした確認書を交わしまして、五月には県内外の企業の参加を得ましてJリーグ推進協議会が発足いたしまして、九月末の準会員加盟申請に向けまして、運営法人の設立を初めとする必要な条件整備を進めてまいったわけでございます。 協議会では、運営法人の設立には最終的な経営責任を負う企業を確保することが何よりも重要であることから、全国ベースで企業の意向調査を行うなど、出資及び広告スポンサーの協賛を依頼したわけでございます。この結果、出資金につきましては、具体的に出資金額を詰める段階に達し、ある程度の見通しがついたわけでございます。 一方、広告スポンサー企業につきましては、私みずからも直接企業を訪問して協力を要請するほか、他の協議会メンバーとも連絡をとって企業との接触を重ねるなど、大塚製薬を含めました多数の企業に対して、スポンサー協賛を幅広く懸命に働きかけたわけでございますが、経営責任を持ち、法人の運営面でも中心的な役割を果たす核となる企業をついに確保するには至りませんでした。 こうした状況を踏まえまして推進協議会では、現在の経済情勢は依然として厳しいものがあり、今後の見通しも不透明であることから、法人設立は困難であるとの最終判断となったわけでございます。この結論を受けまして、大塚製薬、石井町とも十分に協議をいたしましたが、法人設立からJリーグ加盟までに相当な資金が必要でございます。また、Jリーグ加盟後も安定した運営を行うには、最終的な経営責任を負う企業が必要不可欠であるというようなことから、核となる企業について明らかな展望がない現状では、誘致を継続することは極めて困難であるとの判断をいたしまして、このたびの準加盟申請を見送らざるを得ないという結論に達したところでございます。 まことに残念ながら、県民の皆様方の期待にこたえることができず、非常に厳しい事態となったわけでございますが、これは運営法人の設立の見通しが立たなかったことに尽きるのではないかというふうに考えているところでございます。これがうまくいかなかったからといって、チャレンジ精神を発揮することについて、今後とも一生懸命そのような気持ちで頑張ってまいりたいと思いますので、御理解のほどをよろしくお願いします。 それから、確認書についての件でございますが、本年三月に交わした確認書につきましては、去る九月十三日に開催されましたJリーグ推進協議会において運営法人の設立は困難であるとの結論を受けまして、大塚製薬株式会社、石井町とも協議をいたしまして、当初予定していた今年九月の準会員加盟申請を見送るとともに、確認書はJリーグ誘致を前提として締結したものである以上、白紙とせざるを得ないとのことで合意をいたしたところでございます。 それから、鳴門の陸上競技場の改修の件についてでございますが、鳴門陸上競技場につきましては、昨年開催されました東四国国体のメーン会場として南北スタンドを設置するなど大規模な改修を行いまして、第一種陸上競技場としてグレードの高い施設として整備をいたしたところでございます。このため、陸上競技関係者からは、非常に競技がしやすく、全国的に見ても質が高い施設であるとの評価をいただいているところでございまして、平成七年にはJOCジュニアオリンピックカップ第十回日本ジュニア陸上競技選手権大会が開催される予定となっているところでございます。 今後、議員の御提言も踏まえまして、Jリーグ推進協議会から提言のありましたJリーグの試合の招致等についての可能性を探るとともに、全国レベルの各種スポーツ大会の誘致に努めてまいりたいと考えておりまして、こうしたソフト面の対策とあわせまして、鳴門陸上競技場の一層の活用を図る観点から、関係者とも十分協議を行い、そのグレードアップの方向について真剣に調査・研究してまいりたいと考えております。 それから、農業の振興の件でございますが、昨年のガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意に伴いまして、米のミニマム・アクセスや乳製品を初め農産物の関税化等が平成七年度から具体的に実施される予定でございまして、本県農業も新たな局面を迎えることとなります。これまで本県の農業は、近畿圏を初め大都市消費圏に対する生鮮食料品供給基地として発展を遂げてまいりましたが、新たな視点に立って本県農業のさらなる発展を期さなければならないというふうに考えておるところでございます。 具体的には、経営感覚にすぐれた農業経営者の自立を支援するために、農業集積を初め経営基盤の強化の施策を推進してまいりたいというふうに考えております。さらに、外国の農産物との競争を視野に入れまして、生産コストの低減や高品質化のための共同利用施設の整備など、産地の強化に努めてまいりたいというふうに考えております。また、農業合意の影響が大きくあらわれるおそれのある中山間地域など条件不利地域につきましては、地域の自主性と創意工夫を生かしながら、生産基盤、生活環境の整備や標高差等の地域の条件に適応した新作物の導入、さらには地域ぐるみの共同営農活動の支援など、活性化のための各種施策をきめ細かく推進してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 それから、本四全通記念事業についてでございますが、平成四年度に策定をいたしました基本構想におきまして、基本的な方針を定めているところでございます。この基本方針におきまして、博覧会という装置型のイベントではなくて、県内各地で多彩なイベントをさまざまな事業主体によって行うということにいたしておりまして、また施設整備につきましては、三〇〇〇日の徳島戦略に盛り込まれた事業の中で、交流の拠点、徳島の新たな魅力づくりとしてふさわしいものを記念事業として位置づけているところでございます。 したがいまして、全通記念として新たに徳島の偉人を顕彰するモニュメント等の建設整備を行うことは難しいのではないのかというように考えておりますけれども、議員御提案の趣旨を生かしたいろんな企画展を催すなど、何らかの事業が展開できないか、今後、真剣に研究をしてまいりたいというふうに考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。   (安丸農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(安丸徳広君) 農業の問題についての二点にお答えをいたしたいと思います。 まず、米の問題でございますけれども、お話のありましたように、現在、国におきましては、さきの農政審議会の報告を受けまして、米の生産から流通にわたる制度の抜本的な検討がなされているところでございます。県といたしましては、その動向を注目しているところであり、国の対策を見きわめて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、本県の今後の米づくり対策につきましては、温暖な気候や京阪神地域等大消費地に近いなどの立地特性を最大限に生かし、売れる米づくりを目指して、市場競争力の高い早期米の奨励を図ること、米単作ではなく野菜との複合経営を進め、生産性の高い水田営農を推進すること、有機米などの商品性の高い米づくりを進めることなどの対策に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 第二点でございますけれども、輸入野菜対策でございますけれども、関西国際空港の開港等を機に、今後、輸入が増大するというふうに考えられておりますけれども、そういう中で、海外の産地にも目を向けた生産・流通・販売対策がこれまで以上に必要になってきているというふうに認識しております。輸入野菜は、これまで国内産地の生産量が減少するとそれに伴って価格が高騰するというふうなことを機会に増大しておるということから、こうした輸入を増発しないよう安定生産に努めることを基本に、生産・流通面でのコスト低減を図るとともに、品質のすぐれた徳島産のイメージの定着や差別化を進めてまいりたいと考えております。 こうしたことから、輸入野菜についての的確な情報を把握することが肝要と考えておりますが、九月補正予算では、中国などからの輸入野菜の増大に緊急に対応するため、輸入野菜緊急対策事業をお願いしております。本事業では、レンコンの生産安定を図るため新しい技術の実施を行うとともに、レンコン、シイタケなど輸入の増大が見込まれる野菜を対象とした予約相対取引など、新たな販売戦略について検討することにいたしております。   (小倉議員登壇) ◆三十五番(小倉祐輔君) 少し時間が超過をいたしまして、まことに申しわけなく思っております。 知事なり部長の方からそれぞれ御答弁をいただいたわけでございます。 本議会は、知事就任の丸一年ということでもございまして、質問事項が少し多くなりまして、限られた時間の中で再問することができなかったわけでございます。今後、委員会等を通じて論議を深めてまいりたいと存じております。 古くから先人の教えの中に「政を志す者は、常にみずからによる厳しい自己点検が求められる」と申されております。一年の貴重な御経験を糧とされまして、県民の大きな願いにこたえられますように、より一層の御精進を御期待を申し上げまして、私の質問のすべてを終わりたいと思います。 御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(木村正君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時四十一分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時六分開議      出席議員計三十七名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     森  本  尚  樹 君     二  番     福  山     守 君     三  番     西  沢  貴  朗 君     四  番     吉  田  忠  志 君     五  番     樫  本     孝 君     六  番     来  代  正  文 君     七  番     猿  瀧     勝 君     八  番     竹  内  資  浩 君     九  番     北  島  勝  也 君     十  番     杉  本  直  樹 君     十一 番     久 次 米  圭 一 郎 君     十三 番     佐  藤  圭  甫 君     十四 番     児  島     勝 君     十五 番     川 真 田  哲  哉 君     十六 番     宮  城     覺 君     十七 番     北  岡  秀  二 君     十八 番     亀  井  俊  明 君     十九 番     堺        廣 君     二十 番     遠  藤  一  美 君     二十一番     原     秀  樹 君     二十二番     大  田     正 君     二十三番     榊     武  夫 君     二十六番     四  宮     肇 君     二十七番     近  藤  政  雄 君     二十八番     湊     庄  市 君     三十 番     元  木     宏 君     三十一番     俵     徹 太 郎 君     三十二番     松  田  一  郎 君     三十三番     松  本     弘 君     三十四番     服  部  昭  子 君     三十五番     小  倉  祐  輔 君     三十六番     中  谷  浩  治 君     三十七番     大  西     仁 君     三十九番     阿  川  利  量 君     四十 番     谷  口     修 君     四十一番     木  内  信  恭 君     四十三番     日  下  久  次 君   ──────────────────────── ○副議長(近藤政雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 この際、申し上げます。 圓藤知事から、午前中の小倉議員の質問に対する知事答弁の中、「東京─名古屋間」を「徳島─名古屋間」と訂正いたしたい旨の申し出があり、議長において許可しておきましたので、御報告いたしておきます。 四十三番・日下久次君。   〔長尾議員出席、出席議員計三十八名となる〕   (日下議員登壇) ◆四十三番(日下久次君) 私は、社会党・県民会議を代表いたしまして、ただいまから県政の重要懸案事項について、知事並びに執行部の皆さんに質問を行いたいと思っております。簡潔にして明快な御答弁を賜りますように要望しておきたいと思います。 台風一過、秋の気配が一段と深まってまいりました。秋は、御存じのとおり「天高く馬肥ゆる」のときであります。味覚の秋であり、かつまた秋の夜長に物申す季節であります。圓藤知事は、実り豊かなこの秋、そして十月四日の本日、県政を担当する一年の節目を迎えられました。あす五日から二年目の第一歩を踏み出す運びとなりました。エリートコースをひた走る官僚生活から地方自治の最高責任者への鮮やかな転身は、知事自身にとりましてもこの一年の歩みはまさに感慨深いものがあろうかと推察されるのであります。 一方また、私ども県議会サイドにとりましても、十月四日という記念すべき本日は、圓藤県政一年の歩みを総点検し、あすへの実り豊かな県政を論議するにふさわしい絶好の機会であろうと思われます。 以上のような観点に立って、まず圓藤知事にお伺いいたしたいと思います。 質問の第一点は、知事は今回冒頭における所信表明の中で、御自身なりに一年の歩みを総括されておりますが、残念ながら抽象的かつ羅列的で、私どもの心を強く打つものがございません。なぜ心を打たないのかといえば、一年もの間、あれほど忙しく未経験というべき県政に初めて取り組まれながら、喜びや数々の失敗や成功に対する気持ちの訴えはもちろん反省の弁もなく、いわゆる当たりさわりのない官僚作文の域を一歩も出てないからであります。とりわけ問題なのは、圓藤県政の掲げる重要懸案問題、例えば、高速道路を中心とする交通ネットワーク整備や関西国際空港対策、細川内ダムの建設、Jリーグ誘致、産業構造転換への対応、地域環境対策、高齢化への対応などについて、心のこもった説得力のある反省や問題提起がない上に、今後どう局面を切り開いていくのかという肝心の具体的な戦略・戦術にも全く欠ける点であります。 一例を申し上げますと、産・学・官を柱に県内各界各層の代表が知恵とエネルギーを絞って練り上げたあの三〇〇〇日の徳島戦略が、バブル経済崩壊後の今日、そしてまた圓藤県政一年の歩みの中でどのように浮き沈みしていくのか、明石海峡大橋開通まで残り四年を切った今日、受け皿として必ず整備すべきだとされた五十一にも上る新規事業の達成状況はどう進んでいるのか等々、私ども議会や八十三万県民にとってここが知りたいと思われるような当面緊急の課題についても、何ら具体的な進捗状況、または問題解決の処方せんが示されていないのは、まことに遺憾というほかないのであります。 知事、あなたはこのような甘い姿勢で、県民に顔を向けた県政に徹すると言えるでしょうか。県民に常に顔を向け、私ども議会や県民と心からしっかりと手をつないで重要懸案事項を解決しようと考えるなら、高速道路の立ちおくれや失敗に追い込まれたJリーグ誘致、あるいはまた細川内ダムの問題についても、もっともっと謙虚に率直に窮状を訴え、反省の気持ちをアピールしながら、どこに行く手を拒む壁があるのか、一年の歩みを通り一遍でなくもっともっと真剣に総括して、今後の取り組みについて生きた教訓として生かすべきじゃないでしょうか。今議会は、知事が一年生から二年生へ一年の節目を迎えた、今回はいわば知事にとって進級試験の晴れ舞台であります。実りの秋に背を向けるような人間性と真実性の薄い、しかも一夜づけの勉強でお茶を濁すような進級論文ではなく、人間の心を打つ本音の総括、練りに練った答弁と問題提起をまずこの席からお聞きしたいと思います。 知事の御答弁によりまして、再問をいたしたいと思います。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) この一年を総括しての本音の考え方ということについてのお尋ねでございますが、私はこの一年、大切な故郷であり、自然が美しく、そして人情のあふれた人々が住んでいるこの徳島を、さらに住みよい、暮らしやすい県につくり上げていくという、非常に責任の重い、やりがいのある仕事をさせていただきまして、日々充実した気持ちで頑張ってまいったつもりでございます。 正直な気持ちとして、県民の方々の幸せだけを願い、知恵を絞り、行動を起こして、県勢発展のための課題解決のため一生懸命努力をしてきたつもりでございます。事業の早期実現のために、これまで培ってまいりましたいろんな経験や人とのつながりを最大限に生かしまして、みずから運んで、私としてはできる限りのことをやったつもりでございます。まだ解決が図られていないいろんな懸案事項につきましても、その解決の糸口をつかむためにみずから積極的に対話を重ねてまいりました。 