八戸市議会 2009-06-11
平成21年 6月 民生常任委員会−06月11日-01号
要旨、本県の
平均寿命は御承知のとおり全国では下位に属しており、高齢期の
死亡要因を改善することが重要です。
高齢者の
死亡要因第4位となっているのが肺炎です。
高齢者の肺炎は死亡につながる重篤な疾患とされ、
肺炎球菌に罹患することで起こる病気です。
これらの
感染症予防には
肺炎球菌ワクチンの接種が有効とされることから、全国の自治体で
ワクチン接種のための対策が講じられております。
肺炎球菌ワクチンの接種は、1回の接種で5年間有効とされていますが、1回の
接種費用が7000円前後と高額なため、
高齢者世帯にとっては負担が大きく、自治体の助成が不可欠です。
全国で助成をする自治体が拡大しており、本県では
外ヶ浜町、東通村が既に助成を決定しており、八戸市においても
肺炎球菌ワクチン接種のための
費用助成を実施するよう要望します。
・
肺炎球菌ワクチン接種費用の一部を助成して下さい。
以上でございます。
○
田名部 委員長 本請願の審査の参考に資するため、
理事者から概要等について説明を願います。
◎加賀
健康増進課長 それでは、御説明いたします。
肺炎球菌は身の回りに日常的に存在する菌で、ふだんは症状を起こしませんが、体力が落ちているときや、
高齢者などが免疫力が弱くなってくると肺炎や
慢性気道感染症、中耳炎、敗血症などのいろいろな病気を引き起こす原因となります。また、
インフルエンザ等感染症にかかると、発育、増殖して肺炎を起こしやすくなります。
当市における肺炎による
死亡状況は、青森県の
保健統計年報によると、平成19年では186人であり、死因の第4位を占めておりますが、原因が
肺炎球菌によるものかどうかの統計は出されていない状況にあります。
肺炎球菌ワクチンは任意の
予防接種であるため、現在、国の
公費負担がなく、
ワクチンを接種できる
医療機関も限られている状況にありますが、
肺炎球菌による肺炎を予防するためには、
インフルエンザワクチンと
肺炎球菌ワクチンの両方を接種することが望ましいとされております。
肺炎球菌ワクチン予防接種費用に関する助成を実施している
市区町村・特別区は平成21年4月現在、全国で97となっており、平成19年度と比較し51増加しておりますが、
接種費用およそ7000円の
半額程度を助成しているところが多いようであります。
県内においては現在2カ所で実施しており、
外ヶ浜町では70歳以上を対象に1500円、東通村では65歳以上を対象に4000円を助成していると伺っております。
当市では現在、
予防接種法に基づいて、65歳以上の
高齢者及び60歳以上65歳未満で心臓、腎臓、呼吸器の機能、免疫の機能に重い障害を有する人として
厚生労働省令で定める人を対象として、毎年10月から12月の間に
受託医療機関において接種し、1回分の
接種費用の一部を助成しております。平成20年度の助成額は9666万1400円となっております。
なお、
予防接種法により、
健康被害が発生した場合については、同法の規定により救済されることになっております。
高齢者の
インフルエンザ予防接種者数及び
接種率では、平成20年度は3万241人、55.4%であり、少しずつ向上しておりますが、まだ十分とは言えない状況にあります。まずは
インフルエンザワクチンの接種の必要性について
周知強化をし、
接種率の向上に努めるとともに、
肺炎予防の知識について普及啓発を進めなければならないと考えております。
なお、
肺炎球菌ワクチンの一部助成に係る経費について、仮に
インフルエンザワクチン接種と同数の
高齢者が1回接種するものと仮定し、
接種費用の
半額程度の3500円を助成すると仮定した場合は1億584万3500円の経費となります。また、
接種費用の3分の1を助成すると仮定した場合は6955万4300円の経費となります。
以上でございます。
○
田名部 委員長 これより質疑を行います。御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○
田名部 委員長 御質疑なしと認めます。
これより意見を徴します。御意見ありませんか。
