• "小竹知子"(/)
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  1. 札幌市議会 2014-10-03
    平成26年(常任)文教委員会−10月03日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成26年(常任)文教委員会−10月03日-記録平成26年(常任)文教委員会  札幌市議会文教委員会記録            平成26年10月3日(金曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時 ○宗形雅俊 委員長  ただいまから、文教委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、議案第18号 札幌市子ども・子育て支援法施行条例案、議案第20号 札幌市幼保連携型認定こども園の設備及び運営の基準に関する条例案、議案第21号 札幌市児童福祉法施行条例の一部を改正する条例案、議案第22号 札幌市保育の実施基準に関する条例を廃止する条例案及び陳情第139号 子ども・子育て支援新制度の実施に関する陳情を一括議題といたします。  陳情第139号は、本日が初審査でありますので、提出者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時1分       再 開 午後1時7分     ―――――――――――――― ○宗形雅俊 委員長  委員会を再開いたします。  質疑に先立ち、理事者から補足説明を受けます。 ◎浦屋 子ども育成部長  私から、子ども・子育て支援法に基づき、札幌市が定めることとなります教育・保育施設等の設備・運営基準に係る条例案として、議案第18号、第20号から第22号までの説明をさせていただきます。  まず、お手元の資料の1ページ目の左側上段の表でございますが、今回提出させていただきました条例案は、新たに定めるものとして、札幌市子ども・子育て支援法施行条例と札幌市幼保連携型認定こども園の設備及び運営の基準に関する条例、一部改正するものとして札幌市児童福祉法施行条例、廃止するものといたしまして札幌市保育の実施基準に関する条例の四つとなります。  次に、条例案の基準策定に当たっての基本的な考え方についてです。  その下の表でございますが、札幌市が条例で定める基準につきましては、国の基準を基本とし、保育の質を確保するために、必要な項目については国の基準に上乗せを行うこととしております。各基準案についてご説明させていただきますが、国基準から上乗せを行った項目等を中心にご説明させていただきます。
     最初に、資料2ページの左側でございます。  議案第18号 札幌市子ども・子育て支援法施行条例の教育・保育施設等の運営に関する基準案についてですが、こちらは、施設や事業の運営に当たっての基本的な事項を定めるものであることから、国の基準どおりとしております。  次に、資料2ページ目の右側の札幌市幼保連携型認定こども園の設備及び運営の基準に関する条例でございます。  まず、乳児室の面積でございますが、国の基準では1人当たり1.65平方メートル以上のところ、3.3平方メートル以上に上乗せを行っております。これは、現行の札幌市の保育所基準と同様の基準となります。  次に、食事の提供方法ですが、国の基準では、満3歳以上の子どもへの食事については外部搬入を可能としておりますが、これを、原則、自園調理とする上乗せを行っております。ただし、札幌市では、幼保連携型認定こども園の設置を進めていくため、既存の幼稚園から当該認定こども園に移行する場合には、特例的に栄養士等を配置し、一定の要件を満たす場合に限り、食事の外部搬入を認めることとします。また、全ての子どもへの食事の外部委託は、現行の札幌市の保育所基準と同様に、栄養士等を配置し、一定の要件を満たす場合は可能といたします。  次に、3ページに移っていただきまして、園庭、職員配置でございます。  こちらは、国基準どおりとしております。  次に、議案第21号 札幌市児童福祉法施行条例地域型保育事業関連でございますが、資料では3ページの右側をごらんいただきたいと思います。  まず、小規模保育事業の設備及び運営基準案についてです。  面積、食事の提供、職員配置は、基本は国の基準どおりとしておりますが、給食の外部委託については、保育所基準と同様、栄養士等の配置の上乗せを行っております。  次に、保育士の資格割合です。  A型は国の基準どおりとし、B型、C型はそれぞれ上乗せを行っております。B型につきましては、現在、補助事業として実施しているさっぽろ保育ルームB型が保育士3分の2以上としており、一定の質が確保されておりますことから、国の基準では保育士2分の1以上のところ、3分の2以上とする上乗せを行っております。C型の国の基準では、家庭的保育者は必ずしも保育士資格を必要としておりませんが、札幌市の基準案では、保育士資格を有することを要件とする上乗せを行っております。これは、保育士の資格割合は保育士が2分の1以上となり、現行の札幌市の家庭的保育事業と同様の基準となりますことから、一定の質が確保された保育を実施できるものと判断させていただいております。  次に、資料の4ページの左側をごらんください。  家庭的保育事業の設備及び運営の基準案についてです。  面積、職員配置につきましては、国の基準どおりです。給食の外部委託につきましては、保育所基準と同様、栄養士等の配置の上乗せを行っております。  次に、従事者についてです。  国の基準では、家庭的保育者は必ずしも保育士資格を必要としておりませんが、札幌市の基準案では、こちらも小規模保育事業C型と同様に保育士資格を有することを要件とする上乗せを行っております。  次に、その下の事業所内保育事業についてです。  定員20名以上の乳児室の面積でございますが、国の基準では1人当たり1.65平方メートル以上のところ、現行の札幌市の保育所基準と同様に3.3平方メートル以上に上乗せを行っております。  次に、資料の右側をごらんいただきたいと思います。  給食の外部委託についてでございますが、こちらも、保育所基準と同様、栄養士等の配置の上乗せを行っております。また、保育士の資格割合でございますが、20名以上は国の基準どおりとし、19名以下は、小規模保育事業B型と同様に、国基準で保育士を2分の1以上のところを3分の2以上とする上乗せを行っております。  同条例の最後となりますが、4ページ目の下段の表の居宅訪問型保育事業の設備及び運営の基準案についてでございます。  こちらは、全て国の基準どおりとさせていただいております。  次に、議案第21号 札幌市児童福祉法施行条例放課後児童健全育成事業)のご説明をさせていただきます。  資料の5ページ目をごらんいただきたいと思います。  まず、総則につきましては、国と同様の内容としておりますが、一般原則として、暴力団排除に関する規定を市独自に設けたところでございます。  次に、設備につきまして、こちらも国と同様の内容としておりますが、面積基準に関しては、これにより受け入れ定員が定まることで現在の利用者が制限されることなどがないよう、経過措置を設けさせていただきました。職員及びその他の運営に関する基準につきましては、国基準どおりとなっております。  なお、これらの各基準案は、学識経験者保育関係者公募市民等から成ります札幌市子ども・子育て会議でのご審議や市民の皆様から寄せられたご意見を踏まえて策定させていただきました。  最後になりますが、議案第22号 札幌市保育の実施基準に関する条例の廃止についてでございます。  資料は、5ページの右側となります。  こちらは、保育に欠ける子どもの要件を国が規定したことにより、保育の実施基準を条例で定める必要がなくなったことにより、廃止とさせていただくものです。 ○宗形雅俊 委員長  それでは、議案4件及び陳情に対して、一括して質疑を行います。 ◆小竹知子 委員  私からは、放課後児童クラブ基準条例における札幌市独自の規定について質問いたします。  私の手元に国の省令がございまして、札幌市の条例案と国の省令を照らし合わせてみたところ、国の省令には、市町村は最低基準を常に向上させるように努めるものとすると規定されているのですが、札幌市の条例案ではこの部分が規定されておりません。また、先行しているさいたま市放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準に関する条例でも、市長は最低基準を常に向上させるように努めるものとすると規定されており、主体が市長とか市町村となっていますが、札幌市は当該箇所が規定されておりません。  札幌市として、国が示す基準を基本とするという考え方の中で、この規定を盛り込まなかった理由について伺います。 ◎浦屋 子ども育成部長  最低基準の向上という規定を条例に盛り込まなかった理由でございます。  省令において、市町村は最低基準を常に向上させるよう努めるものという定めがございますが、これは、条例で定めることとされている事業者等への基準となる項目というよりも、自治体に対し、これらの基準を管理していく上で留意すべき事項として規定されているものというふうに認識させていただきました。したがいまして、条例案においては改めて規定はしておりませんけれども、市民ニーズや社会状況の変化などにより最低基準の向上が必要となった場合には、速やかに見直しを検討してまいりたいというふうに考えております。  なお、現行の児童福祉法施行条例で定める児童福祉施設の設備及び運営に関する基準であるとか、今回、ほかに定めさせていただきました家庭的保育事業等でも、そういう認識のもと、条例化をしなかったということでございます。 ◆小竹知子 委員  この規定が盛り込まれるかどうかということについて、例えば、子ども・子育て会議の場所などで議論とか審議されたことはございますか。 ◎浦屋 子ども育成部長  子ども・子育て会議でご審議いただいた時点ではまだ省令が出されておりませんでしたので、その時点での議論は行っておりません。ただ、その後、3月、4月に市民意見等を募集させていただく中では、このような状況も説明させていただいたところでございます。 ◆小竹知子 委員  そういったいきさつがあることは今お聞きしましたけれども、結果的には、やはり、議論や審議が見えない中で決まってしまったことに対して、事業者側は大変不安に感じているともお聞きしております。このことについては、全く俎上にのせることなく規定に盛り込まれなかったといったような印象をお持ちのようですので、これからはそういったことでご意見をいただくような機会があるといいかなと感じました。  続きまして、経過措置について質問いたします。  札幌市の児童クラブでは、年々、登録児童数がふえていますが、ミニ児童会館の中には1教室分の広さしか確保できていないところもあるため、過密化していると聞いております。こうした中、今回、面積基準について経過措置を設けております。待機児童を発生させないように、現在の利用者への配慮などからやむを得ないところもあるとは考えますけれども、一方で、この規定を設けることによりまして、今の過密な状況がそのまま続いてしまうのではないかということも懸念しております。  そこで、質問ですが、経過措置について、期限を定めずに当分の間とした理由を伺います。  また、この基準条例放課後児童クラブの質の向上を目的とするのであれば、なるべく早い時期に適正な面積を確保すべきものと考えますが、いかがでしょうか。 ◎浦屋 子ども育成部長  面積基準経過措置についてでございますが、札幌市の放課後児童クラブは、平成26年4月末の時点で、登録児童1人当たり1.65平方メートルの専用区画が確保できていないクラブが全体の3分の1程度ございます。面積の確保のためには、各施設の個々の状況に応じてそれぞれ検討する必要があるというふうに考えておりますので、即座にこれら全てを解消することは困難だというふうに判断させていただいております。  また、一部の児童会館では建てかえ時期を迎えておりまして、再整備に当たっては、建設費の削減とか施設の効率的な利用という観点から、学校等との併設も基本的には検討したいというふうに考えております。