令和 4年 3月 定例会(第1回) 令和四年 第一回
天理市議会定例会会議録(第三号)
--------------------------------------- 令和四年三月十四日(月曜日) 午前九時三十分
開会---------------------------------------議事日程(第三号)一 日程 日程第一
一般質問---------------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程のとおり
---------------------------------------出席議員(十六名) 一番 仲西 敏議員 二番 石津雅恵議員 三番 西崎圭介議員 四番
大橋基之議員 五番 寺井正則議員 六番 鳥山淳一議員 七番 内田智之議員 八番 今西康世議員 九番 榎堀秀樹議員 十番 市本貴志議員 十一番 岡部哲雄議員 十二番
藤本さゆり議員 十三番 荻原文明議員 十四番 山田哲生議員 十五番 東田匡弘議員 十六番 加藤嘉久次
議員---------------------------------------欠席議員(なし
)---------------------------------------説明のための出席者 市長 並河 健 副市長 藤田俊史 教育長 伊勢和彦 市長公室長 上田茂治 市長公室理事 西辻健一
健康福祉部理事 総務部長 木村昌訓
くらし文化部長 吉川尚光 危機管理監 上土居能一 健康福祉部長 加藤道徳 環境経済部長 谷 文広 建設部長 井上典正 教育委員会 青木 仁 事務局長 監査委員 山村結紀子 事務局長 会計管理者 奥村良子 上下水道局長 岩田全
喜議会事務局職員ほか出席者 事務局長 藪内康裕 事務局次長 松原茂幸
事務局次長補佐 青木一朗--------------------------------------- 午前十時零分 開議
○議長(
大橋基之議員) 休会前に引き続き会議をいたします。
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○議長(
大橋基之議員) これより日程に入ります。 日程第一、一般質問を行います。質問時間は、答弁を含め六十分以内となっておりますので、御了承願います。質問通告が来ておりますので、順次発言を許します。 一番、仲西敏議員。 〔一番 仲西 敏議員 登壇〕
◆一番(仲西敏議員) ただいま議長の許可を得ましたので、通告書によりまして、一問一答方式で一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 質問の件名は、一、学校を取り巻く状況について、二つ目、コミュニティ・スクールについて、三つ目、これからの学校と地域の在り方について、以上三点についてお伺いをいたします。 なお、答弁によっては質問を深めてまいりたいと思いますので、御了承のほどよろしくお願いいたします。 最初に、ロシアの軍事力によるウクライナへの一方的な侵略行為、大変な時代を迎えております。多くの方が本当に命を亡くされております。国連憲章違反というようなことで、武力行使の即時停止とウクライナからの完全撤退を強く求めるものであります。 それでは、質問に入ります。 最初の一番目、学校を取り巻く状況についてでございます。 我が国は、現在、コロナ禍もございますけども、基本のところは、急激な少子化、高齢化のただ中にございます。統計によりましたら、二〇三〇年には六十五歳以上の割合は総人口の三分の一に達し、生産年齢人口が総人口の約六割まで減少すると言われております。また、グローバル化や情報化が進展する中で、非常に複雑多様な社会を迎えるというようなことで、先を見通すことが一層困難になっております。さらに、都市化や過疎化の進行、家族形態の変容、価値観やライフスタイルの多様化等を背景とした地域社会等のつながりや支え合いの希薄化により、地域の学校、地域で育てる子どもという考え方が次第に失われてきているということが指摘をされております。 また、家庭をめぐる状況としては、核家族や独り親家庭、共働き世帯の増加など、家族形態の変容やつながりの希薄化等を背景に、貧困問題の深刻化、子育ての不安や問題を抱え孤立する保護者の増加、
児童虐待相談対応件数の増加など、家庭教育が困難な状況が見られております。このほか、昨今、子どもが被害を受けるだけじゃなしに、加害者となるような、こういう事案も発生しております。地域で家庭や子どもを見守り、支えることの必要性が指摘をされております。こうした観点からも、学校と地域の連携・協働を一層進めることの重要性が増しておるものと考えます。 そこで、最初に、そのような社会的背景を受けまして、学校でそれぞれ校長先生をはじめ教職員の方が様々な取組に当たられておるというふうに伺いますけども、その取組の事例をお聞かせ願いたい。また、感染症対策の徹底もされておるというふうなことで、その辺のことも併せまして御答弁をお願いしたいと思います。
○議長(
大橋基之議員) 教育長。 〔教育長 伊勢和彦 登壇〕
◎教育長(伊勢和彦) コロナ感染が治まらない中、小中学校をはじめ、幼稚園、保育所あるいは様々な子どもたちに関わる施設の職員が日々奮闘しています。教育委員会においては、特に指導主事たちが毎日本当に身を削るような仕事をしております。その中で、学校の取組を質問していただいたことに教育長として感謝申し上げます。
新型コロナウイルスが、この間、学校や園における子どもの学習や生活を大きく変化させました。感染対策を取りながらの学校・園での生活や行事は、これまでどおりではなく、規模を縮小したり、方法を変更したりして実施を余儀なくされました。 しかし、その一方で、本市の
GIGAスクール構想による一人一台の端末活用により、これまでにない学びを進めることもできました。感染拡大予防のため登校停止となった場合でも、
オンライン授業による学びを止めない取組が県内多くの他市より進みました。集団生活が基本の学校や園の生活ゆえ、不自由はありますが、単なるマイナス面と捉えるのではなく、いまだからこそできる教育活動を追求し、積み重ねております。 一例を挙げるなら、今年度二学期、市長からの提案を受けて、市内全小中学校参加による
オンライン授業プレゼン大会を実施し、各校の優れた
オンライン授業を共有しました。現場の教員から「とても刺激になり、高め合えた」という声も上がっています。また、全国的にも教職員の長時間勤務が課題になっている中、市長から、子どもと向き合える時間を増やすためにこそ働き方改革を、一つ、二つの行事をなくすという目先のことではなく、狙いを定めて、狙いが達成できるならルーティンを大きく変えていくという発想の転換をして働き方改革をしてほしいという指示を受け、本市では、
各校園代表教員による
ワーキング会議を重ね、狙いを明確にした行事や教育内容の見直しと精選に取り組んでいます。令和四年度からは、
校務支援システム導入と
給食費公会計化による教育現場の事務作業軽減により、教職員が少しでもゆとりを持ち、子どもと向き合える環境づくりを目指しています。 以上です。
○議長(
大橋基之議員) 仲西議員。
◆一番(仲西敏議員) ただいま教育長から御答弁を頂きました。本当に学校を取り巻く環境というのは大きく変わって、また、コロナ禍のただ中でございます。本当に校長先生をはじめ、教職員の皆様方の御努力に敬意を申し上げたいと思います。 次の質問でございますけども、そのような取組をされている中で、現在、学校が置かれている状況、学校の校長先生、教職員の方々だけで、それで取り組むという時代ではないということが、国の中教審の答申を踏まえまして示されたわけですね。いろんな仕組みづくりが、一千七百四十余りの自治体で取組が進んでおります。本市もいろいろ取り組んでおられると思いますけども、私がここで取り上げて質問させていただきますのは、これはちょっと古いんですけど、平成十八年十二月に改正された教育基本法ですね。ここには第三条に生涯教育の理念と、家庭教育の十条、学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力(十三条)に関する条文が新たな項目として設けられた。やはり学校の校長先生、教職員だけではないよと、地域の住民が社会総がかりで子どもたちの教育を育むんやと。国がそういうふうに切り替えたんですよね。各自治体がそれを受けて大きく方針を変更されておられます。そこには、学校と家庭、地域の連携と、こういう柱を据えられて、それに、県、市、本市も含めまして、学ぶ力、生きる力を育む、そういう取組を社会総がかりでされておると、そういうふうに認識しておりますけども、その辺のところは、教育長、どういうふうなところで。お考えをお聞きしたいと思います。
○議長(
大橋基之議員) 教育長。
◎教育長(伊勢和彦) お答えします。 仲西議員のおっしゃるとおり、多様化する子育て家庭の課題や要望にもはや教職員だけが向き合うことには限界が見えていると考えます。ゆえに、働き方改革を単なる教職員業務の効率化として捉えるだけでなく、地域と協働する働き方に変革していく必要があります。学校と家庭、地域が連携し、地域とともにある学校づくりを進めなければなりません。 奈良県教育振興大綱では、学ぶ力、生きる力を育む本人のための教育がうたわれています。それは地域ぐるみの取組があってこそ実現できるものだと考えております。そのため、本市では、令和四年度より、教育委員会だけでなく、市各部局が力を合わせるみんなの
学校プロジェクトにより、仲西議員のおっしゃった学校と家庭、地域の連携を構築していきます。 以上です。
○議長(
大橋基之議員) 仲西敏議員。
◆一番(仲西敏議員) 教育長の御答弁、本当に力強い答弁として受け止めさせていただきます。 学校と家庭、地域の連携というのは、本当に基本中の基本、一丁目一番地というところで、その具体的な表れの中にコミュニティ・スクールという制度ができたということで私は認識しておるんですけども、そのコミュニティ・スクールの意義と役割の部分でございますけども、コミュニティ・スクールというのは、非常にいろいろ多様な捉え方をされておるようなことでございますけども、私はやはり自立した学校経営というか、地域と学校が自主的、自律的に子どもたちの育みに取り組むという、そういう意識というか、それは絶対保持する必要が私はあろうと思うんですけども、コミュニティ・スクールの意義と役割について、教育長のお考えを。これは話したら一時間で終わらないと思いますよ。だから、この限られた時間でございますので、本当に核になるような部分をお聞かせ願いましたら。お願いいたします。
○議長(
大橋基之議員) 教育長。
◎教育長(伊勢和彦) 経験豊富な仲西議員の前でコミュニティ・スクールについて語るのは釈迦に説法を申し上げるようなものだとは思うんですが、本当に核になる部分だけ申します。 コミュニティ・スクールとは、学校と保護者、地域住民が共に知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、協働しながら子どもの豊かな成長を支え、地域と共にある学校づくりを進める法律に基づいた仕組みです。本市におきましては、令和二年度から、市内全ての小中学校において、教育委員会が委嘱した約百四十名の保護者や地域の方々が、それぞれの
学校運営協議会の委員として一定の権限と責任を持って地域や学校の特色を生かした学校づくりに努力いただいています。 本市の具体的な例としては、議会初日の市長施政方針でも紹介があった櫟本校区での学校と公民館の枠を超えた地域が中心となる取組があります。地域が公民館で運営する学習の場、
町カ塾、子どもが将来の夢を描く力を地域が応援する
夢応援プロジェクト、今年度もコロナ禍の中ですが、弁護士事務所を子どもたちが訪問したり、あるいはパティシエの経験をしたり、あるいは調理場に入ったり、あるいは
部屋デザイナーのところに行ったり、昨日の日曜日は生物学者を訪れてフィールドワークをしたり、そういうふうな取組が行われています。そして、それは県内でも先駆的なプロジェクトとして、
文部科学大臣賞を受賞しております。 以上です。
○議長(
大橋基之議員) 仲西敏議員。
◆一番(仲西敏議員) コミュニティ・スクールについてお考えをお聞かせいただきました。ありがとうございました。 そのコミュニティ・スクールはどのように授業を進めていくのか。やっぱり意思決定機関という組織の部分がこれは非常にポイントになろうと思います。組織というのは、いわゆる法律で位置付けられました
学校運営協議会というものでございます。地方教育行政の組織と運営に関する法律の改正がありまして、やはり学校経営に参画をするというのは責任と権限を併せ持つような委員を選ばれて、そこに学校運営方針の承認というような、日本の歴史始まって以来の大きな地域に、地域の住民がそういう権限を付与された、そういう組織の中で、子どもたちの育みを、取組やと、社会総がかりでと。
学校運営協議会の機能と、二年経ちますけども、本当に、教育長、その辺のところ、お題目はすごいんですけども、そこのところ、理念というのは共有させていただいていると思いますけども、その辺のところを
学校運営協議会の部分で国で示されていることなので、これは国で示されたことのとおりやと言われたらそうなんですけども、そこはやはり人間と人間の生身の人がそこに関わっているわけでございますので、やはり教育長としてのスタンスというか、
学校運営協議会の位置付けも含めて、本市の教育行政としての捉え方というか、その辺をお聞かせ願えましたら。
○議長(
大橋基之議員) 教育長。
◎教育長(伊勢和彦) お答えします。
学校運営協議会には三つの大きな役割・機能があります。 まず一つ目は、学校の運営に関して、校長が作成する基本的な方針を承認すること。これは、育てたい子どもの像や目指す学校像のビジョンを共有することにつながります。二つ目は、学校の運営に関して、教育委員会または校長に意見を述べることができます。これは、学校だけでは築けなかった学校の魅力や課題を共有することにつながります。三つ目は、教職員の任用に関して、
教育委員会規程に定める事項について、教育委員会に意見を述べることができます。これは、学校と
学校運営協議会が実現しようとする教育目標等に合った教職員の配置を求めることができるものです。
本市学校運営協議会でも以上のことを認識した上で活動いただいていますが、いま議員の御指摘にもあったように、果たして十分に機能しているかどうかというのはこれからだと考えています。 天理市は、方針を市長の下で出しました。この
学校運営協議会がどこへ向かうのかの方針が施政方針で語られました。二月、三月でも、校園長会で私はそれを各校長たちに、校園長に丁寧に伝えたつもりです。市長も一月から地域を回ってそのことを御説明いただいています。また、
定例教育委員会にも二回ほど市長自ら参加いただいて、この趣旨を説明し、そして、それを基に、教育委員も地域に働きかけるという活動をいま行い始めております。 以上です。
○議長(
大橋基之議員) 仲西敏議員。
◆一番(仲西敏議員)
学校運営協議会の意義と役割というのは御案内のとおりでございます。いろいろあろうと思いますけども、現実は困難な部分もあろうと思います。そこにやっぱり積極的に取り組んでおられるという、そういうようなことを御答弁いただきました。御苦労さまでございます。 そこをもうちょっと深めていきたいと思います。
学校運営協議会の基本になるポイントは、やはりよく言われる、いわゆる学校のガバナンス。いわゆるガバナンスというのは学校だけにとどまらないんですね。やはり組織がきちっと機能するには、一つ統制の取れた、一つの目的の追求のための組織運営も含めまして、そこには一つの統制された、企業の経営でもございますけども、そういうふうな仕組みがございます。学校で言ったら学校のガバナンス。それがやはり、
ステークホルダーというような言われ方もしますけども、学校の教育の専門家だけで子どもたちの育みをする時代ではないというふうに教育長はおっしゃって、私も同感でございます。そこに
ステークホルダーというのか、子どもたちに関わる、地域に関わるいろんな多種多様な立場の方が、それがお互いにコントロールし合うことが必要なわけで、これが現実の世の中でございますけども、そこに教職員、保護者、地域住民等が協働で参画をし、権限を付与され、責任も併せ持ちながら、これは学校の応援団ではないんですよね。子どもの応援団。子どもの育みをね。そこに参画をするという。そこは非常に私は誤解されている部分は多々あるんじゃないかなと。それには、地域の特徴のある、個性のある地域の文化、その風土も含めまして、そこに
学校運営協議会が住民に積極的に責任と権限を付与された中で、評価も、プラン・ドゥ・チェック・アクション、マネジメントも行っていくというような、そういう経営スタイルというのが求められておると思うんですけども、その辺の
スクールガバナンスの確立につきまして、教育長の意義と役割についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○議長(
大橋基之議員) 教育長。
◎教育長(伊勢和彦) お答えします。
スクールガバナンスとは、学校に関係する多様な人々による学校の管理・運営であると考えております。先ほど議員がおっしゃったように、学校が官の機関として、学校の力のみで成り立っていくことができる社会状況ではなくなっていると考えます。
本市教育委員会としましては、より発展的で機能性のある
学校運営協議会の確立を目指します。その運営協議会を中心に、学校に関係する多様な人々、