◆坂本〔美〕 委員 これは本会議でも質問が出ていまして、石橋部長も前向きに答弁したのかなというふうに聞いていまして、今また課長からは、何分の1を助成すれば幾らだという具体的な数字まで説明があり検討していただいているなと思ったので、今ここで採択となると慌てちゃうでしょうから、石橋部長にも心の準備をしてもらうように。恐らくやる方向で考えているんじゃないかなというのを大いに期待して、私どもも勉強するという意味で、もう少し詰めるために
継続審査というふうにしてもらえれば。何分の1の助成だと何千万と言っていましたから、できるだけ高い率にというのを期待したいので
継続審査をお願いしたいです。
○
田名部 委員長 ほかにありませんか。
◆夏坂 委員 私も今回の本会議で取り上げさせていただきお願いしましたし、以前にも1度、この助成について取り上げさせていただいた経緯もございます。さまざまな勉強会にも参加させていただいて、この
ワクチン接種の必要性というのを非常に痛感しております。少しでも
ワクチンの
接種率を向上させるためにも何らかの助成が必要かなと思って取り上げさせていただいた経緯がございます。
こういう試算の数字も出れば、現実的に、ああなるほど、これくらいかかってしまうのかということになり、財政状況の勘案という部分もありますが、私としても前向きに助成をお願いしたいということもありますので、今、
坂本美洋委員のほうからありましたように、もう一度吟味していただく意味でも、前向きな形での
継続審査ということでお願いしたいと思っています。
以上です。
○
田名部 委員長 ほかにありませんか。
◆松橋 委員 一般質問された方もあり、今の
理事者の説明からもわかりますように、この
ワクチンの必要性というのはそれぞれが大変認めているということだと私も思います。特に新型インフルエンザの問題が今出ておりますけれども、説明ですと、
インフルエンザワクチンと一緒に接種したほうがいいということもあるものですから、今すぐということではなくて、早急にインフルエンザとの関係も含めて、接種に対する助成をする方向で検討していただきたい、早急に詰めていただきたいという意見を申し上げながら、もう少し継続して審査したほうがいいんじゃないかなということです。
○
田名部 委員長 ほかにありませんか。
◆伊藤 委員 今、皆さんのお話は大変前向きな方向ですので、本当にうれしい限りです。実は私の父親も最終的な死因がこれによるものだということを聞いておりまして、ぜひともこれは実現してほしいものだと個人的にも思っておりました。
したがいまして、
継続審査といいましても、本当に次のときぐらいまでには1つの方向性を出していただきたいと、そういう要望をつけて
継続審査に賛成でございます。
○
田名部 委員長 ほかにありませんか。
◆畑中 委員 本会議でも取り上げたことなんですが、実は私の知っている84歳の、風邪も引いたことがないという人が、ことしの1月の水道が出なかった日にぽっくり逝っちゃったんです。だから、こういう件だとまして……。
それから、3月にこれらの講演会を青森でやったんです。私も行ってきて、なるほどなと思っていまして、これをお願いされて急いで出したという経緯もあるので、何とかこれを早くやってほしいんです。皆さんが
継続審査であれば、それでやむを得ないんですが、伊藤委員が言ったように、次回には何とかやるように急いでいただければと思っています。よろしくお願いします。
○
田名部 委員長 ほかにありませんか。
◆三浦〔博〕 委員
継続審査に賛成です。
○
田名部 委員長 ほかにありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○
田名部 委員長 ただいま
坂本美洋委員、夏坂委員、松橋委員、伊藤委員、畑中委員、三浦博司委員から意見があったとおり、平成21年請願第1号を調査、検討の要ありとし、
継続審査とすることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
田名部 委員長 御異議なしと認めます。
よって、本請願は
継続審査と決しました。
──────────────────────────────────────
2 平成21年請願第2号
乳幼児期の
ヒブワクチン接種助成に関する請願
○
田名部 委員長 次に、平成21年請願第2号
乳幼児期の
ヒブワクチン接種助成に関する請願を議題といたします。