その結果といたしまして、先ほどの小倉県議の御質問にもお答えしましたとおり、比較的順調に推進できつつある事業もありますけれども、中には、それぞれの方々の価値観と申しましょうか、環境でありますとか土地等に対する皆さん方の思いにはさまざまなものがございまして、より広く、より深いコンセンサスを得るには至らなかった事業もある点には、謙虚に反省をいたしたいと思っております。 今後におきましても、県勢発展につながる施策につきましては、さらに粘り強く県民の方々の御理解をいただけるよう一生懸命汗を流してまいるつもりでございますが、議員御指摘の点も踏まえながら、一度肩の力を抜いて反省すべき点を反省し、率直な議論を重ねることによりまして懸案事項の解決に努めてまいる所存でございますので、どうかよろしくお願い申し上げます。   〔平岡・原田両議員出席、松田議員退席、出席議員計三十九名となる〕   (日下議員登壇) ◆四十三番(日下久次君) ただいま知事から答弁がありました。反省すべき点は反省するし、自然が美しく、住みよい、暮らしやすい徳島県をつくるために全力投球をやってきたと、こういうような御答弁でありました。その答弁に関連いたしまして、知事が所信表明の中で取り上げた重要懸案を個別に追いながら圓藤県政の一年を総括決算してみたいと思います。 第一の質問は、細川内ダムについてであります。 圓藤県政は、当面する重要懸案の柱の一つに細川内ダム建設を掲げ、過去一年間それなりの対話と努力をしてきました。知事の所信表明でも明らかにしておられますが、しかしながら我々議会サイドから冷静、公平に一年の取り組みのあり方を分析してみますと、対話でなく対決の連続であり、今や県と地元木頭村の対決は頂点に達しつつあると断ぜざるを得ないのであります。まことに遺憾のきわみであります。しかも、本質論へ飛び込む以前の、いわば入り口の段階で議論が立ち往生し、村当局や反対住民の県政に対する不信感がむき出しのような形になって燃え盛っていくありさまは、私どもにとっても看過できないところでございます。対決が頂点に達しつつあると言えるのは、村当局が環境基本条例をつくって、何が何でもダム建設を阻止するという動きを見せている、この一例を見ても明らかでございましょう。何がここまで事態をこじらせたのか、この原因をまず知事にお伺いいたしたいと思います。この原因の多くは、県の対応のまずさに起因することが少なくないと断ぜざるを得ないのでありますが、どうお考えでございましょうか。 御存じのように、去る八月三十一日に県と木頭村当局の第二回会談が行われました。その会談の直前の八月二十五日、砂防工事、治山事業、久井谷の公共工事に絡む指名業者の取り消しと工事入札中止が、村長に何の連絡もなく突然一方的に行われたのであります。地元村当局が、細川内ダムに絡めた県の強権的な兵糧攻めの圧力だと激しく反発したのはその最たるものだと言えるでありましょう。当然のことながら、この問題はマスコミにも大々的に報道され、今議会の事前審査委員会でも論議を呼び、工事入札中止はダム問題と全く関係ないとする県当局の発言に対し、村当局は一層態度を硬化させるに至ったのは周知のとおりであります。せっかく第二回目の対話交渉が行われるという矢先に、なぜ対決を誘うような、いわばけんかの材料を県はあえて提起したのでありましょうか。 さらに問題なのは、この治山堰堤工事の件については、知事や副知事が全く関知せず、所管の農林水産部の独断だと言明、このような重要案件に県の内部調整や指揮命令、監督などが全くできていない実態が県民の白日のもとにさらけ出された点であります。副知事、あなたは細川内ダム建設の推進責任者であります。企画調整部長、あなたは庁内調整の窓口の総責任者でないですか。こうした責任者の二人が口をそろえて、農林水産部の独走で私は知らんという、このぶざまな庁内調整や醜態ぶりを知事はどのように受けとめているのでしょうか。期せずして県民の間から、多数与党下の影響、たるみ切った県政の氷山の一角がはしなくも県民の前にさらけ出されたと、厳しい批判の声が上がっています。 私はことしの二月議会でも、審議監なるポストの新設に当たり、屋上屋を重ね、内部調整を混乱させると厳しく警告いたしました。知事直属のブレーンとはいえ、予算権や人事権を持たないポストが幅をきかして庁内を壟断すれば、本来の指揮命令、業務執行系統である副知事や各部長の間に摩擦を起こしかねないのは明白であります。内藤審議監は、ダム問題について村当局との対話はあと二年などと重大な発言をされておりますが、知事からの特命事項の答案づくりに今後専念させるというなれば、知事、副知事への影の助言者に徹しさすべきであります。また、審議監を支えるスタッフには、使い便利なお役人だけでなく、県政に明るい見識豊かな民間の人材を起用し、広い視野から提言できる体制に改善すべきでないかと思いますが、この際、知事は県政の最高責任者として、こうした審議監制度の見直しと庁内綱紀の粛正へ断固たる姿勢を示すべきだと思うが、知事はどうお考えでしょうか。知事のスタッフとしては、副知事のほかにも出納長が存在します。一体審議監は何を補佐しているのかという批判があることも付言しておきたいと思います。 いかにダム建設促進を叫んでも、地元の協力がなければ測量も実地調査も環境調査もできないし、ダムの基本設計すら策定できないのは目に見えております。いわゆる昔流の兵糧攻め、強権政治で問題を解決する時代ではありません。知事以下幹部一同が発想を転換し、意識を自己革新して今後の地元対策に臨むべきであります。この際、一から出直す気持ちで対話に当たることを強調したい。 私は、昨夜、後藤田先生が発行いたしました「政と官」という本を読みました。後藤田先生が書いてあります。知事も読んだことがあると思うんですが、「役所が目的を達成するには住民の信頼が必要である。ところが、いつの間にか信頼と威信が入れかわり、目的は二の次にされて威信や体面ばかりが強調される。これは最も悪いことである。なぜかというと、自己反省ができなくなるからだ。」、このように書いてあります。「また、不祥事が発生した場合でも、役所の威信を繕おうということで事実を率直に認めなかったりする。これがいけない。」と言っている。知事や幹部諸君は、この後藤田先生の「政と官」の中に記されたこの事実を肝に銘じて頭に入れてもらいたいと思います。 次は、関空対策であります。 関西国際空港は、関西復権の期待を担って今秋九月四日に開港いたしました。きょうで丸一カ月、成田一極集中が緩和されるとともに、人、物、情報の流れが変化し、本県にとっても数多くのビジネスチャンスが生まれるものと期待されるが、本県の明と暗、つまり光と影を見きわめながら、東アジアの拠点空港を本県経済活性化のために最大限に生かす視点が大切であります。 知事は所信表明の中で、人、物、情報の流れを迅速かつ適切に把握し、調査・分析して本県産業の拠点に結びつけると言われているが、いつごろこの調査をやるのか。大阪府や神戸市あたりは、既に専門機関に委託して事前調査を行い、メリット、デメリットを分析し、対応策を練っている。いかにも本県は後手後手の行政と言わざるを得ない。Jリーグ誘致のために一千万円近い調査費を使うぐらいなら、なぜ差し迫った関空の影響調査にももっと力を入れないのか。阿波銀行系統の徳島経済研究所だけの調査資料しかないというのでは話にならないのではないですか。現に、二十四時間空港の特性を生かした国際貨物便の取り扱い増によって、阪神市場では外国産の生鮮食料品や花卉等があふれ、県産品を脅かしつつある。今後適切な対応を心がけてまいるという抽象的かつ通り一遍の官僚型答弁で、農協や農民、関係業者が満足しないのは明白であります。今後の本県の対応について知事の所見を承っておきたいと思います。 次の第三問は、関空へのアクセスであります。 先ほどいろいろ小倉議員の質問に答えて答弁がありましたけども、私は私なりの質問をいたしたいと思います。 関空へのアクセスは、一日六便、徳島高速船の運航でまず当面はオーケーといたしましても、空のアクセスが全くないというのは問題というほかありません。徳島と高松の両空港は、関空から近距離過ぎるという理由で国内線の乗り入れが認められなかった。国内線の乗り入れは二十四路線にも上り、四国では高知、松山両空港からの乗り入れが認められております。高松空港も、徳島への高速道路がまだ一〇〇%開通していない、四国で香川県だけが不便なのは許せないとして、全日空による関空乗り入れを猛運動しており、年内にも乗り入れ申請が認められそうだとも言われております。こうすれば、我が徳島だけが空のアクセスなしになり、完全に立ちおくれる。先月私は、関空経由で小倉議員ともどもにオーストラリアから帰国しましたが、海のアクセスは空に比べて高速船は風雨に弱く欠航も多いし、比べて乗り継ぎも不便であるし、スペースの狭さ、重い荷物を持っての歩行などいろいろと不便で、ポーターもおらず老人泣かせの空港であります。知事はこの現実を知っているのか。さらにまた、関空は先般の台風のときのように、交通閉鎖による空港島孤立化など泣きどころも少なくないことが判明いたしました。 知事は、御承知のとおり、本県だけが四国関空株式会社へ当初予算四億円、以降増資によって、合計十三億六千五百万円を出資している本県は株主であります。また、知事は出資団体協議会メンバーであるし、担当部はそれぞれ役割を持った役人だそうであります。関空株式会社へ積極的に発言し、泣きどころの改善へ立ち上がるべきだと思います。特に、空のアクセス確立のために、徳島空港からの国内線乗り入れのアクションを早急に起こすべきだと思うが、知事の見解を求めておきたいと思っております。 質問の第四は、福岡便の就航と九州圏との交流についてであります。 十月一日から徳島─福岡を結ぶ空の便が開設されたのは喜ばしい、知事の努力を多としたいと思います。しかしながら、現状は一日一便で、運航ダイヤは福岡発午前十一時五十分、徳島着午後一時五分、徳島発午後三時十五分、福岡着四時五十分となっております。このため、本県から福岡行きの利用者は、時間帯が非常に悪く、日帰りできないため、早くもダイヤ改正を望む声が上がっております。バブルがはじけて最適の空の便の利用者は、ビジネス、観光ともに日帰りを望む向きが大幅に増加しております。運航早々からダイヤ改正や増便要請は難しい一面もあるかと思われますが、利用実績を上げて増便を容易にするためにも、知事は今からダイヤの改善へアクションを起こしていただきたいと思います。 また、福岡便の開設をてこにして、徳島と九州圏との交流をいかに促進させる考えなのか。ただ単に経済、文化で交流していくという抽象論でなく、具体的なビジョンを話題ごとに示して、交流促進の実を上げるべきだ。県当局はまだその原案もないのでしょうか。原案ができていないのなら、知事は構想でもよいからその骨子を示してもらいたい。また、現在、北九州市にある本県事務所を福岡市に移転する考えはないのか、あわせてお伺いしたいと思います。 質問の第五は、交通体系の整備であります。 午前中、小倉議員の質問によっていろいろ問題点がわかりましたけれども、私は知事に次の点について質問しておきたいと思います。 明石大橋が開通する平成十年春には、本四三架橋時代に入り、本県発展のためには、縦貫道、横断道の早期整備は県としても最重要課題であることは言うまでもありません。明石大橋の開通に合わせ供用が図られることは最も望ましいところでありますが、一日も早く供用が図られるためには、事業主体である日本道路公団や建設省に対して工事実施計画の認可が早く出されるよう積極的に働きかけるとともに、県といたしましても、高速道路に関係する地権者を初めとする権利関係者や沿線住民の意向、要望等の的確な把握とこれらの方々の御理解、御協力が早期に得られるよう、また周辺対策事業等の迅速な対応に努めるなど、県として早期整備に向けた具体的な地元協力体制を推進していく必要があると思います。 知事としても、縦貫道、横断道の供用がいかに本県の活性化に影響するか重大性を認識して、関係住民の理解と協力を得るために、また県が施行する周辺対策事業にも組織を挙げて取り組み、一日も早い開通を目指すためには、チャレンジ精神を部下に説くなら、知事自身も率先して現場を見てまわり、関係の住民との理解と協力を得るために陣頭指揮に立つべきであると思うが、知事の決意のほどを伺っておきたいと思います。 質問の第六点は、明石大橋開通までには神戸─鳴門ルートに結ぶ交通ネットワーク整備が本県の受け皿として不可欠だが、四国三橋時代、高速交通時代の担い手となる高速道路やこれに結ぶ幹線道路が早急に整備されないと、関空に続いて明石海峡大橋ができても、我が徳島は四国の新しい表玄関とはなり得ない。そこで、知事は二年目の県政展開でこの点を八十三万県民に強くアピールする考えが大切と思います。関空ができ橋ができれば何とかなるといった関空様々、明石礼賛一辺倒の県政では、本県は躍進しない。早い話が、明石が開通すると阪神資本の進出、流入等によって淡路島あたりを基地に四国全域が阪神の商業圏に入り、体質の弱い県内小売業者は相当な打撃を受けかねないと見る。県は真剣に地元業者とともに対応を急ぐべきだと思うが、知事の見解と対応策について見解を求めておきたいと思います。 次に、Jリーグ誘致の問題であります。 Jリーグ誘致の断念騒動は、圓藤県政の取り組みが最初から甘いの一語に尽きると思われます。大塚製薬や石井町、あるいは徳島市、鳴門市、県体協、その他の民間団体にそれぞれ要望や注文をつけて誘致に入り、あれほど世間を騒がせながら自分勝手にしっぽを巻いて引き下がった責任は、一体だれがとるのでしょうか。九月末の締め切りの加盟申請の間際になって、赤字が大きいとか、運営法人のめどが立たんとか、体裁のよい断念理由を並べ立てている。そんなことはJリーグに明るい者なら百も承知のことであったはずであります。 Jリーグそのものの将来性が不透明なのに、赤字を恐れ、責任追及を恐れるなら、最初からもっと慎重に構えるべきであったと思います。大山鳴動何とかは、このことだと思います。新しい地方の時代へチャレンジを強調し、チャレンジ精神を政策形成の柱とする圓藤知事も形なしではないでしょうか。へ理屈を並べて、失敗を反省するでもなく、今後まだJリーグ誘致の可能性を探ってまいりたいなどとごまかすのは県民を軽視している。不明をわび、一千万円にも上る調査費の浪費を県民にもわびるぐらいの責任感と誠実さが望まれると思うが、知事の所見を伺っておきたいと思います。 次に、入札契約制度についてであります。 昨年来の相次ぐゼネコン汚職を契機に、公共工事における入札契約制度のあり方が大きな社会問題となりました。また、国際化が進展する中で、対外的関係においても非常に大きな課題となっていることから、国及び地方公共団体においては、入札契約制度の早急な改善が求められたところであります。 こうしたことから、中央建設審議会は、公共工事に関する入札契約制度の改革について関係各省庁に建議するとともに、建設省、自治省による入札契約制度改善推進協議会も改善策をまとめ報告したほか、これを受けて建設、自治両省は各都道府県に対し、大規模な公共工事については、いわゆる制限つき一般競争入札を採用することとし、またその他の工事については公募型や工事規模型の指名競争入札の採用を検討するなど、入札契約手続及びその運用を改善するよう要請されたのであります。さらに、本年一月には制限つき一般競争入札を採用すべき対象工事の具体的な金額を二十四億三千万円以上と決定し、平成六年度の早期に実施するよう要請がなされたことは御承知のとおりであります。 本県においても、土木部内に入札契約制度検討委員会を設け、矢三応神橋等一般競争入札を施行されましたが、制限つき一般競争入札は比較的大規模工事に導入され、公共事業の大部分を占める中小規模工事については、現行の指名競争入札で実施されると考えますが、その場合において競争性や透明性や客観性などを高めるための措置を講ずる必要があると思いますが、県の検討委員会においてこれらの中小規模の工事に対する対応はどのように対応されるのでありましょうか、知事の所見を伺っておきたいと思います。 最後の質問でありますが、あすからいよいよ圓藤県政二年目の県政担当期に入られます。知事に改めてお聞きしておきたいと思います。 知事は、一年前の圓藤県政発足当時から「交流の時代への確かな基礎づくり」「共生の時代への着実な歩み」「新しい地方の時代へのたゆまぬチャレンジ」を政策の基本方向として設定されました。今後もこの方針に変わりはないのか。だとすれば、我が徳島を二十一世紀へ向けてどのような特色と顔を持つ姿に再構築を図ろうとするのか、具体的に明示してもらいたい。 前県政が掲げた「健康のメッカ徳島の創生」への道は、踏襲して実現を目指すのか、白紙に戻す場合もあり得るのかどうかについても明確な答弁を求めておきたいと思います。 私があえてこのような質問を申し上げるのは、最近、庁内におきまして「健康立県」を目指した中・長期計画が、前県政のものだからというただそれだけの理由で薄れかけていると言われているからであります。前県政からの計画を踏襲しても、知恵を働かせば新しい味の、新味の圓藤カラーは幾らでも打ち出せると思います。ただ単に交流とか共生とかチャレンジとかいった政策スローガンでなく、知事は我が徳島をどのような徳島に再構築し、住みよい明るい徳島づくりをしようとしているのでありましょうか。