そのため、学校の改築時期などとも調整を図る必要があると考えたことから、当分の間というふうに経過措置を設けさせていただきました。  しかしながら、札幌市といたしましても、快適な環境をなるべく早期に確保することは重要なことと考えておりますので、過密化している児童クラブの解消の対応策について早急に検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆小竹知子 委員  最後になりますけれども、過密化は、児童クラブだけの問題ではなく、民間児童育成会の中でも、児童数がふえて、その解消について悩んでいるところがあると聞いております。こうした民間児童育成会も含めて、対策の検討について取り組むことを強く求めたいと思います。また、子ども一人一人が安心して、そして充実して過ごすことができる放課後の居場所づくりのために努力されている民間児童育成会と理解を深めていく必要があると思いますので、そのこともあわせて強く求めまして、私の質問を終わりたいと思います。 ◆小川直人 委員  私からも、何点か質問させていただきたいと思います。  まず最初に、子ども・子育て支援新制度の開始に伴う幼稚園の移行状況についてお伺いいたしたいと思います。  国の子ども・子育て支援新制度の平成27年4月1日の実施に伴い、市町村が定めることになっている教育・保育施設の設備・運営基準の要件を条例で定めるものが今回の議案となっております。その中身は、国基準であったり、一部では国基準の要件に上乗せする、そして、経過措置を設けるといった内容であります。来年4月からの新制度開始に向けて、行政側の準備はもちろんでありますけれども、現在、保育所や幼稚園など事業者側も準備に追われていると伺っております。  ただ、保育所はともかく、幼稚園の多くが新制度に移行しないとの報道がされておりまして、さきの札幌市子ども・子育て会議で提示された資料でも、市内幼稚園約130園のうち、30園程度しか移行しないことになっております。  そこで、質問ですけれども、札幌市としてこの現状をどう考えているのか、また、全部とはならないと思いますが、幼稚園を新制度にどの程度移行させていきたいのか、そして、移行について今後の見通しをどのように持っているのか、お伺いいたします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  ただいまの幼稚園の新制度への移行について、現状に対する認識と今後の見通しの2点についてお答えいたします。  まず、現状に対する認識でございますけれども、9月17日に行われました国の子ども・子育て会議におきまして発表された幼稚園の新制度への移行割合は約22%でございまして、それと同じときにカウントした段階では札幌市では約23%でございます。今回、認定こども園への移行も含めますと約31%が移行するという結果になっておりまして、国と比較しても平均的な水準であろうと認識しているところでございます。  この件につきまして、幼稚園関係者からは、移行の判断を求められた時点では不確定な事項が多く、平成27年度からの新制度移行に踏み切れない園が多いという話も伺っているところでございます。この移行につきましては、事業者の判断によるところでございますけれども、事業者が移行について適切に判断できますように、今後、新制度の内容に関する情報提供に努めてまいりたいと考えているところでございます。  2点目の今後の見通しについてでございますが、今回実施いたしました意向調査におきましても、平成28年度以降、新制度に移行したいと希望している園もございます。新制度開始後も、幼稚園に対しては、毎年、意向を確認することが国から求められておりまして、引き続き適切な情報提供に努めることで、制度への理解が深まり、新制度への移行が進むものと期待しているところでございます。 ◆小川直人 委員  今、札幌市の移行状況はほぼ全国並みの状況だという報告でした。  私は、先日、厚別区の私立幼稚園に行ってちょっとお話を伺ってきました。今回の制度はちょっと複雑で難しい、いろいろなところが変わるので、どう判断していいのか悩んでいるというお話でした。聞いた話では、規模が小さい園は今までより運営費に対する支援がふえると感じているようでありますけれども、一定規模より大きくなると現状よりも減ると心配されている園がありましたり、また、そうではなくて、規模が大きくても運営費は十分確保できると判断されているところもあるということでした。  ただ、今言われたとおり、預かり保育など制度全体がまだ明らかになっていない部分がありまして、最終的な形もまだ見えていないという状況だというふうに私は認識しております。そういった中で、今、経営者に非常に難しい判断を迫っているのかなとも感じてきました。そこで、新制度への移行に向けては、これから正確な情報を迅速に出してもらいたいし、また、専門の事業者だけではなく、父兄にもわかるような情報や資料の提供をぜひお願いしたいと思います。あるところでは、園長、あとは、お願いしますよと判断を任されたところもあるそうで、皆さんは相談をされてもなかなか判断がつかないのが現状だそうです。そういったこともあるので、情報提供については、ぜひわかりやすく丁寧に説明をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。  次に、放課後児童健全育成事業民間事業者への対応について質問いたします。  我が会派においても、札幌市学童保育連絡協議会の方から陳情をいただきました。そして、ぜひ、民間学童保育所を見て実情を知っていただきたいという申し入れがございまして、私の会派の白石区と厚別区のメンバーが、私の地元の厚別区の学童保育所に行って見せていただきました。学童保育所の皆さんは、運営していく上で大変な苦労をされているということをいろいろなお話を聞いて率直に感じましたし、市に対する要望についても、今回は膝を交えていろいろな話を聞かせていただきました。  その中で、今回制定する基準条例についてですが、札幌市の児童クラブだけではなく、民間児童育成会にも適用されることになるため、どのような影響が出るのか、非常に高い関心を持っております。特に、児童福祉法の改正によりまして、民間児童育成会以外の民間事業者も、基準を満たせば届け出をすることで放課後児童クラブの運営が可能となるといった点であります。そうなりますと、今後、学習塾やスポーツクラブなど営利を目的とした企業も参入することが可能になってくると思っております。  そこで、質問ですけれども、条例施行後の円滑な運営に向けて、民間事業者に対して今後どのように内容を周知していくおつもりなのか、また、放課後児童クラブへの企業参入についてどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いいたします。 ◎浦屋 子ども育成部長  まず、民間事業者等に対する周知という点についてでございますが、札幌市が助成する民間児童育成会の関係者だけでなく、今後、新たに放課後児童クラブの運営を検討している事業者からも問い合わせをいただいており、非常に関心が高いというふうに私どもも認識させていただいております。  条例の制定後は、民間児童育成会関係者向けに説明会を開催するとともに、民間事業者に対しても説明の機会を設けるなど、基準に基づく運営が行われるように丁寧に周知に努めてまいりたいと考えております。  また、企業の参入ということでございますが、国では、企業参入による事業の提供体制の整備につきましても、地域の実情に応じて必要というふうな見解を示しているところでございます。札幌市内でも、英会話塾などが留守家庭児童の受け皿として運営しているような実態もございます。今後は、民間企業を含む多様な運営主体による事業の実施がふえていくことも想定されておりますので、こうした事業者に対しましても、札幌市へ適正に届け出をしていただき、今回制定する基準を遵守いただくことで、保護者が安心して利用できる環境をつくってまいりたいというふうに考えております。 ◆小川直人 委員  民間企業も参入するということで、国としても地域の実情に応じて必要だという見解が出ているという今の部長のお話でありました。  民間企業が参入してきて、それによって選択肢がふえることについてはいいことだと私は思うのですけれども、一方で、これまで、長年にわたり、働きながら子育てをする保護者を支えてきたのは民間児童育成会だと思います。そういった今までの功績をぜひ忘れないで、これからの取り組みにもぜひ生かしていただきたいというふうに思っているところでございます。  また、民間児童育成会を取り巻く状況は、先ほどもちょっとお話ししましたが、大変厳しい状況で運営をしています。現状においても、指導員の確保が難しいといったようなさまざまな問題も抱えているようでありますし、指導員の処遇改善も何とかしてあげたいけれども、なかなかできないのが現状ですというお話でありました。そして、場所によっては、昭和40年代に建てた古い建物で運営していたり、プレハブで運営しているところがあったり、高い家賃の立派なところに入って運営をするのがなかなか難しい状況なので、大家のご配慮によって安い賃貸料で運営しているというお話も伺いました。  このようにぎりぎりの中で運営しているのですが、今回、基準が定まりますと、建物の改造や新たな賃貸物件を探さなければならないなど、新たな財政負担が生じる可能性があると、この基準を読み取って率直に感じました。そして、今言ったとおり、ぎりぎりでやっている関係者は、条例施行後の運営について大変な不安を持っております。古くて狭いところではだめなのか、基準に合うところを探さなければならないのではないか、また、負担もふえてくるのではないかといったご不安でした。  そこで、質問ですけれども、今後の民間児童育成会への支援に対する考え方についてお伺いしたいと思います。 ◎浦屋 子ども育成部長  今後の民間児童育成会への支援ということでございます。  札幌市といたしましては、これまでも、家賃補助等の助成金を市独自で行ってきたり、また、国の補助基準が増額されたような場合には、翌年から対応して支援を継続してきたところでございます。こうした助成金や保護者からの会費などによって収入状況を勘案する中で、各民間児童育成会がそれぞれの基準及び実態に応じて必要な対応を講じていただきたいというのが基本的な考えでございます。  ただ、来年度からの新制度実施に向けて、国でも新たな放課後対策の支援につきまして検討を進めていることもございますので、札幌市としても国の動向等を注視してまいりたいというふうに考えております。 ◆小川直人 委員  最後に、要望で終わりたいと思います。  今、部長から、民間児童育成会の役割については評価しているといった回答があったところです。  私も現場に行って率直に聞きましたが、家庭的な雰囲気の中で子どもたち一人一人に寄り添いながら支援する民間児童育成会というのは、利用している父兄のニーズに合っているから、1万5,000円ぐらいの利用料を払っても子どもたちを通わせているのだろうというふうに思いました。ですから、これからいろいろな民間の参入があろうかと思いますけれども、民間児童育成会のシステムを引き続き大事にして運営できるように、市としてもぜひサポートしていただきたいということを要望しておきたいと思います。  それから、もう一つありまして、保育緊急確保事業のことです。放課後児童クラブの関係ですが、今、市のほうで検討されているようで、この説明会が7月29日に子ども未来局でありました。しかし、その後どうなっているのかという話がございまして、今回、これも質問しようかと思ったのですが、議案外の件なのでやめることにします。  ただ、説明会では11月に事業が開始というふうに聞いておりまして、日にちも迫っております。民間学童保育所の皆さんは、説明会が終わって、実態調査もされているので、当然、この事業を実施するということで現場は準備に入っておりました。ですから、この前、原局のほうで聞いたニュアンスとちょっと違うなと感じてまいりました。これは、日にちがないことなので、後の決算特別委員会の場で議論をしたいと思っていますので、ぜひ、それまでにきちんと整理をするなり、場合によっては早目に市の考え方を事業者へ伝えるなり、混乱のないようにしていただきたいと思います。  