ステークホルダーに参加いただき、大胆な発想で学校をコーディネートしていただくことにより、先ほど市長の指針にもありました、狙いを明確にして発想を転換するんだという、そういうふうな考え方で、これまでの官を中心としたガバナンスからの脱却を目指したいと考えております。 以上です。
○議長(
大橋基之議員) 仲西敏議員。
◆一番(仲西敏議員) 力強い御答弁を頂きまして、ありがとうございます。 コミュニティ・スクールも二年を迎えまして、それぞれの校区で、学校でいろいろ取り組んでおられます。いろいろ地域差もあろうと思いますけども、エピソードも踏まえまして、教育長、本市のコミュニティ・スクールの評価のところをお聞きしたいなと。成果も多々あろうと思いますけども、課題が見えてきたんちゃうかなと。先ほどちらっとお答えいただきましたけれども、その辺の成果と課題について、事例を交えて、お時間まだちょっとございますので、お聞かせ願えましたら。
○議長(
大橋基之議員) 教育長。
◎教育長(伊勢和彦) ありがとうございます。少し具体的なことをお話しさせていただきます。お許しください。 私が市内の小学校に校長として赴任して、あまり日が過ぎていない頃でした。朝、私は桜井の自宅から櫟本まで自転車で通勤していました。ちょうど天理市を南北に縦断する形です。こうすると天理市の子どもたちの様子がよく分かるんです。全ての校区の子どもたちの様子がよく分かる。どの校区でも、黄色い旗を持った方々がところどころに立って、子どもが登校するのを見守ってくださっています。私が信号で止まったときに、ある校区で、旗を持っている見守りの女性に自転車にまたがったまま「ありがとうございます」と言ったら、その方は「十五年旗を持って立っているけど、お礼を言われたん初めてや」と、そうおっしゃるんです。ちょうどその日は勤務校で毎月二回行っている挨拶運動の日で、私は学校に着くと、たすきをかけて校門に行きました。すると、校門で一緒に挨拶運動をしてくださっている少年指導員の方にこう言われました。「校長先生、長年、挨拶運動といってやっているけど、校門前だけの挨拶運動やで。登下校している子どもらは、地域で人に会うても誰も挨拶せえへん」。先ほど議員がおっしゃいました、学校の応援団ではないんだという、それはとても大事だと思います。地域の人にお力を借りる、地域の人にお手伝いしてもらうという考えではこれが限界だと感じました。 それから、地域と学校との
協働プロジェクトが始まりました。長寿会のメンバーが中心となって学校図書館を運営、公民館で小学生を対象とした、先ほども申しました学習の場、
町カ塾も始まりました。すると、少しずつ不思議なことが起こったんです。校長室に地域の方からうれしい電話が届きます。「スーパーで買物していたら小学生が挨拶してくれてん」、「下校のときに通学路で見守っていたら、子どもが『ただいま』『ありがとうございます』とか言うてくれるようになったんや」。三年が過ぎると、卒業式の日の放課後に電話がかかってきて、「校長先生、今日下校の見守りしていたら、六年生の子が私のとこまで走ってきて、『今日で卒業しました。長い間ありがとうございました』と言ってくれたんです」と。「うれしくて、うれしくて」と。教員だけでは教えられないことがあると私は確信しました。 朝、高齢者が子どもと一緒にウオーキングをして学校へ行くという取組をしていました。学校に着いたら、会議室で開店した「夢ふれあい茶屋」、お茶屋でお茶を飲んで歓談する、そういう活動では、毎日地域の高齢者と子どもたちが、朝、学校に歩いてくるんです。旗を持っている親の世代も立っているので、朝の登校時間に三世代が、おじいちゃん、おばあちゃんの世代も一緒に歩いて、親世代が旗を持って、子どもたちの世代が歩いてくる。その活動に毎日一緒に歩いていたAさんという御高齢の方が二、三日参加していないのを気にかけた子どもが、放課後、家で心配するんですね。「あのおばあちゃんしばらく来てないね。病気違うか」と。そして、お母さんと心配してそのお宅を見舞いに行ったというんです。少し風邪ぎみで登校を控えていたそのAさんは、翌日歩いて来られました。そして、まだ少し声が枯れているけど、それを私にこう言わはるんですよ。「校長先生、私、いま青春やで。声変わりしているもん。うれしくって家でじっとなんかしていられません」。後日、その子の妹の幼稚園の運動会にそのAさんの御夫婦が来られるんですよ。実は、その子のお母さんの実家はかなり遠く離れていて、その子はおじいちゃん、おばあちゃんに会えない。それを心配して、内緒で、その子のお母さんのお母さん、おばあさんは入学前に校長室に来られたんですよ。「校長先生、うちの孫は実家に帰れないんです。どうぞよろしくお願いします。いま娘には内緒で来ています」と。その子の妹の運動会に地域の御高齢の方が応援に行く、こういうつながりが生まれる。子どもと一緒に暮らしたことを思い出すと、胸が詰まって、申し訳ありません。 櫟本のどの活動も、地域の方の力で企画・運営がなされています。また、櫟本ではなく、どの学校でも
学校運営協議会を中心に地域の方の意見を取り入れ、見守り活動や環境や生産活動、模索しながらもオリジナルな取組を進めています。しかし、昨年度からのコロナ禍により、地域との活動が難しくなり、いままでのつながりが希薄になってきているのは事実です。それは県内全ての学校の課題です。 その課題を解決すべく、令和四年度から本市で始まる新しい活動が施政方針で語られたんです。NTTと連携して、給食の残渣や食べ残しを堆肥化する機械を全小学校に設置し、資源ごみのステーションを設け、ごみの減量化、資源化を目指す活動でコミュニティを結ぶ取組、それを行う。県内どの市町村を見ても、全ての学校や地域が同じ方向で活動を進めているほどコミュニティ・スクールは成熟していません。県内どこもです。全国と言っても過言ではない。本市の取組では、今後の県内全ての地域の道しるべとなると信じております。 以上です。
○議長(
大橋基之議員) 仲西敏議員。
◆一番(仲西敏議員) 本当に御苦労さまでございます。櫟本で校長先生として理念の下にリーダーシップを発揮された。その事例をエピソードも交えてるるお聞かせを頂きました。本当に感銘をいたしました。その櫟本と同じことが全てできるということでは僕はなかなかないと思うんですよね。みそがやっぱりリーダーシップですよ。きちっとした理念の旗印の下に、やはり伊勢校長先生が取り組んでこられた強いリーダーシップ、それに周りの方が反応され、共鳴され、自主的・自律的に取り組まれた成果をいまるるお聞かせ願いました。本当に私は感銘いたしました。 その辺のリーダー養成も含めまして、どういうやり方がいいのか、これはこれからの課題でございますけども、次のところでございますけども、学校機能の高度化というようなことで、現学習指導要領に文科大臣告示で示されました「社会に開かれた教育課程」ですよね。非常にいまの時代を僕は物語っているんじゃないかなと。やっぱり教育課程というのは、この話をするだけで何時間もかかるわけでございますけども、やっぱりそういう、なかなか学校のいろんな取組が、学校の授業というのか、学校の教室で解決するものではなくて、子どもたちの一日の二十四時間、起きている時間を含めたらそんなにないですけども、そこに子どもたちが経験するいろんな事象、そこに子どもたちの人格の形成と発達、そこに教育の実現が生まれてくるという部分が教育の一つの、教育技術でいろいろ語られておると思いますけども、この社会に開かれた教育課程の実現を目指すという、これは指導要領で示されたわけですよね。非常にレベルの高い話だと思いますけども、いま、先ほどるるお聞かせ願いました櫟本の経験値、いわゆる成果を、やっぱり社会に開かれた教育課程の実現に向けて、どのように捉え、どのように今度は教育長として進められようとしているのか、その辺のところは、ちょっと難しいかもわかりませんけど、お答え願えましたら。
○議長(
大橋基之議員) 教育長。
◎教育長(伊勢和彦) ありがとうございます。 戦後の復興を支えた人たちのおかげで、この国は安全で平和がある。それがある程度当たり前にそう思える中、高度成長してきたと考えています。しかし、いまに至って、私たちは、その戦後を支えてきた次の世代である私たちは、健康で安全な暮らし、豊かな人とのつながりは努力なしには手に入らないんだということを思い知らされました。急速に変化し続ける社会の中で浮き彫りになってきた新たな課題を見据え、学校教育と子育て、地域活動と生涯教育を再構築し、進化させねばなりません。市長が施政方針で提案されたみんなの
学校プロジェクトの意義がここにあると考えます。 学校を地域社会全体の学びと支え合いの拠点になるよう進化させること。学校と生涯教育との融合。それらを追求していくことは、学校を高度に進化させ、子どもたちに多様な学びを提供するだけではなく、命と生活を守り、支え合う教育をみんなでつくり出していく営みです。それにより、地域全ての大人が地域全ての子どもを育む教育活動に何らかの形で関わり続けることこそが、議員のおっしゃる「社会に開かれた教育課程」であると信じております。 以上です。
○議長(
大橋基之議員) 仲西敏議員。
◆一番(仲西敏議員) 社会に開かれた教育課程についての教育長の御答弁をお答えいただきました。私自身も同感でございます。共有をさせていただきたいと思います。 それで、最後の大項目の方に入っていきますけども、いま地域という話が出ておりますけども、学校を核とした地域づくり、こういうのは市長の施政方針演説にも触れられておりますけども、いわゆる平成二十九年の社会教育法の改正において、地域と学校が双方にパートナーとして地域全体で子どもたちの学びや成長を支える様々な活動、そういうのも進められておりますけども、本市の一つの市政のいわゆる方針として明確に位置付けられた学校を核とした地域づくりというようなところで、そこに焦点をもうちょっと絞らせていただいて、教育長のお考えをお聞きしたい。また、その辺の取組の方針、方向についてもお聞きをしたいなと思います。 以上です。
○議長(
大橋基之議員) 教育長。
◎教育長(伊勢和彦) 質問の最初に、仲西議員の方から、世の中の様々ないま起こっている厳しい事象のお話がありました。教育委員会でも、そういう拡大自殺とかという事象が起こるたびに、指導主事全員を教育長室に集めて必ず聞きます。「何が足らんと思う。いまの教育に何が足らんのやろ。私たちはどこで道を間違えたんやろ。どんな教育をしていったらこうならへんのだと思うか、一人ひとり答えを述べてくれ」ということを毎回やっております。 本当に昨年から今年にかけて痛ましい事件、事象が起こります。無差別に周囲の人を襲撃する事件は、電車の中で居合わせた人に対して、中学生が学校内で同級生に対して、高校生が大学受験に向かう人や通行人に対して、そして、中学時代に交際していた女性の母に対してなど、信じ難いケースが次々と起こりました。また、拡大自殺とも呼べる自死は、用意周到な準備をしてまで関係ない人を巻き込みました。時と場所を選ばず、それゆえ防ぐこともできずに巻き込まれてしまった多くの無念を思わずにいられません。 さらには、全国各地で続く、子どもを死に至らしめるほどの虐待、我が子を十数か所骨折させた父親がいるなど、にわかには信じることができません。その悲惨さに胸が痛みます。この社会はどうなっていくのか。そんな危機感を抱きながら、このような事象の報道に触れるたびに、閉ざされた社会の中での孤独と虚無を感じます。加害者の年齢や境遇にそれぞれ違いはあるものの、外部との関係を一切断った中での生活の苦悩は、極端な孤独感や虚無感を本人にもたらしたのではないでしょうか。そんな状態が、自分がいまここにいる意味を見いだせなくさせ、他者を自分とつながる存在ではなく、不満をぶつけ、憎むべき存在に変えてしまったのではないでしょうか。同じ時代を生きる者として、他人事で済まされることではありません。 経済の停滞、世界でも顕著な高齢化、生活の二極化と貧困問題、コミュニティの希薄、自分はいままでそれなりに頑張ってきたのにどうしてこんな目に遭うんだと思い込んでしまうような状況に直面することが今後ますます増えると懸念すらされます。重ねて、コロナ感染の終息が見えない中、いままで当たり前のようにあった周りの人とのつながりや学校生活、社会生活がさま変わりし、ますます孤独や虚無が心をむしばむ可能性さえあります。 学校を核にした地域づくりにどのように取り組むかは、いままでの質問でもお答えしてきました。私たちは、持続可能な未来を創造する学びや活動を地域全ての人に呼びかけ、誰もが生きがいを持ち、暮らすことができるまちづくりをいまこそ進めねばならないと考えています。そして、その拠点として学校という組織が担う役割は大きく、重要だと考えます。学校が地域の宝であると誇れる天理市になれるよう、皆様の御指導、御助力を頂けることを心よりお願い申し上げます。どうぞお力をお貸しください。よろしくお願いします。
○議長(
大橋基之議員) 仲西敏議員。
◆一番(仲西敏議員) 本当に同感でございます。市長が示された、学校を核とした、拠点とした地域づくり、それに向けての教育長の理念、きちっと受け止めさせていただきます。まだこれから始まり、始まりが終わりじゃなしに、始まりの始まりということで、これから取り組んでいくということでございますが、力強い決意表明というんですか、受け止めさせていただきます。 最後になりますけども、何遍も教育長の方からもいろいろ御答弁いただいております。先日の市長の施政方針の中で示された財政体制の部分もございますけども、僕は財政だけではないと思うんですよね。時代はやっぱり共に支え合う地域づくりの中で捉えるというようなところで、やっぱり日常生活圏域は学校の校区でございます。校区がばらばらというんじゃなくて、一つの市を形成しておるわけだけど、日常生活圏域の中に住民が多世代で生活をしておられる、その天理の特徴を踏まえて。公民館活動ということで、本当に天理市はすばらしい取組をできたんだなと、まだ環境に恵まれてたんやなと私自身は思います。それを、財政の部分を含めて、それがそのまま続けるという困難さも私はよく分かっています。基本はソフトウエアでございますので、人と人とのやっぱり支え合う仕組みづくりを、小学校の施設・設備を使いながら、地域づくりの拠点として捉えて進めていく。全く賛成で、同感でございます。 みんなの
学校プロジェクトを進めると。そこには、安全・安心の確保、教員の負担軽減と、全ていまの教職員でそれを担うというのは、これは絶対無理でございますので、やはり地域住民が自主的に参画をする中でそういう仕組みをつくっていくんやというのが、その辺のところも含めまして、施政方針演説で示されましたですけども、この場で市長にお聞きをしたいのは、学校を核とした地域づくりに向けての市政運営の立場から、今後の方向性についての見解をお聞きしたいと思います。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 施政方針でみんなの
学校プロジェクトについて御説明をして、いま教育長の方から、教育委員会としての考え方をるる御答弁させていただいたところでございます。 仲西議員からの財政も含めてというお話を頂きましたですけれども、全国の自治体がいま少子高齢化ということ、あるいは人口減ということに直面をしておりますが、今後、天理市が、あそこに住んだら補助金が手厚いから得でええわという形で人を呼び込めるかというと、それは絶対に不可能である。やらないといけないことをしっかりこなすので財政的にはいっぱいいっぱい。じゃ、どこに付加価値をつくっていくんですかという話になったときに、やはり九校区にひも付く形で地域コミュニティがまだ存在しているということに新しい付加価値を生んでいけるのか、それとも単に高コスト体質でお金がいっぱいかかるだけで、将来再編しないといけないことになるのか。この大きな分かれ道だというふうに思っております。そんな中、特にコロナ禍で、これまで地域で行っていた活動もいろんな制約が来まして、本当に地域コミュニティをコロナ後に向けて改めてどう紡いでいくのかというところが非常に大事になっている中、学校を拠点として、子育てと地域の活動、生涯学習、こういったことを再編していく必要があるんだというふうに思っています。 そんな中で、例として、考え方さえ変えれば、あるいは感染対策というところはまだあるわけなんですけれども、公民館で行っている活動というのは、そういうものだというふうにみんなが考え方を変えたら、別に明日からでも全部学校の中でできるわけです。しかし、時間帯の調整だったり、いろんなことで、私だけが自由に使いたいと。これはみんなで言い始めたら、そういうふうには使っていけないと。ですから、一緒にやるということ自体が楽しいと。それに意味がある。また、子どもたちにとっても得難い学びなんだということを市民の皆さんが理解を頂けるかどうかというところが非常に大事でありまして、櫟本でこれまでやってきた取組は、やはりそこに大きな鍵があるということを既に示してくれているんだろうというふうに思っている次第でございます。 教育長の答弁の中でも、学校の応援団という形で、地域じゃないんだというふうなお話をさせていただきました。ですから、教育現場のサイドも、いままでとやり方は全然変えないんだけれども、便利使いできるところだけ地域を手伝ってくださいと、これでは何も変わらないわけであります。地域の皆さんはもちろん、子どもたちのためだったら私はいろいろやるわよという、そういう志を持っていただいている方もあるんですが、しかし、それが全員かというと、非常に難しい。自分自身が参加をしていくことに自分のメリットがある。あるいは、それが楽しいというふうな流れもつくり出せて何ぼだというふうに思っておりますので、まずやれるところからというところで、ごみのリサイクル、資源化というところを来年度着手するわけでございますが、改めて、学校を地域社会の支え合いの核に位置付けた、このみんなの