そのビジョンをはっきりと我々に示してもらいたい。新しい徳島づくりの大目標を失うのではないか、知事の見解を聞いておきたいと思います。 以上、質問して、知事の答弁により再問をいたしたいと思います。   〔松田議員出席、出席議員計四十名となる〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) まず、御質問の細川内ダムの建設問題についてこじれた理由ということでございますが、先ほど小倉議員の御質問にもお答えいたしましたとおり、県は那賀川流域全体の観点から細川内ダムの必要性を述べてきたのに対しまして、村はダム建設による村の将来や環境の変化等を強く懸念されているようでございまして、こういったお互いの立場の違いが原因であるというふうに理解しております。 それから、治山堰堤工事の問題についてでございますが、木頭村内における治山工事につきましては、さまざまな御意見が報道されましたことを踏まえまして、この声を真摯に受けとめて農林水産部内でもう一度議論し、工法等について再検討すべきであるとして工事の執行を一時見合わせたものでございます。このことは技術的問題に基づく工事の執行に関する事項でございまして、これを所掌する農林水産部の判断で行ったものでございます。本件は細川内ダムとは全く別の問題ではありますけれども、当問題の処理につき関係者への説明不足など、必ずしも適切でないこともありましたので、今後かかることのないようにいたしたいというふうに考えておるところでございます。 審議監制度についてのお尋ねでございましたけれども、審議監制度は、行政が社会経済情勢の激しい変化に柔軟かつ機動的に対応していくために、各部の垣根を越えた政策立案、政策調整、政策提言機能を有するスタッフ職としてこの四月に設けた職でございまして、行政の複雑・多様化が確実に増しつつある今日、意義あるものと考えております。もう少し長い目で見ていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 広範多岐にわたる県行政の課題を的確に解決していくためには、各部局がエキスパートとしての専門性を発揮するとともに、課題に応じて互いに連携や調整を図っていくことが重要でございます。私といたしましては、過去一年間の経験を踏まえ、今までに増してリーダーシップを発揮し、県庁組織を統合し、一丸となって県行政に取り組んでまいる決意でございますので、どうか御理解をいただきたいと存じます。 細川内ダムに対する今後の取り組みでございますけれども、細川内ダムは治水、利水の観点から必要な施設でありますけれども、解決の糸口を見出すべく、今後とも村当局と粘り強く話し合うことはもとよりでございますが、村民の方々との積極的な対話や広く県民への広報等によりまして御協力と御理解を得ながら、事業促進に向けて懸命の努力をしてまいりたいというふうに考えております。 また、村との話し合いは、当初の約束どおり十月末ごろを目途に、今までと同様な形式で実施したいと考えておりまして、その後は地元の方々も含めたいろんなレベルで話し合いを行ってまいりたいというふうに考えております。 さらに、村の振興計画につきましては、大胆かつきめ細やかな施策を取り入れられるよう十分検討するとともに、実施のための財政的支援についても前向きに取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。 関西空港の開港に対する本県の対応についてのお尋ねでございました。 御承知のとおり、関西国際空港は本年の九月四日に、本県の沖合約七十キロメートルのところに我が国初の本格的な二十四時間運用可能な空港として開港いたしました。四国の玄関づくりを進め、大阪湾ベイエリアの開発、さらには近畿圏の一翼を担おうとする本県といたしましては、この空港を四国の空港、徳島の空港としてとらえる必要があるのではないかというふうに考えておるところでございます。 こうしたことから、これまで本県では関西国際空港の効果を地域の活性化に結びつけるため、三〇〇〇日の徳島戦略等により取り組んでまいったところでございますけれども、まず前提となりますアクセス条件の整備につきましては、海上アクセスルートを開設いたしましたし、さらに高速道路を初めとする広域高速交通ネットワークの整備やリゾート・観光開発、五千人収容の大ホールと国際会議が開催できる会議場を備えましたアスティとくしまの建設、さらにはホテル等宿泊施設の建設促進等、関空を視野に入れた事業の推進に努めてまいったところでございます。 また、本年度、関西国際空港の開港に合わせまして、観光振興の観点から、関西国際空港ターミナルビル内に関係府県と共同で関西観光情報センターを設置いたしまして、積極的な観光PRを行うとともに、開港記念事業として、来る十一月に大阪で開催されます「大阪・ワールド・ツーリズム・フォーラム'94」へ参画をいたすことにいたしております。 また、本県側の関西国際空港への窓口となります沖洲旅客ターミナルでの観光物産情報の提供を行うなどの対応を図ることといたしておるところでございます。 一方、関西国際空港にどこからどのような人や物や情報がどのくらい集まるかなど、開港後の状況について、これまで不透明な部分が多かったため、残念ながらビジネスチャンスを生かそうとする民間レベルの動きは必ずしも活発とは言えない状況にあったわけでございます。今後、県といたしましては、関西国際空港の開港後の運用実績を中心に、流通ルートや輸送形態など、人や物や情報の流れを調査・分析いたしまして、関係者に情報提供を行うことによりまして、関西空港をビジネスチャンスとして生かせるよう企業等の活動を側面から支援するなど、適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。 それから、関空への空のアクセスの確立のために徳島からの国内線の乗り入れのアクションを起こすべきじゃないかという御質問でございましたが、徳島から関西国際空港へのアクセスにつきましては、当空港が徳島から海上七十キロメートルの至近に位置することなどから、近畿運輸局へ航路開設を強く働きかけるなど、海上アクセスの確保にこれまで努めてまいったわけでございます。その結果、去る九月四日から徳島高速船株式会社によりまして一日六往復の運航が行われておるわけでございます。平成五年の本県からの海外渡航者数は約三万八千人ということでございますけれども、この海上アクセスルートによりまして、本県からの海外渡航者の需要に十分対応し得るものと考えております。もとより、荷物の運搬等に大変支障がある、不便があるという声は私も十分聞いておりまして、その旨を会社に改善方につきまして要請をいたしておるところでございます。もうしばらくお待ちいただきたいと思います。 一方、御指摘のとおり、関西国際空港への直行アクセスといたしましては、海上アクセス以外に航空によるアクセスも考えられることは考えられるわけでございます。航空機による関西空港へのアクセスが実現すれば、交通手段の選択の幅が広がり、県民の利便性は確実に向上するものと思われます。しかしながら、航空路線の開設につきましては、その路線が事業として成り立つか、つまり航空会社にとってその路線の採算がとれるかどうかということが大きなポイントとなろうかと思われるわけでございます。この航空アクセスにつきましては、現在、徳島─大阪線を運航いたしております日本エアシステムによりますと、徳島空港関西国際空港は離陸すればすぐ着陸態勢に入らねばならないほどの近距離にございまして、適正な高度を保ちにくく、着陸料や燃料費なども割高となって採算がとれないということでございます。したがいまして、航空機による直行のアクセスにつきましては、なかなか難しい解決すべき課題がございますので、さまざまな観点から十分検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 それから、福岡便のダイヤ改善についてのお尋ねでございますが、徳島─福岡線につきましては、日本エアコミューター株式会社によりまして十月一日から運航が開始されておるわけでございます。運航回数は一日一往復ということで、ダイヤは福岡発が十一時五十分、徳島着が十三時五分、徳島発が十五時十五分、福岡着が十六時五十分というふうになっておるわけでございます。何分まだ運航が開始されたばかりでございますので、当面は利用状況を十分把握しながら利用促進に努めてまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。 なお、御指摘のダイヤにつきましては、航空会社によりまして多方面にわたる調整の結果作成されたものでありまして、容易に変更し得るものではないと思われますけれども、やはり旅客にとって利用しやすいものであることが第一でございますので、利用状況や旅客のニーズなど、今後の動向を見きわめながら検討し、必要であれば航空会社等に対し働きかけてまいりたいというふうに考えております。 それから、徳島と九州圏との交流ということについてのお尋ねでございますけれども、このたびの徳島─福岡線の開設によりまして、本県と九州方面との移動に要する時間は、従来JRで五時間前後かかっておりましたが、これによりまして一時間十五分から三十五分と大幅に短縮されたわけでございます。本格的な交流の時代を迎える本県といたしましては、これを契機といたしまして、福岡県を初めとする九州圏との交流をこれまで以上に活発化していく必要があるというふうに考えております。そのためには、官民一体となった活動が不可欠であると考えておりますが、その第一ステップとしましては、去る九月二十日には県、空港の地元松茂町、経済界等で訪問団を組織いたしまして、福岡県及び福岡市を表敬訪問するとともに、福岡県の行政や経済界を代表する方々をお招きして交流懇談会を開催したところでございます。また、九月二十日から二十二日までの三日間、JR博多駅におきまして徳島県の観光と物産展を開催いたしまして、多数の来場者を迎えるなど、大変好評を博したところでございます。 今後も積極的に交流を図っていかなきゃならないというふうに考えておりまして、例えば、本県の農畜水産物の販路の拡大でありますとか、あるいは観光客の誘致など、民間レベルを含めまして多様な交流が行われるように、その方策について検討してまいりたいというふうに考えております。 それから、縦貫道、横断道の供用について、もっと積極的に陣頭指揮に立つべきであるというような御指摘でございます。 高速道路の整備を促進するためには、これまでの縦貫道の経験からいたしましても、やはり関係住民の理解を得て、用地取得までの期間を短縮することが何よりも必要不可欠でございます。このため、議員御指摘のとおり、住民との対話を密に行うことや、あるいは理解を得るための周辺対策等の施策も必要であるというふうに認識をいたしております。現在、実施中の縦貫道や、施行命令が出されました横断道鳴門─津田間につきましては、それぞれ各区間で事業促進に向け課題の解決について努力を重ねているところでございます。 また、今後着手が待たれております横断道鳴門以南につきましては、現在、整備計画格上げに向け諸手続を行っている段階でございまして、先ほどもお答えいたしましたが、県といたしましては、鳴門─津田間の状況を見ながら、関係市及び町とも協議の上、地元住民の意向を早期に把握し、これまで長くかかっている設計協議をできるだけ短縮できるように準備を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 私といたしましても、おくれている高速道路の整備促進の重要性にかんがみまして、去る七月には県西部へ参りまして、事業促進のため協力要請を行ったところでありまして、今後とも率先して現場にも参りたいというふうに考えております。 それから、明石海峡大橋の開通により阪神資本の進出・流入等によって県内の卸小売業への打撃という問題についてのお尋ねでございます。 明石海峡大橋が開通いたしまして、本県が近畿圏と陸路で直結されることによりまして、阪神の大手資本の県内進出でありますとか、消費・購買力の県外への流出が予想されまして、県内卸売業者あるいは小売業者は非常に厳しい状況に置かれるということが言われております。確かにそういう面があることは否定できないと私も考えておりますけれども、これは一方では、京阪神への商圏が拡大するチャンスの時を迎えるということでもあると思っております。ピンチを防ぎ、それを逆手にとってさらに大きなチャンスに結びつけるという企業経営者の積極的な姿勢が必要でございますし、行政といたしましても、そうした企業を支援することが大切であろうというふうに考えておるところでございます。 こうしたことから、県といたしましては、生産性の向上及び物流の効率化を図ることを目的といたしまして、特に影響が大きいと考えられる卸売業も対象といたしました流通加工基地の建設を推進しておりますとともに、県内の中小卸売業者を中心とした研究会を開催いたしまして、共同化による流通機能の強化について検討したところでございます。さらに、中小企業者による組合が、共同配送とか、あるいは共同保管など、みずから経営基盤の強化を図るために行う事業の調査・研究とか計画策定に対しまして積極的に支援を行っているところでございまして、今後とも、こうした各種の施策を講じ、県内企業の経営力の強化に努めてまいる所存でございます。 それから、Jリーグの誘致の問題についてでございますが、Jリーグチームを誘致するためには、運営法人の設立、スタジアムの確保などさまざまな課題がございまして、これらを解決するために、行政、企業、県民が一致協力してその実現に向けて取り組む必要がございました。このため、行政といたしましても最大限の努力を傾ける必要がございまして、観客動員予測、これを基礎とした収支予測調査、また地域への波及効果等の調査を行ったわけでございます。その成果は、Jリーグ推進協議会を初めといたしまして、これまでの誘致活動に十分活用してきたところでございます。しかし、このたびの準加盟申請が見送りとなり、県民の皆さん方の御期待に添えなかったことは、まことに残念でございます。 それから、入札制度の改善の問題についてのお尋ねでございます。 入札制度の改善は、透明性、競争性、客観性の確保という観点から検討を重ねてまいりまして、具体的な改善を進めてきたところでございます。その中でも一般競争入札につきましては、二十四億三千万円以上の工事について採用することを決定をいたしております。また、指名競争入札におきましても、昨年十二月二十四日付の建設省及び自治省の共同通知も考慮の上、入札制度検討委員会で検討し、具体化を行ってきたところでございます。 その第一は、指名競争入札における透明性の確保の見地から、指名の手引きを作成いたしまして、指名基準の明確化に努めているところでございます。 第二には、共同企業体のあり方についてでございますが、国の共同企業体運用準則の改定内容も勘案をいたしまして、対象工事をおおむね五億円以上の工事とするほか、自主結成方式、構成員数を二または三とするなど、新たな方式により実施することといたしております。 第三は、工事完成保証のあり方についてでございますが、本年六月以降の工事について選定する工事完成保証人は、原則として相指名業者以外から選定することといたしております。 第四は、不正行為を行った業者へのペナルティーの強化についてでありますけれども、これは建設業法に基づく監督処分と、指名競争入札におけます指名停止等の措置がございます。前者の法による監督処分につきましては、国におきまして九月一日から新たに監督処分の基準を策定しておりまして、本県もその基準に沿った運用を行っていくことといたしております。また、指名停止等の措置につきましては、特に贈賄、独占禁止法違反行為等に関する指名停止措置の強化を図った国の指名停止要領モデルも参考といたしまして、さらに従来から本県が行ってまいりました措置内容、期間等ともバランスをとった上で、七月一日付で指名停止等措置要綱の改正を行ったところでございます。 そのほか、談合情報があれば公正取引委員会へ通報するなど、談合情報に対して的確な対応を図るため、公正入札調査委員会設置要綱及び対応マニュアルの作成を行いまして、厳正で公正な入札の執行に努めているところでございます。 以上のように、るる申し上げましたが、種々の改善を行ってまいりましたけれども、指名競争入札の執行に当たりましては、今後とも透明性、競争性、客観性の確保に努めてまいりたいというふうに考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。 それから、今後の県政の推進の目標についてのお尋ねでございますけれども、一年前、本県を取り巻くさまざまな状況から、交流の時代、共生の時代、新地方の時代という三つの時代認識と、それに基づく政策の基本方向を示し県政を担当してまいったわけでございます。これらの基本方向と現在の総合計画二〇〇一とは、さきの二月議会でも御答弁申し上げましたように、基本的には軌を一にいたしておるということでございまして、総合計画二〇〇一に掲げられた事業を着実に推進するとともに、新たな行政課題や行政需要に対しては、これらの基本方向、理念に照らしながら対応してまいったところでございます。 