鹿角市議会 > 2003-03-13 >
平成15年第1回定例会(第4号 3月13日)

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  1. 鹿角市議会 2003-03-13
    平成15年第1回定例会(第4号 3月13日)


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    平成15年第1回定例会(第4号 3月13日)    平成15年3月13日(木)午前10時開議  開議 第1 一般質問     質問     答弁  散会 ───────────────────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  1 一般質問     勝 又 幹 雄 君     阿 部 節 雄 君     阿 部 博 文 君  2 日程の追加     議案及び請願・陳情の追加付託 ───────────────────────────────────────────── 出席議員(24名)       1番  宮 野 和 秀 君     2番  成 田 尚 平 君       3番  小田切 康 人 君     4番  大 里 恭 司 君       5番  栁 舘 一 郎 君     6番  阿 部 博 文 君
          7番  髙 杉 正 美 君     8番  田 村 富 男 君       9番  岩 船 正 記 君    10番  黒 澤 一 夫 君      11番  石 川 幸 美 君    12番  石 川   徹 君      13番  米 田 健 一 君    14番  村 木 繁 夫 君      15番  阿 部 節 雄 君    16番  児 玉 政 芳 君      17番  齋 藤 啓 一 君    18番  豊 田 重 美 君      19番  勝 又 幹 雄 君    20番  佐 藤   一 君      21番  中 西 日出男 君    22番  奈 良 喜三郎 君      23番  阿 部 邦 宏 君    24番  阿 部 佐太郎 君 ───────────────────────────────────────────── 欠席議員(なし) ───────────────────────────────────────────── 事務局出席職員 事務局長  佐 藤 國 雄 君    班長  今 泉   修 君 主  査  田 口 善 浩 君    主任  米 田 直 子 君 主  事  小田嶋 真 人 君 ───────────────────────────────────────────── 説明のため出席した者の職氏名 市長        佐 藤 洋 輔 君 助役          三 村 陽 一 君 収入役       大 里 博 志 君 教育長         織 田 育 生 君 総務部長      田 村 秀 一 君 市民部長        石 坂 光 男 君 産業部長      児 玉   一 君 市民部部長待遇     阿 部 成 憲 君 総務部付部長待遇  児 玉 弘 志 君 教育次長        和井内 貞 光 君 総務部次長     渡 邊   正 君 建設部次長       米 田 公 正 君 財政課長      高 田 幸 良 君 監査委員事務局長    三 上   豊 君 農業委員会事務局長 米 村 一 男 君 選挙管理委員会事務局長 川 又 武 美 君 ○議会事務局長(佐藤國雄君) ただいままでの出席議員数をご報告申し上げます。出席24名であります。したがいまして、会議開会の定足数に達しております。終わります。     午前10時00分 開議 ○議長(大里恭司君) ただいま報告ありましたように、議員定数の半数以上が出席されておりますので会議は成立いたします。よって、本日の会議を開きます。  本日の会議は、議事日程第4号により進めてまいります。 ──────────────────────〇 ─────────────────────     日程第1 一般質問 ○議長(大里恭司君) 日程第1、一般質問を昨日に引き続いて行います。  順位4番、勝又幹雄君の発言を認めます。勝又幹雄君。     (19番 勝又幹雄君 登壇) ○19番(勝又幹雄君) おはようございます。  まず、今回質問の機会を与えてくださいました議会運営委員長並びに各会派の皆さんに心から感謝申し上げます。  小坂町さんの合併に対するアンケート結果が発表され、市長及び議長から任意協議会の申し入れがなされました。町長さんは5月までということで保留いたしております。次の6月定例会では間に合いません。とにかく一言申し上げたいと思いましたので、ありがたく質問させていただきます。  まず初めに、このたび十和田高校の石垣寿美子選手が全国のスキー大会で史上初の個人種目完全制覇7冠を達成いたしましたことを心からお喜び申し上げます。ご両親の並々ならぬ努力と寿美子さん自身の並外れた努力に心から敬意を表したいと思います。また、地元の方々の応援のすさまじさにも改めて敬意を表します。さらに嬉しいことに、オリンピックに出場したら住民全員が応援に駆けつけるとの意気込みであります。明るい夢のある大変すばらしいことであります。  さて、最初に、合併問題についてであります。  おおよそ3,000の自治体が1,000になるとし、特例債をすべて利用した場合に約50兆円かかるとされております。13年度末で国と地方合わせて666兆円の赤字とされておりますが、実体は1,000兆円であるとの見方もあります。  国家予算は約70兆円。税収は約40兆円。赤字国債が30兆円を超えようとしております。借金の返済は57兆円。とても返せないため、そのうち53兆円は借りかえ。収入よりも10兆円上回っております。借金のために借金を重ねるサラ金地獄状態。その上に合併により50兆円が加わる可能性があります。  日本の個人資産は1,400兆円とされております。株価が8,000円台を割っております。国債が暴落すれば、各銀行を初め、国債を抱え込んでいるところは大変であります。世界恐慌があるかもしれません。インフレターゲット論、消費税15%などという話が出るのもその辺にあるような気もいたします。  今回、合併問題をめぐる動きを見たとき、数字とか言葉というものはひとり歩きをするものだと感じました。「2市3町」と「52%」であります。  まず、「2市3町」について。理想としてはという話の中ではありました。また、陳情にもありました。大館市長の要請としてもありました。しかし、鹿角市は正式にお断りをしたため、2市3町ということは現時点ではないはずであります。今あるのは、1市3町か1市2町、1市1町か単独かということであります。にもかかわらず、2市3町があたかもあるかのように思い込まれております。  次に、小坂町さんのアンケート結果。鹿角市との合併を望む人が「52%」という数字であります。対象者18歳以上6,072人、回収率92.1%。その中で「合併が必要である」とした方、それと「どちらかと言えば必要である」と答えた方が合わせて53.8%。そのうちで「相手先を鹿角市を選んだ方」52.3%ということであります。人数では1,576人。アンケートした方の約4分の1の方が鹿角市との合併を望んでいる可能性があるということを示しております。  また、大館市との合併を望む方が合併賛成者のうちの12.8%。2市3町を望む方が31.8%。2市3町を選んだ方が、鹿角市が入らなくてもそう望んだのだとすれば、合わせると44.6%となり、鹿角市と単独でということが絶対的に優位だとは言い切れなくなってきます。  設問の仕方、事前の情報の流し方によって大きく変動する可能性があります。まして1,500人という人数は、6,000人のうちの4分の1、25%の人しか鹿角市との合併を望んでいないとの見方もできます。にもかかわらず、市の広報でグラフを見た限りでは、小坂町の半分以上の方が鹿角市との合併を望んでいると思い込んでしまう可能性があります。  合併するのかしないのか、しなければならないのか。鹿角市民にとっても大変大きな課題であります。  そこで質問ですが、まず1点目として、もし合併した場合としなかった場合の財政見通しについてお尋ねいたします。  合併した場合については、いわゆる2市3町の場合は15年後どうなると予測されるのか。また、1市1町の場合はそれぞれどうなのかであります。また、合併しないで単独でいった場合はどのように予測されるのかお尋ねいたします。合併した場合としなかった場合、合併した場合も、1市1町と2市3町の違いはどのように予測されるのかお尋ねいたします。  次に、小坂町が合併せず単独の道を選択した場合、鹿角市も単独の道を選ぶのかどうかお尋ねいたします。  また、2市3町を選択する可能性があるのかないのかもお尋ねいたします。  次に、北東北3県の道州制についてはどのように考えるのかお尋ねいたします。もしそうなった場合、地理的には中心地となります。そのときに1市1町がベターと考えるのか、2市3町がベターと考えるのか、あるいはそれ以外がよいと考えるのかどうかお尋ねいたします。また、その根拠についてもお願いいたします。  次に、小坂町と合併した場合のメリットは何が考えられるのかをお尋ねいたします。プラスとなるのかマイナスとなるのか。  また、合併した場合の道路網の整備についてはどのようなことが予測されるのかお尋ねいたします。  次に、エコタウンについてでございます。  平成13年に発表されました小坂町総合計画は「小坂エコライフ21」を副題とし、環境に活路を見出すということで、循環型社会の実現を目指す「エコタウン構想」、全町を博物館として整備保存する「エコミュージアム構想」、町民が生涯健康で過ごせるための「健康づくり構想」など七つの構想を提示し、エコロジーとエコノミーの意味を込め、環境に活路を見出す政策であります。具体的にはSFP豚プラントから出るふん尿と家庭から出される生ごみを堆肥化、それを有効活用するためのコンポストバンクの整備、地域内通貨の導入などを目指しております。さらに、町営バスや公用車への軽油代替燃料導入と原料の廃油回収など、自治体が原料のリサイクル体制確立まで取り組むのは初めてと言われております。さらに、県北のエコタウン構想においても既に家電リサイクルも始まっており将来への期待が大きくなりつつあります。  そこで、鹿角市のエコタウンについての取り組みの実態はどのようになっているのかお尋ねいたします。  次に、観光立市についてであります。  最初に、国際的な流れ、国内の流れ、鹿角市関連の流れを雑駁に少しだけ述べたいと思います。  国際観光振興会の統計によれば、1999年現在、外国人訪問者数は、フランスが1位で約7,300万人、次がアメリカ約4,800万人、その次がハンガリーで約3,000万人、日本は約450万人であります。人口比率ではハンガリーがトップ。一方、日本に訪れた外国人旅行者数は、2001年現在477万2,000人、それに対し日本人の海外旅行者数は1,621万6,000人。アメリカの同時テロの前の2000年には1,781万9,000人、外国旅行者国際ランキング第6位。国際観光支出ランキングでは日本は第4位、3兆8,280億円であります。海外に出かける人は多い割に日本に来る外国人は少なく、受け入れ数は世界で36位で韓国よりも低いのが実態であります。  観光による収入は、フランスが4兆円、アメリカが9兆円、日本は中国、タイ、インドネシア、韓国よりも少ない。国際旅行収支では3兆円から4兆円の赤字であります。  一方、日本の観光産業は75兆円にまで拡大。ITとともに国内産業をリードする可能性を持ち合わせております。  そこで政府は、国を挙げて国際競争力をつけ、2兆7,000億円の収入増を目指し、15万人の雇用創出を計画し取り組もうとしております。観光立国日本を目指そうというわけであります。  バブル崩壊後の不景気にもかかわらず、国内で宿泊・レクリエーションを味わった人は延べ約1億9,000万人。伸び悩み厳しい状況は続いているものの日本人の旅行好きは変わっておりません。しかしながら、ご存じのとおり既存の温泉外は低調のまま。逆に、東京ディズニーランドや九州の温泉等の伸ばしているところもあります。  先月28日に県の鹿角地方部観光地づくりの研修会を開催いたしました。その中で地方部長は、「観光客は年々減少し、地域社会が一丸となり、観光客を受け入れていくための体制づくりが必要だ。この地域にふさわしい方法を学びたい」とあいさつされております。その後、リゾート通信「かがり火」編集長の菅原歓一氏が「地域ぐるみ観光地づくり」と題し講演されました。  また、米代新報によりますと、大館市で県北観光シンポジウムがあり、市長も出席され「観光は地域振興の大きな役割を担う。県北地区は21世紀の観光エリアとして発展する可能性があり、総力を挙げて観光振興に取り組んでいきたい」とあいさつされたとあります。  さて、先ほども申したような国の大きな流れの中で、鹿角の実態はどうなのか。新幹線が八戸まで来たのに危うく観光バスまで廃止という現実であります。  八戸から青森を通って白神山地、あるいは五能線であきたこまちへという流れができつつあります。環十和田プラネット、中身を空っぽ、空洞化、ドーナツ現象となりはしないかと大変危惧しております。  鹿角は観光と農業。特に観光以外に生きる道はないと思います。ほかにないもの、ここにしかないもの、それを特化し伸ばしていくことが地域の生きる道だと思います。十和田八幡平そして温泉があります。それに全住民が一体となって取り組むことが未来を明るくするものと確信いたします。  鹿角市の観光は以前から通過型であり、そのためにさまざまな対策をしてきました。にもかかわらず、この20年、その流れが大きくは変わっていない現実であります。  温泉であるからにはお湯を大切にということで、大湯温泉の各旅館等の風呂場は大変よくなりました。が、いま一つ伸び悩んでいるようにも見えます。  それぞれの皆さんが十分にやっていけて、外からとやかく必要がないのかもしれませんが、市の産業として見た場合、もっと元気になってもらえれば鹿角市の活性化にもつながると思います。  政府の対応を見ましても大きなチャンスが到来しようとしております。  そこで第1点目として、鹿角市として今後の観光への考え方はどうなっているのか。また、その取り組みをどうしようとしているのかお尋ねいたします。  次に、観光地のバリアフリーについての対策を考えているのかということであります。  国際的にも、また国内においてもバリアフリーは当然のことになってきております。九州の旅館、ホテルは、バリアフリーになっているかどうかがインターネットで即座に調べることができます。障害者の方はもちろんですが、高齢者や子供さんのことを考えてもバリアフリーには積極的に取り組み、その支援を考えるべきと思います。  次に、鹿角盆地一帯を観光地ととらえるべきについてであります。  鹿角盆地は昔から青垣をめぐらすと歌われております。八幡平からはもちろん、水晶山、五の宮、毛馬内富士、あるいは七滝や黒森から遠望する風景は大変すばらしいものがあります。そして何よりも四季がはっきりとした時間の流れというものは何にも変えがたいものであります。  また、最近はストーンサークルの整備により名所が一つふえました。観光バスは国道ではなく農免道路を通るのがふえているようであります。盆地全体を眺め渡せばまだまだすばらしい自然が残っております。  樹海ライン笹森展望所。すばらしい原生林が生い茂っております。鹿角から最も近い場所で見られる原生林であります。十和田湖も見えますが、残念なことに防雪さくがやや目ざわりでありましたが。  十和田八幡平はもとよりですが、鹿角の盆地そのものが適度な広さであり、桃源郷のような地域であります。北緯42度ライン。太平洋で朝日を眺め、内陸で星を眺め、鹿角で温泉に入り、日本海で夕日を眺める。最高の贅沢、リフレッシュだと思います。  戦後生まれの団塊の世代がこれから老年期を迎えます。10年、20年先の大きな流れをつくっていきます。その人たちの心をつかむことが大切であります。  その年代に訴える場所として鹿角盆地は十分魅力があると思います。また、歴史もあり、物語も持っております。  小坂町は康楽館、鉱山事務所、明治通りとすばらしいものがあります。この盆地を一体の観光地としてとらえることができ、それを伸ばすことでより十和田湖、八幡平が生きてくると思います。  次に、観光に大切なことは何かであります。先ほど数字で見たとおり、国内観光はバブル以来やや減少しておりますが、中には伸びているところもあります。しかし、何かが不足している、何か原因があると思われますが、市として観光にとって大切なものは何と考えているのかお尋ねいたします。  今後の観光のターゲットは女性、高齢者層、個人客と言われております。その方たちに対し、「そこに行きたい」「その旅館に泊まりたい」というための努力をしてきたのかどうかが今後の最大の問題であります。それがなくては、若い女性も高齢者も皆海外に行ってしまいます。  環風景のこだわり、においや音、懐かしさと心地よさ、そして食の楽しみを堪能でき、大切にもてなし、現実を忘れ浸れるもの。  温泉という異質環境でそこにたたずむだけで五感が刺激され、身も心も癒されリフレッシュされる温泉。清潔でおいしい料理が楽しめ、値段もそこそこ、そして癒されるというところ。それが現在もこれからも求められる温泉地であります。  次に、今回の予算に3温泉郷の統一企画プランの予算がついておりますが、これはどのような目的で、何を目指すのかお尋ねいたします。  次に、観光道路についてであります。鹿角盆地全体を観光として考えた場合、それなりの道路が必要になりますし、また改善も求められます。来満トンネル、あるいは小坂から大湯へのライン、二本柳へのルート、あるいはストーンサークルを真っ二つにしている県道も自然景観と縄文の風景を生かすためにも是非とも改善したいものであります。  もちろん公共事業抑制の現在考えにくいとも言えますが、逆に国の政策としての観光対策であれば可能性があると私は考えたいと思います。あとは進め方次第、市としてどのようにお考えかお尋ねいたします。  また、国も積極的に海外からの観光客獲得を目指すようでありますが、市としてはどのような対応を考えているのかお尋ねいたします。  次に、今回の施政方針で「癒しの里」も将来都市像を実現するアプローチの一つであると市長は述べられておりますが、その目指すところは何なのかお尋ねいたします。また、その具体的な方策をどのようにお考えなのかもあわせてお尋ねいたします。  最後に、戦略会議の3氏からの提案がなされたようでありますが、どのような提案があったのか。また、それを観光に生かせないのかをお尋ねいたします。  外部の方の意見は地元にいてはなかなか気がつかないことが多いようであります。よいところも欠点も外部の方の方がよく見える場合もあろうかと存じます。その方たちの貴重なご意見をぜひとも鹿角の発展につなげたいものと思います。  以上、壇上からの質問とさせていただきます。     (19番 勝又幹雄君 降壇)