そのことを要望して、質問を終わります。 ◆坂本恭子 委員  私は、陳情が出されておりますので、それに基づく形で何点か質問したいと思います。  議案としては、条例も提案されておりますけれども、陳情の中では、子ども・子育て支援事業計画策定に当たってということで1項目あるものですから、このことについて伺いたいと思います。  第7回札幌市子ども・子育て会議が9月25日に行われておりますけれども、この計画策定についてはその中でも議論がされております。そして、今後、5年スパンの事業計画が立つと聞いておりますが、事業計画策定の今後のスケジュールが一体どういうふうになっているのか、市民や議会の前にどのように示され、議論されて決まっていくのか、この点についてまずお聞かせいただきたいと思います。 ◎浦屋 子ども育成部長  事業計画策定のスケジュールでございますが、パブリックコメント前の計画の素案につきまして、平成27年1月中の確定を目指しまして、現在、子ども・子育て会議からの意見も聞きながら作業を進めさせていただいております。また、計画素案の議会へのご報告でございますが、これは、素案確定後、パブリックコメントに付す前に、速やかに文教委員会で説明させていただきたいと考えております。また、最終的な計画の確定は、明年、平成27年3月下旬ごろを予定しておりまして、確定した計画につきましては、改めて文教委員会へご報告させていただき、その後、公表させていただきたいというふうに考えております。 ◆坂本恭子 委員  先ほど、陳情者からもお話がありましたけれども、今回の支援新制度は、法律ができる段階から二転三転して、民主党が提案し、自民党、公明党が修正を加えるというような形でかなり複雑なものになってきています。そういう中で、事業者はもちろん、保護者、親御さんたちは非常に混乱と不安を抱えているような状況にあると思います。  説明会もやっと開かれましたが、各会場は満杯状態で、いろいろな質問も相次いでいるというふうに聞いております。やはり、今度の制度がどういう形で札幌市が示すのか、基準はどういうものになるのかということなども含めて、事業計画についてはもちろん、条例の中身についても、本当に多くの方たちに知らせていかなければなりません。中身の議論はさておいても、新制度について知らない市民が大変多い上に、施行まで本当に時間がありません。そういう中で、どのように周知をしていくのか、伺いたいと思います。  それから、もう1点、先ほども、幼稚園から認定こども園への移行の状況について、札幌市では全国平均並みに31%が移行するということでした。そもそも今回の新制度ができてきた最初のお話というのは、少子化で経営が厳しい幼稚園、待機児童がふえ続ける保育園、この二つの箱をどうやって合体させて合理的、効率的に運営させていくのかというところにあったというふうに私は思っています。ですから、仮に認定こども園への移行が少ないということになると、当然、認可保育所の増設などもしていかなければならないと思うのですが、この受け皿となるべく、今回の新制度で設けられる認定こども園について、待機児童、保育のニーズ量の調整が本当にうまくいくのかどうかが気になっております。  そこで、潜在的な保育ニーズはこれからもまだまだ掘り起こされてくるだろうと思うものですから、それにどのように応えていくおつもりなのか、計画の中にどういうふうに反映させていくおつもりなのか、ここをお聞かせください。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  新制度の周知の関係とニーズ量の確保の2点について、私からお答えさせていただきます。  まず、新制度の周知の関係でございます。  新制度が始まりますことにより保育料などが変更になりますので、幼稚園や保育所などの入園手続について、これまで利用者への周知に努めてきたところでございます。まずは、新制度が始まることをお知らせするチラシ、また、幼稚園や保育所などの利用手続が変更になることをお知らせするパンフレットを作成させていただきまして、幼稚園、保育所、認定こども園、さらには、区役所、保健センター、ちあふる、子育てサロン等でも配布させていただきました。また、9月には、これから幼稚園などを利用しようとしている保護者を対象にして、各区において合計11回の説明会を開催させていただき、延べ1,700人ほどにご参加いただいたところでございます。さらには、広報さっぽろ9月号に引き続いて10月号でも利用手続や保育料が変わることについてのお知らせをすることとしておりまして、今後とも、ホームページへの掲載、また出前講座などを実施するなど、さまざまな機会を通じて新制度の周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。  2点目のニーズ量にどう応えていくかという点についてでございます。  保育所や幼稚園を利用したいというニーズに対しましては、まずは既存の施設の有効活用を図っていきたいと考えておりまして、具体的には、認定こども園への移行、また、認可外施設から認可施設への移行等でまずは供給量を確保していくことを考えていきたいと考えております。これによってもなお供給量が不足する場合には、新規施設、また、事業によって供給量を確保していきたいと考えております。  今回策定している計画の中では、昨年行いましたニーズ調査によりまして、今のニーズでは既存施設を活用しても1歳、2歳の供給量はやはり不足するという結果が一旦出ているものですから、これについては、小規模保育事業等の新設により必要な保育量を確保していきたいと考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  周知についてはいろいろやってきていることと、説明会も11回やって約1,700名が参加しているということで、各会場が満員だったことは私も聞いていたとおりです。陳情者からは、パンフレットなどもつくってもっと積極的にというお話もありました。チラシだけでは足りないということだろうと思いますので、周知については、より積極的に機会もつくって、あるいは、父母会などで呼ばれたときには出前講座などという手法もあろうかと思いますので、そういうことも含めて対応していっていただきたいということを求めておきます。  それから、保育ニーズについてですが、既存施設で賄えない場合については、認可外から認可への移行、認定こども園はもちろんのこと、新しい保育事業ということで、今、小規模保育事業のお話が出ました。  そこで、次の補正予算のところにこの小規模保育事業の補正予算がかかってくるのですが、若干、そこに立ち入って何点か質問させていただきますので、ご了承ください。  小規模保育事業は三つに分かれていて、全員が資格を持っているもの、それから、国基準に上乗せで、3分の2以上というものなど、それぞれの資格者数の基準が設けられています。
     小規模保育における人員の配置基準は、そもそも国基準では6名に対して1人でしたか、すぐに資料が出てこないのですが、ほかの自治体では配置基準自体をもっと濃くして保育士1人が見る子どもの数を少なくする条例を持っているところもございます。札幌市は、上乗せをしていると言うけれども、全てが有資格者ではありません。少人数で家庭的な雰囲気ということも、家庭的保育がちょっと大きくなったようなイメージを持たれるのだろうと思うのですけれども、やはり、そこではしっかりとした保育が提供されなければならないということがあります。ですから、私は、幾ら小規模保育と言いましても、札幌市として、国基準に捉われることなく、ここは全ての方たちに資格を持っていただくことが大事だろうと思います。  あわせて、子どもに対する配置基準についても見直していくべきだ、今回の条例の中に盛り込んでいくべきだというふうに思うのですけれども、その点についてはどういうふうにお考えなのか、まず、そこが1点です。  それから、待機児童を解消するために、小規模保育事業も含めて774人分の民間保育所を増設するという話でしたけれども、要件のところを見ますと賃貸となっております。そこでまず、土地を持たなくてもいい、建物も自己保有しなくていいということになるのでしょうかということの確認が一つです。  また、どういう立地でどういう条件の物件を想定しているのかということです。  さらに、国基準ということになりますけれども、園庭などについてはどのように考えているのか。  それから、先ほど、全国的に見ると4階以上の建物もあり、これは不安であるということが陳情者からも述べられました。原則は2階よりも下となっていますが、札幌市はそれには捉われないという基準設定になっていたと思うので、何階建ての建物の何階に入ることを想定しているのか、この点について伺いたいと思います。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  まず、小規模保育事業に関する質問でございます。  小規模保育事業の基準につきましては、厚生労働省におきましてA型、B型、C型の三つの型を定めており、各市町村は、国基準に基づき、それぞれの基準を定める必要があります。札幌市では、保育の質の向上を目的として保育士割合を国基準に上乗せするということで、B型は、国では保育士割合を2分の1以上としているところを3分の2以上、C型につきましては、国では一定の要件のもとに保育士以外でも可としておりますけれども、札幌市では2分の1以上としているところでございます。  札幌市といたしましては、保育の質をより高いものにするという観点から考えますと、小規模保育事業の中ではA型が最も望ましいと判断しているところでありまして、今後、小規模保育事業を募集する場合にはA型のみを対象にしたいと考えているところでございます。  続きまして、賃貸物件を活用した保育事業でございますけれども、まず、建物については、賃貸ということで10年の契約をお願いする形で整備することを考えているところでございます。  また、立地についてでございますが、今回の補正予算による整備におきましては、保育の需要や保護者の利便性を考慮いたしまして、交通利便性の高い地下鉄駅周辺等での整備を予定しているところでございます。  次に、園庭につきましては、賃貸物件であっても確保しなければならない原則になっておりますが、敷地内に確保できない場合は、一定の要件のもと、都市公園で代替することを認めているところでございます。その際も、当然のことながら、公園までの距離、公園の面積等も十分に審査して認可する予定でありまして、保育の質は確保されるものと判断しているところでございます。  続きまして、保育室の設置階の件でございますが、保育室は、原則、1階に設けることが望ましいと考えておりますけれども、2階以上に保育室を設ける場合については、避難経路の確保等の要件を満たしているかどうかといったことをきちんと確認して認可させていただいているところでございます。  次に、小規模保育事業の職員の配置基準につきましては、保育所の最低基準にプラス1名を配置するのが国の基準でございますが、そういった形で保育所より手厚く対応することができるのではないかと考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  まず、国基準が正解かという問題が一つありますね。それをどう評価するかということです。この間、保育団体などを中心に、学識者、関係者の方たちがさまざまな提言、議論をしていまして、国基準では不安ですというのがほとんどの皆さんのご意見です。それは、保護者もそうだし、実際に経営をなさる、運営をしていらっしゃる事業者たちも不安だと言っている、だから、自治体で条例化しなさい、あるいはできれば計画も持ちなさいという中で、自治体独自の上乗せ基準を設けてほしいというのが、今、全国で出されている声なのですよ。  ですから、札幌市の場合は若干上乗せするところもありますが、本来であれば、そこに応えて、全て資格を持っているとか、全て自園調理ができるとか、安心・安全ということを考えたら配置基準ももっと手厚くしていくことが求められているというふうに思いますので、そのことについて改めて申し上げておきたいと思います。  