県政をお預かりして一年たつわけでございますが、その後、本県を取り巻く社会状況を振り返ってみますと、例えば、明石海峡大橋の建設や関西国際空港の開港のように、予想どおりの進捗や経過を見るものもありますれば、米の自由化や急激な円高による産業の空洞化の影響など、予想以上の変化があったものもございます。その変化は、日一日あるいは刻一刻でありまして、またその変化の度合いは、さきの一年よりもこれからの一年がさらに大きなものとなることを予想させるものが多くあります。こうした中で、県行政をお預かりいたしておる者として、変化を的確にとらえまして、着実に対応する必要性については十分認識をいたしているところでございまして、これまでの具体的政策の中で対応してきたところでございます。 なお、総合計画二〇〇一につきましては、時代の要請が変われば政策もおのずから変わっていく、あるいは変えていかなければならないと、さきの十二月定例会において近藤議員にもお答え申し上げたところでございます。したがって、最近の社会情勢の変化、経済情勢の変化等を背景といたしまして、総合計画二〇〇一について現段階で見直しをするということは申し上げられませんけれども、その必要性あるいは改定の要否について、いま少し時間をいただき、考えてみたいと、このように思っておるところでございます。   (古川商工労働部長登壇) ◎商工労働部長(古川文雄君) 九州事務所につきまして御答弁申し上げます。 徳島県九州事務所は、昭和三十九年五月に交通の要衝である北九州市の小倉ステーションビル三階に徳島県物産斡旋九州駐在事務所として設置して以来、今日まで本県の物産あっせん、観光の紹介宣伝を初め各種情報の受発信の拠点として活動しております。 九州事務所につきましては、現在、商工労働部の組織のあり方について検討を進めている段階でございまして、新規航空路の開設による交通アクセスの変化や、北九州市に事務所を設置している他県の動向等をも踏まえまして、慎重に検討してまいりたいと考えております。   (日下議員登壇) ◆四十三番(日下久次君) 知事からそれぞれ御答弁いただきました。 まず第一点は、細川内ダムの問題でありますが、この問題につきましては、知事の答弁によると、技術的問題でこういうようなぶざまな事ができたと、こういう答弁であります。私は了解できません。技術的な問題であれば当然担当部が現地へ出向いて、村長なり担当の開発課長と協議して、十分御理解の上、技術的な問題の了解を得る、そういう措置をしなければいけないと思う。県が一方的に指名取り消し、公共工事延期ということは、県民ひとしくこの問題は県がダムに対する嫌がらせである、強権政治だと、こういうことであってはいけないと、これが県民世論のほとんどじゃなかろうかと思っております。したがって、この答弁については了解できません。 また、これと関連いたしまして、木頭村がダム問題について関心を持つかということについては、私は私なりに考えてみますと、長安口ダムの総括をしなければいけないと、かように思っております。三十年早く堆砂ができた、堆砂によって荒谷川の埋め立てをやる。これに対して九十億円もの金を投資する。ダムができて上那賀町がどのような町になったか、こういう現実。あの清流が茶褐色、乳褐色になって、昭和五十一年以降もとの清流に返らない。こういう一つ一つの長安口ダムの総括について十二分に検討し、木頭村と話し合う必要があろうかと思います。 また、木頭村は、御案内のように、ダムありきでは村の活性化はない、こう言っとるわけでありますから、したがって木頭村に対しまして治水、利水について、専門家が特に慎重に、治水はこうあるべき、利水はこうであるという建前から、木頭村が定住構想として人口が減らないような、安定定住ができるような方策というものを施さなければ私はいけない、このように我々も感ずるわけであります。 例えて言うと、発電所ができると、発電所の要員として木頭村の方々を優先的に採用する、ダム管理に対しましてもそういう措置を講ずる、そして森林や土木、農業の担い手が木頭村に定住ができるような血の通ったような説明をまず第一にしていくこと。こういうことがやはり対話の中で一番大事でなかろうかと、かように思うわけであります。頭から公共工事を切って兵糧攻めにしていく、県の強権的な圧力を加えていく、こういうことでは何回対話交渉をしても、私はむだである、県費の浪費である、かように思うわけであります。この点、知事も慎重に考えていただいて、これから将来の対話について御検討願いたいと思っております。 先ほども申し上げましたとおり、後藤田先生が官房長官に就任するときに言われております。「嫌な悪い報告をせよ。意見をもって意見具申せよ。自分の仕事ではないと言うな。決定が下ったら直ちに従え。実行せよ。出身の母屋のことを考えるな。官邸の一員として機能強化に全面的に協力してもらいたい。」、こういうことを言って後藤田官房長官が各省庁の幹部を集めて官房長官就任の言葉にしたそうでありますけれども、まさに私はそうだと思っております。知事に嫌な報告をするような幹部、意見を持って意見具申するような県の幹部、そして自分の仕事でないということを言わないような県庁全体の調整能力の問題、こういうことを私はぜひとも実行して、徳島県政が県民の期待に沿って真に明るい、豊かな、住んでよかったというような県勢発展のための御努力をしていただくように、心から願ってやまない次第であります。 ほかに福岡便の問題あるいは縦貫の問題、高速道路の問題等々たくさんの問題を指摘したいと思いますけれども、時間の関係上終わらせていただきますけれども、知事以下執行部の皆さんは、ますます御自愛されまして三〇〇〇日戦略の目標達成の問題、明石海峡対策の問題、本県活性化の問題等について真剣に論議され、本県政治の向上のために邁進されんことを特に要望いたしまして、私の代表質問を終わりたいと思っております。 御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(近藤政雄君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時八分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後二時三十三分開議      出席議員計四十名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     森  本  尚  樹 君     二  番     福  山     守 君     三  番     西  沢  貴  朗 君     四  番     吉  田  忠  志 君     五  番     樫  本     孝 君     六  番     来  代  正  文 君     七  番     猿  瀧     勝 君     八  番     竹  内  資  浩 君     九  番     北  島  勝  也 君     十  番     杉  本  直  樹 君     十一 番     久 次 米  圭 一 郎 君     十二 番     長  尾  哲  見 君     十三 番     佐  藤  圭  甫 君     十四 番     児  島     勝 君     十五 番     川 真 田  哲  哉 君     十六 番     宮  城     覺 君     十七 番     北  岡  秀  二 君     十八 番     亀  井  俊  明 君     十九 番     堺        廣 君     二十 番     遠  藤  一  美 君     二十一番     原     秀  樹 君     二十二番     大  田     正 君     二十三番     榊     武  夫 君     二十五番     平  岡  一  美 君     二十六番     四  宮     肇 君     二十七番     近  藤  政  雄 君     二十八番     湊     庄  市 君     二十九番     木  村     正 君     三十 番     元  木     宏 君     三十一番     俵     徹 太 郎 君     三十二番     松  田  一  郎 君     三十三番     松  本     弘 君     三十四番     服  部  昭  子 君     三十五番     小  倉  祐  輔 君     三十六番     中  谷  浩  治 君     三十七番     大  西     仁 君     三十八番     原  田  弘  也 君     三十九番     阿  川  利  量 君     四十一番     木  内  信  恭 君     四十三番     日  下  久  次 君   ──────────────────────── ○議長(木村正君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 八番・竹内資浩君。   〔谷口議員出席、近藤・中谷・原田三議員退席、出席議員計三十八名となる〕   (竹内議員登壇)
    ◆八番(竹内資浩君) 本日の三番バッターであります。何とか塁に出たいと、そればかりを願って質問をいたしたいと思いますので、大変お疲れのところとは思いますが、おつき合いをいただきたいと存じます。 経営指導の神様と呼ばれる船井総研の船井幸雄氏は、その著書の中で「二十一世紀は、地の利から天の利に変わるであろう。今がまさに大転換期である。」と示されております。また、「宇宙には絶対の存在というものがあるようなのです。そう考えなければ世の中の仕組みがうまく説明できません。」と言っております。 また、最近ではサンミョン・ムーン博士、ハロルド・サクストンバー博士、東晃史博士を初め一流の科学者が次々と、宇宙の設計者、宗教でいう創造主の存在を認める発言や著書が発行されております。 過去、地球文明は、何回も発展してはひっくり返ってまいりました。二十一世紀を目前にした今、地球はまさに病んでいます。世界各地での水害、地震、民族紛争、エイズ等、まさに世紀末の様相を呈しております。もし神という絶対の存在がいるならば、世界の、そして今、現在の日本の動きをどう見ていられるのでありましょうか。ソ連邦の崩壊は、平等を標榜する共産主義の終えんを意味します。そのことも設計者の手のひらにあったのでしょうか。現在の日本の状態、自民党と社会党の連立劇もその台本にあったのであろうか。 一方、自由民主主義の旗頭であるアメリカも、まさに病んでいます。自由と平等は、本来、人間のエゴの前には水と油の関係であります。人間はどうすることもできないさがを持って生まれてきました。憎しみ、嫉妬、ねたみ、エゴ、自分さえよければ他人はどうなってもよいという考えが地球上に広まれば、間違いなく地球は滅びるでありましょう。設計者といえども、滅ぼさざるを得なくなるのではないでしょうか。それが、船井会長の言う大転換期の現象なのであります。 二十一世紀は共生共栄の時代であり、地球村が完成する世紀だとも言われております。そんな大切な境目の時代を生きる私たちは、方向を間違うことなくしっかりと大地を踏みしめ、県民の幸せを求めて一心不乱に歩むことこそ設計者の願う生き方であると確信するものであります。 生かされていることを実感しながら、任期最後の一般質問になるかと存じますので、知事を初め理事者各位におかれましては、決して官僚的でなく、県民に優しい御答弁をお願いして質問に入ります。 まず最初に、知事の選挙公約でございますが、地元企業の育成策につきましてお伺いをいたします。 私は、ルネッサンス・ネットワークという、経済人と政治家とがお互いに勉強し、郷土のために尽くしていこうとの目的で結成された会の中で、県内の産業振興部会に属し、中田祐児弁護士を代表幹事に五人のメンバーで勉強を重ねてまいりました。そもそもこの勉強会は、吉田県議を初め数人のお世話人の呼びかけで結成され、国会議員、県議、若手経済人等多彩な顔ぶれで運営されております。テーマも、まちづくり、老人対策、環境問題、産業振興等幅広い問題に取り組んでおります。そこで私ども、中田先生をキャップに勉強しました産業振興部会でのまとめ、提言を核にいたしまして質問、提言を行いますので、知事の御所見をお伺いをいたしたいと存じます。 平成二年を境としてバブルが崩壊した後、我が国の経済は低迷し、もがき苦しんでおります。特に、我が国経済を根底から支えてきた製造業においては、成熟期に入った自動車や家電にかわるリーディング産業が見つからず、かえって円高の影響により、輸出競争力ばかりか外国製品との国内競争力すら失って、製造業の海外進出が急速に進み、産業の空洞化が起こっております。本年六月号「徳島経済」においても、県内製造業の三十四社が生産コストの削減を目指して生産基盤を海外に移転、そのうちの十三社は中国に進出していることを報じております。 本年度の日経優良企業ランキングには、その上位に任天堂一位、ソニーミュージック二位、平和四位などのレジャー関連の企業が並び、トヨタ十二位、松下四十一位、ソニー四十二位といった、我が国を代表する製造業は低くランクされ、業績悪化に苦しむ新日鉄七百二十三位、神戸製鋼九百五位などの製鉄業は上位五百社の中にも入れずに低迷しております。このことは、まさに我が国の製造業の置かれている現在の立場を如実に反映しているのであります。 業績低迷に悩む企業は、事業の再構築、いわゆるリストラを行い、その中で厳しい人員整理を進めております。本来は幹部社員として採用されたホワイトカラーの人たちも、四十歳代で子会社や、あるいは関連会社、場合によっては全く無関係の会社への出向を余儀なくされているのが実情であります。このような雇用情勢は、新規学卒者の採用にも悪影響を及ぼし、特に大卒女子の就職難はまさに深刻であります。雇用機会均等法に基づいて男女平等を訴える女子大生のデモが世間の注目を浴びたのも、つい最近のことであります。 評論家の田中直毅氏は現在の雇用情勢について、原因は不況ではなく、我が国の経済構造の変革がその根底にあり、我が国の製造業が産業の空洞化を克服し、時代の流れに合致する新しい事業を構築しない限りこの状態は改善されないと鋭く指摘をいたしております。今や我が国は、自動車、電気にかわる経済発展の牽引者になり得る産業の育成こそが急務であると感じます。 最近の新聞報道においては、機会あるごとにベンチャー企業の育成という言葉で、新しい企業の育成の必要性が主張されており、例えば、東大の吉川弘之総長は、市場創造型製造業を構築する必要性を主張されております。具体例として、新たな天然資源は一切使わずに、ごみとして捨てられたものから新しい製品をつくり出す逆工場の建設を提案されておられます。 また、琉球大学の比嘉照夫教授は、食糧問題の解決を初め環境問題、そして医療の面においても解決できるものとして、みずからが土の中から発見した有用微生物群、略してEMと呼んでおりますが、この効用を説いておられます。世界でも物すごい勢いでこのEM技術が普及しつつあり、本県でも現在、農業試験場で実験中であります。EMの農業利用は、砂漠はもとより、どんな土地でも作物ができるようになり、その収量も今までの何倍にもなる、しかも農薬や化学肥料を一切使わないというのですから、まるでうそのような話でありますが、本当にすごいものなのであります。価格も化学肥料よりも安いのであります。比嘉先生は、その御講演の中で、このEMを全世界の人たちに使ってもらいたい。そしてすべての人が幸せになればよい、それが対立と競争の社会から共生共栄の世の中へのステップになり、勝てば官軍式の勝者の論理が終えんすると言い切っておられるのであります。 また、瑞穂産業社長の石井幸男氏は、木材の高度利用システムを開発されました。EDSと呼ばれるこのシステムは、京都大学の野村隆哉先生の理論的バックアップを受け、木材を蒸して均質化する方法で、新建材に対抗する良質の建築材をつくり上げることに成功したのであります。 日経新聞は、八月十六日付と十七日の両日、「復活ベンチャー企業」という特集の中で「株式市場には次々と新顔が登場し、空洞化の進む列島各地の工業地帯から、独自技術で気を吐く急成長企業も生まれているが、その主役はこれまでのハイテクベンチャーから生活密着型の地域ベンチャーに移りつつある。例えば、下請企業がこれまで蓄積した技術を武器にしながら新規事業に進出したり、中小企業が時代のニーズを巧みにとらえて変身するケースも出てきている。これからは健康、医療、環境といった日常生活に密着したベンチャーの時代になる。また、このような流れを受けて、金融機関も無担保、低利融資に取り組み始めているし、ベンチャー企業の資金調達の有力な手段として株式公開基準の緩和が求め始められている。」と、その状況を明らかにしておるのであります。 このように、現在ではベンチャー企業の範囲をハイテクベンチャーに狭く限定することなく、創造的な事業に積極的に取り組み、ユーザーや消費者の需要にこたえられる成長性の高い事業、または産業をとらえており、徳島県の産業振興もこのような点に着目すべきであると考えるものであります。