事務局から請願の要旨について朗読させます。
◎
担当書記 朗読いたします。
番号、平成21年請願第2号。
受理年月日、平成21年5月22日。件名、
乳幼児期の
ヒブワクチン接種助成に関する請願。提出者、青森市松原一丁目2番12号、青森県
保険医協会会長河原木俊光。
紹介議員、
松田勝議員。
要旨、本県の
平均寿命は御承知のとおり全国では下位に属しております。厚生労働省の資料では、特に本県男性の
平均寿命が低く、ワースト30位に16市町村が名を連ねる状況です。
平均寿命は、0歳児が平均して何年生きられるのかを表した統計値であり、
平均寿命のアップには、
乳幼児期の
死亡要因を改善することが重要です。
乳幼児期の
死亡要因の1つに細菌性髄膜炎が挙げられています。細菌性髄膜炎には、年間1000人の子どもたちが罹患し、そのうち約5%のとうとい命が奪われ、25%もの子どもがその後遺症と向き合っています。その原因菌の60%がヒブ――Hib――で敗血症、急性喉頭蓋炎も引き起こすとされています。
これらの感染症は、
ワクチンで予防することができ、WHOでは乳幼児への定期接種を推奨し、既に多くの先進国では定期接種化され、子どもたちを感染から守っています。
世界からおくれること10年以上たってようやく日本でも同
ワクチンの接種がスタートしましたが、
接種費用は1回7000円前後で、計4回の接種が必要とされ、任意接種による全額自己負担という現状のため、各地で助成が広がっております。
子どもたちの命や健康はお金にかえられませんが、若い子育て世代にとっては、大きな負担です。経済的な事情が子どもたちの命の格差を生み出すことになりかねません。このようなことから、八戸市として
乳幼児期の細菌性髄膜炎
感染症予防のための
ワクチン接種費用の一部助成を要望いたします。
・
乳幼児期のヒブ
ワクチン接種費用の一部を助成して下さい。
以上でございます。
○
田名部 委員長 本請願の審査の参考に資するため、
理事者から概要等について説明を願います。
◎加賀
健康増進課長 それでは、御説明いたします。
細菌性髄膜炎は、脳や脊髄を覆っている髄膜に細菌が感染して炎症を起こす病気であり、ゼロ歳から4歳の乳幼児が感染しやすく、5歳以上では極めてまれとされ、我が国では年間約1000人が罹患し、中には脳性麻痺などの後遺症や死亡の例が報告されております。
細菌性髄膜炎の原因は、約50%以上がヒブと呼ばれるb型インフルエンザ菌によるものであり、ヒブ
ワクチンを接種することにより予防できるとされてアジア、アフリカを含む世界100カ国以上で導入されておりますが、日本においては平成19年1月26日に厚生労働省によって製造販売が承認され、昨年12月から販売され、接種可能となっております。
ヒブ
ワクチンは現在、
ワクチンの供給が不足し、全国で接種の予約待ちが続いている状況にあると聞いております。
ヒブ
ワクチンは、生後2カ月以上5歳未満を対象として4週間から8週間の間隔で3回接種し、その1年後に1回接種するもので、合計4回の接種が必要とされております。1回の接種費は7000円前後で、約3万円程度の
接種費用がかかるとされております。
現在、県内で
接種費用の助成を行っている市町村はなく、全国でも宮崎市や鹿児島市、東京都品川区・渋谷区など一部の自治体だけで、その助成額は接種1回につき3000円から4000円程度と伺っております。
当市では、麻疹、風疹、ポリオ、百日ぜき、ジフテリア、破傷風、BCG、日本脳炎といった、
予防接種法に基づく8種類の
予防接種を
全額公費で実施しており、
予防接種法により
健康被害が発生した場合は同法により救済されることになっております。
当市においては、任意の
予防接種であるヒブ
ワクチンや水ぼうそう、おたふく風邪、インフルエンザ等については現在、助成していない状況にあります。
ヒブ
ワクチンの一部助成に係る経費についてですが、平成20年度に出生した全乳児1922人を対象に、接種回数の4回分について接種費の
半額程度の3500円を助成すると仮定した場合、2690万8000円の経費となります。また、接種費の3分の1を助成すると仮定した場合は1768万2400円の経費となります。
以上でございます。
○
田名部 委員長 これより質疑を行います。御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○