学校プロジェクトというところを天理市がコロナ後に向けた地域再生の中核と位置付けて取り組んでいきたいと思っております。
○議長(
大橋基之議員) 仲西敏議員。
◆一番(仲西敏議員) 市長、施政方針に合わせて肉付けしていただいて、いろんなポイントをきちっと共有させていただきました。要望でございますけども、理念はすばらしい理念でございます。取組については、やっぱり長年そういう形でずっとやってきた。やっぱり市民、住民の地域の方の理解と協力、これは不可欠でございます。一朝一夕には、すぐには実現するのはなかなか難しいと思いますけども、その辺はやっぱり地道に理解と協力を進められて、やはりリーダーの養成というんですか、そういうのを自主的、自律的に参画される住民を一人でも多く掘り起こしていかれることを要望させていただいて、以上で質問を終わります。 降壇いたします。ありがとうございました。
○議長(
大橋基之議員) 次に、五番、寺井正則議員。 〔五番 寺井正則議員 登壇〕
◆五番(寺井正則議員) 議長の許可を得まして、質問通告書に従いまして、一問一答方式により一般質問を行います。理事者並びに関係部局におかれましては、的確で前向きな答弁をお願いいたします。 一般質問に入ります前に、冒頭、ロシアのウクライナに対する侵略行為に対し、厳しく糾弾いたします。また、一刻も早い停戦を求めるものでございます。そして、現在、まだまだ終息を見ないコロナ禍におきまして、感染された方々にお見舞い申し上げますとともに、御苦労いただいております関係者の皆様に心から感謝と敬意を申し上げたいと思います。 それでは、質問でございます。今回の質問は二件ございます。 まず一件目は、プラスチックごみの環境問題、自販機リサイクルボックスの異物混入対策についてであります。二件目は、ただいまの岸田内閣の目玉政策でもございますデジタル田園都市国家構想について、本市においてはどのように具体化されていくのか、お尋ねしたいと思います。 それでは、まず初めに、プラスチックごみの対策、いわゆる、特に具体的には自販機リサイクルボックスの異物混入対策についてお尋ねしたいと思います。 世界経済フォーラムの二〇一六年の発表によりますと、二〇五〇年にはプラスチック生産量が約四倍増加し、海洋プラスチックごみの量が海にいる魚を上回るとされるなど、環境問題への対策が喫緊の課題であります。マイクロプラスチックが海洋生物に与える影響など、度々取り上げられており、本議会でも何度か取り上げてきたと承知しております。 そのような中、二〇二二年四月より、プラスチックごみ削減とリサイクル促進を目的とするプラスチック資源循環促進法が施行されます。同法施行により、いわゆるリデュース・リユース・リサイクルの3Rと持続可能な資源化を推進することで、プラスチックの資源循環を促し、サーキュラーエコノミー、いわゆる循環経済への移行加速が期待されております。 誰一人取り残さない持続可能でよりよい社会の実現を目指す持続可能な開発目標、いわゆるSDGsにも、二〇二五年までに海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減するとの内容をはじめ、環境問題への目標が掲げられております。一人ひとりの意識改革、地域からの小さな取組が大きな改革の力、目標達成に不可欠であると考えます。 国内では、たとえば二〇一八年に神奈川県におきまして、県内の海岸に打ち上げられたシロナガスクジラの体内からプラスチックごみが発見されたことを受け、二〇三〇年までのできるだけ早期に、リサイクルされない、廃棄されるプラスチックごみゼロを目指すとの神奈川プラごみゼロ宣言を行うなど、各自治体において、いわゆるプラスチックごみゼロ宣言がなされ、行政や地域住民、企業団体などが団結して環境問題に取り組む機運が高まってきております。 そこで、お尋ねいたします。未来の世代を守るため、本市においてもプラスチックごみゼロ宣言を行い、さらなる3Rを推進し、環境問題により積極的に取り組む姿勢を明らかにすべきと考えますが、市長の所見をお尋ねいたします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。 〔市長 並河 健 登壇〕
◎市長(並河健) 寺井議員の御質問にお答えをさせていただきます。 プラスチックは、その使いやすさから、製品や包装で幅広く使われているわけでございまして、我が国においても、コロナ禍の中、ネット通販も非常に増えておりますし、また、今後、途上国の経済発展とともに、その使用料が放っておけば増えてしまうということであろうと思います。その一方で、地球温暖化問題に加えまして、海洋プラスチックごみ問題も非常に深刻になりつつあると。私たちも、毎週、プラスチックカード一枚ぐらいを体に摂取してしまっているんじゃないかと、そんな指摘も最近ではあるところであります。 天理市には、大阪湾につながる大和川水系ということでありまして、市内のプラスチックごみの投棄により、海の汚染を今後悪化させないために取組が必要である。これまでも天理市の美しいまちづくり条例、こういったものに基づいて、市民及び企業、団体の御協力の下、大和川の一斉清掃、あるいは布留川の清掃などの取組をやってきたわけでありますが、いま新たなクリーンセンター建設にかかっていくに当たりまして、天理市環境連絡協議会等の御協力も得て、さらに3Rと、そして、資源化、リニューアブルというところを推進していきたいと思っております。 先ほどの答弁でもお答えしたみんなの
学校プロジェクトの中でも、ごみの資源化というところを一つの地域コミュニティをつくっていく取組の中軸というふうに位置付けておりまして、いま議員から御提案がございましたプラスチックごみゼロの方策を模索する中で、そのゼロ宣言についても積極的に検討していきたいと考えております。
○議長(
大橋基之議員) 寺井議員。
◆五番(寺井正則議員) ありがとうございます。プラスチックの、特に環境問題について本当に深く認識されておるものと承知いたしました。また、本市におきましても、他市にない、天理市美しいまちづくり条例を制定した上で、積極的にこのような問題にも取り組んでいただいておると。その上で、プラスチックごみゼロ宣言についても積極的に検討していきたいという積極的な答弁を頂いたと承知いたします。 それでは、続いて、プラスチックごみは様々ございます。より具体的には、身近なペットボトルのリサイクルについて触れたいと思います。 ペットボトルリサイクル推進協議会によりますと、我が国のペットボトルの回収率は八八・五%、リサイクル率は九六・七%と、世界でもトップレベルであり、二〇二〇年にはおよそ四十八万八千トンのペットボトルがリサイクルされております。たとえば、再びペットボトルになるだけではなく、衣類、土木建設資材、食料品トレイ、文具、事務用品等と、実に多種多様な製品に生まれ変わっております。 また、温暖化防止等の観点では、国内で利用されているペットボトルの資源採掘からボトル生産、利用、排出、回収、リサイクル、再利用までの温室効果ガス総排出量はおよそ二千五十九千トンであり、これは、もしリサイクル、再利用がない場合の排出量三千五百二十八千トンと比較し、約四二%も排出量が少なくなっているとの結果が示されております。つまり、ペットボトルは、その高いリサイクル率により大幅に環境負荷を低減していると言えます。 しかしながら、ペットボトルの回収過程で問題が生じております。それは、ペットボトル以外のごみの混入であります。地域、場所による差はあるものの、飲料メーカーが流通事業者等と連携し、ペットボトルを自動販売機に併設されたリサイクルボックスで回収する際、ペットボトル以外の大量のごみ、異物混入や、さらにひどいケースでは、リサイクルボックス周辺にまで入り切らないほどのごみが山積みになっているケースもあります。全国清涼飲料連合会の調査によりますと、屋外設置自販機のリサイクルボックス内の異物混入率は三一%、タバコや弁当容器、紙カップ、ビニール傘などの様々なものが捨てられているのが現状です。廃棄物処理法上は、こうした異物の処理は、本来、国、地方公共団体が行うものである中、現状では、このようなペットボトル以外の異物を飲料メーカーや流通事業者等が自主的に費用、労力等を負担し、処理しております。 こうした自販機リサイクルボックスへの異物混入問題をどのように認識されておりますか。異物は一般廃棄物であり、本来は市町村に処理する責任があると考えますが、見解をお尋ねいたします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) ただいまの自販機に併設されたリサイクルボックスへの異物混入ということについてでありますが、やはりこれはオウムによるテロ事件以降、町中からごみ箱が消えてしまったということの延長でもあろうかなと思いますけれども、環境省の所見では、このリサイクルボックス自体が事業者の事業活動の一環として設置をされているということで、いま適正に処分する義務を事業者様が負っておられるということのゆえから、議員が御指摘いただいたように、結果的にいまはそちらの自主的に努力をして処理をしているということになっておるんだと思います。 しかしながら、このリサイクルボックスにペットボトル以外のものを、要は不法投棄されている状態でございまして、それ自体が本来は一般廃棄物として捨てていただかないといけないものであると。そして、異物混入によって再商品化するためのコストが上がってしまっているということになりますと、リサイクルを社会全体として促進していくことを阻害してしまうわけでございますので、私どもとしてもやはり何らかの協力をしていかないといけないというふうに考えております。
○議長(
大橋基之議員) 寺井議員。
◆五番(寺井正則議員) ありがとうございます。市としても何らかの対応を、協力を検討していかなければならないという御認識を示していただきました。リサイクルボックスへの異物混入問題の要因として、いま、先ほど市長が申されましたように、たとえば公共のごみ箱の撤去が進んでいることや、コンビニエンスストア等がごみ箱を以前は店外に置いていたものを店内に移設していることなどが指摘されております。その受皿として、リサイクルボックスが不適切に使われているという、そういった見方もございます。 いずれにいたしましても、先ほど申し上げたように、ペットボトル以外の異物を飲料メーカーや流通事業者が自主的に費用、労力等を負担して処理してくださっております。また、業界が自主的に異物が混入しにくい新しいタイプのリサイクルボックスを試作し、試験的に設置するなど、資源リサイクルの円滑化、地域の環境美化のために取り組んでいますが、業界だけに任せるには限界があると考えます。 そこで、お尋ねいたします。行政として、業界と連携し、異物混入が異常に多いエリアの調査を含めた実態の把握、公共回収ボックスの適切な設置、官民協同の新回収モデル作成などへの連絡協議会等の立ち上げなどを提案いたしますが、問題解決に向けての所見をお尋ねいたします。ペットボトルについて、その優れたリサイクル率や適切な回収により、資源循環、温暖化防止に貢献できること等、地域住民へSDGsに即した意識啓発の取組も連絡協議会等で検討・推進してはいかがかと考えますが、併せてお尋ねいたします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 議員に御指摘を頂きましたとおり、やはりまず実態を確認させていただくことが非常に大事だと思っておりますので、本市のリサイクルボックスの状況というところをお伺いしたいと思っております。その上で、異物混入にお困りになっているということでしたら、その異物を無償で引取りをさせていただく、あるいは直接事業所の方で収集をするということも、これは検討したいと思っております。 ただし、事業者によって、他市にまたがって営業されていて、それが一緒になってしまうと、ちょっとうちでどういうふうに対応しようかというところはあるんですけれども、天理市内分、あるいは今後広域で取り組んでいくエリア分ということでお引取りできるという形になるのかというところは、これは率直に御相談をしていきたいと思います。あるいは、なかなかほかの異物を混入しづらいようなリサイクルボックスというところもあるようでございますので、そういったものを取り入れている他自治体の実証実験の例と、こういったことも参考にさせていただきながら、我々としても協力をしていきたいというふうに思っております。 本来でしたら、やはり容器がいまのライフスタイルではちょっと多過ぎるわけですね。徐々に徐々にそういった使い捨ての容器を使わないライフスタイル、そういったことを啓発されているエリアも出てきてまいっておりますので、そういったことも含めて、環境連絡協議会をはじめ、地域の皆様方とも意識の啓発に努めていきたいと思っております。
○議長(
大橋基之議員) 寺井議員。
◆五番(寺井正則議員) ありがとうございます。場所とか時期とか、いろんな要素も関係してくると思いますけど、比較的本市はきれいなまちということで、日常的にはきれいにしていただいていますので、そんなところがあまりないことを期待するものでございますが、まず実態の把握をしていただいて、その上で市民の皆様にもしっかりと啓発活動も行っていただくということで理解をいたします。 それでは、次に、デジタル田園都市構想についてお尋ねしたいと思います。
新型コロナウイルスの発生によって、日本社会の在り方が改めて問い直されることになりました。人との接触を極力避けながら動かしていく経済活動は、日本社会のデジタル化推進と切り離して考えることはできません。COVID‐19によって、いつかは行わなければならなかった諸課題が一気に進む結果となりました。政府は、地方のデジタル化を進めることで地域課題を解決し、地方と都市の双方を豊かにするデジタル田園都市国家構想について、その実現に向けた初会合を昨年十一月に開催しております。デジタル田園都市国家構想とは、地方のデジタル化によって、ビジネスや教育、医療といった様々な課題を解決し、地方と都市の差を縮めようとするアイデアであります。 地方と都市の在り方は、いま新しい局面に入ったと言えます。二〇二〇年の東京圏への転入人口は、コロナの影響で約十年ぶりに減少に転じました。東京から地方に本社を移転した企業も多くあり、出勤しない、いわゆるリモートワークも一般的になりました。デジタル田園都市国家構想では、地方の魅力を維持しながら、都市と変わらない利便性や仕事、教育の機会の充実を目指します。心豊かな暮らしであるウェルビーイングと持続可能な環境、社会、経済の両立がコンセプトであります。 デジタル田園都市国家構想の取組イメージは、アプローチの例として、スーパーシティー・スマートシティー型、MaaS発展型、地域経済循環モデル型、スマートヘルスケア先行型、防災・レジリエンス先行型の五つが提示されております。また、デジタル田園都市国家構想の課題として、地方の課題を解決するためのデジタル実装、デジタル人材の育成・確保、地方を支えるデジタル基盤の整備、誰一人取り残さない社会への実現の四点が掲げられております。新産業を創出し、地方でも働けるようにすることや、交通・物流の整備は大前提であり、5GやWi‐Fiといった通信環境の整備も不可欠であります。教育や医療、福祉などのサービスの充実も求められております。デジタル化が進めば、地方にいながら海外とも仕事ができる環境が整います。また、スーパーシティーによってこれまでにない取組が生まれ、新しいビジネスに成長するかもしれません。地方の活性化につながるデジタル田園都市国家構想の進展が期待されております。 各学校等において、リモート授業を推進するための通信環境の整備や、タブレットパソコンやデジタル教材の配布、各家庭の状況に配慮して、通信料の補助等を行っていただいております。また、公民館など公共施設等へのWi‐Fi設備の設置も推進していただいておるところと承知しております。 医療への適時適切なアクセスのために、地域住民が安心して医療にアクセスできるよう、オンライン診療等を誰もが身近に受けられるように、現在、オンライン診療を適切に実施する前提となっている、いわゆるかかりつけ医師について、各地域に適切に配備すると同時に、その存在と役割を周知する広報活動など、全ての住民がかかりつけ医師につながるための取組を強化することが必要ではないかと思います。厚生労働省のホームページのいわゆる電話や情報通信機器を用いて診療を実施する医療機関の調査票というのによりますと、現在、天理市でオンライン診療を実施されているのは五医療施設のみであります。 そこで、お尋ねいたします。市医師会と協議して理解と協力を得ることが不可欠と思われるのですが、オンライン診療を誰もが身近に受けられるかかりつけ医師を各地域に適切に配置することについて、市長の所見をお尋ねいたします。
○議長(大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) オンライン診療につきましては、やはり交通弱者とも形容される高齢者の皆さんであったり、あるいは一人では通院困難な方にとっては非常に利便性が高いと思っております。特にコロナ禍においては、感染対策上も非常に重要なツールであるということでございます。かかりつけの先生であれば患者の病状等もよく理解をされておりますので、安心して気軽に診療が受けられるというところから、やはり今後の地域医療の活性化につながるということを本市でも期待をしているところであります。 議員から御紹介いただいたとおり、現在、天理市では五つの医療機関がこのオンライン診療に対応可というふうになっておりますが、これが増えることにより、地域に密着したかかりつけ医師による適時適切な診療を市民の皆さんが享受できるものと考えております。 一方で、オンライン診療については、厚労省の諮問機関であります中央社会保険医療協議会においてもやはり様々な議論というのがありまして、かかりつけの医師であっても、対面治療というところは大事なんだと。実際に触って触診とかということはオンラインの場合はできなかったりもいたしますので、状況に応じてオンライン診療と対面治療を併用していく方法など、医療現場の意見もこれは大切にしなければならんのだろうと考えております。患者側の負担軽減と、医療サイドの先生方が安心して責任を果たせるというふうに感じていただける、その双方を両立しないといかんということでありまして、国の方針を踏まえた上で、地域の実情に沿ったオンライン診療の推進について、天理地区医師会の先生方とも十分に協議をしていきたいと考えております。