例えば、小規模保育事業、それから認可保育所もそうですが、今回は、利用者の利便性を優先して地下鉄駅周辺ということで、10年契約の賃貸物件でしょう。10年やったら手が引けるという状態を札幌市みずからがつくるということですよね。長い時間をかけて築き上げてきた札幌の保育行政は、いい面がたくさんあったと思うのです。そのことを、みずから、根底からひっくり返すような形でやるわけです。60人定員の認可保育所を11カ所つくろうというのでしょう。それは、全部、駅の近くのマンションとかオフィスビルの一角を使って、あるいはワンフロアを使ってやろうとしている。それも、本当は1階が望ましいけれども、2階、3階、それ以上でも仕方がないですよと言っているのですね。園庭も、条例を見たら300メートルと書いてあったと思いますが、これは実線で300メートルですか、それとも、直線で300メートルなのですか。そういうことも含めて、例えば、園庭がなくてもいいなどということは、本来の札幌の保育行政では考えられないことだったと思うのです。今、そういう大きな転換をやろうとしているということが多くの皆さんに知らされていないし、国会でのいろいろな議論の中でさまざまな不安が保護者の中に広がり、そして、今、いよいよ来年4月から移行していくという段階で事業者自身も混乱している、こういう状態です。  私は、幾ら国がやれと言ったからといって、こういうことは拙速に進めるべきではないというふうに思います。まして、賃貸の物件で、10年期限で、それから先はいつでも撤退できますよというようなやり方というのは、本当に子育てをする若い親御さんを応援することにはならないし、安心して子どもを産み育てるという環境をつくることにもならない。上田市長は、子どもの笑顔が輝くまちをつくりたい、日本一、子育てしやすい札幌市をつくりたいというふうにおっしゃっていたけれども、全くそこにも逆行する中身だというふうに思うのですが、当局としてそういう矛盾を感じないのでしょうか。  私は、昨年、横浜市で株式会社が運営している保育園を見てきました。もちろん中には入れませんでしたけれども、観光でも有名な馬車道通という交通量の物すごく多いところにある4階建てのオフィスビルを、保育園が丸ごと買い取って入っているのです。園庭と称する公園というのは直線距離で300メートルか400メートル先なので、駅を超えていくわけです。交通量の多い通りを、信号待ちしながらみんなで固まって歩いていきます。公園に行くまでに子どもの足で15分かかって、遊んで、また帰ってくる。そして、あってはならないことですけれども、帰る途中で、誰々ちゃんがいなくなった、わからなくなった、公園に1人置き忘れてきたのか、途中で事故があったのではないかと保育士が公園まで走って見に行く、こういう状態です。そして、暑いところですから、その保育園は、屋上にビニールプールを広げて、そこで水浴びをさせたりする。私は、これが保育かと思いましたね。札幌市もこういうことになっていくのかなと。横浜市は待機児童ゼロと物すごく持ち上げられているけれども、実際問題としてこういうことが起きているのですよ。  それから、先ほど陳情者からも話があったように、高架下に保育所がつくられています。本当に苛酷な場所だと思いました。外に立っているだけで電車の震動がするのですもの。そこにフェンスを張って、高架下で子どもたちが遊んでいるのですよ。そこも、やっぱりプールをつくって、そこで水遊びをさせている。札幌市でもこういうことをさせるのかと。それを決めるのが今回の条例ですからね。そういうことはあってはならないと思うのです。  改めて、設置基準などについては考え直すべきだと思いますがいかがか、伺いたいと思います。  もう1点は、保育料の問題です。  今回は、認定されると、就労時間によって8時間と11時間というふうに保育時間が切り分けられますが、この機に乗じてといいますか、この間は幼稚園保育料の議論がありましたけれども、まさか、保育料本体は値上げしないだろうねということです。  それから、8時間と11時間で保育料に差をつけることになっていますね。国では2%よりちょっと下がる程度の差をつけることになっていますが、先ほど陳情者からもありましたように、札幌市は8時間を超えた分については実費として延長保育のお金を取るという方針なのですね。そうなると、結局、保育料負担はふえていくことになってしまいます。また、それ以外の雑費や日用品費などでお金を取られていく可能性もありますが、その辺についてはどのようにお考えになっているのか、保育料の考え方も含めてお示しください。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  基準の見直しの関係でございます。  まず、賃貸の関係でございますけれども、最初の契約が10年というのは、基本的に、その段階で契約の更新が可能な物件を条件にしております。つまり、10年で終わりということではなく、保育所というのは安定的に経営していかなければなりませんので、まずは10年の契約という話で、当然、それ以降も使うことが前提でございます。  また、地下鉄など主要交通機関の周辺800メートル以内の場所であるとか、屋外遊戯場の話も敷地内や屋上に設けられればそれにこしたことはないですが、それではなかなか設置が難しい場合、また、都市公園といいましても面積がきちんと確保できるなど、3点が全てきちんと満たされている前提で要件の緩和を認めているということなので、基本的には、基準を見直すというよりも、基準は基準として適切に運用するということでございます。ただ、最近は土地の確保など厳しい部分もありますし、今回の補正予算につきましては、来年4月に待機児童ゼロを目指して定員を確保するということで、その整備の期間も考えて今回は賃貸で対応させていただいたところもございますので、そういった点を含めてご理解いただければと思います。 ◎福田 子育て支援部長  保育料につきましてお答えさせていただきます。  保育所の保育料につきましては、毎年、予算の中で決定しているところでございます。今回の制度の変更に伴って、札幌市として特に何かをするという考えは今のところはございませんので、これまでの延長線上での保育料の設定になろうかと考えているところでございます。  それから、保育時間の延長の関係でございますが、基本的には、地域の実情に応じて施設ごとに短時間の基本時間を8時間に設定していただくということでございますので、父母の方々の就労の状況等を踏まえて各施設で一番いい時間帯を設定していただき、極力、負担が出ないような対応を検討させていただきたいと思っています。 ◆坂本恭子 委員  10年契約は10年契約であって、更新は可能なのですというのは当たり前のことだと思います。まずはやらせてくれということですね。安定的に運営するのが第一だというふうに部長はおっしゃったけれども、やっぱりそこだと思うのですよ。賃貸で最低10年はやってくださいということになったら、事業者とすれば10年計画を立てますよ。10年の契約をして、15年や20年の計画を立てる事業者なんていると思いますか。まして、今回は、社会福祉法人だけではなくて、民間も含めた法人の参入が可能ということですから、これが営利企業、株式会社ということになったら、10年は10年できっちり元を取れるようにやらせてもらいますとなるのは当たり前でしょう。  それから、物件によっては、外的な要因で立ち退きがかかる可能性だってあるわけじゃないですか。そのときにはどこかに移転してやりなさいというのは札幌市と事業者との契約になるのだろうけれども、建物の老朽化の問題もあるだろうし、10年が20年、20年が30年ということにはなっていかないと私は思いますよ。賃貸物件で10年だからこそ、11カ所が来るかもしれないし、小規模保育事業も入るかもしれない、市だってそういう思惑でやっているのではないですか。  待機児童については、ことし4月の段階で323人というのが公式の発表になっています。それは、代表質問の中でも、今回の補正予算の説明の中でも、多分、出てくるだろうと思います。ところが、札幌市単独で行っている保育事業のところに入っている待機児童は202人で、一つの園だけを希望して入所していない子どもが279人、そして、家で求職活動をして、子育てをしながらどうにか仕事を見つけようと就職活動に頑張っている方が192人ということですから、札幌市が発表している323人よりもはるかに多い数の方たちが実は待機児童として本来はカウントされるべき方たちなのです。この中には、保育ママなども入っています。厳密に言えば、そういう保育を望んでいらっしゃる方も実際にはいると思います。しかし、数字の上でいくと、996人の方がことしの4月1日時点で待機児童になっています。ですから、補正予算のことは次の段階で議論されますけれども、774人ではカバーし切れないというふうに私は思うということが一つです。  補正予算にかかわる話はここまでにします。申しわけありませんでした。  そこで、私は、本来、社会福祉法人が認可保育所を運営するというのが安定的な運営にもつながるし、安心して子どもたちを預けることができることにつながっていくと思います。ぜひ、ここの道を選んでいただいて、今申し上げたカウントもされていない子どもたちも含めた996名の方たちが、来年4月からきちんと保育所に通えるような環境を整備していっていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。  それから、陳情の3番目ですが、その前段で、児童福祉法の第24条第1項には市町村の保育実施責任が明記されています。これは、法律を決めていく段階ですったもんだがあったけれども、最終的に残った条項です。これは、保育に欠ける子どもには自治体がきちんと保育をさせなければならないということが明記されている条項です。それに基づいて、自治体が利用調整をやりなさいということになっています。  ここで大事なのは、利用調整という言葉です。聞くところによると、今までは第3希望までとっていたのを少し緩和するようなお話を伺ったのですけれども、より多くの希望を聞くということですね。そちらから言わせると、多様なニーズに応えるためにより多くの希望をとるのですというお話になると思うのですが、多様なニーズに応えるために利用調整をかけていくということで、認可保育所に入りたいのに、認定こども園あるいは小規模保育所、保育ママ、こういうところに回されていく可能性がある、そういう大きな懸念が大変あると私は思っています。  ですから、この陳情の中に出てくる、責任を持って利用調整を行うなど保育の実施責任を果たしてください、全ての子どもに対して果たしてくださいというのは、やはり、認可保育所できちんとした保育を受けられる状況を調整してほしいというふうに私は受け取りましたので、ここについてしっかりとそういう役割を果たしていくのかどうかということです。  先ほど申し上げたように、児童福祉法第24条第1項というのは、保育を守る運動をしている方たちの大変大きな成果として法律に残ったものです。そして、自治体はその責任を負うわけですけれども、市としてこの条項が法律に残ったことの意義をどういうふうに受けとめているのか、この点を聞きたい。  それから、先ほど来申し上げているように、従来どおりの社会福祉法人の認可保育所で、園庭もきちんとある、子どもたちが安心して遊べる、そして、集団の中で成長していくことができる、こういう環境を守っていくことが本当に大事だと思います。そういう役割を札幌市が担っていくのか、それをどういうふうに実現していくおつもりなのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎福田 子育て支援部長  改正された児童福祉法第24条でございますけれども、当然、自治体としての責任は、これまでと同様に、保育を必要とする児童に対して市町村が保育の責任を果たしていくということはそのまま残ったものと認識してございますし、それを実現するために我々は努力をしていきたいというふうに考えてございます。  