    ○議長(大里恭司君) ただいまの質問に対し答弁を求めます。市長。     (市長 佐藤洋輔君 登壇) ○市長(佐藤洋輔君) 勝又幹雄議員のご質問にお答えをいたします。  初めに、市町村合併についてでありますが、合併後の財政見通しにつきましては、本市及び小坂町の両市町が協議して策定する新市建設計画に基づく合併特例債の計画等によって大きく左右されることになりますので、本市のみで推計することはできないことをあらかじめお断り申し上げます。  ただし、地方交付税ということで申しますと、一本算定した場合の交付税額と、合併関係市町村個々に算定した額の合算額としての交付税額を比較した場合、その差額は1市1町よりも2市3町の方が大きくなりますが、合併することによる普通交付税の額の算定に関する特例は合併後10年間であり、その後5年間かけて段階的に削減され、16年目には本来の交付税額となりますので、そのギャップもまた大きくなります。  このギャップは、合併のスケールメリットによる行政の効率化、主として職員数の削減などで解消していくことになりますが、2市3町の面積規模、人口の集散状況から人口面で同規模の他団体と比較して限界があると考えております。  また、一本算定と合併算定替えの差額についても、交付税制度改革により年々縮小することが予想されますし、「三位一体の改革」により、将来的に地方交付税制度財源保障部分が薄くなり、財政調整機能に絞られていく可能性を考え合わせますと、15年経過後の地方交付税については、1市1町も2市3町も規模による総額の違いはあっても、実質的な差はそれほど大きくないと思われます。  小坂町が単独の道を選択した場合や、本市が2市3町を選択する可能性につきましては、現在、本市は小坂町との1市1町の合併を第一義に取り組んでおりますし、小坂町も住民アンケートの結果を詳細に分析し、今後の意思決定をするという段階であり、仮定の話を申し上げるわけにもまいりませんので、ご理解をお願いいたします。  北東北3県の合併につきましては、2010年という目標年次が示されており、15年度からは3県相互の職員派遣に取り組まれるなど、具体的に動き出す兆しは見えておりますが、その実現には法律の改正等の諸条件の整備が整っていないのが現状であります。  いずれ、県境がなくなることにより、より自由な発想で周辺市町村との連携の組み合わせを考えることが可能になると考えます。  また、本市及び小坂町の合併のメリット、鹿角地域に対する私なりの思いにつきましては、黒澤議員に答弁いたしましたとおりでございますが、地域の資源、素材を有機的に結びつけるなど、地域が一体的な取り組みをすることにより潜在能力を開花させ、地域経済の底上げが可能になるものと考えておりますので、合併はこれを達成するための手段ととらえ、地域の活性化に資する政策の一つとして進めてまいります。  道路網の整備につきましては、道路は、地域経済、社会生活の基盤であり、その役割はより大きく、また、そのニーズはますます高度化、多様化しているものと認識をいたしております。  したがって、合併する団体との一体性を確保する上でも大きな役割を果たすものと考えますが、合併後の整備計画については、本市と小坂町との任意、または法定の合併協議会において検討していくべきものと考えております。  エコタウンへの取り組みにつきましては、国のエコタウン制度は、ゼロ・エミッション構想に基づいて、地域の振興を図りながら「環境と調和したまちづくり」を推進することを目的として平成9年度に創設されたものであり、秋田県では米代川流域の県北部18市町村を対象地域としたエコタウン計画を平成11年に策定し、資源循環型社会形成に向けた取り組みをいたしております。  その特徴は、エリアの広域性と地域基幹産業の活用、そして自然との共生でありますが、ハード面での廃棄物の発生抑制・減量化と再資源化に対する取り組みにつきましては、市町村による違いがございます。  本市の場合は、ごみ減量化対策事業として、コンポスト、EMバケツ電気生ごみ処理機購入の一部を助成することにより、生ごみの堆肥化を各家庭に奨励をいたしておりますし、ペットボトル、ビン、缶、段ボールは資源ごみとして広域行政組合が民間活力を導入してリサイクルを行っているところであります。また、その他民間におけるクリーンエネルギーの事例として、田代平の風力発電所や大沼や澄川の地熱発電所が挙げられます。  一方ソフト面においては、昨年10月に「エコタウンシンポジウム」を開催し、「地球と環境」と題した基調講演、「廃棄物と循環型社会」をテーマとしたパネルディスカッション、協賛企業による「環境にやさしい環境展」を行ったほか、ごみ焼却場や田代平風力発電所などの見学も実施したところであり、循環型社会の意識啓発を図っております。また、今年度策定いたしました環境基本計画の説明とあわせ、「ごみの分別説明会」の開催や、「出前講座」を活用しての環境講座、子供たちによる「リサイクル展」、さらには、環境まちづくり市民会議等とタイアップした「フリーマーケット」や「マイバックキャンペーン」により、ごみ減量化を呼びかけております。  特に「マイバック」運動は、「マイバック」の使用によりビニールの買い物袋を減らすことができ、「ごみ減量化」につながるほか、商店によっては使用回数によるポイントを卵やごみ袋にかえられているところもあり、一石二鳥の有効な手段であると考えておりますので、過剰包装の抑制とあわせ、市民の理解と協力を得ながら推進してまいりたいと考えております。  なお、今後におきましても、各地の先進事例を参考に、また、周辺市町村とも協調しながら、本市環境基本計画に掲げる環境像「ひと・まち・自然がいきいきとする鹿角」を実現し、持続的発展が可能な社会を目指して取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、観光立市についてでありますが、市といたしましては、これまでも通過型観光からの脱皮を目指して、サービスの向上などによる受け入れ体制の強化について、十和田八幡平観光物産協会と一体となって事業を展開してきたところでございます。  しかしながら、長引く景気低迷による個人消費の足踏みなどに加え、旅行ニーズが多様化する中で、本市の観光客数はここ10年間で、平成8年の約300万人をピークに減少傾向が続き、一昨年ごろから約260万人と横ばいの傾向であり、厳しい状況が観光客数の減少に顕著にあらわれております。  こうした状況の中で、旅行ニーズの多様化に対応するため、市としても受け入れ側としてこれまでにない取り組みを地域一体で行うことが必要と考えております。  他の地域の事例を見ますと、みずからの温泉地に対する危機感を持ち始めた旅館の経営者を中心に、現状の把握から初め、課題を整理し、これを温泉郷全体の共通認識として、克服に向けた地域一体で取り組んだことが成功につながっていると考えられます。  こうしたことから、本市においても、現状認識から課題の整理、そして問題解決のための行動という一連の流れの中で、地域一体で観光客を受け入れるという共通認識に立ち、今後の課題である、2次アクセスの確保、広域観光ルート設定、そして案内人の有効活用など、官民一体となって、本市を訪れる人々に満足していただけるような体制づくりに取り組む必要があると考えております。  そのため、新年度においては、各温泉郷それぞれが統一企画として商品開発等を行うことに対して支援する「温泉郷夢ぷらん」や、案内人制度の充実を図るための事業を推進してまいります。  本市においては、福祉政策の重点課題として高齢者や障害者も安心して暮らせるまちづくりに取り組んでおりますが、観光地のバリアフリー対策につきましても、高齢化が進む中で観光地の魅力、競争力を高めるために必要と考えております。  市内の宿泊施設、観光施設に対する意識調査結果によりますと、ほとんどの施設ではバリアフリーに対する関心があり、実際に一部整備している施設もある一方、経費のかかり増しの懸念から実施できない施設もありましたので、十和田八幡平観光物産協会において、高齢者、障害者に向けての接遇講座を実施しているほか、建物の視察研修を実施し、その啓発に努めております。  また、秋田県バリアフリー社会の形成に関する条例がこの4月から全面施行されることとなり、宿泊施設などの建物の整備基準が定められておりますし、今後、整備の必要性はさらに高まってくるものと考えますので、さらに、詳細な状況を把握しながら、対処していくように指導してまいります。  なお、今年度、県の補助を受けて大湯の旅館が一部整備を実施しておりますが、来年度においても補助が受けられるよう県に要望してまいります。  鹿角盆地を観光地として一体ととらえることにつきましては、鹿角盆地一帯は、自然風景に恵まれ、歴史、文化が息づくすばらしい地域であると自負しており、観光施策を進めるに当たっては十和田八幡平観光物産協会等、相互連携により一体的に取り組んでまいりました。  今後さらに、近年の旅行者のニーズの多様化に対応した受け入れをするには、広域観光ルートの設定がテーマとなり、鹿角地域の観光施設、資源を一体化して案内できるよう、地域内のネットワーク化をより進めることが必要と考えております。  そのため、まちの案内人制度を立ち上げ、滝、山、文化歴史、食の案内人を育成し、十和田八幡平観光物産協会と連携をとりながら、これらを紹介できる体制づくりを推進し、観光事業者みずからが案内人を活用した付加価値のある商品を企画するなど、積極的な創意工夫を促すため、観光事業者に対する研修会を開催し、市民総ガイド運動を図るための観光ガイドマニュアルを作成するなど、地域が一体となって取り組んでいくことが第一と考えております。  観光地として必要なものにつきましては、伸びている観光地の傾向を見ますと、大資本の参入も大きな要因となっておりますが、観光関係に携わる方々が危機感を持ち、みずからの手で地域を活性化しようという強い意思のもとに立ち上がることで成功をおさめておりますので、地域づくりに取り組む人材の育成が求められていると考えます。  また、観光地の基礎的インフラとして、自然体験志向、家族、グループなどの旅行形態に対応した2次アクセスを確保することや、特に女性、高齢者にとって自動洗浄式トイレは不可欠と言われておりますので、観光事業者、地域住民、行政が一体となって観光客を受け入れるという気運を醸成し、その上で多様な旅行ニーズに柔軟に対応し、環境整備を図っていくことが必要と考えております。  三温泉郷の統一企画プランにつきましては、JR東日本の協力もあり、大湯温泉郷を舞台に誘客キャンペーンを実施することになったことを契機として、大湯温泉郷だけでなく、湯瀬温泉郷、八幡平温泉郷も対象に、それぞれ独自の特色、魅力を生かした受け入れ商品を企画し、新しい鹿角の旅を継続して観光客に提供できる体制づくりを支援するものであります。  市内温泉郷はこれまで、一致団結して観光客を受け入れるという気持ちはあっても、共同で宣伝活動をしたり、イベントを開催するなどにとどまり、商品を企画して売り出したことがないのが現状でしたが、今後、独自の創意工夫による企画に対し支援することで、各温泉郷が自主的に取り組まれることを期待するものであります。  観光道路の整備改良につきましては、従来から主要観光地を結ぶ国県道等幹線ルートの整備改良が図られてまいりましたが、今では高規格道路や高速自動車国道が整備され、ネットワーク化が図られております。  このため、最近はマイカーを利用した観光がふえる傾向にあり、本市といたしましても、市内二つのインターチェンジ等主要交通結節点から観光地へのアクセス強化、マイカー観光の快適性向上を図る道路環境の整備・改良については、今後も計画的な取り組みが必要とされるものであります。  来満トンネルの整備は、その効果として本市と青森県南部地方のアクセス性が高まることや、八戸自動車道一戸インターチェンジと本市十和田インターチェンジを結ぶルート上であることから、観光需要の増加と経済効果等が期待されますが、北東北3県の主要都市間が高速自動車道で結ばれ、近い将来、日本海沿岸自動車道が小坂ジャンクションで東北自動車道と接続されることなどを考え合わせた場合の交通需要、経済効果等の問題のほか、多額の財政負担が伴うことなどの観点から判断すると、観光施策としての国の事業採択には難しいものがあると考えております。  なお、この問題に関連する(仮称)大湯田子線の整備につきましては、昨年の9月定例会の一般質問にもお答えしておりますように、八戸能代間北東北横断道路整備促進期成同盟会活動において、国県の機関及び国会議員等に計画的な整備改良を要望しているところであります。国においては行財政構造改革が急ピッチで進められており、来年度も公共事業の削減が断行されるなど道路整備を取り巻く環境は一段と厳しさを増しており、前向きの回答が得られておりませんので、改めてこのルート整備の実現は難しい状況にあることをご理解いただきたいと思います。  また、縦軸としての大湯・小坂観光ラインにつきましては、当面は既設道路の活用を基本とし、新設改良については、その必要性や効果等に係る広域的・多角的な観点から検討するとともに、観光ニーズの動向、国県等の観光関連施策等も見きわめながら対応すべきものと考えております。  次に、観光の国際化への対応についてでありますが、国際観光の推進は、豊かな国民生活の実現、国際交流の促進、経済発展への寄与など重要な役割を担っており、本市においても同様であります。  秋田、青森、岩手の北東北3県においては、海外からの観光客が首都圏、関西圏、その他一部の地域に集中しており、地方の国際化と活性化を促進するためには外国人観光客の受け入れが必要との考え方から、北東北国際観光テーマ地区協議会を組織し、北東北観光の魅力を感じてもらうため、観光テーマルートを設定するなど体制を整えつつあります。  また、近年、韓国、台湾などからの観光客がふえており、旅行エージェントの招待や商談会などを開催し、北東北への誘客に力を入れてきているところであります。  本市においても、国際観光の推進・交流は、地域の産業、所得、雇用への波及効果も高いものと考えており、外国人が安心して本市を訪れることができるよう、関係者の理解を得るための研修会を実施しておりますが、今後におきましても、秋田県、県観光連盟、十和田八幡平観光物産協会などと連携して、サービス等の向上に努めてまいりたいと考えております。  「癒しの里」につきましては、施政方針の冒頭で申し上げましたように、「市民が癒され、外来者も癒されるまちづくり」を行うことによって、経済戦略の基本戦略の一つである「市民力の回復」を図ろうというものであり、地域にゆとり感をもたらし、経済再生・地域活性化・5次総に掲げる「夢」の実現に向けた市民の活力を呼び起こすための条件整備であると考えております。  また、本市の優位性を最大限に生かし、市民が健康かつ希望に満ちた生活を営みながら、観光客などとも経済的・文化的に交流することにより、将来都市像を実現するため、市民、事業者、行政が共有すべき視点として位置づけております。  