○議長(大橋基之議員) 寺井議員。
◆五番(寺井正則議員) ありがとうございます。いま市長申されたように、基本的にはオンライン診療はかかりつけ医師が受けるというのが原則ということでございます。ただ、ちょっと資料を見ておりますと、県内においても、本市は医療機関の数に対してオンライン診療を行っていただいている医療機関が少ないように感じております。もちろんいまはコロナ禍で、医師会の方々には大変大きな御協力を頂いておるところでございますけども、このコロナ禍が一段落しましたら、ぜひまた市長の方からリーダーシップを取っていただいて、市内の医療機関にもしっかり働きかけていただきたいとお願いしたいと思います。 先ほど申し上げたように、患者側にとっては、やはり交通の便に苦慮されている方とか、また、仕事でなかなか通院できない方のそういう利便性にも配慮する形になりますし、また、医療機関にとっても、オンライン診療で済ませられるような、患者さんにとってはやっぱり効率化できる、双方にとってもメリットがある施策でございますので、積極的に取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。 それでは、続きまして、地域の新しい兼業農家やデジタル人材の確保に向け、転職なき移住を実現するため、テレワークの拡大やサテライトオフィスの整備等に対する補助金等の拡充や、税制の優遇、さらに、移住者への住宅取得支援や通信料金の軽減など、都市部集中型社会から分散型社会の構築への総合的な取組を積極的に進めることについて、市長の見解をお尋ねいたします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) やはり少子高齢化、人口減というところに対応しようと思いますと、デジタル化によって転職なき移住を促進できるかというのは非常に大きな要素だというふうに思っております。コロナ禍で在宅勤務、テレワークを導入された企業は多いですけども、やはり自宅に十分な作業スペースがない、あるいは家族がいて集中できないといった声も大きく聞かれているところでありまして、小規模であるとはいえ、オフィスの機能を果たすサテライトオフィス、この役割が非常に重要でございます。 こうしたニーズに対応するために、本市の産業振興館、これまでは、天理市から遠隔に通勤される方が通勤しなくてもいいようにというところがメインでございましたけれども、国のデジタル田園都市国家構想推進交付金を活用いたしまして、ここにサテライトオフィスの機能あるいはコワーキングスペース、こういったところを充実させ、多機能型のテレワークセンターとしてリニューアルをさせたいと思っております。その中では、お試しサテライトオフィスというような形であったり、あるいはワーケーションを実施することによって、まず天理で勤務しながらというところをしっかりと体験を頂く機会をつくりました。また、継続的に天理に定住したいというふうに思っていただけるように、これまで取り組んできたインキュベーションの事業とも連携をしていきたいと考えております。やはり市として、スモールビジネスを御一緒に創出できる、応援するまちだというふうな流れをつくることが非常に大事だと思っております。 また、移住者の支援という点では、空き家の利活用、これも非常に重要なわけでございまして、本市では空き家バンクを運営しております。利活用可能な空き家の所有者と利用者のマッチングを行っておりますが、コロナ禍の影響もありまして、現在二百名を超える方が利用をしたいというふうに登録を頂いているんですけども、残念ながら、利活用できる空き家の方の登録件数が少ないというのが現状でございまして、今年度、市内全域を対象に実態調査を行ったところであります。現在、約一千百五十件の空き家の可能性がある物件の現地調査というところを終えまして、その結果、空き家の可能性が高いとされた九百件について、所有者の方にアンケートによる利活用の意向調査を行っているところでございまして、利活用してもいいとおっしゃっていただけるところについては、積極的に登録をお願いしたいと考えております。 今後も、社会情勢の変化、地域のニーズ等を踏まえながら、デジタルの活用を推進して、地域により多くの人を呼び込んでいけるような流れをつくっていきたいと考えております。
○議長(
大橋基之議員) 寺井議員。
◆五番(寺井正則議員) ありがとうございます。産業振興館を中心に積極的に取り組んでいただいているということでございました。特に、移住者への支援について、空き家バンクの活用をされて、応募者が二百名あるので、なかなか空き家もなかなか提供できていない、今後また確認をして整備されていくという内容であったかと思います。いま市長申されましたように、市民がデジタル化のメリットを享受できるとともに、移住定住の促進にしっかりとつながっていくように取組をお願いしたいと思います。 それでは、次の質問でございます。 デジタル田園都市国家構想の取組イメージは、アプローチの例として五つほど紹介されておりましたが、本市はどのようなデジタル田園都市を目指されるのか、市長の所見をお尋ねいたします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) デジタル田園都市国家構想においては、やはり地域の個性豊かさを生かしながら、都市部に負けない生産性、利便性、こういったことをちゃんと両立されているということが非常に重視をされているわけでございます。デジタルを活用した地域の課題解決ということで、このデジタル田園都市国家構想推進交付金が創設をされました。 先ほど御紹介をしたテレワークセンターに加えて、本市では、令和四年度より、学校を拠点とした様々な地域活動支え合い事業を後押しするプラットフォームとしても、デジタル地域通貨を導入したいと考えております。これは、施政方針でも申し上げましたけども、第一段階では、コロナ禍の影響を受ける地元店舗の皆さんへの消費喚起という点で、全市民に対して広くお配りをいたしますが、第二段階では、健康増進やごみの減量化など、市民の生活向上、将来の市負担軽減にも貢献するような事業、たとえば櫟本のいろんな事業もそうですけれども、こういったものに地域通貨を付与していきたいと。そして、第三段階としては、これは並行した動きですけども、市内店舗の参加を募り、地域通貨による売上げの一部を子ども食堂など、地域の福祉、支え合い活動に還元することによって、地域で消費をすることについて、新たな共感できる付加価値というところを創出したいというふうに考えております。 また、このデジタル地域通貨を運用するホームページ等の中で、どういった活動にそれが使われたのかということで、地域の支え合い活動自体をより活発にしていきたいというふうに考えているところであります。 また、健康という点においては、スマートヘルスケアに関連する分野で、NTT西日本と本市は連携をいたしました。令和二年度から睡眠データを可視化し、睡眠改善への意識や健康意識の醸成、睡眠改善による精神的・心理的健康、鬱改善、こういったことの実証実験を行ってきております。令和四年度には、成果連動型の事業として、さらに睡眠改善への取組を行っていきたいと思っております。NTTとは、デジタル市役所事業、テレワークやワーケーションの推進と、幅広くいろんなことをやっておりますので、今後とも、さらに公共交通の分野におけるAIやデジタル技術の活用であったり、ほかの分野での取組というところも模索をしていきたいと考えています。
○議長(
大橋基之議員) 寺井議員。
◆五番(寺井正則議員) 事細かく詳しく説明していただいて、ありがとうございます。 それでは、次に、最後の質問でございます。 デジタル田園都市国家構想の課題には、地方の課題を解決するためのデジタル実装、デジタル人材の育成・確保、地方を支えるデジタル基盤の整備、誰一人取り残さない社会の実現の四点が掲げられておりますが、それぞれの課題を解決するためにどのように取り組んでいこうと考えておられるのか、お尋ねいたします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) やはり取組に当たっては、地方の課題を解決するためにということでありますので、本市にとってどのように使いこなすのかということをしっかりと掘り下げることが大事だと思っております。 その中で、やはり人材を確保することが非常に重要でございますけども、これは、先ほども御紹介したNTTとは連携協定を結んでおりまして、本市でも、いろんな電子申請であったり、あるいはRPAの技術活用と、こういったことでデジタル市役所をスタートさせました。来年度は、電子決済システムを導入するなど、内部事務でも効率化とともにどんどんこのデジタルということを使っていきますので、今後、官民連携事業を進めていく中で、本市内の人材育成にも努めていきたいと考えております。 また、藤井町が少し残っている状態だったんですけれども、こちらにも光回線の整備を完了いたしましたので、本市の光回線整備は一〇〇%に到達をいたします。Wi‐Fi整備、あるいはシャープとのローカル5事業の普及によるドローンを活用したスマート農業、橋梁調査、こういったこともこれまで進んできておりますので、さらに、民間の革新的な技術と連携することによって、地域の中で使いこなせる人を育んでいきたいと考えております。 また、やはり誰も取り残さない社会の実現というところに、このデジタル化をどう活用していくかというところが非常に大事でございます。先ほどデジタル地域通貨についても申し上げましたけども、やはりちょっと使えないという方もどうしても出てくるだろうというふうに思っておりますので、苦手な方もQRコードつきのカード等で同じように利用いただけるような取組ということもやってまいりますし、また、そういったことが苦手だという皆さんに対して、スマートフォン操作の教室や、あるいは困り事を相談できるようなサポート体制を充実もしていきたいと思っております。 いずれにしても、デジタル化というのは、最先端の技術を導入し、利便性を求めることではありますが、それ自体が目的ではないというふうに思っております。これはあくまで手段でございまして、市役所内の活動においても、業務が効率化をされるということはもちろん目指していくわけですが、それによって生まれた時間的余裕をよりきめ細かい市民の相談事業であったり、そういうところに向けていくということが非常に大事でございますので、使う側という視点だけでなく、市民の皆さん全体にその恩恵が届いていくんだというところをしっかりと実感いただけるような取組にしたいと思っております。
○議長(
大橋基之議員) 寺井議員。
◆五番(寺井正則議員) ありがとうございます。 市長が最後に申されました、特に誰一人取り残さない社会の実現ということで、デジタル化とは、ただ単に最先端な技術を導入して利便性を求めるだけではなく、やはり業務が効率化されて生まれた貴重な職員の時間を市民サービスに充てることもデジタル化のもたらす利点であるということで見解を示されました。どうか、今後、デジタル通貨を段階的に進めていかれますけども、市民にとって本当に有益な、よかったなと言える、そういったデジタル田園都市構想となりますことを御祈念いたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(
大橋基之議員) 次に、十三番、荻原文明議員。 〔十三番 荻原文明議員 登壇〕
◆十三番(荻原文明議員) それでは、市長並びに関係各位に一般質問を一括質問で行います。 まず、新型コロナ感染症対策と市民生活支援などについてお尋ねをいたします。 オミクロン株による感染拡大が続く中、基礎疾患のある高齢者などが重体化し、医療体制も逼迫しています。日々の新たな感染者は、増加はしていないとはいえ、高止まりが続いています。第六波の終息前に第七波に入る可能性もあると言われています。こうした中で、クラスターが発生した施設や感染される方がいる福祉施設などで職員の体制が逼迫してくると、感染していない職員が休めなくなる。そうなると、職員の同居の家族に感染する不安も増してきます。家族に乳幼児や介護が必要な方がいる場合などは、別居することもできない。感染していないから支援もない。ヘルパーの派遣や保育所の送り迎え、家族が別居する場合の宿泊施設の利用のための宿泊費補助など、生活実態に合わせた生活支援をすることが必要です。こうした世帯への支援についてお尋ねいたします。 感染力の強いオミクロン株が市中感染を起こしている中、症状が軽い方は花粉症と区別がつかないと言われており、無症状の方も含めて、陽性かどうかを早期に判断することが必要です。感染が疑われる場合は、早期に検査できる体制をつくる必要があります。特に、医療、介護、福祉、教育、児童施設の三回目ワクチン前倒し接種と頻回・定期的なPCR検査実施が必要です。検査体制の拡充と検査キットの確保が求められています。これについて、どのようなお考えかお尋ねいたします。 福祉施設へのマスク、ガウン、消毒液等の感染防止用消耗品の購入のための補助金などの支援が必要です。これについてもお尋ねいたします。拡充についてお尋ねします。 感染源を特定し、感染拡大を抑えるためには、希望する人には全て検査を行う体制をつくることは引き続き重要です。無料検査の拡充と延長が必要ですが、これについてもお考えをお尋ねします。 五歳から十一歳接種への新型コロナワクチン接種の情報提供は、保護者が納得できる十分な情報提供が必要です。厚生労働省のパンフレットだけでは、なぜ子どもへのワクチン接種はこれまでしてこなかったのか、また、その記述について意味がよく分からないところがあると思います。これについても十分な情報提供をする必要があります。これについてお尋ねいたします。 コロナ禍から世界経済回復と生産調整などによる原油価格の高騰で、燃料油価格が高騰しています。市内でも、灯油は、年末の一リットル百円から最近では百五円に、ガソリンは、同じくレギュラーでは一リットル百五十四円から百六十七円に値上がりしています。政府も緊急対策を行っていますが、市独自に事業者と市民への支援対策を行う必要があります。市民生活を守る対策についてどのようにお考えでしょうか。 新型コロナ後遺症は、強い倦怠感、味覚・嗅覚障害、せき、たん、呼吸困難、発熱、抜け毛など、様々な症状が現れる場合があります。特に、生活に支障が出る場合など、通院や家事支援などにヘルパー派遣などが必要な場合があります。こうした支援について、どのようにお考えかお尋ねいたします。 国は、昨年十二月二十七日付で、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金交付限度額を示しました。本市は二億六千二百五十万八千円です。これらも含めて財源にして、市民の暮らしと営業を守る対策を取ることが求められています。これについてのお考えをお尋ねいたします。 次に、天理市公共施設等総合管理計画(改訂版)案についてお尋ねいたします。 公共施設等は、地域社会やコミュニティの核であり、住民のライフサイクル全体を通して、地方自治法第一条の二で言う福祉の増進を図り、社会活動、経済活動等を営む基盤となるものです。住民生活、地域の実態、将来像を見通し、まちづくりの一環として、住民参加、合意形成を図りながら進めることが必要です。計画案でも、「住民ニーズの変化に伴い、既存の公共施設等の利用需要や公共施設等が担うべき役割・機能が変化しています」「オール天理で進める」「市民のニーズも変化する」などの記述があります。しかし、自治体間の協議や庁内会議の推進体制の記述はありますが、住民参加の具体的記述はありません。住民、自治会、関係団体、利用者等との協議会の設置など、多様な協議の場をつくってください。公共施設は本来的に住民の共有財産であり、どのように利活用するかは、最終的には住民の判断に委ねられる事案です。住民アンケートの実施、学校、市庁舎などの重要な施設については、住民投票を制度化し、パブリックコメントの実施などの住民参加の方針を示してください。 総合管理計画の下に、今後、個別計画がつくられます。公共施設の最適化とは、統廃合、複合化、転用、広域化、廃止、休止となっています。しかし、施設類型別の基本的な方針の今後の方向性で述べているのは、ほとんど見直し、検討するとして、最適化の具体的な方向性は明らかにしていません。これでは意見の述べようがありません。しかも、個別計画は行政内部だけで作成されるものですから、住民は個別計画の結論だけを知ることになります。個別計画の作成段階で住民や議会の意見を十分に反映できる条件を整える必要があります。また、それぞれの節目節目に住民の意見表明と住民参加を制度として整備する必要があります。パブリックコメントやアンケート調査、自治会や関係団体との協議は言うまでもなく、広く住民の意見や利用者との協議の場をつくる必要があります。また、先ほど申し上げた住民投票の制度化も実施する必要があります。