認可保育所、地域型保育所などを含めて必要なサービスを確保し、保育を必要とする方が希望するサービスを利用できるように、当然、利用者の希望を第一に考えて、的確な情報をお伝えしていくという中での調整を含めて、繰り返しますけれども、希望するサービスを利用できるように努めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆坂本恭子 委員  私は、今回の条例の中身を見ますと、先ほど来申し上げているように、札幌の保育行政の後退につながるものだというふうに思います。ただ、これから計画も出てまいりますし、そこにはパブリックコメントもあるし、市民の声、議会の声も反映されていくということですから、これは計画の中で立て直しをしていくことができるかもしれない。  しかし、入り口の段階で保育水準を後退させる懸念があるものについては、私は賛成できないというふうに思っています。陳情の中身にもあるように、保育のサービス水準を後退させない、それから、ここは特段強調したいけれども、子どもの権利条例を持っている札幌市、そして所管している子ども未来局がつくっている条例ですから、私は、やっぱりこれは容認できないというふうに思います。本当に子どもの笑顔があふれる街を目指していくのであれば、条例の基準の上乗せ、再考を改めて求めたいと思います。  保育の問題についてはこれで終わりますけれども、あと1項目だけ、放課後児童健全育成事業について、重複を避けてお聞きしたいと思います。  1.65平方メートルという面積基準が設けられております。これについては、当分の間、猶予するというお話でした。実情としては、3分の1が面積要件に至っていないというお話が前段にありました。  そこで、面積基準については、これからいろいろな事業者に対しても周知をしていくということでしたけれども、とりわけ、共同学童保育所の方たちからは、1.65平方メートルを実現するためには今の施設ではやはり大変で、移転なども含めた財政措置をしてほしいという声があるということですので、この要望についてはしっかり応えていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  それから、職員の常時複数配置も義務づけられました。財政的な措置が求められています。ここについても、国の動向を見て、何が支援できるのか、考えていきたいということでありましたけれども、この点については、国の動向ではなく、市独自で支援をすべきだというふうに思います。これは、先んじて現状をきちんと把握していらっしゃるわけですから、市独自で何らかの支援をすべきだと思うのですけれども、この点についてどう考えているのか、改めて伺います。  あわせて、設備のところですけれども、遊び場、静養できる部屋、備品、設備といったような基準項目も国では挙げられていますね。とりわけ共同学童保育所などでは、一戸建てで、そこに子どもたちがたくさん来ていて静養させる場所がない。これは児童クラブもミニ児童クラブも共通している悩みですけれども、そのための専用室がありません。それから、備品も、子どもがしょっちゅう活用しているので傷みがひどいのですが、そういう備品の購入や設備の更新にも非常にお金がかかります。  しかし、このことについても国基準ということで、当分の間ということが当てはまるのか。とりわけ今の児童クラブ、ミニ児童クラブの静養室の整備については、私は全くできていないと思っています。職員の事務室のところに簡易ベッドを置いて、ちょっとぐあいが悪くなったり疲れている子どもを、簡易ベッドで、カーテンの仕切り1枚で横に寝かせるというようなことが日常茶飯に行われているわけですよ。共同学童保育所でも、ゆっくりさせる場所がなかなか確保できなくて、それは苦労をなさっていらっしゃいます。その点についても当分の間ということになるのか。私は、ここは財政措置を講じてでもしっかりと対応すべきだというふうに思うのですけれども、この点についてはどういうふうに考えていらっしゃいますか。 ◎浦屋 子ども育成部長  まず、1点目の指導員の処遇に関する支援についてでございます。  指導員の員数、また資格につきましては、今回、条例上は国と同様の基準とさせていただきまして、資格のない方でもいいという判断をさせていただいております。ですから、現時点では市独自で特別に支援するということは準備しておりませんけれども、国の考え方を注視させていただきまして、それに準じて対応させていただきたいというふうに考えております。  また、民間学童保育の施設、また備品ということでございますが、静養室等につきましても経過措置を設けさせていただきました。小学校区内という狭い範囲の中での運営ということもございまして、即座に面積基準を満たすような建物が見つかるかという問題もございますので、民間学童保育についても、当分の間、経過措置を設けさせていただくというふうに考えております。 ◆坂本恭子 委員  まず、指導員のことですが、資格のない方でもできるということなので、財政的な支援等は考えていないということですけれども、そこはしっかり考えていただきたいということを要望します。  それから、資格のない者でもよいということですが、研修制度がありますでしょう。多分、北海道が中心になって研修制度が行われると思います。常時、複数配置ということですから、それも資格のない者でもよいということになるのでしょうけれども、例えば、研修に出かけていく交通費とか、その間の代替指導員の確保とか、付随してさまざまな問題が出てくるのですよ。資格要件の中に共同学童保育所での勤務を何年やっているということが入っていて、最初から資格者がいれば、こうした心配はなくても済んだかもしれない。資格がないから、研修を受けに行かなければならない。では、そのための人の配置はどうするか、交通費はどうするか、こういう話が出てくるわけでしょう。  そのことについても、どういうふうに考えていらっしゃるのですか。代替指導員をちゃんと派遣するのか、それは育成会が自分たちで見つけてくるのか、そのときの人件費はどういうふうにするのか、そういうところまできちんと考えて今回の条例提案をなさっているのですか。そして、実際にやられますか、どうしますか。 ◎浦屋 子ども育成部長  現時点では、指導員のための研修を都道府県が行うというところまでは情報が来ておりますが、実際に、時間帯や何日間行うという詳細についてはまだ決められていないようでございますので、今後、どのように決まっていくか、国の動向を見ながら対応も考えてまいりたいというふうに思います。 ◆坂本恭子 委員  とにかく、しっかり対応していただきたいと思いますね。  少子化は大変な問題でしょう。人口が少なくなって消滅するかもしれないという区が札幌市に二つあるのですよね。そういう現実的な問題として、今、いかに子育てがしやすい、産み育てやすいまちをつくっていくのかということが問われる条例ですから、そこをきちんとわかった上で判断していただきたいというふうに思います。  これから5年間という計画が策定されていきます。また、それがさらに5年、5年と延びていくのかなとも思うのですが、その中で、少しでも何かがあったときにはすぐに立ちどまって見直しをする、そして、いいものをきちんとつくっていく、そのためには、当事者の声をきちんと聞くということ、これを最大限大事にしていただきたいということを申し上げて、長くなりましたけれども、終わります。 ◆小倉菜穂子 委員  私から、議案第21号について、放課後児童健全育成事業に関して質問したいと思っておりましたが、前段でたくさんの質疑がありましたので、大変残念ですけれども、考えだけをぜひ述べさせていただきたいと思います。  ここまで質疑があったところですけれども、今回の条例で、放課後児童健全育成事業については、児童クラブのほかに、市民が自主的に立ち上げてこれまで運営してきた民間の学童保育所が対象になりますから、私は、そうした方々が安心して運営できる内容の条例でなくてはならないというふうに思っています。  この間、子どもの放課後の生活の場である民間学童保育所の長年にわたる意義深い実践とあわせて、運営の厳しさとか指導員の方々の労働環境の厳しさについては、私たちも幾度となく伺ってきているところです。そうした民間学童保育所の方々を本条例案に照らしたときには、人員の確保のお話であるとか、建物の状況であるとか、そうした基準をクリアしていくことはなかなか困難だなというふうに思っておりました。  そのことについても、先ほど来、経過措置のお話とか国の動向を見てといったようなことがございました。しかし、指導員の体制とか処遇改善など既に先行して取り組んで、持ち出しの形で準備されているところもあるというふうに伺っております。このことは、少しでもよい保育をしたい、質を高めたいといった皆さんのお気持ちのあらわれだろうと私は思っています。そのこともあって、今後の運営が本当に気がかりですし、現在、通われている子どもや保護者のご不安も大変大きいだろうと思っています。  そういう中で、条例の中に市町村の最低基準を常に向上させるよう努めるものとするという文言がないではないかといった質疑があって、そこについては、時代状況、社会状況などに照らして見直していくといった答弁があったかと思います。私は、この文言に込められている意味というのは、本当に一言ですけれども、最低基準、質の向上に向けて、事業者だけではなくて自治体も責任を持つ努力をするということが含まれている、そうした言葉だというふうに思っています。この間、来年度の国の予算編成についてもお聞きしてきましたが、そのあたりもまだはっきりしていない現状の中で、どんなふうになっていくのか全然わからない、だからこそ、私は、最低基準を常に向上させる、自治体がしっかりと努力するのだ、責任を持ってやっていくのだといったこの文言が大変重要だというふうに思ってならないのです。  条例というのは、市と事業者と市民の約束だと考えています。一方的に事業者を縛るだけのものではないというふうに思っています。市民の立場に立てば、事業者が最低基準を向上させて、より質の高い保育を展開してほしいというふうにみんな思うわけです。そうなるために市が努力するというのは、先ほどもおっしゃっていたと思いますけれども、当たり前です。当たり前だからこそ、ちゅうちょすることなく、府省令にもあるわけですから、しっかりとこれを盛り込み、説明をいただいてわかるのではなくて、条例を見て誰もがわかるようにすべきだと私はこの間ずっと考えて、やっぱりそうだというふうに思い至ったところです。  民間で一生懸命に運営されている方々のお気持ちももちろんそうですが、私も、改めて条文を読んでいったときに、このことは本当に欠いてはならないなというふうに思ったものですから、そのことを私どもの意見としてお伝えさせていただきます。 ○宗形雅俊 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  ここで、陳情第139号の取り扱いについてお諮りいたします。  取り扱いは、いかがいたしますか。  (「継続」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  それでは、陳情第139号を継続審査とすることにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  異議なしと認め、陳情第139号は、継続審査と決定いたしました。  次に、議案4件に対する討論を行います。 ◆坂本恭子 委員  私は、議案第18号、第20号及び第21号に反対の立場で、日本共産党を代表して、討論を行います。  これらの条例案に関しては、先日の市長提案説明において、いずれも質の高い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供等を目的とするいわゆる子ども・子育て関連3法の制定に伴うものとありますが、今回の条例案の内容では、質が高くなるとはとても思えません。児童福祉法第24条第1項に規定されている市町村の保育実施責任を全うし、保育を必要とする全ての子どもたちに安心で格差のない保育を提供していく必要があります。その基準を満たしていないこの条例案には、反対するものでございます。  さらに、先ほど申し上げたように、子どもの権利条例を持っている本市において、子どもたちが発達・成長の機会を均等に与えられることがないというような状況についても危惧を持っているものでございます。  よって、今回の条例3件については、反対をいたします。  以上で、私の討論を終わります。 ◆小倉菜穂子 委員  私は、市民ネットワーク北海道を代表して、議案第21号について、反対の討論を行います。  現在は、2015年4月の新制度スタートに向けて、放課後児童にかかわり、とりわけ民間学童保育所にとっては最低基準をクリアするための準備期間に当たりますが、現在のところ、その実現に向けた準備には何の支援もなく、事業者任せであります。しかも、来年度の国の予算任せという状況において、市の責務がしっかりと盛り込まれていない条例案では、放課後児童、とりわけ民間学童保育所が安心して運営を続けられるとは思えないことから、議案第21号には反対です。 ○宗形雅俊 委員長  ほかに討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  この場合、分割して採決を行います。  最初に、議案第18号を問題といたします。  議案第18号を可決すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。  (賛成者挙手) ○宗形雅俊 委員長  賛成多数であります。  よって、議案第18号は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第20号を問題といたします。  議案第20号を可決すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。  (賛成者挙手) ○宗形雅俊 委員長  賛成多数であります。  よって、議案第20号は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第21号を問題といたします。