田名部 委員長 御質疑なしと認めます。
これより意見を徴します。御意見ありませんか。
◆坂本〔美〕 委員 これも先ほどの
高齢者の
肺炎球菌ワクチンと同様、本会議で取り上げられて、石橋部長が答弁していたのを聞いていたのですが、必要性は十分認識しているんだなと。今、加賀課長のほうは、どの程度負担すればいいのかと悩みながら答弁しており――課長のはあくまでも、我々が決めることの参考にしていただくということでわざわざ詳しく出していただいているんで、我々も課長のお話をもとに進められるので大変ありがとうございます。
この請願は、一部を助成していただきたいということなので、どの程度が合うのかということの検討が必要だろうと思っていますので、これも先ほどと同じで、やる方向で
継続審査ということにしてもらえれば。
それから、先ほどの請願もそうですが、請願者は一部を市に対して助成してほしいと、これはこれでいいんですが、もっと大きく、国のほうに対して今言った
ワクチンの中に加えてもらうというふうな運動も必要じゃないのかなと。これは全会派が賛同できることだと思うので、即やる方向で、議員提案で国へ意見書を出すやつです。
これは、
ワクチンもたくさんあるわけでして、無料になるもの、国が主にしているものとしていないもの、任意と言っていますけれども、通常のインフルエンザの予防のための
ワクチンと今のヒブ
ワクチンとはちょっと違うんじゃないかなと。こっちはランクからいけばもっと上の
ワクチンになるのかなと思っていますので、国も様子を見ているのだろうと。全国を見ても、宮崎市とかだけでまだそんなにやっていないということであれば、そういうことも含めて、これについては先ほど同様、今回は前向きな意味での
継続審査ということでお願いしたいと思います。
○
田名部 委員長 他にありませんか。
◆夏坂 委員 今、
坂本美洋委員がお話ししたとおりでございます。私も今回の本会議で取り上げさせていただきました。
日本でもまだ、供給されて間もないということもありまして、さまざまな状況を見ている感はあると思うんですが、ただ、必要なものは必要だということで、財政状況を勘案しながらという部分も含めて前向きに検討していただければと思っております。
継続審査ということで検討していきたいと思います。
○
田名部 委員長 他にありませんか。
◆三浦〔博〕 委員 私も
継続審査という方向で。先ほど先輩委員が言われたとおりで、もっともだなと思っておりました。国のほうが平成19年1月26日に
ワクチンの承認ということで、やはりまだ日が浅いというところもありますので、そういった部分ではもちろん当市から必要だということの発信から始めていって、できるだけ早く実現可能になればいいかなということで、私も審査に継続的にかかわっていきたいと思っております。
以上です。
◆松橋 委員 基本的には
継続審査ということでお願いしたいと思いますけれども、これも助成する方向で緊急に協議をしていただきたいということです。
それからもう1つ、これは議会の問題ですけれども、請願・陳情の取り扱いとして、市に助成していただきたいというのはニュアンスが違うのかなと。この場合、国にも意見書を上げる必要があるのではないのかなというふうな気がするんです。市への場合であれば一般質問とか政策的なもので提言すればいいんであって、ここでの取り扱いは、いかにして国のほうに意見書を上げるかの審査になると思うんです。この趣旨からいけば、内容的に合うと思います。ですから先ほどの
高齢者の
肺炎球菌ワクチンの問題も含めて、ぜひとも国のほうにも提出するような形の意見書としての内容を含めて継続的に審査したらどうかなというふうに思います。
○
田名部 委員長 他にありませんか。
◆畑中 委員 これも先ほどの
肺炎球菌と同じように、同じく3月に講演会が青森であって、これを聞いていたら、
ワクチンの導入は100カ国と言われましたけれども、実は130カ国もあって、ほとんどが過去の病気となっているそうで、日本は
ワクチンの導入が随分おくれているというふうなことを埼玉医科大学の教授の方が言っていました。やっぱりおくれているんだなという感じです。そういうこともありまして、今、
坂本美洋委員や松橋委員が言ったように、国のほうにも国策としてやってもらうようなことを上げるということも含めてやってもらえればなと思っていました。