こうした住民参加の方針を示してください。これらについて、どのようにお考えかお尋ねいたします。 次に、生活自立支援事業等についてお尋ねいたします。 生活自立支援事業の一時生活支援事業の実施については、生活困窮者自立支援制度の中に一時生活支援事業があります。住居や医療保険のない方などに一時的に住居を確保し、自立支援を行うというもので、公営住宅を利用して支援している自治体もあります。市営住宅を利用し、一時生活支援事業を実施することが必要ですが、これについてのお考えをお尋ねいたします。 次に、行政のデジタル化などについて、その意義や目的、問題点あるいは方向性などについてお尋ねいたします。 行政のデジタル化については、岸田政権の新しい資本主義の成長分野の一つにデジタル・グリーンを挙げています。これまで政府は、データが競争力の源泉として、データ利活用を成長戦略と位置付け、利用しやすい仕組みづくりを進めてきました。デジタル関連五法案が施行され、特に個人情報保護制度では、個人情報保護法、行政機関個人情報保護法、独立行政法人等個人情報保護法の三法を一本化し、全国的な共通ルールを規定し、全体の所管を個人情報保護委員会に一元化しました。これらは、自治体戦略二〇四〇構想研究会の二〇四〇年までに半分の自治体職員で担うべき機能を発揮するスマート自治体への転換を目指し、こうした総務省の方針とも相まって進められています。 これに対して、デジタル監視法案に反対する法律家ネットワークは緊急声明を発表しました。その要旨は、憲法十三条(個人の尊重、プライバシーの権利)、同九十二条、同九十四条(地方自治)、国家行政組織上の問題など、基本的人権と民主主義の基盤に関わる重要な問題が山積みであり、それが二十八項目に及ぶ附帯決議に象徴されている。個人情報の利活用を優先し、個人情報の保護を後退させるものである。自己情報コントロール権を明記するとともに、個人情報の取得、保有、利用、提供の全てに情報の主体である個人の同意原則を徹底保障することが必要である。目的外利用、第三者提供について同意を不要とする例外規定の見直しは必須である。インターネット、監視カメラ、顔認証システム、GPSシステム等により大量の個人情報が集積される現状において、公権力が個人情報を収集、検索、利用するには、その範囲を必要最小限にするとともに、個別に法的権限を明記し、要件を厳格に定める法整備が不可欠である。自己のいかなる情報が公権力により収集され、利用されているかについて、市民の知る権利が保障されなければならない。各省庁と地方自治体の情報システムが全て共通仕様化され、デジタル庁に一元管理される。さらに、マイナンバーによって、健康情報、税金情報、金融情報、運転免許情報、前科前歴情報などが今後ひも付けされて、一覧性の高い形で利用が可能となる。これは、市民のセンシティブ情報を含むあらゆる情報を政府が合法的に一望監視できる国家、すなわち監視国家の体制整備を意味する。これまでの分権的な個人情報保護システムの在り方を根本から転換し、国による統一的な規制を行うものである。地方公共団体による先進的な個人情報保護制度の構築を後退させるものになりかねない。自治体において収集した個人情報をどのように管理するかは、自治事務の一環であり、国がこれを一方的に支配・統合することは、地方自治の本旨(憲法九十二条)、条例制定権(憲法九十四条)に違反する。こうした指摘をしております。 そこで、デジタル化すれば何でも利便性が高まるというのではありません。デジタル化は、利便性と不利益の両面を持っています。行政の業務内容を熟知している人は目的をすぐに達成できるが、よく知らない人は何が必要かもよく分からない。行政の仕組みを熟知していない人にとっては、行政の窓口に行って何をしたらいいのかということも分からない人もいらっしゃいます。そこで、職員による丁寧な説明、手続が必要になります。情報格差等を解決しなければなりません。 また、AIは万能ではありません。たとえば、誤訳によって誤った避難情報が出されたケースもあります。緊急時に職員が知らない言語で避難情報の誤りに気づかない。したがって、機械化は、制度や仕組みについて職員が熟知していることが前提となります。 デジタル化は、窓口業務の削減・縮減、民間委託が先にありきではいけません。住民の権利と利便性の確保と、困ったときに助言できる体制が必要であります。そのためには、窓口の職員による対面サービスは必須となります。 また、個人情報などの情報漏えいが発生した場合の責任は自治体にあるのか、あるいは個人情報保護委員会であるのかなど、明確にする必要があります。自治体の情報システムの標準化、共通化が目的となっています。自治体情報システム運用経費の三割削減を目指しており、財政的にもカスタマイズは抑制される。市長はカスタマイズの抑制は本末転倒であると言われてきました。自治体独自の取組による住民福祉の向上には、確実にその取組を進めることが必要です。 次に、個人情報の利活用の側面を強調するのみで、自己情報コントロール権の保障は何ら強化されていません。デジタル化によって国民の情報がデータ化され、行政及び企業間で個人情報をやり取りすることが容易になることが想定される中、自己情報コントロール権が明確かつ具体的に保障されていないことは問題です。個人情報の収集利用の原則は、利用目的の特定、事前の本人同意、利用目的の範囲内の収集・利用です。匿名加工情報制度、非識別加工情報制度をつくっても、個人情報であることには変わりありません。自己情報コントロール権という個人情報保護の原則に違反するものです。自治体がこのようなことを業務として行っていいのでしょうか。 次に、自治体が保有する住民の個人情報は、自治事務、地方自治体が定めるべき事項である地方自治の本旨に反するものです。デジタル化は、技術の発展の成果であります。しかし、使い方が問題です。デジタル化を民主的に管理し、地方自治、民主主義の発展、基本的人権をどう守るかが問われています。住民の多面的なニーズに応えるためには、デジタル技術を生かし、迅速化、簡便化が図られるとともに、デジタル技術を使える人には使いこなし、使えない人にも行政サービスの格差が生じないようにすること。デジタル化によって、情報化予算も非正規職員、民間委託が増えては本末転倒です。行政のデジタル化は、総合的に住民の権利と住民サービスの向上、地方自治の発展につながるものでなければなりません。自治体のデジタル化について、こうした点についての所見をお尋ねいたします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。 〔市長 並河 健 登壇〕
◎市長(並河健) それでは、荻原議員の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。 まず、福祉施設での感染ということでありますが、いま奈良県は、全国と比しても、人口当たりの死亡者数が突出して高いわけでありまして、やはり高齢者等施設に対する医療提供体制がしっかりと構築をされていなかったということが非常に問題だというふうに思っております。そうした中で、本市では、天理地区医師会の皆さんが自らで支え合いながらやはり対応していく必要があるということで、最近非常に議論を重ねていただいておりまして、私どもも、財政的な支援も含めて、この動きをしっかりとお支えをしていきたいというふうに思っております。 ただ、一方で、議員から御指摘があった点については、やはり感染リスクが高いところに対してヘルパーさんをどう派遣できるかといったところは、強制できない点もございまして、何が私どもとしてさらにお支えできるかということは考えていきたいというふうに思っております。 次に、ワクチン接種あるいは検査体制ということでありますけれども、本市は、もう既に全ての年代について、六か月間隔での三回目接種を行っておりますが、医療従事者の接種に続いて、議員から御指摘がありました医療、介護、福祉、教育、児童施設、こういったところは優先して職域接種を行ってきているところでございます。特に高齢者の入所施設については一月中に完了いたしました。また、教職員、その他の福祉関係者についても、優先職域接種で、市内に居住をしていなくてもこれを対象とし、おおむね二月中に接種を終えているところでございまして、いまはむしろ集団接種に相当の余裕がある状態なので、一般の市民の皆さんにできるだけ早期の接種を促している状況でございます。 ちなみに、今朝現在の接種率が全国平均二八・三%、全人口比ですが、これに対して本市は四〇・二%という形で、大幅に上回っている状況でございまして、医療従事者の皆さんの御協力に心から感謝を申し上げておる点でございます。 続いて、PCR検査でありますが、無症状の方でも無料でPCR検査、また抗原検査を受けられる施設が四つございます。これについては、医療、介護、福祉、教育、児童施設の職員だけでなく、奈良県内にお住まいの方はどなたでも受けていただけるということでございますが、特に不安がある皆さんには積極的に活用いただければと思っております。とりわけ、そのうち一か所でありますPCRセンター川原城会館で、本市も協働して開設をいたしました。こちらは予約不要で、一日二、三百人に対応でき、翌日の二十三時には結果をお伝えできる体制となっておりまして、三月三日までの十日間で一千百名を超える方が検査を受けられ、陽性率六・三%ということでありますので、無症状の陽性者の方の早期発見というところにもつながっているところでございます。いったん三月末までとなっておりますが、今後の蔓延状況を見ながら、必要に応じて延長の要望もしていきたいと考えております。 そして、福祉施設への様々な感染防止消耗品の支援についてということでありますけども、やはり令和二年は買占め等により品薄の状況が非常に強うございまして、国の方から県、市町村を通じて配布したという経緯はございました。現在、マスク、ガウン、消毒液等については、調達あるいは価格の状況はいったん落ち着いておるということでありますが、二月末に県内高齢者施設に対して改めて抗原検査キットやマスクを配布するということで、県から施設側に照会があったところでございます。やはり今後も、BA.2という亜種がまた出てまいりましたので、第七波以降に備える必要があると考えておりますので、福祉施設の状況、国・県の動向にも注目をしながら、そこでカバーし切れていないということであれば、本市としても対応を考えていきたいと考えております。 続きまして、子ども用の五歳から十一歳のワクチンということでありますけれども、これが承認された経緯としては、二回目接種後二か月の追跡期間において安全性が示された。また、発症予防効果が九〇・七%であるという海外の事例から、厚労省において審査をされた結果、薬事承認をされたということでございます。この薬事承認に至るまでの情報について、厚労省がパンフレットを作成いたしましたので、それを対象者全員に私どもも郵送しているところでございますが、なかなか我々も医療の専門家ではございませんので、厚労省の出している情報以上に勝手にいろいろ付け加えるというところについては、若干ちゅうちょするところもございます。しかしながら、市内でもワクチンの副反応がある、あるいは後遺症というような言葉が独り歩きして、なかなか接種をためらわれている方も多いという状況でございますので、そういった皆さんには、ネット等で自分たちでどんどん不安を広めていくのではなく、やはり信頼できるお医者様にしっかりと聞いていただいて、その対応を決めていただきたいということを申し上げておりまして、本市においては、集団接種会場でもかかり付けのお医者さんですし、基本的に子どもの接種については、集団接種でなく個別接種の形で対応しておりますので、問診の際に気になる点をしっかりと聞いていただくことが大事だというふうに考えております。 続きまして、原油高騰等についてですが、これは先ほど来お話が続いておりますロシアによるウクライナ侵攻によって、今後さらに原油価格の高騰等は続いてくるものだと承知をしております。これについて、運送関係のみならず、たとえば暖房を使われる、花を栽培される方であったりとか、幅広い業種にやはり今後影響が出てしまうということで、いま国の方でもトリガー条項をめぐって等、議論をされておるというふうに認識をしております。相当これは広範に影響が出てくることだと思っておりますので、なかなか本市に配分されている地方創生の臨時交付金だけでは対応し切れるレベルではないというふうに思っておりますが、今後、政府がどのように対応していくかというところをしっかりと本市もフォローしていきたいと考えております。 続きまして、後遺症関連でありますけども、
新型コロナウイルスに罹患され、治療後も二か月以上倦怠感や息切れ、思考や記憶に影響があり、悩まれている方というところが多数いらっしゃいます。これについては、オミクロン株についても決して無縁ではないということでございます。 昨年十二月に、かかりつけ医の先生方でも対応いただける治療の参考とされる診療の手引というところが出されました。まずはしっかりとこうしたかかりつけ医に御相談いただき、あるいは対応可能な医療機関を我々としても提供していくことが重要だというふうに考えております。業務で感染した場合は、罹患後の後遺症についても労災保険の給付となる場合があるということでありますので、こうした点はしっかりと我々としても啓発に努めたいと考えております。 続きまして、公共施設等総合管理計画についてであります。これまでの答弁でも随時御説明をしておりますとおり、私どもとして、方針の策定、計画策定、そして総合管理計画の改定という形で進んでまいりまして、今年度末までに公共施設総合管理計画の改定作業を進めております。これについて、素案のパブリックコメントを実施した結果をいま整理しているところでございます。ただし、やはり個々の施設についてどう扱っていくのかという計画の実施段階においては、その施設を御利用いただいている地域の皆様、あるいは議会の御意見を十分に踏まえた上でこれは対応していかないと、単に住民サービスの後退というふうに捉えられ、理解が得られないというふうに思っておりますので、これまでもそうした施設の統廃合に絡むような場合には、特に私も説明会の方を何度も開催させていただいて取り組んできております。今後とも、そうした丁寧な説明には尽くしていきたいと考えております。 一方で、住民投票ということでございますけども、条例による住民投票ということは、この近隣でもいくつか条例を持たれておりますが、市町村合併などの影響により、住民に対する影響が非常に大きなものがこの対象となっていることが一般的であると考えておりまして、個別のものにつきましては、やはり利用者の皆さんの声をじかにしっかりと伺う中で取り組んでいくことが大事だと思っております。ただ、一方で、施政方針でも申し上げましたとおり、いまある施設を全てそのままの数を維持していくということは、これは財政上不可能であり、共倒れになってしまう。そうしたことから、やはり今後はその利用方法をいかに柔軟に考えていくかということで、先ほど来答弁をしておりますみんなの
学校プロジェクトなどもしっかりと進めていくことにより、住民の皆さんの公共施設への考え方、捉え方も柔軟にしていただけるように取り組んでいく必要があると思っております。 続きまして、生活自立支援事業についてであります。 本市では、住居にお困りの方に対して、奈良県住宅確保要配慮者居住支援法人、こちらの指定を受けた社会福祉法人やすらぎ会様と連携をしながら住居確保に努めているところであります。これにより難い場合は、やはり生活保護制度による一時保護を行いまして、救護施設等への入所、その後の生活再建に至るまでを丁寧に支援させていただいているところでございます。 厚労省発出の一時生活支援事業の手引きの中では、政令市、中核市を除く市町村部では、個別に一時生活支援事業に取り組むよりも、やはり各都道府県が中心となって調整し、広範な体制を構築して実施する方が効果的かつ効率的な実施が可能となるというふうに指摘をされているところでございます。現在、奈良県内ではこれは取り組まれておりませんので、先ほど申し上げたやすらぎ会様との連携による対応、あるいは生活保護による対応というところを行っておりますが、やはり広域でしっかりと取り組んでいくことが大事だと思っておりまして、こうした点についても、今後とも提言をしていきたいと考えております。 そして、デジタル化というところについて、いろんな点で御指摘を頂いたわけでございますが、ぜひ御理解いただきたいのは、市民の皆さんの中に、機械操作に不慣れな方、十分に活用できない方がたくさんいらっしゃるということは我々もよくよく認識をしております。そうした皆さんに対しての手続であったり、窓口の相談をどう守っていけばいいのか。しかも、限られた人数の中でという中で、やはりこのデジタル化によって生まれてくる時間的余裕をよりきめ細かい相談業務などに振り分けるというのが大切なことだというふうに思っておりますので、何でもかんでもデジタル化をしようというふうに思っているわけではないという点はぜひとも御理解を頂きたいと思います。 特に、AIによる相談というところについても、チャットボットのようなものがございますけども、やはりこれは定型的なものに対しての回答しかまだ対応能力があるところではございませんで、特に防災や避難といったような人の命に関わるようなもの、これは我々が災害対策本部の方でしっかりそのときの状況というところを把握して、その都度発出をしているものでございますので、AIに頼っていくということではございません。 そして、個人情報の保護というところでありますけども、やはり個人情報保護法にのっとって我々はしっかりと対応していくことが大事だと思っております。通知、公表、開示、訂正、利用停止、目的外使用に当たっての本人同意、こういったものが法律上整備をされておりますので、デジタル化をやるからといってこの要件が緩められるということでは決してございませんし、私どもはデジタル化をやる際にも、たとえばマイナンバーにつながっていくようなシステムというのもありますが、一般のネット回線ではなく、しっかり閉ざされたところにつないでいく際には、ゲートウェイといったようなものを介するといった形で、情報の漏えい防止には万全を尽くしているところでございます。もちろん、行政機関による情報漏えい事案というところがございましたら、それは行政機関の責任にならざるを得ないということでありますし、民間事業者によるものというところがございましても、それは、個人情報保護委員会への報告、本人通知が、これまで努力義務とされていたものが、改正後の個人情報保護法においては義務化をされており、より重くなっている状況だというふうに認識をしております。ですから、今後、国の方でマイナンバーを活用して、様々なデジタル化、あるいはシステムの標準化というところが行われてまいりますけれども、我々も業務を効率化する点では積極的に取り組んでまいりますが、あくまでも市民サービスをよりきめ細かいものにしていくためにどうこれをうまく活用すればいいんだろうという視点で取り組んでまいるということについて御理解を頂けたらと思います。 以上でございます。