     議案第21号を可決すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。  (賛成者挙手) ○宗形雅俊 委員長  賛成多数であります。  よって、議案第21号は、可決すべきものと決定いたしました。  最後に、議案第22号を問題といたします。  議案第22号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  異議なしと認め、議案第22号は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第8号 平成26年度札幌市一般会計補正予算(第2号)中関係分を議題とし、理事者から補足説明を受けます。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  私から、議案第8号 平成26年度札幌市一般会計補正予算中、子ども未来局関係分についてご説明させていただきます。  お手元の資料の平成26年3定補正案についてをごらんください。  今回提出させていただきました補正案は、待機児童解消に向けた認可保育所を中心とした整備に係るものでございます。  まず、資料の上段の1 補正の目的でございますが、本年4月時点の待機児童数が323人と依然として一定の水準にあること、また、来年4月からの新制度開始に伴い、保育の必要性の認定に係る就労下限時間が月80時間から64時間に変更になることにより、保育のサービスを望まれる保護者の増加が見込まれることを踏まえ、実施するものでございます。  次に、これまでの経緯についてでございますが、こちらの表に第3次札幌新まちづくり計画期間の保育所整備などについての取り組み状況をまとめております。保育所整備につきましては、平成23年度から26年度当初予算分まで約4,800人分の定員を確保したところでございまして、その他のサービスを含めると約6,600人分の定員枠を確保しているところでございます。今回の補正案では、太字にございますとおり、これに加えまして、認可保育所で660人分、小規模保育事業で114人分の定員を確保しようというものでございます。  3点目の補正の概要でございますが、補正額は、認可保育所の整備で5億6,100万円、小規模保育事業で4,687万円、合計額は6億787万円でございます。整備数につきましては、認可保育所は60名定員の施設が11カ所、小規模保育事業は19名定員となり、これが6カ所、これらを合計いたしまして774人分となります。認可保育所については来年4月、小規模保育事業については来年1月の開設を予定しているところでございます。  これらの整備につきましては、開設時期等を踏まえますと新築による整備は難しいことから、賃貸物件を活用した整備を行うことといたしまして、整備事業者に対し、改修費、賃借料などについて補助を行うものでございます。 ○宗形雅俊 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆恩村一郎 委員  今回、補正予算を組まれて、認可保育所を11カ所、小規模保育事業を6カ所整備して待機児童の解消を図るということです。これ自体は結構なことだと思うのですが、これまでも私どもの会派からいろいろと申し上げておりますけれども、非常に心配な点が1点ありまして、保育士の問題なのです。こういうふうに急速に保育所をどんどん整備していっておりますけれども、現実的には保育士不足が一向に解消されておらず、札幌市においても、今、確保が非常に難しい状態が続いています。昔でしたら、ハローワークなどには保育士の要請を出さなかったのですが、現在はハローワークに出しても人が集まらないといったことが現実に起こっています。  そういった中でお伺いしたいのですが、今回、保育所の整備、開設に当たって、保育士の確保は基本的には事業者がやることになりますけれども、札幌市として、保育士を確保するという点に関して何かすべを考えていらっしゃるのでしょうか。 ◎福田 子育て支援部長  保育士の確保策についてお答えいたします。  保育士の確保につきましては、処遇の改善が重要と認識しておりまして、昨年度、国の補助事業を活用して実施させていただきました保育士等処遇改善臨時特例事業を今年度も実施することで、保育所職員の賃金改善を働きかけていきたいというふうに考えているところでございます。また、保育現場から離れている保育士の職場復帰を支援するセミナーとか、新人保育士等を対象とした離職防止のための研修を実施したほか、新たに新卒者を対象とした就職セミナーを開催するなど、人材の確保に努めているところでございます。 ◆恩村一郎 委員  確保に向けていろいろなことを考えていらっしゃるようですが、現実的に、例えば、今いる現職の保育士を定着させるためのセミナーなどにしても、実際には、保育所というのは勤務時間は全て保育時間ですね。その人数で回している中でセミナーに出すということは、結局、欠員ができるから、今度はその補充をしてやらなければならない。子どもを見る人間を宛てがわなければならない。その宛てがう人間の確保ということも問題として一つ出てきます。  それから、保育士は潜在的にいらっしゃるのですが、どうしてやらないかというと、勤務がきついという部分があります。また、今は延長保育をやっていますから、早出とか遅出の時間帯は正直言って勤めたくない、そういう有資格者が非常に多いです。募集をかけて実際に集まってきても、本当に年配の方で、お子さんたちも手がかからないからこの時間帯だったらいいよという方しかなかなか勤務につけないのが現状ですね。若い人たちにいろいろと聞いてみますと、ほかの職種に比べて勤務体制がきつい、それでいて賃金は決して高くない、そういう現実があるため、まさに処遇の改善というのは非常に大きな問題だと思います。  今回、新卒者に向けていろいろなセミナーをおやりになられたという話もありますが、実際にいろいろやっていく中で、特に、新卒者向けのセミナーにはどのくらいの方が参加されて、その反応はどうだったのか、その点についてお伺いしたいと思います。 ◎福田 子育て支援部長  新卒者向けセミナーの実績と参加者の感想についてでございます。  保育士養成校の生徒の皆さんを対象といたしまして、卒業後も札幌市内で就職してもらうことを目的といたしまして、SAPPOROの保育園で働こう!セミナーを7月5日に開催させていただいたところでございます。このセミナーは、ハローワーク、保育関係団体と連携して初めて企画させていただきまして、予想を上回る296名の参加をいただきました。当日は、現役保育士からのアドバイスとか保育体験コーナーなども設けさせていただきまして、札幌の保育所の魅力はある程度感じていただけたものと認識しているところでございます。  参加者のアンケートもとらせていただきましたが、約9割の方からは、セミナーの印象は「大変よい」、または「よい」、「機会があればまた参加したい」など好評をいただいたところでございまして、来年度以降の開催についても検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆恩村一郎 委員  これは首都圏から企業が参入している部分が特に大きいと思うのですが、最近は、首都圏からの保育士の青田買いが非常にふえているというお話を関係する方々からよく聞きます。そういった意味では、地元の専門学校や短大の保育科を卒業されて本当に保育士になってほしいというのであれば、そういうセミナーも非常に重要なことだろうと思います。そして、行政と保育団体が一緒になって、新卒者をしっかりと取り込み、人材バンク的な格好で保育士を常に確保できるように、また、これから子どもを見ていかなければならないというのは実に大変なことだし、すごく重要なことなのだと、その意味合いを学生たちにしっかり伝えられるような仕組みづくりにぜひ取り組んでいっていただきたいというふうに思います。これは、行政だけでやっても難しいでしょうし、保育団体だけでやっても難しいと思いますので、両方が連携していい形に持っていけるように、ぜひ、団体等ともご検討いただければと思います。 ◆小倉菜穂子 委員  私は、今回の補正予算の中にある認可保育所の整備について、先ほどもちょっとありましたが、賃貸物件を活用することについて伺いたいと思います。  今後は、11カ所の賃貸物件を活用するということであります。従来のように大きな土地に保育所をつくるのとは違いまして、賃貸物件ならではの配慮が必要と考えております。例えば、日照のことや防災の面など、子どもたちの生活環境への配慮というのは、賃貸物件だからこそ慎重であるべきというふうに考えています。一日の長い時間を過ごす場所でもありますし、成長・発達の過程にある子どもたちの生活の場が安心・安全であるべきことは言うまでもありません。  そこで、賃貸物件を活用しての整備は11カ所と言われておりますが、これまでどのくらい進んでいるのか、その実績について伺いたいと思います。  また、生活環境への配慮についてどんなふうに取り組んでいるのか、あわせてお伺いいたします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  まず、認可保育所の件数でございますが、賃貸物件を活用した認可保育所は、現在、14園ございます。  次に、児童の生活環境への配慮でございますが、賃貸物件による場合でありましても、耐震性、耐火性などの防災面を初めといたしまして、保育室の面積、必要な設備などについては新築をした場合と同様の認可基準を適用しております。その上で、賃貸物件を活用するという特性を踏まえまして、保育室はできるだけ低層階に設けることや、より広い面積が確保できる物件を探すよう事業者に求めているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  先ほども一つ前のところで質疑がありまして、さまざまな課題も指摘されていたと思います。今のお話では、低層階で広い面積があるとか、新築同様に対応されているというようなお話でありました。  今、私が気にかかっていることを申し上げますと、近年、化学物質過敏症のお子さんがふえている現状がございます。札幌市が建てる建物や認可保育所の建設についてはシックハウスへの対策も対象となっていて、建築時とか改修時には検査をされているはずだと思っています。ただ、民間のビルに入居する際には、そのあたりはどんなふうに取り組まれているのかなと気になっているところです。  