創造的な事業に取り組む意欲のある企業が事業を発展させるために最も必要なものは、活動を支える資金であります。多くの経営者の話を聞いても、苦労話の中に必ず出てくるのは資金の調達の厳しい話であり、最初は手元の金や親族、友人など、いわば縁故の金を集めて事業を始める場合が大半ですが、発展するにつれて資金不足が生ずるようになり、銀行の担保主義の壁にぶち当たり、四苦八苦しながら、ある者は資金不足で事業を中止するのやむなきに至り、少数の機会に恵まれた者のみが成功の道を歩むというのが実情だと思うのであります。 一方、多数のベンチャー企業が次々と出てくるアメリカの状況はどうなっているのかというと、一言で言えば、事業に将来性があると判断されれば、それだけで多数の投資家の資本が集まり、一気に巨大企業になり得るような社会環境にあるわけであります。また、それを制度として可能にするナスダック市場があり、ここでは我が国よりはるかに上場基準が緩やかで、赤字の企業でも上場を許し、容易に事業を継続するのに必要な資金を集めることができるようになっているのであります。 そこで、我が徳島県の産業政策はどうあるべきかを考えてみる前に、これまでの取り組みを振り返ってみると、徳島県の大きな柱は県外からの工場誘致であり、その主眼は県外の大手企業の工場を誘致し、県内の労働力を吸収させるとともに、これを核として県内産業を育成させることを目的としてやってきたのであります。この政策は、何も本県固有のものではありません。国の政策として各都道府県において進められたものでもあります。本県はその地理的条件と国の政策に乗りおくれた一面もあり、これといって飛びついてくる商品価値も少なく、成功したとは言いがたいのであります。その典型的な例が辰巳であり、三十年近く経過し、一部に明るい状況もあるが、完売はせずに、肝心の県外企業はやっと決定した状態であります。西長峰、ブレインズパーク、ハイテクランド等、土成工業団地を除けば広大な土地が放置されているところが多く、その現状を見るとき、また現在の製造業の海外進出の加速を考えるとき、近いうちに期待する企業の誘致が成功する可能性は少ないと言わざるを得ません。従来型の県外の工場を呼んで企業立地を図るという政策は今や見直しの時期が来たと、私自身強く認識するものであります。今後は確実な進出企業が確保できるか、沖洲流通団地のように県内企業の集約化の場合を除き、工業団地の造成を現在計画中のものを除き中止すべきであると考えるものであります。また、それに使っていた予算を地元企業の育成に回すべきであると強く主張をいたすものであります。 また、県においてはこれまでさまざまな制度融資が行われてきましたが、総花的で、既存の企業が運転資金として借りる場合は有効ですが、今求められているベンチャー企業を育成するという観点からは全く不十分なものであります。すなわち、品ぞろえはできているが金額が少ない、審査基準に担保を必要とするケースが圧倒的に多い、申請書類の作成が煩雑で難しい、PRが足りない等、問題点は多いのであります。また、人材確保や技術的な支援体制も不十分であり、ベンチャー企業を技術的に支援するだけの体制にはほど遠いと考えるのであります。 過去、徳島の一流と言われる企業、製造業に限って言えば大塚製薬や大塚化学、日亜化学、四国化工機、ジャストシステムなど日本的な企業と、河野メリクロン、バイオ科学、シケンなどベンチャー企業というべき企業が存在していますが、これらの企業の創業・発展に当たって、金融・技術支援など、いずれの面で県の政策が重要な要素となり得たのか、なり得なかったのか。もしなり得ていなかったとすれば、どこに原因があるのかを分析し、今後に生かさねばならないと思うのであります。 徳島県のようにごく一部の例外を除いてこれという産業のない県は、九十万に満たない県民に対して豊かな生活を与えるためには、新たに創造的な事業に取り組む意欲のある企業、それを中核にして県内全体の発展を願っていくことが急務であると考えます。最初から大規模な企業育成を目指すのではなく、百人未満の規模の企業でも、ユーザーの直面する問題を具体的に解決しようとする独創的な技術・経営戦略を持つ創造的な事業、企業の育成を図るためには、従来のいわゆる官僚的発想を大きく転換し、大胆な発想のもとで取り組むことの重要性を強く要請いたします。 そこで、三点提案をいたしますので、知事の御所見をお聞かせください。 まず、金融政策についてでありますが、前段申し上げましたとおり、その問題点をクリアするために相当額の基金を準備し、これをベンチャー事業基金と仮称し、一定条件を満たす企業について事業の将来性、技術力、経営者の資質等を十分審査して、担保主義にとらわれず、数億円単位の融資を行うべきと考えます。また、これらの資金については、工業団地の見直し分、その上に本格的な行政リストラを行うことによって確保すべきものと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、技術支援についてであります。 シケンの島社長は、入れ歯の製造工程で必要な石こうを練る、これを歯型に注入する、あるいはでき上がった入れ歯を磨くという作業を機械化しようと考えたとき、だれに相談したらよいかわからない、社内には機械の製図のできる人材がいない、どこの企業が機械をつくってくれるのかもわからずに、とりあえず知り合いの機械製造会社に相談をし、一から技術開発しながら機械の製作を行ったという、まことに切実な悩みを打ち明けておられました。シケンのような労働集約型の産業にとっては、機械化は事業発展のかぎを握る極めて重要なことであります。 そこで、県が中心となり、徳島大学、工業技術センターと個々の企業との共同技術開発体制の確立が急がれると思うのであります。具体的には、技術センターと企業との人的交流の拡大、一定期間、大学やセンターから必要に応じて企業に指導者を派遣し、逆に企業から技術者を受け入れる。また、他企業との技術利用、共同開発のあっせん、情報の提供、工業所有権等についての相談・指導などであります。 また、これらを総合的にまとめる窓口として、ベンチャー企業育成推進機構を設立すべきと考えます。前段の資金の貸し付けの審査を初め、その後についてもチェックをし、またシンクタンクとしての役割をも担っていく。徳島県の産業政策のあるべき姿についての調査・研究、あるいは市場調査、商品開発、販売戦略に至るまでの助言・指導を行う等、このための専門の研究員と県内外の適切な人材を協力者としてお願いする。例えば、日亜化学の小川社長さんのような、いわゆる経験豊富な経営者の方、あるいは企業アナリスト、また上勝の有名な「彩」をプロデュースした鈴木俊博氏、こういう方に御就任をいただく。そして、いろんな情報、御意見をいただくという組織にできないものか、御所見をお伺いいたすわけであります。 以上、私の提言については、従来の殻を破り、大きな政治的判断が伴わなければ実現は困難であります。多額の金をかけた箱物はランニングコストが膨れ上がるばかりであります。企業の育成は、金は返ってくるし、雇用は拡大するし、若者は残るし、税金も入る、人口もふえる。パイを大きくすることによりほかの企業も潤う。百億円投資しても県の負担は五億円で済む。知事の英断を心から御期待をいたしまして、御答弁をいただきたいと思います。   〔原田議員出席、出席議員計三十九名となる〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) ベンチャー事業基金を創設して、担保主義にとらわれずに融資を行ってはどうかというような第一点の御質問についてでございますが、議員御指摘のとおり、独創的な技術・経営戦略を持つ意欲のある企業の育成という問題は、県内の産業界の活性化を図る上で極めて重要な課題であるというふうに私も認識をいたしております。 企業経営を金融面から支援する既存の融資制度といたしましては、新製品または新技術の開発及び企業化に対する新技術企業化等資金、また、県内企業全般に波及効果を与える中核企業の育成を図るためのリーディング企業育成資金によりまして、規模、質の両面で充実強化を図ろうとする県内中核企業の金融支援に努めているところでありますが、議員御指摘のとおり、必ずしも十分なものとは考えておりません。 御提言の、担保主義にとらわれないベンチャー事業基金の創設につきましては、債権保全上、全く担保を徴求しない基金による金融支援策というものは、やはりなかなか現段階では困難であると言わざるを得ないわけでございますけれども、御指摘の趣旨は十分理解できます。既存の融資制度の改善も含めまして、企業のニーズに合った金融施策を検討し、また融資の審査に当たりましては、事業の将来性、技術力、経営内容、担保等を総合的に判断いたしまして、経営者の資質も十分審査の上、各企業の実態に即して弾力的かつ適正に運用できるように検討してまいる所存でございます。 第二点の人事交流等の問題についてでございますけれども、企業における技術開発等を支援するために、工業技術センターを中心として、企業が抱える技術上のさまざまな問題についてセンターの職員が生産現場に出かけて相談に応じるというようなこともやっておりますし、県内外の大学や民間の技術者で構成する技術アドバイザーを企業に派遣するなど、いろんな技術の改善指導に積極的に取り組んでおるところでございます。さらに、今年度からは、工業技術センターと企業が共同で研究開発を行います県内企業パワーアップ共同研究事業もスタートいたしたところでございます。そのほか、御指摘の異業種交流の促進とか、特許等の工業所有権の情報提供など、いろんな技術支援に努めているところでございます。 しかしながら、県内企業のさまざまな技術的な御要望にこたえていくためには、これだけでは十分であるとは思っておりませんので、御提言の趣旨を十分踏まえながら、技術支援施策のより一層の充実・強化に努めるとともに、産・学・官の連携を強化いたしまして技術の高度化を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。 さらに、そういったことの総合窓口となるための産業推進機構を設けてはどうかという御提言でございます。 県内企業が抱える問題点とか、あるいは行政支援に対するニーズは、金融支援、技術指導、情報提供など多種多様でございまして、個々の企業の実情に応じた総合的な指導・支援を行うことが必要であることは申し上げるまでもないことでございます。企業に対する融資に当たりましては、それぞれの制度に応じた審査機関によりまして、現在、融資企業のチェック等を行っております。また、企業に対する技術支援の施策といたしましては、先ほども申し上げました工業技術センターを中心とした研究開発支援のほか、技術アドバイザーによる個別企業の技術指導を実施するとともに、経営診断とか指導事業といたしましては、商工会議所等の経営指導員並びに県職員によります各種診断・指導を通じまして、市場調査や販売戦略等を支援するなど、必要に応じて各界各層の専門家の意見を反映した各種施策を幅広く展開をいたしております。 このため、議員御提言の貸付審査及び技術・経営指導のための新たな産業推進機構を設立しまして、諸機能を一つの窓口に集約するということは一つの理想ではございますけれども、現在では困難でございますが、今後その御趣旨を生かしまして、産業施策に携わる各機関・組織との有機的連携を一層強化いたしまして、総合的な施策展開が効率的かつ効果的に図られますように努力をしてまいりたいと存じております。必ずしも十分ではないと存じておりますけれども、現段階ではいたし方ないことでございますので、御理解のほどを賜りたいと思います。   (竹内議員登壇) ◆八番(竹内資浩君) 知事から懇切丁寧に御答弁をいただきましたけれども、地場産業の育成、特に創業時のベンチャー事業の支援策については、どうも私の一生懸命申し上げた内容が、私の説明が不十分なのか、あるいはちょっとかみ合わないなあというところがございます。 知事のチャレンジ精神というのはよくわかるわけでありますが、この経済政策について、従来は、企業立地、それと県内の企業を育成する、この大きな二本柱で今日まで車の両輪のように来られたと、そう思うわけであります。しかし、知事自身が、現実の企業誘致のこの厳しい不況の中で私が感じておるような、そういった認識がおありなのかどうか、少し疑問に思う点もあります。今、チルチル、ミチルも青い鳥も、私は黙って座っておっても飛んではこない厳しい現実があると思うんです。そういう中で、徳島県を活性化さすためには、地元の現実の企業、あるいはこれから企業を興そうとする、真剣になって頑張っている人たちに、その資金の提供、技術の提供をしていくのが行政のとるべき道である。その中で今、知事が言われた、やはり一番ネックは担保主義なのであります。担保があれば銀行で貸してくれるんです。その壁をぶち破ってこそ本当に政治家圓藤寿穂氏の手腕が、私はチャレンジ精神として大いに発揮していただけるもんだと、そういう気持ちで質問をしたわけでございます。ベンチャー企業の育成、これには担保主義の緩和策が不可欠だと思うわけであります。どうか、当然銀行並みの金利は取るし、その金利が払えないような企業には到底最初から貸さないわけでありますから、厳しい最初のチェックがあるわけです。そういうことをもう一度踏まえていただいて、再度、その緩和策を講ずることができないのか、お伺いをいたしたいと思うものであります。   〔中谷議員出席、出席議員計四十名となる〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 担保主義の緩和策が不可欠との御質問でございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、全く担保を徴求しない金融支援策につきましては、少額ならともかく、極めて高額の融資でありますことから、政策金融といえども債権管理上原資を保全する必要があることや、他の金融制度との整合性を保持する観点から、なかなか御提言のような金融施策の創設は現段階では困難であると申さざるを得ないということでございます。 今後におきましては、既存の融資制度を含め、企業のニーズに合った金融施策や融資の際の貸付審査等について、実効あるものとなるように検討してまいる所存でございますので、よろしく御理解を賜りたいと思います。 なお、議員御指摘の、企業誘致が非常に今現在曲がり角にあるというようなことだとか、あるいはベンチャービジネスの育成の必要性については、全く私も同感でございます。そういうことの重要性については、議員からまたいろいろと教えていただきまして勉強させていただきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。   (竹内議員登壇) ◆八番(竹内資浩君) 知事からは、非常に、従来のいわゆる官僚機構といいますか、そういった中での難しいことは私も重々承知いたしておりますが、その意をとらえていただいて、できるだけ担保主義にとらわれない、いわゆる担保は取るがその担保能力以上の力がある企業とか、そういうところについてはこれからも考えていきたいというふうな御答弁であったように思われます。前向きの御答弁をいただいたということを確認をいたしまして、次に質問を続けたいと思います。 次に、渋滞対策についてお伺いをいたしたいと思います。 渋滞は、排気ガス、騒音、交通事故の増加、そして時間やエネルギーのロスによる経済活動の損失ははかり知れないものがございます。これを早期に解消し、健全な都市をつくることは県民の悲願であります。一方、県の人口の七割は、徳島市及びその周辺に集中しておるのであります。徳島本町交差点での交通量の増大を初め、市周辺の河川に分断された地形など、悪い条件が重なって慢性的な渋滞が続いておる現状であります。今後も交通量はますます増大すると考えられます。徳島市内の交通渋滞対策について、その基本的な考え方についてお伺いをいたします。 また、一年前の議会で私が提唱し、就任早々の知事の英断で実施された時差出勤については、県民にも閉庁時間の延長等、大変好評であります。これをさらに関係団体、企業等に働きかけ、拡充することによって、効果はさらに大きくなると考えます。そこで、特に時差出勤の実施状況、今後の取り組みについてあわせてお伺いをいたしたいと存じます。 また、今年度、市内担当道路部門の新しい組織をつくり、渋滞対策に積極的に取り組んでいることについては高く評価をするものであります。 また、私が常に主張している用地問題につきましても、代替地の確保につき知事の所信の中で承りました。大変感激をしておるところであります。住宅密集地の予定地になった人のことを思うとき、まさに胸が締めつけられる思いであります。公共のための犠牲になるこの人たちのために、でき得る限りの手を差し延べていくのが行政のとるべき道であります。このたびの代替地対策に大いに評価をするとともに、今後の基本的な考え方をお伺いをいたします。 平成十年には明石大橋が完成し、京阪神の車がどっと流れ込んでくることが予想されるが、その緊急対策について具体策がまるで目に見えてこない。緊急対策についても、あわせてお伺いをいたしたいと存じます。 また、先日の新聞報道によりますと、徳島市が総合渋滞対策支援モデル事業に指定されたと報道がありました。