○議長(大橋基之議員) 荻原議員、質問の途中ですが、しばらく休憩いたします。午後一時より再開いたします。 午後零時二分 休憩 午後一時零分 再開
○議長(大橋基之議員) 休憩前に引き続き会議をいたします。 引き続き一般質問を行います。 十三番、荻原文明議員。
◆十三番(荻原文明議員) それでは、再質問を行わせていただきます。 まず、コロナ対策なんですが、過日の国の経済財政諮問会議、そこでも明らかになったんですが、年収が三百万円から四百万円の世帯割合が低下するとともに、二百万円から三百万円の割合が上昇し、二百万円台の割合上昇の要因は、非正規雇用の若年単身世帯の割合が二十五年前から大きく上昇している。一九九四年から二〇一九年を比較してということで言われております。しかも、コロナ危機は、バブル経済の崩壊、あるいはリーマンショック以来の社会恐慌的な、匹敵するぐらいの経済の落ち込みを示していると言われており、こういう状況の中で、観光業や運輸業、サービス業あるいは製造業の打撃が大きく、営業利益も大幅に落ち込んでいる。そして、情報通信機械は、逆に五七・一%と、営業利益が増加して、明暗が分かれている。こういう特徴を持っております。最近はあまり言わなくなったんですが、二百万円未満の年収のワーキングプア、働いても働いても食べていけない、将来の見通しが経済的に持てないということがずっと言われておりました。そういう背景の下で今回のコロナ危機が起こったわけでございます。 ですから、今回の危機の中で、様々な国も地方自治体も対策を講じていらっしゃいますが、私が先ほど申し上げたような、言わば制度の隙間でやっぱり困窮、困難、困っている方がいらっしゃるという状況の中で、せめてそういう方々にも一番身近な市町村として手を差し伸べていただきたい、支援を行っていただきたいということで、感染が発生した、あるいは福祉施設や様々な施設の家族への支援とか、あるいは後遺症を持っている方への支援など、施策を行っていただきたい、支援を行っていただきたいということであります。そういう意味で、これから、まだ政府の交付金の使い道はほとんど決まっていないというふうにお聞きしておりますので、ぜひそういうことも含めて検討いただきたいというふうに思います。 それから、公共施設等総合管理計画なんですが、先ほど申し上げて、住民参加あるいは住民の意見をどのように反映させていくのかということについては、これまでもそういうことには取り組んできたというふうに言われましたが、それならば、公共施設等総合管理計画の中にそういう文言を加えて、それを制度としてきちんと行っていっていただきたいというふうに思うんです。しかし、総合管理計画の中身を見ると、住民参加を制度としてはもちろんうたわれておりませんし、逆に、総合的かつ計画的な管理を実現するための全庁的な取組体制の構築方針の中では、個別事業の実施に向けた調整等については、FM推進室を中心に、既存の庁内会議、これは市有財産有効活用検討委員会及び同専門部会を指しているんですが、それを通じて、全庁的かつ公共施設マネジメントの観点で意思決定を行います。これは、個別事業の実施の意思決定を行いますというふうには受け取れるんですが、実際、個別事業を実施して、それを意思決定をして実施していくのは、最低限、所管の部署がこれはやっていくべきじゃないんですか。FM推進室と庁内会議が意思決定を行うというのは、行政の在り方としてもおかしいというふうに思うんですが、せめてこうした記述は訂正していただきたい。公共施設マネジメントの庁内推進体制の中には、市長とFM推進室と庁内会議、市有財産の検討委員会との報告指示というふうな矢印はあるんですが、肝腎の施設所管課は、財政課が予算要求してFM推進室と調整するだけで、個別の実施はFM推進室がまさに意思決定を行うというふうな書き方になっているんです。これでは行政の在り方としてもおかしいというふうに思いますので、この点についてはぜひ改めていただきたいし、こういう庁内推進体制の段階でも、住民参加をきちんと明記していただきたい、あらゆる段階で住民参加、あるいは住民の意見を反映できる体制あるいは仕組みをつくっていただきたいというふうに思いますので、そういう観点で総合計画というものを修正していただきたいというふうに思いますので、改めてそれについてお尋ねをいたします。 それから、一時生活自立支援事業なんですが、確かに住居確保の制度はありますが、しかし、それに至らない、緊急に、もともとこれはホームレスの方を一時保護するためにずっと行われてきた制度を一時生活自立支援事業に発展させていったようなところがありますので、これは年間、それは数としては何人もいらっしゃるわけではないですが、しかし、これまでもホームレスの方はいらっしゃったし、今晩泊まるところがないんだということで訪ねてこられる方もいらっしゃるし、そういう方、一晩駅で過ごしたというとか、そういう方もやっぱり現在でもいらっしゃるんですよね。ですから、そういう方には一時的に緊急に保護する施設として、市営住宅の空き家を活用できればということで質問させていただきましたので、そういう緊急の一時保護する施設として市営住宅の空き部屋を活用できないかということについて、改めてお尋ねしたいと思います。 それから、行政のデジタル化なんですが、これについてはいろいろあるんですが、一つは、自治体DX推進計画というものをこれから恐らく作成されていくのだというふうに思うんですが、国が示したひな形のとおりでいくと、市長は先ほど来から住民のサービス向上とかいろいろ言われておるんですが、国の方は施策のカスタマイズはしてはいけません。カスタマイズする場合には、財政的な支援を行いませんということを言っているわけなんですよね。そうなってくると、どうしても財政的にそういう国は誘導しているわけですから、市町村でカスタマイズすることが非常に困難になってくる。これまでも、医療扶助なんかで、県が基準を示して、それに対して奈良県内の市町村が合わせたシステムを使ってやっていく。天理市だけ別の基準を設けると、別のプログラムをつくらないといけないから、それだけお金がかかる。だからできないんだということを言われておったし、国保の県単一化の場合でも、天理市だけ別のシステムを使うと、それだけ負担が多くなるわけですから、結局、保険料に跳ね返る。そういう理屈でできないということになっていて、やっぱり財政的な裏付けというのは、「国はこれをしてはいけません」と言わなくても、財政的に誘導できるんですよね。それを乗り越えて、市長が言われるような天理市独自の施策あるいは方針を持って、このデジタル化というものを進めていくことができるのか。改めて見解をお尋ねしたいと思うんです。 国は十七の事業について標準化していくんだと言っていますよね。住民登録あるいは地方税、社会保障、国保、年金、障害福祉、後期高齢、児童手当、生活保護、これら十七の業務を標準化の対象としてデジタル化を進めていくんだというふうに言っていますよね。ですから、市町村独自に市民のために何がしかの施策をやろうと思うと、この標準化から外れることになってくるわけですから、それは財政的な支援の裏付けがなくなるわけですよね。それでもやっぱりきちんと市民の、住民の暮らしの方を向いて施策を行っていただきたいというふうに思います。 それから、先ほども人材確保のことを言われておったんですが、一つは職員の育成ということを市長も言われておりましたが、なかなかこれは大変ですよね。デジタル化のソフトウエアの専門家を育成するとなると、これはなかなか大変な、専門的なプロの仕事になってくるわけですから。しかも、いったんその仕事に就くと、異動できなくなってきますからね。ですから、職員でそういう人材を育成するといってもなかなか困難です。特別の措置、財政的な支援とか検証を行ってもらう必要があるというふうに思うんですよね。その辺、どのようにお考えかお尋ねいたします。 それから、外部人材の活用ということも言われておるんですが、この外部人材の活用についても、なかなかこれもいろんな規制があって、委託とか、あるいは請負になるとかいうことによって指揮命令系統が変わってくるわけですよね。ですから、外部人材をどのように確保して、それを活用していくのかということも、これもきちんと整理をして、違法にならないような形を取らなければなりませんから、この点についても、今後、DX推進計画の中でどのようにされようとしているのか、お考えをお尋ねいたします。 以上です。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) それでは、荻原議員の二回目の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。 コロナの影響によって、幅広い皆さんが影響を受けておられるのは御指摘のとおりでございまして、私どもも財源が許す限りにおいてしっかりと対応はしていきたいというふうに思っております。ただ、創生の交付金だけで申しますと二億六千万円程度でございますので、いま事業あるいは生活に影響を受けていらっしゃる方に根本的に対応するには、金額としては不十分かなというところではございます。子育て世代に十万円の給付というのをいたしましたけども、それでも、規模からいえば数倍の予算を使って各世代への十万円というところでございますので、やはり一定対象は絞りながら対応していかざるを得ないと。もちろん残りの金額については来年度の議会にまたお諮りをしていくつもりでございますけども、現時点では、デジタル通貨の形で市民の皆さんにできるだけ幅広くお渡しをして、消費喚起と家計支援というところを考えている部分が主ではございます。 そして、次に、公共施設についてでございますけども、各担当課がしっかりと関与するのは、これはもちろんのことでございます。ただ、物によっては複数の課にまたがってくるところも当然あるわけでございまして、従来の使用方法だけにこだわらず、どう複合化していくのかというところも含めて考えれば、いずれかに司令塔の役割を果たすところは必要である。そういう意味において、FM推進の部署というのが関わってきますけれども、それは、でも、従来関わっておる担当課が関与しないということでは決してございませんで、全庁的に対応していく。そして、くり返しになりますが、やはり我々が持っておる施設というのは、じかに利用者の皆さんに御活用いただいているものでございますので、その皆さんの意思を完全に無視して統廃合というのは考えられないわけでございまして、これまでも説明会というところは施設に関して重ねてきているところでございますけども、より一層丁寧にしていきたいですし、やはり立案の段階から御理解を得ていくことが重要なんだというふうに考えております。 そして、自立支援の方につきましては、いまコロナ禍の中で非常に切迫した状況の方がいらっしゃるのも、これは事実でございます。そういった皆様に対しては、社会福祉協議会を通じた貸付けの制度などもどんどん行っているところでございまして、そういった点で対応していければと考えております。デジタル化についてなんですけども、少し議員のイメージされている中で、標準化されることによって市独自に手厚く対応するようなことができなくなってしまうんじゃないかというふうに捉えられていると思うんですけれども、あくまで単なる職員の使い勝手の点でちょっと変えておったとか、そういったものについては、やはり全国統一の基準でやらせていただくという形にはなりますけども、別途、施策的に本市が取り組むものについてまでシステムの関係で一切できなくなるというような認識はもちろん持っておりません。ただ、国が示してくるいろんな今後標準化されるものについては、ばらばらに各自治体がやっていくよりも、やはりより効率的に進められるところは我々も歩調を合わせていきたいというところでございます。しかし、くり返しますが、それで独自施策が一切できなくなると、これは必ずしもイコールではないというふうに思っております。 職員の育成についてなんですけども、もちろん全員がシステムエンジニアになるなんていうことは、これは不可能でありまして、実際に職員の中では、RPAのシナリオ等については自分でもある程度書けるようにというようなことで取り組んでくれている職員もおりますが、より専門的な部分については、やはりシステム会社と契約をしっかり結んで、守秘義務ももちろん含めてですけども、対応していく形になります。今回、年が変わるときに、ちょうど基幹システムの入替えが、これまでの両備システムズから紀陽に変わりました。ちょうどそのタイミングに合わせて、いろんなデジタル申請の受付の話というところも、さらにそこにNTTを交えてやりましたし、あるいは、いまでしたら、ワクチンの接種券のために住基から情報を取り出す、こういうところもやはりシステム会社のお力添えを得てやらせていただいているところがございます。なので、そういった民間企業の皆さんときちんと連携できるようにですとか、あるいは本市内で事務を効率化する、一定レベルにはみんな上がっていかないといけないんですけども、システム会社並みの専門家を全部自前で持たないといけないということとは違うと思っておりますので、そこはぜひ御理解を頂けたら幸いです。
○議長(
大橋基之議員) 荻原議員。
◆十三番(荻原文明議員) 最後に一点お尋ねしたいのは、個人情報保護の問題なんですが、天理市個人情報保護条例第二十八条には、「審査会はこの条例の規定により、その権限に属することとされた事項を処理するほか、個人情報の保護に関する重要事項について、市長または実施機関の諮問に応じて調査・審議し及び建議することができる」と規定しております。ですから、今回の個人情報保護制度の大幅な改定というのは、個人情報保護に関する重要事項に該当すると思います。ですから、これは市長が諮問しないと建議できませんから、ぜひ市長の方で、今回の個人情報保護の制度改定について諮問していただいて、審議をしていただいて、天理市に見合った個人情報の在り方はどうなのかということを諮問していただきたい。 というのは、法律はいま施行されたんですが、各地方自治体で個人情報保護条例を持って、ある程度裁量が持たされているわけなんですね。個人情報保護条例。だから、プライバシー権を明記するとかということもできるわけなんです。そういうことも含めて、審査会にぜひ諮問して、建議を受けていただきたいというふうに思うんですが、この点について改めてお尋ねします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) もちろん私どもが持っておる条例については、直接法律というよりも、天理市の個人情報保護条例によって運用している部分というのも大きいわけですけども、やはり国全体あるいは県の条例等の平仄というところをしっかり取りながらやらせていただいているところでございますので、制度全体を各自治体が個別に個人情報保護委員会にかけていくというのは少し違うところもあるのかなというふうに思っておりますが、いずれにしても、やはり通知、公表、開示、訂正、利用停止、目的外利用に当たっての本人同意、こういうものの大枠をしっかりと維持していくことは重要だというふうに思っておりますし、個別の事案について、やはりこれが問題でないかという提起が出てきたときには、本市においても個人情報保護の審議会の方にしっかりと諮問していくことはやりたいと思っております。
○議長(
大橋基之議員) 次に、六番、鳥山淳一議員。 〔六番 鳥山淳一議員 登壇〕