現代社会においては、物心両面で疲労感・閉塞感が蔓延し、「癒されたい」という思いが強くなってきており、これが観光・サービス業を中心に大きく反映されてきていると分析されておりますが、本市には「癒し」の素材は既に十分にあり、「とわの里あんとら鹿角」の「里」という言葉にも「のどかさ」や「癒し」といったイメージが込められております。  これまで温泉を活用した健康づくりや中心市街地における緑化事業のほか、史跡環境の整備や市民総ガイド運動により、ホスピタリティの向上に努めてまいりましたが、今後、本市のすぐれた風土や環境を市民の福祉の向上と夢の実現のために活用し、また、「癒し」を求めて来訪した観光客等に提供するソフトをより一層充実させていくことが必要になってくるものと考えます。  また、市民については互いに支え合うネットワークの構築などを、外来客については地域がみずから考える「温泉郷夢ぷらん」を支援しながら、観光業と農業の融合や新幹線延伸に対応した広域観光などを進めていくことが重要であると考えております。  「癒しの里」は地域資源のフル活用を考える「鹿角学」そのものであるとともに、CIを確かなものとし、将来都市像を実現するための視点として、市政運営の中に位置づけてまいりたいと考えております。  経済戦略会議の委員による提案を観光に生かすことにつきましては、去る2月24日、旧戦略会議の3人の専門委員との会議を開催しておりますが、会議の冒頭、委員から、経済戦略会議の活動終了後においても経過報告、戦術の検証を実施し、さらに新たな提言を得ようとする姿勢に対して大きな評価を得たところであります。また、ホスピタリティの向上や自然環境、資源を生かした「癒しの里」づくりについても、好意的に受けとめられるとともに、それぞれの委員からは、鹿角経済、地域の活性化について熱いメッセージをいただいております。  その内容につきましては、北東北の核として、そのロケーションを生かしていく絶好の機会であるとか、地域づくりのための人材育成の必要性、ネットワークを生かした観光PRの実施等のほか、本市が北東北において重要な役割を果たすための調査研究をするべきとの意見が出されております。  特に、観光の専門委員からは、本市に関心を寄せている人的ネットワークが存在しているのに活用し切れていないなどの意見が出され、今後、人的ネットワークを生かした観光PRについて常時情報を提供する体制を整備するともとに、双方向でこれを共有し、鹿角観光戦略に結びつけるべきとの提言がございました。  また、JR東日本とタイアップしてのキャンペーンについては、他地区で同様の企画を実施した際、受け入れ対応のまずさからかえって信頼を落としたという例があり、今回の企画ではこの失敗例を生かして取り組むべきとの指摘がございました。大湯温泉郷においては、首都圏へのPRはJRが全面的に実施するものでありますが、こうした例を反面教師として、接客サービス等の受け入れ体制については万全の体制で望むよう指導をいたしてまいります。  なお、その他の提言につきましても、今後、調査、分析しながら、観光の活性化に生かしてまいります。     (市長 佐藤洋輔君 降壇) ○議長(大里恭司君) 再質問ございますか。勝又君。 ○19番(勝又幹雄君) ていねいなご答弁、大変ありがとうございます。  最初に、合併問題の中で財政についてでありますけれども、私なりに県の市町村合併の数値をもとに試算してみました。これは地方交付税と推計人口をもとにした数字です。鹿角市は約83億円、小坂町約22億円、合わせて105億円。これは平成12年度の数字であります。それを2000年の人口で割りますと、1人当たりにすると鹿角市が21万2,000円、小坂町は31万3,000円。合併した場合の15年後人口は減りますので、交付税もその分は減ります。それを仮に平成12年度の50%と見ますと、1人当たり15万7,000円平均となります。合併しなかった場合、人口が半減するわけではないので、15年後交付税が30%減となったとすると、1人当たりは鹿角市20万2,000円で1万円の減、小坂町さんは33万円で1万7,000円の増となります。同じように大館市、比内町、田代町、それに小坂町が合併したと仮定して計算しますと、1人当たりの交付税は10万2,000円となります。大館市は2020年度、1人当たり9万9,000円となりますので、3,000円ですがふえることになります。その他の町は減るということになります。特に減り幅が大きいのは小坂町さんで、合併しなかったとすれば33万円が、1市3町と合併すると1人当たり10万2,000円となります。  これはあくまでも表面上の数字ですので実際はどうなるかわかりませんが、単純に私の計算でいけば、合併しない方が1人当たりの交付税だけでは得でないかというように思うんですけれども、例えば鹿角市にとっていわゆる合併というものは財政的なメリットがあるのかないのか、もう一度お願いいたします。 ○議長(大里恭司君) 総務部長。 ○総務部長(田村秀一君) 今、勝又議員がおっしゃった交付税の1人当たりの将来の数字のもとがどういう算式で出たのかはちょっと私わかりませんけれども、ただ、交付税について申し上げますと、先ほど市長がご答弁申し上げましたように、総体的には縮小していくんだということがまず第1点ございます。これは、例えば国全体の交付税会計の中では既にもう借金している部分があるわけですし、市町村に対して配分できる総額というのは相当もうパイが小さくなってきているわけです。そういう状況の中で、現在、交付税が減った分に対しての赤字債といいますか、財源対策債として起債を認めた分、これらも交付税で後々補てんする。それから、現在やっています合併特例債についても、これは交付税の中で見ますよという状況の中で将来を考えていくと、交付税そのものはほとんどないに等しいという状況になってくるだろうというふうに思っています。  そういう意味から申し上げますと、今、勝又議員がおっしゃったように、それぞれ1人当たりの額そのものよりも、交付税そのものの制度が変わってくることによって、余りこの交付税については、将来15年後、そうすればどっちが得だとか、合併したから得、合併しなかったら得ということには恐らくならないだろうというふうに私どもは見ております。 ○議長(大里恭司君) 勝又君。 ○19番(勝又幹雄君) その話はよくわかりますけれども、現在の減額というものは、将来ともにずっと減額してなくなるというようなことにはいかないわけです。地方交付税法第1条で保障されているんですけれども、「この法律は、地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を損なわずにその財源の均衡化を図り、及び地方交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の本旨の実現に資するとともに地方団体の独立性を強化することを目的とする」とあります。  今後も段階補正だけではなく、基準財政需要額やそのほかの計数の見直しによる削減はあると思いますけれども、かといって、国が自由に交付税を半額にするということはできないわけです。それが可能であれば、今この合併問題なんか取り出さなくも十分やっていけるようになるはずです。それができないために合併ということで今やろうとしているわけであります。そういう意味で国の政策にうっかり乗ってしまうということは果たして得なのかというような気がするんです。そういう意味で合併すること自体をどのように市長はお考えですか。 ○議長(大里恭司君) 市長。 ○市長(佐藤洋輔君) 確かに今回の合併というのは一つの国からのいろいろな形で圧力によっての進め方がされておりますが、ただ、鹿角においての1市1町というのは30年前に目指した「鹿角は一つ」という考え方のもとに私どもは今進めようとしておるわけでございまして、決してそういうふうな、単に国あるいはそっちの方からの圧力によってやろうとしているのではないということはご理解していただきたいと思います。 ○議長(大里恭司君) 勝又君。 ○19番(勝又幹雄君) 基本的に私は財政的なメリットはどこと合併しても余りないというような気がいたします。そうした場合に、例えば小坂町さんと合併する場合には、お互いに夢を共有するとか、お互いにコミュニケーションをとってお互い理解し合ってそれでいかないとなかなかうまくいかないと思うんです。その場合に我々に果たしてそういうすばらしい夢があるのかというときに、若干きのうの黒澤議員、またきょうの話を伺っていてもちょっと魅力が足りないのかなと。厳しい見方だけれども、中身がない、未来がない、夢がない、どきどきわくわくするようなものがないということになれば、何か合併する相手として選んでもらえるのかなという不安があります。  昨年、私が6月議会のときに、市長さんにリーダーシップをとってもらいたい、発揮すべきだということを申し上げましたけれども、その後、小坂町長さんとかと合併問題について腹を割った話し合いというのはされたんでしょうか。 ○議長(大里恭司君) 市長。 ○市長(佐藤洋輔君) 当然何度もやっております。 ○議長(大里恭司君) 勝又君。 ○19番(勝又幹雄君) 一連のずっと鹿角市と小坂町さんの流れを見ますと、エコタウン構想一つにしましても、観光のとらえ方にしましても、いわゆる同床異夢と言いますか、同じ盆地の中にいながら何か別の方向といいますか、同じものを持っているんですが、考える方向性がどうも違和感があると言いますか、温度差があるというような気がするんです。それがコミュニケーションをとって十分な話をなされてもう大丈夫だというんであればいいんですが、先日、鹿角市の行政評価協力員の皆さんとの話し合いの中で、何か市民に対しての説明も足りないのではないかというようなことがありましたけれども、その辺に関してはどういうふうにお考えですか。 ○議長(大里恭司君) 市長。 ○市長(佐藤洋輔君) 確かにそういう点もあろうかと思います。私どもは議員の皆さんともいろいろお話をしておりますし、議会において市民に説明をして、そして市民の意見を聞くということも申しました。これは4地区に分けていろいろ説明会を開催したり、また各種団体の役員を集めてお話を聞いたりいろいろなことをやってまいりましたが、いま少し足りなかったかなというふうなことはございます。  ただ、首長同士の話し合いははたで見ている感じとまた実際に話している面とはいろいろなことがあろうかというふうに思います。それは本人同士のとらえ方だというふうに思います。 ○議長(大里恭司君) 勝又君。 ○19番(勝又幹雄君) 合併は最終的には議会の議決が必要なわけでありまして、あくまでも議員の皆さんの判断に委ねざるを得ないわけですけれども、お金もなくて魅力もないというんであれば、あとは誠実さで頑張るしかないと思いますので、どうか全力を挙げて頑張っていただきたいと思います。  最後に、観光問題について一言だけ。今必要なのは外への宣伝よりも中身の充実を図る方がより本格的に取り組むべき課題であるような気がいたします。戦略会議の方々のご意見もありましたけれども、今後も内部で我々の自己満足するような施設づくりとか整備ではなくて、外からの目で見たモニター制度とかを設けて観光地に対するご意見等をくみ上げて、それで国際化に対応できるような、あるいは国内全体からも来てもらえるような、そういう観光地を目指して頑張っていただきたいし、また市長さんにとっては、鹿角市民だけではなくて外に向かっても夢を語れるような、すばらしい夢だということを持てるようなことを考えていただきたいということを要望いたしまして終わります。 ○議長(大里恭司君) 以上をもちまして、勝又幹雄君の質問を終わります。  次に、順位5番、阿部節雄君の発言を認めます。阿部節雄君。     (15番 阿部節雄君 登壇) ○15番(阿部節雄君) 本定例議会は平成14年度の市政を締めくくる議会であり、また、新しい年度にどのような施策を持って臨むかを議論する重要な議会であると思います。  また、佐藤市政にとりましては、今任期最後の年を迎えることになります。これまでの佐藤市政を見るとき、市民との話し合いを重視した市政、企業人出身らしく経済戦略会議、トップマネージメント会議の設置を初め、事業、施策の評価制度の導入など創造的な市政運営に努力されていることを高く評価しております。  さて、我が国の経済の低迷により、政府及び地方自治体の財政はかつてない厳しさを増しております。この上は地域の特性を生かした個性豊かな魅力ある地域をつくるため、迅速な新規施策の実施に向けて一層の努力をしていただきたいと存じます。  それでは、鹿山会を代表して当面する市政の諸課題について一般質問を行います。  初めに、新年度予算案と財政見通しについてお尋ねをいたします。  まず、新年度の政府予算案並びに地方財政計画を踏まえて質問をしてまいります。  国、地方を通じた厳しい財政状況の中で、市長には新年度予算の編成にさぞご苦労されたことと思います。  さて、政府予算案でありますが、一般会計においては、本年度当初比0.7%増の81兆7,891億円となっております。  公共投資など主要経費を抑えた緊縮型ではありますが、税収の低迷で新規国債発行を36兆4,250億円、うち赤字国債は30兆250億円で過去最高となっており、緊縮型でも借金が膨らむというまことに危機的な財政の実態であると思います。  しかも、歳出抑制に加え、年金給付の減額や医療費の負担増で、財政負担から国民負担押しつけという予算内容となっており、デフレ下の景気をさらに悪化させるのではないかと懸念されるのであります。  次に、地方自治体の予算編成の指針となる地方財政計画でありますが、計画の規模は、前年度を下回る86兆2,100億円と決定されております。地方財政計画の規模が前年度を下回るのは昭和29年度の地方交付税制度創設以来初めてとなった本年度に続き、2回目となります。なお、計画規模の縮小は、地方単独事業など投資的経費を中心に抑制することが要因であります。  歳入では、地方税が本年度当初より2兆円余り、6.1%の減収を見込んでおります。国庫補助金については、奨励的補助金の5%削減を目指しております。このため、地方財政の財源不足額は、通常収支で13兆4,000億円と過去最大となるほか、恒久的減税で3兆2,000億円、先行減税で7,000億円と、合わせて17兆4,000億円になるということであります。  また、地方交付税は原資不足を交付税特別会計で借り入れる措置を取りやめることや、歳出抑制の効果で総額18兆693億円、減少率は本年度の19兆5,000億円比7.5%となり、これまた過去最大になっております。  地方債の発行も、赤字地方債としての臨時財政対策債などがふえることから増加し、その依存度が高まり、借入金残高も199兆円に達するなど、かつてない深刻な財政状況にあると思います。  さて、このような政府予算案並びに地方財政計画を受けて編成した本市の予算案でありますが、まず、予算規模は政府予算案並びに地方財政計画の緊縮型を踏襲し、対前年度当初比6.8%の減となっておりますが、方向性としては妥当な選択であろうと思います。