大概がそうですから、
継続審査ということでお願いします。
○
田名部 委員長 他にありませんか。
◆伊藤 委員 寿命が全国でもワーストの中で、
高齢者、それから乳幼児の対策の中で大事な対策だろうというふうに思います。一日も早くと思いますけれども、次回に向けて前向きに取り組むということで
継続審査に賛成いたします。
○
田名部 委員長 ほかにありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○
田名部 委員長 ただいま
坂本美洋委員、夏坂委員、三浦博司委員、松橋委員、畑中委員、伊藤委員から意見があったとおり、平成21年請願第2号を調査、検討の要ありとし、
継続審査とすることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
田名部 委員長 御異議なしと認めます。
よって、本請願は
継続審査と決しました。
──────────────────────────────────────
3 平成21年陳情第1号 国外で作製された
歯科医療用補綴物(
入れ歯等)の取り扱いに関する
意見書採択を求める陳情
○
田名部 委員長 次に、平成21年陳情第1号国外で作製された
歯科医療用補綴物――
入れ歯等――の取り扱いに関する
意見書採択を求める陳情を議題といたします。
本陳情は、
継続審査となっておりましたが、改組があったことから、再度
事務局から陳情の要旨について朗読させます。
◎
担当書記 それでは、朗読いたします。
番号、平成21年陳情第1号。
受理年月日、平成21年2月20日。件名、国外で作製された
歯科医療用補綴物――
入れ歯等――の取り扱いに関する
意見書採択を求める陳情。提出者、青森市松原一丁目2ー12、青森県
保険医協会会長河原木俊光。
要旨、国民の健康を守る上で大切な口腔医療の現場において、通常、歯科医療用に供する補綴物――
入れ歯等歯科技工物――等は、歯科医師または歯科医師の指示に従って歯科技工士が作製するとされていますが、近年、国外で作製された
歯科医療用補綴物等が使用されているのにもかかわらず、歯科材料の性状等何ら検査も受けずに、雑貨物扱いで輸入されて患者に供されている事例が増加しています。
近年、国外からの輸入品にまつわる事件として、ギョーザの薬物混入、歯磨き粉による死亡事故、玩具からの有害塗料検出など
健康被害の実例が相次ぎ、国民の安心安全が脅かされています。
こうした事態に対し、国は、歯科医師が国外で作製された
歯科医療用補綴物を患者に供する場合は、十分な情報提供を行うよう指示しています。しかしながら、患者が安心して歯科医療を受けることができるようにするには、国外で作製された歯科補綴物等の品質や安全性確保に向けて一層踏み込んだ対策が急がれます。
よって、以下の陳情項目を採択いただき、地方自治法第99条の規定により、関係各省庁に意見書を提出いただきますよう要望いたします。
・ 歯科補綴物等の輸入取り扱いに関する法整備を行うとともに、国外で作製された歯科補綴物等の品質や安全の確保のために、必要な措置を講ずること。
以上でございます。
○
田名部 委員長 本陳情の審査の参考に資するため、
理事者から概要等について説明願います。
◎佐藤 健康福祉政策課長 それでは、御説明いたします。
お手元の資料をごらんください。
まず、陳情書提出者の青森県保険医協会でございますが、昭和54年に開業保険医が中心となって設立された任意の団体で、保険医の経営と権利を守り、医療制度の改善を目的に結成されたものでございます。
同協会からの聞き取りによりますと、本年5月末現在で県内の医師・歯科医師1308名が入会。うち八戸市内では医師159名、歯科医師103名、合計262名が入会し、活動しております。
陳情の内容は、国が歯科補綴物――
入れ歯等歯科技工物――等の輸入取り扱いに関する法整備を行うとともに、国外で作製された歯科補綴物等の品質や安全の確保のために必要な措置を講ずるよう求める意見書を関係各省庁に提出してくださいということでございます。
歯科補綴物とは、歯科治療の上では最後にかみ合わせをつくる金属、セラミック、レジン――高分子樹脂――等の人工の歯や
入れ歯等を指すそうでございます。
資料の裏面をごらんください。