◆六番(鳥山淳一議員) 議長のお許しを頂き、一問一答方式にて質問を行います。理事者をはじめ、関係各位の御答弁をよろしくお願いいたします。 まず、コロナ対策につきましては、高齢者の方より、ワクチン対応等、素早く丁寧な対応をしていただいていますということのお声をよく聞かせていただいています。このことについてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。 件名につきましては、市民生活とデジタル化推進について、これで四点、食育活動推進について二点をお聞きしたいと思います。 まず、デジタル化推進体制づくりについてですが、この件につきましては、同僚議員と重なっている部分も多くありますことを御容赦お願いしたいと思います。 まず、コロナ禍が続く中で、リモートでの会議、そして連絡が増え、テレワークが進んできております。また、データ等の紙媒体処理からクラウド等への変換、インターネットで高速での大量情報を見ることができたり、働き方を含めて、私たちの日頃の日常生活がデジタル化により一変してまいりました。もはやスマートフォンが生活の大きな一部になってきています。様々な業務もこれにより効率が上がり、市民生活の利便性が大変増えております。現在では、子どもたちのスマートフォンの所有が当たり前のような時代に変わってきております。 デジタル化推進につきましては、個人及び社会全体が豊かさを享受できる社会を実現させることとしていますが、このデジタル化の取組は、地域がつながり合う大きな前進でもあろうかと捉えます。つながりの輪が広がっていけるように、一人でも多くの方がこの機会に恩恵を受けられるために、これまでのデジタル対応について、高齢者を含め、身につけてこられなかった世代の方たちへの手だてはどのようにお考えでしょうか。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) デジタル化についての鳥山議員の御質問にお答えをさせていただきます。 御指摘のように、子どもたちもデジタル機器を操作するのが当たり前の時代になっているわけでございますが、率直に私自身も四六時中スマホを見ていたりというのはいかがなものかなというふうに思うところもございます。やはりデジタルとリアルと、適度なバランスを保ちながらコミュニケーション能力を養っていくということも、これまたデジタル化としっかりと付き合っていく上では大切なことなんだろうと思っております。 一方で、私ども、特に地方自治体にとりましては、時間や場所の制約を超えて様々なサービスが利用できる、都市部でしか享受できないというふうに考えられていたことについても可能になるという点では、地方創生の上で非常に大きな点だというふうに思っておりますし、積極的に今後も施策は進めていきたいと思っております。 しかし、一方で、デジタル機器を苦手とする方がたくさんいらっしゃることも事実でございまして、率直に私自身もどちらかというと苦手な方だというふうに思っておるんですけれども、やはりそういった皆さんが取り残されたということにならないように対応していくことが非常に大事でございます。よって、窓口などでも、タブレットなどを見ながら、こちらがお話しする中で職員の方が操作する、こういった対応も可能だと思っておりますし、また、講習会などをやらせていただくことで、少しでも親しんでいただく機会を設けることは大切だと思っております。基本操作を学習する初心者向けの教室、あるいは参加者同士の対話を重視したインターネットサロンなど、見る、聞く、知る、関わるを体験できるような講習に取り組んできているところであります。 また、市立の公民館において、地域づくり推進講座として、通信事業者の協力を得たスマホ講習会なども実施をしております。実際に使ってみて、遠隔にお孫さんと一回話せたとか、そういう体験を持たれると、随分見方も変わってくるところだというふうに感じております。引き続きデジタルの格差解消に努め、機器に不慣れな皆さんについても親しんでいけるような機会の創出に取り組んでいきたいと思っております。
○議長(
大橋基之議員) 鳥山議員。
◆六番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。様々な部分でデジタルの苦手な方への対応の方をしていただけたらと思いますし、いまお伺いしていたように、地域の活性化につながるデジタル化、一つの手だてとして、利用できる方を多世代で増やしていくこと、これは本当に地域の活性化に非常につながっていくことになると思いますので、いま以上の寄り添った地域とのこういうツールを拡大していくというか、そういう取組の方をお願いしたいと思います。 次に、子どもたちの活動を中心とした地域づくりについてお伺いしたいと思います。 以前の一般質問におきまして、子どもを中心とした地域の取組、櫟本モデルを市全体に広げ、子どもたちと地域の皆さんとの結び付きをそれぞれのところで高めていくことをお聞きしました。このコロナ禍で大変難しい面もあると言えますが、デジタル社会、ネット社会の中で、新しい地域の人間関係づくりや絆づくりをつくり出すこと、これは欠かすことのできない点と捉えます。市全体に広めていく過程で、ある子どもと地域が結び付き、元気づく取組として、前からこの櫟本モデルは大変すばらしい取組だと思い、さらにこのことを市全体に進めて、子どもたちとボランティアの方との結び付き、それを深め、ひいては子どもたちが人間関係を築くことによる自己肯定感、これを高めていくことについて、地域貢献活動を進める地域通貨等の取組の中で、学校の方としてはどのようにつなげ、展開していくようなお考えをお持ちでしょうか。
○議長(
大橋基之議員) 教育長。
◎教育長(伊勢和彦) ただいまの鳥山議員の御質問にお答えします。 櫟本地区での
町カ塾開催のきっかけの一つは、私が勤務していた小学校の低学年の子どもが、放課後、スーパーで保護されてしまったことでした。その子は放課後いつも一人でそのスーパーに来ていたそうです。毎日のように来店するうちに、欲しいものを見つけてしまったのでしょうか。寂しい心の隙間に弱い気持が入り込んだのかもしれません。「いま見逃したら、この子の将来によくないと思って」と、店員さんは申し訳なさそうでした。その子のお母さんに連絡を取ると、「いま仕事を抜け出すと首になってしまうんです。もっと遅くにしか迎えに行けません」とのことでした。毎日一人でうろうろしなくてもいい居場所が地域にあればな、そんな思いが公民館で地域の人が中心となって運営する小学生の学び場、
町カ塾につながりました。六年間続いています。 今年度は、北中学校の図書室で、北中学校のコーディネーターと櫟本
町カ塾スタッフが力を合わせて、中学生版
町カ塾のプレ開催がありました。後日、プレ開催に参加した中学生のお母さんが、お礼を言うために櫟本
町カ塾スタッフが営むお店に来られたそうです。スタッフは、そのお母さんに、中学生が「頑張ってプリントしたら地域の人に褒められてうれしかった。また参加したいです」との感想を述べたことを伝えました。お母さんは、「そう言うたら、家であの子を一回も褒めたことありません。反省しますわ」と、そうおっしゃったそうです。
町カ塾を通して、子どもと地域の大人がつながるだけでなく、大人と大人もつながるんだなと分かりました。
町カ塾の特徴は、地域の人が子どもを学びの場に招待すること。櫟本では、区長会長が小学校に来て、子どもに招待状を渡すところからスタートします。二つ目は、子どもは、
町カ塾に参加するとポイントがたまり、地域に自分の夢の応援をしてもらえること。三つ目は、必要経費は、主に趣旨に賛同した方の会費と近隣企業からの協賛金で運営していることです。そのような活動への参加ポイントを本市が取り組むデジタル通貨ポイントに結び付けます。あるいは視点を変え、支援スタッフの側にポイントを付与する選択肢も生まれます。 また、本市がこのコロナ禍において、中三生の受験勉強支援と大学生の生活支援のために二年間開催してきた天理まなび支え合い塾を、今後も形を変えて、デジタルポイントとひも付けて、継続できるよう工夫していこうと考えます。 令和四年度本市施政方針にありますように、
町カ塾のようにコミュニティを結ぶ活動や、子どもの自己肯定感を育み、心身を豊かにする活動への参加に応じて地域ポイントを付与し、それが地元消費に還元される。そういう循環を持つ地域づくり、市内の幅広い活動のプラットフォームづくりを目指していきたいと考えます。 以上です。
○議長(
大橋基之議員) 鳥山議員。
◆六番(鳥山淳一議員) 今後の方向性も示していただけて、ありがとうございました。 区長とお話しする機会があったんですが、区長が、いわゆるスマホの使い方とか、そういうデジタル化については、子どもに教えてもらう場面がきっと多くあるやろうなということをおっしゃってはったので、そうかもしれませんねという話をしていたことがあったんですが、本当にいろんな世代がつながり合えることとして、この取組の方をぜひとも進めていただきたいと思いますし、それにはやっぱり地域の区長であり、学校であり、保護者であり、いわゆるワーキングチームというんですか、これは欠かせないものだと思いますので、またいろんなお知恵を頂きながら進めていただけたらというふうに思うところです。 かねて天理市は子ども会というのが高い組織率を示していまして、ほぼ一〇〇%に近いような子ども会の活動があったんです。その中で、たとえばジュニアリーダーとかシニアリーダーという中高生が、または大学生が育ってきまして、いま思うと、その方たちが四十代になり、地域の活動の拠点的な動きを示しているところも見られます。そういった人たちをまた育てていくという意味でも、いまのこの地域活動に子どもたちを中心としたものを持っていくということをぜひとも各学校へ戻していただき、進めていただいたらというふうに思いますので、よろしくお願いします。 次に、このデジタル活動、デジタル推進について、まず最初に、それに触れる子どもたちの中で、いわゆる教育活動の中でのデジタルリテラシーという言い方をしていいかどうか分かりませんが、このことについてお伺いしたいと思いますが、
GIGAスクール構想が非常に早く進んできましたので、一人ひとりがパソコンを持ち、学習を進めています。これは、興味関心を持つ力を育て、可能性を高めていくツールとしては大変な機能を果たしてくれると思います。 一方で、基本操作は進んでいても、いわゆるネットを使った部分での間違った利用をする、または問題行動を起こすというようなところへのリスク回避として、学校としても、教育現場として気をつけておかなければならないことはたくさんあるかと思うんですが、特に教育現場で気をつけておられることや取組というものはどのような形なのか、お聞かせいただければと思います。
○議長(
大橋基之議員) 教育長。
◎教育長(伊勢和彦) お答えします。 本市では、先ほども申しましたように、コロナ禍で登校停止となった場合でも、子どもの学びを止めないことを最優先し、
オンライン授業の実施に早期から取り組んできました。現在は全ての学校において、端末の活用により、スムーズな
オンライン授業が実施されるとともに、発達段階に応じた端末操作や文字入力の仕方も身につけています。ただ、子どもたちが活用に慣れて気が緩むときこそ、ルールやモラルをきちんと身につけて、正しい活用ができるようにすることが大切であると考えています。 その対策としまして、各校において、端末を児童・生徒に貸し出す際、「天理市タブレット活用のルールについて」を同時配布し、特に個人情報についての注意事項やアカウント、パスワード管理、相手を傷つける書き込み等を行わないこと、写真撮影時に許可を得ること、インターネットの安全な使用方法、健康に気をつけた使用方法などについて、各学級において指導しています。 そして、特に大事だと考えている点は保護者です。おうちの方の意識向上が必須だと考えています。私が校長のときに、天理警察署生活安全課の課長に、「校長先生、小学校六年にこそスマホ教室をしてください」、「なぜですか」と言ったら、「中学校入学のときにお祝いに買ってもらう子が多いねん。親も一緒にお願いします」と言われたことをいまも覚えています。ところが、いま、これは最近になって鳥山議員から教えてもらったんですが、小学校に入学するときに幼稚園児が欲しいというのが増えているという、そこまで普及したのかなというふうにびっくりしています。ゆえに保護者、おうちの人に、公序良俗に反することや違法行為、生活リズムを崩すような使用をやめることや、通信記録やウェブアクセスの履歴を確認することがある旨の留意事項を配布し、確認書の提出を求めていますし、子どもと同時に学習に参加してもらうことが大事だなというふうに思います。 また、道徳の教科書には、情報端末の利用の仕方や、端末を介したいじめやトラブルなど、ルールや情報モラルについて取り上げた教材があり、児童・生徒の発達段階に応じた授業も行っています。一例を挙げますと、今年度十一月には、本市西中学校が一年生全クラスで行ったSNSの書き込みでのトラブルを教材とした授業が県内教員に公開されました。また、道徳以外の授業においても、児童・生徒の発達段階に応じ、端末を活用して情報を取り扱う際のルールやモラルについて考える学習を計画的に行っています。 さらに、携帯電話会社などの企業や警察、県などから講師を招いて、スマホ・インターネット安全活用講座を実施している学校もあり、スマートフォンも含めた情報端末の安全な活用方法や情報モラルについて学ぶ機会を設けています。 児童・生徒に配布した端末を使用する際のアカウントは、県域で仕組みが整えられたものを
本市教育委員会が学校を通じて付与しており、
本市教育委員会が管理しております。インターネットの使用にも制限がかかっていて、児童・生徒の安全確保を第一にしていますが、同時に、児童・生徒一人ひとりが主体的にルールを守り、相手を思いやる気持で端末を活用することの大切さを認識できる一層の取組を進めていきます。 以上です。
○議長(
大橋基之議員) 鳥山淳一議員。
◆六番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。それぞれの教育現場では、このことに留意した活動をしていただいていることをお聞かせいただきました。やっぱり教職員が同じように危機意識を持ち、御家庭といわゆるネットの危険性というものについても共通理解していこうということで、利活用につながっていくのではないかと思います。素早く問題点をキャッチすることが大事だと思いますので、今後とも、リスク回避という部分からも、教育現場へ注意喚起していただきますようにお願いしたいと思います。ありがとうございました。 続きまして、地域安全の推進ということについてでございますが、温暖化の影響で、最近の気候の変化がすさまじい状況を呈してくることがあります。たとえば集中豪雨、ゲリラ豪雨というようなものが物すごい川の水量を増やしたりもするところですが、本市も河川、そして土砂崩れの予防や対策等に素早く対応、十分な対策をしていただいているところですが、本市の高原地域の方で非常に電波の届きにくいところというふうなことをお聞きしたこともございます。いわゆる電波の届きにくいところでの災害時の緊急連絡体制、そして、携帯電話が、たとえば幹線道路の中でつながりにくいところ、そういったところが、徐々には減っていると思うんですが、こういう場所への、いわゆる普通につながらないという、不通の地域への解消について、何か取組等ございましたらと思います。よろしくお願いします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 議員から御指摘を頂きましたとおり、災害時などについては携帯電話などの通信手段が途絶されるということも想定をされるわけでございまして、やはりしっかりと情報伝達手段を確保することが重要だと思っております。 その中で、本市は防災行政無線を整備しておりますが、令和元年まではアナログ式の移動系防災行政無線でございましたけれども、国の方針に基づいて、令和元年度にデジタル式の防災移動通信システムを整備いたしました。本システムでは、移動系の防災行政無線を市災害対策本部と九校区の市立公民館、交通網が途絶し、孤立集落化が危惧される東部山間地域、防災力の要となる消防団に配備をしておりまして、有事の際に通信手段を確保する体制を整えております。 また、大規模災害時にこうしたツールをしっかりと活用できるように定期的な訓練を行っておりまして、昨年八月には、東部山間地域の集会場、各公民館、消防団の器具庫等に配備しております二十七台の無線による通信訓練も実施をいたしました。今後とも継続実施することで、災害時に備えていきたいと考えております。 また、居住地エリアにおける携帯電話の不感対策については、現在、各通信事業で対応いただいております。これまで国の事業や通信事業者の整備によりまして、山間部でも地図上ではおおむね通信可能エリアになっております。ただ、エリアの中に入っていても、御指摘もございましたが、山間部の地形上の特性や家屋の立地状況によって一部つながらないところもございます。これに対し、通信事業者では個々の状況により調査を行った上で、家屋であれば、増幅器を設置したり、あるいは通信用鉄塔の方向性の調整をするなどの改善策を講じていただいております。 また、本市の藤井町ではこれまで光回線の整備がなされておりませんでしたが、令和三年度に民間事業者による整備事業、こちらに市も補助を行いまして、情報通信基盤における格差解消に努めたところでございます。
○議長(
大橋基之議員) 鳥山議員。