     ただ、今後の地域経済及び雇用面をしっかり見きわめた上で財政出動が必要となることも予想されますことから、これらの財政需要に迅速に対応することが必要かと思いますが、いかがでしょうか。  次に、この厳しい財政状況のもとで予算編成方針で示達した重点事項及び重点施策は何か。その施策等は予算に反映されたと理解してよいのか。また、市民にこれだけはぜひアピールしたいというものがあるとすれば、どのようなことか。なお、新年度の財政収支並びに今後の財政見通しをどのようにとらえておられるのか。  次に、自主財源の大宗をなす市税収入についてでありますが、政府予算案における税収は10.7%、また、地方財政計画においては6.1%とそれぞれ減収を見込んでおります。  本市の予算案では、市税収入については前年度当初比3.3%の減収を見込んでおりますが、政府予算案並びに地方財政計画の減収率から見て強気の読みをしているように思います。  景気低迷による所得の落ち込み及び固定資産税の評価がえによる減収などを考慮した場合、計上額の確保は可能かどうかをお尋ねいたします。  また、依存財源の約40%を占める地方交付税については、64億1,000万円の交付を見込んでおりますが、地方財政対策における地方交付税は特別会計借り入れを完全廃止で増加した赤字地方債を加えると5.1%増となりますが、基準財政需要額の算定においては、経常経費の市町村分は増減なし、投資的経費の市町村分は9.0%減となっております。予算計上額は過大見込みにならないのか。  次に、国庫補助金についてでありますが、政府は、農業委員会補助金は農業人口や農地面積の減少を理由に対前年度当初比9.3%という大幅な削減がなされるようでありますが、こうした措置が続くとすれば、今後組織の見直しも視野に入れた検討が必要になってくるのではないかと思いますが、どのように考えておられるでしょうか。  次に、地方財政計画では、投資的経費について地方単独事業費を5%削減、補助事業費も3%以上削減するとしております。加えて国土交通省は、先般、公共工事コストの新たな縮減目標を明らかにしましたが、それによりますと、2007年度までの5年間で2002年度に比べて事業コストを15%削減するとしております。  このように、地方自治体にとって主要な特定財源を伴う事業がことごとく削減されることになりますが、こうした措置は今後ますます拡大してくることが予想されます。  といいますのは、15年度末における国の長期債務は過去最高の518兆円となり、財政状況は一段と悪化するものと思われます。  今後の地方自治体における財政運営は国に依存できない事態に直面することが予想されます。そのためにも市町村合併が推進されているのでありますが、財政の自主運営について中・長期の計画を立て対応しなければならないのではないでしょうか。  その対応策として、投資効果が期待できる市内産業の重点的な振興策を推進し、総生産額を高め、低迷している市民所得の向上を図り、担税能力を拡充するための施策の展開が喫緊の課題であると考えますが、市長のご所見をお伺いいたします。  次に、産業の振興と雇用の確保についてお尋ねをいたします。  昨年の県内経済は、景気の低迷により、企業の倒産が相次ぎ、失業率も戦後最悪の水準をたどるなど不況が増した年でした。ことしに入ってもその状況は依然として改善されていないのが実態であります。  地域経済活性化は、地元自治体の経済振興対策に待つところが大きいと思います。  政府の1月の月例経済報告は、生産、消費の停滞で景気は下向きに転じているとしておりましたが、2月も景気判断を据え置いております。  そこでお尋ねいたしますが、国は経済活性化対策の目玉として地域限定で規制を緩和する「構造改革特区構想」を打ち出しておりますが、全国の自治体や民間から多くの提案がなされております。  本県においては、全県一円を「グリーンツーリズム推進構造改革特区構想」を提案しましたが、経済効果としては農村地域での経済活動の促進や地域特産物の消費、販路の拡大、雇用創出などを通じた地域活性化が期待されるとしております。  もう一つは、「資源リサイクル産業振興特区」を提案しております。これは、県北地域の鉱山技術を活用するものとのことでありますが、こうした県の構想提案に本市はどのようなかかわりを持てるのか。また、本市が独自性を持った特区構想を考えられないのかお尋ねをいたします。  次に、本市主要産業の振興策についてお尋ねをいたします。  まず、製造業の振興についてでありますが、市内の製造業はこれまで雇用の確保に大きく寄与してきたところであります。しかし、近年誘致した企業が、コスト削減により収益率を高めるため生産拠点の移転及び不況に伴う影響を受けて倒産あるいはリストラを余儀なくされ、製造業は疲弊が進んでいるのが実態であります。  市内製造業の生産額を見ると、現在、平成11年度までより公表されておりませんが、10年度は114億円、対前年度比マイナス4.5%、11年度は94億円、対前年度比マイナス17.1%と大きく低下を続けているのであります。  市内製造業の生産振興のためには既存企業の新たな事業化、すなわち新たな技術、製品化が必要と考えます。  企業経営者の方々も、このままではいけない、何とかしなければならないと考えているものと思います。  こうした課題を実施の方向に進めるためには、企業経営者自身の努力ももちろん必要でありますが、行政がその対応について協力、支援をして製造業の振興を図るべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。  次に、観光関連産業の振興についてでありますが、今、観光関連産業に従事している方々は約5,000人程度と言われております。かつては建設業に従事する方々が雇用面ではトップでありましたが、公共事業を取り巻く国及び地方の対応が厳しくなっていることから雇用が大きく減少しております。  企業誘致が難しい現状では、新たな雇用の場を確保するためには豊かな自然や資源を生かした観光の振興に重点的に取り組むべきであろうと思います。  しかし現実には、市内の旅館、ホテルの中には冬場の売り上げの落ち込みが顕著であります。行政も観光業者も観光客の誘致に努めていることは理解しておりますが、冬期間の誘客は、雪まつりやイベントなどにとどまらず、雪国の暮らし、雰囲気も観光資源としてとらえ、本地域の冬の観光振興策に前向きに取り組み、首都圏等からの誘客をも図るべきであると考えます。  また、冬期間の観光客の誘客は、冬期交通の確保がかぎになると思います。  国道341号の冬期交通の確保が可能になることにより、地域経済及び雇用に大きな波及効果が期待できることは確実であります。現在、八幡平温泉郷の一部においては、鹿角側からの観光客及び従業員は、業者が自前で設置した雪上車により輸送しております。  また、冬期間における生鮮食料品の大半は、交通輸送が可能な岩手県側業者から多額の仕入れになっております。本市側からも流通の確保が可能になるように、この路線の早期通行の実現が課題であります。  先般、市内において開催された十和田、八幡平、田沢湖、角館地区観光懇談会においても、本路線の通年通行の早期実現が取り上げられております。  また、去る1月末には官民合同の現地調査が行われておりますが、ぜひ十和田八幡平観光の悲願である通年通行の早期実現に向けて努力をしていただきたいと思いますが、その見通しを踏まえて市長のご所見をお伺いいたします。  次に、農業の振興についてでありますが、言うまでもなく、本県は農業県であり、食料の供給基地を特色の一つに掲げております。  最も直近のデータで見る本市の農業は、産業別生産額で農業の占める割合は103億円、5.7%、産業別就業者の中で農業者は3,160人、15%と市内主要産業の中で農業は低位にあります。これでは農業が本市の基幹的産業とは言えないのではないでしょうか。農業を他産業並みの所得水準にもっていくことが課題であります。  価格変動が大きい米に依存する本市は農業所得の低下が顕著になっております。  農業の担い手の育成、確保など農政の抱える課題は極めて大きいものがあると思いますが、一部自治体においては先駆的な取り組みをして実績を上げているところもあります。  そこで提案でありますが、「味のかづのブランド」を合言葉に農産加工食品を中心に地場産品の売り込みを図れないか前向きに検討してみてはいかがでしょうか。  また、近年各自治体において設置を支援している農産物直売所は農業の活性化拠点として期待できるものと思います。  県内には既に160カ所を超える直売所が設置されているようであります。それだけ直売所に大きな期待がかけられていると同時に、競争の時代に入ったなと思います。この事業はまだまだ伸びる可能性を持っていると思います。このため、消費者に喜ばれる特徴のある直売所を設置し、地産地消を一層推進するため行政が積極的に支援すべきではないでしょうか。  さて、本市における過去5年間の農業費としての支出額は六十数億円にのぼっております。しかし、この投資的効果となると必ずしも期待される成果が上がっているとは言えないのではないかと思います。  そうした観点から、これまでの農業施策の再点検をし、育成すべき農業経営に対して諸施策を重点的かつ集中的に投資をし、鹿角農業の一層の振興を図る段階に来ているのではないかと考えますが、市長のご所見をお伺いいたします。  次に、少子化対策の推進についてお尋ねをいたします。  一昨年の子供の日にちなんで総務省がまとめた人口推計によると、15歳未満の子供の数は1,834万人で前年度より24万人減となっており、少子化が予測以上の早いペースで進んでいることがわかります。  少子化の流れはとまらず20年連続して前年を下回り、戦後の最低記録も14年続けて更新しております。  平成13年の本県の出生率(1,000人当たり)は7.5となり、過去最低を更新し、平成7年度から7年連続で全国最下位となっております。  一方、平成13年の本市の出生率は7.1でありますので、全国最下位の本県の出生率をさらに下回っているのであります。  本市も県もこれまで少子化及び子育て支援事業としていろいろな対応はしてまいりましたが、その具体的効果が見えてこない現状であります。  歴史上、出生率の大幅低下の生じた国で滅亡しなかった国は皆無であると、日本の少子化の実態に警鐘を鳴らしている学者もおります。  また、秋田県議会は、さきに「少子・子育て対策特別委員会」を設置し、熱心な討議を重ね、平成13年5月に「総合的な少子対策の推進に関する意見書」を可決しております。  この特別委員会がまとめた報告によりますと、少子化の進展による本県の危機的状況が鮮明に浮かび上がっているのであります。報告は、現状の少子化が続くと仮定すると、100年後の県人口は現在の6分の1の約20万人に落ち込むと推計しております。 また、50年前約50万人だった年少人口(0歳~14歳まで)が約17万人まで減っており、成り行き任せでは地域そのものが崩壊すると指摘をしているのであります。  少子化現象を招いている要因は若い世代の晩婚化と未婚化に加え、経済的な負担や家庭の事情などによるものとされております。  しかし、結婚するかしないか、子供を産むか産まないかは私的な選択であり、周囲が介入できる事柄ではないことも事実であります。少子化の現実を考えるとき、少子化に危機感を持って今後の対策に前向きに取り組む必要性を痛感するものであります。  少子化は、国家の存亡にかかわる重要な問題であります。市町村合併推進の背景には、少子高齢化の進行に歯どめをかけることもあります。  先般、厚生労働省が2003年から2カ年間を少子対策の「基盤整備期間」と位置づけ、「次世代育成支援対策推進法案」と「児童福祉法」の改正案をまとめております。ここに来て、国もようやく具体的に動きだしました。  本県においても、新年度から県と市町村が折半して保育所の0歳児保育料を1年間全額負担する施策を実施することになりました。  少子化対策は、国と地方自治体及び企業が一体となって取り組まなければならない国家的プロジェクトであると思います。  少子化という危機から脱出のために英知を結集する必要があると思います。  さらに議論を深め、具体策をまとめ、施策に反映すべきであると思いますが、市長のご所見をお伺いいたします。  次に、第5次行政改革大綱の進捗状況についてお尋ねをいたします。  本市は、昭和60年第1次行政改革大綱を策定して以来、平成12年度策定の第5次大綱まで18年という長い期間にわたって市政の改革を目指して努力されております。  特に第5次大綱策定に当たっては、地方分権一括法の施行に伴い、地方分権時代にふさわしい行政体制の構築を図り、より簡素で効率的かつ創造的な行財政運営を進めるとともに、市民本位の市政を目指すという大方針を掲げて、その改革に努力されていることに敬意を表するものであります。  第5次大綱の計画期間は平成12年度から16年度までの5カ年となっておりますが、本年度は計画期間の3カ年を経過し、いよいよその実施状況を踏まえて、残された2カ年でその達成を目指さなければならないものと思います。  大綱の基本計画によると128項目という膨大な実施を計画されておりますが、主要課題5項目について、これまでの実施状況の概略と達成度をどの程度に見込んでいるのかお尋ねをいたします。  次に、まちづくり条例の制定についてお尋ねをいたします。  近年、自治体の憲法とも言える「まちづくり条例」の制定を目指す自治体がふえております。  平成12年当時、全国自治体3,300余りのうち、700余りの自治体が制定しているという調査結果が出ておりましたが、現在では恐らく1,000自治体を超えているのではないかと思います。  本県においても条例を制定しているのは9市町村となっておりますが、いずれも環境や景観保全を目的としております。現在、岩城町が3月定例議会に提案する運びとなっているということであります。岩城町の条例は住民自治のあり方を定めたものであります。  まちづくり条例は、市民をまちづくりの主役に据え、市民参加の仕組みや市民の権利、責任などを定めるのが特徴であります。地方分権が進むにつれ、制定の動きが全国に広がりを見せております。  つまり、地方分権を受け身ではなく積極的に受けとめようとする自治体の中で、地方自治法を乗り越えて地方自治のシステムを確立するための基本的な枠組みを定めた条例を制定する自治体が生まれているのであります。  地方分権を進めるためには、分権を受ける地方自治体において自治のシステムを確立する必要があることは言うまでもないことでありますが、自治のシステムを検討することがあすの地方自治に求められていると思うのであります。  まちづくり条例の構成としては、その自治体によっていろいろあると思いますが、一般的には、計画施策、開発の基準、開発の手続、市民参加のまちづくり推進、そのほかまちづくり審議会等の設置が考えられます。  安全で快適な環境にやさしいまちづくり、市民参加のまちづくりを推進するため、本条例の制定について検討してみてはどうかと考えますが、市長のご所見をお伺いいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。     (15番 阿部節雄君 降壇) ○議長(大里恭司君) ただいまの質問に対し答弁を求めます。市長。     (市長 佐藤洋輔君 登壇) ○市長(佐藤洋輔君) 阿部節雄議員のご質問にお答えをいたします。  初めに、新年度の予算案と財政見通しについてでありますが、日本の経済は、バブル崩壊後、数度にわたる経済対策を打ち出しながらも、確かな回復基調を見出せないまま「停滞の10年」を引きずり、なお重い足取りの状態にあります。  こうした長引く景気低迷の影響を受けた国の予算や、地方財政計画の抑制、地方交付税の削減などにより、昨年度以来地方財政は厳しい財政運営に直面しており、本市においても普通交付税につきましては、平成12年度から2カ年で約10億円落ち込んでおります。  このような経過から国の財源に依存する割合の高い本市の場合、15年度当初予算編成作業に取り組む段階において、従来の予算編成の認識では財政運営が行き詰まることが懸念されたことから、要求ハードルを前年より厳しく設定をいたしました。  具体的には、各課の予算要求に当たっては、事務事業のゼロからの見直しを前提として、経常経費、投資的経費とも今年度の90%の範囲内で予算要求することとし、特に物件費などの経常経費の抑制を重点項目としてとらえました。  中でも、施設管理委託料につきましては、前例にとらわれることなく委託内容の見直しを含めて全庁的に取り組むこととし、奨励的補助金につきましては、団体の自主的な運営指導とあわせ一律10%削減を図ることとして、一般財源ベースで5億円の削減に取り組んでおります。  予算編成におきましては、市税、地方交付税の落ち込みによる財源不足を補い、地域経済に配慮した事業量を確保のため基金の活用も図り、市債につきましては、歳出の公債費償還元金を下回る借入額にとどめ、当初におきましては可能な限り抑制に努めております。  その結果、当初予算は前年度比6.8%減の163億円となり、中期的な視野に立ち財政の健全化を見据えた歳出予算規模の抑制を図るものになりました。  経常経費抑制の重点項目とした物件費につきましては、保育業務委託の扶助費への振り替え要因もありましたが、対前年度比15.2%減と大幅な削減となっております。  また、目標の一つでありました一般財源は、約4億5,000万円が削減された予算措置になっております。  新年度の重点事業といたしましては、少子高齢化対策としての(仮称)総合福祉センター複合施設の建設事業、地域コミュニティ機能を見込んだ尾去沢屋内体育施設建設事業や、国補正予算の前倒しにより2カ年度分の事業実施となる十和田小学校大規模改造事業のほか、小・中学校の教育環境整備を重点的に実施することにいたしております。  市町村の財政環境は一段と混迷と厳しさを増す情勢にあることを踏まえ、いま一度現況認識を新たにしながら、計画登載事業の圧縮と年度間の事業調整も含めて考えた場合、前期基本計画の重点施策はおおむね当初予算に反映されていると認識をいたしております。  今後の財政出動の迅速な対応につきましては、昨今の国の経済対策として年度途中に補正予算の追加を繰り返してきており、本市においても計画補助事業の前倒しなど可能な限り対応している状況にありますので、市独自の経済対策や雇用対策に配慮した財政支援もあわせながら、実情に即した機動的な財政出動を心がけてまいります。  新年度の財政収支並びに財政見通しにつきましては、15年度の最終予算規模は、財源が確定しておらず流動的ではありますが、約170億円程度と見込んでおります。  また、今後の財政見通しにつきましては、国における「経済財政構造と構造改革に関する基本方針2002」に基づき、国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税配分のあり方について「三位一体」として検討している段階にあり、具体的な改革が見えない現在の状況の中での市町村の財政見通しは大変不透明な要素が多くあります。  このため、国の予算の歳出抑制、地方財政計画の2年連続した計画規模の削減、地方交付税の削減などを背景に、地方交付税の復元はないことを前提に試算した中期財政見通しにおいては、約160億円台の財政規模で推移するものと見込んでおります。  地方交付税の予算計上額につきましては、14年度普通交付税決定額が当初予算割れになったこともあり、15年度は地方財政計画の7.5%減よりも手堅く、前年度決定額に対し11.9%減を見込んだものでありますが、その後の情報を得た15年度の基準財政需要額算定に用いる単位費用の伸び率見込みの数値により、再度試算の結果、当初予算措置額は確保できるものと見込んでおります。  農業委員会補助金の削減に関しましては、国の地方分権改革推進会議が昨年10月に取りまとめた「事務・事業のあり方に関する意見」の中で、市町村合併の進展等を見定めつつ組織の活動、組織のあり方について検討を行うとした提言と関連したものと伺っており、今後の推進会議の動きを見守っているところであります。  安定した財政運営の基幹をなす自主財源の確保は、本市の大きな課題と受けとめており、地域経済に潤いと活力を与える産業振興施策などにつきましては、引き続き重点的に意を配して取り組んでまいります。  市税の当初予算計上額につきましては、この算定に当たりまして、14年度における各税目の決算見込額をベースに、15年度も依然として厳しい経済情勢が続くものとして、税目ごとの調定額、収納率を見据えた収入額の増減分析、さらには固定資産の評価替えに伴う減収にも配意して積算しております。この結果、前年度に比較して厳しい数値の計上となっております。  市税全体の当初予算計上額の対前年度比では3.3%の減にとどまっておりますが、これは14年度の市税の当初予算計上に当たって、雇用、経済活動等の低迷に配慮して、税収を厳しく見積もりした結果であります。  15年度の市税の当初予算計上額につきましては、14年度の市税の現年度分決算見込額を、13年度決算額と比較して2.6%減の33億1,600万円と見込み、さらに、この額をベースとして増減の分析、精査を加えた結果、14年度市税決算見込額に対し6.9%減の30億8,800万円を計上したものでありますが、地方財政計画に示されております市町村税減収見込率4.9%を2.0ポイント上回る結果となっております。