これは一体県として、県・市協調、どのように具体的に取り組むのか、お伺いをいたしたいと存じます。 次に、教育長にお伺いをいたします。 人づくりこそ国づくりであります。教育は、資源のない日本にとってまさに貴重な貴重な資源であります。我が国が敗戦のどん底から見事に立ち上がり、世界一の経済大国になれたのは、先人の血のにじむような努力の結集にほかなりません。それとともに、戦前の教育のすばらしさも見逃せないと思う一人であります。戦後の教育もいいものは数多くありますが、西洋文化やアメリカの悪い部分だけをまねをした自由・個人主義、自由と権利だけを声高に主張する戦後教育のつけは、今まさに公共事業のストップを初め、いじめ、不登校、人を虫けらのように殺す、学力、学歴を重視し、偏差値に振り回される子供たちをつくってまいりました。自分さえよければの風潮をつくり上げたと思うのであります。これからの学校教育は、生涯学習の視点に立ち、一人一人のよさや可能性を生かし、みずから学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの能力の育成を重視し、個性や創造性などを伸ばしていく新しい学力観を持つことが必要であると存じます。自分さえよければでなくて、人様のために何かをすることの喜びを実践する教育の推進、とりわけ道徳教育の充実を強く要望いたしておきます。 去る九月二十五日の徳島新聞の報道で、徳島工業高校の学科再編を知りました。大いに評価をしているものであります。高校の総合学科設置に大きな希望を託している私にとりましては、それにやや近い形の再編であり、大きな期待をいたしております。本年新たに徳島県教育振興審議会が設置され、学科の再編等が審議されていると聞いておりますが、生徒数の減少期を迎え、私が以前から主張している高校の統廃合については、計画の案ができているのかどうか、どう進めていくのか、お伺いをいたしたいと存じます。 さらに、普通科志望の中で余っている職業学科の再編について、その取り組み状況と今後の方針についてお伺いをいたします。特に、徳島市内の職業高校について、具体的にどのような取り組みをするつもりであるのか、お伺いをいたしたいと存じます。 御答弁をいただきまして、質問を続けたいと思います。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 徳島市内の交通渋滞対策についての基本的な考え方、また時差出勤等の取り組みについてのお尋ねでございますが、徳島市内の交通渋滞を緩和する基本的な方策といたしましては、道路の拡幅や交差点の改良といったハード面からの対策、また時差通勤制度や公共輸送機関の利用促進、交通管制等のソフト対策、両面によって進めていく必要があるわけでございます。ハード面からの基本的対策といたしましては、高速道路や放射・環状道路の整備による道路網の強化が必要であると考えておりまして、徳島南環状線、徳島環状線、矢三応神橋、常三島中島田線等の整備を進めているところでございます。 今後も引き続き、これらの事業の早期整備に極力努力をいたしますとともに、市内の渋滞対策の中心的役割を果たす徳島東環状線等につきましても、早期事業化に向けまして、都市計画手続を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 また、本年六月一日から徳島市内の慢性的な交通渋滞を緩和するソフト対策の一環といたしまして、時差通勤制度の普及促進を図りますため、徳島市内に通勤する県職員及び県警本部職員約二千六百名を対象といたしまして、時差通勤制度の試行を開始したところでございます。この時差通勤制度が交通渋滞緩和策としてより効果を上げるためには、御指摘のとおり、一定規模での実施が必要でございまして、より多くの方々の御理解と御協力が必要でございます。このため、徳島市内の他の官公庁でありますとか民間企業等に対しまして、渋滞緩和策としてのソフト対策の重要性を御理解いただき、御協力いただけるように、文書で依頼するとともに、訪問要請活動を行っている最中でございます。まだ十分な成果が上がっているとは言えませんが、今後できるだけ多くの方々に御協力いただけますよう、より一層粘り強い働きかけをしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 また、このたび徳島市が国の総合渋滞対策支援モデル事業の指定を受けまして、時差通勤などのソフト対策を推進することとなっております。 いずれにいたしましても、交通渋滞対策は県の最重点課題の一つでございますので、ハード面とソフト面の両面から、なお一層努力してまいりたいと考えておりますので、御理解のほどをよろしくお願いいたします。   (山中土木部長登壇) ◎土木部長(山中敦君) 私からは三点お答えをいたします。 まず、代替地の先行取得についてでございますが、用地補償はあくまで金銭補償を原則としておりますが、生活再建のため真にやむを得ない事情があると認められる場合に限って、代替地等の金銭以外の提供を行うこととしております。 今後の徳島市内の道路整備につきましては、住宅密集地を通過するため多数の移転家屋があり、移転先の確保の困難さが予測され、多数の代替地の提供が必要とされることから、諸条件を勘案の上、従来の代替地登録制度等の活用のほか、代替地の先行取得が必要であると判断し、今回、県土地開発公社を活用して先行取得を行おうとするものでございます。 今後の代替地の先行取得につきましては、今回の先行取得を行おうとする代替地の推移や事業の進捗状況等を十分に見きわめながら適切に対応してまいりたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、用地取得の促進を図るため、地権者等の要望に可能な限りこたえられるような諸施策の実施に今後とも努力してまいりたいと考えております。 次に、渋滞緊急対策についてのお尋ねでございます。明石海峡大橋の開通に向けた渋滞対策としまして、まず混雑している国道十一号、五十五号のバイパス的役割を果たしております末広有料道路のより一層の利用促進を図る必要がございます。 その具体的な対策といたしましては、吉野川大橋の左折レーンの設置、東吉野町北沖洲線の四車線化、元町沖洲線の安宅地区の四車線化、末広有料道路新浜入口付近の拡幅、これらを計画しており、現在、調査、用地交渉等を鋭意進めているところでございます。 また、吉野川断面の交通容量確保のため、矢三応神橋の整備を進めており、これも平成九年度末の完成を目指し、工事促進を図っている状況でございます。さらに、現在、ボトルネックとなっております交差点の渋滞解消のため、局所的な交差点改良も実施しており、名田橋北詰、法花大橋北詰につきましては、今年度完成予定でございます。名田橋南詰につきましても、早期完成に向け、現在、努力をしているところでございます。 最後に、総合渋滞対策支援モデル事業についてでございます。 建設省におきましては、平成六年度の新たな施策として、渋滞対策のソフト面に積極的に取り組む都市を支援するための総合渋滞対策支援モデル事業が創設され、このたび徳島市を初めとする全国の十都市がこのモデル都市に指定されたところでございます。 この事業は、都市部の交通渋滞対策につきまして、従来までのバイパスや環状道路の整備といった交通容量の拡大を図るハード対策のほかに、運輸省や、また警察と一体となって道路の利用の仕方に工夫を図るパーク・アンド・ライドや時差通勤の推進といったソフト対策を支援する事業でございまして、具体的にはパーク・アンド・ライドのための駐車場の整備やバス停のグレードアップ整備等を実施するものでございます。 県におきましては、時差通勤の拡大や公共交通機関の利用促進といった施策を推進してまいりたいと考えており、今後、窓口となります徳島市を初め関係機関と十分調整し、その具体的な実施計画を年度内に策定してまいります。   (坂本教育長登壇) ◎教育長(坂本松雄君) 教育問題について二点、お答えをいたします。 第一点は、生徒の減少期を迎え、高等学校の統廃合をどう進めていくのか、そしてさらに職業学科の再編についての取り組み方針というようなことのお尋ねでございます。 本年度、本県の教育の振興に関する重要事項の調査・審議をいただくために、徳島県教育振興審議会を設けまして、新しい時代に対応する高校教育の多様化、弾力化、活性化について諮問をいたしまして、現在、中・長期的展望に立ちまして検討がなされているところでございます。 高等学校の統廃合は、「公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」というのがございまして、この基準が定められておりますが、御指摘のとおり、本県の児童・生徒数は減少期を迎えまして、この生徒数の減少や時代のニーズに応じた学校、学科にする必要があると考えております。 教育委員会といたしましては、平成二年九月に出されました徳島県立学校学科適正配置検討委員会報告というのがございます。これをもとに、生徒数の推移や各地域の実情等を調査・検討をいたしているところでございます。 また、職業学科の再編につきましては、さきの教育振興審議会で、急速な技術革新と産業社会の著しい変化にこたえ、新しい時代を担う産業人を育成するとともに、生徒の多様化に対応した個性的な学校づくりを進めるために議論が続けられているところでございます。この御意見を踏まえまして、地域社会の要望や産業、経済の動向を考慮しながら、適切な学科再編に向けまして検討を進めてまいりたいと考えております。 第二点目は、徳島市内の職業高校について、今後具体的にどのような取り組みをするのかというお尋ねでございます。 さきの徳島県教育振興審議会におきまして具体的な諮問事項といたしまして、一つは時代のニーズに応じた学科の再編について、二つ目には単位制高校の設置について、三つ目には総合学科の設置について諮問をいたしまして、審議をいただいているところでございます。 徳島市内における職業高校の学科再編につきましては、平成二年度に徳島東工業高校に電子機械科を新設し、四年度には徳島商業高校に流通経済科等を新設いたしました。また、お話のございました徳島工業高校につきましては、この九月の教育委員会で平成七年度からの学科再編を決めましたが、これは徳島県産業教育審議会の答申の趣旨や、第十四期中央教育審議会の答申の生徒の主体的な学習選択を尊重する高校教育改革の精神をくみまして、従来の七学科を募集停止して、建設系を工業Ⅰ類、電気機械系を工業Ⅱ類として生徒を募集し、二年次以降適性に応じてコースに分かれる制度を採用するなど、学科再編に取り組んできたところでございます。 今後におきましては、徳島県教育振興審議会での審議状況や答申を踏まえまして、徳島農業高校を初め徳島市内の職業高校のあり方も含め、高校教育の活性化を目指して検討し、学科の再編を進めてまいりたいと考えております。   (竹内議員登壇) ◆八番(竹内資浩君) 道路の渋滞対策につきましては、先ほどいろいろとお話がございました。 特に、道路問題につきましては、用地がまさに命綱であります。用地職員の皆さん方の本当に涙ぐましい努力は一番知っておるつもりでありますが、今もいろいろな反対がございます。反対のための反対の人はさておいても、本当に真摯に話し合い、罵声を浴びせられてもその中でじっと耐えて頑張っている用地職員の皆さんの御労苦を、知事を初め幹部の皆さん方もしっかりと受けとめていただいて、その用地職員の皆さんが本当に行動しやすい、話し合いがしやすい、そういう環境をできるだけつくっていただくよう、心からお願いを申し上げる次第であります。 まとめに入りたいと思います。 圓藤知事が就任してから早くも一年が過ぎました。エース圓藤投手は、直球のスピードは超一流であるが、少しコントロールが悪い。滴り落ちる汗をぬぐいながら全力投球する姿に、八十三万観衆は大きな期待に胸を膨らませて見守っている。三塁前のゴロをやや深追いし過ぎて、エラーをしないかと手に汗をしながら声援をしているのであります。ダブルトラッキング、そして福岡便就航、高速道路の供用のめども立ち、前知事の積み残した大きな事業を仕上げました。まずは上々の初登板であります。 しかし、次々と強打者は繰り出してきます。好守を誇り、くせがある木頭村細川内、強打者高齢化、一発ホームランの横断道路、そのほか過疎、道路等々、次々と向かってくる打者に対し、ほっとする間もなく常に全力投球を求められるエース圓藤の姿は悲壮感さえ漂っています。バックを守る県職員とともに、心を一つにして頑張り抜いてください。 二十一世紀のキーワードは、「共生」と「愛」であります。知事が先頭に立ち、縦割りの弊害を乗り越えて、県庁株式会社のさらなる奮起を期待して質問を終わります。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(木村正君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後三時三十五分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後三時五十四分開議      出席議員計三十八名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     森  本  尚  樹 君     二  番     福  山     守 君     四  番     吉  田  忠  志 君     五  番     樫  本     孝 君     六  番     来  代  正  文 君     七  番     猿  瀧     勝 君     八  番     竹  内  資  浩 君     九  番     北  島  勝  也 君     十  番     杉  本  直  樹 君     十一 番     久 次 米  圭 一 郎 君     十二 番     長  尾  哲  見 君     十三 番     佐  藤  圭  甫 君     十四 番     児  島     勝 君     十五 番     川 真 田  哲  哉 君     十六 番     宮  城     覺 君     十七 番     北  岡  秀  二 君     十八 番     亀  井  俊  明 君     十九 番     堺        廣 君     二十 番     遠  藤  一  美 君     二十一番     原     秀  樹 君     二十二番     大  田     正 君     二十三番     榊     武  夫 君     二十五番     平  岡  一  美 君     二十六番     四  宮     肇 君     二十七番     近  藤  政  雄 君     二十八番     湊     庄  市 君     三十一番     俵     徹 太 郎 君     三十二番     松  田  一  郎 君     三十三番     松  本     弘 君     三十四番     服  部  昭  子 君     三十五番     小  倉  祐  輔 君     三十六番     中  谷  浩  治 君     三十七番     大  西     仁 君     三十八番     原  田  弘  也 君     三十九番     阿  川  利  量 君     四十 番     谷  口     修 君     四十一番     木  内  信  恭 君     四十三番     日  下  久  次 君   ──────────────────────── ○副議長(近藤政雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 三十二番・松田一郎君。   〔西沢・元木両議員出席、出席議員計四十名となる〕   (松田議員登壇) ◆三十二番(松田一郎君) 知事に質問をいたします。 知事は、長い間運輸官僚としてその実力を振るってまいりました。そういうことでございますからよく御存じだと思いますが、日本の行政組織は、各種の法律、さらにはその法律に基づく政令、さらには省令、各種の通達や要綱、要領を軸として行政が運営をされていくことは御存じのとおりであります。またあわせ、そのような法令に基づいて各許認可権限が、三千に近い許認可権限が極めて整然と中央省庁から地方自治体に流れていることも御存じのとおりであります。 しかし、午前中からも議論ありましたように、このような行政機構の整然さが、ときには県民にとって、細川内の住民にとって、あるいは東環状線に関係する住民にとって極めて、ときにはしゃくし定規に映ってみたり、窮屈に映ってみたり、そのことが、表現は悪いんですが、お役人的というふうな表現でいろいろ巷間議論があるところであります。いずれにいたしましても、日本の行政機構はフランスのそれと並べ比べられるほど、上から下へと整然と組織されていることは、各理事者よく御存じのとおりであります。 ただ、そのような行政に相対する有権者、主権である県民は、決してそのように縦糸でありません。いわゆる、そこが政治の機微でありましょう。