3の国のほうの通達でございますが、厚生労働省は平成17年9月8日、「国外で作成された補てつ物等の取り扱いについて」を各都道府県衛生主管部局長に通達しております。
通知の抜粋でございますが、歯科技工については、患者を治療する歯科医師の責任のもと、安全性等に十分配慮した上で実施されるものですが、国外で作製された補綴物等については、使用されている歯科材料の性状等が必ずしも明確でなく、また、我が国の有資格者による作製ではないことが考えられることから、補綴物等の品質の確保の観点から別添のような取り扱いとしますので、よろしく御了知願いますというものでございます。
別添の取り扱いの抜粋でございますが、国外で作製された補綴物等を病院または診療所の歯科医師が輸入し、患者に供する場合は、患者に対して特に以下の点についての十分な情報提供を行い、患者の理解と同意を得るとともに、良質かつ適切な歯科医療を行うよう努めることというものでございます。
以下の点は1から7まででございますが、当該補綴物等の設計、作製方法、使用材料、原材料等でございます。
4番目としまして、他の地方自治体における採択の状況はごらんのとおりでございます。平成21年5月末現在、採択した県内市町村は、青森市ほか14団体、県外の採択状況は13団体となっております。
以上でございます。
○
田名部 委員長 これより質疑を行います。御質疑ありませんか。
◆伊藤 委員 ちょっと教えていただきたいんですが、海外からの補綴物の輸入は、いつごろから、そして現在どのぐらい出回って私たちの治療に使われているものか、把握はされていますでしょうか。
◎佐藤 健康福祉政策課長 私どものほうでは、使用実態というのは把握しておりませんけれども、この陳情書を提出した青森県保険医協会による、昨年の2月にみずからの歯科医の会員を対象としたアンケートがございます。445名の県内の歯科医にアンケートをとりまして、回収状況は102名からで、回収率は25.1%と低いものでございますけれども、主な質問についての結果でございます。
質問の1つ目としまして、これまで海外技工物の案内やチラシを見たことがあるかないか。あると回答された歯医者が4割、ないと回答された歯医者が6割となっております。それから質問の3番目としまして、これまで海外に技工物を依頼したことがあるか。これは、あると回答された方が約5%、ないと回答された方が約95%。それから質問の4番目としまして、今後の海外技工物の利用について、利用するつもりがあるまたは、条件が合えば利用すると回答された方が1割、残りの9割の方は利用するつもりはないという回答でございます。
以上でございます。
○
田名部 委員長 他にありませんか。
◆畑中 委員 私が聞いたところ、今の輸入は中国からのものが大半で、食料と同じでとにかく安いのが1つのねらいで売り出しているということです。伊藤委員の答えになるかどうかわかりませんが、そういうのが多かったように聞いています。
○
田名部 委員長 他にありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○
田名部 委員長 御質疑なしと認めます。
これより意見を徴します。御意見ありませんか。
◆坂本〔美〕 委員 今の説明を聞いても大変慎重にやらざるを得ないだろうと思っていますし、厚生労働省からの通達ももう既に出ているということです。アンケートの結果を見ても、25%ぐらいの回収率の中で5%の人ということで、数はうんと少ないとは思いますが、実際こういうことがあるということだから、前回は勉強するために
継続審査でしたけれども、安全性をということであればここで採択というふうにしたいと思っています。
○
田名部 委員長 他にありませんか。
◆三浦〔博〕 委員
坂本美洋委員の話を伺って、なるほど安全性という部分では採択して市として意思表示をするいうことが大切なのかなというふうに思っております。そういった意味では、私としては採択という形に賛成したいと思っています。
○
田名部 委員長 他にありませんか。
◆松橋 委員 結論を言いますと、私もこの陳情を採択という方向でお願いしたいと。