     昨今の社会経済状況から、税収アップにつきましては厳しいものがございますが、自主財源強化の観点からも、市税の公正かつ適正な課税と収納率のより一層の向上に努め、予算計上額以上の税収が確保できるよう、努力をしてまいります。  次に、産業の振興と雇用の確保についてでありますが、各種の規制を緩和することによって各地の民間活力を引き出す構造改革特別区域構想につきましては、地方の自立を促進することを目的として、昨年より実施に向けた検討が進められてきたものであります。  県内においては第2次提案までに4件の提案がなされたほか、青森県より「津軽・生命科学活用食料特区」が、また、岩手県釜石市からは「エネルギー産業集積特区」が提案されるなど、それぞれ地域の特色を生かし、活性化を図るべく、特区構想は全国的な動きを見せております。  秋田県が提案いたしましたグリーンツーリズム推進構造改革特区は、県内全域を想定したものであり、農業・観光業がともに盛んな本市に深い関係を持つものであります。  これにかかわる規制緩和の要望への対応につきましては、農家民宿等への旅館業法による規制適用の除外や、一般旅客運送業の許可の特例容認が全国的に実施される見通しとなっております。  農家を中心としたグリーンツーリズムの実現に向けて前進する内容となっておりますが、提案自治体である県では、特区の申請について依然検討が続けられていると伺っており、本市といたしましても、申請の実現にあわせて対応を判断してまいります。  また、資源リサイクル産業振興特区は区域として大館市及び小坂町を想定したものであり、こちらについては現在のところ具体的な検討に至っておりません。しかし、両市町に隣接し、旧鉱山を抱える市として何らかの形で連携すべき点等について、模索することは想定され得ると考えております。  本市では平成12年に鹿角経済戦略会議を設立し、さまざまな方面からの意見に基づき提言事項をまとめ、これを全市的に実施してまいりました。これは、市として他に先駆けて取り組んだ一大構想であり、「産・官・学・市民の共動」に象徴される理念や「市民力の回復」等の戦略は、特区構想の目指すところを先取りするものと言えると思います。  これまでに北限のももの産地拡大促進や観光施設での統一メニューの提供を実現し、来年度も市内の温泉地域による独自企画を支援する「温泉郷夢ぷらん」といった新しい企画を予定しております。  また、本年も既に同会議の専門委員を務められた3氏との意見交換を行い、今後の方向性を再確認するとともに、観光PRや既存施設の活用といった具体的な施策に対してアドバイスを受けております。  このように、本市の経済施策の基盤となっている経済戦略会議のフォロー体制を維持しながら、各提言事項の実現に向けて検討・実施を重ねていくことが、本市の経済と地域活性化にとって最も効果的なものであると考えており、本市独自の特区構想は現在のところ想定しておりませんが、今後、目的達成のために規制が緩和されることが望ましい事項が生じた場合は、積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  次に、製造業の振興策についてでありますが、本市が誘致した企業22社のうち7社が撤退、進出した企業も10社のうち3社が撤退するなど、製造業事業所数は少しずつ減少をしていることから、生産額の推移も毎年減少しており、地域企業情勢が一段と厳しさを増していると認識をいたしております。  市が5月及び11月に実施した14年度景気判断調査の結果におきましても、5月には幾分改善の兆しが見られたものの、11月には再び足踏み状態となっております。  「業況」につきましては、5月調査で17ポイントの改善があったものの、11月調査では3ポイントの悪化となっており、「売上高」、「資金繰り」、「経常利益」、「来期の見通し」につきましても悪化の傾向を示しております。  また、経営上の問題点につきましては、「需要の停滞」、「製品単価の低下」を挙げており、需要の停滞が物価下落につながるデフレ基調が企業収益を圧迫しつつあると分析をいたしております。  また、県が実施した企業訪問による「企業現況」では、海外・県外との競合等から受注量の減少及び受注単価の下落があらわれておりますが、一方で、技術・開発に強みを持つ企業では落ち込みが少なく、独自技術を持つ企業の善戦が見られます。  鹿角地域におきましても全国展開をしている企業があり、大手企業との共同研究により競争力を高めている企業や、時代を先取りした技術革新により事業の拡張を推進している企業があらわれている一方で、苦境を乗り切るため、特殊技術の活用や同業者とのタイアップ、異業種交流などによる新分野への進出といった対応を迫られている企業もございます。  市ではこうした状況を踏まえ、今年度、2社、4名の先進企業技術者派遣支援を実施しており、新年度も引き続き支援を継続するほか、県の企業育成支援事業、特に、新分野進出企業に対する研究開発及び商品開発への支援と融資制度のPRなど、企業再構築に向けた取り組みに対して強力に支援を行い、育成を図ってまいります。  また、経営革新が重要であるとの認識から、新年度、経営者の意識改革をねらいとした「トップセミナー」を開催することといたしております。  次に、観光関連産業の振興策についてでありますが、小泉総理が施政方針演説で観光振興に政府を挙げて取り組み、日本を訪れる外国人旅行者を2010年には倍増の1,000万人を目指すとともに雇用機会の増大につなげたいと述べたことに代表されるように、バブル経済崩壊以降の長引く景気低迷を打開するため、新たな成長産業の創造・発展が求められている中で、観光産業に対する期待の大きさが伺われます。  このような中にあって、幅広い経済波及効果を有する観光振興による地域経済振興への関心がこれまでになく高まり、観光による消費額は2020年には約5倍の規模で拡大されるものと見込まれ、21世紀のリーディング産業になるとの認識でおります。  このため、本市におきましても、自然・歴史・文化や伝統といった豊かな観光資源を活用しながら、交流人口の増加、地域の活性化を図る魅力ある地域づくりのため、民間の自主的・積極的な活動に対して支援をしながら、観光関連産業の振興を図っていきたいと考えております。  特に、新年度におきましては、東北新幹線八戸延伸の効果を生かすため、大湯温泉郷を初めとする温泉郷独自の企画に対する「温泉郷夢ぷらん支援事業」により、地域が一体となった観光客受け入れ企画に対する支援を実施する計画でおります。  大湯温泉郷の受け入れ企画は、JR東日本が八戸延伸に伴う、秋田県への誘客のため大湯温泉郷を選定したものであり、共同浴場、宿泊施設が参加しての湯めぐり企画、大湯温泉の風情を醸し出すための統一した色を使った懸垂幕の設置、鹿角牛、八幡平ポークなどの地元食材を取り入れたオリジナルメニューの提供などによる受け入れ体制で、大湯温泉郷が一体となって取り組むこととなっております。  今後、大湯温泉郷は、売り出しのための最終調整を経て、4月下旬から9月までの約6カ月間実施することとしており、湯瀬温泉郷、八幡平温泉郷についても、できるだけ早い機会に受け入れ企画書を作成し、今年の秋の行楽期に実施できるよう調整しているところであります。  なお、今回の企画は、他地区への広がりとともに、通年の受け入れ体制整備につながる大きな一歩と考えており、受け入れ期間終了後も今回の企画を大いに活用して、冬期の観光客を迎える基盤を醸成しながら、冬場の観光振興策に取り組んでまいりたいと考えております。  また、物産振興につきましても、地産地消という観点から、観光振興にとり重要であり、来年度事業において、観光物産品の開発、販売ルート確立のための協議会を設置し、物産の目玉づくりをしていくことといたしております。  今後も、民間主体の積極的な事業展開には強く支援するとともに、十和田八幡平観光物産協会を中心とした関係団体と一体となった取り組みを実施してまいります。  観光振興と密接に関連する国道341号の通年通行の早期実現につきましては、昭和50年の国道昇格当時から課題とされておりまして、昨今の高速自動車国道ネットワークや新幹線網の整備に伴う旅行形態の変化への対応、地域経済活性化の視点、さらには、平成19年に本市と田沢湖町を会場に開催される秋田冬季国体の円滑な運営などの面から、改めてその重要性が問われております。  本市柳沢から新玉川温泉までの9.5キロメートルの冬期交通に関しましては、これまでも角館大鰐間国道整備促進期成同盟会活動等を通して、強く要望してきたところでありますが、去る1月28日には、県・市及び地元関係団体による現地調査を実施したところであります。この調査検討会において県は、冬期交通の前提となる試験除雪の実施に前向きの姿勢を示しておりましたが、その後、15年度から試験除雪に入るとの確認を得ております。  田沢湖町・長者の館から新玉川温泉間は、パークアンド・バス・ライド方式により冬期運行が開始されて既に3年が経過しており、本市側ルートは地形や道路構造など条件が異なる面はあると思いますけれども、仙北側におけるこれまでの除雪作業実績等から判断しても技術的には大きな問題はないと伺っております。  今後は、観光、産業経済、文化交流分野等における具体的なメリット、効果等を提示し、地域関係団体等との連携を持ちながら、通年通行が早期に実現できるよう県に対してさらに働きかけをしてまいります。  次に、農業の振興についてでありますが、WTOの農業交渉問題や、平成16年度から施行される米政策の新たな需給調整に係る減反政策の取り組みなど、日本の農業を取り巻く情勢は、以前にも増して大変厳しく、かつ難しい情勢となっております。  こうした情勢のもと、鹿角農業の振興策につきましては、さまざまな施策の展開を図っているところでありますが、見直すべきところは大胆な見直しと再点検を進めるとともに、主要な施策につきましては関係機関との連携をもとに全力を傾注してまいりたいと考えております。  平成15年度における主な施策といたしましては、後継者対策と雇用対策にもつながる、戦略作物新規即戦力農業者育成事業、農地の流動化を図るための農地流動化地域総合推進事業、鹿角の特産として売り出すことにしている北限のももや松館しぼり大根の普及拡大推進事業、さらには収益性の高い戦略作物の「かづのブランド農産物」の確立と生産拡大、そして畜産関係では、地域特産品目産地化対策として比内地鶏の生産施設支援、さらには、かづの牛の生産拡大とそのブランド化に向けた経営体の組織強化や生産基盤の整備などとなっております。  また、農産加工食品を中心とした地場産品の普及につきましては、平成11年度から中元と歳暮の時期にあわせ、農畜産物や物産品の「特選ギフトセット」を作成し、東京鹿角会などを中心に販売を実施し、定着してきており、今後とも継続してまいります。  また、観光サイドにおいても、既存食材の活用促進を含め、新たな地域ブランドとして売り出すための協議会の設置を予定しており、さらに連携を強化しながら地場産品の普及を図ってまいりたいと考えております。  農産物直売所につきましては、現在、市内では12カ所で営業を行っており、そのうち半数は通年で営業しております。  売り上げにつきましては、直売所全体で平成13年度が約1億円、平成14年度が約1億2,500万円と増加しており、今日の農業のキーワードとなった食の安全・安心を背景に、新鮮で消費者の顔が見える直売所は、今後も拡大していくものと予想されます。  こうしたことから本市といたしましても、平成12年度から直売や加工等の付加価値生産、販売を促進するため、地場流通の促進や販路の拡大に必要な簡易施設・機械等の整備に対して補助を実施する、ファーマーズマーケット体制整備事業により、地産地消推進のための支援を継続してきております。  しかし、近隣の実践例の中には、大館市曲田にある直売所のように、行政やJAなどの参加なしに、会員の熱意で誕生させ運営している直売所もあり、視察も絶えない状態であると聞いております。  直売所の運営は、携わる方々の熱意と創意工夫が基本であると考えますが、地域に密着した直売所の活動を伸ばしながら、行政指導ではなく、関係者の盛り上がりに対して支援していくことが、事業の発展と継続、さらに地産地消の推進につながるものと考えております。  なお、本市の観光拠点であります道の駅「あんとらあ」の直売所につきましては、施設の充実を検討してまいります。  水田農業施策につきましては、国が昨年の暮れに米政策の大転換を図る「米政策改革大綱」を策定いたしましたが、この取り組み体制を早急に図ることが必要と考えております。  新たな米政策では、稲作収入の安定を図る「担い手経営安定対策」が講じられることになっておりますが、対象となる担い手の要件といたしましては、認定農業者または集落型経営体であり、一定規模以上の水田経営を行っている認定農業者で4ヘクタール、集落型経営体では20ヘクタール以上の水田経営規模となっております。  しかしながら、市内の4ヘクタール以上の農家は70人程度でありますので、担い手や認定農業者の育成を図り、加速度的に農地の流動化を促進していかなければなりません。  こうした情勢に対応するため、このたび、用野目集落においては特定農業法人を立ち上げることといたしておりますし、かづの農業協同組合においても、今年から農地保有合理化法人の資格を取得し、農地集積を図る予定と伺っておりますが、市といたしましても、新しい米政策は、認定農業者や営農集団の育成が早急な課題でありますので、関係機関と連携を図りながら、積極的にその推進を図ってまいりたいと考えております。  次に、少子化対策についてでありますが、少子化対策における行政や地域社会の役割は、少子化の背景にある「仕事と子育ての両立の負担感」や「子育て費用負担感」などさまざま阻害要因をできるだけ緩和し、安心して子育てができるような環境整備を進め、家庭や子育てに夢や希望を持つことができる社会づくりを実現することであると考えております。  このため、本市では「子育て費用負担感」の軽減を図るため、認可保育園保育料を国の基準額より30%軽減するとともに、県とタイアップしてすべての保育所や幼稚園、託児施設の第3子以降の保育料減免制度を実施し、平成13年度からはさらに一歩踏み込み市単独で第2子についても認可保育園等の保育料の半額軽減を実施してきたところであります。  また、施政方針でも申し上げましたとおり、子供を安心して生み育てていただくために来年度からは第1子の0歳児の保育料減免や妊婦健診の無料受診回数を7回とするほか、妊婦の歯科検診も新規に取り入れることとしており、若い世代の経済的負担感の軽減対策は大幅に拡充されてきたものと考えております。  もちろん、高学歴社会の今、子供が社会に出るまでの子育て費用負担はこれだけでは解消できるわけではありませんが、少なくとも経済基盤の弱い若い世帯が子供を持とうとする動機づけになってくれればという一念から実施しているものであります。  また、仕事と子育ての両立支援のため、保育サービスにつきましては、乳児保育や延長保育、一時保育などの拡大を進めてきており、4月から運営開始する花輪さくら保育園においても乳児保育の拡大や一時保育、病後児保育を新たに実施していく予定であり、子育てサポーターの養成も引き続き進め、地域の子育て支援体制の充実を図ってまいりたいと考えております。  