行政と政治家の違いは人情の機微だと言った高名な政治家がおりますが、まさしく圓藤知事に要求されるものは、午前中からいろいろ御議論がございましたが、その縦糸をいかにうまく行政手腕を発揮して、政治能力を発揮して、横糸で結んで県民に温かく対応するかが知事の政治勢力、政治能力云々のゆえんたるところでありましょう。 例えて言うならば、細川内の問題もそうであります。木頭村の村民は、決してダムありきではないと思うんです。木頭村民がダムを見る目は、ダムができたら自分がどの林道を通って向こうの山へ行けるんだろうかということがある人の最大の関心事であるかもわかりません。あるいはまた、横断道にとっても縦貫道にとってもそうであります。東環状もそうであります。この広い道路、高速道路をどのように渡って向こうへ農機具を運搬できるであろうか。ささやかなことであります。あるいは、下水道がどういうふうに流れて、詰まることはないんだろうか。これが県民の、地域関係住民の直接的な、横断道と同じように重要な懸案事項であるかもわかりません。さらにまた、橘湾で進められている火力発電所の誘致にいたしましても、地域に住む広範な住民は、どのような公害が出るんだろうか、あるいは田んぼには影響ないんだろうか、農作物には影響ないんだろうか、こういうふうなことが極めて大きな関心事でありまして、言いかえるならば、一つの事業をとってみましても、各省庁のさまざまな法律や許認可権限やさまざまなそういった行政機構が複雑に絡まっていることは、知事自身がよく御存じでありますし、居並ぶ各部長もそうだと思います。と同じように、徳島県の行政というものが、知事がそういったことをきちんとまとめ上げることなしには、決してうまいぐあいに、ダムであろうと、あるいはそれが石炭火電であろうと、あるいはまた基盤整備事業であろうと、進捗するはずはないと思うわけであります。 そこで、知事にお伺いをいたすんですが、あなたは平成六年の二月の定例県議会でこのようにおっしゃっております。「平成六年四月の機構改革に際しては、政策立案、総合調整機能を強化するため、知事の補佐機能を有する審議監の職及びゆとりを持って政策立案に携わるスタッフ職を設けるとともに云々」と、このようにあなたはおっしゃってその後実行されましたが、こういう立場から見ますと、私の関心あるのはその総合調整機能でございますが、こういった立場から見ますと、例えば、細川内ダムに関して木頭村議会や、あるいは木頭村の村長、あるいは各種のセクションの住民との対話を見ますとき、どうもこのダム建設に関しての、いわゆる広範な諸問題を包括するいろんな行政組織がありますが、そういった総合調整、知事の言う調整機能が果たして果たされているのかどうか、非常にそれぞれの行政機関は一生懸命やっているんですが、どうもばらばらであって、木頭村民に全体のものとして、先ほど言いましたように、この林道はどうなるんだろうか、林道を通って私の山へ行けるんだろうか、そういったさまざまな不安に対して総合的に対応ができているのかどうか、こういう総合機能ができているかどうか、知事自身が一年を振り返ってみましてひとつ検証をしてほしいと思います。 さらに、知事の所信表明での知事補佐機能でございますが、その知事の補佐機能というのは、その知事の権限、いわゆる政治家である知事の、御存じのように政治は具体的には人事権であります。許認可権であります。予算権であります。この三権の行使が政治家の権限だと思うんですが、このような知事の権限を一部でもその審議監に付与しているのか。あるいはまた、限られた仕事の範囲、一つのプロジェクトならプロジェクト、あるいは石炭火電等、限られた範囲の事業などの業務に関して知事が持つ若干の権限を付与しているということなのか、二つ目に、これは。さらに、そうでなければ、その審議監の提案というもの、部長会議等で提案というものを、知事の提案ぐらいの重みを持って知事自身が主観的に感じ取ろうとしているのか。またあるいは、言いにくい話でございますが、ただ単に気の向いたときの相談相手なのか。ひとつその点もお伺いをしておきたいと思います。 いわゆる総合調整機能は、非常に複雑な機構に分かれた日本の行政組織の中にあっては、まさしく総合調整機能なしには行政が国民のために、県民のために機能しないほど専門的になっております。これはまさしく知事の提案はすばらしい着想であると思うんですが、機能しなければ単なるお役人の機構いじりになってしまう。そのことを含めて知事の御答弁をお願いをしておきたいと思います。 さらに、橘湾の火力発電所の建設でございますが、これも先ほど言いましたダムの問題と同じように、関係地域住民は、発電所の発電量が何ぼとか、それで交付金が幾らくれるというのも若干は関心ありますが、やはり地場産業がどうなるのか、公害問題がどうなるんだということが総合的に説明されなくては、幾ら立派な発電所を宣伝しても関係地域住民はなかなか私は受け入れがたいと思います。 そこで、お伺いするんですが、この火力発電所の建設は、県は二月といいます、来年の着工は。企業立地対策特別委員会で言明をされました。また、一部は十月に仕事にとりかかるとも言いました。このことは県と電発、四電、企業とが十分打ち合わせをしてやったことなのか、ひとつお伺いをしておきたいと思います。 さらに、そのときに県は、従来の公害防止協定にかわる、いわゆる公害対策、いわゆる環境保全協定を、これまた二月に結ぶと言明をされました。さきに指摘いたしましたように、地域住民はダムありきでないように、発電所ありきではございません。いわゆる公害がどうなるんだろうか、そういうことが関心事でございますが、県の言動をそのままここで述べさせていただくと、いわゆる環境保全協定なるものが、そして調印された成文なるものが、この議会での議論の終結を待たず着工するということになります。そうでしょう。このことを私は、先ほど言いましたように、この議会の県民の代表である本会議での調印された成文の議論を待たずに着工するとなるんですが、このことは電発、四電とも協議の上なのか、あるいは県だけがそういうふうに計画をしてるのか、また県だけがそのような計画をしてるとするならば、あなたのプロジェクトのどのような機構やメンバーで決定したものか、ひとつ議会で明らかにしてほしいと思います。 このことは今日まで徳島県議会は企業誘致に関して三つの原則を堅持してまいりました。企業誘致、地場産業の育成、公害の防止、この三つが徳島県の企業誘致の三大原則であることは、昭和四十年代からこちらへ二十数年間、三十年近く全国にとどろき渡る白熱の議論をもって確立した大原則であります。しかし、企業立地対策特別委員会での県の二月着工は、まさしくその大原則、県民の財産であるその大原則を全くいとも簡単に踏みにじった事務官僚の作文でしかない。そのことを踏まえてひとつ、知事は十分腹を据えて御答弁をお願いしたいと思います。 さらに、午前中も議論ございましたが、ガット・ウルグアイ・ラウンドの新しい展開を受けての日本の農業でありますし、さらに関西国際空港が、しかも二十四時間動く関西国際空港が、世界各国から生鮮野菜を日本へ送り込んでまいります。こういった新しい状況の中で、徳島県が、特に京阪神経済圏の有力な生鮮野菜基地としての位置づけをどう展開しようとするのか、さらにはその最も大事な事業である基盤整備事業にどう取り組んでいるのかをひとつお答えをいただきたいと思います。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 今年四月の機構改革、特に審議監の設置についてのお尋ねでございますが、今日のように成熟かつ構造の複雑化した社会におきましては、県政を進めていくに当たりまして、多様化した価値観から生ずるさまざまな意見について、その妥当性やメリット、デメリットを十分見きわめた上で、最大公約数が得られる方向をどこに見定めるのか、そしてその実現のための方策を県民の皆様方の御理解を得ながらいかにまとめ上げていくかなど、幅広い視点からの調整力と柔軟な発想による企画力がこれまで以上に強く求められているわけでございます。一つの課題に関して異なった立場からいろいろな見解が示される、そしてこれらが県の組織上複数の部局にまたがって関連しておりまして、部局間の意見調整や新たな観点からの検討を行う必要に迫られる、こういったケースが非常にふえているわけでございます。 また、サイレンス・マジョリティーという言葉もございますように、具体的な形で顕在化していない多くの声なき声にも十分配慮する必要があると考えておるところでございます。 こうした状況を踏まえまして、私は本年四月の機構改革の柱の一つとして、知事補佐機能を有する審議監、そしてゆとりを持っていろんな政策立案に携わる政策企画監の職を設けたところでございますが、特に審議監というポストには、県の重要施策等につきまして庁内外のさまざまな意見を整理した上で、県としての意思統一を図りつつ、目的、課題の達成に向けての道筋を検討するという役割を担わせているわけでございます。審議監の職は一般職でございまして、あくまでも私を補佐する機能を有しているのであって、知事の代理機能を付与したものでは毛頭ございません。 この半年間、私の意思決定の参考にすべく、審議監から数多くの助言や情報を得ておるところでございます。そしてまた、いろんな取りまとめもやっていただいておるところでございます。必ずしも十分でないという御指摘もございますけれども、今後ともその設置目的に従って積極的に活用してまいりたいと考えておりますので、どうか御理解のほどをお願いしたいと思います。 また、議員から具体的に御指摘のありました細川内ダムの建設促進に関しましては、治水、利水の問題を初め環境保全や地域振興など、さまざまの課題に対する総合的な取り組みが必要であるというふうに判断をいたしておりまして、企画調整部に話し合いの窓口を移すなどの組織面での対応も図った上で──これは木頭村長からの要請もあったわけでございます。それで、企画調整部ということで窓口をしたということでございますが、部局間の連絡調整、意思疎通をより密にしつつ、地元の方々とのひざを交えた話し合いに意を尽くしながら懸命の努力を重ねているところでございます。 今後、議員御指摘の点も真摯に受けとめまして、県民の皆様方一人一人の生活に根ざした声を県政に反映していくことこそが私の責務でございまして、そして私自身がそのための政策立案や総合調整を担う最高かつ最終の責任者であることを肝に銘じ、県政の推進に全力で取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解、御協力のほどをよろしくお願い申し上げたいと思っております。 次に、環境保全協定の件についてでございますが、橘湾火力発電所の立地に関します二月着工と決めたのは、県だけが単独で計画しとるのか、四国電力とか電源開発とかというところとの協議の上かというお尋ねでございますが、これは当然協議をいたした上でのことでございます。 この火力発電所の立地に関しましては、環境汚染を未然に防止し、県民の健康を守るとともに、生活環境及び自然環境を保全し、あわせて地域住民の不安を解消することが重要な課題であると認識しているところでございます。このため、県といたしましては、電気事業者に適切な環境保全対策を講じさせることによりまして、建設工事及び運転開始後における環境保全を図ることを目的として環境保全協定を締結する所存でございます。 現在、電気事業者との間で鋭意協議を進めておりまして、協定に盛り込むべき主な内容について本年十二月定例会において御報告の上、議会の御意見等も踏まえて協定を締結し、埋め立て着工までに議会に報告いたしたいと考えておりますので、御理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。   〔北岡議員退席、出席議員計三十九名となる〕   (安丸農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(安丸徳広君) 農業の問題について私からお答えをいたしたいと思います。 本県の農業は、京阪神圏に対する生鮮食料品の供給基地として発展してまいりましたが、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意や関西国際空港の開港等の新しい局面を迎えまして、国外にも目を向けた農業施策の推進が必要となっております。 今後は多様な地域の特性を生かしつつ、なお一層効率的で生産性の高い農業、野菜作等の拡大による付加価値の高い農業への展開を図ってまいりたいと考えております。そのため、生産の基礎として農業基盤整備が最も重要と考えており、生産性の高い土地利用型農業や高付加価値型農業の展開が可能な圃場整備、基幹的農道から末端圃場に至るきめ細かな農道網の整備、地下水の塩水化、水質汚濁等に対応するための農地防災事業などを推進してまいりたいというふうに考えております。   〔元木議員退席、出席議員計三十八名となる〕   (松田議員登壇) ◆三十二番(松田一郎君) 環境保全協定について知事から御答弁をいただきました。当然、環境保全協定なるものが議会の議決事項でもございませんし、承認事項でないことはよく存じておりますが、そういう論旨に基づいて企業立地対策特別委員会ではあなたの部下は答弁をされた。議会の議論を待たずに、着工するという趣旨の答弁をされた。行政側としてはそれはそれでいいでしょう。しかし、先ほど知事の答弁がありましたように、受ける県民の最たる関心事は公害問題であります。当然そのことが県民の代表である議会に報告されて十分議論されること、それが何よりも県民に対する温かい行政であることを十分認識されての答弁だとして了解をいたしたいと思います。 農林部長にお尋ねをするんですが、御存じのように、我が徳島県は、基盤整備事業に至っては、和歌山県あるいは奈良県等、超えることのできない自然条件、あるいはまた文化財等があって、超えることができない状況の県を除いては、基盤整備事業の進捗状況は最下位のグループに属することはよく御存じのとおりであります。そういったことで、ウルグアイ・ラウンドの展開も横目で見ながら、今、国においては基盤整備事業、殊に平成五年度からは担い手育成基盤整備事業が国において実施されております。この金額を見てみますと、当初、担い手育成基盤整備事業が実施された初年度平成五年度においては、国全体では五十三億円でございましたが、平成六年度では二百六十八億円、対前年度比約五倍の伸びであります。さらに、平成七年度に向けた農林水産省の決意は、六年度予算の五〇%増、四百四億円を予定をしております。農林水産省の土地改良事業の総額が約一千二百億円であることを想定いたしますと、いかに今日、農林省なりがウルグアイ・ラウンド等を見て国境対策、いわゆる基盤整備事業に緊急に力を入れているかは御存じのとおりであります。 そこで、それまで基盤整備事業の財源内訳は、国が四五%、我が徳島県は三二・五%、受益者負担が二二・五%、これを足しますと一〇〇%となります。しかし、さらに進捗するという意味において、国においてさらに進捗するという意味において、国は平成五年度から財源を四五%から五〇%にかさ上げをいたしました。そのことは平成五年十月二十日付の農林省事務次官通達、同じく平成五年十月二十日付の農林省構造改善局長通達として、担い手育成基盤整備事業実施要綱及び要領として各都道府県に指導されております。 その中の第二項、当事業の国庫補助率とは、圃場整備実施要綱──これは安いとき、四五%の実施ですが──圃場整備実施要綱による圃場整備事業の国庫補助率の差以上に受益者負担率の軽減が図られることとなりました。言いかえますと、平成四年までは四五%だった、国は。五年度から五〇%になった。国も五%上げたんだから、大事な時期に進捗させるために、各都道府県もその五%の差以上に受益者の負担を軽減することという事務次官通達であります。 さらに、その事務次官通達の解説を御披露いたしますと、このようになっております。「また、都道府県の負担については明記はしていないものの、受益者の負担を観点として当該事業の国庫補助率と──これは担い手育成、五〇%です──圃場整備事業実施要綱による圃場整備事業の国庫補助率の差──四五%です──(五%)以上に受益者負担率の軽減が図られること」とあります。このように書いて、事業要件として要綱に規定している。いわゆる担い手育成基盤整備事業の採択要件、いわゆる事業要件として規定しておるのであり、その趣旨を理解され、各都道府県の負担率の設定にあっては、相応の配慮を期待しているという趣旨であります。 再度言いますが、徳島県は最下位グループであります。しかるに、我が徳島県は、県負担率は平成四年までは三二・五%、それを上げるどころか、あるいは三二・五%をそのまま置くどころか、二・五%低減して三〇%にしている。そのことはまさしく国の方針である農業政策、さらにはこの指導要領、五%以上と明記しているこの指導要領の精神に違反をすると思うが、お答えを願いたい。   〔元木議員出席、平岡議員退席〕   (安丸農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(安丸徳広君) 圃場整備事業の負担率のことについて御答弁を申し上げたいと思います。 