といいますのも、この間、小さなお子さんではなく、民間ビルの中に入っている教育施設に通う高校生のお子さんがおられましたが、そのビルの中でほかのテナントの水回りの改修工事があり、そのときに使用された建材によってシックハウス症候群の症状が出て通えなくなってしまい、教育を受ける権利を阻害されたというような事例がありました。幸い、その後、保護者や関係される方が学校側に強く働きかけていろいろな対策を講じていただきまして、今は何とか通えるようになっているそうです。  今後、札幌市もいろいろな事業で民間ビルの活用などがあると思いますが、そういった際に、このようなことが課題になってくるのではないかと思うのです。そのお話を伺ったときにも、札幌市でもビルの中に小さなお子さんが入るようになるなと思って大変気になりました。賃貸による保育所においても、シックハウスとか騒音など、ほかのテナントからの悪影響が危惧されますが、乳幼児を預かる保育所だからこそ、より一層の配慮が必要になってくるはずです。  そこで、こうした事例に対して札幌市としてどんなふうに考えているのか、伺いたいと思います。  私は、保育所を始める方が賃貸の物件を決めるときに、ほかのテナントが工事を行う際にはぜひ配慮をしてほしいということで、ビルのオーナーや管理会社の方に事前に確認することが必要ではないかというふうに思ったところですけれども、そのあたりについてはいかがお考えか、お伺いいたします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  他のテナントからの悪影響についてでございますけれども、他のテナントが実施する工事につきましては、各種法令、また物件者の定める管理規定などを踏まえて適正に行われるものと認識しております。また、保育所等を整備する際には、他のテナントとしっかりと区分、区画することを求めているところでございます。その上で、保育所が子どもの生活の場であるという特殊性について、物件所有者、また他のテナントの方にもご理解いただくことが重要であると考えますので、保育所の設置者がそれらの方々と常に情報交換を密に行うなど、良好な関係を築けるよう促してまいりたいと考えているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  先ほど私が申し上げましたような事例は起きないことが一番望ましいというふうに思いますが、そういったことに配慮することも考えていただけるという内容の答弁だと思いました。ただ、その際に、ビルのオーナーや管理会社がほかのテナントにいろいろと言うのは、私たちが思っている以上に難しいのだなということを感じたのです。ですから、私は、入居する以前にそういったことについて確認していただくことが安心につながるというふうに思っています。  賃貸物件を活用するというのは、やはり、リスクもふえるということですから、子どもの生活環境への配慮にはしっかりと取り組んでいく必要があると思っています。既に整備されている賃貸物件を活用した認可保育所もありますから、私は、こういった点について改めて確かめていただきたいというふうに思っています。それはなかなか難しいと言いますけれども、私は、社会全体で子育てを応援するという視点に立って、民間ビルとかテナントにもぜひ協力していただくべきだということを強く求めて、質問を終わりたいと思います。 ○宗形雅俊 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。 ◆坂本恭子 委員  私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております議案第8号 平成26年度札幌市一般会計補正予算(第2号)中関係分について、反対の立場で討論を行います。  待機児童解消のみを第一義的目的として10年期限の賃貸物件を活用して整備するのは、容認できません。  更新は可能で10年限りではないと部長は答弁されましたが、営利企業が参入すれば、もうけ本位で、契約が終わればすぐに撤退という事態は容易に想像がつきます。園庭や園の設置階数など、子どもの安全対策も不十分です。安心して子育てしたいという保護者、成長・発達を保障されている札幌市の子どもたちによりよい保育を提供するのが本市の責任です。待機児童解消は喫緊の課題ですが、従前どおり、社会福祉法人での認可保育所の整備で解決すべきであり、そこにこそ力を注ぐべきであります。  よって、議案第8号には反対です。  以上で、討論を終わります。 ○宗形雅俊 委員長  ほかに討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第8号中関係分を可決すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。  (賛成者挙手) ○宗形雅俊 委員長  賛成多数であります。  よって、議案第8号中関係分は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第17号 札幌市特別会計条例等の一部を改正する条例案を議題とし、理事者から補足説明を受けます。 ◎福田 子育て支援部長  母子及び寡婦福祉法の改正に伴い、五つの条例を一括して改正いたします議案第17号 札幌市特別会計条例等の一部を改正する条例案についてご説明申し上げます。  資料につきましては、お手数でございますが、1ページにお戻りいただきまして、右側の下の段をごらんいただきたいと思います。  この議案は、母子及び寡婦福祉法につきまして、父子家庭を支給対象として明確化することなどを目的として、母子及び父子並びに寡婦福祉法へ名称変更することなどの法改正が行われたことから、札幌市においても必要な対応を行うため、表にございます五つの条例を改正するものでございます。  主な改正内容といたしましては、法律名の変更などに伴う規定整備のほかに、父子福祉資金貸付制度を創設するために札幌市特別会計条例の一部を改正し、また、父子家庭も対象であることを明確にすることを目的に母子寡婦福祉センターの名称をひとり親家庭支援センターに改めるために、札幌市社会福祉総合センター条例の一部を改正するものでございます。 ○宗形雅俊 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆涌井国夫 委員  父子家庭に対する支援ということでございますが、ことしの4月16日にひとり親世帯を支援する関連法が改正され、ひとり親世帯を支援する法律である母子及び寡婦福祉法が母子及び父子並びに寡婦福祉法に改称し、新たに父子家庭に関する章が創設され、父子家庭支援が拡大されたわけであります。これまで、子育て支援イコール母親支援が一般的な概念であるような状況でしたけれども、ようやく父母双方の視点でのひとり親支援、そして子育て支援を議論できるようになったというふうに考えております。  困窮する父子家庭は、生活保護か、子どもを児童養護施設に預けるなどして仕事をするしかない状況がございます。そこでまず、これまで父子家庭の親はどこで相談をしていたのか、また、札幌市では母子、寡婦の方と比較してどのぐらいの相談実績があったのか、伺いたいと思います。 ◎福田 子育て支援部長  父子家庭に対する支援、相談の実績等についてのご質問でございます。  札幌市では、各区に配置しております母子・婦人相談員や、社会福祉総合センター内に母子寡婦福祉センターがございまして、こちらで父子相談をさせていただいておりました。相談件数といたしましては、平成25年度の実績で各区と母子寡婦福祉センターを合わせまして、母子、寡婦の方の相談が年間約1万3,000件、父子家庭は年間110件という状況でございます。母子、寡婦の方の約1%程度というところでございます。 ◆涌井国夫 委員  父子家庭の世帯数は母子家庭に比べて少ないとは思いましたけれども、今お話しされたように、相談件数も母子家庭と比べて1%しかないような状況でございました。これは、ある意味では父子家庭の相談窓口がなかったからと言ってもいいのではないかと思います。また、母子家庭の相談窓口と同じであれば行きづらいのではないかと思います。  今後、本市としての父子相談窓口を単独でも置くべきではないかと思いますけれども、どのように考えているのか、今後の相談体制についてお伺いしたいと思います。 ◎福田 子育て支援部長  今後の相談体制でございます。  このたび提案させていただいております改正条例案にあるとおり、父子家庭も対象であることを明確にするために、札幌市母子寡婦福祉センターの名称を札幌市ひとり親家庭支援センターと改めさせていただきます。現在、相談実績等を踏まえて、まずは同センターの中に父子家庭を専門とする相談窓口を設けたいというふうに考えております。 ◆涌井国夫 委員  まず、父子家庭を専門とする相談窓口を1カ所設けるということですが、状況によってはさらなる充実を図る必要が出てくるのではないかというふうに思います。母子とは違う父子特有の悩みが多いと思いますので、今お話しされたように、家庭生活支援員の名称を母子・父子自立支援員と変更しての取り組みですけれども、ぜひ、状況によっては複数配置にしていただきたいというふうに思います。今後、こうした父子家庭の相談件数が相当数上がってくるのではないかと思われますし、国からも万全の体制で取り組むように都道府県に通達が出されておりまして、そのため、支援員の質の向上を図る上で研修もかなり進めていくということでありますが、研修している期間中は担当者がいないというふうにならないように、その辺はしっかりと配慮していただきたいと思います。  また、父子家庭の中には、昨今の厳しい雇用・経済状況から、生活が極めて苦しい状況にある方もございます。平成22年8月から児童扶養手当の支給対象となりまして、平成25年3月には母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する特別措置法が施行されるなど、父子家庭への支援が徐々に拡大してきております。このたびの法改正等で母子福祉資金貸付制度の対象が父子家庭にも拡大されまして、新たに父子福祉資金貸付制度が創設されることになりました。今後は、子どもの就学、あるいは、父親も子育てをしながら働くためのスキルを身につけることを目的とした資金を受けることができますので、将来の選択肢が広がり、経済的な自立支援が大いに前進すると思うわけであります。  そこで、本市として、今後、父子家庭への支援をどのように進めていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎福田 子育て支援部長  父子家庭に対する支援についてのご質問でございます。  札幌市では、これまでも日常生活支援事業や子どもの学習支援事業、それから各種の就業支援事業など、ひとり親家庭の自立促進に取り組む中で父子家庭に対する支援も行ってきたところでございます。このたび創設される父子福祉資金貸付制度は、父子家庭の経済的自立や児童の福祉を増進することを目的とするものでございます。父親に対する技能習得資金、子どもの修学資金など12種類の貸付金を用意しているところでございます。これらの貸付金制度の活用を初めといたしまして、父子家庭への支援をさらに進めてまいりたいというふうに考えてございます。  あわせまして、制度の周知についてでございますが、ホームページ等での広報、チラシの配布はもとより、今後、父子家庭に直接ご案内することができるような方策についても検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆涌井国夫 委員  これまで以上に父子家庭に対する支援を進めていきたいということでございますが、厚生労働省による父子家庭の調査では、父親が離婚を契機に、労働時間が合わない等の理由で転職されるケースが24%、4人に1人は転職するという実態でもございます。また、昨年9月、江東区の子ども4人が暮らしている父子家庭で、子どもが虐待死するという痛ましい事件がございました。子どものためにお弁当を一生懸命つくったりして暮らしていたお父さんでしたけれども、4カ月ぐらい前にリストラに遭って、生活保護を受けながら生活していた状況でございます。