このほか、青年ドリーム事業や情報プラザ整備も若い人たちが役所のお仕着せでなく自発的に出会い、ふれあう場としての期待を込めて実施したものであります。  また、少子化の背景には、国全体として指摘されているとおり個人の結婚観や価値観などの意識の変化とあわせ、女性の社会進出が進む中で、男女の固定的雇用環境や企業風土、家庭内での男女の役割分業などにより、女性の負担がより重いものになっていることも大きな要因でありますことから、これらも踏まえ、今年度、鹿角市男女共同参画計画を策定したところであり、今後その推進を通して男女共同参画社会形成の意義や必要性についての啓発活動を進めてまいります。  また、少子化への対応は行政だけでなく、市民一人一人の自覚と実行が求められており、民間企業においても子育てしやすい労働環境づくりに積極的に取り組んでいただくように機会あるごとに要請してまいりたいと存じます。  このように少子化への対応は、個人の人生観から福祉、教育、産業施策にまで及ぶ幅広い大きな問題でありますが、一朝一夕にして成果があらわれるものでもなく、息の長い取り組みが必要となりますことから、引き続き本市児童育成計画や男女共同参画計画に基づき、子育て支援施策の着実な推進を図ってまいります。  次に、第5次行政改革大綱の進捗状況についてでありますが、第5次行政改革大綱は、平成12年2月に策定し、平成12年度から16年度までの5カ年間を計画期間として取り組んでまいりました。  ご承知のとおり、大綱は基本計画と実施計画に区分し、基本計画には五つの主要課題を掲げ基本的な考え方を記載し、実施計画には具体的な取り組み項目を記載して実施目標年度を示すことで取り組みを進めてまいりましたが、12・13年度の実施率が伸び悩んでいたことから、取り組み部署の責任を明確にするとともに実効性を上げるため、実施計画の見直しを行い、14年度から単年度の実行計画として取り組みを進めてきており、今後は、毎年実行計画の進捗状況を検証し、その結果を受けて翌年度の実行計画を策定することにしております。  14年度実行計画を策定する際にまとめた12・13年度の取り組み状況といたしましては、128項目のうち32項目が目的を達成いたしております。  また、52項目につきましては、検討した結果現状維持としたほか、計画に記載する取り組み項目の考え方を整理して、あえて行政改革として取り上げる必要はないものと判断し削除いたしております。  14年度の実行計画には、これらを整理した残りの44項目を含め、全部で68項目を記載して取り組みを進めてきたところであります。  このうち、目的を達成した25項目、検討した結果、現状維持あるいは先送りしたのが11項目、15年度実行計画に記載して取り組みを続ける項目が32項目となる予定で、3年間の実績としては57項目について改善等が図られたことになります。  主要課題5項目ごとに主なものを挙げますと、事務事業の見直しにおきましては、行政評価システム導入のほか、保育事業の外部委託、大型バス運転業務、逓送業務などの外部委託、サービスデイの試行、職員の地区担当員制度の導入などでございます。  組織・機構の簡素合理化におきましては、機構改革により組織の再編を行うとともに班制を導入し、班長に権限を委譲して意思決定の迅速化を図ったほか、東京事務所の廃止、各種審議会の見直しの一環として審議会への市議会議員の就任制限の実施、代表監査委員の非常勤化による経費節減などを実施いたしております。  定員管理の適正化と人材育成の推進におきましては、職員数の5%削減を16年度までに実施することといたしておりましたが、12年度当初と比較して15年度当初で7%の削減予定となり、金額では概算で3億8,000万円程度の削減となっているほか、出張旅費の日当廃止や時間外勤務手当の削減などを実施いたしております。  情報化・広域化時代に対応した行政サービスの向上におきましては、庁内LANの構築による事務の効率化のほか、インターネットホームページの充実による情報公開の推進などを実施いたしております。  財政運営の効率化におきましては、補助金の見直しを随時行っているほか、委託料の見直し、入札予定価格の公表などによる公共工事の適正化、コスト縮減などを実施しており、全体評価といたしましては、着実に推進しているものと判断をいたしております。  なお、15年度の実行計画につきましては、現在、策定作業を進めておりますが、国の規制緩和など制度改革の動きも注視しつつ、新たに取り組む項目を加えるなど不断の取り組みにより、簡素で効率的な行財政運営に努めてまいりたいと考えております。  次に、まちづくり条例の制定についてでありますが、今、多くの市町村で施策を進める場合、その必要性などの理念や推進の方法等を条例によって定めるという手法が見られるようになりました。  地方公共団体のこうした条例は、自治体のさまざまな取り組みの根本となるものであるため、基本条例と呼ばれております。  基本条例が増加の傾向にあるのは、それが自己決定・自己責任という地方分権の原則に合致したものと考えられているからにほかなりません。  本市におきましても、環境分野での「環境保全条例」、農業分野での「地域と共生する鹿角農業推進条例」が基本条例に当たると考えられますが、今回、岩城町で取り組みを予定しております「まちづくり基本条例案」のような、市民、行政などの責務や自治促進のための制度など、市民参加のあり方やまちづくりの大原則を定める条例はまだ制定しておりません。  しかし今後、地方分権に対応し、真の住民自治を確立するためには、そのような原則が必要であると考えており、先進事例も調査しながら、昨年、市民12人による「共動型地域社会を考える市民会議」を開催し、住民自治について討議をしていただいたところであります。  会議では、絶えず市民と行政が対話を重ね、合意形成を図りながらまちづくりを進め、「自ら考え自ら行う」まちづくりを実現することこそ「住民自治」であると話し合われ、そのために必要な市民の参画手法などについて討議をしていただきました。その結果として、これからは、市民と行政が共に良好なパートナーシップを構築しながらまちづくりを推進していかなければならないことは確認したものの、条例の制定を急ぐより、多様な市民参加の手法を用意しながら気運を醸成していくべきとの提言がなされております。  私は、就任以来、公約として「自らの地域は自らの責任で治める」という不変の流れをつくり上げるため、「住民主権」、「住民参加」、「住民本位」のまちづくり3原則を掲げておりますことから、中心市街地活性化基本計画や男女共同参画計画など計画策定時には、ワークショップに公募制を導入しながら、多様な市民が参加できるようにいたしました。  また、政策体験バス、コミュニティミーティングなどを開催し、多くの市民の方から市政に参加していただく機会を提供してきております。  「鹿角学」と「共動」の理念に基づくまちづくりは、まさに住民自治を確立していくことであり、それを裏づける制度として条例が有効であると考えておりますが、なお一層多様な手段を提供しながら、住民自治の気運を醸成し、十分議論しながら検討してまいりたいと考えております。     (市長 佐藤洋輔君 降壇) ○議長(大里恭司君) 再質問ございますか。阿部節雄君。 ○15番(阿部節雄君) 大変前向きな答弁をいただいて、時間が少なくなりましたが、3点ばかり再質問したいと思います。  本市の予算は緊縮型とは言っても、14年度の標準財政規模と対比した場合は約1.57倍ぐらいになっているわけです。ですから、本市の財政力から見た予算規模としてはまだまだ背伸びした内容のものだと思うわけであります。  やはり国の財政事情がこういう状況にありますから、こういう国の財政事情に留意しながら、持続可能な予算規模というものをやはり考えていかなければならないと思うわけであります。したがって、そのためには予算の内容の精査というものが大変重要になってくると思います。時間かあればいろいろ申し上げたいんですが、やはり性質別の費目の中では、やはり公債費とか物件費、これはまだまだ高いわけですから、そういう予算内容の精査というものが必要だというふうに私は考えるわけですが、そこら辺はどのようにお考えですか。 ○議長(大里恭司君) 総務部長。 ○総務部長(田村秀一君) 標準財政規模と歳出の規模との関連は、議員がご指摘のとおり一つの目安としていろいろな見方があろうかと思います。そういう意味から申し上げますと、1.6倍多い云々というのも一つの見方かとは思いますが、一応市の現在の決算の倍率をお話し申し上げますと、おおよそ県の8市の平均が1.67倍、あるいは全国の類似団体でいきますと1.66倍程度で推移してきておりますけれども、先ほどご質問の中にありましたように、国の地方財政計画が徐々に縮小傾向にある中ではこれらの倍率がもう少し下がってしかるべきかなというふうに考えます。当然その際には、ご指摘のとおり物件費等についての見直しなりというものは当然必要かというふうに考えます。 ○議長(大里恭司君) 阿部君。 ○15番(阿部節雄君) 1.67倍というのは8市平均のあれですが、これは恐らくかなり13年度当たりの決算分析だと思うんですね。ところが、それから徐々に財政の悪化が進んでいるわけですから必ずしもこれは基準にならないと思いますが、いずれそういうような努力をしなければならないと思います。  それから、本市の財政は13年度決算による県内8市と比較してみても、経常収支比率、あるいは公債費比率を初めとする各財政指標が非常に安定度を増してきている。これは評価できると思います。いわゆる財政力指数、これの歳入構造、これの改善が必要になってくると思います。国家財政がこういう状況ですから、これは恐らく当分続くだろうと思います。こういう厳しい状況にあるときこそ自主財源拡充のための対策を講じるために、市内に対策会議、将来のあるべき財政構造というのはこうあるんだというような、そういう研究会議でも設置してみる必要があるのではないか。現に県内では横手市あたりがもう立ち上げているわけですが、これは今の現状から考えると私は必要だなと思うわけですが、そこら辺の考え方をお聞きしたいと思います。 ○議長(大里恭司君) 総務部長。 ○総務部長(田村秀一君) 産業構造の改善といいますか、あるいは歳出の見直しとなるとも思いますが、そういう面では、現在行政評価システムを立ち上げまして、平成14年からはそういう意味合いで事務事業の見直し、あるいは政策評価、こういうものを実施しながら逐次その見直しを進めてきているわけです。そういうものをさらに進めながら、今ご指摘のあったようなことについてはやはり検討してみることが必要かなというふうに思っています。  横手さんの場合には「歳出見直し庁内緊急会議」というような形の中で、相当歳出にメスを入れようという考え方だと思います。そういう意味で、これまで私どもが行おうとしております行政評価システムもその一環というふうに考えておりまして、今後検討していきたいというふうに思います。 ○議長(大里恭司君) 阿部君。 ○15番(阿部節雄君) 産業振興策と雇用の確保というところに入るわけですが、市内産業の生産額の向上を着実に図るために各年度に産業別の経済成長率の目標値というものを設定して生産対策を立てる、そういうシステムを導入してはどうかというふうに考えておったわけですが、確かに今、市の執行部の方でもいろいろな基本計画なり、その中には指標というものを設けておりますが、かなりかけ離れておるというのが実態なわけです。私は、もう少しきちんと整理をして、例えばことしの成長率はこうであったよ、これはどこに問題があったのかというようなことをきちんと詰めて、翌年度の施策に反映するというものを確立していかないと、いつまでも鹿角の各産業の生産額というものは向上していかないだろうと思うわけです。全然やっておらないというわけじゃない。やっておるようですが、まだもう少し一歩踏み込んでやってみる必要があるんじゃないかなと思うわけです。  私の提案のねらいとするところは、やはり低迷を続ける本市の市民所得、これを高めるために一歩踏み込んだ手法を考えるべきではないかということから考えておるわけでありまして、つまり政策誘導を図るべきであるというふうに考えております。  市民所得が低いということは税収が伸びないということにつながるわけですので、自主財源の拡充を図るためにもあらゆる対応を検討すべきだ、模索すべきだというように考えているわけですが、そこら辺の考え方について、もしあるとすればお聞きしたいと思います。 ○議長(大里恭司君) 市長。 ○市長(佐藤洋輔君) 実際に行った結果を検証しながらやるということも一つの方策でありましょうが、まさにどのようにしてそういうふうないわゆる生産を上げるかということに対して、まさに農協とそれから経済団体の商工会、それから客観的に見れる銀行の金融団のトップの方というふうな方とのトップマネージメント会議はまさにそのことをねらっておるわけでございまして、やはりそういうふうな年度ごとの目標を立ててやる、推進するやり方というのも、そういう方々との相談の上で進めてまいった方が有効かなというふうに今ご提言を聞きながら考えたところでございます。 ○議長(大里恭司君) 阿部君。 ○15番(阿部節雄君) もう一つだけ。第5次行革の進捗状況に関連してですが、行政改革のより効果を高めるために最近国の方で指導しているのがあります。それから、他の自治体が前向きに取り上げているというものがありますが、国の方の指導は上水道の民営化ということがあります。それから、一般の市町村で今盛んに取り上げているのが、公共工事にCM方式を導入するというふうなことが大きく出てきているわけです。こうした課題について、市長は、これは難しいとお考えでしょうか。それとも、これはぜひやらなければならないんだと、そのための検討はしたいということで考えておられるか。その辺の考え方をお聞きしたいと思います。  それから、こういうふうに次々といろいろな課題が出てくるとすれば、今の大綱の5カ年という期間がちょっと長いのではないのかなと。もっと短くしていろいろなものに迅速に対応するということも考えていくべきではないのかなと。  それから、今の5次大綱の中で、先ほど市長から答弁いただいて、やるものはやっておるようですが、やはりまだかなり未解決のものがあるということになれば、第6次の大綱を1年繰り上げて策定するとかというようなことも考えておられるのかどうか。その辺をお聞きしたいと思います。
    ○議長(大里恭司君) 総務部長。 ○総務部長(田村秀一君) まず一つは、水道等の民営化の関連でございますが、たしか昨年の4月に水道法が改正になりまして、水道についても民営化してもいいという法律改正があったわけですが、これは今阿部議員さんがおっしゃったような意味合いもあろうかと思いますが、一つの外圧の関連もあって水道法の改正がなされたのではないかなというような感じを一つ持っております。これはきょうの読売新聞等にも何か記事が出ていましたけれども、やっぱり世界全体の中で、水を民間が管理するという状況がフランスとかドイツとか一定の国が7割以上も持っていると。実は、国内でも確かに広島とか群馬の太田市とかが民営化に踏み切ったわけですが、これらに対してもなかなか外国の民間企業が参入できないようなことに対しての批判みたいな記事も若干載っていましたので、そういう面でもいろいろまだ問題があるのかなと。ただ基本的には、もし民営化が行政の中でより効果的なものだとすれば当然それは考えていかなければならない部分だというふうに思っています。  それから、計画につきましては、先ほど市長の答弁でもお話し申し上げましたように、行政改革のそれぞれの項目については、今年度から、ことし1年間でこのことだけはやろうという項目を基本計画の中から抜き出しまして検証しながら、平成15年度はそうすれば今度はどういう課題にという形で順次やっておりますし、その中ではその項目を新たにつけ加えたりもしながらやっておりますので、いましばらくそういう方向で実施していきたいというふうに思っています。  なお、第5次を1年早めて云々という件につきましては、やはり今後時代の流れがこういう状況でありますので、検討課題にさせていただきたいというふうに思っております。(「終わります。どうもありがとうございました」の声あり) ○議長(大里恭司君) 以上をもちまして、阿部節雄君の質問を終わります。  昼食のため、午後1時30分まで休憩いたします。     午後0時27分 休憩 ──────────────────────〇 ─────────────────────     午後1時29分 再開 ○議長(大里恭司君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、順位6番、阿部博文君の発言を認めます。阿部博文君。     (6番 阿部博文君 登壇) ○6番(阿部博文君) 平成15年第1回定例会に当たり、最後の一般質問をさせていただきます。