本県におきます県営圃場整備事業の事業費の負担割合でございますけれども、基本といたしまして、国庫補助の残を県と地元で折半するというふうなことを基本といたしております。すなわち、一般型の県営圃場整備事業の場合には、国の補助率が四五%となっております。ということで、残り五五%を県と地元がそれぞれ二七・五%ずつを負担するというふうなことで進めております。 お話のありました担い手育成基盤整備事業が平成五年度から国の事業として創設されたということで、この事業は圃場整備を推進することによって担い手農家に農地を集積するということが大きなねらいでございますけれども、そういう意義を高めるため、あるいは生産基盤と生活基盤を一体的に整備するという意味もありまして、国費が五%アップして五〇%というふうになっております。そういうことで、一般型の県営圃場整備の地元負担率は、先ほど申しましたように二七・五%でございますけれども、本県の場合、担い手育成基盤整備事業につきましては、国の五〇%と、残りを県が三〇%、地元が二〇%というふうな負担の割合で実施しているところでございます。 先ほど、県の負担率三二・五%という話がございましたが、これは平成二年度から平成九年度までの新規採択地区につきまして、三〇〇〇日戦略の一環として県費を五%かさ上げを実施したということで三二・五%になっているわけでございまして、基本はあくまでも二七・五ということになるわけでございます。 ということから、二七・五%から二〇%への軽減措置をしてるということで、先ほどお話のありました地元負担を五%以上軽減しているというふうな措置になるわけでございまして、先ほど申しましたように、三〇〇〇日戦略で本県が地元負担を軽減措置をしておるということは県独自の措置でありまして、国費のかさ上げ措置とは別途の措置でございますので、御理解をいただきたいと思います。   (松田議員登壇) ◆三十二番(松田一郎君) 私がお尋ねいたしましたのは、通達、いわゆる綱領、要領の趣旨に反するん違うのかと言った。国は、各地方自治体がやるさまざまな特色ある予算措置には言及していない。だから、「特に数字は挙げないが」とある、要綱に。しかし、現在よりも国も五%農民に出すんだから、地方自治体もこういう厳しい国際状況の中で早くやろう。知ってのとおり、基盤整備事業は期間も五年をめどとする。投資効果を上げるために五年をめどとしている。そのために国も五%上げるんだから、あえて数字は明記しないが、各都道府県においてそれぞれ国と同じように五%の差以上、努力して負担を軽減するようにとある。こういう趣旨に違反をしないか、理由はわかる、いろいろとあなた言っている理由はわかるが、こういう趣旨に違反しないかと聞いてる。違反するかせんか言うてくれ。   (安丸農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(安丸徳広君) 本県でとっております措置は、国の通達の趣旨に違反しないものと理解しております。   (松田議員登壇) ◆三十二番(松田一郎君) 部長は、趣旨に違反しないと、本当なら徳島県農業会議会長の御意見もお伺いしたいんですが、そうもいきませんので、質問を続行したいと思う。 なぜ違反しないんですか。要綱に明確に、各都道府県の数字を明記しない、いわゆる各都道府県で三〇〇〇日戦略をやろうと二〇〇〇日戦略をやろうと、そういうことは国は問わない。いずれにいたしましても、平成五年から国際情勢をにらんで国も五%上げるんですから、受益者負担を軽減するために、都道府県もそのような措置をとってほしい。あえてとってほしいというのは、このガイドライン、あなた読んだ。なぜ趣旨に違反しない。理屈でない。国も五%上げるんだから、その線以上に負担を軽減してくださいと。もう一度お伺いをしたいし、さらについでに、予算書には財源内訳というのがある。あなたの提案した平成五年度あるいは六年度の担い手育成基盤整備事業の財源内訳は、今までの四五から担い手に関しては五〇%に上がっとる。だから、財源内訳には国費五〇%。そうでしょ。今までは県費三二・五%だった。それが平成五年からは三〇%になった、財源内訳が、県費。受益者負担が二〇%になっている。前年までは二二・五%。もう一度言い直すと、対前年度比国費四五から五〇、要綱に基づいて五%上がってる。しかし、県費は、財源内訳、三二・五から三〇に下がっている。これが趣旨に違反しないか。この要綱は、受益者負担を軽減せよ、こうある。そこで、受益者は二二・五から二〇%、二・五軽減をしている。あなたに聞くんですよ、趣旨に違反するかせんか。二・五%の受益者負担の、二二・五から二〇%に下げた受益者負担の二・五%の財源はどこにある。   〔平岡議員出席、出席議員計三十九名となる〕   (安丸農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(安丸徳広君) 繰り返しになりますけれども、県の一般事業におきます県負担二七・五%に比べますと、七・五%の軽減措置がなされておるということで、私どもは国の趣旨に沿った措置だというふうに考えております。 この措置によりまして、先ほど三〇〇〇日戦略との比較がございましたけれども、地元負担につきましては二二・五が二〇%というふうなことで、二・五%でございますけれども軽減措置がなされているということで、そのほかにこの事業につきましては、補助残の事業費につきまして無利子の融資制度も受けられるということで、地元にとってはそれ以上のメリットがあるんではないかというふうなことを考えまして、こういう措置を講じておる次第でございます。   (「答弁漏れ」等発言する者あり)   (安丸農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(安丸徳広君) 失礼いたしました。県負担分の三二・五から三〇になった二・五%分の財源でございますけれども、もともと三二・五%の中に五%の分は県独自の財源措置を講じておったということで、国の施策とは関連ないということで御理解をいただきたいと思います。   (松田議員登壇) ◆三十二番(松田一郎君) 今の部長の答弁をもう一遍言い直しますと、受益者負担が二二・五から二〇%になった。この二・五%は金が要る。この財源はというと、ごじゃごじゃと言うたけれども、もともと県の財源だと。それならば予算措置は、言うぞ、それならば予算措置は県の三二・五、前年度対比プラス二・五%にせな財源でけんでないか。君は二・五%受益者負担を軽減したのは、県の財源だと言うた。でしょう。県の財源であるならば、受益者負担が前年度二二・五%、県は三二・五%、それが対前年度比、ことしになって二・五%減った、受益者負担が。そうでしょう。県の財源と言うならば、前年度は県は財源が三二・五だったんだから、二・五%出して三五%にせんといかんのに、三〇%になっとんじゃないか。見てみい、もう一遍。   (安丸農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(安丸徳広君) 県負担分の三二・五%が三〇%になった。その二・五%は県独自の財源措置であったということで、国の施策とは直接的な関係がないということで御理解をいただきたいと思います。   (松田議員登壇) ◆三十二番(松田一郎君) 簡単なことであります。予算は財源が必要なんです。その財源内訳で、徳島県は対前年度は三二・五、それを三〇%に減らした。受益者負担は二二・五、それが二〇%に減った。この受益者負担の二二・五のうち、減した二・五はどこの財源かと聞きよんじゃ、僕は。君は、県の財源と言うた。そうでしょ。県の財源と言うた。ごじゃごじゃ聞きよらへん。もう金は簡単に、一万円札はどこでも一万円札じゃ、これは。担い手だろうと何だろうと一万円札。君は、受益者負担が二二・五から二〇%に減った、二・五減った。これの財源はどうなる、財源は要る。君は、県の財源と言うた。そやったら、予算書に対前年度は三二・五であったんだから、受益者負担が二・五減ったんだからだれかが持たんといかん。君は、県の財源と言った。それならば簡単なこと。三二・五に二・五加えたら三五になる。しかるに、徳島県は三〇%に減っとんじゃないか。もう一遍言え。   (安丸農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(安丸徳広君) 今回の措置につきましての比較でございますけれども、先ほどから三二・五と三〇との比較をなされておりますけれども、冒頭申しましたように、私どもは一般圃場整備との比較ということで、県の負担は二七・五から三〇になった、地元の負担は二七・五から二〇になってるというふうなことで御理解をいただきたいと思います。   (佐々木総務部長登壇) ◎総務部長(佐々木豊成君) ただいま議論が大変混乱しているようでございますけれども、我々が申しておりますのは、まず比較の対象でございますけれども、要綱に書いてございますように、昭和四十一年の要綱の事業であります一般の圃場整備事業、これが国費が四五%であったと、残りの五五%を県と地元が折半をして二七・五%ずつであったと、そこが比較の対象でございまして、担い手の育成の今回の基盤整備は新たな事業として組まれたわけでございまして、その負担割合について、国は五%アップして五〇%にしたということでございます。それにつきまして県は三〇%の負担をし、地元が二〇%の負担という負担割合を決めたということでございまして、まさに国が五%負担を上げ、県が二・五%上げ、結果として地元負担が七・五%下がっているということでございます。   (松田議員登壇) ◆三十二番(松田一郎君) もう一遍聞きます。三二・五から三〇に下がった、二二・五から二〇に下がった。この受益者の二・五%の財源がどこかと。   (「議事進行」等発言する者あり)   ──────────────────────── ○副議長(近藤政雄君) 本日の会議時間を延長いたします。   ──────────────────────── ○副議長(近藤政雄君) 佐々木総務部長。   (佐々木総務部長登壇) ◎総務部長(佐々木豊成君) 先ほどの御質問でございますけれども、比較の対象が、二・五%の財源はどうしたのかということでございますけれども、一般事業と後にできた担い手事業との比較でございますので、その財源がどのようになったかということは、そういう一定の決められた負担割合を前提にして財源措置を講じておりますので、それは全体の財政の中で予算を組むべく財政措置をしているわけでございます。   (松田議員登壇) ◆三十二番(松田一郎君) 総務部長の答弁はわからんのですが、予算というものは継続されとるんじゃから、あなたも大蔵省出身だろ。これはこれで別やいう話ないぞ、部長。予算は、総理大臣や知事の演説の血と肉の結晶じゃ。その予算措置をしている。要綱、要領が、国がふやす分以上に都道府県の負担率軽減ということは、個々別々の予算か。君は大蔵省出身だろ。大蔵省主計局に問い合わせてみい、そんな答弁は。予算は個々別々、何な、それは。これはこれで新しいんじゃけん、君の言うことは、ぽっと組んだんやけん過去と関係ありませんということでしょ。そんなことが予算編成上できるんか。だから、要綱、要領に、都道府県の補助率上げは数字では規定しないが、今まで以上にということは、今まで徳島県で言うたら平成五年度財源内訳三二・五%以上に都道府県も五%以上上げるように努力しろ言うて政府自身が、君の上司たる者が言ってるじゃないか。それをあなたは詭弁を弄して、ことしはことしで別だよと、そんなことは通るか。しかも、君は知ってのとおり、こういう予算を伴う通達あるいは要綱、綱領は、知事も知ってのとおり、すべて大蔵省財政当局、自治省、当該省庁、いわゆる農林省、三者の親密な協議を経、さらに事務次官会議において出した通達じゃないか。そんな詭弁は通らん。財源内訳を言え。   (佐々木総務部長登壇) ◎総務部長(佐々木豊成君) 御指摘のように、私も予算を担当したことございますので、要綱がどうやってつくられるかはよく存じております。その要綱に照らしましても、先ほども私が申しましたように、昭和四十一年の一般の圃場整備に比較いたしまして、国の負担率以上に地元負担は下がっているわけでございます。先ほど農林部長が申し上げましたように、要綱、要領の趣旨に反しているわけではございません。   (松田議員登壇) ◆三十二番(松田一郎君) 到底、答弁に納得でけん。皆さんそうでしょう。何となしに、知事が困ったらいかんけん、きょろきょろしよる諸君も多いけんど、そんなんでは議会の役目は果たせない。当然でしょ。この議場の中には、議席には土地改良区の理事長もおる。関係者もおる。さらには、農業会議会長もおる。まさに、そういう団体の代表者が集まってウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱骨子が、平成六年十月四日、本日、閣議が出された。緊急農業農村対策本部、本部長は村山総理、副本部長は河野さん、こういう最高のスタッフが本日出した骨子を読んでみても、このようにある。第一番として、「第四次土地改良長期計画の着実な進捗を図ることとし、担い手を支える活力ある地域づくりを行うため、殊に農業生産基盤の整備などを進めるために、この際特に生産性の向上に直結する大区画圃場整備などの高生産性農業基盤整備を重点的かつ加速的に推進する」急いどる。また、「工期の短縮などにより、さまざまな事業効果の早期発現と受益者の負担の軽減を最重点に図ること」とある。 しかるに、徳島県は、私の調査においては、平成五年以降、いわゆる国が五%上げた以降、徳島県を除いて四国三県を含め、どこの都道府県も県の負担率を軽減したところはない。しかも、我が徳島県は、農業基盤の整備については、当初申し上げたとおり、最下部のそのまた下部に類するグループにおる。このことがいかにウルグアイ・ラウンド合意以降、関西空港の発現以降、農業を壊滅的につぶすかを危惧する政府が、本部長を総理大臣にして各関係閣僚が本部員となってすべてのきょう大綱が発せられた。 そんなときに、ちゃらちゃらちゃらちゃら総務部長が、予算はことし限りでございます。予算というのは盟約で流れる。徳島県の政治の歴史、十年、五十年、盟約で流れる。県民の血と塩でつくった予算。それを県の要綱、この県の要綱が悪いのならともかくも、それを国から来た五%、どこの懐にねじ込んだか知らんけれども、しかもその五%は、この要綱の精神は、この国が上げた五%は受益者に対する補助なんだ。県に対する補助ではない。何を勘違いしとる、君たちは。それをよいことに、前年度は関係ございませんという詭弁のもとにマイナスの二・五%、県負担は。こんな予算措置は全国どこにもない。断じて容認でけん。   (安丸農林水産部長登壇) ◎農林水産部長(安丸徳広君) ただいまの件につきましては、この事業の補助率の設定が適切であるかどうか、農林水産省にも確認をしておりまして、これで違反をしているような事実はないということで事業も採択をされておりますし、問題はないというふうに理解しております。   (松田議員登壇) ◆三十二番(松田一郎君) いわゆる、予算を、これはまあ多くの官僚がおいでるから、言うまでもなく予算は継続であります。そこに国民や県民の血と涙が盛り込まれている。それぞれその年度年度ぼつぼつあるや言うあの部長、今後何が起こるやわからんでという言い方いかんですが、いずれにいたしましても我が徳島県は、たびたび言及いたしましたように、阪神経済圏に最も近い、さらには関空に最も影響を受ける、考えようによっては、一夜にして瓦解をするような立場であると同時に、また発想によってはすばらしい生鮮野菜の生産基地として進展を見ると思う。るる申し上げましたように、ウルグアイ・ラウンド以降、政府も緊急性ということを前提に置いてさまざまな施策をしているところであります。そういった立場から、先ほどの答弁は決して認容できない。 この際申し上げますが、平成五年十二月七日にガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の実施に関する、農業施策に関する基本方針が出されました。その閣議了解事項としてこのようにあります。「新しい食料、農業、農村施策の向上に沿った農業の体質強化対策として、新たな国際環境のもとで担い手の確保を含め、効率的、安定的な経営体の育成を通じ、農業構造を変革させるよう、特に農家負担軽減に配慮を各都道府県が賜るように」とある。これは先ほど申し上げました本部長を村山総理とする緊急対策本部の決定であると同時に、閣議了解事項であります。 どうか本県農業が──議論は今後とも続行すると思いますが、私は決して先ほどの答弁は了解いたしません。どうかひとつ大きな国際化の波の中で必死にはい上がろうとしている農民の心を心として、知事が施策を忠実に実行するよう要求して終わります。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(近藤政雄君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○副議長(近藤政雄君) 本日はこれをもって散会いたします。      午後五時六分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━...