そんな状況の中、制度がまだ十分に知らされていないということも課題だと言われておりましたので、ぜひとも、工夫して、必要な方がいれば利用できるようなご配慮をいただければというふうに思います。こうした父子家庭の一人一人を考えると、家事や子育てになれずに戸惑っている方もいるのではないかと思います。必要としている支援を把握して、適切な支援制度を提案して、悩む人に寄り添う支援員、相談員であっていただきたいというふうに思います。  今後の相談体制も含めて、父子家庭への支援制度のPRをしっかりと行い、例えば、児童扶養手当の対象となる父子家庭の方に対しては、きちんと広報という形で通知に一緒に入れて送付するような手だてをぜひやるべきではないかと思いますけれども、この点はどのように考えているか、伺いたいと思います。 ◎福田 子育て支援部長  今、委員からご指摘がございましたように、父子家庭の方に通知をするような機会や、また、児童扶養手当につきましては、毎年、現況届ということで来庁いただくなど、そういったさまざま機会があろうかと思いますので、検討させていただきたいと思います。 ◆涌井国夫 委員  先ほどの相談実績にもございますように、1%ぐらいというのは、そういう体制がないということが前提での数だと思うのです。今後、市民広報やさまざまな形の中で広がっていけば、こういう制度があるのか、自分自身もその制度を利用してみようという方が相当数出てくるというふうに僕は思いますので、ぜひともきめ細かな体制でしっかりと通知できるようにお願いしたいと思います。  ひとり親の自立支援というのは、長期計画が必要というふうに言われております。ともすると、目先のことでいっぱいかもしれません。そのためにも、小・中学生の子どもを持つ親、特に学校のスクールソーシャルワーカー等との連携機能をつくっていくことが重要ではないかと指摘する識者もいらっしゃいます。ひとり親世帯の自立計画を立てる仕組みをつくる必要から、ケアマネジメントの支援技術の導入も必要だというふうに言われておりますので、ぜひともこうした取り組みをお願いしたいと思っております。  制度変更というのは、丁寧な情報が必要な人に届くようにするのが鉄則でございますので、この制度が当事者に知られていないという状況がないように、よろしく取り組みをお願いしたいと思います。 ◆小倉菜穂子 委員  今の質疑の中で、父子家庭の方にも相談体制が充実していくということで、本当によかったなと思っているところです。今、これまで父子家庭の相談は各区の母子・婦人相談員が受けていたが、ひとり親家庭支援センターの中に父子相談窓口を設置するというお話があったところです。  しかし、札幌市の母子・婦人相談員の方というのは、本来的には母子及び寡婦福祉法に基づく自立支援員と売春防止法に基づく婦人相談員を兼ねてやっておられたので、主に女性を対象に相談支援を行うというお仕事だったと思うのです。そして、その相談の中には、家族や夫婦間の悩みを持っている方だったり、配偶者からの暴力だったり、いわゆるDV被害を受けている方もいらっしゃるというふうに思っています。  先ほど、父子家庭の方の相談もそこで受けていたというお話がございましたが、DV被害に遭われた方が相談に行く場所に、DV加害者の男性の方なども相談に行くようなことになってしまっているので、争っている関係にあるご夫婦同士が鉢合わせになることがあって、DV加害者が、相談に来たと称して、被害者女性の情報を聞き出そうとするようなことも危惧されています。この間、区の相談員の方々からは、実際にそういった場面があって、そういったときは大変な緊張が走って厳しい思いもしてきたというようなお話も聞いております。  そういった意味から考えたときに、私は、父子相談体制を充実することは非常に重要なことと考えていますけれども、一方で、ひとり親家庭支援センターという場所で、母子、父子の両家庭の相談を受けるに当たっては、やはり、安心できる相談体制をとることが本当に必要だと思っています。相談する側も、相談を受ける側も、両方の安全が確保されることによって本当の意味で安心して相談できる環境が整うと思っておりますが、そのあたりについてはどのようにお考えか、お伺いいたします。 ◎福田 子育て支援部長  安心して相談できる環境づくりということでのご質問でございます。  現在の区におけるひとり親家庭の相談は、母子家庭、父子家庭の双方に対して、離婚前も含めて相談に応じている現状でございまして、そういった点から来る課題もあると私どもも認識しているところでございます。そこで、争いのある夫婦が同じ窓口で相談することを避けるために、まずは、ひとり親家庭支援センターに父子家庭専門の相談員並びに相談室を配置することで、安心して相談できる環境を整えていきたいというふうに考えてございます。 ◆小倉菜穂子 委員  専門の相談員と専門の相談室というようなお話でした。  父子家庭の方々は、これまでは情報がなかなかなかった中で、これからは、多くの方がいろいろ相談に行っていただける場所がここですよとわかるようになったのは本当によかったというふうに思っています。今もお話があったように、専門の相談員がいて、専門の場所があるようになると思うのですが、いろいろと心配ばかりして恐縮ですけれども、社会福祉総合センターの建物の中に入っていくわけですから建物の入り口は同じですから、鉢合わせするようなことがあるのではないかという不安が残るなと思っています。きっとそんなことはないだろうと思っているところに思わぬ事故や事件があるものなので、本当に気にかかります。そういうことから、父子家庭専門の窓口ができたために、母子家庭の方が逆に行きづらくなったりすることがあってはならないと思っているところです。  先々のことばかり申し上げて恐縮ですが、私は、今後はやっぱり別の場所に開設してもらいたいし、それが本当のありようだろうと思いますし、どちらも安心して利用していただくにはそれがいいなと思っています。今後のことになりますが、そういったことを検討していくおつもりがあるのか、ないのか、その点について伺いたいと思います。 ◎福田 子育て支援部長  父子家庭の相談を別の施設でというご質問かと思いますが、父子家庭の相談は、まずは別の窓口を設けさせていただいて、今回、相談の状況や相談件数の推移を見守っていく中で検討させていただきたいというふうに思います。 ◆小倉菜穂子 委員  まず、推移を見守ってというお話になるのかなと思っておりました。でも、私は、そこのところが非常に気にかかるのです。ですから、一歩一歩、現状を見詰めながらということになるかと思いますけれども、頭に置いていただいて、件数の推移などもしっかりと見ていただきたいですし、区の相談員が困難と感じておられるようなことが起きないことをきちんと確認していっていただきたいと思っています。  この間、各区の母子・婦人相談員の方の業務が非常に複雑化しているとか、増加しているというお話を聞いていて、大変気にかかっていました。そうした中で、今回、父子家庭の方の相談窓口ができたということは、ひとり親家庭の方に対する支援のありようが一歩一歩充実してきているのだというふうにも思っています。いい方向に進んできているわけですから、相談者の方、また、各区の相談員も、ひとり親家庭支援センターの相談員も含めて、安心してお仕事ができる、そして相談できる体制の充実をさらに積極的に進めていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。 ○宗形雅俊 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり)
    宗形雅俊 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第17号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  異議なしと認め、議案第17号は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第19号 札幌市立幼保連携型認定こども園条例案を議題とし、理事者から補足説明を受けます。 ◎福田 子育て支援部長  議案第19号 札幌市立幼保連携型認定こども園条例案についてご説明させていただきます。  お手元の資料6ページの左側をごらんください。  現在、清田区にございます認定こども園にじいろは、法的には清田区保育・子育て支援センターとしんえい幼稚園の合築施設でございます。平成27年度から開始予定の子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、新たな幼保連携型認定こども園として法的に単一の施設となりますことから、公の施設の設置条例が必要となったものでございます。  規定内容といたしましては、これまで愛称であったにじいろを正式名称とするほか、開園時間や利用手続など公の施設として必要な諸条件を定めるものとなっております。  なお、例年、にじいろの幼稚園部分の新入園児につきましては秋ごろより募集を開始しておりますことから、その前に条例上の位置づけを明確にするため、今議会で提出させていただいたものでございます。 ○宗形雅俊 委員長  それでは、質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第19号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  異議なしと認め、議案第19号は、可決すべきものと決定いたしました。  最後に、議案第23号 札幌市区保育・子育て支援センター条例案を議題とし、理事者から補足説明を受けます。 ◎福田 子育て支援部長  議案第23号 札幌市区保育・子育て支援センター条例案につきましてご説明させていただきます。  お手元の資料6ページの右側をごらんください。  札幌市では、区における子育て支援の中心的役割を担う区保育・子育て支援センター、通称ちあふると申し上げていますが、その全区設置に向けまして現在整備を進めているところでございます。ちあふるは、保育機能と子育て支援機能を持ち、既に市内に7カ所、北区、東区、白石区、豊平区、清田区、西区、手稲区の7区に設置してございます。このたびご審議いただく条例案は、このちあふるを本市の区における子育て支援の中心的役割を担う施設として改めて位置づけるとともに、8区目として南区に設置することを定めるものであります。  規定内容としましては、全てのちあふるにおける子育て支援事業について総覧的に定めるとともに、南区保育・子育て支援センターの開園時間や利用手続など公の施設に必要な諸条件を定めるものであります。  なお、南区保育・子育て支援センターは、旧真駒内緑小学校跡施設の1階の一部を利用いたしまして設置する予定でございます。 ○宗形雅俊 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆涌井国夫 委員  今、10区に1カ所ずつの設置予定で進んでいると思うのですが、南区にできることによって、できていない区はどこかということと、10区全部にできるのはいつぐらいになる見通しなのか。1区だけどんどん先延ばしされたら公平性に欠けるというふうに思いますし、決意のほども含めて伺いたいと思います。 ◎福田 子育て支援部長  平成27年4月の南区での開設によりまして、残っているのは厚別区と中央区でございます。  現在、私どもが進めております第3次新まちづくり計画の中で10区設置へ向けての方向づけを行うということで準備を進めさせていただいているところでございまして、もう少しお時間をいただければというふうに思いますが、ぜひ、10区設置を進めたいということでやらせていただきます。 ○宗形雅俊 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第23号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○宗形雅俊 委員長  異議なしと認め、議案第23号は、可決すべきものと決定いたしました。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後3時18分...