議員各位のご期待に沿えますように頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします。  平成13年4月26日、小泉政権が国民の圧倒的支持を得て誕生しました。以来1年10カ月余りになりますが、この間日本はどう変わったのでありましょうか。ある雑誌のコラムに小泉政権を次のように述べております。靖国問題、特殊法人改革、規制改革、国債30兆円問題、年金医療制度改革等々、国民が期待する改革時計の針は1秒も進まないばかりか、その反動による株価暴落、倒産やリストラによる失業率の増大、デフレの進行が一段と国民生活を圧迫し続けている。加えて北朝鮮問題、イラク問題。日本の国をどこへ導こうとしているのか。失われた10年の先には絶望の10年が待ち構えている。後世国民から「罪、万死に値する」とあらわされるであろうと述べております。  さて翻って、我が佐藤洋輔市長はいかがでありましょうか。国政の余波は、好むと好まざるにかかわらず地方にも確実に押し寄せております。むしろ経済的影響は地方ほど深刻な状況と言っても過言ではありません。このような状況下私は、平成15年、ことしこそ佐藤市長の評価が下される大事な年だととらえております。地方分権の推進、市町村合併を見据え、未来に希望の持てる鹿角を目指し、その市政運営に邁進してくださるものと信じてやまないものであります。  それでは通告に基づき、順に質問させていただきます。  まず、施政方針についてお伺いします。  本市は佐藤市政になり、早3年が経過しようとしております。地域経済の再生、産業の活性化を目指し、経済戦略会議を初めさまざまな施策を打ち出し「鹿角丸」のかじを取ってこられた市長に心から敬意を表するものであります。「出逢い賑わい夢をかなえるまち・鹿角」の構築のため日々努力されてきた市長でありますが、1期4年の任期も残すところ1年余りとなりました。ここで改めて鹿角の市政運営への決意と抱負をお聞かせいただきたいと思います。  次に、第5次総合計画の推進についてであります。  計画の着実な推進に向けた中・長期的財政見通しについてお伺いするものであります。第5次総合計画を推し進めるためには、安定した財政基盤の確立が不可欠であると考えます。しかしながら、ご承知のとおり我が国の経済状況は依然として厳しい状況下にあり、その見通しも極めて厳しいと言わざるを得ません。自主財源の乏しい本市の状況を見ましても、将来における市財政は非常に厳しい財政運営が求められることは必至であります。第5次総合計画はことしで3年目となりますが、言いかえればいまだ2割の道のりしか進んでいないとも言えます。今後、大きなプロジェクトも計画されておられるようですが、平成22年度計画達成に向けた財政見通しをどのようにお考えなのか、また、どのように対応されるのかお伺いいたします。  一方、平成13年度決算を見ますと、市税等の収納率が前年度に比較して下がっております。このことは、財源の確保、税の公平負担という観点からもその対策をとらなければならないものと考えます。ひいては第5次総合計画の推進にも少なからず影響があるものと考えます。納税者のさまざまな事情があろうかとは思いますが、この現状の認識と収納率向上対策についてお伺いするものであります。  次に、農業振興についてお伺いします。  食品の安全性や環境保全に対する消費者の意識が年々高まってきております。昨年12月に農水省が発表した「米政策改革大綱」を受け、これまでのようにつくれば買ってもらえたという米づくりでは、今後産地として生き残ることができなくなることは明白であります。より安全で、高品質な農産物が求められております。つまり、消費者の求める売れる米づくりへの転換を余儀なくされているのであります。このことを受け、市ではより安全で高品質な米や野菜、畜産などの複合経営を確立しながら、有機栽培等を推進すると述べております。  そこでお伺いします。  一つ目として、ブランド化、差別化を図る上での食味、品質にすぐれた「かづの米」確立のために、一部実施されてはおりますが、全市的に積極的な有機栽培農法等への推進をすべきと考えますが、このことへのご所見と将来の展望をお聞かせください。  二つ目として、有機栽培農法を推進するために、公害処理肥料化プラントによる一般家庭や事業所から出る生ごみと家畜ふん尿を利用した堆肥センターの建設を考えられないかということであります。  大量生産、大量消費、そして大量廃棄という社会の仕組みから資源利用型の循環型社会へのシフトが求められております。農業においてもしかりであります。本市の農業の現実はいかがでありましょう。畜産農家においては、家畜排泄物の処理に頭を悩ませております。野積みができなくなるからであります。この対策として、市でも堆肥処理緊急整備事業費補助金を予算計上しております。一般家庭やホテル等事業所はいかがでしょうか。毎日出る生ごみの処理に市は多額の費用を費やしております。畑作農家、水田農家はというと、堆肥利用は一部の農家だけであります。大部分の農家はその必要性はわかってはいても、作業性の悪さからと絶対量の不足から利用していないのが現状ではないでしょうか。新焼却処理施設が完成したとはいえ、生ごみを焼却するのは資源をむだにしているのと同じであります。生ごみも家畜ふん尿もそのままでは公害であります。これまで別々に考え処理してきたものを有機性資源としてとらえ、公害処理プラントにより肥料化する堆肥センターの建設を提案するものであります。  三つ目として、畜産振興策についてお伺いします。  日本短角種であります「かづの牛」は、これまで本市畜産業の一翼を担ってまいりました。近年、この「かづの牛」のヘルシーな肉質が注目されておりますことに加え、皆様の記憶にも新しいBSEの発生以降はその安全性が広く認知され、地域内外からの引き合いがふえてきているということであります。本市でも学校給食の食材として「かづの牛」が使用されておりますことは、地産地消という観点からも喜ばしいことであると思います。いまや「かづの牛」はブランド化されつつあると言っても過言ではありません。このことは、地域畜産業の基幹品種として長きにわたり奨励されてきた本市にとっても誇るべきことであり、今後、より一層の生産奨励を期待するものであります。  さて、私の住んでいる曙地区でも畜産農家が日々心血を注いで「かづの牛」の生産に取り組んでおります。こういった方々の努力に支えられてきた「かづの牛」がようやく日の目を浴び、新規需要もふえつつあるという中で、実は将来に大きな不安を抱えていることもまた現実であります。  飼養農家の高齢化や後継者不足による飼養頭数の減少であります。このままでは将来的に原種の枯渇という事態になりかねないという懸念さえされてなりません。畜産業に限らず、高齢化や後継者不足といった問題は他の産業においても深刻な問題であり、その決め手となるような打開策も見当たらないというのが現状であることは十分認識しておりますが、「かづの牛」の枯渇、「かづの牛」というブランドの消滅だけは何としてでも避けなければならないものと考えます。「かづの牛」は、健康志向との合致や安全性ということだけではなく、その生産においての特徴であります「放牧」という作業が、地域環境の保全という役割を担っていることもまた忘れてはならない一面でもあります。このような現状をどのように認識し、その具体的振興策をお伺いするものであります。  また、「かづの牛」の純粋種確保並びに増頭対策の一環として繁殖肥育センターの拡張計画があるように聞いておりますが、その構想はどのようなものかあわせてお伺いをいたします。  次に、林業振興についてお伺いします。  林業採算性の悪化による林業生産活動の停滞や、森林所有者の高齢化を背景として、管理が十分に行われていない人工林が増加しております。むしろ、放置された森林が増加していると言っても過言ではありません。森林所有者、あるいは生産森林組合員である当事者でさえ現状の把握、現地の確認さえされておらない状況にあります。森林には水資源の涵養、国土の保全、自然環境の保全、地球温暖化の防止など多面的機能があり、その価値が改めて認識されてきたところでもあります。国では昨年度、これら森林の有する多面的機能の高度発揮を促進するとともに、森林の価値を高めるため森林整備地域活動支援交付金事業を実施しております。他市を見ますといち早く、昨年の9月補正予算で対応したところもあります。一方、本市では平成15年度で予算化したところであります。林業振興への対応が遅いように感じられますが、この事業への取り組みの考え方とその効果をどのように見ているのかお伺いをいたします。  次に、学校図書館についてお伺いします。  昭和28年に「学校図書館法」が成立し、その際、「当分の間、司書教諭を置かないことができる」とされてきました。平成9年6月11日、「学校図書館法の一部を改正する法律」が公布・施行され、平成15年4月1日より全国の12学級以上の小・中・高等学校に司書教諭の設置が義務づけられます。  平成14年度から「ゆとりの中で生きる力を育成する」という理念を掲げ、新学習指導要領が実施されております。児童・生徒に必要とされる「自ら学ぶ力」や「情報活用能力」などの「生きる力」をはぐくむという、新しい学力感を実現するためのものであります。  市の教育方針でも、平成15年度の鹿角市の教育目標は「心豊かで、たくましく、郷土を愛し、その発展に尽くす市民をはぐくむ教育を進める」と定め、「幼児・児童・生徒一人一人の個性や能力を伸ばし、豊かな心とすぐれた学力・体力を培うため、知恵豊かに心潤う学校教育を推進する」と述べております。  これまで学校図書館は長い間「本を置いてあるだけの空間」として放置されてきました。そこに「人」がいてこそ、本と子供たちを結びつけてこそ、学校図書が生きてくるものと考えます。豊かな心をはぐくむためにも司書教諭の配置と蔵書の充実が図られるべきと考えますが、市内各校の現状と今後の取り組みについてお伺いします。  以上で壇上からの質問を終わります。     (6番 阿部博文君 降壇) ○議長(大里恭司君) ただいまの質問に対し答弁を求めます。市長。     (市長 佐藤洋輔君 登壇) ○市長(佐藤洋輔君) 阿部博文議員のご質問にお答えいたします。  初めに、私の施政方針についてでありますが、私は、市民が主役となるまちづくりを政治姿勢として掲げ、住民の「主権・参加・本位」を三原則として対話行政手法を基本としながら、本市独自の理念である「鹿角学」・「共動」を視点として、5次総「将来都市像」の実現に向けた各種政策を積極的に推進してまいりました。  市長就任以降に政策形成されたものを中心に申し上げますと、「快適とゆとり」部門では、消融雪道路、市街地西側外郭路線、通学路線の整備及び市営住宅建設等が挙げられます。  「安らぎとふれあい」部門では、環境基本計画の策定、ごみ処理焼却施設、花輪さくら保育園の整備、育児環境充実のための支援並びに新体制の確立、温泉と連携した健康づくり対策等が代表的なものと考えております。  「活力と魅力」部門では、北限のもも生産奨励への支援等による野菜・果樹等産地化促進、草木地区ほ場整備、中山間地域総合整備、戦略作物後継者育成、商店街賑わい施設開設支援、交流プラザ整備、中心市街地活性化基本計画の策定、広域観光イベントの開催、地域食材統一メニューへの支援等、地域活性化に軸足を置いた政策を進めてまいりました。  「豊かさとうるおい」部門では、末広小学校改築、十和田小学校大規模改造、花輪スキー場ミニジャンプ台整備、大湯ストーンサークル館整備、アメニティパーク倶楽部ハウスアリーナ改修等のハード事業に加え、人材育成も私が重要視している分野であり、ふるさと生き生きネットワークの拡充、青年ドリーム支援を初め、鹿角学セミナー、1館1特色運動、かづのこだわり先生等の制度を創設いたしております。  「自立と連携」部門では、地域内電子化と市民サービス促進の視点から市内公共施設への講習端末の設置、県内でも先駆的な行政評価システムの稼働、よつぎ小・四つ木地区との人材・物産交流、国際交流都市との姉妹・友好都市提携、夢メール・コミュニティミーティング等による広聴・市民参加システムの確立等が挙げられます。  さらに、市民所得の向上を掲げ、地方小都市としては初めての試みである経済戦略会議を立ち上げたほか、トップマネージメント会議での定期的な議論実践を含めまして、幅広い分野で具体的な戦略プログラムを実践いたしているところであります。  5次総「前期基本計画」の折り返し点となる15年度以降は、都市・生活・産業基盤のインフラ整備を初めとして、三つの福祉機能を持った複合型施設、尾去沢地区への屋内体育施設、図書館、小学校、八幡平幼保一体型施設の整備等について実施並びに政策形成の熟度を高めてまいりたいと考えております。  これらに加えまして、人材育成、市民の社会参加促進、経済戦略対策など、実施計画で掲げた六つの重点施策を推進し、将来都市像「出逢い賑わい夢をかなえるまち・鹿角」の実現を果たしてまいります。  市政30周年という節目に市政のかじ取りを担えたことは、私にとって大きな喜びと誇りであり、先人が築いた鹿角市の新たな展望に向けた取り組みに全力を傾けてまいります。  次に、中・長期的財政見通しについてでありますが、中期財政見通しにつきましては、5次総策定の折に示しておりましたが、その後、毎年度当初予算編成の際に、国の地方財政計画に基づき、経済予測等を加味しながら健全財政堅持と総合計画の着実な推進のため、毎年度実施計画のローリングにあわせて策定しているところであります。  平成12年11月に提示いたしました5次総の際の「中期財政見通し」につきましては、当時の我が国の経済予測は、穏やかな景気回復過程をたどり、自立回復に向けた確かな鼓動があるとの認識に立ち、名目成長率の一定の伸びを見込んでいる状況下において、本市の財政見通しが策定されたものであります。  その後、景気の回復の足取りが弱く、我が国経済がいまだ低迷を脱出できない厳しい経済情勢下にあって、日本経済の再生を図る道は、構造改革以外にはないとする改革路線のもとに、交付税制度等の見直しが進められております。  この「改革と展望」の期間中には、平成2・3年当時の地方財政規模まで戻そうとする、総額の抑制の基本姿勢が示され、国庫補助金や交付税の削減に取り組む、地方と一体となった厳しい改革が実施されているところであり、本市財政運営上もまことに厳しいものがあることから、新年度予算編成に当たっては、財政見通しを策定しながら、計画事業の調整を行ってきたところであります。  地方交付税でありますが、財源補てん策としての赤字債への振り替え措置においては、基準財政需要額ベースで、平成13年度は2億6,500万円、平成14年度は5億8,900万円、15年度においては10億4,200万円と、この3カ年分では18億9,700万円と大幅な減額となる見込みてあり、15年度の当初予算においては、前年度交付決定額と比較しマイナス11.3%と低い伸び率で予算化したところであります。  交付税の今後の伸びを期待できない現状においては、当面、厳しい財政運営を迫られるものと考えております。  本市の中期財政見通しの概要につきましては、本定例会中にお示ししたいと考えております。交付税制度改正や税制改正等の動向が不透明な段階での策定となっております。  また、本年は地方分権具現化の年であり、国庫補助負担金の見直し、交付税制度改革、税源移譲の「三位一体の改革」についての具体的な手法が、この6月をめどに取りまとめられ公表されることになっておりますことから、この情勢に注視しながら見直しを進めてまいりたいと考えております。  なお、総合計画登載事業につきましては、年度間調整は要するものの、計画された事業は実施できるよう努めてまいります。  次に、市税等の収納率向上対策についてでありますが、市民税の収入率は、一般税で見ますと、平成8年度の94.3%を最高に年々下降を続けており、13年度では91.3%と、県内9市平均の92.9%より1.6ポイントの減、また国保税では、平成3年度の89.9%を最高に、13年度では82.7%となっておりますが、これは県内9市の平均の73.7%より9.0ポイント上回っている状況にあります。  市町村税の収納率は、全国及び全県的にも低下している状況でありますが、この最要因としては、バブル経済崩壊後の国内経済の低迷が挙げられます。  本市においても、個人・法人所得の減、土地の流動・新築家屋の減、観光客の減少、企業の倒産・リストラ等のマイナス要因を、市税の課税客体、収納率等にもろに受けている状況となっております。  自主財源である市税の確保は、今後、地方交付税、補助金、負担金等、国、県の支援が縮小される方向の中において、地方分権を柱とする市政を推進する上で極めて重要な財源であることから、市民経済・活力の再生施策の展開と並行して、市税の収納率向上を図ることが肝要であると認識いたしております。  市税等の13年度末における滞納額は、一般税で3億800万円の対前年比3,800万円の増、国保税は1億9,900万円で対前年比2,000万円の増となっておりますが、この内容を見ますと、1点目は、企業の縮小や閉鎖、賃金カット、さらにはリストラに伴う社保から国保への加入世帯の増加。2点目は、観光客等の減少による影響。