というのは、いろいろ国外からの食品に関する問題が出ているのと同時に、国外から入ってくる製品に対しての安全性ということが懸念されていると思います。補綴物が雑貨扱いで、検査も通らないで入ってきているということ自体が異常で、そういう点でしっかりとした法整備がぜひ必要なんだと。いずれにしても安全安心を考えれば、これはしっかりとやっていただきたいということです。
それから先ほど説明がありましたように、県内の14市町村がもう既に採択しているということからしても、採択するべきだというふうに思います。
以上です。
○
田名部 委員長 他にありませんか。
◆畑中 委員 採択でお願いします。
○
田名部 委員長 他にありませんか。
◆伊藤 委員 採択でお願いいたします。
我々がとても大事な歯の治療を受けるときに、自分で選択できない状態でそれが使われているとなると本当に心配です。食べ物の場合だと、もう何々産は買わないとかという選択ができるんだけれども。ですからこういう危険物ということについては、即、対応していただきたいというふうに思います。
○
田名部 委員長 他にありませんか。
◆夏坂 委員 なかなか実態が見えにくい部分があるんですが、この意見書を採択することによって、また見えてくることもあるのかなと思います。そういう意味では採択ということでお願いしたいと思います。
○
田名部 委員長 ほかにありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○
田名部 委員長 ただいま
坂本美洋委員、三浦博司委員、松橋委員、畑中委員、伊藤委員、夏坂委員から意見があったとおり、平成21年陳情第1号を趣旨了とし、採択することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
田名部 委員長 御異議なしと認めます。
よって、本陳情は採択と決しました。
以上で当
委員会に付託されました
議案等の審査はすべて終了いたしました。
なお、報告内容については
委員長に一任願います。
ここで
理事者の方は退席されて結構であります。
御苦労さまでした。
〔
理事者退席〕
──────────────────────────────────────
● 閉会中の
継続調査について
○
田名部 委員長 改めて、閉会中の
継続調査について委員の皆様にお諮りしたいと思います。
この件については、
担当書記から説明させます。
◎
担当書記 委員会の閉会中の
継続調査について御説明いたします。
委員会は、議会の会期中のみ活動するのが原則でありまして、閉会中の
委員会活動、この中には
委員会視察等の
委員派遣も含むものでありますが、これを行うためには本会議において閉会中の
継続調査の議決が必要となります。
今定例会においては、当
委員会の改組が行われましたことから、改めて閉会中の
継続審査の申し出を議長に対して行い、最終日の本会議で議決を得ることとなります。
なお、当
委員会からの議長への申し出については、お手元に配付の内容のとおりと考えているものであります。
よろしくお願いいたします。
○
田名部 委員長 それでは、お諮りいたします。
民生常任委員会の閉会中の
継続調査については、お手元に配付のとおり議長に申し出したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
田名部 委員長 御異議なしと認めます。
よって、当
委員会の閉会中の
継続調査については別紙のとおり申し出することに決しました。
──────────────────────────────────────
●
委員派遣について
○
田名部 委員長 次に、
委員派遣についてお諮りいたします。
当
委員会の視察についてでありますが、7月8日水曜日から10日金曜日までの3日間の日程で実施したいと考えております。
なお、視察先につきましては
委員長に一任願います。
また、視察を実施するに当たり、議長に対し
委員派遣承認要求を行うこととし、諸般の手続につきましては
委員長に一任願いたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
田名部 委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたします。
──────────────────────────────────────
○
田名部 委員長 これで
民生常任委員会を閉じます。
午前11時08分 閉会...