◆六番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。携帯電話、スマホのつながらない地域については、徐々に減ってきているところはあると思いますが、またそういう増幅器の話も住民の方からございましたら、寄り添って対応をしていただければと思いますので、よろしくお願いをしておきたいと思います。 続いて、食育活動推進についてですが、今年度、実は県の食育推進の大きな催しの方が文化村の方で催される計画があったかと思うんですが、コロナ禍で次年度に持ち越されたようなことをお聞きして、推進に関わっている人が大変本市でできることを喜んでおられたんですが、延期になってしまったんやというふうなことをおっしゃってはったことがあったんですが、食育につきましては、やっぱり健康という部分に寄与するところが多いかと思います。この健康のこと、そして、地域産の農産物を食して循環していくということでございますし、現在、食べ物を大事にしていこうという取組の見直しがされて、食品ロスという問題等でも、家庭や地域に食育推進というところからいろんな情報発信をしていただいているところでございますが、国や県も食育の方の推進計画というのを設けながら、健康長寿の取組や、アフターコロナ、コロナが終わったときに、いろんな意味で、また高齢者の孤食対応や、いろんな食べ物を大事にすることへの取組を進めていこうということがあると思いますが、天理市での、本市での食育推進の状況と、もしございましたら、今後、どんなふうにアフターコロナを含めて進めていかれるのかお聞きしたいと思います。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 食育推進については、いま議員からも御指摘を頂きましたとおり、国・県の食育推進計画等ございまして、私どももそれを踏まえて「健康づくり計画てんり」を策定し、その中で、食育分野に関しては「食を通じ健全な心身を培い豊かな人間性を育むまち」というのを基本理念に取り組んでおります。やはりコロナ禍で外出自粛がございましたのと、あと、やはり狭いところでみんなで食べるということの感染リスクというところがございましたので、いろんな規制がかかっておるんですが、御家庭に閉じ籠もりがちになっておればこそなお食を通じての健康管理というところの重要性はむしろ高まっているというふうに考えております。 本市では、高齢者から赤ちゃんまでの食育普及について、ボランティア活動を行っていただいております天理市食生活改善推進員の皆さんが非常に活発にやっていただいておりまして、その皆さんと連携・協力をした中で、コロナ禍においても少人数、校区単位での活動を中心にやっていただいておりました。また、役員の方と食の視点からのSDGsについて学ぶ機会を持ちまして、校区の会員の皆さんに学びも広げていただいたところでございます。 コロナ禍の影響で毎年実施している食育普及啓発講座については、令和二年度は中止になったんですけども、やはり大事だということで、今年度はオンラインでの開催を三月十八日に実施することになっております。各種交流が自粛となり、家で一人で過ごされている時間が増えている中高年の皆さんに食事の面からフレイル予防できる内容というところで、このオンライン講座を組んでおります。また、スマートフォンをお持ちでない方に対しては、視聴できる会場というのを手配いたしまして、オンライン講座へのアクセスに苦手意識を持っていらっしゃる方にも受講いただけるように取り組んでいるところでございます。 また、保育所、幼稚園の休園も度々ございますので、親子の心的なストレスが高まることも予測をされます。乳幼児健診や乳幼児相談、電話相談では、やはり保護者の皆さんが少しでも気持が軽くなり、前向きになれるような栄養相談を心がけております。特に柳本幼稚園では、「食べるを楽しく、お母様さんも笑顔に」と題したような、ゲームを取り入れた食育教室というのを実施いたしました。 食育ボランティアの養成講座では、例年、グループワークや調理実習、口腔衛生実習、食推との交流なども取り入れるような形でやっておりますが、感染対策を徹底するために、また実施時期や内容、方法などを工夫していきたいと考えておりまして、令和三年度は十名の申込み、九名の方が修了をされておるところでございます。今後の栄養講座や健康塾については、やはり感染状況を見極めるということと、あと、予防に十分留意しながら調理実習を実施することができてきたんですけれども、毎年、福住校区で実施をしている高齢者の孤食を防ぐ交流というのは、少し中止をさせていただいたところもございます。アフターコロナは、中止になってしまった事業についても、しっかりとそれ以前と同様の対面講座や調理実習も行えるように、工夫を凝らして取り組んでいきたいと考えております。
○議長(
大橋基之議員) 鳥山議員。
◆六番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。地域の中で食推を進めておられる方はたくさんおられると思いますし、この方たちとまたつながりながら、ぜひとも食育に向けた取組の方をできる範囲内で活発にしていただけたらと思うところでございます。 続いて、同じく、食育推進活動については、いわゆる教育現場、学校教育の果たす役割は非常に大きいかと思います。学校教育、教育現場における食育推進活動についてお聞きしたいと思います。コロナ禍のため、いわゆる黙食、みんなで話して楽しく食事するという場面が学校ではもちろん取れなくなってきているのは、これは仕方がないと思うんですが、やはり学校の給食活動というんですか、給食の中でしっかり食するということ、大事な部分ですが、どうしてもみんなで食べるということが減ってくると、残す物も増えてくるようなことを教職員の先生方からも少しお聞きしたようなところがあったんですが、それに対応する取組や、残ったものをいかに利用していくかということで、今回一つの提起をされておられましたので、非常に、いわゆる持続可能なリサイクルという部分では、学校が発信できるすばらしい食育推進活動ではないかと思いますが、このことについて、いまのお考えをお聞きしたいと思います。
○議長(
大橋基之議員) 教育長。
◎教育長(伊勢和彦) お答えします。 とりわけコロナ禍においてだからこそですが、食育の学校でのポイントは四つだと思っています。一つは知識・習慣、一つは文化、三つ目は感謝、四つ目は未来です。 もう少し詳しく申し上げます。市内各学校における食育の指導は三つの狙いです。朝食の習慣、バランスよい食事、そして正しい知識と望ましい食習慣、それを身につけるために計画的に指導しています。そして、この国の、この地域の食文化をやはり伝えていきたい、そう願って、給食の食材には地産地消の方針も取り入れています。天理市独自の食材であるマコモダケがスープの具材として使われ、福住中学校の生徒が地域の食材を活用して発案したひむろんドーナツが給食のメニューの一つとなった例もあります。 「感謝」では、調理員や栄養士、地域で食材を出荷している人、あるいは先ほど鳥山議員がおっしゃった地域の食育推進に関わっている人たち、その人たちから直接話を聞くことで、自分たちの命の元である食を支える人々への感謝の心を育みたい、そう願います。さらには、その視点を社会全体へ向けたい。食と環境を関連付けた学習や、よりグローバルな視点からの世界の食料事情について考える学習の充実はこれからの課題です。 農林水産省からは、世界ではまだ食べられる食材が年間十三億トンも廃棄され、そのうち日本では年間約六百十二万トンを廃棄。これは、国民一人当たり毎日茶わん一杯分の食料を捨てていることになります。私が勝手に調べた今年の恵方巻きは、日本で廃棄されたのは、コンビニ、スーパーで十億円です。世界では九人に一人が栄養不足であるにもかかわらずです。このことを子どもがいかに実感し、問題意識を持って考えることができるかが大切だと思います。 学校給食については、無理強いになったり、家庭での食育と乖離しないように、連絡を取り合いながら指導していますが、どうしても残食が出ます。子どもたちはそれを給食バケツへ戻していきます。自分の学級だけでなく、学校全体から集まった残食が最終的にはどれほどの量になるのか。これが世界の食料ロス問題にどのように関わっているのか。このようなことを、学校だけにとどまらず、社会や地球上で生活する者の一員として考える学習を令和四年度から全小中学校で計画的に進めていきます。 施政方針でもありましたように、本市では、令和四年度から、給食等の食物残渣を発酵・分解して堆肥としてリサイクルする装置を各小学校に設置します。自分たちの出した残渣をリサイクルするという実践的な取組をスタートとして、児童・生徒が食品ロスや環境問題について実体験を通して考える学びをつくっていきます。そして、そこから自分自身の生活の仕方を見直すことにつなげ、これまでの食育をさらに環境教育、環境活動へと発展させていきます。 また、令和四年度からの
給食費公会計化実施により、台風による警報や感染症などによる休校、学級閉鎖でどうしても調理ができず、大量に残ってしまう食材をフードバンクや地域子ども食堂に活用するシステムづくりに取り組みます。これからは、学校単体でなく、地域の方々も参加できる資源リサイクル活動を取り入れながら、地域の社会の中で、身近に環境問題について考えていける学びを展開し、持続可能な未来社会をつくる力を地域ぐるみで、そして天理市全体で育んでいきます。 以上です。
○議長(
大橋基之議員) 鳥山議員。
◆六番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 来年度、本当に学校が地域コミュニティの中心となって動き出すという大きな年になるかなというふうに思いますし、この方は期待も大きいと思います。情報発信の方をきめ細かくしていただきながら、どうかこのことが、前を向いて、どんどんと加速的に進むことをお願いして、一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(
大橋基之議員)
藤本さゆり議員。 〔十二番
藤本さゆり議員 登壇〕
◆十二番(
藤本さゆり議員) 議長のお許しを頂きましたので、質問通告書に従いまして一括質問方式で質問させていただきます。市長並びに関係部局におかれましては、的確な、そして希望のある答弁を頂けますようよろしくお願いいたします。 初めに、
新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々と御遺族の方々にお悔やみ申し上げます。また、感染されて闘病中の方々の一刻も早い回復をお祈り申し上げます。また、感染リスクに向き合い、社会生活に必要不可欠な仕事に就かれている皆様に心から敬意を表しますとともに、感染拡大防止に御協力いただいている全ての市民の皆様に感謝を申し上げます。 そして、現在、ロシアとウクライナの不幸な関係、戦争でお亡くなりになられた方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、一刻も早く戦争が終結し、平和な日が戻りますよう、祈願いたしております。併せて、ここで確認をしなければいけないことは、この戦争は決してロシアとウクライナの問題だけではないということです。ガソリンの高騰、日常品や食料品等の物価の上昇は、これからの私たちの生活に不安と緊張の中に落とし込め、厳しい生活を余儀なくされています。 一方で、
新型コロナウイルスがきっかけとなり、テレワークの普及など、働き方の多様化に拍車がかかり、都市部から地方への移住・定住に関心が高まりつつあり、地方での多様な暮らし方が注目されています。それは、天理で生きる私たちのみならず、現代に生きる人々がそれぞれの地方や地域の在り方を考えるチャンスが到来しているとも言えます。 現在、本市の高原地域では、持続可能な循環型の里山暮らしの実現を目指す「大和高原福住村プロジェクト」が始動されています。自然豊かな里山の魅力、地域資源を活用し、新たな生業、良質な雇用の創出を図るとされているこのプロジェクトにおいて、農業や就農支援の取組及び地域での働く場の創出、就業支援の取組についてお伺いいたします。
○議長(
大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) ただいま藤本議員に御質問いただきました大和高原福住村プロジェクトについて御説明をさせていただきます。 福住校区は、かつて福住村でありまして、天理市に統合されたわけなんですけれども、その最後の人口統計は約二千五百名ほどいらっしゃいまして、それがいま一千百名ほどに減少しているわけでございます。これは、やはり高度成長期に就職を機会に多くの方が住居を地域外に移されて、そのままなかなかお帰りになっていないということも影響しておりまして、その中で、空き家の増加あるいは農業の後継者不足、耕作放棄地の拡大といった地域課題というのが顕在化をしております。そうした中で、今般、地域と、また、私ども行政、民間の皆様方が連携・協力し、自然豊かな里山の魅力、地域資源を生かすことで、持続可能な循環型の里山暮らしの実現を目指したいということで、中学校の利活用を軸に取組を進めております。 去る二月に、協力事業者である良品計画に加えて、地元農家、高原地域を拠点とする生産者、市内企業、大学等の団体、地元自治会代表者で構成する会議体を発足させました。こちらにおいて、三月に実際に中学校の校舎を活用したイベントの実施も予定をしております。一方で、本プロジェクトは、中学校の跡地のみのことではなくて、やはり地域の農業あるいは豊かな山をどう守っていくのかというのも大きな課題でございます。福住校区は、下山田の一部地域を除いて、圃場整備ということも進んでおりません。今般、地域では圃場整備あるいは特定農業振興ゾーンの申請ということも踏まえて取り組んでいただいております。 また、個々人の努力で農地を守っていくことは非常に難しいという現実がございまして、農業委員あるいは農地最適化委員の皆さんも、この福住村プロジェクトの地元説明を全て一緒に回っていただき、今後、集落営農組織の立ち上げに向けて取り組んでいこうじゃないかと、こういったことも検討いただいております。やはり重要なのは、では、何をつくって、どういう形で販路を開拓していったらいいんだというところが鍵になるわけでございますけども、今般は良品計画あるいは市内の企業にも一緒になってこれを考えていただいておりますので、そういった皆さんのノウハウを活用しながら、農産品の加工であったりとか販売も見据えたような形で、地域の農業振興に努めていきたいと考えております。
○議長(
大橋基之議員) 藤本議員。
◆十二番(
藤本さゆり議員) ありがとうございます。 お聞かせいただいた福住村が、自然と調和したバランスのとれた人間社会をつくり出すきっかけとなり、一方では、たとえば高原地区で収穫されたお米でつくられた手作りかき餅は、里山の特産品としてもブランド化できる商品としてつながり、人気商品になり得る可能性が高いと私は思います。こういった福住のお米の価値を上げることにより、就農や天理市における自給率が高まり、食料安全保障にもつながると考えます。新時代の働き方の提案などを含め、この地区からたくさんの地場産業のブランド化を図るとともに、各地域社会の雇用や暮らしなどを発展させ、さらなる天理市の活性化につなげていっていただければと考えます。住んでみたい、住みやすい、住み続けたいと感じていただける天理の魅力をさらに発信していただきたいと思います。本当にありがとうございました。 以上をもちまして一般質問を終わらせていただきます。
○議長(大橋基之議員) 次に、八番、今西康世議員。 〔八番 今西康世議員 登壇〕
◆八番(今西康世議員) 議長のお許しを頂きましたので、ただいまから一問一答方式で一般質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず一つ目、街路樹について、続きまして、ハイリスク妊婦(多胎妊娠)について質問いたします。 まず、街路樹についてであります。 街路樹の多くは、市街地の道路に沿って複数並んで立っていることが多いので、そうした街路樹群を市街並木と呼ぶこともありますが、まちの美観の向上や道路環境の保全や歩行者等の日陰を提供することなど、役割や目的を持っています。天理市の街路樹の美しさは全国でも有名で、特にイチョウの葉が黄色に色づく頃には、たくさんの方が写真を撮りに来られたり、景色を楽しまれています。特に、勾田櫟本線、南大路線、守目堂線、川原城下滝本線などは、イチョウの黄色の葉のときも緑の葉のときも市民を楽しませてくれます。また、長柄運動公園前や西長柄町、そして三島勾田線などの桜並木は大変美しく、毎年三月末から四月はとても楽しみです。 天理市の街路樹には、ナンキンハゼ、アメリカフウ、トウカエデ、ケヤキ、ヤマモモなど約六種類が選ばれ、合計二千九百二十八本植えられています。これらの樹木は、景観の向上はもちろんのこと、騒音の低減、大気の浄化など、生活環境の保全にも役立っています。そのほか、直射日光を遮ったり、暑さを防いだり、緑陰形成もしてくれます。また、歩道と車道の分離や、路上駐車防止など、交通安全にも役立っています。 特に、環境問題では、維持管理によって排出される分を考慮する必要もあるかと思いますが、二酸化炭素を吸収してくれる街路樹もあります。このようなことから、街路樹のまずはよい方の影響についてお伺いいたします。
○議長(大橋基之議員) 市長。
◎市長(並河健) 今西議員の御質問にお答えをさせていただきます。 いま大変詳しく御紹介いただいたところでございますけれども、本市の市道では、約二十路線において街路樹の植栽を行っておりまして、本市のシンボル的な存在となっておりますイチョウをはじめ、サクラ、トウカエデなど、約三千本の街路樹が植栽をしております。これらの街路樹は、都市計画道路の整備の際に植栽されたもので、おおよそ三十年以上が経過しているものがほとんどでございます。街路樹の植栽により道路を緑化することで、修景による景観向上機能、また、御指摘も頂きましたCO2等の温室効果ガスを削減する効果、騒音の低減による沿道の生活環境保全機能、また、ヒートアイランドの抑制や、休憩・休息空間を提供する緑陰形成機能、ドライバーの視線誘導や歩車道の分離を行う交通安全機能など、多様な機能というものが街路樹には期待をされるところであります。 本市の街路樹は、植栽後三十年以上経過ということから、これらの機能は十分発揮されており、特に景観面では、春先の桜に加えて、秋口のイチョウ、トウカエデは多くの市民の皆さんがその景色を楽しんでおられます。とりわけ市役所前から天理教本部前までのイチョウ並木は、SNSで紹介されるなど、全国でも有名なスポットとなりつつありまして、天理市の知名度向上にも貢献をしてくれております。
○議長(大橋基之議員) 今西議員。