3点目は、小売業においては、農業、営業、給与所得の落ち込みから、個人消費が伸びず販売低下による経営不振。こうしたことが市税の収納率にも大きく影響しているものと思っております。  ご指摘の収納率の向上対策につきましては、徴税事務の流れや手法は法的に定められておりますが、今年度、特に取り組みを強化したものとしては、1点目は、納税意識の高揚を図るため、将来の担税者である小・中学生を対象とした租税教室の開催や、市広報への税金情報コーナーの開設。2点目は、納期内納付を促進するため、市開催のイベント時における口座振替加入PRや、滞納者への納付催告書の発送回数をふやしたことや夜間電話催告の実施。3点目は、滞納整理の強化として臨戸訪問による徴収並びに実態調査及び納税指導であります。  また、こうした再三の文書等による催告に応じない滞納者につきましては、租税負担の公平を維持する観点から、財産の差し押さえ予告や差し押さえの実施、さらには換価処分を実施する等、法の定められた最終手続をとっております。  なお、納付の困難な滞納者につきましては、実態を調査しながら、分割納付などの納税指導、さらには徴収猶予、滞納処分の執行停止等の措置も講じております。  近年、明るい兆しの見えない社会経済情勢は、直接、間接を問わず税収入にも大きく影響しておりますが、平成14年度の市税収入につきましては、出納閉鎖期まで後2カ月余りですが、前年度以上の税収が確保できるよう職員一丸となって努力してまいります。  次に、有機栽培農法への転換推進についてでありますが、昨年12月、国は、米の過剰基調が続く今までの米政策を全面的に見直し、消費者・市場重視の考えに立ち、需要に即応した米づくりの推進を目的とした「米政策改革大綱」を策定しております。  この大綱は、国民的な観点に立った政策であり、生産者には否応なしに大転換を迫るものでありますが、「食の安全」が第一義でありますので、つくれば売れる米づくりから、消費者重視・市場重視の考えに立った米づくりをしなければならない転換期にあるものと思っております。  消費者ニーズに立った「安全でおいしい」米を提供するとともに、他産地に打ち勝つための、有機質等の投入による付加価値をつけた「秋田米」、すなわちトップブランド米としての産地形成づくり施策を関係機関等一体となって推進していかなければならないものと考えております。  このような中で、県では、平成12年度に「秋田県特別栽培農産物認証制度」を創設し、減農薬・減化学肥料による安全で安心な農産物の生産普及を行い、消費者の信頼性を向上させ、また、環境にやさしい循環型農業を推進しております。  本市でも、平成8年に「環境保全型農業推進方針」を策定し、JAかづのが主体となって畜産施設から排出されるふん尿を堆肥化した良質な完熟堆肥と生物活性水を、担い手農家のほ場に還元するBM農法を取り入れた高付加価値栽培技術を確立し、その実績から、平成13年度県の農産物認証制度による認証を受けて、米・トマト・キュウリ・アスパラガスの4品目の認証農産物に取り組んでいるところであります。  今年度の実績は、栽培戸数263戸、栽培面積104ヘクタールとなっており、対前年比144%と大きな伸びを示しており、栽培された農産物は、流通・販売面でも高く評価され、消費者の反応もよく、一般栽培農産物よりは1割程度の高値で取り引きされていると伺っております。  このように、高付加価値農産物は市場性が高いことから、地域特産物として推進している「しぼり大根」や「北限のもも」、さらには認証農産物以外の戦略作物なども視野に入れた「かづのブランド農産物」の確立のため、関係機関と連携をとりながら、BM農法と、減農薬・減化学肥料栽培を取り入れた有機栽培を一層推進し、安全・安心な農産物の普及拡大を図ってまいります。  次に、肥料センターの建設についてでありますが、農業の自然循環機能を活用した有機性資源の循環利用の促進は、消費者がより安全で安心な農産物を求めている昨今において、有機栽培農法への移行を一層推進していかなければならないものと考えております。  また、農村地域での混住化が進み、資源・環境問題に対する市民の関心も一層高まってきている中で、畜産経営から排出される家畜排泄物の処理については、平成16年11月までに堆肥処理施設の整備を図ることが義務づけられておりますので、計画的に整備を推進しているところであります。  管内における堆肥生産状況でありますが、小坂町の堆肥処理センターでは、畜産施設から排出される家畜排泄分から良質な堆肥と活性水をつくりBM栽培用に供給しておりますし、そのほかの畜産施設あるいは畜産農家から排出される家畜排泄物については個別に堆肥化して耕種農家へ供給しており、現状では需給バランスがとれている状況にあります。  しかし、今後における有機栽培推進に当たっては、堆肥等の需要がさらにふえ続けるものと予想されますので、畜産業からの堆肥だけでは不足が生じるものと思われます。  このため、地域から排出される一般家庭や林産業等からの廃棄物、また農業集落排水処理場の汚泥等の各種有用廃棄物による地域循環型社会を構築するため、既存の堆肥施設の利活用を含め、総合的な展望の中で堆肥化プラントの可能性について検討する余地はあると思いますが、このような施設は民間において設置することが望ましいと考えますので、当面は行政における設置は考えておりませんので、ご理解を賜りたいと思います。  次に、畜産振興についてでありますが、本市の特産品として位置づけられている、かづの牛、いわゆる日本短角種は、粗飼料の利用性の高い放牧適性を持ち、しかも増体のすぐれた品種であることから、低コスト生産、土地利用型畜産として振興を図ってきたところでありますが、価格の低落や高齢化の進展、さらには黒毛和種やF1への移行などにより漸減傾向にあります。  近年、食に対する安全性が求められている中で、かづの牛は低脂肪の健康牛肉として需要が伸びてきており、かづのブランドを確立するためにも増頭対策が急務となっております。  その対策といたしましては、草地林地一体的利用総合整備事業で、現在の繁殖肥育センターを100頭規模から300頭規模に拡張し、地域の畜産農家には優良な繁殖素牛を供給するとともに、肥育技術の実証展示を行い、かづの牛の生産拡大を図る計画でありますが、これにあわせて畜産農協では、食肉加工処理施設の整備を進める計画と伺っております。  この食肉加工処理施設については、国、県へ要望しているところでありますが、実施年度は平成16年度以降となることから、畜産農協の単独実施が可能かどうか、今後協議する予定であります。  牛肉に対しての消費者の安全志向が高まっている中で、放牧で育てられたかづの牛の将来性は極めて高いことから、安全性に重点を置いたブランドを確立し、生産から加工、販売に至るまで一貫した体制整備を推進するとともに、宿泊施設や学校給食などへの提供による地産地消の推進拡大のため、周年出荷体制の整備や飼養規模の拡大を積極的に推進してまいりたいと考えております。  次に、森林整備地域活動支援交付金事業についてでありますが、この事業の対象者は、森林施業計画を作成した森林所有者のほか、森林の施業や経営の受託等により、森林所有者にかわって森林施業計画を作成して、認定を受けた森林組合等が対象となります。  森林所有者及び森林組合等は、30ヘクタール以上のまとまりがある団地で、森林づくりに欠かせない地域活動の実施に関する協定を市と結び、地域の森林の現況調査・森林の境界の確認、歩道の整備等を実施するものであります。  交付金事業については、昨年の12月定例会時にも申し上げておりますが、事業の開始が平成14年度の途中であったことから、本市では、交付金事業の推進事業費を9月の補正で予算措置をし、地域活動交付金事業の趣旨を理解いただくために、鹿角森林組合と合同で自治会単位及び地域単位ごとに説明会を行ってまいりましたが、その回数は2月末現在まで延べ28回となっております。  また、説明会に参加できない方についても、広範囲な周知を図ることから、森林組合員を対象にパンフレットを配布してPRに努めております。  しかし、緊急間伐事業など他事業との兼ね合いから、事業の趣旨を混同している方が多く、一部の森林所有者を除き大多数の方々から合意形成が得られなかったことから、平成14年度は支援交付金事業を見送っておりますが、今年度末現在の実績としては、6団地が形成され、15年度には5団地が見込まれており、さらに森林組合の協力を得ながら森林整備地域活動支援交付金事業の推進に取り組んでまいりますので、特段のご理解をいただきたいと思っております。  また、事業による効果についてでありますが、平成15年度は2,000ヘクタールの地域活動を計画しており、その交付金事業費2,000万円が交付されますと、新たなる雇用の拡大とともに地域における経済への波及効果は大きいものがあると推測いたしております。さらにこの支援事業を通じて自治会及び地域間の交流が活性化されることにより、木材及び山の価値をさらに高めながら、持続可能な森林経営が確立されるものと考えております。  なお、教育関係のご質問につきましては、教育長が答弁いたします。     (市長 佐藤洋輔君 降壇) ○議長(大里恭司君) 教育長。     (教育長 織田育生君 登壇) ○教育長(織田育生君) 私から、阿部博文議員の教育関係のご質問にお答えします。
     平成9年の学校図書館法の改正により、平成15年4月1日以降は12学級以上の学校には学校図書館司書教諭を置かなければならないと定められております。  学校図書館は学校教育において欠くことのできないものであり、児童生徒の自発的、主体的な学習活動を支援し、教育課程の展開に寄与する学習情報センターとしての機能を果たすとともに、児童生徒の自由な読書活動や読書指導の場として、創造力を培い学習に対する興味・関心等を呼び起こし豊かな心をより一層はぐくむことにあります。  学校における学校図書館の果たす役割がますます重要になってくる中で、学校図書館の中心的な役割を担う司書教諭の養成・発令を一層促進するため改正されたものであります。  現在、市内小・中学校において学校図書館司書教諭の有資格者は7名、申請中の教諭が2名となっており、本年4月からの配置については十分対応できるものと考えております。  本市において、4月1日から司書教諭を置かなければならない学校は、12学級以上が予定されている花輪小学校、十和田小学校、八幡平小学校、花輪第一中学校、十和田中学校の5校となっております。  しかしながら、より充実した学校図書館の運営のためには、司書教諭の重要性にかんがみ、資格取得のための講習会への積極的な参加を働きかけてまいります。  小中学校における図書館教育の現状についてでありますが、各校とも、読書に対する関心・意欲を高めるための指導と活用しやすい図書館経営を目指し取り組んでおります。  児童生徒の本離れ、活字離れが著しいと言われている昨今、各校では、司書教諭の計画立案に基づいて、学校図書館の利用促進、読書推進活動、読書感想文コンクールへの応募活動などを行っており、児童会や生徒会の図書委員会活動も活発に行われております。  学校では、図書館の使用割り当てに基づいて各学級ごとに学級担任の指導のもとに利用したり、各教科や総合的な学習での調査学習に図書館の利用を推進するとともに、貸し出しも積極的に行っておりますし、児童生徒が親しむ本は、常時図書館に置くだけでなく、特に低学年においては、各学級に分冊して「学級文庫」としていつでも気軽に読めるように工夫しております。  市内の学校の特色としては、最近は、じっくり本を読み、考える子を育てるため、先生方も一緒に「朝の読書運動」が取り入れられるようになってきております。  今年度は、鹿角読書感想文コンクールにも186点の作品が出品され、28点が全県コンクールに出品され、県教育長賞優秀賞4点、優良賞2点が入賞しております。  今後とも、「読んで世界を広げる、書いて世界をつくる」読書のすばらしさを多くの児童生徒に体験させることができるよう司書教諭を有効に活用し、図書館教育の充実に努めてまいりたいと考えております。以上です。     (教育長 織田育生君 降壇) ○議長(大里恭司君) 再質問ございますか。阿部君。 ○6番(阿部博文君) 大変ていねいなご答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。  まず最初に、佐藤市長の決意といいますか抱負について。私方が市内の方を回って歩きますといろいろな声が聞こえてくるわけですが、市長に関することとしては、まあ、こういう世の中だからだれがやっても同じだべというような声が聞こえてきます。私は非常に残念でならないわけです。というのは、右肩上がりの経済成長のときこそだれがやっても多分そんな施策に変わりはないというか、だれでもやられると思うんですが、こういうときこそ佐藤市長がやってこられた施策というのは非常に大事なものというか大きな意味があると思うんです。今、るる説明していただきましたけれども、小学校の改築、あるいはソフト面では経済戦略会議だとかトップマネージメント会議だとかいろいろるるやっております。そして、独自の施策もやっていますので、私はもう少し市長にアピールしてもらいたいというか、市民に、私はこれぐらいやったんだ、こういうのをやっているんだというのをアピールしていただきたいなというのが、ひとつお願いといいますか。どうも市民の皆さんの方には、せっかくやっておいでの施策がなかなか伝わっていないというのが私が感じているところでありますので、どうか機会あるたびに、こういうことをやってきた、こういうことをやるというのを声を大にして言っていただきたいなと、これをお願いをする次第であります。  それから、もう1点だけお聞きしたいわけですが、畜産振興に関しましてですが、先ほど繁殖センターを100頭から300規模ぐらいに拡大するということと、それから食肉加工処理センターをつくるというようなお話がありましたけれども、これはもう具体的に計画が進んでいるというふうにとらえてよろしいんでしょうか。 ○議長(大里恭司君) 産業部長。 ○産業部長(児玉 一君) この肥育センターの計画でございますけれども、林地開発と一体的に事業を整備するということで、県とのヒアリングは進めています。ただ具体的には、16年になるのか17年になるのかはちょっとわかりませんけれども、その前に単独でできないかということで畜協とも協議しながら進めているところでございます。 ○議長(大里恭司君) 阿部君。 ○6番(阿部博文君) この畜産振興につきましては、飼養農家がだんだん減っていっているというようなことで、鹿角の市として畜産を振興していくにはどうするのかというのを考えれば、どうしても畜産農業協同組合等の団体を利用した増頭対策が不可欠かなというふうに感じております。ここにも組合長さんがおられるわけですけれども、それとは別として、鹿角市の畜産振興を図っていく上ではやはりそういう団体を利用したのが必要ではないかなというふうに考えておりますので、ぜひともその計画を進めていただきたいなというふうに思います。  以上、質問を終わります。 ○議長(大里恭司君) 以上をもちまして、阿部博文君の質問を終わります。 ──────────────────────〇 ─────────────────────     日程の追加 議案及び請願・陳情の追加付託 ○議長(大里恭司君) ここでお諮りいたします。お手元に配付いたしましたように請願1件及び陳情1件が提出されております。これを本日の日程に追加し、直ちに議題に供したいと思いますが、これにご異議ございませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(大里恭司君) ご異議ないものと認めます。よって、そのように決定いたします。  それでは、ただいま追加されました請願1件及び陳情1件につきましては、議案及び請願・陳情追加付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託し、審査をお願いいたします。  以上で、本日予定いたしました議事日程は全部終了いたしましたので、ただいまの時刻をもって散会いたします。     午後2時24分 散会           平成15年 第1回鹿角市議会定例会           議案及び請願・陳情追加付託表                            (平成15年3月13日提出) ┏━━━━━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ 委員会名│       付託内容                        ┃ ┠─────┼───────────────────────────────────┨ ┃ 産業経済│15請願第1号 「米政策改革大綱」を見直し、国が主食、米に責任を持つ政策┃ ┃常任委員会│       に転換することを求める請願               ┃ ┃     │15陳情第7号 「スギ集成材加工施設」整備へのご支援について      ┃ ┗━━━━━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛...